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特表2022-504225固相でのN末端ペプチド捕捉および解放の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】固相でのN末端ペプチド捕捉および解放の方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/40 20060101AFI20220105BHJP
   C12Q 1/6806 20180101ALI20220105BHJP
   C07K 1/14 20060101ALI20220105BHJP
   C07K 17/00 20060101ALI20220105BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20220105BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G01N1/40
C12Q1/6806 Z ZNA
C07K1/14
C07K17/00
G01N33/68
G01N33/543 541A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518542
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(85)【翻訳文提出日】2021-05-12
(86)【国際出願番号】 US2019054702
(87)【国際公開番号】W WO2020072907
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】62/879,735
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/741,833
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500039463
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【住所又は居所原語表記】210 West 7th Street Austin,Texas 78701 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】アンスリン エリック
(72)【発明者】
【氏名】マーコット エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ハワード セシル ジェイ. ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】スワミナサン ジャガンナート
(72)【発明者】
【氏名】バルド アンジェラ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ルーサー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】フロイド ブレンダン エム.
【テーマコード(参考)】
2G045
2G052
4B063
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA34
2G045BB12
2G045CB01
2G045DA36
2G045FB06
2G052AB18
2G052ED01
2G052GA24
2G052GA27
4B063QA01
4B063QA13
4B063QA18
4B063QQ05
4B063QQ79
4B063QR32
4B063QS15
4B063QS36
4B063QX01
4H045AA20
4H045EA50
4H045FA83
4H045GA01
(57)【要約】
配列に関わらずペプチドおよびタンパク質ならびに小分子を固体支持体上に非特異的に固定して、ステップ間に精製を必としない様式でこれらの分子の操作およびこれらの分子との反応を可能にするための、迅速かつ可逆的な方法を、本明細書において提供し、これにより、試料収量を増加させ、必な出発材料の量を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)固体支持体と、
(B)式(I)の共役基であって、
式中、
が、置換もしくは非置換のアレーンジイル(C≦12)、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、
が、水素、または電子吸引性基であり、
Rが、前記固体支持体に結合しているリンカーである、
共役基と
を含む、組成物。
【請求項2】
(A)固体支持体と、
(B)式(Ia)の共役基であって、
式中、
が、置換または非置換のアレーンジイル(C≦12)、置換または非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、
が、水素、または電子吸引性基である、
共役基と
を含み、
前記共役基が、制限のない価数(open valence)のカルボニル基で前記固体支持体に結合している、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
が、置換または非置換のベンゼンジイルである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
が、ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換ヘテロアレーンジイル(C≦12)である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
が水素である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
が電子吸引性基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
が、以下からなる群から選択される電子吸引性基である、請求項6に記載の組成物:
アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、または
式:-N(R)(R)(R)(Rの基:
式中、
、R、R、およびRが、各々、水素、アルキル(C≦8)、もしくは置換アルキル(C≦8)であるか、または
が、存在しない。
【請求項8】
前記共役基が、以下:
から選択される基を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記リンカーが、モノマーまたはポリマーである、請求項1または3~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記リンカーが、ポリペプチド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ヘテロ環、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1または3~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記共役基が、以下:
から選択される基によってさらに定義される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記共役基が、式(Ib):
によってさらに定義される、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記固体支持体がアミン基を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記固体支持体がビーズである、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記固体支持体が酸化鉄コアを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
以下の工程を含む、1つ以上のペプチドまたはタンパク質を濃縮する方法:
(A)前記ペプチドまたはタンパク質を、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物で固定して、固定されたペプチドを形成する工程、
(B)前記固定されたペプチドを洗浄溶液で洗浄し、それによって非ペプチド材料を除去して、濃縮された溶液を形成する工程、
(C)前記固定されたペプチドを逆転剤(reversing agent)で除去して、濃縮されたペプチドまたはタンパク質を形成する工程。
【請求項17】
前記ペプチドまたはタンパク質が生物学的試料に由来する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ペプチドまたはタンパク質が同時に消化および捕捉される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ペプチドが、10ナノモル以下の量で前記試料中に存在する、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記量が10ピコモル以下である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
以下の工程を含む、タンパク質またはペプチドを処理または分析する方法:
(A)支持体と、細胞を含む混合物とを提供する工程であって、前記支持体が、それに結合している(i)バーコードと(ii)前記細胞の前記タンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分とを有する、工程、
(B)前記捕捉部分を使用して、前記細胞の前記タンパク質またはペプチドを捕捉する工程、ならびに
(C)(B)の後に、(i)前記バーコードを同定し、前記バーコードを前記細胞と関連付ける工程、(ii)前記タンパク質またはペプチドを配列決定して、前記タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を同定する工程、および(iii)(i)で同定した前記バーコードと、(ii)で同定した前記タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列とを使用して、前記タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を前記細胞に由来していると同定する工程。
【請求項22】
前記バーコードが、リンカーを通じて前記支持体に結合している、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記バーコードが、前記支持体に直接結合している、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記混合物が複数の細胞を含み、それら複数の細胞が前記細胞を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
(A)が、複数の支持体を提供することを含み、それら複数の支持体が、前記支持体を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
(A)が、複数の支持体と、複数の細胞を含む前記混合物とを提供することを含み、それら複数の支持体が、前記支持体を含み、前記複数の細胞が、前記細胞を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記複数の細胞が、生物学的試料から単離される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記生物学的試料が、組織、血液、尿、唾液、リンパ液、またはそれらの任意の組み合わせに由来する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記支持体が、固体または半固体の支持体である、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記支持体が、前記捕捉部分を含むペンダント基を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記ペンダント基が、切断可能なユニットをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記切断可能なユニットが、前記支持体と前記捕捉部分との間に結合している、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ペンダント基が前記バーコードを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記支持体に結合している追加の捕捉部分をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記支持体が複数のペンダント基を含有する、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記複数のペンダント基のペンダント基が同一である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記バーコードが核酸バーコード配列である、請求項21に記載の方法。
【請求項38】
前記核酸バーコード配列が、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記核酸バーコード配列がオリゴマーである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記支持体が複数のバーコードを含み、それら複数のバーコードが前記バーコードを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項41】
前記複数のバーコードが、同一であるバーコードを有する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記バーコードと相互作用するプローブを用いて前記バーコードを同定して、検出されるそれらのシグナルまたは変化を得る、請求項21に記載の方法。
【請求項43】
前記シグナルが光シグナルである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記光シグナルが蛍光シグナルである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記バーコードが、ナノポア配列決定を用いて同定される、請求項21に記載の方法。
【請求項46】
前記バーコードが、タンデム質量分析法を用いて同定される、請求項21に記載の方法。
【請求項47】
(C)が、アレイに隣接する前記タンパク質またはペプチドを提供することと、前記アレイに隣接する前記タンパク質またはペプチドを配列決定することと、を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項48】
前記配列決定の前に、前記バーコードが結合している前記タンパク質またはペプチドが、(A)アレイに隣接して提供され、(B)同定され、そして(C)前記タンパク質またはペプチドから除去される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
(A)の前に、前記ペプチドまたはタンパク質が、少なくとも1つの標識で標識される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記標識が光標識である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記光標識が、前記ペプチドまたはタンパク質を蛍光配列決定するために使用される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記バーコードが、前記捕捉部分の切断によって前記タンパク質またはペプチドから除去され、それによって、同定される前記タンパク質またはペプチドが生成される、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記捕捉部分が、逆転試薬によって切断される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記逆転試薬が、ヒドラジンである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記バーコードが、前記切断可能なユニットの切断によって前記タンパク質またはペプチドから除去され、それによって、同定される前記タンパク質またはペプチドが生成される、請求項31または48に記載の方法。
【請求項56】
前記切断可能なユニットが、トリフルオロ酢酸(TFA)で切断される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記タンパク質またはペプチドの前記配列決定が、エドマン分解を使用して実施される、請求項21に記載の方法。
【請求項58】
前記タンパク質またはペプチドの前記配列決定が、(i)前記タンパク質またはペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つのサブセットを標識で標識することと、(ii)続いて前記標識を検出して、前記タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を同定することと、を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項59】
前記標識が光標識である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記光標識が、前記ペプチドまたはタンパク質を蛍光配列決定するために使用される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
(ii)の前に、前記切断可能な基を切断することによって、前記標識を有する前記ペプチドまたはタンパク質を前記支持体から除去または解放する、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記タンパク質またはペプチドを前記支持体から除去または解放した後、アレイに隣接する前記タンパク質またはペプチドの位置を同定する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
(A)が、複数の液滴のうちの1つの液滴を提供することを含み、その液滴が、前記混合物を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項64】
前記混合物が、前記細胞以外を含まない、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記細胞を溶解し、それによって溶解された細胞を形成し、前記溶解された細胞が、前記細胞の複数のタンパク質またはペプチドを解放するかまたはこれらを到達可能にし、それら複数のタンパク質またはペプチドが、前記タンパク質またはペプチドを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記細胞の前記複数のタンパク質またはペプチドが、消化され、それによって別の複数のタンパク質またはペプチドを形成する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記複数のタンパク質またはペプチドが、前記支持体に結合している複数の捕捉部分によって捕捉される、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記支持体が、前記捕捉部分を含むペンダント基を含み、前記ペンダント基および前記バーコードが、前記支持体に別々に結合している、請求項21に記載の方法。
【請求項69】
(i)バーコード、および
(ii)タンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分
が結合している支持体を含む組成物であって、前記捕捉部分が抗体ではない、前記組成物。
【請求項70】
(i)バーコード、および
(ii)芳香族またはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含む捕捉部分
が結合している支持体を含む、組成物。
【請求項71】
以下の工程を含む、空間的プロテオミクスを実施する方法:
(A)複数のタンパク質またはペプチドを含む組織に複数の支持体を導入する工程であって、前記複数の支持体のうちの単一の支持体が、前記組織の1つの領域に接触し、前記複数の支持体のうちの前記単一の支持体が、特有のバーコードおよび捕捉部分を含む、工程、
(B)前記捕捉部分を使用して、前記複数のタンパク質またはペプチドのうちの1つのタンパク質またはペプチドを捕捉する工程、
(C)前記特有のバーコードを使用して、前記タンパク質またはペプチドが由来する前記組織の位置を同定する工程、
(D)前記タンパク質またはペプチドの配列を決定する工程、ならびに
(E)(C)で同定した前記位置を、(D)で決定した前記配列と関連付ける工程。
【請求項72】
複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを保存または安定化する方法であって、複数の捕捉部分を含む複数の支持体を使用して、前記ペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを捕捉する工程を含み、前記複数の捕捉部分のうちの1つの捕捉部分が、(i)抗体ではないか、または(ii)芳香族もしくはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含む、前記方法。
【請求項73】
前記複数の支持体のうちの1つの支持体が、バーコードを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
以下の工程を含む、支持体に結合している核酸バーコード配列を生成するための方法:
(A)タンパク質またはペプチドおよび核酸セグメントを捕捉するように構成されている捕捉部分が結合している前記支持体を提供する工程、ならびに
(B)前記核酸バーコード配列を前記核酸セグメントへとコンビナトリアルアセンブリングする工程。
【請求項75】
前記コンビナトリアルアセンブリングが、前記核酸セグメントまたはその誘導体に1回以上のスプリット-プールサイクルを施すことを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記支持体が、前記捕捉部分を含むペンダント基を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記捕捉部分が、式(I)を含み、
式中、
が、置換もしくは非置換のアレーンジイル(C≦12)、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、
が、水素、または電子吸引性基であり、
Rが、前記固体支持体に結合しているリンカーである、
請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記ペンダント基が、切断可能なユニットをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記支持体が、複数のペンダント基に結合している、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記複数のペンダント基の各ペンダント基が同一である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記複数のペンダント基が、少なくとも1010個の同一のペンダント基を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記支持体が、前記切断可能なユニットの第1の位置に結合し、前記捕捉部分が、前記切断可能なユニットの第2の位置に結合している、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記核酸バーコード配列が、前記支持体に結合している、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記支持体が、前記捕捉部分に隣接して結合している前記核酸バーコード配列を含むペンダント基を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項85】
前記ペンダント基が、切断可能なユニットをさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記支持体が、前記切断可能なユニットに結合し、前記切断可能なユニットが、バーコーディングのための構築ブロックに結合し、バーコーディングのための前記構築ブロックが、前記捕捉部分に結合している、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
(A)前記支持体が、前記切断可能なユニットの第1の位置に結合し、(B)バーコーディングのための前記構築ブロックの第1の位置が、前記切断可能なユニットの第2の位置に結合し、(C)前記捕捉部分が、バーコーディングのための前記構築ブロックの第2の位置に結合し、(D)前記核酸バーコード配列が、バーコーディングのための前記構築ブロックの第3の位置に結合していることをさらに含む、請求項86に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、両方の全内容が参照により本明細書に組み込まれる2018年10月5日出願の米国仮出願第62/741,833号、および2019年7月29日出願の同第62/879,735号の優先権の利益を主張する。
【0002】
連邦政府出資の研究に関する記述
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与された、承諾番号第R35 GM122480号に基づき、政府の支援によって行われた。政府は、本発明にある特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
背景
タンパク質およびペプチドの化学的操作は、比較質量分析法研究のためのアイソバリック部分または同位体で標識された化学物質(Weise et al.,2007)、結合定数の定量的測定を可能にする蛍光化学物質(Andrews et al.,2008)、および精製ハンドルの設置(Klement et al.,2010)を含む、多様なリンカーを結合するために使用される一般的なプロセスである。これらの実験では、信頼性の高いデータを得るために、各化学的操作の後に、残留する未処理のラベルを試料から除去する必要がある。精製のための一般的な方法としては、逆相HPLC(RP-HPLC)およびサイズ排除クロマトグラフィーが挙げられる。しかしながら、すべての精製ステップにより、試料の相当な損失をもたらし得、ひいては大量の試料を投入する必要がある。この問題を回避するために、ポリスチレン樹脂などの固体支持体の使用を伴う方法論を適合させる技法が一般的である。液相から固相へのこの動きは、ペプチドの化学合成(Merrifield,1963)などの多くの分野を大きく発展させてきた。
【0004】
疾患の診断における質量分析法および同様の技法の使用に起因して、投入される試料は、多くの場合ヒト組織に由来する。このため、得ることができるものが限定され、適切に分析するためには、試料の少しの損失も非常に好ましくない場合がある。精製ステップ中に生じる試料の損失に起因して、疾患用の医薬品を個人専用にするために使用することができる高分析能質量分析法技法の使用は、かかる操作によって限定されている。これは、患者が有し得る癌の正確なタイプを、医師が正確に診断することを可能にするのに重要である(Duffy et al.,2017)。これは、1つの疾患状態でのみ変異している特異的なバイオマーカー(例えば、タンパク質)を探索する、生検の標的を絞った質量分析法分析を実施することにより行われる(Gnjatic et al.,2017)。これらのマーカーが存在するか存在しないかにより、医師が癌のタイプを区別することを可能にすることができ、処方する治療を抜本的に変更することができる(Mazzone et al.,2017)。
【0005】
他の関係するツールはすべて、捕捉前にペプチドの化学反応などの操作を必要とし、これは、ヒドラジン捕捉樹脂のためのペプチド配列操作の排除、または精製ハンドルを設置するための標的ペプチドの遺伝子操作を必要とし得る。少なくとも前述の理由では、不純物のない、可逆的な、元来のペプチドの非特異的な共有結合を可能にする技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示は、ペプチドなどの分子を固体支持体上に可逆的に捕捉して、質量分析法、配列決定、単一分子タンパク質配列決定、および/またはNMR分析用に分子を調製するための方法に関する。
【0007】
本明細書で提供されるのは、芳香族またはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒド(例えば、2-ピリジニルカルボキシアルデヒド、すなわちPCA)のN末端共有結合によって、固体支持体を使用して実施することができ、これは、共有結合にも関わらず、特定の条件下で完全に可逆的である、分子を捕捉する方法である。この固体支持体に結合した分子は、固体支持体上にある間、化学的かつ生物学的に修飾することができ、分子を分析用に調製すると解放することができる。分子は、2-アミノアセトアミドを含有するタンパク質、ペプチド、または小分子であり得る。この方法は、化学的操作を必要とする、ペプチド/タンパク質分析技法のために、迅速かつ高収量での調製を可能にする。
【0008】
一態様では、本開示は、
(A)固体支持体と、
(B)式(I)の共役基であって、
式中、
が、置換もしくは非置換のアレーンジイル(C≦12)、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、
が、水素、または電子吸引性基であり、
Rが、固体支持体に結合しているリンカーである、
共役基と
の組成物を提供する。
【0009】
一態様では、本開示は、
(A)固体支持体と、
(B)式(Ia)の共役基であって、
式中、
が、置換もしくは非置換のアレーンジイル(C≦12)、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、
が、水素、または電子吸引性基であり、
共役基が、制限のない価数(open valence)のカルボニル基で固体支持体に結合している、
共役基と
の組成物を提供する。
【0010】
いくつかの実施形態では、Xは、アレーンジイル(C≦12)または置換アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ベンゼンジイルなどのアレーンジイル(C≦12)である。他の実施形態では、Xは、ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ピリジンジイルなどのヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。他の実施形態では、Yは、電子吸引性基である。さらなる実施形態では、Yは、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、または式:-N(R)(R)(R)(Rの基からなる群から選択される電子吸引性基であり、式中、
、R、R、およびRが、各々、水素、アルキル(C≦8)、もしくは置換アルキル(C≦8)であるか、または
が存在しないとき、基が中性に帯電していることを条件として、Rが存在しない。
【0011】
いくつかの実施形態では、共役基は、以下から選択される基を含む:
。いくつかの実施形態では、リンカーは、モノマーまたはポリマーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、ポリペプチド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ヘテロ環、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも1つのオキソを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、共役基は、以下によってさらに定義される:
【0013】
いくつかの実施形態では、共役基は、以下によってさらに定義される:
【0014】
いくつかの実施形態では、固体支持体は、アミン基を含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は、ビーズである。いくつかの実施形態では、ビーズは、ポリスチレンビーズなどのポリマービーズである。いくつかの実施形態では、固体支持体は、酸化鉄コアを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、銅塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、またはマンガン塩などの金属塩をさらに含む。
【0015】
一態様では、本開示は、
(A)固体支持体と、
(B)以下の式の共役基であって、
式中、
が、水素、または電子吸引性基であり、
が、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちのいずれかの置換バージョンであり、
が、アミノ酸残基の側鎖であり、
が、ペプチドであり、
共役基が、制限のない価数のカルボニル基で固体支持体に結合している、
共役基と
を含む組成物を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態では、Xは、アレーンジイル(C≦12)または置換アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ベンゼンジイルなどのアレーンジイル(C≦12)である。他の実施形態では、Xは、ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ピリジンジイルなどのヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。他の実施形態では、Yは、電子吸引性基である。さらなる実施形態では、Yは、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、または式:-N(R)(R)(R)(Rの基からなる群から選択される電子吸引性基であり、式中、
、R、R、およびRが、各々、水素、アルキル(C≦8)、もしくは置換アルキル(C≦8)であるか、または
が存在しないとき、基が中性に帯電していることを条件として、Rが存在しない。
【0017】
いくつかの実施形態では、共役基は、以下の式によってさらに定義される:
【0018】
いくつかの実施形態では、共役基は、以下の式によってさらに定義される:
【0019】
