(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】経口投与用固形製剤の製造方法、関連装置及び製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 9/70 20060101AFI20220105BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220105BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A61K9/70
A61K45/00
A61K47/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520177
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(85)【翻訳文提出日】2021-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2019077663
(87)【国際公開番号】W WO2020074734
(87)【国際公開日】2020-04-16
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511039061
【氏名又は名称】フェリング ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ルーンバック,ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】ルクレール,ルートヴィヒ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076AA71
4C076AA72
4C076BB01
4C076DD22
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD46
4C076EE23
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE38
4C076GG01
4C084AA17
4C084MA34
(57)【要約】
本発明は、活性医薬成分を含む組成物(14)が堆積された食用基材部分(12)を含む経口投与用固形製剤(10、40、60)の製造方法に関する。本方法は、下記工程:活性成分と溶媒とを含む液状製剤を提供する工程と、次いで、基材(12)上に液状製剤をスプレーするとともに溶媒を蒸発させて固形組成物(14)を形成する工程と、各部分があらかじめ決められた値に対応する量の活性成分を支持するように基材を複数の部分に分割する工程と、スプレーイング工程後、各部分により支持された活性成分の量を測定してあらかじめ決められた値と比較する工程であって、測定が固形製剤に対して非破壊的である、工程と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口投与用固形製剤(10、40、60)の製造方法(200)であって、前記固形製剤が、第1の医薬活性成分を含む第1の組成物(14)が堆積された食用基材部分(12)を含み、
前記方法が、下記工程:
- フィルム形態(18)の前記食用基材を提供(202)する工程と、
- 前記第1の医薬活性成分と溶媒とを含む第1の液状製剤(144)を提供する工程と、次いで、
- 前記フィルム上に前記第1の液状製剤をスプレー(204)するとともに前記溶媒を蒸発させて前記基材上に堆積された前記第1の固形組成物(14)を形成するようにする工程と、
を含み、
前記方法が、下記工程:
- 各部分があらかじめ決められた値(Q
ref)に対応する第1の活性成分の量(Q)を支持するように、前記フィルム(18)を複数の部分(12)に分割する工程と、
- 前記スプレーイング工程後、各部分により支持された第1の活性成分の量を測定(210)するとともに前記あらかじめ決められた値と比較(212)する工程であって、前記測定が前記固形製剤を破壊しない、工程と、
を含むことを特徴とする、製造方法。
【請求項2】
前記測定された量と前記あらかじめ決められた値との比較により異常な偏差が明らかにされたときにスプレーイングチューニングに関する問題を報告する工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記比較に従って前記スプレーイングチューニングを調整する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
第1の活性成分の前記測定された量を前記あらかじめ決められた値と比較する工程(212)を考慮して前記フィルム部分(12)を2つのグループに分類する工程を含み、前記方法が、前記2つグループが互いに分離されるソーティング工程(214)を次に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1の液状製剤(144)が2Pa・s~20Pa・sの粘度及び/又は25mN/m~50mN/mの表面張力を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第1の液状製剤(144)の前記第1の活性成分が、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗癲癇剤、及び天然、合成、又はバイオテクノロジーホルモンの中から選ばれる、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第1の液状製剤(144)が色素をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第1の液状製剤(144)がpH調整剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記食用基材(12)が、1種又は複数種の加水分解性ポリマー、好ましくは1種又は複数種のセルロース誘導体を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記食用基材(12)が防湿剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記食用基材(12)のpHが前記活性成分に適合化される、請求項1~10のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
各フィルム部分(12)の第1のゾーン(46、66)の上に前記第1の液状製剤(144)をスプレーする工程を含み、前記方法が、下記工程:
- 第2の溶媒を含む第2の液状製剤(146)を提供する工程であって、前記第2の液状製剤が好ましくは第2の医薬活性成分及び/又は風味剤を含む、工程と、次いで、
- 前記フィルムの第2のゾーン(48、68)上に前記第2の液状製剤をスプレーするとともに前記第2の溶媒を蒸発させて前記基質上に堆積された第2の固形組成物(16)を形成するようにする工程であって、
前記フィルムの前記第1及び第2のゾーンが互いに分離される、工程と、
をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の固形製剤(40、60)の製造方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法から得られる経口投与用固形製剤(10、40、60)であって、前記固形製剤が、医薬活性成分を含む少なくとも1つの組成物(14)が堆積された食用基材部分(12)を含む、経口投与用固形製剤(10、40、60)。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実現可能な経口投与用固形製剤(10、40、60)の連続製造装置(100)であって、前記装置が、
