IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エレクタ、インク.の特許一覧

特表2022-505887磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング
<>
  • 特表-磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング 図1
  • 特表-磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング 図2
  • 特表-磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング 図3
  • 特表-磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング 図4
  • 特表-磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング 図5
  • 特表-磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング 図6
  • 特表-磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング 図7
  • 特表-磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いたリアルタイムの患者動きモニタリング
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61N5/10 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522971
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(85)【翻訳文提出日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 US2019058105
(87)【国際公開番号】W WO2020086982
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】16/170,818
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517150065
【氏名又は名称】エレクタ、インク.
【氏名又は名称原語表記】ELEKTA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100087479
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 好人
(72)【発明者】
【氏名】ベリオル,シルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ラシェーヌ,マルタン エミール
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AA01
4C082AC06
4C082AE03
4C082AG52
4C082AJ06
4C082AJ08
4C082AJ11
4C082AJ13
4C082AJ14
4C082AP03
(57)【要約】
磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いて、放射線治療中のリアルタイムの患者の状態を推定するために使用されるシステムや技術である。例えば、ある方法は、予備動きモデルを用いて、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態の辞書を生成することを含む。その方法は、機械学習技術を用いて、辞書を用いて、入力患者の測定値と出力患者の状態とを関連付ける対応動きモデルを学習することを含む。その方法は、プロセッサを用いて、対応する動きモデルを用いて、2Dの画像に対応する患者の状態を推定することを含む。その方法は、MR-LINACを用いて、患者の状態によるターゲットに放射線治療を指示することを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴リニアック(MR-Linac)を用いた放射線治療中にリアルタイムで患者の状態を推定する方法であって、
前記方法は、
予備動きモデルを使用して、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態の辞書を生成するステップと、
機械学習技術を使用して、前記辞書を使用して入力の患者の測定を出力の患者の状態に関連付ける対応動きモデルをトレーニングするステップと、
画像取得装置から画像のリアルタイムストリームを受信するステップと、
プロセッサを用い、前記対応する動きモデルを使用して前記画像のリアルタイムストリームに対応する前記患者の状態を推定するステップと、
前記画像取得装置に結合された治療装置を使用して、前記患者の状態に応じてターゲットに放射線治療を指示するステップと
を有する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記拡張された潜在的な患者の測定値は、3Dの患者画像の変形を含み、
前記変形は、変形可能なレジストレーションアルゴリズムを使用して計算された変形ベクトルフィールド(DVF)を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、
前記拡張された潜在的な患者の測定値は、4Dの画像から生成され、
前記4Dの画像は、4DのCT、4DのCT、4DのMRI、4DのPET、または4Dの超音波画像である
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、
前記対応動きモデルは、1つまたはそれ以上のパラメータの関数としての変形ベクトルフィールド(DVF)を含み、
前記1つまたはそれ以上のパラメータは、4Dの画像の2つまたはそれ以上の位相と、基準位相との間で計算された予備DVFの次元を減らすことにより決定される
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、
前記拡張された潜在的な患者の測定値は、2Dの投影画像を含み、3Dの画像から2Dのスライスを抽出すること、3Dの画像を介して光線追跡して2Dの投影画像を生成すること、モンテカルロ技法を使用して3Dの画像とのX線相互作用をシミュレーションすること、コラプストコーンコンボリューション技法を使用すること、重ね合わせとコンボリューション技法を使用すること、敵対的生成ネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを使用することのうち少なくとも1つを使用して生成される
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、
前記対応動きモデルは、ランダムフォレスト回帰、線形回帰、多項式回帰、回帰ツリー、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを使用して生成される
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、
前記方法は、前記患者の状態を、組織のコントラストを示す2つまたはそれ以上のMRライクの3Dの画像として出力するステップを更に有する
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、
前記方法は、2Dの入力画像上で2Dの変形ベクトルフィールド(DVF)を計算することにより、前記拡張された潜在的な患者の測定値を生成するステップを更に有する
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、
前記拡張された潜在的な患者の測定値を生成することは、前記2Dの入力画像の主成分分析(PCA)を実行することを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、
前記拡張された潜在的な患者の測定値を生成することは、2Dの入力画像を基準の2Dの画像にレジストレーションすることと、変形可能な画像レジストレーション技術を使用して前記2DのDVFを計算することと、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、前記2Dの入力画像と2Dの基準画像との間の2Dのオプティカルフローを推定し、前記2DのDVFを計算することとを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法において、
前記画像のリアルタイムストリームには、2DのMR画像、低解像度の3DのMR画像、または1Dのナビゲーターが含まれる
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
磁気共鳴リニアック(MR-LINAC)を用いて、放射線治療中に、ターゲットをリアルタイムで追跡する方法であって、
前記方法は、
予備動きモデルを使用して、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態との辞書を生成するステップと、
機械学習技術を使用して、前記辞書を使用して入力の患者の測定を出力の患者の状態に関連付ける対応動きモデルをトレーニングするステップと、
画像取得装置から画像のリアルタイムストリームを受信するステップと、
プロセッサを用いて、前記対応する動きモデルを使用して、前記画像のリアルタイムストリームにおける画像に対応する患者の状態を推定するステップと、
前記患者の状態を使用して、リアルタイムで患者の放射線治療のターゲットの位置を追跡するステップと、
前記放射線治療のターゲットに対する追跡情報を表示装置に表示するために出力するステップと
を有する
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、
前記拡張された潜在的な患者の測定値は、3Dの患者画像の変形を含み、前記変形は、変形可能なレジストレーションアルゴリズムを使用して計算された変形ベクトルフィールド(DVF)を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法において、
前記拡張された潜在的な患者の測定値は、4Dの画像から生成され、前記4Dの画像は、4DのCT、4DのCBCT、4DのMRI、4DのPET、または4Dの超音波画像を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12記載の方法において、
前記対応する動きモデルは、1つまたはそれ以上のパラメータの関数として変形ベクトルフィールド(DVF)を含み、前記1つまたはそれ以上のパラメータは、4Dの画像の2つまたはそれ以上の位相と基準の位相との間で計算された予備のDVFの次元を減らすことによって決定される
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項12記載の方法において、
前記拡張された潜在的な患者の測定値は、2Dの投影画像を含み、3Dの画像から2Dのスライスを抽出すること、3Dの画像を介して光線追跡して2Dの投影画像を生成すること、モンテカルロ技法を使用して3Dの画像とのX線相互作用をシミュレーションすること、コラプストコーンコンボリューション技法を使用すること、重ね合わせとコンボリューション技法を使用すること、敵対的生成ネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを使用することのうち少なくとも1つを使用して生成される
ことを特徴とする。
【請求項17】
請求項12記載の方法において、
前記対応する動きモデルは、ランダムフォレスト回帰、線形回帰、多項式回帰、回帰木、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを用いて生成される
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項12記載の方法において、
前記方法は、前記患者の状態を、組織のコントラストを示す2つまたはそれ以上のMRライクの3Dの画像として出力するステップを更に有する
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項12記載の方法において、
前記方法は、2Dの入力画像上で2Dの変形ベクトルフィールド(DVF)を計算し、前記2Dの入力画像の主成分分析(PCA)を実行することにより、前記拡張された潜在的な患者の測定値を生成するステップを更に有する
【請求項20】
請求項12乃至19のいずれか1項に記載の方法において、
前記画像のリアルタイムストリームには、2DのMR画像、低解像度の3DのMR画像、または1Dのナビゲーターが含まれる
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
[0001]
本出願は、2018年10月25日に出願された米国特許出願番号16/170,818の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
[0002]
本開示の実施形態は、一般に、医療画像および人工知能処理技術に関するものである。特に、本開示は、リアルタイムの患者の状態の推定のための機械学習の使用に関するものである。
【背景技術】
【0003】
[0003]
放射線治療や放射線手術では、患者の医用画像をもとに治療計画を立てるのが一般的で、医用画像の中にターゲットとなる体積や正常な重要臓器を描き出すことが求められる。課題の一つは、患者が呼吸などで動いているときに、腫瘍や健康な組織のような様々な物体を正確に追跡することである。
【0004】
[0004]
現在の技術では、変化する患者の状態をリアルタイムで直接測定することはできない。例えば、ある技術では、2DのkV投影や2DのMRIスライスのような2D画像を使用しているが、これは様々なオブジェクトを完全に追跡することはできない。
【0005】
[0005]
他の技術では、表面の情報を直接検出したり、患者に装着されたベストやボックスのマーカーを追跡したりしている。これらの技術は、表面の情報が患者の内部状態と相関していることを前提としているが、これはしばしば正確ではない。
【0006】
[0006]
更に他の技術では、磁気的に追跡されるマーカーのようなマーカーを埋め込んだり、放射線不透過性のマーカーをX線で検出したりしている。これらの技術は侵襲的であり、患者の限られたポイントにしか対応できない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0007]
図面は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、いくつかの図の中で、同じ数字は実質的に類似したコンポーネントを表している。異なる文字の接尾辞を持つ同様の数字は、実質的に類似したコンポーネントの異なる例を表す。図面は、本明細書で議論されている様々な実施形態を、限定するものではなく、一般的な例示として示している。
【0008】
[0008]
図1図1は、画像患者の状態推定処理を行うために適応された例示的な放射線治療システムを示す。
【0009】
[0009]
図2図2は、例示的な画像誘導型放射線治療装置を示す。
【0010】
[0010]
図3図3は、複合放射線治療システムと、核磁気共鳴(MR)撮像システムのような撮像システムを含む例示的なシステムの一部を切り取った図である。
【0011】
[0011]
図4図4は、部分的な測定値と予備的な患者モデルを用いて患者の状態を推定するための例示的なフローダイヤグラムを示す。
【0012】
[0012]
図5図5は、患者の状態の辞書の生成技術を示す例示的なフローチャートを示す。
【0013】
[0013]
図6図6は、患者の状態を推定する際に使用する例示的な回帰モデル機械学習エンジンを示す。
【0014】
[0014]
図7図7は、患者の状態を推定するための例示的な操作のフローチャートを示す。
【0015】
[0015]
図8図8は、放射線治療技術を行うための例示的な操作のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0016]
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を構成する添付図面を参照し、本発明を実施することができる具体的な実施形態を例示する。本明細書では「実施例」とも呼ばれるこれらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明されており、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態を組み合わせたり、他の実施形態を利用したり、構造的、論理的、電気的な変更を加えたりすることができると理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0017】
