(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】自動車用電子部品
(51)【国際特許分類】
G01N 15/06 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
G01N15/06 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518474
(86)(22)【出願日】2019-09-26
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 FR2019052278
(87)【国際公開番号】W WO2020070411
(87)【国際公開日】2020-04-09
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ、オーバス
(72)【発明者】
【氏名】アブデル、メナウイ
(57)【要約】
電子部材と、前記電子部材が配置されるハウジング(2)と、を備える、特に粒子状物質を検出するための電子部品、特にセンサ(1)であって、前記ハウジング(2)は、少なくとも1つの機能性開口部(3a;3b;3c)を備える電子部品において、前記機能性開口部(3a;3b;3c)を通過し得る物質、特に流体または固体の前記ハウジング(2)内への侵入から前記電子部材を保護するように、少なくとも1つの保護シールド(6a;6b)が、前記ハウジング(2)に配置されることを特徴とする電子部品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-電子部材と、
-前記電子部材が配置されるハウジング(2)と、
を備える、特に粒子状物質を検出するための電子部品、特にセンサ(1)であって、
前記ハウジング(2)は、少なくとも1つの機能性開口部(3a;3b;3c)を備え、
前記機能性開口部(3a;3b;3c)を通過し得る物質、特に流体または固体の前記ハウジング(2)内への侵入から前記電子部材を保護するように、少なくとも1つの保護シールド(6a;6b)が、前記ハウジング(2)に配置される、
ことを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記シールド(6a;6b)は、前記開口部(3a;3b;3c)の前記外周を部分的に取り囲む、
請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記シールド(6a;6b)は、前記開口部(3a;3b;3c)に対して実質的に垂直に延びる、
請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記シールド(6a;6b)は、前記開口部(3a;3b;3c)に対して傾斜した態様で延びる、
請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品。
【請求項5】
前記シールド(6a;6b)は、排水溝を備える、
請求項1乃至4のいずれかに記載の電子部品。
【請求項6】
前記ハウジング(2)は、当該ハウジング(2)の内部を外部から画定する少なくとも1つの壁部(7)を備え、前記シールド(6a;6b)は、前記壁部(7)から突出した態様で延びる、
請求項1乃至5のいずれかに記載の電子部品。
【請求項7】
前記ハウジング(2)は、2つのハーフシェルを備え、そのうちの1つはベース(9)であるとともに1つはカバー(10)であり、前記シールド(6a;6b)は、前記カバー(10)と一体形成される、
請求項1乃至6のいずれかに記載の電子部品。
【請求項8】
前記開口部(3a;3b;3c)は、流体が前記ハウジング(2)に流れ込むことを許容する、
請求項1乃至7のいずれかに記載の電子部品。
【請求項9】
前記開口部(3a;3b;3c)は、電子コネクタ(4)である、
請求項1乃至8のいずれかに記載の電子部品。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の電子部品を備え、前記電子部品が前記車両の動作位置にある状態において、前記シールド(6a;6b)は、前記機能性開口部(3a;3b;3c)の実質的に上方にあることを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子状物質を検出するためのセンサ等の自動車用電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に粒子状物質を検出するためのセンサを装備することは、文書CN203221853から知られている。このようなセンサは、通常、自動車の内部に配置される。
【0003】
「粒子状物質」とは、空中で漂い且つ肺に吸い込まれるほど十分に小さいサイズ、通常は直径10μm未満のサイズを有する粒子を意味する。
【0004】
このような電子部品は、その信頼性を確保するように特定の基準に従う必要がある。これらの基準のうち、保護の等級は、埃や水の侵入に対する耐性の程度を評価するものである。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、固体および液体の侵入に対するこのような部品の耐性程度を向上させることを意図している。
【0006】
この目的のために、本発明は、
-電子部材と、
