(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】医療用注射器用針カバー
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61M5/32 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522458
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(85)【翻訳文提出日】2021-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2019078585
(87)【国際公開番号】W WO2020083842
(87)【国際公開日】2020-04-30
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガエル プージェ
(72)【発明者】
【氏名】セントゥルク オズターク
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066DD08
4C066EE14
4C066FF05
4C066NN01
(57)【要約】
本発明は、医療用注射器具の先端(10)に取り付けられた針(3)を保護するための針カバー(2)であって、先端(10)が遠位の膨らみ部(11)を含んでおり、前記針カバーは、エラストマー特性を有する材料で作られた内側針シールド(20)を含み、前記内側針シールド(20)は、前記膨らみ部(11)の外面(110)に密閉して接触するように構成された内側シール部分(203b)を含み、前記内側シール部分(203b)は、当該内側シール部分の周囲に沿って、内側に向けて延びる1つまたは複数のリブ(205)を備え、少なくとも1つのリブは、前記膨らみ部の前記外面との連続的な接触を生じさせるように構成されたリング形態の連続リブであることを特徴とする針カバー(2)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注射器具の先端(10)に取り付けられた針(3)を保護するための針カバー(2)であって、先端(10)が遠位の膨らみ部(11)を含んでおり、前記針カバーは、エラストマー特性を有する材料で作られた内側針シールド(20)を含み、前記内側針シールド(20)は、前記膨らみ部(11)の外面(110)に密閉して接触するように構成された内側シール部分(203b)を含み、前記内側シール部分(203b)は、当該内側シール部分の周囲に沿って、内側に向けて延びる1つまたは複数のリブ(205)を備え、少なくとも1つのリブは、前記膨らみ部の前記外面との連続的な接触を生じさせるように構成されたリング形態の連続リブであることを特徴とする針カバー(2)。
【請求項2】
前記内側シール部分(203b)は、1つ、2つ、または3つのリブ(205)、好ましくは1つまたは2つのリブ、より好ましくは2つのリブを備えることを特徴とする請求項1に記載の針カバー(2)。
【請求項3】
それぞれのリブ(205)は、丸みを帯びた形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の針カバー(2)。
【請求項4】
それぞれのリブ(205)の高さは0.1mmから0.4mmの間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の針カバー(2)。
【請求項5】
それぞれのリブ(205)は、前記内側針シールドの縦軸(B)に対して直交する方向で内側にむかって延在していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の針カバー(2)。
【請求項6】
ぞれぞれのリブ(205)は、前記膨らみ部の前記外面との連続的な接触を提供するように構成された連続的なリングの形態であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の針カバー(2)。
【請求項7】
エラストマー特性を有する前記材料は、熱可塑性エラストマー、エラストマー、またはゴムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の針カバー(2)。
【請求項8】
前記内側シール部分(203b)が2つまたは3つのリブ(205)を含み、隣接するリブ間の距離(G)は、0.4mmから2.8mmの間、好ましくは0.4mmから1.2mmの間で構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の針カバー(2)。
【請求項9】
前記連続リブは、前記針カバーの軸(B)に関して回転対称であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の針カバー(2)。
【請求項10】
少なくとも部分的に内側針シールド(20)を取り囲む外側針シールド(21)をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の針カバー(2)。
