(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】回転式医療装置のドライブシャフトに軌道運動を生じさせるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021519157
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(85)【翻訳文提出日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 US2019055118
(87)【国際公開番号】W WO2020076771
(87)【国際公開日】2020-04-16
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508132034
【氏名又は名称】カーディオバスキュラー システムズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CARDIOVASCULAR SYSTEMS, INC.
【住所又は居所原語表記】1225 Old Highway 8 NW St. Paul MN 55112 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンス,ジョセフ・ピィ
(72)【発明者】
【氏名】アイシャーズ,カイラ・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF21
4C160MM33
(57)【要約】
高速回転中に静止直径よりも大きな作動直径を実現することを可能にする装置、方法、およびシステムが記載される。各種実施形態は、影響を受けるドライブシャフトの部分の質量中心をドライブシャフトの回転軸から遠ざかるように径方向にシフトさせる、回転ドライブシャフトの構造的変形を含む。結果としてドライブシャフトの高速回転は軌道運動を生じさせる。いくつかの局面は、ドライブシャフトに沿って1つ以上のワイヤ巻線または糸の中の1つ以上の離隔位置により密度が高いプラグを挿入または組み込むことを含む。1つ以上の糸は、その他の糸よりも密度が高い部分を含み得る。好ましくは半円断面形状を有する可撓性ストリップを、内腔内のドライブシャフトの内面に固定することで、質量を増し質量中心の位置に影響を与える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されたドライブシャフトに作動的にかつ回転するように接続された原動機を有する回転式医療装置であって、前記ドライブシャフトは、
2つ以上のワイヤ糸からなる構成を含み、
前記2つ以上の糸のうちの1つは、前記ドライブシャフトの残りの糸よりも密度が高い材料を含む、回転式医療装置。
【請求項2】
前記残りの糸よりも密度が高い材料は、前記糸の全長に沿って延びていない、請求項1に記載の回転式医療装置。
【請求項3】
前記ドライブシャフトの少なくとも一部は研削材料でコーティングされている、請求項1に記載の回転式医療装置。
【請求項4】
同心研削要素をさらに含み、前記同心研削要素は、前記ドライブシャフトに装着され、高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されている、請求項1に記載の回転式医療装置。
【請求項5】
高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合された2つ以上の糸で構成されたドライブシャフトに作動的にかつ回転するように接続された原動機を有する回転式医療装置であって、前記ドライブシャフトは、
前記ドライブシャフトの糸の内部の位置に挿入されたまたは組み込まれた質量体を含む、回転式医療装置。
【請求項6】
前記ドライブシャフトの1つまたは2つ以上の糸の中の離隔位置に挿入されたまたは組み込まれた2つ以上の質量体をさらに含む、請求項5に記載の回転式医療装置。
【請求項7】
前記離隔位置は長手方向および/または回転方向の間隔を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記離隔位置は長手方向の間隔を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記離隔位置は同一の長手方向面において整列している、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ドライブシャフトの糸の少なくとも一部の外面上の研削コーティングをさらに含む、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
同心研削要素をさらに含み、前記同心研削要素は、前記ドライブシャフトに装着され、高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されている、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
2つ以上の糸で構成され高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されたドライブシャフトに、作動的にかつ回転するように接続された原動機を有する、回転式医療装置であって、前記回転式医療装置は、
