(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】特殊用途向けポリマー
(51)【国際特許分類】
C08G 61/08 20060101AFI20220105BHJP
B32B 5/28 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
C08G61/08
B32B5/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518499
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(85)【翻訳文提出日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 US2019054503
(87)【国際公開番号】W WO2020072776
(87)【国際公開日】2020-04-09
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507021366
【氏名又は名称】マテリア, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビアマン、ジェニファー、エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン、アレクサンドラ、ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】エッジコーム、ブライアン、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】グーリニアン、クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ヘロン、ジェシカ、アール.
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス、ジョン、エイチ.
【テーマコード(参考)】
4F100
4J032
【Fターム(参考)】
4F100AH07
4F100AH07A
4F100BA02
4F100BA07
4F100CA02
4F100CA02A
4F100DG01
4F100DG01A
4F100DH01
4F100DH01B
4F100EJ82
4F100GB43
4J032CA32
4J032CA34
4J032CA38
4J032CA43
4J032CA45
4J032CB05
4J032CC03
4J032CD02
4J032CE03
4J032CG06
4J032CG07
4J032CG08
(57)【要約】
本発明は、電子産業に適したポリマーを作る開環メタセシス重合(ROMP)反応に関する。詳細には本発明は、小型、軽量、高速、そしてさらに高周波数伝送の電子製造物に適した低誘電定数(D
k)および低誘電損失(D
f)を有する新規ポリマーに関する。そのようなポリマーは、プリント回路基板(PCB)産業の様々な材料や複合材料に使用することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I)、(II)、および(III)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)のオレフィンと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によって合成される、1から100GHzでの誘電定数D
k<3、および1から100GHzでの誘電損失D
f<0.01を有するポリマーであって、
【化1】
式中:
zは、0、1、2、または3であり;
R
aは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;
R
bは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;
R
cは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-810シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
42、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
n、またはR
dと結合して多環式環を形成することができ;
R
dは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
n、またはR
cと結合して多環式環を形成することができ;
各R
sは独立に、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;
R
fは、OH、OR
k、NR
gR
h、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
gは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
hは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
iは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
jは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
kは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
lは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
mは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
nは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
oは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
R
pは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるポリマー。
【請求項2】
R
aは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-6アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
5-7シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC
6-10アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
6-10アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;
R
bは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-6アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、-CN、-NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
5-7シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC
6-10アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
6-10アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;
tは0であり;
R
fは、OH、OR
k、NR
gR
h、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-6アルキル、随意に置換されたC
5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
6-10アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
gは、H、随意に置換されたC
1-6アルキル、随意に置換されたC
5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
6-10アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
hは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-6アルキル、随意に置換されたC
5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
6-10アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
kは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-6アルキル、随意に置換されたC
5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
6-10アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
zは2であり;
R
cは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-6アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
5-7シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC
6-10アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
6-10アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;そして
R
dは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-6アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
5-7シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
6-10アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
R
aは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、または随意に置換されたC
5-24アリールであり;
zは2であり;
R
bは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、-CH
2-OR
g、-CH
2-(随意に置換された複素環)、-C(O)R
f、随意に置換された複素環、随意に置換されたスピロ複素環、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、または-CH
2-OR
gであり;
R
gは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
5-24アリールであり;
R
fはOHであり;
R
cはHであり;そして
R
dは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、または-CH
2-(随意に置換された複素環)である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
化学式(I)の少なくとも1つのモノマーは、以下の構造を有し:R
aは、
【化2】
であり;
そして、t=0であり;化学式(II)の少なくとも1つのモノマーは、以下の構造を有し:R
bは、
【化3】
であり;
そして、t=0であり;化学式(III)の少なくとも1つのモノマーは、zが1または2である構造を有し;そして、化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンは、以下の構造を有し:R
cはH,
【化4】
であり;そしてR
dは、
【化5】
である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
化学式(I)の少なくとも1つのモノマーは、
【化6】
であり;
化学式(II)の少なくとも1つのモノマーは、
【化7】
であり;
化学式(III)の少なくとも1つのモノマーは、
【化8】
であり;
化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンは、
【化9】
である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
化学式(I)の少なくとも1つのモノマーは、
【化10】
であり;
化学式(II)の少なくとも1つのモノマーは、
【化11】
であり;
化学式(III)の少なくとも1つのモノマーは、
【化12】
であり;
化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンは、
【化13】
である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
前記少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒が、化学式(1)の構造を有し:
【化14】
式中:
Mはルテニウムであり;
L
1、L
2、およびL
3はそれぞれ独立に、中性の電子供与性配位子であり;
nは0または1であり;
mは、0、1、または2であり;
kは0または1であり;
X
1およびX
2は独立に、アニオン性配位子であり;
R
1およびR
2は独立に、水素、随意に置換されたヒドロカルビル、随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビル;または、R
1およびR
2は結合して1つまたは複数の環状基を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項8】
少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒が、化学式(2)の構造を有し:
【化15】
式中:
L
1は独立に、中性の電子供与性配位子であり;
X
1およびX
2は独立に、アニオン性配位子であり;
Wは、O、ハロゲン、NR
33、またはSであり;
R
19は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、-C(R
34)(R
35)COOR
36、-C(R
34)(R
35)C(O)H、-C(R
34)(R
35)C(O)R
37、-C(R
34)(R
35)CR
38(OR
39)(OR
40)、-C(R
34)(R
35)C(O)NR
41R
42、-C(R
34)(R
35)C(O)NR
41OR
40、-C(O)R
25、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、またはWがNR
33である場合には、R
19はR
33と結合して、随意に置換された複素環式環を形成することができ、Wがハロゲンである場合には、R
19はニル(nil)であり;
R
20は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり、またはR
21と結合して、多環式環を形成することができ;
R
21は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり、またはR
20と結合して、もしくはR
22と結合して、多環式環を形成することができ;
R
22は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり、またはR
21と結合して、もしくはR
23と結合して、多環式環を形成することができ;
R
23は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
22と結合して、多環式環を形成することができ;
R
24は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
25は、OH、OR
30、NR
27R
28、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
26は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
27は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
28は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
29は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、OR
26、-NR
27R
28、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
30は、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
31は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
33は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
34は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
35は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
36は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
37は、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
38は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
39は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
40は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
41は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
42は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
xは1または2である、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項9】
L
1は、
【化16】
であり、
式中:
XおよびYは独立に、C、CR
3a、N、O、S、またはPであり;
Q
1、Q
2、R
3、R
