(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】導電性ポリマー組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C09D 11/52 20140101AFI20220106BHJP
H01L 51/48 20060101ALI20220106BHJP
H01L 51/46 20060101ALI20220106BHJP
C09D 11/30 20140101ALI20220106BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220106BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C09D11/52
H01L31/04 182A
H01L31/04 162
C09D11/30
B41J2/01 109
B41M5/00 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522150
(86)(22)【出願日】2019-06-26
(85)【翻訳文提出日】2021-01-25
(86)【国際出願番号】 FR2019051573
(87)【国際公開番号】W WO2020002832
(87)【国際公開日】2020-01-02
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521000518
【氏名又は名称】ドラキュラ テクノロジーズ
(71)【出願人】
【識別番号】504007888
【氏名又は名称】センター ナショナル デ ラ レシェルシェ サイエンティフィーク
(71)【出願人】
【識別番号】513210666
【氏名又は名称】ユニベルシテ デクス マルセイユ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE D‘AIX-MARSEILLE
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエロン,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ベン ドキル,サドク
(72)【発明者】
【氏名】マルギート,オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン,イェルク
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4J039
5F151
【Fターム(参考)】
2C056FB01
2H186AB12
2H186BA08
2H186DA18
2H186FB03
2H186FB11
2H186FB15
2H186FB28
2H186FB29
2H186FB30
2H186FB48
2H186FB56
4J039AD03
4J039AD22
4J039BC07
4J039BC09
4J039BC33
4J039BE22
4J039EA24
4J039FA04
4J039FA07
4J039GA24
5F151AA11
(57)【要約】
本発明は、導電性ポリマー組成物、その製造方法、及びそのような組成物を含む構造体に関する。この組成物は、例えば、有機光起電力セルの製造に用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性ポリマー組成物であって、前記組成物は、20℃で10mPa・s未満の粘度を有し:
- 前記組成物の総体積に基づいて、90体積%~98体積%のポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムの溶液と、
- 前記総体積に対して、2体積%~10体積%の添加剤組成物であって:
- 前記添加剤組成物中の全添加剤の総体積に対して、2体積%~5体積%の界面活性剤、
- 前記添加剤組成物中の全添加剤の総体積に対して、0.8体積%~2体積%のエチレングリコール、
- 前記添加剤組成物中の全添加剤の総体積の、0.4体積%~1体積%のエタノールアミン、及び
- 前記添加剤組成物中の全添加剤の総体積に対して、0.8体積%~2体積%のグリセロール、
を含む、添加剤組成物と、
を含む、導電性ポリマー組成物。
【請求項2】
前記1又は複数の溶剤が、エタノール、エチレングリコール、脱イオン水、及びリン酸緩衝生理食塩水から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムが、1.5~3.5のpHを有する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤が、式-Oct-C
6H
4-(OCH
2CH
2)
xOHの4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル-ポリエチレングリコールであり、ここで、式中xは9又は10である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
インクジェット印刷によって層を作製するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項6】
