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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】圧力変動を軽減するための装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/06 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B01D33/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518471
(86)(22)【出願日】2018-10-31
(85)【翻訳文提出日】2021-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2018079817
(87)【国際公開番号】W WO2020088752
(87)【国際公開日】2020-05-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512330204
【氏名又は名称】ベーハーエス-ゾントホーフェン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】BHS-SONTHOFEN GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー, マルティン
(72)【発明者】
【氏名】シュタイデル,アクセル デトレフ
(72)【発明者】
【氏名】ズュース,ヴォルフガング
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA01
4D116BB16
4D116BC27
4D116BC44
4D116DD05
4D116EE01
4D116EE02
4D116FF12B
4D116FF13B
4D116KK04
4D116QA02C
4D116QA02D
4D116QA02F
4D116QA05C
4D116QA05D
4D116QA05F
4D116QA16C
4D116QA16D
4D116QA16F
4D116QA38C
4D116QA38D
4D116QA38F
4D116QB34
4D116QB37
4D116QB44
4D116QC04A
4D116QC22
4D116RR01
4D116RR03
4D116RR04
4D116RR12
4D116RR14
4D116RR16
4D116RR19
4D116RR21
4D116RR22
4D116VV30
(57)【要約】
本発明は、濾過器ハウジング(12)、および濾過器ドラムを備える回転式圧力濾過器(10’’’)であって、複数の処理ゾーンが、懸濁液挿入ゾーンおよび排出ゾーンを少なくとも含み、回転式圧力濾過器(10’’’)が、懸濁液挿入ゾーン内に存在する圧力が排出ゾーン内に存在する圧力よりも高くなるように、また、排出ゾーンから入来しかつ排出ゾーンの圧力を有するガスを含む濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入るたびに懸濁液挿入ゾーンの圧力が降下するように構成される、回転式圧力濾過器(10’’’)において、排出ゾーンから入来する濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入るたびの懸濁液挿入ゾーン内の圧力の圧力降下を軽減しかつ/または遅くするように構成された設備(44)をさらに備えることを特徴とする、回転式圧力濾過器(10’’’)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過器ハウジング(12)、および、
回転軸(A)の周りで回転可能でありかつ前記濾過器ハウジング(12)内に収容される濾過器ドラム(14)
を備える、回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)であって、
前記濾過器ドラム(14)が、前記濾過器ドラム(14)の周方向に連続して配置された複数の濾過器セルを備え、
前記回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)が、密閉要素(16)によって分離された複数の処理ゾーン(18、24、28、34、40)に分割され、
前記複数の処理ゾーン(18、24、28、34、40)が、濾過すべき懸濁液を前記濾過器ハウジング(12)内および前記濾過器セル上に導入するように適合された懸濁液挿入ゾーン(18)と、前記懸濁液の濾過により得られる固体である濾過ケークを前記濾過器セルから除去するように適合された排出ゾーン(24)と、を少なくとも含み、
