(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 81/02 20060101AFI20220105BHJP
C08K 7/14 20060101ALI20220105BHJP
C08L 21/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
C08L81/02
C08K7/14
C08L21/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520616
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(85)【翻訳文提出日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 KR2019013518
(87)【国際公開番号】W WO2020080798
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】10-2018-0125483
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513193923
【氏名又は名称】エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK Chemicals Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】310,Pangyo-ro,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do 13494,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ セラン
(72)【発明者】
【氏名】シン ジョンウク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ミョンウク
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AC03Y
4J002AE03Z
4J002BB00Y
4J002BB03Z
4J002BB12Z
4J002BB25Z
4J002BD04Y
4J002BF03Y
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4J002CN01W
4J002CN01X
4J002DL006
4J002EX067
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4J002EX087
4J002FA046
4J002FD016
4J002FD060
4J002FD16Z
4J002FD207
4J002GC00
4J002GL00
4J002GM00
(57)【要約】
本発明は軟性が高く低温脆性に優れ、かつ寸法安定性および高温耐クリープ性に優れ、低温脆性および高温耐クリープ性が求められる水に関連する部品などに適して使用できるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マークホーウィンク式のαが0.4~0.7である第1ポリアリーレンスルフィド、
マークホーウィンク式のαが0.7超過~1以下である第2ポリアリーレンスルフィド、
ガラス繊維および
エラストマーを含み、
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドは10:1~1:4の重量比で含まれる、樹脂組成物。
【請求項2】
マークホーウィンク式のαが0.5~0.7である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは数平均分子量が5,000~50,000である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは300℃で溶融粘度が10~50,000ポイズである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは数平均分子量が10~1,000である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは300℃で溶融粘度が10~10,000ポイズである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドの総量は樹脂組成物総重量の40重量%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドの重量比は9:1~1:4である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記ガラス繊維は平均直径が6~15μmであり、平均長さが2~5mmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記ガラス繊維はエポキシ基、アミノ基、またはこれらを両方とも含むシランで表面処理された、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
前記ガラス繊維は樹脂組成物総重量の20~50重量%で含まれる、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
