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特表2022-504093カートリッジ、カートリッジを製造する方法、ディスペンシング・アッセンブリ、および、ディスペンシング・アッセンブリを組み立てる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】カートリッジ、カートリッジを製造する方法、ディスペンシング・アッセンブリ、および、ディスペンシング・アッセンブリを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20220105BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B65D83/00
B65D81/32 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518119
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(85)【翻訳文提出日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2019070895
(87)【国際公開番号】W WO2020069784
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】18198353.7
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19168895.1
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510199605
【氏名又は名称】ズルツァー ミクスパック アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Sulzer Mixpac AG
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザイラー、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ボーデンミューラー、トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェラネット、リカルド
【テーマコード(参考)】
3E013
3E014
【Fターム(参考)】
3E013AA07
3E013AB03
3E013AB04
3E013AB05
3E013AC16
3E013AF05
3E013AF07
3E014PA03
3E014PC03
3E014PE15
3E014PE16
3E014PF03
(57)【要約】
本発明は、ディスペンスされることとなる材料のためのカートリッジであって、カートリッジは、リジッドのヘッド・パーツ(14)を含み、ヘッド・パーツ(14)は、ディスペンシング出口部(16)と、カートリッジ壁部を形成する可撓性のフィルム(8、18)とを有しており、フィルム(8、18)は、ディスペンスされることとなる材料のためのカートリッジ・チャンバーの境界を定めており、カートリッジの長手方向に少なくとも部分的に延在しており、ヘッド・パーツに接続されている前方端部(22)を有しており、ヘッド・パーツは、外周表面(24)を有しており、フィルムの前方端部の内側表面は、ヘッド・パーツの外周表面に密封して解放不可能に接続されている、カートリッジに関する。本発明は、さらに、カートリッジを製造する方法、ディスペンシング・アッセンブリ、および、そのようなカートリッジを含むディスペンシング・アッセンブリを組み立てる方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンスされることとなる材料(M、M’)のためのカートリッジ(10)であって、前記カートリッジ(10)は、リジッドのヘッド・パーツ(14)を含み、前記ヘッド・パーツ(14)は、ディスペンシング出口部(16)と、カートリッジ壁部(20、20’)を形成する可撓性のフィルム(18、18’)とを有しており、前記フィルム(18、18’)は、ディスペンスされることとなる前記材料(M、M’)のためのカートリッジ・チャンバー(12、12’)の境界を定めており、前記カートリッジ(10)の長手方向(A)に少なくとも部分的に延在しており、前記ヘッド・パーツ(14)に接続されている前方端部(22、22’)を有しており、前記ヘッド・パーツ(14)は、外周表面(24)を有しており、前記外周表面(24)は、フォーメーション(26)を含み、前記フィルム(18、18’)の前記前方端部(22、22’)の内側表面(52)は、前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)に、および、前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)に存在している前記フォーメーション(26)に、密封して解放不可能に接続されている、カートリッジ(10)。
【請求項2】
前記フォーメーション(26)は、前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)の中に形成された溝部(28)を含む、請求項1に記載のカートリッジ(10)。
【請求項3】
前記溝部(28)は、前記カートリッジ(10)の前記長手方向(A)に対して平行に延在している、請求項2に記載のカートリッジ(10)。
【請求項4】
前記溝部(28)は、その断面が三角形のような形状を有している、請求項2または3に記載のカートリッジ(10)。
【請求項5】
前記溝部(28)を形成する三角形のベース(28”)が、前記ディスペンシング出口部(16)から最も遠くに間隔を離して配置されており、随意的に、前記ヘッド・パーツ(14)の底部端部(68)を形成している、請求項4に記載のカートリッジ(10)。
【請求項6】
前記フォーメーション(26)は、リング凹部(30)を含み、前記リング凹部(30)は、前記外周表面(24)の中に形成されており、前記リング凹部(30)は、前記カートリッジ(10)の前記長手方向(A)に対して垂直に、前記外周表面(24)の周りに円周方向に延在している、請求項1から5のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項7】
前記リング凹部(30)は、前記溝部(28)を通って延在している、請求項2から5のうちの少なくとも1つに従属する請求項6に記載のカートリッジ(10)。
【請求項8】
前記リング凹部(30)は、前記溝部(28)の前記ベース(28”)を通って延在しており、前記凹部(30)および前記ベース(28”)は、それぞれ前記ヘッド・パーツ(14)の前記底部端部(68)を形成している、請求項7に記載のカートリッジ(10)。
【請求項9】
前記リング凹部(30)は、前記長手方向にL字形状の断面を有している、請求項6から8のうちの少なくとも1つに記載のカートリッジ(10)。
【請求項10】
前記Lの短い肢(30’)は、前記カートリッジ(10)の前記長手方向(A)に対して垂直に配置されている、請求項9に記載のカートリッジ(10)。
【請求項11】
前記Lの長い肢(30”)は、前記カートリッジ(10)の前記長手方向(A)に対して傾けられて配置されている、請求項9または10に記載のカートリッジ(10)。
【請求項12】
前記Lの前記長い肢(30”)は、前記カートリッジ(10)の前記長手方向(A)に対して、また、前記Lの前記短い肢(30’)に対しても、傾けられて配置されている、請求項9から11のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項13】
前記Lの前記短い肢(30’)は、前記底部端部(68)を形成している、請求項9から12のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項14】
前記フォーメーション(26)は、前記外周表面(24)の中に形成された1つまたは複数の波状構造体(32)を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項15】
前記波状構造体(32)は、前記カートリッジ(10)の前記長手方向(A)に対して垂直に延在している、請求項4に記載のカートリッジ(10)。
【請求項16】
前記波状構造体(32)は、2つから5つの間の谷部(32”)および2つから5つの間の山部(32’)のうちの少なくとも1つを含む、請求項14または15に記載のカートリッジ(10)。
【請求項17】
前記谷部(32”)のうちのいくつかは、前記波状構造体(32)の前記谷部(32”)のうちの他のものよりも大きい深さを有している、請求項16に記載のカートリッジ(10)。
【請求項18】
前記山部(32’)のうちのいくつかは、前記波状構造体(32)の前記山部(32’)のうちの他のものよりも大きい高さを有している、請求項16または17に記載のカートリッジ(10)。
【請求項19】
1つの波状構造体(32)が、直接的に隣接する溝部(28)同士の間に形成されている、請求項2から7のいずれか一項および請求項14から18のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項20】
前記フォーメーション(26)は、前記外周表面(24)から突出している1つまたは複数のリブ(34)を含む、請求項1から19のうちの少なくとも1つに記載のカートリッジ(10)。
【請求項21】
それぞれのリブ(34)は、前記カートリッジ(10)の前記長手方向(A)に対して垂直に延在している、請求項20に記載のカートリッジ(10)。
【請求項22】
それぞれのリブは、直接的に隣接する溝部(28)同士の間に配置されている、請求項20または21および請求項2から7のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項23】
前記カートリッジ壁部(20、20’)は、サポート・スリーブ(64)の中に受け入れられており、前記外周表面(24)は、前記スリーブ(64)の中に配置されている前記フォーメーション(26)と、前記スリーブ(64)の内側表面(66)との圧入タイプおよび締まり嵌めタイプのうちの少なくとも1つの接続を形成する前記1つまたは複数のリブ(34)とを有している、請求項20から22のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項24】
