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特表2022-504529伝送処理方法、装置、機器、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】伝送処理方法、装置、機器、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20220105BHJP
【FI】
H04W72/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021519587
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(85)【翻訳文提出日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 CN2019123964
(87)【国際公開番号】W WO2020143374
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】201910018390.8
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】514187420
【氏名又は名称】テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ユンボ
(72)【発明者】
【氏名】ジャ,イヨン
(72)【発明者】
【氏名】ニン,ビンホォイ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ガン
(72)【発明者】
【氏名】モン,シン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067CC02
5K067CC05
5K067CC06
5K067DD02
5K067DD30
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本願の実施例では、伝送処理方法、装置、機器、及び記憶媒体が開示されている。ここでの方法は、第1機器に適用され、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信するステップと、前記プレスケジューリングメッセージから、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取るステップと、前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信するステップであって、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、ステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1機器が実行する伝送処理方法であって、
第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信するステップと、
前記プレスケジューリングメッセージから、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取るステップと、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信するステップであって、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記指示情報には、ターゲット番号又はターゲットプレスケジューリング時刻が含まれ、
前記指示情報は、前記ターゲット番号に対応するプレスケジューリング伝送の取り消しを指示し、又は前記ターゲットプレスケジューリング時刻に対応するプレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1機器と第2機器との間に複数回のプレスケジューリング伝送が存在する場合、前記指示情報は、前記複数回のプレスケジューリング伝送のうちのターゲットプレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものであり、ここで、
前記ターゲットプレスケジューリング伝送は、前記ターゲット番号に対応するプレスケジューリング伝送であり、又は、
前記ターゲットプレスケジューリング伝送は、前記ターゲットプレスケジューリング時刻に対応するプレスケジューリング伝送であり、又は、
前記ターゲットプレスケジューリング伝送は、前記複数回のプレスケジューリング伝送のうち、前記ターゲット番号に対応するプレスケジューリング伝送以外の残りのプレスケジューリング伝送であり、又は、
前記ターゲットプレスケジューリング伝送は、前記複数回のプレスケジューリング伝送のうち、前記ターゲットプレスケジューリング時刻に対応するプレスケジューリング伝送以外の残りのプレスケジューリング伝送である、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記指示情報は、所定桁数のビットで表す、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信する前記ステップは、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、第2チャネルを介して前記第2機器に第1データメッセージを送信するステップであって、前記第1データメッセージには、前記上りターゲットデータ及び前記指示情報が付されており、前記第2チャネルが、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の周波数帯域を使用する、ステップを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1チャネルが使用する周波数帯域は、前記第2チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じである、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1データメッセージには、データフレームが含まれ、前記指示情報は、前記データフレームのメディアアクセス制御(MAC)フレームヘッダ又は物理フレームヘッダにある、
請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信する前記ステップは、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、第3チャネルを介して前記第2機器に第2データメッセージを送信するステップであって、前記第2データメッセージには、前記上りターゲットデータが付されており、前記第3チャネルが、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の周波数帯域を使用する、ステップと、
前記第2データメッセージの送信に成功した場合、第2チャネルを介して前記第2機器に第3データメッセージを送信するステップであって、前記第3データメッセージには、前記指示情報が付されており、前記第2チャネルが、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の周波数帯域を使用する、ステップと、
を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1チャネルが使用する周波数帯域は、前記第2チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じであり、前記第2チャネルが使用する周波数帯域は、前記第3チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じである、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第3データメッセージに制御フレームが含まれる場合、前記指示情報は、前記制御フレームのサブタイプフィールドにあり、又は、前記指示情報は、前記制御フレームの制御フレーム拡張フィールドにあり、又は、前記指示情報は、前記制御フレームの他のフィールドのアイドルビットにあり、前記他のフィールドは、前記制御フレームにおける前記サブタイプフィールド及び前記制御フレーム拡張フィールド以外のフィールドである、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記第3データメッセージにデータフレームが含まれる場合、前記指示情報は、前記データフレームのメディアアクセス制御(MAC)フレームヘッダ又は物理フレームヘッダにある、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
前記第3データメッセージに管理フレームが含まれる場合、前記指示情報は、前記管理フレームのフレームボディフィールドにあり、前記フレームボディフィールドは、カテゴリフィールド及びプレスケジューリング伝送指示フィールドを含む、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
前記プレスケジューリング周波数帯域は、前記第1チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なる、
請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2機器から第1確認メッセージを受信した場合、プレスケジューリング伝送を取り消すステップと、
前記第2機器から前記第1確認メッセージを受信しなかった場合、前記プレスケジューリング時刻に到達すると、前記プレスケジューリング周波数帯域を使用して前記上りターゲットデータを送信するステップと、
をさらに含む請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
第1機器に適用される伝送処理方法であって、
第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信するステップであって、前記プレスケジューリングメッセージには、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域が付されている、ステップと、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信するステップであって、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、ステップと、
を含む方法。
【請求項16】
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信する前記ステップは、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が第2チャネルを介して送信した第4データメッセージを受信するステップであって、前記第4データメッセージには、前記下りターゲットデータ及び前記指示情報が付されており、前記第2チャネルが、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用する、ステップを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第4データメッセージには、データフレームが含まれ、前記指示情報は、前記データフレームの媒体アクセス制御(MAC)フレームヘッダ又は物理フレームヘッダにある、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信する前記ステップは、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が第3チャネルを介して送信した第5データメッセージを受信するステップであって、前記第5データメッセージには、前記下りターゲットデータが付されており、前記第3チャネルが、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用する、ステップと、
前記第5データメッセージの受信に成功した場合、前記第2機器が第2チャネルを介して送信した第6データメッセージを受信するステップであって、前記第6データメッセージには、前記指示情報が付されており、前記第2チャネルが、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用する、ステップと、
