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特表2022-504162電解反応器及び電解反応器を動作させる方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】電解反応器及び電解反応器を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/023 20210101AFI20220105BHJP
   C25B 15/00 20060101ALI20220105BHJP
   C25B 15/027 20210101ALI20220105BHJP
   C25B 9/19 20210101ALI20220105BHJP
   C25B 9/67 20210101ALI20220105BHJP
   C25B 9/77 20210101ALI20220105BHJP
   C25B 9/65 20210101ALI20220105BHJP
   F02D 19/02 20060101ALI20220105BHJP
   C25B 15/021 20210101ALI20220105BHJP
   C25B 9/70 20210101ALI20220105BHJP
【FI】
C25B15/023
C25B15/00 302Z
C25B15/027
C25B9/19
C25B9/67
C25B9/77
C25B9/65
F02D19/02 B
C25B15/021
C25B9/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021518445
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(85)【翻訳文提出日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 CA2019051427
(87)【国際公開番号】W WO2020069628
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】62/741,637
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】520116698
【氏名又は名称】ダイナサート インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディーロン、ベーピンデルプリート
(72)【発明者】
【氏名】シン、グルジャント
【テーマコード(参考)】
3G092
4K021
【Fターム(参考)】
3G092AB09
3G092BB01
3G092EA01
3G092FA01
3G092HB04Z
4K021AA01
4K021BA02
4K021BA17
4K021BC05
4K021BC09
4K021CA05
4K021CA12
4K021CA15
4K021DB31
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC01
4K021DC03
4K021EA06
(57)【要約】
本明細書に開示される様々な実施例は、電解反応器の構成を変更するシステム及び方法に関する。少なくとも1つの実施例では、システムは、複数の電解セルを具備する電解反応器組立体を備え、電解反応器組立体は、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成される。システムはまた、電解反応器組立体に結合された少なくとも1つの切替要素、制御ユニット、及び制御ユニットに結合された監視システムを備え、監視システムは、電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を監視するように構成される。制御ユニットは、監視システムによって監視される電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性に基づいて、少なくとも2つの動作モード間で電解反応器組立体の構成を変更するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解反応器の構成を変更するシステムであって、該システムは、
複数の電解セルを具備する電解反応器組立体であって、前記複数の電解セルは、電解質溶液に対して電気分解を実行するように構成され、前記電解反応器組立体は、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成される、電解反応器組立体と、
前記電解反応器組立体と結合された、少なくとも1つの切替要素と、
前記少なくとも1つの切替要素及び前記電解反応器組立体と動作可能に結合された、制御ユニットと、
前記制御ユニット、前記電解反応器組立体、及び前記少なくとも1つの切替要素と結合された監視システムであって、前記監視システムは、前記電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を監視するように構成される、監視システムと
を備え、前記制御ユニットは、前記監視システムによって監視される前記電解反応器組立体の前記少なくとも1つの属性に基づいて、前記少なくとも2つの動作モード間で前記電解反応器組立体の前記構成を変更するように構成される、システム。
【請求項2】
前記監視システムは、前記電解反応器組立体に関連する周囲温度を監視するように構成された温度センサを備え、前記制御ユニットは、前記周囲温度に基づいて前記電解反応器組立体の前記構成を変更するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記温度センサは、前記電解反応器組立体の近傍に位置する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記監視システムは、前記電解反応器組立体による消費電流を監視するように構成された電流センサを備え、前記制御ユニットは、前記電解反応器組立体による前記消費電流に基づいて、前記電解反応器組立体の前記構成を変更するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電解反応器組立体のガス生成速度は、前記電解反応器組立体の前記消費電流に基づいて判定される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の電解セルは、第1のセル・ユニットと第2のセル・ユニットとの間で分割され、前記第1のセル・ユニット及び前記第2のセル・ユニットは、互いに並列に配置され、前記第1のセル・ユニット及び前記第2のセル・ユニットのそれぞれの前記電解セルは、互いに直列に配置されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のセル・ユニット及び前記第2のセル・ユニットは、共通の負電気を共有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のセル・ユニット及び前記第2のセル・ユニットのそれぞれは、6個の電解セルを備える、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの切替要素は、
前記第1のセル・ユニット内の6個の電解セル、及び前記第2のセル・ユニット内の6個の電解セルに結合された、第1の切替要素と、
前記第1のセル・ユニット内の5個の電解セル、及び前記第2のセル・ユニット内の5個の電解セルに結合された、第2の切替要素と、
前記第1のセル・ユニット内の4個の電解セル、及び前記第2のセル・ユニット内の4個の電解セルに結合された、第3の切替要素と、
前記第1のセル・ユニット内の3個の電解セル、及び前記第2のセル・ユニット内の3個の電解セルに結合された、第4の切替要素と
のうちの少なくとも1つを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第1の信号に基づいて前記第1の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第1の動作モードで動作させるように構成され、前記第1の信号は、前記周囲温度が第1の所定の温度範囲内にあることを示す、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第1の信号に基づいて前記第1の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第1の動作モードで動作させるように構成され、前記第1の信号は、前記電解反応器組立体の前記消費電流が第1の所定の消費電流の範囲内にあることを示す、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第2の信号に基づいて前記第2の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第2の動作モードで動作させるように構成され、前記第2の信号は、前記周囲温度が第2の所定の温度範囲内にあることを示し、前記第2の所定の温度範囲は、前記第1の所定の温度範囲よりも低い、請求項9から11までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第2の信号に基づいて前記第2の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第2の動作モードで動作させるように構成され、前記第2の信号は、前記電解反応器組立体の前記消費電流が第2の所定の消費電流の範囲内にあることを示し、前記第2の所定の消費電流の範囲は、前記第1の所定の消費電流の範囲よりも低い、請求項9から11までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させることにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるよりも多くの熱を発生させる、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第3の信号に基づいて前記第3の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第3の動作モードで動作させるように構成され、前記第3の信号は、前記周囲温度が第3の所定の温度範囲内にあることを示し、前記第3の所定の温度範囲は、前記第2の所定の温度範囲よりも低い、請求項9から14までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第3の信号に基づいて前記第3の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第3の動作モードで動作させるように構成され、前記第3の信号は、前記電解反応器組立体の前記消費電流が第3の所定の消費電流の範囲内にあることを示し、前記第3の所定の消費電流の範囲は、前記第2の所定の消費電流の範囲よりも低い、請求項9から14までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させることにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード又は前記第2の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるよりも、多くの熱を発生させる、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第4の信号に基づいて前記第4の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第4の動作モードで動作させるように構成され、前記第4の信号は、前記周囲温度が前記第3の所定の温度範囲内にあることを示す、請求項9から17までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第4の信号に基づいて前記第4の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第4の動作モードで動作させるように構成され、前記第4の信号は、前記電解反応器組立体の前記消費電流が前記第3の所定の消費電流の範囲内にあることを示す、請求項9から17までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させることにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード、前記第2の動作モード、又は前記第3の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるよりも、多くの熱を発生させる、請求項18又は19に記載のシステム。
【請求項21】
前記監視システムはさらに、内燃機関の1つ又は複数の動作状態を監視するように構成され、前記制御ユニットは、少なくとも前記内燃機関の前記1つ又は複数の動作状態に基づいて、前記少なくとも1つの切替要素を制御するように構成される、請求項1から20までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
電解反応器の構成を変更する方法であって、前記電解反応器は、複数の電解セルを具備する電解反応器組立体を備え、前記電解反応器組立体は、電解質溶液に対して電気分解を実行し、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成され、前記方法は、
監視システムによって、電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を判定するステップと、
前記監視システムに結合された制御ユニットによって、前記少なくとも1つの属性を分析するステップと、
前記制御ユニットによって、前記少なくとも1つの属性に基づいて、前記電解反応器組立体に関連する動作モードを決定するステップと、
少なくとも1つの切替要素を使って、前記電解反応器の前記構成を、前記制御ユニットで決定された前記動作モードに変更するステップと
を含む、方法。
【請求項23】
第1の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第1の所定の数の電解セルと結合するステップと、
第2の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第2の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第2の所定の数の電解セルは、前記第1の所定の数の電解セルより少数であるステップと、
第3の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第3の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第3の所定の数の電解セルは、前記第2の所定の数の電解セルより少数であるステップと、
第4の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第4の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第4の所定の数の電解セルは、前記第3の所定の数の電解セルより少数であるステップと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記監視システムからの第1の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第1の所定の温度範囲を識別する場合、前記第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記監視システムからの第1の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第1の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記監視システムからの第2の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第2の所定の温度範囲を識別する場合、前記第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第2の所定の温度範囲は、前記第1の所定の温度範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項23から25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記監視システムからの第2の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第2の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第2の所定の消費電流の範囲は、前記第1の所定の消費電流の範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項23から25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムが、前記第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも多くの熱を発生させる、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第3の所定の温度範囲を識別する場合、前記第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第3の所定の温度範囲は、前記第2の所定の温度範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項23から28までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第3の所定の消費電流の範囲は、前記第2の所定の消費電流の範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項23から28までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード又は前記第2の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記監視システムからの第4の信号が、前記電解反応器組立体に関連する前記第3の所定の温度範囲を識別する場合、前記第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項23から31までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する前記第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項23から31までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード、前記第2の動作モード、又は前記第3の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記電解反応器は内燃機関に結合され、前記電解反応器内で使用される前記電解質溶液は水であり、前記方法は、
内燃機関に関連する1つ又は複数の動作状態を検出するステップであって、前記内燃機関は、炭素ベースの燃料、水素ガス、及び酸素ガスの混合物を燃焼するように構成されるステップと、
前記制御ユニットで、前記内燃機関がより多量の水素ガスを必要とするかどうかを判定するステップと、
前記内燃機関がより多量の前記水素ガスを必要とする場合、前記第2の切替要素、前記第3の切替要素、及び前記第4のスイッチ要素のうちの少なくとも1つを作動させるステップと
をさらに含む、請求項23から34までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
コンピュータが実行可能な命令を格納するコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサに、電解反応器の構成を変更する方法を実行させるように実行可能であり、前記電解反応器は、複数の電解セルを具備する、電解反応器組立体を備え、前記電解反応器組立体は、電解質溶液に対して電気分解を実行し、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成され、前記方法は、
監視システムによって、電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を判定するステップと、
前記監視システムに結合された制御ユニットによって、前記監視システムで判定された前記少なくとも1つの属性を分析するステップと、
前記制御ユニットによって、前記少なくとも1つの属性に基づいて、前記電解反応器組立体に関連する動作モードを決定するステップと、
少なくとも1つの切替要素によって、前記電解反応器の前記構成を、前記制御ユニットで決定された前記動作モードに変更するステップと
を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
第1の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第1の所定の数の電解セルと結合するステップと、
第2の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第2の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第2の所定の数の電解セルは、前記第1の所定の数の電解セルより少数であるステップと、
第3の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第3の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第3の所定の数の電解セルは、前記第2の所定の数の電解セルより少数であるステップと、
第4の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第4の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第4の所定の数の電解セルは、前記第3の所定の数の電解セルより少数であるステップと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項36に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第1の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第1の所定の温度範囲を識別する場合、前記第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項39】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第1の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第1の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第2の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第2の所定の温度範囲を識別する場合、前記第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第2の所定の温度範囲は、前記第1の所定の温度範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項37から39までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第2の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第2の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第2の所定の消費電流の範囲は、前記第1の所定の消費電流の範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項37から39までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムが、前記第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも多くの熱を発生させる、請求項40又は41に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第3の所定の温度範囲を識別する場合、前記第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第3の所定の温度範囲は、前記第2の所定の温度範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項37から42までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第3の所定の消費電流の範囲は、前記第2の所定の消費電流の範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項37から42までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード又は前記第2の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる、請求項43又は44に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第4の信号が、前記電解反応器組立体に関連する前記第3の所定の温度範囲を識別する場合、前記第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項37から45までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項47】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第4の信号が、前記電解反応器組立体に関連する前記第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項37から45までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項48】
