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特表2022-505220冷間成形製品およびプロセスのための接着剤選択方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】冷間成形製品およびプロセスのための接着剤選択方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/00 20060101AFI20220106BHJP
   B32B 17/06 20060101ALI20220106BHJP
   C03C 27/04 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C09J201/00
B32B17/06
C03C27/04 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521173
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(85)【翻訳文提出日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 US2019056929
(87)【国際公開番号】W WO2020081930
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】62/747,531
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/755,203
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/814,906
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】デイヴ,ガウラフ
(72)【発明者】
【氏名】ガルガリカール,ローハン ラム
(72)【発明者】
【氏名】ラヨーニ,カレド
(72)【発明者】
【氏名】ミトラ,アーピータ
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ウェイ
【テーマコード(参考)】
4F100
4G061
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AB01B
4F100AG00C
4F100AK51A
4F100AK52A
4F100AK53A
4F100AL08A
4F100AR00D
4F100AT00B
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100CA13D
4F100CB00A
4F100DD11C
4F100GB41
4F100HB00D
4F100JA02B
4F100JA02C
4F100JK02A
4F100JK07A
4F100JL10D
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4G061AA02
4G061AA20
4G061BA02
4G061CA03
4G061CB04
4G061CB16
4G061CB20
4G061CD03
4G061DA32
4J040EC001
4J040EF001
4J040EK031
4J040GA29
4J040LA02
4J040LA06
4J040MA02
4J040MA05
4J040MB10
4J040NA16
(57)【要約】
本開示の態様は、冷間成形されたガラスを金属基体に結合するめたの接着剤を選択する方法および様々な冷間成形製品に関する。1つ以上の実施の形態において、その冷間成形製品は、曲面および構造基体の熱膨張係数(CTE)を有する構造基体と、接着剤でその曲面に取り付けられた、冷間成形された湾曲ガラス基体であって、ガラス基体のCTEを有するガラス基体とを備え、その構造基体と接着剤は、構造基体/接着剤界面を形成し、そのガラス基体と接着剤は、ガラス基体/接着剤界面を形成し、ガラス基体のCTEおよび構造基体のCTEは異なり、その製品は、構造基体/接着剤界面およびガラス基体/接着剤界面の一方または両方で、-40℃、24℃、および85℃で、改良試験方法ASTM D1002-10により決定される重複剪断破壊、および-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により決定される引張破壊に耐える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基体に冷間成形されたガラスを結合するための接着剤を選択する方法において、
前記金属基体上の前記接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程、
前記接着剤の周囲応力対強度比を計算する工程、
温度の関数として、前記金属基体上の前記接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程、
温度の関数として、前記接着剤の応力対強度比を計算する工程、および
前記周囲応力対強度比が、時間の関数として、一桁未満しか変化しない場合、前記接着剤を選択する工程、
を有してなる方法。
【請求項2】
前記金属基体上の前記接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程が、
前記冷間成形されたガラスの厚さ、該金属基体の厚さ、および該接着剤の厚さの少なくとも1つ、および
前記冷間成形されたガラス、前記金属基体、および前記接着剤の少なくとも1つの物理的性質であって、前記物理的性質が、前記冷間成形されたガラスの弾性、超弾性または粘弾性、前記金属基体の弾性、超弾性または粘弾性、前記接着剤の弾性、超弾性または粘弾性、および該接着剤のガラス転移温度(Tg)の少なくとも1つであり、必要に応じて、前記Tgが、最低の作動温度および最高の作動温度での材料の貯蔵弾性率(E’)の差が、約三桁またはそれ未満、もしくは約二桁またはそれ未満であるようにほぼ室温またはそれ未満である、
の内の一方に基づく、請求項1記載の方法。
【請求項3】
温度の関数として、前記金属基体上の前記接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程が、
前記冷間成形されたガラスの厚さ、前記金属基体の厚さ、および前記接着剤の厚さの少なくとも1つ、および
前記冷間成形されたガラス、前記金属基体、および前記接着剤の少なくとも1つの物理的性質であって、前記冷間成形されたガラスの弾性、超弾性または粘弾性、前記金属基体の弾性、超弾性または粘弾性、前記接着剤の弾性、超弾性または粘弾性、および該接着剤のガラス転移温度の少なくとも1つである物理的性質、
の内の一方に基づく、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記周囲応力対強度比が、15年の期間の関数として、約3:10から約3:100まで変化する、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記接着剤が、ポリウレタン、ポリシロキサン、エポキシ、またはシラン修飾高分子である、請求項4記載の接着剤。
【請求項6】
冷間成形製品において、
曲面および構造基体の熱膨張係数(CTE)を有する構造基体と、
接着剤で前記曲面に取り付けられた、冷間成形された湾曲ガラス基体であって、ガラス基体のCTEを有するガラス基体と、
を備え、
前記構造基体と前記接着剤は、構造基体/接着剤界面を形成し、前記ガラス基体と前記接着剤は、ガラス基体/接着剤界面を形成し、
前記ガラス基体のCTEおよび前記構造基体のCTEは異なり、
前記製品は、前記構造基体/接着剤界面および前記ガラス基体/接着剤界面の一方または両方で、-40℃、24℃、および85℃で、改良試験方法ASTM D1002-10により決定される重複剪断破壊、および-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により決定される引張破壊に耐える、冷間成形製品。
【請求項7】
前記ガラス基体が、前記ガラス基体/接着剤界面で前記接着剤と接触するインク面を形成するインク層を有する、請求項6記載の製品。
【請求項8】
前記冷間成形された湾曲ガラス基体が曲率半径を有し、前記構造基体が曲率半径を有し、該ガラス基体および該構造基体の曲率半径は、互いの10%以下以内にある、請求項6または7記載の製品。
【請求項9】
前記ガラス基体の曲率半径が約400mm以上であり、前記製品が、
約0.5MPaから約5MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある、
約5MPaから約15MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある、
約15MPaから約100MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、15MPaで約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にあり、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する、
約100MPaから約500MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の範囲にあり、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する、
約500MPaから約1000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の範囲にあり、1000MPaで約0ppm/℃から約15ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する、および
約1000MPaから約10000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが約0ppm/℃から約15ppm/℃である、
の内の少なくとも1つを含む、請求項6から8いずれか1項記載の製品。
【請求項10】
前記ガラス基体の曲率半径が約150mm以上かつ400mm未満であり、前記製品は、
約2MPaから約5MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある、
約5MPaから約15MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある、
約15MPaから約100MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、15MPaで約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にあり、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する、
約100MPaから約500MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の範囲にあり、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する、
約500MPaから約1000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の範囲にあり、1000MPaで約0ppm/℃から約15ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する、および
約0ppm/℃から約15ppm/℃の構造CTEに基づいて、約1000MPaから約10000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤、
