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特表2022-505449助言に関連するシステム―ユーザ間の相互作用の改善
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】助言に関連するシステム―ユーザ間の相互作用の改善
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20120101AFI20220106BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521487
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(85)【翻訳文提出日】2021-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2019079292
(87)【国際公開番号】W WO2020084149
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】18202953.8
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.YouTube
(71)【出願人】
【識別番号】518287537
【氏名又は名称】カーベーセー グループ エンフェー
【氏名又は名称原語表記】KBC Groep NV
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】バート ヴァン ロンペイエ
(72)【発明者】
【氏名】マハメット アリ アブドゥルハヨグルー
(72)【発明者】
【氏名】ジョージア アレヴィツォポウロウ
(72)【発明者】
【氏名】クリーナ メノノ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルト ユイグ
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート トップ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター セイズ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ デュデジョヴァ
(72)【発明者】
【氏名】バート ヴレラスト
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】
本発明は助言に関連するシステム―ユーザ間の相互作用の改善に関し、具体的には、特定の値を複数の物理エンティティと任意の仮想エンティティとに割り当てる配分提案に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム生成の実行可能な通知を、ユーザと前記システムとの間の相互作用に基づいてユーザに提供するためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法は、
a.前記システムに複数のユーザ選好についての値を提供するように前記ユーザに促すステップと、
b.サーバによって、複数の情報源から生じた複数のメッセージを繰り返し受信するステップであって、前記複数のメッセージは1つまたは複数の所定の物理エンティティと1つまたは複数の所定の仮想エンティティとに直接的および/または間接的に関連し、前記受信されたメッセージはコンテキストデータとして記憶される、ステップと、
c.少なくとも2つのファクタセットの各々の少なくとも1つのファクタを前記物理エンティティの各々と前記仮想エンティティの各々とに割り当てるステップであって、第1の前記少なくとも2つのファクタセットは前記物理エンティティと前記仮想エンティティとの地理的評価に関連し、第2の前記少なくとも2つのファクタセットは前記物理エンティティと前記仮想エンティティとの応用分野に関連する、ステップと、
d.複数の前記物理エンティティと前記仮想エンティティとに値を配分することによって、配分提案を作成するステップであって、前記物理エンティティの集約配分値が非ゼロであり、前記物理エンティティと前記仮想エンティティとの前記集約配分値がユーザ所定値に等しく、前記配分提案が、非ゼロの配分値を有する前記物理エンティティと前記仮想エンティティと、前記関連付けられた非ゼロの配分値の各々とを含む、ステップと、
e.実行可能な通知を前記ユーザに提供するステップであって、前記実行可能な通知は前記配分提案を含む、ステップと、
を含み、
前記ユーザ選好の少なくとも1つは前記情報源の各々のユーザ評価を定義し、
前記配分値は前記ユーザ選好と前記ファクタと前記情報源の前記メッセージとの前記値に基づいて計算され、前記配分提案は非ゼロの配分値を有する複数の物理エンティティと仮想エンティティとを含む比較構成と比較され、前記比較構成の前記エンティティの前記非ゼロの集約配分値は前記ユーザ所定値に等しく、前記比較構成の前記配分値は前記ユーザ選好と前記ファクタとの前記値に基づき、前記実行可能な通知は前記配分提案と前記比較構成との比較に基づいて提供される、
ことを特徴とするコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記ユーザ選好は少なくとも正則化型選好と正則化量選好とを含み、
前記正則化型選好は、好ましくは、変数選択を伴わない正則化、または変数選択を伴う正則化のいずれかに関連し、
変数選択を伴わない前記正則化は、より好ましくは、チコノフ正則化、またはリッジ型正則化に関連し、
変数選択を伴う前記正則化は、より好ましくは、ラッソ正則化に関連し、
前記正則化量選好は、好ましくは、前記正則化の強度を示す値、より好ましくは実数値、に関連する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記配分提案の前記エンティティに配分された前記値は、少なくとも1つのユーザ選択の最適化モデルにさらに基づいて計算され、前記最適化モデルは、少なくともブラック―リッターマンモデルとマーコウィッツモデルと最小分散モデルとを含むリストから選択される、ことを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記情報源は、直接のコンテキスト情報源と構造化された周辺情報源と構造化されていない周辺情報源と推測的な直接のコンテキスト情報源とを含み、前記直接のコンテキスト情報源のデータは、特徴的なエンジニアリングを介して強化され、好ましくは、前記推測的な直接のコンテキスト情報源および/または前記構造化された周辺情報源のデータは、特徴的なエンジニアリングを介して強化される、ことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記複数の情報源は少なくとも1つの構造化されていない周辺情報源を含み、
