(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】冷却が改善された、変圧器のためのラジエータ
(51)【国際特許分類】
H01F 27/12 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
H01F27/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520404
(86)(22)【出願日】2019-10-02
(85)【翻訳文提出日】2021-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2019076713
(87)【国際公開番号】W WO2020078723
(87)【国際公開日】2020-04-23
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガレッティ,ベルナルド
(72)【発明者】
【氏名】ブラシュチック,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ウェイ
【テーマコード(参考)】
5E050
【Fターム(参考)】
5E050CA03
5E050CB04
(57)【要約】
変圧器(1)のためのラジエータ(2)であって、ラジエータ(2)は、少なくとも第1および第2のラジエータパネル(3)を有する複数のラジエータパネルを含み、第1および第2のラジエータパネル(3)は、実質的に鉛直方向に延在し、複数のラジエータパネル(3)の各々は、底縁(5)を有し、第1および第2のラジエータパネル(3)は、第1および第2のラジエータパネル(3)の間に90mmより小さい幅を有する隙間を提供するエアダクト(6)を形成し、第1のラジエータパネル(3)の底縁(5)は、第2のラジエータパネル(3)の底縁(5)よりも低い鉛直高さ位置に位置し、第1のラジエータパネル(3)は、第1のラジエータパネルおよび変圧器の側が変圧器エアダクトを形成する態様で変圧器に取り付けられるように適合されるラジエータパネルの側に位置し、第2のラジエータパネル(3)の底縁(5)は、第1のラジエータパネル(3)の底縁(5)よりも大きな鉛直高さ位置に位置し、ラジエータパネルは、エアダクトの幅に対するラジエータパネルの深さのアスペクト比が8よりも大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器(1)のためのラジエータ(2)であって、前記ラジエータ(2)は、少なくとも第1および第2のラジエータパネル(3)を有する複数のラジエータパネルを含み、前記第1および第2のラジエータパネル(3)は、実質的に鉛直方向に延在し、前記複数のラジエータパネル(3)の各々は、底縁(5)を有し、
前記第1および第2のラジエータパネル(3)は、前記第1および第2のラジエータパネル(3)の間に90mmより小さい幅を有する隙間を提供するエアダクト(6)を形成し、
前記第1のラジエータパネル(3)の前記底縁(5)は、前記第2のラジエータパネル(3)の前記底縁(5)よりも低い鉛直高さ位置に位置し、
前記第1のラジエータパネル(3)は、前記第1のラジエータパネルおよび変圧器の側が変圧器エアダクトを形成する態様で前記変圧器に取り付けられるように適合されるラジエータの側に位置し、
前記第2のラジエータパネル(3)の前記底縁(5)は、前記第1のラジエータパネル(3)の前記底縁(5)よりも大きな鉛直高さ位置に位置し、
前記ラジエータパネルは、前記エアダクトの幅に対する前記ラジエータパネルの深さのアスペクト比が8よりも大きい、ラジエータ(2)。
【請求項2】
前記ラジエータが前記変圧器に取り付けられる場合、前記第1のラジエータパネルおよび前記変圧器の側は、エアダクトを形成する、先行する請求項のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項3】
少なくとも3つの連続するラジエータパネル(3)のラジエータパネル底縁(5)が、前記第1のラジエータパネルから前記第2のラジエータパネルへの方向において水平に対して平均的に単調に上昇する線を形成し、前記少なくとも3つの連続するラジエータパネル(3)は、前記第1および第2のラジエータパネル(3)を含む、先行する請求項のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項4】
前記少なくとも3つの連続するラジエータパネル(3)の前記ラジエータパネル底縁(5)は、前記第1のラジエータパネルから前記第2のラジエータパネルへの方向において、前記水平に対して単調に上昇する直線を形成する、請求項3に記載のラジエータ(2)。
【請求項5】
前記ラジエータパネル底縁(5)の前記鉛直高さ位置は、前記第1のラジエータパネルから前記第2のラジエータパネルへの方向において、水平に対して単調に、好ましくは厳密に単調に、増加する、先行する請求項のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項6】
前記ラジエータパネル上縁(4)は、実質的に同じ鉛直高さ位置に位置する、先行する請求項のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項7】
前記ラジエータ底縁(5)は、水平に対して少なくとも10°の傾斜角度を形成し、または、前記ラジエータパネル底縁(5)は、前記第1のラジエータパネルから前記第2のラジエータパネルへの方向において、前記水平に対して少なくとも10°の角度で実質的に傾斜する線を形成する、先行する請求項のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項8】
前記ラジエータ(2)の前記ラジエータパネル(3)は、鉛直方向に延在する板状構造として実質的に形成される、先行する請求項のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項9】
