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特表2022-504124扇風機用ファンユニット及びこれを備える扇風機組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】扇風機用ファンユニット及びこれを備える扇風機組立体
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/70 20060101AFI20220105BHJP
   F04D 29/28 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
F04D29/70 L
F04D29/28 N
F04D29/28 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518160
(86)(22)【出願日】2019-03-05
(85)【翻訳文提出日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 KR2019002499
(87)【国際公開番号】W WO2020075928
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0121160
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】320001019
【氏名又は名称】ダーテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DARTECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B-dong,42-14,Geumgok-ro 163beon-gil,Hwaseong-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、キセオック
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB26
3H130AB45
3H130AB58
3H130AC25
3H130AC27
3H130BA44C
3H130CB01
3H130DA02Z
3H130DD01Z
3H130DJ02X
3H130EA04C
3H130EB01C
3H130EB02C
3H130EB05C
(57)【要約】
【課題】本発明は、単に扇風機の羽根を交換する方式だけで通常の扇風機を空気清浄機に転用でき、特に扇風機の羽根と異なる構造からなるファンユニットを扇風機のモータに装着して使用する際に発生し得るモータヘッドの過熱問題を解決できる扇風機用ファンユニット及びこれを備える扇風機組立体に関する。
【解決手段】本発明に係る扇風機用ファンユニットは扇風機に装着されるファンユニットであって、第1空気流入口が貫通形成されている下部ディスクと、第2空気流入口が貫通形成されている上部ディスクと、前記下部ディスクと前記上部ディスクとの間に、前記下部ディスク又は前記上部ディスクの周囲に沿って配置される集塵フィルタと、前記下部ディスク又は前記上部ディスクを前記扇風機のモータに連結させる締結具とを含む。そして、前記第1空気流入口と前記第2空気流入口は、次の条件式1を満足するように構成されることを特徴とする。[条件式1:0≦K2≦K1×85%](ここで、K1:第1空気流入口の総面積、K2:第2空気流入口の総面積)
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扇風機に装着されるファンユニットであって、
第1空気流入口が貫通形成されている下部ディスクと、
第2空気流入口が貫通形成されている上部ディスクと、
前記下部ディスクと前記上部ディスクとの間に前記下部ディスク又は前記上部ディスクの周囲方向に沿って配置される集塵フィルタと、
前記下部ディスク又は前記上部ディスクを前記扇風機のモータに連結させる締結具と、を含み、
前記第1空気流入口と前記第2空気流入口は、次の条件式1を満足し、
条件式1・・・ 0≦K2≦K1×85%
ここで、K1は第1空気流入口の総面積であり、K2は第2空気流入口の総面積であり、前記条件式1は前記ファンユニットが前記扇風機に装着されている状態を仮定するとき、前記第1空気流入口が前記第2空気流入口よりも前記モータに、より近く位置する場合を基準とすることを特徴とする、
扇風機用ファンユニット。
【請求項2】
前記第1空気流入口と前記第2空気流入口は、次の条件式2を更に満足し、
条件式2・・・ 0≦K2≦K1×70%
ここで、K1は第1空気流入口の総面積であり、K2は第2空気流入口の総面積であり、前記条件式2は前記ファンユニットが前記扇風機に装着されている状態を仮定するとき、前記第1空気流入口が前記第2空気流入口よりも前記モータに、より近く位置する場合を基準とすることを特徴とする請求項1に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項3】
前記上部ディスクは、前記下部ディスクと中心が一致した状態で前記下部ディスクから一定の高さだけ離間して配置され、前記集塵フィルタは、前記上部ディスク及び前記下部ディスクの相互対向面上で、前記中心から第1半径と第2半径との間領域に前記上部ディスク又は前記下部ディスクの周囲方向に沿って設置されることを特徴とする請求項1に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項4】
前記扇風機用ファンユニットは、前記下部ディスクが前記上部ディスクよりも前記モータに、より近く位置するように前記扇風機に装着されることを特徴とする請求項1に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項5】
前記締結具には挿入ホールが形成されており、前記締結具は、前記下部ディスク又は前記上部ディスクの中心上に前記挿入ホールが位置するように構成され、前記挿入ホールは、前記扇風機のモータの駆動軸が挿入され得るように構成されることを特徴とする請求項1に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項6】
前記締結口の一面に前記挿入ホールを中心に形成される一対の第1凹溝部を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項7】
前記締結口の一面に前記挿入ホールを中心に形成される一対の第2凹溝部を更に含み、前記第1凹溝部の深さP1と前記第2凹溝部の深さP2は、互いに異なるように形成されることを特徴とする請求項6に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項8】