前記構造化されていない周辺情報源から生じた少なくとも1つのメッセージは生のテキスト文字列を含み、
前記コンテキストデータに関する前記メッセージの関連性を評価するために、前記生のテキスト文字列の自然言語処理を使用して、前記メッセージを前記コンテキストデータと比較するステップを含み、
前記配分値は、前記評価にさらに基づいて計算される、
ことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記構造化されていない周辺情報源からのメッセージが、計算された前記配分値の使用前に処理され、前記処理は、自己学習人工知能を介して前記構造化されていない周辺情報源の前記メッセージの構造化を含み、前記人工知能は、ユーザによって調整可能なハイパーパラメータの下で動作する、ことを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記物理エンティティと前記仮想エンティティとは、各々が、前記コンテキストデータ内の前記物理エンティティと前記仮想エンティティとの少なくとも過去の情報に基づいて、予測可能性の格付けに帰属されることによって、前記配分提案の前記配分値が、前記予測可能性の格付けにさらに基づいて計算される、ことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記促されたユーザ選好は1つまたは複数の制約を含み、前記制約は、前記配分提案において非ゼロの配分値を有する前記物理エンティティおよび/または前記仮想エンティティのユーザ定義の最小の予測可能性の格付けを少なくとも含み、および/または前記制約は、前記配分提案において非ゼロの配分値を有する前記物理エンティティと前記仮想エンティティとのユーザ定義の最小の集約した予測可能性の格付けを含む、ことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記促されたユーザ選好が前記配分提案を作成するための1つまたは複数の制約を含み、前記制約は、前記配分提案において非ゼロの配分値を有する物理エンティティおよび/または仮想エンティティの最大数および/または最小数を少なくとも含み、および/または、前記制約は、前記配分提案における前記物理エンティティおよび/または前記仮想エンティティの前記配分値の最大値および/または最小値を含む、ことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記ユーザ選好は、非ゼロの過去の値を有する1つまたは複数の前記物理エンティティおよび/または前記仮想エンティティを含む過去の配分構成を含み、
前記過去の配分構成を前記配分提案に変換するためのリバランスコストを計算するように適合された前記コンテキストデータに基づいて、目的コスト関数が前記システムにおいて定義される、
ことを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記促されたユーザ選好は、前記配分提案を作成するための制約を少なくとも1つ含み、前記制約は、前記過去の配分構成を前記配分提案に変換するための前記リバランスコストの最大値である、ことを特徴とする、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記コンテキストデータはアンサンブル学習を介してさらに処理されることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記ユーザ選好は、前記配分値の前記計算に基づく前記コンテキストデータ上の制約を少なくとも1つ含むことであって、前記制約は、前記コンテキストデータを含む前記メッセージが生成される期間と、前記コンテキストデータを含む前記メッセージの前記情報源のユーザ評価とのうちの少なくとも1つに依存する、ことを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
ユーザに対して実行可能な通知を生成するコンピュータシステムであって、前記システムは、ユーザと前記システムとの間の相互作用に基づくものであって、前記システムは、
a.サーバであって、前記サーバはプロセッサと、有形不揮発性メモリと、前記プロセッサに命令するために前記メモリ上に存在するプログラムコードと、前記ユーザの装置と1つまたは複数のリモートサーバとに接続するための接続手段と含む、サーバと、
b.前記ユーザの前記装置であって、前記ユーザの装置はプロセッサと、有形不揮発性メモリと、前記プロセッサに命令するために前記メモリ上に存在するプログラムコードと、前記ユーザに情報を表示するための画面と、好ましくはユーザからユーザ入力手段を受信するための入力手段と、コンピュータネットワークを介して前記サーバに接続するための接続手段とを含む、装置と、
c.前記1つまたは複数のリモートサーバであって、各々の前記リモートサーバは前記複数の情報源のうちの少なくとも1つに関連し、各々の前記1つまたは複数のリモートサーバは、前記コンピュータネットワークを介して前記サーバに接続するための接続手段を含む、リモートサーバと、
d.少なくとも1つのコンピュータ可読媒体であって、前記少なくとも1つのコンピュータ可読媒体は、前記サーバにアクセス可能であって、データベースを含み、前記データベースはコンテキストデータとユーザ選好データとを含み、前記少なくとも1つのコンピュータ可読媒体は、好ましくは、前記サーバ内に含まれる、コンピュータ可読媒体と、
を含み、
前記コンピュータシステムは、前記ユーザに対する前記実行可能な通知を生成するように構成されることであって、前記実行可能な通知を生成することは、
前記システムに複数のユーザ選好についての値を提供するように前記ユーザに促すステップと、
サーバによって、複数の情報源から生じた複数のメッセージを繰り返し受信するステップであって、前記複数のメッセージは1つまたは複数の所定の物理エンティティと1つまたは複数の所定の仮想エンティティとに直接的および/または間接的に関連し、前記受信されたメッセージはコンテキストデータとして記憶される、ステップと、
