(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】他の測定に対するビーム回復測定の優先化
(51)【国際特許分類】
H04W 24/08 20090101AFI20220105BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220105BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220105BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W16/28 130
H04W72/04 136
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518770
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2019076802
(87)【国際公開番号】W WO2020070238
(87)【国際公開日】2020-04-09
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ダルスガールド ラルス
(72)【発明者】
【氏名】ディムニク リーッカ カロリーナ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD25
5K067EE02
5K067HH22
5K067KK03
5K067LL11
(57)【要約】
第1の実施形態によれば、方法は、ユーザ機器によって、ビーム障害事例の数が少なくとも1つの閾値以上であることを決定することを含み得る。方法は、ユーザ機器によって、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始することをさらに含み得る。方法は、ユーザ機器によって、ユーザ機器によって行われる非ビーム候補測定を一時停止することをさらに含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器によって、ビーム障害事例の数が少なくとも1つの閾値以上であることを決定することと、
前記ユーザ機器によって、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始することと、
前記ユーザ機器によって、少なくとも1つの非ビーム候補測定を一時停止することと
を含む方法。
【請求項2】
前記ユーザ機器によって、少なくとも1つのビーム回復測定を行うことを求める少なくとも1つの要求を受信すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ機器によって、ビーム障害事例の数を決定すること
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記決定することは、サービングセルのために構成されたセット
【数1】
内の少なくとも1つのリソースに対して行われ、候補ビーム検出のために構成された前記少なくとも1つのリソースは、評価期間全体の間に、ユーザ機器アクティブダウンリンク帯域幅部分内で実際に送信される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記サービングセルのために構成された前記セット
【数2】
内の前記少なくとも1つのリソースは、少なくとも1つの同期信号ベースの候補ビームに関連付けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ機器によって、期間T
Evaluate_CBD_SSBにわたって推定された、前記セット
【数3】
内の前記構成された同期信号ブロックリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、期間T
Evaluate_CBD_SSB内で閾値量Q
in_LRだけ改善するかどうかを決定すること
をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記サービングセルのために構成された前記セット
【数4】
内の前記少なくとも1つのリソースは、少なくとも1つのチャネル状態情報基準信号候補ビームに関連付けられる、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記一時停止は、前記装置によって行われるすべての非ビーム候補測定を一時停止する、および/または少なくとも1つのビーム候補セット上の前記少なくとも1つの測定が完了するまで、少なくとも1つの非ビーム候補測定が開始されるのを阻止する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの同期信号ブロックベースの候補ビーム測定は、測定ギャップ構成を問わず行われる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ユーザ機器によって、第1の期間にわたって推定されたセット
【数5】
内の少なくとも1つの構成されたリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、第2の期間内で少なくとも1つの閾値より改善するかどうかを評価することであって、
少なくとも1つの構成されたリソースは、測定されていない、または他の目的のために前記第2の期間と比べて少なく測定されている、評価すること
を含む方法。
【請求項11】