- フィルム(18)のストリップ(120)の形態の前記食用基材を提供するデバイス(102)であって、前記ストリップが、複数の部分(12)に分割されるように構成される、デバイス(102)と、
- 前記第1の液状製剤(144)をプリントするデバイス(104)と、
- 前記プリンティングデバイスに接続された検査デバイス(112、114)であって、前記検査デバイスが、各基材部分(12)上へのあらかじめ決められた量の第1の液状製剤(144)のプリンティングを実現可能である、検査デバイス(112、114)と、
- 各部分により支持された第1の活性成分の量(Q)の非破壊測定(108)デバイスと、
を含み、
前記検査デバイスが、前記測定された量(Q)を第1の液状製剤のあらかじめ決められた量に対応するあらかじめ決められた値(Q
ref)と比較する手段(114)を備える、連続製造装置(100)。
【請求項15】
各固形製剤(10、40、60)の個別パッケージングデバイス(111)をさらに含む、請求項14に記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口投与用固形製剤の製造方法であって、前記固形製剤が、第1の医薬活性成分を含む第1の組成物が堆積された食用基材部分を含み、前記方法が、下記工程:フィルム形態の食用基材を提供する工程と、第1の医薬活性成分と溶媒とを含む第1の液状製剤を提供する工程と、次いで、フィルム上に第1の液状製剤をスプレーするとともに溶媒を蒸発させて基質上に堆積された第1の固形組成物を形成するようにする工程と、を含む、製造方法に関する。
【0002】
本発明はとくに、口腔内崩壊フィルムを含む固形製剤に適用される。
【背景技術】
【0003】
口腔内崩壊フィルムの経口医薬製剤は、特定的には、欧州特許第3,281,625号明細書及び米国特許第2017216220号明細書から公知である。かかる医薬製剤は、特定的には、医薬活性成分とポリマーとを含む溶液を支持体上に展延することと、溶液の乾燥を行ってフィルムが得られるようにすることと、により作製される。
【0004】
かかる実施形態は、均一投与量で多量の医薬薬剤を生産するのに好適である。しかしながら、たとえば各患者に投与量を適合させることにより、このタイプの医薬薬剤をカスタマイズして生産することが興味深いであろう。
【0005】
その目的のために、インクジェット式プリンティングで基材上に活性成分を堆積させることにより、経口医薬製剤を生産する実験が行われてきた。かかる実験は、特定的には、下記文書:Sandler et al.,Inkjet Printing of Drug Substances and Use of Porous Substrates-Towards Individualized Dosing Journal of Pharmaceutical Sciences 2011,Vol.100,3396-3395、Genina et. al.,Behavior of printable formulations of loperamide and caffeine on different substrates-effective print density in inkjet printing,Int.J.Pharm.2013,453(2),488-97、Alomari et.al.,Personalized dosing:Printing a dose of one’s own medicine,International Journal of Pharmaceutics 2015,494,568-577に記載されている。
【0006】
プリンティングによる経口医薬製剤の工業生産に関連する技術的問題の1つは、特定的には、各生産される医薬製剤中の活性成分の用量を制御することである。
【0007】
欧州特許出願公開第3241539A1号明細書の文書には、以上のタイプの先行技術が例示されている。この文書には、活性成分の量の非破壊測定は開示されていないので、ましてやその量(測定されていない)と参照値との比較など開示されていない。
【0008】
欧州特許出願公開第3403643A1号明細書の文書は、特定的には、活性成分を含有する組成物の設計に関する。それには、かかる組成物のプロトタイプでその含有率を検証するために行われた測定が開示されている。しかしながら、それには、かかる組成物のスプレーイングの結果として含有される活性成分に関して実施されうる測定は開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、経口投与用医薬薬剤のカスタマイズ工業生産を可能にすることを目的とする。こうして得られた医薬は、少なくとも6ヵ月間の安定性(つまり貯蔵寿命)を有することが、行われた試験から示される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、表面上に液体をスプレーして乾燥により所望の組成物を得るようにすることを含む。それはスプレーされる量を制御することを含む。便宜上、「あらかじめ決められた量」及び「参照量」という表現は、目標量(得ようとする量)を表すために同義的に用いられ、かかる量は「値」ともいう(「あらかじめ決められた値」及び「参照値」は、「あらかじめ決められた量」及び「参照量」と同義である)。
【0011】
本発明は、上述したタイプの製造方法、より特定的には経口投与用固形製剤の製造方法であって、前記固形製剤が、第1の医薬活性成分を含む第1の組成物が堆積された食用基材部分を含み、前記方法が、下記工程:
- フィルム形態の食用基材を提供する工程と、
- 第1の医薬活性成分と溶媒とを含む第1の液状製剤を提供する工程と、次いで、
- フィルム上に第1の液状製剤をスプレーするとともに溶媒を蒸発させて基質上に堆積された第1の固形組成物を形成するようにする工程と、
を含む、製造方法に関する。
【0012】
前記製造方法は、下記工程:
- 各部分があらかじめ決められた値(Qrefと記されうる)に対応する量(所与の部分に対してQと記されうる)の第1の活性成分を支持するように、フィルムを複数の部分に分割(たとえば、機械的にカット、レーザーカット、又は他の方法でカット)する工程であって、すなわち、本方法によるスプレーイングを調整して、得られる量Qがあらかじめ決められた所望の値Qrefにできる限り近くなるようにする(すなわち、それはこのあらかじめ決められた値Qrefに「対応」すべきである)、工程と、
- スプレーイング工程後(且つ有利な実施形態によればスプレーされた製剤を乾燥させた後)、各部分により支持された第1の活性成分の量を測定するとともに(この測定された量)をあらかじめ決められた値と比較する工程であって、前記測定が固形製剤を破壊しない(当業者は、以下の説明に挙げられたものを含めて、入手可能なものの中からいずれかの従来の非破壊測定方法を選ぶことが可能である)、工程と、
をさらに含む。
【0013】
