(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】毛髪形状カードと方法
(51)【国際特許分類】
A45D 44/00 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A45D44/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021519572
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2019076489
(87)【国際公開番号】W WO2020074307
(87)【国際公開日】2020-04-16
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ,キーラン・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】イフティカル,アビド
(72)【発明者】
【氏名】マッケオン,ロバート
(57)【要約】
本発明は、毛髪の形状の自己評価のための形状カードに関するものであり、毛髪波の数を評価するための1つ以上の基準マーカーを含む第1の部分分;毛髪曲率を評価するための1つ以上の基準マーカーを含む第2の部分分;および第1の部分分からの1つの基準マーカーと第2の部分分からの1つの基準マーカーの組合せの結果としての毛髪形状である特定の毛髪形状をそれぞれ記述する1つ以上の記述子を含む第3の部分分を含む。本発明はまた、このような形状カードの使用に関する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪の波の数を評価するための1以上の参照マーカー(4)を含む第1の部分;および
毛髪の湾曲を評価するための1以上の参照マーカー(6)を含む第2の部分を含む、毛髪の形状(2)を自己評価するための形状カードであって、該形状カードが、第3の部分(9)を含むことを特徴とし、該第3の部分(9)が、第1の部分からの1の参照マーカー(4)と第2の部分からの1の参照マーカー(6)の組み合わせの結果の毛髪形状である特定の毛髪形状をそれぞれが記述する1以上の記述子(10)を含む、前記形状カード。
【請求項2】
第1の部分の参照マーカー(4)が、各描画が異なる数の波を有する一連の毛髪の描画を含む、請求項1に記載の形状カード。
【請求項3】
第2の部分の参照マーカー(6)が、異なる湾曲を有する一連の線を含む、請求項1または2に記載の形状カード。
【請求項4】
第2の部分の基準マーカー(6)を用いて、毛髪(2)上の最大波(5A)を測定する、請求項1、2または3に記載の形状カード。
【請求項5】
参照マーカーが指標を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の形状カード。
【請求項6】
各参照マーカーの指標がその他のものと異なる、請求項5記載の形状カード。
【請求項7】
毛髪(2)がヒトの毛髪である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の形状カード。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれが一項に記載の形状カードを含むヘアケア組成物用製品包装。
【請求項9】
形状カードが包装から剥離可能である、請求項8に記載の製品包装。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の形状カードとヘアケア組成物を含むキット。
【請求項11】
使用説明書を更に含む、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の形状カードを用いて、毛髪の形状(2)を自己評価する方法(2)であって、
i)少なくとも1つの試料毛髪を提供する工程;
ii)試料毛髪の形状を、形状カードの第1の部分に提供された参照マーカーと比較する工程;
iii)試料毛髪の形状に最も近い参照マーカーを形状カードの第1の部分から選択する工程;
iv)試料毛髪の形状を、形状カードの第2の部分に提供された参照マーカーと比較する工程;
v)試料毛髪の形状に最も近い参照マーカーを形状カードの第2の部分から選択する工程;
vi)工程ii)およびv)から選択された参照マーカーを使用し、形状カードの第3の部分で選択された参照マーカーに提供された記述子から毛髪形状を同定する工程を
順番に含む、前記方法。
【請求項13】
