(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】気道管理のための医療用デバイスおよび配置方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/267 20060101AFI20220105BHJP
A61M 16/04 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A61B1/267
A61M16/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520326
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(85)【翻訳文提出日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 US2019055138
(87)【国際公開番号】W WO2020076784
(87)【国際公開日】2020-04-16
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521148119
【氏名又は名称】ダブリューエム アンド ディージー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モルナー ロバート ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA13
4C161GG25
(57)【要約】
連続的な視覚化の下で、患者を換気、挿管、および抜管するための、カメラと互換性がある経口気道デバイスを含む医療用デバイス。医療用デバイスを用いて、患者を換気、挿管、および抜管するための方法。
【選択図】
図9B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口気道デバイスであって、前記経口気道デバイスが、気管内チューブ(ETT)ルーメンを取り囲む壁によって形成された湾曲したチューブ状本体を含み、前記ETTルーメンが、遠位開口および近位開口を有し、
前記壁が、遠位端および近位端を有し、前記壁が、背側表面および腹側表面を有し、
前記壁が、前記壁の遠位/近位軸に沿って前記壁の少なくとも一部分に延びる前記壁内の2つ以上の中空チャネルをさらに含み、前記チャネルの各々が、前記壁からの出口である遠位開口、および前記壁の入口である近位開口を有する、経口気道デバイス。
【請求項2】
前記湾曲したチューブ状本体が、前方に湾曲し、前記チューブ状本体が、前記遠位端における舌部で終端し、
前記舌部が、背側表面および腹側表面を有し、
前記ETTルーメンが、中央ルーメンであり、前記ETTルーメンの前記近位開口が、前記壁の前記近位端に位置し、前記ETTルーメンの前記遠位開口が、前記壁の前記遠位端に位置し、前記ETTルーメンの前記遠位開口が、前記ETTルーメンを前記舌部の前記腹側表面上へ開口させ、前記ETTルーメンが、前記舌部の前記背側表面から第1の所定の角度で傾斜し、気管内チューブまたはツールが前記ETTルーメン内に収容されているときに、前記ETTルーメンが、前記気管内チューブまたは前記ツールを前記舌部の前記腹側表面の上方に突出させ、
中央ランプが、前記舌部の前記腹側表面上に位置付けられ、前記中央ランプが、前記ETTルーメンの前記遠位開口の遠位に、かつ前記遠位開口の前に位置し、前記気管内チューブまたは前記ツールが前記ETTルーメン内に収容されているときに、前記中央ランプが、前記気管内チューブまたは前記ツールを前記舌部の前記腹側表面の上方に支持し、
前記中空チャネルの1つが、カメラチャネルであり、前記カメラチャネルの前記遠位開口が、前記カメラチャネルを前記舌部の前記腹側表面上へ開口し、前記カメラチャネルが、前記舌部の前記背側表面から第2の所定の角度で傾斜し、前記カメラチャネルが、カメラが前記カメラチャネル内に収容されているときに、前記カメラを前記舌部の前記腹側表面の上方に突出させ、
カメラチャネルランプが、前記カメラチャネルの前記遠位開口の前および/または前記カメラチャネルの前記遠位開口の内側に位置付けられ、前記経口気道デバイスが、前記舌部の前記腹側表面の周囲に形成された喉頭カフをさらに含む、請求項1に記載の経口気道デバイス。
【請求項3】
前記経口気道デバイスが、少なくとも1つのカメラをさらに含み、前記カメラが、前記中空チャネルおよび/または前記ETTルーメン内へ挿入可能である、前記カメラが壁に組み込まれている、前記カメラが前記壁に封止されている、または前記カメラが前記壁に沿ってスライド可能に接続されている、請求項1または2に記載の経口気道デバイス。
【請求項4】
前記カメラが、1つまたは複数の遠隔の場所に位置付けられている1つまたは複数のモニタに、画像、心音、および/または呼吸音のうちの1つまたは複数を無線で送信する、請求項3に記載の経口気道デバイス。
【請求項5】
前記中空チャネルの1つが、胃チャネルであり、前記胃チャネルが、前記壁の前記近位端に位置する近位開口、および前記壁の前記背側表面に開く遠位開口を有する、請求項1または2に記載の経口気道デバイス。
【請求項6】
前記壁が、前記壁の前記腹側表面にスリットを有し、前記スリットが、前記ETTルーメン内へ開口している、請求項1または2に記載の経口気道デバイス。
【請求項7】
前記経口気道デバイスの前記喉頭カフが、前記舌部の前記腹側表面の周囲の遠位部分にのみ形成され、前記喉頭カフが喉頭入口を完全には閉塞しない、または前記喉頭カフが存在せず、上部食道カフと交換され、前記経口気道デバイスが、スリットを有する周辺カフをさらに含み、前記周辺カフが、前記壁の前記遠位端の近位で前記壁を包被し、前記周辺カフの前記スリットが、前記壁の前記スリット上に整列されている、請求項2に記載の経口気道デバイス。
【請求項8】
前記第1の所定の角度が、前記第2の所定の角度よりも大きい、請求項2に記載の経口気道デバイス。
【請求項9】
前記喉頭カフが非インフレータブルである、前記喉頭カフの側方部分のみがインフレータブルである、または前記喉頭カフがインフレータブルである、請求項2に記載の経口気道デバイス。
【請求項10】
前記中央ルーメンの直径が、気管内チューブの直径よりも小さく、前記中央ルーメンが、前記気管内チューブを担持せず、前記経口気道デバイスが、患者を換気するために、バッグマスクとともに使用可能である、請求項2に記載の経口気道デバイス。
【請求項11】
前記経口気道デバイスが、前記中空チャネルの少なくとも1つ内へ挿入可能なブジー、前記壁の前記遠位端における舌部、前記舌部の近位に位置付けられているランプ、前記ランプに組み込まれているカメラ、前記少なくとも1つのチャネル内へ挿入可能な食道聴診器、前記壁に組み込まれている食道聴診器、温度プローブ、前記壁の前記遠位端に近接して前記壁を包被しているインフレータブルカフ、前記壁の前記遠位端の周囲に取り付けられている非インフレータブルカフ、前記舌部の下に位置付けられている柔らかいクッション、前記チャネルの少なくとも1つのチャネルの近位開口に挿入可能および近位開口から取り外し可能なプラグ、および前記壁に取り付けられたクリップを有する中空チューブであるアクセサリキャップであって、前記アクセサリキャップが、前記ETTルーメン内へ挿入可能および前記ETTルーメンから取り外し可能であり、前記クリップが、前記スリットにおいて前記壁のエッジを一緒に保持することができる、アクセサリキャップ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項1または2に記載の経口気道デバイス。
【請求項12】
前記経口気道デバイスが、2つ以上のカメラを含み、前記カメラの各々が、
前記中空チャネルおよび前記ETTルーメン内へ挿入可能である、
前記壁に組み込まれている、
前記壁に封止されている、または
前記壁に沿ってスライド可能に接続されている、請求項1または2に記載の経口気道デバイス。
【請求項13】
前記経口気道デバイスが、3つの中空チャネルを含み、前記チャネルの1つが、スコープを受容および保持するのに好適な直径を有する、請求項1または2に記載の経口気道デバイス。
【請求項14】
前記2つ以上の中空チャネルの少なくとも1つが、スリットを有し、前記チャネルスリットの各々が、前記ETTルーメン内へ、または前記経口気道デバイスの前記壁の表面に開口している、請求項1または2に記載の経口気道デバイス。
【請求項15】
前記経口気道デバイスの前記壁が、前記ETTルーメンの一部分を前記腹側表面に開口する前記腹側表面の凹部を有する、請求項1または2に記載の経口気道デバイス。
【請求項16】
前記チャネルの1つが、カメラチャネルであり、前記カメラチャネルが、前記経口気道デバイスの中心線の近くに位置付けられ、前記ETTルーメンが、前記カメラチャネルに対して周辺的に位置付けられている、請求項1に記載の経口気道デバイス。
【請求項17】
前記経口気道デバイスが、前記舌部の前記背側表面上に位置付けられている背側インフレータブルカフをさらに含む、請求項2に記載の経口気道デバイス。
【請求項18】
前記経口気道デバイスが、前記壁内の前記中空チャネルの1つである周辺チャネルをさらに含み、前記周辺チャネルが、前記壁の前記近位端に位置する近位開口、および前記喉頭カフの近位で前記舌部の前記腹側表面に開口する遠位開口を有し、前記周辺チャネルが、前記周辺チャネルを前記壁の前記背側表面および/または側面に開口するスリットを有する、請求項2に記載の経口気道デバイス。
【請求項19】
遠位端および近位端を有する壁によって形成された湾曲本体を含む経口気道デバイスであって、前記湾曲本体が、前記壁内の通路であり、前記湾曲本体の遠位-近位軸に沿って延びる1つまたは複数の周辺チャネルを含み、各チャネルが、前記壁の出口である遠位端、および前記壁の入口である近位端を有する、経口気道デバイス。
【請求項20】
前記周辺チャネルのうちの少なくとも1つが、前記湾曲本体の前記遠位/近位軸に沿って外側に開口しているセミルーメンである、請求項19に記載の経口気道デバイス。
【請求項21】
前記経口気道デバイスが、前記湾曲本体の前記遠位端または前記遠位端の近くのカフ、前記湾曲本体の前記近位端に近接して前記湾曲本体の前記壁に接着されているハンドル、前記湾曲本体の前記近位端に近接して前記湾曲本体の前記壁に取り外し可能に取り付けられているハンドル、または人工呼吸器キャップ、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項19に記載の経口気道デバイス。
【請求項22】
医療用デバイスをカメラと互換性があるデバイスに変換するためのアダプタであって、前記アダプタが、第1の中空チューブ内への前記医療用デバイスの挿入に互換性がある直径を有する前記第1の中空チューブを含み、前記医療用デバイスが、前記第1の中空チューブに沿って封止されているまたは前記第1の中空チューブに沿ってスライド可能に取り付けられているカメラをさらに含む、および/または前記医療用デバイスが、前記第1の中空チューブの長さに沿って取り付けられている第2の中空チューブを含み、前記第2の中空チューブが、カメラおよび/または医療用ツールを受容することができる、アダプタ。
【請求項23】
前記第1の中空チューブが、スリットを含む、請求項22に記載のアダプタ。
【請求項24】
前記アダプタが、第2の中空チューブおよび第3の中空チューブをさらに含み、前記第2の中空チューブが、前記第1の中空チューブの長さに沿って整列し、かつ取り付けられ、前記第3の中空チューブが、前記第1の中空チューブの長さに沿って整列し、かつ取り付けられている、請求項22に記載のアダプタ。
【請求項25】
前記アダプタが、前記第1の中空チューブの長さの少なくとも一部分に取り付けられた支柱ロッドをさらに含む、請求項22に記載のアダプタ。
【請求項26】
遠位端と近位端との間の長さを有する壁によって形成されたチューブ状本体を含む経口気道デバイスであって、前記チューブ状本体が、前方に湾曲し、前記壁が、背側表面および腹側表面、ならびに2つの側面、第1の側面および第2の側面を有し、前記経口気道デバイスが、3つのチャネル、第1のチャネル、第2のチャネル、および第3のチャネルを含み、前記第2のチャネルおよび前記第3のチャネルが、前記壁の遠位-近位軸に沿った前記壁内の中空通路であり、前記2つのチャネルの各々が、前記壁の前記近位端における近位開口で開口し、前記チャネルの各々が、前記壁の前記遠位端における遠位開口で開口し、
前記第1のチャネルが、前記第1の側面内に周辺的に位置し、前記壁の前記近位-遠位軸に沿って延びる溝であり、前記第1のチャネルが、少なくとも前記壁の前記腹側表面および/または前記第1の側面の一部分で前記壁によって覆われず、前記第1のチャネルが、前記壁の前記近位端における近位開口で開口し、前記第1のチャネルが、前記壁の前記遠位端における遠位開口で開口し、
前記第2のチャネルが、前記経口気道デバイスの中央に位置し、第2のチャネルが、前記第2のチャネルに挿入すること、および前記第2のチャネルから取り外すことができるカメラと互換性があり、
前記第3のチャネルが、前記第2の側面内に周辺的に位置し、前記第3のチャネルが、前記第3のチャネルに挿入すること、および前記第3のチャネルから取り外すことができるカメラと互換性がある、経口気道デバイス。
【請求項27】
前記経口気道デバイスが、ハンドルに取り付けられているブレードを含む喉頭鏡と互換性があり、前記経口気道デバイスが、前記壁の前記腹側表面に取り付けられているホルダを有し、前記喉頭鏡の前記ブレードが、前記ホルダに挿入可能および前記ホルダから取り外し可能である、請求項26に記載の経口気道デバイス。
【請求項28】
遠位端と近位端との間の長さを有するハンドルを含む経口気道デバイスであって、前記ハンドルが、気管内チューブを収容可能なセミルーメンとして形成され、前記ハンドルが、前記ハンドルの前記遠位端における舌部で終端し、前記舌部が、腹側表面および背側表面を有し、喉頭カフが、前記舌部の前記腹側表面の周囲または前記舌部の前記腹側表面の周囲の一部分に形成され、前記舌部および前記喉頭カフが、喉頭マスクを構成し、前記経口気道デバイスが、前記ハンドルの近位-遠位軸に沿って延びるカメラチャネルを含み、前記カメラチャネルが、前記ハンドル内の中空通路であるか、または前記カメラチャネルが、前記ハンドルに沿って取り付けられたチューブであり、前記カメラチャネルが、近位開口および遠位開口を有し、前記カメラチャネルの前記遠位開口が、前記舌部の前記腹側表面に位置し、前記セミルーメンが、前記舌部の前記腹側表面に遠位開口で開口し、前記喉頭カフが、インフレータブルであるか、非インフレータブルであるか、または前記喉頭カフの側方部分がインフレータブルであり、一方で、前記喉頭カフの残りの部分は非インフレータブルである、経口気道デバイス。
【請求項29】
患者を換気するための方法であって、前記方法が、
請求項1または2に記載の経口気道デバイス内の前記チャネルの1つ内へ、カメラを挿入し、前記カメラによる連続的な視覚化の下で、前記患者の口腔内へ、前記カメラを有する請求項1または2に記載の経口気道デバイスの前記アセンブリを挿入し、前記患者の咽頭内に前記アセンブリを位置付けることと、
前記アセンブリ内に閉鎖系を確立することと、
人工呼吸器に前記アセンブリを接続することと、を含む、方法。
【請求項30】
前記方法が、前記チャネルの1つ内へ、ツールおよび/または吸引チューブのうちの少なくとも1つを挿入することをさらに含み、前記閉鎖系が、請求項1または2に記載の経口気道デバイスの前記壁上に換気アダプタを配置すること、および/または前記チャネルのうちの少なくとも1つ内へプラグを挿入すること、のうちの少なくとも1つによって確立される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
患者の気道を管理するためのシステムであって、前記システムが、
請求項1または2に記載の経口気道デバイスと、
前記チャネルおよび前記ETTルーメンに挿入可能であり、かつ前記チャネルおよび前記ETTルーメンから取り外し可能なカメラと、
前記経口気道デバイス内に閉鎖系を確立するための少なくとも1つのキャップを有する人工呼吸器アダプタと、を含む、システム。
【請求項32】
患者に挿管するための方法であって、前記方法が、
a)請求項1または2に記載の経口気道デバイスの前記ETTルーメン内へ気管内チューブを挿入することと、
b)前記患者内に、ステップa)の前記アセンブリを位置付けて、カメラによる視覚化の下で、声帯を通して前記気管内チューブを挿入することと、
c)前記スリットを通して、前記経口気道デバイスから前記気管内チューブを分離することと、
d)前記気管内チューブが挿入されたまま、前記患者から前記経口気道デバイスを取り外すことと、を含む、方法。
【請求項33】
請求項1または2に記載の経口気道デバイス内に配置された第1の気管内チューブが挿管された患者において、患者を抜管する、または気管内チューブを交換するための方法であって、前記方法が、
a)請求項1または2に記載の経口気道デバイスの前記中空チャネルの1つ内に配置されたカメラからの連続的な視覚化の下で、前記経口気道デバイスが前記患者内に配置されたまま、前記患者から前記第1の気管内チューブを取り外すことと、
b)前記第1の気管内チューブを交換する必要がある場合は、まだ前記患者内に配置されている前記経口気道デバイスの前記中央ルーメン内へ第2の気管内チューブを挿入して、前記カメラによる連続的な視覚化の下で、前記患者の声帯を通して、前記第2の気管内チューブを配置することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、以下の2つの米国特許出願:2018年10月10日に出願された米国特許出願第16/156,322号、および2019年5月20日に出願されたその一部継続特許出願第16/416,592号の優先権を主張し、両方の出願の組み合わせられた開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、気道管理のための医療用デバイスの分野に関連し、カメラと互換性がある様々な経口気道デバイスおよびアダプタを含み、配置中および配置後の連続的な視覚化およびモニタリングを提供する使い捨ての経口気道管理デバイスを提供する。
【背景技術】
【0003】
患者を安定させ、呼吸、摂食、および投薬を容易にするために、様々な医療用デバイスが利用可能である。このようなデバイスは、脊髄損傷を含む特定の外傷後の外科的処置中の患者、および進行したアルツハイマー病を含む特定の病状に苦しむ患者に使用され得る。これらのデバイスには、気管内チューブ、気道デバイス、栄養チューブ、経口エアウェイ、鼻カニューレ、および他の多くのデバイスが含まれる。
【0004】
患者内に呼吸チューブを配置するプロセスは挿管と呼ばれる。喉頭鏡、ビデオ喉頭鏡、光ファイバスコープ、および他の専用のビデオスコープなどのデバイスが開発されており、これらは通常、患者に気管内チューブを挿入するために使用される。これらのデバイスは、初期配置のための精度を提供し得るが、気管内チューブが患者内に配置された後の画像の連続的な視覚化または可動性を提供しない。Vivasight SLまたはDL気管内チューブなどの新しいデバイスは、連続的な視覚化を提供するが、使い捨てカメラの1回の使用に依存し、1つの医療用デバイスから別の医療用デバイスに移し替えることができないため、コストがかかる。Totaltrack VLM声門上エアウェイには、その1つのデバイスのためだけに再利用可能な専用カメラがあり、それは、他の医療用デバイスに移し替えることができない。
【0005】
連続的な視覚化を提供する特定の医療用デバイスは、米国特許第9,357,905号、同第9,415,179号、同第9,918,618号、ならびに特許公開第US2016-0038008号、同第US2016-0038014号、および同第US2016-0262603号に説明されている。これらのデバイスでは、カメラが、遠位端で封止された別個のルーメンであるカメラチューブの内側に配置される。
【0006】
しかしながら、カメラとの互換性もありながら、容易、迅速、かつ確実に挿入および取り外しすることができる医療用デバイスが依然として必要である。配置中および配置が完了した後、例えば、気道分泌物、無呼吸、嘔吐、内出血などの患者の有害反応について容易にモニタリングすることができるデバイスが依然として必要である。また、患者を換気するために使用することができるデバイスが依然として必要である。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、カメラと互換性があり、気道の管理および/または患者の挿管に使用することができる医療用経口気道デバイスおよびアダプタを提供する。一人の施術者が、デバイスを使用して挿管処置を行うことができ、これにより、複数の技師および/または過度の持ち上げ力の必要性を排除する。喉頭鏡の使用も回避することができる。デバイスは、配置、換気、挿管、および/または抜管中の患者の喉頭および声帯の視覚化を確実にする。それらは、複数回または長期に及ぶ試行なしに、配置、交換、および/または取り外し処置を容易にする。本医療用デバイスは、一段階配置のために様々なツールを一緒に組み立て、多段階挿管プロセスの必要性を排除する。本医療用デバイスは、挿管が困難な患者を挿管するために、また、気道が損傷している患者の少なくとも一部において使用することができる。本医療用デバイスはまた、例えば嘔吐および/または閉塞などの有害反応について患者をモニタリングするのに好適である。
【0008】
一態様では、本開示は、遠位開口および近位開口を有する気管内チューブ(ETT)ルーメンを含む経口気道デバイスを提供する。この経口気道デバイスは、気管内チューブ(ETT)ルーメンを取り囲む壁によって形成された湾曲したチューブ状本体を含み、壁は遠位端および近位端を有し、壁は背側表面および腹側表面を有する。壁は、壁内の通路である2つ以上の中空チャネルをさらに含む。チャネルの各々は、壁の遠位/近位軸に沿って壁の少なくとも一部分に延びている。チャネルの各々は、壁からの出口である遠位開口、および壁の入口である近位開口を有する。壁は、壁の腹側表面にスリットを有し得、スリットは、ETTルーメン内へ開口している。
【0009】
別の態様では、本開示は、前方に湾曲し、壁によって作られたチューブ状本体を有する経口気道デバイスを提供し、壁は、遠位端と近位端との間の長さを有し、チューブ状本体は、遠位端における舌部で終端し、壁は、背側表面および腹側表面を有し、舌部は、背側表面および腹側表面を有し、壁は、中央ルーメンを取り囲み、中央ルーメンは、壁の近位端に位置する近位開口および壁の遠位端に位置する遠位開口を有し、中央ルーメンの遠位開口は、中央ルーメンを舌部の腹側表面上へ開口させ、中央ルーメンは、舌部の背側表面から第1の所定の角度で傾斜し、中央ルーメンは、気管内チューブまたはツールが中央ルーメン内に収容されているときに、気管内チューブまたはツールを舌部の腹側表面の上方に突出させ、経口気道デバイスは、中央ルーメンの遠位開口の前に、舌部の腹側表面に位置する中央ランプをさらに含み、壁は、壁内の中空通路であるカメラチャネルをさらに含み、カメラチャネルは、遠位/近位軸に沿って延び、カメラチャネルは、壁からの出口である遠位開口、および壁の入口である近位開口を有し、カメラチャネルの遠位開口は、カメラチャネルを舌部の腹側表面上へ開口し、カメラチャネルランプが、カメラチャネルの遠位開口の前および/または遠位開口の内側に位置付けられ、カメラチャネルは、舌部の背側表面から第2の所定の角度で傾斜し、カメラチャネルは、カメラがカメラチャネル内に収容されているときに、カメラを舌の腹側表面の上方に突出させ、経口気道デバイスは、舌部の腹側表面の周囲に形成された喉頭カフをさらに含む。いくつかの実施形態では、喉頭カフは、壁のスリットと整列されるスリットを含む。
【0010】
経口気道デバイスは、壁内の中空チャネルである胃チャネルをさらに含み得、胃チャネルは、壁の近位端に位置する近位開口、および壁の背側表面に開く遠位開口を有する。
【0011】
経口気道デバイスのいくつかでは、経口気道デバイスの喉頭カフは、舌部の腹側表面の周囲の遠位部分にのみ形成され、喉頭カフは、喉頭入口を完全には閉塞しないか、または喉頭カフは、存在せず、上部食道カフと交換され、経口気道デバイスは、スリットを有する周辺カフをさらに含み、周辺カフは、壁の遠位端の近位で壁を包被し、周辺カフのスリットは、壁のスリット上に整列されている。
【0012】
経口気道デバイスのいくつかでは、第1の所定の角度は、第2の所定の角度よりも大きい。
【0013】
これらの経口気道デバイスのいずれかでは、喉頭カフは、非インフレータブルもしくはインフレータブルであり得、または喉頭カフの側方部分のみがインフレータブルであり得、一方で、喉頭カフの遠位部分はインフレータブルではない。
【0014】
経口気道デバイスのいくつかでは、壁は、スリットを有さない。
【0015】
経口気道デバイスのいくつかでは、中央ルーメンの直径が、気管内チューブの直径よりも小さく、中央ルーメンは、気管内チューブを担持せず、経口気道デバイスは、患者を換気するために、バッグマスクとともに使用することができる。
【0016】
経口気道デバイスのいくつかは、少なくとも1つのカメラをさらに含み得、カメラは、カメラチャネル内へ挿入可能であり、カメラは、壁に組み込まれているか、カメラは、壁に封止されているか、または、カメラは、壁に沿ってスライド可能に接続されている。少なくとも1つのカメラは、1つ以上の遠隔の場所に位置付けられている1つ以上のモニタに、画像、心音、温度測定値、および/または呼吸音を無線で送信し得る。
【0017】
経口気道デバイスは、カメラチャネルの近位開口に挿入可能であり、かつ近位開口から取り外し可能なプラグ、および壁に取り付けられたクリップを有する中空チューブであるアクセサリキャップのうちの1つ以上をさらに含み得、アクセサリキャップは、中央ルーメンに挿入可能および中央ルーメンから取り外し可能であり、クリップは、スリットにおいて壁のエッジを一緒に保持することができる。経口気道デバイスのいくつかは、1つ以上のカメラを含み、カメラの各々は、カメラチャネルおよび/または中央ルーメンに挿入可能であるか、壁に組み込まれているか、壁に封止されるか、または壁に沿ってスライド可能に接続されている。
【0018】
経口気道デバイスのいくつかは、舌部の背側表面上に位置付けられている背側インフレータブルカフをさらに含む。
【0019】
経口気道デバイスのいくつかは、壁内の中空チャネルである周辺チャネルをさらに含み、周辺チャネルは、壁の近位端に位置する近位開口、および喉頭カフの近位で舌部の腹側表面に開口する遠位開口を有し、周辺チャネルは、周辺チャネルを壁の背側表面および/または側面に開口するスリットを有する。