前記第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード、前記第2の動作モード、又は前記第3の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる、請求項46又は47に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項49】
前記電解反応器は内燃機関に結合され、前記電解反応器内で使用される前記電解質溶液は水であり、前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるように実行可能であり、前記方法は、
内燃機関に関連する1つ又は複数の動作状態を検出するステップであって、前記内燃機関は、炭素ベースの燃料、水素ガス、及び酸素ガスの混合物を燃焼するように構成されるステップと、
前記制御ユニットで、前記内燃機関がより多量の水素ガスを必要とするかどうかを判定するステップと、
前記内燃機関がより多量の前記水素ガスを必要とする場合、前記第2の切替要素、前記第3の切替要素、及び前記第4のスイッチ要素のうちの少なくとも1つを作動させるステップと
をさらに含む、請求項37から48までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される具体例は、電解反応器システム、詳細には、電解反応器システムに関連する最適な動作範囲より低い温度で動作するよう動的に構成可能な、電解反応器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の燃費は、水素ガス及び酸素ガスをエンジンの吸気流に噴射することで向上させることができる。場合によっては、水素ガス及び酸素ガスは、「オンデマンド型」電解反応器システムによって内燃機関に供給されることがあり、このシステムは、基材を電気分解で分離して水素ガス及び酸素ガスを発生させる。
【0003】
電解反応器システムは、一般に、効果的に動作するために最適な温度範囲が必要である。最適な温度範囲より低い周囲温度で、すなわち、より寒い天候で動作する電解反応器システムは、電気分解プロセスを始めるのに外部熱源が必要となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、外部熱源の使用は、いくつかの課題を引き起こす。具体的には、外部熱源は通常、電解反応器に電解質溶液を供給するノックアウト・タンクの上又は内部に位置する。したがって、電解反応器は、外部熱源から直接熱を受け取らず、その結果、機能的な動作状態まで暖機するのにより長い時間がかかる。加えて、外部熱源は、電解反応器に必要な電力とは別に、熱を発生させるために追加で電力を投入する必要があり得る。電解反応器と共に外部熱源を使用することに関連する、潜在的な安全上の問題もいくつかある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様では、本明細書に記載の少なくとも1つの実施例において、電解反応器の構成を変更する方法がある。電解反応器は、複数の電解セルを具備する、電解反応器組立体を備え、ここで電解反応器組立体は、電解質溶液に対して電気分解を実行し、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成される。該方法は、監視システムによって、電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を判定するステップと、監視システムに結合された制御ユニットによって、少なくとも1つの属性を分析するステップと、制御ユニットによって、少なくとも1つの属性に基づいて、電解反応器組立体に関連する動作モードを決定するステップと、少なくとも1つの切替要素を使って、電解反応器の構成を、制御ユニットによって決定された動作モードに変更するステップとを含む。
【0006】
該態様の特徴として、該方法は、第1の切替要素を、電解反応器組立体内の第1の所定の数の電解セルに結合するステップと、第2の切替要素を、電解反応器組立体内の第2の所定の数の電解セルに結合するステップであって、第2の所定の数の電解セルは、第1の所定の数の電解セルより少数であるステップと、第3の切替要素を、電解反応器組立体内の第3の所定の数の電解セルに結合するステップであって、第3の所定の数の電解セルは、第2の所定の数の電解セルより少数であるステップと、第4の切替要素を、電解反応器組立体内の第4の所定の数の電解セルに結合するステップであって、第4の所定の数の電解セルは、第3の所定の数の電解セルより少数であるステップとをさらに含む。
【0007】
別の特徴として、該方法は、監視システムからの第1の信号が、電解反応器組立体に関連する第1の所定の温度範囲を識別する場合、第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップをさらに含む。
【0008】
さらに別の特徴として、該方法は、監視システムからの第1の信号が、電解反応器組立体に関連する第1の所定の消費電流の範囲を識別する場合、第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップをさらに含む。
【0009】
さらなる特徴として、該方法は、監視システムからの第2の信号が、電解反応器組立体に関連する第2の所定の温度範囲を識別する場合、第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップであって、第2の所定の温度範囲は、第1の所定の温度範囲よりも低いステップをさらに含む。
【0010】
別の特徴として、該方法は、監視システムからの第2の信号が、電解反応器組立体に関連する第2の所定の消費電流の範囲を識別する場合、第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップであって、第2の所定の消費電流の範囲は、第1の所定の消費電流の範囲よりも低いステップをさらに含む。
【0011】
さらに別の特徴として、第2の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップよりも多くの熱を発生させる。
【0012】
さらなる特徴として、該方法は、監視システムからの第3の信号が、電解反応器組立体に関連する第3の所定の温度範囲を識別する場合、第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップであって、第3の所定の温度範囲は、第2の所定の温度範囲よりも低いステップをさらに含む。
【0013】
別の特徴として、該方法は、監視システムからの第3の信号が、電解反応器組立体に関連する第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップであって、第3の所定の消費電流の範囲は、第2の所定の消費電流の範囲よりも低いステップをさらに含む。
【0014】
さらに別の特徴として、第3の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モード又は第2の動作モードのどちらで電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる。
【0015】
さらなる特徴として、該方法は、監視システムからの第4の信号が、電解反応器組立体に関連する第3の所定の温度範囲を識別する場合、第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップをさらに含む。
【0016】
別の特徴として、該方法は、監視システムからの第4の信号が、電解反応器組立体に関連する第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップをさらに含む。
【0017】
さらに別の特徴として、第4の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モード、第2の動作モード、又は第3の動作モードのいずれで電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる。
【0018】
さらなる特徴として、電解反応器は内燃機関に結合され、電解反応器内で使用される電解質溶液は水であり、該方法は、内燃機関に関連する1つ又は複数の動作状態を検出するステップであって、内燃機関は、炭素ベースの燃料、水素ガス、及び酸素ガスの混合物を燃焼するように構成されるステップと、制御ユニットで、内燃機関がより多量の水素ガスを必要とするかどうかを判定するステップと、内燃機関がより多量の水素ガスを必要とする場合、第2の切替要素、第3の切替要素、及び第4の切替要素のうちの少なくとも1つを作動させるステップとをさらに含む。
【0019】
別の態様では、本明細書に記載の少なくとも1つの実施例において、電解反応器の構成を変更するシステムがあり、システムは、複数の電解セルを具備する電解反応器組立体であって、複数の電解セルは、電解質溶液に対して電気分解を実行するように構成され、電解反応器組立体は、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成される電解反応器組立体と、電解反応器組立体に結合された少なくとも1つの切替要素と、少なくとも1つの切替要素及び電解反応器組立体に動作可能に結合された制御ユニットと、制御ユニット、電解反応器組立体、及び少なくとも1つの切替要素に結合された監視システムであって、監視システムは、電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を監視するように構成される監視システムとを備え、制御ユニットは、監視システムによって監視される電解反応器組立体の少なくとも1つの属性に基づいて、少なくとも2つの動作モード間で電解反応器組立体の構成を変更するように構成される。
【0020】
該態様の特徴として、監視システムは、電解反応器組立体に関連する周囲温度を監視するように構成された温度センサを備え、制御ユニットは、周囲温度に基づいて電解反応器組立体の構成を変更するように構成される。
【0021】
別の特徴として、温度センサは、電解反応器組立体の近傍に位置する。
【0022】
さらなる特徴として、監視システムは、電解反応器組立体による消費電流を監視するように構成された電流センサを備え、制御ユニットは、電解反応器組立体による消費電流に基づいて、電解反応器組立体の構成を変更するように構成される。
【0023】
さらに別の特徴として、電解反応器組立体のガス生成速度は、電解反応器組立体の消費電流に基づいて判定される。
【0024】
別の特徴として、複数の電解セルは、第1のセル・ユニット及び第2のセル・ユニットに分割され、第1のセル・ユニット及び第2のセル・ユニットは、互いに並列に配置され、第1のセル・ユニット及び第2のセル・ユニットのそれぞれの電解セルは、互いに直列に配置されている。
【0025】
さらに別の特徴として、第1のセル・ユニット及び第2のセル・ユニットは、共通の負電気を共有する。
【0026】
さらなる特徴として、第1及び第2のセル・ユニットのそれぞれは、6個の電解セルを備える。
【0027】
別の特徴として、少なくとも1つの切替要素は、第1のセル・ユニット内の6個の電解セル及び第2のセル・ユニット内の6個の電解セルに結合された、第1の切替要素と、第1のセル・ユニット内の5個の電解セル及び第2のセル・ユニット内の5個の電解セルに結合された、第2の切替要素と、第1のセル・ユニット内の4個の電解セル及び第2のセル・ユニット内の4個の電解セルに結合された、第3の切替要素と、第1のセル・ユニット内の3個の電解セル及び第2のセル・ユニット内の3個の電解セルに結合された、第4の切替要素とを備える。
【0028】
さらに別の特徴として、制御ユニットは、監視システムからの第1の信号に基づいて第1の切替要素を作動させることによって、電解反応器組立体を第1の動作モードで動作させるように構成され、第1の信号は、周囲温度が第1の所定の温度範囲内にあることを示す。
【0029】
別の特徴として、制御ユニットは、監視システムからの第1の信号に基づいて第1の切替要素を作動させることによって、電解反応器組立体を第1の動作モードで動作させるように構成され、第1の信号は、電解反応器組立体の消費電流が第1の所定の消費電流の範囲内にあることを示す。
【0030】
さらに別の特徴として、制御ユニットは、監視システムからの第2の信号に基づいて第2の切替要素を作動させることによって、電解反応器組立体を第2の動作モードで動作させるように構成され、第2の信号は、周囲温度が第2の所定の温度範囲内にあることを示し、第2の所定の温度範囲は、第1の所定の温度範囲よりも低い。
【0031】
別の特徴として、制御ユニットは、監視システムからの第2の信号に基づいて第2の切替要素を作動させることによって、電解反応器組立体を第2の動作モードで動作させるように構成され、第2の信号は、電解反応器組立体の消費電流が第2の所定の消費電流の範囲内にあることを示し、第2の所定の消費電流の範囲は、第1の所定の消費電流の範囲よりも低い。
【0032】
さらなる特徴として、第2の動作モードで電解反応器組立体を動作させることにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モードで電解反応器組立体を動作させるよりも多くの熱を発生させる。
【0033】
別の特徴として、制御ユニットは、監視システムからの第3の信号に基づいて第3の切替要素を作動させることによって、電解反応器組立体を第3の動作モードで動作させるように構成され、第3の信号は、周囲温度が第3の所定の温度範囲内にあることを示し、第3の所定の温度範囲は、第2の所定の温度範囲よりも低い。
【0034】
さらに別の特徴として、制御ユニットは、監視システムからの第3の信号に基づいて第3の切替要素を作動させることによって、電解反応器組立体を第3の動作モードで動作させるように構成され、第3の信号は、電解反応器組立体の消費電流が第3の所定の消費電流の範囲内にあることを示し、第3の所定の消費電流の範囲は、第2の所定の消費電流の範囲よりも低い。
【0035】
さらなる特徴として、第3の動作モードで電解反応器組立体を動作させることにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モード又は第2の動作モードのどちらで電解反応器組立体を動作させるよりも、多くの熱を発生させる。
【0036】
別の特徴として、制御ユニットは、監視システムからの第4の信号に基づいて第4の切替要素を作動させることによって、電解反応器組立体を第4の動作モードで動作させるように構成され、第4の信号は、周囲温度が第3の所定の温度範囲内にあることを示す。
【0037】
さらなる特徴として、制御ユニットは、監視システムからの第4の信号に基づいて第4の切替要素を作動させることによって、電解反応器組立体を第4の動作モードで動作させるように構成され、第4の信号は、電解反応器組立体の消費電流が第3の所定の消費電流の範囲内にあることを示す。
【0038】
さらに別の特徴として、第4の動作モードで電解反応器組立体を動作させることにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モード、第2の動作モード、又は第3の動作モードのいずれで電解反応器組立体を動作させるよりも、多くの熱を発生させる。
【0039】
別の特徴として、監視システムはさらに、内燃機関の1つ又は複数の動作状態を監視するように構成され、制御ユニットは、少なくとも内燃機関の1つ又は複数の動作状態に基づいて、少なくとも1つの切替要素を制御するように構成される。
【0040】
別の態様では、本明細書に記載の少なくとも1つの実施例において、コンピュータが実行可能な命令を格納するコンピュータ可読媒体が提供され、命令は、プロセッサに、電解反応器の構成を変更する方法を実行させるように実行可能であり、電解反応器は、複数の電解セルを具備する、電解反応器組立体を備え、ここで電解反応器組立体は、電解質溶液に対して電気分解を実行し、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成される。該方法は、監視システムによって、電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を判定するステップと、監視システムに結合された制御ユニットによって、監視システムで判定された少なくとも1つの属性を分析するステップと、制御ユニットによって、少なくとも1つの属性に基づいて、電解反応器組立体に関連する動作モードを決定するステップと、少なくとも1つの切替要素を使って、電解反応器の構成を、制御ユニットによって決定された動作モードに変更するステップとを含む。
【0041】
該態様の特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、第1の切替要素を、電解反応器組立体内の第1の所定の数の電解セルに結合するステップと、第2の切替要素を、電解反応器組立体内の第2の所定の数の電解セルに結合するステップであって、第2の所定の数の電解セルは、第1の所定の数の電解セルより少数であるステップと、第3の切替要素を、電解反応器組立体内の第3の所定の数の電解セルに結合するステップであって、第3の所定の数の電解セルは、第2の所定の数の電解セルより少数であるステップと、第4の切替要素を、電解反応器組立体内の第4の所定の数の電解セルに結合するステップであって、第4の所定の数の電解セルは、第3の所定の数の電解セルより少数であるステップとのうちの、少なくとも1つをさらに含む。
【0042】
別の特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、監視システムからの第1の信号が、電解反応器組立体に関連する第1の所定の温度範囲を識別する場合、第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップをさらに含む。
【0043】
さらなる特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、監視システムからの第1の信号が、電解反応器組立体に関連する第1の所定の範囲の消費電流を識別する場合、第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップをさらに含む。
【0044】
さらに別の特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、監視システムからの第2の信号が、電解反応器組立体に関連する第2の所定の温度範囲を識別する場合、第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップであって、第2の所定の温度範囲は、第1の所定の温度範囲よりも低いステップをさらに含む。
【0045】
さらなる特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、監視システムからの第2の信号が、電解反応器組立体に関連する第2の所定の消費電流の範囲を識別する場合、第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップであって、第2の所定の消費電流の範囲は、第1の所定の消費電流の範囲よりも低いステップをさらに含む。
【0046】
別の特徴として、第2の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップよりも多くの熱を発生させる。
【0047】
さらに別の特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、監視システムからの第3の信号が、電解反応器組立体に関連する第3の所定の温度範囲を識別する場合、第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップであって、第3の所定の温度範囲は、第2の所定の温度範囲よりも低いステップをさらに含む。
【0048】
さらなる特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、監視システムからの第3の信号が、電解反応器組立体に関連する第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップであって、第3の所定の消費電流の範囲は、第2の所定の消費電流の範囲よりも低いステップをさらに含む。
【0049】
別の特徴として、第3の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モード又は第2の動作モードのどちらで電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる。
【0050】
さらに別の特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、監視システムからの第4の信号が、電解反応器組立体に関連する第3の所定の温度範囲を識別する場合、第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップをさらに含む。
【0051】
さらなる特徴として、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、監視システムからの第4の信号が、電解反応器組立体に関連する第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップをさらに含む。
【0052】
別の特徴として、第4の動作モードで電解反応器組立体を動作させるステップにより、結果的に、電解反応器システムは、第1の動作モード、第2の動作モード、又は第3の動作モードのいずれで電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる。
【0053】
さらに別の特徴として、電解反応器は内燃機関に結合され、電解反応器内で使用される電解質溶液は水であり、コンピュータ可読媒体に格納されたものは、プロセッサに該方法を実行させるよう実行可能であり、該方法は、内燃機関に関連する1つ又は複数の動作状態を検出するステップであって、内燃機関は、炭素ベースの燃料、水素ガス、及び酸素ガスの混合物を燃焼するように構成されるステップと、制御ユニットで、内燃機関がより多量の水素ガスを必要とするかどうかを判定するステップと、内燃機関がより多量の水素ガスを必要とする場合、第2の切替要素、第3の切替要素、及び第4のスイッチ要素のうちの少なくとも1つを作動させるステップとをさらに含む。
【0054】
本出願の他の特徴及び利点は、添付図面と共に理解される、以下の詳細な説明から明らかとなろう。しかし、詳細な説明及び特定の実例は、出願の好ましい実施例を示しながらも、ただ単に例示するために提供されていることを理解されたい。というのは、詳細な説明から、当業者には、出願の精神及び範囲内での様々な変更及び修正が明らかになるからである。