いくつかの実施形態では、Rは、アルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、またはこれらの基のうちのいずれかの置換バージョンである。いくつかの実施形態では、Rは、アルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、またはこれらの基のうちのいずれかの置換バージョンである。いくつかの実施形態では、Rは、標準的なアミノ酸の側鎖である。いくつかの実施形態では、Rは、1~250個のアミノ酸残基を含むペプチドである。さらなる実施形態では、Rは、3~25個のアミノ酸残基を含むペプチドである。なおさらなる実施形態では、Rは、5~14個のアミノ酸残基を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、細胞溶出物に由来する。他の実施形態では、ペプチドは、タンパク質混合物に由来する。他の実施形態では、ペプチドは、消化されたタンパク質混合物から得られる。他の実施形態では、ペプチドは、ポリペプチドであり、総タンパク質と見なされる。なお他の実施形態では、ペプチドは、完全な状態の細胞に由来する。さらに他の実施形態では、ペプチドは、固相合成に由来する。他の実施形態では、ペプチドは、細胞外空間に由来する。なお他の実施形態では、ペプチドは、血液、リンパ液、唾液、または尿などの生物学的試料に由来する。
【0020】
いくつかの実施形態では、固体支持体は、アミン基、アルコール基、ハロゲン化基、またはカルボン酸基を含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は、アミン基を含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は、ビーズである。さらなる実施形態では、ビーズは、ポリスチレンビーズなどのポリマービーズである。いくつかの実施形態では、固体支持体は、酸化鉄コアを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、銅塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、またはマンガン塩などの金属塩をさらに含む。
【0021】
なお別の態様では、本開示は、ポリアミドポリマーを可逆的に固定する方法であって、ポリアミドポリマーの末端アミンを本開示の組成物と反応させて、固定されたポリアミドポリマーを形成する工程を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ポリアミドポリマーは、一定間隔でアミノ酸またはアミド基骨格を含む。いくつかの実施形態では、ポリアミドポリマーは、アミノメチルピロリジンである。他の実施形態では、ポリアミドポリマーは、ペプチドまたはタンパク質である。いくつかの実施形態では、ペプチドは、2~250個のアミノ酸残基を含む。さらなる実施形態では、4~25個のアミノ酸残基を含むペプチド。なおさらなる実施形態では、Rは、6~14個のアミノ酸残基を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、組成物は、ポリスチレンビーズなどのビーズである固体支持体を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、酸化鉄コアを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、共役基を含み、式中、Xが、アレーンジイル(C≦12)または置換アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ベンゼンジイルなどのアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、組成物は、共役基を含み、式中、Xが、ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ピリジンジイルなどのヘテロアレーンジイル(C≦12)である。
【0022】
いくつかの実施形態では、方法は、ポリアミドポリマーと組成物とを溶液中で反応させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、溶液は、水溶液である。他の実施形態では、溶液は、緩衝液である。いくつかの実施形態では、溶液は、緩衝水溶液である。いくつかの実施形態では、溶液は、リン酸緩衝生理食塩水である。いくつかの実施形態では、溶液は、約6.5~8.5のpHを有する。さらなる実施形態では、溶液のpHは、約7.2~7.8である。いくつかの実施形態では、ポリアミドポリマーと組成物との反応は、約20℃~約100℃の温度で実行される。さらなる実施形態では、温度は、約37℃などの約30℃~約70℃である。いくつかの実施形態では、方法は、触媒をさらに含む。いくつかの実施形態では、触媒は、置換または非置換C1-C12アリールアミンである。いくつかの実施形態では、触媒は、アニリンである。他の実施形態では、触媒は、5-メトキシアニリン、フェニレンジアミン、またはアミノ安息香酸などの、アニリンの置換バージョンである。なお他の実施形態では、触媒は、C1-C12アミノ置換アルカンである。いくつかの実施形態では、アルカン上で置換されたアミノは、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、またはC2-C12ジアルキルアミノであり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法は、固定されたポリアミドポリマーに逆転剤(reversing agent)を添加する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、逆転剤は、溶液中の固定されたポリアミドポリマーに添加される。いくつかの実施形態では、逆転剤は、ヒドラジン、オキシム、メトキシルアミン、アンモニア、またはアニリンである。いくつかの実施形態では、逆転剤は、PCA基を溶液から除去する。いくつかの実施形態では、方法は、約10:1~約100,000:1の逆転剤対固定されたポリアミドポリマーの比を添加する工程を含む。さらなる実施形態では、比は、約100:1~約10,000:1である。なおさらなる実施形態では、比は、約1000:1である。いくつかの実施形態では、方法は、固定されたポリアミドポリマーと逆転剤とを逆転溶液中で反応させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、逆転溶液は、水溶液である。他の実施形態では、逆転溶液は、緩衝液である。いくつかの実施形態では、逆転溶液は、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝水溶液である。いくつかの実施形態では、逆転溶液は、約6.5~8.5のpHを有する。さらなる実施形態では、逆転溶液のpHは、約7.2~7.8である。いくつかの実施形態では、固定されたポリアミドポリマーと逆転剤との反応は、約20℃~約100℃の温度で実行される。さらなる実施形態では、温度は、約37℃などの約30℃~約70℃である。いくつかの実施形態では、方法は、自動化されている。さらなる実施形態では、方法は、ポリアミドポリマー、組成物、および除去剤を適切な時間で混和および除去することが可能な装置で実行される。
【0024】
さらに別の態様では、本開示は、N末端で1つ以上のペプチドを濃縮する方法であって、
(A)ペプチドを本開示の組成物で固定して、固定されたペプチドを形成する工程と、
(B)固定されたペプチドを洗浄溶液で洗浄し、それによって非ペプチド材料を除去して、濃縮された溶液を形成する工程と、
(C)固定されたペプチドを逆転剤で除去して、濃縮されたペプチドを形成する工程と、を含む、方法を提供する。
【0025】
いくつかの実施形態では、方法は、固定の前または後にペプチドを酵素と反応させる工程をさらに含む。
【0026】
別の態様では、本開示は、N末端で1つ以上のペプチドを濃縮する方法であって、
(A)ペプチドを本開示の組成物で固定して、固定されたペプチドを形成する工程と、
(B)固定されたペプチドを、1つ以上のペプチド結合を切断する酵素と反応させて、切断された溶液を形成する工程と、
(C)切断された溶液を組成物と再び反応させて、濃縮された溶液を形成する工程と、を含む、方法を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態では、酵素は、プロテアーゼである。いくつかの実施形態では、方法は、除去剤を添加することによって、濃縮された溶液中の固定されたペプチドを除去する工程をさらに含む。
【0028】
なお別の態様では、本開示は、ペプチドを修飾する方法であって、
(A)ペプチドを本開示の組成物で固定して、固定されたペプチドを形成する工程と、
(B)固定されたペプチドを修飾基に反応させて修飾されたペプチドを形成する工程と、を含む、方法を提供する。
【0029】
いくつかの実施形態では、修飾基は、フルオロフォアなどの標識である。他の実施形態では、修飾基は、ペプチドを修飾する酵素である。いくつかの実施形態では、酵素は、C末端の修飾を導入する。他の実施形態では、酵素は、ペプチドのアミノ酸残基に修飾を導入する。さらなる実施形態では、酵素は、翻訳後修飾を導入する。
【0030】
さらに別の態様では、本開示は、ペプチドのアミン含有アミノ酸残基を選択的に標識する方法であって、
(A)ペプチドを本開示の組成物と反応させて、ブロック化されたペプチドを形成する工程と、
(B)アミン含有アミノ酸残基を修飾試薬と反応させて、アミノ標識されたペプチドを形成する工程と、を含む、方法を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、修飾基は、フルオロフォアなどの標識である。いくつかの実施形態では、方法は、アミノ標識されたペプチドを除去剤と反応させて、アミノ標識を含まないペプチドを形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、細胞溶出物に由来する。他の実施形態では、ペプチドは、タンパク質混合物に由来する。なお他の実施形態では、ペプチドは、完全な状態の細胞に由来する。さらに他の実施形態では、ペプチドは、固相合成に由来する。他の実施形態では、ペプチドは、細胞外空間に由来する。なお他の実施形態では、ペプチドまたはタンパク質は、生物学的試料に由来する。いくつかの実施形態では、ペプチドまたはタンパク質は、同時に消化および捕捉される。いくつかの実施形態では、生物学的試料は、血液、リンパ液、唾液、または尿である。いくつかの実施形態では、ペプチドは、10ナノモル未満の量で試料中に存在する。さらなる実施形態では、量は、1ナノモル未満である。なおさらなる実施形態では、量は、10ピコモル未満である。さらにさらなる実施形態では、量は、1ピコモル未満である。いくつかの実施形態では、ペプチドは、質量分析法研究で使用される。他の実施形態では、ペプチドは、蛍光配列決定で使用される。
【0032】
ある特定の態様では、本開示は、タンパク質またはペプチドを処理または分析する方法であって、(A)支持体と、細胞を含む混合物とを提供する工程であって、当該支持体が、それに結合している(i)バーコードと(ii)当該細胞の当該タンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分とを有する、工程、(B)当該捕捉部分を使用して、当該細胞の当該タンパク質またはペプチドを捕捉する工程、ならびに(C)(B)の後に、(i)当該バーコードを同定し、当該バーコードを当該細胞と関連付ける工程、(ii)当該タンパク質またはペプチドを配列決定して、当該タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を同定する工程、および(iii)(i)で同定した当該バーコードと、(ii)で同定した当該タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列とを使用して、当該タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を当該細胞に由来していると同定する工程、を含む方法を提供する。
【0033】
ある特定の態様では、本開示は、タンパク質またはペプチドを処理または分析する方法であって、(a)支持体と、細胞を含む混合物とを提供する工程であって、当該支持体が、それに結合している(i)核酸バーコード配列と(ii)当該細胞のタンパク質またはペプチドを捕捉するための当該捕捉部分とを有する、工程、(b)当該捕捉部分を使用して、当該細胞の当該タンパク質またはペプチドを捕捉する工程、ならびに(c)(b)の後に、(i)当該核酸バーコード配列を同定し、当該核酸バーコード配列を当該細胞と関連付ける工程、(ii)当該タンパク質またはペプチドを配列決定して、当該タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を同定する工程、および(iii)(i)で同定した当該バーコード配列と、(ii)で同定した当該タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列とを使用して、当該タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を当該細胞に由来していると同定する工程、を含む方法を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、リンカーを通じて当該支持体に結合している。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、当該支持体に直接結合している。
【0035】
いくつかの実施形態では、混合物は、複数の細胞を含み、それら複数の細胞が、当該細胞を含む。いくつかの実施形態では、(a)は、複数の支持体を提供することを含み、それら複数の支持体が、当該支持体を含む。いくつかの実施形態では、(a)は、複数の支持体と、複数の細胞を含む当該混合物と、を提供することを含み、それら複数の支持体が、当該支持体を含み、当該複数の細胞が、当該細胞を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、細胞は、生物学的試料から単離される。いくつかの実施形態では、当該生物学的試料は、組織、血液、尿、唾液、リンパ液、またはそれらの任意の組み合わせに由来する。
【0037】
いくつかの実施形態では、支持体は、固体または半固体の支持体である。いくつかの実施形態では、支持体は、ビーズである。いくつかの実施形態では、ビーズは、ゲルビーズである。いくつかの実施形態では、支持体は、樹脂である。
【0038】
いくつかの実施形態では、支持体は、当該捕捉部分を含むペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、ペンダント基は、切断可能なユニットをさらに含む。いくつかの実施形態では、切断可能なユニットは、当該支持体と当該捕捉部分との間に結合している。いくつかの実施形態では、ペンダント基は、当該核酸バーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、当該支持体に結合している追加の捕捉部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、当該追加の捕捉部分は、当該細胞からのリボ核酸(RNA)分子を捕捉するように構成されている。いくつかの実施形態では、支持体は、複数のペンダント基を含有する。いくつかの実施形態では、当該複数のペンダント基のペンダント基は、同一である。
【0039】
いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、オリゴマーである。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、少なくとも10核酸塩基の長さを有する。いくつかの実施形態では、長さは、少なくとも100核酸塩基である。
【0040】
いくつかの実施形態では、支持体は、複数の核酸バーコード配列を含み、それら複数の核酸バーコード配列が、当該核酸バーコードを含む。いくつかの実施形態では、複数の核酸バーコード配列は、同一であるバーコード配列を有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、当該核酸バーコード配列と相互作用するプローブを用いて、核酸バーコード配列を同定して、検出されるそれらのシグナルまたは変化を得る。いくつかの実施形態では、プローブは、当該核酸バーコード配列に対合する。いくつかの実施形態では、シグナルは、光シグナルである。いくつかの実施形態では、光シグナルは、蛍光シグナルである。いくつかの実施形態では、プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み、当該核酸バーコード配列が、当該エネルギー供与体および当該エネルギー受容体のうちの他方に結合し、当該光シグナルが、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によって生成される。いくつかの実施形態では、光シグナルは、生物発光シグナルである。いくつかの実施形態では、プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み、当該核酸バーコード配列が、当該エネルギー供与体および当該エネルギー受容体のうちの他方に結合し、当該光シグナルが、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)によって生成される。いくつかの実施形態では、光シグナルは、電気化学発光シグナルである。いくつかの実施形態では、プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み、当該核酸バーコード配列が、当該エネルギー供与体および当該エネルギー受容体のうちの他方に結合し、当該光シグナルが、電気化学発光共鳴エネルギー移動(ECRET)によって生成される。いくつかの実施形態では、プローブは、発光物質および消光物質のうちの一方を含み、当該核酸バーコード配列が、当該発光物質および当該消光物質のうちの他方に結合し、当該核酸バーコード配列が、当該光シグナルの消光時に同定される。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列はナノポア配列決定を用いて同定される。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列およびタンパク質配列は、ナノポア配列決定によって同定される。
【0042】
いくつかの実施形態では、(c)は、アレイに隣接する当該タンパク質またはペプチドを提供することと、当該アレイに隣接する当該タンパク質またはペプチドを配列決定することと、を含む。いくつかの実施形態では、当該配列決定の前に、当該核酸バーコード配列が結合している当該タンパク質またはペプチドは、(a)アレイに隣接して提供され、(b)同定され、そして(c)当該タンパク質またはペプチドから除去される。いくつかの実施形態では、(a)の前に、当該ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも1つの標識で標識される。いくつかの実施形態では、標識は、光標識である。いくつかの実施形態では、光標識は、フルオロフォアである。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、当該ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸に結合してこれを選択する。いくつかの実施形態では、光標識は、当該ペプチドまたはタンパク質を蛍光配列決定するために使用される。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、当該捕捉部分の切断によって、当該タンパク質またはペプチドから除去され、それによって、同定される当該タンパク質またはペプチドが生成される。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、逆転試薬によって切断される。いくつかの実施形態では、逆転試薬は、ヒドラジン、オキシム、メトキシルアミン、アンモニア、またはアニリンである。いくつかの実施形態では、逆転試薬は、当該ヒドラジンである。
【0043】
いくつかの実施形態では、当該タンパク質またはペプチドの配列決定は、エドマン分解を使用して実施される。いくつかの実施形態では、当該タンパク質またはペプチドの配列決定は、(i)当該タンパク質またはペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つのサブセットを標識で標識することと、(ii)続いて当該標識を検出して、当該タンパク質もしくはペプチド、またはそれらの配列を同定することと、を含む。いくつかの実施形態では、標識は、光標識である。いくつかの実施形態では、光標識は、フルオロフォアである。いくつかの実施形態では、光標識は、当該ペプチドまたはタンパク質を蛍光配列決定するために使用される。いくつかの実施形態では、(ii)の前に、当該切断可能な基を切断することによって、当該標識を有する当該ペプチドまたはタンパク質を当該支持体から除去または解放する。いくつかの実施形態では、当該タンパク質またはペプチドを当該支持体から除去または解放した後、アレイに隣接する当該タンパク質またはペプチドの位置を同定する。
【0044】
いくつかの実施形態では、(a)は、複数の液滴のうちの1つの液滴を提供することを含み、その液滴が、当該混合物を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、当該細胞以外を含まない。いくつかの実施形態では、細胞を溶解し、それによって溶解された細胞を形成し、当該溶解された細胞が、当該細胞の複数のタンパク質またはペプチドを解放するかまたはこれらを到達可能にし、複数のタンパク質またはペプチドが、当該タンパク質またはペプチドを含む。いくつかの実施形態では、当該細胞の複数のタンパク質またはペプチドを消化し、それによって別の複数のタンパク質またはペプチドを形成する。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質またはペプチドは、当該支持体に結合している複数の捕捉部分によって捕捉される。いくつかの実施形態では、(a)は、複数のウェルのうちの1つのウェルを提供することを含み、ウェルが、当該混合物を含む。いくつかの実施形態では、支持体は、当該捕捉部分を含むペンダント基を含み、当該ペンダント基および当該核酸バーコード配列が、別々に当該支持体に結合している。
【0045】
ある特定の態様では、本開示は、(i)核酸バーコード配列、および(ii)タンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分が結合している支持体を含む組成物を提供し、当該捕捉部分が、抗体ではない。
【0046】
ある特定の態様では、本開示は、(i)核酸バーコード配列、および(ii)芳香族またはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含む捕捉部分が結合している支持体を含む、組成物を提供する。ある特定の態様では、本開示は、(i)核酸バーコード配列、および(ii)2-ピリジンカルボキシアルデヒドまたはその誘導体を含む捕捉部分が結合している支持体を含む、組成物を提供する。
【0047】
ある特定の態様では、本開示は、空間的プロテオミクスを実施する方法であって、複数のタンパク質またはペプチドを含む組織に複数の支持体を導入する工程であって、当該複数の支持体のうちの単一の支持体が、当該組織の1つの領域に接触し、当該複数の支持体のうちの当該単一の支持体が、特有のバーコードおよび捕捉部分を含む、工程と、当該捕捉部分を使用して、当該複数のタンパク質またはペプチドのうちの1つのタンパク質またはペプチドを捕捉する工程と、当該特有のバーコードを使用して、当該タンパク質またはペプチドが由来する当該組織の位置を同定する工程と、当該タンパク質またはペプチドの配列を決定する工程と、(c)で同定した当該位置を、(d)で決定した当該配列と関連付ける工程と、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、生物学的試料に由来する。いくつかの実施形態では、組織は、複数の細胞を含む。
【0048】
ある特定の態様では、本開示は、複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを保存または安定化する方法であって、複数の捕捉部分を含む複数の支持体を使用して、当該ペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを捕捉する工程を含み、当該複数の捕捉部分のうちの1つの捕捉部分が、(i)抗体ではないか、または(ii)芳香族もしくはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含む、方法を提供する。ある特定の態様では、本開示は、複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを保存または安定化する方法であって、複数の捕捉部分を含む複数の支持体を使用して、当該ペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを捕捉する工程を含み、当該複数の捕捉部分のうちの1つの捕捉部分が、(i)抗体ではないか、または(ii)2-ピリジンカルボキシアルデヒドもしくはその誘導体を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、当該複数の支持体のうちの1つの支持体は、特有の核酸バーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、当該複数の捕捉部分で捕捉された当該複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを保存する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、当該複数の捕捉部分で捕捉された当該複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを洗浄し、それによって捕捉されていない分子を除去する工程をさらに含む。
【0049】
ある特定の態様では、本開示は、支持体に結合している核酸バーコード配列を生成するための方法であって、タンパク質またはペプチドおよび核酸セグメントを捕捉するように構成されている捕捉部分が結合している当該支持体を提供する工程と、当該核酸バーコード配列を当該核酸セグメントへとコンビナトリアルアセンブリングする工程と、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、コンビナトリアルアセンブリングは、当該核酸セグメントまたはその誘導体に1回以上のスプリット-プールサイクルを施すことを含む。いくつかの実施形態では、支持体は、当該捕捉部分を含むペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、ペンダント基は、切断可能なユニットをさらに含む。いくつかの実施形態では、支持体は、複数のペンダント基を含有する。いくつかの実施形態では、当該複数のペンダント基の各ペンダント基は、同一である。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、少なくとも10個の同一のペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、少なくとも1010個の同一のペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、少なくとも1012個の同一のペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、少なくとも1015個の同一のペンダント基を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、支持体は、当該切断可能なユニットの第1の位置に結合し、当該捕捉部分は、当該切断可能なユニットの第2の位置に結合している。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、当該支持体に結合している。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、スプリットプール技法を使用して組み立てられる。いくつかの実施形態では、スプリットプール技法は、特有のバーコード配列を有する支持体を提供する。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、式(I)
を含み、式中、Xが、置換もしくは非置換のアレーンジイル(C≦12)、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、Yが、水素または電子吸引性基であり、Rが、固体支持体に結合しているリンカーである。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、式(Ia)
を含み、式中、Xが、置換または非置換のアレーンジイル(C≦12)、置換または非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、Yが、水素または電子吸引性基であり、当該捕捉部分が、制限のない価数のカルボニル基で当該切断可能なユニットに結合している。
【0051】
いくつかの実施形態では、支持体は、当該捕捉部分に隣接して結合している当該核酸バーコード配列を含むペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、ペンダント基は、切断可能なユニットをさらに含む。いくつかの実施形態では、支持体は、複数のペンダント基に結合している。いくつかの実施形態では、当該複数のペンダント基の各ペンダント基は、同一である。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、少なくとも同一の10個のペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、少なくとも同一の1010個のペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、少なくとも同一の1012個のペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、少なくとも同一の1015個のペンダント基を含む。いくつかの実施形態では、支持体は、当該切断可能なユニットに結合し、当該切断可能なユニットは、バーコーディングのための構築ブロックに結合し、バーコーディングのための当該構築ブロックが、当該捕捉部分に結合している。いくつかの実施形態では、方法は、(a)当該支持体が、当該切断可能なユニットの第1の位置に結合し、(b)バーコーディングのための当該構築ブロックの第1の位置が、当該切断可能なユニットの第2の位置に結合し、(c)当該捕捉部分が、バーコーディングのための当該構築ブロックの第2の位置に結合し、(d)当該核酸バーコード配列が、バーコーディングのための当該構築ブロックの第3の位置に結合していることをさらに含む。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、スプリットプール技法を使用して組み立てられる。いくつかの実施形態では、スプリットプール技法は、支持体を提供し、当該支持体に結合している各ペンダント基が、当該支持体と関連付けられた特有のバーコード配列を有する。
【0052】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、式(I)
を含み、式中、Xが、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちのいずれかの置換バージョンであり、Yが、水素または電子吸引性基であり、当該捕捉部分が、制限のない価数のカルボニル基で当該切断可能なユニットに結合している。いくつかの実施形態では、当該細胞の各ペプチドまたはタンパク質は、当該複数の捕捉部分によって捕捉される。
【0053】
本発明の他の目的、特色、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の趣旨および範囲内の様々な変更および修正は、この詳細な説明から当業者には明らかになるので、この詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、ただ例示することを目的として提供されていることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある特定の態様をさらに実証するために含まれている。本発明は、本明細書に提示される特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面のうちの1つ以上を参照することによってより良好に理解され得る。
【0055】
図1】ベンゼンアルデヒド誘導体のスクリーニング。スクリーニングした化合物は、ベンズアルデヒド、ピリジニルカルボキシアルデヒド、2-ニトロベンズアルデヒド、3-ニトロベンズアルデヒド、4-ニトロベンズアルデヒド、2,4-ジニトロベンズアルデヒド、2,6-ニトロベンズアルデヒド、4-トリメチルアミノベンズアルデヒド、および2-シアノベンズアルデヒドであった。ペプチドは、0.1mMの濃度で存在し、アルデヒドは、0.3mMの濃度で存在し、触媒は、1mMの濃度で存在した。
図2】金属触媒の固定反応のスキーム。
図3】金属触媒反応の質量分析法分析。
図4図4Aおよび図4B。6-ホルミルピリジン-2-カルボン酸捕捉部分を使用した樹脂に基づいたペプチド捕捉および化学的なペプチド捕捉のスキーム。
図5】N末端固定からのペプチド解放のスキーム。
図6】樹脂に捕捉されたペプチド上のリジン残基を標識するためのスキーム。
図7図7Aおよび図7B。単一細胞をプロテオミクスで捕捉する支持体の設計。
図8】様々なアルデヒドを用いたSGKWペプチドのN末端をキャップした生成物の割合の図。
図9】チアゾリジンペプチドの、メトキシアミンを用いた脱保護の可逆的反応メカニズムの図。
図10図10A図10C。様々なイミダゾリノンを用いたN末端をイミダゾリノンでキャッピングされたSGWペプチド逆転試験の図。
図11】ペプチド捕捉樹脂の一例。
図12図12A図12C。ペプチドを結合および解放するためのPEG-Rink-FPCA樹脂およびステップのスキームおよび代表的な結果。
図13図13A図13C。ワンポットプロテオーム消化および固相捕捉戦略の図。
図14図14A図14C。樹脂に捕捉されたペプチドの複数の誘導体化の図。
図15-1】図15A図15D。樹脂に捕捉および標識されたペプチドの、単一分子ペプチド配列決定による分析の図。
図15-2】図15-1の説明を参照のこと。
【発明を実施するための形態】
【0056】
詳細な説明
質量分析法などの分析方法用にペプチドまたはタンパク質を処理するために、試料を、まず化学的に修飾するかまたは単離する必要がある。別の実施形態では、化学物質を添加していない場合でさえも、タンパク質およびペプチドを精製して細胞破片および/または消化酵素を除去する必要がある。例えば、ストレプトアビジン-ビオチン精製およびヒドラジン捕捉樹脂などの現行の技術では、捕捉されるペプチドにホルミル基を設置する必要がある。しかしながら、これらのプロセスは、多くの場合1つ以上の精製プロセスを必要とし、これは、分析される試料の全体的な収量を低減する。
【0057】
ますます感受性が高くなっているプロテオミクス方法により、多数の新しいタンパク質、タンパク質アイソフォーム、および翻訳後修飾が発見されている(Hwang et al.,2018、Schwammle et al.,2014)。この感受性の増加は、質量分析器自体の改善、ならびに多くの場合高度に誘導体化されている高品質のタンパク質/ペプチド試料を生成する能力の両方の増加に起因している(Lin and Garcia,2012)。しかしながら、これらの方法は、多くの場合精製技法を利用し、これらは、試料を損失する傾向があり、複数の誘導体化/精製サイクルを含むことにより、検出閾値未満まで低下した、ペプチドの存在量の低下をもたらし得る(Lee,2017)。これは、生物学的に重要であり得るが、精製ステップに起因して検出閾値未満に低下した、珍しいかまたは低い存在量のペプチドに対する誤った見方をもたらし得る(Steen et al.,2006)。
