(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】整形外科用ロッドベンダ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521471
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 IB2019059614
(87)【国際公開番号】W WO2020095262
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2018/058786
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515314867
【氏名又は名称】ネオ・メディカル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤー, モーテン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL42
4C160LL62
(57)【要約】
本発明は、整形外科用ロッドベンダに関し、整形外科用ロッドベンダは、所定の曲率を有する第1のロッドと、曲率が付与される第2のロッドと、を受け入れるように構成されたロッド受け入れゾーンと、第1のロッドに接触するための第1の支持体および第2の支持体9Bであって、第1の側面の反対側のロッド受け入れゾーンの第1の側に位置する、第1の支持体および第2の支持体と、ロッド受け入れゾーンの第2の側に位置する可動ヘッドであって、第1の側に向かってロッド受け入れゾーン内で変位して、第2のロッドに接触し、第2のロッドに力を加えて、第2のロッドを第1のロッドに向かって押して、第2のロッドに曲率を付与するように構成される、可動ヘッドと、を含む。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用ロッドベンダ(1)であって、
所定の曲率を有する第1のロッド(5)と、曲率が付与される第2のロッド(7)と、を受け入れるように構成されたロッド受け入れゾーン(3)と、
前記第1のロッド(5)に接触するための第1の支持体(9A)および第2の支持体(9B)であって、前記ロッド受け入れゾーン(3)の第1の側(S1)に位置する、第1の支持体(9A)および第2の支持体(9B)と、
前記ロッド受け入れゾーン(3)の前記第1の側(S1)とは反対側の第2の側(S2)に位置する可動ヘッド(11)であって、前記第1の側(S1)に向かって前記ロッド受け入れゾーン(3)内で変位して、前記第2のロッド(7)に接触し、前記第2のロッド(7)に力を加えて、前記第2のロッド(7)を前記第1のロッド(5)に向かって押して、前記第2のロッド(7)に曲率を付与するように構成されている、可動ヘッド(11)と、を含む、整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項2】
前記可動ヘッド(11)が、前記第2のロッド(7)に力を加えて、前記第2のロッド(7)を前記第1のロッド(5)に向かって押して、前記第1のロッド(5)の一致または対応する曲率を前記第2のロッド(7)に付与するように構成されている、請求項1に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項3】
前記可動ヘッド(11)が、前記第2のロッド(7)に力を加えて、前記第2のロッド(7)を前記第1のロッド(5)に向かって押して、前記第1のロッド(5)の曲率を前記第2のロッドに付与し、前記第2のロッド(7)に引張力のみを生じさせるように構成されている、請求項2に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項4】
前記ロッド受け入れゾーン(3)が、前記第1のロッド(5)および前記第2のロッド(7)が前記ロッド受け入れゾーン(3)内で横方向に変位することを可能にする、第1の横方向開口部(O1)および第2の横方向開口部(O2)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項5】
前記第1の支持体(9A)および前記第2の支持体(9B)が不動であり、前記可動ヘッド(11)が、不動の前記第1の支持体(9A)および前記第2の支持体(9B)に向かって変位するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項6】
