(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】酸性PHで改善された特性を持つラクトース分解酵素
(51)【国際特許分類】
C12N 15/56 20060101AFI20220105BHJP
C12N 9/38 20060101ALI20220105BHJP
C12N 15/31 20060101ALI20220105BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20220105BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20220105BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20220105BHJP
A23C 7/04 20060101ALI20220105BHJP
A23C 9/12 20060101ALI20220105BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20220105BHJP
【FI】
C12N15/56
C12N9/38 ZNA
C12N15/31
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
A23C7/04
A23C9/12
A23L2/38 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021519809
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(85)【翻訳文提出日】2021-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2019078150
(87)【国際公開番号】W WO2020079116
(87)【国際公開日】2020-04-23
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260310
【氏名又は名称】セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ライ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス マーテン バン デン ブレンク
(72)【発明者】
【氏名】クレスチャン ギレレーゼン
【テーマコード(参考)】
4B001
4B050
4B065
4B117
【Fターム(参考)】
4B001AC25
4B001AC45
4B001BC13
4B001EC07
4B050CC04
4B050DD02
4B050LL02
4B065AA01X
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4B117LC04
4B117LK08
4B117LK18
4B117LK24
4B117LL09
4B117LP06
4B117LP20
(57)【要約】
本発明はβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す改良された新規なペプチドまたは二量体ペプチドに関するもので、このペプチドは酸性条件で最適なpHを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
37℃で測定した場合、pH 6.7未満のpHで最適な活性を有し、以下の配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および/もしくは20のうちのいずれか1つで表されるアミノ酸配列またはそれらの酵素的に活性な断片、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22以下のアミノ酸の置換、付加たは欠失を有する配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20のうちのいずれか1つで表されるアミノ酸配列、または前記配列のいずれか1つに対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列のいずれか1つで表されるアミノ酸配列を有するβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す細菌ペプチド。
【請求項2】
前記細菌ペプチドが、前記配列のいずれかに対して少なくとも90%、好ましくは前記配列のいずれかに対して少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の細菌ペプチド。
【請求項3】
37℃で測定した場合にpH 5.5未満のpHで最適な活性を有し、好ましくは37℃で測定した場合にpH 3とpH 5の間のpHで最適な活性を有する、請求項1または2に記載の細菌ペプチド。
【請求項4】
前記細菌ペプチドが、配列番号1、2、3、5、6、7、11、12および/もしくは14によって表されるアミノ酸配列またはその酵素的に活性断片、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22以下のアミノ酸の置換、付加または欠失を有する配列番号1、2、3、5、6、7、11、12および/もしくは14によって表されるアミノ酸配列、または少なくとも前記配列のいずれかに対して80%の配列同一性、好ましくは、前記配列のいずれかに対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を持つ、請求項1から3のいずれか一項に記載の細菌ペプチド。
【請求項5】
前記細菌ペプチドが乳酸菌に由来する、好ましくはラクトコッカス属、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属の乳酸菌に由来する、請求項1から4のいずれか一項に記載の細菌ペプチド。
【請求項6】
前記β-ガラクトシダーゼ酵素活性は、前記細菌ペプチドを緩衝液(100 μMのMgSO
4を含む50 mM NaH
2PO
4緩衝液pH 6.7)で希釈し、かつ前記細菌ペプチド(100 μMのMgSO
4を含むpH 4.5の100 mMクエン酸ナトリウム緩衝液で調製した140 mMラクトース)を、13 μLの希釈細菌ペプチドを37 μLのラクトース溶液に混合し37℃で10分間培養することにより調製される反応混合物に加えることによって決定される、請求項1から5のいずれか一項に記載の細菌ペプチド。
【請求項7】
低減されたラクトース含有量を持つ乳製品または乳製品由来製品を製造するための、請求項1~6のいずれかに記載の細菌ペプチドを発現する宿主細胞。
【請求項8】
a)ミルク母材を用意する工程、
b)ミルク母材をpH 3.0~5.0の酸性化ミルク製品に転換する工程、および
c)工程a)から工程b)のいずれかの前、最中、または後に、前述の請求項1から6のいずれかに記載の細菌ペプチドを添加する工程、
を含む酸性化ミルク製品の製造方法。
【請求項9】
d)酸性化ミルク製品を熱処理して、細菌のレベルを1gあたり1×10
2 CFU以下に減らし、熱処理された酸性化ミルク製品を得る工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
e)工程b)で得られた前記酸性化ミルク製品または工程d)で得られた前記熱処理酸性化ミルク製品を少なくとも20℃の温度で、好ましくは少なくとも1日間、より好ましくは少なくとも3日間保存する工程を更に含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記ミルク母材は、化学酸性化剤の添加および/または乳酸菌種培養液による発酵により酸性化ミルク製品に転換される、請求項8~11に記載の方法。
