(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】分離型密閉カバーを備える体腔挿入型超音波装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A61B17/00 700
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520398
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(85)【翻訳文提出日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 KR2018012043
(87)【国際公開番号】W WO2020075892
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0120299
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521149448
【氏名又は名称】株式会社コラスト
【氏名又は名称原語表記】KORUST CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】チョ スン チャン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ13
4C160JJ34
4C160JJ43
4C160MM03
4C160MM06
4C160MM32
(57)【要約】
体腔挿入型超音波装置は、ハンドピース、ハンドピースから延長される棒状の支持台、支持台に締結され、体腔内に挿入され得るように形成される超音波プローブ、および超音波プローブを先端から長さ方向に少なくとも部分的に囲むことができるように超音波プローブに分離可能に締結される密閉カバーを含む。超音波プローブは、圧電素子、および圧電素子が固定されるハウジングを含む。ハウジングは、一端が支持台に締結され、支持台の外部に位置する超音波通過ホールを備え、密閉カバーは、超音波通過ホールに対応する位置に形成される超音波透過窓を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドピース、
前記ハンドピースから延長される棒状の支持台、
前記支持台に締結され、体腔内に挿入され得るように形成される超音波プローブ、および
前記超音波プローブを先端から長さ方向に少なくとも部分的に囲むことができるように前記超音波プローブに分離可能に締結される密閉カバー
を含み、
前記超音波プローブは、
圧電素子、および
前記圧電素子が固定されるハウジングを含み、
前記ハウジングは、一端が前記支持台に締結され、前記支持台の外部に位置する超音波通過ホールを備え、
前記密閉カバーは、前記超音波通過ホールに対応する位置に形成される超音波透過窓を備える
体腔挿入型超音波装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、超音波伝達媒質で満たされる超音波伝達空間を形成し、
前記圧電素子は、前記超音波伝達空間に配置され、
前記密閉カバーは、前記超音波伝達空間に満たされる前記超音波伝達媒質を密封することができるように形成される
請求項1に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項3】
前記密閉カバーは、
前記ハウジングに被せられ、前記超音波透過窓を形成するカバー部材、および
超音波を透過させることができる材質で形成され、前記超音波透過窓を覆うように前記カバー部材に付着されたり被せられたりする超音波透過フィルムを含む
請求項2に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項4】
前記ハウジングの外周面と前記密閉カバーとの間に介される密封構造をさらに含む
請求項3に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項5】
前記密封構造は、前記ハウジングに締結され、前記超音波伝達媒質が前記超音波プローブの外部に漏れ出ることを防止するように構成される密封部材を含む、請求項4に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項6】
前記密封部材は、半径方向外側に突出し、前記カバー部材の内周面に密着する密封突起を備える、請求項5に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項7】
前記超音波伝達空間に超音波伝達媒質の流入および排出のための流入ホースおよび排出ホースをさらに含み、
前記密封部材は、前記流入ホースおよび前記排出ホースがそれぞれ挿入される貫通ホールを含む
請求項5に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項8】
