(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】被洗浄物を洗浄するための洗浄装置および方法
(51)【国際特許分類】
A47L 15/24 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A47L15/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021518626
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(85)【翻訳文提出日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2019076865
(87)【国際公開番号】W WO2020070264
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】102018217052.5
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515309438
【氏名又は名称】マイコ マシネンバウ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガウス、ブルーノ
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082AA01
3B082AA03
3B082AA07
3B082AA08
(57)【要約】
本発明は、被洗浄物を洗浄するための洗浄装置(110)を提案している。洗浄装置(110)は少なくとも1つの洗浄チャンバ(114)を備え、洗浄チャンバ(114)は、少なくとも1つの洗浄液(150)を洗浄チャンバ(114)内の被洗浄物(130)に投入するための少なくとも1つの投入装置(148)を備えている。洗浄装置(110)はさらに、被洗浄物(130)を搬送方向(138)に洗浄チャンバ(114)に通して搬送するための少なくとも1つの搬送装置(136)を備える。洗浄装置(110)はさらに、搬送装置(136)から被洗浄物(130)を取り出すために、搬送方向(138)に洗浄チャンバ(114)の下流に配置されている、少なくとも1つの出口領域(142)を有する。洗浄装置(110)はさらに、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を識別するための少なくとも1つのセンサ(168)を有する。洗浄装置(110)はさらに、少なくとも1つのスライダ(170)を有し、事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を搬送装置(136)から搬送方向(138)に対して横方向に自動的に押すように設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物(130)を洗浄するための洗浄装置(110)であって、
前記洗浄装置(110)が少なくとも1つの洗浄チャンバ(114)を備え、前記洗浄チャンバ(114)が、前記洗浄チャンバ(114)内の前記被洗浄物(130)に少なくとも1つの洗浄液(150)を投入するための少なくとも1つの投入装置(148)を備え、
前記洗浄装置(110)がさらに、前記被洗浄物(130)を前記洗浄チャンバ(114)に通して搬送方向(138)に搬送するための少なくとも1つの搬送装置(136)を備え、
前記洗浄装置(110)が、前記被洗浄物(130)を前記搬送装置(136)から取り出すための、前記搬送方向(138)で前記洗浄チャンバ(114)の下流に配置されている、少なくとも1つの出口領域(142)を有し、
前記洗浄装置(110)が、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を識別するための少なくとも1つのセンサ(168)をさらに有し、
前記洗浄装置(110)が、少なくとも1つのスライダ(170)をさらに有し、前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を前記搬送装置(136)から前記搬送方向(138)に対して横方向に自動的に押すように設計されている、洗浄装置(110)。
【請求項2】
前記洗浄装置(110)が、前記搬送方向(136)に対して横方向で前記搬送装置(136)の隣に配置されている少なくとも1つの受け装置(182)をさらに備え、前記洗浄装置(110)が、前記スライダ(170)によって前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を前記受け装置(182)上に押し込むように設計されている、請求項1記載の洗浄装置(110)。
【請求項3】
前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)が、前記受け装置(182)において積み重ねられる、請求項2記載の洗浄装置(110)。
【請求項4】
前記洗浄装置(110)が少なくとも1つのガイド(190、192)をさらに有し、前記ガイド(190、192)が、前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を事前に指定された向きで前記受け装置(182)に供給するように設計されている、請求項2または3に記載の洗浄装置(110)。
【請求項5】
前記ガイド(190、192)が、前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を、前記搬送装置(136)上での第1の向きから前記受け装置(182)における第2の向きに変えるように設計されている、請求項4記載の洗浄装置(110)。
【請求項6】
前記搬送装置(136)が、ベルトコンベア、搬送チェーン、ローラ搬送装置、つめ駆動部からなる群から選択される少なくとも1つの装置を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項7】
前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)がトレイ(134)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項8】
前記搬送装置(136)が、前記搬送装置(136)の面に対して非平行となる向きで前記トレイ(134)を受けるように設計されている、請求項7記載の洗浄装置(110)。
【請求項9】
前記搬送装置(136)がベルトコンベアおよび/またはリンクチェーンを有し、前記搬送装置(136)が複数の受けフィンガ(172)を有し、前記トレイ(134)が、前記ベルトコンベアおよび/または前記リンクチェーンの面に対して60°から120°の角度で前記受けフィンガ(172)に挿入され、前記トレイが、前記搬送方向(138)に対して横方向に前記受けフィンガ(172)に挿入される、請求項8記載の洗浄装置(110)。
【請求項10】
前記洗浄装置(110)が少なくとも1つのトレイスタッカ(184)を有し、前記洗浄装置が、少なくとも1つの第1のガイドレール(190)および少なくとも1つの第2のガイドレール(192)を有し、
前記第1および第2のガイドレール(190、192)が、
トレイ(134)が前記搬送装置(136)から押し出されるときに第1のセクションにおいて前記トレイ(134)を直立に保持し、その後、前記トレイ(134)がトレイのスタック上へと傾斜していくよう、前記トレイを傾斜させるように設計されている、請求項7~9のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項11】
少なくとも1つの制御装置(146)をさらに備え、前記制御装置が、前記センサ(168)からのデータに基づいて前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を識別し、対応する方法で前記スライダ(170)を作動させるように設計されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項12】
前記センサ(168)が、カメラ、光バリア、ボタン、スイッチ、電気機械式スイッチ、機械的空気圧スイッチ、傾斜レバーからなる群から選択される少なくとも1つのセンサ(168)である、請求項1~11のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項13】
前記出口領域(142)の一端に配置されている少なくとも1つの移送装置(206)をさらに備え、前記移送装置(206)が、前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)以外の被洗浄物(130)を前記搬送装置(136)から自動的に取り出すように設計されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項14】
前記洗浄装置(110)が少なくとも1つの食器洗い機である、請求項1~13のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項15】
被洗浄物(130)を洗浄するための方法であって、前記方法が、
I.請求項1~14のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)を提供する工程と、
II.前記被洗浄物(130)を搬送装置(136)上で受ける工程と、
III.前記被洗浄物(130)を洗浄チャンバ(114)に通して搬送方向(138)に搬送する工程と、
IV.投入装置(148)によって前記洗浄チャンバ(114)内の前記被洗浄物(130)に少なくとも1つの洗浄液(150)を投入する工程と、