【0058】
生物学的材料からのペプチドを質量分析法分析用に調製する様式は、プロテオミクス研究において重要な要件である。例えば、ボトムアッププロテオミクスでは、タンパク質の消化モードは、重要な決定事項である。プロテアーゼがタンパク質に直接添加されるか、または最初の1Dもしくは2Dポリアクリルアミド電気泳動分離後に、プロテアーゼ処理が特定のゲル位置で行われる、いずれかの溶液中で通常行われる。消化後、試料は、いくつかの目的:ジスルフィドなどの不要な副生成物を排除するため(Baez,et al.,2015)、定量のために同位体標識を導入するため(Wiese et al.,2007)、またはイオン化を補助するため(Waliczek et al.,2016)、および特異的な切断パターンを誘発するように切断することができるハンドルを添加するため(Quick et al.,2017)に誘導体化される。これらのプロトコルの各々では、試料を精製してペプチドを任意の副生成物または未処理の化学物質から分離することが調製には必要である。
【0059】
試料調製を改善するために使用され得る想定される1つの方法は、タンパク質/ペプチドをビーズまたは他の固体マトリックスに結合させることである。これは以前試みられているが、かかる固定は、概して、非天然アミノ酸を精製ハンドルとして添加すること(Lang and Chin,2014)に依存するか、またはニッケル親和性クロマトグラフィーもしくは非特異的沈殿などの非共有結合に依存するかのいずれかである。これらの特性は、哺乳類細胞培養において、アンバーコドン抑制を介した非天然アミノ酸の設置の難しさ(Lin et al.,2017)に起因して、または固定金属親和性クロマトグラフィーと適合する溶媒/緩衝液の条件が限定的であること(Dunn et al.,2009)により、哺乳類での培養に由来する研究には、魅力的ではない。
【0060】
共有結合的様式、および可逆的様式でのペプチド樹脂支持体の結合を可能にする方法は、全体的な収量がより高い複雑な操作を可能にするであろう。存在量の低い重要なペプチドを含むペプチドの、同定、誘導体化、および精製を可能にするであろう。重要なことに、かかる手順は、クロマトグラフィーによる分離の難しさに起因して決して利用することができない誘導体化スキームを、可能にするであろう。例えば、過剰な試薬および洗浄ステップの使用が可能であるので、捕捉および解放が誘導体化を促進し、樹脂上にペプチドの類似体を合成することにより、実験的な手順が最適化されて高収量およびスピードが付与される(Merrifield,1963)。
【0061】
本明細書で提供されるのは、ペプチド、タンパク質、または2-アミノアセトアミドを含有する他の分子の非特異的精製のための、例えばポリスチレンまたは鉄を核とした樹脂などの固体支持体に結合している芳香族またはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒド(例えば、2-ピリジンカルボキシアルデヒド(PCA))を使用する方法である。相互作用の性質に起因して、固体支持体は、ともにインキュベートされる任意のまたはペプチドと相互作用することができ、支持体への分子の無差別な結合を可能にする。ペプチドは、調製の早い段階で捕捉樹脂に結合し得るので、反応容器への吸着に起因する過剰な試料の損失を懸念することなく、非常に低い濃度の試料を取り扱うことができる。
【0062】
例えば、有機および水性の溶媒、試薬、または酵素を使用する、捕捉された分子に対する化学反応の実施などを通じて、捕捉された分子を操作することができる。ペプチドまたはタンパク質が、可逆的に固体支持体に結合すると、蛍光マーカー、消光物質分子、ビオチン、ならびにPEGリンカーおよび/またはオリゴヌクレオチドを含むポリマーを含む多数の化学物質で標識することができる。サイクル間で洗浄ステップのみを用いて、これらの反応を連続して実施することができる。これらのステップを通じて、複数の精製を必要とすることなく、分子を互いから区別することができる。
【0063】
すべての取り扱いおよび操作ステップの完了後、固体支持体からの残留物を残すことなく、共有結合を解放することができ、分子を溶液中に解放して戻すことが可能になる。解放に続いて、質量分析法、配列決定、および/またはNMR技術を使用して、分子を分析することができる。また、試料を捕捉樹脂から解放し、必要に応じてN末端保護を維持することができ、次いで必要に応じて溶液中に戻すことができる。
【0064】
ペプチドが捕捉樹脂に結合すると、試料を自動液体取り扱いシステムに移動させることが可能である。次いで、広範な溶媒中で任意の数の化学的なステップを実施するようにシステムをプログラムすることができる。また、マイクロ波によって支援される化学反応の利用が可能になり、より迅速な反応を起こすことが可能になる。これはまた、複数の反応を並行して行うことを可能にし、この方法のための多くの重要なステップを実施するのに必要とされる固有の知識量を減少させることができる。
【0065】
本方法はまた、必要不可欠な2-アミノアセトアミドを含有する小分子を固定するのに使用することができるので、小分子を固体支持体上で操作することができ、これらの反応中、反応性アミン基を保護することができる。タンパク質をプロテアーゼによって消化するとき、固定試薬とインキュベートする間、インサイチュでペプチドを生成し樹脂に結合させることができ、その後、通常の洗浄ステップ中にプロテアーゼをペプチド混合物から除去することができる。
【0066】
I.プロテオミクス方法
蛍光配列決定、質量分析法、核酸配列からのペプチド配列の同定、およびエドマン分解を含む、ペプチドの配列を同定する多くの方法が存在する。
【0067】
A.質量分析法
質量分析法(MS)は、イオンフィールド(電気的または磁気的)相互作用の手段による、原子または分子の質量を決定する分析技法である。質量分析器は、気相イオンが生成されるイオン化源、異なる質量電荷比(m/z)のイオンを分離する質量分析器、および分離されたイオンが検出可能なシグナルを生成する検出器、の3つの基礎となる構成要素からなる。
【0068】
過去数十年にわたり、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化法(MALDI)およびエレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析法(MS)の対をなす技法が開発されている。2つの技法は顕著に異なるが、両方とも完全な、気相の、大きい生体分子イオンの生成に非常に効果的である。質量分析的分析では、これらのイオンの生成が最初に必要とされるステップである。
【0069】
上首尾なMALDIは、分析物が吸収しない波長のレーザー照射を吸収する、マトリックス化合物の使用に基づく。この技法では、分析物は、小さい有機化合物とともに共結晶化される。十分なエネルギー密度を有するレーザーパルスによって励起されると、突然の爆発的な相転移が起こる。マトリックスから脱着されたすべての分析物分子のなかでも、小さい部分(約10)のみがイオン化される。MALDIにおけるイオン形成のメカニズムは、依然として議論されているが、気相プロトンの移動は、一般に、このプロセスに関与すると考えられている。MALDIで生成されるイオンは通常一価であり、これにより、MALDIの混合物分析が容易になる。さらに、非常に多くの場合MALDIが結合している飛行時間(TOF)質量分析器は、堅固、単純であり、感受性が高く、かつ100,000質量単位(amu)ほどの大きさのタンパク質を検出することが可能である。現在、プロテオミクス、質量マッピングによるタンパク質同定での用途の発見、および単一ペプチド断片化、ならびにタンパク質リン酸化などの翻訳後修飾の同定および特徴評価における最先端の分析ツールとして、両方の方法が確立されている。おそらく、これらの用途のうち最も普及しているのは、2-DEまたはHPLCによって分離されると、タンパク質がトリプシンなどの配列特異的タンパク質分解酵素によって消化される、質量マッピングによるタンパク質同定である。かかる酵素によって消化されると、特定のタンパク質は、MSによって検出および分析されると、ポリペプチド質量マップを得る特有の組のポリペプチド配列を生成するであろう。この質量マップは、特有であり、タンパク質を同定するために使用することができる。質量分析法もまた、エドマン配列決定の代わりに、タンパク質配列決定のために使用される。質量分析法は、サブフェムトモル量の分析を可能にし、N末端修飾によって制限されず、これらの両方の問題は、エドマンに基づく方法に関連付けられる。
【0070】
エレクトロスプレーイオン化は、存在する各分析物の多価イオンの分布を生じる。基本的なESI源は、高電圧(約4kV)に維持される金属の針からなる。針は、設置電位または低電位(また、質量分析器の入口では2倍になる)で保持される対電極の前方に位置する。試料溶液をゆっくりと針に通し、マイクロメートルサイズの液滴のミストへと変換し、これを対電極に向かって迅速に飛ばす。印加される電圧に加えて、溶液の霧状化および分析物イオンの溶解を助けるために、多くの場合、窒素の同軸の流れが使用される。各液滴のサイズが減少すると、液滴表面上での場の密度が増加する。電荷斥力が表面張力を超過すると、親液滴はより小さい娘液滴へと分割される。この液滴の分裂を、裸イオンが形成されるまで継続する。
【0071】
MALDIおよびESIは、多くの異なる質量分析器のタイプに結合されている。2つの最も一般的なものは、飛行時間(TOF)およびトリプル四重極(QqQ)である。飛行時間(TOF)は、最も単純な質量分析器であり、金属フライトチューブのみからなる。イオンがイオン源から検出器まで移動するのにかかる時間を測定することによって、イオンの質量電荷比(m/z)が決定される。TOF測定では、2つのプレート間の大きいDC電位によって形成される強力な電場に分析物イオンを配置することによって、等量の運動エネルギーが分析物イオンに付与される。すべての異なるm/zのイオンが同じ運動エネルギーを受けること(qV=mv/2)を考慮すると、低m/zのイオンは、高m/zのイオンよりも早く検出器に到達するであろう。
【0072】
TOF MSの利点としては、高速で、質量範囲が限定されることなく、完全な質量スペクトルを送達する能力が挙げられる。しかしながら、TOF測定における質量分析能は、分析物分子の初期エネルギーの分布および加速前のイオンの位置によって限定される。典型的には、単一段階の質量分析器における空間集束平面は、加速領域から短い距離のみであり(すなわち、装置は比較的短い焦点距離を有する)、その後、イオンは拡散するであろう。2段階加速システムは、多くの場合、イオン源から長距離での空間集束を可能にするために利用される。これらの加速段階間の相対的な場の強さを調整することによって、空間集束平面を、検出器平面にすることができる。ある特定の質量枠内では、タイムラグ集束としても知られている遅延引き出しの技法によって、エネルギー集束を達成することができる。今日実装されている最も上首尾なエネルギー集束方法は、「リフレクトロン」である。この方法では、フライトチューブの末端端部に静電イオンミラー(リフレクトロン)を配設し、リフレクトロン内の静電場は、加速場に対向する向きにある。したがって、加速されたイオンは、リフレクトロンを貫通し、二次的(または「反転」)収束点に向かって完全に反転して戻る。より高エネルギーのイオンは、リフレクトロンのより深くまで貫通し、したがって、リフレクトロンの外へと反転するのにより長い時間がかかる。したがって、光学を調整して、異なるエネルギーのイオンを空間-時間的に集束させることができる。ミラーを加えることによって、理論的な分析能はほとんど改善されないが、質量の集束範囲は劇的に広がる。
【0073】
トリプル四重極質量分析器は、2つの質量分析四重極(Q1およびQ3)、および高周波のみの四重極q2で構成されている。四重極質量フィルタは、質量分析モードおよび高周波のみ(RFオンリー)モードの2つの基本的なモードで操作することができる。質量分析モードでは、四重極は、一定比で操作される。操作点は、質量走査線として知られている、安定性ダイアグラムにおける直線上にある。すべての実験的パラメータを固定すると、より重いイオンが左下方の領域に、より軽いイオンが右上方の領域にある、異なる質量電荷比を有する粒子を表す点の集積として、質量走査線を見ることができる。安定領域の境界によって分断されている質量走査線の一部分は、送達枠を表す。この枠内にあるm/z比のみが、送達されるであろう。このセグメントの長さは、送達の分析能を定義する。RFオンリーモードでは、DC電圧は除去される。この場合の質量走査線は、q軸と重なる。ここで送達枠は、無限のm/zと低質量カットオフ値との間にある。この操作モードはまた、ハイパスモード(high-pass mode)としても知られている。
【0074】
QqQ MSでは、RFオンリー四重極(q2)は、衝突セルとして機能し、衝突セル内の緩衝ガスの圧力は、約1~約119mTorrに維持されている。Q1によって選択された前駆体イオンは、RF衝突四重極q2に進入し、衝突誘起解離を受ける。次いで、第3の四重極Q3を走査することによって生成物イオンを質量フィルタリングして、生成物質量スペクトルを生成する。
【0075】
最も一般的に使用されるイオン検出器は、チャネル電子倍増管(CEM)およびマイクロチャネルプレート検出器(MCP)を含む、電子倍増管検出器である。これらの検出器は、二次電子を生成する手段によって操作される。入射イオンの衝撃で生成された最初の二次電子により電子雪崩が始まり、これが、出力シグナルを生成する。質量が増加すると、固定の運動エネルギーを有するイオンに対する電子倍増管検出器の応答が顕著に低下するので、異なる検出メカニズムに基づくイオン検出器が開発されている。1つの戦略は、電荷を直接検出するものである。要するに、イオンが検出器に近づくと、検出器の表面上に撮像電荷が形成され、次いで出力シグナルを生成する外部回路が撮像電荷を獲得する。この検出スキームにおける主な制限は、固有の増幅の欠如に起因する感受性の低さである。別のアプローチでは、イオンの衝撃によって好適な材料に蓄積するエネルギーの検出であり得る。絶縁層によって分離された2つの超電導層を使用すると、検出器に当たるイオンは、非熱フォノン(格子振動)を作り出す。十分に高いエネルギーを有するフォノンは、超電導層の弱く結合した電子対(クーパー対)を切断することができ、これが、絶縁バッファを通る測定可能なトンネル電流を生じる。これらの検出器は、特に大きいイオンの検出には、MCPよりも効果的である。しかしながら、これらのタイプの検出器は、液体ヘリウムの冷却を必要とし、一般に小さい活動領域を有し、通常の用途での使用が限定される。
【0076】
タンデム質量分析法(MS-MS)は、2つ以上の質量分析器を一緒に結合して、(i)1つの質量分析器によって、分子量で化合物を分離し、(ii)質量分析器を出る化合物を断片化し、(iii)第2の質量分析器によって断片を同定する、技術に関係する。例えば、相対的および絶対的定量用のアイソバリックタグ(iTRAQ)、ならびにタンデム質量タグ(TMT)などのアイソバリックタグを使用して、タンパク質およびペプチドの定量を助けることができる。これらのタグを、本明細書に記載のプローブに結合して、試料中のペプチドおよびタンパク質の定量および同定を補助することができる。
【0077】
B.蛍光配列決定
蛍光配列決定は、目的のタンパク質の配列決定に単一分子分析能を提供することがわかっている(Swaminathan,2010、米国特許第9,625,469号、米国特許出願第15/461,034号、米国特許出願第15/510,962号)。蛍光配列決定の特徴のうちの1つは、ペプチド配列の特定のアミノ酸残基にフルオロフォアまたは他の標識を導入することである。このステップは、特有の標識部分を有する1つ以上のアミノ酸残基の導入を伴い得る。1、2、3、4、5、6つ、またはそれ以上の異なるアミノ酸残基を、標識部分で標識することができる。使用され得る標識部分としては、フルオロフォア、発色団、または消光物質を挙げることができる。これらのアミノ酸残基の各々は、システイン、リジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、チロシン、セリン、スレオニン、アルギニン、ヒスチジン、メチオニン、アスパラギン、およびグルタミンを含み得る。これらのアミノ酸残基の各々は、異なる標識部分で標識され得る。アスパラギン酸およびグルタミン酸、またはアスパラギンおよびグルタミンなど、複数のアミノ酸残基は、同じ標識部分で標識され得る。この技法は、上記のものなどの標識部分を用いて使用することができるが、使用され得る合成オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸などの他の標識部分を蛍光配列決定に似た方法で使用してもよい。特に、本出願で使用される標識部分は、アミノ酸残基のうちの1つ以上を除去する条件に好適に耐え得る。本方法で使用され得る可能性のある標識部分のいくつかの非限定的な例としては、Alexa Fluor(登録商標)染料、Atto染料、Janelia Fluor(登録商標)染料、ローダミン染料、または他の同様の染料などの、赤色~赤外スペクトルで蛍光シグナルを発するものが挙げられる。アミノ酸残基を除去する条件に耐えることが可能なこれらの染料の各々の例としては、Alexa Fluor(登録商標)405、ローダミンB、テトラメチルローダミン、Janelia Fluor(登録商標)549、Alexa Fluor(登録商標)555、Atto647N、および(5)6-ナフトフルオレセインが挙げられる。標識部分は、蛍光ペプチドもしくはタンパク質、または量子ドットであり得る。
【0078】
代替的に、合成オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体を、ペプチドの標識部分として使用することができる。例えば、チオール化オリゴヌクレオチドは市販されており、既知の方法を使用してペプチドに結合することができる。一般的に利用可能なチオール修飾は、5’チオール修飾、3’チオール修飾、およびジチオール修飾であり、これらの修飾の各々を使用して、ペプチドを修飾することができる。上のようなペプチドへのオリゴヌクレオチドの結合に続いて、ペプチドにエドマン分解を施してもよく(Edman et al.,1950)、オリゴヌクレオチドを使用して、残りのペプチド配列中の特定のアミノ酸残基の存在を決定することができる。代替的に、標識部分は、ペプチド核酸であってもよい。ペプチド核酸は、特定のアミノ酸残基のペプチド配列に結合していてもよい。
【0079】
蛍光配列決定の1つの要素は、エドマン分解などの技法を通じた標識ペプチドの除去、および特定のアミノ酸が切断されたことを示す蛍光の低減を検出するための、その後の視覚化である。各アミノ酸残基の除去は、エドマン分解およびタンパク質分解切断を含む、多様な異なる技法を通じて実行される。技法は、エドマン分解を使用して末端アミノ酸残基を除去することを含み得る。代替的に、技法は、酵素を使用して末端アミノ酸残基を除去することを伴い得る。これらの末端アミノ酸残基は、ペプチド鎖のC末端またはN末端のいずれかから除去することができる。エドマン分解が使用される状況では、ペプチド鎖のN末端のアミノ酸残基が除去される。
【0080】
ペプチド配列を配列決定または画像化する方法は、ペプチドを表面上に固定することを含み得る。ペプチドは、システイン残基、N末端、またはC末端を使用して固定することができる。システイン残基を表面と反応させることによって、ペプチドを固定してもよい。可視スペクトルおよび/または赤外スペクトルを光学的に透過し、1.3~1.6の屈折率を有し、10~50nmの厚さであり、および/または有機溶媒ならびにトリフルオロ酢酸などの強酸に対して化学的に耐性を有する表面などの表面上に、ペプチドを固定してもよい。(フルオロポリマー(Teflon-AF(Dupont)、Cytop(登録商標)(Asahi Glass、(Japan))、芳香族ポリマー(ポリキシレン(Parylene、Kisco(Calif.))、ポリスチレン、ポリメタメチルアクリテート)および金属表面(金コーティング))、コーティングスキーム(スピンコーティング、浸漬コーティング、金属の電子ビーム蒸着、熱蒸着およびプラズマ化学気相成長法)、ならびに機能性付与方法(ポリアリルアミングラフト化、PECVDでのアンモニアガス使用、長鎖末端官能化フルオラスアルカンのドーピングなど)のような)多様な基質が、有用な表面として本明細書に記載の方法で使用することができる。Cytop(登録商標)で作製された厚さ20nmの光学的に透明なフルオロポリマー表面を、本明細書に記載の方法で使用することができる。本明細書で使用される表面は、配列決定のためのペプチド、および選択のための修飾された標的を分離する多様なフルオロアルカンでさらに誘導体化され得る。代替的に、アミノシラン修飾表面を、本明細書に記載の方法で使用することができる。方法は、ビーズ、樹脂、ゲル、石英粒子、ガラスビーズ、またはそれらの組み合わせの表面上にペプチドを固定することを含み得る。いくつかの非限定的な例では、方法は、Tentagel(登録商標)ビーズ、Tentagel(登録商標)樹脂、または他の同様のビーズもしくは樹脂の表面上に固定されたペプチドを使用することが考慮される。本明細書で使用される表面は、ポリエチレングリコールなどのポリマーでコーティングされ得る。表面は、アミンで官能化されてもよいか、またはチオールで官能化されてもよい。
【0081】
最終的に、これらの配列決定技法の各々は、ペプチド配列を画像化して、ペプチド配列上の1つ以上の標識部分の存在を決定することを伴う。これらの画像は、アミノ酸残基の各々の除去後に撮影され、ペプチド配列中の特定のアミノ酸の位置を決定するために使用され得る。これらの方法によって、ペプチド配列中の特定のアミノ酸の位置の解明をもたらすことができる。これらの方法を使用して、ペプチド配列中の特定のアミノ酸残基の位置を決定してもよいか、またはこれらの結果を使用して、ペプチド配列中のアミノ酸残基の全リストを決定してもよい。この方法は、ペプチド配列中の1つ以上のアミノ酸残基の位置を決定し、これらの位置を既知のペプチド配列と比較し、ペプチド配列中のアミノ酸残基の全リストを決定することを伴い得る。
【0082】
配列決定技法で使用される画像化方法は、蛍光測定法および蛍光顕微鏡法などの、多様な異なる方法を伴い得る。蛍光法は、蛍光偏光、Forster共鳴エネルギー移動(FRET)、または時間分解蛍光などのかかる蛍光技法を採用し得る。蛍光顕微鏡法を使用して、単一分子量における1つ以上のフルオロフォアの存在を決定することができる。かかる画像化法を使用して、特定のペプチド配列上の標識が存在するか、または存在しないかを決定することができる。アミノ酸残基の除去およびペプチド配列の画像化のサイクルを繰り返した後、標識されたアミノ酸残基のペプチド内の位置を決定することができる。
【0083】
C.コンビナトリアルアセンブリ:
コンビナトリアルアセンブリを使用して、例えば、核酸およびタンデム質量分析法バーコード配列などのバーコード配列を生成することができる。コンビナトリアルアセンブリは、スプリットプール技法であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、オリゴヌクレオチド配列とともにプライマー配列を含む支持体を一緒にプールし、96、368、またはそれ以上のウェルプレートに無作為に分配する。各ウェルは、特定のヌクレオチド配列を含み得る。ストランドの伸長を使用して、オリゴヌクレオチド配列を伸張させて、プライマー配列を含む1組の支持体に特定の配列を導入することができる。次いで、支持体は一緒にプールされ得る。プールされた支持体は、特定のヌクレオチド配列を含む新しい1組のウェルに無作為に分配され得る。支持体のスプリットおよびプールのサイクルを繰り返すことにより、他のビーズとは異なる個々の支持体上のバーコード配列が特有であることを確実にすることができる。
【0084】
D.ナノポア配列決定:
ナノポア配列決定は、例えばポリヌクレオチドなどのバイオポリマーの、第3世代配列決定方法である。生物学的方法および固相方法の両方が存在する。方法は、電気泳動を利用して、例えば、金属または金属合金の、ポリンタンパク質またはナノメートルサイズの孔などの小さいオリフィスを通して、ポリマーを移動させる。これらの小さいオリフィスは、表面(例えば、脂質膜または金属もしくは金属合金)に埋め込まれて、多孔質表面を作り出すことができる。システムからの電流を測定することができ、各ポリマーサブユニットの電気シグナルの差を測定して、ポリマーサブユニットの情報(例えば、DNAおよびRNA塩基)を決定することができる。各孔の電気シグナルの変化を定量することができる方式で、システムを設計することができる。本明細書に記載の方法および組成物を考慮すると、ナノポア配列決定のバイオポリマーをバーコードとして適合させてもよい。
【0085】
II.定義
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、一般に、少なくとも1つのアミノ基(イオン化形態、-NH で存在し得る-NH)、および1つのカルボキシル基(イオン化形態、-COOで存在し得る-COOH)を含有し、カルボン酸が中性pHで脱プロトン化されて、NHCHRCOOHの基本式を有する、有機化合物を指す。アミノ酸およびしたがってペプチドは、N(アミノ)末端残基領域およびC(カルボキシ)末端残基領域を有する。アミノ酸のタイプとしては、哺乳類の生物学的タンパク質が大部分を占めるので「天然」と見なされる、少なくとも20種が挙げられ、リジン、システイン、チロシン、トレオニンなどのアミノ酸が挙げられる。アミノ酸はまた、アスパラギン酸またはアスパラギン酸塩(Asp、D)、およびグルタミン酸またはグルタミン酸塩(Glu、E)を含む(中性pHの)カルボン酸基を有するもの、ならびにリジン(Lys、L)、アルギニン(Arg、N)、およびヒスチジン(His、H)を含む(中性pHの)塩基性アミノ酸などの、側鎖に基づいてグループ分けすることができる。
【0086】
本明細書で使用される場合、「末端」という用語は、単数の末端および複数の末端として言及される。
【0087】
本明細書で使用される場合、「側鎖」または「R」という用語は、アルファ炭素に結合した(アミノ酸のアミンおよびカルボン酸基に結合した)、アミノ酸の各タイプに独自性を与える特有の構造を指す。R基は、リジン(+)、アルギニン(+)、ヒスチジン(+)、アスパラギン酸塩(-)およびグルタミン酸塩(-)などの正または負のいずれかに荷電した荷電極性側鎖などの、多様な形状、サイズ、電荷、および反応性を有し、アミノ酸は、リジンなどの塩基性であってもよいか、またはグルタミン酸などの酸性であってもよく、非荷電極性側鎖は、ヒドロキシル、アミド、またはチオール基、例えば、化学的反応性側鎖を有するシステイン、すなわち別のシステイン、セリン(Ser)および異なるサイズのヒドロキシルR側鎖を有するスレオニン(Thr)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、およびチロシン(Tyr)と結合を形成することができるチオール基を有し、非極性疎水性アミノ酸側鎖としては、アミノ酸グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、ならびにアラニンのメチル基からロイシンおよびイソロイシンの異性体ブチル基の範囲のサイズの脂肪族炭化水素側鎖を有するイソロイシンが挙げられ、メチオニン(Met)は、チオールエーテル側鎖を有し、プロリン(Pro)は、環式ピロリジン側基を有する。フェニルアラニン(そのフェニル部分を含む)(Phe)およびトリプトファン(Trp)(そのインドール基を含む)は、芳香族側鎖を含有し、嵩高さ、ならびに極性の欠如を特徴とする。
【0088】
アミノ酸は、例えば、システイン:Cys、C、リジン:Lys、K、トリプトファン:Trp、Wのように、それぞれ名前、または3文字のコード、または1文字のコードで言及することもできる。
【0089】
アミノ酸は、非必須か必須かは生物ごとに異なり得るか、または異なる発達段階中に異なり得ることに注意しながら、栄養的に必須または非必須として分類することができる。特定の生物にとって非必須または条件付きアミノ酸は、典型的には、いくつかの遺伝子によってコード化される酵素を使用する経路で基質がタンパク質合成の必要性を満たすと、体内で適切に合成されるアミノ酸である。必須アミノ酸とは、生物がde novo経路を介して自然に生成することができないか、または十分に生成することができないアミノ酸、例えば、ヒトのリジンなどである。ヒトは、合成サプリメント、肉、植物、および他の生物を含む食物を通じて必須アミノ酸を摂取する。
【0090】
「非天然」アミノ酸とは、自然にコード化されない、または遺伝子コードでは見られず、かつ哺乳動物および植物のde novo経路を介して生成されない、アミノ酸である。それらは、天然アミノ酸には通常見られないか、またはめったに見られない側鎖を添加することによって合成され得る。
【0091】
本明細書で使用される場合、20個の標準的な生物学的アミノ酸のようにα炭素ではなくβ炭素にそれらのアミノ基が結合しているβアミノ酸は、非天然アミノ酸である。一般的に、自然にのみ発生するβアミノ酸は、β-アラニンである。
【0092】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸配列」、「ペプチド」、「ペプチド配列」、「ポリペプチド」、および「ポリペプチド配列」という用語は、ペプチド(アミド)結合またはペプチド結合の類似体によって共有結合している、少なくとも2つのアミノ酸またはアミノ酸類似体を指すために、本明細書では互換的に使用される。ペプチドという用語は、アミノ酸またはアミノ酸類似体のオリゴマーおよびポリマーを含む。ペプチドという用語はまた、ペプチドと称され得る分子を含み、これは、約2~約20個のアミノ酸を含有し得る。ペプチドという用語はまた、一般的にポリペプチドと称される分子を含み、これは、一般に約20~約50個のアミノ酸を含有する。ペプチドという用語はまた、一般的にタンパク質と称される分子を含み、これは、少なくとも50個のアミノ酸を含有し得る。ペプチドのアミノ酸は、L-アミノ酸またはD-アミノ酸であり得る。ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、合成、組み換え、または自然に発生し得る。合成ペプチドは、インビトロで人工的手段によって生成されるペプチドである。
【0093】
本明細書で使用される場合、「サブセット」という用語は、個々のペプチド分子のN末端アミノ酸残基を指す。N末端リジン残基を有する個々のペプチド分子の「サブセット」は、リジンではないN末端残基を有する個々のペプチド分子の「サブセット」とは区別される。
【0094】
本明細書で使用される場合、「蛍光」という用語は、異なる波長の光を吸収した物質による可視光の放出を指す。蛍光は、特定の波長の蛍光発光に基づいて、生物学的分子を追跡および/または分析する、非破壊的手段を提供することができる。タンパク質(抗体を含む)、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド(一本鎖および二本鎖プライマーを含む)は、フルオロフォアと称される多様な外因性蛍光分子で「標識」され得る。
【0095】
本明細書で使用される場合、「単一分子レベルでの」ペプチドの配列決定は、多様なペプチド分子の混合物中の個々の(すなわち、単一の)ペプチド分子から得られるアミノ酸配列情報を指す。個々のペプチド分子から得られるアミノ酸配列情報が、個々のペプチド分子の完全な、または連続したアミノ酸配列である方法に、本発明が限定される必要はない。これは、ペプチドまたはタンパク質の同定を可能にする、ただ部分的なアミノ酸配列情報を得るには十分であり得る。例えば、個々のペプチド分子内の特定のアミノ酸残基(すなわち、リジン)のパターンを含む部分的なアミノ酸配列情報は、個々のペプチド分子を特有なものとして同定するのに十分であり得る。例えば、個々のペプチド分子内のリジン分子の分布を示す、X-X-X-Lys-X-X-X-X-Lys-X-Lysなどのアミノ酸のパターンを、所与の生物の既知のプロテオームに対して検索して、個々のペプチド分子を同定することができる。単一分子レベルでのペプチドの配列決定が、個々のペプチド分子のリジン残基のパターンを同定することに限定されることは意図されておらず、任意のアミノ酸残基(複数のアミノ酸残基を含む)の配列情報を使用して、多様なペプチド分子の混合物中の個々のペプチド分子を同定することができる。
【0096】
本明細書で使用される場合、「単一分子分析能」は、多様なペプチド分子の混合物中の個々のペプチド分子からデータ(例えば、アミノ酸配列情報を含む)を取得する能力を指す。1つの非限定的な例では、多様なペプチド分子の混合物は、固体表面(例えば、スライドガラス、または表面が化学的に修飾されたスライドガラスを含む)上に固定され得る。これは、ガラス表面全体に分布する複数の個々の(すなわち、単一の)ペプチド分子の蛍光強度を同時に記録する能力を含み得る。この様式で適用することができる光学デバイスは、市販されている。例えば、全反射照明および増強電荷結合素子(CCD)検出器を備えた従来の顕微鏡が利用可能である(Braslaysky et al.,2003を参照)。高感度CCDカメラによる画像化により、機器は、表面全体に分布する複数の個々の(すなわち、単一の)ペプチド分子の蛍光強度を同時に記録することができる。画像収集は、光を2つのバンドパスフィルタ(各蛍光分子に好適なもの)に通して、CCD表面上に2つの並んだ画像として記録するイメージスプリッタを使用して実施することができる。自動フォーカス制御を有する電動顕微鏡ステージを使用してフローセルの複数のステージ位置を画像化すると、1回の実験で数百万(またはそれ以上)の個々の単一ペプチドを配列決定することを可能にし得る。
【0097】
本明細書で使用される場合、「単一細胞プロテオミクス」という用語は、細胞のプロテオーム研究を指す。プロテオームは、単一細胞のものであり得る。プロテオームは、細胞クラスタのものであり得る。細胞クラスタは、少なくとも2個の細胞であり得る。細胞クラスタは、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上の細胞であり得る。細胞クラスタは、2~10個の細胞であり得る。いくつかの実施形態では、単一細胞のプロテオームは、タンパク質、ペプチド、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、プロテオーム研究は、少なくとも1つのペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせのアミノ酸配列を決定することを含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、ペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを配列決定することによって決定される。細胞は、真核細胞、原核細胞、または古細胞であり得る。
【0098】
本明細書で使用される場合、「支持体」という用語は、固体または半固体の支持体を指す。いくつかの実施形態では、支持体は、ビーズまたは樹脂である。
【0099】
本明細書で使用される場合、「ペンダント」または「ペンダント基」という用語は、足場分子に結合している分子または分子の群を指す。いくつかの実施形態では、足場分子は、支持体を含む。いくつかの実施形態では、複数のペンダント基は、支持体に結合している。いくつかの実施形態では、特定の支持体に結合している複数のペンダント基は、実質的に同一である。