前記可動ヘッド(11)が、前記第1の支持体(9A)および前記第2の支持体(9B)に向かって直線的に変位するように構成されているか、または前記第1の支持体(9A)および前記第2の支持体(9B)に向かって直線的にのみ変位するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項7】
前記可動ヘッド(11)を前記第1の支持体(9A)および前記第2の支持体(9B)に向かって直線的に変位させるために、回転運動を直線運動に変換する機構(M1)をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項8】
前記機構(M1)が、相補的なねじ穴を通って延在するねじ付きシャフト(15)を含み、前記ねじ付きシャフト(15)が、前記可動ヘッド(11)に取り付けられているか、または取り外し可能に取り付けられている、請求項7に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項9】
前記整形外科用ロッドベンダ(1)が本体(17)を備え、前記本体(17)が前記ロッド受け入れゾーン(3)を画定している、請求項1~8のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項10】
前記第1の支持体(9A)および前記第2の支持体(9B)が、前記本体(17)に不動に取り付けられている、請求項9に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項11】
前記本体(17)がアルミニウムを含むか、またはアルミニウムのみからなる、請求項9または10に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項12】
前記本体(17)が、前記ロッド受け入れゾーン(3)を画定するレーザ切断された本体である、請求項9~11のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項13】
前記第1の支持体(9A)と前記第2の支持体(9B)が、互いに対して不動である、請求項1~12のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項14】
前記第1の支持体(9A)および前記第2の支持体(9B)が、ピン、金属ピン、または環状の凹部もしくは溝(19)を含む金属ピンである、請求項1~13のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項15】
前記可動ヘッド(11)が、前記第2のロッド(7)に接触するための円筒形または円形の表面(21)を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項16】
前記可動ヘッド(11)を手動で変位させるために前記可動ヘッド(11)に取り付けられたノブ(23)、または前記可動ヘッド(11)を変位させるために前記可動ヘッド(11)に連結されたモータをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)ならびに前記第1のロッドおよび/または前記第2のロッドを含む、整形外科用ロッドベンダシステム(25)。
【請求項18】
前記第1のロッド(5)が加工硬化材料を含むか、または加工硬化材料のみからなる、請求項17に記載の整形外科用ロッドベンダシステム(25)。
【請求項19】
前記第1のロッド(5)が、アルミニウム、銅、6061-T6合金、もしくは6061-T4合金を含むか、またはアルミニウム、銅、6061-T6合金、もしくは6061-T4合金のみからなり、かつ/または前記第2のロッド(7)が、鋼もしくはチタンを含むか、または鋼もしくはチタンのみからなる、請求項17または18に記載の整形外科用ロッドベンダシステム(25)。
【請求項20】
前記第2のロッド(7)が椎骨間連結ロッドである、請求項1~19のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)または整形外科用ロッドベンダシステム(25)。
【請求項21】
整形外科用ロッドを曲げる方法であって、
請求項1~20のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドベンダ(1)または整形外科用ロッドベンダシステム(25)を用意するステップと、
前記第1のロッド(5)を前記第1の支持体(9A)および前記第2の支持体(9B)と接触させて前記ロッド受け入れゾーン(3)に挿入するステップと、
