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▶ ハウメディカ オステオニクス コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】モジュール式上腕骨頭
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/40 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A61F2/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518133
(86)(22)【出願日】2019-10-01
(85)【翻訳文提出日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 US2019054023
(87)【国際公開番号】W WO2020072465
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】62/740,342
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516058229
【氏名又は名称】ハウメディカ オステオニクス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Howmedica Osteonics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノックス,ケビン・ピィ
(72)【発明者】
【氏名】マッチラー,オースティン・ワイアット
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,マイケル・シィ
(72)【発明者】
【氏名】スタンプ,デイビッド・アール
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA11
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC12
4C097CC18
4C097SC03
(57)【要約】
関節体1404とカプラー1424Cとを含む上腕骨頭アセンブリが提供される。関節体は、関節面1408の反対側にある関節体の側面に配置された結合部1414、1416を含む。結合部は、偏心調整の連続区域を含む。カプラー部は、選択的に1つ以上の離散位置決め部位を含む。カプラーは、第1部分1428と、第1部分の反対側にある第2部分1436Cとを含む。第1部分は結合部と整合するように構成され、第2部分は関節プロテーゼのまた別の部材と整合するように構成される。偏心調整の連続範囲を有する結合部が骨アンカーに形成でき、他の構成要素の偏心は、アンカーの結合部に沿ってリバース型上腕骨アセンブリ用トレイ等のカプラーの動きによって選択できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸状関節面と結合部とを含む関節体であって、前記結合部は、前記凸状関節面の反対側にある関節体の側面に配置された関節体と、
前記結合部と整合するように構成された第1部分、及び前記第1部分の反対側にあり、関節プロテーゼのまた別の部材と整合するように構成された第2部分を含むカプラーと、を含む上腕骨頭システムであって、
前記カプラーは、関節プロテーゼの他の部材に前記関節面の選択されたオフセットの程度を提供するために、前記関節体と前記カプラーとの間に固定した回転位置を提供するように構成される上腕骨頭システム。
【請求項2】
前記カプラーは、前記カプラーの第1部分と第2部分との間に配置されたオフセット窓を含む、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項3】
前記カプラーが、前記第2部分に対して横方向に延びるプレートを含み、前記オフセット窓が、前記関節プロテーゼの他の部材に対する関節体の偏心の大きさを示すインディシアを露出するように構成されたプレートに形成されたスロットを含む、請求項2に記載の上腕骨頭システム。
【請求項4】
前記関節プロテーゼの他の構成要素を含む上腕骨アンカーをさらに含み、前記上腕骨アンカーは偏心インディシアを含み、前記スロットは、前記上腕骨アンカーに対する前記カプラーの異なる回転位置で異なるインディシアを露出し、前記回転位置は、前記カプラーの第2部分を介して延びる長手軸周りに回転することにより変更される、請求項3に記載の上腕骨頭システム。
【請求項5】
前記カプラーは、前記カプラーの第1端面から前記カプラーの第2端面まで延びるねじ山付きチャンネルを含み、前記チャンネルは、前記関節体及び前記関節プロテーゼの他の部材のうちの1つ又は両方の表面に対する接近を提供する、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項6】
前記ねじ山付きチャンネルは、前記カプラーの第1部分及び第2部分を介して形成される、請求項5に記載の上腕骨頭システム。
【請求項7】
前記カプラーは、前記第1部分と前記第2部分との間に配置された傾斜面を含むこじ開けレッジを含み、前記こじ開けレッジは、前記カプラーの第1部分又は第2部分の長手軸に沿って縦方向の力を伝達するために加えられる半径方向荷重に反応する、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項8】
前記こじ開けレッジは、前記カプラーのディスク部材と前記カプラーの周辺部との間で半径方向に延び、前記こじ開けレッジは、上腕骨頭システムが完全に組み立てられたとき、上腕骨頭システムの周辺部から接近可能である、請求項7に記載の上腕骨頭システム。
【請求項9】
前記関節体は、前記結合部を含むリセスを含む、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項10】
前記リセスは、前記関節体の凸状関節面の中心軸からオフセットされる中心軸を含む、請求項9に記載の上腕骨頭システム。
【請求項11】
前記リセスは、テーパ状プロファイルを含む、請求項9に記載の上腕骨頭システム。
【請求項12】
前記カプラーの第1部分は、前記リセスと整合するように構成された突出部を含む、請求項9に記載の上腕骨頭システム。
【請求項13】
前記突出部は、軸方向突出部であり、且つ、放射状突出部をさらに含み、少なくとも1つの離散位置決め部位は、放射状ノッチを含み、前記放射状突出部は、偏心調整量を規定するために、前記放射状ノッチと整合するように構成される、請求項12に記載の上腕骨頭システム。
【請求項14】
前記関節体の結合部は、放射状ノッチを含む、請求項13に記載の上腕骨頭システム。
【請求項15】
前記カプラーは、関節プロテーゼの他の部材のリセス部と整合するように構成された第1面と、前記他の部材の露出面に又はそれに隣接して配置されるように構成された第1面の反対側にある第2面とを有するディスク部材を含む、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項16】
前記カプラーと前記凸状関節面との間に配置された少なくとも1つの離散位置決め部位をさらに含み、前記離散位置決め部位は、前記関節体と前記カプラーとの間に固定した回転位置を提供する、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの離散位置決め部位は、コネクタと前記関節体との間の接続のための単一の放射状ノッチを含む、請求項16に記載の上腕骨頭システム。
【請求項18】
前記凸状関節面の反対側にある関節体の側面は、配向を示すインディシアを含む、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項19】
前記カプラーは、前記凸状関節面の反対側にある前記関節体の側面と面するように構成されたカプラーの表面から離間して配置された環状突出部を含み、前記環状突出部は、単一の回転配向で前記結合部の放射状ノッチと係合するように構成される、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項20】
前記カプラーの第1部分は、締まりばめにより前記関節体と結合するテーパ状突出部を含む、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項21】
前記第2部分は、テーパ状である、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項22】
前記第2部分は、骨アンカーのリセスの内周と係合するように構成された拡張可能なディスクを含む、請求項1に記載の上腕骨頭システム。
【請求項23】
請求項1に記載の上腕骨頭システムを含むキットであって、
カプラーは、第1結合部と第2結合部との間に第1オフセットを有する第1カプラーと、
第2カプラーであって、第2カプラーの第1結合部と第2カプラーの第2結合部との間に第2オフセットを含むか又はオフセットを含まず、前記第2オフセットは、前記第1オフセットとは異なる、第2カプラーとを含む、キット。
【請求項24】
関節面を含む関節体と、
近位面と、骨に差し込まれるように構成された遠位端とを含む骨アンカーと、
前記関節面と前記骨アンカーの遠位端との間に配置された関節体にリセス領域を含む結合部と、
選択された回転位置で結合部と整合するように構成された第1部分と、前記第1部分の反対側にある第2部分とを含むカプラーであって、前記第2部分は、前記関節体が前記骨アンカーと直接的又は間接的に結合するように構成されたカプラーと、を含む関節構成要素。
【請求項25】
前記カプラーの第2部分は、前記骨アンカーの近位面のリセスに収容されるように構成された拡張可能なディスクを含む、請求項24に記載の関節構成要素。
【請求項26】
前記拡張可能なディスクは、アクチュエータがその中に配置されたスロットを含み、前記アクチュエータは、前記拡張可能なディスクのより小さい周辺構成に対応するスロットに関する第1位置と、前記拡張可能なディスクのより大きい周辺構成に対応するスロットに関する第2位置とを有する、請求項25に記載の関節構成要素。
【請求項27】
前記アクチュエータは、前記拡張可能なディスクにおける長方形の開口内で回転するように構成された長方形の周辺部材を含み、前記第1位置は、前記長方形の開口の長軸に整列している前記長方形の周辺部材の長軸に対応し、前記第2位置は、前記長方形の開口の長軸に対して横方向に配向されている前記長方形の周辺部材の長軸に対応する、請求項26に記載の関節構成要素。
【請求項28】
前記アクチュエータは、前記拡張可能なディスクにおけるねじ山付きリセスと整合するように構成されたねじ山付き部材を含み、前記第1位置は、前記ねじ山付きリセスにおける前記ねじ山付き部材のあまり前進していない位置に対応し、前記第2部分は、前記ねじ山付きリセスにおける前記ねじ山付き部材のより前進している位置に対応する、請求項26に記載の関節構成要素。
【請求項29】
前記ねじ山付き部材は、第1テーパ面を含み、前記ねじ山付きリセスは、第2テーパ面を含み、前記第1位置は、前記第1テーパ面と第2テーパ面との係合前に提供され、前記第2位置は、前記第1テーパ面と第2テーパ面との係合時に提供される、請求項28に記載の関節構成要素。
【請求項30】
前記カプラーの第1部分は、前記スロット内に挿入されるように構成された端部を有し、前記第1部分の端部は、前記スロット内に挿入されるように構成された1つ以上の突出部を含み、前記1つ以上の突出部は、前記第1位置のスロットと整列し、且つ、前記第2位置のスロットに対して横断する、請求項26に記載の関節構成要素。
【請求項31】
前記カプラーの第1部分は、前記スロット内に挿入されるように構成された端部を有し、前記第1部分の端部はテーパ状であり、前記スロットは、それに沿って配置されたテーパ状リセスを有し、前記第1位置はあまり前進していない位置であり、前記第2位置はより前進している位置である、請求項26に記載の関節構成要素。
【請求項32】
前記スロットは、第1スロットであり、且つ、第2スロットをさらに含み、より大きい周辺構成において、前記第1スロットは広くなり、前記第2スロットは同一幅であるか又は狭くなる、請求項26に記載の関節構成要素。
【請求項33】
前記拡張可能なディスクは、複数の離隔した接触点を含む、請求項25に記載の関節構成要素。
【請求項34】
前記カプラーは、前記結合部に又はその反対側に形成されたオフセットインディシアの観察をもたらす窓を含む、請求項25に記載の関節構成要素。
【請求項35】
前記関節インプラントのまた別の構成要素の結合部と関節インプラントのカプラーの端部とを係合するステップと、
前記端部が前記関節インプラントの他の構成要素の結合部と係合すると共に、
前記カプラーの端部と前記関節インプラントの他の構成要素の結合部との間に回転位置の連続範囲に沿って相対回転を提供するステップと、
前記回転位置の連続範囲内の位置に対応する偏心量を選択するステップと、
前記カプラーの端部に前記関節インプラントの他の構成要素を前記選択した偏心量で固定させるステップと、を含む、人工肩関節の関節構成要素の組み立て方法。
【請求項36】
前記カプラーの端部を係合するステップは、前記関節インプラントの他の構成要素上に形成されたオフセットインディシアに隣接した位置に前記カプラーの一部を介して配置されたオフセット窓を前進させるステップと、相対回転を提供する際、偏心量及び/又は偏心方向を選択するために、観察開口が複数の前記オフセットインディシアから選択された1つと整列しているかを確認するステップと、をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記他の構成要素は、上腕骨アンカーを含み、前記オフセットインディシアは、その露出面に形成される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
関節体と上腕骨アンカーとの間の隙間に接近可能に上腕骨プロテーゼの周りを露出させるステップと、
前記隙間内にこじ開けツールを前進させるステップと、
こじ開けレッジとの接触が行われるまで、前記関節体と前記上腕骨アンカーとの間に配置されたカプラー上に形成されたこじ開けレッジに対して前記こじ開けツールをさらに前進させるステップと、
前記こじ開けツールの端部で前記こじ開けレッジに半径方向荷重を加えるステップであって、前記こじ開けレッジは、前記半径方向荷重を加える方向に対して角度をなすステップと、を含む上腕骨プロテーゼの分解方法であって、
前記半径方向荷重は、前記関節体を前記上腕骨アンカーから分離させる軸方向荷重になる、上腕骨プロテーゼの分解方法。
【請求項39】
前記カプラーに形成されたチャンネルを介して細長いシャフトが前進するステップであって、前記チャンネルは、前記関節体と係合したカプラーの第1端部と前記第1端部の反対側にある前記カプラーの第2端部との間で延びるステップと、
前記細長いシャフトは、前記カプラーと係合し、その端部は関節体の表面と係合するステップと、
前記カプラーから前記関節体を分離させるために、前記細長いシャフトにより前記カプラー及び前記関節体に対抗荷重を提供するステップとを、さらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記細長いシャフトを前記カプラーと係合させるステップは、前記細長いシャフトの外ねじ山と、前記カプラーの内ねじ山とを係合させることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記カプラー内に形成されたチャンネルを介して細長いシャフトを前進させるステップであって、前記チャンネルは、前記カプラーの第1端部と前記第1端部の反対側にあるカプラーの第2端部との間で延び、前記第2端部は、前記上腕骨アンカーと係合するステップと、
前記細長いシャフトは、前記カプラーと係合し、その端部は前記上腕骨アンカーの表面と係合するステップと、
前記上腕骨アンカーから前記カプラーを分離させるために、前記細長いシャフトにより前記カプラー及び前記上腕骨アンカーに対抗荷重を提供するステップとを、さらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年10月2日に出願された米国仮出願第62/740342号に対する優先権を主張し、その内容全体を本明細書に参照として含む。
【0002】
本発明は、上腕骨頭アセンブリ及びその構成要素だけでなく、これらを組み立てて埋め込む方法に関する。
【背景技術】
【0003】
骨格関節は、互いに対して2つ以上の骨の広範囲且つ滑らかな動きを提供する多様な構成を有する。例えば、肩関節において、上腕骨の一端での関節面は、「ボールとソケット」関節と同様の方式で、肩甲骨関節窩での関節面と相互作用する。痛みを誘発して肩関節の動きを制限する関節状態が発生し得る。関節の一方または両方の関節面に人工構成要素を埋め込むと、このような状態を改善することができる。
【0004】
典型的な解剖学的肩関節置換術は、元々の(natural)関節解剖学を模倣しようと試みる。例えば、上腕骨アンカー(例えば、ステムまたはステムレスアンカー)が上腕骨に取り付けられ、凸状上腕骨頭がアンカーに組み立てられ得る。これらの構造は、共に肩関節の上腕骨関節面を代替する。上腕骨頭は、元々の関節窩ソケット又は関節窩の関節面を代替するように構成された関節窩リサーフェシング(resurfacing)装置と関節結合をなすことができる。どちらの場合でも、肩甲骨に対する上腕骨の相対的位置は、骨に接続されて休息や動作中に互いに対する位置で骨を固定させる軟組織の状態や位置等の非骨格的因子によって変わる。
【0005】
上腕骨に対する上腕骨頭の位置は、上腕骨頭アセンブリの安全及び手術後の関節の運動力学において重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
構成要素の選択や配列においてより大きな柔軟性が必要であり、所望の手術後の上腕骨及び肩甲骨の位置を提供する必要がある。また、手術後の結合組織における張力具合いの制御を増加させる必要がある。さらに、外科医が結合組織の張力具合いについて制御を維持しつつ、解剖学的及びリバース型肩関節体何れも上腕骨に固定できる上腕骨アンカーへの要望がある。また、肩関節のための上腕骨アンカーに対する上腕骨頭の配置において向上した柔軟性が必要である。上腕骨頭の関節面が、上腕骨頭及び上腕骨アンカーが結合する軸から中心にあるか又は偏心することを可能にする上腕骨頭アセンブリが必要である。多様な患者の要求が前記アセンブリにより満たされるよう、アセンブリ軸に対して多様な偏心を提供する上腕骨頭アセンブリが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、関節体と、カプラーと、少なくとも1つの離散位置決め部位とを含む上腕骨頭システムが提供される。関節体は、凸状関節面と結合部とを有する。結合部は、凸状関節面の反対側にある関節体の側面に配置される。カプラーは、結合部と整合するように構成された第1部分と、第1部分の反対側にある第2部分とを有する。第2部分は、関節プロテーゼのまた別の部材と整合するように構成される。カプラーと凸状関節面との間に少なくとも1つの離散位置決め部位が配置される。離散位置決め部位は、関節体とカプラーとの間に固定した回転位置を提供する。
【0008】
一部の実施形態において、関節体の結合部は、偏心調整の連続区域を含むことができる。一部の実施形態において、偏心調整の連続区域は、少なくとも1つの離散位置決め部位を含む。カプラーは、関節体の結合部と整合するように構成された第1部分を含むことができる。
【0009】
一部の実施形態において、カプラーの第1部分は、締まりばめ(interference fit)により関節体と結合するテーパ状突出部を含む。カプラーの第2部分はテーパ状であり得る。一部の例において、カプラーの第1部分は、結合部に対して第1構成で配置され、関節体に対するカプラーの回転位置は、連続区域に沿って異なる偏心量を選択するように連続区域に沿って調整され、また、カプラーは、第2構成で結合部で関節体に固定できる。他の実施形態において、結合部は、偏心調整の複数の連続区域を含む。
【0010】
また、カプラーは、第1部分と第2部分との間に配置されたカラーを含むことができ、カラーは、少なくとも偏心調整の連続区域に沿って位置決め可能に構成された突出部を含む。一部の例において、結合部は、突出部を収容するように構成された放射状ノッチを含む。突出部がノッチに収容されると、関節体に対するカプラーの相対回転は防止される。突出部及びノッチの位置は、結合部が離散位置決め部位に1つ又は複数の突出部を含み、カラーが突出部を収容するように構成されたノッチを含むように反転できる。一部の実施形態において、放射状ノッチは、偏心調整の連続区域に周方向に隣接して配置される。他の具体的な実施形態において、放射状ノッチは、ノッチ内に突出部が配置されると、カプラーと関節体との間に偏心が提供されない位置に配置される。
【0011】
結合部は、一部の実施形態において、単一の放射状ノッチを含むことができ、選択された偏心量を生成するカプラーを選択することで偏心が提供できる。
【0012】
一部の例において、偏心調整の連続区域及び少なくとも1つの離散位置決め部位は、同一平面に配置される。一部の実施形態において、複数の離散偏心位置は、凸状関節面の反対側にある関節体の側面に配置され、複数個は、偏心調整の連続区域の反対側の角度範囲に沿って延びる。連続範囲は、少なくとも90度の偏心を提供することができる。他の実施形態において、連続範囲は、約90度~約180度の偏心を提供する。一部の実施形態において、複数の離散偏心位置は、第1方向における偏心位置に対応する少なくとも3つの離散部位を含む。一部の例において、偏心位置に対応する少なくとも3つの離散部位は、偏心のない位置に対応する部位と、最大偏心の位置に対応する部位との間に配置される。一部の実施形態において、偏心のない位置は、最大偏心の位置から180度回転方向にオフセットされる。
【0013】
一部の実施形態において、結合部は、カプラーの第1部分が結合部に対して第1構成で配置でき、関節体に対するカプラーの回転位置が固定される離散偏心位置を含む。一部の例において、結合部は、複数の偏心調整の連続区域を含み、複数の前記区域の1つは、離散偏心位置の各々の側に配置される。一部の実施形態において、結合部は、複数の離散偏心位置を含み、偏心調整の連続区域は、離散偏心位置の間にある。一部の実施形態において、結合部は、複数の離散偏心位置及び複数の偏心調整の連続区域を含み、離散偏心位置は、偏心調整の連続区域と交互になっている。
【0014】
本明細書に記載された上腕骨頭アセンブリは、偏心量を示すインディシア(indicia)を含むことができる。偏心量は、連続区域の予め決められた離隔位置に表示できる。インディシアは、凸状関節面の反対側にある関節体の側面に配置できる。一部の実施形態において、インディシアは、凸状関節面の反対側にある関節体の側面に複数のマークを含む。関節体に対するカプラーの特定の回転位置によって提供される偏心量は、突出部がインディシアのうちの1つと整列するときに提供できる。偏心量は、関節面の反対側にある関節体の側面に表示できる。例えば、関節面の反対側にある関節体の側面の表面に複数のインディシアが提供できる。適切な偏心を提供するために、カプラーは、カプラー上のインディシアが複数のインディシアのうちの1つと整列するよう、関節体と係合するように構成することができる。
【0015】
他の実施形態において、関節体とカプラーとを含むことができる上腕骨頭アセンブリが提供される。関節体は、凸状関節面と結合部とを含むことができる。結合部は、凸状関節面の反対側にある関節体の側面に配置できる。結合部は、凸状関節面の反対側から凸状関節面に向かって延びるリセスを含むことができる。リセスは、リセスに沿って配置された少なくとも1つの放射状ノッチを有する外周を有することができる。カプラーは、第1部分と第2部分とを含むことができる。第1部分は、結合部と整合するように構成することができる。カプラーは、その上に配置された放射状突出部を含むことができる。第2部分は、第1部分の反対側に位置し、また、関節プロテーゼのまた別の部材と整合するように構成することができる。カプラーの第1部分は、放射状突出部が放射状ノッチに収容されるよう、結合部に対して配置できる。
【0016】
また別の実施形態において、関節体と、骨アンカーと、結合部と、カプラーとを含むことができる上腕骨頭アセンブリが提供される。関節体は、関節面と結合部とを含むことができる。結合部は、関節面の反対側にある関節体の側面に配置できる。骨アンカーは、近位面と、骨に差し込まれるように構成された遠位端とを含む。一実施形態において、結合部は、凸状関節面と骨アンカーの遠位端との間に配置された少なくとも1つの離散位置決め部位を含む。結合部は、凸状関節面と骨アンカーの遠位端との間に偏心調整の連続区域を選択的に含むことができる。カプラーは、結合部と整合するように構成された第1部分と、第1部分の反対側にある第2部分とを含む。第2部分は、関節体を骨アンカーと結合するように構成される。
【0017】
他の実施形態において、骨アンカーは、髄内管に配置されるように構成されたステム部分を含む。他の実施形態において、骨アンカーは、遠位部が骨幹端部内又は骨幹端部の中央に存在するように構成されたステムレスアンカーを含む。骨アンカーの結合部は、骨アンカーの中央面に配置できる。他の実施形態において、骨アンカーは、内部にカプラーの放射状突出部の回転を提供する円形リセスのアーチ形セグメントを含む偏心調整の連続区域を選択的に含む。骨アンカーは、偏心調整の連続区域と整列した放射状ノッチを含む少なくとも1つの離散位置決め部位を含むことができる。
【0018】
結合部が骨アンカー上に配置される実施形態において、キットに複数のカプラーが提供できる。カプラーは、第2部分上の放射状突出部が結合部の放射状ノッチと整合すると、異なる偏心調整量を提供するように構成することができる。
【0019】
一部の実施形態において、人工肩関節の関節構成要素は、カプラーの第1端部を関節体の結合部と係合させることで組み立てることができる。人工肩関節のアセンブリは、カプラーの第1端部の周りに関節体の相対回転を提供するステップを含むことができる。回転は、提供される場合、回転位置の連続範囲に沿うことができると同時に、第1端部は結合部と係合する。相対回転は、カプラーが放射状ノッチ又は他の離散位置決めフィーチャーと整列するように提供できる。関節構成要素の組み立ては、回転位置の連続範囲内の位置に対応する偏心量を選択するステップを含むことができる。関節構成要素の組み立ては、1つ以上のノッチ又は他の離散位置決めフィーチャーに対応する偏心量を選択するステップを含むことができる。関節構成要素の組み立ては、1つの放射状ノッチ又は複数の放射状ノッチのうちの何れかと結合する際に、偏心量を提供するように構成されたカプラーを選択するステップを含むことができる。関節構成要素の組み立ては、選択されたカプラーと組み合わせられた場合、連続区域に沿って又は離散位置決めフィーチャーで選択した偏心量でカプラーの第1端部の周りに関節体を固定するステップを含むことができる。
【0020】
また、関節構成要素の組み立ては、連続区域に沿ってカプラーの突出部を位置決めするステップを含むことができ、ここで、突出部は、カプラーの第1端部と第2端部との間に配置される。一部の実施形態において、関節構成要素の組み立ては、結合部の放射状ノッチに突出部を係合させることにより、関節体に対するカプラーの相対回転を防止するステップを含む。
【0021】
一部の例において、関節構成要素の組み立ては、関節体の結合部上に又は結合部に隣接して配置された偏心量インジケータと、カプラーのアライメントフィーチャーとを整列するステップを含む。また、関節構成要素の組み立ては、関節体上に配置された複数の偏心インディシアのうちの1つと、カプラーの放射状突出部とを整列するステップを含むことができる。
【0022】
一部の実施形態において、複数のカプラーは、偏心位置又は偏心量を離散させやすくするために提供される。他の実施形態において、結合部は、複数の離散位置決めフィーチャーを含み、各々の離散位置決めフィーチャーは、選択されたカプラーに対して異なる偏心量を提供し、カプラーと離散位置決めフィーチャーとを整列するために相対回転を提供する場合、より小さい偏心に対応する離散位置決めフィーチャーと、より大きい偏心に対応する離散位置決めフィーチャーとの間で選択するステップを含む。
【0023】
他の実施形態において、関節体と、骨アンカーと、結合部とを含む関節構成要素が提供される。関節体は、関節面、例えば、凸状又は凹状関節面を含む。骨アンカーは、近位面と、骨に差し込まれるように構成された遠位端とを有する。結合部は、偏心調整の連続区域を選択的に有する。結合部は、関節面と骨アンカーの遠位端との間に配置された1つ以上の離散位置決め部位を有することができる。カプラーは、結合部と整合するように構成された第1部分と、第1部分の反対側にある第2部分とを有することができる。第2部分は、関節体を骨アンカーと直接的又は間接的に結合するように構成される。一部の実施形態において、カプラーは、離散位置決め部位、例えば、放射状ノッチと結合した際に、異なる偏心調整度を提供する各々のカプラーを有する複数のカプラーのうちの1つである。
【0024】
一変形において、人工肩関節の関節構成要素を組み立てる方法が提供される。カプラーの第1端部は結合部と係合する。結合部は、関節体又は関節体が接続される中間カプラーにあり得る。関節体とカプラーとの間でカプラーの第1端部周りに相対回転が提供できる。回転は、提供される場合、回転位置の連続範囲に沿うことができると同時に、第1端部は結合部と係合する。回転により、カプラーと放射状ノッチ等の離散位置決めフィーチャーとを整列させることができる。カプラーは、その突出部が離散位置決めフィーチャーと結合する際、異なる偏心調整量を提供するように構成された複数のカプラーから選択され得る。回転位置の連続範囲内の位置に対応する偏心量は、提供される場合、選択できる。関節体は、前記連続範囲に沿って位置決めすることによって又は選択されたカプラーを離散位置決めフィーチャーと結合させることによって提供される偏心で、カプラーの第1端部の周りに固定される。
【0025】
他の実施形態において、人工肩関節の関節構成要素を組み立てる方法が提供される。この方法において、関節インプラントのカプラーの端部は、関節インプラントの他の構成要素の結合部と係合する。カプラーの端部と関節インプラントの他の構成要素の結合部との間に、回転位置の連続範囲に沿って相対回転が提供されると同時に、端部は、関節インプラントの他の構成要素の結合部と係合する。回転位置の連続範囲内の位置に対応する偏心量が選択される。関節インプラントの他の構成要素は、選択した偏心量でカプラーの端部に固定される。一変形において、結合部は、1つ以上の離散位置決め部位、例えば、ノッチを有し、偏心量は、所望の偏心量を提供するように構成されたカプラーを選択することによって提供される。
【0026】
一部の実施形態において、第2部分の構成要素は、第1周辺部から第2周辺部に拡張できる。第1周辺部は、第2周辺部よりも小さい。周辺部は、例えば、カプラーの長手軸を取り囲む周りに配置される1つの表面又は複数の表面を含むことができる。カプラーは、結合部上又はその反対側に形成されたオフセットインディシアの観察をもたらす窓を含むことができる。
【0027】
一実施形態において、関節体と、骨アンカーと、結合部と、カプラーとを含む関節構成要素が提供される。関節体は、関節面を有する。骨アンカーは、近位面と、骨に差し込まれるように構成された遠位端とを含む。結合部は、関節面と骨アンカーの遠位端との間に配置された放射状ノッチを含む。カプラーは、結合部と整合するように構成された第1部分を含む。また、カプラーは、関節体と骨アンカーが直接又は間接に結合するように構成された第1部分の反対側にある第2部分を含む。
【0028】
一実施形態において、関節体とカプラーとを含む上腕骨頭システムが提供される。関節体は、凸状関節面と結合部とを有し、結合部は、凸状関節面の反対側にある関節体の側面に配置される。カプラーは、結合部と整合するように構成された第1部分と、第1部分の反対側にある第2部分とを有する。第2部分は、関節プロテーゼのまた別の部材と整合するように構成される。カプラーは、関節プロテーゼの他の部材に関節面の選択されたオフセットの程度を提供するために、関節体とカプラーとの間に固定した回転位置を提供するように構成される。
【0029】
一部の実施形態において、カプラーは、カプラーの第1部分と第2部分との間に配置されたオフセット窓を有する。一部の実施形態において、カプラーは、第2部分に対して横方向に延びるプレートを有する。オフセット窓は、関節プロテーゼの他の部材に対する関節体の偏心の大きさを示すインディシアを露出するように構成されたプレートに形成されたスロットを有する。一部の実施形態において、上腕骨アンカーは、関節プロテーゼの他の構成要素を有する。上腕骨アンカーは、偏心インディシアを有し、スロットは、上腕骨アンカーに対するカプラーの異なる回転位置で異なるインディシアを露出する。回転位置は、カプラーの第2部分を介して延びる長手軸の周りに回転することで変更される。
【0030】
