(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】血管内血液ポンプおよび使用の方法
(51)【国際特許分類】
A61M 60/157 20210101AFI20220105BHJP
A61M 60/237 20210101ALI20220105BHJP
A61M 60/416 20210101ALI20220105BHJP
A61M 60/414 20210101ALI20220105BHJP
A61M 60/538 20210101ALI20220105BHJP
A61M 60/804 20210101ALI20220105BHJP
A61M 60/818 20210101ALI20220105BHJP
【FI】
A61M60/157
A61M60/237
A61M60/416
A61M60/414
A61M60/538
A61M60/804
A61M60/818
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518691
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(85)【翻訳文提出日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 US2019055038
(87)【国際公開番号】W WO2020073047
(87)【国際公開日】2020-04-09
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ヒルデブラント,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】カロメニ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブラント,ブライアン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,ジャニン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,アリ
(72)【発明者】
【氏名】バルガイ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シラジ,レザ
(72)【発明者】
【氏名】ゴレイシ,モスタファ
(72)【発明者】
【氏名】サラヒエ,アムル
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD10
4C077EE01
4C077FF04
4C077HH03
4C077HH09
4C077HH13
4C077HH15
4C077JJ03
4C077JJ08
4C077JJ13
4C077JJ16
(57)【要約】
血管内血液ポンプおよび使用の方法。血液ポンプは、流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管を含むポンプ部分を含む。ポンプ部分は、近位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される遠位折り畳み可能羽根車であって、遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が、流入部と前記流出部の間に配設される、遠位折り畳み可能羽根車を含む。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ部分であって、
流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管と、
近位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される遠位折り畳み可能羽根車であって、前記遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が、前記流入部と前記流出部との間に配設される、遠位折り畳み可能羽根車と、
前記血流管腔内の1つまたは複数の固定子であって、前記遠位羽根車と前記近位羽根車との間に軸方向に配設される、1つまたは複数の固定子と、を含む、ポンプ部分
を備える、血管内血液ポンプ。
【請求項2】
前記1つまたは複数の固定子は各々、前記折り畳み可能血液導管の表面に固定され、またこれから半径方向内向きに延在する、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項3】
前記1つまたは複数の固定子の各々は、複数の血流変更体を備え、それらの各々が、前記遠位羽根車と前記近位羽根車との間の圧力を増大させるように構成される少なくとも1つの軸方向に延在する表面を有する、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項4】
前記固定子は、そこから複数の流れ変更要素が延在する中央ハブを含まない、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項5】
前記固定子は、そこから複数の流れ変更要素が延在する中央ハブを含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項6】
前記1つまたは複数の固定子は各々、前記折り畳み可能血液導管の少なくとも一部分と一体的に形成される複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項7】
前記1つまたは複数の流れ変更体は、前記折り畳み可能血液導管のスキャホールドと一体である、請求項6に記載の血液ポンプ。
【請求項8】
前記1つまたは複数の流れ変更体は、それらが前記スキャホールドの外側区域に対して半径方向内向きに延在する展開構成へと付勢される、請求項7に記載の血液ポンプ。
【請求項9】
前記固定子は、前記流入部から前記流出部まで全体に軸方向に延在するのではない外側環状部材に固定され、またこれから半径方向内向きに延在する複数の血流変更体を備える、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項10】
前記外側環状部材は、前記折り畳み可能血液導管に半径方向支持を提供する、請求項9に記載の血液ポンプ。
【請求項11】
前記固定子は、高分子材料で形成される複数の血流変更体(例えば、ブレード)を備える、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項12】
前記1つまたは複数の固定子は各々、前記折り畳み可能血液導管の一部分と安定して整合するように成形される構成を有する半径方向外側の端部を有する複数の血流変更体を備える、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項13】
スキャホールドをさらに備え、前記スキャホールドが、そこを通る1つまたは複数の血流変更体アパーチャを有し、前記半径方向外側の端部の各々が、前記血流変更体アパーチャのうちの1つと安定して整合するように成形される構成を有する、請求項12に記載の血液ポンプ。
【請求項14】
前記スキャホールドにわたって延在し、前記1つまたは複数の血流変更体を前記アパーチャにさらに固定する、膜層をさらに備える、請求項13に記載の血液ポンプ。
【請求項15】
前記アパーチャは、軸方向に延在しており、前記スキャホールドの長軸に平行である、請求項14に記載の血液ポンプ。
【請求項16】
自己拡張型スキャホールドをさらに備え、前記1つまたは複数の血流変更体が、前記自己拡張型スキャホールドと安定して整合するように成形される構成を有する半径方向外側の端部を有する、請求項12に記載の血液ポンプ。
【請求項17】
前記1つまたは複数の血流変更体は、スキャホールド材料とは異なる材料で作製され、前記材料は、前記スキャホールド材料より可撓性である、請求項13に記載の血液ポンプ。
【請求項18】
前記1つまたは複数の血流変更体は、高分子材料で作製される、請求項17に記載の血液ポンプ。
【請求項19】
前記1つまたは複数の固定子は各々、高分子材料で作製される複数の血流変更体を備える、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項20】
前記固定子の各々は、少なくとも2つの血流変更体、任意選択的に4つの血流変更体を備える、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項21】
前記1つまたは複数の固定子は各々、複数の血流変更体を備え、前記1つまたは複数の血流変更体は各々、1つまたは複数の支柱のうちの1つに固定され、前記支柱は、前記近位羽根車または前記遠位羽根車が配設される拡張可能バスケットの一部分を画定する、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項22】
前記ポンプ部分は、前記拡張可能バスケットに(直接的または間接的に)固定される膜層をさらに備え、前記膜層は、前記血液導管を少なくとも部分的に画定する、請求項21に記載の血液ポンプ。
【請求項23】
前記1つまたは複数の支柱は、前記拡張可能バスケットの近位支柱である、請求項22に記載の血液ポンプ。
【請求項24】
前記拡張可能バスケットは、前記遠位羽根車が配設される遠位バスケットであり、前記ポンプ部分は、前記近位羽根車が配設される近位拡張可能バスケットをさらに備える、請求項23に記載の血液ポンプ。
【請求項25】
前記拡張可能バスケットは、前記近位羽根車が配設される近位バスケットであり、前記ポンプ部分は、前記遠位羽根車が配設される遠位拡張可能バスケットをさらに備える、請求項23に記載の血液ポンプ。
【請求項26】
前記支柱は、前記支柱の場所における前記ポンプ部分の長軸に対して非直交角度にある、請求項21に記載の血液ポンプ。
【請求項27】
前記1つまたは複数の固定子は各々、複数の血流変更体を備え、前記1つまたは複数の血流変更体の各々は、前記流れ変更体が配設される前記ポンプ部分の長手方向軸に平行に配設される内側自由端部を有する、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項28】
前記折り畳み可能血液導管は、その長さに沿ってその中に形成される1つまたは複数の屈曲部を含み、前記1つまたは複数の屈曲部が、前記1つまたは複数の血流変更体から軸方向に離間される、請求項27に記載の血液ポンプ。
【請求項29】
前記1つまたは複数の固定子は、前記折り畳み可能血液導管の少なくとも1つの他の構成要素と一体的に形成される1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項30】
前記1つまたは複数の固定子は、前記折り畳み可能血液導管に固定され、且つそこから少なくとも1mmおよび15cm以下の長さに沿って延在する半径方向外側の区域を有する1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項31】
前記1つまたは複数の血流変更体は、前記折り畳み可能血液導管に固定され、且つそこから少なくとも1mmおよび10cm以下、任意選択的に9cm以下、8cm以下、7cm以下、6cm以下、または5cm以下の長さに沿って延在する半径方向に最も外側の区域を有する、請求項30に記載の血液ポンプ。
【請求項32】
前記1つまたは複数の固定子は、前記血流変更体の半径方向に内側の縁部よりも長い前記血液導管に固定され、またそこから延在する半径方向外側の区域を有する1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項33】
前記1つまたは複数の固定子は、遠位端表面および近位端表面を有する1つまたは複数の血流変更体を含み、前記端のうちの少なくとも一方が先細である、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項34】
前記ポンプ部分は、1つまたは複数の血流変更体を前記血液導管に固定することを助ける膜を備える、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項35】
前記1つまたは複数の固定子は、自己展開型であるように適合される1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項36】
前記1つまたは複数の固定子は、複数の血流変更体を含み、前記複数の血流変更体の各々が、血流を層流へ遷移させるように構成される軸方向に延在する表面を含む複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項37】
前記1つまたは複数の血流変更体は、拡張構成と折り畳み構成との間で折り畳み可能である、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項38】
前記1つまたは複数の固定子は、第1の位置と展開位置との間で移動可能または再構成可能のうちの少なくとも一方である1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項39】
前記1つまたは複数の固定子は、前記近位および遠位羽根車が拡張構成にあるとき、前記近位羽根車および前記遠位羽根車のうちの少なくとも一方に近接して位置付けられる1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項40】
前記1つまたは複数の血流変更体は、前記近位羽根車および前記遠位羽根車に近接して位置付けられる、請求項39に記載の血液ポンプ。
【請求項41】
前記1つまたは複数の血流変更体は、前記近位羽根車に近接して位置付けられるが、前記遠位羽根車に近接して位置付けられない、請求項39に記載の血液ポンプ。
【請求項42】
前記1つまたは複数の血流変更体は、前記遠位羽根車に近接して位置付けられるが、前記近位羽根車に近接して位置付けられない、請求項39に記載の血液ポンプ。
【請求項43】
前記1つまたは複数の固定子は、前記遠位羽根車よりも前記近位羽根車に近い1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項44】
前記1つまたは複数の固定子は、前記近位羽根車よりも前記遠位羽根車に近い1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項45】
前記1つまたは複数の固定子は、1つまたは複数の血流変更体を含み、前記1つまたは複数の血流変更体の第1の端部は、前記遠位および近位羽根車のうちの少なくとも一方から0.01mm~20mmである、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項46】
前記1つまたは複数の固定子は、1つまたは複数の血流変更体を含み、前記1つまたは複数の血流変更体の第1の端部は、前記遠位および近位羽根車のうちの少なくとも一方から10x内腔径以内にある、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項47】
前記1つまたは複数の固定子は、羽根車バスケットまたは血液導管のスキャホールドのうちの1つまたは複数のための半径方向支持を提供する環状部材に固定される(任意選択的にそれと一体である)1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項48】
前記環状部材は、前記血液導管に装着される、請求項47に記載の血液ポンプ。
【請求項49】
前記1つまたは複数の固定子は、前記血液導管に半径方向支持を提供するように位置付けられ、適合される折り畳み可能中間部材の部分である1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項50】
前記1つまたは複数の固定子は、前記羽根車のうちの少なくとも一方と前記血液導管との間の先端隙間を維持するように位置付けられる折り畳み可能中間部材の部分である1つまたは複数の血流変更体を含む、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項51】
前記1つまたは複数の固定子は、1つまたは複数の血流変更体を含み、前記1つまたは複数の流体変更体の遠位領域は、前記遠位羽根車からの圧力を回復するために前記流体導管内の流体に対して拡散器として作用するように構成され、前記1つまたは複数の流体変更体の近位領域は、流れを前記近位羽根車の方へ方向付けるために固定子として作用するように構成される、請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項52】
ポンプ部分であって、
流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管と、
近位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される遠位折り畳み可能羽根車であって、前記遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が、前記流入部と前記流出部の間に配設される、遠位折り畳み可能羽根車と、
1つまたは複数の固定子であって、各々が、前記遠位かつ折り畳み可能羽根車の間に軸方向に配設される1つまたは複数の血流変更体を含む、1つまたは複数の固定子と
を含む、ポンプ部分を備え、
前記1つまたは複数の血流変更体の各々は、前記遠位羽根車と前記近位羽根車との間の流体圧力を増大させるように構成される少なくとも1つの軸方向に延在する表面を有する、血管内血液ポンプ。
【請求項53】
前記少なくとも1つの軸方向に延在する表面は、前記流れを層流へ遷移させるように構成される、請求項52に記載の血液ポンプ。
【請求項54】
前記1つまたは複数の血流変更体は、前記折り畳み可能血液導管の表面に固定され、またこれから半径方向内向きに延在する、請求項52に記載の血液ポンプ。
【請求項55】
前記1つまたは複数の流れ変更体は、本明細書内の前記流れ変更要素のうちのいずれかの任意の特徴を含む、請求項52に記載の血液ポンプ。
【請求項56】
ポンプ部分であって、
流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管と、
遠位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される近位折り畳み可能羽根車であって、前記遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が、前記流入部と前記流出部の間に配設される、近位折り畳み可能羽根車と、
前記近位羽根車が配設される近位折り畳み可能バスケットであって、前記近位折り畳み可能バスケットが、前記近位羽根車の場所において前記血液導管への半径方向支持を提供する、近位折り畳み可能バスケットと、
前記遠位羽根車が配設される遠位折り畳み可能バスケットであって、前記遠位折り畳み可能バスケットが、前記遠位羽根車の場所において前記血液導管への半径方向支持を提供する、遠位折り畳み可能バスケットと、
前記近位折り畳み可能バスケットの遠位領域、前記遠位折り畳み可能バスケットの近位領域、または前記近位バスケットと前記遠位バスケットとの間に軸方向に配設される前記血液導管の中央領域のうちの1つまたは複数を支持する、折り畳み可能半径方向支持部材と、
を含む、ポンプ部分、を備える、血管内血液ポンプ。
【請求項57】
前記半径方向支持部材は、環状周縁部材、および前記環状周縁部材から半径方向内向きに延在する複数の支持要素を含む、請求項56に記載の血液ポンプ。
【請求項58】
前記複数の支持要素は、中央ハブまで延在しない、請求項57に記載の血液ポンプ。
【請求項59】
前記複数の支持要素は、中央ハブまで延在する、請求項57に記載の血液ポンプ。
【請求項60】
前記複数の支持要素は、半径方向内側の自由端部を有する、請求項57に記載の血液ポンプ。
【請求項61】
前記半径方向支持部材は、前記近位バスケットの前記遠位領域を支持する、請求項57に記載の血液ポンプ。
【請求項62】
前記半径方向支持部材から軸方向に離間される第2の半径方向支持部材をさらに備え、前記第2の半径方向支持部材は、前記遠位バスケットの前記近位領域を半径方向に支持するように位置付けられる、請求項57に記載の血液ポンプ。
【請求項63】
前記第2の半径方向支持部材は、第2の環状周縁部材、および前記第2の環状周縁部材から半径方向内向きに延在する複数の第2の支持要素を含む、請求項62に記載の血液ポンプ。
【請求項64】
前記半径方向支持部材は、前記遠位バスケットの前記近位領域を支持する、請求項56に記載の血液ポンプ。
【請求項65】
前記折り畳み可能半径方向支持部材は、本明細書内の血液変更要素のうちのいずれかなど、1つまたは複数の血液変更要素を含む固定子を備える、請求項56に記載の血液ポンプ。
【請求項66】
ポンプ部分であって、
流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管と、
遠位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される近位折り畳み可能羽根車であって、前記遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が、前記流入部と前記流出部の間に配設される、近位折り畳み可能羽根車と、
前記近位羽根車が配設される近位折り畳み可能バスケットであって、前記近位折り畳み可能バスケットが、前記近位羽根車の場所において前記血液導管への半径方向支持を提供する、近位折り畳み可能バスケットと、
前記遠位羽根車が配設される遠位折り畳み可能バスケットであって、前記遠位折り畳み可能バスケットが、前記遠位羽根車の場所において前記血液導管への半径方向支持を提供する、遠位折り畳み可能バスケットと、
環状周縁部材、および前記環状周縁部材から半径方向内向きに延在する複数の支持要素を含む、折り畳み可能半径方向支持部材と
を含む、ポンプ部分を備え、
前記折り畳み可能半径方向支持体は、前記近位折り畳み可能バスケットの遠位領域、前記遠位折り畳み可能バスケットの近位領域、または前記近位バスケットと前記遠位バスケットとの間に軸方向に配設される前記血液導管の中央領域のうちの1つまたは複数を半径方向に支持する、血管内血液ポンプ。
【請求項67】
前記複数の支持要素は、中央ハブまで延在しない、請求項66に記載の血液ポンプ。
【請求項68】
前記複数の支持要素は、中央ハブまで延在する、請求項66に記載の血液ポンプ。
【請求項69】
前記複数の支持要素は、半径方向内側の自由端部を有する、請求項68に記載の血液ポンプ。
【請求項70】
前記折り畳み可能半径方向支持体は、前記近位折り畳み可能バスケットの遠位領域、前記遠位折り畳み可能バスケットの近位領域のうちの少なくとも一方内に半径方向に配設される、請求項68に記載の血液ポンプ。
【請求項71】
前記折り畳み可能半径方向支持体は、前記近位バスケットの遠位領域内に半径方向に配設され、前記近位バスケットは、複数の近位支柱を含むが、複数の遠位支柱を含まない、請求項66に記載の血液ポンプ。
【請求項72】
前記折り畳み可能半径方向支持体は、固定子を備え、前記固定子は、前記複数の支持要素を含む、請求項66に記載の血液ポンプ。
【請求項73】
前記複数の支持要素は、前記遠位羽根車と前記近位羽根車との間の流体圧力を増大させるように構成される、請求項72に記載の血液ポンプ。
【請求項74】
大動脈弁を横切って血管内血液ポンプを展開する方法であって、
血管内血液ポンプを心臓弁の領域へ前進させるステップであって、前記血管内血液ポンプが、遠位バスケット、遠位羽根車、近位バスケット、近位羽根車、および血流導管を備える、ステップと、
前記遠位バスケットおよび前記遠位羽根車を、各々、折り畳んだ送達構成から展開構成へ展開するステップと、
前記遠位バスケットの遠位端部が大動脈弁尖に対して遠位であるように、前記遠位バスケットの少なくとも一部分を左心室内に位置付けるステップと、
前記近位バスケットおよび前記近位羽根車を、各々、折り畳んだ送達構成から展開構成へ展開するステップと、
前記近位バスケットの近位端部が前記大動脈弁尖に対して近位であるように、前記近位バスケットの少なくとも一部分を上行大動脈内に位置付けるステップと、
展開された前記遠位バスケットと前記大動脈弁尖に隣接する展開された前記近位バスケットとの間に軸方向にある前記導管の中央領域を位置付けるステップと、
血液を前記近位羽根車の方へ推し進めるために前記遠位羽根車を始動するステップと、
前記遠位羽根車に対して近位であり、前記近位羽根車に対して遠位である少なくとも1つの流れ変更場所において、少なくとも1つの流れ変更部材により血液の流れを変更するステップと、
血液を前記導管の流出部の方へ推し進めるために前記近位羽根車を始動するステップと
を含む、方法。
【請求項75】
少なくとも1つの流れ変更部材により血液の流れを変更する前記ステップは、前記遠位羽根車と前記近位羽根車との間の流体圧力を増大させることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
大動脈弁を横切って血管内血液ポンプを展開する方法であって、
血管内血液ポンプを心臓弁の領域へ前進させるステップであって、前記血管内血液ポンプが、遠位バスケット、遠位羽根車、近位バスケット、近位羽根車、および血流導管を備える、ステップと、
前記遠位バスケットおよび前記遠位羽根車を、各々、折り畳んだ送達構成から展開構成へ展開するステップと、
前記遠位バスケットの遠位端部が大動脈弁尖に対して遠位であるように、前記遠位バスケットの少なくとも一部分を左心室内に位置付けるステップと、
前記近位バスケットおよび前記近位羽根車を、各々、折り畳んだ送達構成から展開構成へ展開するステップと、
前記近位バスケットの近位端部が前記大動脈弁尖に対して近位であるように、前記近位バスケットの少なくとも一部分を上行大動脈内に位置付けるステップと、
展開された前記遠位バスケットと前記大動脈弁尖に隣接する展開された前記近位バスケットとの間に軸方向にある前記導管の中央領域を位置付けるステップと、
血液を前記近位羽根車の方へ推し進めるために前記遠位羽根車を始動するステップと、
血液を前記導管の流出部の方へ推し進めるために前記近位羽根車を始動するステップと、
