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特表2022-505557食品加工装置及び食品加工装置で食品対象物の画像を提供する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】食品加工装置及び食品加工装置で食品対象物の画像を提供する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G01N21/85 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521846
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(85)【翻訳文提出日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2019080411
(87)【国際公開番号】W WO2020094726
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】18204962.7
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521162931
【氏名又は名称】マレル・サーモン・アクティエセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Marel Salmon A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・アンデルセン
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA01
2G051AB20
2G051BA20
2G051BB01
2G051CA04
2G051CA06
2G051CB01
2G051DA06
2G051EA23
(57)【要約】
本発明は、コンベアと、画像システムとを備えた食品加工装置を提供する。コンベアは、食品対象物が搬送方向に搬送され得るコンベア表面を形成し、コンベア表面は、コンベア表面に面する食品の下面、及びコンベア表面の反対側を向く食品上面を伴い、画像システムは、画像を取得し、及び/または食品上面上の対象領域を分析するように構成される。画像システムは、光源、カメラ及びプロセッサを備える。光源は、コンベア表面の上方に位置し、光ビームを出射して、コンベア上面及び/または食品上面に入射光を供給するように構成される。カメラは、光学中心線を有し、コンベア面の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成され、プロセッサは、カメラと通信可能であり、取得した反射光に基づいて、食品上面上の対象領域を解析するように構成される。光源及びカメラは、コンベア表面または光源と対象領域との間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、互いに位置付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアと、画像システムとを備え、
コンベアは、食品対象物が搬送方向に搬送され得るコンベア表面を形成し、コンベア表面は、コンベア表面に面する食品の下面、及びコンベア表面の反対側を向く食品上面を伴い、画像システムは、画像を取得し、及び/または食品上面上の対象領域を分析するように構成され、
画像システムは、コンベア表面の上方に位置し、光ビームを出射して、コンベア上面及び/または食品上面に入射光を供給するように構成された光源と、
光学中心線を有し、コンベア面の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成されたカメラと、を備え、
カメラと通信可能であり、取得した反射光に基づいて、食品上面上の対象領域を解析するように構成されるプロセッサを備えることもでき、
光源及びカメラは、コンベア表面または光源と対象領域との間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、互いに位置付けられる食品加工装置。
【請求項2】
コンベア表面または光源と対象領域との間の距離が特定の間隔以内で増減しても、対象領域への入射光が変化しない、または著しく変化しない請求項1に記載の食品加工装置。
【請求項3】
特定の間隔が、20cm未満であり、例えば、15cm未満、10cm未満、8cm未満、6cm未満、4cm未満、3cm未満、2cm未満である請求項2に記載の食品加工装置。
【請求項4】
光学中心線及び光源からの光源中心線が、コンベア表面、または解析する可能な限り低い位置の食品上面の異なる位置で交差する請求項1から3の何れか1項に記載の食品加工装置。
【請求項5】
光源中心線が搬送方向に直交する請求項1か4の何れか1項に記載の食品加工装置。
【請求項6】
光学中心線が搬送方向に直交する請求項1か4の何れか1項に記載の食品加工装置。
【請求項7】
光源中心線及び光学中心線の間の角度が少なくとも0.5度である請求項1か6の何れか1項に記載の食品加工装置。
【請求項8】
カメラが取得した反射光を表すデータを受け、食品対象物の色、及び/または光強度、及び/または色の変化の度合い、及び/または光強度の変化量を定めるように構成されたプロセッサ及び/または画像プロセッサを備える請求項1か7の何れか1項に記載の食品加工装置。
【請求項9】
カメラで取得した反射光を表すデータを受けて、食品対象物の三次元画像プロファイルを生成するように構成された画像プロセッサを備える請求項1から8の何れか1項に記載の食品加工装置。
【請求項10】
プロセッサ及び/または画像プロセッサが、食品対象物が搬送される間にデータを受け、画像データを解析するように構成されている請求項1から9の何れか1項に記載の食品加工装置。
【請求項11】
食品加工装置において、食品対象物の画像を提供する方法であって、
食品加工装置は、食品対象物コンベアと、画像システムとを備え、