前記密封部材は、前記圧電素子に電源を印加するための電線が通過する貫通ホールをさらに含む、請求項7に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項9】
前記密閉カバーは、前記超音波伝達空間に満たされた前記超音波伝達媒質を観察することができるように形成される
請求項2に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項10】
前記密閉カバーの挿入位置を決定するために表示または構造が前記ハウジングと前記支持台のうちのいずれか一つ以上に備えられる、請求項2に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項11】
前記密閉カバーの挿入位置を決定するために、前記密閉カバーと前記支持台のうちのいずれか一つには突起が備えられ、前記密閉カバーと前記支持台のうちの残りの一つには前記突起が挿入され得るように形成される溝が備えられる、請求項2に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項12】
前記密閉カバーには体腔内への挿入深さを示すマークおよび超音波照射方向を示すマークのうちの一つ以上が表示される、請求項1に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項13】
前記密閉カバーは、前記超音波プローブに締結された状態で前記圧電素子の位置を示すように表示される超音波生成位置マークを備える、請求項1に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項14】
前記ハンドピースには超音波照射方向を表示するマークが表示される、請求項1に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項15】
前記密閉カバーは、可撓性の薄い膜で形成される、請求項1に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、前記圧電素子の後方に貫通孔を形成し、
前記貫通孔を覆う後方カバーが備えられる
請求項1に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項17】
前記超音波伝達媒質は液体状態であり、
前記液体状態の超音波伝達媒質を前記超音波伝達空間に流入および排出させるための流入ホースおよび排出ホースをさらに含む
請求項2に記載の体腔挿入型超音波装置。
【請求項18】
前記密閉カバーは、入口側端部が広くなる形状を有する、請求項1に記載の体腔挿入型超音波装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の鼻腔、口腔、咽頭、膣などのような体腔に挿入されて超音波施術を行うことができるように構成される体腔挿入型超音波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は多様な治療や施術のために使用されており、一例として超音波を鼻腔のような体腔に非侵襲的に照射して疾患を治療する方法が紹介されている。このような既存の鼻腔挿入型超音波装置は、鼻腔内に挿入され得る棒状の支持台と、その端部に設置される超音波プローブを含む。超音波プローブを鼻腔内に挿入した状態で超音波を照射することによって下鼻甲介内に非侵襲的な方式で組織内の熱病変(heat lesion)を形成して鼻炎のような疾患を治療する。
【0003】
このような鼻腔挿入型超音波装置は、まだ本格的に使用されていないのが実情であり、超音波照射の効率性向上および安定した構造確保など多様な面で技術的進歩が必要な状況である。特に治療目的に応じた超音波照射領域の大きさの拡大、超音波集束強度の向上などが必要な場合がある。
【0004】
特に鼻腔挿入型超音波装置の場合、治療装置を非常に細く製作しながら超音波エネルギーを強く発生させるためには相対的に圧電素子の大きさを増大させなければならない。また超音波エネルギーの場合、超音波伝達媒質がない場合、超音波エネルギー伝達が不可能であるため、これを効率的に構成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1857026号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1896565号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-1886673号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/0027423号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、圧電素子の大きさを最大限に大きくして超音波エネルギーを増加させ、超音波透過フィルムの反復的な使用による副作用を解消し、組立および製作過程を単純化させて製作費用を節減できる体腔挿入型超音波装置を提供することにある。