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特表2022-504429認証された補正情報を提供するための方法、複数の基準局および冗長な中央計算ユニット、GNSシステム、ならびにGNSシステムもしくは他の手段で補正情報メッセージを提供するためのソフトウェア製品および/またはネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】認証された補正情報を提供するための方法、複数の基準局および冗長な中央計算ユニット、GNSシステム、ならびにGNSシステムもしくは他の手段で補正情報メッセージを提供するためのソフトウェア製品および/またはネットワーク
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/05 20100101AFI20220105BHJP
【FI】
G01S19/05
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518952
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(85)【翻訳文提出日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2019071141
(87)【国際公開番号】W WO2020069786
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】18198898.1
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521138501
【氏名又は名称】スペースオパル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】バウアーヒン、アンドル
(72)【発明者】
【氏名】アービンガー、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハウスシルド、アンドレ
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062CC07
5J062DD24
5J062EE02
(57)【要約】
GNSシステム内の移動受信機(5)に、認証された補正情報(20)、詳細には軌道、クロック、およびバイアス/オフセットの補正情報を提供するための方法であって、-複数の基準局(15)で衛星(2)から生データを受信するステップと、-データストリーム(18)を、詳細には共通データストリームを使用して、中央計算ユニット(30)、詳細には単一中央計算ユニットに基準局(15)で受信した生データを転送するステップと、-異なる基準局(15)から受信した生データに基づき、計算ユニット(30)で補正情報(20)を決定するステップと、-移動受信機(5)の位置を信頼できるように決定するために、少なくとも1つの衛星(2)を介して受信機(15)に補正情報(20)を伝送するステップと、を備える方法。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GNSシステム内の移動受信機(5)に補正情報(20)、詳細には軌道、クロック、および/またはバイアス/オフセットの補正情報を提供するための方法であって、
-複数の基準局(15)で衛星(2)から生データを受信するステップと、
-中央計算ユニット(30)、詳細には単一中央計算ユニットに前記基準局(15)で受信した前記生データをリアル・タイム・データ・ストリームで転送するステップと、
-異なる前記基準局(15)から受信した前記生データに基づき、前記計算ユニット(30)で前記補正情報(20)を決定するステップと、
-前記移動受信機(5)の位置を決定するために、少なくとも1つの前記衛星(2)を介して前記受信機(15)に前記補正情報(20)を伝送するステップと、を備える、
方法。
【請求項2】
前記補正情報(20)に加えて、前記少なくとも1つの衛星(2)を介してナビゲーション情報を伝送することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの衛星(2)は、200km~30,000kmの間、好ましくは900km~28,000kmの間、最も好ましくは18,000km~26,000kmの間の距離で地球を周回することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの衛星(2)は、0.2未満、より好ましくは0.05未満、最も好ましくは0.002未満の離心率、および/または傾斜軌道で地球を周回し、詳細には、少なくとも3つの前記衛星は、好ましくは前記方法のために使用する前記衛星のシステム全体のうち少なくとも3つの前記衛星は、0.05未満、または好ましくは0.002の前記離心率で前記地球を周回することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記補正情報および/または前記ナビゲーション情報を提供するために5つ以上の前記衛星(2)、好ましくは18以上の前記衛星(2)、最も好ましくは25以上の前記衛星(2)を使用したことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