[0017]
画像誘導放射線治療(IGRT:Image Guided Radiotherapy)とは、放射線を照射する直前の患者の姿を画像で確認しながら治療を行う手法である。これにより、臓器や腫瘍、リスクのある臓器のような解剖学的特徴をより正確に捉えることができる。例えば、呼吸による肺腫瘍の準周期的な動きや、膀胱の充満による前立腺の位置のずれなど、治療中に患者が動くことが予想される場合は、予想される患者の動きを包含するように、ターゲットの周囲に追加のマージンを配置することができる。このような大きなマージンは、周囲の正常組織への高線量を犠牲にしており、副作用の増加につながる可能性がある。
【0018】
[0018]
IGRTでは、コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)イメージング、コーンビーム断層撮影(CBCT:Cone Beam CT)、磁気共鳴(MR:Magnetic Resonance)イメージング、陽電子放射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)イメージングなどを用いて、照射前の患者の3Dの画像または4Dの画像を得ることができる。例えば、CBCTに対応したリニアック(線形加速器)は、放射線ビームに対して90度の角度でガントリに取り付けられたkV線源/検出器で構成され、また、MRリニアック装置は、MRスキャナと直接統合されたリニアックで構成される。
【0019】
[0019]
実際の照射治療搬送中の動き(フラクション内の動き:intrafractional motion)を局所化することは、動きを包含するために使用されるであろう追加の治療マージンを削減することができ、その結果、より高い線量を照射することができるか、副作用を軽減することができるか、または、その両方が可能になる。多くのIGRTイメージング技術は、一般的にフラクション内の動き(intrafractional motion)を撮影するのに十分な速度を持っていない。例えば、CBCTでは、フル3Dの患者画像を再構成するために様々な角度から複数のkV画像を必要とし、3DのMRでは、フル3Dの画像を生成するために複数の2Dのスライス、つまりフル3Dのk空間を埋める必要があり、それぞれに数分かかる。
【0020】
[0020]
いくつの場合には、3DのIGRT画像を生成する前に、通常は完全に取得されるリアルタイムまたは準リアルタイムのデータを、収集したまま使用して、不完全ながらも高速で入ってくる情報の流れから、はるかに速いリフレッシュレートで瞬間的な3Dの画像を推定することができる。例えば、2DのkVプロジェクションや2DのMRスライスを使用して、治療中の実際の患者の動きに合わせて進化するフル3DのCBCTのような画像や3DのMRのような画像を推定することができる。高速ではあるが、これら2Dの画像は、それ自体では患者の特定の視点のみを提供し、完全な3D画像を得ることはできない。
【0021】
[0021]
患者状態生成装置は、入力として部分的な測定値(例えば、2Dの画像)を受け取り、出力として患者状態(例えば、3Dの画像)を生成(例えば、推定)することができる。患者の状態を生成するために、生成器は、単一の現在の部分的な測定値、将来(予測)または過去の部分的な測定値、または多数の部分的な測定値(例えば、最後の10個の測定値)を使用してもよい。これらの部分的な測定は、X線投影やMRIスライスのような単一のモダリティからのものであっても、X線投影と同期した患者の表面上の反射面マーカーの位置のような複数のモダリティからのものであってもよい。患者の状態は、3Dの画像であってもよいし、「マルチモダリティ(multi-modality)」であってもよく、例えば、患者の状態は、組織のコントラストを高める「MRライク(MR-like)」、高い幾何学的精度と線量計算に有用な密度に関連するボクセルを持つ「CTライク(CT-like)」、患者の機能情報を提供する「ファンクショナルMRライク(functional MR-like)」のような、患者の状態に関する異なる情報を提供する2つ以上の3Dの画像を含んでいてもよい。患者の状態は、画像以外の情報を含むことができる。患者の状態には、1つまたはそれ以上の注目点(ターゲットの位置のような)、輪郭、表面、変形ベクトルフィールド、または患者の治療を最適化するのに関連するあらゆる情報が含まれる。
【0022】
[0022]
上述の部分的な測定値は、例えば、kVイメージャーやMRイメージャーから撮影された画像(例えば、2Dの画像)のリアルタイムストリームで受信される。kVイメージャーは、リアルタイムストリーム用の立体的な2Dの画像(例えば、直交し、実質的に同時に取得された2つのX線画像)を生成することができる。kVイメージャーは、室内に固定されていても、治療装置に結合されて(例えば、ガントリに取り付けられて)いてもよい。MRイメージャーは、2DのMRスライスを生成することができ、これらは直交していても平行していてもよい。患者の状態は、受信した画像または一対の画像から生成することができる。例えば、任意の時点で、リアルタイムストリームから最後に受信した画像の患者状態を生成することができる。
【0023】
[0023]
一実施例では、患者モデルは、所定のフラクションで現在収集されたデータ、治療前の段階(患者がセットアップされた後、ビームがオンになる前)、別のフラクションまたはシミュレーション/プランニング中に収集されたデータ、他の患者を使用したデータ、一般化された患者の解剖学的構造を使用したデータ、機械的モデルを使用したデータ、または部分的な測定値から患者の状態を定義するのに役立つ他の情報に基づくことができる。一実施例では、患者モデルは、治療前に取得された4Dのデータセットであり、限られた期間(例えば、1つの代表的な呼吸サイクル)における患者の状態の変化を表している。患者モデルは、例えば、対応する患者の状態に構築された患者の測定値を定義する辞書を使用して、入力された患者の測定値(例えば、リアルタイムストリームからの画像または画像のペア)を出力された患者の状態に関連付けるように、(例えば、機械学習技術を使用して)トレーニングすることができる。患者モデルは、1つまたはそれ以上のパラメータの関数として、変形ベクトルフィールド(DVF)によってワープされ(warped)、患者の状態を生成することができる。
【0024】
[0024]
4Dのデータセットの患者モデルは、呼吸サイクルの位相のような、単一のパラメータで変化する患者の状態を含むことができる。患者モデルは、代表的な呼吸サイクルにおける時間的に変化する患者の状態を構築するために使用することができ、各呼吸を多かれ少なかれ同じものとして扱うことができる。これにより、異なる呼吸サイクルで撮影した部分的な画像データのかたまりを、1つの代表的な呼吸サイクルに割り当てることができ、モデル化が容易になる。そして、各位相の「ビン(bin)」ごとに3Dの画像が再構成される。
【0025】
[0025]
一実施例において、患者の状態は、例えば、3Dの画像、または、3DのDVFに3Dの基準画像を加えたものとして表現することができる。3DのDVFと3Dの基準画像の要素を使用して3Dの画像を得る(例えば、3DのDVFで3Dの基準画像を変形させる)ことができるので、これらは等価であると考えられる。
【0026】
[0026]
図1は、患者の状態の推定処理を行うために適応された例示的な放射線治療システムを示す。この患者の状態の推定処理は、撮影された医用画像データの特定の側面に基づいて、放射線治療システムが患者に放射線治療を行うために行われる。放射線治療システムは、患者状態処理ロジック120をホストする画像処理計算システム110を含む。画像処理計算システム110は、ネットワーク(図示せず)に接続され、そのネットワークは、インターネットに接続されている。例えば、ネットワークは、画像処理計算システム110を、1つまたはそれ以上の医療情報ソース(例えば、放射線情報システム(RIS))、医療記録システム(例えば、電子医療記録(EMR)/電子健康記録(EHR)システム)、腫瘍情報システム(OIS))、1つまたはそれ以上の画像データソース150、画像取得装置170、および治療装置180(例えば、放射線治療装置)と接続することができる。一実施例として、画像処理計算システム110は、治療装置180によって使用される放射線治療計画を生成およびカスタマイズする操作の一部として、患者状態処理ロジック120からの命令またはデータを実行することにより、画像患者状態操作を実行するように構成することができる。
【0027】
[0027]
画像処理計算システム110には、処理回路112、メモリ114、記憶装置116、および、ユーザインターフェース140、通信インターフェースのような他のハードウェアおよびソフトウェアで操作可能な機能を含むことができる。記憶装置116は、オペレーティングシステム、放射線治療の治療計画(例えば、オリジナルの治療計画、適応された治療計画など)、ソフトウェアプログラム(例えば、放射線治療の治療計画ソフトウェア、深層学習モデル、機械学習モデル、ニューラルネットワークのような人工知能の実装、など)、および処理回路112によって実行される任意の他のコンピュータ実行可能な命令を記憶することができる。
【0028】
[0028]
一実施例では、処理回路112は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU:Graphics Processing Unit)、加速処理装置(APU:Accelerated Processing Unit)のような1つまたはそれ以上の汎用処理装置のような処理装置を含むことができる。より詳細には、処理回路112は、複合命令セットコンピューティング(CISC:complex instruction set computing)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC:reduced instruction set computing)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW:very long instruction Word)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであってもよい。また、処理回路112は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor)、システムオンチップ(SoC:System on a Chip)、またはその他の適切なプロセッサのような1つまたはそれ以上の専用処理装置によって実装されることができる。当業者に理解されるように、いくつかの実施形態では、処理回路112は、汎用プロセッサではなく、専用プロセッサであってもよい。処理回路112は、Intel(登録商標)によって製造されたPentium(登録商標)、Core(登録商標)、Xeon(登録商標)、またはItanium(登録商標)ファミリー、AMD(登録商標)によって製造されたTurion(登録商標)、Athlon(登録商標)、Sempron(登録商標)、Opteron(登録商標)、FX(登録商標)、Phenon(登録商標)ファミリー、Sun Microsystemsによって製造された様々なプロセッサのいずれか、または他の適切なプロセッサのような、1つまたはそれ以上の既知の処理装置を含み得る。処理回路112は、また、Nvidia(登録商標)によって製造されたGeForce(登録商標)、Quadro(登録商標)、Tesla(登録商標)ファミリー、Intel(登録商標)によって製造されたGMA、Iris(登録商標)ファミリー、またはAMD(登録商標)によって製造されたRadeon(登録商標)ファミリーのような、グラフィック処理ユニットを含み得る。処理回路112は、また、プロセッサ7114は、また、Intel(登録商標)によって製造されたXeon Phi(登録商標)ファミリーのような、加速処理装置を含み得る。開示された実施形態は、大量のデータを識別、分析、維持、生成、および/または提供するためのコンピューティング要求を満たすように構成された、いかなるタイプのプロセッサに限定されるものではなく、また、本明細書で開示された方法を実行するためにそのようなデータを操作することもできる。さらに、「プロセッサ」という用語は、複数のプロセッサ、例えば、マルチコア設計またはそれぞれがマルチコア設計を有する複数のプロセッサを含むことができる。処理回路112は、メモリ114に格納され、記憶装置116からアクセスされる、コンピュータプログラム命令のシーケンスを実行して、以下でより詳細に説明される様々な操作、プロセス、方法を実行することができる。
【0029】
[0029]
メモリ114は、読み取り専用メモリ(ROM)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)のようなダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、スタティックメモリ(例えば、フラッシュメモリ、フラッシュディスク、スタティックランダムアクセスメモリ)、および、キャッシュ、レジスタ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、またはその他の光学式ストレージ、カセットテープ、その他の磁気記憶装置のようなその他のタイプのランダムアクセスメモリ、のような非一時的なコンピュータ可読媒体、または、画像、データ、または、プロセッサ7114、または任意の他のタイプのコンピュータ装置によりアクセスすることができる(例えば、任意のフォーマットで格納される)コンピュータ実行可能命令を含む情報を格納するために使用できる他の任意の非一時的媒体であり得る。例えば、コンピュータプログラム命令は、処理回路112によってアクセスされ、ROM、または任意の他の適切なメモリ位置から読み出され、処理回路112による実行のためにRAMにロードされ得る。
【0030】
[0030]
記憶装置116は、本明細書に記載されている方法論または機能(様々な例では、患者状態処理ロジック120およびユーザインターフェース140を含む)のうちの任意の1つまたは複数を具現化する、またはそれによって利用される1つまたはそれ以上の命令およびデータ構造のセット(例えば、ソフトウェア)が格納されている機械読取可能な媒体を含む駆動装置を構成することができる。命令は、また、画像処理計算システム110によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メモリ114内および/または処理回路112内に存在してもよく、メモリ114および処理回路112は、機械読み取り可能な媒体を構成するものでもある。
【0031】
[0031]
メモリ装置114または記憶装置116は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を構成することができる。 例えば、メモリ装置114または記憶装置116は、1つまたはそれ以上のソフトウェアアプリケーションの命令を、コンピュータ可読媒体に格納またはロードすることができる。メモリ装置114または記憶装置116に記憶またはロードされたソフトウェアアプリケーションは、例えば、ソフトウェア制御されたデバイスのためだけでなく、一般的なコンピュータシステムのためのオペレーティングシステムを含むことができる。また、画像処理計算システム110は、患者状態処理ロジック120およびユーザインターフェース140を実装するためのソフトウェアコードからなる様々なソフトウェアプログラムを動作させることができる。さらに、メモリ装置114および記憶装置116は、処理回路112によって実行可能な、ソフトウェアアプリケーション全体、ソフトウェアアプリケーションの一部、またはソフトウェアアプリケーションに関連するコードもしくはデータを格納またはロードすることができる。さらなる実施例では、メモリ装置114または記憶装置116は、1つまたはそれ以上の放射線治療の治療計画、画像データ、患者の状態データ、辞書エントリ、人工知能モデルデータ、ラベルおよびマッピングデータなどを格納、ロード、または操作することができる。ソフトウェアプログラムは、記憶装置116およびメモリ114だけでなく、ハードドライブ、コンピュータディスク、CD-ROM、DVD、HD、Blu-Ray(登録商標) DVD、USBフラッシュドライブ、SDカード、メモリスティック、またはその他の適切な媒体のような取り外し可能なコンピュータ媒体にも保存されてもよく、また、そのようなソフトウェアプログラムは、ネットワークを介して通信または受信されてもよい。
【0032】
