(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】当接型紙蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 43/10 20060101AFI20220106BHJP
B65D 3/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B65D43/10
B65D3/00 B BSE
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020570159
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 CN2019114186
(87)【国際公開番号】W WO2021072805
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】201921746885.4
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520490587
【氏名又は名称】浙江新発現機械制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG DISCOVERY MACHINERY MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 555, Guangyu South Road, Guangchen Town pinghu, Zhejiang 314200 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王 建平
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA06
3E084AA12
3E084AA34
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC07
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC07
3E084FC07
3E084GA08
3E084GB12
3E084LD01
(57)【要約】
当接型紙蓋は、蓋体、強化導流部及び係合部を含む。前記蓋体は、蓋面及び蓋縁を含む。前記強化導流部は、前記蓋縁に設けられて前記蓋縁の3つの外側壁に被覆されている。前記係合部は、前記強化導流部から延伸し、且つ当該係合部の延伸方向は、前記蓋縁の延伸方向と反対になっている。前記蓋面の位置する平面の垂線に沿う断面において、前記係合部は弧状部分を含む。当該弧状部分の一端は前記蓋面に当接しており、前記当接型紙蓋が前記容器の容器口に蓋設されると、前記カールが前記蓋面及び前記弧状部分に当接する。この当接型紙蓋は、前記容器に蓋設可能であり、且つ外力がないと脱落しないため、その強度及び剛性が保証されるとともに、脱落することなく前記容器に被せられることができ、しかも、容器に入っている液体が漏出しないように、容器の容器口との良好な密閉性を実現できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器口と、前記容器口に設けられたカールとを含む容器に蓋設されるための当接型紙蓋であって、
前記当接型紙蓋は、蓋体と、前記蓋体に設けられた強化導流部と、前記強化導流部から延伸した係合部とを含み、前記蓋体は、蓋面と、前記蓋面から延伸した蓋縁とを含み、前記蓋縁の延伸方向と、前記蓋面の位置する平面の垂線との間の夾角は0~15度であり、前記強化導流部は、前記蓋縁に設けられて前記蓋縁の3つの外側壁に被覆されており、前記係合部は、前記強化導流部から延伸し、且つ当該係合部の延伸方向は、前記蓋縁の延伸方向と反対になっており、前記蓋面の位置する平面の垂線に沿う断面において、前記係合部は弧状部分を含み、当該弧状部分の一端は前記蓋面に当接しており、前記当接型紙蓋が前記容器の容器口に蓋設されると、前記カールが前記蓋面及び前記弧状部分に当接する
ことを特徴とする当接型紙蓋。
【請求項2】
前記蓋縁の延伸方向と、前記蓋面の位置する平面の垂線との間の夾角は0度である
ことを特徴とする請求項1に記載の当接型紙蓋。
【請求項3】
前記蓋面の位置する平面の垂線に沿う断面において、前記強化導流部は溝状構造であり、溝状構造の強化導流部は、前記蓋縁に直接接着されている