を含む請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第6データメッセージには、制御フレーム、データフレーム、又は管理フレームのいずれか1つが含まれる、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1機器から返信された確認メッセージを所定の期間内に前記第2機器が受信しなかった場合、前記プレスケジューリング時刻に到達すると、前記プレスケジューリング周波数帯域を使用して、前記第2機器から前記下りターゲットデータを受信するステップをさらに含む、
請求項15~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
第1機器に適用される伝送処理装置であって、
第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、前記プレスケジューリングメッセージから、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取る受信ユニットと、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信し、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである送信ユニットと、
を含む伝送処理装置。
【請求項22】
第1機器に適用される伝送処理装置であって、
第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、前記プレスケジューリングメッセージには、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域が付されている受信ユニットを含み、
前記受信ユニットは、前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信し、前記指示情報は、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、
伝送処理装置。
【請求項23】
通信インタフェースを含む機器であって、
1つ又は複数の命令を実現するように構成されるプロセッサと、
1つ又は複数の命令が記憶されており、前記1つ又は複数の命令が、前記プロセッサによりロードされて、請求項1~14のいずれか1項に記載の伝送処理方法を実行させるように構成され、又は、前記1つ又は複数の命令が、前記プロセッサによりロードされて、請求項15~20のいずれか1項に記載の伝送処理方法を実行させるように構成されるコンピュータ記憶媒体と、
をさらに含む機器。
【請求項24】
コンピュータに、請求項1~14のいずれか1項に記載の伝送処理方法、又は、請求項15~20のいずれか1項に記載の伝送処理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年1月7日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910018390.8であり、発明の名称が「伝送処理方法、装置、機器、及び記憶媒体」である中国特許出願に基づく優先権を主張する。
【0002】
本願は、通信技術分野に関し、特に、伝送処理方法、装置、機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
データ伝送(Data Transmission)とは、通信プロトコルの規格に基づき、1つ又は複数のチャネルを用いて、2つの機器の間でデータを伝送するプロセスを指し、即ち、データ伝送は、チャネル上の信号を介して、データを1つの機器から他の機器に伝送する操作として表すことができる。
【0004】
通信技術の発展に伴い、ブロードキャスト信号などの冗長性を低減させるために、プレスケジューリング方式でデータ伝送を行う傾向が強まっている。いわゆるプレスケジューリング方式とは、ネットワーク機器(例えば、無線アクセスポイント(AP:Access Point))が、端末機器(例えば、ワークステーション(STA:Station))に対して1つの周波数帯域を予めスケジューリングすることにより、該端末機器がプレスケジューリング時刻に該周波数帯域を使用してデータ伝送を行う方式である。例えば、APは、2.4GHz/5GHzでシグナリングを送信することにより、STAがプレスケジューリング時刻に6GHzの周波数帯域を使用してデータ伝送を行うようにスケジューリングしてもよく、STAは、シグナリングに基づいて、プレスケジューリング時刻に6GHzの周波数帯域を使用してデータを送受信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プレスケジューリング時刻に到達すると、プレスケジューリング周波数帯域を使用してデータ伝送を行う際に、同じ周波数帯域を使用する他の機器からの信号干渉を受けることで、プレスケジューリング伝送に失敗する可能性がある。このため、如何にデータ伝送をより良く行うかが研究の焦点となっている。
【0006】
本願の実施例は、データ伝送をより良く行って、データ伝送の成功率を向上させることができる伝送処理方法、装置、機器、及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、本願の実施例では、第1機器に適用される伝送処理方法が提供されている。前記伝送処理方法は、
第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信するステップと、
前記プレスケジューリングメッセージから、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取るステップと、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信するステップであって、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、ステップと、を含む。
【0008】
他の態様によれば、本願の実施例では、第1機器に適用される他の伝送処理方法が提供されている。前記伝送処理方法は、
第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信するステップであって、前記プレスケジューリングメッセージには、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域が付されている、ステップと、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信するステップであって、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、ステップと、を含む。
【0009】
他の態様によれば、本願の実施例では、第1機器に適用される伝送処理装置が提供されている。前記伝送処理装置は、
第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、前記プレスケジューリングメッセージから、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取る受信ユニットと、
前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信し、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである送信ユニットと、を含む。
【0010】
他の態様によれば、本願の実施例では、第1機器に適用される伝送処理装置が提供されている。前記伝送処理装置は、
第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、前記プレスケジューリングメッセージには、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域が付されている受信ユニットを含み、
前記受信ユニットは、前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信し、前記指示情報は、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである。
【0011】
他の態様によれば、本願の実施例では、通信インタフェースを含む機器が提供されている。前記機器は、
1つ又は複数の命令を実現するように構成されるプロセッサと、
1つ又は複数の命令が記憶されており、前記1つ又は複数の命令が、前記プロセッサによりロードされて、上記方法の各ステップを実行させるように構成されるコンピュータ記憶媒体と、をさらに含む。
【0012】
他の態様によれば、本願の実施例では、1つ又は複数の命令を記憶したコンピュータ記憶媒体が提供されている。前記1つ又は複数の命令は、プロセッサによりロードされて、上記方法の各ステップを実行させるように構成される。
【0013】
本願の実施例の構成をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単的に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例を示しているにすぎず、当業者にとって、創造的な労働をせずに、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本願の実施例で提供されたネットワークシステムのアーキテクチャの模式図である。
図2】本願の実施例で提供された伝送処理方法のフローの模式図である。
図3a】本願の実施例で提供された指示情報を示す模式図である。
図3b】本願の実施例で提供された他の指示情報を示す模式図である。
図4】本願の他の実施例で提供された伝送処理方法のフローの模式図である。
図5】本願の他の実施例で提供された伝送処理方法のフローの模式図である。
図6a】本願の実施例で提供された制御フレームの構造の模式図である。
図6b】本願の実施例で提供された制御フレームにおける指示情報の位置の模式図である。
図6c】本願の実施例で提供された制御フレームにおける他の指示情報の位置の模式図である。
図7】本願の実施例で提供された管理フレームの構造の模式図である。
図8】本願の他の実施例で提供された伝送処理方法のフローの模式図である。
図9】本願の他の実施例で提供された伝送処理方法のフローの模式図である。
図10】本願の他の実施例で提供された伝送処理方法のフローの模式図である。
図11】本願の実施例で提供された伝送処理装置の構成の模式図である。
図12】本願の他の実施例で提供された伝送処理装置の構成の模式図である。
図13】本願の実施例で提供された機器の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の構成を明瞭かつ完全に説明する。
【0016】
本願の実施例では、伝送処理方法が提供されている。該伝送処理方法は、ネットワークシステムに適用することができる。ここでのネットワークシステムは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)システム、セルラーネットワーク(Cellular network)システム、ブルートゥース(Bluetooth)システムなどを含んでもよいが、これらに限定されない。図1に示すように、ネットワークシステムは、第1機器及び第2機器を含んでもよい。ここで、第1機器は、ネットワークシステムにおける任意の端末機器を指してもよい。ここでの端末機器は、ワークステーション(STA:Station)、ユーザ機器(UE:User Equipment)などを含んでもよいが、これらに限定されない。第2機器は、ネットワークシステムにおける任意のネットワーク機器を指してもよい。ここでのネットワーク機器は、無線アクセスポイント(AP:Access Point)、基地局などを含んでもよいが、これらに限定されない。第1機器と第2機器との間でデータ伝送を行うことができ、第2機器は、第1機器と第2機器との間のデータ伝送をスケジューリングすることができる。説明の便宜上、本願の実施例では、以下、WLANシステムにおいて該伝送処理方法を実現するとして説明し、セルラーネットワークシステムなどの他のネットワークシステムにおいて伝送処理方法を実現する原理は、本願の実施例を参照すればよい。
【0017】
本願の実施例で提供された伝送処理方法は、図2を参照すればよい。該伝送処理方法は、WLANシステムに適用することができ、第1機器は、STAであってもよく、第2機器は、APであってもよい。図2を参照されたいが、該伝送処理方法は、第1機器に適用され、上りプレスケジューリング伝送を考慮の対象として、以下のステップS201~S203を含んでもよい。
【0018】
S201で、第1機器は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信する。
【0019】