【請求項11】
医療用注射器具(100)であって、
医療用組成物を入れるための容器を画定する本体(1)と、
前記本体から遠位に延在する先端(10)であって、前記先端を通って延在し、容器と流体連通する流体経路を画定し、前記先端は、遠位膨らみ部(11)を含む、先端(10)と、
前記先端に取り付けられ、前記流体経路と流体連通している針(3)と、
を備えた医療用注射器具(100)と、
前記医療用注射器具の前記先端(10)に取り付けられた、請求項1乃至10のいずれかに記載の針カバー(2)であって、前記内側針シールド(20)の前記内側シール部分(203b)の1つまたは複数のリブ(205)が、前記膨らみ部(11)の前記外面(110)に対して密封して接触している、針カバー(2)と、
を含むことを特徴とする医療用アセンブリ(300)。
【請求項12】
前記医療用注射器具の前記先端(10)はガラス製であることを特徴とする請求項11に記載の医療用アセンブリ(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それに取り付けられた針を覆うための医療用注射器具の先端に取り付けられるように適合された針カバーに関する。本発明はまた、医療用組成物を患者の体に送達する際に使用する医療用アセンブリであって、医療用注射器具および医療用注射器具の針を包囲するための針カバーを含んだ医療用アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
注射器などの医療用注射器具は、典型的には、医療溶液が容器および/または貯留槽から排出される流体経路を画定する縦軸先端の形態の末端部を有した、医療組成物を収容するための容器を含んでいる。患者の皮膚に刺し、組成物の注射を行うために、針が先端に取り付けられている。
【0003】
最終用途前の怪我を防ぐため に、針を囲むように針カバーが先端に取り付けられている。これにより、器具の周囲にいる人が針に対して物理的にアクセスできなくすることができる。針カバーは、エラストマー特性を有する材料の内側針シールドを含み、さらに、内側針シールドを取り囲む硬質プラスチックの外側針シールドを含み得る。
【0004】
内側針シールドによって、医療用注射器具を確実に密閉することができる。その目的のため、内側針シールドは、注射器先端の膨らみ部の外面に密封的に接触して堅固な密封をもたらすシール部を含む。内側針シールドは、外部環境からの医療用組成物の汚染を防ぎ、それによって容器の密閉完全性を確実にしている。内側針シールドは、さらに、針の出口から外部環境への組成物の漏れを防いでいる。その目的のために、好ましくは、針は内側針シールドに刺さる。
【0005】
公知の針カバーの問題は、それを先端部から取り外すのが比較的難しい場合があることである。取り外すために、ユーザーは注射器具と針カバーの両方を握り、非常に重要であり得る努力をすることによって針カバーを引っ張らなければならない。
【0006】
針カバーを取り外すのに必要な力は、「引き抜き力」(頭字語POF)と呼ばれる物理的パラメータによって測定される。注射器などの注射器具から公知の針カバーを取り外すために必要な引き抜き力は、非常に大きい場合がある。
【0007】
結果として、例えば病気によって衰弱し、力が弱くなったユーザーは、針シールドを取り外して、彼の治療のために注射器具を使用できない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【0009】
本発明は、医療用注射器具の先端をしっかりと密閉しながら、引き抜き力を低減することを可能にする医療用注射器具用の針カバーを提供することを目的としている。
【0010】
この目的のために、本発明の1つの目的は、医療用注射器具の先端に取り付けられた針を保護するための針カバーであって、先端が遠位膨らみ部を含んでおり、針カバーは、エラストマー特性を有する材料で作られた内側針シールドを含み、内側針シールドは、膨らみ部の外面に密閉して接触するように構成された内側シール部分を含み、内側シール部分は、内側シール部分の周囲に沿って、内側に向けて延びる1つまたは複数のリブを含み、少なくとも1つのリブは、膨らみ部の外面との連続的な接触を生じさせるように構成されたリング形態の連続的なリブである。
【0011】
内側シール部分の1つまたは複数のリブによって、容器の閉鎖の完全性および医療用注射器具の先端に対する内側針シールドの密封性能を維持しながら、引き抜き力の全体的な減少がもたらされる。
【0012】
針カバーの他の任意的な機能によれば、
内側シール部分は、1つ、2つ、または3つのリブ、好ましくは1つまたは2つのリブ、より好ましくは2つのリブを含む。リブが3つ以下の場合、リブが4つ以上の場合や、リブがない場合と比較して、引き抜き力が大幅に減少する。リブが1つあるいは2つあると、引き抜き力が大幅に減少する。2つのリブがある場合、2つの密封用障壁を有しつつ、引き抜き力が大幅に減少する。
【0013】
