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特表2022-504964移動可能な制御された粉体分配を用いる付加製造機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】移動可能な制御された粉体分配を用いる付加製造機
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/57 20210101AFI20220105BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20220105BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20220105BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20220105BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220105BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220105BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220105BHJP
   B29C 64/343 20170101ALI20220105BHJP
   B29C 64/321 20170101ALI20220105BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20220105BHJP
   B22F 10/85 20210101ALI20220105BHJP
   B22F 12/90 20210101ALI20220105BHJP
【FI】
B22F12/57
B29C64/153
B29C64/268
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/343
B29C64/321
B22F10/28
B22F10/85
B22F12/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520599
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(85)【翻訳文提出日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 FR2019052431
(87)【国際公開番号】W WO2020089538
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】18/59554
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517160927
【氏名又は名称】アッドアップ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】エッフェルネッリ アルビン
(72)【発明者】
【氏名】カルラヴァン セドリック
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AP13
4F213AQ04
4F213AR14
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL74
4F213WL76
4F213WL85
(57)【要約】
本発明は、異なる粉体層のオーバーレイを受け入れることができる作業領域(20)を含む作業面(18)と、粉体を作業面の最上部に供給するための粉体入口(36)を含む粉体分配デバイス(32)とを備える付加製造機(10)に関する。粉体分配デバイス(32)は、作業面(18)の上側に移動可能に取り付けられ、粉体入口(36)の下に移動することができる粉体タンク(44)を備え、タンク(44)の底部(45)は、粉体分配点(P1)を備え、粉体分配デバイス(32)は、タンクの移動時に粉体分配点を通る粉体の流れを制御するための制御デバイス(48)を備える。本発明によれば、タンク(44)は、ロードセル(68)上に取り付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体層堆積式付加製造機(10)であって、前記付加製造機は、
異なる粉体層のオーバーレイを受け入れることができる作業領域(20)を含む作業面(18)と、
粉体分配デバイス(32)と、
粉体分散デバイス(30)と、
光源(14)から放出され、前記作業領域上に分散された付加製造粉体の層が選択的に融合されるのを可能にするビーム(16)と、
を備え、
前記粉体分配デバイス(32)は、粉体を前記作業面の最上部に供給することができる粉体取り入れ口(36)を備え、前記粉体分配デバイス(32)は、前記作業面(18)の上側に移動可能に取り付けられ、粉体で満たされるように前記粉体取り入れ口(36)の下に移動することができる粉体タンク(44)を備え、前記タンク(44)の底部(45)は、粉体分配点(P1)を備え、前記粉体分配デバイス(32)は、前記タンクの移動時に粉体分配点を通る粉体の流れを制御する制御デバイス(48)を備え、
前記付加製造機(10)は、前記タンク(44)が計量センサ(68)上に取り付けられることを特徴とする、粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項2】
前記計量センサ(68)は、ひずみ測定ゲージ式計量センサである、請求項1に記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項3】