-前記電子部材が配置されるハウジングと、
を備える、特に粒子状物質を検出するための電子部品、特にセンサであって、
前記ハウジングは、
〇少なくとも1つの機能性開口部と、
〇前記機能性開口部を通過し得る物質、特に流体または固体の前記ハウジング内への侵入から前記電子部材を保護するように、前記ハウジングに配置された少なくとも1つの保護シールドと、
を備える、電子部品を提案する。
【0007】
したがって、シールドにより、それがなければハウジング内に開口部を介して侵入したであろう液体および固体であって、空中で漂っていたりハウジング上を流れたりする流体および固体に対する少なくとも部分的なスクリーンが提供され得る。
【0008】
いくつかの実施形態は、以下を提案する。
-シールドは、開口部の外周を部分的に取り囲む。
-開口部の外周は閉鎖している。
-シールドは、開口部の外周の半分未満を取り囲む。
-開口部は多角形状であり、シールドは前記開口部の少なくとも一側を取り囲む。
-シールドは、開口を円弧形状で取り囲む。
-シールドは、開口部を前記開口部の主面側において特に直線的な態様で取り囲むとともに、開口部を前記開口部の2つの側面側において特に円弧形状で部分的に取り囲む。
-シールドは、開口部の外周において、特に前記外周に直接接して、特に前記外周の一部に接して延びる。
-シールドは、開口部に対して実質的に垂直に延びる。
-シールドは、開口部に対して傾斜した態様で延びる。
-シールドは、排水溝を備える。
-排水溝は、開口部を主面側において直線的な態様で取り囲むとともに、開口を側面側において円弧形状で部分的に取り囲む。
-排水溝は、シールドの端部で開放する。
-シールドは、開口部に向く内面と、内面と反対側の外面と、を備える。
-排水溝は、外面に形成される。
-ハウジングは、当該ハウジングの内部を外部から画定する少なくとも1つの壁部を備え、シールドは、前記壁部から突出した態様で延びる。
-シールドは、壁部の延長部において延びる。
-壁部は接続チューブを備え、その自由端部が開口を形成する。
-シールドは、接続チューブの延長部において、特にチューブの外周の一部に接して延びる。
-ハウジングは、2つのハーフシェルを備え、そのうちの1つはベースであり、1つはカバーである。
-シールドは、カバーと一体形成される。
-シールドは、カバーと一体で作製される。
-シールドは、剛性を有する。
-シールドは、可撓性を有する。
-開口部は、流体がハウジングに流れ込むことを許容する。
-開口部は、吸気口である。
-開口部は、排気口である。
-開口部は、電子部材を電気的に接続させ得る。
-開口部は、電子コネクタである。
-ハウジングは、少なくとも吸気口と排気口と電子コネクタとを含む少なくとも3つの開口部を備え、3つの機能性開口部のうちの少なくとも1つを通過する可能性のある物質、特に流体または固体のハウジング内への侵入から電子部材を保護するように、少なくとも1つの保護シールドが、ハウジングに配置される。
【0009】
また、本発明は、上述のような電子部品を備える、または上述のような電子部品が配置される自動車に関する。
【0010】
一実施形態によれば、電子部品が車両の動作位置にある状態において、シールドは、機能性開口部の実質的に上方にある。
【0011】
したがって、シールドは、開口部に向けて下降する物質に対するスクリーンを形成することで、開口部を特に重力流に対して保護する。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、以下の説明を添付図面を参照しつつ熟読することで明らかになるであろう。図面には、記載された発明の実施形態に関する電子部品の例として粒子状物質センサが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】粒子状物質を検出するためのセンサの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による粒子状物質を検出するためのセンサ1は、自動車での使用に適合している。
【0015】
本発明によれば、センサ1は、電子部材(図示せず)と、電子部材が配置されるハウジング2と、を備えている。
【0016】
ハウジング2は、特に、粒子状物質測定チャンバ(図示せず)を備えている。
【0017】
図示の実施形態において、ハウジング2は、第1および第2機能性開口部3a;3bを備えている。第1開口部3aは、前記センサ1用の電子コネクタ4を形成して、電子部材を電気的に接続させ得る。第2開口部3bは、粒子状物質を検出するためのセンサ1用の排気口5を形成している。
【0018】
図示の実施形態において、第1および第2保護シールド6a;6bが、電子コネクタ4および排気口5をそれぞれ部分的に取り囲んでいる。排気口5または電子コネクタ4を通過し得る物質、特に流体または固体のハウジング2内への侵入から電子部材を保護するように、第1および第2保護シールド6a;6bは、それぞれハウジング2上に配置されている。
【0019】
各シールド6a;6bは、開口部3a;3bのそれぞれを超えて凸状に延びる凸部を形成することにより、各開口6a;6bに対する張出部を形成している。特に、各シールド6a;6bは、対応する開口部3a;3bに向く内面と、内面と反対側の外面と、を備えている。
【0020】