それぞれのリブは、好ましくは丸みを帯びた形状を有する。リブの丸みを帯びた上部は、先端の膨らみ部の外面に対して平らになり、それによって、リブと膨らみ部との間の面接触領域全体の圧力分布が改善され、それによって引き抜き力がさらに減少する。
【0014】
それぞれのリブの高さは0.1mmから0.4mmの間である。リブの高さは、リブの基部と、先端の膨らみ部の外面に接触することを意図したリブの上部と、の間の距離である。小さなリブを定義する上記のような範囲は、より高いリブと比較して、引き抜き力の最小値を導くものである。
【0015】
それぞれのリブは、針シールドの縦軸に対して直交する方向で内側にむかって延在している。
【0016】
ぞれぞれのリブは、膨らみ部の外面との連続的な接触を提供するように構成された連続的なリングの形態である。
【0017】
内側針シールドは、熱可塑性エラストマー、エラストマー、ゴムというエラストマー特性を持つ材料のいずれかで作られている。
【0018】
内側シールド部分が2つまたは3つのリブを含む場合、隣接するリブ間の距離は、好ましくは0.4mmから2.8mmの間、より好ましくは0.4mmから1.2mmの間で構成される。
【0019】
少なくとも1つのリブは、膨らみ部の外面との不連続な接触を提供するように構成された不連続なリングの形態である。
【0020】
連続リブは、針カバーの軸に対して回転対称である。
【0021】
針カバーは、内側針シールドのみを含み得るか、または少なくとも部分的に内側針シールドを取り囲む外側針シールドをさらに含み得る。外側針シールドは、好ましくは硬質プラスチック製である。
【0022】
別の目的は、
医療用注射器具であって、
医療用組成物を入れるための容器を画定する本体と、
本体から遠位に延在する先端であって、この先端を通って延在し、容器と流体連通する流体経路を画定し、前記先端は、遠位膨らみ部を含む、先端と、
先端に取り付けられ、流体経路と流体連通している針と、
を備えた医療用注射器具と、
医療用注射器具の先端に取り付けられた、上述の針カバーであって、内側針シールドのシール部分の1つまたは複数のリブが、膨らみ部の外面に対して密封して接触している、針カバーと、
を含む医療用アセンブリ。
【0023】
医療用アセンブリの他の任意的特徴によれば、
先端はさらに、遠位膨らみ部より近位に位置する近位円筒部分を含み、遠位膨らみ部は、近位円筒部分よりも大きな直径を有し、
内側シール部分は膨らみ部の外面に接触し、
医療用注射器具の先端はガラス製である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1A】
図1Aは、それぞれ、針カバーなしで、および注射器具の先端に取り付けられた針カバーを備えた注射器具の実施形態の概観図である。
【
図1B】
図1Bは、それぞれ、針カバーなしで、および注射器具の先端に取り付けられた針カバーを備えた注射器具の実施形態の概観図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る針カバーの断面図である。
【
図3】
図3は、医療用注射器具および
図2の針カバーを含む医療用アセンブリの断面図であり、針カバーは、針を覆うように注射器具の先端に取り付けられている図である。針は図に表示されていない。
【
図4】
図4は、M1、M2、M3を参照して、成形によって得られた針シールドのいくつかの構造を示している。
【
図5A】
図5Aは、医療用注射器具に組み立てられた
図4の構造の断層撮影による図であり、
図5Aは設計M3に対応する。
【
図5B】
図5Bは、医療用注射器具に組み立てられた
図4の構造の断層撮影による図であり、
図5Bは設計M2に対応する。
【
図5C】
図5Cは、医療用注射器具に組み立てられた
図4の構造の断層撮影による図であり、
図5Cは設計M1に対応する。
【
図6】
図6は、注射器の先端から、
図5A~5Cに示される針シールドを取り外すための引き抜き力の値を示すグラフである。
【
図7】
図7は、
図5A~5Cに示される針シールドで覆われた針を有する注射器に空気が注入されたときの圧力減衰を示すグラフである。
【
図8A】
図8Aは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8B】
図8Bは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8C】
図8Cは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8D】
図8Dは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8E】
図8Eは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8F】
図8Fは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8G】
図8Gは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8H】