粉体分配点(P1)を備えるノズル(46)は、前記タンク(44)の前記底部(45)の下に取り外し可能に取り付けられ、前記粉体分配点(P1)を形成する開口部(43)は、前記ノズル(46)の最下端部に位置する、請求項1又は2に記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項4】
前記ノズル(46)は、中空内部断面(S46)を有し、前記中空内部断面(S46)は、前記粉体分配点(P1)に向かって徐々に減少する、請求項3に記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項5】
前記粉体の流れを制御する前記制御デバイス(48)は、前記タンク(44)に固定された振動器(50)を備える、請求項1から4のいずれかに記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項6】
前記粉体の流れを制御する前記制御デバイス(48)は、可動式シャッター(52)を備え、前記シャッターは、閉鎖位置にある場合に前記粉体が前記粉体分配点(P1)を通って流れるのを防止することを可能にし、さらに前記シャッターは、開放位置にある場合に前記粉体が前記粉体分配点(P1)を通って流れることを可能にし、前記シャッター(52)は、前記タンク(44)の内部を平行移動で移動するように取り付けられたロッド(56)の端部に取り付けられたフラップ弁(54)の形態をとる、請求項1から5のいずれかに記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項7】
前記シャッター(52)が開放位置にある場合、前記フラップ弁(54)は高い位置にあり、前記フラップ弁は、前記タンクの前記底部(45)と接触しておらず、さらに前記シャッター(52)が閉鎖位置にある場合、前記フラップ弁(54)は低い位置にあり、前記フラップ弁は、前記タンクの前記底部と接触している、請求項6に記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項8】
前記タンク(44)の上部は、前記タンクが前記粉体取り入れ口(36)から粉体を供給されるのを可能にする供給口(64)を備え、前記タンクの前記上部(47)は、側壁(66)を備え、供給開口部(64)は、前記側壁内に設けられている、請求項1から7のいずれかに記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項9】
前記分散デバイス(30)は、搬送台(40)上に取り付けられたスクレーパー(34)又はローラーの形態をとり、前記タンク(44)は、前記粉体分散デバイス(30)の前記搬送台(40)上に平行移動によって移動するように取り付けられている、請求項1から8のいずれかに記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項10】
前記タンク(44)は、前記搬送台(40)の前面(AV)及び後面(AR)上で、平行移動で移動することができる、請求項9に記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項11】
前記粉体分配デバイス(32)は、前記作業面(18)又は前記作業領域(20)上に堆積された前記粉体の形状を測定するための非接触式測定デバイス(70)を備える、請求項1から10のいずれかに記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項12】
前記粉体分配デバイス(32)は、複数の粉体取り入れ口(36,36’)を備える、請求項1から11のいずれかに記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項13】
前記粉体分配デバイス(32)は、前記作業面(18)の上側に移動可能に取り付けられ、粉体で満たされるように、粉体取り入れ口(36,36’)の下に移動することができる複数の粉体タンク(44,44’)を備える、請求項1から12のいずれかに記載の粉体層堆積式付加製造機(10)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の粉体層堆積式付加製造機(10)によって実施される付加製造方法であって、前記粉体分配デバイス(32)のタンク(44,44’)の移動が、前記タンクが取り付けられる前記計量センサ(68,68’)によって行われる測定でサーボ制御されることを特徴とする、付加製造方法。
【請求項15】
前記粉体分配デバイス(32)のタンク(44,44’)の移動速度が、前記タンクが取り付けられる前記計量センサ(68,68’)によって行われる前記測定でサーボ制御される、請求項14に記載の付加製造方法。
【請求項16】
前記粉体分配デバイス(32)のタンク(44,44’)からの粉体の流れを制御する前記制御デバイス(48,48’)の動作が、前記タンクが取り付けられる前記計量センサ(68,68’)によって行われる前記測定でサーボ制御される、請求項14又は15に記載の付加製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1又は2以上のビームを使用して、粉体の粒子の融合による粉体ベースの付加製造方法を実施する付加製造機に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、粉体層堆積による付加製造の分野に関し、デバイスの前方の粉体ビーズの堆積を最適化して、粉体を粉体層堆積式付加製造機の作業領域上に分散させることを可能にすることを目的とする。
【背景技術】
【0003】