前記比較は、処置(又はいくつか処置)の開始を可能にする。それは、活性成分の量があらかじめ決められた値から離れすぎている部分を破壊したり、又はこの量が不十分な場合、それを破壊する必要性を回避するために同一部分上に追加量をスプレーしたりするなど、是正措置を講じることを可能にする。前記比較はまた、スプレーイングチューニングをチェックして、必要な場合、チューニングの問題のシグナルを発するか(たとえば、オーディブル若しくはビジュアルアラームを介してアラートを開始することにより又はeメールアラートを送ることにより)、又はチューニングの自動調整を行うかのどちらか、又はその両方、すなわちチューニングの問題のシグナルを発することとそれを自動調整することとの両方を可能にする(代替的及び累積的の両方で)。この比較は、プロセッサー、マイクロコントローラー、オンボードコンピューター、専用電子部品などの電子デバイスにより実施される。
【0014】
本発明の他の有利な一態様によれば、本方法は、単独で又はいずれかの技術的に可能な組合せに従って考慮される下記特徴:
- 測定された量と参照値との比較により異常な偏差が明らかにされたときにスプレーイングチューニングに関する問題を報告する工程(この報告は、プロセッサー、マイクロコントローラー、オンボードコンピューター、又は専用電子部品などの電子デバイスにより行われる)、
- 前記比較に従ってスプレーイングチューニングを調整する工程(この調整は、プロセッサー、マイクロコントローラー、オンボードコンピューター、又は専用電子部品などの電子デバイスにより行われる)、
- あらかじめ決められた値との比較によりフィルム部分を2つのグループに分類する工程(本方法は続いて、2つのグループを互いに分離するソーティング工程を含む)、
- 第1の液状製剤は、2mPa・s~20mPa・sの粘度及び/又は20mN/m~50mN/m、又は特定の実施形態によればさらには25mN/m~50mN/mの表面張力を有する、
- 第1の液状製剤の第1の活性成分は、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗癲癇剤、及び天然、合成、若しくはバイオテクノロジーホルモンの中から選ばれる、
- 可能な実施形態によれば、第1の液状製剤は色素をさらに含む、
- 食用基材は、1種又は複数種の加水分解性ポリマー、好ましくは1種又は複数種のセルロース誘導体を含む、
- 各フィルム部分の第1のゾーン上に第1の液状製剤をスプレーする工程(本方法は、下記工程:第2の溶媒を含む第2の液状製剤を提供する工程であって、前記第2の液状製剤が、好ましくは第2の医薬活性成分及び/又は風味剤を含む、工程と、次いで、フィルムの第2のゾーン上に第2の液状製剤をスプレーするとともに第2の溶媒を蒸発させて基質上に堆積された第2の固形組成物を形成するようにする工程であって、フィルムの第1及び第2のゾーンが互いに分離される、工程と、をさらに含む)、
の1つ以上を含む。
【0015】
本発明はさらに、以上に記載の方法から得られる経口投与用固形製剤であって、前記製剤が、医薬活性成分を含む少なくとも1つの組成物が堆積された食用基材部分を含む、経口投与用固形製剤に関する。
【0016】
本発明はさらに、以上に記載の方法を実現可能な経口投与用固形製剤の連続製造装置であって、前記装置が、フィルムストリップ形態の食用基材を提供するデバイスであって、前記ストリップが複数の部分に分割されるように構成される(各部分の完全又は不連続カッティング、たとえば点線プレカットの形態の不連続カッティングによるかにかかわらず、より後の段階でかかる部分を容易に分離できるようにする)、デバイスと、第1の液状製剤をプリントするデバイスと、プリンティングデバイスに接続された検査デバイスであって、前記検査デバイスが、各基材部分上へのあらかじめ決められた量の第1の液状製剤のプリンティングを実現可能である、検査デバイスと、各部分により支持された第1の活性成分の量の非破壊測定デバイスと、を含み、検査デバイスが、測定された量を第1の液状製剤のあらかじめ決められた値(物理「量」を表すとともに同一のリアリティーを意味する数学的「値」であるあらかじめ決められた量に対応する)と比較する手段を備える、連続製造装置に関する。
【0017】
本発明の有利な一態様によれば、製造装置は、各固形製剤の個別パッケージングデバイスをさらに含む。
【0018】
本発明は、単に非限定的例として提供され且つ図面を参照して行われる下記説明を読めば、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1、第2、及び第3の実施形態に係る固形製剤の模式図である。
【
図2】
図1の固形製剤の生産を可能にする本発明の一実施形態に係る製造装置の模式図である。
【
図3】
図2の装置で使用可能な食用基材の詳細図である。
【
図4】
図1の固形製剤の本発明の一実施形態に係る製造方法の工程を示す論理図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の第1、第2、及び第3の実施形態に係る第1(10)、第2(40)、及び第3(60)の経口投与用固形製剤をそれぞれ示す。
【0021】
これ以降では、第1(10)、第2(40)、及び第3(60)の経口投与用固形製剤を同時に記載し、共通要素を同一参照番号で表す。
【0022】
これらの固形製剤はスプレーイングにより得られる。可能な実施形態によれば、スプレーイングは、入力(又は「チューニング値」又は「チューニング量」)を受け取るスプレーイングコントロールにより駆動される。
【0023】
可能な実施形態によれば、初期チューニング値はあらかじめ決められた値に設定される。このことは、このチューニング値が、本方法の開始時、スプレーされるあらかじめ決められた量(値)に等しいことを意味する。
【0024】
有利な代替実施形態によれば、初期チューニング値は、それを代表するようにあらかじめ決められたこの値にのみインデクシングされる。実際には、初期チューニング値及びあらかじめ決められた値に同一数値を使用することは重要ではなく、問題となるのは、その初期値が何であろうともあらかじめ決められた値に対応するかの決定及びその後続値の解釈を可能にするように、チューニング値として使用される数値の解釈を可能にすることだけである。
【0025】
たとえば、プリンティング技術を用いてスプレーイングを実現するとき、スプレーされる量は、可能な実施形態によれば、プリンティングの分解能(RESと記されうる)に等しいスプレーイングチューニングにより決定される。プリントされる所与の面積では、各分解能はスプレーされる量に対応し、その逆も成り立つ。分解能が高いほど、より多くのドットがプリントされるので、スプレーされる量は多くなる。プリント分解能は、距離単位当たりプリントされるドット数で(たとえば、1インチ当たりのドット数DPIで)チューニング可能であり、その際、両方のプリンティング方向で同一の分解能を使用可能である(2Dプリンティングの場合)。この例では、それゆえ、スプレーイングチューニングはRESパラメーター(たとえば350DPIの分解能)であり、このパラメーターはスプレーされるあらかじめ決められた量に対応する。
【0026】
この例の改良バージョンでは、チューニングは選択肢(RES分解能のほか)としてパス数NBPを含む。そのため、プロセスは、最大分解能で同一領域にNBP-1回プリントし、最大スプレー可能量を増加させようにチューニングで指定されたRES分解能でNBP回目にこの同一領域にプリントする。この場合、スプレーイングチューニングは、NBP≧2の一対のパラメーター{RES,NPB}であり(前のパラグラフの例に等価なNBP=1の場合、それはパス数を規定せずにシングルパスのみを実現する)、このペアはスプレーされるあらかじめ決められた量に対応する。
【0027】