の内の少なくとも1つを含む、請求項6から8いずれか1項記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、それらの内容が依拠され、ここに全て引用される、2019年3月7日に出願された米国仮特許出願第62/814906号、2018年11月2日に出願された米国仮特許出願第62/755203号、および2018年10月18日に出願された米国仮特許出願第62/747531号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵も主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、冷間成形製品およびプロセスのための接着剤選択方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車内装は、ディスプレイおよび/またはタッチパネルを組み込んだ曲面を含むことができる。そのような曲面を形成するために使用される材料は、一般に、高分子に限定される。高分子は、ガラスの耐久性および光学性能は示さない。このように、湾曲したガラス基体は、特に、ディスプレイおよび/またはタッチパネル用のカバーとして使用される場合、望ましい。熱成形などの、湾曲したガラス基体を形成する既存の方法には、高コスト、および曲げまたは成形中に生じる光学的歪みおよび/または表面模様を含む欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ガラスの熱成形過程に一般に関連する問題がなく、費用効率の良い様式で湾曲したガラス基体を組み込める乗り物内装システムが必要とされている。さらに、自動車内装における表面に対する湾曲したガラス基体の適切な結合を維持し、よって結合された湾曲したガラス基体が、瞬時の存続性および実質的に自動車の全耐用期間に亘る信頼性を有する接着剤を迅速に選択できる方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、自動車内装または自動車内装の従属部品(例えば、フレームなどの構造基体)における表面に対する湾曲ガラス基体の適切な結合を維持する接着剤を選択する様々な方法に関する。それに加え、ここに開示された方法により選択された接着剤は、瞬時の存続性および実質的に自動車の全耐用期間に亘る信頼性を有する結合された湾曲ガラス基体をもたらす。例えば、ここに記載された方法を使用して選択された接着剤は、ある期間に亘り(例えば、15年以上)剥離せずに、それらの接着剤で構造基体(例えば、フレーム)に結合された冷間成形された湾曲ガラス基体における応力および歪みに耐えることができる。
【0006】
1つ以上の実施の形態は、冷間成形製品において、所定の曲率半径の曲面および構造基体の熱膨張係数(CTE)を有する構造基体と、接着剤でその曲面に取り付けられた、冷間成形された湾曲ガラス基体であって、ガラスの曲率半径およびガラス基体のCTEを有するガラス基体とを備え、その構造基体と接着剤は、構造基体/接着剤界面を形成し、そのガラス基体と接着剤は、ガラス基体/接着剤界面を形成し、ガラス基体のCTEおよび構造基体のCTEは異なり、その製品は、構造基体/接着剤界面およびガラス基体/接着剤界面の一方または両方で、-40℃、24℃、および85℃で、改良試験方法ASTM D1002-10により決定される重複剪断破壊(overlap shear failure)、および-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により決定される引張破壊に耐える、冷間成形製品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面は、広く、限定ではなく、一例として、ここに述べられた様々な実施の形態を図解する。
図1】1つ以上の実施の形態による、自動車内装システムを有する自動車内装の斜視図
図2】平らな先端がない湾曲ガラス基体を含むディスプレイの側面図
図3図2のディスプレイに使用されるガラス基体の側面図
図4図3のガラス基体の正面斜視図
図5】例示のシステム500の概略図
図6】例示の方法600の流れ図
図7】装置1600のコンポーネントを示すブロック図
図8】改良ASTM D897積層体の概略図
図9】400mm超の半径(200mm以上の部品長さ)に関する基体(例えば、フレーム)のCTEの関数としての接着剤弾性率のプロット
図10】150mm超であるが400mm以下の半径(200mm以上の部品長さ)に関する基体(例えば、フレーム)のCTEの関数としての接着剤弾性率のプロット 明細書および図面における参照文字の反復使用は、図面と図面で100だけ数が増加している場合でも、本開示の同じまたは類似の特徴または要素を表すことが意図されている。本開示の原理の範囲および精神に含まれる、多くの他の改変および例が、当業者により想起され得ることを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、その例が添付図面に一部分示されている、開示された主題の特定の実施の形態を詳しく参照する。開示された主題は、列挙された請求項に関して記載されるが、例示された主題は、請求項を開示された主題に限定する意図はないことが理解されよう。
【0009】
冷間成形(例えば、曲げ)は、所望の形状を作るために面外の荷重の印加により、比較的低温(例えば、140℃未満)でのガラスの弾性変形に基づく、湾曲ガラス基体を作製するためのエネルギー効率の良い方法である。冷間成形過程中、平らな高強度ガラスが、三次元的(3D)に変形され、例えば、表示機能モジュールが取り付けられる、目標の予備成形された3Dフレームに接着中間層によって、機械的に固定される。この冷間成形過程により、結果として得られた湾曲ガラス基体、接着剤層、および目標フレームに応力が生じる。
【0010】
ガラスの曲げにより接着剤中に生じる機械的応力は、その耐用期間中ずっと続く。その機械的応力は、接着剤の瞬間破壊だけでなく、長期の信頼性の問題も生じ得る。接着剤の所望の応力閾値は、瞬時の存続性および長期の信頼性を決定するための臨界値の内のいくつかである。それらの閾値は、接着剤のタイプ、温度条件、ガラスの機械的性質、材料のタイプ、および予備成形された3Dフレームの幾何学形状に応じて変わる。
【0011】
瞬時の存続性および長期の信頼性の要件を満たすために接着剤の応力を減少させることのできる既存の方法は、ガラスの平らな先端または平らな部分の概念を含む。本開示の第1の態様は、湾曲ガラス基体の冷間成形のための、ガラスの平らな先端の有無にかかわらず、接着剤群を選択するための方法、並びに特定の接着剤を提供する。ここに記載された方法を使用して選択された接着剤群、および特定の接着剤は、接着剤のタイプおよびその機械的性質と熱的性質;接着剤の厚さ;フレーム材料のタイプおよびその機械的性質と熱的性質;フレームの厚さ;およびガラスの厚さに基づいて、瞬時の存続性および長期の信頼性の要件を満たす。
【0012】
1つ以上の実施の形態において、冷間成形製品(様々な実施の形態によりここに記載されたような)を成形するための接着剤を選択する方法は:基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程;接着剤の周囲応力対強度比を計算する工程;温度の関数として、基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程;温度の関数として、接着剤の応力対強度比を計算する工程;および周囲応力対強度比が、時間の関数として、一桁未満しか変化しない場合、その接着剤を選択する工程を有してなる。
【0013】
ここに用いられているように、「強度」という用語は、引張強度または剪断強度を称する。
【0014】
1つ以上の実施の形態において、結果として得られた冷間成形製品は、構造基体をガラスに結合するための複数の接着剤の組合せを含むことがある。例えば、構造基体のある部分のためにある接着剤を選択することができ、構造基体の異なる部分のために別の接着剤を選択することができる。そのようにする際に、例えば、低応力の区域により軟質の接着剤を選択し、高応力の区域により強力な接着剤を選択することができる。
【0015】
この方法の1つ以上の実施の形態において、時間の関数としての周囲応力対強度比は、例えば、時間の関数として、約3:10から約3:100まで変化し得る。例えば、時間の関数としての周囲応力対強度比は、例えば、少なくとも約5年、少なくとも約10年、少なくとも約15年もしくはそれより長い、または15年の期間に亘る、期間の関数として、約3:10から約3:50まで、約3:10から約3:75まで、約3:10から約1:10まで、約1:10から約1:100まで、約1:100から約3:100まで、約3:10から約1:100まで、約2:10から約1:50まで、または約3:50から約3:90まで、変化し得る。
【0016】
冷間成形されたガラス、金属基体、およびその冷間成形されたガラスを金属基体に結合する接着剤が、自動車内装システムに見られる。この自動車内装システムは、転じて、列車、自動車(例えば、乗用車、トラック、バスなど)、船舶(ボート、船、潜水艦など)、および航空機(例えば、ドローン、飛行機、ジェット機、ヘリコプターなど)を含む、どの自動車に組み込まれても差し支えない。
【0017】
図1は、自動車内装システム100、200、300を含む自動車内装10の一例を与えている。自動車内装システム100は、ディスプレイ130を含む曲面120を有するセンターコンソールベース110を備える。自動車内装システム200は、ディスプレイ230を含む曲面220を有するダッシュボードベース210を備える。ダッシュボードベース210は、一般に、計器盤215を備え、この計器盤もディスプレイを備えることがある。自動車内装システム300は、曲面320およびディスプレイ330を有するハンドルベース310を備える。1つ以上の実施の形態において、その自動車内装システムは、アームレスト、ピラー、シートバック、床板、ヘッドレスト、ドアパネル、または曲面を含む自動車の内装の任意の部分であるベースを備えることがある。
【0018】
ここに述べられた冷間成形されたガラス基体は、自動車内装システム100、200および/または300における使用を含む、ここに記載されたディスプレイの実施の形態のいずれの湾曲カバーガラスとして使用してもよい。ここに用いられているように、「ガラス基体」という用語は、全てがまたは部分的にガラスでできている任意の物体を含むように、最も広い意味で使用される。ガラス基体は、ガラス材料と非ガラス材料の積層板、ガラス材料と結晶質材料の積層板、およびガラスセラミック(非晶相と結晶相を含む)を含む。そのガラス基体は、透明であっても、不透明であってもよい。冷間成形されたガラス基体は、特定の色を与える着色剤を含み得る。ここに記載された冷間成形されたガラス基体に使用するのに適したガラス組成物としては、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルカリ含有アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、およびアルカリ含有アルミノホウケイ酸塩ガラスが挙げられる。そのガラス基体は、必要に応じて、強化されていてもよい。例えば、ガラス基体は、当該技術分野で公知のどの適切な方法を使用して強化しても差し支えなく、表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力(CS)を示すことがある。1つ以上の実施の形態において、強化されたガラス基体は、ガラス基体の複数の部分間の熱膨張係数の不一致を使用して、反対の表面部分の圧縮応力領域および引張応力を示す中央領域を作ることによって、CSが生成されている、機械的に強化されたガラス基体であることがある。1つ以上の実施の形態において、強化されたガラス基体は、ガラス基体をガラス転移点より高い温度に加熱し、次いで、急冷することによって、CSが熱的に生成されている、機械的に強化されたガラス基体であることがある。1つ以上の実施の形態において、強化されたガラス基体は、例えば、ガラス基体の表面またはその近くにあるイオンが、同じ価数または酸化状態を有する、より大きいイオンにより置換される、すなわち、交換される、イオン交換により、CSが化学的に生成されている、化学的に強化されたガラス基体であることがある。
【0019】
図2に示されるように、ディスプレイ130は、第1の曲率半径を有する冷間成形された湾曲ガラス基体140およびフレーム150(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムから製造された、金属フレーム)、並びにガラス基体140とフレーム150との間に位置付けられた接着剤層160を備え、ここで、フレーム150の少なくとも一部は、自動車内装システムの曲面に組み込むことのできるカバーガラスとしての湾曲ガラス基体をディスプレイ130に与えるために、第1の曲率半径に近いまたはそれと一致する第2の曲率半径を有する。凸型または凹型ディスプレイ、並びに凸型と凹型の両方の特徴を有するディスプレイも、ここでは考えられる。
【0020】
図2に示された冷間成形された湾曲ガラス基体は、平らな先端を有していない。しかし、当業者には、図2に示された冷間成形された湾曲ガラス基体は、約30mmから約100mmの幅(wft)に及び得る平らな先端を有し得ることが認識されるであろう。
【0021】
図3および4に言及すると、冷間成形されたガラス基体140は、第1の主面142およびその第1の主面と反対の第2の主面144を有する。この冷間成形されたガラス基体は、第2の主面144上で測定された第1の曲率半径を示す。
【0022】
ここに用いられているように、「冷間成形された」、「冷間曲げされた」または「冷間曲げ」という用語は、ガラスの軟化点より低い冷間成形温度でガラス基体を湾曲させることを称する。「冷間成形可能な」という用語は、冷間曲げされるガラス基体の能力を称する。冷間成形されたガラス基体の特徴は、第1の主面142と第2の主面144との間の非対称な表面圧縮応力である。副面146が第1の主面142と第2の主面144を接続する。冷間成形工程の前または冷間成形される前に、ガラス基体の第1の主面142と第2の主面144におけるそれぞれの圧縮応力は、実質的に等しい。ガラス基体が強化されていない場合、第1の主面142と第2の主面144は、冷間成形の前に、感知できるほどの圧縮応力を示さない。ガラス基体が強化されている場合、第1の主面142と第2の主面144は、冷間成形の前に、互いに対して実質的に等しい圧縮応力を示す。