前記締結口の一面に前記挿入ホールを中心に形成される一対の第2凹溝部を更に含み、前記第1凹溝部の下面B1と前記第2凹溝部の下面B2は、前記挿入ホールの一側終端C1を基準に互いに異なる高さH1、H2に位置するように構成されることを特徴とする請求項6に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項9】
前記挿入ホールは、前記締結具に貫通形成される長いホールを含み、前記長いホールは、最大80mm未満の長軸長及び最小2mm超の直径を有するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項10】
前記下部ディスク又は前記上部ディスクの中心軸上に前記挿入ホールが位置するように前記締結具を固定させる支持台を更に含み、前記支持台の一端部は前記締結具に接続され、他端部は前記下部ディスク又は前記上部ディスクに接続される棒状部材からなることを特徴とする請求項5に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項11】
前記第1空気流入口の領域に備えられる多数のブレードを更に含み、前記多数のブレードは、前記モータの駆動による回転力により前記下部ディスクの中心を軸に回転するように構成され、外部の空気を前記ファンユニットの内部に流入させることを特徴とする請求項1に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項12】
前記締結具には挿入ホールが形成されており、前記締結具は、前記下部ディスク又は前記上部ディスクの中心上に前記挿入ホールが位置するように構成され、前記挿入ホールは、前記扇風機のモータの駆動軸が挿入され得るように構成され、前記下部ディスク又は前記上部ディスクの中心上に前記挿入ホールが位置するように前記締結具を固定させる多数の支持台を更に含み、前記支持台の一端部は前記締結具に結合され、他端部は前記下部ディスク又は前記上部ディスクに結合される棒状部材からなり、前記多数のブレードは、前記多数の支持台にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項11に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項13】
前記下部ディスクは、中心部領域に前記第1空気流入口が形成されている環状の板体を含み、前記上部ディスクは、中心部領域に前記第2空気流入口が形成されている環状の板体を含み、前記下部ディスクと前記上部ディスクは、相互に対向する構造で結合されることを特徴とする請求項1に記載の扇風機用ファンユニット。
【請求項14】
ファン保護網と、
モータと、
前記モータに接続されて軸回転する駆動軸と、
前記駆動軸に接続されて前記駆動軸の軸回転時にこれに連動して回転する請求項1~13の何れか一項に記載の扇風機用ファンユニットと、を含むことを特徴とする、
扇風機組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は扇風機のモータに装着されて回転するファンユニットに関し、より詳細には、日常生活で頻繁に用いる扇風機を空気清浄機に転用できるようにする扇風機用ファンユニット及びこれを備える扇風機組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
扇風機は風を起こして涼しさを提供する機器であって、安い価格や、効率の良さから非常に広範に用いられている。このような扇風機は、主に気温が高い夏場に多く用いられ、気温が下がる季節には使用する用途がないため、別途の場所に保管する季節家電の特性を有している。
【0003】
一方、近年は微小粒子状物質及び各種の有害ガスから室内空気を浄化するために空気清浄機が多く使用され、普及しているが、一般の家庭環境の空間における空気を浄化するためには、比較的高価な空気清浄機を購入しなければならないという短所があった。
【0004】
そのため、大部分の家庭で通常使っている扇風機を空気清浄機にも転用できれば、特定季節にのみ使用するという扇風機の用途上の限界はもちろん、従来の空気清浄機のコストの問題を何れも同時に解決できることから、その費用面、商業面、用途面における効果は相当であると言える。
【0005】
従来の空気清浄機能を有する扇風機として、以下のようなものが開示されている。
下記の特許文献1の場合、一般の扇風機に空気清浄機能を与えるために、回転羽根の後面部、即ち、保護網の後面上に荷電されたフィルム状のフィルタを付着させた扇風機を開示しており、下記の特許文献2の場合、ゼオライトなどのような吸着式脱臭フィルタを保護網に着脱可能に構成した扇風機を開示している。
【0006】
ところが、このような従来の空気清浄機能を有する扇風機は、何れも空気浄化フィルタを扇風機の保護網に着脱する方式を取り入れており、フィルタの表面上における十分な風圧を発生させることができず、これによりフィルタを通過する空気の量が少ないという問題があった。結局、従来の空気清浄機能を有する扇風機は、フィルタによる風量の減少は大きくなり、微小粒子状物質と有害ガスの除去性能は乏しいため、扇風機本来の機能はもちろん、空気清浄機としても不適であるという限界があった。
【0007】
一方、扇風機組立体の構成のうち、ファンユニット(即ち、羽根)の構造を変更すると、気流の方向に変化が発生し得るが、このような気流の変化が発生すると、モータの冷却率が変わるため、モータが異常に過熱する恐れがある。特に、モータの過熱によってこのモータを収容しているモータヘッドが60℃以上に過熱すると、モータの損傷、フューズの断線又は熱変形が発生したり、更に火災につながる恐れもある。そのため、扇風機に既に設置されている羽根の代わりに、他の構造のファンユニットを適用する場合、このようなモータの過熱問題は、扇風機用ファンユニットを設計する上で非常に重要に考慮されるべき事項に該当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2006-0061418号(公開日:2006.06.08)
【特許文献2】韓国公開特許第10-2004-0093359号(公開日:2004.11.05)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、単に扇風機の羽根を交換する方式だけで通常の扇風機を空気清浄機に転用できる扇風機用ファンユニット及びこれを備える扇風機組立体を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、通常の扇風機に備えられる羽根を取り外し、その代わりに本発明のファンユニットを装着して使用しても、モータヘッドの上昇温度が60℃未満に維持されることを満足させることができ、かつ空気清浄機能を行える扇風機用ファンユニット及びこれを備える扇風機組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための本発明に係る扇風機用ファンユニットは、扇風機に装着されるファンユニットであって、第1空気流入口が貫通形成されている下部ディスクと、第2空気流入口が貫通形成されている上部ディスクと、下部ディスクと上部ディスクとの間に下部ディスク又は上部ディスクの周囲に沿って配置される集塵フィルタと、下部ディスク又は上部ディスクを前記扇風機のモータに連結させる締結具とを含む。