一部の実施形態において、カプラーは、カプラーの第1端面からカプラーの第2端面に延びるねじ山付きチャンネルを有する。チャンネルは、関節体及び関節プロテーゼの他の部材のうちの何れか又は両方の表面に対する接近を提供する。一部の実施形態において、ねじ山付きチャンネルは、カプラーの第1部分及び第2部分を介して形成される。
【0031】
一部の実施形態において、カプラーは、第1部分と第2部分との間に配置された傾斜面を含むこじ開けレッジ(prying ledge)を有する。こじ開けレッジは、カプラーの第1部分又は第2部分の長手軸に沿って長手方向の力を伝達するために加えられる半径方向荷重に反応する。一部の実施形態において、こじ開けレッジは、カプラーのディスク部材とカプラーの周辺部との間で半径方向に延びる。こじ開けレッジは、上腕骨頭システムが完全に組み立てられたとき、上腕骨頭システムの周辺部から接近可能である。
【0032】
一変形において、上腕骨プロテーゼを分解する方法が提供される。上腕骨プロテーゼの周辺部が、関節体と上腕骨アンカーとの間の隙間に接近可能に露出する。こじ開けツールが隙間内に前進することができる。関節体と上腕骨アンカーとの間に配置されたカプラーに形成されたこじ開けレッジに対するこじ開けツールのさらなる前進は、こじ開けレッジと接触するまで行われ得る。こじ開けレッジに対する半径方向荷重がこじ開けツールの端部に加えられ得る。こじ開けレッジは、半径方向荷重を加える方向に対して角度をなすことができる。半径方向荷重は、関節体を上腕骨アンカーから分離させる軸方向荷重になり得る。
【0033】
他の実施形態において、上腕骨プロテーゼを分解する方法が提供される。この方法において、細長いシャフトは、カプラーに形成されたチャンネルを介して前進することができ、チャンネルは、関節体と係合したカプラーの第1端部と第1端部の反対側にあるカプラーの第2端部との間で延びる。細長いシャフトは、カプラーと係合し、その端部は関節体の表面と係合することができる。カプラーから関節体を分離させるために、細長いシャフトによりカプラー及び関節体に対抗荷重(opposing load)が提供され得る。一変形において、細長いシャフトをカプラーと係合させるステップは、細長いシャフトの外ねじ山とカプラーの内ねじ山と、を係合させるステップを含む。
【0034】
他の実施形態において、上腕骨プロテーゼを分解する方法が提供される。この方法において、細長いシャフトは、カプラーに形成されたチャンネルを介して前進することができる。チャンネルは、カプラーの第1端部と第1端部の反対側にあるカプラーの第2端部との間で延びることができる。カプラーの第2端部は、上腕骨アンカーと係合することができる。細長いシャフトは、カプラーと係合することができ、その端部は上腕骨アンカーの表面と係合することができる。上腕骨アンカーからカプラーを分離させるために、細長いシャフトによりカプラー及び上腕骨アンカーに対抗荷重が提供され得る。
【0035】
本明細書で開示する任意の特徴、構造又はステップは、本明細書で開示する任意の他の特徴、構造又はステップに代替、結合又は省略することができる。また、開示内容を要約するために、本発明の所定の態様、利点及び特徴を本明細書で開示している。本明細書で開示する本発明の任意の特定の実施形態により、そのような利点の一部又は全部が必ず達成される必要があるわけではないということを理解されたい。本発明の如何なる態様も、必須又は必要不可欠ではない。
【0036】
これら及び他の特徴、態様及び利点は、図面を参照して以下に説明されており、これは例示を目的とし、決して実施形態の範囲を限定すると解釈されてはならない。また、開示された異なる実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である追加実施形態を形成することができる。図面において、同様の参照符号は、類似の実施形態にわたって一貫して対応する特徴を示す。以下はそれぞれの図面についての簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1A】解剖学的構成において、上腕骨頭アセンブリを形成するために関節体と結合したアンカーの側面図であって、前記アンカーは、上腕骨切除面の下方で関節体を収容するように構成される。
図1B図1Aのアンカーの内面の斜視図である。
図1C】リバース型肩関節体の実施形態の斜視図である。
図1D】リバース型肩関節体の他の実施形態の斜視図である。
図1E】上腕骨頭アセンブリが埋め込まれた上腕骨の側面図である。
図1F】中心カプラーを有する上腕骨頭及び中心カプラーへの好適な埋め込み部位を示す。
図1G】偏心カプラーを有する上腕骨頭及び偏心カプラー上腕骨頭との結合から利益を得る埋め込み部位を示す。
図2】関節体の関節面に上腕骨アンカーが整合するように適合化されたカプラーの一部の偏心が0である第1構成を示す、上腕骨頭アセンブリの一実施形態を示す。
図3図2の上腕骨頭アセンブリの分解底面図である。
図4図2の上腕骨頭アセンブリの外側面図である。
図4A】カプラーの突出部と関節体の周縁との放射状の重なりを示す図4における図4Aの詳細を示す。
図5図4に示す平面5―5を介して切り取った断面である。
図5A】関節体の結合部のリセスの詳細図である。
図6】関節体の関節面に上腕骨アンカーが整合するように適合化されたカプラーの一部の偏心が0ではない第2構成を示す、図2の上腕骨頭アセンブリの一実施形態を含む。
図7図2の上腕骨頭アセンブリに使用できる関節体の側面図である。
図8A図2の上腕骨頭アセンブリの関節体の底面図である。
図8B図8Aに示す平面8B―8Bを介した図2の上腕骨頭アセンブリの関節体の横断面図である。
図9図2の上腕骨頭アセンブリのカプラーの側面図である。
図10図9のカプラーの中央側面図である。
図11図9のカプラーの外側面図である。
図12】上腕骨頭アセンブリの他の実施形態に好適な関節体のさらなる実施形態の外側面図である。
図12A】上腕骨頭アセンブリの他の実施形態に好適な関節体のさらなる実施形態の外側面図である。
図13A】ステムの表面上の結合部の一実施形態を例示する。
図13B】ステムの表面上の結合部の一実施形態を例示する。
図13C】ステムの表面上の結合部の一実施形態を例示する。
図14A】リバース型関節体上腕骨アセンブリのオフセットの調整に好適な上腕骨インプラントアセンブリ及びその構成要素を示す。
図14B】リバース型関節体上腕骨アセンブリのオフセットの調整に好適な上腕骨インプラントアセンブリ及びその構成要素を示す。
図14C】リバース型関節体上腕骨アセンブリのオフセットの調整に好適な上腕骨インプラントアセンブリ及びその構成要素を示す。
図15】概略的に示す、切除された上腕骨に配置された解剖学的上腕骨アセンブリの概略図である。
図16】上腕骨頭と整合した際に多様なオフセットを提供するように構成された複数のカプラーと、上腕骨頭とを含むキットを示す。
図16A】上腕骨頭と整合した際に多様なオフセットを提供するように構成された複数のカプラーと、上腕骨頭とを含むキットを示す。
図17A図16図16Aのキットにおける多様な上腕骨頭アセンブリを示す。
図17B図16図16Aのキットにおける多様な上腕骨頭アセンブリを示す。
図17C図16図16Aのキットにおける多様な上腕骨頭アセンブリを示す。
図18図1A及び図2と類似する上腕骨頭アセンブリ及びアンカーのまた別の例を示し、前記上腕骨頭アセンブリは、選択された方向又はオフセットの程度を確認するように窓を有するカプラーを含む。
図18A図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素の分解図である。
図18B図18の上腕骨頭アセンブリの断面図である。
図18C図16Aのキットと類似する上腕骨頭アセンブリキットである。
図19図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19A図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19B図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19C図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19D図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19E図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図20図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーのまた別の例を示し、前記カプラーは、整列しているカプラーの両端部の長手軸を提供する。
図20A図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーのまた別の例を示し、前記カプラーは、整列しているカプラーの両端部の長手軸を提供する。
図21A】アンカーと係合したカムディスクアセンブリの斜視図である。
図21B】アンカーと係合したカムスクリュアセンブリの斜視図である。
図22A図21のアンカーと係合したカムディスクアセンブリの上面図である。
図22B図58のアンカーと係合したカムスクリュアセンブリの上面図である。
図23図21のアンカーを有するカムディスクアセンブリの分解図である。
図24図22に示す平面24―24を介して切り取った断面である。
図25図21に示すカムディスクアセンブリのカプラーの上面図及び底面図を示す。
図26図21に示すカムディスクアセンブリのカプラーの上面図及び底面図を示す。
図27図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリの固定部の斜視図及び図面図を示す。
図28図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリの固定部の斜視図及び図面図を示す。
図29図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図27図28の固定部と係合するように構成されたアクチュエータの上面図、側面図、及び斜視図を示す。
図30図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図27図28の固定部と係合するように構成されたアクチュエータの上面図、側面図、及び斜視図を示す。
図31図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図27図28の固定部と係合するように構成されたアクチュエータの上面図、側面図、及び斜視図を示す。
図32】テーパカム及びスロットアセンブリの斜視図である。
図33図32のテーパカム及びスロットアセンブリの分解図である。
図34図32のテーパカム及びスロットアセンブリの上面図及び底面図を示す。
図35図32のテーパカム及びスロットアセンブリの上面図及び底面図を示す。
図36図34に示す平面36―36を介して切り取った断面である。
図37図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカプラーの上面図及び底面図を示す。
図38図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカプラーの上面図及び底面図を示す。
図39図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリのアクチュエータの斜視図、上面図、及び側面図を示す。
図40図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリのアクチュエータの斜視図、上面図、及び側面図を示す。
図41図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリのアクチュエータの斜視図、上面図、及び側面図を示す。
図42図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図39図41のアクチュエータと係合するように構成された固定部の斜視図及び側面図を示す。
図43図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図39図41のアクチュエータと係合するように構成された固定部の斜視図及び側面図を示す。
図44】コレットロックアセンブリの斜視図である。
図45図44のコレットロックアセンブリの分解斜視図である。
図46図44のコレットロックアセンブリの上面図である。
図47図44のコレットロックアセンブリの底面図である。
図48】コレットロックアセンブリのカプラーの上面図である。
図49図48に示す平面49―49を介して切り取った断面である。
図50】上腕骨頭アセンブリと係合する図48のカプラーの斜視図を示す。
図51】切除された上腕骨の表面内にリーマが前進している上腕骨アンカーを埋め込む方法の一部を示す。
図52A】アンカーの一実施形態が切除された上腕骨の表面に挿入される場合である、図51に例示されたようなリーミング後の方法の一部を示す。
図52B】アンカーの他の実施形態が切除された上腕骨の表面に挿入される場合である、図51に例示されたようなリーミング後の方法の一部を示す。
図53】切除された上腕骨の表面へ挿入されたアンカー内に上腕骨頭アセンブリの構成要素をはめ込む(impacting)分解図を示す。
図54】上腕骨頭アセンブリの構成要素、例えば、図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するためのこじ開けツールの斜視図を示す。
図55A図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図54のこじ開けツールを使用する方法を提示する。
図55B図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図54のこじ開けツールを使用する方法を提示する。
図56】上腕骨頭アセンブリの構成要素、例えば、図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するためのカプラー分離器の斜視図を示す。
図57A図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図56のカプラー分離器を使用する方法を例示する。
図57B図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図56のカプラー分離器を使用する方法を例示する。
図57C図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図56のカプラー分離器を使用する方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本出願は、関節形成術において長骨に適用できる整形外科用アセンブリに関する。セクションIでは、肩関節形成術の観点からこのようなアセンブリについて説明する。整形外科用アセンブリは、上腕骨切除面の上方に解剖学的関節体を固定することができ、また、上腕骨切除面の下方にリバース型肩関節体の一部を固定することができる上腕骨システムを含むことができる。これは、後述のように、再置換術を容易にし、また、軟組織収容性を向上させる。セクションIIでは、関節体の偏心調整を向上させるために、セクションIで説明した上腕骨アンカーを含む所定の構成要素、システム、及びキットについて説明する。セクションIIIでは、セクションI及びIIで説明した構成要素の変形について説明する。セクションIVは、セクションI~IIIで説明した上腕骨システムのカプラーの変形について説明する。セクションVは、本明細書で開示する上腕骨頭及びリバース型軸受アセンブリを組み立てる多様な方法について説明する。
【0039】
後述する構成要素及び変形は、第2部分と整列するか又は第2部分に対して偏心した第1部分を選択的に位置決めするために、第1部分が第2部分と選択的に結合することを可能にする。第1部分は、第2部分と同一線上にあり得る。以下で詳細に説明する適用において、第1部分は関節体を含むことができ、第2部分は、骨に結合するよう骨アンカー部分を含むことができる。例えば、肩に関して、関節面又は関節体の他の態様が中心位置又は偏心位置において上腕骨アンカーと結合することを可能にする上腕骨頭アセンブリが提供できる。一部の変形において、関節窩アンカーは、リバース型肩インプラントのグレノスフィア(glenosphere)等の関節体がアンカーに対して中心又は偏心位置に配置されることを可能にする。さらなる変形において、アセンブリは、股関節又は膝関節アセンブリに対して中心又は偏心の位置決めを提供するよう、大腿骨アンカーに対して大腿骨アセンブリの関節体を位置決めするのに適合化できる。さらなる変形において、アセンブリは、膝アセンブリに対して中心又は偏心の位置決めを提供するよう、脛骨アンカーに対して脛骨アセンブリの関節体を位置決めするのに適合化できる。関節面を中心位置又は1つ以上の偏心位置、又は多様な偏心位置にわたって結合する能力により、外科医はより多様な患者の解剖学的構造を従来よりさらに少ない構成要素を有するキットを用いて治療することが可能となる。
【0040】
I.切除面下での解剖学的関節体及びリバース型関節体との接続のために構成されたアンカー
図1A~1Dは、上腕骨頭アセンブリ800と、上腕骨の近位部、例えば、骨幹端部に配置できるアンカー830とを含むリバース型軸受アセンブリ800Aを示す。アンカー830は、骨幹端部内に上腕骨切除面下方の関節体の一部を収容できるように構成される。アンカー830は、外科医が多様な患者の軟組織を収容すると共に、後述のように、肩の関節面を有利に反転させることを可能にする。
【0041】
図1Aは、解剖学的構成において、上腕骨頭アセンブリ800を形成するために、関節体804と結合したアンカー830を示す。アンカー830は、切除面Sに又はその下方に配置される。より具体的に、アンカー830は、第1端部832と第2端部834とを有する。第1端部832は近位端であり得、第2端部834は、上腕骨アンカー830の遠位端であり得る。これに関連して、遠位端は、埋め込みの際に、ここでは、上腕骨の骨幹端内により深く配置される末端である。
【0042】
図1Bは、アンカー830の内面840が第1端部832と第2端部834との間で延びることを示す。内面840は、アンカー830の収容部836の一部を形成することができる。内面840は、第1端部832と第2端部834との間に配置された第1リセス842と、第1リセス842と第2端部834との間に配置された第2リセス844とを有する。第1リセス842は、アンカー830の近位端近くに配置されたより広いリセスである。第2リセス844は、第1リセス842と第2端部834との間に配置されたより狭いリセスである。第2リセス842は、解剖学的関節体804に固定されるように固定された又は適合化された(下記の図16図20で説明する)カプラー924を収容するように構成される。
【0043】
図1Cは、アンカー830とリバース型関節体804Aとを含んで形成できるリバース型軸受アセンブリ800Aを示す。関節体804Aは、アンカー830に直接結合できる。例えば、アンカー830の第1リセス842は、関節体804Aの結合部846を内面840に直接固定するように構成することができる。リバース型関節体804Aは、凹状関節面848を含む第1部分と、内面840に直接結合する整合又はインターフェース部849を含む第2部分とを有する単一の成形重合性構成要素を含むことができる。結合は、Cリング850、締まりばめ、又はその他ロック装置により、或いは他の方式で達成できる。存在する場合、Cリング850は、内面840において、第1リセス842の周りの周方向及び第1リセス842の半径方向外向きに延びるスロット852に収容できる。一部の実施形態において、Cリング850は、関節体804Aとの干渉接続を提供するよう、第1リセス842の周りに配置できる1つ又は複数のフィン854と協働することができる。一部の例において、関節体804A及び/又はCリング850は、回転安定性を提供するよう、第1リセス842で1つ又は複数のフィンと相互作用することができる。一部の実施形態において、Cリング850が除去され、収容部836に関節体804Aが固定されるよう、フィン854又は他の構造体を使用する干渉接続が単独で用いられ得る。
【0044】
組み立てられたリバース型肩インプラントにおいて、リバース型関節体804Aのインターフェース部849とアンカー830の内面840との重なりがある。これは、リバース型軸受アセンブリ800Aを上腕骨Hと肩関節を形成する肩甲骨の関節窩との間に小さな隙間を有する患者に嵌合することを可能にするという利点を提供する。より大きな隙間を有する患者の場合、リバース型軸受アセンブリ800A及びその対応する関節窩インプラント(存在する場合)が上腕骨と肩甲骨との間の空間を占めるよう、スペーサが提供できる。これは、上腕骨と肩甲骨との間の結合組織に過度な張力を加えることなく、肩関節形成術の達成を可能にする。これは、手術後の肩関節ができるだけ発病前の生体力学に近づくようにする。リバース型肩関節体804Aの一部を切除下方に配置させる構成により、より多様な患者を治療する向上した能力を外科医に提供する。
【0045】
上述のように、一部の患者は、リバース型肩配列の利点を得る。しばしば、これは、解剖学的アセンブリの初期の埋め込み後に行う。この再置換の侵襲性を最小化するために、アンカー800は、有利には、関節体804又はリバース型肩関節体804と整合するように構成される。リバース型肩関節体804Aの例は、図1C及び図1Dに示されている。特に、以下でより詳細に説明するように、関節体804がアンカー800に間接的に結合可能なよう、1つ又は複数のカプラー924a、924b、924cが提供できる。カプラー924a、924b、924cは、第2リセス844と結合し、アンカー830の第1リセス842を占めるように構成することができる。よって、カプラー924a、924b、924cは、関節体804が切除面S上のアンカー830に装着されることを可能にするスペーサ部を含むことができる。従って、初期の解剖学的構成を可能とし、且つ、患者に再置換を行うために外科医がリバース型プロテーゼ用の別のアンカーを除去又は設置する必要なく反転できるよう、第1リセス842がアンカー830に含まれる。
【0046】
一部の実施形態において、アンカー830は、1つ又は複数のカプラー1424a、1424b、1424cを収容及び/又は係合するように構成することができる。代案として、1つ又は複数のカプラー924a、924b、924cは、以下でより詳細に説明する上腕骨アンカー1500の実施形態と係合するように構成することができる。アンカー、カプラー及び関節体の多様な構成要素を各図面に示す個別の構成要素を参照して説明するが、上腕骨頭アセンブリ800及びリバース型軸受アセンブリ800Aが以下で詳細に説明するアンカー、カプラー、又は関節体のうちの任意の組み合わせを含むことができるということをよく理解されたい。
【0047】
II.中心及び偏心の上腕骨アセンブリを可能にする構成要素、システム、及びキット
図1E図1Gは、関節インプラントが中心又は偏心の関節面構成を提供できることを示す。図16図17Cは、関節面の多様な偏心度を提供するために、上腕骨アンカー830を組み込むか又は共に使用できる構成要素、システム、及びキットを示す。図18図20Aは、関節面の多様な偏心方向又は程度を提供するために、(以下でより詳細に説明する)上腕骨アンカー1500を組み込むか又は共に使用できる構成要素、システム、及びキットの他の実施形態を示す。
【0048】
図1Eは、上腕骨Hと結合した上腕骨頭アセンブリ10の例を示す。上腕骨Hに上腕骨頭アセンブリ10を埋め込む過程において、肩関節空間は外科的に接近され、上腕骨は肩甲骨の関節窩から分離される。上腕骨Hの上腕骨頭は、平面14に沿って切断又は切除することにより残りの上腕骨から分離される。この切除術は、近位上腕骨Hの露出面Sを生成する。その後、上腕骨の髄内管(上腕骨内の細長い空洞)にアプローチして、拡大又は前処置され得る。その後、ステム30は、表面Sに露出するか又は表面Sからアプローチ可能なステム30の髄内管が残っている結合面40(図1F及び図1G参照)に挿入できる。代案の技術において、髄内管を前処置したり髄内管にアプローチする必要がないステムレスアンカーが提供される。図1Fに示すように、関節体22は、上腕骨Hと結合された上腕骨頭アセンブリを形成するよう、ステム30と結合できる。
【0049】
図1A図1Dのように)ステムレス上腕骨アンカーを使用するか、又は(図1Eのように)ステム付き上腕骨アンカーを使用するかにかかわらず、表面Sに配置されるアンカーの結合面は、必ずしも表面Sの中央にある必要はない。このような変動は、一部の上腕骨頭は中心にあり、一部は偏心しているキットを提供することにより解決できる。図1Fは、中心位置にある上腕骨Hに配置されたステム30を示す。ステム30の結合面40の中心における結合フィーチャ44は、上腕骨Hの露出面Sの中心48と整列する。この構成において、中心の関節面54を有する上腕骨頭50は、露出面Sに対して関節面54の良好なセンタリングを提供するために使用できる。関節面54の中心は、上腕骨頭50のステム58の長手軸56によって交差し、例えば、同一線上にある。図1Gは、一部の場合において、上腕骨Hを切除してステム30を配置する過程により、結合フィーチャ44が上腕骨Hの露出面Sの中心48からオフセットされることを示す。この構成において、偏心の関節面68を有する上腕骨頭58は、露出面Sに対して関節面68の良好なセンタリングを提供するために使用できる。関節面68の中心70は、上腕骨頭64のステム74の長手軸72によって交差せず、例えば、同一線上ではない。むしろ、中心70と長手軸72との間にオフセットOSがある。オフセットOSは、多くの場合で好ましい配置である、上腕骨Hの表面Sの中心48に向かって関節面68をシフトする。
【0050】
一体型コネクタ又は事前に接続されたコネクタを有する複数の上腕骨頭50、64を有するキットが提供できる。しかし、このようなキットは、非効率的アプローチである少なくとも1つの余分の上腕骨頭を含むであろう。上腕骨頭は、上腕骨アセンブリキットにおいて高コストの構成要素となる。このような構成要素の浪費を減らすことは利益になるであろう。
【0051】
図15は、上腕骨Hと結合した上腕骨頭アセンブリ800Bのまた別の例を示す。上腕骨頭アセンブリ800Bは、第1リセス834Bと第2リセス844Bとを含むことができる。一部の実施形態において、第1リセス834Bは、第2リセス844Bよりも大きい半径を有する。上腕骨頭アセンブリ800Bは、第1リセス834Bの周りに配置される第1円筒状部832Bを含む外面808Bを含むことができる。また、上腕骨頭アセンブリ800Bは、第2リセス844Bの周りに配置される第2円筒状部844Bであり得る。一部の実施形態において、上腕骨頭アセンブリ800Bは、第2円筒状部844Bから半径方向に延びるように構成された複数の回転制御フィーチャ850Bを含むことができる。一部の例において、複数の回転制御フィーチャ850Bの各々は、アンカーの中央部から半径方向外側に延びるフィンである。
【0052】
一部の実施形態において、以下で詳細に説明するように、関節体804は、上腕骨の切除レベルの下方に上腕骨頭アセンブリ800Bの一部を収容するように構成された収容部836Bを含むことができる。収容部836Bを切除レベルの下方に配置することは、上腕骨と肩甲骨との間のハードウェア量を減らしつつ、骨を互いにさらに近づかせるのに有利である。
【0053】
図16図17Cは、関節体904を複数の異なるカプラーのうちの1つ(例えば、第1カプラー924a、第2カプラー924b、又は第3カプラー924c)と結合させることにより、アセンブリの偏心が調整できる上腕骨頭アセンブリキット900の実施形態を示す。図16及び図16Aに示すように、関節体904及び複数のカプラー924a、924b、924cは、上腕骨頭アセンブリキット900の分離可能な構成要素である。各々のカプラー924a、924b、924cは、カプラー924a、924b、924cから選択された1つが関節体904と係合される際に、偏心量の選択を容易にするために、又は偏心をなくすことを容易にするために、離散係合位置を有する。以下でさらに説明するように、カプラー924a、924b、924cのうちの1つを選択することにより、異なる偏心度に到達することができる。
【0054】
図17A図17Cは、関節体904がカプラー924a、924b、924cから選択された1つと係合される際に、上腕骨頭アセンブリキット900から形成できる上腕骨アセンブリの多様な構成を示す。図17Aは、関節体904が第1カプラー924aと結合する場合を提供し得る上腕骨頭アセンブリ901を示す。上腕骨頭アセンブリ901は、中心(又は偏心ではない)位置又は構成に対応する。図17Bは、関節体904が第2カプラー924bと結合され、低い偏心位置又は構成に対応する上腕骨頭アセンブリ902を示す。図17Cは、関節体904が第3カプラー924cと結合され、高い偏心位置又は構成に対応する上腕骨頭アセンブリ903を示す。
【0055】
図16図17Cは、以下で説明する上腕骨頭アセンブリ100と類似する多様な上腕骨頭アセンブリ、及び本明細書の他の部分で説明する他の上腕骨頭アセンブリを示す。上腕骨頭アセンブリ901、902、903、キット900、又はその構成要素、例えば、関節体904、及び各々のカプラー924a、924b、924cの説明に関する本明細書の他の部分で説明した他の上腕骨頭アセンブリに関する説明は、本説明についてさらに詳細に敷延し、また、当業者は、そのような説明が上腕骨頭アセンブリ901、902、903及びキット900、関節体904、各々のカプラー924a、924b、924cの下記の説明を補足するということを理解されたい。
【0056】
図16及び図16Aは、関節体904が関節面908を有することができることを示す。関節面908は、凸面であり得る。関節面908は、患者の関節窩で又は患者の関節窩の凹面と係合するように構成することができる。一部の実施形態において、図16及び図16Aに示すように、関節体904はまた、結合部912を有することができる。結合部912は、関節面908の反対側にある関節体904の側面に配置できる。また、上腕骨頭アセンブリ901、902、903は、各々のカプラー924a、924b、924c上の関節体904の離散位置決めのための少なくとも1つの部位920を含むことができる。一部の実施形態において、離散位置決め部位は、放射状ノッチ920である。一部の実施形態において、放射状ノッチ920は、予め規定された位置で、カプラー924a、924b、924cのうちの1つを関節体904と係合させることができるので、係合した場合、相対回転を防止することを可能にする。一部の実施形態において、1つの部位(例えば、放射状ノッチ920)は、同一平面上に、例えば、関節面908の中心に対して横断し且つ垂直な平面上に配置される。偏心量は、カプラー924a、924b、924cのうちの1つを関節体904と係合させることにより選択できる。
【0057】
関節体904は、任意のカプラー924a、924b、924cと係合する及び/又はそれにより保持されるように構成することができる。一部の実施形態において、カプラー924a、924b、924cから選択された1つは、上腕骨頭アセンブリ901、902、903が中心の又は偏心の構成を維持するよう、関節体904の結合部912と結合できる。
【0058】
図16及び図16Aは、結合部912が関節体904内に配置された第1リセス914を含むことができることを示す。第1リセス914は、関節体904の外側面に開放端部を有することができる。外側面は、関節面908の反対側にある関節体904の側面である。外側面は、上腕骨頭アセンブリ901、902、903が埋め込まれる際に、関節窩から離間して面する。第2リセス916は、関節体904内に延びることができる。一部の実施形態において、第2リセス916は、閉鎖端部を有することができる。第2リセス916は、閉鎖端部に隣接するほど直径が小さくなるよう、第2リセス916の長さにわたって直径が減少するようテーパ状であり得る。第2リセス916は、関節体904の結合部912に向かって直径が大きくなり得る。
【0059】
上述のように、関節体904は、上腕骨頭アセンブリ900に対して異なる偏心を提供するために、複数のカプラーと係合するように構成することができる。図示している各々のカプラー924a、924b、924cは、第1部分928a、928b、928cと、ディスク部材932a、932b、932cと、第2部分936a、936b、936cとを含むことができる。一部の実施形態において、カプラー924a、924b、924cは、放射状突出部944a、944b、944cを有するカラー940a、940b、940cを含む係合部を含むことができる。
【0060】
