(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】オキセタニルフェノキシキノリン類及び類縁体
(51)【国際特許分類】
C07D 413/10 20060101AFI20220106BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20220106BHJP
A01N 43/42 20060101ALI20220106BHJP
A01N 43/60 20060101ALI20220106BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20220106BHJP
A01N 43/44 20060101ALI20220106BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C07D413/10 CSP
A01P3/00
A01N43/42 101
A01N43/60 101
A01N43/90 102
A01N43/44
C07D413/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521285
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2019078392
(87)【国際公開番号】W WO2020079232
(87)【国際公開日】2020-04-23
(32)【優先日】2018-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】デボルド,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】デュフォー,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ランプレヒト,シビル
(72)【発明者】
【氏名】マイスナー,ルース
(72)【発明者】
【氏名】ナウド,セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】トマス,ヴィンセント
【テーマコード(参考)】
4C063
4H011
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB06
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC54
4C063DD02
4C063EE03
4H011AA01
4H011BB09
4H011BB10
(57)【要約】
本開示は、殺菌活性化合物、より具体的にはオキセタニルフェノキシキノリン類及びそれらの類縁体、それらの製造のための方法及び中間体、並びに特に殺菌剤組成物の形での殺菌活性化合物としてのそれらの使用に関するものである。本開示はまた、これらの化合物又はそれを含む組成物を用いる、植物の植物病原性真菌の防除方法に関するものでもある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物並びにそれの塩、N-オキサイド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体若しくは幾何異性体。
【化1】
[式中、
・Q
1はCY
1又はNであり、
Y
1は、水素原子、ハロゲン原子、C
1-C
8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキル、C
2-C
8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルケニル、C
2-C
8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルキニル、C
3-C
7-シクロアルキル、C
4-C
7-シクロアルケニル、ヒドロキシル、C
1-C
8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルコキシ、ホルミル、アミノ、C
1-C
8-アルキルアミノ、ジ-C
1-C
8-アルキルアミノ、スルファニル、C
1-C
8-アルキルスルファニル、C
1-C
8-アルキルスルフィニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル、C
1-C
6-トリアルキルシリル、シアノ及びニトロからなる群から選択され、
前記C
3-C
7-シクロアルキル及びC
4-C
7-シクロアルケニルは、1以上のY
a置換基で置換されていても良く;
・Y
2、Y
3、Y
4及びY
5は、独立に水素原子、ハロゲン原子、C
1-C
8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキル、C
2-C
8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルケニル、C
2-C
8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルキニル、C
3-C
7-シクロアルキル、C
4-C
7-シクロアルケニル、ヒドロキシル、C
1-C
8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルコキシ、ホルミル、アミノ、C
1-C
8-アルキルアミノ、ジ-C
1-C
8-アルキルアミノ、スルファニル、C
1-C
8-アルキルスルファニル、C
1-C
8-アルキルスルフィニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル、C
1-C
6-トリアルキルシリル、シアノ及びニトロからなる群から選択され、
前記C
3-C
7-シクロアルキル及びC
4-C
7-シクロアルケニルは、1以上のY
a置換基で置換されていても良く;
・Zは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、C
1-C
8-アルキル、C
2-C
8-アルケニル、C
2-C
8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルキニル、C
1-C
8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルコキシ、C
3-C
7-シクロアルキル、C
4-C
7-シクロアルケニル、ホルミル、C
1-C
8-アルキルアミノ、ジ-C
1-C
8-アルキルアミノ、スルファニル、C
1-C
8-アルキルスルファニル、C
1-C
8-アルキルスルフィニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル、C
1-C
6-トリアルキルシリル、シアノ及びニトロからなる群から選択され、
前記C
3-C
7-シクロアルキル及びC
4-C
7-シクロアルケニルは、1以上のZ
a置換基で置換されていても良く;
・mは0、1、2、3又は4であり;
・nは0、1、2、3又は4であり;
・Lは、O、S、CR
1R
2又はNR
3であり、
R
1及びR
2は、独立に水素原子、ハロゲン原子、C
1-C
8-アルコキシ及びC
1-C
8アルキルからなる群から選択され;
R
3は、水素原子、C
1-C
8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキル、C
2-C
8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルケニル、C
3-C
8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
3-C
8-ハロゲノアルキニル、C
3-C
7-シクロアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
3-C
7-ハロゲノシクロアルキル、C
3-C
7-シクロアルキル-C
1-C
8-アルキル、C
1-C
8-アルキルカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキルカルボニル、C
1-C
8-アルコキシカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキルスルホニル、アリール-C
1-C
8-アルキル及びフェニルスルホニルからなる群から選択され、
前記C
3-C
7-シクロアルキル、C
3-C
7-シクロアルキル-C
1-C
8-アルキル、アリール-C
1-C
8-アルキル及びフェニルスルホニルは、1以上のR
3a置換基で置換されていても良く;
・Q
2はO、S又はNR
4であり、
R
4は、当該化合物のフェニル部分への直接結合、水素原子、C
1-C
8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキル、C
2-C
8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルケニル、C
3-C
8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
3-C
8-ハロゲノアルキニル、C
3-C
7-シクロアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
3-C
7-ハロゲノシクロアルキル、C
3-C
7-シクロアルキル-C
1-C
8-アルキル、C
1-C
8-アルキルカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキルカルボニル、C
1-C
8-アルコキシカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキルスルホニル、アリール-C
1-C
8-アルキル及びフェニルスルホニルからなる群から選択され、
前記C
3-C
7-シクロアルキル、C
3-C
7-シクロアルキル-C
1-C
8-アルキル、アリール-C
1-C
8-アルキル及びフェニルスルホニルは、1以上のR
4a置換基で置換されていても良く;
・Aは、直接結合、C≡C、CH
2、O、S、SO、SO
2又はNR
5であり、
R
5は、水素原子、C
1-C
8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキル、C
2-C
8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルケニル、C
3-C
8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
3-C
8-ハロゲノアルキニル、C
3-C
7-シクロアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
3-C
7-ハロゲノシクロアルキル、C
3-C
7-シクロアルキル-C
1-C
8-アルキル、C
1-C
8-アルキルカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキルカルボニル、C
1-C
8-アルコキシカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキルスルホニル、アリール-C
1-C
8-アルキル及びフェニルスルホニルからなる群から選択され、
前記C
3-C
7-シクロアルキル、C
3-C
7-シクロアルキル-C
1-C
8-アルキル、アリール-C
1-C
8-アルキル及びフェニルスルホニルは、1以上のR
5a置換基で置換されていても良く;
・Wは、独立にハロゲン原子、ヒドロキシル、C
1-C
8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキル、C
1-C
8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルコキシ、ヒドロキシ-C
1-C
8-アルキル、C
1-C
8-アルコキシ-C
1-C
8-アルキル、C
2-C
8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルケニル、C
2-C
8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルキニル、C
3-C
7-シクロアルキル、C
4-C
8-シクロアルケニル、アリール、アリール-C
1-C
8-アルキル、複素環、複素環-C
1-C
8-アルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルファニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アリールオキシ-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールオキシ-C
1-C
8-アルキル、アリールスルファニル-C
1-C
8-アルキル、アリールスルフィニル-C
1-C
8-アルキル、アリールスルホニル-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールスルファニル-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールスルフィニル-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールスルホニル-C
1-C
8-アルキル、アリールアミノ-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールアミノ-C
1-C
8-アルキル、アリール-C
1-C
8-アルコキシ、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルコキシ、アリール-C
1-C
8-アルキルスルファニル、アリール-C
1-C
8-アルキルスルフィニル、アリール-C
1-C
8-アルキルスルホニル、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルキルスルファニル、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルキルスルフィニル、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルキルスルホニル、アリール-C
1-C
8-アルキルアミノ、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルキルアミノ、ホルミル、C
1-C
8-アルキルカルボニル、(ヒドロキシイミノ)C
1-C
8-アルキル、(C
1-C
8-アルコキシイミノ)C
1-C
8-アルキル、カルボキシル、C
1-C
8-アルコキシカルボニル、カルバモイル、C
1-C
8-アルキルカルバモイル、ジ-C
1-C
8-アルキルカルバモイル、アミノ、C
1-C
8-アルキルアミノ、ジ-C
1-C
8-アルキルアミノ、スルファニル、C
1-C
8-アルキルスルファニル、C
1-C
8-アルキルスルフィニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル、C
1-C
6-トリアルキルシリル、トリ(C
1-C
8-アルキル)シリルオキシ、トリ(C
1-C
8-アルキル)シリルオキシ-C
1-C
8-アルキル、シアノ及びニトロからなる群から選択され、
前記C
3-C
7-シクロアルキル、C
4-C
8-シクロアルケニル、複素環、アリール並びに前記アリール-C
1-C
8-アルキル、複素環-C
1-C
8-アルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルファニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アリールオキシ-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールオキシ-C
1-C
8-アルキル、アリールスルファニル-C
1-C
8-アルキル、アリールスルフィニル-C
1-C
8-アルキル、アリールスルホニル-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールスルファニル-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールスルフィニル-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールスルホニル-C
1-C
8-アルキル、アリールアミノ-C
1-C
8-アルキル、ヘテロアリールアミノ-C
1-C
8-アルキル、アリール-C
1-C
8-アルコキシ、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルコキシ、アリール-C
1-C
8-アルキルスルファニル、アリール-C
1-C
8-アルキルスルフィニル、アリール-C
1-C
8-アルキルスルホニル、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルキルスルファニル、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルキルスルフィニル、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルキルスルホニル、アリール-C
1-C
8-アルキルアミノ、ヘテロアリール-C
1-C
8-アルキルアミノ基の前記アリール、複素環及びヘテロアリール部分は、1以上のW
a置換基で置換されていても良く、又は
二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、N、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含むC
4-C
6-炭素環又は4~6員複素環を形成しており;
・Xは、独立にハロゲン原子、ヒドロキシル、C
1-C
8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルキル、C
1-C
8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
8-ハロゲノアルコキシ、C
2-C
8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルケニル、C
2-C
8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
2-C
8-ハロゲノアルキニル、C
3-C
7-シクロアルキル、C
4-C
7-シクロアルケニル、ホルミル、アミノ、C
1-C
8-アルキルアミノ、ジ-C
1-C
8-アルキルアミノ、スルファニル、C
1-C
8-アルキルスルファニル、C
1-C
8-アルキルスルフィニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル、C
1-C
6-トリアルキルシリル、シアノ、ニトロ及びヒドロキシ-C
1-C
8-アルキルからなる群から選択され、
前記C
3-C
7-シクロアルキル及びC
4-C
7-シクロアルケニルは、1以上のX
a置換基で置換されていても良く;
Z
a、R
3a、R
4a、R
5a、W
a、X
a及びY
aは、独立にハロゲン原子、ニトロ、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、アミノ、スルファニル、ペンタフルオロ-λ
6-スルファニル、ホルミル、カルバモイル、カーバメート、C
1-C
8-アルキル、C
3-C
7-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC
3-C
8-ハロゲノシクロアルキル、C
2-C
8-アルケニル、C
2-C
8-アルキニル、C
1-C
8-アルキルアミノ、ジ-C
1-C
8-アルキルアミノ、C
1-C
8-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルコキシ、C
1-C
8-アルキルスルファニル、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルキルスルファニル、C
1-C
8-アルキルカルボニル、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルキルカルボニル、C
1-C
8-アルキルカルバモイル、ジ-C
1-C
8-アルキルカルバモイル、C
1-C
8-アルコキシカルボニル、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C
1-C
8-アルキルカルボニルオキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C
1-C
8-アルキルカルボニルアミノ、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C
1-C
8-アルキルスルファニル、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルキルスルファニル、C
1-C
8-アルキルスルフィニル、1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノアルキルスルフィニル、C
1-C
8-アルキルスルホニル及び1~5個のハロゲン原子を有するC
1-C
8-ハロゲノ-アルキル-スルホニルからなる群から選択される。]
【請求項2】
Aが直接結合、C≡C、CH
2、O、SO又はSO
2である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Aが直接結合である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
Q
2がO又はNR
4であり、R
4が当該化合物のフェニル部分への直接結合である、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
Xが独立にハロゲン原子である、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
nが0又は1である、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
Wが、独立にハロゲン原子、ヒドロキシル、C
1-C
6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
6-ハロゲノアルキル、C
1-C
6-ヒドロキシアルキル、C
2-C
6-アルケニル、C
1-C
6-アルコキシカルボニル、C
3-C
7-シクロアルキル、アリール、アリール-C
1-C
6-アルキル、複素環、カルボキシル、トリ(C
1-C
6-アルキル)シリルオキシ-C
1-C
6-アルキル、ヘテロアリール-C
1-C
6-アルキル及びC
1-C
6-アルコキシ-C
1-C
6-アルキルからなる群から選択され、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C
4-C
6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成している、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
Wがハロゲン、ヒドロキシル、C
1-C
6-アルキルであり、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C
4-C
6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成している、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
mが0、1又は2である、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
Y
2、Y
3、Y
4及びY
5が、独立に水素原子、ハロゲン原子、及び同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC
1-C
6-ハロゲノアルキルからなる群から選択される、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
Q
1がN又はCY
1であり、Y
1が水素原子である、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
LがO、R
1及びR
2が水素原子であるCR
1R
2、又はR
3が水素原子であるNR
3である、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
Zが水素原子、ヒドロキシル又はC
1-C
6-アルキルである、前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
少なくとも一つの請求項1~13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物及び少なくとも一つの農業的に好適な補助剤を含む組成物。
【請求項15】
望ましくない植物病原性微生物の防除方法であって、1以上の請求項1~13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又は請求項14に記載の組成物を植物、植物部分、種子、果実又は植物が成長する土壌に施用する段階を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、殺菌活性化合物、より具体的にはオキセタニルフェノキシキノリン類及びそれらの類縁体、それらの製造方法及び製造のための中間体、並びに特に殺菌剤組成物の形態での殺菌活性化合物としてのそれらの使用に関するものである。本開示はまた、これらの化合物又はそれを含む組成物を用いる植物の植物病原性真菌の防除方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
WO2011/081174及びWO2012/161071において、殺菌剤としての使用に好適な窒素含有複素環化合物が開示されている。
【0003】
WO2013/058256及びJP2014/166991において、殺菌剤としての使用に好適なさらなる窒素含有複素環化合物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2011/081174
【特許文献2】WO2012/161071
【特許文献3】WO2013/058256
【特許文献4】JP2014/166991
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、殺菌剤活性化合物に対する生態学的及び経済的要求が、例えば活性スペクトル、毒性、選択性、施用量、残留物の形成及び有利な製造に関して、常に高まっていることから、そして抵抗性に関連する問題もあり得ることから、これらの側面の少なくとも一部において、公知の化合物及び組成物に勝る利点を有する新規な殺菌剤化合物及び組成物を開発することが常に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明は、殺微生物剤として、好ましくは殺菌剤として使用可能な、本明細書において下記に記載のオキセタニルフェノキシキノリン類及びそれの類縁体を提供する。
【0007】
有効成分
本発明は、下記式(I)の化合物並びにそれらの塩、N-オキサイド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体若しくは幾何異性体を提供する。
【化1】
【0008】
式中、
・Q1はCY1又はNであり、
Y1は、水素原子、ハロゲン原子、C1-C8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、C2-C8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、C2-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C4-C7-シクロアルケニル、ヒドロキシル、C1-C8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシ、ホルミル、アミノ、C1-C8-アルキルアミノ、ジ-C1-C8-アルキルアミノ、スルファニル、C1-C8-アルキルスルファニル、C1-C8-アルキルスルフィニル、C1-C8-アルキルスルホニル、C1-C6-トリアルキルシリル、シアノ及びニトロからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル及びC4-C7-シクロアルケニルは、1以上のYa置換基で置換されていても良く;
・Y2、Y3、Y4及びY5は、独立に水素原子、ハロゲン原子、C1-C8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、C2-C8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、C2-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C4-C7-シクロアルケニル、ヒドロキシル、C1-C8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシ、ホルミル、アミノ、C1-C8-アルキルアミノ、ジ-C1-C8-アルキルアミノ、スルファニル、C1-C8-アルキルスルファニル、C1-C8-アルキルスルフィニル、C1-C8-アルキルスルホニル、C1-C6-トリアルキルシリル、シアノ及びニトロからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル及びC4-C7-シクロアルケニルは、1以上のYa置換基で置換されていても良く;
・Zは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルキニル、C1-C8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシ、C3-C7-シクロアルキル、C4-C7-シクロアルケニル、ホルミル、C1-C8-アルキルアミノ、ジ-C1-C8-アルキルアミノ、スルファニル、C1-C8-アルキルスルファニル、C1-C8-アルキルスルフィニル、C1-C8-アルキルスルホニル、C1-C6-トリアルキルシリル、シアノ及びニトロからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル及びC4-C7-シクロアルケニルは、1以上のZa置換基で置換されていても良く;
・mは0、1、2、3又は4であり;
・nは0、1、2、3又は4であり;
・Lは、O、S、CR1R2又はNR3であり、
R1及びR2は、独立に水素原子、ハロゲン原子、C1-C8-アルコキシ及びC1-C8アルキルからなる群から選択され;
R3は、水素原子、C1-C8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、C2-C8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、C3-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC3-C8-ハロゲノアルキニル、C3-C7-シクロアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC3-C7-ハロゲノシクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルカルボニル、C1-C8-アルコキシカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C1-C8-アルキルスルホニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルスルホニル、アリール-C1-C8-アルキル及びフェニルスルホニルからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C8-アルキル、アリール-C1-C8-アルキル及びフェニルスルホニルは、1以上のR3a置換基で置換されていても良く;
・Q2はO、S又はNR4であり、
R4は、Aが直接結合又はCH2である場合の当該化合物のフェニル部分への直接結合、水素原子、C1-C8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、C2-C8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、C3-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC3-C8-ハロゲノアルキニル、C3-C7-シクロアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC3-C7-ハロゲノシクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルカルボニル、C1-C8-アルコキシカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C1-C8-アルキルスルホニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルスルホニル、アリール-C1-C8-アルキル及びフェニルスルホニルからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C8-アルキル、アリール-C1-C8-アルキル及びフェニルスルホニルは、1以上のR4a置換基で置換されていても良く;
・Aは、直接結合、C≡C、CH2、O、S、SO、SO2又はNR5であり、
R5は、水素原子、C1-C8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、C2-C8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、C3-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC3-C8-ハロゲノアルキニル、C3-C7-シクロアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC3-C7-ハロゲノシクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルカルボニル、C1-C8-アルコキシカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C1-C8-アルキルスルホニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルスルホニル、アリール-C1-C8-アルキル及びフェニルスルホニルからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C8-アルキル、アリール-C1-C8-アルキル及びフェニルスルホニルは、1以上のR5a置換基で置換されていても良く;
・Wは、独立にハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-C8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、C1-C8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシ、C1-C8-ヒドロキシアルキル、C1-C8-アルコキシ-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、C2-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C4-C8-シクロアルケニル、アリール、アリール-C1-C8-アルキル、複素環、複素環-C1-C8-アルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルファニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アリールオキシ-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールオキシ-C1-C8-アルキル、アリールスルファニル-C1-C8-アルキル、アリールスルフィニル-C1-C8-アルキル、アリールスルホニル-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールスルファニル-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールスルフィニル-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールスルホニル-C1-C8-アルキル、アリールアミノ-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールアミノ-C1-C8-アルキル、アリール-C1-C8-アルコキシ、ヘテロアリール-C1-C8-アルコキシ、アリール-C1-C8-アルキルスルファニル、アリール-C1-C8-アルキルスルフィニル、アリール-C1-C8-アルキルスルホニル、ヘテロアリール-C1-C8-アルキルスルファニル、ヘテロアリール-C1-C8-アルキルスルフィニル、ヘテロアリール-C1-C8-アルキルスルホニル、アリール-C1-C8-アルキルアミノ、ヘテロアリール-C1-C8-アルキルアミノ、ホルミル、C1-C8-アルキルカルボニル、(ヒドロキシイミノ)C1-C8-アルキル、(C1-C8-アルコキシイミノ)C1-C8-アルキル、カルボキシル、C1-C8-アルコキシカルボニル、カルバモイル、C1-C8-アルキルカルバモイル、ジ-C1-C8-アルキルカルバモイル、アミノ、C1-C8-アルキルアミノ、ジ-C1-C8-アルキルアミノ、スルファニル、C1-C8-アルキルスルファニル、C1-C8-アルキルスルフィニル、C1-C8-アルキルスルホニル、C1-C6-トリアルキルシリル、トリ(C1-C8-アルキル)シリルオキシ、トリ(C1-C8-アルキル)シリルオキシ-C1-C8-アルキル、シアノ及びニトロからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル、C4-C8-シクロアルケニル、複素環、アリール並びに前記アリール-C1-C8-アルキル、複素環-C1-C8-アルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルファニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アリールオキシ-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールオキシ-C1-C8-アルキル、アリールスルファニル-C1-C8-アルキル、アリールスルフィニル-C1-C8-アルキル、アリールスルホニル-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールスルファニル-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールスルフィニル-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールスルホニル-C1-C8-アルキル、アリールアミノ-C1-C8-アルキル、ヘテロアリールアミノ-C1-C8-アルキル、アリール-C1-C8-アルコキシ、ヘテロアリール-C1-C8-アルコキシ、アリール-C1-C8-アルキルスルファニル、アリール-C1-C8-アルキルスルフィニル、アリール-C1-C8-アルキルスルホニル、ヘテロアリール-C1-C8-アルキルスルファニル、ヘテロアリール-C1-C8-アルキルスルフィニル、ヘテロアリール-C1-C8-アルキルスルホニル、アリール-C1-C8-アルキルアミノ、ヘテロアリール-C1-C8-アルキルアミノ基の前記アリール、複素環及びヘテロアリール部分は、1以上のWa置換基で置換されていても良く、又は
