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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】電子ベーピングシステム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20220105BHJP
   A24F 40/95 20200101ALI20220105BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20220105BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20220105BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/95
A24F40/65
A24F40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021519853
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(85)【翻訳文提出日】2021-06-08
(86)【国際出願番号】 GB2019052922
(87)【国際公開番号】W WO2020074929
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】1816618.1
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1818020.8
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1902548.5
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】515009310
【氏名又は名称】エーワイアール エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎
(72)【発明者】
【氏名】グレットン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ムリソン,イアン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA12
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC33
4B162AC34
4B162AC37
4B162AC44
4B162AC46
4B162AC50
4B162AD08
4B162AD20
4B162AD23
4B162AD40
4B162AD41
(57)【要約】
吸い口リキッドリザーバー内に静電容量センサープレートを含むベーピング装置用の再充填可能リキッド吸い口またはポッド。リキッド再充填装置は、リフィルボトルから引き出された、リキッドをベーピング装置に供給し、再充填装置は静電容量測定回路を含み、マイクロコントローラは、静電容量測定回路からのデータを使用して、吸い口リキッドリザーバー内のリキッドの液位が閾値レベルを上回っているか、または下回っているかを判断し、下回っている場合は、再充填装置内のリキッドポンプが作動されてリキッドをリフィルボトルから引き出し、ベーピング装置を通してそれを吸い口リキッドリザーバーまでポンプで上げる。ポンピングは、一旦、リキッドが閾値レベルに達すると、止まる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)リキッドをアトマイザーに供給する自動的に再充填可能なリキッドリザーバーと、
(b)前記リキッドリザーバー内のリキッドの量または液位に応じて変わる前記リキッドリザーバーの電気的特性を測定することにより、前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの量または液位を直接的もしくは間接的に測定、推測または検出する液面検知サブシステムと、
(c)前記液面検知サブシステムの制御下で、リキッドを前記リキッドリザーバーへ自動的に移送するように構成された流体移送システムと
を備える、ベーピングシステム。
【請求項2】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は、静電容量、または、共振周波数などの静電容量に対応する変数である、請求項1に記載のベーピングシステム。
【請求項3】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内の2つの静電容量センサーを使用して前記静電容量を測定する容量検知システムであり、その静電容量は、前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの量または液位にほぼ反比例して変わる、請求項1または2に記載のベーピングシステム。
【請求項4】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内に静電容量センサーを含むLC共振器回路の共振周波数を検出して、この測定された共振周波数を、静電容量に対応するデジタル値に変換し、それは結果として前記リキッドリザーバー内の前記液面に対応する、請求項1~3のいずれかの一項に記載のベーピングシステム。
【請求項5】
前記測定された共振周波数におけるシフトは、静電容量における変化に対応し、それは結果として前記リキッドリザーバー内の前記液面の変化に対応する、請求項4に記載のベーピングシステム。
【請求項6】
前記液面検知サブシステムは、浮遊静電容量を補正する較正パラメータを使用して、製造中または構築時に個々に較正され、これらは、その較正された液面検知サブシステムを含む前記ベーピングシステム内のメモリ内に格納される、請求項1~5のいずれかの1項に記載のベーピングシステム。
【請求項7】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内、または前記リキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それはAC信号で励起され、次いで静電容量が並列共振回路を使用して測定され、その静電容量は前記リキッドリザーバー内の前記液位と共に変化する、請求項1~6のいずれかの1項に記載のベーピングシステム。
【請求項8】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は:インピーダンス、リアクタンス、もしくは抵抗、またはインピーダンス、リアクタンス、もしくは抵抗に対応するデジタル値、の1つ以上を含む、請求項1~7のいずれかの1項に記載のベーピングシステム。
【請求項9】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内、または前記リキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それはAC信号で励起され、次いでインピーダンスがブリッジ回路を使用して測定され、そのインピーダンスは前記リキッドリザーバー内の前記液位と共に変化する、請求項8に記載のベーピングシステム。
【請求項10】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内、または前記リキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは、100KHz信号などの十分に高い周波数においてAC信号で励起され、その容量性リアクタンスは前記リキッドリザーバーの前記インピーダンスの主成分で、抵抗(それは前記装置の向きの変化に対して、より影響を受けやすい)の重要性を低下させ、次いで前記インピーダンスはブリッジ回路を使用して測定され、そのインピーダンスは前記リキッドリザーバー内の前記液位と共に変化する、請求項8または9に記載のベーピングシステム。
【請求項11】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内、または前記リキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは、100KHz信号などの、AC励起信号で励起されて、前記インピーダンスは前記励起信号の減衰にほぼ比例する、請求項10に記載のベーピングシステム。
【請求項12】
前記液面検知サブシステムは、事前に定義された電気的特性閾値に達するまで、リキッドを前記リキッドリザーバーにポンプで注入するように構成されている前記流体移送システムの閉ループ制御を提供する、請求項1~11のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項13】
前記事前に定義された電気的特性は、約半分まで充填されている前記リキッドリザーバーに対応する、請求項12に記載のベーピングシステム。
【請求項14】
前記リキッドリザーバー総容量は約2mlであり、前記事前に定義された電気的特性閾値は、約1mlのリキッドが前記リザーバー内にあることに対応する、請求項12に記載のベーピングシステム。
【請求項15】
前記液面検知サブシステムは、測定された電気的特性を、格納された1つ以上の電気的特性の値と比較し、その比較結果に応じて前記流体移送システムを制御する、請求項1~14のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項16】
前記流体移送システムは、事前に設定された電気的特性閾値が測定されるまで、前記液面検知サブシステムの制御下で、リキッドを前記リキッドリザーバーにポンプで注入するように構成されている、請求項15に記載のベーピングシステム。
【請求項17】
前記液面検知サブシステムは、前記測定された電気的特性が事前に定義されたレベルを下回る場合に前記流体移送システムをオンにし、前記測定された電気的特性が前記事前に定義されたレベルに達する場合、前記流体移送システムをオフにする、請求項16に記載のベーピングシステム。
【請求項18】
前記液面検知サブシステムは、前記測定された電気的特性が事前に定義されたレベルを上回る場合に前記流体移送システムをオンにし、前記測定された電気的特性が略前記事前に定義されたレベルを下回る場合に前記流体移送システムをオフにする、請求項16に記載のベーピングシステム。
【請求項19】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内の、前記リキッドの量または液位が事前に定義されたレベルを下回る場合、前記流体移送システムをオンにする、請求項1~18のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項20】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内の、前記リキッドの量または液位が事前に定義されたレベルに達する場合、前記流体移送システムをオフにする、請求項1~19のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項21】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内の、前記リキッドの量または液位が事前に定義されたレベルを下回る場合に前記流体移送システムをオンにし、前記リキッドリザーバー内の、前記リキッドの量または液位が略前記事前に定義されたレベルに達する場合、前記流体移送システムをオフにする、請求項1~20のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項22】
前記液面検知サブシステムは、前記リザーバーの向きを測定するか、または前記リザーバーの向きを測定するサブシステムからの入力を受信して、前記向きが事前に設定された範囲内の場合に限り、前記電気的特性の測定および/または再充填を許可する、請求項1~21のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項23】
前記液面検知サブシステムは、前記リザーバーの向きを測定するか、または前記リザーバーの向きを測定するサブシステムからの入力を受信して、前記向きが実質的に垂直の場合に限り、前記電気的特性の測定および/または再充填を許可する、請求項22に記載のベーピングシステム。
【請求項24】
前記液面検知サブシステムは、前記液面検知サブシステム用の前記測定回路を含むASICを使用して、前記リザーバーの向きを測定するか、または前記リザーバーの向きを測定するサブシステムからの入力を受信する、請求項22に記載のベーピングシステム。
【請求項25】
前記リキッドリザーバーは、再充填可能吸い口の部分を形成し、前記再充填可能吸い口全体は、それがその寿命の終わりに達すると、エンドユーザーによって交換可能である、請求項1~24のいずれかにか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項26】
多孔質芯、セラミックまたは他の多孔質材料を有するアトマイザーは、中間リザーバーまたは液体導管を介さず、前記リキッドリザーバーからリキッドを直接供給される、請求項1~25のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項27】
多孔質芯、セラミックまたは他の多孔質材料を有するアトマイザーは、中間リザーバーまたは、液体サイフォンなどの1つ以上の液体導管を経由して、前記リキッドリザーバーからリキッドを間接的に供給される、請求項1~25のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項28】
前記液面検知サブシステムは、次のタイプのベーピングシステム:
携帯用ベーピング装置;
ケース内に格納されたベーピング装置をリキッドで再充填するとともに再充電する再充填および再充電ケース;
ドッキングステーション内に置かれたベーピング装置をリキッドで再充填するとともに再充電するドッキングステーション;
少なくとも1000mAhの電池を備えた一体型ベーピング装置;
のいずれかで使用されるように動作する、請求項1~27のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項29】
アトマイザーは、セラミック芯、またはその表面上に形成もしくは配置された発熱体を備えた実質的に平坦な表面をもつ平面状セラミック芯、またはコイルの無いマイクロ加工されたステンレス鋼ブレードを使用する、請求項1~28のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項30】
前記流体移送システムは、ユーザー交換可能で完全にリサイクル可能な閉じたリフィルカプセルまたはボトルからリキッドを引き出し、それを前記リキッドリザーバーにポンプで注入する、請求項1~29のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項31】
前記リキッドリザーバーの内部に配置されるセンサープレートまたは構造体を含むセンサーに接続される、前記液面検知サブシステム。
【請求項32】
前記液面検知サブシステムは、2つの対向する静電容量センサープレートまたは各々が一対の実質的に平坦なサイド部分と中央の円形もしくは湾曲部分を含む他の構造体を備え、対向するプレートまたは他の構造体の前記平坦部分は実質的に相互に平行である、請求項1~31のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項33】
前記中央の円形または湾曲部分は、アトマイザーが収まるチューブの周りに適合する、請求項32に記載のベーピングシステム。
【請求項34】
前記対向する静電容量センサープレートまたは他の構造体は前記リキッドリザーバーの内部に位置する、請求項32または33に記載のベーピングシステム。
【請求項35】
前記液面検知サブシステムは、対向するプレートまたは他の構造の一貫して正確な分離を確実にするように構成されている1つ以上のリブまたは他の物理的特徴に取り付けられたセンサープレートまたは他の構造を含む、請求項1~34のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項36】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内、または前記リキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは実質的に同心部分を含む一対のセンサープレートまたは他の構造体を含む、請求項1~35のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項37】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内、または前記リキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは、ステンレス鋼もしくは黄銅などの、同一の金属材料で作られた一対のセンサープレートまたは他の構造体を含む、請求項1~36のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項38】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は、少なくとも一部が前記リキッドリザーバーの壁と一体になっているセンサーによって検出される、請求項1~37のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項39】
静電容量センサーは、前記リキッドリザーバーの内側および外側の壁の少なくとも一部を形成する、請求項38に記載のベーピングシステム。
【請求項40】
前記リキッドリザーバーの前記外側の壁は、前記ベーピング装置の外側ケーシングの一部である、請求項39に記載のベーピングシステム。
【請求項41】
前記アトマイザーはメタルブレードまたはプレートを含み、このブレードまたはプレートは、静電容量センサープレートまたは他の構造体の一部を形成する、請求項31に記載のベーピングシステム。
【請求項42】
前記液面検知サブシステムは、再充填ドックまたはリフィルケース内に位置するように、前記リキッドリザーバーの外部に取り付けられた、静電容量センサープレートまたは他の構造体を含む、請求項1~41のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項43】
前記液面検知サブシステムは、各特定のリキッドのフレーバー、強度もしくはタイプの化学組成または配合を補正または調整する、請求項1~42のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項44】
各特定のリキッドのフレーバー、強度またはタイプが検査され、前記リキッドリザーバー内のリキッドの質量または重量の関数として各特定のリキッドの電気的特性が決定されて、関連データ値が、前記液面検知サブシステムにアクセス可能な方法で格納される、請求項43に記載のベーピングシステム。
【請求項45】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は、前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの前記化学組成に依存し、特定の組成、配合またはリキッドタイプのリキッドに特有のデータ値は、そのリキッドに対するリキッドリフィルボトル上のROMまたは光学式バーコードなどのメモリ内に格納されて、前記液面検知サブシステムがアクセス可能である、請求項1~44のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項46】
特定のリキッドに対して、前記液面検知サブシステムにより閾値充填量において測定される静電容量をマッピングするデータ値、または静電容量に関連したデータが、その特定のリキッド用のリフィルボトル内に格納されて、前記液面検知サブシステムに対してアクセス可能である、請求項1~45のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項47】
前記液面検知サブシステムにより、1つ以上の閾値もしくは前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの量に関連した値において測定される、特定のリキッドの前記量もしくは質量を前記静電容量に対してマッピングするデータ値、または静電容量に関連したデータが、その特定のリキッドに対して、格納されて、ベーピング装置によってアクセス可能である、請求項1~46のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項48】
前記データ値は、eリキッドを供給するボトルまたはカプセル上に格納される、請求項44~47のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項49】
前記データ値は、ボトルまたはカプセル上のシリアルROMチップ内に格納される、請求項44~47のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項50】
前記データ値は、バーコードまたは他の光学的に読取り可能なデータ内に格納される、請求項44~47のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項51】
前記液面検知サブシステムは、周辺温度センサーを使用して、前記リキッドの温度を補正または調整する、請求項1~50のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項52】
前記液面検知サブシステムは、周辺温度センサーを使用して測定された、前記測定温度が、5℃および45℃などの、事前に設定された動作制限から外れている場合、充填動作を禁止する、請求項1~51のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項53】
データが前記液面検知サブシステムに送信されることにより、前記液面検知サブシステムが、種々の化学組成を有するリキッドの特性における温度依存変動を補正するのを可能にする、請求項1~52のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項54】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は温度依存であり、前記電気的特性の前記格納された値は、5℃および45℃などの、前記装置の下限および上限の動作範囲における値、ならびに/またはその間の値を含む、請求項1~53のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項55】
前記ベーピングシステムは、リキッド充填サブシステムに温度データを提供する周辺温度センサーを含み、前記リキッド充填サブシステムは測定された電気的特性を、前記リキッドリザーバーの周辺温度に適切な値と比較できる、請求項1~54のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項56】
前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの測定温度の推定値を提供するために、前記リキッドリザーバーに隣接して、または十分に近接して配置された温度センサーを含む、請求項1~55のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項57】
特定のeリキッドまたはeリキッドのファミリーもしくはタイプの静電容量が温度と共にどのように変化するかを特徴付けるデータが格納されて、前記ベーピングシステムによってアクセス可能である、請求項1~56のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項58】
特定のeリキッドまたはeリキッドのファミリーもしくはタイプの静電容量が下限温度と上限温度との間でどのように変化するかを特徴付けるデータ値が格納されて、前記リキッド充填サブシステムによってアクセス可能である、請求項1~57のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項59】
前記データ値は、リキッドを前記流体移送システムに供給する、ユーザー交換可能で、閉じた、ユーザー再充填可能ではないリキッドカプセルもしくはボトル内、または前記リキッドカプセルもしくはボトル上に格納される、請求項58に記載のベーピングシステム。
【請求項60】
前記電気的特性の前記データ値は、前記リキッドカプセルまたはボトル上のROMチップもしくは他のメモリ内に格納される、請求項59に記載のベーピングシステム。
【請求項61】
前記電気的特性の前記データ値は、前記リキッドカプセルまたはボトル上の光学的に読取り可能なバーコード内に格納される、請求項59または60に記載のベーピングシステム。
【請求項62】
(a)(i)前記装置の主本体に取り付け可能、および前記主本体から取外し可能で、
(ii)リキッドで事前充填されてエンドユーザーに供給される、
ユーザー再充填可能ではない組み合わされたアトマイザーとリキッドリザーバーで動作し、そして、
(b)(i)前記装置の前記主本体に取り付け可能、および前記主本体から取外し可能で、
(ii)前記流体移送システムを使用してリキッドで複数回、自動的に充填可能になるように構成されている、
ユーザー再充填可能な組み合わされたアトマイザーとリキッドリザーバーでも動作するように構成された、
ハンドヘルドベーピング装置を含む、請求項1~61のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項63】
(i)再充填可能吸い口またはポッドおよび(ii)事前充填されて、再充填可能ではない吸い口またはポッドを含み、それらは各々、次のベーピング装置の2つ以上:
(a)一体型の流体移送システムを備えていない携帯用ベーピング装置本体、
(b)前記流体移送システムを含むリキッド再充填ドックと係合するように構成された携帯用ベーピング装置本体、
(c)前記流体移送システムを含む携帯用ケースと係合するように構成された携帯用ベーピング装置本体、および
(d)一体型の流体移送システムを備えた携帯用ベーピング装置本体
に嵌め込むか、または取り付けるように構成されている、ベーピングシステム。
【請求項64】
外気への空気圧均等化経路を含む自動的に再充填可能なリキッドリザーバーと、前記リザーバーからリキッドを引き出すように構成された噴霧ユニットとを含む気化装置を含み、
前記リザーバーが、垂直に向けられて、最大限のリキッドを含む場合、前記噴霧ユニットは、前記リキッドにかかる圧力および/または前記リキッドによってかかる圧力が十分でなくてリキッドが前記噴霧ユニットを通って流れず液漏れが生じないように、前記リザーバー内の前記リキッドの表面に位置付けられる、
請求項1~63のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項65】
前記リザーバーの基部から測定して、最大垂直リキッド高さHの自動的に再充填可能なリキッドリザーバーと、前記リザーバーからリキッドを引き出すように構成された噴霧ユニットとを含む気化装置を備え、前記装置が、前記リザーバーの前記基部から少なくとも1/4Hの位置に、垂直に位置付けられている場合、前記噴霧ユニットは実質的に、前記リザーバーの前記基部より高いか、または前記基部より上に配置される、請求項1~64のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項66】
自動的に再充填可能なリキッドリザーバーと、前記リザーバーからリキッドを引き出して、エアロゾルをマウスピースに供給するように構成された噴霧ユニットとを含む気化装置を備え、前記噴霧ユニットの中央または中心が、前記マウスピースの端部から20mm未満、好ましくは、前記マウスピースの端部から10mm~15mmの間、に位置付けられる、請求項1~65のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項67】
自動的に再充填可能なリキッドリザーバーと、前記リキッドリザーバーからリキッドを引き出して、エアロゾルをマウスピースに供給するように構成された噴霧ユニットとを含む気化装置を備え、前記リキッドリザーバーは1つ以上のリキッドチャネルの底部に連結し、前記噴霧ユニットは前記チャネルもしくは各チャネルの上端に連結し、各チャネルは、ユーザーが前記マウスピースを吸入すると、空気圧低下でリキッドが前記チャネルもしくは各チャネルを上方へ流れて前記噴霧ユニットに入るように構成されている、請求項1~66のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項68】
アトマイザーと、ベーパライザーを通して吸い込んだ空気を前記アトマイザーに向かわせるように構成された給気ノズルシステムとを含む、ベーパライザーを備え、前記給気ノズルシステムは、前記アトマイザーの上に相当な空気の非層流、乱流、ねじれまたは渦流を作り出すために、垂直に対して傾斜した角度又は方向に空気を向けるように構成された1つ以上のノズルもしくは開口部を含む、請求項1~67のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項69】
