(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】バイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物を含むアルコール
(51)【国際特許分類】
C11D 3/20 20060101AFI20220106BHJP
C11D 1/14 20060101ALI20220106BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20220106BHJP
C11D 1/04 20060101ALI20220106BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20220106BHJP
C11D 1/18 20060101ALI20220106BHJP
C11D 1/88 20060101ALI20220106BHJP
C11D 1/90 20060101ALI20220106BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20220106BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220106BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20220106BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20220106BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20220106BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220106BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20220106BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20220106BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C11D3/20
C11D1/14
C11D1/22
C11D1/04
C11D1/29
C11D1/18
C11D1/88
C11D1/90
C11D3/37
A61K8/34
A61K8/46
A61K8/44
A61Q19/10
A61P17/00
A61K31/045
A61K47/20
A61K47/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522011
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(85)【翻訳文提出日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 US2019057886
(87)【国際公開番号】W WO2020086862
(87)【国際公開日】2020-04-30
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コープランド, アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】ザプリツキ,マリー
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュ, ブランディ
(72)【発明者】
【氏名】ボゴビッチ, エリン アール
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C206
4H003
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD02F
4C076DD03F
4C076DD05F
4C076DD08F
4C076DD12F
4C076DD13F
4C076DD37
4C076DD38X
4C076EE23X
4C076FF39
4C076FF56
4C076FF57
4C076FF61
4C083AB051
4C083AB352
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC131
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC612
4C083AC641
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD052
4C083AD132
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB44
4C083BB48
4C083CC23
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD38
4C083EE01
4C083EE07
4C083EE12
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA03
4C206MA05
4C206MA37
4C206MA83
4C206NA08
4C206ZA89
4H003AB03
4H003AB10
4H003AB19
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC10
4H003AD03
4H003AD04
4H003BA12
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA12
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB09
4H003EB14
4H003EB36
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA16
4H003FA21
4H003FA28
(57)【要約】
洗浄組成物の総重量に基づいて、約10.0重量%~約30重量%未満の一つまたは複数のC1-C8アルコール、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約10.0重量%の少なくとも一つの一次界面活性剤、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0重量%~約10.0重量%の少なくとも一つの二次界面活性剤、pH調整剤、および水からなるバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物が開示される。組成物は、2.0logを超える微生物殺傷レベルを達成せず、約10重量%~約30重量%の一つまたは複数のC1-C8アルコールを含まない他の同等の組成物と比較して、バイオフィルムの形成を少なくとも30%低下させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物であって、
約10.0重量%~約30重量%の一つまたは複数のC
1-C
8アルコール、
前記洗浄組成物の総重量に基づいて、0.5重量%~約10.0重量%の少なくとも一つの一次界面活性剤、
前記洗浄組成物の総重量に基づいて、0重量%~約10.0重量%の少なくとも一つの二次界面活性剤、
pH調整剤、および、
水を含み、前記組成物が、2.0logを超える微生物殺傷レベルを達成せず、前記組成物が、約10重量%~約30重量%の一つまたは複数のC
1-C
8アルコールを含まない他の同等の組成物と比較して、バイオフィルムの形成を少なくとも30%低下させる、バイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項2】
前記組成物が、バイオフィルム形成の少なくとも50%を阻害する、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項3】
前記組成物が、10重量%未満の防腐剤を含む、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項4】
前記組成物が、1.5logを超える微生物殺傷レベルを達成しない、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項5】
前記一つまたは複数のC
1-C
8アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ならびにそれらの異性体および混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項6】
前記一つまたは複数のC
1-C
8アルコールが、エタノールおよびイソプロパノールのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項7】
前記組成物が、約25重量%未満の一つまたは複数のC
1-C
8アルコールを含む、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項8】
前記組成物が単相溶液である、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項9】
前記一次界面活性剤が、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、ラウレス硫酸マグネシウム、およびミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、カルボキシレート、硫酸エステル、硫酸アルカノールアミド、アルキルフェノール、およびそれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤である、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項10】
前記一次界面活性剤が、ラウレス硫酸ナトリウムを含む、請求項9に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項11】
前記二次界面活性剤が、少なくとも一つの双性イオン界面活性剤を含む、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項12】
前記双性イオン界面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシルスルタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシルスルタイン、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、およびそれらの混合物のうちの一つまたは複数を含む、請求項11に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項13】
前記組成物が、表面から少なくとも98%の病原体を除去する、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項14】
前記組成物の総重量に基づいて約0.01重量%~約5.0重量%の一つまたは複数の湿潤剤をさらに含み、前記湿潤剤が、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4-ジヒドロキシヘキサン、1,2,6-ヘキサントリオール、ソルビトール、ブチレングリコール、カプリリルグリコール、メチルプロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン(グリセロール)、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項15】
前記組成物が、実質的にジメチコンを含まない、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項16】
前記組成物が、前記洗浄組成物の総重量に基づいて、約3重量%未満の油を含む、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項17】
前記組成物が、発泡性組成物である、請求項1に記載のバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物。
【請求項18】
前記表面上のバイオフィルムの形成を阻害する方法であって、
非抗菌洗浄組成物を表面に適用することを含み、前記洗浄組成物が、
約10.0重量%~約30重量%の一つまたは複数のC
1-C
8アルコール、
約0.5重量%~約10.0重量%の少なくとも一つの一次界面活性剤、
0重量%から約10.0重量%の少なくとも一つの二次界面活性剤、
pH調整剤、および、
水を含み、前記量が前記非抗菌組成物の総重量に基づいており、前記組成物が、2.0logを超える微生物殺傷レベルを達成せず、前記組成物が、約10重量%~約30重量%の一つまたは複数のC
1-C
8アルコールを含まない他の同等の組成物と比較して、バイオフィルムの形成を少なくとも30%低下させる、方法。
【請求項19】
前記表面を水ですすぐことをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、バイオフィルム形成の少なくとも50%を阻害する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物が10重量%未満の防腐剤を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が、1.5logを超える微生物殺傷レベルを達成しない、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記一つまたは複数のC
1-C
8アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ならびにそれらの異性体および混合物からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記一つまたは複数のC
1-C
8アルコールが、エタノールおよびイソプロパノールのうちの少なくとも一つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物が、約25重量%未満の一つまたは複数のC
1-C
8アルコールを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
一次界面活性剤が、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、ラウレス硫酸マグネシウム、およびミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、カルボキシレート、硫酸エステル、硫酸アルカノールアミド、アルキルフェノール、およびそれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記一次界面活性剤が、ラウレス硫酸ナトリウムを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記二次界面活性剤が、少なくとも一つの双性イオン界面活性剤を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記組成物が、表面から少なくとも98%の病原体を除去する、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物が、前記洗浄組成物の総重量に基づいて、約3重量%未満の油を含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年10月24日に出願された「ALCOHOL CONTAINING BIOFIILM-INHIBITING NON-ANTIMICROBIAL CLEANSING COMPOSITION」題する米国仮特許出願第62/749,986号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
