IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッドの特許一覧

特表2022-505038トリフルオロヨードメタン(CF3I)及び1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)の共沸混合物又は共沸混合物様組成物
<>
  • 特表-トリフルオロヨードメタン(CF3I)及び1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)の共沸混合物又は共沸混合物様組成物 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】トリフルオロヨードメタン(CF3I)及び1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)の共沸混合物又は共沸混合物様組成物
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
C09K5/04 E
C09K5/04 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520933
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(85)【翻訳文提出日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 US2019055641
(87)【国際公開番号】W WO2020081362
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】62/745,678
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/571,930
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】チュンゴン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】マーケル、ダニエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ハイヨン
(72)【発明者】
【氏名】パン、ハン ティ.
(72)【発明者】
【氏名】フルス、リアン ジェイ.
(57)【要約】
本開示は、トリフルオロヨードメタン(CFI)及び1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物を提供し、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を組み合わせて、約14.40psia0.30psiaで約-24.46℃0.30℃の沸点を有する、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む共沸混合物又は共沸混合物様を形成する工程を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物の形成方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物。
【請求項2】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約23重量%~約24重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約76重量%~約77重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になり、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物。
【請求項8】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、請求項7。
【請求項9】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約23重量%~約24重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約76重量%~約77重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)からなる、請求項7に記載の組成物。
【請求項13】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)からなる、請求項7に記載の組成物。
【請求項14】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)からなる、請求項7に記載の組成物。
【請求項15】
1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を組み合わせて、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)とトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法。
【請求項16】
前記組み合わせる工程が、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)とを組み合わせることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記組み合わせる工程が、約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)とを組み合わせることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記組み合わせる工程が、約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)とを組み合わせることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、トリフルオロヨードメタン(CFI)、及び少なくとも1つの不純物を含む一次組成物から分離する方法であって、
前記一次組成物内に、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する、有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成する工程と、
前記二次組成物を前記一次組成物及び前記少なくとも1つの不純物から分離する工程と、を含む、方法。
【請求項20】
前記形成する工程が、一次構成内に約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する約13重量%から約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約58重量%から約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物、特に、トリフルオロヨードメタン(CFI)及び1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロカーボン系流体は、冷媒、エアゾール噴射剤、発泡剤、伝熱媒体、ガス状誘電体、及び火災抑制などの多くの用途における業界での広範な使用が見出されている。
【0003】
しかしながら、クロロフルオロカーボン(CFC)及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などの特定の化合物は、大気オゾンを破壊し、したがって環境に有害である。更に、これらの化合物の一部は、地球温暖化に寄与すると考えられる。したがって、ヒドロフルオロカーボン(HFC)などの低オゾン破壊係数又は更にはゼロのオゾン破壊係数を有するフルオロカーボン流体、又は地上で放出されたときに短い大気寿命を示す光分解可能な炭素ヨウ素結合を有するものを使用することが望ましい。沸点及び蒸発に分留しない単一成分流体又は共沸混合物の使用も望ましい。
【0004】
残念ながら、共沸混合物形成が容易に予測できないという事実により、新たな、環境に安全な非分別混合物の同定は複雑である。
【0005】
業界は、代替物を提供する新しいフルオロカーボンベースの混合物を絶えず追求しており、今日使用されているCFC、HCFC、及びHFCの代替品は環境に安全であると考えられている。特に興味深いのは、オゾン層破壊係数が低く、地球温暖化係数が低いヨウ化物含有化合物及び他のフッ素化化合物である。このような混合物は、本開示の対象である。
【0006】
ヨウ化物含有化合物は非常に有望なものであるが、トリフルオロヨードメタン(CFI)などのヨウ化物含有化合物の精製は課題を提示しており、例えば、トリフルオロメタン(HFC-23)などのトリフルオロヨードメタン(CFI)からの不純物の除去技術は、一定の需要がある。したがって、例えば共沸蒸留などの分離技術が非常に望ましい。
