(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】タッチセンサ-アンテナモジュール及びそれを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220105BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20220105BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20220105BHJP
H01Q 9/40 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G06F3/041 400
H01Q1/38
H01Q21/08
H01Q9/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518436
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(85)【翻訳文提出日】2021-04-02
(86)【国際出願番号】 KR2019012450
(87)【国際公開番号】W WO2020071679
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】10-2018-0119061
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(71)【出願人】
【識別番号】520337569
【氏名又は名称】ポステック リサーチ アンド ビジネス デベロップメント ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】POSTECH RESEARCH AND BUSINESS DEVELOPMENT FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】(Jigok-dong) 77, Cheongam-ro, Nam-gu, Pohang-si, Gyeongsangbuk-do 37673 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】オ, ユン セオク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク, ドン ピル
(72)【発明者】
【氏名】ホン, ウォン ビン
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA07
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB06
5J021HA10
5J021JA07
5J046AA03
5J046AA12
5J046AB06
5J046AB13
5J046PA07
(57)【要約】
本発明の実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールは、基材層と、基材層の上面の中央部上に配置されるタッチセンサ電極層と、前記基材層の上面の周辺部上に配置され、前記タッチセンサ電極層と同じ層上に配置されるアンテナパターンとを含む。これにより、タッチセンサ電極層及びアンテナパターンの相互干渉を低減するとともに、信号信頼性及び工程効率を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、
前記基材層の上面の中央部上に配置されるタッチセンサ電極層と、
前記基材層の上面の周辺部上に配置され、前記タッチセンサ電極層と同じ層上に配置されるアンテナパターンとを含む、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項2】
前記タッチセンサ電極層は、複数のセンシング電極と、前記複数のセンシング電極と電気的に接続されるトレースとを含む、請求項1に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項3】
前記アンテナパターンは、前記基材層の前記周辺部における前記トレースの配列のための領域を除いた一部の領域に配列される、請求項2に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項4】
前記複数のセンシング電極が配列される領域によって活性領域が定義され、前記アンテナパターンのうちの少なくとも一つは、前記活性領域内に延長する、請求項2に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項5】
前記複数のセンシング電極は、行方向に配列される第1センシング電極と、列方向に配列される第2センシング電極とを含み、
隣り合う一対の前記第1センシング電極および隣り合う一対の前記第2センシング電極によって第1センシングユニットが定義される、請求項4に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項6】
前記活性領域の外郭部に配置された前記第1センシングユニットにおける少なくとも一つのセンシング電極が省略されて第2センシングユニットが定義され、
前記アンテナパターンのうちの少なくとも一つは、前記第2センシングユニットにおける前記少なくとも一つのセンシング電極が省略された空間に位置する、請求項5に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項7】
前記トレースは、前記複数のセンシング電極のそれぞれから分岐して延長し、前記トレースは、前記複数のセンシング電極が配列された前記基材層の前記中央部に共に配置される、請求項2に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項8】