【0020】
さらなる態様では、本開示は、遠位端と近位端との間の長さを有する壁によって形成されたチューブ状本体を含む経口気道デバイスを提供し、チューブ状本体は、前方に湾曲し、壁は、背側表面および腹側表面、ならびに2つの側面、すなわち、第1の側面および第2の側面を有し、経口気道デバイスは、3つのチャネル、すなわち、第1のチャネル、第2のチャネル、および第3のチャネルを含み、第2のチャネルおよび第3のチャネルは、壁の遠位-近位軸に沿った壁内の中空通路であり、2つのチャネルの各々は、壁の近位端における近位開口で開口し、チャネルの各々は、壁の遠位端における遠位開口で開口し、第1のチャネルは、第1の側面内に周辺的に位置し、壁の近位-遠位軸に沿って延びる溝であり、第1のチャネルは、少なくとも、壁の腹側表面および/または第1の側面の一部分で壁によって覆われず、第1のチャネルは、壁の近位端における近位開口で開口し、第1のチャネルは、壁の遠位端における遠位開口で開口し、第2のチャネルは、経口気道デバイスの中央に位置し、第2のチャネルは、第2のチャネルに挿入すること、および第2のチャネルから取り外すことができるカメラと互換性があり、第3のチャネルは、第2の側面内に周辺的に位置し、第3のチャネルは、第3のチャネルに挿入すること、および第3のチャネルから取り外すことができるカメラと互換性がある。
【0021】
これらの経口気道デバイスは、ハンドルに取り付けられているブレードを含む喉頭鏡と互換性があり、経口気道デバイスは、壁の腹側表面に取り付けられているホルダを有し、喉頭鏡のブレードは、ホルダに挿入可能およびホルダから取り外し可能である。
【0022】
さらなる態様では、本開示は、遠位端と近位端との間の長さを有するハンドルを含む経口気道デバイスを提供し、ハンドルは、気管内チューブを収容可能なセミルーメンとして形成され、ハンドルは、ハンドルの遠位端における舌部で終端し、舌部は、腹側表面および背側表面を有し、喉頭カフが、舌部の腹側表面の周囲または舌部の腹側表面の周囲の少なくとも一部分に形成され、舌部および喉頭カフは、喉頭マスクを構成し、経口気道デバイスは、ハンドルの近位-遠位軸に沿って延びるカメラチャネルを含み、カメラチャネルは、ハンドル内の中空通路であるか、またはカメラチャネルは、ハンドルに沿って取り付けられたチューブであり、カメラチャネルは、近位開口および遠位開口を有し、カメラチャネルの遠位開口は、舌部の腹側表面に位置し、セミルーメンは、舌部の腹側表面に遠位開口で開口し、喉頭カフは、インフレータブルであるか、非インフレータブルであるか、または喉頭カフのいくつかの部分がインフレータブルであり、一方で、喉頭カフの他の部分は非インフレータブルである。
【0023】
さらなる態様では、本開示は、患者を換気するための方法を提供し、方法は、本開示の経口気道デバイスのいずれかにおけるカメラチャネル内へ、カメラを挿入し、カメラによる連続的な視覚化の下で、患者の口腔内へ、カメラを有する経口気道デバイスのアセンブリを挿入し、患者の咽頭内にアセンブリを位置付けることと、アセンブリ内に閉鎖系ムを確立することと、人工呼吸器にアセンブリを接続することとを含む。方法は、経口気道デバイス内へ、ツールおよび/または吸引チューブのうちの少なくとも1つを挿入することをさらに含み得、閉鎖系は、経口気道デバイスの壁上に換気アダプタを配置すること、および/または、経口気道デバイスの中央ルーメン内へアクセサリキャップを挿入すること、のうちの少なくとも1つによって確立される。
【0024】
本開示のさらなる態様は、患者の気道を管理するためのシステムを含み、システムは、
【0025】
本開示のカメラチャネルを有する経口気道デバイスのいずれかと、
【0026】
カメラチャネルに挿入可能およびカメラチャネルから取り外し可能なカメラと、
【0027】
経口気道デバイス内に閉鎖系を確立するための少なくとも1つのキャップを有する人工呼吸器アダプタと、を含む。
【0028】
本開示のさらなる態様は、患者に挿管するための方法を含み、方法は、
a)本開示の経口気道デバイスの中央ルーメン内へ気管内チューブを挿入することと、
b)患者内に、ステップa)のアセンブリを位置付け、カメラによる視覚化の下で、声帯を通して気管内チューブを挿入することと、
c)スリットを通して、経口気道デバイスから気管内チューブを分離することと、
d)気管内チューブが挿入されたままである間に、患者から経口気道デバイスを取り外すことと、を含む。
【0029】
本開示のさらなる態様は、本開示の経口気道デバイス内に配置された第1の気管内チューブが挿管された患者において、抜管するか、または気管内チューブを交換するための方法を含み、方法は、
a)経口気道デバイスのカメラチャネル内に配置されたカメラからの連続的な視覚化の下で、経口気道デバイスが患者内に配置されたままである間に、患者から第1の気管内チューブを取り外すことと、
b)第1の気管内チューブを交換する必要がある場合は、依然として患者内に配置されている経口気道デバイスの中央ルーメン内へ第2の気管内チューブを挿入して、カメラによる連続的な視覚化の下で、患者の声帯を通して、第2の気管内チューブを配置することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】周辺カメラチャネルを含む経口気道デバイスを示す。
【
図1B】周辺カメラチャネルを含むカフ付き経口気道デバイスを示す。
【
図1C】
図1Bの経口気道デバイスに装填された気管内チューブおよび吸引チューブを示す。
【
図1D】
図1Bの経口気道デバイスからの気管内チューブの取り外しを示す。
【
図1F】フラップが押し離されている
図1Aの経口ウェイデバイスの遠位端を示す。
【
図1G】
図1Aの経口ウェイデバイスの遠位端を示し、食道チャネルのスリットの広がる間隙を示す。
【
図1I】カメラチャネルが経口気道デバイスの背側の中央に位置する経口気道デバイスを示す。
【
図1K】カメラチャネルが経口気道デバイスの背側の中央に位置し、食道チャネルがスリットを含む経口気道デバイスを示す。
【
図1L】非インフレータブルのカフを含む
図1Iの経口気道デバイスを示す。
【
図1M】中央カメラチャネルおよび周辺ETTルーメンを含む経口気道デバイスを示す。
【
図1P】遠位カフおよび延長された食道チャネルをさらに含む、
図1Mの経口気道デバイスの遠位部分を示す。
【
図1T】スリットを有する経口気道デバイス用の人工呼吸器アダプタを示す。
【
図1U】スリットを有する経口気道デバイス上に配置された
図1Tの人工呼吸器アダプタを示す。
【
図1V】スリットを有する経口気道デバイス用の人工呼吸器アダプタの別の実施形態を示す。
【
図2】3つの周辺チャネルを有する経口気道デバイスを示す。
【
図3A】3つの周辺チャネルおよびインフレータブルなカフを有する経口気道デバイスを示す。
【
図3B】
図3Aの経口気道デバイスに装填された気管内チューブを示す。
【
図3C】
図3Aの経口気道デバイスから取り外される過程にある気管内チューブを示す。
【
図4A】本開示による経口気道デバイスの別の実施形態を示す。
【
図4B】インフレータブルなカフを含む
図4Aの経口気道デバイスを示す。
【
図4C】
図4Aの経口気道デバイスへの気管内チューブの装填およびカメラの挿入を示す。
【
図4D】
図4Aの経口気道デバイスに装填されている気管内チューブおよび挿入されているカメラを示す。
【
図4G】周辺チャネルのうちの1つ内へ挿入されているプラグを有する
図4Bの経口気道デバイスを背側表面から示す。
【
図4J】第3の周辺チャネルを有する経口気道デバイスを示す。
【
図5A】本開示による経口気道デバイスの別の実施形態を示す。
【
図5B】
図5Aの経口エアウェイのチャネルのうちの1つ内へ挿入されているカメラを示す。
【
図5C】
図5Aの経口エアウェイの別のチャネル内へ挿入されているカメラを示す。
【
図5D】カメラがチャネルのうちの1つ内へ挿入されている
図5Aの経口気道デバイスの遠位端を示す。
【
図5E】カメラがチャネルのうちの1つ内へ挿入されている、光源を含む
図5Aの経口気道デバイスの遠位端を示す。
【
図5F】
図5Aの経口気道デバイスのチャネルのうちの1つ内へ挿入されているブジーを示す。
【
図6】経口気道デバイス本体に沿って外側に開口している周辺チャネルを有する経口気道デバイスを示す。
【
図7A】気管内チューブと組み合わされているアダプタの一実施形態を示す。
【
図7B】気管内チューブと組み合わされているアダプタの別の実施形態を示す。
【
図8A】本開示によるアダプタのさらなる実施形態である。
【
図8B】気管内チューブおよびカメラと組み合わされている
図8Aのアダプタを示す。
【
図8C】2つの中空チューブおよび支柱ロッドを含むアダプタの別の実施形態を示す。
【
図8D】
図8Cのアダプタ内へ挿入されているブジーおよびカメラを示す。
【
図8E】カメラに取り付けられた中空チューブを含むアダプタの別の実施形態を示す。
【
図8G】本開示によるアダプタの別の実施形態を示す。
【
図8H】
図8Gのアダプタ内へ挿入され回転されているカメラを示す。
【
図8I】気管内チューブに挿入されている、
図8Gのアダプタを有するカメラのアセンブリを示す。
【
図8J】カメラを収容しているアダプタが挿入されている
図8Iの気管内チューブを示す。
【
図8K】
図8Cのアダプタを介してカメラと組み合わされている気管支鏡を示す。
【
図8M】
図8Kの気管支鏡およびカメラを収容している
図8Kのアダプタを、気管支鏡のハンドルを反時計回りにトグル操作することでどのように操作することができるかを示す。
【
図8N】
図8Kの気管支鏡およびカメラを収容している
図8Kのアダプタを、気管支鏡のハンドルを時計回りにトグル操作することでどのように操作することができるかを示す。
【
図9B】
図9Aの経口気道デバイスの中央ルーメンの長手方向断面図である。
【
図9C】
図9Aの経口気道デバイスのカメラチャネルの長手方向断面図である。
【
図9D】
図9Aの経口気道デバイスの胃チャネルの長手方向断面図である。
【
図9E】
図9Aの経口気道デバイスの中央ランプの詳細を示す。
【
図9F】気管内チューブ、カメラ、および吸引チューブと組み立てられている
図9Aの経口気道デバイスを示す。
【
図9G】気管内チューブ、カメラ、および吸引チューブと組み立てられている
図9Aの経口気道デバイスを示す。
【
図9H】スリットを通して
図9Gのアセンブリから分離されている気管内チューブを示す。
【
図9I】喉頭カフおよび遠位インフレータブルカフを有する経口気道デバイスを示す。
【
図9M】
図9Lの経口気道デバイスの拡大された遠位部分である。
【
図9N】
図9Aの経口気道デバイス内へのアクセサリキャップの挿入を示す。
【
図9O】
図9Nのクリップ付きアクセサリキャップの断面図を示す。
【
図9P】
図9Nのアクセサリキャップの一部分の拡大側面図である。
【
図9R】カメラおよびケーブル用のスリットを有するアダプタを示す。
【
図9S】カメラおよびケーブルを収容している
図9Rのアダプタを示す。
【
図9U】別のカメラを収容する
図9Aの経口気道デバイスと組み合わされている
図9Sのアセンブリを示す。
【
図9V】
図9Aの経口気道デバイスおよび気管内チューブと組み合わされている
図9Sのアセンブリを示す。
【
図9W】
図9Aの経口気道デバイスのチューブ状本体の壁の断面図である。
【
図9X】バッグマスクと互換性がある経口気道デバイスを示す。
【
図10A】周辺チャネルを有し、喉頭鏡と互換性がある経口気道デバイスを示す。
【
図10C】ブジーおよびカメラと組み立てられている
図10Aの経口気道デバイスを示す。
【
図11A】ハンドルおよびカメラチャネルを有する喉頭マスクを示す。
【
図12A】本開示による経口気道デバイスの別の実施形態を示す。
【
図12B】本開示による経口気道デバイスの別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、患者の換気、挿管、およびモニタリングを含む気道管理のための医療用デバイスを提供する。本開示はまた、患者における気道管理デバイスの迅速かつ正確な配置、および配置後の患者の遠隔連続リアルタイムモニタリングのための方法を提供する。
【0032】
本デバイスは、入口および出口を有する少なくとも1つの中空チャネルを含む。本デバイスは、チャネル内へ挿入することができるカメラと互換性がある。したがって、患者の換気、挿管、および/または抜管は、連続的な視覚化の下で実施される。デバイスはまた、心音、音響伝達、および温度をモニタリングすることもできる。
【0033】
本デバイスと互換性があるカメラは、電源コードに結合されたデジタルカメラを含み得る。デジタルカメラは、CCD(電荷結合デバイス)および/またはCMOS(相補型金属酸化物半導体)センサを含み得る。キャプチャされた画像は、有線または無線で送信され得る。カメラはまた、呼吸音および心音を含む音響をモニタリングするための手段を備え得る。カメラはケーブルに接続され得る。カメラは、1つ以上の遠隔の場所に、画像、音響、および心音を無線で送信し得る。したがって、患者は遠隔で、および異なる場所からモニタリングすることができる。これは、ファーストレスポンダが現場で緊急救助換気をすぐに行わなければならないときに役立ち得る。そのような緊急配置は、本デバイスでは、例えば、病院および/または緊急処置室内で遠隔に位置する電話機および/またはコンピュータ画面などのモニタに、画像および音響を送信し得るカメラ助けを借りて、遠隔で案内および/または評価することができる。
【0034】
本開示では、同じ要素がいくつかの異なる図面に現れる場合、その要素は同じ参照番号によって参照され得る。要素が一実施形態に関連して説明される場合、他の実施形態もこの要素を含み得ることを理解されたい。要素が第1の実施形態において詳細に説明され、その後、その要素が他の後続の実施形態に関連して同じ参照番号で参照される場合、第1の実施形態からの説明は、その説明が後続の実施形態に関連して再び完全に繰り返されない場合でも適用される。
【0035】
一態様では、本開示は、呼吸チューブを送達するためのスリットを有する気管内チューブ(ETT)ルーメンと、1つ以上のカメラ、ならびにブジーおよび胃吸引チューブを含むがこれらに限定されない追加のツールとの堅牢な組み立てのための1つ以上の追加のチャネルとを含む経口気道デバイスを提供する。経口気道デバイスはまた、配置を迅速に完了し、食道挿管および/または声帯への損傷のリスクを最小限に抑えることができるように、声帯を通る気管内チューブの進入のための最適な角度を保証するランプを含む。経口気道デバイスはまた、患者を換気するためにも使用することができる。経口気道デバイスは、呼吸音および心拍の連続的な視覚化およびモニタリングを提供する。したがって、換気および/または挿管されている患者は、必要に応じて、嘔吐、出血、閉塞、ならびに気管内チューブおよび/または経口気道デバイスの交換を必要とする可能性のある身体の任意の機能停止を含む有害反応について、連続的かつ遠隔的にモニタリングすることができる。経口気道デバイスはまた、配置、挿管、および抜管中の連続的なモニタリングも提供する。経口気道デバイスは、ETTルーメンにつながるスリットを含むため、気管内チューブが配置された後、気管内チューブが挿入されたままである間に、経口気道デバイスを気管内チューブから分離して取り外すことができる。経口気道デバイスのいくつかはまた、経口気道デバイスのETTルーメンを通して患者を換気するために必要なシールを形成する喉頭カフも含む。経口気道デバイスは、小児患者や、肥満患者を含む異なる身長および体重の成人に対応するために、異なるサイズで作ることができる。
【0036】
【0037】
図1Aを参照すると、全体として460である、本開示による経口気道デバイスの一実施形態が提供されている。経口気道デバイス460は、患者内への経口気道デバイス460の挿入中に、デバイス460が患者の口蓋の輪郭に従うように湾曲したチューブ状本体である。
【0038】
経口気道デバイス460の湾曲したチューブ状本体は、遠位端462Aおよび近位端462Bを有する壁462によって作られている。
【0039】
本開示では、「デバイスの近位端」とは、患者の体内へのデバイスの挿入中に、施術者に最も近い端を意味する。本開示では、「デバイスの遠位端」とは、デバイスの近位端と反対側の端を意味する。遠位端は、最初に患者内へ挿入される端である。遠位端はまた、患者へのデバイスの挿入中に、施術者に対して最も遠位の端であると見なされる。
【0040】
経口気道デバイス460では、壁462が患者の口蓋の輪郭に従うように、壁462は、遠位-近位462A-462B軸に沿って湾曲している。壁462はアーチを形成する。壁462は、背側表面462Cおよび腹側表面462Dを有する。アーチの湾曲のために、壁462の長さは、腹側表面462D上よりも背側表面462C上の方が長い。
【0041】
典型的には、腹側表面462Dは、口腔内へのデバイス460の挿入中に患者の舌と接触している。背側表面462Cは、腹側表面462Dの反対側にある。
【0042】
本開示では、デバイスの腹側表面は、患者の口腔内への挿入中に患者の舌と接触している表面である。遠位表面は、腹側表面の反対側にある表面である。本開示では、側方表面または側面は、背側表面と腹側表面との間に位置する表面である。本開示における経口気道デバイスは、2つの側面、すなわち、左側面および右側面を有する。
【0043】
図1Aの図面には、腹側表面462Dおよび右側面462Rが示されている。左側面462Lは、右側面462Rの反対側にあり、
図1Aの図面では見えない。
図1Aの図面では、背側表面462Cの一部分のみが見える。
【0044】
壁462は、ルーメン468を取り囲んでいる。ルーメン468は中空であり、壁462の遠位端462Aに近接して遠位開口468Aを有する。ルーメン468は、壁462の近位端に近位開口468Bを有する。
【0045】
例えば、気管内チューブ、または患者の気道を管理するのに好適な他の任意のツールもしくはデバイスなどの医療用デバイスは、遠位-近位軸462A-462Bに沿って延びるスリット466に沿って壁462を開くことによって、ルーメン468内に配置するか、またはルーメン468から取り外すことができる。
【0046】
図1Aの実施形態では、壁462は、腹側表面462D上に遠位-近位462A-462B軸に沿って延びるスリット466を有する。他の実施形態では、施術者がスリット466を通ってルーメン468にアクセスすることができるようにスリット466が位置している限り、スリット466は、壁462の他の表面に配置されてもよい。
【0047】
壁462は、例えば、プラスチックまたはゴムなどの可撓性材料で作られている。したがって、気管内チューブがルーメン468内に装填されると、壁462は、スリット466に沿って元の位置に閉じることができ、気管内チューブを所定の位置に保持する。
【0048】
したがって、ルーメン468の用途の1つは、患者への気管内配置中に気管内チューブを送達することである。したがって、ルーメン468は、本開示では気管内チューブ(ETT)ルーメンと呼ばれ得る。しかしながら、ETTルーメン468は、他の呼吸チューブ、ならびに/または気道管理に好適なツールおよび/もしくはデバイスの送達に使用され得ることを理解されたい。以下により詳細に論じられるように、ETTルーメン468自体を、必要に応じて患者を換気するために使用することができる。したがって、デバイス460は、気道を管理するための気管内チューブの有無にかかわらず使用することができる。
【0049】
図1Aの図面では、ETTルーメン468は、経口気道デバイス460の湾曲したチューブ状本体の中央に位置付けられていることを理解されたい。他の実施形態では、また、以下により詳細に論じられるように、ETTルーメン468は、経口気道デバイス460の湾曲したチューブ状本体内に周辺的に位置付けられ得る。
【0050】
経口気道デバイス460は、スリットを有さない従来の経口気道デバイスと比較して、いくつかの技術的利点を提供する。第1に、スリット466において壁462を開くことにより、経口気道デバイス460のETTルーメン468内に、気管内チューブもしくは他の任意の呼吸チューブ、または、ツールもしくはデバイスを装填することがはるかに容易である。
【0051】
第2に、気管内チューブが患者内に挿入された後、気管内チューブが依然として患者内に挿入されて所定の位置にあるままである間に、最初に患者からアセンブリ全体を取り外す必要なしに、経口気道デバイス460を患者から分離および取り外すことができる。
【0052】
図1Aの図面では、壁462は、2つのフラップ、462Eおよび462Fを有し、スリット466の各側に1つずつある。フラップ462Eおよび462Fは、ETTルーメン468内に装填された、例えば、気管内チューブなどのデバイスを所定の位置に保持し、患者内への挿入中のETTルーメン468からの気管内チューブの滑脱を防ぐ。
【0053】
他の実施形態では、スリット466はフラップを有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、壁462のエッジが、スリット466において接触し得る。他の実施形態では、スリット466における壁462のエッジ間に間隙がある。
【0054】
図1Aの図面では、ETTルーメン468の少なくとも一部の近位部分は、腹側表面462D上で壁462によって覆われていない。したがって、ETTルーメン468の一部の近位部分は、腹側表面462D上で露出している。壁462がフラップを有さない他の実施形態では、ETTルーメンの少なくとも一部の近位部分は、依然として壁462によって覆われていなくてもよい。ETTルーメン468の一部分を露出させることにより、気管内チューブまたは他のツール/デバイスのETTルーメン468内への挿入およびETTルーメン468からの取り外しが容易になる。
【0055】
他の実施形態では、スリット466は、依然としてETTルーメン468へのアクセスを提供し得るが、壁462の近位端462Bから遠位端462Aまで完全にまたはほぼ完全に延びている。これらの実施形態では、腹側表面462D上で壁462によって覆われていないETTルーメン468がないか、またはそのごくわずかな部分のみが覆われていない。これらの実施形態では、(図示せず)2つ以上のフラップ(図示せず)が、遠位-近位462A-462B軸に沿ってスリットの各側に位置付けられ得る。
【0056】
いくつかの他の実施形態では、スリット466は、壁462のエッジが、スリット466の長さに沿って接触するか、またはほぼ接触するように細くてもよい。他の実施形態では、スリット466は、スリット466に沿って壁462のエッジ間に常に間隙があるように間隙を有する。
図1Aの図面では、スリット466は、腹側表面462D上にある。他の実施形態(図示せず)では、スリット466は、依然としてETTルーメンへのアクセスを提供するが、スリット466は、背側表面462C上、または腹側表面以外のある場所に位置付けられ得る。例えば、背側表面と腹側表面との間である。
【0057】
遠位端462Aにおいて、壁462は、背側表面462C上の舌部470で終端する。舌部470の遠位端470Aは、楕円形または円形であり得る。舌部470は、その遠位端470Aで先細になっている。舌部470は、患者の口腔および咽頭を通す経口気道デバイス460の挿入中に、患者の組織を優しく押し離すために使用される。舌部470は、壁462から遠位に突出している。
【0058】
舌部470の内表面462Gに取り付けられたランプ471がある。ランプ471は、舌部470の近位に、かつETTルーメン468の遠位開口468Aの遠位に位置付けられている。
【0059】
ランプ471は、舌部の内表面462Gの表面の上方に持ち上げる。ランプ471の機能は、例えば、気管内チューブなどのETTルーメン468内に装填されたデバイスの遠位端を、内表面462Gの表面の上方に持ち上げて支持することである。
【0060】
壁462は、少なくとも2つの中空チャネル、472および474を有する。チャネル472は、壁462内の中空の通路である。チャネル472は、
図1Aの実施形態では、ETTルーメン468に対して周辺的に位置付けられている。他の実施形態では、ETTルーメン468が周辺的に位置付けられてもよく、また、チャネル472が中央に位置付けられてもよい。チャネル472は、カメラ、または他のいくつかのツールもしくはデバイスを挿入するために使用され得る。したがって、チャネル472は、本開示ではカメラチャネル472と呼ばれ得る。チャネル472は、他のツールおよびまたはデバイスの挿入に使用されてもよいことを理解されたい。
【0061】
カメラチャネル472は、カメラチャネル472への入口であり、壁462の近位端462Bに位置付けられている近位開口472Bを有する。カメラチャネル472は、壁462の遠位-近位462A-462B軸に沿って延びている。カメラチャネル472は、カメラチャネル472からの出口である遠位開口472Aで終端する。
図1Aの図面では、遠位開口472Aは、壁462の遠位端462Aの近くに位置付けられている。他の実施形態では、カメラチャネル472の長さは、より短くてもよく、遠位開口472Aは、壁462の長さに沿ったどこでも、例えば、壁の長さの3分の2に毒されていてもよい。
【0062】
カメラチャネル472の遠位開口472Aは、好ましくは、カメラがカメラチャネル472から遠位に突出することができるように封止されていない。いくつかの実施形態では、カメラがカメラチャネル472内に位置している間に、封止された窓を通して画像をキャプチャすることができるように、遠位開口472Aは、透明な材料(
図1Aの図面には図示せず)で封止される。
【0063】
カメラチャネル472の近位開口472Bを通して、カメラ(図示せず)を挿入することができる。カメラは、チャネル472の遠位開口472Aから突出することができる。患者の器官の視覚化に好適な任意のカメラを、経口気道デバイス460内で使用することができる。カメラは、カメラチャネル472に挿入可能およびカメラチャネル472から取り外し可能である。カメラチャネル472の遠位開口472Aにおけるカメラの位置は、配置中の患者の組織、および患者の口腔を通って咽頭に入る経口気道デバイス460の通過をモニタリングするために、必要に応じて調整することができる。経口気道デバイス460は、カメラを備えていると、患者の喉頭および声帯の連続的な視覚化を提供することができる。これにより、正確かつ迅速な配置が容易になり、複数回の長時間にわたる試行が回避される。