更に、地上チャネルを介して前記補正情報を伝送することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記生データの妥当さ検査を前記中央計算ユニット(30)で遂行することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記妥当さ検査のために、-ある種の前記基準局(15)に割り当てられた前記生データに基づき、前記ある種の基準局(15)の位置を決定するステップ(38)と、-決定された前記位置を基準値(35)と比較するステップ(39)と、をさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの衛星により配布するために、少なくとも1つのアップリンク局(21)を通して前記補正情報(20)をアップロードすることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記別少なくとも1つの衛星(2)により配布するために、前記少なくとも1つのアップリンク局(21)を通して前記補正情報(20)および前記ナビゲーション情報をアップロードし、前記アップリンク局は、自身のアンテナに、前記アンテナが前記少なくとも1つの衛星(2)の動きを追従するように指示することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ナビゲーション情報および/または前記補正情報(20)を暗号化することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
PPP(precise point positioning)方式を遂行して、前記移動受信機(5)の前記位置、詳細には前記移動受信機(5)の実際の位置を決定するために、前記補正情報(20)を提供することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
25を超え、好ましくは70を超え、最も好ましくは130を超える基準局(15)が存在することを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
複数の基準局(15)および中央計算ユニット(30)、詳細には単一中央計算ユニットであって、
-前記複数の基準局(15)で衛星(2)から生データを受信し、
-データストリーム(18)、詳細には共通データストリームを使用して、前記中央計算ユニット(30)に、詳細には前記単一中央計算ユニットに前記基準局(15)で受信した前記生データを転送し、
-異なる前記基準局(15)から提供された前記生データに基づき、前記計算ユニット(30)で前記補正情報(20)を決定し、
-前記移動受信機(5)の前記位置を決定するために、前記少なくとも1つの衛星(2)および/または地上通信手段を介して前記受信機(15)に前記補正情報(20)を伝送するために構成された、
複数の基準局(15)および中央計算ユニット(30)。
【請求項15】
ソフトウェア製品および/またはネットワークであって、
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法の1つを実装するためのプログラムコードを備えることを特徴とする、
ソフトウェア製品および/またはネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動受信機に1組の認証された補正情報を提供するための方法、GNS(global navigation satellite、全地球航法衛星)システム、複数の基準局および冗長な中央計算ユニット、ならびにGNSシステムもしくは他の手段で補正情報メッセージを提供するためのソフトウェア製品および/またはネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
GNSシステムは周知である。GNSシステムに関する例は、GPS、GLONASS、BeiDou、およびGalileoである。これらの例は、たとえば携帯電話または車両の中に一体化できる静的受信機または移動受信機の位置を決定する機能を提供する。
GNSシステムの不可欠の部分は、地球を周回してナビゲーション信号を放出する衛星である。ナビゲーション信号は、測距コードを伴う搬送波信号、および任意選択で、搬送波上に変調されたナビゲーションデータから構成される。ナビゲーションデータと組み合わせて測距信号を使用して、受信機の位置を決定する。
【0003】
しかしながら、異なる衛星から受信機に至る、ナビゲーション信号の信号伝送経路は、異なる大気部分を伝播し、その結果、対流圏および電離圏が生じさせる異なる遅延を蓄積する。これに加えて、衛星の位置、クロックオフセット、および信号バイアスを包含する、衛星が伝送するナビゲーション情報は、誤差により影響を受ける。このため、受信機が受信するナビゲーション信号は、異なるバイアスまたはオフセットを有し、その結果、位置決定の精度を低下させる。