前記近位折り畳み可能バスケットの遠位領域、前記遠位折り畳み可能バスケットの近位領域、または前記近位バスケットと前記遠位バスケットとの間に軸方向に配設される前記血液導管の中央領域のうちの少なくとも1つを半径方向に支持するために、折り畳み可能半径方向支持体を展開するステップと
を含む、方法。
【請求項77】
前記折り畳み可能半径方向支持体を展開する前記ステップは、環状周縁部材、および前記環状周縁部材から半径方向内向きに延在する複数の支持要素を展開することを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記折り畳み可能半径方向支持体を展開する前記ステップは、前記環状周縁部材を前記遠位バスケットの近位領域内で半径方向に展開することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記折り畳み可能半径方向支持体を展開する前記ステップは、前記環状周縁部材を前記近位バスケットの遠位領域内で半径方向に展開することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記遠位バスケットの近位領域を半径方向に支持するために、前記遠位バスケットの前記近位領域内で第2の折り畳み可能半径方向支持体を展開するステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001]本出願は、以下の米国仮出願:2018年10月5日に提出された出願第62/741,970号、2018年12月12日に提出された出願第62/778,804号、および2019年9月25日に提出された出願第62/905,818号の優先権を主張するものであり、これらの各々は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
参照による組み込み
[0002]本明細書に記載されるすべての刊行物および特許出願は、あたかも各々個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれるように具体的および個々に示される場合と同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0003]心疾患のある患者は、血流を心臓および血管系に送り出す能力が重度に障害されている場合があり、例えば、バルーン血管形成およびステント送達などの修正処置の間に相当なリスクを示す。特に修正処置の間、これらの患者の心臓性流出の量または安定性を向上させる方法が必要とされている。
【0003】
[0004]大動脈内バルーンポンプ(IABP)は、一般的に、心不全患者を治療することなど、循環機能を支援するために使用される。IABPの使用は、高リスクの経皮的冠動脈形成術(HRPCI)中に患者を支援すること、心原性ショック後に患者血流を安定させること、急性心筋梗塞(AMI)と関連した患者を治療すること、または非代償性心不全を治療することなど、心不全患者の治療に一般的である。そのような循環支援は、単独で、または薬物治療と一緒に使用され得る。
【0004】
[0005]IABPは、一般的に、大動脈内に置かれ、心収縮とのカウンターパルゼーション方式で膨らませたりしぼませたりされることによって動作し、機能のうちの1つは、循環系に追加支援を提供しようとすることである。
【0005】
[0006]さらに近年では、低侵襲回転式血液ポンプが開発されており、これは、患者の心臓の左側の本来の血液ポンピング能力に追加するために、左心室から大動脈内へ動脈血をポンピングすることなど、心臓血管系と接続して身体内へ挿入され得る。別の知られている方法は、患者の心臓の右側の本来の血液ポンピング能力に追加するために、右心室から肺動脈へ静脈血をポンピングすることである。全体的目的は、心臓に追加のストレスを及ぼし得る医療処置の間などに患者を安定させるため、心臓移植前に患者を安定させるため、または患者の継続的支援のために、患者の心筋に対する作業負荷を低減することである。
【0006】
[0007]現在利用可能な最小の回転式血液ポンプは、アクセスシースを通じて患者の血管系に経皮的に挿入され得、これにより外科的介入を必要としないか、または血管アクセス移植片を通じて挿入され得る。このタイプのデバイスの一種は、経皮的に挿入される心室支援デバイスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0008]心血流障害を治療するための心室支援デバイスおよび類似の血液ポンプの分野にさらなる改善を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0009]本開示は、血管内血液ポンプなどの流体運動デバイス、およびそれらの使用の方法に関する。
[0010]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管と、近位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される遠位折り畳み可能羽根車とを含むポンプ部分を備え、遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が流入部と流出部との間に配設される、血管内血液ポンプである。該血液ポンプは、ポンプが拡張されるとき血流管腔内に位置付けられる1つまたは複数の固定子を含み得、固定子は、遠位羽根車と近位羽根車との間に軸方向にある。1つまたは複数の固定子のうちのいずれかは、遠位かつ折り畳み可能羽根車の間に軸方向に配設される1つまたは複数の血流変更体または血流変更要素(例えば、ブレード)を含み得、血流変更体は、羽根車の間の血液の流れを変更する、またはこれに影響を及ぼすように構成される少なくとも1つの表面を有する。
【0009】
[0011]この態様では、流れ変更体のうちのいずれかは、単独で、またはまとめて、第1の羽根車と第2の羽根車との間の圧力を増大させるように構成される固定子と見なされ得る。軸方向に離間した複数の固定子が存在してもよく、固定子の各々が、複数の流れ変更要素(流れ変更体またはその派生語とも称され得る)を有すると見なされ得る。
【0010】
[0012]この態様では、任意の固定子の任意の血流変更体は、シュラウドとポンプ部分の長手方向軸との間に配設され得る(たとえポンプ部分がその中に形成された屈曲部を含むとしても)。任意の血流変更体は、シュラウドと、羽根車と一緒に回転するように適合されない管状シャフト、および/または羽根車と一緒に回転するように適合される管状要素などの、中央管状要素(例えば、ハブ)との間に配設され得る。
【0011】
[0013]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、折り畳み可能血液導管の表面に固定され得る。
[0014]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、折り畳み可能血液導管の表面から半径方向内向きに延在し得、1つまたは複数の血流変更体の各々は、遠位羽根車と近位羽根車との間の血液の流れを変更するように構成される少なくとも1つの軸方向に延在する表面を有する。
【0012】
[0015]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、中央ハブから半径方向外向きに延在し得、血液導管に接触する場合とそうでない場合とがある。
[0016]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、中央ハブから半径方向外向きに延在し得、血液導管に固定される場合とそうでない場合とがある。
【0013】
[0017]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、折り畳み可能血液導管の表面から半径方向内向きに延在し得、中央ハブまで延在する場合とそうでない場合とがある。
[0018]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、中央ハブまで半径方向に延在しなくてもよい。
【0014】
[0019]この態様では、1つまたは複数の血流変更体の各々の半径方向最も内側の区域は、自由区域であり得る。
[0020]この態様では、1つまたは複数の流れ変更体は、折り畳み可能血液導管の少なくとも一部分と一体的に形成され得る。1つまたは複数の流れ変更体は、折り畳み可能血液導管のスキャホールドと一体であり得る。1つまたは複数の流れ変更体は、それらがスキャホールドの外側区域に対して半径方向内向きに延在する展開構成へと付勢され得る。
【0015】
[0021]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、中央ハブまで半径方向に延在し得る。
[0022]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、流入部から流出部までずっと軸方向に延在するわけではない外側環状部材に固定され、またこれから半径方向内向きに延在し得る。外側環状部材は、折り畳み可能血液導管に半径方向支持を提供し得る。
【0016】
[0023]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、高分子材料で形成され得る。
[0024]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、折り畳み可能血液導管の対応する部分と安定して整合するように成形される構成を伴う少なくとも1つの表面を有する半径方向外側の端を有し得る。血液ポンプは、スキャホールドをさらに備え得、該スキャホールドは、そこを通る1つまたは複数の血流変更体アパーチャを有し、半径方向外側の端の各々が、血流変更体アパーチャのうちの1つと安定して整合するように成形される構成を有する。ポンプは、1つまたは複数の血流変更体をアパーチャに固定するのを助ける、スキャホールドにわたって延在する膜層をさらに含み得る。アパーチャは、軸方向に延在し得、スキャホールドの長軸に並行であり得る。ポンプは、自己拡張型スキャホールドをさらに含み得、1つまたは複数の血流変更体が、自己拡張型スキャホールドと安定して整合するように成形される構成を有する半径方向外側の端を有する。1つまたは複数の血流変更体は、スキャホールド材料とは異なる材料(例えば、高分子材料)で作製され得、スキャホールド材料より可撓性であり得る。
【0017】
[0025]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、少なくとも4つの血流変更体を備え得る。
[0026]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は各々、1つまたは複数の支柱のうちの1つに固定され得、支柱は、近位羽根車または遠位羽根車が配設される拡張可能バスケットの一部分を画定する。ポンプ部分は、拡張可能バスケットに(直接的または間接的に)固定される膜層をさらに備え得、膜層は、血液導管を少なくとも部分的に画定する。1つまたは複数の支柱は、遠位バスケットまたは近位バスケットであり得る拡張可能バスケットの近位支柱であり得る。支柱は、支柱の場所におけるポンプ部分の長軸に対して非直交角度にあり得る。
【0018】
[0027]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、流れ変更体が配設されるポンプ部分の長手方向軸に平行に配設される内側自由端を有し得る。折り畳み可能血液導管は、その長さに沿って形成される1つまたは複数の屈曲部を含み得、1つまたは複数の屈曲部は、1つまたは複数の血流変更体から軸方向に離間される。
【0019】
[0028]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、折り畳み可能血液導管の少なくとも1つの他の構成要素と一体的に形成され得る。
[0029]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、折り畳み可能血液導管に固定され、またそこから少なくとも1mmおよび15cm以下の長さに沿って、任意選択的に少なくとも1mmおよび10cm以下、任意選択的に9cm以下、8cm以下、7cm以下、6cm以下、または5cm以下の長さに沿って延在する半径方向外側の区域を有し得る。
【0020】
[0030]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、血流変更体の半径方向に内側の縁よりも長い血液導管に固定され、またそこから延在する半径方向外側の区域を有し得る。
【0021】
[0031]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、遠位端表面および近位端表面を有し、端のうちの少なくとも一方が先細である。
[0032]この態様では、ポンプ部分は、1つまたは複数の血流変更体を血液導管に固定することを助ける膜を備え得る。
【0022】
[0033]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、自己展開型であり得る。
[0034]この態様では、少なくとも1つの軸方向に延在する表面は、血流を層流へ遷移させるように構成され得る。
【0023】
[0035]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、拡張構成と折り畳み構成との間で折り畳み可能であり得る。
[0036]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、第1の位置と展開位置との間で移動可能または再構成可能のうちの少なくとも一方であり得る。
【0024】
[0037]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、近位および遠位羽根車が拡張構成にあるとき、近位羽根車および遠位羽根車のうちの少なくとも一方の隣に密接して位置付けられる。
【0025】
[0038]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、遠位羽根車よりも近位羽根車の近くにあり得る。
[0039]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、近位羽根車よりも遠位羽根車の近くにあり得る。
【0026】
[0040]この態様では、1つまたは複数の血流変更体の第1の端は、遠位羽根車および近位羽根車のうちの少なくとも一方から0.01mm~20mmであり得る。
[0041]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、羽根車バスケットまたは血液導管のスキャホールドのうちの1つまたは複数のための半径方向支持を提供する環状部材に固定され得る(任意選択的にそれと一体である)。
【0027】
[0042]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、血液導管に半径方向支持を提供するように位置付けられ、適合される折り畳み可能中間部材の部分であり得る。
[0043]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、羽根車のうちの少なくとも一方と血液導管との間の先端隙間を維持するように位置付けられる折り畳み可能中間部材の部分であり得る。
【0028】
[0044]この態様では、1つまたは複数の固定子の遠位領域は、遠位羽根車からの圧力を回復するために流体導管内の流体に対して拡散器として作用するように構成され得、1つまたは複数の流体変更体の近位領域は、流れを近位羽根車の方へ方向付けるために固定子として作用するように構成され得る。
【0029】
[0045]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管と、近位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される遠位折り畳み可能羽根車であって、遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が流入部と流出部との間に配設される、遠位折り畳み可能羽根車と、1つまたは複数の固定子であって、各々が、遠位かつ折り畳み可能羽根車の間に軸方向に配設される1つまたは複数の血流変更体を含む、1つまたは複数の固定子とを含む、ポンプ部分を備え、1つまたは複数の血流変更体の各々は、遠位羽根車と近位羽根車との間の流体圧力を増大させるように構成される少なくとも1つの軸方向に延在する表面を有する、血管内血液ポンプである。
【0030】
[0046]この態様では、少なくとも1つの軸方向に延在する表面は、流れを層流へ遷移させるように構成され得る。
[0047]この態様では、1つまたは複数の血流変更体は、折り畳み可能血液導管の表面に固定され、またそこから半径方向内向きに延在し得る。
【0031】
[0048]この態様では、1つまたは複数の流れ変更体は、本明細書内の流れ変更要素のうちのいずれかの任意の特徴を含む。
[0049]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管と、遠位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される近位折り畳み可能羽根車であって、遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が、流入部と流出部の間に配設される、近位折り畳み可能羽根車と、近位羽根車が配設される近位折り畳み可能バスケットであって、近位折り畳み可能バスケットが、近位羽根車の場所において血液導管への半径方向支持を提供する、近位折り畳み可能バスケットと、遠位羽根車が配設される遠位折り畳み可能バスケットであって、遠位折り畳み可能バスケットが、遠位羽根車の場所において血液導管への半径方向支持を提供する、遠位折り畳み可能バスケットと、近位折り畳み可能バスケットの遠位領域、遠位折り畳み可能バスケットの近位領域、または近位バスケットと遠位バスケットとの間に軸方向に配設される血液導管の中央領域のうちの1つまたは複数を支持する折り畳み可能半径方向支持部材と、を含む、ポンプ部分を備える、血管内血液ポンプである。
【0032】
[0050]この態様では、半径方向支持部材は、環状周縁部材、および環状周縁部材から半径方向内向きに延在する複数の支持要素を含み得る。複数の支持要素は、中央ハブまで延在する場合とそうでない場合とがある。複数の支持要素は、半径方向内側の自由端を有し得る。
【0033】
[0051]この態様では、半径方向支持部材は、近位バスケットの遠位領域を支持し得る。
[0052]この態様は、半径方向支持部材から軸方向に離間される第2の半径方向支持部材をさらに含み得、第2の半径方向支持部材は、遠位バスケットの近位領域を半径方向に支持するように位置付けられ得る。第2の半径方向支持部材は、第2の環状周縁部材、および第2の環状周縁部材から半径方向内向きに延在する複数の第2の支持要素を含み得る。
【0034】
[0053]この態様では、半径方向支持部材は、遠位バスケットの近位領域を支持し得る。
[0054]この態様では、折り畳み可能半径方向支持部材は、本明細書内の血液変更要素のうちのいずれかなど、1つまたは複数の血液変更要素を含む固定子を備え得る。
【0035】
[0055]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、流入部と流出部との間の血流管腔を画定する折り畳み可能血液導管と、遠位折り畳み可能羽根車から軸方向に離間される近位折り畳み可能羽根車であって、遠位および近位折り畳み可能羽根車の各々の少なくとも一部分が、流入部と流出部の間に配設される、近位折り畳み可能羽根車と、近位羽根車が配設される近位折り畳み可能バスケットであって、近位折り畳み可能バスケットが、近位羽根車の場所において血液導管への半径方向支持を提供する、近位折り畳み可能バスケットと、遠位羽根車が配設される遠位折り畳み可能バスケットであって、遠位折り畳み可能バスケットが、遠位羽根車の場所において血液導管への半径方向支持を提供する、遠位折り畳み可能バスケットと、環状周縁部材、および環状周縁部材から半径方向内向きに延在する複数の支持要素を含む、折り畳み可能半径方向支持部材とを含む、ポンプ部分を備え、折り畳み可能径方向支持体は、近位折り畳み可能バスケットの遠位領域、遠位折り畳み可能バスケットの近位領域、または近位バスケットと遠位バスケットとの間に軸方向に配設される血液導管の中央領域のうちの1つまたは複数を半径方向に支持する、血管内血液ポンプである。
【0036】
[0056]この態様では、複数の支持要素は、中央ハブまで延在する場合とそうでない場合とがある。
[0057]この態様では、複数の支持要素は、半径方向内側の自由端を有し得る。
【0037】
[0058]この態様では、折り畳み可能半径方向支持体は、近位折り畳み可能バスケットの遠位領域、遠位折り畳み可能バスケットの近位領域のうちの少なくとも一方内に半径方向に配設され得る。
【0038】
[0059]この態様では、折り畳み可能半径方向支持体は、近位バスケットの遠位領域内に半径方向に配設され得、近位バスケットは、複数の近位支柱を含むが、複数の遠位支柱を含まない。
【0039】
[0060]この態様では、折り畳み可能半径方向支持体は、固定子を備え得、固定子は、複数の支持要素を含む。複数の支持要素は、遠位羽根車と近位羽根車との間の流体圧力を増大させるように構成され得る。
【0040】
[0061]本開示の1つの態様は、ポンプ部分を含む細長部材であって、対象における血管内位置付けのためにサイズ決定される、細長部材と、細長部材が半径方向に延在する近位部分とを備え、近位部分が、対象の外側に維持されるようにサイズ決定され、近位部分が、モータアセンブリとしっかりと整合するように構成されるモータアセンブリ結合領域を含み、近位部分が、近位ガイドワイヤポートを含み、ガイドワイヤポートは、モータアセンブリがモータ結合領域としっかりと整合されると同時に、ガイドワイヤポートが、ガイドワイヤがポート内へ前進されるようにアクセス可能であるように、モータアセンブリ結合領域に対して位置付けられる、再位置付け可能な血液ポンプである。
【0041】
[0062]この態様では、近位領域は、血液ポンプ内の羽根車と回転連通状態にある回転可能部材を含み得、モータアセンブリ結合領域およびモータアセンブリは、モータアセンブリがモータ結合領域としっかりと整合されるときに、モータアセンブリが回転可能部材と回転連通状態にあるように構成される。回転可能部材は、その中に形成されるガイドワイヤ経路の一部分を有し得、回転可能部材が回転整列位置にあるとき、ガイドワイヤ経路は、回転可能部材内のガイドワイヤ経路の一部分からガイドワイヤポートまで延在し、回転可能部材が回転非整列位置にあるとき、ガイドワイヤ経路は、回転可能部材内のガイドワイヤ経路の一部分からガイドワイヤポートまで延在しない。回転可能部材に形成されるガイドワイヤ経路の一部分は、少なくとも部分的に湾曲され得、任意選択的に、回転可能部材の半径方向側面において回転可能部材内の近位ポートを有する。
【0042】
[0063]この態様では、ガイドワイヤポートは、近位部分の側面にあり得る。
[0064]この態様では、ガイドワイヤポートは、流体ラインカプラとしっかりと整合するように構成され得る。
【0043】
[0065]この態様は、本明細書内に説明される任意の好適な特徴または要素をさらに備え得る。
[0066]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプを使用する方法であって、ガイドワイヤポートが患者の外側にあり、モータアセンブリによって覆われていない間、羽根車の回転を引き起こすためにモータを始動するステップを含む、方法である。この態様は、本明細書内の任意の好適な方法ステップをさらに備え得る。
【0044】
[0067]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプを使用する方法であって、モータアセンブリが血管内血液ポンプ装置の近位部分に固定されている間、近位部分が対象に対して外側に配設されるとき、血管内血液ポンプの近位部分に配設されるガイドワイヤポート内へガイドワイヤを挿入するステップを含む、方法である。
【0045】
[0068]この態様では、ガイドワイヤポートは、近位部分の半径方向側面にあり得、ガイドワイヤを挿入するステップは、半径方向側面にあるガイドワイヤポート内へガイドワイヤを挿入することを含み得る。
【0046】
[0069]この態様はまた、モータアセンブリが近位部分に固定されている間、血管内血液ポンプのポンプ部分を再位置付けするステップをさらに含み得る。
[0070]この態様はまた、挿入ステップ後、モータアセンブリが血管内血液ポンプ装置の近位部分に固定されている間、ガイドワイヤポートからガイドワイヤを除去するステップをさらに含み得る。
【0047】
[0071]この態様はまた、本明細書内の任意の他の好適な方法ステップを含み得る。
[0072]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプを使用する方法であって、モータアセンブリが血管内血液ポンプ装置の近位部分に固定されている間、近位部分が対象に対して外側に配設されるとき、血管内血液ポンプの近位部分に配設されるガイドワイヤポートを通じてガイドワイヤを除去するステップを含む、方法である。
【0048】
[0073]この態様では、ガイドワイヤポートは、近位部分の半径方向側面にあり得、ガイドワイヤを除去するステップは、半径方向側面にあるガイドワイヤポートからガイドワイヤを除去することを含み得る。
【0049】
[0074]この態様は、近位ガイドワイヤポートからの流出流体をガイドワイヤ管腔と流体連通状態にある流体ライン内へ受容するステップ、または流入流体を流体ラインからガイドワイヤポート内へ前進させるステップのいずれかをさらに含み得る。
【0050】
[0075]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、血液ポンプを含む細長部材であって、対象における血管内位置付けのためにサイズ決定される、細長部材と、細長部材が遠位に延在する近位部分とを備え、近位部分が、対象の外側に維持されるようにサイズ決定され、近位部分の半径方向側面を通って延在するガイドワイヤポートを含む、血管内血液ポンプである。この態様は、本明細書内に説明される任意の好適な特徴または要素をさらに含み得る。
