(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】堆肥化可能またはリサイクル可能な材料で内部が裏打ちされた発送用コンテナ
(51)【国際特許分類】
B65D 81/38 20060101AFI20220106BHJP
B65D 5/56 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B65D81/38 H BRQ
B65D5/56 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521423
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(85)【翻訳文提出日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019057011
(87)【国際公開番号】W WO2020092023
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518346317
【氏名又は名称】ヴェリクール, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョーブ, ダレル
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB01
3E060BB02
3E060BB03
3E060DA24
3E067BA06A
3E067BB02A
3E067BC06A
3E067CA18
3E067EA24
3E067EE33
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA11
3E067GD01
(57)【要約】
コンテナに組み立てることができるパネルは、リサイクル可能な植物繊維パルプで形成され、箱に折り畳まれるように事前切断された一体型外壁と、外壁に積層され、箱に折り畳まれたときに箱の側壁および床部を提供する外壁の部分を覆い、それによって箱の側壁の内側面を覆う1つまたは複数のパッドとを含む。各パッドは、デンプンおよび/またはセルロースおよび/または植物繊維パルプの断熱層を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナに組み立てるためのパネルであって、
リサイクル可能な植物繊維パルプで形成され、箱に折り畳まれるように事前切断された一体型外壁と、
前記外壁に積層される1つまたは複数のパッドであって、前記外壁のうち前記箱に折り畳まれたときに前記箱の側壁および床部を提供する部分を覆うことによって、前記箱の前記側壁の内側面を覆い、各パッドは、デンプンおよび/またはセルロースおよび/または植物繊維パルプの断熱層を含む、パッドと
を備える、パネル。
【請求項2】
前記外壁がダンボールである、請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
前記外壁が、圧縮された植物繊維パルプの実質的に平面状のシートである、請求項1に記載のパネル。
【請求項4】
前記パッドがデンプンおよび/またはセルロースの固体スラブを含む、請求項1に記載のパネル。
【請求項5】
前記スラブが前記外壁に結合されている、請求項4に記載のパネル。
【請求項6】
前記スラブを取り囲むプラスチックまたは植物繊維パルプで形成されたバッグを備え、前記バッグは、前記スラブを包み込み、前記パッドの内側面と、前記外壁を向く前記パッドの外側面の両方を提供する、請求項4に記載のパネル。
【請求項7】
前記スラブが前記バッグ内でルースな状態である、請求項6に記載のパネル。
【請求項8】
前記バッグが前記外壁に結合される、請求項6に記載のパネル。
【請求項9】
前記バッグと前記外壁との間にプラスチックまたは植物繊維パルプで形成された外側ライナを備え、前記バッグは前記外側ライナに結合され、前記外側ライナは前記外壁に結合される、請求項6に記載のパネル。
【請求項10】
前記パッドが、緩充填のデンプンおよび/またはセルロースを取り囲む、プラスチックまたは植物繊維パルプで形成されたバッグを含む、請求項1に記載のパネル。
【請求項11】
前記バッグが、前記外壁に結合されている、請求項10に記載のパネル。
【請求項12】
前記外壁からより離れた前記パッドの表面に結合された、プラスチックまたは植物繊維パルプで形成された内側ライナを備え、前記内側ライナは、前記パッドに結合される、請求項1に記載のパネル。
【請求項13】
前記内側ライナが紙である、請求項12に記載のパネル。
【請求項14】
前記外壁がダンボールである、請求項12に記載のパネル。
【請求項15】
前記パッドと前記外壁との間にプラスチックまたは植物繊維パルプで形成された外側ライナを備え、前記パッドは前記外側ライナに結合され、前記外側ライナは前記外壁に結合される、請求項12に記載のパネル。
【請求項16】
前記内側ライナが紙である、請求項15に記載のパネル。
【請求項17】
前記外壁がダンボールである、請求項15に記載のパネル。
【請求項18】
前記外壁の内面が、前記1つまたは複数のパッドによって覆われない部分を含む、請求項1に記載のパネル。
【請求項19】
前記外壁が、4つの側壁部分と、2つの内側底部フラップと、2つの外側底部フラップとを備え、前記外側底部フラップは、前記1つまたは複数のパッドによって覆われない、請求項18に記載のパネル。
【請求項20】
前記外壁が、2つの内側上部フラップと、2つの外側上部フラップとを備え、前記外側上部フラップは、前記1つまたは複数のパッドによって覆われない、請求項19に記載のパネル。
【請求項21】
前記外壁に積層された前記1つまたは複数のパッドが、前記箱に折り畳まれたときに前記箱の前記側壁および前記床部を提供する前記外壁の前記部分のすべてを覆う、単一のパッドを備える、請求項1に記載のパネル。
【請求項22】
前記外壁に積層された前記1つまたは複数のパッドが、前記箱に折り畳まれたときに前記箱の前記側壁および前記床部を提供する前記外壁の前記部分を覆う、複数のパッドを備える、請求項1に記載のパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱された発送用コンテナに関し、より詳細には、堆肥化可能な断熱材料で裏打ちされた発送用コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
温度に敏感な製品を発送するための従来のコンテナは、板紙箱を含み、その内部は、断熱材料である。従来の断熱材料は、発泡スチロール(EPS)、たとえばスタイロフォームである。たとえば、発泡スチロールのパネルで箱の壁を裏打ちすることができ、パネルの内側で発送される物品を取り囲み、保護するために、別の梱包材料、たとえば気泡緩衝材を置くことができる。あるいは、発泡スチロールは、発送される物品を内部に置くことができる「クーラー」を形成するように機械加工または成形され得る。この場合、外箱は必要でない。いずれの場合も、冷却剤、たとえば氷、ドライアイス、またはゲルパックが、発送される物品と共に箱内の空洞内に置かれ得る。
