(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】CDK9活性を調節するための化合物、組成物、および方法
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20220106BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220106BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20220106BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20220106BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20220106BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220106BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20220106BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220106BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C07D487/04 142
C07D487/04 CSP
A61P1/16
A61P11/00
A61P15/00
A61P7/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
A61K31/519
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021521232
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2019058482
(87)【国際公開番号】W WO2020092314
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521157029
【氏名又は名称】クロノス バイオ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ミコチク ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァッカ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】タスカー アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE03
4C050FF02
4C050GG02
4C050GG04
4C050HH01
4C050HH02
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA51
4C086ZA59
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC41
(57)【要約】
式(I)に対応する、ピラゾロ[1,5-α]ピリミジン誘導体およびその塩である、CDK9の阻害剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
式中、
R
1は、任意の位置でD、ハロ、R
7CO
2R
8、CO
2R
8、CO
2H、R
7CO
2H、NH
2、NHR
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、SO
2NHR
8のうちの1つまたは複数により置換されていてもよいC1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、テトラヒドロフラニル、またはテトラヒドロピラニルであるか、
またはR
1はNH
2、NHR
8、OH、OR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、SO
2NHR
8であるか、
またはR
1およびR
2は一緒に、任意の位置でD、ハロ、NH
2、NHR
8、NR
7R
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、またはSO
2NHR
8のうちの1つまたは複数により置換されていてもよい縮合C5~C6シクロアリールを形成し;
R
2、R
3、R
4およびR
5は独立に、H、D、ハロである、または任意の位置でD、ハロ、NH
2、NHR
8、NR
7R
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、もしくはSO
2NHR
8のうちの1つもしくは複数により置換されていてもよいC1~C5アルキルもしくはC3~C6シクロアルキルであるか、
またはR
3およびR
4は一緒に、任意の位置でD、ハロ、NH
2、NHR
8、NR
7R
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、またはSO
2NHR
8のうちの1つまたは複数により置換されていてもよい縮合C5~C6シクロアリールを形成するか、
またはR
2およびR
5は一緒に、任意の位置でD、ハロ、NH
2、NHR
8、NR
7R
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、またはSO
2NHR
8のうちの1つまたは複数により置換されていてもよい縮合C5~C6シクロアリールを形成し;
R
6はHまたはDであり;
R
7は(CH
2)
nであり、ここでnは1~6の整数であり;かつ
R
8は、任意の位置でD、ハロ、OH、SH、またはNH
2のうちの1つまたは複数により置換されていてもよいC1~C6アルキルまたはC3~C6シクロアルキルである。
【請求項2】
R
1が、任意の位置でNH
2により置換されていてもよいC1~C6アルキルもしくはC3~C6シクロアルキルであるか、または
R
1がNHCOR
8であり;
R
2、R
3、R
4、およびR
6がHであり;
R
5が、任意の位置でD、NH
2、OH、NHR
8、OR
8、またはその組み合わせにより置換されていてもよいシクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;かつ
R
8がC1~C4アルキルである、
請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
R
1がメチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、3-ペンチル、シクロプロピル、シクロペンチル、またはNHCOCH
3であり;
R
2、R
3、R
4、およびR
6がHであり;かつ
R
5が、任意の位置でNH
2により置換されていてもよいシクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである、
請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
以下の構造のうちの1つの化合物またはその薬学的に許容される塩:
。
【請求項5】
光学活性立体異性体のラセミまたは非ラセミ混合物である、請求項1~4のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項6】
実質的に純粋な単一の鏡像異性体またはジアステレオマーである、請求項1~4のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項7】
二塩化物塩としての、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物または塩。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項記載の化合物または塩、および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項9】
CDK9媒介性疾患の処置方法であって、それを必要としている対象に請求項1~7のいずれか一項記載の化合物または請求項8記載の組成物を投与する段階を含む、方法。
【請求項10】
前記疾患がMYC-もしくはMCL-1の異常発現によって引き起こされる癌、血液悪性腫瘍、または固形腫瘍である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記疾患が急性骨髄性白血病、原発性腹膜癌、慢性リンパ性白血病、再発多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、急性混合型白血病、進行乳癌、非小細胞肺癌、または肝癌である、請求項9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、それぞれ2018年10月30日、2019年8月9日、および2019年10月3日提出の米国特許仮出願第62/752,635号、第62/884,993号、および第62/910,058号の恩典を主張し、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
分野
本開示は、サイクリン依存性キナーゼ9(CDK9)の活性を調節する化合物、そのような化合物を含む薬学的組成物、ならびにCDK9の活性から生じる疾患、例えば、過剰増殖性疾患、ウイルス誘導性感染症、および心血管疾患の処置、改善、および/または予防のための化合物および/または薬学的組成物の使用法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
タンパク質のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)ファミリーは、細胞周期および遺伝子転写の主要な調節因子である。細胞周期は細胞成長および分裂の時間調整のための調節細胞メカニズムである。細胞周期は、DNA損傷、遺伝的混乱、およびその他の誤りを修正する一連のチェックポイントを通じて細胞増殖を導く多面的プロセスである。Nonhuman Primates in Biomedical Research (Second Edition, 2012)(非特許文献1)。各段階はサイクリンおよびCDKの組み合わせによって制御され、ここでCDKは特定の組のサイクリンをリン酸化して細胞周期の次の段階への進入を誘発する。Cell Cycle Merri Lynn Casem BA, PhD, in Case Studies in Cell Biology, 2016(非特許文献2)。サイクリンmRNA転写の調節によるサイクリンタンパク質の蓄積は、CDKのオンとオフを切り替え、細胞を1つの段階から次の段階に移動させる「生体スイッチ」として機能する。[同上]。
【0004】
CDK1、2、3、4および6が細胞分割周期の時間を調節する一方で、CDK7およびCDK9は、カルボキシ末端ドメインのリン酸化によるRNAポリメラーゼIIの調節を通して転写の活性を調節する。Lucking, et al., ChemMedChem 2017, 12, 1776-1793(非特許文献3)。