V.少なくとも1つのセンサ(168)を使用して少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を識別する工程と、
VI.スライダ(170)によって前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を前記搬送装置(136)から前記搬送方向(138)に対して横方向に押し出す工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置および被洗浄物を洗浄するための方法に関する。上記のタイプの洗浄装置および方法は、たとえば、食器洗いの分野、特に商業用食器洗いの分野で使用することができる。本発明は、特に、トレイ、食器、カトラリーなどの大量の被洗浄物を洗浄しなければならない大型キッチンで使用することができる。しかし、原則として他の分野での使用も考えられる。
【背景技術】
【0002】
被洗浄物を洗浄および/または消毒することができる、洗浄機器とも呼ばれる多数の洗浄装置が先行技術から知られている。これらの洗浄装置の設計は全体的に、たとえば、被洗浄物のタイプ、汚れの程度、スループット、および同様の条件などの、様々な周囲条件に大きく依存する。例として、たとえば、DE102004056052 A1またはDE102007025263 A1に記載されている洗浄装置を参照することができる。
【0003】
多くの場合、洗浄装置は、大型キッチンで搬送装置または搬送システムと組み合わされ、双方間で被洗浄物を自動的に搬送する。たとえば、汚れた食器やカトラリーを運ぶトレイをベルトコンベアに載せる洗浄システムが、たとえば、多くの人が利用することができる学校、病院、または他の施設における食堂などの、大量のケータリングのための施設に提供されている。被洗浄物は、上記のベルトコンベアによって、たとえば食器洗い機などの実際の洗浄装置に搬送される。そこでは、被洗浄物は、概して、スタッフによってさらに分類され、廃棄物は処分され、食器、カトラリー、およびトレイは、適切な方法で洗浄装置、たとえば、フライトタイプの食器洗い機、ラックコンベアの食器洗い機、フードタイプの食器洗い機、またはパススルーの食器洗い機に供給される。さらに、洗浄後、物品は、概して、たとえば洗浄装置のいわゆる出口において手動で分類され、たとえばトレイトロリーまたはプレートトロリーなどの対応する搬送装置または保管装置に供給される。
【0004】
多くのケースで直面する1つの技術的かつ組織的な課題は、汚れた被洗浄物が均一に発生しないことである。特に、大型キッチンの影響範囲にないグループダイナミクス、スケジュール、またはその他の状況のために、負荷のピークが頻繁に発生するが、それと同時に、被洗浄物が少量であるか、まったくない場合もある。これは、スタッフ要件の計画および洗浄装置の構成の計画に関する大きな課題を生み出す。たとえば、システムの構成および人員計画は、概して、スタッフが負荷のピークを処理できるように構成されなければならないが、特定の状況下では、これにより、負荷のピーク以外でのスタッフの不十分な利用につながる。したがって、人員計画および洗浄装置の構成は、多くの場合、過剰に設計されなければならない。
【0005】
DE102017121978 A1は、バッチ式食器洗い機として設計され、フードタイプまたはパススルーの食器洗い機として具体化され、再循環システムとして設計されている少なくとも1つの洗浄システムを備えた処理チャンバを有する、市販の器具洗浄機または食器洗い機の形態の洗浄機について記載している。実際に実現され得る機械の活用が最適化され得るようにするために、具体的には、同時に食器洗いのスタッフの負担を軽減しながら、本発明では、食器洗い機は、好ましくは選択的に被洗浄物とともに処理チャンバを自動的に投入するための、および/または好ましくは選択的に被洗浄物を処理チャンバから自動的に取り出すための関連する投入/取り出し装置を有する。
【0006】
DE4339111 A1は食器洗い機について記載している。水、エネルギー、および食器洗い用洗剤の消費を恒久的に削減するために、個々の食器棚における食器は周期的に洗浄され、ここで、食器洗い装置の回路は洗浄プログラム内のそれぞれの時間間隔でのみ起動される。そうすることで、食器が洗浄プロセス中に洗浄区域の領域に留まるように、食器棚用のベルトコンベアが、対応するスイッチによって作動される。
【0007】
DE102004049392 A1は、被洗浄物をコンベアの食器洗い機を介して搬送する、およびコンベアの食器洗い機上に搬送するための方法について記載している。コンベアの食器洗い機は、洗浄区域、最終すすぎ区域、および乾燥区域を含む。被洗浄物は、洗浄区域で洗浄され、最終すすぎ区域ですすぎ落とされ、乾燥区域で乾燥される。それぞれの区域で行われるプロセスの工程に最適である搬送速度で被洗浄物が搬送方向に搬送される搬送装置が提供される。
【0008】
これらの装置および方法で達成される利点にもかかわらず、上記の技術的および組織的な課題は概して未解決なままである。たとえば、通常の洗浄システムでは、搬送装置は、多くの場合、柔軟性がなく、概して、様々な周囲条件、特に突然の負荷のピーク、投入または取り出しの際のバックログ、または発生する汚れや被洗浄物の種類に関する要件の変更に適応することができない。したがって、ピーク負荷では、概して、たとえば、全体的に搬送を遅らせたり、停止したりすることによって、搬送装置の搬送速度のみが調整され得る。たとえば、洗浄された物品のバックログが洗浄装置の出口で形成された場合、概して、洗浄システム全体を停止させなければならない。これらの対策は、概して、洗浄システム全体に影響する。したがって、前と同様に、多くの洗浄システム用に計画されたスタッフも、ピーク負荷を常に処理することができるように人員を確保する必要がある。このスタッフの確保および概して機械の過剰な設備は、洗浄装置の取得において、およびその操作中に不必要な追加のコストにつながりかねない。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的
したがって、被洗浄物、特に大型キッチンの分野における被洗浄物を洗浄するための洗浄装置および方法を提供することが望ましく、これによって、上記のタイプの既知の装置および方法の不利な点が少なくとも大部分回避される。特に、洗浄装置および方法の目的は、操作スタッフに関するより柔軟な人員計画を可能にし、装置のより柔軟な構成を可能にすることであり、好ましくは操作スタッフの使用を減少させることである。
【0010】
本発明の開示
この目的は、独立請求項の特徴を有する、被洗浄物を洗浄するための洗浄装置および方法によって対処される。それら自体でまたは任意の所望の組み合わせで実施することができる利点のある実施形態は、従属請求項に示されている。
【0011】
以下の本文では、「示す」、「有する」、「備える」、または「含む」という用語、またはこれらからの任意の文法的変形は、非排他的に使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴以外に機能が存在しない状況、または1つまたは複数のさらなる特徴が存在する状況のいずれかを指し得る。たとえば、「AはBを示す」、「AはBを有する」、「AはBを備える」、または「AはBを含む」という表現は、B以外にさらなる要素がAに存在しない状況(すなわち、AがBのみからなる状況)、またはBに加えて、1つまたは複数のさらなる要素、たとえば、要素C、要素CおよびDまたはさらなる要素がAに存在する状況のいずれかを指し得る。
【0012】
さらに、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という用語、およびこれらの用語の文法上の変更は、それらが、1つまたは複数の要素または特徴に関連して使用され、それらの要素または機能が単一または複数で提供することができる事実を表すことを意図される場合、概して、たとえば特徴または要素が初めて導入されたときに、1回だけ使用されることが留意されるべきである。特徴または要素が続いて再び言及されるときに、対応する用語「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」は、概して、特徴または要素が単一または複数で提供され得る可能性を制限することなく、それ以上使用されることはない。
【0013】
さらに、以下の本文では、「好ましくは」、「特に」、「たとえば」、または同様の用語は、代替の実施形態がそれによって制限されることなく、任意の特徴と併せて使用される。この点で、これらの用語によって導入される特徴は任意の特徴であり、請求項、特に独立請求項の保護の範囲は、これらの特徴によって制限されることを意図していない。この点で、本発明は、当業者によって認識されるように、他の構成を使用して実行することもできる。同様に、「本発明の一実施形態では」または「本発明の1つの典型的な実施形態では」によって導入される特徴は、代替の構成または独立請求項の保護の範囲が、それらによって制限されることを意図することなく、任意の特徴として理解される。さらに、これらの導入表現によって導入された特徴を他の特徴と組み合わせる可能性はすべて、任意の特徴または任意でない特徴であるかどうかにかかわらず、これらの導入表現の影響を受けないままであることを意図している。
【0014】
本発明の第1の態様は、被洗浄物を洗浄するための洗浄装置を提案している。本明細書で使用される「洗浄装置」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、被洗浄物から付着した巨視的および微視的な汚れを取り除くように、またはこのタイプの汚れを少なくとも部分的に除去するように設計されている装置を指し得る。さらに、任意に消毒効果を発揮することができる。以下でより詳細に説明するように、洗浄装置は、特に、洗浄機、特に食器洗い機として構成することができる。この場合、洗浄機は、たとえば、単室型の食器洗い機として、特に多回路の食器洗いシステムを備えた市販の単室型の食器洗い機として、またはコンベアの食器洗い機として、特にフライトタイプの食器洗い機および/またはラックコンベアの食器洗い機として構成することができる。例については以下でより詳しく説明する。
