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特表2022-505066流体噴霧設備および関連する流体を移動させるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】流体噴霧設備および関連する流体を移動させるための方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 15/50 20180101AFI20220106BHJP
   B08B 9/055 20060101ALI20220106BHJP
   B05B 15/00 20180101ALI20220106BHJP
【FI】
B05B15/50
B08B9/055 553
B05B15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520963
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2019078338
(87)【国際公開番号】W WO2020079212
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】1859675
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100219553
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ダビド バンサン
(72)【発明者】
【氏名】エリク プル
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ プロバーナ
【テーマコード(参考)】
3B116
4D073
【Fターム(参考)】
3B116AA12
3B116AB51
3B116BA03
3B116BA24
3B116BA36
4D073AA01
4D073BB03
4D073CA06
4D073CC10
4D073CC13
4D073CC17
(57)【要約】
本発明は、流体循環パイプ(15)と、前進する際に前記パイプ(15)内に存在する流体を押し戻すために前記パイプ(15)内を循環できるスクレーパー(20)とを備えた流体噴霧設備(10)に関し、前記パイプ(15)および前記スクレーパー(20)は、各々円形断面を有し、前記パイプ(15)は内径(Di)を有し、前記スクレーパー(20)は外径を有し、前記外径は第1の値(De1)を有する。前記パイプの内径(Di)と前記スクレーパー(20)の第1の外径値(De1)との差は、100マイクロメートル以上、好ましくは200マイクロメートル以上である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体循環パイプ(15)と、前記パイプ(15)内で循環できるスクレーパー(20)を備える流体噴霧設備(10)であって、前記スクレーパーが前記パイプ(15)内で循環する場合、前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)内に存在する流体をその前に押し戻すように構成され、前記パイプ(15)および前記スクレーパー(20)は、各々円形断面を有し、前記パイプ(15)は内径(Di)を有し、前記スクレーパー(20)は外径を有し、前記外径は第1の値(De1)を有し、
前記パイプの内径(Di)と前記スクレーパー(20)の外径の第1の値(De1)との間の差が、100マイクロメーター以上、好ましくは、200マイクロメーター以上であることを特徴とする、流体噴霧設備。
【請求項2】
前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)に挿入される場合、前記パイプ(15)に関する前記スクレーパ(20)の相対的な並進移動を防止できる保持システムを備える、請求項1に記載の流体噴霧設備。
【請求項3】
前記パイプ(15)が第1の軸(A1)に沿って延在し、前記スクレーパ(20)は、第2の軸(A2)に沿って延在し、前記第1の軸(A1)と前記第2の軸(A2)が一体化される場合、前記第1の軸(A1)に沿って前記パイプ(15)に対して並進して循環するように構成され、前記保持システムは、前記第1の軸(A1)に垂直な軸(Ap)の周りに前記スクレーパー(20)を回転させるように構成され、前記第1の軸(A1)と前記第2の軸(A2)との間の角度αが厳密にゼロより大きく、好ましくは0.5度以上である、請求項2に記載の流体噴霧設備。
【請求項4】
前記スクレーパー(20)は、N極(N)とS極(S)を有する磁石(50)を備え、前記磁石(50)の両極(N、S)は、第3の軸(A3)に沿って整列し、前記第2軸(A2)と前記第3の軸(A3)との間の角度(β)が厳密にゼロより大きく、好ましくは5度以上であり、前記保持システムは、前記パイプ(15)の少なくとも一部において、前記第3の軸(A3)および前記第1の軸(A1)を整列させるような磁場を発生することができる磁場発生器(55)を備える、請求項3に記載の流体噴霧設備。
【請求項5】
前記スクレーパー(20)が強磁性要素を備え、前記保持システムが、前記強磁性要素を前記磁場発生器(55)に近づけて、前記スクレーパー(20)を前記循環パイプ(15)の内面(25)に押し付けることが意図された磁場を、前記パイプ(15)の少なくとも一部に発生させることができる磁場発生器(55)を備える、請求項2に記載の流体噴霧設備。
【請求項6】
前記磁場発生器(55)が前記循環パイプ(15)の外面(27)に接している、請求項4または5に記載の流体噴霧設備。
【請求項7】
前記磁場発生器(55)が、前記循環パイプ(15)の内面(25)と外面(27)との間に少なくとも部分的に配置されている、請求項4または5に記載の流体噴霧設備。
【請求項8】
前記保持システムが、前記スクレーパ(20)の少なくとも一部(57、70)の前記外径を、前記第1の外径値(De1)から前記パイプの内径(Di)に等しい第2の外径値(De2)に増大させるように構成されている、請求項2に記載の流体噴霧設備。
【請求項9】
前記スクレーパー(20)は、第2の軸A2に沿って延在し、前記パイプ(15)内の圧力が所定の圧力値以上である場合に、前記スクレーパー(20)は、前記第2の軸(A2)に沿ってクラッシュするように構成され、クラッシュは、前記スクレーパ(20)の前記一部(57、70)の外径を前記第1の外径値(De1)から前記第2の外径値(De2)に増大させる、請求項8に記載の流体噴霧設備。
【請求項10】
前記スクレーパ(20)は、シェル(40)と弾性要素(60)とを備え、前記シェル(40)は、前記第2の軸(A2)に沿って前記シェル(40)を画定する2つの端壁(46)を有し、前記弾性要素(60)は、前記シェルの内部に収容されて、前記第2の軸(A2)に沿って前記2つの端壁(46)を互いから離すように、前記2つの端壁(46)に力を及ぼし、前記シェル(40)は、前記端壁(46)が前記第2の軸(A2)に沿って互いに近づく場合、前記シェル(40)の少なくとも一部(57)の前記外径は前記第2の外径値(De2)に増加するように構成されている、請求項9に記載の流体噴霧設備。
【請求項11】
前記スクレーパー(20)は、2つの端部(65)と、弾性的クラッシュ部(70)とを備え、前記クラッシュ部(70)は、第2の軸(A2)に垂直な平面において円形の断面を有し、第2の軸(A2)に沿って、前記2つの端部(65)の間に挿入され、前記クラッシュ部(70)は、前記端部(65)に前記端部(65)を互いから離そうとする力を及ぼし、また、前記スクレーパー(20)がクラッシュする場合、半径方向外側に変形するように構成されている、請求項10に記載の流体噴霧設備。
【請求項12】
前記スクレーパー(20)は、磁石(50)を備え、前記保持システムは、少なくとも1つの強磁性要素(56)を備え、前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)内に収容される場合、前記磁石(50)が、前記スクレーパー(20)を前記強磁性要素(56)に近づけようとする力を及ぼし、前記スクレーパー(20)を前記循環パイプ(15)の内面(25)に押し付けるように構成される、請求項2に記載の流体噴霧設備。
【請求項13】
前記強磁性要素(56)は、前記循環パイプ(15)の周りに巻かれた縦方向の強磁性要素(56)である、請求項12に記載の流体噴射設備。
【請求項14】
前記循環パイプ(15)を囲むシースをさらに備え、各強磁性要素(56)が、前記シースと前記循環パイプ(15)との間に置かれる、請求項12または13に記載の流体噴霧設備。
【請求項15】
流体循環パイプ(15)を備える流体噴霧設備(10)内で流体を動かすための方法であって、スクレーパー(20)が前記パイプ(15)内を循環するステップを含み、前記スクレーパー(20)が、前記循環ステップの間、前記パイプ(15)に存在する流体をその前に押し戻し、前記パイプ(15)と前記スクレーパー(20)は、各々円筒形断面を有し、前記パイプ(15)が内径(Di)を有し、前記スクレーパー(20)が外径を有し、前記循環ステップの間、前記外径が第1の値(De1)を有し、前記パイプ(15)の内径(Di)と前記スクレーパー(20)の第1の外径値(De1)との差が100マイクロメートル以上、好ましくは200マイクロメートル以上であることを特徴とする、方法。
【請求項16】
スクレーパー(20)が第2の軸(A2)に沿って延在する設備(10)において実施される方法であって、前記圧力を第1の圧力値から第2の圧力値に増加させるステップと、前記圧力の影響下で前記第2の軸(A2)に沿って前記スクレーパー(20)をクラッシュするステップをさらに含み、前記クラッシュが、前記スクレーパー(20)の少なくとも一部(57、70)の外径を、前記第1の外径値(De1)から、前記パイプ(15)の内径(Di)の等しい第2の外径値(De2)に増加させる、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体噴霧設備に関する。本発明は、また、そのような流体噴霧設備において流体を移動させるための方法に関する。
【0002】
流体噴霧設備は、多くの用途、特に塗料やその他のコーティング製品の噴霧に使用される。これらの設備において、噴霧される流体は、パイプを通ってガンなどの噴霧装置に流れる。
【0003】
たとえば、設備が長期間使用されない場合、堆積が生じるのを防ぐために、または、同じ設備で異なる流体が連続して噴霧される可能性がある場合、前に噴霧された流体の痕跡による流体の汚染を避けるためなど、液体循環パイプの内部を掃除して流体のすべての痕跡を除去することは頻繁に必要である。
【0004】
パイプの内側の掃除は、一般に、スクレーパー、すなわち、パイプの内面をこすることによって存在する流体の痕跡を除去するためにパイプ内を循環するように設計された器具を使用して実行される。sは、一般に、パイプの内径に等しい直径の少なくとも円筒形の部分を有する器具である。円筒部分は、例えば、パイプの内面をこするエラストマーシールである。スクレーパーは、その上流部分と下流部分との間のシールを確実にする。次に、それは、このように収集された流体の回収または排出を可能にするよう設計されたパイプの一部に向かって移動するとき、存在する流体を押し戻す。