【0051】
[0076]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、血液ポンプを含む細長部材であって、対象における血管内位置付けのためにサイズ決定される、細長部材と、細長部材が遠位に延在する近位部分とを備え、近位部分が、対象の外側に維持されるようにサイズ決定され、近位部分が、中に屈曲部が形成されたガイドワイヤ通路の一部分を含む、血管内血液ポンプである。
【0052】
[0077]この態様では、近位部分は、細長部材のポンプ部分内の羽根車と回転連通状態にある回転可能構成要素を含み得、回転可能構成要素は、中に屈曲部が形成されたガイドワイヤ通路の一部分を有し得る。
【0053】
[0078]この態様では、近位部分は、近位部分の半径方向側面に形成されるガイドワイヤポートをさらに備え得る。
[0079]この態様では、ガイドワイヤ経路は、回転可能構成要素が回転整列位置であるとき、ガイドワイヤポート、および屈曲部を有するガイドワイヤ経路の一部分を含み得る。
【0054】
[0080]この態様は、本明細書内に説明される任意の他の好適な特徴または要素をさらに含み得る。
[0081]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、血液ポンプを含む細長部材であって、対象における血管内位置付けのためにサイズ決定される細長部材と、細長部材が遠位に延在する近位部分とを備え、近位部分が、対象の外側に維持されるようにサイズ決定され、近位部分が、細長部材のポンプ部分内で羽根車と回転動作状態にある回転可能構成要素を含み、回転可能構成要素が、ガイドワイヤ通路の一部分を含み、構成要素の回転は、ガイドワイヤ通路の一部分と、羽根車と回転動作状態にない近位部分の第2の構成要素内に形成されるガイドワイヤ通路の第2の部分との間の非整列または整列を引き起こす、血管内血液ポンプである。この態様は、本明細書内に説明される任意の他の好適な特徴または要素をさらに含み得る。
【0055】
[0082]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、血液ポンプを含む細長部材であって、対象における血管内位置付けのためにサイズ決定される細長部材と、細長部材が遠位に延在する近位部分とを備え、近位部分が、対象の外側に維持されるようにサイズ決定され、近位部分が、ガイドワイヤアクセスポートを含み、ガイドワイヤアクセスポートは、流体が流体ラインからガイドワイヤポート内へ送達され得る、またはガイドワイヤポートから流体ライン内へ受容され得るように、ガイドワイヤがアクセスポート内にないとき、流体ラインのコネクタに結合するために構成される、血管内血液ポンプである。
【0056】
[0083]この態様では、ガイドワイヤポートは、近位部分の半径方向側面に配設され得る。コネクタは、ルアー接続具を備え得る。
[0084]この態様では、ガイドワイヤポートは、血液ポンプのポンプ部分内で羽根車の遠位端を越えて遠位に延在するガイドワイヤ通路の部分であり得る。
【0057】
[0085]この態様では、ガイドワイヤ経路は、ガイドワイヤポートをさらに含み得、ガイドワイヤ経路は、湾曲構成を有する一部分をさらに含み、湾曲構成は、近位部分である。
[0086]この態様は、本明細書内に説明される任意の他の好適な特徴または要素をさらに備え得る。
【0058】
[0087]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、遠位端および近位端を有する拡張可能血流導管と、導管内に半径方向に配設される少なくとも1つの羽根車とを備え、導管が、中央領域、中央領域に対して近位の近位領域、および中央領域に対して遠位の遠位領域を有し、中央領域は、近位領域および遠位領域の両方よりも大きい可撓性を有し、遠位および近位領域が、導管近位端と遠位端との間にある、血管内血液ポンプである。
【0059】
[0088]この態様では、羽根車は、近位羽根車であり得、近位領域内に半径方向にあり、血液ポンプは、近位羽根車に対して遠位の遠位羽根車をさらに備え、遠位羽根車は、遠位領域内に半径方向にあり、遠位羽根車および近位羽根車は、中央領域内へ軸方向に延在しない。
【0060】
[0089]この態様では、導管は、任意選択的に流体管腔の長さ全体に延在する、支持構造体を含み得る。
[0090]この態様は、本明細書内に説明される任意の他の好適な特徴または要素をさらに備え得る。
【0061】
[0091]この態様は、本態様におけるポンプを位置付けする方法を含み、本方法は、遠位領域を大動脈弁に対して遠位に、および近位領域を弁に対して近位に位置付けるステップを含む。
【0062】
[0092]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、該ポンプは、遠位端および近位端を有する外側導管を含み、該ポンプは、支持構造体であって、支持構造体が、支持構造体の近位領域に配設される複数の細長要素を備え、複数の細長要素が各々、それぞれのアームが大きい直径領域から小さい直径領域へ移行する移行部分を有し、移行部分において、それぞれのアームの各々が、外側ハウジングの長手方向軸に対する垂直区域を有する、支持構造体と、導管内に少なくとも部分的に配設される羽根車とを含む、血管内血液ポンプである。
【0063】
[0093]この態様では、複数の細長要素は、垂直区域に隣接して屈曲部領域を有し、屈曲部は、垂直区域を、大きい直径領域および小さい直径領域のうちの一方へ移行させる。複数の細長要素は、垂直区域に隣接して第2の屈曲部領域を有し得、第2の屈曲部領域は、垂直区域を、大きい直径領域および小さい直径領域のうちの他方へ移行させる。
【0064】
[0094]この態様では、複数の細長要素は、当業者によって理解されるように、それらが任意の有意義な方法で流体流出に影響を及ぼさない、またはそれを変更しないように構成される。この態様は、本明細書内に説明される任意の他の好適な特徴または要素をさらに備え得る。
【0065】
[0095]本開示の1つの態様は、血管内血液ポンプであって、遠位端および近位端を有する流体管腔を画定する外側血流導管を備え、該ポンプがまた、近位方向を指し示す複数の頂部を備える近位領域を備える支持構造体であって、複数の頂部の第1のセットが、第1の軸方向位置へ延在し、複数の頂部の第2のセットが、第1の軸方向位置よりもさらに近位に延在する、支持構造体と、流体管腔内に半径方向に配設される羽根車とを含む、血管内血液ポンプである。
【0066】
[0096]この態様では、複数の頂部の第2のセットは、複数の近位支柱と一体的に形成され得、複数の近位支柱は各々、支柱を大きい直径区域から小さい直径区域へ移行させる垂直区域を有する。この態様は、本明細書内に説明される任意の他の好適な特徴または要素を含み得る。
【0067】
[0097]本開示の1つの態様は、遠位端および近位端を有する流体管腔を画定する外側の拡張可能血流導管を備える血管内血液ポンプであって、流体管腔の遠位端および近位端のうちの少なくとも一方が半径方向外向きに広がった構成を有し、該ポンプは、支持構造体をさらに含み、ポンプ部分はまた、外側の拡張可能血流導管内に半径方向に配設される羽根車を含む、血管内血液ポンプである。
【0068】
[0098]この態様では、支持構造体は、複数の支柱を含み得、流体管腔の近位端は、広がっており、複数の支柱の各々において移行領域に遠位に配設される。
[0099]この態様では、流体管腔の近位端は、広がっていてもよく、羽根車の近位端は、管腔の近位端よりもさらに近位に延在する。
【0069】
[0100]この態様では、少なくとも1つの広がった構成は、支持構造体によって支持され得る。
[0101]この態様は、本明細書内に説明される任意の他の好適な特徴または要素をさらに含み得る。
【0070】
[0102]本開示の1つの態様は、遠位端および近位端を有する流体管腔を画定する外側の拡張可能な導管を備える血管内血液ポンプであって、該ポンプはまた、近位端および遠位端を有する第1の部分を伴う支持構造体であって、第1の部分が複数の細長要素を含み、複数の細長要素の各々がらせん構成を有する、支持構造体と、流体管腔内に半径方向に配設される羽根車とを含む、血管内血液ポンプである。
【0071】
[0103]この態様では、第1の部分は、羽根車の少なくとも一部分と軸方向に重複し得る。
[0104]この態様では、第1の部分は、羽根車と軸方向に完全に重複し得る。
【0072】
[0105]この態様では、側面から見ると、複数の細長要素の各々は、少なくとも1つの羽根車ブレードのらせん構成を追随し得、この点で追随は、らせん構成が少なくとも1つの羽根車ブレードと同じピッチを有することを必要としない。
【0073】
[0106]この態様では、側面から見ると、複数の細長要素は、第1の部分に対して直近位および直遠位の区域において複数の細長要素が形成する、流体管腔の長手方向軸とより大きい角度を形成し得る(長手方向軸に対して、第1の部分におけるより大きい湾曲)。
【0074】
[0107]この態様では、側面から見ると、細長要素の各々は、らせん形羽根車ブレードの接線と45度以下、任意選択的に35度以下、任意選択的に20度以下、任意選択的に15度以下、任意選択的に10度以下の角度を形成する接線を有し得る(
図23を参照)。
【0075】
[0108]この態様では、側面から見ると、細長要素の各々は、細長要素およびらせん形ブレードが軸方向に重複するらせん形ブレードのキャンバー線と45度以下、任意選択的に35度以下、任意選択的に20度以下、任意選択的に15度以下、任意選択的に10度以下の角度を形成する接線を有し得る(例えば、
図23を参照)。
【0076】
[0109]この態様では、らせん構成を有する複数の細長要素のうちの少なくとも1つは、支持構造体の周りで完全な(すなわち、端面図において360度)回転をしない。
[0110]この態様では、らせん構成を有する複数の細長要素のうちの少なくとも1つは、支持構造体の周りで完全な(すなわち、端面図において360度)回転をし得る。
【0077】
[0111]この態様では、支持構造体は、第2の複数の細長要素を有する第2の部分をさらに備え得、第2の複数の細長要素の各々は、らせん構成を有し得る。第2の部分は、第1の部分から軸方向に離間され得る。第2の部分は、羽根車と少なくとも部分的に軸方向に重複し得る。第2の部分は、羽根車から軸方向に離間される第2の羽根車と少なくとも部分的に重複し得る。第2の部分は、第1の部分と同じ構成を有し得る。
【0078】
[0112]この態様では、細長要素は各々、支持構造体の隣接区域への接続要素であり得る。
[0113]この態様では、細長要素は各々、支持構造体の第1の隣接区域に結合される第1の端、および支持構造体の第2の隣接区域に結合される第2の端を有し得る。
【0079】
[0114]この態様では、第1の部分は、1~20mmの軸方向長さを有し得る。
[0115]この態様では、第1の部分は、羽根車の長さの1~100%、任意選択的に1~80%、任意選択的に1~70%、任意選択的に1~60%、任意選択的に1~50%、任意選択的に1~40%、任意選択的に1~30%である軸方向長さを有し得る。
【0080】
[0116]この態様では、第1の部分は、羽根車長さの少なくとも100%、任意選択的にその長さの90%以下、任意選択的に80%以下、任意選択的に70%以下、任意選択的に60%以下、任意選択的に50%以下、任意選択的に40%以下、任意選択的に30%以下に沿って、羽根車と軸方向に重複し得る。
【0081】
[0117]本開示の1つの態様は、血液ポンプのポンプ部分を折り畳む方法であって、細長部材が患者内に配設されるときに折り畳み可能ポンプ部分が固定される細長部材を回転させるステップを含む、方法である。
【0082】
[0118]この態様では、回転は、ポンプ部分内の羽根車の1つまたは複数のブレード、任意選択的にらせん形ブレードの折り畳みを促進し得る。
[0119]この態様では、この回転は、ポンプ部分の支持構造体が、ポンプ部分内の羽根車の1つまたは複数のブレード(任意選択的にらせん形ブレード)に対して力を印加することを引き起こし得る。
【0083】
[0120]この態様では、本方法は、回転と同時であるか、または別個の時間に発生するかのいずれかである、細長部材に対して引張力を印加するステップもさらに含み得る。
[0121]本開示の1つの態様は、血液ポンプのポンプ部分の羽根車を折り畳む方法であって、羽根車が配設される支持構造体を折り畳むステップを含み、折り畳むステップは、らせん構成を有する支持構造体の細長部材(任意選択的に残りのスキャホールドパターンと一体的に形成され、すなわち、スキャホールドパターンに結合される別の構成要素ではない)により、羽根車のらせん形ブレードに対して半径方向内向きに折り畳む力を印加し、らせん構成を有する細長部材からの半径方向内向きに折り畳む力は、らせん形ブレードが、中央支持構造体、任意選択的にハブ、に対して特定の方向に折り畳めることを確実にする、方法である。
【0084】
[0122]この態様では、折り畳むステップは、各々がらせん構成を有する支持構造体の複数の細長部材により、羽根車のらせん形ブレードに対して半径方向内向きに折り畳む力を印加し得る。
【0085】
[0123]この態様では、折り畳むステップは、支持構造体が結合される細長部材に対して緊張力および回転力のうちの少なくとも一方を印加することを含み得る。
[0124]この態様では、本方法は、本明細書内の任意の他の好適な方法ステップをさらに含み得る。
【0086】
[0125]本開示の1つの態様は、遠位端および近位端を有する流体管腔を画定する外側の拡張可能血流導管と、流体管腔内に半径方向に配設される羽根車であって、回転可能なシャフトに結合される羽根車と、回転可能なシャフトと動作連通状態にある回転可能な駆動部材(例えば、駆動ケーブル)であって、エネルギー源(例えば、モータ)に応答して回転可能である、回転可能な駆動部材と、駆動部材および回転可能なシャフトと動作可能に相互作用する増速器であって、回転可能なシャフトを回転可能な駆動部材よりも速く回転させる、増速器とを備える、血管内血液ポンプである。
【0087】
[0126]この態様では、増速器は、駆動部材に結合される第1のギヤ、および回転可能なシャフトに結合される第2のギヤを備え得、第1および第2のギヤが互いに相互作用し、第2のギヤが第1のギヤよりも小さい直径を有する。
【0088】
[0127]この態様では、回転可能な駆動部材は、回転可能なシャフトと同軸であってもよい。
[0128]この態様では、回転可能な駆動部材は、回転可能なシャフトと同軸でなくてもよい。
【0089】
[0129]この態様では、増速器は、遊星ギヤボックスを備え得る。
[0130]この態様では、増速器は、駆動部材および回転可能なシャフトとは異なるシャフトを備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【
図1】[0131]導管、複数の羽根車、拡張可能部材を含む例示的なポンプ部分の側面図である。
【
図2】[0132]導管、複数の羽根車、複数の拡張可能部材を含む例示的なポンプ部分の側面図である。
【
図3A】[0133]導管、複数の羽根車、複数の拡張可能部材を含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図3B】導管、複数の羽根車、複数の拡張可能部材を含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図3C】導管、複数の羽根車、複数の拡張可能部材を含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図3D】導管、複数の羽根車、複数の拡張可能部材を含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図4】[0134]導管、複数の拡張可能部材、および複数の羽根車を含むポンプ部分の例示的な配置を例証する図である。
【
図5】[0135]例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図6A】[0136]少なくとも2つの異なる羽根車が異なる速度で回転され得る、ポンプ部分を有する例示的な医療デバイスの少なくとも一部分を例証する図である。
【
図6B】[0137]少なくとも2つの異なる羽根車が異なる速度で回転され得る、ポンプ部分を有する例示的な医療デバイスの少なくとも一部分を例証する図である。
【
図6C】[0138]ピッチの異なる少なくとも2つの羽根車を伴うポンプ部分を有する例示的な医療デバイスの少なくとも一部分を例証する図である。
【
図7】[0139]ポンプ部分を有する例示的な医療デバイスの少なくとも一部分を例証する図である。
【
図8】[0140]複数の羽根車を有するポンプ部分であって、隣接する羽根車の間において中に屈曲部が形成されている、ポンプ部分を例証する図である。
【
図9】[0141]複数の羽根車を有するポンプ部分を例証する図である。
【
図10】[0142]第1羽根車と第2の羽根車との間に軸方向に離間される中央または中間部材を含む、ポンプ部分を含む流体運動デバイスの一部分の側面図である。
【
図11A】[0143]
図11Aは、例示的な中央または中間部材を例証する図である。
【
図12A】[0144]第1の中央(中間)部材および第2の中央(中間)部材を含む、ポンプ部分またはポンプ部分の一部分を含む例示的な医療デバイスの図である。
【
図12B】第1の中央(中間)部材および第2の中央(中間)部材を含む、ポンプ部分またはポンプ部分の一部分を含む例示的な医療デバイスの図である。
【
図12C】第1の中央(中間)部材および第2の中央(中間)部材を含む、ポンプ部分またはポンプ部分の一部分を含む例示的な医療デバイスの図である。
【
図12D】第1の中央(中間)部材および第2の中央(中間)部材を含む、ポンプ部分またはポンプ部分の一部分を含む例示的な医療デバイスの図である。
【
図14A】[0146]
図14Aは、少なくとも、示される構成要素が折り畳み不可能であり、送達のために折り畳まれない例示的な血液ポンプを例証する図である。
【
図14B】
図14Bは、少なくとも、示される構成要素が折り畳み不可能であり、送達のために折り畳まれない例示的な血液ポンプを例証する図である。
【
図15A】[0147]ガイドワイヤ通路および少なくとも1つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
【
図15B】ガイドワイヤ通路および少なくとも1つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
【
図15C】ガイドワイヤ通路および少なくとも1つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
【
図15D】ガイドワイヤ通路および少なくとも1つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
【
図16A】[0148]ガイドワイヤ通路および流体連通状態にない少なくとも2つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
【
図16B】ガイドワイヤ通路および流体連通状態にない少なくとも2つの流体パージ通路を含む例示的な血液ポンプを例証する図である。
【
図17A】[0149]例示的なスキャホールド設計を含む、拡張可能なハウジングを含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図17B】例示的なスキャホールド設計を含む、拡張可能なハウジングを含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図17C】例示的なスキャホールド設計を含む、拡張可能なハウジングを含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図17D】例示的なスキャホールド設計を含む、拡張可能なハウジングを含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図17E】例示的なスキャホールド設計を含む、拡張可能なハウジングを含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図17F】例示的なスキャホールド設計を含む、拡張可能なハウジングを含む例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図18A】[0150]
図18Aは、例示的なスキャホールド設計を例証する図である。
【
図19A】[0151]
図19Aは、例示的なスキャホールド設計を例証する図である。
【
図20】[0152]例示的なスキャホールド設計を例証する図である。
【
図21A】[0153]例示的なスキャホールド設計を例証する図である。
【
図21B】例示的なスキャホールド設計を例証する図である。
【
図21C】例示的なスキャホールド設計を例証する図である。
【
図22A】[0154]
図22Aは、例示的なスキャホールド設計を例証する図である。
【
図23】[0155]流体管腔の少なくとも1つの端において外向きに広がった構成を有する流体管腔を伴う拡張可能なハウジングの一部分を例証する図である。
【
図24】[0156]半径方向内向きに延在する1つまたは複数のブレードを含む外側ハウジングを例証する図である。
【
図25】[0157]ポンプ部分が、スキャホールドの一部分と整合するようにサイズ決定および構成される1つまたはブレードを含む、例示的なポンプ部分の近位部分を例証する図である。
【
図26A】[0158]
図26Aは、血液ポンプ内に組み込まれ得る例示的な増速器アセンブリおよび機序を伴う例示的な血液ポンプの部分を例証する図である。
【
図26B】
図26Bは、血液ポンプ内に組み込まれ得る例示的な増速器アセンブリおよび機序を伴う例示的な血液ポンプの部分を例証する図である。
【
図27】[0159]ポンプ部分がポンプ部分の長さに沿った少なくとも1つの場所において偏向され得るように、任意選択的に少なくとも1つの伸張部材により、適合される例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図28A】[0160]例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得る例示的な一連のステップを例証する図である。
【
図28B】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得る例示的な一連のステップを例証する図である。
【
図28C】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得る例示的な一連のステップを例証する図である。
【
図28D】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得る例示的な一連のステップを例証する図である。
【
図28E】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得る例示的な一連のステップを例証する図である。
【
図28F】例示的な血液ポンプを使用する例示的な方法に基づいて実行され得る例示的な一連のステップを例証する図である。
【
図29A】[0161]
図29Aは、任意選択的に2つの折り畳み可能羽根車の間に配設される、ポンプ部分の部分であり得る例示的な折り畳み可能流れ変更要素を例証する図である。
【
図29B】
図29Bは、任意選択的に2つの折り畳み可能羽根車の間に配設される、ポンプ部分の部分であり得る例示的な折り畳み可能流れ変更要素を例証する図である。
【
図30A】[0162]1つまたは複数の流れ変更要素を受容するように、およびこれと整合するようにサイズ決定および構成される複数のアパーチャを中に含む例示的な血流導管支持部材を例証する図である。
【
図30B】[0163]複数の流れ変更要素が各々、複数の支持部材アパーチャのうちの1つに配設される、例示的な支持部材の端面図である。
【
図31A】[0164]
図31Aは、
図30Aおよび
図30Bにあるものなどの導管支持部材アパーチャを通って前進されるようにサイズ決定および構成され得る、例示的な流れ変更要素を例証する図である。
【
図31B】
図31Bは、
図30Aおよび
図30Bにあるものなどの導管支持部材アパーチャを通って前進されるようにサイズ決定および構成され得る、例示的な流れ変更要素を例証する図である。
【
図32A】[0165]
図32Aは、支持部材と一体的に形成され、かつ半径方向内向きに延在するアクティブな流れ変更構成へ自己展開することができる複数の流れ変更要素を含む、例示的な導管支持部材を例証する図である。
【
図32B】
図32Bは、支持部材と一体的に形成され、かつ半径方向内向きに延在するアクティブな流れ変更構成へ自己展開することができる複数の流れ変更要素を含む、例示的な導管支持部材を例証する図である。
【
図32C】
図32Cは、支持部材と一体的に形成され、かつ半径方向内向きに延在するアクティブな流れ変更構成へ自己展開することができる複数の流れ変更要素を含む、例示的な導管支持部材を例証する図である。
【
図33A】[0166]
図33Aは、任意選択的にポンプ部分の支柱に固定される複数の流れ変更要素445を含む、例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図33B】
図33Bは、任意選択的にポンプ部分の支柱に固定される複数の流れ変更要素445を含む、例示的なポンプ部分を例証する図である。
【
図34】[0167]第1の羽根車と第2の羽根車との間に配設される例示的な流れ変更要素の側面図である。
【
図35A】[0168]
図35Aは、例示的な流れ変更要素(例えば、図内では拡散器)の側面図である。
【
図35B】
図35Bは、例示的な流れ変更要素(例えば、図内では拡散器)の上面図であり、上から見た拡散器の構成、ならびに拡散器に対する流体方向を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