【0005】
CDK9は、AR、MYC、MCL-1、およびBCL-2などの主要な発癌性タンパク質の転写活性を制御し、NFkBおよびSTAT3などの炎症促進転写因子を刺激する。Gregory et al., Leukemia. 2015 Jun; 29(6): 1437-1441(非特許文献4);Krystof, et al., Curr Pharm Des. 2012 Jul; 18(20): 2883-2890(非特許文献5)。CDK9は、転写伸長因子(PTEFb)と呼ばれる4つのサイクリンパートナー(サイクリンT1、サイクリンK、サイクリンT2a、またはサイクリンT2b)の1つとヘテロダイマーを形成する。RNAポリメラーゼIIは、急速に誘導された遺伝子の転写に対する主要な調節制御メカニズムとして機能する負の伸長因子の相互作用により、DNAテンプレートに沿って20~40ヌクレオチド後のmRNA転写を休止する。PTEFbは、RNAポリメラーゼIIのカルボキシ末端ドメインのリン酸化によるRNAポリメラーゼIIの休止、および負の伸長因子の不活性化を克服する。CDK9およびPTEFbを標的とする化合物は現在臨床試験中である。CDK9の酵素活性は、ほとんどのタンパク質コード遺伝子の転写伸長を刺激するために重要である。Krystof, et al., Curr Pharm Des. 2012 Jul; 18(20): 2883-2890(非特許文献5)。
【0006】
複素環状の中核構造を有するいくつかのCDK阻害剤が開発されている。例えば、プリン骨格は、セリシクリブ(Cyclacel Pharmaceuticals, Inc)および他のプリン誘導体を含む、癌を処置するために開発されたCDK阻害剤の元であった。S.C. Wilson et al., Bioorg & Med Chem 2011 Nov; 19(22): 6949-6965(非特許文献6)。CDK9以外に、これらのプリン誘導体はCDK7およびCDK2も標的にするが、CDK2阻害は安全性および毒性の懸念を引き起こす。トリアジン中核に基づくCDK9阻害剤、例えば、アツベシクリブ(Atuveciclib)も開発されている。Lucking et al., ChemMedChem 2017, 12, 1776-1793(非特許文献3)。残念ながら、CDK9阻害剤による処置は相対的に不成功のままであり、多くの有害作用に関与する。Morales et al., Cell Cycle 2016, vol. 15, no. 4, 519-527(非特許文献7)。したがって、CDK9が媒介する疾患を処置するための新しいCDK9阻害剤が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Nonhuman Primates in Biomedical Research (Second Edition, 2012)
【非特許文献2】Cell Cycle Merri Lynn Casem BA, PhD, in Case Studies in Cell Biology, 2016
【非特許文献3】Lucking, et al., ChemMedChem 2017, 12, 1776-1793
【非特許文献4】Gregory et al., Leukemia. 2015 Jun; 29(6): 1437-1441
【非特許文献5】Krystof, et al., Curr Pharm Des. 2012 Jul; 18(20): 2883-2890
【非特許文献6】S.C. Wilson et al., Bioorg & Med Chem 2011 Nov; 19(22): 6949-6965
【非特許文献7】Morales et al., Cell Cycle 2016, vol. 15, no. 4, 519-527
【発明の概要】
【0008】
概要
1つの態様において、本開示は、CDK9の阻害剤である、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、およびその誘導体を提供する。
【0009】
1つの態様において、本開示は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する:
式中、
R
1は、任意の位置でD、ハロ、R
7CO
2R
8、CO
2R
8、CO
2H、R
7CO
2H、NH
2、NHR
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、SO
2NHR
8のうちの1つまたは複数により置換されていてもよいC1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、テトラヒドロフラニル、またはテトラヒドロピラニルであるか、
またはR
1はNH
2、NHR
8、OH、OR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、SO
2NHR
8であるか、
またはR
1およびR
2は一緒に、任意の位置でD、ハロ、NH
2、NHR
8、NR
7R
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、またはSO
2NHR
8のうちの1つまたは複数により置換されていてもよい縮合C5~C6シクロアリールを形成し;
R
2、R
3、R
4およびR
5は独立に、H、D、ハロである、または任意の位置でD、ハロ、NH
2、NHR
8、NR
7R
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、もしくはSO
2NHR
8のうちの1つもしくは複数により置換されていてもよいC1~C5アルキルもしくはC3~C6シクロアルキルであるか、
またはR
3およびR
4は一緒に、任意の位置でD、ハロ、NH
2、NHR
8、NR
7R
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、またはSO
2NHR
8のうちの1つまたは複数により置換されていてもよい縮合C5~C6シクロアリールを形成するか、
またはR
2およびR
5は一緒に、任意の位置でD、ハロ、NH
2、NHR
8、NR
7R
8、OH、OR
8、SH、SR
8、NHCOR
8、NHSO
2R
8、SO
2NH
2、またはSO
2NHR
8のうちの1つまたは複数により置換されていてもよい縮合C5~C6シクロアリールを形成し;
R
6はHまたはDであり;
R
7は(CH
2)
nであり、ここでnは1~6の整数であり;かつ
R
8は、任意の位置でD、ハロ、OH、SH、またはNH
2のうちの1つまたは複数により置換されていてもよいC1~C6アルキルまたはC3~C6シクロアルキルである。
【0010】
もう1つの態様において、式(I)の化合物またはその塩において、R1は、任意の位置でNH2により置換されていてもよいC1~C6アルキルもしくはC3~C6シクロアルキルであるか、またはR1はNHCOR8であり;R2、R3、R4、およびR6はHであり;R5は、任意の位置でD、NH2、OH、NHR8、OR8、またはその組み合わせにより置換されていてもよいシクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;かつR8はC1~C4アルキルである。
【0011】
もう1つの態様において、式(I)の化合物またはその塩において、R1はメチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、3-ペンチル、シクロプロピル、シクロペンチル、またはNHCOCH3であり;R2、R3、R4、およびR6はHであり;かつR5は、任意の位置でNH2により置換されていてもよいシクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
【0012】
化合物は、薬学的に許容される担体を含む組成物の形態であってもよい。
【0013】
もう1つの態様において、本開示は、過剰増殖性疾患(例えば、癌)、ウイルス誘導性感染症、および心血管疾患などのCDK9媒介性疾患の処置法、予防法、または改善法であって、本明細書に記載のピラゾロ[1,5-a]ピリミジン誘導体の有効量をそれを必要としている対象に投与することによる方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
1つの態様において、本明細書に記載の組成物または方法において使用可能な、本明細書に記載の化合物は、式(I)の化合物またはその塩を含む、それからなる、または本質的にそれからなる。1つの局面において、組成物は薬学的組成物または形態に製剤する。
【0015】
式(I)により記載する、または特定の化合物として示す任意の化合物は、単一の立体異性体または可能な立体異性体の混合物であってもよい。例えば、単一のキラル炭素が存在する場合、化合物はキラル炭素に関して(S)もしくは(R)立体異性体であってもよく、または化合物は(S)および(R)異性体の非ラセミ混合物であってもよく、または化合物は(S)異性体だけ、もしくは(R)異性体だけであってもよい。化合物が複数のキラル炭素を含む場合、化合物は単一のジアステレオマーまたはジアステレオマーの混合物であってもよい。
【0016】
「塩」とは、薬学的に許容される塩、例えば、塩酸塩を意味する。「薬学的に許容される塩」は、重大な有害作用を伴わずに、化合物の活性を保持している塩である。薬学的に許容される塩の例には、有機または無機酸、例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、およびギ酸の塩が含まれる。塩は化合物あたり1当量またはそれ以上の酸を含んでもよく、すなわち、化合物は二塩化物塩の形態であってもよい。
【0017】
開示する活性化合物は、それらの水和物の形態でもあり得る。「水和物」なる用語は、例えば、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、および四水和物を含む。
【0018】
本開示の化合物は、それらの天然存在度を示してもよく、または原子の一つもしくは複数が、同じ原子番号を有するが、天然で主に見られる原子質量もしくは質量数とは異なる原子質量もしくは質量数を有する特定の同位体で人工的に濃縮されていてもよい。本開示は、本明細書に記載の化合物のすべての適切な同位体変種を含む。
【0019】
「アルキル」とは、分枝および直鎖飽和脂肪族炭化水素を意味し、「C1~C6アルキル」のように炭素原子の数を指定することは、直鎖または分枝配置で1、2、3、4、5、または6個の炭素を有する、そのすべての異性体を意味する。したがって、「C1~C6アルキル」はメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、i-ブチルなどを含む。
【0020】
「シクロアルキル」とは、指定の炭素数の環式飽和脂肪族炭化水素を意味する。
【0021】
「D」は重水素である。
【0022】
「ハロ」とは、ハロゲン置換基、例えば、F、Cl、またはBrを意味する。