(i)アトマイザーにリキッドを供給するリキッドリザーバーと、(ii)前記装置がリキッド供給源からの霧化可能リキッドで充填されるのを可能にするように構成されたポート、開口部またはノズルと(iii)前記リキッドリザーバーを前記ポート、開口部またはノズルに連結するリキッド経路とを含む気化装置を備え、前記リキッド経路はプラスチックフィルムで覆われたチャネルを含む、請求項1~68のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項70】
口のあるリキッド再充填ボトルを備え、
前記口は(i)ボトルが充填工場で充填される際に、自動リキッド充填システムに連結されたノズルを挿入するか、または別の方法を使用して、前記口から前記ボトルにリキッドを注ぐことを許可し、(ii)流体移送システムと係合するとともに、前記ボトル内の空気圧均等を可能にするように構成されている栓またはシールを受け取る、
ように構成されている、請求項1~69のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項71】
(a)消費者がベーピング装置内のリザーバーに手動でリキッドを供給するのを可能にするために手動で絞ることができ、かつ(b)ベーピングシステム内に受け入れて、リキッドを噴霧ユニットに供給するリキッドリザーバーに前記ボトルからリキッドを自動的にポンプで注入するそのベーピングシステム内のポンプに連結されるように構成されている、柔軟壁のあるリキッド充填ボトルを備える、請求項1~70のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項72】
ベーピングシステム内の流体移送システムと係合するように構成されたリキッド充填ボトルを備え、前記ボトルは、その中に認証チップまたは他の認証メモリ構成要素が物理的に挿入できる区画または凹部を含み、次いで前記ボトルをリサイクルできるようにするために物理的に取り外されるまで、前記区画または凹部の形状によって保持できる、請求項1~71のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項73】
1つまたは複数の柔軟なバリアフィルムから作られて、ベーピングシステム内の流体移送システムと係合するように構成されたスパウトを含む、パウチを備える、請求項1~72のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項74】
霧化可能リキッドで事前充填されたアトマイザーポッドと、ベーピング装置主本体とを備え、前記ポッドは認証チップまたはメモリを含み、前記ベーピング装置本体は、あるポッド基準が満足される場合に限り、ポッドがその本体で使用できるようにするポッド認証サブシステムを含み、
前記ベーピング装置本体は、(i)ユーザーのスマートフォン上で実行しているアプリケーションまたはブラウザとデータを交換し、前記アプリケーションまたはブラウザはウェブサーバーベースの年齢確認およびポッド利用システムに接続しており、(ii)そのユーザーが前記年齢確認システムの年齢要件をパスし、前記ポッドが使用に対して認可されている場合に限り、前記本体のロックを解除して通常のベーピング使用を可能にするように構成されている、無線接続サブシステムをさらに含む、
請求項1~73のいずれか1項に記載のベーピングシステム
【請求項75】
リキッドリフィルボトルまたは容器と、リキッドを前記ボトルまたは容器からベーピング装置内のリキッドリザーバーに自動的に移送するように構成されたリキッド移送システムとを備え、前記容器は、定義されたタイプの事象が前記ボトルまたは容器に影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、前記カウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、前記ボトルまたは容器はさらなる使用からロックされる、請求項1~74のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項76】
ベーピング装置のためのリキッドを貯蔵しているリキッドリフィルボトルまたは容器を備え、前記容器は、定義されたタイプの事象が前記容器に影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、前記カウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、前記容器はさらなる使用からロックされる、請求項1~75のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項77】
ベーピング装置用に構成された事前充填されたポッドを備え、前記ポッドは、定義されたタイプの事象が前記ポッドに影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、前記カウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、前記ポッドはさらなる使用からロックされる、請求項1~76のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項78】
霧化可能リキッドを加熱して蒸気、噴霧またはミストを生成するように構成されて、定温ドライバーで制御される、発熱体を備えたリキッド噴霧システムを備え、前記ドライバーは、既知の電圧を有する電力供給源を使用して発熱体を通る電流を直接または間接的に測定して、マイクロコントローラまたはプロセッサが(a)前記発熱体の抵抗を計算または決定し、(b)前記発熱体の温度を、前記発熱体が作られている材料の抵抗の温度係数に対して格納されているデータから、計算するか、または(c)前記発熱体の温度を調べ、
前記ドライバーは、閉ループ温度制御アルゴリズムを使用して前記電力、電流または電圧を調整し、電力デューティ比を調整することにより前記発熱体の前記温度を事前に設定されたレベルまたは範囲に安定させるように構成されている、
請求項1~77のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項79】
ベーピング装置を格納して、前記ベーピング装置が押し出されるか、または引き抜かれるのを可能にするリキッド再充填装置を備え、前記再充電装置および/またはベーピング装置は(a)前記ベーピング装置が前記再充填装置から押し出されるか、または引き抜かれ始めると作動し、(b)データ接続が失われる前に前記ベーピング装置と前記再充填装置との間の任意のデータ通信が制御された方法で終了することを確実にするために信号を送信する、スイッチを含む、請求項1~78のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項80】
ベーピング装置または前記装置内のリキッドリザーバーが実質的に直立または垂直の場合に限り、自動的に再充填可能であるように構成されている前記ベーピング装置を備える、請求項1~79のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項81】
前記ユーザーが蒸気を吸うにつれて次第に消えるが、一緒に、もしくは順番に、またはライトパターンを形成するように制御できる、一連のライトを含むベーピング装置を備える、請求項1~80のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項82】
ベーピング装置が単一セッションに対して使用できるように構成されており、セッションは、制限された時間であるか、または前記ベーピング装置がその間、動作可能であり、それに対して前記ベーピング装置が開始および終了の視覚、触覚および/もしくは音響マーカーを提供するベーピングの制限された範囲であり、
前記システムは、ユーザーから、現在喫煙するたばこのタイプもしくはブランドの選択もしくは指示を受信するように構成されており、前記システムは次いで、そのセッション中に、前記ベーピング装置によって生成されるか、またはユーザーによって吸入されるニコチンの量が、その特定のタイプもしくはブランドのたばこ1本の喫煙と関連付けられたニコチン量とほぼ等しくなるように、前記単一セッションの前記時間もしくは他のパラメータを自動的に調整する、
請求項1~81のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項83】
(i)再充電可能電池およびデータポートを含むベーピング装置と、
(ii)前記再充電可能電池に電力を供給するように構成されている、前記ベーピング装置のための第1の充電システムと
(iii)前記ベーピング装置を受け入れて、前記再充電可能電池に電力を供給し、前記データポートを経由して前記ベーピング装置からデータを受信するように構成されている別個の、第2の充電システムと、
(iv)リモートサーバー上でホストされて、エンドユーザーのスマートフォン、スマートウォッチまたは他の個人用装置からアクセス可能であるように構成されたモバイルウェブサイトと
をさらに備え、
前記第2の充電システムは、前記リモートサーバー上でホストされる前記モバイルウェブサイトにインターネットを通して前記ベーピング装置から受信した前記データを送信するように構成されたWi-Fiモジュール、チップまたはユニットを含む、
請求項1~82のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項84】
(i)再充電可能電池およびデータポートを含む携帯用ベーピング装置と、
(ii)リモートサーバー上でホストされて、エンドユーザーのスマートフォン、スマートウォッチまたは他の個人用装置からアクセス可能であるように構成されたモバイルウェブサイトと、を備える携帯用ベーピング装置システムを含み、
前記ベーピング装置は、前記リモートサーバー上でホストされる前記モバイルウェブサイトにインターネットを通してデータを送信するように構成されたWi-Fiモジュール、チップまたはユニットを含む、
請求項1~83のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項85】
定義された区域内での携帯用ベーピング装置の動作を阻止するためのジオロケーションおよび/またはジオフェンシング機能を提供するUWBチップまたはUWB機能を統合しているASICを含む前記携帯用ベーピング装置を備える、請求項1~84のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項86】
ベーピングシステムとリモートサーバーとを含むベーピングデータ分析システムを備え、前記ベーピングシステムは前記装置が消費者によってどのように使用されているかに関する使用データを収集して、その使用データを、インターネットへのWi-Fi接続を使用してリモートサーバーに直接または間接的に送信し、前記Wi-Fi接続は前記ベーピング装置によって確立されており、前記サーバーは前記データを分析し、前記使用データに基づいて消費者または挙動データ洞察を生成する、請求項1~85のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項87】
ベーピングシステムの一部であるリキッド移送サブシステムの動作を制御する方法であって、液面検知サブシステムを使用して前記ベーピングシステム内のリキッドリザーバーの電気的特性に関連するデータを測定するステップを含み、前記電気的特性は、前記リキッドリザーバー内のリキッドの量または液位に応じて変化し、その測定されたデータに依存して流体移送システムを自動的に制御することを含む、ベーピングシステムの一部であるリキッド移送サブシステムの動作を制御する方法。
【請求項88】
前記ベーピングシステムが請求項1~86で定義されている、請求項87に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子ベーピングシステムに関する。ベーピングシステムは、ニコチンまたは他の物質を含有し得る吸入可能エアロゾルを提供し、それらは典型的には、可燃性たばこの代替品として使用される。
【背景技術】
【0002】
ベーピング装置は様々なフォームファクタで提供され、最も単純なものは、細い本体に取り付けられた小型ポッド(pod)を使用し、細い本体は電池および単純な制御電子回路を含む。ポッドは、工場において、しばしばeリキッドと呼ばれる、リキッドで事前に充填されて、このリキッドの小型(典型的には、0.7mL~1.3mL)リザーバー、小さい芯とその芯の周囲に巻かれた発熱体の両方を含み、ユーザーが吸入すると、小型の圧力スイッチが作動され、それはその結果として、電流にコイルを加熱させて、吸入されるエアロゾルを発生する。ポッドは、10または20本のたばこのニコチン量に相当するものを含有し得、習慣的なベイパー(vaper)は1日につき1または2ポッドを使用し得る。ポッドはリサイクル可能ではなく、現在、埋め立て地に廃棄されている何千万ものこれらのポッドに対する懸念が増大している。
【0003】
ベーピング装置のいくつかの設計は再充填可能であり、従って、これらの小型の事前充填されたポッドを使用しない。代わりに、ユーザーは、eリキッドの小瓶を開け、自分のベーピング装置をねじって開けて内部のリキッドリザーバーをむき出しにし、その内容物をリザーバー内に滴らせるか、または絞り出すが、しかしこれは幾分、面倒で不便であり得る。従来型の再充填可能な電子たばことのユーザーのやり取り全体(ユーザーが制御、再充填、再充電、および一般的に装置とやり取りする方法の全ての態様に及ぶ)は従って、複雑であり得、これは、様々な制御ボタンをもつ、それらの設計に反映され、それは多くの場合、やや技術的である。ユーザーのやり取り全体はめったに直観的に明瞭でない。これは、従来のたばこの包装を開けて火を付けるという簡単で単純な(そして、喫煙者にとって、極めて魅力的な)儀式とは非常に異なっている。従来型の再充填可能な電子たばこを特徴づける複雑なユーザーやり取りには、たばこの包装を開けて火を付けるという単純さまたは魅力的な儀式が全くない。
【0004】
従来のたばこの単純さを再現するベーピングシステムを設計することは、相当な挑戦であるが、電子たばこの大量市場での喫煙者による採用への鍵であり、それ故それらの重要な公衆衛生潜在力の実現への鍵である。
【0005】
本開示は、次の特許公開内の開示を基礎とし、それらの内容は許容される限り最大限まで、参照により組み込まれる:US9,247,773、US10,131,532、US10,149,497、およびUS10285449。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はベーピングシステムであり、
(a)リキッドをアトマイザーに供給する自動的に再充填可能なリキッドリザーバー、
(b)リキッドリザーバー内のリキッドの量又は液位に応じて変わるリキッドリザーバーの電気的特性を測定することにより、リキッドリザーバー内のリキッド量又は液位を直接的もしくは間接的に測定、推測または検出する液面検知サブシステム、および
(c)液面検知サブシステムの制御下で、リキッドをリキッドリザーバーへ自動的に移送するように構成された流体移送システム
を含む。
【0007】
本発明は、以下の図面を参照して説明され、それらの図面はAYRベーピングシステムの特徴および態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、AYRベーピングシステムにおける4つの異なるベーピング装置の範囲を示す図である。
図2図2は、ベーピング装置用の再充填および再充電ケースを示す斜視図である。
図3図3は、ベーピング装置を示す斜視図である。
図4図4は、再充填および再充電ケースの、その押出外側シェルを取り外した斜視図であり、主要な内部構成要素を示している。
図5図5は、再充填および再充電ケースの、その押出外側シェルを取り外し、リフィルボトルをケースの外側に示した、斜視図である。
図6図6は、再充填および再充電ケースの断面を示す図である。
図7図7は、ベーピング装置本体の吸い口またはポッドを取り外した斜視図である。
図8図8は、ベーピング装置本体の断面を示す図である。
図9図9は、ベーピング装置本体の上端部の断面を示す図であり、リキッド、電気的および電力インタフェースを示している。
図10図10は、ベーピング装置本体の下端部の断面を示す図であり、リキッド充填開口部および弁を示している。
図11図11は、吸い口またはポッドを示す分解斜視図である。
図12図12は、外側のマウスピースを取り外したポッドを示す図であり、内部の静電容量センサープレートを示している。
図13図13は、外側のマウスピースを取り外したポッドを示す図であり、内部の静電容量センサープレートの1つおよびシリコーンシース内部の噴霧要素を取り囲んで支持するシリコーンシースを示している。
図14図14は、ポッドの部分の断面を示す図であり、図11の分解斜視図内に示される全ての要素がどのように組み合わされるかを示している。
図15図15は、ポッドの寸法を記入した設計図である。
図16図16は、空気の渦巻きを噴霧ユニットの方に向かわせる、煙突と呼ばれるポッドの内部部品を示す斜視図である。
図17図17は、ポッド全体の断面を示す図であり、図11の分解斜視図内に示される全ての要素がどのように組み合わされるかを示している。
図18図18は、再充填および再充電ケース内に挿入されるリフィルリキッドボトルを示す斜視図である。
図19図19は、ボトル本体から認証チップ、キャップ、栓および浸漬管を示すために分離されたリフィルリキッドボトルの斜視図である。
図20図20は、チャイルドプルーフキャップを取り付けたリフィルリキッドボトルの断面を示す図である。
図21図21は、チャイルドプルーフキャップを取り外した状態のリフィルリキッドボトルの断面を示す図である。
図22図22は、チャイルドプルーフキャップを取り外した状態のリフィルリキッドボトルの断面を示すさらなる図である。
図23図23は、モーターおよび蠕動ポンプを示す斜視図である。
図24図24は、モーターおよび蠕動ポンプの正面を示す図である。
図25図25は、液体チューブを含むモーターおよび蠕動ポンプの正面を示す図である。
図26図26は、再充填、再充電ケース内の電気および電子構成要素ならびにそれをスロットに入れるWi-Fiドックの概略を示す図である。
図27図27は、ベーピング装置本体(PV)および吸い口またはポッド内の電気および電子構成要素の概略を示す図である。
図28図28は、一体型ポンプおよびカスタムASICを有するWi-Fiドック内の電気および電子構成要素の概略を示す図である。
図29図29は、図28に示されるドックを使用して再充填および再充電を行うベーピング装置本体(PV)および吸い口内の電気および電子構成要素の概略を示す図であり、ASICも含む。
図30図30は、スロットに挿入されたWi-Fiドック上の再充填および再充電ケースを示した斜視図、および利用可能な一般的データ接続方式を示した図である。
図31図31は、吸い口内の液面を測定して流体再充填ポンプを制御する液面検知システムの概略を示す図である。
図32図32は、液面検知システム内で使用される静電容量測定回路の概略を示す図である。
図33図33は、液面検知システムによって達成されるリキッド質量に対する静電容量の測定値を示すグラフである。
図34図34は、液面検知システムによって達成される温度に対する静電容量の測定値を示すグラフである。
図35図35は、リキッドリフィルボトルのソフトパウチ設計の様々な形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
AYR(商標)ベーピングシステムと呼ばれる本発明の実施態様を説明する。AYRベーピング装置は、製造可能性、リサイクル性、有用性または性能を支援するいくつかの特徴を含む。これらの特徴は次の4つの主な領域にまとめられる:
A.機械的または構造的特徴
B.ソフトウェア/電子機器特徴
C.データおよび接続性特徴
D.リキッド取扱いおよび再充填特徴
【0010】
用語に関する予備的注意:ここで説明する主な使用事例は吸入可能なニコチンミストまたはエアロゾルを提供するeリキッドベーピング装置に対するものであるが、いくつかの特徴は、例えば、リキッドを使用せず、代わりにたばこを加熱するが燃やさないベーピング装置等、広範に適用可能である。用語「ベーピング(vaping)」、「ベーピング装置」および「気化装置(vaporising device)」、「個人用気化装置」および「PV」はそれ故、全てのフォームファクタの電子たばこタイプの装置(閉じたポッド、またはオープンタンク、または任意の他のシステムを含む)、加熱式(heat-not-burn)タイプのベーピング装置、加熱式とリキッド噴霧の両方を組み合わせるハイブリッド装置、ならびに、医薬用または娯楽目的にかかわらず、ニコチンだけでなく、CBDおよびTHCなどの他の物質も吸入されるのを可能にする装置も含むように広く解釈されるべきである。
【0011】
「ベーピング」または「気化」装置は従って、任意の霧化可能リキッドを送達するために使用され得、用語「リキッド」または「eリキッド」は、任意の霧化可能リキッド、ゲルまたは他の物質を含むように広く解釈されるべきであり、様々な強度のニコチンおよびニコチン塩、ゼロニコチンのリキッド、CBDを含むリキッド、THCを含むリキッド、薬剤を含むリキッド、任意の植物または合成フレーバーもしくは成分を含むリキッドを含む。用語「アトマイザー(atomiser)」は噴霧、エアロゾル、ミストまたは微小液滴を吸入目的のために生成できる任意の装置を含むように広く解釈されるべきであり、アトマイザーは加熱要素(例えば、芯の周囲に巻かれたワイヤーコイル、もしくは芯の上に形成された平面発熱体、マイクロ加工された(micro-engineered)スチールブレードまたは実際に噴霧、エアロゾル、ミストもしくは微小液滴を生成する任意の他のシステム、例えば、圧電冷ミスト発生器など)を含み得る。ベーピング装置は消費者装置または医学的に認可された装置でもあり得る。
【0012】
AYR(商標)システムとして知られている、これから説明する1つの特定の実施態様は、ニコチンを帯びたeリキッドをリザーバーから加熱コイルへ運搬するセラミック芯内に組み込まれた加熱コイルを使用する。しかしながら、本発明の範囲は、その特定の実施態様に制限されない。
【0013】
A.機械的または構造的特徴
【0014】
AYRベーピングシステムの概要
AYRベーピングシステムは、AYRVape(商標)、AYRBase(商標)、AYRCase(商標)、およびAYRMod(商標)の4つの主要なバリエーションを包含する柔軟なベーピングプラットフォームである。全てのバリエーションは同じ基礎的なソフトウェアおよびハードウェアを使用し、開発および製造における節約につながる。我々は各々を順番に高レベルで説明する。図1は、これら4つのバリエーションの各々を示しており、左から右へ、一般に1で示される、AYRVapeは、Vype ePod(商標)などの、従来型のポッドタイプの事前充填されたベーピング装置のフォームファクタを有する。これはスタンドアロンのベーピングシステムとして使用でき、ユーザー再充填可能ではない、事前充填されたシングルユースの使い捨てeリキッドポッド2を使用する。ポッド2はベーピング装置本体10の上端に滑り込み、ポッド2はそれらの下半分が色で塗り分けられており、異なる色は異なるフレーバーを表す。ポッド2は、装置本体10内のマイクロプロセッサによって読み取られる認証チップを含み、認証チップは偽造品が使用可能になるのを防ぎ、同様に不正な再充填(例えば、適切な安全性試験を経ていない違法リキッドを用いて)も防ぐ。認証チップは、カプセル充填日、リキッドバッチ番号、および物品税(excise duty)または納税の完全な記録も格納する。
【0015】
これらのポッドは比較的少量のリキッド(例えば、1.5mL)を含むので、それらは通常のユーザーは恐らく毎日交換する必要があり、これらのポッドはリサイクル可能ではないので、これは著しく環境に影響を及ぼし、ポッドを切らしたユーザーにとっても苛立たしいものであり得、彼らはその結果、たばこの喫煙に戻る可能性が高い。一般に6で示される、AYRBaseは、これらの問題に対処し、それはユーザーが自分のベーピング装置10をスロットに入れるデスクトップドッキングステーションであるが、リキッドで工場充填されているポッド2の代わりに、ユーザーは代わりに特別な再充填可能ポッド11をベーピング装置本体に滑り込ませ、ベーピング装置本体10はそれ故、事前充填されたポッドおよび再充填可能ポッド11の両方とも互換性がある。再充填可能ポッド11は、液面検知システムの要素を含み、リキッドリザーバー内の一対のセンサープレートが、そのリキッドリザーバーの高さの半ばあたりで実質的に動作している。センサープレートは静電容量を測定するために使用され、静電容量はリザーバー内の液面が上昇するにつれて増加する。静電容量測定回路(通常は、再充填ドック6内)はリキッドポンプを制御し、ベーピング装置がドック6内に置かれて液面測定が行われるときに静電容量が閾値を下回る場合、ポンプが作動されて、新鮮なリキッドを、閾値に達するまで再充填可能ポッド11にポンプで注入する。事前充填されたポッド2(すなわち、工場事前充填)はいかなるセンサープレートも含んでいない。
【0016】
ドック6はそれ故、ベーピング装置本体10に適合するように特別に設計された再充填可能ポッド11を新鮮なeリキッドで自動的に充填する。再充填可能ポッド11は、シングルユースのユーザー再充填可能ではないポッド2と同じ外形寸法を有するが、単一色である。eリキッドは、ドック6の基部のスロットに入れられてドック6内の流体移送システムに連結する、10mLのリキッドリフィルボトル5から供給される。リキッドリフィルボトル5は完全にリサイクル可能であり、偽造防止または認証構成要素も含み、そのため認可されたボトルだけがドック(またはケースもしくはベーピング装置)によって認識されて使用可能であり、認証できない場合、ユーザーのボトル再充填はリキッドがポンプで注入できないボトルとなり、再充填を無意味にする。10mLは、EU内で許可された最大容量であるが、他の市場では、もっと大きなボトルが合法的に使用でき、それは費用に敏感な消費者にアピールし得る。ベーピング装置1はそれ故、ハイブリッドであり、事前充填されたポッドで従来型のベーピング装置のように動作できるが、再充填可能なベーピング装置としても動作できる。
【0017】
通常、ユーザーはドック6を自宅または自分のオフィスデスクに保持し、ベーピング装置10および再充填可能ポッド11はユーザーの所望のeリキッドフレーバーで10秒以内に再充填され、デスクトップドックから引き抜かれるとき、それは事実上、未使用の充填されたベーピング装置であり、再充填されるたびにポッドを廃棄する必要がない。
【0018】
一部のユーザーはデスクトップのリキッド再充填および電力再充電ドックを持つことを望まず、代わりにその機能性の全てを携帯用ケース内に含むことを望み、これは、一般に7で示される、AYRCaseである。携帯用ケースは、ベーピング装置10および再充填可能ポッドまたは吸い口11を格納し、自動的に再充電および再充填する。それは大型の再充電可能電池を含み、リフィルボトル5はケース7の基部に挿入され、それはケース内の流体移送システムと係合する。
【0019】
最後のAYRバリエーションは、一般に8で示される、AYRModであり、これは、高出力ベーピングのための少なくとも2000mAhの大型電池を備えた一体型ベーピング装置であり、同じリフィルボトル5が現在、ベーピング装置8に直接挿入され、AYRModベーピング装置8も、AYR範囲全体にわたって使用されるものと同じ再充填可能吸い口11、および同様に範囲全体にわたって機能する同じ事前充填された吸い口2でも動作する。
【0020】
再充填可能吸い口11はそのリキッドを使い切った後に廃棄する必要がなく、しかし複数回(通常、10~20回)再充填および再使用できるので、それは従来型のシングルユースの使い捨てポッドよりも高機能で高価な噴霧技術(BATからの芯無しおよびコイル無しのDistiller Plate(商標)またはpureTech(商標)ステンレス鋼ブレードアトマイザーなど)を含むことができ、より良好で安全なエアロゾル生成をもたらす。このブレードアトマイザー技術に関するさらなる詳細は、WO2018211252 WO2018224823に記載されており、それらの内容は許容される限り最大限まで、参照により組み込まれる。
【0021】
AYRシステムは、加熱コイルを所望の温度範囲に保つ閉ループ温度制御システムを使用し、得られるエアロゾル中での化学物質の安全で予測可能な生成を確実にする。例えば、エアロゾル中でのホルムアルデヒドの生成、またはCBDリキッドからのTHCの生成を回避するが、その両方は、コイル温度が高すぎる場合に生じ得る。50:50PV/VGミックスのニコチンeリキッドの場合、これはセ氏280度、プラスまたはマイナスセ氏20度である。発熱体の正確な温度制御はその寿命を著しく大幅に向上させることも分かっており、これらの製品の環境影響を最小限にする。ポッドは交換が必要になるまでにずっと長く持続し、リフィルボトルはそれ自体リサイクル可能であるので、噴霧要素の正確な温度制御は、リキッドリフィルボトルの使用と併せて、AYRシステム全体の環境影響を相乗的に最小限にすることが分かっている。
【0022】
ここで、各バリエーションについてもっと詳しく考察する。
【0023】
AYRVape概要