図8Hは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8I】
図8Iは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8J】
図8Jは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図8K】
図8Kは、針シールドのシールド部分のさまざまな構造を示している。
【
図9】
図9は、針カバーを取り外すのに必要な力を針カバーの変位の関数として記録したときに得られた結果の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、針を保護するために、針を備えた医療用注射器具の先端に取り付けられるように構成された、内側針シールドを含む針カバーを提示する。
【0026】
針カバーが注射器具に取り付けられると、針カバーと注射器具の組み合わせは、針を外部汚染から保護しながら、ユーザーが針カバーに囲まれた針に接触するのを防ぐ医療用アセンブリを形成する。
【0027】
医療用注射器具は、好ましくは、注射器である。
【0028】
図1Aに示されるように、医療用注射器具100は、注射される医療用組成物を含むように適合された、長手方向軸Aに沿って延在する本体1と、その遠位端にストッパ5を備えたプランジャーロッド4と、を備える。プランジャーロッド4は、組成物を注入するために、本体内部で近位位置から遠位位置に並進的に移動するように構成される。
【0029】
医療用注射装置100は、本体1の遠位端から軸Aに沿って延在する遠位先端10をさらに備える。遠位先端10は、本体と流体的に連通する管を形成するように部分的に中空である。
【0030】
注射器具の先端10には針3が取り付けられている。
【0031】
プランジャーロッド4が作動され、近位位置から遠位位置に移動すると、ストッパ5は、組成物を本体1から先端10へ押し、それによって、組成物は、針3を通って流れ、注射器具から排出される。
【0032】
医療用注射器具は、好ましくはガラス製であり、より好ましくはガラス製注射器である。このようなガラス製注射器は、主に病院環境で使用され、容易に滅菌できるものである。医療用注射器具は、好ましくは、予め充填された注射器である。医療用注射器具は、より好ましくは、刺された針を備えた注射器である。
【0033】
公知の方法で、注射器具の先端10は、近位円筒部分12と、近位円筒部分12から遠位に位置する遠位膨らみ部11とを含む。このような膨らみ部は、
図3および
図5A~5Cに示される。
【0034】
膨らみ部11は、実質的に円形の断面を有し、概して丸みを帯びた形状の円筒部分12の半径方向の延長部である。膨らみ部11は、先端の近位円筒部12から半径方向に突出し、外面110を備える。
【0035】
膨らみ部11は、先端10に沿った直径の変化をもたらす肩部13によって近位円筒部分12から分離され、それによって、膨らみ部11を先端の近位円筒部分12から区切っている。
【0036】
膨らみ部は、先端の遠位端に位置している。
【0037】
針カバー2は、内側針シールド20をさらに備える。内側針シールドは、熱可塑性エラストマー(TPE)、エラストマー、ゴムなどのエラストマー特性を持つ材料で作成されている。滅菌可能なエラストマー特性を備えた材料が好ましい。
【0038】
射出成形されたプラスチック製の注射器と比較して、ガラス製の注射器の外形寸法、特に先端の外形寸法は、その注射器の製造プロセスに起因して、あまり正確に制御されていない。
【0039】
エラストマー特性を備えた材料は、先端の外形に従うことから、ガラス製先端の密封に特に適している。このような密封は、硬質プラスチック材料ではほとんど得ることができなかった。剛性のある内部シールドは、外側の寸法が制御されたプラスチック製先端を密封するために使用される。
【0040】
針シールド20は、内側針シールドの内側シール部分203bが膨らみ部の外面110に接触するように、医療用注射器具100の先端10に取り付けられるように構成されている。
図1Bは、注射器の先端に取り付けられた針カバー2を備えた、
図1Aの注射器を示しており、このようにして、医療用アセンブリ300を形成している。また、
図2および
図3は、それぞれ、注射器具100から分離された針カバー2、および注射器具100の先端10に取り付けられた針カバー2の実施形態を示している。
【0041】
より詳細には、内側針シールド20の内側シール部分203bは、膨らみ部11の外面110にしっかりと密封して接触するように構成される。このようにして、内側シール部分は2つの密封機能を果たす:医療用注射器具に含まれる医療用組成物が外部に漏れるのを防ぐこと、および外部汚染物質が医療用注射器具に侵入することを防ぎして医療用注射器具の健全性を維持することである。
【0042】
本発明によれば、内側針シールド20の内側シール部分203bは、内側シール部分203bの周囲に沿って内側に向かって延在する1つまたは複数のリブ205を備える。換言すれば、リブ205は、膨らみ部に密封的に接触するように、内側シール部分203bの内面204から膨らみ部11の外面110に向かって半径方向に延在している。