【0023】
【0024】
「有効量」または「治療的有効量」は、対象に投与したときに、本明細書に記載の有益または所望の結果をもたらすのに充分な、化合物または組成物の量である。有効な剤形、投与の様式、および投与量は経験的に決定してもよく、そのような決定を行うのは当分野の技術の範囲内である。当業者であれば、投与量は投与経路、排出速度、処置の期間、投与中の任意の他の薬物の同一性、哺乳動物、例えば、ヒト患者の年齢、サイズ、および種、ならびに医学および獣医学の分野で周知の同様の因子によって変動することを理解することになる。一般に、適切な用量は、副作用なし、または最小限の副作用で、所望の効果を生じるのに有効な最低用量である、化合物の量であろう。
【0025】
本開示の化合物の投薬量の適切な非限定例は、約1ng/kg~約1000mg/kg、例えば、約5mg/kg~約50mg/kgを含む、約1mg/kg~約100mg/kgである。PI3K阻害剤の他の代表的な投薬量には、約1mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/kg、175mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、300mg/kg、400mg/kg、500mg/kg、600mg/kg、700mg/kg、800mg/kg、900mg/kg、または1000mg/kgが含まれる。
【0026】
本開示のさらにもう1つの態様は、CDK9媒介性疾患を処置するための薬学的組成物である。CDK9媒介性疾患は、過剰増殖性疾患(例えば癌)、ウイルス誘導性感染症、または心血管疾患であり得る。例には、急性骨髄性白血病、原発性腹膜癌、慢性リンパ性白血病、再発多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、急性混合型白血病、進行乳癌、非小細胞肺癌、肝細胞癌などの肝癌、および固形進行腫瘍が含まれる。特に、化合物は、MYC-またはMCL-1の異常発現によって引き起こされる癌、血液悪性腫瘍、または固形腫瘍を処置するために用いてもよい。
【0027】
薬学的組成物は、薬学的に許容される担体および本明細書に記載の化合物の有効量を含む。
【0028】
本開示の薬学的組成物は、経口摂取のための、または眼への局所投与のための軟膏もしくは滴剤として、または腹腔内、皮下、局所、皮内、吸入、肺内、直腸、膣、舌下、筋肉内、静脈内、動脈内、くも膜下腔内、もしくはリンパ内などの任意の適切な様式での非経口もしくは他の投与のための、任意の所望かつ有効な様式で投与してもよい。さらに、本開示の薬学的組成物は、他の処置と併せて投与してもよい。本開示の薬学的組成物は、必要に応じて、胃または他の分泌物に対してカプセル化またはその他で保護してもよい。
【0029】
本開示の薬学的組成物は、薬学的に許容され、かつ1つまたは複数の活性成分を1つまたは複数の薬学的に許容される担体、ならびに任意に1つまたは複数の他の化合物、薬物、成分および/または材料との混合物で含む。選択した投与経路に関係なく、本開示の作用物質/化合物は、当技術分野において周知の薬学的に許容される担体を用いて当業者には公知の通常の方法により、薬学的に許容される剤形に製剤し(例えば、Remington, The Science and Practice of Pharmacy (21st Edition, Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, Pa.)およびThe National Formulary (American Pharmaceutical Association, Washington, D.C.)参照)、糖類(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、およびソルビトール)、デンプン、セルロース製剤、リン酸カルシウム(例えば、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウムおよびリン酸水素カルシウム)、クエン酸ナトリウム、水、水溶液(例えば、食塩水、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、乳酸リンゲル注射液)、アルコール(例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、およびベンジルアルコール)、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコール)、有機エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびトリグリセリド)、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド-ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)、およびポリ(無水物))、エラストマーマトリックス、リポソーム、ミクロスフェア、油(例えば、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ、ゴマ、綿実、および落花生)、カカオ脂、ワックス(例えば、坐剤ワックス)、パラフィン、シリコーン、タルク、シリチレート(silicylate)などを含む。本開示の薬学的組成物において使用する、それぞれの薬学的に許容される担体は、製剤の他の成分と適合性であり、対象に対して有害ではないという意味で「許容される」。選択した剤形および意図する投与経路に適した担体は、当技術分野において周知であり、かつ選択した剤形および投与方法に対して許容される担体は、当分野における通常の技術を使用して決定することができる。
【0030】
本開示の薬学的組成物は、任意に、そのような薬学的組成物において一般に使用される追加の成分および/または材料を含んでもよい。これらの成分および材料は、当技術分野において周知で、(1)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸;(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖およびアカシア;(3)保水剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、一定のケイ酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収促進剤、例えば四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート;(8)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、およびラウリル硫酸ナトリウム;(10)懸濁化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、ヒドロキシアルミニウムオキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカント;(11)緩衝剤;(12)賦形剤、例えばラクトース、乳糖、ポリエチレングリコール、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、カカオ脂、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、サリチル酸塩、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末;(13)不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒;(14)保存剤;(15)界面活性剤;(16)分散化剤;(17)制御放出または吸収遅延剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、生分解性ポリマー、リポソーム、ミクロスフェア、モノステアリン酸アルミニウム、ゼラチン、およびワックス;(18)乳白剤;(19)補助剤;(20)湿潤剤;(21)乳化剤および懸濁化剤;(22)、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル;(23)噴射剤、例えばクロロフルオロ炭化水素および揮発性無置換炭化水素、例えばブタンおよびプロパン;(24)抗酸化剤;(25)製剤を所期の受容者の血液と等張にする作用物質、例えば糖および塩化ナトリウム;(26)増粘剤;(27)コーティング材料、例えばレシチン;および(28)甘味剤、着香剤、着色剤、香料および保存剤が含まれる。それぞれのそのような成分または材料は、製剤の他の成分と適合性であり、対象に対して有害ではないという意味で「許容される」。選択した剤形および意図する投与経路に適した成分および材料は、当技術分野において周知であり、かつ選択した剤形および投与方法に対して許容される成分および材料は、当分野における通常の技術を使用して決定してもよい。
【0031】
経口投与に適した薬学的組成物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、散剤、顆粒剤、水性もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤、水中油もしくは油中水型液体乳剤、エリキシル剤もしくはシロップ、トローチ、巨丸剤、舐剤またはペーストの形態であってもよい。これらの製剤は、当技術分野において公知の方法によって、例えば、通常のパンコーティング、混合、造粒または凍結乾燥工程によって調製してもよい。
【0032】
経口投与のための固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)は、活性成分を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、ならびに任意に1つまたは複数の充填剤、増量剤、結合剤、保水剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤、滑沢剤、および/または着色剤と混合することによって調製してもよい。同様の種類の固体組成物を、適切な賦形剤を用いて、ゼラチン軟および硬カプセル中の充填剤として使用してもよい。錠剤は、任意に1つまたは複数の補助成分と共に、圧縮または成形により作製してもよい。圧縮錠剤は、適切な結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤、界面活性剤または分散化剤を用いて調製してもよい。成形錠剤は、適切な機械における成形によって作製してもよい。錠剤、および他の固体剤形、例えば糖衣錠、カプセル剤、丸薬および顆粒剤は、任意に割線を入れてもよく、またはコーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティングおよび薬学的製剤の分野において周知の他のコーティングを用いて調製してもよい。それらは、その中の活性成分の遅延または制御放出を提供するように製剤してもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルター(bacteria-retaining filter)を通してのろ過により滅菌してもよい。これらの組成物は、任意に乳白剤を含んでもよく、それらが活性成分を消化管の一定の部分でのみ、または優先的に、任意に遅延様式で放出するような組成物であってもよい。活性成分は、マイクロカプセル化された形態であってもよい。