前記ドライブシャフトによって画定された内腔の一部に挿入され前記ドライブシャフトの内壁に固定された可撓性ストリップを備え、前記可撓性ストリップは、半円形の長手方向断面形状と、質量と、長さとを有する、回転式医療装置。
【請求項13】
前記ドライブシャフトの糸の少なくとも外面上の研削コーティングをさらに含む、請求項12に記載の回転式医療装置。
【請求項14】
同心研削要素をさらに含み、前記同心研削要素は、前記ドライブシャフトに装着され、高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されている、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記ドライブシャフトの1つまたは2つ以上の糸の中の離隔位置に挿入されたまたは組み込まれた1つ以上の質量体をさらに含む、請求項12に記載の回転式医療装置。
【請求項16】
前記離隔位置は長手方向および/または回転方向の間隔を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記離隔位置は長手方向の間隔を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記離隔位置は同一の長手方向面において整列している、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
長さを有する可撓性ドライブシャフトに作動的にかつ回転するように接続された原動機を含む回転式医療装置であって、前記ドライブシャフトは、
前記ドライブシャフトの長さの距離の少なくとも一部にわたって延びる非円形の径方向断面の輪郭を含む、回転式医療装置。
【請求項20】
前記非円形の径方向断面の輪郭は、楕円、卵形、および正方形からなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の回転式医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者
ジョセフ・P・ヒギンス、米国民、ミネソタ州ミネトンカ在住
カイラ・J・アイシャーズ、米国民、ミネソタ州ミネアポリス在住
関連出願の相互参照
本願は、2019年10月7日に出願されDEVICES AND METHODS FOR GENERATING ORBITAL MOTION IN DRIVE SHAFTS FOR ROTATIONAL MEDICAL DEVICESと題された米国実用特許出願第16/594834号に基づく優先権を主張するとともに、2018年10月8日に出願されORBITAL MOTION WITH PREFORMED ROTATIONAL DRIVE SHAFT FOR ROTATIONAL MEDICAL DEVICESと題された米国仮特許出願第62/742658号に基づく利益を主張し、これらの全体を本明細書に引用により援用する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究または開発の記載
該当なし
【背景技術】
【0003】
発明の背景
発明の分野
本発明は、軌道アテレクトミー装置およびシステムを含むがこれらに限定されない回転式医療装置に使用されるドライブシャフトに関する。
【0004】
関連技術の説明
回転式医療装置には、高回転速度で回転するドライブシャフトが必要である。回転式アテレクトミー装置の場合、研削要素がドライブシャフトに追加されることが知られており、この研削要素の質量中心はドライブシャフトの長手方向軸から径方向にオフセットされているので、高速回転中に軌道運動が実現される。軌道運動の特徴のうちの1つは、高速回転中に研削要素が実現する作動直径(working diameter)がこの研削要素の静止直径(resting diameter)よりも大きいことである。これら周知のシステムにおいて、径方向にオフセットされた質量中心を有する研削要素を「偏心している」と言う。質量中心が径方向にオフセットされているという意味での偏心は、研削要素を幾何学的に非対称にすること、研削要素をドライブシャフトに対して非対称に装着すること、および/または対称な研削要素の質量中心を、たとえば高密度材料プラグを研削要素に挿入するおよび/または研削要素の材料の一部を取り除くことにより、実現することができる。
【0005】
図1は、その長さにそって対称であるドライブシャフト20を含む先行技術の装置100を示す。対称かつ同心のバー(burr)12がドライブシャフト20の遠位端に装着され、バー12はドライブシャフト20の回転軸A上に位置する質量中心Cを有する。ドライブシャフトは、カテーテル13の内腔内で移動し、近位端において、ハンドル10内に位置する原動機に接続される。示されているガイドワイヤ15は、ドライブシャフト20の内腔を通りバー12によって画定される内腔を通って移動する。この場合、非対称性も偏心も存在しないので、病変のような非対称な物体に衝突して摂動しない限り、結果としてドライブシャフト20は軌道回転運動を実現しない。したがって、ドライブシャフトおよびバーの静止直径は、高速回転中の摂動していないドライブシャフトおよびバーの作動直径と事実上同一である。
【0006】
図2および
