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特表2022-505401ムスカリンM1受容体陽性アロステリックモジュレーターとしてのピロロ-ピリダジン誘導体
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  • 特表-ムスカリンM1受容体陽性アロステリックモジュレーターとしてのピロロ-ピリダジン誘導体 図1a
  • 特表-ムスカリンM1受容体陽性アロステリックモジュレーターとしてのピロロ-ピリダジン誘導体 図1b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ムスカリンM1受容体陽性アロステリックモジュレーターとしてのピロロ-ピリダジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20220106BHJP
   A61K 31/5025 20060101ALI20220106BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220106BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20220106BHJP
   A61K 31/27 20060101ALI20220106BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20220106BHJP
   A61K 31/473 20060101ALI20220106BHJP
   A61K 31/13 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 15/12 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C07D487/04 140
C07D487/04 CSP
A61K31/5025
A61K45/00
A61K31/55
A61K31/27
A61K31/445
A61K31/473
A61K31/13
A61P25/28
A61P25/04
A61P25/20
A61P1/14
A61P43/00 111
A61P25/16
A61P25/14
A61P15/12
A61P31/18
A61P25/18
A61P43/00 121
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521405
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(85)【翻訳文提出日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 IB2019058815
(87)【国際公開番号】W WO2020079606
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】201841039345
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507302416
【氏名又は名称】スヴェン・ライフ・サイエンシーズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUVEN LIFE SCIENCES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラーマクリシュナ・ニロギ
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥル・ラシード・モハメッド
(72)【発明者】
【氏名】アニル・カルバーリ・シンデ
(72)【発明者】
【氏名】シュリニヴァーサ・ラオ・ラヴェッラ
(72)【発明者】
【氏名】ラムクマール・スブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテスワール・ジャスティ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC08
4C050EE02
4C050FF05
4C050GG01
4C050HH01
4C050HH02
4C050HH04
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA021
4C084ZA051
4C084ZA151
4C084ZA161
4C084ZA181
4C084ZA691
4C084ZA811
4C084ZC031
4C084ZC202
4C084ZC411
4C084ZC422
4C084ZC521
4C084ZC551
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC21
4C086BC27
4C086CB05
4C086CB22
4C086GA16
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA69
4C086ZA81
4C086ZC03
4C086ZC20
4C086ZC41
4C086ZC52
4C086ZC55
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206FA29
4C206HA24
4C206KA01
4C206KA09
4C206MA04
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA02
4C206ZA05
4C206ZA15
4C206ZA16
4C206ZA18
4C206ZA69
4C206ZA81
4C206ZC03
4C206ZC20
4C206ZC41
4C206ZC42
4C206ZC52
4C206ZC55
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、ムスカリンM1受容体陽性アロステリックモジュレーター(M1 PAM)としての、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体、互変異性体又はその薬学的に許容される塩に関する。本発明は、そのような化合物の調製、医薬組成物及び使用を記載する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】
(式中、
R1は、-(C1~6)-アルキル、-(C5~7)-シクロアルキル、-(C5~7)-ヘテロシクロアルキル、又は-(C6~10)アリールから選択され;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシ、NH2、CH2OH及び(C1~4)-アルキルから選択される1つ又は複数の基で場合により置換されており;
A1はCH2、CHF又はCF2であり;
Pは、CH、又はNから独立に選択され;
Qは、CH、又はNから独立に選択され;
Wは、CH、又はNから独立に選択され;
Yは、CH、又はNから独立に選択され;
Zは、CH、又はNから独立に選択され;
A2は、水素、ハロゲン、-OR2、-NHR2、-NHCOR2、-CN、-CONHR2、-CON(R2)2、-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、-(C6~10)-アリール及び-(C5~10)-ヘテロアリールから選択され;-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、-(C6~10)-アリール及び-(C5~10)-ヘテロアリールの各々は、ハロゲン、-OR2、-O-(C1~4)-アルキル、-S-(C1~4)-アルキル、-N(CH3)2、-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、ハロ(C1~4)-アルキル、-NHR2、-CN、-CONHR2、-NHCOR2、-CON(R2)2から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されており;
R2は、各々の出現するたびに、水素、ハロゲン、-(C1~6)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル又はハロ(C1~4)-アルキルから独立に選択される)
又はその同位体形態、立体異性体、互変異性体又は薬学的に許容される塩。
【請求項2】
N-[1-ヒドロキシ-シクロヘキシルメチル]4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-ベンジル-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(4-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル)]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-フルオロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロヘキシル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロペンチル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロヘキシル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロペンチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシエチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]-4-(3-フルオロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシフェニル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-プロピル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-2-メチルプロピル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-2-イル-メチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシ-シクロヘキシル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[4-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(4-フルオロフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシ-シクロヘキシルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(2-メトキシフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-プロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-2-メチルプロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[3-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-シアノピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-メチルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-カルバモイルピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-フルオロピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-メチルピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メトキシピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-メトキシピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-ヒドロキシピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-フルオロピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-フルオロピリジン-4-イル-メチル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シアノベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-カルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-メチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-エチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シクロプロピルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-イソプロピルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シクロプロピルメチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-メチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(2-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-シアノピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-カルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-シクロプロピルカルバモイルピリジン-5-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-シクロプロピルカルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-シクロプロピルカルバモイルピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-3-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-3-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;及び