AYRVapeでは、AYRベーピング装置本体10は事前充填されたeリキッドポッド2をとる。ポッド2は「閉じて」いて、各ポッドは、eリキッドでの認可された充填後に密閉されて、その結果エンドユーザーによって再充填できないことを意味し、これは、安全規制(European Tobacco Products Regulation 2014/40/EUなど)の順守を確実にして、認可された供給源からの最高品質のeリキッドだけがカートリッジ内に存在することを確実にする。
【0024】
異なるフレーバーのポッドはそれらの下半分に異なる色を使用し、これはベーピング装置本体内に完全に挿入される部分であり、主ベーピング装置本体10内の小さい切抜き3が色を見せ、それでユーザーは使用されているフレーバーが一目で分かる。ベーピング装置本体10はUSB充電器ポートを含み、従来型のUSB充電器ドックまたはプラットフォーム4から再充電できる。
【0025】
ベーパライザーまたはベーピング装置本体1の内部エンジニアリングは従来型の本体とは異なるが、しかしそれは、従来型の事前充填された閉じたポッド(すなわち、製造業者によって充填され、事前充填されて消費者に販売されるもので、再充填されることも意味しない)だけではなく、再充填可能吸い口またはポッドで動作するのを可能にする特徴を含むためである。それは、eリキッドの外部供給源が連結できる流体摂取ノズルまたは開口部および弁を有し、AYRシステムでは、これは10mLのeリキッドリフィルボトル5である。流体摂取ノズルまたは開口部は液体チューブまたは経路を経由して連結し、チューブまたは経路は、本体10の最上部に位置する再充填可能噴霧ポッド11にリキッドを搬送し(AYRBase6およびAYRCase7バリエーションに対しては外部電動ポンプからポンプで注入され、AYRModバリエーション8に対しては内部ポンプからポンプで注入される)、本体は、再充填可能吸い口またはポッド内の液面を検出する回路が含まれているため、自動再充填が正確に開始および停止できる。それは、アトマイザーがリキッドを正確な温度に加熱できるようにする温度調節回路も含み、それは、事前充填されたポッド2と同じ偽造防止または認証構成要素も含み、そのため認可されたポッド11だけが本システムで使用できる。
【0026】
ベーピング装置10は、多種多様な性能および他のデータを追跡し得る。それはこのデータを、物理的接触を介して、デスクトップドック6または携帯用再充填および再充電ケース7に送信し得る。ドック6もしくはケース7はその結果として、年齢確認サービスおよびデータ分析を提供するウェブサーバーへの統合されたWi-Fiもしくは3G/4G/5G接続を含み得るか、またはその接続を提供する付属品と結合もしくはドッキングし得る。代替として、ベーピング装置10はそれ自体、ユーザーのスマートフォン、スマートウォッチ、タブレット等または他の装置(用語「スマートフォン」は任意の種類の接続装置を含めるために総称的に使用される)への近距離無線接続(例えば、BluetoothまたはWi-FiまたはUWB)を含み得、そのスマートフォンの接続機能を使用してリモートサーバーに接続し、ベーピング装置10または8からスマートフォンへ、次いでウェブへの(例えば、Web BluetoothおよびWeb Bluetoothをサポートすると共に、iOSおよびAndroid、またはUWB、または任意の他の適切なシステム上で実行するスマートフォンブラウザを経由した)直接接続も実装され得る。
【0027】
ウェブサーバーベースの年齢確認システムへの接続は、そのサーバーがアンロック信号を(直接または間接的に)ベーピング装置10に直接、または適切な位置にあるどんな媒介装置もしくは複数の装置をも介して、送信するのを可能にして、そのユーザーが年齢確認システムの年齢要件を満たす場合に限り、通常のベーピング使用を可能にする。ベーピング装置10は幅広い範囲の装置および使用情報も捕捉し、それは、その装置が臨床試験の一部として使用される場合、またはユーザーが、例えば、禁煙もしくはニコチン停止プログラムの支援として、使用の監視に関心がある場合には特に関連があり得る。
【0028】
AYRBase概要
前述のとおり、事前に充填された、再充填可能ではないポッド2は再充填可能ポッドまたは吸い口11と交換できる。これはAYRBase6バリエーションへと進み、同じAYRVapeベーパライザー本体10がデスクトップドッキングステーションまたは基部6内に配置でき、小型(例えば、10mL)リキッドリフィルボトル5がドッキングステーション6に挿入されて、ドッキングステーション内の小型電動マイクロポンプ(例えば、蠕動もしくは圧電ポンプまたは他の低価格ポンプ)が次いで、リキッドをリフィルボトル5から自動的に引き出し、それをベーピング装置10の本体にポンプで注入し、その後、本体を通りリキッド経路を経て上方に流れて再充填可能吸い口11に入る。
【0029】
再充填可能ポッドまたは吸い口11は、リザーバーの静電容量の変化を容量検出回路によって測定可能にする液面検知サブシステム(例えば、再充填中にリキッドで徐々に充填されているポッド11内のリキッドリザーバー内部の静電容量検知プレート)を含み、それはその結果として、吸い口リザーバー内の検出された液位が定義された量を下回っている場合に自動的に電動マイクロポンプをオンにし、吸い口リザーバー内の検出された液位がその定義された量に達するとオフにし、従って、十分なリキッドが再充填可能吸い口リザーバー内に存在する。一旦、再充填が止まると、ベーピング装置は使用する準備が整う。
【0030】
AYRBase6に対して、ドック6は、ベーピング装置本体10内の再充電可能電池を再充電するために電力充電システムを含み、通常、ユーザーはベーピング装置本体10をドック6にドッキングし得、本体10は次いで、リキッドリフィルボトル5から再充填して(それは典型的な1mLの完全な再充填のために10秒とかからない)ベーピング装置本体10内の電池の再充電を継続し、多くのユーザーは、自分のスマートフォンを充電器にドッキングまたは接続するのとちょうど同じように、ベーピング装置10、11を夜間にドッキングしたいと思う。朝、ベーピング装置10、11は、ちょうど未使用のベーピング装置のように、電池が完全に再充電され、リキッドリザーバーが一杯で、使用する準備が整う。
【0031】
AYRリフィルボトル5は、従来型のシングルユースで再充填可能ではない事前充填されたポッドの廃棄する費用および無駄を取り除き、これら従来型の再充填可能ではない事前充填されたポッドは、プラスチックケーシングだけでなく、細線加熱コイルおよびセラミック芯も含むので、事実上、リサイクル不可能である。しかし、AYRリフィルボトル5は完全にリサイクル可能である。さらに、EUでは、それらは10mL容量に制限されているが、他の市場では、それらの制限は適用されない可能性があり、それ故、50mLまたは100mL以上のボトルが使用でき、完全にリサイクル可能な供給源から大変経済的にリキッドを供給できる。
【0032】
セラミック芯の周囲に巻かれた従来型の電熱線を使用する、再充填可能なAYRポッドまたは吸い口11はそれ自体、残留物が時間とともに増大してベーピング性能に影響を及ぼすので、通常、30mLのリキッドがそれを通過した後に、交換する必要がある。従来型の事前充填された吸い口は0.7~1.5mLのリキッドを含むので、AYR再充填可能吸い口は、従来型のシステムにおける再充填可能ではない吸い口またはポッドの20~40倍の期間、使用される。
【0033】
大型のリフィルボトルを非常に長持ちするアトマイザーと組み合わせると、経済的で環境に優しいベーピングを可能にする。AYRは従って、Juul(商標)ポッドなどの、従来型のカートマイザータイプのポッドベースベーピング装置よりもかなり環境に優しい。さらに長い耐用寿命のために設計されたより進歩した噴霧技術、例えば、マイクロ加工されたステンレス鋼ブレード、例えば、British American Tobacco plcからのDistiller Plate(商標)システム、などを使用する再充填可能AYR吸い口は、さらに少ない頻度で交換する必要しかない可能性があり、従って潜在的にさらにもっと環境に優しい。
【0034】
AYRBase6は、ユーザーのスマートフォンへのWi-Fi接続を含み、スマートフォンはその結果として、リモートサーバーと通信できる。アプリケーションアイコンのように見える(が実際には、アプリケーション、すなわち、AppleのAppStoreまたはAndroidのPlay Storeまたは他のデジタル配信センターから利用可能な何かではない)、小さいアイコンがユーザーのスマートフォン画面上にアプリアイコンと並んで現れ、この小さいアイコンを選択すると間もなく、特定のURLをスマートフォンのウェブブラウザにロードするルーチンをオートランし、これは、年齢確認サービスを提供し、装置からの使用データを摂取および分析することもできるリモートサーバーのURLである。
【0035】
AYRCase概要
再充填可能吸い口11を備えた同じベーピング装置本体10は、AYRBase6ドッキングステーション内だけでなく、図1の左から3番目に示される、AYRCase7携帯用ケース内でも使用できる。AYRCase7はAYRBase6と同じマイクロポンプを含み、同じ10mLのリキッドリフィルボトルを使用する。しかし、それは完全に携帯用ソリューションであり、ユーザーがAYRベーピング装置10、11を、ケース7内に完全に保護されて、一度に何日かの間、持っていくのを可能にし、ベーピング装置10、11がケース7に挿入して戻される時はいつでも、自動的に電力を再充電し、霧化可能リキッドで再充填することが可能である。ベーピング装置10、11は、事前充填されたポッド2とも完全に互換性があり、従って、ユーザーは、異なるフレーバーの事前充填されたポッドを試すことができ、その後一旦、好みのフレーバーまたは複数のフレーバーが決まると、もっと高価な10mLのリフィルボトル5を購入する。
【0036】
AYRMod概要
最後のバリエーションは、AYRMod8と呼ばれる、通常、少なくとも2000mAhの、大型電池を備えた一体型ベーピング装置であり、もっと小さいか、またはもっと大きい電池も可能である。同じリフィルボトル5が現在、ベーピング装置8に直接挿入され、ベーピング装置8も、AYR範囲全体にわたって使用されるものと同じ再充填可能吸い口11で動作する。主な相違は、電池性能がさらに優れたことであり、それは従って、もっと高性能な「mod」タイプのベーピング装置および経験を望むユーザーにアピールする。AYRMod8ベーピング装置は事前充填されたポッド2とも完全に互換性があり、従って、ユーザーは、さまざまなフレーバーの事前充填されたポッドを試すことができ、その後一旦、好みのフレーバーまたは複数のフレーバーが決まると、もっと高価な10mL(または他の容量)のリフィルボトル5を購入する。いくつかの市場では、前述のとおり、10mLよりも大きなリフィルボトルが規制によって許可され、その市場では、AYRMod8は20mL以上のリフィルボトルを使用できる。
【0037】
以下の表に、従来型のポッドタイプのベーピングシステムにない、いくつかの主なAYR特徴を要約する。
【表1】
【0038】
以下の表は、AYRベーピングシステムによって収集されて、ユーザーの承諾および適用されるデータ保護法の下、分析のためにリモートサーバーに送信される様々なデータ(その全てにはタイムスタンプがある)をリストしたものである。
【表2】
【0039】
AYRはデータ処理を中心とする、完全に接続されたシステムであるので、それは有益なフィードバックおよび豊かな洞察が生成されるのを可能にする。これらは、ベーピング装置自体がリモートサーバーに接続されている場合、リアルタイムまたはほぼリアルタイムであり得る(例えば、ベーピング装置は、一体型の無線モジュールを含むか、またはBluetoothを通してデータをリアルタイムでスマートフォンに送信でき、それは次いでそのデータをリアルタイムでリモートサーバーに送信できるので、ベーピング装置はリアルタイムデータを配信できる)。代替として、データは、ベーピング装置から携帯用またはデスクトップドッキングステーションへダウンロードすることができる。例えば、ベーピング装置が夜間の再充電のためにドッキングステーションに戻される夕方に、ダウンロードされ得、データは次いでドッキングステーションによって送信され、これは1日に1回または2回だけであり得る。データのこの正確性および包括性は、ベーピング装置がどのように使用されているかをより良く理解しようとしている公衆衛生機関および科学者にとってとりわけ重要である。
【0040】
これらを以下の表に要約する:
【表3】
【0041】
我々はここで掘り下げて、従来型のベーピングシステムに存在しないAYRにおける特定の特徴を捉える。
【0042】
事前充填および再充填可能吸い口またはポッドの両方で動作するベーピング装置
前節では、AYRがどのようにハイブリッドベーピング装置であるかを説明し、それは従来型の事前充填された、閉じたポッド2(カートマイザーと呼ばれることもある)を使用でき、これらをAYRベーピング装置1の本体10に滑り込ませるか、カチッと留めるか、または取り付けて、磁気ラッチが使用され得る。しかし、それは再充填可能ポッド11も使用でき、それも同様に、従来の方法でAYRベーピング装置1の本体10に滑り込ませるか、カチッと留めるか、または取り付ける。ベーピング装置10は再充填ドック(AYRBase用のデスクトップドッキングステーション6またはAYRCase用の携帯用ケース7など)に挿入でき、ドック6、7内のポンプに連結されたリフィルボトル5が次いで自動的にリキッドをベーピング装置ポッド11に補充する。そうでなければベーピング装置自体が、AYRModにおけるように、ポンプおよびリフィル容器5を含むことができる。このプラットフォームアプローチは、各々異なる市場部門に役立つ、複数の装置にわたる構成要素の再利用を高め、全ての装置にわたって中核となる態様の共通性のために技術開発時間を削減し、規制認可に関連する構成要素が本質的に共有されるので規制費用および努力を減らす。
【0043】
この特徴を要約して、次のように一般化できる:
ハンドヘルドベーピング装置であって、
(a)(i)装置の主本体に取り付け可能、および主本体から取外し可能で、(ii)リキッドで事前充填されてエンドユーザーに供給される、ユーザー再充填可能ではない組み合わされたアトマイザーとリキッドリザーバー(または「ポッド」)で動作し、
(b)(i)装置の主本体に取り付け可能、および主本体から取外し可能で、(ii)流体移送システムを使用してリキッドで複数回、自動的に充填可能になるように構成されている、ユーザー再充填可能な組み合わされたアトマイザーとリキッドリザーバー(または「ポッド」)でも動作するように構成されている。
【0044】
いくつかの任意選択の特徴:
・事前充填されたポッドおよび再充填可能ポッドのサイズおよび形状は、同じベーピング装置の主本体が事前充填されたポッドおよび再充填可能ポッドの両方で動作するのを可能にするために、相互に一致する。
・ベーピング装置の主本体は、装置に嵌め込まれた再充填可能ポッドを再充填および再充電するようにそれ自体が構成されているデスクトップドッキングステーションに滑り入るか、ドッキングするか、または他の方法で係合をするように構成されている。
・ベーピング装置の主本体は、装置に嵌め込まれた再充填可能ポッドを再充填および再充電するようにそれ自体が構成されている携帯用ドッキングステーションに滑り入るか、ドッキングするか、または他の方法で係合をするように構成されている。
・携帯用ドッキングステーションは、装置を安全に格納して、自動的にそれを再充填および再充電するケースである。
・ベーピング装置本体は、流体入口から、再充填可能ポッド内の相互(reciprocal)開口部、ステムまたはノズルと係合するように構成されているステムまたはノズルまたは開口部に通じる流体経路を含む。
・ベーピング装置本体は、ユーザーがポッド内のリキッドのフレーバーを見分けることができるように、本体に挿入されているか、または他の方法で係合されているポッドの一部を明らかにする、スロットまたは他の開口部を含む。
・再充填可能ポッドは液面検知サブシステムを含む。
・ベーピング装置本体は、再充填可能ポッド内の液面検知サブシステムからの信号を測定または使用するサブシステムを含む。
・ベーピング装置本体は、再充填可能ポッド内の液面検知サブシステムから、流体移送システムを制御するマイクロコントローラへ信号を送信するサブシステムを含む。
・マイクロコントローラは、ベーピング装置自体内、またはデスクトップドック内、または携帯用ケースドック内にある。
・流体移送システムは、ベーピング装置自体内、またはデスクトップもしくは携帯用ケースドック内にあり、装置に嵌め込まれた再充填可能ポッドを再充填するように構成されている。
・流体移送システムは、再充填可能ポッド内のリキッドリザーバー内のリキッドが事前に設定されたレベルまたは量に達するとポンプによる注入を自動的に停止する。
・ハンドヘルドベーピング装置は、再充電可能電池、流体移送システム、液面検知サブシステムおよびリキッドリフィル容器を含む。
・ハンドヘルドベーピング装置は再充電可能電池を含み、外部の流体移送システム、および外部の液面検知サブシステムと係合するように構成されている。
・再充填可能ポッドは、店頭でリキッドが事前充填されて提供される。
・ポンプを使用して再充填可能であるように構成されている再充填可能リザーバーは、店頭でリキッドなしで提供される。
・事前充填されたポッドは認証チップまたはモジュールを含む。
・再充填可能ポッドは認証チップまたはモジュールを含む。
・ベーピング装置本体は、認証チップまたはモジュールを読み取り、認証ルーチンをパスした場合に限り動作する、認証サブシステムを含む。
・事前充填または再充填可能ポッドは、次のうちの1つのアトマイザーを使用する:綿芯とワイヤーコイル、セラミック芯とワイヤーコイル、セラミック芯と平面コイル、セラミック芯と非平面コイル、芯無しおよびコイル無しのアトマイザー、メタルブレードタイプのアトマイザー。
【0045】
本文書では、特徴の一般化を提示するこのアプローチと、その特徴で実装され得るいくつかの任意選択について説明する。任意のかかる一般化された特徴は、任意の1つ以上の互換性のある他の一般化された特徴と組み合わされ得、任意選択の特徴は任意の1つ以上の一般化された特徴および1つ以上の他の任意選択の特徴と組み合わされ得る。
【0046】
さまざまなベーピング装置タイプで動作する事前充填および再充填可能吸い口またはポッド
前節では、我々は、事前充填されて閉じたポッド2および自動的に再充填可能なポッド11の両方の、さまざまなタイプのポッドで動作できる、ハンドヘルドベーピング装置10、8の特徴の全体像から物事を見た。AYRでは、事前充填および再充填可能ポッドは、デスクトップドック6(AYRDock)、または再充填および再充電ケース(AYRCase)などの、携帯用ドック7から充填可能で、ベーピング装置がリフィルボトル5または容器を直接取り付けることができる(AYRMod8)スタンドアロン装置8の場合、携帯用ベーピング装置で動作する。そこで我々は、さまざまなタイプのベーピング装置で動作できる再充填可能ポッド(例えば、一体型のポンプおよびリフィルボトルを備えたスタンドアロンベーピング装置、その装置用の再充填ドッキングステーションと組み合わされたベーピング装置、その装置用の再充填ドッキングケースと組み合わされたベーピング装置)の全体像からも物事を見ることができる。
【0047】
次のように一般化できる:
(i)再充填可能吸い口またはポッドおよび(ii)事前充填されて、再充填可能ではない吸い口またはポッドを含み、各々が以下のベーピング装置の2つ以上:
(a)一体型のリキッド移送ポンプを備えていない携帯用ベーピング装置本体、
(b)リキッドポンプを含むリキッド再充填ドックと係合するように構成された携帯用ベーピング装置本体、
(c)リキッドポンプを含む携帯用ケースと係合するように構成された携帯用ベーピング装置本体、および
(d)一体型のリキッドポンプを備えた携帯用ベーピング装置本体
に嵌め込むか、または取り付けるように構成されているベーピングシステム。
【0048】
いくつかの任意選択の特徴:
・事前充填されたポッドおよび再充填可能ポッドのサイズおよび形状は、同じベーピング装置の主本体が事前充填されたポッドおよび再充填可能ポッドの両方で動作するのを可能にするために、相互に一致する。
・携帯用ベーピング装置本体は、流体入口から、再充填可能ポッド内の相互開口部、ステムまたはノズルと係合するように構成されているステムまたはノズルまたは開口部に通じる流体経路を含む。
・携帯用ベーピング装置本体は、ユーザーがポッド内のリキッドのフレーバーを見分けることができるように装置に挿入されているか、または他の方法で係合されているポッドの一部を明らかにする、スロットまたは他の開口部を含む。
・再充填可能ポッドは液面検知サブシステムを含む。
・携帯用ベーピング装置本体は、再充填可能ポッド内の液面検知サブシステムからの信号を測定または使用するサブシステムを含む。
・携帯用ベーピング装置本体は、再充填可能ポッド内の液面検知サブシステムから、流体移送システムを制御するマイクロコントローラへ信号を送信するサブシステムを含む。
・マイクロコントローラは、ベーピング装置本体自体内、またはデスクトップドック内、または携帯用ケースドック内にある。
・流体移送システムは、ベーピング装置本体自体内、またはデスクトップもしくは携帯用ケースドック内にあり、装置に嵌め込まれた再充填可能ポッドを再充填するように構成されている。
・流体移送システムは、再充填可能ポッド内のリキッドリザーバー内のリキッドが事前に設定されたレベルまたは量に達するとポンプによる注入を自動的に停止する。
・ハンドヘルドベーピング装置本体は、再充電可能電池、流体移送システム、液面検知サブシステムおよびリキッドリフィル容器を含む。
・ベーピング装置本体は再充電可能電池を含み、外部の流体移送システム、および外部の液面検知サブシステムと係合するように構成されている。
・再充填可能ポッドは、店頭でリキッドが事前充填されて提供される。
・ポンプを使用して再充填可能であるように構成されている再充填可能リザーバーは、店頭でリキッドなしで提供される。
・事前充填されたポッドは認証チップまたはモジュールを含む。
・再充填可能ポッドは認証チップまたはモジュールを含む。
・ベーピング装置本体は、認証チップまたはモジュールを読み取り、認証ルーチンをパスした場合に限り動作する、認証サブシステムを含む。
【0049】
AYRCaseシステム
ここで、AYRシステムをさらに詳細に説明する。完全なAYRCaseシステムについて説明する。
【0050】
図2は、一般に200で示される、AYRCase再充填および再充電ケースを示しており、それは、図3に示される、個人用ベーピング装置、(PV)ベーピング装置を格納し、その上端が201で見られる。ケース200は、PVがケース内に完全に挿入されている場合に、押されると留め具を外し、そうでなければ、PVが圧縮しているばねを保持するPVエジェクタスイッチ202を含み、これはPV201が数mm上がるのを可能し、そのためユーザーは容易にそれを掴むことができる(例えば、一方の手でケースを握っているときに、ユーザーは留め具をトリガーし、次いで彼または彼女の唇でPVを掴んで、それをケースから完全に引き出すことができる)。ケースは、様々な動作パラメータ(例えば、ケースがリキッドをポンプで注入しているかどうか、リフィルボトル内の液位、ケース内の電池レベル、接続状態)を示すディスプレイ(図示せず)をその上面に含む。リブ付き金属押出成形品203は、外部シェルを提供し、これは低費用で、さまざまな材料、色および仕上げが容易に可能である。押出成形品203は、内部シャーシの上を滑る一体型スリーブで、組立、および修理またはリサイクルのための分解を迅速かつ効率的にする。ケースはオン/オフボタン204を押すか、または触れることによって作動される。
【0051】
図3では、PVまたはベーピング装置が示されており、それはベーピング装置本体301およびベーピング装置本体301に滑り込んで磁気または摩擦ラッチで留める吸い口またはポッド302を含む。前述のとおり、ポッドのこの先端は、小型リキッドリザーバーおよび一体型の加熱アトマイザーを含む、事前充填された、シングルユースの、リサイクルできない吸い口のいずれかであり得る。代替として、それは再充填可能吸い口であり得る。両方のタイプのポッドの下部の外形寸法は同一で、そのためそれらは両方ともベーピング装置本体303に収まり得る。事前充填および再充填可能ポッドの装置本体301との互換性を確実にするために、様々なインタフェース(電力、データおよびリキッド)の注意深い位置決めが必要とされる。再充填可能性を可能にするベーピング装置本体301に加えて、AYRシステムは、事前充填されたポッドとだけ互換性のある標準的なベーピング装置本体(図示せず)も含み、これは、事前充填されたポッドだけを使用したいユーザーのための製造コストが非常に低いバージョンである。
【0052】
ケースと同様に、リブ付き金属押出成形品304は、外部シェルを提供し、これも同様に低費用で、さまざまな材料、色および仕上げが容易に可能である。押出成形品304は、内部シャーシの上を滑る一体型スリーブで、組立、および修理またはリサイクルのための分解を迅速かつ効率的にする。一連の8個のLEDライト303は装置本体303の一方の側に付いていて、ベーピング装置がケースから引き抜かれてベーピングセッションの準備が整っている場合、8個全てのLEDが点灯し、タイマーまたは他の計測システムは、各ライトを次第に消して順序付け、例えば、吸入の10秒後、または5吸入(または何らかの他の数)後に第1の、または一番上のライトが消え、吸入のさらに10秒後、または5吸入後に第1および第2のライトが消える。同様に、全てのライトが消えるまでに、1本のたばこを吸った場合に消費されるのとほぼ等しいニコチンが送達または吸入されている。最後のライトは、たばこの最後の一ふかしを最大限に楽しもうとする喫煙者の典型的な習慣的行為に対応して、他のライトよりもわずかに長く続くようにプログラムできる。AYRシステムは、可能であれば喫煙のそれらの習慣的行為を模倣し、そうすることで、喫煙者がたばこの喫煙からベーピングに転じる可能性を最大限にする。
【0053】
ケースに戻ると、図4に示すように、金属スリーブ押出成形品400を取り外すことができる。PV401が、10mLの霧化可能リキッドリフィルボトル402、主電池403および電気蠕動ポンプ404と一緒に、その格納位置にあるのを見ることができる。図5は、リフィルボトル502をケース501の外に出して、ケース501を示しており、ボトル502はチャイルドプルーフキャップ503を含み、このキャップ503は、通常の使用では、ボトル502がケース501に挿入される前に取り外される。
【0054】
図6は、リキッドリフィルボトル601が適切な位置にあるが、PVは取り外されて、PVを受け入れるチャネル602を示している、ケースの横断図面である。ケース内の主要な要素は、PV内のもっと小さい電池を再充電するために使用される、主電池603、eリキッド浸出に耐性がある食品グレードチューブ(図示せず)に沿ってリキッドをリフィルボトル601から自動的に引き出す、蠕動ポンプ605を駆動する電動モーター604である。チューブは、ケース内のリキッド供給ノズルおよび弁606まで続き、PVがノズルに押し付けられると、弁が開いて、リキッドがPV装置本体にポンプで注入されて吸い口に入るのを可能にする。
【0055】
図7はPVを示しており、吸い口またはポッド701はPVの主本体702から取り外されて示されていて、それはPV内の小型磁石によってPV内の適切な位置に固定されている。吸い口またはポッド701は、リキッド充填プラントでリキッドを事前充填でき、再充填することは全くできない。代替として、それはケースまたは他の形のドックを使用して再充填可能であり得る。外部寸法および形状は、完全な互換性のために、両方のバリエーションで同じである。事前充填されたポッドは色付けされたリブ703を含み、異なるリキッドフレーバーのポッドは異なる色を使用する。再充填可能ポッドは、別の色またはパターンを有する。リブ703はケース内のスロット704に滑り入り、リブは二重機能:第1に、ポッド701が装置本体702に正しい向きで滑り入っていること(物理的および電気的インタフェースは対称ではない)を確実にすること、および第2に、使用されているポッドのタイプまたはフレーバーの視覚的指標を与えること、を有する。
【0056】
図8は、PVの再充填可能なバリエーションの横断面図を示す。それは、リキッド充填開口部と弁801、リキッド充填開口部と弁801から、再充填可能吸い口804の基部内の開口部と係合するリキッドノズル803までのリキッド経路802を含む。リキッド経路802は、PV内の主要な構成要素(例えば、小型再充電可能電池、主回路基板)が固定され、金属の押出成形された外側スリーブ805がその上を滑って完成したベーピング装置を形成できるプラスチックシャーシ内の成形チャネルから形成される。シャーシ成形品はそれ故、リキッド移送チャネル802の3面を形成し、それは、超音波によって溶接されたプラスチックまたはPETフィルムで覆われており、これは、PV内のリキッド経路を作る安価で、簡単な製造方法であり、別個の小口径リキッドパイプの必要性を取り除く。
【0057】