【0004】
これらの誤差に対する補正を計算し、受信機でこれらの誤差を除去するために、ディファレンシャルGPS(differential GPS、DGPS)またはGNSS補正を生成するために、全地球的または地域の基準局ネットワークからなるネットワークを使用できる。基準局ネットワークは、移動受信機の近傍にある固定受信機局から構成される。これらの局は、測定した衛星擬似距離と既知の局の位置に基づきモデル化した擬似距離の差をブロードキャストし、移動受信機は、自分が測定した擬似距離にこれらの補正を適用する。補正信号は、典型的にはより短い距離の地上無線送信機を介してローカルにブロードキャストされる。
擬似距離測定値の限られた精度を克服するためにさらにまた、より正確な搬送波位相観測値を使用して差分処理を行う。この技法は、リアル・タイム・キネマティック(real-time kinematic、RTK)測位として公知であり、移動受信機と実際の基準局または仮想基準局との間の差分搬送波位相測定値の不明確さ分解能に基づく。このシステムの欠点は、移動受信機に近い静止受信機局を有する必要があることにあり、その結果、このシステムは、密な基準局ネットワークをサポートするインフラストラクチャのない領域では役に立たない。
【0005】
移動受信機の近傍で、密な基準局ネットワークに依存することなく測位精度を改善するために、PPP(precise point positioning)方式が開発された。PPPの取り組み方法は、DGPSまたはRTKとは対照的に、差分測定の空間誤差相関に依存するのではなく、むしろ移動受信機に関する位置を算出する際の正確なモデルを通して、たとえば衛星の軌道またはクロック、バイアス、および大気遅延が生じさせる個々の誤差成分を除去する。その結果、2周波測定を用いてデシメートルまたはさらにそれ以下まで正確な位置を算出することが可能である。そのような精度を実現するためには、正確な補正情報、詳細には正確な軌道およびクロックの補正情報を提供することが、不可欠である。さらに、PPPは、密な基準局ネットワークのない領域でさえ移動受信機の位置を正確に決定できるようにする。
PPP方式に関する例は、欧州特許第2281210(B1)号明細書および欧州特許出願公開第10194428(A2)号明細書に見いだすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第2281210(B1)号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第10194428(A2)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記に鑑み、本発明の目的は、補正情報、詳細には軌道誤差、クロックオフセット、信号バイアス、および大気遅延の補正情報の組合せを単一のメッセージストリームの中で移動受信機に提供することであり、その結果、補正情報は効果的に分配され、認証され、動作に信頼性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の方法、請求項13に記載の複数の基準局および中央計算ユニット、請求項14に記載のGNSシステム、ならびに請求項15に記載のソフトウェア製品および/またはネットワークにより達成される。好ましい実施形態は、従属請求項、明細書、および図面に組み込まれる。
【0009】
第1の様態によれば、補正情報を、詳細には軌道、クロック、および/またはバイアス/オフセットの補正情報をGNSシステム内の受信機に提供するための方法であって、-複数の基準局で衛星から生データを受信するステップと、-基準局で受信した生データをリアル・タイム・データ・ストリームで中央計算ユニットに、詳細には中央計算ユニットに転送するステップと、-異なる基準局から受信した生データに基づき、単一計算ユニットで補正情報を決定するステップと、-受信機の位置を決定するために、少なくとも1つの衛星を介して受信機に補正情報を転送するステップと、を備える方法を提供する。
【0010】
最新技術とは対照的に、中央計算ユニットは、すべての生データを収集し、補正情報、詳細には組み合わせた軌道誤差、クロックオフセット、信号バイアス、および大気遅延の補正情報を決定し、その後、認証された補正情報メッセージは、少なくとも1つのGNS(全地球航法衛星)を介して、好ましくはある種の移動受信機に生データを提供する各GNSを介して、移動受信機に伝送される。
その結果、1つの中央計算ユニットで所望の精度を確立するため、補正情報を決定するために多数の基準局の生データを考慮することが可能である。さらに、本発明は、補正情報の集中配布を可能にする。その結果、異なる分配センタ間の通信はまったく必要ない。補正情報をブロードキャストするためにGNSを使用する別の利点は、既存の衛星からすでに利用可能なインフラストラクチャを使用する可能性であり、追加の地上送信機または衛星搭載送信機はまったく必要ない。
【0011】