図3に示されるように、この技術は進化してドライブシャフトの拡大された研削コーティング部分を形成し、このドライブシャフトのワイヤ巻線は当該技術で周知の成形マンドレルによって伸長されている。ドライブシャフトの拡大部分が対称かつ同心の場合、質量中心はドライブシャフトの回転軸に位置することになり軌道運動は生じない。これに代えて、ドライブシャフトの拡大部分が非対称かつ偏心の場合、質量中心はドライブシャフトの回転軸から径方向に離隔している。後者の偏心は、偏心拡大ドライブシャフト部分の軌道運動を生じさせ、拡大部分が辿る作動直径はその静止直径よりも大きい。
【0007】
このように、
図1と同様に
図2も、ハンドル10と、細長い可撓性ドライブシャフト20と、ハンドル10から遠位方向に延びる細長いカテーテル13とを示す。拡大径部分28は、ドライブシャフト20のワイヤ巻線で形成されている。ドライブシャフト20は、螺旋状に巻き付けられたワイヤ巻線で形成または構成されている。当該技術では周知のように、ドライブシャフト20は、当該技術では周知の1層の螺旋巻きワイヤまたは2層の螺旋巻きワイヤ巻線または糸を含み得る。いくつかの場合において2層のワイヤ巻線の実施形態が反対方向に巻かれたコイルを含んでいてもよく、他の場合において2層のワイヤ巻線または糸が同一方向に巻かれていてもよい。このような実施形態はすべて本発明の範囲に含まれる。
【0008】
図2はさらに、ガイドワイヤ15と、冷却および/または潤滑液を導入するための流体供給ライン17とを示す。一対の光ケーブル25を設けることによって回転速度をモニタリングしてもよく、ハンドルはドライブシャフトを前進および/または後退させるための制御つまみ11を含み得る。
【0009】
図3は、
図2の拡大ドライブシャフト部分28の一実施形態の破断斜視図である。ここでは、ドライブシャフト20の拡大されたワイヤ巻線または糸41を、ドライブシャフトに接着された具体例としての研削コーティング24と同様に、見ることができる。先に述べたように、拡大部分28の質量中心が回転軸Aの上にあるので同心であり高速回転中に軌道運動を生じさせるように適合されていない場合がある。これに代えて、拡大部分28の質量中心は、ドライブシャフト20の回転軸Aから径方向に離隔していることで、高速回転中の軌道運動を実現するように適合されてもよい。
【0010】
図4は、当該技術では周知の別の代替例を示し、この例ではクラウン28Aがドライブシャフト20に装着されている。示されているクラウン28Aは偏心しているおよび/またはドライブシャフト28Aに偏心した状態で装着されることにより、ドライブシャフト20の回転軸Aから径方向に離隔した場所にある質量中心Cをもたらす。
図3および
図4に関連して先に述べた偏心実施形態と同様、偏心クラウン28Aは、ドライブシャフト20の高速回転中、軌道運動するよう促され、回転中に辿るその作動直径はその静止直径よりも大きい。当業者が理解するように、質量中心Cの位置は、要素の数を変更することによって操作することが可能であり、これは、クラウン28Aの中に中空チャンバ30を設けることを含むがそれに限定される訳ではない。中空チャンバ30を設ける場合、その大きさおよび/または形状を変えることによって質量中心Cの位置を操作することができる。
【0011】
最後の具体例としての先行技術の実施形態が
図5に示されており、軌道運動を生じさせる望ましい偏心は、ドライブシャフト20の予め湾曲させた部分28Bによって与えられる。この構成は、予め湾曲させた部分、および、図示のような研削コーティングであってもよく装着されたバーまたはクラウンであってもよい付随する研削部分24の質量中心Cを、ドライブシャフト20の回転軸Aから径方向に離隔した場所にする。結果として、このドライブシャフト20の高速回転により、研削部分24が辿る作動直径はその静止直径よりも大きくなる。
【0012】
図6は、先行技術のドライブシャフト20のワイヤ巻線または糸41およびその中に画定された内腔Lの断面図を示す。概ね、この先行技術の装置は回転軸を中心として対称かつ同心であり、そのため、ドライブシャフトの長さに沿ういずれかの点にある質量中心Cは、ドライブシャフトの回転軸A上に位置し、何もなければ軌道運動は誘導または実現されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
軌道運動を実現するためのメカニズムを、偏心研削要素またはその他の上記先行技術の手段を含むまたは必要とすることなく提供することが望ましいであろう。よって、このようなシステムにおいて、ドライブシャフト20およびワイヤ巻線または糸41が研削材でコーティングされているのであれば、研削要素はなくてもよく、クラウンまたはバーのような研削要素がある場合は「偏心」である必要もなく、実際、研削要素があるのであれば同心でなくてもよい。
【0014】
本発明の各種実施形態は、これらの、特に問題に対処している。
さらに、以下の特許および出願の開示を提供する。これらの特許および出願の各々は、Cardiovascular Systems, Inc.に譲渡され、その全体を本明細書に援用し、各々が、本明細書に開示される主題の各種実施形態に使用し得るシステム、方法および/または装置を含み得る。
【0015】
米国特許第9,468,457号「ATHERECTOMY DEVICE WITH ECCENTRIC CROWN」
米国特許第9,439,674号「ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH EXCHANGEABLE DRIVE SHAFT AND MESHING GEARS」