前記エラストマーは、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、およびグリシジルメタアクリレートとメチルアクリルエステル、エチレンの三元共重合体エラストマーからなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマーである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項13】
前記エラストマーは樹脂組成物総重量の1~8重量%で含まれる、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項14】
相溶化剤、離型剤、ドリップ防止剤、熱安定剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟性および寸法安定性に優れ、水に関連する部品の製造に適したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide,PAS)は、線状(linear)と分枝状(branched)に分かれ、構造によってそれぞれ異なる長所・短所を有する。線状PASは主鎖鎖の柔軟性により軟性が高いことに対し、分枝状PASに比べて高温耐クリープ性が低い。反面、分枝状PPSは重合製造時主鎖に枝を有するものと線状PASを熱酸化して枝を作る二つの種類があり、線状PASに比べて低温脆性と軟性が低いことに対し、耐クリープ性に優れる。
【0003】
一方、熱交換機、給湯装置、水道配管などのような水に関連する部品は最近では金属材料の代わりにプラスチック化が進められている。水に関連する部品は広い温度範囲で安定的に機能しなければならないため、高温で剛性および寸法安定性に優れ、低温で柔軟性および脆性に優れた材料を使用することが好ましい。
【0004】
ポリアリーレンスルフィド樹脂は耐熱性と機械的強度に優れ、このような水に関連する部品の材料に使用されており、改善された性能を示すPAS樹脂の開発が持続的に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、水に関連する部品などへの使用に適した、高温耐クリープ性および低温脆性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、
マークホーウィンク式のαが0.4~0.7である第1ポリアリーレンスルフィド、
マークホーウィンク式のαが0.7超過~1以下である第2ポリアリーレンスルフィド、
ガラス繊維および
エラストマーを含み、
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドは10:1~1:4の重量比で含まれる、樹脂組成物を提供する。
【0007】
前記樹脂組成物はマークホーウィンク式のαが0.5~0.7であり得る。
【0008】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは数平均分子量が5,000~50,000であり得る。
【0009】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは300℃で溶融粘度が10~50,000ポイズであり得る。
【0010】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは数平均分子量が10~1,000であり得る。
【0011】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは300℃で溶融粘度が10~10,000ポイズであり得る。
【0012】
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドの総量は樹脂組成物総重量の40重量%以上であり得る。
【0013】
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドの重量比は9:1~1:4であり得る。
【0014】
前記ガラス繊維は平均直径が6~15μmであり、平均長さが2~5mmであり得る。
【0015】
前記ガラス繊維はエポキシ基、アミノ基、またはこれらを両方とも含むシランで表面処理されたものであり得る。
【0016】
前記ガラス繊維は樹脂組成物総重量の20~50重量%で含まれ得る。
【0017】
前記エラストマーは、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、およびグリシジルメタアクリレートとメチルアクリルエステル、エチレンの三元共重合体エラストマーからなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマーであり得る。
【0018】
前記エラストマーは樹脂組成物総重量の1~8重量%で含まれ得る。
【0019】
前記樹脂組成物は相溶化剤、離型剤、ドリップ防止剤、熱安定剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をさらに含み得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、軟性が高く低温脆性に優れ、かつ寸法安定性および高温耐クリープ性に優れ、低温脆性および高温耐クリープ性が求められる水に関連する部品などに適して使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、