液体コーティングを作製するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項7】
構造体であって:
- 活性層;
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を塗布することによって作製される導電性ポリマー層、
を備え、前記構造体は、前記導電性ポリマー層が液体塗布によって塗布された場合、前記導電性ポリマー層の表面電気抵抗率が、60~110オーム/□であり、前記導電性ポリマー層がインクジェット印刷によって塗布された場合、前記導電性ポリマー層の表面電気抵抗率が、60~350オーム/□であることを特徴とする、
構造体。
【請求項8】
前記導電性ポリマー層が、液体での手段によって塗布された場合において、前記導電性ポリマー層が、30~50nmの厚さを有する、請求項7に記載の構造体。
【請求項9】
前記導電性ポリマー層が、インクジェット印刷によって塗布された場合において、前記導電性ポリマー層が、30~150nmの厚さを有する、請求項7に記載の構造体。
【請求項10】
前記導電性ポリマー層が、5nm未満の粗度Raを有する、請求項7~9のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項11】
前記導電性ポリマー層に塗布された銀の層をさらに備える、請求項7~10のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項12】
請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物の製造方法であって、前記方法は、以下の工程:
a)ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムを、0.2μm~0.8μmの保持能力を有するフィルターでろ過すること;
b)第一の混合物を作製することであって:
- 前記第一の混合物の総体積に対して、2体積%~6体積%の界面活性剤、
- 前記第一の混合物の総体積と比較して、1体積%~4体積%のエチレングリコール、
- 前記第一の混合物の総体積に対して、0.5体積%~2体積%のエタノールアミン、
- 前記第一の混合物の総体積に対して、1体積%~4体積%のグリセロール、及び
- 前記第一の混合物の総体積に対して、84体積%~95.5体積%の溶剤、
を含む第一の混合物を作製すること;
c)前記第一の混合物を、30~70℃の温度まで、15~45分間加熱すること;
d)前記加熱した第一の混合物を、室温で10~60分間振とうすること;
e)前記ろ過したポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムの1~3mLを、10~50μLの前記加熱し、撹拌した第一の混合物と混合して第二の混合物を得ること;
f)前記第二の混合物を、30~60℃の温度まで加熱すること;及び、
g)前記加熱した第二の混合物を、室温で20~100分間振とうすること、
を含む、方法。
【請求項13】
前記加熱し、撹拌した第二の混合物を、3~5分間脱気することから成る、工程(g)の後に行われる工程(h)をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記脱気が、超音波浴中で行われる、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ポリマー組成物、その製造方法、及びそのような組成物を含む構造体全般に関する。この組成物は、例えば、有機起電力セル(通常は、「有機光起電力セル」に対する英語の略語であるOPCと称される)の製造に用いられる。
【0002】
本発明の目的のために、有機光起電力セルとは、少なくとも活性層が有機材料から成る光起電力セルを意味する。
【背景技術】
【0003】
有機セルは、光起電力装置の分野において実際に関心を集めている。実際、光起電力セルに一般的に用いられている有機半導体を置き換えることができれば、実現可能なシステムを増加させることが、したがって用途の可能性を広げることが可能となる。有機光起電力セルの開発、そして市販可能な有機光起電力セルの開発はなおさらに、現時点での主要な課題である。
【0004】
近年、有機光起電力セルの開発は、その実装におけるインクジェット印刷技術の使用によって進化してきた[1]、[2]。さらに、本出願者は、2014年に、これらのセルの層の印刷部分にこの技術を用いた光起電力セルの製造方法を開発した[3]。
【0005】
当時の数多くの研究は、ロール印刷又はスピンコーティング技術などの液体塗布による界面層の作製に、又は通常はPEDOT:PSSの略語で称されるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムとのポリマー混合物を含むインクのインクジェットでの塗布による界面層の作製に集中していた。
【0006】
従来の構造を有する光起電力セルでは、PEDOT:PSS層も、P3HT:PCBMをベースとするものを例とする活性層の下に配置されるが、一方逆構造を有する光起電力セルでは、PEDOT:PSS層は、活性層の上、及びアノードとして作用する上側電極の下に印刷される。逆構造の光起電力セルは、従来のセルよりも空気中で安定であり、一般的に変換効率も高いという利点を有する。