【0005】
しかしながら、そのようなスクレーパーの使用は、スクレーパーがそれらの通路のそれぞれでパイプの内面をこするので、スクレーパー自体とそれらが循環するパイプの両方にかなりの摩耗を引き起こす。その結果、スクレーパーと循環パイプの両方を頻繁に交換することが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、最先端の塗料噴霧設備よりも少ないメンテナンスを必要とする流体噴霧設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、流体循環パイプおよびパイプ内を循環することができるスクレーパーを含む流体噴霧設備に関し、スクレーパーは、パイプ内をスクレーパーが循環するときに前方に移動するとき、パイプ内に存在する流体を押し戻すように構成されており、パイプおよびスクレーパーはそれぞれ円筒形の断面を有し、パイプは内径を有し、スクレーパーは外径を有し、外径は第1の値を有し、パイプの内径とスクレーパーの外径の第1の値との差が、100マイクロメートル以上、好ましくは200マイクロメートル以上である。
【0008】
本発明の他の有利であるが任意の態様によれば、流体噴霧設備は、単独で、または技術的に可能なすべての組み合わせに従って考えられる、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備える:
【0009】
-塗料噴霧設備は、保持システムを備え、スクレーパーがパイプに挿入されるときに、パイプに対するスクレーパーの相対的な並進運動を防止することができる;
【0010】
-パイプは、第1の軸に沿って延在し、スクレーパーが、第2の軸に沿って延在し、第1の軸と第2の軸が一体化されるとき、第1の軸に沿ってパイプに対して並進運動するように構成され、保持システムは、スクレーパーを第1の軸に垂直な軸の周りに回転させるように構成され、第1の軸と第2の軸との間の角度が厳密にゼロより大きく、好ましくは5度以上である;
【0011】
-スクレーパーは、N極とS極を有する磁石を含み、磁石の極が、第3の軸に沿って整列し、第2の軸と第3の軸との間の角度は厳密にゼロより大きく、好ましくは5度以上であり、保持システムが、第3の軸と第1の軸を整列させることを意図したパイプの少なくとも一部に磁場を生成することができる磁場発生器を含む;
【0012】
-スクレーパーは、強磁性要素を含み、保持システムは、スクレーパーを循環パイプの内面に押し付けて強磁性要素を磁場発生器に近づけることが意図されたパイプの少なくとも一部において磁場を生成することができる磁場発生器を含む;
【0013】
-磁場発生器は、循環パイプの外面に接している;
【0014】
-磁場発生器は、少なくとも部分的に循環パイプの内面と外面の間にある;
【0015】
-保持システムは、スクレーパーの少なくとも一部の外径を、第1の外径値からパイプの内径に等しい第2の外径値に増加させるように構成される;
【0016】
-スクレーパーは、第2の軸に沿って延在し、パイプ内の圧力が所定の圧力値以上であるとき、第2の軸に沿ってクラッシュ(押しつぶ)されるように構成され、このクラッシュがスクレーパーの前記一部を第1の外径値から第2の外径値に増加させる;
【0017】
-スクレーパーは、シェルおよび弾性要素を含み、シェルは、第2の軸に沿ってシェルを画定する2つの端壁を有し、弾性要素は、シェルの内側に受け入れられ、第2の軸に沿って2つの端壁を互いに離すように動かすことを意図して2つの端壁に力を及ぼすように構成され、シェルは、端壁が第2の軸に沿って一緒にされるとき、シェルの少なくとも一部の外径が第2の外径値まで増加するように構成される;
【0018】
-スクレーパーは、2つの端部とエラストマーのクラッシュ部を備え、クラッシュ部は、第2の軸に垂直な平面内に円形の断面を有し、第2の軸に沿って2つの端部の間に挿入されており、クラッシュ部は、スクレーパーがクラッシュされるときに、端部を互いに離れるように移動させ、半径方向外向きに変形することを意図して、端部に力を及ぼすように構成されている;
【0019】
-スクレーパーは磁石を含み、保持システムは、少なくとも1つの強磁性要素であって、スクレーパーがパイプ内に受け入れられるときに、磁石がスクレーパーを強磁性要素に近づけて、循環パイプの内面にスクレーパーを押し付けるように意図された力を及ぼすように構成された少なくとも1つの強磁性要素を含む;
【0020】
-強磁性要素は、循環パイプに巻回された縦方向の強磁性体要素である;
-設備は、また、循環パイプを囲むシースを含み、各強磁性要素はシースと循環パイプの間に挿入されている。
【0021】
本発明は、また、流体循環パイプを含む流体噴霧設備内で流体を移動させる方法であって、パイプ内をスクレーパーが循環するステップを含み、スクレーパーが循環するステップの間に前進するときに、パイプ内に存在する流体を押し戻し、パイプとスクレーパーはそれぞれ円筒形断面を有し、パイプは内径を有し、スクレーパーは外径を有し、外径は、循環するステップの間、第1の値を有し、パイプの内径とスクレーパーの外径の第1の値との違いが、100マイクロメートル以上、好ましくは200マイクロメートル以上である、方法に関する。
【0022】
特定の実施形態によれば、この方法は、スクレーパーが第2の軸に沿って延在する設備で実施され、この方法は、圧力を第1の圧力値から第2の圧力値に増加させるステップと、その圧力の影響の下で第2の軸に沿ってスクレーパーをクラッシュするステップであって、クラッシュが、スクレーパーの少なくとも一部の外径を、第1の外径値から、パイプの内径に等しい第2の外径値に増加させるステップとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の特徴および利点は、非限定的な例としてのみ提供され、添付の図面を参照してなされた以下の説明を読むと、より明確になるであろう。
図1図1は、流体循環パイプとスクレーパーを含む流体噴霧設備の第1の例の概略図である。
図2図2は、流体噴霧設備の第1の例の部分的な概略断面図である。
図3図3は、流体噴霧設備の第2の例の部分的な概略断面図である。
図4図4は、パイプ内の圧力が第1の値に等しい、パイプを含む流体噴霧設備の第3の例の部分的な概略断面図である。
図5図5は、パイプ内の圧力が第1の値よりも厳密に大きい第2の値に等しい、図4の設備の部分的な概略断面図である。
図6図6は、流体噴霧設備の第3の例の変形例の部分的な概略断面図であり、パイプ内の圧力は第2の値に等しい。
図7図7は、流体噴霧設備の別の例の部分的な概略断面図である。
図8図8は、流体噴霧設備の別の例の部分的な概略図である。
【0024】
流体を噴霧するための第1の例示的な設備10が図1に示される。
【0025】
設備10は、第1の流体Fを噴霧するように構成される。
【0026】
設備10は、例えば、色変更ユニット11、ポンプ12、およびペイントガンまたは噴霧器などの第1の流体Fを噴霧するための部材13を備える。
【0027】
設備10は、流体F循環パイプ15、スクレーパー20、および少なくとも1つのインジェクタ21をさらに含む。
【0028】
色変更ユニット11、ポンプ12、循環パイプ15および噴霧部材13は、第1の流体Fを循環させるための回路16を共同で形成する。回路16は、特に、第1の流体Fを色変更ユニット11から噴霧部材13に導くことができる。
【0029】
第1の流体Fは、例えば、塗料または別のコーティング製品などの液体である。
【0030】
一つの実施形態によれば、第1の流体Fは、導電性粒子のセット、特に、アルミニウム粒子などの金属粒子を含む。
【0031】
色変更ユニット11は、ポンプ12に第1の流体Fを供給するように構成されている。特に、色変更ユニット11は、ポンプ12に複数の第1の流体Fを供給し、ポンプ12の供給をある第1の流体Fから別の第1の流体Fに切り替えるように構成されている。
【0032】
特に、色変更ユニット11がポンプ12に供給することができる第1の流体Fのそれぞれは、例えば、他の第1の流体Fの色とは異なる色を有する塗料である。
【0033】
ポンプ12は、色変更ユニット11から受け取った第1の流体Fの流量を循環パイプ15に注入することができる。例えば、ポンプ12は、バルブ14によって循環パイプ15に接続されている。
【0034】
ポンプ12は、例えば歯車式ポンプである。
【0035】
噴霧部材13は、第1の流体Fを受け取り、第1の流体Fを噴霧することができる。
【0036】
例えば、噴霧部材13は、バルブ22およびスプレーヘッド23を含む。
【0037】
噴霧部材13は、例えば、第1の流体Fが噴霧されなければならない物体に向かって噴霧部材13を向けることができる移動アームに取り付けられている。
【0038】
バルブ22は、循環パイプ15をスプレーヘッド23に接続し、循環パイプ15からスプレーヘッド23への第1の流体Fの通過を可能にする開放構成と、この通過を防止する閉鎖構成とを切り替えるように構成される。
【0039】
スプレーヘッド23は、バルブ22から受け取った第1の流体Fを噴霧するように構成される。
【0040】
流体循環パイプ15は、バルブ14から受け取った第1の流体Fを噴霧部材13に導くように構成されている。
【0041】
流体循環パイプ15は円筒形である。例えば、流体循環パイプ15は、円形断面を有し、第1の軸A1に沿って延在する。
【0042】
一つの実施形態によれば、流体循環パイプ15は真っ直ぐである。変形例においては、流体循環パイプ15は、流体循環パイプ15の断面が円形である平面に垂直であるように、第1の軸A1が、流体循環パイプ15の任意の点で局所的に定義される湾曲したパイプである。
【0043】
流体循環パイプ15は、第1の軸A1に垂直な平面内において流体循環パイプ15の開口を画定する内面25を有する。
【0044】
流体循環パイプ15は、図3に見られる外面27をさらに有する。図1、2および4~7を簡略化するために、外面27は、図3においてのみ示されている。
【0045】
循環パイプ15には、上流方向と下流方向が定められている。上流方向と下流方向は、第1流体Fの噴霧の間、第1流体Fが循環パイプ15内を上流から下流に循環することで定義される。
【0046】
例えば、ポンプは、循環パイプ15の上流端15Aに第1の流体を注入するように構成され、一方、循環パイプ15の下流端15Bは、第1の流体Fが上流から下流に循環パイプ15を通じてポンプから噴霧器に循環することを可能にするために、噴霧器に接続される。これは図1において矢印26によって示される。
【0047】
図1に示される例によれば、流体循環パイプ15は、第1の部分28および第2の部分29を含む。
【0048】
循環パイプ15は、50センチメートル以上、例えば1メートル以上の長さを有する。一つの実施形態によれば、第1の部分28および第2の部分29のそれぞれは、1メートル以上の長さを有する。
【0049】
第1の部分28は、第2の部分29の上流に配置される。
【0050】
第1の部分28は、例えば、噴霧部材13の動きに追随するように変形するように構成される。