【0012】
そして、第1空気流入口と第2空気流入口は、以下の条件式1を満足するように構成されることを特徴とする。
【0013】
条件式1
0≦K2≦K1×85%
(ここで、K1:第1空気流入口の総面積であり、K2:第2空気流入口の総面積であり、条件式1は前記ファンユニットが扇風機に装着されている状態を仮定するとき、前記第1空気流入口が前記第2空気流入口よりも前記モータに、より近く位置する場合を基準とする)
【0014】
本発明の扇風機用ファンユニットは、下部ディスクが上部ディスクよりも扇風機のモータに、より近く位置するように扇風機に装着されることを特徴とする。
【0015】
本発明の扇風機用ファンユニットは、上部ディスクは下部ディスクと中心が一致した状態で下部ディスクから一定の高さだけ離間して配置され、集塵フィルタは、上部ディスク及び下部ディスクの相互対向面上で、中心から第1半径と第2半径との間領域に上部ディスク又は下部ディスクの周囲方向に沿って設置されることを特徴とする。
【0016】
本発明の扇風機用ファンユニットは、締結具には挿入ホールが形成されており、前記締結具は、下部ディスク又は上部ディスクの中心上に前記挿入ホールが位置するように構成され、前記挿入ホールは、前記扇風機のモータの駆動軸が挿入され得るように構成される。
【0017】
そして、本発明の締結口の一面には、前記挿入ホールを中心に形成される一対の凹溝部と他の一対の凹溝部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る扇風機用ファンユニットによれば、日常生活で頻繁に用いる扇風機に単にファンユニットを装着するだけで、扇風機を空気清浄機に転用できることから、季節家電であった扇風機が四季を通じて使える家電製品となり、特に別途の空気清浄機を購入又は具備しなくても比較的低コストで通常の空気清浄機並みの空気浄化機能を享受できるようになった。
【0019】
また、本発明に係る扇風機用ファンユニットによれば、多様な種類と材質の扇風機に装着して使用してもモータヘッドの温度が60℃以上過熱しないため、通常の扇風機ファン(例えば、羽根)の構造を変形する際に発生し得るモータの過熱及びこれによるモータの損傷、フューズの断線ないし熱変形などの問題を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る扇風機用ファンユニットの下部ディスクの斜視図である。
図2】本発明に係る扇風機用ファンユニットの上部ディスクの斜視図である。
図3】本発明に係る扇風機用ファンユニットの後面側の斜視図である。
図4】本発明に係る扇風機用ファンユニットの正面側の斜視図である。
図5】本発明に係るファンユニットの第1、2空気流入口間の総面積の比率に対するモータヘッドの温度変化に関する試験データである。
図6】本発明に係る扇風機のモータ及び駆動軸を示す側面図である。
図7】本発明に係る第1締結具及びこれに形成された挿入ホールと第1、2、3凹溝部を示す上側面図である。
図8a】本発明に係る第1凹溝部の特徴を説明する第1締結具の断面図である。
図8b】本発明に係る第2凹溝部の特徴を説明する第1締結具の断面図である。
図8c】本発明に係る第3凹溝部の特徴を説明する第1締結具の断面図である。
図9】本発明の他の実施例として多数のブレードを更に備える扇風機用ファンユニットの斜視図である。
図10】本発明に係るファンユニットを備える扇風機組立体の分解斜視図である。
図11】本発明に係るファンユニットを備える扇風機組立体の上側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用する用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上、明白に相違しない限り、複数の表現を含む。本明細書において「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0022】
また、本明細書において、「~上に又は~上部に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するものであるが、これは必ずしも重力方向を基準に上側に位置することを意味するものではない。即ち、本明細書で示す「~上に又は~上部に」とは、対象部分の上又は下に位置する場合のみならず、対象部分の前又は後ろに位置する場合も含む。
【0023】
更に、領域、板などの部分が他の部分の「上に又は上部に」あるとするとき、これは他の部分の「直上に又は上部に」接触して存在するか、間隔をおいて存在する場合だけでなく、その中間に更に他の部分がある場合も含む。
【0024】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と「繋がる」とか、「接続される」などと言及された場合には、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接繋がっているか、又は直接接続されることもできるが、特に反対になる記載が存在しない限り、中間に更に他の構成要素を介在して繋がっているか、又は接続されることも可能であると理解すべきである。
【0025】
更に、本明細書において、第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ用いられる。
【0026】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施例、長所及び特徴について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る扇風機用ファンユニットの下部ディスクの斜視図であり、図2は、本発明に係る扇風機用ファンユニットの上部ディスクの斜視図であり、図3は、本発明に係る扇風機用ファンユニットの後面側の斜視図であり、図4は、本発明に係る扇風機用ファンユニットの正面側の斜視図である。
【0028】
図1ないし図4を参照する。本発明に係る扇風機用ファンは下部ディスク10、集塵フィルタ20、上部ディスク60、締結具40、及び支持台50を含み、好ましくは多数のブレード80を更に含むことができる。
【0029】