また本発明が解決しようとする他の課題は、患者間の交差感染を予防できる手段を有する体腔挿入型超音波装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態による体腔挿入型超音波装置は、ハンドピース、前記ハンドピースから延長される棒状の支持台、前記支持台に締結され、体腔内に挿入され得るように形成される超音波プローブ、および前記超音波プローブを先端から長さ方向に少なくとも部分的に囲むことができるように前記超音波プローブに分離可能に締結される密閉カバーを含む。前記超音波プローブは、圧電素子、および前記圧電素子が固定されるハウジングを含む。前記ハウジングは、一端が前記支持台に締結され、前記支持台の外部に位置する超音波通過ホールを備え、前記密閉カバーは、前記超音波通過ホールに対応する位置に形成される超音波透過窓を備える。
【0008】
前記ハウジングは、超音波伝達媒質で満たされる超音波伝達空間を形成することができる。前記圧電素子は、前記超音波伝達空間に配置され得、前記密閉カバーは、前記超音波伝達空間に満たされる前記超音波伝達媒質を密封することができるように形成され得る。
【0009】
前記密閉カバーは、前記ハウジングに被せられ、前記超音波透過窓を形成するカバー部材、および超音波を透過させることができる材質で形成され、前記超音波透過窓を覆うように前記カバー部材に付着されたり被せられたりする超音波透過フィルムを含むことができる。
【0010】
前記密閉カバーの挿入位置を決定するために表示または構造が前記ハウジングと前記支持台のうちのいずれか一つ以上に備えられ得る。
【0011】
前記密閉カバーの挿入位置を決定するために、前記密閉カバーと前記支持台のうちのいずれか一つには突起が備えられ、前記密閉カバーと前記支持台のうちの残りの一つには前記突起が挿入され得るように形成される溝が備えられ得る。
【0012】
前記密閉カバーには体腔内への挿入深さを示すマークおよび超音波照射方向を示すマークのうちの一つ以上が表示され得る。
【0013】
前記密閉カバーは、前記超音波プローブに締結された状態で前記圧電素子の位置を示すように表示される超音波生成位置マークを備えることができる。
【0014】
前記ハンドピースには超音波照射方向を表示するマークが表示され得る。
【0015】
前記密閉カバーは、可撓性の薄い膜で形成され得る。
【0016】
前記ハウジングは、前記圧電素子の後方に貫通孔を形成することができ、前記貫通孔を覆う後方カバーが備えられ得る。
【0017】
本発明の他の実施形態によれば、前記超音波伝達媒質は液体状態であり得、体腔挿入型超音波装置は、前記液体状態の超音波伝達媒質を前記超音波伝達空間に流入および排出させるための流入ホースおよび排出ホースをさらに含むことができる。
【0018】
前記密閉カバーは、入口側端部が広くなる形状を有することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、圧電素子の大きさを最大限に大きくすることによって超音波エネルギーを増加させることができる。また分離型密閉カバーに超音波透過フィルムを付着することによって、超音波透過フィルムの反復的な使用による副作用を解消することができ、組立および製作過程を単純化することができる。また密閉カバーを交換できるようにすることによって、患者間の交差感染を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の支持台、超音波プローブ、および密閉カバーの縦断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の支持台、超音波プローブ、および密閉カバーの横断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の超音波プローブの斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の超音波プローブの分解斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の超音波プローブの底面分解斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の密閉カバーの斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の密閉カバーの分解斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の密閉カバーの底面分解斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態による体腔挿入型超音波装置の密閉カバーの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0022】
本発明の実施形態による体腔挿入型超音波装置は、鼻腔、口腔、咽頭、膣などのような体腔に挿入された状態で超音波を照射して組織内に熱的病変を起こすことができるように構成される。