前記ラジエータパネル(3)のうちの少なくともいくつかの上にチムニーが配置される、先行する請求項のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項10】
前記ラジエータパネル(3)のうちの少なくともいくつかの上にチムニーが配置され、前記ラジエータ(2)は、最外ラジエータパネル(3)を含み、前記最外ラジエータパネル(3)は、前記第1のラジエータパネルへの距離が最大であるラジエータパネル(3)である、請求項1~8のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項11】
前記ラジエータパネル(3)のうちの少なくとも50%の上にチムニーが配置される、請求項1~8のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項12】
前記ラジエータは、油入変圧器(1)のためのものであり、前記ラジエータ(2)は、前記変圧器(1)から前記ラジエータ(2)に、冷却されるべき油を供給するための油供給ダクト(7)と、冷却された油を前記ラジエータ(2)から前記変圧器(1)に戻すための油戻りダクト(8)とを含む、先行する請求項のいずれかに記載のラジエータ(2)。
【請求項13】
先行する請求項のいずれかに記載の少なくとも1つのラジエータ(2)を含む、変圧器(1)。
【請求項14】
前記変圧器(1)の側壁(1a)に最も近くに位置する前記ラジエータパネル(3)の高さは、前記変圧器(1)の高さに実質的に等しく、前記ラジエータパネル上縁(4)は、実質的に同じ鉛直高さ位置に位置する、先行する請求項のいずれかに記載の変圧器。
【請求項15】
前記変圧器(1)の側壁(1a)に最も近くに位置する前記ラジエータパネル(3)の高さは、前記変圧器(1)の高さに実質的に等しい、請求項13または14のいずれかに記載の変圧器(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示の実施形態は、変圧器のためのラジエータと、少なくとも1つのラジエータを含む変圧器とに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
変圧器はエネルギーを放散するので、通常は冷却を必要とする。たとえば、油変圧器は、変圧器油が周囲の環境とエネルギーを交換することを可能にするラジエータパネルによって冷却される。ラジエータパネルは、ラジエータ内において編成され、変圧器に搭載され得る。
【0003】
ここでは単に油変圧器と称される油絶縁変圧器において、巻線およびヨークが、油で充填されたタンクに配置される。油によって伝達される熱は、通常、タンクの外に配置される1つ以上のラジエータにおいて環境に放散され得る。各ラジエータは、たとえば油が流れるいくつかの金属パネルの集合からなり得る。当該金属パネルの集合は、密接に積層され、浮力によって駆動される気流が確立されるダクトのエリアを形成し得る。変圧器の性能は、ラジエータの冷却速度に依存し得、さらに、ラジエータの冷却速度によって限界が定められ得る。
【0004】
したがって、現状技術と比較して冷却速度または冷却性能が最適化された、変圧器のためのラジエータについての需要が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
上記に鑑みて、独立請求項1に記載のラジエータおよび請求項14に記載の変圧器が提供される。さらなる局面、利点および特徴は、従属請求項、説明および添付の図面から明らかである。
【0006】
本発明のある局面によれば、変圧器のためのラジエータが提供され、当該ラジエータは、少なくとも第1および第2のラジエータパネルを有する複数のラジエータパネルを含む。さらに、第1および第2のラジエータパネルは、実質的に鉛直方向に延在する、すなわち、少なくとも変圧器1の起立状態または直立状態または動作状態において鉛直である。各ラジエータパネルはさらに、底縁を有する。第1および第2のラジエータパネルは、それらの間(すなわち、それら自身同士の間)に90mmより小さい幅を有するエアダクトを形成する。エアダクトの幅は、y方向における尺度または幅を指し得る。さらに、第1のラジエータパネルの底縁は、第2のラジエータパネルの底縁よりも小さい高さに位置する。
【0007】
本発明のある局面によれば、変圧器のためのラジエータが提供される。ラジエータは、少なくとも第1および第2のラジエータパネルを有する複数のラジエータパネルを含む。さらに、第1および第2のラジエータパネルは、鉛直方向または実質的に鉛直方向に延在する。ラジエータの各ラジエータパネルはさらに、底縁を有する。第1および第2のラジエータパネルは、それらの間(すなわち、それら自身同士の間)に90mmより小さい幅を有するエアダクトを形成する。エアダクトの幅は、y方向における尺度を指し得る。さらに、第1のラジエータパネルの底縁は、第2のラジエータパネルの底縁よりも低い高さに位置する(すなわち、第2のラジエータパネルの底縁よりも高さ、z方向、または高度に関してより低い)。第1のラジエータパネルはさらに、第1のラジエータパネルおよび変圧器の側が変圧器エアダクトを形成するような態様で、変圧器に取り付けられるように適合されるまたは取り付けられるのが好適なラジエータの側に配置される。さらに、第2のラジエータパネルの底縁は、第1のラジエータパネルの底縁よりも大きい鉛直高さに位置する(すなわち、高さ、z方向、または高度に関して高い)。さらに、ラジエータのラジエータパネルはたとえば、第1および第2のラジエータパネルの間のエアダクトのようなエアダクトの幅に対するラジエータパネルの深さ(すなわち、x方向の尺度)のアスペクト比が8より大きい。変圧器エアダクトは、ラジエータパネル同士の間のエアダクトよりも大きな幅を有し得る。すなわち、変圧器と第1のラジエータパネルとの間の間隔は、ラジエータパネル同士の間の間隔よりも大きくあり得る。アスペクト比は、ラジエータパネル間エアダクトを指す。
【0008】
したがって、従来のラジエータと比較して、本開示のラジエータの設計、したがって、冷却性能が改善される。特に、本明細書に記載されるラジエータにより、エアダクトを通る気流の改善が提供され得、したがって、ラジエータに入り、したがって、ラジエータパネルに入り、ラジエータから出、したがって、ラジエータパネルから出る媒体のより高いまたは最適化された冷却速度が提供され得る。