前記ヘッド・パーツ(14)は、カラー(46)を含み、前記カラー(46)は、前記ヘッド・パーツ(14)の半径方向外側領域において前記ディスペンシング出口部(16)を取り囲んでおり、前記長手方向(A)に延在しており、少なくとも局所的に前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)を画定しており、前記フィルム(18、18’)が前記外周表面(24)に接続されている、請求項1から23のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項25】
前記カラー(46)は、前記スリーブ(64)の中に受け入れられている、請求項23および24に記載のカートリッジ(10)。
【請求項26】
前記カラーは、前記ヘッド・パーツ(14)の最も外側のパーツ(48)の半径方向内向きに形成されており、レッジ部(50)が、前記ヘッド・パーツ(14)の前記最も外側のパーツ(48)と、前記カラー(46)において存在している前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)との間に形成されている、請求項24または25に記載のカートリッジ(10)。
【請求項27】
前記フィルム(18、18’)の前記内側表面(52)は、前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)に取り付けられており、前記フィルム(18、18’)の前方端部(22、22’)は、前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)を越えて延在している、請求項1から26のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項28】
前記フィルム(18、18’)の前記前方端部(22、22’)は、前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)を越えて延在しており、前記前方端部(22、22’)が、前記ヘッド・パーツ(14)の前記レッジ部(50)および前記最も外側のパーツ(48)のうちの少なくとも1つに接続されるようになっている、請求項26および27に記載のカートリッジ(10)。
【請求項29】
前記カートリッジ・チャンバー(12、12’)は、前記材料(M、M’)によって充填されている、請求項1から28のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項30】
前記カートリッジ(10)は、1つのカートリッジ・チャンバー(12、12’)を含む1成分カートリッジである、請求項1から29のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項31】
前記カートリッジ(10)は、2つのカートリッジ・チャンバー(12、12’)を含む2成分カートリッジである、請求項1から30のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項32】
それぞれのカートリッジ・チャンバー(12、12’)は、前記それぞれのカートリッジ・チャンバー(12、12’)のためのチャンバー出口部(38、38’)を含むヘッド・パーツ(14)によって境界を定められている、請求項31に記載のカートリッジ(10)。
【請求項33】
前記ヘッド・パーツ(14)は、一体的に形成されているかまたは別個に形成されているかのいずれかである、請求項32に記載のカートリッジ(10)。
【請求項34】
別個に形成されている前記ヘッド・パーツ(14)は、互いに接続可能であることおよび互いに接続されていることのうちの少なくとも1つである、請求項33に記載のカートリッジ(10)。
【請求項35】
前記ディスペンシング出口部(16)は、前記少なくとも1つのカートリッジ壁部(20、20’)を形成する前記可撓性のフィルム(18、18’)の延在の方向とは反対側の方向に、リジッドの前記ヘッド・パーツ(14)から突出している、請求項1から34のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項36】
前記フィルム(18、18’)は、少なくとも2つの、3つの、4つの、5つの、またはそれ以上の層を含む多層フィルムである、請求項1から35のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項37】
前記カートリッジ(10)は、前記カートリッジ壁部(20)を形成する前記可撓性のフィルム(18)によって境界を定められた1つだけのカートリッジ・チャンバー(12)を有する単一成分カートリッジ(10)である、請求項1から36のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項38】
第2のフィルム(56、56’)が、前記ヘッド・パーツ(14)に取り付けられ、前記ヘッド・パーツ(14)の内部端面(54)をカバーしている、請求項1から37のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)。
【請求項39】
前記第2のフィルム(56、56’)は、前記カートリッジ・チャンバー(12、12’)から前記ディスペンシング出口部(16)の端部(42)へつながる出口通路(40、40’)を埋めている、請求項38に記載のカートリッジ(10)。
【請求項40】
ディスペンスされることとなる材料(M、M’)のためのカートリッジ(10)であって、前記カートリッジ(10)は、リジッドのヘッド・パーツ(14)を含み、前記ヘッド・パーツ(14)は、ディスペンシング出口部(16)と、カートリッジ壁部(20、20’)を形成する可撓性のフィルム(18、18’)とを有しており、前記フィルム(18、18’)は、ディスペンスされることとなる前記材料(M、M’)のためのカートリッジ・チャンバー(12、12’)の境界を定めており、前記カートリッジ(10)の長手方向(A)に少なくとも部分的に延在しており、前記ヘッド・パーツ(14)に接続されている前方端部(22、22’)を有しており、前記ヘッド・パーツ(14)は、外周表面(24)を有しており、前記フィルム(18、18’)の前記前方端部(22、22’)の内側表面(52)は、前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)に密封して解放不可能に接続されており、バルジ(70)が、前記ディスペンシング出口部(20)を含む前記ヘッド・パーツ(14)の内部端面(54)の中に存在している、カートリッジ(10)。
【請求項41】
請求項40および請求項1から39のうちの少なくとも1つに記載のカートリッジ(10)。
【請求項42】
請求項1から41のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)を含むディスペンシング・アッセンブリ(62)であって、前記カートリッジ(10)は、1つまたは複数のカートリッジ・チャンバー(12、12’)を含み、前記1つまたは複数のカートリッジ・チャンバー(12、12’)は、それぞれの材料(M、M’)によってそれぞれ充填されており、前記スリーブ(64)を有しており、前記カートリッジ(10)は、前記スリーブ(64)の中へ挿入されており、前記ディスペンシング・アッセンブリは、随意的に、ディスペンサーおよび/または混合チップをさらに含む、ディスペンシング・アッセンブリ(62)。
【請求項43】
ディスペンシング・アッセンブリ(62)を組み立てる方法であって、ディスペンシング・アッセンブリ(62)は、請求項1から40のうちの少なくとも1つに記載の1つまたは複数のカートリッジ・チャンバー(12、12’)を有するカートリッジを含み、また、スリーブ(64)を有しており、前記方法は、
- 前記1つまたは複数のカートリッジ・チャンバー(12、12’)をそれぞれの前記スリーブ(64)の中へ挿入するステップと;
- それぞれの前記カートリッジ・チャンバー(12、12’)に存在している前記フォーメーション(26)のうちのいくつかとそれぞれの前記スリーブ(64)の内側表面(66)との間の圧入および締まり嵌めのうちの少なくとも1つによって、前記1つまたは複数のカートリッジ・チャンバー(12、12’)をそれぞれの前記スリーブ(64)の中に固定するステップと;および、随意的に、前記カートリッジ(10)および前記スリーブ(64)を前記ディスペンサーの中へ挿入するステップと
を含む、方法。
【請求項44】
前記ディスペンシング・アッセンブリ(62)は、ディスペンサーをさらに有している、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
請求項1から40のいずれか一項に記載のカートリッジ(10)を製造する方法であって、前記方法は、
- 金型のコアの上に前記フィルム(18、18’)を設置するステップと;
- 前記フィルム(18、18’)に直接的に隣接する前記フォーメーション(26)の形状を表すインサートを前記金型の中へ導入するステップと;
- 前記ヘッド・パーツ(14)を前記金型のヘッド・スペースの中に射出成形し、前記ヘッド・パーツ(14)を形成し、前記ヘッド・パーツ(14)の外周表面(24)が前記フォーメーション(26)を有した状態になっており、前記フィルム(18、18’)の前記前方端部(22、22’)を少なくとも前記ヘッド・パーツ(14)の前記外周表面(24)に密封して解放不可能に結合するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンスされることとなる材料のためのカートリッジであって、カートリッジは、リジッドのヘッド・パーツを含み、ヘッド・パーツは、ディスペンシング出口部と、カートリッジ壁部を形成する可撓性のフィルムとを有しており、フィルムは、ディスペンスされることとなる材料のためのカートリッジ・チャンバーの境界を定めており、カートリッジの長手方向に少なくとも部分的に延在しており、ヘッド・パーツに接続されている前方端部を有しており、ヘッド・パーツは、外周表面を有しており、フィルムの前方端部の内側表面は、ヘッド・パーツの外周表面に密封して解放不可能に接続されている、カートリッジに関する。本発明は、さらに、カートリッジを製造する方法、ディスペンシング・アッセンブリ、および、そのようなカートリッジを含むディスペンシング・アッセンブリを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業部門において、(たとえば、建築の)建設業において、また、歯科部門においても、カートリッジは、液体流動可能な液体、多くの場合にペースト状の液体、または、粘性のある物質から粘性の高い物質までを貯蔵するために使用され、必要に応じてそれぞれの用途のためにそれらをディスペンスするために使用されることが多い。そのような物質に関する例は、ジョイント・シーリング・コンパウンド、ケミカル・ドウェル(chemical dowel)もしくはケミカル・アンカーのためのコンパウンド、接着剤、ペースト、または、歯科部門における印象材料である。これらのカートリッジは、通常は、プラスチックから作り出され、射出成形プロセスにおいて製造される。