したがって、シールド6a;6bにより、それらがなければハウジング2内に開口部3a;3bを介して侵入したであろう液体および固体に対する少なくとも部分的なスクリーンが提供され得る。このような物質は、例えば空中で漂ったりハウジング2上を流れたりする。
【0021】
壁部7が、ハウジング2の内部を外部から画定しており、第1および第2シールド6a;6bは、前記壁部7から突出した態様で延びている。
【0022】
図示の実施形態において、壁部7は、接続チューブ8を備え、その自由端部が第3機能性開口部3cを形成している。図示の実施形態によれば、前記第3開口部3cは、粒子状物質を検出するためのセンサ1の吸気口を形成している。接続チューブ8は、例えば給気ホース(図示せず)と流体連通可能であるように配置されている。
【0023】
したがって、第2および第3開口部3b;3cにより、流体がセンサ1内に、特にハウジング2内に、特に粒子状物質測定チャンバ(図示せず)内に流れ込むことができる。このようにして、第2および第3開口部3b;3cは、ハウジング2とともに、粒子状物質センサ1に流入する空気の流路を規定している。
【0024】
図示しない実施形態によれば、第3シールドが、接続チューブ8の延長部において、特に接続チューブ8の外縁の一部に接して延びている。したがって、第3シールドは、給気ホースに対する前記チューブ8の適合性を損なうことなく、第3吸気口3cを液体および固体の侵入から保護する。
【0025】
図示の実施形態において、シールド6a;6bは剛性であるが、可撓性を有するシールド6a;6bの変形例も想定され得る。
【0026】
特に
図1に示すように、ハウジング2は、2つのハーフシェルを備えている。そのうちの1つはベース9であり、1つはカバー10である。
【0027】
ベースは、内部電子部材の要素を受容している。カバー10は、形状の相補性によって、本例においてクリップ留めによって、ベース9に取り付けられている。これにより、ハウジング2は、少なくとも部分的に閉鎖され得る。図示しない実施形態によれば、カバー10はベース9にネジにより取り付けられる。
【0028】
図示の実施形態において、ベース9は、ベースからの外方を向く凸部11を備えていることに留意されたい。この凸部11により、ハウジング2を車両に締結するためのネジを受容することができる。複数の凸部が、ハウジング2のベース9上に分散配置され得る。
【0029】
図示の実施形態によれば、第1および第2シールド6a;6bは、カバー10と一体形成されている。したがって、第1および第2シールド6a;6bは、特に成形によって、カバー10およびシールド6a;6bを製造する単一の操作において有利に形成され得る。
【0030】
排気口5および電子コネクタ4は、それぞれ実質的に多角形状を有する。
【0031】
図示の実施形態によれば、
図5に示すように、第1シールド6aは、電子コネクタ4の外周の半分未満を取り囲んでいることに留意すべきである。第1シールド6aは、電子コネクタ4を、前記電子コネクタ4の主面側4Aにおいて、特に直線的な態様で取り囲んでいる。第1シールド6aは、電子コネクタ4を、前記電子コネクタ4の2つの側面側4B;4Cにおいて、本例では円弧形状で部分的に取り囲んでいる。
【0032】
図示の実施形態によれば、
図5に示すように、第1シールド6aは、電子コネクタ4の外周から距離を置いて延びていることに留意すべきである。
【0033】
第1シールド6aは、前記シールド6aの外面に形成された排水溝12を備えている。
図4に示すように、排水溝はU字形状であり、特に丸みを帯びた底部12fと、2つの側壁12pと、を備えている。側壁12pは、第1開口部3aに対して実質的に傾斜して延びている。
【0034】
側壁により、あらゆる流れが排水溝12の底部に向かって流れて集中することが可能になる。排水溝12は、シールド6aの端部で開放しており、水が保持されないように構成されている。したがって、前記シールド6aの内面および外面のそれぞれは、少なくとも部分的に凹状である。
【0035】
これにより、第1シールド6aは、排水溝12があることにより、あらゆる流れを電子コネクタ4からそらす。
【0036】
図3に示すように、第2シールド6bは、排気口5の外周の半分を実質的に取り囲んでいる。電子コネクタ4の場合と同様に、第2シールド6bは、排気口5を、排気口5の主面側5Aにおいて、直線的な態様で取り囲んでいる。また、第2シールド6bは、排気口5を、前記排気口5の2つの側面側5B;5Cにおいて、本例では円弧形状で部分的に取り囲んでいる。
【0037】
図3に示すように、電子コネクタ4の外周から距離を置いて延びているシールド6aと異なり、第2シールド6bは、排気口5の外周の一部を直接覆うように延びている。第2シールド6bは、前記排気口5に対して実質的に垂直に延びている。
【0038】
図2に示すように、第2シールド6bは、その内面において凹状であり、その外面において凸状であることに留意すべきである。
【0039】
本発明による粒子状物質センサ1は、例えば、自動車に配置され得る、または組み込まれ得る。
【0040】
粒子状物質センサ1が車両の動作位置にある状態において、第1および第2シールド6a;6bは、電子コネクタ4および排気口5の実質的に上方に配置されることが特に有利である。したがって、シールド6a;6bは、開口部3a;3bに向けて下降する物質に対するスクリーンを形成することで、開口部3a;3bを特に重力流に対して保護する。
【国際調査報告】