【0051】
第2の部分28は、例えば、噴霧部材13に収容され、それと共に移動可能である。
【0052】
第2の部分29は、例えば、らせん状である。
【0053】
内径Diは、流体循環パイプ15に対して定義される。内径Diは、内面25の正反対の点の間の第1の軸A1に垂直な平面で測定される。
【0054】
内径Diは、例えば、3.8~6.2mmである。循環パイプ15の内径Diは変動し得ることに留意されたい。
【0055】
流体循環パイプ15は、例えば、金属材料から作られる。変形例においては、流体循環パイプ15は、ポリマー材料から作られる。
【0056】
スクレーパー20は、流体循環パイプ15内を移動する間、内面25に存在する第1の流体Fをその前に押し戻すために、流体循環パイプ15内を循環するように構成される。特に、スクレーパー20は、内面25を洗浄するように、換言すれば、スクレーパー20が通過する前に内面25を覆っている量よりも少ない量の第1の流体Fで覆われた内面25をその後ろに残す、例えば、スクレーパー20が循環するパイプ15の部分の内面25を覆っている第1の流体Fのすべてを除去するように構成される。
【0057】
「その前に押し戻す」とは、流体循環パイプ15内の方向に循環するスクレーパー20が、スクレーパー20が移動する方向において、パイプ15の部分で受け入れられる第1の流体Fにこの方向における移動を課すことを意味する。例えば、上流から下流に移動するスクレーパー20は、スクレーパー20の下流に位置する第1の流体Fに下流方向への運動を課す。
【0058】
スクレーパー20は、第2の軸A2に沿って延在する。
【0059】
スクレーパー20は、第2の軸A2に垂直な平面内に円形断面を有する少なくとも1つの部分を含む。
【0060】
図2の例によれば、スクレーパー20は、実質的に円筒形であり、第2の軸A2の周りに回転対称性を有する。
【0061】
スクレーパー20は、図2に示されるように、スクレーパー20が循環パイプ15の開口部に受け入れられ、第1の軸A1が第2の軸A2と一緒になる場合、循環パイプ15内を循環するように設けられる。
【0062】
スクレーパー20は外径を有する。外径は、第2の軸A2に垂直な平面において最大の外径を有するスクレーパー20の部分の外径である。
【0063】
外径は、第1の値はDe1を有する。
【0064】
第1の値De1は、循環パイプ15の内径Diよりも厳密に小さい。
【0065】
循環パイプ15の内径Diと第1の値De1との差は、100マイクロメートル(μm)以上である。たとえば、差は、200μm以上である。
【0066】
差は、300μm以下である。
【0067】
一つの実施形態によれば、差は200μmに等しい。
【0068】
スクレーパー20は、第2の軸A2に沿ってスクレーパー20を画定する2つの端面30を有する。2つの端面30の間の第2の軸A2に沿って測定されたスクレーパー20の長さは、循環パイプ15の内径Diと内径Diの2倍との間に含まれる。
【0069】
スクレーパー20はさらに、第2の軸A2に垂直な平面内でスクレーパー20を画定する側面35を有する。スクレーパー20が実質的に円筒形である場合、外径は、側面35の2つの正反対の点の間で測定される。
【0070】
スクレーパー20は、例えば、チャンバー45を画定するシェル40を含む。この場合、端面30および側面35は、シェル40の外面である。特に、シェル40は、第2の軸A2に沿って、チャンバー45をシェル40の外側から分離する2つの端壁46を含む。この場合、端面30は、端壁46の面である。
【0071】
端壁46は、例えば、第2の軸A2に垂直な平坦な壁である。
【0072】
シェル40は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、またはポリアミドから作られる。
【0073】
変形例において、スクレーパー20は固体である、換言すれば、シェル40によって画定されるチャンバー45はない。この場合、スクレーパー20は、エラストマー、特に、溶剤に耐性のある過フッ素化エラストマーなどの良好な弾性特性を有する材料から作られる。
【0074】
インジェクタ21は、第2の流体を回路16、特に循環パイプ15に注入するように構成される。例えば、インジェクタ21は、インジェクタ21によって制御可能な流量を有する第2の流体の流れを循環パイプ15に注入するように構成される。
【0075】
インジェクタ21は、例えば、第2の流体を循環パイプ15の上流端15Aに注入するように構成される。変形例では、インジェクタ21は、第2の流体を循環パイプ15の下流端15Bに注入するように構成される、あるいは、第2の流体を上流端15Aまたは下流端15Bのいずれかに注入するように構成される。
【0076】
図1の例によれば、インジェクタ21は、バルブ47によって循環パイプ15に接続される。
【0077】
第2の流体は、例えば、噴霧される流体Fとは別の流体である。例えば、第2の流体は液体であり、「洗浄液」と呼ばれることもある。液体は、特に、第1の流体Fを溶解させる、または、希釈することができる溶媒である。例えば、第1の流体Fが水性ベースを有する塗料であるとき、液体は水である。使用される溶媒のタイプは、特に第1の流体Fの性質に応じて変化する可能性があることに留意すべきである。
【0078】
溶媒以外の液体を第2の流体として使用できることにも留意すべきである。
【0079】
変形例では、第2の流体は、循環パイプ15に存在する第1の流体Fの後に噴霧されることを意図した第1の流体F、例えば、循環パイプ15に存在する第1の流体Fとは異なる色を有する第1の流体Fである。別の変形例によれば、第2の流体は、圧縮空気などのガスである。
【0080】
注入される第2の流体の関数として、多くのタイプのインジェクタ21を設備10で使用することができる。例えば、インジェクタ21は、歯車式ポンプ、またはガス流を生成することができる圧縮機である。
【0081】
インジェクタ21は、ポンプ12とは別の装置として以前に説明されてきたが、例えば、色変更ユニット11が、次にポンプ12がパイプ15に注入することができる第2の流体のリザーバを備える場合、インジェクタ21の役割は、ポンプ12によって実行されると考えられることに留意すべきである。
【0082】
次に、第1の流体Fを設備10に移動させる方法の第1の例について説明する。
【0083】
方法は、例えば、パイプ15の内面25を洗浄する方法である。パイプ15を洗浄すること以外の方法の適用が考えられ得ることに留意すべきである。
【0084】
最初のステップの間、第1の流体Fは、循環パイプ15の開口部に存在する。例えば、第1の流体Fは、循環パイプ15の内面を部分的に覆う。
【0085】
循環ステップの間、スクレーパー20は、循環パイプ15内を循環する。例えば、スクレーパー20は、循環パイプ15の一端15A、15Bにおいて挿入され、第2の流体の流れによって循環パイプ15の他端15A、15Bへ推進される。
【0086】
そのとき、第2の流体の流れは、第1の軸A1に沿って循環パイプ15の中にスクレーパーを推進する傾向がある力を端面30の1つに及ぼす。
【0087】
循環ステップ20の間に、第1の軸A1および第2の軸A2は一緒になる。
【0088】
第2の流体の流れの影響下で、スクレーパー20は循環パイプ15内で循環する。例えば、第2の流体の流れがパイプ15の上流端15Aに注入されるとき、スクレーパー20は上流から下流へ循環する。スクレーパー20の循環方向は、例えば、第2の流体の流れがパイプ15の下流端15Bに注入されるとき、変化することができることに留意すべきである。
【0089】
その循環中に、スクレーパー20は、循環パイプ15に存在する第1の流体Fをその前に押し戻し、したがって、第1の流体Fの回収を可能にする。例えば、パイプ15の下流端に現れる第1の流体Fの回収バルブは、スクレーパー20によって押し戻された第1の流体Fが出るのを可能にする。変形例では、第1の流体Fは、噴霧部材13のバルブ22を通って循環パイプを出る。
【0090】
したがって、スクレーパーが循環パイプ15の内面25上に存在する第1の流体Fをその前に押し戻すので、循環パイプ15の内面25は洗浄される。
【0091】
スクレーパー20の第1の外径値De1と循環パイプ15の内径Diとの差が100μm以上であるから、スクレーパー20と内面25との間の摩擦が制限される。したがって、スクレーパーおよび循環パイプ15の摩耗は、最先端の設備の摩耗よりも低い。しかしながら、第1の流体Fは、スクレーパー20によって効果的に収集される。
【0092】
特に200μm以上の差があると、摩擦が減少し、したがって、摩耗が減少する。
【0093】
以下に述べる第2、第3、第4の例示的な設備およびそれらの変形において、図2の第1の例および第1の例示的な移動方法と同一の要素は、再び説明されない。違いのみが示される。
【0094】
第2の例示的な設備10が図3に示される。
【0095】
設備10は、スクレーパー20が循環パイプ15に挿入されたときに、スクレーパー10の、循環パイプ15に関する相対的な並進運動を防止するように構成された保持システムを含み、これは第1の流体Fが循環パイプ内で移動させられるときにもはや望ましくない。
【0096】
保持システムは、特に、ピボット軸Apの周りでスクレーパー20をピボットさせるように構成される。ピボット軸Apは、第1の軸A1に垂直である。
【0097】
より具体的には、保持システムは、第1の軸A1と第2の軸A2が組み合わされる第1の位置と、第1の軸A1と第2の軸A2との間の角度αが厳密にゼロより大きい第2の位置との間でスクレーパー20をピボットさせるように構成される。
【0098】
角度αは、例えば、0.5度(°)以上である。
【0099】
図3にされるように、スクレーパー20が第2の位置にあるとき、スクレーパー20は、その両端で循環パイプ15の内面25に押し付けられる。
【0100】
スクレーパー20は、循環管15の内径Diよりも厳密に小さい外径De1を有するので、スクレーパー20は、例えば、重力の影響下で、上流の第2の流体Fを移動させずに循環パイプ15内で移動することができる。これは、特に、噴霧が停止されるたびに生ずる。
【0101】
保持システムのおかげで、スクレーパー20の望ましくない動きのリスクは制限される。
【0102】
一つの実施形態によれば、保持システムは、磁石50および磁場発生器55を含む。
【0103】
磁石50は、スクレーパー20に固定される。磁石50は、例えば、チャンバー45に収容される。
【0104】
磁石50は、例えば、ネオジム磁石などの永久磁石である。
【0105】
しかしながら、磁石50が電磁石である実施形態も考えられる。
【0106】
磁石50は、北極Nおよび南極Sを有する。磁石50の北N極および南S極は、第3の軸A3に沿って整列する。
【0107】
第3の軸A3は、第2の軸A2と組み合わされない。特に、第3の軸A3は、スクレーパー20の第2の軸A2と角度βを形成する。
【0108】
角度βは、第1の軸A1と第2の軸A2との間の角度α以上である。角度βは5°以上である。
【0109】