【0015】
本明細書で使用される「被洗浄物」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、洗浄装置によって洗浄することができる任意の物品を指し得る。この場合、1つの物品を同時に洗浄することも、複数の物品を同時にまたは連続して洗浄することもできる。特に、被洗浄物は、食品を準備、保存、または提供するために直接的または間接的に使用される物品、すなわち、たとえば、食器、カトラリー、トレイ、ボウル、ガラス製品、鍋、フライパンまたは同様の物品であり得る。したがって、洗浄装置は、特に、食器洗い機として、たとえば、大型キッチンまたは大規模なケータリング用のキッチンでの商業的使用のための食器洗い機として構成することができる。原則として、被洗浄物の他の改良も可能である。
【0016】
洗浄装置は少なくとも1つの洗浄チャンバを備え、洗浄チャンバは、少なくとも1つの洗浄液を洗浄チャンバ内の被洗浄物に投入するための少なくとも1つの投入装置を備えている。本明細書で使用される「洗浄チャンバ」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。この用語は、限定されることなく、特に、洗浄プロセスが全体的にまたは部分的に実施され得る、全体的にまたは部分的に閉じられたチャンバを指し得る。洗浄チャンバは、特に、洗浄チャンバを全体的にまたは部分的に取り囲む少なくとも1つのハウジングを有することができる。ここで、単一の洗浄チャンバを設けることができるか、または原則として、複数の洗浄チャンバを、たとえば連続して設けることができる。洗浄チャンバは、たとえば、被洗浄物を洗浄チャンバに投入するための少なくとも1つの開口部を有することができる。たとえば、上記開口部は、洗浄チャンバの前面および/または洗浄チャンバの上面に配置されているハッチを備えた開口部であり得る。代替物として、たとえばフードタイプの食器洗い機として知られているものの範囲内で、洗浄チャンバを閉じるためのフードも可能である。再び、代替として、洗浄チャンバはまた、たとえば、パススルーの食器洗い機またはコンベアの食器洗い機として知られているものの範囲内で、たとえば、全体的または部分的に、トンネルとして、たとえば、入口開口部および出口開口部を備えたトンネルとして構成することができる。原則として他の改良も可能である。
【0017】
本明細書で使用される「投入装置」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、洗浄液を洗浄チャンバ内の被洗浄物に投入することができる、基本的に任意の所望の装置を指し得る。投入装置は、特に、以下でより詳細に説明されるように、少なくとも1つのノズルシステムを備えることができる。さらに、投入装置は、ノズルシステムに洗浄液を供給するために、少なくとも1つのポンプ、およびまた少なくとも1つのラインシステムを備えることができる。たとえば、本明細書では、タンクから洗浄液を投入するための1つのノズルシステムおよび1つのラインシステム、ならびに少なくとも1つの対応するポンプを設けることができる。代替または追加として、洗浄液は、この目的のためにポンプを必要とせずに、たとえば、供給ラインから直接少なくとも1つのノズルシステムに投入することもできる。たとえば被洗浄物が順次通過する1つまたは複数の洗浄区域を、洗浄装置に設けることができる。たとえば、単一の洗浄区域を設けることができ、ここで、洗浄装置は洗浄プログラムを実行するように設計され、そこでは、被洗浄物は洗浄チャンバ内で静止状態に保持され、洗浄液は、投入装置を使用して、様々な方法で洗浄プログラムの1つまたは複数の洗浄工程で連続して上記の被洗浄物に適用される。代替方法として、被洗浄物は、洗浄液が様々な方法で適用される複数の洗浄区域、たとえば、事前清浄区域、洗浄区域、すすぎまたは最終すすぎ区域からなる群から選択される1つまたは複数の洗浄区域を通って連続して搬送することもでき、ここで、上記のすすぎまたは最終すすぎ区域は、ポンプ最終すすぎ区域および下流の真水最終すすぎ区域に細分することができる。さらに、少なくとも1つの乾燥工程を提供することができ、その乾燥工程は、たとえば、被洗浄物が静止状態に保持されている場合に1つのチャンバ内の洗浄液の投入に続いて行うことができるか、またはその乾燥工程は、たとえばコンベアの食器洗い機の場合に、液体洗浄区域の下流にある乾燥区域で行うことができる。
【0018】
本明細書で使用される「洗浄液」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、被洗浄物と接触したときに洗浄効果を提供することができる液体を指し得る。特に、洗浄液は、水性液体、たとえば水および/または1つまたは複数の添加剤を含む、たとえば1つまたは複数の洗剤濃縮液および/または最終すすぎ剤および/または消毒剤を含む、水を含むことができる。洗浄装置は、単一の洗浄液を使用するように、または複数の洗浄液の組み合わせを使用するように設計することができる。複数の洗浄液が提供される場合、様々な洗浄液を、同時にまたは順次、被洗浄物に投入することができる。たとえば、被洗浄物は、洗浄チャンバ内で静止したままであり得、様々な洗浄液および/または洗浄液体が、連続して上記の被洗浄物に投入され得る。代替方法として、上記で説明したように、被洗浄物は、たとえば、様々なタイプの洗浄液および/または様々なグレードの純度の洗浄液が上記洗浄液に適用される、複数の洗浄区域を通って順次搬送することもできる。様々なグレードの純度は、たとえば、洗浄装置の様々なタンク間のカスケードオーバーフローによって生成することができ、ここで、純度の程度は、好ましくは、搬送方向で増大する。代替または追加として、洗浄装置の個々のタンク間の液体バランスおよび純度の程度を調節するポンプシステムも知られており、本発明の範囲内で使用することができる。
【0019】
洗浄装置はさらに、被洗浄物を搬送方向に洗浄チャンバに通して搬送するための少なくとも1つの搬送装置を備える。本明細書で使用される「搬送装置」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、少なくとも1つの他の装置または少なくとも1つの他の要素を搬送するように、および/または他の装置または他の要素の移動を駆動させるように設計されている装置を指し得る。搬送装置は、特に、少なくとも1つの駆動要素、たとえば、洗浄チャンバを通って回路内を走る少なくとも1つの駆動要素を備えることができる。特に、搬送装置、たとえば、駆動要素は、駆動チェーン、駆動ベルト、ベルトコンベアからなる群から選択される少なくとも1つの要素を備えることができる。搬送装置はまた、たとえばラックで、被洗浄物を間接的に搬送するように設計することができる。この場合、ラックは、たとえば、スライダレール上に配置され、たとえば、逆爪型の搬送システムによって運ばれ得る。たとえばラックによる間接搬送のための他のタイプの装置も考えられ、使用可能である。ここで、搬送は、たとえば、連続的に、または断続的にまたは時計回りに行うことができるため、たとえばパススルーの食器洗い機などの、たとえば連続的に動作するコンベアの食器洗い機またはクロックド食器洗い機を使用することができる。搬送方向は、たとえば、洗浄チャンバ内の被洗浄物の移動の主な方向であり得る。搬送方向は、恒久的に事前に指定することも、たとえばローカルで、または時間に関して変更することもできる。たとえば、搬送方向は、洗浄チャンバの入口から出口に向けることができる。
【0020】
洗浄装置はさらに、搬送装置から被洗浄物を取り出すために、搬送方向に洗浄チャンバの下流に配置されている、少なくとも1つの出口領域を有する。本明細書で使用される「出口領域」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、洗浄された物品が、操作スタッフおよび/または自動除去機にアクセス可能であり、洗浄装置から手動および/または自動で取り出すことができる、洗浄装置の領域、たとえば空間セクションを指し得る。たとえば、出口領域は、搬送装置のアクセス可能な領域、たとえば、洗浄チャンバ、および特に洗浄トンネルの下流に配置され、特に被洗浄物が洗浄チャンバで洗浄された後に搬送され得る領域を有することができる。上記領域は、たとえば、搬送装置、たとえば、ベルトコンベアが突出する、覆われていない領域であり得る。概してここで、「下流に配置される」または「搬送方向に下流に配置される」という用語は、特に、被洗浄物が、最初に洗浄チャンバを通過し、その後搬送方向に出口領域へと搬送されることを指し得る。
【0021】