マークホーウィンク式のαが0.4~0.7である第1ポリアリーレンスルフィド、
マークホーウィンク式のαが0.7超過~1以下である第2ポリアリーレンスルフィド、
ガラス繊維および
エラストマーを含み、
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドは10:1~1:4の重量比で含まれる、樹脂組成物を提供する。
【0022】
前記マークホーウィンク(Mark-Houwink)式は、高分子の分子量と固有粘度の関係式として、下記数1で表される。マークホーウィンク式のαは、分枝指数(branch ratio)として、高分子の分枝(branch)程度を表す値である。前記αが1に近いほど線状の高分子であり、0に近いほど分枝状高分子に該当する。
【0023】
[数1]
[η]=K×Mα
【0024】
前記数式1において、前記ηは固有粘度、Mは分子量、Kは定数である。
【0025】
本発明の樹脂組成物はマークホーウィンク式のαが互いに異なる2種のポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂を含み、線状PASと分枝状PASの長所を両方有しており、広い温度範囲で優れた軟性、強度および耐クリープ性を示す。したがって、本発明の樹脂組成物は水に関連する部品などの材料への使用に適する。
【0026】
具体的には、本発明の樹脂組成物は、第1ポリアリーレンスルフィドとしてマークホーウィンク式のαが0.4~0.7、または0.45~0.65、または0.5~0.6である分枝状PASを含み、第2ポリアリーレンスルフィドとしてマークホーウィンク式のαが0.7超過~1以下、または0.73~0.9である線状PASを含む。
【0027】
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドを同時に含む樹脂組成物は、αが0.5~0.7、または0.6~0.7を満たし、このような範囲内で水に関連する部品で求められる特性、すなわち、低温での脆性(brittleness)、高温での耐クリープ性(creep resistance)、剛性などをすべて満たすことができるため好ましい。
【0028】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは分枝度が高いポリアリーレンスルフィドとして、高温耐クリープ性および剛性を付与するために含まれる。
【0029】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは265~290℃、270~285℃、または275~283℃の融点を有し得る。
【0030】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは、5,000~50,000、8,000~40,000、または10,000~30,000の数平均分子量を有し得る。また、前記ポリアリーレンスルフィドは数平均分子量に対する重量平均分子量と定義される分散度が2.0~4.5、2.0~4.0、または2.0~3.5であり得る。この時、数平均分子量および重量平均分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定され得る。
【0031】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは回転円盤粘度計で300℃で測定した溶融粘度が10~50,000ポイズ(poise)、100~20,000ポイズ、または300~10,000ポイズであり得る。仮に、溶融粘度が10ポイズ未満であれば超底粘度高分子に該当して無機物を添加しても機械的物性を出すのに限界があり得、50,000ポイズを超えて粘度が過度に高いと押出工程性および射出成形性の問題があり得る。
【0032】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは上述したような物性を満たす場合その製造方法は特に制限されない。例えば、前記第1ポリアリーレンスルフィドはジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応混合物を溶融重合して製造することができる。
【0033】
前記溶融重合に使用可能なジヨード芳香族化合物としては、ジヨード化ベンゼン(diiodobenzene;DIB)、ジヨード化ナフタレン(diiodonaphthalene)、ジヨード化ビフェニル(diiodobiphenyl)、ジヨード化ビスフェノール(diiodobisphenol)、およびジヨード化ベンゾフェノン(diiodobenzophenone)からなる群より選ばれる1種以上が挙げられるが、これに限定されず、このような化合物にアルキル原子団(alkyl group)やスルホン原子団(sulfone group)などが置換基で結合されているか、芳香族基に酸素や窒素などの原子が含有された形態のジヨード芳香族化合物も使用することができる。また、前記ジヨード芳香族化合物にはヨード原子が付いた位置によって様々なジヨード化合物の異性体(isomer)があるが、この中でもパラ-ジヨードベンゼン(pDIB)、2,6-ジヨードナフタレン、またはp,p’-ジヨードビフェニルのようにパラ位置にヨードが結合された化合物がより適して使用され得る。
【0034】