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[2-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-4-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
又はその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項4】
認知障害、疼痛、睡眠障害又は胃腸運動性障害からなる群から選択される、ムスカリンMl受容体により媒介される疾患又は障害の処置における使用のための、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の化合物と、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤及びNMDA受容体アンタゴニストから選択される1種又は複数の治療剤とを含む組合せ。
【請求項6】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン又はその薬学的に許容される塩から選択され、NMDA受容体アンタゴニストが、メマンチン又はその薬学的に許容される塩である、請求項7に記載の組合せ。
【請求項7】
認知障害、疼痛、睡眠障害又は胃腸運動性障害からなる群から選択される、ムスカリンM1受容体により媒介される疾患又は障害を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、方法。
【請求項8】
認知障害が、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症候群と関連する認知症、トゥーレット症候群と関連する認知症、閉経後と関連する認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病における認知症、物質に誘発される固執性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、老人性認知症及び一般的病態における認知症からなる群から選択される、請求項7に記載の疾患又は障害を処置する方法。
【請求項9】
認知障害、疼痛、睡眠障害及び胃腸運動性障害から選択される疾患又は障害の処置における使用のための、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
認知障害が、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症候群と関連する認知症、トゥーレット症候群と関連する認知症、閉経後と関連する認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病における認知症、物質に誘発された固執性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、老人性認知症及び一般的病態における認知症から選択される、請求項9に記載の使用のための化合物。
【請求項11】
認知障害、疼痛、睡眠障害及び胃腸運動性障害から選択される疾患又は障害の処置のための医薬の製造における、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項12】
認知障害が、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症候群と関連する認知症、トゥーレット症候群と関連する認知症、閉経後と関連する認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病における認知症、物質に誘発される固執性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、老人性認知症及び一般的病態における認知症から選択される、請求項11に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ムスカリンM1受容体陽性アロステリックモジュレーター(M1 PAM)としての式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体、互変異性体又はその薬学的に許容される塩に関する。本発明は、そのような化合物の調製、医薬組成物及び使用を記載する。
【背景技術】
【0002】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)のクラスAファミリーに属するムスカリン様アセチルコリン受容体(mAChR)は、身体のいたるところで広く発現されている。内因性神経伝達物質アセチルコリン(ACh)に応答するM1からM5と称される5通りの亜型が、今日までに同定されている。それらは、認知機能を含む中枢及び末梢神経系の多くの重要な機能の活性を調節することに非常に重要な役割を果たしている。M1、M3及びM5は、Gqと結合するが、それに対してM2及びM4は、Gi/oを経て下流にシグナル伝達する経路と結合してエフェクター系と結びつく(Critical Reviews in Neurobiology、1996、10、69~99頁; Pharmacology & Therapeutics、2008、117、232~243頁)。M2及びM3は、末梢で高度に発現して、胃腸(GI)の運動性及び唾液分泌等の副交感神経の応答に関与することが公知である(Life Sciences、1993、52、441~448頁)。ムスカリンM1受容体は、皮質、海馬及び小脳扁桃等の認知に関与する脳領域で主に発現して、それ故ムスカリンM1受容体の選択的活性化は、認知性能を増強すると期待されるであろう(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996、93、13541~13546頁)。
【0003】
それらのオルソステリックアセチルコリンリガンド結合部位におけるムスカリン受容体のサブタイプ間には高度の保存があり、そのことが、選択的にムスカリンM1受容体アゴニストを同定することを困難にしている。この問題を回避するために、より小さい配列相同性を示す保存のより少ないアロステリック結合部位で作用するM1 PAMを開発することからなる代替的手法が採用される。M1 PAM、PQCA、(1-{[4-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル]メチル}-4-オキソ-4H-キノリジン-3-カルボン酸)が、他のムスカリン受容体サブタイプよりも、ムスカリンM1受容体に対して高度に選択的であり、認知の数通りの前臨床モデルにおいて効果的であることが報告されており(Psychopharmacology、2013、225(1)、21~30頁)、認知を改善するために必要とされる最少有効投与量から5倍の余地以下の用量で胃腸に副作用がない。しかしながら、認知の強化を生じさせる全てのM1PAMが結腸で有意の効果を示すとは限らない(Kurimoto E.ら、J Pharmacol Exp Ther. 2018; 364: 23~37頁; Sako Y. & Kurimoto E.ら、Neuropsychopharmacology. 2019; 44(5): 950~960頁)。前臨床試験において、M1活性化は、脳における神経伝達物質アセチルコリンの濃度を増大させることが示された。それに加えて、M1活性化は、β-アミロイド前駆体タンパク質(βAPP)プロセシングを非アミロイド生成α-セクレターゼ経路に転ずることにより、及びタウ超-リン酸化を減少させることによりの両方で、アルツハイマー病(AD)のための疾患修飾療法としての潜在性を有する。M1 PAMは、インビトロの系でsAPPαの発生を増大させることを示した(the Journal of Neuroscience、2009、29、14271~14286頁)。それ故、M1 PAMは、認知障害の症候性及び疾患の両方の修飾処置を目標とする手法を提供する。M1PAMは、認知欠損障害の処置において効用を有することが示されたが、それらはヒト、イヌ、ラット、及びマウスの結腸中の内容物の運動性及び流体分泌を強化する証拠もある。したがって、M1PAMは、腸内反射経路内におけるアセチルコリン(Ach)の生理学的作用を容易にする潜在性を有し得る。M1受容体は、結腸粘膜の上皮で隆起しており、そこで、それらの活性化は、流体分泌を増大させる(Khan M、Anisuzzaman A、Semba S.ら、J Gastroenterol.. 2013; 48: 885~896頁)。したがって、M1PAMは、結腸の推力及び流体分泌を強化することができ、両方の作用が便秘の処置において潜在的な利益となる。コリン作動性ムスカリンM1受容体は、脳及び胃腸の神経網状組織の両方で発現するので、胃運動性障害を処置するための化合物は、理想的には、脳への低い浸透を有すべきであり、便秘/運動性障害を処置するための治療薬として開発されるためには、末梢系で効力を示すべきである。
【0004】
M1PAM化合物は、アルツハイマー病を選択的に処置することを特定の目標として認知機能を強化するため、及び胃腸の運動性障害の軽減のための両方で開発中である。M1 PAMは、ヒトで使用するために安全であることが示されている(Douglas C. Beshoreら、ACS Med. Chem. Lett. 2018 97652~656頁)。PCT特許出願WO2018042362、WO2015110370、WO2011084368、WO2011159554及びWO2011149801は、ADを処置する特定の目標をもってM1 PAM化合物を開示している。PCT特許出願WO2018194181及び出版(John B. Furnessら、Neurogastro enterology & Motility. 2019; 00: e13692)は、胃腸障害を処置する特定の目標で出版されている。現在までに、数種のM1 PAMが文献で開示されているが、M1 PAMとして作用する薬物で市場に出ているものはない。それ故、M1に媒介される疾患のアルツハイマー病、胃腸運動性障害及び本明細書に記載されるその他を処置するムスカリンM1受容体を調節する新規で且つより有効なM1 PAMを開発することに対するまだかなえられていない必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT特許出願WO2018042362
【特許文献2】PCT特許出願WO2015110370
【特許文献3】PCT特許出願WO2011084368
【特許文献4】PCT特許出願WO2011159554
【特許文献5】PCT特許出願WO2011149801
【特許文献6】PCT特許出願WO2018194181
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Critical Reviews in Neurobiology、1996、10、69~99頁
【非特許文献2】Pharmacology & Therapeutics、2008、117、232~243頁
【非特許文献3】Life Sciences、1993、52、441~448頁
【非特許文献4】Proc. Natl. Acad. Sci. USA1996、93、13541~13546頁
【非特許文献5】Psychopharmacology、2013、225(1)、21~30頁
【非特許文献6】Kurimoto E.ら、J Pharmacol Exp Ther. 2018; 364: 23~37頁
【非特許文献7】Sako Y. & Kurimoto E.ら、Neuropsychopharmacology. 2019; 44(5): 950~960頁
【非特許文献8】the Journal of Neuroscience、2009、29、14271~14286頁
【非特許文献9】Khan M、Anisuzzaman A、Semba S.ら、J Gastroenterol. 2013; 48: 885~896頁
【非特許文献10】Douglas C. Beshoreら、ACS Med. Chem. Lett. 2018 97652~656頁
【非特許文献11】John B. Furnessら、Neurogastroenterology & Motility. 2019; 00: e13692頁
【非特許文献12】Behav. Brain Res.、1988、31、47~59頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本発明は、式(I)の化合物のM1 PAM、
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、
R1は、-(C1~6)-アルキル、-(C5~7)-シクロアルキル、-(C5~7)-ヘテロシクロアルキル、又は-(C6~10)-アリールから選択され;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシ、NH2、CH2OH及び(C1~4)-アルキルから選択される1つ又は複数の基で場合により置換されており;
R2は、水素、ハロゲン、-(C1~6)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、又はハロ(C1~4)-アルキルから選択され;
A1は、CH2、CHF又はCF2であり;
Pは、CH又はNから独立に選択され;
Qは、CH又はNから独立に選択され;
Wは、CH又はNから独立に選択され;
Yは、CH又はNから独立に選択され;
Zは、CH又はNから独立に選択され;
A2は、水素、ハロゲン、-OR2、-NHR2、-NHCOR2、-CN、-CONHR2、-CON(R2)2