手洗い用組成物は、良好な洗浄、良好な発泡性をもたらし、かつ皮膚に穏やかとなるように製剤化されることが好ましい。手洗い用組成物は、典型的には、清浄化および発泡の機能を提供するために界面活性剤系を利用する。加湿剤またはその他の皮膚に有益な薬剤も、全体的な皮膚の健康および健全を促進するために利用されることがある。
【0003】
高濃度のアルコールは抗菌特性を有し得ることから、アルコール製品は、皮膚の消毒剤として人気がある。しかしながら、皮膚に配されると、アルコールおよびその他の抗菌剤は、乾燥させる可能性があり、刺激を引き起こす可能性がある。さらに、アルコールは、強い消泡特性を持つことが知られている。そのため、アルコールが手洗い剤に添加される場合、典型的には、皮膚の健康、美観および泡質が犠牲になり得ると考えられる。したがって、組成物の皮膚の健康利益および/または発泡能力に負の影響を与えることなく、アルコールを含有する新しい非抗菌洗浄組成物を設計することが有益となる。
【0004】
非抗菌剤として組成物を製剤化することによって、刺激を起こしにくいものとする他にもさらなる利益を提供する。具体的には、抗菌組成物の強さは多くの場合必要ではなく、病原体を殺すよりはむしろ病原体を除去するという強度の少ないオプションで足りるものとなる。必ずしも必要ではなく、強度の少ないオプション。抗菌剤の不必要な使用を最小限に抑えることで、抗菌剤抵抗性の発生する可能性を制限する一助となる。
【0005】
石鹸および水での洗浄は、潜在的な病原性微生物の伝染を低減するための普遍的に認められた慣行である。しかしながら、従来の非抗菌または“無菌(bland)”洗浄組成物は、十分に保存または保護されていない場合、細菌で汚染されるリスクがある。特に、バルク石鹸充填可能ディスペンサー(バルク石鹸容器から新しい石鹸を注ぐことによってディスペンサーが再充填されるもの)は、細菌汚染を受けやすい。対照的に、密封された石鹸分注システム(衛生密封システム(sanitary-sealed system)としても知られる)は、通常、細菌汚染から保護する新しいノズルを含む石鹸の新しい袋またはカートリッジをディスペンサーに挿入することによって、典型的には補充される。
【0006】
細菌汚染は、バイオフィルムの形成をもたらし得る。バイオフィルムは、微生物が表面に付着して増殖し、付着およびマトリックス形成を促進する細胞外高分子を産生するプロセスによって形成される。細胞外高分子物質(EPS)は、微生物細胞を包含する多糖類のマトリックスを実質的に含む。微生物群は、EPSが分子付着剤のように挙動し、細菌が表面に不可逆的に、また互いに結合することを可能にするため、EPSに依存する。多糖類マトリックスは、バイオフィルムを食細胞から保護し、バイオフィルム内の生物に栄養素を提供する。バイオフィルムの初期層が形成されると、バイオフィルム内の微生物は、より多くのEPSの層が形成され、微生物細胞の総数が指数関数的に増加する成長期間を経る。
【0007】
バイオフィルムは、公衆衛生上重大な影響を与え、劇的に低下した抗菌剤に対する感受性を呈する。さらに、研究では、エタノールおよびイソプロピルアルコールなどのアルコールが、ブドウ球菌などの一部の病原体のバイオフィルム産生を増強し得ることが示されている。様々な研究によると、この抗菌剤耐性は、バイオフィルム中での成長の自然な結果を意味する、内因性であり得るか、またはバイオフィルム中の感受性生物への染色体外要素の伝達によることを意味する、後天的であり得る。いずれにしても、ディスペンサーおよび他の貯蔵型容器、特に細菌汚染に感受性な容器におけるバイオフィルムの増殖を阻害する洗浄組成物に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0008】
本発明の概念の様々な態様は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約10.0重量%~約30重量%未満の一つまたは複数のC1-C8アルコール、約0.5重量%~約10.0重量%の少なくとも一つの一次界面活性剤、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0重量%~約10.0重量%の少なくとも一つの二次界面活性剤、pH調整剤、および水からなるバイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物を対象とする。非抗菌組成物は、2.0logを超える微生物殺傷レベルを達成せず、組成物は、約10重量%~約30重量%の一つまたは複数のC1-C8アルコールを含まない他の同等の組成物と比較して、バイオフィルムの形成を少なくとも30%低下させる。
【0009】
一部の例示的な実施形態では、組成物は、表面上のバイオフィルム形成の少なくとも50%を阻害する。
【0010】
一部の例示的な実施形態では、組成物は、1.5logを超える微生物殺傷レベルを達成しない。
【0011】
一部の例示的な実施形態では、組成物は、表面から病原体の少なくとも98%を除去する。
【0012】
一つまたは複数のC1-C8アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ならびにそれらの異性体および混合物からなる群から選択されてもよい。一部の例示的な実施形態では、組成物は、25重量%未満の一つまたは複数のC1-C8アルコールを含む。
【0013】
一次界面活性剤は、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、ラウレス硫酸マグネシウム、およびミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、カルボキシレート、硫酸エステル、硫酸アルカノールアミド、アルキルフェノール、およびそれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤であってもよい。
【0014】
一部の例示的な実施形態では、一次界面活性剤はラウレス硫酸ナトリウムを含み、二次界面活性剤は少なくとも一つの双性イオン界面活性剤を含む。
【0015】
双性イオン界面活性剤は、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシルスルタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシルスルタイン、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、およびそれらの混合物のうちの一つまたは複数を含んでいてもよい。
【0016】
バイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.01重量%から5.0重量%までの一つまたは複数の湿潤剤をさらに含むことがあり、この湿潤剤は、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4-ジヒドロキシヘキサン、1,2,6-ヘキサントリオール、ソルビトール、ブチレングリコール、カプリリルグリコール、メチルプロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン(グリセロール)、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0017】
バイオフィルム阻害非抗菌洗浄組成物の一部の例示的な実施形態は、洗浄組成物の総重量に基づいて、3重量%未満の油を含む。
【0018】
本発明の概念のさらなる例示的な態様は、バイオフィルムの形成を阻害する方法を対象とする。方法は、非抗菌洗浄組成物を表面に適用することを含み、当該洗浄組成物は、10.0重量%~30重量%の一つまたは複数のC1-C8アルコール、0.5重量%~約10.0重量%の少なくとも一つの一次界面活性剤、0重量%から約10.0重量%の少なくとも一つの二次界面活性剤、pH調整剤、および水を含み、前述の量は非抗菌組成物の総重量に基づく。組成物は2.0logを超える微生物殺傷レベルを達成しない。組成物は、約10重量%~約30重量%の一つまたは複数のC1-C8アルコールを含まない他の同等の組成物と比較して、表面上でのバイオフィルムの形成を少なくとも30%低下させる。
【0019】
一部の例示的な実施形態では、方法は、水を用いて表面をすすぐことをさらに含む。
【0020】
一部の例示的な実施形態では、組成物は、バイオフィルム形成の少なくとも50%を阻害する。
【0021】
一部の例示的な実施形態では、組成物は、10重量%未満の防腐剤を含む。
【0022】
一部の例示的な実施形態では、組成物は、1.5logを超える微生物殺傷レベルを達成しない一方、少なくとも98%の病原体を除去する。
【0023】
全体的な本発明の概念の数多くのその他の態様、利点、および/または特徴は、以下の例示的な実施形態の詳細な説明から、およびここに提出されている添付の図面から、さらに容易に明らかになってゆくものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、様々なエタノール濃度を使用した非抗菌洗浄組成物のin vitro有効性(時間殺傷)をグラフで説明したものである。
【0025】
【
図2】
図2は、皮膚試料の表面と様々な非抗菌洗浄組成物との間の界面張力をグラフで説明したものである。
【0026】
【
図3】
図3は、様々なアルコール濃度での水性アルコール溶液の表面張力をグラフで説明したものである。
【0027】
【
図4】
図4は、様々なアルコール濃度での非抗菌洗浄組成物の表面張力をグラフで説明したものである。
【0028】
【
図5】
図5は、様々な非抗菌洗浄組成物による処理後の皮膚試料の皮膚水分保持の変化をグラフで説明したものである。
【0029】
【
図6】
図6は、様々な非抗菌洗浄組成物による処理後の皮膚試料の経皮水分喪失をグラフで説明したものである。
【0030】
【
図7】
図7は、様々な非抗菌洗浄組成物による処理後の皮膚試料の皮膚水分保持の変化をグラフで説明したものである。
【0031】
【
図8】
図8は、様々な非抗菌洗浄組成物による処理後の皮膚試料の経皮水分喪失をグラフで説明したものである。
【0032】
【
図9】
図9は、時間の関数としての様々な非抗菌洗浄組成物の接触角をグラフで説明したものである。
【0033】
【
図10】
図10は、様々な非抗菌洗浄組成物による定量的な汚れの除去をグラフで説明したものである。
【0034】
【
図11】
図11は、本明細書による様々な非抗菌洗浄組成物の存在下での定着したバイオフィルムの減少を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
別途定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本出願が関連する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の他の方法および材料が例示的な実施形態の実施または試験で使用されてもよいが、例示的な適切な方法および材料は以下に記載されている。矛盾がある場合は、定義を含めて本願の明細書が制御するものとする。さらに、材料、方法、および例は例証に過ぎず、全体的な本発明の概念を制限することを意図されていない。
【0036】
本明細書に記載される用語は、例示的な実施形態の説明のみを目的とするものであり、その全体として本出願を限定するものとして解釈されるべきではない。別途指定されない限り、「a」、「an」、「the」、および「少なくとも一つ」は互換的に使用される。さらに、本願の記載および添付の特許請求の範囲において使用される際に、単数形「a」、「an」、および「the」は、周辺の文脈によって矛盾しない限り、その複数形を含む。
【0037】
別途の指示のない限り、成分、化学的および分子的特性、反応条件の量を表現し、以降本明細書および特許請求の範囲で使用されるすべての数は、「約」という用語によってすべての場合で修飾されるものと理解されるものとなる。「約」という用語は、値の±10%以内、またはより好ましくは値の±5%以内、および最も好ましくは値の±1%以内を意味する。
【0038】
したがって、それとは反対に指示される場合を除き、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本願の例示的な実施形態によって取得されるよう求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくともそれぞれの数値パラメータは、有意な桁の数および通常の丸め方の観点から解釈されるべきである。
【0039】
本明細書および特許請求の範囲全体を通して与えられる数値範囲はすべて、そのようなさらに広い数値範囲内にあるさらに狭い数値範囲を、本明細書にすべて明示的に記載されているかのごとくそれぞれ含むものとなる。
【0040】
「局所組成物」という語句は、皮膚、および/または毛および爪などのその他の表面を含む、ヒトまたは動物の身体の表面など、表面に直接適用するのに適した組成物を意味する。局所組成物は、テーブル、カウンター、床、食品、器具、器械、物体などの無生物の表面にさらに適用され得る。
【0041】
「非抗菌組成物」という用語は、使用中に1.5log未満、1.0log未満、0.5log未満を含む2.0log未満の微生物殺傷を達成しない組成物を意味する。「非抗菌組成物」という用語は、非抗菌組成物、非抗ウイルス組成物、非抗真菌組成物、および非抗寄生虫組成物を含む。本発明の概念によれば、本明細書に定義されるように、非抗菌組成物は、使用中、2.5log以下、2.0log以下、および1.5log以下を含めて、3.0log以下の微生物除去レベルを達成する。
【0042】
さらにバイオフィルムの形成を少なくとも実質的に阻害するアルコールを含む一方で高い洗浄能力、高い発泡性、および良好な皮膚のコンディショニングを提供するための適切な成分のバランスを有する、非抗菌局所洗浄組成物、特に液体または発泡性のハンドソープおよび/またはその濃縮物を製剤化できることが、今回発見されている。「実質的に阻害」とは、組成物が、約10重量%~約30重量%の一つまたは複数のC1-C8アルコールを含まない別の同等の組成物と比較して、少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも92%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、表面上でのバイオフィルムの形成を減少させることを意味する。一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、バイオフィルムの形成を完全に阻害する。
【0043】
上述のように、バイオフィルムは、細胞外高分子物質を産生する表面に付着した微生物の集合を含み、微生物細胞を包含する多糖類のマトリックスを含む。研究によれば、バイオフィルムの成長は、微生物の抗菌組成物に対する感受性を概して低下させることが示されてきた。しかしながら、本発明の概念の非抗菌組成物が、バイオフィルムの成長および増殖を阻害するように機能し得ることが、予期せず発見された。
【0044】
少なくとも一つのC1-C8アルコールを含む非抗菌洗浄組成物およびそれを使用する方法。従来、石鹸組成物へのアルコールの添加は、皮膚の健康に負の影響を及ぼし、石鹸の泡質を低下させるものと考えられていた。しかし、本明細書に開示される洗浄組成物に少なくとも一つのC1-C8アルコールを組み込むことによって、良好な皮膚の健康利益と泡質と安定性とを維持しつつ、優れた有効性、クリーンリリース機能、および自己保存など、数多くの利益が洗浄組成物に提供される。「泡安定性」とは、泡が崩壊して液体になる時間の長さを意味する。