【0064】
いくつかの他の実施形態では、経口気道デバイス460は、壁462に組み込まれるか、壁462に封止されるか、または壁462に沿ってスライド可能に接続される少なくとも1つのカメラ(図示せず)を含み得る。さらなる実施形態では、経口気道デバイス460は、複数のカメラを含み得る。
【0065】
少なくとも1つ以上のカメラは、1つ以上のモニタに画像を無線で送信し得、モニタのうちの少なくともいくつかは、1つ以上の遠隔の場所に位置付けられ得る。カメラ少なくともいくつかは、画像、さらには心音および音響を送信するための機能を有し得る。
【0066】
さらなる実施形態では、経口気道デバイス460は、壁462に組み込まれ得る食道聴診器(図示せず)を含み得るか、または食道聴診器は、チャネル472、ETTルーメン、および/またはチャネル472内へ挿入可能であり得る。さらなる実施形態では、経口気道デバイス460は、食道聴診器(図示せず)と組み合わされ得る温度プローブ(図示せず)を含み得るか、または温度プローブは、壁462に組み込まれ得るか、または温度プローブは、チャネル472、ETTルーメン、および/またはチャネル472内へ挿入可能であり得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、カメラチャネル472は、壁462内の中空の通路であり、カメラチャネル472は、ETTルーメン468から完全に分離されている。
【0068】
他の実施形態では、カメラチャネル472は、間隙またはスリットでETTルーメン468に接続されているセミルーメンである。さらなる実施形態では、壁462の表面の1つにカメラチャネル472の長さに沿って延びるスリットがある。カメラは、スリットを通して引っ張られることによって、カメラチャネル472に容易に挿入し、カメラチャネル472から取り外すことができる。
【0069】
図1Aの実施形態では、経口気道デバイス460は、第2のチャネル474を含む。他の実施形態では、チャネル474はない場合がある。いくつかの他の実施形態では、1つよりも多いチャネル474が存在する。
【0070】
チャネル474は、壁462内の中空の通路である。チャネル474は、チャネル474内に吸引チューブを挿入することにより、流体を吸引するために使用することができる。本開示では、チャネル474は、食道チャネル474と呼ばれ得る。食道チャネル474は、胃内容物を吸引するために、および嘔吐を防ぐために使用され得る。
【0071】
食道チャネルはまた、ブジー、スタイレット、鉗子、食道聴診器、および/またはカメラを含むがこれらに限定されない他のツールを挿入するためにも使用することができる。
【0072】
食道チャネル474は、壁462の遠位-近位462A-462B軸に沿って延びている。
図1Aの実施形態では、食道チャネル474は、ETTルーメン468に対して周辺的に位置している。
図1Aに見られるように、チャネル472および474は、チャネル472および474の間に位置付けられているETTルーメン468に隣接している。
【0073】
他の実施形態では、カメラチャネル472は、以下により詳細に論じられるように、背側表面462Cの中央に位置付けられ得る。他の実施形態では、食道チャネル474は、以下により詳細に論じられるように、背側表面462Cの中央に位置付けられ得る。
【0074】
さらに他の実施形態では、ETTルーメン468は、以下により詳細に論じられるように、周辺的に位置付けられ得る。
【0075】
しかしながら、経口気道デバイス460のすべての実施形態において、ETTルーメン468、カメラチャネル472、および食道チャネル474の相対的な位置付けは、施術者が、ETTルーメンおよび/または食道チャネル474から突出するカメラツール/デバイスを使用することによって視覚化することを可能にするようなものである。
【0076】
食道チャネル474は、壁462の近位端462の近くの近位開口474Bで開口している。近位開口474Bは、食道チャネル474内へツールを挿入することができる入口である。
【0077】
食道チャネル474は、壁462の遠位端462Aに近接した出口である遠位開口474Aで終端する。チャネル474内へ挿入されるツールまたはカメラは、遠位端474Aからチャネル474から遠位に突出し得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、食道チャネル474は、舌部470を通って舌部先端470Aまで延長することができる。この実施形態では、遠位開口474は、壁462の遠位端462Aの遠位に位置している。
【0079】
例えば、吸引チューブ(図示せず)などのツールを、近位開口474Bを通して食道チャネル474内に挿入することができる。吸引チューブ(またはチャネル474内に挿入されている他の任意のツール)は、チャネル474の遠位開口474Aから突出することができる。食道チャネル474は、ブジー、スタイレット、カメラ、聴診器、温度プローブ、音響モニタリングおよび/または心音デバイスを収容するために使用することができ、これらは、カメラ、鉗子、および/または患者の挿管およびまたは抜管中に使用される他の任意のツールと組み合わせられ得る。
【0080】
これらのツールはいずれも、食道チャネル474および/またはカメラチャネル472に挿入可能および食道チャネル474および/またはカメラチャネル472から取り外し可能であり、これらのツールを収容するために必要に応じて使用することもできる。遠位開口474Aでのツールの位置は、患者の組織を操作するため、および/または必要に応じてサクションを提供するために、必要に応じて調整することができる。いくつかの実施形態では、食道チャネル474は、壁462内の通路であり、食道チャネル474は、ETTルーメン468から完全に分離されている。
【0081】
他の実施形態では、食道チャネル474は、
図1Aに示されるように、スリット475でETTルーメン468に接続されているセミルーメンである。食道チャネル474の長さに沿って延びるスリット475。
図1Aの実施形態では、スリット475は、ETTルーメン468内へ開口している。他の実施形態では、スリット475は、壁462上で外側に開いていてもよい。
【0082】
2つのチャネル472および474の個々の位置は、壁462内で異なり得るが、チャネル472および474の相対的な位置付けは、カメラがカメラチャネル472内に挿入され、カメラチャネル472の遠位開口472Aから突出するときに、食道チャネル474内へ挿入され、食道チャネル474の遠位開口474Aから突出するツールの遠位端を、カメラが視覚化することができるようなものである。したがって、必要に応じて、ツールの操作をカメラで視覚化することができる。
【0083】
経口気道デバイス460は、いくつかのツールを一緒に組み立てるので、一人の施術者が、経口気道デバイス460の配置を行うことができる。異なるツールを操作するために、複数の技師を関与させる必要はない。
【0084】
図1Aの図面では、カメラチャネル472は、腹側表面462D上、または腹側表面462Dの近くでチャネル472の遠位開口472Aが開口するように、壁462内に位置付けられている。チャネル474は、その遠位開口474Aが、壁462の背側表面462C上、または背側表面462Cの近くで開口するように位置付けられている。他の実施形態では、カメラチャネル472は、背側表面462C上、または背側表面462Cの近くでチャネル472の遠位開口472Aが開口するように、壁462内に位置付けられている。食道チャネル474は、その遠位開口474Aが、壁462の背側表面462C上、または背側表面462Cの近くで開口するように位置付けることができる。
【0085】
当業者によって理解され得るように、いくつかの実施形態では、チャネル472および474は、交換可能であり得る。すなわち、必要に応じて、カメラを2つのチャネルのいずれかに挿入することができる。さらなる実施形態では、デバイス460は、壁462内に、2つよりも多いチャネルを有し得る。これらの追加のチャネルは、ETTルーメン468に対して周辺的に位置し得る。いくつかの処置では、必要に応じて、カメラをETTルーメン468内へ配置することもできる。
【0086】
図1Aの実施形態では、壁462は不均一な厚さを有する。壁462の厚さは、典型的には中空の通路であるチャネル472および474を壁462内に収容するために、壁462の背側表面上、および/または背側表面462Cと腹側表面462Dとの間の側面462Lおよび/または462Rにおいてより大きくてもよい。他の実施形態では、壁462の厚さは、経口気道デバイス460の周囲で同じまたはほぼ同じであり得る。
【0087】
図1Bは、経口気道デバイス460のさらなる実施形態を提供する。
図1Bの実施形態における経口気道デバイス460はカフ476を含むことを除いて、すべての要素は、
図1Aに関連して説明されたとおりである。カフ476は、壁462の周囲に取り付けられ、ETTルーメン468の遠位開口468Aの近位で壁462を包被する。カフ476は、手段478で膨張させることができる。必要に応じて、閉鎖系を確立し、患者を換気するために、デバイス460が患者内へ挿入された後、カフ476は膨張する。カフ476は、壁462に取り付けられ、スリット466を越えないので、カフ476が膨張していないときに、カフ476が壁462に取り付けられている領域内で、スリット466において壁462のエッジを依然として引き離すことができる。
図1Bの実施形態では、カフ476は、インフレータブルであるが、他の実施形態では、カフ476は、インフレータブルではない柔らかいドーナツ状のクッションであり得る。
【0088】
図1Cは、気管内チューブ480および吸引チューブ482を示し、これらは両方とも、経口気道デバイス460内へ挿入されている。
図1Aおよび
図1Bに関連して説明されたような経口気道デバイス460のすべての要素。
図1Cに見られるように、気管内チューブ480は、ETTルーメン468内へ挿入されている。気管内チューブ480の遠位端480Aは、ETTルーメン468の遠位開口468Aから突出している。気管内チューブ480は、ランプ471によって内表面462Gの表面の上方に持ち上げられている。これは、患者内へのデバイス460の挿入中に、気管内チューブ480の遠位端480Aが、デバイス460の表面、および/または患者の組織に接して押したり引きずったりするのを防ぐという技術的利点を提供する。
【0089】
したがって、ランプ471の助けを借りて、かつ、カメラチャネル472内へ挿入されたカメラからの連続的な視覚化の下で、気管内チューブ480の位置が案内され、気管内チューブ480が、折り畳み、曲げ、さもなければ挿入の完了を妨げることが防止されるため、気管内チューブ480(またはETTルーメン468内に装填された他の任意のデバイス)の挿入をより速く達成することができる。
【0090】
経口気道デバイス460は、いくつかのカメラを組み合わせるための機能を提供し、カメラの各々は、異なる場所に位置付けられ、したがって、異なる角度からの患者の組織のビューを提供する。これにより、気管内チューブの配置の精度が向上する。
【0091】
図1Cの図面では、吸引チューブ482が食道チャネル474内へ挿入されている。吸引チューブ482の遠位端482Aは、チャネル474の遠位開口474Aから突出している。カメラチャネル472に挿入可能およびカメラチャネル472から取り外し可能であるカメラと同様に、吸引チューブ482もまた、食道チャネル474に容易に挿入し、かつ食道チャネル474から取り外すことができる。
【0092】
図1Dの図面を参照すると、スリット466を通して引っ張られることによって、気管内チューブ480を、経口気道デバイス460からどのように分離することができるかが示されている。これにより、経口気道デバイス460が依然として患者内に配置されている間に、施術者が、必要に応じて気管内チューブを容易に取り外しおよび/または交換することができる。あるいは、気管内チューブ480が患者に挿入されて所定の位置にあるままである間に、経口気道デバイス460を患者から容易に取り外すことができる。これは、挿管および抜管を複数回実施する必要がないという技術的な利点を提供する。
【0093】
図1Dの図面にも示されているように、吸引チューブ482は、食道チャネル474のスリット475から、経口気道デバイス460から容易に取り外すことができる。したがって、施術者は、経口気道デバイス460が患者内に挿入されたままである間に、吸引チューブ482、または例えば、ブジーなどの他の任意のツールを取り外すことができる。
【0094】
図1E、
図1Fおよび
図1Gを参照すると、それらは、経口気道デバイス460の遠位端における詳細の拡大図である。これらの図面では、経口気道デバイス460は、腹側表面462Dから示されている。
【0095】
すべての要素には、
図1A~
図1Dに関連するのと同じやり方でラベルが付けられている。
図1Eでは、壁462の腹側表面462Dの近くに位置付けられたカメラチャネル472の遠位開口472Aを見ることができる。この実施形態では、カメラチャネル472は、ETTルーメン468から分離された通路である。食道チャネル474の遠位開口474Aは、壁462の背側表面462Cの近くに位置付けられている。
図1Eでは、食道チャネル474は、食道チャネル474の長さに沿って延び、食道チャネル474をETTルーメン468内へ開口させるスリット475を有する。これは、ブジーまたはスタイレットが食道チャネル474に配置された経口気道デバイス460の配置を案内するのに役立つ。
【0096】
図1Eの実施形態から分かるように、ETTルーメン468は、チャネル472と474との間に位置付けられている。
図1Fに示されるように、例えば、気管内チューブなどのデバイスを、経口気道デバイス460のETTルーメン468内に装填することができるように、フラップ462Eおよび462Fをわきへ押しのけることができる。
【0097】
図1Gに示されるように、壁462および/またはチャネル474の少なくとも一部分が可撓性材料で作られているので、スリット475を間隙まで広げることもできる。スリット475は、食道チャネル474からの吸引チューブまたは他の任意のツールの取り外しを容易にする。
【0098】
図1Hは、経口気道デバイス460の長手方向断面図である。すべての要素には、
図1A~
図1Gに関連するとおりにラベルが付けられている。
【0099】
図1Iには、経口気道デバイス460のさらなる実施形態が示されている。
図1Aに関連して論じられたように、経口気道デバイス460は、患者内への経口気道デバイス460の挿入中に、デバイス460が患者の口蓋の輪郭に従うように湾曲したチューブ状本体である。
【0100】
経口気道デバイス460の湾曲したチューブ状本体は、遠位端462Aおよび近位端462Bを有する壁462によって作られている。壁462が患者の口蓋の輪郭に従うように、壁462は、遠位-近位462A-462B軸に沿って湾曲している。壁462はアーチを形成する。壁462は、背側表面462Cおよび腹側表面462Dを有する。アーチの湾曲のために、壁462の長さは、腹側表面462D上よりも背側表面462C上の方が長い。腹側表面462Dは、経口デバイス460が患者内に配置されたときに患者の舌と接触している。
【0101】
壁462は、腹側表面462D上に遠位-近位462A-462B軸に沿って延びるスリット466を有する。壁462は、ETTルーメン468を取り囲んでいる。ETTルーメン468は中空であり、壁462の遠位端462Aに遠位開口468Aを有する。ETTルーメン468は、壁462の近位端に近位開口468Bを有する。スリット466は、ETTルーメン468に通じている。
【0102】
図1Aの図面の実施形態とは異なり、
図1Iの実施形態における壁462はフラップを有さないが、ETTルーメン468の一部の近位部分が依然として腹側表面462D上で壁462によって覆われていない。したがって、ETTルーメン468の一部の部分が露出しており、これにより、ETTルーメン468への気管内チューブの挿入および取り外しが容易になる。
【0103】
遠位端462Aにおいて、壁462は、背側表面462C上の舌部470で終端する。舌部470の遠位端470Aは、楕円形または円形であり得る。舌部470は、その遠位端470Aで先細になっている。舌部470は、デバイス460の挿入中に、患者の組織を優しく押し離すために使用される。舌部470は、壁462から遠位に突出している。
【0104】
舌部470の内表面462Gの表面に各々取り付けられた2つのブロック、490および492を含むランプ490/492がある。ランプ490/492は傾斜しており、ブロック490および492がETTルーメン468の遠位開口468Aに隣接しているように、舌部470の近位に、かつETTルーメン468の遠位開口468Aの遠位に位置付けられている。
【0105】
ランプ490/492は、壁462の内側462Gの表面の上方に持ち上げる。ランプ490/492の機能は、例えば、気管内チューブなどのETTルーメン468に装填されたデバイスの遠位端を、内表面462Gの上方に持ち上げて支持することである。
【0106】
壁462は、少なくとも2つの中空チャネル、472および474を有する。食道チャネル474は、
図1Aに関連して説明されたように、遠位開口474Aおよび近位開口474Bを有する中空の通路であり、壁462内に位置付けられている。
【0107】
しかしながら、
図1Iの実施形態では、カメラチャネル472は、壁462の背側462Cの中心線の近くに位置付けられている。カメラチャネル472は中空であり、壁462の近位端462Bに近位開口472Bを有する。カメラチャネル472は、壁462の遠位-近位462A-462B軸に沿って延びている。カメラチャネル472は、壁462の遠位端462Aにある遠位開口472Aで終端する。遠位開口472Aは、好ましくは、カメラがカメラチャネル472から遠位に突出することができるように封止されていない。いくつかの実施形態では、遠位開口472Aは、カメラがカメラチャネル472の内側に位置付けられている間に、封止された窓を通して画像をキャプチャできるように、透明な材料(図示せず)で封止される。
【0108】
図1Jを参照すると、これは、
図1Iの経口気道デバイスの腹側表面図である。
図1Jの図面からさらに分かるように、カメラチャネル472の遠位開口472Aにブロック490および492が隣接している。したがって、カメラがカメラチャネル開口472Aから突出するとき、ブロック490および492はカメラに隣接して、カメラを所定の位置に維持する。さらに、
図1Jに見られるように、ETTルーメン468は、カメラルーメン開口472Aの真上の遠位開口468Aで開く。したがって、気管内チューブがETTルーメン468に装填され、カメラがカメラチャネル472に挿入されるとき、ETTルーメンの遠位開口468Aから突出する気管内チューブの遠位端を、遠位開口472Aからのカメラによって常にモニタリングすることができる。これにより、挿管が困難な患者および/または気道が虚脱した患者の挿管を含む挿管が容易になる。
【0109】
図1Kを参照すると、
図1Iに関連して論じられたように、カメラチャネル472が壁462の背側表面462Cの中心線の近くに位置付けられている経口気道デバイス460のさらなる実施形態が示されている。
図1Kの実施形態では、ETTルーメンは、経口気道デバイス460の中心軸への近接性によって決定されるように、中央に位置付けられている。
【0110】
食道チャネル474は、壁462の側面462Lまたは462Rのうちの1つに周辺的に位置付けられている。食道チャネル474は、壁462内に遠位-近位軸462A-462Bに沿って外側で延びるスリット475を含む。壁462のエッジは、吸引チューブまたは他の任意のツールの食道チャネル474への挿入および除去を容易にするために、スリット475に沿って押し離すことができる。
【0111】
食道チャネル474の直径は、上部内視鏡検査(EGD)用のスコープを収容できるようなものである。したがって、経口気道デバイス460は、上部消化管内へスコープを送達するために使用することができ、一方で、同時に、患者の気道を管理するために使用される。したがって、食道、胃、および/または十二指腸の様々な処置に、スコープと互換性がある食道チャネルを有する経口気道デバイス460を使用することができる。
【0112】
図1Lを参照すると、経口気道デバイス460が遠位の柔らかい非インフレータブルのカフ494で終端する、経口気道デバイス460のさらなる実施形態が提供されている。
【0113】
図1Lのこの実施形態における経口気道デバイス460は、
図1Iおよび
図1Jに関連して論じられたように、壁462の背側表面462Cの中心線の近くに位置するカメラチャネル472を含む。経口気道デバイス460の実施形態のいずれも、遠位の柔らかい非インフレータブルのカフ494で終端し得ることを理解されたい。
【0114】
図1Lの実施形態では、柔らかい非インフレータブルの遠位カフ494は、遠位端462および舌部先端470Aの周囲に取り付けられている。特に、経口気道デバイス460は、その腹側表面462D上で壁462内にスリット466を含む。スリット466は、ETTルーメン468内へ開口している。カフ494は、スリット466と整列されるスリット495を有する。したがって、気管内チューブまたは他の何らかの呼吸チューブをETTルーメン468内へ挿入するために、壁462およびカフ494は、スリット466および495において押し離すことができる。
【0115】
柔らかい非インフレータブルの遠位カフ492は、挿入中の患者の組織に対する経口気道デバイス460の衝撃を和らげる。柔らかい非インフレータブルのカフ492はまた、患者の咽頭を閉塞し、換気のための閉鎖系を確立するのに役立つ。
【0116】
図1Mを参照すると、経口気道デバイス460のさらなる実施形態が提供されている。
図1A~
図1Lに関連して論じられたように、経口気道デバイス460は、患者内への経口気道デバイス460の挿入中に、デバイス460が患者の口蓋の輪郭に従うように湾曲したチューブ状本体である。
【0117】
経口気道デバイス460の湾曲したチューブ状本体は、遠位端462Aおよび近位端462Bを有する壁462によって作られている。壁462が患者の口蓋の輪郭に従うように、壁462は、遠位-近位462A-462B軸に沿って湾曲している。壁462はアーチを形成する。壁462は、背側表面462Cおよび腹側表面462Dを有する。アーチの湾曲のために、壁462の長さは、腹側表面462D上よりも背側表面462C上の方が長い。
【0118】
腹側表面462Dは、患者内にデバイス460が配置されたときに患者の舌と接触している。
図1Mには、腹側表面462Dおよび右側面462Rが示されている。
【0119】
図1Mの実施形態では、カメラチャネル472は、経口気道デバイス460の中心軸の中央に、またはその近くに位置付けられている。カメラチャネル472は、遠位開口472Aおよび近位開口472Bを有する。カメラを、カメラチャネル472に沿って挿入し、スライドすることができる。カメラは、カメラチャネル472の遠位開口472Aから遠位に突出することができる。
【0120】
壁462は、カメラチャネル472の中央の場所から周辺的に位置付けられているETTルーメン468を取り囲む。ETTルーメン468の一部の近位部分は、腹側表面462D上で壁462によって覆われていない。したがって、ETTルーメン468の一部の近位部分が露出しており、これにより、ETTルーメン468内への気管内チューブの挿入および取り外しが容易になる。
【0121】
経口気道デバイス460の他の実施形態に関連するのと同様に、壁462は、遠位-近位軸462A-462Bに沿って延びるスリット466を含む。スリット466は、ETTルーメン468上に位置付けられ、ETTルーメン468内へ開口している。壁462のエッジは、スリット466に沿って押し離すことができる。これにより、ETTルーメン468内への気管内チューブの装着およびETTルーメン468からの気管内チューブの取り外しが容易になる。
図1Mの実施形態では、スリット466は、壁462の腹側表面462Dに位置付けられている。他の実施形態では、スリット466は、腹側表面462Dと背側表面462Cとの間の隣接表面に、または背側表面462Cに位置付けられ得る。
【0122】
ETTルーメン468は中空であり、壁462の遠位端462Aに遠位開口468Aを有する。ETTルーメン468は、壁462の近位端に近位開口468Bを有する。
【0123】
遠位端462Aにおいて、壁462は、背側表面462C上の舌部470で終端する。舌部470の遠位端470Aは、楕円形または円形であり得る。舌部470は、その遠位端470Aで先細になっている。舌部470は、経口気道デバイス460の挿入中に、患者の組織を優しく押し離すために使用される。舌部470は、壁462から遠位に突出している。
【0124】
食道チャネル474は、カメラチャネル472に対して周辺的に位置付けられて、他の実施形態に関連して論じられたように、様々なツールとともに使用することができる。
【0125】
内表面462Gの表面にそれぞれ取り付けられテイル2つのブロック、490および492を含むランプがある。ランプ490/492は、ブロック490および492が遠位開口468Aに隣接し、気管内チューブがETTルーメン468の遠位開口468Aから突出するときに気管内チューブを案内するように、舌部470の近位に、かつETTルーメン468の遠位開口468Aの遠位に位置付けられている。
【0126】
腹側表面から1Mの図面のデバイス460を示す
図1Nの図面からさらに分かるように、ETTルーメン468の遠位開口468Aに、内表面462Gの中心に向かっていくらか傾斜しているブロック490および492が隣接している。したがって、ブロック490および492は、気管内チューブの遠位端を、舌部470の中心に向かって案内する。これにより、気管内チューブの遠位部分が、カメラチャネル472の遠位開口472Aを通るカメラからの連続的な視覚化の下に置かれる。
【0127】
図1Mおよび
図1Nの実施形態では、食道チャネル474は、カメラチャネル472に対して周辺的に位置している。1N図面から分かるように、食道チャネル474の遠位端474Aは、カメラチャネル472の遠位開口472Aに近接して開口している。したがって、例えば、スタイレットまたはブジーなどのツールが食道チャネル474に挿入される場合、カメラチャネル472に挿入されたカメラからの連続的な視覚化の下で、ツールを操作することができ、また、逆も同様に、カメラを食道チャネル474に位置付けて、ツールをカメラチャネルに配置することができる。必要に応じて、2つのカメラ、すなわち、食道チャネル474で、カメラチャネル472でもう1つを使用することができる。