前記回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)が、その動作状態において、前記懸濁液挿入ゾーン(18)内に存在する圧力が前記排出ゾーン(24)内に存在する圧力よりも高くなるように、また、前記排出ゾーン(24)から入来しかつ前記排出ゾーンの圧力を有するガスを含む濾過器セルが前記懸濁液挿入ゾーン(18)に入るたびに前記懸濁液挿入ゾーン(18)の前記圧力が降下するように構成される、
回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)において、
前記排出ゾーン(24)から入来する濾過器セルが前記懸濁液挿入ゾーン(18)に入るたびの前記懸濁液挿入ゾーン(18)の前記圧力の前記圧力降下を軽減しかつ/または遅くするように構成された設備(42、44)をさらに備えることを特徴とする、回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項2】
前記設備(42、44)が、密閉要素(16)により他の前記処理ゾーン(18、24、28、34)から分離されて前記濾過器ドラム(14)の回転方向に関して前記懸濁液挿入ゾーン(18)の前かつ前記排出ゾーン(24)の後に配置された独立した処理ゾーンとして、液体挿入ゾーン(40)を備え、前記液体挿入ゾーン(24)が、前記濾過器ハウジング(12)内および前記濾過器セル上に液体を導入するように適合されることを特徴とする、
請求項1に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項3】
前記液体が、淡水および/もしくは洗浄液、ならびに/または以前の濾過サイクルの前記懸濁液の濾過から生じた液体である濾液および/もしくは母濾液であることを特徴とする、
請求項2に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項4】
前記設備(42、44)が、密閉要素(16)により他の前記処理ゾーン(18、24、28、34)から分離されて前記濾過器ドラム(14)の前記回転方向に関して前記懸濁液挿入ゾーン(18)の前かつ前記排出ゾーン(24)の後に配置された独立した処理ゾーンとして、さらなる懸濁液挿入ゾーン(40)を備え、前記さらなる懸濁液挿入ゾーン(18)が、前記濾過器ハウジング(12)内および前記濾過器セル上に懸濁液を導入するように適合されることを特徴とする、
請求項1に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項5】
前記懸濁液挿入ゾーン(18)が、懸濁液を前記懸濁液挿入ゾーン(18)へ運ぶ第1の懸濁液ポンプに接続され、前記さらなる懸濁液挿入ゾーン(40)が、懸濁液を前記さらなる懸濁液挿入ゾーン(18)へ運ぶ第2の懸濁液ポンプに接続され、前記第1の懸濁液ポンプが、前記第2の懸濁液ポンプとは異なることを特徴とする、
請求項4に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項6】
前記設備(42、44)が、排液導管(22)を備え、前記排液導管(22)が、前記濾過器セルを通して濾過される濾液を前記濾過器ハウジング(12)の外へ案内するように適合され、かつ、前記懸濁液挿入ゾーン(18)に続くさらなる処理ゾーン(28)と流体連通し、前記懸濁液挿入ゾーン(18)が、前記懸濁液挿入ゾーン(18)において濾過されている濾液が早くとも前記後続のさらなる処理ゾーン(28)において前記濾過器ドラム(12)を離れ得るように、前記排液導管(22)に対して閉鎖されることを特徴とする、
請求項1に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項7】
前記設備が、前記懸濁液挿入ゾーン(18)に配置されているガス挿入デバイス(44)を備え、前記ガス挿入デバイス(44)が、前記懸濁液挿入ゾーン(18)にすでに存在する前記ガスに加えて空気などのガスを前記懸濁液挿入ゾーン(18)内に導入するように適合されることを特徴とする、
請求項1に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項8】
前記設備(44)が、前記懸濁液挿入ゾーン(18)内に挿入される前記ガス流に関して前記ガス挿入デバイス(44)の上流の位置に配置された逆止め弁(48)をさらに備え、前記逆止め弁(48)が、前記懸濁液が前記ガス挿入デバイス(44)を通って前記懸濁液挿入ゾーン(18)を出て行くのを防ぐように適合されることを特徴とする、
請求項7に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項9】
前記設備(44)が、前記懸濁液挿入ゾーン(18)内部の前記圧力を検出するように適合された圧力検出ユニットと、前記圧力検出ユニットによって検出された前記懸濁液挿入ゾーン(18)内部の前記圧力が所定の値を下回るときに前記懸濁液挿入ゾーン(18)内にガスを導入するように適合されたガス・ポンプと、をさらに備えることを特徴とする、
