(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】トリフルオロヨードメタン(CF3I)及びヘキサフルオロアセトン(HFA)からなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20220106BHJP
C07C 49/167 20060101ALI20220106BHJP
C07C 19/16 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C09K5/04 C
C07C49/167
C07C19/16
C09K5/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521048
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(85)【翻訳文提出日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 US2019055650
(87)【国際公開番号】W WO2020081364
(87)【国際公開日】2020-04-23
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】チュンゴン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ハイヨン
(72)【発明者】
【氏名】マーケル、ダニエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】パン、ハン ティ.
(72)【発明者】
【氏名】フルス、リアン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AB93
4H006AD11
4H006EA02
(57)【要約】
本開示は、トリフルオロヨードメタン(CF
3I)及びヘキサフルオロアセトン(HFA)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物、並びにヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)を組み合わせ、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有するヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)を含む共沸混合物又は共沸混合物様を形成する工程を含む、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、組成物。
【請求項2】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
共沸混合物様組成物の前記共沸混合物が、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約59重量%~約60重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40重量%~約41重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有するヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、組成物。
【請求項8】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約59重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)~約60重量%のヘキサフルオロアセトン、及び約40重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)~約41重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)からなる、請求項7に記載の組成物。
【請求項13】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)からなる、請求項7に記載の組成物。
【請求項14】
前記共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)からなる、請求項7に記載の組成物。
【請求項15】
共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法であって、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)を組み合わせ、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、方法。
【請求項16】
前記組み合わせる工程が、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)を組み合わせる工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記組み合わせる工程が、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)を組み合わせる工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記組み合わせる工程が、約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)を組み合わせる工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
ヘキサフルオロアセトン(HFA)、トリフルオロヨードメタン(CF
3I)及び少なくとも1つの不純物を含む一次組成物からヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)を分離する方法であって、
前記一次組成物内に、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成する工程と、
前記一次組成物、少なくとも1つの不純物から前記二次組成物を分離する工程と、
を含む、方法。
【請求項20】
前記形成する工程が、前記一次組成物内に、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物、特に、トリフルオロヨードメタン(CF3I)及びヘキサフルオロアセトン(HFA)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロカーボンをベースとする流体は、冷媒、エアゾール噴射剤、発泡剤、伝熱媒体、ガス状誘電体及び消火剤として含む、いくつかの用途において工業的に広範囲にわたる使用が見出されてきた。
【0003】
しかし、クロロフルオロカーボン(CFC)及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などのある種の化合物は、大気中のオゾンを減少させることが疑われており、したがって環境に有害である。更に、これらの化合物の一部は、地球温暖化に寄与すると考えられている。したがって、ヒドロフルオロカーボン(HFC)などのオゾン破壊係数が低い、若しくはゼロにさえなるフルオロカーボン流体、又は地表に放出された場合に、大気中で短い寿命を示す光分解性炭素ヨウ素結合を有するフルオロカーボン流体を使用することが望ましい。沸騰及び蒸発時に分留しない、単一構成成分の流体又は共沸混合物の使用がやはり望ましい。
