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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】自動化資産管理及び計画
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220105BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021519545
(86)(22)【出願日】2019-10-09
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 US2019055470
(87)【国際公開番号】W WO2020077005
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】62/743,477
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/743,483
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/743,485
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/365,522
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/365,466
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/858,266
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520370094
【氏名又は名称】フラクタ
【氏名又は名称原語表記】Fracta
(74)【代理人】
【識別番号】100076185
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】吉川 大地
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ヨンヤン
(72)【発明者】
【氏名】川路 友博
(72)【発明者】
【氏名】ウェンガーテン, ジョエル
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】 配管交換プロジェクトの自動化又はコンピュータ援助された計画策定のためのシステム及び方法が、各々が割り当てられ又は計算された破損リスクパラメータを有している配管セグメントのデータベースをサーチすることを包含している。そのサーチアルゴリズムは、顧客が特定したプロジェクト寸法内に該当する接続された配管セグメントを探し出し、且つ比較的高い結合された高い破損リスクを有する潜在的なプロジェクトを識別する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互接続され管理される資産のネットワークを改良するためのプロジェクトを計画する方法において、
複数個の該管理される資産の各々に対する計算された破損リスク値であって少なくとも10個の異なる値を包含する範囲から選択される該破損リスク値をコンピュータシステムによって受け取り、及び
前記複数個の資産を介してサーチし且つ複数個の潜在的な改良プロジェクトを発生する、
ことを包含しており、該潜在的な改良プロジェクトの各々が複数個の該相互接続され管理される資産を包含しており、該潜在的な改良プロジェクトを発生させることが該潜在的な改良プロジェクト内に含まれている該管理される資産の各々の該破損リスク値に少なくとも部分的に基づいている、方法。
【請求項2】
該破損リスク値が破損の蓋然性を表す値を包含している請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記破損の蓋然性を表す値が破損百分率の確率である請求項2記載の方法。
【請求項4】
該破損リスク値が破損の結末を表す値を包含している請求項1記載の方法。
【請求項5】
該破損リスク値がビジネスリスクエクスポージャを表す値を包含している請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記複数個の資産を事前処理して前記複数個の資産の減少した組を発生し、且つ前記サーチが前記減少した組を介してのサーチを包含している請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記事前処理が、一層短い資産を一層長い資産へ合体させること、サーチするに値しない資産のグループを排除すること、単一の相互接続のみを有しており且つ低破損リスク値を有している資産を排除すること、及び類似した破損リスク値を有している資産を合体させること、からなるグループから選択した一つ又はそれ以上を包含している請求項6記載の方法。
【請求項8】
更に、該潜在的なプロジェクトの該複数個の該相互接続され管理される資産へ接続されている一つの管理される資産を該潜在的なプロジェクトの少なくとも一つへ付加するために前記複数個の潜在的な改良プロジェクトを事後処理することを包含している請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記付加することが、該付加されるべき管理される資産の破損リスク値に基づいており及び/又は該潜在的な改良プロジェクトの結合した破損リスク値が該管理される資産を付加することにより増加したか又は減少したかに基づくものである請求項8記載の方法。
【請求項10】
更に、2個又はそれ以上の潜在的改良プロジェクトを単一の潜在的改良プロジェクトへ合体させるために前記複数個の潜在的改良プロジェクトを事後処理することを包含している請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記相互接続され管理される資産が直線的なセグメントである請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記直線的なセグメントが配管セグメントであり且つ前記潜在的な改良プロジェクトが潜在的な配管交換プロジェクトである請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記直線的なセグメントが配管セグメントであり且つ前記潜在的な改良プロジェクトが、配管交換、配管修復、配管検査、漏洩検知、及び配管状態評価、からなるグループから選択される一つ又はそれ以上のタイプを包含している請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記配管セグメントが消費者へ水を送給するためのネットワークを形成している請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記配管セグメントが清水、排水、リサイクル水、汽水、暴風雨水、海水、飲料水、蒸気、圧縮空気、油、及び天然ガスからなるグループから選択されたタイプの流体を送給する構成とされている請求項13記載の方法。
【請求項16】
更に、該複数個の潜在的な改良プロジェクトをグラフィカルユーザインターフェース上に表示させ、且つ
該潜在的な改良プロジェクトの一つ又はそれ以上に対するユーザからの選択又は修正を受け取る、
ことを包含している請求項1記載の方法。
【請求項17】
更に、各々が一つ又はそれ以上の潜在的な改良プロジェクトを包含している潜在的な改良プロジェクト計画をグラフィカルユーザインターフェース上に表示させ、且つ
該プロジェクト計画を編集すること、該プロジェクト計画を比較すること、該プロジェクト計画を合体すること、及び該プロジェクト計画を分割すること、からなるグループから選択した一つ又はそれ以上に対するユーザからの選択を受け取る、
ことを包含している請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記表示がマップビューを包含している請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記表示がテーブルビューを包含している請求項17記載の方法。
【請求項20】
相互接続され管理される資産からなるネットワークを改良するためのプロジェクトを計画するシステムにおいて、