【0033】
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。液体剤形は、当技術分野において一般的に使用される適切な不活性希釈剤を含んでもよい。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、補助剤、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、着香剤、着色剤、香料および保存剤を含んでもよい。懸濁剤は、懸濁化剤を含んでもよい。
【0034】
直腸または膣投与のための薬学的組成物は、坐剤として提供してもよく、これは、1つまたは複数の活性成分を、室温では固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣腔内で融解して、活性化合物を放出する、1つまたは複数の適切な非刺激性担体と共に混合することによって調製してもよい。膣投与に適した薬学的組成物には、当技術分野において適切であることが公知である、薬学的に許容される担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたは噴霧製剤も含まれる。
【0035】
局所または経皮投与のための剤形には、散剤、噴霧剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、液剤、パッチ、ドロップおよび吸入剤が含まれる。活性作用物質/化合物を、無菌条件下、適切な薬学的に許容される担体と混合してもよい。軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは賦形剤を含んでもよい。散剤および噴霧剤は賦形剤および噴射剤を含んでもよい。
【0036】
非経口投与に適した薬学的組成物は、1つまたは複数の作用物質/化合物を、1つまたは複数の薬学的に許容される無菌等張水性もしくは非水性液剤、分散剤、懸濁剤もしくは乳剤、または使用直前に無菌注射液剤もしくは分散剤へと再構成し得る無菌散剤と組み合わせて含み、これらは適切な抗酸化剤、緩衝剤、製剤を所期の受容者の血液と等張にする溶質、または懸濁化剤もしくは増粘剤を含んでもよい。適切な流動性を、例えば、コーティング材料の使用により、分散剤の場合には必要とされる粒径の維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。これらの組成物は、適切な補助剤、例えば湿潤剤、乳化剤および分散化剤を含んでもよい。等張化剤を含むことが望ましいこともある。加えて、注射用の薬学的形態の長期吸収を、吸収を遅らせる作用物質の包含によりもたらしてもよい。
【0037】
いくつかの場合に、薬物(例えば、薬学的製剤)の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からのその吸収を遅らせることが望ましい。これは、水に難溶性の結晶または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成してもよい。
【0038】
次いで、活性作用物質/薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、次いでそれは結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。または、非経口投与した作用物質/薬物の遅延吸収は、油性媒体に活性作用物質/薬物を溶解または懸濁することによって達成してもよい。注射用デポー形態を、生分解性ポリマー中で活性成分のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製してもよい。活性成分とポリマーの比率、および使用する特定のポリマーの性質に応じて、活性成分の放出速度を制御することができる。デポー注射製剤は、体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を捕捉することにより調製してもよい。注射用材料は、例えば、細菌保持フィルターを通してのろ過により滅菌することができる。
【0039】
製剤は、単位用量または複数用量封入容器、例えば、アンプルおよびバイアル中で提供してもよく、使用の直前に無菌液体担体、例えば、注射用水の添加のみを必要とする、凍結乾燥状態で保存してもよい。即時注射液剤および懸濁剤を、前述の種類の無菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製してもよい。
【0040】
本明細書において用いられる「対象」は、哺乳動物、好ましくはヒトである。ヒトに加えて、本開示の範囲内の哺乳動物の範疇には、例えば、農業用動物、飼育動物、実験動物などが含まれる。農業用動物のいくつかの例には、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギなどが含まれる。飼育動物のいくつかの例には、イヌ、ネコなどが含まれる。実験動物のいくつかの例には、ラット、マウス、ウサギ、モルモットなどが含まれる。
【0041】
本明細書において用いられる用語「処置する」、「処置すること」、「処置」およびその文法的変種は、個々の対象に、その対象、例えば、患者において生理学的反応または結果を得ることが望まれる、プロトコル、レジメン、プロセスまたは治療法を受けさせることを意味する。特に、本開示の方法および組成物は、疾患症状の発症を遅くする、または疾患もしくは状態の発生を遅らせる、または疾患発症の進行を止めるために用いてもよい。しかし、処置した対象全てが特定の処置プロトコル、レジメン、プロセスまたは治療法に反応しないこともあるため、処置は、所望の生理学的反応または結果がそれぞれおよび全ての対象または対象、例えば、患者集団で達成されることを必要としない。したがって、所与の対象または対象、例えば、患者集団が処置に対して反応しない、または反応が不十分であってもよい。
【0042】
本明細書において用いられる用語「改善する」、「改善すること」およびその文法的変種は、対象における疾患の症状の重症度を低下させることを意味する。
【0043】
本明細書において用いられる用語「予防する」、「予防すること」およびその文法的変種は、投与時には疾患または状態を有すると診断されていないが、疾患もしくは状態を発症することが予想されるか、または疾患もしくは状態のリスクが高いと予想される対象に、本開示の化合物または組成物を投与することを意味する。予防は、少なくとも1つの本開示の化合物または組成物の、年齢、家族歴、遺伝子もしくは染色体異常により、疾患もしくは状態に対する1つもしくは複数の生物学的マーカーの存在により、および/または環境要因により、疾患または状態に罹りやすいと考えられる対象への投与も含む。
【0044】
以下の実施例は、本開示の一定の側面を例示するために提供するものであって、本開示を制限する意図はない。
【実施例】
【0045】
以下の実施例は、代表的化合物の調製および試験を記載する。
【0046】
実施例1:N-シクロペンチル-5-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(1)
MeCN(4mL)中の7-クロロ-5-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(50.0mg、0.3000mmol)、シクロペンタンアミン(30.48mg、0.3600mmol)およびK
2CO
3(82.34mg、0.6000mmol)の撹拌溶液を4時間加熱還流した。反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィ、溶離剤ヘキサン中30%酢酸エチルで精製して、N-シクロペンチル-5-メチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(51.58mg、0.2358mmol、収率79.046%)(1)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(ヘキサン中40%酢酸エチル;生成物Rf=0.4、SM Rf=0.6)でモニターした。
【0047】
実施例2:N-シクロペンチル-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(2)
MeCN(4mL)中の7-クロロ-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(65.0mg、0.3300mmol)、シクロペンタンアミン(0.04mL、0.4000mmol)およびK
2CO
3(91.69mg、0.6600mmol)の撹拌溶液を4時間加熱還流した。反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィ、溶離剤ヘキサン中15%酢酸エチルで精製して、N-シクロペンチル-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(48.02mg、0.1953mmol、収率58.789%)(2)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(ヘキサン中20%酢酸エチル;生成物Rf=0.3、SM Rf=0.6)でモニターした。
【0048】
実施例3:N-シクロペンチル-5-sec-ブチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(3)
MeCN(5mL)中の7-クロロ-5-sec-ブチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(50.mg、0.2400mmol)、シクロペンタンアミン(24.37mg、0.2900mmol)およびK
2CO
3(82.28mg、0.6000mmol)の撹拌溶液を4時間加熱還流した。反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製して、N-シクロペンチル-5-sec-ブチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(21.27mg、0.0823mmol、収率34.519%)(3)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(ヘキサン中30%酢酸エチル;生成物Rf=0.4、SM Rf=0.5)でモニターした。
【0049】
実施例4:[4-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]アンモニウムジクロリド(4)