他の一例によれば、スプレーイングチューニングは、初期にあらかじめ決められた値を表すビットの数Nである(すなわち、0~2N-1の2N個の値をとりうる数、たとえば、N=10では0~1023の1024個の値)。たとえば、あらかじめ決められた値がVPmin(たとえばVPmin=10mg)~VPmax(たとえばVPmax=2000mg)の値の範囲内で変動する可能性が高い場合、あらかじめ決められた値VPのチューニングは、(2N-1)×(VP-VPmin)/(VPmax-VPmin)の値に最も近い整数に初期に設定可能である。たとえば、以上の例示的数値を用いると、400mgのあらかじめ決められた値は、1023×(400-10)/(2000-10)=200、すなわち、16進数で0xC8h及び2進数で0x11001000bの初期のスプレーイングチューニングとなるであろう。10超の値のNは、極微細精度で表されるスプレーイングチューニングを可能にする。N値が低いほどチューニングは正確でなくなり、N値が高いほどチューニングは正確になる。
【0028】
固形製剤10、40、60は、基質12と前記基質上に堆積された第1の組成物14とを含む。第2及び第3の実施形態では、固形製剤40、60は、基質12上に堆積された第2の組成物16をさらに含む。
【0029】
基材12は食用基材であり、フィルム18の形態と仮定される。好ましくは、基材12は口腔内崩壊基材である。好ましくは、基材12はいずれの活性成分も含有しない。好ましくは、基材12は、活性成分の経時保存を改善するように活性成分に適合化されたpHを有する。可能な実施形態によれば、基材12は、酸性pHが得られるようにクエン酸や希リン酸などの1種以上のpH調整賦形剤から得られる(以下の製剤例に例示される通り)。塩基性pHが得られるように他の賦形剤が使用されうる。
【0030】
より好ましくは、基材12は1種又は複数種の水溶性ポリマーを含む。さらにより好ましくは、前記水溶性ポリマーは、セルロース誘導体、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)、又はヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニル誘導体、たとえば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアセテート(PVA)、又はPVP-PVAコポリマー、天然ガム、たとえば、キサンタンガム又はアラビアガム、アルギン酸塩、特定的にはナトリウムアルギネート、カラゲナンガム、たとえば、ι又はλカラゲナン、デンプン、たとえば、トウモロコシデンプン、エンドウデンプン、又はα化デンプン、高エステル化度のペクチン、タイプBゼラチン、デキストリン、プルランの中から選ばれる。
【0031】
さらにより好ましくは、基材12は、1種又は複数種のセルロース誘導体、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又はヒドロキシエチルセルロースを含む。
【0032】
任意選択的に、基材12は、フルクトースのような天然の又はカリウムアセスルファムのような合成の風味剤及び/又は甘味剤をさらに含む。
【0033】
任意選択的に、基材12は、唾液刺激剤、たとえば、クエン酸若しくはリンゴ酸、又はタルカム(Mg3Si4O10(OH)2)及び/若しくは色素、たとえば、酸化チタン(その癌原性の可能性があるため好ましくない)をさらに含む。
【0034】
基材12を形成するフィルム18は、好ましくは80μm~500μm、好ましくは80μm~120μmの厚さを有するが、可能な実施形態によれば200μm~500μmの厚さを有する。可能な実施形態によれば、フィルム18は、患者の口内で3分間未満又は有利な実施形態では30秒間未満で溶解するように設計される。
【0035】
基材12は、輪郭22により境界が定められた第1(20)及び第2の対向面を含む。第1の面20のみが
図1で見られる。
【0036】
輪郭22は、基材12の表面24を規定する。好ましくは、表面24は、固形製剤10、40、60の単回投与で経口吸収を可能にするように選ばれる。表面24は、たとえば0.5cm
2~10cm
2である。
図1に示される実施形態では、輪郭22は正方形状を有し、その辺は長さ約2cmである。代替的に、輪郭22は、他の形状、たとえば、矩形、多角形、丸形、又は卵形を採用しうる。
【0037】
表面24は、第1の組成物14が堆積された第1のゾーン26、46、66を含む。
【0038】
第1の組成物14は、特定的には第1の医薬活性成分を含む。本発明は主に、基材上に少量の液状組成物をスプレーすることにより達成できるような比較的低濃度の活性成分に関する。同様に、本発明は主に、水又は比較的非毒性の溶媒に可溶な化合物に関する。可能な実施形態によれば、第1の組成物は、いずれの他の物質(賦形剤など)も排除して第1の活性成分に限定される。
【0039】
第1の活性成分は、たとえば、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗癲癇剤、又は天然、合成、若しくはバイオテクノロジーホルモンである。
【0040】
第1の活性成分は、小さな分子及び大きな分子の両方を含む広範にわたる化合物の中から選ぶことが可能である。好ましくは、第1の活性成分は、デスモプレシン(1-デスアミノ-8-d-アルギニンバソプレシン)などのペプチドである。
【0041】
任意選択的に、第1の組成物14はまた、第1の色素を含み、これにより基材12上へのその堆積を肉眼で見えるようにするとともに上流で比色法による測定を可能にする。第1の色素は、たとえば、エリスロシン又はサンセットイエローなどの食用色素の中から選ばれる。
【0042】
第1のゾーン26、46、66は、基材12の第1の面20上に配置される。第1及び第2の実施形態では、第1のゾーン26、46は、正方形状又は矩形状を有する。第3の実施形態では、第1のゾーン66は、中心スペース67の境界を定めて実質的に環形状を有する。第1のゾーンに他の形状を考えることが可能であり、前記形状は、たとえば、ビジュアル描画又は装飾パターンに対応する。
【0043】
第2及び第3の固形製剤40、60の各々は、第2の組成物16が堆積された第2のゾーン48、68をさらに含む。
【0044】
第2の組成物16は、たとえば、第2の医薬活性成分及び/又は風味剤を含み、前記風味剤は、たとえば、食品産業に使用される風味剤の中から選ばれる。任意選択的に、第2の組成物16はまた、第2の色素を含み、これにより基材12上へのその堆積を肉眼で見えるようにする。
【0045】
第1(46、66)及び第2(48、68)のゾーンは、好ましくは互いに離れている(すなわち重ならない)。より好ましくは、前記第1(46、66)及び第2(48、68)のゾーンの間にスペース30が配置される。こうすると、異なる領域間の物質のマイグレーションが回避されるという点で有利である(さもなければ、それらが混合する可能性があるので、貯蔵寿命の低減をもたらすおそれがある)。
【0046】
一実施形態によれば、第2の製剤40のように、第1(46)及び第2(48)のゾーンは並んで配置される。
【0047】
他の一代替実施形態によれば、第1及び第2のゾーンは、一方が他方の周りに配置される。特定的には、第3の固形製剤60では、第2のゾーン68は、第1のゾーン66により境界が定められた中心スペース67に配置される。
【0048】
図1に示される第2及び第3の固形製剤40、60では、第2のゾーン48、68は、第1のゾーン46、66と同様に基材12の第1の面20上に位置する。示されていない代替形態では、第1及び第2のゾーンは、基材12の2つの対向面上に配置される。
【0049】