【0007】
本発明の目的のために、光起電力セルの変換効率とは、ある任意のスペクトル分布及び強度における入射光パワーに対する、セルによって得られる最大電力の比を意味する。
【0008】
逆構造を有する有機光起電力セルを製造するための現行の方法では、PEDOT:PSS層上へのアノードの堆積は、主として、インクジェット印刷ではなく、真空下での熱蒸着(金属化)によって行われることにも留意されたい。実際、逆構造を有する有機光起電力セルの製造の場合、この堆積は、現在用いられているPEDOT:PSSが、通常の構造を有する有機光起電力セルの製造のために用いられるように、特に、アノード上に直接堆積されるように(いわゆるHTL層)、通常は製剤される限りにおいて、液体での方法では行われない。
【0009】
例えば、現在用いられているPEDOT:PSSの製剤は、逆構造の有機光起電力セルで用いるための最適化が成されていない。さらに、現在用いられているPEDOT:PSS製剤は、活性層上に印刷するための最適化も成されていない。
【0010】
しかし、PEDOT:PSSと界面活性剤との単純な混合物は、これらの混合物が液体での堆積のために一般的に用いられることから、活性層とアノードとの間の界面層の作製
に使用可能であること、及び得られる層(いわゆる、HTL層)の特性を著しく向上可能であることも示された。
【0011】
高変換効率の有機光起電力セルを得るために、用いられるPEDOT:PSSが高い導電性を有することには留意されたい。実際、高導電性PEDOT:PSSの使用は、以下のものなどのいくつかの利点を有する:
- 逆構造を有する有機光起電力セルの変換効率を低下させることなく、厚い層が適用される、
- 界面層と電極との界面での再結合現象を低減することによって、電極での電荷抽出を向上させる、及び
- 活性層を通過して短絡を起こす可能性のあるアノード材料の拡散が回避される。
【0012】
本発明の目的のために、低電気抵抗率とは、90%可視光透過率(一般的には英語の略語VLT(「可視光透過レベル」に対する)で称される)で、350オーム/□以下の抵抗率値を意味する。
【0013】
しかし、PEDOT:PSSが低い抵抗率を有する場合、単純にそれを界面活性剤と混合しても、いかなる有益性も得られず、活性層上への液体での又はインクジェット印刷によるPEDOT:PSSの塗布は、困難であり、最適化されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、特に、先行技術の欠陥、欠点、及び障害を克服することができる導電性ポリマー組成物を提供することによって、逆構造を有する有機光起電力セルの変換効率及び寿命を向上させる低抵抗率のPEDOT:PSS組成物を提供することが求められている。特に、この組成物は、逆構造を有する有機光起電力セルの活性層に適用可能である必要があり、特に、高い変換効率を保証しながら、活性層とアノードとの間に配置される界面層の作製が可能である必要がある。
【0015】
加えて、逆構造の有機光起電力セルのための環境にやさしく、経済的で速い製造方法を実施可能とするために、この組成物が、液体又はインクジェット印刷によって塗布可能であることも求められている。
【0016】
PEDOT-PSSを含有する混合物の製剤の粘度は、液体での手段によるその塗布に関する実際の制限を表していることにも留意されたい。これは、この種の混合物の大部分が、必然的に非常に低い粘度を有していることに起因し、それは、特に、ポリマーの溶解性が低いこと、及びハロゲン非含有溶剤の使用が好ましいことによる。このことは、液体塗布への適合を困難とするものであり、また、従来のインクジェット印刷技術の信頼性の低下にも繋がるものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
詳細には、本出願者は、低い抵抗率を有し、並びに:
- 液体塗布、特にインクジェット印刷に適し、
- 逆構造を有する光起電力セルの構築における広範な活性層への適用に適し、及び
- 逆構造を有する光起電力セルの一部として、電極、特にアノードを適用することが可能である、
導電性ポリマー組成物を開発した。
【0018】
より詳細には、本発明は、20℃で10mPa・s未満の粘度を有する導電性ポリマー組成物であって:
- 前記組成物の総体積に基づいて、90体積%~98体積%のポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウム溶液と、
- 総体積に対して、2体積%~10体積%の添加剤組成物であって:
- 添加剤組成物中の全添加剤の総体積に対して、2体積%~5体積%の界面活性剤、
- 前記添加剤組成物中の全添加剤の総体積に対して、0.8体積%~2体積%のエチレングリコール、
- 添加剤組成物中の全添加剤の総体積に対して、0.4体積%~1体積%のエタノールアミン、及び
- 前記添加剤組成物中の全添加剤の総体積に対して、0.8体積%~2体積%のグリセロール、
を含む、添加剤組成物と、
を含む、導電性ポリマー組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
界面活性剤は、この導電性ポリマー組成物の適用から得られるPEDOT:PSS層の濡れ性、形態的、機械的、及び電気的特性を改善する。
【0020】