一部の実施形態において、各々のカプラー924a、924b、924cの第1部分928a、928b、928cは、関節体904の第2リセス916内に固定できる。一部の例において、各々のカプラー924a、924b、924cのカラー940a、940b、940cは、第1リセス914内に配置されるように構成することができる。カラー940a、940b、940cは、各カプラー924a、924b、924cの第1部分928a、928b、928cと、ディスク部材932a、932b、932cとの間に位置し得る。カラー940a、940b、940cは、任意のカプラー924a、924b、924cに又はそれにわたって関節体904を位置決めするのに使用できる。一部の例において、カラー940a、940b、940cは、関節体904の放射状ノッチ920で関節体904を固定するように構成された放射状突出部944a、944b、944cを含むことができる。一部の実施形態において、放射状突出部944a、944b、944cは、半径方向に延びることができる。放射状突出部944a、944b、944cは、カプラー924a、924b、924cの長手軸に垂直な平面で延びることができる。一部の例において、放射状突出部944a、944b、944cは、結合部912の放射状縁と周方向に重なることにより、関節体904に対する回転位置を固定することができる。上記記載の図4Aの例示と同様に、各々の放射状突出部944a、944b、944cは、結合部912の周縁の半径方向内側部の半径方向外側に延びるように構成することができる。
【0061】
図16図17cは、上述のように、カプラー924a、924b、924cがディスク部材932a、932b、932cを含むことができることを示す。ディスク部材932a、932b、932cは、各々のカプラー924a、924b、924cのカラー940a、940b、940cと、第2部分936a、936b、936cとの間に位置し得る。ディスク部材932a、932b、932cは、アンカー830又はアンカー830A等のステム付きアンカー又はステムレスアンカーと共に使用できる。また、アンカー830、830Aは、図1A図1Cに示して詳述しているように、リバース型関節体804Aと結合可能である。図1Bに示すように、一部の例において、アンカー830は、収容部836を含むことができる。上述のように、収容部836は、上腕骨の切除レベルの下方、例えば、表面S下方の上腕骨頭アセンブリ901、902、903の一部を収容するように構成される。これは、上記で説明したように、リバース型肩関節体804Aが肩関節空間にさらにコンパクトに嵌合されることを可能にする。上述のように、アンカー830の収容部836は、リバース型肩アセンブリのために、上腕骨と肩甲骨との間にハードウェア量を有益に減少させることができる。これは、上腕骨頭アセンブリキット900がより多くの患者のために使用されるように適合化でき、また、上腕骨と肩甲骨との間の骨が互いに近づくことを可能にする。解剖学的上腕骨頭アセンブリ800の一部の実施形態において、収容部836は、カプラー924a、924b、924cから選択された1つのディスク部材932a,932b、932cを収容するように構成される。カプラー924a、924b、924cは、ディスク部材932a、932b、932cによりアンカー830が解剖学的構成にも使用できるよう、切除面S下方での接続に適合化できることを可能にする。切除面S下方の関節体804Aに直接接続されるように適合化された収容部を有するアンカー(例えば、ステムレスアンカー)の実施形態は、本明細書の他の部分でさらに説明する。ステムレス骨アンカーの例は、2018年10月2日に出願された代理人参照番号「TRNXSH.104PR」の米国仮出願番号第62/740,333号に開示されており、その内容全体を本明細書に参照として含む。
【0062】
このディスク部材932a、932b、932cは、外科医が結合組織の張力具合いについて制御を維持しつつ、解剖学的及びリバース型肩関節体何れも上腕骨に固定できる上腕骨アンカー内にカプラー924a、924b、924cを収容できるように構成される。一部の実施形態において、ディスク部材932a、932b、932cは、図1Aに示すように、アンカー830内に収容されるように構成される。ディスク部材932a、932b、932cは、第1部分928a、928b、928cと、第2部分936a、936b、936cとの間に位置し得る。一部の実施形態において、ディスク部材932a、932b、932cは、カラー940a、940b、940cに隣接し得る。ディスク部材932a、932b、932cは、アンカー830又はアンカー830Aの第1リセス842内に嵌合されるように構成された湾曲プロファイルを有することができる。一部の実施形態において、ディスク部材932a、932b、932cは環状であり得るが、ディスク部材932a、932b、932cは、第1リセス842内に収容できる如何なる形状であってもよい。
【0063】
ディスク部材932a、932b、932cは、第1部分928a、928b、928c、第2部分936a、936b、936c又はカラー940a、940b、940cよりも長い軸方向長さを有することができる。ディスク部材932a、932b、932cは、第1部分928a、928b、928c、第2部分936a、936b、936c又はカラー940a、940b、940cよりも短い軸方向長さを有することができる。一部の実施形態において、ディスク部材932a、932b、932cは、カラー940a、940b、940cよりも著しく大きくすることができる。一実施形態において、ディスク部材932a、932b、932cは、関節体904の結合部912よりも大きい直径を有する環状である。一部の実施形態において、ディスク部材932a、932b、932cは、アンカー830又はアンカー830Aの第1リセス842の軸方向長さよりも小さい軸方向長さを有することができる。ディスク部材932a、932b、932cは、アンカー830又はアンカー830Aの第1リセス842の直径よりも小さい直径を有することができる。これにより、ディスク部材932a、932b、932cが、その周りの内面840の周辺部分との接触を避けると共に、第1リセス842内に保持できる。一部の実施形態において、ディスク部材932a、932b、932cの軸方向長さは、ディスク部材932a、932b、932cの外面が第1リセス842の周りに配置された接続フィーチャ(例えば、フィン854)と係合することを防止するように構成される。一部の実施形態において、ディスク部材932a、932b、932cは、第1リセス842の高さと同一であるか又は少し高い高さを有することができる。上述のように、一部の例において、ディスク部材932a、932b、932cが第1リセス842内に位置するとき、ディスク部材932a、932b、932cには、表面Sに又はその上にカラー940a、940b、940c及び放射状突出部944a、944b、944cが位置し得る。
【0064】
上腕骨頭アセンブリ901、902、903は、複数のカプラー924a、924b、924cの何れか1つと係合するように構成された関節体904を含むことができる。一部の例において、各々のカプラー924a、924b、924cは、関節体904の第1リセス914上の放射状ノッチ920と係合したとき、離散偏心調整位置又は構成を提供する放射状突出部944a、944b、944cを含むことができる。放射状ノッチ920は、カラー940a、940b、940cの放射状突出部944a、944b、944cを収容するように構成することができる。放射状ノッチ920のプロファイル、輪郭、縁、又は形状は、凹状であり得る。放射状突出部944a、944b、944cのプロファイル、輪郭、縁、又は形状は、凸状であり得る。放射状突出部944a、944b、944cは、関節体904の放射状ノッチ920に軸方向に、例えば、第1部分928a、928b、928cの長手軸に沿って挿入できる。選択されたカプラー924a、924b、924cの放射状突出部944a、944b、944cと放射状ノッチ920との整合又は反転の構成、例えば、輪郭、縁、又は形状は、放射状突出部944a、944b、944cが最初に放射状ノッチ920と係合するとき、各カプラー924a、924b、924cと関節体904との間の相対回転を防止する。放射状ノッチ920の接触若しくは近接隣接性及び/又は形状は、選択されたカプラー924a、924b、924cを除き、関節体904内で又は関節体904に対して選択されたカプラー924a、924b、924cの回転を防止するので、選択されたカプラー924a、924b、924cの放射状突出部944a、944b、944cは、放射状ノッチ920が第1リセス914のベース面及び関節体904の結合部912から離隔する位置に、関節体904から軸方向に離間して後退する。このような方法で、選択されたカプラー924a、924b、924cは、放射状ノッチ920が放射状突出部944a、944b、944cの何れか1つを最初に収容する際、関節体904に少なくとも放射状に固定できる。その後、カプラー924a、924b、924cと関節体904との永久的な接続は、テーパ面と係合するよう、関節体904を選択されたカプラー924a、924b、924cにはめ込むことで提供される。
【0065】
一部の実施形態において、放射状突出部944a、944b、944c及び放射状ノッチ920の位置は反転し得る。このような反転の構成(図示せず)において、上述の放射状突出部944a、944b、944cは、代わりに関節面908の反対側にある関節体904の側面に位置し得ると共に、上述の放射状ノッチ920は、代わりにカプラー924a、924b、924c上に位置し得る。この反転の例において、図16図20に示す実施形態と同様に、放射状突出部は、カプラー上の放射状ノッチと係合したとき、離散偏心調整位置又は構成を提供するように構成される。反転の実施形態において、カプラー上の放射状ノッチは、関節面908上の放射状突出部を収容するように構成することができる。上述の放射状突出部944a、944b、944c及び上腕骨頭アセンブリ902と同様に、反転の構成において、放射状突出部と放射状ノッチの整合構成又は反転構成は、放射状突出部が放射状ノッチと係合する際に、カプラーと関節体904との相対回転を防止する。
【0066】
図17A図17Cは、関節体904をカプラー924a、924b、924cから選択された1つと係合させることにより達成できる3つの偏心調整、位置又は構成を示す。各々のカプラー924a、924b、924cは、関節体904と係合したとき、予め決定された値で正確な偏心調整を提供することができる。図17A図17Cに示すカプラー924a、924b、924cは、上腕骨頭アセンブリキット900が提供できる偏心の一部の例に過ぎないことに留意すべきである。一部の実施形態において、関節体904をカプラー924a、924b、924cから選択された1つと係合させると、例えば、0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、0mmと1mmとの間、1mmと2mmとの間、2mmと3mmとの間、3mmと4mmとの間、又は0mmと4mmとの間の何れか1つの偏心調整を提供することができる。一部の例において、関節体904がカプラー924a、924b、924cから選択された1つと係合する際に選択された偏心を提供できるよう、関節体904とカプラー924a、924b、924cから選択された1つのカプラーとの双方によって偏心が提供される。関節体904とカプラー924a、924b、924cから選択された1つのカプラーとの双方により提供された偏心を有することにより、カプラー924a、924b、924cから選択された1つのカプラーにおいて一部強度を保ちやすくすることができる。
【0067】
図18は、中心の(偏心ではない)構成を提供する第1構成922aにおける上腕骨頭アセンブリ901の実施形態の例を示す。図示するように、関節体904がカプラー924aと係合する際、上腕骨頭アセンブリ901は、0mmのオフセットを提供する第1構成922aを有する。よって、第1構成922aは、中心の又は非偏心の構成を有する。中心の(非偏心)構成を提供するために、一部の例において、カプラー924aの第1部分928aが関節体904と係合する際に、カプラー924aの第2部分936aの長手軸948aが関節体904の外側面に垂直な関節体904の半径948と整列する。一実施形態において、この半径は、関節体904の第2リセス916の長手軸と整列する。図示している実施形態において、第2リセス916の長手軸958aは、半径948からオフセットされる。非偏心の構成は、第1部分928aと第2部分936aの非対称の構成によって提供される。カラー940a及び放射状突出部944aが第1リセス914及び放射状ノッチ920とそれぞれ係合する場合、 第2部分936aの長手軸948aは、半径948と長手軸948aとの間にオフセットがないよう、第2リセス916の長手軸からのオフセットと整列するが、関節面908の半径948と整列する。
【0068】
図17Bは、低い偏心構成の例を提供する第2構成922bの上腕骨頭アセンブリ902の実施形態を示す。図示するように、関節体904がカプラー924bと係合する際、上腕骨頭アセンブリ902は、例えば、1.75mmのオフセットを提供し得る偏心の構成を有することができる。一部の実施形態において、第2構成922bは、カプラー924bの第2部分936bの長手軸948bが関節体904の外側面に垂直な関節体904の半径948からオフセットされるよう、カプラー924bの第1部分928bを関節体904と係合させることにより、偏心の構成を提供する。一部の例において、カプラー924bの第1部分928bは、第2リセス916の半径948と整列すると共に、オフセットは、第2リセス916の長手軸958bと第2部分936bの長手軸948bとの間に存在する。カラー940b及び放射状突出部944bが第1リセス914及び放射状ノッチ920とそれぞれ係合する際、第2部分936bの長手軸は、1.75mmのオフセットを提供するよう、半径948及び関節面908の長手軸と整列しない。
【0069】
図17Cは、高い偏心の構成を提供する第3構成922cの上腕骨頭アセンブリ903を提供する。図17Bと同様に、関節体904がカプラー924cと係合する際、上腕骨頭アセンブリ903は偏心の構成を有することができる。図17Cに示す実施形態において、第3構成922cは、3.50mmのオフセットを提供することができる。一部の実施形態において、第3構成922cは、カプラー924cの第2部分936cの長手軸948cが関節体904の外側面に垂直な関節体904の半径948からオフセットされるよう、カプラー924cの第1部分928cを関節体904と係合させることにより、偏心の構成を提供する。一部の例において、カプラー924cの第1部分928cは、第2リセス916の半径948と整列すると共に、第2リセス916の長手軸958cと第2部分936cの長手軸948cとの間にオフセットがある。上述のように、カプラー924cが非対称であるにもかかわらず、カラー940c及び放射状突出部944cが第1リセス914及び放射状ノッチ920とそれぞれ係合する場合、第2部分936cの長手軸は、3.0mmのオフセットを提供するよう、半径948及び関節面908の長手軸と整列しない。
【0070】
一部の実施形態において、各々のカプラー924a、924b、924cは、ねじ山付きチャンネル956を含むことができる。ねじ山付きチャンネル956は、上腕骨頭アセンブリ903を分解可能に構成することができる。一部の例において、ねじ山付きチャンネル956は、例えば、関節体904が結合されたカプラー924a、924b、924cのうちの1つから関節体904を分解するために荷重が加えられるよう、ツール(例えば、ロッド)を収容及び/又はねじ結合するように構成することができる。
【0071】
図18図20Aは、関節体を複数の異なるカプラーのうちの1つと結合させることにより、システムの偏心が調整できる上腕骨頭システムのまた別の実施形態を示す。図18Cに示すように、関節体1404は、複数の異なるカプラー(例えば、第1カプラー1424a、第2カプラー1424b、又は第3カプラー1424c)のうちの1つと結合するように構成される。図18A及び18Cに示すように、関節体1404及び複数のカプラー1424a、1424b、1424cは、上腕骨頭システム1400の分離可能な構成要素である。カプラー1424a、1424b、1424cから選択された1つのカプラーが関節体1404と係合する際、各々のカプラー1424a、1424b、1424cは、外科医が非偏心、又は偏心量若しくは偏心方向を選択しやすく するために係合位置を選択できるように構成されている。以下でより詳細に説明するように、異なる偏心度は、カプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つの選択を含むことができる。アンカーに対するカプラー1424b、1424cの回転位置決めにより、異なる偏心度又は偏心方向がさらに決定できる。
【0072】
図18Cは、関節体1404がカプラー1424a、1424b、1424cから選択された1つと係合する際の上腕骨頭システム1400から形成され得る多様な構成の上腕骨アセンブリを示す。例えば、上腕骨頭システム1401は、第1カプラー1424aと結合した関節体1404を示し、中心(又は偏心ではない)位置又は構成に対応する。他の例において、上腕骨頭システム1402は、第2カプラー1424bと結合した関節体1404を示し、低い偏心位置又は構成に対応する。一部の実施形態において、これは、公称1.5mmの偏心調整に対応し得る。また別の例において、上腕骨頭システム1403は、第3カプラー1424cと結合した関節体1404を示し、公称3.5mmの偏心調整に対応し得る高い偏心位置又は構成に対応する。これら各々の場合、アンカー1500の第2リセス部1524のリセスに対して関節体1404とカプラー1424b、1424cの結合体を回転させることにより、関節体1404の位置変化が調整できる。このような回転により、関節体1404の第1リセス1416の中心と上腕骨アンカー1500の第2リセス部1624との間で同一のオフセット距離を保持するとともに、上腕骨インプラントアセンブリの偏心調整を提供することができる。
【0073】
図18図20Aは、上腕骨頭アセンブリ100及び本明細書の他の部分で説明した他の上腕骨頭アセンブリと類似する多様な上腕骨頭アセンブリを示す。上述のように、他の上腕骨頭アセンブリの態様に関する説明は、上腕骨頭システム1400、1401、1402、1403、関節体1404、及び各々のカプラー1424a、1424b、1424cの説明に関する本明細書の他の部分で説明する。
【0074】
図18及び図18Bは、関節体1404の側面図及び断面図をそれぞれ示す。一部の実施形態において、関節体1404は、関節面1408を有することができる。図示するように、一部の例において、関節面1408は、凸面を有することができる。一部の実施形態において、関節面1408は、患者の関節窩で又は患者の関節窩の対応する凹面と係合するように構成することができる。一部の例において、図18Bに示すように、関節体1404は、外側面1412を有することができる。外側面1412は、関節面1408の反対側にある関節体1404の側面に配置できる。一部の実施形態において、関節体1404は、外側面1412上に配置され、且つ関節体1404の外側面1412から関節体1404の関節面1408に向かって延びる第1リセス1414及び第2リセス1416を含むことができる。図18Bに示すように、一部の例において、第1リセス1414及び第2リセス1416は、外側面1412の表面の中心にある。一部の実施形態において、第1リセス1414の半径は、第2リセス1416の半径よりも大きくすることができる。第1リセス1414及び第2リセス1416は、予め規定していない位置の範囲に沿って関節体1404にカプラー1424a、1424b、1424cを係合させ、また、カプラーがリセス1414、1416内に挿入されるが、関節体1404と完全には係合しない場合には回転を許容する点で、関節体400、404Aに関して上述した連続区域424と同様の目的を提供することができる。一部の実施形態において、カプラーと関節体1404が係合する前に、上腕骨アンカー1500に対してカプラー1424b、1424cのうちの1つを回転にて位置決めすることにより、偏心量が選択できる。カプラー1424aは回転的に対称であるので、回転は、アンカー1500に対する関節体1404の偏心を変更しない。
【0075】
一部の例において、関節体1404は、任意のカプラー1424a、1424b、1424cと係合及び/又は保持されるように構成することができる。任意のカプラー1424a、1424b、1424cに関する下記の説明は、多様な偏心量を提供することに関するが、任意のカプラー1424a、1424b、1424cの構成要素(例えば、第1部分1428、プレート1440、ディスク部材1432、及び第2部分1436等)は一般に類似し、カプラーのうちの1つに関する説明は、他のカプラーのうちの何れかに関しても説明するものであることを理解されたい。
【0076】
一部の実施形態において、カプラー1424a、1424b、1424cから選択された1つは、カプラー1424a~1424cのうちの1つを選択した後、選択したカプラーをアンカー1500における選択位置まで回転させることで偏心度を選択した後、中心の又は偏心の構成で上腕骨頭システム1401、1402、1403を保持するよう、関節体1404の第1リセス1414及び第2リセス1416と結合できる。一部の実施形態において、図18Bに示すように、上腕骨頭システム1400の多様な構成要素が組み立てられる際に、関節体1404は、カプラー924a、924b、924cのうちの1つと係合する。図示するように、カラー1506の近位面と関節体1404の外側面1412との間に隙間1446が形成される。一部の実施形態において、各々のカプラー924a、924b、924cは、プレート1440とディスク部材1432との間の表面又は境界を形成するレッジ1442を有するプレート1440を有することができる。一部の例において、レッジ1442は、傾斜面、例えば、図18Bの観点から、水平に対する鋭角の表面を形成する。以下でより詳細に説明するように、関節体1404が取り付けられるカプラー924a、924b、924cから選択された1つから関節体1404の除去を容易にしようと、取り付けられている関節体1404からカプラー924a、924b、924cのうちの1つを分離させるために、力及び/又は荷重が加えられるよう、ツールがレッジ1442と係合して挿入できる。
【0077】
上述のように、図18Bは、関節体1404の外側面1412が関節体1404内に配置された第1リセス1414を含むことができることを示す。第1リセス1414は、関節体1404の外側面1412上に開放端部を有することができる。一部の実施形態において、第1リセス1414は、直線であるか、又は第1リセス1414の半径が関節体1404内に延びるにつれて減少するようテーパ状であり得る。図示するように、外側面1412は、関節面1408の反対側にある関節体1404の側面である。外側面1412は、上腕骨頭システム1401、1402、1403が埋め込まれるとき、関節窩から離間して面するように構成することができる。上述のように、第2リセス1416は、関節体1404内に延びることができる。一部の実施形態において、第2リセス1416は、閉鎖端部を有することができる。第2リセス1416は、閉鎖端部に隣接するほど直径が小さくなるよう、第2リセス1416の長さにわたって直径が減少するようテーパ状であり得る。第2リセス1416は、関節体1404の外側面1412に向かって直径が大きくなり得る。上述のように、一部の例において、第1リセス1414の半径は、第2リセス1416の半径よりも大きくすることができる。
【0078】
上述のように、関節体1404は、上腕骨頭システム1400に対して異なる偏心を提供するために、複数のカプラーの何れか1つと係合するように構成することができる。偏心の構成を提供するカプラー1424の代表的な実施形態が図19図19Eに示される。特に、図19図19Eのカプラー1424cは、相対的に高い公称又は最大偏心の位置又は構成を提供する。一部の実施形態において、カプラー1424cは、第1部分1428cと、ディスク部材1432cと、第2部分1436cとを含むことができる。一部の実施形態において、カプラー1424cは、プレート1440cを含む係合部を含むことができる。図19Bに示すように、一部の例において、プレート1440cは、関節プロテーゼの他の部材(例えば、アンカー1500又は関節窩の構成要素)又は半関節形成術の場合は元々の関節窩に対して関節体1404の偏心の配向又は構成を示す対応するアンカー上のインディシアを露出させるために、プレート1440cにスロットを形成する窓1444cを含むことができる。
【0079】
一部の実施形態において、カプラー1424cの第1部分1428cは、関節体1404の第2リセス1416内に固定できる。本明細書で説明しているように、第2リセス1416は、第2リセス1416の半径が関節体1404のボディ内に延びるにつれて減少するようテーパ状であり得る。一部の例において、第1部分1428cは、関節体1404の第2リセス1416と係合するためにテーパ状である。一部の実施形態において、第1部分1428cの半径は近位方向に減少する。一部の例において、各々のカプラー1424cプレート1440cは、第1リセス1414に配置されるように構成することができる。プレート1440cは、各々のカプラー1424c第1部分1428cとディスク部材1432cとの間に位置し得る。一部の実施形態において、プレート1440cは、任意のカプラー1424cに又はそれにわたって関節体1404を位置決めするのに使用できる。以下でより詳細に説明するように、プレート1440cは、対応するアンカーに対して関節体1404の偏心の配向又は構成を示すように構成される窓1444cを含むことができる。図19Bに示すように、窓1444cは、プレート1440cの一部にU字状スロットを形成することができる。一部の実施形態において、窓1444cは、半径方向内側にカプラー1424cの長手軸から、例えば、カプラー1424cの長手軸に垂直な平面で、半径方向に離間して延びることができる。
【0080】
図19図19Eは、上述のように、カプラー1424cがディスク部材1432cを含むことができることを示す。ディスク部材1432cは、カプラー1424cのプレート1440cと第2部分1436cとの間に位置し得る。カプラー1424cのディスク部材1432cは、上述のアンカー830、830A又は上腕骨アンカー1500等のステムレスアンカー内に、或いは、ステム付きアンカー500、例えば、ステム部を有するアンカー500又はノッチ544が省略されたその変形体内に、固定して共に使用できる。一部の実施形態において、カプラー1424c(又は上述のカプラー1424の何れか1つ(例えば、カプラー1424a又はカプラー1424b))は、図21A図43に示すように、拡張可能なディスクを使用してアンカー内に固定できる。例えば、第2部分1436cの代わりに、カプラー1424cは、上腕骨アンカー1500の第1リセス1508(又はアンカー830、830A、500)の何れか1つの近位開放部)と係合するために、カプラー1000の拡張可能なディスク1003と類似する拡張可能なディスクを有する底部を含むことができる。一部の例において、カプラー1424c(又は上述のカプラー1424の何れか1つ(例えば、カプラー1424a又はカプラー1424b))は、図44図50に示すカプラー1304と類似するディスクを使用してアンカー内に固定できる。例えば、一部の実施形態において、カプラー1424cの遠位部は、カプラー1306が前記開示された任意のアンカーの何れかの近位開放部内でカプラー1424cを拡張して固定するよう、カプラー1306のテーパ状の開放部1316内に挿入できる。
【0081】
図18図18Bは、上腕骨頭システム1400において関節体1404及びカプラー1424と係合するように構成され得る上腕骨アンカー1500の実施形態を示す。一部の実施形態において、上腕骨アンカー1500は、上腕骨の近位部、例えば、その骨幹端部に配置されるように構成される。上腕骨アンカー1500は、骨幹端部内の上腕骨切除平面下方のカプラー1424(例えば、ディスク部材1432)の一部を収容可能に構成される。アンカー830のように、上腕骨アンカー1500は、外科医が多様な患者の軟組織を収容すると共に、肩の関節面を反転させることを有利に可能にする。
【0082】
図18は、解剖学的構成において、上腕骨頭システム1400を形成するために、関節体1404と結合された上腕骨アンカー1500を示す。上腕骨アンカー1500は、(図1Aに示すように、)切除面に又はその下方に配置されるように構成される。一部の実施形態において、アンカー1500の近位側のリセスは、上腕骨アンカー1500の近位端で円筒状部1510内に形成された第1リセス部1508を有することができる。一部の例において、リセスは、上腕骨アンカー1500の遠位端1512内に形成された第2リセス部1524を有することができる。第1リセス部1508は、近位面1504と第1リセス部1508の底面との間に配置できる。第2リセス部1524は、第1リセス部1508と上腕骨アンカー1500の遠位端1512との間に配置できる。一部の例において、第1リセス部1508は、上腕骨アンカー1500の近位端近くに配置されたリセスのより広い部分を形成する。第2リセス部1524は、第1リセス部1508の遠位により狭いリセスを形成することができる。一部の実施形態において、第2リセス部1524は第2リセス部1524の半径が遠位方向に減少するようテーパ状であり得る。以下でより詳細に説明するように、第2リセス部1524は、関節体1404に固定されるか又は適合化されるカプラー1424を収容するように構成される。一部の例において、テーパ状の第2リセス部1524は、カプラー1424のテーパ状の第2部分1436と係合するように構成される。
【0083】
図18Bに示すように、カプラー1424及び上腕骨アンカー1500は、分離可能な構成要素である。図18A図18Bは、上腕骨アンカー1500の第1リセス部1508内に配置されたカプラー1424のディスク部材1432を示す。また、カプラー1424の第2部分1436は、上腕骨アンカー1500の第2リセス部1524内に設けられる。
【0084】
上腕骨アンカー1500は、切除された上腕骨に固定されるように構成することができる。一部の実施形態において、上腕骨アンカー1500の近位面1504は、円筒状部1510が切除された上腕骨の表面の完全に下の第1リセス部1508でカプラー1424(例えば、第2部分1436)のベースを固定できるよう、切除された上腕骨と同一平面に置かれる。上述のように、ステムレス骨アンカーの例は、2018年10月2日に出願された代理人参照番号「TRNXSH.104PR」の米国仮出願番号第62/740,333号に開示されており、その内容全体を本明細書に参照として含む。
【0085】
図18A図18Bに示すように、一部の実施形態において、カプラー1424のディスク部材1432は、上腕骨アンカー1500の円筒状部1510内に位置する。ディスク部材1432は、プレート1440の遠位側が円筒状部1510の近位端に形成されたカラー1506の表面に隣接するように位置し得る。一部の例において、ディスク部材1432は、ディスク部材1432の近位部が上腕骨アンカー1500の近位面1504の少し上にあるように位置し得る。一部の実施形態において、ディスク部材1432の遠位面は、円筒状部1510の底面と同じ高さに置かれる。図18Bに示すように、カプラー1424を切除レベル又はその下に固定させる円筒状部1510を有することにより、プレート1440のベースを、関節体1404が切除部と同じ高さ又はほぼ同じ高さでカプラー1424に結合できるよう、切除面に隣接するか又は真上に位置させることができ、一部の場合、関節体1404とカプラー1424との間の適切な接続を保障し、また、必要に応じて、カプラーから上腕骨頭のアセンブリを分解できるように、ツールのための空間を残すよう、小さい隙間を残して位置させることができる。
【0086】
一部の例において、上腕骨アンカー1500は、さらなる接続フィーチャを含むことができる。図18Bに示すように、複数の第2フィーチャ1516が円筒状部1510の内面に沿って形成できる。これら複数の第2フィーチャ1516は、リバース型関節体804A等のリバース型関節構成要素との係合を提供するように構成することができる。例えば、複数の第2フィーチャ1516は、少なくとも1つの凸状ロックフィーチャ1520を含むことができる。一部の実施形態において、複数の第2フィーチャ1516は、少なくとも1つの凹状ロックフィーチャ1522を含むことができる。一部の例において、複数の第2フィーチャ1516は、凸状ロックフィーチャ1520と凹状ロックフィーチャ1522を入れ替えることで形成される。一部の実施形態において、複数の第2フィーチャ1516は、上腕骨アンカー1500がリバース型肩関節体を有するリバース型肩システムの一部として初期に設けられるか又は切り替える場合、関節体804Aに回転安定性を提供するように構成される。
【0087】
一部の例において、ディスク部材1432は、ロックフィーチャ1520、1522と係合するように構成することができ、例えば、複数の第2フィーチャ1516(図示せず)の少なくとも1つの凸状ロックフィーチャ1520又は少なくとも1つの凹状ロックフィーチャ1522に対応するか又は係合するように構成される雄型又は雌型の幾何学構造を含むように構成することができる。このような接続は、上述のテーパ接続に代わって又はそれに追加し得る。また、図21図50に関して以下で説明する係合フィーチャは、カプラー1424の修正後の実施形態をアンカーに接続するのに使用できる。一部の実施形態において、ディスク部材1432は、複数の第2フィーチャ1516(図示せず)と係合するように変形できる。複数の第2フィーチャ1516の少なくとも1つの凸状ロックフィーチャ1520又は少なくとも1つの凹状ロックフィーチャ1522が、ディスク部材1432の外面と係合することにより、第2フィーチャ1516が回転防止フィーチャとして使用できる。