米国特許第5647931号には、粉体層堆積式付加製造機が記載されており、作業領域上に粉体を分散させるために粉体分配コンテナが使用される。この目的のために、コンテナは作業領域の上方で平行移動することができ、コンテナに供給するために使用される粉体タンクは作業領域の両側に設けられる。さらに詳細には、コンテナは、作業領域の幅全体に広がり、この作業領域の上に移動させて振動させることで粉体を漸進的に供給する。コンテナの底部にはブレードが設けられており、このブレードは、作業領域上に堆積される際に粉体を平坦にして締めるのを可能にする。従って、粉体分配コンテナは、粉体分散デバイスとしての機能も果たす。
【0004】
第1の欠点によれば、米国特許第5647931号に記載の分配コンテナは、作業領域の幅の範囲内で可変の形状及び長さの粉体ビーズを堆積すること、並びに作業領域の幅の範囲内で粉体を不連続的に堆積することができない。その結果として、この分配コンテナは、製造される1又は複数の部品の幾何学的形状にもしくは作業領域の形に堆積される粉体の量を調節することができない。例えば、作業領域が円形の輪郭を有する場合、米国特許第5647931号に記載の分配コンテナを使用すると、相当な量の粉体が作業領域の中央部の両側上に不必要に堆積されることになる。
【0005】
別の欠点によれば、米国特許第5647931号は、様々な粒子サイズ及び/又は様々な流動性を有する様々な付加製造粉体に粉体分配コンテナを適合させ得る手段を備えていない。
【0006】
国際公開第2017/108867号には、前方で可変形状の粉体ビーズを堆積させて粉体が作業領域上に分散するのを可能にするデバイスを備える粉体層堆積式付加製造機が記載されている。
【0007】
さらに詳細には、国際公開第2017/108867号に記載の機械は、粉体を機械の作業面の上に直接噴射するための少なくとも1つの噴射器を備え、この噴射器は、少なくとも1つの横方向の水平方向で作業面に対して移動できる。さらに、この機械は、噴射器によって分配される粉体量を調整するためのシステムも備える。
【0008】
国際公開第2017/108867号によれば、噴射器によって分配される粉体量の調整は、作業面に対する噴射器の高さを調整することによって行うことができる。この目的のために、噴射器は、作業面に対して垂直方向で移動できるように取り付けられており、調整システムは、噴射器の作業面に対する垂直位置を設定できる。
【0009】
1つの欠点によれば、国際公開第2017/108867号に記載の調整システムは、作業面上への粉体の不連続な堆積を行うことができない。さらに、国際公開第2017/108867号に記載の調整システムでは、作業面に粉体を堆積することなく噴射器を移動させることができないので、堆積された粉体の量をプレート形状に適合させることができない。
【0010】
他の欠点によれば、国際公開第2017/108867号に記載の噴射器では、粉体の正確な堆積量、及び粉体分散デバイスの前方に堆積された粉体ビーズの形状のいずれも認識することができない。
【0011】
日本特許第4351218号には、可変の又は不連続な形状の粉体ビーズを作業領域の幅の範囲内に堆積させることを可能にすると共に、様々な粒径及び/又は様々な流動性を有する粉体の分配に適合させることができる粉体分配デバイスを備える付加製造機が記載されている。
【0012】
この目的のために、日本特許第4351218号に記載の粉体分配デバイスは、粉体分散デバイスの長さの範囲内で平行移動することができるタンクの形態をとる。また、この可動タンクは、振動器及び/又は粉体の分配を阻止する阻止システムを備えることができる。
【0013】
しかしながら、特許第4351218号に記載の粉体分配デバイスでは、粉体の正確な堆積量、及び粉体分散デバイスの前方に堆積された粉体ビーズの形状のいずれも認識することができず、一方でこのような情報は、製造される部品の高い品質を保証するのを可能にする。
【0014】
中国特許第103738747号には、付加製造機用の粉体分配デバイスが記載されている。この粉体分配デバイスは、阻止手段と、タンク内の粉体の高レベル及び低レベルを測定するための2つのセンサとを備えた可動タンクの形態をとる。
【0015】
中国特許第103738747号に記載のレベルセンサは、可動タンク内に存在する粉体の最大量又は最小量に関する情報を与える。しかしながら、これらのセンサは、粉体分散デバイスの前方に堆積された正しい粉体量を正確かつリアルタイムに測定することができない。従って、これらのセンサでは、粉体分散デバイスの前方に堆積された粉体ビーズの形状を正確に認識することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5647931号
【特許文献2】国際公開第2017/108867号
【特許文献3】特許第4351218号
【特許文献4】中国特許第103738747号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、粉体分散デバイスの前方に可変の又は不連続な形状の粉体ビーズを堆積することができ、さらに各粉体層の生成のために堆積された粉体量に関する情報を収集することができる粉体分配デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的のために、本発明の主題は、粉体層堆積式付加製造機であり、この付加製造機は、異なる粉体層のオーバーレイを受け入れることができる作業領域を含む作業面と、粉体分配デバイスと、光源から放出され、作業領域上に分散された付加製造粉体の層が選択的に融合されるのを可能にするビームとを備える。粉体分配デバイスは、粉体を作業領域の最上部に供給することができる粉体取り入れ口と、作業面の上側に移動可能に取り付けられ、粉体で満たされるように粉体取り入れ口の下に移動することができるタンクとを備える。タンクの底部は、粉体分配点を備え、粉体分配デバイスは、タンクの移動時に粉体分配点を通る粉体の流れを制御する制御デバイスを備える。
【0019】
本発明によれば、粉体分配デバイスのタンクは、計量センサ上に取り付けられる。