少なくとも2つのファクタセットの各々の少なくとも1つのファクタを前記物理エンティティの各々と前記仮想エンティティの各々とに割り当てるステップであって、第1の前記少なくとも2つのファクタセットは前記物理エンティティと前記仮想エンティティとの地理的評価に関連し、第2の前記少なくとも2つのファクタセットは前記物理エンティティと前記仮想エンティティとの応用分野に関連する、ステップと、
複数の前記物理エンティティと前記仮想エンティティとに値を配分することによって配分提案を作成するステップであって、前記物理エンティティの集約配分値が非ゼロであり、前記物理エンティティと前記仮想エンティティとの前記集約配分値がユーザ所定値に等しく、前記配分提案は、非ゼロの配分値を有する前記物理エンティティと前記仮想エンティティと、前記関連付けられた非ゼロの配分値の各々とを含む、ステップと、
前記ユーザに実行可能な通知を提供するステップであって、前記実行可能な通知は前記配分提案を含む、ステップと、
を含み、
前記ユーザ選好の少なくとも1つは各々の前記情報源のユーザ評価を定義し、
前記配分値は、前記ユーザ選好と前記ファクタと前記情報源の前記メッセージとの前記値に基づいて計算され、前記配分提案は、非ゼロの配分値を有する複数の物理エンティティと仮想エンティティとを含む比較構成と比較され、前記比較構成の前記エンティティの前記非ゼロの集約配分値は前記ユーザ所定値に等しく、前記比較構成の前記配分値は前記ユーザ選好と前記ファクタとの前記値に基づく、
ことを特徴とする、コンピュータシステム。
【請求項15】
請求項14に記載した前記システムにおける請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大きなデータストリーム上のコンピュータネットワーク処理技術の技術分野に関するものである。それにより、特定のユーザ選好が受信され、複数の物理エンティティと任意の仮想エンティティとの配分提案が、データストリーム、ユーザ選好、他のファクタに基づいて、作成される。
【背景技術】
【0002】
出願人は、複数の物理および/または仮想エンティティの限りある量を配分することができるコンピュータ実装システムがないことに気づいた。その配分は、複数の情報源からの情報と、ユーザによって促された選好(それは、とりわけ、情報源の評価、またはユーザ格付けを含む)と、エンティティのそれぞれについて地理的情報と応用分野情報とを少なくとも定義するファクタとを考慮に入れる。提案された配分は、ユーザ選好とファクタとに基づく、1つまたは複数の比較構成と比較され、比較に基づいてユーザに提供される。
【0003】
米国特許第1,3935,198号明細書は、出口(vent)に影響を及ぼす可能性を考慮して、(物流のおよび/または金融上の)サプライチェーンへの影響を推定して、ニュースチャンネルなどの外部情報源の分析によって、動的にサプライチェーンを管理するシステムを記載している。しかし、これは、完全にサプライチェーンに焦点を当てた厳格なシステムであり、他のニーズ、または特定のユーザ選好に合わせて迅速に変更されることはできない。
【0004】
米国特許第7,680,719号明細書に記載されているような他の同様のシステムは、当技術分野では知られているが、(システムの内部動作を変更する管理権限を有していないユーザが個人化された選好を提供することができない点、または使用された情報源が適切にスクリーニングされていない点、または、例えば、地理的に不可能な、または非常にありそうもない提案を除外する「実用的な」フィルタがない点のいずれかの点で)、ユーザ対話が欠けている。
【0005】
本発明は、上述の問題の少なくともいくつかに対処することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第1,3935,198号明細書
【特許文献2】米国特許第7,680,719号明細書
【発明の概要】
【0007】
第1の態様では、本発明が請求項1に記載の方法を提供する。
【0008】
第2の態様では、本発明が請求項14に記載のシステムを提供する。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、請求項15に記載の使用を提供する。
【0010】
さらなる好ましい実施形態とその利点とは、詳細な説明と特許請求の範囲とに記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用される場合、以下の用語は、以下の意味を有する。
【0012】
本明細書で使用される「1つ」は文脈が明確に別段の指示をしない限り、単数と複数との両方の指示対象を指す。例として「1つの区画」は、1つまたは複数の区画を指す。
【0013】
本明細書で使用される「含む」、「備える」、「有する」は同義であり、例えば、構成要素に続くものの存在を指定することと、当技術分野で知られている、または本明細書で開示されている追加の、非列挙構成要素、特徴、成分、要素、工程の存在を排除または排除しないこととをいう包括的または限定されない用語である。
【0014】
終点による数値範囲の列挙は、列挙された終点と同様に、その範囲内に包含されるすべての数と分数とを含む。
【0015】
情報源という用語は、ファイルベース、更新ベース、同期ベース、および/またはメッセージベースのフォーマットでコンテンツを提供する任意のデータチャンネル、データストリーム、データセット、またはデータ加入サービスに関連することができ、それによって、純粋なメッセージ内でデータを提供しない各情報源はメッセージベースと同等と見なされることができ、それによって、データの更新された部分は1つまたは複数の新しいメッセージに関連することができる。メッセージは、記憶装置からメッセージを要求することによって、要求に応じて提供されてもよく、又は、例えば、電子メール、プッシュメッセージ通知、アプリ内のメッセージ、専用ウェブインタフェース、ウェブダッシュボード、又はフィード内のニュース項目として、ユーザにリアルタイムで送信されてもよい。メッセージは、購読および/または情報源のプロバイダの有するアカウントのコンテキスト内で配信されることができる。
【0016】
別段の定義がない限り、技術用語と科学的用語とを含む、本発明を開示する際に使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるという意味を有する。さらに、本発明の教示をより良く理解するために、用語の定義が含まれる。