複数個の該管理される資産の各々に対する計算された破損リスク値であって少なくとも10個の異なる値を包含している範囲から選択される該破損リスク値を格納するデータベース、及び
前記複数個の資産を介して自動的にサーチし且つ複数個の潜在的な管理プロジェクトを発生する構成とされている処理システム、
を有しており、該潜在的な改良プロジェクトの各々が複数個の該相互接続され管理される
資産を包含しており、該潜在的な改良プロジェクトの発生が該潜在的な改良プロジェクト内に包含されている該管理される資産の各々の該破損リスク値に少なくとも部分的に基づいている、システム。
【請求項21】
該破損リスク値が破損の蓋然性、破損の結末、又はビジネスリスクエクスポージャを表す値を包含している請求項20記載のシステム。
【請求項22】
該破損リスク値が百分率値として表現される破損の蓋然性を表す値を包含している請求項20記載のシステム。
【請求項23】
前記相互接続され且つ管理される資産が消費者へ水を供給するネットワークを形成する直線的な配管セグメントであり且つ前記潜在的な改良プロジェクトが潜在的な配管交換プロジェクトである請求項20記載のシステム。
【請求項24】
前記相互接続され管理される資産が、清水、排水、リサイクル水、汽水、暴風雨水、海水、飲料水、蒸気、圧縮空気、油、及び天然ガスからなるグループから選択されたタイプの流体を送給する構成とされている配管セグメントである請求項20記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、以下の米国非仮、国際特許出願、及び米国仮特許出願の各々の優先権を主張する。
【0002】
米国仮出願番号62/743,477号、2018年10月9日出願;
米国仮出願番号62/743,483号、2018年10月9日出願;
米国仮出願番号62/743,485号、2018年10月9日出願;
米国特許出願番号16/365,466号、2019年3月26日出願;
米国特許出願番号16/365,522号、2019年3月26日出願;
国際特許出願番号PCT/US19/24139号、2019年3月26日出願;
国際特許出願番号PCT/US19/24141号、2019年3月26日出願;
米国仮出願番号62/858,266号、2019年6月6日出願。
【0003】
本出願は、上記8件の特許出願、及びそれらが直接的に又は間接的に引用により取り込んでいる米国仮出願、米国非仮出願、及び国際出願を含む出願の各々を引用により本書に取り込む
本特許出願は、以下の米国非仮、国際特許出願、及び米国仮特許出願と関連しており且つそれらを引用により本書に取り込む。
【0004】
米国仮出願番号62/649,085号、2018年3月28日出願;
米国仮出願番号62/658,189号、2018年4月16日出願;
米国仮出願番号62/671,601号、2018年5月15日出願;
米国特許出願番号16/597,774号、2019年10月9日出願(代理人ドケット番号Fracta-008-US);
米国特許出願番号16/597,691号、2019年10月9日出願(代理人ドケット番号Fracta-009-US);
国際特許出願番号PCT/US19/55465、2019年10月9日出願(代理人ドケット番号Fracta-009-PCT)。
【0005】
上記仮及び非仮特許出願の全ては、本書において、「共通に譲渡され組み込まれた出願」として集合的に引用する。
【0006】
本特許出願は、概略、資産管理及び計画用の自動化システム及び自動化方法に関するものである。より詳細には、消費者へ流体を送給する地中配管(パイプ)のネットワークに対する修復及び交換作業の資産管理及び計画のための自動化システム及び自動化方法に関するものである。
【背景技術】
【0007】
米国のみにおける水道配管の内の百万マイルを超えるものが耐用年数に到達しており交換の必要性がある。次の25年にわたって、成長する人口に対して現在のレベルのサービスを維持するためには少なくとも1兆ドルの投資が必要である。その問題を無視することは一層高い修復コストとなり且つサービス中断の増大となる。
【0008】
米国において、約50,000社の水道事業会社(ユーティリティ)は制限された予算のためにそれら全てを交換するための資源を有するものではない。全ての期限切れの配管
を交換することは不可能であるから、期限切れであるが健全な配管を戦略的に将来に交換することとしながら、最悪状態にある配管の交換の優先付けを行うことが重要である。
【0009】
ユーティリティ会社が立案した交換計画はかなり不正確なものであり且つ多くの場合に有用なものではない。ユーティリティ会社が立案した簡単なモデルでは、更なる寿命年数を有するであろうような配管の浪費的な交換を招来している。次の25年にわたり、このことは数百万ドルの無駄な消費となるものと思われる。
【0010】
配管の種々のセグメントを交換するための計画されたプロジェクト又は作業に到達する場合に、損傷リスクの何らかの格付けに基づいて各配管セグメントに対して何らかの種類の1乃至5の「スコア」又はカラーコード(例えば、5種類の色)を割り当てる(例えば、漏洩のリスクが最も高いに対して赤色を使用)ことがユーティリティ会社にとって一般的である。配管セグメントは長さが様々であり、且つ建設プロジェクトは種々の基準(例えば、予算、コスト、及び労働及び装置の入手可能性、政治上、社会的、及び環境的要因等のその他の考慮事項)に依存して最小及び最大プロジェクト寸法の範囲を有している。従って、或る作業及びプロジェクトは、殆ど全てが、多数の接続されている配管セグメントを交換することを包含している。一般的に、一人の人間又は複数の人間のチームが割り当てられたスコア又はカラーを有する配管セグメントを検討して、そのプロジェクト寸法目標に適した配管セグメントの最良の組み合わせを決定しようとする。マニュアルを検討して「目分量で測り(eye balling)」且つ「パターンをピッキングする(pattern picking)」この方法は骨が折れる退屈なものであるばかりか、一貫性が無く不正確な結果となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
幾つかの実施例によれば、相互接続され且つ管理されている資産のネットワークを改良するプロジェクトを計画するための方法が記載される。該方法は、複数個の該管理されている資産の各々に対して計算された破損リスク値であって少なくとも10個の異なる値を包含する範囲から選択した該破損リスク値をコンピュータシステムによって受け取り;且つ該複数個の資産を介してサーチを行い且つ複数個の潜在的改良プロジェクトであってその各々が複数個の該相互接続され且つ管理されている資産を包含している該複数個の潜在的改良プロジェクトを発生することを包含しており、該潜在的改良プロジェクトを発生させることが、該潜在的改良プロジェクト内に包含されている該管理されている資産の各々の該破損リスト値に少なくとも部分的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
幾つかの実施例によれば、該破損リスク値は、破損の蓋然性を表す値を包含しており、且つ該値は破損確率の百分率として表すことが可能である。幾つかの実施例によれば、該破損リスク値は、破損の結末及び/又はビジネスリスク露見を表す値も包含することが可能である。
【0013】
幾つかの実施例によれば、本方法は、更に、事前処理を包含することが可能である。該事前処理は、より短い資産をより長い資産へ合体させ、サーチすることに値しない資産のグループを排除し、単一の相互接続のみを有しており且つ低い破損リスク値を有している資産を排除し、及び/又は同様の破損リスク値を有する資産を合体させる、ことを包含することが可能である。
【0014】
幾つかの実施例によれば、本方法は、更に、潜在的なプロジェクトに対して付加的な接続され管理されている資産を付加するための事後処理を包含することが可能である。該付加することは、付加すべき該管理されている資産の破損リスク値、及び/又は、該潜在的改良プロジェクトに対する結合破損リスク値が該管理されている資産を付加することによって増加したか又は減少したかのいずれかに基づくものとすることが可能である。該事後処理は、又、2個又はそれ以上の潜在的改良プロジェクトを単一の潜在的改良プロジェクトへ合体させることも可能である。