-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、-(C6~10)-アリール及び-(C5~10)-ヘテロアリールであり;-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、-(C6~10)-アリール及び-(C5~10)-ヘテロアリールの各々は、ハロゲン、-OR2、-O-(C1~4)-アルキル、-S-(C1~4)-アルキル、-N(CH3)2、-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、ハロ(C1~4)-アルキル、-NHR2、-NHCOR2、-CONHR2、-CNから独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されており;R2は、各々の出現において水素、ハロゲン、-(C1~6)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、又はハロ(C1~4)-アルキルから独立に選択される)
又はその同位体形態、立体異性体、互変異性体又は薬学的に許容される塩に関する。
【0010】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を調製する方法に関する。
【0011】
更に別の態様において、本発明は、治療有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤又は担体を含有する医薬組成物に関する。
【0012】
更に別の態様において、本発明は、式(I)の化合物又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩と、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤及びNMDA受容体アンタゴニストから選択される他の治療剤との組合せに関する。
【0013】
更に別の態様において、本発明は、ムスカリンM1受容体陽性アロステリックモジュレーターとしての使用のための式(I)の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関する。
【0014】
更に別の態様において、本発明は、認知、気分、睡眠障害又は胃腸運動性障害から選択される疾患又は障害の処置における使用のための、式(I)の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関する。
【0015】
更に別の態様において、本発明は、アルツハイマー病、統合失調症又は不眠症から選択される疾患の処置における使用のための、式(I)の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関する。
【0016】
別の態様において、本発明は、それを必要とする患者に、治療有効量の式(I)の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、ムスカリンM1受容体に関係する疾患又は障害を処置する方法に関する。
【0017】
更に別の態様において、本発明は、ムスカリンM1受容体と関係する疾患又は障害の処置のための医薬を製造するための式(I)の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0018】
更に別の態様において、本発明は、ムスカリンM1受容体の陽性アロステリック調節における使用のための、式(I)の化合物又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ドネペジルを用いる、目的認識課題モデルを使用する認知を増強する性質についての実施例4の共処置の効果の結果を描く図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特に断らない限り、本明細書及び請求項で使用される以下の用語は、下で与えられる意味を有する。
本明細書において使用される用語「-(C1~4)-アルキル」は、1から4個の炭素原子を含有する分岐した又は直鎖状の脂肪族炭化水素を指す。(C1~4)-アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルを含む。好ましくは、(C1~4)-アルキルは、メチル、エチル又はイソプロピルである。
【0021】
本明細書において使用される用語「-(C1~6)-アルキル」は、1から6個の炭素原子を含有する分岐した又は直鎖状の脂肪族炭化水素を指す。(C1~6)-アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルを含む。好ましくは、(C1~6)-アルキルはメチル、エチル又はイソプロピルである。
【0022】
本明細書において使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。好ましくは、ハロゲンはフッ素、塩素又は臭素である。より好ましくは、ハロゲンはフッ素又は塩素である。
【0023】
本明細書において使用される用語「ハロ(C1~4)-アルキル」は、同じか又は異なる炭素原子の1個又は複数の水素が、同じか又は異なるハロゲンで置換されている、上で定義された(C1~4)-アルキルを指す。ハロ(C1~4)-アルキルの例は、フルオロメチル、クロロメチル、フルオロエチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル等を含む。
【0024】
本明細書において使用される用語「-(C3~6)-シクロアルキル」は、3から6個の炭素原子を含有する飽和した単環式炭化水素環を指す。(C3~6)-シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
【0025】
本明細書において使用される用語「-(C5~7)-シクロアルキル」は、5から7個の炭素原子を含有する飽和した単環式炭化水素環を指す。(C5~7)-シクロアルキル基の例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等を含む。
【0026】
本明細書で使用される用語「-(C6~10)-アリール」は、6から10個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素環を指す。(C6~10)-アリール基の例は、フェニル又はナフチルを含む。
【0027】
本明細書で使用される用語「-(C5~7)-ヘテロシクロアルキル」は、酸素、窒素及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有する飽和した炭化水素環を指す。(C5~7)-ヘテロシクロアルキル基の例は、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ピペリジン、アゼパン、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロフラン、ピロリジン又はテトラヒドロチオフェンを含む。
【0028】
本明細書において使用される用語「-(C5~10)-ヘテロアリール」は、5から10個の原子を含有する芳香族単環式又は芳香族二環式複素環系を指す。(C5~10)-ヘテロアリール基の例は、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、チエニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾイル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゼピニル、ベンゾオキサジノリル、ベンゾオキサゾロニル、ベンゾオキキサゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、及びそれらのN-オキシドを含む。
【0029】
語句「治療有効量」は、(i)特定の疾患、状態又は障害を処置する、(ii)特定の疾患、状態又は障害の1つ又は複数の症状を排除する、(iii)本明細書に記載された特定の疾患、状態又は障害の1つ又は複数の症状の発症を遅らせる、本発明の化合物の量と定義される。
【0030】
本明細書において使用される用語「同位体形態」は、式(I)の化合物の1個又は複数の原子が、それらのそれぞれの同位体により置換されている式(I)の化合物を指す。例えば、水素の同位体は2H(重水素)及び3H(トリチウム)を含む。
【0031】
本明細書において使用される用語「立体異性体」は、空間におけるそれらの原子の配置が相違する式(I)の化合物の異性体を指す。本明細書で開示される化合物は、単一の立体異性体、ラセミ体及び/又はエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物として存在することができる。全てのそのような単一の立体異性体、ラセミ体及びそれらの混合物は、本発明の範囲内であることが意図されている。
【0032】
本明細書において使用される用語「薬学的に許容される塩」は、活性化合物即ち、式(I)の化合物の塩を指し、本明細書に記載された化合物で見出される特定の置換基に応じて、適当な酸又は酸誘導体との反応により調製される。
【0033】
本明細書において使用される用語「認知障害」は、主として、学習、記憶、知覚、及び問題解決に影響する精神的健康の障害の群を指し、記憶消失、認知症、及び譫妄を含む。認知障害は、疾患、障害、慢性的な軽い病気又は毒性に基づいて生じ得る。好ましくは、認知障害は認知症である。認知症の例は、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症候群と関連する認知症、トゥーレット症候群と関連する認知症、閉経後と関係する認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病における認知症、物質に誘発された固執性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症及び一般的病態における認知症を含むが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書において使用される用語「胃腸運動性障害」とは、弛緩性、非弛緩性の食道運動性障害、消化不良、胃不全麻痺、慢性腸擬似閉塞、過敏性腸症候群、及び慢性便秘を含む、胃腸管に効果を及ぼす障害の群を指す。
【0035】
本明細書において使用される用語「患者」とは、動物を指す。好ましくは、用語「患者」は哺乳類を指す。用語哺乳類は、マウス、ラット、イヌ、ウサギ、ブタ、サル、ウマ、ハト、アフリカツメガエル、ゼブラフィッシュ、テンジクネズミ及びヒト等の動物を含む。より好ましくは、患者はヒトである。
【0036】
実施形態:
本発明は、如何なる制限もなく、式(I)の化合物により記載される全ての化合物を包含するが、しかしながら、本発明の好ましい態様及び要素を、ここで、以下の実施形態の形で論ずる。
【0037】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R1は、-(C1~6)-アルキル、-(C5~7)-シクロアルキル、-(C5~7)-ヘテロシクロアルキル、又は-(C6~10)-アリールから選択され;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシ、NH2、CH2OH及び(C1~4)-アルキルから選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている。
【0038】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、R1は、
【0039】
【化2】
【0040】
(式中、
Raは、OH、F及びCH2OHから独立に選択され;
X1は、CH2、O及びNHから独立に選択され;
nは0又は1である)
からなる群から選択される。
【0041】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、
R1
【0042】
【化3】
【0043】
(式中、X1、Ra及びnは、上で定義された通りである)
である。
【0044】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、
R1は、
【0045】
【化4】
【0046】
(式中、X1及びnは上で定義された通りである)
である。
【0047】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、
R1は、
【0048】
【化5】
【0049】
(式中、Raは、上で定義された通りである)
である。
【0050】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、
R1は、
【0051】
【化6】
【0052】
である。
【0053】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、A2は、ハロゲン、水素、-O-(C1~4)-アルキル、-S-(C1~4)-アルキル、-N(CH3)2、-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、ハロ(C1~4)-アルキル、-OH、-NH2、-CONHR2、-CON(R2)2、又は-CNから選択され;式中、R2は、各々の出現するたびに、水素、ハロゲン、-(C1~6)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、又はハロ(C1~4)-アルキルから独立に選択される。
【0054】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、
環A2は、
【0055】
【化7】
【0056】
であり、
(式中、A3は、N又はCHであり;
A4はCH又はCFであり;
Rbは、各々の出現するたびに、ハロゲン、-O-(C1~4)-アルキル、-S-(C1~4)-アルキル、-N(CH3)2、-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、ハロ(C1~4)-アルキル、-OH、-NH2、-CONHR2、-CON(R2)2、-CN、フェニル、ピリジル、ピラゾリル、チアゾリル及びオキサゾリルから独立に選択され;フェニル、ピリジル、ピラゾリル、チアゾリル及びオキサゾリルは、ハロゲン、-OR2、-NHR2、-NHCOR2、-CONHR2、-CON(R2)2、-CN、-O-(C1~2)-アルキル、-S-(C1~2)-アルキル、-(C1~2)-アルキル及び-(C3~6)-シクロアルキルからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されており;R2は、各々の出現するたびに、水素、ハロゲン、-(C1~6)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、又はハロ(C1~4)-アルキルから独立に選択され;