【0003】
単一成分系と2成分系または多成分系との間で区別が行われており、単一成分系では、ディスペンスされることとなる材料は、1成分だけから作製されており、2成分または多成分系では、少なくとも2つの異なる成分が、同じカートリッジの別個のチャンバーの中にまたは別個のカートリッジの中に貯蔵されており、成分は、ダイナミック混合装置またはスタティック混合装置によるディスペンシングのときに密接に混合される。これに関する例は、2成分接着剤またはケミカル・ドウェルであり、それらは、2成分の混合の後にのみ硬化する。また、2成分系は、とりわけ、塗装のために産業部門において使用されており、塗装は、(たとえば、腐食保護などのための)機能的保護層を発生させるために使用されることが多い。
【0004】
環境保護の理由のために、フィルム・カートリッジは、ますます使用されている。射出成形プロセスにおいてプラスチックから完全に作り出される通常のカートリッジとは対照的に、フィルム・カートリッジの少なくとも一部は、フィルムとして設計されている。通常、カートリッジ・チャンバーの境界を定めるカートリッジ壁部は、フィルムから作製されており、フィルムは、ディスペンシング出口部を含むリジッドの材料(たとえば、プラスチック)から作製されたヘッド・パーツに接続されている。これは、いくつかの利点を有している。一方では、未充填のフィルム・カートリッジは、カートリッジ製造業者から充填材料(媒体)の製造業者へ、折り畳まれた状態で保管および輸送され得り、充填材料(媒体)の製造業者は、次いで、空のカートリッジの充填を行う。充填された後に、フィルム・カートリッジは、膨張した状態になっており、膨張した状態は、通常の折り畳み不可能なカートリッジに匹敵するサイズになっている。これは、保管および輸送のために必要なスペースが低減され得るということ意味している。その理由は、折り畳まれたカートリッジが、通常の折り畳み不可能なカートリッジと比較して低減されたサイズを有しているからである。
【0005】
他方では、カートリッジが使用されると(すなわち、充填材料をディスペンスることによって折り畳まれた状態まで低減されると)、カートリッジは、通常のカートリッジと比較して、サイズおよび重量が著しく低減され、廃棄のコストも低減されるようになっている。いずれにせよ、フィルム・カートリッジに関連付けられるカーボン・フットプリントは、射出成形プロセスで完全に形成されるプラスチック・カートリッジと比較して低減される。
【0006】
米国特許第5,593,066号は、フィルム・カートリッジを開示しており、そこでは、フィルムが、カートリッジのヘッド・パーツに取り付けられている。射出成形されたヘッドを備えたそのようなフィルム・カートリッジの製造の間に、金型の一部であるコアの上に円筒形状のフィルムを置かなければならない。ヘッド・パーツにおけるフィルムの取り付けは、問題のある可能性があり、正しく実施されない場合には、フィルムがヘッド・パーツから外れることにつながる。
【0007】
射出成形されたヘッドを備えたフィルム・カートリッジの製造の間に、リジッドのヘッド・パーツにフィルムを密封して取り付けなければならない。このために、必要とされる長さまたはサイズのフィルムが、より大きいフィルム・ピースまたはフィルム・ロールからカットされなければならない。このカットされたまたはトリミングされたフィルムがヘッド・パーツに取り付けられる場合には、フィルムのカッティング・エリア(フィルムがカットされた場所)が問題を引き起こす可能性がある。カットの結果として、フィルムの個々の繊維状のまたは髪状のフィルム・パーツが、フィルムのカッティング・エリアにおいて、緩む可能性があり、または、フィルムの主表面から取り外される可能性がある。したがって、そのようなカッティング・エリアを含むフィルムのセクションとヘッド・パーツとの接続は、そのようなカッティング・エリアを含むフィルムのパーツの領域における漏出または欠陥のある取り付けにつながる可能性がある。さらなる先行技術が、EP3263483A1から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この理由のために、本発明の目的は、より信頼性の高い様式でカートリッジが作り出され得るように、フィルムとカートリッジとの間の接続を強化することである。本発明のさらなる目的は、射出成形されたヘッドが外れることに起因して拒絶されるカートリッジの数を低減させることである。本発明のさらに別の目的は、最初に命名された種類のカートリッジ、および、合計の製造コストが低減され得る、そのようなカートリッジを製造する方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を有するカートリッジによって満たされる。
【0010】
ディスペンスされることとなる材料のためのそのようなカートリッジは、リジッドのヘッド・パーツを含み、ヘッド・パーツは、ディスペンシング出口部と、カートリッジ壁部を形成する可撓性のフィルムとを有しており、フィルムは、ディスペンスされることとなる材料のためのカートリッジ・チャンバーの境界を定めており、カートリッジの長手方向に少なくとも部分的に延在しており、ヘッド・パーツに接続されている前方端部を有しており、ヘッド・パーツは、外周表面を有しており、外周表面は、フォーメーションを含み、フィルムの前方端部の内側表面は、ヘッド・パーツの外周表面に、および、ヘッド・パーツの外周表面に存在しているフォーメーションに、密封して解放不可能に接続されている。
【0011】
本発明において、密封して解放不可能に接続されているということは、保管または使用の間にカートリッジ内容物の漏れが存在しないこととなるということ、および、通常の保管条件および使用条件の間にカートリッジがヘッド・ピースから外れないこととなるということを意味している。
【0012】
本発明者らは、同様のまたは相性の良い組成特性を有する材料同士の間で(たとえば、ポリオレフィンとポリオレフィン、とりわけ、PEとPE、もしくは、PPとPP、または、ポリアミドとポリアミドなど、たとえば、ナイロン6もしくはナイロン66とそれら自身、または、ナイロン6とナイロン66など)、ならびに/または、表面エネルギーを増加させるために、および/または、極性基、プライマー、および/または接着剤をそれぞれの組成の中へ導入するために、表面粗面化、表面改質処理、たとえば、コロナ放電などの使用を通して、より良好なシーリングおよび解放不可能な接続が一般的に取得され得るということを見出した。
【0013】
適用試験に加えて、他のテスト方法は、定性的な手段を介したシーリングの測定(たとえば、空気で充填されたカートリッジを水中に押し込み、気泡を検査することなど)、または、より定量的な方法(たとえば、漏出ガス検出器、真空バースト・テストまたはクリープ・テスト、およびシール強度測定など)を介したシーリングの測定を含み、結合強度の測定は、引張強度、剥離強度、またはストリッピング強度の測定を含む。
【0014】
そのうえ、接続が、保管および特に使用の間に解放しないこと、ならびに、たとえば、少なくとも5Barの圧力、および、好ましくは、最大で55bar(すなわち、カートリッジ・チャンバーから材料をディスペンスするときに生じ得る圧力)までの圧力に耐えることができるということが望ましい。
【0015】
これに関連して、本出願と同じ日に欧州特許庁に本出願人によって出願され、代理人参照番号S14046PEPを有する出願、および、ドイツ特許商標庁に出願された出願DE202018105661.1が、それぞれ、参照により本明細書に組み込まれるということが留意されるべきである。
【0016】
ヘッド・パーツをフィルムの内側表面に射出成形することによって、結合の機械的な特性が改善され得る。たとえば、多層フィルムとともに使用するときに、フィルムの最も内側の層は、安定性の理由のために、フィルムの最も厚い層であるべきであり、したがって、最も内側の表面とヘッド・パーツとの間に結合が形成されている領域において、最も多くの材料が存在しており、それは、ヘッド・パーツの内側表面に取り付けるフィルムと比較して、改善された結合につながるということが見出された。
【0017】
そのようなフォーメーションは、典型的に、追加的な固定手段を形成しており、とりわけ、突出部、リブ、ピン、フック、ウェブ、ノッチ、凹部、および/または溝部を含み、フィルムとヘッド・パーツとの間の結合を強化するために、ヘッド・パーツの外周表面に提供されている。
【0018】
また、そのようなフォーメーションを提供することは、カートリッジ壁部を形成するフィルムがそれぞれのフォーメーションにおいてアクティブに変形させられることを可能にし、フィルムの中に存在する任意のたるみを収集し、ヘッド・パーツの外周表面に取り付けられるべきフィルムの内側表面のそれらのパーツがヘッド・パーツに取り付けられることを保証する。このように内側表面を取り付けることによって、エア・ポケットがフィルムとヘッド・パーツとの間に生じない。そのようなエア・ポケットは、欠陥のある接続につながり、したがって、拒絶されるカートリッジにつながる。
【0019】
そのうえ、そのようなフォーメーションの使用を通して、フィルムの直径の変化は、歪みの下である程度細長くなるフィルムの特性によって補償され得る。
【0020】
すなわち、フォーメーションの寸法は、可能な限り最大のフィルム直径でもすべてのたるみが収集され得るように、および、可能な限り最小の直径を有するフィルムにかかる歪みがフィルムの損傷につながらないように、選択されるべきである。
【0021】
上記のカートリッジは、フロント・フィリング技法およびバック・フィリング技法の両方を使用して充填され得るということが留意されるべきである。
【0022】
ヘッド・パーツを射出成形することに起因して、フィルムが内側円周方向の表面とは対照的に外周表面に接続されるようになっているということは、フィルムをカットする結果として生じるフィルムを接続する問題(たとえば、フィルムの個々の繊維状のまたは髪状のフィルム・パーツなど)を回避するということがさらに留意されるべきである。その理由は、これらが、カートリッジの中に貯蔵されている材料の直ぐ付近に存在しておらず、ヘッド・パーツの外側表面に存在しており、材料と直接的に接触しないからである。
【0023】
これに関連して、米国特許第5,593,066号は、そのようなフォーメーションの使用を開示しておらず、また、そのようなフォーメーションの使用の要求につながる問題も開示していないということが留意されるべきである。
【0024】