前記第2のロッド(7)を前記第1のロッド(5)と前記可動ヘッド(11)との間で前記ロッド受け入れゾーン(3)に挿入するステップと、
前記可動ヘッド(11)を前記第2のロッド(7)に向かって変位させて、前記第2のロッド(7)に接触させ、前記第2のロッド(7)に力を加えて、前記第2のロッド(7)を前記第1のロッド(5)に向かって押して、前記第2のロッド(7)に曲率を付与するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
前記可動ヘッド(11)が、前記第2のロッド(7)に力を加えて、前記第2のロッド(7)を前記第1のロッド(5)に向かって押して、前記第1のロッド(5)の一致または対応する曲率を前記第2のロッド(7)に付与する、請求項21に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【請求項23】
前記可動ヘッド(11)が、前記第2のロッド(7)に力を加えて、前記第2のロッド(7)を前記第1のロッド(5)に向かって押して、前記第2のロッド(7)に引張力のみを生じさせながら前記第1のロッド(5)の曲率を前記第2のロッド(7)に付与する、請求項21または22に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【請求項24】
前記第1のロッド(5)および/または前記第2のロッド(7)を回転させるステップと、
前記第2のロッド(7)に向かう前記可動ヘッド(11)の変位を繰り返して、前記第2のロッド(7)に接触させ、前記第2のロッド(7)に力を加えて、前記第2のロッド(7)を前記第1のロッド(5)に向かって押して、前記第1のロッド(5)のさらなる曲率を前記第2のロッド(7)に付与するステップと、
をさらに含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【請求項25】
前記第1のロッド(5)および/または前記第2のロッド(7)が、180度回転またはスピンされる、請求項24に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【請求項26】
前記第1のロッド(5)が、埋め込まれた複数の脊椎スクリューヘッドのヘッドを連結または通過する曲率に対応または一致する所定の曲率を有する、請求項21~25のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【請求項27】
前記第1のロッド(5)を用意するステップと、
埋め込まれた複数の脊椎スクリューヘッドのヘッドを連結または通過する曲率に対応または一致する定義された曲率に、前記第1のロッド(5)を手動で曲げるステップと、
前記第1のロッド(5)の材料を硬化させるステップと、
をさらに含む、請求項21~26のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【請求項28】
前記第1のロッド(5)が、加工硬化材料を含むか、または加工硬化材料のみからなる、請求項21~27のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【請求項29】
前記第1のロッド(5)が、アルミニウム、銅、6061-T6合金、もしくは6061-T4合金を含むか、またはアルミニウム、銅、6061-T6合金、もしくは6061-T4合金のみからなり、かつ/または前記第2のロッド(7)が、鋼もしくはチタンを含むか、または鋼もしくはチタンのみからなる、請求項21~28のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【請求項30】
前記第2のロッド(7)が椎骨間連結ロッドである、請求項21~29のいずれか一項に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年11月8日に出願された国際特許出願番号PCT/IB2018/058786号の優先権を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ロッドベンダに関し、より詳細には整形外科用ロッドベンダに関する。装置は、ロッド、例えば、脊椎手術において椎間連結要素として使用され、複数の植え込み型脊椎スクリューを患者の椎骨および脊椎の所望の位置に相互接続して維持するために脊椎または椎弓根スクリューのヘッドに配置されるような整形外科用ロッドを曲げるまたはそれに曲率を付与するために使用することができる。
【背景技術】
【0003】
整形外科用ロッドは、脊椎手術中に患者の椎骨または脊椎に埋め込まれた複数の脊椎または椎弓根スクリューのヘッドに配置され保持される。