好ましくは、多数の静止基準局が世界中に均一に分布し、かつ基準局の位置が正確に既知であることを提供する。高密度の基準局を有する領域が存在し、かつ低密度の基準局を有する領域が存在することが考えられる。詳細には、少なくとも5つの基準局、好ましくは10を超える基準局、最も好ましくは15を超える基準局が、1つの衛星のナビゲーション信号を同時に受信することを提供する。
基準局に由来する、生成された生データストリームは、中央計算ユニットに伝送すべき少なくとも2つの周波数および少なくとも1Hzのデータ転送速度での観測値を備える。測定した擬似距離とモデル化した擬似距離の差、および中央処理ユニットでの搬送波位相観測値に基づき補正データを計算する。生入力データは、カルマンフィルタ(Kalman-filter)がアクセスするための内部バッファとして記憶され、追加で観測値ファイルに記録される。最後に、計算された補正情報メッセージは、1つまたは多数の宇宙船から伝送される搬送波信号のデータチャネルに含まれる。
【0012】
さらに、好ましくは、地上システムを介して移動受信機に補正情報を、少なくとも補正情報の一部を提供することを考慮できる。
【0013】
PPPの取り組み方法を実現するための例は、PPPに関する内容が本明細書に明示的に援用される欧州特許出願公開第1094428(A2)号明細書および欧州特許第2281210(B1)号明細書で見いだすことが可能である。
【0014】
補正情報の一部は、衛星に搭載されたクロックオフセットに関する補正である。クロック補正は、予測できないクロックオフセットまたはクロックドリフト変動に起因して必要である。好ましくは、全地球的ネットワークを形成するいくつかの異なる基準局の生データに基づき、クロック補正情報を提供することを提供する。
基準局の場所は異なり、かつGNSシステムのために使用する静止受信局を補完していることを言及すべきである。好ましくは、最も正確な方法で現在位置を決定するために、たとえば10秒よりも短い、比較的短い待ち時間を実現するために、リアルタイムでクロック補正を提供する。好ましくは、クロック補正を決定するために、カルマンフィルタなどの逐次フィルタ(sequential filter)を使用する。カルマンフィルタは、好ましくは全地球的基準局ネットワークから得られる生データを処理する。これらの基準局は、自身の生データをデータストリームとしてリアルタイムに転送する。
【0015】
生データ、詳細にはリアル・タイム・データ・ストリームを除き、カルマンフィルタは、予測された軌道およびクロック、差分コードバイアス、地球姿勢パラメータ(Earth Orientation Parameter、EOP)、アンテナ位相パターン情報、および各GNSの動作状態に関する情報を使用する。
データ処理する間の先験的な情報として、超速報暦(ultra-rapid orbit product)の予報部分を使用する。軌道は、最終観測値に対して毎日少なくとも4回、3時間未満の待ち時間で更新される。新しい軌道予報は、利用可能であるとき、最も正確な軌道情報が利用可能であることを保証するためにフィルタ内で更新される。
【0016】
すべての局および受信機が同じ追跡モードで同じ信号を追跡するわけではないので、異なるコードバイアス補正を使用しなければならない。さらに、最新予報地球姿勢パラメータ(EOP)をEOPサービスプロバイダから取り出す。クロック補正を計算するために、標準化された協定による最新のアンテナ位相中心オフセット(phase centre offset、PCO)およびアンテナ位相中心変動(phase centre variation、PCV)を使用する。
正確な測位のために、アンテナの位相中心は、高度および方位に依存する位相受信パターンを考慮しなければならないので、固定点として規定できない。したがって、各GNSSアンテナは、定位相中心オフセットベクトル、および位相受信パターンに関する情報を保持するテーブルを使用するように特徴づけられる。
【0017】
最後に、GNS配置の現在の状態に関する最新の情報もまた、クロック補正を決定するために存在しなければならない。衛星は、軌道操作または保守のために頻繁に不安定になり、これらの期間の間に推定から除外されなければならない。ナビゲーションデータでの衛星の健全性状態に基づき、すべてのGNSに関して推定から衛星を自動的に除外する。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、中央計算ユニットで生データの妥当さ(plausibility)検査を遂行することを提供する。
詳細には、受信した観測値および基準局位置の整合性を確信させるために妥当さ検査を行う。好ましくは、生データの妥当さ検査、詳細には異なる妥当さ検査をいくつか遂行する。そうしないと、正しくない基準局を推定で使用することにより、導出した補正の品質に悪影響を及ぼし、よって、移動受信機の現在位置決定の精度が低下する。したがって、妥当さ検査は、移動受信機の位置を決定するために補正を推定する際、高精度を保証するのに不可欠である。
【0019】