【0003】
EPSは、比較的安価であり、さまざまな形状に形成しやすいが、堆肥化可能ではない。同様に、断熱に使用されるプラスチックは、通常、リサイクル可能ではない。その結果、コンテナの材料の廃棄が問題となり得る。
【発明の概要】
【0004】
発送される物品の断熱を提供しながら、構成要素がリサイクル可能または堆肥化可能でもあるコンテナが、説明される。
【0005】
1つの態様では、コンテナに組み立てることができるパネルは、リサイクル可能な植物繊維パルプで形成され、箱に折り畳まれるように事前切断された一体型外壁と、外壁に積層され、箱に折り畳まれたときに箱の側壁および床部を提供する外壁の部分を覆い、それによって箱の側壁の内側面を覆う1つまたは複数のパッドとを含む。各パッドは、デンプンおよび/またはセルロースおよび/または植物繊維パルプの断熱層を含む。
【0006】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0007】
外壁は、ダンボールであってもよい。外壁は、圧縮された植物繊維パルプの実質的に平面状のシートであってもよい。
【0008】
パッドは、デンプンおよび/またはセルロースの固体スラブを含むことができる。スラブは、外壁に結合され得る。プラスチックまたは植物繊維パルプで形成された外側ライナが、スラブが外側ライナに結合され、外側ライナが外壁に結合された状態で、スラブと外壁との間に位置決めされ得る。
【0009】
プラスチックまたは植物繊維パルプで形成されたバッグは、スラブを取り囲むことができる。バッグは、スラブの周りを包み込み、パッドの内側面と、外壁を向くパッドの外側面の両方を提供することができる。バッグは、堆肥化可能なバイオプラスチックであってもよい。スラブは、バッグ内でルースな(loose)状態であり得る。バッグは、外壁に結合され得る。プラスチックまたは植物繊維パルプで形成された外側ライナをバッグと外壁との間に位置決めすることができ、バッグを外側ライナに結合することができ、外側ライナを外壁に結合することができる。
【0010】
パッドは、緩充填(loose-fill)のデンプンおよび/またはセルロースを取り囲む、プラスチックまたは植物繊維パルプで形成されたバッグを含むことができる。バッグは、外壁に結合される。プラスチックまたは植物繊維パルプで形成された外側ライナをバッグと外壁との間に位置決めすることができ、バッグを外側ライナに結合することができ、外側ライナを外壁に結合することができる。プラスチックまたは植物繊維パルプで構成された内側ライナは、外壁からより離れたバッグの表面に結合され得る。
【0011】
プラスチックまたは植物繊維パルプで構成された内側ライナを、外壁からより離れたパッドの表面に結合することができ、内側ライナをパッドに結合することができる。内側ライナは、紙であってもよい。外壁は、ダンボールであってもよい。
【0012】
プラスチックまたは植物繊維パルプで構成された外側ライナをパッドと外壁との間に位置決めすることができ、パッドを外側ライナに結合することができ、外側ライナを外壁に結合することができる。
【0013】
外壁の内面は、1つまたは複数のパッドによって覆われない部分を含むことができる。外壁は、4つの側壁部分と、2つの内側底部フラップと、2つの外側底部フラップとを含むことができ、外側底部フラップは、1つまたは複数のパッドによって覆われなくてもよい。外壁は、2つの内側上部フラップと、2つの外側上部フラップとを含むことができ、外側上部フラップは、1つまたは複数のパッドによって覆われなくてもよい。
【0014】
外壁に積層された1つまたは複数のパッドは、箱に折り畳まれたときに箱の側壁および床部を提供する外壁の部分のすべてを覆う単一のパッドであってもよい。外壁に積層された1つまたは複数のパッドは、箱に折り畳まれたときに箱の側壁および床部を提供する外壁の部分を覆う複数のパッドを含むこともできる。
【0015】
潜在的な利点は、(それだけに限定されないが)以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0016】
コンテナは、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能であり、したがって、ごみ処理物を低減しながら容易に廃棄可能である。たとえば厚く堆肥化不能な板紙で形成された外側シートがリサイクル可能である場合、デンプンまたはセルロース断熱材料は、リサイクルプロセス中に容易に溶解することができる。これにより、コンテナは既存の紙リサイクル技術に適合可能となり、それによって断熱材料から外側シートを分離する必要なく、コンテナ全体を紙リサイクルプロセスに送ることができる。
【0017】
コンテナの内部は、フィルム、たとえば難水性フィルムを有することができ、このフィルムは、デンプンまたはセルロース断熱材料を覆って、断熱材料を液体、たとえば結露から保護する。
【0018】
コンテナは、発泡スチロールと等価の断熱を提供することができ、商業用および住宅地用の堆肥化もしくはリサイクルごみ入れ、または廃物ごみ入れ内に廃棄され得る。コンテナは、平坦に発送され、ユーザによって容易に組み立てられ得る。
【0019】
1つまたは複数の実施形態の詳細が、添付の図面および以下の説明において記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】平坦パネルとして展開された状態にある断熱されたコンテナの実装形態の概略上面図である。
【
図1B】箱に折り畳まれたときのコンテナの概略斜視図である。
【
図2】コンテナを形成するパネルの一部の概略断面図である。
【
図3】展開された状態にある外壁の概略上面図である。
【
図4A】外壁の1つの実装形態の一部の概略断面図である。
【
図4B】外壁の別の実装形態の一部の概略断面図である。
【
図4C】外壁の別の実装形態の一部の概略断面図である。
【
図5A】展開された状態にある外壁の部分に断熱層が取り付けられている、展開された状態にあるコンテナの1つの実装形態の概略上面図である。
【
図5B】展開された状態にある外壁の部分に断熱層が取り付けられている、展開された状態にあるコンテナの別の実装形態の概略上面図である。
【
図6】スクライブ線を有するパッドの実装形態の概略断面図である。
【
図8A】パッドの別の実装形態の概略斜視図である。
【
図11A】断熱材料の積み重ねられた複数のスラブを示す概略断面図である。
【
図11B】折り畳まれた位置にあるバッグ内の断熱材料の積み重ねられた複数のスラブを示す概略断面図である。
【
図12】一緒に積層された断熱材料の複数のスラブを示す概略断面図である。
【
図13】バッグ内に隣り合わせに配置された、積み重ねられた複数のスラブを示す概略断面図である。
【
図14A】パッドの別の実装形態の概略斜視図である。
【
図15A】ライナの1つの実装形態の一部の概略断面図である。