[0169]本開示は、医療デバイス、システム、ならびに使用および製造の方法に関する。本明細書内の医療デバイスは、生理的脈管内に配設されるように適合および構成されるポンプ部分を含み得、ポンプは、流体に対して作用する1つまたは複数の構成要素を含む。例えば、本明細書内のポンプ部分は、1つまたは複数の羽根車を含み得、1つまたは複数の羽根車は、回転されるとき、それらが血液などの流体の運動を促進するように構成される。
【0092】
[0170]
図1は、ポンプ部分1600を含む例示的な血管内流体ポンプの遠位部分を例証する側面図であり、ポンプ部分1600は、近位羽根車1606および遠位羽根車1616を含み、これらの両方が、駆動ケーブル1612と連動状態にある。ポンプ部分1600は、
図1では拡張構成にあるが、それがより低いプロファイルで送達され得るように送達構成へと折り畳まれるように適合される。羽根車は、直接的または間接的に、駆動ケーブル1612と回転連通状態にあり得る。駆動ケーブル1612は、図示されない外部モータと連動状態にあり、細長シャフト1610を通って延在する。「ポンプ部分」および「作用部分」(またはその派生語)という表現は、逆のことが示されない限り、本明細書内では同義で使用され得る。例えば、限定しないが、「ポンプ部分」1600は、本明細書内では「作用部分」とも称され得る。
【0093】
[0171]
図2は、流体運動システムの例示的な実施形態の遠位部分の展開構成(体外に示される)を例証する側面図である。例示的なシステム1100は、ポンプ部分1104(本明細書内に明記されるように、ポンプ部分と本明細書では称され得る)、およびポンプ部分1104から延在する細長部分1106を含む。細長部分1106は、明確性のために図示されない、システムのより近位の領域まで延在することができ、それは、例えば、モータを含み得る。ポンプ部分1104は、ポンプ部分1104の長手方向軸LAに沿って軸方向に離間される第1の拡張可能部材1108および第2の拡張可能部材1110を含む。この文脈における軸方向の離間とは、第1の拡張可能部材全体がポンプ部分1104の長手方向軸LAに沿って第2の拡張可能部材全体から軸方向に離間されることを指す。第1の拡張可能部材1108の第1の端1122は、第2の拡張可能部材1110の第1の端1124から軸方向に離間される。本明細書内のいくつかの「拡張可能部材」は、本明細書ではバスケットとも称され得る。
【0094】
[0172]第1および第2の拡張可能部材1108および1110は、一般的には各々が、複数のアパーチャ1130を画定するために互いに対して配設される複数の細長区域を含み、複数のアパーチャのうちの1つのみが、第2の拡張可能部材1110においてラベル付けされる。拡張可能部材は、様々な構成を有し得、例えば、限定されないが、米国特許第7,841,976号における構成もしくは構造のうちのいずれか、または、自己拡張型金属内部人工器官材料として説明される、米国特許第6,533,716号における管など、様々な方法で構築され得る。例えば、限定されないが、拡張可能部材の一方または両方は、編組構造を有し得るか、または、管状要素をレーザ切断することによって少なくとも部分的に形成され得る。
【0095】
[0173]ポンプ部分1104はまた、この実施形態では第1の拡張可能部材1108および第2の拡張可能部材1110によって支持される血流導管1112を含む。導管1112はまた、展開構成において第1の拡張可能部材1108と第2の拡張可能部材1110との間に軸方向に延在する。導管1112の中央領域1113は、ポンプ部分に第1および第2の拡張可能部材1108および1110がない軸方向距離1132に及ぶ。中央領域1113は、拡張可能部材の間に軸方向にあると見なされ得る。導管1112の遠位端1126は、第2の拡張可能部材1110の遠位端1125ほど遠位には延在せず、また導管1128の近位端は、第1の拡張可能部材1108の近位端1121ほど近位には延在しない。
【0096】
[0174]本明細書における開示が、拡張可能部材に結合されている導管に言及するとき、この文脈における結合されるという用語は、導管が拡張可能部材に物理的に接触するように、導管が拡張可能部材に直接装着されることを必要としない。しかしながら、直接装着されないとしても、この文脈における結合されるという用語は、拡張可能部材が拡張する、または折り畳めるように導管および拡張可能部材が互いに接合されていることを指し、導管はまた、異なる構成および/またはサイズへ移行し始める。したがって、この文脈における結合されるとは、導管が結合される拡張可能部材が、拡張構成と折り畳み構成との間で移行するときに動く導管を指す。本明細書内の導管は、流体が移動される通路を作成すると見なされ、ポンプ部分の1つまたは複数の構成要素によって画定され得る。
【0097】
[0175]本明細書内の導管のうちのいずれかは、ある程度変形可能であり得る。例えば、導管1112は、例えば、使用中に、ポンプ部分1104が
図2に示される構成の方へ展開されると、弁組織(例えば、弁尖)または置換弁からの力に応答して、導管の中央領域1113がある程度半径方向内向きに(LAの方へ)変形することを可能にする1つまたは複数の材料で作製され得る細長部材1120を含む。導管は、いくつかの実施形態において、拡張可能部材の間でピンと張られ得る。導管は、代替的に、より大きなコンプライアンスを引き起こす緩みをもって設計され得る。これは、ポンプ部分が大動脈弁などの壊れやすい構造体にまたがって配設されるときに望ましい場合があり、これにより弁が、弁内の点応力を最小限にする方法で導管を圧縮することを可能にし得る。いくつかの実施形態において、導管は、近位および遠位拡張可能部材に装着される膜を含み得る。本明細書内の任意の導管に使用され得る例示的な材料は、限定しないが、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、延伸ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、それらの任意の組み合わせを含む。
【0098】
[0176]本明細書内の導管のいずれかは、例えば、12.7~508マイクロメートル(0.5~20 1/1000インチ(サウ))、25.4~381マイクロメートル(1~15サウ)、または38.1~381マイクロメートル(1.5~15サウ)、38.1~254マイクロメートル(1.5~10サウ)、または50.8~254マイクロメートル(2~10サウ)など、の厚さを有し得る。
【0099】
[0177]本明細書内の導管のうちのいずれか、または導管の少なくとも一部分は、血液不浸透性であり得る。
図2では、ポンプ部分1104は、導管1112の遠位端1126から延在し、かつ導管1112の近位端1128まで延在する管腔を含む。管腔は、中央領域1113内の導管1112によって画定されるが、中央領域1113に軸方向に隣接する領域内の導管および拡張可能部材の部分の両方によって画定されると考えられ得る。しかしながら、この実施形態では、管腔を存在させ、血液が導管を通過することを防ぐのは、導管材料である。
【0100】
[0178]1つまたは複数の拡張可能部材に固定される本明細書内の導管のうちのいずれかは、逆のことが示されない限り、導管が、1つもしくは複数の拡張可能部材の半径方向外側に、1つもしくは複数の拡張可能部材の半径方向内側に、またはその両方に配設されるように固定され得、拡張可能部材は、導管材料を含浸され得る。
【0101】
[0179]近位および遠位拡張可能部材は、導管に半径方向支持を提供すると同時に、各々が以下に説明される羽根車のための作用環境も作り出すことによって、導管を開構成に維持することを助ける。拡張可能部材の各々は、展開構成にあるとき、それぞれの羽根車に対して離間した関係に維持され、これにより羽根車が、拡張可能部材に接触することなく拡張可能部材内で回転することを可能にする。ポンプ部分1104は、第1の羽根車1116および第2の羽根車1118を含み、第1の羽根車1116は第1の拡張可能部材1108内に半径方向に配設され、第2の羽根車1118は、第2の拡張可能部材1110内に半径方向に配設される。この実施形態では、2つの羽根車は、たとえそれらが異なる別の羽根車であるとしても、共通の駆動機序(例えば、駆動ケーブル1117)と連動状態にあり、その結果として、駆動機序が始動されるとき、2つの羽根車は一緒に回転する。この展開構成では、羽根車1116および1118は、拡張可能部材1108および1110が軸方向に離間されるのと同じように、長手方向軸LAに沿って軸方向に離間される。
【0102】
[0180]羽根車1116および1118はまた、それぞれ拡張可能部材1108および1110の端内に軸方向にある(拡張可能部材1108および1110内で半径方向にあることに加えて)。本明細書内の羽根車は、拡張可能部材が、拡張可能部材の中央領域からポンプ部分の長手方向軸の方へ延在する支柱(例えば、側面から見ると先細の支柱)を含むとしても、拡張可能部材内で軸方向にあると見なされ得る。
図2では、第2の拡張可能部材1110は、第1の端1124(近位端)から第2の端1125(遠位端)まで延在する。
【0103】
[0181]
図2では、羽根車1118の遠位部分は、導管1112の遠位端1126を越えて遠位に延在し、羽根車1116の近位部分は、導管1112の近位端1128を越えて近位に延在する。この図では、各羽根車の部分は、この展開構成においては導管内に軸方向にある。
【0104】
[0182]
図2に示される例示的な実施形態において、羽根車1116および1118は、共通の駆動機序1117と連動状態にあり、この実施形態において、羽根車は各々、シャフト1119およびポンプ部分1104を通って延在する駆動機序1117に結合される。駆動機序1117は、例えば、回転したときに羽根車を回転させる、細長駆動ケーブルであり得る。この例では、示されるように、駆動機序1117は、遠位先端1114まで延在し、またこれに対して軸方向に固定されるが、それは、作動されるとき遠位先端1114に対して回転するように適合される。したがって、この実施形態において、羽根車および駆動機序1117は、駆動機序が回転されるとき、一緒に回転する。任意の数の知られている機序が、モータ(例えば、外部モータ)を用いるなどして、駆動機序を回転させるために使用され得る。
【0105】
[0183]拡張可能部材および導管は、羽根車および駆動機序と回転連動状態にない。この実施形態において、近位拡張可能部材1108の近位端1121は、シャフト1119に結合され、このシャフトは、細長部分1106のシャフト(例えば、外側カテーテルシャフト)であり得る。近位拡張可能部材1108の遠位端1122は、中央管状部材1133に結合され、これを通って駆動機序1117が延在する。中央管状部材1133は、導管1112内で近位拡張可能部材1108から遠位に延在し、また、遠位拡張可能部材1110の近位端1124に結合される。駆動機序1117は、したがって、中央管状部材1133内で、およびこれに対して回転する。中央管状部材1133は、近位拡張可能部材1108から遠位拡張可能部材1110まで軸方向に延在する。遠位拡張可能部材1110の遠位端1125は、示されるように、遠位先端1114に結合される。駆動機序1117は、先端1114に対して回転するように適合されるが、先端1114に対して軸方向に固定される。
【0106】
[0184]ポンプ部分1104は、その展開構成(
図2に示される)よりも小さいプロファイルへと折り畳まれるように適合および構成される。これは、ポンプ部分1104が折り畳み可能でなかった場合に必要とされるよりも低いプロファイルの送達デバイス(より小さいフレンチサイズ)を使用してポンプ部分1104が送達されることを可能にする。本明細書内に具体的に記載されないとしても、拡張可能部材および羽根車のうちのいずれかは、ある程度までより小さい送達構成へと折り畳み可能であるように適合および構成され得る。
【0107】
[0185]本明細書内のポンプ部分は、ポンプ部分に対して可動である外側シースを用いる(例えば、シースおよびポンプ部分の一方または両方を軸方向に動かすことによって)など、従来の技術を使用して、折り畳んだ送達構成へと折り畳まれ得る。例えば、限定しないが、以下の参考文献:米国特許第7841,976号または米国特許第8,052,749号において示されるシステム、デバイス、または方法のうちのいずれかは、本明細書内のポンプ部分の折り畳みを促進するために使用され得、これらの開示は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0108】
[0186]
図3A~
図3Eは、
図2に示されるポンプ部分にいくつかの点で類似している例示的なポンプ部分を示す。ポンプ部分340は、ポンプ部分が拡張されるとき互いに軸方向に離間される2つの拡張可能部材、および2つの拡張可能部材の間に延在する導管を含むという点で、ポンプ部分1104に類似している。
図3Aは、斜視図であり、
図3Bは、側面断面図であり、
図3Cおよび
図3Dは、
図3Bに見られる区域の拡大側面断面図である。
【0109】
[0187]ポンプ部分340は、管腔を画定する駆動ケーブルに結合され、かつこれと連動状態にある、近位羽根車341および遠位羽根車342を含む。管腔は、所望の場所へのポンプ部分の送達のために使用され得るガイドワイヤを収容するようにサイズ決定され得る。駆動ケーブルは、この実施形態では、第1の区域362(例えば、巻き状材料)、近位羽根車341が結合される第2の区域348(例えば、管状部材)、第3の区域360(例えば、巻き状材料)、および遠位羽根車342が結合される第4の区域365(例えば、管状材料)を含む。駆動ケーブル区域はすべて、同じ内径を有し、その結果として、管腔は一定の内径を有する。駆動ケーブル区域は、知られている装着技術を使用して互いに固定され得る。第4の区域365の遠位端は、ポンプ部分の遠位領域まで延在し、ポンプ部分が、例えば、ポンプ部分を位置付けるためのガイドワイヤを介して前進されることを可能にする。この実施形態において、第2および第4の区域は、第1および第3の区域よりも硬くてもよい。例えば、第2および第4は、管状であり得、第1および第3の区域は、より小さい剛性を付与するために巻き状材料であり得る。
【0110】
[0188]ポンプ部分340は、血流導管、近位拡張可能部材343、および遠位拡張可能部材344を含み、これらの各々は、羽根車のうちの一方の外側に半径方向に延在する。拡張可能部材は、羽根車の遠位端および近位端を越えて軸方向にも延在する遠位端および近位端を有し、これらは
図3B~
図3Dにおいて見ることができる。そのポンプもまた、近位端353および遠位端352有する導管356を含む。2つの拡張可能部材は各々、複数の近位支柱および複数の遠位支柱を含む。近位拡張可能部材343内の近位支柱は、シャフト区域345まで延在し、かつこれに固定され、シャフト区域345は軸受361に結合され、駆動ケーブルは、この軸受361を通って延在し、回転するように構成およびサイズ決定される。近位拡張可能部材343の遠位支柱は、拡張可能部材の間に軸方向に配設される中央管状部材346の近位領域(この場合は近位端)まで延在し、かつこれに固定される。中央管状部材346の近位端は、
図3Cに示されるように、軸受349に結合され、駆動ケーブルは、この軸受349を通って延在し、回転する。遠位拡張可能部材344の近位支柱は、中央管状部材346の遠位領域(この場合は遠位端)まで延在し、かつこれに固定される。軸受350はまた、
図3Dに示されるように、中央管状部材346の遠位領域に結合される。駆動ケーブルは、軸受350を通って延在し、かつこれに対して回転する。遠位拡張可能部材の遠位支柱は、遠位先端の部分であると見なされ得るシャフト区域347(
図3Aを参照)まで延在し、かつこれに固定される。シャフト区域347は、軸受351(
図3Dを参照)に結合され、駆動ケーブルは、この軸受351を通じて延在し、またこれに対して回転する。遠位先端はまた、スラスト軸受であり得る軸受366(
図3Dを参照)を含む。作用部分340は、説明には明示的に含まれていないとしても、作用部分1104にいくつかの態様において類似しているか、または同じであり得る。この実施形態では、導管356は、作用部分1104とは異なり、少なくとも羽根車の端のところまで延在する。いずれの実施形態も、導管が他の実施形態に明記されるような位置まで延在するように修正され得る。いくつかの実施形態において、区域360は、巻き状の代わりに管状区域であってもよい。
【0111】
[0189]代替の実施形態において、本明細書内の羽根車のうちのいずれかの少なくとも一部分は、流体管腔の外側に延在し得る。例えば、羽根車の一部分のみが、近位方向または遠位方向のいずれかにおいて流体管腔の端を越えて延在し得る。いくつかの実施形態において、流体管腔の外側に延在する羽根車の一部分は、羽根車の近位部分であり、近位端を含む(例えば、
図2内の近位羽根車を参照)。いくつかの実施形態において、流体管腔の外側に延在する羽根車の一部分は、羽根車の遠位部分であり、遠位端を含む(例えば、
図2内の遠位羽根車を参照)。本明細書における開示が、流体管腔の外側(または端を越えて)に延在する羽根車に言及するとき、それは、
図2などの側面図または上面図において最も容易に見ることができる、構成要素の相対的軸方向位置に言及することを意味する。
【0112】
[0190]しかしながら、流体管腔の別の端における第2の羽根車は、流体管腔を越えて延在しない場合がある。例えば、例証的な代替の設計は、流体管腔の近位端を越えて近位に延在する近位羽根車(
図2内の近位羽根車のように)を含み得、流体管腔は、遠位羽根車の遠位端を越えて遠位に延在しない(
図3Bのように)。代替的に、遠位羽根車の遠位端は、流体管腔の遠位端を越えて遠位に延在し得るが、近位羽根車の近位端は、流体管腔の近位端を越えて近位に延在しない。本明細書内のポンプ部分のうちのいずれかにおいて、いずれの羽根車も流体管腔の端を越えて延在しない場合がある。
【0113】
[0191]特定の例示的な場所が本明細書に示され得るが、流体ポンプは、身体内の様々な場所において使用されることができてもよい。配置のためのいくつかの例示的な場所は、弁に広がり、弁の片側または両側に位置付けられることなど、大動脈弁または肺動脈弁の近くへの配置を含み、ならびに大動脈弁の場合は、任意選択的に、上行大動脈内に位置付けられる一部分を含む。いくつかの他の実施形態において、例えば、ポンプは、使用中、下行大動脈内に配設されるなど、さらに下流に位置付けられ得る。
【0114】
[0192]
図4は、
図2からのシステム1000からのポンプ部分1104の例示的な配置を例証し、また本明細書内のポンプ部分のうちのいずれかのための例示的な配置場所を例証する。
図4に示される1つの違いは、導管が、
図3A~
図3Dにあるのと同様に、少なくとも羽根車の端のところまで延在することである。
図4は、大動脈弁を横切って(換言すれば、またいで)適所に位置付けられる、展開構成にあるポンプ部分1104を示す。ポンプ部分1104は、例えば、限定しないが、大腿動脈アクセス(知られているアクセス処置)により、示されるように送達され得る。明確性のために示されないが、システム1000はまた、ポンプ部分1104が大動脈弁近くの場所への送達の間配設される外側シースまたはシャフトを含み得る。シースまたはシャフトは、ポンプ部分1104の展開および拡張を可能にするために、近位に(上行大動脈「AA」の方へ、および左心室「LV」から離れて)動かされ得る。例えば、シースは、第1の拡張可能部材1108が拡張することを可能にする継続した近位運動と共に、第2の拡張可能部材1110の拡張を可能にするために引っ込められ得る。
【0115】
[0193]この実施形態では、第2の拡張可能部材1110は、遠位端1125が左心室「LV」内に、大動脈弁尖「VL」に対して遠位に、ならびに弁輪に対して遠位にあるように、拡張され、展開構成に位置付けられている。近位端1124はまた、弁尖VLに対して遠位に位置付けられているが、いくつかの方法では、近位端1124は、弁尖VL内でわずかに軸方向に延在し得る。この実施形態は、第2の拡張可能部材1110の少なくとも半分が、その長さに沿って測定される(長手方向軸に沿って測定される)場合に、左心室内に存在する方法の例である。また示されるように、これはまた、第2の拡張可能部材1110全体が左心室内に存在する方法の例である。これはまた、第2の羽根車1118の少なくとも半分が左心室内に位置付けられる方法の例、およびまた、第2の羽根車1118全体が左心室内に位置付けられる実施形態である。
【0116】
[0194]外側シャフトまたはシースの継続した引き戻し(および/または外側シースもしくはシャフトに対する作用端1104の遠位運動)は、中央領域1113が解放および展開されるまで、導管1112を解放し続ける。拡張可能部材1108および1110の拡張は、
図4に示されるように、導管1112により開いた構成をとらせる。したがって、この実施形態では、導管1112は、拡張可能部材と同じ自己拡張型性質を有さないが、導管は、作用端が展開されるとき、展開した、より開いた構成をとることになる。導管1112の中央領域1113の少なくとも一部分は、大動脈弁接合(coaptation)領域に位置付けられる。
図3では、弁尖VLを越えて遠位に延在する短い長さの中央領域1113が存在するが、中央領域1113の少なくとも何らかの部分は、弁尖内に軸方向にある。
【0117】
[0195]外側シャフトまたはシースの継続した引き戻し(および/または外側シースもしくはシャフトに対する作用端1104の遠位運動)は、第1の拡張可能部材1108を展開する。この実施形態では、第1の拡張可能部材1108は、近位端1121が上行大動脈AA内にあり、かつ弁尖「VL」に対して近位であるように、拡張され、展開構成に位置付けられている(示されるように)。遠位端1122はまた、弁尖VLに対して近位に位置付けられているが、いくつかの方法では、遠位端1122は、弁尖VL内でわずかに軸方向に延在し得る。この実施形態は、第1の拡張可能部材1110の少なくとも半分が、その長さに沿って測定される(長手方向軸に沿って測定される)場合に、上行大動脈内に存在する方法の例である。また示されるように、これはまた、第1の拡張可能部材1110全体がAA内に存在する方法の例である。これはまた、第1の羽根車1116の少なくとも半分がAA内に位置付けられる方法の例、およびまた、第1の羽根車1116全体がAA内に位置付けられる実施形態である。
【0118】
[0196]ポンプ部分1104の展開中または展開後のどんな時にも、ポンプ部分の位置は、蛍光透視法下など、何らかの方法でアクセスされ得る。ポンプ部分の位置は、展開中または展開後のどんな時にも調節され得る。例えば、第2の拡張可能部材1110が解放された後だが、第1の拡張可能部材1108が解放される前、ポンプ部分1104は、ポンプ部分を再位置付けするために軸方向に(遠位または近位に)動かされ得る。加えて、例えば、ポンプ部分は、作用部分全体がシースから所望の最終位置へと解放された後、再位置付けされ得る。
【0119】
[0197]
図4に示される(生体構造に対する)構成要素の位置は、初期展開後に発生した再位置付けがあったとしても、作用部分1104の異なる構成要素についての例示的な最終位置と見なされることを理解されたい。
【0120】
[0198]本明細書内の1つまたは複数の拡張可能部材は、自己拡張、機械的作動(例えば、拡張可能部材内に軸方向に位置付けられ、拡張可能部材に対して半径方向外向きに押すように膨らまされる別個のバルーンにより拡張される、拡張可能部材に対する1つまたは複数の軸方向に向けられた力)、またはそれらの組み合わせなどの、様々な方法で拡張されるように構成され得、またそのように拡張され得る。
【0121】
[0199]本明細書で使用される場合、拡張は、概して、1つまたは複数の構成要素が拡張される特定の様式にかかわらず、より大きい半径方向に最も外側の寸法(長手方向軸に対する)を有するより大きいプロファイルへの再構成を指す。例えば、自己拡張する、および/または半径方向外向きの力の影響下にあるステントは、本明細書内でその用語が使用される場合、「拡張」することができる。広がる、または開くデバイスもまた、より大きいプロファイルをとり得、本明細書内でその用語が使用される場合、拡張すると見なされ得る。
【0122】
[0200]羽根車は、同様に、それらの構造に応じて、様々な方法で拡張されるように適合および構成され得、またそのように拡張され得る。例えば、1つまたは複数の羽根車は、シースからの解放時、羽根車設計の材料および/または構造に起因して、異なるより大きいプロファイル構成へ、またはそれに向かって、自動的に戻ることができる(例えば、米国特許第6,533,716号または米国特許第7,393,181号を参照されたく、これらの両方があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる)。したがって、外側拘束の引き戻しは、いくつかの実施形態において、拡張可能部材および羽根車の両方が、いかなるさらなる作動もなしに、より大きいプロファイル、展開構成へと自然に戻ることを可能にし得る。
【0123】
[0201]
図4における例に示されるように、ポンプ部分は、大動脈弁の両側に離間される第1および第2の羽根車を含み、これらは各々、別個の拡張可能部材内に配設される。これは、作用部分が単一の細長い拡張可能部材を含むいくつかの設計と対称的である。弁をまたいでずっと延在する単一の略管状の拡張可能部材ではなく、作用端1104は、拡張可能部材1108と1110との間に延在する導管1112を含む。導管は、羽根車の場所におけるポンプよりも可撓性で変形しやすく、これにより、拡張可能部材が大動脈弁尖に広がる場合に発生するものよりも、弁尖の場所におけるポンプ部分のさらなる変形を可能にし得る。より可撓性の中央領域を有することはまた、ポンプ部分が対象内で展開された後の弁尖に対する損傷を少なくし得る。
【0124】
[0202]加えて、弁尖からの単一の拡張可能部材の中央領域に対する力は、拡張可能部材の他の領域へ軸方向に転換する場合があり、おそらくは1つまたは複数の羽根車の場所における拡張可能部材の望ましくない変形を引き起こす。これは、外側の拡張可能部材が羽根車に接触することを引き起こし得、羽根車の回転を不必要に妨げる。各羽根車の周りに別個の拡張可能部材を含む設計は、特に各拡張可能部材および各羽根車が両端(すなわち、遠位および近位)で支持される場合、拡張可能部材に対して羽根車を位置付けることにおいて高レベルの精度を結果としてもたらす。2つの別個の拡張可能部材は、単一の拡張可能部材と比較してそれらの展開構成をより確実に保持することができる場合がある。