少なくとも前記第2の期間に対して他の目的のために測定される、少なくとも1つの同期信号ブロックリソースに対して、前記第2の期間は0msに等しい、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
監視されるセルにおいて、前記同期信号ブロックの、いくつかであるがすべてではない機会と重複する、周波数内、周波数間、または無線アクセス技術間測定のために構成された測定ギャップが存在するとき、P=1/(1-T
SSB/測定ギャップ反復周期)である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記監視されるセルにおいて、前記同期信号ブロックの何らの機会と重複する測定ギャップが存在しないとき、P=1である、請求項10~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んだ少なくとも1つのメモリとを備え、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
ビーム障害事例の数が少なくとも1つの閾値以上であることを決定することと、
少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始することと、
前記装置によって行われる少なくとも1つの非ビーム候補測定を一時停止することと
を行わせるように構成される、装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
少なくとも1つのビーム回復測定を行うことを求める少なくとも1つの要求を受信すること
を行わせるようにさらに構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
ビーム障害事例の数を決定すること
を行わせるようにさらに構成される、請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記決定することは、サービングセルのために構成されたセット
【数6】
内の少なくとも1つのリソースに対して行われ、候補ビーム検出のために構成された前記少なくとも1つのリソースは、評価期間全体の間に、ユーザ機器アクティブダウンリンク帯域幅部分内で実際に送信される、請求項14~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記サービングセルのために構成された前記セット
【数7】
内の前記少なくとも1つのリソースは、少なくとも1つの同期信号ベースの候補ビームに関連付けられる、請求項14~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
期間T
Evaluate_CBD_SSBにわたって推定された、前記セット
【数8】
内の前記構成された同期信号ブロックリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、期間T
Evaluate_CBD_SSB内で閾値量Q
in_LRだけ改善するかどうかを決定すること
を行わせるようにさらに構成される、請求項14~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記サービングセルのために構成された前記セット
【数9】
内の前記少なくとも1つのリソースは、少なくとも1つのチャネル状態情報基準信号候補ビームに関連付けられる、請求項14~19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記一時停止は、前記装置によって行われるすべての非ビーム候補測定を一時停止する、および/または少なくとも1つのビーム候補セット上の前記少なくとも1つの測定が完了するまで、少なくとも1つの非ビーム候補測定が開始されるのを阻止する、請求項14~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの同期信号ブロックベースの候補ビーム測定は、測定ギャップ構成を問わず行われる、請求項14~21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んだ少なくとも1つのメモリとを備え、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
第1の期間にわたって推定されたセット
【数10】
内の少なくとも1つの構成されたリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、第2の期間内で少なくとも1つの閾値より改善するかどうかを評価することであって、
少なくとも1つの構成されたリソースは、測定されていない、または他の目的のために前記第2の期間と比べて少なく測定されている、評価すること
を行わせるように構成される、装置。
【請求項24】
少なくとも前記第2の期間に対して他の目的のために測定される、少なくとも1つの同期信号ブロックリソースに対して、前記第2の期間は0msに等しい、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
監視されるセルにおいて、前記同期信号ブロックの、いくつかであるがすべてではない機会と重複する、周波数内、周波数間、または無線アクセス技術間測定のために構成された測定ギャップが存在するとき、P=1/(1-T
SSB/測定ギャップ反復周期)である、請求項23または24に記載の装置。
【請求項26】
前記監視されるセルにおいて、前記同期信号ブロックの何らの機会と重複する測定ギャップが存在しないとき、P=1である、請求項23~25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