前記アンテナパターン及び前記複数のセンシング電極は、同じメッシュ構造を含む、請求項2に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項9】
前記アンテナパターンは、放射電極と、パッドと、前記放射電極及び前記パッドを電気的に接続する伝送線路とを含む、請求項1に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項10】
前記パッドは、前記伝送線路と接続される信号パッドと、前記信号パッドと離隔され、前記伝送線路と電気的に分離されたグランドパッドとを含む、請求項9に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項11】
前記信号パッドを挟んで一対の前記グランドパッドが向かい合って配置される、請求項10に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項12】
前記基材層は、前記アンテナパターンの誘電層で提供される、請求項1に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項13】
前記基材層の底面上に配置されるグランド層をさらに含む、請求項1に記載のタッチセンサ-アンテナモジュール。
【請求項14】
請求項1に記載のタッチセンサ-アンテナモジュールを含む、ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ-アンテナモジュール及びそれを含むディスプレイ装置に関する。より詳細には、アンテナパターン及びタッチセンサ層を含むタッチセンサ-アンテナモジュール、並びにそれを含むディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会が進展するにつれて、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの無線通信技術がディスプレイ装置と結合され、例えばスマートフォンの形で実現されている。この場合には、アンテナが前記ディスプレイ装置に結合され、通信機能を実行することができる。
【0003】
最近の移動通信技術が進化しつつ、例えば3G~5Gに相当する超高周波帯域の通信を行うためのアンテナが前記ディスプレイ装置に結合される必要がある。
【0004】
その一方で、画面に表示される指示内容を人の手や物体で選択し、ユーザの命令を入力する入力装置であるタッチパネルまたはタッチセンサをディスプレイ装置と結合することで、画像表示機能及び情報入力機能を共に実現した電子機器が開発されている。例えば、韓国特許公開第2014-0092366号のように、様々な画像表示装置にタッチセンサが結合されたタッチスクリーンパネルが開発されている。
【0005】
一つのディスプレイ装置内にアンテナ及びタッチセンサが共存することにより、例えば、相互の信号干渉によってアンテナの望ましいゲイン特性が低下することがあり、所望の周波数を受信するためのインピーダンス特性が妨害されることがある。また、アンテナ及びタッチセンサにそれぞれ含まれる微細電極形成のためのパターニング工程が繰り返されるので、工程の複雑さが増加することがある。
【0006】
例えば、韓国特許公開第2003-0095557号では、携帯用端末に内蔵されるアンテナ構造を開示しているが、タッチセンサのような他の電気素子との整合性を考慮していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、向上した信号送受信の信頼性及び効率性を有するタッチセンサ-アンテナモジュールを提供することである。
【0008】
本発明の課題は、向上した信号送受信の信頼性及び効率性を有するタッチセンサ-アンテナモジュールを含むディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1.基材層と、前記基材層の上面の中央部上に配置されるタッチセンサ電極層と、前記基材層の上面の周辺部上に配置され、前記タッチセンサ電極層と同じ層上に配置されるアンテナパターンとを含む、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0010】
2.前記項目1において、前記タッチセンサ電極層は、複数のセンシング電極と、前記複数のセンシング電極と電気的に接続されるトレースとを含む、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0011】
3.前記項目2において、前記アンテナパターンは、前記基材層の前記周辺部における前記トレースの占有領域を除いた領域に配列される、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0012】
4.前記項目2において、前記複数のセンシング電極が占有する領域によって活性領域が定義され、前記アンテナパターンのうちの少なくとも一つは、前記活性領域内に延長する、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0013】
5.前記項目4において、前記複数のセンシング電極は、行方向に配列される第1センシング電極と、列方向に配列される第2センシング電極とを含み、
隣り合う2つの前記第1センシング電極及び2つの前記第2センシング電極によって第1センシングユニットが定義される、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0014】
6.前記項目5において、前記活性領域の外郭部に配置された前記第1センシングユニットにおける少なくとも一つのセンシング電極が省略されて第2センシングユニットが定義され、
前記アンテナパターンのうちの少なくとも一つは、前記第2センシングユニットにおける前記少なくとも一つのセンシング電極が省略された空間に位置する、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0015】