二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、N、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含むC4-C6-炭素環又は4~6員複素環を形成しており;
・Xは、独立にハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-C8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、C1-C8-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシ、C2-C8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、C2-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C4-C7-シクロアルケニル、ホルミル、アミノ、C1-C8-アルキルアミノ、ジ-C1-C8-アルキルアミノ、スルファニル、C1-C8-アルキルスルファニル、C1-C8-アルキルスルフィニル、C1-C8-アルキルスルホニル、C1-C6-トリアルキルシリル、シアノ、ニトロ及びC1-C8-ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル及びC4-C7-シクロアルケニルは、1以上のXa置換基で置換されていても良く;
Za、R3a、R4a、R5a、Wa、Xa及びYaは、独立にハロゲン原子、ニトロ、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、アミノ、スルファニル、ペンタフルオロ-λ6-スルファニル、ホルミル、カルバモイル、カーバメート、C1-C8-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルキル、1~5個のハロゲン原子を有するC3-C8-ハロゲノシクロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C8-アルキルアミノ、ジ-C1-C8-アルキルアミノ、C1-C8-アルコキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルコキシ、C1-C8-アルキルスルファニル、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルキルスルファニル、C1-C8-アルキルカルボニル、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルキルカルボニル、C1-C8-アルキルカルバモイル、ジ-C1-C8-アルキルカルバモイル、C1-C8-アルコキシカルボニル、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニルオキシ、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C1-C8-アルキルカルボニルアミノ、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C1-C8-アルキルスルファニル、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルキルスルファニル、C1-C8-アルキルスルフィニル、1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノアルキルスルフィニル、C1-C8-アルキルスルホニル及び1~5個のハロゲン原子を有するC1-C8-ハロゲノ-アルキル-スルホニルからなる群から選択される。
【0009】
一部の実施形態において、本発明による化合物は、下記式(Ia)の化合物である。
【化2】
【0010】
式中、Q1、Y2、Y3、Y4、Y5、Z、m、n、L、Q2、W及びXは上記で開示の通りである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用される場合、「1以上の置換基」という表現は、1~使える結合部位の数に基づいて可能な置換基の最大数の範囲の置換基数を指し、但し、安定性及び化学的実現性の条件は満足される。
【0012】
本明細書で使用される場合、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し;ホルミルは-CH(=O)を意味し;カルボキシは-C(=O)OHを意味し;カルボニルは-C(=O)-を意味し;カルバモイルは-C(=O)NH2を意味し;N-ヒドロキシカルバモイルは-C(=O)NHOHを意味し;SOはスルホキシド基を表し;SO2はスルホン基を表し;ヘテロ原子は硫黄、窒素又は酸素を意味し;メチレンは二価基-CH2-を意味し;アリールは、1個の水素の除去によって芳香族炭化水素から誘導される有機基、例えばフェニル又はナフチルを意味し;異なって提供されていない限り、複素環は、N、O及びSからなるリストで独立に選択される1~4個のヘテロ原子を含む不飽和、飽和若しくは部分飽和5~7員環、好ましくは5~6員環を意味する。本明細書で使用される場合、「複素環」という用語は、ヘテロアリールを包含する。
【0013】
本明細書で使用される場合、「5~7員環」という表現における「・・・員」という用語は、その環を構成する骨格原子の数を指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基並びにこれらの用語を含む部分は、直鎖又は分岐であることができる。
【0015】
アミノ基又はいずれか他のアミノ含有基のアミノ部分が、同一であるか異なっていることができる2個の置換基によって置換されている場合、その2個の置換基が、それらが連結されている窒素原子とともに、複素環基、好ましくは5~7員複素環基を形成していることができ、それは置換されていることができるか、他のヘテロ原子を含むことができ、例えばモルホリノ基又はピペリジニル基である。
【0016】
本発明の化合物のいずれも、当該化合物中の不斉中心の数に応じて、1以上の光学異性体型又はキラル異性体型で存在することができる。従って、本発明は、全ての光学異性体及びそれらのラセミ混合物若しくはスカレミック混合物(「スカレミック」という用語は、等しく、異なる割合でのエナンチオマーの混合物を指す。)、及び全ての割合での全ての可能な立体異性体の混合物に関するものである。ジアステレオマー及び/又は光学異性体は、自体が当業者に公知である方法に従って分離することができる。
【0017】
本発明の化合物のいずれも、その化合物中の二重結合数に応じて、1以上の幾何異性体型で存在することもできる。従って本発明は、等しく、全ての割合での、全ての幾何異性体及び全ての可能な混合物に関するものである。それらの幾何異性体は、自体が当業者に公知である一般的方法に従って分離することができる。
【0018】
本発明の化合物のいずれも、鎖又は環の置換基の相対的位置(シン/アンチ又はシス/トランス)に応じて、1以上の幾何異性体型で存在することもできる。従って本発明は、等しく、全ての割合での、全てのシン/アンチ(又はシス/トランス)異性体及び全ての可能なシン/アンチ(又はシス/トランス)混合物に関するものである。シン/アンチ(又はシス/トランス)異性体は、自体が当業者に公知である一般的方法に従って分離することができる。
【0019】
本発明の化合物が互変異型で存在し得る場合、本発明は、明瞭に言及されていない場合であっても、そのような化合物のあらゆる互変異型をも包含するものである。
【0020】
式(I)の化合物は、本明細書において、「有効成分」と称される。
【0021】
上記式(I)又は(Ia)において、Zは好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロゲノアルコキシ同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含む及びシアノからなる群から選択される。より好ましくはZは、水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素)、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル(例えばメチル)又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル(例えばジフルオロメチル)であり、さらにより好ましくはZは水素原子、ヒドロキシル又はC1-C6-アルキル(例えばメチル)である。一部の実施形態において、ZはC1-C6-アルキル(例えばメチル)である。
【0022】
上記式(I)又は(Ia)において、Q1は好ましくはCY1又はNであり、Y1は、水素原子、ハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C3-C7-シクロアルキル、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシ、C1-C6-アルコキシカルボニル、ホルミル及びシアノからなる群から選択され、前記C3-C7-シクロアルキルは、1以上のYa置換基で置換されていても良く、より好ましくはY1は水素原子である。
【0023】
上記式(I)又は(Ia)において、Q1はより好ましくはCY1であり、Y1は水素原子である。
【0024】
上記式(I)又は(Ia)において、Y2、Y3、Y4及びY5は好ましくは、独立に水素原子、ハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C3-C7-シクロアルキル、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシ、C1-C6-アルキルカルボニル、ホルミル及びシアノからなる群から選択され、前記C3-C7-シクロアルキルは、1以上のYa置換基で置換されていても良く、より好ましくはY2、Y3、Y4及びY5は、独立に水素原子、ハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル(例えばトリフルオロメチル)又はシアノからなる群から選択され、さらにより好ましくは水素原子、ハロゲン原子又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態において、Y2、Y3、Y4及びY5は独立に水素原子又はハロゲン原子(例えばフッ素(fluor))である。
【0025】
上記式(I)又は(Ia)において、Xは好ましくは、独立にハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ及び同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシからなる群から選択され、より好ましくはXは、ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素)、C1-C6-アルキル(例えばメチル)、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル(例えばトリフルオロメチル)又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ基)である。一部の実施形態において、Xはハロゲン原子である。
【0026】
上記式(I)又は(Ia)において、nは好ましくは0、1又は2であり、より好ましくは0又は1であり、さらにより好ましくは0である。
【0027】
上記式(I)又は(Ia)において、nは好ましくは0、1又は2であり、より好ましくは0又は1であり、Xは好ましくはハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシであり、より好ましくはXはハロゲン原子(例えば塩素、フッ素)、C1-C6-アルキル(例えばメチル)、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル(例えばトリフルオロメチル)又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ基)であり、さらにより好ましくはXはハロゲン原子である。
【0028】
上記式(I)又は(Ia)において、Lは好ましくはO、CR1R2又はNR3であり、より好ましくはLはOである。
【0029】
上記式(I)又は(Ia)において、R1は好ましくは水素原子又はハロゲン原子であり、より好ましくはR1は水素原子である。
【0030】
上記式(I)又は(Ia)において、R2は好ましくは水素原子又はハロゲン原子であり、より好ましくはR2は水素原子である。
【0031】
上記式(I)又は(Ia)において、R3は好ましくは水素原子又は置換されている若しくは置換されていないC1-C6-アルキルであり、好ましくはR3は水素原子又はメチル基であり、さらにより好ましくはR3は水素原子である。
【0032】
【0033】
【0034】
を表し、
R4は、水素原子、C1-C8-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキル、C2-C8-アルケニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC2-C8-ハロゲノアルケニル、C3-C8-アルキニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC3-C8-ハロゲノアルキニル、C3-C7-シクロアルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC3-C7-ハロゲノシクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルカルボニル、C1-C8-アルコキシカルボニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルコキシカルボニル、C1-C8-アルキルスルホニル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルスルホニル、アリール-C1-C8-アルキル及びフェニルスルホニルからなる群から選択され、
前記C3-C7-シクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C8-アルキル、アリール-C1-C8-アルキル及びフェニルスルホニルは、1以上のR4a置換基で置換されていても良く;
W及びmは、本明細書において上記で記載の通りである。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
であり(即ちQ
2はO又はNR
4であり、R
4は、Aが直接結合又はCH
2である場合の当該化合物のフェニル部分への直接結合である。)、より好ましくは
【化8】
【0039】
【0040】
であり(即ちQ2はOである。)、W及びmは本明細書において上記又は下記で開示の通りである。
【0041】
上記式(I)において、Aは好ましくは直接結合、C≡C、CH2、O、SO、SO2であり、より好ましくはAは直接結合、C≡C、CH2又はOである。
【0042】
上記式(I)において、R5は好ましくは水素原子又は置換されている若しくは置換されていないC1-C6-アルキルであり、好ましくはR5は水素原子又はメチル基であり、さらにより好ましくはR5はメチルである。
【0043】
上記式(I)において、Wは好ましくは、独立にハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C1-C6-ヒドロキシアルキル、C2-C6-アルケニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C3-C7-シクロアルキル、アリール、アリール-C1-C6-アルキル(前記アリールは、1以上のハロゲン原子で置換されていても良い。)、複素環、カルボキシル、トリ(C1-C6-アルキル)シリルオキシ-C1-C6-アルキル、ヘテロアリール-C1-C6-アルキル及びC1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキルからなる群から選択され、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C4-C6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環(例えばオキセタニル)を形成しており、より好ましくはWは、ハロゲン(例えば塩素、臭素)、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C1-C6-ヒドロキシアルキル、トリ(C1-C6-アルキル)シリルオキシ-C1-C6-アルキル、C3-C7-シクロアルキル(例えばシクロプロピル)又はアリール-C1-C6-アルキル(前記アリールは、1以上のハロゲン原子で置換されていても良い。)であり、又は同一炭素原子上にある場合に2個のW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、複素環(例えばオキセタニル)を形成していても良く、さらにより好ましくはWは、C1-C6-アルキル(例えばメチル)であり、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C4-C6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環(例えばオキセタニル)を形成している。一部の実施形態において、Wはハロゲン(例えば塩素、臭素)、ヒドロキシル、C1-C6-アルキルであり、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C4-C6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成している。
【0044】
上記式(I)において、mは好ましくは0、1、2又は3であり、より好ましくはmは0、1又は2である。
【0045】
Q1、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、R1、R2、R3、Z、L、A、Q2、X、W、n及びmについての上記で特定された定義(例えば、広い定義並びに好ましい、より好ましい、さらにより好ましい定義)を、多様な形で組み合わせて、本発明による化合物の下位分類を提供することができる。
【0046】
一部の実施形態(本明細書において、実施形態(a)と称する)において、本発明による化合物は、下記式(I)の化合物である。
【化10】
【0047】
式中、
Q1はCY1又はNであり、Y1は、水素原子、ハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C3-C7-シクロアルキル、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシ、C1-C6-アルコキシカルボニル、ホルミル及びシアノからなる群から選択され、前記C3-C7-シクロアルキルは、1以上のYa置換基で置換されていても良く、好ましくはY1は水素原子であり、好ましくはQ1はCY1であり、Y1は水素原子であり;
Y2、Y3、Y4及びY5は、独立に水素原子、ハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C3-C7-シクロアルキル、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシ、C1-C6-アルキルカルボニル、ホルミル及びシアノからなる群から選択され、前記C3-C7-シクロアルキルは、1以上のYa置換基で置換されていても良く、好ましくはY2、Y3、Y4及びY5は、独立に水素原子、ハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル(例えばトリフルオロメチル)又はシアノからなる群から選択され、より好ましくはY2、Y3、Y4及びY5は、独立に水素原子、ハロゲン原子又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキルからなる群から選択され;
Zは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C1-C6-アルコキシ、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシ及びシアノからなる群から選択され、好ましくはZは水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素)、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル(例えばメチル)又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル(例えばジフルオロメチル)であり、より好ましくはZは水素原子、ヒドロキシル又はC1-C6-アルキル(例えばメチル)であり;
mは0、1、2又は3であり、好ましくはmは0、1又は2であり;
nは0、1又は2、好ましくは0又は1、より好ましくは0であり;
Lは、O、CR1R2又はNHであり、好ましくはLはOであり、R1及びR2は独立に水素原子又はハロゲン原子であり、好ましくはR1及びR2は水素原子であり;
Aは直接結合、C≡C、CH2、O、SO、SO2であり、より好ましくはAは直接結合、C≡C、CH2又はOである。
【0048】
Q2はO又はNR4であり、R4はAが直接結合又はCH2である場合の当該化合物のフェニル部分への直接結合であり、より好ましくはQ2はOであり;
Wは、独立にハロゲン原子、C1-C6-アルキル、ヒドロキシル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C1-C6-ヒドロキシアルキル、C2-C6-アルケニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C3-C7-シクロアルキル、アリール、アリール-C1-C6-アルキル(前記アリールは、1以上のハロゲン原子で置換されていても良い。)、複素環、カルボキシル、トリ(C1-C6-アルキル)シリルオキシ-C1-C6-アルキル、ヘテロアリール-C1-C6-アルキル及びC1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキルからなる群から選択され、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C4-C6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環(例えばオキセタニル)を形成しており、好ましくはWはハロゲン(例えば塩素、臭素)、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C1-C6-ヒドロキシアルキル、トリ(C1-C6-アルキル)シリルオキシ-C1-C6-アルキル、C3-C7-シクロアルキル(例えばシクロプロピル)又はアリール-C1-C6-アルキル(前記アリールは、1以上のハロゲン原子で置換されていても良い。)であり、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C4-C6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環(例えばオキセタニル)を形成しており、より好ましくはWはC1-C6-アルキル(例えばメチル)であり、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C4-C6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環(例えばオキセタニル)を形成しており;
Xは、独立にハロゲン原子、C1-C6-アルキル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ及び同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシからなる群から選択され、好ましくはXはハロゲン原子(例えば塩素、フッ素)、C1-C6-アルキル(例えばメチル)、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル(例えばトリフルオロメチル)又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ基)である。
【0049】
一部の実施形態(本明細書において実施形態(a1)と称される)において、本発明による化合物は、下記式(Ia)の化合物である。
【化11】
【0050】
式中、Q
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Z、m、n、L、Q
2、W及びXは、実施形態(a)との関連で上記で開示の通りである
一部の実施形態(本明細書において実施形態(b)と称される)において、本発明による化合物は、下記式(I)の化合物である。
【化12】
【0051】
式中、
Q1はN又はCY1であり、Y1は水素原子であり;
Y2、Y3、Y4及びY5は、独立に水素原子、ハロゲン原子又は同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキルであり;
Zは、水素原子、ヒドロキシル又はC1-C6-アルキル(例えばメチル)であり;
mは0、1又は2であり;
nは0又は1であり;
LはO、CR1R2であり、R1及びR2は水素原子又はNR3であり、R3は水素原子であり;
Aは直接結合、C≡C、CH2、O、SO又はSO2であり、好ましくはAは直接結合、C≡C、CH2又はOであり;
Q2はO又はNR4であり、R4はAが直接結合又はCH2である場合の当該化合物のフェニル部分への直接結合であり、より好ましくはQ2はOであり;
Wは、独立にハロゲン原子、C1-C6-アルキル、ヒドロキシル、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C6-ハロゲノアルキル、C1-C6-ヒドロキシアルキル、C2-C6-アルケニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C3-C7-シクロアルキル、アリール、アリール-C1-C6-アルキル(前記アリールは、1以上のハロゲン原子で置換されていても良い。)、複素環、カルボキシル、トリ(C1-C6-アルキル)シリルオキシ-C1-C6-アルキル、ヘテロアリール-C1-C6-アルキル及びC1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキルからなる群から選択され、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C4-C6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環(例えばオキセタニル)を形成しており、好ましくはWはハロゲン(例えば塩素、臭素)、ヒドロキシル、C1-C6-アルキルであり、又は二個のジェミナルW置換基が、それらが結合している炭素原子とともに、C4-C6-炭素環又はN、O及びSからなる群から選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成している。
【0052】
Xは独立にハロゲン原子である。
【0053】
一部の実施形態(本明細書において実施形態(a2)と称される)において、本発明による化合物は、下記式(Ia)の化合物である。
【化13】
【0054】
式中、Q1、Y2、Y3、Y4、Y5、Z、m、n、L、Q2、W及びXは、実施形態(b)との関連で上記で開示の通りである。
【0055】
実施形態(a)、(a1))、(a2)又は(b)による一部の実施形態において、本発明による化合物は、Y2及びY3が水素原子であり、Y4及びY5がハロゲン原子である式(I)の化合物である。
【0056】
実施形態(a)、(a1)、(a2)又は(b)による一部の実施形態において、本発明による化合物は、Y2、Y3及びY4が水素原子であり、Y5がハロゲン原子である式(I)の化合物である。
【0057】
有効成分の製造方法
本発明は、式(I)の化合物の製造方法に関するものでもある。別断の断りがない限り、基Q1、Q2、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Z、L、A、m、n、W及びXは、式(I)の化合物について上記で与えられた意味を有する。これらの定義は、式(I)の最終生成物だけでなく、同様に全ての中間体にも適用される。
【0058】
本明細書で定義の式(Ia)の化合物、即ちAが直接結合である式(I)の化合物は、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させる段階を含む方法P1によって製造することができる。
【0059】
【0060】
U1は、OH又はC1-C8-アルキルスルホニル基(例えばメシル)、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルスルホニル基(例えばトリフリル)及び置換されていない若しくは置換されているフェニルスルホニル基(例えばトシル)を表し;U2は、C1-C8-アルキルスルホニル基(例えばメシル)、同一若しくは異なることができる最大9個のハロゲン原子を含むC1-C8-ハロゲノアルキルスルホニル基(例えばトリフリル)及び置換されていない若しくは置換されているフェニルスルホニル基(例えばトシル)を表す。
【0061】
方法P1は、公知の方法に従って、適切な場合に塩基の存在下で、そして適切な場合に溶媒の存在下で行うことができる。
【0062】
式(II)のモノ若しくはジスルホネートエステルは、公知の方法に従って、式(IIa)のジオールを1以上の当量のアルキル又はアリールスルホネートクロライド若しくはブロマイドと反応させることで製造することができる。
【化15】
【0063】
一つのアルコール官能基がフェニル環に隣接している式(IIa)のジオールは、公知の方法に従って[カニツァロ反応]、塩基の存在下に式(IV)のアルデヒドを過剰量のアルキル若しくはアリールアルデヒドと反応させることで製造することができる。
【化16】
【0064】
式(IV)のベンズアルデヒドは、当業者に公知の方法によって製造することができる。
【0065】
方法P1を実施するのに好適な塩基は、そのような反応に一般的である無機及び有機塩基であることができる。好ましくは、水酸化アルカリ土類金属又はアルカリ金属、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム又は他の水酸化アンモニウム誘導体;アルカリ土類金属又はアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム;アルカリ金属アミド類、例えばリチウムアミド、ナトリウムアミド又はカリウムアミド;アルカリ金属アルコラート類、例えばカリウムtert-ブトキシド又はナトリウムtert-ブトキシド;アルカリ金属リン酸塩、例えばリン酸三カリウム;三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、N,N-ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU);さらには芳香族塩基、例えばピリジン、ピコリン類、ルチジン類又はコリジン類を用いる。
【0066】
方法P1を実施するのに好適な溶媒は、一般的な不活性有機溶媒であることができる。好ましくは、ハロゲン化されていても良い脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン又はトリクロロエタン;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール又はtert-ブタノール;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、メチルtert-アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n-又はイソブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルピロリドン又はヘキサメチルホスホリックトリアミド;尿素類、例えば1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド、又はスルホン類、例えばスルホラン;及びこれらの混合物を用いる。
【0067】
方法P1を実行する場合、式(II)の化合物1モル当たり、1モル又は過剰量の式(III)の化合物(又は塩)及び1~5モルの塩基を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0068】
本明細書で定義の式(Ia)の化合物、即ちAが直接結合である式(I)の化合物は、式(VI)の化合物を式(VII)の化合物と反応させる段階を含む方法P2によって製造することができる。
【0069】
【0070】
Tは、ホウ素誘導体、例えばボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム誘導体を表し;
Uは、クロロ、ブロモ、ヨード、メシル基、トシル基又はトリフリル基;好ましくはブロモ又はヨードを表す。
【0071】
方法P2は、公知の方法に従ってパラジウムなどの遷移金属触媒の存在下に、適切な場合にホスフィン配位子又はN-複素環カルベン配位子の存在下に、適切な場合に塩基の存在下に、適切な場合に溶媒の存在下に行うことができる。
【0072】
式(VI)のボロン酸又はボロン酸エステル誘導体は、公知の方法に従って、パラジウムなどの遷移金属触媒の存在下に及び適切な場合にホスフィン配位子又はN-複素環カルベン配位子の存在下に、適切な場合に塩基の存在下に、適切な場合に溶媒の存在下に、ビス(ピナコラト)ジボロンなどの試薬を用いて、ハロゲノアリール誘導体(V)から製造することができ、式中、HalはCl、Br、I、好ましくはBr又はIを表す。
【化18】
【0073】
式(V)のハロゲノアリール誘導体は、公知の方法(Patai′s Chemistry of Functional Groups-Amino, Nitroso, Nitro and Related Groups-1996)に従って、アニリン化合物又はそれの塩の一つをジアゾ化することで製造することができる。
【0074】
式(V)のハロゲノアリール誘導体は、公知の方法に従って(Journal of Heterocyclic Chemistry (2008), 45, 1199及びSynthetic Communications (1999), 29, 1393)、芳香族求核置換によって製造することもできる。
【0075】
方法P2は、金属塩又は錯体などの触媒の存在下に行うことができる。このための好適な金属誘導体は、パラジウムなどの遷移金属触媒である。このための好適な金属塩又は錯体は、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ビス(シンナミル)ジクロロジパラジウム(II)、ビス(アリル)-ジクロロジパラジウム(II)又は[1,1′-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。
【0076】
反応液に、パラジウム塩及び配位子又は塩、例えばトリエチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスホニウム・テトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルホスフィン、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2′-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル、2-(tert-ブチルホスフィノ)-2′-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,6′-ジメトキシビフェニル、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジイソプロポキシビフェニル、トリフェニル-ホスフィン、トリス-(o-トリル)ホスフィン、ナトリウム3-(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホネート、トリス-2-(メトキシ-フェニル)ホスフィン、2,2′-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1′-ビナフチル、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,4-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)-エタン、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2′-(N,N-ジメチルアミノ)-ビフェニル、1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン、(R)-(-)-1-[(S)-2-ジフェニル-ホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、トリス-(2,4-tert-ブチル-フェニル)ホスファイト、ジ(1-アダマンチル)-2-モルホリノフェニルホスフィン又は1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロライドを別々に加えることで、反応混合物中にパラジウム錯体を発生させることも可能である。
【0077】
Strem Chemicalsによる「Metal Catalysts for Organic Synthesis」又はStrem Chemicalsによる「Phosphorous Ligands and Compounds」などの商業的カタログから適切な触媒及び/又は配位子を選択することも有利である。
【0078】
方法P2を実施するのに好適な塩基は、そのような反応に一般的な無機及び有機塩基であることができる。好ましくは、水酸化アルカリ土類金属又はアルカリ金属、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム又は他の水酸化アンモニウム誘導体;フッ化アルカリ土類金属、アルカリ金属又はアンモニウム、例えばフッ化カリウム、フッ化セシウム又はフッ化テトラブチルアンモニウム;アルカリ土類金属又はアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム;アルカリ金属又はアルカリ土類金属酢酸塩、例えば酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム又は酢酸カルシウム;アルカリ金属又はアルカリ土類金属リン酸塩、例えばアルカリ性リン酸三カリウム;アルカリ金属アルコラート類、例えばカリウムtert-ブトキシド又はナトリウムtert-ブトキシド;三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、N,N-ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU);さらには芳香族塩基、例えばピリジン、ピコリン類、ルチジン類又はコリジン類を用いる。
【0079】
方法P2を実施するのに好適な溶媒は、一般的な不活性有機溶媒であることができる。好ましくは、ハロゲン化されていても良い脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、メチルt-アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n-又はi-ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルピロリドン又はヘキサメチルホスホリックトリアミド;尿素類、例えば1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル、スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド、又はスルホン類、例えばスルホラン;及びこれらの混合物を用いる。
【0080】