請求項1~13のいずれか1項に記載のプロセスを行うためのコンピュータプログラム命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
請求項1~13のいずれか1項に記載のプロセスを行うための手段を備える装置。
【請求項29】
装置であって、前記装置に請求項1~13のいずれか1項に記載のプロセスを行わせるように構成された回路を備える装置。
【請求項30】
請求項1~13のいずれか1項に記載のプロセスを行うための命令を用いてエンコードされたコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月5日に出願した、米国仮特許出願第62/741,991号の利益を主張するものである。前述の出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
いくつかの実施形態は、ワイヤレス通信システムに関し得る。例えば、一部の実施形態は、ビーム回復手順に関し得る。
【背景技術】
【0003】
新たな無線実装形態では、ネットワーク条件は予期されるより急激に変化する場合があり、予想される挙動を規定するために、ユーザ機器の最小限の要件が用いられる。例えば、ネットワークは、モビリティ目的のためにある一定の測定を行うようにユーザ機器を構成しているが、報告される測定が遅延された、または測定を送信する前に接続が切断された場合、ネットワークは、十分に早期にハンドオーバをユーザ機器に送ることができない。これはユーザ機器が、サービングセルから新たなセルにハンドオフされないことに繋がる場合があり、接続損失に繋がり得る。従って、回復待ち時間(recovery latency)が減少された高速なビーム回復(beam recovery)を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
一部の実施形態によれば、方法は、ユーザ機器によって、ビーム障害事例(beam failure instances)の数が少なくとも1つの閾値以上であることを決定することを含み得る。方法は、ユーザ機器によって、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始することをさらに含み得る。方法は、ユーザ機器によって、ユーザ機器によって行われる少なくとも1つの非ビーム候補測定(non-beam candidate measurement)を一時停止することをさらに含み得る。
【0005】
一部の実施形態によれば、装置は、ビーム障害事例の数が少なくとも1つの閾値以上であることを決定するための手段を含み得る。装置は、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始するための手段をさらに含み得る。装置は、装置によって行われる少なくとも1つの非ビーム候補測定を一時停止するための手段をさらに含み得る。
【0006】
一部の実施形態によれば、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含んだ少なくとも1つのメモリとを含み得る。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、ビーム障害事例の数が少なくとも1つの閾値以上であることを少なくとも決定させるように構成され得る。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を少なくとも開始させるようにさらに構成され得る。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、装置によって行われる少なくとも1つの非ビーム候補測定を少なくとも一時停止させるようにさらに構成され得る。
【0007】
一部の実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読媒体は、装置に方法を行わせるためのプログラム命令を備え得る。方法は、ビーム障害事例の数が少なくとも1つの閾値以上であることを決定し得る。方法はさらに、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始し得る。方法はさらに、装置によって行われる少なくとも1つの非ビーム候補測定を一時停止し得る。
【0008】
一部の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は方法を行い得る。方法は、ビーム障害事例の数が少なくとも1つの閾値以上であることを決定し得る。方法はさらに、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始し得る。方法はさらに、少なくとも1つの非ビーム候補測定を一時停止し得る。
【0009】
一部の実施形態によれば、装置は、ビーム障害事例の数が少なくとも1つの閾値以上であることを決定するように構成された回路を含み得る。回路はさらに、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始し得る。回路はさらに、装置によって行われる少なくとも1つの非ビーム候補測定を一時停止し得る。
【0010】
一部の実施形態によれば、方法は、ユーザ機器によって、第1の期間にわたって推定されたセット
【数1】