【0004】
そのようなロッドまたは細長い部材は、例えば、米国特許出願公開第2004/0138662号の
図71~
図74に示されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。米国特許出願公開第2004/0138662号はまた、脊椎安定化を達成することを可能にするそのようなロッドを受け入れてそれらのヘッドに保持するように構成された脊椎または椎弓根スクリューを示す。
【0005】
ロッドに関連する脊椎スクリューは、脊椎変形を矯正するため、または脊椎外傷を治療するために使用される。ロッドは、ロッド曲率を画定するように曲げられるかまたは変形され、ロッドが複数の脊椎スクリューの各スクリューヘッド内に配置されて、脊椎変形を矯正するかまたは脊椎外傷を治療するために、非常に多くの場合非線形に整列される複数の脊椎スクリューヘッドを相互連結することを可能にする。
【0006】
公知の整形外科用ロッドベンダは、ロッドを曲げるかまたはロッドに所望の曲率を付与するために、ユーザまたは外科医によって手動で加えられるかなりの物理的力を必要とする。さらに、ロッドは、ロッドに付与するために複数の曲率を必要とする場合がある。
【0007】
ロッドは、ロッドベンダから連続的に取り外され、患者の脊椎内に既に配置されたスクリューヘッドによって画定された曲率と位置合わせされ、さらなる曲げまたは調整のためにロッドベンダに再挿入されなければならない。このプロセスは、外科医による外科手術中に、ロッドの曲率が埋め込まれたスクリューヘッドによって画定された曲率または外科医が所望する曲率と一致するまで繰り返し実行される。
【0008】
さらに、公知の整形外科用ロッドベンダは、スクリューヘッドによって画定された曲率に一致するようにロッドを曲げるときにロッドベンダによって加えられる圧縮力、引張力およびねじり力に起因する応力をロッド内に生じさせる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、上述の不都合を克服する整形外科用ロッドベンダを提供することである。
【0010】
特に、本発明の目的は、整形外科用ロッドに曲率をより容易に付与することを可能にするロッドベンダを提供することである。
【0011】
さらなる目的は、曲げているときにロッドにかかる応力が低減されることを保証することである。
【0012】
したがって、本発明は、請求項1に記載の整形外科用ロッドベンダである。
【0013】
本発明によるロッドベンダは、好適には、曲げているときにロッド内に引張力のみを生じさせ、圧縮力およびねじり力が排除または大幅に低減されることを保証する。これにより、曲げているときにロッドにかかる応力が低減または最小化されることが保証され、したがって、ロッドがより長い期間にわたって体内でその脊椎変形矯正機能を果たすことができることが保証される。
【0014】
本発明はまた、好適には、ロッド複製によって整形外科用ロッドを製造することを可能にする。ロッドに適用される所望の曲率は、テンプレートロッドを使用して行うことができる。テンプレートロッドは、例えば、加工硬化材料からなり得るか、または加工硬化材料を含み得、スクリューヘッドによって画定される曲率を設定するために手動で曲げられ得る。テンプレートロッド材料を硬化させ、次いでロッドベンダで使用して、第2のロッドに同様または同一の曲率を付与し、この第2のロッドは、複数のスクリューヘッドに配置および固定されるように定められている。
【0015】
本発明はまた、上述の整形外科用ロッドベンダ、ならびに複数の椎弓根スクリューヘッドを連結するように定められた第1のテンプレートロッドおよび/または第2のロッドを含む整形外科用ロッドベンダシステムに関する。
【0016】
本発明はまた、請求項21に記載の整形外科用ロッドを曲げる方法に関する。
【0017】
他の有利な特徴は、従属請求項に見出すことができる。
【0018】
本発明の上記および他の目的、特徴および利点ならびにそれらを実現する方法は、より明らかになり、本発明自体は、本発明のいくつかの好ましい実施形態を示す添付の図面を参照して以下の説明を検討することによって最もよく理解されるであろう。
【0019】
図面は、本発明の非限定的かつ例示的な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1Aは、本開示による例示的なロッドベンダを概略的に示す図であり、
図1Bは、所定の曲率を有する第1のロッドと、曲率が付与される第2のロッドと、を概略的に示す図であり、