水又はアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール若しくはtert-ブタノールなどの共溶媒を用いて方法P2を行うことも有利であり得る。
【0081】
方法P2は、アルゴン又は窒素雰囲気などの不活性雰囲気で行うことができる。方法P2を行う場合、式(VI)の化合物1モル当たり、式(VII)の化合物1モル若しくは過剰及び塩基1~5モル及びパラジウム錯体0.01~20モル%を用いることができる。他の比率で反応成分を用いることも可能である。後処理は、公知の方法によって行う。
【0082】
或いは、式(VI)のボロン酸又はボロン酸エステル誘導体は、適切な有機溶媒、例えばエーテル、好ましくはテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル中、適切な有機金属試薬、例えばn-ブチルリチウム及び適切なホウ素誘導体、例えばホウ酸トリメチルを用いるハロゲン金属交換によって、ハロゲノアリール誘導体(V)から製造することができる。
【0083】
式(VII)のハライド誘導体は、市販されているか、当業者に公知の方法によって製造することができる。
【0084】
本明細書で定義の式(Ib)の化合物、即ちLがNHである式(I)の化合物は、方法P3によって製造することができる。
【0085】
【0086】
HalはCl、Br、I、好ましくはBr又はIを表す。
【0087】
方法P3は、公知の方法に従って、パラジウムなどの遷移金属触媒の存在下に及び適切な場合にホスフィン配位子又はN-複素環カルベン配位子の存在下に、適切な場合に塩基の存在下に及び適切な場合に溶媒の存在下に行うことができる。
【0088】
式(VIII)のアミン及び式(IX)のハロゲノアリールは、市販されているか、当業者に公知の方法に従って製造することができる。
【0089】
方法P3を行うのに好適な触媒、塩基及び溶媒は、方法P2との関連で開示の通りであることができる。
【0090】
方法P3は、アルゴン又は窒素雰囲気などの不活性雰囲気で行うことができる。方法P3を実施する場合、式(IX)の化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(VIII)の化合物及び1~5モルの塩基及び0.01~20モル%のパラジウム錯体を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0091】
或いは、本明細書で定義の式(Ib)の化合物、即ちLがO、S又はNHである式(I)の化合物は、式(X)の化合物を式(XI)の化合物と反応させる段階を含む方法P4によって製造することができる。
【0092】
【0093】
HalはCl、Br、I、好ましくはBr又はIを表し、LaはO、S又はNHを表す。
【0094】
方法P4は、公知の方法に従って、パラジウムなどの遷移金属触媒の存在下に及び適切な場合にホスフィン配位子又はN-複素環カルベン配位子の存在下に、適切な場合に塩基の存在下に及び適切な場合に溶媒の存在下に行うことができる。
【0095】
式(X)のハロゲノアリール及び式(XI)のアミンは、市販されているか、当業者に公知の方法に従って製造することができる。
【0096】
方法P4を行うのに好適な触媒、塩基及び溶媒は、方法P2との関連で開示の通りであることができる。
【0097】
方法P4は、アルゴン又は窒素雰囲気などの不活性雰囲気で行うことができる。方法P4を実施する場合、式(XI)の化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(X)の化合物及び1~5モルの塩基及び0.01~20モル%のパラジウム錯体を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0098】
本明細書で定義の式(Ic)の化合物、即ちLがCH2である式(I)の化合物は、式(XII)の化合物を式(XIII)の化合物と反応させる段階を含む方法P5によって製造することができる。
【0099】
【0100】
HalはCl、Br、I、好ましくはBr又はIを表し;
Ra及びRbは独立にH又はC1-C8-アルキルであり、又はRa及びRb基がそれらがそれぞれ結合している酸素原子とともに、5員若しくは6員環を形成していることができ;好ましくはRa及びRbの両方がHであり、又はRa及びRbがそれらがそれぞれ結合している酸素原子とともにピナコールボラニルを形成している。
【0101】
方法P5は、公知の方法に従って、パラジウムなどの遷移金属触媒の存在下に及び適切な場合にホスフィン配位子又はN-複素環カルベン配位子の存在下に、適切な場合に塩基の存在下に及び適切な場合に溶媒の存在下に行うことができる。
【0102】
式(XII)のホウ素誘導体は市販されているか、当業者によって公知の方法に従って製造することができる。
【0103】
式(XIII)のハライドは、公知の方法に従って式(XIV)のアルコールをハロゲン化することで製造することができる。
【化22】
【0104】
方法P5を行うのに好適な触媒、塩基及び溶媒は、方法P2との関連で開示の通りであることができる。
【0105】
方法P5は、アルゴン又は窒素雰囲気などの不活性雰囲気で行うことができる。方法P5を実施する場合、式(XIII)の化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(XII)の化合物及び1~5モルの塩基及び0.01~20モル%のパラジウム錯体を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0106】
或いは、本明細書で定義の式(Ic)の化合物は、方法P6によって製造することができる。
【0107】
【0108】
HalはCl、Br、I、好ましくはBr又はIを表し;
Ra及びRbは独立にH又はC1-C8-アルキルであり、又はRa及びRb基がそれらがそれぞれ結合している酸素原子とともに、5員若しくは6員環を形成していることができ;好ましくはRa及びRbの両方がHであり、又はRa及びRbがそれらがそれぞれ結合している酸素原子とともにピナコールボラニルを形成している。
【0109】
方法P6は、公知の方法に従って、パラジウムなどの遷移金属触媒の存在下に及び適切な場合にホスフィン配位子又はN-複素環カルベン配位子の存在下に、適切な場合に塩基の存在下に及び適切な場合に溶媒の存在下に行うことができる。
【0110】
式(XV)のハライドは、市販されているか、当業者に公知の方法に従って製造することができる。
【0111】
式(VXI)のボロン酸又はボロン酸エステル誘導体は、当業者によって公知の方法に従って、適切な有機溶媒、例えばエーテル、好ましくはテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル中、適切な有機金属試薬、例えばn-ブチルリチウム若しくはグリニャル試薬及び適切なホウ素誘導体、例えばホウ酸トリメチルを用いるハロゲン金属交換によって、ハロゲノベンジル誘導体(XIII)から製造することができる。
【0112】
方法P6を行うのに好適な触媒、塩基及び溶媒は、方法P2との関連で開示の通りであることができる。
【0113】
方法P6は、アルゴン又は窒素雰囲気などの不活性雰囲気で行うことができる。方法P6を実施する場合、式(XVI)の化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(XV)の化合物及び1~5モルの塩基及び0.01~20モル%のパラジウム錯体を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0114】
本明細書で定義の式(Id)の化合物、即ちQ2がNである式(I)の化合物は、方法P7に従って製造することができる。
【0115】
【0116】
HalはCl、Br、I、好ましくはBr又はIを表す。
【0117】
複素環が窒素原子を介してフェニル環に連結されている式(Id)の化合物は、式(V)のハライドの式(XVII)の複素環との反応によって製造することができる。この反応は、ヨウ化銅(I)などの触媒の存在下に行うことができ、ジアミン、アミノアルコール、アミノ酸又はホスフィンなどの配位子を用いることもできる。その反応は通常、リン酸カリウム、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下で行われる。溶媒に関しては、N,N-ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドなどの極性非プロトン性溶媒を用いることができる。
【0118】
式(V)の中間体は、アニリンのジアゾ化によって製造することができる(方法2)。
【0119】
式(XVII)の複素環は、市販されているか、当業者によって公知の方法によって製造することができる。
【0120】
このために好適な他の銅の塩又は錯体及びそれらの水和物は、例えば、銅金属、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、酸化銅(II)、酸化銅(I)、酢酸銅(II)、酢酸銅(I)、チオフェン-2-カルボン酸銅(I)、シアン化銅(I)、硫酸銅(II)、銅ビス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート)、銅(II)トリフルオロ-メタンスルホネート、テトラキス(アセトニトリル)銅(I)ヘキサフルオロホスフェート、テトラキス(アセトニトリル)-銅(I)テトラフルオロボレートである。
【0121】
反応液に、銅塩及び配位子又は塩、例えばエチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N′-ジメチルエチレンジアミン、rac-トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン、rac-トランス-N,N′-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン、1,1′-ビナフチル-2,2′-ジアミン、N,N,N′,N′-テトラメチルエチレンジアミン、プロリン、N,N-ジメチルグリシン、キノリン-8-オール、ピリジン、2-アミノピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、2,2′-ビピリジル、2,6-ジ(2-ピリジル)ピリジン、2-ピコリン酸、2-(ジメチルアミノメチル)-3-ヒドロキシピリジン、1,10-フェナントロリン、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン、2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメトキシ-1,10-フェナントロリン、N,N′-ビス[(E)-ピリジン-2-イルメチリデン]シクロヘキサン-1,2-ジアミン、N-[(E)-フェニルメチリデン]、N-[(E)-フェニルメチリデン]-シクロヘキサンアミン、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン、エチレングリコール、2,2,6,6-テトラメチルヘプタン-3,5-ジオン、2-(2,2-ジメチルプロパノイル)シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、2-(2-メチルプロパノイル)シクロヘキサノン、ビフェニル-2-イル(ジ-tert-ブチル)ホスファン、エチレンビス-(ジフェニルホスフィン)、N,N-ジエチルサリチルアミド、2-ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム、オキソ[(2,4,6-トリメチルフェニル)アミノ]酢酸又は1H-ピロール-2-カルボン酸を別個に加えることで、反応混合物中に銅錯体を発生させることも可能である。
【0122】
Strem Chemicalsによる「Metal Catalysts for Organic Synthesis」などの商業的カタログから、又は総覧(Chemical Society Reviews (2014), 43, 3525、Coordination Chemistry Reviews (2004), 248, 2337及びそれらにおける参考文献)から適切な触媒及び/又は配位子を選択することも有利である。
【0123】
方法P7を行うのに好適な塩基及び溶媒は、方法P2との関連で開示の通りであることができる。
【0124】
方法P7を実施する場合、式(V)の化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(XVII)の化合物及び1~5モルの塩基及び0.01~20モル%の銅塩及び0.01~1モル%の銅配位子を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0125】
本明細書で定義の式(Ie)の化合物、即ちAが三重結合である式(I)の化合物は、方法P8に従って製造することができる。
【0126】
【0127】
HalはCl、Br、I、好ましくはBr又はIを表す。
【0128】
方法P8は、公知の方法に従って、パラジウムなどの遷移金属触媒の存在下に及び適切な場合にホスフィン配位子又はN-複素環カルベン配位子の存在下に;及び銅塩の存在下に;並びに適切な場合に塩基の存在下に及び適切な場合に溶媒の存在下に行うことができる。
【0129】
式(XVIII)のアルキンは、市販されているか、当業者に公知の方法に従って製造することができる。
【0130】
方法P8を行うのに好適なパラジウム系触媒、塩基及び溶媒は、方法P2との関連で開示の通りであることができる。
【0131】
方法P8を実施する上で好適な銅塩は、方法P7との関連で開示の通りであることができる。
【0132】
方法P8は、アルゴン又は窒素雰囲気などの不活性雰囲気で行うことができる。方法P8を実施する場合、式(XVIII)の化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(V)の化合物及び1~5モルの塩基及び0.01~20モル%のパラジウム錯体及び0.01~1モル%の銅塩を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0133】
本明細書で定義の式(If)の化合物、即ちAがO、S又はNR
5である式(I)の化合物は、式(V)の化合物を式(XIX)の化合物と反応させる段階を含む方法P9に従って製造することができる。
【化26】
【0134】
Halはクロロ、ブロモ、ヨード;好ましくはブロモ又はヨードを表し;
A2はO、S又はNR5を表す。
【0135】
方法P9は、公知の方法に従ってパラジウムなどの遷移金属触媒の存在下に及び適切な場合にホスフィン配位子又はN-複素環カルベン配位子の存在下に;及び適切な場合に塩基の存在下に及び適切な場合に溶媒の存在下に行うことができる。
【0136】
式(V)の中間体は、アニリンのジアゾ化(方法2)によって製造することができる。
【0137】
式(XIX)の誘導体は、市販されているか、当業者に公知の方法に従って製造することができる。
【0138】
方法P9を行うのに好適な触媒、塩基及び溶媒は、方法P2との関連で開示の通りであることができる。
【0139】
方法P9は、アルゴン又は窒素雰囲気などの不活性雰囲気で行うことができる。方法P9を実施する場合、式(XIX)の化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(V)の化合物及び1~5モルの塩基及び0.01~20モル%のパラジウム錯体を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0140】
本明細書で定義の式(Ig)の化合物、即ちAがCH2及びQ2である式(I)の化合物は、方法P10に従って製造することができる。
【0141】
【0142】
Vはクロロ、ブロモ、ヨード、メシル基、トシル基又はトリフリル基を表し;好ましくはブロモ又はヨードを表す。
【0143】
方法P10は、公知の方法に従って塩基の存在下に及び適切な場合に溶媒の存在下に行うことができる。
【0144】
式(XX)の中間体は、当業者に公知の方法によって製造することができる。
【0145】
式(XVII)の誘導体は市販されているか、当業者に公知の方法によって製造することができる。
【0146】
方法P10を行うのに好適な塩基及び溶媒は、方法P2との関連で開示の通りであることができる。
【0147】
方法P10を実施する場合、式(XVII)の化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(XX)の化合物及び1~5モルの塩基を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0148】
式(Ib)の化合物は、方法P11に従って化合物(Ih)の製造に用いることができる。
【0149】
【0150】
R3はC1-C8-アルキルを表す。
【0151】
方法P1、P2、P3、P4、P7、P8、P9又はP10に従って製造された式(Ib)の化合物を用いて、式(Ih)の化合物を製造することができる。代表的には、式(Ib)の化合物を、水素化ナトリウムなどの塩基及びアルキルハライド、優先的にはヨードメタンなどのヨードアルキルで処理する。その反応は通常、ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒中で行う。
【0152】
方法P11を実施する場合、アルキルハライドの化合物1モル当たり1モル又は過剰量の式(Ib)の化合物及び1~5モルの塩基を用いることができる。反応成分を他の比率で用いることも可能である。後処理は公知の方法によって行う。
【0153】
方法P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10及びP11は通常、大気圧下で行われる。高圧若しくは減圧下で行うことも可能である。
【0154】
方法P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10及びP11を行う場合、反応温度は比較的広い範囲で変動させることができる。概して、これらの方法は、-78℃~200℃、好ましくは-78℃~150℃の温度で行う。それらの方法のための温度制御方法は、マイクロ波技術を用いることである。
【0155】
概して、反応混合物は減圧下に濃縮する。残った残留物については、クロマトグラフィー又は結晶化などの公知の方法により、まだ存在し得る不純物を除去することができる。
【0156】
後処理は慣習的方法によって行う。概して、反応混合物を水で処理し、有機相を分離し、脱水後、減圧下に濃縮する。適切な場合、残った残留物について、クロマトグラフィー又は結晶化などの公知の方法により、まだ存在し得る不純物を除去することができる。
【0157】
式(I)の化合物は、上記で記載の一般的製造方法に従って製造することができる。そうではあっても、当業者の一般的知識及び入手可能な刊行物に基づいて、その当業者が、合成が望まれる各化合物の規格に応じて方法を調整することが可能であることは明らかであろう。
【0158】
有効成分製造のための中間体
本発明はまた、式(I)の化合物の製造のための中間体に関するものでもある。上記のように、基Q1、Q2、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Z、L、A、m、n、W及びXは、式(I)の化合物について上記の意味を有する。
【0159】
本発明による中間体は、下記式(IIa)の化合物並びにそれらの許容される塩である。
【化29】
【0160】
好ましい本発明による式(IIa)の化合物は、
-1-{2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]フェニル}-2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、及び
-1-{2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]-6-ヨードフェニル}-2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール
である。
【0161】
本発明によるさらなる中間体は、下記式(IV)の化合物並びにそれらの許容される塩である。
【化30】
【0162】
但し、式(IV)の化合物は、下記のものは表さない。
【0163】
-2-[(1,4-ジオキシドキノキサリン「2-イル)アミノ]ベンズアルデヒド[2121559-74-6]、
-2-フルオロ-6-[(8-フルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1430955-55-7]、
-2-(キノキサリン「2-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1334627-00-7]、
-2-クロロ-6-[(7-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314011-28-3]、
-2-クロロ-6-[(7,8-ジフルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314011-27-2]、
-2-フルオロ-6-[(5-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314011-26-1]、
-2-[(5,8-ジフルオロキノリン-3-イル)オキシ]-6-フルオロベンズアルデヒド[1314011-25-0]、
-2-クロロ-3-フルオロ-6-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1314011-24-9]、
-2-クロロ-6-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1314011-23-8]、
-2-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド[1314011-22-7]、
-2-ブロモ-3-フルオロ-6-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314011-21-6]、
-2-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]-6-ニトロベンズアルデヒド[1314011-20-5]、
-2-ベンジル-6-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314011-19-2]、
-2-ブロモ-6-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314011-18-1]、
-2-クロロ-6-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314011-17-0]、
-2-クロロ-3-フルオロ-6-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314011-16-9]、
-2-(キノリン-3-イルカルボニル)ベンズアルデヒド[1314010-46-2]、
-2-フルオロ-6-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314010-45-1]、
-2-クロロ-6-[(8-フルオロキノリン-3-イル)メチル]ベンズアルデヒド[1314010-37-1]、
-2-[(2-tert-ブチルキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[1314007-41-4]、
-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1314007-04-9]、及び
-3-(2-ホルミル-4-ニトロフェノキシ)-2-メチルキノリン-4-カルボン酸[953070-02-5]。
【0164】
下記の式(IV)の化合物が化学データベース及び/又は供給者のデータベースで言及されているが、これらを製造及び分離可能とする参考文献や情報はない。
【0165】
-5-ブロモ-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1963078-73-0]、
-2-フルオロ-6-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1962865-35-5]、
-3-クロロ-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1944009-72-6]、
-3-フルオロ-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1943977-49-8]、
-5-メチル-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1929901-90-5]、
-5-フルオロ-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1929007-31-7]、
-4-ブロモ-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1929005-82-2]、
-4-クロロ-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1928619-92-4]、
-5-クロロ-2-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド[1927506-99-7]、
-2-[(3-エチルキノキサリン「2-イル)オキシ]ベンズアルデヒド[501916-91-2]、及び
-2-クロロ-6-(キノキサリン「2-イルオキシ)ベンズアルデヒド[501916-90-1]。
【0166】
好ましい本発明による式(IV)の化合物は、
-2-[(8-フルオロキノリン-3-イル)アミノ]ベンズアルデヒド、
-2-フルオロ-6-(キノリン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド、
-2-フルオロ-6-[(2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド、
-2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド、
-2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]-6-フルオロベンズアルデヒド、及び
-2-ブロモ-6-[(8-フルオロキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒドである。
【0167】
さらなる本発明による中間体は、下記式(XIII)の化合物並びにそれらの許容される塩である。
【化31】
【0168】
式中、Halはクロロ、ブロモ、ヨードである。
【0169】
好ましい本発明による式(XIII)の化合物は、3-[2-(ブロモメチル)フェニル]-3-メチルオキセタンである。
【0170】
さらなる本発明による中間体は、下記式(XIV)の化合物並びにそれらの許容される塩である。
【化32】
【0171】
但し、式(XIV)の化合物は、[2-クロロ-6-(オキセタン-3-イル)フェニル]メタノール[2097159-73-2]を表さない。
【0172】
下記の式(XIV)の化合物が化学データベース及び/又は供給者のデータベースで言及されているが、これらを製造及び分離可能とする参考文献や情報はない。
【0173】
-[2-(オキセタン-2-イル)フェニル]メタノール[2322587-27-7]、
-[3,4-ジフルオロ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[2274532-69-1]、
-[4-メチル-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[2168423-08-1]、
-[5-メトキシ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル]メタノール[2167468-04-2]、
-[2-クロロ-3-フルオロ-6-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[2154284-30-5]、
-[3-ブロモ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[2004638-66-6]、
-[2-ブロモ-6-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1934708-41-4]、
-[4-クロロ-2-(オキセタン-3-イルアミノ)フェニル]メタノール[1878744-21-8]、
-[2-ブロモ-6-(オキセタン-3-イルアミノ)フェニル]メタノール[1873426-81-3]、
-[4-フルオロ-2-(オキセタン-3-イル)フェニル]メタノール[1823367-44-7]、
-[3-メトキシ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル]メタノール[1784919-53-4]、
-[2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル]メタノール[1784869-91-5],
-[2-(オキセタン-3-イルスルホニル)フェニル]メタノール[1784553-13-4]、
-[2-フルオロ-6-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1703006-71-6]、
-[5-ブロモ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1701984-58-8]、
-[3-クロロ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1700014-89-6]、
-[3-フルオロ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1699297-73-8]、
-[5-メチル-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1695943-80-6]、
-[4-クロロ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1600829-12-6]、
-[5-クロロ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1597296-70-2]、
-[5-フルオロ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1542658-78-5]、
-[4-ブロモ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1530984-31-6]、
-[5-ニトロ-2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1518251-61-0]、
-[2-クロロ-6-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1509261-01-1]、
-[2-(オキセタン-3-イルアミノ)フェニル]メタノール[1509035-32-8]、
-[2-(オキセタン-3-イルスルファニル)フェニル]メタノール[1500795-54-9]、及び
-[2-(オキセタン-3-イル)フェニル]メタノール[1391828-93-5]。
【0174】
好ましい本発明による式(XIV)の化合物は、[2-(3-メチルオキセタン-3-イル)フェニル]メタノールである。
【0175】
組成物及び製剤
本発明はさらに、組成物、特には、望ましくない微生物を防除するための組成物に関するものである。当該組成物は、微生物及び/又はそれの生息場所に施用することができる。
【0176】
組成物は代表的には、少なくとも一つの式(I)の化合物及び少なくとも一つの農業的に好適な補助剤、例えば担体及び/又は界面活性剤を含む。
【0177】
担体は、通常は不活性である固体若しくは液体の天然若しくは合成有機若しくは無機物質である。担体は通常、例えば、植物、植物部分又は種子への化合物の施用を改善するものである。好適な固体担体の例には、アンモニウム塩、天然岩粉、例えばカオリン類、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルガイト、モンモリロナイト及び珪藻土、及び合成岩粉、例えば微粉砕シリカ、アルミナ及びシリケート類などがあるが、これらに限定されるものではない。顆粒を製造するのに通常有用な固体担体の例には、破砕及び分別天然岩石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石及び苦灰石、無機及び有機粉の合成顆粒及び紙、おが屑、ヤシ殻、トウモロシの穂軸及びタバコ茎などの有機材料の顆粒などがあるが、これらに限定されるものではない。好適な液体担体の例には、有機溶媒及びそれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されるものではない。好適な溶媒の例には、例えば、芳香族及び非芳香族炭化水素(例えば、シクロヘキサン、パラフィン類、アルキルベンゼン類、キシレン、トルエンアルキルナフタレン類、塩素化芳香族若しくは塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン)、アルコール類及び多価アルコール類(置換、エーテル化及び/又はエステル化されていても良い;例えば、ブタノール又はグリコール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン)、エステル類(脂肪及びオイルを含む)及び(ポリ)エーテル類、置換されていない及び置換されたアミン類、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド)、ラクタム類(例えば、N-アルキルピロリドン類)及びラクトン類、スルホン類及びスルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)の種類からの極性及び非極性有機化学液体などがある。担体は、液化ガス増量剤、即ち、常温及び常圧下では気体である液体、例えばハロ炭化水素、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などのエアロゾル噴霧剤であることもできる。担体の量は、代表的には、組成物の1~99.99重量%、より好ましくは10~99.5重量%、最も好ましくは20~99重量%の範囲である。
【0178】
界面活性剤は、イオン性(カチオン性若しくはアニオン性)又は非イオン性界面活性剤、例えばイオン性若しくは非イオン性乳化剤、発泡剤、分散剤、湿展剤及びそれらの何れかの混合物であることができる。好適な界面活性剤の例には、ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸若しくはナフタレンスルホン酸の塩、エチレン及び/又はプロピレンオキサイドと脂肪アルコールの重縮合体、脂肪酸又は脂肪族アミン類(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類)、置換されたフェノール類(好ましくはアルキルフェノール類又はアリールフェノール類)、スルホコハク酸エステル類の塩、タウリン誘導体(好ましくはアルキルタウレート類)、ポリエトキシル化アルコール類若しくはフェノール類のリン酸エステル、多価アルコール類の脂肪エステル類及びサルフェート類、スルホネート類、ホスフェート類を含む化合物の誘導体(例えば、アルキルスルホネート類、アルキルサルフェート類、アリールスルホネート類)及びタンパク質加水分解物、リグノサルファイト廃液及びメチルセルロースなどがあるが、これらに限定されるものではない。界面活性剤は代表的には、式(I)の化合物及び/又は担体が水に不溶であり、施用を水で行う場合に用いられる。次に、界面活性剤の量は代表的には、組成物の5~40重量%の範囲である。
【0179】
好適な補助剤のさらなる例には、撥水剤、乾燥剤、結合剤(接着剤、粘着付与剤、固定剤、例えばカルボキシメチルセルロース、粉末、顆粒若しくはラテックスの形態の天然及び合成ポリマー、例えばアラビアガム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、天然リン脂質、例えばセファリン類及びレシチン類及び合成リン脂質、ポリビニルピロリドン及びチロース)、増粘剤、安定剤(例えば低温安定剤、保存剤、酸化防止剤、光安定剤、又は化学的及び/又は物理的安定性を改善する他の薬剤)、色素又は顔料(例えば、無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー;有機色素、例えばアリザリン、アゾ及び金属フタロシアニン色素)、消泡剤(例えば、シリコーン系消泡剤及びステアリン酸マグネシウム)、保存剤(例えばジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマール)、二次増粘剤(セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、改質粘土及び微粉砕シリカ)、展着剤、ジベレリン類及び加工補助剤、鉱油及び植物油、香料、ロウ類、栄養素(例えば微量栄養素、例えば、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩)、保護コロイド、チキソトロピー物質、浸透剤、金属イオン封鎖剤及び錯形成剤などがある。
【0180】
補助剤の選択は、式(I)の化合物の所期の施用形態及び/又は物理特性に関係する。さらに、補助剤は、組成物に特定の性質(技術的、物理的及び/又は生理的特性)又はそれから製造される使用形態を提供するように選択することができる。補助剤の選択により、特定のニーズに対して組成物をカスタマイズすることができる。
【0181】
当該組成物は、いずれか一般的な形態、例えば液剤(例えば、水溶液)、乳濁液、水和剤、水系及び油系懸濁液、粉剤、ダスト剤、ペースト、可溶性粉剤、可溶性粒剤、散布用粒剤、サスポエマルション製剤、式(I)の化合物を含浸させた天然及び合成製造物、肥料、更にはポリマー物質中のマイクロカプセルであることができる。式(I)の化合物は、懸濁形態、乳濁形態又は溶解形態で存在することができる。
【0182】
当該組成物は、末端ユーザーに、即時使用製剤として提供することができる。即ち、当該組成物は、好適な機器、例えば噴霧装置又は散粉装置によって植物又は種子に直接施用することができる。或いは、当該組成物は、末端ユーザーに、使用前に好ましくは水によって希釈しなければならない濃厚液の形態で提供することができる。
【0183】
当該組成物は、従来の方法で、例えば式(I)の化合物を、本明細書で上記で開示のような1以上の好適な補助剤と混合することで製造することができる。
【0184】
当該組成物は、概して、0.01~99重量%、0.05~98重量%、好ましくは0.1~95重量%、より好ましくは0.5~90重量%、最も好ましくは10~80重量%の式(I)の化合物を含む。組成物が2以上の式(I)の化合物を含むことが可能である。そのような場合、記載の範囲は、本発明の化合物の総量を指す。
【0185】
混合物/組み合わせ
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺虫剤、除草剤、肥料、成長調節剤、薬害軽減剤又は情報物質などの他の有効成分と混合することができる。これによって、活性スペクトルを拡大することができ、又は抵抗性の発達を防止することができる。公知の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤及び殺細菌剤の例が、Pesticide Manual、17th editionに開示されている。
【0186】
式(I)の化合物及び組成物と混合できると考えられる特別に好ましい殺菌剤の例は、次のものである。
【0187】