【0020】
粉体分配点及び可動式タンクにより、分配デバイスは、粉体の局所的な分配配置を可能にする。さらに、可動式タンクとその粉体分配点を、粉体の流れを制御する制御デバイスと関連付けると、一方では可変形状の粉体ビーズの堆積を、他方では不連続な粉体ビーズの堆積を予測することが可能になる。最後に、タンクが取り付けられる計量センサは、分散デバイスの前方に堆積され、粉体の各層の生成に使用される粉体量を正確かつリアルタイムで認識するのを可能にする。
【0021】
また、本発明は以下を提示する。
-計量センサは、ひずみ測定ゲージ計量センサである。
-ノズルは、タンクの底部の下に取り外し可能に取り付けられた粉体分配点を含み、粉体分配点を形成する開口部が、ノズルの最下端部に位置する。
-ノズルは、中空内部断面を有し、中空内部断面は、粉体分配点に向かって徐々に減少する。
-粉体の流れを制御する制御デバイスは、タンクに固定された振動器を備える。
-粉体の流れを制御する制御デバイスは、可動式シャッターを備え、シャッターは、閉鎖位置にある場合に粉体が粉体分配点を通って流れるのを防ぐことを可能にし、さらにシャッターは、開放位置にある場合に粉体が粉体分配点を通って流れるのを可能にし、シャッターは、タンク内部を平行移動で移動するように取り付けられたロッドの端部に取り付けられたフラップ弁の形態をとる。
-シャッターが開放位置にある場合、フラップ弁は高い位置にあり、タンクの底部に接触しておらず、さらにシャッターが低い位置にある場合、フラップ弁は低い位置にあり、タンクの底部と接触する。
-タンクの上部は、タンクが粉体取り入れ口から粉体を供給されるのを可能にする供給口を備え、タンクの上部は、側壁を備え、供給口は、この側壁に設けられる。
-分散デバイスは、搬送台上に取り付けられたスクレーパー又はローラーの形態をとり、タンクは、粉体分散デバイスの搬送台上に平行移動で移動するように取り付けられる。
-タンクは、搬送台の前面又は後面上で平行移動で移動することができる。
-粉体分配デバイスは、作業面又は作業領域上に堆積された粉体の形状を測定するための非接触式測定デバイスを備える。
-粉体分配デバイスは、複数の粉体取り入れ口を備える。
-粉体分配デバイスは、作業面の上側に移動可能に取り付けられ、粉体で充填するように粉体取り入れ口の下に移動することができる複数の粉体タンクを備える。
【0022】
また、本発明は、本発明による機械で実施される付加製造方法に関する。
【0023】
本発明により、本方法は以下を提供する。
-粉体分配デバイスのタンクの移動が、タンクが取り付けられる計量センサによって行われる測定でサーボ制御される。
-粉体分配デバイスのタンクの移動速度が、タンクが取り付けられる計量センサによって行われる測定でサーボ制御される。
-粉体分配デバイスのタンクからの粉体の流れを制御する制御デバイスの動作が、タンクが取り付けられる計量センサによって行われる測定でサーボ制御される。
【0024】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明から明らかになるはずである。この説明は、例示的かつ非限定的な方法として与えられており、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による付加製造機の概略正面図である。
図2】本発明による付加製造機の概略上面図である。
図3】本発明による付加製造機の粉体分配デバイスの斜視図である。
図4】本発明による付加製造機の粉体分配デバイスのタンクの断面の詳細図である。
図5】本発明による付加製造機の粉体分配デバイスのタンクの断面図であり、タンクは開放位置でのシャッターを備える。
図6】本発明による付加製造機の粉体分配デバイスのタンクの断面図であり、タンクは閉鎖位置でのシャッターを備える。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、粉体層堆積式付加製造機に関する。粉体層堆積による付加製造は、1又は2以上の部品が、相互に重ね合わされた付加製造粉体のそれぞれの層を選択的に融合することによって製造される付加製造方法である。融合は、全体的又は部分的(焼結)とすることができる。製造される部品の部分に対応する粉体層の領域のみが融合されるため、融合は選択的であると考えられている。
【0027】
本発明による機械は、より詳細には金属部品の製造を目的としている。そのため、以下に記載の手段は、特に金属付加製造粉体の分配及び堆積を可能にするように設計されている。金属付加製造粉体は、粉体の形態の少なくとも1つの金属を含む。しかしながら、金属付加製造粉体は、一般に、粉体の形態の複数の金属及び場合によると他の化学元素又は化合物を含む。
【0028】
粉体層堆積による付加製造を実施するために、粉体の第1の層は、プレートなどの支持体上に堆積され、次に、製造される1又は複数の部品の第1の水平断面に1又は2以上のビームを使用して選択的に焼結又は融合される。次に、第2の粉体層は、まさに融合又は焼結された第1の粉体層上に堆積され、この第2の粉体層は、同様に選択的に焼結又は融合され、以下同様にして、1又は複数の部品の最後の水平断面の製造に必要な最後の粉体層が生成される。
【0029】
図1に示すように、粉体層堆積による部品の付加製造を可能にするために、本発明による付加製造機10は、受け入れられる粉体のそれぞれの層のオーバーレイを可能にする作業領域20を含む作業面18と、少なくとも1つの光源14から放出される少なくとも1つのビーム16とを含み、このビーム16は、作業領域20上に分散された付加製造粉体の層を選択的に融合させることができる。
【0030】