【0100】
本明細書で使用される場合、「捕捉部分」または「共役基」という用語は、ペプチドまたはタンパク質に反応し得る分子を指す。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、ペプチドまたはタンパク質のN末端と反応する。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、ペプチドまたはタンパク質のC末端と反応する。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、ペプチドまたはタンパク質の側鎖システインと反応する。
【0101】
本明細書で使用される場合、「切断可能なユニット」という用語は、少なくとも2つの分子に分割することができる分子を指す。切断可能なユニットを分割する切断条件の非限定的な例としては、酵素、求核性または塩基性試薬、還元剤、光照射、求電子性または酸性試薬、有機金属または金属試薬、および酸化試薬が挙げられる。
【0102】
本明細書で使用される場合、「バーコード」または「バーコード配列」という用語は、別のプローブ、ペプチド、タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせから、プローブ、ペプチド、タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせを同定して区別することができる分子を指す。一般に、バーコードまたはバーコード配列は、分子を標識するか、または情報を有する分子を提供する。バーコードは、人工的な分子であっても、自然に発生する分子であってもよい。いくつかの実施形態では、バーコードの集団中の少なくとも一部分のバーコードは、バーコードの集団中の別のバーコードとは異なるバーコードを含む。いくつかの実施形態では、バーコードのうちの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上は、異なる。バーコードの集団中の異なるバーコードの多様性は、無作為に生成されてもよいか、または非無作為に生成されてもよい。
【0103】
本明細書で使用される場合、「核酸バーコード配列」という用語は、特定の配列の核酸を有する分子を指す。一般に、核酸バーコード配列は、1つ以上の特定の核酸を同定するために使用することができる1つ以上のヌクレオチド配列を含み得る。核酸バーコード配列は、人工的な配列であってもよいか、または自然に発生する配列であってもよい。核酸バーコード配列は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上の連続したヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、バーコードを含む核酸の集団中の核酸バーコード配列のうちの少なくとも一部分は、異なる。いくつかの実施形態では、核酸バーコード配列のうちの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上は、異なる。核酸バーコード配列を含む核酸の集団中の異なる核酸バーコード配列の多様性は、無作為に生成されてもよいか、または非無作為に生成されてもよい。
【0104】
本明細書で使用される場合、「リンカー」という用語は、少なくとも2つの分子に結合している。いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも2つの分子を直接的または非直接的に結合している。
【0105】
本明細書で使用される場合、「逆転剤」、「逆転試薬」、または「解放剤」という用語は、少なくとも1つの結合を切断して、プローブまたはプローブの構成要素からペプチドまたはタンパク質の解放を引き起こす試薬を指す。逆転剤は、化学物質または酵素であり得る。逆転剤または解放剤は、切断可能なユニット、イミダゾリノン、またはそれらの組み合わせを切断することができる。
【0106】
本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、一般に、プリンおよびピリミジン塩基、または他の天然の塩基、化学的もしくは生物化学的に修飾された非天然の塩基、または誘導されたヌクレオチド塩基を含む、リボヌクレオチド(RNA)、デオキシリボヌクレオチド(DNA)、またはペプチド核酸(PNA)のいずれかの任意の長さのヌクレオチドの重合形態を指す。ポリヌクレオチドの骨格は、典型的には、RNAもしくはDNAに見出され得る糖およびリン酸塩基、または修飾されたもしくは置換された糖もしくはリン酸塩基を含み得る。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体などの、修飾されたヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成要素によって分断され得る。したがって、ヌクレオシド、ヌクレオチド、デオキシヌクレオシド、およびデオキシヌクレオチドという用語は、一般に、本明細書に記載のものなどの類似体を含む。これらの類似体は、自然に発生するヌクレオシドまたはヌクレオチドと共通する構造的特色をいくつか有するこれらの分子であるので、核酸またはオリゴヌクレオシド配列に組み込まれると、溶液中で自然に発生する核酸と対合することが可能である。典型的には、これらの類似体は、塩基、リボース、またはホスホジエステル部分を置き換えるおよび/または修飾することによって、自然に発生するヌクレオシドおよびヌクレオチドから誘導される。変更は、ハイブリッド形成を安定化もしくは不安定化するように、または記載の相補的核酸配列による対合特異性を向上するようにあつらえてもよい。核酸分子は、DNA分子であり得る。核酸分子は、RNA分子であり得る。
【0107】
配列決定反応は、例えば、毛細管による配列決定、次世代配列決定、サンガー配列決定、合成による配列決定、単一分子ナノポア配列決定、ライゲーションによる配列決定、対合による配列決定、ナノポア流制限による(nanopore current restriction)配列決定、またはそれらの組み合わせを含み得る。合成による配列決定は、可逆的ターミネーター配列決定、加工可能な単一分子配列決定(processive single molecule sequencing)、連続ヌクレオチド流配列決定(sequential nucleotide flow)、またはそれらの組み合わせを含み得る。単一分子配列決定は、単一分子分析能を提供することができる。連続ヌクレオチド流配列決定は、パイロシークエンシング、pH媒介性配列決定、半導体配列決定、またはそれらの組み合わせを含み得る。1つ以上の配列決定反応を行うことは、全ゲノム配列決定またはエクソーム配列決定を含み得る。
【0108】
対合反応は、例えば、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、DNA塗料、複数のバーコード同定(例えば、MER-FISH)を含み得る。
【0109】
配列決定反応または対合反応は、1つ以上の捕捉プローブまたは捕捉プローブのライブラリを含み得る。1つ以上の捕捉プローブライブラリのうちの少なくとも1つは、1つ以上の捕捉プローブ~1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上の下のゲノム領域を含み得る。捕捉プローブのライブラリは、少なくとも部分的に相補的であり得る。捕捉プローブのライブラリは、完全に相補的であり得る。捕捉プローブのライブラリは、少なくとも約5%、10%、15%、20%、%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、80%、90%、95%.、97%、またはそれ以上相補的であり得る。
【0110】
本明細書に開示の方法およびシステムは、核酸分子を含まない1つ以上の捕捉プローブ上で、1つ以上の配列決定反応または対合反応を行うことをさらに含み得る。本明細書に開示の方法およびシステムは、核酸分子を含まない1つ以上の捕捉プローブを含む核酸分子上の1つ以上のサブセット上で、1つ以上の配列決定反応または対合反応を行うことをさらに含み得る。
【0111】
本明細書で使用される場合、「標識」という用語は、分子への化学基の導入であり、これは、いくつかの形態の測定可能なシグナルを生成する。かかるシグナルとしては、限定されないが、蛍光、可視光、質量、放射、または核酸配列を挙げることができる。
【0112】
帰属確率質量関数-所与の蛍光配列における、そのタンパク質源の事後確率質量関数、すなわち、観察された蛍光配列fを考慮した、各タンパク質源pの確率の組P(p/f)。
【0113】
化学基の文脈で使用されるとき、「水素」は-Hを意味し、「ヒドロキシ」は、-OHを意味し、「オキソ」は、=Oを意味し、「カルボニル」は、-C(=O)-を意味し、「カルボキシ」は、-C(=O)OH(また、-COOHまたは-COHとも記載される)を意味し、「ハロ」は、独立して、-F、-Cl、-Br、または-Iを意味し、「アミノ」は、-NHを意味し、「ヒドロキシアミノ」は、-NHOHを意味し、「ニトロ」は、-NOを意味し、イミノは、=NHを意味し、「シアノ」は、-CNを意味し、「イソシアネート」は、-N=C=Oを意味し、「アジド」は、-Nを意味し、一価の文脈での「リン酸塩」は、-OP(O)(OH)またはその脱プロトン化形態を意味し、二価の文脈での「リン酸塩」は、-OP(O)(OH)O-またはその脱プロトン化形態を意味し、「メルカプト」は、-SHを意味し、「チオ」は、=Sを意味し、「スルホニル」は、-S(O)-を意味し、「スルフィニル」は、-S(O)-を意味する。
【0114】
化学式の文脈では、「-」という記号は、単結合を意味し、「=」は、二重結合を意味し、「≡」は、三重結合を意味する。
という記号は、任意選択の結合を表し、存在する場合、単結合または二重結合のいずれかである。
という記号は、単結合または二重結合を表す。したがって、式
は、例えば、
を網羅する。また、かかる環原子はいずれも、2つ以上の二重結合の一部を形成しないことが理解される。さらに、共有結合の記号「-」は、1つまたは2つのステレオジェニックな原子が接続しているとき、任意の好ましい立体化学を示さないことに留意されたい。代わりに、これはすべての立体異性体ならびにその混合物を網羅する。
という記号が、結合を垂直に横切って引かれる
とき、基の結合点を示す。結合点は、閲覧者が結合点を明確に同定するのを支援するために、典型的にはより大きい基に対してこの様式でのみ同定されることに留意されたい。
という記号は、くさびの太い端部に結合している基が、「紙面の外にある」単結合を意味する。
という記号は、くさびの太い端部に結合している基が、「紙面の内にある」単結合を意味する。
という記号は、二重結合の周囲の形状(例えば、EまたはZのいずれか)が、定義されていない単結合を意味する。したがって、両方の選択肢、ならびにそれらの組み合わせを意図する。本明細書で示される構造の原子の任意の定義されていない価数は、その原子に結合している水素原子を暗に表している。炭素原子上の丸い点は、その炭素原子に結合している水素が、紙面の外に向いていることを示す。
【0115】
本明細書に記載の「電子吸引性基」とは、反応中心から電子を引き離す基を指す。いくつかの実施形態では、電子吸引性基は、誘起効果によって反応中心から電子を引き離す。いくつかの実施形態では、電子吸引性基は、共鳴効果によって反応中心から電子を引き離す。いくつかの実施形態では、電子吸引性基は、誘起効果および共鳴効果によって反応中心から電子を引き離す。いくつかの実施形態では、基は、部分的な電子吸引性の特徴を有し得る。いくつかの実施形態では、電子吸引性基は、反応中心から、オルト、メタ、またはパラに位置する。いくつかの実施形態では、反応中心に対する関係における基の位置は、基の電子吸引性の特徴を決定する。2つ以上の電子吸引性基は、反応中心に近接して存在し得る。電子吸引性基の例は、H、-NO、-CN、-COOH、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、(例えば、-NMe、-NMe )、ヘテロ芳香族原子(例えば、O、N、S)、ハロ、ハロアルキル、および-OHである。電子吸引性基の別の例としては、-NO、-CN、-COOH、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、(例えば、-NMe、-NMe )、ヘテロ芳香族原子(例えば、O、N、S)、ハロ、ハロアルキル、および-OHが挙げられる。
【0116】
変数が、環系上の「浮遊基(floating group)」として、例えば、式
の「R」基として示されるとき、変数は、安定な構造が形成される限り、示されるか、暗示されるか、または明確に定義される水素を含む、環原子のうちのいずれかに結合している任意の水素原子を置き換えることができる。変数が、縮合環系上の「浮遊基」として、例えば、式
の「R」基として示されるとき、変数は、特に明記されない限り、縮合環のうちのいずれかの環原子のうちのいずれかに結合している任意の水素を置き換えることができる。置き換え可能な水素としては、安定な構造が形成される限り、示される水素(例えば、上式の窒素に結合している水素)、暗示される水素(例えば、示されていないが存在すると理解される上式の水素)、明確に定義される水素、および環原子の情報にその存在が依存する任意選択の水素(例えば、Xが、-CH-と等しいとき、X基に結合している水素)が挙げられる。示される例では、Rは、縮合環系の5員または6員環のいずれかに存在し得る。上式では、括弧で括られているRの直後の下付き文字「y」は、数的な変数を表す。特に明記されない限り、この変数は、環または環系の置き換え可能な水素原子の最大数によってのみ制限される、0、1、2、または2超の任意の整数であり得る。
【0117】
化学基および化合物の部類では、基または部類の炭素原子の数は、以下に示されるとおりである:「Cn」は、基/部類の炭素原子の厳密な数(n)を定義する。「C≦n」は、問題の基/部類で可能な限り小さい最小数である、基/部類に存在し得る炭素原子の最大数(n)を定義する。例えば、基「アルキル(C≦8)」、「シクロアルカンジイル(C≦8)」、「ヘテロアリール(C≦8)」、および「アシル(C≦8)」の炭素原子の最小数が1であり、基「アルケニル(C≦8)」、「アルキニル(C≦8)」、および「ヘテロシクロアルキル(C≦8)」の炭素原子の最小数が2であり、基「シクロアルキル(C≦8)」の炭素原子の最小数が3であり、基「アリール(C≦8)」および「アレーンジイル(C≦8)」の炭素原子の最小数が6であることが理解される。「Cn-n」は、基の炭素原子の最小数(n)および最大数(n′)の両方を定義する。したがって、「アルキル(C2-10)」は、2~10個の炭素原子を有するこれらのアルキル基を示す。これらの炭素数の指標は、それが修飾する化学基または部類の前または後にあり得、括弧で括られてもまたは括られなくてもよく、意味の変化を全く表さない。したがって、「C5オレフィン」、「C5-オレフィン」、「オレフィン(C5)」、および「オレフィンC5」という用語は、すべて同義である。本明細書で定義される化学基または化合物の部類のうちのいずれかが、「置換」という用語によって修飾されているとき、水素原子を置き換える部分の任意の炭素原子は計上しない。したがって、合計7つの炭素原子を有するメトキシヘキシルは、置換アルキル(C1-6)の一例である。特に明記されない限り、炭素原子に制限はなく、特許請求の範囲に列挙される任意の化学基または化合物の部類は、12個以下の炭素原子の制限を有する。
【0118】
化合物または化学基を修飾するために使用されるとき、「飽和」という用語は、以下に特筆されない限り、化合物または化学基が、炭素-炭素二重結合、および炭素-炭素三重結合を全く有さないことを意味する。原子を修飾するためにこの用語が使用されるとき、その用語は、原子が二重結合または三重結合のいずれかの一部ではないことを意味する。飽和基の置換バージョンの場合では、1つ以上の炭素酸素二重結合または炭素窒素二重結合が存在し得る。また、かかる結合が存在するとき、ケト-エノール互変異性、またはイミン/エナミン互変異性の一部として生じ得る炭素-炭素二重結合は、除外されない。物質の溶液を修飾するために使用されるとき、「飽和」という用語は、それ以上の物質が溶液に溶解することができないことを意味する。
【0119】
「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、「脂肪族」という用語は、修飾される化合物または化学基が、非環式または環式であるが、非芳香族炭化水素化合物または基ではないことを表す。脂肪族化合物/基では、炭素原子は、直鎖、分岐鎖、または非芳香族環(脂肪族)中で一緒に結合し得る。脂肪族化合物/基は、飽和していてもよく、単一の炭素-炭素結合(アルカン/アルキル)、または不飽和の1つ以上の炭素-炭素二重結合(アルケン/アルケニル)で、または1つ以上の炭素-炭素三重結合(アルキン/アルキニル)によって結合している。
【0120】
「芳香族」という用語は、修飾される化合物または化学基が、完全に共役した環式π系で4n+2の電子を有する原子の平面不飽和環を有することを表す。芳香族化合物または化学基は、単一の共鳴構造として示され得るが、しかしながら、1つの共鳴構造の描写は、任意の他の共鳴構造をも指すと解釈される。例えば、
はまた、
を指すと解釈される。
芳香族化合物はまた、完全に共役した環式π系の電子の非局在化の性質を表すために、環を使用して示すことができ、この2つの非限定的な例を以下に示す:
【0121】
「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、「アルキル」という用語は、結合点としての炭素原子、線状または分岐状非環式構造を有し、炭素および水素以外の原子を有さない、一価の飽和脂肪族基を指す。-CH(Me)、-CHCH(Et)、-CHCHCH(n-Prまたはプロピル)、-CH(CH(i-Pr、Prまたはイソプロピル)、-CHCHCHCH(n-Bu)、-CH(CH)CHCH(sec-ブチル)、-CHCH(CH(イソブチル)、-C(CH(tert-ブチル、t-ブチル、t-BuまたはBu)、および-CHC(CH(ネオ-ペンチル)の基は、アルキル基の非限定的な例である。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、「アルカンジイル」という用語は、結合点(複数可)としての1つまたは2つの飽和炭素原子(複数可)、線状または分岐状非環式構造を有し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、炭素および水素以外の原子を有さない、二価の飽和脂肪族基を指す。-CH-(メチレン)、-CHCH-、-CHC(CHCH-、および-CHCHCH-の基は、アルカンジイル基の非限定的な例である。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、「アルキリデン」という用語は、RおよびR’が独立して水素またはアルキルである、二価の基=CRR′を指す。アルキリデン基の非限定的な例としては、=CH、=CH(CHCH)、および=C(CHが挙げられる。「アルカン」は、式H-Rを有する化合物の部類を指し、式中、Rが、この用語が上で定義されるようなアルキルである。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、これらの用語のうちのいずれかは、1つ以上の水素原子が、独立して、-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-NH、-NO、-COH、-COCH、-CN、-SH、-OCH、-OCHCH、-C(O)CH、-NHCH、-NHCHCH、-N(CH、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、-OC(O)CH、-NHC(O)CH、-S(O)OH、または-S(O)NHによって置き換えられている。以下の基は、置換アルキル基の非限定的な例である:-CHOH、-CHCl、-CF、-CHCN、-CHC(O)OH、-CHC(O)OCH、-CHC(O)NH、-CHC(O)CH、-CHOCH、-CHOC(O)CH、-CHNH、-CHN(CH、および-CHCHCl。「ハロアルキル」という用語は、置換アルキルのサブセットであり、この水素原子の置き換えが、ハロ(すなわち、-F、-Cl、-Br、または-I)に限定されるので、炭素、水素、およびハロゲン以外の他の原子は存在しない。-CHClの基は、ハロアルキルの非限定的な例である。「フルオロアルキル」という用語は、置換アルキルのサブセットであり、この水素原子の置き換えが、フルオロに限定されるので、炭素、水素、およびフッ素以外の他の原子は存在しない。-CHF、-CF、および-CHCFの基は、フルオロアルキル基の非限定的な例である。
【0122】
「アリール」という用語は、結合点として芳香族炭素原子を有する一価の不飽和芳香族基を指し、当該炭素原子が、すべて炭素である6つの環原子を各々有する1つ以上の芳香族環構造の一部を形成し、基が、炭素および水素以外の原子からならない。2つ以上の環が存在する場合、環は、縮合または非縮合であり得る。非縮合環は、共有結合で接続している。本明細書で使用される場合、アリールという用語は、第1の芳香族環または存在する任意の追加の芳香族環に結合している1つ以上のアルキル基(炭素数の制限が可能である)の存在を除外しない。アリール基の非限定的な例としては、フェニル(Ph)、メチルフェニル、(ジメチル)フェニル、-CCHCH(エチルフェニル)、ナフチル、およびビフェニルから誘導される一価の基(例えば、4-フェニルフェニル)が挙げられる。「アレーンジイル」という用語は、結合点として2つの芳香族炭素原子を有する二価の芳香族基を指し、当該炭素原子が、すべて炭素である6つの環原子を各々有する1つ以上の6員芳香族環構造の一部を形成し、二価の基が、炭素および水素以外の原子からならない。本明細書で使用される場合、アレーンジイルという用語は、第1の芳香族環または存在する任意の追加の芳香族環に結合している1つ以上のアルキル基(炭素数の制限が可能である)の存在を除外しない。2つ以上の環が存在する場合、環は、縮合または非縮合であり得る。非縮合環は、共有結合で接続している。アレーンジイル基の非限定的な例としては、
が挙げられる。「アレーン」は、式H-Rを有する化合物の部類を指し、式中、Rが、この用語が上で定義されるようなアリールである。ベンゼンおよびトルエンが、アレーンの非限定的な例である。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、これらの用語のうちのいずれかは、1つ以上の水素原子が、独立して、-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-NH、-NO、-COH、-COCH、-CN、-SH、-OCH、-OCHCH、-C(O)CH、-NHCH、-NHCHCH、-N(CH、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、-OC(O)CH、-NHC(O)CH、-S(O)OH、または-S(O)NHによって置き換えられている。
【0123】
「ヘテロアリール」という用語は、結合点として芳香族炭素原子または窒素原子を有する一価の芳香族基を指し、当該炭素原子または窒素原子が、3~8つの環原子を各々有する1つ以上の芳香族環構造の一部を形成し、芳香族環構造(複数可)の環原子のうちの少なくとも1つが、窒素、酸素、または硫黄であり、ヘテロアリール基が、炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素、および芳香族硫黄以外の原子からならない。2つ以上の環が存在する場合、環は縮合しているが、しかしながら、ヘテロアリールという用語は、1つ以上の環原子に結合している1つ以上のアルキルまたはアリール基(炭素数の制限が可能である)の存在を除外しない。ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ベンゾオキサゾリイル、ベンゾイミダゾリル、フラニル、イミダゾリル(Im)、インドリル、インダゾリル(Im)、イソオキサゾリル、メチルピリジニル、オキサゾリル、フェニルピリジニル、ピリジニル(ピリジニル)、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、キナゾリル、キノキサリニル、トリアジニル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、およびトリアゾリルが挙げられる。「N-ヘテロアリール」という用語は、結合点として窒素原子を有するヘテロアリール基を指す。「ヘテロアレーン」は、式H-Rを有する化合物の部類を指し、式中、Rが、ヘテロアリールである。ピリジンおよびキノリンが、ヘテロアレーンの非限定的な例である。「ヘテロアレーンジイル」という用語は、2つの結合点として、2つの芳香族炭素原子、2つの芳香族窒素原子、または1つの芳香族炭素原子および1つの芳香族窒素原子を有する、二価の芳香族基を指し、当該原子が、3~8つの環原子を各々有する1つ以上の芳香族環構造の一部を形成し、芳香族環構造(複数可)の環原子のうちの少なくとも1つが、窒素、酸素、または硫黄であり、二価の基が、炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素、および芳香族硫黄以外の原子からならない。2つ以上の環が存在する場合、環は縮合しているが、しかしながら、ヘテロアレーンジイルという用語は、1つ以上の環原子に結合している1つ以上のアルキルまたはアリール基(炭素数の制限が可能である)の存在を除外しない。ヘテロアレーンジイル基の非限定的な例としては、
が挙げられる。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、これらの用語のうちのいずれかは、1つ以上の水素原子が、独立して、-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-NH、-NO、-COH、-COCH、-CN、-SH、-OCH、-OCHCH、-C(O)CH、-NHCH、-NHCHCH、-N(CH、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、-OC(O)CH、-NHC(O)CH、-S(O)OH、または-S(O)NHによって置き換えられている。
【0124】
「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、「アルコキシ」という用語は、-OR基を指し、式中、Rが、その用語が上で定義されるようなアルキルである。非限定的な例としては、-OCH(メトキシ)、-OCHCH(エトキシ)、-OCHCHCH、-OCH(CH(イソプロポキシ)、または-OC(CH(tert-ブトキシ)が挙げられる。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、「アルキルチオ」および「アシルチオ」という用語は、-SR基を指し、式中、Rが、それぞれアルキルおよびアシルである。「アルコール」という用語は、上で定義されるようなアルカンに対応し、水素原子のうちの少なくとも1つが、ヒドロキシ基で置き換えられている。「エーテル」という用語は、上で定義されるようなアルカンに対応し、水素原子のうちの少なくとも1つが、アルコキシ基で置き換えられている。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、これらの用語のうちのいずれかは、1つ以上の水素原子が、独立して、-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-NH、-NO、-COH、-COCH、-CN、-SH、-OCH、-OCHCH、-C(O)CH、-NHCH、-NHCHCH、-N(CH、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、-OC(O)CH、-NHC(O)CH、-S(O)OH、または-S(O)NHによって置き換えられている。
【0125】
「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、「アルキルアミノ」という用語は、-NHR基を指し、式中、Rが、その用語が上で定義されるようなアルキルである。非限定的な例としては、-NHCH、および-NHCHCHが挙げられる。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、「ジアルキルアミノ」という用語は、-NRR′基を指し、式中、RおよびR’が、同じかまたは異なるアルキル基であり得る。ジアルキルアミノ基の非限定的な例としては、-N(CH、および-N(CH)(CHCH)が挙げられる。「置換」という修飾語を伴わずに使用されるとき、これらの用語のうちのいずれかは、炭素原子に結合している1つ以上の水素原子が、独立して、-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-NH、-NO、-COH、-COCH、-CN、-SH、-OCH、-OCHCH、-C(O)CH、-NHCH、-NHCHCH、-N(CH、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、-OC(O)CH、-NHC(O)CH、-S(O)OH、または-S(O)NHによって置き換えられている。-NHC(O)OCHおよび-NHC(O)NHCHの基が、置換アミノ基の非限定的な例である。
【0126】
特許請求の範囲および/または本明細書において「含む(comprising)」という用語と一緒に使用されるとき、「a」または「an」という単語の使用は、「1つ」を意味する場合があるが、「1つ以上の」「少なくとも1つの」、および「1つまたは2つ以上の」の意味とも一致する。
【0127】
特許請求の範囲における「または(or)」という用語の使用は、代替物のみを指すものであると明示的に示されない限り、または代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、代替物のみ、および「および/または」を指す定義を支持する。本明細書で使用される場合、「別の」は、少なくとも2つ目以降を意味し得る。
【0128】
本明細書全体を通して、「約」という用語は、値が、値を決定するために採用されるデバイス、方法の固有の誤差の変動、または研究対象間に存在する変動を含むことを示すために使用される。上の値に基づいて特に明記されない限り、「約」という用語は、列記されている値の±5%を意味する。
【0129】
本明細書で使用される場合、特定の構成要素に関して「本質的に含まない」は、本明細書では、特定の構成要素のうちのいずれも意図的に組成物に配合されていない、および/または汚染物質としてもしくは微量のみ存在することを意味するために使用される。したがって、組成物の何らかの意図しない汚染に起因する特定の構成要素の総量は、0.05%をはるかに下回り、好ましくは0.01%を下回る。最も好ましいのは、特定の構成要素の量が、標準的な分析方法で検出され得ない組成物である。
【0130】
「含む(comprise)」、「有する」、「含む(include)」という用語は、非限定的な連結動詞である。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、および「含む(including」などのこれらの動詞のうちの1つ以上の任意の形態または時制もまた、非限定的である。例えば、1つ以上のステップを「含む(comprises)」、「有する(has)」、または「含む(includes)」任意の方法は、これらの1つ以上のステップのみを有するように限定されず、他の列記されていないステップをも網羅する。
【0131】
「効果的な」という用語は、その用語が本明細書および/または特許請求の範囲で使用される場合、望ましい、期待される、または意図する結果を達成するのに適切であることを意味する。
【0132】
本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」という用語は、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ニワトリ、七面鳥、アヒル、魚、またはそれらの遺伝子組み換え種などの生動物の生物を指す。いくつかの実施形態では、患者は、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、またはそれらの遺伝子組み換え種などの哺乳生物である。ある特定の実施形態では、患者または対象は、霊長類である。ヒト患者の非限定的な例は、成人、青少年、幼児、および胎児である。
【0133】
化合物に対する修飾語として使用されるとき、「水和物」という用語は、固体形態の化合物などの各化合物分子と会合している水分子を、1つ未満(例えば、半水和物)、1つ(例えば、一水和物)、または2つ以上(例えば、二水和物)、化合物が有することを意味する。
【0134】
第1の化合物の「異性体」は、各分子が、第1の化合物と同じ構成原子を含有するが、三次元でのこれらの原子の立体配置が異なる、別々の化合物である。
【0135】
「立体異性体」または「光学異性体」は、同じ原子が同じ他の原子に結合しているが、三次元でのこれらの原子の立体配置が異なる、所与の化合物の異性体である。「エナンチオマー」は、左手と右手のように互いの鏡像である、所与の化合物の立体異性体である。「ジアステレオマー」は、エナンチオマーではない、所与の化合物の立体異性体である。キラル分子は、キラル中心を含有し、立体中心またはステレオジェニック中心とも称され、これは、任意の2つの基の相互作用が立体異性体をもたらすように、分子を担持する基にあるが、原子である必要はない、任意の点である。有機化合物では、キラル中心は、典型的には炭素、リン、または硫黄原子であるが、有機化合物および無機化合物では、他の原子が立体中心であることも可能である。分子は、複数の立体中心を有し得、したがって、多くの立体異性体が得られる。その立体異性が、四面体ステレオジェニック中心(例えば、四面体炭素)に起因する化合物では、仮に可能な立体異性体の合計数は、2を超過することはなく、nが、四面体立体中心の数である。対照な分子は、多くの場合、最大可能な数よりも少ない立体異性体を有し得る。エナンチオマーの50:50の混合物は、ラセミ混合物と称される。代替的に、エナンチオマーの混合物は、エナンチオマーが豊富であり得るので、1つのエナンチオマーが50%超の量で存在する。典型的には、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーは、当該技術分野で既知の技法を使用して、分析または分離することができる。立体化学が定義されていないキラリティの任意の立体中心または軸では、キラリティの立体中心または軸は、そのR形態、S形態で存在し得るか、またはラセミ混合物および非ラセミ混合物を含む、RおよびS形態の混合物として存在し得ることが考慮される。本明細書で使用される場合、「実質的に他の立体異性体を含まない」という語句は、組成物が、≦15%、より好ましくは≦10%、さらにより好ましくは≦5%、または最も好ましくは≦1%の別の立体異性体(複数可)を含有することを意味する。
【0136】
上の定義は、参照により本明細書に組み込まれる任意の参照における任意の矛盾する定義よりも優先される。しかしながら、ある特定の用語が定義されている情報は、定義されていない任意の用語が定められていないことを示すと見なされるべきではない。むしろ、使用されるすべての用語は、当業者が、本開示の範疇および実施を理解することができるように明確に、本開示を説明すると考えられる。