【請求項12】
β-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す前記細菌ペプチドを工程b)で添加する、および/またはβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す前記細菌ペプチドを工程b)と工程c)の間に添加する、および/またはβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す前記細菌ペプチドを工程c)と工程d)の間に添加する、請求項8~11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~6のいずれかに記載の細菌ペプチドを含み、3.0と5.0の間のpHを有する酸性化ミルク製品。
【請求項14】
ミルク母材から酸性化ミルク製品を製造して、ミルク母材に存在するラクトースの少なくとも一部をグルコースおよびガラクトースに変換する方法におけるラクトース分解酵素としての、請求項1~6のいずれか一項に記載の細菌ペプチドの使用。
【請求項15】
前請求項1~6のいずれかに記載の細菌ペプチドを含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す改良された新規なペプチドすなわち二量体ペプチド、ならびに乳製品などの組成物中のラクトース(ラクトース)含有量を低減するための改良された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミルク(乳)で乳酸菌を増殖するには、加水分解は、炭素源として乳酸菌がグルコース(グルコース)とガラクトースを得るための優れた方法である。ラクトース分解酵素(β-ガラクトシダーゼ; EC 3.2.1.23)は、乳糖すなわちラクトースを単糖に加水分解する工程を実行する酵素である。ラクトース分解酵素は、乳製品中のラクトースの分解に商業的に使用されている。ラクトース不耐症の人は、ラクトース濃度の高い乳製品を消化するのが困難である。世界の人口の約70%がラクトースを消化する能力が限られていると推定されている。したがって、ラクトースを含まないか、または低濃度しか含まない乳製品に対する需要が高まっている。
【0003】
ラクトース分解酵素(ラクターゼ)は、クルイベロミセス属およびバチルス属のような微生物を含む多種多様な生物から単離されてきた。クルイベロミセス属、特にクルイベロミセス・フラギリスおよびクルイベロミセス・ラクチス、ならびにカンジダ属、トルラ属、トルロプシス属などの他の真菌は、真菌ラクトース分解酵素の一般的な供給源であり、バチルス・コアギュランスおよびバチルス・サーキュランスは細菌性ラクトース分解酵素の周知の供給源である。これらの生物に由来するいくつかの市販のラクトース分解酵素製剤、例えばLactozym(R)(デンマークのNovozymesから入手可能)、HA-Lactase(デンマークのChr. Hansenから入手可能)、およびMaxilact(R)(オランダのDSMから入手可能)が入手可能であり、いずれもクルイベロミセス・ラクチス由来である。これらのラクトース分解酵素はすべて、pH 6からpH 8の間で最適なpHを持ち、37℃前後で最適な温度を持ついわゆる中性ラクトース分解酵素である。そのようなラクトース分解酵素が、例えば低ラクトースヨーグルトの生産に使用される場合、発酵中にpHが低下すると活性が低下するため、酵素処理は発酵前に別の工程で行うか、かなり高い酵素投与量を採用する必要がある。
【0004】
WO2009/071539は、ミルク中で非常に効率的な加水分解が可能で、低pH、例えばpH 6を含む広いpH範囲にわたって活性なビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に由来するラクトース分解酵素を開示している。
【0005】
WO2013/160413は、グルコース含有量を増加させながら発酵ミルク製品中のラクトース含有量を減少させることを目的として、グルコース陰性乳酸菌株と従来のラクトース分解酵素との組み合わせにより発酵ミルク製品を製造する方法を開示している。
【0006】
EP-A1-2 957 180は、ラクトースの含有量および発酵ミルク製品中の後酸性化のレベルの低減を目的として、種培養液と従来のラクトース分解酵素との組み合わせにより発酵ミルク製品を製造する方法を開示している。
【0007】
WO2017/216000は、3.0~5.0のpHと少なくとも1.5 mg/mlのラクトース含有量を持つ酸性化原料ミルク製品を提供する工程と、この酸性化原料ミルク製品にラクトースを加える工程を含む酸性化ミルク製品を製造するプロセスを開示している。この製品はラクトース分解酵素、例えば、 37°Cの温度で測定した場合、pH 6.0で最適な活性を持つビフィドバクテリウム・ビフィダムに由来するラクトース分解酵素の最適pHでの活性と比較して、5.0のpHおよび37℃の温度で少なくとも5%のレベルでその活性を保持する。
【0008】
[発明の目的]
本発明の実施態様の目的は、酸性条件で改良されたラクトース不含生成物または低ラクトース生成物の製造を可能にする特性をもつβ-ガラクトシダーゼを提供することである。
【0009】
本発明の目的は、低ラクトース含有量の酸性化ミルク製品またはミルク由来製品を製造するための改善されたプロセスを提供することである。
【0010】
本発明の実施態様のさらなる目的は、ラクトース不含生成物または低ラクトース生成物などの生成物、特に酸性条件での低ラクトース製品中のラクトースを減少させる、より簡単、より速く、より信頼性が高く、またはより安価な製造方法などの改善を可能にする特性を持つβ-ガラクトシダーゼを提供することである。
【発明の概要】
【0011】
本発明者らは、改善されたラクトース不含製品または低ラクトース製品の製造を可能にするだけでなく、そのようなラクトース不含製品または低ラクトース製品の改善された製造プロセスを可能にする、今まで記載されていない特性を有するβ-ガラクトシダーゼを確認した。特に、これらのβ-ガラクトシダーゼは非常に安定で、低pH値で比較的高い活性を示す。これにより、可能だと分かっていなかった特定のpH値および温度でのβ-ガラクトシダーゼの使用が可能になる。
【0012】
本発明は、酸性ラクトース分解酵素(すなわち、pH 6.7未満またはpH 5.5未満の最適pHでβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示すペプチド)を、酸性化ミルク製品を製造するプロセスで使用すると、いくつかの利点を有するという認識に基づいている。ヨーグルトなどの発酵ミルク製品は、発酵後に熱処理され、周囲温度での保存に適している。このような製品は、低温殺菌済ヨーグルトとも呼ばれる。
【0013】
まず、酸性ラクトース分解酵素は、pH 5.5未満、典型的にはpH 3.5からpH 4.5の間など、pH 6.7未満で最適な活性を有し、発酵ミルク製品の典型的なpHで最適な活性を有する。したがって、ラクトース分解酵素は、熱処理の有無にかかわらず、発酵の終わりと、発酵ミルク製品の貯蔵中の両方で最適な活性を示し、これにより、中性pHで最適な活性を持つラクトース分解酵素と比較して酸性化ミルク製品からラクトースを除去してラクトース不含生成物を生成するのに必要なラクトース分解酵素の量を減らすことができる。
【0014】