【0043】
したがって、リブ205と膨らみ部11の外面110との間に接触面領域が形成される。それぞれの接触面領域は、リブごとに、膨らみ部の周りに、連続的にまたは不連続的に延在する円を実質的に形成する。
【0044】
「連続リブ」とは、ハウジングの周囲に沿って連続的に延在し、途切れることなくリングを形成するリブのことである。それにより、連続リブは、膨らみ部の外面との連続接触をもたらす。
【0045】
これに対し、「不連続リブ」は、1つまたは複数の途切れを伴って、内側シール部分の周囲に沿って不連続に延在し、開いたリングあるいはリングの少なくとも2つの別個の部分を形成する、リブである。それにより、不連続リブは、膨らみ部の外面との不連続接触をもたらす。
【0046】
少なくとも1つのリブ205は、膨らみ部11の外面110との連続的な接触を提供するように構成された連続リブである。存在する場合、他のリブ205は、連続的または不連続的であり得る。少なくとも1つの連続したリブの存在によって、漏れの経路が生じるのを防ぎながら、容器閉鎖の完全性が確保される。
【0047】
連続リブは、好ましくは、針カバーの軸B(注射器具の軸Aと一致する)に関して回転対称である。換言すると、連続リブは、針カバーの軸に対してその各点で対称である。膨らみ部も、針カバーの軸Bと一致する先端の軸に関して回転対称である。
【0048】
内部シール部分203の1つまたは複数のリブ205は、針カバー2と注射器具の先端10との間の面接触領域を減少させ、この面接触に沿った接触圧力プロファイルを変更する。さらに、リブ205は、そのような面接触領域での接触圧力を局所的に増加させることができる。このことは、驚くべきことに、容器閉鎖の完全性および医療用注射器具の先端に対する針カバーの密封性能を維持しながら、引き抜き力の全体的な減少をもたらす。
【0049】
この結果は予期せぬことであり、特に、リブの存在に起因する内部シールド部分203bと膨らみ部11との間の面接触の減少は、一般には、密封性能の減少に関わり得るからである。本発明とは反対に、エラストマー特性を有する材料で作られた従来の針シールドは、通常、滑らかなシール部分を提示するものである。
【0050】
針カバー2は、内側針シールド20を少なくとも部分的に取り囲む外側針シールド21をさらに含み、それによって内側針シールドを取り囲み、保護することができる。そのために、外側針シールド21は、好ましくは、剛性材料でできている。好ましい実施形態によれば、外側針シールド21は、硬質プラスチック製である。
【0051】
図2および
図3に示される実施形態によれば、内側針シールド20は、閉じた遠位端202および開いた近位端201を含む。
【0052】
内側針シールド20は、さらに内面204を含む。内面204は、好ましくは円形断面を有する。
【0053】
内側針シールド20は、異なる区分である複数の部分を含む。
【0054】
開いた近位端201から内側針シールド20のより遠位の領域まで延在する第1の部分203a。第1の部分203aは、好ましくは、内側針シールドの他の部分よりも大きな直径を有する。
【0055】
詳細が上述された内部シール部分である第2の部分203bであり、好ましくは、第1の部分203aと比較して縮小された区分を有している。内側シール部分は、第1の部分203aから内側針シールドのより遠位の領域まで延在する。
【0056】
第3の部分203cであり、好ましくは第2の部分203bから内側針シールド20の遠位端まで先細になっている。
【0057】
第1の部分203aは、先端の近位部分12を収容するように構成されている。内側シール部分である第2の部分203bは、膨らみ部11に対して密封して接触するように構成される。第3の部分203cは、針3を収容するように構成される。より詳細には、第3の部分203cは、針3がこの第3の部分の遠位部分に刺さることができるように構成される。
【0058】
内側シール部分203bは、少なくとも1つのリブ205を含み、3つのリブは、
図2および
図3の針シールドに示され、これらは内側シール部分の周囲に沿って半径方向内側に向かって延在する。
【0059】
内部シール部分203bが数個のリブを含む場合、リブ205は好ましくは互いに平行である。
【0060】
図2および
図3の3つのリブは、膨らみ部の外面との連続的な接触を提供するように構成された連続リブである。ただし、3つのリブのうち1つまたは2つだけが連続であってもよいことを知るべきである。
【0061】
少なくとも1つのリブ205は、膨らみ部の外面に密封的に接触するように構成されている。好ましい実施形態では、2つのリブ205が、膨らみ部11の外面110に密封して接触するように構成される。示される実施形態では、3つのリブは、膨らみ部11の外面110に密封して接触するように構成される。
図3に示すように、針カバー2が注射器具の先端10に取り付けられているとき、膨らみ部11はハウジングの第2の部分203bに対して配置され、リブ205の上部は、膨らみ部の外面110に接触する。