【0017】
第1の態様における本発明は、ユーザとシステムとの相互作用に基づいて、ユーザに対してシステム生成の実行可能な通知を提供するためのコンピュータ実装方法に関するものであって、以下のステップを含む。
a.システムに複数のユーザ選好の値を提供することをユーザに促す。
b.複数の情報源から生じた複数のメッセージをサーバによって繰り返し受信し、複数のメッセージは1つまたは複数の予め定義された物理エンティティと1つまたは複数の予め定義された仮想エンティティとに直接および/または間接的に関連し、それによって、受信されたメッセージはコンテキストデータとして記憶される。
c.少なくとも2つのファクタセットの各々の少なくとも1つのファクタを物理エンティティの各々と仮想エンティティの各々とに割り当て、それによって、第1の少なくとも2つのファクタセットは、物理エンティティと仮想エンティティとの地理的評価に関連し、第2の少なくとも2つのファクタセットは、物理エンティティと仮想エンティティとの応用分野に関連する。
d.複数の物理エンティティと仮想エンティティとに値を配分することによって配分提案を作成し、それによって、物理エンティティの集約配分値は非ゼロとなり、それによって、物理エンティティと仮想エンティティとの集約配分値はユーザ所定値に等しくなり、配分提案は、非ゼロの配分値を有する物理エンティティと仮想エンティティと、関連付けられた非ゼロの配分値のそれぞれとを含む。
e.実行可能な通知をユーザに提供し、それによって、実行可能な通知は配分提案を含む。
ユーザ選好の少なくとも1つは、各々の情報源のユーザ評価を定義することを特徴とし、
それによって、配分値はユーザ選好とファクタと情報源のメッセージとの値に基づいて計算され、それによって、配分提案は非ゼロの配分値を有する複数の物理エンティティと仮想エンティティとを含む比較構成と比較され、それによって、比較構成のエンティティの非ゼロの集約配分値はユーザ所定値に等しく、それにより、比較構成の配分値はユーザ選好とファクタとの値に基づいており、それにより、実行可能な通知は配分提案と比較構成との比較に基づいて提供される。
【0018】
上述の定義された方法は、多数の分野におけるエンティティ管理のための有利な解決を提供する。定義された方法の多様性を考慮すると、エンティティは、その定義において、食料品、自動車、原材料、一般供給品、クーポン、アート、持物、家畜等のような様々な有形の取引可能な商品から、株式、普通株、債券、現金、不動産、貴重品、投資ファンド等のようなより扱いにくい取引可能な商品まで及び、大きく変化することができる。
そのようなエンティティの値の配分は、例えば、記憶装置の位置、所有者、価格、記憶装置のコスト、記憶装置の特性、エンティティの送信などを割り当てることができる。そのようなパラメータ/値の最適化された配分は、いくつかは明示的、他は黙示的または間接的に、多くのエージェントに強く依存する。
第1のエージェントはユーザ選好にすることができ、ユーザ選好はしばしば、配分において強い決定的な性質を有し、他のエージェントが最適化を実行するための指針として、特にユーザ選好として、この場合には、少なくともいくつかの他のエージェントの使用を反映するように、動作することができる。
第2のエージェントは、複数の情報源である。すでに述べたように、とりわけユーザ選好は、配分処理を導く、情報源のユーザ評価を定義し、評価は、各情報源が配分処理において有する「重み」を決定する。あるユーザは他の情報源よりも特定の情報源を好むことができ(例えば、ツイッターが公式のダウジョーンズニュースをフィードすること)、いくつかの情報源の情報の特定のサブセットに対する重みをさらに指定する下位の評価が存在することができる。
第3に、エージェントは、ファクタセットをいわゆる「ファクタ」(要素)とすることができる。ファクタは、各々のエンティティに割り当てられ、エンティティの特定の特徴を定義する。ファクタのうちの少なくとも1つはエンティティの地理的情報を定義し、少なくとも1つのファクタはエンティティの応用分野を定義する。地理的情報は、典型的にはエンティティを代表する国、地域、または大陸である(ただし、都市、州、または上述の1つまたは複数のいくつかのグループとすることができる)。例えば、原材料のような物理オブジェクトの場合、原産地(製造領域又はそのようなもの)、又は実際の物理的位置とすることができる。仮想オブジェクトの場合には、その所有者の位置、又は関連する物理エンティティの位置(例えば、株式の場合には株式を発行する会社の位置または領域)を表すことができる。応用分野に関しては、エンティティの性質(例えば、上述にて定義されたように、株式、原材料、持物、食品、医療装置など)、又はより一般的には、ヘルスケア、技術などが属する技術分野を反映することができる。そのようなファクタはしばしば、最適な配分に強い影響を及ぼすであろうことが分かっている。例えば、食品などのエンティティの配分の場合、地理的位置は、最適な配分のために、その「カテゴリ」(肉、乳製品、穀物、保存可能なものなど)として、重要であろう。同じことは、例えば、投資のポートフォリオの構築にも当てはまり、位置が物理的な商品の安全性に影響を及ぼし、したがってそれらの信頼性/価値に影響を及ぼし、または株式の場合にはボラティリティに影響を及ぼす可能性があるので、そのようなファクタによってエンティティ(物理的であろうと仮想であろうと)が定義されることが重要である。
さらに、エンティティのファクタは、コンピュータシステムがエンティティに影響を与える特定のメッセージとの関連を確立することを可能にする基礎を定義し、これはエンティティの配分値の計算を単純化する。
これらの場合、限られた利用可能な貨物スペース(重量および/または体積)、限られた冷凍手段、人力、および/または、さらには予算上の制約によるものであるかどうかにかかわらず、ユーザ定義の制約は、しばしば配分値に課されなければならない。したがって、これらはエンティティに集約配分値の最大値として設定される。
最後に、システムは非ゼロの配分値を有するエンティティのすべてのリストと、エンティティの関連付けられた配分値とを基本的に含む配分提案を生成する。これは、変更または補正の有無にかかわらず(例えば、その人物がまだシステム内に入っていなかった情報を知っている場合、又は以前の経験によって単に特定の欠点がある場合)、(資格のある)人物と承認された人物とに提供され、さらに分析されることができる。