二つ目に、ラクトース不含製品を製造するために発酵開始時にラクトース分解酵素を添加すると、ラクトース分解酵素は発酵プロセスに影響を及ぼす、というのもラクトース分解酵素が存在しない状況に比べてラクトース濃度が低下するからであり、そのような影響はしばしば多くの望ましくない影響を含む。したがって、発酵の開始時にラクトース分解酵素を添加すると、pH特性、発酵時間および速度、乳酸菌の炭水化物代謝、発酵ブロスの炭水化物組成、および最終pHなどの多くの発酵特性が変化する可能性がある。したがって、発酵プロセスの基本的な特性が変わり、従来技術のラクトース分解酵素を使用する場合、通常、発酵プロセスの操作を再調整する必要がある。
【0015】
発酵開始時にラクトース分解酵素を添加するこの効果は、中性pHで最適な活性を有するラクトース分解酵素を使用する場合に特に大きい、というのは、ラクトース分解酵素がpHの顕著な低下が起こる前に発酵開始時にラクトースの濃度を大幅に低下させるからである。本発明は、低pHで最適な活性を有する酸性ラクトース分解酵素が発酵の終わりにラクトースの減少の大部分を引き起こし、したがってラクトースをラクトース分解酵素に変換するという望ましくない効果が最小になるというさらなる認識に基づいている。
【0016】
三つ目に、熱処理された発酵ミルク製品を製造するプロセスにおいて、熱処理後の貯蔵中にラクトースの酵素的除去が行われることが望まれ、ラクトース分解酵素は熱に不安定なため、これまで利用可能な唯一の選択肢は、熱処理後にラクトース分解酵素を添加することであった。熱処理後にラクトース分解酵素を添加するには、熱処理された発酵ミルク製品にラクトース分解酵素を無菌添加するための付加の特殊なプロセス工程と装置が必要であある。しかしながら、本発明は、酸性ラクトース分解酵素が耐熱性であり、発酵後の熱処理を含むプロセスにおいて、ラクトース分解酵素組成物の滅菌を必要とせずに、熱処理前のプロセスにラクトース分解酵素を添加することが可能であるというさらなる認識に基づいている。
【0017】
四つ目に、本発明は、酸性ラクトース分解酵素が熱および酸性条件の両方に耐性であるという事実が、酸性化ミルク製品を製造するための任意の種類のプロセスにラクトース分解酵素を使用し、発酵の開始時および酸性化ミルク製品の熱処理の前後の両方を含む任意のプロセスの任意の工程でラクトース分解酵素を添加する可能性を提供するという認識に基づいている。したがって、本発明は、使用時に完全な柔軟性を提供した。したがって、酸性化ミルク製品を製造する既存のプロセスおよび生産設備について、プロセスを変更することなく、そしてラクトース除去に関してプロセスを最適化するために、どの工程でラクトース分解酵素を添加するかを自由に選択することが可能である。同様に、使用時の完全な柔軟性により、ラクトース除去に関してプロセスを最適化するために、使用する酸性ラクトース分解酵素を自由に選択することが可能になる。
【0018】
したがって、本発明は、例えば、pH 6.7未満のpHで最適な活性を有するβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す細菌ペプチドに関する。この細菌ペプチドは37℃で測定した場合、pH 3とpH 5の間にあり、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および/もしくは20またはそれらの酵素的に活性な断片のいずれか1つ、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22以下のアミノ酸の置換、付加、または欠失を持つアミノ酸配列配列番号1、2、3、4 、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20のうちのいずれか1つによって表されるアミノ酸を含んでもよい。
【0019】
関連する側面において、本発明は、37℃で測定した場合pH 5.5未満のpH、例えばpH 3とpH 5の間で最適な活性を有するβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す細菌ペプチドに関する。この細菌ペプチドは、配列番号1、2、3、5、6、7、11、12および/もしくは14で表されるアミノ酸配列もしくはその酵素的に活性な断片、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22以下のアミノ酸の置換、付加、または欠失を持つ配列番号1、2、3、5、6、7、11、12および/もしくは14で表されるアミノ酸配列を任意に有する。
【0020】
本明細書に関連する側面において、本発明は、GH42型酵素として特徴付けられ、pH 5.5などのpH 6.7未満の最適なpHを有し、配列番号1、2、3、4、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および18もしくはそれらの酵素的に活性な断片、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22以上のアミノ酸の置換、付加、または欠失を持つ配列番号1、2、3、4、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および18で表されるアミノ酸配列からなるリストから必要に応じて選択されるペプチドに関する。
【0021】
さらに、本発明の関連する側面は、上記の側面のいずれかに従う細菌ペプチド(このペプチドは、配列番号1~20のいずれか1つによって表されるアミノ酸配列または前記配列のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を持つ配列を有する)または、低ラクトース含有量の乳製品または乳製品由来製品を製造するための、前記ペプチドのいずれか1つを発現する宿主細胞に関する。
【0022】
本発明のペプチドは、好ましくは、例えば、乳酸菌、例えばラクトコッカス属、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属の細菌に由来してもよい。
【0023】
好ましくは、本発明のペプチドのβ-ガラクトシダーゼ酵素活性は、ラクトース分解酵素を緩衝液(100 μMのMgSO4を含む50 mM NaH2PO4緩衝液pH 6.7)で希釈し、β-ガラクトシダーゼ酵素(100 μMのMgSO4を含み、pH 4.5の100 mMクエン酸ナトリウム緩衝液で調製された140 mMのラクトース)を、13 μLの希釈酵素を37 μLのラクトース分解酵素溶液に混合し37℃で10分間培養して調製された反応混合物に加えて決定される。
【0024】
したがって、本発明はまた
a)ミルク母材を用意する工程、
b)ミルク母材をpH 3.0~5.0の酸性化ミルク製品に転換する工程、および
c)工程a)かb)のいずれかの前、最中、または後に、37℃で測定した場合に6.7未満、好ましくは37℃で測定した場合に1.0~6.0のpH、より好ましくは37℃で測定した場合に5.5未満であり、さらにより好ましくは37℃で測定した場合にpH 3とpH 5の間で最適な活性を示すβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す細菌ペプチドを添加する工程、
を含む、酸性化ミルク製品を製造するため方法に関する。
あるいは、
a)ミルク母材を用意する工程、
b)ミルク母材をpH 3.0~5.0の酸性化ミルク製品に転換する工程、および
c)工程a)からb)のいずれかの前、最中、または後に、本明細書に開示される細菌ペプチドを添加する工程、
を含む酸性化ミルク製品を製造する方法に関する。
【0025】