コンベアは、食品対象物が搬送方向に搬送され得るコンベア表面を形成し、コンベア表面は、コンベア表面に面する食品の下面、及びコンベア表面の反対側を向く食品上面を伴い、
画像システムは、画像を取得し、及び/または食品上面上の対象領域を分析するように構成され、
コンベアは、
コンベア表面の上方に位置し、光ビームを出射して、コンベア上面及び/または食品上面に入射光を供給するように構成された光源と、
光学中心線を有し、コンベア面の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成されたカメラと、を備え、
カメラと通信可能であり、取得した反射光に基づいて、食品上面上の対象領域を解析するように構成されるプロセッサを備えることもでき、
コンベア表面または光源と対象領域との間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、光源及びカメラを互いに位置付けるステップを含む方法。
【請求項12】
光源及びカメラの下でコンベア表面上の食品対象物を搬送するように構成する食品加工装置において、光源及びカメラを位置付ける方法であって、
コンベア表面の上の異なる高さを有する複数の試験表面が、カメラ及び光源の下で搬送され、
複数の試験表面が光源及びカメラの下で搬送される間に、カメラ及び光源の間の角度が変更され、カメラのフレームが、少なくとも試験表面の各々に沿ったラインからの反射光を取得することができ、ラインは搬送方向と平行であり、
カメラ及び光源の間の異なる角度について、試験表面から反射された光の強度が定められ、
食品対象物の高さが、カメラへ反射された光の強度に影響しない、または殆ど影響しない効果を達成するため、定められた光強度の間の偏差に基づいて角度が選択される方法。
【請求項13】
1以上の角度が、試験表面の異なる高さに関して、反射光の強度が同一、または殆ど同一になる効果を提供するとき、反射光の強度に基づいて角度が選択される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コンベアと、画像システムとを備え、
コンベアは、食品対象物が搬送方向に搬送され得るコンベア表面を形成し、コンベア表面は、コンベア表面に面する食品の下面、及びコンベア表面の反対側を向く食品上面を伴い、画像システムは、画像を取得し、及び/または食品上面上の対象領域を分析するように構成され、
画像システムは、コンベア表面の上方に位置し、光ビームを出射して、コンベア上面及び/または食品上面に入射光を供給するように構成された光源と、
光学中心線を有し、コンベア面の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成されたカメラと、
カメラと通信可能であり、取得した反射光に基づいて、食品上面上の対象領域を解析するように構成されるプロセッサと、
入射光の強度に関するインシグニアを定めるセンサと、を備え、
プロセッサは、カメラが取得した反射を受け、インシグニアに基づいて反射を補償する食品加工装置。
【請求項15】
センサが高さセンサで、インシグニアが高さセンサにより定められたコンベア表面及び対象領域の間の距離である請求項14に記載の食品加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源及びカメラを備えた食品加工装置、及び食品加工装置で食品対象物の画像を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の食品加工システムでは、食品が加工される間に、食品に関する異なる情報を特定して記録する。例えば、原産地、重量、大きさ及び他の特徴を記録することができる。最終製品の品質を向上させるため、例えば、食品の色に関するような食品の特徴を特定するように、カメラシステムが用いられる。従来、このようなカメラは、カメラフレームが、人工的な入射光を当てた食品対象物の上面を記録するように配置されている。色の変化の度合いを定める性能は、特に、入射光の質と、入射光をカメラのフレームに反射させる方法に依存する。人工光の色の変化の度合い、光源から食品対象物への距離の変化量、または食品対象物からカメラへの距離の変化量は、カメラが反射光を受ける方法に影響を与え、よって、課題となる特徴を特定する質に影響を与える。これが、特に、食品対象物の色の変化の度合いの特定について問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態の目的は、改善された食品加工装置を提供することにある。
【0004】
本発明の実施形態の更なる目的は、食品対象物の画像及び/または画像データを提供する改善された方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、コンベアと、画像システムとを備える食品加工装置を提供する。コンベアは、食品対象物が搬送方向に搬送され得るコンベア表面を形成し、コンベア表面に面する食品の下面、及びコンベア表面の反対側を向く食品上面を伴う。
【0006】
画像システムは、食品上面上の対象領域を分析するように構成され、
-コンベア表面の上方に位置し、光ビームを出射して、コンベア上面及び/または食品上面に入射光を供給するように構成された光源と、
-光学中心線を有し、コンベア面の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成されたカメラと、を備える。
【0007】
任意のカメラと通信可能であり、取得した反射光に基づいて、食品上面上の対象領域を解析するように構成されるプロセッサを備えることもできる。
【0008】
光源及びカメラは、コンベア表面または光源と対象領域との間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、互いに位置付けられる。
【0009】
光源及びカメラを上記のように位置付けたとき、対象領域に減じられた光強度の光を当てることができる。このことは、例えば、光源から最大強度を有する光中心が、食品上面上の対象領域に到達してカメラフレームに反射される入射光ではない場合、このことが実現できる。
