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特表2022-504836エネルギー生成用途のための新しいカーボンナノ構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】エネルギー生成用途のための新しいカーボンナノ構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/44 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
H01L31/04 112B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520303
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(85)【翻訳文提出日】2021-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2019077654
(87)【国際公開番号】W WO2020074728
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】1816575.3
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521148153
【氏名又は名称】シーズ キャピタル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091904
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 重雄
(72)【発明者】
【氏名】チャハル、 ジェイソン
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA11
(57)【要約】
これは、光または熱エネルギーを検出または変換するための装置に関連し、装置は、グラフェンシートであって、グラフェンシートがスクロール内に形成されて、スクロールの縦軸からの距離が増加するにつれてグラフェンシートの曲率半径が増加する単層構造を提供するようにする、グラフェンシートを備える。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光または熱エネルギーを検出または変換するための装置であって、前記装置が、
グラフェンシートであって、前記グラフェンシートがスクロールに形成されて、前記スクロールの縦軸からの距離が増加するにつれて前記グラフェンシートの曲率半径が増加する単層構造を提供するようにする、グラフェンシートを備える、装置。
【請求項2】
前記スクロールが、0.3~0.5nmの内径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スクロールが、5nm以下の内径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記スクロールが、単一の層を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記スクロールが、複数の層を有する、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記スクロールのエッジが、層間に整列されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記グラフェンシートがキラリティで斜めに巻かれている、請求項1~5のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記スクロールの調製のために使用される前記グラフェンが、明確に定義された形状であり、汚染および欠陥を有しない、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記スクロールの調製において使用されるグラフェンプレートレットの長さが、少なくとも25nmである、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、複数のスクロールを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のスクロールを備える、バルクヘテロ接合有機太陽光インク。
【請求項12】
電子輸送層と正孔輸送層との間に挟まれた活性層として1つ以上のグラフェンスクロールを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
2つの電気接点間に挟まれた活性層としての1つ以上のグラフェンスクロールを備える、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
前書き
本発明は、概して、光/熱エネルギーを検出または変換するための装置に関する。
【0002】
関連技術の説明
太陽光吸収
あらゆる太陽電池の究極の目標は、単一の構造で複数の波長の太陽エネルギーを吸収する能力である。
【0003】