【0009】
本発明のさらなる局面によれば、上記局面に従った少なくとも1つのラジエータを含む変圧器が提供される。したがって、変圧器は、改善された態様で冷却され得る。
【0010】
本発明の実施形態が図面に示されており、以下においてより詳細に記載される。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書に記載される実施形態に従った複数のラジエータパネルを有するラジエータおよび変圧器の概略側面図を示す図である。
【
図2】本明細書に記載される実施形態に従ったラジエータパネルを含むラジエータを有する変圧器の概略側面図を示す図である。
【
図3】本明細書に記載される実施形態に従ったラジエータパネルを含むラジエータを有する変圧器の概略側面図を示す図である。
【
図4】本明細書に記載される実施形態に従ったラジエータパネルを有するラジエータおよび変圧器の概略側面図を示す図である。
【
図5】本明細書に記載される実施形態に従ったラジエータパネルを有するラジエータおよび変圧器の概略側面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態および一般的な局面の詳細な説明
ここで、本開示のさまざまな実施形態に対して詳細に参照がなされ、そのうちの1つ以上の例が図面に示される。以下の図面の記載において、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。一般に、個々の実施形態に関する相違点のみが記載される。各例は、本開示の説明のために提供され、本開示の限定を意味しない。さらに、1つの実施形態の部分として例示または記載される特徴は、さらに別の実施形態を生み出すよう、他の実施形態上で使用され得るか、または、他の実施形態と関連して使用され得る。当該記載は、そのような修正例および変形例を含むことが意図される。
【0013】
以下の図面の記載において、同じ参照番号は、同じまたは類似の構成要素を指す。一般に、個々の実施形態に関する相違点のみが記載される。別の態様で特定されなければ、一実施形態における部分または局面の記載は、別の実施形態における対応する部分または局面に同様に適用され得る。
【0014】
さらに、ラジエータのいくつかの一般的な(すなわち、随意の)局面が記載される。これらの局面はさらに、本発明の任意の他の局面と関連して、図面の例示的な実施形態とは独立して実現され得る。一般に、本明細書において記載される如何なる局面も、他の詳細とは独立して、本明細書において記載される任意の他の実施形態または局面と組み合わされ得る。
【0015】
より良好な方位付けのために、図面中の図は、それぞれのデカルト座標系で補足されており、x,yは直交する水平方向を指し、zは鉛直方向を指す。典型的には、x方向は、図面の観察面に対する法線方向を指す。典型的には、(正の)y方向は、ラジエータパネル、および/または、ラジエータが取り付けられ得る変圧器の側に対する法線方向を指し、たとえば、鉛直方向に垂直なページ面(page plane)における方向を指す。座標系は、グラウンド上またはグラウンドレベル上に原点を有し得、
図1においてGにより例示的に示されている。
【0016】
図1を例示的に参照して、本開示に従った変圧器1が記載される。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得る実施形態によれば、変圧器1は、ラジエータパネル3を含むラジエータ2を含む。ラジエータパネル3の各々は、ラジエータパネル上縁4およびラジエータパネル底縁5を有する。ラジエータパネル3は対で、ラジエータパネル3同士間にエアダクト6を形成する。
【0017】
動作中、ラジエータの熱い面に隣接する空気、特にエアダクト6内の空気は、加熱され、より軽くなり、上方に移動する。結果として、質量の保存のために、ラジエータパネル底縁5の側からおよびラジエータパネル底縁5において、新しい新鮮な空気が、ラジエータに隣接する領域内と、エアダクト6内とに入る。
【0018】
変圧器1、すなわち変圧器1の側壁1aと、変圧器1に最も近いラジエータパネル3、すなわち、変圧器1の側壁1aに最も近いラジエータパネル3との間に、変圧器エアダクト10が形成される。例示的な
図1に示されていない供給ダクトおよび戻りダクトは、ラジエータパネル3を含むラジエータ2を変圧器1と接続し、これにより、冷却媒体が、ラジエータ2およびラジエータパネル3に入ること、および、ラジエータ2およびラジエータパネル3から出ることがそれぞれ可能になる。
【0019】
図2を例示的に参照して、本開示に従った変圧器1が記載される。実施形態によれば、
図1は、3つのラジエータパネル3を含む例示的なラジエータ2を示す。ラジエータパネル3は、側面図において示されている。ラジエータパネル3は、実質的に鉛直方向に延在する。各ラジエータパネル3は、鉛直方向において最も高いラジエータパネル3の端に位置するラジエータパネル上縁4を有する。各ラジエータパネル3は、鉛直方向において最も低いラジエータパネルの端に位置するラジエータパネル底縁5を有する。ラジエータ2のラジエータパネル底縁5を変圧器1と接続する2つの戻りダクト8が、例示的な
図2に示される。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータのラジエータパネル底縁は、少なくとも2つの戻りダクトを介して、または、付加的もしくは代替的には、1つより多い戻りダクトにより、変圧器に接続され得る。供給ダクト7が例示的な
図2に示される。供給ダクト7は、ラジエータ2のラジエータパネル上縁4を変圧器1に接続する。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータのラジエータパネル上縁は、少なくとも1つの供給ダクトを介して、または、付加的もしくは代替的には、1つより多い供給ダクトにより、変圧器に接続され得る。
【0020】
図3を例示的に参照して、本開示に従った変圧器1が記載される。実施形態によれば、