本発明の方法は、さらにd)細菌の濃度を1×102 CFU/g以下に低減するように酸性化ミルク製品を熱処理して、熱処理された酸性化ミルク製品を得る工程、および/またはe)工程b)で得られた酸性化ミルク製品または工程c)で得られた熱処理酸性化ミルク製品を少なくとも20℃の温度で少なくとも1日間保存する工程を含む。
【0026】
本発明で使用されるミルク母材は、化学酸性化剤の添加により酸性化生成物に転換されるか、または乳酸菌種培養液を用いる発酵により酸性化生成物に転換されてもよい。β-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す細菌ペプチドを、好ましくは、工程b)で、あるいは工程b)とc)の間、および/または工程c)とd)の間で添加してもよい。
【0027】
さらに好ましい側面では、本発明は、β-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す細菌ペプチドを含む酸性化ミルク製品を少なくとも20℃の温度で保存する方法、または工程b)で得られた酸性化ミルク製品、または、工程d)で得られた熱処理された酸性化ミルク製品が、少なくとも20℃の温度で少なくとも3日間保存される方法に関する。
【0028】
したがって、本発明はまた、β-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す細菌ペプチドを含む酸性化ミルク製品に関する。この製品は、37℃で測定した場合6.7未満、好ましくは37℃で測定した場合5.5未満、さらに好ましくは1.0と5.0の間、さらにより好ましくは37℃で測定した場合pH 3とpH 5の間のpHで最適な活性を有する。
【0029】
3.0から5.0の間のpHを有する酸性化ミルク製品が本明細書に含まれる。この製品は、本発明による細菌ペプチドを含む。
【0030】
さらに、本発明は、3.0から5.0の間のpHを有し、1.0から5.5の間のpHで最適な活性を有するβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す細菌ペプチドを含む酸性化ミルク製品、さらにミルク母材中に存在するラクトースの少なくとも一部をグルコースおよびガラクトースに変換するためにミルク母材から酸性化ミルク製品を製造する方法におけるラクトース分解酵素(このラクトース分解酵素は37℃で測定した場合6.7未満、好ましくは37℃で測定した場合5.5未満、より好ましくは1.0~5.0、さらにより好ましくは37℃で測定した場合pH3とpH5の間のpHで最適な活性を有する酸性ラクトース分解酵素である)の使用に関する。
【0031】
本発明の一態様として含まれるのは、ミルク母材から酸性化ミルク製品を製造して、ミルク母材に存在するラクトースの少なくとも一部をグルコースおよびガラクトースに変換するプロセスにおけるラクトース分解酵素の使用であり、ラクトース分解酵素は本発明による酸ラクトース分解酵素である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】37℃で測定された選択されたpH値(pH 6.7、pH 5.5、およびpH 4.5)間の活性比。
【0033】
[発明の詳細な説明]
本発明者らは、β-ガラクトシダーゼ酵素活性を示す特定のペプチドおよび多量体ペプチドが多くの異なる物理的条件で驚くほど安定であり、この部類の酵素に最適であると通常見られる範囲外の比較的高い活性を与えることを見出した。
【0034】
本発明の酸性ラクトース分解酵素は、pH 5.5未満などのpH 6.7未満で最適な活性を有するラクトース分解酵素として定義される。
【0035】
好ましい実施態様では、測定は、本明細書の実施例でさらに詳述される以下の手順に従って行われる:ラクトース分解酵素、例えば、無細胞抽出物として得られたものを緩衝液A(100 μMのMgSO4を含む50 mM NaH2PO4緩衝液pH 6.7)で最大40倍に希釈する。別の反応では、希釈した酵素を緩衝液Fで調製したラクトース溶液(100 μMのMgSO4を含むそれぞれpH 4.5、pH 5.5、6.7の100 mMクエン酸ナトリウム緩衝液で調製した140 mMのラクトース)を用いて培養する。PCR管内で13 μLの希釈酵素と37 μLのラクトース溶液を混合して反応混合物を調製する。反応混合物を、以下の培養条件(反応時間;37℃で10分、酵素の不活性化;95℃で10分、保存;4℃)を用いてDNAサーマルサイクラーで培養する。反応混合物を、さらなる使用に備えて-20℃で保存した。各ラクトース分解酵素の最大吸光度値を使用して、1分あたりに形成されるグルコースのμmolを決定した。これは、37℃でpH 4.5、5.5、および6.7のラクトースの1単位の活性として表される。37℃の比較的低いpHでの高活性は、発酵乳用途でのラクトース加水分解および酸性乳清ラクトース加水分解に関連している。
【0036】
発酵製品への応用性の観点から、本明細書に記載の酵素が、比較的広いpH範囲、例えば、pH 4.5まで、または4.0まで、または3.5まで、または3まで下げても高いβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を有する点で非常に有利である。
定義
【0037】
本明細書で使用されるまたは本発明の文脈における用語「細菌ペプチド」は、細菌起源のペプチドまたは細菌に由来するペプチドとして解釈されるべきである。本発明の文脈において、好ましい細菌は、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、またはビフィズス菌属のメンバーなどの乳酸菌を含む。
【0038】
本明細書および本発明の文脈で使用される用語「37℃で測定した場合、6.7未満のpHで最適な活性」は、前記活性が37℃で測定される場合、所与の酵素が6.7未満のpH、例えばpH 3とpH 5の間で最も活性であることを意味する。したがって、酵素が最も活性である最も好ましいpH値は、6.7未満である。
【0039】
本明細書および本発明の文脈で使用される用語「37℃で測定した場合、5.5未満のpHで最適な活性」は、前記活性が37℃で測定される場合、所与の酵素が5.5未満のpH、例えば、pH 3とpH 5の間で最も活性であることを意味する。したがって、酵素が最も活性である最も好ましいpH値は、5.5未満である。
【0040】
本明細書および本発明の文脈で使用される用語「37℃で測定した場合のpH 3とpH 5の間のpHで最適な活性」は、上記の活性が37°Cで測定された場合、所与の酵素がpH3とpH5の間のpHで最も活性であることを意味する。したがって、酵素が最も活性である最も好ましいpH値は、pH 3とpH 5の間である。
【0041】
本明細書および本発明の文脈で使用される用語「ミルク」は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、バッファローまたはラクダなどの任意の哺乳動物を搾乳することによって得られる乳糜管分泌物として解釈されるべきである。
【0042】
本明細書で使用される用語「ラクトースを含む組成物」は、0.002% (0.002 g/100 ml)を超えるラクトース含有量など、有意に測定可能な程度にラクトースを含む液体などの任意の組成物を指す。この用語には、ミルクおよびミルク系基質が含まれる。
【0043】
本明細書で使用される「還元ラクトース含有量を含む組成物」という用語は、0.002% (0.002 g/100 ml)未満のラクトース含有量を有する任意の液体などの任意の組成物を指す。この用語には、ラクトース含有量が0.002% (0.002 g/100 ml)未満のミルクおよびミルク系基質が含まれる。
【0044】