【0010】
光源及びカメラは、コンベア表面または光源と対象領域との間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、互いに位置付けられる。このことは、光源からの最大強度を有する光中心及びカメラの光学中心線が対象領域で交差しない場合に得られる。例えば、コンベアベルト表面より下方で交差するといったような、解析する食品対象物の上面より下方で交差する場合に得られる。
【0011】
搬送された食品対象物の表面の画像を取得するため、プロセッサを備えない食品加工装置を用いることができる。解析されていない画像を、食品対象物または食品群の品質関連書面のため用いることができる。プロセッサを備えた食品処理装置において、搬送された食品対象物の表面に関連する画像データを解析することができる。例えば、食品表面上の色の変化する領域を定めることができる。画像データの解析は、データを取得した後、短時間に実施できる。例えば、画像システムでの処理の後、短時間に搬送された食品対象物を仕分けることができる。
【0012】
ここに記載のシシテムでは、光源及びカメラは、コンベア表面または光源と対象領域との間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、互いに位置付けられる。対象領域へ入射光の強度が著しく変化しない場合、入射光の変化が、最大光強度の10%未満を意味し、例えば、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満を意味する。著しく変化しないことが、最大光強度の5%未満であることが好ましい。
【0013】
光源及びカメラの位置について求められることを、以下に記載する。もし、対象領域に到達する入射光が最大強度を有する光中心に沿って出射される場合、コンベア表面及び対象領域の間の距離が増加するとき、対象領域に、増加する光強度の入射光が当たる。よって、対象領域に到達した入射光が最大強度を有する光中心に沿って出射され、この光がカメラフレームに反射されるように、光源及びカメラが位置付けられることは除かれるであろう。
【0014】
減少するまたは増加する光強度は、食品処理装置に用いられる光源の最大光強度を有する光中心の光強度に対して定められる。食品対象物の上面への均等な光分布が、この表面へ強い光強度を当てることよりも重要である。食品対象物の上面への均等な光分布が、解析する食品対象物に関して定められる対象領域にとって最も重要である。
【0015】
光源及びカメラは、コンベア表面または光源と対象領域との間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、互いに位置付けられるとき、搬送された食品対象物の高さの変化によらず同様な品質の対象領域の画像または画像データを取得できる。カメラで得られた画像または画像データが、食品対象物の高さに関わらず、実質的に等しい暗さ、等しい明るさを有することにより、同様な品質が定められるであろう。
【0016】
ここでは、試験する食品対象物における1点に関して、発明を説明する。対象領域における他の全ての点において、対応する説明が可能である。対象領域は、コンベア表面を横切るラインであることができ、よって、コンベアで搬送される食品対象物を横切るラインであることができる。
【0017】
同様な画像または画像データを取得することができる範囲内である高さの変化量は、所定の間隔以内であることができる。所定の間隔が、20cm未満であり、例えば、15cm未満、例えば、10cm未満、例えば、8cm未満、例えば、6cm未満、例えば、4cm未満、例えば、3cm未満、例えば、2cm未満であることができる。つまり、高さの変化量は、装置で解析する食品対象物の高さの変化量に対応するであろう。高さの変化量は、コンベア面より上方に位置し、コンベア表面上を搬送される最も低い食品対象物及び最も高い食品対象物の間の食品高さにおける差に対応して定まる。高さの変化量は、10cm以内であるのが好ましい。例えば、サーモンフィレの画像または画像データを取得するとき、特定の間隔または高さの変化量は、6cm未満、例えば、5cmぐらいが好ましい。コンベア表面は、高さの変化量のうち、最も低い点の場合も、最も低い点でない場合もあり得る。もし、解析する最も低い食品対象物が2cmの高さを有すると考えられる場合、高さの変化量は、コンベア表面から約1cmまたは1.5cm上方であることができる。
【0018】
異なる高さで取得する反射光の強度が基本的に同じであることにより、厚みに関する食料対象物の差は、基本的に色に影響を及ぼさない。ここで使う「色」は、光の強さと光の波長の組み合わせを意味する。
【0019】
カメラで反射光を取得することを促進するため、カメラはコンベア表面の上方に位置する。この位置は、同時に、コンベア表面及び対象領域の間の距離が増加するとき、対象領域からカメラへの距離が減少することを確実にする。本発明では、このような距離の変化は、実質的に、カメラで取得した光の強度に影響を与えない。
【0020】
動いているコンベア表面の方向を考慮すると、光源は、カメラの前または後に設置するのが好ましい。コンベア表面との距離の観点から、カメラは、光源より高く位置するのが更に好ましい。
【0021】
1つの実施形態では、コンベアは、少なくとも1つのベルト、第1ホイール及び第2ホイールを備えることができ、1つの無限ベルトが、第1及び第2のホイールの間に延びる。他の実施形態では、コンベアは、少なくとも2つの横に並んだ無限ベルトを備えることができ、例えば、3または4の横に並んだ無限ベルトを備え、各々のベルトが、第1及び第2のホイールの間に延びる
【0022】
よって、コンベア表面は、食品対象物が位置する1以上の無限ベルトにより形成することができる。複数の食品対象物を順に搬送することができることを理解すべきである。食品対象物をコンベア表面上で互いに隣接させて配置することができ、少なくともある食品対象物は、隣接する食品対象物に接触させることができる。しかし、食品対象物を互いに離して配置することができ、例えば、等距離でまたは異なる距離で配置することができる。