米国特許第9,220,529号「ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH ELECTRIC MOTOR」
米国特許第9,119,661号「ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH ELECTRIC MOTOR」
米国特許第9,119,660号「ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH ELECTRIC MOTOR」
米国特許第9,078,692号「ROTATIONAL ATHERECTOMY SYSTEM」
米国特許第6,295,712号「ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE」
米国特許第6,494,890号「ECCENTRIC ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE」
米国特許第6,132,444号「ECCENTRIC DRIVE SHAFT FOR ATHERECTOMY DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURE」
米国特許第6,638,288号「ECCENTRIC DRIVE SHAFT FOR ATHERECTOMY DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURE」
米国特許第5,314,438号「ABRASIVE DRIVE SHAFT DEVICE FOR ROTATIONAL ATHERECTOMY」
米国特許第6,217,595号「ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE」
米国特許第5,554,163号「ATHERECTOMY DEVICE」
米国特許第7,507,245号「ROTATIONAL ANGIOPLASTY DEVICE WITH ABRASIVE CROWN」
米国特許第6,129,734号「ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH RADIALLY EXPANDABLE PRIME MOVER COUPLING」
米国特許出願第11/761,128号「ECCENTRIC ABRADING HEAD FOR HIGH-SPEED ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICES」
米国特許出願第11/767,725号「SYSTEM, APPARATUS AND METHOD FOR OPENING AN OCCLUDED LESION」
米国特許出願第12/130,083号「ECCENTRIC ABRADING ELEMENT FOR HIGH-SPEED ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICES」
米国特許出願第12/363,914号「MULTI-MATERIAL ABRADING HEAD FOR ATHERECTOMY DEVICES HAVING LATERALLY DISPLACED CENTER OF MASS」
米国特許出願第12/578,222号「ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH PRE-CURVED DRIVE SHAFT」
米国特許出願第12/130,024号「ECCENTRIC ABRADING AND CUTTING HEAD FOR HIGH-SPEED ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICES」
米国特許出願第12/580,590号「ECCENTRIC ABRADING AND CUTTING HEAD FOR HIGH-SPEED ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICES」
米国特許出願第29/298,320号「ROTATIONAL ATHERECTOMY ABRASIVE CROWN」
米国特許出願第29/297,122号「ROTATIONAL ATHERECTOMY ABRASIVE CROWN」
米国特許出願第12/466,130号「BIDIRECTIONAL EXPANDABLE HEAD FOR ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE」、および
米国特許出願第12/388,703号「ROTATIONAL ATHERECTOMY SEGMENTED ABRADING HEAD AND METHOD TO IMPROVE ABRADING EFFICIENCY」。
【0016】
発明の簡単な概要