[0032]
図示していないが、画像処理計算システム110は、通信インターフェース、ネットワークインターフェースカード、および通信回路を含んでいてもよい。通信インターフェースの例としては、例えば、ネットワークアダプタ、ケーブルコネクタ、シリアルコネクタ、USBコネクタ、パラレルコネクタ、高速データ伝送アダプタ(例えば、ファイバ、USB3.0、サンダーボルト、など)、無線ネットワークアダプタ(例えば、WiFiアダプタのような)、電気通信アダプタ(例えば、3G、4G/LTE、など)などを含み得る。このような通信インターフェースは、ネットワークを介して機械が他の機械や装置(遠隔地にあるコンポーネントなど)と通信することを可能にする1つまたはそれ以上のデジタルおよび/またはアナログ通信装置を含むことができる。ネットワークは、ネットワーク7120は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、クラウドコンピューティング環境(例えば、サービスとしてのソフトウェア、サービスとしてのプラットフォーム、サービスとしてのインフラストラクチャ、など)、クライアントサーバ、広域ネットワーク(WAN)など機能を提供することができる。例えば、ネットワークは、他のシステム(医療用画像処理や放射線治療の操作に関連する追加の画像処理計算システムや画像ベースのコンポーネントを含む)を含むLANまたはWANであってもよい。
【0033】
[0033]
一実施例では、画像処理計算システム110は、記憶装置116およびメモリ114にホスティングするために、画像データソース150から画像データ160を取得することができる。一実施例では、画像処理計算システム110上で動作するソフトウェアプログラムは、擬似CT画像のような合成画像を生成するなどして、あるフォーマット(例えば、MRI)の医用画像を別のフォーマット(例えば、CT)に変換することができる。別の実施例では、ソフトウェアプログラムは、対応する画像ボクセルと線量ボクセルが適切に関連付けられるように、患者の医療画像(例えば、CT画像またはMR画像)を、その患者の放射線治療の線量分布(例えば、画像としても表される)にレジストレーションまたは関連付けることができる。さらに別の実施例では、ソフトウェアプログラムは、符号付き距離関数のような患者画像の関数や、画像情報のある側面を強調する画像の処理バージョンを代用することができる。このような機能は、エッジやボクセルテクスチャの違いなど、構造的な側面を強調することができる。別の実施例では、ソフトウェアプログラムは、医療画像内の解剖学的特徴、患者の測定値、患者の状態情報、または線量や治療情報のある側面を視覚化、非表示、強調、または強調解除することができる。記憶装置116およびメモリ114は、画像データ160、患者データ、および放射線治療の治療計画および関連する患者の状態推定操作を作成および実施するために必要な他のデータを含む、これらの目的を実行するためのデータを記憶およびホストしてもよい。
【0034】
[0034]
処理回路112は、メモリ114および記憶装置116に通信可能に結合することができ、処理回路112は、メモリ114または記憶装置116のいずれかからその上に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するように構成されることができる。処理回路112は、画像データ160からの医用画像をメモリ114で受信または取得し、患者状態処理ロジック120を用いて処理させる命令を実行することができる。例えば、画像処理計算システム110は、通信インターフェースやネットワークを介して、画像取得装置170や画像データソース150から画像データ160を受信し、記憶装置116に格納またはキャッシュすることができる。また、処理回路112は、メモリ114または記憶装置116に記憶された医用画像を、通信インターフェースを介して別のデータベースまたはデータストア(例えば、医療施設データベース)に送信または更新することができる。いくつかの実施例では、1つまたはそれ以上のシステムが、ネットワークを使用して本明細書に記載された実施形態を共同で実行する分散コンピューティング/シミュレーション環境を形成することができる。さらに、このようなネットワークは、インターネットに接続して、インターネット上の遠隔地に存在するサーバーやクライアントと通信することもできる。
【0035】
[0035]
さらなる実施例では、処理回路112は、画像データ160および他の患者データとともにソフトウェアプログラム(例えば、治療計画ソフトウェア)を利用して、放射線治療の治療計画を作成することができる。一実施例では、画像データ160は、CTやMRのような2Dの画像または3Dの画像を含んでいてもよい。さらに、処理回路112は、ソフトウェアプログラムを利用して、対応する動きモデルと機械学習アルゴリズム(例えば、回帰アルゴリズム)を使用するなどして、測定値と対応する患者の状態の辞書から推定患者の状態を生成することができる。
【0036】
[0036]
さらに、そのようなソフトウェアプログラムは、患者状態処理ロジック120を利用して、本明細書でさらに説明した技術を用いて、患者状態推定ワークフロー130を実施することができる。処理回路112は、続いて、実行可能な放射線治療計画を、通信インターフェースおよびネットワークを介して治療装置180に送信するこができ、ここで、放射線治療計画は、患者状態推定ワークフロー130の結果により、治療装置を介して患者を放射線で治療するために使用される。ソフトウェアプログラムおよび患者状態推定ワークフロー130の他の出力および使用は、画像処理計算システム110の使用と共に生じることできる。
【0037】
[0037]
本明細書(例えば、本明細書で論じた患者状態推定を参照して)で論じたように、処理回路112は、患者状態処理ロジック120を呼び出して、予備動きモデルの生成、辞書の作成、機械学習を用いた患者状態生成器のトレーニング、患者状態推定、および自動処理と人工知能の他の側面を含む機能を実装するソフトウェアプログラムを実行することができる。例えば、処理回路112は、機械学習トレーニングシステムを用いて患者の状態を推定するソフトウェアプログラムを実行することができる。
【0038】
[0038]
一実施例では、画像データ160は、1つまたはそれ以上のMRI画像(例えば、2Dの MRI、3DのMRI、2DのストリーミングMRI、4DのMRI、4DのボルメトリックMRI、4DのシネMRIなど)、機能的MRI画像(例えば、fMRI、DCE-MRI、拡散MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)画像(例えば、2DのCT、コーンビームCT、3DのCT、4DのCT)、超音波画像(例えば。2Dの超音波、3Dの超音波、4Dの超音波)、PET(Positron Emission Tomography)画像、X線画像、透視画像、放射線治療ポータル画像、SPECT(Single-Photo Emission Computed Tomography)画像、コンピュータで作成した合成画像(擬似CT画像など)など、を含み得る。さらに、画像データ160は、例えば、トレーニング画像、およびグランドトゥルース画像、輪郭画像、線量画像のような医用画像処理データを含む、またはそれと関連し得る。一実施例では、画像データ160は、画像取得装置170から受信され、1つまたはそれ以上の画像データソース150(例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)、VNA(Vendor Neutral Archive)、医療記録または情報システム、データウェアハウスなど)に格納され得る。したがって、画像取得装置170は、患者の医用画像を取得するために、MRI撮像装置、CT撮像装置、PET撮像装置、超音波撮像装置、透視装置、SPECT撮像装置、線形加速器とMRIの一体型撮像装置のような医用撮像装置で構成され得る。画像データ160は、画像取得装置170および画像処理計算システム110が、開示された実施形態による操作を実行するために使用することができ、任意のタイプのデータまたは任意のタイプのフォーマット(例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)フォーマット)で受信および格納され得る。
【0039】
[0039]
一実施例では、画像取得装置170は、単一の装置(例えば、後述の図3に示され説明されているように、「MR-linac」とも呼ばれる線形加速器と組み合わされたMRI装置)として、治療装置180と一体化することができる。このようなMR-linacは、例えば、患者のターゲットの臓器やターゲットの腫瘍の位置を正確に把握して、放射線治療の治療計画に基づいて、所定のターゲットに正確に放射線治療を行うために使用することができる。例えば、放射線治療の治療計画では、各患者に適用する特定の放射線量に関する情報を提供することができる。また、放射線治療の治療計画には、ビーム角度、線量ヒストグラム・体積情報、治療中に使用する放射線ビームの数、ビーム1本あたりの線量のような、他の放射線治療情報を含み得る。
【0040】
[0040]
画像処理計算システム110は、ネットワークを介して外部のデータベースと通信し、画像処理や放射線治療の操作に関連する複数の様々な種類のデータを送受信することができる。例えば、外部データベースには、治療装置180、画像取得装置170、または放射線治療や医療処置に関連する他の機械に関連する情報である機械データが含まれ得る。マシンデータの情報には、放射線ビームのサイズ、アークの配置、ビームのオンとオフの時間の長さ、マシンのパラメータ、セグメント、マルチリーフコリメータ(MLC)の構成、ガントリの速度、MRIのパルスシーケンスなどが含まれる。外部データベースは、記憶装置であってもよく、適切なデータベース管理ソフトウェアプログラムを備えていてもよい。さらに、このようなデータベースやデータソースには、中央または分散して配置された複数のデバイスやシステムが含まれ得る。
【0041】
[0041]
画像処理計算システム110は、処理回路112およびメモリ114に通信可能に結合された1つまたはそれ以上の通信インターフェースを使用して、ネットワークを介して、データを収集および取得し、他のシステムと通信することができる。例えば、通信インターフェースは、画像処理計算システム110と放射線治療システムコンポーネントとの間の通信接続を提供する(例えば、外部機器とのデータ交換を許可する)ことができる。例えば、通信インターフェースは、いくつかの実施例では、ユーザが放射線治療システムに情報を入力することができるハードウェアキーボード、キーパッド、またはタッチスクリーンであり得る、ユーザインターフェース140に接続するために、出力装置142または入力装置144からの適切なインターフェーシング回路を有し得る。
【0042】
[0042]
一実施例として、出力装置142は、ユーザインターフェース140の表現と、医用画像の1つまたはそれ以上の態様、視覚化、または表現を出力するディスプレイ装置を含み得る。出力装置142は、医用画像、インターフェース情報、治療計画パラメータ(例えば、輪郭、線量、ビーム角、ラベル、マップなど)、治療計画、ターゲット、ターゲットのローカライズまたはターゲットのトラッキング、患者の状態の推定(例えば、3Dの画像)、またはユーザへの任意の関連情報を表示する1つまたはそれ以上の表示画面を含み得る。ユーザインターフェース140に接続された入力装置144は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンなど、ユーザが放射線治療システムに情報を入力することができるあらゆるタイプの装置を含み得る。あるいは、出力装置142、入力装置144、およびユーザインターフェース140の機能は、スマートフォンやタブレットコンピュータ、例えば、アップル社製のiPad(登録商標)、Lenovo社製のThinkpad(登録商標)、サムソン社製のGalaxy(登録商標)のような単一のデバイスに統合され得る。
【0043】
[0043]
さらに、放射線治療システムのすべてのコンポーネントは、仮想マシンとして(例えば、VMWare、Hyper-Vのような仮想化プラットフォームを介して)実装され得る。例えば、仮想マシンは、ハードウェアとして機能するソフトウェアである。したがって、仮想マシンは、ハードウェアとして一緒に機能する少なくとも1つまたはそれ以上の仮想プロセッサ、1つまたはそれ以上の仮想メモリ、および/または1つまたはそれ以上の仮想通信インターフェースを含むことができる。例えば、画像処理計算システム110、画像データソース150、または同様のコンポーネントは、仮想マシンとして、またはクラウドベースの仮想化環境内で実装され得る。
【0044】
[0044]
患者状態処理ロジック120または他のソフトウェアプログラムは、計算システムに、画像データソース150と通信して、メモリ114および記憶装置116に画像を読み込んだり、メモリ114または記憶装置116から、画像データソース150との間で画像または関連データを保存したりさせることができる。例えば、画像データソース150は、画像取得装置170を介して1人またはそれ以上の患者から取得した画像データ160内の画像セットから、画像データソース150がホストする複数の画像(例えば、3DのMRI、4DのMRI、2DのMRIスライス画像、CT画像、2Dの透視画像、X線画像、MRスキャンまたはCTスキャンの生データ、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)メタデータなど)を格納して提供するように構成することができる。また、画像データソース150やその他のデータベースには、患者状態処理ロジック120が、患者状態推定演算を行うソフトウェアプログラムを実行する際や、放射線治療の治療計画を作成する際に使用するデータが格納され得る。さらに、様々なデータベースが、予備動きモデル(辞書など)、対応動きモデル、または機械学習モデルによって生成されたデータ(ネットワークが学習したモデルを構成するネットワークパラメータ、およびその結果としての予測データを含む)を保存することができる。画像処理計算システム110は、このように、治療または診断操作の一部として画像患者状態推定を実行することに関連して、画像データソース150、画像取得装置170、治療装置180(例えば、MRI-Linac)、または他の情報システムから画像データ160(例えば、2DのMRIスライス画像、CT画像、2Dの透視画像、X線画像、3Dの MRI画像、4DのMRI画像など)を取得および/または受信することができる。
【0045】
[0045]
画像取得装置170は、関心領域(例えば、ターゲットの臓器、ターゲットの腫瘍またはその両方)に対する患者の解剖学的構造の1つまたはそれ以上の画像を取得するように構成することができる。各画像、典型的には2D画像またはスライスは、1つまたはそれ以上のパラメータ(例えば、2Dスライスの厚さ、方向、および位置など)を含むことができる。一実施例では、画像取得装置170は、任意の方向の2Dスライスを取得することができる。例えば、2Dスライスの方向には、サジタル方向(sagittal orientation)、コロナル方向(coronal orientation)、アキシャル方向(axial orientation)などがある。処理回路112は、ターゲットの臓器および/またはターゲットの腫瘍を含むように、2Dスライスの厚さおよび/または向きなどの1つまたはそれ以上のパラメータを調整することができる。一例として、2Dスライスは、3DのMRIボリュームのような情報から決定することができる。このような2Dスライスは、例えば、治療装置180を使用して患者が放射線治療の治療を受けている間に、画像取得装置170によって「リアルタイム」で取得することができる(「リアルタイム」とは、10ミリ秒以下でデータを取得することを意味する)。別の実施例では、いくつかのアプリケーションにおいて、「リアルタイム」は、(例えば、最大)200ミリ秒または300ミリ秒以内の時間枠を含み得る。一実施例として、「リアルタイム」とは、本明細書に記載された技術によって解決される臨床上の問題に十分な速さの時間帯を含み得る。この実施例では、「リアルタイム」は、ターゲットの速度、放射線治療のマージン、ラグ、治療装置の応答時間などに応じて変化する。
【0046】
[0046]