【0137】
ある特定の態様では、本開示は、プロテオミクスを実施する方法であって、(a)支持体と、細胞を含む混合物とを提供する工程であって、支持体が、それに結合している(i)バーコードと(ii)当該細胞のタンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分とを有する、工程、(b)捕捉部分を使用して、細胞のタンパク質またはペプチドを捕捉する工程、ならびに(c)(b)の後に、(i)バーコードを同定し、バーコードを細胞と関連付ける工程、(ii)タンパク質またはペプチドを配列決定して、タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を同定する工程、および(iii)(i)で同定したバーコードと、(ii)で同定したタンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列とを使用して、タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を細胞に由来していると同定する工程、を含む方法を提供する。
【0138】
バーコードは、核酸バーコード配列、アイソバリック質量タグ(例えば、タンデム質量タグ(TMT))、アミノ酸配列(例えば、アルギニンまたはポリアルギニン)、アンモニウム、フルオロフォア、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素)、ビオチン、ポリエチレングリコール(PEG)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。バーコードは、光検出、配列決定(例えば、合成による配列決定、蛍光配列決定、ナノポア配列決定)、質量分析法、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、同定することができる。バーコードは、ペプチドまたはタンパク質の検出を改善することができる。バーコードは、ペプチドまたはタンパク質のイオン化を改善することができる。バーコードは、陽イオンモードまたは陰イオンモードでペプチドまたはタンパク質のイオン化を改善することができる。バーコードは、ポリ-アルギニン鎖であり得る。バーコードは、結合し、ナノポア通過を改善することができる。バーコードは、オリゴヌクレオチド-ペプチドの対合物であり得る。
【0139】
ある特定の態様では、本開示は、単一細胞プロテオミクスを実施する方法であって、(a)支持体と、細胞を含む混合物とを提供する工程であって、支持体が、それに結合している(i)核酸バーコード配列と(ii)当該細胞のタンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分とを有する、工程、(b)捕捉部分を使用して、細胞のタンパク質またはペプチドを捕捉する工程、ならびに(c)(b)の後に、(i)核酸バーコード配列を同定し、核酸バーコード配列を細胞と関連付ける工程、(ii)タンパク質またはペプチドを配列決定して、タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を同定する工程、および(iii)(i)で同定したバーコード配列と、(ii)で同定したタンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列とを使用して、タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を細胞に由来していると同定する工程、を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、(ii)は、タンパク質またはペプチドを配列決定する代わりに、タンパク質またはペプチドの質量を同定または決定することを含み得る。ペプチドまたはタンパク質の質量の決定は、質量分析法によるものであり得る。
【0140】
バーコードは、リンカーを通じて支持体に結合し得る。核酸バーコード配列は、リンカーを通じて支持体に結合し得る。リンカーは、少なくとも2つ、またはそれ以上の分子に結合し得る。リンカーは、少なくとも3つ、またはそれ以上の分子に結合し得る。リンカーは、切断可能なユニットと、核酸配列をバーコーディングするための構築ブロックと、を含み得る。リンカーは、ホモ官能性またはヘテロ官能性リンカーであり得る。リンカーは、切断可能なリンカー、クロスリンカー、二官能性リンカー、三官能性リンカー、多官能性リンカー、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。リンカーは、例えば、アミン、スルフヒドリル、酸、アルコール、ブロミド、マレアミド、スクシンイミジルエステル(NHS)、スルホスクシンイミジルエステル、ジスルフィド、アジド、アルキン、イソチオシアネート(ITC)、またはそれらの組み合わせなどの官能基を含み得る。リンカーは、例えば、Boc、Fmoc、アルキルエステル、Cbz、またはそれらの組み合わせなどの保護された官能基を含み得る。バーコードは、当該支持体に直接結合し得る。核酸バーコード配列は、当該支持体に直接結合し得る。
【0141】
混合物は、1つの細胞を含み得る。混合物は、複数の細胞を含み得、複数の細胞が、細胞を含み得る。複数の細胞は、少なくとも2つ、またはそれ以上の細胞であり得る。複数の細胞は、約2、5、10、15、20、40、60、80、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはそれ以上の細胞であり得る。複数の細胞は、約2~約60の細胞であり得る。複数の細胞は、約2~約40の細胞であり得る。複数の細胞は、約2~約20の細胞であり得る。複数の細胞は、約2~約10の細胞であり得る。複数の細胞は、約5~約10の細胞であり得る。細胞または複数の細胞は、生物学的試料から単離され得る。生物学的試料は、組織、血液、尿、唾液、リンパ液、またはそれらの任意の組み合わせに由来し得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、(a)は、単一の支持体を含み得る。いくつかの実施形態では、(a)は、複数の支持体を提供することを含み得、複数の支持体が、支持体を含み得る。複数の支持体は、少なくとも2つ、またはそれ以上の支持体であり得る。複数の支持体は、約2、5、10、15、20、40、60、80、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはそれ以上の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約60の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約40の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約20の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約10の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約5の支持体であり得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、(a)は、複数の支持体と、複数の細胞を含む混合物とを提供することを含み、複数の支持体が、支持体を含み、複数の細胞が、細胞を含む。複数の細胞は、少なくとも2つ、またはそれ以上の細胞であり得る。複数の細胞は、約2、5、10、15、20、40、60、80、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはそれ以上の細胞であり得る。複数の細胞は、約2~約60の細胞であり得る。複数の細胞は、約2~約40の細胞であり得る。複数の細胞は、約2~約20の細胞であり得る。複数の細胞は、約2~約10の細胞であり得る。複数の細胞は、約5~約10の細胞であり得る。細胞または複数の細胞は、生物学的試料から単離され得る。生物学的試料は、組織、血液、尿、唾液、リンパ液、またはそれらの任意の組み合わせに由来し得る。複数の支持体は、少なくとも2つ、またはそれ以上の支持体であり得る。複数の支持体は、約2、5、10、15、20、40、60、80、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはそれ以上の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約60の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約40の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約20の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約10の支持体であり得る。複数の支持体は、約2~約5の支持体であり得る。
【0144】
支持体は、固体支持体または半固体支持体であり得る。固体支持体または半固体支持体は、ビーズであり得る。ビーズは、ゲルビーズであり得る。ビーズは、ポリマービーズであり得る。支持体は、樹脂であり得る。非限定的な支持体は、例えば、アガロース、セファロース、ポリスチレン、ポリエチレングリコール(PEG)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。支持体は、ポリスチレンビーズであり得る。支持体は、例えば、アミン、スルフヒドリル、酸、アルコール、ブロミド、マレアミド、スクシンイミジルエステル(NHS)、スルホスクシンイミジルエステル、ジスルフィド、アジド、アルキン、イソチオシアネート(ITC)、またはそれらの組み合わせなどの官能基を含み得る。支持体は、PEGA樹脂であり得る。支持体は、アミノPEGA樹脂であり得る。支持体は、アミン基を含み得る。支持体は、例えば、Boc、Fmoc、アルキルエステル、Cbz、またはそれらの組み合わせなどの保護された官能基を含み得る。ビーズは、金属コアを含有し得る。ビーズは、ポリマー磁気ビーズであり得る。ポリマー磁気ビーズは、酸化金属を含み得る。支持体は、少なくとも1つの酸化金属コアを含み得る。
【0145】
支持体は、バーコードをそこに結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列をそこに結合し得る。支持体は、バーコードをそこに直接結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列をそこに直接結合し得る。支持体は、複数のバーコードをそこに結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列をそこに結合し得る。支持体は、複数のバーコードをそこに直接結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列をそこに直接結合し得る。支持体は、ペンダント基に結合し得る。支持体は、複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、バーコードおよびペンダント基に結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列およびペンダント基に結合し得る。支持体は、バーコードおよびペンダント基に直接結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列およびペンダント基に直接結合し得る。支持体は、バーコードおよび複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列および複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、バーコードおよび複数のペンダント基に直接結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列および複数のペンダント基に直接結合し得る。支持体は、複数のバーコードおよび複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列および複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、複数のバーコードおよび複数のペンダント基に直接結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列および複数のペンダント基に直接結合し得る。
【0146】
ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットを含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つのバーコードを含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの核酸バーコード配列を含み得る。ペンダント基は、バーコード(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックを含み得る。ペンダント基は、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックを含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つのバーコードと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダントは、少なくとも1つの捕捉部分と、バーコード(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダントは、少なくとも1つの捕捉部分と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つのバーコードと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、バーコード(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つのバーコードと、バーコード(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つのバーコードと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つのバーコードと、バーコード(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つのバーコードと、バーコード(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、バーコード(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つのバーコードと、バーコード(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。
【0147】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。支持体は、少なくとも1つのバーコードに結合し得る。支持体は、少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得る。支持体は、少なくとも1つのペンダントおよび少なくとも1つのバーコードに結合し得る。支持体は、少なくとも1つのペンダントおよび少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得る。支持体は、切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、捕捉部分は、切断可能なユニットの第2の位置に結合し得る。支持体の第1の位置は、少なくとも1つのバーコードに結合し得、支持体の第2の位置は、切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、捕捉部分は、切断可能なユニットの第2の位置に結合し得る。支持体の第1の位置は、少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得、支持体の第2の位置は、切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、捕捉部分は、切断可能なユニットの第2の位置に結合し得る。
【0148】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。支持体は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つのバーコードと、を含む、少なくとも1つのペンダント基を含み得る。支持体は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含む、少なくとも1つのペンダント基を含み得る。支持体は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つのバーコードと、を含む、少なくとも1つのペンダント基を含み得、少なくとも1つのペンダント基および少なくとも1つのバーコードが、当該支持体に別々に結合している。支持体は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含む、少なくとも1つのペンダント基を含み得、少なくとも1つのペンダント基および少なくとも1つの核酸バーコード配列が、当該支持体に別々に結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得る。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合し、バーコーディングのための構築ブロックが、少なくとも1つの捕捉部分に結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合し、バーコーディングのための構築ブロックが、少なくとも1つのバーコードおよび少なくとも1つの捕捉部分に結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合し、バーコーディングのための構築ブロックが、少なくとも1つの核酸バーコード配列および少なくとも1つの捕捉部分に結合している。支持体は、(a)少なくとも1つの切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、(b)バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第1の位置は、少なくとも1つの切断可能なユニットの第2の位置に結合し得、(c)少なくとも1つの捕捉部分は、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第2の位置に結合し得、(d)少なくとも1つのバーコードは、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第3の位置に結合し得る。支持体は、(a)少なくとも1つの切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、(b)バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第1の位置は、少なくとも1つの切断可能なユニットの第2の位置に結合し得、(c)少なくとも1つの捕捉部分は、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第2の位置に結合し得、(d)少なくとも1つの核酸バーコード配列は、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第3の位置に結合し得る。
【0149】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。複数のペンダント基は、少なくとも2個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも2個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも100個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1000個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10000個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1010個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1012個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1015個の同一のペンダント基を含み得る。
【0150】
捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質のN末端と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質のC末端と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質のN末端と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質のC末端と反応し得る。細胞の各ペプチドまたはタンパク質は、複数の捕捉部分によって捕捉され得る。支持体は、ペプチドまたはタンパク質分子ではない分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。支持体は、核酸分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。支持体は、リボ核酸分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。捕捉部分は、少なくとも1つの核酸分子と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのリボ核酸(RNA)分子と反応し得る。捕捉部分は、プライマー伸長によってRNAを捕捉し得る。捕捉されたRNAは、増幅され得る。
【0151】
捕捉部分は、抗体を含まなくてもよい。捕捉部分は、芳香族またはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含み得る。捕捉部分は、2-ピリジンカルボキシアルデヒドまたはその誘導体を含み得る。捕捉部分は、式(I)
を含み得、式中、Xが、置換もしくは非置換のアレーンジイル(C≦12)、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、Yが、水素または電子吸引性基であり、Rが、固体支持体に結合しているリンカーである。リンカーは、モノマーまたはポリマーを含み得る。リンカーは、ポリペプチド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ヘテロ環、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。リンカーは、少なくとも1つのオキソを含み得る。
【0152】
捕捉部分は、式(Ia)
を含み得、式中、Xが、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちのいずれかの置換バージョンであり、Yが、水素または電子吸引性基であり、当該捕捉部分が、制限のない価数のカルボニル基で当該切断可能なユニットに結合している。いくつかの実施形態では、Xは、アレーンジイル(C≦12)または置換アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ベンゼンジイルである。いくつかの実施形態では、Xは、ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ピリジンジイルである。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Yは、電子吸引性基である。いくつかの実施形態では、Yは、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、または式:-N(R)(R)(R)(Rの基からなる群から選択される電子吸引性基であり、式中、R、R、R、およびRが、各々、水素、アルキル(C≦8)、もしくは置換アルキル(C≦8)であるか、またはRが、存在せず、Rが存在しない場合、基が、中性である。
【0153】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
【0154】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
【0155】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下を含み得る:
。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、
を含み得る。
【0156】
支持体は、複数のバーコードを含み得、複数のバーコードが、バーコードを含む。支持体は、複数の核酸バーコード配列を含み得、複数の核酸バーコード配列が、核酸バーコードを含む。複数のバーコードは、実質的に同一であるバーコードを有し得る。複数の核酸バーコード配列は、実質的に同一であるバーコード配列を有し得る。バーコードは、核酸バーコード配列、アイソバリック質量タグ(例えば、タンデム質量タグ(TMT))、アミノ酸配列(例えば、アルギニンまたはポリアルギニン)、アンモニウム、フルオロフォア、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素)、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、オリゴヌクレオチド-ペプチドの対合物)であり得る。核酸バーコード配列は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。核酸バーコード配列は、オリゴマーであり得る。核酸バーコード配列は、ポリマーであり得る。核酸バーコード配列の長さは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、10,000、またはそれ以上の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、多くとも10,000、1,000、900、800、700、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、またはそれ以下の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約10,000の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約1,000の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約100の核酸塩基であり得る。アミノ酸バーコード配列は、オリゴマーであり得る。アミノ酸バーコード配列は、ポリマーであり得る。アミノ酸バーコード配列の長さは、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、10,000、またはそれ以上のアミノ酸残基であり得る。アミノ酸バーコード配列の長さは、多くとも10,000、1,000、900、800、700、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、またはそれ以下のアミノ酸残基であり得る。アミノ酸バーコード配列の長さは、約5~約10,000のアミノ酸残基であり得る。アミノ酸バーコード配列の長さは、約5~約100のアミノ酸残基であり得る。アミノ酸バーコード配列の長さは、約5~約20のアミノ酸残基であり得る。アイソバリック質量タグは、タンデム質量分析法(MS)を使用して、異なる試料中のタンパク質の同定および定量を可能にし得る。アイソバリック質量タグは、タンデム質量タグ(TMT)であり得る。タンデム質量タグは、別のタンデム質量タグとは異なるイオン化質量を有し得る。
【0157】
切断可能なユニットは、例えば、ジスルフィドなどの官能基を含み得る、切断可能なユニットは、例えば、酵素、求核性もしくは塩基性試薬、還元剤、光照射、求電子性もしくは酸性試薬、有機金属もしくは金属試薬、酸化試薬、またはそれらの組み合わせによって切断され得る。切断可能な基は、酸性の切断可能なアミノメチル基(例えば、リンク-アミド、Sieber、ペプチドアミドリンカー(PAL))、ヒドロキシメチル(Wang型)、トリチルまたはクロロトリチル、アリール-ヒドラジンリンカーであり得る。切断可能な基は、例えば、アロックリンカー、ヒドラジン切断可能な基などの金属切断可能な基、または例えば、ニトロベンジル系(例えば、4-[4-(1-(Fmoc-アミノ)エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ]ブタン酸)もしくはカルボニル系リンカーなどの感光性の切断可能な基であり得る。切断可能なユニットは、TFAで切断され得る。
【0158】
リンカーは、バーコード用の構築ブロックを含み得る。リンカーは、核酸バーコード配列用の構築ブロックを含み得る。バーコード用の構築ブロックは、例えば、アミン(例えば、リジン)、アジド(例えば、アジドリジン)、アルキン(例えば、プロパギルグリシン)、またはチオール(例えば、システイン)を含み得る。核酸バーコード配列用の構築ブロックは、例えば、アミン(例えば、リジン)、アジド(例えば、アジドリジン)、アルキン(例えば、プロパギルグリシン)、またはチオール(例えば、システイン)を含み得る。バーコードの配列は、バーコード用の構築ブロックに結合し得る。核酸バーコード配列の配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。配列は、プライマー配列を含み得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに直接結合し得る。核酸バーコード配列は、プライマー配列に結合し得る。
【0159】
バーコードは、コンビナトリアルに組み立てられ得る。核酸バーコード配列は、コンビナトリアルに組み立てられ得る。バーコードは、支持体に結合しているプライマー配列を使用して、コンビナトリアルに組み立てられ得る。核酸バーコード配列は、支持体に結合しているプライマー配列を使用して、コンビナトリアルに組み立てられ得る。プライマー配列は、支持体に非直接的に結合し得る。プライマー配列は、バーコード用の構築ブロックを通じて支持体に非直接的に結合し得る。プライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックを通じて支持体に非直接的に結合し得る。コンビナトリアルアセンブリは、スプリット-プールサイクル、事前にコーティングされたオリゴヌクレオチドビーズ上でのストランドの伸長、またはそれらの組み合わせを使用して、達成され得る。
【0160】
プローブは、バーコードと相互作用し得る。バーコードと相互作用するプローブを用いて、バーコードを同定して、検出されるバーコードのシグナルまたは変化を得ることができる。核酸バーコード配列と相互作用するプローブを用いて、核酸バーコード配列を同定して、検出される核酸バーコード配列のシグナルまたは変化を得ることができる。プローブは、核酸バーコード配列に対合し得る。シグナルは、電気化学シグナル、光シグナル、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。光シグナルは、蛍光シグナル、生物発光シグナル、電気化学発光シグナル、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得る。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得、バーコードが、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの他方に結合し得る。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得、核酸バーコード配列が、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの他方に結合し得る。プローブは、発光物質および消光物質のうちの一方を含み得る。プローブは、発光物質および消光物質のうちの一方を含み得、バーコードが、発光物質および消光物質のうちの他方に結合し得る。プローブは、発光物質および消光物質のうちの一方を含み得、核酸バーコード配列が、発光物質および消光物質のうちの他方に結合し得る。プローブは、発光物質および消光物質のうちの一方を含み得、バーコードが、発光物質および消光物質のうちの他方に結合し得、バーコードが、光シグナルの消光時に同定され得る。プローブは、発光物質および消光物質のうちの一方を含み得、核酸バーコード配列が、発光物質および消光物質のうちの他方に結合し得、核酸バーコード配列が、光シグナルの消光時に同定され得る。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得、バーコードが、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの他方に結合し得、光シグナルが、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によって生成される。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得、核酸バーコード配列が、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの他方に結合し得、光シグナルが、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によって生成される。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得、バーコードが、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの他方に結合し得、光シグナルが、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)によって生成される。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得、核酸バーコード配列が、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの他方に結合し得、光シグナルが、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)によって生成される。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得、バーコードが、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの他方に結合し得、光シグナルが、電気化学発光共鳴エネルギー移動(ECRET)によって生成される。プローブは、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの一方を含み得、核酸バーコード配列が、エネルギー供与体およびエネルギー受容体のうちの他方に結合し得、光シグナルが、電気化学発光共鳴エネルギー移動(ECRET)によって生成される。バーコードは、例えば、ナノポア配列決定、FRET、BRET、ECRET、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、DNA-PAINT、複数のバーコード同定(例えば、MER-FISH)、またはそれらの任意の組み合わせなどの配列決定を用いて同定され得る。核酸バーコード配列は、例えば、ナノポア配列決定、FRET、BRET、ECRET、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、DNA-PAINT、複数のバーコード同定(例えば、MER-FISH)、またはそれらの任意の組み合わせなどの配列決定を用いて同定され得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、(c)は、アレイに隣接する少なくとも1つのタンパク質またはペプチドを提供することを含み得る。タンパク質またはペプチドは、アッセイに固定され得る。いくつかの実施形態では、(c)は、アレイに隣接する複数のタンパク質または複数のペプチドを提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、配列決定の前に、核酸バーコード配列が結合している少なくとも1つのタンパク質またはペプチドは、(a)アレイに隣接して提供され、(b)同定され、そして(c)少なくとも1つのタンパク質またはペプチドから除去され得る。いくつかの実施形態では、配列決定の前に、核酸バーコード配列が結合している複数のタンパク質または複数のペプチドは、(a)アレイに隣接して提供され、(b)同定され、そして(c)複数のタンパク質またはペプチドから除去され得る。いくつかの実施形態では、(a)の前に、ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも1つの標識で標識され得る。標識は、光標識であり得る。光標識は、フルオロフォアであり得る。フルオロフォアは、ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸に結合してこれを選択することができる。光標識は、ペプチドまたはタンパク質を蛍光配列決定するために使用することができる。捕捉部分を切断することによって、バーコードを少なくとも1つのタンパク質またはペプチドから除去し、それによって、同定される少なくとも1つのタンパク質またはペプチドを生成することができる。捕捉部分を切断することによって、バーコードを複数のタンパク質またはペプチドから除去し、それによって、同定される複数のタンパク質またはペプチドを生成することができる。捕捉部分を切断することによって、核酸バーコード配列を少なくとも1つのタンパク質またはペプチドから除去し、それによって、同定される少なくとも1つのタンパク質またはペプチドを生成することができる。捕捉部分を切断することによって、核酸バーコード配列を複数のタンパク質またはペプチドから除去し、それによって、同定される複数のタンパク質またはペプチドを生成することができる。捕捉部分は、逆転試薬または解放試薬で切断され得る。解放試薬は、ヒドラジン、オキシム、メトキシルアミン、アンモニア、トリフルオロ酢酸(TFA)、またはアニリンであり得る。逆転試薬は、ヒドラジン、オキシム、メトキシルアミン、アンモニア、またはアニリンであり得る。逆転試薬は、ヒドラジンであり得る。解放試薬は、TFAであり得る。解放試薬は、ヒドラジンおよびTFAであり得る。逆転試薬または解放試薬は、複数回適用され得る。解放条件は、2ステッププロセスであり得る。第1のステップは、切断可能なユニットを切断することを含み得、第2のステップは、イミダゾリノン付加物を切断することを含み得る。第1のステップの解放条件は、TFAを含み得、第2のステップの解放条件は、ヒドラジンを含み得る。解放条件は、単一ステッププロセスであり得る。切断可能なユニットは、TFAで切断され得る。イミダゾリノン付加物は、ヒドラジンで切断され得る。