【0125】
[0203]上で本明細書に説明されるように、作用部分が9Fシース内に送達され得、また依然として、使用中、十分に高い流量を得るように、作用部分を再構成することができることが望ましい場合があり、これは、現在開発および/または試験中のいくつかの製品においては不可能である。例えば、大きすぎて十分に小さい送達プロファイルへ再構成されることができない製品がある一方で、一部のより小さい設計は、所望の高流量を達成することができない場合がある。
図1、
図2、
図3A~
図3D、および
図4内の例の例示的な利点は、例えば、第1および第2の羽根車が、所望の流量を達成するために一緒に作用することができること、ならびに2つの軸方向に離間された羽根車を有することにより、作用部分全体が、単一の羽根車が所望の流量を達成するために使用される設計よりも小さい送達プロファイルへ再構成され得ることである。したがって、これらの実施形態は、所望のより小さい送達プロファイルを達成すること、ならびに所望の高流量を達成することの両方のために、軸方向に離間される複数のより小さい再構成可能な羽根車を使用する。
【0126】
[0204]したがって、本明細書内の実施形態は、十分に高い流量を維持しながらより小さい送達プロファイルを達成することができる一方で、作用部分のより変形しやすくかつ可撓性の中央領域を作成し、これらの例示的な利益は、上に説明される(例えば、繊細な弁尖と整合すること)。
【0127】
[0205]
図5は、
図1に示される作用部分に類似している作用部分を例証する。作用部分265は、近位羽根車266、遠位羽根車267を含み、これらの両方が、遠位軸受ハウジング272内へ延在する駆動シャフト278に結合される。作用部分の近位端には、同様の近位軸受ハウジングが存在する。作用部分はまた、概して270と称される拡張可能部材、および拡張可能部材に固定され、拡張可能部材のほぼ長さ全体に延在する導管268を含む。拡張可能部材270は、遠位先端273に固定される支柱支持体273まで延在し、かつこれに固定される遠位支柱271を含む。拡張可能部材270はまた、近位支柱支持体に固定される近位支柱を含む。
図1に示されるものに類似しているすべての特徴は、明示的に記載されていないとしても、あらゆる目的のために、参照によりこの実施形態に組み込まれる。拡張可能部材265はまた、拡張可能部材の外縁に沿って配設されるらせん形伸張部材269を含み、拡張可能部材が示されるように拡張構成にあるとき、らせん構成を有する。らせん形伸張部材269は、折り畳み時に回転巻き付けを誘発するように配設および適合される。作用部分265は、示された拡張構成から折り畳まれ得、それと同時に、一方または両方の羽根車を比較的遅い速度で回転させて、拡張可能部材との相互作用に起因して羽根車の丸めた折り畳みを促進する。
【0128】
[0206]延長により折り畳み時に拡張可能部材の回転を引き起こす(およびしたがって、羽根車ブレードの巻き付けおよび折り畳みを引き起こす)ようにポンプ部分を構築するための代替の方法が存在する。いかなる拡張可能部材も、二重羽根車設計においてさえ、この特徴を有して構築され得る。例えば、複数の「セル」を含む拡張可能部材では、その用語が一般的に知られている場合(例えば、レーザ切断された細長部材)、拡張可能部材は、らせん構成などの特定の構成を一緒に画定する複数の特定のセルを有し得、構成を画定するセルは、拡張可能部材内の他のセルとは異なる物理的特性を有する。いくつかの実施形態において、拡張可能部材は、編組構造を有し得、ねじれた領域は、編組ワイヤの、ワイヤのグループ全体、またはかなりの部分(例えば、半分以上)を構成し得る。そのようなねじれた編組構造は、例えば、ワイヤが編まれる心棒を、心棒が、特に編組構造の最大直径部分の長さに沿って引っ張られるときに、ねじることによってなど、編み工程の間に達成され得る。この構造はまた、成形された心棒の上の巻き付けプロファイルを熱セットする前に編組構造を機械的にねじることなど、第2の構築動作行程の間に達成され得る。
【0129】
[0207]本明細書内の導管のうちのいずれかは、第1の端(例えば、遠位端)と第2の端(例えば、近位端)との間に流体管腔を作成するように、作用する、構成される、およびそれを作る材料で作製される。流体は、流入領域内へ、流体管腔を通って、その後、流出領域から外へ流れる。流入領域内への流れは、本明細書では「I」とラベル付けされ得、流出領域における外への流れは、「O」とラベル付けされ得る。本明細書内の導管のうちのいずれかは、不浸透性であり得る。本明細書内の導管のうちのいずれかは、代替的に、半透性であり得る。本明細書内の導管のうちのいずれかはまた、多孔性であり得るが、そこを通る流体管腔を依然として画定する。いくつかの実施形態において、導管は、膜であるか、または、他の比較的薄い層状部材である。本明細書内の導管のうちのいずれかは、逆のことが示されない限り、拡張可能部材に固定され得、その結果として、導管は、それが固定される場合、拡張可能部材の半径方向内側および/または外側にあり得る。例えば、導管は、拡張可能部材内に半径方向に延在し得、その結果として、導管の内表面は、それが拡張可能部材に固定される場合、半径方向に拡張可能部材内にある。
【0130】
[0208]本明細書内の拡張可能部材のうちのいずれかは、様々な材料で、および様々な方法で構築され得る。例えば、拡張可能部材は、編組構造を有し得るか、またはそれは、レーザ加工によって形成され得る。材料は、ニチノールなど、変形可能であり得る。拡張可能部材は、自己拡張型であり得るか、または少なくとも部分的に能動的に拡張されるように適合され得る。
【0131】
[0209]いくつかの実施形態において、拡張可能部材は、送達カテーテル、ガイドカテーテル、またはアクセスシースなどの含有する管状部材内から解放されるとき、自己拡張するように適合される。いくつかの代替の実施形態において、拡張可能部材は、拡張可能部材の遠位端および近位端のうちの少なくとも一方を互いの方へ動かすプルロッドの動作など、能動的拡張によって拡張するように適合される。代替の実施形態において、展開構成は、1つまたは複数の拡張可能な構造体の構成によって影響を及ぼされ得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の拡張可能部材は、少なくとも部分的に、導管を通って流れる血液の影響により、展開され得る。展開の上記機序の任意の組み合わせが使用され得る。
【0132】
[0210]本明細書内の血液ポンプおよび流体運動デバイス、システム、ならびに方法は、身体内の様々な場所で、使用され、位置付けられ得る。特定の例が本明細書には提供され得るが、作用部分は、本明細書に具体的に説明されるものとは異なる身体領域に位置付けられ得ることを理解されたい。
【0133】
[0211]医療デバイスが複数の羽根車を含む本明細書内の実施形態のいずれかにおいて、本デバイスは、羽根車が異なる速度で回転するように適合され得る。
図6Aは、それぞれ遠位羽根車1334および近位羽根車1332と連動状態にある内側駆動部材1338および外側駆動部材1336の両方に結合されるギヤセット1340を含む医療デバイスを例証する。本デバイスはまた、内側駆動部材1338の回転を駆動するモータ1342を含む。内側駆動部材1338は、外側駆動部材1336を通って延在する。モータ1332の始動は、アンダードライブまたはオーバードライブ比に起因して、2つの羽根車を異なる速度で回転させる。ギヤセット1340は、近位または遠位羽根車のいずれかを他方よりも速く駆動するように適合され得る。本明細書内のデバイスのうちのいずれかは、羽根車を異なる速度で駆動するために、本明細書内のギヤセットのうちのいずれかを含み得る。
【0134】
[0212]
図6Bは、異なる羽根車が異なる速度で回転するように同様に適合される二重羽根車デバイス(1350)の代替の実施形態の一部分を例証する。ギヤセット1356は、それぞれ遠位羽根車1352および近位羽根車1354に結合される内側駆動部材1351および外側駆動部材1353の両方に結合される。本デバイスはまた、
図6Aにあるようなモータを含む。
図6Aおよび
図6Bは、どのようにしてギヤセットが、近位羽根車を遠位羽根車よりも遅くまたは速く駆動するように適合され得るのかを例証する。
【0135】
[0213]
図7は、第1および第2の羽根車を異なる速度で回転させることができる流体ポンプ1370の例示的な代替の実施形態を示す。第1のモータ1382は、遠位羽根車1372に結合されるケーブル1376を駆動する一方、第2のモータ1384は、近位羽根車1374に結合される外側駆動部材1378を駆動する(ギヤセット1380を介して)。駆動ケーブル1376は、外側駆動部材1378を通って延在する。モータは、個々に制御および動作され得、したがって、2つの羽根車の速度は、別個に制御され得る。このシステムセットアップは、複数の羽根車を含む本明細書内の任意のシステムと共に使用され得る。
【0136】
[0214]いくつかの実施形態において、共通の駆動ケーブルまたはシャフトが、2つ(またはそれ以上)の羽根車の回転を駆動することができるが、2つの羽根車のブレードピッチ(回転屈曲の角度)は、異なり得、遠位または近位羽根車は、他方の羽根車よりも急な、またはより緩やかな角度を有する。これは、ギヤセットを有するのと同様の効果をもたらすことができる。
図6Cは、近位羽根車1364および遠位羽根車1362に、ならびに示されないモータに結合される共通の駆動ケーブル1366を含む医療デバイス(1360)の一部分を示す。本明細書内の近位羽根車は、本明細書内の遠位羽根車よりも大きい、または小さいピッチを有し得る。複数の羽根車を有する本明細書内の作用部分(または遠位部分)のうちのいずれかは、異なるピッチを有する第1および第2の羽根車を含むように修正され得る。
【0137】
[0215]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、ポンプ部分は、コンプライアント(換言すれば、柔軟性)または半コンプライアント(一般的には、まとめて「コンプライアント」と称される)外部構造体を有し得る。様々な実施形態において、コンプライアント部分は、しなやかである。様々な実施形態において、コンプライアント部分は、圧力下で部分的にのみ変形する。例えば、ポンプの中央部分は、それが弁の力に応答して変形するようにコンプライアント外部構造体で形成され得る。この様式では、弁尖に対するポンプの外力は低減される。これは、ポンプが弁に広がる場所において、弁への損傷を防ぐことを助けることができる。
【0138】
[0216]
図8は、各々が拡張可能部材154内に配設される、第1、第2、および第3の軸方向に離間された羽根車152を含む、ポンプ部分の例示的な実施形態を例証する。導管155は、本明細書内の様々な実施形態に説明されるように、ポンプ部分の長さに沿って延在し得、これにより、流体管腔を作成および画定することを助けることができる。しかしながら、代替の実施形態において、第1、第2、および第3の羽根車は、
図1に示されるものと類似して、単一の拡張可能部材内に配設され得る。
図8では、流体管腔は、遠位端から近位端まで延在し、この特徴は本明細書内の別の場所に説明される。
図8内の実施形態は、本明細書に説明される、使用方法を含め、任意の他の好適な特徴を含み得る。
【0139】
[0217]
図8内の実施形態はまた、近位羽根車遠位端と遠位羽根車近位端との間に形成される少なくとも1つの屈曲部を有する外側ハウジングであって、その結果として、屈曲部に対して遠位のハウジングの遠位領域が、軸に沿って、屈曲部に対して近位のハウジングの近位領域と軸方向に整列されない、外側ハウジングの例である。この実施形態では、ハウジング内に形成される2つの屈曲部150および151が存在し、各々が2つの隣接する羽根車の間にある。
【0140】
[0218]使用方法において、ハウジング内に形成される屈曲部は、
図8に示される大動脈弁など、弁に広がるように位置付けられ得る。このような配置方法において、中央羽根車および最遠位の羽根車は、左心室内に位置付けられ、最近位の羽根車は、上行大動脈内に位置付けられる。屈曲部151は、大動脈弁のちょうど下流に位置付けられる。
【0141】
[0219]屈曲部150または151などの屈曲部は、本明細書内の実施形態または設計のうちのいずれかに組み込まれ得る。屈曲部は、予め形成された角度であり得るか、またはインシチュで調節され得る。
【0142】
[0220]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、逆のことが示されない限り、外側ハウジングは、その長さに沿って実質的に均一の直径を有し得る。
[0221]
図8では、ポンプは、腋窩動脈を介して位置付けられ、これは、大動脈弁にアクセスする例示的な方法であり、患者が、歩くこと、およびあまり間をあけることなく活動的になることを可能にする。本明細書内のデバイスのうちのいずれかは、腋窩動脈を介して位置付けられ得る。しかしながら、ポンプが、大動脈弓を介した大腿アプローチを含め、様々な様式で位置へと導入および追跡され得ることは、本明細書内の説明から理解されるものとする。
【0143】
[0222]本開示の1つの態様は、近位羽根車から軸方向に離間される遠位羽根車を含む血管内血液ポンプである。1つの実施形態において、遠位および近位羽根車は、互いから分離される。例えば、遠位および近位羽根車は、共通の駆動シャフトへのそれらの個々の装着によってのみ接続され得る。これは、複数のブレード列を有する羽根車とは異なる。遠位羽根車は、その表現が本明細書内で使用される場合、ポンプの最遠位の羽根車を必ずしも意味しないが、一般的には、遠位羽根車よりもさらに遠位に配設される追加の羽根車が存在するとしても、近位羽根車よりもさらに遠位に位置付けられる羽根車を指し得る。同様に、近位羽根車は、その表現が本明細書内で使用される場合、ポンプの最近位の羽根車を必ずしも意味しないが、一般的には、近位羽根車よりもさらに近位に配設される追加の羽根車が存在するとしても、近位羽根車よりもさらに近位に位置付けられる羽根車を指し得る。軸方向離間(またはそれらの何らかの派生語)は、ポンプ部分に屈曲部が存在するとしても、ポンプ部分の長さに沿った、例えばポンプ部分の長手方向軸に沿った、離間を指す。様々な実施形態において、近位および遠位羽根車の各々は、それぞれのハウジング内に位置付けられ、精密で一定の先端隙間を維持するように構成され、羽根車間の径間は、比較的より可撓性の(または完全に可撓性の)流体管腔を有する。例えば、羽根車の各々は、半径方向の折り畳みに抵抗するために比較的硬い外壁を有するそれぞれのハウジング内に位置付けられ得る。羽根車間の区域は、比較的硬くてもよく、いくつかの実施形態において、この区域は、その中の流体圧力によって主として開いたままに保たれる。
【0144】
[0223]本明細書内の実施形態では必要とされないが、近位羽根車と遠位羽根車との間に最小限の軸方向離間を有することが有利な場合がある。例えば、ポンプ部分は、例えば、大動脈などの比較的狭い屈曲部を有する生体構造の部分を通って、および大動脈弁内へと下って、標的部位へ送達され得る。例えば、ポンプ部分は、大腿動脈アクセスを通じて、大動脈弁へ送達され得る。生体構造内の屈曲部を通ってシステムを送達するのがより容易であるように、屈曲するのがより容易であるシステムを有することが有利であり得る。複数の羽根車が互いにかなり近いいくつかの設計は、複数の羽根車に広がる長さに沿ったシステムを、複数の羽根車に広がる長さ全体に沿って比較的剛性にし得る。羽根車を軸方向に離して離間すること、および任意選択的に羽根車の間に比較的可撓性の領域を提供することは、より可撓性であり、屈曲するのがより容易であり、また屈曲部を通ってより容易におよびより安全に前進され得るシステムの一部を作成することができる。追加の例示的な利点は、軸方向離間が、例えば、弁(例えば、大動脈弁)の場所に位置付けられ得る、羽根車間の比較的よりコンプライアントな領域を可能にし得ることである。さらには、他の潜在的な利点、および本明細書内の様々な実施形態と典型的な多段式ポンプとの間の機能的な違いが存在する。典型的な多段式ポンプは、密接な機能的間隔にあるブレードの列(時に、羽根車と称される)を含み、その結果として、ブレードの列が同期したステージとして一緒に作用する。流れは、それが遠位羽根車を通過するときに分離し得るということを理解されたい。本明細書に説明されるような様々な実施形態において、遠位および近位羽根車は、遠位羽根車からの流れ分離が実質的に低減され(すなわち、流れの再付着の増大)、流れが近位羽根車に入る前に局所的な乱流が消散されるように、十分に離して離間され得る。
【0145】
[0224]実施形態のうちのいずれかにおいて、または遠位羽根車および近位羽根車を含む本明細書内の説明の任意の部分において、近位羽根車の遠位端と遠位羽根車の近位端との間の軸方向離間は、ポンプ部分の長手方向軸に沿って、または流体管腔を含むハウジング部分の長手方向軸に沿って1.5cm~25cm(包括的)であり得る。この距離は、任意の羽根車を含むポンプ部分が拡張構成にあるときに測定され得る。この例示的な範囲は、ポンプ部分が生体構造の湾曲部分、例えば、大動脈を介して大動脈弁などを通って送達されるとき、本明細書に説明される例示的な可撓性の利益を提供することができる。
図9(拡張構成で患者の外側に示される)は、羽根車間の軸方向離間を例証し、またいくつかの実施形態では、本明細書に明記されるように1.5cm~25cmであり得る、長さLcを例証する。3つ以上の羽根車が存在し得る実施形態では、任意の2つの隣接する羽根車(すなわち、それらの間に任意の他の回転羽根車を有さない羽根車)は、本明細書に説明される軸方向離間距離のうちのいずれかだけ軸方向に離間され得る。
【0146】
[0225]いくつかの実施形態は、軸に沿って遠位羽根車近位端から1.5cm~25cm軸方向に離間される近位羽根車遠位端を含み、本明細書内の開示はまた、1.5cm~25cmのその全体範囲内の部分範囲である任意の軸方向離間を含む。すなわち、本開示は、その範囲内で1.5以上からの任意の下限を有するすべての範囲、および25cm以下からの任意の上限を有するすべての部分範囲を含む。以下の例は、例示的な部分範囲を提供する。いくつかの実施形態において、近位羽根車遠位端は、軸に沿って遠位羽根車近位端から、1.5cm~20cm、1.5cm~15cm、1.5cm~10cm、1.5cm~7.5cm、1.5cm~6cm、1.5cm~4.5cm、1.5cm~3cm軸方向に離間される。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、2cm~20cm、2cm~15cm、2cm~12cm、2cm~10cm、2cm~7.5cm、2cm~6cm、2cm~4.5cm、2cm~3cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、2.5cm~15cm、2.5cm~12.5cm、2.5cm~10cm、2.5cm~7.5cm、または2.5cm~5cm(例えば、3cm)である。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、3cm~20cm、3cm~15cm、3cm~10cm、3cm~7.5cm、3cm~6cm、または3cm~4.5cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、4cm~20cm、4cm~15cm、4cm~10cm、4cm~7.5cm、4cm~6cm、または4cm~4.5cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、5cm~20cm、5cm~15cm、5cm~10cm、5cm~7.5cm、または5cm~6cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、6cm~20cm、6cm~15cm、6cm~10cm、または6cm~7.5cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、7cm~20cm、7cm~15cm、または7cm~10cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、8cm~20cm、8cm~15cm、または8cm~10cmである。いくつかの実施形態において、軸方向離間は、9cm~20cm、9cm~15cm、または9cm~10cmである。様々な実施形態において、羽根車間の流体管腔は、相対的に支持されていない。
【0147】
[0226]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、1つまたは複数の羽根車は、5cm~10cm、またはそれらの任意の部分範囲の、羽根車遠位端と羽根車近位端との間で軸方向に測定されるような長さ(
図9ではそれぞれ「L
SD」および「L
SP」と示される)を有し得る。以下の例は、例示的な部分範囲を提供する。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、0.5cm~7.5cm、0.5cm~5cm、0.5cm~4cm、0.5cm~3cm、0.5cm~2、または0.5cm~1.5cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、0.8cm~7.5cm、0.8cm~5cm、0.8cm~4cm、0.8cm~3cm、0.8cm~2cm、または0.8cm~1.5cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、1cm~7.5cm、1cm~5cm、1cm~4cm、1cm~3cm、1cm~2cm、または1cm~1.5cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、1.2cm~7.5cm、1.2cm~5cm、1.2cm~4cm、1.2cm~3cm、1.2~2cm、または1.2cm~1.5cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、1.5cm~7.5cm、1.5cm~5cm、1.5cm~4cm、1.5cm~3cm、または1.5cm~2cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、2cm~7.5cm、2cm~5cm、2cm~4cm、または2cm~3cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、3cm~7.5cm、3cm~5cm、または3cm~4cmである。いくつかの実施形態において、羽根車軸方向長さは、4cm~7.5cm、または4cm~5cmである。
【0148】
[0227]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、流体管腔は、
図9では長さLpとして示される、遠位端から近位端までの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、流体管腔長さLpは、4cm~40cm、またはその任意の部分範囲である。例えば、いくつかの実施形態において、長さLpは、4cm~30cm、4cm~20cm、4cm~18cm、4cm~16cm、4cm~14cm、4cm~12cm、4cm~10cm、4cm~8cm、4cm~6cmであり得る。
【0149】
[0228]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、ハウジングは、
図9では寸法Dpとして示される、少なくとも羽根車の場所(任意選択的に羽根車間の場所)に、展開した直径を有し得る。いくつかの実施形態において、Dpは、0.3cm~1.5cm、またはその任意の部分範囲であり得る。例えば、Dpは、0.4cm~1.4cm、0.4cm~1.2cm、0.4cm~1.0cm、0.4cm~0.8cm、または0.4cm~0.6cmであり得る。いくつかの実施形態において、Dpは、0.5cm~1.4cm、0.5cm~1.2cm、0.5cm~1.0cm、0.5cm~0.8cm、または0.5cm~0.6cmであり得る。いくつかの実施形態において、Dpは、0.6cm~1.4cm、0.6cm~1.2cm、0.6cm~1.0cm、または0.6cm~0.8cmであり得る。いくつかの実施形態において、Dpは、0.7cm~1.4cm、0.7cm~1.2cm、0.7cm~1.0cm、または0.7cm~0.8cmであり得る。
【0150】
[0229]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、羽根車は、
図9では寸法Diとして示される、展開した直径を有し得る。いくつかの実施形態において、Diは、1mm~30mm、またはその任意の部分範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、Diは、1mm~15mm、2mm~12mm、2.5mm~10mm、または3mm~8mmであり得る。
【0151】
[0230]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、先端隙間は、羽根車外径と流体管腔内径との間に延在する。いくつかの実施形態において、先端隙間は、0.05mm~0.8mmなど、または0.1mm~0.5mmなど、0.01mm~1mmであり得る。
【0152】
[0231]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、少なくとも流れ拡散器(複数可)および固定子(複数可)のうちの少なくとも1つが、カテーテルシャフトに沿って2つ以上の羽根車の間に位置し、これらのうちの任意の1つは、羽根車間の流体圧力を増大させ、流体の渦を低減し、および/または複数の羽根車の効率性をまとめて増大させることができる。
【0153】