【
図15B】ライナの別の実装形態の一部の概略断面図である。
【
図15C】ライナの別の実装形態の一部の概略断面図である。
【
図16】コンテナを形成するパネルの別の実装形態の一部の概略断面図である。
【
図17】平坦パネルとして展開された状態にある断熱されたコンテナの別の実装形態の概略上面図である。
【
図18】平坦パネルとして展開された状態にある断熱されたコンテナの別の実装形態の概略上面図である。
【
図19】平坦パネルとして展開された状態にある断熱されたコンテナの別の実装形態の概略上面図である。
【
図20】コンテナを形成するパネルの別の実装形態の一部の概略断面図である。
【
図21A】コンテナを形成するパネルの別の実装形態の一部の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
さまざまな図面における同じ参照記号は、同じ要素を示す。
【0022】
最初に、いくつかの用語が有益となり得る。「生分解性」は、製品が最終的に無害材料に崩壊することを単に意味するものである。「リサイクル可能」は、製品を再使用できるか、または再使用に適切となるように処理できることを示す。数多くの材料を特殊なプロセスによってリサイクルすることができるが、「街頭でリサイクル可能」は、(すなわち2018年現在)自治体のごみ処理業者による収集およびリサイクルのための街頭の住宅地用または事業用のリサイクルごみ入れ内に廃棄されることが一般的に許容される材料を示す。「堆肥化可能」は、製品がたとえば180日以内ですばやく分解することと、製品が(たとえば、ASTM D6400またはEN13432に従って)肥料として使用できる材料に分解することの両方を示す。「生分解性」である製品は、「堆肥化可能」である必要はない(通常、堆肥化可能ではない)。第一に、「生分解性」製品は、崩壊するのに特定の時間制限はないため、すばやく分解する必要はない。たとえば、アルミニウム缶でさえも数世紀かければ生分解する。さらに、すばやく分解する生分解性製品であっても、肥料として適切な材料を提供しないこともある。
【0023】
梱包用のほとんどの従来の断熱材料、たとえばEPSは、堆肥化可能ではない。
【0024】
少なくともいくらかの断熱能力を有するコンテナは、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能な材料、たとえば波付き板紙、または圧縮された植物繊維パルプのシートの折り畳み可能な外壁から形成され得る。外壁は、実質的に純粋な紙とすることができ、または主に紙であるが、他の材料と混合することもできる。紙は、木材パルプから形成することができるが、紙は、他の植物繊維パルプ、たとえば麻、リネン、または綿を含むこともできる。
【0025】
折り畳み可能な外壁の内側面(すなわち、箱に折り畳まれたときにコンテナの内部を向く表面)に、堆肥化可能、または街頭でリサイクル可能な断熱材料を含むパッドが固定される。特に、パッドは、デンプンまたはセルロースを含むことができる。この断熱材料は、固体パネルとすることができる。この場合、パッドは、デンプンおよび/またはセルロースのパネルのみであり、すなわちこれからなることができる。あるいは、パッドは、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能なバッグ内に含有された、ルースな形態、たとえばペレットまたは繊維のデンプンおよび/またはセルロース材料によって提供され得る。任意選択により、固体パネルは、バッグ内に封入されてパネルを提供することができる。バッグは、ポリエチレン、紙、またはバイオプラスチック、たとえばASTM D6400規格を満たすバイオプラスチックなどのプラスチックフィルムとすることができる。パッドは、デンプンおよび/またはセルロースと、バッグとからなることができる。
【0026】
任意選択により、パッドの内側面(すなわち、箱に折り畳まれたときにコンテナの内部を向く表面)、たとえば断熱材料またはバッグの内側面は、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能なフィルム、たとえばポリエチレン、紙、またはバイオプラスチック、たとえばASTM D6400規格を満たすバイオプラスチックなどのプラスチックフィルムで覆われ得る。
【0027】
フィルムは、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能な材料とすることができる防水層でコーティングされるか、またはこれを含むことができる。難水性材料は、耐水性、撥水性、または防水性材料を含むことができる。たとえば、難水性材料は、ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコンエラストマー、フッ素重合体、およびワックスを含む。難水性材料は、液体、たとえば結露がフィルムを通過するのを防止することができる。
【0028】
いくつかの実装形態では、コンテナは、完全に堆肥化可能であり、すなわち堆肥化可能な材料からなる。いくつかの実装形態では、コンテナは、完全に街頭でリサイクル可能であり、すなわち街頭でリサイクル可能な材料からなる。いくつかの実装形態では、コンテナは、堆肥化可能および街頭でリサイクル可能な材料の組合せで形成される。
【0029】
図1Aは、平坦パネル20aとして展開された状態にある断熱されたコンテナ10の実装形態の上面図である。
図1Bは、箱20bに折り畳まれたときのコンテナ10の斜視図である。箱20bは、長方形の角柱とすることができ、内部空洞22を画定する長方形側壁24を含むことができる。
【0030】
側壁のうちの2つの縁は、接着剤によって連結され得る。たとえば、フラップ29が、1つの側壁を提供するパネル20aの部分24aから延びてよく、このフラップは、たとえば接着剤によって、別の側壁24bを提供する部分24bに固定され得る。
【0031】
箱20bの底部は、1つまたは複数のフラップ26(斜視図であるため
図1Bには示さず)によって閉じられ得る。
【0032】
箱20の上部は、内部空洞22への開口部を提供する。1つまたは複数のフラップ28によって箱20用のカバーを提供することができ、このフラップは、側壁24から内方向に折り畳まれて空洞22の上部を閉じることができる。
【0033】
いくつかの実装形態では、側壁24、ならびにフラップ26および28は、適切な形状に折り畳まれる単一本体のすべての部分となる。あるいは、側壁24およびフラップ26は、単一本体の部分であるが、箱20用のカバーは、別個の蓋によって提供され得る。
【0034】
複数のスロット40が、パネル20aの縁に切り込まれて、フラップ26および/または28を提供するコンテナの部分を画定することができる。たとえば、
図1Aは、3つのスロット40がパネル20aの2つの対向する縁のそれぞれに切り込まれた実装形態を示す。これらのスロットは、パネル20aを4つのサブパネル42に分割し、サブパネルのそれぞれは、側壁24ならびに2つの取り付けられたフラップ26および28に対応する。