磁場発生器55は、循環パイプ15の少なくとも一部において、第1の軸A1および第3の軸A3を整列させる傾向のある磁場Mを生成するように構成される。
【0110】
磁場発生器55は、例えば、循環パイプ15の外側に配置される。図3に示される例によれば、磁場発生器は、循環パイプ15の外面27と接している。
【0111】
変形例では、磁場発生器は、循環パイプ15に少なくとも部分的に含まれる。特に、磁場発生器は、循環パイプ15の外面27と内面25との間に少なくとも部分的に含まれる。
【0112】
磁場発生器55は、例えば、循環パイプ15の少なくとも一部を取り囲む導電性巻線を含む電磁石である。この場合、電磁石55が電流によって供給されると、電磁石55は、循環パイプ15内において、第1の軸A1に平行に向けられた磁場Mを生成する。
【0113】
図3の例によれば、導電性巻線は、循環パイプ15の周囲に巻かれ、したがって、外面27と接している。変形例では、導電性巻線は、パイプ15の外面27と内面25との間に含まれ得る。したがって、導電性巻線は、導電性巻線はパイプ15に一体化される。
【0114】
一つの変形例によれば、磁場発生器55は永久磁石である。例えば、磁場発生器55は、磁石50が電磁石であるとき、永久磁石である。
【0115】
一つの具体的な実施形態によれば、磁場発生器55は永久磁石を含み、磁石50は永久磁石である。例えば、磁場発生器55の永久磁石は、磁場発生器55が循環パイプ15の一部に無視できる磁場を生成する第1の位置と、磁場発生器55が、循環パイプ15の少なくとも一部において、第1の軸A1および第3の軸A3を整列させる傾向がある磁場Mを生成する第2の位置との間で、循環パイプ15に対して移動可能である。
【0116】
別の実施形態によれば、磁場発生器55および磁石50は両方とも電磁石である。
【0117】
第2の例の方法は、ピボットするステップを含む。
【0118】
ピボットするステップは、例えば、循環ステップの後に実行される。特に、ピボットステップは、スクレーパー20が循環パイプ15の開口に収容されるときに実行されるが、スクレーパー20は、循環パイプ15に対して第1の軸A1に沿って並進運動することができないことが望ましく、例えば、循環パイプ15を移動させなければならないとき、または、循環パイプ15の第1の軸A1が無視できない垂直成分を有し、スクレーパー20がその重量の影響下で循環パイプ15内を滑る可能性があるとき、並進運動することができないことが望ましい。
【0119】
ピボットするステップの間、スクレーパー20は、その第1の位置から第2の位置にピボットする。
【0120】
特に、電磁石55は、磁場Mを生成し、これは、第3の軸A3を第1の軸A1と整列させる傾向があるスクレーパー20に磁力を及ぼす。したがって、スクレーパー20は、ピボット軸Apを中心にその第2の位置までピボットする。
【0121】
磁力は、スクレーパー20の両端を循環パイプ15の内面25に押し付け、摩擦によって、循環パイプ15に対する、第1の軸A1に沿ったスクレーパーの並進運動を防止する。
【0122】
次に、保持システムは、内径DiおよびDe1の違いによるスクレーパー20と循環パイプ15との間の摩擦の減少にもかかわらず、スクレーパー20を循環パイプ15の特定の部分の位置に維持することを可能にする。この不動化は、パイプ15全体がスクレーパー20によって移動される前に循環ステップを中断する場合に特に有用である。
【0123】
第3の例示的な設備10が図4に示される。
【0124】
第3の例示的な設備10は、また、スクレーパー20が循環パイプ15に挿入されたときに、循環パイプ15に対するスクレーパー10の相対的な並進運動を防止するように構成された保持システムを含む。
【0125】
保持システムは、スクレーパー20の少なくとも一部の外径を第1の直径値De1から第2の直径値De2に増加させるように構成される。
【0126】
第2の直径値De2は、第1の直径値De1よりも厳密に大きい。
【0127】
特に、第2の直径値De2は、内径Diに等しい。
【0128】
インジェクタ21は、例えば、噴霧部材13のバルブ22が閉じられているときなど、パイプ15の下流端を通って第1の流体Fが出ることが妨げられているとき、循環パイプ15内の圧力を変えることができる。
【0129】
特に、インジェクタ21は、循環パイプ内の圧力を第1の圧力値と第2の圧力値との間で変化させるように構成される。
【0130】
第1の圧力値は、スクレーパー20が循環パイプ15内を循環するときの設備10の動作の典型的な圧力値である。
【0131】
第1の圧力値は、例えば、2バールから8バールの間である。第1の値が変化できることに留意すべきである。
【0132】
第2の圧力値は、第1の圧力値よりも厳密に大きい。第2の圧力値は、例えば、10バール以上である。一つの実施形態によれば、第2の圧力値は、10バールに等しく、500ミリバール以内である。
【0133】
スクレーパー20は、循環パイプ15内の圧力が所定の圧力閾値以上であるとき、第2の軸A2に沿ってクラッシュ(押しつぶ)されるように構成される。
【0134】
言い換えれば、スクレーパー20は、図4に示される、クラッシュ(押しつぶ)されない構成と、図5に示される、クラッシュされた構成とを有する。クラッシュ(押しつぶ)されない構成における第2の軸A2に沿ったスクレーパー20の長さL1は、クラッシュ(押しつぶ)された構成のスクレーパー20の長さL2より厳密に大きい。
【0135】
圧力閾値は、第1の圧力値よりも厳密に大きく、第2の圧力値よりも厳密に低い。
【0136】
さらに、スクレーパー20は、スクレーパー20のクラッシュ(押しつぶし)により、スクレーパー20の外径が第1の値De1から第2の値De2に増加するように構成されている。したがって、クラッシュ(押しつぶ)されない構成では、スクレーパー20の外径は、第1の直径値De1を有し、一方、クラッシュ(押しつぶ)された構成では、外径は、第2の直径値De2を有する。
【0137】
一つの実施形態では、クラッシュ(押しつぶ)された構成において、スクレーパー20が循環パイプ15に収容されていないとき、外径は、循環パイプ15の内径Diよりも厳密に大きい値を有する。したがって、スクレーパー20がクラッシュ(押しつぶ)された構成で循環パイプ15に収容されるとき、スクレーパー20の外径は内径Diによって制限されるため、スクレーパー20の外径は第2の直径値De2を有する。そのとき、スクレーパー20は、循環パイプ15の内面25に対して、スクレーパー20を循環パイプ20に対して所定の位置に保持する傾向がある摩擦力を及ぼす。
【0138】
例えば、シェル40は、可撓性ポリマー材料から作製され、端壁46が互いに近づくと、シェル40の中央部分57がシェル40の外側に向かって半径方向に変形するように設けられている。
【0139】
可撓性ポリマー材料は、例えば、過フッ素化ポリマー、テフロン、ポリアミド、およびポリオレフィンの中から選択される。
【0140】
図1および5の例によれば、スクレーパー20は弾性要素60を含む。
【0141】
インジェクタ、シェル40および弾性要素60は、一緒に保持システムを形成する。
【0142】
弾性要素60は、シェル40によって画定されたチャンバー45内に収容される。
【0143】
弾性要素60は、端壁46に、端壁46を互いに分離しようとする弾性力を及ぼす。特に、弾性要素60は、循環パイプ15内の圧力が圧力閾値以下であるとき、端壁46を互いに近づける傾向がある圧力よりも厳密に大きい値を有する弾性力を及ぼすように構成される。
【0144】
弾性要素60はさらに、循環パイプ15内の圧力が圧力閾値よりも厳密に大きいときに、端壁46を互いに近づける傾向がある圧力よりも厳密に大きい強度を有する弾性力を及ぼすように構成される。
【0145】
言い換えれば、弾性要素60は、循環パイプ15内の圧力が圧力閾値以下であるとき、スクレーパー20をそのクラッシュ(押しつぶ)されない構成に保ち、圧力が圧力閾値よりも厳密に大きいとき、スクレーパー20がそのクラッシュ(押しつぶ)された構成に切り替わることができるように構成される。
【0146】
弾性要素60は、例えば、つるまきばねなどのばねである。他のタイプの弾性要素60が考えられることに留意すべきである。
【0147】
次に、第3の例の動作について説明する。特に、第3の例示的な設備10によって実施される第3の例示的な移動方法について説明する。
【0148】
循環ステップの間、循環パイプ15内の圧力は、第1の圧力値を有する。したがって、スクレーパー20は、そのクラッシュ(押しつぶ)されない構成にある。
【0149】
第3の例は、圧力を増加させるためのステップおよびクラッシュする(押しつぶす)ステップを含む。
【0150】
圧力を増加させるためのステップの間、インジェクタは、循環パイプ内の圧力を第1の値から第2の値に増加させる。例えば、第1の流体Fが循環パイプ15から出るのを可能にするバルブ22が閉じられ、インジェクタは、第2の圧力値に達するまで、第2の流体を循環パイプ15に注入する。
【0151】
クラッシュ(押しつぶし)のステップの間、スクレーパー20は、端壁46に及ぼされる圧力の効果の下でそのクラッシュ(押しつぶ)された構成に切り替わる。クラッシュ(押しつぶし)により、スクレーパー20の外径が第2の直径値De2まで増加する。
【0152】
スクレーパー20がそのクラッシュ(押しつぶ)された構成にあるとき、外径は内径Diに等しいので、スクレーパー20は、循環パイプ15の内面25に対して摩擦力を及ぼす。
【0153】
保持システムは、その結果、スクレーパー20がクラッシュ(押しつぶ)されたとき、スクレーパー20を循環パイプ15の特定の部分の位置に保持することを可能にする一方で、クラッシュ(押しつぶ)されない構成において内径Diおよび外径De1の差によりスクレーパー20と循環パイプ15との間の摩擦の減少を可能にする。
【0154】
第3の例の保持システムは、第1の例と比較して、弾性要素60を除いて追加の機器を想定していない。特に、スクレーパー20の外側に追加の要素は必要とされない。したがって、流体噴霧設備10は非常に単純であり、スクレーパー20は、既存の流体噴霧設備10で使用することができる。
【0155】
第3の例の変形によれば、スクレーパー20は、弾性要素60を含まない。シェル40は、2つの端部65および1つのクラッシュ(押しつぶし)部分70を含む。
【0156】
2つの端部65は、第2の軸A2に沿ってスクレーパー20を画定す切る。特に、各端壁46は、端部65の壁である。この端部は、第2の軸20に沿った端壁46によって画定される。
【0157】
各端部65は、例えば、剛性である。特に、各端部65は、スクレーパー20がクラッシュ(押しつぶ)された構成からクラッシュ(押しつぶ)されない構成に移行するとき、またはその逆に移行するとき、変形しないように構成されている。
【0158】
クラッシュ(押しつぶし)部分70は、2つの端部65の間に、第2の軸A2に沿って挿入される。
【0159】
クラッシュ(押しつぶし)部分70は、円筒形であり、第2の軸A2に沿って延在する。したがって、クラッシュ(押しつぶし)部分70は、第2の軸A2に垂直な平面内に円形断面を有する。
【0160】