毛髪(2)が少なくとも6cmの長さである、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、形状カードおよび毛髪、特にヒトの毛髪の形状の自己評価のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
今日の消費者は、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、スタイリング製品などの様々なカテゴリーを網羅した、大量のヘア製品にさらされている。ブランドは、一定の毛髪形状のニーズを標的とした製品を複数のバージョンで製造することができる。たとえば、まっすぐな髪、少しまっすぐな髪、波打った髪、巻き毛などのヘアシャンプーがある。
【0003】
標的とする消費者向けの髪製品に関する明確な市場メッセージにもかかわらず、消費者がどのような髪の形を持っているかを正確に同定するための信頼できる手段および/または方法は存在しない。ほとんどの消費者は、自分の髪の形を自己認識に基づいて判断する。このような完全性は、広告、親族や友人との比較などの外的要因の影響を受けている場合には特に不正確となる可能性がある。たとえば、消費者は自分の髪がまっすぐだと思うかもしれないし、ヘアプロダクトメーカーやサロンのヘアエキスパートは彼/彼女の髪をわずかに波打っていると分類するかもしれない。そのため、膨大な数の産物が混乱を招くことが多い。消費者は、成分が異なる毛髪の形を標的とする製品の間違ったバージョンを容易に割り当てることができる。その結果、消費者の満足度が低くなる、および/または毛髪に所望の結果が付与されない。
【0004】
J.Cosmet.Sci., 60, 97-109(2009年3月/4月)「The behaviour of hair from different countries」では、各国の巻き毛の特性を、レーザー走査マイクロメーターからの幾何学的測定値と毛髪形状分類法を用いて評価した。さらに引張試験、2次元ゲル電気泳動、およびディファレンシャルスキャニング熱量測定(DSC)を行った。毛髪特性に見られるばらつきは、トリートメントに対する毛髪の反応に潜在的に影響を及ぼす可能性があり、これらの違いは、その髪の毛の起源となった場所の人口の地域的および文化的多様性によって引き起こされる可能性がある。
【0005】
FBI Academy Quantico, Virginiaによる、「Proceedings of the International Symposium of Forensic Hair Comparisons」1985年6月25-29日、pp147-148では、「Precision of the average curvature measurement in human head hairs(ヒトの頭髪における平均曲率測定の正確性)」が記載されている。A modified method of the average curvature measurement of hair (ヒトの頭髪における平均曲率測定の改良された方法)(Daniel Hardy,1973)がヒト頭髪の巻き毛の法医学的比較において有用であることが見出されている。この方法では、白人の1本の頭髪を、2名の試験者がそれぞれ30回、独立に測定する。FR2867678は毛髪の自己評価用の形状カードを記載している。
【0006】
先行技術にもかかわらず、消費者がその毛髪の形状を自己評価するための正確ではあるが単純な手段および/または方法を提供する必要性が依然として存在する。そのため、より正確で情報に基づいたヘア製品の選択を消費者が行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J.Cosmet.Sci., 60, 97-109(2009年3月/4月)
【非特許文献2】Proceedings of the International Symposium of Forensic Hair Comparisons1985年6月25-29日、pp147-148
【非特許文献3】A modified method of the average curvature measurement of hair (Daniel Hardy,1973)
【発明の概要】
【0009】
発明の概要
本発明の第1の局面において、毛髪の形状の自己評価のための形状カードが提供され、これは、毛髪波の数を評価するための1つまたは複数の参照マーカーを含む第1の部分;毛髪曲率を評価するための1つまたは複数の参照マーカーを含む第2の部分;および第1の部分からの1つの参照マーカーと第2の部分からの1つの参照マーカーの組合せの結果としての毛髪形状である、特定の毛髪形状をそれぞれ記述する1つまたは複数の記述子を含む第3の部分を含む。