3a、およびR
4はそれぞれ独立に、水素、随意に置換されたヒドロカルビル、随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;
XがOまたはSである場合にはpは0であり、XがN、P、またはCR
3aである場合にはpは1であり、XがCである場合にはpは2であり;そして
YがOまたはSである場合にはqは0であり、YがN、P、またはCR
3aである場合にはqは1であり、XがCである場合にはqは2である、請求項7または8に記載のポリマー。
【請求項10】
L
1は、
【化17】
であり、
式中:
Qは、構造-[CR
11R
12]
s-[CR
13R
14]
t-または-[CR
11=CR
13]-を有する2原子結合であり、R
11、R
12、R
13、およびR
14は独立に、水素、随意に置換されたヒドロカルビル、随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;
sおよびtは独立に、1または2であり;または
R
11、R
12、R
13、およびR
14のうちのいずれか2つは、随意に結合しており、随意に置換された、飽和または不飽和の多環式環構造を形成することができる、請求項7または8に記載のポリマー。
【請求項11】
L
1は、
【化18】
であり、
式中:
Zは、NまたはCR
32であり;
R
1は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
2と結合してスピロ化合物を形成することができるか、またはR
3と結合して、もしくはR
4と結合して多環式環を形成することができ;
R
2は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
1と結合してスピロ化合物を形成することができるか、またはR
3と結合して、もしくはR
4と結合して多環式環を形成することができ;
R
3は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
2と結合して、もしくはR
1と結合して多環式環を形成することができるか、またはR
4と結合してスピロ化合物を形成することができ;
R
4は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
3と結合してスピロ化合物を形成することができるか、またはR
2と結合して、もしくはR
1と結合して多環式環を形成することができ;
R
5は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
6と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
6は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
5と結合して、もしくはR
7と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
7は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
6と結合して、もしくはR
8と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
8は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
7と結合して、もしくはR
9と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
9は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
8と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
10は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
11と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
11は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
10と結合して、もしくはR
12と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
12は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
11と結合して、もしくはR
13と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
13は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
14と結合して、もしくはR
12と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
14は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
13と結合して、多環式環を形成することができ;
R
32は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
25は、OH、OR
30、NR
27R
28、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
26は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
27は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
28は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
29は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、OR
26、-NR
27R
28、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
30は、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
31は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
xは1または2である、請求項7または8に記載のポリマー。
【請求項12】
開環メタセシス反応が、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(1)、化学式(2)、またはそれらの混合物の少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む、請求項7から11のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項13】
開環メタセシス反応が、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンと、化学式(1)、化学式(2)、またはそれらの混合物の少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む、請求項7から11のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項14】
開環メタセシス反応が、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(1)、化学式(2)、またはそれらの混合物の少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む、請求項7から11のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項15】
開環メタセシス反応が、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンと、化学式(1)、化学式(2)、またはそれらの混合物の少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む、請求項7から11のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項16】
開環メタセシス反応が、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(1)、化学式(2)、またはそれらの混合物の少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む、請求項7から11のいずれかに記載のポリマー。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のポリマーを含む製造物品。
【請求項18】
プリプレグ、繊維複合材積層体、溶媒を用いたコーティング、溶融押出し部品、フィルム、および液体化合物からなる群から選択される、請求項17に記載の製造物品。
【請求項19】
ポリマーが、随意にフリーラジカル開始剤、カチオン性開始剤、他の硬化剤、またはそれらの混合物の存在下で架橋される、請求項1から16のいずれか一項に記載のポリマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年10月3日に出願された米国仮特許出願第62/740,443号の利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電子産業に適したポリマーを作る開環メタセシス重合(ROMP)反応に関する。詳細には本発明は、小型、軽量、高速、そしてさらに高周波数伝送の電子製造物に適した低誘電定数(Dk)および低誘電損失(Df)を有する新規ポリマーに関する。そのようなポリマーは、プリント回路基板(PCB)産業の様々な材料や複合材料に使用することができる。
【背景技術】
【0003】
オレフィンメタセシスは、オレフィン系炭化水素を相互変換させる独自の強力な変換として登場したが、これはすなわち、よく定まった触媒の開発によるものである。Grubbs,R,H.Handbook of Metathesis,(Wiley-VCH:Weinheim,Germany 2003)を見られたい。オレフィンメタセシスは、基質や官能基の許容範囲が非常に広いため、従来の有機合成技術と比較して、他の方法では作ることが難しい分子を速やかにかつ効率的に製造できる貴重な技術となっている。特に、「グラブス触媒」として知られる、ルテニウムおよびオスミウムの特定のオレフィンメタセシス触媒は、交差メタセシス(CM)、閉環メタセシス(RCM)、開環メタセシス(ROM)、開環交差メタセシス(ROCM)、開環メタセシス重合(ROMP)、非環状ジエンメタセシス(ADMET)重合などのオレフィンメタセシス反応に有効な触媒であることが突き止められている。このような触媒を使用することで、水分や酸素に対する有機官能性の耐性が高まることに起因して、オレフィンメタセシスの範囲が大幅に拡大した。
【0004】
環状オレフィン類のROMPによって準備されたポリマー、特にノルボルネン系のポリマーは、その電気的特性に起因して、PCBプリプレグ(樹脂含浸ガラス布)および銅張積層板(CCL)に適している。
【0005】
現代の多層PCBの2つの主要な「構成要素」は、CCLとプリプレグである。CCLは、安定な電気絶縁性基板上に銅を備えつける一次構造であり、リソグラフィーのステップの後には銅配線が得られる。フォトリソグラフィー、ドリル加工、銅メッキなどの処理ステップを行った後にCCLの層を一体に結合させて多層PCBを実現することが、プリプレグによって可能になる。プリプレグは、CCLの層を一体に接着する「両面テープ」に類似する役割を担っているが、高温の結合ステップでは溶融して流動するので、真に形状適合性が得られるという利点が加わる。実際、CCLは、プリプレグと銅箔を特殊なプレス機中で熱硬化させるステップを通じて直接製造される。PCBの銅配線間の電気絶縁の品質と効果は、CCLとプリプレグのDkとDfに依存する。DkとDfに主に寄与するのは、ポリマーである。
【0006】
本発明者らは、PCBプリプレグおよびCCLの製造工程に適した、低分子量から中分子量の一連の易溶性ポリマーを発見した。これらのポリマーは、特殊モノマーのROMPおよび金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を用いて準備された。この発見は、本明細書に記載され例示されるとおり、当技術分野の教示に鑑みて、驚くべきものであり予期しないものであった。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、従来技術と比較して向上した誘電定数(Dk)および誘電損失(Df)を有するポリマーを提供する。本発明のさらなる態様および利点には、良好な加工性、架橋性、および高いガラス転移温度(Tg)を有するポリマーが含まれる。これらのポリマーは、溶媒を用いたワニス中に、または溶融処理ステップ中に、好適に調合して、銅箔への接着性や熱膨張係数(CTE)などの他の特性を改善させてもよい。
【0008】
ポリマーを製造するのに採用される工程は、少なくとも1つの官能化されたモノマーと、少なくとも1つの随意のオレフィンと、少なくとも1つの随意の溶媒との存在下で少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを用いる開環メタセシス重合に基づく。ポリマーは、未反応の触媒およびモノマーから分離することができる。
【0009】
本発明のポリマーは、合成スキーム1に従って合成することができる。
スキーム1
【化1】
ここで、
「cat」は、金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を表し;
zは、0、1、2、または3であり;
xおよびyは互いに独立に、0から1の間、または0もしくは1に等しいモル分率であり、
R
aは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、-CN、-NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-10シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;
R
bは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、-CN、-NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;
R
cは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
R
dは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
各R
sは独立に、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;
R
fは、OH、OR
k、NR
gR
h、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
gは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
hは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
iは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
jは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
kは、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
lは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
mは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
nは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
oは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
R
pは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ポリマー26の温度の関数としての複素粘度を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
用語および定義
別途指示のない限り、本発明は、特定の反応物、反応条件、または同類のものに限定されるものではなく、よって異なっていてもよい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することが目的であって、限定的しているものと解釈されないことも理解されたい。
【0012】
明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとおり、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそれ以外を指示しているのでない限り、複数の指示対象を含む。よって、例えば、「置換基(a substituent)」が指すものは、単一の置換基だけでなく、2つ以上の置換基、および同類のものも包含する。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとおり、「例えば」、「実例としては」、「など」、または「含む」という用語は、より一般的な主題をさらに明確にする例を紹介することを意味する。別途指定されているのでない限り、これらの例は、本発明を理解するための手助けとしてのみ提供されるものであって、限定することをいかようにも意図するものではない。
【0014】
本明細書およびそれに続く特許請求の範囲では、複数の用語が参照されるが、これらの用語は、本明細書に記載された意味を有すると定められるものとする。
【0015】
「アルキル(alkyl)」という用語は、典型的には1から24個の炭素原子、好ましくは1から12個の炭素原子、より好ましくは1から6個の炭素原子を含む直鎖、分岐鎖の飽和炭化水素基を指し:例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(Prまたはn-Pr)、イソプロピル(i-Pr)、n-ブチル(Buまたはn-Bu)、イソブチル(i-Bu)、t-ブチル(t-Bu)、オクチル(Oct)、デシル(decyl)などである。
【0016】
「シクロアルキル(cycloalkyl)」という用語は、環状のアルキル基を指し、典型的には3から10個、好ましくは5から7個の炭素原子を有する、単環式、二環式、または多環式のものとすることができ、概して、シクロアルキル基は、シクロペンチル(Cp)、シクロヘキシル(Cy)、またはアダマンチルである。