【0128】
図1Oを参照すると、
図1Mの経口気道デバイス460の遠位部分の拡大表示図である。ETTルーメン468の遠位開口468Aが示されている。スリット466は、ETTルーメン468へのアクセスを提供する。ブロック490および492は、遠位開口468Aに隣接し、ETTルーメン468に装填されたときに気管内チューブ(図示せず)を持ち上げる/案内する。
【0129】
図1Pを参照すると、
図1Pの実施形態が、経口気道デバイス460の湾曲本体の遠位端462Aおよび舌部470の周囲に取り付けられている柔らかい、膨張しないカフ496を含むことを除いて、
図1M~
図1Oに関連して論じられた経口気道デバイス460の遠位部分の拡大表示図である。カフ496は、壁462のスリット466と整列されるスリット495を含む。これにより、ETTルーメン468内への気管内チューブの装填およびETTルーメン468からのその取り外しのために、カフ496および壁462を押し離すことができる。
図1Pの実施形態では、食道チャネル474は、舌部470と、食道チャネル474内へ挿入された吸引チューブまたは他の任意のツールを所定の位置に保持する開口497を含むカフ496を通って延長されている。したがって、吸引チューブまたは他の任意のツールは、カフ496から遠位に突出し、舌部470上およびカフ496の後ろに流体が蓄積するのを防ぐことができ、そうでなければ、経口気道デバイス460の取り外しおよび交換または洗浄が必要になる場合がある。
【0130】
図1Pの実施形態では、遠位カフ496は、インフレータブルではないが、他の実施形態では、インフレータブルであり得ることを理解されたい。さらなる実施形態では、カフ496は、スリット495を有さない。
【0131】
図1Qには、経口気道デバイス460または他の何らかの経口気道デバイスのETTルーメン468内へ装填することができる、全体として500であるアダプタが示されている。アダプタ500は、2つの中空のチューブ、すなわち、外側チューブ502および内側チューブ504を含み、内側チューブ504は、外側チューブ502に挿入可能および外側チューブ502から取り外し可能である。チューブ502および504は、経口気道デバイス460のルーメン468の形状に適合するように湾曲されて作られるか、またはチューブ502および504は、経口気道デバイス460のETTルーメン468内へ挿入されると、または挿入される前に湾曲形状をとることができるように可撓性材料で作られている。
【0132】
内側チューブ504は、外側チューブ502よりも長さが長い。
図1Qに示されるように、内側チューブ504の遠位端504Aは、外側チューブ502の遠位端502Aから遠位に突出している。内側チューブ504の近位端504Bは、外側チューブ502の近位端502Bから近位に突出している。
【0133】
内側チューブ504は、外側チューブ502内へ挿入可能であり、外側チューブ502から取り外し可能である。したがって、アダプタ500の長さは、内側チューブ504のより長いまたはより短い部分を外側チューブ502から近位に突出させることによって、必要に応じて調整することができる。外側チューブ502および内側チューブ504は、中空である。内側チューブ504は、近位開口506Bおよび遠位開口506Aを有する中央ルーメン506を有する。外側チューブ502から内側チューブ504が取り外されている場合、外側チューブ502の中央ルーメンはまた、他のデバイスを挿入するために使用することができる。
【0134】
外側チューブ502は、遠位端502Aの近くに位置するラッチ508を含み得る。
【0135】
図1Rには、経口気道デバイス460のETTルーメン468内へのアダプタ500の装填が示されている。すべての要素には、1A~1Qの図面に関連するとおりにラベルが付けられている。
【0136】
図1Sを参照すると、経口気道デバイス460のETTルーメン468内に挿入されたアダプタ500が示されている。アダプタ500のラッチ508は、フラップ462Fおよび462Eの近位端ならびにスリット466の近位端上に位置付けられている。したがって、ラッチ508は、フラップ462Dおよび462Eを一緒に保持し、スリット466が間隙に広がるのを防ぐ。これは、スリット466が間隙に広がるのをアダプタ500が防ぐので、カフ476が患者内で膨張される場合に役立つ。したがって、カフ476で閉鎖系を確立することができ、換気を確立することができる。
【0137】
図1Tを参照すると、全体として507である、換気アダプタが示されている。換気アダプタ507は、スリットを有する経口気道デバイス460内に閉鎖系を確立するために、および経口気道デバイス460を人工呼吸器に接続するために使用することができる蓋である。
【0138】
換気アダプタ507は、遠位エッジ508A、および遠位エッジ508Aに対向する近位エッジ508Bを有するフラットパネル508を含む。フラットパネル508は、第1の長手方向エッジ508L、および第1の長手方向エッジ508Lに対向する第2の長手方向エッジ508Rを有する。フラットパネル508は、長手方向エッジ508Lに沿って溝508Gがあり、また、長手方向エッジ508Rに沿って一致する溝508Gがあるように、長手方向エッジ508Lおよび508Rに沿って内側に湾曲している。遠位エッジ508Bにおいて、またはその近くで、フラットパネル508は、フラットパネル509に取り付けられている。フラットパネル509は、フラットパネル508に対してほぼ垂直に位置付けられている。フラットパネル509は、換気アダプタ507を人工呼吸器に接続するために使用することができる導管509Aを含む。
【0139】
図1Uおよび
図1Vの図面から分かるように、換気アダプタ507は、経口気道デバイス460上にしっかりと適合し、導管509Aは、ETTルーメン468の近位開口468B上に適合している。経口気道デバイス460の側面は、溝508G内に適合する。したがって、換気アダプタ507は、スリット466がばらばらにならないようにする。換気アダプタ507は、経口気道デバイス460を封止し、経口気道デバイス460内に閉鎖系を確立する。その結果、ETTルーメン468に接続されている導管509Aを通して患者を換気することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、人工呼吸器アダプタ507は、食道チャネル474の近位開口474Bと整列された第2の導管509Bを含み得る。
【0141】
図2を参照すると、全体として510である、経口気道デバイスのさらなる実施形態が提供されている。
【0142】
経口気道デバイス460と同様に、経口気道デバイス510は、デバイス460に関連して論じられたように、湾曲している壁462によって形成されたチューブ状本体を有する。デバイス460とデバイス510との間で類似しているすべての要素は、同じ番号でラベル付けされている。経口気道デバイス460と同様に、経口気道デバイス510は、チャネル472および474を含む。カメラチャネル472は、経口気道デバイス510の中央に位置するETTルーメン468に対して周辺的に、壁460内に位置する。カメラチャネル472は、近位開口472Bおよび遠位開口472Aを有する。デバイス460に関連して論じられたように、カメラを、必要に応じて、カメラチャネル472に挿入し、カメラチャネル472から取り外すことができる。
【0143】
経口気道デバイス510のチャネル474は、近位開口474Bおよび遠位開口474Aを含む。例えば、スタイレットまたはブジーなどのツールを、チャネル474内へ挿入することができる。カメラチャネル472の遠位開口472Aから遠位に突出しているカメラからの連続的な視覚化の下で、ツールを使用することができる。
【0144】
カメラチャネル472およびチャネル474は、ETTルーメン468に対して周辺的に位置付けられている。
【0145】
図2に示されるように、経口気道デバイス510では、壁462内に追加の周辺チャネル514がある。チャネル514は、壁462の背側表面462C上に位置付けられているが、背側表面462Cの中心から外れている。チャネル514は、チャネル514の長さに沿って延びるスリット515を有する。スリット515は、チャネル514を壁462の背側表面462C上に開口する。チャネル514は、胃液を吸引するために使用することができる吸引チューブを挿入するために使用することができる。必要に応じて、他のツールをまたチャネル514に装填し得る。チャネル514は、壁462の近位端462B上の近位開口514Bで開口している。必要に応じて、吸引チューブまたは他の任意のツールを、近位開口514Bを通してチャネル514内へ挿入し得る。チャネル514の長さは異なり得る。デバイス510の壁462の背側表面460Cは、デバイス460に関連して説明されたように、アーチ状である。いくつかの実施形態では、チャネル514は、アーチの最も高い点で終端する。他の実施形態では、チャネル514は、壁462の背側表面462C上の他の任意の場所で終端してもよい。
図2に示されるように、チャネル514は、舌部470内へと背側に延長し得る。
【0146】
図3Aを参照すると、全体として520である、経口気道デバイスの別の実施形態が提供されている。経口気道デバイス520は、経口気道デバイス520がインフレータブルなカフ476も含むことを除いて、
図2の経口気道デバイス510に関連して論じられたものと同じ要素を含む。インフレータブルなカフ476は、
図1Bのデバイス460に関連して説明されたものと同じインフレータブルなカフ476である。インフレータブルなカフ476は、手段478で膨張させることができる。経口気道デバイス520はまた、経口気道デバイス520の背側表面462C上で舌部470を覆う柔らかい膨張しないカフ522を含む。膨張しないカフ522の1つの機能は、経口気道デバイス520の挿入中の舌部470と患者の組織との間の接触を緩和することである。
【0147】
図3Bを参照すると、デバイス520のETTルーメン468に装填された気管内チューブ480が示されている。
図3Bでは、
図3Aに関連して説明されたような経口気道デバイス520のすべての要素。
【0148】
図3Cを参照すると、経口気道デバイス520からの気管内チューブ480の取り外しが示されている。気管内チューブ480は、スリット466を通して気管内チューブ480を引き抜くことにより、ETTルーメン468から取り外すことができる。すべての要素には、
図3A~
図3Bに関連するとおりにラベルが付けられている。
【0149】
図4Aを参照すると、全体として530である、本開示によって提供される経口気道デバイスの別の実施形態が示されている。経口気道デバイス530は、患者内への経口気道デバイス530の挿入中に、デバイス530が患者の口蓋の輪郭に従うように湾曲したチューブ状本体である。
【0150】
気道デバイス530の湾曲したチューブ状本体は、遠位端532Aおよび近位端532Bを有する壁532によって作られている。壁532は、壁532が患者の口蓋の輪郭に従うように、遠位-近位532A-532B軸に沿って湾曲している。壁532はアーチを形成する。壁532は、右側面532Rとともに、
図4Aに示されている背側表面532Cおよび腹側表面532Dを有する。当業者によって理解されるように、アーチの湾曲のために、壁532の長さは、腹側表面532D上よりも背側表面532C上の方が長い。腹側表面532Dは、経口気道デバイス530が患者内に配置されたときに患者の舌と接触している。
【0151】
壁532は、ETTルーメン468を取り囲んでいる。ETTルーメン468は中空で、遠位開口468Aを有する。ETTルーメン468は、壁532の近位端に近位開口468Bを有する。
【0152】
壁532は、ETTルーメン468の一部の近位部分468Cが開口し、腹側表面532D上で壁532によって覆われないように、腹側表面532D上でETTルーメン468内へと凹んでいる。この実施形態では、壁532の腹側表面532Dに沿ってスリット466はない。代わりに、ETTルーメン468の一部の近位部分468Cが、壁532によって覆われていない。これにより、ETTルーメン468内へのおよびETTルーメン468からの気管内チューブなどの医療用デバイスの装填および取り外しが容易になる。
【0153】
遠位端532Aにおいて、壁532は、背側表面532C上の舌部470で終端する。舌部470の遠位端470Aは、楕円形または円形であり得、また、その遠位端470Aで先細になっている。舌部470は、経口気道デバイス530の挿入中に、患者の組織を優しく押し離すために使用される。舌部470は、壁532から遠位に突出している。
【0154】
舌部470の近位に、かつ遠位開口468Aの遠位に位置付けられたランプ534がある。ランプ534は、ETTルーメン468内へ挿入された、例えば、気管内チューブなどのデバイスの遠位端を持ち上げて支持する。
【0155】
壁532は、少なくとも2つの中空の周辺チャネル、472および474を有する。カメラチャネル472は中空であり、ETTルーメン468に対して周辺的に位置付けられている。カメラチャネル472は、壁532の近位端532Bに近位開口472Bを有する。カメラチャネル472は、壁532の遠位-近位532A-532B軸に沿って延びている。チャネル472は、壁532の遠位端532Aにある遠位開口472Aで終端する。
【0156】
カメラ(図示せず)を、近位開口472Bを通してチャネル472内に挿入することができる。カメラは、チャネル472の遠位開口472Aから突出することができる。本開示に説明されているか、または当技術分野で一般に知られている任意のカメラを、経口気道デバイス530で使用することができる。カメラは、カメラチャネル472に挿入可能およびカメラチャネル472から取り外し可能である。カメラチャネル472の遠位開口472Aにおけるカメラの位置は、患者の組織および/または経口気道デバイス530の挿入をモニタリングするために、必要に応じて調整することができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、カメラチャネル472は、壁532内の中空の通路であり、カメラチャネル472は、ETTルーメン468から完全に分離されている。他の実施形態では、カメラチャネル472は、ETTルーメン468に接続されているセミルーメンである。さらなる実施形態では、カメラチャネル472の長さに沿って延びるスリット(図面には図示せず)がある。チャネル472のスリットは、壁532に沿って延びて、壁532上で外側に開口し得る。カメラは、スリットを通して引っ張られることによって、カメラチャネル472から容易に挿入し、取り外すことができる。
【0158】
第2のチャネル474の構造は、第1のチャネル472の構造と同様である。チャネル474は、周辺的な中空のチャネルである。チャネル474は、壁532の遠位-近位532A-532B軸に沿って延びている。チャネル474は、ETTルーメン468に対して周辺的に位置している。
図4Aに見られるように、チャネル472および474は、チャネル472および474の間に位置付けられているETTルーメン468に隣接している。
【0159】
チャネル472および474は、同じ直径を有していても、または、それらは異なる直径であってもよい。
【0160】
食道チャネル474は、壁532の遠位端532Aにある遠位開口474Aで終端する。例えば、吸引チューブ(図示せず)などのツールを、近位開口474Bを通して食道チャネル474内に挿入することができる。吸引チューブ(または食道チャネル474内に挿入されている他の任意のツール)は、食道チャネル474の遠位開口474Aから突出することができる。本開示の他の実施形態に関連して説明された任意のツールを、経口気道デバイス530で使用することができる。
【0161】
ツールは、食道チャネル474に挿入可能および食道チャネル474から取り外し可能である。遠位開口474Aにおけるツールの位置は、患者の組織を操作するために、またはサクションを提供するために、必要に応じて調整することができる。いくつかの実施形態では、食道チャネル474は、壁432内の通路であり、食道チャネル474は、ETTルーメン468から完全に分離されている。他の実施形態では、食道チャネル474は、ETTルーメン468に接続されているセミルーメンである。さらなる実施形態では、食道チャネル474の長さに沿って延びるスリットがある。スリットは、ETTルーメン468内へ開口しているか、またはスリットは、壁532上で食道チャネル474を外側に開口している。
【0162】
チャネル472および474の相対的な位置付けは、カメラがカメラチャネル472内に挿入され、カメラチャネル472の遠位開口472Aから突出するときに、食道チャネル474内へ挿入され、食道チャネル474の遠位開口474Aから突出するツールの遠位端を、カメラが視覚化することができるようなものである。したがって、ツールの操作はカメラで視覚化される。
【0163】
当業者によって理解され得るように、いくつかの実施形態では、チャネル472および474は、交換可能であり得る。すなわち、必要に応じて、カメラを2つのチャネルのいずれかに挿入することができるか、または、2つのカメラを同時に使用することができる。さらなる実施形態では、経口気道デバイス530は、壁532内に、2つよりも多いチャネルを有し得る。これらの追加のチャネルは、ETTルーメン468に対して周辺的に位置し得る。
【0164】
図4Bを参照すると、全体として540である、本開示に従って経口気道デバイスの別の実施形態が示されている。デバイス540内の要素のすべては、経口気道デバイスが壁532の遠位部分に位置するインフレータブルなカフ542を含むことを除いて、経口気道デバイス530に関連して説明されたものと同じである。インフレータブルなカフ542は、手段544で膨張させることができる。
【0165】
図4Cを参照すると、経口気道デバイス530のETTルーメン468内への気管内チューブ480の装填が示されている。
図4Cにはまた、カメラチャネル472内へのカメラ12の挿入が示されている。他のすべての要素には、
図4Aに関連するとおりに番号が付けられている。
【0166】
図4Dには、経口気道デバイス530のETTルーメン468内に装填された気管内チューブ480、およびカメラチャネル472に挿入されているカメラ12が示されている。他のすべての要素には、
図4A~
図4Cに関連するとおりに番号が付けられている。
【0167】
図4Eを参照すると、インフレータブルなカフ542を含む経口気道デバイス540のETTルーメン468内へのデバイス500の挿入が示されている。他のすべての要素には、
図4A~
図4Dに関連するとおりに番号が付けられている。
【0168】
図4Fを参照すると、
図4Bの経口気道デバイス540のETTルーメン468内に挿入されたデバイス500が示されている。他のすべての要素には、
図4A~
図4Eに関連するとおりに番号が付けられている。
【0169】
図4Gを参照すると、背側表面532Cから示される経口気道デバイス540が示されている。すべての要素には、
図4A~
図4Fに関連するとおりに番号が付けられている。カメラチャネル472の近位開口472Bに、プラグ546が挿入されている。プラグ546は、カメラチャネル472をキャップし、換気のために閉鎖系を確立する必要があるときに使用することができる。
図4Gの図面では、プラグ546は、カメラチャネル472内で使用されている。他の実施形態では、食道チャネル474が、プラグ546でキャップされてもよい。
【0170】
図4Hおよび
図4Iを参照すると、プラグ456は、中空の円筒状本体548と、屈曲可能なストリング552で中空の円筒本体548に取り付けられたキャップ550とを含む。
図4Hに示されるように、キャップ550は、中空の円筒状本体548の近位端548B上をキャップすることができる。
図4Iに示されるように、キャップ550は、中空の円筒状本体548から取り外されてもよい。これにより、空気が中空の円筒状本体548を通過することができる。中空の円筒状本体548は、例えば、チャネル472および/またはチャネル474などのチャネル内にぴったりと適合するように設計されている。したがって、中空の円筒状本体546は、ボトルのコルク栓の形状を有し得る。遠位端548Aの直径は、近位端548Bの直径よりも小さくてもよい。中空の円筒状本体548は、隆起部554を含み得る。
【0171】
図4Jを参照すると、全体として560である、本開示による経口気道デバイスの別の実施形態が提供されている。
図4Aに示されている経口気道デバイス530と同様に、経口気道デバイス560は、患者内への経口気道デバイス560の挿入中に、デバイス560が患者の口蓋の輪郭に従うように湾曲したチューブ状本体である。
【0172】
気道デバイス560の湾曲したチューブ状本体は、遠位端562Aおよび近位端562Bを有する壁562によって作られている。壁562が患者の口蓋の輪郭に従うように、壁562は、遠位-近位562A-562B軸に沿って湾曲している。壁562はアーチを形成する。壁562は、背側表面562Cおよび腹側表面562Dを有する。当業者によって理解されるように、アーチの湾曲のために、壁562の長さは、腹側表面562D上よりも背側表面562C上の方が長い。腹側表面562Dは、患者内にデバイス560が配置されたときに患者の舌と接触している。
【0173】
壁562は、ETTルーメン468を取り囲んでいる。ETTルーメン468は中空で、遠位開口468Aを有する。ETTルーメン468は、壁562の近位端に近位開口468Bを有する。したがって、ETTルーメン468は、遠位-近位軸562A-562Bに沿って延びている。
【0174】
壁562は、ETTルーメン468の一部の近位部分468Cが開口し、腹側表面562D上で壁562によって覆われないように、腹側表面562D上でETTルーメン468内へと凹んでいる。したがって、ETTルーメン468の一部の近位部分468Cが、壁562によって覆われていない。ETTルーメン468の部分468Cを、腹側表面462D上の壁564で囲まれていないように維持することは、気管内チューブなどの医療用デバイス中央ルーメン468への装填および中央ルーメン468からの取り外しに役立つ。
【0175】
遠位端562Aにおいて、壁562は、背側表面562C上の舌部470で終端する。舌部470の遠位端470Aは、楕円形または円形であり得る。舌部470は、その遠位端470Aで先細になっている。舌部470は、デバイス560の挿入中に、患者の組織を優しく押し離すために使用される。舌部470は、壁562から遠位に突出している。
【0176】
舌部470の近位に、かつ遠位開口468Aの遠位に位置付けられたランプ534がある。ランプ534は、ETTルーメン468内へ挿入された、例えば、気管内チューブなどのデバイスの遠位端を持ち上げて支持する。
【0177】
壁562は、少なくとも2つの中空の周辺チャネル、472および474を有する。カメラチャネル472は中空であり、ETTルーメン468に対して周辺的に位置付けられている。カメラチャネル472は、壁562の近位端562Bに近位開口472Bを有する。カメラチャネル472は、壁562の遠位-近位562A-562B軸に沿って延びている。カメラチャネル472は、壁562の遠位端562Aにある遠位開口472Aで終端する。
【0178】
カメラ(図示せず)を、近位開口472Bを通してカメラチャネル472内に挿入することができる。カメラは、カメラチャネル472の遠位開口472Aから突出することができる。本開示に説明されているか、または当技術分野で一般に知られている任意のカメラを、経口気道デバイス560で使用することができる。カメラは、チャネル472に挿入可能およびチャネル472から取り外し可能である。チャネル472の遠位開口472Aにおけるカメラの位置は、患者の組織および/またはデバイス530の挿入をモニタリングするために、必要に応じて調整することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、カメラチャネル472は、壁562内の通路であり、カメラチャネル472は、ETTルーメン468から完全に分離されている。他の実施形態では、カメラチャネル472は、ETTルーメン468に接続されているセミルーメンである。さらなる実施形態では、カメラチャネル472の長さに沿って延びるスリット(図面には図示せず)がある。カメラチャネル472のスリットは、外側に壁562に沿って延びていてよい。
【0180】
第2のチャネル474の構造は、第1のチャネル472の構造と同様である。チャネル472は、周辺的な中空のチャネルである。チャネル474は、壁462の遠位-近位462A-462B軸に沿って延びている。チャネル474は、ETTルーメン468に対して周辺的に位置している。
図4Jに見られるように、チャネル472および474は、チャネル472および474の間に位置付けられているETTルーメン468に隣接している。
【0181】
チャネル472および474は、同じ直径を有していても、または、それらは異なる直径であってもよい。
【0182】
チャネル474は、壁562の遠位端562Aにある遠位開口474Aで終端する。
【0183】
ツールは、チャネル474に挿入可能およびチャネル474から取り外し可能である。遠位開口474Aにおけるツールの位置は、患者の組織を操作するために、またはサクションを提供するために、必要に応じて調整することができる。いくつかの実施形態では、チャネル474は、壁564内の通路であり、チャネル474は、ETTルーメン468から完全に分離されている。他の実施形態では、チャネル474は、ETTルーメン468に接続されているセミルーメンである。さらなる実施形態では、チャネル474の長さに沿って延びるスリットがある。スリットは、ETTルーメン468内へ開口している。
【0184】
チャネル472および474の相対的な位置付けは、カメラがチャネル472内に挿入され、チャネル472の遠位開口472Aから突出するときに、チャネル474内へ挿入され、チャネル474の遠位開口474Aから突出するツールの遠位端を、カメラが視覚化することができるようなものである。したがって、ツールの操作はカメラで視覚化される。