【0162】
少なくとも1つのタンパク質またはペプチドを配列決定することは、(i)少なくとも1つのタンパク質またはペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つのサブセットを標識で標識することと、(ii)続いて標識を検出して、少なくとも1つのタンパク質もしくはペプチド、またはそれらの配列を同定することと、を含み得る。複数のタンパク質またはペプチドを配列決定することは、(i)複数のタンパク質またはペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つのサブセットを標識で標識することと、(ii)続いて標識を検出して、複数のタンパク質もしくはペプチド、またはそれらの配列を同定することと、を含み得る。標識は、光標識であり得る。光標識は、フルオロフォアであり得る。フルオロフォアは、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質のアミノ酸に結合してこれを選択することができる。光標識は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質を蛍光配列決定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、(ii)の前に、切断可能な基を切断することによって、標識を有する少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質を支持体から除去または解放することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのタンパク質またはペプチドを支持体から除去または解放した後、アレイに隣接する少なくとも1つのタンパク質またはペプチドの位置を同定することができる。タンパク質またはペプチドは、アッセイに固定され得る。アレイに隣接するタンパク質またはペプチドの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上の位置が同定される。アレイに隣接する少なくとも1つのタンパク質またはペプチドの位置は、顕微鏡法によって同定され得る。いくつかの実施形態では、顕微鏡法の前に、バーコードが結合している少なくとも1つのタンパク質またはペプチドは、スライドガラス上に広げられる。バーコードが結合している少なくとも1つのタンパク質またはペプチドは、溶液を含み得る。いくつかの実施形態では、顕微鏡法の前に、核酸バーコード配列が結合している少なくとも1つのタンパク質またはペプチドは、スライドガラス上に広げられる。核酸バーコード配列が結合している少なくとも1つのタンパク質またはペプチドは、溶液を含み得る。溶液は、多くとも、1M、1mM、1μM、0.9μM、0.8μM、0.7μM、0.6μM、0.5μM、0.4μM、0.3μM、0.2μM、0.1μM、90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、1nM 0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM、0.09nM、0.08nM、0.07nM、0.06nM、0.05nM、0.04nM、0.03nM、0.02nM、0.01nM、0.009nM、0.008nM、0.007nM、0.006nM、0.005nM、0.004nM、0.003nM、0.002nM、0.001nM、0.0001nM、もしくはそれ以下の、またはそれらから導出可能な任意の範囲の濃度まで希釈され得る。溶液は、約100nM~約0.0001nMの濃度まで希釈され得る。溶液は、約10nM~約0.0001nMの濃度まで希釈され得る。溶液は、約1nM~約0.0001nMの濃度まで希釈され得る。溶液は、約0.1nM~約0.0001nMの濃度まで希釈され得る。溶液は、約0.1nM~約0.001nMの濃度まで希釈され得る。タンパク質またはペプチドの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上の情報が同定され得る。
【0163】
タンパク質またはペプチドを配列決定することは、分解試薬を使用して実施され得る。タンパク質またはペプチドを配列決定することは、タンパク質またはペプチドのN末端を切断する分解試薬を使用することによって、実施され得る。タンパク質またはペプチドを配列決定することは、タンパク質またはペプチドのC末端を切断する分解試薬を使用することによって、実施され得る。ペプチドまたはタンパク質は、例えば、単一分子フィンガープリンティング、ナノポア配列決定、単一分子配列決定(例えば、N末端親和性抗体配列決定)、樹脂上に固定されたペプチドもしくはタンパク質上の抗体、またはそれらの任意の組み合わせを使用して同定され得る。単一分子配列決定は、単一分子分析能を提供することができる。
【0164】
いくつかの実施形態では。(a)は、複数の液滴のうちの1つの液滴を提供することを含み、液滴が、混合物を含む。混合物は、細胞以外を含まなくてもよい。混合物は、複数の細胞以外を含まなくてもよい。細胞を溶解し、それによって溶解された細胞を形成してもよい。細胞を溶解し、それによって溶解された細胞を形成してもよく、溶解された細胞が、細胞の複数のタンパク質またはペプチドを解放するかまたはこれらを到達可能にし、複数のタンパク質またはペプチドが、タンパク質またはペプチドを含む。細胞の複数のタンパク質またはペプチドを消化し、それによって別の複数のタンパク質またはペプチドを形成してもよい。複数のタンパク質またはペプチドは、支持体に結合している複数の捕捉部分によって捕捉され得る。
【0165】
いくつかの実施形態では。(a)は、複数のウェルのうちの1つのウェルを提供することを含み、ウェルが、混合物を含む。混合物は、細胞以外を含まなくてもよい。混合物は、複数の細胞以外を含まなくてもよい。細胞を溶解し、それによって溶解された細胞を形成してもよい。細胞を溶解し、それによって溶解された細胞を形成してもよく、溶解された細胞が、細胞の複数のタンパク質またはペプチドを解放するかまたはこれらを到達可能にし、複数のタンパク質またはペプチドが、タンパク質またはペプチドを含む。細胞の複数のタンパク質またはペプチドを消化し、それによって別の複数のタンパク質またはペプチドを形成してもよい。複数のタンパク質またはペプチドは、支持体に結合している複数の捕捉部分によって捕捉され得る。
【0166】
ある特定の態様では、本開示は、(i)バーコード、および(ii)タンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分が結合している支持体を含む組成物を提供し、捕捉部分が、抗体ではない。別の態様では、本開示は、(i)核酸バーコード配列、および(ii)タンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分が結合している支持体を含む組成物を提供し、捕捉部分が、抗体ではない。
【0167】
ある特定の態様では、本開示は、(i)バーコード、および(ii)芳香族またはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含む捕捉部分が結合している支持体を含む組成物を提供する。ある特定の態様では、本開示は、(i)核酸バーコード配列、および(ii)芳香族またはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含む捕捉部分が結合している支持体を含む組成物を提供する。ある特定の態様では、本開示は、(i)核酸バーコード配列、および(ii)2-ピリジンカルボキシアルデヒドまたはその誘導体を含む捕捉部分が結合している支持体を含む、組成物を提供する。
【0168】
バーコードは、リンカーを通じて支持体に結合し得る。核酸バーコード配列は、リンカーを通じて支持体に結合し得る。リンカーは、少なくとも2つ、またはそれ以上の分子に結合し得る。リンカーは、少なくとも3つ、またはそれ以上の分子に結合し得る。リンカーは、切断可能なユニットと、核酸配列をバーコーディングするための構築ブロックと、を含み得る。リンカーは、ホモ官能性またはヘテロ官能性リンカーであり得る。リンカーは、切断可能なリンカー、クロスリンカー、二官能性リンカー、三官能性リンカー、多官能性リンカー、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。リンカーは、例えば、アミン、スルフヒドリル、酸、アルコール、ブロミド、マレアミド、スクシンイミジルエステル(NHS)、スルホスクシンイミジルエステル、ジスルフィド、アジド、アルキン、イソチオシアネート(ITC)、またはそれらの組み合わせなどの官能基を含み得る。リンカーは、例えば、Boc、Fmoc、アルキルエステル、Cbz、またはそれらの組み合わせなどの保護された官能基を含み得る。核酸バーコード配列は、当該支持体に直接結合し得る。
【0169】
リンカーは、ビーズに共有結合する共役基(例えば、オキソ)を含み得る。リンカーは、プローブの任意の構成要素(例えば、捕捉部分、固体支持体、バーコード配列決定用の構築ブロック、バーコード、または切断可能なユニット)間にスペーサを提供し得る。リンカーは、固体支持体と捕捉部分との間にスペーサを提供し得る。リンカーは、例えば、モノマーもしくはポリマー形態のアルカン、アルケン、ヘテロ環、エチレングリコール、アミド、またはペプチド(例えば、ポリ-アルギニン)であり得る。リンカーは、例えば、リンクリンカー、光で切断可能な官能基、または塩基で切断可能な官能基などの切断可能な基を含み得る。リンカーは、下流の分析のための特性を向上させる少なくとも1つの内部官能基(例えば、リンカーに構築される荷電した少なくとも1つの官能基(例えば、イオン化を増加させるアルギニン)、(例えば、単一分子配列決定のための)核酸バーコード、または(c)(例えば、質量分析法定量のための)アイソバリック標識を含むアミノ酸を含み得る。
【0170】
支持体は、固体支持体または半固体支持体であり得る。固体支持体または半固体支持体は、ビーズであり得る。ビーズは、ゲルビーズであり得る。ビーズは、ポリマービーズであり得る。支持体は、樹脂であり得る。非限定的な支持体は、例えば、アガロース、セファロース、ポリスチレン、ポリエチレングリコール(PEG)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。支持体は、ポリスチレンビーズであり得る。支持体は、例えば、アミン、スルフヒドリル、酸、アルコール、ブロミド、マレアミド、スクシンイミジルエステル(NHS)、スルホスクシンイミジルエステル、ジスルフィド、アジド、アルキン、イソチオシアネート(ITC)、またはそれらの組み合わせなどの官能基を含み得る。支持体は、PEGA樹脂であり得る。支持体は、アミノPEGA樹脂であり得る。支持体は、アミン基を含み得る。支持体は、例えば、Boc、Fmoc、アルキルエステル、Cbz、またはそれらの組み合わせなどの保護された官能基を含み得る。ビーズは、金属コアを含有し得る。ビーズは、ポリマー磁気ビーズであり得る。ポリマー磁気ビーズは、酸化金属を含み得る。支持体は、少なくとも1つの酸化金属コアを含み得る。
【0171】
支持体は、核酸バーコード配列をそこに結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列をそこに直接結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列をそこに結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列をそこに直接結合し得る。支持体は、ペンダント基に結合し得る。支持体は、複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列およびペンダント基に結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列およびペンダント基に直接結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列および複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列および複数のペンダント基に直接結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列および複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列および複数のペンダント基に直接結合し得る。
【0172】
ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットを含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの核酸バーコード配列を含み得る。ペンダント基は、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックを含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダントは、少なくとも1つの捕捉部分と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。
【0173】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。支持体は、少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得る。支持体は、少なくとも1つのペンダントおよび少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得る。支持体は、切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、捕捉部分は、切断可能なユニットの第2の位置に結合し得る。支持体の第1の位置は、少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得、支持体の第2の位置は、切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、捕捉部分は、切断可能なユニットの第2の位置に結合し得る。
【0174】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。支持体は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含む、少なくとも1つのペンダント基を含み得る。支持体は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含む、少なくとも1つのペンダント基を含み得、少なくとも1つのペンダント基および少なくとも1つの核酸バーコード配列が、当該支持体に別々に結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得る。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合し、バーコーディングのための構築ブロックが、少なくとも1つの捕捉部分に結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合し、バーコーディングのための構築ブロックが、少なくとも1つの核酸バーコード配列および少なくとも1つの捕捉部分に結合している。支持体は、(a)少なくとも1つの切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、(b)バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第1の位置は、少なくとも1つの切断可能なユニットの第2の位置に結合し得、(c)少なくとも1つの捕捉部分は、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第2の位置に結合し得、(d)少なくとも1つの核酸バーコード配列は、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第3の位置に結合し得る。
【0175】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。複数のペンダント基は、少なくとも2個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも2個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも100個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1000個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10000個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1010個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1012個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1015個の同一のペンダント基を含み得る。
【0176】
捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質のN末端と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質のC末端と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質のN末端と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質のC末端と反応し得る。細胞の各ペプチドまたはタンパク質は、複数の捕捉部分によって捕捉され得る。支持体は、ペプチドまたはタンパク質ではない分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。支持体は、核酸分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。支持体は、リボ核酸分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。捕捉部分は、少なくとも1つの核酸分子と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのリボ核酸(RNA)分子と反応し得る。捕捉部分は、プライマー伸長によってRNAを捕捉し得る。捕捉されたRNAは、増幅され得る。
【0177】
捕捉部分は、抗体を含まなくてもよい。捕捉部分は、アルデヒドを含み得る。捕捉部分は、アルデヒド保護基を含み得る。アルデヒド保護基は、アセタールであり得る。アルデヒド保護基は、1,3-ジオキサンまたは1,3-ジオキソランであり得る。捕捉部分は、式(I)
を含み得、式中、Xが、置換もしくは非置換のアレーンジイル(C≦12)、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、Yが、水素または電子吸引性基であり、Rが、固体支持体に結合しているリンカーである。リンカーは、モノマーまたはポリマーを含み得る。リンカーは、ポリペプチド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ヘテロ環、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。リンカーは、少なくとも1つのオキソを含み得る。
【0178】
捕捉部分は、2-ピリジンカルボキシアルデヒドまたはその誘導体を含み得る。捕捉部分は、式(Ia)
を含み得、式中、Xが、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちのいずれかの置換バージョンであり、Yが、水素または電子吸引性基であり、当該捕捉部分が、制限のない価数のカルボニル基で当該切断可能なユニットに結合している。いくつかの実施形態では、Xは、アレーンジイル(C≦12)または置換アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ベンゼンジイルである。いくつかの実施形態では、Xは、ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ピリジンジイルである。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Yは、電子吸引性基である。いくつかの実施形態では、Yは、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、または式:-N(R)(R)(R)(Rの基からなる群から選択される電子吸引性基であり、式中、R、R、R、およびRが、各々、水素、アルキル(C≦8)、もしくは置換アルキル(C≦8)であるか、またはRが、存在せず、Rが存在しないとき、基が、中性である。
【0179】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
【0180】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
。いくつかの実施形態では、Rは、リンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、モノマーまたはポリマーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、ポリペプチド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ヘテロ環、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも1つのオキソを含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
【0182】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、
を含み得る。
【0183】
支持体は、複数の核酸バーコード配列を含み得、複数の核酸バーコード配列が、核酸バーコードを含む。複数の核酸バーコード配列は、実質的に同一であるバーコード配列を有し得る。核酸バーコード配列は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。核酸バーコード配列は、オリゴマーであり得る。核酸バーコード配列は、ポリマーであり得る。核酸バーコード配列の長さは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、10,000、またはそれ以上の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、多くとも10,000、1,000、900、800、700、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、またはそれ以下の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約10,000の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約1,000の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約100の核酸塩基であり得る。
【0184】
切断可能なユニットは、例えば、ジスルフィドなどの官能基を含み得る、切断可能なユニットは、例えば、酵素、求核性もしくは塩基性試薬、還元剤、光照射、求電子性もしくは酸性試薬、有機金属もしくは金属試薬、酸化試薬、またはそれらの組み合わせによって切断され得る。切断可能な基は、酸性の切断可能なアミノメチル基(例えば、リンク-アミド、Sieber、ペプチドアミドリンカー(PAL))、ヒドロキシメチル(Wang型)、トリチルまたはクロロトリチル、アリール-ヒドラジンリンカーであり得る。切断可能な基は、例えば、アロックリンカー、ヒドラジン切断可能な基などの金属切断可能な基、または例えば、ニトロベンジル系(例えば、4-[4-(1-(Fmoc-アミノ)エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ]ブタン酸)、エステル系リンカー、もしくはカルボニル系リンカーなどの感光性の切断可能な基であり得る。
【0185】
リンカーは、核酸バーコード配列用の構築ブロックを含み得る。核酸バーコード配列用の構築ブロックは、例えば、アミン(例えば、リジン)、アジド(例えば、アジドリジン)、アルキン(例えば、プロパギルグリシン)、またはチオール(例えば、システイン)を含み得る。核酸バーコード配列の配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。配列は、プライマー配列を含み得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに直接結合し得る。核酸バーコード配列は、プライマー配列に結合し得る。核酸バーコード配列は、コンビナトリアルに組み立てられ得る。核酸バーコード配列は、支持体に結合しているプライマー配列を使用して、コンビナトリアルに組み立てられ得る。プライマー配列は、支持体に非直接的に結合し得る。プライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックを通じて支持体に非直接的に結合し得る。コンビナトリアルアセンブリは、スプリット-プールサイクル、事前にコーティングされたオリゴヌクレオチドビーズ上でのストランドの伸長、またはそれらの組み合わせを使用して、達成され得る。
【0186】
ある特定の態様では、本開示は、空間的プロテオミクスを実施する方法であって、(a)複数のタンパク質またはペプチドを含む組織に複数の支持体を導入する工程であって、複数の支持体のうちの単一の支持体が、組織の1つの領域に接触し、複数の支持体のうちの単一の支持体が、特有のバーコードおよび捕捉部分を含む、工程と、(b)捕捉部分を使用して、複数のタンパク質またはペプチドのうちの1つのタンパク質またはペプチドを捕捉する工程と、(c)特有のバーコードを使用して、タンパク質またはペプチドが由来する組織の位置を同定する工程と、(d)タンパク質またはペプチドの配列を決定する工程と、(c)で同定した位置を、(d)で決定した配列と関連付ける工程と、を含む、方法を提供する。
【0187】
組織は、生物学的試料に由来し得る。生物学的試料は、任意の生物に由来し得る。生物学的試料は、生物の任意の臓器に由来し得る。生物学的試料としては、例えば、脳、心臓、肺、呼吸器系、皮膚、外皮系、乳房、目、骨、胃腸系、脊椎、筋骨格系、尿路系、腎臓系、生殖器系、壁内瘻、膵臓、肝臓、胆嚢、リンパ系、神経系、循環器系、内分泌系、またはそれらの任意の組み合わせに由来する組織を挙げることができる。組織は、複数の細胞を含み得る。組織または細胞は、クロスリンカーで修飾され得る。組織または細胞は、膨張顕微鏡法に記載のように膨張され得る。
【0188】
支持体は、スライドガラスに直接結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列を含まなくてもよい。支持体は、切断可能な基を含み得る。組織、またはそれに由来する細胞は、支持体を含むスライドガラスと接触し得る。組織またはそれに由来する細胞に由来する複数のペプチドまたはタンパク質は、支持体に結合している捕捉部分に結合し得る。組織に由来する細胞は、溶解され得る。組織に由来する細胞は、溶解され得、細胞に由来するタンパク質またはペプチドは、消化され得る。捕捉部分は、ペプチドまたはタンパク質のN末端を捕捉することができる分子を含み得る。捕捉部分は、ペプチドまたはタンパク質のC末端を捕捉することができる分子を含み得る。捕捉部分は、例えば、ペプチドまたはタンパク質の、システインまたはリジンなどの内部アミノ酸を捕捉することができる分子を含み得る。捕捉されるペプチド(複数可)、タンパク質(複数可)、またはそれらの組み合わせは、捕捉部分または複数の捕捉部分によって捕捉され得る。捕捉されたペプチド(複数可)、タンパク質(複数可)、またはそれらの組み合わせは、スライドガラスに結合している支持体に固定され得る。支持体に固定されたペプチドまたはタンパク質は、標識され得る。ペプチドまたはタンパク質は、測定可能なシグナルを提供する分子で標識され得る。ペプチドまたはタンパク質は、光標識で標識され得る。光標識は、蛍光標識であり得る。光標識は、フルオロフォアであり得る。捕捉および標識されたペプチド(複数可)、タンパク質(複数可)、またはそれらの組み合わせは、スライドガラス上で同定され得る。同定は、顕微鏡法によって行われ得る。捕捉および標識されたペプチド(複数可)、タンパク質(複数可)、またはそれらの組み合わせは、スライドガラス上で配列決定され得る。捕捉および標識されたペプチド(複数可)、タンパク質(複数可)、またはそれらの組み合わせは、切断可能な基を切断することによってスライドガラスから切断され得る。切断、捕捉、および標識されたペプチド(複数可)、タンパク質(複数可)、またはそれらの組み合わせは、配列決定され得る。ペプチド(複数可)、タンパク質(複数可)、またはそれらの組み合わせは、蛍光配列決定を使用して配列決定され得る。
【0189】
ある特定の態様では、本開示は、複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを保存または安定化する方法であって、複数の捕捉部分を含む複数の支持体を使用して、ペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを捕捉する工程を含み、複数の捕捉部分のうちの1つの捕捉部分が、(i)抗体ではないか、または(ii)2-ピリジンカルボキシアルデヒドもしくはその誘導体を含む、方法を提供する。当該複数の支持体のうちの1つの支持体は、特有の核酸バーコード配列を含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、複数の捕捉部分で捕捉された複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを保存する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数の捕捉部分で捕捉された複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを洗浄し、それによって捕捉されていない分子を除去する工程をさらに含む。
【0190】
ある特定の態様では、本開示は、支持体に結合している核酸バーコード配列を生成するための方法であって、(a)タンパク質またはペプチドおよび核酸セグメントを捕捉するように構成されている捕捉部分が結合している当該支持体を提供する工程と、(b)当該核酸バーコード配列を当該核酸セグメントへとコンビナトリアルアセンブリングする工程と、を含む、方法を提供する。コンビナトリアルアセンブリングは、核酸セグメントまたはその誘導体に1回以上のスプリット-プールサイクルを施すことを含み得る。
【0191】