好ましくは、補正情報に加えて、少なくとも1つの衛星を介してナビゲーション情報を伝送することを提供し、すなわち、ナビゲーション情報を含む信号および補正情報を含む信号を同じ衛星を介して伝送した、少なくとも1つの衛星は補正情報を伝送する。したがって、有利には、ナビゲーション情報および補正情報を含む信号は、同じ少なくとも1つの衛星を介して伝送されたので、受信機の同じアンテナが受信可能である。その結果、受信機は、典型的には他の方法で静止衛星を介して伝送された補正情報を受信するための追加のアンテナおよび復調ユニットをまったく必要としない。
前もって受信機側で1つのアンテナだけを使用すると、受信機の全体的な複雑さはさらに低減される。詳細には、同じ少なくとも1つの衛星を介してナビゲーション情報および補正情報を伝送することは、公知の従来技術と異なる。従来技術によれば、ナビゲーション信号はGNSS衛星を介して伝送され、補正情報は静止衛星を介して転送される。したがって、同じ少なくとも1つの衛星を介して情報信号および補正情報を伝送することは、PPPにより正確に測位するために4つの衛星しか必要としないという利益をさらに受ける。反対に、静止衛星を介して補正情報を伝送するシステムは、少なくとも5つの衛星(位置を決定するための4つの衛星、および補正情報を伝送する1つの衛星)を必要とする。さらに、同じ少なくとも1つの衛星を介してナビゲーション情報および補正情報を伝送することは、同じ少なくとも1つの衛星が少なくとも1つの衛星から信号を受信するとすぐに、受信機が補正情報とナビゲーション情報の両方を得ることを保証し、すなわち、ナビゲーション情報および補正情報は、同時に同じ領域に及ぶ。
その上、好ましくは、ナビゲーション情報は、詳細には第1の周波数帯の一部である第1の搬送周波数を有する第1の信号に含まれ、補正情報は、詳細には第2の周波数帯の一部である第2の搬送周波数に含まれることを提供する。第1の周波数帯および第2の周波数帯の例は、E1、E5a、E5b、およびE6である。換言すれば、ナビゲーション情報および補正情報は、同じ少なくとも1つの衛星を介して伝送されるが、異なる搬送周波数を有する異なる信号に組み込まれてよい。詳細には、衛星は、ナビゲーション情報と補正情報の両方を転送するように構成される。
【0020】
さらに、好ましくは、少なくとも1つの衛星は、200km~30,000kmの間、好ましくは900km~28,000kmの間、最も好ましくは18,000km~26,000kmの間の高さで地球を周回することを提供する。
換言すれば、本方法は、約36,000kmの高さで地球を周回する静止衛星を使用することを除外する。詳細には、距離は赤道上空にある衛星の軌道の平均高さを指す。好ましくは、本方法は、中軌道(Medium Earth Orbit、MEO)および/または低軌道(Low Earth Orbit、LEO)で移動する衛星を使用する。換言すれば、少なくとも1つの衛星は、非静止衛星であるか、または準天頂衛星ではなく、すなわち、少なくとも1つの衛星は、静止軌道でも準天頂傾斜離心軌道でもない。むしろ本方法は、0.2未満、より好ましくは0.02、最も好ましくは0.002未満の離心率を有する1つまたは複数の傾斜軌道面を使用する衛星を使用する。好ましくは、衛星は、45°~80°の間、より好ましくは50°~70°の間、最も好ましくは52°~63°の間の最大傾斜を有して地球を周回する。
「傾斜」または「傾斜軌道」という用語は、軌道が地球の赤道面に対して傾いていることを意味する。用語「軌道面」は、多数の衛星が間隔を置いて配置され、同じ軌道経路に従っていることを意味するのに対して、1つまたは複数の異なる軌道面は、同じ傾斜を有することにより同じ交点で互いに交差している。その結果、傾斜なし、すなわち値0°を有する傾斜は、衛星が赤道の進路に主に従うことを意味するのに対して、90°の傾斜は、地球を周回している間に両極を通過する衛星を指す。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの衛星は、0.2未満、より好ましくは0.05未満、最も好ましくは0.02未満、もしくはさらにまた0.002未満の離心率、および/または1つまたは複数の傾斜軌道面で、地球を周回する。詳細には、少なくとも3つの衛星は、詳細には本方法のために使用する衛星システム全体のうち少なくとも3つの衛星は、0.05未満の、好ましくは0.002の離心率で地球を周回する。
【0022】
詳細には、補正情報および/またはナビゲーション情報を提供するために、5つ以上の衛星、好ましくは18以上の衛星、最も好ましくは25以上の衛星を使用したことを提供する。
18の衛星を使用することにより、補正情報を全地球的に提供できるようになり、その結果、本システムおよび方法は、正確には補正情報を使用することにより、受信機の位置を決定するための全地球で動作可能な方法のために使用できる。さらにまた18よりも多くの衛星を使用することにより、補正情報および/またはナビゲーション情報を伝送することに関して冗長性が与えられる。
【0023】
別の実施形態では、地上チャネルを介して補正情報を追加で伝送することを提供する。たとえば、ローカルの地上チャネルを介して補正情報を転送する。したがって、有利には、少なくとも1つの衛星および地上チャネルを介して伝送された補正情報を比較することにより、妥当さ検査を遂行可能である。さらに、地上信号は、補正情報を入手できないようなシナリオに対するバックアップとして使用できる。