Rcは、水素又は-(C1~4)-アルキルであり;
X2は、NH、-N-(C1~2)-アルキル、O及びSから独立に選択され;
X3は、CH及びNから独立に選択され;
bは0、1又は2であり;
【0057】
【化8】
【0058】
は、連結点を表す)。
【0059】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、
A2
【0060】
【化9】
【0061】
(式中、A3、Rb、Rc及びbは、第1の態様で定義された通りである)
である。
【0062】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、
A2は、
【0063】
【化10】
【0064】
(式中、X2、X3及びA4は、第1の態様で定義された通りである)
である。
【0065】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、
A2は、
【0066】
【化11】
【0067】
(式中、A3、Rb及びbは、第1の態様で定義された通りである)
である。
【0068】
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、又はその同位体形態、立体異性体若しくは薬学的に許容される塩に関し、ここで、A1はCH2である。
【0069】
別の実施形態において、本発明の好ましい化合物は、
N-[1-ヒドロキシ-シクロヘキシルメチル]4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-ベンジル-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(4-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル)]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-フルオロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロヘキシル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロペンチル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロヘキシル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロペンチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシエチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]-4-(3-フルオロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシフェニル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-プロピル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-2-メチルプロピル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-2-イル-メチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシ-シクロヘキシル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[4-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(4-フルオロフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシ-シクロヘキシルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(2-メトキシフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-プロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-2-メチルプロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[3-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-シアノピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-メチルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-カルバモイルピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-フルオロピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-メチルピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メトキシピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-メトキシピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-ヒドロキシピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-フルオロピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-フルオロピリジン-4-イル-メチル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シアノベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-カルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-メチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-エチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シクロプロピルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-イソプロピルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シクロプロピルメチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-メチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(2-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-シアノピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-カルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-シクロプロピルカルバモイルピリジン-5-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-シクロプロピルカルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-シクロプロピルカルバモイルピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-3-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-3-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド及び
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[2-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-4-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド
又はその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される。
【0070】
別の実施形態において、本発明は、本明細書に記載された式(I)の化合物の調製方法に関する。
【0071】
実験手順:
スキーム-1は、式(I)の化合物の調製方法を描き、ここで、
X、R1、R2、A1、A2、P、Q、Y、W及びZは、上で定義された通りである。
【0072】
【化12】
【0073】
工程1: 式Bの化合物の調製
式Aの化合物をシュウ酸ジエチルと、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド又は炭酸セシウムを塩基として使用して、トルエン中において0℃から室温(RT)で10から16時間反応させて、式Bの化合物を得る。
【0074】
工程2: 式Cの化合物の調製
工程1で得られた式Bの化合物を、置換された1-アミノピロールと、塩酸、臭化水素酸又は硫酸等の酸の存在下で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF又はエチレングリコールから選択される溶媒中において0から25℃の温度範囲で1から5時間反応させて、式Cの化合物を得る。
【0075】
工程3: 式Dの化合物の調製
工程2で得られた式Cの化合物を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムから選択される塩基を使用して、H2O、THF、エタノール又はメタノールから選択される溶媒中において50から100℃の温度範囲で2から4時間加水分解して、式Dの化合物を得る。
【0076】
工程4: 式(I)の化合物の調製
工程3で得られた式Dの化合物をアミンR1-NH2と、カップリング試薬、HATU、DCC又はEDC及びトリエチルアミン、DIPEA、又はDABCO等の塩基の存在下で、DMF、THF、ジクロロメタン又は1、4-ジオキサンから選択される溶媒中RTで6から16時間結合させて、式(I)の化合物を得る。
【0077】
【化13】
【0078】
工程1: 式Fの化合物の調製
式Eの化合物を、シュウ酸ジエチルと、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド又は炭酸セシウムを塩基として使用して、トルエン中において0℃から室温(RT)で10から16時間反応させて、式Fの化合物を得る。
【0079】
工程2: 式Gの化合物の調製
工程1で得られた式Fの化合物を、置換された1-アミノピロールと、塩酸、臭化水素酸又は硫酸等の酸の存在下で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF又はエチレングリコールから選択される溶媒中において、0から25℃の温度範囲で1から5時間反応させて、式Gの化合物を得る。
【0080】
工程3a: 式Hの化合物の調製
工程2で得られた式Gの化合物を、ビス(ピナコラト)ジボロネートと、酢酸カリウム、ビス(トリtert-ブチルホスフィン)パラジウムの存在下で、トルエン、1、4-ジオキサン、DMF又はアセトニトリルから選択される溶媒中において還流温度下で、2から12時間反応させて、式Hの化合物を得る。
【0081】
工程3b: 式Jの化合物の調製
工程2で得られた式Gの化合物を、式1aのアリール/ヘテロアリールボロネートエステル又はアリール/ヘテロアリールホウ酸及び1、1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体と、酢酸カリウムの存在下で、トルエン又は1、4-ジオキサンから選択される溶媒中において、90から110℃の温度範囲で7から9時間反応させて、式Jの化合物を得る。
【0082】
工程4: 式Jの化合物を調製するための代替経路
工程3aで得られた式Hの化合物を、式1bの化合物A2-X(ここで、XはBr、Clである)と、炭酸セシウム、炭酸カリウム、又は炭酸ナトリウム;及び[1、1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の、ジクロロメタンとの1:1複合体等の塩基の存在下で、THF、1、4-ジオキサン、トルエン及び水から選択される溶媒の混合物中において、100から120℃の温度範囲内で1から2時間反応させて、式Jの化合物を得る。
【0083】
工程5: 式Kの化合物の調製
工程3b又は工程4で得られた式Jの化合物を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムから選択される塩基を使用して、H2O、THF、エタノール又はメタノールから選択される溶媒中において、50から100℃の温度範囲で2から4時間加水分解して、式Kの化合物を得る。
【0084】
工程6: 式(I)の化合物の調製
工程5で得られた式Kの化合物を、アミンR1-NH2と、カップリング試薬、HATU、DCC又はEDC及びトリエチルアミン、DIPEA、又はDABCO等の塩基の存在下で、DMF、THF、ジクロロメタン又は1、4-ジオキサンから選択される溶媒中において、RTで6から16時間結合させて、式(I)の化合物(ここでA1はCH2である)を得る。
【0085】
式(I)の化合物の調製(ここでA1はCHF又はCF2である)
式(I)の化合物(ここでA1はCH2である)を、N-ブロモスクシンイミド(NBS)等の臭素化剤と、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のラジカル開始剤の存在下で反応させ、続いて水性条件下で加水分解して、中間体のビアリールメタノール/ビアリールケトン誘導体を提供する。ヒドロキシル/オキソ基を含有する中間化合物を、HF-ピリジン、DAST又はトリエチルアミントリヒドロフルオリド等のHF-アミン複合体から選択されるフッ素化剤及び1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブタン-1-スルホニルフルオリド等の活性化剤と、トリエチルアミントリヒドロフルオリドの存在下で反応させて、式(I)の化合物(ここでA1はCHF又はCF2である)を得る。