有利には、溶剤は、脱イオン水、及びリン酸緩衝食塩水(一般に、PBSと称される)から選択され得る。
【0021】
本発明の文脈で用いることができるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムの例は、以下の通りである。これらとしては、ORGACON S315の商品名でAGFAにより市販されている製品、又は329324、560596、739340、768650、739332、768642、655201、900181、768618、及び900208の商品名でMERCKにより市販されている製品、並びにCLEVIOS(商標)PH1000若しくはF HC Solarの商標でHERAEUSにより市販されている製品が挙げられる。
【0022】
有利には、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムは、1.5~3.5のpHを有し得る。
【0023】
有利には、界面活性剤は、式-Oct-C6H4-(OCH2CH2)xOHでxが9又は10である4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル-ポリエチレングリコールであり得る。
【0024】
本発明に従う組成物に用いることができる界面活性剤の例としては、MERCKにより市販されているTriton X-100、及びやはりMERCKにより市販されているフッ素系界面活性剤のZonyl(登録商標)FS-300が挙げられる。
【0025】
本発明はまた、インクジェット印刷によって層を作製するための本発明に従う組成物の使用にも関する。
【0026】
本発明はまた、液体での手段によって層を作製するための本発明に従う組成物の使用にも関する。
【0027】
本発明は、さらに:
- 活性層;
- 本発明に従って定められる組成物の適用によって作製される導電性ポリマーの層、を備えた構造体も、その目的として有する。
【0028】
PEDOT:PSSなどの導電性ポリマー層の表面電気抵抗率は、液体での手段によって塗布された場合、60~110オーム/□である。加えて、そのような導電性ポリマー層は、可視光範囲で90%の透過率を有し得る。
【0029】
この第一のケースでは、導電性ポリマー層は、30~50nmの厚さであり得る。そのような厚さには、満足のいく電気抵抗率を持つ連続的で強固で均一な平滑層を有するという利点がある。
【0030】
導電性ポリマー層の表面電気抵抗率は、インクジェット印刷によって塗布された場合、60~350オーム/□である。
【0031】
この第二のケースでは、導電性ポリマー層は、30~150nmの厚さであり得る。そのような厚さには、満足のいく電気抵抗率を持つ連続的で強固で均一な平滑層を有するという利点がある。
【0032】
有利には、導電性ポリマー層は、5nm未満の粗さRaを有し得る。
【0033】
表面粗さRaとは、本発明の目的のために、メジアン(又は平均)線からの表面の凹部及び凸部の算術平均偏差を意味し、この偏差は、ISO規格4287に従って算出される。
【0034】
有利には、構造体は、加えて、インクジェット印刷によって導電性ポリマーに塗布される銀層を含み得る。
【0035】
活性層は、好ましくは、o-キシレン及びテトラリン中のPV2000とPC70BMとの混合物、又はo-キシレン及びテトラリン中のPTB7-ThとPC70BMとの混合物のいずれかを含む有機層であることにも留意されたい。
【0036】
本発明はさらに、本発明に従う組成物の製造方法にも関し、その方法は以下の工程:
a)ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムを、0.2μm~0.8μmの保持能力を有するフィルターでろ過すること;
b)第一の混合物を作製することであって:
- 第一の混合物の総体積に対して、2体積%~6体積%の界面活性剤、
- 第一の混合物の総体積に対して、1体積%~4体積%のエチレングリコール、
- 第一の混合物の総体積に対して、0.5体積%~2体積%のエタノールアミン、
- 第一の混合物の総体積に対して、1体積%~4体積%のグリセロール、及び
- 第一の混合物の総体積に対して、84体積%~95.5体積%の溶剤、
を含む第一の混合物を作製すること;
c)第一の混合物を、30~70℃の温度で、15~45分間加熱すること;
d)加熱した第一の混合物を、室温で10~60分間振とうすること;
e)ろ過したポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムの1~3mLを、10~50μLの加熱し、撹拌した第一の混合物と混合して第二の混合物を得ること;
f)第二の混合物を、30~60℃の温度まで加熱すること;及び、
g)加熱した第二の混合物を、室温で20~100分間振とうすること、
を含む。
【0037】
有利には、本発明に従う方法は、加熱し、撹拌した第二の混合物を、3~5分間脱気することから成る、工程(g)の後に行われる工程(h)も含み得る。この脱気は、この後
に組成物を塗布すること、及びほとんどの液体を充填すること(すなわち、インクジェットシステムのインク室にインクを入れること)を改善する目的で、溶解している気体を除去するという利点を有する。
【0038】
脱気は、有利には、超音波浴中で行われ得る。