【0010】
本発明の第2の局面において、本発明の第1の態様に係るシェイプカードを含むヘアケア組成物用製品包装が提供される。
【0011】
本発明の第3の局面において、本発明の第1の態様による形状カード、およびヘアケア組成物を含むキットが提供される。
【0012】
本発明の第4の局面において、本発明の第1の局面の形状カードを使用する、毛髪の形状の自己評価のための方法が提供され、当該方法は、
i)少なくとも1つの試料毛髪を提供する工程;
ii)試料毛髪の形状を、形状カードの第1の部分に提供された参照マーカーと比較する工程;
iii)試料毛髪の形状に最も近い参照マーカーを形状カードの第1の部分から選択する工程、
iv)試料毛髪の形状を、形状カードの第2の部分に提供された参照マーカーと比較する工程;
v)試料毛髪の形状に最も近い参照マーカーを形状カードの第2の部分から選択する工程;
vi)工程iiから選択された参照マーカーを使用する工程;およびv)形状カードの第3の部分で選択された参照マーカーに提供された記述子から毛髪形状を同定する工程を順番に含む。
【0013】
ここで、毛髪または試料毛髪は、好ましくはヒト毛髪である。より好ましくは、毛髪または試料毛髪は、単一のヒト毛髪繊維である。
【0014】
本発明の目的は、消費者自身の毛髪の形状又は他人の毛髪の評価を簡便かつ正確に自己評価するための手段及び/又は方法を提供することである。本発明の関連する目的は、消費者が毛髪製品を正確かつ情報に基づいて選択することを可能にすることである。
【0015】
この手段及び/又は方法は信頼でき、容易に使用可能であり、専門家の判断及び/又は検査室の測定を伴わない。手段および/または方法も消費者の見当識に依存しない。ヘアプロダクトの選択は、最低限の人間の投入を必要とする方法で、自動的に髪の形の評価に従うことができ、また、消費者ごとに異なることのない提供のスキームに従うことができる。
【0016】
これらおよび他の局面、特徴および利点は、以下の詳細な記載および添付のクレームを読めば、当業者に明らかになるであろう。
【0017】
驚くべきことに、3つの部分を含む形状カードが、消費者の髪の形の自己評価を可能にするために、容易に使用できることが見出されている。形状カードは、ヘア製品包装の一部として含めることができ、好ましくは前記包装から切り離すことができる。また、ヘアケア組成物を含むヘアキットの一部として含まれることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、使用する髪の長さを測定するための手段の計画図を示す。
【
図2】
図2は、最初の部分に提供された一連の参照マーカーの計画図を示す。
【
図3】
図3は、識別されている毛髪繊維の最大の波を示している。
【
図4】
図4は、毛髪繊維の最大波と第2の部分に提供された参照マーカーとの比較を示している。
【
図5】
図5は、形状カードの3番目の部分の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
ここで、本発明のある局面において「好ましい」と記載された任意の特徴は、本発明の他の局面における好ましい特徴であると理解されるべきである。「好ましい」と記述されたいかなる特徴も、さらに好ましい特徴または特徴と組み合わせて特に好ましいことが理解されるべきである。
【0020】
ここで、本発明の特定の実施形態の任意の特徴は、本発明の任意の他の実施形態において利用され得る。
【0021】
「含む(comprising)」という言葉は、必ずしも「構成する(consisting of)」または「構成する(composed of)」ことではなく、「含む(including)」ことを意味するよう意図されている。以下の記載に示される例は、発明を明確にすることを意図しているが、発明を限定するものではない。重量パーセンテージ(wt%)は、特に指定のない限り、組成物の最終重量に基づく。特に指定しない限り、‘x-y’の形式で表される数値範囲はxおよびyを含むと理解される。数字は用語‘約(about)’で修飾できる。特定の特徴について、複数の好ましい範囲を「xからy」の形式で記述する場合には、異なるエンドポイントを組み合わせたすべての範囲も考えられることが理解される。
【0022】
形状カード