7.前記項目2において、前記トレースは、前記複数のセンシング電極のそれぞれから分岐して延長し、前記トレースは、前記複数のセンシング電極が配列された前記基材層の前記中央部に共に配置される、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0016】
8.前記項目2において、前記アンテナパターンおよび前記複数のセンシング電極は、同じメッシュ構造を含む、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0017】
9.前記項目1において、前記アンテナパターンは、放射電極と、パッドと、前記放射電極及び前記パッドを電気的に接続する伝送線路とを含む、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0018】
10.前記項目9において、前記パッドは、前記伝送線路と接続される信号パッドと、前記信号パッドと離隔され、前記伝送線路と電気的に分離されたグランドパッドとを含む、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0019】
11.前記項目10において、前記信号パッドを挟んで一対の前記グランドパッドが配置される、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0020】
12.前記項目1において、前記基材層は、前記アンテナパターンの誘電層で提供される、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0021】
13.前記項目1において、前記基材層の底面上に配置されるグランド層をさらに含む、タッチセンサ-アンテナモジュール。
【0022】
14.前記項目1~13のいずれかに記載のタッチセンサ-アンテナモジュールを含む、ディスプレイ装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態によると、タッチセンサ-アンテナモジュールは、複数のアンテナパターンをアレイの形で含む。これにより、放射直進性(directivity)及びゲイン(gain)を向上させることができる。
【0024】
前記アンテナパターンは、タッチセンサの電極パターンと同じ層または同じレベル上に配置されるので、前記タッチセンサの電極パターンによる相互干渉から自由であり、パターニング工程の数を削減することができる。
【0025】
前記アンテナパターンに含まれた伝送線路は、前記タッチセンサに含まれたトレース領域を回避して配列することができる。これにより、前記タッチセンサの前記トレースによる信号妨害及びインピーダンスミスマッチを防止し、アンテナパターンの放射信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールを示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態に係るアンテナパターンを示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールを示す概略平面図である。
【
図4】
図4は、いくつかの例示的な実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールを示す概略平面図である。
【
図5】
図5は、いくつかの例示的な実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールを示す概略平面図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態に係るディスプレイ装置を説明するための概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態は、タッチセンサの電極パターン及びアンテナパターンが同じ層または同じレベルに位置するように結合されたタッチセンサ-アンテナモジュールを提供する。また、前記タッチセンサ-アンテナモジュールにより、信号信頼性、信号効率が向上したディスプレイ装置が提供される。
【0028】
図1は、例示的な実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールを示す概略断面図である。
【0029】
図1を参照すると、前記タッチセンサ-アンテナモジュールは、基材層100上に配置されたアンテナ電極層110及びタッチセンサ電極層200を含むことができる。
【0030】
基材層100は、タッチセンサ電極層200及びアンテナ電極層110の形成のためにベース層として用いられるフィルムタイプの基材、またはタッチセンサ電極層200及びアンテナ電極層110が形成される対象体を包括する意味として使用される。
【0031】
例えば、基材層100は、タッチセンサに通常使用される基板、またはフィルム素材を特に制限なく用いることができ、例えば、ガラス、高分子及び/又は無機絶縁物質を含むことができる。前記高分子の例としては、環状オレフィン重合体(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリアリレート(polyallylate)、ポリイミド(PI)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、ポリエーテルスルホン(PES)、セルローストリアセテート(TAC)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが挙げられる。前記無機絶縁物質の例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、金属酸化物などが挙げられる。