前記ジヨード芳香族化合物と反応する硫黄元素は、その形態は特に制限されない。通常硫黄元素は常温で原子8個が連結された環形態(cyclooctasulfur;S8)で存在するが、このような形態ではなくても商業的に使用可能な固体または液体状態の硫黄であれば格別な限定なくすべて使用することができる。
【0035】
前記反応物は、分枝調節剤(branch agent)をさらに含み得る。具体的には、前記分枝調節剤はトリヨード芳香族化合物、ヨード原子の位置がオルトまたはメタであるジヨード芳香族化合物およびその組み合わせであり得る。前記トリヨード芳香族化合物の例として、トリヨードベンゼン(triiodobenzene;TIB)、トリヨードナフタレン(triiodonaphthalene)、トリヨードビフェニル(triiodobiphenyl)、トリヨードビスフェノール(triiodobisphenol)、トリヨードフェニルジスルフィド(triiodophenyldisulfide)およびトリヨードベンゾフェノン(triiodobenzophenone)からなる群より選ばれる1種以上が挙げられるが、これに限定されない。また、上述したような化合物にアルキル原子団(alkyl group)またはスルホン原子団(sulfone group)などが置換基で結合されているか、芳香族基に酸素や窒素などの原子が含有された形態のトリヨード芳香族化合物も使用することができ、これらのすべての異性体も使用することができる。
【0036】
前記ヨード原子がオルトまたはメタ位置に結合されたジヨード芳香族化合物はジヨードベンゼン(diiodobenzene)、ジヨードナフタレン(diiodonaphthalene)、ジヨードビフェニル(diiodobiphenyl)、ジヨードビスフェノール(diiodobisphenol)、ジヨードフェニルジスルフィド(diiodophenyldisulfide)およびジヨードベンゾフェノン(diiodobenzophenone)からなる群より選ばれたジヨード芳香族化合物のうちのヨード原子がオルトまたはメタ位置に結合された異性体であり得るが、これに限定されない。また、このようなジヨード芳香族化合物にアルキル原子団(alkyl group)またはスルホン原子団(sulfone group)などが置換基で結合されているか、芳香族基に酸素や窒素などの原子が含有された形態である、ヨード原子の位置がオルトまたはメタである異性体のジヨード芳香族化合物であり得る。より具体的には、前記分枝調節剤はトリヨードベンゼン、トリヨードビフェニル、オルト-ジヨードベンゼン(o-DIB)、メタ-ジヨードベンゼン(m-DIB)およびその組み合わせより選ばれ得る。
【0037】
前記反応物は重合開始剤、安定剤、またはこれらの混合物を追加で含み得る。具体的には、使用可能な重合開始剤としては1,3-ジヨード-4-ニトロベンゼン、メルカプトベンゾチアゾール、2,2’-ジチオベンゾチアゾール、シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド、およびブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドからなる群より選ばれる1種以上が挙げられるが、上述した例に限定されない。
【0038】
そして、前記安定剤としては通常樹脂の重合反応に使用される安定剤であればその構成の限定はなく、金属脂肪酸塩系、リン系、鉛系、有機スズ系安定剤などが制限なく使用されることができる。
【0039】
一方、前記のような重合反応の途中、重合中止剤を添加してもよい。この時、使用可能な重合中止剤は重合される高分子に含まれるヨードグループを除去して重合を中止させる化合物であれば特に限定されない。具体的にはジフェニルスルフィド(diphenyl suldife)、ジフェニルエーテル(diphenyl ether)、ジフェニル(diphenyl)、ベンゾフェノン(benzophenone)、ジベンゾチアゾールスルフィド(dibenzothiazole disulfide)、モノヨードアリール化合物(monoiodoaryl compound)、ベンゾチアゾール(benzothiazole)類、ベンゾチアゾールスルフェンアミド(benzothiazolesulfenamide)類、チウラム(thiuram)類、ジチオカルバメート(dithiocarbamate)類およびジフェニルジスルフィドからなる群より選ばれる1種以上であり得る。
【0040】
より好ましくは、前記重合中止剤はヨードビフェニル(iodobiphenyl)、ヨードフェノール(iodophenol)、ヨードアニリン(iodoaniline)、ヨードベンゾフェノン(iodobenzophenone)、2-メルカプトベンゾチアゾール(2-mercaptobenzothiazole)、2,2’-ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’-dithiobisbenzothiazole)、N-シクロヘキシルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド(N-cyclohexylbenzothiazole-2-sulfenamide)、2-モルホリノチオベンゾチアゾール(2-morpholinothiobenzothiazole)、N,N-ジシクロヘキシルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド(N,N-dicyclohexylbenzothiazole-2-sulfenamide)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(tetramethylthiuram monosulfide)、テトラメチルチウラムジスルフィド(tetramethylthiuram disulfide)、亜鉛ジメチルジチオカルバメート(Zinc dimethyldithiocarbamate)、亜鉛ジエチルジチオカルバメート(Zinc diethyldithiocarbamate)およびジフェニルジスルフィド(diphenyl disulfide)からなる群より選ばれる1種以上であり得る。