N-[4-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]カルバミン酸tert-ブチル(60.0mg、0.1700mmol)に、ジオキサン中HCl(2mL、0.1700mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、[4-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]アンモニウムジクロリド(39.89mg、0.1247mmol、収率71.803%)(4)を白色固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0050】
実施例5:N,5-ジシクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(5)
MeCN(5mL)中の7-クロロ-5-シクロペンチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(50.0mg、0.2300mmol)、シクロペンタンアミン(23.05mg、0.2700mmol)およびK
2CO
3(77.81mg、0.5600mmol)の撹拌溶液を4時間加熱還流した。反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製して、N,5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(33.17mg、0.1227mmol、収率54.396%)(5)を淡黄色固体で得た。反応混合物をTLC(ヘキサン中30%酢酸エチル;生成物Rf=0.4、SM Rf=0.5)でモニターした。
【0051】
実施例6:[4-[(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]アンモニウムジクロリド(6)
N-[4-[(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]カルバミン酸tert-ブチル(80.0mg、0.2100mmol)に、ジオキサン中HCl(2.mL、0.2100mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、[4-[(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]アンモニウムジクロリド(64.82mg、0.1796mmol、収率83.865%)(6)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0052】
実施例7:[4-[(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]アンモニウムジクロリド(7)
N-[4-[(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]カルバミン酸tert-ブチル(65.0mg、0.1700mmol)に、ジオキサン中HCl(2.mL、0.1700mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、[4-[(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]アンモニウムジクロリド(46.75mg、0.1297mmol、収率77.35%)(7)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.78)でモニターした。
【0053】
実施例8:[4-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]アンモニウムジクロリド(8)
N-[4-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]カルバミン酸tert-ブチル(72.17mg、0.1800mmol)に、ジオキサン中HCl(2.mL、0.1800mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、[4-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロヘキシル]アンモニウムジクロリド(59.36mg、0.1594mmol、収率88.257%)(8)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0054】
実施例9:[(1S,3S)-3-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウムジクロリド(9)
N-[(1S,3S)-3-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(105.mg、0.2700mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2700mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、[(1S,3S)-3-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウムジクロリド(51.28mg、0.1431mmol、収率52.544%)(9)を淡黄色固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0055】
実施例10:[(1S,3R)-3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウムジクロリド(10)
N-[(1S,3R)-3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(100.0mg、0.3000mmol)に、ジオキサン中HCl(2.mL、0.3000mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、[(1S,3R)-3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウムジクロリド(84.11mg、0.2685mmol、収率88.979%)(10)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0056】
実施例11:[3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロブチル]アンモニウムジクロリド(11)
N-[3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロブチル]カルバミン酸tert-ブチル(90.mg、0.2800mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2800mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、[3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロブチル]アンモニウムジクロリド(65.42mg、0.2240mmol、収率79.009%)(11)を淡褐色固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0057】
実施例12:[(1R,3S)-3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウムジクロリド(12)
N-[(1R,3S)-3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(80.0mg、0.2400mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2400mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、[(1R,3S)-3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウムジクロリド(61.39mg、0.1993mmol、収率82.568%)(12)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0058】
実施例13:(1S,3R)-N3-(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(13)
N-[(1S,3R)-3-[(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(80.0mg、0.2200mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2200mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、(1S,3R)-N3-(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(26.03mg、0.0978mmol、収率43.966%)(13)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0059】
実施例14:(1S,3R)-N3-(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(14)
N-[(1S,3R)-3-[(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(100.mg、0.2700mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2700mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、(1S,3R)-N3-(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(34.04mg、0.1245mmol、収率46.505%)(14)を淡緑色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0060】
実施例15:N-[(1S,3R)-3-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(15)
N-[(1S,3R)-3-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(100.mg、0.2600mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2600mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、(1S,3R)-N3-(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(31.91mg、0.1118mmol、収率43.103%)(15)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0061】