【0017】
「置換アルキル」という用語は、1つまたは複数の置換基で置換されたアルキルを指し、「ヘテロ原子含有アルキル」および「ヘテロアルキル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルキルを指す。
【0018】
「アルキレン」という用語は、二官能性の直鎖、分岐鎖のアルキル基を指し、ここで「アルキル」は上で定義した通りである。
【0019】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含む2から24個の炭素原子の直鎖、分岐鎖の炭化水素基、例えばエテニル、n-プロペニル、iso-プロペニル、n-ブテニル、iso-ブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、および同類のものを指す。本明細書において好ましいアルケニル基は、2から12個の炭素原子を含み、より好ましいアルケニル基は、2から6個の炭素原子を含む。
【0020】
「置換アルケニル」という用語は、1つまたは複数の置換基で置換されたアルケニルを指し、「ヘテロ原子含有アルケニル」および「ヘテロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルケニルを指す。
【0021】
「シクロアルケニル」という用語は、好ましくは3から8個の炭素原子を有する環状アルケニル基を指す。
【0022】
「アルケニレン」という用語は、二官能性の直鎖、分岐差鎖のものを指し、ここで「アルケニル」は上で定義した通りである。
【0023】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含む2から24個の炭素原子の直鎖または分岐鎖の炭化水素基を指し、例えば、エチニル、n-プロピニル、および同類のものである。本明細書において好ましいアルキニル基は、2から12個の炭素原子を含み、より好ましいアルキニル基は、2から6個の炭素原子を含む。
【0024】
「置換アルキニル」という用語は、1つまたは複数の置換基で置換されたアルキニルを指し、「ヘテロ原子含有アルキニル」および「ヘテロアルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルキニルを指す。
【0025】
「アルキニレン」という用語は、二官能性の直鎖、分岐アルキニル基を指し、ここで「アルキニル」は上で定義した通りである。
【0026】
「アルコキシ」という用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアルキル基を指し;これはすなわち、「アルコキシ」基が、-O-アルキルとして表される場合もあるということであり、ここで「アルキル」は上で定義した通りである。同様に、「アルケニルオキシ」は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアルケニル基を指し、「アルキニルオキシ」は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアルキニル基を指す。
【0027】
「アリール(aryl)」という用語は、別途指定のない限り、単一の芳香族環、または縮合した、直接連結した、もしくは間接的に連結した(異なる芳香族環がメチレンまたはエチレン部分などの共通基に結合するようになっている)複数の芳香族環を含む芳香族置換基を指す。好ましいアリール基は、5から24個の炭素原子を含み、特に好ましいアリール基は、6から10個の炭素原子を含む。例示的なアリール基は、1つの芳香族環または2つの縮合または連結した芳香族環を含み、例えば、フェニル(Ph)、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノン、フェナントリル、および同類のものである。
【0028】
「置換アリール」という用語は、1つまたは複数の置換基で置換されたアリール部分を指し、「ヘテロ原子含有アリール」および「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアリール置換基を指し、これは本明細書でさらに詳細に説明されるとおりである。
【0029】
「アリールオキシ」という用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアリール基を指し、ここで「アリール」は上で定義した通りである。「アリールオキシ」基は、-O-アリールとして表される場合もあり、ここでアリールは上で定義した通りである。好ましいアリールオキシ基は、5から24個の炭素原子を含み、特に好ましいアリールオキシ基は、6から10個の炭素原子を含む。アリールオキシ基の例には、フェノキシ、o-ハロ-フェノキシ、m-ハロ-フェノキシ、p-ハロ-フェノキシ、o-メトキシ-フェノキシ、m-メトキシ-フェノキシ、p-メトキシ-フェノキシ、2,4-ジメトキシ-フェノキシ、3,4,5-トリメトキシ-フェノキシ、および同類のものが挙げられるが、これらには限定されない。
【0030】
「アルカリール」という用語は、アルキル置換基を有するアリール基を指し、「アラルキル」という用語は、アリール置換基を有するアルキル基を指し、ここで「アリール」および「アルキル」は上で定義した通りである。好ましいアルカリールおよびアラルキル基は、6から24個の炭素原子を含み、特に好ましいアルカリール基は、6から16個の炭素原子を含む。アルカリール基には、p-メチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、p-シクロヘキシルフェニル、2,7-ジメチルナフチル、7-シクロオクチルナフチル、3-エチル-シクロペンタ-1,4-ジエン、および同類のものが挙げられるが、これらには限定されない。アラルキル基の例には、ベンジル、2-フェニル-エチル、3-フェニル-プロピル、4-フェニル-ブチル、5-フェニル-ペンチル、4-フェニルシクロヘキシル、4-ベンジルシクロヘキシル、4-フェニルシクロヘキシルメチル、4-ベンジルシクロヘキシルメチル、および同類のものが挙げられるが、これらには限定されない。
【0031】
「アルカリールオキシ」および「アラルキルオキシ」という用語は、Rをそれぞれアルカリールまたはアラルキルとする、化学式が-ORである置換基を指し、これは本明細書で定義される通りである。
【0032】
「アシル」という用語は、-(CO)-アルキル、-(CO)-アリール、-(CO)-アラルキル、-(CO)-アルカリール、-(CO)-アルケニル、または-(CO)-アルキニルの化学式を有する置換基を指し、「アシルオキシ」という用語は、-O(CO)-アルキル、-O(CO)-アリール、-O(CO)-アラルキル、-O(CO)-アルカリール、-O(CO)-アルケニル、または-(CO)-アルキニルの化学式を有する置換基を指し、ここで、「アルキル」、「アリール」、「アラルキル」、「アルカリール」、「アルケニル」、および「アルキニル」は、上で定義した通りである。アセトキシ基(-O(CO)CH3、-OAcと略記されることも多い)は、アシルオキシ基の一般的な例である。
【0033】
「環式」および「環」という用語は、置換されていても、および/またはヘテロ原子を含んでいてもいなくてもよい、そして単環式、二環式、または多環式であってもよい、脂環式または芳香族基を指す。「脂環式」という用語は、脂肪族環状部分を指すという従来の意味で使用され、芳香族環式部分とは対照的であり、単環式、二環式、または多環式であってもよい。
【0034】
「多環式環」という用語は、置換されていてもおよび/またはヘテロ原子を含んでいてもいなくてもよい脂環式または芳香族基であって、繋がった、縮合した、単結合または架橋を介して連結した少なくとも2つの閉じた環を有するものを指す。多環式環には、ナフチル、ビフェニル、フェナントリル、および同類のものが含まれるが、これらには限定されない。
【0035】
「スピロ化合物」という用語は、2つ以上の環(環系)のねじれた構造を呈する化合物であって、2つまたは3つの環が1つの共通原子で連結されているものを指す。
【0036】
「ハロ」、および「ハロゲン(halogen)」、および「ハロゲン化物」という用語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)の置換基を指すという従来の意味で使用される。
【0037】
「ヒドロカルビル」は、直鎖、分岐鎖、環状、飽和、および不飽和の化学種を含め、1から24個の炭素原子、好ましくは1から12個の炭素原子を含む一価のヒドロカルビル部分を指し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、および同類のものである。「置換されたヒドロカルビル」は、1つまたは複数の置換基で置換されたヒドロカルビルを指す。
【0038】
「ヒドロカルビレン」は、直鎖、分岐鎖、環状、飽和および不飽和の化学種を含め、1から24個の炭素原子、好ましくは1から12個の炭素原子を含む二価のヒドロカルビル部分を指し、炭化水素から2つの水素を除去して形成されたものである。「置換されたヒドロカルビレン」は、1つまたは複数の置換基で置換されたヒドロカルビレンを指す。
【0039】
「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル基」における「ヘテロ原子含有」という用語は、1つまたは複数の炭素原子が炭素以外の原子、例えば、窒素、酸素、硫黄、リン、またはケイ素、典型的には窒素、酸素、または硫黄で置換された、炭化水素分子またはヒドロカルビル分子部分を指す。「ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン」および「ヘテロヒドロカルビレン」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたヒドロカルビレンを指す。同様に、「ヘテロアルキル」という用語は、ヘテロ原子を含有するアルキル置換基を指し、「複素環式」という用語は、ヘテロ原子を含有する環状置換基を指し、「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」という用語はそれぞれ、ヘテロ原子を含有する「アリール」および「芳香族」置換基を指す、等である。「複素環式」の基または化合物は、芳香族であってもなくてもよいこと、さらには、「複素環」は、「アリール」の用語に関して上記の通り、単環式、二環式、または多環式であってもよいことに留意するのが望ましい。ヘテロアルキル基の例には、アルコキシアリール、アルキルスルファニル置換アルキル、N-アルキル化アミノアルキル、および同類のものが挙げられるが、これらには限定されない。ヘテロアリール置換基の例には、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4-トリアゾリル、テトラゾリルなどが挙げられるが、これらには限定されず、ヘテロ原子含有脂環式基の例には、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0040】
加えて、前述の置換基は、特定の基が許せば、1つまたは複数のさらなる置換基で、または上で具体的に列挙したものなどの1つまたは複数のヒドロカルビル部分で、さらに置換されてもよい。同様に、上述のヒドロカルビル部分は、1つまたは複数の置換基、または上で具体的に列挙したものなどのさらなるヒドロカルビル部分で、さらに置換されてもよい。同様に、上述のヒドロカルビレン部分は、1つまたは複数の置換基、または上で言及したさらなるヒドロカルビル部分で、さらに置換されてもよい。
【0041】
前述のいくつかの定義で暗に言及されるとおり、「置換されたヒドロカルビル」、「置換されたアルキル」、「置換されたアリール」、および同類のものにおける「置換された」は、ヒドロカルビル、アルキル、アリール、または他の部分において、炭素(または他の)原子に結合した少なくとも1つの水素原子が、1つまたは複数の非水素の置換基で置換されていることを意味する。このような置換基の例には、ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1-C24アルコキシ、C2-C24アルケニルオキシ、C2-C24アルキニルオキシ、C5-C24アリールオキシ、C6-C24アラルキルオキシ、C6-C24アルカリールオキシ、アシル(C2-C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC6-C24アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシルであて、C2-C24アルキルカルボニルオキシ(-O-CO-アルキル)およびC6-C24アリールカルボニルオキシ(-O-CO-アリール)を含む)、C2-C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C6-C24アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、ハロカルボニル(-CO)-XであってXはハロ)、C2-C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C6-C24アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボン酸(-COOH)、カルバモイル(-(CO)-NH2)、モノ(C1-C24アルキル)置換カルバモイル(-(CO)-NH(C1-C24アルキル))、ジ(C1-C24アルキル)置換カルバモイル(-(CO)-N(C1-C24アルキル)2)、モノ(C1-C24ハロアルキル)-置換カルバモイル(-(CO)-NH(C1-C24ハロアルキル))、ジ(C1-C24ハロアルキル)-置換カルバモイル(-(CO)-N(C1-C24ハロアルキル)2)、モノ(C5-C24アリール)-置換カルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、ジ(C5-C24アリール)-置換カルバモイル(-(CO)-N(C5-C24アリール)2)、N(C1-C24アルキル)(C5-C24アリール)-置換カルバモイル(-(CO)-N(C1-C24アルキル)(C5-C24アリール))、チオカルバモイル(-(CS)-NH2)、モノ(C1-C24アルキル)-置換チオカルバモイル(-(CS)-NH(C1-C24アルキル))、ジ(C1-C24アルキル)-置換チオカルバモイル(-(CS)-N(C1-C24アルキル)2)、モノ(C5-C24アリール)置換チオカルバモイル(-(CS)-NH-アリール)、ジ(C5-C24アリール)置換チオカルバモイル(-(CS)-N(C5-C24アリール)2)、N(C1-C24アルキル)(C5-C24アリール)置換チオカルバモイル(-(CS)-N(C1-C24アルキル)(C5-C24アリール))、カルバミド(-NH-(CO)-NH2)、シアノ(-C≡N)、シアナト(-O-C≡N)、チオシアナト(-S-C≡N)、イソシアナート(-NCO)、チオイソシアナート(-NCS)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH2)、モノ(C1-C24アルキル)-置換アミノ(-NH(C1-C24アルキル))、ジ(C1-C24アルキル)-置換アミノ(-N(C1-C24アルキル)2)、モノ(C5-C24アリール)-置換アミノ(-NH(C5-C24アリール)、ジ(C5-C24アリール)置換アミノ(-N(C5-C24アリール)2)、C2-C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C6-C24アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、イミノ(-CRNH、ここで、RにはH、C1-C24アルキル、C5-C24アリール、C6-C24アルカリール、C6-C24アラルキルなどが挙げられるが、これらには限定されない)、C2-C20アルキルイミノ(-CRN(アルキル)、ここで、RにはH、C1-C24アルキル、C5-C24アリール、C6-C24アルカリール、C6-C24アラルキルなどが挙げられるが、これらには限定されない)、アリルイミノ(-CRN(アリール)、ここで、RにはH、C1-C20アルキル、C5-C24アリール、C6-C24アルカリール、C6-C24アラルキルなどが挙げられるが、これらには限定されない)、ニトロ(-NO2)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-S(O)2OH)、C1-C24アルキルスルファニル(-S-アルキル;「アルキルチオ」とも称される)、C5-C24アリールスルファニル(-S-アリール;「アリールチオ」とも称される)、C1-C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C5-C24アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C1-C24アルキルスルホニル(-SO2-アルキル)、C1-C24モノアルキルアミノスルホニル(-SO2-N(H)アルキル)、C1-C24ジアルキルアミノスルホニル(-SO2-N(アルキル)2)、C5-C24アリールスルホニル(-SO2-アリール)、ボリル(-BH2)、ボロノ(-B(OH)2)、ボロナト(-B(OR)2、ここでRにはアルキルまたは他のヒドロカルビルが挙げられるが、これらには限定されない)、ホスホノ(-P(O)(OH)2)、ホスホ(-PO2)、ホスフィノ(-PH2)、シリル(-SiR3、ここでRはHまたはヒドロカルビル)、およびシリルオキシ(-O-シリル);ヒドロカルビル部分C1-C24アルキル(好ましくはC1-C12アルキル、より好ましくはC1-C6アルキル)、C2-C24アルケニル(好ましくはC2-C12アルケニル、より好ましくはC2-C6アルケニル)、C2-C24アルキニル(好ましくはC2-C12アルキニル、より好ましくはC2-C6アルキニル)、C5-C24アリール(好ましくはC6-C10アリール)、C6-C24アルカリール(好ましくはC6-C16アルカリール)、またはC6-C24アラルキル(好ましくはC6-C16アラルキル)などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0042】
「官能化されたヒドロカルビル」、「官能化されたアルキル」、「官能化されたオレフィン」、「官能化された環状オレフィン」、および同類のものにおける「官能化された」は、ヒドロカルビル、アルキル、オレフィン、環状オレフィン、または他の部分において、炭素(または他の)原子に結合している少なくとも1つのH原子が、本明細書に記載されるものなどの1つまたは複数の官能基で置換されることを意味する。「官能基」という用語は、本明細書に記載の用途に適したいずれの官能化学種も含むことを意味する。場合によっては、「置換基」および「官能基」という用語は互換可能に使用される。
【0043】