【0007】
高純度のトリフルオロヨードメタン(CFI)などのヨウ化物含有化合物を調製するために使用され得る組成物及び技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、トリフルオロヨードメタン(CFI)及び1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物を提供する。
【0009】
共沸混合物の形成を予測することは不可能であることは当技術分野でよく認識されており、本発明者らは、トリフルオロヨードメタン(CFI)及び1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)が共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成することを予想外に発見した。
【0010】
本開示は、有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物を提供する。
【0011】
共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、約23重量%~約24重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、又は約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、及び約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、約76重量%~約77重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、又は約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これから本質的になる、又はこれからなる。
【0012】
換言すれば、共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、又は約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、又は約23重量%~約24重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76重量%~約77重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、又は約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含み得る。共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、上記量で1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になり得るか、又は上記量で1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)からなり得る。
【0013】
共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、
約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する。
【0014】
その別の形態では、本開示は、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を提供する。
【0015】
その更なる形態では、本開示は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を組み合わせて1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これらから本質的になるか、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法を含む。共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、
約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有し得る。
【0016】
尚、更なる形態では、本開示は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)とトリフルオロヨードメタン(CFI)とを、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、トリフルオロヨードメタン(CFI)、及び少なくとも1つの不純物を含む一次組成物から分離する方法を提供し、一次組成物内に有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これらからなる本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成する工程であって、共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有し得る、工程と、二次組成物を一次組成物及び少なくとも1つの不純物から分離する工程と、を含む。
【0017】
前述の方法では、形成工程は、一次組成物の内部に、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有し得る約5重量%~、約50重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約50重量%~約95重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これらから本質的になる、これらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1に従って測定された、温度のプロット対重量%1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)は、均質な最小沸騰共沸混合物及び共沸混合物様組成物、又はトリフルオロヨードメタン(CFI)との混合物を形成し、本開示は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む均質な共沸混合物又は共沸混合物様組成物を提供することが見出された。共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になり得、又は共沸混合物若しくは共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)からなり得る。
【0020】
本発明者らは、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)が共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成することを実験的に見出した。
【0021】
「共沸混合物」組成物は、2つ以上の成分の固有の組み合わせである。共沸混合物組成物は、様々な方法で特徴付けることができる。例えば、所与の圧力において、共沸混合物組成物は、高沸点成分(最大沸点共沸混合物)よりも大きいか、又は低沸点成分(最低沸点共沸混合物)よりも小さい一定の特性温度で沸騰する。この特性温度では、同じ組成物が気相及び液相の両方に存在する。共沸混合物組成物は、沸騰又は蒸発の際に分留しない。したがって、共沸混合物組成物の成分は、相変化の間に分離することができない。
【0022】
共沸混合物組成物はまた、特性共沸混合物温度において、液相の気泡点圧力が気相の露点圧力と同一であることを特徴とする。
【0023】
共沸混合物の挙動は、沸騰又は蒸発中に液体組成物が実質的な度合まで変化する非共沸混合物様組成物とは対照的である。
【0024】
本開示の目的のために、共沸混合物組成物は、一定の特性温度で沸騰する組成物として特徴付けられ、温度は、2つ以上の成分の沸点より低い(最低沸点共沸混合物)、それによって気相及び液相の両方において同じ組成を有する組成物として特徴付けられる。
【0025】
しかしながら、当業者であれば、異なる圧力では、共沸混合物組成物の組成及び沸点の両方がある程度変化することを理解するであろう。したがって、温度及び/又は圧力に応じて、共沸混合物組成物は、可変組成物を有することができる。したがって、当業者は、固定組成物ではなく組成範囲を使用して共沸混合物組成物を定義することができることを理解するであろう。加えて、共沸混合物は、特定の圧力での固定沸点によって特徴付けられる組成物の各成分の正確な重量百分率の観点から定義され得る。
【0026】