実施例16:(1R,3S)-N3-(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(16)
N-[(1R,3S)-3-[(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(75.mg、0.2100mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2100mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、(1R,3S)-N3-(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(30.78mg、0.1158mmol、収率55.49%)(16)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0062】
実施例17:(1S,3S)-N3-(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(17)
N-[(1S,3S)-3-[(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(80.0mg、0.2200mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2200mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、(1S,3S)-N3-(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(31.02mg、0.1160mmol、収率52.142%)(17)を淡黄色ゴム状物で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0063】
実施例18:(1S,3S)-N3-(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(18)
N-[(1S,3S)-3-[(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(105.0mg、0.2800mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2800mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、(1S,3S)-N3-(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(20.55mg、0.0752mmol、収率26.738%)(18)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0064】
実施例19:N1-(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロブタン-1,3-ジアミン(19)
N-[3-[(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロブチル]カルバミン酸tert-ブチル(85.0mg、0.2400mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2400mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、N1-(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロブタン-1,3-ジアミン(30.61mg、0.1180mmol、収率49.914%)(19)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0065】
実施例20:N1-(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロブタン-1,3-ジアミン(20)
N-[3-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロブチル]カルバミン酸tert-ブチル(80.0mg、0.2200mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2200mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、N1-(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロブタン-1,3-ジアミン(29.52mg、0.1088mmol、収率50.514%)(20)を淡黄色ゴム状物で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0066】
実施例21:N1-(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロブタン-1,3-ジアミン(21)
N-[3-[(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロブチル]カルバミン酸tert-ブチル(75.0mg、0.2200mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2200mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、N1-(5-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロブタン-1,3-ジアミン(32.01mg、0.1251mmol、収率57.616%)(21)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0067】
実施例22:(1R,3S)-N3-(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(22)
N-[(1R,3S)-3-[(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(100.0mg、0.2700mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2700mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、(1R,3S)-N3-(5-sec-ブチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(28.39mg、0.1038mmol、収率38.786%)(22)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0068】
実施例23:(1R,3S)-N3-(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(23)
N-[(1R,3S)-3-[(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(100.0mg、0.2600mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2600mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和して、(1R,3S)-N3-(5-シクロペンチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(33.05mg、0.1158mmol、収率44.643%)(23)を淡黄色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0069】
実施例24:(1S,3S)-N3-(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(24)
N-[(1S,3S)-3-[(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(80.0mg、0.2400mmol)に、ジオキサン中HCl(2.0mL、0.2400mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、PL-HCO3 MP SPE 200MG/6MLカートリッジで中和し、分取HPLCで精製して、(1S,3S)-N3-(5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(21.15mg、0.0899mmol、収率37.263%)(24)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0070】
実施例25:(1R,3R)-N3-(5-エチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(25)
DCM(3.5896mL)中のN-[(1R,3R)-3-[(5-エチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(62.0mg、0.1800mmol)の撹拌溶液に0℃でトリフルオロ酢酸(0.34mL、4.49mmol)を加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、2時間持続的に撹拌し、その後LC-MSにより反応完了が示された。反応混合物を直接濃縮し、ペンタンで洗浄し、乾燥して、(1R,3R)-N3-(5-エチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(35mg、0.1427mmol、収率79.491%)(25)を得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0071】
実施例26:(1R,3R)-N3-(5-プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(26)
DCM(2.2811mL)中のN-[(1R,3R)-3-[(5-プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(41.0mg、0.1100mmol)の撹拌溶液に0℃でトリフルオロ酢酸(0.22mL、2.85mmol)を加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、2時間持続的に撹拌し、その後LC-MSにより反応完了が示された。反応混合物を直接濃縮し、ペンタンで洗浄し、乾燥して、(1R,3R)-N3-(5-プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(16mg、0.0617mmol、収率54.089%)(26)を得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0072】