図3は、ラジエータパネル3を含む例示的なラジエータ2を示す。ラジエータパネル3は、変圧器1の側面図において、ラジエータパネル3のラジエータ底縁5が、変圧器1の変圧器本体または側壁1aからの距離の増加と共に平均的に上昇する線を形成するように配置されている。ラジエータパネル3は、図の面に対する法線方向および面に延在する。ラジエータ2は、実質的に同じ高さにあるラジエータパネル上縁4を有するラジエータパネル3を含む。
図3の例示的な実施形態では、ラジエータ底縁5は、変圧器1の側壁1aからの距離の増加とともに、鉛直方向におけるラジエータパネル底縁5の異なる高さにて、ラジエータ底縁5の凸状の線を形成する(たとえば、ラジエータパネル3の積層によって形成される実際上の本体内部から見た場合)。この形状により、気流の進入の改善、したがって、エアダクト6を通る気流の改善が達成され得る。これにより、ラジエータ2の冷却キャパシティが増加され得る。
【0021】
図4を例示的に参照して、本開示に従った変圧器1が記載される。実施形態によれば、
図4は、ラジエータパネル3を含む例示的なラジエータ2を示す。ラジエータパネル3は、ラジエータパネル底縁5が、変圧器1の変圧器本体からの距離と共に平均的に単調に上昇する線を実質的に形成するように配置される。
図4における例示的な線は、ラジエータパネル底縁5の凹状の線を形成する(たとえば、ラジエータパネル3の積層によって形成される実際上の本体内部から見た場合)。この形状により、エアダクト6を通る気流の改善が達成され得る。これにより、ラジエータ2の冷却キャパシティが増加され得る。ラジエータパネル上縁4は例示的に、鉛直方向において実質的に同じ高さに位置する。
【0022】
図5を例示的に参照して、本開示に従った変圧器1が記載される。実施形態によれば、
図5は、ラジエータパネル3を含む例示的なラジエータ2を示す。ラジエータパネル3は、ラジエータパネル底縁5が、変圧器1の変圧器本体または側壁1aからの距離の増加と共に上昇する直線を形成するように、変圧器の変圧器本体または側壁1aに搭載される。
図5の例示的な実施形態におけるラジエータパネル上縁4は、変圧器1の変圧器本体または側壁1aからの距離と共に単調に上昇する線を形成する。ラジエータパネル上縁4はそれぞれ、変圧器1またはその壁1aから離れる方向において、ラジエータパネル底縁5の線と実質的に等しく整列するか、または、傾斜する線を形成する。
【0023】
特に、本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得る実施形態によれば、ラジエータは、第2のラジエータパネルよりも変圧器により近い搭載状態で位置する第1のラジエータパネルを含み、第2のラジエータパネルの底縁は、第1のラジエータパネルの底縁よりも大きな高さに位置することが理解されるべきである。さらにこの適用例では、第1のラジエータパネルおよび第2のラジエータパネルの底縁がラジエータパネル底縁と称される。
【0024】
一般的に、「変圧器により近い」および「鉛直」などの用語は、それぞれのラジエータパネルが変圧器に取り付けられ、かつ、動作状態に配置および方位付けられたラジエータを指す。ある局面によれば、ラジエータは、ラジエータパネルを変圧器に取り付けるために適合される取付セクションを有する。取付セクションはたとえば、ラジエータを変圧器に搭載するための搭載フランジを含み得る。取付セクションは、ラジエータと変圧器との間の空間的な関係を規定する。
【0025】
ある局面によれば、取付セクションは、ラジエータパネルによって冷却されるために変圧器油をラジエータパネルに放出するための油入口線と、冷却された油を変圧器に戻すための油戻り線とを含む。油入口線は、典型的には、油戻り線よりも高い鉛直位置に配置される。ある局面によれば、ラジエータパネルは、油入口線と油戻り線との間に接続されるので、油入口線からの油は、たとえば平行にラジエータパネルに供給され、ラジエータパネルを横断した後、油戻り線に供給される。
【0026】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータは、第1および第2のラジエータパネルを含む少なくとも3つの連続したラジエータパネルを含む。
【0027】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータが変圧器に取り付けられている場合のラジエータと、第1のラジエータパネルと、変圧器の側とが、変圧器エアダクトを形成する。ラジエータは、変圧器エアダクトが、ラジエータと変圧器との間、すなわち、ラジエータが取り付けられる変圧器の側に形成されるような態様で、変圧器に取り付けられるように適合される。
【0028】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータは、ラジエータパネル底縁を含み、少なくとも3つの連続するラジエータパネルのラジエータパネル底縁は、変圧器からのラジエータパネルの距離と共に、および/または、第1のラジエータパネルから第2のラジエータパネルへの方向において水平に対して、平均的に単調に上昇する線を形成し、少なくとも3つの連続するラジエータパネルは、第1および第2のラジエータパネルを含む。
【0029】
本出願における「線を形成する」という用語は、ラジエータの側面図(たとえば、水平観察方向に沿った、および/または、底縁に平行な方向に沿った、ラジエータパネルによって規定される面に直交する側からの側面図)におけるラジエータパネル底縁への線の理論的フィッティング(theoretical fitting)として理解されるべきである。線は、最良適合線(best fit line)であり得る。この線は、たとえば最小二乗ノルム(代数または幾何学的方法)に対してラジエータパネル底縁からの偏差を最小化する最良適合線であり得る。線は、第1のラジエータパネル底縁の水平位置にて開始または終了し得、第1のラジエータパネル底縁とは異なるラジエータパネル底縁の水平位置にて終了し得る。線は、変圧器の変圧器本体に最も近くに位置するラジエータパネル底縁の水平位置にて開始または終了し得る。線は、変圧器への距離が最も大きいラジエータパネル底縁の水平位置にて終了または開始し得る。本出願の意味における「線」は、数式により記述され得る最良適合線であり得る。当該数式は、1次、2次、3次またはn次の多項式であり得る。代替的には、ラジエータの底縁は、最大で、隣接するラジエータパネル間の水平距離の偏差まで、線上に存在し得る。