本明細書で使用される用語「乳製品または低ラクトース含有量の乳製品由来製品」は、ラクトース含有量が0.002% (0.002 g/100 ml)未満で製造された乳製品または乳製品由来製品を指す。
【0045】
本発明の文脈における用語「ミルク系基質」または「ミルク母材」は、任意の生および/または加工されたミルク材料であってもよい。有用なミルク系基質には、全乳または低脂肪乳、脱脂乳、バターミルク、低ラクトースミルク、再構成ミルク粉末、凝縮ミルク、乾燥ミルクの溶液、UHTミルク、乳清(ホエイ)、乳清ろ過生成物、酸乳清、クリーム、ヨーグルト、チーズなどの発酵ミルク製品、栄養補助食品、機能性栄養補助製品などの、ラクトースを含むミルクまたはミルク様製品の溶液・懸濁液が含まれるが、これらに限定されない。通常、ミルク系基質という用語は、乳製品を製造するためにさらに処理される生または処理済みのミルク材料を指す。
【0046】
本明細書で使用される用語「低温殺菌」は、ミルク系基質中の微生物などの生きている生物の存在を低減または排除するプロセスを指す。好ましくは、低温殺菌は、特定の温度を特定の期間維持することによって達成される。特定の温度は通常、加熱によって達成される。温度と持続時間は、有害な細菌などの特定の細菌を殺すか不活化する、および/またはミルク中の酵素を不活化するのに選択することができる。急速冷却工程が続く場合がある。
【0047】
本明細書で使用される用語「乳製品」は、主成分の1つにミルクを加えた任意の食品である。通常、主成分はミルクであり、いくつかの実施態様では、主成分は、本発明の方法に従ってβ-ガラクトシダーゼ活性を有する酵素で処理されたミルクを加えた基質である。
【0048】
本発明による乳製品は、例えば、脱脂乳、低脂肪乳、全乳、クリーム、UHT乳、貯蔵寿命の延長された乳、発酵ミルク製品、チーズ、ヨーグルト、バター、ミルク製品スプレッド、バターミルク、酸性ミルクドリンク、サワークリーム、乳清系ドリンク、アイスクリーム、凝縮ミルク、ドゥルセ・デ・レチェ(dulce deleche)またはフレーバーミルク飲料であってもよい。
【0049】
乳製品は、非乳成分、例えば、植物油、植物性タンパク質、および/または植物性炭水化物などの植物性成分をさらに含んでいてもよい。乳製品はまた、例えば、酵素、香味料、共生細菌(probiotics)培養物などの微生物培養物、塩、甘味料、糖、酸、果実、果実調製物、果汁、またはミルク製品の成分、または乳製品への添加物などの当技術分野で知られている他の任意の成分などのさらなる添加物を含んでいてもよい。
【0050】
本明細書で使用される用語「発酵乳製品」または「発酵ミルク製品」は、任意の種類の発酵が製造プロセスの一部を形成する任意の乳製品として解釈されるべきである。発酵乳製品の例としては、ヨーグルト、バターミルク、クレームフレッシュ、チーズのクワルクおよびフロマージュ・フレなどがある。発酵乳製品は、当技術分野で知られている任意の方法によって製造されるか、またはその工程を含むことができる。
【0051】
本明細書で使用される用語「発酵」は、微生物の作用による炭水化物のアルコールまたは酸への転換を指す。いくつかの実施態様において、本発明による発酵は、ラクトースの乳酸への転換を含む。本発明の文脈において、「微生物」は、ミルク基質を発酵することができる任意の細菌または真菌を含む。
【0052】
本明細書で使用される用語「β-ガラクトシダーゼ酵素活性を示すペプチド」は、二糖ラクトースのその構成要素である単糖グルコースおよびガラクトースへの加水分解を触媒する酵素活性を有する任意のペプチドを指す。このペプチドは、ラクトース分解酵素または単にβ-ガラクトシダーゼと呼ばれることもある(EC: 3.2.1.23)。
【0053】
本出願の文脈で使用される用語「ペプチド」および「オリゴペプチド」は(一般に認識されているように)同義と見なされ、文脈がペプチジル結合よって結合される少なくとも2つのアミノ酸の鎖を示す必要があるので、各用語は交換可能に使用することができる。「ポリペプチド」という言葉は、本明細書では、10を超えるアミノ酸残基を含む鎖に使用される。本明細書のすべてのペプチドおよびポリペプチドの式または配列は、左から右へ、およびアミノ末端からカルボキシ末端への方向に書かれている。本明細書で使用される「タンパク質」は、いくつかの宿主生物によって産生されるペプチド配列を指し、付加されたグリカンなどの翻訳後修飾を含むことがある。
【0054】
本明細書で使用される用語「アミノ酸」または「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列、またはこれらのいずれかの断片、ならびに天然に存在するまたは合成の分子を指す。この文脈において、「断片」は、いくらかの酵素活性を保持するβ-ガラクトシダーゼ酵素活性を示すペプチドの断片を指す。「アミノ酸配列」が天然に存在するタンパク質分子のアミノ酸配列を指す目的で本明細書に記載される場合、「アミノ酸配列」および類似の用語は、アミノ酸配列を、引用されたペプチド分子に関連する完全な天然アミノ酸配列に限定することを意味しない。
【0055】
本発明の例示的なペプチドはまた、少なくとも約200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、1000、1100またはそれ以上の長さの残基または酵素の全長にわたる断片を含む。したがって、本発明の「ペプチド断片」または「酵素的に活性な断片」は、少なくとも何らかの機能的な酵素活性を保持する断片である。典型的には、本発明のペプチド断片は、β-ガラクトシダーゼ酵素活性を示すペプチドの機能的触媒ドメインまたは他の必須の活性部位を依然として含む。他のドメインは欠失されている可能性がある。
【0056】
特に明記しない限り、本明細書で使用されるアミノ酸の「配列同一性」という用語は、(nref - ndif)・100/nref(ndifは、整列されたときの2つの配列における非同一残基の総数、nrefは配列のうちの1つにある残基の数である)で計算される配列同一性を指す。
【0057】
実施態様によっては、配列同一性を、従来の方法、例えば、Smith and Waterman, 1981, Adv. Appl. Math. 2:482により、Thompsonら1994, Nucleic Acids Res 22:467380のCLUSTAL Wアルゴリズムを用いるPearson & Lipman, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444の類似性の検索方法により、また、これらのアルゴリズム(GAP, BESTFIT, FASTA, and TFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group)のコンピューターによる実行によって決定する。国立バイオテクノロジー情報センターwww.ncbi.nlm.nih.gov/からソフトウェアを入手できるBLASTアルゴリズム(Altschul et al., 1990, Mol. Biol. 215:403-10) も使用できる。これらのアルゴリズムのいずれかを使用する場合、「ウィンドウ」の長さ、ギャップペナルティ、ギャップ拡張などのデフォルト・パラメータ(初期値)が使用される。
【0058】
本明細書に記載の特定のアミノ酸配列を有するペプチドは、アミノ酸の置換、付加/挿入、または欠失のいずれかによって、参照ペプチド配列とは異っていてもよい。
【0059】