【0035】
図1Aに示すパネル20aを
図1Bに示す箱20bに組み立てるために、パネル20aをパネルの中央線に沿って折り畳むことができ、フラップ29は、たとえば接着剤によって部分24bに固定される。次いで、側壁を提供する部分が分離されて、開いた長方形形状を形成することができる。2つの対向する縁からの底部フラップのうちの2つ26a、26bが、内方向に折り畳まれ得る。次いで、他の2つの底部フラップ26c、26dが内方向に折り畳まれて、2つの内側底部フラップ26a、26bを覆うことができる。2つの外側底部フラップ26c、26dは、たとえばテープ、たとえば発送用テープ、マスキングテープ、ダクトテープなどを用いて固定され得る。これにより、
図1Bに示すような上部が開いた箱20bが、提供される。
【0036】
次に、2つの対向する縁からの上部フラップのうちの2つ28a、28bが、内方向に折り畳まれ得る。次いで、他の2つの上部フラップ28c、28dが、内方向に折り畳まれて、2つの内側上部フラップ28a、28bを覆うことができる。2つの外側上部フラップ28c、28dは、たとえばテープ、たとえば発送用テープ、マスキングテープ、ダクトテープなどを用いて固定され得る。
【0037】
折り畳み線が、想像線によって
図1Aに示される。いくつかの実装形態では、パネル20aは、折り畳みをより容易にするために、折り畳み線に沿って切目が入れられる。
【0038】
図1A、3、および5Aは箱に折り畳むことができるパネル20aの1つの構成を示すにすぎず、多くの他の構成が可能であることに留意されたい。通常、説明する技術は、正方形または長方形の箱に折り畳むことができるパネル、およびRSC(レギュラースロットカートン(regular slotted carton))箱、HSC(ハーフスロットコンテナ(half slotted container))箱、AFM(オールフラップミート(all flaps meet))箱、FOL(フルオーバーラップ(full overlap))箱などに適用可能である。
【0039】
たとえば、
図17は、箱に折り畳むことができる別のパネル20aを示す。この場合、隣接する側壁24を提供するパネル20aの部分は、たとえばテープによって固定される必要がある(ただし、各側壁24は、床部26に連続的に接合される)。
【0040】
別の例として、
図18は、パネル20aを示し、ここでは下側フラップのうちの1つ26eおよび上側フラップのうちの1つ28eは、箱20aにわたって全体的に(
図1Aに示すように箱の半分にわたってではなく)嵌合するのに十分な長さである。これらのフラップ26e、28eは、パッド32によって覆われる。他のフラップは、パッドによって覆われる必要はない。これらのフラップ26e、28eは、パッド32が他のフラップによって覆われないように、最初に折り畳まれ得る。この構成は、断熱パッド32が床部または天井部の中央線において破断部を有さず、したがって優れた断熱を有することができる点において有益であることができる。
【0041】
加えて、
図1A、5A、および5Bは、パッドの位置のための1つの構成を示すにすぎず、他の構成が可能である。たとえば、
図19を参照すれば、下側フラップ26および/または上側フラップ28はパッドで覆われなくてよく、それにより、組み立てられた箱は、床部および/または天井部上に断熱材料を有さない。
【0042】
パネル20aは、完全に展開された状態で顧客に発送され得る。この場合、ライナ付き接着剤ストリップが、フラップ29上に置かれ得る。受け取り時、顧客はライナを除去し、フラップ29を部分24bに固定することができる。あるいは、パネル20aは、顧客に発送される前に、フラップ29を接着剤によって部分24bに固定した状態で、中央線に沿って折り重ねられ得る。この場合、発送されるときのパネルは依然として平坦であるが、完全に展開されたパネルと比較して厚さは2倍である(そして長さは半分である)。
【0043】
図2を参照すれば、コンテナ10を提供するパネル20aは、積層構造であり、この積層構造は、外壁30と、デンプンまたはセルロースを断熱材料として含有するパッド32と、任意選択によりパッド32を覆う内側ライナ34とを含む。外壁30の外面は、箱20bの外面を提供し、その一方でパッド32の内面32aまたはライナ34の内面34aは、箱20bの内面を提供する。
【0044】
図3を参照すれば、外壁30は、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能な材料で形成される。外壁30は、板紙に匹敵する硬度を有する。
【0045】
外壁30は、パネル20aと同じ形状を有することができる。たとえば、複数のスロット40が、外壁30の縁に切り込まれて、フラップ26および/または28を提供する外壁30の部分を画定することができる。スロット40は、他の層、たとえばデンプンもしくはセルロース層32および/またはライナ34が外壁30上に積層される前、またはその後に切られ得る。
【0046】
各サブパネル41は、隣接するサブパネル41に連続的に接合され得る。この文脈では、「連続的」は、これらの部分が材料組成物中に不連続性を有さずに接合されることを示す。この材料組成物中には、継ぎ目を示すギャップ、接着剤、溶融領域、または類似の破壊部は存在しない。したがって、箱20bに組み立てられたとき、(部分24aおよび24bに対応する(
図1を参照))2つの隣接する側壁は接着剤を用いて接合されるが、隣接する側壁24の残りの対は、連続的に接合される。
【0047】
外壁30は、ダンボール、すなわち平面シート44に取り付けられる(
図4Aを参照)か、または2つの平面シート44間に挟まれる(
図4Bを参照)溝付きの波付きシート42とすることができ、そのすべては、植物繊維パルプベースの材料で形成される。ダンボールの厚さは、約0.01から0.25インチの間、たとえば0.05インチとすることができる。ダンボール内のシートの厚さは、0.005および0.05インチ、たとえば0.01インチとすることができる。溝付き層42は、0.02から0.2インチの深さを有する溝を有することができる。平面シート44のうちの1つは、パネル20aの底面(およびコンテナが折り畳まれたときは箱20aの外側)を提供することができる。外壁が、単一の溝付きの波付きシート72を有するダンボールである場合、パッド32は、溝付きの波付きシート72に取り付けられ得る。
【0048】
あるいは、外壁30は、単に単一の均質シート44’(
図4Cを参照)とすることができ、均質シートは、(ダンボール内のシートの厚さと比較して)比較的厚く、植物繊維パルプベースの材料で形成される。単一の均質シート44’は、実質的に平面状とすることができる。単一の均質シートの厚さは、約0.01から0.25インチの間とすることができる。
【0049】