【0055】
本明細書に記載の様々な実施例のより適切な理解のために、且つこれらの様々な実施例をどのように実行できるかをより明確に示すために、実例として、少なくとも1つの例示的な実施例を示す添付図面を参照することにする。ここで、図を簡単に説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1A】例示的な実施例による、ラップ・ヒータの画像である。
図1B】別の例示的な実施例による、フィラメント・ヒータの画像である。
図1C】さらに別の例示的な実施例による、絶縁ラップの画像である。
図2A】燃料管理システムの、実例の構成図である。
図2B】燃料管理システムの、別の実例の構成図である。
図3A】電解反応器システムの、実例の構成図である。
図3B】反応器システムの、実例の構成図である。
図3C図3Bの反応器システムの、簡略化された構成図である。
図4A図3Bの反応器システムの、実例の概略図である。
図4B図3Bの反応器システムの、別の実例の概略図である。
図4C図3Bの反応器システムの、さらなる実例の概略図である。
図4D図3Bの反応器システムの、さらに別の実例の概略図である。
図5A】反応器セル及びタンク・システム組立体の、実例の概略斜視図である。
図5B】反応器セル及びタンク・システム組立体の、別の実例の概略斜視図である。
図5C】トリガされていない状態のフロート・スイッチの、例示的な斜視図である。
図5D】トリガされた状態の図5Cのフロート・スイッチの、別の例示的な斜視図である。
図6A】反応器セル及びタンク・システム組立体の、別の実例の概略斜視図である。
図6B】反応器セル及びタンク・システム組立体の、さらなる実例の概略斜視図である。
図6C】反応器セル及びタンク・システム組立体の、さらに別の実例の概略斜視図である。
図6D】いくつかの実施例による、反応器及びタンク組立体内の容器の、概略上面斜視図である。
図6E】例示的なガス継手の斜視図である。
図6F】例示的なガス管の斜視図である。
図7】例示的な電解反応器システムの斜視図である。
図8】反応器システムの構成を変更する方法の、実例の図である。
図9】反応器システムの構成を変更する方法の、別の実例の図である。
図10A】一実例による、反応器システムの構成を変更する方法の図である。
図10B】別の実例による、反応器システムの構成を変更する別の方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
当業者は、以下に説明される図面が、例示のみを目的としていることを理解するであろう。図面は、出願人の教示の範囲を限定することを何等意図するものではない。加えて、説明図を単純且つ明確にするために、図に示される要素は、必ずしも原寸に比例して描かれているわけではないことが理解されよう。たとえば、要素のうちのいくつかの寸法は、明確にするために、他の要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、適切と考えられる場合、一致する要素又は類似の要素を示すために、参照番号が図間で繰り返される場合がある。
【0058】
特許請求の範囲に記載される主題の少なくとも1つの実施例の実例を提示するために、様々な装置又はプロセスを以下に説明することにする。以下に説明する実施例は、どの特許請求の範囲に記載される主題をも制限するものではなく、どの特許請求の範囲に記載される主題も、以下に説明するものとは異なるプロセス、装置、デバイス、又はシステムを包含できる。特許請求の範囲に記載される主題は、以下に説明する任意の1つの装置、デバイス、システム又はプロセスのすべての特徴を有する装置、デバイス、システム又はプロセスに、或いは以下に説明する複数の若しくはすべての装置、デバイス、システム又はプロセスに共通の特徴に、限定されるものではない。以下で説明する装置、装置、システム又はプロセスは、どの特許請求の範囲に記載される主題の実施例でもない場合がある。この文書で特許請求の範囲に記載されていない、以下に説明する装置、デバイス、システム、又はプロセスに開示されているどの主題も、別の保護的な法律文書、たとえば継続特許出願の主題である場合があり、出願人、発明者、又は所有者は、かかるどの主題をも、この文書内で開示することによって放棄する、棄権する、又は公共に捧げる意図はない。
【0059】
さらに、説明図を単純且つ明確にするために、適切であると考えられる場合、一致する又は類似する要素を示すために、参照番号が、図面間で繰り返される場合があることが理解されよう。加えて、本明細書に記載の例示的な実施例の完全な理解をもたらすために、多数の特定の詳細を示している。ただし、本明細書に記載の例示的な実施例は、こうした特定の詳細なしに実施され得ることを、当業者は理解されよう。他の実例では、本明細書に記載の例示的な実施例を曖昧にしないように、よく知られた方法、手順、及び構成要素を詳細には説明していない。加えて、この説明は、本明細書に記載の例示的な実施例の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0060】
本明細書で使用される「結合される」又は「結合する」という用語は、この用語が使用される文脈に応じて、いくつかの相異なる意味を有し得ることにも留意されたい。たとえば、結合するという用語は、機械的又は電気的な意味合いを持つことができる。たとえば、本明細書で使用される場合、「結合される」又は「結合する」という用語は、個々の文脈に応じて、2つの要素又はデバイスが、互いに直接接続され得るか、或いは、たとえば、これらに限定されるものではないが、ワイヤ又はケーブルなどの、電気的要素、電気信号、又は機械的要素を介して、1つ若しくは複数の中間要素又はデバイスを経由して、互いに接続され得ることを示すことができる。
【0061】
本明細書で使用される「実質的に」、「ほぼ」、及び「約」などの程度を指す用語は、最終結果が著しく変更されないように、修飾される用語の妥当な量の誤差を意味することに留意されたい。これらの程度を指す用語は、この誤差が修飾する用語の意味を否定しない場合、修飾された用語の誤差を含むと解釈されたい。
【0062】
さらに、本明細書での端点を使ったどの数値範囲の列挙も、その範囲内に含まれるすべての数及び小数を含む(たとえば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、及び5を含む)。すべての数及びその小数は、最終結果が著しく変わらない場合に、参照されている数の特定の量までのばらつきを意味する「ほぼ」という用語を使って修飾されると想定されることも、理解されたい。
【0063】
本明細書に記載のデバイス、システム、及び方法の様々な実施例は、ハードウェア及びソフトウェアの組合せを使用して実施できる。こうした実施例は、プログラム可能なデバイス上で実行するコンピュータ・プログラムを部分的に使用して実施でき、各プログラム可能なデバイスには、少なくとも1つのプロセッサ、オペレーティング・システム、1つ又は複数のデータ記憶部(揮発性メモリ、不揮発性メモリ、若しくは他のデータ記憶要素、又はその組合せを含む)、少なくとも1つの通信インタフェース、並びに本明細書に記載の少なくとも1つの実施例の機能を実施するのに必要な、他のいかなる関連するハードウェア及びソフトウェアも含まれる。たとえば、これらに限定されるものではないが、コンピュータ処理デバイスは、サーバ、ネットワーク機器、組込デバイス、コンピュータ拡張モジュール、パーソナル・コンピュータ、ラップトップ、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン・デバイス、タブレット・コンピュータ、無線デバイス、又は本明細書に記載の方法を実行するように構成され得る他のいかなるコンピュータ処理デバイスでもあり得る。個々の実施例は、コンピュータ処理デバイスの適用例によって変わる。
【0064】
いくつかの実施例では、通信インタフェースは、ネットワーク通信インタフェース、USB接続、又は当業者には既知の別の好適な接続であり得る。他の実施例では、通信インタフェースは、プロセス間通信(IPC:inter-process communication)用のものなど、ソフトウェア通信インタフェースであり得る。さらに他の実施例では、ハードウェア、ソフトウェア、及びそれらの組合せとして実装される、通信インタフェースの組合せがあり得る。
【0065】
本明細書に記載の少なくともいくつかの実施例では、プログラム・コードは、入力データに使用され、本明細書に記載の少なくともいくつかの機能を実行し、出力情報を作ることができる。出力情報は、表示又はさらに処理するために、1つ又は複数の出力デバイスに供給できる。
【0066】
本明細書に記載の、プログラムを使用する少なくともいくつかの実施例は、高度の手続き型若しくはオブジェクト指向プログラミング及び/又はスクリプト言語、或いはその両方で実施できる。したがって、プログラム・コードは、C、Java、SQL、又は他のどの好適なプログラミング言語でも記述でき、オブジェクト指向プログラミングの熟練者には既知であるように、モジュール又はクラスが含まれ得る。しかし、他のプログラムは、必要に応じて、組立体、機械語、又はファームウェアで実施できる。いずれの場合も、言語は、コンパイルされた、又はインタプリタで翻訳された言語であり得る。
【0067】
コンピュータ・プログラムは、記憶媒体(たとえば、ROM、磁気ディスク、光ディスクなどであるがこれらに限定されない、コンピュータ可読媒体)、又は汎用若しくは専用コンピュータ処理デバイスで読取り可能なデバイスに格納できる。プログラム・コードは、コンピュータ処理デバイスで読み取られると、コンピュータ処理デバイスを、本明細書に記載の方法の少なくとも1つを実行するために、新しい、特定の、事前定義されたやり方で動作するよう設定する。
【0068】
さらに、本明細書に記載の実施例のシステム、プロセス、及び方法に関連するプログラムの一部は、1つ又は複数のプロセッサ用のコンピュータ使用可能命令を有するコンピュータ可読媒体を含む、コンピュータ・プログラム製品の形で配布できる。媒体は、1つ又は複数のディスケット、コンパクト・ディスク、テープ、チップ、並びに磁気及び電子記憶装置などであるがこれらに限定されない、非一時的な形態を含む、様々な形態で提供され得る。代替の実施例では、媒体は、有線伝送、衛星伝送、インターネット伝送(たとえば、ダウンロード)、メディア、デジタル及びアナログ信号などであるがこれらに限定されない、本質的に一時的なものであり得る。コンピュータ使用可能命令は、コンパイルされたコード及びコンパイルされていないコードを含む、様々な形式でもあり得る。
【0069】
内燃機関に水素ガス及び酸素ガスを供給する電解反応器システムは、一般に、効果的に動作させるために最適な温度範囲が必要である。最適な温度範囲より低い周囲温度で、すなわち、より寒い天候で動作する電解反応器システムは、電気分解プロセスを開始するのに外部熱源が必要となる場合がある。
【0070】
電解反応器システムで使用される従来の外部熱源の実例を、図1A図1Cに示す。図1Aは、電解質溶液を電解反応器に供給するノックアウト・タンクの周りに巻き付けることができるラップ・ヒータ100の画像である。図1Bは、ノックアウト・タンクの内部に吊り下げることができる、フィラメント・ヒータ110の画像である。図1Cは、熱を保存するために、やはりノックアウト・タンクの周りに巻き付けることができる、絶縁ラップ120の画像である。
【0071】
しかし、外部熱源の使用は、いくつかの課題を引き起こす。具体的には、外部熱源は、通常、電気分解プロセスを実行する電解セル又は電極から取り外される、ノックアウト・タンクの上又は内部に配置されるので、電極及び電解質溶液は、外部熱源から直接的には熱を受け取らない。したがって、電極及び電解液は、機能的な動作状態まで暖機するのに長い時間がかかる。さらに、外部熱源によって生じる熱は、周囲に逃げることが多く、電解反応器内の電解質溶液に直接伝達されない。
【0072】
外部熱源はまた、電解反応器に必要な電力とは別に、熱を発生させるために追加で電力を投入する必要がある。たとえば、図1Aのラップ・ヒータ100及び図1Bのフィラメント・ヒータ110は、熱を発生させるために、40Wの電力定格の12V供給源を必要とする場合がある。外部熱源を装着し、熱源を電源に接続することも、時間を消費し、費用のかかるプロセスであり得る。
【0073】
最後に、潜在的な安全上の問題は、電解反応器と共に外部熱源を使用することに起因し得る。たとえば、図1Aのラップ・ヒータ100などの巻付け式ヒータは、ノックアウト・タンクの溶融、及び腐食性の高い電解質溶液の漏れを引き起こす可能性がある。図1Bのフィラメント・ヒータ110はまた、ノックアウト・タンク内部で、電気分解の副生成物として生じ得る水素ガスに点火しやすい。
【0074】
本明細書で論じられる様々な実施例では、外部熱源を必要とせずに効率的に動作できる、改良型の電解反応器のシステム及び方法が提供される。具体的には、本明細書に開示される改良型の電解反応器は、電解反応器の構成を変更することにより、低温、すなわち電解反応器の最適温度範囲より低い温度で動作するように構成される。以下で詳細に論じられるように、いくつかの実施例では、改良型の電解反応器は、電気分解のプロセスに関与する作動電解セル又は作動電極の数を減らすように構成される。電解反応器内の作動セルの数を減らすことにより、同じ入力電圧がより少ないセル間で分割され、その結果セル当りの電流が増加し、それに応じて、電気分解によるガス生成量が一層増える。ガス生成量の増加により、次に、反応器が、反応器の最適な温度範囲まで暖機される。結果として、本明細書で提供される電解反応器システムは、作動直後に、機能的な動作状態まで暖機することができる。
【0075】
それぞれが、本明細書に開示される反応器システムの例示的な適用例を示している、図2A及び図2Bの両方を簡単に参照する。図2Aは、具体的には、一実例による燃料管理システム200Aの構成図を示している。図2Bは、別の実例による燃料管理システム200Bの構成図を示している。
【0076】
図2Aの燃料管理システム200A及び図2Bの燃料管理システム200Bは、内燃機関(ICE:intenal combustion engine)208の燃費を改善するために使用される、反応器システム313を示している。具体的には、反応器システム313は、内燃機関208の吸気流に水素(H)ガス及び酸素(O)ガスを供給する、電気分解のプロセスを実行するように構成される。
【0077】
図2A及び図2Bに示される実施例では、反応器システム313の構成、及びそれに応じた動作は、反応器システム313に関連する特定の属性に基づいて変更される。かかる属性のいくつかの非限定的な実例には、反応器システム313に関連する周囲温度、反応器システム313に関連する消費電流、反応器システム313内で発生されるガスの量、反応器システム内で生じる熱量、などが含まれ得る。これは、特に図3A図3C及び図4A図4Dを参照して、以下で詳細に論じられる。
【0078】
以下で論じられる様々な実施例において、反応器システム313の構成は、反応器システム313内の作動電解セルの数を増加又は減少させることによって変更される。以下で詳細に論じられるように、レクタ・システム313内の作動電解セルの数を操作することによって、ガスの生成量及び生じる熱量を制御できる。
【0079】
例示的な実施例による、電解反応器プラットフォーム300を示す図3Aを参照する。電解反応器プラットフォーム300は、溶液ポンプ390、反応器システム313、及び制御システム301を備える。
【0080】
溶液ポンプ390は、電気分解するために、電解質溶液を反応器システム313に供給するように構成される。場合によっては、溶液ポンプ390は、純水又は実質的に純粋な水(たとえば、蒸留水)の供給源に結合されている。
【0081】
反応器システム313は、反応器セル組立体310を備える。反応器セル組立体310は、電気分解のプロセスを実行するように構成された、互いに接続された多数の電解セルを備える。反応器セル組立体310は、溶液ポンプ390と流体連結されているタンク・システム312から電解質溶液を受容する。
【0082】
電解質溶液が水である場合に、反応器セル組立体310は、水と水酸化カリウム(KOH)との組合せを受容するように構成される。電解質溶液が水である、他のいくつかの場合において、反応器セル組立体310は、水とKOHとを別々に受容し、受け取った後に水とKOHとを組み合わせるように構成される。水とKOHとを別々に受容する場合、反応器セル組立体310は、KOHの供給源に結合されている。
【0083】
KOHは、水の導電性を高めるために水に遊離イオンを与え、ひいては電気分解のプロセスを容易にするので、通常、水の電気分解に使用される。場合によっては、反応器セル組立体310内部の溶液には、55%の水と45%のKOHとの混合物が含まれる。かかる場合、反応器システム313は、腐食性KOH蒸気が確実に生じず、よって反応器システム313から出ないようにするために、摂氏65度未満の温度で動作することが必要となり得る。これは、反応器システム313をICEと組み合わせて使用する場合に特に重要である。というのは、さもなければICEが、KOH蒸気によって腐食される可能性があるためである。反応器システム313はまた、摂氏マイナス28度より高い温度で動作することも必要であり得る。具体的には、KOHは、摂氏マイナス28度未満の温度でKOHの凝固点に達し、これにより、反応器システム313が動作不能になる可能性がある。
【0084】
電気分解プロセスを実行している間、反応器セル組立体310は、電解質溶液に対応する副生成物をガス状で発生させる。電解質溶液が水である場合、反応器セル組立体310は、電気分解の副生成物として、水素ガス及び酸素ガスを発生させるように構成される。次いで、副生成物は、タンク・システム312内に戻され、反応器システム313の適用例に基づく適切なシステムに送られる。反応器システム313が、適用例で内燃機関と共に使用され、エンジンの燃費を改善する場合、反応器システムのガス状副生成物はICEに送られる。反応器システム313のこの適用例は、図2A及び2Bを参照して、以下で詳細に論じられる。
【0085】
図3Aに示されるように、制御システム301は、以下でさらに詳細に説明されるように、監視システム350に結合される。監視システム350は、電解反応器プラットフォーム300の1つ又は複数の構成要素に関連する、1つ又は複数のパラメータを監視できる1つ又は複数のユニット、デバイス、及び/又はシステムを備え得る。たとえば、監視システム350は、反応器システム313に関連する温度を監視できる、1つ又は複数のセンサを備え得る。他のいくつかの場合では、監視システム350は、反応器システム313に関連する圧力を監視できる、1つ又は複数のセンサを備え得る。別の実例では、監視システム350は、反応器システム313の消費電流を測定できる、1つ又は複数のセンサを備え得る。
【0086】
一実施例では、監視システム350は、反応器システム313の周囲温度を監視するように構成される、温度センサ355を備える。温度センサ355は、反応器システム313から離れて位置するよう示されているが、温度センサ355は、反応器システム313の周囲温度を測定できるように、反応器システム313に関連するどこにでも位置し得る。たとえば、場合によっては、温度センサ355は、反応器システム313の内部に位置する。他のいくつかの場合では、温度センサ355は、反応器セル組立体310の内部に位置する。いくつかのさらなる場合では、温度センサ355は、タンク・システム312に隣接して位置する。理解され得るように、本明細書に開示される温度センサ355の様々な場所は、非限定的な実例にすぎないことを意図している。
【0087】
この実施例では、温度センサ355は、温度信号316aを通じて、温度測定値を制御システム301に送信するように構成される。制御システム301は、温度信号316aに含まれる情報を使用して、反応器システム313の動作に関する判定を行う。たとえば、制御システム301は、温度信号316aから、反応器システム313が理想的な動作温度範囲よりも低い温度で動作していることを判定できる。それに応じて制御システム301は、反応器システム313を理想的な動作温度範囲内まで加熱する目的で、反応器セル組立体310の構成を変えるよう反応器システム313に指示する、制御信号318を送信できる。
【0088】
別の実施例では、監視システム350は、反応器システム313の消費電流を監視するように構成される、電流センサ370を備え得る。たとえば、電流センサ370は、電流計又は他の好適な電流感知デバイスを備え得る。温度センサ355と同様に、電流センサ370は、電流信号370aを通じて、電流測定値を制御システム301に送信するように構成される。制御システム301は、電流信号370aに含まれる情報を使用して、反応器システム313の動作に関する判定を行う。
【0089】
少なくともいくつかの実施例では、電流信号370aに含まれる情報は、制御システム301によって使用され、反応器システム313によって生成されるガスの速度を判定できる。たとえば、反応器システム313による消費電流の多さは、より速いガス生成速度と相関し得る一方で、反応器システム313による消費電流の少なさは、より遅いガス生成速度と相関し得る。電解質溶液が水である場合、水分子を水素ガスと酸素ガスとの副生成物に分離するのに必要なエネルギー(たとえば、電流)を判定することで、消費電流はガス生成速度と相関し得る。
【0090】
少なくともいくつかの例示的な場合において、制御システム301は、電流信号370aから、反応器システム313が大量の電流を消費しており、よって、理想的なガス生成速度を超える速度でガスを生成していると判定できる。この場合、制御システム301は、反応器システム313の消費電流並びに反応器システム313のガス生成速度の両方を低減する目的で、反応器セル組立体310の構成を変えるよう反応器システム313に指示する、制御信号318を送信できる。
【0091】
他の実施例では、電流信号370aに含まれる情報はまた、反応器システム313の相対的な動作温度を判定するために、制御システム301によって使用され得る。たとえば、より高い(たとえば、より暖かい)動作温度では、反応器システム313のガス生成速度が増加し(すなわち、電気分解プロセスは、より高い温度で触媒される)、ひいては、反応器システム313は、より速いガス生成速度に対応するために、より多量の電流を消費する。逆に、より低い(たとえば、より冷たい)動作温度では、反応器システム313のガス生成速度は低下し(すなわち、電気分解プロセスは、より低い温度で悪影響を受ける)、ひいては、反応器システム313は、より遅いガス生成速度に応じて、より少量の電流を消費する。このようにして、反応器システム313の消費電流は、反応器システム313の動作温度と相関し得る。
【0092】
反応器システム313の消費電流と動作温度との間の関係を例示するために、以下の表1は、6つの監視された反応器の例示的な温度及び対応する消費電流の測定値を提示している。表1では、最初の3つの反応器(反応器1から3)の両端間の電圧、及び最後の3つの反応器(反応器4から6)の両端間の電圧がそれぞれ、一定のレベルに維持されている。観察されるように、6つの反応器のそれぞれについての温度上昇が、結果として、反応器のそれぞれによる、より多い消費電流をもたらした。
【表1】
【0093】
したがって、少なくともいくつかの例示的な場合において、制御システム301は、電流信号370aから、反応器システム313が少量の電流しか消費していないので、反応器システム313が理想的な温度範囲より低い温度範囲で動作していることを判定できる。結果として、制御システム301は、反応器システム313のガス生成速度を上げる目的で、ひいては、消費電流を増加させて、反応器システム313の動作温度を高める目的で、反応器セル組立体310の構成を変えるよう反応器システム313に指示する、制御信号318を送信できる。
【0094】
場合によっては、電流センサ370は、温度センサ355よりも信頼性の高い情報を提供し得る。たとえば、温度センサ355の場所、及び反応器セル組立体310に関連する熱伝導率などの要因に基づいて、温度センサ355で検出される温度は、ずれる可能性がある。
【0095】
他のいくつかの場合において、温度センサ355を反応器システム313内に挿入することが実現不可能な場合がある(たとえば、システムが高圧下で動作している場合)。かかる場合に、電流センサ370は、反応器システム313の動作温度について、温度センサ355によって提示される情報よりも直接的で信頼できる示度を提供する可能性がある。
【0096】