【0024】
好ましくは、補正情報を決定する前に妥当さ検査を遂行して、整合しないデータをカルマンフィルタ推定から安全に除外することを提供する。好ましくは、各ストリーム内により伝送される観測値の各時刻で妥当さ検査を遂行する。
【0025】
好ましくは、妥当さ検査のために、本方法は、-ある種の基準局に割り当てられた生データに基づき、ある種の基準局の位置を決定するステップと、-決定された位置を基準値と比較するステップとをさらに備える。換言すれば、基準局の位置を決定するために、ある種の基準局に割り当てられた生データを中央計算ユニットで使用する。決定された基準局の位置が所定のしきい値の範囲内で基準値と一致しない場合、妥当さ検査は失敗する。代わりにまたは追加で、残差を算出し、一定のしきい値を超える残差を有するこれらの測定値または観測値を取り除くこともまた考えられ、その手法で測定値または観測値を除去することは、好ましくは統計的検定により行われる。
【0026】
本発明の別の実施形態では、中央計算ユニットの記憶装置に基準値を保存することを提供する。その結果、基準値が中央計算ユニットに恒久的に利用可能であることを当てにできる。たとえば、基準値は、1組の座標などの地理的位置に対応する。
【0027】
詳細には、決定された位置と基準値の差がしきい値を超えたとき、生データの少なくとも一部を除外するか、および/または警告信号を発生させることを提供する。その結果、補正情報を決定するステップを無効な生データが不正に操らないことを保証できる。警報メッセージおよび/または警告メッセージによりGNSシステムの操作者に通知することにより、中央計算ユニットの所にいる操作者に、データストリームの問題について気づかせることが可能である。たとえば、テキストメッセージ、音響信号、および/または光信号により操作者に通知する。
【0028】
さらに、好ましくは、しきい値は、クロック補正情報を使用することにより確立できる空間分解能よりも大きいことを提供する。その結果、妥当さ検査を遂行するために、補正なしに純粋な生データを当てにできる。これは、計算作業負荷を低減し、妥当さ検査を加速する。その結果、補正情報を提供するための時間を著しく延ばすことなく、妥当さ検査をリアルタイムで遂行できる。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのGNS衛星により配布するために、少なくとも1つのアップリンク局を通して補正情報アップロードすることを提供する。好ましくは、いくつかのアップリンク局は、同時にいくつかのGNS衛星に補正の連続ストリームを提供する。詳細には、PPP(precise point positioning)方式を遂行して受信機の位置を決定するために補正情報を提供することを提供する。
【0030】
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの衛星により配布するために、少なくとも1つのアップリンク局を通して補正情報およびナビゲーション情報をアップロードすることを提供し、そこでは、アップリンク局は、自身のアンテナに、アンテナが少なくとも1つの衛星の動きを追従するように指示する。アンテナが衛星の現在の場所を追従することにより、衛星がアップリンク局の見える所にある限り、衛星にナビゲーション情報および補正情報を伝送できる。さらに、これは、補正情報および/またはナビゲーション情報を全地球的に提供するために、地球を周回する衛星に補正情報を提供できることを保証する。詳細には、アップリンク局は、単一衛星がアンテナの見える所にある、および/または規定されたスケジュールに従ってアップリンク局が一方の衛星から別の衛星に通信を切り替える限り、この衛星と通信することを提供する。詳細には、補正情報および/またはナビゲーション情報を全地球的に提供するために、全地球/地球にわたり分布している複数のアップリンク局を使用することを提供する。
【0031】
別の好ましい実施形態によれば、ナビゲーション情報および/または補正情報を暗号化することを提供する。暗号化を使用することにより、有利には、提供された補正情報は、信頼できる情報源に由来することを保証できるようになる。好ましくは、暗号化を制御でき、その結果、ナビゲーション情報および/または補正情報の提供は、アクセスレベルに応じてユーザに別個に提供できる。
【0032】
さらに、好ましくは、50を超え、好ましくは75を超え、最も好ましくは100を超える基準局が存在することを提供する。その結果、1つの衛星のナビゲーション信号を受信する少なくとも5つの基準局、好ましくは10を超える基準局、最も好ましくは15を超える基準局を提供できる。これは、補正情報の精度にプラスの効果を及ぼし、補正情報は、基準局の数が増大すると共に改善できる。
【0033】
本発明の別の様態は、-複数の基準局で衛星から生データを受信し、-リアル・タイム・データ・ストリームを、詳細には共通データストリームを使用して、中央計算ユニットに、詳細には単一中央計算ユニットに基準局で受信した生データを転送し、-異なる基準局から提供された、または受信した生データに基づき、計算ユニットで補正情報を決定し、-移動受信機の場所を決定するために、少なくとも1つの衛星および/または地上通信手段を介して受信機に補正情報を転送するために構成された複数の基準局および中央計算ユニット、詳細にはホット冗長性(hot redundancy)の単一中央計算ユニットである。