ダンボールまたは単一の均質シートを提供するシート42および/または44は、実質的に純粋な紙とする(木材パルプから形成する)ことができるか、または主に紙であるが、他の材料と混合することもできる。たとえば、紙は、他の植物繊維パルプ、たとえば麻、リネン、または綿を含むことができる。あるいは、シートは、紙以外の圧縮された植物繊維パルプで主にまたは全体的に形成され得る。たとえば、植物繊維は、ココナッツ殻、トウモロコシ殻、リネン、綿、竹材、またはバガスからの繊維とすることができる。いくつかの場合、異なる植物からの植物繊維の組合せが、使用され得る。
【0050】
図5Aを参照すれば、1つまたは複数のパッド32が、外壁30に固定される。各パッドは、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能な断熱材料を含む。特に、パッド32は、グルコース鎖ポリマー、たとえばデンプンおよび/またはセルロースを含み、たとえばこれからなることができる。
【0051】
断熱材料は、主に、デンプン、たとえば押し出されたデンプン、および/またはセルロース、たとえば押し出されたセルロース、および/または圧縮された植物繊維、たとえば成形された植物繊維パルプで形成され得る。
【0052】
デンプンは、粒デンプン、たとえばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、もしくはソルガム(ソルガムはミロとしても知られている)、地下デンプン、たとえばバレイショデンプン、植物性デンプン、またはそれらの組合せとすることができる。植物繊維は、木材、麻、リネンココナッツ(linencoconut)殻、トウモロコシ殻、リネン、綿、竹材、またはバガスの繊維とすることができる。
【0053】
デンプンおよび/またはセルロースとする断熱材料は、材料の固体ブロックを形成することができるが、このブロックは、多孔性であることができる。たとえば、デンプンおよび/またはセルロースは、独立気泡孔を取り囲む固体マトリックスを提供することができる。
【0054】
圧縮された植物繊維パルプとする断熱材料もまた、材料の固体ブロックを形成することができ、ブロックは多孔性とすることができる。たとえば、植物繊維パルプは、独立気泡孔を取り囲む固体マトリックスを提供することができる。あるいは、圧縮された植物繊維パルプとする断熱材料は、連続または独立気泡ポケットを形成するようにしわ寄せされるか、またはしわくちゃにされた材料のシートとすることができる。
【0055】
断熱材料のブロックは、材料とすることができ、断熱材料は、4分の1から3インチの厚さとすることができる。断熱材料のシートは、500分の1から10分の1インチの厚さとすることができるが、これらのシートは、しわ寄せされるか、またはしわくちゃにされた形態で、4分の1から3インチの類似の厚さを有することができる。
【0056】
たとえば、接着を改善するための軟化剤、または保存剤もしくは抗真菌剤などの、断熱材料の堆肥化可能な性質を妨げない他の材料が少量でのみ存在することができる。たとえば、断熱材料の少なくとも85重量%、たとえば少なくとも90~95重量%は、デンプンおよび/またはセルロースである。ポリビニルアルコールは、たとえば5~10重量%で存在することができる。
【0057】
断熱材料が主にデンプンである場合、断熱材料は、堆肥化可能である。さらに、断熱材料は、リサイクルプロセス中容易に溶解することができる。これにより、断熱材料は既存の紙リサイクル技術に適合可能となり、それによって断熱材料から外側シートを分離する必要なく、コンテナ全体を紙リサイクルプロセスに送ることができる。
【0058】
断熱材料が主にセルロースである場合、断熱材料は、既存の紙リサイクル技術に適合可能である。
【0059】
断熱材料は、外壁30とは異なる組成物または構造的完全性を有する。たとえば、外壁30は、植物繊維パルプとすることができ、その一方で断熱材料は、デンプンとすることができる。または、外壁30は、第1の植物繊維パルプ、たとえば紙パルプとすることができ、その一方で断熱材料は、異なる第2の植物繊維パルプ、たとえばココナッツ殻、トウモロコシ殻、リネン、綿、竹材、またはバガスからの繊維のパルプとすることができる。または外壁30は、第1のプロセスによって製造された植物繊維パルプ、たとえば紙パルプとすることができ、その一方で断熱材料は、第1のプロセスとは異なる程度の圧縮、細孔密度などを有する断熱材料を提供する異なる第2のプロセスによって製造された植物繊維パルプ、たとえば紙パルプとすることができる。たとえば、外壁を押し出しおよび乾燥によって形成することができ、その一方で断熱材料を成形によって形成することができる。
【0060】
パッド32、たとえば(スラブ60または粒子64である)断熱材料は、外壁30より圧縮可能であることができる。加えて、パッド32、たとえば(スラブ60または粒子64である)断熱材料は、外壁30より柔軟であることができる。
【0061】
図5Aに示すように、各それぞれの側壁に対応する外壁30の各それぞれの部分に対して別個のパッド32が存在することができる。加えて、パッド32は、2つの対向する底部フラップ26上に置かれ得る。特に、パッド32を底部の内部フラップ26aおよび26b上に置くことができ、それにより、箱20bに組み立てられたとき、それぞれのパッド32は内部により近くなる。対照的に、他の2つの対向する底部フラップ、たとえば底部の外部フラップ26cおよび26dは、パッドを有さない。同様に、パッド32は、2つの対向する上部フラップ26上に置かれ得る。特に、パッド32を上部の内部フラップ28aおよび28b上に置くことができ、それにより、箱20bに組み立てられたとき、それぞれのパッド32は内部により近くなる。その逆に、他の2つの対向する底部フラップ、たとえば外部の上部フラップ28cおよび28dは、パッドを有さない。
【0062】
パッド32をわずかに、たとえば0.125から0.5インチだけ離間させて、外壁の各部分に対して別個のパッドを置くことにより、パッド32が比較的厚い場合でも、パネル20aを箱20bに折り畳むことができる。
【0063】
しかし、
図5Aは、複数のパッド32を使用する1つの構成を示すにすぎず、多くの他の構成が可能であることに留意されたい。パッドのいくつかまたはすべては、単一のパッドに組み合わせられ得る。たとえば、
図5Bは、外壁30上の同じ領域を覆う単一のパッド32のみを含むパネルの別のパネル20aを示す。加えて、パッド32のいくつかを組み合わせることができ、たとえば各サブパネル42は、側壁24に対応する外壁30の部分と、フラップのうちの1つの両方を覆う単一のパッドを有することができる。または、側壁のすべてに対して単一のパッドおよび各フラップに対して別個のパッドが存在することができる。当然ながら、(たとえば、
図17に示すような)パネル20aの他の構成は、他のパッド構成を有することができる。
【0064】
任意選択により、パネル20aを箱20bに折り畳むことができるようにパッド32の柔軟性を高めるために、パッド32は、スクライブ線50(
図6を参照)、たとえば圧縮されるか、または材料が除去された、パッドに沿った線を含むことができる。スクライブ線は、パッド32が外壁30上の折り畳み線に及ぶところに位置決めされ得る。