【0185】
当業者によって理解され得るように、いくつかの実施形態では、チャネル472および474は、交換可能であり得る。すなわち、必要に応じて、カメラを2つのチャネルのいずれかに挿入することができる。いくつかの実施形態では、2つのカメラを同時に使用することができる。
【0186】
図4Jに見られるように、経口気道デバイス560は、背側表面562C上の背側-腹側軸562A-562Bに沿って延びる第3のチャネル564を含む。
図4Jの実施形態では、チャネル564は、背側表面562Cに開口しているセミルーメンである。チャネル564はまた、近位開口564Bを有する。チャネル564は、胃吸引チューブまたはEGD処置用のスコープを装填するために使用することができ、チューブまたはスコープは、チューブまたはスコープおよび気管内チューブの両方が経口気道デバイス560内へ装填されるときに、一段階で、かつ気管内チューブと一緒に患者内に配置することができる。
【0187】
次に、胃吸引チューブまたはスコープは、経口気道デバイス560が依然として患者内へ挿入されたままである間に、チャネル564から容易に取り外すことができる。チャネル564は、溝状の形状をしているので、胃吸引チューブまたはスコープを所定の位置に保持し、それがスライドしたり滑ったりするのを防ぐ。チャネル564の長さは異なり得る。いくつかの実施形態では、チャネル564は、壁562の背側表面562Cのすべて、またはほとんどすべてに沿って延びている。これらの実施形態では、チャネル564は、壁562の遠位端562Aにおいて、またはその近くで終端する。他の実施形態では、チャネル564は、壁562の一部分に沿ってのみ延び、壁562の遠位端562Aの近位の任意の場所で終端する。
【0188】
図4Kを参照すると、これは、腹側表面562Dからの経口気道デバイス560の腹側の図である。すべての要素には、
図4Jに関連するとおりに番号が付けられている。
【0189】
カメラチャネル472への遠位開口472Aが示されている。食道チャネル474への遠位開口474Aも示されている。ETTルーメン468の近位部分468Cは、腹側表面562D上の壁562によって覆われていない。ランプ534が示されている。舌部470の遠位部分470Aも示されている。
【0190】
図4Kの図面に示されるように、経口気道デバイス560は、壁562の遠位端562Aの近くに外側に取り付けられたループ566を含み得る。ループ566の機能の1つは、チャネル564内へ装填された胃吸引チューブまたはスコープを、所定の位置に保持することである。胃吸引チューブ、または他の任意のチューブもしくはツールは、ループ566を通して引っ張られ得る。したがって、ループ566は、経口気道デバイス560上の胃吸引チューブ、または任意の他のチューブもしくはツールの位置付けを固定し、経口気道デバイス560から胃吸引チューブ、または任意の他のチューブもしくはツールが分離するのを防ぐ。当業者であれば、ループ566が、経口気道デバイス560、または経口気道デバイス460、510、520、530または540を含む、本開示で提供される他の任意の経口気道デバイスに取り付けられ得ることを理解されよう。
【0191】
別の態様では、本開示は、チャネルを含むが、気管内チューブ(ETT)ルーメン468を含まない経口気道デバイスを提供する。次に、
図5A~
図5F、
図6、および
図10A~
図10Dを参照して、これらの経口気道デバイスについて説明する。
【0192】
図5Aを参照すると、全体として580である、経口気道デバイスの別の実施形態が提供されている。経口気道デバイス580は、遠位端582Aおよび近位端582Bを有する壁582によって形成されたチューブ状本体を含む。経口気道デバイス580は、近位端582Bの近くに位置するハンドル589を含み得、ハンドルは、挿入または取り外し中に経口気道デバイス580を操作する際に施術者を支援し得る。ハンドル589は、壁582に接着され得るか、またはハンドル589は、経口気道デバイス580の挿入が完了した後にハンドル589が取り外されるように、壁582に取り外し可能に取り付けられ得る。
【0193】
壁582は、遠位-近位軸582A-582Bに沿って湾曲しており、患者内への経口気道デバイス580の挿入中に、患者の口蓋の輪郭に従う。壁582は、背側表面、582Cおよび腹側表面、582Dを有する。壁582は、患者内にデバイス580が挿入されたときに、腹側表面582Dが患者の舌と接触するように、患者の口蓋の輪郭に従うアーチを形成する。
【0194】
経口気道デバイス580は、チューブ状本体582を通って延びるいくつかの中空チャネル584、586、および588を有する。他の実施形態では、経口気道デバイス580は、3つよりも多いまたは少ないチャネルを有し得る。
【0195】
チャネル584、586、および588の各々は、壁582の近位端582Bにおいて、またはその近くで、近位開口584B、586B、および588Bでそれぞれ開口している。チャネル584、586、および588の各々は、壁582の遠位端582Aにおいて、またはその近くで、遠位開口584A、586A、および588Aでそれぞれ開口している。いくつかの他の実施形態では、インフレータブルまたは非インフレータブルのいずれかのカフ(図示せず)が、壁582の遠位端582Aに近接して壁582の周囲に取り付けられている。
【0196】
図5Aの実施形態では、経口気道デバイス580は、3つのチャネルを含む。他の実施形態では、経口気道デバイス580は、3つよりも多い、すなわち、4もしくは5つ、または、3つよりも少ないチャネル、すなわち、2もしくは1つを含み得る。チャネル584、586、および588は、チューブ状本体582内の通路である。チャネル584、586、および588は、様々なデバイスを収容するために使用することができる。
図5Aに示されるように、チャネル584、586、および/または588のうちの1つに、カメラ12を挿入することができる。
【0197】
図5Bには、経口気道デバイス580のチャネル584内へ挿入されているカメラ12が示されている。すべての要素には、
図5Aに関連するとおりに番号が付けられている。
【0198】
図5Cには、チャネル586に挿入されているカメラ12が示されている。したがって、経口気道デバイス580は、カメラと互換性があり、1つよりも多いカメラを使用することができる。遠位開口584A、586A、および/または588Aのうちの少なくとも1つは封止されていない。これにより、ツールまたはカメラ12が、経口気道デバイス580から遠位に突出することができる。カメラ12はケーブル16に取り付けられている。ケーブル16を使用して、カメラ12をさらに遠位に移動させるか、または、経口気道デバイス580が患者内に挿入されたままである間に、カメラ12を経口気道デバイス580から取り外すことができる。経口気道デバイス580は、カメラによる連続的な視覚化の下で操作することができる、例えば、ブジーおよび吸引チューブである多くの様々なツールを収容するために、使用することができる。
【0199】
カメラが1つ以上のチャネルに挿入可能である実施形態に加えて、他の実施形態では、カメラを壁582に組み込むことができる。経口気道デバイス580は、異なる位置からの患者の組織の視覚化を提供するいくつかのカメラと組み合わせて使用することができる。
【0200】
図5Dおよび
図5Eは、経口気道デバイス580の遠位端582Aの拡大表示図である。チャネル584の遠位開口584A、およびチャネル588の遠位開口588Aが示されている。カメラ12は、チャネル586内に挿入され、チャネル586の遠位開口586Aにおいて見ることができる。
図5Dの実施形態では、カメラ12は、光源18を含む。
図5Eの実施形態では、光源18は壁582に組み込まれている。
【0201】
図5Fには、経口気道デバイス580のチャネル586に挿入されたブジー590が示されている。ブジー590の遠位端590Aは、チャネル586の遠位端586Aから遠位に突出している。チャネル584、586、および/または588のうちの1つに挿入されたブジー590または他の任意のツールは、
図5A~
図5Eに示されるように、カメラ12からの連続的な視覚化の下で操作することができる。
【0202】
図6には、全体として600である、チャネルを有する経口気道デバイスの別の実施形態が示されている。経口気道デバイス600は、遠位端602Aおよび近位端602Bを有する壁602によって形成されたチューブ状本体を含む。壁602は、遠位-近位軸602A-602Bに沿って湾曲しており、患者内へのデバイス600の挿入中に、患者の口蓋の輪郭に従う。壁602は、背側表面、602Cおよび腹側表面、602Dを有する。いくつかの実施形態では、経口気道デバイス600は、近位端602Bに近接する背側表面602C上の壁602に取り付けられたハンドル609を含み得る。ハンドル609は、挿入および取り外し中にデバイス600を操作する際に施術者を支援する。ハンドル609は、経口気道デバイス600が配置された後に、ハンドル609を壁602から分離することができるように、取り外し可能に取り付けられ得る。
【0203】
壁602は、患者内にデバイス580が挿入されたときに、腹側表面602Dが患者の舌と接触するように、患者の口蓋の輪郭に従うアーチを形成する。経口気道デバイス600は、遠位-近位602A-602B軸に沿って壁602を通って延びるいくつかのチャネル604、606、および608を有する。
【0204】
チャネル604、606、および608の各々は、壁602の近位端602Bにおいて、近位開口604B、606B、および608Bでそれぞれ開口している。チャネル604、606および608の各々は、壁602の遠位端602Aにおいて、遠位開口604A、606A、および608Aでそれぞれ開口している。
図6の実施形態では、経口気道デバイス600は、3つのチャネルを含む。他の実施形態では、この経口気道デバイス600は、3つよりも多い、例えば、4もしくは5つ、または、3つよりも少ないチャネル、例えば、2もしくは1つを含み得る。
【0205】
チャネル608は、周辺チャネルである。これは、壁602上で外側に開口しているセミルーメンである。したがって、チャネル608は、遠位-近位軸602A-602Bに沿って延びる、壁602内の凹部として説明することができる。チャネル608は、カメラ、ツール、またはチューブを配置することができる溝を形成する。その溝状の形状のために、チャネル608は、カメラ、ツール、またはチューブを所定の位置に維持し、それが詰まるのを防ぐ。しかしながら、チャネル608は、遠位-近位軸602A-602Bに沿って開口しているので、経口気道デバイス600が依然として患者内に挿入され、所定の位置にあるままである間に、チャネル608からカメラ、ツールまたはチューブを簡単に取り外すことができる。
図6の図面では、チャネル608は、壁602の右側面602Rの外側に開口している。他の実施形態では、チャネル604は、壁602の背側表面602Cまたは腹側表面602Dに開口していてもよい。
【0206】
チャネル606は、壁602内の中空の通路である。チャネル604は、
図6の実施形態におけるチャネル608と同じ構造を有する。
【0207】
チャネル604は、チャネル606に対して周辺的に位置している。チャネル604は、壁602から外側に開口しているセミルーメンである。
図6の図面では、チャネル604は、壁602の左側面602Lに対して永遠に開口している。他の実施形態では、チャネル604は、壁602の背側表面602Cまたは腹側表面602Dに開口していてもよい。
【0208】
したがって、チャネル604は、遠位-近位軸602A-602Bに沿って延びる、壁602内の凹部として見なすことができる。チャネル604は、カメラ、ツール、またはチューブを配置することができる溝を形成する。その溝状の形状のために、チャネル604は、カメラ、ツール、またはチューブを所定の位置に維持し、それが詰まるのを防ぐ。しかしながら、チャネル604は、遠位-近位軸602A-602Bに沿って開口しているので、経口気道デバイス600が依然として患者内に挿入され、所定の位置にあるままである間に、チャネル608からカメラ、ツールまたはチューブを簡単に取り外すことができる。
【0209】
図6に示されるように、ケーブル16に取り付けられたカメラ12を、チャネル604内に配置することができ、一方で、ブジー590を、チャネル608内に配置することができる。チャネル608は溝であるため、遠位端590Aが曲げられたブジー590を、依然としてチャネル608内に配置することができる。ブジー590の遠位端590Aは、チャネル608の遠位開口608Aの遠位に配置される。次に、ブジー590の残りの部分が、チャネル608の内側に配置される。
【0210】
図6の実施形態では、周辺チャネル604および608の両方が、壁602の遠位-近位602A-602B軸に沿って外側に開口しているセミルーメンであるが、他の実施形態では、経口気道デバイス600は、1つの周辺チャネルのみを含み得るか、および/または、2つの周辺チャネルのうちの1つのみが、壁602の遠位-近位602A-602B軸に沿って外側に開口し得ることを理解されたい。
図6の実施形態では、開口は間隙状である。さらなる実施形態では、開口はスリットであり得る。
【0211】
図5A~
図5Fの図面に関連して既に説明されたように、3つのチャネル604、606、および/または608のいずれかを、カメラ、または、例えば、鉗子、吸引チューブ、聴診器、温度プローブ、ブジーもしくはスタイレットを含むツールを挿入するために、使用することができる。
【0212】
いくつかの実施形態では、経口気道デバイス600は、遠位端602Aに近接して壁602の周囲に取り付けられたインフレータブルまたは非インフレータブルのカフ(図示せず)を含み得る。周辺チャネルが壁602へ溝で開口する実施形態では、カフはまた、カフが溝を越えて延びないように溝と整列するスリットを有し得る。
【0213】
本開示のさらなる実施形態は、例えば、気管内チューブなどの医療用ツールまたはチューブを、カメラと互換性がある医療用ツールまたはチューブに変換するアダプタを提供する。
【0214】
図7Aに、アダプタの一実施形態が示されている。この実施形態では、アダプタ610は、気管内チューブ612と組み合わされている、遠位端610Aおよび近位端610Bを有するプラスチックチューブである。アダプタ610は、近位端610Bから遠位端610Aまでチューブに沿って延びるスリットを有し得る。
【0215】
気管内チューブは、遠位端612Aおよび近位端612Bを有する。遠位端612Aに近接して気管内チューブ612を包被するインフレータブルなカフ614がある。アダプタ610の遠位端610Aは、カフ614の遠位に位置している。アダプタ610は、遠位-近位軸612A-612Bに沿って延びている。アダプタ610は、例えば、遠位-近位軸612A-612Bに沿って気管内チューブ612に接着されることによって取り付けられ得る。あるいは、アダプタ610は、アダプタ610が気管内チューブ612に沿って滑ることができるように、カフ614の下に配置されてもよい。
【0216】
アダプタ610の近位端610Bは、気管内チューブ612の近位端612Bから近位に突出している。カフ614は、気管内チューブ612が患者内に配置されると、手段616で膨張させることができる。
【0217】
アダプタ610は、スリットを有していても、なくてもよく、また、遠位端610Aにおける開口610C、および、近位端610Bにおける開口610Dを有する中空チューブである。
【0218】
ケーブル16を有するカメラ12を、近位開口610Dを通してアダプタ610の内側に配置することができる。使用しないときは、カメラ12をアダプタ610から取り外すことができる。近位開口610Dは、患者を換気するために閉鎖系を確立する必要がある場合、プラグ546で塞ぐことができる。アダプタ610の遠位端610Cは封止されていない。したがって、カメラ12は、アダプタ610から遠位に突出することができる。
図7Aの実施形態では、アダプタ610は、気管内チューブ612と一緒にアダプタ610を保持するために使用され得るカフ614の下に配置される。少なくともいくつかの実施形態では、アダプタ610は、気管内チューブ612に沿って遠位および近位にスライドすることができる。
【0219】
図7Bを参照すると、アダプタ610の遠位端610Aは、カフ614の近位に位置付けられている。他のすべての要素には、
図7Aに関連して論じられたように、番号が付けられている。
図7Bの実施形態では、アダプタ610は、アダプタ610が依然として遠位-近位軸612A-612Bに沿ってスライドすることができるように、気管内チューブ612に取り付けられ得る。あるいは、アダプタ610は、気管内チューブ612に接着されてもよく、スライドしない。
【0220】
図8Aを参照すると、全体として620である、本開示によるアダプタのさらなる実施形態が提供されている。アダプタ620は、遠位端622Aおよび近位端622Bを有する中空チューブ622を含む。中空チューブ622は、遠位/近位軸622A/622Bを延びるスリット(図示せず)を有し得る。
【0221】
中空チューブ622は、遠位端622Aにおける開口622C、および近位端622Bにおける開口622D(
図8Aの図面には図示せず)を有する。中空チューブ622の直径は、気管内チューブ612の直径と互換性がある。したがって、気管内チューブ612は、中空チューブ622内へ挿入することができる。スリットが存在する場合、それは、中空チューブ622からの気管内チューブ612の挿入および取り外しに役立つ。
【0222】
少なくとも1つの第2の中空チューブ624が、中空チューブ622に取り付けられている。第2の中空チューブ624は、遠位端624Aおよび近位端624Bを有する。第2の中空チューブ624は、遠位端624Aに開口624Cを有する。第2の中空チューブ624は、近位端624Bに開口624Dを有する。第2の中空チューブ624の遠位端624Aは、中空チューブ622の遠位端622Aと整列されている。第2の中空チューブ624の近位端624Bは、中空チューブ622の近位端622Bと整列されている。
【0223】
ケーブル16に接続されたカメラ12を、近位開口624Dを通して第2の中空チューブ624内へ挿入することができるように、第2の中空チューブ624の直径は、カメラ12と互換性がある。遠位端624Cは封止されていないので、カメラ12は、第2の中空チューブ624から遠位に突出することができる。少なくともいくつかの実施形態では、チューブ624の遠位端624Aは、カメラ12が体液と接触するのを防ぐ透明な窓で封止され得る。
【0224】
アダプタ620は、1つ以上の追加の中空チューブを含み得る。
図8Aには、第3の中空チューブ626が示されている。他の実施形態では、第3の中空チューブは存在しない場合があり、またはアダプタ620は、複数の中空チューブ626を含み得る。中空チューブ626は、中空チューブ620に取り付けられている。中空チューブ626は、遠位端626Aおよび近位端626Bを有する。中空チューブ626は、遠位端626Aに開口626Cを有する。中空チューブ626は、近位端626Bに開口626Dを有する。
【0225】
中空チューブ626の遠位端626Aは、中空チューブ622の遠位端622Aと整列されている。中空チューブ626の近位端626Bは、中空チューブ622の近位端622Bと整列されている。ケーブル16に接続されたカメラ12を、近位開口626Dを通して中空チューブ626内へ挿入することができるように、中空チューブ626の直径は、カメラ12と互換性がある。遠位端626Cは封止されていないので、カメラ12は、中空チューブ626から遠位に突出することができる。中空チューブ624および626は、カメラ、および、例えば、ブジーおよび/またはスタイレットなどのツールを収容するために交換可能に使用することができる。カメラを中空チューブ624または626の一方に挿入することができ、一方で、ツールを他方に挿入することができる。気管内チューブは、中空チューブ622内へ装填される。
【0226】
図8Bを参照すると、アダプタ620内へ装填された気管内チューブ612およびカメラ12が示されている。
図8Bのアセンブリから分かるように、チューブ624内に配置されたカメラ12は、気管内チューブ12の配置中に、連続的な視覚化を提供することができる。気管内チューブ12の配置をツールで案内する必要がある場合、ツールを第3の中空チャネル626内へ挿入することができる。
【0227】
図8Bに示されるように、アダプタ620は、気管内チューブ12の周りを時計回りおよび/または反時計回りに回転することができる。これにより、必要に応じてカメラ12および/またはツールを移動させることができる。アダプタ620はまた、気管内チューブ612の遠位-近位612A-612B軸に沿ってスライドすることができる。これにより、気管内チューブ612の遠位端612Aより近くに、または遠位端612Aからさらに離れてカメラおよび/またはツールを組み合わせる際のさらなる柔軟性が可能になる。
【0228】
中空チューブ622の直径、ならびに中空チューブ624および626の直径は、様々なデバイスに対応するように設計することができるので、アダプタ620は、種々の気管内チューブおよび/または他のデバイスとともに使用することができる。
【0229】
図8Cを参照すると、全体として640である、本開示によるアダプタのさらなる実施形態が示されている。アダプタ640は、遠位端642Aおよび近位端642Bを有する中空チューブ642を含む。中空チューブ642は、遠位端642Aにおける開口642C、および近位端642Bにおける開口642D(
図8Cの図面には図示せず)を有する。
【0230】
少なくとも1つの第2の中空チューブ644が、中空チューブ642に取り付けられている。第2の中空チューブ644は、遠位端644Aおよび近位端644Bを有する。他の実施形態では、アダプタ640は、複数の第2の中空チューブ644、例えば、2つまたは3つまたは4つの第2の中空チューブ644を含み得る。
【0231】
第2の中空チューブ644は、遠位端644Aに開口644Cを有する。第2の中空チューブ644は、近位端644Bに開口644Dを有する。第2の中空チューブ644の遠位端644Aは、中空チューブ642の遠位端642Aと整列されている。第2の中空チューブ644の近位端644Bは、中空チューブ642の近位端642Bと整列されている。ケーブル16に接続されたカメラ12を、近位開口644Dを通して第2の中空チューブ644内へ挿入することができるように、第2の中空チューブ624の直径は、カメラ12と互換性がある。遠位端644Cは封止されていないので、カメラ12は、第2の中空チューブ644から遠位に突出することができる。ブジー590、または他の任意のツールもしくはチューブ、すなわち、気管内チューブを、中空チューブ642内に配置することができる。
【0232】
アダプタ640は、中空チューブ642の長さの少なくとも一部にわたって中空チューブ642に沿って延び、アダプタ640に支持および支柱を提供するスタイレットまたはロッド646をさらに含み得る。さらなる実施形態では、ロッド646は存在しない。他の実施形態では、アダプタ640は、スタイレットまたはロッド646を含まない。
【0233】
図8Dに示されるように、カメラ12は、第2の中空チューブ644内へ装填され、一方で、ブジー590は、アダプタ640の中空チューブ642内へ装填されている。アダプタ640は、ブジーの周りを時計回りおよび反時計回りに回転することができる。アダプタ640は、ブジーに沿って遠位および近位にスライドすることができる。これにより、必要に応じて異なる組織領域を視覚化することができる。
【0234】
図8Eを参照すると、全体として660である、本開示によるアダプタのさらなる実施形態が提供されている。アダプタ660は、カメラ12に取り付けられた中空チューブ662を含む。中空チューブ662は、遠位端662Aおよび近位端662Bを含む。カメラ12は、中空チューブ662に外側に、遠位端662Aに近接して取り付けられている。ケーブル16は、中空チューブ662の長さに沿って延びている。
【0235】
ブジー590または他のいくつかのツールは、
図8Fに示されるように、中空チューブ662内に配置することができる。アダプタ660は、ブジー590の周りを時計回りおよび反時計回りに回転することができる。アダプタ660はまた、ブジー590の長さに沿って遠位および近位にスライドすることができる。アダプタ660は、アダプタ620および640に関連して説明されたように、追加の中空チューブを含み得る。
【0236】
図8Gを参照すると、全体として680である、本開示によるアダプタのさらなる実施形態が提供されている。アダプタ680は、中空チューブ682を含み、その一部が
図8Gに示されている。ケーブル16を有するカメラ12を、中空チューブ682内へ挿入することができる。中空チューブ682は、挿入に必要な形状に湾曲するのに十分な可撓性を有するプラスチック材料で作られている。しかしながら、一旦湾曲すると、中空チューブ682はその形状を保つ。本開示で提供されるアダプタのいずれも、この材料で作ることができ、それらが配置された形状を保つ特性を有する。あるいは、本開示によるアダプタは、可撓性材料で作ることができる。
図8Hには、アダプタ680内へ挿入されたカメラ12が示されている。
【0237】
図8Iには、
図8Hのアセンブリを気管内チューブ480内へどのように挿入することができるかが示されている。
【0238】
図8Jには、アダプタ680が挿入されている気管内チューブ480が示されている。アダプタ680は、ここでは気管内チューブ480の遠位端480Aに位置付けられているカメラを収容している。カメラケーブル16は、気管内チューブ480の近位端480Bの近位に突出することができる。カメラ12はまた、
図8Jの図面に示されるように、光源を含み、光を当てることができる。
【0239】
図8Kには、ケーブル16を有するケーブル12および気管支鏡648と組み合わされている
図8Cのアダプタ640が示されている。
【0240】
図8Cに関連して論じられたように、アダプタ640は、遠位端642Aおよび近位端642Bを有する中空チューブ642を含む。中空チューブ642は、遠位端642Aにおける開口642C、および近位端642Bにおける開口642Dを有する。
【0241】