第2機器は、第1チャネルを介して第1機器にプレスケジューリングメッセージを送信し、第1機器は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、該プレスケジューリングメッセージには、少なくともパラメータ情報が付されており、該パラメータ情報は、第1機器と第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うために必要なパラメータを指示するためのものである。
【0020】
本願の実施例では、第2機器(例えば、AP又は基地局)による第1機器への上りスケジューリングの遅延を短縮するために、第1機器から第2機器へスケジューリング要求を送信する必要がなく、第2機器が第1機器に対して上りプレスケジューリングを実行する。具体的には、プレスケジューリング伝送とは、第2機器が上りスケジューリングを完了する前に、第1機器に対して1つのプレスケジューリング周波数帯域を予めスケジューリングすることにより、第1機器がプレスケジューリング時刻に該プレスケジューリング周波数帯域を使用して上りターゲットデータを送信することである。
【0021】
ここで、パラメータ情報は、時間領域情報及び周波数領域情報を含んでもよい。そのうち、時間領域情報は、プレスケジューリング時刻を指示するためのものである。プレスケジューリング時刻とは、第1機器と第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行う時刻である。周波数領域情報は、プレスケジューリング周波数帯域を指示するためのものである。プレスケジューリング周波数帯域とは、第1機器と第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うための周波数帯域である。
【0022】
ここから分かるように、プレスケジューリングメッセージは、第1機器がプレスケジューリング時刻にプレスケジューリング周波数帯域を使用して第2機器に上りターゲットデータを送信するというスケジューリング内容を通知するためのものである。理解できるように、プレスケジューリングメッセージには、例えば、伝送周期、変調符号化方式(MCS:Modulation and Scheme)などの他の情報が付されてもよい。
【0023】
プレスケジューリングメッセージに付されている時間領域情報は、少なくとも以下の2つの実現可能な実施形態を含んでもよい。
【0024】
一実施形態では、時間領域情報は、絶対時間パラメータを含み、絶対時間パラメータは、ニュートンの絶対時空における絶対的な真の数学的時間を指し、該絶対時間パラメータは、外部の何物に依存しない。この実施形態では、プレスケジューリング時刻は、絶対時間パラメータが指示する時刻、又は現在時刻及び絶対時間パラメータに基づいて決定された時刻を含む。ここで、現在時刻は、第1機器の現在のシステム時間が指示する時刻である。
【0025】
具体的には、絶対時間パラメータのパラメータ情報が完全であれば、プレスケジューリング時刻は、絶対時間パラメータが指示する時刻である。いわゆるパラメータ情報が完全であることとは、パラメータ情報が具体的な時刻を明確に示すことができることである。例えば、絶対時間パラメータが8時20分15秒100ミリ秒200マイクロ秒であるとすると、このときの絶対時間パラメータは、具体的な時刻を明確に示すことができ、即ち、このときの絶対時間パラメータのパラメータ情報が完全であり、それに応じたプレスケジューリング時刻は、絶対時間パラメータが指示する時刻である8時20分15秒100ミリ秒200マイクロ秒である。
【0026】
絶対時間パラメータのパラメータ情報が不完全であれば、プレスケジューリング時刻は、現在時刻及び絶対時間パラメータに基づいて決定された時刻である。例えば、絶対時間パラメータが100ミリ秒200マイクロ秒であるとすると、このときの絶対時間パラメータは、時分秒などのパラメータ情報が欠けるため、具体的な時刻を明確に示すことができず、即ち、このときの絶対時間パラメータのパラメータ情報が不完全であり、それに応じたプレスケジューリング時刻は、現在時刻及び絶対時間パラメータに基づいて決定された時刻である。現在時刻が8時22分30秒20ミリ秒50マイクロ秒であるとすると、絶対時間パラメータに欠けているパラメータ情報は、現在時刻に応じたパラメータ情報を参照することができるため、欠けているパラメータ情報の値を8時22分30秒としてもよい。そうすると、プレスケジューリング時刻は、8時22分30秒20ミリ秒50マイクロ秒としてもよい。
【0027】
他の実施形態では、時間領域情報は、参照時間オフセットパラメータを含む。この実施形態では、プレスケジューリング時刻は、参照時刻及び参照時間オフセットパラメータに基づいて決定された時刻を含む。ここで、参照時刻は、第1機器がプレスケジューリングメッセージを受信した時刻、又は第2機器がプレスケジューリングメッセージを送信した時刻を含む。例えば、参照時刻は、第1機器がプレスケジューリングメッセージを受信した時刻である8時22分30秒20ミリ秒50マイクロ秒であり、参照時間オフセットパラメータは、参照時刻の300ミリ秒後である場合、プレスケジューリング時刻は、8時22分30秒320ミリ秒50マイクロ秒である。また、例えば、参照時刻は、第2機器がプレスケジューリングメッセージを送信した時刻である8時22分20秒220ミリ秒50マイクロ秒であり、参照時間オフセットパラメータは、参照時刻の30秒後である場合、プレスケジューリング時刻は、8時22分50秒220ミリ秒50マイクロ秒である。
【0028】
S202で、第1機器は、プレスケジューリングメッセージから、第1機器と第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取る。
【0029】
説明すべきものとして、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達すると、プレスケジューリング周波数帯域を使用して第2機器にデータを送信する際に、同じ周波数帯域を使用する他の機器からの信号干渉を受けることで、データ送信に失敗し、即ち、第1機器がプレスケジューリング時刻に上りターゲットデータを第2機器に送信することに成功できない可能性がある。
【0030】
例えば、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナゲーム(MOBA:Multiplayer Online Battle Arena)サービスのような多くのサービスは、遅延に対する要求が高い。プレスケジューリング時刻に第1機器が上りターゲットデータを第2機器に送信することに成功しなければ、サービスに大きな悪影響を与え、例えば、インタフェースのカクカクやラグなどを引き起こす。
【0031】
したがって、プレスケジューリング伝送の上りターゲットデータをプレスケジューリング時刻に送信することに成功できないことでサービスに影響を与えることを回避するために、ステップS203を実行する。
【0032】
S203で、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信し、該指示情報が、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである。
【0033】
具体的には、ステップS203は、以下の2つの実施形態を含んでもよい。
【0034】
一実施形態では、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を同時に送信する。この実施形態では、ステップS203は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器が第2チャネルを介して第2機器に第1データメッセージを送信するステップであって、第1データメッセージには、上りターゲットデータ及び指示情報が付されており、第2チャネルが、プレスケジューリング周波数帯域以外の周波数帯域を使用する、ステップを含んでもよい。
【0035】
ここで、第1チャネルが使用する周波数帯域は、第2チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じであるが、これを限定しない。例えば、第1チャネルが使用する周波数帯域は、2.4GHz周波数帯域におけるチャネル1の20MHzであり、第2チャネルが使用する周波数帯域も、2.4GHz周波数帯域におけるチャネル1の20MHzであり、この場合、第1チャネルが使用する周波数帯域は、第2チャネルが使用する周波数帯域と同じである。また、例えば、第1チャネルが使用する周波数帯域は、2.4GHz周波数帯域におけるチャネル1の20MHzであり、第2チャネルが使用する周波数帯域は、6GHz周波数帯域における80MHzであり、この場合、第1チャネルが使用する周波数帯域は、第2チャネルが使用する周波数帯域と異なる。また、例えば、第1チャネルが使用する周波数帯域は、6GHz周波数帯域における20MHzであり、第2チャネルが使用する周波数帯域は、6GHz周波数帯域における前記20MHzを含む40MHzであり、この場合、第1チャネルが使用する周波数帯域は、第2チャネルが使用する周波数帯域と部分的に同じである。
【0036】
他の実施形態では、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報をそれぞれ送信してもよい。この実施形態では、ステップS202は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器が第3チャネルを介して第2機器に第2データメッセージを送信するステップであって、第2データメッセージには、上りターゲットデータが付されており、第3チャネルが、プレスケジューリング周波数帯域以外の周波数帯域を使用する、ステップと、第2データメッセージの送信に成功した場合、第1機器が第2チャネルを介して第2機器に第3データメッセージを送信するステップであって、第3データメッセージには、指示情報が付されており、第2チャネルが、プレスケジューリング周波数帯域以外の周波数帯域を使用する、ステップと、を含んでもよい。ここで、第2チャネルが使用する周波数帯域は、第3チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じである。
【0037】
指示情報は、所定桁数のビットで表すことができる。
【0038】
一実施形態では、1桁又は複数桁のビットで表すことができ、例えば、プレスケジューリング伝送の取り消しを1桁のビット「0」で表す。また、例えば、プレスケジューリング伝送の取り消しを複数桁のビット「000」で表す。
【0039】
他の実施形態では、指示情報には、ターゲット番号又はターゲットプレスケジューリング時刻が含まれ、ここで、指示情報は、ターゲット番号に対応するプレスケジューリング伝送を取り消すように第2機器に指示し、又はターゲットプレスケジューリング時刻に対応するプレスケジューリング伝送を取り消すように第2機器に指示するためのものである。例えば、第1機器と第2機器との間に1回のプレスケジューリング伝送が存在し、該プレスケジューリング伝送のターゲット番号が「1」であれば、「00」でターゲット番号を表すことができ、指示情報に該ターゲット番号が含まれる場合、指示情報は、ターゲット番号が「1」であるプレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである。また、例えば、プレスケジューリング伝送のターゲットプレスケジューリング時刻は、「8時20分15秒100ミリ秒200マイクロ秒」であり、いくつかのビットで該ターゲットプレスケジューリング時刻を表すことができ、指示情報に該ターゲットプレスケジューリング時刻が含まれる場合、指示情報は、ターゲットプレスケジューリング時刻が「8時20分15秒100ミリ秒200マイクロ秒」であるプレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである。
【0040】
実際の適用では、第2機器は、第1機器に対して複数回のプレスケジューリングを行った可能性があり、即ち、第1機器と第2機器との間に複数回のプレスケジューリング伝送が存在する可能性があり、この場合、指示情報は、複数回のプレスケジューリング伝送のうちのターゲットプレスケジューリング伝送を取り消すように第2機器に指示するためのものである。
【0041】
ここで、ターゲットプレスケジューリング伝送は、ターゲット番号に対応するプレスケジューリング伝送であり、又はターゲットプレスケジューリング伝送は、ターゲットプレスケジューリング時刻に対応するプレスケジューリング伝送であり、又はターゲットプレスケジューリング伝送は、複数回のプレスケジューリング伝送のうち、ターゲット番号に対応するプレスケジューリング伝送以外の残りのプレスケジューリング伝送であり、又は前記ターゲットプレスケジューリング伝送は、複数回のプレスケジューリング伝送のうち、ターゲットプレスケジューリング時刻に対応するプレスケジューリング伝送以外の残りのプレスケジューリング伝送である。