【0062】
リブ205は、膨らみ部11に対して半径方向の圧力を加えるように構成されている。リブによって膨らみ部に加えられる全圧力は、いくつかのパラメータを調整することによって制御することができ、その中で、膨らみ部11の断面に対する内部シール部分203bの断面、各リブ205の寸法、リブの数、および隣接するリブ間の距離を挙げることができる。これらのパラメータのいくつかは、例としての試験を考慮して、以下でより詳細に説明する。
【0063】
リブ205は、好ましくは、内側針シールド20と一体に形成され、有利には、内側針シールドと同じ材料で作られる。
【0064】
好ましい実施形態によれば、リブ205は丸みを帯びた形状を有し、すなわち、それらの上部は湾曲しており、針カバーの長手方向軸に向かって内側を向いている。そのため、膨らみ部11に接触するときは、リブの丸みを帯びた上部は、先端の膨らみ部の外面に対して平らになり、それによって、リブ205と膨らみ部11との間の面接触領域全体の圧力分布が改善され、それによって引き抜き力がさらに減少する。このような平坦化は、内部シールドのエラストマー特性によって可能になり、剛性のある材料では得ることができない。
【0065】
一実施形態によれば、隣接するリブ間の距離は、0.4mmから2.8mmの間、好ましくは0.4mmから1.2mmの間で構成される。この範囲の距離は、引き抜き力の最も顕著な減少をもたらす。この距離は、
図8Aおよび
図8Eおいて「G」と示されているリブの上部間の間隔である。
【0066】
内側針シールドの他のすべての寸法と同様に、2つの隣接するリブ間の距離は、内側針シールドが注射器の先端に取り付けられていないときに測定されたものである。実際のところ、内側針シールドが注射器の先端に取り付けられると、リブは膨らみ部に対して平らになるため、内側針シールドが注射器の先端に挿入されていない場合のリブの寸法と比較して、リブの寸法が異なり得る。
【0067】
一実施形態によれば、リブの基部とリブの上部との間の距離であるリブの高さHは、0.1mmから0.4mmの間である。この高さの範囲は、引き抜き力の最も顕著な減少をもたらす。
【0068】
一実施形態によれば、リブの基部でのリブの半径Rは、引き抜き力の最も顕著な減少をもたらすためには、0.1mmから0.4mmの間である。
【0069】
本発明の内側針シールドは、図を参照して説明されてきたが、本発明は、図に表された実施形態に限定されない。例えば、針カバーは、図を参照して説明された形状とは異なる形状を有してもよい。さらに、内側針シールドの第1の部分203aおよび/または第3の部分203cは、図に示されているものとは異なる形状を有し得る。
【0070】
例えば、いくつかの実施形態によれば、内側針シールド20の第1の部分203aは、滅菌中に針シールドが注射器具の先端から外れるのを防ぐために、特許文献1に開示されるように、飛び出し防止リブをさらに含み得る。
【0071】
存在する場合、飛び出し防止リブは、先端10の近位円筒形部分12と接触するように意図されている内側針シールド20の第1の部分203aの内面204の円周に沿って内側に向かって延在する。さらに、飛び出し防止リブは、内側シール部分203bおよび肩13に対して近位側に配置され、近位の円筒形部分12に接触するように構成されている。
【0072】
より詳細には、飛び出し防止リブは、針カバー2が医療用注射器具の先端10に対して遠位方向に移動するときに肩13に隣接するように構成され、それにより、内側針シールド20が先端10から外れるのを防いでいる。
【0073】
飛び出し防止リブの一実施形態は、特許文献1に開示されている。この文献では、針カバーが注射器具に取り付けられているとき、飛び出し防止リブは、膨らみ部と注射器具の先端の主要部分との間の肩から近位側に配置されている。このリブは、滅菌処理中に先端に針シールドを保持することを目的としており、滅菌チャンバーとハウジングの間の圧力差が大幅に変化することがある。
【0074】
特許文献1の飛び出し防止リブは、先端10の膨らみ部11に接触することを目的とした内部シール部分203bには配置されていない。実際のところ、当業者は、そのリブが針カバー2の密封を確実にすることを目的としているため、従来、内部シール部分203bを変更することはしない。その結果、特許文献1では、内部シール部分の内面は滑らかであり、これは、本発明のリブ付き表面とは対照的に、密封の技術における一般的な知識を反映したものである。
【0075】
例:針のシールドのさまざまな構造の検討
実施例1
Mと記された3つの異なる構造の内側針シールド20は、熱可塑性エラストマーで成形されている。これらの内側針シールドを
図4に示す。これらの針シールドの特徴について、以下および表1で説明する。
【0076】
【0077】
「半径」(R)は、各リブの半径(幅)を指し、「高さ」(H)は各リブの高さを指し、「間隔」(G)は、2つの隣接するリブ間の距離を指し、「D」は、内側シール部分における内側針シールドの内径を指す。リブ付きの構造では、