【0088】
一部の実施形態において、上腕骨アンカー1500は、複数のツールインターフェース1528を含むことができる。図18Bの断面図に示すように、複数のツールインターフェース1528の各々は、第1リセス部1508のベースから遠位端1512に隣接する上腕骨アンカー1500の一部内に延びることができる。一部の実施形態において、複数のツールインターフェース1528は、第2リセス部1524の周りに離隔した湾曲開放部を形成する。一部の例において、ツールインターフェース1528は、上腕骨アンカー1500が上腕骨の空洞に挿入及び/又は固定できるよう、ツールと係合するように構成される。ツールインターフェース1528は、第2リセス部1524に向かって角度をなすことができる。
【0089】
図18Cは、関節体1404をカプラー1424a、1424b、1424cから選択された1つと係合することで達成できる3つの偏心調整、位置又は構成を示す。各々のカプラー1424b、1424cは、関節体1404と係合した場合、公称偏心調整レベルを提供することができ、また、公称レベルによって規定されたアークの周りにアンカー1500に対するカプラーの回転に基づく調整を提供することができる。カプラー1424aは、回転が切除面上の位置変化をもたらさない対称配列を提供する。図18Cに示すカプラー1424b、1424cは、上腕骨頭システム1400を提供できる偏心の一部の例に過ぎないことに留意すべきである。一部の実施形態において、関節体1404をカプラー1424a、1424b、1424cから選択された1つと係合させると、例えば、0mm、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4mm、0mmと0.5mmとの間、0.5mmと1.0mmとの間、1.0と1.5mmとの間、1.5mmと2.0mmとの間、2.0mmと2.5mmとの間、2.5mmと3.0mmとの間、3.0mmと3.5mmとの間、3.5mmと4.0mmとの間又は0mmと4.0mmとの間の何れか1つの公称レベルの偏心調整を提供することができる。公称レベルに基づいた調整は、一般に後述するように提供することができる。一部の例において、関節体がカプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つと係合する際に選択された偏心を提供できるよう、関節体とカプラー1424a、1424b、1424cから選択された1つのカプラーとの双方によって偏心が提供される。例えば、公称オフセットカプラー1242が提供できる。関節体1404は、図3図12Aに関して説明するように、偏心方向に加えて偏心量を選択できるよう、中心を外れたリセス及び連続的な又は離散的な偏心調整範囲を有することができる。或いは、公称オフセットカプラー1242が提供でき、アンカーは、図13A図14Cに関して説明するように、偏心方向に加えて偏心量を選択できるよう、連続的な又は離散的な偏心調整範囲を有することができる。2つ以上の関節体、アンカー、及びカプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つによって提供される偏心を有することにより、カプラー1424a、1424b、1424cの強度を維持することができる。
【0090】
図19図19Eは、偏心構成(即ち、図18に示す上腕骨頭システム1403のカプラー1424c)を提供するカプラー1424の実施形態の例を示す。図示するように、関節体1404が図示されているカプラー1424cと係合されるとき、上腕骨頭システム1400は、例えば、3.5mmのオフセットを提供できる偏心構成を有することができる。一部の実施形態において、図19図19Eに示すカプラー1424は、図19Aの側面図に示すように、ディスク部材1432c及び第2部分1436cの長手軸1438cが、関節体1404の外側面1412に垂直で、且つ、関節面1408の中心を介して延びる第1部分1428cの長手軸1430cからオフセットされるよう、カプラー1424cの第1部分1428cを関節体1404と係合させることにより、偏心構成を提供する。一部の例において、カプラー1424cの第1部分1428cは、関節体1404の第2リセス1416と整列すると共に、オフセットは、第1部分1428cの長手軸1430cと第2部分1436cの長手軸1438cとの間に存在する。プレート1440c及び第1部分1428cが第1リセス1414及び第2リセス1416とそれぞれ係合するとき、第2部分1436cの長手軸は、関節体1404(図示せず)の第2リセス1416の長手軸と整列しない。オフセットのために、関節体1404及びカプラー1424cの回転により、関節面1408の中心位置がアンカー1500に対して、よって、上腕骨の切除面に対して移動する。この動きにより、与えられた患者に有利な生体力学的性能を提供する位置に、上腕骨頭システム1400の回転の中心が移動することが可能となる。
【0091】
図20図20Aは、非偏心の構成(例えば、図18に示す上腕骨頭システム1401のカプラー1424a)を提供するカプラー1424の実施形態の例を示す。図示するように、関節体1404がカプラー1424aと係合する際、上腕骨頭システム(例えば、図18の上腕骨頭システム1401)は、アンカー1500の中心から、例えば、カラー1506の中心又はリセス1524の中心から、関節面1408の中心のオフセットを0mm提供する構成を有するであろう。一部の実施形態において、中心の(非偏心)構成を提供するために、カプラー1424aの第1部分1424aが関節体1404と係合する際、カプラー1424aの第2部分1436aの長手軸1438aは、関節体1404の外側面1412に挿入され、垂直である第1部分1428の長手軸と整列する。一部の実施形態において、第2部分1436aの長手軸1438aは、関節体1404(図示せず)の第2リセス1416の長手軸と整列する。プレート1440a及び第1部分1424aが第1リセス1414及び第2リセス1416とそれぞれ係合する際、第2リセス1416(図示せず)の長手軸、第2部分1436aの長手軸1438a、及び第1部分1428aの長手軸1430aの間にオフセットがないよう、第2部分1436aの長手軸1438aは、第1部分1428aの長手軸1430a及び関節体1404のリセス1416の長手軸と整列する。
【0092】
一部の実施形態において、各々のカプラー1424a、1424b、1424cは、チャンネル1448を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、チャンネル1448は、上腕骨頭システム1400を分解可能に構成することができる。一部の例において、チャンネル1448は、例えば、関節体1404が結合されたカプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つから関節体1404を分解するために荷重が加えられるよう、ツール(例えば、図56に示す細長いシャフト1840)を収容及び/又はねじ結合するように構成することができる。一部の実施形態において、カプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つが結合された上腕骨アンカー1500からカプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つを分解するために、荷重が加えられ得る。
【0093】
図19C及び図20Aに示すように、チャンネル1448c、aは、近位端1449c、aと、遠位端1450c、aとを含むことができる。一部の実施形態において、近位端1449c、aは、第1部分1428c、aの表面の開放部から、プレート1440c、aにより取り囲まれたカプラーの一部及びディスク部材1432c、aの一部を介して、遠位方向に延びることができる。一部の例において、遠位端1450c、aは、第2部分1436c、aの表面の開放部から、ディスク部材1432c、aを介して近位方向に延びることができる。一部の実施形態において、チャンネル1448c、aは、近位端1449c、aと遠位端1450c、aとの間で延びるねじ山部1452c、aを含む。一部の例において、チャンネル1448c、a及び遠位端1450c、aにはねじ山がない。より詳細に説明するように、一部の実施形態において、ツールは、第1部分1428c、aからディスク部材1432c、a及び第2部分1436c、aを介して遠位方向に延びるよう、チャンネル1448c、aの近位端1449c、aから挿入できる。一部の例において、ツールは、第2部分1436c、aからディスク部材1432c、a及び第1部分1428c、aを介して近位方向に延びるよう、チャンネル1448c、aの遠位端1450c、aから挿入できる。
【0094】
上述のように、図19図19Eは、偏心カプラー1424cを示す。図19Cの断面図に示すように、一部の実施形態において、偏心カプラー1424cのチャンネル1448cは、第2部分1436cの長手軸1438cの周りに配置される。図20図20Aは、非偏心カプラー1424aを示す。図20Aの断面図に示すように、一部の実施形態において、非偏心カプラー1424aのチャンネル1448aは、第1部分1428aと第2部分1436a双方の長手軸1430a、1438aの周囲に配置される。
【0095】
III.偏心調整可能な上腕骨頭アセンブリ
図2図14Cは、図16図17Cにおける構成要素及びキットの変形を示す。例えば、カプラー924a、924b、924cから選択された1つと関節体904とを接続することで形成できる上腕骨頭アセンブリは、単一の偏心位置になるが、関節体904は、図17A図17Cの構成を提供するよう、離散位置決め部位と結合するだけでなく、偏心度においてさらに多くの選択を提供する他の接続フィーチャを有することもできる。図18図20Aは、調整可能な偏心を有する上腕骨頭アセンブリの代案の実施形態を示す。上述のように、また、以下でより詳細に説明するように、偏心位置は、アンカー1500に位置するインディシアにより示され、カプラー1424b、1424cのうちの1つを使用する際に、例えば、カプラーの偏心方向を調整するために、関連するアンカー上で適切な位置まで回転できる窓を介して観察され得る。
【0096】
下記の実施形態は、切除された上腕骨の表面に対して、上腕骨頭の中心又は一定範囲の偏心位置を提供することを容易にする。本明細書で説明する実施形態は、関節窩又は肩甲骨アンカー上のグレノスフィアの中心又は偏心の位置決めを提供するためのもの、大腿骨アンカー上の大腿関節体の中心又は偏心の位置決めを提供するためのもの、脛骨アンカー上の脛骨関節体の中心又は偏心の位置決めを提供するためのもの、或いは、その他整形外科的用途のためのものを含む、他の整形外科的用途に使用することができる。
【0097】
A.上腕骨頭の連続的調整及び離散的調整
図2図11は、埋め込みの間必要に応じてアセンブリの偏心を調整できる上腕骨頭アセンブリ100の実施形態を示す。図3は、関節体104及びカプラー108がアセンブリ100の分離可能な構成要素であることを示す。カプラー924a、924b、924cと対照的に、カプラー108は、ディスク部材932a、932b、932cと類似するディスク部材を有することが示されていない。多様な組み合わせにおいて、カプラー108は、上腕骨頭アセンブリ100の構成が上述のアンカー830又はアンカー830Aと共に使用されることを可能にするディスク部材を有するように変形できる。関節体104及びカプラー108は、偏心の調整又は除去を容易にするために、多数の異なる位置で結合できる。以下でより詳細に説明するように、異なる位置は、1つ以上の離散位置のうちの1つの位置を選択することにより、或いは、これらの調整モードから選択することにより、予め規定された第1位置(例えば、図17A図17Cで上述したように中心偏心、低偏心又は高偏心)、又は連続の調整範囲に沿って達する位置を含むことができる。図2、4及び5は、上腕骨頭アセンブリ100の第1構成120を示す。第1構成120は、中心(又は偏心ではない)位置に対応する。第1構成120の修正後の実施形態は、「+0」位置に整列した放射状突出部944aを有するカプラー924aと関節体との組み合わせを含むことができる。また、関節体104は、有利には、以下でより説明するように、さらなる調整を許容する。図6は、上腕骨頭アセンブリ100の実施形態である第2構成124を示す。第2構成124は、偏心位置に対応する。
【0098】
図2は、関節体104が関節面126を有することができることを示す。関節面126は、凸面であり得る。関節面126は、患者の関節窩で又は患者の関節窩の凹面と係合するように構成することができる。図3は、関節体104がまた、結合部128を有することを示す。結合部128は、凸状関節面126の反対側にある関節体104の側面に配置される。図4に示すように、結合部128は、偏心調整の連続区域140を有する。例えば、図4の陰影は、関節体104がカプラー108に対して位置し得る領域である区域140を示す。また、上腕骨頭アセンブリ100は、カプラー108上に関節体104の離散位置決めのための少なくとも1つの部位160を有する。1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は5つを超える部位160があり得る。離散位置決め部位160は、1つ以上の予め規定された位置でカプラー108を関節体104に接続させることを可能とし、そのように係合した場合、相対回転を防止する。一部の実施形態において、偏心調整の連続区域140及び少なくとも1つの離散位置決め部位160は、同一面、例えば、関節面126の中心に対する法線を横断する平面に配置される。偏心量は、カプラー108と関節体104の同一の相対的軸方向位置で、連続区域140又は離散位置決め部位160において選択できる。一部の例において、偏心調整の連続区域140は、離散位置決め部位160の間に位置する。図4は、5つの離散位置決め部位160のうちの1つにおいて、関節体104と係合したカプラー108を示す。
【0099】
図3及び図5は、カプラー108が、関節体104と整合するように構成された第1部分200と、第1部分200の反対側にある第2部分204とを有することができることを示す。一実施形態において、第1部分200は、1つの結合部128と整合できる。第2部分204は、関節プロテーゼの他の部材(例えば、上腕骨Hの表面Sに配置される上腕骨ステム30の結合フィーチャ44又はステムレス上腕骨アンカー)と整合できる。他の適用において、第2部分204は、例えば、関節窩若しくは肩甲骨で、大腿骨端で又は脛骨端で、他のアンカー部材と整合できる。一部の実施形態において、カプラー108は、第2部分204が第1部分200の長手軸からオフセットされた長手軸を有するよう、非対称である。以下でより詳細に説明するように、上腕骨頭アセンブリ100が偏心構成、例えば、第2構成124からなっている場合、このオフセットは、関節体104の中心と第2部分204の長手軸との間に横方向のオフセット(1ateral offset)を形成することができる。
【0100】
関節体104は、カプラー108と係合及び/又は保持されるように構成することができる。一部の実施形態において、カプラー108は、上腕骨頭アセンブリ100を第1中心(又は非偏心)構成120或いは第2偏心構成124で配列又は保持するよう、関節体104の結合部128と係合することができる。
【0101】
図5及び図5Aは、結合部128が、関節体104内に配置された第1リセス220を含むことができることを示す。第1リセス220は、関節体104の外側面222上に開放端部221を有することができる。外側面222は、関節面126の反対側にある関節体104の側面である。外側面222は、上腕骨頭アセンブリ100が埋め込まれる際に、関節窩から離間して面する。第1リセス220は、リセス面223に延びることができる。第2リセス224は、リセス面223から関節体104内に延びることができる。第2リセス224は、閉鎖端部225と、第1リセス220の直径d2よりも小さい直径d1とを有することができる。一部の実施形態において、第2リセス224は、閉鎖端部に隣接するほど直径が小さくなるよう、第2リセス224の長さにわたって直径が減少するようテーパ状であり得る。第2リセス224は、リセス面223に向かって又は第1リセス220に向かって直径が大きくなり得る。
【0102】
一部の例において、カプラー108の第1部分200は、関節体104の第2リセス224内に固定できる。一部の実施形態において、カプラー108は、第1リセス220に配置されるように構成され得るカラー230を含むことができる。カラー230は、カプラー108の第1部分200と第2部分204との間に、例えば、第1部分200の近位端又は第2部分204の遠位端に位置し得る。カラー230は、カプラー108に又はカプラー108にわたって関節体104の位置決めに使用できる。一部の実施形態において、カラー230は、関節体104の離散位置決め部位160の何れか1つに関節体104を固定するように構成された突出部234を含むことができる。突出部234は、半径方向に延びる。突出部234は、カプラー108の長手軸に垂直な平面で延びる。突出部234は、結合部128の放射状縁(例えば、ノッチ、空洞又はリセス等の凹状部分)と周方向に重なることにより、関節体104に対する回転位置を固定させることができる。図4Aは、突出部234が結合部128の周縁237(例えば、周縁237に配置されたノッチ、空洞、リセス等の凹状部分)の半径方向内側部235の半径方向外側に延びるように構成され得ることを示す。
【0103】
一部の実施形態において、カプラー108の第1部分200が関節体104の第2リセス224と係合する際、第1部分200の上部が第2リセス224の閉鎖端部225と係合しないよう、第2リセス224の閉鎖端部225と第1部分200の上部との間にクリアランス距離226がある。同様に、一部の実施形態において、カプラー108のカラー230が関節体104の第1リセス220と係合する際に、カラー230の上部(又は中間側)がリセス面223と係合しないよう、カラー230の上部(又は中間)側230aとリセス面223との間にクリアランス距離228がある。また、カプラー108は、例えば、区域140に沿って相対回転を許容する第1係合構成により関節体104と係合できる。第1係合構成において、関節体104は、カプラー108の第1部分200に単純に配置され得るか又は位置し得る。カプラー108は、偏心量(又は偏心なし)が選択されると、相対回転及び不注意な離脱を防止する第2係合構成により、関節体104と係合できる。第2構成は、カプラー108を一般に固定した状態で保持しつつ、関節体104にはめ込み力(impaction force)を加えることにより提供できる。クリアランス距離226、228は、それぞれ一般にはめ込み力のため、第2係合構成よりも第1係合構成でさらに大きい。第2係合構成において、より小さい(しかし、0ではない)クリアランス距離226、228は、カプラー108と関節体104とがモールステーパ等の締まりばめにより結合できるということを保証できる。
【0104】
図4は、関節体104の外側面222が連続区域140に沿ってカプラー108上に関節体140を位置決めすることを補助するためのインディシア240Aを有することができることを示す。例えば、連続区域140は、漸進的にさらに大きな偏心への調整を示すよう、「+1」、「+2」及び「+3」を提供することができる。一部の実施形態において、インディシア240Aは、ミリメートルのオフセット(例えば、それぞれ1mm、2mm、3mmのオフセット)に対応するか、又は単に漸進的に大きくなる大きさを示すことができる。カプラー108が区域140に沿って自由に移動できるため、0mmのオフセットの位置と4mmのオフセットの位置との間の偏心調整が提供でき、また、示された位置との間の位置が提供でき、例えば、これに限定されるものではないが、+1と+2との間、例えば、+1.5が提供できる。
【0105】
一部の実施形態において、複数の離散位置決め部位160は、離散偏心調整を提供する放射状ノッチ244(又は重なり可能な他の半径方向に延びる縁)を含むことができる。一部の実施形態において、放射状ノッチ244は、カラー230の突出部234を収容するように構成される。放射状ノッチ244のプロファイル、輪郭、縁、又は形状は、例えば、固定位置を提供するために、突出部234のプロファイル、輪郭、縁、又は形状と整合又は反転し得る。一実施形態において、ノッチ244は、突出部234のネガ型であり得、例えば、突出部234が凸状である場合、ノッチ224は凹状であり得る。凹状ノッチ244は、突出部234の半径方向外部の半径方向内側部を有することができる。図4A及びそれに対応する説明を参照する。突出部234は、図示する実施形態において、ノッチ244のうちの1つに軸方向に挿入できる。突出部234とノッチ244との整合又は反転の構成、例えば、輪郭、縁、又は形状は、突出部234がノッチ244と係合する際に、カプラー108と関節体104との間の相対回転を防止した。例えば、図4に示すように、突出部234がノッチ244において+0のインディシアにある場合、突出部234から離間して配置されたカラー230の対向側面231は、第1リセス220(+4のインディシアに隣接する)の内壁に近く隣接するか又は内壁と接触する。このような接触又は近接隣接性及び/又はノッチ244の形状は、カプラー108を除き、関節体104内でカプラー108の回転を防止するので、突出部234が表面222から離隔するまで、突出部234は関節体104から軸方向に離間して後退する。よって、ノッチ244の何れか1つが突出部234を収容する際に、カプラー108は、関節体104に少なくとも放射状に固定される。このような条件は、前記のように、第1係合構成と称される。他の実施形態において、放射状に配向された戻り止めが関節体104とカプラー108との間に提供できる。離散位置決め部位160の放射状ノッチ244は、離散(例えば、「+0」、「+1」、「+2」、「+3」、及び「+4」)偏心調整を提供する。離散位置決め部位160に対応する離散位置は、インディシア240Bによって表示できる。一部の実施形態において、インディシア240Bのマークは、ミリメートルのオフセット(例えば、それぞれ0mm、1mm、2mm、3mm、及び4mmのオフセット)に対応する。連続区域140と対照的に、離散位置決め部位160は、特定の固定した増分により偏心調整を提供し、また、中間位置、例えば、+1.5を許容しない。
【0106】
一実施形態において、1つ以上の放射状ノッチ244が両側に突出部234を囲まずに提供される。例えば、ノッチ244は、連続区域140の一端部又は両端部でポジ型停止部を提供する半径方向に延びる縁を提供することができる。このような実施形態において、+0又は+4等の位置は、突出部234をこのようなノッチとの直接的な周接触により回転させることで確認できる。例えば、図4Aにおいて、周縁237は、2つの半径方向内側部の間で延びる。これらの2つの部分のうちの一方は、偏心調整の連続区域の1つ以上の端部に停止部が提供されるように除去できる。この構成は、図12A及びその説明において詳細に説明される。
【0107】
図7図8Bは、関節体104をより詳細に示す。上述のように、関節体104の一側は、関節面126を含む。この実施形態において、関節面は、解剖学的構成を示す凸状である。関節体104は、肩関節空間に良好な嵌合性を提供するように構成された高さ300及び幅304を有する。一部の例において、関節体104の高さ300は、約10mmと約30mmとの間、約13mmと約27mmとの間であり得る。一部の実施形態において、関節体104の高さは、約13.0mm、約16.0mm、約18.0mm、約19.0mm、約27.0mm等であり得る。関節体104は、CoCr、チタン、パイロカーボン、又はその他有利な関節材料等の多様な材料から製造され、固体構造又は層状構造を含むことができる。
【0108】
図8Aは、結合部128をより詳細に示す。上述のように、結合部128は、外側面222に第1リセス220を含む。第1リセス220は、カプラー108の第1部分200及びカラー230を収容するように構成される。一部の実施形態において、結合部128の第1リセス220は、関節体104の中心122からオフセットされる。結合部128の第1リセス220は、約1.95mmと約2.05mmとの間のオフセットを有することができ、或いは、関節体104の中心122から約1.95mm、約2.00mm、又は約2.05mmであり得る。図8Bは、一例において、その端部225を交差し、外側面222の平面に垂直に延びる第2リセス224の長手軸320は、このような方法で又はこのような量により、関節面126の中心122からオフセットされることを示す。
【0109】
図8Aに示す実施形態において、連続区域140は、偏心調整範囲を介して、カラー230、例えば、カラー230の突出部234を収容するように構成された開放部を形成する。結合部128は、突出部234が結合部128の連続区域140に沿って任意の多様な位置に向かう場合に提供される偏心量を示すインディシア240Aを含むことができる。例えば、図8Aの結合部128は、関節体104が0mmと1mmとの間の偏心調整(「+0」と「+1」との間のインディシア240A)、1mmと2mmを含むその間の偏心調整(「+1」と「+2」との間のインディシア240A)、2mmと3mmを含むその間の偏心調整(「+2」と「+3」との間のインディシア240A)、3mmと4mmとの間の偏心調整(「+3」と「+4」との間のインディシア240A)を提供するよう、連続区域140に沿って回転できる。一部の実施形態において、連続区域140は、約122°4’の移動を提供する角度α4にわたってあり得る。図示する実施形態において、偏心調整は、関節体104とカプラー108との間の相対回転を提供することで発生する。カプラー108が上腕骨H、関節窩、肩甲骨、大腿骨又は脛骨の表面S上の上腕骨、関節窩、肩甲骨、大腿骨又は脛骨アンカーに配置されて固定保持されている場合、関節体104の回転は、関節体の関節面126の中心122が表面Sを横切って移動するようにする。よって、図1Bに示す状況で中心構成120が初期に提供される場合、外科医は、関節面126の中心122を表面Sの中心48に向けて移動させるために、関節体104を選択された回転度により回転させることにより、偏心調整を提供することができる。よって、図1Bに示すオフセットは、ある程度の偏心調整後に第2構成124で解決できる。一部の例において、連続区域140は、約90~約180度の偏心調整を提供することができる。
【0110】
図8Aに示す実施形態において、各々の離散位置決め部位160は、カラー230の突出部234を収容するように構成された対応する放射状ノッチ244に位置する。一部の実施形態において、放射状ノッチ244のうちの少なくとも1つは、偏心調整の連続区域に周方向に隣接して配置される。各々の放射状ノッチ244は、係合構成において、上述のように、カプラー108に対する関節体104の回転を防止することができる。離散位置決め部位160は、各々の離散位置決め部位160に提供された偏心量を示すインディシア240Bに対応する。例えば、図8Aの結合部128は、上腕骨頭アセンブリ100が0mmの偏心調整(「+0」のインディシア240Bで)、1mmの偏心調整(「+1」のインディシア240Bで)、2mmの偏心調整(「+2」のインディシア240Bで)、3mmの偏心調整(「+3」のインディシア240Bで)、及び4mmの偏心調整(「+4」のインディシア240Bで)を提供するために、各々の離散位置決め部位160に回転できることを示す。一部の実施形態において、偏心のない位置(例えば、「+0」のインディシア240Bで)は、最大偏心の位置(例えば、「+4」のインディシア240B)から180度回転方向にオフセットされる。
【0111】
一部の実施形態において、結合部128は、全体的に連続区域140から構成される。一部の例において、結合部128は、中心構成120に対応する位置等で、例えば、このような実施形態が離散位置インディシア240Bを含む場合、「+0」の放射状ノッチ244で、全体的に単一の離散位置決め部位160を有する連続区域140から構成される。
【0112】
一部の実施形態において、「+0」の放射状ノッチ244と「+1」の放射状ノッチ244との間の角度α1は、28°58’又は約28°58’である。一部の実施形態において、「+0」の放射状ノッチ244と「+2」の放射状ノッチ244との間の角度α2は、60°又は約60°である。一部の実施形態において、「+0」の放射状ノッチ244と、「+3」の放射状ノッチ244との間の角度α3は、97°11’又は約97°11’である。一部の実施形態において、「+0」の放射状ノッチ244と「+4」の放射状ノッチ244との間の角度α3は、180°又は約180°である。
【0113】
図8Aは、カプラー108を偏心調整の連続区域140と又は偏心調整のための少なくとも1つの離散位置決め部位160と係合させることにより達成できる0mm~4mmの範囲の偏心調整を示す。連続区域140は、0mm~4mmの偏心調整範囲内の全ての値を介して偏心調整を提供できるのに対し、少なくとも1つの離散位置決め部位160は、予め決められた値(例えば、0mm、1mm、2mm、3mm、及び4mm)で正確な偏心調整を提供する。一部の実施形態において、結合部128は、外科医が所望の偏心調整を達成するために、関節体104を時計回り又は反時計回りに調整可能に構成される。この態様は、関節体104とカプラー108を何れの配向でも係合することができるので、外科医に使い易さを提供することができる。
【0114】
図8Bは、関節体104内に延びる第1リセス220及び第2リセス224を示す。第1リセス220は、約2.669mmと約2.769mmとの間、又は約2.669mm、約2.719mm、約2.769mm等の高さ220hを有することができる。 上述のように、第1リセス220は、外側面222に又は外側面222から形成でき、関節体104に結合部128の一部を形成することができる。
【0115】
第2リセス224は、第1リセス220から関節体104に延びることができる。一部の実施形態において、第2リセス224は、約8.60mmの高さ224hを有することができる。一部の実施形態において、第2リセス224は、第2リセス224の直径224dが第2リセス224が関節体104内に延びるにつれて減少するよう、テーパ状プロファイルを有することができる。直径224dは、約9.195mm~約9.235mmの範囲の直径を有することができる。第2リセス224は、モールステーパ又は他の形態の締まりばめにより、カプラー108の第1部分200と係合するように構成することができる。第2リセス224のテーパ状壁は、関節体104とカプラー108との間に、例えば、カラー230と外側面222との間に相対的な動きがないよう、カプラー108の第1部分200が関節体104内に固定されることを可能にする。一部の実施形態において、第2リセス224の長手軸320は、関節面126の中心122からオフセットされ得る。一部の実施形態において、オフセットは、第2リセス224の長手軸320と関節面126の中心122との間に配置される。
【0116】
図9図11は、カプラー108の実施形態の多様な図面を示す。カプラー108の第1部分200は、関節体104と係合するように構成することができる。一部の例において、第1部分200は、約7.90mm~約8.10mmとの間、又は約7.90、8.00mm、約8.10mmの高さ200hを有することができる。一部の実施形態において、第1部分200は、自由端において、9.205mm~約9.235mmとの間、又は約9.205mm、約9.220mm、約9.235mm等の直径200dを有することができる。一部の例において、第1部分200の自由端の直径200dは、第1部分200が第2リセス224内に収容及び固定され得るよう、端部225における第2リセス224の直径224dよりも大きいが、表面223におけるリセス224の直径よりも小さい。
【0117】
第2部分204は、関節プロテーゼの他の部材(例えば、上腕骨H、関節窩、肩甲骨、大腿骨、又は脛骨の表面Sに配置された結合フィーチャ44)と整合するように構成することができる。一部の例において、第2部分204は、約11.90mm~約12.10mmとの間、又は約11.90mm、約12.00mm、約12.10mmの高さ204hを有することができる。一部の実施形態において、第2部分204は、約9.205mmと約9.235mmとの間、又は約9.205mm、約9.220mm、約9.235mm等の直径204dを有することができる。一部の例において、直径204dは、その長さにわたって約9.205mmから約9.235mmの範囲で変わり得る。
【0118】