1)エルゴステロール生合成の阻害薬、例えば(1.001)シプロコナゾール、(1.002)ジフェノコナゾール、(1.003)エポキシコナゾール、(1.004)フェンヘキサミド、(1.005)フェンプロピジン、(1.006)フェンプロピモルフ、(1.007)フェンピラザミン、(1.008)フルキンコナゾール、(1.009)フルトリアホール、(1.010)イマザリル、(1.011)硫酸イマザリル、(1.012)イプコナゾール、(1.013)メトコナゾール、(1.014)ミクロブタニル、(1.015)パクロブトラゾール、(1.016)プロクロラズ、(1.017)プロピコナゾール、(1.018)プロチオコナゾール、(1.019)ピリソキサゾール(Pyrisoxazole)、(1.020)スピロキサミン、(1.021)テブコナゾール、(1.022)テトラコナゾール、(1.023)トリアジメノール、(1.024)トリデモルフ、(1.025)トリチコナゾール、(1.026)(1R,2S,5S)-5-(4-クロロベンジル)-2-(クロロメチル)-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール、(1.027)(1S,2R,5R)-5-(4-クロロベンジル)-2-(クロロメチル)-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール、(1.028)(2R)-2-(1-クロロシクロプロピル)-4-[(1R)-2,2-ジクロロシクロプロピル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.029)(2R)-2-(1-クロロシクロプロピル)-4-[(1S)-2,2-ジクロロシクロプロピル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.030)(2R)-2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、(1.031)(2S)-2-(1-クロロシクロプロピル)-4-[(1R)-2,2-ジクロロシクロプロピル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.032)(2S)-2-(1-クロロシクロプロピル)-4-[(1S)-2,2-ジクロロシクロプロピル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.033)(2S)-2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、(1.034)(R)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,2-オキサゾール-4-イル](ピリジン-3-イル)メタノール、(1.035)(S)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,2-オキサゾール-4-イル](ピリジン-3-イル)メタノール、(1.036)[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,2-オキサゾール-4-イル](ピリジン-3-イル)メタノール、(1.037)1-({(2R,4S)-2-[2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル}メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.038)1-({(2S,4S)-2-[2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル}メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.039)1-{[3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イルチオシアネート、(1.040)1-{[rel(2R,3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イルチオシアネート、(1.041)1-{[rel(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イルチオシアネート、(1.042)2-[(2R,4R,5R)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.043)2-[(2R,4R,5S)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.044)2-[(2R,4S,5R)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.045)2-[(2R,4S,5S)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.046)2-[(2S,4R,5R)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.047)2-[(2S,4R,5S)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.048)2-[(2S,4S,5R)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.049)2-[(2S,4S,5S)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.050)2-[1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチルヘプタン-4-イル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.051)2-[2-クロロ-4-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、(1.052)2-[2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.053)2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、(1.054)2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ペンタン-2-オール、(1.055)メフェントリフルコナゾール、(1.056)2-{[3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.057)2-{[rel(2R,3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.058)2-{[rel(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(1.059)5-(4-クロロベンジル)-2-(クロロメチル)-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール、(1.060)5-(アリルスルファニル)-1-{[3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.061)5-(アリルスルファニル)-1-{[rel(2R,3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.062)5-(アリルスルファニル)-1-{[rel(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)オキシラン-2-イル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール、(1.063)N′-(2,5-ジメチル-4-{[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]スルファニル}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.064)N′-(2,5-ジメチル-4-{[3-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル]スルファニル}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.065)N′-(2,5-ジメチル-4-{[3-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)フェニル]スルファニル}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.066)N′-(2,5-ジメチル-4-{[3-(ペンタフルオロエトキシ)フェニル]スルファニル}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.067)N′-(2,5-ジメチル-4-{3-[(1,1,2,2-テトラフルオロエチル)スルファニル]フェノキシ}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.068)N′-(2,5-ジメチル-4-{3-[(2,2,2-トリフルオロエチル)スルファニル]フェノキシ}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.069)N′-(2,5-ジメチル-4-{3-[(2,2,3,3-テトラフルオロプロピル)スルファニル]フェノキシ}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.070)N′-(2,5-ジメチル-4-{3-[(ペンタフルオロエチル)スルファニル]フェノキシ}フェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.071)N′-(2,5-ジメチル-4-フェノキシフェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.072)N′-(4-{[3-(ジフルオロメトキシ)フェニル]スルファニル}-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.073)N′-(4-{3-[(ジフルオロメチル)スルファニル]フェノキシ}-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.074)N′-[5-ブロモ-6-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イルオキシ)-2-メチルピリジン-3-イル]-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.075)N′-{4-[(4,5-ジクロロ-1,3-チアゾール-2-イル)オキシ]-2,5-ジメチルフェニル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.076)N′-{5-ブロモ-6-[(1R)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.077)N′-{5-ブロモ-6-[(1S)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.078)N′-{5-ブロモ-6-[(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)オキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.079)N′-{5-ブロモ-6-[(トランス-4-イソプロピルシクロヘキシル)オキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、(1.080)N′-{5-ブロモ-6-[1-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2-メチルピリジン-3-イル}-N-エチル-N
-メチルイミドホルムアミド、(1.081)イプフェントリフルコナゾール(Ipfentrifluconazole)。
【0188】
2)複合体IまたはIIでの呼吸鎖の阻害薬、例えば(2.001)ベンゾビンジフルピル、(2.002)ビキサフェン、(2.003)ボスカリド、(2.004)カルボキシン、(2.005)フルオピラム、(2.006)フルトラニル、(2.007)フルキサピロキサド、(2.008)フラメトピル、(2.009)イソフェタミド、(2.010)イソピラザム(アンチ-エピマー性エナンチオマー1R,4S,9S)、(2.011)イソピラザム(アンチ-エピマー性エナンチオマー1S,4R,9R)、(2.012)イソピラザム(アンチ-エピマー性ラセミ体1RS,4SR,9SR)、(2.013)イソピラザム(シン-エピマー性ラセミ体1RS,4SR,9RS及びアンチ-エピマー性ラセミ体1RS,4SR,9SRの混合物)、(2.014)イソピラザム(シン-エピマー性エナンチオマー1R,4S,9R)、(2.015)イソピラザム(シン-エピマー性エナンチオマー1S,4R,9S)、(2.016)イソピラザム(シン-エピマー性ラセミ体1RS,4SR,9RS)、(2.017)ペンフルフェン、(2.018)ペンチオピラド、(2.019)ピジフルメトフェン、(2.020)ピラジフルミド、(2.021)セダキサン、(2.022)1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.023)1,3-ジメチル-N-[(3R)-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.024)1,3-ジメチル-N-[(3S)-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.025)1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-N-[2′-(トリフルオロメチル)ビフェニル-2-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.026)2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)-N-(1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)ベンズアミド、(2.027)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.028)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(3R)-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.029)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(3S)-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.030)フルインダピル、(2.031)3-(ジフルオロメチル)-N-[(3R)-7-フルオロ-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.032)3-(ジフルオロメチル)-N-[(3S)-7-フルオロ-1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.033)5,8-ジフルオロ-N-[2-(2-フルオロ-4-{[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}フェニル)エチル]キナゾリン-4-アミン、(2.034)N-(2-シクロペンチル-5-フルオロベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.035)N-(2-tert-ブチル-5-メチルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.036)N-(2-tert-ブチルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.037)N-(5-クロロ-2-エチルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.038)イソフルシプラム、(2.039)N-[(1R,4S)-9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.040)N-[(1S,4R)-9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.041)N-[1-(2,4-ジクロロフェニル)-1-メトキシプロパン-2-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.042)N-[2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ベンジル]-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.043)N-[3-クロロ-2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ベンジル]-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.044)N-[5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.045)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-N-[5-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.046)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(2-フルオロ-6-イソプロピルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.047)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(2-イソプロピル-5-メチルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.048)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(2-イソプロピルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボチオアミド、(2.049)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(2-イソプロピルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.050)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-N-(5-フルオロ-2-イソプロピルベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.051)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-N-(2-エチル-4,5-ジメチルベンジル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.052)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-N-(2-エチル-5-フルオロベンジル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.053)N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-N-(2-エチル-5-メチルベンジル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.054)N-シクロプロピル-N-(2-シクロプロピル-5-フルオロベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.055)N-シクロプロピル-N-(2-シクロプロピル-5-メチルベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.056)N-シクロプロピル-N-(2-シクロプロピルベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2.057)ピラプロポイン。
【0189】
3)複合体IIIでの呼吸鎖の阻害薬、例えば(3.001)アメトクトラジン、(3.002)アミスルブロム、(3.003)アゾキシストロビン、(3.004)クメトキシストロビン(coumethoxystrobin)、(3.005)クモキシストロビン、(3.006)シアゾファミド、(3.007)ジモキシストロビン、(3.008)エノキサストロビン、(3.009)ファモキサドン、(3.010)フェンアミドン、(3.011)フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、(3.012)フルオキサストロビン、(3.013)クレソキシム-メチル、(3.014)メトミノストロビン、(3.015)オリサストロビン、(3.016)ピコキシストロビン、(3.017)ピラクロストロビン、(3.018)ピラメトストロビン、(3.019)ピラオキシストロビン、(3.020)トリフロキシストロビン、(3.021)(2E)-2-{2-[({[(1E)-1-(3-{[(E)-1-フルオロ-2-フェニルビニル]オキシ}フェニル)エチリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}-2-(メトキシイミノ)-N-メチルアセトアミド、(3.022)(2E,3Z)-5-{[1-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ}-2-(メトキシイミノ)-N,3-ジメチルペンタ-3-エンアミド、(3.023)(2R)-2-{2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル}-2-メトキシ-N-メチルアセトアミド、(3.024)(2S)-2-{2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル}-2-メトキシ-N-メチルアセトアミド、(3.025)(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[({3-[(イソブチリルオキシ)メトキシ]-4-メトキシピリジン-2-イル}カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート、(3.026)マンデストロビン、(3.027)N-(3-エチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル)-3-ホルムアミド-2-ヒドロキシベンズアミド、(3.028)(2E,3Z)-5-{[1-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ}-2-(メトキシイミノ)-N,3-ジメチルペンタ-3-エンアミド、(3.029)メチル{5-[3-(2,4-ジメチルフェニル)-1H-ピラゾール-1-イル]-2-メチルベンジル}カーバメート、(3.030)メチルテトラプロール、(3.031)フロリルピコキサミド(florylpicoxamid)。
【0190】
4)有糸分裂および細胞分裂の阻害薬、例えば(4.001)カルベンダジム、(4.002)ジエトフェンカルブ、(4.003)エタボキサム、(4.004)フルオピコリド、(4.005)ペンシクロン、(4.006)チアベンダゾール、(4.007)チオファネート-メチル、(4.008)ゾキサミド、(4.009)3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-5-フェニルピリダジン、(4.010)3-クロロ-5-(4-クロロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチルピリダジン、(4.011)3-クロロ-5-(6-クロロピリジン-3-イル)-6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリダジン、(4.012)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.013)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-ブロモ-6-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.014)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-ブロモフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.015)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.016)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-クロロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.017)4-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.018)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.019)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.020)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-クロロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.021)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.022)4-(4-クロロフェニル)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-3,6-ジメチルピリダジン、(4.023)N-(2-ブロモ-6-フルオロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.024)N-(2-ブロモフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(4.025)N-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン。
【0191】
5)多部位作用を有することができる化合物、例えば(5.001)ボルドー液、(5.002)カプタホール、(5.003)キャプタン、(5.004)クロロタロニル、(5.005)水酸化銅、(5.006)ナフテン酸銅、(5.007)酸化銅、(5.008)塩基性塩化銅、(5.009)硫酸銅(2+)、(5.010)ジチアノン、(5.011)ドジン、(5.012)ホルペット、(5.013)マンコゼブ、(5.014)マネブ、(5.015)メチラム、(5.016)メチラム亜鉛、(5.017)オキシン-銅(oxine-copper)、(5.018)プロピネブ、(5.019)硫黄および硫黄剤、例えば多硫化カルシウム、(5.020)チラム、(5.021)ジネブ、(5.022)ジラム、(5.023)6-エチル-5,7-ジオキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3′,4′:5,6][1,4]ジチイノ[2,3-c][1,2]チアゾール-3-カルボニトリル。
【0192】
6)宿主防御可能な化合物、例えば(6.001)アシベンゾラル-S-メチル、(6.002)イソチアニル、(6.003)プロベナゾール、(6.004)チアジニル。
【0193】
7)アミノ酸及び/又はタンパク質の生合成の阻害薬、例えば(7.001)シプロジニル、(7.002)カスガマイシン、(7.003)カスガマイシン塩酸塩水和物、(7.004)オキシテトラサイクリン、(7.005)ピリメタニル、(7.006)3-(5-フルオロ-3,3,4,4-テトラメチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1-イル)キノリン。
【0194】
8)ATP産生の阻害薬、例えば(8.001)シルチオファム。
【0195】
9)細胞壁合成の阻害薬、例えば(9.001)ベンチアバリカルブ、(9.002)ジメトモルフ、(9.003)フルモルフ、(9.004)イプロバリカルブ、(9.005)マンジプロパミド、(9.006)ピリモルフ、(9.007)バリフェナレート、(9.008)(2E)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(2-クロロピリジン-4-イル)-1-(モルホリン-4-イル)プロパ-2-エン-1-オン、(9.009)(2Z)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(2-クロロピリジン-4-イル)-1-(モルホリン-4-イル)プロパ-2-エン-1-オン。
【0196】
10)脂質および膜の合成の阻害薬、例えば(10.001)プロパモカルブ、(10.002)プロパモカルブ塩酸塩、(10.003)トルクロホス-メチル。
【0197】
11)メラニン生合成の阻害薬、例えば(11.001)トリシクラゾール、(11.002)2,2,2-トリフルオロエチル{3-メチル-1-[(4-メチルベンゾイル)アミノ]ブタン-2-イル}カーバメート。
【0198】
12)核酸合成の阻害薬、例えば(12.001)ベナラキシル、(12.002)ベナラキシル-M(キララキシル(kiralaxyl))、(12.003)メタラキシル、(12.004)メタラキシル-M(メフェノキサム)。
【0199】
13)シグナル伝達の阻害薬、例えば(13.001)フルジオキソニル、(13.002)イプロジオン、(13.003)プロシミドン、(13.004)プロキナジド、(13.005)キノキシフェン、(13.006)ビンクロゾリン。
【0200】
14)アンカプラーとして作用し得る化合物、例えば(14.001)フルアジナム、(14.002)メプチルジノカップ。
【0201】
15)さらなる化合物、例えば(15.001)アブシジン酸、(15.002)ベンチアゾール、(15.003)ベトキサジン、(15.004)カプシマイシン(capsimycin)、(15.005)カルボン、(15.006)キノメチオネート、(15.007)クフラネブ、(15.008)シフルフェナミド、(15.009)シモキサニル、(15.010)シプロスルファミド、(15.011)フルチアニル、(15.012)ホセチル-アルミニウム、(15.013)ホセチル-カルシウム、(15.014)ホセチル-ナトリウム、(15.015)メチルイソチオシアネート、(15.016)メトラフェノン、(15.017)ミルディオマイシン、(15.018)ナタマイシン、(15.019)ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、(15.020)ニトロタル-イソプロピル、(15.021)オキサモカルブ(oxamocarb)、(15.022)オキサチアピプロリン、(15.023)オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、(15.024)ペンタクロロフェノール及び塩、(15.025)リン酸およびそれの塩、(15.026)プロパモカルブ-ホセチレート(propamocarb-fosetylate)、(15.027)ピリオフェノン(クラザフェノン(chlazafenone))、(15.028)テブフロキン、(15.029)テクロフタラム、(15.030)トルニファニド、(15.031)1-(4-{4-[(5R)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、(15.032)1-(4-{4-[(5S)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル)-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、(15.033)2-(6-ベンジルピリジン-2-イル)キナゾリン、(15.034)ジピメチトロン(dipymetitrone)、(15.035)2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-[4-(4-{5-[2-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}-1,3-チアゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]エタノン、(15.036)2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-[4-(4-{5-[2-クロロ-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}-1,3-チアゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]エタノン、(15.037)2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-[4-(4-{5-[2-フルオロ-6-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル}-1,3-チアゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]エタノン、(15.038)2-[6-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-5-メチルピリジン-2-イル]キナゾリン、(15.039)2-{(5R)-3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}-3-クロロフェニルメタンスルホネート、(15.040)2-{(5S)-3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}-3-クロロフェニルメタンスルホネート、(15.041)イプフルフェノキン(Ipflufenoquin)、(15.042)2-{2-フルオロ-6-[(8-フルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]フェニル}プロパン-2-オール、(15.043)2-{3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}-3-クロロフェニルメタンスルホネート、(15.044)2-{3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}フェニルメタンスルホネート、(15.045)2-フェニルフェノール及び塩、(15.046)3-(4,4,5-トリフルオロ-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1-イル)キノリン、(15.047)キノフメリン(quinofumelin)、(15.048)4-アミノ-5-フルオロピリミジン-2-オール(互変異体型:4-アミノ-5-フルオロピリミジン-2(1H)-オン)、(15.049)4-オキソ-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]ブタン酸、(15.050)5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール、(15.051)5-クロロ-N′-フェニル-N′-(プロパ-2-イン-1-イル)チオフェン-2-スルホノヒドラジド、(15.052)5-フルオロ-2-[(4-フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン-4-アミン、(15.053)5-フルオロ-2-[(4-メチルベンジル)オキシ]ピリミジン-4-アミン、(15.054)9-フルオロ-2,2-ジメチル-5-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサゼピン、(15.055)ブタ-3-イン-1-イル{6-[({[(Z)-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]ピリジン-2-イル}カーバメート、(15.056)エチル(2Z)-3-アミノ-2-シアノ-3-フェニルアクリレート、(15.057)フェナジン-1-カルボン酸、(15.058)プロピル3,4,5-トリヒドロキシベンゾエート、(15.059)キノリン-8-オール、(15.060)キノリン-8-オールサルフェート(2:1)、(15.061)tert-ブチル{6-[({[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]ピリジン-2-イル}カーバメート、(15.062)5-フルオロ-4-イミノ-3-メチル-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-3,4-ジヒドロピリミジン-2(1H)-オン、(15.063)アミノピリフェン(aminopyrifen)。
【0202】
本明細書において上記の分類(1)~(15)の全ての列挙された混合相手は、遊離化合物及び/又は、官能基によって可能である場合は、それの農業的に許容される塩の形態で存在することができる。
【0203】
式(I)の化合物及び組成物は、1以上の生物農薬と組み合わせることもできる。
【0204】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物と組み合わせることができる生物農薬の例には、次のものがある。
【0205】
(A)下記の群から選択される抗細菌剤:
(A1)細菌、例えば(A1.1)バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、特に株QST713/AQ713(Bayer CropScience LP, USからSERENADE OPTI又はSERENADE ASOとして入手可能、NRRL寄託番号B21661、米国特許第6,060,051号に記載);(A1.2)バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyroliquefaciens)、特には株D747(Certis, USからDouble Nickel(商標名)として入手可能、寄託番号FERMBP-8234、米国特許第7,094,592号に開示);(A1.3)バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、特に株BUF-33(NRRL寄託番号50185);(A1.4)バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)変種アミロリクエファシエンス(Amyroliquefaciens)株FZB24(Novozymes, USからTaegro(登録商標)として入手可能);(A1.5)パエニバチルス(Paenibacillus)株、寄託番号NRRLB-50972又は寄託番号NRRLB-67129、国際特許公開番号WO2016/154297に記載;及び
(A2)真菌、例えば(A2.1)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、特には株DSM14940の出芽胞子;(A2.2)株DSM14941のアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)出芽胞子;(A2.3)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、特には株DSM14940及びDSM14941の出芽胞子の混合物;