実施例27:(1S,3S)-N3-(5-プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(27)
DCM(2.615mL)中のN-[(1S,3S)-3-[(5-プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(47.0mg、0.1300mmol)の撹拌溶液に0℃でトリフルオロ酢酸(0.25mL、3.27mmol)を加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、2時間持続的に撹拌し、その後LC-MSにより反応完了が示された。反応混合物を直接濃縮し、ペンタンで洗浄し、乾燥して、(1S,3S)-N3-(5-プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(33mg、0.1272mmol、収率97.318%)(27)を得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0073】
実施例28:(1S,3S)-N3-(5-エチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(28)
DCM(3.7054mL)中のN-[(1S,3S)-3-[(5-エチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(64.0mg、0.1900mmol)の撹拌溶液に0℃でトリフルオロ酢酸(0.35mL、4.63mmol)を加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、2時間持続的に撹拌し、その後LC-MSにより反応完了が示された。反応混合物を直接濃縮し、ペンタンで洗浄し、乾燥して、(1S,3S)-N3-(5-エチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,3-ジアミン(17mg、0.0693mmol、収率37.403%)(28)を得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0074】
実施例29:N-シクロヘキシル-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(29)
MeCN(10mL)中の7-クロロ-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(100.0mg、0.4800mmol)、シクロヘキサンアミン(56.76mg、0.5700mmol)およびK
2CO
3(197.44mg、1.43mmol)の撹拌溶液を16時間加熱還流した。反応混合物をTLC(ヘキサン中20%酢酸エチル;生成物Rf=0.3、SM Rf=0.6)でモニターした。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。次いで、水(50mL)を加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を合わせ、無水Na
2SO
4を用いて乾燥し、ろ過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン中20%酢酸エチル)で精製して、N-シクロヘキシル-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(110mg、0.4216mmol、収率88.399%)(29)をオフホワイト固体で得た。
【0075】
実施例30:5-イソプロピル-N-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(30)
MeCN(10mL)中の7-クロロ-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(100.0mg、0.4800mmol)、(3R)-テトラヒドロフラン-3-アミン(49.86mg、0.5700mmol)およびK
2CO
3(197.44mg、1.43mmol)の撹拌溶液を16時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(50mL)を加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン中20%酢酸エチル)で精製して、5-イソプロピル-N-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(50mg、0.2016mmol、収率42.275%)(30)を無色濃密液体で得た。
【0076】
実施例31:N-シクロブチル-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(31)
MeCN(10mL)中の7-クロロ-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(100.0mg、0.4800mmol)、シクロブタンアミン(40.7mg、0.5700mmol)およびK
2CO
3(197.44mg、1.43mmol)の撹拌溶液を16時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(50mL)を加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン中20%酢酸エチル)で精製して、N-シクロブチル-5-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(50mg、0.2135mmol、収率44.77%)(31)をオフホワイト固体で得た。
【0077】
実施例32:[(1R,3R)-3-[(5-シクロプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(32)
HFIP(51.71mg、0.3100mmol)中のN-[(1R,3R)-3-[(5-シクロプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(110.0mg、0.3100mmol)の撹拌溶液に、N-[(1R,3R)-3-[(5-シクロプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(110.0mg、0.3100mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.12mL、1.54mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をエーテルで粉砕して、[(1R,3R)-3-[(5-シクロプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(58.37mg、0.1572mmol、収率51.076%)を淡褐色非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0078】
【0079】
実施例33a
MeCN(5mL)中の5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(200.0mg、1.06mmol)の溶液に、N-クロロスクシンイミド(149.15mg、1.12mmol)を0℃で加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製して、3,5,7-トリクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(175mg、0.7867mmol、収率73.95%)を淡黄色固体で得た。反応混合物をTLC(ヘキサン中20%酢酸エチル;生成物Rf=0.6、SM Rf=0.5)でモニターした。
【0080】
実施例33b
MeCN(20mL)中の3,5,7-トリクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(0.4g、1.8mmol)、N-[(1R,3R)-3-アミノシクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(0.4g、1.98mmol)およびK
2CO
3(0.74g、5.39mmol)の撹拌溶液を16時間加熱還流した。反応混合物をろ過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン中30%酢酸エチル)で精製して、N-[(1R,3R)-3-[(3,5-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(0.5500g、1.4238mmol、収率79.187%)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(ヘキサン中40%酢酸エチル;生成物Rf=0.5、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0081】
実施例33c
ジオキサン(5mL)中のN-[(1R,3R)-3-[(3,5-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(100.0mg、0.2600mmol)、アセトアミド(22.94mg、0.3900mmol)、Cs
2CO
3(252.41mg、0.7800mmol)、Pd
2(dba)
3(23.71mg、0.0300mmol)およびキサントホス(43.83mg、0.0500mmol)の撹拌溶液を密封チューブ中、100℃で10時間加熱した。反応混合物をセライトのパッドを通してろ過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製して、N-[(1R,3R)-3-[(5-アセトアミド-3-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(70mg、0.1712mmol、収率66.131%)を褐色液体で得た。反応混合物をTLC(ヘキサン中30%酢酸エチル;生成物Rf=0.4、SM Rf=0.6)でモニターした。
【0082】
実施例33:[(1R,3R)-3-[(5-アセトアミド-3-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(33)