【0045】
「クリーンリリース」の概念は、組成物の展延性と濡れ性とを少なくとも部分的に向上させることにより、健康な皮膚と乾燥した/刺激された皮膚との両方の上にある病原体および汚れの除去をより良く達成する能力を包含する。クリーンリリース機能によってすすぎもさらに速やかなものとなり、そして昔ながらの市販の石鹸と比較して水分が保たれる。
【0046】
ある特定の例示的な実施形態では、局所洗浄組成物は、皮膚への適用のために使用され、液体または発泡性の皮膚クレンザー、ワイプ、濃縮物、ローション、および洗浄組成物に望ましい他の形態の形であり得る。局所洗浄組成物は、皮膚のクリーニングの前、間、または後に皮膚に適用され得る。
【0047】
非抗菌洗浄組成物は、水溶液または乳濁液として提供され得る。一部の例示的な実施形態では、洗浄組成物は単相溶液であり、これは油相などの追加の相を含まないことを意味する。
【0048】
本開示の非抗菌洗浄組成物は、非抗菌洗浄組成物の総重量に基づいて少なくとも5.0重量%の一つまたは複数のC1-C8アルコールを含み、そのようなものとしては、以下に限定されないが、少なくとも10.0重量%、または少なくとも15.0重量%、または少なくとも18.0重量%、または少なくとも19.0重量%、または少なくとも20.0重量%が挙げられる。一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、非抗菌洗浄組成物の総重量に基づいて35.0重量%以下のC1-C8アルコールを含み、そのようなものとしては、以下に限定されないが、30.0重量%以下、または28.0重量%以下、または27.0重量%以下、または25.0重量%以下、または22.0重量%以下が挙げられる。一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、組成物の総重量に基づいて約5.0重量%から約30重量%までの一つまたは複数のC1-C8アルコールを含み、そのようなものとしては、以下に限定されないが、約8.0重量%から約28.0重量%、約10.0重量%から約27.0重量%、約12.0重量%から約25.0重量%、約15.0重量%から約22.0重量%、約18.0重量%~約21重量%、およびさらに広い範囲内にあるさらに狭いあらゆる数値範囲が挙げられる。
【0049】
一部の例示的な実施形態では、一つまたは複数のC1-C8アルコールは、抗菌効能をもたらす濃度よりも低い濃度で含まれる。例えば、C1-C8アルコールは、3logを超えるかまたは2logを超える微生物殺傷を組成物が達成する濃度を下回る濃度で、存在していることがある。
【0050】
アルコールはC1-C8アルコール、すなわち1個から8個の炭素原子を含むアルコールである。こうしたアルコールは、低級アルカノールと呼ばれ得る。低級アルカノールの例としては、以下に限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ならびにそれらの異性体および混合物が挙げられる。一つまたは複数の例示的な実施形態では、アルコールは、エタノール、プロパノール、またはブタノール、またはそれらの異性体もしくは混合物を含む。一つまたは複数の例示的な実施形態では、アルコールは、イソプロパノールを含む。その他の実施形態では、アルコールは、エタノールを含む。一つまたは複数の例示的な実施形態では、洗浄組成物は、アルコールの混合物を含む。一つまたは複数の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、エタノールとイソプロパノールとの混合物を含む。一つまたは複数の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、イソプロパノールとn-プロパノールとの混合物を含む。
【0051】
一部の例示的な実施形態では、アルコールの構成成分は、C1-C8アルコールに類似した機能を提供できる任意のヒドロトロープにより置換され得る。適切なヒドロトロープとしては、例えば、C2-C8ヒドロトロープ、例えばブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、および他のそのようなポリオールおよびグリコールを含めたC2-C6ポリオールおよびグリコールが挙げられる。様々な例示的な実施形態では、非抗菌組成物は、アルコールと一つまたは複数のハイドロトロープとの混合物を含む。
【0052】
ある特定の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、適量(q.s.)の水を含む。ある特定の例示的な実施形態では、非抗菌組成物は、少なくとも約1.0重量%の水を含み、別の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも約30.0重量%の水を含み、別の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも約40.0重量%の水を含み、別の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも約50.0重量%の水を含み、別の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも約60.0重量%の水を含み、別の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも約70.0重量%の水を含み、さらに別の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも約80.0重量%の水を含む。他の実施形態では、非抗菌組成物は、約50.0重量%から約95.0重量%までの水を含む。さらに他の実施形態では、非抗菌組成物は、約65.0から約90.0重量%までの水、または約75.0重量%から約85.0重量%までの水を含む。特に非抗菌組成物に使用される他の成分および/またはその量に応じて、ある特定の場合に多少の水が必要とされ得る。
【0053】
非抗菌洗浄組成物は、最大約40.0重量%の範囲の量で相乗関係で利用される、複数の界面活性剤を含み得る。一つまたは複数の実施形態では、非抗菌洗浄組成物の微生物除去効果を高めるように界面活性剤系を選択し得ることを、当業者は理解するものとなる。そのような界面活性剤系は、少なくとも一つの一次界面活性剤と少なくとも一つの二次界面活性剤とを含み得る。界面活性剤系は、石鹸の性能を高め、アルコールと相乗的に作用して、「クリーンリリース」機能をもたらす。上述のように、クリーンリリース機能により、石鹸は皮膚の亀裂および割れ目にさらに深く浸透して、アルコールと界面活性剤との相乗的な系を含まない他の同等の石鹸よりも、さらに多くの病原体および汚れを穏やかに除去することができる。このことは、亀裂と割れ目のさらに多い乾燥した/刺激された皮膚に、特に有用である。一部の例示的な実施形態では、界面活性剤系によってもたらされるクリーンリリース機能は、アルコールと界面活性剤との相乗的な系を含まない同等の石鹸よりも、少なくとも10%多くの汚れと病原体とを除去し、そのようなものとしては、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、および少なくとも30%多くの汚れと病原体が挙げられる。
【0054】
一次界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双イオン性、脂肪酸の界面活性剤のうちいずれかを含み得る。一部の例示的な実施形態では、一次界面活性剤は、非抗菌組成物の総重量に基づいて、30重量%以下の量のアニオン性界面活性剤である。一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、約0.5重量%から約10.0重量%のアニオン性界面活性剤、または約1.0重量%から約8.0重量%のアニオン性界面活性剤、または約2.0重量%から約5.0重量%のアニオン性界面活性剤、または約2.2重量%から約4.0重量%のアニオン性界面活性剤を含む。例示的なアニオン性界面活性剤としては、硫酸塩、例えばアルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、ラウレス硫酸マグネシウム、およびミレス硫酸ナトリウム;スルホン酸塩、例えばノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム;カルボキシレート;硫酸エステル;硫酸アルカノールアミド;アルキルフェノール;およびそれらの混合物が挙げられる。一部の例示的な実施形態では、一次界面活性剤は、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、キシレンスルホン酸アンモニウムのうちの任意の一つまたは複数を含む。一部の例示的な実施形態では、洗浄組成物は、アニオン性界面活性剤を含まない。
【0055】
一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも一つの二次界面活性剤を含む。二次界面活性剤は、非抗菌洗浄組成物の総重量に基づいて、10重量%以下の量で含まれ得る。一部の例示的な実施形態では、二次界面活性剤は、約0.01重量%から約10.0重量%まで、または約0.5重量%から約8.0重量%まで、または約0.7重量%から約5.0重量%まで、または約1.0重量%から約2.5重量%までの量で含まれる。
【0056】
二次界面活性剤は、一つまたは複数の双イオン性(または両性)界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、またはアニオン性界面活性剤のうちの一つまたは複数を含み得る。双イオン性(両性)界面活性剤は、同じ分子に付加したカチオン性およびアニオン性の両方の中心を有する。双イオン性は、水溶液のpHレベルに応じて、アニオン性、カチオン性、または非イオン性のいずれでもよい。
【0057】
例示的な双性イオン界面活性剤としては、ベタイン類、例えばコカミドプロピルベタイン;スルタイン類、例えばコカミドプロピルヒドロキシルスルタインおよびラウラミドプロピルヒドロキシルスルタイン;ならびにアンホ酢酸塩類およびアンホジ酢酸塩類、例えばラウロアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウムが挙げられる。いくつかの例示的な実施形態では、双性イオン性界面活性剤は、コカミドモノエタノールアミンである。
【0058】
例示的な非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコール類、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、およびオレイルアルコールなど;ポリオキサマー類;エトキシ化脂肪アルコール類、例えばラウリン酸PEG-80ソルビタンなど;ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル類、例えばオクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、およびペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルなど;ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル類;グルコシドアルキルエーテル類;ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル類、例えばナノキシノール-9など;グリセロールアルキルエステル類、例えばラウリン酸グリセロールなど;ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル類、例えばポリソルベートなど;ソルビタンアルキルエステル類;コカミドMEA;コカミドDEA;アミンオキシド、例えばドデシルジメチルアミンオキシドなど;ポリエチレングリコールとプロピレングリコールとのブロックコポリマー類、例えばポロキサマー類など;ポリエトキシ化牛脂アミン;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
例示的なカチオン性界面活性剤としては、四級アンモニウム塩類、直鎖アルキルアミン類、およびアルキルアンモニウム類が挙げられる。
【0060】
補助界面活性剤は、泡の質および特性を高めるかまたは改変する目的で、擦るおよび/または乾燥する時間の間の最終配合物の感触を改変するため、アルコールの持続性または長期にわたる微生物作用をもたらすため、香りや日焼け止めなどの他の成分を可溶化するため、または刺激緩和のために、非抗菌洗浄組成物中に含まれ得る。補助界面活性剤としては、必ずしも以下に限定されないが、スルホコハク酸塩類、アミンオキシド類、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ラウリン酸、ポリグルコシド類、アルカノ-ルアミド類、ソルビタン誘導体類、脂肪アルコールエトキシレート類、四級アンモニウム化合物類、アミドアミン類、スルタイン類、イソチオネート類、サルコシネート類、ベタイン類、および脂肪アルコールポリエチレングリコール類が挙げられる。
【0061】
本洗浄組成物のある特定の例示的な実施形態は、アミン含有カウンターイオンを有する硫酸塩を含む界面活性剤を含まない。
【0062】
ある特定の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、一つまたは複数の湿潤剤を含む。湿潤剤の非限定的な例としては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4-ジヒドロキシヘキサン、1,2,6-ヘキサントリオール、ソルビトール、ブチレングリコール、カプリリルグリコール、カプリル酸/カプリン酸グリセロール、プロパンジオール類、例えばメチルプロパンジオールなど、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン(グリセロール)、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトール、およびそれらの組合せが挙げられる。その他の湿潤剤としては、グリコール酸、グリコール酸塩、乳酸塩、尿素、ホホバワックスPEG-120エステル(FloraTechから市販されている)、ヒドロキシエチル尿素、アルファ-ヒドロキシ酸類、例えば乳酸など、ナトリウムピロリドンカルボン酸、ヒアルロン酸、キチン、などが挙げられる。例示的な一実施形態では、湿潤剤は、グリセリン、L-ピログルタミン酸ナトリウム(PCAナトリウム)、およびポリエチレングリコールの混合物である。
【0063】
ポリエチレングリコール湿潤剤の非限定的な例としては、PEG-4、PEG-6、PEG-7、PEG-8、PEG-9、PEG-10、PEG-12、PEG-14、PEG-16、PEG-18、PEG-20、PEG-32、PEG-33、PEG-40、PEG-45、PEG-55、PEG-60、PEG-75、PEG-80、PEG-90、PEG-100、PEG-135、PEG-150、PEG-180、PEG-200、PEG-220、PEG-240、およびPEG-800が挙げられる。
【0064】
湿潤剤または湿潤剤の混合物は、最大約20.0重量%、または最大約15.0重量%、または最大約12.0重量%、または最大約10.0重量%、または最大約8.0重量%、または最大約8.0重量%、または最大約3.0重量%の量で、非抗菌洗浄組成物中に含まれ得る。ある特定の例示的な実施形態では、湿潤剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%から、または約0.01重量%から、または約0.05重量%から、または約0.1重量%から、または約0.5重量%から、または約0.7重量%から、または約1.0重量%から、または約1.5重量%から、または約2.0重量%からの量で含まれる。例示的な一実施形態では、湿潤剤または湿潤剤の混合物は、組成物の総重量に基づいて、約0.01から約5.0重量%まで、または約0.05から約4.0重量%まで、または約0.5から約3.0重量%までの量で含まれる。