ことを特徴とする請求項1に記載の当接型紙蓋。
【請求項4】
前記弧状部分の中心角は180度である
ことを特徴とする請求項1に記載の当接型紙蓋。
【請求項5】
前記弧状部分の弦長と、前記蓋面の位置する平面の垂線との間の夾角は鋭角である
ことを特徴とする請求項1に記載の当接型紙蓋。
【請求項6】
前記係合部は、前記弧状部分に接続された導入部分を更に含み、前記導入部分の長さは、前記弧状部分の弦長以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の当接型紙蓋。
【請求項7】
前記導入部分の延伸方向と、前記蓋面の位置する平面の垂線との間の夾角は鋭角である
ことを特徴とする請求項6に記載の当接型紙蓋。
【請求項8】
前記導入部分の延伸方向と、前記蓋面の位置する平面の垂線との間の夾角は、0度~15度の鋭角である
ことを特徴とする請求項7に記載の当接型紙蓋。
【請求項9】
前記係合部は、前記導入部分に接続された導入カールを更に含む
ことを特徴とする請求項8に記載の当接型紙蓋。
【請求項10】
前記導入部分は、弧状部分に接続された移行部分を含み、前記移行部分は弧状である
ことを特徴とする請求項8に記載の当接型紙蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装の技術分野に関し、特に当接型紙蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、テイクアウト業界の台頭により、紙ボウル及び紙カップは、多くのテイクアウト店の選択肢になっており、環境にやさしく安価なため、事業者や政府から強く推奨されている。しかし、紙ボウルや紙カップに液体や、蓋をする必要のある固体食品が入っている場合、使用する蓋は、殆どプラスチック製になっている一方で、プラスチックを用いてカップ蓋やボウル蓋を製造することは、世界の環境保護の潮流と要求に合っていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本発明は、上記のニーズを満たすために、上述した不利な点を改善可能な当接型紙蓋を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
当接型紙蓋は、容器口と、前記容器口に設けられたカールとを含む容器に蓋設されるためのものである。前記当接型紙蓋は、蓋体と、前記蓋体に設けられた強化導流部と、前記強化導流部から延伸した係合部とを含む。前記蓋体は、蓋面と、前記蓋面から延伸した蓋縁とを含む。前記蓋縁の延伸方向と、前記蓋面の位置する平面の垂線との間の夾角は0~15度である。前記強化導流部は、前記蓋縁に設けられて前記蓋縁の3つの外側壁に被覆されている。前記係合部は、前記強化導流部から延伸し、且つ当該係合部の延伸方向は、前記蓋縁の延伸方向と反対になっている。前記蓋面の位置する平面の垂線に沿う断面において、前記係合部は弧状部分を含み、当該弧状部分の一端は前記蓋面に当接している。前記当接型紙蓋が前記容器の容器口に蓋設されると、前記カールが前記蓋面及び前記弧状部分に当接する。
【発明の効果】
【0005】
従来技術に比べて、本発明による当接型紙蓋は、紙製であり、環境保護の要求に合っているとともに、前記当接型紙蓋は前記蓋体を有し、該蓋体に蓋縁が設けられているため、前記強化導流部が前記蓋縁に設けられると、当該当接型紙蓋の強度が保証され、更に、当該当接型紙蓋の剛性が高く、ユーザが使用するとき、押しつぶされ難い。同時に、前記係合部は、前記強化導流部から延伸しているため、当該係合部と前記強化導流部とが一体成型され、当該当接型抵蓋の製作が容易になる。前記係合部に弧状部分が設けられ、且つ当該弧状部分の一端が前記蓋面に当接していることで、該当接型紙蓋がカール付きの容器に蓋設されると、前記容器のカールは、前記弧状部分及び前記蓋面に当接し、更に、前記当接型紙蓋は、前記容器に蓋設可能となり、且つ外力がないと脱落しないため、その強度及び剛性が保証されるとともに、脱落することなく前記容器に被せられることができ、しかも、容器に入っている液体が漏出しないように、容器の容器口との良好な密閉性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明による当接型紙蓋の構造模式図である。
【
図2】
図2は、
図1の当接型紙蓋におけるA箇所の部分拡大図である。
【
図4】
図4は、