【0004】
不運なことに、新規で環境面で安全な、非分留性混合物を特定することは、共沸混合物の形成が容易に予想することができないために複雑である。
【0005】
産業界は、選択肢を提供し、かつ今日使用されているCFC、HCFC及びHFCに代わる環境的に安全な代替物と考えられる、新規なフルオロカーボンをベースとする混合物を絶えず求めている。オゾン破壊係数が低く、かつ地球温暖化係数が低い、ヨウ素含有化合物及び他のフッ素化化合物に特に関心が持たれている。このような混合物が、本開示の対象である。
【0006】
ヨウ素含有化合物は、高い潜在的関心がもたれているが、トリフルオロヨードメタン(CF3I)などのヨウ素含有化合物の精製は難題であり、例えば、トリフルオロメタン(HFC-23)などのトリフルオロヨードメタン(CF3I)に由来する不純物を除去する技法が、常に必要とされている。したがって、例えば、共沸蒸留などの分離技法が、非常に望ましい。
【0007】
必要とされることは、高純度の、トリフルオロヨードメタン(CF3I)などのヨウ素含有化合物を調製するために使用することができる組成物及び技法である。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、トリフルオロヨードメタン(CF3I)及びヘキサフルオロアセトン(HFA)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物を提供する。
【0009】
共沸混合物の形成を予測することが不可能であることは当該技術分野において十分に認識されている。更に本発明者らは、トリフルオロヨードメタン(CF3I)及びヘキサフルオロアセトン(HFA)が、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成することを予想外なことに発見した。
【0010】
本開示は、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物を提供する。
【0011】
本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)、約59重量%~約60重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)又は約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)、及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、約40重量%~約41重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)又は約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる。
【0012】
言い換えると、本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、約59重量%~約60重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40重量%~約41重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、又は約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含むことができる。本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、上記の量で、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)から本質的になることができるか、又は上記の量でヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)からなることができる。
【0013】
本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する。
【0014】
その別の形態では、本開示は、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有するヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を提供する。
【0015】
その更なる形態では、本開示は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法であって、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を組み合わせ、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、方法を提供する。本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有することができる。
【0016】
その更なる形態では、本開示は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)、トリフルオロヨードメタン(CF3I)及び少なくとも1つの不純物を含む一次組成物からヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を分離する方法であって、一次組成物内に、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3-I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成する工程であって、共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、約14.40psia±0.30psiaの圧力において約-29.84℃±0.30℃の沸点を有し得る工程、及び二次組成物を一次組成物及び少なくとも1つの不純物から分離する工程を含む、方法を提供する。
【0017】
上述の方法において、形成する工程は、一次組成物内に、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有することができる約10重量%~約80重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約20重量%~約90重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成する工程を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例1により測定した、温度対ヘキサフルオロアセトン(HFA)(重量%)をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ヘキサフルオロアセトン(HFA)は、トリフルオロヨードメタン(CF3I)と共に、均一で最低沸点の共沸混合物及び共沸混合物様組成物を形成することが見出され、本開示は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む均一な共沸混合物又は共沸混合物様組成物を提供する。本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)から本質的になることができるか、又は本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)からなることができる。