これに関連して、可撓性のフィルム・バッグは、たとえば、コンサーティーナの様式で、空の状態で一緒に折り畳まれ得るフィルム・バッグであって、充填の後に、および、その中に存在している成分の可能なディスペンシングの後に、フィルム・バッグが損傷を受けることなくまたはその機能を限定されることなく、展開されて再び折り畳まれ得るフィルム・バッグであるということがさらに留意されるべきである。
【0025】
本発明のさらなる利益および有利な実施形態は、従属請求項から、説明から、および、添付の図面から明らかになることとなる。
【0026】
フォーメーションは、ヘッド・パーツの外周表面の中に形成された溝部を含むことが可能である。溝部は、インサートの使用を通して比較的に簡単な様式で形成され得り、また、カートリッジ壁部を形成するフィルムが製造プロセスの間に引き伸ばされることを可能にし、フィルムをヘッド・パーツに取り付けるために、可能な限り少ないたるみがフィルムの中に存在するようになっている。
【0027】
溝部は、カートリッジの長手方向に対して平行に延在することが可能である。そのような溝部は、ヘッド・パーツへのフィルムの取り付けのために有益であることが見出された。
【0028】
溝部は、その断面が三角形のような形状を有することが可能であり、すなわち、カートリッジの側面図において、とりわけ、溝部を形成する三角形のベースが、ディスペンシング出口部から最も遠くに間隔を離して配置されており、随意的に、ヘッド・パーツの底部端部を形成している。三角形の様式で溝部を形成することによって、応力および歪みの両方が、フィルムの中へ導入され得り、ヘッド・パーツにおけるフィルムの取り付けの改善を保証する。これらの溝部において取り付けられているフィルム・バッグは、ヘッド・パーツがその中に形成される金型と使用される材料との間の可能な相互作用に起因して、フィルムの外側表面の中にダイヤモンド形状の溝部を有するように見える。
【0029】
フォーメーションは、リング凹部を含むことが可能であり、リング凹部は、外周表面の中に形成されており、リング凹部は、カートリッジの長手方向に対して垂直に、外周表面の周りに円周方向に延在している。溝部と同様に、凹部は、応力および歪みがフィルムの中へ導入され、ヘッド・パーツにおけるフィルムの取り付けの改善を保証することが可能である。溝部に対して垂直に凹部を配置することによって、フィルムの中へ導入される応力および歪みは、溝部に対して垂直の方向に作用し、フィルムが2次元に応力および歪みを加えられるようになっており、フィルムとヘッド・パーツとの間の接続をさらに強化する。
【0030】
リング凹部は、溝部を通って延在することが可能であり、特に、リング凹部は、溝部のベースを通って延在しており、凹部およびベースは、それぞれヘッド・パーツの底部端部を形成しており、フィルムの中に存在する溝部の中間部は、カートリッジ壁部を形成している。溝部の幾何学的中心の周りに凹部を配置することによって、フィルムは、2次元で理想的な様式で応力および歪みを加えられ得る。これに関連して、溝部の中間部は、幾何学的中心、および、幾何学的中心に中心を合わせられた長手方向に対して平行の方向へのダイヤモンド形状の溝部の長さの最大でも40%を含むということが留意されるべきである。
【0031】
リング凹部は、長手方向にL字形状の断面を有することが可能であり、Lの短い肢は、とりわけ、カートリッジの長手方向に対して垂直に配置されており、ならびに/または、Lの長い肢は、カートリッジの長手方向に対して、および、随意的に、Lの短い肢に対しても、傾けられて配置されている。そのようなリング凹部は、ヘッド・パーツにおけるフィルムの正しい取り付けおよびアライメントにとって有益であることが見出されている。これに関連して、Lの短い肢は、ベースおよびヘッド・パーツの底部端部とそれぞれ一致することが可能であるということが留意されるべきである。
【0032】
フォーメーションは、外周表面の中に形成された1つまたは複数の波状構造体を含むことが可能であり、随意的に、波状構造体は、カートリッジの長手方向に対して垂直に延在することが可能である。そのような波状構造体は、応力および歪みをフィルムの中へ2次元で導入するために使用され得り、それは、ヘッド・パーツにおけるフィルムの正しい取り付けおよびアライメントにとって有益であることが見出されている。
【0033】
波状構造体は、2つから5つの間の谷部、および/または、2つから5つの間の山部を含むことが可能である。山部および谷部のこの数は、ヘッド・パーツへのフィルムの取り付けにとって有益であることが見出されている。より少ないまたはより多い山部および谷部を含むことは、ヘッド・パーツにフィルムを取り付けるプロセスを妨げる可能性がある。
【0034】
谷部のうちのいくつかは、波状構造体の谷部のうちの他のものよりも大きい深さを有することが可能である。追加的にまたは代替的に、山部のうちのいくつかは、波状構造体の山部のうちの他のものよりも大きい高さを有することが可能である。このように、フィルムの中へ導入される応力および歪みの変動が変化させられ、より小さい直径のフィルム・バッグに応力をかけない状態で、可能な限り少ないたるみがフィルムの中に残っていることを保証することが可能である。
【0035】
1つの波状構造体が、直接的に隣接する溝部同士の間に形成され得る。この配置は、ヘッド・パーツへのフィルムの取り付けの間に有益であることが見出された。
【0036】
フォーメーションは、外周表面から突出している1つまたは複数のリブを含むことが可能であり、それぞれのリブは、好ましくは、カートリッジの長手方向に対して垂直に延在しており、とりわけ、直接的に隣接する溝部同士の間に配置されている。リブは、必要に応じて、応力および歪みのようなポイントをフィルムの中へ導入することが可能である。
【0037】
カートリッジ壁部は、サポート・スリーブの中に受け入れられ得り、外周表面は、スリーブの中に配置されているフォーメーションと、スリーブの内側表面との圧入タイプおよび/または締まり嵌めタイプの接続を形成する1つまたは複数のリブとを有している。したがって、リブは、2つの機能を果たすことが可能であり、すなわち、ヘッド・パーツにおけるフィルムの正しい取り付け、および、また、ディスペンサーの中でのカートリッジの正しい設置のために必要とされるスリーブの中でのカートリッジの正しい取り付けを果たすことが可能である。
【0038】
ヘッド・パーツは、カラーを含むことが可能であり、カラーは、ヘッド・パーツの半径方向外側領域においてディスペンシング出口部を取り囲んでおり、長手方向に延在しており、少なくとも局所的にヘッド・パーツの外周表面を画定しており、フィルムが外周表面に接続されており、カラーは、スリーブの中に受け入れられている。そのようなカラーは、フィルムをヘッド・パーツに接続するために、ヘッド・パーツにおいて利用可能な表面積の量を改善する。
【0039】
カラーは、ヘッド・パーツの最も外側のパーツの半径方向内向きに形成され得り、レッジ部が、ヘッド・パーツの最も外側のパーツと、カラーにおいて存在しているヘッド・パーツの外周表面との間に形成されている。この設計は、スリーブを備えたカートリッジの使用において実用的であるということが見出された。
【0040】
フィルムの内側表面は、ヘッド・パーツの外周表面に取り付けられ得り、フィルムの前方端部は、ヘッド・パーツの外周表面を越えて延在することが可能であり、随意的に、前方端部が、レッジ部に接続されるようになっており、また、場合によっては、ヘッド・パーツの最も外側のパーツに接続されるようになっている。このように、ヘッド・パーツにおけるフィルムの取り付けが、さらに改善され得る。
【0041】
カートリッジ・チャンバーは、材料によって充填され得り、たとえば、局所薬、医療用流体、創傷ケア流体、化粧品および/またはスキンケア製剤、歯科用流体、獣医用流体、接着剤流体、消毒流体、保護流体、塗料、および、先述のものの組み合わせからなるメンバーの群から選択される材料によって充填され得る。
【0042】
したがって、そのような流体、ひいては、カートリッジは、たとえば、鼻(たとえば、抗ヒスタミン・クリームなど)、耳、歯(たとえば、インプラントのための金型、または、口腔内適用(たとえばアフタ、歯茎治療、口内炎など))、目(たとえば、まぶたの上の薬物の精密な堆積(たとえば、ものもらい、感染、抗炎症薬、抗生物質など))、唇(たとえばヘルペス)、口、皮膚(たとえば、抗真菌剤、ダークスポット、にきび、いぼ、乾癬、皮膚癌治療、タトゥー除去薬物、創傷治癒、瘢痕治療、染み抜き、かゆみ止め用途など)、他の皮膚科用途(たとえば、皮膚、爪(たとえば、抗真菌剤用途、または、強化処方など)または細胞学的用途などのような、ターゲット・エリアの治療にいて都合よく使用され得る。
【0043】
代替的に、流体、ひいては、カートリッジは、また、たとえば、建築業、自動車産業、航空宇宙産業、エネルギー部門において(たとえば、風力タービンなどに関して)、製品の生産、ならびに、既存の製品の修理およびメンテナンスの両方のために、産業部門において使用され得る。ディスペンシング・アッセンブリは、たとえば、建設材料、シーラント、結合材料、接着剤、塗料、コーティング、および/または保護コーティングのディスペンシングのために使用され得る。
【0044】
これに関連して、カートリッジは、1つのカートリッジ・チャンバーを含む1成分カートリッジであることが可能であるということが留意されるべきである。代替的に、カートリッジは、2つのカートリッジ・チャンバーを含む2成分カートリッジであることが可能であり、それぞれのチャンバーは、たとえば硬化剤のために提供されており、他方が、対応するバインダー材料のために提供されている。このように、本明細書で提示されている設計は、多数のタイプのカートリッジおよび用途のために使用され得る。
【0045】
随意的に、2成分カートリッジのそれぞれのカートリッジ・チャンバーは、それぞれのカートリッジ・チャンバーのためのチャンバー出口部を含む自分自身のヘッド・パーツによって境界を定められ得り、とりわけ、ヘッド・パーツは、一体的に形成されているかまたは別個に形成されているかのいずれかであり、別個に形成されているヘッド・パーツは、好ましくは、たとえば、チャンバー出口部を介して、互いに接続可能であり、および/または、互いに接続されており、および/または、チャンバー出口部は、ディスペンシング出口部を一緒に形成している。これは、フィルム・カートリッジとともに使用するための現在の設計の適用可能性をさらに図示している。
【0046】
ディスペンシング出口部は、少なくとも1つのカートリッジ壁部を形成する可撓性のフィルムの延在の方向とは反対側の方向に、リジッドのヘッド・パーツから突出していることが可能である。このように、たとえば、混合チップは、簡易な様式でディスペンシング出口部に取り付けられ得る。
【0047】
フィルムは、少なくとも2つの、3つの、4つの、5つの、またはそれ以上の層を含む多層フィルムであることが可能である。そのようなフィルムは、1つの材料だけから作製されたフィルムと比較して、カートリッジの中に貯蔵されている成分のより長い保管寿命を可能にする。