【0030】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、平均的に単調に上昇する線を形成することは、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個または少なくとも18個の連続するラジエータパネルについて満たされる。付加的または代替的には、上記の特徴は、変圧器の変圧器本体に最も近い少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個または少なくとも18個のラジエータパネルについて満たされる。
【0031】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータはラジエータパネルを含み、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個または少なくとも18個の連続したラジエータパネルのラジエータパネル底縁が、変圧器からの距離と共に、および/または、第1のラジエータパネルから第2のラジエータパネルへの方向において水平に対して、単調に上昇する直線を形成する。
【0032】
付加的または代替的には、連続したラジエータパネルであり得るすべてのラジエータパネルのうちの少なくとも30%、すべてのラジエータパネルのうちの少なくとも50%、すべてのラジエータパネルのうちの少なくとも80%、または、少なくともすべてのラジエータパネルのラジエータパネル底縁は、変圧器からの距離と共に単調に上昇する直線を形成する。
【0033】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータはラジエータパネルを含み、ラジエータパネル底縁の高さは、少なくとも最後の3個、最後の5個、最後の10個または最後の18個のラジエータパネルについて、変圧器への距離と共に単調に、好ましくは、厳密に単調に増加し、または、すべてのラジエータパネルについて厳密に単調に増加する。最後のラジエータパネルは、変圧器への距離が最も大きいラジエータパネルであり得、たとえばy方向における距離が最も大きいラジエータパネルであり得る。
【0034】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータパネル上縁は、実質的に同じ高さに位置する。実質的に同じ高さは、最も高いラジエータパネルの高さの5%までであり得る。
【0035】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータパネル上縁は、実質的に異なる高さに位置する。実質的に異なる高さは、最も高いラジエータパネルの高さの5%を超える高さの偏差、10%を超える高さの偏差、20%を超える高さの偏差、または、30%を超える高さの偏差を有する異なる高さとして理解される。付加的または代替的には、最も高いラジエータパネルの高さの95%未満、80%未満、60%未満、または、20%未満が、実質的に異なる高さであると考えられる。
【0036】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、変圧器に最も近く位置するラジエータパネルは、変圧器の高さに実質的に等しい。
【0037】
変圧器の高さに実質的に等しい高さを有するラジエータパネルは、変圧器の高さに等しいと理解され、高さの正確な等しさからの変圧器の高さの-50%までの偏差、または-40%までの偏差、-30%までの偏差、-15%までの偏差、または、-10%までの偏差は、依然として実質的に等しいと考えられる。付加的または代替的には、変圧器の高さの+10%未満、+8%未満、または、+5%未満は、依然として変圧器の高さに実質的に等しいと考えられる。
【0038】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータは、水平に対して、少なくとも10°に実質的に等しい傾斜角度で囲むラジエータ底縁を有し得、または、ラジエータパネル底縁は、変圧器から離れる方向において、水平に対して少なくとも10°で実質的に傾斜する線を形成する。
【0039】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータは、水平に対して、少なくとも10°である傾斜角を形成するラジエータ底縁を有し得、または、ラジエータパネル底縁は、第1のラジエータパネルから第2のラジエータパネルへの方向において、水平に対して少なくとも10°の角度で実質的に傾斜する線を形成する。
【0040】
当該角度は、10°に実質的に等しくてもよく、30°に実質的に等しくてもよく、または、50°に実質的に等しくてもよい。付加的または代替的には、当該角度は、実質的に50°未満であってもよい。付加的または代替的には、当該角度は、実質的に10°より大きくてもよい。当該角度は、ラジエータパネル底縁によって形成される線と水平との間の角度を指し得る。
【0041】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータは、ラジエータパネルのうちの少なくともいくつかの上に配置されるチムニーを含む。
【0042】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータパネルの深さおよびエアダクトの幅は、9より大きいアスペクト比を有し得る。ラジエータパネルは、実質的に520mmの深さを有し得、エアダクトは、実質的に45mmの幅を有し得る。結果得られるアスペクト比は、約11.5である。