互いに分離された2つのゾーン上への第1(14)及び第2(16)の組成物の堆積により、前記組成物間の化学的相互作用のリスクが排除可能になり、固形製剤40、60の安定性が改善される。示されていない代替形態では、固形製剤は、好ましくは基材の3つの識別可能なゾーン上に堆積された少なくとも3つの組成物を含む。
【0050】
これ以降に記載されるように、第1(14)及び第2(16)の組成物の各々は、溶媒を含む液状製剤のマイクロドロップレットを基材12上にスプレーすることにより、次いで、前記溶媒の蒸発により形成される。したがって、第1(14)及び第2(16)の組成物の各々は、揮発性成分を除いて対応する液状製剤の成分のすべてを含む。
【0051】
有利な実施形態によれば、スプレーイングは圧電デバイスにより行われる。代替的に、たとえばサーマルデバイスが使用可能である。しかしながら、後者の場合、サーマルデバイスの加熱により分解可能ではない活性成分のみが使用可能であり、スプレーイングはあまり精密でないことが多い。
【0052】
「マイクロドロップレット」とは、約10-12L~約10-6Lで変動しうるサイズを有する液滴を意味する。
【0053】
図2は、以上に記載の固形製剤10、40、60の製造を可能にする装置100を示す。
【0054】
装置100は、並置されたデバイスのセットを含み、前記デバイスの各々は、固形製剤10、40、60の製造方法の工程の実現を可能にする。かかる方法については後述する。
【0055】
装置10は、特定的には、フィルム18を提供するデバイス102と、プリンティングデバイス104と、乾燥デバイス106と、分析デバイス108と、ソーティングデバイス110と、パッケージングデバイス111と、を含む。可能な実施形態によれば、フィルム18は、ポリマー樹脂の熱間押出し又は3Dプリンティングにより得られる。装置100は、前記デバイスに接続された電子制御ユニット112たとえばコンピューターをさらに含む。制御ユニット112は、後述される製造方法を行うことを可能にするプログラム114を含有する。
【0056】
提供デバイス102は、
図3に部分的に示されるフィルム18のストリップ120を含む。代替実施形態では、フィルム18を製造するデバイスは、提供デバイス102に直接接続される。この代替実施形態の可能な実現形態によれば、製造デバイスは、分割されたフィルム(たとえば、あらかじめカットされたフィルム)を製造することによりフィルム18を複数の部分に分割する工程を実現する。
【0057】
フィルム18は、たとえば、ポリマー樹脂の熱間押出しにより又は支持体上へのかかる樹脂の展延及び続く乾燥により得られる。
【0058】
図2の装置100では、ストリップ120は、ローラー122の形態の軸を中心にそれ自体の周りで巻回される。好ましくは、ローラー122は、ストリップ120と共巻される支持体リボン124をさらに含む。提供デバイス102は、ローラー122から排出する手段をさらに含む。
【0059】
示されていない代替形態によれば、ローラーは、ローダーにより分配されるシートセットにより置き換えられる。
【0060】
巻き出されたストリップ120は、主に長手方向Xに沿って、さらには横方向Yに沿って延在すると考えられるであろう。説明の続きとして、装置100に関する「入口」、「出口」、「上流」、「下流」という用語は、長手方向Xに沿って延在する。
【0061】
図2及び3に示される実施形態では、ストリップ120は、部分12にあらかじめカットされ、各部分は、固形製剤10、40、60の基材12を形成することが意図される。本方法の開始時、部分12は、支持体テープ124の存在により互いに固定される。
【0062】
図3に示されるように、ストリップ120の部分12は、長手方向X及び横方向Yに沿ってアライメントされる。横方向に沿って、ストリップ120は、たとえば、3~100のアライメントされた部分12を含む。
【0063】
プリンティングデバイス104は、第1(130)及び第2(132)のプリンティングモジュールを含み、それぞれ、第1(14)及び第2(16)の組成物を基材12上に堆積することが意図される。
【0064】
各プリンティングモジュール130、132は、プリントヘッド134と、リザーバー136と、前記ヘッドを前記リザーバーに接続するパイプ138と、前記パイプに配置されたポンプ140と、を含む。
【0065】
第1(130)及び第2(132)のプリンティングモジュールの各々のリザーバー136は、それぞれ、第1(144)及び第2(146)の液状製剤を含有し、それぞれ、第1(14)及び第2(16)の組成物を得ることを可能する。好ましくは、リザーバー136は、液状製剤をアジテートするデバイスを備える。好ましくは、液状製剤144、146の製造は、プリンティングデバイス104の開始直前にリザーバー136で直接行われる。
【0066】
有利な実施形態によれば、第1の液状製剤は、活性成分の保存を改善するpH調整剤を含む。可能な実施形態(スタティックとして記述可能)によれば、pH調整剤は、たとえば、調製時且つ遅くともリザーバーに第1の液状製剤が充填されるとき、第1の液状製剤に組み込まれる。他の一実施形態(ダイナミックとして記述可能)によれば、pH調整剤は、pH測定(たとえば、リザーバーでpHプローブを用いて)の後、リザーバー136の液状製剤に添加される。pH測定の結果に依存して、ポンプ(又は他の注入デバイス)を作動することにより、適切量の酸性又は塩基性の溶液を添加してpHを補正する。可能な実施形態によれば、本方法は、スプレーイングチューニングを調整するために下記のいずれか1つに類似したpH調整技術を適用する(所望のpHからの正又は負の偏差を表しうる1つ以上のpH閾値を用いることにより(各閾値は調整処置を開始するために使用可能である))。
【0067】
第1(130)及び第2(132)のプリンティングモジュールの各々のプリントヘッド134は、フィルム18上に液状製剤144、146のマイクロドロップレットをスプレー可能である。プリントヘッド134は、好ましくはサーマルタイプ又は圧電タイプ、より好ましくは圧電タイプのプリントヘッドである。かかるプリントヘッドは、特定的にはKonica Minolta社及びFujifilm Dimatix社により市販されている。
【0068】
示されていない代替形態によれば、プリンティングモジュールは、それぞれ、パイプ138とプリントヘッド134との間に挿入された緩衝剤タンクをさらに含む。前記プリントヘッドは、緩衝剤タンクに直接接続される。
【0069】
第1(14)及び第2(16)の組成物の先に引用した成分以外に、液状製剤144、146は、少なくとも1種の溶媒と任意選択的に賦形剤とを含む。
【0070】
調整されることが意図される固形製剤10、40、60、液状製剤144、146の少なくとも1種の溶媒は、好ましくは、毒性をほとんど又はまったく有していない(たとえばICHクラス3)。同様に、液状製剤144、146の少なくとも1種の溶媒は、好ましくは、プリンティング後に容易に蒸発されるように低沸点温度を有する。少なくとも1種の溶媒は、たとえば、水及び/又はエタノールを含む。任意選択的に、少なくとも1種の溶媒は、化合物のより良好な可溶化のためにジメチルスルホキシド(DMSO)をさらに含む。
【0071】
さらに、プリンティングの精度を最適化するために、第1(144)及び任意選択的に第2(146)の液状製剤の粘度及び/又は表面張力をチェックすることが好ましい。
【0072】
好ましくは、第1(144)及び/又は第2(146)の液状製剤の粘度は、2mPa・s~20mPa・s、より好ましくは2mPa・s~10mPa・sである。好ましくは、第1(144)及び/又は第2(146)の液状製剤の表面張力は、20mN/m~50mN/m、可能な実施形態によれば25mN/m~50mN/mである。