「共沸混合物様」組成物は、共沸混合物組成物として実質的に挙動する2つ以上の成分の組成物である。したがって、本開示の目的のために、共沸混合物様組成物は、所与の圧力下で液体形態であるとき、実質的に一定の温度で沸騰し、沸騰している液体組成物と実質的に同一の蒸気組成物を提供する、2つ以上の異なる成分の組み合わせである。
【0027】
本開示の目的のために、共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の温度範囲で沸騰する組成物又は組成物の範囲である。
【0028】
共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、多数の異なる方法を用いて同定することができる。
【0029】
本開示の目的のために、共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、エブリオメーターを使用して実験的に同定される(Walas,Phase Equilibria in Chemical Engineering,Butterworth-Heinemann,1985,533-544)。エブリオメーターは、蒸気液体平衡の温度を測定することによって、液体の沸点の極めて正確な測定値を提供するように設計されている。
【0030】
各成分の沸点は、それぞれ、一定の圧力で測定される。当業者には理解されるように、二成分共沸混合物又は共沸混合物様組成物については、組成物の成分のうちの1つの沸点が最初に測定される。次いで、組成物の第2の成分を様々な量で添加し、得られた組成物のそれぞれの沸点を、当該一定圧力でエブリオメーターを使用して測定する。
【0031】
測定された沸点は、試験された組成物の組成に対して、例えば、二成分共沸混合物に対してプロットされ、第2の成分の量は、組成物に添加される(重量%又はモル%のいずれかとして表される)。共沸混合物組成物の存在は、成分単独のいずれかの沸点よりも高い又は低い最高沸点又は最低沸点の観察によって特定することができる。
【0032】
当業者には理解されるように、共沸混合物又は共沸混合物様組成物の同定は、第1の成分の沸点に対する、第2の成分を第1の成分に添加して、組成物の沸点の変化を比較することによって行われる。したがって、沸点の変化を測定するために、システムが特定の成分の報告された沸点に較正される必要はない。
【0033】
前述のように、最大沸点又は最低沸点では、気相の組成は、液相の組成と同一である。したがって、共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点である、実質的に一定の最小又は最大沸点を提供する成分の組成物であり、実質的に一定の沸点で、気相の組成は、液相の組成と実質的に同一である。
【0034】
本開示は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成するために、有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物を提供する。本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、他の成分と組み合わせられると、共沸混合物又は共沸混合物様混合物の形成をもたらす各成分の量である。
【0035】
本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)とトリフルオロヨードメタン(CFI)との組み合わせから本質的になり得るか、又は1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)とトリフルオロヨードメタン(CFI)との組み合わせからなり得る。
【0036】
本明細書で使用される場合、共沸混合物様組成物又は混合物の成分に関して、用語「から本質的になる」とは、組成物が、共沸混合物又は共沸混合物様の比で示された成分を含有し、追加の成分が新たな共沸混合物又は共沸混合物様の系を形成しないという条件で、追加の成分を含有し得ることを意味する。例えば、2つの化合物から本質的になる共沸混合物は、二成分の共沸混合物を形成するものであり、追加の成分が混合物を非共沸性にせず、化合物のいずれか又は両方と共沸混合物を形成しない(例えば、三成分の共沸混合物を形成しない)という条件で、任意選択的に、1つ以上の追加の成分を含んでもよい。
【0037】
本開示はまた、有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)の有効量を混合、組み合わせる、又はブレンドすることによって共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法も提供する。2つ以上の成分を組み合わせて組成物を形成するための、当該技術分野において既知の多種多様な方法のうちのいずれかは、本発明の方法に使用することができる。例えば、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)は、バッチ式若しくは連続式の反応及び/若しくはプロセスの一部として、又は2つ以上のかかる工程の組み合わせを介して、手によって及び/又は機械によって、混合、ブレンド、又は組み合わせることができる。1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)の両方が市販されており、いくつかの異なるベンダーから生成することができる。成分は、必要な量で、例えば、秤量し、次いでこの量を組み合わせることによって提供することができる。
【0038】
共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、約23重量%~約24重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、又は約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、及び約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、約76重量%~約77重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、又は約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる。本開示の共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する。
【0039】
換言すれば、共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、又は約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、又は約23重量%~約24重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76重量%~約77重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)、又は約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含み得る。共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、上記量で1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になり得るか、又は上記量で1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)からなり得る。
【0040】
本開示の共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する。
【0041】
あるいは、共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、最小で約13重量%、約18重量%、若しくは約23重量%、又は最大で約24重量%、約37重量%、若しくは約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなるか、又は前述の値のうちのいずれか2つの間に定義される任意の範囲内にあり、共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約58重量%、約63重量%、若しくは約76重量%、又は約77重量%、約82重量%若しくは約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含むか、これらから本質的になる、又はこれらからなるか、又は前述の値のいずれか2つの間に定義される任意の範囲内にある。一実施形態では、共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約23.74重量%及び1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる。本開示の共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する。