【0032】
前記タッチセンサが挿入される画像表示装置の層またはフィルム部材を基材層100で提供することもできる。例えば、ディスプレイパネルに含まれるエンキャプセレーション層またはパッシベーション層などを基材層100で提供することもできる。
【0033】
基材層100は、実質的に単層で提供でき、少なくとも2層以上の複層構造を含むこともできる。
【0034】
タッチセンサ電極層200は、基材層100の中央部に配置することができる。タッチセンサ電極層200は、タッチセンシングを実現するためのセンシング電極と、前記センシング電極と電気的に接続されるトレースとを含むことができる。前記センシング電極とトレースの構成/配列については、
図3~
図5で詳細に説明することとする。
【0035】
アンテナ電極層110は、基材層100の周辺部上に形成することができる。アンテナ電極層110は、複数のアンテナパターンを含み、前記アンテナパターンの構造については、
図2で詳細に後述する。
【0036】
例示的な実施形態によると、基材層100は、アンテナ電極層110の誘電層で提供することができる。
【0037】
基材層100内で静電容量(capacitance)又はインダクタンス(inductance)が形成され、アンテナ電極層110に含まれた前記アンテナパターンが駆動又はセンシングできる周波数帯域を調節することができる。前記アンテナパターンは、例えば、3G~5G移動通信のための通信機器またはディスプレイ装置に適用できる。
【0038】
いくつかの実施形態において、基材層100の誘電率は、約1.5~12の範囲に調節することができる。前記誘電率が約12を超えると、駆動周波数が減少しすぎて、前述した高周波帯域でのアンテナ駆動を実現できないことがある。好ましくは、基材層100の誘電率は約2~12の範囲であってもよい。
【0039】
図1に示すように、アンテナ電極層110及びタッチセンサ電極層200は、同じ層または同じレベル上に位置し、基材層100の上面上に共に配列することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、アンテナ電極層110及びタッチセンサ電極層200の上にパッシベーション層160をさらに形成することもできる。パッシベーション層160は、シリコン酸化物、シリコン窒化物などの無機絶縁物質、またはアクリル系樹脂、シロキサン系樹脂などの有機絶縁物質を含むことができる。
【0041】
前記タッチセンサ-アンテナモジュールは、基材層100及び/又はパッシベーション層160と共にフィルムまたはパッチ(patch)タイプで製造することができる。これにより、薄型フィルム又はパッチの形でスマートフォンのような画像表示装置に容易に挿入することができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、基材層100の底面上にはグランド層90を配置することができる。グランド層90は、金属または透明導電性酸化物(例えば、ITO、IZOなど)を含むことができる。
【0043】
一実施形態において、前記タッチセンサ-アンテナモジュールが実装される前記画像表示装置の導電性部材をグランド層90で提供することもできる。前記導電性部材は、例えば、ディスプレイパネルに含まれた薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極、スキャンラインまたはデータラインのような各種配線、若しくは画素電極、共通電極のような各種電極などを含むことができる。
【0044】
図2は、例示的な実施形態に係るアンテナパターンを示す概略平面図である。
【0045】
図2を参照すると、各アンテナパターンは、放射電極120と伝送線路130とパッド140とを含むことができる。パッド140は、信号パッド142とグランドパッド144とを含むことができる。
【0046】
放射電極120は、例えば、多角形プレート形状を有し、伝送線路130は、放射電極120の1つの辺の中央部から延長され、信号パッド142と電気的に接続することができる。伝送線路130は、放射電極120と実質的に一体の単一部材として形成することができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、信号パッド142を挟んで一対のグランドパッド144を配置することができる。グランドパッド144は、信号パッド142及び伝送線路130と電気的に分離できる。例えばグランドパッド144は、
図1に示されるグランド層90と電気的に接続され、ノイズを外部に放出することができる。
【0048】
放射電極120、伝送線路130及び/又はパッド140は、それぞれ、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、又はこれらの合金を含むことができる。これらは単独であるいは2以上を組み合わせて用いることができる。例えば、放射電極120は低抵抗の実現のために、銀(Ag)または銀合金を含むことができ、例えば、銀-パラジウム-銅(APC)合金を含むことができる。
【0049】
一実施形態において、放射電極120は、前述の金属を含むメッシュ構造で形成することもできる。これにより、前記アンテナパターンの透過度が増加し、放射電極120がディスプレイ装置のユーザに視認されることを防止することができる。
【0050】
図3は、例示的な実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールを示す概略平面図である。
【0051】
図3を参照すると、前記タッチセンサ-アンテナモジュールは、基材層100上に配列されたタッチセンサ電極層200(
図1参照)を含み、アンテナパターン150を含むことができる。前述のように、アンテナパターン150とタッチセンサ電極層200は、基材層100の上面上に共に配列することができる。
【0052】