「随意の」または「随意に」は、次に記載される状況が発生してもしなくてもよいことを意味し、その結果、記載には、その状況が発生する実例と発生しない実例とが含まれる。例えば、「随意に置換された」という語句は、非水素の置換基が所与の原子上に存在してもしなくてもよいことを意味し、よって、その記載には、非水素の置換基が存在する構造と非水素の置換基が存在しない構造とが含まれる。
【0044】
「ニル(nil)」という用語は、存在しないまたは存在しないことを意味する。
【0045】
「スルフヒドリル」という用語は、化学式「-SH」の基を表す。
【0046】
「ヒドロキシル」という用語は、化学式「-OH」の基を表す。
【0047】
「カルボニル」という用語は、化学式「-C(O)-」の基を表す。
【0048】
「ケトン」という用語は、-C(O)Rxなど、炭素原子に結合したカルボニル基を有する有機化合物を表し、ここでRxは、上で定義した通り、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環とすることができる。
【0049】
「エステル」という用語は、-C(O)ORxなど、炭素原子に結合したカルボニル基を有する有機化合物を表し、ここでRxは、上で定義した通り、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環とすることができる。
【0050】
「アミン」という用語は、「-NRxRy」の化学式の基を表し、ここで、RxおよびRyは、同一とすることも、または独立に、上で定義した通り、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環とすることもできる。
【0051】
「カルボキシル」という用語は、化学式「-C(O)O-」の基を表す。
【0052】
「スルホニル」という用語は、化学式「-SO2」の基を表す。
【0053】
「スルファート」という用語は、化学式「-O-S(O)2-O-」の基を表す。
【0054】
「スルホナート」という用語は、化学式「-S(O)2-O-」の基を表す。
【0055】
「アミド」という用語は、化学式「-C(O)NRxRy」の基を表し、ここで、RxおよびRyは、同一とすることも、または独立に、上で定義した通り、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環とすることもできる。
【0056】
「スルファミド」という用語は、化学式「-S(O)2NRxRy」の基を表し、ここで、RxおよびRyは、同一とすることも、または独立に、上で定義した通り、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環とすることもできる。
【0057】
「スルホキシド」という用語は、化学式「-S(O)-」の基を表す。
【0058】
「ホスホン酸」という用語は、化学式「-P(O)(OH)2」の基を表す。
【0059】
「リン酸」という用語は、化学式「-OP(O)(OH)2」の基を表す。
【0060】
「スルホン酸」という用語は、化学式「-S(O)2OH」の基を表す。
【0061】
化学式「H」は水素原子を表す。
【0062】
化学式「O」は酸素原子を表す。
【0063】
化学式「N」は窒素原子を表す。
【0064】
化学式「S」は硫黄原子を表す。
【0065】
官能基が金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を妨害する場合には、その官能基を保護してもよく、当技術分野で一般的に使用される保護基のいずれを採用してもよい。許容できる保護基については、例えば、Greene et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,5th Ed.(New York:Wiley,2014)を見てもよい。保護基の例には、アセタール類、環状アセタール類、ボロナートエステル類(ボロナート類)、環状ボロナートエステル類(環状ボロナート類)、カルボナート類、または同類のものが挙げられる。保護基の例には、環状アセタール類または環状ボロナートエステル類などが挙げられる。
【0066】
本発明のモノマー
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(I)の構造を有し:
【化2】
式中:
R
aは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
各R
sは独立に、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;
R
fは、OH、OR
k、NR
gR
h、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
gは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC
5-24アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
hは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
iは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
jは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
kは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
lは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
mは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
nは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
oは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
R
pは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルである。
【0067】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(I)の構造を有し、式中:
Raは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-12アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)、-C(Rh)(Ri)COORj、-C(Rh)(Ri)C(O)H、-C(Rh)(Ri)C(O)Rk、-C(Rh)(Ri)CRl(ORm)(ORn)、-C(Rh)(Ri)C(O)NRoRp、または-C(Rh)(Ri)C(O)NRoORnであり;
各Rsは独立に、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-12アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)、-C(Rh)(Ri)COORj、-C(Rh)(Ri)C(O)H、-C(Rh)(Ri)C(O)Rk、-C(Rh)(Ri)CRl(ORm)(ORn)、-C(Rh)(Ri)C(O)NRoRp、または-C(Rh)(Ri)C(O)NRoORnであり;
tは、0、1、2、3、または4であり;
Rfは、OH、ORk、NRgRh、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rgは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC6-10アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル)、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rhは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Riは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rjは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rkは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rlは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rmは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rnは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Roは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;そして
Rpは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルである。
【0068】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(I)の構造を有し、式中:
Raは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、または-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)であり;
tは0であり;
Rfは、OH、ORk、NRgRh、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rgは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC6-10アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル)、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;そして
Rhは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;そして
Rkは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルである。
【0069】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(I)の構造を有し、式中:R
aは、
【化3】
であり;
そして、t=0である。
【0070】
化学式(I)のモノマーの非限定的な例には:
【化4】
などが挙げられる。
【0071】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(II)の構造を有し:
【化5】
式中:
R
bは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、随意に置換されたスピロ複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-10シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
各R
sは独立に、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;
R
fは、OH、OR
k、NR
gR
h、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
gは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC
5-24アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
hは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
iは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
jは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
kは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
lは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
mは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
nは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
oは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
R
pは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルである。
【0072】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(II)の構造を有し:
【化6】
式中:t=1であり、R
sおよびR
bは結合して、随意に置換された多環式構造を形成することができる。
【0073】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(II)の構造を有し、式中:
Rbは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-12アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、随意に置換されたスピロ複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)、-C(Rh)(Ri)COORj、-C(Rh)(Ri)C(O)H、-C(Rh)(Ri)C(O)Rk、-C(Rh)(Ri)CRl(ORm)(ORn)、-C(Rh)(Ri)C(O)NRoRp、または-C(Rh)(Ri)C(O)NRoORnであり;
各Rsは独立に、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-12アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)、-C(Rh)(Ri)COORj、-C(Rh)(Ri)C(O)H、-C(Rh)(Ri)C(O)Rk、-C(Rh)(Ri)CRl(ORm)(ORn)、-C(Rh)(Ri)C(O)NRoRp、または-C(Rh)(Ri)C(O)NRoORnであり;
tは、0、1、2、3、または4であり;
Rfは、OH、ORk、NRgRh、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rgは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-12アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC6-10アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-12アルケニル)、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rhは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Riは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rjは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rkは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rlは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rmは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rnは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Roは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;そして
Rpは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルである。
【0074】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(II)の構造を有し、式中:
Rbは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換されたスピロ複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、または-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)であり;
tは0であり;
Rfは、OH、ORk、NRgRh、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rgは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC6-10アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル)、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rhは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;そして
Rkは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルである。
【0075】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(II)の構造を有し、式中:
R
bは、
【化7】
であり;そして、t=0である。
【0076】
化学式(II)のモノマーの非限定的な例には:
【化8】
などが挙げられる。
【0077】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(III)の構造を有し:
【化9】
式中、zは、0、1、2、または3である。
【0078】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(III)の構造を有し、式中、zは1または2である。
【0079】
一実施形態では、本発明のモノマーは、化学式(III)の構造を有し、式中、zは2である。
【0080】
化学式(III)のモノマーの非限定的な例には:
【化10】
などが挙げられる。
【0081】
一実施形態では、本発明のオレフィン類は、化学式(IV)の構造を有し:
【化11】
式中:
R
cは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
R
dは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
R
fは、OH、OR
k、NR
gR
h、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
gは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC
5-24アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
hは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
iは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
jは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
kは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
lは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
mは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
nは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
oは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
R
pは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルである。
【0082】
一実施形態では、本発明のオレフィン類は、化学式(IV)の構造を有し、式中:
Rcは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-12アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)、-C(Rh)(Ri)COORj、-C(Rh)(Ri)C(O)H、-C(Rh)(Ri)C(O)Rk、-C(Rh)(Ri)CRl(ORm)(ORn)、-C(Rh)(Ri)C(O)NRoRp、または-C(Rh)(Ri)C(O)NRoORnであり;
Rdは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-12アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)、-C(Rh)(Ri)COORj、-C(Rh)(Ri)C(O)H、-C(Rh)(Ri)C(O)Rk、-C(Rh)(Ri)CRl(ORm)(ORn)、-C(Rh)(Ri)C(O)NRoRp、または-C(Rh)(Ri)C(O)NRoORnであり;
Rfは、OH、ORk、NRgRh、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rgは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC6-10アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル)、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rhは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Riは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rjは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rkは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rlは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rmは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rnは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Roは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;そして
Rpは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-12アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルである。
【0083】
一実施形態では、本発明のオレフィン類は、化学式(IV)の構造を有し、式中:
Rcは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、または-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)であり;
Rdは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、ハロゲン、-C(O)Rf、-CH2-C(O)Rf、-ORg、-CH2-ORg、CN、NO2、-CF3、-P(O)(OH)2、-OP(O)(OH)2、随意に置換された複素環、-CH2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルキル)、随意に置換されたC6-10アリール、-CH2-(随意に置換されたC6-10アリール)、随意に置換されたC5-7シクロアルケニル、または-CH2-(随意に置換されたC5-7シクロアルケニル)であり;
Rfは、OH、ORk、NRgRh、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rgは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換されたC6-10アリール)、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC2-6アルケニル)、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;
Rhは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルであり;そして
Rkは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル、随意に置換されたC5-7シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC6-10アリール、または随意に置換されたC5-7シクロアルケニルである。
【0084】
一実施形態では、本発明のオレフィンは、化学式(IV)の構造を有し、式中:
R
cはH,
【化12】
であり;そして
R
dは、
【化13】
である。
【0085】
化学式(IV)のモノマーの非限定的な例には:
【化14】
などが挙げられる。
【0086】
本明細書に開示の二環式および多環式オレフィン類が、様々な構造異性体および/または立体異性体からなっていてもよく、それらのいずれかおよびすべてが本発明での使用に適していることは、当業者には周知である。特に明記しない限り、本明細書においてそのような二環式および多環式オレフィン類を指すいかなる場合でも、そのような構造異性体および/または立体異性体のいずれかおよびすべての混合物が含まれる。
【0087】
よって、モノマーの例には、ジシクロペンタジエン;トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン;ノルボルネン;5-メチル-2-ノルボルネン;5-エチル-2-ノルボルネン;5-イソブチル-2-ノルボルネン;5,6-ジメチル-2-ノルボルネン;5-フェニルノルボルネン;5-ベンジルノルボルネン;5-アセチルノルボルネン;5-メトキシカルボニルノルボルネン;5-エトキシカルボニル-1-ノルボルネン;5-メチル-5-メトキシ-カルボニルノルボルネン;5-シアノノルボルネン;5,5,6-トリメチル-2-ノルボルネン;シクロヘキセニルノルボルネン;エンド、エキソ-5,6-ジメトキシノルボルネン;エンド、エンド-5,6-ジメトキシカルボニルノルボルネン;エンド、エキソ-5-6-ジメトキシカルボニルノルボルネン;エンド、エンド-5,6-ジメトキシカルボニルノルボルネン;2,3-ジメトキシノルボルネン;ノルボルナジエン;トリシクロウンデセン;テトラシクロドデセン;8-メチルテトラシクロドデセン;8-エチル-テトラシクロドデセン;8-メトキシカルボニルテトラシクロドデセン;8-メチル-8-テトラシクロ-ドデセン;8-シアノテトラシクロドデセン;C2-C12ヒドロカルビル置換ノルボルネン類、例えば5-ブチル-2-ノルボルネン;5-へキシル-2-ノルボルネン;5-オクチル-2-ノルボルネン;5-デシル-2-ノルボルネン;5-ドデシル-2-ノルボルネン;5-ビニル-2-ノルボルネン;5-エチリデン-2-ノルボルネン;5-イソプロペニル-2-ノルボルネン;5-プロペニル-2-ノルボルネン;および5-ブテニル-2-ノルボルネン、および同類のもの;ならびにC2-C12ヒドロカルビル置換テトラシクロドデセン、例えば、5-ブチル-2-テトラシクロドデセン、5-ヘキシル-2-テトラシクロドデセン、5-オクチル-2-テトラシクロドデセン、5-デシル-2-テトラシクロドデセン、5-ドデシル-2-テトラシクロドデセン、5-ビニル-2-テトラシクロドデセン、5-エチリデン-2-テトラシクロドデセン、5-イソプロペニル-2-テトラシクロドデセン、5-プロペニル-2-テトラシクロドデセン、および5-ブテニル-2-テトラシクロドデセンなどが挙げられるが、これらには限定されない。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒
【0088】
本発明のモノマーの開環に適した金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、化学式(1)の一般構造を有し:
【化15】
式中:
Mは第8族遷移金属であり;概して、Mはルテニウムまたはオスミウムであり;典型的には、Mはルテニウムであり;
L
1、L
2、およびL
3はそれぞれ独立に、中性の電子供与性配位子であり;
nは0または1であり、典型的には、nは0であり;
mは0、1、または2であり;典型的には、mは0であり;
kは0または1であり;典型的には、kは1であり;
X
1およびX
2は独立に、アニオン性配位子であり;概してX
1およびX
2は独立に、ハロゲン、トリフルオロアセタート、ペルフルオロフェノール類であるか、または結合して硝酸塩を形成することができ;典型的には、X
1およびX
2は独立に、Cl、Br、I、またはFであり;そして
R
1およびR
2は独立に、水素、随意に置換されたヒドロカルビル、随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;典型的には、R
1は水素であり、R
2は、随意に置換されたフェニル、C
1-C
6アルキル、または置換された1-プロペニルであり;またはR
1およびR
2は結合して、1つまたは複数の環状基、例えば、置換されたインデニリデン、具体的には、3-フェニルインデニリド-1-エンを形成する。
【0089】
一実施形態では、部分
【化16】
は、
【化17】
であり、
式中:
X
3およびX
4は独立に、OまたはSであり;典型的には、X
3およびX
4は独立に、Sであり;そして
R
x、R
y、R
w、およびR
zは独立に、水素、ハロゲン、随意に置換されたヒドロカルビル、または随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してR
x、R
y、R
w、およびR
zは独立に、水素、ハロゲン、随意に置換されたC
1-C
12アルキル、随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、または随意に置換されたC
5-C
24アリールであり;典型的には、R
x、R
y、R
w、およびR
zは独立に、C
1-C
6アルキル、水素、随意に置換されたフェニル、またはハロゲンであり;または、R
xおよびR
yは結合して、随意に置換された二環式または多環式アリールを形成し;または、R
wおよびR
zは結合して、随意に置換された二環式または多環式アリールを形成し;または、R
yおよびR
wは結合して、随意に置換された二環式または多環式アリールを形成する。
【0090】
一実施形態では、L1およびL2は、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、(環状エーテル類を含む)、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラジン、置換ピラジン、およびチオエーテルから、独立に選択される。例示的な配位子は、三置換ホスフィン類である。好ましい三置換ホスフィン類は、化学式PRH1RH2RH3であり、ここでRH1、RH2、およびRH3はそれぞれ独立に、随意に置換された:C6-10アリール、C1-C10アルキル、またはC3-10シクロアルキルである。最も好ましい態様では、L1およびL2は、トリメチルホスフィン(PMe3)、トリエチルホスフィン(PEt3)、トリ-n-ブチルホスフィン(PBu3)、トリ(オルト-トリル)ホスフィン(P-o-トリル3)、トリ-tert-ブチルホスフィン(P-tert-Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCp3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P-i-Pr3)、トリオクチルホスフィン(POct3)、トリイソブチルホスフィン、(P-i-Bu3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン(P(C6F5)3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、およびジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から、それぞれ独立に選択される。
【0091】
一実施形態では、L
1は、
【化18】
であり、
式中、XおよびYは独立に、C、CR
3a、N、O、S、またはPであり;XまたはYのうち1つだけを、CまたはCR
3aとすることができ;典型的には、XおよびYは独立に、Nであり;Q
1、Q
2、R
3、R
3a、およびR
4は独立に、水素の随意に置換されたヒドロカルビル、随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してQ
1、Q
2、R
3、R
3a、およびR
4は、随意に置換されたヒドロカルビレン、随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、または-(CO)-などのリンカを介して、XまたはYに随意に結合しており;典型的には、Q
1、Q
2、R
3、R
3a、およびR
4は、XまたはYに直接結合しており;そしてXがOまたはSである場合にはpは0であり、XがN、P、またはCR
3aである場合にはpは1であり、XがCである場合にはpは2であり;YがOまたはSである場合にはqは0であり、YがN、P、またはCR
3aである場合にはqは1であり、XがCである場合にはqは2である。
【0092】
一実施形態では、L
1は、
【化19】
であり、
式中、Qは、構造-[CR
11R
12]
s-[CR
13R
14]
t-または-[CR
11=CR
13]-を有する二原子結合であり、典型的にはQは、-[CR
11R
12]
s-[CR
13R
14]
t-であり、R
11、R
12、R
13、およびR
14は独立に、水素、随意に置換されたヒドロカルビル、随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;典型的にはR
11、R
12、R
13、およびR
14は独立に、水素、随意に置換されたC
1-C
12アルキル、随意に置換されたC
1-C
12ヘテロアルキル、随意に置換されたC
5-C
14アリールであり;
「s」および「t」は独立に、1または2であり;概して「s」および「t」は独立に、1であり;またはR
11、R
12、R
13、およびR
14のうちのいずれか2つは、随意に結合しており、随意に置換された、飽和または不飽和の多環式環構造を形成することができる。
【0093】
一実施形態では、L
1は、
【化20】
であり、
式中、Zは、NまたはCR
32であり;
R
1は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
2と結合してスピロ化合物を形成することができるか、またはR
3と結合して、もしくはR
4と結合して多環式環を形成することができ;
R
2は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
1と結合してスピロ化合物を形成することができるか、またはR
3と結合して、もしくはR
4と結合して多環式環を形成することができ;
R
3は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
2と結合して、もしくはR
1と結合して多環式環を形成することができるか、またはR
4と結合してスピロ化合物を形成することができ;
R
4は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
3と結合してスピロ化合物を形成することができるか、またはR
2と結合して、もしくはR
1と結合して多環式環を形成することができ;
R
5は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
6と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
6は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
5と結合して、もしくはR
7と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
7は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
6と結合して、もしくはR
8と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
8は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
7と結合して、もしくはR