【0048】
これに関連して、フィルム・バッグがオーバーラップ・シールよりもむしろフィン・シールを含む場合には、多成分フィルムのコンポーネントの数が低減され得るということが留意されるべきである。その理由は、外側層が内側層に共通の材料を有する必要がないからである。同じことが、押し出し加工されたフィルム・バッグに関しても当てはまる。
【0049】
バルジが、ディスペンシング出口部を含むヘッド・パーツの内部端面の中に存在していることが可能である。これらのバルジは、チャネルを形成しており、ヘッド・パーツの材料が、射出成形プロセスの間にチャネルを通って流れることが可能であり、これらのバルジは、カートリッジ壁部を形成するフィルムの取り付けを補助する。
【0050】
これに関連して、ヘッド・パーツは、40から99の範囲において選択されるShore D硬度を有することが可能である。好ましくは、ヘッド・パーツのShore D硬度は、40から60の範囲にある。
【0051】
ヘッド・パーツは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、またはポリブチレンテレフタレートを含むことが可能である。ヘッド・パーツは、たとえば、PA-6(パーロン)またはPA-66(ナイロン)の形態のポリアミドを含むことが可能である。ポリアミドは、それが良好な機械的な安定性を有しており、したがって、ヘッド・パーツに適切であるという利点を有している。
【0052】
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)が、ヘッド・パーツのために使用され得る。すなわち、PETは、簡易な様式で加工され得り、良好な化学的な抵抗を有している。
【0053】
一実施形態によれば、ヘッド・パーツは、高密度PE(HDPE)から作製されている。高密度ポリエチレン(HDPE)は、930kg/mから970kg/mの範囲にある密度を有している。
【0054】
また、たとえば、HDPE、グリーンPE(たとえば、サトウキビから作製されている)、およびPPなどのような、リサイクルされた(たとえば100%リサイクルされた)材料のヘッド・パーツおよび/またはフィルム・バッグを形成することも考えることが可能である。
【0055】
代替的に、ヘッド・パーツおよび/またはフィルム・バッグの材料は、グリーンPEと通常のPEとの混合物、グリーンPEとリサイクルされたPEとの混合物、または、通常のPEとグリーンPEおよびリサイクルされたPEとの混合物によって形成される化合物を含むことが可能である。また、リサイクルされたPP、部分的にリサイクルされたPP、および/または通常のPPを含む化合物は、ヘッド・パーツの射出成形プロセスにおいて、および/または、カートリッジ壁部の材料として使用され得る。そのようなリサイクルされた材料の使用は、より環境的に優しいカートリッジにつながる。
【0056】
ヘッド・パーツおよび/またはフィルム・バッグは、追加的に、たとえば、天然繊維、木質繊維、セルロース繊維、麻繊維、コルク繊維、ヒマワリ種子からの繊維、草繊維、竹繊維、亜麻繊維、または炭素繊維などのような、繊維の使用などを通して、さらなる材料によって補強され得る。
【0057】
例として、PP、TPE、TPSは、それぞれ、コルク繊維と一緒に射出成形され得る。PE、PP、PLA、PBS、および/またはPBATは、木質繊維または天然繊維と一緒に、射出成形プロセスにおいて使用され得る。PA、PE、および/またはPPは、広範な天然繊維と一緒に射出成形され得る。PPおよび/またはPEは、ヒマワリ種子からの繊維と一緒に射出成形され得る。PE、PP、および/またはPLAは、繊維、草繊維、亜麻繊維と一緒に射出成形され得る。また、1種類の繊維だけでなく、さまざまなタイプの繊維の混合物とともに、熱可塑性の材料を射出成形することも可能である。
【0058】
カートリッジは、カートリッジ壁部を形成する可撓性のフィルムによって境界を定められた1つのカートリッジ・チャンバーだけを有する単一成分カートリッジであることが可能である。そのようなカートリッジは、単一成分マスチック材料およびシーラントなどを都合よく貯蔵することが可能である。
【0059】
第2のフィルムが、ヘッド・パーツに取り付けられ、ヘッド・パーツの内部端面をカバーすることが可能であり、随意的に、第2のフィルムが、カートリッジ・チャンバーからディスペンシング出口部の端部へつながる出口通路を埋めている。そのような第2のフィルムは、カートリッジの中に貯蔵されている材料の中に存在している成分が端面を介して拡散することを防止することが可能である。
【0060】
そのようなカートリッジは、フロント・フィリング技法およびバック・フィリング技法の両方を使用して充填され得り、カートリッジは、第2のフィルムを有しており、第2のフィルムは、また、一般的にバック・フィリング用途においてのみ使用されることができるディスペンシング出口部の通路をカバーするように延在している。
【0061】
これに関連して、ヘッド・パーツ、第2のフィルム、およびカートリッジ壁部、たとえば、第1のフィルムまたは中実のカートリッジ壁部などのうちの少なくとも1つは、3D印刷されたコンポーネントであることも可能であるということが留意される。
【0062】
これに関連して、3D印刷は、材料がコンピューター制御の下で接合または固化され、3次元オブジェクトを生成させるプロセスを指しており、材料がコンパイルされ、所望のオブジェクトを形成するということがさらに留意されるべきである。いくつかの実施形態では、コンピューターは、スマートフォン、タブレット、プリンター・マザーボード、プリンターの中のプロセッサー/コンピューター、または、プロセッサーもしくは電子コントローラーを備えた任意の他のデバイスを指すことが可能である。ヘッド・パーツ、第2のフィルム、およびカートリッジ壁部のうちの少なくとも1つのための材料は、所望の特性を有するそれぞれのコンポーネントを形成するために一緒に融合されることができる任意の材料(たとえば、液体分子または粉末粒子など)であることが可能である。いくつかの実施形態では、ヘッド・パーツ、第2のフィルム、およびカートリッジ壁部のうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の材料(たとえば、PA12、ポリプロピレン、および/またはガラス充填ポリアミドなど)から印刷され得る。しかし、材料は、任意の適切な1つまたは複数の材料であることが可能である。
【0063】
フィルム・バッグを形成するフィルムは、異なる材料から形成された少なくとも2つの層を有する多層フィルムであることが可能である。好適な選択肢において、フィルムは、サンドイッチ構造体を含む5層フィルムであり、サンドイッチ構造体では、外側層は、PE(20μmから40μmの厚さ)から形成されており、PEは、タイ層(1.5μmから2.5μm)を介してPAの層(10μmから20μm)に接続されている。そして、PA層は、さらなるタイ層(1.5μmから2.5μm)を介してアルミニウムまたはアルミニウム合金層(5μmから10μm)に接続されている。そして、アルミニウムまたはアルミニウム合金層は、さらなるタイ層(1.5μmから2.5μm)を介してさらなるPA層(10μmから20μm)に接続されており、さらなるPA層は、次いで、さらなるタイ層(1.5μmから2.5μm)を介して、内側表面42に対応する内側層に接続されており、内側層は、45μmから100μmの範囲において選択される厚さを有した状態になっている。
【0064】
フィルム・バッグを形成するフィルムは、サンドイッチ構造体を含む3層フィルムであることが可能であり、サンドイッチ構造体では、第1の層は、ポリエチレン(PE)(20μmから40μmの厚さ)から形成されており、ポリエチレン(PE)は、タイ層(1.5μmから2.5μmの厚さ)を介してアルミニウム(Al)またはアルミニウム合金(Al合金)の第2の層(7μmから12μmの厚さ)に接続されている。そして、AlまたはAL合金層は、さらなるタイ層(1.5μmから2.5μmの厚さ)を介して第3のPET層(12μmから15μmの厚さ)に接続されている。
【0065】
フィルム・バッグを形成するフィルムは、サンドイッチ構造体を含む4層フィルムであることが可能であり、サンドイッチ構造体では、第1の層は、PE(20μmから40μmの厚さ)から形成されており、PEは、タイ層(1.5μmから2.5μmの厚さ)を介してアルミニウム(Al)またはアルミニウム合金(Al合金)の第2の層(7μmから12μmの厚さ)に接続されている。そして、AlまたはAL合金層は、タイ層(1.5μmから2.5μmの厚さ)を介してPAの第3の層(10μmから20μmの厚さ)に接続されている。そして、ThePAの第3の層は、さらなるタイ層(1.5μmから2.5μmの厚さ)を介してPEの第4の層(15to30μmの厚さ)に接続されている。
【0066】
それぞれのタイ層は、多層のフィルムの個々の層であるとは考えられず、それらは、単に、個々の層同士の間に結合部が形成されることを保証するために存在しているに過ぎないということが留意されるべきである。
【0067】
フィルムの材料は、上述の材料とは異なっていることが可能であり、それらのそれぞれの厚さも同様であることが可能である。これに関連して、フィルムは、典型的に、40μmから200μmの範囲、とりわけ、70μmから180の範囲、とりわけ、120μmから170μmの範囲において選択される厚さを有するということが留意されるべきである。
【0068】
さらなる態様によれば、本発明は、ディスペンスされることとなる材料のためのカートリッジであって、カートリッジは、リジッドのヘッド・パーツを含み、ヘッド・パーツは、ディスペンシング出口部と、カートリッジ壁部を形成する可撓性のフィルムとを有しており、フィルムは、ディスペンスされることとなる材料のためのカートリッジ・チャンバーの境界を定めており、カートリッジの長手方向に少なくとも部分的に延在しており、ヘッド・パーツに接続されている前方端部を有しており、ヘッド・パーツは、外周表面を有しており、フィルムの前方端部の内側表面は、ヘッド・パーツの外周表面に密封して解放不可能に接続されており、バルジが、ディスペンシング出口部を含むヘッド・パーツの内部端面の中に存在している、カートリッジに関する。
【0069】
さらなる態様によれば、本発明は、カートリッジを有するディスペンシング・アッセンブリであって、カートリッジは、1つまたは複数のカートリッジ・チャンバーを含み、1つまたは複数のカートリッジ・チャンバーは、それぞれの材料によって充填されており、スリーブを有しており、それぞれのカートリッジ・チャンバーは、スリーブの中へ挿入されており、ディスペンシング・アッセンブリは、随意的に、ディスペンサーおよび/または混合チップをさらに含む、ディスペンシング・アッセンブリに関する。そのようなディスペンシング・アッセンブリを使用して、簡易な様式で所望の材料をディスペンスすることが可能である。