【0073】
十分な粘度及び表面張力は、安定なマイクロドロップレットの生成を可能にする(すなわち、プリントヘッド134によるスプレーイング時にスプリットしない)。
【0074】
結果として、第1(144)及び/又は第2(146)の液状製剤は、好ましくは、その粘度及び/又はその表面張力を変化させる添加剤たとえばプロピレングリコールを含む。
【0075】
さらに、第1(144)及び/又は第2(146)の液状製剤は、好ましくは、活性成分の安定性特性に基づいて選ばれるpH調整剤添加剤を含む。これは、酢酸などの酸性添加剤又は塩基性添加剤でありうる。
【0076】
プリンティングデバイス104の出力時、装置100は、フィルムのストリップ120を受取り可能なコンベヤー150と、任意選択的に、支持体テープ124を巻回して前記ストリップ120からそれを分離可能にするロータリーローラー152と、を含む。ストリップ120があらかじめカットされない代替実施形態では、装置は、乾燥デバイスと分析デバイスとの間でストリップをカットするデバイスをさらに含む。
【0077】
コンベヤー150は、たとえば、2つの駆動シリンダー間に延在するエンドレスストリップ154を含む。
【0078】
乾燥デバイス106は、コンベヤー150の経路上に配置される。前記乾燥デバイス106は炉型であり、電気抵抗などの加熱エレメント又は赤外線エレメントを含む。
【0079】
分析デバイス108はまた、コンベヤー150の経路上、乾燥デバイス106の下流、且つエンドレスストリップ154の上方に配置される。分析デバイス108は、固形製剤10、40、60の基材12により支持された第1の活性成分の量を測定可能であり、前記測定は前記製剤を破壊しない。分析デバイス108は、好ましくは、近赤外分光法(NIR分光法)タイプ若しくはラマン分光法タイプの電磁分光法デバイス、又はハイパースペクトルイメージングデバイスを含む。これらのデバイスはすべて、公知のように、活性成分をそれを変化させない分光法に単に付すだけであるという点で非破壊測定を実施する(原理的には長くても1分間もかからない)。他のタイプの測定、たとえば、精密天秤による秤量、より一般的にはPAT(「プロセス分析技術」)と呼ばれる技術もまた可能である。
【0080】
活性成分の(精密)量を決定するこれらの測定は、この量と参照値との比較、ひいては所望の量(参照値)と実際の量との差の評価を可能にする。有利な実施形態によれば、液状スプレー製剤を実質的に乾燥させた後に測定を行い、依然として存在する溶媒の量を少なくして可能な限り測定の歪みが小さくなるようにする。さらにより有利には、測定は完全乾燥工程後に行われる。実際には、乾燥プロセスを進めるほど測定が正確になることが実験で示された。乾燥は、製剤を安定化しその濃度を増加させる。
【0081】
可能な実施形態によれば、本方法は、測定された量と参照値との間の偏差を相対形式Erで(たとえばパーセントとして)計算する。代替的に、本方法は、この偏差を絶対形式Eaで、たとえば、体積又は質量で、たとえば、マイクロリットル(μL)又はミリグラム(mg)で、又はいずれかの他の適切な単位で計算する。
【0082】
可能な実施形態によれば、本方法は、活性成分の量が不正確であると考えられる上限の閾値を規定する。この閾値は、相対形式Srで、たとえば、パーセント(たとえば:Sr=1.5%)により表現可能である。この閾値は、代替的に、絶対形式Saで、たとえば、体積又は質量(たとえば:Sa=3μL又はSa=4mg)で表現される。
【0083】
可能な実施形態によれば、所与の部分で測定された活性成分の量との差が閾値を超えて参照値から外れると本方法が決定したとき(たとえば、1.5%超の差Er、又は3μL超の差Ea、又は4mg超の差Ea)、それは処置を開始する。たとえば、参照値が400mgであり且つ閾値が1.5%である場合、量が406mgを超えるか又は394mg未満に低下したら(すなわち、400mgを1.5%上回るか又は下回ったら)、本方法はすぐに処置を開始する。同様に、4mgの閾値では、量が404mgを超えるか又は396mg未満に低下したら、プロセスはすぐに処置を開始する。
【0084】
可能な実施形態によれば、この処置は、スプレーイング調整処置の開始からなる。可能な実施形態によれば、調整は、スプレーイングデバイス(インクジェットプリンター技術に近いものでありうる)の分解能(たとえば、DPIすなわち1インチ当たりのドット数で表現される)の変化に依拠する。調整は、より一般的には、スプレーイングコントロールの修正により行うことが可能である。閾値を上方に超えた場合、スプレーイングは、連続製造の後続段階で低減される(すなわち、後続部分で - 調整処置を開始した測定の対象であった部分ではない)。同様に、閾値を下方に超えた場合、スプレーイングは、連続製造の後続段階で増加される。
【0085】
他の可能な一実施形態によれば(閾値が上述した例示的数値よりも大きい可能性がある場合、たとえば、Sr=10%)、この処置は、不正確な測定を引き起こした部分のソーティングに依拠する。このソーティングは、たとえば、不正確な測定を有する部分をレセプタクルに移送することに依拠し、レセプタクルは、いっぱいになったときに廃棄可能である(破壊)。代替的に、部分が不十分な量の活性成分を含有する場合、本方法は、部分を廃棄する代わりに、それを経路変更によりもう一度スプレーイング工程に通すことにより、活性成分の量を補足して参照値に近づけるようにしうる。
【0086】
他の可能な一実施形態によれば、この処置は、電子警告デバイスを介して偏差の存在のシグナルを発すること(たとえば、赤色LEDの照明、テキスト又はピクトグラムの形態のメッセージ表示、アラーム音の発生、自動eメールの送信などを引き起こすこと)に依拠する。可能な実施形態によれば、アラームは、測定値が閾値により規定された範囲内に戻らない限り、連続的に開始される。このアラームは、ソーティング処置(及び必要な場合には更新スプレーイング)とともに累積可能であり、また、スプレーイングの調整処置と共に累積可能である。
【0087】
可能な実施形態によれば、本方法は、交差する閾値に依存して異なる処置が開始されるいくつかの閾値を規定する。可能な実施形態によれば、プロセスは、第1の処置を開始する低閾値と、第2の処置を開始する高閾値と、を含む。これらの閾値は、相対的又は絶対的でありうる。たとえば、相対低閾値は1.5%であり且つ相対高閾値は10%であるか、又は絶対低閾値は4mgであり且つ絶対高閾値は20mgである。閾値の選択は、活性成分に依存するとともに、個別化パラメーター(年齢、性別、身長、体重、病歴など)に依存しうる。この選択は、薬局適格者により行うことが可能であり、そのため、多くの可能な構成の各々に対して異なる閾値の規定をもたらす。可能な実施形態によれば、その場合、本方法は、入力データ(活性成分、年齢、性別、身長、体重、病歴など)に従ってこうして規定される関連閾値を自動選択するように設定される。可能な実施形態によれば、本方法は、閾値を手動入力する手段を含み、後者は、自動選択を置き換えるので(後者が実現される場合)、その動作は手動入力により停止される。
【0088】
可能な実施形態によれば、第1の処置は、低閾値を超えるシグナリング処置(アラーム)である。可能な実施形態によれば、第1の処置は、スプレーイング調整処置である(すでに説明した)。可能な実施形態によれば、下限を超えると2つの上述した処置(報告及びスプレーイング調整)が開始される。
【0089】