【0015】
幾つかの実施例によれば、該相互接続され管理されている資産は配管セグメント等の線形セグメントであり且つ該潜在的改良プロジェクトは、配管交換プロジェクト、配管リハビリテーションプロジェクト、配管検査プロジェクト、漏洩検知プロジェクト、及び/又は配管状態評価プロジェクト、とすることが可能である。該配管セグメントは、消費者へ水を供給するためのネットワークを形成することが可能である。幾つかの実施例によれば、該配管セグメントは、清水、排水、リサイクル水、汽水、暴風雨水、海水、飲料水、蒸気、圧縮空気、油、及び/又は天然ガス、等の流体を送給する構成とされる。
【0016】
幾つかの実施例によれば、本方法は、該複数個の潜在的改良プロジェクトをグラフィカルユーザインターフェース上に表示させること、及びユーザから該潜在的改良プロジェクトの内の一つ又はそれ以上の選択又はそれに対する修正を受け取ることを包含することも可能である。
【0017】
幾つかの実施例によれば、本方法は、各々が一つ又はそれ以上の潜在的改良プロジェクトを包含している複数の潜在的改良プロジェクト計画をグラフィカルユーザインターフェース(例えば、マップビュー及び/又はテーブルビュー)上に表示させること、及び該プロジェクト計画を編集し、該プロジェクト計画を比較し、該プロジェクト計画を合体し、及び/又は該プロジェクト計画を分割することに関するユーザからの命令を受け取ること、を包含することも可能である。
【0018】
幾つかの実施例によれば、相互接続されている資産のネットワークを改良するためのプロジェクトを計画するためのシステムが記載される。本システムは、複数個の管理されている資産の各々に対しての計算された破損リスク値であって少なくとも10個の異なる値を包含する範囲から選択した該破損リスク値を格納するデータベース、及び該複数個の資産を介して自動的にサーチを行い且つ複数個の潜在的改良プロジェクトであって各々が複数個の該相互接続されており管理されている資産を包含している該複数個の潜在的改良プロジェクトを発生すべく構成されている処理システム、を有しており、潜在的改良プロジェクトの発生が該潜在的改良プロジェクトに包含されている該管理されている資産の各々の破損リスク値に少なくとも部分的に基づくものである。
【0019】
本書において使用されるように、「及び(and)」、「又は(or)」、及び「及び/又は(and/or)」の分法的接続詞は、全て、それらが接続する目的又は主体が発生するか又は存在することがある場合の内の一つ又はそれ以上を表すことを意図したものである。この様に、本書において使用されるように、全ての場合における「又は(or)」という用語は「排他的又は(exclusive or)」の意味ではなく「包括的又は(inclusive or)」を表している。
【0020】
本特許出願の要旨の上記及びその他の利点及び特徴を更に明らかにするために、添付の図面においてはその実施例の特定例が例示されている。一つの図面中に例示されている要素又は部品は別の図面に例示されている同等又は同様の要素又は部品の代わりに使用することが可能であること、及びこれらの図面は単に例示的な実施例を図示するに過ぎないものであり、従って本特許明細書又は特許請求の範囲の範囲を制限するものであると考えるべきものではないことを理解すべきである。本件の要旨は添付の図面の使用を介して付加的な特定性及び詳細について記載され且つ説明されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】幾つかの実施例に基づくジョブプランナーシステムの概念図。
図2】幾つかの実施例に基づく、ジョブプランナープラットフォームの機能及び作業の流れの幾つかを例示している概略図。
図3】幾つかの実施例に基づく、ジョブプランナーの第1プロジェクト発生ステージにおけるユーザーインターフェースの側面を例示している概略図。
図4】幾つかの実施例に基づく、ジョブプランナーによるプロジェクト結果の発生を表示しているユーザインターフェースを例示している概略図。
図5】幾つかの実施例に基づく、プロジェクトプールのテーブルビューを表示しているユーザインターフェースを例示している概略図。
図6】幾つかの実施例に基づく、プロジェクトプールにおける特定のプロジェクトのより詳細なビューを表示しているユーザインタフェースを例示している概略図。
図7】幾つかの実施例に基づく、管理計画用のマップビューを表示しているユーザインターフェースを例示している概略図。
図8】幾つかの実施例に基づく、管理用のテーブルビューを表示しているユーザインターフェースを例示している概略図。
図9】(A)及び(B)は、幾つかの実施例に基づく、ジョブ計画サーチプロセスを高速化するために一層長い配管セグメントを形成するために一層短い配管セグメントを合体することを例示している各概略図。
図10】(A)乃至(C)は、幾つかの実施例に基づく、考慮中の3つの異なる可能な配管交換ジョブを例示している各概略図。
図11】(A)乃至(C)は、幾つかの実施例に基づく、ジョブ計画用のサーチアルゴリズムに対する或るスキームの側面を例示している各概略図。
図12】(A)及び(B)は、幾つかの実施例に基づく、ジョブ計画エンジン用のキャシュアルゴリズムの側面を例示している各概略図。
図13】高いスコアで配管へ接続されている結果的に得られるプロジェクトの1例を例示している概略図。
図14】その他の結果的に得られるプロジェクトの次の結果的に得られるプロジェクトの1例を例示している概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好適実施例の幾つかの例の詳細な説明を以下に与える。幾つかの実施例を記載するが、本特許明細書において記載される新規な要旨はここに記載されるいずれか一つの実施例又は実施例の組み合わせに制限されるべきものではなく、その代わりに、多数の代替例、修正例、及び均等物を包含するものであることに注意すべきである。更に、完全なる理解を与えるために以下の記載においては種々の特定的な詳細について記載するが、これらの詳細の幾つか又は全て無しで幾つかの実施例を実施することが可能なものである。更に、説明の便宜上、ここに記載する新規な要旨を不必要にぼかすことを回避するために、関連技術において知られている或る技術的事項についての説明は割愛する。ここに記載する特定の実施例の一つ又は幾つかの個別的な特徴は、他の記載した実施例の特徴又はその他の特徴と結合して使用することが可能であることは明らかである。更に、種々の図面における同様の参照番号及び記号は同様の要素を表すものである。
【0023】
幾つかの実施例に基づき、水道事業(ユーティリティ)会社によるジョブ計画システム及び方法について説明する。このジョブ計画技術は、資産管理計画を効率的に立案し且つ既存の配管リスクデータから発生される情報を使用してそのインパクトを可視化させるために使用することが可能である。そのジョブプランナーはリスク情報を緩和活動に接続させる中央ハブとして作用することが可能である。この様に、該ジョブプランナーは、破損の蓋然性(LOF)及びビジネスリクエクスポージャー(BRE)解析等の従来技術のリスク情報を梃入れすることが可能である。LOFを計算することに関する更なる情報については、同時係属中の米国特許出願番号16/365,466号及び国際特許出願番号PCT/US19/24139号を参照すると良く、これらの両方共2019年3月26日付けで出願されており、以後「同時係属中のLOF出願」として参照し、且つ本書に引用により取り込む。そこに記載されているジョブプランナー技術を、配管リスク管理のストリームラインワークフロー及びグラフィック情報システム(GIS)に関するスクリーンを苦労して手作業でレビューすることを介しての「目分量で測り(eye balling)」且つ「パターンをピッキングする(pattern picking)」ことからの不一致を取り除くために使用することが可能である。COFを計算することに関する更なる情報については、2019年10月9日付けで出願した同時係属中の米国特許出願番号16/597,691号(代理人ドケット番号Fracta-009-US)、及び2019年10月9日付けで出願した国際特許出願番号PCT/US19/55365号(代理人ドケット番号Fracta-009-PCT)を参照すると良く、これらは今後「同時係属中のCOF出願」として参照し且つ引用により本書に取り込む。記載されるジョブプランナー技術は、水道事業会社職員からの最小の努力でリスクを基礎としたプロジェクトを好適なサイズに「パッケージ」化させることが可能である。これらのプロジェクトは、配管交換用の終点ガイドラインとしてか、又は水道事業会社の既存のリスク管理緩和手段及び方策を継ぎ目なく統合する、目標とする物理的条件評価に対する入口点のいずれかとして使用することが可能である。