【0070】
さらなる態様によれば、本発明は、ディスペンシング・アッセンブリを組み立てる方法であって、ディスペンシング・アッセンブリは、1つまたは複数のカートリッジ・チャンバーを含むカートリッジ、スリーブ、および、随意的に、ディスペンサーを有しており、方法は、
- 前記1つまたは複数のカートリッジ・チャンバーをそれぞれのスリーブの中へ挿入するステップと;
- それぞれのカートリッジ・チャンバーに存在しているフォーメーションのうちのいくつかとそれぞれのスリーブの内側表面との間の圧入および締まり嵌めのうちの少なくとも1つによって、1つまたは複数のカートリッジ・チャンバーをそれぞれのスリーブの中に固定するステップと;および、随意的に、カートリッジおよびスリーブをディスペンサーの中へ挿入するステップと
を含む、方法に関する。
【0071】
カートリッジに関連付けられる利点は、有益には、そのような方法において活用され得る。
【0072】
さらなる態様によれば、本発明は、先行する請求項のいずれか一項に記載のカートリッジを製造する方法であって、方法は、
- 金型のコアの上にフィルムを設置するステップと;
- フィルムに直接的に隣接するフォーメーションの形状を表すインサートを金型の中へ導入するステップと;
- ヘッド・パーツを金型のヘッド・スペースの中に射出成形し、ヘッド・パーツを形成し、ヘッド・パーツの外周表面がフォーメーションを有した状態になっており、フィルムの前方端部をヘッド・パーツの外周表面に密封して解放不可能に結合するステップと
を含む、方法に関する。
【0073】
このように、先述のものにおいて議論されている利点を有するカートリッジは、簡易でコスト効率の良い再現可能な様式で作り出され得る。
【0074】
本発明のさらなる実施形態は、以下の図の説明において説明されている。本発明は、実施形態によって、図面を参照して、以下に詳細に説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】第1のタイプのカートリッジの斜視図である。
図2図1のカートリッジの側面図である。
図3図2のセクションAの拡大断面図である。
図4図2のセクションBの拡大断面図である。
図5】第1のタイプのシームを示す概略断面図である。
図6】第2のタイプのシームを示す概略断面図である。
図7】ディスペンシング・アッセンブリの斜視図である。
図8図7のセクションCの拡大断面図である。
図9】さらなるカートリッジの側面図である。
図10図9のセクションDの拡大断面図である。
図11図9のセクションEの拡大断面図である。
図12】ヘッド・パーツの下方からの斜視図である。
図13】さらなるタイプのカートリッジを通る概略断面図である。
図14a】それぞれの第2のフィルムがヘッド・パーツに取り付けられた状態の、単一成分カートリッジのさまざまなタイプのヘッド・パーツの概略断面図である。
図14b】それぞれの第2のフィルムがヘッド・パーツに取り付けられた状態の、単一成分カートリッジのさまざまなタイプのヘッド・パーツの概略断面図である。
図14c】それぞれの第2のフィルムがヘッド・パーツに取り付けられた状態の、単一成分カートリッジのさまざまなタイプのヘッド・パーツの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
以下において、同じ参照番号は、同じまたは均等の機能を有するパーツに関して使用されることとなる。コンポーネントの方向に関して行われる任意の記述は、図面に示されている位置に関して行われており、当然ながら、実際の適用の位置において変化することが可能である。
【0077】
図1は、2成分カートリッジ10を示しており、2成分カートリッジ10は、2つの材料M、M’を貯蔵し、それぞれのカートリッジ・チャンバー12、12’から2つの材料M、M’をディスペンスするように構成されている。2成分カートリッジ10は、リジッドのヘッド・パーツ14を含み、リジッドのヘッド・パーツ14は、ディスペンシング出口部16および可撓性のフィルム18、18’を有しており、可撓性のフィルム18、18’は、それぞれのカートリッジ・チャンバー12、12’のためのそれぞれのカートリッジ壁部20、20’を形成している。フィルム18、18’は、カートリッジ・チャンバー12、12’の境界を定めており、カートリッジ10の長手方向Aに少なくとも部分的に延在している。フィルム18、18’は、ヘッド・パーツ14に接続されている前方端部22、22’を有している。
【0078】
ヘッド・パーツ14は、外周表面24を有している(たとえば、図3を参照)。外周表面は、フォーメーション26を含む。フィルム18、18’の前方端部22、22’は、ヘッド・パーツの外周表面24に、および、ヘッド・パーツ14の外周表面24に存在しているフォーメーション26に、密封して解放不可能に接続されている。
【0079】
フォーメーション26は、ヘッド・パーツ14の外周表面24の中に形成された溝部28を含む。溝部28は、カートリッジ10の長手方向Aに対して平行に延在している。カートリッジ10の側面図において(たとえば、図2を参照)、または、図1の斜視図において、溝部28は、その断面が三角形のような形状(図12を参照)を有している。フィルム18、18’を溝部28に取り付けるプロセスの間に、これは、ダイヤモンド形状の溝部28’がフィルム18、18’の外側表面60の中に見ることができるということを結果として生じさせる。溝部28’の形状に応じて、他の形状もフィルム18、18’の外側表面60の中に見ることができる可能性がある。
【0080】
溝部28を形成する三角形のベース28”は、ヘッド・パーツ14の底部端部68を形成している(図12を参照)。
【0081】
カートリッジ10に形成されているさらなるタイプのフォーメーション26は、リング凹部30であり、リング凹部30は、外周表面24の中に形成されており、リング凹部30は、カートリッジ10の長手方向に対して垂直に、外周表面24の周りに円周方向に延在している。
【0082】
カートリッジ10に形成されているさらなるタイプのフォーメーション26は、外周表面24の中に形成されている波状構造体32である。それぞれの波状構造体32は、カートリッジ10の長手方向Aに対して垂直に延在している。
【0083】
カートリッジ10に形成されているさらなるタイプのフォーメーション26は、外周表面24から突出しているリブ34である。示されている例では、リブ34は、カートリッジ10の長手方向Aに対して垂直にそれぞれ延在しており、直接的に隣接する溝部28同士の間に配置されている。リブ34の他の配置、たとえば、長手方向Aに対して平行に配置されている溝部28、または、隣接する溝部28同士の間に配置されているペアごとに2つ以上のリブ34が可能である。
【0084】
リブ34は、それぞれの波状構造体32よりも外周表面24から遠くに突出しているということが留意されるべきである。
【0085】
それぞれの溝部28は、凹部30のほとんどよりも外周表面24の中へ遠くに突出しているということ、ならびに、溝部28および凹部30は、随意的に、リブ34または波状構造体32が外周表面24から突出しているよりも、外周表面24の中へ遠くに突出しているということがさらに留意されるべきである。
【0086】
補強リブ36が、カートリッジ壁部20、20’から離れたヘッド・パーツ14の側部に提供されている。補強リブ36は、ヘッド・パーツ14を強化する目的を果たし、これが、ディスペンシング・プロセスの間にそれに印加される圧力に容易に耐えることができるようになっている。
【0087】
ディスペンシング出口部16は、それぞれのチャンバー出口部38を組み合わせている共通の出口部である。2つの出口通路40、40’が、それぞれのカートリッジ・チャンバー12、12’からディスペンシング出口部16の端部42へつながっている。
【0088】
ディスペンシング出口部16は、一方では、カートリッジ10の保管状態において、プランジャー(図示せず)と協働するキャップによって密封されるように構成されている。ディスペンシング出口部16は、混合チップ(図示せず)と協働するようにさらに構成されており、混合チップは、典型的に、カートリッジ10のディスペンシング状態において、カートリッジ10の中に貯蔵されている材料M、M’をディスペンスするために使用される。
【0089】
図2は、図1のカートリッジの側面図を示している。ディスペンシング出口部16は、ペデスタル44から突出しており、ペデスタル44は、ヘッド・パーツ14の上に配置されており、ペデスタル44は、図1のカートリッジ10の2つのカートリッジ・チャンバー12、12’の間の接続部を形成している。ペデスタル44は、ディスペンシング出口部16の領域におけるヘッド・パーツ14を補強する目的を果たしており、ディスペンシング出口部16およびヘッド・パーツ14が、ディスペンシング・プロセスの間にそれに印加される圧力に容易に耐えることができるようになっている。
【0090】
本明細書に示されている図は、サイドバイサイドの2成分カートリッジ10をそれぞれ示している。ヘッド・パーツ14、ならびに、それぞれのフィルム18、18’へのヘッド・パーツ14の取り付けの特徴および方法は、当然ながら、1つだけのカートリッジ・チャンバー12を含む1成分カートリッジ(図示せず)において用いられ得り、または、長手方向Aの周りに互いに同軸に配置されている2つのカートリッジ・チャンバー12、12’を含む同軸カートリッジにおいて用いられ得るということが留意されるべきである。
【0091】
先述のものに示されているカートリッジ10は、両方のチャンバー12、12’のために共通のヘッド・パーツ14を有している。しかし、当然ながら、別個のヘッド・パーツを備えた2成分カートリッジ10のそれぞれのカートリッジ・チャンバー12、12’を形成することも可能であり、別個のヘッド・パーツは、次いで、たとえば、恒久的なまたは解放可能な様式で(両方とも示されていない)、たとえば、出口部チャンバー38、38’の領域において、互いに接続され、次いで、組み合わせられたチャンバー出口部38、38’がディスペンシング出口部16を形成した状態になる。
【0092】
図3は、図2のカートリッジ10のセクションAの拡大断面図を示している。ヘッド・パーツ14は、カラー46を含む。カラー46は、ヘッド・パーツ14の半径方向外側領域においてディスペンシング出口部16を取り囲んでおり、長手方向Aに延在しており、ヘッド・パーツ14の外周表面24を画定しており、フィルム18、18’が外周表面24に接続されている。
【0093】