内の少なくとも1つの構成されたリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力(layer I-reference signal received power)が、第2の期間内で少なくとも1つの閾値より改善するかどうかを評価することを含み得る。少なくとも1つの構成されたリソースは、測定されていない、または他の目的のために第2の期間と比べて少なく測定されている。
【0011】
一部の実施形態によれば、装置は、第1の期間にわたって推定されたセット
【数2】
内の少なくとも1つの構成されたリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、第2の期間内で少なくとも1つの閾値より改善するかどうかを評価するための手段を含み得る。少なくとも1つの構成されたリソースは、測定されていない、または他の目的のために第2の期間と比べて少なく測定されている。
【0012】
一部の実施形態によれば、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含んだ少なくとも1つのメモリとを含み得る。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、第1の期間にわたって推定されたセット
【数3】
内の少なくとも1つの構成されたリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、第2の期間内で少なくとも1つの閾値より改善するかどうかを少なくとも評価するように構成され得る。少なくとも1つの構成されたリソースは、測定されていない、または他の目的のために第2の期間と比べて少なく測定されている。
【0013】
一部の実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読媒体は、ハードウェア内で実行されたときに方法を行い得る命令を用いてエンコードされ得る。方法は、第1の期間にわたって推定されたセット
【数4】
内の少なくとも1つの構成されたリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、第2の期間内で少なくとも1つの閾値より改善するかどうかを評価し得る。少なくとも1つの構成されたリソースは、測定されていない、または他の目的のために第2の期間と比べて少なく測定されている。
【0014】
一部の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は方法を行い得る。方法は、第1の期間にわたって推定されたセット
【数5】
内の少なくとも1つの構成されたリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、第2の期間内で少なくとも1つの閾値より改善するかどうかを評価し得る。少なくとも1つの構成されたリソースは、測定されていない、または他の目的のために第2の期間と比べて少なく測定されている。
【0015】
一部の実施形態によれば、装置は、第1の期間にわたって推定されたセット
【数6】
内の少なくとも1つの構成されたリソース上で測定された少なくとも1つのレイヤ1基準信号受信電力が、第2の期間内で少なくとも1つの閾値より改善するかどうかを評価するように構成された回路を含み得る。少なくとも1つの構成されたリソースは、測定されていない、または他の目的のために第2の期間と比べて少なく測定されている。
【0016】
本開示の適切な理解のために添付の図面への参照がなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】いくつかの実施形態による、ユーザ機器によって行われる方法の例を示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態によるシステムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で述べられるいくつかの実施形態は、ビーム障害回復手順を管理するために役立ち得る。本明細書で述べられる例示の実施形態は、様々な恩恵および/または利点を有し得る。例えば、一部の実施形態は、他の測定手順よりもビーム障害回復測定(beam failure recovery measurement)を優先順位付けする(prioritizing)ことによって、ビーム回復手順(beam recovery procedures)の速度を改善し得る。いくつかの実施形態は、従って、具体的には、ネットワークリソースを節約し、およびネットワーク内に位置するネットワークエンティティおよび/またはユーザ機器の電力消費を低減することによる、コンピュータ関連技術における改善を対象とする。
【0019】
ビーム障害検出(BFD)および無線リンク監視(RLM)手順は、異なるが並行して動作し、BFDは、レイヤ1(L1)および/または媒体アクセス制御(MAC)レイヤ上で機能する。ユーザ機器(UE)は、ビーム品質を推定するために用いられ得る、q0など、BFD基準信号のセットを用いて構成され得る。UEが、セットq0内の基準信号上の良好でないチャネル条件を検出したとき、L1レイヤは、ビーム障害表示をMACレイヤに送信し得る。MACレイヤは、0で始まり得るビーム障害表示カウンタを備えることができ、十分なビーム障害事例表示が、より低位のレイヤから受信された場合、MACエンティティは、beamFailureDetectionTimerなどのタイマを開始し、各ビーム障害表示に対して1だけ、BFI_COUNTERなどのカウンタをインクリメントすることができる。BFI_COUNTERなどのカウンタが、beamFailureInstanceMaxCountなどの予め規定された最大値に達したとき、UEはビーム障害が発生したと決定することができ、ビーム障害回復手順を開始してビーム障害回復を始め得る。