反応器セル313が内燃機関に水素ガス及び酸素ガスを供給する適用例では、エンジンの動作条件は、エンジン・データ信号314(たとえば、図2B)を通して制御システム301に通知され得る。制御システム301は、エンジン・データ信号314に含まれる情報を使用して、反応器システム313の動作に関する判定を行うことができる。たとえば、制御システム301は、内燃機関が水素ガス及び酸素ガスのより多い又はより少ない流入を必要とすることを、エンジン・データ信号314から判定できる。それに応じて制御システム301は、ICEへの水素ガス及び酸素ガスの、生成速度を上げるか又は下げる目的で、反応器セル組立体310の構成を変えるよう反応器システム313に指示する、制御信号318を送信できる。
【0097】
図示される実施例では、監視システム350はまた、反応器セル組立体310内部の電解質溶液のレベルを測定するように構成された、1つ又は複数のレベル・センサ360を備え得る。代替的又は追加的に、監視システム350は、タンク・システム312内部の電解質溶液及び水酸化カリウム(KOH)のレベルが所定の高さを超えるかどうかを判定するように構成される、1つ又は複数のオーバフロー・センサ365を備え得る。場合によっては、レベル・センサ360及び/又はオーバフロー・センサ365は、タンク・システム312に結合できる。たとえば、レベル・センサ360及び/又はオーバフロー・センサ365は、タンク・システム312内に設けられ得る。他のいくつかの場合では、レベル・センサ360及び/又はオーバフロー・センサ365は、反応器セル組立体310内に直接置かれ得る。
【0098】
レベル・センサ360がタンク・システム312内部に配置される、いくつかの場合に、センサ360は、センサ信号312aを制御システム301に送信するように構成され、ここでセンサ信号312aは、反応器セル組立体310内の溶液の量を識別する。レベル・センサ360がタンク・システム312の外部に配置される、他の場合に、センサ360は、センサ信号312a’を制御システム301に送信するように構成され、センサ信号312a’は同じく、反応器セル組立体310内の溶液の量を識別できる。制御システム301は、センサ信号を受信及び処理することができ、溶液レベルが所定の閾値を超えると判定される場合、制御信号319を溶液ポンプ390に送信して、溶液ポンプに、タンク・システム312へ電解質溶液を供給するのを止めるよう指示できる。
【0099】
同様に、オーバフロー・センサ365がタンク・システム312内部に配置される場合、該センサは、センサ信号312bを制御システム301に送信し、タンク・システム312内の電解質溶液及びKOHのレベルが所定の高さを超えるかどうかを識別するように構成される。オーバフロー・センサ365がタンク・システム312の外部に配置される場合、該センサは、同じくタンク・システム312内の溶液レベルが所定の高さを超えるかどうかを識別する、センサ信号312b’を送信するように構成される。
【0100】
オーバフロー・センサ365が利用される実施例では、制御システム301は、タンク・システム312に結合されたポンプ380に制御信号382aを送信するように構成され得る。制御信号382aは、ポンプ380に、溶液及びKOHをタンク・システム312の外へポンプ移送して、反応器セル組立体310内に戻すよう指示する。溶液及びKOHは、次いで、電気分解するために、反応器セル組立体310内部で再利用され得る。
【0101】
反応器システム313はまた、反応器リレー304、306、308、及び309に結合された電子制御モジュール(「ECU:electronic control module」)305を備え得る。反応器リレー304、306、308、及び309は、さらに、反応器セル組立体310の電解セルに接続されている。ECU305は、たとえば、回路基板を備え得る。本明細書に開示される様々な実施例において、ECU305は、反応器リレー304、306、308、及び309の動作を制御するように構成され、さらに、対応する反応器セル組立体310の構成を制御する。ECU305は、本明細書では独立型ユニットとして図示されているが、別法としてECU305は、制御システム301内に収容されてもよい。
【0102】
反応器リレー304、306、308、及び309は、作動状態と非作動状態との間で切替え可能な、電気スイッチであり得る。各反応器リレー304、306、308、及び309の動作状態は、制御システム301によって決定され得る。
【0103】
いくつかの実施例では、制御システム301は、温度信号316a、電流信号370a、又はエンジン・データ信号314に含まれる情報に基づいて、どの反応器リレーを作動させるかに関して判定できる。制御システム301は、次いで、関連する反応器リレー304、306、308、及び309を作動させるように、ECU305に命令する制御信号318を送信できる。具体的には、ECU305は、作動信号305a、305b、305c、又は305dをそれぞれ関連する反応器リレーに送信することにより、関連する反応器リレー304、306、308、及び309を作動させることができる。本明細書で説明される様々な実施例では、各反応器リレー304、306、308、及び309を作動させると、結果的に、反応器セル組立体310の構成が変更される。
【0104】
本明細書に開示される少なくとも1つの実施例では、反応器リレー304、306、308、及び309のそれぞれは、12VDC、4ピン、単極、単投リレーである。いくつかの他の実施例では、各反応器リレー304、306、308、及び309は5ピン・リレーである。様々な実施例において、反応器リレー304、306、308、及び309は、対応するリレーの電磁コイルに供給することにより作動される。
【0105】
反応器システム313は、正の電圧端子が反応器リレー304、306、308、及び309に接続された、電力源303をさらに備える。電力源303は、連続的な正の電圧信号301a、301b、301c、及び301dを、それぞれ、反応器リレー304、306、308、及び309に供給する。反応器リレーが、ECU305によって、好適な作動信号を使って作動されるとき、この反応器リレーに接続された電解セルの両端に正の電圧が供給され、それによって電解セルを作動させる。どの反応器リレー、したがってどの電解セルが作動されるかに応じて、セル組立体310は、固有のセル構成で動作する。
【0106】
電力源303は、たとえば、12ボルトの直流(DC:direct current)電圧源、又は13.8ボルトのDC供給源であり得る。他の場合には、電力源303は、交流(AC:alternating current)電圧源であり得る。電力源303がAC電圧源である場合、12ボルトのDC出力又は13.8ボルトのDC出力を作るために、昇圧又は降圧AC-DC電力変換器を電力源に結合できる。
【0107】
少なくともいくつかの実施例では、電力源303は、ECU305内に設けられる電源回路であり得る。いくつかの実施例では、電力源303は、ECU305から分離されてもよい。しかし、かかる実施例では、電力源303は、ECU305に電気的に結合できる。たとえば、図示のように、電力源303は、ECU305から制御信号303aを受信するように構成され、ここで制御信号303aは、電力源303を選択的に作動させるか又は停止状態にするために、電力源303の動作を制御する。
【0108】
ECU305内に収容され得る反応器制御基板(RCB:reactor control board)302は、電力源303の負電圧端子303bに結合されている。RCB302は、反応器セル組立体310に、電力源303からの負の電圧302’を供給するように構成される。RCB302はまた、組立体310に負の電圧を供給することによって、反応器セル組立体310の電流を制御するように構成される。
【0109】
様々な実施例において、RCB302は、組立体310の定められた電流制限に基づいて、反応器セル組立体310をオン及びオフにするように構成される。たとえば、反応器セル組立体310が10A(アンペア)の動作電流に設定されているが、20Aが供給されている場合、RCB302は、反応器セル組立体310を1秒間オンに保つよう動作し、次の秒にはオフにする。結果として、反応器セル組立体310は、2秒間にわたって平均10Aとなり、反応器セル組立体310の平均消費電流は、定められた制限内となる。様々な場合において、RCB302は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)で構成される。
【0110】
RCB302は、図3Aにおいて、ECU305内に収容されているものとして示されているが、他の場合には、RCB302は、ECU305とは別個のユニットであり得る。
【0111】
ここで、図3Aの反応器システム313を詳細に示す、図3Bを参照する。図3Bの反応器システム313は、ECU305、RCB302、電力源303、反応器リレー304、306、308、及び309、並びに反応器セル組立体310を備える。
【0112】
反応器セル組立体310は、電解セル310a~310lの配列を収納する。具体的には、図示の実施例において、電解セルの配列は、第1の電解セル310a、第2の電解セル310b、第3の電解セル310c、第4の電解セル310d、第5の電解セル310e、第6の電解セル310f、第7の電解セル310g、第8の電解セル310h、第9の電解セル310i、第10の電解セル310j、第11の電解セル310k、及び第12の電解セル310lを収納している。各電解セルは、2枚の横方向に間隔をあけて配置された電極板の、平行配置によって形成され得る。反応器セル組立体310は、12個の電解セルを備えて図示されているが、反応器セル組立体310は、他の場合には、様々な数の電解セルを備えてもよい。
【0113】
図示の実施例では、反応器セル組立体310の電解セル310a~310lは、互いに並列構成で配置された、第1のセル・ユニット311aと第2のセル・ユニット311bとの間で分割される。第1のセル・ユニット311a及び第2のセル・ユニット311bのそれぞれは、直列配置された(stacked in series)6つの電解セルを収納する。いくつかの他の実施例では、電解セル310a~310lの相異なる配置が行われ得る。
【0114】
第1及び第2のセル・ユニット311a、311bは、負の電圧信号302’を通してRCB302によって印加される、共通の負電圧を共有する。たとえば、RCB302は、第1及び第2のセル・ユニット311a、311bそれぞれのセル310fと310gとの間に挿置された、中央電極板に接続され得る。
【0115】
前述のように、反応器リレー304、306、308、及び309は、ECU305ばかりでなく、電力源303の正端子にも接続されている。動作中、第1の反応器リレー304は、電解セル310a及び310lの最も外側の電極板に、正の電圧を供給する。同様に、第2の反応器リレー306の動作中、第2の反応器リレーは、セル310bの外側の電極板及びセル310kの外側の電極板に、正の電圧を供給するように構成される。第3の反応器リレー308は、動作中、同様に、セル310cの外側の電極板及びセル310jの外側の電極板に、正の電圧を供給する。第4の反応器リレー309が動作して、セル310dの外側の電極板及びセル310iの外側の電極板に、正の電圧を供給する。ここでは、リレーが接続されている様々なセルを、ただ単に実例として提示している。いくつかの他の実施例では、リレーは、反応器セル組立体310内のセルの様々な組合せに接続され得る。
【0116】
本明細書に示される様々な実施例では、ECU305は、任意の所与のタイミングに、4つの反応器リレー304、306、308、及び309のうちの1つしか作動させないように構成される。反応器リレーが既に作動しており、且つ別の反応器リレーを作動させることが望ましい場合、ECU305は、所望のリレーを作動させる前に、まず作動しているリレーを停止状態にするように構成される。様々な場合において、ECU305は、特定の反応器リレーをトリガして作動させるか又は停止状態にするように、制御システム301から命令され得る。たとえば、制御システム301は、温度信号316aからの情報を使用して、反応器システム313近傍の周囲温度を判定でき、反応器セル組立体310のいかなる構成がこの状況に好適であるかを決定できる。次いで、制御システム301は、反応器組立体310の構成を、好適な構成に変更するために、特定の反応器リレーを作動させるようECU305に命令できる。
【0117】
他のいくつかの場合において、制御システム301は、反応器システム313の消費電流に基づいて、ECU305をトリガして反応器セル組立体310の構成を変更できる。たとえば、制御システム301は、検出された消費電流に基づいて、反応器システム313の温度及び/又はガス生成速度を判定できる。かかる場合に、制御システム301は、ガス生成速度及び/又は反応器システムの温度を変えるために、消費電流を増加又は減少させる、反応器セル組立体310の好適な構成を決定できる。次いで、制御システム301は、好適な反応器リレーを作動させるようECU305に命令できる。
【0118】
少なくともいくつかの場合において、反応器システム313はまた、システムが相異なるリレー間で切り替わるときに、電気的保護を可能にする電気ヒューズも備え得る。
【0119】
第1の反応器リレー304を作動させるために、ECU305は、第1の作動リレー信号305aを第1の反応器リレー304に送信する。作動されると、第1の反応器リレー304は、セル310a及び310lの電極板の両端間に正の電圧を供給できる。正の電圧は、セル310aの最も外側の電極板とセル310fの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差を発生させる。同様に、セル310lの最も外側の電極板とセル310gの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差が生じる。このようにして、第1の反応器リレー304は、反応器セル組立体310の12個の電解セル310a~310lすべてを作動させる。
【0120】
第2の反応器リレー306を作動させるために、ECU305は、第2の作動リレー信号305bを第2の反応器リレー306に送信する。作動されると、第2の反応器リレー306は、セル310b及び310kの電極板の両端間に正の電圧を供給できる。正の電圧は、セル310bの最も外側の電極板とセル310fの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差を発生させる。同様に、セル310kの最も外側の電極板とセル310gの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差が生じる。したがって、第2の反応器リレー308は、反応器セル組立体310の10個の電解セル310b~310kを作動させる。反応器セル組立体310の2つの最も外側の電解セル310a及び310lは、いかなる電圧又は電流も受け取らないので、非作動状態のままである。
【0121】
第3の反応器リレー308を作動させるために、ECU305は、第3の作動反応器信号305cを第3の反応器リレー308に送信する。作動されると、第3の反応器リレー308は、セル310c及び310jの電極板の両端間に正の電圧を供給する。正の電圧は、セル310cの最も外側の電極板とセル310fの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差を発生させる。同様に、セル310jの最も外側の電極板とセル310gの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差が生じる。したがって、第3の反応器リレー308は、反応器セル組立体310の8個の電解セル310c~310jだけを作動させる。反応器セル組立体310の4つの最も外側の電解セル310a、310b、310k、及び310lは、電圧又は電流を受け取らないので、非作動状態のままである。
【0122】
第4の反応器リレー309を作動させるために、ECU305は、第4の作動リレー信号305dを第4の反応器リレー309に送信する。作動されると、第4の反応器リレー309は、セル310d及び310iの電極板の両端間に正の電圧を供給できる。正の電圧は、セル310dの最も外側の電極板とセル310fの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差を発生させる。同様に、セル310iの最も外側の電極板とセル310gの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差が生じる。したがって、第4の反応器リレー309は、反応器セル組立体310の6個の電解セル310d~310iを作動させる。反応器セル組立体310の6つの最も外側の電解セル310a、310b、310c、310j、310k、及び310lは、いかなる電圧又は電流も受け取らないので、非作動状態のままである。
【0123】
4つの別個の反応器リレー304、306、308、及び309が図3A及び図3Bに示されているが、場合によっては、反応器リレーは単一の反応器リレー・ユニット内に統合され得る。単一の反応器リレー・ユニットは、第1、第2、第3、及び第4の反応器リレーに機能的に対応する、動作の少なくとも4つの作動モード間で切替え可能であるように構成され得る。さらに、4つの反応器リレーが図示されているが、反応器システム313において、電力システム303を反応器セル組立体310内の様々な電解セルに接続するために、4つより多い又は少ない反応器リレー・ユニットを使用できる。
【0124】
ここで、図3Bの反応器システム313の簡略化された構成図を示す、図3Cを簡単に参照する。図3Bの反応器システム313と同様の、反応器システム313は、ECU305、RCB302、電力源303、反応器リレー・システム350、及び反応器セル組立体310を備える。
【0125】
反応器リレー・システム350は、反応器リレー304、306、308、及び309のうちの1つ又は複数を備えることができる。たとえば、場合によっては、反応器リレー・システム350は、反応器リレー304、306、308、及び309のすべてを備えることができる。他の場合には、反応器リレー・システム350は、反応器リレー304、306、308、及び309の一部分だけを備えることができる。たとえば、反応器リレー・システム350は、反応器リレーのうちの1つだけ、反応器リレーのうちの2つ、又は反応器リレー304、306、308、及び309のうちの3つを備えることができる。したがって、反応器リレー・システム350は、セル構成のいかなる組合せをも作動させる、反応器リレーのいかなる組合せをも備えることができる。場合によっては、反応器リレー・システム350は、同じセル構成を作動させるために、複数の反応器リレーを備えることもできる。これには、1つ又は複数の反応器リレーが誤動作した場合に備えて、予備の反応器リレーを設けるという利点がある。さらに他の場合には、反応器リレー・システム350は、動作の1つ又は複数の作動モード間を切り替えるように構成された、単一の反応器リレーを備えることができる。たとえば、単一の反応器リレーは、第1、第2、第3、及び/又は第4の反応器リレーのうちの1つ又は複数の機能を実行できる。
【0126】
反応器リレー・システム350はまた、図3A及び図3Bの例示的な実施例に示されていない反応器リレーを備えることもできる。たとえば、反応器リレー・システム350は、反応器セル組立体310の4つのセルだけを作動させるための反応器リレーを備えることができる。たとえば、セル310e及び310hの電極板の両端間に正の電圧を印加する、反応器リレーを備えることができる。したがって、正の電圧は、セル310eの最も外側の電極板とセル310fの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差を発生させることができる。同様に、セル310hの最も外側の電極板とセル310gの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差が生じ得る。同様に、反応器リレー・システム350はまた、反応器セル組立体310の2つのセルだけを作動させるための反応器リレーを備えることもできる。たとえば、反応器リレーは、セル310f及び310gの電極板の両端間に、正の電圧を供給できる。正の電圧は、セル310fの最も外側の電極板とセル310fの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差を発生させる。同様に、セル310gの最も外側の電極板とセル310gの最も内側の電極板(RCB302から負の電圧信号302’を受信する)との間に、電位差が生じる。
【0127】
ここで、一実例による、反応器システムの第1の構成400Aの概略図を示す、図4Aを簡単に参照する。構成400Aは、ECU305、RCB302、電力源303、第1の反応器リレー304、及び反応器セル組立体310間の接続を示している。
【0128】
図示のように、第1の反応器リレー304は、導電性ワイヤによって、導電性フック402及び404に接続されている。フック402及び404は、それぞれ、反応器組立体310のセル310a及び310lの最も外側の電極板と並べられ、接続されている。RCB302は、別個のワイヤを通して、負の電圧信号302’を反応器セル組立体310に印加する。別個のワイヤは、セル310fと310gとの間の中央に位置する第3の導電性フック406に接続されている。
【0129】
少なくともいくつかの実施例では、第1の反応器リレー304は、ECU305によって作られた作動信号305aによって作動される。作動されると、第1の反応器リレー304は、正の電圧信号301aを介して電力源303から受け取った12V又は13.8Vの電圧を、反応器セル組立体310の、電解セル310a及び310fの両端間並びに電解セル310l及び310gの両端間に印加する。したがって、2V又は2.3Vの電位が、12個の電解セル310a~310lのそれぞれの両端間に生じる。
【0130】
場合によっては、温度信号316aが、反応器システム313周辺の周囲温度が、理想的な動作温度範囲内にあることを記録する場合、第1の反応器リレー304が作動される。非限定的な実例では、理想的な動作温度範囲は、摂氏約20から70度であり得る。
【0131】
他の場合において、電流信号370aが、反応器システム313が理想的なレベルの電流を消費していることを示す場合、第1の反応器リレー304が作動される。反応器システム313が、理想的なレベルの電流を消費している場合、これは、反応器システム313が理想的な速度でガスを生成している、且つ/又はそれ以外では、理想的な動作温度範囲内で動作していることを示し得る。非限定的な実例として、消費電流の理想的なレベルは約20Aであり得、これは、毎分約1.5Lのガスである、反応器システム313の理想的なガス生成速度、及び摂氏20から70度の間である、理想的な動作温度範囲を示し得る。
【0132】
次に、別の実例による、反応器システム313の第2の構成400Bの概略図を示す、図4Bを簡単に参照する。構成400Bは、ECU305、RCB302、電力源303、第2の反応器306、及び反応器セル組立体310間の接続を示している。
【0133】
図示のように、第2の反応器リレー306は、導電性ワイヤによって、導電性フック408及び410に接続され得る。フック408及び410は、セル310b及び310kの外側の電極板と並べられ、接続されている。
【0134】
少なくともいくつかの実施例では、第2の反応器リレー306は、ECU305によって作られた作動信号305bによって作動される。作動されると、第2の反応器リレー306は、正の電圧信号301bを介して電力源303から受け取った12V又は13.8Vの電圧を、反応器セル組立体310の、電解セル310b及び310fの両端間並びに電解セル310k及び310gの両端間に印加する。したがって、2.4V又は2.76Vの電位が、10個の作動される電解セル310b~310kのそれぞれの両端間に生じる。第1の反応器リレー304が作動される実施例と比較して、この構成(すなわち、第2の反応器リレー306が作動される場合)における各作動セルの両端間の電圧は、20%増加する。様々な場合において、各セルの両端間の電圧が20%増加すると、レクタ・セル組立体310全体からのガス生成(すなわち、電気分解による副生成物の、ガス生成物)の速度は、ほぼ200%速くなる。ガス生成量の増加により、反応器セル組立体310が加熱されるという利点ももたらされ得る。
【0135】
場合によっては、温度信号316aが、反応器システム313周辺の周囲温度が、理想的な動作温度範囲より下であることを記録する場合、第2の反応器リレー306が作動される。たとえば、第2の反応器リレー306は、動作温度が摂氏約0から50度の範囲内にある場合に、作動され得る。こうした場合、反応器システム313は、電解プロセスを実行するために若干の初期加熱を必要とし得る。
【0136】