これは多接合太陽電池で達成されており、これらのセルは、複数のサブセルを含む多接合セルに、複数の太陽電池、つまりp-n接合を組み合わせることによって、これらのセルの高効率を実現している。これらのサブセルの各々は、入射光の異なる波長に一致するように、異なるバンドギャップを有する異なる半導体材料で構成されている。通常、各セルは、3つのサブセルが電気的に直列に接続された3つの接合セル構成を有する。サブセルはまた、バンドギャップが最大のサブセルが最上部(太陽に面する)に配置されており、他のサブセルがバンドギャップの幅が小さい順から位置するように、光学的に直列に配置されている。したがって、最上のサブセルでは、エネルギーが最も高い光子のみが吸収される。エネルギーがより低い光子は、下のサブセルに透過される、などである。このようにして、多接合太陽電池は、広い太陽光スペクトルを波長帯に分割し、波長帯の各々は、単一接合の場合よりも個々のサブセルによってより効率的に使用できる。特に、エネルギーがより高い光子は、エネルギーがより低い光子よりも大きな光電圧に寄与する。多接合太陽電池は、一方のサブセルから他方のサブセルに電流を転送するためにトンネルダイオードを必要とする。最先端の多接合セルは、約40%のエネルギー変換効率を提供する。
【0004】
これらの多接合太陽電池の効率は単一接合太陽電池と比較して比較的高いが、問題は製造の複雑さとそれに伴う製造コストの高さである。製造の複雑さを回避する1つの方法は、シリコンの層を積み重ねることである。シリコンは比較的安価で豊富にあり、太陽光線の高エネルギー光子のかなりの部分を吸収するため、従来の太陽電池の標準となっている。ただし、三接合太陽電池の場合、コストは従来のシリコン太陽電池の3倍になる。
【0005】
さらに、従来の多接合太陽電池の設計は、太陽光が構造物の表面に垂直に当たる必要があるか、または反射板を使用する必要があるため、実用的ではない。
【0006】
太陽電池においてより高い吸収を達成するための別の方法は、太陽エネルギーの複数の波長を吸収するように調整できる単一の連続した材料を使用することである。選択的なドーピングを制御することは困難であるため、これを既存の技術により達成することは非常に困難であった。しかし、広帯域の吸収は垂直に整列したカーボンナノチューブを使用して達成されているが、カーボンナノチューブの「森」を太陽電池として使用する場合、吸収された太陽エネルギーを使用可能な電流に変換する実用的な方法がないという問題がある。
【0007】
これらの単層カーボンナノチューブを垂直に整列させた「森」は、遠紫外線(200nm)から遠赤外線(200μm)の波長までの吸光度を有することができる。SWNTフォレスト(バッキーペーパー)は、超成長CVD法によって高さ約10μmまで成長した。2つの要因がこれらの構造による強い光吸収に寄与していた可能性がある。(i)CNTのキラリティと直径との分布により、個々のCNTに様々なバンドギャップが生じた(図1の片浦プロットを参照)。このようにして、広帯域の吸収を備えた複合材料が形成された。(ii)多重反射に起因して、これらのフォレストに光が閉じ込められる可能性があった。
【0008】
片浦プロットでは、電子遷移のエネルギーは、ナノチューブの直径が増加するにつれて減少する。図1は、SWCNTの光吸収と、多接合太陽電池に積み重ねられた材料のバンドギャップエネルギーとの比較を示しており、これは、直径が異なるSWCNTの範囲が、多接合太陽電池で見られるのと同じバンドギャップエネルギーを達成できることを示している。
【0009】
研究者たちは最近、薄膜太陽光発電(TFPV)の活性層の成分として、半導体単層カーボンナノチューブ(s-SWNT)を使用することを実証した。TFPV技術は、低コストの処理技術に適した材料を用いて効率的な太陽電池を製造することに重点を置いている。
【0010】
[参考文献 3]Maogang Gong,Tejas A.Shastry,Yu Xie,Marco Bernard,Daniel Jasion,Kyle A.Luck,Tobin J.Marks,Jeffery C.Grossman,Shengiang Ren and Mark C.Hersam,Polychiral Semiconducting Carbon Nanotube-Fullerene Solar Cells,June 23,2014。この文献は、幅広いスペクトル吸収および高いキャリア移動度、ならびに熱的、化学的、および光学的安定性を有する構成要素を利用する溶液処理可能な太陽光発電への道として、ポリキラルカーボンナノチューブに基づく太陽電池が提案および実装した。このアプローチは、TFPV活性層におけるs-SWNTの利用を妨げてきた主要な障害を克服し、現在の記録的な性能である変換効率を、以前の単一のキラリティs-SWNTと比較して、約2倍の最大3.1%まで高めることができた。ただし、バルクヘテロ接合における電子供与材料としてのカーボンナノチューブの使用は、カーボンナノチューブの長さ、および反応がチューブの末端に位置しているエッジ部位でのみ発生するという事実によって妨げられている。
【0011】