【0043】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータパネルの深さおよびエアダクトの幅のアスペクト比は、9より大きくてもよく、11より大きくてもよく、15より大きくてもよく、または、20より大きくてもよい。付加的または代替的には、ラジエータパネルの深さおよびエアダクトの幅のアスペクト比は、9より大きく、30より小さくてもよい。
【0044】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータパネルは、ラジエータパネルの幅に対するラジエータパネルの高さのアスペクト比が、50より大きく、付加的または代替的には、800未満であってもよい。
【0045】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータパネルは、ラジエータパネルの幅に対するラジエータパネルの深さのアスペクト比が、15より大きく、付加的または代替的には、140未満であってもよい。
【0046】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータは、ラジエータの上方からたとえばラジエータの上縁を通ってラジエータのラジエータパネルに接続される油入口を有し得る。ラジエータは、ラジエータパネルの下方からたとえば底縁を通ってラジエータのラジエータパネルに接続される油出口を有し得る。ラジエータパネルは、たとえばラジエータパネルの上縁および底縁において専用および/または好適なコネクタを通じて、油入口および油出口と流体接続し得る。油入口または油出口は、ラジエータパネルの側面、たとえばx方向および/またはy方向における表面を通じて接続されなくてもよい。油入口は、部分的にラジエータパネルの上方に位置し得、および/または、油出口は、部分的にラジエータパネルの下方に位置し得る。油入口は、少なくとも部分的にラジエータパネルの上方に位置するラジエータパネルと流体接続するパイプであり得る。油出口は、少なくとも部分的にラジエータパネルの下方に位置するラジエータパネルと流体接続するパイプであり得る。
【0047】
本明細書において使用される「変圧器から離れる」または「離れる方向」は、変圧器の周囲に向く、特に変圧器の側といった変圧器の表面に対する法線方向を指し得る。さらに、変圧器のラジエータ(のうちの1つ)として、変圧器に搭載(または接続)されるラジエータパネルを参照する場合、ラジエータパネルが、それらの最も大きな表面エリアまたは側が変圧器の側に平行である状態で、変圧器に搭載される(または取り付けられる)ことを意味し得る。「変圧器から離れる」は、正のy方向を指し得る。
【0048】
変圧器の側壁からのラジエータパネルの「増加距離」は、たとえば、変圧器の側壁と変圧器の側に取り付けられるラジエータの第1のラジエータパネルとの間のエアダクトの幅と、第1のラジエータパネルの幅とを含む距離を指す。変圧器の側壁からの距離は、たとえば、第1のラジエータパネルと第2のラジエータパネルとの間のエアダクトと、第2のラジエータパネルの幅とだけ、変圧器の側に取り付けられるラジエータの第2のラジエータパネルについて、増加する。ラジエータ内の個々のラジエータパネルの底縁または上縁を考慮すると、ラジエータ内の位置yにおけるラジエータパネルの上縁または底縁は、変圧器の側壁と位置yにおけるラジエータパネルとの間のすべてのエアダクトの組み合わされた幅と、変圧器の側壁とラジエータの位置yにおけるラジエータパネルとの間のすべてのラジエータパネルの幅とを含む距離に位置し得る。これは、ラジエータパネル、または、言及され得るラジエータパネルの上縁または底縁に依存する、変圧器の側壁からの増加距離と称され得る。
【0049】
本明細書において使用される「より低い鉛直高さ位置」は、より小さいz座標を有する位置を指し得、または、別の鉛直高さ位置より小さいグラウンドまでの任意の距離を指し得る。本明細書において使用される「より大きい鉛直高さ位置」は、別の鉛直高さ位置と比較して、より大きいz座標を有する位置を指し得る。さらに、たとえば、別のラジエータパネルの底縁といった別の対象の距離より大きい、グラウンドからの距離を指し得る。さらに、「より大きい鉛直高さ位置」はたとえば、グラウンドを上回る高さ、または、高度を指し得る。
【0050】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、ラジエータは、複数のラジエータパネルの間に形成されるエアダクトのうちの少なくともいくつか、および/または、少なくとも1つのラジエータパネルと変圧器の変圧器本体との変圧器エアダクトの上に配置されるチムニーを含む。チムニーは、ラジエータパネルに直接的に取り付けられ得るという利点があるので、ラジエータパネルとチムニーとの間の両方のエアダクトが鉛直方向に延在する。
【0051】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのチムニーの高さは、100mmより大きく、500mmより大きく、1000mmより大きく、または、2000mmより大きい。付加的または代替的には、少なくとも1つのチムニーの高さは、4000mmより小さく、3000mmより小さく、または、2500mmより小さい。
【0052】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、チムニーは、チムニーが上に配置されるエアダクトおよび/または変圧器エアダクトと流体接続される。これにより、エアダクトは、チムニー効果にさらに寄与するとともにチムニー効果を向上し得る。
【0053】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、チムニーは、最外ラジエータパネルを含むラジエータパネルのうちの少なくともいくつかの上に配置され、最外ラジエータパネルは、変圧器の変圧器本体もしくは側壁への距離、または、変圧器への距離が最も大きいラジエータパネルである。
【0054】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、チムニーは、最外エアダクトを含むエアダクトのうちの少なくともいくつかの上に配置される。最外エアダクトは、変圧器の変圧器本体または側壁への距離が最も大きいラジエータパネルである最外ラジエータパネルと、変圧器本体または側壁への距離が2番目に大きい隣接するラジエータパネルとの間に形成されるエアダクトである。