図1乃至
図4を参照すると、本発明の実施形態による体腔挿入型超音波装置は、ハンドピース10、支持台20、超音波プローブ30、および分離型密閉カバー50を含む。
【0023】
ハンドピース10は、超音波施術を行う施術者が手で捕まえることができるように形成され得る。
図1に例として示されているように、ハンドピース10は電源連結線11を通じて外部の電源/制御装置100に連結され得るように構成され、電源のオン/オフによる超音波生成を調節するためのオン/オフボタン12を備えることができる。電源/制御装置100は、超音波生成のためのパルス電源供給および超音波施術のための各種制御を行うように構成され得る。ハンドピース10は、別個の部材で形成されて電源連結線11に連結されたり、電源連結線11が含まれている別個の部材で形成されて電源/制御装置100に連結され得る。
【0024】
支持台20は、ハンドピース10から延長され、棒形状を有することができる。超音波施術時に支持台20の先端一部が鼻腔などに挿入されることもできるため、体腔挿入が可能な比較的に小さい直径を有する棒形状からなる。
図1に示されているように、支持台20は、ハンドピース10の先端から延長される。この時、支持台20は、ハンドピース10とは別個の部材で形成されてハンドピース10に締結されることもでき、ハンドピース10と一体に形成されることもできる。
【0025】
超音波プローブ30は、パルス電源の印加によって超音波振動を誘発する。
図2乃至
図4を参照すると、超音波プローブ30は、ハウジング31と圧電素子33を含む。圧電素子33は、既存に知られているように、圧電セラミックのような圧電物質層と、その両面に形成される一対の電極からなることができ、両電極にパルス電源が印加されることによって圧電物質層が超音波振動をするように構成され得る。図面に示されていないが、圧電素子33の電極にパルス電源を印加するための電源線が備えられ得る。例えば、電源線は、ハンドピース10、支持台20、ハウジング31を経て圧電素子33の両面の電極に電気的に連結され得る。
【0026】
超音波プローブ30のハウジング31は、支持台20に締結され、鼻腔のような体腔内に挿入され得るように形成される。ハウジング31は、圧電素子33が付着される圧電素子付着部316と、支持台20との締結のための挿入部317を含むことができる。この時、圧電素子付着部316は、圧電素子33が配置される設置空間315を形成することができ、圧電素子33の前方空間は超音波伝達媒質で満たされ得る。例えば、
図3に示されているように、支持台20は、長さ方向に延長される挿入ホール28を有する中空管形態からなることができる。ハウジング31の挿入部317の外径が支持台20の挿入ホール28の内径より若干小さく形成されて支持台20の挿入ホール28に挿入され得る。この時、本発明の実施形態によれば、圧電素子付着部316の直径が挿入部317の直径よりも大きく形成され得る。圧電素子付着部316の直径の増加によって圧電素子33の大きさも増加し、これによって超音波エネルギーが増加することができる。
【0027】
支持台20は、耐久性および構造的強度確保のために金属材質で形成され、ハウジング31は、圧電素子33との電気絶縁のために電気絶縁性材質で形成され得る。
【0028】
ハウジング31の圧電素子付着部316は、圧電素子33で生成された超音波が通過する超音波通過ホール313を形成する。例えば、圧電素子付着部316は、
図4で下方に超音波を照射するように配置され、これによってハウジング31の下端に超音波通過ホール313が形成され得る。圧電素子33で生成された超音波は、超音波通過ホール313を通過した後、体腔内の組織に進むことができる。
【0029】
圧電素子33は、ハウジング31の長さ方向(
図3で横方向)に対して垂直な方向(
図3で下方)に超音波を照射するように配置され得る。これによって、体腔に挿入された状態で体腔内の組織に容易に超音波を照射することができる。このために、ハウジング31の超音波通過ホール313も長さ方向に対して垂直な位置に形成される。
【0030】
ハウジング31は、超音波通過ホール313に連結され、超音波伝達媒質で満たされる超音波伝達空間315を形成することができる。
図2および
図3に示されているように、圧電素子33の一面が超音波伝達空間315に露出され、超音波伝達空間315はゲルまたは液体状態の超音波伝達媒質で満たされる。
【0031】
図3および
図4を参照すると、圧電素子33は、支持台20の長さ方向(
図3で横方向)に対して垂直な方向(
図3で深さ方向)を中心とする曲率を有するように形成され得る。つまり、
図3に示されているように、圧電素子33の曲面が支持台20の長さ方向、つまり、体腔への挿入方向に延長される形態を有する。これによって、体腔内に挿入され得る長い棒形状の超音波プローブ30の構造が形成され得る。圧電素子33は、凹状表面、両側が除去された凹状表面、シリンダー形状の表面、両側が曲げられたシリンダー形状(bended cylindrical)または複数の同一な形状を有することができる。