【0023】
コンベア表面は、搬送される食品対象物の色と異なる色を有することができる。更に、コンベア表面の反射率は、取得した食品対象物からの反射及びコンベア表面からの反射の分離を促進するように、食品対象物の平均反射率より小さいように選択することができる。
【0024】
食品対象物は、コンベ表面に面した食品の下面と、コンベア表面と反対側の食品上面とを伴って搬送される。よって、食品上面の一部は、コンベア表面に対して垂直であり、一方、食品上面の他の面は、コンベア表面に対して横断するように位置する。
【0025】
食品対象物は、搬送方向における、コンベア表面上の開始点からコンベア表面上の終端点まで搬送することができる。食品対象物は、魚、魚の一部、肉片、果物、野菜、または他のタイプの食品であることができる。
【0026】
画像システムは、光源、カメラを備え、ある実施形態では、プロセッサも備える。これらの要素は、3つの個別の要素であることを理解すべきである。しかし、1つの実施形態では、プロセッサは、カメラの一部である例もあり得る。その他の実施形態では、プロセッサが、画像データを分析する機能を果たすコンピュータの一部を形成する。
【0027】
光源は、コンベア表面の上方に位置し、光ビームを出射して、コンベア表面、及び/または食品上面に入射光を供給する。光源を、ビームの中心がコンベア表面に垂直であるか、またはコンベア表面に対して角度を有するように配置することができる。光ビームは、搬送される食品対象物の全幅に光が当たるのを確かにするため、コンベア表面全体ににわたる幅を有するのが好ましい。
【0028】
光源は、可視及び/または非可視の電磁波を有する任意のタイプでありことができる。光源は、白色光のような可視光を出射するのが好ましい。可視光を出射する光源を用いる場合、画像シシテムは、光源から出射されていない光をスクリーニングすることができる。光源は、例えば、LED、ハロゲン、レーザであることができる。光源は、少なくとも、コンベア表面の一部を横断して到達するラインとしての光を出射することができる。この場合、光源はライン光源であり、レーザライン光源であることができる。
【0029】
ここに記載の画像システムは、2つの光源を備える。例えば、解析する食品対象物の搬送方向に関して、前及び後が定められる場合、1つの光源がカメラの前に位置し、1つの光源がカメラの後に位置する。ここでは、コンベア表面及び対象領域の間の距離が増減しても、入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないような対象領域への入射光の強度を有するように、各々の光源がカメラに対して配置されるのが好ましい。2つの光源の各々から出射された光の一部が、対象領域への入射光であるのが好ましい。カメラが搬送コンベアに垂直な光学中心線を有するとき、2つの光源を、この光学中心線に対して互いに鏡面位置に配置することができる。これにより、カメラは、両方の光源からの入射光の反射を同時に取得することができる。
【0030】
カメラはコンベア表面の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成されている。このことは、カメラのフレームがコンベア表面の画像を取得でき、光学中心線がコンベア表面に対して垂直またはある角度を持って面し、これにより、光源からの入射光のコンベア表面による反射、及び/または食品上面による反射を取得できるように、カメラを配置することで実現する。カメラの光学中心は、コンベア表面に対して垂直、または概ね垂直となるのが好ましい。「概ね垂直」は、垂直から2度未満の偏差を有することを意味し、例えば、垂直から1.5度未満の偏差、例えば、垂直から1度未満の偏差である。
【0031】
ここで、用語「対象領域」は、プロセッサを備える画像システムが、該当する解析を行う領域と定義付けされる。対象領域は、ライン、例えば、食品対象物を横断し、コンベア表面の搬送方向に垂直なラインであることもできる。対象領域がラインの場合、食品対象物の表面を解析するときに取得した各々のラインを、食品上面の部分の画像を取得する、または食品上面の全体の画像を取得するためのラインスキャンに用いることができる。
【0032】
対象領域は、カメラの全フレームで構成されることができ、またカメラのフレームのサブセットであることもできる。これにより、対象領域は、コンベア表面の特定の部分である。従って、食品が搬送されるときの食品上面の特定の部分であり、よって、食品が搬送されるときの食品上面の特定の部分である。
【0033】
対象領域は、一時または全ての時間において、静的に定義することもできるし、プロセッサで動的に定義することもできる。例えば、食品対象物が、搬送されるとき直線上に位置せず、ある食品対象物が、このような食品対象物のラインの一方または他方に位置する場合もある。
【0034】
入射光は、コンベア表面/食品上面で反射され、カメラが、少なくとも反射光の一部を取得するように配置される。食品対象物の大きさ及び/または食品対象物の種類によって、対象領域の大きさを変化させることができる。1つの実施形態では、対象領域は、幅X及び長さyを有する幅狭の細長いストライプで構成される。x:yの比率は、1:10及び1:10000の間の範囲にあり、例えば、1:100及び1:2000の間の範囲、例えば、1:1000である。面積は特に小さく、例えば、1000mm未満、例えば、500mm未満、または100mm未満の場合もあり得る。
【0035】
対象領域は、特定の大きさに予め定義することができる。これにより、取得した反射光の一部のみで解析ができる。例えば、予め定義された対象領域に基づく、取得した反射の一部で解析できる。対象領域は、搬送される食品対象物を横切り、搬送方向に垂直なラインであることができる。
【0036】