他の場合において、電流信号370aが、反応器システム313の消費する電流が理想的なレベルより少ないことを示す場合、第2の反応器リレー306が作動される。反応器システム313の消費する電流が、理想的なレベルより少ない場合、これは、反応器システム313が、理想的な速度未満でガスを発生させている、且つ/又は理想的な動作温度範囲未満で動作していることを示し得る。非限定的な実例として、第2の反応器リレー306は、反応器システム313の消費電流が6Aから10Aの間の範囲で測定される場合に作動され得る。したがって、これは、反応器システム313が、予想される速度の半分(たとえば、毎分約0.75Lリットルのガス)でガスを生成しており、それ以外では、理想的な温度範囲(たとえば、摂氏0から50度)よりも低い温度で動作している可能性があることを示し得る。
【0137】
いくつかの実施例によれば、反応器システム313を加熱するか、又は電流消費レベルを増加させるために、制御システム301又はECU305は、作動信号305bを送信して、第2の反応器リレー306を作動させることができる。第1の反応器リレー304が既に作動している場合、制御システム301又はECU305は、まず第1の反応器リレー304を停止状態にして、次いで第2の反応器リレー306を作動させることができ、それによりいかなる所与の段階でも、1つの反応器リレーだけが作動している。
【0138】
第2の反応器リレー306を作動させると、反応器セル組立体310の構成は、10個の電解セルだけが作動するよう変更される。この動作モードでは、各作動セルは、増加した電圧(2.4V又は2.76V)を受け取り、その結果12個の作動セル構成と比較して、総ガス生成量が増加する。ガス生成量の増加は、反応器システム313を、反応器システムの理想的な動作温度範囲まで急速に暖めるのに役立ち得る。
【0139】
反応器システム313が、理想的な動作温度及び/又は消費電流レベルに達したとき、制御システム301又はECU305は、反応器セル組立体310を反応器セル組立体の初期設定の動作モードに戻すために、第2の反応器リレー306を停止状態にして、第1の反応器リレー304を再度作動させることができる。
【0140】
図2A及び図2Bに関連して論じられたように、反応器セル組立体310が、内燃機関に水素ガス及び酸素ガスを供給して燃料効率を高める適用例では、制御システム301はまた、ECU305に、第2の反応器リレー306を作動させて電気分解の速度を上げ、それに応じて、副生成物のガス(水素ガス及び酸素ガスなど)の生成量を増加させるよう指示できる。
【0141】
たとえば、制御システム301は、内燃機関又は対応する電子制御モジュールから、エンジン・データ信号314を通して、水素ガス及び酸素ガスの量を増やす必要があるという情報を受信できる。この場合、制御システム301は、反応器セル組立体310の構成を12個の作動セルから10個の作動セルに変更するために、ECU305に、第1の反応器リレー304を停止状態にして、第2の反応器リレー306を作動させるよう指示できる。10個の作動セルへ変更することにより、結果的に、12個の作動セル構成と比較して、ガスの生成量が2倍に増加し得る(たとえば、1.5リットル/分から3.0リットル/分に増加)。
【0142】
ここで、別の実例による、電解反応器システムの第3の構成400Cの概略図を示す、図4Cを参照する。構成400Cは、ECU305、RCB302、電力源303、第3の反応器308、及び反応器セル組立体310間の接続を示している。
【0143】
図示のように、第3の反応器リレー308は、導電性フック412及び414に接続できる。フック412及び414は、セル310c及び310jの外側の電極板と並べられ、接続されている。第3の反応器リレー308と、導電性フック412及び415との間の接続は、ワイヤ接続であり得る。
【0144】
少なくともいくつかの実施例では、第3の反応器リレー308は、ECU305によって作られた作動信号305cによって作動される。作動されると、第3の反応器リレー308は、正の電圧信号301cを介して電力源303から受け取った12V又は13.8Vの電圧を、反応器セル組立体310の、電解セル310c及び310fの両端間並びに電解セル310j及び310gの両端間に印加する。したがって、3V又は3.45Vの電位が、8個の作動される電解セル310c~310jのそれぞれの両端間に生じる。第1の反応器リレー304が作動される実施例と比較して、この構成(すなわち、第3の反応器リレー308が作動される場合)における各作動セルの両端間の電圧は、50%増加する。様々な場合において、各セルの両端間の電圧が50%増加すると、レクタ・セル組立体310全体でほぼ400%、副生成物のガス生成の速度が増す。ガス生成量の増加により、反応器セル組立体310が加熱されるという利点ももたらされ得る。
【0145】
場合によっては、第3の反応器リレー308は、反応器システム313周辺の周囲温度が、低い動作温度の範囲内にあると判定された場合に作動する。低い温度の非限定的な実例は、摂氏約0から-28度の範囲内であり得る。
【0146】
他の場合において、第3の反応器リレー308は、反応器システム313の消費電流が、非常に低い消費電流の範囲内にあると判定された場合に作動する。非常に低い消費電流の非限定的な実例は、0Aから5Aの間の範囲内であり得る。これは、反応器システム313に関連する周囲温度の低下に起因する可能性がある。
【0147】
この範囲内の消費電流は、結果的に、非常に低い生成速度でガスを発生させる可能性がある。かかる条件下では、12個又は10個の作動セル構成による消費電流は、所望のガス生成量を発生させるのに、且つ/又は反応器システム313内で電気分解を実行するために十分な熱を発生させるのに、十分ではない場合がある。したがって、制御システム301又はECU305は、場合によっては、第3の反応器リレー308を作動させ、第1又は第2の反応器リレーを停止状態にすることができる。このようにして、反応器セル組立体310の構成は、12個又は10個の作動セル構成から8個の作動セル構成に変更される。8個のセル構成に起因するより速いガス生成速度は、反応器システム313を、反応器システムの理想的な動作温度範囲まで迅速に暖機するのに役立ち得る。
【0148】
反応器システム313が、反応器システムの理想的な動作温度範囲及び/又は消費電流レベルに達したとき、場合によっては、制御システム301又はECU305は、第3の反応器リレー308を停止状態にして、第1又は第2の反応器リレーのいずれかを、再度作動させることができる。
【0149】
反応器セル組立体310が、内燃機関に水素ガス及び酸素ガスを供給する適用例では、制御システム301が、内燃機関は、より多量の又はより速い水素ガス及び酸素ガスの流入を必要としているという、エンジン・データ信号314からの情報を受信した場合に、第3の反応器リレー308を作動させることもできる。こうした場合において、第1又は第2の反応器リレーによって作られたセル構成が十分な量のガスを生成しない場合、第3の反応器リレー308を作動させることができる。
【0150】
ここで、別の実例による、電解反応器システムの第4の構成400Dの概略図を示す、図4Dを参照する。構成400Dは、ECU305、RCB302、電力源303、第4の反応器309、及び反応器セル組立体310間の接続を示している。
【0151】
図示のように、第4の反応器リレー309は、導電性フック416及び418に接続できる。フック416及び418は、セル310d及び310iの外側の電極板と並べられ、接続されている。第4の反応器リレー309と、導電性フック416及び418との間の接続は、ワイヤ接続であり得る。
【0152】
少なくともいくつかの実施例では、第4の反応器リレー309は、ECU305によって作られた作動信号305dによって作動される。作動されると、第4の反応器リレー309は、正の電圧信号301dを介して電力源303から受け取った12V又は13.8Vの電圧を、反応器セル組立体310の、電解セル310d及び310fの両端間並びに電解セル310g及び310iの両端間に印加する。したがって、4V又は4.6Vの電位が、6個の作動される電解セル310d~310iのそれぞれの両端間に生じる。第1の反応器リレー304が作動される実施例と比較して、この構成(すなわち、第4の反応器リレー309が作動される場合)における各作動セルの両端間の電圧は、100%増加する。様々な場合において、各セルの両端間の電圧が100%増加すると、レクタ・セル組立体310全体でほぼ800%、副生成物のガス生成の速度が増す。ガス生成量の増加により、反応器セル組立体310が加熱されるという利点ももたらされ得る。
【0153】
第3の反応器リレー308と同様に、第4の反応器リレー309も、反応器システム313周辺の周囲温度が、低い動作温度の範囲内にあると判定された場合に作動され得る。低い温度の非限定的な実例は、摂氏約0から-28度の範囲内であり得る。
【0154】
他の場合において、第4の反応器リレー309もまた、反応器システム313の消費電流が、非常に低い消費電流の範囲内にあると判定された場合に作動する。非常に低い消費電流の非限定的な実例は、0Aから5Aの間の範囲であり得る。
【0155】
様々な場合において、12個、10個、又は8個の作動セル構成による消費電流が、所望のガス生成量を発生させるのに、且つ/又は反応器システム313内で電気分解を実行するために十分な熱を発生させるのに、十分ではない可能性がある場合に、第4の反応器リレー309を作動させることができる。したがって、制御システム301又はECU305は、場合によっては、第4の反応器リレー309を作動させ、第1、第2、又は第3の反応器リレーを停止状態にすることができる。このようにして、反応器セル組立体310の構成は、12個、10個、又は8個の作動セル構成から6個の作動セル構成に変更される。6個のセル構成に起因するより速いガス生成速度は、反応器システム313を、反応器システムの理想的な動作温度範囲まで迅速に暖機するのに役立ち得る。
【0156】
反応器システム313が、反応器システムの理想的な動作温度範囲及び/又は消費電流レベルに達したとき、場合によっては、制御システム301又はECU305は、第4の反応器リレー309を停止状態にして、第1、第2、又は第3の反応器リレーのいずれかを、再度作動させることができる。
【0157】
反応器セル組立体310が、内燃機関に水素ガス及び酸素ガスを供給する適用例では、制御システム301が、内燃機関は、より多量の又はより速い水素ガス及び酸素ガスの流入を必要としているという、エンジン・データ信号314からの情報を受信した場合に、第4の反応器リレー309を作動させることもできる。こうした場合において、第1、第2、又は第3の反応器リレーによって作られたセル構成が十分な量のガスを生成しない場合、第4の反応器リレー309を作動させることができる。
【0158】
様々な実施例において、第1の反応器リレー304が作動して反応器セル組立体310に13.8Vの電圧を印加する第1の動作モードでは、反応器セル組立体310は、室温で総電流15Aを消費し得る。第1の反応器リレー304が反応器セル組立体310内の12個のセルに接続されている場合、2.3Vの電圧が各電解セルに印加され、各電解セルは個々に約1.25Aを消費する。かかる場合に、反応器セル組立体310の総ガス生成量は、約1リットル/分であり得、セル当りの総ガス生成量は、約0.0833リットル/分であり得る。
【0159】
反応器セル組立体310が第2の動作モードで動作している場合、すなわち、第2の反応器リレー306が作動して反応器セル組立体310に13.8Vの電圧を印加する場合、反応器セル組立体310は、室温で総電流30Aを消費し得る。第2の反応器リレー306が反応器セル組立体310内の10個のセルに接続されている場合、2.76Vの電圧を各電解セルに印加することができ、各電解セルは個々に約3Aを消費する。かかる場合に、反応器セル組立体310の総ガス生成量は、約2.0リットル/分であり得、セル当りの総ガス生成量は、約0.2リットル/分であり得る。第1の動作モードと比較して、この場合の各セルの効率は240%向上し、反応器セル組立体310全体の総効率は200%向上する。
【0160】
反応器セル組立体310が第3の動作モードで動作している場合、すなわち、第3の反応器リレー308が作動して反応器セル組立体310に13.8Vの電圧を印加する場合、反応器セル組立体310は、室温で総電流60Aを消費し得る。第3の反応器リレー308が反応器セル組立体310内の8個のセルに接続されている場合、3.45Vの電圧が各電解セルに印加され、各電解セルは個々に約7.5Aを消費する。かかる場合に、反応器セル組立体310の総ガス生成量は、約4.0リットル/分であり得、セル当りの総ガス生成量は、約0.5リットル/分であり得る。第1の動作モードと比較して、この場合、各セルの効率は600%向上し、反応器セル組立体310全体の効率は400%向上する。
【0161】
反応器セル組立体310が第4の動作モードで動作している場合、すなわち、第4の反応器リレーが作動して反応器セル組立体310に13.8Vの電圧を印加する場合、反応器セル組立体310は、室温で総電流120Aを消費し得る。第4の反応器リレーが反応器セル組立体310内の6個のセルに接続されている場合、4.6Vの電圧が各電解セルに印加され、各電解セルは個々に約20Aを消費する。かかる場合に、反応器セル組立体310の総ガス生成量は、約8.0リットル/分であり得、セル当りの総ガス生成量は、約1.33リットル/分であり得る。第1の動作モードと比較して、この場合、各セルの効率は1600%向上し、反応器セル組立体310全体の効率は800%向上する。
【0162】
表2は、様々な反応器セル組立体310構成について、反応器セル組立体310に関連する電圧及び電流測定値、並びにガス生成速度の実例を提示している。
【表2】
【0163】
表3は、反応器システム313の近傍での、様々な周囲温度に対する反応器セル組立体310の最適構成の実例を提示する。
【表3】
【0164】
表4は、様々な反応器セル組立体310の構成での、さらなる例示的なガス生成量及び消費電流レベルを提示する。具体的には、表4の値は、反応器システム313の近傍での周囲温度が、室温よりわずかに高い(たとえば、摂氏30度)こと、及び13.8ボルトの供給電圧が、反応器セル組立体310に印加されていることを想定している。より冷たい周囲温度では、電気分解プロセスを触媒するだけでなく、反応速度を上げるために、セル構成を切り替えることによって生じた熱を使用して、反応器システム313内部の反応器溶液が暖められる。しかし、周囲の室温よりも暖かい温度では、反応器システム313は、電気分解を開始するのに加熱を必要としない。したがって、反応器組立体313が周囲の室温よりも暖かい温度で動作しているときに、セル構成を切り替えることによって生じたエネルギーは、単に熱の形でシステムから放散される。以下の表4は、反応器システム313が周囲の室温よりわずかに暖かい温度で動作するときに、エネルギーが熱の形で放散される程度を示している。表4の値はまた、セル構成の各切替えによって、システムが発生させる熱の増加する程度も示している。周囲温度がより低いときに、この熱は、反応器の溶液を暖機するために使用される。
【表4】
【0165】
表4に示されるように、反応器セル組立体310を12セル構成から10セル構成に切り替えると、ガス生成量が16.82%増加し、消費電流が39.86%増加する。これにより、結果的に、16.71%のエネルギー損失が、システムからの熱の形で生じる。同様に、反応器セル組立体310を10セル構成から8セル構成に切り替えると、結果として、ガス生成量が50%増加し、消費電流が105%増加する。これにより、結果的に、熱の形での38.87%のエネルギー損失が生じる。さらに、10セル構成から6セル構成に切り替えると、結果的に、システムによって生じる熱が48.59%増加する。したがって、反応器システム313によって生じる熱損失の量は、セル構成の各切替えに伴って著しく増加する(たとえば、16.71%から38.87%へ、38.87%から48.59%へ)。熱の増加は、室温よりも暖かい温度でシステムから単に放散されるが、この同じ熱を使用して、反応器システム313を、より冷たい周囲温度で暖機できる。したがって、表4の値は、セル構成を切り替えることによって反応器システム313を暖機できる程度を示している。様々な場合において、セルの両端間の電圧を下げて各セルが生成するガスをより少なくさせることにより、より暖かい周囲温度で熱損失を減らすことができる。前述のように、反応器リレーを切り替えた結果である消費電流の変化に対応するために、反応器システム313は、過電流保護を可能にする電気ヒューズを備え得る。
【0166】
表5は、様々な反応器セル組立体310の構成での、さらに別の例示的なガス生成量及び消費電流レベルを提示する。表5は、反応器システム313の近傍での周囲温度が理想的な室温に近い(たとえば、摂氏24度)こと、及び13.8Vの供給電圧が、反応器セル組立体310に印加されていることを想定している。しかし、表5は、様々な消費電流及びガス生成量の値についての、反応器セル組立体310の動作を示している。
【表5】
【0167】
表5に示すように、12セル構成から10セル構成に切り替えると、結果として、消費電流が71%増加するが、ガス生成量は58%しか増加しない。消費電流(たとえばエネルギー投入量)とガス産出生成量(たとえばエネルギー産出量)との間の13%の差は、熱の形でシステムから失われたエネルギーの量を表す。同様に、10セル構成から8セル構成に切り替えると、消費電流は46%増加する一方で、ガス産出生成量は20%しか増加しない。したがって、26%の差はやはり、熱によるエネルギー損失を表す。同様に、反応器が8セル構成から6セル構成に切り替わると、消費電流は49%増加する一方で、ガス生成量は14%しか増加せず、結果として35%のエネルギー差をもたらす。したがって、表5から、反応器システム313によって生じる熱損失の量が、セル構成の各切替えに伴い、著しく増加することも観察できる。以前に述べたように、より冷たい周囲温度では、この熱は、反応器システム313内部の溶液を暖めるために使用できる。
【0168】
ここで、それぞれが、反応器セル及びタンク・システム組立体500A及び500Bの、例示的な実施例の斜視図を概略的に示している、図5A及び図5Bを参照する。図5Aは、一実例による、反応器セル及びタンク・システム組立体500Aを示している。図5Bは、別の実例による、反応器セル及びタンク・システム組立体500Bを示している。
【0169】
図5Aは、タンク・システム312及び反応器セル組立体310を備える、反応器セル及びタンク・システム組立体500Aを示している。タンク・システム312は、3つの容器502、504、及び506を備える。容器502及び504は、反応器セル組立体310と流体連通している。容器502及び504は、入口502a及び504aを通して、溶液ポンプ390から電解質溶液を受容する。電解質溶液は、電気分解するために、容器502及び504から反応器セル組立体310に供給される。容器502及び504はまた、電気分解の副生成物として反応器セル組立体310から生じたガスを収集する。本明細書でさらに詳細に説明されるように、容器502及び504で収集されたガスは、容器506に運ばれ得る。内燃機関が反応器システム313に結合されている適用例では、容器506内のガスは、ガス出口506aを通って該内燃機関に移送され得る。様々な場合において、ガスは、内燃機関の空気取入口に連結されたガス供給ライン550を通って内燃機関に移送される。ガス供給ライン550は、たとえば、連結管であり得る。
【0170】
容器502及び504はそれぞれ、レベル・センサ510及び512をそれぞれ内蔵できる。レベル・センサ510及び512は、それぞれ、図3Aのレベル・センサ360に類似しており、反応器セル組立体310内部の溶液のレベルを検出できる。レベル・センサは、たとえば、フロート・スイッチであり得る。
【0171】
レベル・センサ510又は512で使用され得るフロート・スイッチの実例が、図5C及び図5Dに示されている。図5C及び図5Dは、本体部分511a及びバルブ部分511bを備える、フロート・スイッチ511を示している。バルブ部分511bは、本体部分511aに枢動可能に取り付けられている。図5Cは、バルブ511aが、水平軸に沿って本体部分511aより下に垂れている、トリガされていない状態のフロート・スイッチ511を示している。図5Dは、今度はバルブ511aが本体部分511aと水平に並ぶように上方へ枢動された、トリガされた状態のフロート・スイッチ511を示している。フロート・スイッチは、バルブ511aを、本体部分511bと水平に一直線上に浮き上がらせるように(たとえば、図5D)、反応器セル組立体310内部の溶液が、少なくともフロート・スイッチのレベルまで上昇したときに、トリガされ得る。
【0172】
図5Aに戻って参照すると、レベル・センサ510及び512は、レベル・センサがトリガされたときに作動されるマイクロ・スイッチを備え得る。作動されたマイクロ・スイッチは、センサ信号312aを制御システム301に送信するように構成され得る。場合によっては、制御システム301がセンサ信号312aを受信すると、制御システム301は、反応器セル組立体310が十分な量の溶液で満たされ、電気分解プロセスを実行する準備ができていると判定できる。こうした場合、制御システム301は、溶液ポンプ390に、タンク・システム312への溶液の供給を止めるよう指示できる。制御システム301はまた、反応器セル組立体310への電力の供給を開始するために、反応器リレー304~309のうちの1つを作動させるよう、ECU305に指示できる。
【0173】
図5Bは、別の実例による、反応器セル及びタンク・システム組立体500Bを示している。反応器セル及びタンク・システム組立体500Bは、反応器セル及びタンク・システム組立体500Aのすべての要素を備える。しかし、組立体500Bは、容器502及び504内で、それぞれ、組立体500Aのレベル・センサ510及び512よりも低いところに配置された、レベル・センサ510及び512を備える。
【0174】
容器502及び504の容積は一定のままであるので、組立体500B内のレベル・センサの位置がより低いことにより、反応器セル組立体310は、レベル・センサをトリガする前に、より少量の溶液しか受容しないという結果になる。結果として、組立体500B内のレベル・センサの位置がより低いことにより、反応器セル組立体310が、より少量の溶液に対して電気分解を実行するという結果になる。すなわち、反応器組立体310は、電気分解を実行するために、より少ない供給量の溶液しか必要としない。さらに、より寒い天候では、組立体500Bの反応器セル組立体310内のより少量の溶液は、組立体500Aの反応器セル組立体310内のより多量の溶液よりも、迅速に加熱され得る。
【0175】
また、組立体500B内のレベル・センサの位置がより低いことにより、容器502及び504は、レベル・センサがトリガされる前に、より少量の溶液しか受容しないという結果になる。容器502及び504に受容される溶液がより少量であることにより、反応器セル組立体310内部の溶液に対するヘッド圧力が低下し得る。ヘッド圧力とは、反応器セル組立体310内部に存在するガスが直面する抵抗を指す。
【0176】
例示的な実施例では、組立体500A内のレベル・センサ510及び512は、容器502及び504の上蓋から約5.72センチメートル(2.25インチ)に配置され、組立体500B内のレベル・センサ510及び512は、容器502及び504の上蓋から8.26センチメートル(3.25インチ)に配置される。組立体500Aと比較して、組立体500B内のレベル・センサの位置がより低いことにより、レベル・センサがトリガされる前の、反応器セル組立体310内に溜まる溶液は、約400ml、より少ないという結果になる。
【0177】
ここで、反応器セル及びタンク・システム組立体600A及び600Bの、さらに例示的な実施例の斜視図をそれぞれ概略的に示している、図6A及び図6Bを参照する。図6Aは、一実例による、反応器セル及びタンク・システム組立体600Aを示している。図6Bは、別の実例による、反応器セル及びタンク・システム600Bの組立体を示している。
【0178】
図6Aは、反応器セル組立体310及びタンク・システム312を備える、反応器セル及びタンク・システム組立体600Aを示している。タンク・システム312は、反応器セル組立体310と流体連通している容器502及び504を備える。容器502及び504は、溶液ポンプ390から水(又は他の電解質溶液)を受容するために、入口502a及び504aを有する。溶液は、容器502及び504から反応器セル組立体310内に供給され、電気分解に使用される。電気分解の副生成物として、反応器セル組立体310によって生じたガスは、容器502及び504のそれぞれの中に、戻されて収集される。
【0179】