【実施例】
【0039】
製品
- 酸化インジウムスズの層でコーティングされたガラス支持体(アノード)
- PET(ポリエチレンテレフタレート)又はPEN(ポリ(エチレン-2,6-ナフタレート)から作製された可撓性支持体
- 洗浄溶剤:
- 剛性ガラス基材の場合:脱イオン水、アセトン、エタノール、及びイソプロパノール(IPA)、並びに
- 可撓性基材の場合、これらはプラスチックフィルムによって保護されていることから、剛性基材の場合のような洗浄は必要ない;
- 第一のインク組成物(界面層)
- 実験室で合成された酸化亜鉛のナノ粒子から作製されたE11インクであり、その製法は例1に詳述される。
- GENES’INKにより市販されているアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)のナノ粒子のE12インクであって、合成は実験室で行われた。
- 第二のインク組成物(活性光起電力層):
- [6,6]-フェニル-C71-メチルブタノエート(PC70BMの商品名でNano-Cにより市販)とポリ(チエノール[3,4-b]-チオフェン(PV2000の商品名でRaynergytekにより市販)とのE21ポリマーブレンド;
- [6,6]-フェニル-C61-メチルブタノエート(PC70BMの商品名でNano-Cにより市販)とポリ(チエノール[3,4-b]-チオフェン(PTB7-Thの商品名で1-Materialsにより市販)とのE22ポリマーブレンド;
- 溶剤としてのo-キシレン(式C6H4(CH3)2のオルト-キシレン);及び
- 添加剤としてのテトラリン(1,2,3,4-テトラヒドロナフタリン)。
【0040】
E21混合物のPV2000ポリマー又はE22混合物のPTB7-Thポリマーは、これらの第二のインク組成物中に、10mg/mlの割合で存在している。
【0041】
E21ブレンド中のPV2000ポリマー又はE22ブレンド中のPTB7-Thポリマーと、PC70BMとの重量比は、1:1.5である。
【0042】
溶剤o-キシレンと添加剤テトラリンとのこれらの第二の組成物中での体積比は、97:3である。
【0043】
第二のインク組成物は、溶剤及び添加剤をE21又はE22ポリマー混合物に添加し、この混合物を、700RPMの速度で撹拌しながらホットプレート上、80℃で24時間維持することによって作製される。
【0044】
- 第三のインク組成物(第二の界面層):
- PEDOT:PSS、IJ1005の商品名でAgfaにより市販、又はPEDOT:PSS、ORGACON S315の商品名でAgfaにより市販;
- Triton X-100(式-Oct-C6H4-(OCH2CH2)xOH、x=9~10の4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル-ポリエチレン
グリコール)、Merckにより市販、洗浄剤/界面活性剤として;
- エタンジオール(又はエチレングリコール、式HOCH2CH2OH)、Merckにより市販;
- グリセロール(1,2,3-プロパントリオール又はグリセリン、式HOCH2CH(OH)CH2OH)、Merckにより市販;
- 脱イオン水、実験室で調製、又は水に対するELGAのブランド名でPURELAB classicにより市販。
- 第四のインク組成物(アノード):
- 銀ナノ粒子インクE41、H-CS01130の商品名でGENES’INK社により市販)、又は
- 銀ナノ粒子のインクE42、901083の商品名でMERCK社により市販、又は
- 銀ナノ粒子インク、PV-NANOCELLにより市販、又は
- 銀ナノ粒子インク、DUPONT社により市販、又は
- 銀ナノ粒子インク、ANP(「Advanced Nano Products」)社により市販。
【0045】
試験
- 粗さ測定 Ra
これらの測定は、原子間力顕微鏡(BruckerのNanoscope III Multimode SPM、間欠接触モード(又は「タッピングモード」)で使用、MiKromaschにより市販され、8nmの曲率半径を有するチップhq:nsc15を備える)を用いて行う。測定は、本発明及び先行技術に従う光起電力セルの異なるサンプルに対して行った。
【0046】
- 層厚さ測定
印刷された層の厚さは、BRUKERにより市販されるチップ膜厚計DektakXTによって、カッターブレードで作られたスクラッチから測定する(これは、堆積物の厚さを有するチャネルを作り出す)。これは、一定の接触力を適用することによって表面を走査する尖ったスタイラスの垂直方向の動きによって起伏の変化を測定し、レベルの相違を全て明らかにする接触式膜厚計である。サンプルは、任意の速度で、及び選択された距離にわたってサンプルを移動可能とするプラットフォーム上に配置する。本特許出願で示す厚さの値は、同じ工程のサンプルに対して、6つの異なる位置で5回行った測定の平均である。測定を行う前に、走査領域の長さ、その継続時間、スタイラスの接触力、及び測定範囲を定めておく必要がある。
【0047】
- 電気抵抗率の測定
この測定は、以下のように、4端子法を用いて行う:
- 特性決定されるべき層のエッジ部から離れた位置に、4つの端子を並べて配置する。
- これらの4つの端子を、互いに等距離とする。