カラー46は、ヘッド・パーツ14の最も外側のパーツ48の半径方向内向きに形成されている。レッジ部50が、ヘッド・パーツ14の最も外側のパーツ48と、カラー46において存在しているヘッド・パーツ14の外周表面24との間に形成されている。
【0094】
これに関連して、長手方向Aへのカラー46の長さは、典型的に、2mmから20mmの範囲、好ましくは、5mmから7mmの範囲において選択されるということが留意されるべきである。
【0095】
長手方向Aに対して垂直の方向へのレッジ部50の長さは、典型的に、0.5mmから8mmの範囲、好ましくは、1mmから4mmの範囲において選択されるということがさらに留意されるべきである。
【0096】
フィルム18の内側表面52は、ヘッド・パーツ14の外周表面24に取り付けられ、レッジ部50に取り付けられ、ヘッド・パーツ14の最も外側のパーツ48にも取り付けられている。
【0097】
これに関して、フィルム18、18’は、射出成形、接着、溶着(とりわけ、超音波溶着)、収縮、クランピング、および装着のうちの1つによって、ヘッド・パーツ14の外周表面24に接続され得るということが留意されるべきである。
【0098】
図3は、リング凹部30が長手方向AにL字形状の断面を有することをさらに示している。Lの短い肢30’は、カートリッジ10の長手方向Aに対して垂直に配置されており、Lの長い肢30”は、カートリッジ10の長手方向Aに対して、また、Lの短い肢30’に対しても、傾けられて配置されている。
【0099】
これに関して、長手方向Aに対して垂直の短い肢30’の長さは、典型的に、0.3mmから7mmの範囲、好ましくは、0.8mmから4mmの範囲において選択されるということが留意されるべきである。短い肢30’は、底部端部54を形成することが可能であるということがさらに留意されるべきである(図12を参照)。長い肢30”の長さは、典型的に、1mmから12mmの範囲、好ましくは、2mmから8mmの範囲において選択されるということがさらに留意されるべきである。
【0100】
最も外側の表面24から突出しているリブ34の高さは、典型的に、0.05mmから3mmの範囲、好ましくは、0.15mmから1.5mmの範囲において選択されるということがさらに留意されるべきである。長手方向Aに対して垂直のリブ34の長さは、典型的に、0.1mmから4mmの範囲、とりわけ、0.2mmから2mmの範囲において選択される。
【0101】
それぞれの波状構造体32は、2つから5つの間の谷部32”を含むことが可能であり、2つから5つの間の山部32’を含むことが可能であり、それぞれの山部は、0.05mmから2mmの範囲、好ましくは、0.1mmから1mmの範囲において典型的に選択される高さを有している。それぞれの谷部32”は、外周表面24と一致する平面の中に形成されているか、または、最大で3mmまでの、好ましくは、最大で0.5mmまでの深さを有している。
【0102】
これに関連して、谷部32’のうちのいくつかは、波状構造体32の谷部32”のうちの他のものよりも大きい深さを有することが可能であるということが留意されるべきである。山部32’のうちのいくつかは、波状構造体32の山部32’のうちの他のものよりも大きい高さを有することが可能であるということがさらに留意されるべきである。波状構造体32は、一般的に、直接的に隣接する溝部28同士の間に形成されている。
【0103】
リング凹部30は、フィルム18、18’の中に存在している溝部28’と交差するが、溝部28’のものよりも小さい深さを有している。これに関連して、溝部28は、カラー46の高さを超えて延在することが可能であり、ダイヤモンド状の溝部28’が底部端部68をさらに越えて延在した状態になっているということが留意されるべきである。リング凹部30は、溝部28の中間部を通って延在するように配置されている。
【0104】
溝部28は、典型的に、2mmから20mmの範囲、好ましくは、5mmから7mmの範囲において選択される長さを有しており、および/または、0.4mmから5mmの範囲、好ましくは、0.5mmから2mmの範囲において典型的に選択される、外周表面24からの深さを有している。
【0105】
ダイヤモンド状の溝部28’は、典型的に、2mmから30mmの範囲、好ましくは、10mmから14mmの範囲において選択される長さを有している。図4は、図2のカートリッジ10のセクションBの拡大断面図を示している。また、カートリッジ・チャンバー12、12’のこの側部におけるフィルム18、18’は、それぞれのチャンバー出口部38、38’を含むヘッド・パーツ14の内部端面54を越えて延在している。これに関連して、それぞれの第2のフィルム56、56’が、ヘッド・パーツ14に取り付けられ、端面54をカバーするということが留意されるべきである。第2のフィルム56、56’は、少なくとも部分的に、とりわけ、ほとんど完全にまたは完全に、端面54をカバーするように配置されている。
【0106】
第2のフィルム56、56’は、カートリッジ・チャンバー12、12’の中に貯蔵されている材料M、M’がヘッド・パーツ14の端面54を通って拡散することを防止するように配置されている。
【0107】
第2のフィルム56、56’の特性は、カートリッジ壁部20、20’を形成するフィルム18、18’の特性と同一に選択され得り、フィルム56、56’は、ヘッド・パーツ14の端面54を形成する裏面54’の材料に結合する材料から選択され得り、好ましくは、第2のフィルム56、56’の材料、および、ヘッド・パーツ14の裏面54’の材料は、同一になっている。
【0108】
図5は、長手方向Aに対して垂直に見たときのフィルム18、18’の概略断面図を示している。カートリッジ壁部20、20’は、接続シーム58を含み、接続シーム58は、カートリッジ壁部20、20’の長さにわたって長手方向Aに延在している。接続シーム58は、フィルムのオーバーラップ領域を含む。図5は、第1のタイプのシーム58を示している。接続シーム58は、フィルム18、18’の第1の長手方向の縁部に隣接するフィルム18、18’の内側表面52の一部を含み、それは、フィルム18、18’の反対側の第2の長手方向の縁部に隣接するフィルム18、18’の外側表面60の一部に接続されている(とりわけ、結合されている)。そのようなシーム58は、一般に、オーバーラップ・シーム58として知られている。
【0109】
図6は、図5に示されている図面と同様の長手方向Aに対して垂直に見たときのさらなるタイプのフィルム18、18’の概略断面図を示している。図6は、第2のタイプのシーム58’を示している。接続シーム58’は、フィルム18、18’の第1の長手方向の縁部に隣接するフィルム18、18’の内側表面52の一部を含み、それは、フィルム18、18’の反対側の第2の長手方向の縁部に隣接するフィルム18、18’の内側表面52の一部に接続されている(とりわけ、結合されている)。そのようなシーム58’は、一般に、フィン・シール58’として知られている。
【0110】
これに関連して、クロージャー・シーム(図示せず)が、フィルム18、18’の後方端部に提供され得るということが留意されるべきである。次いで、クロージャー・シームは、長手方向Aに対して横断して走っており、フィルム18、18’の内側表面42の2つの領域を接続し、密閉様式でカートリッジ・チャンバー12、12’の後方端部を閉じる。
【0111】
図7は、ディスペンシング・アッセンブリ62の斜視図を示している。ディスペンシング・アッセンブリ62は、2成分カートリッジ10およびそれぞれのスリーブ64を含み、1つまたは複数のカートリッジ10は、それぞれの材料M、M’によって充填された状態になっており、それぞれのカートリッジ・チャンバー12、12’は、それぞれのスリーブ64の中へ挿入されている。カートリッジ壁部20、20’は、サポート・スリーブ64の中に受け入れられている。
【0112】
図8は、ディスペンシング・アッセンブリ62のセクションCの拡大断面図を示している。カラー46は、外周表面24と同様に、スリーブ64の中に受け入れられており、外周表面24は、スリーブ64の中に配置されているフォーメーション26と、スリーブ64の内側表面66(図8を参照)との圧入および/または締まり嵌めタイプの接続を形成する1つまたは複数のリブ34とを有している。
【0113】
ディスペンシング・アッセンブリ62を組み立てるときに、カートリッジ10、それぞれ、カートリッジ・チャンバー12、12’が、それぞれのスリーブ64の中へ挿入される。カートリッジ10は、それぞれのカートリッジ10に存在しているフォーメーション26とそれぞれのスリーブ64の内側表面66との間の圧入および締まり嵌めのうちの少なくとも1つによって、それぞれのスリーブ64に固定される。
【0114】
これに関連して、スリーブは、たとえば、押し出し加工プロセスまたは射出成形プロセスにおいて、プラスチック(たとえば、PEもしくはPA)または金属(たとえば、アルミニウムもしくはアルミニウム合金)から作製され得るということが留意されるべきである。
【0115】
図9は、さらなるカートリッジ10の側面図を示している。図9のカートリッジ10も、2成分カートリッジ10である。図9のカートリッジ10とたとえば図1に示されているものとの間の違いは、ヘッド・パーツ14へのフィルム18、18’の取り付けにある。
【0116】
図10は、図9のカートリッジ10のセクションDの拡大断面図を示している。フィルム18の内側表面は、ヘッド・パーツ14の外周表面24に取り付けられている。フィルム18の前方端部22は、ヘッド・パーツ14の外周表面24を越えて延在しており、それがレッジ部50に沿って部分的に突出しているようになっている。フィルム18の前方端部22は、図1から図4のカートリッジ10の場合のように、レッジ部50の完全な長さにわたって突出してはおらず、または、ヘッド・パーツ14の最も外側のパーツ48にわたって突出してはいない。
【0117】
図11は、図4に示されている図面と同様の、図9のセクションEの拡大断面図を示している。図10と同様に、フィルム18、18’の前方端部22、22’は、図1から図4のカートリッジ10の場合のように、レッジ部50の完全な長さにわたって突出してはおらず、または、ヘッド・パーツ14の最も外側のパーツ48にわたって突出してはいない。
【0118】
図12は、ヘッド・パーツ14の下方からの斜視図を示している。溝部28が見られ、溝部28は、ヘッド・パーツの底部端部68からレッジ部50に向けて三角形の様式でテーパー付きになっている。ヘッド・パーツ14をフィルム18、18’に射出成形するときに、この構造体は、フィルム18、18’の外側表面60の中に、たとえば図1に見ることができるダイヤモンド形状の溝部28’の形成を補助する。
【0119】