しかし、配分提案がユーザに提供される前に、有効性/効率性を検証するために1つまたは複数の他の配分提案と比較される。これらの「既知の」比較構成は、過去に用いられた構成(古いシステムで生成された構成、ユーザによって生成された計画と、外部情報、いわゆるベンチマーク配分との両方)から得られることができる。ユーザに提供される要件を満たすために、配分提案は特定の基準に基づいて比較構成を「上回ら」なければならない。
最後に、配分提案は、動作可能な通知として提供され、実際に(技術的な)効果に影響を及ぼすように実行されることができる(あるいはユーザによっても変更可能)ことを理解されることができる。
【0019】
本明細書では、「値」または「配分値」という用語がエンティティに関する特定の情報を表すと理解されることができる。これらの値は、移送され、購入され、記憶されるような「使用される」ことが提案されるエンティティの量とすることができる。
【0020】
従来技術のシステムはいずれも、配分提案を生成するために、ユーザとシステムとの間のそのような複雑な相互作用を可能にしない。例えば、システムは一般に、ユーザが入力情報に評価を与えることを妨げるであろう。しかし、人間の経験は、主題次第で特定の情報源を正しく評価して、システムを導くことができることを理解されなければならない(例えば、人道危機に対処するために緊急物資を配布する場合、ある特定の信頼できるアカウントを信用することに、同じ速さで緊急コンテンツを配信することができない新聞のような古典的なソースといった他よりもさらなる偏りを持たせることで、ユーザはツイッターのような「速い」ソーシャルメディアソース上に大きな値を与えることができるかもしれない)。反対に、より変動しやすいニュースソース(ツイッター、フェイスブック、または自己発信ウェブコンテンツなどの典型的な自己発信)は、時間が課題にならない場合、従来のニュースソース、または他のより規制されたチャンネルよりも低く格付けされることができる。
【0021】
好ましい実施形態では、ユーザ選好は少なくとも正則化型選好と正則化量選好とを含む。
好ましくは、それによって、正則化型選好は、変数選択を伴わない正則化、または変数選択を伴う正則化のいずれかに関連し、
より好ましくは、変数選択を伴わない正則化は、チコノフ正則化またはリッジ型正則化に関連し、
より好ましくは、変数選択を伴う正則化は、ラッソ正則化に関連する。
さらに、好ましくは、正則化量選好は、正則化の強度を示す値、より好ましくは実数値、に関連する。
【0022】
ここで、「正則化」とは、評価の出力に影響を及ぼすメッセージを提供する情報源の不確実性および/または重要性を考慮して、情報源のメッセージを評価するメカニズムのことである。このメカニズムは、高いレベルの「ノイズ」、すなわち高い不確実性でメッセージが常に生成されているにもかかわらず、メッセージの大部分が評価によって生成される最終的な値に(たとえあったとしても)ほとんど寄与しないという問題に対処するものである。このように、正則化は、安定性のある数学的概念に基づいて、評価によって生成される出力に関する不信レベルを反映する。
したがって、正則化は次の3ステップのアプローチとして理解されることができる。
各情報源に対するいくつかの正常性のある概念、典型的にはメッセージの欠如、または「ゼロ信号」を定義する。
すべての情報源からのメッセージのストリームをコンテンツとノイズとの合計、又は「実信号+ノイズ」としてモデル化する。
正常に近づけるため、評価の出力、又は「全体信号」を配信することによってノイズを除去する。
【0023】
1つの変形例では、正則化が、全てのソースからの全てのメッセージを保持しながら、好ましくは各到着に対する評価の基準値を更新しながら、不確実性に従って、入ってくるメッセージの影響を自動的に調整するように縮小する。次に、通知のトリガは任意の情報源からのメッセージに関連することができ、それによって、正則化は、いくつかの変則または異常値を抑制することができる。これにより、ユーザは、好ましくは、正規化量選好を介して正規化の強度を制御することができる。対応するおよび/または関連する好ましい実施形態では、正則化型選好が変数選択のない正則化に関連し、変数選択のない正則化は、好ましくはチコノフ正則化またはリッジ型正則化に関連し、正則化量選好は、正則化の強度を示す値、好ましくは実数値に関連する。
【0024】
別の変形例では、正則化は、他のメッセージを不確実性に従って調整しながら、メッセージがあまりにも不確実であるとみなされるか、またはあまりにも重要度が小さいとみなされるいずれかの情報源を、ある期間にわたって自動的に抑制することに対応する。次に、配分提案は抑制されなかった情報源のみからのメッセージにのみ基づくことができ、それによって、正則化は、抑制されていないメッセージの影響をさらに調整することができる。これにより、ユーザは、好ましくは、正則化量選好を介して正則化の強度を制御することができる。対応するおよび/または関連する好ましい実施形態では、正則化型選好が変数選択を用いる正則化に関連し、変数選択を用いる正則化は好ましくはラッソ正則化に関連し、正則化量選好は正則化の強度を示す値、好ましくは実数値に関連する。
【0025】
正則化により、ユーザは様々な情報源の値を評価するための有用なツールをさらに提供され、これはエンティティへの値の配分の作業を大いに支援する。
【0026】
好ましい実施形態では、配分提案のエンティティに配分された値が少なくとも1つのユーザに選択された最適化モデルにさらに基づいて計算され、最適化モデルは、少なくともブラック―リッターマンモデルとマーコウィッツモデルと最小分散モデルとを含むリストから選択される。
【0027】
好ましい実施形態では、情報源は、直接のコンテキスト情報源と構造化された周辺情報源と構造化されていない周辺情報源と推測的な直接のコンテキスト情報源とを含み、それによって、直接のコンテキスト情報源のデータは特徴的なエンジニアリングを介して強化され、好ましくは、それによって、推測的な直接のコンテキスト情報源および/または構造化された周辺情報源のデータは特徴的なエンジニアリングを介して強化される。
【0028】
好ましい実施形態では、複数の情報源は少なくとも1つの構造化されていない周辺情報源を含み、
構造化されていない周辺情報源から生じた少なくとも1つのメッセージは生のテキスト文字列を含み、