少なくとも1つの第2の中空チューブ644が、中空チューブ642の長さに沿って取り付けられている。第2の中空チューブ644は、遠位端644Aおよび近位端644Bを有する。他の実施形態では、アダプタ640は、複数の第2の中空チューブ644、例えば、2つまたは3つまたは4つの第2の中空チューブ644を含み得る。
【0242】
第2の中空チューブ644は、遠位端644Aに開口644Cを有する。第2の中空チューブ644は、近位端644Bに開口644Dを有する。第2の中空チューブ644の遠位端644Aは、中空チューブ642の遠位端642Aと整列されている。第2の中空チューブ644の近位端644Bは、中空チューブ642の近位端642Bと整列されている。ケーブル16に接続されたカメラ12を、近位開口644Dを通して第2の中空チューブ644内へ挿入することができるように、第2の中空チューブ624の直径は、カメラ12と互換性がある。遠位端644Cは封止されていないので、カメラ12は、第2の中空チューブ644から遠位に突出することができる。
【0243】
図8Kでは、気管支鏡648は、近位開口642Dを通って中空チューブ642内へ配置されている。気管支鏡648は、ハンドル654を有する機構652に取り付けられたプラスチックロッド650を含む。プラスチックロッド650は、機構652のハンドル654をトグル操作することによって、例えば、様々な方向に湾曲して操作することができる。多くの先行技術の気管支鏡は、患者の組織を観察するための光およびレンズを含む。アダプタ640の助けを借りて、光およびレンズを含まないものを含む任意の気管支鏡を、連続的な視覚化を提供するカメラ12とともに使用することができる。気管支鏡648をアダプタ640と組み合わせるために、ロッド650の遠位端650Aが、開口642Dを通って中空チューブ642に挿入される。次に、遠位端650Aは、中空チューブ642の内側の遠位端642Aの近くに位置付けられる。ロッド650の遠位端650Aは、アダプタ640の中空チューブ642の開口642Cから遠位に突出し得る。
【0244】
アダプタ640は、中空チューブ642の長さの少なくとも一部にわたって中空チューブ642に沿って延び、必要に応じてアダプタ640に支持および支柱を提供するスタイレットまたはロッド646(
図8Kの図面には図示せず)をさらに含み得る。
【0245】
図8Lを参照すると、カメラが中空チューブ644内に収容されている間に、気管支鏡648のロッド650を中空チューブ642内に収容しているアダプタ640が示されている。したがって、気管支鏡648は、カメラ12による連続的な視覚化の下で操作することができる。
【0246】
図8Mおよび
図8Nを参照すると、アダプタ640が患者内へ挿入されている間に、気管支鏡648のロッド650は、ハンドル654をトグル操作することによって操作され、異なる方向に湾曲され得る。これらの操作は、カメラ12による連続的な視覚化の下で実施される。
【0247】
図9Aを参照すると、全体として700である、本開示による経口気道デバイスの更なる実施形態が提供されている。経口気道デバイス700は、経口気道デバイス700の挿入中に、経口気道デバイス700が患者の口蓋の輪郭に従うように前方に湾曲した(アーチ状の)チューブ状本体701を含む。本開示では、「前方に」は、その標準的な解剖学的意味で使用され、例えば、デバイス700の遠位部分は、対象者の正面に向かって湾曲している。
【0248】
経口気道デバイス700の湾曲したチューブ状本体701は、遠位端702Aと近位端702Bとの間の長さを有する壁702によって作られている。壁702は、腹側表面702Dおよびその反対側の背側表面702C(
図9Aの図面では見えない)を有する。チューブ状本体701の断面図を示す
図9Wも参照されたい。
【0249】
図9Wの図面では、壁702の断面は、壁702内のカメラチャネル718、壁702内の中央ルーメン704、および壁702内の胃チャネル720が示されている。壁702の背側表面702C、壁702の腹側表面702D、および壁702の側面702Lおよび702Rも、中央ルーメン704内へ開口する壁702のスリット706とともに示されている。壁702は、患者の口腔内へ挿入するのに十分な可撓性があるが、湾曲した形状を保つのに十分に堅い熱可塑性材料で作ることができる。従来の経口気道デバイスは、中空のプラスチックシリンダであるチューブである。従来の経口気道デバイスとは異なり、壁702は厚さを有し、チューブ状本体701は中空ではない。代わりに、中央ルーメン704、ならびにチャネル718および720が、熱可塑性材料で満たされたチューブ状本体701の壁702内の中空の通路である。
図9Wを参照されたい。
【0250】
図9Aに戻って参照すると、腹側表面702Dを見ると、近位端702Bから遠位端702Aまで、湾曲したチューブ状本体701は、挿入中に患者の口蓋の輪郭に従うために、およびまた、喉頭入口への経口気道デバイス700の整列を向上させるために前方に湾曲している。
【0251】
壁702は、背側表面702C(
図9Aの図面では見えないが、
図9Wを参照されたい)、背側表面702Cの反対側である腹側表面702D、および2つの側面(側方表面):表面702Cと702Dとの間の各側に1つを含む。
図9Aの図面には、腹側表面702Dおよび右側面702Rが示されている。左側面702Lは、右側面702Rの反対側にあり、
図9Aの図面では見えないが、
図9Wも参照されたい。対象者内に経口気道デバイス700を配置すると、腹側表面702Dは、典型的には前方に、言い換えれば、背側表面702Cよりも対象者の正面に近く位置付けられる。対象者内にデバイス700を配置すると、近位端702Bは、対象者の口の外部および外側のままである。
【0252】
アーチの湾曲のために、壁702の長さは、腹側表面702D上よりも背側表面702C上の方が長い。
【0253】
その遠位端において、湾曲したチューブ状本体701は、舌部703で終端する。舌部703は、湾曲したチューブ状本体701から遠位に突出し、その遠位先端703Aで先細になっている。舌部703は、腹側表面716、および腹側表面716と反対側にあり、
図9Aには見えない背側表面703Cを有する。しかしながら、舌部703の背側表面703Cは、以下により詳細に説明されるように、
図9B、
図9C、および
図9Dに示されている。
【0254】
図9Aに示されるように腹側表面716から舌部703を見ると、舌部703の先端703Aは、経口気道デバイス700の挿入を容易にし、患者の組織への外傷を防ぐまたは少なくとも最小限に抑えるために、楕円形、ほぼ楕円形、円形、またはほぼ円形であり得る。
【0255】
舌部703は、以下により詳細に論じられるように、他のいくつかの要素が収容されるプラットフォームとして機能する腹側表面716を有する。腹側表面716は、平坦またはほぼ平坦であり得、これは、舌部703を、喉頭マスクの本体が典型的にはボウルである喉頭マスクと区別する。
【0256】
湾曲したチューブ状本体701および舌部703は、前方湾曲を固定または実質的に固定に維持する熱可塑性ポリマー材料で作られている。ポリマー材料は、前方湾曲を含む経口気道デバイス700の形状を維持するのに十分な剛性がある。しかしながら、材料は、挿入中の患者の組織への衝撃が少ないように、十分な可撓性および柔軟性がある。好適な材料には、例えば、ポリ塩化ビニルなどの合成プラスチックポリマーが含まれ得る。好適な材料にはまた、例えば、スチレンブタジエンゴムなどのゴムが含まれ得る。
【0257】
湾曲したチューブ状本体701は、その形状を維持することができるが、ブジーを、例えば、側面702Lに沿って壁702に組み込むことができ、これにより、ブジーは、経口気道デバイス700に追加の支柱支持を提供する。
【0258】
壁702は、中央ルーメン704を取り囲んでいる。これは、中央ルーメン704が気管内チューブを配置するために使用され得るので、本開示において気管内チューブ(ETT)ルーメンと呼ばれ得る。しかしながら、ETTルーメン704は、例えば、ブジー590などの他の呼吸チューブおよび/もしくはツール、ならびに/または気道管理に好適なデバイスの送達に使用され得ることを理解されたい。以下により詳細に論じられるように、ETTルーメン704自体を、必要に応じて患者を換気するために使用することができる。したがって、経口気道デバイス700は、気道を管理するための気管内チューブの有無にかかわらず使用することができる。
【0259】
中央ルーメン704は中空であり、遠位開口704Aおよび近位開口704Bを有する。近位開口704Bは、湾曲したチューブ状本体702の近位端702Bで開口している。遠位開口704Aは、舌部703の腹側表面716へ開口している。
【0260】
中央ルーメン704は、壁702によって完全に取り囲まれ得るか、または壁702は、
図9Aに示されるように、スリット706を有し得る。スリット706は、
図9Aの実施形態では、壁702の腹側表面702D上の遠位-近位702A-702B軸に沿って延びている。スリット706に加えて、またはスリット706の代わりに、中央ルーメン704の一部の近位部分が腹側表面702D上で開口し、壁702によって覆われないように、
図9Aに示されているように、腹側表面702D上の一部の近位部分が存在しない場合がある。言い換えれば、湾曲したチューブ状本体701は、中央ルーメン704内へ開口する近位凹部708を有し得る。他の実施形態では、デバイス700は、スリット706を有さないか、または、スリット706は、腹側表面702Dの代わりに背側表面702Cに位置している。
【0261】
例えば、気管内チューブ、または患者の気道の管理に好適な他の任意のツールもしくはデバイスなどの医療用デバイス、またはカメラは、スリット706に沿って壁702のエッジを押し離すことによって、中央ルーメン704内に配置するか、または中央ルーメン704から取り外すことができる。
【0262】
図9Aの実施形態では、壁702は、腹側表面702D上に遠位-近位702A-702B軸に沿って長手方向に延びるスリット706を有する。他の実施形態では、スリット706において壁702を押し離すことによって、施術者がスリット706を通って中央ルーメン704にアクセスすることができるようにスリット706が位置している限り、スリット706は、壁702の他の表面、例えば、背側表面702Cに配置されてもよい。
【0263】
いくつかの実施形態では、スリット706は、壁702のエッジが、スリット706の長さに沿って接触するか、またはほぼ接触するように細くてもよい。いくつかの実施形態では、スリットは封止可能である。これらの実施形態では、スリット706に沿った壁702のエッジの1つが、溝を含み、壁702の他のエッジは、溝とかみ合う隆起部を含み、それによって、スリット706を通してシールが形成される。シールは必要に応じて再び開くことができる。
【0264】
いくつかの実施形態では、スリット706は、壁702内の穿孔線であり、これは、穿孔線に沿って壁を開くことによって、中央ルーメン704への開口に変換することができる。他の実施形態では、スリット706は、スリット706に沿った壁702のエッジ間に、常に間隙があり、壁702のエッジがスリット706の長さに沿って接触しないような間隙である。少なくともいくつかのさらなる実施形態では、壁702は、スリット706を含まない。
【0265】
図9Bを参照すると、遠位-近位軸702A-702Bに沿った経口気道デバイス700の中央ルーメン704の長手方向断面図であり、壁702の内側の中央ルーメン704が示されている。すべての要素には、
図9Aに関連するとおりにラベルが付けられている。その遠位先端703A、腹側表面716および背側表面703Cを含む、舌部703の断面が示されている。
【0266】
湾曲したチューブ状本体701は、前方に湾曲している。したがって、壁702の内側の通路である中央ルーメン704もまた、前方に湾曲している。
【0267】
さらに、壁702の一部の遠位部分702Iは、舌部703の近くで中央ルーメン704内で傾斜している。中央ルーメン704のこの構造は、中央ルーメン704の遠位開口704Aから、気管内チューブ(または中央ルーメン704内に収容される他の任意のデバイスもしくはツール)が突出する舌部703の上方の角度を決定する。
【0268】
中央ルーメン704は、中央ルーメン704が、舌部703の背側表面703Cに対して少なくとも30度である角度で、中央ルーメン704内に収容されている気管内チューブを、遠位開口704Aから突出させるように、所定の角度で傾斜している。いくつかの実施形態では、角度は、30度から80度の範囲にある。より好ましくは、中央ルーメン704は、傾斜しており、舌部703の背側表面から、50度から80度の範囲の角度で、気管内チューブを遠位開口704Aから突出させる。最も好ましくは、中央ルーメン704は、舌部703の背側表面703Cに対して、60度から70度の範囲の角度で傾斜している。例えば、小児科の用途などのいくつかの他の実施形態では、角度は異なっていてもよく、必要に応じて調整され得ることを当業者には理解されたい。
【0269】
図9Aに戻って参照すると、中央ルーメン704に加えて、壁702は、少なくとも2つの周辺中空チャネル、718および720を含む。
図9Wも参照されたい。いくつかの実施形態では、以下により詳細に論じられるように、チャネル720は存在しない場合がある。
チャネル718は、壁702内の中空の通路である。
図9Aおよび
図9Wも参照されたい。
【0270】
図9Aに示されるように、チャネル718は、ケーブル16を有するカメラ12、および/または、例えば、ブジーである他のいくつかのツールもしくはデバイスを挿入するために使用され得る。チャネル718は、本開示ではカメラチャネル718と呼ばれ得る。チャネル718は、他のツールおよび/またはデバイスの挿入に使用することができ、カメラは、他のチャネル、例えば、チャネル704および/またはチャネル720に挿入することができることを理解されたい。カメラチャネル718はまた、患者の組織に薬剤を噴霧するため、および/または分泌物を吸引するために使用することができる。
【0271】
カメラチャネル718は、カメラチャネル718への入口であり、壁702の近位端702Bに位置付けられている近位開口718Bを有する。カメラチャネル718は、壁702の遠位-近位702A-702B軸に沿って延びている。カメラチャネル718は、カメラチャネル718からの出口である遠位開口718Aで終端する。カメラチャネル718は、周辺チャネルである。
図9Aの図面における、および
図9Wに示されている中央ルーメン704の近位開口704Bの中央位置付けと比較した近位開口718Bの周辺的な位置を参照されたい。
【0272】
ケーブル16を有するカメラ12を、近位開口718Bを通してカメラチャネル718内に挿入することができる。患者の器官の視覚化に好適な任意のカメラを、経口気道デバイス700内で使用することができる。カメラ12は、カメラチャネル718に挿入可能およびカメラチャネル718から取り外し可能である。カメラチャネル718の遠位開口718Aにおけるカメラ12の位置は、配置中の患者の組織、および患者の口腔を通って咽頭に入る経口気道デバイス700の通過をモニタリングするために、必要に応じて調整することができる。
【0273】
経口気道デバイス700は、カメラを備えていると、患者の喉頭および声帯の連続的な視覚化を提供することができる。これにより、気管内チューブの正確かつ迅速な配置が容易になり、複数回の長時間にわたる挿入を試行することなく達成することができる。デバイス700は、1つよりも多いカメラを含み得る。例えば、カメラの1つを、カメラチャネル718内へ挿入することができ、一方で、他のカメラを、ブジーおよび/または気管内チューブと一緒に中央ルーメン704内に配置することができる。
【0274】
図9Aの図面では、遠位開口718Aは、カメラがチャネル718内へ挿入され、遠位開口718Aを通って突出するときに、カメラがデバイス700の遠位端およびデバイス700の挿入の視覚化を提供することができ、また、その後に、カメラからの連続的な視覚化の下で、気管内チューブの配置を案内することができるように、中央ルーメン704からの遠位開口704Aの近くに位置付けられている。カメラチャネル718の遠位開口718Aは、好ましくは、カメラがカメラチャネル718から遠位に突出することができるように封止されていない。しかしながら、いくつかの実施形態(
図9Aには図示せず)では、カメラチャネル718の遠位開口718Aは、窓で封止されていてもよい。
【0275】
いくつかの実施形態では、カメラチャネル718は、壁702内の中空の通路であり、カメラチャネル718は、
図9Wにも示されているように、ETTルーメン704から完全に分離されている。
【0276】
他の実施形態では、カメラチャネル718は、間隙またはスリットでETTルーメン704に接続されているセミルーメンである。さらなる実施形態では、壁702の表面の1つにカメラチャネル718の長さに沿って延びるスリット(
図9Aには図示せず)がある。これらの実施形態では、カメラは、スリットを通して引っ張られることによって、カメラチャネル718に挿入し、カメラチャネル718から取り外すことができる。
【0277】
図9Cを参照すると、カメラチャネル718の長手方向断面図であり、カメラチャネル718が、壁702内の中空の通路であることが示されている。カメラチャネル718は、前方に湾曲している。カメラチャネル718はまた、舌部703の背側表面703Cから遠位開口718Aの近くのその遠位部分718Sにおいて傾斜している。カメラチャネル718内に配置されたカメラ(または他の任意のデバイス)は、カメラチャネル718の傾斜した構造のために、カメラチャネル718から所定の角度で突出する。
【0278】
例えば、カメラなどのデバイスが、カメラチャネル718内に収容され、カメラの遠位端が、カメラチャネル開口718Aから遠位に突出するとき、デバイス/カメラは、カメラチャネルから、カメラチャネル718の傾斜によって規定される所定の角度で突出する。そのとき、突出するデバイス/カメラは、カメラランプ724によってその角度で支持される。
【0279】
いくつかの実施形態では、カメラチャネルの所定の角度は、舌部703の背側表面703Cから30度から80度の範囲にある。より好ましくは、角度は、50度から70度の範囲にある。最も好ましくは、角度は、55度から65度の範囲にある。しかしながら、例えば、小児科の用途などの他の用途では、カメラを、カメラチャネル718から、他のいくつかの角度、例えば、舌部703の背側表面703Cに対して10~40度で突出させることができる。
【0280】
カメラチャネル718の所定の角度は、カメラが中央ルーメン704内に収容された気管内チューブの先端を視覚化することを可能にする角度で、カメラチャネルがカメラを突出させるように最適化される。カメラチャネル718および中央ルーメン704は、カメラチャネル718内に収容されているカメラが、気管内チューブが中央ルーメン704から突出する角度とは異なる角度で突出するように、舌部70sの背側表面703Cから異なる傾斜で設計され得ることに留意することが重要である。
【0281】
いくつかの実施形態では、中央ルーメン704の突出角度は、カメラチャネル718の突出角度よりも大きくてもよく、両方の角度は、舌部703の背側表面703Cから計算される。いくつかの実施形態では、中央ルーメン704の突出角度は、カメラチャネル718の突出角度よりも5から10度大きくてもよい。他の実施形態では、中央ルーメン704の突出角度は、カメラチャネル718の突出角度よりも低くてもよい。いくつかの実施形態では、中央ルーメン7004の突出角度は、カメラチャネル718の突出角度よりも5から10度低くてもよい。他の実施形態では、両方の突出角度は同じであるか、または実質的に同じである。
【0282】
いくつかの実施形態では、中央ルーメン704は、舌部703の背側表面703Cに対して55から75度で傾斜しており、カメラルーメン718は、舌部703の背側表面703Cに対して50から70度で傾斜している。
【0283】
カメラは、気管内チューブとは独立してカメラチャネル718に沿ってスライドするように操作することができるので、中央ルーメン704内に収容された気管内チューブの遠位先端に対するカメラ位置を、必要に応じて調整することができる。例えば、中央ルーメン704の遠位開口704Aから遠位に突出する気管内チューブの遠位端により近くに、またはより遠くに、カメラを位置付けることができる。本経口気道デバイスによって提供される技術的利点1つ、カメラを気管内チューブの先端の近位に位置付けることができる。
【0284】
図9Aに戻って参照すると、経口気道デバイス700は、出てくるカメラまたは任意の他のツールを、腹側表面716の上方に持ち上げるための1つ以上のカメラチャネル案内手段をさらに含み得る。案内手段はまた、遠位開口718Aから出てくる、例えば、カメラおよび/またはブジーであるデバイスまたはツールの出てくる先端を、腹側表面716の中心線に向かって案内し得、それにより、チャネル718内に収容されているカメラおよび/もしくはブジー、または他の任意のデバイスもしくはツールの出てくる先端は、中央ルーメン704の遠位開口704Aから出てくる気管内チューブの遠位端とよりよく整列される。
【0285】
案内手段は、1)カメラの遠位先端を気管内チューブの遠位先端と整列させるのに役立つ、
図9Aの図面においてレッジ718Lとして示されるレッジ、2)
図9Aに壁ガード718Gとして示される、腹側表面716の中心線に向かって、出てくる先端を案内する壁ガード、3)
図9Aにカメラチャネルランプ724として示される、遠位開口718Aの前および/または遠位開口718Aの内側に位置付けられたランプ、および4)それらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。
【0286】
カメラチャネル718は、壁材料によって中央ルーメン704から分離されている、全体として、壁702内の中空チャネルまたはトンネルであるが、カメラルーメン718は、レッジ718Lを有し得る。したがって、遠位開口718Aおよび遠位開口704Aは、カメラルーメン718内に配置されたデバイスまたはツールの出てくる先端が、遠位開口704Aから出てくる気管内チューブの先端と整列されるように整列され得る。
【0287】
経口気道デバイス700は、カメラの先端が遠位開口718Aから出てくるときに、壁ガード718Gがカメラ、および/または、例えば、ブジーである他の任意のデバイスの先端を、腹側表面716の中心線に向かって案内し、それにより、カメラおよび/またはブジーが、中央ルーメン704の遠位開口704Aから出てくる気管内チューブの遠位端と整列されるように位置付けられた壁ガード718Gを含み得る。壁ガード718Gは、遠位開口718Aの一部分の前に懸架する折り目であり得る。
【0288】
経口気道デバイス700は、カメラチャネル遠位開口718Aの遠位におよびその前に位置付けられたカメラチャネルランプ724を含み得る。カメラチャネルランプ724は、傾斜したカメラチャネル718から突出するカメラを支持する。
【0289】
いくつかの他の実施形態では、経口気道デバイス700は、壁702に組み込まれ得るか、壁702に封止され得るか、または壁702に沿ってスライド可能に接続され得る少なくとも1つのカメラ(図示せず)を含み得る。さらなる実施形態では、経口気道デバイス700は、複数のカメラを含み得る。経口気道デバイス700は、カメラと組み合わせることができる、または別個のデバイスであり得る、音響および/または心音センサをさらに含み得る。1つ以上のカメラは、組み込まれた光源を含み得る。あるいは、壁702は、カメラから独立している組み込まれた光源を有し得る。
【0290】
さらなる実施形態では、経口気道デバイス700は、壁702に組み込まれ得る食道聴診器(図示せず)を含み得るか、または食道聴診器は、チャネル718、ETTルーメン、および/またはチャネル720内へ挿入可能であり得る。さらなる実施形態では、経口気道デバイス700は、食道聴診器(図示せず)と組み合わされ得る温度プローブ(図示せず)を含み得るか、または温度プローブは、壁702に組み込まれ得るか、または温度プローブは、チャネル718、ETTルーメン、および/またはチャネル720内へ挿入可能であり得る。
【0291】
中央ランプ714は、腹側表面716上に位置付けられ、腹側表面716の上方に立ち上がる。中央ランプ714は、中央ルーメン704からの開口704Aの遠位に、およびその前に位置している。中央ランプ714は、近位エッジ714Bおよび遠位エッジ714Aを有するランプ表面714Sを支持する遠位壁714Wを含む。
【0292】
中央ランプ714は、気管内チューブまたは他の医療用デバイスもしくはツールの挿入を容易にし、案内する。気管内チューブ(または他の任意のデバイスまたはツール)が中央ルーメン704内に収容され、気管内チューブ(または他の任意のデバイスまたはツール)の遠位端が、中央ルーメン704の遠位開口704Aから遠位に突出しているときに、中央ランプ714は、突出する遠位先端を舌部703の腹側表面716の上方に支持し持ち上げる。
【0293】
次に、中央ランプ714の構造について、中央ランプ714が取り付けられている腹側表面716の一部分を示す
図9Eを参照して説明される。中央ランプ714は、壁702の中央ルーメン704の遠位開口704Aの遠位に、およびその前に位置している。
【0294】
ランプ714の高さ(
図9Eの図面にhとして示されている)は、経口気道デバイス700の挿入中に、中央ランプ714が、披裂軟骨および/または喉頭の下部と接触するように設計されている。中央ランプ714は、経口気道デバイス700が上部食道に入るのを防ぐ。
【0295】
気管内チューブなどのデバイスまたはツールが、中央ルーメン704内へ挿入され、デバイスまたはツールの遠位先端が、中央ルーメン704の開口704Aから遠位に突出するときに、中央ランプ714は、舌部703の遠位表面703Cから50から80度の範囲、好ましくは60から70度の範囲にあり得る所定の角度で、デバイスまたはツールの先端を腹側表面716の上方に持ち上げて支持する。
【0296】
経口気道デバイス700は、気管内チューブおよび/または他の任意のデバイスもしくはツールを、声帯間に気管内チューブを向けるのに最適な角度で案内する。したがって、中央ランプ714、壁702のアーチ状の湾曲、および傾斜した中央ルーメン704は、食道挿管または披裂軟骨へのスネアリングのリスクを最小限に抑える。
【0297】
図9Eの図面では、カメラチャネルランプ724およびカメラチャネルレッジ718Lとともに、カメラチャネル718からの遠位開口718Aも示されている。カメラチャネルガード718Gも示されている。