【0024】
各ユーティリティは、資産管理計画に対するプロジェクトを選択する独特のチャレンジと方法とを有している。従って、ゴールに向けられたワークフローを採用して、記載されるジョブ計画システム及び方法は、水道事業計画者が高リスクの水道本管をカバーするプロジェクトを特定のニーズに適合して迅速に発生させることを可能とする。
【0025】
記載されるジョブ計画システム及び方法は、多様な作業に対して合理的な寸法とさせた本管交換プロジェクトを最適化させ、新たな開発プロジェクトについて大型化することを必要とする本管を同定し、同期させた本管交換に対する来るべき舗装計画と調整し、及び廃止すべき本管資材を特定する、ことが可能である。
【0026】
本書において使用されるように、以下の用語は以下の意味を有している。「LOF」:目標資産の破損の蓋然性又は確率(殆どの場合に百分率又はスコアが使用されるが、その代替として、破損又は破損比の推定数を使用することが可能である)。「COF」:目標資産の破損の結末(スコア又はドル額等の金額値を使用することが可能である)。「BRE」:ビジネスリスクエクスポージャーであって、通常LOF×COFとして定義されてLOF及びCOFから派生される(その結果的に得られる値はスコア、金額値、等とすることが可能である)。「プロジェクト(project)」:一組の管理するための複数の資産であって、以後、「ジョブ(job)」と「プロジェクト」とは交換可能に使用される。「ジョブプランナー(job planner)」:各資産と関連するLOF,BRE等の幾つかの値に基づいて自動的にプロジェクトを発生するためのツール。「GIS」:地理情報システム。「計画(plan)」:一組の複数のプロジェクト。LOF/COF/BRE「ランク(rank)」:ソーティングしたLOF/COF/BREによって割り当てられたコホート、即ち集団、のランクで、各コホートのサイズ即ち寸法は同じではない場合がある。「資産連鎖(asset linkages)」:複数の資産の地理的連鎖。「サーチ空間(searching space)」:ジョブプランナーによって考慮される一組の資産(該サーチ空間が該ジョブプランナーが取るよりも一層大きい場合には、プロジェクトを発生するのに比較的長い時間がかかり且つその逆も真である)。「スコア(score)」:LOF、COF、BRE等の値を意味する。
【0027】
図1は、幾つかの実施例に基づくジョブプランナーシステムの概念図である。ステップ110において、評価するために幾つかのスコアと関連する資産データがジョブプランナーエンジン100内にインポートされる。図示されている資産データ102の例は、多数の配管セグメントに対するLOF、BRE、及びLOFランクである。ステップ112において、ジョブプランナーエンジンが構成され(幾つかの例示的な構成パラメータ104が示されている)、且つ該ジョブプランナーエンジンが「ラン(run)」、即ち稼働される。ステップ114において、その結果プロジェクト106が得られる。ステップ116において、プロジェクト106が(所望により)プロジェクトプール108へ付加される。ステップ118において、プロジェクトを該プロジェクトプールへ/から付加及び/又は移動させることによってプラン即ち計画を作成及び/又は編集する。図示したものは計画例120である。
【0028】
幾つかの実施例によれば、ユーザは発生されたプロジェクトを手作業で編集することが可能である。例えば、ユーザは或るプロジェクトへ/から配管セグメントを付加及び/又は除去することが可能である。ユーザは該プロジェクトプールにおけるサイズ及び/又は属性によってプロジェクトをソーティングし且つフィルターすることが可能である。例えば、ユーザは、サイズによってプロジェクトをソーティングすることが可能であり、及び/又は鋳鉄からなる配管を含むプロジェクトを抽出することが可能である。ユーザは、csv、シェイプファイル、又はgpkg等の均等な形式を含む種々の形式でプロジェクト及び計画をダウンロードすることが可能である。
【0029】
図2は、幾つかの実施例に基づく、ジョブプランナープラットフォームの機能及びワークフローの幾つかを例示している概略図である。該ジョブプランナーのワークフローは3つの主要なステージで説明することが可能である。
【0030】
ステージ1-プロジェクト発生(210):ユーティリティのリスク管理目的に基づいて個々のプロジェクトを作成。このステージにおける特定的なステップも概略図200内に包含されている。このステージは、潜在的なビジネスリスクを一層効率的に且つ効果的に取り組むためにそのユーティリティに対して適切なサイズであるプロジェクトをユーザが作成することを可能とさせる。
【0031】
ステージ2-プロジェクトプールをビュー(212):このステージは、特定の資産管理計画のために選択される前にユーザが一群のプロジェクトを管理することを可能とさせる。このステージにおける特定の機能も概略図200内に包含されている。プロジェクトレポジトリー、即ち貯蔵庫、であるので、このステージは、プロジェクト候補に対する「駐車」サイトを提供すると共にユーザが次のステージへ移行する前に個々のプロジェクトを潜在的に洗練化することを可能とさせる。
【0032】
ステージ3-管理計画(214):ジョブプランナーステージの最高レベルで、このレベルは特定の目標に向けて調整された個別的な資産管理計画をユーザが作成することを可能とする。このステージにおける特定の機能も概略図200内に包含されている。このステージは、分析及び制御のレベルにおいて最も柔軟性を与えており、該ユーティリティの全体的な様子及び各プロジェクトからの詳細な情報の立ち位置を失うこと無しに、ユーザが複数個の計画、異なるリスク管理目標を同時に管理することを可能とさせる。
【0033】
以下の部分は、幾つかの実施例に基づき、ジョブプランナー内における各ステージにおいて提供される機能の更なる詳細を与えるものである。
【0034】
ステージ1-プロジェクト発生。この第1ステージは、ジョブプランナーの礎である。底部レイヤーとして、それは、プロジェクトを発生し且つ空のプロジェクトプールをポピュレートさせる、即ち、プロジェクトプールに加える、ためにジョブプランナーの新しいユーザに対してのランディングページとして作用する。
【0035】
図3は、幾つかの実施例に基づく、ジョブプランナーの第1プロジェクト発生ステージにおけるユーザインターフェースの側面を例示している概略図である。このステージは、ユーティリティの特定の目的に関連性のある最小の入力でユーザがプロジェクトを定義することを可能とさせる。該インターフェースのマップセクション310は、LOF、COF、BRE及び配管属性データを含むユーザの好みに基づく関連性のあるリスク情報及び配管情報を示している。幾つかの実施例によれば、赤色、オレンジ色、黄色、ライトブルー及びダークブルー等のカラー即ち色を、マップセクション310における種々の配管セグメントに対する5つの異なるレベルのリスク情報を示すために使用することが可能である。幾つかの実施例によれば、そのカラーコーディングは配管長さの百分率に従って割り当てることが可能である。一つの例は次の通りである。最も高いLOFを有する配管長さは赤色に色付けし;次に一層高いLOFを有する配管長さの3%-10%の間はオレンジ色に色付けし;次に一層高いLOFを有する配管長の10%-25%の間は黄色に色付けし;次に一層高いLOFを有する配管長の25%-50%の間はライトブルーに色付けし;及び最も低いLOFを有する配管長の50%はダークブルーに色付けする。
【0036】
幾つかの実施例によれば、ユーティリティプランナーが成長するプロジェクトプールへ付加させることが可能な新たな組のプロジェクトを発生させるためには4つのステップがあり、即ち、(1)計画境界(Planning Boundary)の画定、(2)計画スコープ(Planning Scope)の画定、(3)計画基準(Planning Criteria)の画定、及び(4)プロジェクトサイズ(Project Size)の画定、である。