図1の当接型紙蓋が管挿入孔を有する場合の構造模式図である。
【
図5】
図5は、
図1の当接型紙蓋が直飲み孔を有する場合の構造模式図である。
【
図6】
図6は、
図1の当接型紙蓋具が別の形態の直飲み孔を有する場合の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の具体的な実施例を更に詳しく説明するが、ここでの本発明の実施例に対する説明は、本発明の保護範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0008】
図1~
図6に、本発明の第一実施例による当接型紙蓋の構造模式図を示す。前記当接型紙蓋は、容器20に蓋設されるためのものである。前記容器20は、容器口21と、前記容器口21の縁に設けられたカール22とを含む。前記当接型紙蓋は、蓋体10と、前記蓋体10に設けられた強化導流部11と、前記強化導流部11から延伸した係合部12とを含む。前記当接型紙蓋は、食用紙で製作されてもよく、前記蓋体10、強化導流部11及び係合部12の何れも、坪量が70グラム~600グラムである食用紙で製作されてもよい。前記食用紙は、両面コート紙又は単面コート紙であってもよいし、片面又は両面コーティングを有する紙であってもよい。
【0009】
前記蓋体10は、蓋面101と、前記蓋面101の縁に設けられて当該蓋面101の一方側へ延伸する蓋縁102とを含む。前記蓋面101は、当該蓋面101の位置する平面に垂直な垂線に沿う断面が、円形、方形、多角形等の任意形状であってもよく、実際のニーズに応じて、即ち前記容器20の容器口21の形状に応じて設計可能である。本実施例において、前記蓋面101は、当該蓋面101の位置する平面に垂直な垂線に沿う断面が円形になっているが、これは、単に本発明の構造及び動作原理を解釈し、説明するためである。前記蓋縁102は、前記蓋面101の縁から延伸している。前記蓋縁102の延伸方向と、前記蓋面101の位置する平面の垂線との間の夾角は鋭角であり、且つ当該鋭角は0~15度である。具体的に、前記蓋縁の延伸方向と、前記蓋面の位置する平面の垂線との間の夾角は0度である。前記蓋面101と蓋縁102とが一体成型されている。美観に寄与するために、前記蓋面の位置する平面の垂線に沿う方向において、前記蓋縁102の高さは、2ミリメートル~20ミリメートルである。
【0010】
前記強化導流部11は、前記蓋縁102に設けられて前記蓋縁102の3つの外側壁に被覆されているため、前記蓋面101の位置する平面の垂線に沿う断面において、前記強化導流部11は溝状構造となる。溝状構造の前記強化導流部11は、食用のりで前記蓋縁102に直接接着されていてもよい。前記強化導流部11は、前記蓋縁102の縁止めに使用できると共に、該蓋縁102の強度及び剛性を向上させることができる。これは、当該強化導流部11がなければ、前記蓋縁102の自由辺が外に露出してしまい、美観に不利である一方で、当該蓋縁102の自由辺は、ユーザの手が直接取る部位となるため、当該強化導流部11は、当該蓋縁102の強度及び剛性の向上に寄与し、取るときに押し潰されてユーザ体験に影響を与えてしまうことがなくなるからである。
【0011】
前記係合部12は、前記強化導流部11から延伸しており、且つ当該係合部12の延伸方向は、前記蓋縁102の延伸方向と反対になっている。具体的に、前記係合部12は、溝状構造の強化導流部11の1辺と一体成型されている。従来技術において、蓋体から折り曲げられた蓋縁は、容器に直接係合されたものであり、物理原理上の制限により、一枚の紙全体を折り曲げて前記蓋縁を形成すると同時に、蓋縁と蓋体との結合箇所には、必ず複数の皺が形成される。当該皺付きの蓋体が容器に蓋設されると、容器内の液体は、必ず当該皺から漏出し又は滲出することになり、ユーザに悪い使用体験を与えてしまう。これに対して、本発明において、蓋体10の蓋縁102は、紙蓋全体の強度及び剛性の向上に用いられ、係合部12は、容器20との係合に用いられており、係合部12が丸め加工時に折り曲げられることがなく、当然皺が生じないため、使用中には、漏出や滲出が発生しない。前記蓋面101の位置する平面の垂線に沿う断面において、前記係合部12は、弧状部分121と、当該弧状部分121に接続された導入部分122と、前記導入部分122の自由端に設けられた導入カール123とを含む。