補正情報を提供するための方法に関連して記述する特徴および利益は、複数の基準局および中央計算ユニットに同じように適用され、逆もまた同様である。詳細には、用語「ホット冗長性」は、好ましくは当業者にとって、システムの故障またはエラーの場合にバック・アップ・システムを直ちに使用することを意味する。たとえば、バック・アップ・システムは、最新の有効な補正情報を備える。詳細には、衛星と通信するための通信チャネルの帯域幅がすべての補正情報を移送するには制限されすぎているとき、地上通信手段を使用する。その後、衛星を介して移動受信機に補正情報を移送することもまた考えられる。
【0034】
本発明の別の様態は、世界中の移動ユーザの受信機に補正情報メッセージを分配するために、いくつかの宇宙船からなる全地球的ナビゲーション衛星システムを使用することである。
【0035】
補正情報を提供するための方法に関連して記述する特徴および利益は、複数の基準局、中央計算ユニット、および/または移動ユーザの受信機に同じように適用され、逆もまた同様である。
【0036】
本発明の別の様態は、ソフトウェア製品および/またはネットワークであり、ソフトウェア製品は、本発明による方法を実装するためのプログラムコードを備える。補正情報を提供するための方法に関連して記述する特徴および利益は、ソフトウェアおよび/またはネットワークに同じように適用され、逆もまた同様である。
【0037】
本発明の他の様態は、安全性およびセキュリティに関する要件が高いアプリケーションで補正情報を使用することであり、高い要件については、信頼できる情報源が補正情報を伝送した受信機で検証できるようにするために、補正情報を認証する必要がある。
【0038】
認証アーキテクチャおよび認証処理は、補正情報が、信用できる情報源に由来すること、および補正メッセージの内容、タイミング、またはシーケンスが修正されなかったことを、資格のあるユーザが検証可能にする。増大した情報の完全性は保証される。認証データを最適化するために、選ばれたアーキテクチャおよび処理は、計算費用およびエンド・ツー・エンド待ち時間を軽減する。認証データまた、補正機構を組み込んで、伝送エラーおよびメッセージ損失を相殺しなければならない。
【0039】
これまで明示的に記述していない場合は、個々の実施形態、または個々の実施形態の個々の様態および特徴は、組合せまたは交換が本発明の観点から意味があるときはいつでも、記述する本発明の範囲を限定または拡張することなく、互いにそのように組み合わせ、または交換することが可能である。本発明の一実施形態に関して記述する利点はまた、適用可能な場合はいつでも、本発明の他の実施形態の利点でもある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1の好ましい実施形態による、クロック補正を提供するための方法の第1の部分を概略的に例示する。
図2】本発明の第1の好ましい実施形態による、クロック補正を提供するための方法の第2の部分を概略的に例示する。
図3図1および図2による方法を例示する流れ図を概略的に示す。
図4】本発明の第2の好ましい実施形態による、生データの妥当さ検査を例示する流れ図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1には、全地球航法衛星システム(GNSシステム)を使用することにより移動受信機5の位置を決定するための方法を例示する。
全地球航法衛星システムは、地球14の周りを周回する、いくつかの搬送波周波数で変調されたナビゲーション信号4を放出する衛星2を備える。移動ユニットおよび/または車両に組み込まれてよい移動ナビゲーションシステムなどの移動受信機5は、アンテナ6を介してナビゲーション信号4を受信する。受信したナビゲーション信号4は、移動受信機5の位置、詳細には実際の位置を決定するための生データを備える。受信したナビゲーション信号4を増幅する帯域フィルタおよび低雑音増幅器7にアンテナ6を接続する。帯域フィルタおよび低雑音増幅器7に、ならびに基準発振器9に接続された後続のダウンコンバータ8では、基準発振器9から得られる発振信号を使用して、受信したナビゲーション信号4をより低い周波数に変換する。
ダウンコンバートされたナビゲーション信号は、帯域通過およびサンプリングニット10を通過し、このユニットでは、アナログナビゲーション信号4をサンプリングする。次いで、サンプリングされたナビゲーション信号4を追跡ユニット11に渡し、追跡ユニット11では、ナビゲーション信号4、詳細には搬送波信号の位相、および/またはナビゲーション信号4に含まれるコード信号の遅延を追跡する。追跡ユニット11の次にバイアス減算ユニット12が続き、バイアス減算ユニット12では、搬送波信号の位相、およびコード信号から、位相および/またはコードバイアスを減算する。後続の位置推定ユニット13は、搬送波信号を処理することにより得た位相信号に基づき、かつコード信号に基づき、ナビゲーション機器5の実際の位置を決定する。最後に、位置推定結果をモニタ機器14に表示できる。