図9に示されるように、PVは、再充填可能ポッドの基部内のリキッド充填開口部と係合するリキッド充填ノズル901を有する。PVは、PV内の空気圧センサーに連結されている空気圧低下信号ノズル902を含み、ユーザーが吸入すると、陰圧が空気圧低下信号ノズル902を介して空気圧センサーに伝達される。この圧力低下経路は、eリキッドの液滴または結露を含み得る任意の気流経路から完全に分離されて、空気圧センサーの正確な動作を損ない得るニコチンリキッドまたは他の化学物質で空気圧センサーを損傷するリスクを最小限にする。この分離は、ソリッドステートMEMSタイプの圧力センサーなどの、精度が高い圧力測定装置を使用する場合に特に重要である。これらの装置は、eリキッド汚染から防いて、専用で別個の空気圧経路を有することで恩恵を得られるためである。これらの種類のセンサーは、装置が吸入に関する詳細な測定基準を正確に追跡する-すなわち、各吸入を単にカウントするだけでなく、各吸入(および、呼気データを、肺活量計の形として、追跡できることが有用な場合は呼気も-このデータはこれらの装置が喫煙者に対する臨床試験で使用される場合、肺機能向上を、例えば、試験参加者が喫煙を減らすか、または止めるときに、追跡することが有益である場合)に対して経時的に強度、深さ、量、持続時間および気流速度プロファイルを正確に測定および記録する-必要がある場合に特に有用である。
【0058】
加熱コイルへの電力供給は電力接点を介してであり、その1つが904に示されている。
【0059】
PVは、静電容量センサー回路に電気および信号接点を提供する4ポゴピンコネクタ903も含む。このセンサー回路は、AYRDockおよびAYRCaseバリエーションの外部ドック内に配置され、それはAYRModに対してはベーピング装置自体内である。再充填可能ポッドは、ポッド内のリキッドリザーバー内に一対の容量性プレートを含み、4ポゴピンは容量性プレートと容量検出回路との間に信号を提供し、その回路は専用チップまたは必要な回路を組み込んだASICのいずれかである。
【0060】
図10は、PVの基部を示しており、ばね式ファイリング弁101は、PVがケース内の充填ノズルに対して押し下げられると、退けられて、PVの基部内の充填開口部102からリキッドチャネル103に至るまで遮るものがないリキッド経路を提供し、それは吸い口充填ノズルに至る。
【0061】
図11は、吸い口の分解立体図である。主要な要素は基部キャップ110、4ポゴピン接点111、ポンプがリキッドを加圧下で吸い口リキッドリザーバーに活発に注入している場合に限り開く一方向弁112を備えたリキッド充填開口部、弁112の上に位置するリキッドステム113、および噴霧ユニットがその上に位置するシリコーンアトマイザー基部114である。噴霧ユニットは、ステンレス鋼加熱コイル線116がその周囲に巻き付いているセラミック芯115を含むが、任意の他の噴霧システムも可能である。電力線117は加熱コイル線116に給電する。
【0062】
概ね円筒形のシリコーン外側シース119の内側に位置するシリコーン内側円筒は、チムニー118と呼ばれる下部セクションと、およびセラミック芯115を支持する上部セクション120から形成される。シリコーンチムニー118はアトマイザー基部114上に位置する。空気がチムニー118の中央開口部を通り、芯115およびコイル116の上を上方に流れて、リキッドの液滴を含むエアロゾルを形成する。リキッドリザーバーは、マウスピース121の内表面およびシリコーン外側シース119の外表面によって形成される。一対のチャネルが、シリコーン外側シース119と、外側シース119の内側に収まるシリコーン内側部品118、120との中間に形成され、これらはリキッドをリキッドリザーバー内から芯115まで供給するリキッドチャネルである。一対のステンレス鋼容量検知プレート122および123がリキッドリザーバー内部に位置する。後続の図面でさらに詳細に説明する。
【0063】
図12は、完全に組み立て直された吸い口を示しているが、マウスピース121だけ取り外されている。一対のステンレス鋼容量検知プレート122および123が示されており、これらは前の図11に示されているシリコーン外側シース119を完全に取り囲み、それは同様に、内側シリコーン円筒118、120の上部および下部を完全に取り囲んでいる。容量性プレート122および123は、平坦な側部、および湾曲した部分円筒形状の中央部124を有し、この部分円筒形状の中央部124は円筒形のシリコーン外側シース119の上に位置する。マウスピース121がアトマイザー基部114に取り付けられる場合、ステンレス鋼容量検知プレート122および123およびプラスチックマウスピース121の外側の領域は、リキッドリザーバーであり、それ故通常はリキッドで充填され、カバー121がこのユニットの上を滑り、二重Oリングによって液漏れが阻止される。
【0064】
使用中、典型的なシナリオは、液面検知システムがこのリザーバー内の液面が閾値、典型的には1/2フルまたは2/3フル、を上回っているか、または下回っているかどうかを判断することであり、この測定ルーチンは、PVがケース内に配置されてケースが垂直に向けられている(ケース内の加速度計チップによって測定される通り)場合に行われ-装置が垂直である場合に充填を制限することにより、それはリキッドリザーバー内のリキッド量を正確に検知する上での問題を大幅に縮小する。レベルが閾値を下回っている場合、ポンプが作動されて、閾値に達するまでリキッドが吸い口リザーバー内にポンプで注入され続ける。液面検知システムのさらなる詳細はセクションDで説明される。
【0065】
図13は、この装置を、ステンレス鋼容量検知プレートの1つを取り外し、後部センサープレート122だけを残して示しており、それは、リキッドリザーバーの内表面を形成する概ね円筒形のシリコーン外側シース119を示している。シリコーン外側シース119は、各側部を上に伸ばしている2つの隆起部130を示しており、シース119の内部には、下部および上部の概ね円筒形のシリコーン内側部品118、120があり、これらの部品118、120は、各隆起部の後ろのチャネルから離れて、シリコーン外側シース119内にぴったりと収まり:各チャネルはリザーバーから芯へのリキッド経路131であり、チャネルは、シリコーン外側シース119の内表面と、隆起部130によって画定されるシリコーン部品118、120の外表面との間の間隙から形成される。対向する容量検知プレート122と123(図示せず)との間の間隙は明らかであり、間隙は容量測定のために必要である。容量性プレートの正確で一貫した分離は、正確で一貫した容量測定のために必要であり、外側シリコーンシース119およびアトマイザー基部132上の小さいリブまたは特徴がこれを可能にする。
【0066】
図14は、完全に組み立てられたポッドの斜視横断面図でこの内部構造をさらに明瞭に示しており、シリコーン外側シース119は、リキッドが通過できる内側の一対のチャネル131を画定する隆起部を含み、 横断面はこれらのチャネル131のスライスである。シリコーン外側シース119の内部に位置するシリコーン内側部品は、チムニー118と呼ばれる下部セクションと、およびセラミック芯115を支持する上部120から形成される。空気は、このチムニー118を通って上り、一対の向かい合う角度にされた開口部140を通り、セラミック芯115および加熱コイル116の周囲の噴霧チャンバに入る。
【0067】
前述のとおり、セラミック芯115は上部シリコーン内側円筒120内に取り付けられる。リキッドチャネル131はセラミック芯にリキッドを供給する。従来型のポッドでは、噴霧コイルがポッドの基部に配置され、これは、再充填可能システムはリザーバーからの空気を、そのリザーバーがポンプによって充填されるにつれて、放出する方法を必要とするので、再充填可能システムでは望ましくなく、それは、均圧のために外気に流体連結する何らかの形の空気弁またはチャネルを意味する。図14では、これは、空気孔142であり、空気は通るが液体は通さないバリア143で密封されている。しかし、その空気孔142またはチャネルの存在は、芯が基部に配置されている場合、通常の静大気圧でリキッドがリザーバーから、芯を経由して、ポッドの基部を下って漏れる傾向があることを意味する。従来型のポッドでは、リキッドリザーバーへの直接の空気孔がないので、これは滅多に容易に起こらず、リキッドを使い切ると部分真空が形成されて、液漏れを制限する傾向がある。AYRシステムでは、我々は噴霧要素(例えば、芯118とコイル116、または任意の他の噴霧装置が可能である)をリキッドリザーバー内で垂直方向に少なくとも中ほどに配置する。それはマウスピース開口部または出口にずっと近く、その結果としてより暖かい蒸気にする。それはマウスピースの端部から概ね10~15mmである。ポッドの基部からほぼ20~25mm上で、リキッドリザーバーの基部から10~15mm上である。図15は、一実施態様の技術図面であり、正確な数字を示している。
【0068】
リキッドチャネル131はそれらの基部141においてリキッドリザーバーの底部に開かれており、それ故リキッドはチャネル131に容易に入り、ユーザーが吸入すると、チャネル131内の空気圧低下のためにチャネル131内のリキッドが引き上げられてセラミック芯115に供給され、ちょうどストローを吸うと液体を引き上げることができるのと同様である。一旦、ユーザーが吸入するのを止めると、圧力が低下し、リキッドが落下してチャネル131に戻り、これは芯115との連続したリキッド接触を防ぎ、それはさもなければ、芯115を通してポッドから外への液漏れを引き起こす。リキッドは、リキッドリザーバーの基部に直接つながる弁112およびリキッドステム113を通してリザーバー内にポンプで注入される。
【0069】
図16は、チムニー118をさらに詳細に示しており、開口部140および141を含む。一方の開口部140は、空気を、ある位置から見て、垂直に対して反時計回りに約45度に向け、他方の開口部141は、同じ位置から見て、空気を垂直に対して時計回りに45度に向ける。これは空気に噴霧コイルの周囲でねじれた渦または他の乱流を形成させ、それはより良好な蒸気生成(例えば、より高くてより一貫したエアロゾル発生)および発熱体に沿ったより均等な温度分布をもたらし、それはホットスポットのリスクを最小限にし、それ故より予測可能なエアロゾル成分および遥かに低い混入物のリスクとなり、さもなければそれらは発熱体上の局所的なホットスポットによって引き起こされたであろう。
【0070】
図16は、組み立てられた再充填可能吸い口全体の別の横断面図を示す。
【0071】
我々はここで、図18に示される、リフィルボトルに移る。これは典型的には、10mLのリキッド容量でありが、その容量はEU規制に従うように選択されており、他の市場では、大幅に大きいリフィルボトルが可能であり、潜在的にさらに大きな価値を消費者にもたらす。ボトルは超低費用のブロープラスチックボトルである本体170を有する。チャイルドプルーフのねじキャップ171が短い首に螺入する。ボトルの肩上に、小型メモリまたはチップを適切な位置にカチッと留めるか、または滑り込ませるために設計されている成形特徴172がある。
【0072】
図19は分解立体図であり、ボトル170は、非常に短いねじ付き首に螺入するチャイルドプルーフキャップ171を含み、従来型のeリキッド充填ボトルとは異なり、ユーザーがリキッドをそこから注ぐことができる注ぎ口または先細の突起はなく、AYRシステムでは、リキッドはポンプによって自動的に引き出されるだけで、ユーザーはボトルからリキッドを手動で注ぐことは決してない。ボトルは、キャップの肩の最上部内の小さい凹部172に圧入するか、または滑り込ませる暗号チップまたは安全認証チップを含み、凹部は、チップが容易に挿入できて、ボトルが再利用またはリサイクルのために洗浄される場合には引き抜くことができるように、ばち形状を有し得る。チップからの読取りおよびチップへの書込みは、ボトル170が挿入される装置(例えば、ケースもしくはデスクトップドックまたはmodタイプベーピング装置)内の物理的接点で1線式プロトコルを使用して実装できる。
【0073】
代替として、チップへの無線読取りおよび書込みが(例えば、RFIDを使用して)実装され得る。チップからのデータの無線読取りは、それらのパッケージング内のボトルの迅速な読取り-例えば、ボトルの出所およびその内容物を確認しようとしている規制者または代理人による-のために特別に有用であり、工場、卸業者、小売店において、またはエンドユーザーと共に、エージェントは無線読取り装置を使用して全てのパッケージ化されたボトルをスキャンして、それら全てのデータ(例えば、固有番号、バッチ番号、リキッドタイプ)をダウンロードし、そのデータを中央データベースに書き込み、そのため、どのボトルがどこにあるかの正確な記録があるようにし、偽造品は、RFIDデータタグがないか、またはそのタグ上のデータが既存のタグの複製であるので、それらは容易に識別できる。タグはその上に税もしくは税関スタンプまたは税金が支払われている証拠も書き込まれており、エージェントはその結果としてボトルを迅速にスキャンして、正しい税金が支払われていることを検証できる。同じ認証チップがポッドに対しても使用できる。
【0074】
より詳細には、認証チップはボトル充填日の完全な記録、完全なトレーサビリティのためのリキッドバッチ番号、および物品税または税金支払い記録を格納する。物品税支払い記録は物品税支払いシステムによって生成され、リキッドバッチ番号に結びつけられて、ポッドまたはボトルが充填工場においてリキッドで充填された時に認証チップに書き込まれた、固有のシーケンスであり得る。固有のシーケンスは、ポッドまたはボトルが販売される市場に対して物品税を徴収する責任がある関連政府機関から装置ベンダー(またはポッドもしくはカプセルベンダー)によって購入される。物品税番号は、偽造を困難にするために(例えば、リキッドバッチ番号で)ハッシュできるか、または他の方法で暗号化できる。ベーピング装置またはドックは、有効な本物の復号された物品税記録がポッドまたはリフィルボトル内に存在しない場合、動作不可能になるようにプログラムできる-すなわち、ベーピング装置またはドックは、物品税記録を復号して認証するチェックルーチンを実装し、それは前の物品税記録のレコードも格納でき、物品税記録が固有でそのレコード内に存在しない場合に限り、動作する。認証はベーピング装置またはドックに完全にローカルにできる-すなわち、外部サーバーとの通信は要求されない。ベーピング装置またはドックがインターネットに接続される場合、それはリモート認証サーバーも使用して、それがポッドまたはリフィルボトルからダウンロードしている物品税データを共有し、そのため、政府機関が検査および監査のために利用可能な、物品税が支払われた消耗品使用の中央記録がある。認証チップは、他のベーピング消耗品:例えば、加熱式装置で使用される小型のたばこスティックのパケット、に関する物品税支払いを捕捉するために使用でき、そのため、たばこを置換するために設計された製品に関する物品税を捕捉するための単一の統一されたグローバルシステムがある。リキッドのボトルに関して税を課すか、または徴収する費用効果の高い方法を提供すること、および税関または税金コンプライアンスについてボトルを検査することは、たばこに関する政府の税収が減少するにつれてますます重要になり、ベーピング装置および、リキッドボトルまたはカートマイザーなどの、それらの関連消耗品に関して税金の徴収を開始することが財政的に必要になる。
【0075】
ボトルは、「栓」または他の形のシールもしくはストッパー182と呼ぶ要素に連結された浸漬管を含み、栓182はボトル170内の唯一の開口部の内部に位置し、それはチャイルドプルーフのねじキャップ171によって閉じられる。
【0076】
図20は、蓋またはキャップがねじって締められているボトルの断面図である。図21および22は、ボトルがAYRCase、AYRDockまたはAYRMod装置内に配置される場合におけるように、蓋またはキャップが取り外されているボトルの断面図である。栓の構造のように、暗号チップ凹部172のばち形状がはっきりと分かる。
【0077】
栓182は円筒形であり、ボトルの短い首内に位置し、均圧のために空気がそれを通ってボトルの内部212に入り、ボトルの内部212から出る外側環状部210を含み、環状部210の下面は空気多孔質であるが液体は通さないPTFEのような材料で作られた膜211で密閉されている。通常の動作中に、リキッドがボトル内部212から浸漬管181を経てポンプによって引き出されるにつれて、空気がボトル内部212に入る必要があり、そうでなければ、部分真空が形成されるので、リキッドをボトルからポンプで吸い出すのを不可能にする。
【0078】
製造時にボトルをリキッドで充填している間、例えば、典型的には、eリキッドボトルの高速充填のために使用されるような、従来型のリキッド充填リグ(rig)が、ボトルの首を通してリキッドを注ぐために使用でき、栓182は所定の場所にない。充填後、栓182は次いで、ボトルに押し込まれてチャイルドプルーフキャップ171がねじって締められる。これは、既存のeリキッド充填製造ラインに対する最小限の変更で、高速で効率的なボトル充填を可能にする。
【0079】
ボトルがケース、ドックまたはベーピング装置内の適切な位置にある場合、ケースまたはドック内のノズルは栓182の中心孔213にぴったりと収まって浸漬管181の入口を塞ぎ、ノズルはケース、ドックまたは装置内のポンプに連結され、そのためポンプが作動されると、リキッドが浸漬管181を吸い上げられ、中央孔を通って装置のノズルに入る。
【0080】
図23は、蠕動ローターを駆動するために使用されるモーター220の斜視図を示しており、ノズルに連結し、次いでリキッドリフィルボトルと係合する、液体チューブ(図示せず)が、ローターの一部の上を通り、ローターが回転すると、それは蠕動運動を使用して、チューブを通してリキッドをボトルから、ベーピング装置再充填可能ポッドまたは吸い口のリキッドリザーバーへ移動させる。モーターの回転軸222は、偏心形状をもつ環状部223がその上に取り付けられており、偏心環223の外表面は低摩擦面で、外側円形環224の低摩擦面と接触する。図24は、このシステムの正面図であり、図25は、蠕動チューブを含む。モーター軸222および偏心環223が回転すると、外側円形環224は横方向に動くが回転はせず、食品グレードの蠕動チューブ(ニコチンまたはeリキッドによって最小限にしか影響を受けないことを確実にするために試験されている)が外側円形環224の断面の周囲を取り巻いており、横方向の動きはチューブを押し、内側環の最も偏心した部分が回転すると、最も偏心した部分の上に位置する円形環の表面が半径方向外向きに押され、この部分は回転し、それがそうするとき、チューブの蠕動圧迫を引き起こして、リキッドをチューブに沿って移動させる。その動きは、リキッドをベーピング装置および再充填可能ポッドから抽出し、それをリフィルボトルにポンプで戻すために完全に逆にでき、これは、フレーバー混合を最小限にするので、フレーバーを交換する場合に有用である。
【0081】
主要な特徴のいくつかを次のように要約できる:
【0082】
高いコイル
再充填可能で、ユーザー交換可能な吸い口もしくはポッドまたはカートマイザーに関して、吸い口の基部またはその近くへの噴霧ユニットの従来型の配置は、リキッドでの充填中に均圧のため、および通常のベーピングからのリキッドの摂取のために、吸い口は大気に通気する必要があるので、問題のあることが分かっており、噴霧ユニットは典型的には、吸い口内のリキッドリザーバーからリキッドを重力または毛管供給される芯を含むので、リキッドリザーバー内のリキッドの表面上の大気圧およびそのリキッドの静水圧は、そうでなければ、芯を通って噴霧チャンバに入り、そこから吸い口の基部または吸入チャンバに入る、リキッドの流れを制限し得る表面張力効果を克服するのに十分であり、吸入チャンバから、リキッドは容易に漏出し得る。ソリューションは、リキッド上の大気圧およびリキッドリザーバー内のリキッドの静水圧によって引き起こされる芯を通した漏出が生じないように、コイルを基部から吸い口内の十分な鉛直高さに移動させることであることが分かっている。例えば、リキッドリザーバーが典型的には、吸い口の基部の上xcmの高さまで充填される場合、我々は、噴霧ユニットに供給する芯を、この芯位置とリザーバーの通常の最大充填レベルとの間の垂直距離を最小限にするように位置付け、例えば、我々は芯自体も基部から約xcmに位置付けることができる。異なる吸い上げ(wicking)挙動、芯の幾何形状、およびアトマイザーの幾何形状(芯を含むかまたは芯無しか)によって最適な位置決めが決定される。
【0083】
次のように一般化できる:
外気への空気圧均等化経路を含む自動的に再充填可能なリキッドリザーバー、およびリザーバーからリキッドを引き出すように構成された噴霧ユニットを含むベーピング装置であって、
噴霧ユニットは、リザーバーが、垂直に向けられて、最大限のリキッドを含む場合、リキッドにかかる圧力および/またはリキッドによってかかる圧力が十分でなくてリキッドが噴霧ユニットを通って流れず液漏れが生じないように、リザーバー内のリキッドの表面に位置付けられる。
【0084】
いくつかの任意選択の特徴:
・リキッド上にかかる圧力およびリキッドによってかかる圧力は、リキッドの表面に作用する大気圧およびリキッドの重量の静水圧に起因する。
・装置が垂直に向けられているときに、リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、噴霧ユニットは、少なくとも一部、リザーバー内のリキッドの表面または表面より上に配置される。
・噴霧ユニットは、リキッドリザーバーからのリキッドが、噴霧ユニットおよびリキッドリザーバーを含むポッドの表面から漏出するのを可能にするリキッド経路を含み、リキッド経路の任意のポイントにおいてリキッド上にかかる圧力および/またはリキッドによってかかる圧力が、リキッド経路を通ってリキッドが流れて液漏れを引き起こすのに十分でないように、噴霧ユニットはリキッドリザーバーに関して垂直位置に配置される。
・噴霧ユニット内の、または噴霧ユニットの中を通るリキッド経路は、装置が垂直に向けられているときに、リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、実質的に、リザーバー内のリキッドの表面または表面より上に配置され、そのため、リキッド経路の任意のポイントにおいてリキッド上にかかる圧力および/またはリキッドによってかかる圧力は、リキッドがリキッド経路を通って流れて液漏れを引き起こすのに十分でない。
・噴霧ユニット内の、または噴霧ユニットの中を通るリキッド経路は、装置が垂直に向けられているときに、リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、リザーバー内のリキッドの表面に十分に近く配置され、そのため、リキッド上にかかる圧力および/またはリキッドによってかかる圧力は、リキッドがリキッド経路を通って流れて液漏れを引き起こすのに十分でない。
・リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、噴霧ユニットは少なくとも一部、リザーバー内のリキッドの表面より下に配置されるが、装置が垂直に向けられているときに、リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、依然としてリザーバー内のリキッドの鉛直高さの少なくとも90%である。
・リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、噴霧ユニットは少なくとも一部、リザーバー内のリキッドの表面より下に配置されるが、装置が垂直に向けられているときに、リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、依然としてリザーバー内のリキッドの鉛直高さの少なくとも75%である。
・噴霧ユニットは芯を含み、装置が垂直に向けられているときに、リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、芯は、少なくとも一部、リザーバー内のリキッドの表面または表面より上に配置される。
・噴霧ユニットは芯を含み、装置が垂直に向けられているときに、リザーバーが最大限のリキッドを含む場合、芯の最下部は、リザーバー内のリキッドの表面または表面より上に配置される。
・リキッドリザーバーおよび噴霧ユニットは、ユーザー交換可能で、ベーピング装置本体に滑り入るか、または他の係合をする吸い口もしくはポッド内に形成される。
【0085】
機能的用語とは対照的に、リキッドリザーバーの基部を基準線として使用して、これを、構造的に見ることもできる。
【0086】
リキッドリザーバーの基部から測定して、最大鉛直リキッド高さHの自動的に再充填可能なリキッドリザーバー、およびリザーバーからリキッドを引き出すように構成された噴霧ユニットを含む気化装置であって、装置が、リザーバーの基部から少なくとも1/4Hの位置に、垂直に位置付けられている場合、噴霧ユニットは実質的に、リザーバーの基部より高いか、またはリザーバーの基部より上に配置される。
【0087】
いくつかの任意選択の特徴:
・噴霧ユニットは、基部から少なくとも1/3Hの位置に配置される。
・噴霧ユニットは、基部から少なくとも1/2Hの位置に配置される。
・リキッドリザーバーおよび噴霧ユニットは、ユーザー交換可能で、ベーピング装置本体に滑り入るか、または他の係合をする吸い口もしくはポッド内に形成される。
【0088】
マウスピースの近くに配置されるアトマイザー
噴霧ユニットを、ポッドまたは吸い口の基部におけるその従来の位置から上に移動させる1つの結果は、それは現在、マウスピースにずっと近いということである。これはその結果として、より暖かい蒸気となり、それは一般に、喫煙を止めるためにベーピング装置を使用しようと試みる喫煙者をさらに満足させている。
【0089】
次のように一般化できる:
自動的に再充填可能なリキッドリザーバー、およびリザーバーからリキッドを引き出して、エアロゾルをマウスピースに供給するように構成された噴霧ユニットを含む気化装置であって、噴霧ユニットの中央または中心が、マウスピースの端部から20mm未満、好ましくは、マウスピースの端部から10mm~15mmの間、に位置付けられる。
【0090】
サイフォン管
噴霧ユニットを吸い口の基部から上に移動させる場合にAYRエンジニアが直面した1つの課題は、リキッドを噴霧ユニットにどのように供給するかであり、芯および噴霧ユニットは通常、ポッドまたはカートマイザーの基部にあるので、芯の毛管現象と組み合わされた液面上の大気圧または静水圧/重力は通常、従来型の吸い口設計に対して十分である。AYRでは、リキッド供給経路は、漏出となり得る、過度のリキッドが噴霧ユニットに入るのを防ぐ必要があり、また、不十分な量のリキッドしか噴霧ユニットに入らないのも防ぐ必要があり、これは、不満足なベーピング経験を与え得るためである。
【0091】
到達したソリューションは、リキッドリザーバーの基部から芯に通じる1つ以上の狭いリキッド供給チャネルを使用することであり、これらは断面積内に十分に制限されており、そのため、装置マウスピースの通常の吸入動作は、噴霧チャンバ内に陰圧(大気に対して負)および従って、噴霧チャンバに通じる芯内に陰圧を生じ、リキッドリザーバー内の液面が低いか、またはリザーバーが水平に保持されている場合でさえ、供給チャネル内のリキッドを上らせて芯に接触させて入れ、それ故噴霧チャンバに入れるのに十分である。我々はこれをサイフォンと呼び得、広い意味でサイフォンは液体が調和して流れる任意のシステムを意味する(狭い意味では、サイフォンは、我々はそれをAYRシステム内に有している、液体を押してチューブを上らせる大気圧と、次いで、我々は有していない、それを供給源内のレベルを下回るレベルまで引き下げる重力の組合せとして考えることができる)。動作は実際には、ストローを通して液体を吸い上げることにより近い。
【0092】
次のように一般化できる:
自動的に再充填可能なリキッドリザーバー、およびリキッドリザーバーからリキッドを引き出して、エアロゾルをマウスピースに供給するように構成された噴霧ユニットを含む気化装置であって、リキッドリザーバーは1つ以上のリキッドチャネルの底部に連結し、噴霧ユニットはその、もしくは各チャネルの上端に連結し、各チャネルは、ユーザーがマウスピースを吸入すると、空気圧低下でリキッドがその、もしくは各チャネルを上方に流れて噴霧チャンバに入るように構成されている。
【0093】
いくつかの任意選択の特徴:
・ユーザーが吸入を止めると、リキッドはその、または各チャネルを上方に流れなくなる。
・各チャネルはリキッドリザーバーの底部でリキッドリザーバーに連結する。
・各チャネルの長さまたは断面積は、マウスピースからの液漏れを最小限にしながら、噴霧ユニットへの十分なリキッド輸送を提供するように選択される。
・リキッドリザーバーは、外気に通気する、空気が通り、液体は通さない膜を含む。
・リキッドリザーバー、噴霧ユニット、マウスピースおよびチャネルは、ユーザー交換可能で、ベーピング装置本体に滑り入るか、または他の係合をする吸い口もしくはポッド内に形成される。
・噴霧ユニットは、吸い口が直立状態の場合に水平方向に配置されるセラミック吸い上げ要素を含む。
・各チャネルは、さらに大きくて概ね円筒形部材の内部に圧入または摩擦ばめする1つの概ね円筒形部材内の溝として形成される。
・リザーバーが、垂直に向けられて、最大限のリキッドを含む場合、リキッドの表面に作用している大気圧が十分でなくてリキッドが噴霧ユニットを通って流れず液漏れが生じないように、噴霧ユニットは、リザーバー内のリキッドの表面に対して位置付けられる。
・装置が、リザーバーの基部から少なくとも1/4Hの位置に、垂直に位置付けられている場合、噴霧ユニットは実質的に、リザーバーの基部より高いか、またはリザーバーの基部より上に配置される。
・リキッドリザーバー、噴霧ユニット、マウスピースおよびチャネルは、ユーザー交換可能で、ベーピング装置本体に滑り入るか、または他の係合をする吸い口もしくはポッド内に形成される。
【0094】
乱流