【0020】
本発明者らは、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)が、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成することが実験的に見出された。
【0021】
「共沸混合物」組成物は、2種以上の構成成分の特有の組合せである。共沸混合物組成物は、さまざまな方法で特徴づけることができる。例えば、所与の圧力では、共沸混合物組成物は、一定の特有の温度で沸騰し、この特有の温度は、沸点の高い方の構成成分よりも高い(最大沸点共沸混合物)か、又は沸点の低い方の構成成分(最小沸点共沸混合物)よりも低いかのどちらかである。この特有の温度では、同じ組成が、蒸気相及び液相の両方にて存在する。共沸混合物組成物は、沸騰又は蒸発時に分留しない。したがって、共沸混合物組成物の構成成分は、相変化の間に分離することができない。
【0022】
共沸混合物組成物はまた、特徴的な共沸混合物温度では、液相の起泡点圧は、蒸気相の露点圧と同一である。
【0023】
共沸混合物組成物の挙動は、沸騰又は蒸発中に液体組成物が相当な度合いに変化する非共沸混合物組成物の挙動とは対照的である。
【0024】
本開示の目的に関すると、共沸混合物組成物は、一定の特有の温度で沸騰し、その温度が2種以上の構成成分の沸点より低い(最低沸点共沸混合物)組成物であることにより蒸気相及び液相の両方で同じ組成を有する組成物として特徴づけられる。
【0025】
しかし、当業者は、異なる圧力において、共沸混合物組成物の組成及び沸点の両方が、ある程度の範囲で変わることを理解している。したがって、共沸混合物組成物は、温度及び/又は圧力に応じて、さまざまな組成を有することができる。したがって、当業者は、固定された組成ではなく、組成の範囲を使用して、共沸混合物組成物を定義することができることを理解している。更に、共沸混合物は、指定圧において、固定した沸点によって特徴づけられる組成物の各構成成分の正確な重量百分率に関して定義されてもよい。
【0026】
「共沸混合物様」組成物は、共沸混合物組成物として実質的に挙動する、2種以上の構成成分からなる組成物である。したがって、本開示の目的に関すると、共沸混合物様組成物は、2種以上の異なる構成成分からなる組合せであり、これは、所与の圧力下で液状形態にある場合、本質的に一定の温度で沸騰し、沸騰している液体組成物と実質的に同一の蒸気組成物をもたらすであろう。
【0027】
本開示の目的に関すると、共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の温度範囲で沸騰する組成物又はある範囲の組成物である。
【0028】
共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、いくつかのさまざまな方法を使用して特定することができる。
【0029】
本開示の目的に関すると、共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、エブリオメータ(Walas,Phase Equilibria in Chemical Engineering,Butterworth-Heinemann、1985年、533~544頁)を使用して実験的に特定される。エブリオメータは、蒸気-液体平衡の温度を測定することによって、非常に正確な液体の沸点の測定値をもたらすよう設計されている。
【0030】
構成成分単独の各々の沸点は、一定圧で測定する。当業者は、二成分系共沸混合物又は共沸混合物様組成物の場合、組成物の構成成分の一方の沸点が、最初に測定されることを理解している。次に、組成物の第2の構成成分をさまざまな量で添加し、得られた組成物の各々の沸点を、当該一定圧でエブリオメータを使用して測定して測定する。
【0031】
試験した組成物の組成、例えば、二成分系共沸混合物の場合、この組成物に添加された第2の構成成分の量(重量%又はモル%のいずれかで表される)に対して測定した沸点をプロットする。共沸混合物組成物の存在は、いずれかの単独構成成分の沸点より高い又は低い、最大沸騰温度又は最小沸騰温度を観察することによって特定することができる。
【0032】
当業者は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物の同定は、第1の構成成分に第2の構成成分を添加した際の、第1の構成成分の沸点に対して、組成物の沸点の変化を比較することによって行われることを理解している。したがって、沸点の変化を測定するために、報告された特定の構成成分の沸点にシステムを較正することを必要としない。
【0033】
以前に議論したとおり、最高沸点又は最低沸点において、蒸気相の組成は、液相の組成と同一になろう。したがって、本共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点となる、本質的に一定な最低沸点又は最高沸点をもたらす構成成分からなるそのような組成であって、この実質的に一定の沸点において、蒸気相の組成は、液相の組成と実質的に同一となろう。
【0034】
本開示は、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含んで、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する、共沸混合物又は共沸混合物様組成物をもたらす。本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、他の構成成分と組み合わせると、共沸混合物又は共沸混合物様混合物の形成をもたらす各構成成分の量である。
【0035】
本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)の組合せから本質的になることができるか、又はヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)の組合せからなることができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、共沸混合物又は共沸混合物様組成物又は混合物の構成成分に関して、用語「から本質的になる」とは、組成物が、共沸混合物又は共沸混合物様の比で示された構成成分を含有すること、及び追加の構成成分を含有してもよいが、ただしこの追加の構成成分が新たな共沸混合物又は共沸混合物様の系を形成しないことを条件とすることを意味する。例えば、2つの化合物から本質的になる共沸混合物様混合物は、二成分系共沸混合物を形成するものであり、この二成分系共沸混合物は、1つ又は複数の追加の構成成分を場合により含んでもよいが、ただし、この追加の構成成分は、混合物を非共沸性にしないこと、及び化合物の一方又は両方と共沸混合物を形成しないこと(例えば、三成分系以上の共沸混合物を形成しない)を条件とする。