【0042】
複数回のプレスケジューリング伝送において、各プレスケジューリング伝送の番号は、各プレスケジューリング伝送のプレスケジューリング時刻と現在時刻との間の差に基づいて決定される。例えば、第1機器と第2機器との間に、順にプレスケジューリング伝送a、プレスケジューリング伝送b、プレスケジューリング伝送c、プレスケジューリング伝送dである4回のプレスケジューリング伝送が存在し、この4回のプレスケジューリング伝送のプレスケジューリング時刻と現在時刻との間の差分値が順に300ミリ秒、200ミリ秒、400ミリ秒、100ミリ秒である場合、現在時刻から最も早い(又は最も近いと呼ばれる)プレスケジューリング伝送は、プレスケジューリング伝送dであり、即ち、プレスケジューリング伝送dの番号は、1であり、現在時刻から次に早い(2番目に早い)プレスケジューリング伝送は、プレスケジューリング伝送bであり、即ち、プレスケジューリング伝送bの番号は、2であり、同様に、プレスケジューリング伝送aの番号は、3であり、プレスケジューリング伝送cの番号は、4である。
【0043】
図3aに示すように、4回のプレスケジューリング伝送のうち、現在時刻から2番目に早いプレスケジューリング伝送の取り消しを「10」で指示することができ、即ち、ターゲット番号は、2であり、ターゲットプレスケジューリング伝送は、ターゲット番号に対応するプレスケジューリング伝送(プレスケジューリング伝送b)である。又は図3bに示すように、4回のプレスケジューリング伝送のうち、現在時刻から2番目に早いプレスケジューリング伝送を保留して、4回のプレスケジューリング伝送のうち、保留されたプレスケジューリング伝送以外の残りのプレスケジューリング伝送を取り消すことを「010」で指示することができ、即ち、ターゲット番号は、2であり、ターゲットプレスケジューリング伝送は、4回のプレスケジューリング伝送のうち、ターゲット番号に対応するプレスケジューリング伝送以外の残りのプレスケジューリング伝送(プレスケジューリング伝送a、プレスケジューリング伝送c、及びプレスケジューリング伝送d)である。
【0044】
本願の実施例では、第1機器と第2機器との間でデータ伝送を行う際に、第1機器は、第2機器から送信されたプレスケジューリング伝送のパラメータ情報を受信することができ、該パラメータ情報には、プレスケジューリング時刻を決定するための時間領域情報が含まれる。プレスケジューリング時刻に到達する前に上りターゲットデータ及び指示情報を送信することにより、プレスケジューリング時刻に上りターゲットデータを送信する際に、他の機器からの信号干渉を受けることで、上りターゲットデータの伝送に失敗することをある程度で回避することができる。これにより、データ伝送の成功率を向上させることができるとともに、伝送遅延をさらに低減することもできる。また、プレスケジューリング時刻に到達する前に上りターゲットデータ及び指示情報を既に送信し、該指示情報が、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示することができる。これにより、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0045】
上記の説明に基づき、本願の実施例では、他の伝送処理方法が提供されている。図4を参照されたいが、該方法は、第1機器に適用され、上りプレスケジューリング伝送を考慮の対象として、以下のステップS401~S404を含んでもよい。
【0046】
S401で、第1機器は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信する。
【0047】
プレスケジューリングメッセージには、パラメータ情報が付されており、パラメータ情報は、時間領域情報及び周波数領域情報を含む。ここで、時間領域情報は、プレスケジューリング時刻を指示するためのものであり、周波数領域情報は、プレスケジューリング周波数帯域を指示するためのものである。プレスケジューリング周波数帯域は、第1チャネルが使用する周波数帯域と同じであってもよく、例えば、第1チャネルが使用する周波数帯域は、2.4GHz周波数帯域におけるチャネル1の20MHzの周波数帯域であり、プレスケジューリング周波数帯域も2.4GHz周波数帯域におけるチャネル1の20MHzの周波数帯域である。任意選択的に、該プレスケジューリング周波数帯域は、第1チャネルが使用する周波数帯域と同じでなくてもよく、例えば、第1チャネルが使用する周波数帯域は、2.4GHz周波数帯域におけるチャネル1の20MHzの周波数帯域であり、プレスケジューリング周波数帯域は、6GHz周波数帯域における20/40/80/160/320MHz、又は20MHz未満の周波数帯域であるが、ここでは限定しない。
【0048】
任意選択的に、第1機器は、ステップS401の後に、第1機器が第2機器にプレスケジューリング確認メッセージを送信するステップS402を実行してもよい。
【0049】
第1機器は、該プレスケジューリングメッセージを受信した後、第2機器にプレスケジューリング確認メッセージ(例えば、ACK(Acknowledgement)、Responseフレーム)を送信し、該プレスケジューリング確認メッセージは、第2機器に対して、第1機器がプレスケジューリングメッセージの受信に成功したことを確認するためのものである。第2機器は、第1機器から送信されたプレスケジューリング確認メッセージを受信した場合、プレスケジューリングメッセージの送信に成功したとみなすことができる。第2機器がプレスケジューリングメッセージを送信してから所定の期間内に、第1機器から送信されたプレスケジューリング確認メッセージを受信しなかった場合、第2機器は、自身の送信したプレスケジューリングメッセージが第1機器に到達することに成功しなかったとみなす。このとき、第2機器は、第1機器から返信されたプレスケジューリング確認メッセージが受信されるまで、第1機器にプレスケジューリングメッセージを再び送信してもよい。ここで、所定の期間は、経験値に基づいて設定してもよく、例えば、所定の期間を60ミリ秒、400ミリ秒などに設定してもよい。
【0050】
説明すべきものとして、他のネットワークシステムにおいて、第2機器は、自身の送信したプレスケジューリングメッセージが第1機器に到達することに成功したとみなす過程には、他の実現形態がさらにあり得る。例えば、5Gネットワークシステムにおいて、第2機器は、第1機器にプレスケジューリングメッセージを送信すると、タイマーを起動し、タイマーの計時時間(例えば、100ミリ秒、200ミリ秒)に達しても、第1機器のいかなるフィードバックも受信しなかった場合、該プレスケジューリングメッセージが第1機器に到達することに成功し、プレスケジューリングメッセージの送信に成功したと自動的に確認するようにしてもよい。また、例えば、4Gネットワークシステムにおいて、第1機器から返信されたプレスケジューリング確認メッセージは、ACKメッセージではなく、ACKが付されているデータフレームメッセージ、又は制御フレームメッセージ、又は管理フレームメッセージのようなものであり、第2機器は、第1機器から返信された前記メッセージを受信した場合、プレスケジューリングメッセージの送信に成功したとみなす。
【0051】
S403で、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2チャネルを介して第2機器に第1データメッセージを送信し、第1データメッセージには、上りターゲットデータ及び指示情報が付されている。
【0052】
第2チャネルは、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用し、第1チャネルが使用する周波数帯域は、前記第2チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じであり、第1データメッセージには、データフレームが含まれ、指示情報は、データフレームのメディアアクセス制御(MAC)フレームヘッダ又は物理フレームヘッダにある。
【0053】
任意選択的に、第1機器は、ステップS403の後に、第1機器が第2機器から送信された第1確認メッセージを受信するステップS404をさらに実行してもよい。
【0054】
第2機器は、第1機器が第2チャネルを介して送信した第1データメッセージを受信した後、第1データメッセージにおける指示情報に基づいてプレスケジューリング伝送を取り消し、第1機器に第1確認メッセージを送信する。
【0055】
これに応じて、第1機器が第2機器に第1データメッセージを送信した後、第2機器から送信された第1確認メッセージを受信した場合、第1機器は、自身の送信した第1データメッセージが第2機器に到達することに成功し、かつ第2機器がプレスケジューリング伝送の取り消しを確認したとみなすことができる。このとき、第1機器は、プレスケジューリング伝送を取り消し、本フローを終了する。
【0056】
第2機器から返信された第1確認メッセージを第1機器が受信しなかった場合、第1機器は、第1データメッセージが第2機器に到達することに成功しなかったとみなす。このため、第1機器は、パラメータ情報に基づいて、プレスケジューリング時刻に到達すると、プレスケジューリング周波数帯域を使用して上りターゲットデータを送信し、本フローを終了してもよい。
【0057】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器にデータを送信する際に、時間領域情報に基づいて、プレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前に上りターゲットデータ及び指示情報を送信することにより、プレスケジューリング時刻にデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、データ送信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前に上りターゲットデータを送信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0058】
上記の説明に基づき、本願の実施例では、他の伝送処理方法が提供されている。図5を参照されたいが、該方法は、第1機器に適用され、上りプレスケジューリング伝送を考慮の対象として、以下のステップS501~S506を含んでもよい。
【0059】
S501で、第1機器は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信する。
【0060】
任意選択的に、第1機器は、ステップS501の後に、第1機器が第2機器にプレスケジューリング確認メッセージを送信するステップS502を実行してもよい。
【0061】
S503で、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第3チャネルを介して第2機器に第2データメッセージを送信し、該第2データメッセージには、上りターゲットデータが付されている。
【0062】
ここで、第3チャネルが使用する周波数帯域は、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域である。そうすると、実現可能な具体的な一実施過程として、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して第2機器に第2データメッセージを送信し、第2データメッセージには、データフレームが含まれ、データフレームには、第1機器の上りターゲットデータが付されている。
【0063】
説明すべきものとして、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域は、いずれも、ネットワーク標準で許可されている使用可能な周波数帯域を指し、例えば、WLAN標準で許可されている使用可能な2.4GHz/5GHz/6GHzである。プレスケジューリング時刻が8時20分15秒100ミリ秒200マイクロ秒であり、プレスケジューリング周波数帯域が6GHzである場合、8時20分5秒00ミリ秒00マイクロ秒に、2.4GHz又は5GHzを用いて第2データメッセージを伝送してもよい。
【0064】
任意選択的に、第1機器は、ステップS503の後に、第1機器が第2機器から送信された第2確認メッセージを受信するステップS504を実行してもよい。
【0065】
第1機器が第2機器に第2データメッセージを送信した後、第2機器から送信された第2確認メッセージを受信した場合、第1機器は、上りターゲットデータを第2機器に送信することに成功したとみなすことができる。そうすると、プレスケジューリング時刻に上りターゲットデータを繰り返して送信する必要がないため、第1機器は、ステップS505を実行して、プレスケジューリング伝送を取り消してもよい。