高速回転中に静止直径よりも大きな作動直径を実現することを可能にする装置、方法、およびシステムが記載される。各種実施形態は、影響を受けるドライブシャフトの部分の質量中心をドライブシャフトの回転軸から遠ざかるように径方向にシフトさせる、回転ドライブシャフトの構造的変形を含む。結果としてドライブシャフトの高速回転は軌道運動を生じさせる。いくつかの局面は、ドライブシャフトに沿って1つ以上のワイヤ巻線または糸の中の1つ以上の離隔位置にプラグを挿入または組み込むことを含む。1つ以上の糸は、その他の糸よりも密度が高い部分を含み得る。好ましくは半円断面形状を有する可撓性ストリップを、内腔内のドライブシャフトの内面に固定することで、質量を増し質量中心の位置に影響を与えることができる。
【0017】
以下の図面および詳細な説明は、本発明のこれらおよびその他の実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図6】先行技術のドライブシャフトをガイドワイヤとともに示す断面図である。
【
図9C】本発明の一実施形態の、回転方向に離隔している質量中心の概略端面図である。
【
図11A】具体例としての円形の物体の抗力係数を示す図である。
【
図11B】具体例としての正方形の物体の抗力係数(「C
D」)を示す図である。
【
図11C】具体例としての傾斜した正方形またはダイヤモンド形状の物体の抗力係数(「C
D」)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は各種修正形および代替形が可能であるが、その具体的事項は例示のために図面に示され本明細書で詳述される。しかしながら、記載されている特定の実施形態に本発明を限定することを意図しているのではない。反対に、本発明の精神および範囲に含まれるすべての変更、均等物および代替形を網羅することを意図している。
【0020】
回転式アテレクトミーシステムのような回転式医療装置の回転ドライブシャフトの各種実施形態が提供される。各実施形態は、装着された研削要素からではなくドライブシャフトと一体化された特徴物から得られる軌道運動を発生させる。
【0021】
最初に、本明細書で使用され本明細書によって定義される、「偏心」という用語およびその変形は、(1)ドライブシャフトの幾何学的中心とこのドライブシャフトの回転中心との差、または(2)ドライブシャフトの質量中心の位置とこのドライブシャフトの回転軸の位置との差を意味すると理解される必要がある。
【0022】
加えて、本明細書で使用され本明細書によって定義される、「軌道運動」という用語は、軌道を描いて回る要素、たとえばドライブシャフトが、その静止直径よりも大きな作動直径を実現することを意味し、この軌道運動は、ドライブシャフトの上にもしくは中にもしくはそれに沿って偏心状態で装着されることで、特定の実施形態ではドライブシャフトのワイヤ巻線もしくは糸の中にもしくはそれに沿ってもしくはその上に組み込まれることで、発生する。結果として得られる、軌道運動中のドライブシャフトの動きを、予測可能でカスタマイズ可能な長さおよび形状の定在波と呼ぶこともできる。
【0023】
次に
図7A~
図9Bを参照して、本発明の一局面の実施形態は、一般的に、少なくとも1つの非研削質量体Mを含み、これは、ドライブシャフト20のワイヤ巻線または糸41の中におよび/またはそれに沿って組み込まれることで、影響を受けるドライブシャフト20の部分の質量中心を、ドライブシャフト20の回転軸から径方向に離隔するように移動させる。そうすると、高速回転中に軌道運動が発生し、ドライブシャフト20が実現する作動直径はその静止直径よりも大きくなる。影響を受けるドライブシャフトの部分の遠位および/または近位点において、残りのドライブシャフトの部分は質量体(複数の質量体)Mの影響を受けていないので、概ね、作動直径がドライブシャフトの静止直径とほぼ等しくなるように回転する。
【0024】
加えて、非研削質量体Mをシャフトの断面にまたは断面に沿って組み込むことにより、シャフトはスピンするときに揺動する。この揺動は、軌道運動中に実現される拡大経路とは異なるが同時に発生する可能性があり、特に小径の動脈の場合は流体の媒体を動脈の周りに循環させてアテレクトミー装置をこの動脈またはその他の導管を中心として軌道を描いて回るようにするのに、十分であろう。軌道を描いて回るおよび/または揺動するドライブシャフトの部分の一部は研削コーティングを含み得る。
【0025】
さらに、軌道運動および/または揺動は、ドライブシャフトの中またはドライブシャフトに沿う質量体Mによって引き起こされるので、別の同心研削要素を、ドライブシャフトの軌道運動部分および/または揺動部分に作動的に接続してもよい。質量体Mがなければ、同心研削要素は、スピンする際に軌道運動または揺動しない。しかしながら、質量体Mは、
図2および
図3に関連して述べたように同心研削要素の軌道運動を生じさせることができる。先に述べたように、この構造の、偏心研削要素に対する利点は、特定のケースにおいて、特に直径が極めて小さい導管の場合、曲がりくねった脈管構造をより簡単に横断することを含むが、これに限定されない。
【0026】
このように、上記実施形態の利点は、内腔の軌道または軌道運動を維持するために偏心クラウンは必要ではない点である。このことは、治療を、非常に小さな動脈に、または治療のアクセス部位に小型の導入器が必要な場所に適用するのに、特に適していることを、意味する。
【0027】
図7A~