図4に示すように、内側針シールドが注射器の先端に挿入されていない場合、直径はリブの上部で測定される。すべての構造M1、M2、M3で、針シールドはTPEであり、注射器具はガラス製注射器である。
【0078】
図4に示される構造M1、M2、M3を、圧縮ベンチによって注射器先端に組付けられた
図4の上記構造M1、M2、M3の断層撮影図に対応する、
図5A~5Cも参照して説明する。
【0079】
M3(
図5A)は、現在の最新の針シールドである。このような針シールドはリブを含まない、すなわち、内側シール部分203bは滑らかな面である。
【0080】
M2(
図5B)は、本発明による針シールドであり、4つの小さなリブ205を備えた内部シール部分203bを含んでいる。内部シール部分203bと膨らみ部11との間の面接触領域は、リブ205と膨らみ部11との間の複数の小さな接触ゾーン6によって画定される。リブがあることによって、リブのない部分の接触圧力はゼロであり、あるいは、面が接触したままである(従って、膨らみ部に作用する圧力が無視できる)場合は、接触圧力は、リブのない部分では少なくとも大幅に減少する。これにより、引き抜き力を減らすことができる。
【0081】
M1(
図5C)は、本発明による針シールドであり、3つの大きなリブ205を備えた内側シール部分203bを含んでいる。内部シール部分203bと膨らみ部11との間の面接触領域は、リブ205と膨らみ部11との間の複数の小さな接触ゾーン6によって画定される。これは、リブが大きく、半径と高さが大きいことを除けば、M2(
図5B)と概略的に似ている。面接触領域は、標準の公知の構造M3と比較して減少している。リブがあることによって、リブのない部分の接触圧力はゼロまたは大幅に減少し、引き抜き力を減らすことができる。ただし、リブはM2のそれよりも高く、膨らみ部でのリブの平坦化が少ないため、M2のそれよりも面接触領域は小さい。
【0082】
内側シール部分203bにリブが設けられている針シールドM1およびM2は、内側シール部分203bにリブが設けられていない針シールドM3と比較して、低減された引き抜き力を示す。
【0083】
1.引き抜き力の測定
注射器から針カバーを取り外すのに必要な力の測定は、30回の試験を通じて行われる。試験は牽引ベンチを使用して実行される。この方法は、以下の工程を含む。
注射器をホルダーに置き、
針カバーを空気圧押さえで保持し、その後
針カバーを一定の変位速度で引っ張って取り外す。
【0084】
針カバーの変位の関数として、針カバーを取り外すのに必要な力が記録される。
図9に示すように、針カバーを取り外すのに必要な力は、針カバーの動き始めに、
図9で「POF値」と呼ばれる最大値に達するまで増加し、この最大値は引き抜き力に対応している。
【0085】
この方法で測定された引き抜き力を表2に示し、また
図6のグラフに示す。
【0086】
【0087】
これらの結果は、リブの存在が引き抜き力を大幅に低減することを示している。実際、リブ付き構造M1(大きなリブ)およびM2(小さなリブ)の引き抜き力は、標準構造M3(リブなし)と比較して約6ニュートン(40%)減少している。また、標準偏差StDevは、標準構造M3と比較してリブ付き構造M1およびM2の方が低くなる傾向がある。
【0088】
リブ付き構造M1(POF=10,6)およびM2(POF=11,5)の引き抜き力の値は互いに極めて近いため、大きなリブと小さなリブの違いは重要ではない。
【0089】
リブが存在することによって、リブの形状やサイズに関係なく、引き抜き力を減らすことができる。
【0090】
2.漏れ試験圧力
内側シール部分にリブを備えた針シールドのシール性能を評価するために、15回の漏れ試験を実施した。
【0091】
漏れ試験は次のように実行された。空の事前充填注射器に、
図4に示されている針カバーM1、M2、M3が被されている。空の注射器のシリンダ内に、決められた時間(1.1バールで5秒間)圧力が加えられた。シリンダ内の圧力減衰も同時に測定した。針カバーと注射器の先端の境界面に漏れがある場合は、大きな圧力減衰が測定される。この試験は、基準11040-4:2015(E)に示されている圧力条件に従ったものである。
【0092】
【0093】
結果は、すべての構造(公知の参照構造M3を含む)が0Paから2Paの間の非常に低い圧力減衰値をもたらすことを示している。したがって、注射器の先端の最適なシーリングは、リブの幅と高さに関係なく、リブの存在によって維持される。医療用注射器具の先端に対する針シールドの密封性能は維持される。
【0094】
例2:針カバーのシール面のさまざまな構造の開発
リブの寸法と数が引き抜き力に与える影響を調べるために、有限要素解析を実行した。この有限要素解析には、熱可塑性エラストマーの材料特性(例1で成形された材料と同様)が使用される。針カバーの取り外しをシミュレーションし、引き抜き力が計算される。
【0095】
針カバーのシール部分のシミュレーション構造を以下の表3に示す。
【0096】
【0097】
試行1および2は、それぞれ、例1で前述した構造M1およびM2に対応している。