カプラー108は、第1部分200の遠位端にカラー230を含むことができる。カラー230は、関節体104の第1リセス220内に嵌合されるように構成することができる。一部の例において、カラー230は、約2.45mmと約2.55mmとの間、又は約2.45mm、約2.50mm、約2.55mmの高さを有することができる。一部の例において、カラー230は、上述のように、少なくとも1つの離散位置決め部位160の放射状ノッチ244のうちの1つに保持されるか、或いは、連続範囲140内に又は連続範囲140に沿って配置されるように構成される突出部234を含むことができる。
【0119】
一部の例において、カプラー108は、第2部分204が第1部分200の長手軸344とは異なる長手軸340を有するように非対称的である。長手軸340は、関節体104の中心122と整列し得る(例えば、突出部234が+0部位160と整列する場合)。そのように整列した場合、アセンブリ100は、図1Aのように、非偏心配列を提供する。長手軸340は、関節体104の中心122からオフセットされ得る(例えば、突出部234が+0部位160と整列しない場合)。そのようにオフセットされた場合、アセンブリ100は、図1Bのように、偏心配列を提供する。 図9図11に示すように、第2部分204の長手軸340と第1部分200の長手軸344との間の距離は、オフセットOSを形成する。一部の実施形態において、オフセットOSは、約1.95mmと約2.05mmとの間の範囲であるか、又は、約1.95mm、約2.00mm、約2.05mmであり得る。
【0120】
一部の実施形態において、カプラー108が関節体104と係合する場合、カプラー108の第1部分200は、第2リセス224の長手軸320と整列する。上記で説明し、図8Bに示すように、第2リセス224の長手軸320は、関節面124の中心122からオフセットされる。一部の例において、カプラー108が非対称であるので、第2部分204の長手軸340は、上腕骨頭アセンブリ100の配列に応じて、関節面124の中心122と整列してもよく、整列しなくてもよい。図2及び図4図5Aに関して上述したように、上腕骨頭アセンブリ100が中心構成120であるとき、関節面124の中心122は、第2部分204の長手軸340と同一線上にあり得る。対照的に、図6に示すように、上腕骨頭アセンブリ100が偏心構成124であるとき、第2部分204の長手軸340は、関節面124の中心122からオフセットされる。上述の内容は、上腕骨頭アセンブリ100が、図1Aの構成及び図1Bの構成を含む多様な偏心構成を提供することができ、よって、非常に適合化可能なアセンブリであり、且つ、手術用キットの複雑性やその任意の未使用の構成要素を低減させることができることを示す。
【0121】
B.複数の連続調整区域を有する上腕骨頭
図12及び図12Aは、上腕骨頭アセンブリ100と類似する上腕骨頭アセンブリの一部を形成し得る関節体404、404Aの他の実施形態を示す。関節体404や関節体404Aの説明に関して上述した関節体104及び上腕骨頭アセンブリ100の説明は繰り返さないが、当業者は、そのような説明が関節体404に関する下記の説明を補足するということを理解されたい。
【0122】
関節体404は、図12に示すように、結合部408を有する。結合部408は、関節体404に第1リセス420を形成する。結合部408は、複数の連続区域424(陰影表示)を含むことができる。連続区域424は、1つ以上の離散位置決め部位428によって分離できる。結合部128のように、各々の離散位置決め部位428は、放射状ノッチ432を含むことができる。一部の実施形態において、偏心調整の連続区域424及び1つ以上の離散位置決め部位428は、外側面222と(図示していないが、外側面222の反対側に位置している)関節面との間に位置する同一平面に、例えば、外側面222に平行な平面に配置される。一部の例において、偏心調整の連続区域424は、離散偏心位置(例えば、離散位置決め部位428)の間に位置する。
【0123】
結合部408は、カプラー108のカラー230と係合するように構成することができる。複数の連続区域424は、偏心調整範囲を介して、カラー230、例えば、カラー230の突出部234を収容するように構成された開放部を形成する。結合部408は、連続区域424に沿って多様な位置に提供される偏心量を示す複数のインディシア436を含むことができる。結合部408において、関節体404は、0mmと1mmとの間の偏心調整(「+0」と「+1」との間のインディシア436)、1mmと2mmを含むその間の偏心調整(「+1」と「+2」との間のインディシア436)、2mmと3mmを含むその間の偏心調整(「+2」と「+3」との間のインディシア436)、3mmと4mmとの間の偏心調整(「+3」と「+4」との間のインディシア436)を提供するよう、連続区間のうちの1つと係合するために、どの方向にも回転できる。一部の実施形態において、連続区域424のうちの1つは、少なくとも90度の偏心を提供することができる。一部の例において、連続区域424のうちの1つは、約90度~約180度の偏心を提供することができる。
【0124】
一部の実施形態において、複数の連続区域のうちの連続区域424は対称である。一部の実施形態において、複数の連続区域のうちの連続区域424は非対称である。
【0125】
結合部408の実施形態は、結合部408の反対側の側面に2つの離散位置決め部位428を含むことができる。各々の離散位置決め部位428は、カラー230の突出部234を収容するように構成された放射状ノッチ432を形成する。一部の実施形態において、放射状ノッチ432のうちの少なくとも1つは、偏心調整の連続区域に周方向に隣接して配置される。上述のように、各々の放射状ノッチ432は、カプラー108に対する関節体404の回転を防止することができる。ノッチ432のうちの1つから他のノッチに、又は、ノッチ432のうちの1つから連続区域424のうちの1つに移動させるために、カプラー108は、少なくともカラー230が第1リセス420から除去されるよう、関節体404から必ず軸方向に分離されなければならない。他の実施形態において、戻り止め構造体は、離散位置での係合、例えば、任意の放射状ノッチ432内への係合を示すために、使用者に機械的フィードバックを提供することができる。連続区域424のように、各々の離散位置決め部位428は、各々の離散位置決め部位428に提供された偏心量を示すインディシア436を含むことができる。図12に示す実施形態において、結合部408は、0mmの偏心調整(「+0」のインディシア436で)及び4mmの偏心調整(「+4」のインディシア436で)の2つの離散位置決め部位428を含む。一部の実施形態において、偏心のない位置(例えば、「+0」のインディシア436)は、最大偏心の位置(例えば、「+4」のインディシア436)から180度回転方向にオフセットされる。
【0126】
図12の結合部408は、2つの連続区域424を含むという点で、結合部128と異なる。この実施形態において、外科医は、関節体404がカプラー108の中心にあるとき、及び、関節体104が最大偏心(例えば、4mm)に位置しているときを、離散位置決め部位360のノッチ432との接触及び後続係合を介して確認できる。これらの範囲の間では、外科医は、カプラー108に対する関節体404の位置を自由に調整可能である。
【0127】
図12Aは、関節体404Aをより詳細に示す。説明しているように、関節体404Aは、以下で異なって説明することを除き、関節体404と同様である。関節体404や他の関節体に関する説明は、下記の説明を補足することを目的とし、繰り返さない。関節体404Aは、結合部408Aを含む。結合部408Aは第1リセス420を含み、第2リセス224は第1リセス420から延びることができる。第1リセス420は、複数の区域又は壁セグメントによって境界がつくられ得る。第1リセス420は、1つの又は複数の連続区域424によって境界がつくられ得る。連続区域424のうちの一方又は両方は、停止部429によって形成された端部まで延びることができる。図12Aは、停止部429が第1連続区域424の各々の端部に提供できることを示す。停止部429は、第1リセス420内に配置されたピークに延びる湾曲突出部を含むことができる。停止部429のピークは、連続区域424から第2リセス224に向かって、第1リセス420の幅の約1/4延びることができる。図示する実施形態において、2つの連続区域424が第2リセス224の反対側の側面に形成される。
【0128】
連続区域424は、停止部429を交差する線、例えば、停止部429のピークをつなぐ線に関して対称であり得る。一部の実施形態において、関節体404Aの結合部408Aは対称ではないので、インディシア436が同一量で離隔しない。図12Aは、+0から時計回りの方向に位置する外側面222の一部に配置されたインディシア436が0、1、2、又は3mmのオフセットを提供することに対応することを示す。より具体的に、カプラー108の突出部234が第1リセス420内に前進し、+0のインディシア436と整列する場合、さらなるオフセットは提供されない。突出部234が第1リセス420内に前進し、+1のインディシア436と整列する場合、+1mmのさらなるオフセットが提供される。+4から時計回りの方向に位置する外側面222の一部に配置されたインディシア436は、異なる範囲のさらなるオフセットを提供することに対応する。外側面222のこの部分のインディシア436は、+1~+4mmのさらなるオフセットの調整範囲を示す。
【0129】
停止部429は、突出部234が放射状ノッチ432の中心にあるインディシア436のうちの1つと整列する場合、突出部234を両側面に対して囲むことができないという点で、離散位置決め部位428の放射状ノッチ432と異なる。むしろ、突出部234の係合は、その一側面と停止部429の一側面とを接触させることからなる。この利点は、カプラー108が第1リセス420内に前進し、突出部234が停止部429のうちの1つと接触する際に、この相対位置で提供されたオフセット位置から離間する動きは、第1リセス420からカラー230を引き出すことなく達成できるということである。カプラー108上の関節体404の即時の相対回転が、任意の離散位置から任意の他の位置に移動するよう提供できる。突出部234と停止部429との係合は、突出部234とノッチの任意の回転的整列を必要としない触知(tactile)法で容易に確認できる。
【0130】
カラー230が、停止部429を収容するように又は停止部429と整列しない場合、第1リセス420内の連続区域424に沿って位置するように構成された凹状周辺部を有するよう、カプラー108を変更することにより、アセンブリのまた別の変形が提供できる。このような変更は、この変形において、停止部429によって規定された離散位置から連続区域424への移動が第1リセス420からカプラー108の変更されたカラーを後退させることが必要となるよう、停止部429の両側が変更されたカプラー108の凹状リセス内に収容できることを提供する。
【0131】
C.上腕骨アンカーに部分的に形成されたインターフェースにおける偏心調整
図13A図13Cは、結合部528の他の実施形態を示す。結合部528の説明に関して上述した結合部128の説明は繰り返さないが、当業者は、そのような説明が結合部528に関する下記の説明を補足するということを理解する。
【0132】
結合部528は、関節体(例えば、関節体104、関節体404、関節体804、関節体804A)の関節面と、骨アンカー500の端部との間に位置し得る。上述のように、一部の実施形態において、結合部は、関節体の表面(例えば、凸状関節面の反対側)に位置し得る。一部の実施形態において、結合部528は、骨アンカー500の端部に位置し得る。骨アンカー830と対照的に、骨アンカー500は、ステムを有し、カプラー108と結合することにより、解剖学的関節体と結合するように構成される。多様な組み合わせにおいて、骨アンカー500は、上述のように、関節体804及び関節体804Aが切除面下方での接続のために骨アンカー500と共に使用されることが可能になるよう、第1及び第2リセスを有するよう変形できる。図13A図13Cは、ステム530を有する骨アンカー500を示しているが、一部の実施形態において、骨アンカーはステムレスであり得る。ステムレス骨アンカーの例は、US2016/0324648及びUS62/368036に開示されており、その内容全体を本明細書に参照として含む。
【0133】
図13A図13Cに示す結合部528は、上記で開示する上腕骨頭アセンブリ100の結合部128と同様である。しかし、図12図12Aに示す結合部408又は本明細書で開示する任意の他の結合部は、骨アンカー500(例えば、ステム付き又はステムレス)の表面に同様に位置し得る。
【0134】
結合部528は、ステム530の中央面に第1リセス520を形成する。結合部528は、連続区域540と、少なくとも1つの離散位置決め部位560(陰影表示)とを含むことができる。結合部528は、少なくとも1つの離散位置決め部位560を含むことができる。結合部128と同様に、各々の離散位置決め部位560は、後述のように、放射状ノッチ544、又はカプラーの一部と半径方向に重なるように構成された他の半径方向に延びる縁を含むことができる。一部の実施形態において、偏心調整の連続区域540及び少なくとも1つの離散位置決め部位560は、同一平面、例えば、平らな側面に、しかし、ステム530の中央面とは平行に配置される。一部の例において、偏心調整の連続区域540は、離散偏心位置(例えば、離散位置決め部位560)の間に位置する。
【0135】
結合部528は、結合部528と係合し得るカプラー608のカラー630と係合するように構成することができる。図2図11に関して上述したように、カプラー924a、924b、924cと対照的に、カプラー608は、ディスク部材932a、932b、932cと類似するディスク部材を有することが示されていない。多様な組み合わせにおいて、カプラー608は、上述のアンカー830又はアンカー830Aと共に使用される上腕骨頭アセンブリ100の構成が可能なよう、ディスク部材を有するように変更できる。このような変更において、カラー630は、ディスク部材932a、932b、932cと同一直径又はより大きな直径を有し得る。連続区域540は、偏心調整範囲を介して、カラー630、例えば、カラー630の突出部634を収容するように構成された開放部を形成する。結合部528は、連続区域540に沿って多様な位置に提供される偏心量を示す複数のインディシア540Aを含むことができる。カプラー608は、0mmと1mmとの間の偏心調整(「+0」と「+1」との間のインディシア540A )、1mmと2mmを含むその間の偏心調整(「+1」と「+2」との間のインディシア540A)、2mmと3mmを含むその間の偏心調整(「+2」と「+3」との間のインディシア540A)、3mmと4mmとの間の偏心調整(「+3」と「+4」との間のインディシア540A)を提供するよう、結合部528で回転できる。一部の実施形態において、連続区域540は、少なくとも90度の偏心を提供することができる。一部の例において、連続区域540は、約90度~約180度の偏心を提供することができる。
【0136】
複数の離散位置決め部位560のうちの1つ以上は、カラー630の突出部634を収容するように構成される放射状ノッチ544を含むことができる。一部の実施形態において、放射状ノッチ544の少なくとも1つは、偏心調整の連続区域に周方向に隣接して配置される。上述のように、各々の放射状ノッチ544は、ステム530の表面で結合部528に対するカプラー608の回転を防止することができる。ノッチは、回転を防止するが、カプラー608及びアンカー500が締まりばめで固定されることなく容易に分離できる第1係合構成を可能にする。放射状ノッチ544のうちの1つから他のノッチに、又は、放射状ノッチ544のうちの1つから連続区域540に移動するために、カプラー608は、少なくともカラー630が第1リセス520から除去されるよう、ステム530の中央面から軸方向に(例えば、相対的に中央に移動)分離できる。他の実施形態において、使用者に回転係合の構成を示すために、戻り止め構造体の一部が提供できる。連続区域540のように、各々の離散位置決め部位560は、各々の複数の離散位置決め部位560に提供された偏心量を示すインディシア540Bを含むことができる。図13A図13Cに示す実施形態において、結合部528は、4つの離散位置決め部位560、即ち、0mmの偏心調整で(「+0」のインディシア540Bで)、1mmの偏心調整で(「+1」のインディシア540Bで)、2mmの偏心調整で(「+2」のインディシア540Bで)、3mmの偏心調整で(「+3」のインディシア540Bで)、及び4mmの偏心調整で(「+4」のインディシア540Bで)含むことができる。一部の実施形態において、偏心のない位置(例えば、「+0」のインディシア540A)は、最大偏心の位置(例えば、「+4」のインディシア540A)から180度回転方向にオフセットされる。
【0137】
一部の実施形態において、結合部528の第1リセス520は、第2リセス524まで開放される。第2リセス524は、第1リセス520よりも小さい直径を有することができる。第2リセス524は、カプラー608のテーパ状端部を収容するように構成することができる。テーパ状端部は、カプラー108の第1部分200と類似し得る。図示する実施形態において、テーパ状端部は、第2リセス524の中心と整列する。カプラー608の中央端部632は、カラー630から中央に突出する。カプラー608の中央端部632は、関節体104と類似し得る関節体にリセスが係合するように構成される。カプラー608の中央端部632の長手軸は、連続区域540に沿って又は任意の離散位置決め部位560にカプラー608が回転することにより、アンカー500が切除面の中心になくても、上腕骨の切除面にわたって関節体のセンタリングを提供するために、偏心(あれば)の大きさが調整されるよう、テーパ状端部から(及び第2リセス524の中心から)オフセットされる。
【0138】
図14A~図14Cは、上述の実施形態がリバース型肩アセンブリにも適用できることを示す。リバース型肩アセンブリは、凸状関節面が肩甲骨に提供され、凹状関節面が上腕骨に提供されるよう、上腕骨の元々の関節面を変更したものである。図14Aは、アンカー500及びリバース型肩アセンブリのトレイ700の分解図を示す。アンカー500は、上述の任意のフィーチャを有することができる。また、アンカー500は、連続部位と位置決め部位の任意の組み合わせを有することができる。図14Aは、第1リセス520内に形成されたノッチ544を示す。さらに、アンカー500は、第1リセス520からアンカー500にさらに延びる第2リセス524を含む。
【0139】
トレイ700は、上腕骨対向壁724から突出するテーパ704と、上腕骨対向壁724からトレイ700の反対側にリセスとを有することができる。リセスは、内側壁716によって取り囲まれている内周712によって部分的に規定できる。トレイ700は、内側壁716によって取り囲まれる空間でリセスに挿入される関節体(図示せず)をしっかりと保持するように構成することができる。内側壁716は、内側壁716の周りに配置された1つ又は複数のフィン720を有することができる。フィン720は、一実施形態において、関節体を定位置に保持させるために、関節体の外側壁と係合するように構成することができる。関節体は、上述のように、凹状関節面を有する。
【0140】
図14Bは、トレイ700をより詳細に示す。トレイ700は対称であり得、例えば、上腕骨対向壁724の周りに円形外周を有することができる。トレイ700は、円形外周の半径が測定される中心728を有することができる。多様且つ有利な実施形態において、中心728は、テーパ704の中心732からオフセットされて配置される。中心728と中心732との間のオフセット距離は、アンカー500に対するトレイ700の回転が上腕骨の切除面に対するトレイ700の位置を変更(これにより関節体と結合する)することを可能にする。よって、アンカー500が上腕骨の中心からオフセットされている場合でも、トレイ700は、アンカー500に対して中心728が中心にある位置まで回転でき、第2リセス524又はテーパ704よりも上腕骨が実質的に中心にあるかより近い。トレイ700は、以下でさらに説明するように、離散区域又は連続区域と整列し得る突出部708を含むことができる。図14Cは、図14Bに示すトレイ700の反対側を示す。図14Cに示す側面は、トレイ700が埋め込まれる際に肩甲骨に向かい、中央側面と称され得る。トレイ700は、上腕骨対向壁724の反対側に位置する壁730を含む。壁730及び内側壁716は、関節挿入物が配置され得る凹状空間729を少なくとも部分的に規定する。一実施形態において、インディシア731は、アンカーに対するトレイ700の整列を容易にするために、中央側面、例えば、壁730に提供される。壁730上のインディシア731は、示されているオフセット位置を提供するために、アンカー500上のインディシアと整列し得る。例えば、突出部708は、アンカー500の+0の位置に配置でき、そのように配置された場合、インディシア731の+0マークがアンカー500の+0と整列する。インディシア731の+1マークが水平位置(図14Cで+0である)に移動するようにトレイ700が回転すると、外科医は、(図14Aに示すように)突出部708がアンカー500の上部の連続区域で+1と整列することを知る。インディシア731の+2マークが水平位置に移動するようにトレイ700が回転すると、外科医は、突出部708がアンカー500の上部連続区域で+2と整列することを知る。インディシア731の反転した+1マークが水平位置に移動するようにトレイ700が回転すると、外科医は、突出部708がアンカー500の下部で反転した+1と整列することを知る。トレイ700上の視覚的確認は、(アンカー500の下方でのように)離散区域を必要としないかもしれないが、依然として便利な視覚的確認を提供する。また、アンカー500には、図12及び図12Aの配列と類似する上部及び下部連続区域が提供できる。よって、インディシア731は、アンカー500に対するトレイ700の位置の視覚的確認を提供することができる。視覚的確認は、外科医がトレイ700を正確に位置決めしたり、患者の医療記録向上のために、その位置を手術中に記録することを可能にする。
【0141】
アンカー500及びトレイ700を含む上腕骨アセンブリを埋め込む方法は、肩で上腕骨を外科的に露出させるステップを含むことができる。次に、上腕骨は、露出面Sを生成するように切除される(図1参照)。その後、上腕骨の海綿骨にステム付きアンカーのための空間を生成することにより、アンカー500を上腕骨に配置することができる。ステムレスアンカーを使用する場合、さらなる骨を準備する必要があまりないか、又は全く必要でなくてもよい。アンカー500の位置を配置した後、多少の調整が必要と判定されると、トレイ700を使用して、トレイ700(及びそれと結合した関節体)の位置の調整を提供することができる。例えば、トレイ700がアンカー500に設けられるまでテーパ704を第2リセス524内に前進させることにより、アンカー500と結合するように、矢印Aで示しているように、トレイ700が前進することができる。トレイ700は、トレイ700が第1リセス520及び第2リセス524内に前進するにつれて、矢印Bの何れかの方向に回転配向し得る。1つの技術において、突出部708は、初期に、さらなるオフセットがもたらされないよう、例えば、中心728が第2リセス524の中心と整列するよう、+0位置と整列する。オフセットが必要な場合、突出部708は、連続区域540に沿って+1、+2、+3、又はその間の任意の他の位置に移動することができる。突出部708は、ノッチ544の何れか1つに、例えば、+1、+2、+3、又は+4の位置に移動することができる。位置は、上述のように、インディシア731を参照して視覚的に確認することができる。一旦、整列が確認されると、例えば、モールステーパ接続により、テーパ704を第2リセス524の壁と係合させることにより、トレイ700をアンカー500に固定することができる。この方法は、アンカー500の一部の実施形態において、2つの連続調整区域から選択することを含むことができる。トレイ700がアンカー500に固定された後、リバース型関節体は、内側壁716内で、例えば、フィン720と係合することにより、トレイ700と結合できる。
【0142】
図14Aでトレイ700と結合していることを説明しているが、アンカー500は、関節体804Aが第1リセス842等の近位リセスでアンカー500に直接接続できるよう、アンカー830又はアンカー830Aのように、2つのリセスを有することができる。
【0143】
アンカー500が上腕骨に埋め込まれるように構成されていることを図示しているが、アンカー500は、関節窩、肩甲骨、大腿骨、又は脛骨内に埋め込まれるように適合化でき、本明細書で説明しているように、中心の又は多様な偏心位置にわたって関節体の有利な位置決めを提供する。
【0144】
D.偏心構成の選択を補助するために窓を有するオフセットカプラー
図18図20Aは、結合部1532を有する上腕骨頭システム1400のまた別の実施形態を示す。結合部128及び結合部528に関する説明は繰り返さないが、当業者は、そのような説明が結合部1532に関する下記の説明を補足するということを理解されたい。
【0145】
一部の実施形態において、図18Aに示すように、結合部1532は、上腕骨アンカー1500のカラー1506の近位面1504上に位置し得る。図18図18Bは、ステムレス上腕骨アンカー1500を示しているが、一部の実施形態において、骨アンカーはステムを含むことができる。ステムレス骨アンカーのさらなる例は、US2016/0324648及びUS62/368036に開示されており、その内容全体を本明細書に参照として含む。
【0146】
図18Aに示す結合部1532は、上述の上腕骨頭アセンブリ100の結合部128及び結合部528と一般に類似する。しかし、図18Aに示すように、結合部1532は、如何なる離散位置決め部位も含まず、代わりに、カラー1506の近位面1504に位置するインディシアを含む。一部の実施形態において、結合部1532のインディシアは、時計の文字盤と類似する近位面1504上に等間隔に離隔している。上述のように、一部の実施形態において、各々のインディシアは、配向を示すように構成される。上述のように、上腕骨アンカー1500は、カプラー1424(例えば、カプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つ)と結合するように構成される。上腕骨アンカー1500は、カプラー1424(例えば、カプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つ)のディスク部材1432(例えば、ディスク部材1432a、1432b、1432cのうちの1つ)を収容するように構成された第1リセス部1508を含む。上述のように、ディスク部材1432(例えば、ディスク部材1432a、1432b、1432c)は、窓1444(例えば、窓1444b、1444c)を含むプレート1440(例えば、プレート1440b、1440c)に隣接する。上述の放射状ノッチのように、窓1444は、カプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つが上腕骨アンカー1500に挿入される際に提供される上腕骨アンカー1500に対する偏心の配向、方向、又は構成を示すように構成することができる。一部の例において、カプラー1424が上腕骨アンカー1500に挿入される際、カプラー1424のプレート1440は、プレート1440の窓1444を介して露出する、使用者によって選択されたインディシアを除いて、結合部1532上の全てのインディシアを覆う。
【0147】
結合部1532は、窓1444がカラー1506の近位面1504に沿って多様な位置に提供される上腕骨アンカー1500に対する偏心の配向又は構成に対応するインディシアを示すよう、カプラー1424のプレート1440と相互作用するように構成することができる。図18Aは、一実施形態において、回転配向インディシアが12の離散回転位置を示すよう、時計の文字盤状に数字を含むことを示す。このような形状の回転配向インディシアは、直感的であると共に、インディシアは、より少ないかより多い数字、文字、色相、その他のインディシア、又はインディシアの組み合わせであり得る。一部の場合、上腕骨アンカー1500と結合する関節アセンブリ又は構成要素は、上腕骨アンカー1500に対するその回転位置がアセンブリの生体力学を変化させるように非対称である。カラー1506の近位面1504上のインディシアは、関節アセンブリ又は構成要素を配置する際に外科医を案内することができる。上腕骨アンカー1500上のインディシアは、所望の位置を示すために、関節構成要素又はアセンブリ群に対して試験中に使用できる。その後、最終のインプラントが開放された関節空間に最初に配置される際、インディシアによって示された配向は、最終の関節構成要素又はアセンブリを上腕骨アンカー1500と永久的に接続させる前に複製することができる。インディシア及び窓1444は、主に外科医が手術中の試験手順の間に決定された偏心オフセットの方向を再現可能に使用できる。例えば、試験が偏心について2時のインディシアに向かう配向を示すと、外科医は、窓1444を結合部1523の2時のインディシアと整列させることにより、手術中にこれを再現することができる。一部の実施形態において、偏心調整量は、カプラー1424を上腕骨アンカー1500の第2リセス部1524に挿入させることにより選択できる。
【0148】
上腕骨アンカー1500が上腕骨に埋め込まれるように構成されていることを図示しているが、上腕骨アンカー1500は、関節窩、肩甲骨、大腿骨、又は脛骨内に埋め込まれるように適合化でき、本明細書で説明しているように、中心の又は多様な偏心位置にわたって関節体の有利な位置決めを提供する。
【0149】
IV.関節体を骨アンカーへ結合するのための拡張可能なカプラー
下記の実施形態は、拡張可能なカプラーを使用して、関節体を上腕骨アンカーに結合させることを提供する。開示している実施形態は、上腕骨頭アセンブリの構成要素における向上した回転位置の制御を提供することができる。また、開示している非永久アセンブリは、通常従来の接続に関する公差累積を除去することができる。さらに、関節体を上腕骨アンカーにはめ込むことなく、次のカプラーが上腕骨アンカーにしっかりと係合できる。一部の例において、拡張可能なカプラーは、例えば、解剖学的プロテーゼが除去され、リバース型プロテーゼに代替される再置換術において、上腕骨頭アセンブリの部分除去を容易にする。
【0150】
以下で説明する実施形態は、関節窩又は肩甲骨アンカー上のグレノスフィアの拡張可能な固定アセンブリを提供するためのもの、大腿骨アンカー上の大腿関節体の非永久的な固定アセンブリを提供するためのもの、脛骨アンカー上の脛骨関節体の非永久的な固定アセンブリを提供するためのもの、或いは、その他整形外科的用途のためのものを含む、他の整形外科的用途に使用することができる。
【0151】
A.カムディスクアセンブリを有する拡張カプラー
図21図31は、関節体を上腕骨アンカーに結合するための拡張可能なディスク1003を提供するカプラー1000の実施形態を示す。カプラー1000は、関節体を上腕骨アンカーに固定させるためのカムディスクアセンブリを含む。図21図24は、アンカー1100のリセス1108内に設けられた拡張可能なディスク1003を示す。図23に示すように、カプラー1000及びアンカー1100は、分離可能な構成要素である。以下でより詳細に説明するように、図25図26に示すカプラー1000は、上腕骨頭と係合するように構成することができ、また、カムアセンブリ1068を作動させることにより、アンカー1100に除去可能に固定できる。図27図31は、カムアセンブリ1068を形成するアクチュエータ1032及び固定部1056の複数の図面を示す。以下でより詳細に説明するように、アンカー1100にカプラー1000を固定させるためにカムアセンブリ1068が作動(回転)し得る。
【0152】
図21図24は、アンカー1100と係合した拡張可能なディスク1003を示す。アンカー1100はアンカー830と類似し、例えば、リセス842と類似するリセス1108を有することができる。アンカー1100は、遠位端1112と、アンカー1100の近位面1104にリセス1108を形成する円筒状部1110を含むことができる。図1Aのアンカー830及び図15のアンカー830Bに関して示すように、アンカー1100は、切除された上腕骨に固定されるように構成される。一部の実施形態において、アンカー1100の近位面1104は、円筒状部1110が切除された上腕骨の表面の完全に下のリセス1108でカプラー1000のベース(例えば、第2部分1012)を固定できるよう、切除された上腕骨と同一平面に置かれる。上述のように、ステムレス骨アンカーの例は、2018年10月2日に出願された代理人参照番号「TRNXSH.104PR」の米国仮出願番号第62/740,333号に開示されており、その内容全体を本明細書に参照として含む。
【0153】