タッチセンサ電極層200は、センシング電極220,230とトレース240,245とを含むことができる。センシング電極220,230は、第1センシング電極220と第2センシング電極230とを含み、相互静電容量(Mutual Capacitance)方式で駆動できるように配列することができる。
【0053】
トレース240,245は、第1トレース245と第2トレース240とを含むことができる。
【0054】
センシング電極220,230は、基材層100の上面の中央部に割り当てられたタッチセンシングのための活性領域(A)上に配列することができる。トレース240,245は、基材層100の上面の周辺部上に配置され、トレース領域(T)上において、後述する第1センシング電極行及び/又は第2センシング電極列から分岐して延長できる。
【0055】
第1センシング電極220は、例えば、基材層100の上面に平行な行方向(例えば、X方向)に沿って配列することができる。これにより、第1センシング電極220によって、前記第1方向に延長する第1センシング電極行を形成することができる。また、複数の前記第1センシング電極行を列方向(例えば、Y方向)に沿って配列することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、前記行方向に隣り合う第1センシング電極220は、つなぎ部225によって互いに物理的または電気的に接続することができる。例えば、つなぎ部225は、第1センシング電極220と同じレベルで、実質的に一体の単一部材として形成することができる。
【0057】
第2センシング電極230は、例えば、基材層100の上面に平行な前記列方向に沿って配列することができる。いくつかの実施形態において、第2センシング電極230は、それぞれ島(island)タイプの単位電極で、物理的に離隔していてもよい。この場合、前記列方向に隣り合う第2センシング電極230は、ブリッジ電極235によって互いに電気的に接続することができる。
【0058】
これにより、複数の第2センシング電極230により前記列方向に延長する第2センシング電極列を形成することができる。また、複数の前記第2センシング電極列を前記行方向に沿って配列することができる。
【0059】
例えば、つなぎ部225を少なくとも部分的に覆う絶縁パターン(図示せず)が形成され、ブリッジ電極235は、前記絶縁パターン上に形成され、前記列方向に隣り合う第2センシング電極230と接触または電気的に接続することができる。
【0060】
センシング電極220,230のそれぞれは、
図3に示すように菱形形状を有することができる。但し、センシング電極220,230の形状は、電極密度、回路設計、センシング感度などを考慮して適宜変更することができる。
【0061】
例えば、センシング電極220,230及び/又はブリッジ電極235は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、又はこれらの合金(例えば、銀-パラジウム-銅(APC))を含むことができる。これらは単独であるいは2以上を組み合わせて用いることができる。
【0062】
センシング電極220,230及び/又はブリッジ電極235は、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(ITZO)、カドミウムスズ酸化物(CTO)のような透明導電性酸化物を含むこともできる。
【0063】
いくつかの実施形態において、センシング電極220,230及び/又はブリッジ電極235は、透明導電性酸化物および金属の積層構造を含むことができる。例えば、センシング電極220,230及び/又はブリッジ電極235は、透明導電性酸化物層-金属層-透明導電性酸化物層の3層構造を有することもできる。この場合には、前記金属層によってフレキシブル特性が向上し、抵抗を下げて信号伝達速度が向上し、また前記透明導電性酸化物層によって耐腐食性、透明性が向上できる。
【0064】
いくつかの実施形態において、センシング電極220,230は、メッシュ構造を含むことができる。一実施形態において、センシング電極220,230及びアンテナパターン150の放射電極120は、実質的に同一形状のメッシュ構造を含むことができる。これにより、センシング電極220,230及びアンテナパターン150の視認性を共に低減することができる。
【0065】
第1トレース245は、前記第1センシング電極行のそれぞれから分岐できる。例えば、第1トレース245は、基材層100の前記行方向への両側部に割り当てられたトレース領域(T)上で分散されて延長できる。第2トレース240は、前記第2センシング電極列のそれぞれから分岐して延長できる。
【0066】
第1及び第2トレース240,245は、例えば、前記タッチセンサ層のパッド領域に集合し、タッチセンシング集積回路(IC)チップ250と電気的に接続することができる。タッチセンシングICチップ250により、センシング電極220,230によって検知された物理的信号が電気信号に変換され、タッチセンシングを実現することができる。
【0067】
アンテナパターン150は、
図2に示すように、放射電極120と伝送線路130とパッド140とを含むことができる。複数のアンテナパターン150は、前述したセンシング電極220,230及びトレース240,245と同じ層上に配置することができる。
【0068】
例示的な実施形態によると、アンテナパターン150は、基材層100の前記周辺部におけるトレース領域(T)を回避して配列することができる。いくつかの実施形態において、アンテナパターン150は、部分的に活性領域(A)上に位置することもできる。例えば、アンテナパターン150の放射電極120がセンシング電極220,230と重ならないように部分的に活性領域(A)内に延長することもできる。
【0069】