【0065】
図7Aおよび7Bを参照すれば、いくつかの実装形態では、断熱材料は、固体スラブ60として提供される。この場合、パッド32は、デンプンおよび/またはセルロースのスラブのみであり、すなわちこれからなることができる。たとえば、
図7Aに示すように、パッド32は、簡単な長方形スラブ60とする(またはたとえば
図5Bに示す輪郭に合致するようにより複雑であるが、依然として平坦なスラブとする)ことができる。
【0066】
いくつかの実装形態では、スラブ60は、外壁30に直接固着される。たとえば、スラブ60は、接着剤によって外壁30に固定され得る。接着剤は、別個の添加剤とすることができ、またはスラブ60が外壁30に付着するように、スラブの面に水をかけてスラブ60の表面にあるデンプンまたはセルロースを粘着性にすることによって、接着剤を提供することができる。
【0067】
図8Aおよび8Bを参照すれば、いくつかの実装形態では、断熱材料の固体スラブ60は、バッグ62内に封入されてパッド32を提供する。この場合、パッド32は、バッグならびにデンプンおよび/またはセルロースのスラブ(そしてバッグ内の空気)のみであり、すなわちこれらからなることができる。スラブ60は、簡単な長方形の固体とする(またはたとえば
図5Bに示す輪郭に合致するように、より複雑であるが依然として平坦なスラブとする)ことができ、バッグ62は、全体的に、スラブ60の形状に合致することができる。
【0068】
バッグ62の内部は、少量の空気を含むことができる。いくつかの実装形態では、空気は、バッグ62がシールされる前に外に吸い出され、それにより、バッグ62の内部から空気が排除される。
【0069】
スラブ60の主要表面に平行な方向に、バッグ62の内部によって提供されたポケットは、各側においてスラブ60より最大約0.5インチ大きくなることができる。
【0070】
スラブ60は、バッグ62内でルースに着座することができ、たとえばバッグ62内を摺動することができる。すなわち、パネルはフィルムに結合されず、または別の形で定着されない。たとえば、フィルムは、パネルと摺動接触することができる。
【0071】
あるいは、スラブ60は、バッグに取り付けられ得る。たとえば、バッグ62は、バッグをスラブ60に熱結合することによってスラブ60に固定され得る。別の例として、バッグ62は、接着剤によってスラブ60に固定され得る。接着剤は、別個の添加剤とすることができ、またはスラブがバッグに付着するように、スラブに水をかけてスラブの表面にあるデンプンまたはセルロースを粘着性にすることによって、接着剤を提供することができる。
【0072】
各スラブ60は、スラブの長さおよび幅と比較して、比較的薄く、たとえば約0.25~4インチの厚さである。スラブ60の厚さは、その最も狭い寸法に沿うものと考えられ、その一方でスラブ60の長さおよび幅は、厚さに垂直に、主要面に沿った2つの方向に沿うものと考えられる。
【0073】
各スラブは、「固体」であり、この文脈では、スラブが、緩充填のペレットの形態ではなく、単一ユニットとして互いに保持し合っていることを示す。圧縮されたデンプンペレットは固体部を形成せず、圧力の除去時ペレットはばらばらになり、圧力上昇はペレットを砕き、または粉状にするだけであることが、留意され得る。押し出されたデンプンおよび/またはセルロースの固体スラブは、堆肥化可能でありながらも、相当な断熱を提供する。
【0074】
押し出されたデンプンおよび/またはセルロースの固体スラブは、堆肥化可能でありながらも、相当な断熱を提供する。
【0075】
スラブが、たとえばパネル内に実質的に均一に分散された小さい細孔または空隙を含むように、発泡体材料であることが可能である。たとえば、スラブの体積の10~80%、たとえば25~75%、25~50%、10~25%、50~75%が、細孔または空隙とすることができる。細孔または空隙の最大サイズは、約1mmとすることができる。スラブは発泡体材料とすることができるが、通常は圧縮不能である。スラブの密度は、約0.4~3.5g/cm3、たとえば0.6~1.0g/cm3、0.8~2.0g/cm3、1.0~3.5g/cm3とすることができる。
【0076】
各スラブは、均一の均質組成のものであることができる。さらに、各スラブは、一体型本体であることができ、すなわちパネルの本体は、接着剤または締結具を使用して複数のセクションを一緒に接合してパネルを形成するのではなく、それ自体で互いに保持し合っている。
【0077】
スラブの厚さは、約4分の1~3インチ、たとえば4分の1~4分の3インチとすることができる。いかなる所与のスラブも、その主要表面にわたって実質的に均一な厚さを有することができる。スラブの表面は、通常、平坦とすることができ、または1つもしくは複数の表面は、波付きとすることができる(
図9を参照)。波付きは、スラブの有効厚さを、たとえば最大4倍まで上昇させることができる。この場合、スラブの厚さは、依然として均一であることができるが、スラブは、波形部を有して形作られる。
【0078】
各スラブ60は、たとえばデンプン材料である場合、押し出しプロセスによって形成され得る。あるいは、各スラブ60は、たとえば植物繊維パルプ材料である場合、成形プロセスによって形成され得る。押し出し後、各スラブは、適切なサイズに切断され得る。加えて、任意選択により、縁には斜面が付けられ得る。
【0079】
1つまたは複数のスラブ50以外、バッグ62内にはいかなる他の断熱材料も必要ではない。たとえば、応力がかけられたことによってスラブのうちの1つが砕かれない限り、バッグによって封入された体積部内には他の断熱材料のルースなペレットまたは部片は存在しない。いくつかの実装形態では、パッド32は、1つまたは複数のスラブと、バッグと、任意選択により、スラブをバッグに、または互いに固定するためのいくらかの接着剤と、任意選択により、フィルムによって封入された体積部内側のいくらかの空気とからなり、すなわちこれらしか含まない。
【0080】
バッグ62は、ポリエチレン、もしくはバイオプラスチック、たとえばASTM D6400規格を満たすバイオプラスチックなどのプラスチックフィルム、または可撓性紙とすることができる。
【0081】
いくつかの実装形態では、バッグ62は、堆肥化可能であり、たとえばASTM D6400規格を満たすバイオプラスチックである。堆肥化可能なフィルムに適した材料は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(β-アミノ)エステル(PBAE)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリカプララクトン(PCL)、ポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリビニルアルコール(PVA)、またはエチレンビニルアルコール(EVOH)のうちの1つまたは複数に基づくポリマーである。たとえば、PBATおよびPEの組合せが適切となり得る。別の例として、PEおよびPLAの組合せも適切となり得る。いくつかの実装形態では、ポリマーは、有機生成物、たとえばトウモロコシデンプンなどのデンプンと混合され得る。