図24に示すように、一部の実施形態において、カプラー1000の第2部分1012は、アンカー1100の円筒状部1110内に位置する。第2部分1012は、第1面1001がアンカー1100の近位面1104よりも少し下にあるか又は近位面1104と整列するように位置し得る。一部の例において、第2部分1012は、第1面1001がアンカー1100の近位面1104よりも少し上にあるように位置し得る。例えば、関連した上腕骨頭は、アンカー1100の近位面1104上に延びる第2部分1012の一部を収容するように適合化できる。一部の実施形態において、第2部分1012の第2面1002は、円筒状部1110の底面1111と同じ高さに置かれる。図24に示すように、切除レベル又はその下にカプラー1000を固定させる円筒状部1110を有することにより、解剖学的上腕骨頭が切除部と同じ高さ又はほぼ同じ高さでカプラー1000に結合できるよう、切除面に第1部分1008のベースを位置決めすることができる。
【0154】
一部の実施形態(図示せず)において、拡張可能なディスク1003は、複数の外部係合部を含むことができる。外部係合部は、下記の図32図33に示す外部係合部128と類似する。外部係合部は、拡張可能なディスク1003がアンカー1100の円筒状部1110内に配置される際に、外部係合部が円筒状部1110の内面上の第2フィーチャ1116に対して遠位位置でアンカー1100のリセス1108の内面と係合できるように構成することができる。一部の例において、外部係合部は、複数の離隔したアーチ型接触点を提供する。この構成は、これらのフィーチャが外部係合部との接触により圧縮されたり変更されないよう、第2フィーチャ1116との接触を避ける内面と外部係合部との間に接触領域を提供する。一部の実施形態において、外部係合部は、スロット852と係合するように、例えば、スロット852内部に配置されるように構成される。外部係合部とスロット852との係合(例えば、スロット852内に配置される)は、係合部とスロット852を形成する材料との間の重なりによりアセンブリの分離を防止することができる。
【0155】
一部の例において、アンカー1100は、さらなる接続フィーチャを含むことができる。図21図22に示すように、一部の例において、複数の第2フィーチャ1116が円筒状部1110の内面に沿って形成できる。これらの第2フィーチャ1116は、カプラー1000の一部とのさらなる係合及び/又は固定を提供するように構成することができる。例えば、第2フィーチャ1116は、各々リッジ部1120を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、カプラー1000が拡張してアンカー1100の円筒状部1110内に固定される場合、第2フィーチャ1116の各々のリッジ部1120は、カプラー1000の第2部分1012の外面と係合するように構成することができる。一部の実施形態において、第2フィーチャ1116は、アンカー1100がリバース型肩関節体(例えば、関節体804A)を固定するように交換される際に、回転安定性を提供するように構成される。他の実施形態において、以下で説明するように、カプラー1000は、円筒状部1110に固定されるように構成された拡張可能なディスク部(例えば、拡張可能なディスク1003)を含むことができる。一部の例において、拡張可能なディスク部は、雌型の幾何学構造を含むことができ、又は、第2フィーチャ1116(図示せず)のリッジ部1120を収容するように変形し得る。第2フィーチャ1116のリッジ部1120をカプラー1000の拡張可能なディスク部上の雌型の幾何学構造と係合させることにより、第2フィーチャ1116は回転防止フィーチャとして機能し得る。
【0156】
図21図26は、カプラー1000が第1部分1008と第2部分1012とを含むことができることを示す。一部の実施形態において、第1部分1008は、上腕骨頭アセンブリの関節体と係合するように構成することができると共に、第2部分1012は、アンカー1100の円筒状部1110に除去可能に固定されるように構成することができる。図21、22、25、及び26に示すように、カプラー1000の第2部分1012は、第1スロット1016及び第2スロット1020を有する拡張可能なディスク1003を含むことができる。第1スロット1016は、カムアセンブリ1068を収容するように構成される開放部(例えば、後述する近位開口1024及び遠位開口1028)を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、第1スロット1016及び第2スロット1020は、カプラー1000の第2部分1012が、カムアセンブリ1068が作動する際の大きさに拡大することを可能にする。一部の実施形態において、近位開口1024は、複数の放射状ノッチ1030を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、各々の放射状ノッチ1030は、アクチュエータ1032上に位置する放射状突出部1054と係合するように構成することができる。
【0157】
カプラー1000は、図21図24に示すように、カムアセンブリ1068を収容するように構成することができる。一部の例において、カムアセンブリ1068は、アクチュエータ1032と固定部1056とを含むことができる。アクチュエータ1032は、カプラー1000に対して回転するように構成することができる。一部の実施形態において、アクチュエータ1032は、固定部1056によってカプラー1000の第2部分1012に保持される。図25及び図26に示すように、カプラー1000は、第1面1001上の近位開口1024と、第2部分1012の第2面1002上の遠位開口1028とを含むことができる。図24は、カプラー1000の第2部分1012内に保持されるカムアセンブリ1068の断面図を示す。一部の例において、アクチュエータ1032の近位端1036は、近位開口1024内に保持される。アクチュエータ1032の遠位端1044を固定部1056と係合させることにより、アクチュエータ1032をカプラー1000内に固定できる。一部の実施形態において、固定部1056の第2部分1064は、第2部分1012の遠位開口1028内に保持される。アクチュエータ1032を定位置に固定させるために、第2部分1064をアクチュエータ1032の遠位端1044に圧入できる。一部の実施形態において、第2部分1064は、カムアセンブリ1068が分解されることを防止するために、レーザ溶接されるか、アクチュエータ1032の遠位端1044に永久に固定できる。一部の実施形態において、固定部1056の第1部分1060は、アクチュエータ1032の遠位端1044でチャンネル1048内に保持される。
【0158】
図27図28は、固定部1056の斜視図及び側面図を示す一方、図29図31は、アクチュエータ1032の多様な図面を示す。先ず、固定部1056に戻ると、一部の実施形態において、固定部1056は、第1部分1060と第2部分1064とを含む。一部の例において、第1部分1060は円筒状であり、第2部分1064よりも小さい半径を有することができる。
【0159】
図30図31は、アクチュエータ1032が近位端1036と遠位端1044とを含むことができることを示す。近位端1036は、近位端1036の一部を介して延びるツールインターフェース1040を含むことができる。一部の実施形態において、ツールインターフェース1040は、アクチュエータ1032が回転できるよう、ツールと係合するように構成される。図29図30に示すように、ツールインターフェース1040は、六角形状を有することができる。他の実施形態において、ツールインターフェース1040は、ツールがアクチュエータ1032と係合することを可能にする他の構成、例えば、少なくとも1つの平面又は非円形の形状を有することができる。上述のように、一部の実施形態において、アクチュエータ1032の遠位端1044は、カプラー1000の近位開口1024に収容できる。遠位端1044は、アクチュエータ1032がカプラー1000内に固定されてカムアセンブリ1068を形成するよう、固定部1056と係合するように構成することができる。例えば、遠位端1044は、遠位端1044を介して延びるチャンネル1048を含むことができる。上述のように、固定部1056の第1部分1060は、カプラー1000内にアクチュエータ1032を保持するようにチャンネル1048と係合できる。
【0160】
カムアセンブリ1068が作動する際、アンカー1100とカプラー1000とを固定させるために、アクチュエータ1032が第2軸よりも第1軸に沿ってより長くなるよう、アクチュエータ1032は長方形(oblong)(例えば、楕円形)を有することができる。図30に示す例において、アクチュエータ1032は、長軸1052に沿って最も長い。以下でより詳細に説明するように、アクチュエータ1032を回転させることにより、アクチュエータ1032の長軸1052は、カプラー1000を拡大させてアンカー1100と係合させることができる。また、アクチュエータ1032は、放射状突出部1054を含むことができる。一部の実施形態において、放射状突出部1054は、アクチュエータ1032の近位端1036の外部に配置された作動面から延びる。一部の例において、放射状突出部1054は、近位開口1024の放射状ノッチ1030の形状とは逆の形状を有することができる。以下で説明するように、ノッチに対する突出部の逆の形状は、近位開口1024の放射状ノッチ1030がアクチュエータ1032の放射状突出部1054を固定式で収容することを可能にする。
【0161】
上述のように、カプラー1000は、整形外科的用途のための拡張可能な固定アセンブリ(例えば、上腕骨頭アセンブリ)を提供するように構成される。カプラー1000の一部は、アンカー1100、アンカー830、又はアンカー830Aに嵌合されて拡張/収縮し、カプラー1000の外周がアンカー1100のリセスの内面又は周辺部と係合するように構成される。アンカー830及びアンカー830Aを以下でさらに説明しないものの、カプラー1000の使用に関する説明でアンカー1100を代替することができる。図22に関して上述したように、カプラー1000の拡張可能なディスク1003は、第1スロット1016と第2スロット1020とを含む。第2部分1012の第1面1001に位置する近位開口1024は、アクチュエータ1032の長方形プロファイルを収容するために長方形である。一部の実施形態において、アクチュエータ1032が回転する際、近位端1036の作動面は、近位開口1024及び関連する第1スロット1016の拡張を強制することができる。一部の例において、アクチュエータ1032の放射状突出部1054が放射状ノッチ1030のうちの1つに保持できるよう、アクチュエータ1032は90度回転できる。一部の実施形態において、放射状ノッチ1030のうちの1つは、アクチュエータ1032を定位置にロックできるように構成することができる。近位開口1024及び第1スロット1016の拡張は、第2スロット1020がアクチュエータ1032の回転が提供する任意の拡張を圧縮させて吸収するようにできる。一部の実施形態において、第1スロット1016の拡張及び第2スロット1020の圧縮は、カプラー1000の第2部分1012の外周をアンカー1100のリセス1108の内周と係合させることができる。一部の例において、第2フィーチャ1116のリッジ部1120は、カプラー1000をアンカー1100内にさらに固定させるために、さらなる係合点を提供するように構成することができる。リッジ部1120は、拡張前にカプラー1000の第2部分1012における拡張可能なディスク1003の外面から離隔できる。拡張の際、拡張可能なディスク1003は、リッジ部1120のピークと交差する周辺部の大きさと同じく又はそれよりも大きく拡張することができる。これにより、リッジ部1120が存在する場合、固定を向上させるリッジ部1120と拡張可能なディスク1003の外周との間に干渉を提供することができる。
【0162】
カプラー1000が定位置に固定された後、例えば、関節体804と類似する解剖学的関節体がカプラー1000の第1部分1008でカプラーに固定できる。
【0163】
一部の実施形態において、アクチュエータ1032の長方形プロファイルが近位開口1024のプロファイルと再整列するようアクチュエータ1032をまた別に90度回転させることにより、カプラー1000をアンカー1100から分離することができる。このような方法で、アクチュエータ1032は、第1スロット1016及び第2スロット1020が元々の構成に復帰できるよう、近位開口1024及び第1スロット1016をこれ以上拡張させない。これにより、第2部分1012の拡張可能なディスク1003が非拡張の構成に復帰することが可能となる。
【0164】
再置換術において、(関節体804と類似する)解剖学的関節体は、凸状関節面の反対側にある関節体の側面と第1面1001との間の隙間内にウェッジを強制圧入させることにより除去できる。ウェッジは、関節体がカプラー1000から分離されるよう、第1部分1008と関節体のテーパ状リセスとの間の干渉接続を克服することができる。その後、突出部1054が放射状ノッチ1030から出るように作動することにより、カプラー1000が除去できる。拡張可能なディスク1003が収縮した後、カプラー1000が除去できる。
【0165】
一実施形態において、アンカー1100のリッジ部1120は、アクチュエータ1032が回転して拡張可能なディスク1003を拡張させる場合、カプラー1000の拡張可能なディスク1003と接触しない状態で保持される。半径方向の最大内向き部とリッジ部1120との間で隙間が延びる。再置換術において、解剖学的ヘッド及びカプラー1000が除去された後、関節体804Aと類似するリバース型関節体がリセス1108内に挿入できる。例えば、インターフェース部849と類似するリバース型関節体の遠位部のインターフェース部は、アンカー1100の内面と係合できる。インターフェース部は、締まりばめによりリッジ部1120と係合するように構成された表面を含むことができる。インターフェース部は、Cリング850と類似するロック装置を含むことができる。この場合、リセス1108の周りに配置された内面は、Cリングの一部を収容するように、半径方向外向きチャンネルを含むことができる。インターフェース部は、Cリング又は他のロック装置との係合及びインターフェース部との締まりばめの両方を提供するロック装置を含むことができる。
【0166】
カプラー1000を(放射状ノッチ1030に放射状突出部1054が係合している)拡大状態から(放射状ノッチ1030の外部に放射状突出部1054がある、例えば、第1スロット1016と整列する)より小さい構成に作動するように構成することにより、アンカー1100に過度な力を加えることなく、カプラー1000がリセス1108から除去できる。これにより、リバース型関節体に加えられる支障が最小限となる。
【0167】
アンカー1100及びカプラー1000は、解剖学的関節体804及びリバース型関節体804Aの何れも切除面でアンカー1100に結合することを可能にする。アンカー1100及びリバース型関節体804Aは、リバース型挿入物とアンカーとの間の介在トレイにより一般に発生する潜在的な公差累積を除去する。
【0168】
B.スクリュ及びテーパ拡張を有する拡張カプラー
図21B及び図22Bは、図21A及び図22Aに示すカプラー1000と類似するカプラー1000bの実施形態を示す。カプラー1000bは、関節体を上腕骨アンカーに結合させるための拡張可能なディスク1003bを含むことができる。カプラー1000と同様に、カプラー1000bは、関節体を上腕骨アンカーに固定させるために、カプラー1000bを拡張するためのアクチュエータを含むことができる。以下でより詳細に説明するように、カプラー1000b用アクチュエータは、拡張可能なディスク1003bを強制的に拡張したり又はディスク1003bを収縮させるように適合化されたスクリュ1032bを含む。
【0169】
図21B及び図22Bは、アンカー1100又はアンカー804のリセス1108内に設けられた拡張可能なディスク1003bを示す。カプラー1000b及びアンカー1100は、分離可能な構成要素である。カプラー1000bは、上腕骨頭と係合するように構成することができ、また、スクリュ1032bを作動させることにより、アンカー1100に除去可能に固定できる。以下でより詳細に説明するように、カプラー1000bをアンカー1100に固定させるために、スクリュ1032bが作動(例えば、回転)し得る。
【0170】
一部の実施形態において、拡張可能なディスク1003bは、アンカー1100のリセス1108に位置するように構成される。図21B及び図22Bに示すように、一部の実施形態において、カプラー1000bの第2部分1012bは、円筒状部1110、例えば、アンカー1100の近位リセス内に位置する。第2部分1012bは、第1面1001bがアンカー1100の近位面1104よりも少し下にあるか又は近位面1104と整列するように位置し得る。一部の例において、第2部分1012bは、関連する上腕骨頭がアンカー1100の近位面1104上に延びる第2部分1012の一部を収容するように適合化されると、第1面1001bがアンカー1100の近位面1104よりも少し上にあるように位置し得る。一部の実施形態において、第1面1001bの反対側にある第2部分1012bの第2面(図示せず)は、円筒状部1110の底面1111と同じ高さに置かれる。切除面での第1部分1008bの最も遠位端を位置させることにより、解剖学的ヘッドがカプラー1000bに結合する際、解剖学的ヘッドが切除部と同じ高さ又はほぼ同じ高さになる。
【0171】
拡張可能なディスク1003bは、下記図32図33に示す外部係合部1228と類似する複数の外部係合部を含むことができる。外部係合部は、拡張可能なディスク1003bがアンカー1100の円筒状部1110内に配置される際に、係合部が円筒状部1110の内面上の第2連結フィーチャ1116に対して遠位位置でアンカー1100のリセス1108の内面と係合できるように構成することができる。一部の例において、外部係合部は、複数の離隔したアーチ型接触点を含むことができ、そのさらなる構造や使用者については、本明細書の他の部分で説明している。
【0172】
図21B及び図22Bは、カプラー1000のように、カプラー1000bが第1部分1008bと第2部分1012bとを含むことができることを示す。一部の実施形態において、第1部分1008bは、上腕骨頭アセンブリの関節体と係合するように構成することができると共に、第2部分1012bは、アンカー1100の円筒状部1110に除去可能に固定されるように構成することができる。図21B及び図22Bに示すように、カプラー1000bの第2部分1012bは、第1スロット1016b及び第2スロット1020bを含む拡張可能なディスク1003bを含むことができる。第1スロット1016bは、スクリュ1032bを収容するように構成された開放部(例えば、以下で説明する開口1022b)を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、第1スロット1016b及び第2スロット1020bは、スクリュ1032bが拡張可能なディスク1003bに前進するとき、カプラー1000bの第2部分1012bの大きさを拡張できるようにする。一部の実施形態において、近位端1036bに隣接する第1位置におけるスクリュ1032bのヘッドの大きさ、例えば、半径が、第1位置に対する遠位のスクリュ1032bのヘッド上の第2位置におけるスクリュ1032bのヘッドの半径よりも大きくなるよう、スクリュ1032bはテーパ状であり得る。第2位置は、スクリュ1032bのヘッドの遠位端1044b上にあり得る。他の実施形態において、第1面1001b又はそれに隣接する第1位置における開口1024bの大きさ、例えば、半径が、拡張可能なディスク1003b(図示せず)の第1位置と反対側の第2面との間の開口1024bの大きさ、例えば、半径よりも大きくなるよう、チャンネル1028bはテーパ状であり得る。さらなる実施形態において、スクリュ1003及びチャンネル1028bは共にテーパ状であり得る。以下でより詳細に説明するように、スクリュ1032b又はチャンネル1028bのテーパリングは、スクリュ1032bがチャンネル1028b内に前進する際に、第2部分1012bの拡張可能なディスク1003bが拡張してアンカー1100内にカプラー1000bを係合できるように構成される。
【0173】
説明しているように、カプラー1000bは、スクリュ1032bを収容するように構成することができる。一部の実施形態において、スクリュ1032bは、カプラー1000bに対して回転するように構成することができる。一部の例において、スクリュ1032bは、カプラー1000bの第2部分1012bに保持される。図21Bに示すように、カプラー1000bは、第1面1001b上の開口1024bと、第2部分1012bのボディを介して延びるチャンネル1028bとを含むことができる。一部の実施形態において、開口1024bは、チャンネル1028bよりも大きい半径を有する。スクリュ1032bの遠位端1044bをチャンネル1028bに挿入させることにより、スクリュ1032bがカプラー1000b内に固定できる。以下でより詳細に説明するように、スクリュ1032bがチャンネル1028b内に回転する際に、スクリュ1032bの外ねじ山とチャンネル1028bの内ねじ山が係合し得るよう、スクリュ1032bの遠位端1044bの外面及びチャンネル1028bの内面は、ねじ状であり得る。
【0174】
図21Bは、スクリュ1032bの斜視図を示す。上述のように、一部の例において、スクリュ1032bは、近位端1036bと遠位端1044bとを含む。近位端1036bは、スクリュ1032bが回転し得るよう、ツールと係合するように構成されたツールインターフェース1040bを含むことができる。ツールインターフェース1040bは、六角形状、平面、非円形の形状又はツールがスクリュ1032bを駆動させることを可能にする他の構成を有することができる。
【0175】
第2部分1012bのチャンネル1028bは、スクリュ1032bの遠位端1044bを収容することができる。チャンネル1028bの内面上のねじ山は、遠位端1044bの外面上のねじ山と係合するように構成される。スクリュ1032bが作動する際、チャンネル1028b上のねじ山はカプラー1000b内に遠位端1044bを保持するように構成される。
【0176】
上述のように、スクリュ1032bの遠位端1044b、チャンネル1028b、又は両方ともテーパ状である。スクリュ1032bが作動する際に、第2部分1012bの拡張可能なディスク1003bが拡張してアンカー1100の内面と係合する。上述のように、カプラー1000bは、整形外科的用途のための拡張可能な固定アセンブリ(例えば、上腕骨頭アセンブリ)を提供するように構成される。カプラー1000bの一部は、アンカー1100、アンカー830、又はアンカー830Aに嵌合されて拡張/収縮し、カプラー1000bの外周がアンカー830、830A、1100内のリセスの内面又は周辺部と係合するように構成される。
【0177】
図21B及び図22Bに関して上述したように、カプラー1000bの拡張可能なディスク1003bは、第1スロット1016bと第2スロット1020bとを含む。第2部分1012bに位置する開口1024bは、スクリュ1032bを収容するように構成される。一部の実施形態において、スクリュ1032bが回転する際、スクリュ1032bは、開口1024b及び関連する第1スロット1016bの拡張を強制することができる。開口1024bは、スクリュ1032b又はチャンネル1028bがテーパ状であるとき、拡張できる。
【0178】
一部の実施形態において、スクリュ1032bの遠位端1044bはテーパ状である。一部の例において、スクリュ1032bの遠位端1044bは、遠位端1044bの遠位端で第2半径よりも大きいスクリュ1032bの近位端1036bに隣接する第1半径を有することができる。テーパ状スクリュ1032bは、チャンネル1028bと係合するように構成される。チャンネル1028bは、第1半径よりは小さいが、第2半径と同一であるか又はそれよりも少し大きい半径を有する。テーパ状スクリュ1032bは、遠位端1044bのねじ山がチャンネル1028bのねじ山と係合するように回転する。このような方法で、テーパ状スクリュ1032bは、チャンネル1028bを介して前進する。チャンネル1028bの半径がテーパ状スクリュ1032bの遠位端1044bの第2半径よりも小さいため、スクリュ1032bがチャンネル1028bを介して前進するとき、チャンネル1028bは、遠位端1044bのより大きい半径を収容するように拡張する。
【0179】
他の実施形態において、チャンネル1028bはテーパ状である。一部の例において、チャンネル1028bは、第1面1001bと第1面1001bの反対側にある第2部分1012bの表面との間のチャンネル1028bの第2半径よりも大きい第2部分1012bの第1面1001b上の開口1024bに隣接する第1半径を有する。テーパ状チャンネル1028bは、スクリュ1032bを収容するように構成される。この実施形態において、スクリュ1032bのヘッドの遠位端1044bは、スクリュ1032bのヘッドの第1半径と同一であるか又はそれよりも小さく、スクリュ1032bのヘッドの第2半径よりも大きい半径を有する。スクリュ1032bの遠位端1044bは、遠位端1044b上のねじ山がテーパ状チャンネル1028bのテーパ部内に(例えば、遠位に)配置されたねじ山と係合するように回転する。このような方法で、スクリュ1032bの遠位端1044bは、テーパ状チャンネル1028bを介して前進する。スクリュ1032bがテーパ状チャンネル1028bを介して前進することにより、テーパ状チャンネル1028bが拡張する。
【0180】
また、チャンネル1028bの拡張は、第1スロット1016bの拡張に対応する。これは、結局のところ、第2スロット1020bが存在すれば圧縮し、第2部分1012bの拡張の少なくとも一部を吸収することを可能にする。一部の実施形態において、第1スロット1016bの拡張及び第2スロット1020bの圧縮により、カプラー1000bの第2部分1012bの外周をアンカー1100bのリセス1108の内周と係合させることができる。リッジ部1120は、一般に、アンカー1100が拡張した状態でもカプラー1000bから離隔している。一部の例において、第2フィーチャ1116のリッジ部1120は、カプラー1000bをアンカー1100内にさらに固定させるために、さらなる係合点を提供するように構成することができる。リッジ部1120は、拡張前にカプラー1000bの第2部分1012における拡張可能なディスク1003の外面から離隔できる。拡張の際、拡張可能なディスク1003bは、リッジ部1120のピークと交差する周辺部の大きさと同じく又はそれよりも大きく拡張することができる。これは、リッジ部1120が存在する場合、固定を向上させるリッジ部1120と拡張可能なディスク1003bの外周との間に干渉を提供することができる。
【0181】
カプラー1000bが定位置に固定された後、例えば、関節体804と類似する解剖学的関節体がカプラー1000bの第1部分1008bでカプラーに固定できる。
【0182】
一部の実施形態において、チャンネル1028bが非拡張状態に復帰するよう、スクリュ1032bを回転させてスクリュ1032bを後退させるか又はチャンネル1028bからスクリュ1032bを引き出すことにより、カプラー1000bがアンカー1100から分離できる。これにより、カプラー1000bが除去されるよう、第2部分1012bの拡張可能なディスク1003bを非拡張の構成に復帰させることが可能となる。
【0183】
一実施形態において、拡張可能なディスク1003bが拡張する際に、リッジ部1120の半径方向の最大内向き部とカプラー1000bの拡張可能なディスク1003bとの間で隙間が延びる。リバース型の構成において、例えば、解剖学的ヘッド及びカプラー1000bが除去された後の再置換において、リバース型関節体804Aがリセス1108に挿入できる。リバース型関節体804Aの遠位部のインターフェース部849は、アンカー1100の内面と係合できる。インターフェース部849は、締まりばめによりリッジ部1120と係合するように構成された表面を含むことができる。インターフェース部849は、Cリング850と類似するロック装置を含むことができる。この場合、リセス1108の周りに配置された内面は、Cリングの一部を収容するように、半径方向外向きチャンネルを含むことができる。インターフェース部849は、Cリング又は他のロック装置との係合及びインターフェース部との締まりばめの両方を提供するロック装置を含むことができる。
【0184】
カプラー1000bを拡大状態からより小さい構成に作動するように構成することにより、アンカー1100に過度な力を加えることなく、カプラー1000bがリセス1108から除去できる。これにより、リバース型関節体に加えられる支障が最小限となる。関節体804とアンカー1100との間にウェッジツール等の横方向荷重を適用することなく、カプラー1000bが除去できる。
【0185】
アンカー1100及びカプラー1000bは、解剖学的関節体804及びリバース型関節体804Aが切除面でアンカー1100に結合することを可能にする。アンカー1100及びリバース型関節体804Aとの直接的な結合は、リバース型挿入物とアンカーとの間の介在トレイにより一般に発生する潜在的な公差累積を除去する。
【0186】
C.テーパカム及びスロットアセンブリを有する拡張カプラー
図32図43は、関節体を上腕骨アンカーに結合させるための拡張可能なカプラーの他の実施形態を提供するカプラー1200を示す。カプラー1200は、関節体を上腕骨頭アンカーに固定させるためのテーパカムとスロットアセンブリとを含むことができる。上述のカプラー1000と同様に、カプラー1200は、アンカー1100に除去可能に固定できる拡張可能なディスク1204を含む。図32図43に示すように、カプラー1200は、上腕骨頭アセンブリを係合・固定させるように構成されるカプラーの一部(例えば、カプラー108の第1部分200又はカプラー1000の第1部分1008参照)内にカムアセンブリが配置できるという点で、カプラー1000と異なる。
【0187】
図32図33は、テーパカム及びスロットアセンブリ1200の拡張可能なディスク1204を示す。一部の実施形態において、拡張可能なディスク1204は、アンカー1100と係合するように構成することができる。拡張可能なディスク1003と同様に、拡張可能なディスク1204は、アンカー1100の円筒状部1110内に収容できる。カプラー1000と同様に、カプラー1200もアンカー830又はアンカー830Aと共に使用でき、当業者は、アンカー830又はアンカー830Aに関する説明が下記のアンカー1100に関する説明に代替できるということを理解されたい。円筒状部1110内に位置する場合、拡張可能なディスク1204の第1面1205は、アンカー1100の近位面1104よりも少し下にあるか又は近位面1104と整列できる。一部の例において、拡張可能なディスク1204は、第1面1205がアンカー1100の近位面1104よりも少し上にあるように位置し得る。例えば、関連する上腕骨頭は、アンカー1100の近位面1104上に延びる拡張可能なディスク1204の一部を収容するように適合化できる。一部の例において、拡張可能なディスク1204の第2面1206は、アンカー1100の円筒状部1110の底面(例えば、底面1111)と同じ高さに置かれる。上述のように、拡張可能なディスク1204を切除レベル又はその下に固定させる円筒状部1110を有することにより、アクチュエータ1232の近位端1236の遠位端1244が切除面と同じ高さ又はほぼ同じ高さになるよう、切除面にアクチュエータ1232の近位端1236の遠位端1244を位置させることができる。解剖学的関節体804は、切除面の真上で拡張可能なディスク1204に結合できる。例えば、関節体804と拡張可能なディスク1204のアクチュエータ1232との間にモールステーパが形成できる。
【0188】
一部の実施形態において、拡張可能なディスク1204は、複数の外部係合部1228を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、拡張可能なディスク1204がアンカー1100の円筒状部1110内に配置される際、各々の外部係合部1228は、円筒状部1110の内面上の第2フィーチャ1116に対して遠位位置でアンカー1100のリセス1108の内面と係合するように構成することができる。外部係合部1228は、複数の離隔したアーチ型接触点を含むことができる。この構成は、これらのフィーチャが外部係合部1228との接触により圧縮したり変更しないよう、第2フィーチャとの接触を避ける内面と外部係合部1228との間に接触領域を提供する。一部の実施形態において、外部係合部1228は、上述のように、Cリング850を収容するように構成され得るアンカー1100のスロット852と係合するように構成される。外部係合部1228とスロット852との係合は、アセンブリの分離を防止する第2ロックメカニズムを提供することができる。
【0189】