【0065】
本開示の非抗菌洗浄組成物は、約2.5から約12.0までの範囲のpH、または約3.5から約10までの範囲のpH、または約4.0から約9.5までの範囲のpHを示す。必要に応じて、pH調整剤または成分を使用して、組成物のpHを提供および/または維持し得る。例示的なpH調整剤としては、以下に限定されないが、一級アミン類、例えばモノエタノールアミンなど;有機酸、例えばクエン酸、乳酸、ギ酸、酢酸、プロポン酸(proponic acid)、酪酸、カプロン酸、シュウ酸、マレイン酸、安息香酸、カルボン酸、などが挙げられる。ある特定の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、クエン酸を含む。pH調整剤は、pHを所望のレベルに十分に調節するのに必要な任意の量で含まれることがある。一部の例示的な実施形態では、pH調整剤は、存在する場合、非抗菌洗浄組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.01重量%で、または少なくとも0.025重量%で、または少なくとも0.05重量%で、または少なくとも0.1重量%で、または少なくとも0.2重量%で含まれる。一部の例示的な実施形態では、pH調整剤は、非抗菌洗浄組成物の総重量に基づいて、0.01重量%と1.0重量%との間、または0.25重量%と0.5重量%との間、または0.05重量%と0.2重量%との間の量で含まれる。
【0066】
一つまたは複数の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、一つまたは複数の軟化剤(スキンコンディショナーまたは加湿剤としても知られる)を含む。適切な軟化剤の非限定的な例としては、アロエ、アロエオイル、ホホバオイル、ビタミンE、ビタミンE酢酸エステル(酢酸トコフェロール)、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、C8-10アルカンジオール類、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセロール、ココグルコシド、および/またはオレイン酸グリセロール(Lamisoft(登録商標)PO)、およびポリクオタニウム10および39などのポリクオタニウムが挙げられる。
【0067】
軟化剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.001から約5.0重量%まで、他の実施形態では約0.005から約3.5重量%まで、または約0.01から約3.0重量%まで、または約0.05から約2.5重量%まで、または約0.1から約2.0重量%まで、または約0.25から約1.5重量%までの量で、非抗菌洗浄組成物に含めることができる。
【0068】
一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、3重量%未満の油を含み、そのような値としては、2重量%未満、1.5重量%未満、および1.0重量%未満が挙げられる。一部の実例では、洗浄組成物は、実質的に(0.5重量%未満)または完全に油を含まない。
【0069】
非抗菌組成物は、一つまたは複数の沈着増強剤をさらに含み得る。適切な沈着増強剤は一方向に作用し、皮膚からの物質の喪失を防止するとともに、非抗菌組成物内の成分をさらに深く角質層中に浸透することを可能にする。有利なことに、沈着増強剤は、美容的に許容可能な皮膚の感触を製剤に提供する。
【0070】
一つまたは複数の実施形態では、沈着増強剤は、界面活性剤、胆汁酸塩およびその誘導体、キレート剤、およびスルホキシドのうち一つまたは複数を含む。
【0071】
許容可能な沈着増強剤の一部の例としては、四級アンモニウム化合物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMA、DMF、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン(アゾン)、ピロリドン類、例えば2-ピロリドン(2P)およびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)など、長鎖脂肪酸類、例えばオレイン酸、および約C10~C12の飽和アルキル鎖長を有する脂肪酸類など、例えばラウリン酸など、精油類、テルペン類、テルペノイド類、オキサゾリジノン類、例えば4-デシクロオキサゾリジン-2-オンなど、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリン酸ナトリウム、ポリソルベート類、ナトリウムグリアコレート、デオキシコール酸ナトリウム、カプリル酸、EDTA、リン脂質類、C12-15安息香酸アルキル、ペンチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリソルベート-ポリエチレンソルビタン-モノラウレート、およびレシチンが挙げられる。一つまたは複数の例示的な実施形態では、沈着増強剤は、ポリオールプレポリマー-2、ポリオールプレポリマー-14、およびポリオールプレポリマー-15から選択されるヒドロキシ末端ポリウレタン化合物を含む。ポリオールプレポリマー-2は、時おりPPG-12/SMDIコポリマーと呼ばれる。
【0072】
一つまたは複数の例示的な実施形態では、沈着増強剤は、ポリクオタニウム-6、-7、-10、-22、-37、-39、-74または-101などの四級アンモニウム化合物である。
【0073】
沈着増強剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.005重量%から約10.0重量%まで、約0.01重量%から約5.0重量%まで、約0.05重量%から約3.0重量%まで、約0.1重量%から約2.0重量%、または約0.2重量%~約1.0重量%までの量で、非抗菌洗浄組成物中に含まれ得る。
【0074】
任意選択的に、非抗菌洗浄組成物は、一つまたは複数のキレート剤を含み得る。キレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、およびエチレンジアミンN,N’-ジコハク酸(EDDS)、例えばエチレンジアミンジコハク酸三ナトリウムなどが挙げられる。一つまたは複数の実施形態では、キレート剤の量は、非抗菌洗浄組成物の重量に基づいて、約0.05から約5重量%まで、他の実施形態では、約0.1から約1重量%まで、または約0.2から約0.5重量%までである。
【0075】
本組成物中のアルコールは、防腐剤として作用するが、非抗菌組成物は、一つまたは複数の追加的な防腐剤をさらに含むことがある。防腐剤は、微生物の増殖や望ましくない化学変化などの腐敗を防ぐために、パーソナルケア製品に追加できる天然または合成の成分である。洗浄組成物の使用中に微生物を殺傷またはその成長を阻害する抗菌機能とは対照的に、防腐剤は、組成物の貯蔵中に微生物の成長を阻害する。典型的な化粧品防腐剤は、天然の抗菌剤、広域スペクトルの防腐剤、または安定剤として分類される。
【0076】
数多くの異なるタイプの防腐剤が、現在の非抗菌組成物に適用可能であるものとして想定される。従来的な防腐剤の非限定的な例としては、イソチアゾリノン類、例えばメチルクロロイソチアゾリノン(例えばKathon(商標)CGなど)およびメチルイソチアゾリノンなど;パラベン類、例えばブチルパラベン、プロピルパラベン、メチルパラベン、およびゲルマブンIIなど;フェノキシエチハノールおよびエチルヘキシルグリセリン、有機酸、例えばソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、およびレブリン酸など;ならびにフェノキシエタノールのうちの一つまたは複数を含む。その他の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、アルコール以外の防腐剤を何も含まない。
【0077】
従来的な防腐剤は、総組成物の重量に基づいて、最大約10.0重量%、または約0.05重量%から約5.0重量%まで、または約0.08重量%から約2.0重量%までの量で、非抗菌組成物中に添加することができる。例示的な一実施形態では、防腐剤は、総組成物の重量に基づいて約0.05から約0.15重量%の量で存在する。
【0078】
従来的な非抗菌または「無菌」石鹸組成物が貯蔵され得るが、多くの防腐剤が不適切または不十分な濃度のいずれかで使用され得る。次いで、こうした製剤を使用して、微生物の成長およびバイオフィルム形成を促進する石鹸ディスペンサーを補充する。さらに、適切に貯蔵された一部の従来の非抗菌組成物でさえ、バイオフィルムを形成し得る。これは、FDA規制に加えて、安全性および環境上の懸念から、バイオフィルム形成を阻害するのに十分な濃度で従来の防腐剤を使用し得ないためである。事実、ほとんどの防腐剤には最大許容用量がある。防腐剤は生物学的に活性な生成物であるため、高レベルの刺激または感作、およびユーザーまたは環境に対する毒性という懸念がある。いくつかの一般的な防腐剤は、その最大許容使用レベルとともに、Kathon(メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン防腐剤ブレンド)0.086%、ヨードプロピニルブチルカルバメート0.01重量%、フェノキシエタノール1重量%(3歳以下の子供についてEUではより多くの規制あり)、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム0.5重量%、塩化ベンザルコニウム0.1重量%、クロロキシレノール0.5重量%、EUにおいてはDMDMヒダントイン0.6重量%(日本は最大0.3重量%であり、乳児またはホルムアルデヒドに過敏な人には使用すべきではない)、各パラベン0.4重量%のパラベン(メチル-、プロピル-、ブチル-および製剤中の全パラベン最大0.8%)を含む。
【0079】
しかしながら、驚くべきことに、従来の防腐剤を少なくとも10重量%のC1-C8アルコールと共に含有することにより、相乗的な影響およびさらなるバイオフィルム形成の阻害/低減がもたらされることが発見された。特に、防腐剤と少なくとも10重量%のC1-C8アルコールとの相乗的組み合わせは、バイオフィルムの阻害/低減における単なる付加的利益以上のものをもたらすと考えられる。
【0080】
さらに、非抗菌洗浄組成物の様々な実施形態は、刺激の強い防腐剤、パラベン、フタル酸塩、さらに別の抗微生物性成分および抗菌性成分を実質的に含まない。一部の例示的な実施形態では、洗浄組成物は、2.0重量%未満、1.0重量%未満、0.5重量%未満、または0.1重量%未満の刺激の強い防腐剤、パラベン、フタル酸塩、さらに別の抗菌性成分および抗菌性成分を含む。一部の例示的な実施形態では、洗浄組成物は、そのような成分を欠いている。様々な例示的な実施形態では、洗浄組成物は、少なくとも75%の生体系成分、または少なくとも85%の生体系成分、または少なくとも90%の生体系成分を含む。
【0081】
非抗菌組成物は、一つまたは複数の抗刺激剤をさらに含み得る。抗刺激剤は、腫脹、圧痛、痛み、痒み、または赤みなどの皮膚の炎症の兆候を低減する。三つの主な抗刺激剤のタイプがあり、そのすべてが主題の本発明に適用できるものとして想定される:(1)刺激物自体を錯体化することによって動作する化合物、(2)皮膚に反応して刺激物が皮膚と直接的に反応するのを防止する、反応部位を遮断する化合物、および(3)皮膚と刺激物との間の物理的接触を防止する化合物。
【0082】
適切な抗刺激剤のある特定の例示的な例としては、アロエベラ、アラントイン、アニオン-カチオン錯体類、アリールオキシプロピオネート類、アズレン、カルボキシメチルセルロース、セチルアルコール、フタル酸ジエチル、Emcol E607、モノエタノールアミン、グリコーゲン、ラノリン、N-(2-ヒドロキシルチル)パルミトアミド、N-ラウロイルサルコシン塩類、Maypon 4C、鉱油類、ミラノール、乳酸ミリスチル、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、三級アミンオキシド類、チオジグリコール酸、およびジルコニアが挙げられる。例示的な一実施形態では、抗刺激剤は、アベナンスルミド(avena sativa(オート麦)、カーネルオイル、およびグリセリン)およびナイアシンアミドである。
【0083】
抗刺激剤は、組成物の総重量に基づいて、最大約10.0重量%、他の実施形態では、約0.005重量%から約3.0重量%まで、および他の実施形態では、約0.01重量%から約1.0重量%までの量で、非抗菌組成物中に含まれ得る。
【0084】
非抗菌組成物は、香料をさらに含み得る。任意の香気が非抗菌組成物に使用され得るが、そのようなものとしては、以下に限定されないが、フローラル、オリエンタル、ウッディ、およびフレッシュなどの標準的なフレグランスチャート上の任意の香気分類が挙げられる。例示的な香気としては、ザクロ、シナモン、クローブ、ラベンダー、ペパーミント、ローズマリー、タイム、チャイブ、レモン、シトラス、ココナッツ、アプリコット、プラム、スイカ、ショウガおよびその組み合せが挙げられる。
【0085】
香料は、組成物の総重量に基づいて、約0.005重量%から約5.0重量%まで、他の実施形態では約0.01重量%から約3.0重量%まで、および他の実施形態では約0.05重量%から約1.0重量%までの量で、非抗菌組成物中に含めることができる。香料は、任意の香水、精油、芳香化合物、揮発保留剤、テルペン、溶媒などから任意に作製され得る。ある特定の例示的な実施形態では、精油は、例えば、リモネン、シトラス・オーランティアム・ダルシス(オレンジ)果皮油、ユーカリ・グロブルス葉油、シトラス・グランディス(グレープフルーツ)果皮油、リナロール、リツェア・クベバ果実油、ラバンデュラ・ハイブリダ油、シベリアモミ油、ベルガモットミント葉抽出液、コリアンドルム・サチブム(コリアンダー)果実油、ピーパー・ニグラム(胡椒)果実油、バシニウム・アングスティフォリウム、プニカ・グラナトゥム抽出物、およびカナリウム・ルゾニクムガム不揮発物のうち一つまたは複数を含むことがある。
【0086】
ある特定の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、一つまたは複数のUV安定剤または抗酸化剤を含み、例えば、無機硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸カリウム;マロン酸ジエチルヘキシルシリンギリデン;ビタミンAおよび関連化合物;ビタミンEおよび関連化合物;ビタミンCおよび関連化合物;マロン酸ジイソプロピルバニリデン(DIPVMともよばれる)および関連化合物;テトラヒドロクルクメノイド類;緑茶、白茶、アルファリポ酸、イソフラボン類、セレン、亜鉛、コエンザイムQ10、ターメリック、クルクミン、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);エチレンジアミン‐N,N≡-ジコハク酸(EDDS)、および当技術分野で一般的に使用される他の抗酸化剤が挙げられる。本発明の組成物に添加される抗酸化剤の量は、一般に約0.01重量%と約10.0重量%との間であり、好ましくは約0.1重量%と約5.0重量%との間である。
【0087】