画像処理計算システム110の患者状態処理ロジック120は、モデル生成および推定処理操作の様々な側面を持つ患者状態推定ワークフロー130を実装するものとして描かれている。一実施例では、患者状態処理ロジック120によって操作される患者状態推定ワークフロー130は、(例えば、治療中の患者から、複数の以前の患者からなどの)患者データから生成された予備動きモデル132を生成して使用する。予備動きモデル132は、患者の測定値および対応する患者の状態に基づいて生成された、動き中の患者のモデル(例えば、呼吸)を含むことができる。患者状態推定ワークフロー130は、サンプル(潜在的)患者測定値および対応する患者状態を生成するために、予備動きモデルを使用して辞書134を作成することを含む。患者状態推定ワークフロー130は、辞書134に基づいて、機械学習136を用いて(例えば、回帰ベースの機械学習手法を用いて)対応動きモデルをトレーニングすることを含む。患者状態推定ワークフロー130は、対応する動きモデルと現在の患者測定値(例えば、2D画像)とを用いて、患者状態138を推定することを含む。
【0047】
[0047]
患者状態処理ロジック120および患者状態推定ワークフロー130は、スウェーデンのストックホルムにあるエレクタAB社によって製造されたMonaco(登録商標)のような治療計画ソフトウェアのようなソフトウェアプログラムの使用内で、放射線治療の治療計画を生成する際に使用される。放射線治療の治療計画を生成するために、画像処理計算システム110は、画像取得装置170(例えば、CT装置、MRI装置、PET装置、X線装置、超音波装置など)と通信して、患者の画像を取得してアクセスし、腫瘍のようなターゲットを画定することができる。いくつかの実施例では、腫瘍の周囲や腫瘍に近接した健康な組織など、1つまたはそれ以上の危険臓器(OAR)の描出が必要となる場合がある。
【0048】
[0048]
危険臓器(OAR)からターゲットの臓器やターゲットの腫瘍を描き出すために、画像取得装置170によって、放射線治療を受ける患者のMRI画像、CT画像、PET画像、fMRI画像、X線画像、超音波画像、放射線治療ポータル画像、SPECT画像のような医用画像を非侵襲的に取得し、身体部位の内部構造を明らかにすることができる。医用画像からの情報に基づいて、関連する解剖学的部分の3D構造を得ることができる。さらに、治療計画プロセスでは、ターゲットの腫瘍の効率的な治療(例えば、ターゲットの腫瘍が効果的な治療のために十分な放射線量を受けるような)とOARの低照射(例えば、OARが可能な限り低い放射線量を受けるような)とのバランスをとるために、多くのパラメータを考慮することができ、例えば、推定された患者の状態を使用して、患者が動いている(例えば、呼吸をしている)ときにOARが所定の時間にどこにあるかを決定することができる。その他のパラメータとしては、ターゲットの臓器やターゲットの腫瘍の位置、OARの位置、OARに対するターゲットの動きなどが考えられる。例えば、MRIやCT画像の各2Dレイヤやスライス内でターゲットの輪郭やOARの輪郭を取り、各2Dレイヤやスライスの輪郭を合成することで3D構造を得ることができる。輪郭は、手動で(例えば、スウェーデンのストックホルムのエレクタAB社によって製造されたMonaco(登録商標)のようなプログラムを用いて医師、線量測定士、または医療従事者によって)または自動で(例えば、スウェーデンのストックホルムのエレクタAB社によって製造されたアトラスベースの自動セグメンテーションソフトウェアであるABAS(登録商標)を用いて)生成することができる。
【0049】
[0049]
ターゲットの腫瘍とOARの位置を特定して輪郭を描いた後、線量測定士、医師、または医療従事者は、ターゲットの腫瘍に照射される放射線の線量と共に、腫瘍に近接したOAR(例えば、左右の耳下腺、視神経、目、水晶体、内耳、脊髄、脳幹、または他の解剖学的構造)が受ける可能性のある最大線量とを決定することができる。関連する解剖学的構造(例、ターゲットの腫瘍、OAR)の放射線量を決定した後、逆計画法(inverse planning)として知られるプロセスを実行して、望ましい放射線量分布を達成する1つまたはそれ以上の治療計画パラメータを決定することができる。治療計画パラメータの例には、(例えば、ターゲットのボリュームの輪郭を定める、機密構造の輪郭を描く、などの)ボリューム描写パラメータ、ターゲットの腫瘍およびOARの周囲のマージン、ビーム角選択、コリメータ設定、および/またはビームオン時間が含まれる。逆計画プロセス中、医師は、OARが受ける可能性のある放射線量の境界を設定する線量制約パラメータを定めること(例えば、ターゲットの腫瘍への全線量と任意のOARへのゼロ線量を定めること;脊髄、脳幹、および視覚構造が、それぞれ、45Gy以下の線量、55Gy以下の線量、および54Gyより低い線量を受けると定めること)ができる。逆計画の結果は、保存された放射線治療の治療計画を構成することができる。これらの治療パラメータのいくつかは相関している可能性がある。例えば、治療計画を変更しようとして1つのパラメータ(例えば、ターゲットの腫瘍への線量を増やすなどのさまざまな目的の重み)を調整すると、少なくとも1つの他のパラメータに影響を与え、その結果、異なる治療計画が開発される可能性がある。したがって、画像処理計算システム110は、治療装置180が患者に適切な放射線治療を提供するために、これらのパラメータを有する調整された放射線療法治療計画を生成する。
【0050】
[0050]
図2は、X線源や線形加速器のような放射線源、カウチ216、撮像検出器214、および放射線治療出力204を含む、例示的な画像誘導型放射線治療装置202を示している。放射線治療装置202は、患者に治療を施すために放射線ビーム208を放出するように構成されることができる。放射線治療出力204は、マルチリーフコリメータ(MLC)のような1つまたはそれ以上の減衰器またはコリメータを含むことができる。
【0051】
[0051]
一実施例として、患者は、放射線治療の治療計画(例えば、図1の放射線治療システムによって生成された治療計画)に従って放射線治療の線量を受けるために、治療カウチ216によって支持されて領域212に配置され得る。放射線治療出力204は、ガントリ206または他の機械的支持体に取り付けまたは装着することができる。1つまたはそれ以上のシャーシモータ(図示せず)は、カウチ216が治療領域に挿入されたときに、ガントリ206および放射線治療出力204をカウチ216の周りに回転させることができる。一実施例では、ガントリ206は、カウチ216が治療領域に挿入されるときに、カウチ216の周りを連続的に回転可能である。別の実施例では、ガントリ206は、カウチ216が治療領域に挿入されると、所定の位置まで回転する。例えば、ガントリ206は、軸(「A」)を中心に治療出力204を回転させるように構成することができる。カウチ216と放射線治療出力204の両方は、横方向(「T」)に移動可能、横方向(「L」)に移動可能、または横軸(「R」で示す)を中心とした回転のように、1つまたはそれ以上の他の軸を中心とした回転として、患者の周りの他の位置に独立して移動可能である。1つまたはそれ以上のアクチュエータ(図示せず)に通信可能に接続されたコントローラは、放射線治療の治療計画に従って患者を放射線ビーム208の中または外に適切に配置するために、カウチ216の動きまたは回転を制御することができる。カウチ216とガントリ206の両方が、互いに独立して複数の自由度で移動可能であるため、放射線ビーム208が正確に腫瘍を狙うことができるように患者を配置することができる。
【0052】
[0052]
図2に示す座標系(軸A、T、Lを含む)は、アイソセンタ210に位置する原点を持つ。アイソセンタは、患者上または患者内のある場所に所定の放射線量を照射するためなど、放射線治療ビーム208の中心軸が座標軸の原点と交差する位置と定義することができる。あるいは、アイソセンタ210は、ガントリ206によって軸Aの周りに配置された放射線治療出力204の様々な回転位置に対して、放射線治療ビーム208の中心軸が患者と交差する位置として定義することができる。
【0053】
[0053]
また、ガントリ206は、付属の撮像検出器214を有することができる。撮像検出器214は、好ましくは放射線源(出力204)の反対側に配置され、一実施例では、撮像検出器214は、治療ビーム208のフィールド内に配置することができる。
【0054】
[0054]
撮像検出器214は、治療ビーム208との整合性を維持するように、好ましくは放射線治療出力204の反対側のガントリ206に取り付けることができる。撮像検出器214は、ガントリ206の回転に伴い、回転軸を中心に回転する。一実施例では、撮像検出器214は、フラットパネル検出器(例えば、直接検出器またはシンチレータ検出器)とすることができる。このようにして、撮像検出器214は、治療ビーム208をモニタするために使用することができ、あるいは、撮像検出器214は、ポータル画像など、患者の解剖学的構造を画像化するために使用することができる。放射線治療装置202の制御回路は、放射線治療システムの中に組み込まれていてもよいし、離れていてもよい。
【0055】
[0055]
例示的な例では、カウチ216、治療出力204、またはガントリ206のうちの1つまたは複数を自動的に位置決めすることができ、治療出力204は、特定の治療提供インスタンスのための指定された線量に従って治療ビーム208を確立することができる。ガントリ206、カウチ216、または治療出力204の1つまたはそれ以上の異なる向きまたは位置を使用するなど、放射線治療の治療計画に応じて、治療提供のシーケンスを指定することができる。治療の提供は順次行われるが、アイソセンタ210など、患者上または患者内の所望の治療軌跡で交差させることができる。これにより、所定の累積線量の放射線治療を治療部位に行うことができる一方で、治療部位付近の組織へのダメージを軽減または回避することができる。
【0056】
[0056]
したがって、図2は、患者に放射線治療を提供するように操作可能な放射線治療装置202の一例を具体的に示しており、放射線治療出力が中心軸(例えば、軸「A」)を中心に回転可能な構成を有している。その他の放射線治療用の出力構成も可能である。例えば、放射線治療用の出力は、複数の自由度を持つロボットアームやマニピュレータに取り付けることができる。さらに別の実施例では、治療出力を患者から横方向に離れた領域に配置するなどして固定し、患者を支持するプラットフォームを使用して、放射線治療のアイソセンタを患者内の指定されたターゲットの軌跡に合わせることができる。別の実施例では、放射線治療装置は、線形加速器と画像収集装置の組み合わせとすることができる。いくつかの実施例では、画像取得装置は、当業者が認識するように、MRI、X線、CT、CBCT、スパイラルCT、PET、SPECT、光トモグラフィー、蛍光イメージング、超音波イメージング、MR-linac、または放射線治療ポータルイメージング装置などであってもよい。
【0057】
[0057]
図3は、放射線治療装置202と、開示された実施形態に一致する核磁気共鳴(MR)撮像システムのような撮像システムとを組み合わせることを含むことができる、例示的な放射線治療システム300(例えば、当技術分野ではMR-Linacとして知られている)を示している。図示するように、システム300は、カウチ310、画像取得装置320、および放射線照射装置330を含むことができる。システム300は、放射線治療の治療計画に基づいて、患者に放射線治療を行うものである。いくつかの実施形態では、画像取得装置320は、画像を取得することができる図1の画像取得装置170に対応させることができる。
【0058】
[0058]
カウチ310は、治療セッションの間、患者(図示せず)をサポートすることができる。いくつかの実装では、カウチ310は、カウチ310上にいる患者をシステム300の中または外に移動させるように、水平方向の並進軸(「I」と表示)に沿って移動させることができる。また、カウチ310は、並進軸と直交する中央の垂直回転軸を中心に回転することができる。そのような移動または回転を可能にするために、カウチ310は、カウチが様々な方向に移動し、様々な軸に沿って回転することを可能にするモータ(図示せず)を有する。コントローラー(図示せず)は、治療計画に基づいて患者を適切に配置するために、これらの動きや回転を制御することができる。
【0059】
[0059]
いくつかの実施形態では、画像取得装置320は、治療セッションの前、間、または後に患者の2Dまたは3DのMRI画像を取得するために使用されるMRI装置を含み得る。画像取得装置320は、磁気共鳴イメージングのための一次磁場を生成するための磁石321を含んでもよい。磁石321の操作によって発生する磁力線は、中心の並進軸Iと実質的に平行に走っている。磁石321は、並進軸Iと平行に走る軸を持つ1つまたは以上のコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、磁石321の1つまたはそれ以上のコイルは、磁石321の中央窓323にコイルがないような間隔で配置されてもよい。他の実施形態では、磁石321のコイルは、放射線治療装置330によって生成された波長の放射線に対して実質的に透過するように十分に薄いか、または密度が低減されている。また、画像取得装置320は、1つまたは以上のシールドコイルを含んでいてもよく、これらのシールドコイルは、磁石321の外側の任意の磁場を相殺または低減するために、ほぼ等しい大きさで反対の極性の磁場を磁石321の外側に生成してもよい。後述するように、放射線治療装置330の放射線源331は、磁場が少なくとも一次にキャンセルされる、または低減される領域に配置される。
【0060】
[0060]
また、画像取得装置320は、一次磁場に重畳する勾配磁場を発生させる2つの勾配コイル325、326を含む。コイル325、326は、プロトンの位置を決定できるようにプロトンの空間的エンコーディングを可能にする、結果として得られる磁場に勾配を生成する。勾配コイル325、326は、磁石321と共通の中心軸の周りに配置されてもよく、その中心軸に沿って変位してもよい。この変位により、コイル325と326の間にギャップつまり窓ができる。磁石321がコイルの間に中央窓323も含む実施形態では、2つの窓は互いに整列している。
【0061】
[0061]
画像の取得は、腫瘍の動きを追跡するために使用される。時には、内部または外部のサロゲートを使用することができる。しかし、埋め込まれたシードは、放射線治療中に当初の位置から移動したり、外れたりすることがある。また、サロゲートを使用する場合、腫瘍の動きと外部のサロゲートの変位に相関関係があることを前提としている。しかし、外部のサロゲートと腫瘍の動きの間には位相のずれがあり、それらの位置は時間の経過とともに頻繁に相関性を失う可能性がある。腫瘍とサロゲートの間には、9mm以上のミスマッチがあることが知られている。さらに、トラッキング中に腫瘍の形状がどのように変化するかは不明である。
【0062】
[0062]
磁気共鳴画像(MRI)の利点は、軟部組織のコントラストが優れているため、腫瘍をより詳細に見ることができることである。複数のフラクション内(intrafractional)MR画像を用いることで、腫瘍の形状と位置(セントロイドなど)の両方を把握することができる。さらに、MRI画像は、例えば放射線腫瘍医が手動で行う輪郭形成を向上させるが、自動輪郭形成ソフトウェア(例えば、ABAS(登録商標))を使用した場合でも同様である。これは、MR画像では腫瘍のターゲットと背景領域のコントラストが高いためである。
【0063】
[0063]
MR-Linacシステムを使用するもう一つの利点は、治療ビームを連続的に照射して、ターゲットの腫瘍のイントラフラクショナル・トラッキング(intrafractional tracking)を実行できることである。例えば、光学式トラッキング装置や立体X線透視システムでは、腫瘍のサロゲートを用いて30Hzで腫瘍の位置を検出することができる。MRIでは、画像取得速度がより速い(例えば、3~6fps)。したがって、ターゲットのセントロイド位置を決定することで、人工知能(例えば、ニューラルネットワーク)ソフトウェアが将来のターゲットの位置を予測することができる。MR-Linacを用いたイントラフラクショナル・トラッキング(intrafractional tracking)の利点は、将来のターゲットの位置を予測できることで、マルチリーフコリメーター(MLC)のリーフが、予測された将来の位置にあるターゲットの輪郭に合わせることができる点にある。このように、MRIを使って将来の腫瘍の位置を予測することは、トラッキング中の撮像周波数と同じ割合で起こる。詳細なMRI画像を用いてターゲットである腫瘍の動きを明確に追跡することで、動き回るターゲットに適合性の高い放射線を照射することができる。
【0064】
[0064]
いくつかの実施形態では、画像取得装置320は、X線、CT、CBCT、スパイラルCT、PET、SPECT、光トモグラフィー、蛍光イメージング、超音波イメージングのようなMRI以外の撮像装置または放射線治療ポータルイメージング装置であり得る。当業者であれば認識できるように、画像取得装置320の上記の説明は、特定の実施形態に関するものであり、限定することを意図したものではない。
【0065】
[0065]