【0023】
冷間成形の後(例えば、図2に示されている)、曲げ後に凹形状を有する面(例えば、図2における第1の主面142)上の圧縮応力は増加している。言い換えると、その凹面(例えば、第1の主面142)上の圧縮応力は、冷間成形前よりも、冷間成形後のほうが大きい。理論により束縛されないが、冷間成形過程により、曲げおよび/または成形操作中に与えられる引張応力を相殺するように、成形されているガラス基体の圧縮応力が増加する。冷間成形過程により、凹面(第2の主面144)が圧縮応力を経験し、一方で、冷間成形後に凸形状を形成する面(すなわち、図2における第2の主面144)は、引張応力を経験する。冷間成形後の凸面(例えば、第2の主面144)が経験する引張応力により、表面圧縮応力の正味の減少がもたらされ、よって、冷間成形後の強化ガラス基体の凸面(例えば、第2の主面144)における圧縮応力は、ガラス基体が平らであるときの同じ面(例えば、第2の主面144)での圧縮応力より小さい。
【0024】
強化ガラス基体が利用される場合、第1の主面と第2の主面(142、144)は、冷間成形前に、互いに実質的に等しい圧縮応力を有し、それゆえ、第1の主面は、破壊の危険を冒さずに、冷間曲げ中により大きい引張応力を経験することができる。これにより、その強化ガラス基体は、よりきつい曲面または湾曲形状に従うことができる。
【0025】
前記ガラス基体の厚さは、そのガラス基体が、所望の曲率半径を得るためにより可撓性であるように調整され得る。さらに、より薄いガラス基体140はより容易に変形するであろう。これにより、ディスプレイモジュール150の形状(湾曲されたときの)により生じることのある形状の不一致および間隙を潜在的に補うことができるであろう。1つ以上の実施の形態において、薄い強化ガラス基体140は、特に冷間曲げ中に、より大きい可撓性を示す。ここに述べられたガラス基体の可撓性がより大きくなることにより、ここに述べられた空気圧を利用する曲げ過程により十分な程度の曲げを生じ、また加熱せずに一貫した曲げ成形が可能になるであろう。ガラス基体140およびディスプレイモジュール150の少なくとも一部は、第1の主面142とディスプレイモジュール150との間に実質的に均一な距離を提供するために、実質的に同じような曲率半径を有し、この距離は接着剤で満たされ得る。
【0026】
冷間成形されたガラス基体(および必要に応じて、湾曲ディスプレイモジュール)は、主半径および交差曲率を含む複合曲線を有し得る。複雑に湾曲した冷間成形されたガラス基体(および必要に応じて、湾曲ディスプレイモジュール)は、2つの独立した方向に別個の曲率半径を有し得る。複雑に湾曲した冷間成形されたガラス基体(および必要に応じて、湾曲ディスプレイモジュール)は、それゆえ、「交差曲率」を有すると特徴付けることができ、ここで、冷間成形されたガラス基体(および必要に応じて、湾曲ディスプレイモジュール)は、既定の寸法に平行な軸(例えば、第1の軸)に沿って湾曲しており、またその同じ寸法に垂直な軸(例えば、第2の軸)に沿って湾曲している。その冷間成形されたガラス基体(および必要に応じて、湾曲ディスプレイモジュール)の曲率は、有意な最小半径が有意な交差曲率、および/または曲げの深さと組み合わされたときに、より一層複雑になり得る。
【0027】
前記冷間成形されたガラス基体は、実質的に一定であり、第1の主面142と第2の主面144との間の距離として定義される厚さ(t)を有する。ここに用いられている厚さ(t)は、ガラス基体の最大厚を称する。図3~4に示されるように、そのガラス基体は、厚さ(t)に直角な第1または第2の主面の内の一方の第1の最大寸法として定義される幅(W)、およびその厚さと幅の両方に直角な第1または第2の主面の内の一方の第2の最大寸法として定義される長さ(L)を有する。ここに述べられる寸法は、平均寸法であり得る。
【0028】
ここに用いられているように、「周囲応力および周囲歪み」という用語は、概して、材料が約20~25℃の温度および101325Paの圧力に曝されたときの応力および歪みを称する。
【0029】
金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方の計算は、冷間成形されたガラスの厚さ、金属基体の厚さ、および接着剤の厚さの少なくとも1つに基づき得る。それに代えて、またはそれに加え、金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方の計算は、冷間成形されたガラス、金属基体、および接着剤の少なくとも1つの物理的性質に基づく。冷間成形されたガラス、金属基体、および接着剤の少なくとも1つの物理的性質としては、以下に限られないが、冷間成形されたガラスの弾性、超弾性または粘弾性、金属基体の弾性、超弾性または粘弾性、接着剤の弾性、超弾性または粘弾性、および接着剤のガラス転移温度(Tg)が挙げられる。
【0030】
材料のヤング率は、材料の線形弾性応答の尺度である、すなわち、荷重が加えられた材料から荷重が除かれたときに、その材料は、元の未変形状態に戻り、典型的に、約5%未満、または約3%未満、または約1%から約3%の非常に低い歪みで観察される。粘弾性材料は、弾性特徴と粘性特徴の両方を示すと同時に、荷重-非荷重曲線において履歴現象を示す。過弾性材料モデルは、現象論または機構モデルもしくはハイブリッドのいずれかであり得る。
【0031】
当業者には、材料のTgは、その材料が硬化される(例えば、架橋される)硬化スケジュール(例えば、温度およびその温度での期間)に強く依存することが認識されよう。それゆえ、異なる温度/時間スケジュールで硬化された同じ接着剤は、その架橋密度に応じて、異なるTgを有し得るであろう。
【0032】
金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方の計算は、冷間成形されたガラス基体の曲げ半径、または曲率半径に基づき得る。その曲率半径は、例えば、約20mm以上、40mm以上、50mm以上、60mm以上、100mm以上、250mm以上、または500mm以上であり得る。例えば、第1の曲率半径は、約20mmから約10000mm、約30mmから約10000mm、約40mmから約1500mm、約50mmから約1500mm、60mmから約1500mm、約70mmから約10000mm、約80mmから約1500mm、約90mmから約10000mm、約100mmから約10000mm、約120mmから約10000mm、約140mmから約10000mm、約150mmから約10000mm、約160mmから約10000mm、約180mmから約10000mm、約200mmから約10000mm、約220mmから約10000mm、約240mmから約10000mm、約250mmから約10000mm、約260mmから約10000mm、約270mmから約10000mm、約280mmから約10000mm、約290mmから約10000mm、約300mmから約10000mm、約350mmから約10000mm、約400mmから約10000mm、約450mmから約10000mm、約500mmから約10000mm、約550mmから約10000mm、約600mmから約10000mm、約650mmから約10000mm、約700mmから約10000mm、約750mmから約10000mm、約800mmから約10000mm、約900mmから約10000mm、約950mmから約10000mm、約1000mmから約10000mm、約1250mmから約10000mm、約1500mmから約10000mm、約1750mmから約10000mm、約2000mmから約10000mm、約3000mmから約10000mm、約20mmから約9000mm、約20mmから約8000mm、約20mmから約7000mm、約20mmから約6000mm、約20mmから約5000mm、約20mmから約4000mm、約20mmから約3000mm、約20mmから約2500mm、約20mmから約2000mm、約20mmから約1750mm、約20mmから約1500mm、約20mmから約1400mm、約20mmから約1300mm、約20mmから約1200mm、約20mmから約1100mm、約20mmから約1000mm、約20mmから約950mm、約20mmから約900mm、約20mmから約850mm、約20mmから約800mm、約20mmから約750mm、約20mmから約700mm、約20mmから約650mm、約20mmから約200mm、約20mmから約550mm、約20mmから約500mm、約20mmから約450mm、約20mmから約400mm、約20mmから約350mm、約20mmから約300mm、約20mmから約250mm、約20mmから約200mm、約20mmから約150mm、約20mmから約100mm、約20mmから約50mm、約60mmから約1400mm、約60mmから約1300mm、約60mmから約1200mm、約60mmから約1100mm、約60mmから約1000mm、約60mmから約950mm、約60mmから約900mm、約60mmから約850mm、約60mmから約800mm、約60mmから約750mm、約60mmから約700mm、約60mmから約650mm、約60mmから約600mm、約60mmから約550mm、約60mmから約500mm、約60mmから約450mm、約60mmから約400mm、約60mmから約350mm、約60mmから約300mm、または約60mmから約250mmの範囲内にあることがある。1つ以上の実施の形態において、約0.4mm未満の厚さを有するガラス基体は、約100mm未満、または約60mm未満の曲率半径を示すことがある。
【0033】
金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方の計算は、冷間成形されたガラスの厚さ、金属基体の厚さ、および接着剤の厚さの少なくとも1つに基づく。
【0034】
冷間成形されたガラス基体は、どの適切な厚さを有しても差し支えなく、例えば、約1.5mm以下の厚さ(t)を有し得る。例えば、その厚さは、約0.01mmから約1.5mm、0.02mmから約1.5mm、0.03mmから約1.5mm、0.04mmから約1.5mm、0.05mmから約1.5mm、0.06mmから約1.5mm、0.07mmから約1.5mm、0.08mmから約1.5mm、0.09mmから約1.5mm、0.1mmから約1.5mm、約0.15mmから約1.5mm、約0.2mmから約1.5mm、約0.25mmから約1.5mm、約0.3mmから約1.5mm、約0.35mmから約1.5mm、約0.4mmから約1.5mm、約0.45mmから約1.5mm、約0.5mmから約1.5mm、約0.55mmから約1.5mm、約0.6mmから約1.5mm、約0.65mmから約1.5mm、約0.7mmから約1.5mm、約0.01mmから約1.4mm、約0.01mmから約1.3mm、約0.01mmから約1.2mm、約0.01mmから約1.1mm、約0.01mmから約1.05mm、約0.01mmから約1mm、約0.01mmから約0.95mm、約0.01mmから約0.9mm、約0.01mmから約0.85mm、約0.01mmから約0.8mm、約0.01mmから約0.75mm、約0.01mmから約0.7mm、約0.01mmから約0.65mm、約0.01mmから約0.6mm、約0.01mmから約0.55mm、約0.01mmから約0.5mm、約0.01mmから約0.4mm、約0.01mmから約0.3mm、約0.01mmから約0.2mm、約0.01mmから約0.1mm、約0.04mmから約0.07mm、約0.1mmから約1.4mm、約0.1mmから約1.3mm、約0.1mmから約1.2mm、約0.1mmから約1.1mm、約0.1mmから約1.05mm、約0.1mmから約1mm、約0.1mmから約0.95mm、約0.1mmから約0.9mm、約0.1mmから約0.85mm、約0.1mmから約0.8mm、約0.1mmから約0.75mm、約0.1mmから約0.7mm、約0.1mmから約0.65mm、約0.1mmから約0.6mm、約0.1mmから約0.55mm、約0.1mmから約0.5mm、約0.1mmから約0.4mm、または約0.3mmから約0.7mmの範囲にあることがある。
【0035】