[0232]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、拡張可能シュラウドバスケットまたは拡張可能部材の流体出口における特徴は、血液の流れ方向を変えるように方向付けられるねじれを伴ったブレード形状であり得る、カテーテルシャフト外のり寸法と拡張可能部材外のり寸法との間の付着部におけるステント様の支柱など、流れ拡散器として作用するように成形される。本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、羽根車の下流のカテーテルシャフトの1つまたは複数の部分は、血流の角度を変えて、本来の大動脈血流により近い速度へと血流の減速を引き起こすために、より大きい直径へと広がり得る。羽根車の下流のより大きい直径のための例示的な場所は、拡張可能シュラウドバスケットがカテーテルシャフトに付着する領域のところ、もしくはその近く、および/または、羽根車に隣接する、もしくは内部モータ上もしくはそれに隣接する、軸受ハウジングのところにあり得る。
【0154】
[0233]いくつかの実施形態において、ポンプ部分は、近位羽根車と遠位羽根車との間に軸方向に配設される1つまたは複数の中央部材を含み得る。1つまたは複数の中央部材は、互いと直接的に結合され得るか、またはそうでなくてもよい。1つまたは複数の中央部材は、以下の例示的な機能:構造的支持、流れ変更、および羽根車整列の維持のうちの1つまたは複数を提供し得る。1つまたは複数の中央部材が構造的支持を提供する場合、1つまたは複数の中央部材は、構造的支持を、外側導管(本明細書では「ハウジング」と称され得る)および/または1つまたは複数の羽根車に提供し得る。例えば、それらは、1つまたは複数の羽根車における先端隙間を維持するのを助け得る。以下に続く説明において、1つまたは複数の中央部材は、逆のことが示されない限り、羽根車と回転動作状態にない。本明細書で使用される場合、用語「中央部材」またはその派生語は、部材が2つの羽根車の間の少なくとも中点に位置することを示唆するものではなく、単に、中央部材が、2つの羽根車の間の軸方向のどこかにあることを示唆する。「中央部材」は、したがって、本明細書内では、用語「中間部材」と同義に使用され得る。
【0155】
[0234]
図10は、流体ポンピング装置10の例示的なポンプ部分20を例証する側面図である。遠位方向は、「D」で示され、近位方向は、「P」で示される。ポンプ部分20(および本明細書内の他のポンプ部分)は、本明細書では遠位部分とも称され得る。ポンプ部分20は、本明細書に説明されるような流体流導管、ならびに拡張可能部材30を含む。ポンプ部分20はまた、この実施形態ではステント様の部材である支持構造体33(本明細書ではスキャホールドと称され得る)を含むが、本明細書に提供される例のうちのいずれかを使用して構築され得る。導管は、遠位端31および近位端32を有する膜34を含む。膜34は、支持構造体33に結合される。膜34は、羽根車40および50が始動されるとき流体が通って流れる内部管腔を少なくとも部分的に作成および画定する。膜34は、本明細書に説明される導管のうちのいずれかの特性のうちのいずれかを有し得る。支持構造体33が、
図10に示される展開および拡張構成まで拡張するとき、導管もまた、
図10に示される開構成をとる。流体流は、羽根車40および50が始動されるとき、概して「F」の矢印の方向に示される。羽根車40および50は、本明細書に説明される羽根車のうちのいずれかであり得、本明細書に説明される特性のうちのいずれかを有し得る。
【0156】
[0235]この実施形態では、ポンプ部分20は、遠位羽根車40と近位羽根車50との間に軸方向に配設される中央部材60を含む。この実施形態では、中央部材60は、流体管腔内の血液の流れを変更または制御するために、少なくとも流れ制御部材として機能する。
図11A、
図11B、および
図11Cは、遠位部分の他のポンプが明確性のために取り除かれた状態の、中央部材60の斜視図、側面図、および遠位端面図を示す。中央部材60は、ハブ67およびそこから延在する複数のブレード、この実施形態では、3つ(すなわちブレード63、64、および65)を含むが、より多くまたはより少ないブレードが使用されてもよい。中央部材60は、遠位または前領域61、および後または近位領域62を有する。遠位領域61内のブレードは、遠位羽根車40から圧力を回復するように構成され、近位領域62内のブレードは、流れを近位羽根車50へ向けるように構成される。遠位領域61内のブレードは、近位領域62内のブレードが有するよりも、ハブに対してより高い度合いの湾曲を有する。湾曲の度合いは、概して、遠位端から近位端へ減少する。これは、どちらかというと拡散器(換言すれば、ディフューザー)として作用する遠位領域から、どちらかというと固定子または案内翼として作用する近位端への移行をもたらす。近位領域62は、この実施形態では、固定子の機能性を提供する。
【0157】
[0236]流れを制御し、その長さに沿って特定のタイプの流れを作成することに加えて、中央部材60はまた、導管に構造的支持を付与する。部材60は、羽根車40と50との間に軸方向にある領域において安定性を提供する。羽根車の間にある中央領域は、そこに対する様々な力を受容することができ、部材60は、それらの力に応答して中央領域を強化することができる。例えば、遠位領域20は、心臓内に位置付けられ得、また特に、羽根車間の中央領域は、弁が開閉するときに多くの動きが発生する心臓弁(例えば、大動脈弁)に横切って位置付けられ得る。弁接合部からの力は、拡張可能部材30に対して半径方向内向きの力を付与することができ、部材60は、拡張可能部材30の中央径間(central span:換言すれば、中央距離)の少なくとも何らかの部分(実質的に部分全体を含む)を強化し、管腔を開いたままに保つことができる。加えて、例えば、部材60はまた、羽根車が回転すると発生する、羽根車の間の振動を低減することができる。中央領域に提供される構造的支持は、羽根車の先端と拡張可能部材30との間の隙間を維持するのを助けることができる。中央部材60は、送達構成へと折り畳まれるように適合および構成され(羽根車のように)、
図10に示される状態へ拡張されるとき、中央部材60は、拡張可能部材30に係合し、管腔内から構造的支持を提供する。代替の実施形態において、中央部材60は、拡張可能部材に永久的に装着され得、その結果として、それらは、一体で折り畳んで、拡張する。この実施形態では、したがって、中央部材60は、羽根車間でその長さに沿って特定の流れを制御および作成すること、ならびに構造的支持を拡張可能部材に提供することの両方のために適合および構成される。
【0158】
[0237]任意の中央部材(例えば、制御部材60)は、羽根車間の中央径間(「CS」)のほぼ全体に軸方向に延在し得る。中央径間「CS」の長さは、
図10に示される。上で論じられるように、
図10内の実施形態における両方の羽根車の場合のように、羽根車に隣接して直接配設される構造的支持部材(例えば、部材60)を有するのに有利な構造的支持体が存在する。遠位端から近位端まで延在する単一の中央部材を有することが望ましい場合(
図10内の実施形態にあるように)、中央部材は、羽根車間の中央径間距離の少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%延在し得る。羽根車と制御部材との間には間隔を有することが望ましく、これが、回転羽根車と制御部材との接触からの摩擦を防ぐ。
【0159】
[0238]本明細書内の他の実施形態では、中間部材は、羽根車間の長さのかなりの部分に沿って延在しない場合がある(例えば、
図12Aにおける中間部材92および102を参照)。本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、中央部材は、第1の羽根車と第2の羽根車との間の中央径間の5%以下、または10%以下、または15%以下、または20%以下、または25%以下、または30%以下、または35%以下、または40%以下、または45%以下、または50%以下、または55%以下、または60%以下、または65%以下、または70%以下、または75%以下、または80%以下、または85%以下、または90%以下、または95%以下、または99%以下延在し得る。
【0160】
[0239]複数の羽根車を含む本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、羽根車間の軸方向離間(ポンプ部分に屈曲部が存在するとしても、ポンプ部分の長さに沿った)は、2mm~100mm、または5および100mmを包含する上限および下限の任意の組み合わせ(例えば、10mm~80mm、15mm~70mm、20mm~50mm、2mm~45mmなど)であり得る。
【0161】
[0240]1つまたは複数の中央部材の長さは、第1の羽根車と第2の羽根車との間の任意の所望の長さであり得る。
[0241]いくつかの実施形態において、中央部材の長さの少なくとも50%は、拡散器というよりも固定子のように見なされる機能性を提供する。例えば、
図10内の実施形態では、中央部材60の近位半分は、拡散器というよりも固定子として機能する。拡散器区域は、前のステージ(例えば、遠位羽根車)により作成される運動エネルギーからの圧力の少なくとも5~50%を回復するのに十分な長さを有し得る。固定子区域は、過度な摩擦損失をもたらすことなく次のステージ(例えば、近位羽根車)へ流れを方向付けるのに十分な長さを有し得る。
【0162】
[0242]
図10~
図11C内の実施形態は、羽根車間の単一の中央部材60を例証するが、いくつかの代替の実施形態において、遠位部分または作用部分は、羽根車の間に配設される2つ以上の別々の軸方向に離間した中央部材を含み得る。
図12A~
図13Cは、そのような例示的な設計を例証する。
【0163】
[0243]
図12Aは、ポンピング装置70の例示的な遠位部分80の斜視図である。
図12A~
図13C内の実施形態は、複数の拡張可能部材を伴う本明細書に示される二重羽根車設計(例えば、
図3A)にいくつかの点で類似している。
図12A~
図13Cと
図3Aとの間の1つの違いは、遠位部分80が、遠位中央部材92および近位中央部材102を含み、これらの各々が、羽根車のうちの1つの隣に密接して配設されることである。中央部材92の少なくとも一部分は、遠位拡張可能部材90の一部である構造的支持体91(例えば、ステント様デバイス)の端内に軸方向に配設される。中央部材92はまた、構造的支持体91内に半径方向にある。中央部材102の少なくとも一部分は、近位拡張可能部材100の一部である構造的支持体101(例えば、ステント様デバイス)の端内に軸方向に配設される。中央部材102はまた、構造的支持体101内に半径方向にある。導管95(本明細書に説明される導管特性のうちのいずれかを有し得る)は、中央部材92と中央部材102との間に軸方向に延在することを含め、遠位端から近位端まで延在する。
【0164】
[0244]
図13A、
図13B、および
図13Cは、中央部材92および102の端面斜視図、斜視図、および側面図を示す(他の構成要素は明確性のために示されない)。中央部材は、外側環状部材110および内側環状部材113を含み、それらの間には複数のブレード112が延在する。
【0165】
[0245]
図10内の中央部材60と同様に、中央部材92および102は、流体制御を提供するように、および構造的支持を提供するように適合および構成される。中央部材92および102は各々、拡張可能部材90および100内に半径方向に、ならびに拡張可能部材90および100内に少なくとも部分的に軸方向に配設される。環状部材110および半径方向に延在するブレード112は、半径方向の強化および支持を提供し、したがって、管腔を開いたままに保つこと、先端隙間を維持すること、および羽根車間の振動を低減することを助け得る。この実施形態では、ブレードはまた、中央部材92および102が固定子として作用するように構成される。例えば、近位中央部材102は、流れが近位羽根車に達する前に、流れを方向付けることができる。遠位中央部材92はまた、圧力を回復するのを助け得る。「流れを方向付ける」およびその派生語は、本明細書で使用される場合、軸方向対半径方向の流れ成分の比を変えることを含み得る。例えば、本明細書内の任意の固定子機能性(および固定子を機能させる任意の構成要素)は、軸方向の流れ成分を増大させ、半径方向の流れ成分を減少させることができる。
【0166】
[0246]この実施形態では、羽根車間の中央径間の一部分は、拡張可能部材または支持部材を含まないが、導管95(例えば、可撓性膜)を含む。これは、
図3A内の実施形態と類似している。変形可能な導管95は、中央領域が、弁尖が接合しているところまである程度変形することを可能にし得る。しかしながら、支持部材92および102は、導管95がより多くの中央領域において変形することができるとしても、拡張可能部材90および100の端を強化することを助ける。
【0167】
[0247]
図3A内の実施形態と
図12A~
図13Cとの間のさらなる違いは、
図12Aから
図13Cでは、拡張可能部材が、拡張可能部材の内側部分(長手方向軸に沿って真ん中により近い)に支柱を有さないことである。中央部材92および102がそれらの支柱に取って代わる。
【0168】
[0248]中央部材92および102は、本明細書内の羽根車と全く同じように、折り畳み可能かつ拡張可能である。中央部材92および102は、管腔114を通過する構成要素に固定され(
図13Bを参照)、羽根車が回転するときに、それらが回転しないように固定される。回転可能な軸は、中央部材92および102を通過する。中央部材92および102は、羽根車に直接隣接しているが、部品間のいかなる摩擦も防ぐのに十分なほどに離間される。
【0169】
[0249]他の実施形態では、軸方向に離間され、羽根車間にある3つ以上の中央部材が存在し得る。例えば、1つまたは複数の別個の中央部材が、中央部材92と102との間に配設され、また、例えば、中央部材92および102が固定される同じ細長シャフトに固定されてもよい。
【0170】
[0250]中央部材92および102は、それぞれ拡張可能部材90および100に永久的に取り付けられ得、その結果として、それらは一緒に拡張し、折り畳める。例えば、環状区域110の半径方向に外側の表面は、拡張可能部材に固定され得る。代替的に、中央部材92および102は、拡張可能部材に取り付けられないが、中央部材は、中央部材および拡張可能部材の両方がそれらの展開構成にあるとき、拡張可能部材に接触/係合するようにサイズ決定される。
【0171】
[0251]羽根車に動作可能に接続される軸は、中央部材92および102が固定されるシャフトを通って延在し得、その結果として、軸は、回転しない細長シャフト内で回転して、中央部材の回転を引き起こすことなく羽根車の回転を駆動することができる。
【0172】
[0252]示されないいくつかの代替の実施形態において、中央部材92および102の態様は、単一の中央部材設計へ組み込まれ得る。例えば、ブレード112が延在する環状外側領域110もまた、単一の中央部材の長さのすべてまたは何らかの部分に組み込まれ得る。例えば、
図10に対するいくつかの代替の実施形態において、中央部材60は、中央部材60の長さに沿ったどこかに1つまたは複数の環状外側領域を含み得る。例えば、中央部材60は、その長さに沿って延在する単一の外側環状領域を含み得、ブレード63、64、および65が、単一の外側環状領域から延在し得る。または、例えば、中央部材60は、その長さに沿った任意の場所に配設される複数の環状外側領域を含み得る。例えば、中央部材60の遠位および近位端領域は各々、ブレード63、64、および65が延在する別々の環状外側領域を含み得る。別々の環状外側領域は、任意の所望の長さのものであり、羽根車間に広がる軸の任意の所望の割合を占有し得る。または、例えば、中央部材はまた、中央部材60の中心に第3の別々の環状外側領域を含み得る。追加の別々の外側環状領域は、中央部材60(または任意の他の単一の中央部材)の長さに沿って軸方向に離間され得る。
【0173】
[0253]示されないいくつかの代替の実施形態において、中央部材60の態様は、複数の中央部材(例えば、中央部材92および102)を含む設計に組み込まれ得る。例えば、中央部材92および102内のブレード112(
図13Aおよび
図13Bに示される)は、直線構成を有する必要はないが、
図10に示されるブレード63、64、および65の部分のようにある程度湾曲され得る。または、ブレード112のある部分は直線であり得、ある部分は、
図10におけるブレード63~65などのように湾曲され得る。例えば、遠位中央部材92は、湾曲部分を伴うブレードを有し得る一方、近位中央部材102は、直線ブレードを有し得る。これらの設計において、中央部材92は、どちらかというと圧力を回復するように作用することができ、近位中央部材102は、どちらかというと流れを方向付ける固定子のように機能することができる。
【0174】
[0254]加えて、遠位中央部材92は、近位中央部材102と同じ構成を有する必要がない。
[0255]加えて依然として、他の実施形態において、
図10および
図12A内の遠位領域20および80の態様は、他の遠位領域と共に組み込まれ得る。例えば、
図10では、支持構造体33は、羽根車間の中央径間全体にわたって延在する。
図12Aに示される遠位領域80において、支持構造体は、同様に、中央部材92と102との間の径間にわたって延在し得る。例えば、遠位支持構造体91は、中央径間内へ近位に延在し、近位支持構造体101も形成し得る。
【0175】
[0256]
図10~
図13Cに関して説明される流体ポンプは、本明細書に説明される任意の解剖学的部位に位置付けられ得る。例示的な使用方法において、流体ポンプは、使用中、
図4に示されるようなデバイスを位置付ける方法において使用され得る。
図4に関連した本明細書内の説明の全体が、
図10~
図13C内の実施形態についてあらゆる目的のために参照により組み込まれる。例えば、流体ポンプ10は、大動脈弁にまたがって置かれ得るため、遠位羽根車は、左心室内に位置付けられ、近位羽根車は、上行大動脈内に位置付けられる。この位置では、制御部材60の一部分を含む、遠位部分の中央領域は、大動脈弁の場所に位置付けられる。
【0176】
[0257]複数の羽根車を含む本明細書内のポンプ部分のうちのいずれかはまた、3つ、4つ、5つの羽根車(例えば)など、3つ以上の羽根車を含み得る。
[0258]上の実施形態のうちのいくつかは、折り畳み可能かつ拡張可能(または、少なくとも折り畳み構成と拡張構成との間で移動可能)であるポンプ部分または構成要素を説明し、それらの実施形態のうちのいずれかにおいて、構成要素および拡張可能外側ハウジングは、拡張不可能かつ折り畳み不可能でもあり得る。すなわち、それらの実施形態における構成要素のうちのいずれかは、存在し得るが、この構成要素は、それらの構成要素の拡張不可能な変異形であり得る。例えば、上の羽根車は、拡張可能ではなく、拡張不可能であってもよい。
【0177】
[0259]
図14Aおよび
図14Bは、構成要素が拡張可能および折り畳み可能ではない、血液ポンプの例示的な実施形態の遠位部分の側面図を示す。この実施形態におけるすべての構成要素は、硬い固定された部品であり得る。
【0178】
[0260]
図14Bは、
図14Aでは見ることができない内部構成要素を例証する。
図14Aおよび
図14B内の説明は、例証的であり、限定するものではない。
図14Aおよび
図14Bに示されるポンプ部分は、ポンプ部分の長さに沿って軸方向に離間されるステージ1区域およびステージ2区域を含む。この実施形態では、2つのステージの間の中央区域(概して、「可撓性区域」とラベル付けされる)は、その中に屈曲部が形成されており、この屈曲部は、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%など、ステージ間の中央区域の任意の部分に沿って延在し得る。屈曲部は、屈曲部が体外に存在するように中央領域内へ製造され得るが、中央領域は、送達シースまたはイントロデューサなどの送達デバイス内で真っすぐな送達構成へと再構成され得るように、十分に可撓性であり得る。
【0179】
[0261]ポンプ部分は、ステージ1構成要素に対して遠位の複数の軸方向に整列された入口アパーチャを含む。
図14Aおよび
図14Bには2つの入口アパーチャが存在するが、3つ以上の入口アパーチャが存在してもよい。ステージ2回転子の一部分と軸方向に整列される2つの出口アパーチャも存在する。入口および出口アパーチャは、ポンプ部分の半径方向外側の壁を通って延在する。遠位は、図内の右側、および近位は、図内の左側である。様々な実施形態において、ポンプ部分は、ステージ1構成要素に対して遠位の入口アパーチャのセット、およびステージ2構成要素に対して近位の出口アパーチャのセットを含む。様々な実施形態において、ポンプ部分は、遠位ポンプに対して遠位の入口アパーチャのセット、および近位ポンプに対して近位の出口アパーチャのセットを含む。様々な実施形態において、ステージ1構成要素とステージ2構成要素との間にアパーチャ(入口または出口用)がない。様々な実施形態において、遠位ポンプ羽根車と近位ポンプ羽根車との間にアパーチャ(入口または出口用)がない。
【0180】
[0262]この実施形態におけるステージ1は、遠位羽根車(回転子とラベル付けされる)、回転子に対して遠位の入口案内翼、および遠位回転子に対して近位の出口案内翼を含む。翼(および本明細書内の任意の翼)は、その用語が本明細書で使用される場合、概して、流れ変更要素または派生語であると見なされる。翼および回転子のうちのいずれかは、示されるようにハブおよび延在するブレードを含み得るか、または他の知られている羽根車および固定子/翼設計を含み得る。翼(および本明細書内の任意の流れ変更構成要素)は、遠位羽根車の隣に密接して、10mm未満離れて(デバイスの長さに沿って)、または9mm未満離れて、または8mm未満離れて、または7mm未満離れて、または6mm未満離れて、または5mm未満離れて、または4mm未満離れて、または3mm未満離れて、または2mm未満離れて、または1mm未満離れてなど、位置付けられる。「密接して」は、本明細書で使用される場合、これらの軸距離のうちのいずれかを含み得る。「密接して」はまた、本明細書で使用される場合、中央管腔の直径の2倍未満の距離を指し得る。
【0181】
[0263]この実施形態におけるステージ2は、近位羽根車(回転子)、および近位羽根車に対して遠位の入口案内翼を含む。ステージ1における翼に関連した上の開示のすべては、ステージ2翼に組み込まれ、またこれに組み込まれ得る。
【0182】
[0264]この例では、ステージ1(遠位)回転子は、軸方向流れ羽根車として構成され、近位羽根車(ステージ2)は、混合(斜め)の流れ羽根車として構成されるが、これらは例証的であり、他の羽根車設計が、いずれの羽根車に使用され得る。
【0183】
[0265]この実施形態におけるポンプ部分は、ステージ間に可撓性外側ハウジングを含む。可撓性外側ハウジングは、例えば、わずかな度合いの湾曲を伴って形成される可撓性高分子材料であり得、送達のために真っすぐにされ得、遠位ステージおよび近位ステージ区域に結合される。いくつかの実施形態において、可撓性中央区域は、いくらかの可撓性を付与する超薄壁の硬い材料であり得る。他の実施形態において、例えば、可撓性区域は、可撓性膜が装着される複数の細長支持部材(例えば、ニチノールワイヤ)を含み得る。細長支持部材は、その中に屈曲部を伴って形成され、可撓性区域の外縁の周りに離間され得、その結果として、可撓性膜がそこを通る管腔を形成する。いくつかの実施形態において、可撓性区域は、可撓性を付与するために少なくとも一区域において1つまたは複数のスロットが切り取られている(例えば、外縁の少なくとも一部分の周りに延在する肋材を伴って片側に沿って脊柱を作成し、肋材は材料を切断することによって形成される)レーザ切断された管(例えば、レーザ切断された高分子または金属材料、例えば、ニチノール)を含み得、膜様の材料が、除去された材料を被覆するために、スロット付きの管状部材に取り付けられ得る。可撓性材料はまた、屈曲部を伴って構成されるステント様デバイス、およびステントアパーチャを被覆する膜様の材料を含み得る。
【0184】
[0266]本明細書で使用される場合、「軸方向に離間される」は、屈曲部が外側プロファイルに存在する実施形態(例えば、
図14Aおよび
図14B)を含み、屈曲部は、本明細書内の実施形態のうちのいずれかに含まれ得る。軸方向に離間されるとは、その表現が本明細書内のどこかで使用される場合、ポンプ部分の外側プロファイルに屈曲部が存在するとしても(例えば、
図14Aおよび
図14B)、デバイスに沿って離間することを指すことが意図される。それは、例えば、ポンプ部分の長手方向軸に沿って離間することを指し得る。
【0185】
[0267]
図14Aおよび
図14Bに示されるものに対する代替の実施形態においては、示されるすべての構成要素が含まれることが必要とされるわけではない。例えば、翼のうちのいずれかは、必要とする流れに応じて、存在しない場合がある。
【0186】
[0268]ポンプデバイスの任意の態様または使用方法に関連した本明細書内の他の開示のうちのいずれか(例えば、外部モータ、使用されるときの配置)は、参照により
図14Aおよび
図14B内の実施形態に組み込まれる。
【0187】
[0269]
図14Aに示される説明は、周辺/周囲の生体構造を示して、デバイスの例示的な配置を例証する。遠位羽根車は、左心室内に位置付けられる一方、近位羽根車は、上行大動脈内に位置付けられ得、羽根車は、それに応じて離間され得る。
【0188】
[0270]本明細書内の血管内ポンプのうちのいずれかなど、血液ポンプは、流体がデバイスを通って流れることができる1つまたは複数の流体路を有することから恩恵を受け得る。例えば、限定しないが、血液ポンプは、これらの例示的な機能:回転構成要素(例えば、駆動ケーブル)を冷却してそれらの過熱を防ぐこと、回転構成要素(例えば、駆動ケーブル)を中断させ得る小さい微粒子を洗い流して、回転構成要素が小さい微粒子により損傷されることを防ぐこと、回転構成要素(例えば、1つまたは複数の軸受)を潤滑化すること、およびポンプ内(例えば、ポンプの遠位端近く、またはポンプの遠位端)への血液侵入を防ぐこと、のうちのいずれかを実施するために、流体が通って流れることができる1つまたは複数の流体路を有することから恩恵を受け得る。1つまたは複数の流路を通じた流体送達は、任意の数のこれらの機能を提供し得る。
【0189】
[0271]
図15A~
図15Dは、流体入口ポートおよび流体出口ポートを有する例示的な流体ポンプ(例えば、血液ポンプ)に組み込まれる流体送達システムの例示的な実施形態を例証する。