9と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
9は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
8と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
10は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
11と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
11は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
10と結合して、もしくはR
12と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
12は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
11と結合して、もしくはR
13と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
13は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
14と結合して、もしくはR
12と結合して、随意に置換された多環式環を形成することができ;
R
14は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
13と結合して、多環式環を形成することができ;
R
32は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
25は、OH、OR
30、NR
27R
28、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
26は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
27は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
28は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
29は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、OR
26、-NR
27R
28、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
30は、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
31は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そしてxは1または2である。
【0094】
一実施形態では、L
2は、
【化21】
であり、式中:
R
a2は、水素、随意に置換されたヒドロカルビル、または随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してR
a2は、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、または随意に置換されたC
5-C
24アリールであり;典型的にはR
a2は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;そして
R
b2は、水素、随意に置換されたヒドロカルビル、または随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してR
b2は、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、または随意に置換されたC
5-C
24アリールであり;典型的にはR
b2は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシル、またはフェニルである;またはR
a2とR
b2は結合して、スルホキシド基[-S(O)-]とともに5または6員の複素環を形成する。
【0095】
一実施形態では、L
2は、
【化22】
であり、式中:Rは、随意に置換されたヒドロカルビル、または随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してRは、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、または随意に置換されたC
5-C
24アリールであり;典型的にはRは、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、またはフェニルである。
【0096】
一実施形態では、L
2は、
【化23】
であり、式中:R
1p、R
2p、およびR
3pはそれぞれ独立に、随意に置換されたC
6-C
10アリール、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、または随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキルである。R
8p、R
9p、およびR
10pはそれぞれ独立に、随意に置換されたC
6-C
10アリール、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、または随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキルである。
【0097】
一実施形態では、L
2は、
【化24】
であり、式中:
R
a3は、随意に置換されたヒドロカルビル、または随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してR
a3は、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、または随意に置換されたC
5-C
24アリールであり;典型的にはR
a3は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、またはフェニルであり;
R
b3は、随意に置換されたヒドロカルビル、または随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してR
b3は、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、または随意に置換されたC
5-C
24アリールであり;典型的にはR
b3は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、またはフェニルであり;またはR
a3およびR
b3は、それらが結合している窒素原子と5、6、または7員の複素環式環を形成することができ;
R
c3は、随意に置換されたヒドロカルビル、または随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してR
c3は、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、または随意に置換されたC
5-C
24アリールであり;典型的にはR
c3は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、またはフェニルであり;
R
d3は、随意に置換されたヒドロカルビル、または随意に置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり;概してR
d3は、随意に置換されたC
1-C
10アルキル、随意に置換されたC
3-C
10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-C
24アリールであり;典型的にはR
d3は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、またはフェニルであり;またはR
c3およびR
d3は、それらが結合している窒素原子と5、6、または7員の複素環式環を形成することができ;またはR
b3およびR
c3は結合して、それらが連結している窒素原子と5、6、または7員の複素環式環を形成することができる。
【0098】
別の実施形態では、本発明のモノマーの開環に適した金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、化学式(2)の一般構造を有し:
【化25】
式中:
L
1、X
1、およびX
2は、本明細書で定義した通りであり;
Wは、O、ハロゲン、NR
33、またはSであり;
R
19は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、-C(R
34)(R
35)COOR
36、-C(R
34)(R
35)C(O)H、-C(R
34)(R
35)C(O)R
37、-C(R
34)(R
35)CR
38(OR
39)(OR
40)、-C(R
34)(R
35)C(O)NR
41R
42、-C(R
34)(R
35)C(O)NR
41OR
40、-C(O)R
25、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、またはWがNR
33である場合には、R
19はR
33と結合して、随意に置換された複素環式環を形成することができ、Wがハロゲンである場合には、R
19はニル(nil)であり;
R
20は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
21と結合して、多環式環を形成することができ;
R
21は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
20と結合して、もしくはR
22と結合して、多環式環を形成することができ;
R
22は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
21と結合して、もしくはR
23と結合して、多環式環を形成することができ;
R
23は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであるか、またはR
22と結合して、多環式環を形成することができ;
R
24は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、ハロゲン、-C(O)R
25、-OR
26、CN、-NR
27R
28、NO
2、-CF
3、-S(O)
xR
29、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、-SR
31、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
25は、OH、OR
30、NR
27R
28、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
26は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
27は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
28は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
29は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、OR
26、-NR
27R
28、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
30は、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
31は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
33は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
34は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
35は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
36は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
37は、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
38は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
39は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
40は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
41は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
42は、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
xは1または2である。
【0099】
いくつかの実施形態では、本発明で使用される金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、一般構造:
【化26-1】
【化26-2】
【化26-3】
【化26-4】
を有し、
式中、Q、Q
1、Q
2、p、q、X
1、X
2、X
3、X
4、R、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23、R
24、R
20、R
21、R
22、R
23、R
24、R
a2、R
b2、R
a3、R
b3、R
c3、R
d3、R
1p、R
2p、R
3p、R
H1、R
H2、R
H3、-(L
2)
n-、およびR
42は、本明細書で定義される通りである。
【0100】
本発明で使用される好ましい金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、化学式:
【化27】
に包含され、式中、X
1、X
2、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23、R
24、R
H1、R
H2、R
H3、およびR
42は、本明細書で定義される通りである。
【0101】
本発明で使用される最も好ましい金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、化学式:
【化28】
に包含され、式中:R
19、R
20、R
21、R
22、R
23、R
24、Cy、R
H1、R
H2、R
H3、およびR
42は、本明細書で定義される通りである。
【0102】
反応において使用される触媒の量(すなわち「触媒装填量」)は、採用される反応物の同一性や反応条件などの様々な要因に依存することは理解されよう。したがって、触媒装填量は、各反応に最適にそして独立に選択できることは理解される。しかし、概して触媒は、オレフィン系基質の量に対して、約0.1ppm、1ppm、または5ppmという低値から、約10ppm、15ppm、25ppm、50ppm、100ppm、200ppm、500ppm、または1000ppmという高値の範囲の量で存在することになる。
【0103】
触媒は概して、オレフィン系基質の量に対して、約0.00001モル%、0.0001モル%、または0.0005モル%という低値から、約0.001モル%、0.0015モル%、0.0025モル%、0.005モル%、0.01モル%、0.02モル%、0.05モル%、または0.1モル%という高い値までの範囲の量で存在することになる。
【0104】
触媒に対するオレフィンのモル比で表す場合、触媒(「触媒に対するオレフィンの比」)、装填量は概して、約10,000,000:1、1,000,000:1、500,000:1、または200,00:1という低値から、約100,000:1、60,000:1、50,000:1、45,000;1、40,000:1、30,000:1、20,000:1、10,000:1、5,000:1、または1,000:1という高値までの範囲の量で存在することになる。
【0105】
本発明の実施形態
本発明のポリマーは、スキーム1に従って合成することができ、化学式(I)、(II)、および(III)の少なくとも1つのモノマー、および随意に式(IV)の少なくとも1つのオレフィンを、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の存在下で開環メタセシス反応の対象とすることができる。少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、化学式(1)、化学式(2)、またはそれらの混合物の構造を有することができる。
【0106】
一実施形態では、本発明は、化学式(I)、(II)、および(III)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)のオレフィンと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によって合成される、1~100GHzでの誘電定数D
k<3、および1~100GHzでの誘電損失D
f<0.01を有するポリマーを提供し、
【化29】
式中:
zは、0、1、2、または3であり;
R
aは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;
R
bは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、-CN、-NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、または-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)であり;
R
cは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
R
dは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
各R
sは独立に、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、ハロゲン、-C(O)R
f、-CH
2-C(O)R
f、-OR
g、-CH
2-OR
g、CN、NO
2、-CF
3、-P(O)(OH)
2、-OP(O)(OH)
2、随意に置換された複素環、-CH
2-(随意に置換された複素環)、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-10シクロアルキル)、随意に置換されたC
5-24アリール、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル、-CH