【0020】
アクティブアップリンク(UL)帯域幅部分(BWP)は、ランダムアクセスチャネル(RACH)リソースと、BFRのための候補ビームとを用いてUEを構成するために用いられ得る、BeamFailureRecoveryConfigを用いて構成され得る。ビーム障害の場合には、UEは、回復のための候補ビームを識別する基準信号(CSI-RSおよび/またはSSB)のリストとすることができるcandidateBeamRSListに示される基準信号に基づいて、レイヤ1(L1)基準信号受信電力(RSRP)測定を行わなければならない。
【0021】
図1は、ユーザ機器、例えば
図2のユーザ機器210によって行われる方法の例を示す。ステップ101で、ユーザ機器は、少なくとも1つのビーム回復測定を行うことに関連付けられた、少なくとも1つの要求を受信し得る。ステップ103で、ユーザ機器は、BFI_COUNTERなど、ビーム障害事例の数を決定し得る。例えば、決定は、評価期間全体の間に、UEアクティブダウンリンク(DL)BWP内で、候補ビーム検出のために構成された少なくとも1つのリソースが実際に送信されることを条件として、サービングセルのために構成されたセット
【数7】
内の少なくとも1つのリソースに対して行われ得る。
【0022】
一部の実施形態において、サービングセルのために構成されたセット
【数8】
内の少なくとも1つのリソースは、SSベースの候補ビームに関連付けられ得る。例えば、UEは、最後のT
Evaluate_CBD_SSB期間にわたって推定された、セット
【数9】
内の構成されたSSBリソース上で測定された少なくとも1つのL1-RSRPが、ミリ秒で定義され得るT
Evaluate_CBD_SSB期間内で、閾値量Q
in_LRだけ改善するかどうかを決定し得る。450~6000MHzの周波数およびタイプサブ6GHz(FR1)に対して、T
Evaluate_CBD_SSB期間の値は、次のように定義され得る。
【0023】
【表1】
あるいは、24250~52600MHzの周波数およびタイプミリ波(FR2)に対して、T
Evaluate_CBD_out期間の値は、次のように定義され得る。
【表2】
【0024】
一部の実施形態において、サービングセルのために構成されたセット
【数10】
内の少なくとも1つのリソースは、少なくとも1つのCSI-RS候補ビームに関連付けられ得る。例えば、UEは、最後のT
Evaluate_CBD_CSI-RS期間にわたって推定された、セット
【数11】
内の構成されたCSI-RSリソース上で測定された少なくとも1つのL1-RSRPが、ミリ秒で定義され得るT
Evaluate_CBD_CSI-RS期間内で、閾値量Q
in_LRだけ改善するかどうかを決定し得る。450~6000MHzの周波数およびタイプサブ6GHz(FR1)に対して、T
Evaluate_CBD_CSI-RS期間の値は、次のように定義され得る。
【0025】
【表3】
あるいは、24250~52600MHzの周波数およびタイプミリ波(FR2)に対して、T
Evaluate_CSI-RS_out期間の値は、次のように定義され得る。
【表4】
M
CBDは、セット
【数12】
内の構成されたCSI-RSリソースが、3などの、閾値密度によって送信されるかどうかに依存する値となり得る。
【0026】
ステップ105で、ユーザ機器は、ビーム障害事例の数が、beamFailureInstanceMaxCountなどの、少なくとも1つの閾値以上であることを決定し得る。ステップ107で、ユーザ機器は、少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定を開始し得る。ステップ109で、ユーザ機器は、ユーザ機器によって行われる、無線リソース測定を含む、非ビーム候補測定を一時停止し得る。一部の実施形態において、一時停止は、ユーザ機器によって行われるすべての非ビーム候補測定に対するものとすることができ、および/または少なくとも1つのビーム候補セット上の少なくとも1つの測定が完了するまで、非ビーム候補測定が開始されるのを阻止することができる。追加としてまたは代替として、少なくとも1つのSSBベースの候補ビーム測定は、測定ギャップ構成を問わず行われ得る。
【0027】
一部の実施形態において、ビーム障害検出とビーム回復との間の待ち時間は低減され得る。UEが初期のビーム障害を検出し、障害の表示をMACに送るとすぐに、UEは、候補セット
内の閾値数の潜在的ビーム候補の測定を開始し得る。測定は、ビーム候補選択のための、L1-RSRPなど、ビーム候補測定の何らかのMAC要求の前に行われ得る。
【0028】
一部の実施形態において、UEは、MACレイヤに対するビーム障害の最初の表示の後すぐに、少なくとも1つの測定を開始し得る。追加としてまたは代替として、測定は、BFI_COUNTERなど、MACレイヤ上のビーム障害カウンタに基づいて開始されることができ、BFI_COUNTER/2表示が、MACレイヤに送信され得る。追加としてまたは代替として、MACレイヤは、検出の後すぐにビーム障害回復測定をトリガすることができ、および/またはBFI_COUNTERが最大値に達した後のみに、ビーム回復プロセスを開始し得る。追加としてまたは代替として、MACレイヤは、BFI_COUNTERをL1に届けることができ、次いで関連する測定を開始し得る。
【0029】
一部の実施形態において、