噴霧ユニットを吸い口の基部から上に移動させる場合にAYRエンジニアが直面した別の課題は、噴霧ユニットまで上がる空気は、従来型のカートマイザーポッドよりも著しく長い経路を上方に流れ得ることであり、従来型のポッドでは、噴霧ユニットは通常、ポッドの基部、および従って空気吸入口経路の始まりのすぐ近くに配置されている。空気流路の長さの延長に関連する問題は、それが層流の空気流れの可能性および程度を高めることであり、噴霧ユニットの上の層流の空気流れは、移動する空気と限られた接触しかない加熱面上の領域をもたらすので、それは望ましくなく、移動する空気は加熱面の上に均等には分散されない。これは、加熱面上の望ましいものよりも高いホットスポットとなり得、非常に局所化された領域内でさえ過度な温度は、蒸気内に形成される望ましくない副生成物または混入物をもたらし得る。AYR噴霧ユニットでは、我々は乱流を導入するために特定の機構を使用し、「チムニー」を噴霧ユニットまで上に流れる空気は、チムニーの上端で層流を乱流パターン、または渦にするように構成されている1つ以上のノズルまたは開口部にぶつかる。
【0095】
次のように一般化できる:
アトマイザーおよび、ベーパライザーを通して吸い込んだ空気をアトマイザーに向かわせるように構成された給気ノズルシステムを含む、ベーパライザーであって、給気ノズルシステムは、ベーパライザーが直立位置にある場合に、アトマイザーに向かって実質的に垂直に上ではなく、代わりに、アトマイザーの上に相当な空気の非層流、乱流、ねじれまたは渦流を作り出すために、垂直に対して傾斜した角度又は方向に空気を向けるように構成された1つ以上のノズルもしくは開口部を含む。
【0096】
いくつかの任意選択の特徴:
・各ノズルまたは開口部は、空気がノズルまたは開口部を、アトマイザーを通る垂直軸に対して少なくとも5度の角度で離れるように構成される。
・各ノズルまたは開口部は、空気がノズルまたは開口部を、アトマイザーを通る垂直軸に対して少なくとも10度の角度で離れるように構成される。
・各ノズルまたは開口部は、空気がノズルまたは開口部を、アトマイザーを通る垂直軸に対して少なくとも20度の角度で離れるように構成される。
・各ノズルまたは開口部は、空気がノズルまたは開口部を、アトマイザーを通る垂直軸に対して少なくとも30度の角度で離れるように構成される。
・各ノズルまたは開口部は、空気がノズルまたは開口部を、アトマイザーを通る垂直軸に対して少なくとも40度の角度で離れるように構成される。
・各ノズルまたは開口部は、空気がノズルまたは開口部を、アトマイザーを通る垂直軸に対して少なくとも50度の角度で離れるように構成される。
・少なくとも一対のノズルまたは開口部があり、各ノズルは、アトマイザーの中央を画定する線から横方向に移動されていて、空気を他方のノズルとは逆方向に向かわせるように構成されており、そのため空気はアトマイザーの周りを流れる渦を形成する。
・給気ノズルシステムは、非乱流で、または実質的に層流で流れる空気を給気ノズルシステムに供給する、エアチムニーまたは立て筒(stack)の上に位置する。
・アトマイザーは、空気に著しい層流特性を供給するエアチムニー内に配置される。
・アトマイザーおよびノズルまたは開口部は、ユーザー交換可能で、ベーピング装置本体に滑り入るか、または他の係合をする再充填可能または事前充填された吸い口もしくはポッド内に形成される。
【0097】
PETで覆われたチャネル
AYRのような複雑なベーピング装置は、潜在的にかなり費用がかかって、製造が困難であり、経費削減は絶えず存在する要求である。リキッドを、ポンプ(AYRBaseおよびAYRCaseバリエーションではベーピング装置の外部であり、AYRModバリエーションではそれの内部である)に連結する入口開口部から、ベーピング装置を通って上に移送し得る通常の方法は、専用パイプを通してである。しかし、パイプのために利用可能な空間は非常に限られており、そのためパイプは非常に狭くて、高耐性に作られる必要があり、パイプにおける屈曲は製造するのが困難であり、そのため設計制約を課す。AYRベーピング装置本体では、我々は、電池、回路基板および他の主要な構成要素が固定される内部シャーシを形成するプラスチック成形品を使用し、我々は、その成形品内に狭いチャネルを形成する。そのチャネルは、ベーピング装置までのリキッドチャネル経路の三面を形成する。異なる、非類似の状況で、すなわち、インクジェットプリンタカートリッジ内の液体インクをインクリザーバーからインクジェット印刷ヘッドへ短距離、輸送するのに使用される方法では、チャネルへの覆いを形成するために、透明なプラスチックフィルムが超音波で溶接される。チャネルは真っ直ぐである必要はなく、ねじれることができ、これはプラスチック成形部品で容易に行われる。これは、非常に安く作れる流体移送経路を我々に提供し、商品原価の削減となり、信頼できる。
【0098】
次のように一般化できる:
(i)アトマイザーにリキッドを供給するリキッドリザーバー、(ii)装置がリキッド供給源からの霧化可能リキッドで充填されるのを可能にするように構成されたポート、開口部またはノズルおよび(iii)リキッドリザーバーをポート、開口部またはノズルに連結するリキッド経路を含む気化装置であり、リキッド経路はプラスチックフィルムで覆われたチャネルを含む。
【0099】
いくつかの任意選択の特徴:
・チャネルの側面(複数可)は、ベーピング装置本体に一体のシャーシまたは他の構成要素から形成される。
・チャネルの側面(複数可)は、気化装置のプラスチック成形シャーシから形成される。
・フィルムはPETである。
・フィルムはチャネルの側面に超音波で溶接される。
・チャネルは1つ以上の方向転換を含む。
【0100】
カプセルまたはボトルの特徴
【0101】
高速充填可能ボトル
前節では、AYR設計が気化装置のための商品原価をどのように削減するかを説明した。同じ必要性がリフィルリキッドボトルの商品原価を削減するために存在し、ボトルはAYRシステムにおける主要な消耗品で、典型的な消費者は、ベーピング装置ごとに20以上のリフィルボトルを購入するので、その必要性はボトルに対してさらに重要である。
【0102】
リフィルボトルに対する1つの重要な要素は、それがリキッド充填工場においてリキッドでの高速で効率的な充填を可能にするのを確実にすることであり、しかもそれを容易にリサイクルされる安価で製造が容易な構造を用いて行うことである。AYRでは、典型的には10mLの容量の、リフィルボトルは、短いねじ付き首をもつ超低費用のブロー成形ボトルであり、口は、自動リキッド充填システムに連結されたノズルが挿入されるか、またはリキッドをボトルに注ぐために使用されるのを可能にし、業界標準のリキッド充填工場に対する費用のかかる変更は必要ない。一旦、充填されると、我々が「栓」と呼ぶ構造が首に挿入され、これは、ベーピング装置またはドックもしくはケース内のリキッド再充填システムと係合するように特別に構成されている。より具体的には、栓は、2つの別個の機能を可能にする単一の成形品であり、それは、リキッドポンプに連結されたeリキッドノズルを受け入れる中央開口部を有し、その中央開口部はボトルの基部まで下がっている浸漬管に連結されて、ボトル内の全てのリキッドがポンプで吸い出すことを可能にする。栓の中央開口部を取り囲んでいるのは、空気がそれを通してボトルに入り、ボトルから出ることができる環状開口であり、大気圧との迅速な均圧を可能にし、液体は通さないが空気は通るバリアが、環状空気チャネルの一面を閉鎖する。
【0103】
次のように一般化できる:
(i)ボトルが充填工場で充填される際に、自動リキッド充填システムに連結されたノズルを挿入するか、または別の方法を使用して、口からボトルにリキッドを注ぐことを許可し、(ii)流体移送システムと係合するとともに、ボトル内の空気圧均等を可能にするように構成されている栓またはシールを受け取る、ように構成されている口のあるリキッド再充填ボトル。
【0104】
いくつかの任意選択の特徴:
・栓は単一の成形品から作られる。
・栓は、リキッドをボトルから引き出すために再充填システムからリキッド充填ノズルを受け入れるように構成された第1の開口部、およびボトル内の空気圧均等のためにボトルを充填しているか、または空にしている間に、空気がボトルに入ったり、ボトルから出たりするのを可能にするように構成されている第2の開口部を含む。
・第1の開口部は内側チャネルまたは開口部である。
・ノズルは第1の開口部に摩擦ばめする。
・第2の開口部は外側チャネルである。
・外側チャネルは、内側チャネルの周りに同心円状に配置される。
・第2開口部は、空気は通るがeリキッドは通さない空気孔を含む。
・第1の開口部は浸漬管に連結される。
・栓は、リキッドをボトルから引き出すために、再充填システムの一部であるリキッド充填開口部と係合するように構成された第1のノズル、およびボトル内の空気圧均等のためにボトルを充填しているか、または空にしている間に、空気がボトルに入ったり、ボトルから出たりするのを可能にするように構成されている第2のノズルもしくは開口部を含む。
・第1のノズルは内側ノズルである。
・第1のノズルは摩擦ばめして、再充填システムの一部であるリキッド充填開口部と係合する。
・第2のノズルまたは開口部は、内側ノズルを取り囲むように配置される。
・第2のノズルまたは開口部は、内側ノズルの周りに同心円状に配置される。
・第2のノズルまたは開口部は、空気は通るがeリキッドは通さない空気孔を含む。
・製造時にeリキッドで充填している間、リキッドはボトルの口からボトルに注がれるか、またはポンプで注入され、次いで栓がボトルに取り付けられ、その後チャイルドプルーフ蓋がボトルに取り付けられる。
・ボトルはブロープラスチックボトルである。
・ボトルはユーザー再充填可能ではない。
・ボトルは実質的に剛性である。
・ボトルは口を画定する首を含み、首はねじ式チャイルドプルーフキャップ用に構成されたねじ付き首である。
【0105】
二重用途のリキッド充填ボトル
【0106】
AYRボトルは剛性のブロー成形ボトルである。それは、もっぱらAYR自動リキッド充填システムで動作するように設計される。しかし、いわゆるオープンタンクシステムは依然として人気があり、これらは、ユーザーがオープンアトマイザーの上に配置できるか、またはベーピング装置内の充填ノズルと係合できる、リキッドリフィルボトルを必要とし、単に絞ってリキッドを装置に手動で滴らせるか、または注入する。AYRボトルは、オープンタンクシステムを充填するためにも使用できるように修正でき、それはその結果として、剛性壁とは対照的に、柔軟壁を有することを必要とする。
【0107】
次のように一般化できる:
(a)消費者がベーピング装置内のリザーバーにリキッドを手動で供給するのを可能にするために手動で絞ることができ、かつ(b)ベーピングシステム内に受け入れて、リキッドを噴霧ユニットに供給するリキッドリザーバーにボトルからリキッドを自動的にポンプで注入するそのベーピングシステム内のポンプに連結されるように構成されている柔軟壁のあるリキッド充填ボトル。
【0108】
セキュリティまたはデータチップのためのばち形凹部のあるボトル
AYRシステムの1つの主要な利点は、主要な消耗品、リフィルボトルがリサイクル可能なことである。潜在的に数千万ものボトルが製造され得るので、リサイクル可能性は極めて重要である。リサイクルを困難にし得る1つの特徴は、小型認証チップまたはメモリの存在であり、それは暗号学的に安全であり得、このメモリデバイスは様々なデータ項目(例えば、マッチ番号、製造年月日、リキッドのタイプ、定義された量のリキッドがボトルから排出される度にカウントダウンされるカウンタ)を格納する。これは通常、適所に付着され得るが、それがリサイクルされるようになると、再使用のためのボトルの洗浄を含め、問題を呈する。AYRリフィルボトルでは、特別に成形されたチャネルがメモリデバイスを受け入れて、それをチャネル内に機械的に固定し、それはその後、リサイクルを可能にするためにボトルから押し出すことができる。チャネルは、標準的なメモリチップを容易にスライドさせるか、または押し込むことができる単純なばち形状凹部であり得、リサイクルのためにボトルを返却する場合、メモリデバイスはその結果として、凹部から容易にスライドさせるか、または押し出して、それ自体別個にリサイクルできる。
【0109】
次のように一般化できる:
ベーピングシステム内の流体移送システムと係合するように構成されたリキッド充填ボトルであって、ボトルは区画または凹部を含み、その中に認証チップまたは他の認証メモリ構成要素が物理的に挿入でき、次いでボトルをリサイクルできるようにするために物理的に取り外されるまで、区画または凹部の形状によって保持できる。
【0110】
いくつかの任意選択の特徴:
・区画はばち形状区画であり、構成要素がその区画内に滑り入る。
・構成要素は、接着剤または他の化学結合なしで、区画または凹部内の適所に固定される。
・チップまたは構成要素は、ボトルのリキッド内容物を定義するデータを格納する。
・チップまたは構成要素は、物質の温度依存特性を定義するデータを格納する。
・チップまたは構成要素は、リキッドがボトルから引き出された回数、またはボトルから引き出されたリキッド量に関連するデータを格納して、エンドユーザーによって充填された場合にボトルが使用可能になるのを防ぐ。
・チップは、カウンタを不可逆的に減少させるEEPROMエミュレーションモードを使用する。
【0111】
スパウトパウチ
前述のボトルは、硬質プラスチックボトルである。別のアプローチは、ニコチンeリキッドまたはCBDもしくはTHCリキッドを貯蔵するように構成されたスパウトパウチを使用することである。ソフトパウチは他の食品および液体のために使用されるが、ニコチンeリキッドまたはCBDもしくはTHCリキッドのためのそれらの使用は確立されていない。図35は、ショートパウチのあるソフトパウチを示しており、ソフトパウチはプラスチックキャリッジ内に取り付けることができ、充填ドックまたはケースはキャリッジを含み、ユーザーはそれをドックまたはケースからスライドして出し、次いでソフトパウチをキャリッジ内にスライドして入れて、ソフトパウチのスパウトまたは首の周囲を取り巻く凹部またはチャネルをキャリッジ内の特徴または隆起部でロックし、これは、キャリッジがドックまたはケース内にスライドして戻される場合に、スパウトの、流体移送システムと連結されているドックまたはケース内のノズルとの正確な位置合わせを確実にする。
【0112】
次のように一般化できる:
1つまたは複数の柔軟なバリアフィルムから作られて、ベーピングシステム内の流体移送システムと係合するように構成されたスパウトを含む、パウチ。
【0113】
いくつかの任意選択の特徴:
・パウチは充填時点ではリキッドで完全に充填されてスパウトパウチ内部に実質的に空気は残っていない。
・パウチはスタンドアップスパウトパウチである。
・パウチは、噴霧システムの一部であるキャリッジと係合するように構成され、この場合、キャリッジはパウチを受け入れる。
・パウチは、リキッドをパウチから自動的に抽出するように構成された流体移送システムに直接連結して、そのリキッドを噴霧システムのためにリザーバーに移送する。
o流体移送システムは、流体およびいかなる空気も共にパウチから自動的に抽出するように構成されている。
o流体移送システムは、空気透過可能膜または、噴霧システムの一部を形成するか、もしくは噴霧システムと空気連絡(air-communication)している装置から空気を排出する。
・パウチは、パウチ内の物質(例えば、eリキッド、CBD)の温度依存特性を定義するデータを(例えば、チップまたはバーコードまたはQRコード(商標)などに)格納する。
・パウチは、充填後に挿入されたシリコーン栓を含み、それはリキッドがパウチから流れ出るのを可能にして、空気がパウチ内に戻るのを防ぐ。
・パウチまたはスパウトパウチはeリキッドまたはCBDを貯蔵して、真空密閉される。
・パウチまたはスパウトパウチはeリキッドまたはCBDを貯蔵し、カウンタを不可逆的に減少させるEEPROMエミュレーションモードを使用するチップを含む。
・流体移送システムは、空気がパウチまたはスパウトパウチ内に戻るのを阻止または制限する弁を含む。
・弁は、蠕動ポンプのためのローラーまたはローターなどの、パウチまたはスパウトパウチからリキッドをポンプで吸い上げるために動作するポンプの一部である。
【0114】
B.ソフトウェア/電子機器
【0115】
図26は、再充填および再充電ケース(AYRCase)およびそのケースが位置するWi-Fiドック内の主要な電子構成要素の概略ブロック図である。図30は、ケースおよびWi-Fiドックの外観ならびにデータ接続方式を示す。Wi-Fiドックは、ベーピング装置およびリフィルボトルからデータを読み取り、それをローカルWi-Fiリンクを通し、次いでインターネットを経由してリモートサーバーに送信し、リモートサーバーは、年齢確認およびデータ分析などの、様々な機能を実装する。ユーザーのスマートフォンは、リモートサーバーによってホストされているウェブサイト上で、ニコチン使用データなどの、データを表示でき、ニコチン停止に向けて努力している場合、特に有用である。スマートフォンとベーピング装置およびWi-Fiドックとの間に直接接続はない。Wi-Fi接続は、別個のドック内だけでなく、ケース内へも直接、およびベーピング装置自体にも実装できる。ドックまたはベーピング装置との間の、典型的には、BT(Bluetooth)を経由した、直接接続も可能である。その結果として、データを(無線またはWi-Fiを通して)リモートサーバーに送信するのはスマートフォンである。
【0116】
図26を再度、参照すると、ケースは電動ポンプとポンプコントローラ、再充電可能電池と、PMIC(電力管理IC)を含む、関連電子機器、マイクロコントローラ、ならびにPVおよびリキッドリフィルボトルまたはカプセルに対する1線式プロトコルインタフェースを含む。USB-C充電およびデータポートが含まれている。データ(例えば、使用データおよび装置性能データ)はケース内のメモリ(4Mbitシリアルフラッシュ)上に格納され、ケースがWi-Fiドックとドッキングする場合、そのデータは1線式インタフェースを通してドックに送信され、それは次いで、それをローカルWi-Fi接続を通してリモートウェブベースサーバーに送信する。
【0117】
図27は、ベーピング装置本体および充填可能吸い口内の主要な電子構成要素の概略ブロック図である。ベーピング装置本体(「PV」とラベルが付けられている)は、容量測定チップまたは回路を含み、それは後節でさらに詳細に説明される。それは、ベーパライザーがいつ実質的に直立または垂直であるかを判断するために使用される加速度計(すなわち、任意の形の姿勢センサー)も含み、装置は、加速度計によって判断されるとおり、個人用ベーパライザーが実質的に直立または垂直の場合に限り、再充填可能であるように構成される。装置が実質的に垂直または直立の場合に限り、リキッド再充填を可能にすることは、気化装置内のリザーバー内での液面測定を大いに簡略化して、それが過剰に充填されることも充填不足もないことを確実にする。
【0118】
個別の電子構成要素数のために、これらの多くをカスタムASICに統合するためのかなりの余地があり、これはより高速な製造、より高い信頼性およびより低い費用となる。図28は、ベーピング装置を再充填および再充電もする(すなわち、AYRBase実施態様)Wi-Fiドック内でカスタムASICがどのように使用できるかを示し、ASICは典型的には、Wi-Fiだけでなく、Bluetooth機能、PMIC(電力管理IC)、マイクロコントローラ、USBハンドリングおよびポンプインタフェースも含み得る。図29は同様に、カスタムASICがベーピング装置内でどのように使用できるかを示しており:ASICは、発熱体の温度調節のために使用されるコイル電圧および電流検出回路、マイクロコントローラ、容量測定回路、コイルオン/オフスイッチ、シリアルフラッシュメモリおよびPMICを含み得る。カスタムASICはUWB機能も含み得る。
【0119】
主要な特徴を要約して、次のように一般化する:
【0120】
年齢確認されて、偽造防止されるベーピング
ベーピング産業における大きな問題は、両方の偽造ポッドの蔓延、認可されたポッドが、違法リキッドまたは混入物を含むリキッドでユーザーによって再充填できる容易さである。別の大きな問題は、責任ある製造業者はこれらの装置の対象を明確に成人喫煙者としているにもかかわらず、これらの装置が若者にとって容易に入手可能で魅力的なことである。偽造ポッドまたは汚染されたリキッドは未成年のユーザー(本質的に汚染に対してより脆弱である)にとって特に危険であるので、これら2つの問題は相互に関連し、なおかつ偽造または汚染されたリキッドは典型的には、より安価で、そうでなければ、成人にだけ販売する規制外のチャネルを通して入手可能であるので、未成年ユーザーは、それらを購入する可能性が高い。
【0121】
AYRの1つの特徴は、それがこれらの関連問題に対して統一ソリューションを提供することである。AYRシステムでは、リフィルボトルは認証チップを含む。しかし、ポッドはそれ自体も偽造防止されており(例えば、それは、認可されたポッドだけが入手できる固有のIDを含む安全な認証チップを含む)、気化装置は、その気化装置に取り付けられているポッド上に満足なIDが存在することを検証できる。装置は、リモートサーバーへの接続(典型的には、接続されたスマートフォン経由)を含み、装置がサーバーにポッドの固有のIDを伝えて、そのポッドを使用する許可を折り返し得るのを可能にし、サーバーはそれ故、複製IDをもつ複製ポッドの使用を阻止できる。
【0122】
接続性は、ユーザーが、典型的には、接続されたスマートフォンを使用して、ウェブサーバーベースの年齢確認システムとやり取りするのを可能にするためにも使用される。例えば、新しい気化装置が特定のユーザーによって初めて使用されるとき、そのユーザーはその装置を自分のスマートフォンと対にして、ウェブサーバーベースの年齢確認システムを開始する必要があり、これは、様々な年齢確認アプローチを使用してそのユーザーが成人であることを確認でき(例えば、選挙人名簿、またはクレジットカードの可用度(availability)、またはパスポートもしくは運転免許証記録などと照合)、一度だけそのユーザーが成人として検証されていると、対にされたベーピング装置のロックが解除される。この総合的なアプローチは、未成年者の使用および、偽造ポッドまたは汚染されたリキッドで再充填されているポッドの使用とも関連したリスクを最小限にする。
【0123】
次のように一般化できる:
霧化可能リキッドで事前充填されたアトマイザーポッド、およびベーピング装置主本体を含むベーピングシステムであって、ポッドは認証チップまたはメモリを含み、ベーピング装置本体は、あるポッド基準が満足される場合に限り、ポッドがその本体で使用できるようにするポッド認証サブシステムを含み、
ベーピング装置本体は、(i)ユーザーのスマートフォン上で実行しているアプリケーションまたはブラウザとデータを交換し、そのアプリケーションまたはブラウザはウェブサーバーベースの年齢確認およびポッド利用システムに接続しており、(ii)そのユーザーが年齢確認システムの年齢要件をパスし、ポッドが使用に対して認可されている場合に限り、本体のロックを解除して通常のベーピング使用を可能にするように構成されている、無線接続サブシステムをさらに含む。
【0124】
いくつかの任意選択の特徴:
・認証チップまたはメモリは、その中のポッドおよび/またはリキッドの供給源が認証、検証または判断されるのを可能にする識別子を格納するメモリ、セキュアチップまたは暗号チップである。
・ポッド認証サブシステムは(a)認証チップもしくはメモリ上に保持されている値がポッド基準を満足しているかどうかをローカルに、またはリモートサーバーを使用して判断して、(b)それらのポッド基準および年齢要件が満足される場合に限り、そのポッドの使用を許可する。
・認証チップまたはメモリ上のカウンタは、吸入が行われる度など、ポッドが使用される度に減少され、最初は、単一の事前充填されたポッドから予期される総吸入数に対応する数に設定されており、ポッド認証サブシステムは、一旦、カウンタが設定された数字を下回ると、特定のポッドのさらなる使用を防ぐように構成されている。
・メモリは、カウンタを不可逆的に減少させるEEPROMエミュレーションモードを使用する。
・ポッド認証サブシステムは、吸入が発生する度にポッド上の認証チップまたはメモリに信号を送信する。
・ポッド認証サブシステムは、吸入が発生する度にポッド上の認証チップまたはメモリ上のカウンタを減少させる。
・ポッド認証サブシステムは、ポッド上の認証チップまたはメモリから、ポッドの供給源が検証または判断されるのを可能にする識別子を読み取り、無線接続サブシステムは、(i)その識別子を処理するためにその識別子をリモートサーバーに送信し、(ii)リモートサーバーから許可または拒否の信号を受信するように構成されている。
・ブラウザは、ウェブサーバーベースの年齢確認のためのURLをオートランまたは実行し、無線接続サブシステムはWi-Fiを通してウェブサーバーに接続する。
・ユーザーが、自分のスマートフォン装置上のアプリケーションアイコンとして見えるように設計されたアイコンにタッチするとブラウザが開くか、または起動されてURLを実行する。
・ベーピング装置主本体は、Wi-Fi接続モジュールを含むか、またはWi-Fi接続モジュールを含むドッキングステーションもしくはケースとドッキングするように構成されている。
・ベーピング装置本体は、GPSまたはUWBモジュールなどの、位置モジュールを含み、そのモジュールは、ベーピング装置本体はベーピングが許可されている地域内にあるか、もしくは許可されていない地域内にあるかを判断し、それがベーピングが許可されていない地域内にある場合は信号をベーピング装置本体に送信して、それを使用からロックするジオフェンシングシステムに位置データを送信する。
・ベーピング装置本体は、UWBビーコンからの信号などの、位置特定信号をリッスンする受信機を含み、ベーピング装置本体はそれがかかる信号を拾うと、使用をロックする。
・ウェブサーバーベースの年齢確認システムは、次の1つ以上を使用してユーザーの年齢を確認する:ユーザーによる年齢の自己確認、リンクされたクレジットカードもしくは他の年齢確認された支払いカードまたはそのユーザーに対するシステムを使用した年齢確認、ユーザーのパスポートからの情報を使用した年齢確認、ユーザーの社会保障もしくは国民保険もしくは同様の記録からの情報を使用した年齢確認、ユーザーの運転免許証からの情報を使用した年齢確認、ユーザーのソーシャルメディアアカウントの1つ以上からの情報を使用した年齢確認、挙動解析システムから導出された情報を使用した年齢確認。
【0125】
ユーザー再充填できないボトル
従来型のポッドまたは吸い口では、決定されたユーザーは、合法ポッドを購入し、それを使用し、次いでそれを、違法成分または混入物を含み得る、新しいリキッドで充填でき、それは、損傷または疾病を引き起こし得る。ポッドはその後、ベーピング装置に戻すことができる。この種類のリキッドでのユーザー再充填を防ぐために、AYRリフィルボトルは、256などの、何らかの適切な数に設定されているカウンタを備えた安全なメモリチップを含む。リキッドが流体移送システムによってリフィルボトルから自動的に引き出される度に、システムはカウンタ上の数をチェックして、カウンタを1だけ減少させる。一旦、カウンタがゼロに達すると、流体移送システムはもうリキッドをそのボトルから引き出さず、たとえユーザーがそれをリキッドで再充填しても、それは実質的にさらなる使用からロックされる。同じシステムが事前充填されたポッドで使用できる。
【0126】
次のように一般化できる:
リキッドリフィルボトルまたは容器およびリキッドをそのボトルまたは容器からベーピング装置内のリキッドリザーバーに自動的に移送するように構成されたリキッド移送システムを含むベーピングシステムであって、ボトルまたは容器は、定義されたタイプの事象がボトルまたは容器に影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、そのためカウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、ボトルまたは容器はさらなる使用からロックされる。
【0127】
ベーピング装置のためのリキッドを貯蔵しているリキッドリフィル容器であって、カプセルは、定義されたタイプの事象がカプセルに影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、そのためカウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、容器はさらなる使用からロックされる。
【0128】
前述のとおり、安全なカウンタを使用するアプローチは、リフィルボトルだけでなく、事前充填されたカートマイザーポッドにも適用される。
【0129】
次のように一般化できる:
ベーピング装置用に構成された事前充填されたリキッドポッドを含むベーピングシステムであって、ポッドは、定義されたタイプの事象がポッドに影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、そのためカウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、ポッドはさらなる使用からロックされる。
【0130】
ベーピング装置用に構成された事前充填されたリキッドポッドであって、ポッドは、定義されたタイプの事象がポッドに影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、そのためカウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、ポッドはさらなる使用からロックされる。
【0131】