【0082】
いくつかの実装形態では、フィルムは、リサイクル可能であり、生分解性である。リサイクル可能なフィルムに適した材料は、ポリエチレンである。たとえば、フィルムは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)または高密度ポリエチレン(HDPE)とすることができる。ポリエチレンの利点は、製造が容易であり、耐水性が良好であることである。
【0083】
デンプンベースの断熱に関する問題は、これが水に溶解しやすいことである。発送される物品が低温であるか、またはコンテナ10の内部に冷却剤が置かれる場合、結露がパッド30の内側面に形成され得る。しかし、バッグ62は、液体、たとえば結露がデンプンまたはセルロースに到達するのを防止し、こうして、デンプンまたはセルロースをコンテナ内で断熱体として使用できることを可能にする。
【0084】
図10を参照すれば、スラブ60をバッグ62の内側に含むパッド32を製造するために、スラブ60は、フィルムの2つのシート62a、62b間に置かれ得る。フィルムのシート62a、62bの縁を、たとえばスラブ60の全周囲に沿って互いにヒートシールすることができ、こうして、スラブ自体よりわずかだけ大きい寸法を有するフィルムのポケット内にスラブ60を封入し、シールする。適切なシーリング温度は、100℃超である。ヒートシールの外側の余分なフィルムは、切断除去され得る。
【0085】
あるいは、フィルムは、管状形態で提供され得る。パッド30を製造するために、パネルは、フィルムのチューブ内側で摺動され、チューブの2つの開放端部は、ヒートシールされる。これにより、パネルが内部に着座するポケットが形成される。
【0086】
バッグ62は、外壁30に直接固着され得る。たとえば、バッグ62は、接着剤によって外壁30に固定され得る。
【0087】
いくつかの実装形態では、パッド32は、1つだけのスラブ60を含む。しかし、
図11Aおよび11Bを参照すれば、いくつかの実装形態では、パッド32は、複数のスラブ60を含む。スラブ60は、その厚さ方向に沿って積み重ねられ、隣り合わせに配置されない。これにより、より厚いパッド32の製造が可能になり、したがって断熱能力が高まる。たとえば、これにより、パッド32の総厚さを約1~4インチにすることが可能になる。加えて、隣り合わせのパネル間で生じるギャップを回避することにより、断熱を向上させることができる。
図11Aに示す例では、3つのスラブ60a、60b、および60cが存在するが、2つだけのスラブまたは4つもしくはそれ以上のスラブが存在することもできる。
【0088】
外壁30の折り畳み線に及ぶパッド32については、スラブ60に切目を入れることができる場合である。切目入れ50は、(パネルを切断するのではなく)線に沿ってパネルの積み重ねを圧縮することによって実行され得る。その結果、切目付き領域では、パネルのいくつかが、下にあるパネルに部分的に押し入れられ得る。
【0089】
外壁30の折り畳み線に及ぶパッド32については、各スラブ60は、積み重ね配置を補償するためにすぐ下にあるスラブより短くなることができる。これにより、スラブ60の端部が、(たとえば、
図11Bに示すように)折り畳まれたときに実質的に位置合わせされることが可能になる。加えて、各スラブの端部にあるセクションの端部は、角度を付けて切断される。たとえば、それにより、パッド32が内方向に折り畳まれたとき、スラブ60の端部同士が位置合わせされるようになる。
【0090】
上記で論じたさまざまな実装形態では、個々のスラブ60は、バッグ62によって提供されたポケット内に上下に載置することになる。しかし、スラブ60は、互いに定着させず、たとえば、スラブは、接着剤によって、または構成要素を互いに相互係止することによって固定されない。
【0091】
図12を参照すれば、いくつかの実装形態では、複数のパネルを接合することなく積み重ねることができるが、複数のスラブ60を一緒に積み重ね、積層することも可能である。これにより、結果として生じるパッドの総厚さを、たとえば1から3インチの厚さまで増大させることができる。スラブ60は、堆肥化可能な接着剤100の薄い層によって接合され得る。
【0092】
外壁30の折り畳み線に及ぶパッド32については、スラブ60に切目を入れることができる場合である。切目入れ50は、(パネルを切断するのではなく)線に沿ってスラブの積み重ねを圧縮することによって実行され得る。その結果、切目付き領域では、スラブのいくつかが、下にあるスラブに部分的に押し入れられ得る。
【0093】
図13を参照すれば、いくつかの実装形態では、パッド32は、バッグ62内に隣り合わせに配置された複数のスラブ60を含む。これにより、パッド32は、折り畳みが容易でありながら、パネル20aの複数の領域(たとえば、複数の側壁24ならびに/または側壁およびフラップの両方)に及ぶことが可能になる。パネル間のギャップは、外壁30の折り畳み線に対応することができる。
図13に示す例では、3つのスラブ60a、60b、および60cが存在するが、2つのスラブだけ、または4つもしくはそれ以上のスラブが存在することもできる。
【0094】
固体スラブではなく、パッドは、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能なバッグ内に含有された、ルースな形態、たとえばペレットまたは繊維のデンプンおよび/またはセルロース材料によって提供され得る。
図14Aおよび14Bを参照すれば、断熱材料のルースな粒子64、たとえばペレットまたは繊維は、バッグ62内に封入されてパッド32を提供する。この場合、パッド32は、バッグならびにデンプンおよび/またはセルロースのルースな粒子(そしてバッグ内の空気)のみであり、すなわちこれらからなることができる。バッグ62は、上記で説明したように外壁に固定され得る。粒子は、約8分の1~2インチの最大寸法を有することができる。
【0095】
パッド32は、パッド32の外側面全体に沿って外壁30に取り付けられ得る。たとえば、接着剤層は、パッド32の外側面に及ぶことができる。しかし、いくつかの実装形態では、外壁30は、パッド32の全体に取り付けられるのではなく、パッド32の縁に沿ってのみパッド32に取り付けられる。
【0096】
図2に戻れば、任意選択のライナ34が、パッド32の内側面32aに取り付けられ、たとえばこれ上に積層され得る。各パッド32に対して1つのライナが存在することができ、または複数のパッド32を覆うライナが存在することができ、または1つまたは複数のパッド32によって覆われた外壁30の部分すべてを覆う単一のライナが存在することができ、またはパネル20aの内側面全体を覆う単一のライナが存在することができる。
【0097】
ライナ34は、パッド32に取り付けられるのではなく、パッド32の上部でルースに着座することができる。この場合、細い空気ギャップ35(