本発明の実施態様によっては、配列番号1~20によって表されるアミノ酸配列を有するペプチド、または前記配列のいずれか1つに対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列の使用について言及する。実施態様によっては、この配列同一性は、少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、 94%、95%、96%、97%、98%、または99%であり、たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22以下のペプチドアミノ酸の置換、付加または欠失(配列番号1~20で表される任意の1つの参照アミノ酸配列と比較)である。本発明はまた、本発明によるペプチドの生物学的に活性な断片を特徴とする。本発明のペプチドの生物学的に活性な断片は、完全長タンパク質よりも少ないアミノ酸を含むが、対応する完全長ペプチドの生物学的活性の実質的な部分を示す、本発明のペプチドのアミノ酸配列と十分に同一であるかまたはそれに由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。典型的には、生物学的に活性な断片は、本発明の変異タンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。本発明のペプチドの生物学的に活性な断片は、例えば、長さが200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100以上のアミノ酸であるペプチドであってもよい。
【0060】
本明細書で使用される用語「宿主細胞」は、本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む核酸構築物または発現ベクターによる形質転換、遺伝子導入、形質導入などに感受性のある任意の細胞型を含む。宿主細胞は、特定の酵素が由来する細胞型、または特定の酵素の産生に感受性のある代替の細胞型であってもよい。この用語には、野生型と弱毒化株の両方が含まれる。
【0061】
適切な宿主細胞は、ラクトコッカス属、ストレプトコッカス属、ラクトバチルス属、ロイコノストック属、シュードロイコノストック属、ペディオコッカス属、ブレビバクテリウム属、エンテロコッカス属、およびプロピオニバクテリウム属を含む、「ラクトバチルス」目内の乳酸菌を含む任意の細菌であればよい。また、嫌気性細菌すなわちビフィズス菌のグループに属する乳酸産生菌、すなわちビフィドバクテリウム属種も含まれ、これらは、単独または乳酸菌と組み合わせて食用培養物として頻繁に使用されている。この定義には、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis subsp. Cremoris)、ロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp. Cremoris)、シュードロイコノコッカス・メセンテロイデス亜種クレモリス(Pseudoleuconostoc mesenteroides subsp. Cremoris)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ラクトコッカス・ラクチス亜種・ラクチス・バイオバリアント・ジアセチラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar. Diacetylactis)、ラクトバチルス・カゼイ亜種カゼイ(Lactobacillus casei subsp. Casei)およびラクトバチルス・パラカゼイ亜種パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. Paracasei)も含まれ、好熱性乳酸菌種には、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、ラクトバチルス・デルブルッキイ亜種ラクチス(Lactobacillus delbrueckii subsp. Lactis)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブルッキイ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus)、およびラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)が含まれる。この定義に入る他の特定の細菌には、ビフィドバクテリウム科に属する細菌、例えばビフィドバクテリウム属、具体的には、ビフィドバクテリウム・アニマリス(bifidobacterium animalis)すなわちビフィドバクテリウム・ロングム(bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(bifidobacterium bifodum)、ビフィドバクテリウム・ブレベ(bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・カテヌラツム(Bifidobacterium catenulatum)、ビフィドバクテリウム インファンティス(bifidobacterium infantus)、あるいはラクトバチルス属、具体的にはラクトバチルス・サケイ(L. sakei)、ラクトバチルス・アミロボラス(L. amylovorus)、ラクトバチスル・デルブルエッキ亜種ラクチス(L. delbrueckii subsp. Lactis)、及びクトバチルス・ヘルベティカス(L. helveticus)などが含まれる。
【0062】
この定義の宿主細胞には、以下の菌株も含まれる:アガリクス属、例えばアガリクス・ビスポラス(A. bisporus); アスコヴァギノスポラ属(Ascovaginospora);アスペルギルス属、例えばアスペルギルス・ニジェール(A. niger)、アスペルギルス・アワモリ(A. awamori)、アスペルギルス・フェチダス(A. Foetidus)、アスペルギス・ジャポニクス(A. Japonicus)、ニホンコウジカビ(A. oryzae);カンジダ属;ケタマカビ属;ケトトマスティア属(Chaetotomastia);タマホコリカビ属、例えばキイロタマホコリカビ(D. discoideum);クルイウェロマイセス属、例えば、クルイウェロマイセス・フラジリス(K. fragilis)、クルイウェロマイセス・ラクティス(K. lactis);ケカビ属、例えばムコール・ジャワニクス(M. javanicus)、ムコール・ムセド(M. mucedo)、ムコール・サブチリシムス(M. subtilissimus);アカパンカビ属、例えばアカパンカビ(N. crassa);リゾムコール属、例えばリゾムコール・プシルス(R. pusillus);クモノスカビ属、例えばリゾプス・アルヒズス(R. arrhizus)、リゾプス・ジャポニクス(R. japonicas)、リゾプス・ストロニファー(R. stolonifera);スクレロチニア属、例えばスクレロチニア・リベルティアナ(S. libertiana);トルラ属;トルロプシス属;トリコフィトン属、例えば紅色白癬菌(T. rubrum);ウェッツェリニア属、例えばウェッツェリニア・スクレロチオルム(W. sclerotiorum);バチルス属、例えばバチルス・コアグランス(B. coagulans)、バチルス・サーキュランス(B. circulans)、バチルス・メガテリウム(B. megaterium)、バチルス・ノヴァーリス(B. novalis)、バチルス・サブチリス(B. subtilis)、バチルス・プミルス(B. pumilus)、バチルス・ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)、バチルス・チューリンゲンシス(B. thuringiensis);ビフィドバクテリウム属、例えばビフィドバクテリウム・ロングム(B. Iongum)、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(B. bifidum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(B. animalis);クリセオバクテリウム属;シトロバクター属、例えばシトロバクター・フロインディー(C. freundii);クロストリジウム属、例えばウェルシュ菌(Clostridium