請求項7または8に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項10】
前記ガス挿入デバイス(44)が、前記回転式圧力濾過器(10’’’)の運転に先立って圧縮ガスで満たされるように適合されたガス貯槽部分(50)を備えることを特徴とする、
請求項7に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項11】
前記ガス貯槽部分(50)が、前記濾過器ハウジング(12)の内側と流体連通している開口部を備え、前記ガス貯槽部分(50)の前記開口部が、前記ガス貯槽部分(50)の取付状態において前記ガス貯槽部分(50)の垂直配向に関して前記ガス貯槽部分(50)の下半分、好ましくは底部に配置されることを特徴とする、
請求項10に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項12】
前記ガス貯槽部分(50)が、伸縮性材料によってかつ/または折り畳み壁構造によって形成された拡張可能部分を備えることを特徴とする、
請求項10または11に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項13】
前記ガス貯槽部分(50)が、前記懸濁液挿入ゾーン(18)内部の前記圧力と前記ガス貯槽部分(50)内部の前記ガス圧力とが平衡されるように前記懸濁液挿入ゾーン(18)からの懸濁液を収容するように適合されることを特徴とする、
請求項10から12のいずれか一項に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項14】
前記ガス貯槽部分(50)が、前記濾過器ハウジングの外側に配置されることを特徴とする、
請求項10から13のいずれか一項に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【請求項15】
前記設備が、少なくとも1つの密閉要素を備え、前記少なくとも1つの密閉要素が、前記懸濁液挿入ゾーンに入る濾過器セルが一点において前記懸濁液挿入ゾーンに向かって開口するように、前記濾過器ドラムに面する縁部上に面取りされかつ前記懸濁液挿入ゾーンに面し、前記懸濁液挿入ゾーンに向かって開口する前記濾過器セルの領域が、前記濾過器ドラムがそれぞれの前記濾過器セルをさらに前記懸濁液挿入ゾーン内へ回転させるときに拡大することを特徴とする、
請求項1に記載の回転式圧力濾過器(10、10’、10’’、10’’’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過器ハウジング、および、回転軸の周りで回転可能でありかつ濾過器ハウジング内に収容される濾過器ドラムを備える、回転式圧力濾過機であって、濾過器ドラムが、濾過器ドラムの周方向に連続して配置された複数の濾過器セルを備え、回転式圧力濾過器が、密閉要素によって分離された複数の処理ゾーンに分割され、複数の処理ゾーンが、濾過すべき懸濁液を濾過器ハウジング内および濾過器セル上に導入するように適合された懸濁液挿入ゾーンと、懸濁液の濾過により得られる固体である濾過ケークを濾過器セルから除去するように適合された排出ゾーンと、を少なくとも含み、回転式圧力濾過器が、その動作状態において、懸濁液挿入ゾーン内に存在する圧力が排出ゾーンに存在する圧力よりも高くなるように、また、排出ゾーンから入来しかつ排出ゾーンの圧力を有するガスを含む濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入るたびに懸濁液挿入ゾーンの圧力が降下するように構成される、回転式圧力濾過器に関する。
【背景技術】
【0002】
回転式圧力濾過器は、固体粒子および液体成分を含む懸濁液を濾過する分野において、長年にわたって知られている。知られたタイプの回転式圧力濾過器では、懸濁液は、濾過器セルを通して濾過され、濾過器セルは、懸濁液の液体成分を通過させるとともに懸濁液の固体粒子を食い止めるように適合されたメッシュまたはファブリックを備える。
【0003】
濾過器セル上にいわゆる「濾過ケーク」を形成する固体粒子は、濾過サイクルの終わりにそれぞれの濾過器セルから除去され得る。通常、これは、例えば濾過ケークをシステムの外へ運ぶために重力を使用して、回転式圧力濾過器の下部におけるかき取ユニットによって行われる。
【0004】
さらに、回転式圧力濾過器の周りの環境と回転式圧力濾過器の内側との間に、特に「排出ゾーン」とも呼ばれるかき取ユニットを含む処理ゾーンにゲートを設置すると、排出ゾーン内の圧力が環境圧、例えば1バールに近くなることが多く、この場合、懸濁液が濾過器セル上に導入される懸濁液挿入ゾーン内の圧力は、はるかに高く、例えば6から7バールになる。
【0005】