【0055】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、チムニーは、ラジエータパネルの少なくとも50%の上に配置され、好ましくは少なくとも60%の上に配置され、または、ラジエータのすべてのラジエータパネルのうちの少なくとも3分の2の上に配置され、または、ラジエータのすべてのエアダクトのうちの少なくとも60%の上に配置される。
【0056】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、変圧器は、油入変圧器であり、ラジエータは、変圧器からラジエータに、冷却されるべき油を供給するための油供給ダクトと、冷却された油をラジエータから変圧器に戻すための油戻りダクトとを含む。ラジエータは、少なくとも2つの油供給ダクトおよび/または少なくとも2つの油戻りダクトを有し得、付加的または代替的には、ラジエータは、変圧器に接続される1つより多い油供給ダクトおよび/または1つより多い油戻りダクトを有し得る。
【0057】
第1のラジエータパネルと第2のラジエータパネルとの間の距離は、変圧器上でのラジエータの搭載方向におけるラジエータの幅よりも実質的に小さい。
【0058】
ラジエータパネル上縁は、変圧器から離れる方向において、ラジエータパネル底縁縁の線と実質的に等しい線を形成し得る。
【0059】
ラジエータパネルは各々、油供給部を有し得る。ラジエータパネルは各々、油出口を有し得る。さらに、ラジエータパネルは、熱交換器セクションに接続され得る。ラジエータパネルは、接続された少なくとも1つの油供給部を有し得る。ラジエータパネルは、少なくとも1つの油出口を有し得る。ラジエータは、ラジエータのラジエータパネルに接続される少なくとも1つの油供給部を有し得る。ラジエータは、ラジエータのラジエータパネルに接続される少なくとも1つの油出口を有し得る。油供給部および/または油出口は、熱交換器セクションに接続され得る。
【0060】
油供給部は、変圧器をラジエータのラジエータパネルに、並列および/または直列に接続し得る。ラジエータのラジエータパネルへの複数の油接続が存在し得る。
【0061】
ラジエータのラジエータパネルは、鉛直方向に延在する板状構造として実質的に形成され得る。したがって、板状ラジエータパネルは、鉛直方向を含むそれぞれの面を規定し得る。板状ラジエータパネルは、互いに平行であり得る(鉛直方向を含む平行な面)。局面によれば、鉛直方向は、ラジエータパネル同士の間のエアダクトが、冷却空気がそこを通って流れることを可能にするために延在する方向、および/または、変圧器油がそこを通って流れることによってラジエータパネルを横断する間に冷却されることを可能にするラジエータパネル内の油ダクトの方向である。
【0062】
付加的または代替的には、ラジエータのラジエータパネルは、側から見た場合に、観察方向に対して法線方向に延在し得る。
【0063】
ラジエータのラジエータパネルの数は、3より多くてもよく、5より多くてもよく、10より多くてもよく、15より多くてもよく、または、18より多くてもよい。付加的または代替的には、ラジエータのラジエータパネルの数は、30より少ないラジエータパネルであってもよく、25より少ないラジエータパネルであってもよく、または、20より少ないラジエータパネルであってもよい。
【0064】
ラジエータパネルは、金属パネルであってもよい。ラジエータパネルは、1000mmを超える、1500mmを超える、または2000mmを超える高さを有し得る。高さは、4000mm未満または3000mm未満であり得る。付加的または代替的には、ラジエータパネルは、11.9mmに実質的に等しい幅、付加的または代替的には、5mmより大きな幅、7mmより大きな幅、または、10mmより大きな幅を有し得る。付加的または代替的には、ラジエータパネルは、20mmより小さい幅、15mmより小さい幅、または、12mmより小さい幅を有し得る。
【0065】
ラジエータパネルは、実質的に520mmに等しい深さ、付加的または代替的には、300mmより大きな深さ、400mmより大きな深さ、もしくは500mmをより大きな深さ、または、付加的もしくは代替的には、700mmより小さい深さ、600mmより小さい深さ、または、550mmより小さい深さを有し得る。深さは、x方向の尺度を指し得る。
【0066】
ラジエータパネルは、ラジエータパネルケーシング内に含まれ得る。ラジエータパネルケーシングはたとえば、アルミニウム、鋼または任意の他の金属といった金属から形成され得る。ラジエータパネルケーシングは、ラジエータパネル内に流れるとともにラジエータパネルから流れる媒体の温度に耐えるのに好適な材料から形成され得る。
【0067】
ラジエータ、したがって、ラジエータパネルは、水平に積層された方向および/または水平方向において、変圧器の変圧器本体または側壁に搭載され得る。
【0068】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、変圧器は、少なくとも1つのラジエータを含む。
【0069】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、変圧器は、油入変圧器である。
【0070】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、変圧器の巻線およびヨークが、油で充填されたタンク内に配置される。より具体的には、油は2つの目的を果たし得る。油は、高い絶縁耐力を有するので、変圧器のサイズを低減することが可能になり得る。油は、自由対流または強制対流によって、熱い表面から熱を除去する。
【0071】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、熱は、タンクの外側に配置される1つ以上のラジエータ内の環境に放散される。