本発明の下部ディスク10は、集塵フィルタ20を支持するベースプレートであって、集塵フィルタ20を介在して上部ディスク60と対向する構造に配置される。
【0030】
下部ディスク10は、扇風機のモータ1と接続されてモータ1から回転力を受けてその中心を軸に回転動作を行うように構成される。
【0031】
下部ディスク10には、空気流入口(以下、「第1空気流入口13」と称する)が貫通形成されており、下部ディスク10の回転時に第1空気流入口13を介して外部の空気がファンユニットの内部に流入し、ファンユニットの内部に流入した空気は気圧差により集塵フィルタ20側に移動する。第1空気流入口13の形状は特に限定されず、例えば円形、円弧形、多角形など多様な形状に形成されることができる。
【0032】
好適な実施例によれば、下部ディスク10は、第1空気流入口13が中心部に形成されている環状の板体で構成されることができ、その材質はプラスチック材からなることができる。
【0033】
他の実施例として、下部ディスク10は円板状に構成され、この円板に第1空気流入口13が貫通形成されている形状で構成されることができる。前記の場合、第1空気流入口13は円形、円弧形、多角形など多様な形状に形成されることができる。
【0034】
本発明の上部ディスク60は、下部ディスク10と共に集塵フィルタ20を支持する更に他のベースプレートであって、集塵フィルタ20上に配置されてこの集塵フィルタ20を介在して下部ディスク10と対向する構造で備えられる。
【0035】
上部ディスク60は、接着剤などによって集塵フィルタ20上に付着して固定されるか、又は上部ディスク60に形成された締結具70によって扇風機のモータ1に接続されることができる。図2の実施例の場合、上部ディスク60は、この中心部に備えられる締結具70によって下部ディスク10の中心部に備えられる締結具40と接続され、同時にモータ1の駆動軸に結合され得るように構成する。
【0036】
上部ディスク60は下部ディスク10と同様、空気流入口(以下、「第2空気流入口63」と称する)が貫通形成されることができるが、前記の場合、上部ディスク60の回転時に第2空気流入口63を介して流入する空気は、気圧差により集塵フィルタ20側に移動する。第2空気流入口63の形状は特に限定されず、例えば円形、円弧形、多角形など多様な形状に形成されることができる。
【0037】
なお、下部ディスク10には、空気流入口13が必須的に形成されなければならないが、上部ディスク60は空気流入口63が形成されなくてもよく、仮りに空気流入口63が形成される場合、所定の条件を満足するように設計されなければならない。
【0038】
好適な実施例によれば、上部ディスク60は、プラスチック材質の円板状に構成されることができ、この円板に第2空気流入口63が貫通形成されている形状に構成されることができる。前記の場合、第2空気流入口63は円形、円弧形、多角形など多様な形状に形成されることができる。
【0039】
本発明に係る扇風機用ファンユニットは、扇風機に装着されて空気清浄機能を行うように構成されるが、このとき、第1、2空気流入口13、63に後述する構造的特徴を付与する場合、このように扇風機に装着されて空気清浄機能を行う上で最適の扇風機用ファンユニットを実現できるようになる。
【0040】
以下、本発明に係る第1、2空気流入口13、63の特徴について詳細に説明する。
【0041】
なお、通常の扇風機組立体は、空気通過孔が形成されており、内部にファンユニットが収容されるファン保護網5と、駆動軸2が接続されており、この駆動軸2の軸回転を起こすモータ1、及びこのモータ1の駆動軸2に結合されて回転することによって風を起こす羽根(図示せず)で構成されている(図6参照)。
【0042】
ところが、このような扇風機組立体の構成のうち、羽根に代って本発明のファンユニットを装着して使用すると、羽根を基準に設計された気流の方向に変化が発生し得る。そして、このような気流の変化が発生すると、モータ1の冷却率が変わり、モータ1が過熱する恐れがあり、この場合、扇風機による火災の発生ないしモータの損傷などの事故に直結するため、これは扇風機用ファンユニットを設計する上で非常に重要に考慮されるべき事項に該当する。
【0043】
そこで、本願発明者は上、下部ディスク10、60に形成される第1、2空気流入口13、63を次の条件式1によって形成する場合、前述したようなモータの過熱による問題を解決できることが分かった。
【0044】
条件式1
0≦K2≦K1×85%
(ここで、K1:第1空気流入口の総面積、K2:第2空気流入口の総面積)
【0045】
なお、本発明のファンユニットはこれを扇風機に結合して用いる際に、下部ディスク10が上部ディスク60よりも扇風機のモータ1に、より近く位置する構造に扇風機に装着される。換言すれば、上部ディスク60の外面は扇風機の前方に向い、下部ディスク10の外面は扇風機の後方に向う構造に装着される。
【0046】
従って、条件式1も本発明のファンユニットが扇風機に装着されている状態を仮定するとき、下部ディスク10の第1空気流入口13が上部ディスク60の第2空気流入口63よりも扇風機のモータ1に、より近く位置する時を基準とする。
【0047】
条件式1によれば、第2空気流入口63は、第1空気流入口13の総面積に対して85%以下の総面積を有するように形成されるか、又は総面積が「0」になるように形成される。
ここで、第1空気流入口13の総面積とは、下部ディスク10において外部の空気が下部ディスク10を通過してファンユニットの内部に流入できるように下部ディスク10に貫通形成された孔状の全ての開放口の面積を合せた面積を意味する。同様に、第2空気流入口63の総面積とは、上部ディスク60において外部の空気が上部ディスク60を通過してファンユニットの内部に流入できるように上部ディスク60に貫通形成された孔状の全ての開放口の面積を合わせた面積を意味する。
【0048】
そして、第2空気流入口63の総面積が「0」になるように形成されるとは、上部ディスク60に第2空気流入口63が全く形成されない形状を意味する。即ち、上部ディスク60が孔状の開放口が全く形成されない完全な板体で構成されて上部ディスク60を介しては外部の空気が流入しない形状を意味する。
【0049】
前述したように、第1、2空気流入口13、63を設計する上で条件式1によれば、ファンユニットの回転による空気清浄機能を実現でき、同時にモータの冷却に有利な気流の方向性を決定できるようになる。
【0050】
換言すれば、条件式1によれば、モータ側の方向に流れる気流が十分に形成されてモータの過熱を防止するのに必要な閾値以上の冷却作用を実現でき、従って扇風機の羽根を取り外し、本発明のファンユニットの代わりに装着して使用してもモータの過熱による火災の発生ないしモータの損傷問題を防止できると共に、扇風機を空気清浄機に転用できる。
【0051】