濾過ケークがそれぞれの濾過器セルから排出された後、少なくともそれぞれの濾過器セルのメッシュ/ファブリックに近接した濾過器セルの空間、例えば濾過ケークが存在していた空間は、排出ゾーンの圧力を有するガスで満たされる。回転式圧力濾過器は、その動作状態において、上述の濾過器セルが続いて懸濁液挿入ゾーンに入るように、濾過器ドラムを回転させる。排出ゾーンを懸濁液挿入ゾーンから気密の態様で分離する密閉要素を通過した後、懸濁液挿入ゾーン内に存在するガスおよび/または液体は、「新鮮な」濾過器セル内へ急速に膨張して、懸濁液挿入ゾーン内部の圧力の圧力降下をもたらす。
【0006】
懸濁液を濾過器セル上に適切に導入するための運転圧力を上昇させるにはある程度時間がかかるので、この圧力降下は、回転式圧力濾過器の効率に影響を及ぼす。さらに、反復する圧力降下および圧力上昇は、回転式圧力濾過器の構成要素に応力を加えて、システムの寿命の短縮をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、排出ゾーンから入来する濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入るたびに排除されたとまではいかなくとも軽減された圧力降下を示す、回転式圧力濾過器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、排出ゾーンから入来する濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入るたびの懸濁液挿入ゾーン内の圧力の圧力降下を軽減しかつ/または遅くするように構成された設備をさらに備える、上記で説明されたタイプの回転式圧力濾過器によって解決される。
【0009】
一般に、これは、圧力降下の原因を調べ、また、この圧力降下の悪影響を発見した、本発明の本発明者らの努力によるものであり、そのため、本発明者らは、追加の設備を使用することにより圧力降下を軽減するように構成された回転式圧力濾過器を提供するアイデアを提案した。
【0010】
圧力降下を軽減することにより、より効率的な濾過、および、濾過器セル上への懸濁液のより連続的な導入が可能である。
【0011】
本発明の一実施形態では、設備は、密閉要素により他の処理ゾーンから分離されて濾過器ドラムの回転方向に関して懸濁液挿入ゾーンの前かつ排出ゾーンの後に配置された独立した処理ゾーンとして、液体挿入ゾーンを備えることができ、液体挿入ゾーンは、液体を濾過器ハウジング内および濾過器セル上に導入するように適合される。したがって、濾過器セルは、懸濁液挿入ゾーンに入るときに、少なくとも部分的に液体で予充填され得る。濾過器セル内の非圧縮性液体は、懸濁液挿入ゾーン内に存在するガスが濾過器セル内へ膨張するのを阻止することができる。結果として、懸濁液挿入ゾーン内の圧力は、濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入っていくときに、少なくともほぼ一定のままであり得る。
【0012】
液体挿入ゾーン内に導入される液体は、淡水および/もしくは洗浄液、ならびに/または以前の濾過サイクルの懸濁液の濾過から生じた液体である濾液および/もしくは母濾液(mother filtrate)であり得る。特に、液体として母濾液を使用する場合、濾過結果の液体部分、すなわち、濾過器セルを通過して排液導管に入ることができる懸濁液の部分は、回転式圧力濾過器から排出される前に液体挿入ゾーン内に供給され得る。
【0013】
本発明の一代替実施形態では、設備は、密閉要素により他の処理ゾーンから分離されて濾過器ドラムの回転方向に関して懸濁液挿入ゾーンの前かつ排出ゾーンの後に配置された独立した処理ゾーンとして、さらなる懸濁液挿入ゾーンを備えることができ、このさらなる懸濁液挿入ゾーンは、濾過器ハウジング内および濾過器セル上に懸濁液を導入するように適合される。したがって、濾過器セルは、懸濁液挿入ゾーンに入るときに懸濁液および/または濾過ケークで少なくとも部分的に予充填され得る。たとえ濾過器セルまたはその排液導管内に液体成分が存在しなくとも、母濾液を液体として使用するのと同様の効果を有し、また、それぞれの濾過器セル上に形成された濾過ケークは、懸濁液挿入ゾーンのガスが濾過器セル内へ膨張することへの抵抗を強化することができる。結果として、懸濁液挿入ゾーン内の圧力は、濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入っていくときに、少なくともほぼ一定のままであり得る。
【0014】
さらなる懸濁液挿入ゾーンに懸濁液を供給するために、さらなる懸濁液挿入ゾーンは、懸濁液を懸濁液挿入ゾーンへ運ぶ第1の懸濁液ポンプに接続されてよく、また、さらなる懸濁液挿入ゾーンは、懸濁液をさらなる懸濁液挿入ゾーンへ運ぶ第2の懸濁液ポンプに接続されてよく、第1の懸濁液ポンプは、第2の懸濁液ポンプとは異なってよい。
【0015】