内のビーム候補に対する少なくとも1つのUE測定待ち時間は、RRM、例えば、SSBベースのRRM測定など、ビーム候補の1つまたは複数が既存の測定の一部であるかどうかに依存する。SSBにおけるセット
内の少なくとも1つのビーム候補が、RRMの目的のために測定されていた場合、UEは、追加の遅延または測定努力がUEによって必要とされずに、要求された後に遅延なしに、要求された候補結果をネットワークに届け得る。
【0030】
候補ビーム検出測定をいつUEが開始するかを定義することは有益であり、これはビーム障害検出とビーム回復との間の待ち時間を低減し得る。例えば、UEは、ビーム候補を測定するために、所与の時間、TEvaluate_CBD_SSBが許容され得る。しかし、UEは周波数内測定を継続的に行っているので、SSBベースのビーム候補に対して、RS(SSB)はRRM測定の目的のためにすでに測定されている場合があり、従って、実際、UEは何らの追加の測定時間、TEvaluate_CBD_SSBを必要としないようになる。さらに、追加の測定遅延は存在しないことになり、代わりに、UEは、より高位のレイヤによって要求された後、速やかに結果を届け得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、ビーム候補検出のための測定時間、TEvaluate_CBD_SSBは、条件付きとすることができる。例えば、条件は、UEによって未だ測定されていない候補に対してのみ、UEは追加の測定時間、TEvaluate_CBD_SSB、を許容し得ることとすることができる。そうでない場合、UEは、追加の測定時間を許容するように構成されることはできない。
【0032】
一部の実施形態において、UEは、最後のT
Evaluate_CBD_SSB[ms]期間にわたって推定された、セット
【数13】
内の構成されたSSBリソース上で測定されたL1-RSRPが、すでに測定されていないか、他の目的のためにT
Evaluate_CBD_SSB[ms]より短く測定されている、構成されたSSBリソースに対してT
Evaluate_CBD_SSB[ms]期間内で、閾値量Q
in_LRだけ改善するかどうかを評価することができる。少なくともT
Evaluate_CBD_SSB[ms]の間に他の目的のためにすでに測定されているSSBリソースに対して、T
Evaluate_CBD_SSB[ms]=0msである。
【0033】
一部の実施形態において、FR1に対するT
Evaluate_CBD_SSBの値は、次のように定義され得る。
【表5】
および様々な実施形態において、N=FFSであるFR1に対するT
Evaluate_CBD_SSBの値は、次のように定義され得る。
【表6】
いくつかの実施形態において、監視されるセルにおいて、SSBの、いくつかであるがすべてではない機会と重複し得る、周波数内、周波数間、および/またはRAT間測定のために構成された測定ギャップが存在するとき、P=1/(1-T
SSB/MGRP)である。代替としてまたは追加として、監視されるセルにおいて、SSBの何らの機会と重複する測定ギャップが存在しないとき、P=1である。
【0034】
図2は、いくつかの実施形態によるシステムの例を示す。一実施形態において、システムは、例えば、ユーザ機器210およびネットワークエンティティ220など、複数のデバイスを含み得る。UE210は、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレット、またはポータブルメディアプレーヤ、デジタルカメラ、ポケットビデオカメラ、ビデオゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)デバイスなどのナビゲーションユニット、デスクトップもしくはラップトップコンピュータ、センサもしくはスマートメータなどの単一位置デバイス、またはそれらの任意の組み合わせなど、モバイルデバイスの1つまたは複数を含み得る。
【0035】
ネットワークエンティティ220は、進化型ノードB(eNB)もしくは次世代ノードB(gNB)、次世代無線アクセスネットワーク(NG RAN)、サービングゲートウェイ、サーバ、および/または任意の他のアクセスノード、またはそれらの組み合わせなど、基地局の1つまたは複数とすることができる。
【0036】
これらのデバイスの1つまたは複数は、少なくとも1つのプロセッサを含むことができ、それぞれ211および221として示される。212および222で示されるデバイスの1つまたは複数に、少なくとも1つのメモリが提供され得る。メモリは固定またはリムーバブルとすることができる。メモリは、その中に含まれたコンピュータプログラム命令またはコンピュータコードを含み得る。プロセッサ211および221、ならびにメモリ212および222、またはそれらのサブセットは、
図1の様々なブロックに対応する手段を提供するように構成され得る。図示されないが、デバイスはまた、デバイスの位置を決定するために用いられ得る、全地球測位システム(GPS)または微小電気機械システム(MEMS)ハードウェアなど、測位ハードウェアを含み得る。他のセンサも許容され、気圧計、コンパスなど、位置、高度、方位その他を決定するために含まれ得る。
【0037】
図2に示されるように、トランシーバ213および223が提供されることができ、ならびに1つまたは複数のデバイスはまた、それぞれ214および224として示される、少なくとも1つのアンテナを含み得る。デバイスは、多入力多出力(MIMO)通信のために構成されたアンテナのアレイ、または複数の無線アクセス技術のための複数のアンテナなど、多くのアンテナを有し得る。例えば、これらのデバイスの他の構成が提供され得る。