これらの溶液処理されたTFPVは、キャリア選択性接点と接続されたポリキラル半導体SWCNTとPC71BMフラーレンとから構成される活性層に基づいている。この太陽電池の設計は、以前のSWCNT TFPVを制限していた多くの問題に同時に対処するため、従来の性能のトレードオフを回避できる。これらのSWCNT分布のポリキラル性と、PC71BMフラーレンのより小さい光学的ギャップにより、より広い光吸収がもたらされる。
【0012】
その秘密は、チューブの直径とねじれとの組み合わせであるs-SWNTのキラリティにある。これまで、研究者は、優れた半導体特性を備えた特定のキラリティを1つ選択し、そのキラリティから太陽電池全体を構築する傾向があった。問題は、各ナノチューブのキラリティが狭い範囲の光波長しか吸収しないことである。単一のキラリティカーボンナノチューブから太陽電池を作る場合、基本的にほとんどの太陽光を捨てる。ポリキラルs-SWNTの混合物を使用することによって、これは、より広い範囲の太陽スペクトルを吸収することによって生成される光電流の量を最大化した。セルは、多くの主要な薄膜技術ではアクセスできない範囲である近赤外線波長を大幅に吸収した。
【0013】
研究グループは現在、複数の活性層を有するポリキラルSWCNT太陽電池の作成に取り組んでいる。各層は、太陽光スペクトルの特定の部分に最適化されるため、より多くの光を吸収する。これにより、シリコン太陽電池に匹敵する最大15~20%の効率が向上する可能性がある。
【0014】
このアプローチの大きな課題は、層を追加することによって、研究者が、既存のタンデム太陽電池が直面する同様の複雑さと高コストに最終的に遭遇することである。層を追加すると、膜の厚さもさらに増加し、柔軟性が低下することになる。
【0015】
現在、ますます多くの研究グループが、カーボンナノチューブの光吸収特性に関連するカーボンナノチューブの挙動を理解する上で重要な考慮事項が無視されていると考えている。
【0016】
[参考文献 1]Saloome Motavas,Andre Ivanov,Alireza Nojeh,The curvature of the nanotube sidewall and its effect on the electronic and optical properties of zigzag nanotubes,Computational and Theoretical Chemistry,1020(2013)32-37。この文献は、非常に小さい直径(0.5nm~5.0nm)のカーボンナノチューブでは、図2に示すように、ナノチューブの表面の炭素結合が曲がることに起因してひずみが存在し、結合長および結合角が異なることになった(それぞれ図3(a)および図3(b)にグラフで示す)ことを述べている。
【0017】
これは、グラフェンでもさらに実証されている。[参考文献 2]A.J.Chaves,T.Frederico,O.Oliveira,W.de Paula,M.C.Santos,Optical conductivity of curved Graphene,Cornell University Library,1st May 2014は、グラフェンシート上の曲率の効果を理論的に予測し、これによって、平坦な表面に波紋が生成され、局所的な曲率が生じ、これらの曲率の最も大きい領域における光吸収ピークを提示した。
【0018】
より小さな直径のカーボンナノチューブでのみ発生する様々な炭素結合角および結合長は、カーボンナノチューブの物理的構造が材料の光吸収をどのように変化させることができるかを示す良い例である。ナノチューブの直径による炭素-炭素結合角とエネルギー吸収との間のこの相関関係は、図4に示すように二次垂直軸を使用して示されている。
【0019】
太陽光変換
従来の太陽電池は、太陽光スペクトルのごく一部しか効率的に電気に変換できない。低エネルギーの光子(赤外線)は、太陽電池を作る材料のバンドギャップを埋めるに十分なエネルギーがないため、吸収されない。対照的に、高エネルギーの光子(紫外線)は吸収できるが、わずか数ピコ秒(10~12秒)でそのエネルギーの多くが熱に変換される。これにより、最大効率がわずか30%に制限される。
【0020】
原則として、この過剰な熱エネルギーを使用して複数の電子-正孔対を励起できれば、86%もの効率を達成できる。これにより、電子は赤外光を放出し、それを電気に変換するか、またはエネルギーを隣接する電子に伝達することができる。光の自由電子-正孔対の変換は、光検出および太陽光発電の分野における主要なプロセスを構成している。このプロセスの効率は、様々な緩和経路の競合に依存し、光励起されたキャリアが熱としてエネルギーを失うのではなく、それらの過剰なエネルギーをキャリア-キャリア散乱プロセスを通じて追加の電子-正孔対の生成に転送する場合に大幅に向上し得る。
【0021】
従来の太陽電池では、吸収された光粒子は通常1つの電子のみを励起し、その結果、1つの電子-正孔対が生成される。ただし、異なるナノ結晶内の2つ以上の電子の同時励起を利用して、太陽電池によって供給される電流を大幅に増加させることができる。
【0022】