放射線治療装置330は、X線源や線形加速器のような放射線源331と、マルチリーフコリメータ(MLC)333とを含み得る。放射線治療装置330は、シャーシ335に搭載される。1つまたはそれ以上のシャーシモータ(図示せず)は、カウチ310が治療領域に挿入されると、カウチ310の周りでシャーシ335を回転させる。一実施形態では、シャーシ335は、カウチ310が治療領域に挿入されたときに、カウチ310の周りで連続的に回転可能である。シャーシ335は、また、付属の放射線検出器(図示せず)を有していてもよく、好ましくは放射線源331の反対側に位置し、シャーシ335の回転軸が放射線源331と検出器との間に配置される。さらに、装置330は、例えば、カウチ310、画像取得装置320、および放射線治療装置330のうちの1つまたは複数を制御するために使用される制御回路(図示せず)を含み得る。放射線治療装置330の制御回路は、システム300の中に組み込まれていてもよいし、システム300から離れていてもよい。
【0066】
[0066]
放射線治療のセッションの間、患者はカウチ310に配置される。システム300は、次に、カウチ310を、磁気コイル321、325、326、シャーシ335によって規定される治療領域に移動させる。そして、制御回路は、放射線治療の治療計画に従って、コイル325、326の間の窓を通して患者に放射線を照射するように、放射線源331、MLC333、シャーシモータを制御する。
【0067】
[0067]
図4は、患者の状態を推定するための例示的なフロー図である。図4は、対応する動きモデルを用いて患者の状態を推定するための患者の状態生成部408を含む。患者の状態生成部408は、瞬間的な部分の測定値402と患者の予備動きモデル406を用いて、患者の状態を推定し、ブロック410で出力する。予備動きモデル406は、以前の測定値404に対応する以前の患者の状態を含む、以前の測定値404を用いて生成される。
【0068】
[0068]
実用的な放射線治療アプリケーションでは、部分的な測定(例えば、2Dの画像または画像スライス)により、患者の状態(例えば、3Dの画像)に関する不完全な情報が得られる。例えば、2DのMRIスライスは、患者の3D表現を一度に切り取ったものであり、X線投影は、3D表現のレイラインに沿ってボクセルを積分したものである。どちらの画像を使用しても、偏りの無い情報(例えば、患者の解剖学的な3Dの表現ではなく2Dの画像)という結果となる。患者の状態生成部408は、過去の測定および/またはオフライン(治療前)の取得から生成された部分情報および患者モデル406を用いて、患者の状態410を推定する。
【0069】
[0069]
患者のモデル生成部408は、低い次元の患者の状態表現の作成を含む。一実施例では、以前の測定値をまず4Dの画像に再構成する。例えば、実施例には、治療計画を生成するのに用いられた計画段階で取得された4DのCTや、従来のリニアックでkVイメージャーを患者の周りに回転させるなどして、患者を治療位置に置いた状態で各治療セッションの直前に取得した4DのCBCTや、MRリニアックで各治療セッションの前に取得した4DのMRなどがある。
【0070】
[0070]
4Dの画像には、代表的な呼吸サイクルの一連の3Dの画像が含まれ得る。例えば、4DのCBCTでは、多数のX線投影画像を取得し、多数のビンに分類する。並べ替えは、例えば、各投影での横隔膜の位置を画像で直接検出したり、kVの投影と同時に取得した別の呼吸信号を用いたり、信号の位相や振幅に応じて投影をビンニングしたりすることにより達成する。その後、各ビンに割り当てられたkV投影を用いて各ビンを個別に再構成し、ビンごとに3Dの画像を形成する。同様の手法で4DのMR画像を生成することができる。その後、暫定的に4D画像を使ってモデルを構築する。
【0071】
[0071]
一実施例では、4Dの画像の基準となる位相(例えば、治療計画に使用される位相)を選択し、各位相の3Dの画像と基準となる位相の3D画像の間で変形可能な画像レジストレーション(DIR:deformable image registration)を行いる。参照段階では、高レベルの治療情報(例えば、GTV、危険な臓器など)を含み得る。DIRプロセスの出力には、各フェーズと基準フェーズを結ぶ変位ベクトルフィールド(DVF:displacement vector field)が含まれ得る。
【0072】
[0072]
このようなDVFベースの動きモデルは、基準となる患者の状態(例えば、3Dの基準画像で定義された治療情報)を、4Dのデータセットで表現された代表的な呼吸サイクルの他の各フェーズで示される特定の解剖学的構造に変形させるメカニズムを提供する。
【0073】
[0073]
新たなDVFを生成するために予備動きモデル406を補間し、さらに外挿するために、主成分分析(PCA:principal component analysis)、独立成分分析(ICA:independent component analysis)、正準相関分析(CCA:canonical correlation analysis)のような教師なし次元削減技術を使用して、呼吸動きの1つまたはそれ以上の主要自由度を特定することができる。一実施例では、患者の状態を正確に推定するには、2または3の自由度で十分な場合がある。この実施例では、(例えば、有用な情報をほとんど提供せず、ほとんどがノイズである場合)追加の自由度は無視または破棄することができる。例えば、DVF動きモデルのPCAでは、平均DVFと2~3のDVF「固有モード」(例えば、自由度を表す加重入力)に対応する低次元の患者動きモデルが得られる可能性がある。動きサイクルの任意の時点でのDVFは、平均値と固有モードの加重和で表すことができる。例えば、平均DVFを、DVFで表し、固有モードを、2つのフル3次元ベクトル場であるDVFとDVFで表すと、サイクル中の任意の時間のDVFを、DVF=DVF+a DVF+a DVF(ただし、aとaはスカラー数で時間変化を表す)と表記することができる。この実施例では、動きモデルは、特定の時間にDVF全体ではなく、aとaを特定することで縮小される。いったん計算されると、DVFは、次に、基準の3D画像をワープさせて、患者の状態310を表す現在の3D画像を得るために使用することができる(そして複数の患者画像に拡張することができる)。
【0074】
[0074]
ある場合には、4Dの画像を再構築する中間ステップが必要ないこともあり、低次元の状態表現を測定値から直接作成することもできる。
【0075】
[0075]
一実施例において、治療前の4Dの画像を使用する利点は、治療の直前に取得されたデータであるため、患者の呼吸の自由度を優れた形で表現している可能性が高いことである。前日からの4Dの画像を使用することにメリットがある場合があり、例えば、より高品質な画像を得ることができ(例えば、治療セッション中にMRIが利用できない場合はMRIを用い、治療前にCBCTしか利用できない場合はCTを用いるなど)、患者モデルの生成と検証により多くの時間を費やすことができる。さらに別の実施例では、複数の患者からのデータを使用して、モデルの過剰な制約を避けるなど、より強固なモデルを生成することができる。
【0076】
[0076]
図5は、患者の状態の辞書の生成技術を示す例示的なフローチャートを示す。患者の状態を推定するために機械学習アルゴリズムで使用するための辞書の生成には、結合された潜在的な患者の状態と測定値を使用することができる。
【0077】
[0077]
辞書を生成する技術は、対応する患者の状態または対応する患者の状態のセットを有する測定値または測定値のセットを受け取る操作502を含む。例えば、測定には、2Dの画像やその他の部分的な患者の状態の情報やデータが含まれ得る。患者の状態は、測定値に対応する患者の3Dまたは4Dの表現を含み得る。したがって、辞書には、機械学習アルゴリズムのトレーニングまたはテストのためのラベル付きデータが含まれ得る。一実施例では、受信した測定値には、CTベースの患者モデルのデジタル再構成X線写真(DRR:digitally reconstructed radiograph)画像や、MRIベースの患者モデルの2DのMRIスライスが含まれ得る。
【0078】
[0078]
一実施例では、辞書の生成には、2Dの画像を直接測定値として使用せず、2Dの画像上で2DnのDVFを計算することも含まれ得る。例えば、2DのDVFのPCA分析では、いくつかのパラメータが得られる。この実施例では、入力は、2DのDVFパラメータの2DのPCAである。別の実施例では、リアルタイムの2Dの画像を、同じセッションで(例えば、同じコントラストで)取得した基準の2Dの画像にレジストレーションする。これにより、デーモンアルゴリズム(demon algorithm)のような、高速で高並列化可能な変形可能な画像レジストレーション技術を用いて2DのDVFを生成することができる。デーモンアルゴリズムは、GPUでの並列実装に適しており、リアルタイム性が期待できる。さらに別の実施例では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、2つの画像間の2Dのオプティカルフローをリアルタイムで推定し、2DのDVFを生成することができる。
【0079】
[0079]
この技術は、拡張された潜在的な測定値と対応する潜在的な患者の状態のセットを生成する操作504を含む。潜在的な測定値と潜在的な患者の状態は、最初の実際の測定値(例えば、操作502で受信した測定値)および対応する実際の患者の状態を取得し、ノイズを追加し、摂動し、またはその他の方法で、所定の患者または患者に対して潜在的に発生する可能性のある追加の測定値と患者の状態のペアを外挿することによって生成することができる。操作504により、単一の実測値と患者の状態のペアからでも、ラベル付きデータのセットを生成することができる。
【0080】
[0080]
この技術は、拡張された潜在的な測定値と対応する潜在的な患者の状態のセットを、機械学習技術で使用するための辞書に保存する操作506を含む。一実施例では、受信した測定値または測定値のセット、および受信した対応する患者の状態または患者の状態のセットも、機械学習技術で使用するために辞書に保存することができる。一実施例では、測定値(実際または潜在的)を機械学習技術への入力データとして使用し、対応する患者の状態(実際または潜在的)を機械学習技術からの出力とし、その対応関係をデータのラベルとして機能させることができる。
【0081】
[0081]
拡張電位測定値は、操作504において、低次元の患者状態表現を用いて(例えば、PCA、ICA、CCAなどを用いて)生成することができる。低次元の患者の状態表現は、治療中に起こりうる患者の状態を生成するために使用することができる。例えば、妥当な範囲の係数(例えば、図3の説明のDVF式における上述したaとa)を等間隔のステップのようなステップで細分化し、ステップごとに結果としての患者の状態を算出することができる。この結果は、各ステップで決定された潜在的な測定に対応する潜在的な状態の辞書を形成することができる。一実施例では、実際の患者に起こりうる可能性の高い動きを代表するように、係数をランダムにサンプリングする。例えば、平均的な呼吸サイクルを表す曲線に沿って中心となるガウス分布を係数のサンプリングに使用することができる。DVFからは、患者の状態(例えば、3Dの患者画像)は、基準画像をワーピングして算出される。一実施例では、教師付き機械学習アルゴリズムで回帰分析を使用するように、2Dの入力から3Dの画像を推論するために辞書を使用することができる。
【0082】
[0082]
一実施例では、拡張された潜在的な測定値とそれに対応する患者の潜在的な状態のセットを生成するために、患者の潜在的な置き換え(translation)のためのデータ増強のために、小さな剛体変換を3Dの画像に適用することができる。一実施例では、患者の潜在的な状態の辞書は、治療中の特定の患者ではなく、複数の患者から、取得した3D画像やバイオメカニカルモデルなどを用いて生成することができる。別の実施例では、特定の患者を使用することで、必要なデータを制限し、データが治療を受けている患者に関連していることを保証するために、実用的な考慮をすることができる。
【0083】
[0083]
PCAアプローチを使用して、拡張された潜在的な測定値と潜在的な患者の状態を生成するには、PCA係数を生成する必要がある。現実的なトレーニングする患者の状態を生成するために、係数は、例えば、各係数のダイナミックレンジのパーセンテージ(例えば、10%)に相当する標準的な分布を持つ平均的な軌跡(例えば、受信した患者の状態の4Dデータセット内)に沿って中心になるように、正規分布に従ってランダムに決定することができる。次に、PCAからDVFへの再構成を行う。ランダムに生成されたPCA係数(例えば、移動する患者の自由度を表す2-3個の係数)を用いて、完全なDVFを再構成することができる。DVFは、フルDVFを使って基準ボリュームをワーピングすることで、生の患者状態のボリュームに変換される。部分の測定は、生の患者の状態のボリュームから作成される。CTベースの動きモデルでは、例えば、シドン-ジェイコブス・アルゴリズム(Siddon-Jacobs algorithm)を用いて、患者の生の状態のボリュームから2Dのデジタル再構成されたX線写真が計算される。MRIベースの動きモデルでは、3Dのボリュームをリサンプリングして、2DのMRIスライスを抽出する。データ拡張のために3Dボリュームに小さな剛体変換を適用し、フラクション間の患者の位置のわずかな違いを考慮する。
【0084】
[0084]
生の患者の状態のボリューム出力と部分的な測定値を合わせて、辞書に保存するトレーニングサンプル(例えば、入力が測定値で、出力が患者の状態)として使用する。このワークフローは、1000個のサンプルのような多くのトレーニングサンプル、または最適化された数のトレーニングサンプルに対して繰り返すことができる。
【0085】
[0085]
生成された各潜在的な患者の状態に対して、1つまたはそれ以上の潜在的な患者の測定値がシミュレートされる。これらは、潜在的に対応する状態になった測定値である。例えば、3DのMRI画像で表現された状態に対して、治療時に使用されることが予想される特定の方向と位置(例えば、サジタル)からの2Dのスライスを抽出することができる。3DのCBCT画像では、3Dの画像を光線追跡し、光線のラインに沿ってボクセルを積分することで、kVのX線投影をシミュレートすることができる。モンテカルロ・アルゴリズム(Monte Carlo algorithm)を用いて、散乱やビームハードニングのような効果を含め、現実的な2DのkVのX線画像が潜在的に生み出すものをシミュレートするような、より複雑なアルゴリズムを検討することができる。スライスまたはガントリの角度のような画像特性は、ランダムにサンプリングされたり、一様にサンプリングされたり、既知の値に固定されたりする。いくつかの例では、別のAIアルゴリズム(例えば、敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Networks)を使用して、患者の状態から測定値を推定してもよく、特に、患者の測定値を状態から容易に計算できない場合(例えば、3D密度の患者状態情報からの2DのMRスライス測定値を計算する)には、このようなアルゴリズムを使用することができる。いくつかの実施例では、潜在的な測定値または患者の状態のいずれかに対して教師なしの次元削減(例えば、PCA、ICA、またはCCA)を行うことにより、辞書の次元をさらに減らすことができる。他の例では、潜在的な測定値に対するDVFを生成するために(基準画像への画像レジストレーションを伴う)デーモンアルゴリズムまたはCNNを使用することができる。
【0086】
[0086]
図6は、患者の状態を推定する際に使用する例示的な回帰モデル機械学習エンジン600を示す。機械学習エンジン600は、トレーニングエンジン602と推定エンジン604を利用する。トレーニングエンジン602は、履歴トランザクション情報606(例えば、患者の測定値および対応する患者の状態)を特徴決定エンジン608に入力する。履歴行動情報606には、測定値と患者の状態との対応関係を示すラベルを付けることができる。
【0087】
[0087]
特徴決定エンジン608は、この履歴情報606から1つまたはそれ以上の特徴610を決定する。一般的に言えば、特徴610は、入力された情報の集合であり、特定の結果を予測すると判断された情報を含む。特徴610は、一実施例では、隠れた層によって決定される。機械学習アルゴリズム612は、特徴610とラベルに基づいて、対応する動きモデル620を生成する。
【0088】
[0088]