容器502及び504で受容されたガスは、ガス配管602aを通って容器506に運ばれ得る。図示のように、ガス配管602aは、容器502及び504それぞれのガス出口502b及び504b、並びに容器506のガス入口506bに連結されている。したがって、ガスは、ガス出口502b及び504bそれぞれを通って、容器502及び504のそれぞれを出て、ガス配管602aを通って容器506に移動できる。容器506はまた、容器502及び504から収集されたガスが、容器506を出てガス供給ライン550に入ることができる、ガス出口506aを有する。ガス供給ライン550は、ガスを、容器506から反応器及びタンク組立体600Aに結合されたユニット又はデバイスへ運ぶ、チャネリング媒体(たとえば、管)であり得る。反応器及びタンク組立体600Aが内燃機関に連結されている例示的な場合において、ガス供給ライン550は、容器506から内燃機関の空気取入口へガスを供給できる。場合によっては、エンジンの空気取入れによって生じる吸引力が、容器502及び504からガス配管602aを通って容器506内への、またガス供給ライン550を通って内燃機関への、ガスの流れを促進する。
【0180】
図示されるように、ガス配管602aは、ガス継手604aを使ってつなぎ合わされたガス管608aを備える。ガス管608a及びガス継手604aはそれぞれ、内径によって画定され得る。ガス管608a及びガス継手604aの内径は、所与の段階で、こうした構成要素を通って流れることができるガスの容積を決定するように、選択できる。内径はまた、こうした構成要素を通って流れるガスが直面する抵抗のレベルも決定し得る。
【0181】
図6Bは、別の実例による、反応器セル及びタンク・システム組立体600Bを示している。反応器セル及びタンク・システム組立体600Bは、反応器セル及びタンク・システム組立体600Bがガス配管602aの代わりにガス配管602bを備えることを除いて、反応器セル及びタンク・システム組立体600Aのすべての要素を備える。ガス配管602bは、ガス継手604bを使ってつなぎ合わされたガス管608bを備える。ガス配管602b(すなわち、ガス管608b及びガス継手604b)は、組立体600Aのガス配管602aよりも内径が大きい。
【0182】
ガス配管602bの直径を増やすことで、より多量のガスが配管を通って運ばれるのを補助し、また一方でガスの流れへの抵抗を減らす。したがって、ガス配管602bは、毎分より高速にガスを発生させるセル反応器組立体310の構成を補助できる。ICEが反応器セル組立体310に連結されている適用例では、ガス配管602bの直径を増やすことにより、ICEへのガスの流量を増やすことを補助する。
【0183】
いくつかの実施例では、ガス配管602aは0.95センチメートル(3/8インチ)の外径を有し、一方、ガス配管602bは、1.27センチメートル(0.5インチ)の外径を有する。ガス配管602bの外径が0.32センチメートル(1/8インチ)増えると、ガス配管602bを通るガスの流れる容量は、結果的に、ガス配管602aを通るガスの流量と比較して、125%増加する。図6Eは、図6Aによるガス継手604a及び図6Bによるガス継手608bの斜視図である。図6Fは、図6Aによるガス管608a及び図6Bによるガス管608bの斜視図である。図示されるように、ガス継手604a及びガス管608aは、ガス継手604b及びガス管608bより直径が小さい。たとえば、ガス継手604a及びガス管608aは、0.64センチメートル(0.25インチ)の外径を有してもよく、一方、ガス継手604b及びガス管608bは、0.95センチメートル(3/8インチ)の増加した直径を有してもよい。ガス継手604b及びガス管608bの直径を増やすことにより、より多量のガスが継手604b及び管608bを通って流れるのを補助する。
【0184】
ここで、別の実例による、反応器セル及びタンク・システム組立体600Cを示している、図6Cを参照する。
【0185】
容器502~506は、ガス状副生成物を収集することに加えて、場合によっては、反応器セル組立体310から溶液及びKOHを誤って収集する可能性がある。たとえば、容器502~506は、場合によっては、反応器及びタンク組立体600Cに連結された内燃機関によって生じる大きな吸引力のために、電解質溶液及びKOHを収集する可能性がある。たとえば、内燃機関が高速(たとえば、高いRPM)で動作している場合、又はエンジンのターボチャージャが作動している場合に、エンジンは、より多くの空気の供給を必要とする場合がある。したがって、余分な空気の供給量が、エンジンの空気取入口を通して引き込まれる可能性があり、これは、空気取入口に連結されているガス供給ライン550を通して、より大きな吸引力を発生させ得る。次に、吸引力は、容器502~506の内部に、負圧の高まりを発生させる可能性があり、これは、電解質溶液及びKOHを、反応器セル組立体310からタンク・システム312内に引き込み得る。
【0186】
電解質溶液及びKOHはまた、反応器セル組立体310の内部の電気分解によって生じるガス蒸気が凝縮した結果、容器502~506の内部に溜まる可能性もある。具体的には、反応器セル組立体310内部のセル構成の各切替えによって、反応器セル組立体310内部の温度が上昇し、その結果、形成されているガス中により多量の蒸気が生じる可能性がある。場合によっては、ガス蒸気が容器502~506の内部で凝縮し、その結果、各容器の内部に溶液及びKOHが溜まる可能性がある。反応器及びセル組立体600Cがより暖かい周囲温度で動作している場合、ガス蒸気が凝縮する問題が際立つ。
【0187】
様々な場合において、大きな吸引力又はガス蒸気の凝縮に起因して、容器502~506内部に溶液及びKOHが溜まると、次に、反応器及びタンク組立体600Cに連結されているユニット又はデバイスへの浸水をもたらす可能性がある。たとえば、内燃機関によって生じた吸引力は、溶液及びKOHを容器506からガス供給ライン550を通って内燃機関に引き込み、エンジンに損傷を与える可能性がある。
【0188】
いくつかの実施例では、容器502~506内部に溶液及びKOHが溜まり、その結果として容器506から連結されたユニット又はデバイスへ溢れ出ることを防ぐために、容器506は、オーバフロー・センサ610を備え得る。オーバフロー・センサ610は、図3Aのオーバフロー・センサ365に類似している。オーバフロー・センサ610は、容器506内部の溶液及びKOHのレベルが、所定の閾値の高さを確実に超えないようにすることで、安全性チェック機能を実現する。
【0189】
いくつかの実施例では、容器506はまた、容器506の内部容積と流体連通しているポンプ612を備える。ポンプ612は、図3Aのポンプ380に類似している。オーバフロー・センサ610が作動される場合、ポンプ612は、過剰な溶液及びKOHを容器506からポンプ移送して、反応器セル組立体310内に戻すことができる。場合によっては、過剰な溶液及びKOHを運ぶための流路管614を設けて、容器506からポンプで排出して、反応器セル組立体310内に戻すことができる。具体的には、ポンプ612を使用することにより、システムの過剰な停止時間をもたらす可能性がある、反応器及びセル組立体600Cを閉め、容器506を手動で取り外して空にする必要性を回避する。
【0190】
様々な場合において、ポンプ612は、制御システム301によって作動され得る。ポンプ612を作動させるために、オーバフロー・センサ610は、作動時にセンサ信号312bを制御システム301に送信する、マイクロ・スイッチを備え得る。制御システム301は、センサ信号312bを受信して処理し、ポンプ612に、容器506から流路管614内への溶液及びKOHのポンプ移送を開始するよう指示する。場合によっては、流路管614は、過剰な溶液及びKOHを、容器506から反応器セル組立体310の底部へ運ぶことができる。これは、具体的には、KOHの、反応器セル組立体310の内部に既に存在する電解質溶液との適切な再混合を助けるという利点を有し得る。電解質溶液が水を含む場合、水と比較してより高濃度のKOHが、適切に再混合される助けとなり、反応器セル組立体310の上部ではなく底部から注入することを、さらに正当化できる。
【0191】
様々な場合において、ポンプ612による移送は、容器506の全量をポンプ移送して反応器セル組立体310内に戻すことができる十分な時間であり得る、5秒間行うことができる。ポンプ移送が完了し、溶液及びKOHのレベルがオーバフロー・センサ610の高さより下に戻ると、制御システム302は、ポンプ612を停止状態にすることができる。
【0192】
溶液及びKOHをポンプ移送して反応器組立体310内に戻すことにより、KOHを電気分解プロセスで再使用できることが理解されよう。さらに、やはり溶液及びKOHをポンプ移送して反応器セル組立体310内に戻すことにより、確実に、反応器セル組立体310内部のKOHの濃度は薄まらず、さもなければ一定レベルに維持される。電解質溶液が水である場合、KOH溶液が薄くなると、反応器セル組立体310内部の水の沸点が上昇し得る。これにより、次に、結果的に、セル組立体310によって生じるガス蒸気の容積が増加し、ガス蒸気が凝縮すると、容器502~506の内部にさらにKOHが溜まる可能性がある。反応器セル組立体310内部のKOHの濃度がより低いと、水の凝固点も低下し、これにより、より冷たい周囲温度で反応器システムが動作する際に、水がより凍結しやすくなる。したがって、これにより、より冷たい温度での運転中に、反応器システムの機能が損なわれる可能性がある。なお、さらに、KOHの濃度がより低いと、反応器セル組立体310内部の液体混合物の導電率が低下し、その結果、ガス生成量が低下し、したがって、反応器及びセル組立体600Cの効率が低下する可能性がある。
【0193】
いくつかの実施例では、容器506は、2次オーバフロー・センサ616を備え得る。2次オーバフロー・センサ616は、1次オーバフロー・センサ610に類似し得るが、ガス出口506aのより近くに位置し得る。2次オーバフロー・センサ616は、容器506内部の溶液及びKOHが溢れ出るのを防止する、予備の安全機構を実現できる。たとえば、2次オーバフロー・センサ616は、溶液及びKOHがポンプ612によって容器506からポンプ移送されている速度よりも速い速度で、溶液及びKOHが容器506に流入している場合に必要であり得る。他の場合には、2次オーバフロー・センサ616は、1次センサ610及び/又はポンプ612が誤動作する場合に必要となる可能性がある。
【0194】
2次オーバフロー・センサ616が作動する場合、2次オーバフロー・センサ616は、信号312bを制御システム301に送信できる。制御システム301は、この信号を処理し、それに応答して、反応器及びタンク・システム600Cをシャット・ダウンすることができる。制御システム301は、制御信号318をECUに送信して、すべての反応器リレー304~309を停止状態にすることで、反応器及びタンク・システム600Cをシャット・ダウンすることができる。反応器リレーを停止状態にすることにより、正の電圧が反応器セル組立体310に印加されず、電気分解プロセスは停止する。
【0195】
場合によっては、容器506は、1次オーバフロー・センサ610又はポンプ612を備えていなくてもよいが、2次オーバフロー・センサ616だけを備え得る。こうした場合、2次オーバフロー・センサ616が作動すると、反応器及びタンク組立体600Cは自動的にシャット・ダウンされる。
【0196】
いくつかの実施例では、容器506は、視覚的インジケータ618も備え得る。視覚的インジケータ618は、たとえば、LEDライトであり得る。視覚的インジケータ618は、容器506の外側、又はさもなければ、容器506の外部の他の任意の場所に位置し得る。場合によっては、容器506は、少なくとも部分的に透明な外側を有してもよく、視覚的インジケータ618は、容器506の内部に位置し得る。視覚的インジケータ618は、2次オーバフロー・センサ616に接続(たとえば、電気的に接続)することができ、それにより2次オーバフロー・センサ616が作動するときに、視覚的インジケータ618は作動する。他の場合には、視覚的インジケータ618は、制御システム301に接続することができ、制御システム301が2次オーバフロー・センサ616から信号312bを受信すると、制御システム301によって作動され得る。視覚的インジケータ618が作動すると、これは、容器506が溶液及びKOHで溢れていること、及び容器506を手動で取り外して空にする必要があることを、ユーザに示すことができる。
【0197】
いくつかの実施例では、2次オーバフロー・センサ616は、作動時に反応器システム600Cを自動的にシャット・ダウンすることができず、視覚的インジケータ618のみを作動させることができる。視覚的インジケータ618が作動すると、ユーザは、反応器及びタンク組立体600Cを手動でシャット・ダウンし、容器506を空にすることができる。さらに他の場合には、視覚的インジケータ618は、1次オーバフロー・センサ610に接続できる。
【0198】
ここで、いくつかのさらなる例示的な実施例による、反応器セル及びタンク・システム組立体600Cの容器506の上面斜視図を概略的に示している、図6Dを参照する。
【0199】
図示されるように、容器506は、ガス出口506a及びガス入口506bを有する。ガス出口506aは、ガス供給ライン550に連結し、ガス供給ラインは、ガスを、反応器及びタンク組立体600Cに連結されたユニット又はデバイス(たとえば、内燃機関)に運ぶ。ガス入口506bは、容器502及び506からの、ガス配管602a又は602bを通る、ガスを受容するために使用される。
【0200】
図示の実施例では、容器506はまた、追加の出口506cを有する。図示のように、出口506cは、第1の圧力逃し弁622及び第2の圧力逃し弁624に結合された、管継手組立体620を受容できる。
【0201】
第1の圧力逃し弁622は、反応器及びタンク組立体600C内部の負圧の高まりを防止するために使用できる。様々な場合において、負圧は、ガス供給ライン550を介して容器506に連結されている内燃機関によって生じる、大きな吸引力に起因する可能性がある。負圧は、反応器及びタンク組立体600Cの内側と、反応器及びタンク組立体600Cの外側との間に、大きな圧力差(たとえば、大気圧)を発生させることにより、反応器及びタンク組立体600Cにストレスをかける可能性がある。場合によっては、反応器及びタンク組立体内部の負圧により、溶液及びKOHが、反応器セル組立体310からタンク組立体312内及びエンジン内に溢れ出る可能性もある。図示されるように、第1の圧力逃し弁622は、継手組立体620を介して容器506と連通している入口端部622a、及び対向する出口端部622bを備え得る。入口端部622aで、容器506の内部での負圧の閾値までの高まりが検出されると、圧力逃し弁622が開き、空気が流れて容器506に入ることを可能にし得る。空気の流入により、反応器及びタンク組立体600Cの内側の圧力が、反応器及びタンク組立体の外側の大気圧と等しくなる。いくつかの実施例では、第1の圧力逃し弁622は、0.3PSIの閾値圧力の設定であり得る。
【0202】
第2の圧力逃し弁624は、反応器及びタンク組立体600C内部の正圧の高まりを防止するために使用できる。正圧の高まりは、たとえば、凍結した水分が物理的に妨げるか又は徐々に蓄積することによる、容器506のガス出口506cの閉塞に起因する可能性がある。反応器及びタンク組立体600Cの内部で正圧が高まると、結果的に漏れが生じる場合があり、これにより組立体が動作不能になる可能性がある。図示されるように、第2の圧力逃し弁624もまた、継手組立体620を介して容器506と連通している入口端部624a、及び対向する出口端部624bを備える。入口端部624aで、容器506の内部での正圧の閾値までの高まりが検出されると、出口端部624aが開き、空気が容器506から出て、反応器及びタンク組立体600Cの内側の圧力を、組立体の外側の大気圧と等しくすることを可能にし得る。いくつかの実施例では、第2の圧力逃し弁624は、5.0PSIの閾値圧力の設定であり得る。
【0203】
図7は、例示的な実施例による、反応器システム700の斜視図を示している。反応器システム700は、図3A及び図3Bの反応器システム313に類似している。反応器システム700は、タンク・システム312及び反応器セル組立体310を備える。タンク・システム312は、反応器セル組立体310と流体連通しており、反応器セル組立体310に電解質溶液を供給する。
【0204】
図示のように、電解質溶液は、タンク・システム312から、タンク・システム312を反応器セル組立体310の左側及び右側に位置する入口(図示せず)に連結する配管702及び704を通して、反応器セル組立体310に供給される。タンク・システム312は、容器502、504、及び506を備える。容器502及び504はそれぞれ、レベル・センサ510及び512を備える。図示の実施例では、レベル・センサ510及び512は、容器502及び504の上蓋から8.26センチメートル(3.25インチ)の位置にある。
【0205】
容器506は、1次オーバフロー・センサ610、2次オーバフロー・センサ616、視覚的インジケータ618、及び流路管614を介して容器506を反応器セル組立体310と連結するポンプ612を備え得る。ガス配管602bは、容器502及び504の内部で収集されたガスを、容器506に運ぶ。ガス供給ライン550は、ガスを、容器506から反応器セル組立体310に連結されたデバイス又はユニットに運ぶ。
【0206】
反応器セル組立体310が内燃機関に連結されている適用例では、ガス供給ライン550は、副生成物のガス(たとえば、水素ガス及び酸素ガス)を内燃機関に運ぶことができる。
【0207】
反応器システム700はまた、反応器セル組立体310の内部の電解セルに結合された反応器リレー304、306、308、及び309を具備する、反応器セル組立体310も備える(反応器リレー309は、視界から隠れている)。図7の反応器リレー304、306、308、及び309は、図3A図3C及び図4A図4Dの反応器リレー304、306、308、及び309と、構造及び動作は同様である。
【0208】
ここで、図3Aの電解反応器プラットフォーム300及び図7の電解反応器700の、例示的な適用例、及びこれを動作させる方法を示す、図2A及び図2Bの両方を再び参照する。図2Aは、具体的には、以前に論じられたように、一実例による燃料管理システム200Aの構成図を示している。図2Bは、別の実例による燃料管理システム200Bの構成図を示している。
【0209】
図2Aの燃料管理システム200Aは、内燃機関(「ICE」)208、反応器システム313、及び制御システム301を備える。燃料管理システム200Aの様々な構成要素は、ネットワーク202を介して接続されている。
【0210】
ネットワーク202は、インターネット、イーサネット、基本電話サービス(POTS:plain old telephone service)回線、公衆交換電話網(PSTN:public switch telephone network)、統合サービス・デジタル・ネットワーク(ISDN:integrated services digital network)、デジタル加入者回線(DSL:digital subscriber line)、同軸ケーブル、光ファイバ、衛星、モバイル、ワイヤレス(たとえばWi-Fi、WiMAX)、SS7信号ネットワーク、固定回線、構内ネットワーク、広域ネットワークなどを含み、これらのいかなる組合せも含む、データ伝送に対応できる任意のネットワークであり得る。ネットワーク202はまた、たとえば、CD ROM、DVD、SDカード、外付けハード・ドライブ、USBドライブなどの記憶媒体も備え得る。ネットワーク202はまた、たとえば、CD ROM、DVD、SDカード、外付けハード・ドライブ、USBドライブなどの記憶媒体も備え得る。
【0211】
反応器システム313は、電気分解のプロセスを実行するように構成される任意の反応器システムであり、構造及び機能性においては、図3A及び図3Bの反応器システム313に類似している。ICE208は、炭素ベースの燃料の燃焼プロセスを実行するように構成される、燃焼機関である。図示の実施例では、ICE208は、炭素ベースの燃料と、反応器システム313から受け取った水素ガス及び酸素ガスとの混合物の、燃焼プロセスを実行するように構成される。図2Aの実施例は、以下の図2Bの実施例を参照して、さらに詳細に論じられる。
【0212】
図2Bは、さらなる例示的な実施例による燃料管理システム200Bを示している。図示されるように、反応器システム313は、ICE208の吸気流に、水素(H)ガス及び酸素(O)ガスを供給するように構成され得る。ICE208に供給される水素ガス及び酸素ガスは、反応器システム313によって生じる。
【0213】
エンジン制御モジュール(「ECM:engine control module」)206は、動作状態を監視するために、ICE208に接続され得る。ECM206に監視されるICE208の動作状態には、走行距離計情報、エンジン速度、燃料消費量、燃料速度、質量空気圧、質量空気流、走行マイル数、距離、燃料比、排気温度、NOレベル、COレベル、Oレベル、エンジン瞬間燃費、エンジン平均燃費、エンジン入口空気質量流量、エンジン必要パーセント・トルク、現在の速度でのエンジンのパーセント負荷、変速機の実際のギア比、変速機の現在のギア、エンジン・シリンダの燃焼状態、エンジン・シリンダのノック・レベル、処理後の吸気NOレベルの予備故障モード識別子(FMI: failure mode identifier)、ドライブトレイン情報、車速、及びGPS場所などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0214】
少なくともいくつかの実施例では、ECM206によって監視される動作状態は、エンジン・データ信号314を通して制御システム301に伝達され得る。制御システム301は、エンジン・データ信号314に含まれる情報を使用して、燃料管理システム200Bの様々な構成要素の動作に関する1つ又は複数の判定を行うことができる。たとえば、制御システム301は、ICE208が水素ガス及び酸素ガスのより多い又はより少ない流入を必要とすることを、エンジン・データ信号314の情報から判定できる。次いで、制御システム301は、水素ガス及び酸素ガスの生成速度を上げるか又は下げるために、反応器システムの構成を変えるよう反応器システム313に命令する、制御信号318を送信できる。
【0215】
ICE208がECM206を備えていない場合、又はECM206が必要なデータを提供しない場合、エンジンのパラメータを監視するために、他のセンサ又はデバイスが、ICE208又は車両の他の部品に接続され得る。こうしたセンサ又はデバイスから受信したエンジンのパラメータは、制御システム301によって使用され、ICE208の性能を判定できる。
【0216】
制御システム301はまた、反応器システム313に接続された監視システム350から、データを受信できる。たとえば、監視システム350は、反応器システム313の周囲温度を測定するために、反応器システム313の外部の、周辺又は近くに位置し得る、1つ又は複数の温度センサ355を備え得る。温度センサ355はまた、反応器システム313の内部にも配置され得る。
【0217】
温度センサ355は、温度信号316aを通して、温度測定値を制御システム301に送信するように構成され得る。制御システム301は、温度信号316aに含まれる情報を使用して、燃料管理システム200Bの様々な構成要素の動作に関する判定を行う。たとえば、制御システム301は、温度信号316aから、反応器システム313が理想的な動作温度範囲よりも低い温度で動作していると判定できる。制御システム301は、次いで、反応器システムを理想的な動作温度範囲まで加熱する目的で、反応器システムの構成を変えるよう反応器システム313に命令する、制御信号318を送信できる。
【0218】
いくつかの実施例では、温度センサ355は、所定の時間間隔で、又は所定の周波数で、温度測定値を制御システム301に送信するよう、予め構成され得る。他の場合には、温度センサ355は、制御システム301から温度センサ355に送信された温度要求信号316bに応答して、温度測定値を制御システム301に送信できる。
【0219】
他の場合において、制御システム301は、電流センサ370によって作られる電流信号370aを通して、消費電流データを受信できる。制御システム301は、同様に、電流信号370aに含まれる情報を使用して、燃料管理システム200Bの様々な構成要素の動作に関する判定を行うことができる。たとえば、制御システム301は、電流信号370aから、反応器システム313が、生成速度が遅い状態でガスを発生させていること、及び/又は理想的な温度範囲未満で動作していることを判定できる。次いで、制御システム301は、それに応じて、ガス生成速度を上げる、且つ/又は反応器システムを理想的な温度範囲まで加熱する目的で、反応器システムの構成を変えるよう反応器システム313に命令する、制御信号318を送信できる。
【0220】