図5は、本発明に係るファンユニットの第1、2空気流入口の総面積の比率に対するモータ温度の変化に関する試験データである。図5を参照して条件式1の技術的意義について説明する。
【0052】
説明に先立ち、参考までに通常の家庭用扇風機はその稼動時に、扇風機のモータを含むヘッド(以下、「モータヘッド」と称する)の温度が60~70℃以上過熱するのを防止できなければならない。これは、扇風機のモータヘッドの温度が60~70℃以上過熱すると、モータの損傷、フューズの断線ないし熱変形が発生する恐れがあり、更に火災の発生要因として作用し得るためである。ここで、長時間の過熱による前記「熱変形」とは、扇風機のモータを収容するヘッドの製造時に合成樹脂を用いるが、このような合成樹脂は耐熱温度以上の高温に露出する場合、熱変形を誘発し、製品の損傷につながる恐れがある。なお、扇風機の製造時に一般にPVC又はABSなどの合成樹脂を多く用いるが、PVCの耐熱温度は約65℃であり、ABSの耐熱温度は約75℃である。
【0053】
このような理由から、通常の扇風機は気流を利用したモータヘッドの冷却によってモータヘッドが60~70℃(以下、「限界温度」と称する)以上過熱しないように扇風機の羽根が設計されており、このような限界温度は、本発明のファンユニットを装着して駆動しても同一に満足させなければならない。
【0054】
特に、本発明のファンユニットは多様な種類と材質の扇風機に装着されて使用されるため、耐熱温度が最も低い材質(例えば、PVC)で製作した扇風機に用いても熱変形を誘発してはならない。
従って、本発明のファンユニットは、いかなる種類の扇風機に用いてもモータヘッドの温度が60~70℃の限界温度以上過熱してはならないが、これは前述した条件式1による第1、2空気流入口13、63の設計により達成できる。
【0055】
比較例1:通常の扇風機
本発明のファンユニットではない通常の扇風機の羽根が装着されている場合である。前記の場合、通常の扇風機を微風モードで30分間稼動すると、モータヘッドの温度が約45℃水準に上昇する。そして、このようなモータヘッドの上昇温度は「微風(約45℃)→弱風(約42℃)→強風(約38℃)」モードの順にその上昇温度が更に低くなる。即ち、通常の扇風機は60~70℃の限界温度を満足させることが分かる。
【0056】
試験例1:K2=K1×95%
通常の扇風機において羽根を取り外して本発明のファンユニットを装着し、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して95%の総面積(K2)を有するように設計した。
【0057】
図5に示すように、扇風機のモータヘッドを微風モードで30分間稼動すると、モータヘッドの温度が約66℃水準に上昇することが分かる。一方、このような試験例1によるモータヘッドの上昇温度は比較例1と同様、「微風(66℃)→弱風(62℃)→強風(59℃)」モードの順にその上昇温度が更に低くなる。
【0058】
ところが、このように、モータヘッドの温度が60~70℃の限界温度以上に上昇すると、前述したように、モータの過熱による熱変形、モータの損傷ないしフューズの断線が発生する恐れがあり、更に火災の発生要因として作用し得るため、扇風機用ファンユニットとして使用できなくなる。
【0059】
試験例2:K2=K1×85%
通常の扇風機において羽根を取り外して本発明のファンユニットを装着し、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して85%の総面積(K2)を有するように設計した。
【0060】
図5に示すように、扇風機のモータヘッドを微風モードで30分間稼動すると、モータヘッドの温度が約58℃水準に上昇することが分かる。一方、このような試験例2によるモータヘッドの上昇温度は試験例1と同様、「微風→弱風→強風」モードの順にその上昇温度が更に低くなる。
【0061】
従って、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して85%の総面積(K2)を有するように形成すると、モータヘッドの温度上昇の限界温度である60~70℃未満を満足し、本発明のファンユニットを駆動させることができることが分かる。
【0062】
試験例3:K2=K1×70%
通常の扇風機において羽根を取り外して本発明のファンユニットを装着し、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して70%の総面積(K2)を有するように設計した。
【0063】
図5に示すように、扇風機のモータヘッドを微風モードで30分間稼動すると、モータヘッドの温度が約52℃水準に上昇することが分かる。一方、このような試験例3によるモータヘッドの上昇温度は試験例2と同様、「微風→弱風→強風」モードの順にその上昇温度が更に低くなる。
【0064】
従って、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して70%の総面積(K2)を有するように形成すると、モータヘッドの温度上昇の限界温度である60~70℃未満を満足し、本発明のファンユニットを駆動させることができ、更に試験例2よりもモータヘッドの上昇温度を6℃程度更に下げられることが分かる。
【0065】
試験例4:K2=K1×58%
通常の扇風機において羽根を取り外して本発明のファンユニットを装着し、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して58%の総面積(K2)を有するように設計した。
【0066】
図5に示すように、扇風機のモータヘッドを微風モードで30分間稼動すると、モータヘッドの温度が約50℃水準に上昇することが分かる。一方、このような試験例4によるモータヘッドの上昇温度は試験例3と同様、「微風→弱風→強風」モードの順にその上昇温度が更に低くなる。
【0067】
従って、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して58%の総面積(K2)を有するように形成すると、モータヘッドの温度上昇の限界温度である60~70℃未満を満足し、本発明のファンユニットを駆動させることができ、更に試験例2、3よりもモータヘッドの上昇温度を更に下げられることが分かる。
【0068】
試験例5:K2=K1×5%
通常の扇風機において羽根を取り外して本発明のファンユニットを装着し、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して5%の総面積(K2)を有するように設計した。
【0069】
図5に示すように、扇風機のモータヘッドを微風モードで30分間稼動すると、モータヘッドの温度が約40℃水準に上昇することが分かる。一方、このような試験例5によるモータヘッドの上昇温度は試験例4と同様、「微風→弱風→強風」モードの順にその上昇温度が更に低くなる。