洗浄装置はさらに、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物を識別するための少なくとも1つのセンサを有する。本明細書で使用される「センサ」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、別の装置、物質、または環境の少なくとも1つの特性、たとえば、少なくとも1つの物理的、化学的または生物学的な特性を検出するように設計されている装置を指し得る。センサは、以下でより詳細に説明されるように、特に、少なくとも1つの光学センサ、たとえば、少なくとも1つのカメラを備えることができる。特に、センサは、少なくとも1つの画像識別システム、たとえば、識別のためのプログラムベースのセットアップを備えた少なくとも1つのデータ処理装置を備えた少なくとも1つのカメラを有することができる。たとえば、センサは、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物を識別するために、少なくとも1つの自己学習システムを有することができる。しかし、代替または追加として、他のタイプのセンサ、たとえば機械式センサを使用することもできる。「識別」という用語は、特に、センサが、少なくとも1つのタイプの被洗浄物を他の物品または他のタイプの被洗浄物と区別するように設計されていることを意味すると理解され得る。たとえば、センサは、トレイを他のタイプの被洗浄物と区別するように設計することができる。特に、センサは、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物が識別されているか否かについての情報を含む、少なくとも1つの情報項目、たとえば、少なくとも1つの信号および/または少なくとも1つのデジタル情報項目を生成するようにプログラムベースの方法で設計することができる。たとえば、トレイの識別はターゲットを絞った方法で行うことができる。センサは、全体的または部分的に洗浄装置の制御装置と組み合わせることもできる。たとえば、センサは、少なくとも1つのセンサ要素、たとえば、少なくとも1つのカメラおよび/または少なくとも1つのカメラチップ、およびまた、たとえば、洗浄装置の制御装置または上記制御装置の一部、たとえば、少なくとも1つのデータ処理装置、特に制御装置の少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。制御装置は、たとえば、画像識別のタスクを引き継ぐように設計することができ、それによって、少なくとも1つのタイプの被洗浄物は、単一の画像で、またはカメラによって提供され得る一連の画像で識別される。
【0022】
洗浄装置はさらに少なくとも1つのスライダを有する。洗浄装置は、事前に指定されたタイプの被洗浄物を搬送装置から搬送方向に対して横方向に自動的に押すように設計されている。本明細書で使用される「スライダ」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、別の装置または別の要素を変位させるように設計されている装置または要素を指し得る。特に、スライダは、たとえばその場所および/または位置を変更するように、全体的または部分的にアクチュエータとして、すなわち、別の要素に機械的に作用する要素として設計することができる。特に、スライダは、機械式アクチュエータ、電気機械式アクチュエータ、油圧式または空気圧スライダ、少なくとも1つのレールに取り付けられた変位可能な要素、タペットからなる群から選択される少なくとも1つのアクチュエータを有することができる。たとえば、スライダは、搬送装置の第1の側に配置される、および/または搬送装置の上方に配置されるベースを有することができ、ここで、可動アクチュエータ要素がベースから搬送装置上方に伸長し、その可動アクチュエータ要素は、事前に指定されたタイプの被洗浄物を、搬送装置、たとえばベルトコンベアから、第1の側の反対側に位置する搬送装置の第2の側に自動的に押すように設計されている。
【0023】
本明細書で使用される「自動」という用語は、同様に、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、人間の介入なしで行われるプロセスを指し得る。特に、洗浄装置は、たとえば、洗浄装置の制御装置および/またはセンサ自体の対応するプログラムベースのセットアップによって、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物、たとえば、トレイが識別されるとすぐに、スライダが、センサによって識別された少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物を、搬送装置から搬送方向に対して横方向に自動的に押す、スライダの動作が、たとえば対応する制御動作のみに基づいて、人間のユーザによるさらなる介入なしに開始されるような方法で設計することができる。
【0024】
概して、スライダは、事前に指定されたタイプの被洗浄物を搬送装置から搬送方向に対して横方向に自動的に押すように設計することができる。ここで、「横方向」という表現は、特に、搬送方向に対する90°の角度でのスライダの押し方向を包含することができる。しかし、原則として90°からの偏向が可能であり、好ましくは、20°以下、特に10°以下またはさらに5°以下の偏向も可能である。
【0025】
洗浄装置はさらに、搬送方向に対して横方向で搬送装置の隣に配置されている少なくとも1つの受け装置を有することができる。これに関連して、「搬送方向に対して横方向で搬送装置の隣に」という用語は、特に、被洗浄物が搬送装置を通って受け装置を通過するように搬送され得るように、受け装置が搬送装置の隣に配置されることを意味すると理解することができる。搬送装置は、特に、受け装置を通過するリニア搬送を行うことができるように、少なくともセクションで線形に構成することができる。被洗浄物は、搬送方向に対する横方向の移動によって、たとえば、搬送方向に対する90°の角度で、好ましくは20°以下、特に10°以下またはさらに5°以下の偏向で、搬送装置から受け装置上または受け装置内に変位され得る。
【0026】
本明細書で使用される「受け装置」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、1つまたは複数の他の要素を受けることができる装置を指し得る。たとえば、受け装置は、複数の同一の要素を可逆的に受けることができる格納手段を含むことができる。特に、以下でより詳細に説明されるように、受け装置は、トレイ用の少なくとも1つの受け装置、および/または特定のタイプの食器用の少なくとも1つの受け装置、たとえばプレート、および/またはカトラリー用の少なくとも1つの受け装置を有することができる。受け装置は、たとえば、被洗浄物を積み重ねるための少なくとも1つのスタッカ、たとえば少なくとも1つのトレイスタッカを有することができる。洗浄装置はさらに、以下でより詳細に説明されるように、少なくとも1つのガイド、たとえば少なくとも1つのガイド要素を備えた1つのガイドを有することができ、ここで、ガイドは、たとえば、すべての開始された事前に指定されたタイプの被洗浄物に対して均一な向きで積み重ねる目的で、少なくとも1つの事前に指定された向きで事前に指定されたタイプの被洗浄物を受け装置に供給するように設計されている。ガイドは、特に、少なくとも1つの受け装置とは全体的にまたは部分的に別々に設計することができる。
【0027】
洗浄装置は、特に、スライダによって、事前に指定されたタイプの被洗浄物を受け装置に押すように設計することができる。少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物の存在が、たとえば、センサによって、それ自体で、または少なくとも1つの任意の制御装置の補助を受けて、たとえば、センサの識別領域内で識別される場合、スライダは、たとえば制御装置によって、事前に指定されたタイプの識別された物品または事前に指定されたタイプの複数の識別された物品がスライダによって受け装置上に押し込まれるように作動させることができる。
【0028】
受け装置は、特に、事前に指定されたタイプの被洗浄物、たとえば、複数の事前に指定されたタイプの被洗浄物を受け装置に積み重ねることができるように設計することができる。上で説明したように、受け装置は、それに応じて、たとえば、少なくとも1つのトレイスタッカおよび/または食器および/またはカトラリー用の少なくとも1つのスタッカを有することができる。他のタイプのスタッキング装置も可能である。
【0029】
洗浄装置、たとえば、洗浄装置の受け装置および/または別の部分は、さらに、事前に指定されたタイプの被洗浄物を事前に指定された向きで受け装置に供給するように設計され得る少なくとも1つのガイドを有することができる。たとえば、ガイドは、少なくとも1つのガイドロッドおよび/または少なくとも1つのガイドレールを備えることができる。押しプロセス中に、被洗浄物が受け装置内のその最終位置に到達する前に、ガイドは、たとえばガイドにおける対応して形作られた屈曲によって被洗浄物の向きを変更することができる。概して、ガイドは、たとえば、事前に指定されたタイプの被洗浄物を、搬送装置上の第1の向きから受け装置における第2の向きに変えるように設計することができ、ここで、第1および第2の向きは好ましくは異なる。たとえば、平らな被洗浄物は、搬送装置上で洗浄装置に直立して受けられ、ガイドによって受け装置における水平方向に移送され得る。このようにして、省スペースの向きを、洗浄装置と受け装置の両方において選択することができる。少なくとも1つのガイドは、全体的または部分的に洗浄装置の食器洗い機の構成部品であり得るか、全体的または部分的に受け装置の構成部品であり得るか、または全体的または部分的に、たとえば別のコンポーネントとしての、洗浄装置の別の構成部品であり得る。たとえば、標準的なコンポーネント、たとえば、トレイスタッカは、受け装置として使用することができ、ここで、少なくとも1つのガイドは、たとえば、受け装置とは全体的にまたは部分的に別個に設計することができる。
【0030】
特に、搬送装置は、ベルトコンベア、搬送チェーン、ローラ搬送装置、つめ駆動部からなる群から選択される少なくとも1つの装置を有することができる。特に、洗浄装置は、それに応じて、たとえば、コンベアの食器洗い機として、たとえばフライトタイプの食器洗い機として、またはラックコンベアの食器洗い機として構成することができる。しかし、原則として他の改良も可能である。特に、ベルトコンベアは、以下でより詳細に説明するように、このようにして搬送装置上に省スペースの配置を作成するために、被洗浄物または被洗浄物の一部を直立に挿入することができる複数のフィンガまたは搬送フィンガを有することができる。たとえば、トレイは、たとえば搬送装置に面する長辺で、フィンガ内に直立して受けられ得る。トレイは、押し出されると、たとえばベルトコンベアなどの搬送装置上で、長辺で摺動し得る。