推定エンジン604では、現在の行動情報614(例えば、現在の患者の測定値)が特徴決定エンジン616に入力される。特徴決定エンジン616は、対応する患者の状態を推定するために、現在の情報614の特徴を決定する。いくつかの実施例では、特徴決定エンジン616と特徴決定エンジン608は同じエンジンである。特徴決定エンジン616は、特徴ベクトル618を生成し、これをモデル620に入力して1つまたはそれ以上の基準重み付け622を生成する。トレーニングエンジン602は、モデル620をトレーニングするために、オフラインで操作することができる。しかし、推定エンジン604は、オンラインで操作するように設計されてもよい。なお、モデル620は、追加のトレーニングやユーザからのフィードバック(例えば、測定値や患者の状態の追加、変更、削除)を介して、定期的に更新される場合があることに留意すべきである。
【0089】
[0089]
機械学習アルゴリズム612は、多くの異なる潜在的な教師付きまたは教師なしの機械学習アルゴリズムの中から選択することができる。教師付き学習アルゴリズムの例としては、人工ニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、インスタンスベース学習、サポートベクターマシン、決定木(例えば、Iterative Dichotomiser 3、C4.5、CART(Classification and Regression Tree)、CHAID(Chi-squared Automatic Interaction Detector)等)、ランダムフォレスト、線形分類器、二次分類器、k-nearest neighbor、線形回帰、ロジスティック回帰、隠れマルコフモデルなどがある。教師なし学習アルゴリズムの例としては、期待値最大化アルゴリズム(expectation-maximization algorithms)、ベクトル量子化(vector quantization)、情報ボトルネック法(information bottleneck method)などがある。教師なしモデルは、トレーニングエンジン602を持たない場合がある。
【0090】
[0090]
一実施例では、回帰モデルが使用され、モデル620は、特徴610、618のベクトルにおける特徴のそれぞれに対する学習された重要性に対応する係数のベクトルである。回帰モデルは、ブロック624に例示されており、線形回帰を示している。機械学習アルゴリズム612は、本明細書で説明したように生成された辞書を用いて学習される。機械学習アルゴリズム612は、患者の測定値が患者の状態にどのように対応するかを学習する。一実施例では、機械学習アルゴリズム612は、回帰問題(例えば、線形、多項式、回帰木、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰、ランダムフォレストの実装など)を実装する。結果として得られるトレーニングパラメータは、選択した機械学習アルゴリズムに対応する動きモデルとしての患者状態ジェネレータを定義する。
【0091】
[0091]
従来のリニアックの場合では、X線の取得方向が治療ビームに対して直交する角度に制限されることがあるため、このトレーニングは、可能なガントリ角度ごとに(例えば、1度増えるごとに)個別に行うことができる。MR-linacの場合では、2Dの撮影面の位置や向きを臨床家がコントロールすることができる。2Dの平面の選択を変えてトレーニングデータの交差検証(cross-validation)を繰り返すことで、どの2Dの平面が患者や腫瘍の部位に最適な代理情報をもたらすかを明らかにすることができる。
【0092】
[0092]
ある場合には、モデル620を更新するために患者の測定値を使用してもよい。ある場合には、患者の測定値がモデル620と一致しているかどうかを判断し、(例えば、KDEアルゴリズムの分散の閾値を使用したり、測定値の近傍の辞書に十分なデータがあるかどうかを判断したりするなどにより)一致していない場合には、治療を一時停止するための計算を行ってもよい。治療が一時停止されると、新しいモデル620が生成されてもよいし、測定(例えば、動き)が収差であった場合には古いモデル620が再利用されてもよい。
【0093】
[0093]
アプリケーションによっては、リアルタイムの患者の画像全体が必要ではなく、その中の一部だけが有用である場合もある。例えば、ターゲットの重心は、マルチリーフコリメータ(MLC)の幾何学的な補正や、ビームのオン/オフのゲートなどに役立つ。このような場合、3DのDVF全体を計算して、その都度、基準画像全体を変形させるのではなく、基準画像のターゲットの中心と現在のターゲットを結ぶ単一のDVFベクトルを使用することができ、結果的にリアルタイム処理をより効率的に行うことができる。
【0094】
[0094]
患者状態ジェネレータが正常に訓練され、患者モデル620が患者に位置合わせされた後、治療ビームがオンになり、所定の周波数で瞬間的な部分測定値が取得される。受信した測定値ごとに、受信した測定値の2Dの画像を正規化して、トレーニング画像のコントラストと一致させることを含むことができる。患者状態ジェネレータは、正規化された測定値を使用してモデル係数を推論し、モデルを使用してDVFを再構成することができる。再構成されたDVFは、基準ボリュームと治療情報を現在の患者の状態にワープさせるために使用され、出力し、または保存される。
【0095】
[0095]
ある場合には、治療中にモデルが患者にうまく合わせられないことがある。これは、4Dの画像と治療の間に患者さんが移動した場合、前日のモデルを使用した場合、他の患者さんのデータを使用した場合などに起こる。治療前に計算された患者モデルは、患者が治療位置にいる状態で、新しい患者の測定値にリジッドレジストレーション(rigid registration)を行うことで、実際の患者の位置に合わせることができる。この間に、CBCTやMRIは、粗いモデルと患者の位置合わせのために取得される。カウチのシフトを考慮した複数のサンプル画像(例えば、X線や2Dの MRIのスライス)付きの患者モデルの微調整は、CBCTやMRIの撮影後に適用することができる。
【0096】
[0096]
合成的に生成されたトレーニング用の測定値と実際の2Dの撮像の撮影値のコントラストの違いは、患者の3D状態を推測するジェネレータの能力を妨げる可能性がある。この問題を解決するために、何らかの強度正規化手順を使用することができる。例えば、ローカルまたはグローバルな線形正規化法を使用することができる。他の例としては、実画像と合成画像の強度をマッピングするために敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Network)を使用することが挙げられる。
【0097】
[0097]
図7は、患者の状態を推定するための例示的な操作のフローチャート700を示す。フローチャート700は、例えば、プロセッサを使用して、一連の患者の測定値と対応する患者の状態を含む患者データを受信する任意の操作702を含む。対応する患者の状態は、3DのCT、3DのCBCT、3DのMRI、3DのPET、3Dの超音波、4DのCT、4DのCBCT、4DのMRI、4DのPET、4Dの超音波画像のような3Dまたは4Dの患者画像を含むことができる。患者の測定値は、2DのMRIスライス、MRIのkスペースデータ、1DのMRIナビゲーター、2DのMRI投影、X線2D投影データ、PETデータ、2Dの超音波スライスなどを含む。ある場合には、複数のビューから同時に患者の測定値を得るために検出器を配置することもあり、例えば、立体的なkVイメージングや、表面カメラと組み合わせたkVイメージングなど、同時に複数のモダリティから患者の測定値を得ることができる。ある実施例では、患者データは、1人の患者から生成される。別の実施例では、患者データは、複数の患者からのデータを含んでいてもよい。
【0098】
[0098]
フローチャート700は、例えば、患者の測定値と対応する患者の状態のセットに基づいて、動き中の患者の予備動きモデルを識別する操作704を含む。一実施例では、予備的な動きのモデルは、放射線治療の前に取得された4Dのデータセットに基づいて生成することができる。予備動きモデルは、治療中に取得した4DのMRまたは4DのCBCTから生成することができる。この4Dの画像の各位相と基準位相との間でDVFを算出することができる。これらのDVFに対してPCA分析を行うこともできる。予備動きモデルは、2-3のスカラーでパラメトリックに表現された3DのDVFに基準の3Dの画像を加えたものである。2-3のスカラーから、治療中に発生する可能性のある3Dの画像を生成し、それによってDVFを算出することができる。このDVFを利用して、基準の3Dの画像を変形させ、新たな3D画像を算出することができる。
【0099】
[0099]
フローチャート700は、動きモデルを用いて、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態の辞書を生成する操作706を含む。拡張された潜在的な患者の測定には、3Dまたは4Dの患者画像の変形が含まれ得る。一実施例では、変形は、変形可能なレジストレーションアルゴリズムを使用して計算された変形ベクトルフィールド(DVF)を含む。一実施例では、拡大された潜在的な患者の測定値は、2Dの投影画像を含む。拡張された潜在的な患者の測定値は、3Dの画像から2Dのスライスを抽出すること、3Dの画像を介してレイトレーシングを行い2D投影画像を生成すること、モンテカルロ法を用いて3D画像とのX線相互作用をシミュレーションすること、コラプストコーンコンボリューション法を用いること、重ね合わせとコンボリューション法を用いること、敵対的生成ネットワークを用いること、畳み込みニューラルネットワークを用いること、回帰型ニューラルネットワーク(リカレントニューラルネットワーク:recurrent neural network)を用いることのうち、1つまたはそれ以上を用いて生成することができる。辞書には、2-3のスカラーをランダムにサンプリングし、そのスカラーから3DのDVFを生成し、基準画像を変形させることで、治療中に発生する可能性のある3D画像が含まれており、その結果、対応する潜在的な患者の状態となる。
【0100】
[0100]
拡張された潜在的な患者の測定値は、2Dの入力画像上で2DのDVFを計算することによって生成され得る。一実施例では、2DのDVFは、2Dの入力画像のPCA分析を行うことで算出することができる。別の実施例では、2DのDVFは、2Dの入力画像を基準となる2Dの画像(例えば、放射線治療の開始時または開始直前に撮影されたもの)に、変形可能な画像レジストレーション技術を用いてレジストレーションすることにより算出することができる。2Dの入力画像と基準の2Dの画像は、レジストレーションを可能にするために、同じコントラストであってもよい。変形可能な画像レジストレーション技術は、(例えば、リアルタイム性能を持つGPU上で並列に実装されている)デーモンアルゴリズムのような高速で高い並列性を持つ技術であり得る。更に別の実施例では、2DのDVFは、2Dの入力画像と2Dの基準画像との間の2Dのオプティカルフローを推定するために、CNNを使用して生成され得る。CNNはリアルタイムで実行することができる。
【0101】
[0101]
対応する潜在的な患者の状態は、それぞれの患者の状態をもたらすであろう患者の測定に関連している可能性がある。例えば、3Dの画像の2Dのスライスや、画像の2Dの投影を、特定の位置や角度で抽出することができる。一実施例において、生の2D画像を測定に使用しない場合がある。その代わりに、2Dの画像と対応する3Dの画像の間の2DのDVFを使用し、結果的に得られた2DのDVFに対してPCA分析を行うことができる。例えば、測定値は、直接測定された患者データではなく、あるバージョンの測定値を処理したものであってもよい。測定値は、2DのDVFのPCA成分であってもよく、拡張された潜在的な患者の測定値を含んでいてもよい。結合された拡張された潜在的な患者の測定値(2DのDVFのPCA)と対応する患者の状態(3DのDVFのPCA)は、辞書を形成することができる。
【0102】
[0102]
フローチャート700は、機械学習技術を用いて、入力の患者の測定値と出力の患者の状態とを関連付ける対応動きモデルを、辞書を用いて訓練する操作708を含む。対応動きモデルは、1つまたはそれ以上のパラメータの関数としての変形ベクトルフィールド(DVF)を含み得る。一実施例では、1つまたはそれ以上のパラメータは、4Dの画像の2つまたはそれ以上のフェーズと基準フェーズの間で計算された予備のDVFの次元を減らすことによって決定される。例えば、次元の削減には、主成分分析(PCA)、独立成分分析(ICA)、正準相関分析(CCA)などがある。一実施例では、対応する動きモデルは、ランダムフォレスト回帰、線形回帰、多項式回帰、回帰ツリー、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰アルゴリズム、CNN、RNNなどを用いて生成することができる。機械学習アルゴリズムは、辞書の中の結合エンティティーを関連付けるために使用することができる。アルゴリズムは、患者の状態を提供するために、測定入力と一緒に使用することができる。測定入力は、基準画像を用いた2Dの画像の2DのDVFのPCA成分を含んでいてもよく、患者の状態は3DのDVFを含んでいてもよい。
【0103】
[0103]
一実施例では、先行する操作は処理前に行われ、以下の操作は処理中に行われる。フローチャート700は、対応する動きモデルを用いて、患者の患者測定に対応する患者の状態を推定する操作710を含む。患者の状態を保存したり、出力したりすることができる。例えば、患者の状態を表示装置のユーザインターフェースに表示するために出力することができる。一実施例では、患者の状態を推定することは、対応する動きモデルへの入力として患者の測定値を受け取ることを含み、入力は、2Dの画像のリアルタイムストリームを含む。2Dの画像のリアルタイムストリームには、立体的なkV画像(例えば、従来のリニアックで患者の周りを回転するkVイメージャーからのもの)や、2DのMRスライス画像のペア(例えば、MR-Linacからのもの)が含まれる。一実施例では、立体kV画像は、同時にまたは実質的に同時に(例えば、数ミリ秒または数百ミリ秒以内に)取得された、直交または実質的に直交する(例えば、10度以内)2つのX線画像を含むことができる。kVイメージャーは、室内に固定されていてもよいし、ガントリ(例えば、リニアックを含む)に固定されていてもよい。一対の2DのMRスライス画像は、互いに直交していてもよいし、平行していてもよい。別の実施例では、2台のkVイメージャーを、それぞれ治療ビームに対して45度(および互いに90度)に配置するように使用する。この実施例では、両方のkVイメージャーを同時に使用してもよいし、交互に使用してもよい。
【0104】
[0104]
一実施例では、1台のkVイメージャーまたは2台のkVイメージャーから同時に内部の超音波データを取得して画像を取得することができる。この超音波データを利用して、例えば、線量やパルスを少なくしてkV線量を低減したり、kV撮像フレームレートを低くしたりすることができる。この二次データを測定値に直接含めて患者の状態を計算してもよいし、kVと二次データストリームの間に別の対応モデルを生成し、この別のモデルを使って二次データと患者の状態を関連付けることもできる。例えば、kVのPCA成分と二次計測ストリームから抽出されたパラメータとを関連付ける相関モデルを構築して継続的に更新し、二次ストリームデータを取得する際に、この相関モデルを使用してkVのPCA成分を決定することができる。
【0105】
[0105]
治療中に、2D画像を受信することができる。入力された2Dの画像と基準となる2Dの画像の間の2DのDVFを算出することができる。DVFではPCA分析を行うことができる。その結果、本明細書で言うところのリアルタイムの「測定値」が得られる。学習された機械学習アルゴリズムは、測定値を入力とし、入力された測定値から3DのDVFのPCA成分を算出することができる。PCA成分は、3DのDVFを生成するために使用され、この3DのDVFを用いて3Dの基準画像を変形させ、現在の時刻の患者を表す現在のリアルタイム3Dの患者画像を形成する。患者の状態は、3Dの画像そのものでも、基準画像に3DのDVFを加えたものなどでもよい(一実施例では、一方を他方から算出することができる)。
【0106】
[0106]
一実施例では、操作には、組織のコントラストを示す2つまたはそれ枚以上のMRライクな3Dの画像の出力、非撮像情報の出力、CTライクな3Dの画像の出力のように、患者の状態を出力することが含まれる。
【0107】
[0107]
図8は、放射線治療技術を行うための例示的な操作を示すフローチャートである。
【0108】
[0108]