本発明の一代替実施形態では、設備は、排液導管を備えることができ、この排液導管は、濾過器セルを通して濾過される濾液を濾過器ハウジングの外へ案内するように適合され、かつ、懸濁液挿入ゾーンに続くさらなる処理ゾーンと流体連通し、懸濁液挿入ゾーンは、懸濁液挿入ゾーンにおいて濾過されている濾液が早くとも後続のさらなる処理ゾーンにおいて濾過器ドラムを離れ得るように、排液導管に対して閉鎖され得る。つまり、懸濁液挿入ゾーンは、懸濁液挿入ゾーン内に存在するガスが濾過器セル内へまた該当する場合には濾過器ドラムと一緒に回転する濾過器セルの下流の空間内へさらに膨張し得ないように、排液導管への開口部を有さない。結果として、懸濁液挿入ゾーン内の圧力は、濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入っていくときに、少なくともほぼ一定のままであり得る。
【0016】
本発明の一代替実施形態では、設備は、懸濁液挿入ゾーンに配置されているガス挿入デバイスを備えることができ、このガス挿入デバイスは、懸濁液挿入ゾーン内にすでに存在するガスに加えて空気などのガスを懸濁液挿入ゾーン内に導入するように適合され得る。ガス挿入デバイスは、例えば濾過器セルが懸濁液挿入ゾーンに入ることにより懸濁液挿入ゾーン内に存在するガスの圧力が降下するときに、懸濁液挿入ゾーン内部のガスに利用できる増大した体積を補償するために、懸濁液挿入ゾーン内にガスを導入するように適合される。
【0017】
この場合、設備は、懸濁液挿入ゾーン内に挿入されるガス流に関してガス挿入デバイスの上流の位置に配置された逆止め弁をさらに備えることができ、この逆止め弁は、懸濁液がガス挿入デバイスを通って懸濁液挿入ゾーンを出て行くのを防ぐように適合される。逆止め弁は、知られているように、1つの方向における通過のみを可能にしかつ他の方向における通過を防ぐように適合される。逆止め弁を使用することにより、ガス挿入デバイスは、懸濁液挿入ゾーンにガスを供給するだけで、懸濁液挿入ゾーンからガスおよび/または懸濁液を受け取らないように、適合される。
【0018】
有利には、設備は、懸濁液挿入ゾーン内部の圧力を検出するように適合された圧力検出ユニットと、圧力検出ユニットによって検出された懸濁液挿入ゾーン内部の圧力が所定の値を下回るときに懸濁液挿入ゾーン内にガスを導入するように適合されたガス・ポンプと、をさらに備え得る。したがって、ガス挿入デバイス内部の圧力が例えば6から7バールの所定の値よりも下がったときにのみガス挿入デバイスが作動されることが確実とされる。したがって、望ましくない過剰圧力をもたらし得るガスの挿入が防止され得る。
【0019】
ガス挿入デバイスはまた、回転式圧力濾過器の運転に先立って圧縮ガスで満たされるように適合されたガス貯槽部分を備え得る。ガス挿入デバイスのガス貯槽部分は、懸濁液挿入ゾーン内部の圧力を安定させる単純な実施形態を提供し得る。ガス貯槽部分の内部を流体連通の態様で懸濁液挿入ゾーンに接続すると、懸濁液挿入ゾーン内部の圧力とガス貯槽部分内部の圧力とが同じであるように、圧力平衡が引き起こされ得る。懸濁液挿入ゾーン内部の圧力が降下するとすぐに、ガス貯槽部分の過剰圧力が懸濁液挿入ゾーン内に及び、それにより、懸濁液挿入ゾーンの圧力の圧力降下が軽減される。
【0020】
本発明の一実施形態では、ガス貯槽部分は、濾過器ハウジングの内側と流体連通している開口部を備えることができ、ガス貯槽部分の開口部は、ガス貯槽部分の取付状態においてガス貯槽部分の垂直配向に関してガス貯槽部分の下半分、好ましくは底部に配置され得る。ガス貯槽部分の取付状態においてガス貯槽部分の垂直配向に関してガス貯槽部分の下半分、好ましくは底部に開口部を配置することにより、ガス貯槽部分に入ってガス貯槽部分の容積を減少させる非圧縮性物質によりガス貯槽部分が恒久的に閉塞されないことが保証され得る。
【0021】
ガス貯槽部分は、伸縮性材料によってかつ/または折り畳み壁構造によって形成された拡張可能部分を備え得る。伸縮性材料は、例えば、プラスチック材料で作られ得る。折り畳み壁構造は、例えば、蛇腹のように形成され得る。ガス貯槽部分はまた、剛体材料、例えば金属またはプラスチックから作られ得る。
【0022】
さらに、ガス貯槽部分は、懸濁液挿入ゾーン内部の圧力とガス貯槽部分内部のガス圧力とが平衡されるように懸濁液挿入ゾーンからの懸濁液を収容するように適合され得る。したがって、たとえ懸濁液挿入ゾーン内部のガスがガス貯槽部分を満たして懸濁液挿入ゾーンとガス貯槽部分の内部との間の圧力平衡をもたらすのに十分でなくとも、懸濁液がガス貯槽部分に入ることを可能にすることにより圧力平衡がなおも達成され得ることが、保証される。ガス貯槽部分内には圧力平衡状態で懸濁液の上方にガスが存在し、このガスは懸濁液挿入ゾーン内で圧力降下が起きたときに膨張し得るので、ガス貯槽部分に入った懸濁液は、ガス貯槽部分のガスの膨張により、ガス貯槽部分から放出され得る。
【0023】