クラッシュ(押しつぶし)部分70は、2つの端部65に、2つの端部65を互いに分離する傾向がある力を及ぼすように構成される。
【0161】
特に、クラッシュ(押しつぶし)部分70は、循環パイプ15内の圧力が圧力閾値以下のとき、両端部65を互いに近づける傾向のある圧力よりも厳密に大きい値を有する弾性力を及ぼすように構成される。
【0162】
クラッシュ(押しつぶし)部分70は、さらに、循環パイプ15内の圧力が圧力閾値よりも厳密に大きいとき、両端部65を互いに近づける傾向のある圧力よりも厳密に大きい値を有する弾性力を及ぼすように構成される。
【0163】
言い換えれば、クラッシュ(押しつぶし)部分70は、循環パイプ15内の圧力が圧力閾値以下であるとき、スクレーパー20をそのクラッシュ(押しつぶ)されていない構成に保ち、圧力が圧力閾値よりも厳密に大きいとき、スクレーパー20がそのクラッシュ(押しつぶ)された構成に切り替わることができるように構成される。
【0164】
クラッシュ(押しつぶし)部分70は、例えば、エラストマー材料から作られる。この意味で、部分70は、エラストマー部分として見なすことができる。
【0165】
クラッシュ(押しつぶし)部分70は、図6に示されるように、両端部65が互いに近づくとき、シェル40の外側に向かって半径方向に変形するように構成される。
【0166】
次に、第4の例示的な設備10について説明する。
【0167】
スクレーパー20は、強磁性要素を含む。
【0168】
強磁性とは、特定の物体が外部磁場の影響下で磁化され、その磁化の一部を保持する能力をいう。
【0169】
強磁性要素は、特に、シェル40に固定される。
【0170】
強磁性要素は、例えば、チャンバー45に受け入れられる。
【0171】
設備10は、磁場発生器55を備える。
【0172】
磁場発生器55は、例えば、前述の第2の例で使用された磁場発生器55と同様である。
【0173】
磁場発生器55は、循環パイプ15の少なくとも一部において、強磁性要素を磁場発生器55に近づける傾向のある磁場を生成するように構成される。
【0174】
例えば、磁場発生器55は、強磁性要素を磁石に引き付けることができる磁場を生成する磁石である。
【0175】
次に、この方法は、例えば、ピボットステップを置き換える引力ステップを含む。
【0176】
引力ステップの間、磁場発生器55は、循環パイプ15の対応する部分に磁場を生成する。例えば、磁場発生器55が永久磁石であるとき、磁場発生器55は、スクレーパー20が維持されることが望まれる循環パイプ15の部分に近づけられる。
【0177】
磁場の影響下で、強磁性要素は磁場発生器55に引き付けられる。その結果、スクレーパー20は、パイプ15の内面25と接触するまでパイプ15内に移動される。特に、スクレーパー20は内面25に押し付けられる。
【0178】
次に、スクレーパー20は、スクレーパーを内面25に押し付ける磁場の効果によって、パイプ15の部分の位置に保持される。
【0179】
第4の例示的な設備10は、実施が特に簡単である。
【0180】
次に、第1の流体Fを噴霧する方法について説明する。
【0181】
噴霧方法は、例えば、前述の例示的な噴霧設備10の1つによる噴霧設備10によって実施される。しかしながら、噴霧方法は、他のタイプの流体噴霧設備、特に循環パイプ15の内径Diと第1の値De1との間の差が厳密に100マイクロメートル未満、例えばゼロに等しい、流体噴霧設備によって実施できることに留意すべきである。
【0182】
この方法は、第1の噴霧ステップ、循環ステップ、帰りステップ、および第2の噴霧ステップを含む。
【0183】
第1の噴霧ステップの間、第1の流体Fは、噴霧設備10によって噴霧される。特に、第1の流体Fは、ポンプ12によって循環パイプ15に注入され、循環パイプ15によって、第1の流体Fを噴霧する噴霧部材13に移送される。
【0184】
第1の流体Fは、例えば、第1の流体Fで覆いたい物体、構造物、または設備の領域に噴霧される。
【0185】
第1の噴霧ステップ間に噴霧される第1の流体Fは、例えば、第1の色を有する。
【0186】
第1の噴霧ステップは、第1の流体Fの第1の量を決定することを含む。第1の量は、第1の噴霧ステップの開始以来噴霧された第1の流体Fの量である。
【0187】
第1の量は、例えば、ポンプ12の流量および第1の噴霧ステップの開始からのポンプ12の総動作期間を知ることによって決定される。
【0188】
第1の噴霧ステップは、噴霧される第1の流体Fの総量と第1の量との間の差が所定の第2の量に等しくなるまで実施される。
【0189】
総量は、例えば、所定の物体、または物体、構造物または設備の所定の領域を第1の流体Fで覆うことを可能にするために、設備10によって噴霧される第1の流体Fの総量である。
【0190】
第2の量は、スクレーパー20が循環ステップの間に移動することができる第1の流体Fの量である。例えば、第2の量は、循環パイプ15を第1の流体Fで充填し、循環ステップを実施することによって実験的に決定される。
【0191】
第2の量は、例えば、循環パイプ15の開口の量の80パーセント(%)以上である。
【0192】
第2の量は、例えば、循環パイプ15に含まれる第1の流体Fの量である。特に、第2の量は、循環パイプ15の開口の量である。
【0193】
言い換えれば、第1の噴霧ステップは、循環パイプ15に含まれ、スクレーパー20によって噴霧部材13に押し戻されることができる第1の流体Fの量が、覆いたいが未だ覆えていない物体、構造物または設備の領域を、第1の流体Fで覆うのに十分になるまで実施される。
【0194】
循環ステップは、第1の噴霧ステップの後に実施される。
【0195】
循環ステップの間、スクレーパー20は、例えば、循環パイプ15の上流端15Aで循環パイプ15に導入され、インジェクタ21は、スクレーパー20の上流に第2の流体を注入する。
【0196】
循環ステップの間に使用される第2の流体は、例えば、液体、特に第1の流体Fを溶解または希釈することができる溶媒である。
【0197】
循環ステップの間、バルブ22は開いている。
【0198】
スクレーパー20は、インジェクタ21によって上流端15Aに注入された第2の流体の影響下で、循環パイプ15内を上流から下流に循環する。例えば、スクレーパー20は、循環パイプ15の全長の半分以上、特に全長の90%以上の長さの循環パイプ15を移動する。
【0199】
スクレーパー20は、循環パイプ15に存在する第1の流体Fの一部を噴霧部材13まで、特に噴霧ヘッド23まで押し戻す。
【0200】
循環ステップの間、第1の流体Fの第2の量は、スクレーパー20によってスプレーヘッド23に押し戻される。言い換えると、循環ステップの間、バルブ22を通過する第1の流体Fの量は、第2の量に等しい。
【0201】
帰りステップは、循環ステップの後に実行される。
【0202】
帰りステップの間に、インジェクタ21は、スクレーパー20から下流の循環パイプ15の中へ第2の流体を注入する。次に、第2の流体は、スクレーパー20を押し戻し、スクレーパー20は、循環パイプ内において上流方向に移動する。
【0203】
例えば、バルブ17は、第2の流体がスクレーパー20の上流の循環パイプ15を離れることを可能にするために開いている。
【0204】
帰りステップの終わりに、スクレーパー20は循環パイプ15から取り除かれる。
【0205】
帰りステップの後に、第2の噴霧ステップが続く。
【0206】
第2の噴霧ステップは、第1の噴霧流体Fを除いて、第1の噴霧ステップと同じである。特に、第2の噴霧ステップの間、ポンプ12によって循環パイプ15に注入され、噴霧部材13によって噴霧される第1の流体Fは、第1の噴霧ステップの間、ポンプ12によって注入される第1の流体Fとは異なる第1の流体Fである。特に、第2の噴霧ステップの間に噴霧される第1の流体Fは、第1の噴霧ステップの間に噴霧される第1の流体Fの色とは異なる色を有する。
【0207】
スクレーパー20を使用してこの第1の流体Fを噴霧部材13に押し戻すおかげで、噴霧方法は、循環パイプ15に存在する第1の流体Fの大部分の使用を可能にする。したがって、噴霧方法は、消費された流体の一部が噴霧の終わりに循環パイプ15に残り、効果的に回収されない他の噴霧方法よりも、消費される流体の量に関してより良い効率を有する。
【0208】
第2の流体が液体であるとき、液体は弱圧縮性であるため、噴霧される流体の第2の量の制御が改善される。
【0209】
この液体が溶媒であるとき、スクレーパー20の通過後に循環パイプ15に残っている第1の流体F、特に内面25を部分的に覆うことができる第1の流体Fは、溶媒によって溶解または希釈され、溶媒とともにパイプ15から抽出される。したがって、パイプ15は部分的に洗浄され、第1の噴霧ステップの間に噴霧される第1の流体Fによる第2の噴霧ステップの間に噴霧される第1の流体Fの汚染のリスクは制限される。
【0210】
第2の流体として使用されるこの溶媒を使用して帰りステップが実施されるとき、循環パイプ15は、溶媒によってスクレーパーの下流方向、次に上流方向への循環の間に2回洗浄されるので、パイプ15の洗浄はさらに改善される。
【0211】
スクレーパー20が、前述の第1、第2、第3、第4の例において記載されたスクレーパー20によるとき、すなわち、循環パイプ15の内径Diと第1の値De1との差が、100マイクロメートル(μm)以上であるとき、スクレーパー20は、循環パイプ15の真っ直ぐでない部分、特にらせん状である第2の部分29においてさえ容易に循環する。次に、スクレーパー20が移動できないパイプ15のセクションは、循環ステップの終わりに第1の流体で満たされるのが阻まれるので、回収される第1の流体Fの量が増加する。
【0212】
第2のらせん部分29の使用は、第1の流体Fが導電性粒子を含むとき、第1の流体Fを噴霧するために頻繁に使用される電界の影響下で、第2の部分29に含まれる第1の流体Fにおいて、導電性接続の形成を防止することを可能にする。したがって、第1、第2、第3および第4の例に係るスクレーパー20は、これらの用途にとって特に興味深い。
【0213】
次に、第5の例示的な設備10について説明する。
【0214】
第1の例の設備10と同一の要素は、再び説明されない。違いのみが表示される。
【0215】
しかしながら、第5の例の設備10において、循環パイプ15の内径Diと第1の値De1との間の差は変化することができ、第1の例の場合のように、特に、厳密に100μm未満、例えばゼロに等しい、あるいは、100μm以上であることができることに留意されたい。
【0216】
この差が100μm以上であるとき、第5の例の設備10は、第2、第3および第4の例の設備10およびこれら第2、第3および第4の例の前述の変形例のスクレーパー20および保持システムに従った、スクレーパー20および保持システム55を含むことができる。
【0217】
考えることもできる1つの変形によれば、第5の例の設備10は、スクレーパー20を含まない。
【0218】
インジェクタ21は、第2の流体を、色変更ユニット11、ポンプ12、循環パイプ15、および噴霧部材13の中から少なくとも1つに注入するように構成される。図7に示される実施形態によれば、インジェクタ21は、バルブ105によって色変更ユニット11に、バルブ110によってポンプ12に、バルブ47によって循環パイプ15に、そしてバルブ115によって噴霧部材13に接続される。