【0037】
ステップ1:計画境界の画定。セクション312において、ユーティリティプランナーはドローイングツールを介して計画境界を画定するか、又は局所的/オンラインに格納されているGIS情報をアップロードすることが可能である。その結果得られる計画境界はその名前によってプロバイダーのサーバー上に格納させることが可能であり、将来、所望により、ユーザーがそれを再使用することを可能とする。幾つかの実施例によれば、ユーザは、又、GIS情報をアップロードし且つプロジェクトを発生するために包含されるか又は排除されるべきエリアを識別することが可能である。例えば、ユーザは、配管交換又は復旧候補エリアに対して将来のストリート舗装プロジェクトの優先付け;少なくとも5年の間配管プロジェクトを可能とさせることの無いモラトリアム期間に対して既に完成している現在のストリート舗装プロジェクト;及び/又はリスク緩和考慮に基づく集中した配管交換/アップグレードを必要とする新たな開発エリア;に対するGIS情報をアップロードすることを所望する場合がある。幾つかの実施例によれば、カスタムリスクプロファイルはユーザによってアップロードされる場合がある。
【0038】
ステップ2:計画スコープの画定。セクション314において、ユーザは分析のために包含されるべき配管の目標量を特定する。水道ユーティリティにおけるパイプラインプランナーは、分析に包含されるべき配管の全長によって配管スコープを特定することを選択するか、又はその代わりに全ネットワークの百分率を使用することが可能である。その2つのフィールドは互いにリンクされており、従ってユーザがこれら2つのフィールドの内のいずれか一つにおいて変更を行うと、彼/彼女は全長及び全ネットワークの割合の両方においてそれがどのような意味であるかを理解する。
【0039】
ステップ3:計画基準の画定。幾つかの実施例によれば、セクション316において、顧客は既存の機械学習アルゴリズムを介して発生されたLOF及びBRE情報を利用することが可能である。顧客ユーティリティ会社に対して計算し且つ提供する場合の更なる詳細については、同時係属中のLOF出願を参照すると良い。ユーザがその配管に対しての破損の蓋然性に焦点をあてることを望む場合には、プロジェクト選択基準としてLOFを使用することが可能である。代替的に、ユーザがその配管セグメントの臨界性を説明するために金額化したビジネスリスクエクスポージャーを使用することを望む場合には、BRE情報をその代わりに選択することが可能である。
【0040】
幾つかの実施例によれば、ユーザは、所望により、自身のバージョンのリスク分析を利用することが可能である。この様な場合には、ユーザは、クリーン化した配管ネットワークへリンクさせることが可能な顧客リスク基準を包含するシェイプファイル又はテーブルをアップロードし且つプロジェクトを発生させるために顧客リスク基準を選択することが可能である。
【0041】
ステップ4:プロジェクトサイズの画定。公共ユーティリティは、時折、特定のプロジェクトサイズを念頭においてサードパーティ建設施工業者に対して配管作業を外注する。より多くの入札者を誘引するための動機を最大化させるために、そのプロジェクトは小さ過ぎず且つ大き過ぎないものであることが必要である。小さ過ぎる「ミニ」プロジェクトは、それが人員及び機器動員のコストをカバーできないので、施工業者が入札するのに最適なものではない。反対に、プロジェクトサイズが大きすぎる場合には、そのユーティリティと共に作業を行う施工業者の数を制限することによって集中化したリスクを発生させることとなる場合がある。従って、ビジネスリスクを減少させるためにユーティリティが最適なサイズのプロジェクトを選択することが可能であることが重要である。
【0042】
セクション318において、ユーザは最小及び最大の両方の長さの配管プロジェクトを定義することが可能である。更に、隣接するプロジェクトを合体させることを選択する場合には、最大ギャップをユーティリティによって定義させることが可能である。この合体機能性は将来における後のステージにおいて達成することも可能である。
【0043】
プロジェクト結果の発生。該プランナーがステージ1における上記4つのステップを完了する場合には、彼/彼女は最後に「ジョブプランナー稼働」ボタン320をクリックし、且つ、図4に示した如く、結果(新しいプロジェクト)を見ることが可能である。ステージ1の結果ページはステージ1とステージ2との間のブリッジとして作用する。
【0044】
図4は、幾つかの実施例に基づく、ジョブプランナーによるプロジェクト結果の発生を表示しているユーザインターフェースを例示している概略図である。ステージ1を介して発生された新たなプロジェクトが、テーブルセクション410とマップセクション412の両方に示されている。マップセクション412の背景は、結果的に得られたプロジェクトのユーザ分析/評価のためのアンカーポイントを与えるためにLOF、COF、BRE、又は配管属性等のユーザによって定義された異なるリスク基準を表示することが可能である。幾つかの実施例によれば、図3のマップセクション310におけるように、赤色、オレンジ色、黄色、ライトブルー、及びダークブルー等の色をリスク情報の5つの異なるレベルを示すために使用することが可能である。
【0045】
ユーザは、該結果から新たなプロジェクトを選択し且つそれらを、セクション420におけるテーブルからか又はマップセクション412からのいずれかからプロジェクトプールへ加えることが可能である。テーブルセクション420は、ユーザがマップセクション412上で選択をする場合に自動的にハイライトさせることが可能であり、且つその逆もまた真である。図示例においては、プロジェクト「PJ101」がユーザによって選択されており(例えば、マウスクリックを使用して)、且つテーブルセクション420上のPJ101用のエントリ及びマップセクション412上のPJ101マーカーの両方が、例えば、黄色でハイライトされている。
【0046】
特定のユーザが過去にそのジョブプランナープラットフォームを使用していた場合には、プロジェクトプールは既存のプロジェクトをテーブルセクション422とマップセクション412の両方に表示させることが可能である。幾つかの実施例によれば、新たなプロジェクトを既存のプロジェクトから区別するために異なる色及び/又は記号を使用することが可能である。新たに発生されたプロジェクトがプロジェクトプールへ加えられる場合には、異なる色及び/又は記号を使用してマーク付けが行われ、従ってユーザは該新たなプロジェクトをプロジェクトプールにおける新たなメンバーとして容易に識別することが可能である。この様にして、ユーザが後にこの様なプロジェクトを該プールから除去することを決めた場合には、このプロセス期間中にこの様なプロジェクトを選択することは容易である。
【0047】
最後に、ユーザは、ステージ1から出てジョブプランナー内のその他のステージへ移行する前に、変更をキャンセルするか又は保存することが可能である。既存のプロジェクトプールは、更なる分析及び洗練化のために、ユーザのローカルコンピュータへダウンロードさせることが可能である。幾つかの実施例によれば、ユーザは境界描写のために任意のタイプのGISシェイプファイルをアップロードさせることが可能である。
【0048】
ステージ2-プロジェクトプールのビュー。このステージは、ユーティリティプランナーがその資産管理計画のための潜在的なプロジェクト候補を管理する箇所である。このステージにおける主要な機能性は、プロジェクトを管理すること、プロジェクト詳細をビュー、即ち観察、し及び/又は編集すること、プロジェクトを比較すること、及びプロジェクトを合体/分割すること、を包含している。プロジェクトプールへ新たなプロジェクトを加えることは、ジョブプランナーを使用する新たなユーザの開始点である。この機能は、ステージ1を介して実現されるものであり、該ステージ1は、上述した如く、ステージ1の完了時においてステージ2への直接的なリンクを有している。
【0049】
図5は、幾つかの実施例に基づく、プロジェクトプールのテーブルビューを表示しているユーザインターフェースを例示している概略図である。
【0050】