いくつかの任意選択の特徴:
・定義されたタイプの事象は、リキッドのポッドからの引出しなどの、ポッドの使用である。
・ポッドは、定義されたタイプの事象がカプセルに影響を及ぼす度にチップ内のカウンタへの書込みを可能にするEEPROMエミュレーションモードをもつメモリチップを含む。
・カウンタは、256などの、設定された数から始まって、定義されたタイプの事象がカプセルに影響を及ぼすときはいつでも1だけ減少される。
・コントローラは、リキッドがその容器から引き出されるのを可能にするために、カウンタから1を超える値を読み取る必要がある。
・ポッドは、ベーピング装置本体に滑り入るか、または別の方法で係合するように構成される。
【0132】
PINロック
AYR装置における別の特徴は、それらはユーザーによってロックまたはロック解除できることであり、ケースは、システムを起動またはロック解除するために、ユーザーが正確な一連の数字または他の識別子を入力する必要があるロッキングシステムを含む。単純で低価格のシステムは、低価格OLEDマトリックスディスプレイ(例えば、96×64)などの、画面を、ユーザーが前方、後方および選択コントロールを入力できる単純な機械的スクロールアクチュエータと組み合わせる。これは、ユーザーが、例えば、4桁のセキュリティPINを素早く入力して、装置をロックおよびロック解除するのを可能にする。システムは、ユーザーが、異なる数時または他の識別子をスクロールして適切な数字または他の識別子を選択できるように適合できる。それは、ベーピング装置用の再充填ケースもしくはドッキングステーション上に、または個人用ベーピング装置自体上に直接、実装できる。
【0133】
定温ドライバー
AYRシステムは、発熱体の温度を20度以内以上に調節することができる。正確な温度調節は、蒸気成分が理解できて安全のために試験できることを意味するので、非常に重要であり、ほとんどのアトマイザー加熱システムは効果的な温度調節がなく、従ってコイル温度にスパイクがあり得、それは吸入される蒸気中に望ましくない化学物質が生成されることになり得る。正確な温度調節はまた、噴霧ユニットの寿命を大幅に延ばすので、重要である。AYRシステムは、既知の電圧に対して発熱体を通る電流を測定することによって動作し、それはこのデータから抵抗を計算し、次いで、発熱体の抵抗の温度係数に対して格納されたデータから、温度がいくらであるかを調べる。これは閉ループ温度調節システムに送り込まれ、電流を発熱体に供給するPWM電流源からの電力デューティ比が調整されて、温度が要求されたレベルまたは範囲にあることを確実にする。閉ループは、噴霧システムに供給するリキッドによって減衰される。
【0134】
次のように一般化できる:
霧化可能リキッドを加熱して蒸気、噴霧またはミストを生成するように構成されて、定温ドライバーで制御される、発熱体を備えたリキッド噴霧システムであり、ドライバーは、既知の電圧を有する電力供給源を使用して発熱体を通る電流を直接または間接的に測定して、マイクロコントローラまたはプロセッサが(a)発熱体の抵抗を計算または決定し、(b)発熱体の温度を、発熱体が作られている材料の抵抗の温度係数に対して格納されているデータから、計算するか、または(c)前記発熱体の温度を調べ、
ドライバーは、閉ループ温度制御アルゴリズムを使用して電力、電流または電圧を調整し、電力デューティ比を調整することにより発熱体の温度を事前に設定されたレベルまたは範囲に安定させるように構成されている。
【0135】
いくつかの任意選択の特徴:
・ドライバーは、閉ループ温度制御アルゴリズムを操作して、電流が測定される各インスタンスの後、電力デューティ比を定期的に調整する。
・電流は、1秒間に約30回、測定される。
・リキッドがPV/VGeリキッドである場合、事前に設定されたレベルは約セ氏280度である。
・事前に設定されたレベルは、リキッドのタイプまたは化学組成によって変わる。
・ステンレス鋼316Lなどの、実質的に直線である抵抗の温度係数をもつ材料から作られた発熱体。
・制御ループは、霧化可能リキッドの熱質量によって減衰されるように構成されている。
【0136】
優雅なデータ終了(Graceful data termination)
ベーピング装置はデータをホスト(例えば、ドッキングステーションまたはケース)に送信するので、データが破損していないことは重要である。しかし、ベーピング装置はドックおよびケースから素早く引き抜くことができ、それを、データが送信されているか、または受信されている間に行うことは、破損を引き起こし得る。我々はこの問題を、ベーピング装置が適所から出されるとすぐに、しかしデータ接触が失われる前に(データ接触はばね式ポゴピンによって提供され、それでこれらのピンは、ベーピング装置が上に移動されてドックまたはケースから出されるとき接触を一時的に維持する)、トリガーされる小型スイッチを(装置、またはケースもしくはドック内に)提供することによって解決する。スイッチが作動されると、制御ルーチンはデータ転送をオーバーライドし、それを迅速であるが、制御されて終了させる。
【0137】
次のように一般化できる:
ベーピング装置を格納して、ベーピング装置が押し出されるか、または引き抜かれるのを可能にするリキッド再充填装置であって、再充電装置および/またはベーピング装置は(a)ベーピング装置が再充填装置から押し出されるか、または引き抜かれ始めると作動し、(b)データ接続が失われる前にベーピング装置と再充填装置との間の任意のデータ通信が制御された方法で終了することを確実にするために信号を送信する、スイッチを含む。
【0138】
直立再充填
超小型リザーバー(容量は約2mLである)内のリキッドの量を測定することは困難である。AYRシステムは、量産品においてこれを安価かつ確実に行う必要がある。AYRは、再充填可能ポッド内のリキッドの液面が閾値を下回っているかどうか、それ故再充填を必要とするかどうかを判断する高性能の液面送信システムを使用する。組込みの加速度計を使用して装置の傾きを補正することは可能であるが、それは完全には信頼できない。代わりに、AYRは、再充填可能なリキッドリザーバー内のリキッドの液面を、特に、ポッドが取り付けられているベーピング装置が実質的に直立または垂直の場合に、測定する。これは、ベーピング装置、もしくはドック、またはその両方内にあり得る、加速度計を使用して達成される。装置が実質的に直立または垂直で、かつ液面測定が完了してポッドリザーバー内の液面が閾値を下回っていることを示している場合に限り、流体移送システムが作動されてリキッドがリフィルボトルからリキッドリザーバーにポンプで注入される。
【0139】
次のように一般化できる:
ベーピング装置、または装置内のリキッドリザーバーが実質的に直立または垂直の場合に限り、ベーピング装置を自動的に再充填するように構成されるベーピングシステム。
【0140】
いくつかの任意選択の特徴:
・システムは、それが実質的に直立または垂直の場合に信号を送信する加速度計を含む。
・装置が実質的に直立または垂直で、かつ液面測定が完了してポッドリザーバー内の液面が閾値を下回っていることを示している場合に限り、流体移送システムが作動されてリキッドがリフィルボトルからリキッドリザーバーにポンプで注入される。
【0141】
ライトパターン
AYRベーピング装置は、ベーピング装置上に一連のライトを含み、これらは、ユーザーが蒸気を吸うにつれて次第に消え、ユーザーが、たばこ1本を吸うのに相当するニコチンを吸ったか、または相当する時間吸った後、全部が完全に消える。これらのライトは、他の効果のために、例えば、ベーピング装置内の加速度計によって制御される一連のライトによって作られるライトパターンを用いて、別の用途で使用できる。
【0142】
次のように一般化できる:
ユーザーが蒸気を吸うにつれて次第に消えるが、一緒に、もしくは順番に、またはライトパターンを形成する他の方法で、点灯するようにも制御できる、一連のライトを含むベーピング装置。
【0143】
いくつかの任意選択の特徴:
・ベーピング装置の一面上に1列の5つ以上のライトがある。
・ベーピング装置の周囲に1つ以上の円形のライトの輪がある。
・加速度計は、マイクロコントローラに入力を提供し、それは次いで、一連のライトを制御する。
・ライトパターンは全てのライトの同時パルス化(simultaneous pulsing)である。
・ライトパターンは、ベーピング装置を下に、上に、または下および上に移動するパターンを形成するためのライトの一連の点灯である。
・特定のライトパターンは吸い口を交換する必要があることを示す。
・特定のライトパターンは装置がリキッドで再充填する必要があることを示す。
・特定のライトパターンは装置が使用からロックされていることを示す。
【0144】
C.データおよび接続性
【0145】
AYRセッション
ベーピングへの移行によって喫煙を止めようとしている喫煙者にとっての重要な課題は、ほとんどのベーピング装置は、ベーピング中に彼らが吸入しているニコチン量と、それ以外の方法でたばこから吸入しているものとの間に、何らかの関係を確立することを困難にすることである。従来型のeリキッドポッドの中には、たばこ20本と同じ量のニコチンを含有するものもあるが、通常のたばこのちょうど1本に相当するニコチンをいつ摂取もしくは吸入したかを正確に知る方法はない。
【0146】
AYRは、ユーザーが、自分のAYR装置を構成する際に、それが、通常または平均の吸入に対して、彼らが実際に喫煙するブランドのたばこ1本とほぼ同量のニコチンを供給する、吸入の時間および/または回数などの、パラメータに対して動作するように、それを調整できるようにすることによってこれに対処する。前述のとおり、AYRベーピング装置は、セッションが持続するにつれて次第に消えるベーピング装置(典型的には8)の一面に沿って伸びる一連のライトを有し、全てのライトが消えるときに、セッションは終わる。一旦、セッションが満了すると、ユーザーは、事前に設定した時間を待つか、もしくは装置をそのケース(それがケースを有する場合)に戻す必要があるか、または彼らがもっと簡単に自分が始めているベーピングを中断してベーピングの量制御するのを可能にする何らかの他の動作もしくはステップ、ある意味、自分の喫煙習慣に関連する全ての方法で取り込んでいる。
【0147】
喫煙習慣をこのように模倣して、その開始および終了を含む、セッションの進捗の明瞭な視覚、音声および/または触覚フィードバックを与えることにより、たばこからベーピングに移行した際に自分のニコチン摂取が増加しているユーザーの危険性が最小限にされる。ユーザーはニコチン摂取削減または停止目標をアプリで設定でき、これらの目標は、連続するセッションに対するパラメータ、またはセッションのプログラムを変更するために使用でき、そのためこれらの目標は達成できる。
【0148】
次のように一般化できる:
ベーピング装置が単一セッションに対して使用できるように構成されたベーピングシステムであって、セッションは、制限された時間であるか、またはベーピング装置がその間、動作可能であり、それに対してベーピング装置が開始および終了の視覚、触覚および/もしくは音響マーカーを提供するベーピングの制限された範囲であり、
システムは、ユーザーから、現在喫煙するたばこのタイプもしくはブランドの選択もしくは指示を受信するように構成されており、システムは次いで、そのセッション中に、ベーピング装置によって生成されるか、またはユーザーによって吸入されるニコチンの量が、その特定のタイプもしくはブランドのたばこ1本の喫煙と関連付けられたニコチン量と略等しくなるように、単一セッションの時間もしくは他のパラメータを自動的に調整する。
【0149】
いくつかの任意選択の特徴:
・セッションは、その間、ベーピング装置が、自動的および一時的に動作を止めるまで、動作可能な事前に設定された時間である。
・セッションは、吸入の回数、または噴霧したリキッドの量などの、ベーピングの事前に設定された範囲であり、その間、ベーピング装置は、自動的および一時的に動作を止めるまで、動作可能である。
・ベーピング装置は、セッションが満了した後、ユーザー定義された事前設定時間の間、自動的に動作を止めるようにプログラムされる。
・ベーピング装置は、そのドックまたはケースに戻されて、次いでそのドックまたはケースから引き抜かれた場合に自動的に通常の動作を再開するようにプログラムされる。
・システムは、ユーザーが特定のタイプまたはブランドのたばこを入力するのを可能にするように構成されているスマートフォンまたはタブレットアプリを含む。
・システムは、ユーザーから、彼らが達成しようと計画しているニコチン摂取削減または停止目標の選択または指示を受信するように構成されており、システムは次いで、単一セッションのプログラムの時間または他のパラメータを、セッションのそのプログラム中にベーピング装置によって生成されるニコチン量が、ユーザーのニコチン摂取削減目標を満足するように、自動的に調整する。
【0150】
Wi-Fi接続されたベーピング装置
AYRは「接続された」ベーピング装置であり、「接続された」によって、装置は、-例えば、ユーザーのスマートフォンもしくはスマートウォッチなどに、および/またはリモートサーバーに、直接もしくは間接的に、のいずれかで-データを送信するか、またはデータを受信するか、またはデータを送受信することを意味する。接続性は、ユーザーがベーピング装置を自分のスマートフォンなどから、ベーピング装置が、例えば、摂取もしくは使用データ、または電池レベルデータ、または液面データなどの、有用なデータをリモートサーバーに送信するために、制御するのも可能にする。それは、消費者が消耗品(例えば、新しい事前充填されたポッドまたはヒートスティックなど)を注文するのも可能にする。接続性は豊富な挙動洞察がデータから得られるのも可能にする。
【0151】
接続されたベーピング装置は何年もの間、議論されており、接続性は、装置自体内に何らかのデータ接続システム-例えば、Bluetoothモデムを、ユーザーのスマートフォン用のモバイルアプリと共に、含めることによって可能にされる。
【0152】
ベーピング装置を、モバイルアプリを実行する、ユーザーのスマートフォンにリンクするBluetooth接続のアプローチは、接続性を実装する圧倒的に標準的な方法であり:それは、典型的なエンジニアの思考を染める非常に強力な技術的バイアスを表す。接続されていないベーピング装置を、ユーザーのスマートフォンからアクセスできる接続されたベーピング装置にするという難問に直面して、典型的なエンジニアからの当然の応答は従って、Bluetooth接続をベーピング装置に直接含めて、コンパニオンモバイルアプリを構築することであり、そのアプリはその後、スマートフォンベンダーのアプリストアから入手可能にされる。
【0153】
しかし、Bluetoothモデムを携帯用ベーピング装置内に含めることは、それは装置の複雑さを著しく増大させて、装置に新しい故障モードを追加するので、問題となり-それは比較的に単純に見え得るが、Bluetoothが考えられるスマートフォンおよび他の装置の全範囲にわたって確実に動作するのを確実にすることは、困難であり得る。
【0154】
さらに、全てのユーザーが接続性を必要とするか、または使用するわけではない。かなりの数の潜在的ユーザーは、個人のプライバシーを理由として、装置が接続されていることを心配し、単に接続性を作動させないことは、かかる潜在的ユーザーは、秘密の監視がそれでも行われ得ることを恐れるので、かかる潜在的ユーザーに対してほとんど十分ではない。
【0155】
そしてそれは、モバイルアプリがユーザーのスマートフォンオペレーティングシステムに対して(例えば、Apple App Store、またはGoogle Play Storeから)入手可能であることを必要とするので、複雑さのさらなる層が生じる。しかしそのOSベンダーはどのアプリがそのストア上で入力可能であるか、または否かに関して異なる規則を課し得る。例えば、Google Play Storeは現在のところ、非常に寛容である。しかしApple App Storeはニコチンベーピング装置に対するコンパニオンアプリを許可しない。しかしそれらは、CBDまたはTHCを吸入できるようにする装置に対するコンパニオンアプリを許可する。そしてこれらの規則は、突然の通知で、変わり得、例えば、Google Play Storeは、ニコチンベーピング装置に関連するアプリを禁止するようにも選択し得る。
【0156】
これは、技術的な課題の驚くほど複雑なセット-すなわち、次のような携帯用ベーピング装置システムを設計することである:
・潜在的に接続可能であり、しかも低価格および低複雑性である。
・潜在的に接続可能であり、しかも個人のプライバシーの問題に敏感なユーザーに関して個人のプライバシーを漏らすことがない。
・潜在的に接続可能であるが、装置ベンダーにより、それらのオンラインアプリストアから入手可能なコンパニオンアプリに対して課される一貫性のない規則によって影響を受けない。
【0157】
完全な3Gまたは4G無線接続をベーピング装置に組み込むことは可能であるが、それは大幅に価格を上げ、代わりに、既存の接続インフラを活用することが望ましい。我々がAYR Caseで選択している手段は、ベーピング装置がデータを収集し、ケースもデータを収集することであり、ベーピング装置がケースに挿入されると、ケースはPVからデータを収集する。ケース自体はWi-Fiモジュールを含んでおらず、しかしそれは1つの可能なバリエーションである。
【0158】
現在のバリエーションでは、ケースは、Wi-FiモジュールおよびWi-Fiアンテナを含んでいないスリムドック(図30を参照)のスロットに入れられる。ドックは、USB-Cポートを経由してケースに電力を供給して、ケース内の内部再充電可能電池を充電する働きもする。ケースはUSB-Cを通してデータをWi-Fiドックに転送し、そのデータは次いで、ドックがユーザーにより通常の方法で接続されているローカルのWi-Fiネットワークを通して送信される。データは処理のためにリモートサーバーに送信され、ユーザーが特定のURLでウェブブラウザを開くとき、関連データがそのユーザーに提供される。
【0159】
BLEは、Wi-Fiを通して実行するトランスポートプロトコルとして使用され、そのためベーピング装置はIoTエンドポイントとして見えるようになり、アプリストアからのスマートフォンアプリは必要としない。代わりに、ウェブブラウザだけが必要である。単一の接続API、すなわち、BLE APIが使用され、ケースは、wi-fiおよび充電ドックを同じ対話プロトコルをもつ追加のBLEモジュールとして扱い、BLE特性に関してそれと通信する(例えば、所与のUUIDをもつCharacteristicが変更されていることを通知する)。BLEに加えてAYR独自のプロトコルが一回だけ実装されて、接続されたスマートフォン、およびウェブベースのユーザーアプリケーションの両方と通信するために使用され、ウェブベースのユーザーアプリケーションはユーザーのスマートフォン画面上に、App StoreまたはPlay Storeからの従来のアプリアイコンと同様にアイコンとして現れるが、とはいえそれは実際にはそのようなものではない。AYRCaseのためのドックは従って、本質的に内蔵型Wi-Fiモジュールを備えた充電プラットフォームである。
【0160】
Wi-Fiモジュールは、ベーピング装置だけをそのまま受け入れるように成形されたドック内にも含め得る。AYRDockバリエーションにおけるドックは、ベーピング装置の再充電およびリキッドでの再充填も両方とも行い、それ自体Wi-Fiモジュールも含むことができる。
【0161】
次のように要約して一般化できる:
(i)再充電可能電池およびデータポートを含むベーピング装置、ならびに
(ii)再充電可能電池に電力を供給するように構成されている、そのベーピング装置のための第1の充電システム、ならびに
(iii)ベーピング装置を受け入れて、再充電可能電池に電力を供給し、データポートを経由してベーピング装置からデータを受信するように構成されている別個の、第2の充電システム、ならびに
(iv)リモートサーバー上でホストされて、エンドユーザーのスマートフォン、スマートウォッチまたは他の個人用装置からアクセス可能であるように構成されたモバイルウェブサイト
を含むベーピングシステムであって、
第2の充電システムは、リモートサーバー上でホストされるモバイルウェブサイトにインターネットを通してベーピング装置から受信したデータを送信するように構成されたWi-Fiモジュール、チップまたはユニットを含む。
【0162】
第1の充電システムは典型的には、ちょうどベーピング装置に直接差し込む従来型のUSB充電ケーブルである。第2の充電システムは典型的には、次の1つである:
(a)ベーピング装置が直接ドッキングし、内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を有する、充電ドック、
(b)図30に示すような、ベーピング装置がスロットに入る再充填および再充電ケース+内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を備えたそのケース用のドック、
(c)ベーピング装置が格納のためにスロットに入る再充填および再充電ケースであり、その場合、ケース自体が内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を有する
(d)Wi-Fiモジュールを含むUSB充電ケーブルであって、充電ケーブルはベーピング装置に直接差し込まれる、
(e)USBコネクタを備えたプラットフォーム内で終端するUSB充電ケーブルであって、その場合、プラットフォームはWi-Fiモジュールを含み、ベーピング装置はそのプラットフォームとドッキングする。
【0163】
このアーキテクチャは、上で概説した技術的な課題の複雑なセットを解決する。データは、前述のとおり、処理のため、およびモバイルウェブサイトによるあり得る表示のために、リモートサーバーに送信される。モバイルウェブサイトが使用され、装置製造業者のアプリストア(例えば、Apple App StoreまたはGoogle Play Store)からダウンロードする必要があるアプリが必要ないため、モバイルウェブサイトは、Apple iOSまたはAndroidであろうと、また吸入される物質がニコチン、またはCBDもしくはTHCまたは全く他の何かであるかどうかにかかわらず、全ての装置にわたり完全で一貫した機能を提供できる。新しい事前充填されたカプセルまたは他の消耗品の注文など、完全な機能が可能である。さらに、いかなる形の接続性も望まないユーザーは、データ接続を有していない第1の充電システム(これはUSB電力ケーブルのように単純であり得る)を単に使用できる。彼らは単に、接続を別に提供し得る、第2の充電システムを使用しないことを選択できるので、データ機密漏洩の可能性がないことを十分に確信するであろう。データ接続および自分のスマートフォンまたは他のスマートデバイスを使用した完全に機能する接続経験を強く望む他のユーザーは、第2の充電システム、例えば、ベーピング装置がドッキングし、内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を有する充電ドック;またはベーピング装置がスロットに入る再充填および再充電ケース、その場合、ケース自体は次いで内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を備えたドックに配置される;またはベーピング装置がスロットに入る再充填および再充電ケース、その場合、ケース自体は内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を有する;または、Wi-Fiモジュールを含むUSB充電ケーブル、を使用する必要があるだけである。
【0164】
いくつかの任意選択の特徴:
・第1の充電システムは、ベーピング装置に直接差し込む充電ケーブルである。
・第1の充電システムはデスクトップドッキングステーションであるが、Wi-Fiモジュール、チップまたはユニットはない。
・第1の充電システムは、コンピュータまたは他の装置内のUSBもしくは他のポートに接続してコンピュータまたは他の装置から電力を受け取るドックである。
・第2の充電システムは、ベーピング装置が直接ドッキングし、内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を有する、充電ドックである。
・第2の充電システムは、ベーピング装置がスロットに入る再充填および再充電ケース+内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を備えたそのケース用のドックである。
・第2の充電システムは、ベーピング装置が格納のためにスロットに入る再充填および再充電ケースであり、その場合、ケース自体が内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を有する。
・第2の充電システムは、Wi-Fiモジュールを含むUSB充電ケーブルである。
・第2の充電システムは、USBコネクタを備えたプラットフォーム内で終端するUSB充電ケーブルであって、その場合、プラットフォームはWi-Fiモジュールを含む。
・BLEは、ベーピング装置がIoTエンドポイントとして見えるようにWi-Fiを通して実行するトランスポートプロトコルとして使用される。
・BLEは、ベーピング装置がIoTエンドポイントとして見えるようにWi-Fiを通して実行するトランスポートプロトコルとして使用され、そのためアプリストアからのスマートフォンアプリは必要とせず、代わりに、ウェブブラウザだけが必要である。
・システムは、単一の接続API、すなわちBLE APIを使用する。
【0165】
別のアプローチは、Wi-Fiモジュールをベーピング装置自体に直接統合して別個のドックは持たないことであり、次のように一般化できる:
【0166】
携帯用ベーピング装置システムであって、
(i)再充電可能電池およびデータポートを含む携帯用ベーピング装置、ならびに
(ii)リモートサーバー上でホストされて、エンドユーザーのスマートフォン、スマートウォッチまたは他の個人用装置からアクセス可能であるように構成されたモバイルウェブサイト、を含み、ベーピング装置は、リモートサーバー上でホストされるモバイルウェブサイトにインターネットを通してデータを送信するように構成されたWi-Fiモジュール、チップまたはユニットを含む。
【0167】
サーバー分析
前述のとおり、AYRはWi-Fi接続された装置であり、データを(ユーザー同意を得て)、そのデータを分析し、消費者または挙動データ洞察を使用データに基づいて生成するサーバーに提供する。これは、標準的なアプローチと対照的であり、それはBluetooth接続モジュール、および、それ自体、Apple iOSなどの、重要なオペレーティングシステムに対して利用可能ではない可能性がある、スマートフォンアプリを必要とする。Wi-Fi接続された装置を提供することは、消費者または挙動洞察のために掘り出される、代表的で、高品質なデータ獲得への鍵であり、Bluetooth接続だけを使用するベーピングシステムは、自分のベーピングシステムをAndroidスマートフォンと対にできるユーザーだけを対象にするように歪曲され得、結果として生じるデータおよび従って洞察の品質を損なう。
【0168】
次のように一般化できる:
ベーピングシステムおよびリモートサーバーを含むベーピングデータ分析システムであり、ベーピングシステムは装置が消費者によってどのように使用されているかに関する使用データを収集して、その使用データを、インターネットへのWi-Fi接続を使用してリモートサーバーに直接または間接的に送信し、Wi-Fi接続はベーピング装置によって確立されており、サーバーはデータを分析し、使用データに基づいて消費者または挙動データ洞察を生成する。
【0169】
いくつかの任意選択の特徴:
・Wi-Fi接続は、ベーピング装置が直接ドッキングし、内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を有する、充電ドックによって提供される。
・Wi-Fi接続は、ベーピング装置がスロットに入る再充填および再充電ケース+内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を備えたそのケース用のドックによって提供される。
・Wi-Fi接続は、ベーピング装置が格納のためにスロットに入る再充填および再充電ケースによって提供され、その場合、ケース自体が内蔵Wi-Fiベースのデータ接続を有する。
・Wi-Fi接続は、Wi-Fiモジュールを含むUSB充電ケーブルによって提供され、充電ケーブルはベーピング装置に直接差し込まれる。
・Wi-Fi接続は、USBコネクタを備えたプラットフォーム内で終端するUSB充電ケーブルによって提供され、その場合、プラットフォームはWi-Fiモジュールを含み、ベーピング装置はそのプラットフォームとドッキングする。
・使用データは、噴霧されているリキッドのフレーバーおよび強度に関連し、リモートサーバーは、リキッド充填および物流システムに対する、リアルタイムフィードバックなどの、フィードバックを含むデータを生成して、最も人気のあるフレーバーが、必要な場合に店内およびオンラインにあることを確実にする。
・使用データは、噴霧されている新たに販売されたリキッドのフレーバーおよび強度に関連し、リモートサーバーは、リキッドおよびフレーバーハウスに対する、リアルタイムフィードバックなどの、フィードバックを含むデータを生成して、喫煙者にアピールするが、未成年ユーザーにはアピールしないフレーバーを含む、新しいフレーバーの迅速で、根拠に基づく作成および公開を確実にする。