【0032】
ハウジング31は、圧電素子33の設置のために圧電素子33の後面と向き合う部分が除去され、圧電素子33が設置された状態でこの部分を覆うための後方カバー34が備えられ得る。圧電素子33が付着されたハウジング31の後方を通じて超音波伝達媒質が浸透する場合、圧電素子33が破損したり、回路の電気的短絡によって不良が発生したりすることがある。これを防止するために圧電素子33の後面に超音波伝達媒質が浸透しないように別途のカバーを被せて密閉することもできる。
【0033】
図7を参照すると、超音波伝達空間315が液体状態の超音波伝達媒質で満たされる場合、ハウジング31は、超音波伝達媒質の供給および排出のための別途の通路3162、3161を備えることができる。超音波伝達媒質は、これら通路3162、3162と連結された流入ホース72および排出ホース71を通じて超音波伝達媒質を貯蔵するレザバー(図示せず)に連結され得る。この時、流入ホース72と排出ホース71は、密封部材37を通過するように設置され得る。密封部材37は、流入ホース72および排出ホース71がそれぞれ通過する貫通ホール372、371を備えることができ、支持台20を通過した流入ホース72と排出ホース71は、密封部材37の貫通ホール372、371を通過してハウジング31の通路3162、3161に流体的に連結され得る。
図5乃至
図7を参照すると、ハウジング31の挿入部317は上下方向に向き合う二つの部分からなることができ、密封部材37は、これら挿入部317が挿入される貫通ホール374、375を含むことができる。密封部材37によって超音波伝達媒質が支持台20側に流出されることが防止され得る。図面には示されていないが、超音波伝達媒質の循環のためのポンプが備えられ得る。
【0034】
一方、ハウジング31は、圧電素子33の両電極を電源/制御装置100に連結するための電線を通過させるために長さ方向に通路を備えることができ、この通路は超音波伝達媒質の密閉のために圧電素子33の後面を通じて連結され得る。この時、密封部材37は、電線が通過する貫通ホール373を備えることができ、電線は支持台20と貫通ホール373を通過して圧電素子33に連結され得る。
【0035】
密閉カバー50は、超音波プローブ30を先端から長さ方向に少なくとも部分的に囲むことができるように超音波プローブ30に分離可能に締結される。密閉カバー50を超音波プローブ30に結合した状態で超音波施術を行う。
【0036】
密閉カバー50は、一側が閉鎖された管形態を有するカバー部材51を備えることができる。カバー部材51は、ハウジング31の超音波通過ホール313に対応する位置に形成される超音波透過窓511を備えることができる。超音波伝達空間315が液体状態の超音波伝達媒質で満たされる場合、超音波透過窓511を密封するための超音波透過フィルム52がカバー部材51に付着されたり被せられたりし得る。例えば、図面に示されているように超音波透過フィルム52は両面接着テープによってカバー部材51の外面に接着され得る。一方、他の実施形態では、超音波透過フィルム52が可撓性の薄い膜で形成されるコンドーム形態を有することができ、このような超音波透過フィルム52をカバー部材51に被せて超音波透過窓511を密封することもできる。
【0037】
密閉カバー50がハウジング31に締結された時、ハウジング31と密閉カバー50の間に超音波伝達媒質が漏れることを防止するための密封構造が構成され得る。本発明の一実施形態によれば、密封構造は、密封部材37に形成された環状密封突起376を含むことができる。環状密封突起376は、半径方向外側に突出されて形成され得、密閉カバー50が結合された状態で密閉カバー50のカバー部材51の内周面に密着される。これによって、超音波伝達空間115に満たされた液体状態の超音波伝達媒質が外部に漏れることを防止することができる。密封効果を高めるために密封部材37はゴムやシリコン材質で形成され得る。また流入ホース72と排出ホース71が密封部材37を貫通するようにし、密封部材37が支持台20の内周面に挿入されるように設置されることによって、ハウジング31に満たされる超音波伝達媒質が支持台20内に流入されることも同時に防止され得る。
【0038】
一方、本発明の他の実施形態では、密封構造がハウジング31に締結されるOリングで具現されることもできる。この時、環状密封突起376は、超音波伝達媒質が外部に漏れることを防止することができるだけでなく、超音波伝達媒質が支持台20内に流入されることも防止することができる。特にハウジング31の挿入部317および支持台20の直径が非常に小さい場合、別途の密封構造を備えることが難いため、環状密封突起376が密閉カバー50とハウジング31の間の密封機能を果たすと同時に、ハウジング31と支持台20の間の密封の役割も果たすことができる。また環状密封突起376は、密閉カバー50が外されることを制限する役割も果たすことができる。例えば環状密封突起376は、密閉カバー50をハウジング31に被せた後、超音波伝達媒質を満たす場合、超音波伝達媒質を満たす過程または施術中に超音波伝達媒質の圧力によって密閉カバー50が外されることを制限することができる。この時、密閉カバー50が外されることを防止するために、ハウジング31に挿入した後、末端部を接着テープを利用して接着する方法を使用することもできる。