図1Cは、それ自体の周りまたは長手方向軸線Lの周りに180°回転された後の
図1Bの所定の曲率を有する第1のロッドを概略的に示す図である。
【
図2A】可動ヘッドがロッド受け入れゾーン内の異なる位置に変位される本開示のロッドベンダを概略的に示す図である。
【
図2B】可動ヘッドがロッド受け入れゾーン内の異なる位置に変位される本開示のロッドベンダを概略的に示す図である。
【
図2C】可動ヘッドがロッド受け入れゾーン内の異なる位置に変位される本開示のロッドベンダを概略的に示す図である。
【
図2D】可動ヘッドがロッド受け入れゾーン内の異なる位置に変位される本開示のロッドベンダを概略的に示す図である。
【
図3A】可動ヘッドがロッド受け入れゾーン内の異なる位置に変位される本開示のロッドベンダのクローズアップまたは拡大図を概略的に示す図である。
【
図3B】可動ヘッドがロッド受け入れゾーン内の異なる位置に変位される本開示のロッドベンダのクローズアップまたは拡大図を概略的に示す図である。
【
図3C】可動ヘッドがロッド受け入れゾーン内の異なる位置に変位される本開示のロッドベンダのクローズアップまたは拡大図を概略的に示す図である。
【
図4】本開示のロッドベンダの側面図を概略的に示す図である。 本明細書では、可能であれば、図に共通する同一の要素を示すために同一の符号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
【0022】
例えば
図1Aに概略的に示すように、ロッドベンダ1は、所定の曲率を有する第1のロッド5と、曲率または輪郭が付与される第2のロッド7と、を受け入れるように構成されたロッド受け入れゾーン3を含む。
【0023】
第2のロッド7は整形外科用ロッドであり、身体または患者に埋め込まれるように定められている。それは患者の体内に留まるように定められている。上述したように、第2のロッドは、脊椎手術において椎間連結要素として使用され、複数の植え込み型脊椎スクリューを患者の椎骨および脊椎の所望の位置に相互接続して維持するために脊椎または椎弓根スクリューのヘッドに配置される。
【0024】
第2のロッド7は、例えば、患者の体内に埋め込むために脊椎スクリューまたは椎弓根スクリューのヘッドに受け入れられるように構成された細長い部材である。ロッド7は、例えば、第1の脊椎スクリューのヘッドおよび第2の脊椎スクリューのヘッドに受け入れられるように構成される。ロッドは、例えば、ロッドの挿入後に各ヘッドに続いて配置されるセットスクリューを使用して両方のヘッドに維持することができる。
【0025】
ロッド7は、ロッドが少なくとも2つの脊椎スクリューのヘッドに受け入れられることを可能にする長さを有する。
【0026】
ロッド7の幅または直径は、埋め込み可能な脊椎または椎弓根スクリューのヘッドの内側に受け入れられ得るようなものである。
【0027】
非限定的な例では、ロッド7は、例えば、30mm~300mmの長さおよび4mm~7mmの直径または幅を有することができる。
【0028】
ロッド7は、例えば、直線ロッドであってもよく、あるいは屈曲ロッドであってもよい。
【0029】
ロッド7は、ロッドの伸長方向に垂直な平面において(略)円形断面を有してもよく、楕円形、長方形、菱形または正方形を含む他の断面形状を有してもよい。ロッド7はまた、不規則な断面形状を有してもよい。
【0030】
ロッドは、例えば、円筒形状を画定してもよい。ロッド7の先端は、テーパ状および/または丸みを帯びていてもよい。一方の端部は、ロッド7を脊椎スクリューに挿入するための器具に取り付けることを可能にするオリフィスを含んでもよい。
【0031】
第1のロッド5は、例えば、第2のロッド7と同じ寸法、サイズ、および断面形状を有してもよい。それらの構成材料は、好ましい実施形態では異なる。
【0032】
第1のロッド5は、加工硬化材料を含んでもよく、または加工硬化材料のみからなってもよい。すなわち、第1のロッド5は、例えば、椎弓根または椎骨に埋め込まれた複数の椎弓根または脊椎スクリューヘッドによって画定される曲率に一致するようにロッド曲げ機または装置なしでロッド5を手動で曲げるために外科医によって手動で操作され得るか、または操作されるように構成される。第1のロッド5は、手で操作され、輪郭付けられるように構成することができる。ロッド5は、外科医によって手動の曲げまたは曲率が加えられた後に硬化し、ロッドベンダ1のロッド受け入れゾーン3に配置される。
【0033】
第1のロッド5は、例えば、アルミニウム、または銅、または6061-T6合金または6061-T4合金を含むか、またはそれらのみからなってもよい。