フローチャート800は、(例えば、操作706に関して上述したように)動きモデルを用いて、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態の辞書を生成する操作802を含む。拡張された潜在的な患者の測定値は、2Dの入力画像上で2DのDVFを計算することによって生成され得る。一実施例では、2DのDVFは、2Dの入力画像のPCA分析を行うことで算出することができる。別の実施例では、2DのDVFは、2Dの入力画像を(例えば、放射線治療の開始時または開始直前に撮影された)基準となる2Dの画像に、変形可能な画像レジストレーション技術を用いてレジストレーションすることにより算出することができる。2Dの入力画像と基準の2Dの画像は、レジストレーションを可能にするために、同じコントラストであってもよい。変形可能な画像レジストレーション技術は、(例えば、リアルタイム性能を持つGPU上で並列に実装される)デーモンアルゴリズムのような高速で高い並列性を持つ技術であってもよい。さらに別の実施例では、2DのDVFは、2Dの入力画像と2Dの基準画像との間の2Dオプティカルフローを推定するために、CNNを使用して生成されてもよい。CNNはリアルタイムで実行することができる。
【0109】
[0109]
一実施例では、拡大された潜在的な患者の測定値は、4Dの画像から生成されてもよく、4D画像は、4DのCT、4DのCBCT、4DのMRI、4DのPET、4Dの超音波画像などを含む。一実施例では、拡張された潜在的な患者の測定値は、3Dの画像から2Dのスライスを抽出すること、3Dの画像を介してレイトレーシングを行い2D投影画像を生成すること、モンテカルロ法を用いて3D画像とのX線相互作用をシミュレーションすること、コラプストコーンコンボリューション法を用いること、重ね合わせとコンボリューション法を用いること、敵対的生成ネットワークを用いること、畳み込みニューラルネットワークを用いること、回帰型ニューラルネットワークを用いることのうち、1つまたはそれ以上を用いて生成することができる。
【0110】
[0110]
フローチャート800は、機械学習技術を用いて、(例えば、操作708に関して上述したように)辞書を用いて入力の患者の測定値と出力の患者の状態とを関連付ける対応動きモデルを訓練する操作804を含む。対応動きモデルは、1つまたはそれ以上のパラメータの関数としての変形ベクトルフィールド(DVF)を含んでいてもよく、1つまたはそれ以上のパラメータは、4Dの画像の2つ以上のフェーズと基準のフェーズの間で計算された予備DVFの次元を減らすことによって決定される。対応動きモデルは、ランダムフォレスト回帰、線形回帰、多項式回帰、回帰ツリー、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク、回帰型ニューラルネットワークなどを用いて生成することができる。
【0111】
[0111]
フローチャート800は、画像取得装置(例えば、kVのX線、MR装置、CT装置、または他の画像取得装置)から2Dの画像のリアルタイムストリームを受信する操作806を含む。2Dの画像のリアルタイムストリームには、立体的なkV画像(例えば、従来のリニアックで患者の周りを回転するkVイメージャーからのもの)や、2DのMRスライス画像のペア(例えば、MR-Linacからのもの)が含まれる。別の実施例では、2Dの画像のリアルタイムストリームには、k空間データ、低解像度の3DのMR画像、1Dのナビゲーター、またはその他のMR情報が含まれる。
【0112】
[0112]
一実施例では、立体kV画像は、同時にまたは実質的に同時に(例えば、数ミリ秒または数百ミリ秒以内に)取得された、直交または実質的に直交する(例えば、10度以内)2つのX線画像を含むことができる。kVイメージャーは、室内に固定されていてもよいし、ガントリ(例えば、リニアックを含む)に固定されていてもよい。一対の2DのMRスライス画像は、互いに直交していてもよいし、平行であってもよい。
【0113】
[0113]
フローチャート800は、対応する動きモデルを用いて、2Dの画像のリアルタイムストリームの画像に対応する患者の状態を推定する操作808を含む。患者の状態は、例えば、画像(例えば、3DのMRや3DのCT)として、あるいは非画像情報として、あるいはその両方として出力することができる。患者の状態には、関心のある腫瘍や臓器のような患者の解剖学的構造を説明する情報(例えば、画像やテキスト)が含まれる場合があり、また、放射線治療のターゲット(例えば、腫瘍の一部)のようなターゲットを確立するために使用される場合がある。
【0114】
[0114]
フローチャート800には、患者の状態を利用して、患者内の放射線治療ターゲットを探す操作810が含まれる。
【0115】
[0115]
フローチャート800は、患者の状態を用いて、患者の放射線治療ターゲットをリアルタイムで追跡する操作812を含む。例えば、2Dの画像のリアルタイムストリームからの連続した画像を使用して、対応する患者の状態を出力し、ある患者の状態から次の患者の状態へとターゲットを追跡することができる。
【0116】
[0116]
フローチャート800は、患者の状態に応じて、治療装置(例えば、独立型の治療装置、画像取得装置に結合された装置(例えば、MR-linac)など)を用いて、放射線治療をターゲットに向ける操作814を含む。例えば、操作810でターゲットの位置を特定したり、操作812で追跡したりして、位置や追跡に応じて放射線治療を行ってもよい。一実施例では、位置情報やトラッキング情報は、ディスプレイデバイスに表示されるユーザインターフェースなどで表示される。
【0117】
(追記事項)
[0117]
上記の詳細な説明には、詳細な説明の一部を構成する添付の図面への参照が含まれる。図面は、説明のために示したものであり、限定するものではなく、本開示を実施することができる特定の実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。このような実施例は、図示または説明されたものに加えて、要素(element)を含むことができる。しかし、は、図示または説明された要素のみが提供される実施例も考慮している。さらに、本発明者等は、特定の実施例(または、その1つまたはそれ以上の態様)に関して、または本明細書に図示または説明されている他の実施例(または、その1つまたはそれ以上の態様)に関して、図示または説明されているそれらの要素(またはその1つまたはそれ以上の側面)の任意の組み合わせまたは順列を使用する実施例も考慮している。
【0118】
[0118]
本開示で言及されているすべての出版物、特許、特許文書は、参照により個別に組み込まれるように、その全体が本開示に組み込まれる。本開示と参照により組み込まれた文書との間で用法が一致しない場合、組み込まれた参照文書の用法は本開示の用法を補足するものとみなされる。
【0119】
[0119]
本明細書において、”a”、”an”、”the”および”sheed”という用語は、本発明の側面の要素を導入する際、またはその実施形態において、特許文献において一般的であるように、”少なくとも1つ”または”1つ以上”の他の例や用法とは無関係に、1つまたは複数の要素を含むように使用される。本明細書では、「または」という用語は、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「AおよびB」を含むように、非排他的な「または」を指すために使用されるが、別段の記載がない限り、「AまたはB」は「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「AおよびB」を含む。
【0120】
[0120]
添付の特許請求の範囲では、”including”および”in which”という用語は、”complising”および”wherein”というそれぞれの用語の平易な英語の等価物として使用されている。また、以下の請求項では、用語「complising」、「including」、および「having」は、記載された要素以外に追加の要素が存在する可能性があることを意味するオープンエンドであることが意図されており、そのような用語(例えば、請求項のこのような用語(例えば、complising、including、having)の後も、その請求項の範囲内に含まれるものとみなされる。さらに、以下の請求項において、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして使用されており、その対象物に数値的な要求を課すことを意図したものではない。
【0121】
[0121]
また、本開示は、本明細書のオペレーションを実行するために適応、構成、または操作されるコンピューティングシステムに関する。このシステムは、必要な目的のために特別に構築されたものであってもよいし、コンピュータに格納されたコンピュータプログラム(例えば、命令、コードなど)によって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータで構成されていてもよい。本明細書に図示され、記載された本発明の実施形態におけるオペレーションの実行または実行の順序は、特に指定されない限り、必須ではない。すなわち、オペレーションは、特に指定されない限り、任意の順序で実行されてもよく、本発明の実施形態は、本明細書に開示されているオペレーションよりも追加的または少ない操作を含んでもよい。例えば、特定のオペレーションを別のオペレーションの前、同時、または別のオペレーションの後に実行または実行することは、本発明の側面の範囲内であることが企図される。
【0122】
[0122]
上記を考慮すると、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が得られることが分かるであろう。本発明の側面を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義されているように、本発明の側面の範囲から逸脱することなく、修正および変形が可能であることは明らかであろう。本発明の側面の範囲から逸脱することなく、上記の構成、製品、および方法において様々な変更が可能であるため、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されているすべての事項は、例示的なものとして解釈されることが意図されており、限定的な意味で解釈されるものではない。
【0123】
[0123]
上記の説明は、例示を目的としたものであり、制限的なものではない。例えば、上述した実施例(または、その1つまたはそれ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、本開示の範囲を逸脱することなく、特定の状況や材料を本開示の教示に適応させるために、多くの修正を行うことができる。本明細書に記載されている寸法、材料の種類、および例示的なパラメータ、機能、および実装は、本開示のパラメータを定義することを意図しているが、決して限定するものではなく、例示的な実施形態である。上記の説明を読めば、多くの他の実施形態が当業者には明らかになるであろう。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきであり、また、そのような特許請求の範囲が有する均等物の全範囲も参照する必要がある。
【0124】
[0124]
また、上記の詳細な説明では、開示を合理化するために、様々な特徴をグループ化してもよい。これは、未請求の開示された特徴がいかなる請求項にも不可欠であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、発明的主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない部分にあるかもしれない。したがって、以下の請求項は、それぞれの請求項が別個の実施形態として独立して立っている状態で、ここに詳細な説明に組み込まれる。本発明の範囲は、そのような請求項が権利を有する等価物の完全な範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0125】
[0125]
これらの非限定的な実施例は、それぞれ独立していてもよいし、他の実施例の1つまたはそれ以上と様々な順列や組み合わせで組み合わせてもよい。
【0126】
[0126]
実施例1は、放射線治療中のリアルタイムの患者状態を推定する方法であって、プロセッサを使用して、構築された患者測定値のセットを含む患者データを受信するステップと、構築された患者測定値のセットに基づいて、動き中の患者の予備動きモデルを識別するステップと、予備動きモデルを使用して、拡張された潜在的な患者測定値および対応する潜在的な患者状態の辞書を生成するステップと、機械学習技術を使用して、辞書を使用して、入力患者測定値と出力患者状態とを関連付ける対応する動きモデルをトレーニングするステップと、プロセッサを使用して、対応する動きモデルを使用して、患者の患者測定値に対応する患者状態を推定するステップを含む方法である。
【0127】
[0127]
実施例2では、実施例1の主題が、対応する患者の状態が3Dの患者画像を含む、ことを含む。
【0128】
[0128]
実施例3では、実施例2の主題が、対応する潜在的な患者の状態は、3Dの患者画像の変形を含む、ことを含む。
【0129】
[0129]
実施例4では、実施例3の主題が、変形が、変形可能なレジストレーションアルゴリズムを使用して計算された変形ベクトルフィールド(DVF)を含む、ことを含む。
【0130】
[0130]
実施例5では、実施例1~4の主題が、患者の測定値が、2DのMRIスライス、MRIのk-空間データ、1DのMRIナビゲーター、2DのMRI投影、X線の2Dの投影データ、PETデータ、または2Dの超音波スライスを含む、ことを含む。
【0131】
[0131]
実施例6では、実施例1~5の主題が、患者データが4Dの画像を含む、ことを含む。
【0132】
[0132]
実施例7では、実施例6の主題が、4D画像が、4DのCT、4DのCBCT、4DのMRI、4DのPET、または4D超音波画像である、ことを含む。
【0133】
[0133]
実施例8では、実施例1~7の主題が、対応動きモデルが、1つまたはそれ以上のパラメータの関数としての変形ベクトルフィールド(DVF)を含み、1つまたはそれ以上のパラメータが、4Dの画像の2つまたはそれ以上の位相と基準の位相との間で計算された予備DVFの次元を低減することによって決定される、ことを含む。
【0134】
[0134]
実施例9では、実施例1~8の主題が、拡張された潜在的な患者の測定値が2Dの投影画像を含み、3Dの画像から2Dのスライスを抽出すること、3Dの画像を介して光線追跡して2Dの投影画像を生成すること、モンテカルロ技法を用いて3Dの画像とのX線相互作用をシミュレートすること、コラプストコーンコンボリューション技法を用いること、重ね合わせとコンボリューション技法を用いること、生成的敵対ネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを用いること、のうち少なくとも1つを用いて生成されることを含む、ことを含む。
【0135】
[0135]
実施例10では、実施例1~9の主題が、対応動きモデルが、ランダムフォレスト回帰、線形回帰、多項式回帰、回帰ツリー、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを使用して生成されることを含む、ことを含む。
【0136】
[0136]
実施例11では、実施例1~10の主題が、患者の測定値に対応する患者の状態を推定することは、対応する動きモデルへの入力として患者の測定値を受信することを含み、入力は、2D画像のリアルタイムストリームを含む、ことを含む。
【0137】
[0137]
実施例12では、実施例11の主題が、2Dの画像のリアルタイムストリームは、立体kV画像または2DのMRスライス画像のペアを含む、ことを含む。
【0138】
[0138]
実施例13では、実施例1~12の主題が、患者の状態を、組織のコントラストを示す2つまたはそれ以上のMRライクの3Dの画像として出力することを含む。
【0139】
[0139]
実施例14では、実施例1~13の主題が、患者の状態が非画像情報を含む、ことを含む。
【0140】
[0140]
実施例15では、実施例1~14の主題が、放射線治療の前に取得された4Dのデータセットに基づいて予備動きモデルを生成することを含む。
【0141】
[0141]
実施例16では、実施例1~15の主題が、2Dの入力画像上で2Dの変形ベクトルフィールド(DVF)を計算することによって、構築された患者測定値を生成することを含む。
【0142】
[0142]
実施例17では、実施例1~16の主題が、構築された患者測定値を生成することが、2Dの入力画像の主成分分析(PCA)分析を実行することを含む、ことを含む。
【0143】
[0143]
実施例18では、実施例1~17の主題が、構築された患者測定値を生成することが、2Dの入力画像を基準の2Dの画像にレジストレーションすることと、変形可能な画像レジストレーション技術を使用して2DのDVFを計算することとを含む、ことを含む。
【0144】
[0144]