支持体は、固体支持体または半固体支持体であり得る。固体支持体または半固体支持体は、ビーズであり得る。ビーズは、ゲルビーズであり得る。ビーズは、ポリマービーズであり得る。支持体は、樹脂であり得る。非限定的な支持体は、例えば、アガロース、セファロース、ポリスチレン、ポリエチレングリコール(PEG)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。支持体は、ポリスチレンビーズであり得る。支持体は、例えば、アミン、スルフヒドリル、酸、アルコール、ブロミド、マレアミド、スクシンイミジルエステル(NHS)、スルホスクシンイミジルエステル、ジスルフィド、アジド、アルキン、イソチオシアネート(ITC)、またはそれらの組み合わせなどの官能基を含み得る。支持体は、PEGA樹脂であり得る。支持体は、アミノPEGA樹脂であり得る。支持体は、アミン基を含み得る。支持体は、例えば、Boc、Fmoc、アルキルエステル、Cbz、またはそれらの組み合わせなどの保護された官能基を含み得る。ビーズは、金属コアを含有し得る。ビーズは、ポリマー磁気ビーズであり得る。ポリマー磁気ビーズは、酸化金属を含み得る。支持体は、少なくとも1つの酸化金属コアを含み得る。
【0192】
支持体は、核酸バーコード配列をそこに結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列をそこに直接結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列をそこに結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列をそこに直接結合し得る。支持体は、ペンダント基に結合し得る。支持体は、複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列およびペンダント基に結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列およびペンダント基に直接結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列および複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、核酸バーコード配列および複数のペンダント基に直接結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列および複数のペンダント基に結合し得る。支持体は、複数の核酸バーコード配列および複数のペンダント基に直接結合し得る。
【0193】
ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットを含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの核酸バーコード配列を含み得る。ペンダント基は、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックを含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダントは、少なくとも1つの捕捉部分と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。ペンダント基は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの切断可能なユニットと、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、核酸バーコード配列(複数可)用の少なくとも1つの構築ブロックと、を含み得る。
【0194】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。支持体は、少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得る。支持体は、少なくとも1つのペンダントおよび少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得る。支持体は、切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、捕捉部分は、切断可能なユニットの第2の位置に結合し得る。支持体の第1の位置は、少なくとも1つの核酸バーコード配列に結合し得、支持体の第2の位置は、切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、捕捉部分は、切断可能なユニットの第2の位置に結合し得る。
【0195】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。支持体は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含む、少なくとも1つのペンダント基を含み得る。支持体は、少なくとも1つの捕捉部分と、少なくとも1つの核酸バーコード配列と、を含む、少なくとも1つのペンダント基を含み得、少なくとも1つのペンダント基および少なくとも1つの核酸バーコード配列が、当該支持体に別々に結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得る。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合し、バーコーディングのための構築ブロックが、少なくとも1つの捕捉部分に結合している。支持体は、少なくとも1つの切断可能なユニットに結合し得、切断可能なユニットが、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックに結合し、バーコーディングのための構築ブロックが、少なくとも1つの核酸バーコード配列および少なくとも1つの捕捉部分に結合している。支持体は、(a)少なくとも1つの切断可能なユニットの第1の位置に結合し得、(b)バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第1の位置は、少なくとも1つの切断可能なユニットの第2の位置に結合し得、(c)少なくとも1つの捕捉部分は、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第2の位置に結合し得、(d)少なくとも1つの核酸バーコード配列は、バーコーディングのための少なくとも1つの構築ブロックの第3の位置に結合し得る。
【0196】
支持体は、少なくとも1つのペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得る。支持体は、複数のペンダントに結合し得、当該複数のペンダント基のペンダント基が、実質的に同一であり得る。複数のペンダント基は、少なくとも2個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも2個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも100個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1000個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10000個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも10個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1010個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1012個の同一のペンダント基を含み得る。複数のペンダント基は、少なくとも1015個の同一のペンダント基を含み得る。
【0197】
捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質のN末端と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質のC末端と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質のN末端と反応し得る。捕捉部分は、1つのペプチドまたはタンパク質のC末端と反応し得る。細胞の各ペプチドまたはタンパク質は、複数の捕捉部分によって捕捉され得る。支持体は、ペプチドまたはタンパク質ではない分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。支持体は、核酸分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。支持体は、リボ核酸分子を捕捉することができる、捕捉部分をさらに含み得る。捕捉部分は、少なくとも1つの核酸分子と反応し得る。捕捉部分は、少なくとも1つのリボ核酸(RNA)分子と反応し得る。捕捉部分は、プライマー伸長によってRNAを捕捉し得る。捕捉されたRNAは、増幅され得る。
【0198】
捕捉部分は、抗体を含まなくてもよい。捕捉部分は、2-ピリジンカルボキシアルデヒドまたはその誘導体を含み得る。捕捉部分は、式(I)
を含み得、式中、Xが、置換もしくは非置換のアレーンジイル(C≦12)、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル(C≦12)であり、Yが、水素または電子吸引性基であり、Rが、固体支持体に結合しているリンカーである。リンカーは、モノマーまたはポリマーを含み得る。リンカーは、ポリペプチド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ヘテロ環、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。リンカーは、少なくとも1つのオキソを含み得る。
【0199】
捕捉部分は、式(Ia)
を含み得、式中、Xが、アレーンジイル(C≦12)、ヘテロアレーンジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちのいずれかの置換バージョンであり、Yが、水素または電子吸引性基であり、当該捕捉部分が、制限のない価数のカルボニル基で当該切断可能なユニットに結合している。いくつかの実施形態では、Xは、アレーンジイル(C≦12)または置換アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、アレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ベンゼンジイルである。いくつかの実施形態では、Xは、ヘテロアレーンジイル(C≦12)または置換ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ヘテロアレーンジイル(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Xは、ピリジンジイルである。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Yは、電子吸引性基である。いくつかの実施形態では、Yは、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、または式:-N(R)(R)(R)(Rの基からなる群から選択される電子吸引性基であり、式中、R、R、R、およびRが、各々、水素、アルキル(C≦8)、もしくは置換アルキル(C≦8)であるか、またはRが、存在せず、Rが存在しないとき、基が、中性である。
【0200】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
【0201】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
【0202】
いくつかの実施形態では、捕捉部分は、以下から選択される基を含み得る:
。いくつかの実施形態では、捕捉部分は、
を含み得る。
【0203】
支持体は、複数の核酸バーコード配列を含み得、複数の核酸バーコード配列が、核酸バーコードを含む。複数の核酸バーコード配列は、実質的に同一であるバーコード配列を有し得る。核酸バーコード配列は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。核酸バーコード配列は、オリゴマーであり得る。核酸バーコード配列は、ポリマーであり得る。核酸バーコード配列の長さは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、10,000、もしくはそれ以上、またはそれらから導出可能な任意の範囲の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、多くとも10,000、1,000、900、800、700、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、もしくはそれ以下、またはそれらから導出可能な任意の範囲の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約10,000の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約1,000の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列の長さは、約10~約100の核酸塩基であり得る。核酸バーコード配列は、コンビナトリアルアセンブリ技法を使用して組み立てられ得る。コンビナトリアルアセンブリ技法は、スプリットプール技法であり得る。スプリットプール技法は、特有のバーコード配列を有する支持体を提供し得る。特有のバーコード配列は、支持体に直接結合し得る。特有のバーコード配列は、ペンダント基を通じて支持体に非直接的に結合し得る。スプリットプール技法は、支持体を提供し得、支持体に結合している各ペンダント基が、支持体と関連付けられた特有のバーコード配列を有する。
【0204】
切断可能なユニットは、例えば、ジスルフィドなどの官能基を含み得る。切断可能なユニットは、例えば、酵素、求核性もしくは塩基性試薬、還元剤、光照射、求電子性もしくは酸性試薬、有機金属もしくは金属試薬、酸化試薬、またはそれらの組み合わせによって切断され得る。切断可能な基は、酸性の切断可能なアミノメチル基(例えば、リンク-アミド、Sieber、ペプチドアミドリンカー(PAL))、ヒドロキシメチル(Wang型)、トリチルまたはクロロトリチル、アリール-ヒドラジンリンカーであり得る。切断可能な基は、例えば、アロックリンカー、ヒドラジン切断可能な基などの金属切断可能な基、または例えば、ニトロベンジル系(例えば、4-[4-(1-(Fmoc-アミノ)エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ]ブタン酸)もしくはカルボニル系リンカーなどの感光性の切断可能な基であり得る。
【0205】
リンカーは、核酸バーコード配列用の構築ブロックを含み得る。核酸バーコード配列用の構築ブロックは、例えば、アミン(例えば、リジン)、アジド(例えば、アジドリジン)、アルキン(例えば、プロパギルグリシン)、またはチオール(例えば、システイン)を含み得る。核酸バーコード配列の配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。配列は、プライマー配列を含み得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに結合し得る。核酸バーコード配列のプライマー配列は、核酸バーコード配列用の構築ブロックに直接結合し得る。核酸バーコード配列は、プライマー配列に結合し得る。
【実施例
【0206】
III.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれている。以下の実施例に開示される技法は、本発明の実施において良好に機能するように本発明者によって発見された技法を表し、したがって、その実施のための好ましい態様を構成していると見なすことができることが、当業者には理解されるべきである。しかしながら、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、開示の特定の実施形態において多くの変更が行われ得るが、依然として似たまたは同様の結果を得ることができることを、本開示に照らして当業者は理解する。
【0207】
材料および方法
ペプチド合成-方法1。Liberty Blue Microwave Peptide Synthesizer(CEM Corporation)を使用して、試験用ペプチドを合成した。溶媒(1:1:1)としてジメチルホルムアミド(DMF)を使用するDIC/Oxyma結合戦略を使用して、一般的なFmoc保護誘導体(P3 Biosystems)としてすべてのアミノ酸を組み込んだ。90℃で120秒間、ペプチドを結合させた。90℃で60秒間、20%のピペリジンを用いてFmoc基を除去した。トリフルオロ酢酸、トリイソプロピルシラン、およびHO(95:2.5:2.5等量)を含有する標準的なカクテルを室温で2.5時間使用して、ペプチドを樹脂から切断し、その後、ペプチド混合物を窒素流下で濃縮させ、10体積のジエチルエーテルを添加することによって、試料を沈殿させ、10分間7,000gで遠心分離することによって収集した。Grace-Vydac C18カラム(4.6×250mm)および0~50%のアセトニトリル(0.1%のギ酸)を使用する逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を使用して、60分かけてペプチドを精製した。質量分析法によって画分を分析し、純粋なペプチドを凍結乾燥させた。
【0208】
ペプチド合成-方法2:自動マイクロ波補助固相ペプチド合成(Liberty Blue Microwave Synthesizer、CEM Corporation)を使用して、すべてのペプチドを合成した。標準的なFmoc化学反応を使用するDIC/Oxyma結合戦略(アミノ酸に対して1:1:1の比)を使用して、合成を実施した。結合ステップを90℃で120秒間実施し、DMF中20%のピペリジンを90℃で60秒間使用して、脱保護を実施した。トリフルオロ酢酸(TFA)、トリイソプロピルシラン(TIS)、およびHO(95:2.5:2.5)を2.5時間使用して、すべてのペプチドを樹脂から切断し、その後切断溶液を窒素流下で濃縮させた。氷冷したジエチルエーテルでペプチドを沈殿させ、10分間12,000gで遠心分離することによって、収集した。Grace-Vydac C18カラム(緩衝液A:HO+0.1%のギ酸、緩衝液B:メタノール+0.1%のギ酸)を使用して、10~60%の勾配をかけてペプチドを精製した。
【0209】
固定条件スクリーニング。dPBS中の6-ホルミルピリジン-2-カルボン酸(15μM)を含むdPBS中に溶解させたペプチド(5μM)を混合することによって、固定のための最良の条件を決定した。試験した条件は、温度37℃対60℃、pH7~9、触媒として1mMの5-メトキシアニリンの使用または不使用であった。適切な条件で16時間、試料をインキュベートした。上清を樹脂から分離し、RP-HPLCによって分離し、RP-HPLC投入物と比較した。
【0210】
固定樹脂の調製-方法A。プロチド-アミンポリスチレン樹脂(CEM Corporation)を3つの異なるリンカー:(1)Fmocリンクリンカー、(2)リンカーなし、または(3)3つのグリシン残基と結合させた。リンカーを、各々20分間、HCTU(4等量)およびDIEA(8等量)と4.4等量で結合させた。DMF中室温で、HCTU(2等量)およびジイソプロピルエチルアミン(6等量)を1時間使用して、6-ホルミルピリジン-2-カルボン酸(Enamine)(2.2等量)を、これらのリンカーに結合させた。次いで、これをDMFでしっかりと洗浄し、4℃で保存した。
【0211】
アルデヒド捕捉樹脂の調製-方法B:アミノPEGA樹脂(Novabiochem)を使用し、これを、HCTU/DIEA(1:1:1.1の比)の化学反応結合を45分間使用して、Fmoc-Peg2-OH、リンクリンカー、および6-ホルミルピリジン-2-カルボン酸で官能化した。各々5分間2回、DMF中20%のピペリジンを使用して、脱保護を行った。使用前に、樹脂をDMF中4℃で保存した。
【0212】
ペプチド捕捉。樹脂を採取し、室温に戻した。樹脂のアリコートを採取し、DMF、HO、およびDulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水(dPBS)中でしっかりとすすいだ。ペプチドをdPBS中で固定し、5-メトキシアニリンを1mMまで添加した。次いで、ペプチド-アニリン混合物を樹脂に添加し、ボルテックスを介してしっかりと混合した。樹脂を60℃で16時間インキュベートし、上清をビーズから分離した。RP-HPLCを使用する分析を実施して、最初のHPLCのペプチド溶液を等しい注入量のペプチドを使用した結合上清に対して比較することによって、ビーズの充填割合を決定した。
【0213】
溶液中でのN末端ペプチド捕捉:ペプチドを、pH7.5の50mMのリン酸緩衝液中4モル等量のアルデヒドと混合する。次いで、精製または分析の前に、これを37℃で8~16時間インキュベートする。使用したすべてのアルデヒドは、100mMでDMFに溶解させ、最終濃度まで希釈する。次いで、試料をLC/MSによって分析する。HPLCに残留している残留している未反応のペプチドを定量することによって、アミナール形成を決定した。
【0214】
樹脂に基づくペプチド捕捉:捕捉樹脂を採取し、DMF、水、およびpH7.5の50mMのリン酸緩衝液中で洗浄する。各洗浄は、溶媒中で5分のインキュベーションを含む。次いでpH7.5の50mMのリン酸緩衝液中の樹脂にペプチドを添加し、37℃で16~24時間インキュベートする。次に、インキュベーション緩衝液、水、および最後にDMF中で樹脂をしっかりと洗浄する。誘導体化後、水、DMF、および最後にDCM中で樹脂をしっかりと洗浄する。95%のTFA、2.5%のTIS、および2.5%のHO中で、ペプチドを樹脂から切断する。質量分析法分析の前に、TFAをN流下で濃縮させ、エーテル沈殿させる。
【0215】
ペプチド解放。HO中、次いでdPBS中で樹脂を洗浄し、dPBS中15分間の、少なくとも1回のインキュベーションを行った。60℃で16時間、樹脂を50mMのフェニルヒドラジンとインキュベートすることによって、ペプチドの解放が始まった。次いで、濾過を通じて単離することができるペプチドを上清に含有させる。RP-HPLC投入時のペプチドを、樹脂から解放されたペプチドと比較することによって、全体的な収量を計算した。
【0216】
アミナールキャップの可逆性:まず、標準的な溶液(4mMのアルデヒドおよび1mMのペプチド)中での反応手順に従って、4-ニトロベンズアルデヒド、2-ピリジニルカルボキシアルデヒド、または3-ホルミルイソキノリンと、ペプチドを反応させた。次いで、Grace-Vydac C18 RP-HPLCカラムを使用して、これらのペプチドを精製し、LC/MSによって分析し、凍結乾燥させた。可逆性試験では、0.3Mのジメチルアミノエチルヒドラジン、または0.3Mのメトキシアミンのいずれか中に、キャップされたペプチドを再懸濁させた。試料を60℃でインキュベートし、次いで各時点でHPLCおよび質量分析法によって分析した。キャップされたペプチドのHPLCピークの積分を経時的に比較することによって、解放された割合を決定した。
【0217】
N末端ペプチド捕捉についての様々なアルデヒドのスクリーニング。pH7.5の50mMのリン酸ナトリウム緩衝液中1mMのSer-Gly-Trpペプチドを、各アルデヒド(4mMの最終濃度)と混合し、DMF中に溶解させた。LC-MS分析緩衝液A:HO+0.1%のギ酸、緩衝液B:MeCN+0.1%のギ酸の前に、37℃で6時間、これらを振盪させた。各反応を3回実施した。
【0218】
N末端アミンに対する選択性の試験。pH7.5の50mMのリン酸ナトリウム緩衝液中1mMでSer-Gly-Lys-Trpペプチドを溶解させ、37℃で6時間、アルデヒド(4mMの最終濃度)とインキュベートした。
【0219】
細胞成長条件:10%の胎児ブロス血清を含む37℃のDulbecco’s Modified Eagle Medium、および5%のCO中、HEK-293T細胞を成長させた。70~80%の合流点で細胞を継代させた。
【0220】
HEK溶解物の消化および捕捉:80%の合流点まで細胞を成長させ、PBS中で収穫し、3分間500gでペレット化した。次いで、pH8の低張の50mMのTris-HCl緩衝液中に細胞を懸濁させ、氷上に置いた。1×濃度までプロテアーゼ阻害剤(Mini cOmplete、EDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤カクテル、Roche)を添加した。42kHzで1分間、細胞を音波処理(Branson2510)し、追加で1分間氷上に置いた。これを3回繰り返した。次いで、4℃で10分間、17,000gで溶液を遠心分離し、上清を収集した。次いで、Bradfordアッセイを使用して、タンパク質含有量を測定した。45℃で45分間、2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE)および5mMのトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)中で、250μgのタンパク質を変性させた。次いで暗所で、5.5mMのヨードアセトアミドでタンパク質をアルキル化した。100mMのジチオトレイトール中で、残留するヨードアセトアミドをクエンチした。次いで、1:25の比で溶液にトリプシンを添加した。
【0221】
質量分析法。120分かけて、3~45%のアセトニトリル+0.1%のギ酸の勾配を使用する75μMx25cmのAcclaim PepMap100C-18カラム(Thermo Scientific)上でペプチドを分離し、Orbitrap Fusion(Thermo Scientific)のナノエレクトロスプレー-イオン化タンデム質量分析法によって、オンラインで分析した。データ依存的取得を起動し、高分析能(120,000)で親イオン(MS1)のスキャンを収集した。3秒の最速取得時間を使用するイオントラップの、衝突誘起解離断片化スペクトル取得(MS2)に、1の電荷を有するイオンを選択した。2回以上選択されたイオンには60秒の除外時間を用いて、動的除外を起動した。UT Austin Proteomics Facilityで、MSデータを取得した。
【0222】
タンパク質同定:Proteome Discoverer2.3(Thermo Scientific)を使用して、タンパク質同定を行った。まず、Uniprotからヒトプロテオームをダウンロードした。未加工のフォーマット化した質量分析法ファイルをProteome Discovererに搭載し、Sequest HTを使用してペプチドおよびタンパク質を同定した(Eng,1994)。PCAで修飾したペプチドに対応するペプチドN末端動的修飾(132.032Da)を使用することによって、1%の偽発見率でPCAで保護されたペプチドを同定した。
【0223】
ビーズ上でのペプチドの標識化:記載のようにペプチドをPCA樹脂に捕捉した。すすいだ後、まず、DMF中100mMのプロパルギルアミン、100mMのHCTU、および100mMのトリエチルアミンとC末端を結合させた。樹脂をDMFでしっかりと洗浄し、Lys残基を0.5mMのAtto647N-NHS(Attotec)で標識した。DMFおよびDCM中で樹脂をしっかりと洗浄し、TFAカクテル(95%のTFA、2.5%のH2O、および2.5%のTIS)を2.5時間用いて、すべてのペプチドを樹脂から切断した。上清を収集し、N流で濃縮させた。氷冷したジエチルエーテル(10体積)を添加し、10分間17,000gの遠心分離によってペプチドを収集した。高分析能質量分析法によって、ペプチドを分析して、二重標識化を確認した。
【0224】
単一分子ペプチド配列決定:標準的な銅(I)クリックケミストリーを使用して、およそ200pMのペプチドをアジドスライド(PolyAn(Germany)からのカスタムスライド)上に固定する。要するに、ペプチド(200pM)、CuSO4/トリス-ヒドロキシプロピルトリアゾリルメチルアミン(THPTA)ミックス(1mM/0.5mM)、および新たに調製したL-アルコルビン酸ナトリウム(5mM)を含む2mLの溶液を、室温で2時間、アジドスライド上でインキュベートした。インキュベーションに続いて、スライドを水ですすぎ、小規模な修飾で先述したように蛍光配列決定[21]を実施した。N末端PCAキャップを脱保護するために、60℃で16時間、0.5MのDMAEH浴をスライドに施した。カスタム現像スクリプト(github.com/marcottelab/FluorosequencingImageAnalysis/github:で入手可能)を使用して、画像を処理した。
【0225】
実施例1-ペプチド捕捉
ペプチドと2-ピリジンカルボキシアルデヒド(PCA)との間の反応を使用して、完全長タンパク質を捕捉した(MacDonald et al.,2015)。先のレポートでは、この結合をペプチドよりも100倍過剰なPCAで、37℃で4時間実施し、これにより大部分のペプチドへの80+%の結合が可能になる。しかしながら、この化学物質を使用して少量のペプチドの捕捉を可能にするために、溶液中での反応を最適化して、確実にペプチドを完全に捕捉する。実施したすべての反応では、二官能性6-ホルミルピリジン-2-カルボン酸(FPCA)を使用した。この化合物は、N末端捕捉を可能にし、カルボン酸部分を含有し、樹脂への結合に使用することができる。結合状態のスクリーニングを溶液中で実施して、低い存在量のペプチドの捕捉を最大限にする条件を見出した。2-ニトロベンズアルデヒド、3-ニトロベンズアルデヒド、4-ニトロベンズアルデヒド、2,4-ジニトロベンズアルデヒド、2,6-ジニトロベンズアルデヒド、および2-シアノベンズアルデヒドもまた、捕捉分子として試験した。シアノおよびモノニトロ誘導体はすべて、良好な性能を有した(図1)。4-トリメチルアミノベンズアルデヒドもまた、ペプチド捕捉について試験してもよい。
【0226】
最適条件を見出すために、最初のシッフ塩基の形成を促進するための温度、pH、および触媒の添加をスクリーニングした。一晩60℃でインキュベートした、触媒として1mMの5-メトキシアニリンを含む、僅かに過剰なFPCA(3等量)は良好に作用した。金属イオン(亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム、鉄、コバルト、マンガン、およびニッケル)もまた、ペプチド固定反応を触媒するそれらの能力について試験した(図2)。銅、マグネシウム、カルシウム、およびマンガンはすべて、ペプチド固定反応を触媒し、銅およびマンガンは、アミド-PCA-ペプチド構造にキレート化することが見出された(図3)。
【0227】
次に、カルボン酸部分を通じてFPCAを樹脂に結合することによって、樹脂を調製した。これは、樹脂へのペプチドのN末端固定を可能にし(表1)、次いで実験設定が必要とする任意の方式でこれを化学的に操作してもよい(図4Aおよび図4B)。この樹脂を用いて、約60%のインキュベートしたペプチドを捕捉した(表2)。
【0228】
(表1)溶液中のペプチドのN末端キャッピング
【0229】
(表2)3つの異なるリンカー上での樹脂に基づくペプチド捕捉
【0230】
樹脂上のペプチドで、共有結合をうまく逆転することを可能にする条件をスクリーニングした。熱、およびアルデヒドで結合をより安定にする化学物質を使用して、この共有結合を逆転することができると思われた。60℃で樹脂をヒドラジンとインキュベートすると、上清中にペプチドを見出した(図5)。ヒドラジンおよびタイミングの最適化の後、ペプチドの20%の全体収量では、樹脂に結合したペプチドのうちの33%が解放された(表2)。必要に応じて、樹脂に二次的切断ハンドルを設置して、溶液中へのN末端をキャップされたペプチドの解放を可能にして、さらなる操作を可能にすることも可能である。
【0231】
実施例2-捕捉されたペプチドの標識化
ペプチド樹脂によってペプチドを捕捉した後、必要とされる任意の化学反応を実施することが可能である。化学反応としては、タンパク質のアイソバリック、蛍光、ビオチン、またはPEG標識化、ならびに分析前に必要とされるアセチル化または他のキャッピングステップが挙げられる。同様の血管から固相へのペプチド合成(vein to solid-phase peptide synthesis)において、その後の精製ステップを行うことなく、これらのステップを複数回実施することも可能になる(図6)。
【0232】
実施例3-プローブ設計
捕捉部分(例えば、PCA)と支持体との間にリンカーを含有するように、樹脂を設計および合成することができる。例えば、オリゴマー(例えば、DNA、RNA、PNA)、またはタンデム質量タグ(TMT)などの特有の識別子をリンカーに、または支持体上に組み込むことができる。プローブ設計の例は、図7Aおよび図7Bに示されている。図7Aおよび図7Bのプローブは、核酸バーコード配列を含有するプローブを表しているが、核酸バーコード配列を本明細書に記載のバーコードと置き換えてもよい。
【0233】
ビーズからの切断が望ましくない場合、他のかかる設計を想定してもよい。例えば、プローブは、切断可能なユニットを含有しなくてもよい。プローブは、リンカー内に切断可能なユニットとともに構築してもよく、ペプチドは、切断可能なユニットを介してプローブから切断してもよい。次いで、その使用に応じて、ヒドラジンタイプの解放剤の使用によって、PCA付加物を除去する。したがって、2ステップの解放プロセスが可能である。第2のステップ(すなわち、ヒドラジンの使用)を行わない場合でさえも、付加物を有するペプチドは、十分に有利であり得、下流の分析を改善し得る。
【0234】
各固体支持体(またはその小さいサブセット)が、同じ配列を有するバーコード(例えば、オリゴマー)を含有するように作製する。バッチ式で、または構築ブロック上に特有の配列を構築するようにオリゴマーを局所的に増幅することによって、作製することができる。目標は、同じ配列であるが、別のビーズとは異なるオリゴマーを各々含有するビーズの集団を有することである。
【0235】
実施例4-自動化
大規模および小規模使用の両方に効果的な方法であるために、試料調製および反応を自動化することが重要である。これは、特別な知識および技能に対する要件を下げながら、より広範囲の基によって方法を使用することを可能にする。質量分析法用のタンパク質注入試料を採取することができ、ヒトが介入することなく分析用に試料を調製することができるマイクロ波反応として、Liberty Blue Peptide Synthesizer(CEM Corporation)を使用する。マイクロ波からのエネルギー注入により、捕捉/解放の全体収量を増加させ、追加のステップにもかかわらず、試料調製のための時間的な要件を減少させる可能性がある。Liberty Blueはまた、カスタマイズして12+の試料の調製を可能にすることができる。
【0236】
実施例5-アルデヒドのスクリーニング
ペプチド捕捉に対する置換基の効果を理解するために、アルデヒドの異なる環、ヘテロ原子、および位置化学的な位置を有する芳香族およびヘテロ芳香族アルデヒドをスクリーニングした。合計30のアルデヒドを試験し、pH7.5の50mMのリン酸ナトリウム緩衝液中37℃で6時間の反応でモデルペプチドSer-Gly-Trp上に形成された、イミダゾリノンとしてのN末端をキャップされた生成物の量の順でランク付けした(表3)。表3は、構造、およびHPLCの反応からの曲線下領域の定量化に基づいて形成したアミナールの割合を示している。LC/MSによって各反応を分析し、PCAでキャップされた生成物に対応する質量を有する218nmでのHPLCトレースにおける2つの固有のピークの存在によって、アミナール形成を確認した。これらの2つのピークは、逆相クロマトグラフィー中に分離することができる、環閉鎖中に形成されたジアステレオマーの分離に起因する。