コンベアの上方の固定位置にあるカメラの下方を、食品対象物がコンベア表面上を搬送されるとき、対象領域は食品対象物に対して移動し、これにより、食品対象物が搬送される間に、食品上面の異なる部分を解析することができる。
【0037】
カメラで取得された反射光の強度は、食品対象物の高さが異なっても、基本的に同じなので、例えば、対象領域内の色の変化の度合いを特定することができる。よって、領域が異なる色を有する場合、潜在的に品質の低い食品対象物の領域を識別できる。このように識別された領域は、実質的に廃棄されたり、切り取られて、実質的に廃棄されるであろう。
【0038】
1つの実施形態では、光学中心線が、対象領域の中心と交差する。例えば、対象領域は、光学中心線が食品上面と交差する点の周辺の領域として定義できる。光源からの光ビームは、例えば、コンベア表面横切り、対象領域の中心は、コンベア表面及び食品対象物に存在する入射光の一部を横切るラインであることができる。
【0039】
プロセッサが画像システムに存在する場合、カメラと通信可能であり、取得した反射に基づいて、食品上面上の対象領域を解析するように構成される。プロセッサ及びカメラの間の通信は、無線または有線で行われる。
【0040】
光ビームは、最大強度の光中心、及び光中心から離れるにつれて減少する光強度を有し、食品対象物の高さが変化しても、対象領域からの反射光の強度が変化しない、または著しく変化しないようになっている。これにより、対象領域への入射光が最大強度を有さないように、光源及びカメラを互いに位置付けることができる。
【0041】
入射光の強度は、光中心の最大光強度から、光中心から離れた最小光強度まで、連続的に減少するであろう。更に、光強度のプロファイルは、少なくとも、最大光強度及び最小光強度の間の第1セクションで、増加するスロープを有する。
【0042】
1つの実施形態では、光ビームは、実質的に、中心で最大強度を有し、中心から離れるにつれて光強度が減少する、光中心を中心とする実質的に円または楕円の形状を有するガウスビームであることができる。
【0043】
特に、もし、コンベア表面及び対象領域の間の距離が増加すると、対象領域から光中心までの距離が増加するように、光源をカメラに対して配置することができる。この場合、光源及びカメラが、ここに記載のように互いに位置付けられ、コンベア表面及び対象領域の間の距離が増減しても、入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、光源がカメラに対して位置付けられている。
【0044】
光学中心線及び光源中心線は、異なる場所でコンベア表面と交差することができる。これにより、光学中心線がコンベア表面、またはコンベア表面上の食品対象物の表面と交差する位置における入射光の強度が、最大強度でないようにすることができる。これにより、コンベア表面及び対象領域の間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないという効果が得られる。
【0045】
1つの実施形態では、光源が1つのライン光源を有する。本発明に勘案すると、ライン光源は、長手方向に延び、長手方向に沿って、実質的に同一な強度の光を出射するように構成されていると理解すべきである。ライン光源は、最大強度の光中心を有し、光中心から離れるにつれて強度が低下する光を出射できる。このとき、光中心は、長手方向に
沿った長手の中心である。
【0046】
ライン光源は、コンベア表面の上方に位置し、長手方向が実質的にコンベアの搬送方向と直交し、これにより、コンベア表面及び食品上面の断面が、搬送方向と直交する領域で、実質的に同じ強度の光が当てられる。
【0047】
コンベア表面及び対象領域の間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないことを促進するため、光源中心線及び光学中心線の間の角度が、1~20度の範囲にある、例えば、2~10度の範囲にある、例えば、4~6度の範囲にある、例えば約5度である場合には有効である。小さい角度を用いた場合、カメラは、光源の直上に位置するであろう。例えば、カメラの光学中心線が、コンベア表面に垂直、または概ね垂直になり、光源は、光源中心線が光学中心線に対して角度を有するように調整される。
【0048】
光源及びカメラが、例えば図2に示すように位置付けられる場合、光学中心線がコンベア表面に垂直、または概ね垂直になり、光学中心線、及び光源からの最大光強度を有する光中心の間で約5度の角度を有する。光源は、コンベア表面から約323mm上方に位置でき、カメラは、コンベア表面から更に離れた位置にあるのが好ましい。約5度は、例えば、4.5~5.5度であることができる。
【0049】
1つの実施形態では、光源はコンベア表面の上方に位置し、光源中心線が搬送方向に垂直、または概ね垂直であることができる。この実施形態では、光学中心線がコンベア表面に対して角度を有するように、カメラを配置することができる。
【0050】
その他の実施形態では、光源はコンベア表面の上方に位置し、光学中心線が搬送方向に垂直、または概ね垂直であることができる。この実施形態では、光源中心線がコンベア表面に対して角度を有するように、光源を配置することができる。
【0051】
食品加工装置は、更に、カメラで取得した反射光を示すデータを受けて、食品対象物の3Dプロファイルを生成するように構成された画像プロセッサを備えることもできる。対象領域を解析する画像プロセッサ及びプロセッサは、1つのプロセッサであることができる。しかし、画像プロセッサ及びプロセッサが2つの個別のプロセッサであることもできることを理解すべきである。
【0052】
1つの実施形態では、画像プロセッサは、食品対象物が搬送される間に、データを受けて、画像プロファイルを生成するように構成できるので、画像プロセッサは、食品対象物が搬送されているのと実質的に同時に、画像プロファイルを生成することができる。
【0053】
3D画像プロファイルは、反射光の強度を補償するのに用いることができる。この場合、食品対象物の高さの差により小さな光の差が生じる可能性があるが、3D画像プロファイルに基づいて補償することができる。
【0054】