【0042】
本開示はまた、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物を提供する。例えば、少なくとも約5重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物、又は少なくとも約15重量%の共沸混合物若しくは共沸混合物様組成物、又は少なくとも約50重量%の共沸混合物若しくは共沸混合物様組成物、又は少なくとも約70重量%の共沸混合物若しくは共沸混合物様組成物、又は少なくとも約90重量%の共沸混合物若しくは共沸混合物様組成物を含む組成物が提供される。
【0043】
本明細書に開示される1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び/又はトリフルオロヨードメタン(CFI)から不純物を分離するために使用され得る。トリフルオロヨードメタン(CFI)中に存在し得る1つの不純物は、トリフルオロメタン(HFC-23)である。
【0044】
有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物の調製により、共沸蒸留などの分離技術を可能にする、例えば、トリフルオロヨードメタン(CFI)から不純物を除去して、高純度のトリフルオロヨードメタン(CFI)を提供する。
【0045】
一実施例では、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)の有効量を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)の一方又は両方を含む組成物から、不純物などの1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)以外の1つ以上の組成物と共に形成されてもよい。共沸混合物又は共沸混合物様組成物の形成後、共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、蒸留、相分離、又は分留などの好適な方法によって他の化学化合物から分離され得る。
【0046】
このように、本開示は、不純物として1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を少なくとも1つの追加不純物と共に不純物として含む、トリフルオロヨードメタン(CFI)の一次粗組成物を分離する方法を提供し、粗トリフルオロヨードメタン(CFI)、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)の一次組成物を不純物及び少なくとも1つの追加不純物として提供する工程と、一次組成物を、例えば、有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、本質的にこれらからなる、これらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成するのに有効な条件で蒸留に供する工程と、及び二次組成物を、例えば、相分離、蒸留、又は分留などの分離技術によって、一次組成物から分離する工程を含む。その後、一次組成物を更なる分離又は精製工程に供して、精製トリフルオロヨードメタン(CFI)を得ることができる。
【0047】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例示するのに役立つ。
【実施例
【0048】
実施例1-エブリオメーター試験
エブリオメーターを使用して、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)の共沸混合物及び共沸混合物様組成物を測定した。エブリオメーターは、底部で密封され、上部で大気に開放された真空ジャケット付きガラス容器を含んだ。エブリオメーターの上部又は凝縮器ジャケットに、乾燥氷とエタノールとの混合物で充填して、約-72℃の温度を得、これは、14.40psiaの圧力で、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)の-16.16℃及びトリフルオロヨードメタン(CFI)の-22.34℃の通常沸点よりも著しく低い。このようにして、システム中の全ての蒸気が凝縮され、液体相と気相とが平衡状態になるように、エブリオメーターに再び流入したことが確保された。ガラス容器内に±0.002℃の精度を有する石英白金温度計を挿入し、混合物の平衡沸点に対応する凝縮蒸気の温度を決定した。沸騰チップを使用して、エブリオメーター中の混合物の滑らかな沸騰を維持する助けとなった。
【0049】
以下の手順を使用した。
【0050】
1.石英温度計を、氷/水スラリーを含有する長いデュワーに浸漬し、温度計が0℃を読み取ったことを確認した。デュワーは、温度計シャフトの長さの少なくとも3/4が氷/水に浸漬されるように十分に深くなった。温度計抵抗をオーム単位で記録した。
【0051】
2.凝縮器ジャケットをエタノールで1/4まで充填した。凝縮器ジャケットをゆっくりとドライアイスを導入して、エタノールの沸騰及び/又は跳ね落ちを避けることによって冷却した。
【0052】
3.既知量のトリフルオロヨードメタン(CFI)又は1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)をエブリオメーターに添加し、激しく還流させた状態にした。温度及び大気圧を、温度インジケータを有する気圧計を使用して記録した。
【0053】
測定は2つの工程で実施した。第1の工程では、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定したとき、99.88面積%の純度を有する約24.50gのトリフルオロヨードメタン(CFI)を、±0.01gの精度を有するバランスを用いて添加前及び添加後に容器を計量することによって、最初にエブリオメーターに導入した。液体を沸騰させ、記録された気圧でトリフルオロヨードメタン(CFI)の平衡温度を記録した。次いで、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定したとき、99.99面積%の純度を有する1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を、小型漸増式でエブリオメーターに導入し、凝縮した液体混合物の平衡温度を記録した。
【0054】
第2の工程では、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定したとき、99面積%の純度を有する約16.09gの1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を、±0.01gの精度を有するバランスを用いて添加前及び添加後に容器を計量することによって、エブリオメーターに導入した。液体を沸騰させ、記録された気圧で、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)の平衡温度を記録した。次いで、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定したとき、99.88面積%の純度を有するトリフルオロヨードメタン(CFI)を、小漸増量でエブリオメーターに導入し、凝縮した液体混合物の平衡温度を記録した。
【0055】
上記第1及び第2の工程からのデータを組み合わせて、表1に示される1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)のそれぞれの0~100重量パーセントの組成範囲データを完成させた。これは、共沸混合物が形成されたことを示す最低温度を示し、このデータはまた、図1に図形形態で提示される。混合物の気泡点温度は一定のままであり、このことは、混合物が大きな組成範囲にわたって共沸混合物様であることを示した。
【表1】
実施例2:トリフルオロヨードメタンの分離
【0056】
この実施例では、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)を不純物として含むトリフルオロヨードメタン(CFI)の粗組成物を、トリフルオロメタン(HFC-23)などの他の不純物と共に提供する。次いで、この組成物を、組成物の残部から、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成し、分離するのに有効な条件で蒸留に供される。1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)の分離共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、トリフルオロヨードメタン(CFI)の残りの粗組成物から、光成分として除去される。次いで、トリフルオロヨードメタン(CFI)の残りの粗組成物を、異なる温度及び圧力条件に供し、トリフルオロメタン(HFC-23)などの他の不純物を更に蒸留により分離して、精製トリフルオロヨードメタン(CFI)を得る。