【0298】
図9Aに戻ると、
図9Aの実施形態では、経口気道デバイス700は、本開示では胃チャネル720と呼ばれ得る第2の周辺チャネル720を含む。他の実施形態では、胃チャネル720は存在しない場合がある。いくつかの他の実施形態では、経口気道デバイス700は、追加のチャネルを含み得る。
【0299】
胃チャネル720は、壁702の遠位-近位702A-702B軸に沿って延びる壁702内の中空の通路である。胃チャネル720は、壁702の近位端702Bにおいて近位開口720Bで開口している。胃チャネル720は、胃チャネル720の長さの少なくとも一部分に沿って延び、壁702の表面の1つで胃チャネル720を開口するスリット722を有し得る。
図9Aの実施形態では、スリット722は、右側面702Rへ開口している。代替の実施形態では、スリット722は、壁702の背側表面702C上で開口することができる。さらなる実施形態では、スリット722は存在しない場合がある。
【0300】
胃チャネル720は、壁702の背側表面702C上の遠位開口720A(
図9Aの図面には図示せず)で終端するか、または遠位開口720Aは、舌部703の背側表面(
図9Aの図面では見えない)で開口し得る。
【0301】
胃チャネル720は、胃チャネル720内に吸引チューブを挿入することにより、流体および胃内容物を吸引するために使用することができる。本開示では、胃チャネル720は、食道チャネル720と呼ばれ得る。胃チャネル720は、胃内容物を吸引するために、および嘔吐を防ぐために使用され得る。
【0302】
図9Dを参照すると、食道チャネル720の長手方向断面図であり、壁702におけるその相対位置が示されている。すべての要素には、
図9Aに関連するとおりにラベルが付けられている。
図9Wも参照されたい。
【0303】
胃チャネル720はまた、ブジー、スタイレット、鉗子、食道聴診器、および/またはカメラを含むがこれらに限定されない他のツールを挿入するために使用することができる。
【0304】
他の実施形態では、胃チャネル720は、スリット(
図9Aには図示せず)でETTルーメン704に接続されているセミルーメンである。
【0305】
経口気道デバイス700は、いくつかのツールを一緒に組み立てるので、一人の施術者が、必要に応じてこれらすべてのツールを操作し、経口気道デバイス700の配置を行うことができる。
【0306】
当業者によって理解され得るように、いくつかの実施形態では、チャネル718および720は、交換可能であり得る。すなわち、必要に応じて、カメラを2つのチャネルのいずれかに挿入することができる。さらなる実施形態では、経口気道デバイス700は、壁702内に、2つよりも多いチャネルを有し得る。これらの追加のチャネルは、ETTルーメン704に対して周辺的に位置し得る。いくつかの処置では、必要に応じて、カメラをETTルーメン704内へ配置することもできる。
【0307】
図9Aを参照すると、非インフレータブルの喉頭カフ710が形成され、舌部先端703Aを含む舌部703の腹側表面716の周囲に取り付けられている。喉頭カフ710はまた、側面702L、702Rおよび腹側表面702D上で壁702に取り付けられている。したがって、喉頭カフ710は、経口気道デバイス700のドーナツ状のクッションを形成する。
【0308】
喉頭カフ710は、患者の喉頭入口部位の輪郭に対応するように形作られている。したがって、喉頭カフ710は、喉頭入口部位でシールを形成することができ、それにより、以下により詳細に論じられるように、中央ルーメン704を介した人工呼吸中に肺を膨張させることができる。
【0309】
図9Aの実施形態では、喉頭カフ710は、非インフレータブルであり、挿入中の患者の組織への外傷を防ぐまたは最小限に抑えるように十分に柔らかい。喉頭カフ710はまた、患者の気道の湾曲に合致させることができる。非インフレータブルな喉頭カフ710は、シリコーンゴム、または喉頭カフ710にゴム状のテクスチャを提供する他の任意のポリマー材料から作ることができる。
【0310】
図9Aの図面では、喉頭カフ710は、内部部分716の中央部分の一部が喉頭カフ710で覆われないように、舌部703の腹側表面716を円周方向に覆っている。他の実施形態では、喉頭カフ710は、中央ランプ714のみを除いて、腹側表面716のすべてまたはほぼすべてを覆っていてもよい。
【0311】
他の実施形態では、喉頭カフ710は、デバイス700が患者内に配置された後に、喉頭カフ710が空気で膨張するようにインフレータブルにされてもよい。さらに別の実施形態では、喉頭カフ710は、非インフレータブルであり、シリコーンゴムまたは他の任意のポリマー材料のシェルとして作られている。シェルは、製造中に、好適な液体、ゲル、またはガスで満たされる。
【0312】
さらなる実施形態では、喉頭カフの一部分のみがインフレータブルであり、一方で、他の部分はインフレータブルではない。いくつかの実施形態では、喉頭カフ710の遠位部分が非インフレータブルであり得、一方で、側方部分および/または近位部分はインフレータブルであり得る。
【0313】
喉頭カフ710は、挿入中の患者の組織への衝撃を吸収および軟化し、また、デバイス700が配置されると、シールを向上させる。
【0314】
図9Aの実施形態では、喉頭カフ710は、壁702のスリット706と整列されているスリット712を有し、それにより、壁702のエッジがスリット706において押し離されるとき、喉頭カフ712もまた、気管内チューブまたは他の任意のデバイスの中央ルーメン704内への挿入または中央ルーメン704からの取り外しを容易にするように、押し離されることができる。他の実施形態では、喉頭カフ710は、スリット712を含まない。スリット712は、スリット706に関連して説明されたものと同じに封止可能であり得る。喉頭カフ710がインフレータブルである場合、スリット712は、喉頭カフ710のシェルを切り通さず、シェルは依然として完全なままであり、依然として空気、気体、または液体を保持している。
【0315】
中央ルーメン704の使用目的の1つは、気管内チューブを送達し、その適切な配置を容易にすることである。スリット706および712のために、経口気道デバイス700が患者内に挿入されたままである間に、気管内チューブを中央ルーメン704から容易に分離および取り外すことができる。さらに、気管内チューブが患者内に配置された後、気管内チューブが患者内に挿入されて所定の位置にあるままである間に、患者からアセンブリ全体を取り外す必要なしに、経口気道デバイス700を患者から分離および取り外すことができる。
【0316】
経口気道デバイス700が、壁702を通るスリット706を有する場合、中央ルーメン704を通る閉鎖系を確立するために、1つ以上のアクセサリを使用することができる。したがって、経口気道デバイス700は、中央ルーメン704を通して患者を換気するために使用することができる。
【0317】
図1T、
図1U、および
図1Vの図面に関連して示され、かつ説明されるように、経口気道デバイス700は、人工呼吸器アダプタ507とともに使用することができる。あるいは、デバイス500を、中央ルーメン704内へ挿入することができる。さらなる実施形態では、以下の
図9N、
図9O、
図9P、および
図9Qに関連して示され、かつ説明されるように、アクセサリキャップ770を使用して、中央ルーメン704を通る換気のための閉鎖系を確立することができる。
【0318】
経口気道デバイス700は、体重に応じて小児患者および成人患者を対応するために、異なるサイズで作ることができる。
【0319】
図9Fを参照すると、
図9Aの経口気道デバイス700を、近位開口704Bを通して中央ルーメン704内へ挿入された気管内チューブ480とどのように組み立てることができるかが示されている。吸引チューブ482は、チャネル720の近位開口720Bを通して吸引チューブ482を挿入することによって、チャネル720内に位置付けることができる。ケーブル16を有するカメラ12は、カメラチャネル718の近位開口718Bを通してカメラチャネル718内へ挿入することができる。デバイス700において、すべての要素は、
図9Aに関連して説明されたとおりである。
【0320】
図9Gを参照すると、気管内チューブ480の遠位端480Aが経口気道デバイス700から遠位に突出している状態で、中央ルーメン704内に収容された気管内チューブ480と組み立てられている
図9Aの経口気道デバイス700が示されている。気管内チューブ480は、所定の角度で、舌部703の上方に中央ルーメン704から突出している。気管内チューブは、中央ランプ714で、この角度に支持されている。
【0321】
吸引チューブ482は、胃チャネル720内に位置付けられている。吸引チューブ482の遠位端482Aは、吸引チューブ482の遠位端482Aが喉頭カフ710の外側に位置付けられるように、経口気道デバイス700の背側表面702C上に、経口気道デバイス700から遠位に突出している。
【0322】
挿入後、喉頭カフ710は、喉頭を封止し、一方で、吸引チューブ482は、胃から流体を吸引するために使用することができる。アセンブリは、カメラチャネル718の内側に収容され、
図9Gの図面には見えないカメラ12と、カメラチャネル718内へ挿入されたケーブル16とをさらに含み、カメラケーブル16の一部分は、カメラチャネル718の外側のままである。カメラ12は、アセンブリの遠位先端の画像を撮影することができ、挿入中および挿入が完了した後、連続的な視覚化を提供する。カメラは、キャプチャした情報、例えば、画像および音響を遠隔から送信することができる。
【0323】
図9Hを参照すると、スリット706を通して、次にスリット712を通して経口気道デバイス700から分離されている気管内チューブ480が示されている。気管内チューブ480が取り外されている間、カメラ12および吸引チューブ482は、必要に応じて挿入されたままであり得る。
【0324】
図9Iを参照すると、全体として730である、経口気道デバイスのさらなる実施形態が提供されている。経口気道デバイス730内のすべての要素は、経口気道デバイス730が追加の要素、すなわち、以下により詳細に説明される背側インフレータブルカフ734を含むことを除いて、経口気道デバイス700に関連して説明され、
図9A~
図9Hに関連して示されたものと同じである。
【0325】
背側インフレータブルカフ734は、舌部先端703Aの近位で、舌部703の背側表面703C上に位置付けられている。インフレータブルなカフ734は、手段736で膨張させることができる。膨張すると、カフ734は、追加のシールを提供する。喉頭カフ710によって形成されたシールを支持する。インフレータブルカフ734は、要求に応じて膨張させることができるため、インフレータブルカフ734を使用して、シールを微調整および調整し、シールを患者の解剖学的構造に合致させることができる。したがって、デバイス730は、喉頭カフ710でのシールが不完全である患者に使用することができる。
【0326】
経口気道デバイス730は、経口気道デバイス700を含む他の経口気道デバイスに関連して論じられたように、1つ以上のカメラを備えている。インフレータブルカフ734の膨張の調整は、シールを検証するために、カメラからの連続的な視覚化の下で行うことができる。経口気道デバイス700に関連して説明されたような他のすべての要素およびそれらの機能。
【0327】
つまり、経口気道デバイス730は、近位端702Bと遠位端702Aとの間の長さを有するチューブ状本体702を含む。チューブ状本体702は、壁702を中央ルーメン704内へ開口するスリット706を有する。
図9Aに関連して論じられたように、スリット712を有する喉頭カフ710が形成され、舌部703および壁702に取り付けられている。ランプ714は、中央ルーメン704からの遠位開口704Aの前に位置付けられている。近位開口718Bおよび遠位開口718Aを有するカメラチャネル718は、側面702L内に中央ルーメン704に対して周辺的に位置している。他の周辺チャネル720は、もう一方の側面-702R内に位置している。チャネル720は、背側表面702C上で開口し、吸引チューブを案内するために使用することができる。
【0328】
図9Jを参照すると、腹側表面(702D)からの経口気道デバイス730が示されている。すべての要素は、
図9Aおよび
図9Iに関連して論じられたものと同じである。この図は、舌部703に対するチャネル720の遠位開口720Aの位置を示している。この図はまた、舌部703に対するインフレータブルなカフ734の位置を示している。
図9Jの実施形態では、インフレータブルなカフ734が示されているが、他の実施形態では、インフレータブルなカフ734はない。
【0329】
図9Kを参照すると、背側表面(702C)からの経口気道デバイス730が示されている。すべての要素は、
図9A、
図9I、および
図9Jに関連して論じられたものと同じである。この図は、舌部703に対するチャネル720の遠位開口720Aの位置を示している。この図はまた、喉頭カフ710に対するインフレータブルなカフ734の位置を示している。
【0330】
図9Lを参照すると、全体として740である、経口気道デバイスのさらなる実施形態が示されている。経口気道デバイス740は、経口気道デバイス740の挿入中に、経口気道デバイス740が患者の口蓋の輪郭に従うように前方に湾曲し、アーチ状になるチューブ状本体である。経口気道デバイス740の湾曲したチューブ状本体は、遠位端742Aと近位端742Bとの間の長さを有する壁742によって作られている。
【0331】
経口気道デバイス740では、壁742が患者の口蓋の輪郭に従うように、壁742は、遠位-近位742A-742B軸に沿ってアーチとして湾曲している。壁742は、壁700と同様に、背側表面742C(
図9Lの図面では見えない)、背側表面742Cの反対側である腹側表面742D、および腹側表面742Dと背側表面742Cとをチューブ状本体内へと接続する2つの側方表面、すなわち、左側面742L(
図9Lの図面では見えない)および右側面(742R)を含む。アーチの湾曲のために、壁742の長さは、腹側表面742D上よりも背側表面742C上の方が長い。
【0332】
腹側表面742Dは、口腔内にデバイス740が挿入されたときに患者の舌と接触している。背側表面742Cは、腹側表面742Dの反対側にある。
【0333】
図9Lの図面には、腹側表面742Dおよび右側腹部742Rが示されている。左側面702Lは、右側面702Rの反対側にあり、
図9Lの図面では見えない。
【0334】
壁742は、中央ルーメン744を取り囲んでいる。中央ルーメン744は、本質的に経口気道デバイス700の中央ルーメン704に関連して説明されたように、中空であり、遠位開口744Aおよび近位開口704Bを有する。近位開口744Bは、壁742の近位端742Bで開口している。遠位開口744Aは、壁742の遠位端742Aの近くで開口している。
【0335】
中央ルーメン744は、壁742によって完全に取り囲まれ得るか、または壁742は、
図9Lに示されるように、スリット746を有し得る。スリット746は、腹側表面742D上の遠位-近位742A-742B軸に沿って延びている。スリット746に加えて、またはスリット746の代わりに、中央ルーメン744の一部の近位部分が腹側表面742D上で開口するように、
図9Lに示されているように、腹側表面742D上の壁742の一部の近位部分が存在しない場合がある。
【0336】
例えば、気管内チューブ、または患者の気道の管理に好適な他の任意のツールもしくはデバイスなどの医療用デバイス、またはカメラは、スリット746に沿って壁742を開くことによって、中央ルーメン744内に配置するか、または中央ルーメン744から取り外すことができる。
【0337】
図9Lの実施形態では、壁742は、腹側表面742D上に遠位-近位742A-742B軸に沿って延びるスリット746を有する。他の実施形態では、スリット746において壁742を押し離すことによって、施術者がスリット746を通って中央ルーメン744にアクセスすることができるようにスリット746が位置している限り、スリット746は、壁746の他の表面、例えば、側面のうちの1つまたは背側表面742Cに配置されてもよい。スリット746の機能は、経口気道デバイス700のスリット706に関連して説明されたものと同じである。
【0338】
遠位端742Aにおいて、壁742は、舌部743で終端する。経口気道デバイス740はまた、喉頭カフ710と同じやり方で位置付けられ、喉頭カフ750が手段754でインフレータブルであることを除いて、喉頭カフ710に関連して説明されたものと同じ機能を有する喉頭カフ750を含む。
【0339】
図9Lの実施形態では、喉頭カフ750は、インフレータブルであり、デバイス740が患者内に配置された後、患者の外側に留まる手段754で膨張させることができる。他の実施形態では、喉頭カフ750は、経口気道デバイス700の喉頭カフ710に関連して論じられたように、非インフレータブルであり得る。喉頭カフ750は、スリット746と整列されているスリット752を含む。スリット752の機能は、カフ750のスリット712に関連して説明されたものと同じである。
【0340】
経口気道デバイス740は、経口気道デバイス700の中央ランプ714と同じ構造および同じ機能を有する中央ランプ756を含む。つまり、中央ランプ756は、中央ランプ714に関連して説明されたように、気管内チューブ、または中央ルーメン744内に収容された他の任意のデバイスの突出する先端を、腹側表面742Iの上方の角度で持ち上げる。
【0341】
経口気道デバイス740はまた、カメラチャネル758からの遠位開口758Aの遠位に、およびその前に位置しているカメラチャネルランプ764を含む。経口気道デバイス700のカメラチャネルランプ724に関連して説明されたようなカメラチャネルランプ764の構造および機能。
【0342】
壁742は、2つの周辺中空チャネル、758および760を有する。チャネル758は、壁742内の中空の通路である。チャネル758は、カメラ、または他のいくつかのツールもしくはデバイスを挿入するために使用され得る。経口気道デバイス700のカメラチャネル718に関連して説明されたようなチャネル758の構造および機能。
【0343】
カメラチャネル758は、デバイス740の近位端742B上に近位開口758Bを含み、それを通してカメラ(
図9Lの図面には図示せず)を挿入することができる。カメラチャネル758は、遠位開口758Aで終端し、それを通して、チャネル758内に収容されたときにカメラの遠位端が、カメラチャネルランプ764および壁ガード758Gの助けを借りて遠位に突出することができる。中央ルーメン744およびカメラチャネル758は、中央ルーメン704およびカメラチャネル718に関連して論じられたように、傾斜している。
【0344】
図9Lの実施形態では、経口気道デバイス740は、壁742内の中空チャネルである第2の周辺チャネル760を含む。チャネル760は、壁742の近位端742Bに位置している近位開口760Bを有する。
【0345】
チャネル760は、壁742の遠位-近位742A-742B軸に沿って延びる壁742内の中空の通路である。チャネル760は、喉頭カフ750の近位で、舌部743の腹側表面742I上に開口する遠位開口760Aを有する。
【0346】
チャネル760は、チャネル760の長さの少なくとも一部分に沿って延び、
図9Lの実施形態では右側面の表面742R上でチャネル760を開口するスリット762を有する。他の実施形態では、スリット762は、壁742の背側表面702Cへ開口することができる。
【0347】
チャネル760は、チャネル760内に吸引チューブ766を挿入することにより、流体を吸引するために使用することができる。したがって、チャネル760は、胃内容物を吸引するための食道/胃チャネルの機能を行うことができ、また、吸引チューブの遠位先端がスリット762内に残されたときの嘔吐を防ぎ、それにより、吸引チューブは食道に到達することができる。
しかしながら、チャネル760は、舌部743の腹側表面742I上にある遠位開口760Aでその遠位端において開口しているので、チャネル760は、喉頭腔内の血液および/または切片を吸引するために使用することができる。さらに、チャネル760は、ブジー、スタイレット、鉗子、および/またはカメラを含むがこれらに限定されないツールを、スリット762を通って食道腔か、または遠位開口760Aを通って喉頭腔のいずれかに送達するために使用することができる。
図9Mを参照すると、経口気道デバイス740の遠位部分の拡大図であり、スリット762の一部分およびチャネル760の遠位開口760Aを有するチャネル760の遠位部分が示されている。すべての参照番号は、
図9Lに関連するとおりである。
【0348】
図9Nを参照すると、全体として770である、アクセサリキャップが示されている。
図9Nに示されるように、アクセサリキャップ770は、スリット706を閉じた状態に維持するために、また、中央ルーメン704を通る換気を確立するために、経口気道デバイス700の中央ルーメン704内へ、またはスリットを有する他の任意の経口気道デバイスの中央ルーメン内に挿入することができる。
【0349】
アクセサリキャップ770は、中央ルーメン774を囲む壁772によって作られたチューブ状本体である。壁772は、遠位端772Aと近位端772Bとの間の長さを有する。中央ルーメン774は、近位端772Bに位置する近位開口774B、および遠位端772Aに位置する遠位開口774Aを含む。中央ルーメン774は、端に開口774Aおよび774Bを有する中空の円筒状チャネルである。
【0350】
アクセサリキャップ770は、経口気道デバイス700の壁702の湾曲に関連して論じられたように、湾曲している中央ルーメン704に適合しなければならない。したがって、アクセサリキャップ770は、任意の形状をとる可撓性材料で作ることができ、例えば、アクセサリキャップ770が経口気道デバイス700内に挿入されると、中央ルーメン704の湾曲に適応する。あるいは、アクセサリキャップ770は、中央ルーメン704の湾曲と一致する湾曲で作られてもよい。
【0351】
アクセサリキャップ770は、遠位端776Aおよび近位端776Bを有するクリップ776を含み得る。クリップ776は、近位端776Bで壁772に外側から取り付けられている。
図9Oは、壁772に取り付けられたクリップ776を示す壁772の断面図である。
図9Pは、クリップ776の側面図であり、クリップ776の近位端776Bが取り付けられている壁772の一部分も示している。
【0352】
図9Qに示されるように、経口気道デバイス700の中央ルーメン707内へアクセサリキャップ770を配置することができる。クリップ776の幅および壁772上のその位置付けは、アクセサリキャップ770が中央ルーメン704内へ配置されると、クリップ776が凹部708上に適合し、スリット706において壁702のエッジを一緒に保持するように設計されている。したがって、壁702のエッジは、クリップ776がそれらを一緒に保持するので、スリット706においてばらばらにならない。ここで、閉鎖換気系を、中央ルーメン707を通して確立することができ、経口気道デバイス700を換気のために使用することができる。
【0353】
経口気道デバイス700は、凹部708の近くのスリット706の各側に1つずつ位置付けられた2つのホルダ778をさらに含み得る。これらのホルダ778を使用して、クリップ776を壁702上の所定の位置にさらに保持し、中央ルーメン704を通る換気中にスリット706がばらばらになるのを防ぐことができる。
【0354】
図9Rには、ケーブル16を有するカメラ12を保持するための長手方向スリット804を有する壁802によって作られた中空チューブであるアダプタ800が示されている。アダプタ800は、ケーブル16を有するカメラ12がアダプタ800内へ挿入された場合、
図9Sに示されるように、アダプタ800が、ケーブル16を有するカメラ12を所定の形状に保持し、ケーブル16が固定の形状を維持することができない場合、それ以外の点では可撓性であるケーブル16への支柱を提供するように、十分に剛性のポリマー材料で作られている。次に、カメラ12を、壁802の遠位端802Aの近くに位置付けることができる。アダプタ800は、他のツール、例えば、ブジーまたはスタイレットを収容するために使用することができる。
【0355】
図9Tは、
図9Sのアセンブリを、経口気道デバイス700の中央ルーメン704内へどのように配置することができるかが示されている。
図9Tでは、すべての要素は、9A、9Rおよび9Sを含む他の図面に関連して論じられたとおりにラベルが付けられている。
図9Uおよび
図9Vには、
図9Sのアセンブリを、経口気道デバイス700(
図9U)と、さらに気管内チューブ480(
図9V)と組み合わせることが示されている。
【0356】
図9Xを参照すると、全体として300である、本開示の経口気道デバイスの別の実施形態が示されている。
【0357】
経口気道デバイス300は、経口気道デバイス300が、ブジー、例えば、ボーグ590を収容することができる細い中央ルーメン304を有することを除いて、経口気道デバイス700に関連して説明されたものと同じ構造および機能を有する同じ要素を有するが、中央ルーメン304の直径が気管内チューブの直径よりも小さいので、中央ルーメン304は気管内チューブを担持しない。
図9Xの図面に示されるように、ボーグ590は、近位開口304Bを通って中央ルーメン304内へ挿入することができる。ブジー590は、中央ルーメン304の遠位開口304Aを通って中央ルーメン304から遠位に突出することができる。
【0358】
中央ルーメン304が細いので、デバイス300の壁302を有するチューブ状本体301は、経口気道デバイス700の壁702よりも小さい直径を有する。したがって、経口気道デバイス300は、挿入および取り外しがはるかに容易であり、患者の組織への負担が少ない。経口気道デバイス300は、バッグマスクを通して患者を換気するために使用することができる。壁302は、壁702に関連して説明されたものと同じであるスリット706を含む。経口気道デバイス700と同様に、経口気道デバイス300は、壁302の腹側表面302Dから示されている。
【0359】