可能な実施形態によれば、第2の処置は、高閾値を超えたというシグナルを発する警告(アラーム)処置であり、これは、低閾値を超えたというシグナルを発する警告(アラーム)処置とは異なりうる(アラームの重要性の増加を示唆するために)。可能な実施形態によれば、第2の処置は、ソーティング処置であり、任意選択的に、追加のスプレーイングを含む(すでに説明した)。可能な実施形態によれば、高閾値を超えると2つの上述した処置(報告及びソーティング+可能であれば追加のスプレーイング)が開始される。
【0090】
ある変形形態によれば、本方法は、上方及び下方に異なる閾値を規定する(実際には、薬剤の過剰投与量及び過少投与量は、必ずしも同一結果を有するとは限らない)。そのため、本方法は、可能な実施形態によれば、低上限閾値及び高上限閾値、さらには低下限閾値及び高下限閾値を規定する。これらの閾値の各々は、相対的又は絶対的でありうる。
【0091】
可能な実施形態によれば、それは、低下限閾値を超えたときに及び低上限閾値を超えたときに開始される同一処置である。しかし、ある変形形態によれば、それらは異なる処置であり、たとえば、閾値を超える方向がオペレーターに通知されるようにアラームは異なりうるか、又はさらに他の一変形形態では、調整は異なりうる(たとえば、過剰投与量の場合に過少投与量の場合よりも速いか又はその逆である)。
【0092】
可能な実施形態によれば、高下限閾値を超えたときに及び高上限閾値を超えたときに同一処置が開始される。しかし、ある変形形態によれば、これらは異なる処置であり、たとえば、閾値を超える方向がオペレーターに通知されるようにアラームは異なりうるか、又はさらに他の一変形形態では、すでに述べたようにソーティングは異なりうる(それは、過剰投与量部分の廃棄をもたらしうるが、過少投与量部分はそれを廃棄するのではなく「固定する」ように試行しうる)。
【0093】
可能な実施形態によれば、本方法は、閾値を超えるかをチェックすることなく、スプレーイングチューニングの調整処置を連続して実現する。たとえば、本方法は、フィードバックループを実現し、それにより、測定された量と参照値との差のパーセントは、後続スプレーイングコマンドに入力パラメーターとして付されるスプレーイングチューニング値から減算される(そして得られた修正スプレーイングチューニングはスプレーイングコマンドに付される)。このパーセントは、各種値をとることが可能である。パーセントが高いほど補正は速くなるが、過剰補正のリスクは大きくなる(そのため、他の方向への偏差を発生する)。パーセントが低いほど調整は遅くなるが、寄生振動を発生する可能性は小さくなる。たとえば、スプレーイングチューニングが(少なくとも初期に)参照値に等しい場合、パーセントが30%に設定される場合、参照値が200mgに設定され且つ測定された量が210mgである場合、偏差Eaは10mgである。次いで、本方法は、3mg少なく(10mgの-30%)スプレーするようにスプレーヤーに指示を送る。その次の繰返しでは、測定された量(たとえば207mg)が依然として参照値を超える場合(与えられた例では、Ea=7mg)、本方法は、2.1mg少なく(7mgの-30%)スプレーするようにスプレーヤーに指示する。このようにして、本方法は、測定された値(スプレーイング後)が参照値に近くなるように、繰返し時にスプレーイングチューニング値を更新する。スプレーイングチューニング値が参照値に等しくなく(プロセスの開始時)それを代表するにすぎない場合(たとえば、このチューニング値がDPIプリント分解能である場合)、本方法は、見いだされた偏差に比例的にチューニング値を調整する(可能な実現形態に従って)。たとえば、測定された値が参照値を10%下回る場合且つ調整に適用されるパーセントが(以上のように)30%である場合、チューニング値は、11.11%の30%すなわち3.33%増加される(正常値を10%下回る値を正常値に戻るためには、11.11%増加させなければならないことに注意されたい)。測定された量と比較して線形に変動しないチューニング値では、適切な非線状調節を適用可能である(すなわち、上述した比例の調節とは異なる)。
【0094】
他の可能な一実施形態によれば、スプレーイングチューニングの調整処置は、閾値を超えて応答したときのみ開始される。この場合、測定された量は、開始される調節に対してあらかじめ決められた値と十分に異なっていなければならない。この調整は、前のパラグラフに記載のフィードバックループでありうる。しかし、それはまた、他のタイプの補正でありうる。たとえば、閾値を超えたと評価されるたびに、本方法は、閾値以下の一定値によりスプレーイングコマンドを調整しうる(すなわち、偏差のパーセントではない)。実際には、偏差がこの一定値以上であることは確かである。
【0095】
単純化実現形態では、スプレーイングコマンドの調整はされない。調節は、各生産運転の開始時に1回限り行われ、その場合、測定された量と参照値との比較は、調節を開始するためには使用されない(ただし、他の処置たとえば部分のソーティングを開始するために使用される)。
【0096】
ソーティングデバイス110はまた、コンベヤー150の経路上、分析デバイス108の下流に配置される。ソーティングデバイス110は、満足な分析結果を有していない固形製剤10、40、60をコンベヤーから除去することが可能である。ソーティングデバイス110は、コンベヤー150からそれらを除去するために、たとえば、欠損固形製剤10、40、60に圧縮空気をブローするか又は吸引するノズル156を含む。かかるソーティングは、製造物の網羅的制御を可能にするので有利である。本方法から得られる製品はいずれも、適正品質である(チェックされているので)。これにより、製造プロセスの終了時に最終製品を直接放出し、且つそれを患者に分配することが可能になる(すなわち、追加の品質手順を実現する必要がない)。
【0097】
パッケージングデバイス111は、コンベヤー150の出力位置に配置される。パッケージングデバイスの上流には、2つのローラー160が配置され、各ローラーは、プラスチックフィルムでカバーされたアルミニウムシートタイプのパッケージング材料162のシートを排出可能である。パッケージングデバイス111は、固形製剤10、40、60の面の各々に接触してパッケージング材料162のシートを配置可能な駆動手段を含む。
【0098】
好ましくは、パッケージングデバイス111は、スクロールしながらパッケージング材料162に情報を書込み可能なレーザーエッチング又はプリンタータイプの書込みデバイス164を含む。
【0099】
ローラー160の下流に、パッケージングデバイス111は、固形製剤10、40、60の各々の周りに閉区画170を形成するように、パッケージング材料162の2つのシートを互いに固着可能なシーリングデバイス166を含む。シーリングデバイス166は、たとえば加熱エレメントを含む。好ましくは、シーリングデバイス166はまた、窒素タイプの制御雰囲気下でシーリングを実現する手段を含む。
【0100】
シーリングデバイス166の下流に、パッケージングデバイス111は、固形製剤10、40、60を含有する閉区画170を互いに分離可能なカッティングデバイス168を含む。
【0101】
次に、固形製剤10、40、60の製造方法200を説明する。
図4の論理チャートにより図示された本方法は、電子制御ユニット112に記憶されたプログラム114により実現される。
【0102】