場合によっては、制御システム301は、ICE208及び反応器システム313から遠隔に位置し、操作者によって操作され得る。操作者は、制御システム301のユーザ・インタフェースと相互作用することによって、燃料管理システム200Bの様々な構成要素を制御することができ得る。たとえば、制御システム301は、反応器システム313の周辺又は内部の周囲温度を操作者に通知する(すなわち、温度信号316aからの情報を使用して)ユーザ・インタフェースを有し得る。次いで、操作者は、ユーザ・インタフェースを通じて、反応器システム313の適切な構成を選択できる。制御システム301は、制御信号318を通して、選択された構成を反応器システム313に適用できる。他の場合には、温度センサ355又は電流センサ370が動作不能となる可能性があり、この場合、操作者は、温度又は電流値を制御システム301のユーザ・インタフェースに入力できる。次いで、制御システム301は、書き込まれた温度又は電流値に基づいて、反応器システム313の適切なセル構成を決定できる。
【0221】
他のセンサは、反応器システム313の周辺又は内部に位置し得る。これらのセンサは、水タンク・レベル、電解質レベル、供給電圧、供給電流、水タンク温度、反応器温度、反応器漏れ、水ポンプ、ガス流量、相対湿度、電解質の導電率、電解質の抵抗値、及び電解質の濃度に関するデータを、制御システム301へ伝えることができる。
【0222】
次に、反応器システム313に関連する感知された温度に基づいて、反応器システム313の構成を変更する方法800の例示的な実施例を示している、図8を参照する。方法800は、制御システム301によって実行され得る。
【0223】
802で、制御システム301は、反応器システム313に関連する周囲温度について、1つ又は複数の温度センサ355から情報を受信する。場合によっては、温度センサ355によって測定される温度は、反応器システム313内部の温度であり得る。他のいくつかの場合において、温度センサによって測定される温度は、反応器セル組立体310内部の温度であり得る。
【0224】
804Aで、制御システム301は、反応器システム313に関連する温度が、事前定義された閾値を下回っている(すなわち、理想的な動作温度範囲を下回っている)かどうかに関して判定する。これが当てはまる場合、806で、制御システム301は、反応器システム313の適切な構成を決定する。適切な構成は、反応器システム313を十分に加熱して温度を理想的な範囲に上げる構成であり得る。たとえば、反応器システム313に関連する周囲温度が摂氏20度未満と測定される場合、制御システム301は、反応器システム313の適切な構成が、図4Bに示される10個の作動セル構成であると判定することができる。或いは、反応器システム313に関連する周囲温度が摂氏0度未満と測定される場合、制御システム301は、反応器システム313の適切な構成が、それぞれが図4C及び図4Dに示される、8個の作動セル構成又は6個の作動セル構成であると判定することができる。
【0225】
808で、制御システム301は、リレー要素304~309を停止状態にする、且つ/又は作動させることによって、反応器システム313の構成を変更するようECU305に指示する。たとえば、806で、制御システム301が、反応器システム313の適切な構成が10個の作動セル構成であると判定した場合、制御システム301は、ECU305に、第1の反応器リレー304を停止状態にさせ(反応器リレー304が、先に作動していた場合)、第2の反応器リレー306を作動させるよう指示できる。806で、制御システム301が、反応器システム313の適切な構成が8個の作動セル構成であると判定した場合、制御システム301は、ECU305に、第1の反応器リレー304又は第2の反応器リレー306のいずれかを停止状態にさせ(場合によっては)、第3の反応器リレー308を作動させるよう指示できる。どの反応器リレーも先に作動していなかった場合、ECU305は、当該の反応器リレーを直接作動させることになる。806で、制御システム301が、反応器システム313の適切な構成が6個の作動セル構成であると判定した場合、制御システム301は、ECU305に、第1の反応器リレー304、第2の反応器リレー306、又は第3の反応器リレー308のいずれかを停止状態にさせ(場合によっては)、第4の反応器リレー309を作動させるよう指示できる。どの反応器リレーも先に作動していなかった場合、ECU305は、当該の反応器リレーを直接作動させることになる。反応器システム313をより少ない数の作動セルに変更すると、結果として反応器システム313は、所望の温度範囲(すなわち、理想的な動作温度範囲)まで暖機することになる。
【0226】
或いは、804aで、反応器システム313に関連する温度が所定の閾値を下回っていないと判定された場合、制御システム301は、804bで、温度が所定の閾値を上回っているかどうかを判定する。たとえば、場合によっては、反応器システム313は、ガス生成量の増加のために過剰な熱を発生させている可能性がある。これが当てはまる場合、806で、制御システム301は、反応器セル組立体310の適切な構成を判定する。たとえば、反応器システム313が6個又は8個の作動セル構成で動作しており、過剰な熱を発生させている場合、制御システム301は、図4Bに示される10個の作動セル構成、又は図4Aに示される12個の作動セル構成が、より適切であると判定することができる。
【0227】
808で、制御システム301は、リレー要素304~309を停止状態にする、且つ/又は作動させることによって、反応器システム313の構成を変更するようECU305に指示する。たとえば、制御システム301は、ECU305に、第3の反応器リレー308又は第4の反応器リレー309を停止状態にさせ(第3の反応器リレー又は第4の反応器リレーが、先に作動していた場合)、構成を12個の作動セル構成又は10個の作動セル構成に変更するために、それぞれ、第1の反応器リレー304又は第2の反応器リレー308のいずれかを作動させるよう指示できる。反応器システム313の構成をより多数の作動セルに変更することは、反応器システム313を好適な温度まで冷却するのに役立つであろう。
【0228】
制御システム301が、804bで、反応器システム313に関連する温度は、所定の閾値を超えていないと判定した場合、プロセスは802に戻り、制御システム301は、1つ又は複数の温度センサ355からの温度測定値の受信を継続する。
【0229】
次に、反応器システム313の感知された消費電流に基づいて、反応器システム313の構成を変更する方法900の例示的な実施例を示している、図9を参照する。方法900は、制御システム301によって実行され得る。
【0230】
902で、制御システム301は、監視システム350などの監視システムから消費電流データを受信する。監視システム350は、反応器システム313による消費電流を監視するように構成された、1つ又は複数の電流センサ370を備え得る。
【0231】
904aで、制御システム301は、消費電流データを使用して、消費電流レベルが、第1の所定の範囲内にあるかどうかを判定する。例示的な実施例では、第1の所定の範囲は、消費電流の理想的な範囲である、消費電流の範囲であり得る。非限定的な実例として、消費電流の第1の所定の範囲は、15Aから20Aの間であり得る。これは、反応器システム313が、理想的な温度で動作していることを示し得る。というのは、温度がより低いと、反応器システム313の電流の消費が鈍くなるからである。
【0232】
904aで、消費電流が第1の所定の範囲内にあると判定された場合、制御システム301は、906で、反応器システム313の構成を第1の所定の構成に変更する。非限定的な実例として、第1の所定の構成は、図4Aに示される12個の作動セル構成であり得る。制御システム301は、ECU305に第1の反応器リレー304を作動させるよう指示することによって、反応器システム313を12個の作動セル構成に変更する。
【0233】
或いは、904aで、反応器システム313の消費電流が、第1の所定の範囲内にないと判定された場合、制御システム301は、904bで、消費電流が第2の所定の範囲内にあるかどうかを判定し、ここで第2の所定の消費電流の範囲は、第1の所定の範囲よりも低い。非限定的な実例として、消費電流の第2の所定の範囲は、6Aから10Aの間であり得る。これは、反応器システム313が、理想的な温度を下回る、又はより低温で動作していることを示し得る。というのは、温度が低下すると、反応器システム313の消費電流が減少するからである。加えて、反応器システム313による消費電流の減少により、電気分解のプロセスも減少し、したがって、ガス生成の速度も低下する。
【0234】
904bで、消費電流が第2の所定の範囲内にあると判明した場合、プロセスは908に進み、ここで反応器システム313の構成は、第2の所定の構成に変更される。第2の所定の構成は、第1の所定の構成よりも作動セルの数が少ない構成である。非限定的な実例として、第2の所定の構成は、図4Bに示される10個の作動セル構成であり得る。作動セルの数を減らすことにより、セル当りの消費電流が増加し、それにより、反応器システム313での電気分解のプロセスが増加する。これにより、ガス生成速度の上昇がもたらされ、その結果、反応器システム313内の熱が増加する。したがって、反応器システム313の温度が上昇し、その後で、反応器システム313の消費電流が増加する。
【0235】
制御システム301は、ECU305に第2の反応器リレー306を作動させるよう指示することによって、反応器システム313を10個の作動セル構成に変更する。第1の反応器リレー304が先に作動している場合、制御システム301は、ECU305に第2の反応器リレー306を作動させるよう指示する前に、ECU305に第1の反応器リレーを停止状態にするよう指示する。
【0236】
しかし、904bで、消費電流が第2の所定の範囲内にないと判定した場合、プロセスは904cに進んで、消費電流が第3の所定の範囲内にあるかどうかが判定される。ここで、第3の所定の範囲は、第2の所定の範囲よりも低い。非限定的な実例として、消費電流の第3の所定の範囲は、0Aから5Aの間であり得る。反応器システム313による理想的な消費電流よりも低いことは、反応器システム313が非常に低い温度で動作していることを示し得る。さらにこれは、結果的に、反応器システム313によるガス生成の速度の、実質的な低下をもたらし得る。
【0237】
904cで、消費電流が第3の所定の範囲内にあると判明した場合、プロセスは910に進み、ここで反応器システム313の構成は、第3の所定の構成に変更される。910で、第3の所定の構成は、第2の所定の範囲よりも作動セルの数が減らされた構成である。非限定的な実例として、第3の所定の構成は、図4Cに示される8個の作動セル構成、又は図4Dに示される6個の作動セル構成であり得る。制御システム301は、したがって、ECU305に第3の反応器リレー308を作動させるよう指示することによって、反応器システム313を8個の作動セル構成に変更できる。他の場合には、制御システム301は、ECU305に第4の反応器リレー309を作動させるよう指示することによって、反応器システム313を6個の作動セル構成に変更できる。第1の反応器リレー304又は第2の反応器リレー306が先に作動している場合、制御システム301は、ECU305に、第3の反応器リレー308又は第4の反応器リレー309を作動させるよう指示する前に、ECU305に、まず第1又は第2の反応器リレーを停止状態にするよう(場合によっては)、指示することができる。
【0238】
作動セルの数を8個のセル又は6個のセルまで減らすことにより、セル当りの消費電流が増加し、それにより、反応器システム313での電気分解のプロセスが増加する。これにより、ガス生成速度の上昇がもたらされ、その結果、反応器システム313内の熱が増加する。したがって、反応器システム313の温度が上昇し、その後で、反応器システム313の消費電流が増加する。
【0239】
しかし、904cで、反応器システム313の消費電流が、第3の所定の範囲内にないと判定された場合、プロセスは902に戻り、反応器システム313の消費電流が継続して監視される。
【0240】
いずれの場合(906、908、912)でも、制御システム301が反応器セル組立体313の構成を変更すると、方法900は912で終了する。
【0241】
次に、反応器システム313に連結されたICEの水素及び酸素の必要度にしたがって、反応器システム313の構成を変更する方法1000Aの例示的な実施例を示している、図10Aを参照する。方法1000Aは、制御システム301によって実行され得る。
【0242】
1002Aで、制御システム301は、ICE208の水素ガス及び酸素ガスの必要度に関する情報を受信する。ICE208のガスの必要度がわかると、反応器システム313によって実行される電気分解のプロセスは、かかる必要度に適応するよう変更され得る。場合によっては、制御システム301は、ICE208の動作状態を受信し、動作状態を分析及び処理して、ICE208のガスの必要度を判定する。ICE208の動作状態は、ECM206から受信できる。他のいくつかの場合には、ICE208のガスの必要度は、外部の情報源から受信される。
【0243】
1004Aで、制御システム301はまた、反応器システム313の現在のガス生成速度に関する情報も受信する。たとえば、制御システム301は、電流センサ370から消費電流の情報を受信できる。次いで、消費電流の情報は、反応器システム313による現在のガス生成速度を判定するために、制御システム301によって使用され得る。制御システム301は、監視システム350から消費電流の情報を受信でき、監視システムは、1つ又は複数の電流センサ370を備え得る。
【0244】
1006Aで、制御システム301は、ICE208の水素ガス及び酸素ガスの必要度を満たすために、反応器システム313のガス生成速度を上昇させるべきか、又は低下させるべきかに関する判定を行う。1006Aでの判定は、1002及び1004Aで集められた情報を使用して行われ得る。
【0245】
制御システム301は、1006Aで、ICE208が水素ガス及び酸素ガスのさらなる流入を必要とすると判定した場合、制御システム301は、次いで1008Aで、反応器システム313の現在の温度を判定する。たとえば、制御システム301は、温度センサ355から受信した周囲温度情報に基づいて、反応器システム313の現在の温度を判定できる。代替的又は追加的に、制御システム301はまた、温度センサ370から受信した消費電流の情報を使用して、反応器システム301の相対温度を判定することもできる。
【0246】
1010Aで、制御システム301は、ICE208のガスの必要性(1006Aで判定される)、反応器システム313の現在のガス生成速度(1004Aで判定される)、及び反応器システム313の現在の温度(1008Aで判定される)に基づいて、反応器システム313の構成を変更する。たとえば、制御システム301が、ICE208は、反応器システム313から現在供給されていない水素及び酸素の、さらなる流入が必要であると判定した場合、制御システム301は、反応器システム313の適切な構成が、図4Bに示される10個の作動セル構成、図4Cに示される8個の作動セル構成、又は図4Dに示される6個の作動セル構成のいずれかであると判定できる。反応器システム313の構成を少数の作動セルに変更することにより、それに応じて、反応器システム313からICE208への水素及び酸素の生成量が増加することになる。したがって、制御システム301は、リレー要素304~309を停止状態にするか、又は作動させることによって、構成を変更するようECU305に指示できる。
【0247】
たとえば、制御システム301が、反応器システム313の適切な構成が10個の作動セル構成であると判定した場合、制御システム301は、ECU305に、第2の反応器リレー306を作動させるよう指示する。第1の反応器リレー304、第3の反応器リレー308、又は第4の反応器リレー309が先に作動している場合、制御システム301は、ECU305に、まず第1、第3、又は第4の反応器リレーを停止状態にするよう指示し(場合によっては)、次いでその後に、ECU305に、第2の反応器リレー306を作動させるよう命令する。
【0248】
同様に、制御システム301が、反応器システム313の適切な構成が8個又は6個の作動セル構成であると判定した場合、制御システム301は、ECU305に、第3の反応器リレー308又は第4の反応器リレー309をそれぞれ作動させるよう指示する。第1の反応器リレー304又は第2の反応器リレー308が先に作動している場合、制御システム301は、ECU305に、まず第1又は第2の反応器リレーを停止状態にするよう指示し(場合によっては)、次いでその後に、ECU305に、第3の反応器リレー308又は第4の反応器リレー309を作動させるよう指示する。
【0249】
しかし、反応器システム313の構成をより少ない作動セル構成に変えることによって、電気分解の速度は上昇し、その結果、反応器システム313内の熱の生成量が増加し得る。これは、反応器システム313の温度を上昇させる効果を有し得る。しかし、反応器システム313が既に高温で動作している場合、反応器システム313内の作動電解セルの数を減らすことは、反応器システム313を過熱させる作用を有する可能性があるので、理想的ではない場合がある。したがって、図示の実施例では、制御システム301はまた、1010Aで、反応器システム313の構成を変更する前に、反応器システム313の温度を考慮する。
【0250】
たとえば、反応器システム313が既に高温で動作していると判定された場合(すなわち、温度センサ又は電流センサによって判定された場合)、制御システム301は、反応器システム313を10個、8個、又は6個の作動セル構成へ切り替えることが、ただ単に、反応器システム313の温度をさらに上昇させることになる(すなわち、ガス生成量を増加させた結果として)と判定できる。したがって、制御システム301は、現在のセル構成を維持することが適切であると判定できる。
【0251】
1014Aで、制御システム301が反応器システムの構成に適切な変更を加えると(必要な場合に)、方法1000Aは終了する。
【0252】
或いは、制御システム301が、1006Aで、水素ガス及び酸素ガスのさらなる供給量が、ICE208に供給される必要はないと判定した場合、制御システム301は、1006A’で、ICE208が過剰な水素及び酸素を受け取っているかどうかを判定する。
【0253】
これが当てはまると判定された場合、制御システム301は、1012Aで、反応器システム313の構成を変更する。たとえば、制御システム301が、ICE208は、水素及び酸素の流入をより少なくする必要があると判定した場合、制御システム301は、反応器システム313の構成を、図4Aに示される12個の作動セル構成又は図4Bに示される10個の作動セル構成のいずれかに変更する。反応器システム313の構成を、多数の作動セルを備えるよう変更することにより、反応器システム313によってICE208へ送達される水素及びガスの量は、減少することになる。具体的には、制御システム301は、908で、リレー要素304~309を停止状態にするか、又は作動させることによって、構成を変更するようECU305に指示できる。
【0254】
たとえば、1012Aで、制御システム301が、反応器システム313の構成を10個の作動セル構成に変更する場合、制御システム301は、ECU305に、第2の反応器リレー306を作動させるよう指示する。第1の反応器リレー304、第3の反応器リレー308、又は第4の反応器リレー309が先に作動している場合、制御システム301は、ECU305に、まず第1、第3、又は第4の反応器リレーを停止状態にするよう指示し(場合によっては)、次いでECU305に、第2の反応器リレー306を作動させるよう指示する。
【0255】
同様に、1012Aで、制御システム301が、反応器システム313の適切な構成が12個の作動セル構成であると判定した場合、制御システム301は、ECU305に、第1の反応器リレー304を作動させるよう指示する。第2の反応器リレー306、第3の反応器リレー308、又は第4の反応器リレー309が先に作動している場合、制御システム301は、ECU305に、まず第2、第3、又は第4の反応器リレーのいずれかを停止状態にするよう指示し(場合によっては)、次いでECU305に、第1の反応器リレー304を作動させるよう指示する。
【0256】
制御システム301が、1006A’で、ICE208が過剰なガスを受け取ってはいないと判定した場合、プロセスは1002に戻り、制御システム301は、ECM206からの監視情報の受信を継続する。
【0257】
制御システム301が、反応器システムの構成に適切な変更を加えると、プロセスは、1014Aで終了する。
【0258】
次に、反応器システム313に連結されたICEの水素及び酸素の必要度にしたがって、反応器システム313の構成を変更する方法1000Bの、さらなる例示的な実施例を示している、図10Bを参照する。方法1000Bもまた、制御システム301によって実行され得る。
【0259】
具体的には、方法1000Bは、1006B’で、より多量の水素ガス及び酸素ガスをICE208に供給する必要があると判定された場合、1011Bで、制御システム301は、反応器システムの温度を判定し、その後に1012B’で、追加で反応器システム313の温度に基づいて、反応器システム313の構成を変更すること以外は、図10Aの方法1000Aに類似している。
【0260】
前述のように、制御システム301は、温度センサ355から受信した情報を使用して、反応器システム301の周囲温度を判定できる。代替的又は追加的に、制御システム301はまた、たとえば電流センサ370から受信した消費電流の情報を使用して、反応器システム301の相対温度を判定することもできる。
【0261】
次いで、1012B’で、制御システム301は、ICE208のガスの必要性と反応器システム301の温度との両方に基づいて、反応器システムの構成を変更できる。少なくともいくつかの場合において、制御システム301は、ガス生成量を減らすために、反応器システム301のより多数の作動セル構成(たとえば、10個の作動セル又は12個の作動セル)が必要であるが、反応器システム301は既に低温で動作していることを判定できる。したがって、反応器システム301のセル構成をより多数の作動セルに変更することが、反応器システム301の動作温度の望ましからざる低下を引き起こす可能性がある。かかる場合に、制御システム301は、1012B’で、反応器システムの構成を変更してはならないと判定できる。
【0262】
本明細書に記載された例示的な実施例の完全な理解をもたらすために、本明細書で多数の特定の詳細を示している。ただし、これらの実施例は、こうした特定の詳細なしに実施され得ることを、当業者は理解されよう。他の実例では、実施例の説明を曖昧にしないように、よく知られた方法、手順、及び構成要素を詳細には説明していない。さらに、この説明は、これらの実施例の範囲を、いかなる形であれ限定するものと解釈されるべきではなく、むしろこれらの様々な実施例の実施態様を単に説明するものと解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9
図10A
図10B
【手続補正書】
【提出日】2020-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解反応器の構成を変更するシステムであって、該システムは、
少なくとも1つのセル・ユニット内で直列に配置された複数の電解セルを具備する電解反応器組立体であって、前記複数の電解セルは、電解質溶液に対して電気分解を実行するように構成され、前記電解反応器組立体は、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成される、電解反応器組立体と、
前記少なくとも1つのセル・ユニット内の複数の電解セルのうちの少なくとも所定数の電解セルと結合された、少なくとも1つの切替要素であって、前記所定数の電解セルは、前記少なくとも1つのセル・ユニット内で複数の電解セルのサブセットを含み、該サブセットは、前記少なくとも1つのセル・ユニット内の複数の電解セルのセル総数よりも少ない、少なくとも1つの切替要素と、
前記少なくとも1つの切替要素及び前記電解反応器組立体と動作可能に結合された、制御ユニットと、
前記制御ユニット、前記電解反応器組立体、及び前記少なくとも1つの切替要素と結合された監視システムであって、前記監視システムは、前記電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を監視するように構成される、監視システムと
を備え
記監視システムによって監視される前記電解反応器組立体の前記少なくとも1つの属性に基づいて、前記制御ユニットは、前記少なくとも1つの切替要素を作動させ、前記少なくとも2つの動作モード間で前記電解反応器組立体の前記構成を変更するように構成され、前記少なくとも1つの切替要素を作動させることにより、前記少なくとも1つのセル・ユニット内の所定数の電解セルが作動されるようになっている、システム。