ビーム16は、好ましくは、レーザー光源から放出されたレーザービームである。変形例として、一部のビーム16は、例えば、レーザーダイオードなどの一部のレーザー光源から放出することができる。さらなる変形例として、ビーム16は、電子銃から放出される電子ビームとすることができる。また、1又は2以上のレーザービームは、1又は2以上の電子ビームに関連付けることもできる。粉体層の選択的融合を可能にするために、すなわち所定のパターン及び軌道に従って、光源14は、1又は複数のビーム16を変位させて制御するための手段と関連付けられる。例えば、ミラー、光学レンズ、及び/又は機械的アクチュエータは、1又は2以上のレーザービームを変位させて変更することを可能にし、電磁石コイルは、電子ビームを変位させて制御することを可能にする。
【0031】
作業面18は水平である。作業領域20は、製造スリーブ22及び製造プレート24によって定められる。スリーブ22は、作業面18の下で垂直方向に延在し、作業面18に現れる。製造プレート24は、作動シリンダーなどのアクチュエータ26の影響下で、製造スリーブ22の内部で垂直方向に摺動する。図1に示されるように、作業面18及びスリーブ22は、固定して取り付けられており、製造プレート24は、作動シリンダー26の影響下でスリーブ22内を垂直平行移動によって変位する。変形例として、製造プレート24は、固定して取り付けられており、1又は2以上の作動シリンダー26は、垂直平行移動によって作業面18、場合によってはスリーブ22を変位させることができる。
【0032】
製造される1又は複数の部品の付加製造に必要なそれぞれの粉体層を生成するために、付加製造機は、少なくとも1つの粉体ビーズを作業面18上に堆積させるのを可能にする粉体分配デバイス32と、粉体分配デバイスで堆積された粉体ビーズを作業領域20上に分散させるのを可能にする粉体分散デバイス30とを備える。
【0033】
分散デバイス30は、搬送台40上に取り付けられたスクレーパー34又はローラーの形態をとる。この搬送台40は、作業面18及び少なくとも1つの作業領域20の上側で縦方向の水平方向DLで平行移動により移動するように取り付けられている。縦方向の水平方向DLは、作業面18に平行であり、作業面18の長さの範囲内で、すなわち水平面での最大寸法の範囲内で延びる。図2に示されるように、搬送台40は、例えば、ローラー又はスキッドを用いてレール41上に取り付けられる。縦方向の水平方向DLに平行移動で動かすために、搬送台40は、好ましくは、組み込み式電動手段を備える。もしくは、搬送台40は、プーリー及びベルトなどの運動伝達システムを用いて、組み込まれておらず機械10に固定して取り付けられたモータによって動かすことができる。
【0034】
粉体は、分散デバイス30の前方に過剰に堆積されるので、少なくとも1つの溝19は、過剰な粉体を回収するために作業面18内に設けられる。この溝19は、作業面18の下に設けられた粉体回収タンク21につながっている。
【0035】
回転部品を製造するために、又は電子ビームによる付加製造を目的として真空内で製造スリーブ22の機械的強度を改善するために、製造スリーブ22は円筒形とすることができる。この場合、図2に示すように、作業領域20は円形である。
【0036】
付加製造粉体の供給のために、粉体分配デバイス32は、粉体が作業面18の上部に供給されることを可能にする少なくとも1つの粉体取り入れ口36を備える。
【0037】
粉体取り入れ口36は、粉体のメインタンク38に接続されたシュート又はチューブの形態をとる。粉体取り入れ口36は、好ましくは、作業面18の上側に固定して取り付けられる。変形例として、粉体取り入れ口36は、作業面18の上側で移動するように取り付けることもできる。粉体取り入れ口36の自由端39は、作業面18の上側に粉体供給点A1を形成する。好都合には、粉体が重力によって粉体取り入れ口36に流入するために、粉体取り入れ口36は、水平面に対して傾いている。加えて、粉体取り入れ口36は、供給点A1によって供給される粉体の流量を制御することを可能にするデバイス42を備えることができる。この流量制御デバイス42は、振動デバイス及び/又はフラップ弁デバイスとすることができる。
【0038】
本発明によれば、粉体分配デバイス32は、作業面18の上側に移動するように取り付けられた少なくとも1つの粉体タンク44を備え、このタンクは、粉体で満たされるように粉体取り入れ口36の下に移動することができる。より詳細には、タンク44は、粉体取り入れ口36の自由端39によって形成された粉体供給点A1の下に位置決めすることができる。
【0039】
重力によって分配される粉体のために、タンク44の底部45は、粉体分配点P1を備える。この粉体分配点P1は、タンク44の底部45に設けられた開口部43の形態をとる。この開口部43は、図4に示すように、タンク44の最下端部に位置する。
【0040】
タンク44は、作業領域の表面積によって決まる粉体量を収容できる。理想的には、タンク44内に収容できる粉体量は、作業領域20上に少なくとも1つの粉体層を生成するのに十分な量である。粉体の各層形成の間に、粉体をタンク44に供給するための準備をすることができる。この目的のために、タンク44は、粉体の各層形成の間に、粉体取り入れ口36の自由端39の下にの位置決めされるようになる。タンク44が、複数の粉体層を生成するのに十分な粉体量を、そして製造される1又は複数の部品の製造に必要な全ての粉体層であっても収容できるための準備をすることもできる。
【0041】
可変の又は不連続な形状の粉体ビーズの堆積を可能にするために、粉体分配デバイス32は、タンクの移動時に粉体分配点P1を通る粉体の流れを制御する制御デバイス48を備える。
【0042】