最初に(工程202)、支持体テープ124上に配置されたフィルム18のあらかじめカットされたストリップ120は、プリンティングデバイス104の入口に提示され、長手方向Xに沿って移動する。第1のプリンティングモジュール130のプリントヘッド134は、第1の液状製剤144のマイクロドロップレットをストリップ120の各部分12の第1の面20上に堆積する(工程204)。堆積は、各部分12の第1のゾーン26、46、66上で行われる。部分12当たりの第1の液状製剤144の量は、製造される固形製剤10、40、60に対する所望の第1の活性成分の量(参照量)の関数として、プログラム114により管理される。装置100は、たとえば、製造方法を実現する前に、第1の活性成分で第1の液状製剤144をアッセイすることにより校正される。
【0103】
第2及び第3の実施形態の場合、第2のプリンティングモジュール132のプリントヘッド134は、次に、第2の液状製剤146のマイクロドロップレットをストリップ120の各部分12の第2のゾーン48、68上に堆積する(工程206)。部分12当たりの第2の液状製剤146の量は、プログラム114により管理される。
【0104】
プリンティングデバイス104の出口で、支持体テープ124は、ロータリーローラー152上に巻回され、フィルム18のストリップ120から分離される。前記ストリップ120の部分12は、コンベヤー150上で受け取られ、乾燥デバイス106まで駆動される。第1(144)及び第2(146)の液状製剤の溶媒は、蒸発を終了して(工程208)基材12上に堆積された第1(14)及び第2(16)の組成物をもたらす。以上に記載の固形製剤10、40、60は、こうして得られる。
【0105】
固形製剤10、40、60は、次に、分析デバイス108までコンベヤーにより駆動される。各固形製剤10、40、60に対して、前記分析デバイスは、基材12上に堆積された第1の活性成分の量Qを測定する(工程210)。前記測定は、たとえば、近赤外分光法又はラマン分光法により行われる。
【0106】
プログラム114は、各測定された値Qを前記プログラムに記憶された参照値Q
refと比較する(工程212)。たとえば、プログラム114は、値Qが[Q
ref±Δ
Q]の範囲内に含まれるかをチェックする。式中、Δ
Qもまた、前記プログラムに記憶された値である(単一閾値に対応する)。可能な実施形態によれば、プログラム114は、Q値に対してスプレーイングチューニングを調整する(これは、工程212からスプレーイング工程204に向けて傾斜した矢印により
図4に記号化されている)。可能な実施形態によれば、プログラムは、QがΔ
Qよりも大きくQ
refから外れる場合にのみスプレーイングチューニングを調整する(上方又は下方にかかわらず)。ある変形形態によれば、1つ(又はそれ以上)の特定の閾値が使用される。他の一変形形態によれば、調整は系統的である(Qの値にかかわらず、ひいてはいずれの閾値にも依存せず)。
【0107】
プログラム114は、値Qがそれぞれ目標範囲内に含まれるか又は含まれない第1又は第2のグループに属する各固形製剤10、40、60を同定する。ソーティングデバイス110は、前記第2のグループに属する製剤をコンベヤー150から除去する(工程214)。
【0108】
したがって、ソーティングデバイス110の下流でコンベヤー150上に残留する固形製剤10、40、60はすべて、範囲[Qref±ΔQ]内に含まれる量Qの第1の活性成分を含む。
【0109】
第2の組成物16が第2の活性成分を含む場合、分析及びソーティング工程はまた、前記第2の活性成分に対しても行われる(工程216)。
【0110】
各固形製剤10、40、60は、次に、パッケージングデバイス111により個別にパッケージされる(工程218)。各パッケージ上に、書込みデバイス164は、ロット番号、第1及び/又は第2の活性成分の識別子、又は製造日又は有効期限などの情報を書き込む。
【0111】
そのため、個別にパッケージされた固形製剤10、40、60は、装置100の出力位置で回収される。
【0112】
任意選択的に、本方法は、個別にパッケージされた固形製剤、10、40、60がボール箱タイプの容器内に一まとめにされる二次パッケージング工程をさらに含む。
【0113】
以上に記載の装置100及び方法200は、固形製剤10、40、60の製造時に有意な柔軟性を可能にする。プログラム114は、ストリップ120の各部分12上にスプレーされた第1(144)及び/又は第2(146)の液状製剤の量をリアルタイムで調整、変更、及びモニターすることを可能にする。そのため、生産を中断することなく、異なる投与量に対応する固形製剤10、40、60を逐次生産することが容易である。
【0114】
同様に、異なる活性成分を含む固形製剤を同一基材から連続生産するために、プリンティングデバイス104の液状製剤144、146を迅速に修正することが可能である。
【0115】
そのため、装置100及び方法200は、各患者に用量を適合させることにより、容易に且つ低コストで医薬薬剤を生産することを可能にする。
【0116】
以上の記載の実施形態では、ストリップ120は、プリンティング工程204の前にあらかじめカットされて提供される。示されていない代替形態では、提供されるストリップ120は連続的であり、本方法は、プリンティング工程後、前記ストリップを複数の部分12にカットする1工程を含む。好ましくは、前記カッティング工程は、分析工程210、212及びソーティング工程214の前に行われる。
【0117】
代替実施形態によれば、固形製剤10、40、60は、口腔内崩壊製剤ではなく、粘膜付着性であってもなくてもよい頬パッチ剤の形態で使用することが意図される。この代替物を生産するために、基材12の性質のみ修正しなければならない。
【0118】
本方法の実現について記載された実施形態は、対応する製造装置に関する実施形態に転用されうるとともにその逆も成り立つ。
【実施例】
【0119】
実施形態例
1.-基材12のフィルム18の生産
目標は、弱酸性pH(4.7~5.0)を有し、低湿度レベル、特定的には10%未満の湿度レベルを有し、さらに10s未満で溶解する、柔軟性且つ非脆性の基材12を得ることである。以下の4つの製剤を開発した。
【0120】
→ 製剤1:
- ヒプロメロース
- 植物グリセリン
- 精製水
- 希リン酸R
【0121】
→ 製剤2:
- プララン(Pullalane)
- マイクロ結晶性セルロース
- トウモロコシデンプン
- ポリソルベート80
- 植物グリセリン
- 精製水
- 希リン酸r
- 酸化チタン(IV)
【0122】
→ 製剤3:
- HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
- クエン酸
- Kollicoat(登録商標)(Sigma-Aldrich)
【0123】
→ 製剤4:
- HPMC
- クエン酸
- Kollicoat(登録商標)
- 防湿剤、たとえば、EPO(ポリ(ブチルメタクリレート-co-(2-デメチルアミノエチル(demethylaminoethyl))メタクリレート-co-メチルメタクリレート)1:2:1)
【0124】
好ましくは、セルロース誘導体は、乾燥組成物の少なくとも40wt%を表し、酸は、好ましくは1%未満の割合で使用される。
【0125】
製剤は、フラット表面上に展延され乾燥される。フィルム18は、約250μmの厚さで得られる。代替的に、より薄い厚さ、たとえば、100μm又は120μmの厚さで得られる。
【0126】
2.-第1の液状製剤144の製造
- 活性成分(デスモプレシン)-40mg/ml
- DMSO:エタノール(50:50)
- プロピレングリコール30%
- 酢酸1%
- 色素(たとえばサンセットイエロー)-5mg/ml
【国際調査報告】