図7Cは、ワイヤ巻線または糸41の1箇所に装着された1つの質量体Mを含む具体例としての実施形態を示す。先に述べたように、質量体Mはワイヤ巻線または糸41の上またはそれに沿って固定してもよい。このことは、質量体Mをワイヤ巻線または糸41の外部にまたは内部に(すなわちドライブシャフト内腔内に)装着または固定し得ることを意味する。これに代えて、質量体Mを、1箇所においてワイヤ巻線または糸41の中に組み込んでもよい。
図9Aに示されるように、質量体Mの影響を受けるワイヤ巻線または糸41の一部またはすべて、すなわち軌道運動を実現するドライブシャフト20の部分は、研削材でコーティングすることができる。
図7Bは、
図7Aのドライブシャフト20の端面図であり、質量体Mを固定したまたは組み込んだ位置により、質量中心Cの位置がドライブシャフトの回転軸Aから径方向にオフセットしていることを示す。
図7Cは、質量体Mの存在の影響を受けていないドライブシャフト20の断面または部分を示す、すなわち、質量中心Cは軸Aの中心に沿っているので、軌道運動または揺動しない。このように、
図7Cは、ドライブシャフト20の回転軸Aおよび質量中心Cが同一場所を占めることを示している、すなわち、質量中心Cは影響を受けない部分の長さにわたる回転軸上にある。
図7Cの影響を受けない部分は、
図7Bの影響を受ける部分よりも近位側および/または遠位側に位置することができる。
【0028】
図8Aは、2つ以上の質量体Mがドライブシャフトのワイヤ巻線または糸41の上にまたはその中にまたはそれに沿って固定されている点を除いて、
図7Aと同様である。例示されているケースにおいて、3つのこのような質量体M1、M2およびM3が、相互に間隔を空けた関係で設けられ、概ね同一の長手方向面に沿っており、回転軸Aを見下ろしたときにこれらの部分の間に回転角度はない。影響を受けていない部分は
図7Aに記載のものと同一である。
図8Bは、結果として生じた質量中心C1、C2、C3の位置が、ドライブシャフトの名目上の中心回転軸Aから径方向にオフセットされ、長手方向において実質的に整列しており、質量体M1、M2およびM3が整列しているのでその位置と位置とを分離する回転角度がないことを、示している。
【0029】
図9Aは上記実施形態の変形を示しており、質量体M1、M2、M3はドライブシャフトのワイヤ巻線または糸41の上にまたはそれに沿ってまたはその中に組み込まれ、長手方向において間隔を空けた位置にあり、回転軸Aを見下ろしたときにM1~M2(α)、M1~M3(β)およびM2~M3(μ)の位置を分離する回転角度α、β、およびμによって回転方向に間隔が空けられている。加えて、図示のように、質量体M1~M3の影響を受けるワイヤ巻線または糸41のうちの一部またはすべてが研削材を含み得る。
図9Bは、離隔された質量体M1~M3の各々が相対的に径方向にオフセットされていることを示し、さらに、回転軸Aを見下ろしたときにその間に径方向の角度および/または間隔があることを示している。
【0030】
すべての場合において、質量体Mは、質量体Mが挿入または組み込まれているワイヤ巻線または糸41の密度よりも高い密度を有するインサートを含み得る。これは、ワイヤ巻線または糸41の密度よりも高い密度を有する、平滑で非常に薄い輪郭を有するノードである。
【0031】
質量体Mに加えて、同心研削要素を、ドライブシャフト20の影響を受ける部分のうちの1つ以上に設けることにより、同心研削要素の軌道運動を可能にしてもよい。
【0032】
オフセットさせる質量体Mは、上記軌道運動を生じさせて維持するのに十分であるかもしれないが、1つ以上の追加要素をシャフトに沿って配置することにより、揺動および/または軌道運動および/またはドライブシャフト20の影響を受ける部分に沿った定在波の形成を、促進してもよい。上記1つ以上の要素は同心であっても偏心していてもよく、同心は、幾何学的対称性を含むことおよび/または質量中心が要素の幾何学的中心に位置することであると定義され、偏心は、幾何学的非対称性を含むことおよび/または質量中心が要素の幾何学的中心から離れて位置するまたは間隔が置かれていることであると定義される。上記1つ以上の要素は、研削用または非研削用とすることができ、一般的に、軌道運動を生じさせるオフセット部分に位置していてもよく、そこから離れていてもよい。
【0033】
たとえば、質量体を有する可撓性ストリップ50を、1つ以上のワイヤ巻線または糸41に適用または接着または固定することにより、ドライブシャフトのその領域に偏心を生じさせてもよい。
図10Aおよび
図10Bに示されるように、可撓性ストリップ10を、ドライブシャフトのワイヤ巻線または糸41の内側の上に固定することにより、そこに画定された内腔Lの面積をその場所で小さくすることができる。図示のように、可撓性ストリップ50は、長さを有し、長手方向断面において図示のように半円形を有することにより、それに沿って移動および/または回転する円形ガイドワイヤ15を収容するように相補面を形成することができる。可撓性ストリップ50は、単独で使用するかまたは上記質量体Mと組み合わせて使用することにより、ドライブシャフト20の、影響を受ける部分のサイズおよび形状の軌道運動/定在波および/または揺動を生じさせることができる。
【0034】
図示のように、可撓性ストリップ50を半円形にすることで、質量中心を回転軸Aから径方向に離隔するように移動させる。これに代えて、可撓性ストリップ50は、内腔Lの内部を取囲むまたは裏張りする円形インサートを含んでいてもよいが、可撓性ストリップ50の一部をその他の部分よりも高密度にするまたは大きく重いものにすることにより、所望の質量偏心を提供し結果として径方向にオフセットされた質量中心を提供する。