コンテキストデータに関するメッセージの関連性を評価するために、生のテキスト文字列の自然言語処理を使用して、メッセージをコンテキストデータと比較するステップを含み、
これによって、配分値は、評価にさらに基づいて計算される。
【0029】
さらなる好ましい実施形態では、構造化されていない周辺情報源からのメッセージは計算された配分値の使用前に処理され、それによって、処理は、自己学習人工知能を介して構造化されていない周辺情報源のメッセージの構造化を含み、それによって、人工知能はユーザが調整可能なハイパーパラメータの下で動作する。
【0030】
好ましい実施形態では、物理エンティティと仮想エンティティとがそれぞれ、コンテキストデータ内の物理エンティティと仮想エンティティとの少なくとも過去の情報に基づいて予測可能性の格付けに帰属され、それによって、配分提案の配分値は、予測可能性の格付けにさらに基づいて計算される。
【0031】
特定のエンティティの「予測可能性」の知識は、さらなる発展を予測するのに役立つことができ、全体の配分提案において特定の調和または安全性を作り出すのに有用であることができる。
【0032】
好ましい実施形態では、促されたユーザ選好が1つまたは複数の制約を含み、制約は配分提案において非ゼロの配分値を有する物理エンティティおよび/または仮想エンティティのユーザ定義の最小の予測可能性の格付け、および/または配分提案において非ゼロの配分値を有する物理エンティティと仮想エンティティとのユーザ定義の最小の集約した予測可能性の格付けを少なくとも含む。
【0033】
上述したように、エンティティの予測可能性の格付けを無視すると、非常に危険な配分提案が生成される可能性があり、これは効率的または有利であり得るが、すべてが計画に従って進むという仮定においてのみである。各エンティティの将来の影響に適度なスタンスが取られても、各エンティティの影響の潜在的な変動には依然として大きな差異があり(例えば、破滅的な収穫、生産問題などは特定のエンティティにより強い影響を及ぼすだろう)、これは予測に反映されない。したがって、状況(緊急性、位置・・・)に応じて、ユーザは、配分提案のより高いまたはより低い予測可能性の格付けを可能にすることができる。
【0034】
好ましい実施形態では、促されたユーザ選好が配分提案を作成するための1つまたは複数の制約を含み、制約は配分提案において非ゼロの配分値を有する物理エンティティおよび/または仮想エンティティの少なくとも最大数および/または最小数、および/または配分提案における物理エンティティおよび/または仮想エンティティの配分値の最大値および/または最小値を含む。
【0035】
好ましい実施形態では、ユーザ選好は、非ゼロの過去の値を有する1つまたは複数の物理エンティティおよび/または仮想エンティティを含む過去の配分構成を含み、
それによって、過去の配分構成を配分提案に変換するためのリバランスコストを計算するように適合されたコンテキストデータに基づいて、システム内で目的コスト関数が定義される。
【0036】
過去の配分構成は「現在の」または「最新の」(または期待される)配分構成を含み、エンティティ(または少なくとも、配分提案および/または過去の配分構成のいずれかにおいて非ゼロの配分値を有するエンティティ)についての最後の既知の値を表す。場合によっては、値を変更することは、特定の税金、輸送コストなど、行政上、政府上、または実務上での、特定のコストをもたらすであろう。このコストは必ずしも「金銭的」である必要はなく、特定の変更を制定するための時間のコスト、または人件費(労働費)、または空間のコスト(体積/重量)とすることができることに留意する。配分提案を提示するために、これらのコストは、提示された配分提案の利点に影響を及ぼすことができるので、ユーザによって考慮されなければならない(例えば、高すぎる時間コストは提案の他のすべての利点を打ち消すことができる)。
【0037】
好ましい実施形態では、促されたユーザ選好が配分提案を作成するための少なくとも1つの制約を含み、制約は過去の配分構成を配分提案に変換するためのリバランスコストの最大値である。
【0038】
好ましい実施形態では、コンテキストデータはアンサンブル学習を介してさらに処理される。複数の学習アルゴリズムを組み合わせることにより、処理全体の予測選好が向上される。
【0039】
好ましい実施形態では、ユーザ選好は配分値の計算に基づくコンテキストデータ上の少なくとも1つの制約を含み、それによって、制約は、コンテキストデータを含むメッセージが生成される期間と、コンテキストデータを含むメッセージの情報源のユーザ評価とのうちの少なくとも1つに依存する。ユーザは、例えば、評価処理を簡略化するために、特定の期間の情報に着目することができる。
【0040】
第2の態様では、本発明が、ユーザとシステムとの間の相互作用に基づいて、ユーザに対して実行可能通知を生成するコンピュータシステムに関係して、本発明は、
a.サーバであって、サーバはプロセッサと、有形不揮発性メモリと、プロセッサに命令するためにメモリ上に存在するプログラムコードと、ユーザの装置と1つまたは複数のリモートサーバとに接続するための接続手段と含む、サーバと、
b.ユーザの装置であって、ユーザの装置はプロセッサと、有形不揮発性メモリと、プロセッサに命令するためにメモリ上に存在するプログラムコードと、ユーザに情報を表示するための画面と、好ましくはユーザからユーザ入力手段を受信するための入力手段と、コンピュータネットワークを介してサーバに接続するための接続手段とを含む、装置と、
c.1つまたは複数のリモートサーバであって、各々のリモートサーバは複数の情報源のうちの少なくとも1つに関連し、各々の1つまたは複数のリモートサーバは、コンピュータネットワークを介してサーバに接続するための接続手段を含む、リモートサーバと、
d.少なくとも1つのコンピュータ可読媒体であって、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体は、サーバにアクセス可能であって、データベースを含み、データベースはコンテキストデータとユーザ選好データとを含み、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体は、好ましくは、サーバ内に含まれる、コンピュータ可読媒体と、
を含み、
コンピュータシステムは、ユーザに対する実行可能な通知を生成するように構成されることであって、実行可能な通知を生成することは、
システムに複数のユーザ選好についての値を提供するようにユーザに促すステップと、