【0041】
一方、重合中止剤の添加時点は最終重合させようとするポリアリーレンスルフィドの分子量を考慮してその時期を決めることができる。例えば、初期反応物内に含まれたジヨード芳香族化合物が約70~100重量%が反応して消尽された時点で添加することができる。
【0042】
そして、前記のような重合反応はジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物の重合が開始され得る条件であればいかなる条件でも行われることができる。例えば、前記重合反応は昇温減圧反応条件で行われるが、この場合、温度約180~250℃および圧力約50~450torrの初期反応条件で温度上昇および圧力降下を行って最終反応条件である温度約270~350℃および圧力約0.001~20torrに変化させ、約1~30時間の間行い得る。より具体的な例として、最終反応条件を温度約280~300℃および圧力約0.1~0.5torrにして重合反応を行い得る。
【0043】
一方、第1ポリアリーレンスルフィドの製造時、前記重合反応前に、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を溶融混合する段階をさらに含み得る。このような溶融混合は上述した反応物がすべて溶融混合できる条件であればその構成の限定はないが、例えば、約130℃~200℃、あるいは約160℃~190℃の温度で行うことができる。
【0044】
このように重合反応前に溶融混合段階を行い、後に行われる重合反応をより容易に行うことができる。
【0045】
そして、上述した他の実施形態による第1ポリアリーレンスルフィドの製造方法において、重合反応はニトロベンゼン系触媒の存在下で行われ得る。また、前述したように重合反応前に溶融混合段階を経る場合、前記触媒は溶融混合段階で追加され得る。ニトロベンゼン系触媒の種類としては1,3-ジヨード-4-ニトロベンゼン、または1-ヨード-4-ニトロベンゼンなどが挙げられるが、上述した例に限定されるものではない。
【0046】
一方、第2ポリアリーレンスルフィドは線状のPASとして、樹脂組成物に柔軟性を付与して低温脆性を向上させる目的で含まれる。
【0047】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは265~290℃、270~285℃、または275~283℃の融点を有し得る。
【0048】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは10~1,000、400~900、または600~700の数平均分子量を有し得る。また、前記ポリアリーレンスルフィドは数平均分子量に対する重量平均分子量と定義される分散度が2.0~4.5,2.0~4.0、または2.0~3.5であり得る。
【0049】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは回転円盤粘度計で300℃で測定した溶融粘度が10~10,000ポイズ(poise)、100~8,000ポイズ、または100~5,000ポイズであり得る。仮に、溶融粘度が10ポイズ未満であれば粘度が過度に低いため無機物を添加しても機械的物性を出すのに限界があり得、10,000ポイズを超えると高粘度によって押出工程性および射出成形性の問題があり得る。
【0050】
前記第2ポリアリーレンスルフィドの製造方法は特に制限されない。例えば、前記第2ポリアリーレンスルフィドは硫化ナトリウムのように硫黄イオンを含んだ硫黄化合物、パラ-ジクロロベンゼン(pDCB)のようなジクロロ芳香族化合物および極性有機溶媒を含む反応混合物を溶液重合して製造されることができる。前記溶液重合方法は、米国特許第2,513,188号、第2,583,941号および第3,285,882号などに開示された方法に従うが、これに制限されるものではない。
【0051】
本発明の樹脂組成物に含まれる前記第1および第2ポリアリーレンスルフィドの総量は、組成物総重量に対して40重量%以上であることが好ましく、50~90重量%、60~80重量%、または60~70重量%範囲が好ましい。
【0052】
また、前記第1および第2ポリアリーレンスルフィドの重量比は、10:1~1:4の範囲であるものが、樹脂組成物の低温脆性および高温耐クリープ性を同時に達成できるため好ましい。より好ましくは、前記第1および第2ポリアリーレンスルフィドの重量比は9:1~1:4、または9:1~1:1の範囲であり得る。
【0053】
本発明でガラス繊維は樹脂組成物の耐熱度および機械的強度を向上させる役割をする。前記ガラス繊維は6~15μmの平均直径および2~5mmの平均長さを有し得る。具体的には、前記ガラス繊維は8~12μmの平均直径および3~5mmの平均長さを有し得る。
【0054】