ある特定の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも実質的にジメチコンを含まない。ジメチコンを「実質的に含まない」とは、非抗菌洗浄組成物が、5.0重量%未満のジメチコン、または一部の例示的な実施形態では、1.0重量%未満のジメチコン、または一部の例示的な実施形態では、0.05重量%未満のジメチコンを含むことを意味する。様々な例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、ジメチコンを全く含まない。
【0088】
一部の例示的な実施形態は、スキンコンディショナーとしてジメチコンを含む。そのような実施形態では、ジメチコンは、少なくとも0.05重量%、または少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%、または少なくとも0.75重量%に含まれ得る。一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、約0.1から1.0重量%まで、または0.5から1.0重量%までの量でジメチコンを含む。
【0089】
ジメチコンの例としては、シリコーングリコールが挙げられ、そのようなものとしては、以下に限定されないが、ジメチコン PEG-7 ウンデシレネート、PEG-10 ジメチコン、PEG-8 ジメチコン、PEG-12 ジメチコン、ペルフルオロノニルエチルカルボキシデカルPEG10、PEG-20/PPG-23ジメチコン、PEG-11 メチルエーテルジメチコン、ビス‐PEG/PPG-20/20ジメチコン、シリコーンクアット、PEG-9ジメチコン、PPG-12ジメチコン、フルオロPEG-8ジメチコン、PEG-23/PPG-6ジメチコン、PEG-20/PPG-23ジメチコン、PEG 17ジメチコン、PEG-5/PPG-3メチコン、ビス‐PEG-18メチルエーテルジメチルシラン、ビス‐PEG-20ジメチコン、PEG/PPG-20/15ジメチコンコポリオール、およびスルホコハク酸エステルブレンド、PEG-8ジメチコン\ダイマー酸ブレンド、PEG-8ジメチコン\脂肪酸ブレンド、PEG-8ジメチコン\冷却圧縮植物油\ポリクオタニウムブレンド、ランダムブロックポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。有利なことに、これらの実施形態の非抗菌洗浄組成物は、空気と混合された時に安定な泡を生じ、泡安定化剤を必要としない。この明細書の目的のために、安定な泡とは、泡の作製後少なくとも約5秒間、測定可能な高さを維持するものである。それゆえ、「泡安定性」とは、泡が崩壊して液体になる時間の長さを意味する。
【0090】
任意選択的に、一つまたは複数の泡安定化剤を用いてもよい。そのため、ある特定の実施形態では、本発明のアルコール組成物は、少なくとも一つの泡安定化剤をさらに含む。泡安定化剤は、ポリマー性であっても非ポリマー性であってもよい。一実施形態では、泡安定化剤は、ポリマー性またはオリゴマー性の泡安定剤から選択され得る。一実施形態では、泡安定化剤は、カチオン性のオリゴマーまたはポリマーを含む。
【0091】
ポリマー性泡安定化剤としては、例えば、ポリクオタニウムポリマーが挙げられる。一般的に、ポリクオタニウムポリマーは、CTFAによって指定されるようなものである。ポリクオタニウムポリマーは、四級アンモニウム基を含有するという特徴を有することがある。
【0092】
一つまたは複数の実施形態では、ポリクオタニウムポリマーとしては、ビニルピロリドンとジメチルアミノメタクリレートとの四級化コポリマー、ビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドとの疎水性に修飾された四級化コポリマー、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0093】
一部の例示的な実施形態では、ポリクオタニウムポリマーは、1,000から5,000,000まで、別の実施形態では、約1500から約2,500,000まで、さらに別の実施形態では、約1,000,000から約2,000,000までの分子量を有する。
【0094】
泡の質および/または安定性を改善するために作用し得る他の泡安定剤としては、ビニルカプロラクタム(VCL)、ビニルピロリドン(VP)、およびジアルキルアミノアルキルアクリレートが挙げられ、そのようなものとしては、VP/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマーが挙げられる。さらに別の泡安定化剤としては、イソブチレン/ジメチルアミノプロピルマレイミド/エトキシ化マレイミド/マレイン酸コポリマーが挙げられる。これらおよびその他の泡安定化剤は、時おり膜形成ポリマーと呼ばれる。
【0095】
さらに他の泡安定化剤としては、アクリルアミド/アンモニウムアクリレートのコポリマー、アクリルアミド/DMAPAアクリレーツ/メトキシPEGメタクリレートのコポリマー、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム/アクリル酸のコポリマー、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドのコポリマー、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレーツのコポリマー、アクリレーツ/アセトアセトキシエチルメタクリレートのコポリマー、アクリレーツ/アクリルアミドのコポリマー、アクリレーツ/メタクリル酸アンモニウムのコポリマー、アクリレーツ/t-ブチルアクリルアミドのコポリマー、アクリレーツのコポリマー、アクリレーツ/C1-2サクシネーツ/ヒドロキシアクリレーツのコポリマー、アクリレーツ/エチルアミンオキシドメタクリレートのコポリマー、アクリレーツ/ラウリルアクリレート/ステアリルアクリレーツ/エチルアミンオキシドメタクリレートのコポリマー、アクリレーツ/オクチルアクリルアミドのコポリマー、アクリレーツ/オクチルアクリルアミド/ジフェニルアモジメチコンのコポリマー、アクリレーツ/ポリトリメチルシロキシメタクリレートのコポリマー、アクリレート/ステアリルアクリレーツ/エチルアミンオキシドメタクリレートのコポリマー、アクリレーツ/トリフルオロプロピルメタクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートのコポリマー、アクリレーツ/VAのコポリマー、アクリレーツ/VPのコポリマー、アジピン酸/ジエチレントリアミンのコポリマー、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー、アジピン酸/エポキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー、アジピン酸/イソフタル酸/ネオペンチルグリコール/トリメチロールプロパンのコポリマー、アリルステアレート/VAのコポリマー、アミノエチルアクリレートホスフェート/アクリレーツのコポリマー、アミノエチルプロパンジオール-アクリレーツ/アクリルアミドのコポリマー、アミノエチルプロパンジオール-AMPD-アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミドのコポリマー、アンモニウムVA/アクリレーツのコポリマー、アモジメチコン/シルセスキオキサンのコポリマー、AMPD-アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミドのコポリマー、AMP-アクリレーツ/アリルメタクリレートのコポリマー、AMP-アクリレーツ/C1-18アルキルアクリレーツ/C1-8アルキルアクリルアミドのコポリマー、AMP-アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミドのコポリマー、AMP-アクリレーツ/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、バチルス/コメぬか抽出物/ダイズ抽出物の発酵濾過物、ベヘニルメタクリレート/エチルアミンオキシドメタクリレートのコポリマー、ビス-ブチルオキシアモジメチコン/PEG-60のコポリマー、ビス-イソブチルPEG-14/アモジメチコンのコポリマー、ビス-イソブチルPEG-15/アモジメチコンのコポリマー、ブチルアクリレート/エチルヘキシルメタクリレートのコポリマー、ブチルアクリレート/ヒドロキシプロピルジメチコンアクリレートのコポリマー、エチレン/MAコポリマーのブチルエステル、PVM/MAコポリマーのブチルエステル、カルシウム/ナトリウムPVM/MAのコポリマー、キトサン、キトサン乳酸塩、コーンスターチ/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムのコポリマー、デヒドロキサンタンガム、ジエチレングリコールアミン/エピクロロヒドリン/ピペラジンのコポリマー、ジメチコンのクロスポリマー、ジメチコン/シルセスキオキサンのコポリマー、ジフェニルアモジメチコン、PVM/MAコポリマーのエチルエステル、エチルトリモニウムクロリドメタクリレート/ヒドロキシエチルアクリルアミドのコポリマー、加水分解コムギタンパク質/PVPのクロスポリマー、ヒドロキシプロピルジメチコニルプロピルアクリレーツのコポリマー、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コーンスターチ、イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドのコポリマー、イソブチレン/MAのコポリマー、イソブチルメタクリレート/トリフルオロエチルメタクリレート/ビス-ヒドロキシプロピルジメチコンアクリレートのコポリマー、PVM/MAコポリマーのイソプロピルエステル、ラウリルアクリレートのクロスポリマー、ラウリルメタクリレート/グリコールジメタクリレートのクロスポリマー、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムのコポリマー、メタクリロイルエチルベタイン/アクリレーツのコポリマー、メトキシアモジメチコン/シルセスキオキサンのコポリマー、メトキシPEG-114/ポリイプシロンカプロラクトン、ミリスチン/パルミチン/ステアリン/リシノール/エイコサン二グリセリド、オクチルアクリルアミド/アクリレーツ/ブチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、PEG-800/ポリビニルアルコールのコポリマー、PEG/PPG-25/25ジメチコン/アクリレーツのコポリマー、PEG-8/SMDIのコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート-6、ポリアクリレート-8、ポリアクリレート-9、ポリアクリレート-15、ポリアクリレート-16、ポリアクリレート-17、ポリアクリレート-18、ポリアクリレート-19、ポリベータ-アラニン/グルタル酸のクロスポリマー、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル-1、ポリエチルアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド-1、ポリメタクリロイルエチルベタイン、ポリペンタエリスリチルテレフタレート、ポリペルフルオロペルヒドロフェナントレン、ポリクオタニウム-4/ヒドロキシプロピルスターチのコポリマー、ポリウレタン-1、ポリウレタン-6、ポリウレタン-10、ポリウレタン-18、ポリウレタン-19、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルイミダゾリニウムアセテート、ポリビニルメチルエーテル、PVM/MAコポリマーのブチルエステルカリウム、PVM/MAコポリマーのエチルエステルカリウム、PPG-70ポリグリセリル-10エーテル、PPG-12/SMDIコポリマー、PPG-51/SMDIコポリマー、PVM/MAコポリマー、PVP/VA/イタコン酸のコポリマー、PVP/VA/ビニルプロピオネートのコポリマー、リゾビアンガム、rosinアクリレート、シェラック、シリコーンクオタニウム-16/グリシドキシジメチコンのクロスポリマー、PVM/MAコポリマーのブチルエステルナトリウム、PVM/MAコポリマーのエチルエステルナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリガンマ-グルタミン酸ナトリウム、ダイズタンパク質フタレート、ステルクリア・ウレンスのガム、テレフタル酸/イソフタル酸/イソフタル酸スルホン酸ナトリウム/グリコールのコポリマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチルシロキシシリルカルバモイルプルラン、VA/クロトネートのコポリマー、VA/クロトネート/メタクリルオキシベンゾフェノン-1のコポリマー、VA/クロトネート/ビニルネオデカノエートのコポリマー、VA/クロトネート/ビニルプロピオネートのコポリマー、VA/DBMのコポリマー、VA/ビニルブチルベンゾエート/クロトネートのコポリマー、ビニルアミン/ビニルアルコールのコポリマー、ビニルカプロラクタム/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、VP/アクリレーツ/ラウリルメタクリレートのコポリマー、VP/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、VP/DMAPAアクリレーツのコポリマー、VP/ヘキサデセンのコポリマー、VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールのコポリマー、VP/VAのコポリマー、VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレーツのコポリマー、酵母パルミテート、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケートなどのシリコン系のポリマーまたは樹脂、トリメチルシロキシシリケート、シクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシシリケート、ジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケート、ビニルジメチコンクロスポリマー/ブレンド、およびアルキルセテアリルジメチコンのクロスポリマーが挙げられる。
【0096】
一部の例示的な実施形態では、泡安定化剤としては、Aquafex SF-40の商品名で販売されているVP/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのコポリマー、またはAquafex XL-30の商品名で販売されているイソブチレン/ジメチルアミノプロピルマレイミド/エトキシ化マレイミド/マレイン酸のコポリマーが挙げられる。
【0097】
一実施形態では、泡安定化剤は、非抗菌洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.005から約4重量パーセントまでの量で存在する。別の実施形態では、泡安定化剤は、アルコール組成物の総重量に基づいて、約0.01から約1重量パーセントまでの量で存在し、さらに別の実施形態では、泡安定化剤は、非抗菌洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.02から約0.2重量パーセントまでの量で存在する。
【0098】