【0034】
ロッドベンダ1は、第2のロッド7に、第1のロッド5(硬化した第1のロッド5)の曲率に一致または対応する、一致または対応する曲率を適用するように構成される。第2のロッド7は、患者の脊椎または患者に埋め込まれた複数の椎弓根スクリュー(第1のロッド5の曲率を画定するために使用されるもの)のヘッドに長時間にわたって配置されるように定められている。第2のロッド7は、椎骨間連結ロッドである。第2のロッド7に伝達される曲率または輪郭を含む第1のロッド5は、第2のロッド7よりも硬いか、または第2のロッド7よりも可鍛性が低い。
【0035】
第2のロッド7は、例えば、鋼、ステンレス鋼またはチタンを含むか、またはそれらのみからなる。ロッドベンダ1はまた、第1のロッド5に接触または直接接触するための第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bを含むことができる。第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bは、ロッドベンダ1またはロッド受け入れゾーン3の第1の側または上側部分S1に配置される。
【0036】
ロッドベンダ1はまた、ロッド受け入れゾーン3の第2の側S2に配置された可動ヘッド11を含むことができる。第2の側S2は、例えば、第1の側S1の反対側にある。
【0037】
可動ヘッド11は、第1および第2の支持体9A,9Bの反対側、または第1および第2の支持体9A,9Bの下方に位置する。
【0038】
ロッドベンダ1は、可動ヘッド11と、第1のロッド5および第2のロッド7を受け入れるように構成された第1および第2の支持体9A、9Bと、の間に位置するロッド受け入れ領域RAを含む。
【0039】
可動ヘッド11は、第2のロッド7に接触し、第2のロッド7を第1のロッド5に向かって押して第2のロッド7に曲率を付与するための力を第2のロッド7に加えるために、第1の側S1に向かってロッド受け入れゾーン3内で変位するように構成される。可動ヘッド11は、第1および第2の支持体9A、9Bに向かって変位し、第1および第2の支持体9A、9Bの間を通過するように構成される。また、可動ヘッド11は、第1および第2の支持体9A、9Bの間を通過し、第1および第2の支持体9A、9Bの上方または上方を通過するように変位するように構成されてもよい。
【0040】
可動ヘッド11は、第2のロッド7に力を加えて、第1のロッド5の一致または対応する曲率を第2のロッド7に付与するように構成される。
【0041】
可動ヘッド11は、第2のロッド7に力を加えて第2のロッド7を第1のロッド5に向かって押して第1のロッド5の曲率を第2のロッドに付与し、第2のロッド7に引張力のみを生じさせるように構成される。
【0042】
第2のロッド7は、可動ヘッド11によって加えられる力の下で第1のロッド5がより硬い第1のロッド5の輪郭(または同様の輪郭もしくは曲線)をとるように曲がるように、より可鍛性が高いか、または剛性が低い。
【0043】
可動ヘッド11は、例えば、第2のロッド7に接触するための湾曲した円筒形または円形の表面21を含む。これにより、曲げプロセス中に第2のロッド7が損傷することが防止される。可動ヘッド11は、例えば、異なる直径または輪郭を有する異なる可動ヘッド11がロッド曲げプロセスで使用されることを可能にするために、ロッドベンダ1から取り外し可能な取り外し可能ヘッド11とすることができる。可動ヘッド11は、例えば、金属を含むか、または金属からなる。金属は、例えば、第2のロッド7よりも硬度の高い金属とすることができる。
【0044】
ロッド受け入れゾーン3は、第1のロッド5および第2のロッド9がロッド受け入れゾーン3内で横方向に変位することを可能にする第1の横方向開口部O1および第2の横方向開口部O2を含む。第1および第2の横方向開口部O1、O2は、ロッド受け入れゾーン3に直接接続されるか、またはロッド受け入れゾーン3に直接連通する。これにより、例えば、第1のロッド5および第2のロッド7を第1の横方向開口部O1と第2の横方向開口部O2との間で横方向に変位させることができ、第2のロッド7の長さに沿って異なる位置で曲率を付与することができる。
【0045】
代替的または追加的に、可動ヘッド11は、第1の横方向開口部O1と第2の横方向開口部O2との間で横方向に変位するようにさらに構成されてもよく、第2のロッド7の長さに沿って異なる位置に曲率を付与することを可能にする。
【0046】