一部の実施形態において、拡張可能なディスク1204は、アクチュエータ1232として構成されたテーパ状カプラーと、第1スロット1208及び第2スロット1212を含むことができる拡張可能なディスクとを含む。第1スロット1208は、カムアセンブリ1276を収容するように構成された開放部(例えば、近位開口1216及び遠位開口1220)を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、カムアセンブリ1276が、アンカー1100にロックするために外周が拡張する構成で作動すると、第1スロット1208は拡張でき、第2スロット1212は収縮できる。カムアセンブリ1276が、アンカー1100を分離するために外周が収縮する構成で作動すると、第1スロット1208は収縮でき、第2スロット1212は拡張できる。一部の実施形態において、近位開口1216は、複数の放射状ノッチ1230を含むことができる。各々の放射状ノッチ1230は、アクチュエータ1232に位置する放射状突出部1246と係合するように構成することができる。また、一部の場合に、アクチュエータ1232は、アクチュエータ/拡張可能なディスク1204のテーパに対する接続を容易にする拡張可能なディスク1204のテーパとして構成される。
【0190】
カプラー1200の拡張可能なディスク1204は、図33及び図36に示すように、カムアセンブリ1276を収容するように構成することができる。一部の例において、カムアセンブリ1276は、アクチュエータ1232と固定部1264とを含むことができる。上述のように、アクチュエータ1232は、カプラー1200の拡張可能なディスク1204に対して回転するように構成することができる。一部の実施形態において、アクチュエータ1232は、第2部分1272により拡張可能なディスク1204に保持される。図36は、拡張可能なディスク1204に保持されたカムアセンブリ1276の断面図を示す。図示するように、カプラー1200は、拡張可能なディスク1204の第1面1205上の近位開口1216と、拡張可能なディスク1204の第2面1206上の遠位開口1220とを含むことができる。アクチュエータ1232の遠位端1244は、近位開口1216内に保持できる。一部の実施形態において、アクチュエータ1232の遠位端1244を固定部1264と係合させることにより、アクチュエータ1232は拡張可能なディスク1204の近位開口1216内に固定できる。一部の例において、固定部1264の第2部分1272は、拡張可能なディスク1204の遠位開口1220内に保持される。一部の実施形態において、アクチュエータ1232を定位置に固定させるために、固定部1264の第2部分1272は、拡張可能なディスク1204の遠位開口1220内に圧入できる。一部の例において、固定部1264の第1部分1268は、アクチュエータ1232の遠位端1244における遠位開口1248内に保持される。
【0191】
図39図41は、アクチュエータ1232の多様な図面を示す一方、図42図43は、固定部1264の斜視図及び側面図を示す。アクチュエータ1232は、近位端1236と、カラー1256と、遠位端1244とを含むことができる。
【0192】
アクチュエータ1232は、カプラー1000のアクチュエータ1032及び第1部分1008のフィーチャの一部を含むことができる。カプラー1000の第1部分1008のように、アクチュエータ1232は、上腕骨頭アセンブリの関節体と係合するように構成することができる。また、一部の実施形態において、近位端1236は、近位端1236の一部を介して延びるツールインターフェース1240を含むことができる。一部の例において、作動面1240は、アクチュエータ1232が回転し得るよう、ツールと係合するように構成される。図39に示すように、作動面1240は、六角形状を有することができる。作動面1240は、ツールが、例えば、少なくとも1つの平面又は少なくとも1つの非円形面を有するアクチュエータ1232と係合することを可能にする任意の形状を有することができる。
【0193】
また、アクチュエータ1232は、近位端1236と遠位端1244との間に位置するカラー1256を含むことができる。一部の例において、図32図36に示すように、カラー1256は、近位開口1216よりも大きい半径を有することができる。これにより、カラー1256が拡張可能なディスク1204の表面上に位置することが可能となる。一部の実施形態において、カラー1256は、放射状突出部1260を含むことができる。カラー1256上の放射状突出部1260は、上述の多様な実施形態で示すように、上腕骨頭アセンブリの偏心調整を提供することができる。例えば、図2図11及び図16図20における実施形態に示すように、図1A図1Cの上腕骨頭アセンブリ800及び図15のリバース型軸受アセンブリ800Aに組み込まれるように、カラー1256の放射状突出部1260は、上腕骨頭アセンブリ(例えば、上腕骨頭アセンブリ100又はキット900から形成された上腕骨頭アセンブリ)の関節体の表面に位置する係合部と係合するように構成することができる。他の例において、カラー1256の放射状突出部1260は、図13A図13Cにおける実施形態に示すように、アンカーの表面に位置する係合部と係合するように構成することができる。上記でより詳細に説明するように、カラー1256の放射状突出部1260を異なる位置で係合するよう、関節体804等の関節体を調整することにより、アクチュエータ1232に対する関節体の相対位置は、アンカー830又はアンカー830Aに及びこれらが結合する上腕骨に異なる偏心を提供することができる。
【0194】
上述のように、アクチュエータ1232の遠位端1244は、カプラー1200の拡張可能なディスク1204の近位開口1216に収容できる。一部の実施形態において、遠位端1244は、カラー1256が拡張可能なディスク1204の近位開口1216上に位置するようにカラー1256よりも小さい直径を有することができる。遠位端1244は、アクチュエータ1232が拡張可能なディスク1204内に固定されてカムアセンブリ1276を形成するよう、固定部1264と係合するように構成することができる。例えば、遠位端1244は、遠位端1244に遠位開放部1248を含むことができる。上述のように、固定部1264の第1部分1268は、拡張可能なディスク1204にアクチュエータ1232を保持するように遠位開放部1248と係合することができる。また、アクチュエータ1232は、少なくとも1つの放射状突出部1246を含むことができる。一部の実施形態において、放射状突出部1246は、遠位端1244から延び、アクチュエータ1232の遠位端1244の外部に配置される。一部の例において、放射状突出部1246は、近位開口1216の放射状ノッチ1230の形状とは逆の形状を有することができる。以下でさらに説明するように、ノッチに対する突出部の逆の形状は、近位開口1216の放射状ノッチ1230がアクチュエータ1232の近位端1236を固定式で収容することを可能にする。
【0195】
カプラー1000と同様に、アクチュエータ1232の遠位端1244は、カムアセンブリ1276が作動する際、拡張可能なディスク1204をアンカー1100に固定するように構成された長方形の形状(例えば、楕円形)を有することができる。一部の実施形態において、アクチュエータ1232の遠位端1244は、短軸1254よりも長軸1252に沿ってより長い。図40に示す例において、アクチュエータ1232の遠位端1244の周辺部は、長軸1252に沿って最も長い。以下でより詳細に説明するように、アクチュエータ1232が回転することにより、アクチュエータ1232の長軸1252により、拡張可能なディスク1204が拡張してアンカー1100(又はアンカー830又はアンカー830A)と係合する。
【0196】
図42図43は、第1部分1268と第2部分1272とを含む固定部1264の実施形態を示す。一部の例において、第1部分1268は円筒状であり、第2部分1272よりも小さい半径を有することができる。第1部分1268は、アクチュエータ1232の遠位開放部1248に収容されるように構成される。第2部分1272は、カプラー1200の拡張可能なディスク1204の遠位開口1220に収容されるように構成される。
【0197】
カプラー1000と同様に、カプラー1200は、整形外科的用途のための拡張可能な固定アセンブリ(例えば、上腕骨頭アセンブリ)を提供するように構成される。カプラー1200の拡張可能なディスク1204は、アンカー1100に嵌合されて拡張/収縮し、拡張可能なディスク1204の外周の一部(例えば、離隔している外部係合部1228)がアンカー1100の内面又はリセスの周辺部と係合するように構成される。一部の実施形態において、アンカー1100(例えば、第2フィーチャ1116)のリセスの内面又は周辺部は、第2フィーチャ1116とカプラー1200との間に接触がないよう、拡張可能なディスク1204の外面上の外部係合部1228上に収容されるように構成される。カプラー1200の拡張可能なディスク1204は、第1スロット1208と第2スロット1212とを含む。拡張可能なディスク1204の第1面1205に位置する近位開口1216は、アクチュエータ1232の遠位端1244の長方形プロファイルを収容するために長方形である。
【0198】
一部の実施形態において、アクチュエータ1232が回転する際、遠位端1244の作動面は、近位開口1216及び関連する第1スロット1208の拡張を強制することができる。一部の例において、アクチュエータ1232の放射状突出部1246が放射状ノッチ1230のうちの1つに保持できるよう、アクチュエータ1232は90度回転できる。一部の実施形態において、放射状ノッチ1230のうちの1つは、アクチュエータ1232を定位置にロックできるように構成することができる。近位開口1216及び第1スロット1208の拡張は、第2スロット1212がアクチュエータ1232の回転を圧縮し任意の拡張を吸収するようにできる。一部の実施形態において、第1スロット1208の拡張及び第2スロット1212の圧縮は、カプラー1200の拡張可能なディスク1204の外周をアンカー1100のリセス1108の内周と係合させることができる。アンカー1100の内面は、拡張前にカプラー1200の拡張可能なディスク1204の外周から離隔できる。一実施形態において、拡張可能なディスク1204の拡張した状態は、リッジ部1120が拡張可能なディスク1204との係合によって変わらず、これらのフィーチャが拡張可能なディスク1204により接触しないよう、外部係合部1228が第2フィーチャ1116に対して遠位である内面の一部と係合するようにする。他の実施形態において、拡張の際、拡張可能なディスク1204は、リッジ部1120のピークと交差する周辺部の大きさと同じく又はそれよりも大きく拡大することができる。外部係合部1228は、リッジ部1120の位置に配置できる。これは、拡張可能なディスク1204の外周とリッジ部1120との間に干渉を提供することができるので、リッジ部1120が存在する場合、固定を強化させることができる。
【0199】
カプラー1200が定位置に固定された後、例えば、関節体804と類似する解剖学的関節体がアクチュエータ1232の近位端1236に固定できる。
【0200】
一部の実施形態において、アクチュエータ1232の長方形プロファイルが近位開口1216のプロファイルと再整列するようアクチュエータ1232をまた別に90度回転させることにより、カプラー1200をアンカー1100から分離することができる。このような方法で、アクチュエータ1232は、第1スロット1208及び第2スロット1212が元々の構成に復帰できるよう、近位開口1216及び第1スロット1208をこれ以上拡張させない。これにより、拡張可能なディスク1204が非拡張の構成に復帰することが可能となる。
【0201】
再置換術において、(関節体804と類似する)解剖学的関節体は、凸状関節面の反対側にある関節体の側面と第1面1205との間の隙間内にウェッジを強制圧入させることにより除去できる。ウェッジは、関節体がカプラー1200から分離されるよう、アクチュエータ1232の近位端1236と関節体のテーパ状リセスとの間の干渉接続を克服することができる。その後、放射状突出部1246が放射状ノッチ1230から出るように作動することにより、カプラー1200が除去できる。収縮するとすぐに、カプラー1200が除去できる。
【0202】
一実施形態において、アンカー1100のリッジ部1120は、アクチュエータ1232が回転して拡張可能なディスク1204を拡張させる場合、カプラー1200と接触しない状態で保持される。半径方向の最大内向き部の間で隙間が延びる。再置換術において、解剖学的ヘッド及びカプラー1200が除去された後、関節体804Aと類似するリバース型関節体がリセス1108内に挿入できる。また、上述のように、リバース型関節体の遠位部は、アンカー1100の内面と係合することができる。
【0203】
カプラー1200を(放射状ノッチ1230に放射状突出部1224が係合している)拡大状態から(放射状ノッチ1230の外部に放射状突出部1246がある、例えば、第1スロット1208と整列する)より小さい構成に作動するように構成することにより、アンカー1100に過度な力を加えることなく、カプラー1200の拡張可能なディスク1204がリセス1108から除去できる。これにより、リバース型関節体に加えられる支障が最小限となる。
【0204】
アンカー1100及びカプラー1200は、解剖学的関節体804及びリバース型関節体804Aの何れも切除面でアンカー1100に結合することを可能にする。アンカー1100及びリバース型関節体804Aは、リバース型挿入物とアンカーとの間の介在トレイにより一般に発生する潜在的な公差累積を除去する。
【0205】
D.コレットロックカプラーを有する拡張カプラー
図44図50は、関節体を上腕骨アンカーに結合させるための拡張可能なカプラーのまた別の実施形態を提供するカプラー1304の実施形態を示す。カプラー1304は、関節体を上腕骨アンカーに固定するためのコレットロックカプラーを含む。上述のカプラー1000及びカプラー1200と同様に、カプラー1304は、アンカー1100、アンカー830又はアンカー830Aに除去可能に固定されるように構成される。
【0206】
図44図47に示すように、カプラー1304は、カプラー1304がカムアセンブリを使用せずに拡張するよう構成されるという点で、上述のカプラー1000及びカプラー1200と異なる。以下でより詳細に説明するように、カプラー1304は、上腕骨頭アセンブリのカプラーの接続部分を収容するように構成されたテーパ状開放部1316を含む。例えば、カプラー1304は、図2図6に示すように、上腕骨頭アセンブリ100のカプラー108の第2部分204を収容するように構成することができる。カプラー1304と係合するように構成された上腕骨頭アセンブリの例の分解図が図50に示されており、(本明細書で開示する任意の関節体及びカプラーを使用し得る)関節体104及びカプラー108を含む。
【0207】
図32図47は、アンカー1100と係合したカプラー1304を示す。カプラー1000及びカプラー1200のように、カプラー1304は、アンカー1100と係合するように構成することができる。円筒状部1110内に位置するとき、カプラー1304の第1面1305は、アンカー1100の近位面1104よりも少し下にあるか又は近位面1104と整列できる。一部の例において、カプラー1304は、第1面1305がアンカー1100の近位面1104よりも少し上にあるように位置し得る。例えば、関連する上腕骨頭は、アンカー1100の近位面1104上に延びる第2部分1012の一部を収容するように構成することができる。一部の実施形態において、カプラー1304の第2面1306は、円筒状部1110の底面(例えば、底面1111)と同じ高さに置かれる。上述のように、切除レベル又はその下にカプラー1304を固定させる円筒状部1110を有することにより、解剖学的ヘッドが切除部と同じ高さ又はほぼ同じ高さにあるよう、関節体(例えば、図2の関節体104)のベースを位置決めすることができる。
【0208】
一部の実施形態において、カプラー1304は、複数の外部係合部1312を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、カプラー1304がアンカー1100の円筒状部1110に配置されるとき、各々の外部係合部1312は、円筒状部1110の内面上の第2フィーチャ1116と係合するように構成することができる。一部の実施形態において、外部係合部1312は、上述のように、Cリング850を収容するように構成され得るアンカー1100のスロット852と係合するように構成される。外部係合部1312とスロット852との係合は、アセンブリの分離を防止する第2ロックメカニズムを提供することができる。
【0209】
一部の実施形態において、カプラー1304は、複数の可撓性区域又はリビングヒンジ1308(以下「ヒンジ」と称する)を含む拡張可能なディスクである。図45図48、及び図49は、カプラー1304における複数のヒンジ1308の多様な図を示す。一部の実施形態において、カプラー1304は、カプラー1304の第1面1305及び/又は第2面1306上に複数のヒンジ1308を含むことができる。複数のヒンジ1308の各々は、カプラー1304のテーパ状開放部1316とカプラー1304の外部周辺部との間で延びることができる。一部の例において、複数のヒンジ1308の各々は、互いに対して等間隔で離隔している。例えば、第1面1305上の複数のヒンジ1308の各々は、互いに対して45°離隔し、複数のヒンジ1308の各々は、互いに対して45°離隔し得る。4つよりも多いか又はそれよりも少ないヒンジが、より大きいか又はより小さい等間隔の角度で離隔しているカプラー1304の2つの対向する表面上に提供できる。一部の実施形態において、第1面1305上の複数のヒンジ1308は、第2面1306上の複数のヒンジ1308と千鳥状の構成になっている。
【0210】
図49は、各々のヒンジ1308の断面を示すために、カプラー1304の断面図を示す。説明しているように、複数のヒンジ1308の各々は、カプラー1304のボディの一部を介して延びるチャンネル1308aを含むことができる。一部の実施形態において、チャンネル1308aは、屈曲部1308bを形成するよう、カプラー1304のボディを介して十分延びる。以下でより詳細に説明するように、屈曲部1308bは、各々のヒンジのチャンネル1308aをより広くしたり又は狭くすることを可能にする。
【0211】
一部の実施形態において、カプラー1304は、テーパ状開放部1316を含むことができる。テーパ状開放部1316は、カプラー1304を介して延びることができる。上述のように、テーパ状開放部1316は、上腕骨頭アセンブリのカプラーの第2部分を収容するように構成される。図46図47は、アンカー1100に挿入されたカプラー1304の上面図及び底面図を示す。図47に示すように、一部の実施形態において、アンカー1100は、アンカー1100の遠位端1112を介して延びる開口1128を含むことができる。開口1128は、カプラーの第2部分がアンカー1100の開口1128に向かってカプラー1304の両方を介して延びることができるよう、テーパ状開放部1316と部分的に重なり得る。開口1128は、WO2017/184792としても公開された出願番号PCT/US2017/028470に開示された技術の何れか1つによりアンカー1100をステムに接続させるのに使用できる。テーパ状開放部1316は、第1面1305と第2面1306との間で延びるにつれて減少する半径を有することができる。以下でより詳細に説明するように、テーパ状開放部1316の半径の減少により、カプラー1304が拡張してアンカー1100のリセス1108の内面と係合できる。
【0212】
カプラー1000、テーパカム及びスロットアセンブリ1200のように、カプラー1304は、整形外科的用途のための拡張可能な固定アセンブリ(例えば、上腕骨頭アセンブリ)を提供するように構成される。カプラー1304の一部は、アンカー1100に嵌合されて拡張/収縮し、カプラー1304の外周がアンカー1100のヒンジ1308の内面又は周辺部と係合するように構成される。一部の実施形態において、アンカー1100のリセスの内面又は周辺部は、カプラー1304の外面上の外部係合部1312と係合するように構成される。上述のように、カプラー1304は、カプラー1304の第1面1305及び第2面1306に複数のヒンジ1308を含む。テーパ状開放部1316は、上腕骨頭アセンブリのカプラー(例えば、上腕骨頭アセンブリ100のカプラー108)の一部を収容するように構成される。一部の実施形態において、第1面1305上のテーパ状開放部1316の入口は、カプラー1304内への挿入のために構成されたカプラーの部分(例えば、第2部分204)の半径と同一であるか又はそれよりも少し大きい半径を有する。
【0213】
一部の実施形態において、カプラーがカプラー1304(例えば、カプラー108の第2部分204)に挿入される際、テーパ状開放部1316は、テーパ状開放部1316の半径が挿入されたカプラー(例えば、カプラー108の第2部分204)の半径と同一になるよう拡張できる。テーパ状開放部1316の拡張は、複数のヒンジ1308の各々のチャンネル1308aが広くなるよう強制することができる。一部の実施形態において、テーパ状開放部1316の拡張は、カプラー1304の第1面1305におけるチャンネル1308aを拡張させることができると共に、第2面1306におけるチャンネル1308aを収縮させることができる。第1面1305におけるチャンネル1308aの拡張及び第2面1306におけるチャンネル1308aの収縮は、上腕骨頭アセンブリのカプラーの一部(例えば、上腕骨頭アセンブリ100のカプラー108)がカプラー1304のテーパ状開放部1316に入るように構成される。ヒンジ1308の各々の拡大により、カプラー1304の外周をアンカー1100のリセス1108の内周と係合させることができる。一部の例において、第2フィーチャ1116のリッジ部1120及びカプラー1304の外部係合部1312は、カプラー1304をアンカー1100内にさらに固定させるために、さらなる係合点を提供するように構成することができる。リッジ部1120は、拡張前にカプラー1304の外面から離隔できる。拡張の際、カプラー1304は、リッジ部1120のピークと交差する周辺部の大きさと同じく又はそれよりも大きく拡大することができる。これは、カプラー1304の外周とリッジ部1120との間に干渉を提供することができるので、リッジ部1120が存在する場合、固定を強化させることができる。
【0214】
図50は、カプラー1304が定位置に固定された後、例えば、関節体104と類似する解剖学的関節体がカプラー1304の第1面1305に隣接して固定できることを示す。
【0215】
一部の実施形態において、テーパ状開放部1316から上腕骨頭アセンブリのカプラーを引っ張ることにより、カプラー1304をアンカー1100から分離することができる。このような方法で、上腕骨頭アセンブリのカプラー(例えば、カプラー108の第2部分204)は、複数のヒンジ1308の各々が元々の構成に復帰できるよう、テーパ状開放部1316をこれ以上拡張させない。これにより、カプラー1304が非拡張の構成に復帰することが可能となる。
【0216】
再置換術において、(関節体804と類似する)解剖学的関節体は、凸状関節面の反対側にある関節体の側面と第1面1305との間の隙間内にウェッジを強制圧入させることにより除去できる。ウェッジは、上腕骨頭アセンブリ100がカプラー1304から分離されるよう、カプラー1304のテーパ状開放部1316と関節体104、804との間の干渉接続を克服することができる。その後、カプラー1304が収縮するにつれて除去できる。
【0217】
一実施形態において、アンカー1100のリッジ部1120は、カプラー1304が拡張した構成になっているとき、カプラー1304と接触しない状態で保持される。リッジ部1120の半径方向の最大内向き部の間で隙間が延びる。再置換術において、解剖学的ヘッドとカプラー1304が除去された後、関節体804Aと類似するリバース型関節体がリセス1108内に挿入できる。また、上述のように、リバース型関節体の遠位部は、アンカー1100の内面と係合できる。
【0218】
カプラー1304を(上腕骨頭アセンブリのカプラー(例えば、カプラー108の第2部分204)が挿入されている)拡大状態から(テーパ状開放部1316の外部に上腕骨頭アセンブリのカプラー(例えば、カプラー108の第2部分204)がある)より小さい構成に作動するように構成することにより、アンカー1100に過度な力を加えることなく、カプラー1304がリセス1108から除去できる。これにより、リバース型関節体に加えられる支障が最小限となる。
【0219】
アンカー1100及びカプラー1304は、解剖学的関節体804及びリバース型関節体804Aの何れも切除面でアンカー1100に結合することを可能にする。アンカー1100及びリバース型関節体804Aは、リバース型挿入物とアンカーとの間の介在トレイにより一般に発生する潜在的な公差累積を除去する。
【0220】
V.上腕骨頭及びリバース型軸受アセンブリの組み立て及び分解方法
説明している上腕骨頭アセンブリ800及び上腕骨頭アセンブリ800Aにより、外科医はより多様な患者の解剖学的構造を従来よりさらに少ない構成要素を有するキットを用いて治療することが可能となる。上腕骨頭アセンブリ800及び上腕骨頭アセンブリ800Aのアンカー830は、上腕骨切除面下方の関節体の一部を収容できるように構成される。また、アンカー830は、外科医が多様な患者の軟組織を収容すると共に、肩の関節面を反転させるように構成される。以下の方法は、上腕骨に関して説明しているが、本明細書で説明するように、上腕骨頭、リバース型軸受アセンブリ、アンカー、及びカプラーは、関節窩にグレノスフィア、(例えば、股関節又は膝手術のために)大腿骨端に大腿関節体を埋め込む場合、或いは、関節手術のために脛骨端に脛骨関節体を埋め込む場合等の他の整形外科用途に活用できる。
【0221】
上腕骨頭アセンブリ800とリバース型軸受アセンブリ800Aを組み立てる方法は、まず、上腕骨の上位又は近位端で上腕骨を切除するステップを含むことができる。切除は手術ガイドを用いて行うことができる。外科医には、骨幹端の大きさを決定するために、1つ以上のサイジングディスクが提供できる。サイジングディスクは、埋め込むべきインプラントと骨の皮質境界との間の空間の視覚化を容易にするように構成することができる。関節窩の前処置中又は上腕骨の前処置を含まない他の手術段階中、適切にサイジングされた切断プロテクタが切除面に提供できる。
【0222】
上腕骨頭アセンブリ800の組み立て方法は、切除された上腕骨のための適切にサイジングされたリーマを選択するステップを含むことができる。図51に示すように、リーマ1610は、切除された上腕骨内に一般に凹状のリセス面Sを生成するように構成される。
【0223】
上腕骨頭アセンブリ800の組み立て方法は、適切なアンカーを挿入するステップを含むことができる。リーミング後、前処置された上腕骨の切除された表面Sに挿入するために、適切なアンカーを選択することができる。図52A図52Bは、切除された上腕骨のリセス面Sに各々挿入されるアンカー830及びアンカー830Aを示す。図52Aのアンカー830は、上腕骨頭アセンブリ800の一部として前記図1Aで説明している。図52Aに示すように、アンカー830は、切除された上腕骨内でより多くの空間を占めるように構成することができる。図52Bのアンカー830Aは、上腕骨頭アセンブリ800Bの一部として前記図15で説明している。図示しているように、図52Bにおいて、アンカー830Aは、切除された上腕骨内でアンカー830よりも少ない空間を占めるように構成することができる。上述のように、アンカー830及びアンカー830Aの何れも上腕骨頭アセンブリ800の関節体804又はリバース型軸受アセンブリ800Aのリバース型関節体804Aの何れかと結合するように構成される。2つのアンカー830、830Aは、カプラー924a、924b、924cのうちの任意のものを収容できる収容部、或いは上腕骨の切除レベル下方のリバース型関節体804Aの一部を含む。アンカー830、830Aは、アンカー830、830Aと本体804Aとの間のトレイのような別途の中間コネクタを除去する。
【0224】
上腕骨頭アセンブリ800の組み立て方法は、図52A図52Bに示すアンカー830又はアンカー830Aの何れかを有する上腕骨頭アセンブリ800の構成要素をはめ込むステップを含むことができる。図53に示すように、インパクター1650は、カプラー1630及び関節体1440を挿入されたアンカーと係合するように構成することができる。カプラー1630は、カプラー924a、924b、924cのうちの任意のものであり得る。カプラー1630は、図19図20Aのカプラーのうちの任意のものを含むことができる。選択されるカプラーは、患者の解剖学的構造に基づく。一部の実施形態において、患者の解剖学的構造に基づいて、中心の非偏心構成が必要な場合、第1構成922aを提供するようにカプラー924aが選択できる。一部の例において、低い偏心構成が必要な場合、第2構成922bを提供するようにカプラー924bが選択できる。一部の実施形態において、高い偏心構成が必要な場合、第3構成922cを提供するようにカプラー924cが選択できる。上述のように、挿入されたアンカー830、830Aが切除された上腕骨の表面Sの下方にある収容部を有するので、インパクター1650は、関節体804、904が切除された上腕骨の表面Sと同じ高さとなるよう、上腕骨頭アセンブリ800の構成要素をはめ込むことができる。
【0225】
他の実施形態において、カプラー924a、924b、924cは、例えば、手術室において患者にではなく、バックテーブルで関節体1640にはめ込むことができる。
【0226】
関節体904にはめ込む前に、第1部分(第1部分928a、928b、928cの何れか1つ)が第2リセス916に挿入される。第1整列フィーチャ(例えば、放射状突出部944a、944b、944cの何れか1つ)は、第2整列フィーチャ(例えば、ノッチ920の何れか1つ)と整列し得る。第1整列フィーチャ及び第2整列フィーチャの整列の際、関節体904上のインディシア(図16A参照)の相対位置は、適切な位置決めを提供するために使用できる。
【0227】
他の例において、上腕骨頭アセンブリの組み立て方法は、カプラーにより関節体をはめ込む前に、まず、アンカーによりカプラーをはめ込むステップを含むことができる。例えば、図18図20Aに関して上述したように、カプラー1424a、1424b、1424cの何れか1つの偏心は、関節体1404が取り付けられる前に、上腕骨アンカー1500に対して調整できる。図18Aに示すように、関節体1404をはめ込む前に、カプラー1424の第1部分1428(カプラー1424a、1424b、1424cの第1部分1428a、1428b、1428cの何れか1つ)が上腕骨アンカー1500の第2リセス部1524に挿入される。カプラー1424a、1424b、1424cの何れか1つが上腕骨アンカー1500に固定される前に、第1整列フィーチャ(例えば、カプラー1424b、1424cの何れか1つの窓1444)は、第2整列フィーチャ(例えば、上腕骨アンカー1500のカラー1506の近位面1504上の結合部1532上の任意のインディシア)と整列し得る。第1整列フィーチャ及び第2整列フィーチャの整列の際(例えば、上腕骨アンカー1500の結合部1532上のインディシアがカプラー1424の窓1444に示される)、上腕骨アンカー1500の結合部1532上のインディシア(図18A参照)の相対位置は、適切な位置決めを提供するために使用できる。
【0228】
また、上腕骨頭アセンブリ800の組み立て方法は、アンカー830、830Aから上腕骨頭アセンブリ800を除去するステップと、肩の関節面が反転するようにリバース型軸受アセンブリ800Aを挿入するステップとを含むことができる。上腕骨頭アセンブリを除去するステップは、対応する関節体又はアンカー500、830、830Aから1つ以上のカプラー924a、924b、924cを分離するステップを含むことができる。例えば、図17Cに示すように、各々のカプラー924a、924b、924cは、ねじ山付きチャンネル956を含む。上述のように、ねじ山付きチャンネル956は、ツール(例えば、ロッド)を、或いは、一部の場合では、アンカー830、830Aからカプラー924a、924b、924cを分解するために荷重が加えられるよう、後述するカプラー分離器1800と類似するツールを収容及び/又はねじ結合するように構成することができる。一部の実施形態において、関節体904は、先ず、カプラー924(例えば、カプラー924a、924b、924cのうちの1つ)から除去できる。関節体904が除去されると、ツールが近位方向から遠位方向に(例えば、第1部分928a、928b、928cから第2部分936a、936b、936cに向かって)前進するよう、ツールの第1端部(例えば、カプラー分離器1800のようなねじ山付きロッド)は、ディスク部材932a、932b、932cの上部面からねじ山付きチャンネル956内に挿入できる。一部の実施形態において、ツールは、ツールがディスク部材932a、932b、932cの底面から出るように、ねじ山付きチャンネル956を介して前進するように回転する。ツールがディスク部材932a、932b、932cの底面から出る際、ツールの端部は、アンカー500、830、830Aと係合し、また、ツールのさらなる回転は、アンカー500、830、830Aからカプラー924(例えば、カプラー924a、924b、924cのうちの1つ)を分離させるために、アンカー500、830、830Aの表面に荷重を加える。他の実施形態において、取り付けられた関節体904を有するカプラー924(例えば、カプラー924a、924b、924cのうちの1つ)は、先ず、アンカー830、830Aから分離できる。アンカー500、830、830Aが除去されると、ツールが遠位方向から近位方向に(例えば、第2部分936a、936b、936cから第1部分928a、928b、928cに向かって)前進するよう、ツールの第1端部(例えば、ねじ山付きロッド)がディスク部材932a、932b、932cの底面からねじ山付きチャンネル956内に挿入される。一部の実施形態において、ツールがディスク部材932a、932b、932cの上面から出るよう、ツールがねじ山付きチャンネル956を介して前進するように回転する。ツールがディスク部材932a、932b、932cの上面から出る際、関節体904からカプラー924(例えば、カプラー924a、924b、924cのうちの1つ)を分離させるよう、ツールの端部は、関節体904の側面と係合する。代案として、上腕骨頭アセンブリ800の組み立て方法は、解剖学的構成を提供するために、アンカー830、830Aからリバース型関節体804Aを除去するステップと、上腕骨頭アセンブリ800を挿入するステップとを含むことができる。