[参考文献 4]K.J.Tielrooij,J.C.W.Song,S.A.Jensen,A.Centeno,A.Pesquera,A.Zurutuza Elorza,M.Bonn,L.S.Levitov and F.H.L.Koppens,Photo-excitation cascade and multiple hot-carrier generation in graphene,Nature Physics,volume 9,April 2013。この文献では、グラフェンでのキャリア-キャリア散乱は非常に効率的であり、広範囲の光子波長での光-フォノン放出よりも優勢であり、伝導帯から発生する二次ホットエレクトロンの生成につながることが示された。これらの二次電子はエネルギーを獲得する(熱くなる)が、フォノン放出プロセスでは、エネルギーは熱として格子に失われる。グラフェン内のホットエレクトロンは電流を駆動できるため、複数のホットキャリア生成により、グラフェンは光エネルギーを電子の自由度に高効率で広帯域に抽出するための有望な材料となり、「ホットキャリア太陽電池」と呼ばれるタイプの太陽電池が可能となり、ホットキャリアを直接抽出して、Shockley-Quiesser Limitを超える効率を得ることができる。
【0023】
グラフェンでは、二次ホットエレクトロンの数は、i)吸収された光子の数、およびii)個々の光子のエネルギーのエネルギーに比例して変化し、光子のエネルギーを増加させると、緩和カスケード中の電子-電子散乱イベントの数が増加し、その結果、より熱いキャリアの分布が増加すると予測される。波長400nmの高エネルギー光子は、3つの電子-正孔対の生成をもたらすと予想される。
【0024】
グラフェンの低吸収など、直接的な用途にはいくつかの問題があるが、グラフェンは、現在、従来の半導体に基づいている多くの技術に根本的な変化を引き起こす可能性がある。課題は、電流を抽出し、グラフェンの吸収を高めて、より効率的な太陽電池につながるグラフェン装置の設計を可能にする方法を見つけることである。
【0025】
これらの課題に対処する際の主な設計要素は、吸収グラフェン構造全体に温度勾配がある場合に、光誘起ホットキャリアが、光熱電効果として知られる熱電電流を駆動することができ、これにより、ナノスケールのエネルギーの流れを制御および利用するための新たな展望を開くであろう。
【0026】
生成プロセスおよび冷却プロセスの両方を制御することで、グラフェンのエネルギーフローを操作する手段が提供され、将来のエネルギー材料としてグラフェンを活用する上で重要になる。研究者がこれを達成しようとした1つの方法は、グラフェンをドーピングすることであり、というのも、生成されたキャリアの数がドーピングに強く依存することが示されているためである。これをグラフェンの光学的透過性と組み合わせると、異なる方法でドーピングしたグラフェン層を装置に重ねることで、多接合太陽電池における広帯域の吸収を実現できる可能性がある。ただし、製造の複雑さと製造コストに関しても、同様のハードルに直面する。
【0027】
グラフェンの高い電子伝導性、柔軟性、および透過性により、ヘテロ接合太陽電池で有用であり、電極(正極と負極の両方)、供与体層、バッファー層、受容体層、活性層を含む異なる方法において適用することができる。
【発明の概要】
【0028】
本発明の実施形態は、炭素原子の単一の原子的に厚い層における太陽光吸収を最大化するための構造を提供する。
【0029】
本発明の実施形態は、スクロールされたグラフェン構造を使用して、より大きな範囲の光子エネルギーをより効率的に捕捉する。
【0030】
本発明の実施形態は、吸収された太陽エネルギーの材料グラフェンにおける電流への変換を最大化する方法を提供する。
【0031】
本発明の実施形態は、グラフェンがその単層特性を維持するように、各層を変位させることによってグラフェンを積み重ねる方法を提供する。
【0032】
本発明の実施形態は、2つの電極間にグラフェンのシートを吊り下げる方法を提供する。この機能は、シートの両面にある正と負との両方の曲率にアクセスできる可能性を提示している。
【0033】
本発明の実施形態は、バルクヘテロ接合太陽電池を設計するときに、電子供与材料としての反応部位の数を増加させる方法を提供する。
【0034】
本明細書では、「光」という用語は、可視光だけでなく、赤外線(赤外線-Aとして知られる、波長は700~1400nmである)および紫外線(UVA、波長は315~400nmである)を包含すると理解されるであろう。
【0035】
本明細書では、「グラフェン」という用語は、1個の原子が各頂点を形成する二次元の六角形格子内の炭素原子の単層を包含すると理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】多接合太陽電池のバンドギャップエネルギーと直径が異なる半導体SWCNTの吸収スペクトルとの比較曽示しており、曲率が異なるSWCNTの範囲が多接合太陽電池で見られるものと同じバンドギャップエネルギーを達成できることを示す。
図2】炭素結合の曲率により、異なる結合角および結合長が生じることに起因して、ひずみが存在することを示す。
図3(a)】ジグザグSWNTのチューブ直径の関数としての正規化された結合長のプロットを示す。