(B)下記の群から選択される殺菌剤:
(B1)細菌、例えば(B1.1)バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、特には株QST713/AQ713(Bayer CropScience LP, USからSERENADE OPTI又はSERENADE ASOとして入手可能、NRRL寄託番号B21661、米国特許第6,060,051号に記載);(B1.2)バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、特には株QST2808(Bayer CropScience LP, USからSONATA(登録商標)として入手可能、寄託番号NRRLB-30087、米国特許第6,245,551号に記載);(B1.3)バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、特には株GB34(Bayer AG, DEからYield Shield(登録商標)として入手可能);(B1.4)バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、特には株BUF-33(NRRL寄託番号50185);(B1.5)バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus Amyroliquefaciens)、特には株D747(Certis, USからDouble Nickel(商標名)として入手可能、寄託番号FERMBP-8234、米国特許第7,094,592号に開示);(B1.6)バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)Y1336(Bion-Tec, TaiwanからBIOBAC(登録商標)WPとして入手可能、登録番号4764、5454、5096及び5277下に台湾で生物殺菌剤として登録);(B1.7)バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus Amyroliquefaciens)株MBI600(BASF SEからSUBTILEXとして入手可能);(B1.8)バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)株GB03(Bayer AG, DEからKodiak(登録商標)として入手可能);(B1.9)バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)変種アミロリクエファシエンス(Amyroliquefaciens)株FZB24(殺菌剤TAEGRO(登録商標)又はTAEGRO(登録商標)ECO(EPA登録番号70127-5)としてNovozymes Biologicals Inc., Salem, Virginia又はSyngenta Crop Protection, LLC, Greensboro, North Carolinaから入手可能);(B1.10)バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、分離株J(Certis USAからBmJ TGAI又はWGとして入手可能);(B1.11)バチルス・リチェニホルミス(Bacillus licheniformis)、特には株SB3086(NovozymesからEcoGuard TM Biofungicide及びGreen Releafとして入手可能);(B1.12)パエニバチルス(Paenibacillus)株、寄託番号NRRLB-50972又は寄託番号NRRLB-67129、国際特許公開番号WO2016/154297に記載。
【0206】
一部の実施形態において、当該生物農薬は、フェンギシン(fengycin)若しくはプリパスタチン(plipastatin)型化合物、イツリン型化合物、及び/又はサーファクチン型化合物を産生するバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)又はバチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus Amyroliquefaciens)株である。背景二関しては、次の総覧論文:Ongena, M., et al., ″Bacillus Lipopeptides: Versatile Weapons for Plant Disease Biocontrol, ″Trends in Microbiology, Vol 16, No. 3, March 2008, pp. 115-125を参照する。リポペプチド類を産生する能力を有するバチルス株には、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)QST713(Bayer CropScience LP、USからSERENADE OPTI又はSERENADE ASOとして入手可能、NRRL寄託番号B21661、米国特許第6,060,051号に記載)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus Amyroliquefaciens)株D747(Certis, USからDouble Nickel(商標名)として入手可能、寄託番号FERMBP-8234、米国特許第7,094,592号に開示);バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)MBI600(Becker Underwood, USからSUBTILEX(登録商標)として入手可能、EPA登録番号71840-8);バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)Y1336(Bion-Tec, TaiwanからBIOBAC(登録商標)WPとして入手可能、登録番号4764、5454、5096及び5277下に台湾で生物殺菌剤として登録);バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus Amyroliquefaciens)、特には株FZB42(ABiTEP, DEからRHIZOVITAL(登録商標)として入手可能);及びバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)変種アミロリクエファシエンス(Amyroliquefaciens)FZB24(Novozymes Biologicals Inc., Salem, Virginia又はSyngenta Crop Protection, LLC, Greensboro, North Carolinaから、殺菌剤TAEGRO(登録商標)又はTAEGRO(登録商標)ECO(EPA登録番号70127-5)として入手可能)などがある。
【0207】
(B2)真菌、例えば:(B2.1)コニオチリウム・ミニタンス(Coniothyrium minitans)、特には株CON/M/91-8(寄託番号DSM-9660;例えばBayerからのContans(登録商標));(B2.2)メッシュニコウィア・フルクチコラ(Metschnikowia fructicola)、特には株NRRLY-30752(例えばShemer(登録商標));(B2.3)ミクロスファエロプシス・オクラセア(Microsphaeropsis ochracea)(例えばProphytaからのMicrox(登録商標));(B2.5)トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)、例えばトリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、国際特許出願番号PCT/IT2008/000196に記載の株SC1);(B2.6)トリコデルマ・ハルジアヌム・リファイ(Trichoderma harzianum rifai)株KRL-AG2(株T-22としても知られる、/ATCC208479、例えばPLANTSHIELDT-22G、Rootshield(登録商標)、及びBioWorks, USからのTurfShield);(B2.14)グリオクラジウム・ロセウム(Gliocladium roseum)、W. F. Stoneman Company LLCからの株321U;(B2.35)タラロミセス・フラブス(Talaromyces flavus)、株V117b;(B2.36)トリコデルマ・アスペレルム(IsagroからのTrichoderma asperellum)、株ICC012;(B2.37)トリコデルマ・アスペレルム(IsagroからのTrichoderma asperellum)、株SKT-1(例えばKumiai Chemical IndustryからのECO-HOPE(登録商標));(B2.38)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株CNCMI-1237(例えばAgrauxine, FRからのEsquive(登録商標)WP);(B2.39)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株番号V08/002387;(B2.40)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株NMI番号V08/002388;(B2.41)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株NMI番号V08/002389;(B2.42)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株NMI番号V08/002390;(B2.43)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株LC52(例えばAgrimm Technologies LimitedによるTenet);(B2.44)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株ATCC20476(IMI206040);(B2.45)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株T11(IMI352941/CECT20498);(B2.46)トリコデルマ・ハルマツム(Trichoderma harmatum);(B2.47)トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum);(B2.48)トリコデルマ・ハルジアヌム・リファイ(Trichoderma harzianum rifai)T39(例えばMakhteshim, USからのTrichodex(登録商標));(B2.49)トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、特には株KD(例えば Biological Control Products, SAからのTrichoplus(Becker Underwoodによって取得));(B2.50)トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、株ITEM908 (例えばKoppertからの Trianum-P);(B2.51)トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、株TH35 例えばMycontrolによるRoot-Pro);(B2.52)トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens)(Gliocladium virensとしても知られる)、特には株GL-21(例えばCertis, USによる SoilGard12G);(B2.53)Trichoderma viride、株TV1(例えばKoppertによるTrianum-P);(B2.54)アムペロミセス・クイスクアリス(Ampelomyces quisqualis)、特には株AQ10(例えばIntrachem Bio ItaliaによるAQ10(登録商標));(B2.56)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、特には株DSM14940の出芽胞子;(B2.57)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、特には株DSM14941の出芽胞子;(B2.58)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、特には株DSM14940及びDSM14941の出芽胞子の混合物(例えばbio-ferm, CHによるBotector(登録商標));(B2.64)クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)、株H39(Stichting Dienst Landbouwkundig Onderzoekによる);(B2.69)グリオクラジウム・カテヌラツム(Gliocladium catenulatum)(同義語:クロノスタキス・ロセア・f・カテヌラテ(Clonostachys rosea f. catenulate))株J1446(例えばAgBio Inc.によるPrestop (登録商標)、さらには例えばKemira Agro OyによるPrimastop(登録商標));(B2.70)レカニシリウム・レカニイ(Lecanicillium lecanii)(以前は、ベルチシリウム・レカニイ(Verticillium lecanii)と称された)株KV01の分生子(例えばKoppert/ArystaによるVertalec(登録商標));(B2.71)ペニシリウム・ベルミクラツム(Penicillium vermiculatum);(B2.72)ピチア・アノマラ(Pichia anomala)、株WRL-076(NRRL Y-30842);(B2.75)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株SKT-1 (FERM P-16510); (B2.76)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株SKT-2 (FERM P-16511); (B2.77)トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、株SKT-3 (FERM P-17021); (B2.78) トリコデルマ・ガムシル(Trichoderma gamsii)(以前は、T.ビリデ(T. viride))、株ICC080(IMI CC 392151 CABI、例えばAGROBIOSOL DE MEXICO, S.A. DE C.V.によるBioDerma);(B2.79)トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)株DB 103(例えば、Dagutat BiolabによるT-Gro 7456);(B2.80)トリコデルマ・ポリスポルム(Trichoderma polysporum)、株IMI206039(例えばBINAB Bio-Innovation AB, SwedenによるBinab TF WP);(B2.81)トリコデルマ・ストロマチクム(Trichoderma stromaticum)(例えば、Ceplac, BrazilによるTricovab);(B2.83)ウロクラジウム・オウデマンシイ(Ulocladium oudemansii)、特には株HRU3(例えばBotry-Zen Ltd, NZによるBotry-Zen(登録商標));(B2.84)ベルチシリウム・アルボ-アトルム(Verticillium albo-atrum)(以前は、V.ダーリアエ(V. dahliae))、株WCS850(CBS276.92;例えばTree Care InnovationsによるDutch Trig);(B2.86)ベルチシリウム・クラミドスポリウム(Verticillium chlamydosporium);(B2.87)トリコデルマ・アスペレルム(Trichoderma asperellum)株ICC 012及びトリコデルマ・ガムシイ(Trichoderma gamsii)株ICC080(例えばBayer CropScience LP, USからのBIO-TAM(商標名)として知られる製品)の混合物。
【0208】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物と組み合わせることができる生物農薬のさらなる例は、次のものである。
【0209】
バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、特に、バチルス・セレウス(B. cereus)株CNCM I-1562及びバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)株I-1582(受託番号CNCM I-1582)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)株OST 30002(受託番号NRRL B-50421)、バチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、特に、バチルス・ツリンギエンシス 亜種 イスラエレンシス(B. thuringiensis subspecies israelensis)(血清型H-14)、株AM65-52(受託番号ATCC 1276)、バチルス・ツリンギエンシス 亜種 アイザワイ(B. thuringiensis subsp. aizawai)、特に、株ABTS-1857(SD-1372)、バチルス・ツリンギエンシス 亜種 クルスタキ(B. thuringiensis subsp. kurstaki)株HD-1、バチルス・ツリンギエンシス 亜種 テネブリオニス(B. thuringiensis subsp. tenebrionis)株NB 176(SD-5428)、パステウリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)、パステウリア属種(Pasteuria spp.)(ロチレンクルス・レニホルミス(Rotylenchulus reniformis)線虫)-PR3(受託番号ATCC SD-5834)、ストレプトミセス・ミクロフラブス(Streptomyces microflavus)株AQ6121(=QRD 31.013、NRRL B-50550)、及びストレプトミセス・ガルブス(Streptomyces galbus)株AQ 6047(受託番号NRRL 30232)からなる群から選択される細菌;
ベアウベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)、特に、株ATCC 74040、レカニシリウム属種(Lecanicillium spp.)、特に、株HRO LEC 12、メタリジウム・アニソプリアエ(Metarhizium anisopliae)、特に、株F52(DSM3884又はATCC 90448)、パエシロミセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)(現在:イサリア・フモソロセア(Isaria fumosorosea))、特に、株IFPC 200613又は株Apopka 97(受託番号ATCC 20874)、及びパエシロミセス・リラシヌス(Paecilomyces lilacinus)、特に、パエシロミセス・リラシヌス(P. lilacinus)株251(AGAL 89/030550)からなる群から選択される真菌類及び酵母類;
リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)顆粒病ウイルス(GV)、コドリンガ(Cydia pomonella)顆粒病ウイルス(GV)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)核多角体病ウイルス(NPV)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)mNPV、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)mNPV、及びエジプトヨトウ(Spodoptera littoralis)(African cotton leafworm)NPVからなる群から選択されるウィルス;
植物又は植物の部分又は植物の器官に対して「接種源」として加えることができ、それらの特定に特性によって植物の成長及び植物の健康を増進する細菌類及び真菌類。
【0210】
アグロバクテリウム属種(Agrobacterium spp.)、アゾリゾビウム・カウリノダンス(Azorhizobium caulinodans)、アゾスピリルム属種(Azospirillum spp.)、アゾトバクテル属種(Azotobacter spp.)、ブラジリゾビウム属種(Bradyrhizobium spp.)、ブルクホルデリア属種(Burkholderia spp.)、特に、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)(以前は、プセウドモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)として知られていた)、ギガスポラ属種(Gigaspora spp.)又はギガスポラ・モノスポルム(Gigaspora monosporum)、グロムス属種(Glomus spp.)、ラッカリア属種(Laccaria spp.)、ラクトバチルス・ブクネリ(Lactobacillus buchneri)、パラグロムス属種(Paraglomus spp.)、ピソリツス・チンクトルス(Pisolithus tinctorus)、プセウドモナス属種(Pseudomonas spp.)、リゾビウム属種(Rhizobium spp.)、特に、リゾビウム・トリホリイ(Rhizobium trifolii)、リゾポゴン属種(Rhizopogon spp.)、スクレロデルマ属種(Scleroderma spp.)、スイルス属種(Suillus spp.)、及びストレプトミセス(Streptomyces spp.)がある。
【0211】
生物農薬として使用可能な、植物抽出物及び微生物によって形成される産生物(これは、タンパク質及び二次代謝産物を包含する)、例えば、ニンニク(Allium sativum)、ニガヨモギ(Artemisia absinthium)、アザジラクチン(azadirachtin)、Biokeeper WP、カッシア・ニグリカンス(Cassia nigricans)、セラストルス・アングラツス(Celastrus angulatus)、アメリカアリタソウ(Chenopodium anthelminticum)、キチン、Armour-Zen、セイヨウオシダ(Dryopteris filix-mas)、スギナ(Equisetum arvense)、Fortune Aza、Fungastop、Heads Up(キノア(Chenopodium quinoa)サポニン抽出物)、除虫菊(Pyrethrum)/ピレトリン類、スリナムニガキ(Quassia amara)、コナラ属(Quercus)、キラヤ属(Quillaja)、Regalia、(「Requiem(商標名)Insecticide」)、ロテノン、リアニア/リアノジン、ヒレハリソウ(Symphytum officinale)、ヨモギギク(Tanacetum vulgare)、チモール、Triact 70、TriCon、キンレンカ(Tropaeulum majus)、セイヨウイラクサ(Urtica dioica)、Veratrin、セイヨウヤドリギ(Viscum album)、アブラナ科(Brassicaceae)抽出物、特に、ナタネ粉末又はカラシナ粉末。
【0212】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物と混合できると考えられる殺虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤、それぞれの例は、次の通りである。
【0213】
(1)アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬、例えば、カーバメート系、例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC、及び、キシリルカルブ;又は、有機リン酸エステル系、例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、ジメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、O-(メトキシアミノチオホスホリル)サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン-メチル、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、及び、バミドチオン;
(2)GABA依存性塩化物チャンネル遮断薬、例えば、シクロジエン有機塩素系、例えば、クロルダン、及び、エンドスルファン;又は、フェニルピラゾール系(フィプロール系)、例えば、エチプロール、及び、フィプロニル;
(3)ナトリウムチャンネル調節剤、例えば、ピレスロイド系、例えば、アクリナトリン、アレスリン、d-シス-トランスアレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリンs-シクロペンテニル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体]、デルタメトリン、エムペントリン[(EZ)-(1R)異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、カデトリン、モンフルオロトリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス異性体]、プラレトリン、ピレトリン類(除虫菊(pyrethrum))、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン、テトラメトリン[(1R)異性体]、トラロメトリン、及び、トランスフルトリン;又は、DDT;又は、メトキシクロル;
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)競争的調節剤、例えば、ネオニコチノイド系、例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、及び、チアメトキサム;又は、ニコチン;又は、スルホキサフロル若しくはフルピラジフロン;
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリック調節剤、例えば、スピノシン系、例えば、スピネトラム、及び、スピノサド;
(6)グルタミン酸依存性塩化物チャンネル(GluCl)アロステリック調節剤、例えば、アベルメクチン系/ミルベマイシン系、例えば、アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン、及び、ミルベメクチン;
(7)幼若ホルモン模倣剤、例えば、幼若ホルモン類似体、例えば、ハイドロプレン、キノプレン、及び、メトプレン;又は、フェノキシカルブ;又は、ピリプロキシフェン;
(8)各種非特異的(多部位)阻害剤、例えば、ハロゲン化アルキル系、例えば、臭化メチル、及び、別のハロゲン化アルキル、又はクロロピクリン、又はフッ化スルフリル、又はホウ砂、又は吐酒石、又はメチルイソシアネート発生剤、例えばダゾメット(diazomet)及びメタム;
(9)弦音器官調節剤、例えばピメトロジン又はフロニカミド;
(10)ダニ成長阻害薬、例えば、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、及び、ジフロビダジン;又は、エトキサゾール;
(11)昆虫腸膜の微生物ディスラプター、例えば、バシルス・ツリンギエンシス・亜種・イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis subspecies israelensis)、バシルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バシルス・ツリンギエンシス・亜種・アイザワイ(Bacillus thuringiensis subspecies aizawai)、バシルス・ツリンギエンシス・亜種・クルスタキ(Bacillus thuringiensis subspecies kurstaki)、バシルス・ツリンギエンシス・亜種・テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subspecies tenebrionis)、及び、Bt植物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry1A.105、Cry2Ab、Vip3A、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34Ab1/35Ab1;又は
(12)ミトコンドリアATPシンターゼの阻害薬、例えば、ATPディスラプター、例えばジアフェンチウロン;又は、有機スズ化合物、例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、及び、酸化フェンブタスズ;又は、プロパルギット;又は、テトラジホン;
(13)プロトン勾配破壊による酸化的リン酸化の脱共役剤、例えば、クロルフェナピル、DNOC、及び、スルフルラミド;
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネル遮断剤、例えば、ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、チオシラム(thiocylam)、及び、チオスルタップ-ナトリウム;
(15)キチン生合成の阻害薬(タイプ0)、例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、及び、トリフルムロン;
(16)キチン生合成の阻害薬(タイプ1)、例えば、ブプロフェジン;
(17)脱皮ディスラプター(特に、双翅目、即ち双翅類の場合)、例えば、シロマジン;
(18)エクジソン受容体作動薬、例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、及び、テブフェノジド;
(19)オクトパミン受容体作動薬、例えば、アミトラズ;
(20)ミトコンドリア複合体III電子伝達阻害薬、例えば、ヒドラメチルノン;又は、アセキノシル;又は、フルアクリピリム;
(21)ミトコンドリア複合体I電子伝達阻害薬、例えば、METI殺ダニ剤の群からのもの、例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、及び、トルフェンピラド;又は、ロテノン(Derris);
(22)電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬、例えば、インドキサカルブ;又は、メタフルミゾン;
(23)アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害薬、例えば、テトロン酸誘導体及びテトラミン酸誘導体、例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、及び、スピロテトラマト;
(24)ミトコンドリア複合体IV電子伝達阻害薬、例えば、ホスフィン系、例えば、リン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィン、及び、リン化亜鉛;又は、シアン化物、例えば、シアン化カルシウム、シアン化カリウム及びシアン化ナトリウム;
(25)ミトコンドリア複合体II電子伝達阻害薬、例えば、β-ケトニトリル誘導体、例えばシエノピラフェン及びシフルメトフェン、並びにカルボキシアニリド類、例えばピフルブミド;
(28)リアノジン受容体調節剤、例えば、ジアミド系、例えば、クロラントラニリプロール、シアントラニルプロール、及び、フルベンジアミド;
さらなる活性化合物、例えば、アフィドピロペン、アフォキソレイナー、アザジラクチン、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロフラニリド、ブロモプロピレート、キノメチオナート、クロロプラレトリン(Chloroprallethrin)、氷晶石(Cryolite)、シクラニリプロール、シクロキサプリド、シハロジアミド(Cyhalodiamide)、ジクロロメゾチアズ、ジコホル、ε-メトフルトリン(epsilon Metofluthrin)、ε-モムフルトリン(epsilon Momfluthrin)、フロメトキン、フルアザインドリジン、フルエンスルホン、フルフェネリム、フルフェノキシストロビン、フルフィプロール、フルヘキサホン(Fluhexafon)、フルオピラム、フルララネル、フルキサメタミド、フフェノジド(Fufenozide)、グアジピル、ヘプタフルトリン、イミダクロチズ、イプロジオン、κ-ビフェントリン、κ-テフルトリン、ロチラネル(Lotilaner)、メペルフルトリン、パイコングディング(Paichongding)、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、スピロブジクロフェン(Spirobudiclofen)、テトラメチルフルトリン、テトラニリプロール、テトラクロルアントラニリプロール(Tetrachlorantraniliprole)、チゴラネル(Tigolaner)、チオキサザフェン、チオフルオキシメート(Thiofluoximate)、トリフルメゾピリム(Triflumezopyrim)及び、ヨードメタン;さらには、バシルス・フィルムス(Bacillus firmus)に基づく調製物(I-1582, BioNeem, Votivo)、さらには以下の化合物:1-{2-フルオロ-4-メチル-5-[(2,2,2-トリフルオロエチル)スルフィニル]フェニル}-3-(トリフルオロメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-アミン(WO2006/043635から公知)(CAS 885026-50-6)、{1′-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-イル]-5-フルオロスピロ[インドール-3,4′-ピペリジン]-1(2H)-イル}(2-クロロピリジン-4-イル)メタノン(WO2003/106457から公知)(CAS 637360-23-7)、2-クロロ-N-[2-{1-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-イル]ピペリジン-4-イル}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]イソニコチンアミド(WO2006/003494から公知)(CAS 872999-66-1)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシ-8-メトキシ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-2-オン(WO2010052161から公知)(CAS 1225292-17-0)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-2-オキソ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-4-イルエチルカーボネート(EP2647626から公知)(CAS-1440516-42-6)、4-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-6-(3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)-5-フルオロピリミジン(WO2004/099160から公知)(CAS 792914-58-0)、PF1364(JP2010/018586から公知)(CAS 1204776-60-2)、N-[(2E)-1-[(6-クロロピリジン-3-イル)メチル]ピリジン-2(1H)-イリデン]-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(WO2012/029672から公知)(CAS 1363400-41-2)、(3E)-3-[1-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-2-ピリジリデン]-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オン(WO2013/144213から公知)(CAS 1461743-15-6)、N-[3-(ベンジルカルバモイル)-4-クロロフェニル]-1-メチル-3-(ペンタフルオロエチル)-4-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2010/051926から公知)(CAS 1226889-14-0)、5-ブロモ-4-クロロ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-(メチルカルバモイル)フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)ピラゾール-3-カルボキサミド(CN103232431から公知)(CAS 1449220-44-3)、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(シス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(トランス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド及び4-[(5S)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(シス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド(WO2013/050317A1から公知)(CAS 1332628-83-7)、N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミド、(+)-N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミド及び(-)-N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミド(WO2013/162715A2、WO2013/162716A2、US2014/0213448A1から公知)(CAS 1477923-37-7)、5-[[(2E)-3-クロロ-2-プロペン-1-イル]アミノ]-1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル(CN101337937Aから公知)(CAS 1105672-77-2)、3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)チオキソメチル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、(Liudaibenjiaxuanan、CN103109816Aから公知)(CAS 1232543-85-9);N-[4-クロロ-2-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]-6-メチルフェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-3-(フルオロメトキシ)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2012/034403A1から公知)(CAS 