プロジェクト管理。プロジェクトはテーブルビュー及びマップビューを介して管理することが可能である。図5に示したテーブルビューの下では、プロジェクトの要約が行内に与えられており、それは、プロジェクトID、配管資材、直径及び長さ、該プロジェクトと関連するリスクを包含している。マップビュー(不図示)の下では、プロジェクトプール内の全てのプロジェクトの相対的位置がユーザによってレビューされ且つ検査されることが可能である。ステージ1におけるマップビューのように、ユーザは、これらのプロジェクト候補の妥当性を評価する場合にアンカーポイントとして配管属性に対する種々のリスク要因から背景を選択することが可能である。ユーザは、又、上のテーブルビューに包含されている詳細情報を見るために該マップ内の個々のプロジェクト上をクリックすることが可能である。
【0051】
幾つかの実施例に基づいて、配管セグメントが交換されるプロジェクトの文脈において幾つかの例について説明したが、該ジョブプランナープラットフォーム内にはその他のタイプの改良プロジェクトを包含させることが可能である。該ジョブプランナー内に包含させることが可能なその他のタイプのプロジェクトの例としては、これらに限定するものではないが、パイプ修復、パイプ検査、漏洩検知、及び配管状態評価を包含する。一般的に、配管資産管理に関連する任意の侵襲的又は非侵襲的フィールドワークが一つのプロジェクト又は一つのプロジェクトの一部を形成することが可能である。図5の入力セクション510において、プロジェクトの「単価(Unit Cost)」はユーザによって設定することが可能である。この単価はプロジェクトのタイプに対する推定コストに依存してユーザによって入力されるべきものである。この単価は、又、図7及び8におけるスクリーンにおいて入力又は調整することが可能である。
【0052】
図6は、幾つかの実施例に基づく、プロジェクトプールにおける或る特定のプロジェクトの一層詳細なビューを表示しているユーザインターフェースを例示している概略図である。
【0053】
プロジェクト詳細のビュー/編集。ユーザは、プロジェクト詳細内へ一層深いレベルへ入り且つ配管セグメントレベルにおける単一プロジェクトと関連する更なる情報を検査する機会を有することが可能である。図6は、この様な「プロジェクト詳細」ビューのユーザインターフェースサンプルを示している。プロジェクトプールテーブル及びマップビュー内に表示されているプロジェクトレベル情報に加えて、プロジェクト詳細機能性はユーザが候補プロジェクト内の個別的な配管セグメントを検査することを可能とさせる。プロジェクトレベルからの配管属性情報及びリスクパラメータは各配管セグメントに対して別々に評価することが可能であり、従ってユーザはどのように各セグメントがそのプロジェクトのコスト及びシステムリスク減少に貢献しているかの明確な考えを有することが可能である。
【0054】
幾つかの実施例によれば、ユーザは、純粋なリスク分析から独立したユーザの自由裁量でそのプロジェクトに対して特定の変更を行うことが可能である。典型的な計画期間中、特定のプロジェクト選択だけがリスク要因のみに結び付けられているわけではない。従って、ユーザが配管の或るセクションを付加/除去することにより特定のプロジェクトを編集することを可能とすることは、より良く一層実際的なプロジェクトを作成するために必要な柔軟性を与える。
【0055】
プロジェクトの比較。プロジェクトプールビュー又はプロジェクト詳細ビューのいずれかを介して、ユーザは複数のプロジェクトのパラメータを比較するために複数のウィンドウを開くことが可能である。この機能性は単一ウィンドウにおいても与えることが可能である。
【0056】
プロジェクトの合体/分割。ステージ1において説明したように、ユーザは、それらの距離に基づいて複数のプロジェクトを合体させるか又は実際的な理由に基づいてプロジェクトを分割させることが可能である。
【0057】
幾つかの実施例によれば、プロジェクトプール及びプロジェクト要約情報は、更なる分析及び洗練化のためにユーザのローカルコンピュータへダウンロードさせることが可能である。幾つかの実施例によれば、ユーザは、配管属性(資材、年齢、直径等)及びリスク特性(LOF、COF、BRE)によってプール内のプロジェクトをソーティングし且つフィルターすることが可能であり、特定の資産管理目標をターゲットとしているプロジェクトを識別するためにユーザにとって一層便利なものとさせる。
【0058】
ステージ3-計画管理。このステージは、ユーティリティプランナーが、ビジネスリスク減少及び緩和を目的とした彼らの資産管理計画を作成、管理、及び修正することが可能なステージである。このステージにおける機能性は、計画を管理すること、計画をビュー即ち目読し且つ編集すること、複数の計画を比較すること、及び計画を合体/分割することを包含している。ジョブプランナーへの新たなユーザは、プロジェクトプールからプロジェクトを選択することによりその最初の資産管理計画を作成することが必要である。該システム内に既に複数の計画を有している既存のユーザも、既存の計画からコピーすることにより計画を作成することが可能である。
【0059】
幾つかの実施例によれば、ユーザは、そのプロジェクトが意味のあるものであることを確かなものとさせるために、ビジネスリスクエクスポージャ610を図6に示したインターフェース上のプロジェクトコスト612と容易に比較することが可能である。注意すべきことであるが、プロジェクトコスト612は、図5,7,8のセクション510においてユーザによって入力するか又は修正することが可能な単価と密接に関係している。
【0060】
図7は、幾つかの実施例に基づき、計画を管理するためのマップビューを表示しているユーザインターフェースを例示している概略図である。図8は、幾つかの実施例に基づき、管理するためのテーブルビューを表示しているユーザインターフェースを例示している概略図である。
【0061】
計画の管理。プロジェクトプールの管理と同様に、ユーザは、マップビュー(例えば、図7)又はテーブルビュー(例えば、図8)のいずれかを介して既存の計画を管理することが可能である。ユーザは、該マップ上又は該テーブル内に表示されるべき一つ又は複数の計画を選択することが可能である。マップビュー(図7)上において、ユーザは、その計画に関する特定の情報をビュー即ち見るために該マップ上の一つのプロジェクトを選択することが可能である。異なる計画に属するプロジェクトは、異なる色及び/又は記号で表示させることが可能である。
【0062】
テーブルビュー(図8)の下では、プロジェクト配管属性情報及びリスク情報等の情報をプロジェクトプールステージにおいて提供されていたものと同様の情報を提供させることが可能である。計画管理ステージ(例えば、セクション810において)は、テーブルビュー下で確立された計画の要約を提供することが可能である。この要約は、ユーザに、全リスク減少、リスク減少効率、プロジェクトコスト、及び意思決定者に対する総資本利益率等のユーティリティに対する情報を与える。
【0063】
ハイレベルの概略に加えて、セクション810においては、水道本管資材、年齢、及び直径の統計的分布を含んだ資産管理計画に関する一層詳細な分析を与えることが可能である。このことは、ユーティリティプランナーが、彼らの個別的な計画の独特の目的にわたっての制御を獲得し且つ新たな情報が入手可能となるに従い既存の計画を改良することを許容することが可能である。
【0064】
水道本管プロジェクトと関連するプロジェクトコストは、例えば、交換、修復、順向漏洩検知、又はその他のタイプの物理的状態評価、等の異なるタイプの動作に起因して柔軟性がある。計画管理ステージは、ユーザが、異なる動作に適合させるためにプラットフォーム内の投資コストをアップデートすることを可能とさせる。これらを金額化したリスク減少手段と比較することは、ユーティリティプランナーが、ドル及びマンパワーにおいて最大効率でサービスレベル目標を達成するための最善の決定をすることを助ける。
【0065】
計画のビュー/編集。計画は、プロジェクトプールをビューし且つ編集するのと同じ態様でビューし且つ編集することが可能なプロジェクトの基本的に異なるプールとして考えることが可能である。任意の特定の計画に対して、テーブルビュー又はマップビューのいずれかから個別的なプロジェクトを計画から除去するか又は計画内に付加させることが可能である。
【0066】