図3(b)】ジグザグSWNTのチューブ直径の関数としての結合角αおよびβのプロットを示す。
図4】エネルギー分離と炭素-炭素結合角に対するカーボンナノチューブの直径のプロットを示し、表面張力によって誘発される炭素-炭素結合角との相関を強調している。
図5】典型的な小さな寸法の単巻スクロールの概略図を示し、回転またはねじれに起因して、スクロールのグラフェン層で達成される層間オフセットを示す。
図6】寸法を示す多層単巻グラフェンスクロールの断面図を示す。
図7(a)】単巻グラフェンスクロールの中心からの距離(nm)の関数としての正規化された結合長のプロットを示す。
図7(b)】単巻グラフェンスクロールの中心からの距離(nm)の関数としての結合角αおよびβのプロットを示す。
図8】多層単巻グラフェンスクロールの断面図であり、スクロールの内側コアから外周に向かって炭素原子の結合角が次第に大きくなる曲率勾配が存在することを示す。
図9】スクロールの各表面層における異なる吸収エネルギーを示しており、各層を通過するエネルギーの残りの波長に対して各層がどのように透過的であるかを示す。
図10】ホットキャリア生成を介したグラフェンの光励起カスケードが、単巻スクロールにおいて光熱電効果をどのように確立するかを示す。
図11(a)】は、グラフェンの単一のプレートレットを用いて達成できる単巻スクロールのトポロジーを示す。
図11(b)-11(c)】グラフェンの単一のプレートレットから達成可能な二重巻スクロールを示す。
図11(d)】炭素原子の単一の連続単層を用いて達成できる二重巻の「s」形状のスクロールトポロジーを示す。
図12】スクロール前の典型的な単層グラフェンプレートレットの表現を示す。
図13】グラフェンプレートレットの寸法を変化させることで達成可能な典型的なスクロール寸法を示す表を提示する。
図14】化学的およびマイクロ波照射プロセスを使用してスクロールを製造する方法1に含まれるステップを示す。
図15】化学的およびマイクロ波照射プロセスを使用してスクロールを製造するための方法2に含まれるステップを示す。
図16】電子供与体としての単巻スクロールと、電子受容体としてのPCBMおよびポリマーとの混合物のインクブレンドが、キャリア選択性接点と接続可能な、溶液処理可能な薄膜太陽光発電(TFPV)の活性層として機能する様子を示す。
図17】提案されたセル構成を示す。本セルの構成は、電子輸送層および正孔輸送層(それぞれETLとHTL)とキャリア選択電気接点との間に挟まれた活性層としての単巻スクロール/ポリマーブレンドで構成されている。
図18】2つの電気接点に挟まれた活性層として二重巻スクロールを利用した次世代の太陽電池アーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示は、エネルギー生成技術における用途のための炭素ベースのナノ構造を提供する。
【0038】
太陽光吸収
本開示は、広帯域の光吸収および変換特性を備えたグラフェンベースのナノ構造を提供する。
【0039】
図5は、単層構造を提供するような、小さな寸法の単巻グラフェンスクロールの概略図を示している。スクロールの縦軸からの距離が増加するにつれて、グラフェンシートの曲率半径が増加する。これは、スクロールのグラフェン層において達成される層間オフセットを示している。スクロールのABC層形成は、スクロールがグラファイト構造を形成するのを防ぐ。代わりに、グラフェンシートはスクロールされた形でもその単層構造を維持する。層をABCの積み重ね順序に配置することによって、これは、グラフェンスクロールが選択性波長範囲で吸収する太陽エネルギーの量を大幅に増加させる。スクロールは、内部のコアができるだけ小さくなるように緊密に巻かれている。
【0040】
本発明の実施形態は、小径(内径0.3nm~外径5.0nm)のナノスクロールに存在する狭い曲率を利用する。この狭い曲率は、外径が5nm未満のカーボンナノスクロールでのみ変化する炭素-炭素結合角および結合長の変化に反映される。明確にするために、スクロールは、任意の数の層を有することができるが、理想的なスクロールは、スクロールの周辺に向かって張力が減少することに起因して緊密さが減少するそのコアに最も緊密に巻く必要がある。実際、内側スクロールの直径は、0.3~0.5nmのオーダーで、単層カーボンナノチューブ(SWNT)の直径に類似している必要がある。外側スクロールの直径が5nmの場合、これにより、スクロールのコアに向かって表面に沿って、変化する炭素-炭素結合角および結合長によって反映される曲率勾配が確立される。
【0041】
図6は、寸法を示す多層単巻カーボンスクロールの断面図を示している。理想的なスクロールの内径(Di)は約0.3nmであり、外径(Do)はおよそ5nmである必要がある。グラフェンシートの厚さ(T)は0.335nmであり、層間間隔(S)は0.34nmである必要がある。
【0042】