2番目の態様によれば、本発明は、食品加工装置において、食品対象物の画像を提供する方法を提供する。食品加工装置は、コンベアと画像システムとを備える。
【0055】
コンベアは、食品対象物が搬送方向に搬送され得るコンベア表面を形成し、コンベア表面は、コンベア表面に面する食品の下面、及びコンベア表面の反対側を向く食品上面を伴う。
【0056】
画像システムは、画像を取得し、及び/または食品上面上の対象領域を分析するように構成され、
-コンベア表面の上方に位置し、光ビームを出射して、コンベア上面及び/または食品上面に入射光を供給するように構成された光源と、
-光学中心線を有し、コンベア面の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成されたカメラと、を備え、
-カメラと通信可能であり、取得した反射光に基づいて、食品上面上の対象領域を解析するように構成されるプロセッサを備えることもできる。
【0057】
この方法は、コンベア表面及び対象領域の間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、光源及びカメラを互いに位置付けるステップを含む。
【0058】
食品加工装置において、食品対象物の画像を提供する方法は、装置において、以下を実施する。画像システムは、他で記載したように配置され、更なる光源及びカメラの配置はない。
【0059】
この方法は、
-搬送中の食品対象物に光源からの光を照射し、入射光の一部が対象領域から反射されるステップと、
-対象領域から反射された入射光の形式の画像または画像データを取得するステップと、
-任意に、プロセッサにより画像データを分析するステップと
を含む。
【0060】
取得した食品対象物からの反射光の光強度が、食品対象物の高さが異なっても基本的に同一になるような光源中心線及びカメラの光学中心線の間の角度により、コンベア表面及び対象領域の間の距離が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないようにすることができる。
【0061】
光源中心線及び光学中心線に間の角度は、少なくとも2度、少なくとも4度、少なくとも5度であることができる。他に記載の角度に用いることができる。
【0062】
もし、光源及びカメラがシステムの中で互いに固定され、光源及びカメラが、ここに記載の最適な角度で最適な設定で互いに位置付けられた場合、光源及びカメラを備えた全システムが、ここに記載の表面解析を実施するように、コンベア表面に対して角度を有する。しかし、カメラの光学中心線がコンベア表面に垂直または概ね垂直な場合には、取得した画像が最善であると思われる。
【0063】
当業者が、直ちに、本発明の第1の態様と組み合わされて記載された任意の特徴を、本発明の第2の態様と組み合わせるこができ、逆も可能である。
【0064】
本発明の第1の態様に係る食品加工装置は、本発明の第2の態様に係る方法のステップを行うのに大変適している。従って、食品処理装置に関して上記で述べられた備考は、方法に関しても同様に適用可能である。
【0065】
本発明の第3の態様では、発明は、光源及びカメラの下でコンベア表面上の食品対象物を搬送するように構成する食品加工装置を提供する。
【0066】
コンベア表面の上の異なる高さを有する複数の試験表面が、カメラ及び光源の下で搬送される。
【0067】
複数の試験表面が光源及びカメラの下で搬送される間に、カメラ及び光源の間の角度が変更される。
【0068】
カメラ及び光源の間の異なる角度について、試験表面から反射された光の強度が定められる。
【0069】
食品対象物の高さが、カメラへ反射された光の強度に影響しない、または殆ど影響しな
い効果を達成するため、定められた光強度からの偏差に基づいて角度が選択される。
【0070】
複数の試験表面は、例えば、全て同様な表面を有する4つの試験対象物、例えば、同様な色で、コンベア表面上に位置するとき、高さが互いに異なる4つの試験対象物であることができる。
【0071】
幾つかの角度により、試験表面の高さが異なっても、同様なまたは概ね同様な反射光の強度となる結果を得る場合、最も高い強度を提供する角度が選択されるであろう。
【0072】
光源をカメラに対して位置付ける方法の間に、光源及びカメラを動かさずに、カメラ及び光源の間の角度を変更できる。例えば、動かない試験対象物の電子画像から、解析を行うことができる。例えば、試験対象物の表面を横切るラインに関して、解析を行うことができる。このラインは、コンベアの方向に平行であり、食品対象物の解析の間に用いられる。このラインに沿った各ピクセルは、異なる角度を表す。
【0073】
本発明の第4の態様では、発明は、コンベアと、画像システムとを備える食品加工装置である。コンベアは、食品対象物が搬送方向に搬送され得るコンベア表面を形成し、コンベア表面は、コンベア表面に面する食品の下面、及びコンベア表面の反対側を向く食品上面を伴い、画像システムは、食品上面上の対象領域を分析するように構成される。画像システムは、下記を備える。
【0074】
-コンベア表面の上方に位置し、光ビームを出射して、コンベア上面及び食品上面に入射光を供給するように構成された光源。
【0075】
-光学中心線を有し、コンベア面の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成されたカメラ。
【0076】
-カメラと通信可能であり、取得した反射光に基づいて、食品上面上の対象領域を解析するように構成されるプロセッサ。
【0077】
-入射光の強度に関するインシグニアを定めるセンサ。
【0078】
プロセッサは、カメラからの取得した反射を受け、インシグニアに基づく反射を補償する。
【0079】