【0031】
特に、洗浄装置は、事前に指定されたタイプの被洗浄物のみが、スライダによって搬送装置から搬送方向に対して横方向に押されるように構成することができるが、たとえば他のタイプの被洗浄物は搬送装置上に残る。たとえば、トレイのみが搬送装置から押され得るが、たとえば食器および/またはカトラリーは搬送装置上に残る。
【0032】
したがって、概して、事前に指定されたタイプの被洗浄物は、特にトレイを備えることができる。特に、搬送装置は、概して、搬送装置の平面に対して平行ではない向きでトレイを受けるように設計することができる。上で説明したように、これは、たとえば、搬送装置の平面に対して90°の向きで、または90°から、30°以下、特に20°以下の偏向で、たとえば、トレイが、搬送装置、たとえばベルトコンベア上で直立することによって行われ得る。特に、搬送装置は、ベルトコンベアおよび/またはリンクチェーンを有することができる。特に、搬送装置は、複数の受けフィンガを有することができ、ここで、トレイは、ベルトコンベアおよび/またはリンクチェーンの平面に対する60°から120°の角度で受けフィンガに挿入することができる。特に、トレイは、たとえば、トレイの長辺が搬送方向に対する90°±20°の角度にあることによって、搬送方向に対して横方向に受けフィンガに挿入することができる。
【0033】
特に、洗浄装置、特に受け装置は、少なくとも1つのトレイスタッカを有することができる。このトレイスタッカは、たとえば、携帯型のトレイスタッキングトロリーとして携帯型の構成にすることができる。特に、トレイスタッカは、ローディング用のバネ搭載型プラットフォームを有することができる。特に、洗浄装置は、少なくとも1つの第1のガイドレールおよび少なくとも1つの第2のガイドレールを有することができ、ここで、第1および第2のガイドレールは、トレイがベルトコンベアから押し出されると第1のセクションに対してトレイを直立に保持し、その後、トレイがトレイのスタック上へ傾斜していくよう、トレイを傾斜させるように設計されている。特に、少なくとも1つの第1のガイドレールおよび少なくとも1つの第2のガイドレールは、受け装置とは全体的にまたは部分的に別個に設計することができる。しかし、代替として、または追加で、上記の第1のガイドレールおよび第2のガイドレールはまた、全体的または部分的に、受け装置に、たとえばトレイスタッカに一体化され得る。
【0034】
上で説明したように、洗浄装置は、概して、特に少なくとも1つの制御装置をさらに有することができる。本明細書で使用される「制御装置」という用語は、当業者によって理解されるように、その通常の一般的な意味を与えられるべき広い用語である。当該用語は、特定のまたは適合された意味に限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、洗浄装置の動作を全体的または部分的に制御および/または調整するように設計されている、洗浄装置の単一部分または複数部分の装置を指し得る。特に、制御装置は、洗浄システムの1つまたは複数の動作パラメータ、たとえば、少なくとも1つの温度、少なくとも1つの圧力、少なくとも1つの加熱能力、少なくとも1つの搬送速度、または2つまたはそれ以上の上記動作パラメータの組み合わせを変更する、特に制御および/または調整するように設計することができる。特に、制御装置は、少なくとも1つのデータ処理装置、たとえば、少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。特に、制御装置は、たとえば、洗浄装置の少なくとも1つの洗浄プログラムを制御するために、および任意に、下記の改良の1つまたは複数において提案された方法を制御または実行するために、プログラムベースの方法で設定することができる。制御装置のセットアップは、全体的または部分的にハードウェアによって、あるいはまた、代替として、または追加で、全体的または部分的にソフトウェアによって実現することができる。さらに、制御装置は、少なくとも1つの揮発性および/または不揮発性データメモリを備えることができる。さらに、制御装置は、たとえば、コマンドを入力する、および/または情報を出力するための少なくとも1つのインターフェース、たとえばマン/マシンインターフェース、および/または洗浄装置と少なくとも1つの追加の装置との間のデータおよび/またはコマンドの一方向または双方向の交換のための無線または有線のインターフェースを備えることができる。特に、制御装置は、少なくとも1つのコンピュータおよび/または少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。特に、制御装置は、洗浄装置の集中型または分散型のマシン制御装置であり得る。特に、制御装置は、搬送装置および/またはスライダの動作を制御するために、プログラムベースの方法で設定することができる。さらに、制御装置はまた、少なくとも1つのセンサに接続され、たとえば、1つまたは複数のセンサ信号をプログラムベースの方法で処理することもできる。さらに、制御装置はまた、上で説明したように、他の要素と全体的にまたは部分的に同一であり得、および/または他の要素に全体的または部分的に一体化され得る。たとえば、少なくとも1つのセンサは、たとえば、センサの画像識別が制御装置に一体化されることによって、全体的または部分的に制御装置に一体化することもできる。
【0035】
上で説明したように、制御装置は、洗浄装置の動作を制御するために、特にプログラムベースの方法で設定することができる。特に、制御装置は、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物が識別されたときにスライダを自動的に作動させ、この被洗浄物を搬送装置から、たとえば、搬送方向に対して横方向に受け装置に自動的に押すように設計することができる。
【0036】
特に、制御装置は、センサからのデータに基づいて事前に指定されたタイプの被洗浄物を識別し、対応する方法でスライダを作動させるように設計することができる。たとえば、制御装置は、上で説明したように、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物が、たとえば、センサの識別領域に存在するかどうかを識別する少なくとも1つの画像識別手段を有することができる。存在が識別された場合、制御装置は、たとえば、この識別された被洗浄物が搬送装置からスタッキング装置上に押し込まれるように、スライダを作動させることができる。
【0037】
上記のように、センサは様々なセンサ原理を利用することができる。特に、センサは、カメラ、光バリア、ボタン、スイッチ、特に電気機械式スイッチ、機械的空気圧スイッチ、傾斜レバーからなる群から選択される少なくとも1つのセンサであってもよい。上記センサはまた、他のセンサ、たとえば、1つまたは複数の近接センサまたは同様の装置であってもよい。
【0038】
上で説明したように、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物は、スライダによって、横方向に搬送装置から、搬送方向に対して横方向に、たとえば受け装置上に押し込まれる。残りの被洗浄物は別の方法で処置することができる。たとえば、この目的のために1つまたは複数のさらなるスライダを提供することができる。代替として、または追加で、搬送装置から被洗浄物を取り出すために、1つまたは複数の把持装置を提供することができる。また、代替として、または追加とで、1つまたは複数の移送装置を、出口領域の一端、たとえば、洗浄チャンバから最も遠い出口領域の端部に設けることができる。たとえば、少なくとも1つの移送装置は、事前に指定されたタイプの被洗浄物以外の被洗浄物を搬送装置から自動的に取り出すように設計することができる。たとえば、移送装置は、把持手段、吸引手段、シュート、ベルトコンベア、搬送チェーン、プレート運搬ベルト、ベルト運搬装置からなる群から選択される少なくとも1つの装置を有することができる。
【0039】
さらなる考えられ得る改良が洗浄装置のタイプとその実現性に関連している。特に、洗浄装置は、少なくとも1つの食器洗い機であってもよい。特に、食器洗い機は、ラックコンベアの食器洗い機、フライトタイプの食器洗い機、フードタイプの食器洗い機、パススルーの食器洗い機からなる群から選択することができる。
【0040】
上で説明したように、洗浄チャンバは、特に、少なくとも部分的に洗浄トンネルとして構成することができる。特に、洗浄装置は、洗浄トンネル内に少なくとも2つの洗浄区域を有することができる。特に、搬送装置は、被洗浄物を順次洗浄区域に通して搬送するように設計することができる。特に、洗浄区域は、事前清浄区域、洗浄区域、ポンプ最終すすぎ区域、真水最終すすぎ区域、乾燥区域からなる群から選択される少なくとも2つの区域を含むことができる。
【0041】
さらなる態様は、被洗浄物を洗浄するための方法を提案する。当該方法は以下でより詳細に述べられる工程を含む。これらの工程は上記の順序で実行することができる。しかし、原則として異なる順序も可能である。さらに、上記方法の工程のうちの2つまたはそれ以上を、時間に関して重複する方法で、または同時に実行することができる。さらに、上記方法の工程のうちの1つまたは複数を、1回または繰り返して実行することができる。上記工程に加えて、当該方法は、言及されていないさらなる方法の工程を含むことができる。
【0042】
当該方法は、
I.請求項の1つにおいて請求された洗浄装置を提供する工程と、
II.被洗浄物を搬送装置上で受ける工程と、
III.被洗浄物を洗浄チャンバに通して搬送方向に搬送する工程と、
IV.投入装置によって洗浄チャンバ内の被洗浄物に少なくとも1つの洗浄液を投入する工程と、