ここで、形状カードとは、毛髪、特にヒト毛髪の形状の評価に使用するのに適した基材を指す。カードは、紙、ダンボール、ペーストボール、プラスチックでできていることが望ましく、またはカードはバーチャルカードでよい。形状カードは小冊子(boolket)、小冊子(brochure)またはリーフレットの形でよい。
【0023】
本発明による形状カードは、基本的に3つの部分からなる。
【0024】
形状カードは、毛髪波の数を評価するための1つ以上の参照マーカーを含む第1の部分を含む。好ましくは、マーカーは毛髪の一連の描画であり、各描画は異なる数の毛髪波を有する。より好ましくは、一連の図は、毛髪波の数が降順または昇順になるように配置される。これにより、消費者は毛髪試料と適切な参照マーカーを比較し、選択することが容易になる。
【0025】
ここで、「描画」とは、そのような髪の絵またはイラストを指す。好ましくは、各描画は、異なる数の毛髪波を有する単一の毛髪繊維を含む。より好ましくは、各描画は、異なる数の毛髪波を有する単一の毛髪繊維の2D画像である。あまり好まれていないが可能な実施形態では、描画は3Dモデル毛、例えばワニスの層によって描かれたモデル毛髪とすることができる。このモデルにはバーチャルモデルも含まれる場合がある。
【0026】
描画中の1本の毛髪繊維の毛髪波の数は、典型的には整数nであり、ここでnは最小でゼロ(波なし)である。
【0027】
好ましくは、描画に含まれる単一毛髪繊維は、少なくとも6cmの長さである。より好ましくは、各描画からの単一の毛髪繊維は、少なくとも6cmの長さであり、互いに等しい長さである。これは、毛波のより正確な基準を提供し、毛髪試料で最も近い基準マーカーを選択する困難性を減少させる、すなわち、短いおよび/または不等な長さの毛髪を比較することは困難であり、毛髪形状の誤った表現につながる可能性がある。
【0028】
好ましくは、第1の部分の参照マーカーは指標を含む。指標とは、文字、数字、文章、記号などを指すもののことである。指標は、参照マーカーに適用される色でもある。好ましくは、第1の部分の各参照マーカーは、指標を含む。指標は互いに異なることが望ましい。指標の使用は、消費者が自分の選択した髪の波を記憶するのに役立ち、したがって、髪の形の同定を単純化する。
【0029】
第1の部分は、毛髪の長さを測定するための手段も含むことができる。平均値の長さは少なくとも6cmが望ましい。手段は定規、直線、または長方形、または他の多角形の形態をとることができる。例えば、手段は、長方形の箱でよく、少なくとも6cmの長さを有することができる。平均値と比較することにより、消費者は、形状カードの最初の部分の基準マーカーと比較する前に、自分の髪の少なくとも6cmを切り出すことができる。
【0030】
形状カードはまた、毛髪の湾曲を評価するための1つ以上の参照マーカーを含む第2の部分を含む。好ましくは、第2の部分の参照マーカーは、異なる曲率を有する一連の線を含む。好ましくは、参照マーカーは、その湾曲に基づいて、昇順または降順のいずれかで配置される。毛髪試料で適切な湾曲の選択を容易にすることである。
【0031】
好ましい実施形態では、参照マーカーは円または円の一部を形成する。ある参照マーカーの半径が第2の部分の別の参照マーカーの半径と異なるように配置されている。
【0032】
好ましくは、第2の部分の参照マーカーは指標を含む。指標には、文字、数字、文章、色、記号などがある。好ましくは、第2の部分の全ての指標は、1次元に位置する。好ましくは、第2の部分の各参照マーカーは指標を含む。指標は互いに異なることが望ましい。したがって、このような指標は、消費者が毛髪の曲線を覚え、毛髪の形状をさらに単純化するのに役立つ。好ましくは、各湾曲は異なる指標を割り当てる。しかし、いくつかの湾曲が1つの共通の指標を共有することも可能である。例えば、曲率のグループが類似した半径の円の部分である場合、共通の数字「0」がそれらの全てに割り当てられることがある。
【0033】
好ましくは、第2の部分で使用する指標は、第1の部分で使用する指標とは異なる。例えば、最初の部分に文字(A、B、C、Dなど)を使用する場合は、2番目の部分に数字(0、1、2、3など)を使用することができる。また、形状カードの各部分内で同一の指標を使用しないことが好ましい。
【0034】
形状カードは、1つ以上の記述子を含む第3の部分を含み、それぞれが特定の毛髪形状を記述し、これは、第1の部分からの1つの参照マーカーと第2の部分からの1つの参照マーカーの組合せの結果としての毛髪形状である。ここで、特定の毛の形は、まっすぐな毛、かなりまっすぐな毛、波状の毛、わずかに波状の毛、カール状の毛、わずかにカール状の毛、ちじれた毛またはわずかにちじれた毛から選択できる。
【0035】