図20を参照)が、いくつかの区域内でライナ34とパッド32との間に存在することができる。
【0098】
図2に示すように、ライナ34は、パッド32の表面全体に沿ってパッド32に取り付けられる。しかし、いくつかの実装形態では、ライナ34は、パッド32の全体に取り付けられるのではなく、パッド32または直接外壁30に、パッド32の縁に沿ってのみ取り付けられる。
【0099】
たとえば、
図21Aおよび21Bを参照すれば、第1のライナ34-1が、たとえば接着剤80によって直接外壁30に、側壁34を提供する外壁30の部分の周囲に沿って取り付けられる。加えて、第2のライナ34-2が、たとえば接着剤80によって直接外壁30に、フラップのうちの1つ、たとえば底部フラップ26を提供する外壁30の部分の周囲に沿って取り付けられる。これにより、パッド32とライナ34との間の空気ギャップ35の形成が可能になる。ライナ34は、こうして、パッド32を封入するポケットを提供する。これにより、パッドを箱20aの内部22内に置かれた内容物から保護することが可能になる。
【0100】
当然ながら、ライナ34を取り付けるための多くの代替の構成が可能である。たとえば、ライナは、パッド32の周囲に沿って直接パッド32に取り付けられ得る。別の例として、外壁の複数の部分、たとえば側壁24とフラップ26の両方を提供する部分に及ぶ単一のライナが存在することができ、この単一のライナは、外壁30またはパッド32にそれぞれの部分の周囲に沿って、またはライナ34の周囲に沿ってのみ(たとえば、ライナ34が折り畳み線に及ぶところでは固定されずに)固定され得る。
図21Bは、ライナ34を、パッドを有さない外壁30の部分、たとえばフラップ28を覆わないものとして示す。しかし、ライナ34は、パッドを有さない外壁30の部分を覆うこともできる。
【0101】
ライナ34は、植物繊維パルプ材料、たとえば紙とすることができる。ライナ34は、プラスチック、たとえばポリエチレンとすることができる。ライナは、堆肥化可能または街頭でリサイクル可能とすることができる。
【0102】
いくつの実装形態では、ライナ34は、ダンボール、すなわち平面シート74に取り付けられる(
図15Aを参照)か、または2つの平面シート74間に挟まれる(
図15Bを参照)溝付きの波付きシート72とすることができ、そのすべては、植物繊維パルプベースの材料で形成される。ダンボールの厚さは、約0.01から0.25インチの間、たとえば0.05インチとすることができる。ダンボール内のシートの厚さは、0.005および0.05インチ、たとえば0.01インチとすることができる。
【0103】
あるいは、ライナ34は、植物繊維パルプベースの材料で形成された、単に単一の均質シート74’(
図4Cを参照)とすることができる。単一の均質シート44’は、実質的に平面状であることができる。単一の均質シートの厚さは、約0.01から0.25インチの間とすることができる。
【0104】
ダンボールまたはライナ34の単一の均質シートを提供するシート72および/または74は、実質的に純粋な紙とする(木材パルプから形成する)ことができるか、または主に紙であるが、他の材料と混合することもできる。たとえば、紙は、他の植物繊維パルプ、たとえば麻、リネン、または綿を含むことができる。あるいは、シートは、紙以外の圧縮された植物繊維パルプで主にまたは全体的に形成され得る。たとえば、植物繊維は、ココナッツ殻、トウモロコシ殻、リネン、綿、竹材、またはバガスからの繊維とすることができる。いくつかの場合、異なる植物からの植物繊維の組合せが、使用され得る。
【0105】
あるいは、ライナ34は、プラスチック、たとえばポリエチレンで形成された単一の均質シート74’であることができる。単一の均質シート74’は、実質的に平面状であることができる。プラスチックのシート74’は、約0.01から0.25インチの間の厚さを有することができる。
【0106】
外壁30は、ライナ34より厚くすることができる。ライナ34は、外壁30よりも柔軟であることができる。
【0107】
いくつかの実装形態では、ライナ34は、液体、たとえば結露がライナ34を通過できないように、1つまたは複数の難水性材料のコーティングでコーティングされる。コーティングは、紙上に噴霧するか、液体を紙上に注ぎ、硬化させるか、またはコーティングの別個の層を形成し、コーティングをたとえば熱によって紙に結合することによって適用され得る。
【0108】
いくつかの実装形態では、ライナ34は、主に、難水性材料と混合された植物繊維で形成され得る。
【0109】
ライナ34用の難水性材料は、バッグ32に関して上記で説明したものとすることができる。
【0110】
図16を参照すれば、いくつかの実装形態では、ライナ34に加えて、またはその代わりに、ライナ38が、外壁30とパッド32との間に配設される。この場合、ライナ34は、外壁30に取り付けられ、たとえば積層され、パッド32は、ライナ38に取り付けられ、たとえば積層される。ライナ38は、ライナ34に関して上記で説明したように構成され得る。パッド32の外側面上のライナ38は、パッド32の断熱材料を環境、たとえば箱20bの外側からの水分から保護することができる。
【0111】
上記で説明したように、いくつかの実装形態では、ライナ34(および38)は、街頭でリサイクル可能または堆肥化可能であり、それにより、コンテナ10全体は、街頭でリサイクル可能または堆肥化可能となる。したがって、ユーザは、パッド32からライナ34を分離することなくコンテナを容易に廃棄することができる。
【0112】
コンテナ10の構成要素すべてが堆肥化可能である場合、コンテナ全体は、一ユニットとして堆肥化ごみ入れ内に廃棄され得る。外壁30がリサイクル可能なパネルであり、パッド32が堆肥化可能である場合、パッドをパッケージの受容者によって手動で外壁から引きはがすことができ、次いでパッドを堆肥化ごみ入れ内に廃棄し、外壁30をリサイクルごみ入れ内に廃棄することができる。あるいは、コンテナ全体は、一ユニットとしてリサイクルごみ入れ内に廃棄され得る。
【0113】
「上部」、「底部」、「鉛直」、および「横方向」などのさまざまな用語が使用されているが、これらの用語は、箱20の開口部が上部にある仮定のもとで構成要素の相対的位置決めを示しており、必ずしも重力に対する配向を示すわけではなく、使用時、または組み立て中であっても、コンテナ10は重力に対して横向きになるか、または上下逆さまになり得ることを理解されたい。用語「わずかに」は、約5%を超えず、たとえば2%を超えないことを示す。
【0114】
数多くの実施形態を説明してきた。それにもかかわらず、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな改変形態が加えられてもよいことが理解されよう。したがって、他の実施形態が、特許請求の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】