計画の比較。計画比較機能性は、複数のプロジェクトからの情報を一緒にし、従ってユーザは、プロジェクトコストのみならず、配管組成、リスク要因に基づいて複数の計画にわたって類似及び差異を識別することが可能である。比較を介して、ユーティリティは、一つの計画を別のものの代わりに使用することが可能であるか否か、又は行うことが可能な改良について決定することが可能である。
【0067】
計画の合体/分割。上述したプロジェクトの合体/分割の特徴と同様に、計画の合体/分割の機能性は、ユーティリティの必要性にかなうべく複数の計画間で合体させること、及び計画内の一層少ない数のプロジェクトも将来の製品機能において可能であることを許容するために計画を分割することを可能とさせる。
【0068】
各計画は、プロジェクトプールのように、幾つかのプロジェクトを一緒に担持しているので、プロジェクトプールステージにおいて提供されている幾つかの機能性は計画管理ステージと共用される。これらは、プロジェクトをビュー/編集すること及びプロジェクトを合体/分割することを包含しており、それによりユーザがその分析を最上レベルから最低レベルまで進んでいくための増加された柔軟性を提供している。計画及びプロジェクト要約は更なる分析及び洗練化のためにユーザのローカルコンピュータへダウンロードさせることが可能である。
【0069】
サーチアルゴリズムの更なる詳細について説明する。一般的に、サーチアルゴリズムは、以下のものを包含しており、即ち、(1)サーチ空間を狭めるための事前処理、(2)サーチエンジンの稼働、(3)事後処理、及び(4)計画したプロジェクトの発生、である。以下のものは、どのようにしてジョブプランナーがプロジェクトを発生するかの種々の側面を例示している。目標の資産が水道配管であり、且つ配管接続は既に計算されており且つ既知である場合においてのサーチアルゴリズムを説明する。
【0070】
事前処理。事前処理の目的は、主に、処理の高速化のためにサーチ空間を狭めることである。幾つかの実施例によれば、事前処理は以下のものを包含することが可能であり、即ち、(1)短い配管を一層長い配管へ合体させること、(2)サーチするに値しない配管のグループを排除すること、(3)低スコアを有している端部配管セグメントを排除すること、及び(4)類似したスコアを有している配管を合体させること、である。
【0071】
図9(A)及び(B)は、幾つかの実施例に基づいて、ジョブ計画サーチ処理を高速化させるために一層長い配管セグメントを形成するために一層短い配管セグメントを合体させることを例示している各概略図である。図示例においては、配管IDが1,2,3,4である配管は比較的短い。それらを合体させると、それらは単一の長い配管セグメント(配管ID100001)で置換される。この簡単化によって、資産リンクのデータは簡単化される(4行から1行へ)。従って、サーチ空間はダウンサイズされる。配管を合体させる場合に、資材、設置年、直径等の配管属性を考慮することが可能である。例えば、該アルゴリズムは、属性の全てが殆ど同じであるか又は正確に同じである場合にのみ配管の合体を選択する場合がある。新たな配管セグメントに対するスコアが再計算されるべきであることに注意すべきである。
【0072】
更なる事前処理は、サーチするに値しない配管セグメントのグループを見つけ出し且つ排除することを包含することが可能である。配管セグメントが非常に低いスコアの配管セグメントで取り囲まれている場合には、取り囲んでいる配管セグメントと共に又は無しでこれらの配管セグメントをサーチ空間から取り除くことが可能である。スレッシュホールドを予め定義しておくか又は動的に計算することが可能である。動的スレッシュホールドの1例として、「スコア/4の平均値」、「スコア/4のメジアン値」、又は最も低いN%に位置している配管のスコア等がある。
【0073】
別の事前処理技術は、複数の配管に接続されていない場合には、低スコアを有する配管セグメントを捨て去ることを包含することが可能である。即ち、その配管が配管ネットワークの端部であり且つ比較的低いスコアを有している場合には、その配管セグメントを排除することが可能である。幾つかの実施例によれば、スコアの事前に定義したスレッシュホールド、又はスコアの動的に計算したスレッシュホールドを使用することが可能である。上述した如く、その例としては、「スコア/4の平均値」、「スコア/4のメジアン値」、又は最も低いN%に位置している配管のスコア等がある。
【0074】
別の事前処理技術は、同様のスコアを有する他の配管と配管との合体を含むことが可能である。例えば、配管AはLOF=0.01を有しており、且つ配管BはLOF=0.0102を有している。そのスレッシュホールドが0.001であり且つ配管Aと配管Bとが接続されている場合には、これらの配管は実際に合体させ且つ単一の配管セグメントとして取り扱うことが可能である。しかしながら、配管AがLOF=0.01を有しており、且つ配管BがLOF=0.02を有している場合には、そのスコアの差が事前に定義したスレッシュホールドよりも一層大きいので、これらを合体させることはない。該スレッシュホールドは事前に定義した固定値とするか、又は動的に計算することが可能である。動的にスレッシュホールドを計算する1例は、(1)スコアによって全ての配管をソーティングし、(2)最隣接配管の間の差を計算し(例えば、1番目と2番目、2番目と3番目、3番目と4番目・・・の差を計算)、(3)それらの差の平均値を計算し、且つ(4)その平均値/Nをスレッシュホールドに設定する。上述した短い配管を合体させる事前処理と同様に、合体する場合に配管属性を考慮することが可能であり、且つ合体した配管のスコアは再計算すべきである。
【0075】
LOF及びBREは、しばしば、資産状態評価及びジョブプランニングのために使用される。しかし、この情報は効果的な資産管理のためには十分ではない場合がある(例えば、どの配管を交換するかの決定をする場合)。例えば、「5」が最高のLOFを表し且つ「1」が最低のLOFを表すものとして、配管を1乃至5の数字でランク付けすることが可能である。損傷の高い確率を有している単一ランク5セグメントが損傷の低い確率を有しているランク1配管によって取り囲まれていることを見出す場合がある。殆どの水道ユーティリティは単一のセグメントを交換することはせず、むしろ全体的なエリア又はブロックの配管を交換する。ユーティリティを資産管理で援助するために、LOF、BRE等の高い結合したスコアを有する資産グループを見つけ出すための計算サーチアルゴリズムがきわめて有用であることが判明した。
【0076】
図10(A)乃至(C)は、幾つかの実施例に基づく、検討中の3つの異なる可能な配管交換ジョブを示している。1-Π(1-Psi)は、1本の配管が破損する確率であり、Π(1-Psi)=(1-Psi)(1-Psi)...(1-Psi)はどの配管も破損しない確率であり、且つPsi=1-(1-PLiliはLOF/i番目の配管のセグメントであり、PLiはLOF/i番目配管セグメントの長さであり、且つliはi番目配管セグメントの長さである。図10(A)において、LOF/コンストラクションは0.87であり、図10(B)において、LOF/コンストラクションは0.92であり、且つ図13(C)において、LOF/コンストラクションは0.95である。この例においては、図10(C)のジョブがこれら3つの内で最高優先度ジョブである。
【0077】
図11(A)乃至(C)は、幾つかの実施例に基づく、ジョブプランニングのためのサーチアルゴリズム用のスキームの側面を例示している各概略図である。ジョブプランナーサーチエンジンが配管の全て又はその組み合わせのサブセットをスキャンする。図11(A)においては、該エンジンは各配管セグメント(例えば、「1」)から開始し且つ各リンクされた配管セグメントの全て又はサブセットを再帰的にサーチする。その処理は、プロジェクト長が所定のスレッシュホールドよりも一層大きくなるまで継続する(図11(A)においては、3番目のセグメント「4-1」を付加した後に、その提案プロジェクトは「十分に長い」ものである)。図11(B)は、現在の分岐の結果は初期的には充分に長いものではない(セグメント「3-1」を付加しても、そのプロジェクトは「十分に長いものではない」)場合を示している。この場合には、ジョブプランナーエンジンは別の分岐をサーチし(「2-2」を付加する)且つ処理を繰り返す。図11(C)は、付加する配管セグメント(「4-1」)がスレッシュホールドよりも一層長い(「長すぎる」)場合を示しており、該配管セグメントは廃棄され且つジョブプランナーは他の分岐へ移行する。