【0035】
上記構造によってドライブシャフト20上に生じる定在波は、典型的にはほぼ平坦なまたは螺旋形状を有するものとして観察される。質量体(複数の質量体)Mおよび/または可撓性ストリップは、定在波の形状および/または長さの選択を可能にすることになる設計パラメータを含み得る。たとえば、
一定の周方向位置、
螺旋または軌道運動と同一方向にスピンする周方向螺旋、および、
螺旋または軌道運動と反対方向にスピンする周方向螺旋または軌道は、すべて、本発明の実施形態を用いることで実現できる。
【0036】
ドライブシャフト(20)の揺動または軌道運動/定在波を生じさせる別の実施形態は、マルチ糸シャフト20を含み、糸41は典型的にはステンレス鋼で作られる。ここで、ドライブシャフト20の長さの少なくとも一部に沿って、1つ以上の糸41を、具体例としてのステンレス鋼糸よりも相対的に密度が高い糸41、たとえばタングステンと置換することにより、ドライブシャフトのこの部分の質量中心Cを、回転軸Aから径方向に離隔するように移動させることができる。これに代えておよび/またはこれに加えて、残りの糸41の少なくとも一部または長さの少なくともいくつかを、ドライブシャフト20の長さの少なくとも一部に沿って、残りの糸41よりも密度が低い材料で置き換えてもよい。
【0037】
回転ドライブシャフトを要する、具体例としてのアテレクトミーまたはその他の組織もしくは材料除去処置の間に、生じた材料、粒子、および/または破片を、上記クラウンまたはバーまたは研削コーティング、または組織カッターもしくはマセレータを含み得る研削領域から取り除くことが重要である。
【0038】
よって、いくつかの実施形態は、ドライブシャフトの糸41の巻き方向を利用することにより、ドライブシャフト20に沿って配置された研削クラウンまたはその他の研削部分に向けてまたはそこから遠ざかるように流体を駆動してもよい。ドライブシャフトの糸41の巻き方向に応じて、そのスピン方向を、スピン中に糸41が「開いて」流体を前方または後方に駆動するように、調整することが可能である。これは、オーガー(auger)(螺旋穴あけ)と同様であり、オーガースクリュー(grain auger)またはアルキメディアン・スクリュー(Archimedes screw)と同様のメカニズムである。同じく、ドライブシャフトの糸41のワイヤ巻線を、意図的に伸長させて熱硬化させるまたは溶着させることにより、同じ目的のために糸41の間の隙間を維持することが可能である。
【0039】
これに代えて、特徴物を、ドライブシャフト20上に配置または固定して、流体を特定方向に、典型的には切削または浸漬軟化または研削領域から遠ざかる方向に駆動するよう機能するようにしてもよい。いくつかの実施形態において、このような特徴物は、乱流の発生と圧力勾配の変化によって最終的に流体を指定方向に回転させそれによって流れをクラウンに向けてまたはクラウンから遠ざかるように導く「渦流生成器(vortex generator)」Vを含み得るものであり、また、そうでなければドライブシャフトの比較的平滑な長手方向の輪郭を乱すノードを含み得る。このような渦流生成器Vはドライブシャフトに装着または固定してもよい。これに代えて、ドライブシャフト20の少なくとも一部を渦流生成器Vの形状にしてもよい。
図11A~
図11Cに示されるように、静止している円形断面を有するドライブシャフト20、および、向きが異なる2つの正方形のシャフトのそれぞれの端面図における抗力係数が、それぞれが矢印で示される流入する流体と(点線で示される)回転中の流体の流れとともに、示されている。抗力係数を高める数多くの断面形状または表面処理が存在する。非円形断面形状は、楕円、卵形、および、角度が90度の尖った角または平滑な丸みのある角を有する正方形を含めた正方形を、含み得る。それ以外の非円形断面形状は、当業者には明らかであり本発明の範囲に含まれる。
【0040】
したがって、ドライブシャフト20の長さの少なくとも一部分に沿う円形でない長手方向の輪郭を有するドライブシャフト20を実現することにより、シャフトの抗力係数を高め、それによって得られる、切除、浸漬軟化または研削領域から遠ざかる流体の流れを最大にし、結果として材料および/または破片を運ぶことができる。
【0041】
この、円形でない長手方向の輪郭を有する回転ドライブシャフト20は、抗力係数を増大させることにより、
1.流体をより効果的に攪拌して循環させる、および/または
2.循環している流体によってより効果的に押し出されて軌道を描いて回る。
【0042】
実施形態の説明および本明細書に記載の実施形態の用途は、例示であると理解されるべきものであって、本開示の範囲を限定することを意図する訳ではない。本開示の範囲の中で各種実施形態の特徴を他の実施形態および/または特徴と組み合わせてもよい。本開示を検討すれば、本明細書に開示されている実施形態の変形および修正形が可能であり、実施形態の各種要素の代替要素および均等要素は、当業者によって理解され当業者には明らかになるであろう。本明細書に開示される実施形態のこのような変形および修正形は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく行うことができる。したがって、当業者には明らかになるであろうすべての代替形、変形、修正形は、本開示の範囲に含まれると考えられる。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されたドライブシャフトに動作において回転するように接続された原動機を有する回転式医療装置であって、前記ドライブシャフトは、