【0070】
従って、第2空気流入口63が第1空気流入口13の総面積(K1)に対して5%の総面積(K2)を有するように形成すると、モータヘッドの上昇温度がこれの限界温度である60~70℃を大きく下回る水準に維持され得ることが分かり、試験例2、3、4よりもモータヘッドの上昇温度を更に下げられることが分かる。
【0071】
結局のところ、試験例1ないし試験例5から分かるように、条件式1によってファンユニットを設計すると、扇風機に要求されるモータヘッドの限界温度(60~70℃)を満足させながら空気清浄機能を遂行でき、第2空気流入口63の総面積(K2)が第1空気流入口13の総面積(K1)に比べてより小さいほど、モータヘッドの上昇温度が更に低くなることが分かる。一方、第2空気流入口63の総面積が「0」(即ち、下部ディスク60に第2空気流入口63を形成しない時)である場合にもモータヘッドの上昇温度が限界温度である60~70℃を大きく下回る水準であることが分かった。
【0072】
ところが、第2空気流入口63の総面積(K2)が小さくなるほど、これに比例して単位時間当りの空気吸入量(即ち、外部の空気がファンユニットの内部に流入する量)が減少する恐れがあり、これは空気清浄性能の減少につながる恐れがあるため、第2空気流入口63の総面積(K2)は、モータヘッドの上昇温度と単位時間当りの空気吸入量を同時に考慮して設計することが好ましい。即ち、ファンユニットの回転駆動時、モータヘッドの上昇温度が限界温度未満に維持されることを満足できると共に、空気清浄性能は最大限に向上させることができるように設計することが好ましい。
【0073】
このような2つの要素を何れも考慮するとき、第2空気流入口63の総面積(K2)は、第1空気流入口13の総面積(K1)に対して85%以下に形成されなければならず、好ましくは70%以下に形成することがよく、より好ましくは50%以下に形成することがよい。
【0074】
本発明の集塵フィルタ20は、第1、2空気流入口13、63を介して流入する空気内の有害微細粒子を濾過するためのフィルタであって、全体として円形又は多角形の帯状に構成されて下部ディスク10と上部ディスク60との間に下部ディスク10又は(及び)上部ディスク60の周囲方向に沿って配置される。
より詳細には、集塵フィルタ20は下部ディスク10と、このような下部ディスク10と中心が一致した状態で下部ディスク10から一定の高さだけ上部に離間するように配置される上部ディスク60の相互対向面上で、下部ディスク60の中心から第1半径と第2半径との間領域に下部ディスク10又は上部ディスク60の周囲方向に沿って設置される。
【0075】
集塵フィルタ20は、多数の微細孔が形成されているフィルタを用いることができ、不織布、布、金属メッシュ、スポンジ、セラミックなど多様な材質で形成されることができる。好ましくはHEPAフィルタ(HEPA filter)ないし不織布フィルタのように不規則に配列された繊維構造からなるフィルタで構成されることができる。
【0076】
好適な実施例によれば、集塵フィルタ20は、図3、4の実施例のように、下部ディスク10の内面(上部ディスクと対向する面)上に両面がジグザグに繰り返して折り曲げられた構造に形成されることができる。前記の場合、集塵フィルタ20は、下部ディスク10の円形周囲に沿って凹凸形状が繰り返された波形形状をなす。
【0077】
本発明の締結具40は、扇風機のモータ1の回転駆動を本発明のファンユニットに連動させるための構成であって、下部ディスク10又は上部ディスク60を扇風機のモータに連結させることができるように構成される。
【0078】
一実施例によれば、締結具40は、支持台50を介して下部ディスク10に連結及び固定されることができる。前記の場合、締結具40は円筒形に構成されて下部ディスク10の中心部即ち、円形の空気通過孔の中心に位置し、締結具40に形成された挿入ホール41が下部ディスク10の中心軸上に位置するように構成される。ここで、下部ディスク10の前記「中心軸」は下部ディスクの回転軸になり得る。
【0079】
他の実施例によれば、締結具40は、支持台53を介して上部ディスク60に連結及び固定されることもできる。前記の場合、上部ディスク60は円形又は環状の板体に構成され、締結具40はこの円形又は環状板体の中心部に位置して締結具40の挿入ホール41、上部ディスク60の中心軸及び下部ディスク10の中心軸が何れも同一線上にあるように構成される。
【0080】
なお、図1ないし図4の実施例の場合、扇風機のモータに結合される締結具(以下、「第1締結具40」という)は、多数の支持台50を介して下部ディスク10と接続され、下部ディスク10の中心部に固定されるように構成した。そして、上部ディスク60の中心部には、多数の支持台53を介して上部ディスク60に連結されて固定される他の締結具(以下、「第2締結具70」という)を形成して、この締結具70を介して上部ディスク60が下部ディスク10に結合され得るように構成した。
【0081】
本発明の第1締結具40は、モータ1の駆動軸が挿通できるようにその中心部に形成されている挿入ホール41、及び第1締結具40の一面に前記挿入ホール41を中心に形成される一対の第1凹溝部45を含み、好ましくは第2凹溝部46を更に含むことができる。
【0082】
第1締結具40の挿入ホール41は、扇風機のモータ1の駆動軸と実質的に結合される構成であって、第1締結具40の高さ方向に沿って第1締結具40に貫通形成される中孔構造からなる。ここで、第1締結具40の高さ方向とは、第1締結具40がモータ1の駆動軸に結合された状態を基準にこの駆動軸の長軸方向を意味する。
【0083】
好適な実施例によれば、挿入ホール41は、第1締結具40の中心軸に形成されて、下部ディスク10の中心軸、第1締結具40の中心軸及び挿入ホール41の中心軸が何れも同一線上に位置するように構成されることができる。
【0084】
このような挿入ホール41は、最大80mm未満の長軸長と最小2mm超の直径を有するように構成されるが、これについての理由を説明すると、以下の通りである。説明に先立ち、本発明でいう「モータ駆動軸2の長軸長L1」について定義すると、以下の通りである。
【0085】
図6は、本発明に係る扇風機のモータ及び駆動軸を示す側面図である。通常の扇風機のモータ1は、モータ1の前面に突出して従来の扇風機のファンと結合される駆動軸2が設置されており、この駆動軸2の後端部には一対のフィンガーストップ3が対称構造に形成されており、前端部には螺糸山部4が形成されている。そして、この螺糸山部4には、締付キャップ6(図10に示す)が螺合されて従来の扇風機のファンを駆動軸2に結合して固定させるように構成されている。
本発明の「モータ駆動軸2の長軸長L1」は、このように駆動軸2の全長のうち、フィンガーストップ3から螺糸山部4の先端(即ち、駆動軸2の一側終端)までの長さを意味する。