ここで使用されるインシグニアは、センサで計測される計測値で、計測値は、対象領域での入射光の強度の変化を特定することができる。インシグニアは、対象領域での入射光の強度と相互に関連させるように使用できる。対象領域における光強度の変化を、コンベア表面から、例えば、コンベア表面自体からの特定の距離における既知の光強度と関連付けることができる。例えば、コンベア表面から対象領域までの距離を、対象領域における入射光の光強度との関連付けに用いることができる。もし、解析するある食品対象物が、既に使用した光源及びカメラの配置における高さの範囲に含まれない場合、このような関連付けを、上記の装置で実施可能である。
【0080】
このような反射は、入射光の強度に基づいて補償できるので、色の変化の度合いの決定がより的確になる。
【0081】
光の反射は、より低い対象物に対して補償される。より低い対象物では、解析面がコンベア表面に近く、よって、光源からさらに遠くなっている。これにより、入射光の強度は、対象領域でより低くなり、よって、カメラのフレームでもより低くなる。光の反射は、より高い象物に対して補償される。より高い対象物では、解析面がコンベア表面から更に遠く、よって、光源により近くなっている。これにより、入射光の強度は、対象領域でより高くなり、よって、カメラのフレームでもより高くなる。
【0082】
センサは、例えば、コンベア表面及び対象領域の間の距離を定めるように構成されている。この例では、プロセッサは、カメラで取得した反射を受けて、高さセンサで定められたコンベア表面及び対象領域の間の距離に基づいて、反射を補償する。この結果、プロセッサは、食物製品の高い位置の結果として生じる増加した光強度を受けて、色の変化の度合いを定めるとき、これによって、減少した光源及び食品対象物の間の距離を考慮する。
【0083】
入射光の強度の関連付けは、光の強度が、距離(d)の2乗に反比例することに基づいている。光源からの距離が増加すると、対象領域の光強度は、例えば、光源の位置での光強度に1/dを乗じた値と等しくなる。しかし、例えば、第1の態様のように、カメラ及び光源が互いに位置付けられている場合には、このような関連付けが必要でないのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1】食品加工装置の実施形態を示す。
図2図1に示す食品加工装置の他の図を示す。
図3A図1に示す食品加工装置の図を示す。
図3B図3Aの詳細を示す。
図3C】対象領域における入射光の強度を示す。
図4】カメラで所得した光の光強度のグラフを示す。
図5】カメラで所得した光の光強度の他のグラフを示す。
図6A】光学中心線及び光源中心線の交点の場所の異なる可能性を示す。
図6B】光学中心線及び光源中心線の交点の場所の異なる可能性を示す。
図6C】光学中心線及び光源中心線の交点の場所の異なる可能性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0085】
発明の実施形態を示す詳細な説明及び具体的な例が、図面を用いて示されているに過ぎず、発明の精神及び範囲内において、詳細な説明から、当業者により様々な変更や改良が把握されることを理解すべきである。
【0086】
図1は、食品加工装置の実施形態を示す。食品加工装置1は、コンベア2及び画像システム3を備える。コンベア2は、食品対象物5が搬送方向(矢印で示す)に搬送され得るコンベア表面4を形成し、コンベア表面4に面する食品の下面、及びコンベア表面4の反対側を向く食品上面5A(図2参照)を伴う。
【0087】
画像システム3は、光源6、カメラ7及びカメラと通信可能なプロセッサ(図示せず)を備える。画像システム3は、食品上面5A上の対象領域を分析するように構成されている。
【0088】
ライン光源の形の光源6は、コンベア表面4の上方に位置し、光ビーム8(図2参照)を出射して、コンベア上面4及び食品上面5Aに入射光を供給するように構成されている。
【0089】
図示された実施形態では、光源6は、搬送方向を横断する長手方向に延びた光源の形を有し、長手方向に沿って実質的に一定の強度を有する光ビームを出射するように構成されている。
【0090】
カメラ7は、光学中心線9(図2参照)を有し、コンベア面4の上方に位置し、入射光の反射を取得するように構成されている。
【0091】
プロセッサ(図示せず)は、カメラ7と通信可能であり、取得した反射光に基づいて、食品上面5A上の対象領域を解析するように構成されている。
【0092】
光源6及びカメラ7は、コンベア表面および対象領域の間の距離”d”(図3A及び3B参照)が増減しても、対象領域への入射光の強度が変化しない、または著しく変化しないように、互いに位置付けられる。
【0093】
図2は、図1に示す食品加工装置の他の図を示す。食品対象物5Aは、光ビーム8の一部が食品上面5Aに入射光を供給するように位置付けられる。光ビーム8は、最大強度の光中心8A、及び光中心から離れるにつれて減少する光強度を提供する。光ビームの外側の境界8Bでは、光強度が最も弱い。
【0094】
図2では、あたかも、最大光強度を有する光中心を示す線8Aと、カメラの光学中心を示す線9とが、コンベア表面4の上面Dで直接交差するように見える。これらの2つの線が交差する位置は、解析する製品の高さに応じて定められる。例えば、光学中心線及び光中心線の公差位置が、解析する最も低い食品対象物の高さよりも、コンベアの表面により近くなる。例えば6cm以下の低い食品対象物では、最大光強度を有する光中心及び光学中心線が、(可能であれば)コンベア表面より下方の位置で交差するのが好ましい。つまり、光学中心線及び光源中心線が、異なる場所でコンベア表面と交差する。図2に示す公差位置も適切な配置を提供しているが、これが比較的低い食品対象物を解析するためのより好ましい配置であろう。
【0095】
図2に示すように、食品対象物5はまだ搬送されておらず、カメラの下方に位置せず、これにより、光学中心線9は、食品上面5Aに接していない。
【0096】
図3Aは、図1及び図2に示す食品加工装置の他の図を示す。食品対象物5が搬送され、カメラの下方に位置して、これにより、光学中心線9は、食品上面5Aに接し、カメラ7は入射光の反射を取得できる。
【0097】
図3Bは、図3Aの詳細を示す。最大強度を有する光中心線8Aは、食品上面5Aで、カメラ7の光学中心線9と一致しない、または交差しない。これは、光源及びカメラの相対的位置であり、対象領域の光強度は、コンベア表面上の食品対象物の高さ変更により変化しない。