- 外側の端子間に電流発生装置によって電流を発生させ、一方内側の端子間で電圧を測定する。測定された電圧の、検体を流れる電流に対する比が、内側端子間のセクションの抵抗を示す。
【0048】
- 粘度測定:
流体の粘度は、変形に対するその抵抗によって、又はその層の相対的なすべり量によって示される。例えば、粘性流体が毛管中を流れる過程では、分子の速度(v)は、管の軸線部が最大で、壁部でゼロとなるまで減少し、一方層の間では、相対的なすべりが起こり、したがって、接線摩擦力が発生する。流体における接線力は、対象の流体の性質及びそ
の流動様式に依存する。
【0049】
用いる粘度計は、ウベローデ型粘度計であり、それを、一定温度(本発明者らのケーススタディでは25℃)に維持したサーモスタット中に配置する。本発明者らは、毛管の上にある小タンクの両側に位置する2つのマーク(M1及びM2)によって定められる一定体積Vの流動時間を測定する。
【0050】
- エージングの測定:
恒久的な「ライトソーキング(light soacking)」下での光エージング、及び85℃での熱エージング。
【0051】
- モルフォロジーの特性決定:
表面トポグラフィを再現するためのAFM測定、並びに物質の結晶特性及び層に存在するナノ粒子のサイズを確認するためのTEM測定。
【0052】
- 変換効率
変換効率は、発生した電力の、AM1.5スペクトルに対して100mW/cm2に標準化される入射太陽光のパワーに対する比である。
【0053】
例1:界面層のための第一の組成物の第一の例のE11インクを得ること
1.2 ポリオール法を用いたZnOの合成[4]
用いた材料:
丸底フラスコ2個、臭素カラム、油浴、アルゴン瓶、シリンジフィルター、加熱用プレートとマグネティックスターラー、超音波浴、Ardeje A100プリンター、Ardeje OD100プリンター、KONICA、RICOH、SEIKO、XAAR、DIMATIX、HP、EPSONのブランドのプリンターヘッド。
【0054】
手順:
- まず、2.207gのKOHを250mLのフラスコに秤量する。次に、115mLのメタノールを添加する。別の大きい方のフラスコに、4.101gの酢酸亜鉛を、210mLのメタノールと共に撹拌しながら添加し、次に115mLの水を添加する。
- この大きい丸底フラスコを、アルゴン下、ホットプレート上60℃で撹拌しながら油(又は水)浴中に固定する。
- 加えて、KOHを超音波浴中で溶解し、次にこの丸底フラスコに滴下する。
- 本発明者らは、透明から不透明への色の変化を観察する。数分後、この溶液は、再度透明となる。
- 次に、この混合物をさらに3時間撹拌した後、ZnOの白色懸濁液が形成される。
【0055】
1.3 合成したZnOナノ粒子からのE11インクの製造
- 例1.1の後、ポリオール法から得た酸化亜鉛ZnOを、冷却浴中で冷却し、ZnO粒子を遠心分離(12分間及び7800rpm)によって分離し、次に、エチレングリコールを界面活性剤として用いてブタノール中に分散させる。
- その結果、ナノ粒子濃度4mg/mlのZnO粒子のE11インクが得られる。
- インクジェット印刷の前に、E11インクを、0.45マイクロメートルの酢酸セルロース(AC)フィルターで予備ろ過する。
【0056】
例2:界面層のための第一の組成物の第二の例のE12インクを得ること
GENES’INK社により市販されているアルミニウムドープ酸化亜鉛ナノ粒子(AZO)のインクを以下のようにして用いる:インクジェット印刷の前に、インクをまず超音波浴中に、室温で2分間入れ、次に0.45マイクロメートルの酢酸セルロースフィル
ターでろ過する。その結果、E12インクが得られる。
【0057】
例3:界面層のための第一の組成物の第三の例のE13インクを得ること
3.1 AZOナノ粒子の合成
この合成は、科学刊行物[3]に記載の手順に従い、以下の手順を用いて行う。
- 酢酸亜鉛、アルミニウムイソプロピレート、及び蒸留水を、無水エタノールを含有する丸底フラスコ中に導入する。
- 80℃で30分間加熱した後、エタノール中に分散させた水酸化カリウムを、フラスコに滴下し、80℃で16時間加熱する。こうして、AZOナノ粒子を合成する。
- これらのナノ粒子を、次に、遠心分離によって溶液から分離し、エタノールアミン(EA)を用いてアルコール系溶剤中に分散させる。
- この方法により、Alドープレベルが0%(未ドープのレファレンス)から0.8%までの範囲内のAZO NC(アルミニウムドープ酸化亜鉛ナノ結晶)のナノ粒子を、アルミニウムイソプロピレート前駆体の酢酸亜鉛に対する初期比を変動させ、他のパラメータはすべて一定に維持して製造した。
【0058】
3.2 合成したAZOナノ粒子からE12インクを製造するための手順
- 例3.1の後、ポリオール法を用いて得たAZOを、冷却浴中で冷却し、AZO粒子を遠心分離(12分間及び7800rpm)によって分離し、次に、エチレングリコールを界面活性剤として用いてブタノール中に分散させる。
- その結果、ナノ粒子濃度2mg/mlのAZO粒子から作製されたE12インクが得られる。
- インクジェット印刷の前に、E12インクを、0.45マイクロメートルの酢酸セルロースフィルターで予備ろ過する。
【0059】
例4:光起電力活性層のための第二のインク組成物E21及びE22を得ること