【0078】
又、ジョブプランナーエンジンはその他の基準に基づいてサーチを停止する場合がある。サーチ中に、ジョブプランナーエンジンは、処理中のプロジェクトへ一つの配管セグメントが付加されるたびにプロジェクトに関するスコアを再帰的に計算する。「スコア」の例としては、LOF[%]、LOFスコア、BRE[$]、BREスコア、LOFランク、及びBREランクがあるが、その他の量を使用することも可能である。使用されるスコア量に依存して、プロジェクトに関するスコアを別異に計算することが可能である。
【0079】
例えば、LOF[%]を使用する場合、ジョブプランナーは次式を使用することが可能である。
【0080】
【数1】
【0081】
尚、Nはプロジェクト内に含まれる配管数であり、且つLOFは該プロジェクトにおけるi番目の配管のLOFである。別の例の場合には、BREスコアを使用する場合で、ジョブプランナーは次式を使用することが可能である。
【0082】
【数2】
【0083】
尚、Nはプロジェクト内に含まれる配管数であり、且つBREは該プロジェクトにおけるi番目の配管のBREである。上述した如く、使用されるスコア及びプロジェクトに関するスコアを計算するための式は柔軟性のあるものとすべきであり、且つユーザによってカスタム化させることが可能である。
【0084】
キャッシングアルゴリズム。その比較的大きなサーチ空間のために、ジョブプランナーエンジンの計算時間は非常に長いものとなる場合がある。前述した如くに、サーチ空間を減少させるために事前処理を使用することが可能である。幾つかの実施例によれば、キャッシュシステムを計算時間を減少させるために使用することが可能である。要するに、キャッシュシステムは前に計算した結果を再使用するものである。
【0085】
図12(A)及び(B)は、幾つかの実施例に基づく、ジョブプランニングエンジン用のキャッシングアルゴリズムの側面を例示している各概略図である。各リンクはキャシュコンテナを有しており且つサーチの前の結果をキャッシュする。該コンテナは以下の如くにデータをキャッシュする。その他の次続のサブプロジェクトが或るスレッシュホールドよりも一層短いか又は一層長い場合には、該リンクの次続の最も長いサブプロジェクト。図12(A)において、サブプロジェクト1210はキャッシュコンテナ1200内にキャッシュされる。そのスレッシュホールド基準を満足するより多くのサブプロジェクトが存在する場合には、「最良のサブプロジェクト」がキャッシュされる。この「最良」とは、例えば、最も高いLOF/サブプロジェクトを有するサブプロジェクトとすることが可能である。図12(A)において、スレッシュホールド基準を満足する2つのサブプロジェクト1222及び1224が存在している。サブプロジェクト1222は、或る基準(例えば、最も高いLOF)によってサブプロジェクト1224よりも一層良いと思われ、従ってサブプロジェクト1222はキャッシュレジスタ1202内に格納される。図12(B)においては、配管セグメント「1」に対してその後のサーチが行われる。「開始」ボックスで示されるように、2つのキャッシュコンテナ1200及び1202がアクセスされ且つ以前にキャッシュされたサブプロジェクトから迅速にプロジェクト1230が発生される。
【0086】
事後処理。事後処理の目的は、概略、次善最適結果をグローバル最適結果へ近づけることである。可能な組み合わせの全てをサーチすることは実際的ではない。従って、サーチ空間を何とか狭くすべきである(事前処理に関して前述した如くに)。更に、サーチアルゴリズムは完全に完璧なサーチを行うように設計することが可能である(例えば、或る方向において連続して低スコアを有する幾つかの配管セグメントが検知された場合には、新たな方向を優先して与えられた方向におけるサーチを停止させる)。従って、サーチアルゴリズムは最良のプロジェクトを近似的にサーチするものと言うことが可能である。
【0087】
その結果、ジョブプランナーからの通常の出力は「ローカル最適(次善最適)」結果であって、「グローバル最適」結果ではない。次善最適結果のために、時折、ジョブプランナーは直観に反する結果を出力する。
【0088】
以下のものはこのような結果の2つの例である。1番目の例においては、結果的に得られるプロジェクトは高いスコアを有する配管へ接続されている。2番目の例においては、結果的に得られるプロジェクトはその他の結果的に得られるプロジェクトの次である。何故この様な結果が得られるかの理由は、ジョブプランナーが逐次的な複雑な計算内において配管を付加する前に偶然にサーチを停止すること又は方向を変更することを決定したからである。
【0089】
図13は、高いスコアを有する配管へ接続されている結果的に得られるプロジェクトの一つの例を例示している概略図である。結果的に得られるプロジェクト1310は高いスコア(LOFスコア=5)を有している配管セグメント1320へ接続されている。時間的拘束条件に起因してサーチを終了しているのでジョブプランナーは次善最適なプロジェクトを見つけ出したものと見ることが可能である。明らかに、プロジェクト1310の次の高いLOFを有する配管1320は合体し計画したプロジェクトとすることが可能である。この様な配管をミスすることを回避するために、ジョブプランナーはこの様な配管をチェックし且つ見つけた場合にはそれらを該プロジェクトへ付加すべく構成することが可能である。幾つかの実施例によれば、ジョブプランナーは配管を付加するか否かを決定する場合に2つのタイプの基準を使用することが可能である。それは、以下のものの一つ又は両方をチェックするものであり、即ち(1)その配管のスコアが、事前に定義されているか又は動的に計算されるスレッシュホールドよりも一層大きいか否か、及び(2)該プロジェクトの正規化したスコア(LOF/プロジェクト長等のプロジェクトの寸法に関して正規化)が該配管を付加することにより減少しないか否か、である。
【0090】
図14は、他の結果的に得られるプロジェクトの次の結果的に得られるプロジェクトの1例を例示している概略図である。この場合に、結果的に得られるプロジェクト1410は別の結果的に得られるプロジェクト1412へ接続されている。幾つかの実施例によれば、このことは、合体させたプロジェクトの全長がユーザが設定した許容可能な最大寸法よりも一層大きいものでない限り、これら2つのプロジェクト1410及び1412を自動的に合体させることによって解消することが可能である。
【0091】
幾つかの実施例によれば、この3ステップ(ステップ1-事前処理、ステップ2-サーチエンジン稼働、及びステップ3-事後処理)を最終的な結果を向上させるために2度稼働させることが可能である。1番目の稼働と2番目の稼働との間の差異は、2番目の稼働は1番目の稼働で発生されたプロジェクトに包含されている配管無しで行われるということである。上述した如く、ジョブプランナーは、時折、次善最適な結果を発生する場合がある。該2番目の稼働は、ジョブプランナーが一層完璧にサーチした結果を発生することに貢献することが判明した。幾つかの実施例によれば、ジョブプランナーは1番目の稼働の結果と2番目の稼働の結果とを等しく比較し且つ最終的な結果を発生することが可能である。
【0092】
幾つかの実施例によれば、ここに記載したシステム及び方法は、排水、リサイクル水、汽水、暴風雨水、海水、蒸気、圧縮空気、油、及び天然ガス、等のその他の流体を送給するための配管等の飲料水供給以外の資産へ適用させることが可能である。幾つかの実施例によれば、ここに記載したシステム及び方法は、ファイバーケーブル、電線、及び電柱のネットワークへ適用することが可能である。
【0093】
以上明確性の目的のために幾らか詳細に説明したが、その原理を逸脱すること無しに或る変更及び修正を行うことが可能であることは明らかである。本書に記載したプロセス及び装置の両方を実現する多くの代替的態様があることに注意すべきである。従って、本実施例は制限的なものではなく例示的なものとして考慮されるべきであり、且つ本書に記載される発明の内容は本書に与えてある詳細へ制限されるべきものではなく、該詳細は特許請求の範囲の範囲内において修正することが可能であり且つ均等物とすることが可能である。
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【国際調査報告】