【0039】
密閉カバー50は、金属材質または合成樹脂材質などで製作され得る。また密閉カバー50は、ハウジング31内に満たされる超音波伝達媒質の充填状態を確認するために透明な材質で製作され得る。一方、他の実施形態では、密閉カバーを不透明な材質で形成し、超音波伝達媒質の充填状態を確認できる別途の透明な窓を密閉カバーに形成することもできる。
【0040】
一方、図面には明示的に示されていないが、密閉カバー50を被せた後、分離されないようにするための固定手段が備えられ得る。例えば、接着テープ、ねじ型締結構造、嵌め合い構造などの固定手段を通じて密閉カバー50の分離を防止することができる。
【0041】
本発明の実施形態によれば、密閉カバー50がより容易に被せられるように密閉カバー50のカバー部材51の入口が外側に広くなる形態を有することができる。
【0042】
本発明の実施形態によれば、密閉カバー50が定められた位置に挿入されることを助けることができるように密閉カバー50の挿入位置を表示する表示または構造が密閉カバー50および支持台20のうちのいずれか一つ以上に備えられ得る。例えば、
図1および
図2を参照すると、密閉カバー50の超音波透過窓511が超音波プローブ30のハウジング31の超音波通過ホール313の位置に対応する状態で正確な位置に挿入されるようにするために、密閉カバー50のカバー部材51に溝512が備えられ、支持台20に突起29が備えられ得る。支持台20の突起29がカバー部材51の溝512に嵌合されるように密閉カバー50を挿入することによって密閉カバー50の正確な挿入位置が決定され得る。一方、他の実施形態では、カバー部材51に突起が備えられ、支持台20に溝が備えられることもできる。一方、本発明の他の実施形態では、挿入位置の表示が溝と突起の代わりにマーク、記号、図形など多様な形態で具現され得る。
【0043】
一方、
図8および
図9を参照すると、超音波照射位置を示すマーク301および超音波照射方向を示すマーク303のうちの一つ以上が密閉カバー50に表示され得る。超音波照射位置を示すマーク301の鼻の入口での相対位置を通じて鼻腔内での超音波の照射位置を推定することができ、超音波照射方向を示すマーク303を通じて超音波照射方向が分かる。例えば、超音波照射位置を示すマーク301はカバー部材51に形成され得、超音波透過フィルム52が透明な材質で形成されてマーク301が外部で見えるようにできる。一方、他の実施形態では、超音波照射位置を示すマークと超音波照射方向を示すマークが超音波透過フィルム上に表示されることもできる。
【0044】
本発明の他の実施形態によれば、
図8乃至
図10に示されているように、密閉カバー50が超音波プローブ30、つまり、ハウジング31に締結された状態で圧電素子33の位置を示すように表示される超音波生成位置マーク515を備えることができる。超音波生成位置マーク515は、カバー部材51の側面または貫通ホールの反対面に形成され得、
図8に示されているように超音波透過フィルム52が透明な材質で形成されて超音波生成位置マーク515が外部で見えるようにできる。また超音波生成位置マーク515が超音波透過フィルム52に表示されることもできる。密閉カバー50が被せられた状態で超音波プローブ30を体腔内に挿入して超音波治療を行う時、内視鏡によって撮影された超音波プローブ30の映像を見ながら施術を行うことができ、この時、超音波生成位置マーク515を見ながら施術を行うことによって所望する位置に超音波照射が行われるようにできる。
【0045】
一方、
図1を参照すると、超音波照射方向を示すマーク19がハンドピース10に形成されることもできる。
【0046】
図11を参照すると、本発明の他の実施形態によれば、密閉カバー151の入口側端部(
図11で右側端部)が広くなる形状を有することができる。例えば、
図11に示されているように、密閉カバー151の入口側端部に内径が増加する傾斜部152が備えられ得る。これによって、密閉カバー151がハウジング31に容易に被せられ得る。
【0047】
以上で本発明の実施形態を説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、本発明の実施形態から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって容易に変更されて均等であると認められる範囲の全ての変更および修正を含む。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、超音波治療に使用され得る体腔挿入型超音波装置に関するものであって、産業上の利用可能性がある。
【国際調査報告】