【0098】
図示した実施形態では、光学中心線9は、対象領域の中心Cと一致する。
【0099】
図3Cは、図3Bを拡大して示した図であり、入射光の強度が曲線Iで示されている。曲線の頂部で示されるように、光ビームは、光中心線8Aで最大強度を有する。曲線Iの形状に示すように、光強度は光中心線8Aから離れるにつれて減少する。従って、カメラの光学中心線9より下方の食品上面における入射光の強度は、光中心8Aにおける強度より低くなる。距離d2の頂点が対象領域を示し、距離d1の頂点が、最大強度を有する中心線が食品対象物5Aに到達する場所を示す。
【0100】
図4及び図5は、カメラ7で取得された光の光強度を示すグラフの2つの異なるグループを示す。4つの異なる試験対象物が用いられ、図4では、これらの試験対象物に関連するグラフがI、II、III及びIVで示される。試験対象物は高さが異なり、Iが最も低く、IVが最も高い。全てのグラフは、光中心線及びカメラの光学中心線の間の角度の機能として、光強度を示す。2つ図は、2つの異なるカメラ取り付け位置における光学線スキャンニング位置を示し、Lで示す線で示される。Nで示される領域及び垂直な破線は、ノイズの領域である。図の右側部分のノイズの領域に関し、反射光の光源による遮断の結果である。例えば、少なくとも反射光の一部は、カメラのフレームに届くのが遮断される。ノイズの領域は、カメラの光学中心線及び光源からの光中心線の間の最適な角度を探すときには用いられない。(食品)対象物の各々の高さに関し、カメラで受けた光の強度は、光学中心線及び光中心線の間の角度と関連して示される。一本線(低い線)で示される差(Diff)は、カメラで受けた光の強度を示す上側のグラフおよび下側のグラフの間の差(%)を示す。
【0101】
グラフは、食品対象物の高さがカメラ側に反射された光の強度に殆ど影響しない、または全く影響しない効果に達するように、カメラに対して光源を位置決めする方法として、グラフが用いられる。
【0102】
図4及び図5の各々において、4つの異なるグラフは、例えば、4つの異なる肉片から生じるような、食品対象物の4つの異なる高さを示している。図示されたグラフに関して、高さのみが異なる4つの類似した食品対象物を用いた。対象物は、真っ直ぐな表面を有し、類似した均一な色を有する。最も低い対象物は0.3cmの高さを有し(図4においてIで示す)、最も高い対象物は0.6cmの高さを有し(図4においてIVで示す)。各々の対象物に関して、分析長さと、光源からの光中心及びカメラの光学中心線の間の角度(=グラフのX軸)に対応して、4cmが分析された。各々のグラフは、分析された対象物に沿った一本線を示し、この線は、コンベアベルトの搬送方向と平行になる。
【0103】
各々の図において、(光源及びカメラの特定の相対的位置に応じた)角度が選択され、対象物の4つの全ての異なる高さが、カメラで取得するほとんど完全に同一な光強度を提供する。この点または領域を、”S”、”S1”及び”S2”で示される。図4では、ノイズの領域は無視されるべきなので、たった1つの角度でこの効果をもたらす。この角度は、Lの垂直線で示される。図5では、2つの異なる角度が、カメラで取得する殆ど完全に同一な光強度を提供する。これを、グラフのS1、S2で示す。この場合、しかしながら、(グラフにおいてS1で示す)より小さい角度は、(グラフにおいてS2で示す)より大きい角度より、低い光強度を提供する。カメラで取得する殆ど完全に同一な光強度を提供する光源及びカメラの間の角度を定めるとき、最上部のグラフ及び最下部のグラフの間の光強度の差として示される下側の線(Diff)は、極小を探すことにより用いることができる。この極小は、対象物から反射された入射光の強度を示すグラフ間の差を示す。
【0104】
ここで記載したように、本発明に従って光源及びカメラの角度を定めるとき、図4に示す結果は、相対的に特定の角度で位置する光源及びカメラの最適な設定を示す。つまり、4つのグラフが互いに交差し、Lで示されたカメラ位置により示される。もし、結果が図5に示されるように得られたとき、グラフはS1のみで互いに交差し、光強度が低い、低すぎるであろう。そして、グラフは、S2で示すように、例えば、一度に2カ所で互いに交差し、これは、光源及びカメラの次善の設定であるかもしれない。そして、他の設定を試みることもできる。これには、光源とカメラの間の異なる角度、及び/または光源からの異なる距離、及び/またはコンベヤ表面へのカメラ位置、及び/または異なる光分布を有する光源が含まれる。
【0105】
画像システムは、最大の強度と、コンベア表面の食品対象物の異なる高さに対して、取得した光強度に関する最小の偏差を提供する角度を定めるように構成されたコンピュータプロセッサを含むことができる。
【0106】
図6は、光学中心線9及び光源中心線8Aの交点”T”のコンベア表面4に対する位置の異なる可能性を示す。交点Tは、コンベア表面4の上方(図6A)、コンベア表面4の位置(図6B)、コンベア表面4の下方(図6B)の場合があり得る。対応する図では、食品対象物がコンベア表面上に位置する場合、光学中心線9及び光源中心線8Aの交点が、コンベア表面上の食品対象物の上方または下方の場合があり得る。光源の中心線8A及び光学中心線9の交点がどこに位置すべきかについては、解析する食品対象物の高さに関連して定めることができ、交点が、常に、解析する食品表面の最低位置より下に位置するのが好ましい。例えば、交点は、対象領域より下方に位置するのが好ましく、解析する最も下の食品対象物の対象領域より下方に位置するのが好ましい。図6Cに示すようなコンベア表面より下方の交点を、非常に低い食品対象部に用いることができ、図6Bに示すようなコンベア表面の位置の交点を、低い食品対象部に用いることができ、図6Aに示すようなコンベア表面より上方の交点を、高い食品対象部に用いることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】