非抗菌洗浄組成物は、泡ではなく液体石鹸組成物として製剤化され得る。そのような実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、一つまたは複数の増粘剤、および任意選択で一つまたは複数の安定化剤を含む。増粘剤および安定化剤の例としては、ステアレス-100/PEG-136/HDI コポリマー(Rheoluxe(登録商標)811)などのポリウレタン系増粘剤;塩化ナトリウム;プロピレングリコール;PEG-120メチルグルコースジオレートおよびメチルグルセス-10(Rita Corp.から入手可能なRitathix DOE);ヒドロキシエチルセルロース;四級ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム-10);ポリ(2-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム-37);ポリクオタニウム-39;ヒドロキシプロピルセルロース;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロース;スターチポリマー類;グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;およびアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VPのコポリマーが挙げられる。
【0099】
一つまたは複数の例示的な実施形態では、液体の非抗菌洗浄組成物は、従来から入手可能なおよび/または当技術分野で公知であるものなどのポリアクリレート増粘剤を含み得る。ポリアクリレート増粘剤の例としては、カルボマー、アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸とアルキル(C5-C10)アクリレートとのコポリマー、アクリル酸と無水マレイン酸とのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。一つまたは複数の実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、組成物の粘度を約1,000から約65,000センチポアズの粘度範囲に調節するのに有効な量のポリマー性増粘剤を含む。一部の実施形態では、組成物の粘度は約5,000から約35,000であり、別の実施形態では、粘度は約10,000から約25,000までである。粘度は、22℃+/-3℃でRVおよび/またはLVスピンドルを使用して、ブルックフィールドRV粘度計によって測定される。
【0100】
当業者によって理解されるように、有効量の増粘剤は、非抗菌組成物中の他の成分の量を含めて、数多くの因子に依存して変化するものとなる。一つまたは複数の実施形態では、有効量の増粘剤は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約0.01重量%である。他の実施形態では、有効量は、少なくとも約0.02重量%、または少なくとも約0.05重量%、または少なくとも約0.1重量%である。一部の例示的な実施形態では、増粘剤の有効量は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%、または少なくとも約0.75重量%である。一つまたは複数の実施形態では、本発明による組成物は、増粘剤の総組成物の最大約10重量%を含む。ある特定の実施形態では、増粘剤の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.01から約1.0重量%まで、または約0.02から約0.4重量%まで、または約0.05から約0.3重量%までである。増粘剤の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.1から約10.0重量%まで、または約0.5%から約5.0重量%まで、または約0.75から約2.0重量%までであり得る。
【0101】
任意選択的に、洗浄組成物の組成は、一つまたは複数の薬理学的薬剤を含んでもよいが、但し、その薬理学的成分は、組成物の特性に有害な影響を与えない。このような薬剤の例としては、以下に限定されないが、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、および抗寄生虫剤が挙げられる。一つまたは複数の実施形態では、組成物が抗菌組成物として特徴を有し得るように、一つまたは複数の抗菌剤が含まれる。抗菌剤の例としては、以下に限定されないが、5-クロロ-2(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(PCMX)としても公知であり、Ciba-Geigy Corporationから商品名IRGASAN(登録商標)で入手可能であるトリクロサン;4-クロロ-3,5-キシレノールとしても公知であり、Nipa Laboratories, Inc.から商品名NIPACIDE(登録商標)MXまたはPXで入手可能であるクロロキシレノール;5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチル-ヘキサヒドロピリミジンとしても公知であるヘキセチジン;クロルヘキシジングルコン酸塩を含むクロロヘキシジン塩およびN,N”-ビス(4-クロロフェニル)-3,12-ジイミノ-2,4,11,14-テトラアザテトラデカンジイミジアミドの塩;2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1;3-ジオール、塩化ベンザルコニウム;塩化セチルピリジニウム;塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム類;ヨウ素;フェノール、ビスフェノール、ジフェニルエーテル、フェノール誘導体、ポリビニルピロリジノン-ヨウ素を含めたポビドンヨード;パラベン類;2,4-イミダゾリジンジオンおよび2,4-イミダゾリジンジオンの誘導体ならびにジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン(DMDMヒダントインまたはグライダントとしても公知)を含めたヒダントイン類およびその誘導体;フェノキシエタノール;クオタニウム-15としても公知であり、Dow Chemical Companyから商品名DOWCIL(商標)200で入手可能である、1-(3-クロロアリル)-3,5,6-トリアザ-1-アゾニアアダマンタンクロリドのシス異性体;ジアゾリジニル尿素;塩化ベンゼトニウム;塩化メチルベンゼトニウム;ラウリン酸グリセリル;銀、銅、マグネシウム、亜鉛化合物などの遷移金属化合物類;過酸化水素;二酸化塩素;アニリド類;ビスグアニジン類;INCI名カプリルヒドロキサム酸(および)プロパンジオールを有する生物静力学剤および静真菌剤のブレンド、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0102】
一つまたは複数の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.05から約3重量%まで、約0.07から約2.5重量%まで、他の実施形態では、約0.09から約1重量%まで、他の実施形態では、約0.1から約0.75重量%まで、他の実施形態では、約0.15から約0.5重量%までの少なくとも一つの抗菌剤を含む。
【0103】
一つまたは複数の実施形態では、本発明の組成物は、一つまたは複数のプロバイオティクスおよび/またはプレバイオティクスをさらに含み得る。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプロバイオティクスは、皮膚微生物叢に正に影響を及ぼす一つまたは複数の皮膚共生微生物を含む。例えば、上記一つまたは複数のプロバイオティクスは、例えば、pHを変更することまたは病原性微生物の成長を阻害することによって、皮膚表面環境に正に影響を及ぼす微生物を含み得る。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプロバイオティクスは、個体の皮膚表面に天然に見られる一つまたは複数の微生物を含み得る。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプロバイオティクスは、個体の皮膚表面に天然には見られないが皮膚表面環境に正に影響を与える、一つまたは複数の微生物を含む。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプロバイオティクスは、一つまたは複数の操作された微生物を含み得る。例えば、上記一つまたは複数のプロバイオティクスは、例えば、病原性微生物の阻害剤を合成し排出することによって、皮膚表面環境に正に影響を与える特性を有するように遺伝子操作された微生物を含むことができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるMartin et al. (2013)Microbial Cell Factories, 12:71を参照されたい。一つまたは複数の実施形態では、上記プロバイオティクスは、生きたプロバイオティック微生物を含む。一つまたは複数の実施形態では、上記プロバイオティクスは、生きた形態、死んだ形態、半活性または不活性化された形態、およびまたは生きているかまたは死滅したかのいずれかの微生物に由来する断片または画分に(例えば凍結乾燥粉末として)含まれることがある。一つまたは複数の実施形態では、上記プロバイオティクスは、微生物の培養上清を含む。
【0104】
一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプロバイオティクスは、一つまたは複数の細菌プロバイオティクスを含む。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数の細菌プロバイオティクスは、ファーミキューテス、アクチノバクテリア、バクテロイデス、プロテオバクテリア、またはシアノバクテリアのうちの一つまたは複数を含む。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数の細菌プロバイオティクスは、コリネバクテリウム属、プロピオニバクテリウム属、マイクロコッカス属、またはスタフィロコッカス属のうちの一つまたは複数を含む。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数の細菌プロバイオティクスは、非乳酸および/または乳酸産生細菌(LAB)を含み、バクテロイデス属、ビフィバクテリウム属、およびラクトバチルス属を含み得る。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数の細菌プロバイオティクスとしては、アエロコッカス属、大腸菌、バチルス属、エンテロコッカス属、フソバクテリウム属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、メリソコッカス属、ミクロコッカス属、オエノコッカス属、スポロラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、スタフィロコッカス属、サッカロマイセス属、ペディオコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、プロプリオネバクテリウム属、およびワイセラ属のある特定の菌株が挙げられる。多種多様な細菌株が、ATCC、バージニア州マナサスから入手可能である。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプロバイオティクスは、病原性細菌のうち一つまたは複数の非病原性株を含む。
【0105】
一つまたは複数の実施形態では、一つまたは複数の治療剤は、一つまたは複数のプレバイオティクスを含む。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプレバイオティクスは、個体の皮膚表面で目的の微生物の生存および/または成長を促進する薬剤である。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプレバイオティクスは、ガラクト-オリゴ糖類、フルクト-オリゴ糖類、イヌリン、またはラクツロースのうちの少なくとも一つを含む。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプレバイオティクスは、鉄、ビオチン、ニコチン酸、D-パントテン酸、ピリドキサール、ピリドキサミン二塩酸塩、チアミン塩酸塩、バリン、アルギニン、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、ラクトース、またはマルトースのうちの一つまたは複数を含む。一つまたは複数の実施形態では、上記一つまたは複数のプレバイオティクスは、植物由来プレバイオティクス、例えばアカシアガム、コンニャク、チコリー根、キクイモ、アスパラガス、およびタンポポ葉に由来するもののうち一つまたは複数を含む。例えば、両方とも参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第 2013/0115317号A1;およびBateni et al. (2013) Am. J. Dermatology Venereology 2:10-14を参照されたい。
【0106】
組成物は、皮膚の健康、美観、または泡の質には有害な影響を及ぼさない幅広い範囲の任意選択的な成分をさらに含んでもよい。そのどちらもその全体が参照により本明細書に組み込まれるCTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、Eleventh Edition 2005、および2004 CTFA International Buyer’s Guideは、通例スキンケア産業で用いられる多種多様な非限定的な美容および薬学的な成分を記載しており、それらの成分は、本発明の組成物中での使用に適している。これらの機能的なクラスの例としては、研磨剤、抗にきび剤、固化防止剤、抗酸化剤、結合剤、生物学的添加剤、充填剤、キレート剤、化学添加剤;着色剤、美容収れん剤、美容殺生物剤、変性剤、薬物収れん剤、乳化剤、外部鎮痛剤、フィルム形成体、香料成分、乳白剤、可塑剤、防腐剤(時々抗菌剤と呼ばれる)、噴霧薬、還元剤、皮膚脱色剤、皮膚コンディショニング剤(軟化剤、ミセル形成剤、および閉塞剤)、皮膚保護剤、溶剤、界面活性剤、発泡力増進剤、ハイドロトロープ、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、粘着防止剤、および増粘剤(水性および非水性)が挙げられる。当業者によく知られている、本明細書で有用な他の機能的クラスの材料の例としては、可溶化剤、補足剤、角質溶解薬、局所有効成分などが挙げられる。
【0107】