perfringens);ディプロディア属、例えばディプロディア・ゴシピナD. gossypina;エンテロバクター属、例えばエンテロバクター・アエロゲネス(E. aerogenes)、エンテロバクター・クロアカ(E. cloacae);エドワジエラ属、例えばエドワジェラ・タルダ(E. tarda);エルウィニア属、例えばエルウィニア・ヘルビコラ(E. herbicola);エシェリキア属、例えば大腸菌;クレブシエラ属、例えば肺炎桿菌(K. pneumoniae);ミリオコッカム属;ミロテシウム属;ケカビ属(Mucor);アカパンカビ属、例えばアカパンカビ(N. crassa);プロテウス属、例えばプロテウ・ブルガリス(P. vulgaris);プロビデンシア属、例えばプロビデンシア・スチュアルティイ(P. stuartii);シュタケ属、例えばシュタケ(Pycnoporus cinnabarinus)、ピクノポラス・サングイネウス(Pycnoporus sanguineus);ルミノコッカス属、例えばルミノコッカス・トルク(R. torques);サルモネラ菌属、例えばチフス菌(S. typhimurium)、セラチア属、例えばセラチア・リクファシエンス(S. liquefasciens)、セラチア・マルセッセンス(S. marcescens);赤痢菌属、例えばフレキシネル赤痢菌(S. flexneri);ストレプトマイセス属、例えばストレプトマイセス・アンチビオチクス(S. antibioticus)、放線菌(S. castaneoglobisporus)、ストレプトマイセス・ヴィオラケオルベル(S. violaceoruber);カワラタケ属;トリコデルマ属、例えばトリコデルマ・リーゼイ(T. reesei)、トリコデルマ・ビリデ(T. viride);コリネバクテリア属;ピキア属:サッカロミセス属;ハンセヌラ属;エルシニア属、例えばエルシニア・エンテロコリチカ(Y. enterocolitica)。
配列
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
配列番号19. (G330 ドメインa)
【表2】
【0083】
【0084】
【0085】
【実施例】
【0086】
一般的な材料と方法
分子クローン化と遺伝子技術
制限酵素消化、ライゲーション(核酸連結)、形質転換、およびその他の標準的な分子生物学操作の手法は、文献に記載されている方法(Maniatisら“Molecular cloning: a laboratory manual, 2nd edition(分子クローン化:実験マニュアル、第2版)” Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989; Sambrook and Russell “Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition(分子クローン化:実験マニュアル、第3版” Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY 2001; Miller “Experiment in molecular genetics(分子遺伝学の実験)” Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1972)に基づくか、製造者の提案に従った。PCRを(米国Bio-Rad)から入手したDNAサーマルサイクラーで実施した。DNA配列決定をドイツのベルリンにあるLGCで行った。タンパク質を、10% SDSを含むゲル(Mini-PROTEAN(R) TGXstain-freeTゲル、Biorad、米国)でドデシル硫酸ナトリウムを用いた変性条件で、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によって分析した。タンパク質濃度を、キットに付属の手順に従ってBCA法により決定した。
菌株、プラスミドおよび増殖条件
【0087】
プラスミドのクローン化と単離には、大腸菌株TOP10 (Invitrogen)を使用した。β-ガラクトシダーゼ欠損大腸菌株BW25113 (Δ(araD-araB)567、ΔlacZ4787(:: rrnB-3)、λ-、rph-1、Δ(rhaD-rhaB)568、hsdR514) (Datsenko KA、Wanner BL; 2000、Proc Natl Acad Sci USA 97:6640-6645)を、組換えタンパク質の生産用のpBAD/Hisベクター(InvitrogenTM Life Technologies Corporation Europe BVから入手)と組み合わせて使用した。
タンパク質発現用の増殖培地
【0088】
組換えタンパク質の生産には、2xPY培地(16 g/L BD BBLTM PhytonTMペプトン、10 g/L酵母エキス、5 g/L NaCl)を使用した。プラスミドを維持するために、増殖培地にアンピシリン(100 μg/ml)を添加した。タンパク質生産を、0.05%のアラビノースを培地に加えて開始した。
実施例1:ラクトース分解酵素生産用の発現ベクターの構築
【0089】
乳酸菌またはビフィズス菌のゲノムDNAは、市販のゲノム抽出キットを用いて、付属の手順書(DNeasy、Qaigen、ドイツ)に従って抽出した。ラクトース分解酵素遺伝子を、精製されたゲノムDNA源をバイオマスとして使用し、2つの合成プライマーを用いたPCRによって増幅し、PCR試薬はPhusion U Hot start DNAポリメラーゼ(Thermo Scientific、米国)キットで提供された。ラクトース分解酵素遺伝子を、USERクローン化法(Nour-Eldin HH、Geu-Flores F、Halkier BA、Plant Secondary Metabolism Engineering、Methods in Molecular Biology(植物の二次代謝工学、分子生物学的方法)、643; 2010)を用いて、発現ベクターpBAD/Hisの開始コドンにクローン化し、発現構築物を得た。USERクローン化法では、PCR産物とデスティネーションベクターの両方で長い相補的オーバーハングが生成された。これらのオーバーハングは互いにアニールして安定したハイブリダイゼーション産物を形成し、これを使用してライゲーションなしで大腸菌に形質転換することができる。PCR産物にオーバーハングを生成するために、各プライマーの上流領域に単一のデオキシウラジン残基が含まれ、標的DNAを増幅する。ラクトース分解酵素遺伝子を、順方向プライマー(5’-ATTAACCAUGCGACGCAACTTCGAATGGCC-3’)と9番目の位置にウリジンを含む逆方向プライマー(ATCTTCTCUTTACCGCCTTACCACGAGCACG)(太字で示す)、続いてラクトース分解酵素遺伝子配列を用いてを用いて増幅した。