PV2000と組み合わせたPC70BM又はPTB7-Thと組み合わせたPC70BMが用いられるかどうかに応じて、それぞれインク組成物E21及びE22が得られる。インク組成物を、以下の表1に詳細に示す。
【表1】
【0060】
E21インク組成物は、以下のようにして得られる:
- 1ミリリットルのo-キシレン及び60マイクロリットルのテトラリン中、10mgのPTB7-thを、15mgのPC70BMと混合する(1:1.5の質量比に対応)。
- この混合物を、ホットプレート上、80℃で24時間、マグネティックスターラーで撹拌する。
- 印刷の前に、インクを、0.45ミクロンのACフィルターで予備ろ過する。
- 印刷した層を、次に、ホットプレート上、85℃で2分間の熱アニーリングに掛ける。
【0061】
E22インク組成物は、以下のようにして得られる:
- 1ミリリットルのo-キシレン及び60マイクロリットルのテトラリン中、10mgのPV2000を、15mgのPC70BMと混合する(1:1.5の質量比に対応)。
- この混合物を、ホットプレート上、80℃で24時間、マグネティックスターラーで撹拌する。
- インクジェット印刷の前に、E22インクを、0.45ミクロンのACフィルターでろ過する。
【0062】
E12又はE22のインクジェット印刷後、活性光起電力層が得られ、これを、印刷後、ホットプレート上、85℃で2分間の熱アニーリングに掛ける。
【0063】
例5:第二の界面層のための第三のインク組成物E31及びE32を得ること
第二の界面層のためのこれらの第三のインク組成物E31及びE32は、以下のようにして得られる:
- PEDOT:PSSを、0.45μmフィルターでろ過する;
- 500μlのTriton X-100(a)を、200μlのエチレングリコール(b)、200μlのグリセロール(c)、及び100μlのエタノールアミン(d)と、9mlの脱イオン水(e)中で混合する;
- こうして得られた混合物を、ホットプレート上、50℃で30分間マグネティックスターラーで撹拌し、次に室温で20分間マグネティックスターラーで撹拌する;
- 最初にろ過したPEDOT:PSSを、こうして得られた撹拌後の混合物と、1mlのPEDOT:PSSあたり脱イオン水中の4つの添加剤の混合物30μl、の割合で混合し、得られた混合物(PEDOT:PSSを含む)を、ホットプレート上、室温で少なくとも1時間マグネティックスターラーで撹拌する;並びに
- こうして得られた最終溶液E31を、印刷前に、超音波浴中で3~5分間脱気する。
【0064】
PEDOT:PSS IJ1005、又はPEDOT:PSS ORGACON S315のいずれが用いられるかに応じて、それぞれ、インク組成物E31及びE32が得られる。インク組成物の詳細を、以下の表2及び3に示す。
【表2】
【表3】
【0065】
例6:本発明に従うOPVセルの例を得ること
本発明に従うOPVセルを、以下のプロセスに従って製造する:
【0066】
剛性基材の場合:
- 構造化ITO層を有する剛性ガラス基材を、4つの異なる洗浄浴への連続する浸漬によって洗浄する:
- 浴1:脱イオン水、20~40℃で10~15分間、
- 浴2:アセトン、20~40℃で10~15分間、
- 浴3:エタノール、20~40℃で10~15分間、
- 浴4:イソプロパノール、20~40℃で10~15分間;
- インクE11、E12、又はE13で印刷し、続いて85℃で5分間アニーリングする;
- 活性層のインクE21又はE22で印刷し、続いて85℃で2分間アニーリングする;
- 活性層E21又はE22を、アルコール(エタノール、ブタノール、イソプロパノール)で洗浄する;
- インクE31又はE32で印刷し、続いて120℃で2分間アニーリングする;
- 層E31又はE32を、アルコール(エタノール、ブタノール、イソプロパノール)で洗浄する;
- AgインクE41(Genes’Ink製)又はE42(Merck製)で印刷し、続いて135℃で5~8分間アニーリングする。
【0067】
可撓性基材の場合:
- ITO/PET基材の両側を、2つのプラスチックフィルムで保護する:
- この基材を、同じサイズのスライドガラス上に、両面テープで貼り付ける;
- 次に、基材のITO側を覆っているプラスチックフィルムを取り除く;
- インクE11(又はE12)で印刷し、続いて85℃で5分間アニーリングする;
- 活性層のインクE21又はE22で印刷し、続いて85℃で2分間アニーリングする;
- 活性層E21又はE22を、アルコール(エタノール、ブタノール、イソプロパノール)で洗浄する;
- インクE31又はE32で印刷し、続いて120℃で2分間アニーリングする;
- 層E31又はE32を、アルコール(メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール)で洗浄する;
- インクE41又はE42で印刷し、続いて135℃で5~8分間アニーリングする;
- 得られた光起電力セルをプラスチックフィルムから取り外す。
【0068】
製造プロセスの終了後、以下の表4にまとめて示す以下のセルが得られる。
【表4】
【0069】
例7:先行技術/コントロールOPVセルの例を得ること
先行技術/コントロールに従うOPVセルを、以下の手順に従って製造する:
1)ITO基材(Lumtecより購入、15オーム/□)を、脱イオン水、アセトン、エタノール、及び続いてIPA中での超音波処理によって注意深く洗浄した(浴あたり