【0038】
トランシーバ213および223は、送信器、受信器、もしくは送信器および受信器の両方、または送信および受信の両方のために構成され得るユニットもしくはデバイスとすることができる。
【0039】
プロセッサ211および221は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または同等なデバイスなど、任意の演算もしくはデータ処理デバイスによって具体化され得る。プロセッサは、単一のコントローラ、または複数のコントローラもしくはプロセッサとして実装され得る。
【0040】
メモリ212および222は、独立して、非一時的コンピュータ可読媒体など、任意の適切な記憶デバイスとすることができる。ハードディスクドライブ(HDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、または他の適切なメモリが用いられ得る。メモリは、プロセッサとして単一の集積回路上に組み合わされることができ、または1つまたは複数のプロセッサとは別個とすることができる。さらに、メモリに記憶された、およびプロセッサによって処理され得るコンピュータプログラム命令は、コンピュータプログラムコードの任意の適切な形、例えば、コンパイルされたまたはインタープリートされた、任意の適切なプログラミング言語で書かれたコンピュータプログラムとすることができる。メモリはリムーバブルまたは非リムーバブルとすることができる。
【0041】
メモリおよびコンピュータプログラム命令は、特定のデバイスのためのプロセッサを用いて、ユーザ機器などのハードウェア装置に、以下で述べられる(例えば、
図1を参照)プロセスのいずれかを行わせるように構成され得る。従って、いくつかの実施形態において、非一時的コンピュータ可読媒体は、ハードウェアにおいて実行されたとき、本明細書で述べられるプロセスの1つなどのプロセスを行う、コンピュータ命令を用いてエンコードされ得る。代替として、いくつかの実施形態は、専らハードウェアにおいて行われ得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、装置は、
図1に示されるプロセスまたは機能のいずれかを行うように構成された回路を含み得る。例えば、回路は、アナログおよび/またはデジタル回路など、ハードウェアのみの回路実装形態とすることができる。他の例において、回路は、アナログおよび/またはソフトウェアもしくはファームウェアを有するデジタルハードウェア回路の組み合わせ、および/またはソフトウェアを有するハードウェアプロセッサ(デジタル信号プロセッサを含む)の任意の部分、ソフトウェア、および一緒に動作して装置に様々なプロセスもしくは機能を行わせる少なくとも1つのメモリなど、ハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせとすることができる。他の例において、回路は、ハードウェア回路と、動作のためのファームウェアなど、ソフトウェアを含む、マイクロプロセッサもしくはマイクロプロセッサの一部分など、プロセッサとすることができる。回路内のソフトウェアは、それがハードウェアの動作のために必要とされないときは、なくてもよい。
【0043】
本明細書全体を通して述べられるいくつかの実施形態の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切なやり方で組み合わされ得る。例えば、本明細書全体を通して、「いくつかの実施形態」、「一部の実施形態」「他の実施形態」、または他の同様な言葉といった語句の使用は、実施形態に関連して述べられる特定の特徴、構造、または特性は、本発明の少なくとも1つの実施形態に含められ得るという事実を指す。従って、本明細書全体を通して、「いくつかの実施形態において」、「一部の実施形態において」、「他の実施形態において」という語句、または他の同様な言葉が現れることは、必ずしも同じグループの実施形態を指さず、述べられる特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切なやり方で組み合わされ得る。
【0044】
当業者は、上記で論じられたいくつかの実施形態は、異なる順序でステップを用いて、および/または開示されたものとは異なる構成におけるハードウェア要素を用いて行われ得ることを容易に理解するであろう。従って、当業者には、本発明の思想および範囲内のままで、ある一定の修正、変形、および代替構成が明らかとなることが明らかであろう。従って、本発明の境界および範囲を決定するために、添付の「特許請求の範囲」への参照がなされるべきである。
【0045】
(部分的用語集)
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
4G 第4世代モバイルネットワーク
5G 第5世代モバイルネットワーク
BF ビーム障害
BFD ビーム障害検出
BFR ビーム障害回復
BLER ブロックエラーレート
BWP 帯域幅部分
CSI-RSRP チャネル状態情報基準信号受信電力
DL ダウンリンク
FR1 周波数範囲1
FR2 周波数範囲2
MAC 媒体アクセス制御
MGRP 測定ギャップ反復周期
NE ネットワークエンティティ
NG-RAN NG無線アクセスネットワーク
RAN 無線アクセスネットワーク
RLF 無線リンク障害
RLM 無線リンク監視
RRM 無線リソース管理
RS 基準信号
RSRP 基準信号受信電力
SS 同期信号
SSB 同期信号ブロック
PBCH 物理ブロードキャストチャネル
UE ユーザ機器
UL アップリンク
【国際調査報告】