【請求項2】
前記監視システムは、前記電解反応器組立体に関連する周囲温度を監視するように構成された温度センサを備え、前記制御ユニットは、前記周囲温度に基づいて前記電解反応器組立体の前記構成を変更するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記温度センサは、前記電解反応器組立体の近傍に位置する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記監視システムは、前記電解反応器組立体による消費電流を監視するように構成された電流センサを備え、前記制御ユニットは、前記電解反応器組立体による前記消費電流に基づいて、前記電解反応器組立体の前記構成を変更するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電解反応器組立体のガス生成速度は、前記電解反応器組立体の前記消費電流に基づいて判定される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセル・ユニットは、第1のセル・ユニットと第2のセル・ユニットとを有し、前記第1のセル・ユニット及び前記第2のセル・ユニットは、互いに並列に配置され、前記第1のセル・ユニット及び前記第2のセル・ユニットのそれぞれの前記電解セルは、互いに直列に配置されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のセル・ユニット及び前記第2のセル・ユニットは、共通の負電気を共有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のセル・ユニット及び前記第2のセル・ユニットのそれぞれは、6個の電解セルを備える、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの切替要素は、
前記第1のセル・ユニット内の6個の電解セル、及び前記第2のセル・ユニット内の6個の電解セルに結合された、第1の切替要素と、
前記第1のセル・ユニット内の5個の電解セル、及び前記第2のセル・ユニット内の5個の電解セルに結合された、第2の切替要素と、
前記第1のセル・ユニット内の4個の電解セル、及び前記第2のセル・ユニット内の4個の電解セルに結合された、第3の切替要素と、
前記第1のセル・ユニット内の3個の電解セル、及び前記第2のセル・ユニット内の3個の電解セルに結合された、第4の切替要素と
のうちの少なくとも1つを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第1の信号に基づいて前記第1の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第1の動作モードで動作させるように構成され、前記第1の信号は、前記周囲温度が第1の所定の温度範囲内にあることを示す、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第1の信号に基づいて前記第1の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第1の動作モードで動作させるように構成され、前記第1の信号は、前記電解反応器組立体の前記消費電流が第1の所定の消費電流の範囲内にあることを示す、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第2の信号に基づいて前記第2の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第2の動作モードで動作させるように構成され、前記第2の信号は、前記周囲温度が第2の所定の温度範囲内にあることを示し、前記第2の所定の温度範囲は、前記第1の所定の温度範囲よりも低い、請求項9から11までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第2の信号に基づいて前記第2の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第2の動作モードで動作させるように構成され、前記第2の信号は、前記電解反応器組立体の前記消費電流が第2の所定の消費電流の範囲内にあることを示し、前記第2の所定の消費電流の範囲は、前記第1の所定の消費電流の範囲よりも低い、請求項9から11までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させることにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるよりも多くの熱を発生させる、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第3の信号に基づいて前記第3の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第3の動作モードで動作させるように構成され、前記第3の信号は、前記周囲温度が第3の所定の温度範囲内にあることを示し、前記第3の所定の温度範囲は、前記第2の所定の温度範囲よりも低い、請求項9から14までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第3の信号に基づいて前記第3の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第3の動作モードで動作させるように構成され、前記第3の信号は、前記電解反応器組立体の前記消費電流が第3の所定の消費電流の範囲内にあることを示し、前記第3の所定の消費電流の範囲は、前記第2の所定の消費電流の範囲よりも低い、請求項9から14までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させることにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード又は前記第2の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるよりも、多くの熱を発生させる、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第4の信号に基づいて前記第4の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第4の動作モードで動作させるように構成され、前記第4の信号は、前記周囲温度が前記第3の所定の温度範囲内にあることを示す、請求項9から17までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御ユニットは、前記監視システムからの第4の信号に基づいて前記第4の切替要素を作動させることによって、前記電解反応器組立体を第4の動作モードで動作させるように構成され、前記第4の信号は、前記電解反応器組立体の前記消費電流が前記第3の所定の消費電流の範囲内にあることを示す、請求項9から17までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させることにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード、前記第2の動作モード、又は前記第3の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるよりも、多くの熱を発生させる、請求項18又は19に記載のシステム。
【請求項21】
前記監視システムはさらに、内燃機関の1つ又は複数の動作状態を監視するように構成され、前記制御ユニットは、少なくとも前記内燃機関の前記1つ又は複数の動作状態に基づいて、前記少なくとも1つの切替要素を制御するように構成される、請求項1から20までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
電解反応器の構成を変更する方法であって、前記電解反応器は、少なくとも1つのセル・ユニット内で直列に配置された複数の電解セルを具備する電解反応器組立体を備え、前記電解反応器組立体は、電解質溶液に対して電気分解を実行し、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成され、前記方法は、
監視システムによって、電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を判定するステップと、
前記監視システムに結合された制御ユニットによって、前記少なくとも1つの属性を分析するステップと、
前記制御ユニットによって、前記少なくとも1つの属性に基づいて、前記電解反応器組立体に関連する動作モードを決定するステップと、
前記少なくとも1つのセル・ユニット内の複数の電解セルのうちの少なくとも所定数の電解セルと結合された少なくとも1つの切替要素を作動させるステップであって、前記所定数の電解セルは、前記少なくとも1つのセル・ユニット内で複数の電解セルのサブセットを含み、該サブセットは、前記少なくとも1つのセル・ユニット内の複数の電解セルのセル総数よりも少なく、前記少なくとも1つの切替要素を作動させることにより、前記少なくとも1つのセル・ユニット内の所定数の電解セルを作動させて、前記電解反応器の前記構成を、前記制御ユニットで決定された前記動作モードに変更する、少なくとも1つの切替要素を作動させるステップと
を含む、方法。
【請求項23】
第1の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第1の所定の数の電解セルと結合するステップと、
第2の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第2の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第2の所定の数の電解セルは、前記第1の所定の数の電解セルより少数であるステップと、
第3の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第3の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第3の所定の数の電解セルは、前記第2の所定の数の電解セルより少数であるステップと、
第4の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第4の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第4の所定の数の電解セルは、前記第3の所定の数の電解セルより少数であるステップと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記監視システムからの第1の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第1の所定の温度範囲を識別する場合、前記第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記監視システムからの第1の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第1の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記監視システムからの第2の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第2の所定の温度範囲を識別する場合、前記第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第2の所定の温度範囲は、前記第1の所定の温度範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項23から25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記監視システムからの第2の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第2の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第2の所定の消費電流の範囲は、前記第1の所定の消費電流の範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項23から25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムが、前記第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも多くの熱を発生させる、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第3の所定の温度範囲を識別する場合、前記第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第3の所定の温度範囲は、前記第2の所定の温度範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項23から28までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第3の所定の消費電流の範囲は、前記第2の所定の消費電流の範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項23から28までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード又は前記第2の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記監視システムからの第4の信号が、前記電解反応器組立体に関連する前記第3の所定の温度範囲を識別する場合、前記第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項23から31までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する前記第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項23から31までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード、前記第2の動作モード、又は前記第3の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記電解反応器は内燃機関に結合され、前記電解反応器内で使用される前記電解質溶液は水であり、前記方法は、
内燃機関に関連する1つ又は複数の動作状態を検出するステップであって、前記内燃機関は、炭素ベースの燃料、水素ガス、及び酸素ガスの混合物を燃焼するように構成されるステップと、
前記制御ユニットで、前記内燃機関がより多量の水素ガスを必要とするかどうかを判定するステップと、
前記内燃機関がより多量の前記水素ガスを必要とする場合、前記第2の切替要素、前記第3の切替要素、及び前記第4のスイッチ要素のうちの少なくとも1つを作動させるステップと
をさらに含む、請求項23から34までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
コンピュータが実行可能な命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサに、電解反応器の構成を変更する方法を実行させるように実行可能であり、前記電解反応器は、少なくとも1つのセル・ユニット内で直列に配置された複数の電解セルを具備する、電解反応器組立体を備え、前記電解反応器組立体は、電解質溶液に対して電気分解を実行し、少なくとも2つの動作モードで動作するように構成され、前記方法は、
監視システムによって、電解反応器組立体に関連する少なくとも1つの属性を判定するステップと、
前記監視システムに結合された制御ユニットによって、前記監視システムで判定された前記少なくとも1つの属性を分析するステップと、
前記制御ユニットによって、前記少なくとも1つの属性に基づいて、前記電解反応器組立体に関連する動作モードを決定するステップと、
前記少なくとも1つのセル・ユニット内の複数の電解セルのうちの少なくとも所定数の電解セルと結合された少なくとも1つの切替要素を作動させるステップであって、前記所定数の電解セルは、前記少なくとも1つのセル・ユニット内で複数の電解セルのサブセットを含み、該サブセットは、前記少なくとも1つのセル・ユニット内の複数の電解セルのセル総数よりも少なく、前記少なくとも1つの切替要素を作動させることにより、前記少なくとも1つのセル・ユニット内の所定数の電解セルを作動させて、前記電解反応器の前記構成を、前記制御ユニットで決定された前記動作モードに変更する、少なくとも1つの切替要素を作動させるステップと
を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
第1の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第1の所定の数の電解セルと結合するステップと、
第2の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第2の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第2の所定の数の電解セルは、前記第1の所定の数の電解セルより少数であるステップと、
第3の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第3の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第3の所定の数の電解セルは、前記第2の所定の数の電解セルより少数であるステップと、
第4の切替要素を、前記電解反応器組立体内の第4の所定の数の電解セルと結合するステップであって、前記第4の所定の数の電解セルは、前記第3の所定の数の電解セルより少数であるステップと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項36に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第1の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第1の所定の温度範囲を識別する場合、前記第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項39】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第1の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第1の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第1の切替要素を作動させることによって、第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第2の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第2の所定の温度範囲を識別する場合、前記第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第2の所定の温度範囲は、前記第1の所定の温度範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項37から39までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第2の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第2の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第2の切替要素を作動させることによって、第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第2の所定の消費電流の範囲は、前記第1の所定の消費電流の範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項37から39までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記第2の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムが、前記第1の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも多くの熱を発生させる、請求項40又は41に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第3の所定の温度範囲を識別する場合、前記第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第3の所定の温度範囲は、前記第2の所定の温度範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項37から42までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第3の信号が、前記電解反応器組立体に関連する第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第3の切替要素を作動させることによって、第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップであって、前記第3の所定の消費電流の範囲は、前記第2の所定の消費電流の範囲よりも低いステップ
をさらに含む、請求項37から42までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記第3の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード又は前記第2の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる、請求項43又は44に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第4の信号が、前記電解反応器組立体に関連する前記第3の所定の温度範囲を識別する場合、前記第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項37から45までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項47】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるよう実行可能であり、前記方法は、
前記監視システムからの第4の信号が、前記電解反応器組立体に関連する前記第3の所定の消費電流の範囲を識別する場合、前記第4の切替要素を作動させることによって、第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップ
をさらに含む、請求項37から45までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項48】
前記第4の動作モードで前記電解反応器組立体を動作させるステップにより、前記電解反応器システムは、前記第1の動作モード、前記第2の動作モード、又は前記第3の動作モードのいずれかで前記電解反応器組立体を動作させるステップよりも、多くの熱を発生させる、請求項46又は47に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項49】
前記電解反応器は内燃機関に結合され、前記電解反応器内で使用される前記電解質溶液は水であり、前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納される前記命令は、前記プロセッサに、前記方法を実行させるように実行可能であり、前記方法は、
内燃機関に関連する1つ又は複数の動作状態を検出するステップであって、前記内燃機関は、炭素ベースの燃料、水素ガス、及び酸素ガスの混合物を燃焼するように構成されるステップと、
前記制御ユニットで、前記内燃機関がより多量の水素ガスを必要とするかどうかを判定するステップと、
前記内燃機関がより多量の前記水素ガスを必要とする場合、前記第2の切替要素、前記第3の切替要素、及び前記第4のスイッチ要素のうちの少なくとも1つを作動させるステップと
をさらに含む、請求項37から48までのいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】