【0037】
本開示はまた、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を混合する、これらを組み合わせるか、又はこれらをブレンドすることによる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法を提供する。2種以上の構成成分を組み合わせるための当該技術分野において公知の幅広い任意の方法が、本方法に使用され得る。例えば、バッチ反応の一部として、又は連続反応及び/若しくはプロセスの一部として、又は2つ以上のこのような工程の組合せにより、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を混合、ブレンド、又は他には、手作業により及び/又は機械により組み合わせることができる。ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)のどちらも、市販されており、いくつかの異なる供給業者から入手することができる。これらの構成成分は、必要量で、例えば、秤量して、次にそれらの分量を組み合わせることによって供給され得る。
【0038】
本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)、約59重量%~約60重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)又は約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)、及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、約40重量%~約41重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)又は約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる。
【0039】
言い換えると、本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、約59重量%~約60重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40重量%~約41重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)、又は約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含むことができる。本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、上記の量で、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)から本質的になることができるか、又は上記の量でヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)からなる。
【0040】
本開示の本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する。
【0041】
言い換えると、本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、少なければ約28重量%、約45重量%若しくは約59重量%、又は多ければ約60重量%、約70重量%若しくは約75重量%、又は上述の値のいずれか2つの間に規定される任意の範囲内で、ヘキサフルオロアセトン(HFA)を含む、これから本質的になる、又はこれからなり、本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、少なければ約25重量%、約30重量%若しくは約40重量%、又は多ければ約41重量%、約55重量%又は約72重量%、又は上述の値のいずれか2つの間に規定される任意の範囲内で、トリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これから実質的になる、又はこれからなる。一実施形態では、本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約59.78重量%及びヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これから本質的になる、又はこれからなる。本開示の本共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する。
【0042】
本開示はまた、本共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物を提供する。例えば、少なくとも約5重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物、又は少なくとも約15重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物、又は少なくとも約50重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物、又は少なくとも約70重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物、又は少なくとも約90重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物が提供される。
【0043】
本明細書において開示されている、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及び/又はトリフルオロヨードメタン(CF3I)から不純物を分離するために使用されてもよい。トリフルオロヨードメタン(CF3I)中に存在し得る不純物の1つは、トリフルオロメタン(HFC-23)である。
【0044】
有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物組成物又は共沸混合物様組成物の調製により、例えば、トリフルオロヨードメタン(CF3I)から不純物を除去して、高純度のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を得るために使用される、共沸蒸留などの分離技法が可能となる。
【0045】
一例では、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)の一方又は両方を、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)以外の不純物などの1種又は複数の他の化学化合物と一緒に含む組成物から形成され得る。共沸混合物又は共沸混合物様組成物の形成の後に、この共沸混合物又は共沸混合物様組成物は、蒸留、相分離又は分留などによる好適な方法によって、他の化学化合物から分離することができる。
【0046】