【0066】
第2機器から返信された第2確認メッセージを第1機器が受信しなかった場合、第1機器は、上りターゲットデータを第2機器に送信することに成功しなかったとみなす。そうすると、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達するまで待って、プレスケジューリング周波数帯域を使用して第2機器に上りターゲットデータを送信し、上りターゲットデータを送信した後に本フローを終了してもよい。
【0067】
説明すべきものとして、本願の実施例は、第1機器が第3チャネルを介して第2機器に第2データメッセージを送信する回数を限定しない。即ち、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第3チャネルを介して第2機器に第2データメッセージを複数回送信してもよい。また、毎回第1機器から第2機器へ第2データメッセージを送信する際に、第3チャネルが使用する周波数帯域は、同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じであってもよい。
【0068】
S505で、第2データメッセージの送信に成功した場合、第1機器は、第2チャネルを介して第2機器に第3データメッセージを送信する。
【0069】
ここで、第2チャネルが使用する周波数帯域も、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域である。第1チャネルが使用する周波数帯域は、第2チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じであってもよく、第2チャネルが使用する周波数帯域は、第3チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じであってもよいが、これを限定しない。第3データメッセージには、プレスケジューリング伝送を取り消すように第2機器に指示するための指示情報が付されており、指示情報は、第3データメッセージにおいて少なくとも1桁のビットで表すことができ、第3データメッセージには、データフレーム、制御フレーム、又は管理フレームのいずれか1つが含まれる。
【0070】
制御フレームの構造は、図6aを参照すればよい。制御フレームは、フレームのプロトコルを指示するためのプロトコルバージョン(Protocol Version)フィールドと、いずれもフレーム制御フィールド(FC Field:Frame Control Field)にあり、フレームのタイプを指示するためのタイプ(Type)フィールド及びサブタイプ(Subtype)フィールドと、該フレームが基本サービスセット(BSS:Basic Service Set)から接続先サーバ(DS:Destination Server)へ送信されるフレームであることを指示するためのTo DSフィールドと、該フレームがDSからBSSへ送信されるフレームであることを指示するためのFrom DSフィールドと、ロングフレームが分割される状況や、他のフレームがあるか否かを説明するためのマルチフラグメント(More Frag)フィールドと、フレーム再送用の再送(Retry)フィールドと、STAが省電力モード中であるか非省電力モード中であるかを示すためのパワー管理(Power Management)フィールドと、宛先に送信するデータフレームがまだあるか否かを示すためのマルチデータ(More Data)フィールドと、フレームボディが暗号化されているか否かを示すための保護(Protected Frame)フィールドと、ロングフレーム分割伝送に厳格な番号付け方式を採用するか否かを示すためのオーダー(Order)フィールドと、を含む。
【0071】
これに応じて、第3データメッセージに制御フレームが含まれる場合、指示情報は、制御フレームのサブタイプフィールド(Subtypeフィールド)にあってもよい。具体的には、図6bに示すように、指示情報は、制御フレームのフレーム制御フィールド(FC Field:Frame Control Field)のSubtypeフィールドにある。又は、指示情報は、制御フレームの制御フレーム拡張(Control Frame Extension)フィールドにあってもよい。該制御フレーム拡張フィールドは、サブタイプフィールドにある。又は、指示情報は、制御フレームの他のフィールドのアイドルビットにあってもよい。前記他のフィールドは、制御フレームにおけるサブタイプフィールド及び制御フレーム拡張フィールド以外のフィールドである。例えば、マルチフラグメントフィールドにアイドルビットが存在する場合、図6cに示すように、指示情報は、マルチフラグメントフィールドのアイドルビットにあってもよい。
【0072】
管理フレームの構造は、図7を参照すればよい。管理フレームは、タイプフィールドと、期間(Duration)フィールドと、宛先アドレス(Address1)フィールドと、送信元アドレス(Address2)フィールドと、宛先アドレス(Address3)フィールドと、シーケンス制御(Sequence Control)フィールドと、HT制御(HT Control)フィールドと、フレームボディ(Frame Body)フィールドと、フレームチェックシーケンス(FCS:Frame Check Sequence)フィールドと、を含む。
【0073】
これに応じて、第3データメッセージに管理フレームが含まれる場合、指示情報は、管理フレームのフレームボディフィールドにあってもよい。該フレームボディフィールドは、カテゴリ(Category)フィールド及びプレスケジューリング伝送指示フィールドを含んでもよい。ここで、前記Categoryフィールドは、該管理フレームがプレスケジューリング伝送の取り消し用であることを指示するためのものであり、プレスケジューリング伝送指示フィールドは、指定されたプレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである。
【0074】
具体的には、Categoryフィールドにおいて、プレスケジューリング伝送の取り消しを1ビットで指示し、例えば、プレスケジューリング伝送の取り消しを「1」で指示し、プレスケジューリング伝送指示フィールドにおいて、指定されたプレスケジューリング伝送の取り消しを1つ又は複数のビットで指示してもよい。ここから分かるように、Categoryフィールドの情報が「1」であると読み取った場合は、プレスケジューリング伝送を取り消す必要があることを示し、この場合、引き続いてプレスケジューリング伝送指示フィールドの情報を読み取って、指定されたプレスケジューリング伝送の取り消しを決定してもよい。Categoryフィールドの情報が「0」であると読み取った場合、引き続いてプレスケジューリング伝送指示フィールドの情報を読み取る必要がない。
【0075】
第3データメッセージにデータフレームが含まれる場合、指示情報は、データフレームのMACフレームヘッダ又は物理フレームヘッダにある。
【0076】
任意選択的に、第1機器は、ステップS505の後に、第1機器が第2機器から送信された第3確認メッセージを受信するステップS506を実行してもよい。
【0077】
具体的な実施過程において、第2機器は、第1機器から送信された第3データメッセージを受信した後、第1機器に第3確認メッセージを送信し、該第3確認メッセージは、第2機器が、第1機器に対して、第3データメッセージの受信に成功し、かつプレスケジューリング伝送を取り消したことを確認するためのものである。したがって、第1機器は、第3確認メッセージを受信した後、プレスケジューリング伝送を取り消す。任意選択的に、ステップS506を実行する時刻は、プレスケジューリングタイミングより早くてもよい。
【0078】
本願の実施例で提供された伝送処理方法は、遅延時間に敏感ないくつかのサービス処理、例えば、MOBAサービスに適用することができる。該伝送処理方法をMOBAに適用することを例として、第2機器(AP)は、第1チャネルを介して、第1機器(STA)がプレスケジューリング時刻にゲームの上りデータを送信するようにプレスケジューリングする。例えば、APは、第1チャネル(2.4GHz周波数帯域)を介して、STAがプレスケジューリング時刻(例えば、40ミリ秒後)に6GHz周波数帯域を使用してゲームの上りデータを送信するようにするプレスケジューリングメッセージを送信する。STAは、APにプレスケジューリング確認メッセージを送信することにより、APに対して、プレスケジューリングメッセージを受信したことを確認してもよい。続いて、STAは、プレスケジューリング時刻に到達する前に、6GHz周波数帯域以外の他の周波数帯域を使用してAPにゲームの上りデータを送信する。STAは、APから送信された、ゲームの上りデータに関する確認メッセージを受信した場合、指示情報が付されているメッセージをAPに送信することにより、プレスケジューリング伝送を取り消すようにAPに通知し、APからフィードバックされた、該メッセージに関する確認メッセージを受信した後、該プレスケジューリング伝送を取り消す。
【0079】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器にデータを送信する際に、時間領域情報に基づいて、プレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前に上りターゲットデータ及び指示情報を送信することにより、プレスケジューリング時刻にデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、データ送信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前に上りターゲットデータを送信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0080】
上記の説明に基づき、本願の実施例では、他の伝送処理方法が提供されている。図8を参照されたいが、該方法は、第1機器に適用され、下りプレスケジューリング伝送を考慮の対象として、以下のステップS801~S802を含んでもよい。
【0081】
S801で、第1機器は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信する。
【0082】
第2機器は、第1チャネルを介して第1機器にプレスケジューリングメッセージを送信し、第1機器は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、該プレスケジューリングメッセージには、第1機器と第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域が付されている。
【0083】
S802で、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器がプレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信する。
【0084】
説明すべきものとして、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達すると、プレスケジューリング周波数帯域を使用して、第2機器から送信されたデータを受信する際に、同じ周波数帯域を使用する他の機器からの信号干渉を受けることで、データ受信に失敗し、即ち、第1機器がプレスケジューリング時刻に第2機器から送信された下りターゲットデータを受信することに成功できない可能性がある。
【0085】
例えば、MOBAサービスのような多くのサービスは、遅延に対する要求が高い。プレスケジューリング時刻に第1機器が下りターゲットデータを受信することに成功しなければ、サービスに大きな悪影響を与え、例えば、インタフェースのカクカクやラグなどを引き起こす。したがって、プレスケジューリング伝送の下りターゲットデータをプレスケジューリング時刻に受信することに成功できないことでサービスに影響を与えることを回避するために、本ステップでは、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第2機器は、第1機器に下りターゲットデータ及び指示情報を送信することができる。これに応じて、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器から送信された下りターゲットデータ及び指示情報を受信することができる。
【0086】
具体的には、ステップS802は、以下の2つの実施形態を含んでもよい。
【0087】