並行して、ベクターDNAを、9番目の位置に単一のデオキシウラシル残基(太字で強調表示)を含む順方向(5’-AGAGAAGAUTTTCAGCCTGATACAGATTAAATC-3’)および逆方向プライマー(5’-ATGGTTAAUTCCTCCTGTTAGCCCAAAAAACGG-3’)の対を用い、続いてベクターDNA配列を用いてPCR増幅した。PCR産物を、市販のPCR精製キット(Qiagen、デンマーク)を用いて精製した。精製したPCR産物(ラクトース分解酵素遺伝子とベクターDNA)を等モル量で混合し、付属の手順書に従って市販のUSER酵素ミックス(New England Biolabs、米国)を用いて培養した。これらの酵素は、ウラシル残基とウリジンの上流の短い断片を取り除き、それによってPCR産物に相補的なオーバーハングを作成する。これらの相補的なオーバーハングは互いにアニールし、pBAD-ラクトース分解酵素発現ベクターを形成する。ライゲーション混合物のアリコートを、化学的に形質転換受容性のある大腸菌TOP10細胞に形質転換した。形質転換体を、LB-Ampプレート(LB; Luria-Bertani、Amp; 100 μg/mlアンピシリン)で37℃で選択した。翌日、ベクタープライマー(プライマー1;5'-CGGCGTCACACTTTGCTATGCC-3'およびプライマー2;5'-CCGCGCTACTGCCGCCAGGC-3')を用いて一晩増殖させた形質転換体からの小さなバイオマスを使用してコロニーPCRを行った。コロニーPCRの陽性クローンを5mL LB-Amp培地で培養し、プラスミドDNAを細胞から分離した。クローン化されたラクトース分解酵素遺伝子の配列を決定して、遺伝子の増幅中に付加の変異が導入されていないことを確認した。プラスミドDNAを発現宿主大腸菌株BW25113に形質転換した。
実施例2:大腸菌発現宿主におけるラクトース分解酵素の発現
【0090】
ラクトース分解酵素酵素を、pBAD発現システムを使用して大腸菌BW25113中で産生した。プラスミドDNAを保持する新たに形質転換された大腸菌BW25113細胞を、滅菌ループを用いてLb-Ampプレートから採取し、5mLのLb-Amp培地に接種するために使用した。一晩培養した培養液(200 μL)を使用して、震盪機(Innova(R)42)に取り付けた250 mLフラスコに50 mLの2xPY培地(100 μg/mLアンピシリンを含む)を接種した。培養物を、OD600が0.6~0.8に達するまで、37℃、220 rpmで培養した。培養培地に0.05%アラビノースを添加することでラクトース分解酵素発現を開始し、細胞を18℃、180 rpmでさらに16~20時間培養した。遠心分離(5000 rpm、4℃で10分間)により細胞を回収し、さらなる使用に備えて-20℃で保存した。
実施例3:37℃、pH 6.7で基質としてラクトース上の酵素を用いる活性測定
【0091】
β-ガラクトシダーゼ活性を測定するために、ラクトース分解酵素を緩衝液A(100 μMのMgSO4を含む50 mM NaH2PO4緩衝液pH 6.7)で40倍に希釈した。別の反応では、希釈した酵素を緩衝液Bで調製したラクトース溶液(100 μMのMgSO4を含むpH 6.7の100 mMクエン酸ナトリウム緩衝液で調製した140 mMのラクトース)と培養した。反応混合物は、13 μLの希釈酵素と37 μLのラクトース溶液をPCRチューブで混合して調製した。反応混合物をDNAサーマルサイクラーで以下の培養条件(反応時間:37℃で10分、酵素の不活性化:95℃で10分、冷却:4℃)で培養した。反応混合物は、さらなる使用に備えて-20℃で保存した。反応中に形成されたグルコースの量を決定するために、10 μLの反応混合物を、80 μLの緩衝液C(グルコースオキシダーゼを含む100 mMのNaH2PO4緩衝液、pH 7.0;0.6 g/L (Sigma Aldrich)、2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸ジアンモニウム塩);ABTS:1.0 g/L (Sigma Aldrich)、西洋ワサビペルオキシダーゼ;0.02 g/L (Sigma Adrich))を含む標準的なマイクロタイタープレート(Thermo Fischer Scientific, Denmark)の1つのウェルに移し、30℃で40分間培養する。 40分後、SpectroStar Omega UVプレート読み取り装置(BMG Labtech、ドイツ)を用いて610 nmで吸光度を測定した。0.1~1.5の吸光度値を計算に使用し、A610 nm値>1.5の場合、反応混合物を緩衝液Aで最大10倍に希釈した。各酵素を使用して、反応を3回行い、3回の測定の平均値を計算に使用した。空のpBAD/Hisで形質転換された大腸菌細胞で行われたタンパク質精製を正規化に使用した。既知のグルコース濃度(0~2.5 mM)を使用して検量線を作成し、曲線の傾きを使用して反応中に形成されたグルコースを計算した。各ラクトース分解酵素の最大吸光度値を用いて、1分あたりに形成されるグルコースのμmolを決定した。この値は、37℃、pH 6.7のラクトースでの1単位の活性として表される。参照配列配列番号21および配列番号22の活性を、同様の条件で決定した。
実施例4:37℃、pH 5.5で基質としてラクトース上の酵素を用いる活性測定
【0092】
ラクトース分解酵素を緩衝液A(100 μMのMgSO4を含む50 mMNaH2PO4緩衝液pH 6.7)で最大40倍に希釈した。別の反応では、希釈した酵素を緩衝液Eで調製したラクトース溶液(100 μMのMgSO4を含むpH 5.5の100 mMクエン酸ナトリウム緩衝液で調製した140 mMのラクトース)と培養した。反応混合物は、13 μLの希釈酵素と37 μLのラクトース溶液をPCRチューブで混合して調製した。反応混合物は、以下の培養条件を使用してDNAサーマルサイクラーで培養した(反応時間:37℃で10分、酵素の不活性化:95℃で10分、保存:4℃)。反応混合物を、さらなる使用に備えて-20℃で保存した。各ラクトース分解酵素の最大吸光度値を用いて、1分あたりに形成されるグルコースのμmolを決定した。この値は、37℃、pH 5.5のラクトースでの1単位の活性として表される。各ラクトース分解酵素の最大吸光度値を用いて、1分あたりに形成されるグルコースのμmolを決定した。これは、37℃、pH5.5のラクトースでの1単位の活性として表される。参照配列配列番号21および配列番号22の活性を、同様の条件で決定した。
実施例5:37℃、pH4.5で基質としてラクトース上の酵素を用いる活性測定
【0093】
ラクトース分解酵素を緩衝液A(100 μMのMgSO4を含む50 mM NaH2PO4緩衝液pH 6.7)で最大40倍に希釈した。別の反応では、希釈した酵素を緩衝液Fで調製したラクトース溶液(100 μMのMgSO4を含むpH4.5の100 mMクエン酸ナトリウム緩衝液で調製した140 mMのラクトース)と培養した。反応混合物を、13 μLの希釈酵素と37 μLのラクトース溶液をPCRチューブで混合して調製した。反応混合物を、以下の培養条件を用いてDNAサーマルサイクラーで培養した(反応時間:37℃で10分、酵素の不活性化:95℃で10分、保存:4℃)。各ラクトース分解酵素の最大吸光度値を用いて、1分あたりに形成されるグルコースのμmolを決定した。この値は、37℃、pH 4.5のラクトースでの1単位の活性として表される。各ラクトース分解酵素の最大吸光度値を用いて、1分あたりに形成されるグルコースのμmolを決定した。これは、37℃、pH 4.5のラクトースでの1単位の活性として表される。参照配列配列番号21および配列番号22の活性を、同様の条件で決定した。
【配列表】
【国際調査報告】