この方法では、本開示は、少なくとも1種の追加の不純物と共に不純物としてヘキサフルオロアセトン(HFA)を含むトリフルオロヨードメタン(CF3I)の粗製一次組成物から、不純物としてのヘキサフルオロアセトン(HFA)を分離する方法であって、不純物として粗製トリフルオロヨードメタン(CF3I)、ヘキサフルオロアセトン(HFA)、及び少なくとも1種の追加の不純物からなる一次組成物を用意する工程、及びこの一次組成物に、例えば、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる共沸混合物又は共沸混合物様組成物である二次組成物を形成するのに有効な条件で蒸留を施す工程、及び例えば、相分離、蒸留又は分留などの分離技法によって、一次組成物から二次組成物を分離する工程を含む、方法を提供する。これ以降、一次組成物に、更なる分離工程又は精製工程が施されて、トリフルオロヨードメタン(CF3I)を得ることができる。
【0047】
以下の非限定例は、本開示を例示するのに役立つ。
【実施例】
【0048】
実施例1-エブリオメータ検討
ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)からなる共沸混合物及び共沸混合物様組成物を測定するために、エブリオメータを使用した。エブリオメータは、底部は密閉されており、上部は大気に開放されている真空ジャケット付きガラス製容器を含む。エブリオメータの上部又はコンデンサジャケットにドライアイス及びエタノールの混合物を充填して、14.40psiaの圧では、ヘキサフルオロアセトン(HFA)の場合、-27.76℃、及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)の場合、-22.29℃となる通常沸点よりもかなり低い、約-72℃の温度を得た。この方法で、系中の蒸気のすべてが凝縮し、液相及び蒸気相が平衡にあるよう、エブリオメータに逆流入させた。±0.002℃の精度を有する石英-白金温度計を上記のガラス製容器の内側に挿入し、これを使用し、この混合物の平衡沸点に対応する凝縮した蒸気の温度を求めた。エブリオメータ中の混合物の穏やかな沸騰の維持を補助するために、沸騰チップを使用した。
【0049】
以下の手順を使用した。
【0050】
1.石英温度計を、氷/水スラリーを含む長いデュアー瓶に浸け、温度計の読取り値が0℃であることを確認した。デュアー瓶は十分に深く、その結果、温度計シャフトの長さの少なくとも3/4が氷/水に浸かった。温度計の抵抗は、オームで記録した。
【0051】
2.コンデンサジャケットに、エタノールを最大量の1/4まで充填した。コンデンサジャケットは、エタノールの突沸及び/又は飛散を回避するため、ドライアイスをゆっくりと導入することによって冷却した。
【0052】
3.既知量のトリフルオロヨードメタン(CF3I)又はヘキサフルオロアセトンをエブリオメータに加え、激しい還流条件にした。温度インジケータを備える気圧計を使用して、温度及び大気圧を記録した。
【0053】
測定は、2段階で行った。第1の段階では、ガスクロマトグラフィー(GC)により求めると、純度が99面積%を有する約16.30gのヘキサフルオロアセトン(HFA)(synquest、ロット418700)を、±0.01gの精度を有する天秤を使用して、添加前後の容器を秤量することによって、最初にエブリオメータに導入した。液体を沸騰させて、ヘキサフルオロアセトン(HFA)の平衡温度を、記録した大気圧で記録した。次に、ガスクロマトグラフィー(GC)によって求めると、純度が99.99面積%を有するトリフルオロヨードメタン(CF3I)を、エブリオメータに小刻みに導入し、凝縮した液体混合物の平衡温度を記録した。
【0054】
第2の段階では、ガスクロマトグラフィー(GC)により求めると、純度が99.99面積%を有する約22.76gのトリフルオロヨードメタン(CF3I)を、±0.01gの精度を有する天秤を使用して、添加前後の容器を秤量することによってエブリオメータに導入した。液体を沸騰させて、トリフルオロヨードメタン(CF3I)の平衡温度を、記録した大気圧で記録した。次に、ガスクロマトグラフィー(GC)によって求めると、純度が99面積%を有するヘキサフルオロアセトン(HFA)(synquest ロット418700)を、エブリオメータに小刻みに導入し、凝縮した液体混合物の平衡温度を記録した。
【0055】
上記の第1の段階及び第2の段階からのデータを組み合わせ、共沸混合物が形成されたことを示す温度の最小値を示す、以下の表1に提示されている、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)の各々が0~100重量%となる組成の範囲データを完成し、このデータを
図1のグラフ形式にも表す。この混合物の起泡点温度は、一定を維持したままであり、このことは、この混合物は、大きな組成の範囲にわたり、共沸混合物様であったことを示している。
【表1】
実施例2-不純物の分離
【0056】
この実施例では、トリフルオロメタン(HFC-23)などの他の不純物と一緒に、不純物としてヘキサフルオロアセトン(HFA)を含む、トリフルオロヨードメタン(CF3I)の粗製組成物を用意する。次に、この組成物に、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)の共沸混合物又は共沸混合物様組成物が形成して、この組成物の残部から分離するのに有効な条件で蒸留を施す。ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)からなる分離後の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を、軽質構成成分としてのトリフルオロヨードメタン(CF3I)の残留粗製組成物から除去する。次に、トリフルオロヨードメタン(CF3I)の残留粗製組成物に、トリフルオロメタン(HFC-23)などの他の不純物が、更なる蒸留によって分離されて精製トリフルオロヨードメタン(CF3I)を得ることができる、さまざまな温度及び圧力条件を施す。
態様
【0057】
態様1は、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0058】
態様2は、約28重量%~約75重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約25重量%~約72重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、態様1の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0059】
態様3は、約45重量%~約70重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約30重量%~約55重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、態様2の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0060】
態様4は、約59重量%~約60重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40重量%~約41重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、態様3の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0061】