第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bは、不動であり、ロッドベンダの本体17に保持されている。本体17は、例えば、ロッド受け入れゾーン3ならびに/あるいは第1および第2の横方向開口部O1、O2を画定する。
【0047】
支持体9Aおよび9Bは、例えば、ロッドベンダ1の本体17内の相補的形状の穴にそれぞれ受け入れられ、第2のロッド7の曲げているときに本体17内に固定されまたは留められて保持される。第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bは、例えば、本体17に不動に取り付けられる。
【0048】
可動ヘッド11は、第1の不動支持体9Aおよび第2の不動支持体9Bに向かって変位するように構成されている。可動ヘッド11は、第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bに向かって直線的に変位するように構成されるか、または第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bに向かって直線的にのみ変位するように構成される。
【0049】
第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bは、互いに対しておよび可動ヘッド11に対して不動である。
【0050】
第1の支持体9Aおよび/または第2の支持体9Bは、第1のロッド5に接触するための湾曲した円筒形または円形の表面を含むことができる。第1の支持体9Aおよび/または第2の支持体9Bは、本体(例えば、金属体)、例えば円筒体を含むことができる。本体または円筒体は、環状凹部または溝19を含むことができる。第1の支持体9Aおよび/または第2の支持体9Bは、例えば、環状凹部または溝19を含むピンまたは金属ピンを備えてもよい。金属は、例えば、第2のロッド7および/または第1のロッド5の硬度よりも高い硬度の金属とすることができる。
【0051】
ロッドベンダ1の本体17は、各々が異なる外径または幅を有する複数の異なる支持体9A、9Bを受け入れるように構成することができ、または、それぞれが異なる凹部深さを有する環状凹部または溝19を備える。
【0052】
第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bは、例えば、可動ヘッド11から(略)同じ距離に実質的に整列される。第1の支持体9Aと第2の支持体9Bとは、例えば4~10cm、例えば6cmの距離だけ離れている。
【0053】
可動ヘッド11は、例えば、0.5cm~2cm、例えば1cmの直径を有する。支持体9A、9Bは、例えば0.25cm~1cm、例えば0.5cmの外径を有する。この直径は、環状凹部または溝19の位置で、例えば25~40%減少する。環状凹部または溝19は、例えば、第1のロッド5の曲率半径と同一またはそれよりわずかに大きい曲率半径、例えば2.25mm~3mm、例えば2.5mmまたは2.75mmであってもよい。
【0054】
第1のロッド5および/または第2のロッド7は、4.5mm~6mm、例えば5mm、5.5mmまたは6mmの直径または幅を有することができる。
【0055】
整形外科用ロッドベンダ1は、回転運動を直線運動に変換して、可動ヘッド11を第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bに向かって直線的に(または直線的にのみ)変位させる機構M1を備えてもよい。
【0056】
機構M1は、本体17の相補的なねじ穴を通って延在するねじ付きシャフト15を含むことができる。ねじ付きシャフト15は、可動ヘッド11に取り付けられているか、または取り外し可能に取り付けられている。
【0057】
ねじ付きシャフト15の回転によって可動ヘッド11を手動で変位させるために、ねじ付きシャフトおよび可動ヘッド11にノブ23を取り付けることができる。それとは別に、またはそれに加えて、ロッドベンダ1は、可動ヘッド11をロッド受け入れゾーン3内で変位させるために、ねじ付きシャフト15および/または可動ヘッド11に連結されたモータを含むことができる。
【0058】
本体17は、プラスチックまたは金属、例えばアルミニウムを含むか、またはそれのみからなってもよい。
【0059】
本体17は、例えば、レーザ切断された本体とすることができる。レーザ切断された本体17は、例えば、支持体9A、9Bおよび/またはねじ付きシャフト15を受け入れるためのロッド受け入れゾーン3および/またはボアを画定することができる。
【0060】
本開示はまた、上述の整形外科用ロッドベンダ1、ならびに例えば少なくとも第1のロッド5および/または少なくとも第2のロッド7を含む整形外科用ロッドベンダシステム25に関する。