上記のパラグラフから、第3の部分の各記述子は、第1の部分の1つの参照マーカーおよび第2の部分の1つの参照マーカーと関連づけられる。記述子は、第2の部分からの1つの選択された参照マーカーと組み合わせて、1つの参照マーカーが第1の部分から選択されると、その結果としての組み合わせは、第3の部分のひとつの特定の記述子にのみ導くことができるように配置される。例えば、毛髪の波のためのある参照マーカーが第1の部分から選択され、かつ毛髪の湾曲のためのある参照マーカーが第2の部分から選択されると、結果として生じる髪の形状の記述子は、例えば、「まっすぐな髪」のように、特定のものであり得る。他の髪の形は生じない。
【0036】
好ましくは、第3の部分の記述子はマトリックスの形で配置される。さらに、任意に、記述子は、パターン、文字、テキスト、数字、記号、またはそれらの混合物の形態であってもよい。
【0037】
任意に、第3の部分は、第1の部分および第2の部分からの参照マーカーの指標を含むことができる。第1の部分の参照マーカーの指標は第3の部分の1次元に配置され、第2の部分の参照マーカーの指標は第3の部分の別の次元に配置される。各次元内で、指標は昇順または降順に配置することができる。
【0038】
第3の部分の記述子は色分けされることがある。各記述子については、異なる色を使用することが望ましい。たとえば、「まっすぐな髪」には緑色、「かなりまっすぐな髪」には薄緑色、「ふくらんだ髪」には赤色が用いられることがある。
【0039】
好都合なことに、形状カードに、あらゆる種類の付着部分または接着領域を含める必要はない。また、測定前および測定中に、表面に毛髪を確保したり、いかなる表面間にも毛髪を挟んだりする必要もない。それ自体、本発明は、操作中の複雑さだけでなく、与えられた毛髪の曲線および/または波の歪みを回避する。
【0040】
製品包装とキット
第2の態様では、本発明の第1の態様による形状カードを含むヘアケア組成物のための製品包装が提供される。好ましくは、パッケージングは、ボトルまたはトトルのような容器である。好ましくは、包装は容器の二次包装である。このような二次包装は、典型的には、カートン又はブリスターパックであり、形状カードは、カートン又はブリスターの一部であってもよい。好ましくは、形状カードは前記包装から切り離すことができる。
【0041】
第3の局面において、第1の局面の形状カードとヘアケア組成物を含むキットが提供される。好ましくは、ヘアケア組成物は、シャンプー、リンスオフコンディショナー、リーブオンコンディショナー、オーバーナイトトリートメント、ヘアマスク、ムース、ゲル、スプレー、セラムまたはスタイリング組成物から選択される。キットはまた、使用説明書を含むことができる。使用説明書は、毛髪組成物の適用および/または形状カードの使用に関するものであってもよい。前者は消費者に正しい組成の使い方を教える。後者は、形状カードを用いて自分の髪の形を識別する正しい方法を消費者に教える。全体として、本発明によるキットは、消費者の満足度を向上させることができる。
【0042】
方法
本発明の第4の局面において、第1の局面の形状カードを用いて、毛髪の形状の自己評価のための方法が提供され、この方法は以下の工程を順番に含む:
i)少なくとも1つの試料毛髪を提供する工程;
ii)試料毛髪の形状を、形状カードの第1の部分に提供された参照マーカーと比較する工程;
iii)試料毛髪の形状に最も近い参照マーカーを形状カードの第1の部分から選択する工程;
iv)試料毛髪の形状を、形状カードの第2の部分に提供された参照マーカーと比較する工程;
v)試料毛髪の形状に最も近い参照マーカーを形状カードの第2の部分から選択する工程;
vi)工程ii)およびv)から選択された参照マーカーを使用し、形状カードの第3の部分で選択された参照マーカーに提供された記述子から毛髪形状を同定する工程。
【0043】
提供された試料毛髪はヒト毛髪繊維である。繊維は消費者の髪のどの部分からも摂取できる。提供される試料毛髪は、少なくとも長さ6cm、好ましくは6cmである。試料毛髪は、形状カードの第1の部分に提供された参照マーカーと比較される。好ましい実施態様において、第1の部分の参照マーカーは、各々が少なくとも6cmの長さの単一の毛髪繊維を含む一連の描画である。毛髪の長さを測定するための手段が必要に応じて第1の部分に含まれ、その平均の長さは少なくとも6cm、好ましくは6cmである。消費者は、平均値の長さに応じて少なくとも6cmの毛髪繊維を測定することができる。測定中は、毛髪を引っ張ることが望ましい。その後、最初の部分の参照マーカーとの比較の前に、毛髪を弛緩させる。
【0044】