この時、ポリアリーレンスルフィドとの界面接着力向上のために表面処理されたガラス繊維を使用することができる。すなわち、前記ガラス繊維としてエポキシ基、アミノ基、またはこれらを両方とも含むシランで表面が処理されたガラス繊維を使用し得、一例として前記ガラス繊維はエポキシ基およびアミノ基を有するシランで表面が処理されたアルミノ-ボロシリケートガラス(E-glass)繊維であり得る。
【0055】
前記ガラス繊維は樹脂組成物総重量を基準として20~50重量%の含有量で含まれ得る。具体的には、前記ガラス繊維は樹脂組成物総重量を基準として35~50重量%の含有量で含まれ得る。
【0056】
前記エラストマーは樹脂組成物の耐衝撃性を向上させる役割をするものとして、ポリアリーレンスルフィドとの界面接着力向上のために反応性があるエラストマーを使用することができる。前記エラストマーの官能基(functional group)によってポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の発現特性が調節され得るので、目的とする性質に適したエラストマーを適宜選択して使用することができる。
【0057】
一例として、前記エラストマーは、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、およびグリシジルメタアクリレート、アクリルエステル、エチレンの三元共重合体エラストマーからなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマーであり得る。具体的には、m-EVA(modified-ethylene vinyl acetate)系のエラストマーがm-EB(anhydride modified-ethylene butene)やSEBS(stylene-ethylene/butylene-styrene)系のエラストマーよりポリアリーレンスルフィドとの相容性に優れ、樹脂組成物の優れた機械的物性を確保できるため好ましく使用することができる。また、グリシジルメタアクリレート、アクリルエステル、エチレンの三元共重合体エラストマーは樹脂組成物の結晶性を減少させて衝撃強度を高めるのに大きな助けになるので好ましく使用することができる。
【0058】
前記エラストマーは樹脂組成物総重量の1~8重量%、2~6重量%、または4~7重量%範囲で含まれ得る。仮に、エラストマーの含有量が樹脂組成物総重量の1重量%未満であれば組成物の耐衝撃性効果を確保することができず、8重量%を超えると難燃性低下の問題があり得るので、前記範囲を満たすことが好ましい。
【0059】
一方、本発明の樹脂組成物は相溶化剤、離型剤、ドリップ防止剤、熱安定剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をさらに含み得る。
【0060】
前記相溶化剤は物性補強剤として、ポリアリーレンスルフィドとガラス繊維の間の相容性を高めて樹脂組成物の界面接着性を向上させる役割をする。具体的には、前記相溶化剤はシラン系化合物であり得る。前記シラン系化合物はエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシランおよびその組み合わせからなる群より選ばれることができる。
【0061】
また、前記相溶化剤はドライシランであり得る。前記ドライシランは液状シランを微細空隙を含む無機物に担持して製造されたものである。前記ドライシランに含まれるシランの含有量はドライシラン総重量の50~80重量%、具体的には60~75重量%であり得る。前記液相シランはエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシランおよびその組み合わせからなる群より選ばれることができる。
【0062】
前記離型剤(滑剤)は樹脂と金型の金属との摩擦防止および金型での容易な脱着性(離型性)を付与するために使用されるものであり、当業界で使用される離型剤が制限なく使用され得、一例としてパラフィンワックス、ポリエステル(PE)ワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス、酸化ポリエステルワックスおよびその組み合わせからなる群より選ばれる炭化水素系離型剤が使用され得る。
【0063】
前記ドリップ防止剤としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素系重合体が使用されるが、これに制限されるものではない。
【0064】
前記熱安定剤としては樹脂組成物を高温で混合または成形する際に組成物の熱的分解を防止できるものであって、一例としてマグネシウムアルミニウムヒドロキシドカーボネート水和物が使用可能であるが、これに制限されるものではない。
【0065】
前記樹脂組成物は10~60重量部の第1ポリアリーレンスルフィド、1~60重量部の第2ポリアリーレンスルフィド、20~50重量部のガラス繊維、および1~8重量部のエラストマーを含み得る。
【0066】
前記本発明の樹脂組成物は、線状PPSと分枝状PPS両方の長所を有して低温脆性および軟性が高く、かつ寸法安定性および耐クリープ性に優れ、高い衝撃強度を示す。したがって、前記樹脂組成物は剛性、優れた軟性および寸法安定性が求められる水に関連する部品の製造などの様々な分野に幅広く使用することができる。
【実施例】
【0067】
以下、本発明を下記実施例によってより詳細に説明する。ただし、下記実施例は本発明を例示するためであり、本発明の範囲はこれらだけに限定されない。