一実施形態では、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器が併せて送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信する。この実施形態では、ステップS802は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器が、第2機器が第2チャネルを介して送信した第4データメッセージを受信するステップを含んでもよい。ここで、第2チャネルは、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用し、第4データメッセージには、下りターゲットデータ及び指示情報が付されている。ここで、第1チャネルが使用する周波数帯域は、第2チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じであるが、これを限定しない。
【0088】
他の実施形態では、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器が個別に送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信する。この実施形態では、ステップS802は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器が第3チャネルを介して送信した第5データメッセージを受信するステップであって、第3チャネルがプレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用し、第5データメッセージには、下りターゲットデータが付されている、ステップと、第5データメッセージの受信に成功した場合、第1機器は、第2機器が第2チャネルを介して送信した第6データメッセージを受信するステップであって、第6データメッセージには、指示情報が付されており、第2チャネルが、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用する、ステップと、を含んでもよい。
【0089】
第1機器から返信された確認メッセージを所定の期間内に第2機器が受信しなかった場合、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達すると、プレスケジューリング周波数帯域を使用して、第2機器から、ステップS802における下りターゲットデータを受信する。ここで、確認メッセージは、第1機器が前記下りターゲットデータを正確に受信した後に送信した確認メッセージを指す。
【0090】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器から送信された下りターゲットデータを受信する際に、時間領域情報に基づいてプレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前に下りターゲットデータ及び指示情報を受信することにより、プレスケジューリング時刻に下りデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、下りデータ受信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前に下りターゲットデータを受信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0091】
上記の説明に基づき、本願の実施例では、他の伝送処理方法が提供されている。本実施例では、下りプレスケジューリング伝送を考慮の対象とする。図9を参照されたいが、該方法は、第1機器に適用され、以下のステップS901~S904を含んでもよい。
【0092】
S901で、第1機器は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信する。
【0093】
任意選択的に、第1機器は、ステップS901の後に、第1機器が第2機器にプレスケジューリング確認メッセージを送信するステップS902を実行してもよい。
【0094】
S903で、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器が第2チャネルを介して送信した第4データメッセージを受信し、第4データメッセージには、下りターゲットデータ及び指示情報が付されており、第2チャネルは、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用する。第4データメッセージには、データフレームが含まれ、指示情報は、データフレームのMACフレームヘッダ又は物理フレームヘッダにある。
【0095】
任意選択的に、第1機器は、第2機器が第2チャネルを介して送信した第4データメッセージを受信した後、第1機器が第2機器に第4確認メッセージを送信するステップS904を実行してもよい。
【0096】
第1機器から送信された第4確認メッセージを第2機器が受信した場合、第2機器は、自身の送信した第4データメッセージが第1機器に到達することに成功し、かつ第1機器がプレスケジューリング伝送の取り消しを確認したとみなすことができる。このとき、第2機器は、プレスケジューリング伝送を取り消す。第1機器から返信された第4確認メッセージを第2機器が受信しなかった場合、第2機器は、第4データメッセージが第1機器に到達することに成功しなかったとみなすことができる。このため、第2機器は、パラメータ情報に基づいて、プレスケジューリング時刻に到達すると、プレスケジューリング周波数帯域を使用して下りターゲットデータを送信してもよい。これに応じて、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達するまで待って、プレスケジューリング周波数帯域を使用して、第2機器から送信された下りターゲットデータを受信し、下りターゲットデータを受信した後に本フローを終了してもよい。
【0097】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器から送信された下りターゲットデータを受信する際に、時間領域情報に基づいてプレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前に下りターゲットデータ及び指示情報を受信することにより、プレスケジューリング時刻にデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、データ受信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前に下りターゲットデータを受信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0098】
上記の説明に基づき、本願の実施例では、他の伝送処理方法が提供されている。本実施例では、下りプレスケジューリング伝送を考慮の対象とする。図10を参照されたいが、該方法は、以下のステップS1001~S1006を含んでもよい。
【0099】
S1001で、第1機器は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信する。
【0100】
任意選択的に、第1機器は、ステップS1001の後に、第1機器が第2機器にプレスケジューリング確認メッセージを送信するステップS1002を実行してもよい。
【0101】
S1003で、プレスケジューリング時刻に到達する前に、第1機器は、第2機器が第3チャネルを介して送信した第5データメッセージを受信する。
【0102】
ここで、第3チャネルが使用する周波数帯域は、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域であり、第5データメッセージには、下りターゲットデータが付されており、前記第5データメッセージには、データフレームが含まれる。
【0103】
第1機器は、第5データメッセージを受信した後、第1機器が第2機器に第5確認メッセージを送信するステップS1004を実行してもよい。
【0104】
これに応じて、第2機器が第1機器に第5データメッセージを送信した後、第1機器から送信された第5確認メッセージを受信した場合、第2機器は、下りターゲットデータを第1機器に送信することに成功したとみなすことができ、第2チャネルを介して第1機器に第6データメッセージを送信してもよい。該第6データメッセージには、指示情報が付されている。このとき、第1機器は、ステップS1005を実行してもよい。第2機器が第5確認メッセージを受信しなかった場合、第2機器は、下りターゲットデータを第1機器に送信することに成功しなかったとみなすことができる。そうすると、第2機器は、プレスケジューリング時刻に到達するまで待って、プレスケジューリング周波数帯域を使用して、第1機器に下りターゲットデータを送信してもよい。これに応じて、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達するまで待って、プレスケジューリング周波数帯域を使用して、第2機器から送信された下りターゲットデータを受信し、下りターゲットデータを受信した後に本フローを終了してもよい。
【0105】
S1005で、第5データメッセージの受信に成功した場合、第1機器は、第2機器が第2チャネルを介して送信した第6データメッセージを受信する。
【0106】
ここで、第2チャネルは、プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用し、第2チャネルが使用する周波数帯域は、第3チャネルが使用する周波数帯域と同じであるか、又は異なるか、又は部分的に同じであってもよいが、これを限定しない。
【0107】
第6データメッセージには、指示情報が付されており、第6データメッセージには、データフレーム、制御フレーム、又は管理フレームのいずれか1つが含まれる。第6データメッセージに制御フレームが含まれる場合、指示情報は、制御フレームのサブタイプフィールドにあり、又は、指示情報は、制御フレームの制御フレーム拡張フィールドにあり、又は、指示情報は、制御フレームの他のフィールドのアイドルビットにある。他のフィールドは、制御フレームにおけるサブタイプフィールド及び制御フレーム拡張フィールド以外のフィールドである。第6データメッセージにデータフレームが含まれる場合、指示情報は、データフレームのMACフレームヘッダ又は物理フレームヘッダにある。第6データメッセージに管理フレームが含まれる場合、指示情報は、管理フレームのフレームボディフィールドにある。フレームボディフィールドは、カテゴリフィールド及びプレスケジューリング伝送指示フィールドを含む。
【0108】
任意選択的に、第1機器は、ステップS1005の後に、第1機器が第2機器に第6確認メッセージを送信するステップS1006を実行してもよい。
【0109】
具体的な実施過程において、第1機器は、第2機器から送信された第6データメッセージを受信した後、第2機器に第6確認メッセージを送信する。第2機器は、第6確認メッセージを受信した後、プレスケジューリング伝送を取り消す。任意選択的に、ステップS1006を実行する時刻は、プレスケジューリング時刻より早くてもよい。
【0110】
本願の実施例で提供された伝送処理方法は、遅延時間に敏感ないくつかのサービス処理、例えば、MOBAサービスに適用することができる。該伝送処理方法をMOBAに適用することを例として、第2機器(AP)は、第1チャネルを介して、第1機器(STA)がプレスケジューリング時刻にゲームの下りデータを受信するようにプレスケジューリングする。例えば、APは、第1チャネル(2.4GHz周波数帯域)を介して、STAがプレスケジューリング時刻(例えば、40ミリ秒後)に6GHz周波数帯域を使用してゲームの下りデータを受信するようにするプレスケジューリングメッセージを送信する。STAは、APにプレスケジューリング確認メッセージを送信することにより、APに対して、プレスケジューリングメッセージを受信したことを確認してもよい。続いて、APは、プレスケジューリング時刻に到達する前に、6GHz周波数帯域以外の他の周波数帯域を使用してSTAにゲームの下りデータを送信する。APは、STAから送信された、ゲームの下りデータに関する確認メッセージを受信した場合、指示情報が付されているメッセージをSTAに送信することにより、プレスケジューリング伝送を取り消すようにSTAに通知し、STAからフィードバックされた、該メッセージに関する確認メッセージを受信した後、該プレスケジューリング伝送を取り消す。