【0086】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の調製
式(I)の化合物は、任意選択で、適当な酸又は酸誘導体と反応させることによりその薬学的に許容される塩に変換することができる。適当な薬学的に許容される塩は、当業者には明らかであろう。塩は、無機酸例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸、又は有機酸例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息酸、p-トルイル酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸を用いて形成される。
【0087】
式(I)の化合物の立体異性体の調製
式(I)の化合物の立体異性体は、下で示す1種又は複数の従来の方法によって調製することもできる:
a.1種又は複数の試薬をそれらの光学活性形態で使用してもよい。
b.光学的に純粋な触媒又はキラルリガンドを金属触媒とともに還元プロセスで使用することもできる。金属触媒は、ロジウム、ルテニウム、インジウム等であってもよい。キラルリガンドは、好ましくは、キラルホスフィンであり得る。
c.立体異性体の混合物は、ジアステレオマーのキラル酸又はキラルアミン又はキラルアミノアルコール、又はキラルアミノ酸との塩を形成するような従来の方法によって分割されてもよい。ジアステレオマーの生じた混合物は、次に、分別結晶化、クロマトグラフィー等の方法によって分離されてもよく、それに、分割された材料/塩から光学活性生成物を単離する追加の工程が続く。
d.立体異性体の混合物は、キラル酸又はキラル塩基と形成されたジアステレオマーの塩を分割する微生物分割等の従来の方法によって分割されてもよい。利用できるキラル酸は、酒石酸、マンデル酸、乳酸、カンファースルホン酸、アミノ酸等であってもよい。利用できるキラル塩基は、シンコナアルカロイド、ブルシン又はリジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸であってもよい。
【0088】
別の実施形態において、適当な薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩及びコハク酸塩を含む。
【0089】
本発明の別の態様において、式(I)の化合物は、ムスカリンM1陽性アロステリックモジュレーターである。
【0090】
別の態様において、本発明は、それを必要とする患者に、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、アルツハイマー病を処置する方法に関する。
【0091】
別の態様において、本発明は、それを必要とする患者に、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、軽症のアルツハイマー病、中程度のアルツハイマー病、重症のアルツハイマー病、軽症から中程度のアルツハイマー病又は中程度から重症のアルツハイマー病を含むアルツハイマー病を処置する方法に関する。
【0092】
更に別の態様において、本発明は、認知障害、疼痛、統合失調症、睡眠障害又は胃腸運動性障害から選択される疾患又は障害の処置における使用のための式(I)の化合物に関する。
【0093】
更に別の態様において、本発明は、認知障害、疼痛、統合失調症、睡眠障害又は胃腸運動性障害から選択される疾患又は障害の処置のための医薬の製造における式(I)の化合物の使用に関する。
【0094】
更に別の態様において、本発明は、認知障害から選択される疾患又は障害の処置のための医薬の製造における式(I)の化合物の使用に関する。
【0095】
更に別の態様において、本発明は、アルツハイマー病の処置のための医薬の製造における式(I)の化合物の使用に関する。
【0096】
更に別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物と1種又は複数の他の治療剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤及びNMDA受容体アンタゴニストとの組合せに関する。
【0097】
別の実施形態において、本発明の式(I)の化合物は、本発明の式(I)の化合物が効用を有する疾患又は障害の処置において、1種又は複数の他の治療剤との組合せで使用されてもよい。本発明の化合物の組合せの例は、アルツハイマー病の処置の治療剤、例えば、ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、及びタクリン等のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;及びメマンチン等のNMDA受容体アンタゴニストとの組合せを含む。
【0098】
更に別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物とガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、タクリン及びメマンチンから選択される少なくとも1種の治療剤との組合せに関する。
【0099】
更に別の実施形態において、本発明は、認知障害、疼痛、統合失調症、睡眠障害及び胃腸運動性障害の処置における使用のための、式(I)の化合物と1種又は複数の他の治療剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤及びNMDA受容体アンタゴニストとの組合せに関する。
【0100】
更に別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の医薬組成物に関する。式(I)の化合物、又はその立体異性体及びそれらの薬学的に許容される塩を治療で使用するために、それらは、通常、標準薬務に従って医薬組成物に製剤化されるであろう。
【0101】
本発明の医薬組成物は、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を使用して従来様式で製剤化されてもよい。薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、滑沢剤、ポリマー、コーティング剤、溶媒、共溶媒、防腐剤、湿潤剤、増粘剤、消泡剤、甘味剤、着香剤、抗酸化剤、着色剤、可溶化剤、可塑剤、分散剤等である。
【0102】
更に別の態様において、本発明の活性化合物は、ピル剤、錠剤、コート錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ペレット剤、パッチ剤、埋め込み剤、フィルム剤、液剤、半固体剤、ゲル剤、エアロゾル剤、エマルション剤、エリキシル等の形態に製剤化されてもよい。そのような医薬組成物及びそれらを調製する方法は、当技術分野において周知である。
【0103】
更に別の態様において、本発明の医薬組成物は、1から90質量%、5から75質量%及び10から60質量%の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する。医薬組成物中における活性化合物又はその薬学的に許容される塩の量は、約1mgから約500mg、又は約5mgから約400mg、又は約5mgから約250mg、又は約7mgから約150mgの範囲、又はより広い1mgから500mgの範囲内に入る任意の範囲であり得る。
【0104】
活性化合物の投与量は、患者の年齢及び体重、処置されるべき疾患の性質及び重症度等の要因、及びそのような他の要因に依存して変化し得る。それ故、一般式(I)の化合物、それらの立体異性体及び薬学的に許容される塩の薬理学的有効量に関して、如何なる指示も上記の要因を参照する。
【0105】
以下の略記号が本明細書で使用される。
AMP:アデノシン一リン酸
AUC:曲線下の面積
CBr4:四臭化炭素
CCl4:四塩化炭素
Cmax:最大濃度
CDCl3:重水素化クロロホルム
DAST:三フッ化ジエチルアミノ硫黄
DABCO:1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DCM:ジクロロメタン
DCC:N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DEA:ジエチルアミン
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DME:ジメトキシエタン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EC50:50%有効濃度
EDC:二塩化エチレン
HATU:2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCl:塩酸
H2O:水
h:時間
IPA:イソプロピルアルコール
K2CO3:炭酸カリウム
LC-MS/MS:液体クロマトグラフィー-質量分析/質量分析法
MeOH:メタノール
MeOD:重水素化メタノール
NaBH4:水素化ホウ素ナトリウム
NaOH:水酸化ナトリウム
Na2SO4:硫酸ナトリウム
PBr3:三臭化リン
PCl3:三塩化リン
Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2:[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
PPh3:トリフェニルホスフィン
RT:室温(25から30℃)
ROA:投与経路
S.E.M.:平均の標準誤差
SOBr2:臭化チオニル
SOCl2:塩化チオニル
T:温度
THF:テトラヒドロフラン
T1/2:半減期
【実施例
【0106】
(実施例1)
N-[1-ヒドロキシ-シクロヘキシルメチル]4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド
【0107】
【化14】
【0108】
工程1: 0℃に冷却された乾燥トルエン(60.0mL)中で撹拌されたカリウムtert-ブトキシド(4.31g、38.48ミリモル)のスラリーに、1-(4-クロロフェニル)-2-プロパノン(5.0g、29.6ミリモル)及びシュウ酸ジエチル(4.82mL、35.52ミリモル)の混合物を15分の時間をかけて添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した後、反応温度をRTに上昇させて16時間撹拌した。反応物を氷浴温度に冷却して、反応液のpHが2.5に達するまで酢酸水溶液を加えることにより反応を停止させた。反応物をEtOAcで希釈して、2層を分離した。有機層を塩水溶液で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、溶媒を減圧下で除去して工程1の生成物、エチル5-(4-クロロフェニル)-2,4-ジオキソペンタノエート(7.6g)を96%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3): ケト-エノール型の'1:1混合物 δ 14.22 (bs, 0.5H), 7.38-7.25(m, 2H), 7.20-7.10(d, 2H), 6.34 (s, 0.5H), 4.40-4.30(m, 2H), 3.74 (s, 1H), 3.67 (s, 1H), 2.16 (s, 1H), 1.42-1.32 (m, 3H);質量(m/z); 269.1 271.2 (M+H)+.
【0109】
工程2: 工程1で得られた、0℃に冷却されたエタノール中のエチル5-(4-クロロフェニル)-2,4-ジオキソペンタノエート(3.8g、14.17ミリモル)の溶液に、1-アミノピロール(1.22g、14.87ミリモル)、続いて6N HCl(5.76mL)を添加した。反応物をこの温度に更に1時間維持した後、水及びDCMで希釈した。2層を分離して、有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗物塊を得て、それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、エチル4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(2.5g)を56%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.9 (s, 1H), 7.27 (d, 2H), 7.21 (d, 2H), 7.0 (s, 1H), 6.96 (dd, J= 4.0 Hz, 3.2 Hz, 1H), 6.57 (d, J= 8 Hz, 1H), 4.50 (q, 2H), 4.13 (s, 2H), 1.46 (t, 3H); 質量(m/z); 315.1, 317 (M+H)+.
【0110】
工程3: 工程2で得られたエチル4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(2.5g、7.94ミリモル)のエタノール及び水(32.0mL)の1:1の混合物中の撹拌された溶液に、水酸化ナトリウム(0.63g、15.88ミリモル)を添加した。反応物の温度を徐々に上昇させて3時間還流させた。反応物をRTに冷却して、水(20.0mL)で希釈し、エーテルで抽出して非酸性不純物を除去した。このようにして得られた水性層を氷浴温度に冷却して、1N HClでpH5に酸性化した。水性層をクロロホルムで抽出して無水Na2SO4で乾燥させて、溶媒を減圧下で除去して、4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボン酸(1.35g)を59%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.84 (s, 1H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.07 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.65 (d, J= 4.0 Hz, 1H), 4.15 (s, 2H); 質量(m/z); 287.1, 289.2 (M+H)+.