前記弧状部分121は、一端が前記蓋面101に当接していることで、前記容器20のカール22に係合されると、前記カール22の側辺前記弧状部分121に突き当てられ、当該カール22の頂部が前記蓋面101に直接突き当てられる一方で、当該弧状部分121の存在により、当該容器20のカール22が当該弧状部分121から滑り落ちるのが阻止される。従って、前記弧状部分121の弦長と、前記蓋面101の位置する平面の垂線との間の夾角は、0度~30度の鋭角であり、前記蓋面101の外接円の直径の大きさに応じて決定可能である。前記容器20のカール22が滑り込み易くするために、前記弧状部分121の中心角は、180度である。前記導入部分122の延伸方向と、前記蓋面101の位置する平面の垂線との間の夾角も、鋭角とされるべきであり、具体的に、当該鋭角は、0度~15度である。前記容器のカール22をより容易に前記弧状部分121に滑り込ませるために、前記導入部分122は、弧状部分121に接続された移行部分1221を更に含む。前記移行部分1221は、弧状であり、且つ当該移行部分1221の曲率方向は、前記弧状部分121の曲率方向と反対になっている。前記導入カール123は、前記導入部分122の自由端に設けられ、その構造自体が従来技術のはずであるが、その役割として、当該導入部分122の縁を隠して美観に寄与するだけではなく、当該導入カール123の存在により、当該紙蓋が係入された直後、円弧接触となり、係着され易くなる。しかも、当該導入カール123の存在により、当該係合部12のカール口の剛性がより良好になり、押し潰され難くなる。前記導入カール123の形状は、円形、多角形等の形状であってもよい。前記係合部12、及び強化導流部11の高さを工夫することで、当接型紙蓋全体の高さは、10ミリメートル~60ミリメートルとされる。
【0012】
前記当接型紙蓋は、前記蓋面101に設けられた管挿入孔13を更に含んでもよい。前記管挿入孔13は、貫通孔であってもよいし、貫通孔に少なくとも3つの打ち抜き辺を設けて蓋設されたものであってもよい。蓋面と裂けずに当該打ち抜き辺を折り返し易くするために、少なくとも3つの打ち抜き辺と前記插孔との接続箇所に折り目があることは考えられる。本実施例において、前記管挿入孔13は、6つの打ち抜き辺132を有する貫通孔131であり、且つ打ち抜き辺132のそれぞれと貫通孔131との接続箇所には、折り目133が設けられている。
【0013】
更に、前記当接型紙蓋は、前記蓋面101に開設された直飲み孔14を含んでもよい。前記直飲み孔14は貫通孔であり、前記貫通孔は、多角形、円形、楕円形であってもよい。多角形としては、四辺形や六角形等が挙げられる。前記直飲み孔14は、前記貫通孔に蓋設された孔蓋、及び、前記孔蓋と前記貫通孔とを接続する接続部分とを更に含んでもよい。当該孔蓋の開放を容易にして、開放時に前記蓋面101が引き裂かされないように、当該接続部分に折り目が設けられている。
【0014】
従来技術に比べて、本発明による当接型紙蓋は、紙製であり、環境保護の要求に合っているとともに、前記当接型紙蓋は前記蓋体10を有し、当該蓋体10に蓋縁102が設けられているため、前記強化導流部11が前記蓋縁102に設けられると、当該当接型紙蓋の強度が保証され、更に、当該当接型紙蓋の剛性が高く、ユーザが使用するとき、押しつぶされ難い。同時に、前記係合部12は、前記強化導流部11から延伸しており、且つ前記係合部12の方向と前記蓋縁102の延伸方向とは反対になっており、折り曲げ中に皺が形成されないため、前記係合部12が容器20のカール22に係合されると、漏出や滲出の現象が起きず、密閉性が保証される。前記係合部12に弧状部分121が設けられ、且つ当該弧状部分121の一端は前記蓋面101に当接していることで、当該当接型紙蓋がカール22付きの容器20に蓋設されると、前記容器20のカール22は、前記弧状部分121及び前記蓋面101に当接し、更に、前記当接型紙蓋は、前記容器20に蓋設可能であり、且つ外力がないと脱落しないため、その強度及び剛性が保証されるとともに、脱落することなく前記容器に被せられることができ、しかも、容器に入っている液体が漏出しないように、容器の容器口との良好な密閉性を実現できる。
【0015】
以上は、あくまでも本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。本発明の精神内でのいかなる修正、均等的置換や改善等は、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【国際調査報告】