図12は、複数のバルジ70の存在をさらに示しており、複数のバルジ70の存在は、チャンバー出口部38、38’を含むヘッド・パーツ14の内部端面54の中に存在している。それぞれのバルジ70は、溝部28のうちの2つと接続している。バルジ70は、射出成形金型のコア(図示せず)の中に存在している通路によって形成され、ヘッド・パーツ14の材料が射出成形金型の中へそれを介して射出される通路である。そのような通路の提供、および、バルジ70の存在を通して、ヘッド・パーツへのフィルム18、18’の取り付けは改善され得る。その理由は、金型の中の材料フローがそれによって好影響を与えられ得るからである。
【0120】
これに関連して、溝部28のペアごとに1つのバルジ70が存在している場合には好適であるということが留意されるべきである。複数の溝部が1つの交差点72において交差しており、交差点72が射出成形金型の中への材料のフローの入口位置を形成した状態になっている場合には、さらに好適である。
【0121】
図13は、さらなるタイプのカートリッジ10のフィルム18、18’を通る概略断面図を示している。フィルム18、18’は、図5および図6に示されている例とは対照的に、長手方向のシームを含まない押し出しブロー成形されたフィルム18、18’である。
【0122】
先述のものにおいて議論されているカートリッジ10を形成するときに、フィルム18、18’は、金型のコア(図示せず)の上に設置される。示されていないインサートが、次いで、金型の中へ導入される。インサートは、フィルム18、18’に直接的に隣接するフォーメーション26の形状に対応する構造体を含む。金型が閉じられると、ヘッド・パーツ14は、金型のヘッド・スペースの中に射出成形され、ヘッド・パーツ14を形成し、その外周表面24がフォーメーション26を有した状態になっており、フィルム18、18’の前方端部22、22’を少なくともヘッド・パーツ14の外周表面24に密封して解放不可能に結合する。
【0123】
これに関連して、先述のものにおいて議論されているフィルム18、18’は、内側表面52および外側表面60を含むことが可能であるということが留意されるべきである。ヘッド・パーツ14の外周表面24に接続されているのは、内側表面52である。接続は、好ましくは、射出成形プロセスにおいて作り出される結合部によって形成され、一体的な接続構造体を形成する。
【0124】
フィルム18、18’は、好ましくは、異なる材料から形成された少なくとも2つの層を有する多層フィルムである。好適な選択肢において、フィルムは、サンドイッチ構造体を含む5層フィルムであり、サンドイッチ構造体では、外側層は、PE(20μmから40μmの厚さ)から形成されており、PEは、タイ層(1.5μmから2.5μm)を介してPAの層(10μmから20μm)に接続されている。そして、PA層は、さらなるタイ層(1.5μmから2.5μm)を介してアルミニウムまたはアルミニウム合金層(5μmから10μm)に接続されている。そして、アルミニウムまたはアルミニウム合金層は、さらなるタイ層(1.5μmから2.5μm)を介してさらなるPA層(10μmから20μm)に接続されており、さらなるPA層は、次いで、さらなるタイ層(1.5μmから2.5μm)を介して、内側表面42に対応する内側層に接続されており、内側層は、45μmから100μmの範囲において選択される厚さを有した状態になっている。
【0125】
それぞれのタイ層は、多層のフィルムの個々の層であるとは考えられず、それらは、単に、個々の層同士の間に結合部が形成されることを保証するために存在しているに過ぎないということが留意されるべきである。
【0126】
フィルム18、18’の材料は、上述の材料とは異なっていることが可能であり、それらのそれぞれの厚さも同様であることが可能である。これに関連して、フィルム18、18’は、典型的に、70μmから200μmの範囲、とりわけ、120μmから170μmの範囲において選択される厚さを有するということが留意されるべきである。
【0127】
ヘッド・パーツ14は、典型的に、プラスチックを含み、とりわけ、プラスチックから構成されており、ヘッド・パーツ14に接続されているフィルム18、18’の少なくとも一部も、プラスチックを含み、とりわけ、プラスチックから構成されている。
【0128】
一般的に言えば、ヘッド・パーツ14のプラスチック、および、ヘッド・パーツ14に接続されているフィルム18、18’の一部のプラスチックは、結合し合うプラスチックから選択され、好ましくは、同じプラスチックであり、可能な限り強力な結合がそれらの間に形成されるようになっている。ヘッド・パーツ14は、有益には、射出成形によって作り出される。その理由は、これが簡易で再現可能で高速でコスト効率の良いカートリッジの製造を可能にするからである。
【0129】
カートリッジ壁部20、20’は、押し出しブロー成形されたフィルム・スリーブから形成され得るということがさらに留意されるべきである。
【0130】
また、内側層52の材料および外側層60の材料は、同一であってもよいということ、または、内側層52の材料および外側層60の材料は、互いに異なっていてもよいということも留意されるべきである。
【0131】
また、内側層52の厚さおよび外側層60の厚さは、同一であってもよいということ、または、内側層52の厚さは、外側層60の厚さよりも大きいということも留意されるべきである。
【0132】
これに関連して、フィルム18、18’の前方端部22、22’は、ヘッド・パーツ14の外周表面24と、ヘッド・パーツ14の外周表面24を取り囲むクランピング部材(図示せず)(とりわけ、クランピング・リング)の内側表面との間にクランプされ得るということが留意されるべきである。そのようなクランピング・リングは、ヘッド・パーツ14におけるフィルム18、18’の取り付けをサポートするために使用されている。
【0133】
図14aから図14cは、単一成分カートリッジ1のさまざまなタイプのヘッド・パーツ14の概略断面図を示しており、それぞれの第2のフィルム56がヘッド・パーツ14に取り付けられた状態になっている。カラー46における第1のフィルム18の接続は、先述のものに説明されているものと同じ様式で行われ得る。
【0134】
図14aは、第1のタイプの単一成分カートリッジ10を示しており、そのディスペンシング出口部16は、外側ネジ山74を有しており、外側ネジ山74は、ヘッド・パーツ14からディスペンシング出口部16の前方端部76へ延在する、ディスペンシング出口部16の円筒形状に形状決めされた部分にわたって延在している。混合チップ、出口部、およびキャップは、外側ネジ山74を介して単一成分カートリッジ10に接続され得る。
【0135】
前方端部76は、その最端部において、シールされた前方端部76’を含む。したがって、カートリッジ10の保管状態において、チャンバー出口部38は、通路40の端部42において密封されている。ディスペンシング出口部16のようなシールされた前方端部76’は、ヘッド・パーツ14と同じ材料から作製されている。そのようなシールされた前方端部76’は、バック・フィリング用途において都合よく使用される。
【0136】
そのような単一成分カートリッジ10を使用するために、前方端部76は、典型的に、シールされた前方端部76’を前方端部76から切り離すことによって、典型的に、ディスペンシング出口部16から分離される。
【0137】
シールされた前方端部76’を切り離すときに外側ネジ山74が損傷を受けることを防止するために、シールされた前方端部76’は、現在では、V字形状の部分において形成されており、典型的に、V字形状のシャンクにおいてカットされる。当然ながら、シールされた前方端部76’の他の形状(たとえば、ドーム形状の端部、台形形状の端部など)も可能である。
【0138】
図14bは、さらなるタイプの単一成分カートリッジ10を示しており、そこでは、第2のフィルム56が、ヘッド・パーツ14の完全な端面54にわたって延在しており、それによって、チャンバー出口部38の通路40を埋めている。また、この設計は、バック・フィリング動作に適している。その理由は、チャンバー出口部38がこのように密封されているからである。図14aに示されている設計とは対照的に、チャンバー出口部38は、カートリッジ10の保管状態においてさえ開いている。
【0139】
カートリッジ10を使用するために、第2のフィルム56は、穿孔されなければならない。第2のフィルム56を穿孔するために使用されるツール(図示せず)は、別個のツールであることが可能であり、または、それは、ミキサーまたは出口部(同様に図示せず)に配置され得るかのいずれかであり、ミキサーまたは出口部は、外側ネジ山を介してカートリッジ10に接続され、次いで、何らかの形態の穿孔部材を含み、その穿孔部材は、通路40を通って突出しており、第2のフィルム56に係合するように構成されている。
【0140】
図14cに示されているタイプの単一成分カートリッジ10は、キャップ78を含み、キャップ78は、外側ネジ山74および対応する内側ネジ山84を介して、前方端部76に配置されている。前方端部76をシールするために、キャップは、通路40の中へ突出している環状の突出部80を含む。いくつかの場合では、シール82が、環状の突出部80の外側表面の上に配置され得り、キャップ78と前方端部76との間をシールするようになっている。図14cに示されているカートリッジ10は、フロント・フィリング用途およびバック・フィリング用途の両方において使用され得るが、一般的に、フロント・フィリング用途で使用される。
【符号の説明】
【0141】
10 カートリッジ
12、12’ カートリッジ・チャンバー、カートリッジ・チャンバー
14 ヘッド・パーツ
16 ディスペンシング出口部
18、18’ フィルム、フィルム
20、20’ カートリッジ壁部、カートリッジ壁部
22、22’ 18の前方端部、18’の前方端部
24 外周表面
26 フォーメーション
28、28’、28” 溝部、60の中のダイヤモンド形状の溝部、溝部のベース
30、30’、30” 凹部、Lの短い肢、Lの長い肢
32、32’、32” 波状構造体、山部、谷部
34 リブ
36 補強リブ
38、38’ チャンバー出口部、チャンバー出口部
40、40’ 通路、通路
42 16の端部
44 ペデスタル
46 カラー
48 最も外側のパーツ
50 レッジ部
52 18、18’の内側表面
54、54’ 端面、裏面
56、56’ 第2のフィルム、第2のフィルム
58、58 シーム、シーム
60 18、18’の外側表面
62 ディスペンシング・アッセンブリ
64 スリーブ
66 64の内側表面
68 14の底部端部
70 バルジ
72 70の交差点
74 外側ネジ山
76、76’ 16の前方端部、16のシールされた前方端部
78 キャップ
80 突出部
82 シール
84 内側ネジ山
A 長手方向
M、M’ 材料、材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図14c
【国際調査報告】