サーバによって、複数の情報源から生じた複数のメッセージを繰り返し受信するステップであって、複数のメッセージは1つまたは複数の所定の物理エンティティと1つまたは複数の所定の仮想エンティティとに直接的および/または間接的に関連し、受信されたメッセージはコンテキストデータとして記憶される、ステップと、
少なくとも2つのファクタセットの各々の少なくとも1つのファクタを物理エンティティの各々と仮想エンティティの各々とに割り当てるステップであって、第1の少なくとも2つのファクタセットは物理エンティティと仮想エンティティとの地理的評価に関連し、第2の少なくとも2つのファクタセットは物理エンティティと仮想エンティティとの応用分野に関連する、ステップと、
複数の物理エンティティと仮想エンティティとに値を配分することによって配分提案を作成するステップであって、物理エンティティの集約配分値が非ゼロであり、物理エンティティと仮想エンティティとの集約配分値がユーザ所定値に等しく、配分提案は、非ゼロの配分値を有する物理エンティティと仮想エンティティと、関連付けられた非ゼロの配分値の各々とを含む、ステップと、
ユーザに実行可能な通知を提供するステップであって、実行可能な通知は配分提案を含む、ステップと、
を含み、
それによって、ユーザ選好の少なくとも1つは各々の情報源のユーザ評価を定義し、
配分値は、ユーザ選好とファクタと情報源のメッセージとの値に基づいて計算され、配分提案は、非ゼロの配分値を有する複数の物理エンティティと仮想エンティティとを含む比較構成と比較され、比較構成のエンティティの非ゼロの集約配分値はユーザ所定値に等しく、比較構成の配分値はユーザ選好とファクタとの値に基づく。
【0041】
第3の態様では、本発明が本発明によるシステムにおける本発明による方法の使用に関係する。
【0042】
本発明は、本発明を更に例示する以下の非限定的な例によって更に説明され、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、また本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
[実施例]
【実施例1】
【0043】
<物理エンティティコレクション(収集物)>
この例では、本発明が物理オブジェクトコレクションのユーザによって監視することに関連し、物理オブジェクトコレクションは複数の場所に記憶されまたは配置された複数の物理的な商品または物理オブジェクトを含む。物理オブジェクトは、例えば、金、ダイヤモンド、(旧型の)自動車、ワイン、ウイスキー、美術絵画、楽器、または宝飾品などの本質的な価値を有する貴重品とすることができるが、無記名債券などの、価値が所有者に付与される権利に関連される貴重品に関連することもできる。さらにもう1つの例では、物理オブジェクトは、不動産に関連することができ、たとえば、オブジェクトは、住宅、建物、アパート、アパート街区(block)、ガレージ、ガレージ街区に対応することができる。好ましい例示的な実施形態では、各々のオブジェクトはデータベースに記憶された物理エンティティ記録に対応し、その逆も同様である。一実施形態では、物理オブジェクトが、例えば、自動車、ワイン、ウイスキー、美術絵画、楽器などの場合のように、過度の温度または高い水分量に関連する事故に起因して損傷を受ける可能性がある腐敗しやすい物品に関連することができる。ここで、第1の配分提案は、所与の時間期間、例えば、1年にわたって無傷のままの状態である、複数の位置にわたるオブジェクトの総数を最大化することに関連することができる。このような配分提案では、異なる情報源から利用可能な異なる位置の測定と予測とを考慮して、情報源の1つから生じるメッセージに基づいて、任意の位置が事故を被る可能性があるときはいつでも、通知は生成されることができる。しかしながら、第2の配分提案は、少なくとも1つのオブジェクトが、所与の時間期間、例えば、1年にわたって無傷のままの状態である機会を最大化することに関連することができる。これは、例えば、ハードディスクドライブまたはフラッシュドライブが、複数の位置にわたって複製された、高度に秘密の情報を含むことに関連することができる。それによって、ハードディスクドライブまたはフラッシュドライブは、必要とされる秘密性の量に応じて、コンピュータネットワークに接続されることができ、または接続されることができず、それによって、ドライブ上のデータは暗号化されることができ、または暗号化されることができない。そのような高度に秘密の情報は、例えば、パスワード、認証情報、または暗号通貨資産に関連することができる。このような配分提案では、単一の位置に関する予測または測定が、その単一の位置においてオブジェクトの大部分が記憶されていない限り、関連性を欠いている可能性があり、したがって通知を必要としない。後者が事実であるか否かは、その単一の位置においてインシデントの指標が検出された場合に、配分提案の出力の強力な変更によって示されることができる。様々な関連する例示的な実施例では、1つの情報源が、オブジェクト位置における警報またはインシデントの検出など、位置および/または建物の完全性と安全性とに関連する警報を提供する警報サービスであってよい。別の情報源は、ニュースメッセージを提供する生のテキストサービスに関連することができる。これによって、位置の名前および/または位置に関連する建物の名前の検出は、メッセージが配分提案を考慮した関連性を有することを示すことができる。
【0044】
本発明の利点は、ユーザによって、何が関連しているかと何が関連していないかと、通知がどの程度必要とされているかとの制御にある。正則化は、エンドユーザにとって意味のある情報源の選択を可能にする。例えば、位置における火災に関する単一の情報源からのニュースメッセージは重要ではないとすることができ、正則化に基づいて異常値と見なされることができ、一方、非常に類似したコンテンツを有する複数のメッセージは高い関連性を示すことができ、したがって通知を引き起こすことができる。これによって、正則化の強さは、ユーザ選好による閾値を設定することを可能にする。さらに、ユーザは変数選択を伴わない、または変数選択を伴う正則化を好むかどうかを示すことができる。全体として、ユーザは、物理オブジェクトコレクションに潜在的に関連性を有する全てのメッセージを手動で調べる負担から解放される。正則化により、ユーザは、様々な情報源の価値を評価するための有用なツールをさらに提供される。したがって、本発明は、(有料もしくはそうでない)情報源の購読は続けるべきかと、どの購読は除去されることができるかとを決定する際に価値がある。