HFIP(1.1mL、0.1600mmol)中のN-[(1R,3R)-3-[(5-アセトアミド-3-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(65.0mg、0.1600mmol)の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(0.06mL、0.7900mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をエーテルで粉砕して、[(1R,3R)-3-[(5-アセトアミド-3-クロロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(47.21mg、0.1117mmol、収率70.241%)(33)をオフホワイト非晶質固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0083】
実施例34:[(1R,3R)-3-[(5-アセトアミドピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(34)
HFIP(29.17mg、0.1700mmol)中のN-[(1R,3R)-3-[(5-アセトアミドピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(65.0mg、0.1700mmol)の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(0.07mL、0.8700mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をエーテルで粉砕して、[(1R,3R)-3-[(5-アセトアミドピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ]シクロペンチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(19.5mg、0.0502mmol、収率28.925%)を褐色固体で得た。反応混合物をTLC(100%酢酸エチル;生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0084】
実施例35:(1S,3S)-N3-[5-(1-エチルプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル]シクロペンタン-1,3-ジアミン(35)
【0085】
段階1
2-エチルブタン酸(7.5g、64.57mmol)をTHF(150mL)に溶解し、0℃まで冷却した。20分以内にCDI(16.23g、100.08mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を室温まで加温し、混合物を室温で終夜撹拌した(溶液A)。もう1つのフラスコ中、MgCl
2(6.14g、64.57mmol)および3-エトキシ-3-オキソ-プロパン酸カリウム(17g、100.1mmol)をTHF(150mL)と混合し、アルゴン雰囲気下、50℃で終夜撹拌した。得られた白色懸濁液を室温まで冷却し、溶液Aを10分かけて滴加し、反応混合物(RM)を室温で16時間撹拌した。数分後、粘着性の非晶質固体が出現し、その数時間後に反応混合物は外観上均質となった。RMを約3分の1まで濃縮し、半飽和炭酸水素カリウム溶液に溶解し、酢酸エチルで2回抽出した。続いて有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、混合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィで精製して、4-エチル-3-オキソ-ヘキサン酸エチル(4.3g、23.087mmol、収率35.8%)を透明液体で得た。RMをTLC(Hex中10% EA、生成物Rf=0.6、SM Rf=0.1)でモニターした。
【0086】
段階2
酢酸(11mL)中の4-エチル-3-オキソ-ヘキサン酸エチル(4.4g、23.62mmol)の懸濁液に70℃で1H-ピラゾル-5-アミン(4.71g、56.7mmol)を2回に分けて(1回目の部分を2時間撹拌した後に2回目の部分を加えた)4時間かけて加えた。TLCにより示してSMが消費された後、反応混合物を室温まで冷却し、溶媒をロータリーエバポレーター蒸発させた。残渣を酢酸エチルで処理し、ろ過して、5-(1-エチルプロピル)-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オン(3.7g、17.7mmol、収率74.9%)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(DCM中5% MeOH、生成物Rf=0.3、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0087】
段階3
POCl
3(33.7mL、360.52mmol)中の5-(1-エチルプロピル)-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オン(3.7g、18.03mmol)の撹拌溶液を4時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、過剰の試薬をロータリーエバポレーターで蒸発させ、残渣を氷水で処理した。塩素化生成物を水性混合物からDCMにより抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、カラムクロマトグラフィで精製して、7-クロロ-5-(1-エチルプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(3.1g、13.9mmol、収率76.9%)を淡黄色液体で得た。反応混合物をTLC(Hex中20% EA、生成物Rf=0.6、SM Rf=0.1)でモニターした。
【0088】
段階4
MeCN(20mL)中の7-クロロ-5-(1-エチルプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(2.3g、10.28mmol)、((1S,3S)-3-アミノシクロペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(2.27g、11.31mmol)およびK2CO3(4.26g、30.84mmol)の撹拌溶液を16時間加熱還流した。反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィ、溶離剤ヘキサン中30% EAで精製して、N-[(1S,3S)-3-[[5-(1-エチルプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル]アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(4.5g、11.6mmol、収率112.8%)をオフホワイト固体で得た。反応混合物をTLC(Hex中40% EA、生成物Rf=0.5、SM Rf=0.7)でモニターした。
【0089】
段階5
1,4-ジオキサン(0.2mL)中のN-[(1S,3S)-3-[[5-(1-エチルプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル]アミノ]シクロペンチル]カルバミン酸tert-ブチル(1.0g、2.58mmol)に、ジオキサン中4M HCl(3.22mL、12.9mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ペンタンで粉砕し、MeCN:H2Oから凍結乾燥して、[(1S,3S)-3-[[5-(1-エチルプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル]アミノ]シクロペンチル]アンモニウムジクロリド(0.9g、2.5mmol、収率96.8%)を淡黄色粘着性固体で得た。反応混合物をTLC(100% EA、生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0090】
段階6
[(1S,3S)-3-[[5-(1-エチルプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-4-イウム-7-イル]アミノ]シクロペンチル]アンモニウム-ジクロリド(0.2g、0.5600mmol)に、水性NH3(4.0mL、0.56mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、ペンタンで粉砕し、MeCN:H2Oから凍結乾燥して、(1S,3S)-N3-[5-(1-エチルプロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル]シクロペンタン-1,3-ジアミン(140mg、0.49mmol、収率87.8%)を淡黄色粘着性固体で得た。反応混合物をTLC(100% EA、生成物Rf=0.1、SM Rf=0.8)でモニターした。
【0091】
【0092】
実施例35:CDK9/サイクリンT1阻害
本発明の例示的化合物(1~34)を、CDK9/サイクリンT1の阻害について試験した。放射測定検定(反応時間60分)を用いて、化合物を10μMで開始する3倍連続希釈により10用量IC50二つ組モードで試験した。対照化合物(スタウロスポリン)を10μMで開始する3倍連続希釈により10用量IC50モードで試験した。反応を10μM ATPで実施した。試験した化合物の結果を以下の表に示す。データは陽性および陰性対照に対して標準化し、曲線の当てはめをGraphPadソフトウェアで行い、化合物の最高濃度での酵素活性が65%未満の場合に実施した。
【0093】
本発明の例示的化合物(35~126)を、CDK9/サイクリンT1キナーゼの阻害について試験した。LANCE検定(反応時間60分)を用いて、化合物を4.3μMで開始する3倍連続希釈により10用量IC50二つ組モードで試験した。対照化合物(SNS-032)を10μMで開始する3倍連続希釈により10用量IC50モードで試験した。反応を10μM ATPで実施した。試験した化合物の結果を以下の表に示す。データは陽性および陰性対照に対して標準化し、曲線の当てはめをXLFIT5で、4-パラメーターのロジスティックモデル205を用いて、阻害%対log[化合物濃度]として分析した。Fit = (A+((B-A)/(1+((C/x)^D)))); Res = (y-fit)。
【0094】
(表)サイクリンT1阻害の結果
効力等級:A = 1~500nM;B = 501~1000nM;C≧1001nM
【0095】
試験データは、本明細書に開示の化合物がCDK9阻害剤として有効であり、CDK9媒介性障害に関連する治療法に適した候補であることを示している。
【0096】
本出願の全体を通して引用される全ての参考文献、係属中の特許出願および公開特許の内容は、参照により本明細書に明白に組み入れられる。
【0097】
前述の態様は、例として提示するにすぎない。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変を行い得ることを理解するであろう。
【国際調査報告】