【0111】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器から送信されたプレスケジューリングメッセージを受信する際に、時間領域情報に基づいてプレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前に下りターゲットデータ及び指示情報を受信することにより、プレスケジューリング時刻に下りデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、データ受信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前に下りターゲットデータを受信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0112】
上記方法の実施例の説明に基づき、本願の実施例は、第1機器に適用される伝送処理装置をさらに開示している。前記伝送処理装置は、第1機器で実行されるコンピュータプログラム(プログラムコードを含む)であってもよく、第1機器に含まれるエンティティ装置であってもよい。該伝送処理装置は、上記の図2図4、及び図5に示す方法を実行することができる。図11を参照されたいが、前記伝送処理装置では、受信ユニット101と送信ユニット102とを実行することができ、
受信ユニット101は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、前記プレスケジューリングメッセージから、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取り、
送信ユニット102は、前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信し、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである。
【0113】
本願の一実施例によれば、図2図4、及び図5に示す方法に係る各ステップは、いずれも、図11に示す伝送処理装置の各ユニットによって実行することができる。例えば、図2に示すステップS201~S202は、図11に示す受信ユニット101によって実行することができ、図2に示すステップS203は、図11に示す送信ユニット102によって実行することができる。また、例えば、図4に示すステップS401及びS404は、図11に示す受信ユニット101によって実行することができ、ステップS402~S403は、図11に示す送信ユニット102によって実行することができる。また、例えば、図5に示すステップS501、S504、及びS506は、図11に示す受信ユニット101によって実行することができ、ステップS502、S503、及びS505は、図11に示す送信ユニット102によって実行することができる。
【0114】
本願の他の実施例によれば、図11に示す伝送処理装置の各ユニットは、それぞれ又は全部に1つ又はいくつかの他のユニットに統合して構成してもよく、又は、そのうちのある(いくらかの)ユニットは、機能的により小さい複数のユニットにさらに分割して構成してもよい。これは、同様の操作を実現することができるが、本願の実施例の技術的効果の実現に影響を与えない。上記のユニットは、論理的な機能に基づいて分割され、実際の適用では、1つのユニットの機能は、複数のユニットによって実現されてもよく、又は、複数のユニットの機能は、1つのユニットによって実現される。本願の他の実施例において、伝送処理装置が他のユニットも含み得ることに基づき、実際の適用では、これらの機能は、他のユニットによって補助して実現されてもよく、複数のユニットによって協働して実現されてもよい。
【0115】
本願の他の実施例によれば、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセス記憶媒体(RAM)、読み出し専用記憶媒体(ROM)などの処理素子及び記憶素子を含むコンピュータのような汎用コンピューティングデバイスで、図2図4、及び図5に示す相応の方法に係る各ステップを実行可能なコンピュータプログラム(プログラムコードを含む)を実行することにより、図11に示す伝送処理装置を構築し、本願の実施例における伝送処理方法を実現してもよい。前記コンピュータプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して上記コンピューティングデバイスにロードされ、上記コンピューティングデバイスで実行されてもよい。
【0116】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器にデータを送信する際に、時間領域情報に基づいて、プレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前にターゲットデータ及び指示情報を送信することにより、プレスケジューリング時刻にデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、データ送信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前にターゲットデータを送信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0117】
上記方法の実施例の説明に基づき、本願の実施例は、第1機器に適用される伝送処理装置をさらに開示している。前記伝送処理装置は、第1機器で実行されるコンピュータプログラム(プログラムコードを含む)であってもよく、第1機器に含まれるエンティティ装置であってもよい。該伝送処理装置は、上記図8図10に示す方法を実行することができる。図12を参照されたいが、前記伝送処理装置は、受信ユニット201を実行することができ、
受信ユニット201は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、前記プレスケジューリングメッセージには、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域が付されており、
前記受信ユニット201は、前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信し、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである。
【0118】
本願の一実施例によれば、伝送処理装置は、送信ユニット202をさらに含んでもよい。図8図10に示す方法に係る各ステップは、いずれも、図12に示す伝送処理装置の各ユニットによって実行することができる。例えば、図8に示すステップS801~S802は、図12に示す受信ユニット201によって実行することができる。また、例えば、図9に示すステップS901及びS903は、図12に示す受信ユニット201によって実行することができ、ステップS902及びS904は、図12に示す送信ユニット202によって実行することができる。また、例えば、図10に示すステップS1001、S1003、及びS1005は、図12に示す受信ユニット201によって実行することができ、ステップS1002、S1004、及びS1006は、図12に示す送信ユニット202によって実行することができる。
【0119】
本願の他の実施例によれば、図12に示す伝送処理装置の各ユニットは、それぞれ又は全部に1つ又はいくつかの他のユニットに統合して構成してもよく、又は、そのうちのある(いくらかの)ユニットは、機能的により小さい複数のユニットにさらに分割して構成してもよい。これは、同様の操作を実現することができるが、本願の実施例の技術的効果の実現に影響を与えない。上記のユニットは、論理的な機能に基づいて分割され、実際の適用では、1つのユニットの機能は、複数のユニットによって実現されてもよく、又は、複数のユニットの機能は、1つのユニットによって実現される。本願の他の実施例において、伝送処理装置が他のユニットも含み得ることに基づき、実際の適用では、これらの機能は、他のユニットによって補助して実現されてもよく、複数のユニットによって協働して実現されてもよい。
【0120】
本願の他の実施例によれば、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセス記憶媒体(RAM)、読み出し専用記憶媒体(ROM)などの処理素子及び記憶素子を含むコンピュータのような汎用コンピューティングデバイスで、図8図10に示す相応の方法に係る各ステップを実行可能なコンピュータプログラム(プログラムコードを含む)を実行することにより、図12に示す伝送処理装置を構築し、本願の実施例における伝送処理方法を実現してもよい。前記コンピュータプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して上記コンピューティングデバイスにロードされ、上記コンピューティングデバイスで実行されてもよい。
【0121】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器から送信されたターゲットデータを受信する際に、時間領域情報に基づいて、プレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前にターゲットデータ及び指示情報を受信することにより、プレスケジューリング時刻にデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、データ受信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前にターゲットデータを受信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0122】
上記方法の実施例及び装置の実施例の説明に基づき、本願の実施例では、機器がさらに提供されている。該機器は、上記に言及した第1機器であってもよく、該第1機器は、STAのような端末機器であってもよい。図13を参照されたいが、該第1機器は、少なくとも、プロセッサ301と、通信インタフェース302と、コンピュータ記憶媒体303と、を含む。ここで、前記通信インタフェース302は、他の機器(例えば、上記に言及した第2機器)との間でデータ送受信を行う無線周波数送受信器を含んでもよい。任意選択的に、第1機器は、第1機器に電力を供給する電源モジュールと、ユーザの入力指示を受け付ける入力モジュールと、音声を出力し、画像やビデオなどのマルチメディアコンテンツを表示する出力モジュールと、をさらに含んでもよい。
【0123】
コンピュータ記憶媒体303は、機器のメモリに記憶されてもよい。前記コンピュータ記憶媒体303は、コンピュータプログラムを記憶するためのものであり、前記コンピュータプログラムには、プログラム命令が含まれ、前記プロセッサ301は、前記コンピュータ記憶媒体303に記憶されたプログラム命令を実行する。プロセッサ301(又は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)と称する)は、機器のコンピューティングコア及び制御コアであり、1つ又は複数の命令を実現するように構成され、具体的には、1つ又は複数の命令をロードして実行することにより、相応の方法のフロー、又は相応の機能を実現するように構成される。一実施例では、本願の実施例に記載のプロセッサ301は、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信するステップ、前記プレスケジューリングメッセージから、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取るステップ、前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、前記第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信するステップであって、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、ステップなどを含む一連の伝送処理を行うことができる。
【0124】
他の実施例では、プロセッサ301は、第1機器が、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信するステップであって、前記プレスケジューリングメッセージには、前記第1機器と前記第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域が付されている、ステップ、前記プレスケジューリング時刻に到達する前に、前記第2機器が前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して送信した下りターゲットデータ及び指示情報を受信するステップであって、前記指示情報が、前記プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである、ステップなどを含む一連の他の伝送処理を行うこともできる。