1268277-22-0)、N-[2-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-クロロ-6-メチルフェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2011/085575A1から公知)(CAS 1233882-22-8)、4-[3-[2,6-ジクロロ-4-[(3,3-ジクロロ-2-プロペン-1-イル)オキシ]フェノキシ]プロポキシ]-2-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン(CN101337940Aから公知)(CAS 1108184-52-6);(2E)-及び2(Z)-2-[2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-N-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]ヒドラジンカルボキサミド(CN101715774Aから公知)(CAS 1232543-85-9);3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチル-4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)フェニル-シクロプロパンカルボン酸エステル(CN103524422Aから公知)(CAS 1542271-46-4);(4aS)-7-クロロ-2,5-ジヒドロ-2-[[(メトキシカルボニル)[4-[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル]アミノ]カルボニル]インデノ[1,2-e][1,3,4]オキサジアジン-4a(3H)-カルボン酸メチルエステル(CN102391261Aから公知)(CAS 1370358-69-2);6-デオキシ-3-O-エチル-2,4-ジ-O-メチル-1-[N-[4-[1-[4-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ)フェニル]-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]カーバメート]-α-L-マンノピラノース(US2014/0275503A1から公知)(CAS 1181213-14-8);8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチル-フェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチル-ピリダジン-3-イル)-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS 1253850-56-4)、(8-アンチ)-8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチル-フェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチル-ピリダジン-3-イル)-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS 933798-27-7)、(8-シン)-8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチルピリダジン-3-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(WO2007040280A1、WO2007040282A1から公知)(CAS 934001-66-8)及びN-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)チオ]プロパンアミド(WO2015/058021A1、WO2015/058028A1から公知)(CAS 1477919-27-9)及びN-[4-(アミノチオキソメチル)-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(CN103265527Aから公知)(CAS1452877-50-7)、5-(1,3-ジオキサン-2-イル)-4-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]-ピリミジン(WO2013/115391A1から公知)(CAS1449021-97-9)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシ-8-メトキシ-1-メチル-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-2-オン(WO2010/066780A1、WO2011/151146A1から公知)(CAS1229023-34-0)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン(WO2014/187846A1から公知)(CAS1638765-58-8)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-2-オキソ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-4-イル-炭酸エチルエステル(WO2010/066780A1、WO2011151146A1から公知)(CAS1229023-00-0)、N-[1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2(1H)-ピリジニリデン]-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド(DE3639877A1、WO2012029672A1から公知)(CAS1363400-41-2)、[N(E)]-N-[1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2(1H)-ピリジニリデン]-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド(WO2016005276A1から公知)(CAS1689566-03-7)、[N(Z)]-N-[1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2(1H)-ピリジニリデン]-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド、(CAS1702305-40-5)、3-エンド-3-[2-プロポ
キシ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-9-[[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ]-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン(WO2011/105506A1、WO2016/133011A1から公知)(CAS1332838-17-1)。
【0214】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物と混合することができると考えられる薬害軽減剤の例は、例えば、ベノキサコール、クロキントセット(-メキシル)、シオメトリニル、シプロスルファミド、ジクロルミド、フェンクロラゾール(-エチル)、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン(-エチル)、メフェンピル(-ジエチル)、ナフタル酸無水物、オキサベトリニル、2-メトキシ-N-({4-[(メチルカルバモイル)アミノ]フェニル}スルホニル)ベンズアミド(CAS 129531-12-0)、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン(CAS 71526-07-3)、2,2,5-トリメチル-3-(ジクロロアセチル)-1,3-オキサゾリジン(CAS 52836-31-4)である。
【0215】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物と混合することができると考えられる除草剤の例は、次のものである。
【0216】
アセトクロル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム、アクロニフェン、アラクロール、アリドクロル、アロキシジム、アロキシジム-ナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メチルフェニル)-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸、アミノシクロピラクロル、アミノシクロピラクロル-カリウム、アミノシクロピラクロル-メチル、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アンシミドール、アニロホス、アスラム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン-エチル、ベンフルラリン、ベンフレサート、ベンスルフロン、ベンスルフロン-メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナプ、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホス-ナトリウム、ビスピリバク、ビスピリバク-ナトリウム、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロモキシニル-ブチレート、-カリウム、-ヘプタノエート、及び-オクタノエート、ブソキシノン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロル、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロランベン、クロルブロムロン、クロルフェナク、クロルフェナク-ナトリウム、クロルフェンプロップ、クロルフルレノール、クロルフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン-エチル、クロロフタリム、クロロトルロン、クロルタル-ジメチル、クロルスルフロン、シニドン、シニドン-エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クラシホス(clacyfos)、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロランスラム、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクロエート、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、シプラジン、2,4-D、2,4-D-ブトチル、-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-ジオールアミン、-エチル、-2-エチルヘキシル、-イソブチル、-イソオクチル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウム、-トリイソプロパノールアンモニウム及び-トロールアミン、2,4-DB、2,4-DB-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-イソオクチル、-カリウム及び-ナトリウム、ダイムロン(ジムロン)、ダラポン、ダゾメット、n-デカノール、デスメジファム、デスメトリン、デトシル-ピラゾラート(DTP)、ジカンバ、ジクロベニル、2-(2,4-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、2-(2,5-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、ジクロホップ-P-メチル、ジクロスラム、ジフェンゾクアット、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ジクアット、ジクアットジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エンドタル、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメツルフロン、エタメツルフロン-メチル、エチオジン、エトフメサート、エトキシフェン、エトキシフェン-エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F-9600、F-5331、即ちN-[2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3-フルオロプロピル)-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-テトラゾール-1-イル]-フェニル]-エタンスルホンアミド、F-7967、即ち3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサスルホン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラムプロップ、フラムプロップ-M-イソプロピル、フラムプロップ-M-メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、フルカルバゾン、フルカルバゾン-ナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルメツラム、フルミクロラク、フルミクロラク-ペンチル、フルミオキサジン、フロオメツロン、フルレノール、フルレノール-ブチル、-ジメチルアンモニウム及び-メチル、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フルプロパナート(flupropanate)、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル-メプチル、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット-メチル、ホメサフェン、ホメサフェン-ナトリウム、ホラムスルフロン、ホサミン、グルホシナート、グルホシナート-アンモニウム、グルホシナート-P-ナトリウム,グルホシナート-P-アンモニウム、グルホシナート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-アンモニウム、-イソプロピルアンモニウム、-ジアンモニウム、-ジメチルアンモニウム、-カリウム、-ナトリウム及び-トリメシウム、H-9201、即ちO-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル)-O-エチルイソプロピルホスホルアミドチオエート、ハロウキシフェン、ハロウキシフェン-メチル、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、ヘキサジノン、HW-02、即ち(2,4-ジクロルフェノキシ)酢酸1-(ジメトキシホスホリル)-エチル、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザモックス-アンモニウム、イマザピック、イマザピック-アンモニウム、イマザピル、イマザピル-イソプロピルアンモニウム、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマゼタピル、イマゼタピル-アンモニウム、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、イオキシニル、イオキシニル-オクタノエート、-カリウム、及び-ナトリウム、イプフェンカルバゾン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、カルブチラート、KUH-043、即ち3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リヌロン、MCPA-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウム及び-ナトリウム、MCPB、MCPB-メチル、-エチル及び-ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ-ナトリウム及び-ブトチル、メコプロップ-P、メコプロップ-P-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル及び-カリウム、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メソトリオン、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾスルフロン、メタベンズチアズロン、メチオピリスルフロン(methiopyrisulfuron)、メチオゾリン、メチルイソチオシアナート、メトブロムロン、メトラクロール、S-メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メツルフロン、メツルフロン-メチル、モリネート、モノリヌロン、モノスルフロン、モノスルフロンエステル類、MT-5950、即ちN-(3-クロロ-4-イソプロピルフェニル)-2-メチルペンタンアミド、NGGC-011、ナプロパミド、NC-310、即ち[5-(ベンジルオキシ)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル](2,4-ジクロロフェニル)メタノン、ネブロン、ニコスルフロン、ノナン酸(ペラルゴン酸)、ノルフルラゾン、オレイン酸(脂肪酸)、オルベンカルブ、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラコート、パラコートジクロリド、ペブレート、ペンジメタリン、ペノキススラム、ペンタノクロロフェノール、ペントキサゾン、ペトキサミド、石油、フェンメジファム、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾリナート(ピラゾラート)、ピラゾスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ(pyribambenz)、ピリバムベンズ-イソプロピル、ピリバムベンズ-プロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダホール、ピリダート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム(pyroxsulam)、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、SL-261、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、SYN-523、SYP-249、即ち5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロ安息香酸1-エトキシ-3-メチル-1-オキソブト-3-エン-2-イル、SYP-300、即ち1-[7-フルオロ-3-オキソ-4-(プロプ-2-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル]-3-プロピル-2-チオキソイミダゾリジン-4,5-ジオン、2,3,6-TBA、TCA(トリクロロ酢酸)、TCA-ナトリウム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブカルブ、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロール、チアゾピル、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカルブ、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアラート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリクロピル、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン-ナトリウム、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン(tritosulfuron)、硫酸尿素、ベルノレート、XDE-848、ZJ-0862、即ち3,4-ジクロロ-N-{2-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリンであり、下記の化合物もある。
【化33】
【0217】
植物成長調節剤の例には、次のものがある。
【0218】
アシベンゾラル、アシベンゾラル-S-メチル、5-アミノレブリン酸、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノリド、カテキン、クロロメクワットクロライド、クロプロップ、シクラニリド、3-(シクロプロプ-1-エンイル)プロピオン酸、ダミノジド、ダゾメット、n-デカノール、ジケグラック、ジケグラック-ナトリウム、エンドタール、エンドタール-二カリウム、-二ナトリウム及び-モノ(N,N-ジメチルアルキルアンモニウム)、エテホン、フルメトラリン、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルルプリミドール、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸(IAA)、4-インドール-3-イル酪酸、イソプロチオラン、プロベナゾール、ジャスモン酸、マレイン酸ヒドラジド、メピコートクロライド、1-メチルシクロプロペン、ジャスモン酸メチル、2-(1-ナフチル)アセトアミド、1-ナフチル酢酸、2-ナフチルオキシ酢酸、ニトロフェノレート混合物、パクロブトラゾール、N-(2-フェニルエチル)-β-アラニン、N-フェニルフタルアミド酸、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン-カルシウム、プロヒドロジャスモン、サリチル酸、ストリゴラクトン、テクナゼン、チジアズロン、トリアコンタノール、トリネキサパック、トリネキサパック-エチル、チトデフ(tsitodef)、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P。
【0219】
方法及び使用
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、強力な殺菌活性及び/又は植物防御調節能力を有する。それらは、望ましくない微生物、例えば望ましくない真菌、卵菌類及び細菌を防除するのに用いることができる。それらは、本明細書において下記でより詳細に説明するように、作物保護(それらは、植物病害の引き起こす微生物を防除する。)において、又は材料保護(例えば、工業材料、材木、貯蔵物)のために特に有用である。より具体的には、式(I)の化合物及びそれを含む組成物を用いて、種子、発芽種子、出芽苗、植物、植物部分、果実,収穫物及び/又は植物が成長する土壌を、望ましくない微生物から保護するのに用いることができる。
【0220】
本明細書で使用される「防除」又は「防除する」は、望ましくない微生物の保護的、治療的及び根絶処理を包含する。望ましくない微生物は、病原性細菌、病原性ウィルス、病原性卵菌又は病原性真菌、より具体的には植物病原性細菌、植物病原性ウィルス、植物病原性卵菌又は植物病原菌であることができる。本明細書で下記に詳細に説明するように、これらの植物病原性微生物は、広いスペクトルの植物病害の病原体である。
【0221】
より具体的には、式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、殺菌剤として用いることができる。本明細書に関して、「殺菌剤」という用語は、作物保護において、望ましくない真菌、例えばネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)の防除に及び/又は卵菌類(Oomycetes)の防除に用いることができる。
【0222】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、殺細菌剤としても有用であり得る。特に、それらは、作物保護において、例えば望ましくない細菌、例えばシュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、キサントモナス科(Xanthomonadaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)およびストレプトミセス科(Streptomycetaceae)の防除に用いることができる。
【0223】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、作物保護において抗ウィルス剤として用いることもできる。例えば、式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、植物ウィルス、例えばタバコモザイクウィルス(TMV)、タバコ茎えそウイルス、タバコ矮化ウイルス(TStuV)、トマト葉巻ウイルス(VLCV)、タバコネルビリアモザイクウィルス(tobacco nervilia mosaic virus)(TVBMV)、タバコえそ萎縮ウィルス(TNDV)、タバコ条斑病ウイルス(TSV)、ジャガイモXウィルス(PVX)、ジャガイモY、S、M、及びAウィルス、ジャガイモオークモザイクウイルス(PAMV)、ジャガイモモップトップウイルス(PMTV)、ジャガイモ葉巻ウイルス(PLRV)、アルファルファモザイクウイルス(AMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)、キュウリ緑斑モザイクウィルス(CGMMV)、キュウリ黄化ウイルス(CuYV)、スイカモザイクウイルス(WMV)、トマト黄化えそウイルス(TSWV)、トマトリングスポットウイルス(TomRSV)、サトウキビモザイクウイルス(SCMV)、イネ萎縮ウイルス、ライスストライプウイルス、イネくろすじ萎縮ウイルス、イチゴ斑紋ウイルス(SMoV)、イチゴ静脈バンディングウイルス(SVBV)、イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)、イチゴクリンクルウイルス(SCrV)、ソラマメウイルトウイルス(broad beanwilt virus)(BBWV)、及びメロンえそ斑点ウイルス(MNSV)からの病害に対して効果を有し得る。
【0224】
本発明は、望ましくない植物病原性微生物、例えば望ましくない真菌、卵菌及び細菌の防除方法であって、少なくとも一つの式(I)の化合物若しくはそれを含む組成物を、当該微生物及び/又はそれの生息場所(植物、植物部分、種子、果実に、又は植物が成長する土壌に)に施用する段階を含む方法に関するものでもある。
【0225】
代表的には、式(I)の化合物若しくはそれを含む組成物を植物病原菌及び/又は植物病原性卵菌の治療的又は保護的防除方法で使用する場合、それの有効且つ植物適合性量を、植物、植物部分、果実、種子、又は植物が成長する土壌若しくは基質に施用する。植物を栽培するのに用いることができる好適な基質には、無機系基質、例えばミネラルウール、特にはストーンウール、パーライト、砂又は砂利;有機基質、例えば泥炭、松樹皮又はおがくず;及び石油系基質、例えば高分子発泡体又はプラスチックビーズなどがある。有効且つ植物適合性量は、耕作地に存在するかそこで見られる可能性が高い真菌を防除又は破壊するのに十分であり、その作物において植物毒性の感知可能な症状を伴わない量を意味する。そのような量は、防除される真菌、作物の種類、作物の成長段階、気候条件及び使用される個々の式(I)の化合物若しくは使用される組成物に応じて、広い範囲内で変動可能である。この量は、当業者の能力の範囲内である系統的圃場試験によって決定することができる。
【0226】
植物及び植物部分
式(I)の化合物若しくはそれを含む組成物は、あらゆる植物又は植物部分に適用することができる。
【0227】
植物は、所望及び非所望の野生植物若しくは作物植物(天然作物植物など)などの全ての植物及び植物群を意味する。作物植物は、従来の育種及び至適化法によって、又はバイオテクノロジー法及び遺伝子工学法又はこれらの方法の組み合わせ、例えば遺伝子組換え植物(GMO又はトランスジェニック植物)並びに植物育種家の権利によって保護可能及び保護できない植物栽培品種によって得ることができる植物であることができる。
【0228】
遺伝子組み換え植物(GMO)
遺伝子組み換え植物(GMO又はトランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定に組み込まれている植物である。「異種遺伝子」という表現は本質的に、植物外で提供又はアセンブルされる遺伝子、核に導入された場合は、葉緑体ゲノム又はミトコンドリアゲノムを意味する。この遺伝子は、対象となるタンパク質若しくはポリペプチドを発現することで、又はその植物に存在する他の遺伝子を低下又はサイレンシングすることにより(例えば、アンチセンス技術、共抑制技術、RNA干渉-RNAi-技術又はマイクロRNA-miRNA-技術を用いる)、新たな若しくは改善された農学的その他の特性を、形質転換植物に与える。ゲノム中に存在する異種遺伝子は、同様にトランス遺伝子と呼ばれる。植物のゲノム中でのそれの特定の位置によって定義されるトランス遺伝子は、形質転換またはトランスジェニック事象と呼ばれる。
【0229】
植物品種は、新規な特性(「形質」)を有し、従来の品種改良、突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた植物を意味するものと理解すべきである。これらは、栽培品種、生物型又は遺伝子型であることができる。
【0230】
植物部分は、芽、葉、針葉、茎、幹、花、子実体、果実、種子、根、塊茎及び地下茎のような、地上及び地下の植物のあらゆる部分及び器官を意味するものと理解される。植物部分には、収穫物並びに栄養増殖物及び生殖増殖物、例えば、苗木、塊茎、地下茎、切り枝及び種子などもある。
【0231】
本明細書に記載の方法に従って処理可能な植物には、次のもの:ワタ、アマ、ブドウの木、果実、野菜、例えば、バラ科属種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、サクラの木、アーモンド及びモモ、並びに、小果樹、例えば、イチゴ)、リベシオイダエ科属種(Ribesioidae sp.)、クルミ科属種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科属種(Betulaceae sp.)、ウルシ科属種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科属種(Fagaceae sp.)、クワ科属種(Moraceae sp.)、モクセイ科属種(Oleaceae sp.)、マタタビ科属種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科属種(Lauraceae sp.)、バショウ科属種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテーション)、アカネ科属種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科属種(Theaceae sp.)、アオギリ科属種(Sterculiceae sp.)、ミカン科属種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ)、ナス科属種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト)、ユリ科属種(Liliaceae sp.)、キク科属種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、セリ科属種(Umbelliferae sp.)、アブラナ科属種(Cruciferae sp.)、アカザ科属種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ科属種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ)、ネギ科属種(Alliaceae sp.)(例えば、リーキ、タマネギ)、マメ科属種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウ);主要作物植物、例えば、イネ科属種(Gramineae sp.)(例えば、トウモロコシ、芝、禾穀類、例えば、コムギ、ライムギ、イネ、オオムギ、エンバク、アワ、及び、ライコムギ)、キク科属種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、アブラナ科属種(Brassicaceae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、タイサイ、コールラビ、ハツカダイコン、及びナタネ、カラシナ、セイヨウワサビ、及び、コショウソウ)、マメ科属種(Fabacae sp.)(例えば、マメ、ピーナッツ)、マメ科属種(Papilionaceae sp.)(例えば、ダイズ)、ナス科属種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、アカザ科属種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、テンサイ、飼料用ビート、フダンソウ、ビートルート);庭園及び森林における有用植物及び観賞植物;及びこれら植物のそれぞれの遺伝子組み換え品種などがある。
【0232】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種には、1以上の生物ストレスに対して抵抗性である植物及び植物栽培品種などがある。すなわち、その植物は、例えば線虫、昆虫、ダニ、植物病原菌、細菌、ウィルス及び/又はウィロイドなどの有害動物及び有害微生物に対するより良好な防御を示す。
【0233】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種には、1以上の非生物ストレスに対して抵抗性である植物などがある。非生物ストレス条件には、例えば、乾燥、低温曝露、熱曝露、浸透圧ストレス、洪水、土壌塩濃度上昇、ミネラル曝露増加、オゾン曝露、高露光、窒素栄養素利用能の制限、リン栄養素利用能の制限、日陰の忌避などがあり得る。
【0234】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種には、収穫特性改善を特徴とする植物などがある。例えば改善された植物の生理、成長及び発達、例えば水利用効率、水保持効率、窒素利用の改善、炭素同化向上、光合成向上、発芽効率上昇及び成熟加速の結果、その植物での収量増加につながり得る。収量はさらに、改善された植物構造(ストレス条件及び非ストレス条件下)によって影響され得るものであり、それには、早期開花、ハイブリッド種子製造のための開花制御、苗の元気、植物の大きさ、節間の数及び間隔、根の成長、種子の大きさ、果実の大きさ、鞘の大きさ、鞘及び穂の数、鞘又は穂当たりの種子数、種子の質量、種子充填度の強化、種子裂開の低減、減少した鞘裂開の低減及び倒伏耐性などがあるがこれらに限定されるものではない。さらなる収量関係の形質には、種子組成、例えば炭水化物含有量及び組成例えばワタ若しくはデンプン、タンパク質含有量、油の含有量及び組成、栄養価、非栄養化合物の減少、加工性改善及び貯蔵安定性の向上などがある。
【0235】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種には、収量増加、活力向上、健康増進及び生物及び非生物ストレスに対する抵抗性を生じる雑種強勢(heterosis)又は雑種強勢(hybrid vigor)の特徴を既に発現する交配植物である植物及び植物栽培品種などがある。
【0236】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)は、除草剤耐性植物、すなわち、1以上の所定の除草剤に対して耐性とされた植物である。そのような植物は、形質転換により、又はそのような除草剤耐性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。
【0237】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)には、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ちある種の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性とされた植物及び植物栽培品種などがある。そのような植物は、形質転換によって、又はそのような昆虫抵抗性を与える突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。
【0238】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)には、病害抵抗性トランスジェニック植物、即ちある種の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性とされた植物である植物及び植物栽培品種などがある。そのような植物は、形質転換によって、又はそのような昆虫抵抗性を与える突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。
【0239】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)には、非生物ストレスに対して耐性である植物及び植物栽培品種などがある。そのような植物は、形質転換によって、又はそのようなストレス抵抗性を与える突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。
【0240】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)には、収穫物の量、質及び/又は貯蔵安定性の変化及び/又は収穫物の特定成分の性質変化を示す植物及び植物栽培品種などがある。
【0241】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)には、繊維特性が変わった植物及び植物栽培品種、例えばワタの木などがある。そのような植物は、形質転換によって、そのような変化した繊維特性を与える突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。
【0242】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)には、オイルプロファイル特性が変わった植物及び植物栽培品種、例えばアブラナ又は関連するアブラナ属(Brassica)植物などがある。そのような植物は、形質転換によって、又はそのような変わったオイルプロファイル特性を与える突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。
【0243】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)には、種子脱粒特性が変化した植物及び植物栽培品種、例えばアブラナ又は関連するアブラナ属(Brassica)植物などがある。そのような植物は、形質転換によって、又はそのような変わった種子脱粒特性を与える突然変異を含む植物の選択によって得ることができ、種子脱粒が遅延若しくは減少した植物、例えばアブラナ植物などがある。
【0244】
上記で開示の方法によって処理することができる植物及び植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)には、翻訳後タンパク質修飾パターンが変わった植物及び植物栽培品種、例えばタバコ植物などがある。
病原体
本発明に従って治療可能な病害の病原体の例には、次のものなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0245】