試料毛髪の形状を第1の部分の参照マーカーと比較する工程は、単に参照マーカーの各々に対して毛を置くことによって行うことができる。したがって、工程iii)において、試料毛髪から提示される波の数に最も近い毛髪波の数を有する基準マーカーが選択される。
【0045】
好ましくは工程iv)の前に、毛髪の全ての波を最初に同定し、最大の波を選択する。これは、小さな波がランダムであるのに対し、大きな波が代表的であるため、毛髪の曲率の同定に有益である。次に、最大の波を、第2の部分で提供された参照マーカーと比較する。工程iv)での比較は、試料毛髪からの曲率と基準マーカーからの曲率との間に最も近い適合が認められるまで、第2の部分の基準マーカーに沿って毛髪を動かすような方法で行うことができる。工程v)では、最も近い適合の基準マークを選択する。典型的には、比較の間、毛髪はリラックスした状態にある、すなわち、毛髪はぴんと張られていない。
【0046】
工程vi)において、消費者は工程iii)およびv)から選択した参照マーカーを使用して、該当する毛髪形状の記述子を特定することができる。記述子は、工程iii)において1つの参照マーカーが第1の部分から選択され、工程v)においてもう1つの参照マーカーが第2の部分から選択されるように配置される。その結果得られる組み合わせは、消費者を第3の部分の1つの特定の記述子のみに導くことができる。
【0047】
好ましくは、本発明による方法で使用される毛髪は、自然な状態にある。「自然状態」とは、消費者の頭部から選択した毛を、熱、化学物質などのような何の治療もせずに使用できることを意味する。
【0048】
好ましくは、この方法は、さらに、自己評価による識別された毛髪形状に基づいて製品推奨を行うことを含む。例えば、消費者が自分の毛髪がわずかにカールしていると評価した場合、推奨はわずかにカールしている毛髪に適したヘアケア組成物であり得る。
【0049】
このようにして、クレームされた形状カードは、髪の形状の定量的かつ定性的な自己評価のための簡単ではあるが正確な方法を提供する。実際の測定値をとることで、消費者は自分の髪の種類を正しく識別できる可能性が高い。その結果、この同定に基づいて、ランダム比較からの誤差を防ぐことができるので、毛髪に最適な製品を選択する可能性が高くなる。そのため、消費者満足の可能性が高まる。
【0050】
明らかに、形状カードは、ヘアケア組成物の毛髪形状に対する効果を評価する方法においても使用するのに適している。本方法は、消費者の頭部への毛髪組成物の適用およびその後の本発明の第4の態様による方法の使用の工程を含む。
【0051】
図面の簡単な説明
本発明の実施形態は、以下の非限定的な図を参照して記載される:
図1は、使用する髪の長さを測定するための手段の計画図を示す。
図2は、第1の部分に提供された一連の参照マーカーの計画図を示す。
図3は、識別されている毛髪繊維の最大の波を示している。
図4は、毛髪繊維の最大波と第2の部分に提供された参照マーカーとの比較を示している。
図5は、形状カードの3番目の部分の模式図を示す。
【0052】
詳細には、
図1に長方形の箱である毛の長さを計測する手段を示す(1)。長方形の箱(1)の長さは6cmである。毛髪繊維(2)を張り、長方形のボックス(1)の長さに合うように切る。
【0053】
図2は、2Dのヘアイメージ(3)と指標(4)の一連の図からなる一連の参照マーカーを示す。ヘアイメージ(3)は、それぞれ異なる数の毛髪波を有し、上昇順に並んでいる。指標(4)はイメージ(3)に対応する一連の文字である。
【0054】
図3に毛細線維上の最大波(5A)の同定を示す(2)。大きな波(5A)は「チェック」で、小さな波(5B)は「バツ」で表示されている。
【0055】
図4は、毛髪繊維(2)の最大波(5A)と第2の部分に示した参照マーカー(6)との比較を示したものである。参照マーカー(6)は、曲率の異なる一連の線(7)からなる。マーカー(6)はさらに、線状に位置する番号(8)である一連の指標を含む。
【0056】
図5は、形状カードの第3の部分(9)の概略図を示す。第3の部分(9)は、第1の部分からの参照マーカーを表すY軸と、第2の部分からの参照マーカーを表すX軸からなる。Y軸は
図2(第1の部分)で用いた(4)と同一の指標(4)を含み、X軸は
図4(第2の部分)で用いた(8)と同一の指標(8)を含む。第3の部分(9)はさらに毛髪形状の記述子(10)を含む。第3の部分の図はセクション化され、毛髪の波の数の特定の文字と毛髪湾曲の一定の数が選択されれば、得られる組み合わせが一定の毛髪形状の記述子(10)となる。
【国際調査報告】