【実施例2】
【0045】
<取引可能商品のポートフォリオ>
この例では、コンテキストデータが、少なくとも2つの物理エンティティに関連する複数の取引可能商品を含むポートフォリオに関連するすべての情報に関連する。コンテキストデータは、少なくとも2つの物理エンティティ記録を含む複数のデータ記録を含み、各々の物理エンティティ記録は物理エンティティに関連する。物理エンティティは、任意の物理的投資製品、例えば、金、ダイヤモンド、(旧型の)自動車、ワイン、ウイスキー、美術絵画、コレクターズアイテム、楽器、宝飾品、無記名債券、家、建物、アパート、アパート街区、ガレージ、ガレージ街区とすることができる。物理エンティティ記録を超えて、ポートフォリオは、物理エンティティでないエンティティに関連するデータ記録を含むことができ、または含まないことができる。各データ記録は、多数の属性の構造化された入力の集合である。1つの属性はエンティティの型、例えば、株、普通株、債券、現金、不動産、貴重品、投資ファンドなど、とすることができる。別の属性は、エンティティの量を示すことができる。さらに別の属性は、当該エンティティに関連する約束の開始日または終了日に関連することができる。例1と同様に、別の属性は、例えば、通りの住所またはGPS座標の集合に関して、指定された、エンティティの位置とすることができる。別の属性は、自然言語処理を通して考慮されることができるエンティティの自然言語記述を可能にすることができる。
【0046】
配分提案は、ポートフォリオの技術的目標に関連する。配分提案の構成は、各情報源の履歴上の複数のパラメータの訓練に関連する。配分提案は、ブラック―リッターマン最適化の適用にさらに関連してもよいし、関連しなくてもよい。情報源は、複数のフィールドの入力を含む記録を含む事前構造化データを含み、生のテキストを含む構造化されていないデータも同様に含む。事前構造化データは、会社レベルと総計レベルとの両方において、ニュース強度とニュースに対する所感とニュース読者数との指標を提供する。事前構造化データはインデックスに関連することができる。ユーザは、さらに、ソーシャルメディアの利用における発展、公式記者会見における発展に応じるために、所感スコアが構築される情報源を変更する可能性が提供される。ここで、所感は典型的にはいくつかの過去の基準に関係して測定されるが、特定の世論を形成する人々を信用することに重きをおくように、関連する基準は修正されることができる。処理フローは、例えば、日付更新が毎日またはより頻繁に行われるように、同様に変更されることができる。
【0047】
したがって、自動化された処理は、監視されているポートフォリオの付加価値と共に、手動の処理を提供する。特に、本発明は、純粋な手動の処理に対する包括的な代替案を提供し、下位決定に対する部分的な代替案を提供し、処理において生成された情報を提供する。予測の大きな変化は、ユーザ、例えば、ポートフォリオマネージャ、に送られる説明を伴う通知を引き起こすことができ、ユーザは、次に、ポートフォリオをリバランスすることができる。本発明は、さらに、特定のエンティティおよび/または関連する金融商品が見直されているかどうかを識別することを可能にする。さらに、ユーザは、特定のエンティティの周りに蓄積された多量の否定的なニュースを警告されることができる。さらに、例えば、いくつかの会社の株式が急落した場合、影響を受けるであろう関連会社とセクターとに基づいて、複数のエンティティを伴う間接的な関係が確立されることができる。
【0048】
ユーザに対して通知が生成されることができる方法は、実施例1にさらに類似している。また、この例では、ユーザは、ポートフォリオに対する潜在的な関連性を有するすべてのメッセージを調べる負担から支援される。正則化により、ユーザには、様々な情報源の価値を評価するための有用なツールがさらに提供される。したがって、本発明は、(有料もしくはそうでない)情報源の購読は続けられるべきかと、どの購読は除去されることができるかとを決定する際に価値がある。
【実施例3】
【0049】
<危機供給の配分>
この例では、コンテキストデータが、飢饉、疾病の大流行、自然災害などの地域の危機状況に関する情報に関連する。この場合の情報源は、伝統的な媒体(テレビ、新聞、オンライン報道)、ソーシャルメディア(Twitter、Facebook、Instagram、Tencent、Weibo、Youtube)などである。この場合のエンティティは、食品、医薬品、インフラ供給(テント、..)、財政支援などに関連することができる。次に、ユーザは、システムが促すことに応答して、特定の値を提供することができ、その中で、情報源の評価を提供する。これらのケースでは、構造化されていない情報源が地域レベル(例えば、大流行が発生した特定の村落)で危険な状況を迅速に識別するので、非常に関連性がある可能性があり、一方、より大きなメディア報道では、これらの情報源を見逃すか、またはさらなる確認なしに報告することを拒否することになるであろう。したがって、ユーザは、そのようなソースに、より大きな評価を与えることができる。他の伝えられるであろう情報は、地理的詳細と危機の性質である。
システムは、例えば、周辺地域(国、地域、都市等)の穀物供給、医薬品、及び特定の組織(国境なき医師団、…)からの医療人員、輸送収容力(Z国のY収容力を有する貨物飛行機の数X、…)といった、エンティティ上の情報を有する大量のエンティティ上のデータベースにアクセスするであろう。データベースは情報源からの情報の流入を介して更新されるであろう点に留意する。
これに基づいて、システムは、時間ベースで、危機に対処するためにリソースを配分する提案を生成することができる。提案は、複数のエンティティに値を配分し、この値はこれらが使用されるかどうか(例えば、特定の供給が特定の位置から時間内に提供されることができない場合、これらは使用されないであろう)、それらのうちのどれだけが使用されるか、それらがどのように提供されるかを示すことができる。
【0050】
本発明は、前述の実現形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲を再検討することなく、提示された実施例に修正を加えることができると仮定する。例えば、本発明は物理と仮想との両方の商品、産品などの配分を参照して説明されてきたが、本発明が他の用途に使用され得ることは明らかである。
【国際調査報告】