有利には、ガス貯槽部分は、濾過器ハウジングの外側に配置され得る。ガス挿入デバイスは、例えば圧縮ガスの供給源によって供給されるガスを外部からガス貯槽部分内へ通過させるように適合された弁をさらに備え得る。濾過器ハウジングの外側にガス貯槽部分を配置することにより、懸濁液挿入ゾーンとガス貯槽部分の内側との組み合わせられた空間内部の全ガス量を補充するためのガス貯槽部分および/または弁への容易なアクセスが保証される。漏れおよび/または排液導管を通ってシステムから離れるガスにより、ガス量の漸進的な減少が起こり得る。
【0024】
本発明の一代替実施形態では、設備は、少なくとも1つの密閉要素を備え、この少なくとも1つの密閉要素は、懸濁液挿入ゾーンに入る濾過器セルが一点において懸濁液挿入ゾーンに向かって開口するように、濾過器ドラムに面する縁部上に面取りされかつ懸濁液挿入ゾーンに面し、懸濁液挿入ゾーンに向かって開口する濾過器セルの領域は、濾過器ドラムがそれぞれの濾過器セルをさらに懸濁液挿入ゾーン内へ回転させるときに拡大する。濾過器セルと懸濁液挿入ゾーンとの間の流体接続が一点においてすなわち排出ゾーンの最も近くに配置された面取りの点において始まることを確立することにより、濾過器セルを分割する縁部が濾過器ドラムの回転方向に対して直角に配置されると想定される。当然ながら、濾過器ドラムの回転方向に対して傾斜した濾過器セルの縁部を設けることも考えられ、この場合、非常に限られた領域、例えば1cmに満たない広がりを有する単一のまたはごく少数の領域においてのみ、濾過器セルと懸濁液挿入ゾーンとの間の流体連通が最初に確立される限り、効果は同じままである。濾過器ドラムをさらにその回転方向に回転させることにより、濾過器セルと懸濁液挿入ゾーンとの間の流体連通は拡大し得る。したがって、圧力降下が減速されることが保証される。圧力降下はまた、懸濁液挿入ゾーンへの濾過器セルの接続領域が拡大する間に懸濁液が懸濁液挿入ゾーンに入るので、このようにして軽減され得る。
【0025】
以下、添付の図面を参照しながら、いくつかの実施形態に関して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】現況技術で知られているような回転式圧力濾過器の側断面図である。
図2】本発明による回転式圧力濾過器の第1の実施形態の側断面図である。
図3】本発明による回転式圧力濾過器の第2の実施形態の側断面図である。
図4】本発明による回転式圧力濾過器の第3の実施形態の側断面図である。
図5】本発明による回転式圧力濾過器の第4の実施形態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1では、現況技術で知られているような回転式圧力濾過器が、参照番号10で大まかに示されている。
【0028】
回転式圧力濾過器10は、濾過器ハウジング12を備え、この濾過器ハウジング12は、図1の側断面図では、実質的に環状の広がりを示す。濾過器ハウジング12の内側では、濾過器ドラム14(詳細には示されていないが、その位置は、参照番号14で示される)が、回転軸Aの周りで回転方向Uに回転する。
【0029】
濾過器ドラム14は、濾過すべき懸濁液を受け入れるように適合されかつ懸濁液の液体成分を懸濁液の固体粒子から分離するように適合された、複数の濾過器セルを備える。したがって、濾過器は、懸濁液の液体成分が濾布および/または濾過メッシュを通過しまた固体粒子が濾布および/または濾過メッシュ上に残るように、濾布および/または濾過メッシュを備え得る。次いで、液体成分は、典型的には、回転式濾過器ドラム14の内側に配置された導管系を介して、回転式圧力濾過器10を離れる。
【0030】
濾過器ハウジング12は、複数の密閉要素16を備え、密閉要素16は、密閉要素16の一方の側の濾過器ハウジング12と濾過器ドラム14との間の空間が密閉要素16の他方の側の濾過器ハウジング12と濾過器ドラム14との間の空間から気密かつ液密の態様で分離されるように、濾過器ドラム14の外側に押し付けられる。したがって、密閉要素16は、濾過器ドラム14の周方向において濾過器セルのいずれよりも大きな広がりを有することができ、つまり、濾過器セルがそれぞれの密閉要素16を通り過ぎるときに、密閉要素16が濾過器セルの開口部を完全に覆う位置が存在する。
【0031】
濾過器ハウジング12と濾過器ドラム14との間のこれらの空間のそれぞれは、単一の処理ゾーンと見なされてよく、この処理ゾーンでは、濾過すべき懸濁液および/または濾過器セル内に残る懸濁液の成分が、異なって処理され、例えば、洗浄されるか、乾燥されるか、またはそれぞれの濾過器セルから除去される。図1では、第1の処理ゾーンが、懸濁液挿入ゾーン18として設計されている。懸濁液挿入ゾーン18は、開口部を有する懸濁液入口20を備え、懸濁液は、この開口部を通って、処理ゾーン18と第1の処理ゾーン18に現在位置する濾過器ドラム14の濾過器セルとに入ることができる。懸濁液挿入ゾーン18はまた、濾過器ドラム14の内側上に配置された出口22(上述の導管系に属する)を備え、懸濁液の液体成分は、この出口22を通って回転式圧力濾過器10を離れることができる。
【0032】