太陽光スペクトルの異なる領域に一致するように、そのエネルギーバンドギャップを調整するために異なる材料がドープされる多接合太陽電池とは異なり、本発明は、緊密にスクロールされた単一のナノ構造に存在する様々な炭素-炭素結合角および結合長を利用する。非常に小さい直径(5.0nm未満)の層で構成されるカーボンナノスクロールは、炭素結合が曲がることにより異なる結合長および結合角が生じる(図7(a)および図7(b)にグラフでそれぞれ示されている)ことに起因して、小径のカーボンナノチューブに見られるものと同様の炭素原子においてひずみを示すと予想される。図8は、多層単巻カーボンクロールの断面図であり、スクロールの内側コアから外周に向かって炭素原子の結合角が次第に大きくなる曲率勾配が存在することを示している。
【0043】
グラフェンのスクロールされたシートの重要な側面は、2つの層の炭素原子のオフセットに起因して、層が効果的に分離し、独立して機能することである。この機能は、シートの両面にある正と負との両方の曲率にアクセスできる可能性を提示している。事実上、カーボンナノスクロールはグラフェンのシートを吊り下げる方法を提示している。
【0044】
本発明の実施形態は、層が単一のスクロールされたグラフェンシートに積み重ねられ、スクロールの表面に入射する任意の角度から光を吸収することを可能にする方法を活用することによって、より大きな範囲の光子エネルギーをより効率的に捕捉する。最上層は低エネルギーの光子を吸収し、高エネルギーの光子を透過させ、この光子は、次いで、スクロールの下層に吸収される。スクロール全体にわたる任意のポイントにおける吸収帯域幅は、そのポイントにおける炭素-炭素結合角と炭素-炭素結合長とに直接関連している。図9は、スクロールの各層における異なる吸収エネルギーを示しており、各層を通過するエネルギーの残りの波長に対して各層がどのように透過的であるかを示している。低エネルギーの赤外線波長は、表面の炭素原子の炭素-炭素結合角が120°の外層1上で吸収されるのに対し、より高いエネルギーの紫外線波長は、スクロールの各層を透過して、炭素原子の炭素-炭素結合角が110°の層4に至る。すべての可視波長は、層2~3内で吸収される。
【0045】
スクロールをさらに回転させると、直径が大きくなり、近赤外線から中赤外線の範囲で低エネルギーの光子を吸収する可能性が高くなる。これは、SWCNTの直径の範囲を拡大してより大きな直径をカバーすることによって、図1の片浦プロットに反映されている。これは、24時間のエネルギー吸収の可能性を提示するため、つまり、日光がない場合の夜間のエネルギー吸収を含むことから有利である。
【0046】
スクロールのいくつかの実施形態は、エッジが整列するように互いの上に着座しているグラフェン層を含む。他の実施形態では、シートは、任意のキラリティで斜めに巻かれる。巻かれたグラフェンシートのキラリティは、異なるエネルギー波長の吸収における重要な要素であることから主要な考慮事項である。したがって、異なるカイラル角度で斜めにスクロールすると、マルチ帯域幅の太陽光吸収のための構造の代替の実施形態が提供される。
【0047】
太陽光変換
カーボンナノスクロールの表面に沿った各ポイントは、異なる帯域幅の光を吸収する。事実上、スクロールの各層は電気的に直列に接続されている。層はまた、太陽光スペクトルの赤外線範囲において吸収する層1が最上(太陽に面する)にあるように、および他の層が上昇する光子エネルギー吸収と一致するように配置されるように、光学的直列になっている。したがって、最上層1では、エネルギーが最も低い光子のみが吸収される。エネルギーがより高い光子は、下の層2に透過され、以下同様である。このようにして、カーボンスクロールは広い太陽光スペクトルを波長帯に分割し、波長帯の各々は、グラフェンの平坦なシートよりも個々の層によってより効率的に吸収され得る。特に、エネルギーがより高い光子は、エネルギーがより低い光子よりも大きな光電圧に寄与する。
【0048】
図10は、図9で説明した光子吸収が、最内層4から周辺の層1までのスクロールの周りに熱電効果をどのように生成できるかを示している。スクロールが光子を吸収すると、材料内の電子が加熱されて高温のままになるが、各層を分離している下にある炭素格子は低温のままである。励起されたグラフェン内の電子は、炭素格子との結合が不十分であるため、容易に冷却できず、このため熱を炭素格子に伝達できない。したがって、熱はスクロールされた層に伝達されるのではなく、スクロールされた層の周りで電子から電子に移動しなければならない。
【0049】
カーボンナノスクロールでは、二次ホットエレクトロンの数は、i)吸収された光子の数、およびii)個々の光子のエネルギーのエネルギーに比例して変化すると予測される。光子エネルギーの増加は、緩和カスケード中の電子-電子散乱イベントの数の増加につながり、したがって、より高温のキャリア分布につながる。波長400nmの高エネルギー光子は、さらに3つの電子-正孔対の生成をもたらし、600nmの波長は、さらに2つの電子-正孔対の生成をもたらし、800nmの波長は、さらに1つの電子-正孔対の生成をもたらすと予想される。本発明で具体化されるスクロールは、構造のコアにおいてより高いエネルギーの光子を吸収するように設計されており、コアで緊密であるため、これは、スクロールの周辺層に向かって電流を駆動する光カスケード効果をもたらすと予想される。
【0050】
光エネルギーを電気信号に変換する装置の能力により、装置は、スクロールの寸法に依存する光周波数の範囲にわたって感度を備えた光検出器として機能することもできる。