前記冷間成形されたガラス基体は、約5cmから約250cm、約5cmから約20cm、約10cmから約250cm、約15cmから約250cm、約20cmから約250cm、約25cmから約250cm、約30cmから約250cm、約35cmから約250cm、約40cmから約250cm、約45cmから約250cm、約50cmから約250cm、約55cmから約250cm、約60cmから約250cm、約65cmから約250cm、約70cmから約250cm、約75cmから約250cm、約80cmから約250cm、約85cmから約250cm、約90cmから約250cm、約95cmから約250cm、約100cmから約250cm、約110cmから約250cm、約120cmから約250cm、約130cmから約250cm、約140cmから約250cm、約150cmから約250cm、約5cmから約240cm、約5cmから約230cm、約5cmから約220cm、約5cmから約210cm、約5cmから約200cm、約5cmから約190cm、約5cmから約180cm、約5cmから約170cm、約5cmから約160cm、約5cmから約150cm、約5cmから約140cm、約5cmから約130cm、約5cmから約120cm、約5cmから約110cm、約5cmから約110cm、約5cmから約100cm、約5cmから約90cm、約5cmから約80cm、または約5cmから約75cmの範囲の幅(W)も有し得る。
【0036】
前記冷間成形されたガラス基体は、約5cmから約250cm、約30cmから約90cm、約10cmから約250cm、約15cmから約250cm、約20cmから約250cm、約25cmから約250cm、約30cmから約250cm、約35cmから約250cm、約40cmから約250cm、約45cmから約250cm、約50cmから約250cm、約55cmから約250cm、約60cmから約250cm、約65cmから約250cm、約70cmから約250cm、約75cmから約250cm、約80cmから約250cm、約85cmから約250cm、約90cmから約250cm、約95cmから約250cm、約100cmから約250cm、約110cmから約250cm、約120cmから約250cm、約130cmから約250cm、約140cmから約250cm、約150cmから約250cm、約5cmから約240cm、約5cmから約230cm、約5cmから約220cm、約5cmから約210cm、約5cmから約200cm、約5cmから約190cm、約5cmから約180cm、約5cmから約170cm、約5cmから約160cm、約5cmから約150cm、約5cmから約140cm、約5cmから約130cm、約5cmから約120cm、約5cmから約110cm、約5cmから約110cm、約5cmから約100cm、約5cmから約90cm、約5cmから約80cm、または約5cmから約75cmの範囲の長さ(L)も有し得る。
【0037】
前記構造基体は、どの適切な厚さを有しても差し支えない。例えば 、その構造基体の厚さは、約0.5mmから約20mmの範囲(例えば、約2mmから約20mm、約3mmから約20mm、約4mmから約20mm、約5mmから約20mm、約6mmから約20mm、約7mmから約20mm、約8mmから約20mm、約9mmから約20mm、約10mmから約20mm、約12mmから約20mm、約14mmから約20mm、約1mmから約18mm、約1mmから約16mm、約1mmから約15mm、約1mmから約14mm、約1mmから約12mm、約1mmから約10mm、約1mmから約8mm、約1mmから約6mm、約1mmから約5mm、約1mmから約4mm、約1mmから約3mm、約1mmから約2mm、並びにそれらの間の全ての範囲および部分的範囲)にあり得る。
【0038】
前記接着剤は、図1に示されるように、冷間成形されたガラス基体と接触する接着剤の表面から金属基体の表面まで測定して、どのような適切な厚さを有しても差し支えない。その接着剤の厚さは、数ある中でも、金属基体と冷間成形されたガラス基体との間の積層を確実にするために、調整することができる。例えば、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、2.5mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、または約1mm以下の厚さを有することがある。その接着剤は、約200μmから約2mm、約200μmから約1.75mm、約200μmから約1.5mm、約200μmから約1.25mm、約200μmから約1mm、約200μmから約750μm、約200μmから約500μm、約225μmから約500μm、約250μmから約500μm、約275μmから約500μm、約300μmから約500μm、約325μmから約500μm、約350μmから約500μm、約375μmから約500μm、約400μmから約500μm、約200μmから約475μm、約200μmから約450μm、約200μmから約425μm、約200μmから約400μm、約200μmから約375μm、約200μmから約350μm、約200μmから約325μm、約200μmから約300μm、または約225μmから約275μmの範囲の厚さを有し得る。
【0039】
前記接着剤は、どのような適切なベゼル幅も有し得、例えば、約25mm以下のベゼル幅を有し得る。この接着剤は、約1mmから約15mm、約5mmから約20mm、約10mmから約15mm、約1mmから約10mm、約5mmから約10mm、約5mmから約15mm、約10mmから約20mm、または約1mmから約5mmの範囲のベゼル幅を有し得る。
【0040】
ここに記載された方法は、温度の関数としての金属基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程を含む。この温度の関数としての金属基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程は、冷間成形されたガラスの弾性、高弾性または粘弾性、金属基体の弾性、超弾性または粘弾性、接着剤の弾性、超弾性または粘弾性、および接着剤のガラス転移温度など、冷間成形されたガラス、金属基体、および接着剤の少なくとも1つの物理的性質に基づき得る。この温度の関数としての金属基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程は、冷間成形されたガラスの曲げ半径に基づき得る。
【0041】
ここに記載された冷間成形製品に使用される適切な接着剤またはここに記載された方法を使用して選択される接着剤は、中間接着剤であり得る。ここに記載された方法を使用して選択できる、またはここに記載された冷間成形製品に使用できる接着剤の例としては、ポリウレタン(例えば、ミネソタ州、セントポール所在の3M(登録商標)から入手できるDP604NS、並びにデラウェア州、ウィルミントン所在のDupont(登録商標)からのBetamate 73100/002、73100/005、73100/010、Betaseal X2500、およびBetalink K2)、ポリシロキサンおよびシラン修飾高分子(例えば、Loctite(登録商標)から入手できる、TEROSTAT MS 9399としても知られているTEROSON RB IXおよびTEROSON MS 647)、およびエポキシ(例えば、ミネソタ州、セントポール所在の「3M」から入手できるScotch-Weld(商標)Epoxy Adhesive DP125およびDP604)が挙げられる。
【0042】
追加の構造用接着剤としては、以下に限られないが、(a)強化エポキシ(例えば、Masterbond EP21TDCHT-LO、3M Scotch Weld Epoxy DP460 Off-white)、(b)軟質エポキシ(例えば、Masterbond EP21TDC-2LO、3M Scotch Weld Epoxy 2216)、(c)アクリルおよび/または強化アクリル(例えば、LORD AP 134プライマー、LORD Adhesive 850または852/LORD Accelerator 25GB、Loctite HF8000、Loctite AA4800と共に、LORD Accelerator 19または19GBを含むLORD Adhesive 403、406または410 Acrylic接着剤)、(d)ウレタン(例えば、3M Scotch Weld Urethane DP640 Brown、SikaForce 7570 L03、SikaForce 7550 L15、Sikaflex 552およびTechnomelt PUR 9622-02 UVNA、Loctite HHD 3542、Loctite HHD 3580、3M Hotmelt接着剤3764および3748などのポリウレタン(PUR)Hot Melt接着剤)、および(e)シリコーン(Dow Corning 995、Dow Corning 3-0500 Silicone Assembly接着剤、Dow Corning 7091、SikaSil-GP)の分類の1つ以上から選択された接着剤が挙げられるであろう。ある場合には、シートまたはフイルムなどの構造用接着剤(例えば、以下に限られないが、3M Structural 接着剤フイルムAF126-2、AF163-2M、SBT9263および9214、Masterbond FLM36-LO)を利用してもよい。さらに、3M VHBテープなどの構造用粘着剤を利用してもよい。そのような実施の形態において、粘着剤を使用すると、数ある中でも、硬化工程の必要なく、湾曲したガラス基体をフレームに結合することができる。
【0043】
【表1-1】
【0044】
【表1-2】
【0045】
接着剤は、様々な様式で施されることがある。1つの実施の形態において、接着剤は、塗布ガンと混合ノズルまたは予混合シリンジまたはロボット接着剤分配器を使用して施され、以下の内のいずれか、例えば、ローラ、ブラシ、ドクターブレードまたはダウンドローバーを使用して、均一に広げられる。
【0046】
本開示は、第1の主面を有する構造基体;第1の主面を有する冷間成形されたガラス;および第1の主面と第2の主面を有する接着剤を備えた自動車部品であって、この接着剤は、構造基体の第1の主面と冷間成形されたガラスの第1の主面との間に位置付けられ、その接着剤は、構造基体の第1の主面を冷間成形されたガラスの第1の主面に結合する、自動車部品にも関する。1つ以上の実施の形態において、その接着剤は、ここに記載された方法を使用して選択されることがある。その接着剤は、いくつかの実施の形態において、ポリウレタンであり得る。1つ以上の実施の形態において、その構造基体は、金属(例えば、鉄鋼、アルミニウム、プラスチックまたはその組合せ)である。
【0047】
本開示は、所定の曲率半径の曲面および構造基体の熱膨張係数(CTE)を有する構造基体(例えば、フレーム)と、接着剤でその曲面に取り付けられた、冷間成形された湾曲ガラス基体であって、ガラスの曲率半径およびガラス基体のCTEを有するガラス基体とを備えた冷間成形製品にも関する。1つ以上の実施の形態において、その構造基体と接着剤は、構造基体/接着剤界面を形成し、そのガラス基体と接着剤は、ガラス基体/接着剤界面を形成する。1つ以上の実施の形態において、ガラス基体のCTEおよび構造基体のCTEは異なる(例えば、少なくとも約1%、2%、5%、10%、15%または20%だけ)。1つ以上の実施の形態において、その冷間成形製品は、構造基体/接着剤界面およびガラス基体/接着剤界面の一方または両方で、-40℃、24℃、および85℃で、改良試験方法ASTM D1002-10により決定される重複剪断破壊、および-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により決定される引張破壊に耐える。
【0048】
1つ以上の実施の形態において、構造基体は、図8に示されるように、構造基体/接着剤界面で接着剤と直接接触する下塗面を形成する随意的な下塗層(プライマー1)を含む。1つ以上の実施の形態において、ガラス基体は、図8に示されるように、ガラス基体/接着剤界面で、接着剤と直接接触するインク面を形成するインク層を有する。その冷間成形製品は、図8に示されるように、インク層と接着剤との間に配置され、接着剤層と直接接触する随意的な下塗層(プライマー2)を含むことがある。そのような実施の形態のいずれか1つにおいて、その冷間成形製品は、構造基体/接着剤界面およびガラス基体/接着剤界面の一方または両方で、-40℃、24℃、および85℃で、改良試験方法ASTM D1002-10により決定される重複剪断破壊、および-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により決定される引張破壊に耐える。詳しくは、1つ以上の実施の形態において、その冷間成形製品は、-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により測定される、構造基体/プライマー1界面、プライマー1/接着剤界面、構造基体/接着剤界面(図示せず)、接着剤/プライマー2界面、プライマー2/インク層界面、接着剤/インク層界面(図示せず)、およびインク層/ガラス基体界面での破壊に耐える。1つ以上の実施の形態において、その冷間成形製品は、-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により測定される、接着剤のバルク(凝集)破壊にも耐える。改良ASTM D897積層体における材料の配置について、図8を参照のこと。未改良ASTM D897積層体は、基体-試験される接着剤-基体材料を含む。他方で、改良ASTM D897積層体における材料の配置は、図8に示されるように、基体材料(例えば、フレーム)-プライマー1(随意的)-試験される接着剤-プライマー2(随意的)-インク-ガラス-インク-プライマー(随意的)-試験される接着剤-プライマー(随意的)-フレーム材料を含む。1つ以上の実施の形態において、冷間成形された湾曲ガラス基体および構造基体の曲率半径は、互いの10%以下以内にあり得る。