【0125】
本願の実施例では、コンピュータ記憶媒体(Memory)がさらに提供されている。前記コンピュータ記憶媒体は、機器における記憶デバイスであり、プログラム及びデータを記憶するためのものである。理解できるように、ここでのコンピュータ記憶媒体は、機器における内蔵記憶媒体を含んでもよいし、当然に機器がサポートする拡張記憶媒体を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、記憶スペースを提供し、該記憶スペースには、機器のオペレーティングシステムが記憶されている。また、該記憶スペースには、プロセッサ301によりロードされて実行されるように構成される1つ又は複数の命令も記憶されており、これらの命令は、1つ又は複数のコンピュータプログラム(プログラムコードを含む)であってもよい。説明すべきものとして、ここでのコンピュータ記憶媒体は、高速RAMであってもよく、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリであってもよく、任意選択的に、前記プロセッサから離れて位置する少なくとも1つのコンピュータ記憶媒体であってもよい。一実施例では、プロセッサ301が、コンピュータ記憶媒体に記憶された1つ又は複数の命令をロードして実行することにより、上記図2図4、及び図5に示す伝送処理の実施例における方法に係る相応のステップを実現してもよい。さらに他の実施例では、プロセッサ301が、コンピュータ記憶媒体に記憶された1つ又は複数の命令をロードして実行することにより、上記図8図10に示す伝送処理の実施例における方法に係る相応のステップを実現してもよい。
【0126】
本願の実施例では、機器がさらに提供されている。該機器は、上記に言及した第2機器であってもよく、該第2機器は、ネットワーク機器、例えば、AP、基地局であってもよい。図13に示すように、第2機器は、送受信器及びデータ処理システムを含んでもよい。送受信器は、第1機器との間でデータ送受信を行うためのものである。該送受信器は、無線周波数受信器及び無線周波数送信器を含んでもよい。任意選択的に、第2機器は、第2機器に電力を供給する電力供給モジュールと、プログラムコードを記憶する記憶モジュールと、をさらに含んでもよい。
【0127】
一実施例では、上りプレスケジューリング伝送の場合、第1機器と第2機器との間でデータ伝送を行う具体的なフローは、以下の通りである。
【0128】
第2機器は、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第1チャネルを介して第1機器にプレスケジューリングメッセージを送信する。これに応じて、第1機器は、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信する。第1機器におけるプロセッサ301は、該プレスケジューリングメッセージから、第1機器と第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング周波数帯域を読み取る。任意選択的に、第1機器は、プレスケジューリングメッセージを受信した後、第2機器にプレスケジューリング確認メッセージを送信してもよい。
【0129】
第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、前記プレスケジューリング周波数帯域以外の任意の周波数帯域を使用して、第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を送信し、該指示情報は、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示するためのものである。第2機器は、送受信器における無線周波数受信器によってターゲットデータ及び指示情報を受信した後、指示情報に基づいてプレスケジューリング伝送を取り消すことができる。
【0130】
一実施形態において、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報を同時に送信してもよい。具体的には、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2チャネルを介して第2機器に第1データメッセージを送信してもよく、第1データメッセージには、上りターゲットデータ及び指示情報が付されている。任意選択的に、第2機器は、送受信器における無線周波数受信器によって第1データメッセージを受信した後、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第1機器に第1確認メッセージを送信してもよい。第1機器は、第1確認メッセージを受信した後、プレスケジューリング伝送を取り消す。
【0131】
他の実施形態において、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器に上りターゲットデータ及び指示情報をそれぞれ送信してもよい。具体的には、第1機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第3チャネルを介して第2機器に第2データメッセージを送信してもよく、第2データメッセージには、上りターゲットデータが付されている。任意選択的に、第2機器は、送受信器における無線周波数受信器によって第2データメッセージを受信した後、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第1機器に第2確認メッセージを送信してもよい。第1機器は、第2確認メッセージを受信すると、第2データメッセージの送信に成功したとみなすことができる。第2データメッセージの送信に成功した場合、第1機器は、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2チャネルを介して第2機器に第3データメッセージを送信してもよく、第3データメッセージには、指示情報が付されている。第2機器は、第3データメッセージを受信した後、指示情報に基づいてプレスケジューリング伝送を取り消すことができる。任意選択的に、第2機器は、送受信器における無線周波数受信器によって第3データメッセージを受信した後、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第1機器に第3確認メッセージを送信してもよい。第1機器は、第3確認メッセージを受信した後、プレスケジューリング伝送を取り消す。
【0132】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器にデータを送信する際に、時間領域情報に基づいて、プレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前に上りターゲットデータ及び指示情報を送信することにより、プレスケジューリング時刻に上りデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、データ送信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前に上りターゲットデータを送信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0133】
さらに他の実施例では、下りプレスケジューリング伝送の場合、第1機器と第2機器との間でデータ伝送を行う具体的なフローは、以下の通りである。
【0134】
第2機器は、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第1チャネルを介して第1機器にプレスケジューリングメッセージを送信する。これに応じて、第1機器は、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器が第1チャネルを介して送信したプレスケジューリングメッセージを受信し、該プレスケジューリングメッセージには、第1機器と第2機器との間でプレスケジューリング伝送を行うことを指示するためのプレスケジューリング時刻及びプレスケジューリング帯域が付されている。任意選択的に、第1機器は、プレスケジューリングメッセージを受信した後、第2機器にプレスケジューリング確認メッセージを送信してもよい。
【0135】
第2機器は、プレスケジューリング伝送時刻に到達する前に、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第1機器にプレスケジューリングの下りターゲットデータ及び指示情報を送信してもよい。これに応じて、第1機器は、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器から送信された下りターゲットデータ及び指示情報を受信し、指示情報に基づいてプレスケジューリング伝送を取り消す。
【0136】
一実施形態では、第2機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第1機器に下りターゲットデータ及び指示情報を同時に送信してもよい。具体的には、第2機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第2チャネルを介して第1機器に第4データメッセージを送信してもよく、第4データメッセージには、下りターゲットデータ及び指示情報が付されている。これに応じて、第1機器は、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器から送信された第4データメッセージを受信し、指示情報に基づいてプレスケジューリング伝送を取り消す。任意選択的に、第1機器は、第4データメッセージを受信した後、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器に第4確認メッセージを送信してもよい。第2機器は、第4確認メッセージを受信した後、プレスケジューリング伝送を取り消す。
【0137】
他の実施形態では、第2機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第1機器に下りターゲットデータ及び指示情報をそれぞれ送信してもよい。具体的には、第2機器は、プレスケジューリング時刻に到達する前に、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第3チャネルを介して第1機器に第5データメッセージを送信してもよく、第5データメッセージには、下りターゲットデータが付されている。任意選択的に、第1機器は、第5データメッセージを受信した後、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器に第5確認メッセージを送信してもよい。第2機器は、第5確認メッセージを受信すると、第5データメッセージの送信に成功したとみなすことができる。第5データメッセージの送信に成功した場合、第2機器は、送受信器における無線周波数送信器を用いて、第2チャネルを介して第1機器に第6データメッセージを送信してもよく、第6データメッセージには、指示情報が付されている。第1機器は、第6データメッセージを受信した後、指示情報に基づいてプレスケジューリング伝送を取り消すことができる。任意選択的に、第1機器は、第6データメッセージを受信した後、通信インタフェースにおける無線周波数送受信器を用いて、第2機器に第6確認メッセージを送信してもよい。第2機器は、第6確認メッセージを受信した後、プレスケジューリング伝送を取り消す。
【0138】
本願の実施例では、第1機器は、第2機器から送信された下りターゲットデータを受信する際に、時間領域情報に基づいてプレスケジューリング時刻を決定することができる。プレスケジューリング時刻に到達する前に下りターゲットデータ及び指示情報を受信することにより、プレスケジューリング時刻に下りデータ伝送を行う他の機器からの信号干渉をある程度で回避することができる。これにより、データ受信の成功率を向上させるとともに、伝送遅延を低減することができる。また、プレスケジューリング時刻の前に下りターゲットデータを受信したため、プレスケジューリング伝送の取り消しを指示情報で指示し、プレスケジューリング伝送のリソースが浪費されることを回避することができる。
【0139】
以上に掲示されたのは、本願の好ましい実施例にすぎず、当然に、これによって本願の権利範囲を限定するわけにはいかない。したがって、本願の請求の範囲に基づいて行われた同等な変更は、同様に本願の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10
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【国際調査報告】