【0051】
本発明は、広帯域の光吸収のための炭素-炭素結合角および炭素-炭素結合長のすべての変化をカバーするために狭い曲率を維持しながら、スクロールされたグラフェンの異なるトポロジーにより達成することができる。図11(a)は、グラフェンの単一のプレートレットを用いて達成できる典型的な単巻のスクロールされたトポロジーを示している。図11(b)および図11(c)は、グラフェンの単一のプレートレットから達成可能な二重巻のスクロールを示している。図11(d)は、二重巻の「s」形状のスクロールトポロジーを示している。
【0052】
グラフェンナノスクロールの調整
グラフェンナノスクロールは、任意の好適な方法で作ることができる。次に、再現性があり、再現可能な調製方法について説明する。
【0053】
厚さが1層しかなく、比較的欠陥および汚染物質がないグラフェンのサンプルは、これらの基準を満たしていないサンプルよりも、カールしやすいことが報告されている。さらに、グラフェンは、不規則または短いエッジと比較して、長く平滑なエッジに沿ってスクロールする傾向を示している。これらの理由から、グラフェンナノスクロールの調製に使用されるグラフェンは、形状が明確であり、汚染や欠陥を有しないものが有利である。
【0054】
図6は、グラフェンフレークの横方向のサイズを決定するために必要な、スクロールされたグラフェン単層の特定の寸法を示している。これらの寸法は、0.3nmに固定されたスクロールの内径(Di)、0.34nmに固定されたグラフェン層の厚さ(W)、および0.34nmに固定された層間ギャップ(S)を含む。
【0055】
図12は、スクロール前の典型的な単層グラフェンフレークの表現を示しており、機械的に安定したグラフェンナノスクロールを製造するために必要な横方向の寸法の範囲を示している。図示されているプレートレットは、規則的な寸法を有しているが、潜在的に任意の形状を有することができる。
【0056】
プレートレットの長さ(L)は、次の式を使用することによって概算することができる。
L=πn(Di+(W+S)(n-1)).外径(Do)は、次の式を使用して計算することができる。
Do=2nW+2(n-1)S+Di.
【0057】
図13は、層数(n)、スクロールの外径(Do)、およびグラフェンフレークの横方向の長さ(L)の可変パラメータを表形式で示している。カーボンナノスクロールにおいて機械的な安定性を達成するには、グラフェンプレートレットの長さを25nm以上にする必要がある。表から、すべての炭素-炭素結合角および結合長の変化を包含するように最適化されたスクロールの長さは29.4nmであり、これにより、4層を有し、外径が約5nmの緊密にスクロールされた構造が提供される。このスクロールでは、スクロールの中央のスペースを最小限に抑えて、層を可能な限り緊密に互いの上に積み重ねる。これにより、機械的な安定性も向上する。
【0058】
重要なことに、スクロールにおいて達成できる熱電勾配に起因して、ホットキャリア増倍効果が、より多くの層およびより大きな外径を備えたスクロールにおける電流を駆動する可能性がある。
【0059】
トップダウンアプローチ:化学的剥離/超音波処理およびマイクロ波照射
グラフェンナノスクロールを形成するためのグラフェンの個々の操作は、以前にXu Xie et al.,Nature Chemistry Vol.7,Sept.2016,730-736によって達成されており、ここでは、イソプロピルアルコール溶液を使用して、SiO/Si基板上に事前定義された単層グラフェンを巻き上げていた。横方向の長さが100nm未満のグラフェンプレートレット上でこの技術を使用して緊密なスクロールを達成できる場合、基板上のグラフェンナノスクロール上で、その場で直接特性評価を実行できるため、これはグラフェンナノスクロールの個別生産に理想的である。ただし、Xu Xie et alの論文によると、彼らのグラフェンナノスクロールは、中空のコアおよび40以上の層を有しており、かなり大きなシートから形成されていることが示唆されているので、この技術は緊密なスクロールを製造しない可能性が高いが、グラフェンシートは上にゆるくスクロールすることになるであろう。また、Viculis et al.:Science Vol.299 28th Feb 2003,1361は、これらのグラフェンピースにスクロールを誘発する原因になっている可能性があるとも考えられている。
【0060】