・使用データは、噴霧されているリキッドのフレーバーおよび強度のジオロケーションに関連し、リモートサーバーは、カプセル充填および物流システムに対する、リアルタイムフィードバックなどの、フィードバックを含むデータを生成して、最も人気のあるフレーバーが、それらが最も必要とされる市または地域において店内およびオンラインにあることを確実にする。
・使用データは、リキッドの未成年消費者と関連付けられた特性に関連し、リモートサーバーはそれらの消費者および他の人に対する警告メッセージを含むデータを生成する。
・使用データは、リキッドの未成年消費者と関連付けられた特性に関連し、リモートサーバーは、成人または、学校もしくは大学などの、組織に対するアラート信号を含むデータを生成する。
・使用データは、リキッドの未成年消費者と関連付けられた特性および噴霧装置のジオロケーションに関連し、リモートサーバーは、成人または、学校もしくは大学などの、組織に対するアラート信号を含むデータを生成する。
・使用データは、リキッドの未成年消費者と関連付けられた特性に関連し、リモートサーバーは、噴霧装置を停止させるか、またはロックする信号を含むデータを生成する。
・使用データは、装置内の液面および任意の関連したカプセルに関連し、リモートサーバーは、ユーザーにもっと多くのカプセルまたはリキッドを-例えば、eフルフィルメントを通して、購入するように促すメッセージを含むデータを生成し、店舗またはオンラインでの使用のために特価提供/クーポンを提供する。
・使用データは、噴霧されているリキッドのフレーバーおよび/または強度に関連し、リモートサーバーは、消費者に、彼らが好きかもしれない他のフレーバーを提案するリアルタイムフィードバックを生成する。
・使用データは、継続的なたばこの喫煙に関する自己報告に関連し、リモートサーバーは、たばこ消費の減少の健康への好影響に関するリアルタイムフィードバックを生成する。
・使用データは、経時的なパターンまたは使用法に関連し、リモートサーバーは、広告またはマーケティングとの相関に関連するデータを生成して、その広告またはマーケティングの有効性を判断する。
・使用データは、経時的なパターンまたは使用法に関連し、リモートサーバーは、規制者または健康サービス提供者のために製品使用の洞察を提供するデータを生成する。
・使用データは、使用の時間、または各セッションの継続時間、または消費したリキッドの量に関連し、リモートサーバーは、利用のリアルタイム洞察を提供するデータを生成する。
・使用データは、ユーザーの年齢、性別および他の人口統計データに関連し、リモートサーバーは、誰が装置を使用しているかのリアルタイム人口統計学的洞察を生成する。
【0170】
UWB接続されたベーピング装置
UWB(Ultra Wideband:超広帯域)規格は、超低価格および低電力消費チップが電子装置に追加されて、それらの装置位置を数cmの精度で認識させて他の装置(Apple iPhone(商標) 11などの、UWBを備えたスマートフォンを含む)とデータ(位置データなど)を交換できるようにするのを可能にする。UWB機能を備えたベーピング装置は従って、その位置を極めて正確に確立して、その位置を他の装置と共有でき、これは、ベーピング装置が、ベーピングが許可されていなかった区域(航空機など、または校舎もしくはより広い学校敷地内)で自動的に無効にされるのを可能にし得、例えば、ベーピングが制限された区域内のUWBビーコン(固定またはモバイル)は、任意のUWBを備えたベーピング装置が、定義されたベーピング禁止区域に十分に近いか、または区域内にある場合に拾うメッセージまたはフラグを継続的にブロードキャストしており、そのメッセージまたはフラグを受信すると、ベーピング装置によって自動的に処理されて、それ自身を無効にすることになり、それは、ユーザーにこの無効化の原因を警告し得る警告ライトまたはメッセージを表示し得る。UWBビーコンは認可されたユーザーのスマートフォンまたはタブレットであり得:学校教師はそれ故、フラグまたはメッセージをいつでも作動させることができ、従ってそのフラグまたはメッセージを拾うベーピング装置を無効にできる。
【0171】
次のように一般化できる:
UWBチップまたはUWB機能を統合しているASICを含む携帯用ベーピング装置。
【0172】
いくつかの任意選択の特徴:
・UWBチップまたはUWB機能を統合しているASICは、ジオロケーションおよび/またはジオフェンシング機能を提供して、定義された区域内での携帯用ベーピング装置の動作を阻止する。
・ベーピング装置は、その装置に自身を自動的に無効にさせるUWB装置からブロードキャストされた特定のメッセージまたはフラグをリッスンする。
・ベーピング装置は、UWBを使用してその位置を追跡し、それがベーピングの許可されている位置にあるか、または許可されていない位置にあるかを確認して、ベーピングが許可されていない位置にある場合、それ自身を無効にする。
・ベーピング装置は、UWBを使用してその位置を追跡し、その位置を別のUWB対応の装置と共有する。
・位置データが共有されるUWB対応の装置は、ベーピングがベーピング装置の位置で許可されているかどうかを判断し、ベーピングが許可されていない場合、フラグまたはメッセージをそのベーピング装置に送信する。
・位置データが共有されるUWB対応の装置は、スマートフォンである。
・位置データが共有されるUWB対応の装置は、ベーピング装置をリキッドで再充填し、ベーピング装置内の電池を再充電するドックである。
・位置データが共有されるUWB対応の装置は、ベーピング装置をリキッドで再充填し、ベーピング装置内の電池を再充電する携帯用再充填および再充電ケースである。
【0173】
D.リキッド取扱いおよび再充填
【0174】
本明細書で前述のとおり、AYRは能動型流体管理システムを使用してベーピング装置内の小型リキッドリザーバーまたはチャンバ(典型的には、1mL~2mLの間の容量をもつ)を事前に定義された一定の閾値まで自動的に再充填し、この小型リキッドリザーバーは、リキッドからエアロゾルを発生させる噴霧ユニットにリキッドを供給する。この能動型流体管理システムは、自動的に、ユーザーが開始することなく、ベーパライザー装置をもっと大きいリザーバー-典型的には、10mLのリフィルボトルなどの、ユーザー交換可能であるが、ユーザー再充填可能ではないボトル、からのリキッドで再充填するために使用される。能動型流体管理システムは、非常にコンパクトで費用効率が高く、小型チャンバの電気容量の測定に依存し、この静電容量はこのチャンバ内のリキッドの容量によって変わる。本節は容量性システムを詳細に説明するが、AYRシステムが使用できる他の液面検知技術、例えば、光ビームが、透明壁のあるリキッドリザーバーをそのリザーバーの半ばあたりのポイントを通って放出される単純な光学システムなど、があり、ビームが、リザーバー内のリキッドのタイプによる吸収に特徴的な方法で妨げられる場合、システムはリザーバーがリキッドで少なくとも半分充填されていると見なして、ポンプによる注入は作動されない。しかし、ビームがそのように妨げられない場合、システムはリザーバーを充填する必要があると見なして、ポンプによる注入が作動される。光ビームおよびセンサーはドックまたはケース内に配置される。しかし、容量測定システムは信頼できて、費用効率が高いことが分かっている。
【0175】
基本操作
図31は、ベーピングシステム全体の基本要素の簡略化ブロック図を示す。ベーピング装置内の流体リザーバー301は、シリコーンジャケット内で支持されている加熱コイル302を含む。小型チャンバ内の流体量は、チャンバ内の2つの静電容量センサープレート303の間の電気容量を読み取ることによって感知される。この静電容量はチャンバ内のeリキッドの量にほぼ比例する。再充填装置内のマイクロコントローラ304は、ベーピング装置内の小型リキッドリザーバーの静電容量を事前に設定した閾値と比較することにより蠕動ポンプ305を制御する。静電容量がこの閾値を下回っている場合、それはポンプを作動させて、密封されたリザーバー(例えば、10mLのリキッドリフィルボトル)からリキッドを引き出し、それを、液面がこの閾値に達するまで、リキッドリザーバー301にポンプで注入する。
【0176】
閉ループ制御
再充填機能は、ベーパライザー装置がベーピングセッションを終了し、ベーピング装置が再充填装置(例えば、AYRBase用のデスクトップドック、またはAYRCase用の再充填および再充電ケース)に戻されてベーピング装置が垂直に置かれている後にだけ、作動される。ベーピング装置が一体型の、内部リキッドポンプ(AYRMod)を有する場合、再充填機能は同様に、ベーパライザー装置がベーピングセッションを終了して垂直に置かれている後に作動される。
【0177】
一旦、作動されると、マイクロコントローラはポンプの閉ループ制御を実装して、事前に定義された閾値に達するまでリキッドをポンプで注入する。これはベーパライザー内の液面をほぼ同じレベルに維持する。AYR装置では、そのレベルは2mLの最大リキッド容量の約50%~60%-すなわち、約1mLである。
【0178】
静電容量測定
ベーピング装置内のセンサーの静電容量が、並列共振法を使用して測定される。インダクタおよびコンデンサタンク発振回路が使用され、正確な共振周波数が感知されて、外部検出(external sense)コンデンサの値がこの共振周波数から計算される。高精度および再現性を確実にするために、各測定回路は、回路基板内の全ての浮遊静電容量を補正するために生産ライン上で個々に較正されて、ベーパライザーと測定回路との間を相互接続する。
【0179】
図32は、簡略図を示す。この回路は、静電容量を0~20pFの範囲で測定するように構成される。生産ライン較正プロセスから取得される較正定数が不揮発性メモリ(ベーピング装置内)内に格納されて、静的浮遊静電容量を除外するためにシステムソフトウェアによって使用される。現在の実施態様は、発振器および周波数測定機能を形成するために専用集積回路を使用する。やがてこれは、別個の、より費用効率の高い設計へ発展され得、できるだけ多くの機能をカスタムASICに統合することは、装置の商品原価またはCOGの削減への鍵となるアプローチである。
【0180】
リキッド特性化および認証
センサーの静電容量変化はチャンバ内のリキッド量に比例するが、それはリキッドの化学組成(例えば、それがニコチン塩か否かにかかわらず、ニコチン強度、使用されるフレーバリング、存在する水分量、PVおよびVGの量)およびリキッドの温度にも依存する。これは、各リキッド配合は、リキッドの重量対静電容量測定値に関して特性化される必要があり、これらの定数はリキッドと共に大型リザーバー、例えば、10mLのリフィルボトル上に格納される必要があることを意味する。このデータは大型リザーバーに取り付けられている小型シリアルROMチップ内に格納され、それは次いで、充填を開始する前に、ベーピング装置内のマイクロコントローラによって読み取ることができる。
【0181】
その上、このROMチップは(i)リザーバー(カプセル)を認証するために使用される暗号化された秘密鍵および(ii)未知のリキッドの再充填を防ぐためのカウントダウン(のみ)カウンタを含む。認証および再充填防止が要求されない場合、eリキッド特性は、経費節減のために、例えば、バーコードまたは他のグリフとして、カプセル上に光学的に格納できる。
【0182】
図33は、同じリキッドであるが、測定回路システムの2つの異なる試料に対するリキッド質量対センサーの静電容量をプロットしているテスト結果を示している。試料のすべてにわたるエラーバーも示されている。十分な直線性および絶対確度が示されているが、これらの測定値は追加の較正ステップでさらに改善できる。しかしそれは、小型リキッドリザーバー内のリキッド質量が閾値を上回っているか、または下回っているかにかかわらず、十分な精度で検出して、それぞれ、ポンプをオフに保つか、またはポンプをオンにする、基本能力を例示している。
【0183】
温度補正
静電容量測定値は、静電容量プレートを含むリザーバー内のリキッドの容量に依存するだけでなく、通常リキッドの配合にも依存する。それらは、リキッドの温度にもわずかに依存し得る。ポンプをトリガーしてオフのままにするか、またはオンにする閾値におけるこの温度変化を補正するために、周辺温度を測定するベーパライザー吸い口の近くに配置された温度センサーがある。これは、閾値への温度の影響を補正するためにマイクロプロセッサによって使用される。これらの閾値は5℃および45℃で特性化されて、10mLのボトルまたはカプセル上のシリアルROM上に格納される。周辺温度がこの範囲外の場合、マイクロプロセッサもベーパライザーの充填を禁止する。
【0184】
図34は、実際のAYR静電容量ベースの液面測定システムを使用して、ベーパライザーがまず45℃まで加熱され、次いで5℃まで冷却されるとき、周辺温度と経時的に重ね合わされた生の静電容量測定値を示す。測定値は7つの吸い口(プロット上の各円は単一の装置と関連付けられている)に対して5℃および20℃で、8つの吸い口に対して40℃で取得された。各吸い口は1.4gのリキッドを含む。図に示すように、測定された静電容量の範囲において温度の関数としてほとんど変化がなく、従ってAYRで使用された特定のシステムに対して、図31に示すように、純粋に温度依存性静電容量変化に対して補正する必要はない。
【0185】
フレーバー変更
蠕動ポンプは双方向であり、そのためリキッドフレーバー変更が必要な場合、マイクロコントローラはポンプを逆転させてeリキッドをベーパライザー吸い口から出して主リザーバーまたはリフィルボトルに戻すことができる。一部は加熱コイルに染み込んだままなので、これはベーパライザーからeリキッド全部を取り出して完全には空にしないが、フレーバーの相互混入を減らすのに役立つ。
【0186】
主要な特徴を要約して、次のように一般化できる:
【0187】
液面検知
(a)リキッドをアトマイザーに供給する自動的に再充填可能なリキッドリザーバー、
(b)リキッドリザーバー内のリキッドの量もしくは液位に応じて変わるリキッドリザーバーの電気的特性を測定することにより、リキッドリザーバー内のリキッド量、もしくは液位を直接的もしくは間接的に測定、推測または検出する液面検知サブシステム、および
(c)液面検知サブシステムの制御下で、リキッドをリキッドリザーバーへ自動的に移送するように構成された流体移送システム
を含むベーピングシステム。
【0188】
いくつかの任意選択の特徴:
電気的特性特徴
・液面検知サブシステムによって測定される電気的特性は、静電容量、または、共振周波数などの静電容量に対応する変数である。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内の2つの静電容量センサーを使用して静電容量を測定する容量検知システムであり、その静電容量は、リザーバー内のリキッドの量または液位にほぼ反比例して変わる。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内に静電容量センサーを含むLC共振器回路の共振周波数を検出して、この測定された共振周波数を、静電容量に対応するデジタル値に変換し、それはその結果としてリキッドリザーバー内の液面に対応する
・測定された共振周波数における変化は、静電容量における変化に対応し、それはその結果としてリキッドリザーバー内の液面の変化に対応する。
・液面検知サブシステムは、浮遊静電容量を補正する較正パラメータを使用して、製造中または構築時に個々に較正され、これらは、その較正された液面検知サブシステムを含むベーピングシステム内のメモリに格納される。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内、またはリキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それはAC信号で励起されて、次いで静電容量が並列共振回路を使用して測定され、その静電容量はリキッドリザーバー内の液面と共に変化する。
・液面検知サブシステムによって測定される電気的特性は:インピーダンス、リアクタンス、もしくは抵抗、またはインピーダンス、リアクタンス、もしくは抵抗に対応するデジタル値、の1つ以上を含む。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内、またはリキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それはAC信号で励起されて、次いでインピーダンスがブリッジ回路を使用して測定され、そのインピーダンスはリキッドリザーバー内の液面と共に変化する。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内、またはリキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは、100KHz信号などの、十分に高い周波数においてAC信号で励起され、その容量性リアクタンスはリキッドリザーバーのインピーダンスの主成分で、抵抗(それは装置の向きの変化に対して、より影響を受けやすい)の重要性を低下させ、次いでインピーダンスがブリッジ回路を使用して測定され、そのインピーダンスはリキッドリザーバー内の液面と共に変化する。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内、またはリキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは、100KHz信号などの、AC励起信号で励起されて、インピーダンスは励起信号の減衰にほぼ比例する。
【0189】
液面検知サブシステム特徴
・液面検知サブシステムは、事前に定義された電気的特性閾値に達するまで、リキッドをリザーバーにポンプで注入するように構成されている流体移送システムの閉ループ制御を提供する。
・事前に定義された電気的特性閾値は、約半分まで充填されているリキッドリザーバーに対応する
・リキッドリザーバー総容量は約2mlである
・事前に定義された電気的特性閾値は、リザーバー内に約1mlのリキッドがあることに対応する
・液面検知サブシステムは、測定された電気的特性を、それらの電気的特性の1つ以上の格納された値と比較し、その比較結果に応じて流体移送システムを制御する。
・流体移送システムは、事前に設定された電気的特性閾値が測定されるまで、液面検知サブシステムの制御下で、リキッドをリキッドリザーバーにポンプで注入するように構成されている
・液面検知サブシステムは、測定された電気的特性が事前に定義されたレベルを下回る場合にポンプをオンにし、測定された電気的特性がその同じ事前に定義されたレベルに達する場合、ポンプをオフにする。
・液面検知サブシステムは、測定された電気的特性が事前に定義されたレベルを上回る場合にポンプをオンにし、測定された電気的特性がその同じ事前に定義されたレベルを略下回る場合にポンプをオフにする。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内の、リキッド量、またはそのリキッドの液位が事前に定義されたレベルを下回る場合にポンプをオンにする。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内の、リキッド量、またはそのリキッドの液位が事前に定義されたレベルに達する場合、ポンプをオフにする。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内の、リキッド量、またはそのリキッドの液位が事前に定義されたレベルを下回る場合にポンプをオンにし、リキッドリザーバー内の、リキッド量、またはそのリキッドの液位が略その同じ事前に定義されたレベルに達する場合、ポンプをオフにする。
・液面検知サブシステムは、リザーバーの向きを測定するか、またはリザーバーの向きを測定するサブシステムからの入力を受信して、向きが事前に設定された範囲内の場合に限り、電気的特性の測定および/または再充填を許可する。
・液面検知サブシステムは、リザーバーの向きを測定するか、またはリザーバーの向きを測定するサブシステムからの入力を受信して、向きが実質的に垂直の場合に限り、電気的特性の測定および/または再充填を許可する。
・液面検知サブシステムは、液面検知サブシステム用の測定回路を含むASICを使用して、リザーバーの向きを測定するか、またはリザーバーの向きを測定するサブシステムからの入力を受信する。
【0190】
アトマイザー特徴
・リキッドリザーバーは、再充填可能吸い口の部分を形成し、再充填可能吸い口全体は、それがその寿命の終わりに達すると、エンドユーザーによって交換可能である。
・多孔質芯、セラミックまたは他の多孔質材料を有するアトマイザーは、中間リザーバーまたは液体導管を介さず、リキッドリザーバーからリキッドを直接供給される。
・多孔質芯、セラミックまたは他の多孔質材料を有するアトマイザーは、中間リザーバーまたは、液体サイフォンなどの1つ以上の液体導管を経由して、リキッドリザーバーからリキッドを間接的に供給される。
・液面検知サブシステムは、次のタイプのベーピングシステムのいずれかで使用されるように動作する:携帯用ベーピング装置、ケース内に格納されたベーピング装置をリキッドで再充填するとともに再充電する再充填および再充電ケース、ドッキングステーション内に置かれたベーピング装置をリキッドで再充填するとともに再充電するドッキングステーション、少なくとも1000mAhの電池を備えた一体型ベーピング装置。
・ベーピング装置はセラミック芯を使用する。
・ベーピング装置は、その表面上に形成または配置された発熱体を備えた実質的に平坦な表面をもつ平面状セラミック芯を使用する。
・ベーピング装置は、マイクロ加工されたステンレス鋼ブレードを使用する。
・流体移送システムは、ユーザー交換可能で、完全にリサイクル可能な、閉じたリフィルカプセルまたはボトルからリキッドを引き出し、それをリキッドリザーバーにポンプで注入する。
・流体移送システムは、電気蠕動ポンプを含む。
【0191】
センサー構造特徴
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバーの内部に配置されるセンサープレートまたは構造体を含むセンサーに接続される。
・液面検知サブシステムは、2つの対向する静電容量センサープレートまたは各々が一対の実質的に平坦なサイド部分と中央の円形もしくは湾曲部分を含む他の構造体を含み、対向するプレートまたは他の構造体の平坦部分は実質的に相互に平行である。
・中央の円形または湾曲部分は、アトマイザーが収まるチューブの周りに適合する。
・対向するプレートまたは他の構造体はリキッドリザーバーの内部に位置する。
・液面検知サブシステムは、対向するプレートまたは他の構造体の一貫して正確な分離を確実にするように構成されている1つ以上のリブまたは他の物理的特徴に接触して取り付けられたセンサープレートまたは他の構造体を含む。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバーの外部に取り付けられ、そして代わりに再充填ドック内部に配置された静電容量センサープレートまたは他の構造体を含む。
・液面検知サブシステムは、実質的に相互に平行で、リキッドリザーバーの外部に取り付けられて代わりに再充填ドック内部に配置されている、各々が実質的に平坦なサイド部分を含む、2つの対向する静電容量センサープレートまたは他の構造体を含む。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内、またはリキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは実質的に同心部分を含む一対のセンサープレートまたは他の構造体を含む。
・液面検知サブシステムは、リキッドリザーバー内、またはリキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは、ステンレス鋼または黄銅などの、同一の金属材料で作られた一対のセンサープレートまたは他の構造体を含む。
・液面検知サブシステムによって測定される電気的特性は、少なくとも一部がリキッドリザーバーの壁と一体になっているセンサーによって検出される。
・静電容量センサーは、リキッドリザーバーの内側および外側の壁の少なくとも一部を形成する。
・リキッドリザーバーの外側壁はベーピング装置の外側ケーシングの一部である。
・アトマイザーはメタルブレードまたはプレートを含み、このブレードまたはプレートは、静電容量センサープレートまたは他の構造体の1つ以上の一部を形成する。
【0192】
リキッド特有の特徴
・液面検知サブシステムは、各特定のリキッドのフレーバー、強度もしくはタイプの化学組成または配合を補正または調整する。
・各特定のリキッドのフレーバー、強度またはタイプが検査され、リキッドリザーバー内のリキッドの質量または重量の関数として各特定のリキッドの電気的特性が決定されて、関連データ値が、液面検知サブシステムがアクセス可能な方法で格納される。
・液面検知サブシステムによって測定される電気的特性は、リキッドリザーバー内のリキッドの化学組成に依存し、特定の組成、配合またはリキッドタイプのリキッドに特有のデータ値は、そのリキッドに対するリキッドリフィルボトル上のROMまたは光学式バーコードなどの、メモリ内に格納されて、液面検知サブシステムによってアクセス可能である。
・特定のリキッドに対して、液面検知サブシステムにより閾値充填量において測定される、静電容量をマッピングするデータ値、または静電容量に関連したデータが、その特定のリキッド用のリフィルボトル内に格納されて、液面検知サブシステムによってアクセス可能である。
・特定のリキッドに対して、液面検知サブシステムにより、1つ以上の閾値もしくはリキッドリザーバー内のリキッドの量に関連した値において測定される、特定のリキッドの量もしくは質量を静電容量に対してマッピングするデータ値、または静電容量に関連したデータが格納されて、ベーピング装置によってアクセス可能である。
・データ値は、eリキッドを供給するボトルまたはカプセル上に格納される。
・データ値は、ボトルまたはカプセル上のシリアルROMチップ内に格納される。
・データ値は、バーコードまたは他の光学的に読取り可能なデータ内に格納される。
【0193】
温度依存性特徴
・液面検知サブシステムは、周辺温度センサーを使用して、リキッドの温度を補正または調整する。
・液面検知サブシステムは、周辺温度センサーを使用して測定された、測定温度が、5℃および45℃などの、事前に設定された動作制限から外れている場合、充填動作を禁止する。
・データが液面検知サブシステムに送信されることにより、液面検知サブシステムが、異なる化学組成を有するリキッドの特性における温度依存変動を補正するのを可能にする。
・液面検知サブシステムによって測定される電気的特性は温度依存であり、電気的特性の格納された値は、5℃および45℃などの、装置の下限および上限の動作範囲における値、ならびに/またはその間の値を含む。
・ベーピングシステムは、リキッド充填サブシステムに温度データを提供する周辺温度センサーを含み、そのサブシステムは測定された電気的特性を、アトマイザーリザーバーの周辺温度に適切な値と比較できる。
・ベーピングシステムは、リザーバー内のリキッドの測定温度の推定を提供するために、リキッドリザーバーに隣接して、またはリキッドリザーバーに十分に近接して配置された温度センサーを含む。
・特定のeリキッドまたはリキッドのファミリーもしくはタイプの静電容量が温度と共にどのように変化するかを特徴付けるデータが格納されて、ベーピングシステムによってアクセス可能である。
・特定のeリキッドまたはeリキッドのファミリーもしくはタイプの静電容量が下限温度と上限温度との間でどのように変化するかを特徴付けるデータ値が格納されて、リキッド充填サブシステムによってアクセス可能である。
・電気的特性の格納されたデータ値は、リキッドを流体移送システムに供給するリキッドカプセル内、またはリキッドカプセル上に格納される。
・電気的特性の格納された値は、リキッドカプセルまたはボトル上のROMチップもしくは他のメモリ内に格納される。
・電気的特性の事前に格納された値は、リキッドカプセルまたはボトル上の光学的に読取り可能なバーコード内に格納される。
【0194】
別の態様は、ベーピングシステムの一部であるリキッド移送サブシステムの動作を制御する方法であって、液面検知サブシステムを使用してベーピングシステム内のリキッドリザーバーの電気的特性に関連するデータを測定することを含み、電気的特性は、リキッドリザーバー内のリキッドの量または液位に応じて変化し、およびその測定されたデータに依存して流体移送システムを自動的に制御することを含む。
【0195】
リキッドタイプデータを備えたカプセル
前述のとおり、液面検知システムは、リザーバーがリキッドでどれだけ満たされているかに応じて変化するリキッドリザーバーの電気的特性における変化を検出する。これらの電気的特性は、リキッドのタイプ、そのニコチン強度、それがニコチン塩であるか否か、それがCBDまたはTHCを含有するか、その水分含量、そのPV/VG含量、および使用されたフレーバーなどの、パラメータに応じても変化し得る。これらの化学組成、配合またはリキッドタイプ(より一般的に、「リキッドパラメータ」)を定義するか、またはそれらに関連するデータは従って、それが異なるリキッド組成、配合またはリキッドタイプにわたって正確かつ確実に動作すべきである場合、液面検知システムが利用可能である必要がある。AYRシステムについて、我々は、各考えられるリキッド組成、配合またはリキッドをテストして、リキッドの質量または重量対静電容量測定値の観点から各々特性化している。特定のリキッド組成、配合またはリキッドタイプに対する、これらの定数が次いで、その特定の組成、配合またはリキッドタイプを含むリフィルボトル上に格納される。データは、機械可読形式で、典型的には、小型の低価格ROMチップ上に格納される。