【0042】
移動受信機5は、受信したGNS信号4を使用して、擬似距離および搬送波位相測定値を生成し、粗い衛星位置、クロックオフセット、および信号バイアスを包含するナビゲーションデータを復号する。追加で、移動受信機5は、GNS信号4のサブセットについて、追跡された衛星2のサブセットから配布された補正データ情報20を復号する。次いで、粗いナビゲーションデータと組み合わせて正確な補正データを使用して、擬似距離および搬送波位相測定値を正確にモデル化して、大気遅延に関して補正する。正確にモデル化された観測値により、移動受信機は、PPPを使用して位置の、詳細には実際の位置の正確な推定値を計算可能になる。
【0043】
図2には基準局15を例示する。これらの基準局15は、全地球14に分布し、自身のアンテナ6によりナビゲーション信号4を受信する。基準局15は、基準局15の位置が既知であるということだけではなく、多数の基準局がGNS衛星からナビゲーション信号を受信しているという事実を使用することにより、補正情報20を決定するために使用する、観測可能な生データを生成する。
【0044】
ローカル基地局と、補正データを分配するために数km近傍にある移動受信機へのリンクとを必要とするリアル・タイム・キネマティック(RTK)解決手段とは対照的に、PPP(Precise Point Positioning)技法は、全地球的に、したがって、ローカル基地局、および移動受信機との直接無線リンクなしに作動する。この場合、衛星軌道およびクロック、オフセット誤差、イオン圏の遅延、対流圏の遅延、コードバイアス、ならびに/または位相バイアスに関する補正を考慮する補正情報20を、衛星に基づくリンクまたは地上リンクを介して移動受信機5に伝送する。
【0045】
補正情報20を決定するために、少なくとも1つの基準局15により1組のいくつかの衛星2の生データを受信することを提供する。さらに、別の1組の衛星2または同じ1組の衛星2から生データを受信する基準局15が追加で存在する。さらに、受信した生データを、好ましくはデータストリーム18の形で中央計算ユニット30に転送することを提供する。詳細には、データストリーム18に含まれる生データを、ある種の基準局15にそれぞれ割り当てる。
【0046】
好ましくは、対応する基準局15に割り当てられた生データを、データストリーム18で、詳細には共通データストリームで、異なる基準局15から得られた他の生データと一緒に中央計算ユニット30に転送する。中央計算ユニット30は、詳細には衛星2ごとに個々に補正情報20を決定するように構成されたプロセッサを備える。
【0047】
図3に例示するように、決定され、詳細には算出され、認証された補正情報20を少なくとも1つの衛星2を介して中央計算ユニット30から移動受信機5に伝送する。たとえば、補正情報20を含む補正信号22を少なくとも1つの衛星2を介して移動受信機5に伝送するように、アップリンク局21で補正情報をアップリンクで送信する。好ましくは、いくつかの衛星2は、詳細には移動受信機5に利用できるすべての衛星は、対応する補正情報20を移動受信機5に提供する。
【0048】
図4には、本発明の第2の好ましい実施形態による、生データの妥当さ検査を例示する流れ図を示す。中央計算ユニット30で受信したデータストリーム18に含まれる生データが間違って参照または割り当てられる一定の確率が存在する。これは、補正情報20を決定する際に誤差を生じさせ、その後、移動受信機5の位置を決定する精度に影響を及ぼす。補正情報を決定するため、不正な生データを考慮することを回避するために、詳細にはデータストリーム18の1組の生データごとに、中央計算局30で妥当さ検査を遂行する。
妥当さ検査を遂行するために、好ましくは、ある種の基準局15に割り当てられた生データを使用して、生データに基づき前記ある種の基準局15の位置を決定すること(38)を提供する。さらに、好ましくは、決定された基準局15の位置を、保存された前記基準局15の地理的情報などの、詳細には前記基準局15の地理的位置などの基準値35と比較する(39)。生データに基づき決定された基準局15の位置と地理的位置の差がしきい値よりも大きい場合、補正情報20の決定からこの基準局15の生データを除外する(40)。好ましくは、データストリーム18からこの生データを抽出し/取り除き、警告を生成する。
【符号の説明】
【0049】
2 衛星
4 ナビゲーション信号
5 移動受信機
6 アンテナ
7 帯域フィルタおよび低雑音増幅器
8 ダウンコンバータ
9 基準発振器
10 帯域通過およびサンプリングユニット
11 追跡ユニット
12 減算ユニット
13 推定ユニット
14 全地球
15 基準局
18 データストリーム
20 補正情報
21 アップリンク局
22 補正信号
30 中央計算ユニット
35 基準値
38 ある種の基準局の位置の決定
39 比較する/比較した
40 除外する/除外された
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】