【0072】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態によれば、各ラジエータは、1つ以上のラジエータパネルを含む。ラジエータパネルは、油が流れる金属パネルであり得る。ラジエータパネルは、ダクトのアレイを形成するよう密接に積層され得る。ダクトは、浮力によって駆動される気流がその間に確立されることを可能にし得る。1つ以上のラジエータを通って油を循環させる駆動力は、重力および/または少なくとも1つの油圧ポンプであり得る。熱は、ラジエータパネルの外面を冷却する浮力気流によって除去され得る。したがって、ラジエータの冷却キャパシティが有益に増加され得る。
【0073】
「鉛直方向」または「鉛直方位」という用語は、「水平方向」または「水平方位」に対して区別するものと理解される。すなわち、「鉛直方向」または「鉛直方位」はたとえば、(通常の動作のために起立された場合において)ラジエータパネルもしくはラジエータまたは変圧器の実質的に鉛直な方位に関する。正確な鉛直方向または鉛直方位からの数度の偏差、たとえば、10°までの偏差、15°までの偏差、または、45°までの偏差は依然として、「実質的に鉛直方向」または「実質的に鉛直方位」と考えられる。鉛直方向は重力に実質的に平行であり得る。したがって、「水平方向」または「水平方位」は、「鉛直方向」または「鉛直方位」に実質的に垂直な方位に関する。特に、「実質的に鉛直(または水平)」という用語は、「鉛直(または水平)」および「正確に鉛直(または水平)」の場合を含む。本明細書において使用される「鉛直方向」は、局所的な重力方向または反対の局所的な重力方向を指し得る。
【0074】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得る例示的な実施形態
例示的な実施形態では、以下のパラメータを有し得る変圧器が提供される。変圧器は、中電圧または大電圧のために提供され得る(端子対のうちの少なくとも1つが、少なくとも1kVの定格電圧を有し、好ましくは少なくとも52kVの定格電圧を有する)。変圧器は、10MVA超、20MVA超、または、30MVA超で動作し得、付加的または代替的には、変圧器は、60MVA未満で動作し得る。変圧器は、各側上において5個より多いラジエータバンクを有し得る(たとえば変圧器の2つの対向する側壁上において、合計で10個より多いラジエータバンクを有し得る)。変圧器は、150kWより大きな冷却キャパシティ、または、180kWより大きな冷却キャパシティを有し得る。油は、10個より多いラジエータバンクと流体接続し得る。ラジエータバンクのうちの少なくともいくつかは、(たとえば、鉛直方向において)高さが1500mmより大きくあり得、または、高さが2000mmより大きくあり得、付加的または代替的には、幅が8mmより大きくあり得、または、10mmより大きくあり得、付加的または代替的には、深さが300mmより大きくあり得、または、400mmより大きくあり得る。ラジエータパネルケーシングはアルミニウムから形成され得、厚さが4mmより小さくあり得、付加的または代替的には、厚さが0.5mmより大きくあり得る。したがって、ラジエータパネル内の油チャネル幅は、0.5mmより大きくあり得、または、付加的もしくは代替的には、9mmより小さくあり得る。通常の動作中、各ダクトの入口における油の温度は、50℃より大きくあり得、または、60℃より大きくあり得、付加的または代替的には、100℃より小さくあり得、または、90℃より小さくあり得る。熱は、油からラジエータパネルケーシングを通って周囲の環境空気中に伝達され得る。熱伝達は、浮力効果により油を動くようにセットし得る。
【0075】
油入変圧器(ラジエータパネル)は、それぞれの幅hを有するダクトを有し得、hは6mmよりも大きく、または、8mmよりも大きく、付加的または代替的には、13mmより小さい。気流は、エアダクト内において層流および/または乱流であってもよい。
【0076】
ラジエータバンクの冷却性能は、冷却キャパシティ、すなわち、ラジエータ内を流れる油から除去される全体的な熱パワーに関して表され、以下のように規定される。
【0077】
【0078】
式中、
【0079】
【0080】
は、全体の油質量流量であり、
【0081】
【0082】
は、油比熱であり、
【0083】
【0084】
は、ダクトの入口における油温度であり、
【0085】
【0086】
は、ダクトの出口における質量平均油温度である。
気流は、最内エアダクトから最外エアダクトへと減少する。最外エアダクトは、変圧器からの距離が最も大きいエアダクトである。換言すると、最外エアダクトは、変圧器の側壁からの水平距離が最も大きいエアダクトである。したがって、油冷却は、最外ラジエータパネルにおいて悪化する。
【0087】
本発明者らは、現状技術において、最外エアダクトからの気流の剥離(airflow separation)が起こり得ることを発見した。これにより、最外ラジエータパネルのラジエータパネル底縁において停滞する空気の気泡が作り出され得る。停滞する空気の気泡は、ラジエータの冷却キャパシティに対して有害であり得る。
【0088】
この影響のさらなる証拠は、2019年10月のコルドバ(Cordoba)における、変圧器に関する先端研究ワークショップ(Advanced Research Workshop on Transformers)に提出された刊行物である、B. Galletti, A. Blaszczyk and W. Wu, “Improvement of Cooling Performance of Transformer Radiator Banks Based on CFD Simulations”において発見され得る。
【0089】
本発明は、現状技術の課題を解決し得る。本発明者らは、本発明の実施形態が、現状技術の構成よりも10%~40%高い冷却キャパシティを有することを発見した。
【0090】
上記記載は上記実施形態に向けられているが、基本的な範囲から逸脱することがなければ、他の実施形態およびさらに別の実施形態が考案されてもよく、その範囲は添付の請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】