【0111】
工程4: N2下0~5℃のDCM(1.7mL)中の4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボン酸(50.0mg、0.17ミリモル)の溶液に、TBTU(61.0mg、0.19ミリモル)を添加し、続いて1-アミノメチルシクロヘキサノール(25mg、0.19ミリモル)及びDIPEA(0.06mL、0.35ミリモル)を添加して、反応物を4時間撹拌した。得られた反応混合物に氷水(5.0mL)を加えてDCMで抽出した(10mL×2)。有機層を塩水溶液(50mL)で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥させて、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗化合物を得て、それを、フラッシュクロマトグラフィーを使用することにより精製すると、表題化合物N-[1-ヒドロキシ-シクロヘキシルメチル]4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド(26.0mg)が38%の収率で生じた。1H - NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.79 (s, 1H), 7.74 (bs, 1H), 7.27 (d, 2H), 7.21 (d, 2H), 7.15 (s, 1H), 6.93 (dd, J= 4 Hz, 2.8 Hz 1H), 6.54 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.12 (s,2H), 3.5 (d, 2H), 2.05 (bs, 1H), 1.65-1.45 (m, 10H); 質量(m/z); 398.2, 400.2 (M+H)+.
【0112】
(実施例2~18)
実施例2から実施例18の化合物を、一部重要でない変更はあるが、実施例1で記載した実験手順に従って調製した。
【0113】
【表1A】
【0114】
【表1B】
【0115】
【表1C】
【0116】
【表1D】
【0117】
【表1E】
【0118】
【表1F】
【0119】
(実施例19)
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド。
【0120】
【化15】
【0121】
工程1: 0℃に冷却された乾燥トルエン(93.0mL)中のカリウムtert-ブトキシド(6.84g、61.01ミリモル)の撹拌されたスラリーに、1-(4-ブロモフェニル)-2-プロパノン(10.0g、46.93ミリモル)とトルエン(93.0mL)中のシュウ酸ジエチル(7.64mL、56.31ミリモル)との混合物を15分の時間をかけて加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌した後、反応温度をRTに上昇させてこの温度で16時間撹拌した。反応物を氷浴温度に冷却して、酢酸の溶液(5.63mL)及び水(46.9mL)を、反応物のpHが5に達するまで加えた。反応物をEtOAcで希釈して、2層を分離した。有機層を塩水溶液で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、工程1の生成物エチル5-(4-ブロモフェニル)-2,4-ジオキソペンタノエート(13.0g)を89%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3): ケト-エノール異性体の約1:1混合物, δ14.2 (bs, 0.5H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.12-7.06 (m, 2H), 6.34 (s, 0.5H), 4.36-4.30 (m, 2H), 3.72(s, 1H), 3.66 (s, 1H), 2.16 (s, 1H), 1.39 (t, 3H); 質量(m/z); 312.9, 314.9 (M+H)+.
【0122】
工程2: 工程1で得られたエチル5-(4-ブロモフェニル)-2,4-ジオキソペンタノエート(3.8g、14.17ミリモル)の0°Cに冷却されたエタノール中の溶液に、1-アミノピロール(1.22g、14.87ミリモル)、続いて6N HCl(5.76mL)を添加した。反応物をこの温度に更に1時間維持した後、水及びDCMで希釈した。2層を分離して、有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、溶媒を減圧下で蒸発させて粗物塊を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、エチル4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(2.5g)を56%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.91 (s, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.15 (d, 2H), 7.0 (s, 1H), 6.96 (dd, J= 4.2 Hz, 2.8 Hz, 1H), 6.56 (t, 1H), 4.51 (q, 2H), 4.11 (s, 2H), 1.45 (t, 3H); 質量(m/z); 359, 361 (M+H)+.
【0123】
工程3: 工程2で得られたエチル4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(1.28g、3.57ミリモル)の、1,4-ジオキサン(35.7mL)及び水(7.1mL)の混合物中の撹拌された溶液に、酢酸カリウム(0.88g、8.92ミリモル)、N-メチルピラゾールホウ酸(0.58g、4.64ミリモル)を加えた。反応物を15分間脱ガスした。ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(Pd(amphos)2Cl2)(0.25g、0.36ミリモル)を加えて、スクリューキャップで封管を密栓した。内容物を100℃に5時間加熱した。反応物をRTに冷却して、EtOAcで希釈し、水で、続いて塩水溶液により洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して粗物塊を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると表題化合物(エチル4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート)(0.91g)が71%の収率で生じた。1H - NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.90 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.42 (d, J - 8.0 Hz, 2H), 7.28 (d, J - 8.0 Hz, 2H), 7.05 (s, 1H), 6.96 (dd, J = 2.8, 4.0 Hz, 1H), 6.21 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.48 (q, 2H), 4.16 (s, 2H), 3.93 (s, 3H), 1.43 (t, J = 6.8 Hz, 3H);質量(m/z); 361.0 (M+H)+.
【0124】
工程4: 工程3で得られたエチル4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(0.9g、2.52ミリモル)のエタノール(5.0mL)中のr.t.で撹拌されている溶液に、水(10.0mL)に溶解された水酸化ナトリウム(0.2g、5.1ミリモル)を添加した。反応混合物をr.t.で16時間撹拌した。反応物を水(10.0mL)で希釈してエーテルで抽出して非酸性の不純物を除去した。このようにして得られた水性層を氷浴温度に冷却して、1N HClでpH5に酸性化した。水性層をクロロホルムで抽出して、それを無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボン酸(0.63g)を75%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.84 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.42 (d, J - 8.0 Hz, 2H), 7.27 (d, J - 8.0 Hz, 2H), 7.12 (s, 1H), 7.02 (dd, J = 2.8, 4.0 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.18 (s, 2H), 3.95 (s, 3H);質量(m/z); 333.2 (M+H)+.
【0125】
工程5: 4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボン酸(200.0mg、0.6ミリモル)のDCM(10.0mL)中の溶液に、N2下に0から5℃で、DIPEA(0.21mL、1.2ミリモル)、TBTU(212.0mg、0.662ミリモル)及び1-アミノ-2-メチル-2-プロパノール(54.0mg、0.6ミリモル)を順次添加した。反応物を徐々にRTに加温して、4時間撹拌した。反応混合物に氷水(5.0mL)を加えてDCMで抽出した(10mL×2)。有機層を塩水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗化合物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィーを使用することにより精製すると、表題化合物N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド(153.0mg)が63%の収率で生じた。1H - NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.83 (s, 1H), 7.74 (bs, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.27 (d, 2H), 7.2 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.6 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 4.15 (s, 2H), 3.93 (s, 2H), 3.48 (d, 2H), 2.2 (bs, 1H), 1.3 (s, 6H); 質量(m/z); 404.2 (M+H)+.
【0126】
(実施例20~38)
実施例20から実施例38の化合物は、一部重要でない変更はあるが、実施例19に記載した実験手順に従って調製した。
【0127】
【表2A】
【0128】
【表2B】
【0129】
【表2C】
【0130】
【表2D】
【0131】
【表2E】
【0132】
【表2F】
【0133】
【表2G】
【0134】
(実施例39)
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド
【0135】
【化16】
【0136】
工程1: トルエン(110.0mL)の存在下で、実施例19の工程2の生成物の撹拌された溶液に、エチル4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(2.0g、5.57ミリモル)ビス(ピナコラト)ジボラン(2.12g、8.35ミリモル)をRTで加えた。反応物を5分間脱ガスして、PdCl2(dppf).CH2Cl2(0.45g、0.55ミリモル)を添加した。反応混合物の温度を110℃に上昇させて5時間撹拌した。反応混合物をRTに冷却して、セライトの小さいパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で蒸発させて粗物塊を得、それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、工程1の化合物エチル4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ベンジル]ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(1.29g)を57%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.89 (s, 1H), 7.76 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.01 (s, 1H), 6.94 (dd, J = 2.0, 4.0 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.50 (q, 2H), 4.17 (s, 2H), 1.43 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.33 (s, 12H); 質量(m/z); 407.1 (M+H)+.
【0137】
工程2: 上で得られた工程1の生成物の撹拌された溶液に、1、4-ジオキサン(3.7mL)、水(0.8mL)中のエチル4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(150mg、0.37ミリモル)、酢酸カリウム(91.0mg、0.92ミリモル)及び2-クロロ-4-ブロモピリジン(85.0mg、0.44ミリモル)を加えた。反応物を5分間脱ガスしてPdCl2(dppf).CH2Cl2(30.0mg、0.04ミリモル)を加えた。反応混合物の温度を100℃に上昇させて、4時間撹拌した。反応混合物をRTに冷却して、セライトの小さいパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で蒸発させて粗物塊を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、工程2の化合物エチル4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(59.0mg)を41%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.40 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.76 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.44 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.06 (s, 1H), 6.99 (dd, J = 1.8, 4.0 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.51 (q, 2H), 4.23 (s, 2H), 1.43 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 質量(m/z); 392.0 (M+H)+.