態様5は、約59.78重量%のヘキサフルオロアセトン(HFA)及び約40.22重量%のトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む、態様4の共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0062】
態様6は、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する、態様1~5のいずれかの共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0063】
態様7は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)から本質的になる、態様1~6のいずれかの共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0064】
態様8は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)からなる、態様1~7のいずれかの共沸混合物又は共沸混合物様組成物である。
【0065】
態様9は、態様1~8のうちのいずれかの共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む組成物である。
【0066】
態様10は、少なくとも約5重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、態様9の組成物である。
【0067】
態様11は、少なくとも約15重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、態様10の組成物である。
【0068】
態様12は、少なくとも約50重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、態様11の組成物である。
【0069】
態様13は、少なくとも約70重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、態様12の組成物である。
【0070】
態様14は、少なくとも約90重量%の共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、態様13の組成物である。
【0071】
態様15は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法であって、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を組み合わせ、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を含む共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、方法である。
【0072】
態様16はヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を組み合わせ、態様1~8のいずれかの共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、態様15の方法である。
【0073】
態様17は、ヘキサフルオロアセトン(HFA)、トリフルオロヨードメタン(CF3I)及び少なくとも1つの不純物を含む一次組成物からヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)を分離する方法であって、一次組成物内に、有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF3-I)を含む共沸混合物様組成物の共沸混合物である二次組成物を形成する工程、及び一次組成物及び少なくとも1つの不純物から二次組成物を分離する工程を含む、方法である。
【0074】
態様18は、共沸混合物又は共沸混合物様組成物が、態様1~8のいずれかに規定されているとおりである、態様17の方法である。
【0075】
態様19は、分離が、相分離、蒸留及び分留のうちの少なくとも1つにより行われる、態様17又は18の方法である。
【0076】
本明細書で使用するとき、「前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちの任意の2つから選択され得ることを意味する。例えば、一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。
【0077】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しないかぎり、複数形を含む。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は上方の好ましい値と下方の好ましい値との列挙のいずれかとして与えられるとき、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の上限範囲又は上方の好ましい値と任意の下限範囲又は下方の好ましい値との任意の対から形成されるすべての範囲を具体的に開示しているものとして理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に列挙されている場合、特に明記しないかぎり、範囲は、その端点、並びに範囲内のすべての整数及び端数を含むことが意図される。本開示の範囲は、範囲を定義するときに列挙される特定の値に限定されることを意図するものではない。
【0078】
前述の説明は、本開示の単なる例示に過ぎないことが理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、当業者によってさまざまな代替形態及び修正形態を考案することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれるすべてのこのような代替形態、修正形態、及び変動を包含することを意図する。
【手続補正書】
【提出日】2021-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、組成物。
【請求項2】
約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有するヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を含む、組成物。
【請求項3】
共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する方法であって、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)を組み合わせ、約14.40psia±0.30psiaの圧力において、約-29.84℃±0.30℃の沸点を有する、ヘキサフルオロアセトン(HFA)及びトリフルオロヨードメタン(CF
3I)から本質的になる、共沸混合物又は共沸混合物様組成物を形成する工程を含む、方法。
【国際調査報告】