【0219】
第2の流体は、そのとき、液体、例えば、第1の流体Fを溶解または希釈することができる液体溶媒であるか、または水である。
【0220】
インジェクタ21は、第2の流体の所定の量を回路16に注入するように構成される。インジェクタ21は、注入された量が所定の量に等しいときに注入を停止するようにさらに構成される。
【0221】
例えば、インジェクタ21は、注入の開始から回路16に注入された第2の流体の総量の値を推定し、総量が所定の量に等しくなったときに注入を停止するように構成される。
【0222】
一つの実施形態によれば、インジェクタ21は、総注入量を推定し、インジェクタ21による第2の流体の注入を命令することができる、例えば、バルブ47、105、110、115の開閉を命令することができる、データ処理ユニットまたは専用集積回路などの制御モジュールを含む。所定の量は、回路16に注入したい第2の流体の量の関数として選択される。したがって、所定の量は変化することができる。
【0223】
第5の例において使用することができるインジェクタ21の例を以下に説明する。
【0224】
インジェクタ21は、回路16にガス流を注入するようにさらに構成される。特に、インジェクタ21は、回路16内の第2の流体の移動を引き起こすために、所定の量の第2の流体を回路16に注入し、次にガスを回路16に注入するように構成される。
【0225】
例えば、インジェクタ21は、加圧ガス源に接続される。
【0226】
ガスは、例えば圧縮空気です。
【0227】
ガスが回路16に注入されるとき、ガスは第3の圧力値を有する。第3の圧力値は20バール以下である。
【0228】
第5の例の設備10は、第2の流体を回路16に注入するためのステップを含む方法を実施することができる。
【0229】
例えば、注入ステップの間に、第2の流体は循環パイプ15に注入される。
【0230】
変形例において、第2の流体は、色変更ユニット11、ポンプ12、循環パイプ15、噴霧部材13の中から少なくとも1つに注入される。
【0231】
注入ステップの間に、インジェクタ21は、注入ステップの開始から注入された第2の流体の量を推定する。例えば、インジェクタ21は、注入ステップの開始から注入される第2の流体の量を定期的に推定する。一つの実施形態によれば、インジェクタ21は、100ミリ秒以下の周期で注入される第2の流体の量を推定する。推定された量は、インジェクタ21によって所定の量と比較される。
【0232】
第2の流体の推定される量が所定の量よりも厳密に少ない場合、インジェクタ21は、回路16における第2の流体の注入を継続する。
【0233】
推定される量が所定の量以上である場合、インジェクタ21は、注入を停止する。例えば、インジェクタ21は、インジェクタ21を回路16に接続するバルブ47、105、110および115を形成する。
【0234】
図7に示される例によれば、インジェクタ21は、シリンダ75、ピストン80、アクチュエータ85およびバルブ90を含む。
【0235】
シリンダ75は、第2の流体を含むように構成される。例えば、シリンダ75は、第2の流体を収容することができる円筒形のキャビティを画定する。
【0236】
シリンダ75は、シリンダ75に固有の軸Acに沿って延びる。
【0237】
シリンダ75は、円形の基部だけでなく、多角形の基部、またはシリンダ75の軸Acに垂直な平面内の任意の形状を有する基部を有することができることに留意すべきである。
【0238】
シリンダ75は、例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムなどの金属材料から作られる。シリンダ75によって画定されたキャビティは、50立方センチメートル(cc)~1000ccの内部容積を有する。
【0239】
ピストン80は、シリンダ75によって画定されたキャビティに収容される。ピストン80は、シリンダ75によって画定されたキャビティを、可変容量の2つのチャンバー95、100に分ける。
【0240】
ピストン80は円筒形であり、例えば、シリンダ75の内面に相補的な外周面と、シリンダ75の軸に垂直な2つの面によって画定される。
【0241】
ピストン80は、例えば、金属材料から作られる。一つの実施形態によれば、チャンバー100を画定するピストン80の面は、ステンレス鋼から作られる。変形例において、この面はポリマーから作られるか、ポリマーの層で、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層で覆われる。
【0242】
ピストン80は、チャンバー95および100のそれぞれの容積を変化させるように、シリンダ75に対して一次位置と二次位置との間で並進可能である。特に、ピストン80は、シリンダ75の軸Acに沿って移動可能である。
【0243】
一次位置は、チャンバー100の容積が最大となる位置である。ピストン80が一次位置にあるとき、チャンバー95の容積は、例えば、ゼロに等しい。
【0244】
二次位置は、チャンバー100の容積が最小になる位置である。例えば、ピストン80が二次位置にあるとき、ピストン80は、チャンバー100の容積がゼロに等しくなるように、シリンダ75の端壁に対して位置する。
【0245】
ピストン80は、画定されるチャンバー95、100の間の第2の流体の通過を防止するように構成される。例えば、ピストン80は、シリンダ75の軸に垂直な平面内でピストン80を取り囲むシールなどのシール手段を有する。
【0246】
チャンバー100は、第2の流体で少なくとも部分的に満たされるように構成される。例えば、チャンバー100は、バルブ90によって、リザーバなどの第2の流体の供給源に接続される。
【0247】
チャンバー100は、例えばバルブ47によって、循環パイプ15に接続することができる。図7の例によれば、チャンバー100は、循環パイプの上流端15Aに接続することができる。変形例では、チャンバー100は、下流端15B、または両端15A、15Bに接続することができる。
【0248】
アクチュエータ85は、ピストン80をその一次位置と二次位置との間で動かすように構成される。例えば、アクチュエータ85は、ピストン80を動かすために、モーターからピストン80に力を伝達することができるモーターおよびロッドを備える。
【0249】
アクチュエータ85は、特に、シリンダ75に対するピストン80の位置を決定し、決定された位置の関数としてピストン80の動きを命令または停止するように構成される。多くのタイプのアクチュエータ85は、ピストンの位置のそのような決定を可能にする。
【0250】
モーターは、例えば、トルクモーターまたはブラシレスモーターなどの電気モーターである。
【0251】
一つの実施形態によれば、モーターは、サーボモーター、すなわち、位置スレイブモーターである。例えば、モーターは、ピストン80をシリンダ75に対して所定の位置に維持するように制御され、所定の位置は変化することができる。
【0252】
変形例において、モーターは、ピストン80を動かすことができる空気圧部材または油圧部材、例えば、ピストンを動かすためにチャンバー95に液体を注入することができるポンプによって置き換えられる。
【0253】
アクチュエータ85は、特に、第3の圧力値以上の圧力を第2の流体に課すように構成される。例えば、圧力センサがチャンバー100に一体化され、制御モジュールが、チャンバー100内の第2の流体の圧力が第3の圧力値以上になるまで、アクチュエータによってピストン80に及ぼされる力の増加を命令することができる。
【0254】
変形例では、アクチュエータ85は、アクチュエータ85の電気モーターの電力供給電流の値からチャンバー100内の流体の圧力を推定するように構成される。
【0255】
注入ステップの間、チャンバー100は、第2の流体を含み、アクチュエータ85は、ピストン80を第2の位置に向かって動かす。例えば、注入ステップの間、チャンバー100は、第2の流体で満たされる。
【0256】
ピストン80の動きの影響下で、第2の流体が循環パイプ15に注入される。
【0257】
アクチュエータ85は、シリンダ75内のピストン80の位置を定期的に決定する、特に、一次位置からシリンダ75の軸に沿ってピストン80が移動した距離を決定する。注入された量は移動距離の全単射関数であるため、すなわち、移動距離は単一の注入された量に対応するから、移動距離の決定は注入された量の決定と同等である。
【0258】
変形例において、アクチュエータ85は、ピストン80が所定の量に対応する所定の位置に到達したか否かを決定することによって、総注入量を所定の量と比較する。
【0259】
所定の位置は、特に、一次位置から二次位置へのピストンの動きが、チャンバー100の量を、所定の量に等しい量の値で減少させるような位置である。
【0260】
インジェクタ21は、注入された量が所定の量に等しいときに注入を停止するようにさらに構成される。
【0261】
例えば、ピストン80が所定の位置に到達していない場合、アクチュエータ85は、ピストン80を二次位置に向かって動かし続ける。
【0262】
ピストン80が所定の位置にある場合、アクチュエータ85は、ピストン80の移動を停止する。
【0263】
変形例において、インジェクタ21は、ピストン80が所定の位置に到達するとき、バルブ47を閉じるように構成される。第5の例において、他のタイプのインジェクタ21を使用できることに留意すべきである。
【0264】
例えば、インジェクタ21は、第2の流体の供給源および流量計を含む。
【0265】
第2の流体の供給源は、例えば、第3の圧力値以上の圧力下での第2の流体のリザーブ、または、歯車式ポンプまたは蠕動ポンプなどの第2の流体流を生成することができるポンプである。
【0266】
インジェクタ21は、例えば、第2の流体の供給源の特に出口パイプに配置され、供給源を出る第2の流体の圧力を測定することができる圧力センサを含む。
【0267】
流量計は、回路16におけるインジェクタ21によって注入された第2の流体の流量の値を測定することができる。
【0268】
流量は、例えば、体積流量である。変形例において、流量は質量流量である。
【0269】
インジェクタ21は、測定された流量値から、注入ステップの流量から回路に注入された第2の流体の総量を推定するように構成される。例えば、インジェクタ21は、測定された流量値の時間積分によって総注入量を推定する。
【0270】
インジェクタ21は、総量が所定の量に等しいとき、注入を中断する。例えば、インジェクタ21は、インジェクタ21を回路16に接続するバルブ47、105、110、15を閉じる。
【0271】
注入ステップは、例えば、以前に定義された循環ステップの間に実施される。この場合、スクレーパー20は、注入された第2の流体の影響下で、循環パイプ15において上流から下流に循環する。
【0272】
変形例において、または追加的に、注入ステップは、スクレーパー20を下流から上流に推進する帰りステップ中に実施される。
【0273】
第5の例の設備10は、特に、前述の噴霧方法、および他の噴霧方法を実施することができる。
【0274】