V.少なくとも1つのセンサを使用して少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物を識別する工程と、
VI.スライダによって事前に指定されたタイプの被洗浄物を搬送装置から搬送方向に対して横方向に押し出す工程と、を含む。
【0043】
当該方法は、提示された改良の1つまたは複数における提案された洗浄装置の使用を含む。したがって、考えられ得る定義およびオプションについては洗浄装置の記載を参照することができる。
【0044】
概して、記載された洗浄装置および提案された方法は、上記のタイプの既知の装置および方法に比べて多くの利点を有する。特に、既知のシステムおよび方法の上記の技術的課題は対処される。説明したように、1つまたは複数の特定のタイプの被洗浄物を搬送方向に対して横方向に自動的に押すことによって、この特定の被洗浄物は、洗浄後に自動的に収集され、たとえば積み重ねられる。特に、このオプションは、トレイを最初に省スペースの方法で洗浄チャンバに通して直立に搬送することができ、そこでこの方法で効率的に洗浄することができ、次に洗浄後に自動的に積み重ねをばらすことができるため、トレイを処置することに利点がある。スライダの構造は、洗浄された物品を搬送装置から、たとえば出口領域から自動的に取り出す、他の装置と組み合わせることもできる。たとえば、取り出しは1つまたは複数の把持手段または吸引手段によって行うことができ、および/または取り出しは、搬送装置の一端、たとえばベルトの一端で、たとえば、カトラリーなどの残りの被洗浄物が搬送ボックスに自動的に落下することによって行うことができる。たとえば、トレイは記載されたスライダによって出口領域から取り出すことができ、皿は少なくとも1つの把持手段および/または少なくとも1つの吸引手段によって取り出すことができ、カトラリーは、たとえば、カトラリーボックスに自動的に落下することができるか、またはたとえば磁気的に取り出すことができる。他のオプションも実行可能である。さらに、記載された少なくとも1つのスライダが人間の労力と組み合わされる半自動除去装置も考えられ、ここで、たとえば、人員削減がこの場合可能である。全体として、たとえば、概して自動化または半自動化によって、洗浄装置の構成に関して、また操作スタッフの計画に関して、より高度な柔軟性を達成することもできる。
【0045】
要約すると、さらなる考えられ得る構成を制限することなく、以下の実施形態が提案される。
【0046】
実施形態1:被洗浄物を洗浄するための洗浄装置であって、洗浄装置が少なくとも1つの洗浄チャンバを備え、洗浄チャンバが、洗浄チャンバ内の被洗浄物に少なくとも1つの洗浄液を投入するための少なくとも1つの投入装置を備え、洗浄装置がさらに、被洗浄物を洗浄チャンバに通して搬送方向に搬送するための少なくとも1つの搬送装置を備え、洗浄装置が、被洗浄物を搬送装置から取り出すための、搬送方向で洗浄チャンバの下流に配置されている、少なくとも1つの出口領域を有し、洗浄装置が、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物を識別するための少なくとも1つのセンサをさらに有し、洗浄装置が、少なくとも1つのスライダをさらに有し、事前に指定されたタイプの被洗浄物を搬送装置から搬送方向に対して横方向に自動的に押すように設計されている、洗浄装置。
【0047】
実施形態2:洗浄装置が、搬送方向に対して横方向で搬送装置の隣に配置されている少なくとも1つの受け装置をさらに備え、洗浄装置が、スライダによって事前に指定されたタイプの被洗浄物を受け装置上に押し込むように設計されている、実施形態1記載の洗浄装置。
【0048】
実施形態3:事前に指定されたタイプの被洗浄物が、受け装置において積み重ねられ得る、実施形態2記載の洗浄装置。
【0049】
実施形態4:洗浄装置が少なくとも1つのガイドをさらに有し、ガイドが、事前に指定されたタイプの被洗浄物を事前に指定された向きで受け装置に供給するように設計されている、実施形態2または3に記載の洗浄装置。
【0050】
実施形態5:ガイドが、事前に指定されたタイプの被洗浄物を、搬送装置上の第1の向きから受け装置における第2の向きに変えるように設計されている、実施形態4記載の洗浄装置。
【0051】
実施形態6:搬送装置が、ベルトコンベア、搬送チェーン、ローラ搬送装置、つめ駆動部からなる群から選択される少なくとも1つの装置を有する、実施形態1~5のいずれか1つに記載の洗浄装置。
【0052】
実施形態7:事前に指定されたタイプの被洗浄物が、トレイを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の洗浄装置。
【0053】
実施形態8:搬送装置が、搬送装置の面に対して非平行となる向きでトレイを受けるように設計されている、実施形態7記載の洗浄装置。
【0054】
実施形態9:搬送装置がベルトコンベアおよび/またはリンクチェーンを有し、搬送装置が複数の受けフィンガを有し、トレイが、ベルトコンベアおよび/またはリンクチェーンの面に対して60°から120°の角度で受けフィンガに挿入され得る、実施形態8記載の洗浄装置。
【0055】
実施形態10:トレイが、搬送方向に対して横方向に受けフィンガに挿入され得る、実施形態9記載の洗浄装置。
【0056】
実施形態11:洗浄装置が、特に載せるためのバネ搭載型プラットフォームを備えた、少なくとも1つのトレイスタッカ、特に、携帯型のトレイスタッキングトロリーを有する、実施形態7~10のいずれか1つに記載の洗浄装置。
【0057】
実施形態12:洗浄装置が、少なくとも1つの第1のガイドレールおよび少なくとも1つの第2のガイドレールを有し、第1および第2のガイドレールが、トレイが搬送装置から押し出されるときに第1のセクションにおいてトレイを直立に保持し、その後、トレイがトレイのスタック上へと傾斜していくよう、トレイを傾斜させるように設計されている、実施形態11記載の洗浄装置。
【0058】
実施形態13:少なくとも1つの制御装置をさらに備え、制御装置が、センサからのデータに基づいて事前に指定されたタイプの被洗浄物を識別し、対応する方法でスライダを作動させるように設計されている、実施形態1~12のいずれか1つに記載の洗浄装置。
【0059】
実施形態14:センサが、カメラ、光バリア、ボタン、スイッチ、特に電気機械式スイッチ、機械的空気圧スイッチ、傾斜レバーからなる群から選択される少なくとも1つのセンサである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の洗浄装置。
【0060】
実施形態15:出口領域の一端に配置されている少なくとも1つの移送装置をさらに備え、移送装置が、事前に指定されたタイプの被洗浄物以外の被洗浄物を搬送装置から自動的に取り出すように設計されている、実施形態1~14のいずれか1つに記載の洗浄装置。
【0061】
実施形態16:移送装置が、把持手段、吸引手段、シュートからなる群から選択される少なくとも1つの装置を有する、実施形態15記載の洗浄装置。
【0062】
実施形態17:洗浄装置が少なくとも1つの食器洗い機である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の洗浄装置。
【0063】
実施形態18:食器洗い機が、ラックコンベアの食器洗い機、フライトタイプの食器洗い機、フードタイプの食器洗い機、パススルーの食器洗い機からなる群から選択される、実施形態17記載の洗浄装置。
【0064】
実施形態19:洗浄チャンバが、少なくとも部分的に洗浄トンネルとして構成されている、実施形態1~18のいずれか1つに記載の洗浄装置。
【0065】
実施形態20:洗浄装置が、洗浄トンネル内に少なくとも2つの洗浄区域を有し、搬送装置が、被洗浄物を順次洗浄区域に通して搬送するように設計されている、実施形態19記載の洗浄装置。
【0066】
実施形態21:洗浄区域が、事前清浄区域、洗浄区域、ポンプ最終すすぎ区域、真水最終すすぎ区域、乾燥区域からなる群から選択される少なくとも2つの区域を含む、実施形態20記載の洗浄装置。
【0067】
被洗浄物を洗浄するための方法であって、当該方法が、
I.実施形態1~21いずれか1つに記載の洗浄装置を提供する工程と、
II.被洗浄物を搬送装置上で受ける工程と、
III.被洗浄物を洗浄チャンバに通して搬送方向に搬送する工程と、
IV.投入装置によって洗浄チャンバ内の被洗浄物に少なくとも1つの洗浄液を投入する工程と、
V.少なくとも1つのセンサを使用して少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物を識別する工程と、
VI.スライダによって事前に指定されたタイプの被洗浄物を搬送装置から搬送方向に対して横方向に押し出す工程と、を含む。
【0068】
本発明のさらなる詳細および特徴は、特に従属請求項に関連して、典型的な実施形態の以下の説明において見出すことができる。この場合、それぞれの特徴は、単独で実装することも、個別に互いに組み合わせて実装することもできる。本発明は典型的な実施形態に限定されない。典型的な実施形態は図に概略的に例示されている。個々の図の同じ参照番号は、同じであるか、同じ機能を有するか、またはそれらの機能に関して互いに対応する要素を示す。
【0069】
具体的には以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】洗浄装置の典型的な実施形態の断面図を示す。
【
図2】
図1による洗浄装置の出口領域の斜視部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、側面からの洗浄装置110の典型的な実施形態の断面図を示す。この典型的な実施形態では、洗浄装置110はパススルー型の食器洗い機112である。本発明に従って修正および/または追加され得るこのタイプのパススルーの食器洗い機の考えられ得る改良に関しては、たとえば、DE102004046758 A1、DE102007053381 B3またはDE102009035668 A1を参照することができる。しかし、原則として他の改良も可能である。