本発明によれば、この粉体の流れを制御する制御デバイス48は、タンク44に固定された振動器50を備えることができる。振動器50は、好ましくは空気圧式である。振動器50は、タンク44と共に移動する。特定の付加製造粉体の粒子は収容されたコンテナ内で塊を形成する傾向があるので、振動を利用すると、粉体分配点P1を通って供給される粉体の流量を制御することが可能になる。これらの塊の出現は、特に金属の付加製造粉体の数十マイクロメートル程度の小さな粒径に起因する。従って、タンク44に振動が加えられていない場合、これに収容される粉体は、粉体分配点P1の上流に塊を形成し、粉体は、粉体分配点P1を通って流れない。振動は、粉体が粉体分配点P1を通って流れるようにタンク44に加えられる。これらの振動は、タンク44内に形成される可能性がある粉体塊を粉砕するのを可能にする。従って、振動は、粉体分配点P1を通る粉体の流れを促進する。
【0043】
タンク44内の粉体の塊の出現を促進するために、図4に示すように、タンク44の底部45の中空内部断面S45は、粉体分配点P1に向かって徐々に減少する。好ましくは、タンク44の底部45の中空内部断面S45は、テーパー形状を有する。
【0044】
底部45の上側に位置するタンクの上部47は、好ましくは円筒形である。
【0045】
好都合には、図3に示すように、粉体分配点P1を含むノズル46は、好ましくはねじピッチを利用してタンク44の底部45の下に取り外し可能に取り付けられる。従って、様々なノズル46は、粉体分配デバイス32を様々な粒径を有する様々な付加製造粉体に適合させるためにタンク44の下に取り付けることができる。例えば、分配される粉体の流動性が低くなるほど、タンクの下に取り付けられるノズルの内部断面S46は大きくなる。タンクがノズル46を備える場合、このノズルはタンクの底部45の一部を形成し、粉体分配点P1を形成する開口部43は、ノズル46の最下端部に位置する。
【0046】
ノズル内の粉体の塊の出現を促進するために、図4に示すように、ノズル46の中空内部断面S46は、粉体分配点P1に向かって徐々に減少する。好ましくは、ノズル46の中空内部断面S46は、テーパー形状を有する。
【0047】
有意な流動性を有する、すなわち流れ易く収容されるコンテナ内で塊を形成し難い特定の付加製造粉体が存在する。このような粉体の流れを止めるために、粉体の流れを制御する制御デバイス48は、可動式シャッター52を備えることができる。図6に示すように、このシャッター52は、閉鎖位置にある場合、粉体が粉体分配点P1を通って、すなわち開口部43を通って流れるのを防ぐことを可能にする。また、図5に示すように、このシャッター52は、開放位置にある場合、粉体が粉体分配点P1を通って、すなわち開口部43を通って流れるのを可能にする。
【0048】
シャッター52は、平行移動で移動することができるロッド56の端部に取り付けられたフラップ弁54の形態をとる。フラップ弁54は円錐形であり、頭を下にして、すなわちその最大断面が最小断面の下にある状態で取り付けられる。ロッドは、タンク44の内部で平行移動によって移動するように取り付けられている。ロッドは、タンクの高さH44の範囲内で延びる。ロッド56は、平行移動で垂直方向に移動する。ロッド56は、好ましくは、複動シリンダー式の空気圧アクチュエータ58によって動かされる。
【0049】
シャッター52が開放位置にある場合、フラップ弁54は、高い位置にありタンクの底部45の内壁60と接触しないか又はノズルがタンクの下に取り付けられる場合にはノズル46の内壁62と接触しない。シャッター52が閉鎖位置にある場合、フラップ弁54は、低い位置にあり、タンクの底部の内壁60と接触するか又はノズルがタンクの下に取り付けられる場合にはノズルの内壁62と接触する。
【0050】
フラップ弁54の開放位置に対応するフラップ弁54の高い位置を変更することにより、粉体の流れを制御する制御デバイス48の動作を粒径及び分配される粉体の流動性に最善に適合させることができる。
【0051】
粉体分配デバイス32を様々な粒径及び様々な流動性の多数の粉体に適合させるために、タンク44は、振動器50及び可動式シャッター52を備えることができる。
【0052】
図3、5、及び6に示すように、タンク44は、供給口64を備える。この供給口64のよって、粉体取り入れ口36からタンクに粉体を供給することができる。タンクの上部47は側壁66を備えており、供給口64は、このタンク44の側壁66内に設けられる。粉体が供給されるタンクに関して、タンクは粉体取り入れ口36の下に動かされ、粉体取り入れ口36の自由端39は、供給口64を通ってタンク44の中に入り込むようになっている。
【0053】
作業面18の上側で移動することができ、粉体取り入れ口36の下に移動することができ、さらに粉体分散デバイス30の前方に粉体ビーズを堆積することができるように、タンク44は、作業面18の上側に、作業領域20上の粉体層のオーバーレイ軸ASに対して直角に横方向DTに平行移動で移動するように取り付けられる。層のオーバーレイ軸ASは、これに一致して層が互いに重ね合わされる軸である。このオーバーレイ軸ASは、各粉体層の平面に対して直角である。各粉体層の平面及び作業面18は水平面なので、オーバーレイ軸ASは垂直である。好ましくは、粉体分散デバイス30のスクレーパー34又はローラーは、タンクが平行移動することができる横方向DTに延びる。
【0054】
また、作業領域20の任意の場所又は作業領域の周りに位置する作業面18の任意の場所に粉体を供給できるように、タンク44は、作業領域20上の粉体層のオーバーレイ軸ASに対して直角に及び横方向DTに対して直角に、縦方向DLに平行移動で移動するように取り付けられる。好ましくは、粉体分散デバイス30の搬送台40が移動する縦方向DLは、タンクが平行移動できる縦方向DLでもある。
【0055】
横方向DT及び縦方向DLの両方を移動できるようにすることにより、タンク44は、粉体の作業領域20の任意の場所で局所的な堆積を可能にし、特に貴金属を含む付加製造粉体の場合に使用される粉体量を制限することを可能にする。また、これは粉体が作業領域20に対して可能な限り近接して堆積されることも可能にする。