【0068】
[実施例]
製造例1:PPS-1の製造
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、および窒素充填および真空をかけることができる真空ラインが付着した5L反応器にパラジヨードベンゼン(p-DIB)5,130g、および硫黄450gを入れた。前記反応器を180℃に加熱してp-DIBおよび硫黄を完全に溶融および混合した。その後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応条件を300℃および0.6~0.9Torrまで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を19gずつ7回にわたって投入しながら重合反応を行った。重合反応の進行程度は目標粘度に対する現在粘度の相手比率として、「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で計算した。目標粘度は2,000ポイズであり、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。前記重合反応が80%進行した時、重合中止剤としてジフェニルジスルフィド35gを添加して1時間の間反応を行った。その後0.1~0.5Torrで徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後反応を終了し、分枝状ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS-1)を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッターを用いてペレット形態に製造した。
【0069】
生成されたPPS-1は次の方法に従い融点(Tm)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(PDI)、溶融粘度(MV)、および分枝指数(α)を測定した。その結果、融点は280℃、Mnは17,500、PDIは2.5、溶融粘度は2,030ポイズ、分枝指数は0.56であった。
【0070】
融点
示差走査熱量分析機(differential scanning calorimeter,DSC)を用いて30℃から320℃まで10℃/分の速度で昇温後30℃まで冷却し、再び30℃から320℃まで10℃/分の速度で昇温して融点を測定した。
【0071】
数平均分子量(Mn)および分子量分布(PDI)
PPS樹脂を1-クロロナフタレン(1-chloronaphthalene)に0.4重量%の濃度になるように添加し、250℃で25分間攪拌溶解してサンプルを製造した。その後高温ゲル透過クロマトグラフィー(high temperature gel permeation chromatography,HT-GPC)システム(210℃)に前記サンプルを1ml/分の流速で流しながら分子量が異なるポリフェニレンサルファイドを順次にカラム内で分離した。その後RI detectorを用いて分離したポリフェニレンサルファイドの分子量別の強度(intensity)を測定し、あらかじめ分子量を知っている標準試料(ポリスチレン、polystyrene)で検量線を作成し、製造したPPS樹脂の数平均分子量(Mn)および分子量分布(PDI)を計算した。
【0072】
溶融粘度(MV)
溶融粘度は回転円盤粘度計(rotating disk viscometer)で300℃で測定した。周波数スイープ(frequency sweep)方法で測定するにあたり、各周波数(angular frequency)を0.6から500rad/sまで測定し、1.84rad/sでの粘度を溶融粘度と定義した。
【0073】
分枝指数(α)
PPS樹脂を1-クロロナフタレン(1-chloronaphthalene)に0.4%(w/v)の濃度になるように添加し、250℃に30分間攪拌溶解した後2μm多孔性ステンレススチール(SUS)フィルタで濾した。その後Agilent社の高温ゲル透過クロマトグラフィー(210℃;Model PL-220)の3重システム検出器(RI,Viscometer,Light Scatter 15°と90°)を用いて固有粘度と分子量を測定した後マークホーウィンクプロット(Mark-Houwink Plot)を図示して平均傾きで分枝指数(α)を算出した。αは高分子の分枝(branch)程度を表し、1に近いほど線状PPS特性を有する高分子であり、0に近いほど分枝状PPS特性を有する高分子である。
【0074】
実施例1~6および比較例1~4:樹脂組成物の製造
下記表1の原料を使用して、次の方法で樹脂組成物を製造した。この際、実施例1~6の第1ポリアリーレンスルフィドとしては製造例1で製造されたPPS-1を使用し、第2ポリアリーレンスルフィドとしてはCelanese社のFortron(登録商標) 0205P4(PPS-2)を使用した。また、比較例1~4の第1ポリアリーレンスルフィドとしてはPPS-1を、第2ポリアリーレンスルフィドとしてはPPS-2またはSolvay社のRyton(登録商標) P-6(PPS-3)を使用した。各実施例および比較例の樹脂組成物の組成(重量部で表記)は表2~3に示した。
【0075】
二軸スクリュー押出機で、第1および第2PPS樹脂、ガラス繊維、エラストマーおよび添加剤を混合して樹脂組成物を製造した。
【0076】