【0061】
本開示はまた、整形外科用ロッドを曲げる方法に関する。
【0062】
本方法は、
上述のような整形外科用ロッドベンダ1またはシステム25を用意するステップと、
第1のロッド5を、例えば第1の支持体9Aおよび第2の支持体9Bに接触して、ロッド受け入れゾーン3に挿入するステップと、
第1のロッド5と可動ヘッド11との間のロッド受け入れゾーン3に第2のロッド7を挿入するステップと、
可動ヘッド11を第2のロッド7に向かって変位させて、第2のロッド7に接触させ、第2のロッド7に力を加えて、第2のロッド7を第1のロッド5に向かって押して、第1のロッドに接触させて第2のロッド7に曲率を付与するステップと、を含む。
【0063】
可動ヘッド11は、第2のロッド7に力を加えて、第2のロッド7を第1のロッド5に向かって押して、第1のロッド5の一致する曲率または対応する曲率を第2のロッド7に付与する。
【0064】
可動ヘッド11は、例えば、第2のロッド7に力を加えて、第2のロッド7を第1のロッド5に向かって押して、第2のロッド7に引張力のみを生じさせながら、第1のロッド5の一致する曲率または対応する曲率を第2のロッド7に付与する。
【0065】
第1のロッド5の一致する曲率または対応する曲率を第2のロッド7に付与するプロセス中に、第1のロッド5および第2のロッド7を例えば180度回転させる必要があり、上記のロッド曲げプロセスを繰り返すことができる。それに加えてまたはその代わりに、第1のロッド5および/または第2のロッド7は、ロッド受け入れゾーン3内で(開口部O1またはOAに向かって)横方向に変位され、上記のロッド曲げプロセスが繰り返されてもよい。
【0066】
例えば、複数の曲率を含む
図1Bに概略的に示す第1のロッド5の場合、第1のロッド5(および第2のロッド7)は、
図1Cに示すように、それ自体の周りまたは長手方向軸線Lの周りに180度回転することができ(第1のロッド5は180°回転される)、ロッドベンダ1を使用して上記のロッド曲げプロセスが繰り返される。第1のロッド5および/または第2のロッド7は、代替的にまたは追加的に、ロッド受け入れゾーンおよびロッドベンダ1内で横方向に変位する必要があり得る。
【0067】
その結果、第2のロッド7に接触し、第2のロッド7を第1のロッド5に向かって押す力を第2のロッド7に加えて、第1のロッド5の曲率を第2のロッド7に付与するために、第2のロッド7に向かって可動ヘッド11の変位を繰り返すことは、第1のロッド5の曲率の複雑さに応じて実行する必要があり得る。
【0068】
前述のように、第1のロッド5は、複数の埋め込まれた脊椎スクリューヘッドのヘッドを連結または貫通する曲率に(実質的に)対応または一致する所定の曲率を有する。
【0069】
したがって、本方法はまた、
第1のロッド5を用意するステップと、
第1のロッド5を手動で曲げて、複数の埋め込まれた脊椎スクリューヘッドのヘッドを連結または貫通する曲率に(実質的に)対応または一致する曲率または屈曲を画定するステップと、
第1のロッド5の材料を硬化させることを可能にするステップと、を含む。
【0070】
上述のように、第1のロッド5は、加工硬化材料を含むか、または加工硬化材料のみからなる。第1のロッド5は、例えば、アルミニウム、または銅、または6061-T6合金、または6061-T4合金を含むか、またはそれらのみからなってもよい。第2のロッド7は、鋼、ステンレス鋼、またはチタンを含むか、またはそれらのみからなってもよい。
【0071】
硬化すると、第1のロッド5がロッドベンダ1内に配置され、上述のようなロッド曲げプロセスが第2のロッド7に対して実行される。したがって、この方法は、第1のロッド5の曲率のレプリカまたは近接レプリカを含むロッド7を提供する。曲率は、第1のロッド5の曲率と(実質的に)一致または対応する。
【0072】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して開示されているが、本発明の範囲および範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する多数の修正、改変、および変更、ならびにその均等例が可能である。記載された実施形態のいずれか1つの特徴は、記載された実施形態の他のいずれかに含まれてもよい。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の文言に従って最も広い合理的な解釈が与えられることが意図される。
【国際調査報告】