【0229】
図54図57Cは、上腕骨頭システム1400を上腕骨アンカー1500から除去する方法におけるまた別の実施形態を示す。上腕骨頭アセンブリ800に関して上述したように、上腕骨アンカー1500からの上腕骨頭システム1400の除去は、上腕骨アンカー1500からカプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つを先ず分離するか、或いは、関節体1404からカプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つを先ず分離するステップを含むことをできる。図55A図55Bは、関節体1404がカプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つから先ず除去される実施形態について示す。図57A図57Cは、その後、カプラー1424a、1424b、1424cのうちの1つが上腕骨アンカー1500から除去されることを示す。
【0230】
図54は、取り付けられたカプラー1424から上腕骨頭システム1400の関節体1404を除去するように構成され得るこじ開けツール1700を示す。これを説明するために、カプラー1424に関する言及は、カプラー924a、924b、924cの何れか1つを示すことができる。このこじ開けツール1700は、遠位端1710と近位端1720とを含むことができる。一部の例において、こじ開けツール1700の近位端1710は、シャフト1740の遠位端に取り付けられるウェッジ部1730を形成する。一部の実施形態において、こじ開けツール1700の遠位端1710のウェッジ部1730は、複数のアーム1734の間に開口1732を含むことができる。図54に示すように、開口1732及び複数のアーム1734は、カプラー1424のディスク部材1432及びレッジ1442を収容して係合できる任意の形状を形成できるが、開口1732は「U字状」を形成できる。一部の例において、ウェッジ部1730は、遠位端1710から近位端1720に向かって延びるにつれて厚さが増加する。以下でより詳細に説明するように、ウェッジ部1730の厚さの増加(例えば、ウェッジ部1730の上面上に傾斜面が生成することになる)は、カプラー1424から関節体1404を分離させるために、ウェッジ部1730の反対側端部に加えられるのに必要な力を減少させることにより、機械的利点を提供する。一部の実施形態において、ウェッジ部1730は、三角形状の断面を有する。さらに、ウェッジ部1730の形状は、ウェッジ部1730の遠位端1710がカプラー1424と上腕骨アンカー1500との間に嵌合されることを可能にする。
【0231】
図55A図55Bは、上腕骨頭システム1400及び関節体1404をカプラー1424から分離させるためのこじ開けツール1700の挿入の断面図を示す。図55Aに示すように、こじ開けツール1700のウェッジ部1730の遠位端1710は、隙間1446に挿入できる。上述のように、ウェッジ部1730の三角形又はウェッジ形状の断面は、こじ開けツール1700がカプラー1424に向かって前進するにつれてカプラー1424から関節体1404を分離させる。ウェッジ部1730のより厚い部分がカプラー1424に向かって前進するにつれて、関節体1404がカラー1506の近位面1504から押し出されてカプラー1424から関節体1404が分離される。一部の実施形態において、カプラー1424の傾斜レッジ1442は、ウェッジ部1730の複数のアーム1734の傾斜面と係合してこれに対応するように構成することができる。一部の例において、使用者が関節体1404と上腕骨アンカー1500との間にシャフト1740を用いてこじ開けツール1700を前進させてカプラー1424と係合させると、使用者は、カプラー1424から関節体1404の第1部分1428を分離させるために、 関節体1404に上方向への力を加えるようシャフト1740に対して下向きに荷重を加えることができる。図55Bに示すように、一部の実施形態において、カプラー1424がアンカー1500にある間、チャンネル1448の近位端1449が露出するよう、関節体1404がカプラー1424の第1部分1428から除去できる。
【0232】
代案として、一部の実施形態において、こじ開けツール1700は、上腕骨アンカー1500からカプラー1424を除去するように構成することができる。一部の例において、使用者は、カプラー1424と係合するよう、シャフト1740を用いて関節体1404と上腕骨アンカー1500との間でこじ開けツール1700を前進させることができる。ウェッジ構成により、アンカー1500とこじ開けレッジ1442との間の隙間におけるウェッジ部1730の前進は、アンカー1500からカプラー1424を分離できる中央から配向される力を生成する。必要に応じて、使用者は、その後、上腕骨アンカー1500からカプラー1424を分離できるより中央に配向される力を生成して、関節体1404に対して下方向への力を加えるよう、シャフトに対して上向きに荷重を加えることができる。一部の実施形態において、チャンネル1448の遠位端1450を露出させるために、カプラー1424の第2部分1436から関節体1404を除去できる。一部の例において、これは、図18Cに示すように、上腕骨頭システム1400に取り付けられたカプラー1424を使用者に提供する。
【0233】
図56は、カプラー1424のチャンネル1448に挿入されるように構成され得るカプラー分離器1800を示す。この説明のために、カプラー1424に関する参照は、カプラー924a、924b、924cの何れか1つを示すことができる。カプラー分離器1800は、遠位端1810と近位端1820とを含むことができる。一部の例において、カプラー分離器1800は、細長いシャフト1840と、テーパ部1830と、作動部1850とを含む。一部の実施形態において、カプラー分離器1800の細長いシャフト1840は、カプラー分離器1800の遠位端1810に位置する。細長いシャフト1840は、遠位部1846と、近位部1842と、遠位部1846と近位部1842との間で延びるねじ山部1844と、を含むことができる。一部の例において、カプラー分離器1800の作動部1850は、カプラー分離器1800の近位端1820に位置する。以下でより詳細に説明するように、カプラー分離器1800が回転してねじ山部1844とチャンネル1448のねじ山部1452とが係合するよう、使用者によって作動部1850が把持できる。一部の例において、テーパ部1830は、細長いシャフト1840と作動部1850との間で延びることができる。一部の例において、テーパ部1830は、遠位における直径が遠位方向に増加し得る。
【0234】
図57A図57Cは、上腕骨アンカー1500に取り付けられたカプラー1424、及びカプラー1424を上腕骨アンカー1500から分離させるためのカプラー分離器1800の挿入の断面図を示す。図57Aに示すように、カプラー分離器1800の遠位端1810は、チャンネル1448に挿入できる。一部の実施形態において、ねじ山部1844の遠位端がねじ山部1452と係合するまで、細長いシャフト1840の遠位部1846は、遠位方向に近位端1449及びねじ山部1452を介して前進し得る。一部の例において、ねじ山部1844をねじ山部1452と係合させる際に、カプラー分離器1800が回転してねじ山部1844がねじ山部1452と係合するよう、使用者は、カプラー分離器1800の作動部1850を回転させることができる。カプラー分離器1800が回転するにつれて、カプラー分離器1800は、遠位部1846を遠位端1450を介して第2リセス部1524の底部に向かって前進させ続ける。図57Bは、カプラー分離器1800の末端を示し、明確性のために中央の長さを省略する。カプラー分離器1800は、図57Bの位置にあるとき、細長いシャフト1840のねじ山部1844の先端縁又は先端部がチャンネル1448のねじ山部1452を経て前進するまで回転できる。細長いシャフト1840のねじ山部1844の先端部分がチャンネル1448のねじ山部1452を経て前進したとき、遠位部1846の遠位端は、第2リセス部1524のベースと結合し、細長いシャフト1840の近位部1842は、近位端1449及びチャンネル1448の一部を介して延び、テーパ部1830の遠位端は、近位端1449の一部に前進する。カプラー分離器1800がねじ山部1844の先端部がチャンネル1448を経て移動するように回転すると、回転力は、カプラー1424の第2部分1436を押して第2リセス部1524から離間させる。これにより、カプラー1424が上腕骨アンカー1500から除去できるよう、カプラー1424を上腕骨アンカー1500から分離させることが可能となる。 上述のように、一部の実施形態において、第2リセス部1524はテーパ状である。よって、第2リセス部1524のベースからの第2部分1436の移動は、カプラー1424を上腕骨アンカー1500から緩めることを可能にする。一部の実施形態において、テーパ部1830は、カプラー分離器1800がチャンネル1448を介してどれくらい遠く前進するかを制限することができる。図57Cに示すように、第2部分1436が第2リセス部1524から後退すると、カプラー1424が上腕骨アンカー1500から除去できる。
【0235】
代案として、上腕骨アンカー1500が先ずカプラー1424から除去され、関節体1404がカプラー1424から取り付けられた状態にある一部の実施形態において、カプラー分離器1800の遠位端1810は、代わりに、チャンネル1448の遠位端1450を介して挿入できる。一部の実施形態において、カプラー分離器1800の遠位端1810は、チャンネル1448の遠位端1450内に挿入できる。一部の例において、ねじ山部1844の遠位端がねじ山部1452と係合するまで、細長いシャフト1840の遠位部1846は、遠位端1450及びねじ山部1452を介して遠位方向に前進することができる。一部の実施形態において、ねじ山部1844がねじ山部1452と係合する際、カプラー分離器1800が回転してねじ山部1844をねじ山部1452と係合させるよう、使用者は、カプラー分離器1800の作動部1850を回転させることができる。カプラー分離器1800が回転する際、カプラー分離器1800は、近位端1449を介して上腕骨頭システム1400の第2リセス1416の上方又は端壁に向かって遠位部1846を前進させ続ける。一部の実施形態において、カプラー分離器1800は、細長いシャフト1840のねじ山部1844の先端部がチャンネル1448のねじ山部1452を経て前進するまで回転できる。細長いシャフト1840のねじ山部1844がチャンネル1448のねじ山部1452を介して又はそれを過ぎて前進する際、遠位部1846の遠位端は、第2リセス1416の上壁と係合し、細長いシャフト1840の近位部1842は、遠位端1450とチャンネル1448の一部を介して延び、また、テーパ部1830の遠位端は、遠位端1450の一部に前進する。カプラー分離器1800がねじ山部1844がチャンネル1448を経て移動するように回転する際、チャンネル1448の長手軸に沿った軸方向の力がカプラー1424の第1部分1428を押して第2リセス1416から離間させる。これにより、カプラー1424が関節体1404から分離できるよう、カプラー1424を関節体1404から分離させることが可能となる。上述のように、一部の実施形態において、第2リセス1416はテーパ状である。よって、第2リセス1416の上部から離間させる第1部分1428の移動は、第1部分1428が上腕骨アンカー1500から緩めることを可能にする。一部の例において、テーパ部1830は、カプラー分離器1800がチャンネル1448を介してどれくらい遠く前進するかを制限することができる。図57Cに関して説明しているように、第1部分1428が第2リセス1416から押し出されると、関節体1404がカプラー1424から除去できる。
【0236】
従来、商用システムは、事前に組み立てられた多重関節体/カプラーの組み合わせを有するキットを提供していた。よって、本出願は、より少ない構成要素、より簡単なシステム、及びより低コストで広範囲な患者を治療することを可能にする。
【0237】
用語
特定の実施形態が本明細書に説明されているが、本明細書に説明されるインプラント及び方法は、文脈によっては、任意の関節構成要素を交換可能に用いることができる。
【0238】
本明細書で用いられるように、相対語の「近位」及び「遠位」は、インプラントの観点から定義されるべきである。従って、近位は関節構成要素の方向をいい、遠位はインプラントが組み込まれる際の上腕骨アンカーのステム、ねじ、多孔性表面、又はステムレスアンカーの他のアンカー構造のようなアンカー構成要素の方向を意味する。
【0239】
「できる」、「できた」、「し得る」又は「してもよい」等の条件付き言語は、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で異なる理解がされない限り、一般に、所定の実施形態が所定の特徴、要素、及び/又はステップを含む反面、他の実施形態では含まないことを伝えるよう意図している。従って、かかる条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又はステップが一つ以上の実施形態に何らかの形で必要であることを暗示するよう意図するものではない。
【0240】
「含む」、「有する」等の用語は同義語であり、制限を設けない方式で包括的に用いられ、さらなる要素、特徴、動作、操作等を排除するものではない。また、「又は」という用語は、包括的な意味(排他的な意味ではない)として用いられるため、例えば、要素のリストをつなげるのに用いられる場合、「又は」という用語はリストの要素の一つ、一部、又は全てを意味する。なお、本明細書及び添付の請求の範囲で用いられた「a」、「an」及び「the」は、特に明記しない限り、「一つ以上」又は「少なくとも一つ」を意味するものと解釈されたい。
【0241】
本明細書に開示している範囲はまた、あらゆる重複、下位範囲、及びその組み合わせを含む。「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「ないし」等の言語は、言及された数字を含む。「約」又は「略」といった用語が前に付いている数字には、言及された数字が含まれ、状況に応じて(その状況において合理的に可能な限り正確に、例えば±5%、±10%、±15%等)解釈されたい。例えば、「約1」は「1」を含む。「実質的に」、「一般に」等の用語が前にくる句は、言及された句節を含み、状況に応じて(例えば、その状況においてできるだけ合理的に)解釈されたい。例えば「実質的に球形」は、「球形」を含む。特に明示されない限り、すべての測定は、温度及び圧力を含む標準条件で行われる。
【0242】
本願で使用される場合、項目のリスト中の「少なくとも一つ」を指す句節は、単一部材をはじめ、これらアイテムの任意の組み合わせを指す。例えば、「A、B又はCの少なくとも一つ」は、A、B、C、AとB、AとC、BとC、及びAと、BとCとを含むことを意図している。「X、Y及びZの少なくとも一つ」という一節のような結合語は、特に明記しない限り、項目、用語等がX、Y又はZの少なくとも一つであり得ることを伝えるのに一般に用いられる文脈で異なって理解される。従って、このような結合語は、一般に、所定の実施形態が、それぞれが存在するためにXの少なくとも一つ、Yの少なくとも一つ、及びZの少なくとも一つが必要であることを意味するよう意図していない。
【0243】
本明細書に特定の実施形態及び実施例が説明されているが、本開示に示され説明されている上腕骨頭アセンブリについて、多くの変形及び修正が行われ得ることが強調されるべきであり、これらの要素は、さらなる実施形態又は許容可能な実施例を形成するために異なって組合される及び/又は修正されるものと理解されたい。かかる修正及び変形は、本開示の範囲内に含まれることを意図している。多種多様な設計及びアプローチが可能である。本明細書に説明している特徴、構造又はステップは、必須でも必要不可欠でもない。
【0244】
一部の実施形態は、添付図面に関連して説明されている。しかし、図面は縮尺通りに描かれたものでないことを理解されたい。距離、角度等は、単に例示的なものに過ぎず、必ずしも図示された装置の実寸及びレイアウトとの正確な関連性を示すものではない。構成要素は、追加、除去及び/又は再配列され得る。なお、多様な実施形態に係る任意の特定の特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素等についての本明細書の開示は、本明細書で説明されるすべての他の実施形態において用いられ得る。さらに、本明細書で説明される任意の方法については、言及されたステップを行うのに適した任意の装置を使用して実行できることを理解されたい。
【0245】
本開示の目的のため、所定の態様、利点及び新規の特徴が本明細書で説明される。かかるすべての利点が、任意の特定の実施形態によって必ずしも達成できるわけではないことを理解されたい。従って、例えば、当業者は、本明細書に教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示しているような一つの利点又は一群の利点を達成する方法により、前記開示が実現されたり行なわれ得ることを認識するであろう。
【0246】
また、例示的な実施形態が本明細書に説明されているが、本発明の範囲は、具体的に開示される実施形態を超えて、その実施形態(例えば、多様な実施形態にわたる態様)の具体的な特徴及び態様の等価の要素、修正、省略、組み合わせ又は下位の組み合わせ、並びに本開示に基づき当業者によって理解され得る本発明の適合化及び/又は変更、及び使用を有するあらゆる実施形態にて拡張され得ることを、当業者は理解されたい。請求範囲の限定は、請求範囲で使用される言語に基づいて広範囲に解釈されなければならず、本明細書に説明される例又は出願の審査中に限定されず、例は非制限的であると解釈しなければならない。また、開示している工程及び方法の動作は、動作の並べ替え及び/又はさらなる動作の挿入及び/又は動作の削除を含む、任意の方法で修正され得る。従って、明細書及び実施例は、特許請求の範囲及びその均等物の全範囲により示される真の範囲並びに精神と共に単に例示としてみなされるように意図している。
【0247】
本明細書に開示された任意の方法は、言及した順序どおり行う必要はない。本明細書に開示された方法は、医師によって行われる所定の動作を含むが、明示的に又は暗示的にこれらの動作に対する任意の第三者の指示を含むこともできる。例えば、「上腕骨への上腕骨ステムの挿入」のような動作には、「上腕骨への上腕骨頭の挿入の指示」が含まれる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3
図4
図4A
図5
図5A
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図12A
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図16A
図17A
図17B
図17C
図18
図18A
図18B
図18C
図19
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図20
図20A
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52A
図52B
図53
図54
図55A
図55B
図56
図57A
図57B
図57C
【手続補正書】
【提出日】2021-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
図1A】解剖学的構成において、上腕骨頭アセンブリを形成するために関節体と結合したアンカーの側面図であって、前記アンカーは、上腕骨切除面の下方で関節体を収容するように構成される。
図1B図1Aのアンカーの内面の斜視図である。
図1C】リバース型肩関節体の実施形態の斜視図である。
図1D】リバース型肩関節体の他の実施形態の斜視図である。
図1E】上腕骨頭アセンブリが埋め込まれた上腕骨の側面図である。
図1F】中心カプラーを有する上腕骨頭及び中心カプラーへの好適な埋め込み部位を示す。
図1G】偏心カプラーを有する上腕骨頭及び偏心カプラー上腕骨頭との結合から利益を得る埋め込み部位を示す。
図2】関節体の関節面に上腕骨アンカーが整合するように適合化されたカプラーの一部の偏心が0である第1構成を示す、上腕骨頭アセンブリの一実施形態を示す。
図3図2の上腕骨頭アセンブリの分解底面図である。
図4図2の上腕骨頭アセンブリの外側面図である。
図4A】カプラーの突出部と関節体の周縁との放射状の重なりを示す図4における図4Aの詳細を示す。
図5図4に示す平面5―5を介して切り取った断面である。
図5A】関節体の結合部のリセスの詳細図である。
図6】関節体の関節面に上腕骨アンカーが整合するように適合化されたカプラーの一部の偏心が0ではない第2構成を示す、図2の上腕骨頭アセンブリの一実施形態を含む。
図7図2の上腕骨頭アセンブリに使用できる関節体の側面図である。
図8A図2の上腕骨頭アセンブリの関節体の底面図である。
図8B図8Aに示す平面8B―8Bを介した図2の上腕骨頭アセンブリの関節体の横断面図である。
図9図2の上腕骨頭アセンブリのカプラーの側面図である。
図10図9のカプラーの中央側面図である。
図11図9のカプラーの外側面図である。
図12】上腕骨頭アセンブリの他の実施形態に好適な関節体のさらなる実施形態の外側面図である。
図12A】上腕骨頭アセンブリの他の実施形態に好適な関節体のさらなる実施形態の外側面図である。
図13A】ステムの表面上の結合部の一実施形態を例示する。
図13B】ステムの表面上の結合部の一実施形態を例示する。
図13C】ステムの表面上の結合部の一実施形態を例示する。
図14A】リバース型関節体上腕骨アセンブリのオフセットの調整に好適な上腕骨インプラントアセンブリ及びその構成要素を示す。
図14B】リバース型関節体上腕骨アセンブリのオフセットの調整に好適な上腕骨インプラントアセンブリ及びその構成要素を示す。
図14C】リバース型関節体上腕骨アセンブリのオフセットの調整に好適な上腕骨インプラントアセンブリ及びその構成要素を示す。
図15】概略的に示す、切除された上腕骨に配置された解剖学的上腕骨アセンブリの概略図である。
図16】上腕骨頭と整合した際に多様なオフセットを提供するように構成された複数のカプラーと、上腕骨頭とを含むキットを示す。
図16A】上腕骨頭と整合した際に多様なオフセットを提供するように構成された複数のカプラーと、上腕骨頭とを含むキットを示す。
図17A図16図16Aのキットにおける多様な上腕骨頭アセンブリを示す。
図17B図16図16Aのキットにおける多様な上腕骨頭アセンブリを示す。
図17C図16図16Aのキットにおける多様な上腕骨頭アセンブリを示す。
図18図1A及び図2と類似する上腕骨頭アセンブリ及びアンカーのまた別の例を示し、前記上腕骨頭アセンブリは、選択された方向又はオフセットの程度を確認するように窓を有するカプラーを含む。
図18A図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素の分解図である。
図18B図18の上腕骨頭アセンブリの断面図である。
図18C図16Aのキットと類似する上腕骨頭アセンブリキットである。
図19図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19A図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19B図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19C図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19D図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図19E図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーの例を示し、前記カプラーは、カプラーの両端部の長手軸との間にオフセットを提供する。
図20図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーのまた別の例を示し、前記カプラーは、整列しているカプラーの両端部の長手軸を提供する。
図20A図18の上腕骨頭アセンブリで使用できるカプラーのまた別の例を示し、前記カプラーは、整列しているカプラーの両端部の長手軸を提供する。
図21A】アンカーと係合したカムディスクアセンブリの斜視図である。
図21B】アンカーと係合したカムスクリュアセンブリの斜視図である。
図22A図21のアンカーと係合したカムディスクアセンブリの上面図である。
図22B】図21のアンカーと係合したカムスクリュアセンブリの上面図である。
図23図21のアンカーを有するカムディスクアセンブリの分解図である。
図24図22に示す平面24―24を介して切り取った断面である。
図25図21に示すカムディスクアセンブリのカプラーの上面図及び底面図を示す。
図26図21に示すカムディスクアセンブリのカプラーの上面図及び底面図を示す。
図27図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリの固定部の斜視図及び図面図を示す。
図28図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリの固定部の斜視図及び図面図を示す。
図29図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図27図28の固定部と係合するように構成されたアクチュエータの上面図、側面図、及び斜視図を示す。
図30図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図27図28の固定部と係合するように構成されたアクチュエータの上面図、側面図、及び斜視図を示す。
図31図21に示すカムディスクアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図27図28の固定部と係合するように構成されたアクチュエータの上面図、側面図、及び斜視図を示す。
図32】テーパカム及びスロットアセンブリの斜視図である。
図33図32のテーパカム及びスロットアセンブリの分解図である。
図34図32のテーパカム及びスロットアセンブリの上面図及び底面図を示す。
図35図32のテーパカム及びスロットアセンブリの上面図及び底面図を示す。
図36図34に示す平面36―36を介して切り取った断面である。
図37図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカプラーの上面図及び底面図を示す。
図38図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカプラーの上面図及び底面図を示す。
図39図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリのアクチュエータの斜視図、上面図、及び側面図を示す。
図40図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリのアクチュエータの斜視図、上面図、及び側面図を示す。
図41図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリのアクチュエータの斜視図、上面図、及び側面図を示す。
図42図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図39図41のアクチュエータと係合するように構成された固定部の斜視図及び側面図を示す。
図43図32のテーパカム及びスロットアセンブリのカムアセンブリを形成するために、図39図41のアクチュエータと係合するように構成された固定部の斜視図及び側面図を示す。
図44】コレットロックアセンブリの斜視図である。
図45図44のコレットロックアセンブリの分解斜視図である。
図46図44のコレットロックアセンブリの上面図である。
図47図44のコレットロックアセンブリの底面図である。
図48】コレットロックアセンブリのカプラーの上面図である。
図49図48に示す平面49―49を介して切り取った断面である。
図50】上腕骨頭アセンブリと係合する図48のカプラーの斜視図を示す。
図51】切除された上腕骨の表面内にリーマが前進している上腕骨アンカーを埋め込む方法の一部を示す。
図52A】アンカーの一実施形態が切除された上腕骨の表面に挿入される場合である、図51に例示されたようなリーミング後の方法の一部を示す。
図52B】アンカーの他の実施形態が切除された上腕骨の表面に挿入される場合である、図51に例示されたようなリーミング後の方法の一部を示す。
図53】切除された上腕骨の表面へ挿入されたアンカー内に上腕骨頭アセンブリの構成要素をはめ込む(impacting)分解図を示す。
図54】上腕骨頭アセンブリの構成要素、例えば、図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するためのこじ開けツールの斜視図を示す。
図55A図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図54のこじ開けツールを使用する方法を提示する。
図55B図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図54のこじ開けツールを使用する方法を提示する。
図56】上腕骨頭アセンブリの構成要素、例えば、図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するためのカプラー分離器の斜視図を示す。
図57A図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図56のカプラー分離器を使用する方法を例示する。
図57B図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図56のカプラー分離器を使用する方法を例示する。
図57C図18の上腕骨頭アセンブリの構成要素を分離するために、図56のカプラー分離器を使用する方法を例示する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0230
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0230】
図54は、取り付けられたカプラー1424から上腕骨頭システム1400の関節体1404を除去するように構成され得るこじ開けツール1700を示す。これを説明するために、カプラー1424に関する言及は、カプラー924a、924b、924cの何れか1つを示すことができる。このこじ開けツール1700は、遠位端1710と近位端1720とを含むことができる。一部の例において、こじ開けツール1700の遠位端1710は、シャフト1740の遠位端に取り付けられるウェッジ部1730を形成する。一部の実施形態において、こじ開けツール1700の遠位端1710のウェッジ部1730は、複数のアーム1734の間に開口1732を含むことができる。図54に示すように、開口1732及び複数のアーム1734は、カプラー1424のディスク部材1432及びレッジ1442を収容して係合できる任意の形状を形成できるが、開口1732は「U字状」を形成できる。一部の例において、ウェッジ部1730は、遠位端1710から近位端1720に向かって延びるにつれて厚さが増加する。以下でより詳細に説明するように、ウェッジ部1730の厚さの増加(例えば、ウェッジ部1730の上面上に傾斜面が生成することになる)は、カプラー1424から関節体1404を分離させるために、ウェッジ部1730の反対側端部に加えられるのに必要な力を減少させることにより、機械的利点を提供する。一部の実施形態において、ウェッジ部1730は、三角形状の断面を有する。さらに、ウェッジ部1730の形状は、ウェッジ部1730の遠位端1710がカプラー1424と上腕骨アンカー1500との間に嵌合されることを可能にする。
【国際調査報告】