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特表2022-505967ファイバ先端部再イメージング方式のLIDARシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ファイバ先端部再イメージング方式のLIDARシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G01S7/481 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523059
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(85)【翻訳文提出日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 US2019052259
(87)【国際公開番号】W WO2020086202
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】16/169,633
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521095112
【氏名又は名称】エヴァ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】レズク ミナ
(72)【発明者】
【氏名】ガニエ キース
(72)【発明者】
【氏名】オザ ニール エヌ
(72)【発明者】
【氏名】コカオグル オマー ピー
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084AA10
5J084AD06
5J084BA21
5J084BA50
5J084BB01
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB28
5J084BB31
5J084CA31
5J084CA49
5J084DA01
5J084DA09
5J084EA40
5J084FA01
(57)【要約】
光ファイバ504の先端部から放出されたレーザビームの向きを走査してシーン510を走査し、ファイバ先端部504に戻されるシーン中の任意の物体に入射した光を収集するための第1および第2の光走査ミラー506,508を含む光検出・測距(LIDAR)システム500が提供される。LIDARシステム500は、光ファイバと走査ミラー506との間に配置された再イメージングレンズ512、および走査ミラーとシーンとの間に配置された光学系514をさらに含む。再イメージングレンズ512は、光ファイバ504から放出されたレーザビームを第1の走査ミラーの回転中心上にまたはその近くに集束させ、それによりファイバ先端部を回転中心のところまたはその近くのところに再イメージングし、レーザビームは、発散レーザビームとしてこのファイバ先端部から反射される。そして、光学系は、第1の走査ミラー506からの発散レーザビームを視準しまたは集束させるよう構成され、この発散レーザビームは、シーン510に向かって発射される。第1および第2の走査ミラー506,508は、走査パターンに従ってシーン510を横切ってレーザビームの向きを操作するよう直交軸線に沿って回転する。幾つかの実施例では、第1の走査ミラー506は、走査パターンに従ってシーン510を走査するよう第2の走査ミラー508よりも高い角速度で回転可能である。幾つかの実施例では、光学系は、コリメータ514であり、このコリメータは、変形例として、第2の走査ミラー508とシーン510との間に配置されても良い。他の実施例では、コリメータ514に代えて走査ミラーからの発散レーザビームを集束させて集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズを用いても良い。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出・測距(LIDAR)システムであって、
レーザビームを発生させ、戻りレーザビームを検出するよう構成された能動光回路を含み、
光走査システムを含み、前記光走査システムは、少なくとも、
レーザビームをファイバ先端部まで案内するよう構成された光ファイバを含み、前記レーザビームは、前記ファイバ先端部から放出され、
前記レーザビームの向きを操作してシーンを走査し、そして前記シーン中の任意の物体に入射した光を前記ファイバ先端部に戻される戻りレーザビームの状態に集めるよう少なくとも1つの軸線に沿って回転可能な走査ミラーを含み、前記光ファイバは、前記戻りレーザビームを前記ファイバ先端部から前記能動光回路に案内するよう構成され、
前記光ファイバと前記走査ミラーとの間に配置されていて、前記光ファイバから放出された前記レーザビームを前記走査ミラーの回転中心のところでまたはその近くのところで前記走査ミラー上に集束させ、それにより前記ファイバ先端部を前記回転中心のところまたはその近くのところに再イメージングするよう構成された再イメージングレンズを含み、前記走査ミラーは、前記レーザビームを発散レーザビームとして反射するよう構成され、
前記走査ミラーと前記シーンとの間に配置されていて、前記走査ミラーからの前記発散レーザビームを視準しまたは集束させて視準されまた集束されたレーザビームを生じさせるよう構成された光学系を含み、前記視準されまたは集束されたレーザビームは、前記シーンに向かって発射され、
前記戻りレーザビームからの標的のレンジを算定するよう構成された信号プロセッサを含む、LIDARシステム。
【請求項2】
前記光走査システムの前記光学系は、前記走査ミラーからの前記発散レーザビームを視準し、それにより前記シーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである、請求項1記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記光走査システムの前記光学系は、前記走査ミラーからの前記発散レーザビームを集束させ、それにより前記シーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである、請求項1記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記光走査システムの前記走査ミラーは、前記レーザビームの向きを多数の次元で操作して前記シーンを走査するよう多数の互いに直交する軸線に沿って回転可能である、請求項1記載のLIDARシステム。
【請求項5】
前記光走査システムの前記走査ミラーは、第1の走査ミラーであり、前記光走査システムは、第2の走査ミラーをさらに含み、前記第1の走査ミラーおよび前記第2の走査ミラーは、前記レーザビームの向きを多数の次元で操作して前記シーンを走査するよう互いに直交する軸線に沿って回転可能であり、前記第1の走査ミラーは、前記シーンを走査するよう前記第2の走査ミラーよりも高い角速度で回転可能である、請求項1記載のLIDARシステム。