前述した例示的な実施形態によると、アンテナパターン150をセンシング電極220,230及びトレース240,245と同じ層上に配列するので、タッチセンサ電極層200及びアンテナ電極層110を実質的に単一のパターニング工程によって共に形成することができる。
【0070】
また、アンテナパターン150をタッチセンサ電極層200の上部または下部に配置する場合に発生する信号干渉または静電容量妨害を防止することができる。例えば、放射電極120がセンシング電極220,230と異なるレベルに位置する場合には、センシング電極220,230によって信号遮蔽がもたらされることがある。これに対して、例示的な実施形態によると、アンテナパターン150がセンシング電極220,230と同じレベルに位置するので、相互干渉が抑制され、独立した駆動を実質的に実現できる。
【0071】
また、アンテナパターン150は、トレース領域(T)を回避して配列されるので、トレース240,245から発生する信号妨害、インピーダンスミスマッチを防止することができる。
【0072】
アンテナ電極層110による直進性、放射強度の向上のために、複数のアンテナパターン150をアレイ(array)の形に配列することができる。
図3に示すように、複数のアンテナパターン150を、列方向及び行方向に沿ってトレース240,245が配列されていない基材層100の周辺部領域のみに選択的に配列することができる。
【0073】
図4は、いくつかの例示的な実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールを示す概略平面図である。
図3と実質的に同一または相当の構成及び構造については、詳細な説明を省略する。
【0074】
図4を参照すると、相互静電容量方式のタッチセンシングのために、隣接する一対の隣り合う第1センシング電極220及び一対の第2センシング電極230によって、4つのセンシング電極を含む第1センシングユニット(C1)が定義できる。
【0075】
活性領域(A)の外郭部に配置された第1センシングユニット(C1)の一部は、少なくとも一つのセンシング電極220,230が省略され、第2センシングユニット(C2)が定義できる。例えば、
図4に示すように、第1センシングユニット(C1)から一つの第1センシング電極220または1つの第2センシング電極230が省略され、第2センシング電極ユニット(C2)が定義できる。
【0076】
例示的な実施形態では、第2センシング電極ユニット(C2)における、前述したようにセンシング電極220,230が省略された領域にアンテナパターン150を配置することができる。これにより、相対的にタッチセンシングの頻度が減少する外郭部のセンシング電極が省略された空間によってアンテナパターン150の密度を増加させることができ、より向上した放射ゲインを確保することができる。
【0077】
図5は、いくつかの例示的な実施形態に係るタッチセンサ-アンテナモジュールを示す概略平面図である。
【0078】
図5を参照すると、タッチセンサ電極層200のセンシング電極260及びトレース265は、自己静電容量(Self Capacitance)方式で駆動されるように配列することができる。
【0079】
タッチセンサ電極層200は、それぞれ独立した島(island)パターンで提供され、活性領域(A)上に配列されるセンシング電極260を含むことができる。センシング電極260のそれぞれは、独立したセンシングドメインで提供され得る。トレース265は、それぞれのセンシング電極260から分岐して延長できる。トレース265の末端部は、基材層100の一端部で集合され、タッチセンシングICチップ250と電気的に接続できる。
【0080】
例示的な実施形態によると、トレース265は、活性領域(A)内においてセンシング電極260と共に配置することができる。これにより、
図3に示すような基材層100の両側部に割り当てられたトレース領域(T)を実質的に除去又は縮小することができる。
【0081】
除去または縮小されたトレース領域(T)によって、基材層100の周辺部を通じてアンテナパターン150が配置され得る領域が増加できる。これにより、より強化された放射ゲイン及び放射直進性を確保することができる。
【0082】
図6は、例示的な実施形態に係るディスプレイ装置を説明するための概略平面図である。例えば、
図6は、ディスプレイ装置のウインドウを含む外部形状を示している。
【0083】
図6を参照すると、ディスプレイ装置300は、表示領域310及び周辺領域320を含むことができる。周辺領域320は、例えば、表示領域310の両側部及び/又は両端部に配置することができる。周辺領域320は、例えば、画像表示装置の遮光部又はベゼル部に相当し得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、前述のタッチセンサ-アンテナモジュールは、ディスプレイ装置300の表示領域310及び周辺領域320に渡って配置し、タッチセンサ電極層210のセンシング電極は、表示領域310内に配列することができる。
【0085】
図3~
図5に示すように、アンテナパターン150は、前記タッチセンサ-アンテナモジュールの周辺部に沿って配置することができ、周辺領域320に位置することができる。例えば、アンテナパターン150のパッド140及びタッチセンサ電極層200のトレース240,245を周辺領域320内に配置することができる。
【0086】
また、周辺領域320には、タッチセンシングICチップ250及びアンテナ駆動ICチップを配置することができる。アンテナパターンのパッド140を周辺領域320内でアンテナ駆動ICチップと隣接するように配置することにより、信号の送受信経路を短縮して信号損失を抑制することができる。
【0087】
いくつかの実施形態において、アンテナパターン150に含まれた放射電極120の少なくとも一部は、表示領域310内に配置することができる。この場合、放射電極120は、メッシュ構造を含むように形成して放射電極120の視認性を低減することができる。
【国際調査報告】