2-(随意に置換されたC
3-8シクロアルケニル)、-C(R
h)(R
i)COOR
j、-C(R
h)(R
i)C(O)H、-C(R
h)(R
i)C(O)R
k、-C(R
h)(R
i)CR
l(OR
m)(OR
n)、-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oR
p、または-C(R
h)(R
i)C(O)NR
oOR
nであり;
tは、0、1、2、3、4、5、または6であり;
R
fは、OH、OR
k、NR
gR
h、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
gは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
hは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
iは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
jは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
kは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
lは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
mは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
nは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;
R
oは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルであり;そして
R
pは、H、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、随意に置換されたC
3-10シクロアルキル、随意に置換された複素環、随意に置換されたC
5-24アリール、または随意に置換されたC
3-8シクロアルケニルである。
【0107】
一実施形態では、本発明のポリマーは、10GHzでのDkが2.42、2.44、2.46、2.47、2.5であり、10GHzでのDfが0.017、0.006、0.004、0.0033、0.0008、0.0009である。
【0108】
一実施形態では、本発明は、化学式(I)、(II)、および(III)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)のオレフィンと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によって合成される、1~100GHzでの誘電定数D
k<3、および1~100GHzでの誘電損失D
f<0.01を有するポリマーを提供し、
【化30】
式中:
zは2であり;
tは0であり;
R
aは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-24アルケニル、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、または随意に置換されたC
5-24アリールであり;
R
bは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、-CH
2-OR
g、-CH
2-(随意に置換された複素環)、-C(O)R
f、随意に置換された複素環、随意に置換されたスピロ複素環、-CH
2-(随意に置換されたC
5-24アリール)、または-CH
2-OR
gであり;
R
cはHであり;
R
dは、随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
1-24アルキル、または-CH
2-(随意に置換された複素環)であり;
R
fはOHであり;そして
R
gは、H、随意に置換されたC
1-24アルキル、-C(O)-(随意に置換された直鎖または分岐鎖のC
2-6アルケニル)、または随意に置換されたC
5-24アリールである。
【0109】
一実施形態では、本発明は、化学式(I)、(II)、および(III)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)のオレフィンと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によって合成される、1~100GHzでの誘電定数D
k<3、および1~100GHzでの誘電損失D
f<0.01を有するポリマーを提供し、式中:
化学式(I)の少なくとも1つのモノマーは、
【化31】
であり;
化学式(II)の少なくとも1つのモノマーは、
【化32】
であり;
化学式(III)の少なくとも1つのモノマーは、
【化33】
であり;
化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンは、
【化34】
である。
【0110】
「化学式(I)、(II)、および(III)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)のオレフィンとを含む開環メタセシス反応」という表現は、以下のことを意味する。開環メタセシス反応は、化学式(I)、(II)、および(III)の各モノマーの少なくとも1つと、随意に化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンとを含むか、または、開環メタセシス反応は、化学式(I)、(II)、もしくは(III)の少なくとも1つのモノマーのうちの2つまたは3つと、随意に化学式(IV)のオレフィンとのあらゆる組み合わせを含むことを意味する。
【0111】
本発明のポリマーは、化学式(I)、(II)、および(III)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によって合成することができる。
【0112】
また本発明のポリマーは、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができる。
【0113】
また本発明のポリマーは、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができ、ここで、
化学式(I)の少なくとも1つのモノマーは、
【化35】
であり;
化学式(II)の少なくとも1つのモノマーは、
【化36】
である。
【0114】
また本発明のポリマーは、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができる。
【0115】
また本発明のポリマーは、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができ、
ここで、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーは、
【化37】
であり;
化学式(II)の少なくとも1つのモノマーは、
【化38】
であり;
そして、化学式(IV)の少なくとも1つのモノマーは、
【化39】
である。
【0116】
また本発明のポリマーは、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができる。
【0117】
また本発明のポリマーは、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができ;ここで化学式(I)の少なくとも1つのモノマーは、
【化40】
であり;
化学式(II)の少なくとも1つのモノマーは、
【化41】
であり;
そして、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーは、
【化42】
である。
【0118】
また本発明のポリマーは、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができる。
【0119】
また本発明のポリマーは、化学式(II)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、随意に化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンと、少なくとも1つの金属オレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができ、ここで:
【化43】
化学式(II)の少なくとも1つのモノマーは、
【化44】
であり;
化学式(III)の少なくとも1つのモノマーは、
【化45】
であり;
そして、化学式(IV)の少なくとも1つのオレフィンは、
【化46】
である。
【0120】
また本発明のポリマーは、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができる。
【0121】
また本発明のポリマーは、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーと、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒とを含む開環メタセシス反応によっても合成することができ、化学式(I)の少なくとも1つのモノマーは、
【化47】
であり;そして、化学式(III)の少なくとも1つのモノマーは、
【化48】
である。
【0122】
一実施形態では、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、本明細書に記載の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒のいずれかであって、化学式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、または(25)の構造を有するものとすることができる。
【0123】
一実施形態では、少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、化学式(22)、(23)、(24)、または(25)の構造を有する。
【0124】
一実施形態では、好ましい少なくとも1つの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、ルテニウムオレフィンメタセシス触媒である。
【0125】
化学式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(I)、(II)、(III)、および(IV)は、本明細書で定義される通りである。
【0126】
本発明のポリマーは、添加剤とさらに反応させることができる。これらの添加剤は:酸化防止剤、ペルオキシド類、シリカ、難燃剤、補強材、光安定剤、染料、エラストマー、フィラーとすることができる。酸化防止剤などいくつかの添加剤を使用して、ポリマーの熱酸化を防止することができ;ルイス酸またはブレンステッド酸を使用し、これを、重合反応を遅らせる官能基に配位させるのに役立てることができる。
【0127】
本発明のポリマーは、例えば、高温で、そして随意に有機ペルオキシド類などのフリーラジカル開始剤、または他の硬化剤の存在下で、架橋させることもできる。例えば、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類、ポリカルボン酸類、アンヒドリド類およびポリアンヒドリド類、ポリチオール類、ならびにルイス酸のようなカチオン性開始剤
【0128】
応用例
本発明のポリマーは、様々なタイプの用途、例えば:プリプレグ、繊維複合材積層体、溶媒を用いたコーティング、溶融押出し部品、フィルム、および液体化合物に使用できることは、当業者であれば理解するであろう。プリプレグや積層体の非限定的な例には:リジッドプリント回路基板、メタルクラッドプリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、ハイブリッド(例えば、リジッド-フレックス)プリント回路基板、放熱対策材、IC基板コア、レドーム、一方向性の炭素繊維またはガラス繊維プリプレグテープ、電気絶縁複合材などが挙げられる。フィルムの非限定的な例には:FPC用接着剤、IC基板ビルドアップ層、再配線層、ダイアタッチフィルム、放熱対策材、アンダーフィル、封止材などが挙げられる。液体化合物の非限定的な例には:アンダーフィル、ポッティング材、封止材、ダイアタッチ接着剤、フォトパターニング、モールドコンパウンド、ウエハボンディング、はんだマスク、放熱対策材、導電性ペースト、インクなどが挙げられる。本発明のポリマーは、さらに水素化して、不飽和炭素-炭素結合の程度の低いポリマー材料を形成することができる。
【0129】
実験
以下の実施例は、例示を目的としたものであり、本発明をいかようにも限定しないことを意図すること、またそう解釈されることが望ましい。当業者は、本発明の趣旨または範囲を超えることなく以下の実施例の変形および変更を行うことができると理解するであろう。
【0130】
使用される数値(例えば、量、温度など)に関してなるだけ正確さを保証するようにはしてあるが、多少の実験な誤差や偏差は考慮に入れるのが望ましい。別途指示のない限り、温度は摂氏(℃)であり、圧力は大気圧またはその近傍である。
【0131】
別途断りのない限り、すべてのガラス器具はオーブンで乾燥させ、反応は周囲条件で行った。別途断りのない限り、すべての溶媒と試薬は市販の供給元から購入し、受領時の状態のまま使用した。
【0132】
ポリマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は,GPC/SECによって測定した。多分散性指数、PDI=Mw/Mnを算出した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)/サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)のデータは、10μmのビーズを用いた2本のAgilent PLgel MIXED-Bの300×7.5mmのカラムを、Agilent 1260シリーズのポンプ、Wyatt 18-angle DAWN HELEOS光散乱検出器、Optilab rEX示差屈折率検出器に接続して使用し、収集した。移動相はTHFとし、流速は1mL/分とした。
【0133】
これらの実施例では、本明細書に記載のいずれの金属カルベンオレフィンメタセシス触媒をも使用することができる。モノマーのいくつかは、公知の文献手順に従って合成した。
【0134】
一般的なGC法の条件:カラム:Agilent 122-5032E DB-5(30m×250μm×0.25μm)、または同等のもの。(フェニルメチルシロキサン5%)。注入温度、280℃、検出器温度、310℃、オーブン温度、開始温度、50℃、保持時間、0.5分。ランプレートは、210℃まで20℃/分、ランプ時間は240℃まで5℃/分で、ランプ時間は280℃まで20℃/分、保持時間2.5分;モード=スプリット20.0:1.0、スプリット流量=20.0mL/分
圧力=12.05psi;全流量=23.6mL/分;一定流量キャリアガス=ヘリウム@23.5mL/分。
【0135】
FTIR(フーリエ変換赤外)分析は、Omnic 9ソフトウェアを用い、ATR結晶を取り付けたThermoscientific Nicolet iS 10 FTIR上で決定した;結晶タイプDiamond with ZnSe lens;pH範囲1~14。IR結晶(FTIRセンサー)の表面に関してバックグラウンドを収集した後、50mgのポリマー粉末を加えて、結晶を完全に覆うようにし、データ収集に32回のスキャンをかけた。
【0136】
実施例では以下の略語を用いた:
Mn [kDa] キロダルトンでの数平均分子量
Mw [kDa] キロダルトンの重量平均分子量
PDI 多分散性指数
Tg(℃) 摂氏温度でのガラス転移温度
IPA iso-プロパノール
MeOH メタノール
TGA 熱重量分析
DMSO ジメチルスルホキシド
NaOH 水酸化ナトリウム
K2CO3 炭酸カリウム
TBA-I テトラブチルアンモニウムヨージド
TBA-HSO4 硫酸水素テトラブチルアンモニウム
TPP トリフェニルホスフィン
BHT ブチル化ヒドロキシトルエン
THF テトラヒドロフラン
MEK メチルエチルケトン
CDCl3 重水素化クロロホルム
C6D6 重水素化ベンゼン
DI水 脱イオン水
DCPD ジシクロペンタジエン
DCM ジクロロメタン
DSC 示差走査熱量計
【0137】
本発明のポリマーの合成に使用されるモノマーおよび試薬の非限定的な例を表1に示す:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【実施例1】
【0138】
【0139】
磁気撹拌棒を備えた1Lのフラスコに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-メタノール,2-メタンスルホナート[CAS 86646-41-5](55g、271.91mmol)、2-(1-プロペニル)フェノール[CAS 6380-21-8](40g、298.12mmol)、炭酸カリウム(10g、72.35mmol)、およびDMSO(300mL)を入れた。フラスコを窒素雰囲気下に置き、85℃まで一晩加熱した。反応物を室温まで冷却し、ヘキサン類で抽出して、水で洗浄した(3回、各500mL)。有機層を10%wt/wtのNaOH水溶液(200mL)で洗浄し、過剰なフェノールを除去した後、水(200mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルのプラグを通してろ過した。溶媒を高真空で除去した結果、所望の生成物40.56gを得た。エンド型およびエキソ型異性体の混合物が得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.60-0.65(m,1H),1.24-1.37(m,2H),1.47(d,J=8.0Hz,1H),1.42(dd,J=1.8Hz,J=7.4Hz,3H),1.89-1.93(m,1H),2.55-2.63(m,1H),2.84(br s,0.7H),2.88(br s,0.3H),3.05(br s,1H),3.52(t,J=9.2Hz,1H),3.75(dd,J=6.6Hz,J=9.0Hz,1H),3.86(t,J=9.0Hz,0.3H),4.05(dd,J=6.2Hz,J=9.2Hz,0.3H),5.78-5.87(m,1H),5.95(dd,J=3.0Hz,J=5.8Hz,0.7H),6.10(dd,J=3.0Hz,J=5.8Hz,0.3H),6.15(dd,J=3.0Hz,J=5.8Hz,1H),6.60(d,J=11.6Hz,1H),6.82(t,J=8.0Hz,1H),6.91(quint,J=6.9Hz,1H),7.18(t,J=8.0Hz,1H),7.28(d,J=7.2Hz,1H).