2つ以上のワイヤ糸からなる構成を含み、
前記2つ以上の糸のうちの1つは、前記ドライブシャフトの残りの糸よりも密度が高い材料を含む、回転式医療装置。
【請求項2】
前記残りの糸よりも密度が高い材料は、前記糸の全長に沿って延びていない、請求項1に記載の回転式医療装置。
【請求項3】
前記ドライブシャフトの少なくとも一部は研削材料でコーティングされている、請求項1に記載の回転式医療装置。
【請求項4】
同心研削要素をさらに含み、前記同心研削要素は、前記ドライブシャフトに装着され、高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されている、請求項1に記載の回転式医療装置。
【請求項5】
前記ドライブシャフトの糸の内部の位置に挿入されたまたは組み込まれた質量部分を
さらに含む、
請求項1に記載の回転式医療装置。
【請求項6】
前記ドライブシャフトの1つまたは2つ以上の糸の中の離隔位置に挿入されたまたは組み込まれた2つ以上の質量部分をさらに含む、請求項5に記載の回転式医療装置。
【請求項7】
前記離隔位置は長手方向および/または回転方向の間隔を含む、請求項6に記載の
回転式医療装置。
【請求項8】
前記離隔位置は長手方向の間隔を含む、請求項6に記載の
回転式医療装置。
【請求項9】
前記離隔位置は同一の長手方向面において整列している、請求項8に記載の
回転式医療装置。
【請求項10】
前記ドライブシャフトの糸の少なくとも一部の外面上の研削コーティングをさらに含む、請求項7に記載の
回転式医療装置。
【請求項11】
同心研削要素をさらに含み、前記同心研削要素は、前記ドライブシャフトに装着され、高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されている、請求項7に記載の
回転式医療装置。
【請求項12】
前記ドライブシャフトによって画定された内腔の一部に挿入され前記ドライブシャフトの内壁に固定された可撓性ストリップを
さらに備え、前記可撓性ストリップは、半円形の長手方向断面形状と、質量部分と、長さとを有する、
請求項1に記載の回転式医療装置。
【請求項13】
同心研削要素をさらに含み、前記同心研削要素は、前記ドライブシャフトに装着され、高速回転中にその静止直径よりも大きな作動直径を実現するように適合されている、請求項12に記載の回転式医療装置。
【請求項14】
前記ドライブシャフトの1つまたは2つ以上の糸の中の離隔位置に挿入されたまたは組み込まれた1つ以上の質量部分をさらに含む、請求項12に記載の
回転式医療装置。
【請求項15】
前記
離隔位置は長手方向および/または回転方向の間隔を含む、請求項
14に記載
の装置。
【請求項16】
前記離隔位置は長手方
向の間隔を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記離隔位置は
同一の長手方向面において整列している、請求項
16に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
図4は、当該技術では周知の別の代替例を示し、この例ではクラウン28Aがドライブシャフト20に装着されている。示されているクラウン28Aは偏心しているおよび/またはドライブシャフト
20に偏心した状態で装着されることにより、ドライブシャフト20の回転軸Aから径方向に離隔した場所にある質量中心Cをもたらす。
図3および
図4に関連して先に述べた偏心実施形態と同様、偏心クラウン28Aは、ドライブシャフト20の高速回転中、軌道運動するよう促され、回転中に辿るその作動直径はその静止直径よりも大きい。当業者が理解するように、質量中心Cの位置は、要素の数を変更することによって操作することが可能であり、これは、クラウン28Aの中に中空チャンバ30を設けることを含むがそれに限定される訳ではない。中空チャンバ30を設ける場合、その大きさおよび/または形状を変えることによって質量中心Cの位置を操作することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
たとえば、質量体を有する可撓性ストリップ50を、1つ以上のワイヤ巻線または糸41に適用または接着または固定することにより、ドライブシャフトのその領域に偏心を生じさせてもよい。
図10Aおよび
図10Bに示されるように、可撓性ストリップ
50を、ドライブシャフトのワイヤ巻線または糸41の内側の上に固定することにより、そこに画定された内腔Lの面積をその場所で小さくすることができる。図示のように、可撓性ストリップ50は、長さを有し、長手方向断面において図示のように半円形を有することにより、それに沿って移動および/または回転する円形ガイドワイヤ15を収容するように相補面を形成することができる。可撓性ストリップ50は、単独で使用するかまたは上記質量体Mと組み合わせて使用することにより、ドライブシャフト20の、影響を受ける部分のサイズおよび形状の軌道運動/定在波および/または揺動を生じさせることができる。
【国際調査報告】