グラフェンシートで緊密なスクロールを達成するために、グラフェンシートの一方の側面にイソプロピルアルコールを配置するとスクロールが誘発される理由を確認することができる。グラファイト電極の表面にスクロールされた構造が見つかったBaconによる最初の実験と同様に、グラフェンシートの両面の化学的/温度の不均衡に起因して、グラフェンが上にスクロールして、その表面積が減少すると考えられている。このメカニズムを用いてより緊密なスクロールを達成するには、グラフェンシートの両面の差を大きくして、グラフェンが継続的にその表面積を減少しようとするように、スクロールを制御する方法が見つかっている。これは、Zheng at al.,Adv.Matter.2011,23,2460-2463によって実証されているように、温度差を大きくすることで達成可能であり、マイクロ波が液体窒素を通過するときに液体窒素によって吸収されないので、液体窒素中でマイクロ波スパークの支援を受けて、高品質のグラフェンナノスクロールを生製造している。事実上、グラファイト構造内のグラフェン平面はマイクロ波吸収により膨張し、同時に液体窒素と接触している2つの表面(グラファイトの上部と下部)が冷却される。これにより、グラフェンシートが上にカールし、より緊密なスクロールされた構造になる。両方のグラフェン平面がその両面にわたって不均衡になり、一方の側面がもう一方のグラフェン層に面し、もう一方の側面が液体窒素に露出されるため、このメカニズムは二層グラフェンサンプルを用いてさらに効果的になり得る可能性がある。
【0061】
液体窒素内でスクロールされた形になると、次いで、液体窒素の温度をさらに低下させてから、すでに形成されたカーボンナノスクロールを低電力でマイクロ波処理して、さらに緊密になるように刺激することが可能になり得る。液体窒素はマイクロ波を吸収しない。これを理解するには、摂氏-273度(0ケルビン)の液体窒素に浸し、次いで、そのグラフェンに低マイクロ波を通すカーボンナノスクロールについて考える必要がある。グラフェンスクロールの内部の層形成は、グラフェンを拡張させることになる。グラフェンナノスクロールの最外層および最内層は同時に冷却され、さらに内側にスクロールして液体窒素に対する表面露出を減少させ、より緊密なスクロールをもたらす。
【0062】
以前に説明された背景に基づいて、化学剥離/超音波処理およびマイクロ波照射技術の組み合わせを使用して、寸法が小さいグラフェンシートの緊密なスクロールを達成することができる可能性が高い。次の2つの方法は、二層グラフェンを使用してこれを実現するためのステップを提供している。
【0063】
図14は、化学的およびマイクロ波照射プロセスを使用してスクロールを製造する方法1に含まれるステップを示している。方法1は、スクロールを製造するために、Zheng at al.のマイクロ波照射実験を使用しており、この方法は、短い高出力マイクロ波を効果的に使用して、二層分離および同時スクロールを誘発している。
【0064】
図15は、化学的およびマイクロ波照射プロセスを使用してスクロールを製造するための方法2に含まれるステップを示している。方法2では、ステージ2のグラファイト層間化合物(GIC2)を使用して、Viculus et alの実験と組み合わせて使用して、ゆるくスクロールされたグラフェンナノスクロールを製造できる二層グラフェン片を製造する。最後のステップは、ゆるくスクロールされた構造体を液体窒素中でマイクロ波処理してスクロールを緊密にすることである。どちらの方法でも、挿入で使用されるイオン液体はマイクロ波を吸収できることに注意すべきである。また、Viculusの実験では、カリウム(KC24)を使用してすべての平面の間にグラファイトを挿入していることにも注意すべきである。KC48は、ステージ2のグラファイトイ層間化合物でもあり、検討することができるが、マイクロ波処理および特性評価の前に徹底的な洗浄が必要である。
【0065】
用途
バルクヘテロ接合有機太陽光インク
有機太陽電池は、印刷可能で、携帯可能で、着用可能で、使い捨て可能で、生体適合性があり、曲面に貼り付けることができ、活性層としてバルクヘテロ接合を利用している。これらのバルクヘテロ接合インクは、電子供与体と電子受容要素とのブレンドに基づいている。図16は、電子供与体としてのカーボンナノスクロール5および電子受容体としてのPCBM/ポリマー6のインクブレンドを示しており、このインクブレンドは、溶液処理可能な薄膜太陽光発電(TFPV)の活性層として機能し、効果的な電荷キャリア分離7のためにキャリア選択性接点と接続することができる。カーボンナノスクロールは、スクロールの末端および外層に沿って多数のエッジ反応部位があることに起因して、バルクヘテロ接合の電子供与体としてSWNTを使用するよりも大きな利点がある。
【0066】
薄膜太陽光発電(TFPV)技術は、低コストの処理技術に適した材料を用いて効率的な太陽電池を製造することに重点を置いている。本発明は、広いスペクトル吸収および高いキャリア移動度、ならびに熱的、化学的、および光学的安定性を有する構成要素を利用する溶液処理可能な太陽光発電への道として、カーボンナノスクロールに基づく太陽電池を実装することを提案する。
【0067】
図17は、提案されたセル構成を示している。本セルの構成は、電子9および正孔11輸送層(それぞれETLおよびHTL)と電気接点8および12との間に挟まれた活性層10として、巻グラフェンスクロール/PCBM-ポリマーブレンドが使用されている。
【0068】
図18は、2つの電気接点13および15の間に挟まれた活性層12として二重巻グラフェンスクロールを利用する次世代太陽電池アーキテクチャを示している。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】
図11(d)】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】