【0086】
本発明の上部ディスク60及び下部ディスク10は、第1締結具40を介して扇風機のモータ1と接続されてモータ1の回転力を受け、第1締結具40は、挿入ホール41を介してモータ1の駆動軸2と接続されるように構成される。
【0087】
なお、現在家庭用又は営業用として生産販売されている大半の扇風機の場合、そのモータ駆動軸2の長軸長L1は30~80mm範囲内で製造されている。ところが、扇風機のモータ1の駆動軸2を第1締結具40の挿入ホール41に挿入する際に、駆動軸2の螺糸山部4は、挿入ホール41を通過して第1締結具40の先端外部に突出しなければ、この螺糸山部4に締付キャップ6を締結できなくなる。従って、長軸長L1が最も長い駆動軸2(即ち、80mm)を考慮するとき、第1締結具40の挿入ホール41は、最大80mm未満の長軸長に形成されなければ、この挿入ホール41に駆動軸2を結合する際に、挿入ホール41の外部(即ち、締結具40の外部)に螺糸山部4が突出できるようになる。
【0088】
そして、現在家庭用又は営業用として生産販売されている大半の扇風機の場合、そのモータ駆動軸2の外径は2~10mm範囲内で製造されている。従って、外径が最も小さな駆動軸2(2mm)を考慮するとき、第1締結具40は、その挿入ホール41が最小2mmを超える内径からならなければ、扇風機のモータ1の駆動軸2がこの挿入ホール41に挿入できなくなる。
【0089】
第1凹溝部45は、第1締結具40の一面に挿入ホール41を中心に相互対称構造に形成されるフィンガーストップ結合溝であって、第1締結具40の挿入ホール41に扇風機のモータ1の駆動軸2を挿入すれば、この駆動軸2の後端部に突出して形成されている一対のフィンガーストップ3が第1凹溝部45に挿入結合される。
【0090】
このような第1凹溝部45とフィンガーストップ3間の結合により駆動軸2の回転力が第1締結具40に伝達されることができ、扇風機をオン(On)させる場合、モータ1の駆動に連動して第1締結具40が軸回転し、これにより上部ディスク60と下部ディスク10の回転動作を誘発させることによって、本発明のファンユニットの旋風及び空気浄化機能を遂行できる。
【0091】
好適な実施例によれば、本発明のファンユニットは、第1凹溝部45の他に第2凹溝部46を更に含むことができる。
【0092】
図7は、本発明に係る第1締結具及びこれに形成された挿入ホールと第1、2、3凹溝部を示す上側面図であり、図8(a)、(b)、(c)は、本発明に係る第1、2、3凹溝部の特徴を説明する締結具の断面図である。
【0093】
図7及び図8を参照する。第2凹溝部46は、第1締結具40の一面に挿入ホール41を中心に相互対称構造に形成されるフィンガーストップ結合溝であって、その機能は第1凹溝部45と同一である。そして、第1凹溝部45と第2凹溝部46は、凹溝の深さP1、P2が互いに異なることを特徴とする。
【0094】
換言すれば、第2凹溝部46の下面B2と第1凹溝部45の下面B1は、挿入ホール41の一側終端C1を基準に互いに異なる高さに位置するように構成される。例えば、図8の場合、第1凹溝部45の下面B1は挿入ホール41の下端C1から「H1」の高さに位置し、第2凹溝部46の下面B2は挿入ホール41の下端C1から「H2」の高さに位置するように構成される。
【0095】
従って、第2凹溝部46の下面B2が第1凹溝部45の下面B1よりも第1締結具40の下端C1に、より近接するように位置する。即ち、本発明の凹溝部は、その深さが深いほど、該当凹溝部の下面は第1締結具40の下側終端C1に、より近接するように位置する。
例えば図8の場合、第2凹溝部46の深さP2が第1凹溝部45の深さP1よりも深く形成されているため、第2凹溝部46の下面B2が第1凹溝部45の下面B1よりも第1締結具40の下端C1に、より近接して位置する。
【0096】
更に本発明のファンユニットは、第3凹溝部47、第4凹溝部、...、第N凹溝部を更に含むことができる。前記の場合、第3凹溝部47は、第1締結具40の一面に挿入ホール41を中心に相互対称構造に形成されるフィンガーストップ結合溝であって、その機能は第1凹溝部45と同一である。そして、第1、2、3及び第N凹溝部は、凹溝の深さが何れも異なるように形成される。なお、図8の例示の場合、第1凹溝部45、第2凹溝部46、第3凹溝部47の順に凹溝の深さP1、P2、P3は更に深くなり、その下面B1、B2、B3の高さH1、H2、H3はより低くなるように構成した。
【0097】
従って、第2凹溝部46の下面B2が第1凹溝部45の下面B1よりも第1締結具40の下端C1に、より近接するように位置し、第3凹溝部47の下面B3が第2凹溝部46の下面B2よりも第1締結具40の下端C1に、より近接して位置する。
【0098】
このように、第2凹溝部46ないし第N凹溝部を更に備える場合、以下のように、本発明のファンユニットに互換性を付与できるようになる。即ち、現在家庭用又は営業用として生産販売されている大半の扇風機の場合、そのモータ駆動軸2の長軸長L1は30~80mm範囲内で多様な長さに製造されている。従って、各扇風機は、製造会社別に螺糸山部4からフィンガーストップ3までの長さが異なる。
【0099】
一方、本発明のファンユニットのモータ駆動軸の結合構造を詳察すると、駆動軸が第1締結具40の挿入ホール41及び第2締結具70の挿入ホール71を順次貫通した後、駆動軸の螺糸山部4が第2締結具70の外部に突出し、このように突出した螺糸山部4に締付キャップ6を螺合することによって、第1、2締結具40、70が駆動軸に連結されて固定された状態になる。
【0100】
そして、各扇風機は製造会社別に駆動軸の長軸長L1が多数タイプに存在するため、このように、駆動軸の多様な長軸長L1と関係なく、第1締結具40をモータ駆動軸に結合して固定させなければならない。
【0101】
ところが、本発明のファンユニットは、第1締結具40に第1凹溝部45の他に第2凹溝部46、第3凹溝部47のように多様な深さP1、P2、P3の凹溝部を形成することによって、1つのファンユニットで多様な駆動軸長L1に弾力的に対応できるようになる。
【0102】
例えば、70mmの長軸長L1の駆動軸aを有する扇風機aの場合、第1凹溝部45に該当駆動軸aのフィンガーストップを結合させることによって、本発明のファンユニットを扇風機aに装着でき、50mmの長軸長L1の駆動軸bを有する扇風機bの場合、第2凹溝部46に該当駆動軸bのフィンガーストップを結合させることによって、本発明のファンユニットを扇風機bに装着できるようになる。
【0103】
従って、本発明のファンユニットによれば、異なる深さに構成された多数の凹溝部のうち、使用者の扇風機の駆動軸の長軸長L1に合う凹溝部を選択して適用でき、1つのファンユニットで製造会社別に多様な扇風機に互換使用できるようになる。
【0104】