【0072】
例示された典型的な実施形態では、洗浄装置110は、例として、洗浄トンネル116の形態の洗浄チャンバ114を有する。特に、洗浄トンネル116は、分離カーテン118によって、洗浄区域とも呼ばれる複数の区域120に細分化することができ、ここで、前清浄区域122、食器洗浄区域124、最終すすぎ区域126、および乾燥区域128が、例示された典型的な実施形態において例として提供される。最終すすぎ区域126は、たとえば、再び、ポンプ最終すすぎ区域および真水最終すすぎ区域に細分化することができる。区域120の異なる構成も可能である。
【0073】
例示された典型的な実施形態では、たとえば食器132およびトレイ134の形態の被洗浄物130は、少なくとも1つの搬送装置136によって洗浄トンネル116を通って搬送方向138に運ばれる。この目的のために、洗浄装置110は、たとえば、フライトタイプの食器洗い機またはラックコンベアの食器洗い機として構成することができる。たとえば、被洗浄物130が搬送装置136上に配置されている少なくとも1つの入口領域140および洗浄された物品130を取り出すことができる少なくとも1つの出口領域142を提供することができる。したがって、搬送装置136は、たとえば、少なくとも1つのベルトおよび/または少なくとも1つのリンクチェーンを備えることができる。他の改良も可能である。搬送装置136は、たとえば、制御装置146によって作動させることができる少なくとも1つの駆動部144を備えることができる。
【0074】
区域122、124、および126内の少なくとも1つの投入装置148によって、少なくとも1つの洗浄液150を被洗浄物130に投入することができる。この目的のために、事前清浄区域のノズルシステム152を事前清浄区域122に設けることができ、たとえば、この事前清浄区域のノズルシステムには、たとえば、
図1には例示されていないポンプ、および例示されていないラインシステムを介して、事前清浄タンク154から洗浄液150を供給することができる。食器洗浄区域のノズルシステム156を食器洗浄区域124に設けることができ、たとえば、この食器洗浄区域のノズルシステムには、たとえば、同様に例示されていないポンプ、および同様に例示されていないラインシステムを介して、食器洗浄タンク158から洗浄液150を供給することができる。少なくとも1つのすすぎノズルシステム160を最終すすぎ区域126に設けることができ、これは、たとえば、単一部分または複数部分の方法で、すすぎタンク162から、加熱された真水および/またはすすぎ流体をすすぎノズルシステムに供給することができるように構成することができる。
【0075】
区域122、124、および126を通過した後、被洗浄物130は乾燥区域128に入ることができ、そこで、被洗浄物130の乾燥を加速させるために、たとえばファン164によって、熱気を被洗浄物130に適用することができる。
【0076】
出口領域142は、搬送方向138で洗浄チャンバ114の下流に配置され、それにより、洗浄された物品130を、出口領域142において搬送装置136から取り出すことができる。たとえば、洗浄された物品130は、タイプによって分離させることができ、1つまたは複数の保管装置166に手動または自動で供給することができる。
【0077】
被洗浄物130の取り出しおよび上記被洗浄物の分類を少なくとも部分的に補助する、好ましくは少なくとも部分的に自動化するために、洗浄装置110は、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物130を識別するための少なくとも1つのセンサ168を有する。たとえば、この少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物130は、トレイ134を含むことができ、それにより、出口142に到達する被洗浄物において、トレイ134を標的化して探すことができる。たとえば、
図1に象徴的に示されているように、トレイ134は、洗浄チャンバ114を通って直立して搬送することができる。しかし、原則として異なる改良も可能である。センサ168は、たとえば、カメラを備えることができる。さらに、たとえば、画像識別システムも備えることができる。センサ168は、制御装置146に連結させることができ、および/または全体的または部分的に制御装置146に一体化させることもできるか、または制御装置146は、全体的または部分的にセンサ168に一体化させることができる。様々な改良も可能である。
【0078】
さらに、洗浄装置110は、
図1に単に象徴的に示されている少なくとも1つのスライダ170を備え、その機能は
図2を参照して以下でさらに説明される。スライダ170は、たとえば、
図1における図面の平面に対して垂直な方向に移動可能であり、事前に指定されたタイプの被洗浄物130を搬送装置136から搬送方向138に対して横方向に自動的に押すように設計されている。
【0079】
図2は、スライダ170の機能の一例の部分的な斜視図および出口領域142からの被洗浄物130の取り出しの考えられ得る改良を例示している。上記図は、洗浄装置110の出口領域142を示しており、この出口領域は、搬送方向で洗浄チャンバ114の下流に配置されている。上記図から、搬送装置136が、たとえば、搬送フィンガとも呼ばれる複数のフィンガ172を有することができ、それらの中に被洗浄物130を挿入することができることが分かる。たとえば、プレートを直立して搬送することができ、トレイ134も、たとえば、洗浄チャンバ114に通して直立して搬送することができる。
【0080】
この典型的な実施形態では、例として、センサ168がトレイ134を特定のタイプの被洗浄物130として自動的に識別するように設計されている改良に対して参照がなされる。たとえば、センサ168がトレイ134を識別する場合、スライダ170は、たとえば制御装置146によって自動的に動作され得る。たとえば、スライダ170は、ヘッド174、プッシュロッド176、および、プッシュロッド176と、それ故、プッシュロッド176に接続されているヘッド174とを搬送方向138に対して横方向に押し方向へと直線的に推進するための駆動部178を有することができる。たとえば、スライダ170は、トレイ134のみが押し出される高さに配置することができるが、たとえば、食器132などの、より低い高さの被洗浄物130は同時に押し出されない。
【0081】
洗浄装置110は、事前に指定されたタイプの被洗浄物130を受けるための少なくとも1つの受け装置182をさらに有することができる。
図2に例示されるように、この受け装置182は、たとえば、出口領域142内の搬送装置136の隣に配置することができる。特に、受け装置142は、
図2に示されるように、トレイスタッカ184、特にトレイスタッキングトロリー186を含むことができる。特に、トレイスタッカ184は、
図2に示されるように、事前に指定されたタイプの被洗浄物130を積み重ねることができる少なくとも1つのバネ搭載支持領域188を有することができる。支持領域188のバネの取り付けにより、積み重ねられたトレイの数に関係なく、被洗浄物をトレイスタッカ上に移送するための同じ高さを常に提供することができる。
【0082】
受け装置182は、任意に、事前に指定されたタイプの被洗浄物130が搬送装置136から押し出されると、被洗浄物130の向きがスライダ170によって変更されるように、構成することができる。たとえば、受け装置182は、少なくとも1つの第1のガイドレール190および少なくとも1つの第2のガイドレール192を有することができ、それらの間に、事前に指定されたタイプの被洗浄物130を誘導することができる。たとえば、第1のガイドレール190はトレイ134の背面を支持することができ、第2のガイドレール192はトレイ134の前部下端を支持することができる。たとえば、第2のガイドレール192は、
図2に示されるように、ブラケットとして構成することができる。第1のガイドレール190は、たとえば、屈曲部分194を有することができ、そこで、トレイ134が押し方向180に受け装置182上へと押し込まれると、第1のガイドレール190によるトレイ134の背面の支持が変化し、それにより、トレイ134は傾斜し、直接支持領域188上へと、または支持領域188上に既に配置されているトレイのスタック上へと傾斜することができる。この傾斜プロセスは、任意に、たとえば、第2のガイドレール192が可動方式で構成されることによって補助することができる。たとえば、第2のガイドレール192はヒンジ196を有することができ、それに沿って、第2のガイドレール192は、トレイ134の傾斜を補助するために、傾斜方向198に枢動することができる。概して、第1のガイドレール190および第2のガイドレール192は、トレイ134が搬送装置136から押し出されると第1のセクション200においては、トレイ134を直立に保持し、その後、上記トレイを傾斜し、それにより、トレイ134がトレイのスタック上へと傾斜するように設計することができる。第1のセクション200は、たとえば、第1のガイドレール190の最も外側の端部から屈曲部分194まで伸長することができる。トレイ134の代わりに、他のタイプの被洗浄物130を、
図2に例示されるトレイ134と同様の方法で事前に指定し、押し出すこともできる。
【0083】
スライダ170によって搬送装置136から押し出される事前に指定されたタイプの被洗浄物130は、たとえば、制御装置146に記憶することができる。たとえば、被洗浄物のタイプは、ユーザが事前に指定することも、変更することもできる。代替として、被洗浄物のタイプは、たとえば、トレイ134のみがスライダ170によって搬送装置136から押し出されることによって、恒久的に事前に指定することもできる。単一のスライダ170の代わりに、複数のスライダ170を提供することもできる。