ウドンコ病の病原体によって引き起こされる病害、例えばブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)などのブルメリア(Blumeria)種;ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)などのポドスファエラ(Podosphaera)種;スファエロセカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)などのスファエロセカ(Sphaerotheca)種;ウンシヌラ・ネケータ(Uncinula necator)などのウンシヌラ(Uncinula)種;
さび病病原体によって引き起こされる病害、例えばギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae)などのギムノスポランギウム(Gymnosporangium)種;ヘミレイア・バスタトリックス(Hemileia vastatrix)などのヘミレイア(Hemileia)種;ファコプソラ・パチライジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・マイボミアエ(Phakopsora meibomiae)などのファコスプソラ(Phakopsora)種;プッシニア・レコンディタ(Puccinia recondita)、プッシニア・グラミニス(Puccinia graminis)又はプッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis)などのプッシニア(Puccinia)種;ウロミセス・アッペンディキュラタス(Uromyces appendiculatus)などのウロミセス(Uromyces)種;
卵菌類(Oomycetes)群の病原体によって引き起こされる病害、例えば、例えばアルブゴ・カンジダ(Albugo candida)などのアルブゴ(Albugo)種;例えばブレミア・ラクチュカエ(Bremia lactucae)などのブレミア(Bremia)種;ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はP.ブラッシカエ(P. brassicae)などのペロノスポラ(Peronospora)種;フィトフソラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)などのフィトフソラ(Phytophthora)種;プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)などのプラスモパラ(Plasmopara)種;シュードペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はシュードペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis)などのシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)種;ピチウム・ウルティマム(Pythium ultimum)などのピチウム(Pythium)種;
以下のものによって引き起こされる葉枯病(leaf blotch diseases)及び葉萎凋病(leaf wilt diseases)、例えばアルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)などのアルテルナリア(Altemaria)種;セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)などのセルコスポラ(Cercospora)種;クラジオスポリウム・キュキュメリナム(Cladiosporium cucumerinum)などのクラジオスポリウム(Cladiosporum)種;コクリオボラス・サティブス(Cochliobolus sativus)(分生子型:ドレクスレラ(Drechslera)、同義語:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))又はコクリオボラス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus)などのコクリオボラス(Cochliobolus)種;コレトトリカム・リンデムサニウム(Colletotrichum lindemuthanium)などのコレトトリカム(Colletotrichum)種;コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)などのコリネスポラ(Corynespora)種;シクロコニウム・オレアギナム(Cycloconium oleaginum)などのシクロコニウム(Cycloconium)種;ディアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)などのディアポルテ(Diaporthe)種;エルシノエ・フォーセッティイ(Elsinoe fawcettii)などのエルシノエ(Elsinoe)種;グレオスポリウム・ラエティカラー(Gloeosporium laeticolor)などのグレオスポリウム種(Gloeosporium);グロメレラ・シンギュラータ(Glomerella cingulata)などのグロメレラ(Glomerella)種;ギニャルディア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli)などのギニャルディア(Guignardia)種;レプトスファエリア・マキュランス(Leptosphaeria maculans)などのレプトスファエリア(Leptosphaeria)種;マグナポルテ・グリージー(Magnaporthe grisea)などのマグナポルテ(Magnaporthe)種;ミクロドチウム・ニバル(Microdochiumu nivale)などのミクロドチウム(Microdochiumu)種;マイコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)、マイコスファエレラ・アラキジコラ(Mycosphaerella arachidicola)又はマイコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensisなどのマイコスファエレラ(Mycosphaerella)種;フェオスファエリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum)などのフェオスファエリア(Phaeosphaeria)種;ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)又はピレノフォラ・トリチシ・レペンチス(Pyrenophora tritici repentis)などのピレノフォラ(Pyrenophora)種;ラムラリア・コロシグニ(Ramularia collo-cygni)又はラムラリア・アレオラ(Ramularia areola)などのラムラリア(Ramularia)種;リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)などのリンコスポリウム(Rhynchosporium)種;セプトリア・アピイ(Septoria apii)又はセプトリア・リコペルシシ(Septoria lycopersici)などのセプトリア(Septoria)種;スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum)などのスタゴノスポラ(Stagonospora)種;チフラ・インカルナータ(Typhula incarnata)などのチフラ(Typhula)種;ベンチュリア・イナエキュアリス(Venturia inaequalis)などのベンチュリア(Venturia)種;
以下のものによって引き起こされる根及び茎の病害、例えばコルチシウム・グラミネアラム(Corticium graminearum)などのコルチシウム(Corticium)種;フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)などのフサリウム(Fusarium)種;ゲウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)などのゲウマノミセス(Gaeumannomyces)種;プラスモジオホラ・ブラッシカエ(Plasmodiophora brassicae)などのプラスモジオホラ(Plasmodiophora)種;リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)などのリゾクトニア(Rhizoctonia)種;サロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)などのサロクラジウム(Sarocladium)種;スクレロチウム・オリザエ(Sclerotium oryzae)などのスクレロチウム(Sclerotium)種;タペシア・アキュフォルミス(Tapesia acuformis)などのタペシア(Tapesia)種;チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)などのチエラビオプシス(Thielaviopsis)種;
以下のものによって引き起こされる穂及び円錐花序の病害(トウモロコシ穂軸など)、例えばアルテルナリア種(Alternaria spp.)などのアルテルナリア(Alternaria)種;アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)などのアスペルギルス(Aspergillus)種;クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)などのクラドスポリウム(Cladosporium)種;クラビセプス・パープレア(Claviceps purpurea)などのクラビセプス(Claviceps)種;フサリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)などのフサリウム(Fusarium)種;ギッベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)などのギッベレラ(Gibberella)種;モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)などのモノグラフェラ(Monographella)種;スタグノスポラ・ノドラム(Stagnospora nodorum)などのスタグノスポラ(Stagnospora)種;
以下の黒穂菌(smut fungi)によって引き起こされる病害、例えばスファセロセカ・ライリアナ(Sphacelotheca reiliana)などのスファセロセカ(Sphacelotheca)種;ティレチア・カリエス(Tilletia caries)又はティレチア・コントロベルサ(Tilletia controversa)などのティレチア(Tilletia)種;ウロシスティス・オキュラータ(Urocystis occulta)などのウロシスティス(Urocystis)種;ウスティラゴ・ヌーダ(Ustilago nuda)などのウスティラゴ(Ustilago)種;
以下のものによって引き起こされる果実腐敗、例えばアスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)などのアスペルギルス(Aspergillus)種;ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)などのボトリティス(Botrytis)種;モニリニア・ラクサ(Monilinia laxa)などのモニリニア(Monilinia)種;ペニシリウム・エクスパンサム(Penicillium expansum)又はペニシリウム・プルプロゲナム(Penicillium purpurogenum)などのペニシリウム(Penicillium)種;リゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)などのリゾプス(Rhizopus)種;スクレロティニア・スクレロティオラム(Sclerotinia sclerotiorum)などのスクレロティニア(Sclerotinia)種;ベルティシリウム・アルボアトラム(Verticilium alboatrum)などのベルティシリウム(Verticilium)種;
以下のものによって引き起こされる種子及び土壌伝染性の腐敗病及び枯れ病、並びに苗の病害、例えばアルタナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola)などのアルタナリア(Alternaria)種;アファノミセス・ユーテイケス(Aphanomyces euteiches)などのアファノミセス(Aphanomyces)種;アスコチタ・レンティス(Ascochyta lentis)などのアスコチタ(Ascochyta)種;アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)などのアスペルギルス(Aspergillus)種;クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)などのクラドスポリウム(Cladosporium)種;コクリオボラス・サティブス(Cochliobolus sativus)(分生子型:ドレクスレラ(Drechslera)、ビポラリス(Bipolaris)同義語:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))によって引き起こされる;コレトトリカム(Colletotrichum)種、例えばコレトトリカム・ココデス(Colletotrichum coccodes)などのコクリオボラス(Cochliobolus)種;フサリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)などのフサリウム(Fusarium)種;ギッベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)などのギッベレラ(Gibberella)種;マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)などのマクロホミナ(Macrophomina)種;ミクロドチウム・ニバレ(Microdochium nivale)などのミクロドチウム(Microdochium)種;モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)などのモノグラフェラ(Monographella)種;ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)などのペニシリウム(Penicillium)種;ホマ・リンガム(Phoma lingam)などのホマ(Phoma)種;ホモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae)ホモプシス(Phomopsis)種;フィトフソラ・カクトラム(Phytophthora cactorum)などのフィトフソラ(Phytophthora)種;ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)などのピレノホラ(Pyrenophora)種;ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)などのピリクラリア(Pyricularia)種;ピチウム・ウルティマム(Pythium ultimum)などのピチウム(Pythium)種;リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)などのリゾクトニア(Rhizoctonia)種;リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)などのリゾプス(Rhizopus)種;スクレロティウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)などのスクレロティウム(Sclerotium)種;セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)などのセプトリア(Septoria)種;チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)などのチフラ(Typhula)種;ベルチシリウム・ダーリアエ(Verticillium dahliae)などのベルチシリウム(Verticillium)種;
以下のものによって引き起こされる引き起こされる癌、こぶ病及びてんぐ巣病、例えばネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)などのネクトリア(Nectria)種;
以下のものによって引き起こされる枯れ病、例えばベルチシリウム(Verticillium)種、例えばベルチシリウム・ロンギスポルム(Verticillium longisporum);フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)などのフザリウム(Fusarium)種;
以下のものによって引き起こされる葉、花及び果実の変形、例えばエキソバシジウム・ベキサンス(Exobasidium vexans)などのエキソバシジウム(Exobasidium)種;タフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)などのタフリナ(Taphrina)種;
以下のものによって引き起こされる木材植物における変性病害、例えば、ファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella chlamydospora)、ファエオアクレモニウム・アレオフィラム(Phaeoacremonium aleophilum)又はフォミチポリタ・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea)などのエスカ(Esca)種;ガノデルマ・ボニネンセ(Ganoderma boninense)などのガノデルマ(Ganoderma)種;
以下のものによって引き起こされる植物塊茎の病害、例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)などのリゾクトニア(Rhizoctonia)種;ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)などのヘルミントスポリウム(Helminthosporium)種;
下記のような細菌性病原体によって引き起こされる病害、例えばキサントモナス・キャンペストリスpv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae)などのキサントモナス(Xanthomonas)種;シュードモナス・シリンガエpv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans)などのシュードモナス(Pseudomonas)種;エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)などのエルウィニア(Erwinia)種;リベリバクター・アシアチクス(Liberibacter asiaticus)などのリベリバクター(Liberibacter)種;キシレラ・ファスチジオサ(Xylella fastidiosa)などのキシレラ(Xyella)種;ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)などのラルストニア(Ralstonia)種;ディケヤ・ソラニ(Dickeya solani)などのディケヤ(Dickeya)種;クラビバクター・ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis)などのクラビバクター(Clavibacter)種;ストレプトミセス・スカビエス(Streptomyces scabies)などのストレプトミセス(Streptomyces)種。
【0246】
大豆の病害;
以下のものによって引き起こされる葉、茎、鞘及び種子に対する真菌病害、例えばアルテルナリア葉斑点病(Alternaria leaf spot)(アルテルナリア属種アトランス・テニュイッシマ(Alternaria spec. atrans tenuissima))、炭疽病(コレトトリカム・グロエオスポロイデス・デマティウム亜種トランケイタム(Colletotrichum gloeosporoides dematium var. truncatum))、褐斑病(brown spot)(セプトリア・グリシネス(Septoria glycines))、セルコスポラ葉斑点病(cercospora leaf spot)及び焼枯れ病(blight)(セクロスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii))、コアネフォラ葉焼枯れ病(choanephora leaf blight)(コアネフォラ・インファンディブリフェラ・トリスポラ(Choanephora infundibulifera trispora)(同義))、ダクチュリオフォラ葉斑点病(dactuliophora leaf spot)(ダクチュリオフォラ・グリシネス(Dactuliophora glycines))、べと病(downy mildew)(ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica))、ドレクスレラ焼枯れ病(drechslera blight)(ドレクスレラ・グリシニ(Drechslera glycini))、葉輪紋病(frogeye leaf spot)(セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina))、レプトスファエルリナ葉斑点病(leptosphaerulina leaf spot)(レプトスファエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii))、フィロスティカ葉斑点病(phyllostica leaf spot)(フィロスティカ・ソジャエコラ(Phyllosticta sojaecola))、鞘及び茎の焼枯れ病(フォモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae))、うどんこ病(powdery 、mildew)(ミクロスファエラ・ディフューザ(Microsphaera diffusa))、ピレノチャエタ葉斑点病(pyrenochaeta leaf spot)(ピレノチャエタ・グリシネス(Pyrenochaeta glycines))、リゾクトニア・エリアル(rhizoctonia aerial)、葉及び膜の焼枯れ病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、さび病(ファコプソラ・パチライジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイドミエ(Phakopsora meidomiae))、黒星病(スファセロマ・グリシネス(Sphaceloma glycines))、ステムフィリウム葉焼枯れ病(stemphylium leaf blight)(ステムフィリウム・ボトリオサム(Stemphylium botryosum))、突然死症候群(フザリウム・ビルグリフォルメ(Fusarium virguliforme))、輪紋病(コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola))。
【0247】
下記のものによって引き起こされる根及び茎基部の真菌病、例えば黒根腐病(black root rot)(カロネクトリア・クロタラリアエ(Calonectria crotalariae))、炭腐病(マクロフォミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina))、フザリウム焼枯病(fusarium blight)又は萎凋病(wilt)、根腐れ病並びに鞘及び頸部腐れ病(rot)(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・オルトセラス(Fusarium orthoceras)、フザリウム・セミテクタム(Fusarium semitectum)、フザリウム・エクイセチ(Fusarium equiseti)、マイコレプトディスカス根腐れ病(mycoleptodiscus root rot)(マイコレプトディスカス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris))、ネオコスモスポラ(neocosmospora)(ネオコスモスポラ・バスインフェクタ(Neocosmospora vasinfecta))、鞘及び茎の焼枯病(blight)(ディアポルセ・ファセオロラム(Diaporthe phaseolorum))、枝枯れ病(ディアポルセ・ファセオロラム亜種カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var. caulivora))、フィトフトラ腐れ病(phytophthora rot)(フィトフトラ・メガスペルマ(Phytophthora megasperma))、褐色茎腐れ病(brown stem rot)(フィアロフォラ・グレガータ(Phialophora gregata))、ピチウム腐れ病(pythium rot)(ピチウム・アファニデルマタム(Pythium aphanidermatum)、ピチウム・イレギュラーレ(Pythium irregulaere)、ピチウム・デバリアナム(Pythium debaryanum)、ピチウム・ミリオチラム(Pythium myriotylum)、ピチウム・ウルティマム(Pythium ultimum))、リゾクトニア根腐れ病(rhizoctonia root rot)、茎腐敗及び立枯病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、スクレロティニア茎腐敗病(sclerotinia stem decay)(スクレロティニア・スクレロティオラム(Sclerotinia sclerotiorum))、スクレロティニア白絹病(sclerotinia southern blight)(スクレロティニア・ロルフシイ(Sclerotinia rolfsii))、チエラビオプシス根腐れ病(thielaviopsis root rot)(チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola))。
【0248】
マイコトキシン類
さらに、式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、収穫物並びに及びそれから製造される食品及び飼料中のマイコトキシン含有量を減らすことができる。マイコトキシン類には、特には、次のもの:デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール、15-Ac-DON、3-Ac-DON、T2-及びHT2-毒素、フモニシン類、ゼアラレノン、モニリホルニン、フザリン、ジアセトキシスシルペノール(DAS)、ボーベリシン、エンニアチン、フザロプロリフェリン、フザレノール、オクラトキシン類、パツリン、麦角アルカロイド類及びアフラトキシン類などがあり(これらに限定されるものではない)、これらは、例えば以下の真菌:フザリウム・アクミナツム(F. acuminatum)、フザリウム・アシアチクム(F. asiaticum)、フザリウム・アベナセウム(F. avenaceum)、フザリウム・クロオクウェレンセ(F. crookwellense)、フザリウム・クルモルム(F. culmorum)、フザリウム・グラミネアルム(F. graminearum)(ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae))、フザリウム・エクイセチ(F. equiseti)、フザリウム・フジコロイ(F. fujikoroi)、フザリウム・ムサルム(F. musarum)、フザリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)、フザリウム・プロリフェラツム(F. proliferatum)、フザリウム・ポアエ(F. poae)、フザリウム・シュードグラミネアルム(F. pseudograminearum)、フザリウム・サムブシヌム(F. sambucinum)、フザリウム・シルピ(F. scirpi)、フザリウム・セミテクツム(F. semitectum)、フザリウム・ソラニ(F. solani)、フザリウム・スポロトリコイデス(F. sporotrichoides)、フザリウム・ラングセチアエ(F. langsethiae)、フザリウム・セブグルチナンス(F. subglutinans)、フザリウム・トリシンクツム(F. tricinctum)、フザリウム・ベルチシリオイデス(F. verticillioides)などのフザリウム(Fusarium)種などによって、さらにはアスペルギルス・フラブス(A. flavus)、アスペルギルス・パラシチクス(A. parasiticus)、アスペルギルス・ノミウス(A. nomius)、アスペルギルス・オクラセウス(A. ochraceus)、アスペルギルス・クラバツス(A. clavatus)、アスペルギルス・テレウス(A. terreus)、アスペルギルス・ベルシコロル(A. versicolor)などのアスペルギルス(Aspergillus)種、ペニシリウム・ベッルコスム(P. verrucosum)、ペニシリウム・ビリジカツム(P. viridicatum)、ペニシリウム・シトリヌム(P. citrinum)、ペニシリウム・エクスパンスム(P. expansum)、ペニシリウム・クラビホルメ(P. claviforme)、ペニシリウム・ロクエホルティ(P. roqueforti)などのペニシリウム(Penicillium)種、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)、クラビセプス・フシホルミス(C. fusiformis)、クラビセプス・パスパリ(C. paspali)、クラビセプス・アフリカナ(C. africana)などのクラビセプス(Claviceps)種、スタキボトリス(Stachybotrys)種及びその他によって産生され得る。
【0249】
材料保護
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、材料の保護において、特には植物病原菌による攻撃及び破壊に対する工業材料の保護に用いることもできる。
【0250】
さらに、式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、防汚組成物として、単独で又は他の有効成分と組み合わせて用いることができる。
【0251】
本発明の文脈における工業材料は、工業で使用するのに製造された無生物材料を意味すると理解される。例えば、微生物変質若しくは破壊から保護されるべき工業材料は、接着剤、のり、紙、壁紙及び板/ボール紙、テキスタイル、カーペット、皮革、木、繊維及びティッシュ、塗料及びプラスチック品、冷却潤滑剤及び微生物感染を受け得る又は微生物によって破壊され得る他の材料であることができる。微生物の繁殖によって害を受け得る製造工場及び建造物の部分、例えば冷却水回路、冷却及び加熱システム及び排気及び空調設備を、保護される材料の範囲内で挙げることもできる。本発明の範囲内の工業材料には、好ましくは、接着剤、サイズ剤、紙及びカード、皮革、木、塗料、冷却潤滑剤及び熱伝導流体、より好ましくは木などがある。
【0252】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、有害効果、例えば腐食、腐敗、変色、脱色又はカビ形成を防止することができる。
【0253】
木の処理の場合、式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、材木表面又は内部で発達しやすい真菌病害に対して用いることもできる。
【0254】
材木は、あらゆる種類の木材種、及びあらゆる種類の建設用のこの木の加工材、例えば無垢材、高密度木材、合板、及びベニヤ板を意味する。さらに、式(I)の化合物及びそれを含む組成物を用いて、塩水又は汽水と接触するようになる対象物、特には船体、スクリーン、網、建造物、係留索具及び信号システムを付着物から保護することができる。
【0255】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、貯蔵品保護にも用いることができる。貯蔵品とは、長期間の保護が望まれる植物若しくは動物起源の天然物質又は天然起源のそれの加工製品を意味するものと理解される。例えば植物若しくは植物部分などの植物由来の貯蔵品、例えば茎、葉、塊茎、種子、果実、穀粒は、収穫されたばかりで、又は(前)乾燥、加湿、破砕、粉砕、加圧又は焙焼による加工形態後に保護することができる。貯蔵品には、建築用材木、電柱及び柵などの粗材木、又は家具などの完成製品の形態の両方の材木などもある。動物由来の貯蔵品は、例えば獣皮、皮革、毛皮及び毛髪である。式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、腐食、劣化、変色、退色又はかび形成などの不利な作用を防ぐことができる。
【0256】
工業材料を劣化又は変性させることができる微生物には、例えば、細菌、真菌、酵母、藻類及び粘菌類などがある。式(I)の化合物及びそれを含む組成物は好ましくは、真菌、特にカビ類、材木を変色させる菌類及び材木を破壊する菌類(子嚢菌類、担子菌類、不完全菌類及び接合菌類)に対して、並びに粘菌類及び藻類に対して作用する。例としては、以下の属の微生物:アルテルナリア(Alternaria)、例えば、アルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis);アスペルギルス(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger);カエトミウム(Chaetomium)、例えば、カエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum);コニオホラ(Coniophora)、例えば、コニオホラ・プエタナ(Coniophora puetana);レンチヌス(Lentinus)、例えば、レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus);ペニシリウム(Penicillium)、例えば、ペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum);ポリポルス(Polyporus)、例えば、ポリポルス・ベルシコロル(Polyporus versicolor);アウレオバシジウム(Aureobasidium)、例えば、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans);スクレロホマ(Sclerophoma)、例えば、スクレロホマ・ピチオフィラ(Sclerophoma pityophila);トリコデルマ(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride);オフィオストマ属種(Ophiostoma spp.)、セラトシスチス属種(Ceratocystis spp.)、フミコラ属種(Humicola spp.)、ペトリエラ属種(Petriella spp.)、トリクルス属種(Trichurus spp.)、コリオルス属種(Coriolus spp.)、グロエオフィルム属種(Gloeophyllum spp.)、プレウロツス属種(Pleurotus spp.)、ポリア属種(Poria spp.)、セルプラ属種(Serpula spp.)及びチロミセス属種(Tyromyces sp.)、クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)、パエシロミセス属種(Paecilomyces spp.)、ムコル属種(Mucor spp.)、エシェリキア(Escherichia)、例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli);シュードモナス(Pseudomonas)、例えば、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa);スタフィロコッカス(Staphylococcus)、例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、カンジダ属種(Candida spp.)、及びサッカロミセス属種(Saccharomyces spp.)、例えばサッカロミセス・セレビサエ(Saccharomyces cerevisae)などがある。
【0257】
種子処理
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、望ましくない微生物、例えば植物病原性微生物、例えば植物病原菌又は植物病原性卵菌から種子を保護するのに用いることもできる。本明細書で使用される種子という用語は、休眠種子、プライミング種子、催芽種子並びに発芽した根及び葉を有する種子を含む。
【0258】
従って、本発明は、望ましくない微生物から種子を保護する方法であって、式(I)の化合物又は組成物で種子を処理する段階を含む方法に関するものでもある。
【0259】
式(I)の化合物又は組成物による種子の処理は、植物病原性微生物から種子を保護するが、発芽種子、発芽苗及び発芽後植物を処理された種子からも保護する。従って、本発明は、種子、発芽種子及び発芽苗を保護する方法に関するものでもある。
【0260】
種子処理は、播種前、播種時、又はその直後に行うことができる。
【0261】
種子処理を播種前に行う場合(例えば、いわゆる、種子施用)、その種子処理は、次のように行うことができる:種子を所望の量の式(I)の化合物若しくは組成物と一緒に混合機中に入れることができ、その種子及び式(I)の化合物若しくは組成物を、種子表面での均一分布が達成されるまで混和する。適切な場合には、その後、種子を乾燥させることができる。
【0262】
本発明はまた、式(I)の化合物若しくはそれを含む組成物によってコーティングされた種子に関するものでもある。
【0263】
好ましくは、種子は、処理中に損傷が生じないようにするだけの安定性のある状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種直後の間の任意の時点で処理することができる。一般的に、植物から分離されており、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉を伴っていない種子を用いる。例えば、収穫し、クリーニングし、含水量15重量%未満まで乾燥した種子を用いることができる。或いは、乾燥後に、例えば水で処理し、その後再度乾燥した種子、又は、プライミング直後の種子、又は、プライミング条件で貯蔵された種子、又は、催芽された種子、又は、苗床トレイ、苗床テープ若しくは苗床紙に播種された種子を用いることも可能である。
【0264】
種子に施用される式(I)の化合物若しくはそれを含む組成物の量は、代表的には、種子の発芽が損なわれないような量、又は、その種子から生じた植物が損傷を受けないような量である。このことは、特に、式(I)の化合物が特定の施用量で植物毒性作用を示すと考えられる場合には保証されるべきである。最少量の化合物を使用して至適な種子及び発芽中植物の保護を達成するべく、種子に施用する式(I)の化合物の量を決める場合、トランスジェニック植物の固有の表現型も考慮すべきである。
【0265】