態様
【0057】
態様1は、有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0058】
態様2は、約13重量%~約42重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約58重量%~約87重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)と、を含む、態様1の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0059】
態様3は、約18重量%~約37重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約63重量%~約82重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、態様2の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0060】
態様4は、約23重量%~約24重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)と、約76重量%~約77重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、態様3の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0061】
態様5は、約23.74重量%の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及び約76.26重量%のトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む、態様4の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0062】
態様6は、態様1~5のいずれかの共沸混合物又は共沸混合物様組成物であり、組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する。
【0063】
態様7は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる、態様1~6のいずれかに記載の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0064】
態様8は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)からなる、態様1~7のいずれかに記載の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0065】
態様9は、態様1~8のいずれかに記載の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物である。
【0066】
態様10は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を少なくとも約5重量%含む、態様9に記載の組成物である。
【0067】
態様11は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を少なくとも約15重量%含む態様10の組成物である。
【0068】
態様12は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を少なくとも約50重量%含む態様11の組成物である。
【0069】
態様13は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を少なくとも約70重量%含む態様12の組成物である。
【0070】
態様14は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を少なくとも約90重量%含む態様13の組成物である。
【0071】
態様15は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を組み合わせて、有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法である。
【0072】
態様16は、方法が、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を組み合わせて、態様1~8のいずれかに記載の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、態様15に記載の方法である。
【0073】
態様17は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)とトリフルオロヨードメタン(CFI)とを、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)、トリフルオロヨードメタン(CFI)、及び少なくとも1つの不純物を含む一次組成物から分離する方法であって、一次組成物内で、有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成する工程と、二次組成物を一次組成物及び少なくとも1つの不純物から分離する工程と、を含む、方法。
【0074】
態様18は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、態様1~8のいずれかに定義される通りである、態様17に記載の方法である。
【0075】
態様19は、相分離、蒸留、及び分留のうちの少なくとも1つによって分離が行われる、態様17又は18の方法である。
【0076】
本明細書で使用するとき、「前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちの任意の2つから選択され得ることを意味する。例えば、1対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。
【0077】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数形を含む。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は上方の好ましい値と下方の好ましい値との列挙のいずれかとして与えられるとき、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の上限範囲又は上方の好ましい値と任意の下限範囲又は下方の好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示しているものとして理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に列挙されている場合、特に明記しない限り、範囲は、その端点、並びに範囲内の全ての整数及び端数を含むことが意図される。本開示の範囲は、範囲を定義するときに列挙される特定の値に限定されることを意図するものではない。
【0078】
前述の説明は、本開示の単なる例示に過ぎないことが理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、当業者によって様々な代替形態及び修正形態を考案することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全てのかかる代替形態、修正形態、及び変動を包含することを意図する。
図1
【手続補正書】
【提出日】2021-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物。
【請求項2】
1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になり、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物。
【請求項3】
1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)及びトリフルオロヨードメタン(CFI)を組み合わせて、約14.40psia±0.30psiaの圧力で約-24.46℃±0.30℃の沸点を有する1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ca)とトリフルオロヨードメタン(CFI)から本質的になる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法。
【国際調査報告】