【0196】
次のように一般化できる:
ベーピング装置内のリキッドリザーバーを容器内に貯蔵されたリキッドで自動的に再充填する流体移送システムと係合するために構成された、カプセル、ボトルまたは他の形の容器であって、
容器は、その化学組成、配合またはタイプのリキッドを容器内に含む場合、リキッドリザーバーの電気的特性と関連するか、または電気的特性と関連付けられている機械可読データを含むか、機械可読データでプログラムされており、それらの電気的特性は、電気的特性の測定、またはそれらの電気的特性に関連するデータに依存して流体移送システムを制御する液面検知サブシステムの動作に関係する。
【0197】
いくつかの任意選択の特徴:
・容器は、ROMチップまたはFLASH(商標)メモリなどの、メモリを含み、それは、そのカプセル内に貯蔵された特定のリキッドの、電気的特性、もしくは電気的特性に関連したデータを格納するか、または符号化する。
・容器は、バーコードなどの、光学的に機械可読コードを含み、それは、そのカプセル内に貯蔵された特定のリキッドの、電気的特性、もしくはそれらの電気的特性に関連したデータを符号化する。
・液面検知サブシステムは、静電容量またはインピーダンスなどの、ベーピング装置内のリキッドリザーバーの、またはリキッドリザーバーと関連付けられた電気的特性の事前に格納された値(複数可)を読み取り、それは、リキッドリザーバーがリキッドで十分に満たされていることを示し、液面検知サブシステムは、その事前に格納された値(複数可)を測定された電気的特性と比較して、流体移送システムをオンまたはオフにすべきかを判断する。
・電気的特性は、リキッドの化学組成によって決まり、事前に格納された値は特定のタイプ、種類またはフレーバーのリキッドに特有である。
・電気的特性は、温度依存であり、電気的特性の事前に格納された値は、5℃および45℃などの、装置の下限および上限の動作範囲における値を含む。
・液面検知サブシステムは、各特定のリキッドのフレーバー、強度もしくはタイプの化学組成または配合を補正または調整する。
・各特定のリキッドのフレーバー、強度またはタイプが検査され、リキッドリザーバー内のリキッドの質量または重量の関数としての各特定のリキッドの電気的特性が決定されて、液面検知サブシステムがアクセス可能な方法で格納される。
・液面検知サブシステムによって測定される電気的特性は、リキッドリザーバー内のリキッドの化学組成に依存し、特定の組成、配合またはリキッドタイプのリキッドに特有の値は、そのリキッドに対するリキッドリフィルボトル上のROMまたは光学式バーコードなどの、メモリ内に格納されて、液面検知サブシステムによってアクセス可能である。
・特定のリキッドに対して、液面検知サブシステムにより閾値充填量において測定される、静電容量をマッピングするデータ、または静電容量に関連したデータが、その特定のリキッド用のリフィルボトル内に格納されて、液面検知サブシステムによってアクセス可能である。
・特定のリキッドに対して、液面検知サブシステムにより、1つ以上の閾値もしくはリキッドリザーバー内のリキッドの量に関連した値において測定される、特定のリキッドの量もしくは質量を静電容量に対してマッピングするデータ、または静電容量に関連したデータが格納されて、ベーピング装置によってアクセス可能である。
・データは、eリキッドを供給するボトルまたはカプセル上に格納される。
・データは、ボトルまたはカプセル上のシリアルROMチップ内に格納される。
・データは、バーコードまたは他の光学的に読取り可能なデータ内に格納される。
・電気的特性は、液面サブシステムがアトマイザーリザーバーの周辺温度における変動を補正するのを可能にする温度依存性電気的特性を含む。
・温度依存性電気的特性は、容器がリキッドを供給している装置の動作温度の上限および下限においてアトマイザーリザーバー内のリキッドの最大液位または量と関連付けられた信号である。
・温度依存性電気的特性は、リキッドリザーバー内のリキッドの液位を測定、検出または推測する液面検知サブシステムによって使用される。
・温度センサーは装置内の温度を測定し、液面検知サブシステムは、装置温度、または装置温度に関連した温度が、高温閾値より高いか、または低温閾値より低い場合、動作をロックされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
【手続補正書】
【提出日】2021-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)リキッドをアトマイザーに供給する自動的に再充填可能なリキッドリザーバーと、
(b)前記リキッドリザーバー内のリキッドの量または液位に応じて変わる前記リキッドリザーバーの電気的特性を測定することにより、前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの量または液位を直接的もしくは間接的に測定、推測または検出する液面検知サブシステムと、
(c)前記液面検知サブシステムの制御下で、リキッドを前記リキッドリザーバーへ自動的に移送するように構成された流体移送システムと
を備える、ベーピングシステム。
【請求項2】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は、静電容量、または、共振周波数などの静電容量に対応する変数である、請求項1に記載のベーピングシステム。
【請求項3】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内に静電容量センサーを含むLC共振器回路の共振周波数を検出して、この測定された共振周波数を、静電容量に対応するデジタル値に変換し、それは結果として前記リキッドリザーバー内の前記液面に対応前記測定された共振周波数におけるシフトは、静電容量における変化に対応し、それは結果として前記リキッドリザーバー内の前記液面の変化に対応する、請求項1または2に記載のベーピングシステム。
【請求項4】
前記液面検知サブシステムは、浮遊静電容量を補正する較正パラメータを使用して、製造中または構築時に個々に較正され、これらは、その較正された液面検知サブシステムを含む前記ベーピングシステム内のメモリ内に格納される、請求項1~のいずれかの1項に記載のベーピングシステム。
【請求項5】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は:インピーダンス、リアクタンス、もしくは抵抗、またはインピーダンス、リアクタンス、もしくは抵抗に対応するデジタル値、の1つ以上を含む、請求項1~のいずれかの1項に記載のベーピングシステム。
【請求項6】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内、または前記リキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それはAC信号で励起され、次いで(a)インピーダンスがブリッジ回路を使用して測定され、そのインピーダンスは前記リキッドリザーバー内の前記液位と共に変化(b)静電容量が並列共振回路を使用して測定され、その静電容量は前記リキッドリザーバー内の前記液位と共に変化する、請求項に記載のベーピングシステム。
【請求項7】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内、または前記リキッドリザーバーと関連付けられたセンサーに接続され、それは、100KHz信号などの十分に高い周波数においてAC信号で励起され、その容量性リアクタンスは前記リキッドリザーバーの前記インピーダンスの主成分で、抵抗(それは前記装置の向きの変化に対して、より影響を受けやすい)の重要性を低下させ、次いで前記インピーダンスはブリッジ回路を使用して測定され、そのインピーダンスは前記リキッドリザーバー内の前記液位と共に変化前記励起信号の減衰にほぼ比例する、請求項またはに記載のベーピングシステム。
【請求項8】
前記液面検知サブシステムは、事前に定義された電気的特性閾値に達するまで、リキッドを前記リキッドリザーバーにポンプで注入するように構成されている前記流体移送システムの閉ループ制御を提供する、請求項1~のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項9】
前記事前に定義された電気的特性は、約半分まで充填されている前記リキッドリザーバーに対応し、前記リキッドリザーバー総容量が約2mlの場合は、前記事前に定義された電気的特性閾値は、前記リキッドリザーバー内にある約1mlのリキッドに対応する、請求項に記載のベーピングシステム。
【請求項10】
前記液面検知サブシステムは、測定された電気的特性を、格納された1つ以上の電気的特性の値と比較し、その比較結果に応じて前記流体移送システムを制御し、前記流体移送システムは、事前に設定された電気的特性閾値が測定されるまで、前記液面検知サブシステムの制御下で、リキッドを前記リキッドリザーバーにポンプで注入するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項11】
前記液面検知サブシステムは、前記測定された電気的特性が事前に定義されたレベルを下回る場合に前記流体移送システムをオンにし、前記測定された電気的特性が前記事前に定義されたレベルに達する場合、前記流体移送システムをオフにする;又は、
前記液面検知サブシステムは、前記測定された電気的特性が事前に定義されたレベルを上回る場合に前記流体移送システムをオンにし、前記測定された電気的特性が略前記事前に定義されたレベルを下回る場合に前記流体移送システムをオフにする、請求項10に記載のベーピングシステム。
【請求項12】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内の、前記リキッドの量または液位が事前に定義されたレベルを下回る場合、前記流体移送システムをオンに前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバー内の、前記リキッドの量または液位が事前に定義されたレベルに達する場合、前記流体移送システムをオフにする、請求項1~11のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項13】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバーの向きを測定するか、または前記リキッドリザーバーの向きを測定するサブシステムからの入力を受信して、実質的に直立または垂直であるなど、前記向きが事前に設定された範囲内の場合に限り、前記電気的特性の測定および/または再充填を許可する、請求項1~12のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項14】
前記リキッドリザーバーは、再充填可能吸い口の部分を形成し、前記再充填可能吸い口全体は、それがその寿命の終わりに達すると、エンドユーザーによって交換可能である、請求項1~13のいずれかにか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項15】
前記液面検知サブシステムは、次のタイプのベーピングシステム:
携帯用ベーピング装置;
ケース内に格納されたベーピング装置をリキッドで再充填するとともに再充電する再充填および再充電ケース;
ドッキングステーション内に置かれたベーピング装置をリキッドで再充填するとともに再充電するドッキングステーション;
少なくとも1000mAhの電池を備えた一体型ベーピング装置;
のいずれかで使用されるように動作する、請求項1~14のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項16】
アトマイザーは、セラミック芯、またはその表面上に形成もしくは配置された発熱体を備えた実質的に平坦な表面をもつ平面状セラミック芯、またはコイルの無いマイクロ加工されたステンレス鋼ブレードを使用する、請求項1~15のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項17】
前記流体移送システムは、ユーザー交換可能で完全にリサイクル可能な閉じたリフィルカプセルまたはボトルからリキッドを引き出し、それを前記リキッドリザーバーにポンプで注入する、請求項1~16のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項18】
前記液面検知サブシステムは、前記リキッドリザーバーの内部に配置されるセンサープレートまたは構造体を含むセンサーに接続される、請求項1~17のいずれか1項に記載のベーピングシステム
【請求項19】
前記液面検知サブシステムは、2つの対向する静電容量センサープレートまたは各々が一対の実質的に平坦なサイド部分と中央の円形もしくは湾曲部分を含む他の構造体を備え、対向するプレートまたは他の構造体の前記平坦部分は実質的に相互に平行である、請求項1~18のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項20】
前記液面検知サブシステムは、対向するプレートまたは他の構造の一貫して正確な分離を確実にするように構成されている1つ以上のリブまたは他の物理的特徴に取り付けられたセンサープレートまたは他の構造を含む、請求項1~19のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項21】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は、少なくとも一部が前記リキッドリザーバーの壁と一体になっているセンサーによって検出される、請求項1~20のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項22】
前記アトマイザーはメタルブレードまたはプレートを含み、このブレードまたはプレートは、静電容量センサーシステムの一部を形成する、請求項1~21のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項23】
前記液面検知サブシステムは、再充填ドックまたはリフィルケース内に位置するように、前記リキッドリザーバーの外部に取り付けられた、静電容量センサープレートまたは他の構造体を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項24】
前記液面検知サブシステムは、各特定のリキッドのフレーバー、強度もしくはタイプの化学組成または配合を補正または調整各特定のリキッドのフレーバー、強度またはタイプが検査され、前記リキッドリザーバー内のリキッドの質量または重量の関数として各特定のリキッドの電気的特性が決定されて、関連データ値が、前記液面検知サブシステムにアクセス可能な方法で格納される、請求項1~23のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項25】
前記液面検知サブシステムによって測定される前記電気的特性は、前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの前記化学組成に依存し、特定の組成、配合またはリキッドタイプのリキッドに特有のデータ値は、そのリキッドに対するリキッドリフィルボトル上のROMまたは光学式バーコードなどのメモリ内に格納されて、前記液面検知サブシステムがアクセス可能である、請求項1~24のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項26】
特定のリキッドに対して、前記液面検知サブシステムにより前記リキッドリザーバーの閾値充填量において測定される静電容量をマッピングするデータ値、または静電容量に関連したデータが、その特定のリキッド用のリフィルボトル内に格納されて、前記ボトル上のチップ、バーコード、または他の光学的読取り可能なデータから、前記液面検知サブシステムに対してアクセス可能である、請求項1~25のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項27】
前記液面検知サブシステムにより、1つ以上の閾値もしくは前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの量に関連した値において測定される、前記リキッドリザーバー内の特定のリキッドの前記量もしくは質量を前記静電容量に対してマッピングするデータ値、または静電容量に関連したデータが、その特定のリキッドに対して、格納されて、ベーピング装置によってアクセス可能である、請求項1~26のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項28】
前記液面検知サブシステムは、周辺温度センサーを使用して、前記リキッドの温度を補正または調整データが前記液面検知サブシステムに送信されることにより、前記液面検知サブシステムが、種々の化学組成を有するリキッドの特性における温度依存変動を補正するのを可能にする、請求項1~27のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項29】
前記液面検知サブシステムは、周辺温度センサーを使用して測定された、前記測定温度が、5℃および45℃などの、事前に設定された動作制限から外れている場合、リキッド充填動作を禁止する、請求項1~28のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項30】
前記リキッドリザーバー内の前記リキッドの測定温度の推定値を提供するために、前記リキッドリザーバーに隣接して、または十分に近接して配置された温度センサーを含む、請求項1~29のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項31】
特定のeリキッドまたはeリキッドのファミリーもしくはタイプの静電容量が温度と共にどのように変化するかを特徴付けるデータが格納されて、リキッドを前記流体移送システムに供給する、ユーザー交換可能で、閉じた、ユーザー再充填可能でないリキッドカプセルもしくはボトル上のチップ、バーコードまたは他の光学的な読取り可能なデータに前記ベーピングシステムによってアクセス可能である、請求項1~30のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項32】
(a)(i)前記装置の主本体に取り付け可能、および前記主本体から取外し可能で、
(ii)リキッドで事前充填されてエンドユーザーに供給される、
ユーザー再充填可能ではない組み合わされたアトマイザーとリキッドリザーバーで動作し、そして、
(b)(i)前記装置の前記主本体に取り付け可能、および前記主本体から取外し可能で、
(ii)前記流体移送システムを使用してリキッドで複数回、自動的に充填可能になるように構成されている、
ユーザー再充填可能な組み合わされたアトマイザーとリキッドリザーバーでも動作するように構成された、
ハンドヘルドベーピング装置を含む、請求項1~31のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項33】
(i)再充填可能吸い口またはポッドおよび(ii)事前充填されて、再充填可能ではない吸い口またはポッドを含み、それらは各々、次のベーピング装置の2つ以上:
(a)一体型の流体移送システムを備えていない携帯用ベーピング装置本体、
(b)前記流体移送システムを含むリキッド再充填ドックと係合するように構成された携帯用ベーピング装置本体、
(c)前記流体移送システムを含む携帯用ケースと係合するように構成された携帯用ベーピング装置本体、および
(d)一体型の流体移送システムを備えた携帯用ベーピング装置本体
に嵌め込むか、または取り付けるように構成されている、請求項1~32のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項34】
(i)アトマイザーにリキッドを供給するリキッドリザーバーと、(ii)前記装置がリキッド供給源からの霧化可能リキッドで充填されるのを可能にするように構成されたポート、開口部またはノズルと(iii)前記リキッドリザーバーを前記ポート、開口部またはノズルに連結するリキッド経路とを含む気化装置を備え、前記リキッド経路はプラスチックフィルムで覆われたチャネルを含む、請求項1~33のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項35】
ベーピングシステム内の流体移送システムと係合するように構成されたリキッド充填ボトルを備え、前記ボトルは、その中に認証チップまたは他の認証メモリ構成要素が物理的に挿入できる区画または凹部を含み、次いで前記ボトルをリサイクルできるようにするために物理的に取り外されるまで、前記区画または凹部の形状によって保持できる、請求項1~34のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項36】
霧化可能リキッドで事前充填されたアトマイザーポッドと、ベーピング装置主本体とを備え、前記ポッドは認証チップまたはメモリを含み、前記ベーピング装置本体は、あるポッド基準が満足される場合に限り、ポッドがその本体で使用できるようにするポッド認証サブシステムを含み、
前記ベーピング装置本体は、(i)ユーザーのスマートフォン上で実行しているアプリケーションまたはブラウザとデータを交換し、前記アプリケーションまたはブラウザはウェブサーバーベースの年齢確認およびポッド利用システムに接続しており、(ii)そのユーザーが前記年齢確認システムの年齢要件をパスし、前記ポッドが使用に対して認可されている場合に限り、前記本体のロックを解除して通常のベーピング使用を可能にするように構成されている、無線接続サブシステムをさらに含む、
請求項1~35のいずれか1項に記載のベーピングシステム
【請求項37】
リキッドリフィルボトルまたは容器と、リキッドを前記ボトルまたは容器からベーピング装置内のリキッドリザーバーに自動的に移送するように構成されたリキッド移送システムとを備え、前記容器は、定義されたタイプの事象が前記ボトルまたは容器に影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、前記カウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、前記ボトルまたは容器はさらなる使用からロックされる、請求項1~36のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項38】
ベーピング装置用に構成された事前充填されたポッドを備え、前記ポッドは、定義されたタイプの事象が前記ポッドに影響を及ぼす場合にその値を変更するように構成されているメモリチップ内のカウンタを含み、前記カウンタが制限(例えば、ゼロ)または他の値に達すると、前記ポッドはさらなる使用からロックされる、請求項1~37のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項39】
霧化可能リキッドを加熱して蒸気、噴霧またはミストを生成するように構成されて、定温ドライバーで制御される、発熱体を備えたリキッド噴霧システムを備え、前記ドライバーは、既知の電圧を有する電力供給源を使用して発熱体を通る電流を直接または間接的に測定して、マイクロコントローラまたはプロセッサが(a)前記発熱体の抵抗を計算または決定し、(b)前記発熱体の温度を、前記発熱体が作られている材料の抵抗の温度係数に対して格納されているデータから、計算するか、または(c)前記発熱体の温度を調べ、
前記ドライバーは、閉ループ温度制御アルゴリズムを使用して前記電力、電流または電圧を調整し、電力デューティ比を調整することにより前記発熱体の前記温度を事前に設定されたレベルまたは範囲に安定させるように構成されている、
請求項1~38のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項40】
ベーピング装置を格納して、前記ベーピング装置が押し出されるか、または引き抜かれるのを可能にするリキッド再充填装置を備え、前記再充電装置および/またはベーピング装置は(a)前記ベーピング装置が前記再充填装置から押し出されるか、または引き抜かれ始めると作動し、(b)データ接続が失われる前に前記ベーピング装置と前記再充填装置との間の任意のデータ通信が制御された方法で終了することを確実にするために信号を送信する、スイッチを含む、請求項1~39のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項41】
前記ユーザーが蒸気を吸うにつれて次第に消え、一緒に、もしくは順番に、またはライトパターンを形成するように制御される、一連のライトを含むベーピング装置を備える、請求項1~40のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項42】
ベーピング装置が単一セッションに対して使用できるように構成されており、セッションは、制限された時間であるか、または前記ベーピング装置がその間、動作可能であり、それに対して前記ベーピング装置が開始および終了の視覚、触覚および/もしくは音響マーカーを提供するベーピングの制限された範囲であり、
前記システムは、ユーザーから、現在喫煙するたばこのタイプもしくはブランドの選択もしくは指示を受信するように構成されており、前記システムは次いで、そのセッション中に、前記ベーピング装置によって生成されるか、またはユーザーによって吸入されるニコチンの量が、その特定のタイプもしくはブランドのたばこ1本の喫煙と関連付けられたニコチン量とほぼ等しくなるように、前記単一セッションの前記時間もしくは他のパラメータを自動的に調整する、
請求項1~41のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項43】
(i)再充電可能電池およびデータポートを含むベーピング装置と、
(ii)前記再充電可能電池に電力を供給するように構成されている、前記ベーピング装置のための第1の充電システムと
(iii)前記ベーピング装置を受け入れて、前記再充電可能電池に電力を供給し、前記データポートを経由して前記ベーピング装置からデータを受信するように構成されている別個の、第2の充電システムと、
(iv)リモートサーバー上でホストされて、エンドユーザーのスマートフォン、スマートウォッチまたは他の個人用装置からアクセス可能であるように構成されたモバイルウェブサイトと
をさらに備え、
前記第2の充電システムは、前記リモートサーバー上でホストされる前記モバイルウェブサイトにインターネットを通して前記ベーピング装置から受信した前記データを送信するように構成されたWi-Fiモジュール、チップまたはユニットを含む、
請求項1~42のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項44】
(i)再充電可能電池およびデータポートを含む携帯用ベーピング装置と、
(ii)リモートサーバー上でホストされるモバイルウェブサイトであって、エンドユーザーのスマートフォン、スマートウォッチまたは他の個人用装置から、当該装置上で実行されているローカルのベーピング固有のアプリケーションではなく、前記ウェブサイトへのウエブリンクを開くアイコンを選択することによりアクセス可能であるように構成されたモバイルウェブサイトと、
を備える携帯用ベーピング装置システムを含み、
前記ベーピング装置は、前記リモートサーバー上でホストされる前記モバイルウェブサイトにインターネットを通してデータを送信するように構成されたWi-Fiモジュール、チップまたはユニットを含む、
請求項1~43のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項45】
定義された区域内での携帯用ベーピング装置の動作を阻止するためのジオロケーションおよび/またはジオフェンシング機能を提供するUWBチップまたはUWB機能を統合しているASICを含む前記携帯用ベーピング装置を備える、請求項1~44のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項46】
ベーピングシステムとリモートサーバーとを含むベーピングデータ分析システムを備え、前記ベーピングシステムは前記装置が消費者によってどのように使用されているかに関する使用データを収集して、その使用データを、インターネットへのWi-Fi接続を使用してリモートサーバーに直接または間接的に送信し、前記Wi-Fi接続は前記ベーピング装置によって確立されており、前記サーバーは前記データを分析し、前記使用データに基づいて消費者または挙動データ洞察を生成する、請求項1~45のいずれか1項に記載のベーピングシステム。
【請求項47】
ベーピングシステムの一部であるリキッド移送サブシステムの動作を制御する方法であって、液面検知サブシステムを使用して前記ベーピングシステム内のリキッドリザーバーの電気的特性に関連するデータを測定するステップを含み、前記電気的特性は、前記リキッドリザーバー内のリキッドの量または液位に応じて変化し、その測定されたデータに依存して流体移送システムを自動的に制御することを含む、ベーピングシステムの一部であるリキッド移送サブシステムの動作を制御する方法。
【請求項48】
前記ベーピングシステムが請求項1~46で定義されている、請求項47に記載の方法。
【国際調査報告】