【0098】
試行3および4は、構造M1に対応するが、各リブの半径Rが試行3では0.55mm、試行4では0.2mmであり、0.4mmではない。これらの試行では、(構造M1と比較して)リブの幅が引き抜き力に及ぼす影響を評価できる。
【0099】
試行5は構造M1に対応するが、2つの隣接するリブ間の間隔Gが1.07mmではなく0.8mmであり、接触部分が3つでなく4つのリブで構成されている。
【0100】
試行6は構造M1に対応するが、2つの隣接するリブ間の間隔Gが0.71mmではなく1.07mmであり、接触部分が4つでなく2つのリブで構成されている。
【0101】
試行7は、構造M1に対応するが、接触部分が4つでなく1つのリブのみで構成されている。
【0102】
試行6および7ではどちらも、(構造M1と比較して)リブの数が引き抜き力に及ぼす影響を評価することができる。
【0103】
試行8は構造M1に対応するが、接触部分が4つではなく1つのリブのみで構成され、この1つのリブが試行4のリブ(R=0.2mm)である。
【0104】
試行9は、設計M1に対応するが、各リブの高さが0.25mmでなく0.35mmである。この試行では、(構造M1と比較して)リブの高さが引き抜き力に及ぼす影響を評価できる。
【0105】
試行10は、構造M1に対応するが、各リブの内径が3.80mmではなく3.60mmである。
【0106】
試行11は、構造M2に対応するが、接触部分が完全な正弦波形状である。この試行では、内面が注射器の先端に接触しない正弦波形状の場合の引き抜き力を評価できる。
【0107】
1.リブの特徴が引き抜き力に及ぼす影響
上述した11の試行の構造について計算された引き抜き力の値を表4に示す。
【0108】
【0109】
a)リブの幅(半径)が引き抜き力に及ぼす影響
表4に示すように、試行1と試行3を比較すると、リブ幅が試行1(M1)の0.4mmから試行3の0.55mmに増加すると、引き抜き力は11.3ニュートンから11.1ニュートンにわずかに減少する。
【0110】
試行1と試行4を比較すると、幅が試行1(M1)の0.4mmから試行4の0.2mmに減少すると、引き抜き力は11.3ニュートンから10.8ニュートンにわずかに減少する。
【0111】
引き抜き力の減少は、試行3および4で非常に小さく、幅がM1に対して増加および減少した場合の両方で発生する。
【0112】
したがって、リブの幅が引き抜き力に顕著な影響を与えることはない。
【0113】
b)リブ数が引き抜き力に及ぼす影響
表4に示すように、試行2と試行6を比較すると、リブの数が4から2に減少すると、引き抜き力は12.1ニュートンから7.0ニュートンに減少する。
【0114】
試験2と試行7を比較すると、リブの数が4から1に減少すると、引き抜き力は12.1ニュートンから7.0ニュートンに減少する。
【0115】
したがって、リブの数を減らすことによって、引き抜き力が減少し、逆になる。
【0116】
リブの数が少ない場合、特に1つから3つの間、特に、1つまたは2つのリブは、引き抜き力の値が低くなるので、好ましい。
【0117】
c)リブの高さが引き抜き力に及ぼす影響
表4に示すように、試行1と試行9を比較すると、各リブの高さが0.25mmから0.35mmに増加すると、引き抜き力は11.3ニュートンから15.3ニュートンに増加する。
【0118】
したがって、リブの高さを高くすることによって、引き抜き力が大きくなる。
【0119】
高さが低く、特に0高さが.1mmから0.4mmの間のリブは、引き抜き力の値が低くなり、好ましい。
【0120】
2.針シールドの材料が引き抜き力に及ぼす影響
針シールドの材料特性の影響を調べるために、有限要素解析によっていくつかの材料の引き抜き力をシミュレーションした。
【0121】
TPEは、前述のセクション1で使用した材料である。
【0122】
次に、特性の異なる3つのゴムについてシミュレーションした。ゴム1はスチレンブタジエンゴム、ゴム2は合成イソプレンゴム、およびゴム3は天然ゴムである。
【0123】
表3および表4の11の構造のうち4つの構造のみが評価される。4つの構造と4つの材料の引き抜き力の値を表5に示す。
【0124】
【0125】
表5に示すように、針シールドのエラストマー特性が何であっても、実施例1のパート1および実施例2のパート1a)、1b)および1c)で前述した結果が確認されている。確かに、内側針シールドの材質がTPE、ゴム1、ゴム2、ゴム3のいずれであっても、試行1のリブ付き構造(リブあり)の方がリブなし標準構造(リブなし)よりも引き抜き力が小さくなる。針シールドの材料がTPE、ゴム1、ゴム2、またはゴム3のいずれであっても、リブの数が少ない試行6の構造(リブが2つしかないM1)の方が、リブの数が多い試行1の構造(M1、リブが3つ)よりも引き抜き力が小さくなる。ニードルシールドの材料がTPE、ゴム1、ゴム2、またはゴム3のいずれであっても、リブ高さが高い試行9の構造(H=0.35mmのM1)の方が、リブ高さが低い試行1の構造(M1、H=0.25mm)よりも引き抜き力が大きくなる。
【国際調査報告】