【0049】
ある場合には、ガラスの曲率半径が約400mm以上である場合、その製品は、約0.5MPaから約5MPaの範囲の弾性率および約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲の基体CTEを有する接着剤;約5MPaから約15MPaの範囲の弾性率および約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲の基体CTEを有する接着剤;約15MPaから約100MPaの範囲の弾性率および15MPaで約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲の基体CTEであり、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する基体CTEを有する接着剤;約100MPaから約500MPaの範囲の弾性率および100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の範囲の基体CTEであり、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する基体CTEを有する接着剤;約500MPaから約1000MPaの範囲の弾性率および500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の範囲の基体CTEであり、1000MPaで約0ppm/℃から約15ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する基体CTEを有する接着剤;および約0ppm/℃から約15ppm/℃のCTEに基づいて、約1000MPaから約10000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤の内の少なくとも1つを含む。
【0050】
他の場合には、ガラスの曲率半径が約400mm未満かつ約150mm以上である場合、その製品は、約2MPaから約5MPaの範囲の弾性率および約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲の基体CTEを有する接着剤;約5MPaから約15MPaの範囲の弾性率および約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲の基体CTEを有する接着剤;約15MPaから約100MPaの範囲の弾性率および15MPaで約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲の基体CTEであり、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する基体CTEを有する接着剤;約100MPaから約500MPaの範囲の弾性率および100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の範囲の基体CTEであり、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する基体CTEを有する接着剤;約500MPaから約1000MPaの範囲の弾性率および500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の範囲の基体CTEであり、1000MPaで約0ppm/℃から約15ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する基体CTEを有する接着剤;および約0ppm/℃から約15ppm/℃のCTEに基づいて、約1000MPaから約10000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤の内の少なくとも1つを含む。
【0051】
金属基体がここに論じられているが、基体は、金属(例えば、ステンレス鋼およびアルミニウム)、およびプラスチックまたは繊維強化複合体などの高分子材料を含む、どの適切な材料から製造されても差し支えない。
【0052】
ここに記載された方法の計算工程は、機械構造および関連するソフトウェアアーキテクチャ(例えば、層状複合材料などの分野において先端材料をモデル化するためにANSYS Mechanicalインターフェースを使用して、構造解析に有限要素解析(FEA)を使用するANSYS Mechanical Enterprise機械工学ソフトウェアソリューション)の関連で実施することができる。下記の欄に、開示された方法に使用するのに適した代表的なソフトアーキテクチャおよび機械(例えば、ハードウェア)構造が記載されている。
【0053】
図5は、ここに記載された方法の計算工程を実施できる例示のシステム500を図解している。図から分かるように、システム500は、ネットワーク540で互いに通信する、クライアント装置510、サーバー520、およびデータリポジトリ530を含む。ネットワーク540は、インターネット、イントラネット、ローカルエリア・ネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワーク、無線ネットワークなどの1つ以上を含むことがある。
【0054】
システム500は、1つのクライアント装置510、1つのサーバー520および1つのデータリポジトリ530を備えるのが示されている。しかしながら、ここに記載された技術は、多数のクライアント装置、サーバー、および/またはデータリポジトリで実施されることがある。さらに、この技術は、ネットワーク540を含むシステム500で実施されると図5に記載されている。しかしながら、代わりの実施の形態において、この技術は、1つの装置(ネットワークに接続されていても、いなくてもよい)を使用して、またはネットワークではない有線または無線接続により互いに接続された多数の装置を使用して、実施されることがある。
【0055】
ある場合には、サーバー520の機能は、多数の異なる装置により行われることがある。ある場合には、データリポジトリ530は、多数の異なる装置を含むことがある。ある場合には、1つの装置が、サーバー520およびデータリポジトリ530の両方の機能を果たす。
【0056】
クライアント装置510は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、タブレット型コンピュータ、スマートウォッチ、スマートスピーカー装置、スマートテレビ、電子手帳(PDA)などであることがある。クライアント装置510は、入力を行う、または出力を受信するためにエンドユーザが使用するどの装置を含んでもよい。
【0057】
データリポジトリ530は、冷間成形されたガラス、金属基体および/または接着剤の複数の、例えば、物理的性質を保存する。
【0058】
サーバー520は、サーバー520によって実行された場合、サーバー520に、図6に関連して記載された方法600の作動の全てまたは一部を実施させるモジュール525を格納する。
【0059】
図6は、接着剤を選択するための例示の方法600の流れ図を示す。方法600は、モジュール525を実行しながら、サーバー520で実施されることがある。
【0060】
操作610では、サーバー520は、例えば、冷間成形されたガラス、金属基体および/または接着剤の物理的性質データにアクセスし、金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する。
【0061】
操作620では、サーバー520は、接着剤の周囲応力対強度比を計算する。
【0062】
操作630では、サーバー520は、例えば、冷間成形されたガラス、金属基体および/または接着剤の物理的性質データにアクセスし、温度の関数としての金属基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する。
【0063】
操作640では、サーバー520は、温度の関数として接着剤の周囲応力対強度比を計算する。
【0064】
操作650では、サーバー520またはユーザは、その周囲応力対強度比が、時間の関数として、一桁未満しか変化しない場合、接着剤を選択する。
【0065】
方法600の操作610~650は、特定の順序で行われるものと規定されているが、ある場合には、操作610~650は、異なる順序で行われてもよいことを留意すべきである。ある場合には、操作610~650の内の1つ以上が抜かされてもよい。
【0066】
図7は、機械可読媒体(例えば、機械可読記憶媒体)から命令を読み取り、ここに述べられた方法論の内のいずれか1つ以上を実施できる、いくつかの例示の実施の形態による装置1600のコンポーネントを示すブロック図である。詳しくは、図7は、装置1600に、ここに述べられた方法論の内のいずれか1つ以上を実施させるための命令1616を中で実行できるコンピュータシステムの例示の形態(例えば、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、アプレット、アプリ、または他の実行コード)にある装置1600の図表示を示す。命令1616は、一般の非定型装置を、記載された様式で記載され、説明された機能を実施するためにプログラムされた特定の装置に転換する。代わりの実施の形態において、装置1600は、独立型装置として作動する、または他の装置に結合(例えば、ネットワーク化)されてもよい。ネットワーク化された展開において、装置1600は、サーバー-クライアントネットワーク環境におけるサーバー装置またはクライアント装置の能力で、もしくはピアツーピアの(または分散型)ネットワーク環境におけるサーバー装置またはクライアント装置の能力で、もしくはピアツーピア(または分散型)ネットワーク環境におけるピア装置として作動することがある。装置1600は、以下に限られないが、サーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、PC、タブレット型コンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノート型パソコン、電子手帳(PDA)、娯楽メディアシステム、携帯電話、スマートフォン、携帯機器、ウェアラブル機器(例えば、スマートウォッチ)、スマートホーム機器(例えば、スマート電化製品)、他のスマート機器、ウェブ電化製品、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、または装置1600がとる行動を指定する命令1616を、連続的かまたは他のやり方で、実行することのできる任意の装置を含むことがある。さらに、1つの装置1600しか示されていないが、「装置」という用語は、ここに述べられた方法論のいずれか1つ以上を実施するために命令1616を個別にまたは一緒に実行する装置1600の一群を含むように解釈されるべきである。
【0067】
装置1600は、バス1602などを介して互いに通信するように作られることのある、プロセッサ1610、メモリ/記憶装置1630、およびI/Oコンポーネント1650を含むことがある。例示の実施の形態において、プロセッサ1610(例えば、中央処理装置(CPU)、縮小命令セット計算(RISC)プロセッサ、複数命令セット計算(CISC)プロセッサ、グラフィック・プロセシング・ユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ASIC、高周波集積回路(RFIC)、別のプロセッサ、またはその任意の適切な組合せ)は、例えば、命令1616を実行できるプロセッサ1612およびプロセッサ1614を含むことがある。「プロセッサ」という用語は、命令を同時期に実行することがある2つ以上の独立したプロセッサ(「コア」と呼ばれることがある)を含むことが意図されている。図7は、多数のプロセッサ1610を示しているが、装置1600は、単一コアを有する単一プロセッサ、多重コアを有する単一プロセッサ(例えば、多重コアプロセッサ)、単一コアを有する多数のプロセッサ、多重コアを有する多数のプロセッサ、またはその任意の組合せを含むことがある。
【0068】
メモリ/記憶装置1630は、両方とも、バス1602などを介してプロセッサ1610にアクセスできる、メインメモリ、または他の記憶装置(memory storage)などのメモリ1632、および記憶装置(storage unit)1636を含むことがある。記憶装置1636およびメモリ1632は、ここに記載された方法論または機能のいずれか1つ以上を具体化する命令1616を記憶する。命令1616は、装置1600によるその実行中に、メモリ1632内、記憶装置1636内、プロセッサ1610の内の少なくとも1つのプロセッサ内(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内)、またはその任意の適切な組合せ中に、完全にまたは部分的にあることがある。したがって、メモリ1632、記憶装置1636、およびプロセッサ1610のメモリは、機械可読媒体の例である。