図15Aは、1つまたは複数の羽根車に対して近位にあるデバイスの一部分を例証し、この実施形態では、カテーテルの近位端、駆動ケーブルおよび羽根車の回転を引き起こすモータアセンブリ、流体入口ポートおよび流体出口ポート、ならびにガイドワイヤ通路または管腔へのアクセスを可能にするガイドワイヤポートを含む。
【0190】
[0272]
図15Bは、
図15Aに示される領域に対して遠位にあるデバイスの領域を示すが、
図15Aに示されるカテーテル構成要素のうちのいくつかを含む。
図15Cは、
図15B内の領域に対して遠位のデバイスの領域を示し、
図15Dは、
図15Cで見えるものに対して遠位のデバイスの領域を示す。
【0191】
[0273]
図15A~
図15Dは、例示的な血液ポンピングデバイスの異なる区域を例証するが、代替の実施形態において、システムの態様は、様々であり得るということを理解されたい。例えば、代替の実施形態において、羽根車を有するデバイスの部分は、様々であり得、単一の羽根車のみを含み得るか、または羽根車の周りの拡張可能ハウジングが、様々な構成を有し得る。デバイスの個々の領域は、それら自身が、様々な異なる種類の血液ポンプに組み込まれ得るということを理解されたい。
【0192】
[0274]この例示的な実施形態の1つの態様は、流体ポート、この実施形態では流体出口ポート、としても機能するガイドワイヤアクセスポートを含む。モータ密閉キャップ138は、ガイドワイヤチャネル137が中に形成されてこれを含み、このガイドワイヤチャネル137は、デバイスの外側からチャネル137へのアクセスを提供する半径方向側面にガイドワイヤポートを含む。モータ密閉キャップは、任意選択の構成要素であり得、ガイドワイヤチャネル137は、代替的に、デバイスの異なる部分に形成され得る(例えば、モータ密閉キャップとして機能しない場合がある)。本デバイスはまた、ガイドワイヤ通路の一部分であるガイドワイヤチャネル136が中に形成されてこれを含む駆動ケーブルカプラ135を含む。駆動ケーブルカプラ135は、モータによって回転され、駆動ケーブル143の回転を引き起こし、これが、ポンプ部分における1つまたは複数の羽根車の回転を引き起こす。したがって、これらの構成要素は、回転連通状態にあると見なされる。ガイドワイヤポートを含むチャネル137は、デバイス内に形成され、モータが回転するときに回転するように適合されない。駆動ケーブルカプラ135内に形成されるチャネル136は、駆動ケーブルカプラが回転するときに回転する。駆動ケーブルカプラ135が、
図15Aに示される位置にあるとき、チャネル137は、チャネル136と整列状態にあり、このことより、ガイドワイヤが、チャネル137を通じて前進されること、またはこれから除去されること、およびチャネル136を通じて前進されることを可能にする。ガイドワイヤが挿入されている場合、ガイドワイヤは、以下により詳細に説明されるように、デバイス全体を通じてさらに遠位に前進されて遠位端から出ることができる。また以下により詳細に説明されるように、ガイドワイヤアクセスポートは、戻り流体が戻り領域139から出口ポートの外へ流れることを可能にする流体出口ポートとして作用する。
【0193】
[0275]ガイドワイヤアクセスポート(チャネル137の部分)を、この実施形態においてそれが存在する場所に有する利点の1つは、ポンプ部分が患者内のある場所にすでに前進された後、必要な場合に、ガイドワイヤが、ポート内へ再挿入され、遠位端までずっと挿入されてその外へ出ることができるということである。重要なことには、ガイドワイヤは、いくつかの迅速交換設計と同様にデバイスの大半を患者から除去する必要なしに、およびモータアセンブリを除去する必要なしに、再挿入され得る。したがって、この例示的な実施形態は、モータアセンブリを除去する必要なしに、およびデバイスを対象から除去する必要なしに、ガイドワイヤの容易な再進入を可能にする。
【0194】
[0276]使用中にガイドワイヤを再挿入することができることは、例えば、限定しないが、所望の場合または必要な場合に、ポンプ部分の再位置付けを可能にすることができることから、有利であり得る。例えば、ポンプ部分が、解剖学的ランドマーク(例えば、大動脈弁)に対して適所をはずれて動く場合、ガイドワイヤは、解剖学的ランドマークに対してそれを安全に再位置付けするために挿入される必要があり得る。
【0195】
[0277]ガイドワイヤ経路は、回転式構成要素(例えば、駆動ケーブルカプラ135)を通って延在することから、ガイドワイヤは、回転構成要素がアクティブであるときに、ガイドワイヤ経路内に存在しないことが重要である。本明細書内の装置はまた、ガイドワイヤ通路内のガイドワイヤの存在を検出するために自動検知機序、および/またはガイドワイヤが管腔内にある場合にモータが始動されることを防ぐ防止機序を含み得る。例えば、限定しないが、ガイドワイヤ通路内のガイドワイヤの存在を選択的に検出し、モータが始動されることを防ぐコントローラにそのことを通信することができるセンサが存在してもよい。
【0196】
[0278]この実施形態では、流体がデバイス内へ送達され得る単一の流体入口チャネルまたは管腔131が存在する。
図15Bは、デバイスの一領域を例証し、また、流体がデバイス内へ送達された後にとることができる異なる通路を例証する。流体が流体入口ポートチャネル131(入口ポートを含む)内へ前進された後、流体は、きれいなパージ管141と駆動ケーブル管142との間の空間147を通って進む。これは、きれいな入力流体と見なされる。この通路は、遠位カテーテルキャップ149で行き止まりになる。流体は、
図15Bに示されるような駆動ケーブル管142の遠位領域内に形成される1つまたは複数のアパーチャ146を通過し、駆動ケーブル管142と駆動ケーブル143との間の環状空間内へ入る。この流体の一部(任意選択的に流体の大半)は、この環状空間を通って近位方向に戻り、駆動ケーブル143を潤滑化および冷却し、その通路に沿って潜在的な微粒子を洗い流す。この戻り流体は、近位に、および
図15Aに示される領域139内へ流れ続け、また、チャネル137を通じて、流体ポート(ガイドワイヤアクセスポートでもある)の外へ流れ続ける。したがって、流体出口ポートは、この実施形態では、ガイドワイヤアクセスポートとしても機能する。
【0197】
[0279]流体の大半が、領域139へ近位に戻るが、流体の一部は、アパーチャ146を通過した後、駆動ケーブル143の遠位端を越えて遠位に続く。流体の一部は、血液侵入を防ぐために、整列軸受162を通って近位軸受経路160を辿る。経路160に沿って軸受162に向かう流体流は、例えば、デバイスの近位領域における戻り流体の入力流れ圧力および絞りを制御することによって、制御され得る。
【0198】
[0280]流体の一部は、アパーチャ146を通過した後、駆動ケーブル143を通って、経路161に沿って流れることになり、また、以下により詳細に説明されるように、任意の回転表面を潤滑化するため、および血液侵入を防ぐために、デバイスを通って(例えば、ハイポチューブ144を通って)、および穴の外へ、遠位に続くことになる。したがって、ガイドワイヤ管腔145は、遠位軸受流体流路としても機能するように位置付けられる。
【0199】
[0281]一部の流体は、
図15Cに示されるように、経路161に沿って遠位に流れ、軸受162、スラスト軸受177、および整列軸受178のうちの1つまたは複数を潤滑化するために、経路163沿った穴を通過する。流体の一部は、
図15Cに示される矢印164の方向に、羽根車165(この実施形態では近位羽根車である)を通って、遠位に続く。流体の一部は、本明細書内の中央または中間部材のうちのいずれかを含む、折り畳み可能支持部材のうちのいずれかであり得る、中央部材171を支持する任意選択の整列軸受172を潤滑化するために、経路167に沿ったアパーチャを通過する。一部の流体は、矢印168の方向にガイドワイヤ管腔を通って、任意選択の遠位羽根車173を通って、遠位に続く。一部の流体は、遠位羽根車に対して遠位である軸受174を潤滑化するために、経路169に沿った穴を通過する。流体の一部はまた、弁175を通って、およびデバイスの遠位端の外へ流れることができ、血液侵入を防ぐのを助ける。
【0200】
[0282]この例示的な実施形態において、管状部材を通って流れる単一の流路(
図15Bに示されるガイドワイヤ管腔を通って遠位に延在する経路161)は、3つの軸方向に離間した軸受領域を潤滑化した、少なくとも3つの遠位に位置する軸受潤滑化流体経路163、167、および169につながる(それと流体連通状態にある)。いくつかの代替の実施形態において、軸受およびしたがって潤滑化を必要とする拡張可能ハウジング内に配設される構造体の数に応じて、潤滑化される単一の軸受領域、潤滑化される2つの軸受領域、または潤滑化される4つ以上の軸受領域が存在してもよい。
【0201】
[0283]
図15A~D内のデバイスを使用する例示的な方法は、標的部位の近くに(例えば、大腿動脈アクセスを介して左心室内へ)ガイドワイヤを挿入すること、次いで、ガイドワイヤを通じて遠位ガイドワイヤポートを供給すること、およびガイドワイヤを通じてデバイスを標的部位(例えば、大動脈弁)の方へ前進させることを含む。本方法はまた、ガイドワイヤをガイドワイヤ経路から除去すること、ならびに
図15Aに示される近位部分を、それぞれ入口および出口流体位置にある流体入口カプラおよび流体出口カプラに結合することを含み得る。モータは、1つまたは複数の羽根車を始動するために始動され得る。ガイドワイヤが再挿入される必要があった場合、流体出力コネクタは除去され得、ガイドワイヤが再挿入され得る(例えば、再位置付けのため)。次いで、ガイドワイヤが除去され得、流体出口カプラは再び、ガイドワイヤ通路と流体連通状態にされ得る。これらの方法またはそれらのうちのいずれかは、
図16Aおよび
図16B内のデバイスなど、本明細書内の好適なデバイスのうちのいずれかの使用に組み込まれ得る。加えて、以下にあるものなど、本明細書内の例示的な使用方法のうちのいずれかにおけるステップのうちのいずれかは、この実施形態における血液ポンプの使用に組み込まれ得る。
【0202】
[0284]
図16Aおよび
図16Bは、第1の流体入口ポートおよび第1の流体出口ポートを有する第1の流路を有する例示的な流体ポンプ(例えば、血液ポンプ)に組み込まれる流体送達システムの例示的な実施形態を例証する。しかしながら、この実施形態では、第1の流路と流体連通状態にない第2の流体流路も存在する。
図16Aおよび
図16B内のデバイス180は、
図15A~D内の実施形態に示されるものと類似しているが、ただし、この実施形態では、
図15Bからの流体経路161は、駆動ケーブルを通って流れる流体として生じるものではない。この実施形態では、ガイドワイヤ管腔を含む流体流路(
図16B内の流体経路196を参照)は、
図16Aに示されるように、ガイドワイヤアクセスポートとして機能するように同様に位置する別個かつ第2の流体入口ポート189と流体連通状態にある。駆動ケーブル183は、遠位軸受流路196(ガイドワイヤ管腔を通る)を密閉するために、その内表面に駆動ケーブルライナ187を有する。この実施形態では、ガイドワイヤアクセスポートは、
図15A~Dのように流体出口として機能しないが、流体入口ポートとして機能し、したがって依然として、流体ポートまたは流体アクセスとして機能する。
【0203】
[0285]血液ポンプはまた、
図16Aに示されるような入口ポート181および出口ポート182を含む第1の流体経路を含む。この流路は、
図15A~D内の経路に非常に類似しているが、ただし、それは、駆動ケーブルおよびハイポチューブを通る経路を含まない(すなわち、ガイドワイヤ管腔を含まない)。流体は、ポート入口ポート181を通って前進され、きれいなパージ管185と駆動ケーブル管184との間にある
図16B内の経路197に沿って遠位に流れる。この経路は、
図15A~D内の実施形態と同様に、遠位カテーテルキャップで行き止まりになる。流体は、駆動ケーブル管184内の穴を通って流れ、駆動ケーブル管184と駆動ケーブル183との間の環状空間内を近位に戻る。経路のこの部分では、流体は、駆動ケーブルを潤滑化および冷却し、その経路に沿って潜在的な微粒子を洗い流して、それらを
図16Aに示される流体退出ポート182へ近位に運ぶ。シール200は、密閉するために、流体が近位に通ることを防ぐ。
【0204】
[0286]第1の流体経路を通って流れる流体は、したがって、駆動ケーブルを潤滑化および冷却し、ならびに、潜在的な微粒子を洗い流し、退出ポート182へ戻る。第2の流体経路を通って流れる流体は、システムを通ってさらに遠位に進み、
図15A~D内の実施形態と同様に、1つまたは複数の遠位軸受を潤滑化する。例えば、
図16Bに示される経路199は、その軸受領域内の軸受を潤滑化する、
図15C内の経路163と同じである。示されないが、
図16Bに示される図に対して遠位の流体流路は、
図15Dにあるものと全く同じであり得、したがって、さらなる軸受を潤滑化し、任意選択的に、デバイスの遠位端にある弁を通って出る。したがって、この第2の流路もまた、血液の侵入を防ぐことができ、これは、
図15A~D内でより詳細に説明される。
【0205】
[0287]本明細書内のデバイスのうちのいずれかにおいて、ポンプ部分は、ガイドワイヤが除去された後に遠位ガイドワイヤポートを密閉するために、羽根車に対して遠位の遠位端弁を含み得るが、ガイドワイヤがそこを通って再挿入することを可能にする。
【0206】
[0288]
図17A~
図17Fは、例示的な血液ポンプの例示的なポンプ部分201を例証する。ポンプ部分201は、本明細書内の血液ポンプのうちのいずれかの任意の他の態様と交換可能に使用され得る。ポンプ部分201はまた、
図15A~
図16B内の実施形態に示され、したがって、そこに説明される任意の特徴または使用方法は、参照によりこの実施形態に組み込まれる。加えて、この実施形態のすべての態様が含まれる必要はなく、その代わりに、ポンプ部分201における任意の好適な特徴は、本開示の異なる好適な実施形態または部分からの異なる特徴または使用方法と置き換えられ得る。例えば、ポンプ部分201内のいずれかの羽根車は、本開示の任意の他の部分からの任意の好適な羽根車と置き換えられ得る。
図17Aは側面図であり、
図17Bは、断面側面図である。
【0207】
[0289]ポンプ部分201は、遠位羽根車203および近位羽根車202が固定される駆動ケーブル管状部材204を含む。駆動ケーブル(示されない)の回転を介した、駆動ケーブル管状部材204の回転は、羽根車の回転を引き起こす。2つよりも多いまたは少ない羽根車が、ポンプ部分に含まれてもよい。
【0208】
[0290]ポンプ部分201はまた、近位端210および遠位端211を有する折り畳み可能支持構造体206(本明細書ではスキャホールドとも称され得る)を含む折り畳み可能ハウジング205と、流体管腔の遠位端と近位端との間に流体管腔を形成する導管212(
図17Eを参照)を含む。
【0209】
[0291]ポンプ部分201は、2つの羽根車間の任意選択の中間(本明細書では中央と称され得るか、または羽根車の間にある)部材209を含み、これは本明細書内の任意の中央部材(複数可)であり得る。
【0210】
[0292]本明細書内の実施形態のうちのいずれかにおいて、遠位羽根車は、
図17A内のデバイスにおいて示されるものなど、近位羽根車より小さい長さを有し得る。
[0293]
図17Cは、拡張構成にある支持構造体206の近位部分の側面図である(他の部分は明確性のために示されない)。
図17Dは、支持構造体の近位端面図である。示される領域は、概して、
図17AおよびB内の羽根車202を囲んでいる。支持構造体206は、管状開始材料をレーザ切断することなど、様々な技術を使用して形成され得る。支持構造体206は、近位領域では領域218内でより大きい直径からより小さい直径へ移行する複数(この実施形態では4つ)のアームを含む。アームの各々が、領域219内で屈曲部を有し、示されるように、屈曲領域の間は垂直である。垂直領域は、より大きい直径領域とより小さい直径領域との間の移行領域を安定化し、流出部における流体に対する影響を低減し、好ましくは削除するのを助け得る。
【0211】
[0294]支持構造体のより大きい直径領域において、支持構造体206は、頂部を1つおきに交互にとるスタッガード頂部221(2つのみがラベル付けされる)を含む。この文脈におけるスタッガードとは、頂部の端の軸方向の場所を指す。4つのアームの各々が、隣接する頂部よりもさらに近位に延在する頂部を形成する。スタッガード頂部は、ポンプ部分の折り畳みの間、シース被覆を促進し、充填容積をオフセットすることができる。頂部は、本明細書で使用される場合、凸および凹が相対語であるのと同様に、配向に応じて谷部と見なされることもあり得る。
【0212】
[0295]支持構造体206はまた、複数のハブ特徴部220であって、各々が、スキャホールド着床ゾーン179の遠位領域にある構成要素222(この実施形態では4つある)に安定して接着するように構成される、複数のハブ特徴部220を含む(
図17Eを参照)。ハブ特徴部220は、軸受ハブに沿った軸方向の運動を強いることができる。
【0213】
[0296]支持構造体206はまた、らせん構成を有する複数のアーム(またはアームの部分)を含む軸方向に離間したらせん領域213(一部のみが
図17Aおよび
図17Bにおいてラベル付けされる)を含む。
図17Cでは、らせん領域213は、らせんアーム214(4つのみがラベル付けされる)を含む。この実施形態では、らせんアームは、支持構造体の隣接する非らせん領域の間に延在する。らせん領域の間の領域は、任意の数の構成を有し得、例示的な構成が示される。この例示的な実施形態では、近位羽根車202は、2つの隣接するらせん領域213の少なくとも一部分と軸方向に重複し、遠位羽根車は、2つの隣接するらせん領域213の少なくとも一部分と軸方向に重複する。いかなる羽根車も、1つまたは複数のらせん区域213と軸方向に重複し得る。らせんアームのピッチは様々であり得る。
【0214】
[0297]
図17Fは、スキャホールドパターンをさらに例証するために、
図17A~Eからのスキャホールド設計を平たくした平面図で例証する。スキャホールドの部分の一部のみが明確性のためにラベル付けされる。
【0215】
[0298]1つまたは複数のらせん領域213の軸方向長さは、それが軸方向に重複する羽根車の軸方向長さよりも短くてもよい。例えば、
図17Eでは、らせん領域213は各々、羽根車の長さ全体よりも短い。らせん領域213の軸方向長さはまた、単一のらせん領域が羽根車と完全に軸方向に重複しないとしても、遠位羽根車203の長さよりも短い。
【0216】
[0299]複数のらせんアームの構成または形状は、羽根車の最も外側の領域(例えば、らせんブレードの最も外側の領域)のらせん形状に概して追従し得、ブレードに対して、回転式のシース被覆および半径方向の圧縮を促進するためにシース被覆を促進するように構成される。別の言い方をすると、スキャホールドおよび任意の所与のブレードはそれぞれ、シース被覆されるとき、およびシース被覆が取り除かれるとき、シース被覆力を低減すること、充填効率を高めること、構成要素ひずみを低減すること、のうちの1つまたは複数を実施するために、補完的な様式で各構成要素をねじることができる、支柱パターン(および特に、らせんアーム構成)およびキャンバー線(そのうちの一区域は、
図23において「CL」とラベル付けされる)を有し得る。ブレードのキャンバー線は、らせん領域内のらせんアームのうちの少なくとも1つのらせん構成に概して追従し得、これは
図17Eで見ることができ、1つのブレードのキャンバー線CLの一区域が
図23に示される。ポンプ部分の側面図(例えば、
図17Eまたは
図23)において、およびいくつかの実施形態において、らせん要素およびブレードは、1つまたは複数の場所で重複し得、その重複場所におけるらせん要素およびブレードキャンバー線の接線「T」(
図23を参照)は、45度以下、35度以下、20度以下、15度以下、あるいは10度以下の角度を形成し得る。
【0217】
[0300]支持構造体に沿って軸方向に離間される任意の数のらせん領域213が存在し得る。隣接するらせん領域は、スキャホールドの長さ全体に沿って等しく離間される必要はない。
【0218】
[0301]シース被覆のいくつかの例示的な方法において、本方法は、任意選択的に、支持構造体が結合される構成要素の回転運動を含む折り畳みプロセスを含み得、この回転運動は、患者の外側に配設されるアクチュエータ(例えば、ハンドル)によって制御され得る。
【0219】
[0302]いくつかの実施形態において、4つの近位アーム(全体的に218とラベル付けされる)は、より大きい直径部分における屈曲部が、より小さい直径部分における屈曲部よりもさらに近位にある場所にあるように、反転され得る。
【0220】
[0303]
図17A~
図17F内の実施形態におけるスキャホールドの設計は、他のスキャホールド設計と比較していくつかの利点を提供する。例えば、スタッガード近位谷部221(スキャホールドの遠位端にも存在し得る)は、スタッガード頂部の場所におけるスキャホールドの充填容積を低減する。加えて、屈曲時、スキャホールドは、よじれに抵抗し、屈曲区域内の滑らかな湾曲を維持する。これは、スキャホールドが上行大動脈に置かれ、そこから左心室へ延在するときなど、スキャホールドが屈曲構成をとることを必要とする標的部位に置かれるときに有利であり得る。加えて、設計は、クローズドセル設計(設計内にいかなる自由端も存在せず、すべての端が別の区域に接続される)であるが、スキャホールドの長さに沿って可撓性を十分に保持する。この設計はまた、他の支柱に結合されるのではなく、個々にハブ(スキャホールドの近位端)で終端される支柱を含む。ハブにおける非連結支柱は、熱処理、膜被覆、および羽根車装填の製造プロセスを向上させる。らせん接続部材の利点は、本明細書内の別の場所に明記される。
【0221】
[0304]
図17A~
図17F内のスキャホールド設計は、本明細書内に明記される少なくとも例示的な利点を提供するが、他のスキャホールド設計が企図され、また、これらの代替の設計のいくつかの潜在的な欠点が以下に論じられるが、それら(またはそれらの態様)は、依然として本明細書内のポンプ部分に使用され得る。例えば、特定の用途に応じて、1つまたは複数の特徴部は、他よりもあまり重要ではない場合がある。
【0222】
[0305]
図18A~Bは、
図3A~
図3D内の拡張可能部材など、少なくとも2つの拡張可能部材(本明細書では折り畳み可能ハウジングとも称され得る)のうちの1つである拡張可能部材250を例証し、各拡張可能部材が羽根車を取り囲む。
図18AおよびB内のスキャホールド設計は、
図17A~
図17E内の設計よりも多くの近位支柱251(1つのみがラベル付けされる)を有する(この例示的な実施形態では、4つと比較して、9つ存在する)。各羽根車に別個の拡張可能部材250を有することは、個々の羽根車のうちのいずれかに対して非常に異なる幾何形状を有する能力を提供する。加えて、この設計は、スキャホールドの長さにわたるスキャホールド材料(例えば、ニチノール)の量を低減し(本明細書内の全長スキャホールドと比較して)、このことが、シース被覆されるときに、増大したトラッキングを提供し得る。この設計での潜在的な課題としては、軸方向に延在するスキャホールド材料がない場合に、拡張可能部材間に連続した膜を作成することが挙げられ得る(
図3Aを参照)。加えて、流出経路内の比較的大きい数の近位支柱251は、
図17A~F内の実施形態における4つの支柱などの、より少ない数の支柱を伴う設計よりも、流出部を邪魔し得る。
図3A~
図3Dに説明されるものなどの、本明細書内の拡張可能部材の任意の他の態様は、参照によりこの例示的な設計に組み込まれ得る。
図18Bは、設計をさらに例証するために非拡張構成にあるスキャホールドの平面図を示す。
【0223】
[0306]
図19Aおよび
図19Bは、
図18AおよびBと同じ全体的パターンを有するスキャホールド設計を例証するが、スキャホールドパターンは、2つの別々の区域に分けられるのではなく、スキャホールドは、示されるような単一の細長部材である。
図19Aは、拡張されていないスキャホールドの平面図である一方、
図19Bは、拡張構成である。
図19AおよびB内のスキャホールド設計は、
図17A~F内の設計にあるような独立した近位ハブ端ではなく、連続した一体構造を有する近位端256および遠位端257(すなわち、ハブ結合領域)を有する。この設計および
図17A~F内の設計では、膜を単一のスキャホールドに適用(例えば、被覆)するのが、(例えば、
図18A~Bなどの別個の軸方向に離間した拡張可能部材と比較して)より容易であり得る。例示的な欠点は、
図18A~B内の設計のように、血液が流体管腔を出るときに流出部を邪魔し得る比較的大きい数の近位支柱(この実施形態では9つ)であり得る。この特定のパターンはまた、より増大した屈曲および折り曲げが所望されるいくつかの用途またはアクセスルートにとっては硬すぎる場合がある。この設計は、軸方向長さにわたって比較的硬く、簡単には屈曲することまたは折り曲がることがない。この設計では、隣接する区域261内の各頂部258および谷部260は、半径方向に整列され、流体管腔の長手方向軸と平行であるコネクタ259によって結合される。
【0224】
[0307]
図20は、近位ハブ端281から遠位ハブ端282まで軸方向長さ全体に沿って延在する例示的なスキャホールド280を例証し、ハブ領域は、
図19AおよびBと同じ設計を有する。この設計におけるセル383(1つのみがラベル付けされ、拡張構成においてダイヤモンドパターンを有する)は、
図18および
図19内の設計と比較して減少したサイズを有する。この設計における支柱284の数もまた、
図18および
図19よりも少なく(例えば、9つと比較して、この設計では各端に4つ)、これは、この実施形態では、すべての頂部ではなく、スキャホールド端における1つおきの頂部285(2つのみがラベル付けされる)が、近位支柱284に結合される(例えば、それと一体である)ことを意味する。この実施形態における支柱の長さは、
図18および
図19内のものよりも大きく、これが、図に示されるように、膜近位端286(終端場所)が終端頂部285の端から短い距離だけ軸方向に離間されることを可能にする。この追加された支柱長さは、したがって、膜(または導管)が、終端頂部の前にシース内に導入されることを可能にし、これにより、シース被覆プロセスの間、近位頂部がシースに引っ掛かる可能性を低減することができる。この設計は、他の全長スキャホールドのように、その長さに沿って膜をスキャホールドに適用することをより容易にする。隣接する区域内の頂部および谷部は各々、短い線形コネクタと結合される。この設計は、