例えば、第5の例の設備10は、循環ステップの間に、スクレーパー20がパイプ15内に存在しない噴霧方法を実施することができる。この場合、循環ステップの間、第2の流体がその前にある第1の流体Fを噴霧部材13まで押し戻す。
【0275】
他の可能な変形によれば、注入ステップは、色変更ユニット11、ポンプ12、および噴霧部材13の中の少なくとも1つを洗浄する方法の間に実施される。
【0276】
第2の流体の注入された量が所定の量に等しいときに第2の流体の注入を停止することができるインジェクタ21の使用は、注入ステップの間に使用される第2の流体の量の正確な制御を可能にする。特に、この量は、回路16に存在する第1の流体F(または第1の流体Fと第2の流体との間の混合)の粘度に依存しないが、所定の時間の間、第2の流体の供給源が回路16に接続される最先端の方法は、逆に、回路に含まれる流体の粘度が、とりわけ、回路16に存在する第1の流体Fおよび第2の流体の間の比率に依存する。
【0277】
これは、スクレーパー20または第2の流体によって押し戻される第1の流体Fの噴霧を含む循環ステップ中に特に興味深い。なぜなら、第1の流体Fの噴霧量は、その後、十分に制御されるからである。
【0278】
ピストン80を使用して第2の流体を循環パイプ15に注入することにより、特にこの流体が溶媒などの液体である場合に、最先端のインジェクタ21により可能な場合よりも第2の流体の注入量のより正確な制御が可能になる。歯車式ポンプなどのポンプを使用する最先端のインジェクタは、平均粘度の関数として変化する可能性のある流量を有する。たとえば、歯車式ポンプには、この粘度に依存する内部リークがある。その結果、最先端のインジェクタによって循環パイプFに実際に注入される液体の量は効果的に制御されない。反対に、ピストン80は、その移動を通じて、実際に注入された推進液体の量を課すことができる、なぜなら、この量は、チャンバー100の容積変化にのみ依存するからである。したがって、第5の例の設備10は、第2の流体の注入量のより良好な制御を可能にする。
【0279】
ピストン80による移動距離から第2の流体の注入量を推定する方法は、シリンダ75、ピストン80、アクチュエータ85以外の装置を必要とせずに、注入される量を正確かつ簡単に推定できる方法である。
【0280】
インジェクタ21は、測定された流量値から実際に注入された第2の流体の量を推定することにより、第2の流体の注入量のより良好な制御も可能にする。
【0281】
ガスの圧力以上の圧力で第2の流体を注入することにより、ガスを使用して第2の流体を推進することが可能になり、したがって、必要な第2の流体の量が減少する。
【0282】
消費電流からこの圧力を推定することにより、センサの必要性をなくし、したがって、設備10を簡素化することができる。
【0283】
次に、第6の例の設備10について説明する。
【0284】
第6の例は、第6の例の保持システムが磁石50および少なくとも1つの強磁性要素56を含むという点で第2の例とは異なる。
【0285】
磁石50は、特に永久磁石である。
【0286】
磁石50は、以下に示すように、1ニュートン(N)~10Nの値を有する力を生成できる磁場を生成するように構成される。
【0287】
この変形例において、第3軸A3は、例えば、第2の軸A2と一致する。しかしながら、A2軸とA3軸が一致しない実施形態を使用することも可能である。一般に、スクレーパー20の第2の軸A2に対する第3軸A3の向きは変動しやすい。
【0288】
各強磁性要素56は、強磁性材料、特に軟強磁性材料で作られる。
【0289】
強磁性は、特定の物体が外部磁場の影響下で自身を磁化し、磁場が遮断されたときにこの磁化の一部を保持する能力を指す。
【0290】
強磁性体の例は、鉄、ニッケル、二酸化クロム、ガドリニウム、およびいくつかの鋼である。
【0291】
代替的に、強磁性材料は、鋼、例えば、鉄に富む鋼である。例えば、強磁性要素56を構成する鋼の表面処理は、強磁性要素を腐食から保護するために提供される。
【0292】
各強磁性要素56は、循環パイプ15の少なくとも一部に近接して配置され、スクレーパー20が循環パイプ15の前記部分に受け入れられたときに磁石50が強磁性要素56に引き付けられるようにする。
【0293】
強磁性要素56は、例えば、パイプ15の少なくとも一部の外面27と接触している。代替的に、強磁性要素56は、循環パイプ15に少なくとも部分的に含まれる。特に、強磁性要素56は、パイプ15の外面27と内面25との間に少なくとも部分的に含まれる。
【0294】
一つの実施形態によれば、1つまたは複数の強磁性要素56は、循環パイプ35の長さの半分以上の延在長さにわたって循環パイプ15に沿って延在する。例えば、延在長さは、循環パイプ15の長さの4分の3以上であって、循環パイプ15の長さの90パーセント(%)以上を含む。
【0295】
各強磁性要素56は、例えば、ワイヤー、シート、チェーン、または強磁性材料のブロックである。
【0296】
保持システムは、例えば、循環パイプ15に沿った延在長さにわたって延在する単一の強磁性要素56を含む。代替的に、保持システムが複数の強磁性要素56を含む場合、例えば、強磁性要素56は、循環パイプ15に沿って連続的に配置され、その場合、延長長さは、それぞれから最も離れた強磁性要素56の端の間で測定される。2つの連続する強磁性要素間の距離は、例えば、0.5mm~5mmである。
【0297】
保持システムが単一の強磁性要素56で構成されている場合、延在長さは強磁性要素56の両端の間で測定される。
【0298】
強磁性要素56は、例えば、延在長さにわたってパイプ15に沿って延びるワイヤーまたはチェーンである。ワイヤーまたはチェーンは、例えば、直線状のワイヤーである。
【0299】
代替的に、保持システムが単一の強磁性要素56を備える場合、単一の強磁性要素56は、例えば、第1の軸A1に垂直な平面内で循環パイプ15を取り囲む。
【0300】
例えば、強磁性要素56は、外面27に適用されるシートである。
【0301】
代替的に、強磁性要素56は、循環パイプ15の周りに巻き付けられた、ワイヤー、ケーブルまたはチェーンなどの縦方向強磁性要素56であり、例えば、円形らせんなどのらせんに沿って延在する。
【0302】
らせんは、各点での接線が所与の方向と一定の角度をなす曲線であり、所与の方向は特に第1の軸A1である。
【0303】
らせんの半径が定義される。半径は4mm~18mmである。
【0304】
らせんのピッチが定義される。ピッチは、特に、第1の軸A1の周りの完全な1回転に対応するらせんの一部を画定するらせんの2点間の距離として定義される。ピッチは0.5mm~5mmである。
【0305】
任意選択的な追加として、設備10は、例えば、エラストマー、ポリアミド、またはテフロンで作られた円筒形のシースも含む。
【0306】
各強磁性体56は、循環パイプ15とシースとの間に置かれる。特に、シースは、各強磁性要素56を循環パイプ15の外面27に押し付けるように構成される。例えば、シースは、循環パイプ15の外径に等しい内径を有する。
【0307】
シースは、例えば、液体が各強磁性要素56に到達しないように構成された、封止されたシースである。
【0308】
シースは、例えば、0.5mm~1.5mmの厚さを有する。
【0309】
この厚さとシースの内径は異なる場合がある。
【0310】
特に、磁石50および強磁性要素56は、スクレーパー20が循環パイプ15内に収容されたとき、スクレーパー20に1N~10Nの力を及ぼすように構成され、スクレーパー20が循環パイプ15内に保持される。
【0311】
特に、スクレーパー20が循環パイプ15に挿入されたとき、強磁性要素56と磁石50との間の第1の軸A1に垂直な方向における距離は、0.5mm~3mmである。
【0312】
強磁性要素56がワイヤーまたはケーブルである場合、ワイヤーまたはケーブルの直径は、例えば、0.4mm~2mmである。
【0313】
磁石50と1つまたは複数の又H強磁性要素56のおかげで、第2の流体の流れが中断される場合、例えば、噴霧の一時停止の間に、磁石50と強磁性要素56がスクレーパー20に力を及ぼし、例えば、図8に概略的に示すように、スクレーパー20を旋回させるか、または単に磁石50と強磁性要素56を一緒にすることによって、内面25に対してスクレーパー20を押し付ける。したがって、第2流体が流れていない場合においても、スクレーパー20はパイプ15内に保持される。また、スクレーパー20を保持するために、電磁石や可動部品などの追加の装置は必要ない。
【0314】
一方、第2の流体の流れがパイプ15を通って流れる場合、この流れは、保持システムが存在するにもかかわらず、パイプに沿ってスクレーパー20を推進する。したがって、第2の流体の流れの中断がスクレーパー20を保持するのに十分であるとき、保持システムを作動させる必要がないので、設備10は単純化された操作を有する。
【0315】
さらに、スクレーパー20は、強磁性要素の延在長さが測定される端部間の、パイプ15上の任意の位置に保持することができる。したがって、スクレーパー20は、それを保持するための正確な位置にある必要がないので、洗浄方法が簡単になる。これは、延在長さがパイプ15の長さの半分以上である場合にさらに重要である。
【0316】
パイプ15の周りに巻き付けられた強磁性要素56を用いることにより、パイプ15と強磁性要素56によって形成されるアセンブリの良好な柔軟性が保証され、パイプ15の変形の間であってもこれら2つの要素の良好な接続が保証される。したがって、このような強磁性要素56は、投射装置13が可動性である用途、特にこの装置13が可動性アームに取り付けられている場合に適している、なぜなら、パイプ15のかなりの変形がロボットアームの手首で頻繁に起こるからである。
【0317】
ここでもまた、シースの使用により、強磁性要素56と循環パイプ15との間の良好な接続が、後者の可撓性を損なうことなく保証され、腐食に対する各強磁性要素56の保護が保証される。
【0318】
本発明は、上述の実施形態の技術的に可能な任意の組み合わせに対応する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0318
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0318】
本発明は、上述の実施形態の技術的に可能な任意の組み合わせに対応する。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
流体循環パイプ(15)と、前記パイプ(15)内で循環できるスクレーパー(20)を備える流体噴霧設備(10)であって、前記スクレーパーが前記パイプ(15)内で循環する場合、前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)内に存在する流体をその前に押し戻すように構成され、前記パイプ(15)および前記スクレーパー(20)は、各々円形断面を有し、前記パイプ(15)は内径(Di)を有し、前記スクレーパー(20)は外径を有し、前記外径は第1の値(De1)を有し、