【0069】
ここに用いられているように、「機械可読媒体」とは、命令(例えば、命令1616)およびデータを一時的または永久的に貯蔵できる装置を意味し、以下に限られないが、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、バッファーメモリ、フラッシュメモリ、光媒体、磁気媒体、キャッシュメモリ、他のタイプの記憶装置(例えば、電気的消去可能ROM(EEPROM))、および/またはその任意の適切な組合せを含むことがある。「機械可読媒体」という用語は、命令1616を貯蔵できる単一媒体または多数の媒体(例えば、集中または分散型データベース、または関連キャッシュおよびサーバー)を含むように解釈されるべきである。「機械可読媒体」という用語は、命令が、装置の1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ1610)により実行されたときに、その装置にここに記載された方法論のいずれか1つ以上を実施させるように、装置(例えば、装置1600)により実行されるための命令(例えば、命令1616)を貯蔵できる、任意の媒体、または多数の媒体の組合せを含むようにも解釈されるべきである。したがって、「機械可読媒体」は、1つの記憶装置またはデバイス、並びに多数の記憶装置またはデバイスを含む「クラウド型」記憶システムまたは記憶ネットワークを称する。「機械可読媒体」という用語は、信号それ自体は除く。
【0070】
I/Oコンポーネント1650は、入力を受信する、出力を与える、出力を生成する、情報を伝達する、情報を交換する、測定を記録(capture)するなどを行う多種多様のコンポーネントを含むことがある。特定の装置に含まれる特別なI/Oコンポーネント1650は、装置のタイプに依存する。例えば、携帯電話などの携帯用装置は、タッチ式入力装置または他のそのような入力機構を含むようであり、一方、ヘッドレスサーバー装置は、そのようなタッチ式入力装置を含まないようである。I/Oコンポーネント1650は、図7に示されていない多くの他のコンポーネントを含んでもよいことが認識されよう。I/Oコンポーネント1650は、以下の議論を単純化するだけのために、機能性にしたがってグループ化され、そのグループ化は、決して限定するものではない。様々な例示の実施の形態において、I/Oコンポーネント1650は、出力コンポーネント1652および入力コンポーネント1654を含むことがある。出力コンポーネント1652は、様々な視覚コンポーネント(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクタ、または陰極線管(CRT)などのディスプレイ)、音響コンポーネント(例えば、スピーカー)、触覚コンポーネント(例えば、振動モータ、抵抗機構)、他の信号発生器などを含むことがある。入力コンポーネント1654は、英数字入力コンポーネント(例えば、キーボード、英数字入力を受信するように作られたタッチスクリーン、光学式キーボード、または他の英数字入力コンポーネント)、ポイントベースの入力コンポーネント(例えば、マウス、タッチパッド、トラックボール、ジョイスティック、モーションセンサ、または別のポインティング装置)、触覚入力コンポーネント(例えば、物理的ボタン、タッチまたはタッチジェスチャの位置および/または力を提供するタッチスクリーン、または他の触覚入力コンポーネント)、音声入力コンポーネント(例えば、マイクロホン)などを含むことがある。
【0071】
さらなる例示の実施の形態において、I/Oコンポーネント1650は、豊富な他のコンポーネントの中でも、バイオメトリックコンポーネント1656、モーションコンポーネント1658、環境コンポーネント1660、または場所コンポーネント1662を含むことがある。例えば、バイオメトリックコンポーネント1656は、表現(例えば、手の表現、表情、声の表現、カラダのジェスチャ、または目の動き)を検出する、生体信号(例えば、血圧、心拍、体温、呼吸、または脳波)を測定する、運動に関連するメトリクス(例えば、移動距離、移動速度、または運動時間)を測定する、人を識別する(例えば、音声識別、網膜識別、顔識別、指紋識別、または脳波図に基づく識別)、などを行うコンポーネントを含むことがある。モーションコンポーネント1658は、加速センサコンポーネント(例えば、加速度計)、重力センサコンポーネント、回転センサコンポーネント(例えば、ジャイロスコープ)などを含むことがある。環境コンポーネント1660は、例えば、照明センサコンポーネント(例えば、光度計)、温度センサコンポーネント(例えば、周囲温度を検出する1つ以上の温度計)、湿度センサコンポーネント、圧力センサコンポーネント(例えば、気圧計)、音響センサコンポーネント(例えば、背景雑音を検出する1つ以上のマイクロホン)、近接センサコンポーネント(例えば、近隣の物体を検出する赤外線センサ)、ガスセンサ(例えば、安全性のために有毒ガスの濃度を検出するための、または大気中の汚染物質を測定するための、ガス検知センサ)、または周囲の物理的環境に対応する表示、測定値、または信号を提供できる他のコンポーネントを含むことがある。場所コンポーネント1662は、位置センサコンポーネント(例えば、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)受信コンポーネント)、高度センサコンポーネント(例えば、高度計またはそれから高度を導き出せる空気圧を検出する気圧計)、方位センサコンポーネント(例えば、磁気計)などを含むことがある。
【0072】
通信は、多種多様の技術を使用して実施してよい。I/Oコンポーネント1650は、装置1600を、それぞれ、カップリング1682およびカップリング1672により、ネットワーク1680または機器1670に結合するように作動する通信コンポーネント1664を含むことがある。例えば、通信コンポーネント1664は、ネットワーク1680とインターフェースで接続するネットワークインターフェースコンポーネントまたは他の適切な機器を備えることがある。さらなる例において、通信コンポーネント1664は、有線通信コンポーネント、無線通信コンポーネント、移動体通信コンポーネント、近距離無線通信(NFC)コンポーネント、Bluetooth(登録商標)コンポーネント(例えば、「Bluetooth」Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)コンポーネント、および他の様式を通じて通信を提供するための他の通信コンポーネントを含むことがある。機器1670は、別の装置または多種多様な周辺機器(例えば、USBを通じて結合された周辺機器)の内のいずれであってもよい。
【0073】
さらに、通信コンポーネント1664は、識別子を検出する、または識別子を検出するように機能するコンポーネントを備えることがある。例えば、通信コンポーネント1664は、無線自動識別(RFID)タグリーダーコンポーネント、NFCスマートタグ検出コンポーネント、光学式読取コンポーネント、または音響検出コンポーネント(例えば、タグ付き音声信号を識別するためのマイクロホン)を含むことがある。それに加え、インターネット・プロトコル(IP)地理位置情報による位置、「Wi-Fi」信号三角測量による位置、特定の位置を示すことができるNFC無線標識信号を検出することによる位置などの様々な情報が、通信コンポーネント1664を通じて、引き出されることがある。
【0074】
様々な例示の実施の形態において、ネットワーク1680の1つ以上の部分は、アドホックネットワーク、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、WAN、無線WAN(WWAN)、都市規模ネットワーク(MAN)、インターネット、インターネットの一部、公衆交換電話網(PSTN)の一部、旧来の電話サービス(POTS)ネットワーク、移動体電話ネットワーク、無線ネットワーク、「Wi-Fi」ネットワーク、別のタイプのネットワーク、または2つ以上のそのようなネットワークの組合せであることがある。例えば、ネットワーク1680またはネットワーク1680の一部は、無線または移動体ネットワークを含むことがあり、カップリング1682は、符号分割多重アクセス方式(CDMA)接続、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)接続、もしくは別のタイプの移動体または無線カップリングであることがある。この例において、カップリング1682は、シングルキャリア無線伝送技術(1xRTT)、進化データ最適化(EVDO)技術、汎用パケット無線サービス(GPRS)技術、GSM高速化のための強化データ転送(Enhanced Data rates for GSM Evolution)(EDGE)技術、4Gを含むスリージーピーピー(3GPP)、第四世代無線(4G)ネットワーク、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、高速パケットアクセス(HSPA)、ワイマックス(WiMAX)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)基準、様々な標準化団体により規定された他のもの、他の長距離プロトコル、または他のデータ伝送技術などの多様なタイプのデータ転送技術の内のいずれを実施してもよい。
【0075】
命令1616は、ネットワーク・インターフェース機器(例えば、通信コンポーネント1664に含まれるネットワーク・インターフェース・コンポーネント)を通じて伝送媒体を使用し、多数の周知の転送プロトコル(例えば、HTTP)の内のいずれか1つを利用して、ネットワーク1680により送信または受信されることがある。同様に、命令1616は、機器1670へのカップリング1672(例えば、ピアツーピア・カップリング)より伝送媒体を使用して送信または受信されることがある。「伝送媒体」という用語は、装置1600により実行されるための命令1616を記憶する、コード化する、または運ぶことができ、デジタルまたはアナログ通信信号を含む任意の無形媒体、もしくはそのようなソフトウェアの通信を促進させるための他の無形媒体を含むように解釈されるべきである。
【0076】
範囲の形式で表現された値は、範囲の境界として明白に挙げられた数値だけでなく、各数値および部分的範囲が明白に挙げられているかのように、その範囲内に包含される個々の数値または部分的範囲の全てを含むように柔軟なやり方で解釈されるべきである。例えば、「約0.1%から約5%」または「約0.1%から5%」の範囲は、単に約0.1%から約5%のみならずに、この示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、および4%)および部分的範囲(例えば、0.1%から0.5%、1.1%から2.2%、3.3%から4.4%)を含むように解釈されるべきである。「約XからY」という記述は、特に明記のない限り、「約Xから約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、または約Z」という記述は、特に明記のない限り、「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を有する。
【0077】
この書類において、文脈が他に明白に示していない限り、名詞は、1つまたは複数の対象を含むように使用されている。「または」という用語は、特に明記のない限り、非排他的な「または」を称するために使用される。それに加え、ここに用いられ、他に定義されていない表現または専門用語は、説明目的のためであって、限定のためではないことを理解すべきである。セクションの見出しのいずれの使用も、この書類の解釈を助けることを目的とし、限定と解釈されるべきではない;セクションの見出しに関連する情報は、その特定のセクションの内または外で気付かれるであろう。さらに、この書類に述べられた全ての出版物、特許、および特許文献は、言及することにより個々に含まれるかのように、その全てが引用により含まれる。この書類と、引用によりそのように含まれた書類との間に矛盾した用法がある場合、含まれた文献の用法は、この書類の用法に補助的であると考えるべきである;回復できない矛盾については、この書類の用法が規制する。
【0078】
ここに記載された方法において、その工程は、時間的または操作順序が明白に挙げられている場合を除いて、本発明の原理から逸脱せずに、どの順序で行われても差し支えない。さらに、指定された工程は、明白な請求項の言語が、それらが別々に行われると述べていない限り、同時に行うことができる。例えば、Xを行う請求項の工程およびYを行う請求項の工程は、単一操作内で同時に行うことができ、結果として生じた過程は、請求項の過程の文字通りの範囲内に入る。
【0079】