【実施例2】
【0140】
【0141】
磁気撹拌棒を備えた三つ口丸底フラスコに、NaOHの水溶液(564g、50%wt/wt)を入れ、次いで氷(400g)で希釈した。2-ヒドロキシメチル-5-ノルボルネン[CAS 95-12-5](300g、2.416mol)を投入し、撹拌を開始した。TBA-I(120g、324.88mmol)およびTBA-HSO4(18g、53.01mmol)を加え、この二相性混合物を55℃まで加熱した。塩化メタリル(350g、3.865mol)を、添加漏斗を用いて1時間にわたり滴下して加えた。この反応物を55℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、分液漏斗に移した。水層を除去し、有機層をDI水3×(各500mL)で洗浄した。有機層を容器にデカントし、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この混合物を1Lの丸底フラスコに移した。フラスコに、磁気撹拌棒、ビグリューカラム(vigreux column)、蒸留ブリッジ、凝縮器を取り付けた。ポット温度を90℃まで加熱し、高真空=60mTorrとして、カットをGCでモニターした。蒸留により、320gの所望の生成物が得られた。エンド型およびエキソ型異性体の混合物が得られた。
1H NMR(400MHz,C6D6)δ 0.40-0.45(m,1H),0.99-1.04(m,0.2H),1.07(d,J=7.6Hz,0.8H),1.14-1.22(m,0.4H),1.32-1.34(m,0.2H),1.42(dd,J=2.0Hz,J=8.4Hz,0.8H),1.61-1.68(m,3H),1.74-1.79(m,0.2H),2.29-2.37(m,0.8H),2.58(br s,0.8H),2.62(br s,0.2H),2.79(br s,0.2H),2.94-2.96(m,1.2H),3.03-3.06(m,0.8H),3.12-3.17(m,0.2H),3.25-3.29(m,0.2H)3.66-3.75(m,2H),4.83(br s,1H),5.02(br s,1H),5.90-5.95(m,1H),5.96-6.03(m,1H).
【実施例3】
【0142】
【0143】
磁気撹拌棒、熱電対ウェル、および凝縮器を備えた2Lの三つ口フラスコに、DCPD(443g、3.351mol)および2-アリルフェノール[CAS 1745-81-9](449.63g、3.351mol)を入れた。フラスコを窒素雰囲気下に置き、2日間にわたり内部温度170℃まで加熱した。反応物を室温まで冷却した後、フラスコにビグリューカラム、蒸留ブリッジ、および凝縮器を取り付けた。ポット温度を170℃まで加熱し、高真空=60mTorrとして、カットをGCでモニターした。蒸留により、67.11gの所望の生成物が得られた。エンド型およびエキソ型異性体の混合物が得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.63-0.67(m,1H),1.19-1.37(m,2H),1.55(d,J=8.8Hz,0.5H),1.78-1.86(m,1H),2.05(quint,J=2.1Hz,0.5H),2.33-2.54(m,2H),2.63-2.79(m,2H),6.02(br s,0.5H),6.09-6.11(m,0.75H),6.17-6.20(m,0.75H),6.73-6.78(m,1H),6.81-6.84(m,1H),6.97-7.03(m,1H),7.06-7.12(m,1H),8.10(br s,1H).
【実施例4】
【0144】
本発明のポリマーを合成する一般的な手順
熱電対ウェルおよび希土類製磁気撹拌棒を備えた1Lの三つ口丸底フラスコに、溶媒(85質量%)を入れ、15分間、アルゴンでスパージした。溶媒の非限定的な例には、トルエン、DCM、THF、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノンなどが挙げられる。金属カルベンオレフィンメタセシス触媒をフラスコに加え、室温(23℃)で撹拌を開始した。添加漏斗に、モノマーとオレフィンの溶液と随意の溶媒を入れ、15分間、アルゴンでスパージした後、触媒の撹拌溶液にゆっくりと加えた。モノマー溶液を、1mL/分の速度で加えた。場合によっては、数℃の内部温度の上昇が見られ、その後、室温に戻った。反応をGCで追跡し、モノマーの消費量を確認した。反応時間は、数時間から一晩かかった。
【0145】
反応がいったん完了すると、反応混合物を強く撹拌しつつ多量の逆溶媒で希釈し、さらに酸化防止剤を加えた。溶媒/逆溶媒の比率は1/6である。逆溶媒の非限定的な例は:アセトン、IPA、MeOH、ヘキサン類、エタノール、ヘプタン類、MEK、またはそれらの混合物である。ポリマー懸濁液を形成してこれを1時間撹拌し、続いてフリットガラス漏斗でろ過し、500mLの逆溶媒で洗浄した。得られたポリマーをN2下の真空オーブン中で乾燥させた:25~30℃で2時間、40~45℃で12時間。オーブンを室温まで冷却した後、ポリマー粉末を取り出した。TGAを実行して、ポリマーが乾燥しているかどうかを判断した。
【0146】
実施例4の実験に記載の一般的な手順に従って作られたポリマーを、表2に列挙する。構造の下の数字は、モル数での比率を表す。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【実施例5】
【0147】
バルクキャストポリマーの準備
Dk/Dfの測定を可能にするために、バルクキャストポリマーを準備した。モールド部品を、1/8インチ厚の空洞を有するアルミニウムプレートの間で構築した。液体モノマー試料を、反応スキームで指定された比率で準備した。酸化防止剤、阻害剤、ペルオキシドなどのさらなる添加物を反応混合物に加えた。その後、反応混合物を室温で撹拌しながら脱気し、触媒を加えてさらに脱気した。触媒され脱気された反応混合物を室温のモールドに流し込み、40℃に予熱されたオーブンに入れた。40℃で10分後、オーブン温度を225℃に上げて2時間硬化させた。硬化した部品をモールドから外し、所望の形状に加工して試験片にして、誘電測定用にCCN(コネクテッド・コミュニティ・ネットワークス社(Connected Community Networks,Inc))に送付した。熱特性はDSCにより内部で測定した。そのデータを表3に示す。
【表3-1】
【表3-2】
【実施例6】
【0148】
ポリマー26の合成のための手順
熱電対ウェルおよび希土類製磁気撹拌棒を備えた12Lの三つ口丸底フラスコに、イソプロパノール(7L)を入れ、続いてこれを15分間、アルゴンでスパージした。C627(0.11g)とイルガノックス(Irganox)(3.0g)をフラスコに加え、溶液を5分間、アルゴンでパージし続けた。1LのエルレンマイヤーフラスコにPhNB(300g)、DNB(61.960g)、およびNB-MMA(33.876g)を入れて混合し、アルゴンでスパージした。内容物を1Lの添加漏斗に移し、続いてその漏斗をフラスコに接続した。系を真空にし、アルゴンを3回、充填し直した。添加漏斗内の混合物をイソプロパノール溶液に滴下して加えた。添加を続けるにつれ、白色ポリマー固体が溶液から析出した。添加は3~4時間かかった。フラスコ内の最終温度は30℃に達した。この固体をフリットガラス漏斗(fret funnel)で分離し、イソプロパノールで洗浄した。この固体をさらに真空オーブン中、30℃で16時間、乾燥させた。収量:328gであった。そのデータを表4に示す。
【表4】
【0149】
ポリマー26の架橋の特性評価のための手順
ポリマー26を、ルペロックス101(Luperox 101)有機ペルオキシド(ポリマー重量に対して1重量%)とともにトルエン中に溶解した。溶媒を蒸発させて、乾燥固体を得、これをモールド成形して、パラレルプレート粘弾性測定用の25mmの円盤にした。TA Discovery HR-3レオメーターを用いて、円盤を振動せん断下で60℃から200℃まで毎分5℃で加熱し、温度の関数として複素粘度を測定した。
図1を見られたい。
図1の挙動は、温度上昇とともに粘度低下する熱誘起メルトフローを起こした後、架橋反応によって曲線が最小になり、粘度が急激に上昇してゲル化または架橋に至る、Bステージの直鎖ポリマーの典型例であることは、当業者であれば認識するであろう。
【国際調査報告】