図10Aを参照すると、全体として810である、経口気道デバイスが示されている。経口気道デバイス810は、気管内ルーメンを含まない。経口気道デバイス600と同様に、経口気道デバイス810は、前方に湾曲したチューブ状本体である。経口気道デバイス810のチューブ状本体は、遠位端812Aと近位端812Bとの間の長さを有する壁812によって形成される。
【0360】
壁812は、遠位-近位軸812A-812Bに沿って前方に湾曲し、患者内へのデバイス810の挿入中に、患者の口蓋の輪郭に従う。壁812は、背側表面、812Cおよび腹側表面、812Dを有する。
図10Aの図面では、背側表面812Cは図示されていない。背側表面812Cと腹側表面812Dとの間に位置する2つの側面(側方表面)812Lおよび812Rがある。腹側表面812Dを見ると、側面812Lは、腹側表面812Dと背側表面812Cとの間の左側面である。側面812Rは、側面812Lの反対側にある。側面812Rは、腹側表面812Dと背側表面812Cとの間の右側面である。
【0361】
いくつかの実施形態では、経口気道デバイス812は、近位端812Bへの背側表面812C上の壁812に取り付けられたハンドル814を含み得る。ハンドル812は、挿入および取り外し中にデバイス810を操作する際に施術者を支援する。ハンドル814は、経口気道デバイス812が配置された後に、ハンドル814を壁812から分離することができるように、取り外し可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、経口気道デバイス810は、ハンドルを含まない。
【0362】
壁812は、患者内にデバイス810が挿入されたときに、腹側表面812Dが患者の舌と接触するように、患者の口蓋の輪郭に従うアーチを形成する。経口気道デバイス810は、いくつかのチャネルを有する。
図10Aの図面には、3つのチャネル、818、820、および822が示されている。他の実施形態では、1つ以上の追加のチャネルが追加されてもよく、またはチャネル818、820、および/または822のうちの1つ以上がなくてもよい。
【0363】
チャネル818、820、および822は、遠位-近位812A-812B軸に沿った壁812内の中空の通路である。
【0364】
チャネル818、820、および822の各々は、壁812の近位端812Bにおいて、近位開口818B、820B、および822Bでそれぞれ開口している。チャネル818、820、および822の各々は、壁812の遠位端812Aにおいて、遠位開口818A、820A、および822Aでそれぞれ開口している。
図10Aの実施形態では、経口気道デバイス810は、3つのチャネルを含む。他の実施形態では、この経口気道デバイス810は、3つよりも多い、例えば、4もしくは5つ、または、3つよりも少ないチャネル、例えば、2もしくは1つを含み得る。
【0365】
チャネル818は、側面812L内に位置しているので周辺チャネルである。それは、セミルーメンまたは溝である。チャネル818は、腹側表面812Dの少なくとも一部分上で壁812によって覆われていない。
【0366】
チャネル818は、カメラ、ブジー、ツール、またはチューブを配置することができる溝を形成する。その溝状の形状のために、チャネル818は、カメラ、ツール、またはチューブを所定の位置に維持し、それが詰まったり、経口気道デバイス810から分離したりするのを防ぐ。
【0367】
しかしながら、チャネル818は、遠位-近位軸812A-812Bに沿って開口しているので、経口気道デバイス812が依然として患者内に挿入され、所定の位置にあるままである間に、チャネル818からカメラ、ブジーもしくはツールまたはチューブを簡単に操作および/または取り外すことができる。
【0368】
図10Aの図面では、チャネル818は、腹側表面812Dへ外側に開口している。他の実施形態では、チャネル818は、壁818の左側面812L内へ開口することができる。他の実施形態では、チャネル818は、すべてまたは実質的にすべての表面が壁で覆われているルーメンであってもよい。
【0369】
チャネル820は、経口気道デバイス810の壁812内の中空の通路である。チャネル820は、チャネル820の近位開口820Bを通してカメラを配置することによって、カメラを収容するために使用することができる。チャネル820は、デバイス812の中央に位置している。
【0370】
チャネル822は、チャネル820に対して周辺的に位置している。チャネル822は、右側面812R内に位置している。
図10Aの図面では、チャネル822は、遠位-近位軸802A-802Bに沿って延びるルーメン(中空の通路)である。他の実施形態では、チャネル822は、壁の表面の1つ:812D、812R、または812C上で壁812から外側に開口しているセミルーメン(溝)であり得る。
【0371】
チャネル822は、カメラ、ツール、またはチューブを配置することができる中空の通路を形成する。3つのチャネル、818、820、および/または822のいずれかを、カメラ、または、例えば、鉗子、吸引チューブ、聴診器、温度プローブ、ブジー、もしくはスタイレットを含むツール、および/または、呼吸および心音をモニタリングするデバイスを挿入するために、使用することができる。
【0372】
経口気道デバイス810は、ハンドル834に取り付けられたブレード832を含む、全体として830である、喉頭鏡と互換性がある。経口気道デバイス810は、腹側表面812Dに取り付けられたホルダ(シース)816を含む。ホルダ816の湾曲は、ブレード832をホルダ816内へ挿入することができるように、ブレード832の湾曲と一致する。
【0373】
図10Bに示されるように、ブレード832をホルダ816内へ挿入することによって、喉頭鏡830を経口気道デバイス810と組み立てることができる。ホルダ816は、ブレード832の少なくとも一部分を覆うシースおよびグローブとして機能し、一方で、ブレード832の遠位端832Aは、ホルダ816から遠位に突出している。ブレード832の近位端832Bは、ハンドル834に取り付けられている。施術者は、患者の口腔の外側のままであるハンドル834を操作することによって、喉頭鏡830を操作することができる。喉頭鏡830は、経口気道デバイス810と組み合わされるので、喉頭鏡830は、チャネル818、820、および/または822のうちの1つに挿入された1つ以上のカメラによる連続的な視覚化の下で操作することができる。
【0374】
図10Cおよび
図10Dを参照して、経口気道デバイス810を、近位開口820Bを通してチャネル820内へ挿入されたケーブル16を有するカメラ12、およびチャネル818内へ挿入され得るブジー590とどのように組み合わせることができるかが示されている。
【0375】
図11Aを参照すると、全体として830である、本開示による別の経口気道デバイスが示されている。デバイス830は、ハンドル832に取り付けられた喉頭マスク833を含む。ハンドル832は、遠位端832Aと近位端832Bとの間の長さを有する。ハンドル832は、経口気道デバイス830の挿入中に、経口気道デバイス830が患者の口蓋の輪郭に従うように、前方に湾曲している。ハンドル832は、チューブ状本体ではなく、代わりに、気管内チューブ480、または他の任意のチューブまたはデバイスまたはツールを装填することができるセミルーメン844を形成するスライド状の溝である。その遠位端832Aにおいて、ハンドル832は、腹側表面840を有する舌部834で終端する。舌部834の先端834Aは、先細になっている。
【0376】
喉頭カフ836が形成され、舌部834の腹側表面840の周囲に取り付けられている。喉頭カフ836の構造および取り付けは、喉頭カフ710に関連して説明されたものと同じであり、例えば、喉頭カフ836は、非インフレータブルである、インフレータブルであるか、または喉頭カフ836のいくつかの部分がインフレータブルであり得、一方で、喉頭カフ836の他の部分が非インフレータブルであり得る。喉頭カフ836は、患者の喉頭入口部位の輪郭に対応するように形作られている。したがって、喉頭カフ836は、喉頭入口部位でシールを形成することができる。いくつかの実施形態では、喉頭カフ836は、舌部834の周囲のすべてよりも少ない範囲をカバーし得る。これらの実施形態では、舌部834の遠位部分のみが、喉頭カフ836で覆われ得る。これらの実施形態では、喉頭カフ836は、喉頭入口を部分的にのみ閉塞する。舌部834に取り付けられた喉頭カフ836は、喉頭マスク833と呼ばれる。
【0377】
喉頭カフ836は、セミルーメン844と整列されたスリット838を有し、それにより、気管内チューブ480が声帯を通して配置された後、気管内チューブ480が患者内に適切に配置されたままである間に、経口気道デバイス830をスリット838を通して気管内チューブ480から分離して取り外すことができる。
【0378】
中央ランプ714は、舌部834の腹側表面840上に位置付けられている。中央ランプ714の位置、構造、および機能は、経口気道デバイス700に関連して説明されたものと同じである。ハンドル832は、舌部834からの傾斜で湾曲しているため、気管内チューブ480、またはセミルーメン844内に位置付けられた他の任意のデバイスまたはチューブまたはツールは、腹側表面840からある角度で突出している。角度は、経口気道デバイス700の中央ルーメン704に関連して説明されたものと同じであり得る。中央ランプ714は、突出した気管内チューブ480を腹側表面840の上方に支持する。
【0379】
経口気道デバイス830は、ハンドル832の長さに沿って延びる中空の通路であるカメラチャネル842を含む。カメラチャネル842は、ハンドル832内の刻み出された中空の通路であり得るか、またはカメラチャネルは、ハンドル832に取り付けられた、いくつかの実施形態では、スライド可能に取り付けられたチューブであり得る。カメラチャネル842は、カメラチャネル842内への入口である近位開口842Bを有する。近位開口842Bは、ハンドル832の近位端832Bに位置している。カメラチャネル842は、カメラチャネル842からの出口である遠位開口842Aを有する。遠位端842Aは、腹側表面840上へ開口している。カメラチャネル842は、カメラチャネル718に関連して論じられたのと同じやり方で傾斜している。したがって、カメラチャネル842は、カメラチャネル718に関連して論じられたように、カメラチャネル842内に位置付けられているカメラ(またはツール)を所定の角度で突出させる。ランプ724は、遠位開口842Aの前に位置付けられている。ランプ724は、経口気道デバイス700に関連して説明されたものと同じ構造および機能を有する。レッジ842Sは、カメラチャネル718に関連して説明されたものと同じ構造および機能を有する。ケーブル16を有するカメラ12は、他の実施形態に関連して説明された任意のカメラであり得、カメラチャネル842内へ挿入され、気管内チューブ480および患者の組織の連続的な視覚化を提供することができる。
【0380】
図11Bを参照すると、気管内チューブ480およびカメラ12(図示せず)を収容する経口気道デバイス830が示されている。
図9Aに関連して論じられたようなすべての要素。
【0381】
図12Aを参照すると、全体として850である、本開示による経口気道デバイスのさらなる実施形態が示されている。経口気道デバイス700または経口気道デバイス830とは異なり、経口気道デバイス850は、喉頭入口を完全に閉塞するわけではない。
【0382】
経口気道デバイス850は、チューブ状本体851を含み、その構造および機能は、チューブ状本体701に関連して説明されたものと同じである。具体的には、チューブ状本体851は、壁852によって作られ、その構造および機能は、壁702に関連して説明されたものと同じである。壁852は、遠位端852Aと近位端852Bとの間の長さを有する。壁852は、壁702に関連して説明されたように湾曲している。
【0383】
壁852は、壁700に関連して説明されたものと同じ表面:背側表面(
図12Aでは見えない)、腹側表面852D、ならびに2つの側面852Rおよび852L(
図12Aでは見えない)を有する。壁852は、近位開口852Bおよび遠位開口852Aを有する中央ルーメン862を収容する。中央ルーメン862の構造および機能は、経口気道デバイス700の中央ルーメン704に関連して説明されたものと同じである。
【0384】
壁852はまた、壁852内の中空の通路であるカメラチャネル852を収容する。カメラチャネル852は、近位開口852Bおよび遠位開口852Aを有する。壁852内のカメラチャネル852の位置付け、カメラチャネル852の構造および機能は、カメラチャネル718に関連して説明されたものと同じである。
【0385】
壁852はまた、近位開口860Bおよび遠位開口860Aを有する中空の通路である胃チャネル860を収容する。壁852内の胃チャネル860の位置付け、胃チャネル860の構造および機能は、胃チャネル720に関連して説明されたものと同じである。
【0386】
壁702と同様に、壁852は、壁852の腹側表面852Dに位置しているスリット864を含む。スリット864は、経口気道デバイス700のスリット706に関連して説明されたものと同じ構造および機能を有する。壁852はまた、壁702に関連して説明された凹部708と同じである凹部866を有する。
【0387】
その遠位端852Aで、壁852は、舌部854で終端する。舌部854の遠位先端854Aは、先細になっている。舌部854の腹側表面856上に、中央ランプ714が見出され、その構造および機能は、経口気道デバイス700に関連して説明されたものと同じである。中央ルーメン862に収容された気管内チューブまたは他の任意のデバイスもしくはツールは、中央ルーメン704に関連して説明されたように、中央ルーメン862から所定の角度で突出されている。中央ランプ714は、経口気道デバイス700に関連して説明されたように、突出した気管内チューブを支持する。壁852は、壁702に関連して説明されたように、熱可塑性材料で作られて、湾曲している。したがって、中央ルーメン862は、中央ルーメン704に関連して説明されたように、舌部854から傾斜している。
【0388】
カメラチャネル858は、カメラチャネル718に関連して説明されたものと同じやり方で、ケーブル16を有するカメラ12を収容することができる。カメラチャネル858内に収容されたカメラは、カメラチャネル718に関連して説明されたように、カメラチャネル858の遠位端858Aから所定の角度で突出されている。突出するカメラは、要素718G、724、および718Lに関連して説明されたように、ガード758G、カメラチャネルランプ859、およびレッジ858Lの助けを借りて、気管内チューブと整列される。
【0389】
舌部854の腹側表面856の周囲の少なくとも一部の遠位部分に形成された非インフレータブルの部分的な喉頭カフ874がある。
【0390】
部分な喉頭カフ874は、部分的な喉頭カフ874が喉頭入口の一部分のみを覆うため、喉頭カフ710とは異なる。したがって、部分的な喉頭カフ874は、喉頭を完全に閉塞するわけではない。いくつかの実施形態では、部分的な喉頭カフ874は、喉頭入口の約70から90%のみを覆う。
【0391】
経口気道デバイス850は、手段870で膨張させることができるインフレータブルな周辺カフ868を含む。
図12Aの実施形態では、周辺カフ868はインフレータブルであるが、他の実施形態では、周辺カフ868はインフレータブルではない。
【0392】
周辺カフ868は、チューブ状本体851を包被し、壁852に取り付けられている。周辺カフ868は、壁852の遠位端852Aの近位に位置している。壁852上の周辺カフ868の位置は、周辺カフ852が経口気道デバイス850の周りの領域を封止することができるようなものである。したがって、経口気道デバイス850は、気管内チューブを用いて、または中央ルーメン862を通して患者を換気するために使用することができる。周辺カフ868は、スリット864上に整列されているスリット872を有する。したがって、気管内チューブは、スリット872および864を通して経口気道デバイス850から分離することができる。したがって、気管内チューブは、所定の位置にあるままであり、一方で、経口気道デバイス850を、患者から取り外すことができる。
【0393】
デバイス700、730、740、および/または300を含む、本開示で提供される他の経口気道デバイスのいずれもまた、周辺カフ868を含み得ることに留意されたい。
【0394】
図12Bを参照すると、全体として900である、本開示による経口気道デバイスのさらなる実施形態が示されている。経口気道デバイス700または経口気道デバイス830とは異なり、経口気道デバイス900は、喉頭カフを含まず、喉頭入口を閉塞しない。代わりに、経口気道デバイス900は、以下により詳細に説明されるように、上部食道カフ906を含む。
【0395】
経口気道デバイス850とは異なり、経口気道デバイス900は、カフ874を含まない。代わりに、経口気道デバイス900は、上部食道カフ906を含む。経口気道デバイス900の他のすべての要素は、経口気道デバイス850に関連して説明されたものと同じである。
【0396】
経口気道デバイス900は、チューブ状本体901を含み、その構造および機能は、チューブ状本体701に関連して説明されたものと同じである。具体的には、チューブ状本体901は、壁902によって作られ、その構造および機能は、壁702に関連して説明されたものと同じである。壁902は、遠位端902Aと近位端902Bとの間の長さを有する。壁902は、壁702に関連して説明されたように湾曲している。
【0397】
壁902は、壁700に関連して説明されたものと同じ表面:背側表面(
図12Bでは見えない)、腹側表面902D、ならびに2つの側面902Rおよび902L(
図12Bでは見えない)を有する。壁902は、近位開口912Bおよび遠位開口912Aを有する中央ルーメン912を収容する。中央ルーメン912の構造および機能は、経口気道デバイス700の中央ルーメン704に関連して説明されたものと同じである。
【0398】
壁902はまた、壁902内の中空の通路であるカメラチャネル916を収容する。カメラチャネル916は、近位開口916Bおよび遠位開口916Aを有する。壁902内のカメラチャネル916の位置付け、カメラチャネル916の構造および機能は、カメラチャネル718に関連して説明されたものと同じである。
【0399】
壁902はまた、近位開口918Bおよび遠位開口918Aを有する中空の通路である胃チャネル918を収容する。壁902内の胃チャネル918の位置付け、胃チャネル918の構造および機能は、胃チャネル720に関連して説明されたものと同じである。
【0400】
壁702と同様に、壁902は、壁902の腹側表面902Dに位置しているスリット910を含む。スリット910は、経口気道デバイス700のスリット706に関連して説明されたものと同じ構造および機能を有する。壁902は、デバイス700の壁702に関連して凹部908として説明されたものと同じである凹部914を有する。
【0401】
その遠位端902Aで、壁902は、舌部904で終端する。舌部904の遠位先端904Aは、先細になっている。舌部904の腹側表面908上に、中央ランプ714が見出され、その構造および機能は、経口気道デバイス700に関連して説明されたものと同じである。中央ルーメン912に収容された気管内チューブまたは他の任意のデバイスもしくはツールは、中央ルーメン704に関連して説明されたように、中央ルーメン912から所定の角度で突出されている。中央ランプ714は、経口気道デバイス700に関連して説明されたように、突出した気管内チューブを支持する。壁902は、壁702に関連して説明されたように、熱可塑性材料で作られて、湾曲している。したがって、中央ルーメン912は、中央ルーメン912に関連して説明されたように、舌部904から傾斜している。
【0402】
カメラチャネル916は、カメラチャネル718に関連して説明されたものと同じやり方で、ケーブル16を有するカメラ12を収容することができる。カメラチャネル916内に収容されたカメラは、カメラチャネル916に関連して説明されたように、カメラチャネル916の遠位端916Aから所定の角度で突出されている。突出するカメラは、要素718G、724、および718Lに関連して説明されたように、ガード916G、カメラチャネルランプ926、およびレッジ916Lの助けを借りて、気管内チューブと整列される。
【0403】
舌部904の腹側表面908の周囲の少なくとも一部の遠位部分に形成された喉頭カフはない。したがって、経口気道デバイス900は、喉頭入口を閉塞しない。しかしながら、舌部904の遠位先端は、食道を遮断するために使用することができる上部食道カフ906で覆われている。
図12Bの図面では、上部食道カフ906は、非インフレータブルである。他の実施形態では、上部食道カフ906は、インフレータブルであり得る。
【0404】
経口気道デバイス900は、手段924で膨張させることができるインフレータブルな周辺カフ920を含む。
図12Bの実施形態では、周辺カフ920はインフレータブルであるが、他の実施形態では、周辺カフ920はインフレータブルではない。
【0405】
周辺カフ920は、チューブ状本体901を包被し、壁902に取り付けられている。周辺カフ920は、壁902の遠位端902Aの近位に位置している。壁902上の周辺カフ920の位置は、周辺カフ920が経口気道デバイス900の周りの領域を封止することができるようなものである。したがって、経口気道デバイス900は、気管内チューブを用いて、または中央ルーメン912を通して患者を換気するために使用することができる。周辺カフ920は、スリット910上に整列されているスリット922を有する。したがって、気管内チューブは、スリット922および910を通して経口気道デバイス900から分離することができる。したがって、気管内チューブは、所定の位置にあるままであり、一方で、経口気道デバイス900を、患者から取り外すことができる。
【0406】
さらなる態様では、本開示は、患者の気道を管理するためのキットまたはシステムを提供する。キット/システムは、本開示に説明されたデバイスのうちの少なくとも1つを含み得、さらに追加のツールおよび/または材料を含む。これらのキットには、経口気道デバイス460、510、520、530、540、560、580、600、700、730、740、810、300、830、850、および/または900が、以下のアダプタ500およびまたはアダプタ770、人工呼吸器アダプタ507、カメラ12、プラグ546、ブジー590、アダプタ620、アダプタ640、アダプタ660、アダプタ680、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれかと一緒に含まれ得る。キット/システムは、他のツールおよび/またはマニュアルをさらに含み得る。キット/システムは、小児患者に適応された経口気道デバイスを含む、いくつかの異なるサイズの、上記経口気道デバイスのうちのいずれかを含み得る。本開示に説明されるデバイスのいずれも、異なる体重の小児患者および成人患者に対応するために、異なるサイズで作製され得る。
【0407】
さらなる態様では、本開示は、患者の換気およびモニタリングを含む、患者の気道を管理するための方法を提供する。これらの方法では、経口気道デバイス460、510、520、530、540、560、580、600、700、730、740、および810のうちの少なくとも1つは、少なくともカメラと、好ましくは、少なくともカメラ、および、患者内への経口気道デバイス460、510、520、530、540、560、580、および/または600の配置を支援することができる、例えば、スタイレットまたはブジーなどのツールと組み合わされる。経口気道デバイスはまた、吸引チューブ、および/または患者の心音および音響のモニタと組み合わされてもよい。次に、これらのアセンブリのいずれかが、患者の口腔内へ挿入され、経口気道デバイスが、患者の咽頭内に位置付けられる。必要に応じて、カフ476、494、542、710、および/または、アダプタ500、507、770、および/または、プラグ546のいずれかを使用することによって、閉鎖系を確立することができる。次に、アセンブリは人工呼吸器に接続され、患者は、ETTルーメン468、またはチャネル584、586、および/または588のうちの1つを通して換気される。
【0408】
患者に挿管する必要がある場合は、気管内チューブを、経口気道デバイス460、510、520、530、540、560、700、730、または740のETTルーメン内へ装着することができる。次に、アセンブリは、気管内チューブを、患者の気管に送達することができ、適切な配置を確実にする。
【0409】
次に、患者の口腔内への経口気道デバイス460、510、520、530、540、560、580、600、700、730、740、および/または810の挿入は、1つ以上のカメラからの連続的な視覚化の下で、一人の施術者が実施することができ、これは、患者の咽頭内へのデバイスの正確かつ迅速な配置を確実にする。経口気道デバイス460、510、520、530、540、560、700、730、または740が、気管内チューブを担持している場合、経口気道デバイスは、気管内チューブが依然として患者内に挿入され、所定の位置にあるままである間に、気管内チューブから気管内ルーメンのスリットを通して容易に分離および取り外すことができる。これらの方法は、挿管/抜管の繰り返しを回避しる。
【0410】
さらに、経口気道デバイス460、510、520、530、540、560、700、730、および740は、所定の角度で前方に湾曲した気管内チューブルーメンを含み、また、デバイスは、ランプを含むため、デバイスは、声帯を通る挿入に最適な角度で気管内チューブを突出させて保持する。これにより、挿管の効率が向上し、挿管に必要な時間が短縮され、外傷のリスクが最小限に抑えられる。
【0411】
挿管が完了した後、挿管された患者は、カメラ(複数可)を用いて、また、必要に応じて心音および音響、および/または温度についても、連続的にモニタリングすることができる。
【0412】
本デバイスおよび方法は、挿管が困難な患者を挿管するために、また気道が損傷している患者にも使用することができる。本デバイスおよび方法は、例えば、嘔吐および/または閉塞などの有害反応について患者をモニタリングするのに適している。
【0413】
特定の医療用デバイスが上で説明されているが、当業者であれば、本発明が、当業者に容易に明らかであるように、様々な自明の修正を伴う実施形態も含むことを理解されよう。
【国際調査報告】