濾過サイクルの終わりに、回転式圧力濾過器10は、排出ゾーン24を備え、濾過器セル上に残っている懸濁液の固体成分は、この排出ゾーン24を通って、それぞれの濾過器セルから除去され、かつ、濾過器ハウジング12の外へ移送され得る。例えば、排出ゾーン24は、濾過器セル上に築かれた濾過ケークを例えば刃を使用することによって除去するように適合されたかき取デバイス(図示せず)を備え得る。図1に示された実施形態では、濾過器セルから除去された濾過ケークは、次いでそれ自体の重さにより、排出ゾーン24の開口部26を通って濾過器ハウジング12の外へ落下し得る。ここで、排出ゾーン24はまた、回転式濾過器ドラム10の内側から濾過器セルにガスを吹き込むことによりそれぞれの濾過器セルからの濾過ケークの除去をさらに支持する、ガス入口27を備える。
【0033】
図1の例では、回転式圧力濾過器10は、2つの洗浄ゾーン28をさらに備え、そのそれぞれは、洗浄液のための入口30、および、洗浄液と懸濁液の液体成分の混合物のための出口32を備える。
【0034】
この時点において、「懸濁液の液体成分」という用語は、液体に厳密に限られるのではなく、濾過器セルの障壁すなわち布および/またはメッシュを通過するのに十分に小さな小粒子をも含み得ることを言及しなければならない。
【0035】
ゾーン31が乾燥ゾーンを表わし、この乾燥ゾーンでは、乾燥空気が、入口33を通じて濾過器ハウジング12内に導入される。乾燥空気は、それぞれの濾過器セル内および濾過器セル上に形成された濾過ケークを通過し、出口35を通って回転式圧力濾過器10を離れる。それによって、残っている液体が、濾過ケークからさらに除去され得る。
【0036】
図1の回転式圧力濾過器10は、水などのクリーニング液および/またはガスのための入口36ならびに出口38が設けられたクリーニング・ゾーン34をさらに備える。クリーニング・ゾーン34では、濾過器セルを通る液体および/またはガスの流れは、濾過器セルを通る流れが濾過器ドラム14の内側から来て濾過器ハウジング12へ向けられるように、他の処理ゾーン18、24、28とは逆にされる。それとともに、濾過器セルが排出ゾーン24を通過した後にそれぞれの濾過器セル上に残っているいかなる濾過ケークも、濾過器セルから洗い流され得る。濾過器セルはそのようにクリーニングされるので、濾過効果は、回転式圧力濾過器10の長期使用にわたっても一定のままである。
【0037】
濾過器ハウジング12と懸濁液挿入ゾーン18に配置された濾過器ドラム14との間の空間内の圧力は、通常例えば1バールの雰囲気圧(濾過器ハウジング12の外側に存在する圧力)が存在する排出ゾーン24に配置された対応する空間内またはクリーニング・ゾーン34の空間内よりもはるかに高く、例えば6から7バールであることが、理解されるべきである。導管系、特に出口22は、雰囲気圧において導管系内にガスが存在するように、液体成分(または、後の処理ゾーンでは、洗浄液)が回転式圧力濾過器10を離れた後で干上がってもよい。「新鮮な」濾過器セルが懸濁液挿入ゾーン18に入るたびに、濾過器ハウジング12と濾過器ドラム14との間の空間と出口22との間に接続が確立されて、本明細書の導入部で説明されたように急速な圧力降下がもたらされる。一方では、それにより濾過の有効性が低下する可能性があり、他方では、回転式圧力濾過器10が急速な圧力の変化によって大きく応力を受ける。
【0038】
これらの悪影響を克服するために、図2から5の実施形態に関連していくつかの手法が以下で説明され得るが、図1に関連して言及された全ての特徴および利点は図2から5の実施形態にも当てはまることが、明確に指摘される。したがって、図2から5の実施形態は、図1の当技術分野のスタンドの回転式圧力濾過器10と比較したそれらの違いに関してのみ説明される。したがって、同じ構成要素は、同じ参照番号で示される。
【0039】
図2の実施形態では、懸濁液挿入ゾーン18は、短縮される。懸濁液挿入ゾーン18の(濾過器ドラム14の回転方向Uに関して)直前には、追加の処理ゾーンとして液体挿入ゾーン40が挿入される。液体挿入ゾーン40は、入口42を備えるが、関連する出口は備えない。したがって、濾過器セルは、処理ゾーン40において液体で満たされる。液体で満たされた濾過器セルが懸濁液挿入ゾーン18に入るときに、懸濁液は、濾過器セル内にすでに存在する液体に取って代わらなければならない。一般に知られているように、濾過器セル内の液体は非圧縮性であり、したがって、従来技術のデバイスの濾過器セル内に存在するガスの圧縮に主に起因する圧力降下は、排除されるとまではいかなくとも、軽減され得る。液体は、任意の適切な液体であってよいが、以前の濾過サイクルの母濾液、すなわちすでに濾過された懸濁液の濾過済み液体成分は、回転式圧力濾過器のシステム内で容易に得られるので、この液体を使用することが都合よい。当然ながら、例えば淡水または洗浄液を使用することも考えられる。
【0040】