式(I)の化合物は、そのまま、直接、即ち、他の成分を使用したり、希釈したりせずに、種子に施用することができる。それを含む組成物も、種子に施用することができる。
【0266】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、あらゆる植物品種の種子を保護するのに好適である。好ましい種子は、禾穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、アワ、ライコムギ及びエンバク)、ナタネ、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、インゲンマメ、コーヒー、エンドウマメ、ビート(例えば、テンサイ及び飼料用ビート)、ラッカセイ、野菜(例えば、トマト、キュウリ、タマネギ及びレタス)、芝及び観賞植物の種子である。より好ましいものは、コムギ、ダイズ、ナタネ、トウモロコシ及びイネの種子である。
【0267】
式(I)の化合物及びそれを含む組成物は、トランスジェニック種子、特に、害虫、除草剤による損傷又は非生物的ストレスに対して作用するポリペプチド又はタンパク質を発現し、それによって、保護効果を増大させることが可能な植物の種子を処理するのに使用することができる。害虫、除草剤による損傷又は非生物的ストレスに対して作用するポリペプチド又はタンパク質を発現することができる植物の種子は、当該ポリペプチド又はタンパク質の発現を可能にする少なくとも一つの異種遺伝子を含むことができる。トランスジェニック種子におけるこれらの異種遺伝子は、例えば、バシラス属、根粒菌属、シュードモナス属、セラチア属、トリコデルマ属、クラビバクター(Clavibacter)属、グロムス属又はグリオクラジウム属の微生物由来であることができる。これらの異種遺伝子は好ましくは、バシラス属由来であり、その場合、遺伝子産物は、アワノメイガ及び/又はウェスタンコーンルートワームに対して有効である。特に好ましくは、当該異種遺伝子は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来である。
【0268】
施用
式(I)の化合物は、そのまま、又は例えば、即時使用の液剤、乳濁液、水系若しくは油系懸濁液、粉剤、水和剤、ペースト、可溶性粉体、ダスト剤、可溶性粒剤、散布用粒剤、サスポエマルション製剤、式(I)の化合物を含浸させた天然製品、式(I)の化合物を含浸させた合成物質、肥料又はポリマー物質中のマイクロカプセルの形態で施用することができる。
【0269】
施用は、慣習的な方法で、例えば潅水、散布、噴霧、ばらまき、散粉、泡状散布(foaming)、塗布(spreading-on)などによって行う。式(I)の化合物を、点滴灌漑又は灌注処理を介した微量散布法によって施用したり、それをインファローで施用したり、又はそれを土中幹若しくは幹にそれを注入することも可能である。式(I)の化合物を、傷シール、塗料又は他の傷被覆剤によって施用することも可能である。
【0270】
植物、植物部分、果実、種子又は土壌に施用される式(I)の化合物の有効且つ植物適合性量は、使用する化合物/組成物、処理の対象(植物、植物の部分、果実、種子又は土壌)、処理のタイプ(散粉、散布、種子粉衣)、処理の目的(治療的及び保護的)、微生物の種類、微生物の発達段階、微生物の感受性、作物成長段階及び環境条件などのさまざまな要因によって決まる。
【0271】
式(I)の化合物を殺菌剤として使用する場合、その施用量は、施用の種類に応じて、比較的広い範囲内で変動し得るものである。植物部分(例えば、葉)の処理の場合、その施用量は、0.1~10000g/ha、好ましくは10~1000g/ha、さらに好ましくは50~300g/haの範囲であることができる(潅水又は滴下によって施用する場合、特に、ロックウール又はパーライトなどの不活性底土を用いる場合には、上記施用量はさらに低減させることができる。)。種子処理の場合、その施用量は、種子100kg当たり0.1~200g、好ましくは種子100kg当たり1~150g、さらに好ましくは種子100kg当たり2.5~25g、さらに一層好ましくは種子100kg当たり2.5~12.5gの範囲であることができる。土壌処理の場合、その施用量は、0.1~10000g/ha、好ましくは1~5000g/haの範囲であることができる。
【0272】
これらの施用量は、単なる例であり、本発明の範囲を限定する意図のあるものではない。
【0273】
本発明の内容の態様について、下記の実施例を考慮してさらに理解を深めることができるが、それら実施例は、いかなる形でも本発明の内容の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0274】
製造例
下記の実施例において、logP値及び質量ピークは表1で定義の通りである。
【0275】
製造例1:3-[2-(3,3-ジメチルオキセタン-2-イル)フェノキシ]-7,8-ジフルオロ-2-メチル-キノリン(化合物I.01)の製造
段階1:1-{2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]フェニル}-2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオールの製造
2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]ベンズアルデヒド150mg(0.5mmol)のエタノール(0.5mL)中懸濁液に、2-メチルプロパナール72mg(1mmol)を加えた。1M水酸化カリウムのエタノール中溶液(1.5mL-1.5mmol)を滴下し、混合物を60℃で1時間加熱した。エタノールを減圧下に留去し、飽和NH4Cl水溶液3mLを残留物に加えた。水相をジクロロメタンによって3回再抽出した。合わせた有機相を脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(4gカートリッジ-溶離液n-ヘプタン/酢酸エチル75/25)によって精製して、1-{2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]フェニル}-2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール100mg(50%)を得た。LogP=2.96。質量(M+H)=374。
【0276】
段階2:3-{2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]フェニル}-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルメタンスルホネートの製造
5mLRadleys(商標名)管中、メタンスルホニルクロライド32mg(0.28mmol)を、1-{2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]フェニル}-2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール100mg(0.26mmol)及びトリエチルアミン32mg(0.32mmol)の脱水ジクロロメタン(2.6mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。有機相を水7mLによってさらに洗浄し、そのまま次の段階で用いた。
【0277】
段階3:3-[2-(3,3-ジメチルオキセタン-2-イル)フェノキシ]-7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン(化合物I.01)の製造
段階2で調製された3-{2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)オキシ]フェニル}-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルメタンスルホネートのジクロロメタン中溶液に、硫酸テトラ-n-ブチルアンモニウム2.7mg(0.008mmol)及び10N水酸化ナトリウム溶液0.2mL(2mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌した。有機相を飽和NH4Cl水溶液によって洗浄し、脱水し、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(4gカートリッジ-溶離液n-ヘプタン/酢酸エチル95/5)によって精製して、3-[2-(3,3-ジメチルオキセタン-2-イル)フェノキシ]-7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン46mg(45%)を得た。LogP=4.44。質量(M+H)=356。
【0278】
製造例2:7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(オキセタン-3-イル)フェノキシ]キノリン(化合物I.02)の製造
20mLマイクロ波管中、炭酸セシウム320mg(0.98mmol)を7,8-ジフルオロ-3-ヨード-2-メチルキノリン150mg(0.49mmol)及び2-(オキセタン-3-イル)フェノール147mg(0.98mmol)の脱水ジメチルスルホキシド(10mL)中溶液に加えた。塩化銅(I)48mg(0.49mmol)及びジピバロイルメタン18mg(0.098mmol)をさらに加え、反応混合物をマイクロ波下に100℃で15分間加熱した。冷却した反応混合物をセライト(商標名)層で濾過し、その層を酢酸エチルで洗浄した。濾液を水によって数回洗浄し、脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を分取HPLC(勾配アセトニトリル/水+0.1%HCO2H)によって精製して、7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(オキセタン-3-イル)フェノキシ]キノリン190mg(67%)を得た。LogP=3.33。質量(M+H)=328。
【0279】
製造例3:7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)フェノキシ]キノリン(化合物I.03)の製造
2mLマイクロ波管中、アルゴン下に、3-(2-ブロモフェノキシ)-7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン20mg(0.057mmol)及び2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン6.5mg(0.57mmol)を脱水1,4-ジオキサン0.5mLに溶かした。トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム2.6mg(0.003mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスファン2.7mg(0.006mmol)及び炭酸セシウム55mg(0.17mmol)をさらに加え、反応混合物をマイクロ波下に100℃で2時間加熱した。冷却した反応混合物を酢酸エチルによって希釈し、水で洗浄し、脱水し、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(4gカートリッジ-勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)フェノキシ]-キノリン15.5mg(70%)を得た。LogP=3.48。質量(M+H)=369。
【0280】
製造例4:7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ベンジル]キノリン(化合物I.04)の製造
段階1:[2-(3-メチルオキセタン-3-イル)フェニル]メタノールの製造
2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ベンズアルデヒド1.6g(9.08mmol)のメタノール(25mL)中溶液に、水素化ホウ素ナトリウム171mg(4.54mmol)を0℃で少量ずつ加えた。反応混合物を環境温度で1時間にわたりさらに攪拌した。混合物を濃縮し、水50mLに投入し、酢酸エチルによって再抽出した。有機相をブラインによって洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下に濃縮して、残留物1.74gを黄色油状物として得た。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(40gカートリッジ-勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、[2-(3-メチル-オキセタン-3-イル)フェニル]メタノール670mg(38%)を無色油状物として得て、それはゆっくり固化した。LogP=1.30。質量(M+H)=179。
【0281】
段階2:3-[2-(ブロモメチル)フェニル]-3-メチルオキセタン(化合物XIII.01)の製造
[2-(3-メチルオキセタン-3-イル)フェニル]メタノール509mg(2.85mmol)及びトリエチルアミン433mg(4.28mmol)のジクロロメタン(20mL)中混合物にメタンスルホニルブロマイド681mg(4.28mmol)を加えた。反応混合物を環境温度で終夜攪拌した。混合物を減圧下に濃縮して残留物2.01gを橙赤色固体として得た。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(40gカートリッジ-勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、3-[2-(ブロモメチル)フェニル]-3-メチルオキセタン467mg(68%)を明橙赤色油状物として得た。LogP=2.73。質量(M+H)=241。
【0282】
段階3:7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ベンジル]キノリン(化合物I.04)の製造
5mLマイクロ波管中、(7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-イル)ボロン酸100mg(0.43mmol)及び3-[2-(ブロモメチル)フェニル]-3-メチルオキセタン120mg(0.47mmol)を1,4-ジオキサン4mLに溶かした。炭酸カリウム178mg(1.29mmol)の水(1mL)中溶液を加え、反応混合物をアルゴンで5分間脱気した。テトラキス(トリフェニル-ホスフィン)パラジウム(0)24.8mg(0.022mmol)をさらに加え、反応混合物をマイクロ波下に100℃で30分間加熱した。反応混合物を水50mLに投入し、酢酸エチルによって再抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下に濃縮して、残留物189mgを橙赤色油状物として得た。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(40gカートリッジ-勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ベンジル]キノリン136mg(85%)を明橙赤色固体として得た。LogP=3.47。質量(M+H)=340。
【0283】
製造例5:7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(オキセタン-3-イルエチニル)ベンジル]キノリン(化合物I.14)の製造
段階1:3-(2-ブロモベンジル)-7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリンの製造
ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)2.26g(3.93mmol)及びトリ-(2-フリル)ホスフィン1.83g(17.86mmol)のテトラヒドロフラン[THF](50mL)中混合物を環境温度で5分間攪拌し、その後0℃とした。冷却した反応混合物に、7,8-ジフルオロ-3-ヨード-2-メチルキノリン12g(39.3mmol)及び0.5N 2-ブロモベンジル亜鉛ブロマイドのTHF中溶液110mLをその順で加えた。次に、反応混合物を6時間加熱還流した。冷却した反応混合物を飽和NH4Cl水溶液10mLで反応停止し、セライト(商標名)層で濾過して触媒を除去した。有機層を水200mLと酢酸エチル250mLの間で分配した。有機相を水(200mL)、ブライン(100mLで2回)によって洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下での濃縮によって、残留物22.11gを暗褐色油状物として得た。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、3-(2-ブロモベンジル)-7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン8.78g(54%)を黄色固体として得た。LogP=4.26。質量(M+H)=348。融点[Mp]=85-122℃。
【0284】
段階2:7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(オキセタン-3-イルエチニル)ベンジル]キノリン(化合物I.14)の製造
5mLマイクロ波管中、3-(2-ブロモベンジル)-7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン100mg(0.28mmol)及び3-エチニルオキセタン35.3mg(0.43mmol)をトリエチルアミン3mLに溶かした。ヨウ化銅(I)11.9mg(0.057mmol)を加え、反応混合物をアルゴンで5分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)33.1mg(0.029mmol)をさらに加え、反応混合物をマイクロ波下に100℃で2時間加熱した。反応混合物を水50mLに投入し、酢酸エチルによって再抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下に濃縮して、残留物166mgを褐色油状物として得た。残留物を分取HPLC(勾配アセトニトリル/水+0.1%HCO2H)によって精製して、7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-[2-(オキセタン-3-イルエチニル)ベンジル]キノリン32mg(32%)を得た。LogP=3.66。質量(M+H)=350。
【0285】
製造例6:7,8-ジフルオロ-N-[3-フルオロ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル]-2-メチルキノリン-3-アミン(化合物I.15)の製造
段階1:3-(2-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)オキセタンの製造
1,2-ジフルオロ-3-ニトロベンゼン200mg(1.25mmol)及びオキセタン-3-オール111.7mg(1.50mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド[DMF](2mL)中混合物に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散品)60.3mgを加えた。反応混合物を60℃で終夜加熱した。反応混合物を水10mLに投入し、酢酸エチルによって抽出した(15mLで3回)。合わせた有機相をブラインで洗浄し、シリコンコート紙フィルターで脱水した。減圧下での濃縮によって、3-(2-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)オキセタン273mgを橙赤色油状物として得て、それをそのまま次の段階で用いた。LogP=2.00。質量(M+H)=214。
【0286】
段階2:3-フルオロ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)アニリンの製造
前の段階で製造した3-(2-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)オキセタン273mgのバッチをメタノール11mLに溶かし、4時間の期間にわたってH-Cube(商標明)装置で50℃でPd/Cで水素化した。次に、溶液を減圧下に濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(12gカートリッジ-勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、3-フルオロ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)-アニリン51mg(21%-2段階)を橙赤色油状物として得た。LogP=1.32。質量(M+H)=184。
【0287】
段階3:7,8-ジフルオロ-N-[3-フルオロ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル]-2-メチルキノリン-3-アミン(化合物I.15)の製造
5mLマイクロ波管中、9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス-(ジフェニルホスファン[Xantphos]15.1mg(0.026mmol)、パラジウム(Pi-シンナミル)クロライド二量体6.7mg(0.013mmol)及び炭酸セシウム256.3mgの混合物を、脱気1,4-ジオキサン3mL中で30分間攪拌した。次に、反応混合物に、7,8-ジフルオロ-3-ヨード-2-メチルキノリン80mg(0.26mmol)及び3-フルオロ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)-アニリン51mg(0.26mmol)をさらに加えた。反応混合物をマイクロ波下に110℃で1時間加熱した。次に、冷却した反応混合物をセライト(商標名)層で濾過し、層を酢酸エチル50mLによって洗浄した。有機相を減圧下に濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(4gカートリッジ-勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、7,8-ジフルオロ-N-[3-フルオロ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル]-2-メチルキノリン-3-アミン52mg(51%)を得た。LogP=3.28。質量(M+H)=361。
【0288】
製造例7:N-{2-[(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-アミン(化合物I.10)の製造
段階1:1-(2-ブロモ-6-フルオロベンジル)-3,3-ジフルオロアゼチジン(化合物IX_C)の製造
1-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-フルオロベンゼン350mg(1.30mmol)及び3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩(1:1)253mg(1.96mmol)のDMF(3mL)中溶液を攪拌しながら、それに、炭酸カリウム451mgを加えた。得られた混合物を100℃で3時間にわたり窒素雰囲気下で攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで3回再抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで脱水した。有機相を減圧下に濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(12gカートリッジ-勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、1-(2-ブロモ-6-フルオロベンジル)-3,3-ジフルオロアゼチジン283mg(76%)を淡黄色油状物として得た。LogP=1.89。質量(M+H)=280。
【0289】
段階2:N-{2-[(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-7,8-ジフルオロ-2-メチル-キノリン-3-アミン(化合物I.10)の製造
7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-アミン55mg(0.28mmol)、1-(2-ブロモ-6-フルオロベンジル)-3,3-ジフルオロアゼチジン79.3mg(0.28mmol)及び炭酸セシウム276mg(0.85mmol)の脱気1,4-ジオキサン(15mL)中混合物に、Xantphos 7.3mg(0.014mmol)及びパラジウム-(Pi-シンナミル)クロライド二量体7.3mg(0.014mmol)を加えた。反応混合物を100℃で4時間加熱した。冷却した混合物を酢酸エチルで希釈し、セライト(商標名)層で濾過した。濾液を減圧下に濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(12gカートリッジ-勾配n-ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、N-{2-[(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)メチル]-3-フルオロフェニル}-7,8-ジフルオロ-2-メチルキノリン-3-アミン50mg(44%)を白色固体として得た。LogP=4.33。質量(M+H)=394。
【0290】
表1は、非限定的に、本発明による式(I)の化合物の例を示すものである。
【化34】
【0291】
表1において、別段の断りがない限り、M+H(ApcI+)は、陽性大気圧化学イオン化法による質量分析で認められた分子イオンピーク+1a.m.u.(原子質量単位)を意味する。
【0292】
表1において、logP値は、EEC指針79/831添付書類V.A8に従って、下記の方法を用いる逆相カラム(C18)でのHPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって測定した。
【0293】
温度:40℃;移動相:0.1%ギ酸及びアセトニトリル;10%アセトニトリルから95%アセトニトリルへの直線勾配。
【0294】
同じ方法内で複数のLogP値が利用可能な場合、全ての値が提供され、「;」によって分離される。
【0295】
較正は、logP値が既知である分岐していないアルカン-2-オン類(3~16個の炭素原子を含む)を用いて実施した(二つの連続するアルカノン間の線形補間を用いて保持時間によってlogP値を測定)。ラムダマックス値は、200nm~400nmのUVスペクトラム及びクロマトグラフィーシグナルのピーク値を用いて求めた。
【0296】
【0297】
【0298】
表2は、非限定的に、本発明による式(IIa)の化合物の例を示すものである。
【化35】
【0299】
表2において、M+H(ApcI+)及びlogPは、表1に関して定義されている。
【0300】
表2において、(X)n残基のフェニル環への結合箇所は、フェニル環の上記の番号付けに基づくものである。
【0301】
【0302】
表3は、非限定的に、本発明による式(IV)の化合物の例を示すものである。
【化36】
【0303】
表3において、M+H(ApcI+)及びlogPは、表1に関して定義されている。
【0304】
表3において、(X)n残基のフェニル環への結合箇所は、フェニル環の上記の番号付けに基づくものである。
【0305】
【0306】
表4は、非限定的に、本発明による式(XIII)の化合物の例を示すものである。
【化37】
【0307】
表4において、M+H(ApcI+)及びlogPは、表1に関して定義されている。
【0308】
表4において、(X)n残基のフェニル環への結合箇所は、フェニル環の上記の番号付けに基づくものである。
【0309】
【0310】
表5は、非限定的に、本発明による式(XIV)の化合物の例を示すものである。
【化38】
【0311】
表5において、M+H(ApcI+)及びlogPは、表1に関して定義されている。
【0312】
表5において、(X)n残基のフェニル環への結合箇所は、フェニル環の上記の番号付けに基づくものである。
【0313】
【0314】
表6は、本発明による他の好ましい式(IX)の化合物を示すものである。
【化39】
【0315】
表6において、M+H(ApcI+)及びlogPは、表1に関して定義されている。
【0316】
表6において、(X)n残基のフェニル環への結合箇所は、フェニル環の上記の番号付けに基づくものである。
【0317】
【0318】
NMRピークリスト
選択された実施例の1H-NMRデータを、1H-NMRピークのリストの形で記載する。各シグナルピークについて、ppm単位でのδ値及び括弧内のシグナル強度を列記している。
【0319】
鋭いシグナルの強度は、cm単位でのNMRスペクトラムの印刷例におけるシグナルの高さと相関しており、シグナル強度の真の関係を示すものである。広いシグナルからは、いくつかのピーク若しくはそのシグナルの中央並びにそのスペクトラム中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対強度を示すことができる。
【0320】
1H-NMRピークリストは、旧来の1H-NMR印刷と同様であることから、通常は、旧来のNMR解釈で列記される全てのピークを示す。さらに、それらは旧来の1H-NMR印刷のように、溶媒、標的化合物の立体異性体(やはり、本発明の目的である。)及び/又は不純物のピークのシグナルを示すことができる。溶媒及び/又は水のδ範囲で化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク、例えばd6-DMSO中のDMSOのピーク及び水のピークが本発明者らの1H-NMRピークリストでは示されており、通常は、概して高強度を有する。
【0321】
標的化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常は概して、標的化合物のピークより低い強度を有する(例えば、純度>90%)。そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の製造方法に代表的なものであり得る。従って、それらのピークは、「副生成物フィンガープリント」を介して本発明者らの製造方法の再現性を確認する上で役立ち得る。
【0322】
標的化合物のピークを公知の方法(MestreC、ACD-シミュレーション、更には経験的に評価される期待値によっても)で計算する専門家であれば、任意に別の強度フィルターを用いて、必要に応じて標的化合物のピークを単離することができる。この単離は、旧来の1H-NMR解釈での関連するピーク選択と同様であると考えられる。
【0323】
ピークリスト付きのNMRデータ記述のさらなる詳細が、研究開示データベース番号(Research Disclosure Database Number)564025の「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」にある。
【0324】
選択された式(I)、(II)、(iv)、(XIII)及び(XIV)の化合物についてのNMRピークリスト
【表7】
【0325】
【0326】
【0327】
【0328】
【0329】
使用例
実施例A:イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)でのイン・ビトロ細胞試験
溶媒:ジメチルスルホキシド
培地:無水D-グルコース(VWR)14.6g、
真菌用ペプトン(Oxoid)7.1g、
粒状酵母エキス(Merck)1.4g、QSP 1リットル
接種物:胞子懸濁液
被験化合物をジメチルスルホキシドに溶かし、その溶液を用いて、必要な範囲の濃度を調製した。アッセイで使用したジメチルスルホキシドの最終濃度は≦1%であった。
【0330】
イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の胞子懸濁液を調製し、希釈して所望の胞子密度とした。
【0331】
化合物が、液体培地アッセイで、胞子発芽及び菌糸体成長を阻害する能力を評価した。化合物を、胞子の入った培地に所望の濃度で加えた。5日間のインキュベーション後、化合物の真菌毒性を、菌糸体成長の分光分析測定によって求めた。被験化合物を含むウェルでの吸光度値を被験化合物を含まない対照ウェルでの吸光度を比較することで、真菌成長の阻害を求めた。
【0332】
本試験では、本発明による次の化合物:I.16が、被験化合物濃度20ppmで80%~89%の効力を示した。
【0333】
本試験では、本発明による次の化合物:I.03;I.04;I.06;I.07;I.08;I.10;I.12;I.13;I.15;I.17が、被験化合物20ppmで90%~100%の効力を示した。
【0334】
実施例B:コレトトリチュム・リンデムチアヌム(Colletotrichum lindemuthianum)でのイン・ビトロ細胞試験
溶媒:ジメチルスルホキシド
培地:無水D-グルコース(VWR)14.6g、
真菌用ペプトン(Oxoid)7.1g、
粒状酵母エキス(Merck)1.4g、QSP 1リットル
接種物:胞子懸濁液
被験化合物をジメチルスルホキシドに溶かし、その溶液を用いて、必要な範囲の濃度を調製した。アッセイで使用したジメチルスルホキシドの最終濃度は≦1%であった。
【0335】
コレトトリチュム・リンデムチアヌム(Colletotrichum lindemuthianum)の胞子懸濁液を調製し、希釈して、所望の胞子密度とした。
【0336】
化合物が、液体培地アッセイで、胞子発芽及び菌糸体成長を阻害する能力を評価した。化合物を、胞子の入った培地に所望の濃度で加えた。6日間のインキュベーション後、化合物の真菌毒性を、菌糸体成長の分光分析測定によって求めた。被験化合物を含むウェルでの吸光度値を被験化合物を含まない対照ウェルでの吸光度を比較することで、真菌成長の阻害を求めた。
【0337】
本試験では、本発明による次の化合物:I.07が、被験化合物濃度20ppmで70%~79%の効力を示した。
【0338】
本試験では、本発明による次の化合物:I.13が、被験化合物濃度20ppmで80%~89%の効力を示した。
【0339】
本試験では、本発明による次の化合物:I.01;I.02;I.03;I.04;I.06;I.08;I.10;I.12;I.15;I.16;I.17が、被験化合物濃度20ppmで90%~100%の効力を示した。
【0340】
実施例C:レプトノスファエリア・ノドルム(Leptnosphaeria nodorum)でのイン・ビトロ細胞試験
溶媒:ジメチルスルホキシド
培地:無水D-グルコース(VWR)14.6g、
真菌用ペプトン(Oxoid)7.1g、
粒状酵母エキス(Merck)1.4g、QSP 1リットル
接種物:胞子懸濁液
被験化合物をジメチルスルホキシドに溶かし、その溶液を用いて、必要な範囲の濃度を調製した。アッセイで使用したジメチルスルホキシドの最終濃度は≦1%であった。
【0341】
レプトノスファエリア・ノドルム(Leptnosphaeria nodorum)の胞子懸濁液を調製し、希釈して、所望の胞子密度とした。
【0342】
化合物が、液体培地アッセイで、胞子発芽及び菌糸体成長を阻害する能力を評価した。化合物を、胞子の入った培地に所望の濃度で加えた。6日間のインキュベーション後、化合物の真菌毒性を、菌糸体成長の分光分析測定によって求めた。被験化合物を含むウェルでの吸光度値を被験化合物を含まない対照ウェルでの吸光度を比較することで、真菌成長の阻害を求めた。
【0343】
本試験では、本発明による次の化合物:I.17が、被験化合物濃度20ppmで80%~89%の効力を示した。
【0344】
本試験では、本発明による次の化合物:I.01;I.02;I.03;I.08;I.12が、被験化合物濃度20ppmで90%~100%の効力を示した。
【0345】
実施例D:ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色かび病)でのイン・ビトロ予防試験
溶媒:5体積%のジメチルスルホキシド
10体積%のアセトン
乳化剤:Tween(登録商標)80/有効成分mg 1μL
被験化合物を可溶化し、ジメチルスルホキシド/アセトン//Tween(登録商標)80の混合物中で均質化し、次に水で所望の濃度に希釈した。
【0346】
ガーキンの若い植物を、上記の方法で調製した被験化合物を噴霧することで処理した。対照植物は、アセトン/ジメチルスルホキシド/Tween(登録商標)80の水溶液のみで処理した。
【0347】
24時間後、葉にボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)胞子の水系懸濁液を噴霧することで、植物を汚染させた。汚染したガーキン植物を、17℃及び90%相対湿度で4~5日間インキュベートした。
【0348】
接種から4~5日後に、試験の評価を行った。0%は対照植物の効力に相当する効力を意味し、効力100%は病害が全く認められないことを意味している。
【0349】
本試験では、本発明による次の化合物:I.01;I.02;I.08;I.09;I.12;I.16;I.17が、被験化合物濃度500ppmで90%~100%の効力を示した。
【0350】
実施例E:ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)(リンゴ)でのイン・ビボ予防試験
溶媒:アセトン24.5重量部
ジメチルスルホキシド24.5重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート1重量部
被験化合物の好適な製剤を製造するため、被験化合物1重量部を指定量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚液を水で希釈して所望の濃度とした。
【0351】
予防活性について調べるため、若い植物に指定施用量で被験化合物の調製液を噴霧した。噴霧コーティングが乾燥した後、植物にリンゴ黒星病(ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis))の病原体の水系分生子懸濁液を接種し、次に、約20℃及び相対大気湿度100%のインキュベーションキャビネットに1日入れた。
【0352】
次に、植物を約21℃及び相対大気湿度約90%の温室に入れた。
【0353】
接種10日後に、試験を評価した。0%は未処理対照の効力に相当する効力を意味し、効力100%は病害が全く認められないことを意味する。
【0354】
本試験では、本発明による次の化合物:I.02;I.08;I.12;I.17が、有効成分濃度100ppmで90%~100%の効力を示した。
【0355】
実施例F:ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)(オオムギ)でのイン・ビボ予防試験
溶媒:N,N-ジメチルアセトアミド24.5重量部
ジメチルスルホキシド24.5重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート1重量部
被験化合物の好適な製剤を製造するため、被験化合物若しくは化合物組み合わせ1重量部を指定量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚液を水で希釈して所望の濃度とした。
【0356】
予防活性について調べるため、若い植物に指定施用量で被験化合物の調製液を噴霧した。噴霧コーティングが乾燥した後、植物にピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)の胞子懸濁液を噴霧した。植物を、約20℃及び相対大気湿度約100%のインキュベーションキャビネットに48時間入れた。
【0357】
植物を、温度約20℃及び相対大気湿度約80%の温室に入れた。
【0358】
接種8日後に、試験を評価した。0%は未処理対照の効力に相当する効力を意味し、効力100%は病害が全く認められないことを意味する。
【0359】
本試験では、本発明による次の化合物:I.12が、被験化合物濃度250ppmで70%~79%の効力を示した。
【0360】
本試験では、本発明による次の化合物:I.08が、被験化合物濃度250ppmで80%~89%の効力を示した。
【国際調査報告】