本発明の組成物は、石鹸、消毒剤、またはローション製品に典型的に使用される数多くのタイプのディスペンサー、例えばポンプディスペンサーに用いられ得る。一部の実施形態では、濃縮物製品を送達する際に、ポンプ量は、より少ない量の液体および/またはより多い量の空気を送達するように調節されることが求められることがある(泡を分注する際に)。多種多様なポンプディスペンサーが適切である。ポンプディスペンサーは、ボトルまたはその他の自由形態の容器に貼り付けられ得る。ポンプディスペンサーは、壁取り付け式ディスペンサーに組み込まれてもよい。ポンプディスペンサーは、手動または足ポンプによってマニュアルで起動されてもよく、または自動的に起動されてもよい。有用なディスペンサーとしては、NXT(登録商標)およびTFX(商標)の名称でGOJO Industriesから入手可能なもの、ならびに従来型バッグインボックスディスペンサーが挙げられる。ディスペンサーの例は、米国特許第5,265,772号、第5,944,227号、第6,877,642号、第7,028,861号、第7,611,030号、および第7,621,426号に記載され、すべて参照により本明細書に組み込まれる。一つまたは複数の実施形態では、ディスペンサーは、それを通して組成物が分注されるノズルなどの出口を含む。一部の例示的な実施形態では、非抗菌組成物は、発泡ポンプを用いるディスペンサーで使用され、そのディスペンサーは、周囲の空気または不活性ガスと組成物とを混合チャンバー内で組み合わせて、混合物をメッシュスクリーンに通過させる。使用され得る泡ポンプの例示的な実施形態は、 「Stepped Pump Foam Dispenser」と題される米国特許第7,303,099号、「Split Engagement Flange for Soap Piston」と題される米国特許第8,002,150号、「Engagement Flange for Fluid Dispenser Pump Piston」と題される米国特許第8,091,739号、「Engagement Flange for Removable Dispenser Cartridge」と題される米国特許第8,113,388号、「Angled Slot Foam Dispenser」と題される米国特許第8,272,539号、「Split Engagement Flange for Soap Dispenser Pump Piston」と題される米国特許第8,272,540号、「Split Engagement Flange for Soap Dispenser Pump Piston」と題される米国特許第8,464,912号、「Draw Back Push Pump」と題される米国特許第8,360,286号、「High Quality Non-Aerosol Hand Sanitizing Foam」と題される米国特許第15/429,389号、「Sequentially Activated Multi-Diaphragm Foam Pumps, Refill Units and Dispenser Systems」と題される米国特許第15/369,007号、「Diaphragm Foam Pump」と題される米国特許第8,172,555号、「Gear Pump and Foam Dispenser」と題される米国特許第2008/0,277,421号に示されかつ記載されており、その全てが参照によって本明細書に全体が組み込まれる。
【0108】
例示的なタッチフリーディスペンサーもまた、「Electronically Keyed Dispensing System And Related Methods Utilizing Near Field Response」と題される米国特許第7,837,066号、「Power Systems For Touch Free Dispensers and Refill Units Containing a Power Source」と題される米国特許第9,172,266号、「Apparatus for Hands-Free Dispensing of a Measured Quantity of Material」と題される米国特許第7,909,209号、「Apparatus for Hands-Free Dispensing of a Measured Quantity of Material」と題される米国特許第7,611,030号、「Electronically Keyed Dispensing Systems and Related Methods Utilizing Near Field Response」と題される米国特許第7,621,426号、および「Touch-Free Dispenser with Single Cell Operation and Battery Banking」と題される米国特許公開第8,960,498号に示されかつ記載されており、その全てが参照によって本明細書に組み込まれる。
【0109】
泡の形態で本明細書に開示される組成物を分注するのに特に適した例示的なディスペンサーおよびポンプは、「Foam Dispensing Systems, Pumps and Refill Units Having High Air to Liquid Ratios」と題される米国特許出願第15/356795号、および「Sequentially Activated Multi-Diaphragm Foam Pumps, Refill Units and Dispenser Systems」と題される米国特許出願第15/480,711号に見出され得るが、それらは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0110】
一つまたは複数の実施形態では、非抗菌組成物は、ワイプ組成物に組み込まれる。適切なワイプ基材は、米国特許第5,686,088号、第6,410,499号、第6,436,892号、第6,495,508号、第6,844,308号にさらに記載される。一つまたは複数の実施形態では、ワイプは、スパンボンド法/メルトブローイング法/スパンボンド法(SMS)によって形成される積層物を含み得る。一般的に、SMS材料は、二つの外側スパンボンドウェブの間に挟まれたメルトブローウェブを含む。SMS材料はさらに、米国特許第4,041,203号、第5,169,706号、第5,464,688号、および第4,766,029号に記載され、例えば、キンバリー・クラーク・コーポレーションから例えば、スパンガード7およびエヴォリューション7などとして市販されている。SMSラミネートは、処理されていても非処理であってもよい。
【0111】
一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも10重量%のアルコールを含まない他の同等の洗浄組成物と比較して、それ自体または表面上でのバイオフィルムの形成を少なくとも30%減少させる。バイオフィルム形成の減少は、非抗菌組成物と接触する表面上、および/または非抗菌組成物自体の上で生じ得る。様々な例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、少なくとも10%のアルコールを含まない他の同等の組成物と比較して、それ自体または表面上のバイオフィルムの形成を少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、92%、95%、98%、99%、および100%減少させる。様々な例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、それ自体または表面上のバイオフィルムの形成を完全に阻害する。
【0112】
一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、さらにバイオフィルム除去特性を有する。より具体的には、例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、表面上の既存の、および定着したバイオフィルムを、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%除去することができる。バイオフィルムを除去するための非抗菌洗浄組成物の能力は、バイオフィルムを48時間成長させること、さらに48時間、洗浄組成物をバイオフィルムに適用すること、およびバイオフィルム形成の除去率を測定することからなる標準試験方法を利用することによって試験され得る。
【0113】
バイオフィルムデータは、定量的または定性的な結果を提供し得る、多くの技術によって取得され得る。例えば、本発明の非抗菌洗浄組成物がバイオフィルムに与える効果は、直接的および間接的なサンプリングのための従来の微生物学技術、バイオフィルム反応器技術および設計、顕微鏡および分光法、従来の分子生物学技術、および従来の分析化学技術によって試験され得る。上記技術のいずれか(他と共に)において、本発明の非抗菌洗浄組成物は、バイオフィルムを低減/阻害/効果を与える。
【0114】
一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、表面の汚れおよび病原体の少なくとも90%を除去し、そのような値としては、少なくとも95%、97%、98%、および99%が挙げられる。ある特定の例示的な実施形態によれば、非抗菌洗浄組成物は、80から99.9%のセラチア・マルセッセンス細菌を皮膚表面から除去し、そのような値としては、以下に限定されないが、98.0から99.9%、99.3から99.8%、99.4から99.6%、99.2から99.8%、99.1から99.9%などが挙げられる。ある特定の例示的な実施形態によれば、非抗菌洗浄組成物は、80から99.9%のスタフィロコッカス・アウレウス細菌を皮膚の表面から除去し、そのような値としては、以下に限定されないが、99.4から99.7%、99.3から99.6%、99.2から99.8%、99.1から99.9%などが挙げられる。しかも、以下の表1に示すように、非抗菌洗浄組成物は、皮膚由来の少なくとも99%のエンテロコッカス・フェカリスの除去をさらに示す。
【0115】
驚くべきことに、非抗菌洗浄組成物は、C.ディフィシルの胞子に有効であることが発見されている。ある特定の例示的な実施形態によれば、局所洗浄組成物は、少なくとも93%の胞子の減少を達成するが、そのような値としては、以下に限定されないが、少なくとも93.5%、少なくとも94%、および少なくとも94.5%の減少が挙げられる。
【0116】
下記の表2は、アルコールを含まない別の同等の石鹸と比較して、C.ディフィシルで汚染された表面を本明細書に開示される清浄化クリーナーにより処理した比較の結果を示す。150μLの胞子を手のそれぞれの掌の表面に適用して指の平の表面を含めて摺り合わせることにより、手を汚染した。試験方法は、Edmonds et al(2013)Effectiveness of Hand Health for Removal of Hand Health for Removed of Clostridium difficile Spores from Hands ICHE 34,302~305に記載された方法に合致するものである。表2に示されるように、非抗菌洗浄組成物は、C.ディフィシルの胞子に1.26±0.26のlog減少を示すが、それに比べてアルコールを含まない同等の石鹸で処理した際には0.97±0.19のlog減少である。
【0117】
驚くべきことに、非抗菌洗浄組成物は高レベルの病原体除去を達成できるとはいえ、微生物殺傷レベルが3.5logを下回ったままであることが発見されている。一部の例示的な実施形態では、微生物殺傷のレベルは、2.5log、2.3log、2.1log、1.9log、または1.5log以下など、3.0logを超えない。
図1に示した通り、エタノール濃度30重量%では、S.マルセッセンスおよびS.アウレウスの両方に対する微生物殺傷のレベルは、2.0logの殺傷を下回る。20重量%のエタノール濃度では、微生物殺傷のレベルは0.5logの殺傷を下回って低下する。
【0118】
本発明の非抗菌洗浄組成物の驚くべき利益とは、経皮水分喪失測定によって測った際に、アルコールの存在下であっても、使用後に組成物が皮膚の水分含量に負の影響を与えないことである。一部の例示的な実施形態では、皮膚表面への適用後、非抗菌洗浄組成物は、アルコールを含まない別の同一の組成物と比較して、統計的に有意な量ほど高くはない経皮水分喪失の測定値を生じる。
【0119】
本非抗菌洗浄組成物の別の利点は、コルネオメーター(登録商標)を使用して測定された際に、アルコールの存在下であっても、組成物が使用後の皮膚の全体的な水分保持を改善することである。一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、アルコールを含まない別の同一の組成物と比較して、統計的に有意な量ほど低くはない水分保持レベルを生じる。
【0120】
さらに、非抗菌洗浄組成物は、アルコールと界面活性剤との相乗的な系を含まない他の同等の石鹸と比較して、皮膚の表面の界面張力が低減されており、それによって組成物の展延性が改善し、すすぎ時間が短縮することがさらに発見された。界面張力とは、ある物質の液相と別の物質の固体、液体、または気相のいずれかとの間の力である。その相互作用は各物質の表面で発生し、その結果、その界面が生じる。この場合、界面張力は、皮膚(またはその他の局所表面)と局所組成物との界面に存在するエネルギーを測定する。石鹸については、低い界面張力は、効率良く広がること、液体が表面に良好に被覆すること、表面から汚れを追い出す可能性がより高いこと、およびすすぎがより早いことを標示する。低い界面張力は、液体の全体的な表面張力および表面極性が、石鹸の適用される表面のそれらに適合することに起因する。
【0121】
一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、アルコールと界面活性剤との相乗的な系を含まない別の同等の石鹸の少なくとも2×の界面張力の減少を達成する。このような界面張力の減少は、
図2に図示されているが、この図は、本洗浄組成物(試料A)の界面張力を、1)少なくとも10%のアルコールを含まない他の同等の石鹸(比較試料1)および2)市販の非抗菌石鹸(比較試料2)と比較している。
図2に示すように、非抗菌洗浄組成物の界面張力が約1.15mN/mであるのに対し、比較試料1の界面張力は約2.1mN/mであり、比較試料2は約2.4mN/mである。
【0122】
非抗菌洗浄組成物の展延性がさらに改善されるのは、組成物の接触角が低減することに起因する。接触角とは、表面と液体との間の入射角の測定値である。例えば、水は、接触角が大きく、皮膚上に液滴として位置するものとなるのに対し、エタノールは、接触角が小さく、皮膚上の亀裂および割れ目の中に急速に広がるものとなる。接触角がより小さいとは、配合が皮膚上の優れた湿潤と展延性とを有することを意味する。
【0123】
一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、皮膚の表面への適用の1秒後に30°未満の接触角を、および皮膚の表面への適用の2秒後に10°未満の接触角を有する。その他の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は、皮膚の表面への適用の1秒後に20°未満の接触角を、および皮膚の表面への適用の2秒後に5°未満の接触角を有する。
【0124】
さらに驚くべきことに、アルコールの存在によって典型的には水性アルコール溶液の表面張力は減少するものの(
図3を参照)、実際には、アルコール濃度が約2重量%から約28重量%までに増加した際には、本組成物の表面張力が増加した(
図4を参照)ことが発見された。一部の例示的な実施形態では、組成物は、約29.6mN/mと約30.3mN/mとの間の表面張力を有する。
【0125】
一部の例示的な実施形態では、非抗菌洗浄組成物は以下を含む。
【0126】
さらなる例示的な実施形態は、病原体を除去し、経皮水分喪失(TWEL)を制御するための皮膚治療の方法に関する。ある特定の例示的な実施形態では、本方法は、非抗菌洗浄組成物を皮膚表面に適用することを含む。ある特定の例示的な実施形態では、非抗菌組成物は、組成物の総重量に基づいて約10から約40重量%の一つまたは複数のC1-C8アルコール、少なくとも約5重量%の一つまたは複数の界面活性剤、および水を含む。
【0127】
ある特定の例示的な実施形態では、本方法は、少なくとも99%の汚れおよび病原体を除去する非抗菌洗浄組成物を結果として生じる。ある特定の例示的な実施形態では、本方法は、非抗菌洗浄組成物を水で表面からすすぎ出すことをさらに含む。ある特定の例示的な実施形態では、本方法を使用すると、80から99%のセラチア・マルセッセンスが、皮膚の表面から除去される。
【実施例】
【0128】
以下の例は、例示の目的のために含まれており、本明細書に記載の開示の範囲を制限することを意図されていない。
【0129】
実施例1:
皮膚の水分保持を改善または維持し経皮水分喪失(TEWL)を制限する能力について、局所組成物を皮膚試料に対し供試した。ヒトの皮膚の水バリア機能を研究するために、平方メートルおよび時間当たりのグラムで表現されるTEWLの測定値を使用する。皮膚を保護する被覆がより完璧であるほど、水含有量がより高く、TEWLがより低いものとなる。各試験について、8%のSLSによる処理を含む陰性対照を使用した。非処理皮膚試料も比較のために試験された。前腕対照適用試験(FCAT)法を使用して試験を実施した。様々な試料を数日間にわたって前腕の試験部位に適用した。各日最大六回の適用を行い、TEWLおよび水分保持レベルの変化を記録した。誘電性媒質の静電容量測定に基づき、コルネオメーター(登録商標)を使用して、水分保持レベルを測定した コルネオメーター(登録商標)は、皮膚表面の水分保持が精密コンデンサの誘電率を変化させることに起因する静電容量の変化を測定する。測定値は、水分保持レベルのわずかなわずかな変化さえ検出することができる。
【0130】
TEWLおよび水分保持レベルの変化は、特定の試料についてベースラインと比較して観察された変化を表す(処理前の経皮水分含量または水分保持レベル)。非処理の試料は、最も高い水分保持レベルと最も低いTEWLとを示すことが期待された。同様に、陰性対照は最も低い水分レベルと最も高いTEWLとを有することが期待されたが、それは、SLSは皮膚刺激性であり、皮膚上の天然の油分を溶解し、乾燥効果を引き起こすことが知られているためである。供試された組成物は、総組成物の重量に基づいて、重量%で以下を含む。
【0131】
図5に図示されるように、陰性対照は、実際には最も低い水分保持レベルを示した。同様に、0%アルコールを含む対照Bは、陰性対照に匹敵する水分保持レベルを2日目および4日目に示した。しかし、アルコールを添加すると、試料3および4は水分保持レベルの改善を示し、二日目のレベルは非処理の皮膚試料に匹敵した。さらに、試料1および2は、対照に匹敵する水分保持レベルを示し、測定された水分保持レベルの差は統計的に有意ではなかった。したがって、洗浄組成物へのアルコールの添加によって、適用後の皮膚の全体的な水分保持レベルは、有意には損なわれず、場合によっては改善したことがわかる。
【0132】
図6に図示されるように、陰性対照は、実際には最も高いTEWLを示した。さらに、試料1および試料2(それぞれ15%および30%のアルコールを含む)は、アルコールを含まない対照Aと同様に、陰性対照よりも顕著に少ないTEWLを示した。アルコールが既知の乾燥剤であり、水分喪失の増加を引き起こすことが予想されたことから、これは驚くべきことである。さらにいっそう驚くべきは、対照B(0%アルコール)と比較して、試料4(30%アルコール)のTEWLの減少があったことである。
【0133】
実施例2:
8%SLSを含む陰性対照、非処理皮膚、および対照Aに比べて、皮膚の水分保持を改善または維持し経皮水分喪失を制限する能力について、非抗菌洗浄組成物(試料5、上記の試料1および試料2と同一であるが20%のアルコールを含む)を供試した。乾燥皮膚および湿潤皮膚の両方に関して試料を供試した。
【0134】
図7は、様々な組成物を用いて皮膚試料を治療した後に観察されたTEWLの変化を説明する。TEWLの変化は、ベースライン(治療前の経皮水分含量)と比較した特定の試料について観察された変化を表す。各組成物は異なる皮膚試料に適用されることから、各ベースラインは異なる。
図7に図示されるように、陰性対照は、特に5日目に、顕著なTEWLを示した。それに対して、試料5(湿潤適用と乾燥適用の両方)は、治療後3日目および5日目の両方に、有意に少ないTEWLを示した。湿潤と乾燥の適用の違いは、統計的に有意ではないようであった。
【0135】
図8は、様々な組成物を用いた皮膚試料を治療した後に観察された水分保持レベルの変化を説明する。水分保持レベルの変化は、ベースライン(処理前の水分保持レベル)と比較した特定の試料に観察された変化を表す。各組成物は異なる皮膚の場所に適用されるため、各ベースラインは異なる。
図8に図示されるように、陰性対照は、特に第5日目に、水分保持レベルの有意な減少を示した。それに対して、試料5(湿潤適用と乾燥適用の両方)は、治療後3日目および5日目の両方に、有意に少ない水分保持の喪失を示した。
【0136】
実施例3:
上記の表9および表10に詳述される非抗菌組成物を、ヒト皮膚由来のセラチア・マルセッセンスの除去における有効性について供試した。さらに二つの組成物を試験した:試料6(試料1および試料2と同一、25重量%のC
1-C
8アルコールを含むのみ)および試料7(試料3および試料4と同一、25重量%のC
1-C
8アルコールを含むのみ)。下記の表11に示されるように、少なくとも15重量%のアルコールを含む供試された各試料は、ヒト皮膚から少なくとも98%のセラチア・マルセッセンスを除去した。
【0137】
実施例4:接触角および皮膚上での展延
非抗菌洗浄組成物の滴下についての時間分解接触角を、三つの異なる石鹸製剤を5滴、合成皮膚上に配することによって試験した。試料は以下の通りであった:1) 試料A:本出願による非抗菌洗浄組成物;2)同等の試料1:アルコールを含まない他の同等の洗浄組成物、および3)同等の試料2:市販の無菌石鹸。五滴の各製剤を合成皮膚の表面に配し、時間分解接触角を測定して
図9に図示した。
【0138】
図9に示されるように、試料Aは、急速な表面張力の低下を示し、適用の二秒後にはほぼゼロであった。それに対して、同等の試料1および2の両方はそれぞれ、適用の二秒後に約20°の接触角を示した。さらに、試料Aは、適用時(t=0)の約80°から1.2秒で10°へと接触角の減少を示した。それに対して、比較試料1および2の両方は、同じ接触角の減少(約80°から10°へ)のために3秒が必要であった。
【0139】
実施例5:汚れ除去
汚れの定量的な除去を試験するために、張力計を使用した。プローブを合成皮膚で包み、以下の二種類の汚れのうちの一つで被覆した:1)医療用のウシ胎仔血清、および2)食品サービスの汚れ(クリスコ、小麦粉、油)。本試験について、クイックディップ法が使用され、コーティングされたプローブが以下の二つの洗浄組成物中に浸漬された:1)試料A:本出願による抗菌洗浄組成物;または2)同等の試料1:アルコールを含まない他の同等の洗浄組成物。
図8に図示されるように、試料Aは、34%超のウシ胎仔血清および31%超の食品サービスの汚れを除去した。これらの結果は、本出願の非抗菌洗浄組成物が、アルコールと界面活性剤との相乗的な系を含まない同等の製品よりもレベルの高い汚れを除去するものとなることを示す。
【0140】
実施例6:
20重量%のアルコールを含む本発明の本発明の概念の非抗菌組成物を、ASTM E2315に従って抗菌活性について試験した。組成物の試料に試験生物の懸濁液を接種した。曝露時に、アリコートを取り出し、BPB+中で中和し、TSA寒天上に広げて、生存していた試験生物を定量的にアッセイした。プレートを24時間インキュベーションし、生存していた細菌を数えた。結果をlog10の書式に変換し、最初の開始時の集団と比較して、log減少を決定した。
【0141】
以下の表12に図示されるように、供試された試料は、平均1.84logのスタフィロコッカス・アウレウスの減少と1.11log未満のセラチア・マルセッセンスの減少とを示した。
【0142】
実施例7:バイオフィルム阻害
バイオフィルムの形成を阻害する対象非抗菌洗浄組成物の能力を、永久固定式分注システム内で試験した。本試験には、1)インフィールドデータ収集および2)インビトロ分析の二つの試験法を適用した。インフィールドデータは、現場における“現実世界”条件下で使用中、ディスペンサーから収集された。試験された特定の組成物を以下の表13に提示する。
【0143】
インビトロ分析を実験室で実施し、試験開始時に環境から培養された四つのグラム陰性細菌分離株(バークホルデリア・セパシア、緑膿菌の二系統、およびシュードモナスオレオボランス)を接種した六つのディスペンサーから構成された。各ディスペンサーは異なる接種ポイントを有し、考え得るすべての汚染リスクポイントを課題とした。二つのディスペンサー(1と2)は、ノズルで接種され、二つ(3と4)は、補充口で接種され、一(6)は、ディスペンサー内に配置する前に接種された非抗菌洗浄組成物を含有する。最後のディスペンサー(5)は、微生物の食物源からなる陽性対照として機能し、試験全体を通して接種成長能力を示した。一つの補充口で接種されたディスペンサー(3)および一つのノズルで接種されたディスペンサー(1)は、内部データ収集のための七週間の経過後に故障した。インビトロ試験モデルは、実際の使用では、本研究を代表する生物の量または種類によってディスペンサーが過度な負荷を受ける可能性が低いため、現実世界の状況をシミュレートする最悪のシナリオとして機能した。グラム陰性生物は、水が豊富な環境内でバイオフィルムを形成することが最も多いため選択された。
【0144】
両方の試験シナリオについて、微生物学的データは、各ディスペンサーのノズルおよび補充口をスワブすること、ディスペンサーからの石鹸の収集および試験、ならびに研究の終了時にバイオフィルム評価を実施することによって収集された。バイオフィルム評価は、予想される内部成長を培養するためにディスペンサーを分解することを必要とする破壊試験である。バイオフィルム試験は、システムに滅菌水(すすぎ水)を流し、石鹸で充填された流路内で阻害され得る微生物を捕捉することからなる。バイオフィルム生物は通常、フィルム内に残り、時々自由浮遊して検出されるに過ぎないため、評価には内部構成要素のスワブも含まれる。内部ディスペンサー構成要素はまた、可能であれば、ユニットから取り除かれ、微生物培養のための栄養ブロス内に置かれてもよい。
【0145】
すべてのスワブは、ノズル収集部位の破損を防止するために、石鹸の収集前に実施された。すべてのスワブを、試料収集前に滅菌水に浸漬した。定量的および定性的分析を、可能であれば、データの数値および存在/不在の表示を可能にするために、すべての試料に対して行った。
【0146】
結果:
表14は、インビトロディスペンサーから収集された微生物スワブおよび石鹸データを示す。各試料セットに割り当てられる経過時間は、接種からサンプリングまでの時間の長さを示す。すべてのin-vitro結果は、陰性または陽性として報告され、試料セット内の接種された生物の存在または不在を示す。ディスペンサー1~4は、試験全体を通じて、接種生物の存在について陰性であった。ディスペンサー6は、接種生物について試験開始時に三回陽性であったが、四週目以降は陰性であった。ディスペンサー6に対して達成された陰性結果は、石鹸が流路を洗浄し、接種物をシステムから除去した結果であると推測される。陽性対照は、試験全体を通して適切な培養生存率を示す。
【0147】
表15、16(aおよびb)、および17は、ディスペンサー1および3に適用されるバイオフィルム特異的試験法の結果を含む。両方のディスペンサーは、七週間の経過後に接種物の存在について陰性であった。
【0148】
表18に、インフィールドディスペンサーの外部スワブ試験の結果を列挙する。10週目での補充口スワブ、4日経過、23週目でのノズルスワブ、5日経過を除くと、すべての結果は陰性であった。このデータは、システムが環境生物に曝露されているものの、システムへの外部入口は、著しく汚染されておらず(両方とも陽性の結果が、パーソナルケア製品カウンシルによって提供される推奨微生物学的仕様内で、500cfu/mL未満の汚染であった)、典型的には微生物の存在が陰性であったことを示唆している。
【0149】
実施例8:バイオフィルム阻害
本発明の発明概念の非抗菌組成物は、バイオフィルム形成を阻害するその能力について試験された。試験は、二つの連続フロー条件下で実施された。このような条件には、二日間の曝露期間、すなわち、30週間の高使用ディスペンサーの流量に相当、5年間の低使用ディスペンサーの流量に相当、および七日間の曝露期間、すなわち、108週間の高使用ディスペンサーの流量に相当、18年間の低使用ディスペンサーの流量に相当する、が含まれた。この試験では、三つのバイオフィルムを、ASTM E2647-13ドリップフローバイオフィルム反応器を使用して制御された条件下で成長させた。試験を実施する方法は、栄養培地を試験生成物と置き換えるように修正し、栄養培地と対照的に試験生成物の阻害効果を評価した。バイオフィルムは、栄養培地(対照)の存在下で成長し、栄養培地に代わりに二つの試験生成物が使用された。本実験で利用された代替的試験生成物には、試料A:本出願による非抗菌洗浄組成物、および2)同等試料1:市販の無菌石鹸が含まれた。
【0150】
ドリップフローバイオフィルム反応器は、四つの別個のチャネルからなり、個々のバイオフィルムを各チャネルで成長させることができる。別個のバイオフィルムは、各培地の存在下で成長した。各チャネルは、顕微鏡スライド(クーポン)、流入ポート(培地がスライド上に滴下された)、および流出ポート(培地がスライドを流れた後にチャネルから出る)を含んだ。
【0151】
結果を以下の表19~22に示す。結果は、試料Aが、比較試料1と比較して、二日間でバイオフィルム形成を99.37%有意に阻害することを示した(p<0.001)。さらに、試験は、試料Aが、比較試料1と比較して、七日間でバイオフィルム形成を99.98%有意に阻害することを示した(p<0.001)。7日目の試料Aチャネルに存在するバイオフィルムは、2日目に存在するバイオフィルムよりも有意に少なく(p<0.001)、本発明の組成物もバイオフィルム除去を促進し得ることを示唆する。
【数1】
【0152】
実施例9:CRTバイオフィルム除去
本発明の発明概念の非抗菌洗浄組成物を、既に定着したバイオフィルムの存在を低減する能力について試験した。試験を、最小バイオフィルム撲滅濃度(MBEC)アッセイ、およびドリップフロー反応器アッセイの二つの方法を使用して実施した。
【0153】
MBECでは、緑膿菌バイオフィルムをプラスチックペグ上で成長させた。次いで、このペグをすすぎ、試料A:本出願による非抗菌洗浄組成物中に、設定された接触時間の間、浸漬した。接触時間の後に試料Aを中和し、バイオフィルムを分解して、定着したバイオフィルムに対する溶液の有効性の評価のために列挙した。
【0154】
結果:
以下の表22に示すように、試料Aは、経時的に定着したバイオフィルムの除去に対して有効性を示した。15分間の曝露後、試料Aは、ペグ上の緑膿菌バイオフィルムの存在の71%を除去した。2時間の曝露後、試料Aは、ペグ上の定着したPseudomonasバイオフィルムの存在の97%を除去した。
【0155】
ドロップフロー反応器:
ドリップフロー反応器法では、定着したバイオフィルムをE2647-13ガイドラインに従って2日間成長させた。次いで、成長培地を、本発明の発明概念の非抗菌洗浄組成物と切り替え、これをバイオフィルム上に2日間滴下させた。この方法は、稼働中のディスペンサー、およびディスペンサー内の高リスクバイオフィルム部品上に流れる溶液をシミュレートした。
【0156】
結論:
この方法では、本発明の概念の非抗菌洗浄組成物(試料A)は、または2日間の期間にわたり、バイオフィルムの存在の6.95Log (CFU/cm
2) の減少、または99.99999%の減少を示した。
【0157】
本発明の実施形態は本明細書に記載されているが、包括的発明概念の精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正を行うことができることが理解されるべきである。こうしたすべての修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0151】
結果を以下の表19~22に示す。結果は、試料Aが、比較試料1と比較して、二日間でバイオフィルム形成を99.37%有意に阻害することを示した(p<0.001)。さらに、試験は、試料Aが、比較試料1と比較して、七日間でバイオフィルム形成を99.98%有意に阻害することを示した(p<0.001)。7日目の試料Aチャネルに存在するバイオフィルムは、2日目に存在するバイオフィルムよりも有意に少なく(p<0.001)、本発明の組成物もバイオフィルム除去を促進し得ることを示唆する。
【数1】
【国際調査報告】