【0138】
工程3: 工程2で得られたエチル4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキシレート(59mg、0.15ミリモル)のエタノール(2.0mL)中の撹拌された溶液に、RTで、水(4.0mL)に溶解された水酸化ナトリウム(12mg、0.3ミリモル)を加えた。反応混合物をRTで16時間撹拌した。反応物を水(10.0mL)で希釈して、エーテルで抽出して、非酸性の不純物を除去した。このようにして得られた水性層を氷浴温度に冷却して1N HClでpH5に酸性化した。水性層をクロロホルムで抽出して、それを無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボン酸(0.041g)を75%の収率で得た。1H - NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.43 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.59 (d, J =7.9 Hz, 2H), 7.51 (s, 1H), 7.45 (d, J =7.9 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.04 (dd, J = 1.9, 3.9 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 4.26 (s, 2H); 質量(m/z); 364.0 (M+H)+.
【0139】
工程4: 4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボン酸(41.0mg、0.11ミリモル)のDCM(5.0mL)中の溶液に、N2下において0から5℃で、DIPEA(0.04mL、0.23ミリモル)、TBTU(40.0mg、0.12ミリモル)及び1-アミノ-2-ヒドロキシ-シクロヘキサン(13.0mg、0.11ミリモル)を順次添加した。反応物を徐々にr.t.に加温して、4時間撹拌した。反応混合物を氷水(5.0mL)で急冷して、DCMで抽出した(10mL×2)。有機層を塩水溶液(50mL)で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて粗化合物を得、それをフラッシュクロマトグラフィーを使用することにより精製すると、表題化合物N-[(1S、2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2b]ピリダジン-2-カルボキサミド(29.0mg)が56%の収率で生じた。1H - NMR (400 MHz, CDCl3): δ8.43 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.56 (d, J =7.9 Hz, 2H), 7.51 (s, 1H), 7.40 (d, J =7.9 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 6.95 (dd, J = 1.9, 4.0 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.88-3.78 (m, 1H), 3.55-3.46 (m, 1H), 3.02 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 2.18-2.07 (m, 2H), 1.85-1.75 (m, 2H), 1.45-1.25 (m, 4H); 質量(m/z); 461.1 (M+H)+.
【0140】
(実施例40~50)
実施例40から実施例50の化合物を、一部重要でない変更はあるが、実施例39で記載した実験手順に従って調製した。
【0141】
【表3A】
【0142】
【表3B】
【0143】
【表3C】
【0144】
【表3D】
【0145】
【表3E】
【0146】
【表3F】
【0147】
追加の実施例:
実施例51から実施例71の化合物を、一部重要でない変更はあるが、上で記載した実験手順に従って調製した。
【0148】
【表4A】
【0149】
【表4B】
【0150】
(実施例72)
ムスカリンM1受容体についてのアロステリック力価EC50値の決定
組換えヒトムスカリンM1受容体及びpCRE-Lucレポーターシステムを発現する安定なCHO細胞系統を、細胞に基づくアッセイのために使用した。アッセイは、GPCRに対する化合物の結合を決定する非放射性に基づく手法を提供する。この特異的アッセイでは、受容体の活性化又は阻害により調節される細胞内のサイクリックAMPのレベルが測定される。組換え細胞は、サイクリックAMP応答要素の制御下でルシフェラーゼレポーター遺伝子を宿している。
【0151】
上記の細胞を、96ウェルの透明底白色プレートで10%ウシ胎児血清(FBS)を含有するHams F12培地中で成長させた。化合物又は標準アゴニストの添加に先立って、終夜細胞を血清飢餓状態にした。試験化合物の増大する濃度を、OptiMEM媒体中でアセチルコリンのEC20で細胞に加えた。インキュベーションを、CO2インキュベーター中37℃で4時間継続した。培地を除去して細胞をリン酸緩衝生理食塩水で洗浄した。細胞を溶解してルシフェラーゼ活性を、ルミノメーターで測定した。Graphpadソフトウェアを使用してルミネッセンス単位を、化合物濃度に対してプロットした。化合物のEC50値は、EC20のアセチルコリンの存在下で、ルシフェラーゼ活性を50%だけ刺激するために必要とされる濃度と定義した。結果をtable 1(表5)に示す。
【0152】
【表5】
【0153】
(実施例73)
齧歯類の薬物動態学的研究
雄のWistarラット(260±50グラム)を実験動物として使用した。動物は、ポリプロピレンのケージに個々に収容した。研究の2日前に、頚部の静脈にカテーテルを外科的に挿入するために、雄Wistarラットをイソフランで麻酔した。経口(3mg/kg)及び静脈内(1mg/kg)投薬のために、ラットを無作為に分割して(n=3/群)、経口投薬(p.o.)の前に終夜絶食させた。しかしながら、静脈内投薬に割り当てられたラットは、食物及び水を随意に提供された。
【0154】
予め決めておいた時点で、血液を頚部静脈から収集して、等価の体積の正常生理食塩水を補充した。収集された血液を、10μLのヘパリンを抗凝血剤として含有する標識されたエッペンドルフチューブ中に移した。典型的には、血液試料を、以下の時点で収集した:投薬後0.08、0.25、0.5、1、2、4、6、8、及び24時間。血液を4000rpmで10分間遠心分離した。血漿を分離して、分析まで-80℃で凍結して保存した。検定を経たLC-MS/MS方法により適当な抽出技法を使用して、血漿中の試験化合物の濃度を定量した。試験化合物は、血漿中およそ1~1000ng/mLの較正範囲で定量した。研究試料は、バッチ内で較正試料を使用して分析し、品質対照試料はバッチの全域をカバーした。
【0155】
薬物動態学的パラメーター、Cmax、AUCt、T1/2、クリアランス及びバイオアベイラビリティ(F)を、Phoenix WinNonlin 6.0.4バージョンのソフトウェアパッケージを使用することにより、標準ノンコンパートメントモデルを使用してノンコンパートメントモデルにより計算した。
【0156】
【表6A】
【0157】
【表6B】
【0158】
(実施例74)
齧歯類脳への浸透の研究
雄Wistarラット(260±40グラム)を実験動物として使用した。3匹の動物を各ケージに収容した。動物には、実験中を通して、水及び食物を随意に与えて、12時間明/暗サイクルを維持した。
【0159】
ラットにおける脳浸透は、離散的様式で決定した。投薬日の1日前に、雄Wistarラットを順化させて、それらの体重に従って無作為にグループ分けした。各時点(0.50、1及び2時間)で、n=3の動物を使用した。
【0160】
試験化合物を適当に予め製剤化して、(遊離塩基当量)3mg/kgで経口的に投与した。血液試料を、イソフラン麻酔を使用して心臓穿刺により取り出した。動物を殺害して脳組織を収集した。血漿を分離して脳試料をホモジナイズして、分析まで-20℃で凍結して保存した。血漿及び脳中の試験化合物の濃度を、LC-MS/MS方法を使用して決定した。
【0161】
適当な抽出技法を使用して検定を経たLC-MS/MS方法により、血漿及び脳ホモジェネート中の試験化合物を定量した。試験化合物を、血漿及び脳ホモジェネート中の1~500ng/mLの較正範囲内で定量した。研究試料はバッチ内で較正試料を使用して分析し、品質対照試料はバッチ全体にわたって広がった。脳-血漿比(Cb/Cp)の広がりを計算した。
【0162】
【表7】
【0163】
(実施例75)
目的物認識課題モデル
雄Wistarラット(8~10週齢)を実験動物として使用した。4匹の動物を各ケージに収容した。実験の1日前から、動物を、20%食物不足に保った。実験中を通じて、水を随意に提供した。動物を、温度及び湿度が制御された室内で12時間明/暗サイクルで維持した。実験は、アクリルで作製された円形の又は正方形の活動領域内で実施された。ラットを、1日目に如何なる目的物もなく1時間まで個々の活動領域に慣らした。
【0164】
12匹のラットの1群は、ビヒクルを受け、別の組の動物は、試験化合物を受けた後、慣れ親しむ(T1)及び選択する(T2)テストを受けた。慣れ親しませる段階(T1)の間、ラットは個々に活動領域に3分間置かれて、そこで2つの同一の目的物(a1及びa2)を壁から10cmの所に置いた。T1の24時間後に、長期記憶試験のためのテストを実施した。同じラットはそれらがT1テストで置かれた同じ活動領域に入れられた。選択段階(T2)の間、ラットは、慣れ親しむ目的物のコピー(a3)及び1つの新規目的物(b)の存在下で、3分活動領域を探索することを許された。T1及びT2テストの間、各目的物の探索(匂い嗅ぎ、舐め、噛み又は1cm未満の距離にある目的物に鼻を向けながら鼻毛を動かすことと定義された)を、ストップウォッチを使用して記録した。
T1は、慣れ親しむ目的物を探索するために消費した合計時間(a1+a2)である。
T2は、慣れ親しむ目的及び新規目的を探索するために消費した合計時間(a3+b)である。
【0165】
目的物認識試験は、Behav. Brain Res.、1988、31、47~59頁に記載されてように実施した。
【0166】
【表8】
【0167】
(実施例76)
目的物認識課題モデル(組合せ研究)
本発明の化合物の認知増強性を、このモデルを使用することにより推定した。
【0168】
雄Wistarラット(8~10週齢)を実験動物として使用した。4匹の動物を各ケージに収容した。実験の1日前から、動物を、20%食物不足に保った。実験中を通じて、水を随意に提供した。動物を、温度及び湿度が制御された室内で12時間明/暗サイクルで維持した。実験は、アクリルで作製された開放された領域で実施された。ラットは、1日目に如何なる目的物もなく、個々の活動領域(開放された領域)に20分間慣らされた。
【0169】
12匹のラットの1群は、ビヒクルを受け、別の組の動物は、式(I)の化合物若しくはドネペジル又は式(I)の化合物及びドネペジルを受けた後、慣れ親しむ(T1)及び選択する(T2)テストを受けた。慣れ親しませる段階(T1)の間、ラットは個々に活動領域に3分間置かれて、そこで2つの同一の目的物(a1及びa2)を壁から10cmの所に置いた。T1の24時間後に、長期記憶試験のためのテストを実施した。同じラットはそれらがT1テストで置かれた同じ活動領域に入れられた。選択段階(T2)の間、ラットは、慣れ親しむ目的物のコピー(a3)及び1つの新規目的物(b)の存在下で、3分間活動領域を探索することを許された。T1及びT2テストの間、各目的物の探索(匂い嗅ぎ、舐め、噛み又は1cm未満の距離にある目的物に鼻を向けながら鼻毛を動かすことと定義された)を、ストップウォッチを使用して記録した。
T1は、慣れ親しむ目的物を探索するために消費した合計時間(a1+a2)である。
T2は、慣れ親しむ目的物及び新規目的物を探索するために消費した合計時間(a3+b)である。
識別指数=新規目的物で消費した時間/(新規な及び慣れ親しむ目的物で消費した時間)。
【0170】
目的物認識試験は、Behav. Brain Res.、1988、31、47~59頁により記載されたように実施した。
【0171】
認知向上の効果は、実施例4及びドネペジルの有効用量以下の組合せを用いて観察した。この研究の結果を図1に示す。
【0172】
(実施例77)
結腸の通過に対する効果
体重約20~30gの雄のSwissマウスを、実験前の16時間の間絶食させて、水は自由に飲ませた。マウスには、0.5mlのカルミン色素溶液の投与後30分に実施例1又はビヒクルを投与した。マウスを色素投与後3時間で殺害して、結腸隣接部から色素が移動した距離を測定した。結腸通過を、結腸の通過(%)=100×(カルミンが移動した結腸の長さ/結腸の全長)として表現した。
【0173】
結果: 経口1及び3mg/kgの用量で、試験化合物(実施例38)は、結腸の通過を増大させた。
図1a
図1b
【手続補正書】
【提出日】2021-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】
(式中、
R1は、-(C1~6)-アルキル、-(C5~7)-シクロアルキル、-(C5~7)-ヘテロシクロアルキル、又は-(C6~10)アリールから選択され;その各々は、ハロゲン、ヒドロキシ、NH2、CH2OH及び(C1~4)-アルキルから選択される1つ又は複数の基で場合により置換されており;