【0084】
事前に指定されたタイプの被洗浄物130が搬送方向138に対して横方向に押し出された後、たとえば、
図2に例として例示されるように、他の被洗浄物130は搬送装置136上に留まることができる。この被洗浄物は、たとえば、搬送装置136から格納装置202および/または搬送装置204上に押し込むことができるか、または搬送装置136から手動で取り出すことができる。代替として、または追加で、
図2に示されるように、少なくとも1つの移送装置206も設けることもできる。上記移送装置は、たとえば、少なくとも1つの把持手段および/または少なくとも1つの吸引手段210を位置決めするために、たとえば、少なくとも1つの位置決め装置208を有することができる。たとえば、少なくとも1つの事前に指定されたタイプ以外のタイプの被洗浄物130は、全体的または部分的に移送装置206によって、搬送装置136および/または保管装置202から自動的にまたは少なくとも半自動的に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0085】
110 洗浄装置
112 パススルーの食器洗い機
114 洗浄チャンバ
116 洗浄トンネル
118 分離カーテン
120 区域
122 事前清浄区域
124 食器洗浄区域
126 最終すすぎ区域
128 乾燥区域
130 被洗浄物
132 食器
134 トレイ
136 搬送装置
138 搬送方向
140 入口領域
142 出口領域
144 駆動部
146 制御装置
148 投入装置
150 洗浄液
152 事前清浄区域のノズルシステム152
154 事前清浄タンク
156 食器洗浄区域のノズルシステム
158 食器洗浄タンク
160 すすぎノズルシステム
162 すすぎタンク
164 ファン
166 保管装置
168 センサ
170 スライダ
172 フィンガ
174 ヘッド
176 プッシュロッド
178 駆動部
180 押し方向
182 受け装置
184 トレイスタッカ
186 トレイスタッキングトロリー
188 支持領域
190 第1のガイドレール
192 第2のガイドレール
194 屈曲部分
196 ヒンジ
198 傾斜方向
200 第1のセクション
202 保管装置
204 搬送装置
206 移送装置
208 位置決め装置
210 吸引手段
【手続補正書】
【提出日】2021-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物(130)を洗浄するための洗浄装置(110)であって、
前記洗浄装置(110)が少なくとも1つの洗浄チャンバ(114)を備え、前記洗浄チャンバ(114)が、前記洗浄チャンバ(114)内の前記被洗浄物(130)に少なくとも1つの洗浄液(150)を投入するための少なくとも1つの投入装置(148)を備え、
前記洗浄装置(110)がさらに、前記被洗浄物(130)を前記洗浄チャンバ(114)に通して搬送方向(138)に搬送するための少なくとも1つの搬送装置(136)を備え、
前記洗浄装置(110)が、前記被洗浄物(130)を前記搬送装置(136)から取り出すための、前記搬送方向(138)で前記洗浄チャンバ(114)の下流に配置されている、少なくとも1つの出口領域(142)を有し、
前記洗浄装置(110)が、少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を識別するための少なくとも1つのセンサ(168)をさらに有し、
前記洗浄装置(110)が、少なくとも1つのスライダ(170)をさらに有し、前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を前記搬送装置(136)から前記搬送方向(138)に対して横方向に自動的に押すように設計されている、洗浄装置(110)。
【請求項2】
前記洗浄装置(110)が、前記搬送方向(136)に対して横方向で前記搬送装置(136)の隣に配置されている少なくとも1つの受け装置(182)をさらに備え、前記洗浄装置(110)が、前記スライダ(170)によって前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を前記受け装置(182)上に押し込むように設計されている、請求項1記載の洗浄装置(110)。
【請求項3】
前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)が、前記受け装置(182)において積み重ねられる、請求項2記載の洗浄装置(110)。
【請求項4】
前記洗浄装置(110)が少なくとも1つのガイド(190、192)をさらに有し、前記ガイド(190、192)が、前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を事前に指定された向きで前記受け装置(182)に供給するように設計されている、請求項2または3に記載の洗浄装置(110)。
【請求項5】
前記ガイド(190、192)が、前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を、前記搬送装置(136)上での第1の向きから前記受け装置(182)における第2の向きに変えるように設計されている、請求項4記載の洗浄装置(110)。
【請求項6】
前記搬送装置(136)が、ベルトコンベア、搬送チェーン、ローラ搬送装置、つめ駆動部からなる群から選択される少なくとも1つの装置を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項7】
前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)がトレイ(134)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項8】
前記搬送装置(136)が、前記搬送装置(136)の面に対して非平行となる向きで前記トレイ(134)を受けるように設計されている、請求項7記載の洗浄装置(110)。
【請求項9】
前記搬送装置(136)がベルトコンベアおよ
びリンクチェーン
の少なくとも1つを有し、前記搬送装置(136)が複数の受けフィンガ(172)を有し、前記トレイ(134)が、前記ベルトコンベアおよ
び前記リンクチェーンの
少なくとも1つの面に対して60°から120°の角度で前記受けフィンガ(172)に挿入され、前記トレイが、前記搬送方向(138)に対して横方向に前記受けフィンガ(172)に挿入される、請求項8記載の洗浄装置(110)。
【請求項10】
前記洗浄装置(110)が少なくとも1つのトレイスタッカ(184)を有し、前記洗浄装置が、少なくとも1つの第1のガイドレール(190)および少なくとも1つの第2のガイドレール(192)を有し、
前記第1および第2のガイドレール(190、192)が、
トレイ(134)が前記搬送装置(136)から押し出されるときに第1のセクションにおいて前記トレイ(134)を直立に保持し、その後、前記トレイ(134)がトレイのスタック上へと傾斜していくよう、前記トレイを傾斜させるように設計されている、請求項7~9のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項11】
少なくとも1つの制御装置(146)をさらに備え、前記制御装置が、前記センサ(168)からのデータに基づいて前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を識別し、対応する方法で前記スライダ(170)を作動させるように設計されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項12】
前記センサ(168)が、カメラ、光バリア、ボタン、スイッチ、電気機械式スイッチ、機械的空気圧スイッチ、傾斜レバーからなる群から選択される少なくとも1つのセンサ(168)である、請求項1~11のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項13】
前記出口領域(142)の一端に配置されている少なくとも1つの移送装置(206)をさらに備え、前記移送装置(206)が、前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)以外の被洗浄物(130)を前記搬送装置(136)から自動的に取り出すように設計されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項14】
前記洗浄装置(110)が少なくとも1つの食器洗い機である、請求項1~13のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)。
【請求項15】
被洗浄物(130)を洗浄するための方法であって、前記方法が、
I.請求項1~14のいずれか1項に記載の洗浄装置(110)を提供する工程と、
II.前記被洗浄物(130)を搬送装置(136)上で受ける工程と、
III.前記被洗浄物(130)を洗浄チャンバ(114)に通して搬送方向(138)に搬送する工程と、
IV.投入装置(148)によって前記洗浄チャンバ(114)内の前記被洗浄物(130)に少なくとも1つの洗浄液(150)を投入する工程と、
V.少なくとも1つのセンサ(168)を使用して少なくとも1つの事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を識別する工程と、
VI.スライダ(170)によって前記事前に指定されたタイプの被洗浄物(130)を前記搬送装置(136)から前記搬送方向(138)に対して横方向に押し出す工程と、を含む、方法。
【国際調査報告】