前記パイプの内径(Di)と前記スクレーパー(20)の外径の第1の値(De1)との間の差が、100マイクロメーター以上、好ましくは、200マイクロメーター以上であることを特徴とする、設備。
(付記2)
前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)に挿入される場合、前記パイプ(15)に関する前記スクレーパ(20)の相対的な並進移動を防止できる保持システムを備える、(付記1)に記載の流体噴霧設備。
(付記3)
前記パイプ(15)が第1の軸(A1)に沿って延在し、前記スクレーパ(20)は、第2の軸(A2)に沿って延在し、前記第1の軸(A1)と前記第2の軸(A2)が一体化される場合、前記第1の軸(A1)に沿って前記パイプ(15)に対して並進して循環するように構成され、前記保持システムは、前記第1の軸(A1)に垂直な軸(Ap)の周りに前記スクレーパー(20)を回転させるように構成され、前記第1の軸(A1)と前記第2の軸(A2)との間の角度αが厳密にゼロより大きく、好ましくは0.5度以上である、(付記2)に記載の流体噴霧設備。
(付記4)
前記スクレーパー(20)は、N極(N)とS極(S)を有する磁石(50)を備え、前記磁石(50)の両極(N、S)は、第3の軸(A3)に沿って整列し、前記第2軸(A2)と前記第3の軸(A3)との間の角度(β)が厳密にゼロより大きく、好ましくは5度以上であり、前記保持システムは、前記パイプ(15)の少なくとも一部において、前記第3の軸(A3)および前記第1の軸(A1)を整列させるような磁場を発生することができる磁場発生器(55)を備える、(付記3)に記載の流体噴霧設備。
(付記5)
前記スクレーパー(20)が強磁性要素を備え、前記保持システムが、前記強磁性要素を前記磁場発生器(55)に近づけて、前記スクレーパー(20)を前記循環パイプ(15)の内面(25)に押し付けることが意図された磁場を、前記パイプ(15)の少なくとも一部に発生させることができる磁場発生器(55)を備える、(付記2)に記載の流体噴霧設備。
(付記6)
前記磁場発生器(55)が前記循環パイプ(15)の外面(27)に接している、(付記4)または(付記5)に記載の流体噴霧設備。
(付記7)
前記磁場発生器(55)が、前記循環パイプ(15)の内面(25)と外面(27)との間に少なくとも部分的に配置されている、(付記4)または(付記5)に記載の流体噴霧設備。
(付記8)
前記保持システムが、前記スクレーパ(20)の少なくとも一部(57、70)の前記外径を、前記第1の外径値(De1)から前記パイプの内径(Di)に等しい第2の外径値(De2)に増大させるように構成されている、(付記2)に記載の流体噴霧設備。
(付記9)
前記スクレーパー(20)は、第2の軸A2に沿って延在し、前記パイプ(15)内の圧力が所定の圧力値以上である場合に、前記スクレーパー(20)は、前記第2の軸(A2)に沿ってクラッシュするように構成され、クラッシュは、前記スクレーパ(20)の前記一部(57、70)の外径を前記第1の外径値(De1)から前記第2の外径値(De2)に増大させる、(付記8)に記載の流体噴霧設備。
(付記10)
前記スクレーパ(20)は、シェル(40)と弾性要素(60)とを備え、前記シェル(40)は、前記第2の軸(A2)に沿って前記シェル(40)を画定する2つの端壁(46)を有し、前記弾性要素(60)は、前記シェルの内部に収容されて、前記第2の軸(A2)に沿って前記2つの端壁(46)を互いから離すように、前記2つの端壁(46)に力を及ぼし、前記シェル(40)は、前記端壁(46)が前記第2の軸(A2)に沿って互いに近づく場合、前記シェル(40)の少なくとも一部(57)の前記外径は前記第2の外径値(De2)に増加するように構成されている、(付記9)に記載の流体噴霧設備。
(付記11)
前記スクレーパー(20)は、2つの端部(65)と、弾性的クラッシュ部(70)とを備え、前記クラッシュ部(70)は、第2の軸(A2)に垂直な平面において円形の断面を有し、第2の軸(A2)に沿って、前記2つの端部(65)の間に挿入され、前記クラッシュ部(70)は、前記端部(65)に前記端部(65)を互いから離そうとする力を及ぼし、また、前記スクレーパー(20)がクラッシュする場合、半径方向外側に変形するように構成されている、(付記10)に記載の流体噴霧設備。
(付記12)
前記スクレーパー(20)は、磁石(50)を備え、前記保持システムは、少なくとも1つの強磁性要素(56)を備え、前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)内に収容される場合、前記磁石(50)が、前記スクレーパー(20)を前記強磁性要素(56)に近づけようとする力を及ぼし、前記スクレーパー(20)を前記循環パイプ(15)の内面(25)に押し付けるように構成される、(付記2)に記載の流体噴霧設備。
(付記13)
前記強磁性要素(56)は、前記循環パイプ(15)の周りに巻かれた縦方向の強磁性要素(56)である、(付記12)に記載の流体噴射設備。
(付記14)
前記循環パイプ(15)を囲むシースをさらに備え、各強磁性要素(56)が、前記シースと前記循環パイプ(15)との間に置かれる、(付記12)または(付記13)に記載の流体噴霧設備。
(付記15)
流体循環パイプ(15)を備える流体噴霧設備(10)内で流体を動かすための方法であって、スクレーパー(20)が前記パイプ(15)内を循環するステップを含み、前記スクレーパー(20)が、前記循環ステップの間、前記パイプ(15)に存在する流体をその前に押し戻し、前記パイプ(15)と前記スクレーパー(20)は、各々円筒形断面を有し、前記パイプ(15)が内径(Di)を有し、前記スクレーパー(20)が外径を有し、前記循環ステップの間、前記外径が第1の値(De1)を有し、前記パイプ(15)の内径(Di)と前記スクレーパー(20)の第1の外径値(De1)との差が100マイクロメートル以上、好ましくは200マイクロメートル以上であることを特徴とする、方法。
(付記16)
スクレーパー(20)が第2の軸(A2)に沿って延在する設備(10)において実施される方法であって、前記圧力を第1の圧力値から第2の圧力値に増加させるステップと、前記圧力の影響下で前記第2の軸(A2)に沿って前記スクレーパー(20)をクラッシュするステップをさらに含み、前記クラッシュが、前記スクレーパー(20)の少なくとも一部(57、70)の外径を、前記第1の外径値(De1)から、前記パイプ(15)の内径(Di)の等しい第2の外径値(De2)に増加させる、(付記15)に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体循環パイプ(15)と、前記パイプ(15)内で循環できるスクレーパー(20)を備える流体噴霧設備(10)であって、前記スクレーパーが前記パイプ(15)内で循環する場合、前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)内に存在する流体をその前に押し戻すように構成され、前記パイプ(15)および前記スクレーパー(20)は、各々円形断面を有し、前記パイプ(15)は内径(Di)を有し、前記スクレーパー(20)は外径を有し、前記外径は第1の値(De1)を有し、
前記パイプの内径(Di)と前記スクレーパー(20)の外径の第1の値(De1)との間の差が、100マイクロメーター以上でり、
前記流体噴霧設備は、前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)に挿入される場合、前記パイプ(15)に関する前記スクレーパ(20)の相対的な並進移動を防止できる保持システムを備え、
前記パイプ(15)が第1の軸(A1)に沿って延在し、前記スクレーパ(20)は、第2の軸(A2)に沿って延在し、前記第1の軸(A1)と前記第2の軸(A2)が一体化される場合、前記第1の軸(A1)に沿って前記パイプ(15)に対して並進して循環するように構成され、前記保持システムは、前記第1の軸(A1)に垂直な軸(Ap)の周りに前記スクレーパー(20)を回転させるように構成され、前記第1の軸(A1)と前記第2の軸(A2)との間の角度αが厳密にゼロより大きいことを特徴とする、流体噴霧設備。
【請求項2】
前記角度が0.5度以上である、請求項1に記載の流体噴霧設備。
【請求項3】
前記外径の第1の値(De1)が200マイクロメーター以上である、請求項1または2に記載の流体噴霧設備。
【請求項4】
前記スクレーパー(20)は、N極(N)とS極(S)を有する磁石(50)を備え、前記磁石(50)の両極(N、S)は、第3の軸(A3)に沿って整列し、前記第2軸(A2)と前記第3の軸(A3)との間の角度(β)が厳密にゼロより大きく、前記保持システムは、前記パイプ(15)の少なくとも一部において、前記第3の軸(A3)および前記第1の軸(A1)を整列させるような磁場を発生することができる磁場発生器(55)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の流体噴霧設備。
【請求項5】
前記磁場発生器(55)が前記循環パイプ(15)の外面(27)に接している、請求項4に記載の流体噴霧設備。
【請求項6】
前記磁場発生器(55)が、前記循環パイプ(15)の内面(25)と外面(27)との間に少なくとも部分的に配置されている、請求項4に記載の流体噴霧設備。
【請求項7】
前記第2の軸と前記第3の軸との間の角度が5度以上である、請求項4に記載の流体噴霧設備。
【請求項8】
流体循環パイプ(15)を備える流体噴霧設備(10)内で流体を動かすための方法であって、スクレーパー(20)が前記パイプ(15)内を循環するステップを含み、前記スクレーパー(20)が、前記循環ステップの間、前記パイプ(15)に存在する流体をその前に押し戻し、前記パイプ(15)と前記スクレーパー(20)は、各々円筒形断面を有し、前記パイプ(15)が内径(Di)を有し、前記スクレーパー(20)が外径を有し、前記循環ステップの間、前記外径が第1の値(De1)を有し、前記パイプ(15)の内径(Di)と前記スクレーパー(20)の第1の外径値(De1)との差が100マイクロメートル以上でり、前記パイプ(15)が第1の軸(A1)に沿って延在し、前記スクレーパー(20)は第2の軸(A2)に沿って延在し、前記第1の軸(A1)と前記第2の軸(A2)が一体化される場合、前記第1の軸(A1)に沿って前記パイプ(15)に対して並進して循環するように構成され、
前記方法は、ピボットステップをさらに含み、前記スクレーパー(20)が前記パイプ(15)に挿入される場合、前記パイプ(15)に関する前記スクレーパ(20)の相対的な並進移動を防止できる保持システムによって実施され、前記ピボットステップは、前記第1の軸(A1)と前記第2の軸(A2)との間の角度(α)が厳密にゼロより大きいように、前記スクレーパー(20)を前記第1の軸(A1)に垂直な軸(Ap)の周りに回転させることを含むことを特徴とする、方法。
【請求項9】
前記角度が0.5度以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の外径値(De1)が200マイクロメートル以上である、請求項8に記載の方法。
【国際調査報告】