別の有利な実施形態では、懸濁液自体が、液体挿入ゾーン40において濾過器セルに充填されるべきこの液体として使用され得る。回転式圧力濾過器10’によって濾過されるべき懸濁液を使用することが考えられる。懸濁液は、入口42を通じて液体挿入ゾーン40内に挿入される。したがって、それぞれの濾過器セル、ならびに濾布および/またはメッシュの後にありかつ濾過器ドラム14とともに回転する導管系の部分は、濾過器セルが懸濁液挿入ゾーン18に入るときに、懸濁液ですでに予充填されており、上記で説明された圧力降下の軽減の効果を有する。さらに、濾過ケークの薄い層が、濾過器セル上にすでに築かれている場合がある。これは、濾過器セルを通る懸濁液挿入ゾーン18内の懸濁液の流量を減少させる可能性があり、さらに、濾過ケーク層の障壁効果により、圧力降下を軽減する可能性がある。
【0041】
液体挿入ゾーン40に懸濁液を供給するために、懸濁液ポンプが回転式圧力濾過器10’に設けられてもよく、この懸濁液ポンプは、懸濁液挿入ゾーン18に懸濁液を供給する懸濁液ポンプとは別のものであってよい。
【0042】
図3の回転式圧力濾過器10’’の実施形態では、懸濁液挿入ゾーン18の出口22は、閉塞または除去される。実際には、出口22は、懸濁液挿入ゾーン18から、隣接する後続の処理ゾーン内に再配置され、この処理ゾーンは、図3の実施形態では、洗浄ゾーン28である。懸濁液挿入ゾーン18は出口を有さないので、懸濁液挿入ゾーン18内に挿入された懸濁液は、懸濁液挿入ゾーン18内に現在存在する全ての濾過器セルと、それぞれの濾過器セルにそれぞれが関連付けられかつ濾過器セルの濾布/メッシュに対して濾過器ドラム14の径方向内側に位置しているそれぞれの導管とを満たす。しかし、濾過器セルおよび関連する導管は、それぞれそれらの導管系側で閉じられているので、濾過器セルおよび関連する導管内に存在するガスの量のみが懸濁液に置き換えられさえすればよい。これは、圧力降下を著しく軽減することができる。懸濁液で満たされた濾過器セルが後続の洗浄ゾーン28に入るときに、懸濁液は、出口22を通じて、濾過器セルおよび関連する導管から洗い流され得る。
【0043】
次に図4の実施形態を参照すると、図1に関連して説明されたような標準的な回転式圧力濾過器が、懸濁液挿入ゾーン18に配置されているガス挿入デバイス44をさらに備える。回転式圧力濾過器10’’’のガス挿入デバイス44は、空気などのガスを懸濁液挿入ゾーン18内に導入するように適合される。ガス挿入デバイス44は、ポート46を介して懸濁液挿入ゾーン18に接続され、ガスは、ポート46を通じて懸濁液挿入ゾーン18に入れられる。ガスを供給するために、ガス挿入デバイス44は、例えば、ガス・ポンプ(図示せず)を備え得る。ガスの経路内に、逆止め弁48が挿入される。逆止め弁48は、懸濁液および/またはガスが懸濁液挿入ゾーン18を離れてガス挿入デバイス44のガス・ポンプに流入するのを防ぐことができる。
【0044】
ガス挿入デバイス44、またはガス挿入デバイス44のガス・ポンプは、それぞれ、例えば6から7バールの所定の圧力を有するガスを懸濁液挿入ゾーン18に供給するように調整され得る。平衡状態では、懸濁液挿入ゾーン18の内部、すなわち濾過器ハウジング12と濾過器ドラム14との間の空間内に存在する圧力は、ガス挿入デバイス44の所定の圧力に一致する。「新鮮かつ空の」濾過器セルが懸濁液挿入ゾーン18に入ることにより懸濁液挿入ゾーン18内の圧力が降下するとすぐに、ガス挿入デバイス44は、懸濁液挿入ゾーン18に追加のガスを供給する。したがって、圧力降下は平衡状態に迅速に戻されて、軽減されかつ短縮された圧力降下がもたらされる。この効果はまた、懸濁液挿入ゾーン18の内部で圧力が低下するときに逆止め弁48のガス・ポンプ側に存在するガスが急速に膨張し得るという事実に基づく。
【0045】
懸濁液挿入ゾーン18内部の圧力および/またはガス挿入デバイス44の圧力を判定するために、圧力センサなどの圧力判定ユニット(図示せず)が設けられてもよい。
【0046】
図5の実施形態は、図4の実施形態とはわずかにしか違わない。ここでは、ガス挿入デバイス44は、ガス・ポンプの代わりにガス貯槽部分50を備える。ガス貯槽部分50は、例えば7バールの所定の圧力を有するガスで予充填される。ガス貯槽部分50の平衡効果は、図4の実施形態のガス・ポンプのものと同じである。
【0047】
また、逆止め弁48は除去される。懸濁液がガス貯槽部分50に入るのを回避するために、また、全てのガスがガス貯槽部分50を離れるのを回避するために、ガス貯槽部分50は、その底部においてポート46に接続される。たとえ懸濁液がガス貯槽部分50に入っても、懸濁液は、次の平衡化作用によって排出され得る。懸濁液挿入ゾーン18内の圧力が所定の値を超えると、ガスは、懸濁液挿入ゾーン18からガス貯槽部分50内へ逆流し得る。図4の実施形態と比較すると、ガス貯槽部分50は、予充填されたガスの圧力、および/または例えばゴム風船であるガス貯槽部分50の弾性特性にのみ基づいて駆動され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】