【0056】
粉体分散デバイス30の搬送台40の上にタンク44を取り付けると、タンク44の縦方向DLでの平行移動性を得ることができ、この搬送台は、この縦方向DL内で動かされる。
【0057】
横方向DTでのタンクの移動を確立するために、タンク44は、粉体分散デバイス30の搬送台40の上で横方向DTでの平行移動で移動するように取り付けられる。この目的のために、搬送台40は、シャトル67と、シャトルを横方向DTに平行移動で案内及び駆動するための手段69とを備える。タンクは、シャトル67の上に取り付けられる。搬送台40に対してシャトル67を平行移動で案内及び駆動するための手段69は、例えば、レール及びベルトを備え、ベルトはシャトルに連結され、プーリーを用いてモーターによって駆動され、シャトルは、回転ローラーを用いてレール上に取り付けられる。
【0058】
好都合には、例えば、搬送台40の作業領域の両側上での不必要な往復を防ぐために、タンク44を、搬送台40の前面AV及び後面ARの上を横方向DTに平行移動で移動させることができる。この目的のために、平行移動ガイド及び駆動手段69は、搬送台40の前面AV及び後面AR上に設けられる。従って、作業領域に対する搬送台40の位置にかかわらず、タンク44は、常に、搬送台40上に取り付けられたスクレーパー34又はローラーと作業領域20との間に粉体ビーズを堆積させることができる。
【0059】
横方向DTでのタンク44の移動速度を変えることで、作業面18上に横方向DTで可変の形状の粉体ビーズを堆積させることができる。縦方向DLでのタンク44の移動速度を変えることで、作業面上に縦方向DLで可変の形状の粉体ビーズを堆積させることができる。例えば、分散デバイス30の前方に堆積され、先行する粉体層の融合領域に面する粉体の量を増加させることは、これらの融合領域が融合していないこの粉体層の領域から僅かに奥まって位置しているので有用であろう。
【0060】
タンクが横方向DT及び/又は縦方向DLに移動する場合に、可動式シャッター52のフラップ弁54を移動させることによって、及び/又は、振動器50を利用して振動を加えるか又は加えないことによって、作業面上に横方向DT及び/又は縦方向DLでの不連続形状の粉体ビーズを堆積させることができる。例えば、生成の終わりに1又は複数の部品が作業領域の全ての表面を占めない場合、生成の終わりに、縮小された長さのビーズを局所的な様式で堆積させることは有用であろう。
【0061】
粉体分配点P1を通って堆積された粉体の正確な量を認識するめに、図3に示すように、タンク44は、計量センサ68上に取り付けられる。計量センサ68は、タンク及びタンクが収容できる粉体の重量を測定することができる。粉体が粉体分配点P1を通って供給される際に、計量センサ68は、タンク内に存在する粉体の重量の減少、従って供給された粉体の量を測定することができる。場合によっては、計量センサは、タンク44内に存在する粉体の重量の変化を経時的に測定することにより、粉体の流量の変化を測定するのに使用することもできる。好都合には、計量センサ68は、例えば、タンク内の粉体プラグの形成に起因する粉体流の中断又は粉体の流量の異常な減少を検出することを可能にする。計量センサ68は、生成サイクルにわたってタンク44内に堆積する可能性がある粉体の残留物を検出することを可能にする。計量センサ68は、タンク44が粉体取り入れ口36の下に存在するときに粉体が依然としてタンク内に存在している場合に、タンク44の過度の充填を防ぐのを可能にする。
【0062】
好都合には、粉体取り入れ口36の流量を制御するためのデバイス42の動作は、計量センサ68によって行われた測定を用いて引き起こされる。この目的のために、機械は、計量センサ68及び流量制御デバイス42に接続した制御ユニットUCを備える。また、タンク44の移動、従って搬送台40の移動は、計量センサ68によって行われた測定に基づいて引き起こされる。粉体の供給及び粉体の分配の両方を引き起こすのを可能にすることにより、計量センサ68は、粉体分配デバイス32の動作を単純にすることを可能にする。
【0063】
計量センサ68は、例えば、ひずみ測定ゲージ式計量センサである。この計量センサ68は、例えば、ひずみ測定ゲージを備える可撓式取り付けアームの形態をとる。
【0064】
タンク44がシャトル67を介して粉体分散デバイス30の搬送台40上に取り付けられる場合、計量センサ68は、タンク44とシャトル67を連結させる。好都合には、振動器50の振動は、計量センサ68によって行われる測定を妨げない。
【0065】
粉体分散デバイスの前方に堆積された粉体ビーズの形状を認識するために、特に、可変形状の粉体ビーズを粉体分散デバイスの前方に堆積させる場合、粉体分配デバイス32は、作業面18又は作業領域20上に堆積された粉体の形状を非接触で測定するためのデバイス70を備える。この非接触測定デバイス70は、好ましくは、分散デバイス30の前方に堆積された粉体ビーズの形状を測定するためにレーザー光71を利用するレーザー表面形状測定装置の形態をとる。この非接触測定デバイス70は、例えば、場合によっては粉体分配デバイス32を較正するために使用される。
【0066】
タンク44がシャトル67を用いて粉体分散デバイス30の搬送台40上に取り付けられる場合、この非接触測定デバイス70は、シャトル67上に取り付けらられる。
【0067】
振動器50から出た振動が分配デバイス32の他の構成要素に、一般的には機械の他の構成要素に伝わるのを避けるために、タンク44は、懸架装置72上に取り付けられる。
【0068】
タンク44が計量センサ68上に取り付けられる場合、支持体74は計量センサ68上に取り付けられ、懸架装置72はタンク44と支持体74を連結する。
【0069】
懸架装置72と平行して、ガイド要素76はタンク44と支持体74を連結する。
【0070】