【0237】
スクリーニングした化合物のうち、強力な電子吸引性基を含有する化合物(表3、例えば、AおよびF)は、顕著なイミン中間体(すなわち、環閉鎖の前に必要なステップ)をもたらさなかった。これはアルデヒドの大規模な水和に起因し得、逆転してイミン形成を可能にすることができない。しかしながら、より低い電子吸引性特徴は、生成物形成を促進したが、収量は低かった(例えば、J、L、N、O、Q、R、W)。また、チアゾール/ピロールなどの電子リッチな芳香族環上にアルデヒドがある例えば、C、D、E、G、H、K)と、または大きい負のハメットシグマ値を有する置換基を有する(M)と、イミダゾリノン形成には好ましくなかった。分子内水素結合を通じた、または一般的な酸触媒メカニズム(Villain et al.,2001、Jin et al.,2013)を通じたイミン錯体の形成を促進するアルデヒドは、たとえ負のハメット値を有していても、生成物形成を促進し得る(例えば、V)。
【0238】
電子求引性特徴は、N末端アミンの求核攻撃、および隣接するアミドの環閉鎖を促進し得るが、水和をあまり好まない。したがって、アルデヒド(例えば、ピリジン、トリアゾール、イミダゾール、およびフラン)に隣接する電子吸引性ヘテロ原子は、イミダゾリノン形成を促進した。
【0239】
(表3)3つの異なるリンカー上での樹脂に基づくペプチド捕捉
xは、0~30%のアミナール形成を表し、xxは、30~50%のアミナール形成を表し、xxxは、50~100%のアミナール形成を表し、n.d.は、開示されていないことを示す。
【0240】
実施例6-選択性
表3のアルデヒドの群から上位の候補を試験して、それらがN末端に特異的であるか、またはそれらがまたリジンの側鎖と反応性であるかを決定した。4-イミダゾールカルボキシアルデヒド(Z)、2-ピリミジニルカルボキシアルデヒド(AA)、1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボアルデヒド(BB)、ベンゾフラン-2-カルボキシアルデヒド(CC)、および3-ホルミルイソキノリン(DD)を試験した(図8)。pH7.5の50mMのリン酸ナトリウム緩衝液中1mMでSer-Gly-Lys-Trpペプチドを溶解させ、37℃で6時間、5つのアルデヒド(4mMの最終濃度)とインキュベートした。これらの5つのアルデヒドは、最初のスクリーニングにおけるものと同様のイミダゾリノン形成を示し、N末端イミダゾリノンおよびリジン側鎖上のイミンの両方を有するペプチドに対応する生成物は検出されなかった(図8)。
【0241】
実施例7-ペプチド解放のための切断
イミダゾリン環のアミナール結合を切断することによって、イミダゾリン環からのペプチドの遊離N末端を解放する条件を、スクリーニングした。アミナール結合は、チアゾリジンと同様である(図9)(Saiz et al.,2009)。チアゾリジンは、アルデヒド、一般的にはホルムアルデヒドのシステインとの縮合から誘導して、5員環を生成することができる。この環は、開いたイミンの形態と相互交換することができる(Shimko et al.,2013)。Cys残基は、pH3でのメトキシアミンとのインキュベーションを通じて解放することができ、これは開環したイミンがオキシムとの交換を受けることを阻止する(Kool et al.,2014)。
【0242】
精製した4-ニトロベンズアルデヒド(表3、O)、2PCA(表3、AA)、または3-ホルミルイソキノリン(表3、DD)を用いるキャッピング反応を受けたSer-Gly-Trpペプチドを使用して、同様の開環条件でのイミダゾリノンでキャップされたペプチドを試験した(例えば、図10A)。質量分析法を介した生成物の特徴評価を実施し、ペプチドをHPLCによって精製し、H-NMR質量分析法によって生成物を分析した。アミナール形成反応性、および芳香族系に付加した基の多様性を広範囲に広げるために、これらの3つのアルデヒドを選択した。
【0243】
チアゾリジン開環条件下で3つのペプチドを使用して、イミダゾリノンの可逆性を特徴評価した。最初の研究では、pH3で0.3Mのメトキシアミンを使用し、これは、60℃で24時間後に50~75%のペプチドを解放し、イミダゾリノンの可逆性を示した(図10B)。解放速度を改善するために、より反応性の求核性ジメチルアミノエチルヒドラジン(DMAEH)を用いるいくつかの逆転反応を実施した。同じ条件を使用して、90%超のアミナールを解放させて、3つすべてのペプチドで、24時間後にペプチドを遊離させた(図10C)。
【0244】
可逆性の範囲は、使用したアルデヒドには依存せず、3つすべてのキャップされたペプチドは、DMAEHおよびメトキシアミンの両方で試験したすべての時点で、同様の範囲の脱保護を受けた。これは、N末端アミンを含むイミンの可能性がある中間体を捕捉することにより、生成物形成の速度が決定されることを示し得る。したがって、求核性捕捉の前の、イミンに対する好ましくない均衡化は、一般的なメカニズムであり得る。要約すると、アニマル結合(animal linkage)は、それ自体上で低pHで安定であるが、反応が、メトキシアミンまたはDMAEHなどの求核性スカベンジャー試薬を含有すると、可逆的である。
【0245】
実施例8-ペプチド捕捉
キャップされたペプチドを逆転するための堅固な方法を用いて、容易に利用可能な試薬を使用して組み立てることが可能なペプチド捕捉樹脂を開発した。水膨潤性PEGアミン樹脂を、トリフルオロ酢酸(TFA)の切断可能なリンクリンカーに結合している6-ホルミルピコリン酸(FPCA)にアミド結合した(図11)。Tentagel、Protide樹脂(CEM)を含む、多数の他の樹脂をスクリーニングした。これは、ペプチドを樹脂上に捕捉し、次いで例えば、キャップされたアミナールペプチドまたは遊離ペプチドをそれぞれ得ることに応じて、TFAまたはDMAEHを使用して切断することを可能にする。ペプチドと比較しておよそ50等量のアルデヒドが樹脂上にあると、捕捉は最も効果的である。ペプチドの解放は、TFA切断を使用してうまく進んだが、しかしながらDMAEH切断は、溶液中と比較して樹脂上で実施されるとより低い収量を与えた。したがって、可能な手順は、まずキャップされたペプチドを樹脂から解放し、続いてキャップを逆転する。
【0246】
アルデヒド樹脂による捕捉および解放の程度を評価するために、アンジオテンシン-I-ペプチドの捕捉を実施した(図12A)。(i)最初の溶液(図12B)および(ii)樹脂のフロースルー後(図12C)のRP-HPLC分析中のペプチドに対応する一体化したピークと比較することによって、ペプチドの捕捉を決定した。ペプチドレベルの>80%の低減が見られ、これは樹脂が、注入した試料の大部分を捕捉することができることを示している(図12Bおよび図12C)。ペプチドを結合および解放するためのステップは、(a)pH7.5の50mMのリン酸ナトリウム中のペプチドを樹脂に添加し、37℃で16時間インキュベートし、(b)95%のトリフルオロ酢酸、2.5%のHO、および2.5%のトリイソプロピルシランを2.5時間使用して、ペプチドを樹脂から解放し、PEG-Rink-FPCA樹脂上での捕捉後のB-C)アンジオテンシンIの注入(A)およびTEA切断(B)のHPLCを含む。灰色の線は、捕捉したペプチドの割合を定量するために使用した曲線下領域を示す。キャップされたペプチドを解放するためのTFAカクテルを使用して、捕捉されたペプチドを樹脂から解放し、高分析能質量分析法を用いて分析した。これは、解放されたペプチドが、ピリジニルアミナールでキャップされた生成物であることを示し、樹脂に非特異的に結合したペプチドは検出されない。キャップされたペプチドに紫外光解離(UVPD)質量分析法を施すと、アミナールが大部分の種であることを示すペプチド断片を見ることができ、イミンでキャップされたペプチドを検出することはできない。
【0247】
実施例9-ワンポット消化、捕捉、および解放
固相ペプチド捕捉およびプロテアーゼ消化(一般的にトリプシンが使用される)の緩衝液および温度条件は同様であるので、pH7.5のリン酸ナトリウム緩衝液を37℃で使用して、全細胞プロテオーム消化および切断されたペプチドの捕捉の両方を、同じ反応容器で実施した。図13Aに示されるように、溶解させたHEK239T細胞(1000万の細胞)からのタンパク質を中性のリン酸ナトリウム緩衝液中のトリプシンプロテアーゼとともに捕捉樹脂と混合した。反応容器を37℃で一晩インキュベートし、質量分析法を使用して、樹脂から切断されたペプチドからほぼ9000のタンパク質を同定した。リンクリンカーを切断して、N末端PCA付加物を有するペプチドを解放した。タンデム質量分析法を使用して、すべての解放されたペプチドのPCA修飾の程度を決定した。同定されたタンパク質のうちのほぼ40~50%は、N末端PCA修飾を含有した。予想されるように、フロースルーで非常に少量の修飾されたPCA付加物(捕捉されていないペプチド)が観察された(図13B)。
【0248】
PCA修飾されたペプチドと修飾されていないペプチドとの間のN末端アミノ酸の頻度の倍率変化を測定することによって、大部分のアミノ酸に好ましいものは観察されなかった(図13C)。N末端アラニンを有するペプチドは異常値であり、これはかなり頻繁に観察されたが、N末端メチオニンペプチドは、樹脂にはあまり好ましくなかった。
【0249】
これらの組の実験は、単一の反応容器で全細胞プロテオームから生成されたペプチドのみと選択的かつ共有結合的に反応する捕捉樹脂の有用性を実証している。固相上でのペプチドの、比較的偏りのない共有結合的捕捉は、ペプチド可溶性の変動、および試料取り扱い中の反応管内での非特異的相互作用に起因する損失の防止を助ける。
【0250】
実施例10-単一分子配列決定のための標識化
ペプチドの共有結合的捕捉は、下流のプロテオミクス分析(例えば、単一分子タンパク質蛍光配列決定)のためのペプチド誘導体化の複数のステップの実施を可能にする。この技法は、複数のフルオロフォアの共役、およびアミノ酸側鎖に対する選択性を有する官能性部分を必要とする。非常に過剰なこれらの試薬を添加して、反応の完全性を促進すること、および標識されたペプチドから過剰な試薬を除去することは、配列決定方法の正確性の改善に有益である。
【0251】
実施例では、合成ペプチド(配列:HN-AKAGAGRYG-OH)のうちの80%超が、ビーズ上に捕捉された。次いで、過剰なプロパルギルアミン(約50等量)を用いるC末端カルボン酸塩上でのアミド結合を実施して、ペプチド上に末端アルキンリンカーを作り出した。続いて、複数の溶媒洗浄液を使用して過剰な試薬を洗浄し、Atto647N-NHS(約2等量)を用いて捕捉されたペプチド上でリジンを標識した。未反応の染料を洗浄し、TFAでペプチドを切断した。吸光度およびMSスペクトルは、標識されたペプチドのうちの70超の存在の証拠を示している(図14A図14C)。ペプチド(配列HN-AKAGAGRYG-OH)(1)のC末端カルボン酸塩を固定した樹脂を、プロパルギルアミンで標識し、(2)リジンのアミン側鎖をAtto647Nフルオロフォアで標識した。16分の勾配のLC-MS分析は、640nMのLCトレースで観察された生成物のうちの>70%が、多重標識されたペプチドに対応することを示した。図14Aおよび図14Bは、Atto647N染料およびアルキン標識を有するペプチドに対応する。挿入図Aは、N末端PCA付加物を含まないペプチドに対応し、図14Bは、PCAでキャップされたペプチドである。図14Cは、反応で観察された副生成物を示す。切断された生成物では遊離染料は観察されなかったが、同定不可能な副生成物では640nmでの吸光度ピークが観察された。銅クリックケミストリーを使用して、アジド官能化スライド上で、蛍光標識したペプチドをインキュベートし、0.5MのDMAEを60℃で一晩使用して、3つのPCA付加物を除去した。
【0252】
>50,000のペプチド分子上で実施した蛍光配列決定実験の要約した結果を、棒グラフに示す(図15A図15D)。図15Aは、蛍光配列決定実験からの代表的な視野である。図15Bは、第2のサイクル後のその後の消失を含むエドマンサイクルにわたる、個々のペプチドの抽出画像である。図15Cは、エドマンサイクルにわたる、同じペプチドの蛍光強度を示す。図15Dは、これらの単一分子トラックの頻度を示し、これらの蛍光は、PCAまたはFmocで保護されたペプチドの両方では、各実験サイクル後に消失した。実験サイクルは、制御サイクル(M1は、反応性フェニルイソチオシアネート(PITC)を用いない蛍光配列決定で使用したすべての試薬でスライドを洗浄する「モック」サイクルである)、およびエドマンサイクル(「E」と示される)を含む。すべての個々の実験サイクル後観察された蛍光の消失を用いたペプチド分子トラックの頻度のカウント(M=反応性PITCを用いるモックまたは対照サイクル、E=エドマンサイクル)は、2回目のエドマンサイクル後または2回目のアミノ酸の切断後(この場合、Atto647N染料で蛍光標識されている)、大規模な消失が生じたことを示している。蛍光配列決定実験を実施した後、第2の位置でAtto647N標識を検出した(図15)。これは、単一分子ペプチド配列決定分析のための、樹脂に基づくペプチド捕捉技術の実現性を実証している。
【0253】
本明細書で開示および特許請求される方法はすべて、本開示に照らして過度の実験を行うことなく、作製および実行され得る。本発明の組成物および方法を、好ましい実施形態の観点で記載してきたが、本開示の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法、および方法のステップまたはステップの順序に変形を加えてもよいことが当業者には明らかであろう。より具体的には、化学的にも生理学的にも関係するある特定の薬剤を、本明細書に記載の薬剤の代わりに置換して、同じかまたは同様の結果が達成されるであろうことが明らかであろう。当業者には明らかなそのようなすべての同様の代替物および修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨、範囲、および概念の範囲内にあると見なされる。
【0254】
参考文献
以下の参考文献は、例示的な手順または他の詳細の補足を本明細書に記載の手順または他の詳細の補足に提供する範囲で、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15-1】
図15-2】
【手続補正書】
【提出日】2021-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
図1】ベンゼンアルデヒド誘導体のスクリーニング。スクリーニングした化合物は、ベンズアルデヒド、ピリジニルカルボキシアルデヒド、2-ニトロベンズアルデヒド、3-ニトロベンズアルデヒド、4-ニトロベンズアルデヒド、2,4-ジニトロベンズアルデヒド、2,6-ニトロベンズアルデヒド、4-トリメチルアミノベンズアルデヒド、および2-シアノベンズアルデヒドであった。ペプチドは、0.1mMの濃度で存在し、アルデヒドは、0.3mMの濃度で存在し、触媒は、1mMの濃度で存在した。
図2】金属触媒の固定反応のスキーム。
図3】金属触媒反応の質量分析法分析。
図4図4Aおよび図4B。6-ホルミルピリジン-2-カルボン酸捕捉部分を使用した樹脂に基づいたペプチド捕捉および化学的なペプチド捕捉のスキーム。
図5】N末端固定からのペプチド解放のスキーム。
図6】樹脂に捕捉されたペプチド上のリジン残基を標識するためのスキーム。
図7図7Aおよび図7B。単一細胞をプロテオミクスで捕捉する支持体の設計。
図8】様々なアルデヒドを用いたSGKWペプチド(配列番号1)のN末端をキャップした生成物の割合の図。
図9】チアゾリジンペプチドの、メトキシアミンを用いた脱保護の可逆的反応メカニズムの図。
図10図10A図10C。様々なイミダゾリノンを用いたN末端をイミダゾリノンでキャッピングされたSGWペプチド逆転試験の図。
図11】ペプチド捕捉樹脂の一例。
図12図12A図12C。ペプチドを結合および解放するためのPEG-Rink-FPCA樹脂およびステップのスキームおよび代表的な結果。
図13図13A図13C。ワンポットプロテオーム消化および固相捕捉戦略の図。(Aの配列=配列番号3)
図14図14A図14C。樹脂に捕捉されたペプチドの複数の誘導体化の図。
図15-1】図15A図15D。樹脂に捕捉および標識されたペプチドの、単一分子ペプチド配列決定による分析の図。
図15-2】図15-1の説明を参照のこと(Dの配列=配列番号2)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0251
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0251】
実施例では、合成ペプチド(配列:HN-AKAGAGRYG-OH(配列番号2))のうちの80%超が、ビーズ上に捕捉された。次いで、過剰なプロパルギルアミン(約50等量)を用いるC末端カルボン酸塩上でのアミド結合を実施して、ペプチド上に末端アルキンリンカーを作り出した。続いて、複数の溶媒洗浄液を使用して過剰な試薬を洗浄し、Atto647N-NHS(約2等量)を用いて捕捉されたペプチド上でリジンを標識した。未反応の染料を洗浄し、TFAでペプチドを切断した。吸光度およびMSスペクトルは、標識されたペプチドのうちの70超の存在の証拠を示している(図14A図14C)。ペプチド(配列HN-AKAGAGRYG-OH(配列番号2))(1)のC末端カルボン酸塩を固定した樹脂を、プロパルギルアミンで標識し、(2)リジンのアミン側鎖をAtto647Nフルオロフォアで標識した。16分の勾配のLC-MS分析は、640nMのLCトレースで観察された生成物のうちの>70%が、多重標識されたペプチドに対応することを示した。図14Aおよび図14Bは、Atto647N染料およびアルキン標識を有するペプチドに対応する。挿入図Aは、N末端PCA付加物を含まないペプチドに対応し、図14Bは、PCAでキャップされたペプチドである。図14Cは、反応で観察された副生成物を示す。切断された生成物では遊離染料は観察されなかったが、同定不可能な副生成物では640nmでの吸光度ピークが観察された。銅クリックケミストリーを使用して、アジド官能化スライド上で、蛍光標識したペプチドをインキュベートし、0.5MのDMAEを60℃で一晩使用して、3つのPCA付加物を除去した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
本発明の他の目的、特色、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の趣旨および範囲内の様々な変更および修正は、この詳細な説明から当業者には明らかになるので、この詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、ただ例示することを目的として提供されていることが理解されるべきである。
[本発明1001]
(A)固体支持体と、
(B)式(I)の共役基であって、
式中、
1 が、置換もしくは非置換のアレーンジイル (C≦12) 、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル (C≦12) であり、
1 が、水素、または電子吸引性基であり、
Rが、前記固体支持体に結合しているリンカーである、
共役基と
を含む、組成物。
[本発明1002]
(A)固体支持体と、
(B)式(Ia)の共役基であって、
式中、
1 が、置換または非置換のアレーンジイル (C≦12) 、置換または非置換のヘテロアレーンジイル (C≦12) であり、
1 が、水素、または電子吸引性基である、
共役基と
を含み、
前記共役基が、制限のない価数(open valence)のカルボニル基で前記固体支持体に結合している、
本発明1001の組成物。
[本発明1003]
1 が、置換または非置換のベンゼンジイルである、本発明1001または1002の組成物。
[本発明1004]
1 が、ヘテロアレーンジイル (C≦12) または置換ヘテロアレーンジイル (C≦12) である、本発明1001または1002の組成物。
[本発明1005]
1 が水素である、本発明1001~1004のいずれかの組成物。
[本発明1006]
1 が電子吸引性基である、本発明1001~1004のいずれかの組成物。
[本発明1007]
1 が、以下からなる群から選択される電子吸引性基である、本発明1006の組成物:
アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、または
式:-N(R )(R )(R )(R の基:
式中、
、R 、R 、およびR が、各々、水素、アルキル (C≦8) 、もしくは置換アルキル (C≦8) であるか、または
が、存在しない。
[本発明1008]
前記共役基が、以下:
から選択される基を含む、本発明1001~1007のいずれかの組成物。
[本発明1009]
前記リンカーが、モノマーまたはポリマーである、本発明1001または1003~1008のいずれかの組成物。
[本発明1010]
前記リンカーが、ポリペプチド、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ヘテロ環、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1001または1003~1009のいずれかの組成物。
[本発明1011]
前記共役基が、以下:
から選択される基によってさらに定義される、本発明1001~1010のいずれかの組成物。
[本発明1012]
前記共役基が、式(Ib):
によってさらに定義される、本発明1001~1011のいずれかの組成物。
[本発明1013]
前記固体支持体がアミン基を含む、本発明1001~1012のいずれかの組成物。
[本発明1014]
前記固体支持体がビーズである、本発明1001~1013のいずれかの組成物。
[本発明1015]
前記固体支持体が酸化鉄コアを含む、本発明1001~1014のいずれかの組成物。
[本発明1016]
以下の工程を含む、1つ以上のペプチドまたはタンパク質を濃縮する方法:
(A)前記ペプチドまたはタンパク質を、本発明1001~1015のいずれかの組成物で固定して、固定されたペプチドを形成する工程、
(B)前記固定されたペプチドを洗浄溶液で洗浄し、それによって非ペプチド材料を除去して、濃縮された溶液を形成する工程、
(C)前記固定されたペプチドを逆転剤(reversing agent)で除去して、濃縮されたペプチドまたはタンパク質を形成する工程。
[本発明1017]
前記ペプチドまたはタンパク質が生物学的試料に由来する、本発明1016の方法。
[本発明1018]
前記ペプチドまたはタンパク質が同時に消化および捕捉される、本発明1016の方法。
[本発明1019]
前記ペプチドが、10ナノモル以下の量で前記試料中に存在する、本発明1016~1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
前記量が10ピコモル以下である、本発明1019の方法。
[本発明1021]
以下の工程を含む、タンパク質またはペプチドを処理または分析する方法:
(A)支持体と、細胞を含む混合物とを提供する工程であって、前記支持体が、それに結合している(i)バーコードと(ii)前記細胞の前記タンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分とを有する、工程、
(B)前記捕捉部分を使用して、前記細胞の前記タンパク質またはペプチドを捕捉する工程、ならびに
(C)(B)の後に、(i)前記バーコードを同定し、前記バーコードを前記細胞と関連付ける工程、(ii)前記タンパク質またはペプチドを配列決定して、前記タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を同定する工程、および(iii)(i)で同定した前記バーコードと、(ii)で同定した前記タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列とを使用して、前記タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を前記細胞に由来していると同定する工程。
[本発明1022]
前記バーコードが、リンカーを通じて前記支持体に結合している、本発明1021の方法。
[本発明1023]
前記バーコードが、前記支持体に直接結合している、本発明1021の方法。
[本発明1024]
前記混合物が複数の細胞を含み、それら複数の細胞が前記細胞を含む、本発明1021の方法。
[本発明1025]
(A)が、複数の支持体を提供することを含み、それら複数の支持体が、前記支持体を含む、本発明1021の方法。
[本発明1026]
(A)が、複数の支持体と、複数の細胞を含む前記混合物とを提供することを含み、それら複数の支持体が、前記支持体を含み、前記複数の細胞が、前記細胞を含む、本発明1021の方法。
[本発明1027]
前記複数の細胞が、生物学的試料から単離される、本発明1026の方法。
[本発明1028]
前記生物学的試料が、組織、血液、尿、唾液、リンパ液、またはそれらの任意の組み合わせに由来する、本発明1027の方法。
[本発明1029]
前記支持体が、固体または半固体の支持体である、本発明1021の方法。
[本発明1030]
前記支持体が、前記捕捉部分を含むペンダント基を含む、本発明1021の方法。
[本発明1031]
前記ペンダント基が、切断可能なユニットをさらに含む、本発明1030の方法。
[本発明1032]
前記切断可能なユニットが、前記支持体と前記捕捉部分との間に結合している、本発明1031の方法。
[本発明1033]
前記ペンダント基が前記バーコードを含む、本発明1031の方法。
[本発明1034]
前記支持体に結合している追加の捕捉部分をさらに含む、本発明1031の方法。
[本発明1035]
前記支持体が複数のペンダント基を含有する、本発明1031の方法。
[本発明1036]
前記複数のペンダント基のペンダント基が同一である、本発明1035の方法。
[本発明1037]
前記バーコードが核酸バーコード配列である、本発明1021の方法。
[本発明1038]
前記核酸バーコード配列が、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、またはそれらの任意の組み合わせである、本発明1037の方法。
[本発明1039]
前記核酸バーコード配列がオリゴマーである、本発明1038の方法。
[本発明1040]
前記支持体が複数のバーコードを含み、それら複数のバーコードが前記バーコードを含む、本発明1021の方法。
[本発明1041]
前記複数のバーコードが、同一であるバーコードを有する、本発明1040の方法。
[本発明1042]
前記バーコードと相互作用するプローブを用いて前記バーコードを同定して、検出されるそれらのシグナルまたは変化を得る、本発明1021の方法。
[本発明1043]
前記シグナルが光シグナルである、本発明1042の方法。
[本発明1044]
前記光シグナルが蛍光シグナルである、本発明1043の方法。
[本発明1045]
前記バーコードが、ナノポア配列決定を用いて同定される、本発明1021の方法。
[本発明1046]
前記バーコードが、タンデム質量分析法を用いて同定される、本発明1021の方法。
[本発明1047]
(C)が、アレイに隣接する前記タンパク質またはペプチドを提供することと、前記アレイに隣接する前記タンパク質またはペプチドを配列決定することと、を含む、本発明1021の方法。
[本発明1048]
前記配列決定の前に、前記バーコードが結合している前記タンパク質またはペプチドが、(A)アレイに隣接して提供され、(B)同定され、そして(C)前記タンパク質またはペプチドから除去される、本発明1047の方法。
[本発明1049]
(A)の前に、前記ペプチドまたはタンパク質が、少なくとも1つの標識で標識される、本発明1048の方法。
[本発明1050]
前記標識が光標識である、本発明1049の方法。
[本発明1051]
前記光標識が、前記ペプチドまたはタンパク質を蛍光配列決定するために使用される、本発明1050の方法。
[本発明1052]
前記バーコードが、前記捕捉部分の切断によって前記タンパク質またはペプチドから除去され、それによって、同定される前記タンパク質またはペプチドが生成される、本発明1048の方法。
[本発明1053]
前記捕捉部分が、逆転試薬によって切断される、本発明1052の方法。
[本発明1054]
前記逆転試薬が、ヒドラジンである、本発明1053の方法。
[本発明1055]
前記バーコードが、前記切断可能なユニットの切断によって前記タンパク質またはペプチドから除去され、それによって、同定される前記タンパク質またはペプチドが生成される、本発明1031または1048の方法。
[本発明1056]
前記切断可能なユニットが、トリフルオロ酢酸(TFA)で切断される、本発明1055の方法。
[本発明1057]
前記タンパク質またはペプチドの前記配列決定が、エドマン分解を使用して実施される、本発明1021の方法。
[本発明1058]
前記タンパク質またはペプチドの前記配列決定が、(i)前記タンパク質またはペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つのサブセットを標識で標識することと、(ii)続いて前記標識を検出して、前記タンパク質もしくはペプチドまたはそれらの配列を同定することと、を含む、本発明1021の方法。
[本発明1059]
前記標識が光標識である、本発明1058の方法。
[本発明1060]
前記光標識が、前記ペプチドまたはタンパク質を蛍光配列決定するために使用される、本発明1059の方法。
[本発明1061]
(ii)の前に、前記切断可能な基を切断することによって、前記標識を有する前記ペプチドまたはタンパク質を前記支持体から除去または解放する、本発明1059の方法。
[本発明1062]
前記タンパク質またはペプチドを前記支持体から除去または解放した後、アレイに隣接する前記タンパク質またはペプチドの位置を同定する、本発明1061の方法。
[本発明1063]
(A)が、複数の液滴のうちの1つの液滴を提供することを含み、その液滴が、前記混合物を含む、本発明1021の方法。
[本発明1064]
前記混合物が、前記細胞以外を含まない、本発明1063の方法。
[本発明1065]
前記細胞を溶解し、それによって溶解された細胞を形成し、前記溶解された細胞が、前記細胞の複数のタンパク質またはペプチドを解放するかまたはこれらを到達可能にし、それら複数のタンパク質またはペプチドが、前記タンパク質またはペプチドを含む、本発明1063の方法。
[本発明1066]
前記細胞の前記複数のタンパク質またはペプチドが、消化され、それによって別の複数のタンパク質またはペプチドを形成する、本発明1065の方法。
[本発明1067]
前記複数のタンパク質またはペプチドが、前記支持体に結合している複数の捕捉部分によって捕捉される、本発明1065の方法。
[本発明1068]
前記支持体が、前記捕捉部分を含むペンダント基を含み、前記ペンダント基および前記バーコードが、前記支持体に別々に結合している、本発明1021の方法。
[本発明1069]
(i)バーコード、および
(ii)タンパク質またはペプチドを捕捉するための捕捉部分
が結合している支持体を含む組成物であって、前記捕捉部分が抗体ではない、前記組成物。
[本発明1070]
(i)バーコード、および
(ii)芳香族またはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含む捕捉部分
が結合している支持体を含む、組成物。
[本発明1071]
以下の工程を含む、空間的プロテオミクスを実施する方法:
(A)複数のタンパク質またはペプチドを含む組織に複数の支持体を導入する工程であって、前記複数の支持体のうちの単一の支持体が、前記組織の1つの領域に接触し、前記複数の支持体のうちの前記単一の支持体が、特有のバーコードおよび捕捉部分を含む、工程、
(B)前記捕捉部分を使用して、前記複数のタンパク質またはペプチドのうちの1つのタンパク質またはペプチドを捕捉する工程、
(C)前記特有のバーコードを使用して、前記タンパク質またはペプチドが由来する前記組織の位置を同定する工程、
(D)前記タンパク質またはペプチドの配列を決定する工程、ならびに
(E)(C)で同定した前記位置を、(D)で決定した前記配列と関連付ける工程。
[本発明1072]
複数のペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを保存または安定化する方法であって、複数の捕捉部分を含む複数の支持体を使用して、前記ペプチド、タンパク質、またはそれらの組み合わせを捕捉する工程を含み、前記複数の捕捉部分のうちの1つの捕捉部分が、(i)抗体ではないか、または(ii)芳香族もしくはヘテロ芳香族カルボキシアルデヒドを含む、前記方法。
[本発明1073]
前記複数の支持体のうちの1つの支持体が、バーコードを含む、本発明1072の方法。
[本発明1074]
以下の工程を含む、支持体に結合している核酸バーコード配列を生成するための方法:
(A)タンパク質またはペプチドおよび核酸セグメントを捕捉するように構成されている捕捉部分が結合している前記支持体を提供する工程、ならびに
(B)前記核酸バーコード配列を前記核酸セグメントへとコンビナトリアルアセンブリングする工程。
[本発明1075]
前記コンビナトリアルアセンブリングが、前記核酸セグメントまたはその誘導体に1回以上のスプリット-プールサイクルを施すことを含む、本発明1074の方法。
[本発明1076]
前記支持体が、前記捕捉部分を含むペンダント基を含む、本発明1074の方法。
[本発明1077]
前記捕捉部分が、式(I)を含み、
式中、
1 が、置換もしくは非置換のアレーンジイル (C≦12) 、または置換もしくは非置換のヘテロアレーンジイル (C≦12) であり、
1 が、水素、または電子吸引性基であり、
Rが、前記固体支持体に結合しているリンカーである、
本発明1074の方法。
[本発明1078]
前記ペンダント基が、切断可能なユニットをさらに含む、本発明1077の方法。
[本発明1079]
前記支持体が、複数のペンダント基に結合している、本発明1078の方法。
[本発明1080]
前記複数のペンダント基の各ペンダント基が同一である、本発明1079の方法。
[本発明1081]
前記複数のペンダント基が、少なくとも10 10 個の同一のペンダント基を含む、本発明1079の方法。
[本発明1082]
前記支持体が、前記切断可能なユニットの第1の位置に結合し、前記捕捉部分が、前記切断可能なユニットの第2の位置に結合している、本発明1079の方法。
[本発明1083]
前記核酸バーコード配列が、前記支持体に結合している、本発明1082の方法。
[本発明1084]
前記支持体が、前記捕捉部分に隣接して結合している前記核酸バーコード配列を含むペンダント基を含む、本発明1077の方法。
[本発明1085]
前記ペンダント基が、切断可能なユニットをさらに含む、本発明1084の方法。
[本発明1086]
前記支持体が、前記切断可能なユニットに結合し、前記切断可能なユニットが、バーコーディングのための構築ブロックに結合し、バーコーディングのための前記構築ブロックが、前記捕捉部分に結合している、本発明1085の方法。
[本発明1087]
(A)前記支持体が、前記切断可能なユニットの第1の位置に結合し、(B)バーコーディングのための前記構築ブロックの第1の位置が、前記切断可能なユニットの第2の位置に結合し、(C)前記捕捉部分が、バーコーディングのための前記構築ブロックの第2の位置に結合し、(D)前記核酸バーコード配列が、バーコーディングのための前記構築ブロックの第3の位置に結合していることをさらに含む、本発明1086の方法。

【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2022504225000001.app
【国際調査報告】