ここに用いられている「約」という用語は、値または範囲における変動性の程度、例えば、述べられた値または範囲の述べられた境界の10%以内、5%以内、または1%以内を可能にする。
【0080】
ここに用いられている「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、または少なくとも約99.999%以上におけるように、大半、またはほとんどを称する。
【実施例
【0081】
本発明は、実例として提示されている以下の実施例を参照することによって、より良好に理解することができる。本発明は、ここに与えられた実施例に限定されない。
【0082】
以下の実施例に提示された計算は、接着剤160がフレーム150とガラス140との間に位置付けられた、図2に示されたものと類似のアセンブリ構成に関する応力をモデル化するための有限要素解析(FEA)ツールを使用して行った。適切なFEAツールの一例は、ANSYS Mechanical Enterprise機械工学ソフトウェアツールである。
【0083】
手短に言うと、ここに提示された結果は、FEAソフトウェアにおいて物理的部品アセンブリの構造を生成することによって得た。物理的作動条件を適切なモデル化抽象概念に変換した。これには、境界条件、材料モデルなどが含まれる。モデルを設定した後、図7に記載されたものなどのコンピュータシステムを使用して、実行する。次に、その結果を読み取り、解析して、部品の変形、応力、歪み、応力対強度比などの情報を得た。
【0084】
以下の実施例に提示された結果は、接着剤の選択は、2つの重要な要因、すなわち、所定の作動温度範囲における接着剤の応力対強度比およびフレーム基体の材料により左右され得ることを示す。その結果は、フレームの厚さおよび接着剤の厚さは、接着剤の選択において、それほど重要な要因ではないことも示す。
【0085】
実施例において論じられる接着剤の全ては、自動車内装に使用できるアセンブリ構造を構成するために満足のいくものであるようであるが、モデル化データから引き出された1つの結論は、ポリウレタンが最も適切な結合を与えるようであり、それに、シリコーン/ポリシロキサン/シラン修飾高分子およびエポキシが続くことである。
【0086】
実施例1
応力モデル化を、2つの異なる温度:95℃および-40℃で、ミネソタ州、セントポール所在の「3M」から入手できるポリウレタンDP604NSを有するステンレス鋼およびアルミニウムフレームに行った。これらの2つの温度は、ここに記載されたアセンブリ構造がそのような温度条件に遭遇しそうであるために使用した。最大主応力、最大剪断応力、および最大ミーゼス応力の値が、表2に与えられている。
【0087】
【表2】
【0088】
これらの結果は、ここに記載されたアセンブリ構造の応力は、材料の関数として変化するが、アルミニウムの応力は、ステンレス鋼の応力より高いと計算されることを示す。
【0089】
実施例2
応力モデル化を、ミネソタ州、セントポール所在の「3M」から入手できるポリウレタンDP604NS;ミネソタ州、セントポール所在の「3M」から入手できる「Scotch-Weld」Epoxy Adhesive DP125;および「Loctite」から入手できる、TEROSTAT MS 9399としても知られている、ポリシロキサンTEROSON RB IXを有するアルミニウムフレームにも行った。重ねて、この応力モデル化は、2つの異なる温度:95℃および-40℃で行った。
【0090】
【表3】
【0091】
これらの結果は、ここに記載されたアセンブリ構造の応力は、温度の関数として、DP604NSについて、少なくとも劇的に、DP 125について、最も劇的に、変化することを示す。
【0092】
実施例3
フレームの厚さが応力に影響を与えるか否かを判断するために、2つの異なるフレームの厚さで、ミネソタ州、セントポール所在の「3M」から入手できるポリウレタンDP604NSを有するアルミニウムフレームについて、応力モデル化を行った。最大主応力、最大剪断応力、および最大ミーゼス応力の値が、表4に与えられている。
【0093】
【表4】
【0094】
これらの結果は、ここに記載されたアセンブリ構造の応力は、95℃で、フレームの厚さの関数として非常に大きくは変化しないことを示す。
【0095】
実施例4
応力モデル化を、3つの異なる接着剤の厚さで、ミネソタ州、セントポール所在の「3M」から入手できるポリウレタンDP604NSを有するアルミニウムフレームについても行った。
【0096】
【表5】
【0097】
これらの結果は、ここに記載されたアセンブリ構造は、接着剤の厚さの関数として減少することを示す。
【0098】
本発明は、その番号付けが、重要性のレベルを指定するものと解釈されるべきではない、以下の実施の形態を与える。
【0099】
実施の形態1は、金属基体に冷間成形されたガラスを結合するための接着剤を選択する方法において、
金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程、
接着剤の周囲応力対強度比を計算する工程、
温度の関数として、金属基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程、
温度の関数として、接着剤の応力対強度比を計算する工程、および
周囲応力対強度比が、時間の関数として、一桁未満しか変化しない場合、その接着剤を選択する工程、
を有してなる方法に関する。
【0100】
実施の形態2は、金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程が、冷間成形されたガラスの厚さ、金属基体の厚さ、および接着剤の厚さの少なくとも1つに基づく、実施の形態1の方法に関する。
【0101】
実施の形態3は、金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程が、冷間成形されたガラス、金属基体、および接着剤の少なくとも1つの物理的性質に基づく、実施の形態1の方法に関する。
【0102】
実施の形態4は、物理的性質が、冷間成形されたガラスの弾性、超弾性または粘弾性、金属基体の弾性、超弾性または粘弾性、接着剤の弾性、超弾性または粘弾性、および接着剤のガラス転移温度(Tg)の少なくとも1つである、実施の形態3の方法に関する。
【0103】
実施の形態5は、接着剤が、最低の作動温度および最高の作動温度での材料の貯蔵弾性率(E’)の差が、約三桁またはそれ未満、約二桁またはそれ未満、もしくは約一桁またはそれ未満であるように硬化されている、実施の形態4の方法に関する。
【0104】
実施の形態6は、接着剤のTgが、ほぼ室温(例えば、24℃)またはそれ未満、-10℃未満、-20未満、もしくは-30℃未満である、実施の形態5の方法に関する。
【0105】
実施の形態7は、金属基体上の接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程が、冷間成形されたガラスの曲げ半径に基づく、実施の形態1の方法に関する。
【0106】
実施の形態8は、温度の関数として、金属基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程が、冷間成形されたガラスの厚さ、金属基体の厚さ、および接着剤の厚さの少なくとも1つに基づく、実施の形態1の方法に関する。
【0107】
実施の形態9は、温度の関数として、金属基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程が、冷間成形されたガラス、金属基体、および接着剤の少なくとも1つの物理的性質に基づく、実施の形態1の方法に関する。
【0108】
実施の形態10は、物理的性質が、冷間成形されたガラスの弾性、超弾性または粘弾性、金属基体の弾性、超弾性または粘弾性、接着剤の弾性、超弾性または粘弾性、および接着剤のガラス転移温度の少なくとも1つである、実施の形態9の方法に関する。
【0109】
実施の形態11は、温度の関数として、金属基体上の接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程が、冷間成形されたガラスの曲げ半径に基づく、実施の形態1の方法に関する。
【0110】
実施の形態12は、周囲応力対強度比が、時間の関数として、約3:10から約3:100まで変化する、実施の形態1の方法に関する。
【0111】
実施の形態13は、周囲応力対強度比が、15年の期間の関数として、約3:10から約3:100まで変化する、実施の形態1の方法に関する。
【0112】
実施の形態14は、実施の形態1の方法を使用して選択された接着剤に関する。
【0113】
実施の形態15は、接着剤が中間接着剤である、実施の形態14の接着剤に関する。
【0114】
実施の形態16は、接着剤が、ポリウレタン、ポリシロキサンまたはエポキシである、実施の形態14の接着剤に関する。
【0115】
実施の形態17は、接着剤がポリウレタンである、実施の形態14の接着剤に関する。
【0116】
実施の形態18は、接着剤が、ポリシロキサンまたはシラン修飾高分子である、実施の形態14の接着剤に関する。
【0117】
実施の形態19は、
冷間成形された自動車部品において
第1の主面を有する金属基体、
第1の主面を有する冷間成形されたガラス、および
第1の主面と第2の主面を有する接着剤であって、実施の形態1の方法を使用して選択された接着剤、
を備え、
この接着剤は、金属基体の第1の主面と冷間成形されたガラスの第1の主面との間に位置付けられ、
その接着剤は、金属基体の第1の主面を冷間成形されたガラスの第1の主面に結合する、自動車部品に関する。
【0118】
実施の形態20は、接着剤がポリウレタンである、実施の形態19の自動車部品に関する。
【0119】
実施の形態21は、冷間成形製品において、所定の曲率半径の曲面および構造基体の熱膨張係数(CTE)を有する構造基体と、接着剤でその曲面に取り付けられた、冷間成形された湾曲ガラス基体であって、ガラスの曲率半径およびガラス基体のCTEを有するガラス基体とを備え、その構造基体と接着剤は、構造基体/接着剤界面を形成し、そのガラス基体と接着剤は、ガラス基体/接着剤界面を形成し、ガラス基体のCTEおよび構造基体のCTEは異なり、その製品は、構造基体/接着剤界面およびガラス基体/接着剤界面の一方または両方で、-40℃、24℃、および85℃で、改良試験方法ASTM D1002-10により決定される重複剪断破壊、および-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により決定される引張破壊に耐える、冷間成形製品に関する。
【0120】
実施の形態22は、ガラス基体が、ガラス基体/接着剤界面で接着剤と接触するインク面を形成するインク層を有する、実施の形態21の製品に関する。
【0121】
実施の形態23は、冷間成形された湾曲ガラス基体が曲率半径を有し、構造基体が曲率半径を有し、ガラス基体および構造基体の曲率半径は、互いの10%以下以内にある、実施の形態21または22の製品に関する。
【0122】
実施の形態24は、ガラス基体の曲率半径が約400mm以上であり、製品が、約0.5MPaから約5MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある;約5MPaから約15MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある;約15MPaから約100MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが15MPaで約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にあり、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する;約100MPaから約500MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の範囲にあり、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する;約500MPaから約1000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の範囲にあり、1000MPaで約0ppm/℃から約15ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する;および約1000MPaから約10000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが約0ppm/℃から約15ppm/℃である、の内の少なくとも1つを含む、実施の形態21~23のいずれか1つの製品に関する。
【0123】