好ましくは、粉体の粒子と接触する状態にされる粉体分配デバイス32の構成要素は、例えば、ステンレス鋼などの防錆材料で製作される。
【0071】
理想的には、粉体分配点P1は、堆積された粉体ビーズの最上部から5から10ミリメートルの間の上側に位置する。この分配高さは、粉体噴射の上限を可能にする。
【0072】
付加製造機10が、可動式の作業領域20に近接して移動することができる粉体受け面を備える場合、本発明による粉体分配デバイス32及びそのタンク44は、この可動式の受け面上に粉体を堆積させるために使用することができる。
【0073】
好ましくは、付加製造機10は、密閉エンクロージャである製造用エンクロージャ12を備える。この場合、本発明による作業面18、作業領域20、粉体分散デバイス30、及び粉体分配デバイス32は、この製造用エンクロージャ12内に位置する。粉体のメインタンク38は、製造用エンクロージャ12の外側に位置しており、粉体取り入れ口36は、製造用エンクロージャの壁78を貫通する。タンク44は、この製造用エンクロージャ12の中で移動する。
【0074】
製造サイクル時に、製造用エンクロージャ12は、付加製造粉体の酸化を防ぐために及び/又は爆発の危険を回避するために、窒素などの不活性ガスで満たすことができる。製造用エンクロージャ12は、酸素の侵入を防ぐためにわずかに加圧された状態に保つことができ、又はエンクロージャ内部で電子光が粉体を焼結又は融合するために使用される場合には真空に保つことができる。
【0075】
異なる材料を用いて、従って異なる付加製造粉体からの全く同一の部品の製造を可能にするために、粉体分配デバイス32は、図2に示すように、複数の粉体取り入れ口36、36’を備えることができる。異なる粉体取り入れ口36、36’は、異なる材料を有する全く同一の部品を製造するために作業面18の上側に異なる粉体を供給すること、あるいは機械の生産性を改善するために作業領域の両側に全く同じ粉体を供給することができる。タンク44は、異なる粉体取り入れ口36,36’の下に移動することができる。異なる粉体取り入れ口36,36’は、異なる粉体又は同一の粉体を収容できる異なるメインタンク38,38’に関連する。各粉体取り入れ口36,36’は、好ましくは、作業面18の上側に固定して取り付けられる。変形例として、粉体取り入れ口36,36’は、作業面18の上側で移動するように取り付けることもできる。粉体取り入れ口36,36’の自由端39,39’は、作業面18の上側に粉体供給点A1、A1’を形成する。好都合には、粉体が重力によって粉体取り入れ口36,36’に流入するために、粉体取り入れ口36,36’は、水平面に対して傾いている。加えて、各粉体取り入れ口36,36’は、供給点A1、A1’によって供給される粉体の流量を制御することを可能にするデバイス42、42’を備えることができる。流量制御デバイス42,42’は、制御ユニットUCに接続する。流量制御デバイス42、42’は、振動デバイス及び/又はフラップ弁デバイスとすることができる。
【0076】
例えば、異なる粉体取り入れ口は、図2に示すように、作業領域20の両側上に配置される。この場合、搬送台40の作業領域の両側上に位置する粉体取り入れ口の間での不必要な往復を防ぐために、タンク44を、搬送台40の前面AV及び後面AR上で横方向DTに平行移動で移動させることは好都合である。
【0077】
異なる材料を使用して全く同一の部品を製造するために、又はより単純に粉体分配デバイス32が1つの粉体取り入れ口36のみを備える場合のサイクル時間を短縮するために、図2に示すように、粉体分配デバイス32は、作業面18の上側で移動するように取り付けられ、粉体で満たされるように1又は2以上の粉体取り入れ口36,36’の下に移動することができる複数の粉体タンク44、44’を備えることができる。この場合、各タンク44,44’は、粉体分配点を備え、各タンク44,44’は、タンクの移動時に粉体分配点を通る粉体の流れを制御する制御デバイス48,48’を備える。加えて、各タンク44,44’は、計量センサ68,68’及びシャトル67,67’上に取り付けられる。異なるタンク44、44’の計量センサ68、68’は、制御ユニットUCに接続される。
【0078】
また、本発明は、上述のように、機械10で実施される付加製造方法に関する。本発明によれば、本方法は、粉体分配デバイス32のタンク44,44’の移動が、タンクが取り付けられる計量センサ68,68’によって行われた測定でサーボ制御されるのを可能にする。
【0079】
より詳細には、粉体分配デバイス32のタンク44,44’の移動速度は、このタンクが取り付けられる計量センサ68,68’によって行われる測定でサーボ制御され、例えば、機械の作業面18又は作業領域20上に可変の又は不連続な形状の粉体ビードを堆積させる。
【0080】
同時に、粉体分配デバイス32のタンク44,44’からの粉体の流れを制御する制御デバイス48,48’の動作は、このタンクが取り付けられる計量センサ68,68’によって行われる測定でサーボ制御され、特に、粉体のビーズを機械の作業面18又は作業領域20上に不連続に又は局所的な様式で堆積させる。
【符号の説明】
【0081】
10 付加製造機
12 製造用エンクロージャ
14 光源
16 ビーム
18 作業面
19 溝
20 作業領域
21 粉体回収タンク
22 作業スリーブ
24 作業プレート
26 作動シリンダー(アクチュエータ)
30 粉体分散デバイス
32 粉体分配デバイス
34 スクレーパー
36 粉体取り入れ口
39 粉体取り入れ口の自由端
40 搬送台
44 タンク
45 タンクの底部
48 制御デバイス
50 振動器
67 シャトル
68 計量センサ
DL 縦方向の水平方向
AS オーバーレイ軸
P1 粉体分配点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】