A1はCH2、CHF又はCF2であり;
Pは、CH、又はNから独立に選択され;
Qは、CH、又はNから独立に選択され;
Wは、CH、又はNから独立に選択され;
Yは、CH、又はNから独立に選択され;
Zは、CH、又はNから独立に選択され;
A2は、水素、ハロゲン、-OR2、-NHR2、-NHCOR2、-CN、-CONHR2、-CON(R2)2、-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、-(C6~10)-アリール及び-(C5~10)-ヘテロアリールから選択され;-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、-(C6~10)-アリール及び-(C5~10)-ヘテロアリールの各々は、ハロゲン、-OR2、-O-(C1~4)-アルキル、-S-(C1~4)-アルキル、-N(CH3)2、-(C1~4)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル、ハロ(C1~4)-アルキル、-NHR2、-CN、-CONHR2、-NHCOR2、-CON(R2)2から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されており;
R2は、出現するたびに、水素、ハロゲン、-(C1~6)-アルキル、-(C3~6)-シクロアルキル又はハロ(C1~4)-アルキルから独立に選択される)
又はその同位体形態、立体異性体、互変異性体又は薬学的に許容される塩。
【請求項2】
N-[1-ヒドロキシ-シクロヘキシルメチル]4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-ベンジル-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(4-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル)]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-フルオロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロヘキシル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロペンチル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロヘキシル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[シクロペンチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシエチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]-4-(3-フルオロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]-4-(4-クロロベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシフェニル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-プロピル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-2-メチルプロピル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-2-イル-メチル]-4-(4-ブロモベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシ-シクロヘキシル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[4-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(4-フルオロフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシ-シクロヘキシルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(2-メトキシフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(4-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イル]4-[4-(3-ピリジル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[テトラヒドロフラン-3-イルメチル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-プロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-2-メチルプロピル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[3-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル]4-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-クロロピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-シアノピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-メチルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-カルバモイルピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-フルオロピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-メチルピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メトキシピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-メトキシピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-ヒドロキシピリジン-3-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-フルオロピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-フルオロピリジン-4-イル-メチル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シアノベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-カルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-メチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-エチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シクロプロピルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-イソプロピルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-シクロプロピルメチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(4-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-メチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(3-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-(2-イソブチルカルバモイルベンジル)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-シアノピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-カルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(2-シクロプロピルカルバモイルピリジン-5-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(5-シクロプロピルカルバモイルピリジン-2-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(3-シクロプロピルカルバモイルピリジン-4-イル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ベンジル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-3-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[4-(6-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-3-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;及び
N-[(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]-4-[2-(4-メチルカルバモイルフェニル)-ピリジン-4-イル-メチル]-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-カルボキサミド;
又はその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項4】
認知障害、疼痛、睡眠障害又は胃腸運動性障害からなる群から選択される、ムスカリンMl受容体により媒介される疾患又は障害の処置における使用のための、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の化合物と、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤及びNMDA受容体アンタゴニストから選択される1種又は複数の治療剤とを含む組合せ。
【請求項6】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン又はその薬学的に許容される塩から選択され、NMDA受容体アンタゴニストが、メマンチン又はその薬学的に許容される塩である、請求項5に記載の組合せ。
【請求項7】
認知障害、疼痛、睡眠障害又は胃腸運動障害からなる群から選択される、ムスカリンM1受容体に媒介される疾患又は障害の処置における使用のための、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩
【請求項8】
認知障害が、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症候群と関連する認知症、トゥーレット症候群と関連する認知症、閉経後と関連する認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病における認知症、物質に誘発される固執性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、老人性認知症及び一般的病態における認知症からなる群から選択される、請求項7に記載の使用のための化合物
【請求項9】
認知障害、疼痛、睡眠障害及び胃腸運動性障害から選択される疾患又は障害の処置における使用のための、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
認知障害が、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症候群と関連する認知症、トゥーレット症候群と関連する認知症、閉経後と関連する認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病における認知症、物質に誘発された固執性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、老人性認知症及び一般的病態における認知症から選択される、請求項9に記載の使用のための化合物。
【請求項11】
認知障害、疼痛、睡眠障害及び胃腸運動性障害から選択される疾患又は障害の処置のための医薬の製造における、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項12】
認知障害が、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症候群と関連する認知症、トゥーレット症候群と関連する認知症、閉経後と関連する認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病における認知症、物質に誘発される固執性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、老人性認知症及び一般的病態における認知症から選択される、請求項11に記載の化合物の使用。
【国際調査報告】