実施例19では、実施例1~18の主題が、構築された患者測定値を生成することが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、2Dの入力画像と2Dの基準画像との間の2Dのオプティカルフローを推定して、2DのDVFを計算することを含む、ことを含む。
【0145】
[0145]
実施例20は、放射線治療中の患者の状態を推定するためのシステムであり、メモリに結合されたプロセッサと、プロセッサによって実行されるとプロセッサに以下の操作を行わせる命令を含むメモリと、を備え、操作は、構築された患者測定値のセットを含む患者データを受信するステップと、構築された患者測定値のセットに基づいて、動き中の患者の予備動きモデルを特定するステップと、予備動きモデルを使用して、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態の辞書を生成するステップと、機械学習技術を使用して、辞書を使用して、入力の患者の測定値を出力の患者の状態に関連付ける対応動きモデルをトレーニングするステップと、対応動きモデルを使用して、患者の患者測定値に対応する患者状態を推定するステップとを含む。
【0146】
[0146]
実施例21は、磁気共鳴リニアック(MR-Linac)を用いた放射線治療中にリアルタイムの患者状態を推定する方法であって、方法は、予備動きモデルを使用して、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態の辞書を生成するステップと、機械学習技術を使用して、入力の患者の測定値と出力の患者の状態とを関連付ける対応動きモデルを学習するステップと、画像取得装置から2DのMR画像のリアルタイムストリームを受信するステップと、プロセッサを使用して、対応する動きモデルを使用して、2DのMR画像のリアルタイムストリームの画像に対応する患者の状態を推定するステップと、画像取得装置に結合された治療装置を使用して、患者の状態に応じてターゲットに放射線治療を指示するステップと、を含む。
【0147】
[0147]
実施例22では、実施例21の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値は、3D患者画像の変形を含み、変形は、変形可能なレジストレーションアルゴリズムを使用して計算された変形ベクトルフィールド(DVF)を含む、ことを含む。
【0148】
[0148]
実施例23では、実施例21~22の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値が4Dの画像から生成されることを含み、4Dの画像は、4DのCT、4DのCBCT、4DのMRI、4DのPET、または4D超音波画像を含む、ことを含む。
【0149】
[0149]
実施例24では、実施例21~23の主題が、対応動きモデルが、1つまたはそれ以上のパラメータの関数としての変形ベクトルフィールド(DVF)を含み、1つまたはそれ以上のパラメータは、4Dの画像の2つ以上の位相と基準の位相との間で計算された予備DVFの次元を低減することによって決定される、ことを含む。
【0150】
[0150]
実施例25では、実施例21~24の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値が2Dの投影画像を含み、3Dの画像から2Dのスライスを抽出すること、3Dの画像を介して光線追跡して2Dの投影画像を生成すること、モンテカルロ技法を用いて3Dの画像とのX線相互作用をシミュレートすること、コラプストコーンコンボリューション技法を用いること、重ね合わせとコンボリューション技法を用いること、生成的敵対的ネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークのうちの少なくとも1つを使用して生成されることを含む。
【0151】
[0151]
実施例26では、実施例21~25の主題が、対応動きモデルが、ランダムフォレスト回帰、線形回帰、多項式回帰、回帰ツリー、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを使用して生成されることを含む。
【0152】
[0152]
実施例27では、実施例21~26の主題が、患者の状態を、組織のコントラストを示す2つ以上のMRライクの3Dの画像として出力する、ことを含む。
【0153】
[0153]
実施例28では、実施例21~27の主題が、2Dの入力画像上で2Dの変形ベクトルフィールド(DVF)を計算することによって、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することを含む。
【0154】
[0154]
実施例29では、実施例21~28の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することは、2Dの入力の画像の主成分分析(PCA)分析を実行することを含む、ことを含む。
【0155】
[0155]
実施例30では、実施例21~29の主題が、拡大された潜在的患者測定値を生成することは、2Dの入力の画像を基準の2Dの画像にレジストレーションすることと、変形可能な画像レジストレーション技術を使用して2DのDVFを計算することとを含む、ことを含む。
【0156】
[0156]
実施例31では、実施例21~30の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、2Dの入力の画像と2Dの基準の画像との間の2Dのオプティカルフローを推定して、2DのDVFを計算することを含む、ことを含む。
【0157】
[0157]
実施例32は、リアルタイムターゲット定位データを生成する方法であって、この方法は、予備動きモデルを使用して、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態の辞書を生成するステップと、機械学習技術を使用して、辞書を使用して、入力患者の測定値を出力患者の状態に関連付ける対応動きモデルをトレーニングするステップと、画像取得デバイスから2Dの画像のリアルタイムストリームを受信するステップと、プロセッサを使用して、対応動きモデルを使用して、2Dの画像のリアルタイムストリームの画像に対応する患者の状態を推定するステップと、患者の状態を使用して、患者内の放射線治療ターゲットの位置を特定するステップと、放射線治療ターゲットの位置を表示デバイス上に出力するステップとを含む。
【0158】
[0158]
実施例33では、実施例32の主題が、2Dの画像のリアルタイムストリームが、立体kV画像または2DのMRスライス画像のペアを含む、ことを含む。
【0159】
[0159]
実施例34では、実施例32~33の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値は、3Dの患者の画像の変形を含み、変形は、変形可能なレジストレーションアルゴリズムを使用して計算された変形ベクトルフィールド(DVF)を含む、ことを含む。
【0160】
[0160]
実施例35では、実施例32~34の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値が4Dの画像から生成されることを含み、4Dの画像は、4DのCT、4DのCBCT、4DのMRI、4DのPET、または4D超音波画像を含む、ことを含む。
【0161】
[0161]
実施例36では、実施例32~35の主題が、対応動きモデルが、1つまたはそれ以上のパラメータの関数としての変形ベクトルフィールド(DVF)を含み、1つまたはそれ以上のパラメータは、4Dの画像の2つ以上の位相と基準の位相との間で計算された予備DVFの次元を低減することによって決定される、ことを含む。
【0162】
[0162]
実施例37では、実施例32~36の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値が2Dの投影画像を含み、3Dの画像から2Dのスライスを抽出すること、3Dの画像を介して光線追跡して2Dの投影の画像を生成すること、モンテカルロ技法を用いて3Dの画像とのX線相互作用をシミュレートすること、コラプストコーンコンボリューション技法を用いること、重ね合わせとコンボリューション技法を用いること、敵対的生成ネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを用いること、の少なくとも1つを用いて生成される、ことを含む。
【0163】
[0163]
実施例38では、実施例32~37の主題が、対応動きモデルが、ランダムフォレスト回帰、線形回帰、多項式回帰、回帰ツリー、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを使用して生成されることを含む。
【0164】
[0164]
実施例39では、実施例32~38の主題が、患者の状態を、組織のコントラストを示す2つまたはそれ以上のMRライクの3Dの画像として出力する、ことを含む。
【0165】
[0165]
実施例40では、実施例32~39の主題が、2Dの入力の画像上で2Dの変形ベクトルフィールド(DVF)を計算することによって、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することを含む。
【0166】
[0166]
実施例41では、実施例32~40の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することが、2Dの入力の画像の主成分分析(PCA)分析を実行することを含む、ことを含む。
【0167】
[0167]
実施例42では、実施例32~41の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することは、2Dの入力の画像を基準の2Dの画像にレジストレーションすることと、変形可能な画像レジストレーション技術を使用して2DのDVFを計算することとを含む。
【0168】
[0168]
実施例43では、実施例32?42の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、2Dの入力の画像と2Dの基準の画像との間の2Dオプティカルフローを推定して、2DのDVFを計算することを含む。
【0169】
[0169]
実施例44は、ターゲットをリアルタイムで追跡するための方法であり、この方法は、予備動きモデルを使用して、拡張された潜在的な患者の測定値と対応する潜在的な患者の状態の辞書を生成するステップと、機械学習技術を使用して、辞書を使用して入力患者の測定値を出力患者の状態に関連付ける対応動きモデルをトレーニングするステップと、画像取得デバイスから2Dの画像のリアルタイムストリームを受信するステップと、プロセッサを使用して、対応動きモデルを使用して、2Dの画像のリアルタイムストリーム内の画像に対応する患者の状態を推定するステップと、患者の状態を使用して、患者の放射線治療ターゲットをリアルタイムで追跡するステップと、表示デバイスに表示するために、放射線治療ターゲットの追跡情報を出力するステップとを含む。
【0170】
[0170]
実施例45では、実施例44の主題が、2Dの画像のリアルタイムストリームが、立体kV画像または2DのMRスライス画像のペアを含む、ことを含む。
【0171】
[0171]
実施例46では、実施例44~45の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値は、3Dの患者の画像の変形を含み、変形は、変形可能なレジストレーションアルゴリズムを使用して計算された変形ベクトルフィールド(DVF)を含む、ことを含む。
【0172】
[0172]
実施例47では、実施例44~46の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値が4Dの画像から生成されることを含み、4Dの画像は、4DのCT、4DのCBCT、4DのMRI、4D PET、または4D超音波画像を含む、ことを含む。
【0173】
[0173]
実施例48では、実施例44~47の主題が、対応動きモデルが、1つまたはそれ以上のパラメータの関数としての変形ベクトルフィールド(DVF)を含み、1つまたはそれ以上のパラメータは、4Dの画像の2つまたはそれ以上の位相と基準の位相との間で計算された予備DVFの次元を低減することによって決定される、ことを含む。
【0174】
[0174]
実施例49では、実施例44~48の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値が2Dの投影の画像を含み、3Dの画像から2Dのスライスを抽出すること、3Dの画像を介して光線追跡して2Dの投影の画像を生成すること、モンテカルロ技法を用いて3Dの画像とのX線相互作用をシミュレートすること、コラプストコーンコンボリューション技法を用いること、重ね合わせとコンボリューション技法を用いること、敵対的生成ネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークのうちの少なくとも1つを用いて生成されることを含む。
【0175】
[0175]
実施例50では、実施例44~49の主題が、対応動きモデルが、ランダムフォレスト回帰、線形回帰、多項式回帰、回帰ツリー、カーネル密度推定、サポートベクトル回帰アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク、または回帰型ニューラルネットワークを使用して生成されることを含む。
【0176】
[0176]
実施例51では、実施例44~50の主題が、患者の状態を、組織のコントラストを示す2つまたはそれ以上のMRライクの3D画像として出力することを含む。
【0177】
[0177]
実施例52では、実施例44~51の主題が、2Dの入力の画像上で2Dの変形ベクトルフィールド(DVF)を計算することによって、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することを含む。
【0178】
[0178]
実施例53では、実施例44~52の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することは、2Dの入力の画像の主成分分析(PCA)分析を実行することを含む、ことを含む。
【0179】
[0179]
実施例54では、実施例44~53の主題が、拡大された潜在的患者測定値を生成することは、2Dの入力の画像を基準の2Dの画像にレジストレーションすることと、変形可能な画像レジストレーション技術を使用して2DのDVFを計算することとを含む。
【0180】
[0180]
実施例55では、実施例44~54の主題が、拡大された潜在的な患者の測定値を生成することが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、2Dの入力の画像と2Dの基準の画像との間の2Dのオプティカルフローを推定して、2DのDVFを計算することを含む。
【0181】
[0181]
実施例56は、処理回路によって実行されると、処理回路に実施例1~55のいずれかを実施するための操作を行わせる命令を含む、少なくとも1つの機械読取可能な媒体である。
【0182】
[0182]
実施例57は、実施例1~55のいずれかを実施する手段を備えた装置である。
【0183】
[0183]
実施例58は、実施例1~55のいずれかを実施するシステムである。
【0184】
[0184]
実施例59は、実施例1~55のいずれかを実施する方法である。
【0185】
[0185]
本明細書に記載されている方法例は、少なくとも部分的には機械またはコンピュータで実施することができる。いくつかの実施例では、上記の実施例で説明した方法を実行するように電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化されたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実装には、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高レベル言語コードのようなコードが含まれ得る。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読な命令を含み得る。このコードは、コンピュータプログラム製品の一部を構成することができる。更に、一実施例では、コードは、実行中または他の時などに、1つまたはそれ以上の揮発性、非一過性、または不揮発性の有形コンピュータ可読媒体にタンジブルに格納され得る。これらの有形コンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード、メモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)などを含むが、これらに限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】