10分間);
2)IPA及び0.2%(体積/体積)のエタノールアミン中のZnO(又はAZO)ナノ粒子をベースとする溶液を、1500rpmで1分間の遠心(又は「スピンコーティング」)によって堆積させ、ホットプレート上、80℃で5分間乾燥した;
3)PTB7-Th(又はPV2000)及びPC70BMを、溶剤としてのo-キシレン及び添加剤としてのテトラリン中、1:1.5の重量比で、10mg/mlのポリマー濃度で混合する(溶剤と添加剤との比は、97:3 体積/体積である)。公称厚さ90~100nmの層を、2700rpmで2分間のスピンコーティングによって堆積した;
4)ポリ(3,4-PEDOT:PSS)(S315)の薄層を、60秒間、3000rpmの速度で有機層上にスピンコーティングし、次にホットプレート上、120℃で5分間加熱した。
5)カソードについては、グローブボックス内部のMBRAUNエバポレータ中にサンプルを置き、その中で、Al金属電極(100nm)を、2×10-7Torrの圧力下でマスクを通して熱蒸着させた。
【0070】
例8:例6及び7で得たOPVセルの特性決定
本発明及びコントロールに従う異なるOPVセルを、上記で示した試験に従って特性決定し、これらの特性決定の結果を、以下の表5に示す。
【表5】
【0071】
本発明に従うOPVセルC2~C16は、光起電力セルのHTL層をPEDOT:PSS材料で印刷する問題が解決されており:セル、又は可撓性プラスチック若しくは剛性ガラス基材上に存在する第一の透明導電性電極上に印刷した4つの層から構成される、又はいかなる材料も存在しない可撓性プラスチック若しくは剛性ガラス基材上に印刷した5つの層から構成される有機モジュールを製造することができることを示している。
【0072】
本発明は、インクジェット印刷プロセスと適合するPEDOT:PSS溶液を製剤することにある。この製剤によって、有利には、従来からITO上に堆積されるHTL層として、又はこの電極の代わりとして用いられている高導電性PEDOT:PSSを、有機活性層上に堆積されるHTL層を得るために提供することが可能となる。
【0073】
インクジェット印刷プロセスをこの製剤と組み合わせることによって、印刷層の厚さを制御すること、材料の電気的及び光学的特性だけでなく、そのモルフォロジーを最適化することが可能となり、そしてその事が、界面層と電極との間の界面での再結合現象の低減及び電荷の輸送に有利となる垂直方向の分離によって電極からの電荷の抽出を向上させる。これはまた、変換効率を低下させることなく厚い層を得ることも可能とし、このことは、プロセスの観点から、再現性及び安定性にとって有利である。本発明によって作製されるモジュールの変換効率は、今日までのところ依然として他に類を見ない。したがって、
以下を達成することができる:
- 6つの相互接続されたセルの一連の20のモジュールであって、各モジュールは、ガラス上の構造化ITOの第一の層上に印刷された4つの層から成り、合計で3.5cm2の活性層に相当し、1 SUN AM 1.5の下、平均変換効率は5.7%、最大変換効率は6.2%である;
- 相互接続されたセルの一連の5つのモジュールであって、各モジュールは、可撓性PET上の構造化ITOの第一の層上に印刷された4つの層から成り、合計で3.5cm2の活性層に相当し、1 SUN AM 1.5の下、平均変換効率は3.5%、最大変換効率は4.1%である。
【0074】
参考文献のリスト
[1]Sharaf Sumaiya, Kamran Kardel, and Adel El-Shahat. "Organic Solar Cell by Inkjet Printing - An Overview. " 53, Georgia, USA : Technologies, 2017, Vol. 5. [2]Peng, X., Yuan, J., Shen, S., Gao, M., Chesman, A. S. R., & Yin, H. (2017). "Perovskite and Organic Solar Cells Fabricated by Inkjet Printing: Progress and Prospects", Adv. Funct. Mater. 2017, 1703704.
[3]DRACULA TECHNOLOGIES' European patent application EP2960957, filed on 25 June 2015 and published on 30 December 2015.
[4]S. Ben Dkhil, D. Duche, M. Gaceur, A. K. Thakur, F. Bencheikh Aboura, L. Escoubas, J. -J. Simon, A. Guerrero, J. Bisquert, G. Garcia-Belmonte, Q. Bao, M. Fahlman, C. Videlot-Ackermann, O. Margeat, J. Ackermann, " ZnO Optical Spacers in Highly Efficient Polymer Solar Cells", Adv. Energy Mater. 2014, 1400805.
【国際調査報告】