実施の形態25は、ガラス基体の曲率半径が約150mm以上かつ400mm未満であり、その製品は、約2MPaから約5MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが、約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある;約5MPaから約15MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが、約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある;約15MPaから約100MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが、15MPaで約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にあり、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する;約100MPaから約500MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の範囲にあり、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する;約500MPaから約1000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および構造基体CTEが、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の範囲にあり、1000MPaで約0ppm/℃から約15ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する;および約0ppm/℃から約15ppm/℃の構造CTEに基づいて、約1000MPaから約10000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤、の内の少なくとも1つを含む、実施の形態21~23のいずれか1つの製品に関する。
【0124】
実施の形態26は、構造基体が、金属、金属、プラスチック、または繊維強化複合体のハイブリッドの内の1つである、実施の形態21から25のいずれか1つの製品に関する。
【0125】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0126】
実施形態1
金属基体に冷間成形されたガラスを結合するための接着剤を選択する方法において、
前記金属基体上の前記接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程、
前記接着剤の周囲応力対強度比を計算する工程、
温度の関数として、前記金属基体上の前記接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程、
温度の関数として、前記接着剤の応力対強度比を計算する工程、および
前記周囲応力対強度比が、時間の関数として、一桁未満しか変化しない場合、前記接着剤を選択する工程、
を有してなる方法。
【0127】
実施形態2
前記金属基体上の前記接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程が、前記冷間成形されたガラスの厚さ、該金属基体の厚さ、および該接着剤の厚さの少なくとも1つに基づく、実施形態1に記載の方法。
【0128】
実施形態3
前記金属基体上の前記接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程が、前記冷間成形されたガラス、前記金属基体、および前記接着剤の少なくとも1つの物理的性質に基づく、実施形態1または2に記載の方法。
【0129】
実施形態4
前記物理的性質が、前記冷間成形されたガラスの弾性、超弾性または粘弾性、前記金属基体の弾性、超弾性または粘弾性、前記接着剤の弾性、超弾性または粘弾性、および該接着剤のガラス転移温度(Tg)の少なくとも1つである、実施形態3に記載の方法。
【0130】
実施形態5
前記Tgが、最低の作動温度および最高の作動温度での材料の貯蔵弾性率(E’)の差が、約三桁またはそれ未満、もしくは約二桁またはそれ未満であるようにほぼ室温またはそれ未満である、実施形態4に記載の方法。
【0131】
実施形態6
前記接着剤のTgが、室温またはそれ未満である、実施形態4または5に記載の方法。
【0132】
実施形態7
前記金属基体上の前記接着剤の周囲応力および周囲歪みの少なくとも一方を計算する工程が、前記冷間成形されたガラスの曲げ半径に基づく、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
実施形態8
温度の関数として、前記金属基体上の前記接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程が、前記冷間成形されたガラスの厚さ、前記金属基体の厚さ、および前記接着剤の厚さの少なくとも1つに基づく、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
実施形態9
温度の関数として、前記金属基体上の前記接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程が、前記冷間成形されたガラス、前記金属基体、および前記接着剤の少なくとも1つの物理的性質に基づく、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
実施形態10
前記物理的性質が、前記冷間成形されたガラスの弾性、超弾性または粘弾性、前記金属基体の弾性、超弾性または粘弾性、前記接着剤の弾性、超弾性または粘弾性、および該接着剤のガラス転移温度の少なくとも1つである、実施形態9に記載の方法。
【0136】
実施形態11
温度の関数として、前記金属基体上の前記接着剤の応力および歪みの少なくとも一方を計算する工程が、前記冷間成形されたガラスの曲げ半径に基づく、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
実施形態12
前記周囲応力対強度比が、時間の関数として、約3:10から約3:100まで変化する、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
実施形態13
前記周囲応力対強度比が、15年の期間の関数として、約3:10から約3:100まで変化する、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
実施形態14
実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法を使用して選択された接着剤。
【0140】
実施形態15
前記接着剤が中間接着剤である、実施形態14に記載の接着剤。
【0141】
実施形態16
前記接着剤が、ポリウレタン、ポリシロキサンまたはエポキシである、実施形態14に記載の接着剤。
【0142】
実施形態17
前記接着剤がポリウレタンである、実施形態14に記載の接着剤。
【0143】
実施形態18
前記接着剤が、ポリシロキサンまたはシラン修飾高分子である、実施形態14に記載の接着剤。
【0144】
実施形態19
自動車部品において、
第1の主面を有する金属基体、
第1の主面を有する冷間成形されたガラス、および
第1の主面と第2の主面を有する接着剤であって、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法を使用して選択された接着剤、
を備え、
前記接着剤は、前記金属基体の第1の主面と前記冷間成形されたガラスの第1の主面との間に位置付けられ、
前記接着剤は、前記金属基体の第1の主面を前記冷間成形されたガラスの第1の主面に結合する、自動車部品。
【0145】
実施形態20
前記接着剤がポリウレタンである、実施形態19に記載の自動車部品。
【0146】
実施形態21
冷間成形製品において、
曲面および構造基体の熱膨張係数(CTE)を有する構造基体と、
接着剤で前記曲面に取り付けられた、冷間成形された湾曲ガラス基体であって、ガラス基体のCTEを有するガラス基体と、
を備え、
前記構造基体と前記接着剤は、構造基体/接着剤界面を形成し、前記ガラス基体と前記接着剤は、ガラス基体/接着剤界面を形成し、
前記ガラス基体のCTEおよび前記構造基体のCTEは異なり、
前記製品は、前記構造基体/接着剤界面および前記ガラス基体/接着剤界面の一方または両方で、-40℃、24℃、および85℃で、改良試験方法ASTM D1002-10により決定される重複剪断破壊、および-40℃、24℃、および85℃で、ASTM D897により決定される引張破壊に耐える、冷間成形製品。
【0147】
実施形態22
前記ガラス基体が、前記ガラス基体/接着剤界面で前記接着剤と接触するインク面を形成するインク層を有する、実施形態21に記載の製品。
【0148】
実施形態23
前記冷間成形された湾曲ガラス基体が曲率半径を有し、前記構造基体が曲率半径を有し、該ガラス基体および該構造基体の曲率半径は、互いの10%以下以内にある、実施形態21または22に記載の製品。
【0149】
実施形態24
前記ガラス基体の曲率半径が約400mm以上であり、前記製品が、
約0.5MPaから約5MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある、
約5MPaから約15MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある、
約15MPaから約100MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、15MPaで約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にあり、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する、
約100MPaから約500MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の範囲にあり、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する、
約500MPaから約1000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の範囲にあり、1000MPaで約0ppm/℃から約15ppm/℃の基体CTEまで線形に減少する、および
約1000MPaから約10000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが約0ppm/℃から約15ppm/℃である、
の内の少なくとも1つを含む、実施形態21から23のいずれか1つに記載の製品。
【0150】
実施形態25
前記ガラス基体の曲率半径が約150mm以上かつ400mm未満であり、前記製品は、
約2MPaから約5MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある、
約5MPaから約15MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にある、
約15MPaから約100MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、15MPaで約0ppm/℃から約120ppm/℃の範囲にあり、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する、
約100MPaから約500MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、100MPaで約0ppm/℃から約60ppm/℃の範囲にあり、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する、
約500MPaから約1000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤および前記構造基体CTEが、500MPaで約0ppm/℃から約30ppm/℃の範囲にあり、1000MPaで約0ppm/℃から約15ppm/℃の構造基体CTEまで線形に減少する、および
約0ppm/℃から約15ppm/℃の構造CTEに基づいて、約1000MPaから約10000MPaの範囲の弾性率を有する接着剤、
の内の少なくとも1つを含む、実施形態21から23のいずれか1つに記載の製品。
【0151】
実施形態26
前記構造基体が、金属、金属、プラスチック、または繊維強化複合体のハイブリッドの内の1つである、実施形態21から25のいずれか1つに記載の製品。
【符号の説明】
【0152】
10 自動車内装
100、200、300 自動車内装システム
110 センターコンソールベース
120、220、320 曲面
130、230、330 ディスプレイ
140 湾曲ガラス基体
142 第1の主面
144 第2の主面
150 フレーム
160 接着剤層
210 ダッシュボードベース
215 計器盤
310 ハンドルベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】