結局のところ、本発明のファンユニットは、日常生活で頻繁に用いる扇風機に特化した構造に構成されることによって、扇風機の種類に関係なく、従来の扇風機のファンを取り外し、その代わりに、本発明のファンユニットを装着しさえすれば、従来の扇風機を空気清浄機にも転用できるようになる。
【0105】
本発明の第2締結具70は、上部ディスク60と下部ディスク10を互いに結合させるための構成であって、モータの駆動軸が挿通できるように、その中心部に挿入ホール71が形成されている。なお、第2締結具70は、第1締結具40と同じ形状及び構造に形成しても構わない。
【0106】
一実施例によれば、第1締結具40に複数の締結孔48が形成され、第2締結具70も複数の締結孔78が形成されることができる。前記の場合、第1締結具40の締結孔48を貫通して第2締結具70の締結孔78に螺合される長螺子によって、第1締結具40と第2締結具70が互いに結合されることができ、これにより上部ディスク60と下部ディスク10が互いに組み立てられて1つのファンユニットを構成できる。
【0107】
本発明の支持台50は、下部ディスク10の中心軸上に挿入ホール41が位置するように第1締結具40を支持固定する構成であって、一端部は第1締結具40に接続され、他端部は下部ディスク10又は上部ディスク60に接続される棒状部材に形成されることができる。
なお、図1ないし図4の実施例の場合、支持台50の一端部は第1締結具40に接続され、他端部は下部ディスク10に接続され、下部ディスク10の中心部に第1締結具40が固定されるように構成する。
【0108】
支持台50を棒状部材で構成する場合、支持台50は多数備えられることができ、多数の支持台50は、第1締結具40を中心に放射状又は十字状に延びている構造に構成できる。
【0109】
本発明のファンユニットが第2締結具70を更に含む場合、上部ディスク60の中心軸上に第2締結具70が位置するようにこれを支持する支持台53を更に含むことができる。前記の場合、支持台53の一端部は第2締結具70に接続され、他端部は上部ディスク60に接続される棒状部材からなり、上部ディスク60の中心部に第2締結具70を固定させることができる。
【0110】
一方、上部ディスク60に第2空気流入口63が形成されない場合、前述した別途の支持台53なしに、上部ディスク60の板体のうち、中心部領域に第2締結具70が付着ないし装着されているか、又は一体に成形されて備えられることができる。
【0111】
図9は、本発明の更に他の実施例として多数のブレードを更に備える扇風機用ファンユニットの斜視図である。
【0112】
図9を参照する。本発明のブレード80は、第1空気流入口13の領域に備えられ、扇風機のモータ1の駆動による回転力により下部ディスク10の中心を軸に回転するように構成される。
【0113】
一実施例によれば、ブレード80は、図9に示すように、下部ディスク10に対して所定角度で傾斜するように配置される板体で構成されることができる。前記の場合、ブレード80は、多数備えられ、支持台50にそれぞれ下方傾斜構造に形成されることができる。
【0114】
このように、本発明のファンユニットにブレード80を更に形成すれば、下部ディスク10の回転時にブレード80も共に回転し、このとき、ブレード80の回転により外部空気のファンユニットへの流入が促進され、本発明のファンユニットの空気清浄性能、即ち単位時間当りの吸入量を更に向上させることができる。
【0115】
以下、図10及び図11を参照して、本発明のファンユニットが装着されている扇風機組立体の空気浄化動作について説明する。
【0116】
図10は、本発明に係るファンユニットを備える扇風機組立体の分解斜視図であり、図11は、本発明に係るファンユニットを備える扇風機組立体の上側断面図である。
【0117】
まず、本発明のファンユニットが装着されている扇風機をオン(On)させると、モータ1の駆動に連動してこのモータ1に結合された第1締結具40が軸回転され、これにより、上部及び下部ディスク10の回転動作が誘発される。
【0118】
本発明のファンユニットの回転が開始すると、ファンユニットの回転力によりファンユニットの内部の空気が外部へ排出され、これによりファンユニットの中心部とファンユニットの外部間に気圧差が発生し、外部の空気は図11の矢印方向D1、D2のように、第1、2空気流入孔15、65を介してファンユニットの内部に流入する。
【0119】
このとき、前述したように、第1空気流入口13の総面積(K1)が第2空気流入口63の総面積(K2)よりも大きく形成すると、第2空気流入口63に比べて第1空気流入口13を介して吸入される空気量がより多くなり、特に扇風機のモータヘッド側に流れる気流が更に強く発生して、扇風機のモータヘッドの過熱即ち、前述した限界温度の超過問題を防止できるようになる。
【0120】
一方、ファンユニットは、この中心部から外側へ向かうほど、遠心力が急激に上昇してファンユニットの最外郭にある集塵フィルタ20の位置で風圧が最も高く形成される。これにより、ファンユニットの中心部に流入した空気は、集塵フィルタ20を円滑に通過し、微小粒子状物質などが効果的に濾過された後、ファンユニットの両側面の方向D3に排出される。
【0121】
前述したような本発明のファンユニットは、通常の扇風機に備えられているモータ1の駆動軸2に結合されている扇風機組立体の形状に提供されることができる。前記の場合、本発明の扇風機組立体は、空気通過孔が形成されており、内部にファンユニットが収容されるファン保護網5と、駆動軸2が接続されており、この駆動軸2の軸回転を起こすモータ1、及びこのモータ1の駆動軸2に結合されて駆動軸2の軸回転時にこれに連動して回転する本発明のファンユニットを含んで構成されることができる。
【0122】
以上、本発明の好適な実施例について特定の用語を使用して説明及び図示したが、そのような用語は、単に本発明を明確に説明するためのものであり、本発明の実施例及び記述された用語は、以下の請求範囲の技術的思想及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変化が加えられることは自明である。このように変形された実施例は、本発明の思想及び範囲と別個に理解されてはならず、本発明の請求範囲内に属する。
【符号の説明】
【0123】
1 扇風機のモータ
2 扇風機のモータの駆動軸
3 フィンガーストップ
6 締付キャップ
10 下部ディスク
13 第1空気流入口
20 集塵フィルタ
40 第1締結具
41 第1締結口の挿入ホール
45 第1凹溝部
46 第2凹溝部
50、53 支持台
60 上部ディスク
63 第2空気流入口
70 第2締結具
71 第2締結口の挿入ホール
80 ブレード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図9
図10
図11
【国際調査報告】