図19AおよびB内のもののように、その長さにわたって比較的硬く、特に強い屈曲または折り曲げ特徴を有さず、このことはいくつかの用途に必要とされ得る。この設計に対する追加の潜在的な欠点は、シース被覆を取り除く間の不十分な耐圧縮性、スキャホールドの幾何形状/パターンに起因する困難なシース被覆を含み、近位および遠位端における拡張可能ハブ区域は、疲労および塑性変形に対して敏感になり得る。
【0225】
[0308]
図21A~Cは、
図20Aに類似しているが、以下に説明される違いを有するスキャホールド設計を示す。近位羽根車および遠位羽根車が間に位置する、中央領域「CR」において、本設計は、
図20AおよびBと比較して可撓性の向上を目指す。この領域におけるこのような増大した可撓性の利益は、本明細書に説明される。中央領域では、この領域における可撓性を向上させるため、示されるように、交互のセル接続が除去される。各々の軸方向区域において、交互の(半径方向)頂部が結合され、交互の谷部が結合される。これらの除去された交互のセル接続は、接続要素を含まないスキャホールドの周囲のらせん領域291(
図21Cを参照)、および接続要素を含むスキャホールドの周囲のらせん領域292(
図21C内の拡大図を参照)を作成する。らせん領域は、非接続領域291と接続領域292とを交互にとる。
【0226】
[0309]中央領域「CR」の可撓性は、非接続領域291が理由で、
図20-B内の設計と比較してこの設計では増大され、スキャホールドは、羽根車が配設される中央領域(示されない)に隣接する比較的より硬い羽根車区域「IR」を有する。羽根車領域IRにおける比較的増大された硬さは、先端隙間および羽根車同心性を維持するのを助ける。このスキャホールドパターンは、したがって、その長さに沿って、比較的小さい可撓性の近位区域(「IR」)、比較的より高い可撓性の中央領域「CR」、および比較的小さい可撓性の遠位区域「IR」という可撓性分布をもたらす。比較的小さい可撓性区域(すなわち、2つのIR領域)は、近位および遠位羽根車が配設され得る場所であり(示されないが、他の実施形態がこの点に関して本明細書に完全に組み込みこまれる)、その間に比較的より可撓性の領域を伴う。これらそれぞれの区域における相対的可撓性の利益は、本明細書内の他の場所に説明される。
【0227】
[0310]しかしながら、この設計では、中央領域CRにおける交互コネクタの欠如は、形状設定および膜適用プロセスをより困難にし得る。中央領域内のスキャホールドの非結合(すなわち接続されていない)領域はまた、膜とこすれ合い、および膜に切り込み、それらの場所における膜破損の可能性を増大させる。加えて、スキャホールドのその長さに沿った可撓性は依然として、用途、患者内の標的配置部位、アクセスルートによっては、膜が一旦適用されると適切ではない場合がある。同様の特徴に基づいたさらなる潜在的な欠点は、
図20を参照して上に明記される(例えば、スキャホールドの幾何形状に起因するシース被覆困難)。
【0228】
[0311]
図22Aおよび
図22Bは、
図21AおよびBに類似しているが、以下に説明される違いを有する、スキャホールド設計300を例証する。本明細書内のスキャホールドからの任意の特徴は、このスキャホールド設計に組み込まれ得る。本設計は、軸方向に隣接する区域303の頂部301および谷部302(明確性のため1セットのみがラベル付けされる)を含み、これらの頂部301および谷部302は、ばねコネクタ304(明確性のため1つのみがラベル付けされる)で接続され、ばねコネクタ304は、隣接する区域の半径方向に整列された頂部301および谷部302を結合する。この設計におけるばね様のコネクタ304は、
図21A~Bと比較してより良好な可撓性をスキャホールドの長さに沿って提供する。これは、部分的には、ばねコネクタ304が個々のセル関節を提供することが理由である。
【0229】
[0312]近位および遠位ハブ端305および306はそれぞれ、それぞれのハブ(示されない)に結合される4つの独立した、自由端の(すなわち、互いに結合されない)部材307(明確性のため近位端において1つのみがラベル付けされる)を有する。したがって、支柱308(1つのみがラベル付けされる)は、互いに対してより高い可撓性を有する。より多くまたはより少ない部材307が、各端に存在してもよく(例えば、各端に2つの部材)、端は、異なる数の部材を有してもよい(例えば、近位端では4つ、遠位端では8つ)。ハブ端における個々の(すなわち非連結)部材307は、熱処理、膜被覆、および羽根車装填の製造プロセスを向上させた。この設計についてのいくつかの潜在的な欠点は、特定の用途によっては、シース被覆を取り除く間、不十分な耐圧縮性に起因して支柱座屈が発生し得ることであり得る。加えて、シース被覆力は、望ましくなく高い場合があり、これは、少なくとも部分的に膜に起因し得る。加えて、可撓性は、膜が一旦スキャホールドに適用されると、不十分と見なされ得る。
【0230】
[0313]ポンプ部分が、大動脈弁をまたぐ配置のためにナビゲートされる特定の例示的な用途では(その態様は本明細書に説明される)、
図17A~F内のスキャホールド設計は、本明細書に明記される利益をもたらし得るが、
図18~
図22内のスキャホールドは、この特定の用途では1つまたは複数の点において準最適であり得る(例えば、十分に可撓性ではない、スキャホールドへの膜適用の準最適プロセスなど)。しかしながら、いくつかの用途では、
図18~
図22内のスキャホールドの1つまたは複数の特徴が所望され得る。例えば、血液ポンプは、可撓性が重要ではない場所、またはスキャホールドの長さにわたって比較的高い剛性が所望される、もしくは許容される場所に置かれ得る。したがって、
図18~
図22内のスキャホールド設計における特徴のうちのいずれかは、所望の機能性を提供するスキャホールド構造をもたらすために、任意の好適な組み合わせで組み合わされ得る。例えば、
図17A~F内の設計は、別々の部材ではない(
図22A~Bのように)が、代わりに
図19~
図21内の設計のように連続的であるハブ領域を代わりに有し得る。
【0231】
[0314]
図23は、例示的なポンプ部分の近位領域を例証し、その特徴は、本明細書内のポンプ部分のうちのいずれかに組み込まれ得る。
図23内の実施形態における特徴のすべてが、示されるポンプ部分に含まれる必要はない。流体管腔の近位端310は、滑らかな湾曲を伴って、示されるような広がった半径方向外向きの構成を有し(管腔の端が最も半径方向に外向きである)、これが、流出部における羽根車(任意選択的に近位羽根車、および任意選択的に複数の羽根車のうちの1つである)の半径方向の流れを促進し得る。流体管腔の遠位端もまた、広がった近位端ありまたはなしで、同じまたは同様の種類の広がった構成(示されない)を有し得る。広がった遠位端構成は、ポンプ部分のより硬い部分と左心室壁(それが置かれる場所である場合)との接触の量を制限し、組織が回転羽根車と接触するようになる可能性を低減することができ、それが、ポンプ部分流入部の閉塞を防ぐ、または最小限にすることができ、またそれが、天然組織と整合することができる拡大した界面領域として作用することによってポンプ部分の移動を防ぐこと、およびさらなる移動を防ぐ(例えば、弁尖のような天然弁組織に係合し、ポンプ部分が弁開口部を通過することを防ぐ)のを助け得る。本開示の任意の他の好適な態様は、参照によりこの実施形態に組み込まれる。
【0232】
[0315]本明細書内の開示のいくつかの態様は、任意選択的に動かない、および任意選択的に2つの第1および第2の羽根車の間の(例えば、
図10~
図13Cを参照)、1つまたは複数の中央部材(本明細書では「中間部材」とも称され得る)を含むポンプ部分を説明する。
図24は、斜視図であり、本明細書に組み込まれる中央部材を有する例示的な導管(任意選択的に折り畳み可能)の一部分を例証する。この文脈において本明細書に組み込まれるものは、導管と一体に形成される中央部材、ならびに、折り畳み可能導管に装着され、その結果として折り畳み可能血液導管の部分と見なされる、中央部材を含む。例えば、中央部材は、本明細書内の折り畳み可能導管のうちのいずれかの内表面に装着され(例えば、接着される)(例えば、導管の可撓性膜部分に装着される)、その結果として折り畳み可能導管の部分と見なされる、外表面313を有し得る。
図24に示される中央部材は、周縁部分315から半径方向内向きに中央領域316の方へ延在する(中央領域から延在しない)が、中央ハブにおいては互いに結合されない1つまたは複数の流れ変更要素(例えば、ブレード)314を有し得る。羽根車と回転動作状態にない物体の部分である、
図24(または本明細書内の任意の他の実施形態または特許請求項)内の流れ変更要素314(例えば、ブレード)は、本明細書では、固定子の部分、または拡散器翼と称され得る。流れ変更要素は各々、様々な横断幾何形状を有し得る。流れ変更要素は、羽根車間の流体圧力を増大させるように(速度の低下により)、および/またはその場所、任意選択的に遠位羽根車と近位羽根車との間における渦巻き速度を低減するように構成され得る。
【0233】
[0316]いくつかの実施形態において、中央部材は、周縁湾曲部分(円形断面を有し得る)のコードである複数のブレード様拡張部を有し得、その結果として、コードは、
図24内の流れ変更要素314が有するように自由端を有さない。1つまたは複数のコードは、周縁湾曲部分の異なる領域から、周縁湾曲部分の異なる領域へと、延在し得る。複数のコードが存在する場合、および端面断面図において、コードは、それらが外側周縁領域に結合する(一体的に、または装着される)2つの端点の間に異なる長さを有し得る。
【0234】
[0317]
図25は、拡張可能スキャホールドおよび少なくとも1つの羽根車(ラベル付けされないが、本明細書内の他の図に基づいて容易に識別可能である)を含むポンプ部分の近位部分の斜視図である。ポンプ部分はまた、中間部材316を含み、これは、本明細書内の他の中間または中央部材にいくつかの点で類似している。中間部材316は、流れ変更要素317(例えば、ブレード)を含み、その各々が、最も外側の係合特徴部318(例えば、フランジ)を有し、これは、スキャホールド内の対応する相手方特徴部(例えば、頂部または谷部)と安定して整合する(換言すれば、接触する又は結合する)ように構成される。ブレード/スキャホールド係合は、スキャホールドの半径方向圧縮およびシース被覆の間、ブレードの折り畳みを引き起こすことができる。加えて、ブレードおよびスキャホールドは、様々な技術を使用して整合する、または結合され得る。例えば、流れ変更要素およびスキャホールドは、スポット溶接によって結合され得る。いくつかの実施形態において、流れ変更要素317端は、駆動ケーブルではなく、中央径間軸受上の位置決め特徴部により、中央ハブ319上の特徴部と連結する特徴部を有し得る(例えば、ありつぎ連結関係)。これが製造をより簡単にし得る。この実施形態における外側ハウジングは、本明細書内の外側ハウジングのうちのいずれかであり得る。
【0235】
[0318]血液ポンプシステム(本明細書内のいずれかなど)の部分である1つまたは複数の羽根車は、10,000~50,000RPMなど、比較的高速度で回転され得る。羽根車は、エネルギー源(例えば、モータ)によって回転され得る、羽根車と回転連通状態にある駆動部材(例えば、駆動ケーブル)または他の構成要素と回転連通状態にあることによって、回転され得る。羽根車と同じRPMで駆動部材を回転させることは、駆動部材への摩耗、振動を引き起こす場合があり、およびおそらくは、駆動部材を潤滑化することを必要とする(例示的な潤滑化システムの態様は、本明細書内の別の場所に説明される)。駆動部材を羽根車よりも低い速度で回転させながら、依然として羽根車を所望のより高いRPMを回転させることが有利であり得る。本開示の1つの態様は、1つまたは複数の羽根車よりも低いRPMで回転され得る1つまたは複数の駆動部材を含む血液ポンプである。これは、駆動部材摩耗を減少し、必要とする潤滑化を低減し、また振動を低減し得る。これは、血液ポンプが比較的長期間(例えば、24時間以上)使用される用途で特に有利であり得る。例えば、これは、心原性ショック症状に特に有利であり得る。
【0236】
[0319]回転駆動部材(例えば、駆動ケーブル、磁気固定子)は、1つまたは複数の羽根車よりも遅く回転することができる。いくつかの例示的な実施形態において、回転駆動部材は、羽根車RPMの0~1倍(1×)の間で回転していてもよい。例えば、任意の羽根車が20,000RPMで回転している場合、駆動部材は、0~20,000RPMで回転していてもよい。いくつかの実施形態において、駆動部材は、羽根車RPMの0.25~1×、または0.3~1×、または0.4~1×、または0.5~1×、または0.6~1×、または0.7~1×、または0.8~1×、または0.9~1×で回転していてもよい。
【0237】
[0320]
図26Aは、羽根車がどのように駆動部材よりも速く回転するかの例示的な実施形態を例証するために、例示的な血液ポンプの部分のみを例証する。
図26A内の例示的な増速加機序は、入力ギヤよりも小さい直径を有する出力ギヤを伴う、増速を達成するためのギヤリングを利用し、出力シャフトが回転する出力ギヤ軸においてより高い速度を引き起こす。したがって、出力シャフト(およびそれが結合される羽根車)は、入力シャフト(例えば、駆動部材)よりも速く回転する。
図26Bは、入力シャフト(例えば、駆動部材)と出力シャフト2(羽根車が結合される)との間の速度においてより大きい差(
図26Aと比較して)を得るために、どのように乗算的ギヤリングを使用するかを例証する。入力ギヤ2は、出力ギヤ2によりも大きい直径を有する。
【0238】
[0321]加えて、遊星ギヤボックスおよび磁気ギヤボックスなどのギヤリングシステムもまた、入力駆動部材の回転に対して1つまたは複数の羽根車の速度を増加させるために使用され得る。
【0239】
[0322]
図27は、伸張されると、ポンプ部分の少なくとも一部分を屈曲することを誘発する少なくとも1つの伸張部材143(例えば、プルワイヤ)を含む、ポンプ部分140の例示的な設計を例証する。伸張部材は、遠位羽根車と近位羽根車との間でできる限り遠位に(またはさらに遠位もしくはさらに近位に)延在し得、ポンプ部分が送達システムから展開された後、2つの羽根車の間に屈曲部を形成することを引き起こし得る。例えば、ハンドルは、作動されると1つまたは複数の伸張部材を伸張させて、領域に偏向を引き起こす、アクチュエータ(レバー、ボタンなど)を含み得る。すべての知られている伸張部材(例えば、プルワイヤ)設計および使用は、1つまたは偏向可能な領域を実装するために、この実施形態に組み込まれ得る。例えば、カテーテルは、その任意の部分に沿って延在する1つまたは複数のプルワイヤ管腔を含み得、プルワイヤは、所望の偏向領域の場所に応じて、その遠位端においてカテーテルの1つまたは複数の部分に付着される。
【0240】
[0323]以下の開示は、本明細書に説明される血液ポンプまたはその部分のうちのいずれかを使用するときに実施され得る例示的な方法ステップを提供する。ステップのすべてが実施される必要があるわけではなく、むしろステップは例証的な手順であることが意図されるということを理解されたい。好ましい場合、時には1つまたは複数のステップの順序は異なり得るということも意図される。
【0241】
[0324]使用前、血液ポンプは、任意の流体ラインからいかなる気泡も除去するために、管腔(任意の環状空間を含む)およびポンプアセンブリを滅菌溶液(例えば、ヘパリン化生理的食塩水)でプライミングすることにより使用のために準備され得る。次いで、任意の数のパージ線を含むカテーテルが、コンソールに接続され得る。代替的に、カテーテルは、カテーテルをプライミングして気泡を除去するために使用されるコンソールおよび/または別個のポンプに接続され得る。
【0242】
[0325]カテーテルをプライミングした後、患者の血管系へのアクセスが、適切にサイズ決定されたイントロデューサシースを使用して獲得され得る(例えば、限定しないが、大腿部アクセスにより)。標準の弁横断技術を使用して、次いで診断ピグテールカテーテルが、ピグテールカテーテルが標的部位(例えば、左心室)内に安全に位置付けられるまで、例えば、0.0889cm(0.035インチ)ガイドワイヤを通じて前進され得る。次いで、ガイドワイヤが除去され得、第2のワイヤ320(例えば、0.04572cm(0.018インチ)ワイヤ)が、ピグテールカテーテルを通って挿入され得る。次いでピグテールカテーテルが除去され得(
図28Aを参照)、血液ポンプ321(カテーテル、カテーテルシース、およびシース内のポンプ部分を含む、
図28Bを参照)が、例えば、血液ポンプを位置付けるために1つまたは複数のX線不透過性マーカを使用して、第2のワイヤを通じて、大動脈弁「AV」に広がることなど、標的部位の方へ、および標的部位(例えば、左心室「LV」)内へ前進され得る。
【0243】
[0326]適切な配置が確認されると、カテーテルシース322(
図28Cを参照)は、引き戻され得、まずポンプ部分の遠位領域を露出する。
図28Cでは、拡張可能ハウジングの遠位領域は、遠位羽根車324のように、シース322から解放されており、拡張される。ハウジング323の近位端および近位羽根車は、シース322からまだ解放されていない。ハウジング323の近位端を越えたシース322の継続した引き戻しが、ハウジング323および近位羽根車325が拡張することを可能にする(
図28Dを参照)。流入領域(羽根車はまだ回転していないが矢印で示される)および遠位羽根車は、左心室内にある。流出部(羽根車はまだ回転していないが矢印で示される)および近位羽根車は、上行大動脈AA内にある。本明細書により詳細に説明されるように、羽根車を取り囲むハウジング領域よりも可撓性であり得る、2つの羽根車の間の外側ハウジングの領域は、大動脈弁AVに広がる。示されるような例示的な動作位置において、ポンプ部分の入口部分は、左心室内で大動脈弁に対して遠位にあり、ポンプ部分の出口は、上行大動脈(「AA」)内で大動脈弁の近位にある。
【0244】
[0327]次いで、第2のワイヤ(例えば、0.04572cm(0.018インチ)ガイドワイヤ)が、ポンプアセンブリの動作の前に動かされ得る(
図28Eを参照)。所望される場合または必要な場合、ポンプ部分は、
図28Fに例証されるように、本明細書に説明されるような1つまたは複数の場所で(能動的または受動的に)偏向され得る。例えば、2つの羽根車の間の領域は、2つの羽根車の間の場所まで延在する伸張部材を伸張させることによって偏向され得る。偏向は、特定の生体構造に合わせることが所望され得る、または必要とされ得る。必要に応じて、ポンプ部分は、例えば、第1の羽根車を心臓弁の一方の側に、第2の羽根車を心臓弁の第2の側に有することなど、意図した配置を達成するために再位置付けされ得る。例示的な伸張部材を有する例示的なポンプ部分が、
図27に示される。
図28Fでは、ポンプ部分は、図からは、僧帽弁を妨げる、またはそれと相互作用するように見える場合があるとしても、いかようにもそのようなことはないということを理解されたい。
【0245】
[0328]次いで、任意の数のパージ線が、患者の外側に配設される血液ポンプの近位部分に装着され得る。例えば、流体入口線および流体出口線が、血液ポンプの近位部分における1つまたは複数の流体ポートに装着され得る。次いで、パージプロセスが開始されて、少なくとも1つの流体通路を通じて流体を血液ポンプ内へ移動させ得る。1つまたは複数の確認ステップが、ポンプをオンにする前にパージが意図したように動作していることを確認するために実施され得る。次いで、ポンプアセンブリが動作され得、1つまたは複数の羽根車の回転を引き起こす。流量、圧力、およびモータ動作のうちのいずれか1つは常に監視され得る。
【0246】
[0329]
図29~
図35Bは、少なくとも部分的に固定子として機能し得る(および、半径方向支持も提供し得る)、ならびに遠位羽根車と近位羽根車との間に配設され得、かつ羽根車間の血流に影響を及ぼすように適合される複数の流体変更体を含む、追加の例示的な中間部材を例証し、それらの他の例は、本明細書に提供される。
図29~
図35Bの任意の態様は、本明細書内の血液ポンプの任意の他の態様と共に組み込まれ得る。例えば、羽根車は、明確性のため
図29~
図35Bには示されない場合があるが、1つまたは複数の羽根車がこれらの実施形態に組み込まれ得ることを理解されたい。
【0247】
[0330]
図29Aおよび
図29Bは、導管の内表面から半径方向内向きに延在する流れ変更体402を有する例示的な血液導管402を例証する。流れ変更体(例えば、ブレード)は、中央ハブまで延在しないが、むしろそれらは、半径方向に内側の自由端を有し、これは
図29Bの端面図でより明確に見ることができる。流れ変更体402(例えば、固定子要素)は、個々に成形され、次いで導管の内表面(例えば、膜)に固定され得る。導管402はまた、限定しないが、本明細書内のニチノールスキャホールドのうちのいずれかなど、本明細書内の任意の他の支持部材を含み得る。流れ変更体は、それらに対するわずかな湾曲を有し得、これは
図29Bで見ることができる。流れ変更体402は、1つの固定子の部分と見なされ得る。
【0248】
[0331]
図30A、
図30B、
図31A、および
図31Bは、中に複数のアパーチャを有する例示的な支持部材を例証し、アパーチャは各々、流れ変更体408をそこを通じて受容し、それと整合するように構成され、流れ変更体408は、支持部材に対する流れ変更体の位置を安定させることを助けるために支持部材の一部と整合する拡大された領域409を有する。細長アパーチャ407の場所は、流れ変更体(例えば、固定子要素)の位置および配向を確立する。流れ変更体がアパーチャ内に挿入された後、導管材料(例えば、膜)は、変更体408を適所にさらに固定するためにサブアセンブリの上に噴霧され得る。代替的に、材料がまず噴霧され得、次いで、変更体が挿入され得るアパーチャ407が切り込まれる。材料の追加の層が、密閉を作成するために噴霧され得る。流れ変更体408は、1つの固定子の部分と見なされ得る。
【0249】
[0332]
図32A~
図32Cは、例示的な支持部材420(例えば、スキャホールド、例えばニチノール)を例証し、1つまたは複数の流れ変更体421は、形状設定プロセスにおいて半径方向内向きに方向付けられ得る拡張可能スキャホールド構造に一体化され(一体であり)、こうして流れ変更体(例えば、固定子)を作成する。材料(例えば、ポリマー)が、血液導管を作成するために部材420に適用され得る。スキャホールドおよび流れ変更体はまた、別々に製造され、膜材料(例えば、ポリマー)がスキャホールドに適用された後に連結されるように設計され得る。スキャホールドは、本明細書に説明される任意のパターンを有し得る。流れ変更体421は、1つの固定子の部分と見なされ得る。
【0250】
[0333]
図33Aおよび
図33Bは、導管441、遠位羽根車442、および近位羽根車443を含む例示的な折り畳み可能ポンプ部分440を例証する。ポンプはまた、ポンプ内の支柱444に固定される複数の流れ変更体445を含む。支柱は、遠位羽根車バスケットの部分であり得、これの例は本明細書に説明される。この実施形態において、流れ変更体は、遠位羽根車バスケットの近位支柱に固定されるが、近位羽根車バスケットの遠位または近位支柱に固定されてもよい。この実施形態における流れ変更体は、可撓性膜、または他の比較的可撓性かつ薄い材料であり得る。流れ変更体は、支柱上の流れを管理するために位置付けられ、ならびに、血液導管を通って長手方向に流れを方向付けることを支援するために、スキャホールドから延在する長手方向脊柱要素449(この要素は流れ変更体材料445によって被覆されるため、透視で示される線)に固定されている。流れ変更体(例えば、固定子)は、崩壊性およびシース被覆を支援するための布補強ありまたはなしの可撓性ポリマーであり得る。流れ変更体445は、1つの固定子の部分と見なされ得る。
【0251】
[0334]
図34、
図35A、および
図35Bを含む、後に続く開示は、流出圧力を増大するために抱き込み式折り畳み可能拡散器と称され得る。
図34は、拡散器/固定子の抱き込み式翼を用いた概念を例証する。
図35Aおよび
図35Bは、抱き込み式翼のプロファイルの(A)側面図(B)上面図を例証する。拡散器は、一般的に、流れの渦をなくす(すなわち、流体の回転速度構成要素を除去する)ことによって流れの回転速度/エネルギーを所望の追加の圧力に変換するために、動かない構成要素として設計される。拡散器(固定子)の形状は、このプロセスの効率において重要な役割を果たす。ここでのポンプ部分は、送達(例えば、大動脈弁への)のために全体的に折り畳み可能であり、後に使用のために拡張される。
【0252】
[0335]
図34~
図35Bは、拡散器の翼が、所望の送達プロファイルサイズまでポンプの圧着を可能にするために互いに抱き合う/重なり合う特別な幾何形状/構成を有する例示的な概念を例証する。流れ変更体に関連した本明細書内の他の場所にある概念は、これらの実施形態に同様に組み込まれ得る(例えば、流れ変更体と整合するスキャホールド)。
【0253】
[0336]
図34に関して、拡散器は、準拠した、シュラウド/血液導管の部分であるように設計され、また圧力をさらに増大させるように適合され得る。いくつかの実施形態において、ニチノールのような弾性材料は、拡散器の内側部分に使用され得、これは、拡散器外表面を作成するために材料(例えば、血液導管材料と同じであり得る、ポリマー)で被覆され得る。
【0254】
[0337]流れ変更要素(別名、流れ変更体)のうちのいずれかを含む、本明細書内の固定子のうちのいずれかは、本明細書で説明される、任意のシュラウド、ハウジング、血流導管、羽根車バスケットなどの任意の好適な態様であって、これを製造する任意の方法を含む、態様と共に組み込まれ得る。
【0255】
[0338]いくつかの実施形態において、拡散器は、血液導管膜と同じまたは同様の材料で作製され得る。射出成形が拡散器を作製するために使用され得る。
[0339]例示的な臨床的利点は、拡散器を有するポンプを使用して所望の範囲まで圧力を依然として増大しながら、溶血を回避するために駆動ケーブル/ポンプのRPMを合理的限界以内に維持することであり得る。
【国際調査報告】