前記二軸スクリュー押出機はSM platek社の直径40mmおよびL/D=44である押出機を用いた。工程条件はスクリュー250rpm、吐出量(feed rate)40kg/時、バレル温度は280℃で300℃、トルク60%で行った。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
実験例:樹脂組成物の物性分析
前記製造された実施例および比較例の樹脂組成物を310℃で射出して射出試験片を製造し、各射出試験片の物性を下記方法で分析した。その結果を下記表4~5に示した。
【0081】
分枝指数(α)
射出試験片の分枝指数はPPS樹脂の分枝指数測定と同様の方法により測定した。
【0082】
引張強度
ISO 527法により射出試験片の引張強度を測定した。
【0083】
引張伸び率
ISO 527-1法により射出試験片の引張伸び率を測定した。
【0084】
衝撃強度(Un-notched)
常温:ISO 179法により、80mm(長さ)*10mm(幅)*4mm(厚さ)の射出試験片の衝撃強度をUn-notchedシャルピー(Charpy)方法で常温で測定した。
低温:ISO 179法により、80mm(長さ)*10mm(幅)*4mm(厚さ)の射出試験片の衝撃強度をnotchedシャルピー(Charpy)方法で低温(零下20℃)で測定した。
【0085】
高温クリープ性
90℃で荷重を一定(20MPa)に維持させて1000時間を基準として時間に応じて変化する屈曲クリープ特性を観察した。
【0086】
【0087】
【0088】
前記表4および5を参照すると、本発明の構成を満たす実施例1~6は優れた引張強度、引張伸び率、耐クリープ性および衝撃強度を同時に満たすことを確認することができる。これに対し、線状および分枝状PPSを混合使用せず、分枝状PPSを単独で使用した場合、または線状PPSを単独で使用した場合や、線状および分枝状PPSを混合使用するものの、本発明の混合重量比範囲を満たさない場合は、引張強度、引張伸び率および耐クリープ性と衝撃強度特性がいずれも優れた範囲に満たされず、一部特性の低下が示されることが確認された。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マークホーウィンク式のαが0.4~0.7である第1ポリアリーレンスルフィド、
マークホーウィンク式のαが0.7超過~1以下である第2ポリアリーレンスルフィド、
ガラス繊維および
エラストマーを含み、
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドは10:1~1:4の重量比で含まれる、樹脂組成物。
【請求項2】
マークホーウィンク式のαが0.5~0.7である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは数平均分子量が5,000~50,000である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記第1ポリアリーレンスルフィドは300℃で溶融粘度が10~50,000ポイズである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは300℃で溶融粘度が10~10,000ポイズである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドの総量は樹脂組成物総重量の40重量%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記第1ポリアリーレンスルフィドおよび第2ポリアリーレンスルフィドの重量比は9:1~1:4である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ガラス繊維は平均直径が6~15μmであり、平均長さが2~5mmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記ガラス繊維はエポキシ基、アミノ基、またはこれらを両方とも含むシランで表面処理された、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記ガラス繊維は樹脂組成物総重量の20~50重量%で含まれる、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
前記エラストマーは、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、およびグリシジルメタアクリレートとメチルアクリルエステル、エチレンの三元共重合体エラストマーからなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマーである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
前記エラストマーは樹脂組成物総重量の1~8重量%で含まれる、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項13】
相溶化剤、離型剤、ドリップ防止剤、熱安定剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
前記第2ポリアリーレンスルフィドは数平均分子量に対する重量平均分子量と定義される分散度が2.0~4.5,2.0~4.0、または2.0~3.5であり得る。
【国際調査報告】