【請求項6】
光走査システムであって、
レーザビームをファイバ先端部まで案内するよう構成された光ファイバを含み、前記レーザビームは、前記ファイバ先端部から放出され、
前記レーザビームの向きを操作してシーンを走査し、そして前記シーン中の任意の物体に入射した光を前記ファイバ先端部に戻される戻りレーザビームの状態に集めるよう少なくとも1つの軸線に沿って回転可能な走査ミラーを含み、前記光ファイバは、前記戻りレーザビームを前記ファイバ先端部から案内するよう構成され、
前記光ファイバと前記走査ミラーとの間に配置されていて、前記光ファイバから放出された前記レーザビームを前記走査ミラーの回転中心のところでまたはその近くのところで前記走査ミラー上に集束させ、それにより前記ファイバ先端部を前記回転中心のところまたはその近くのところに再イメージングするよう構成された再イメージングレンズを含み、前記走査ミラーは、前記レーザビームを発散レーザビームとして反射するよう構成され、
前記走査ミラーと前記シーンとの間に配置されていて、前記走査ミラーからの前記発散レーザビームを視準しまたは集束させて視準されまた集束されたレーザビームを生じさせるよう構成された光学系を含み、前記視準されまたは集束されたレーザビームは、前記シーンに向かって発射される、光走査システム。
【請求項7】
前記光学系は、前記走査ミラーからの前記発散レーザビームを視準し、それにより前記シーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである、請求項6記載の光走査システム。
【請求項8】
前記光学系は、前記走査ミラーからの前記発散レーザビームを集束させ、それにより前記シーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである、請求項6記載の光走査システム。
【請求項9】
前記走査ミラーは、前記レーザビームの向きを多数の次元で操作して前記シーンを走査するよう多数の互いに直交する軸線に沿って回転可能である、請求項6記載の光走査システム。
【請求項10】
前記光学系は、前記走査ミラーからの前記発散レーザビームを視準し、それにより前記シーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである、請求項9記載の光走査システム。
【請求項11】
前記光学系は、前記走査ミラーからの前記発散レーザビームを集束させ、それにより前記シーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである、請求項9記載の光走査システム。
【請求項12】
前記走査ミラーは、第1の走査ミラーであり、前記光走査システムは、第2の走査ミラーをさらに含み、前記第1の走査ミラーおよび前記第2の走査ミラーは、前記レーザビームの向きを多数の次元で操作して前記シーンを走査するよう互いに直交する軸線に沿って回転可能であり、前記第1の走査ミラーは、前記シーンを走査するよう前記第2の走査ミラーよりも高い角速度で回転可能である、請求項6記載の光走査システム。
【請求項13】
前記シーンを走査するために、前記第1の走査ミラーは、方位角軸線に沿って回転可能であり、前記第2の走査ミラーは、仰角軸線に沿って回転可能である、請求項12記載の光走査システム。
【請求項14】
前記光学系は、前記第1の走査ミラーと前記第2の走査ミラーとの間に配置されている、請求項12記載の光走査システム。
【請求項15】
前記光学系は、前記第1の走査ミラーからの前記発散レーザビームを視準し、それにより前記第2の走査ミラーによって反射されて前記シーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである、請求項14記載の光走査システム。
【請求項16】
前記光学系は、前記第1の走査ミラーからの前記発散レーザビームを集束させ、それにより前記第2の走査ミラーによって反射されて前記シーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである、請求項14記載の光走査システム。
【請求項17】
前記第2の走査ミラーは、前記第1の走査ミラーと前記シーンとの間に配置され、前記光学系は、前記第2の走査ミラーと前記シーンとの間に、それにより前記第1の走査ミラーと前記シーンとの間に配置されている、請求項12記載の光走査システム。
【請求項18】
前記光学系は、前記第2の走査ミラーからの前記発散レーザビームを視準し、それにより前記シーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである、請求項17記載の光走査システム。
【請求項19】
前記光学系は、前記第2の走査ミラーからの前記発散レーザビームを集束させ、それにより反射されて前記シーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである、請求項17記載の光走査システム。
【請求項20】
前記レーザビームは、多数のレーザビームであり、前記光ファイバは、前記多数のレーザビームをファイバ先端部に案内するよう構成された光ファイバのアレイであり、前記多数のレーザビームは、前記ファイバ先端部から放出される、請求項6記載の光走査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容(本発明)は、一般に、光検出・測距(LIDAR)、特に2つの次元を横切ってレンジと速度の同時測定を行う多重波長LIDARに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2018年10月24日に出願された米国特許出願第16/169,633号の35U.S.C.§119(e)に基づく権益主張出願であり、この米国特許出願の記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
高速走査ミラーは、大抵の従来型LIDARシステムにおいてシーン(景色)を照明するために用いられる主要なコンポーネントである。図1Aに示されているように、1つのミラーが典型的には、X方向(水平方向)に沿って迅速に走査し、別のミラーは、Y方向(上下(仰角)方向)に沿ってゆっくりと走査する。標的反射時、光を放出したのと同じチャネル、典型的には単一モードファイバが光を検出する。集められた光は、レンジ情報を引き出すために使用される改変周波数識別特性を有する。ガルバノメータ(ガルボ)モータからの角度フィードバックと組み合わされたレンジ情報を処理することにより、3D点クラウドを形成することができる。
【0004】
1フレーム当たり同数の点を維持しながらフレームレートを増大させるため、Xガルボ速度を増大させる。長いレンジ(毎秒3000°超)で100Hzよりも速くガルボを走査することにより、標的信号が著しく損なわれる。これは、レーザ信号(周波数スイープ)が遠くに位置する標的まで伝搬し、そして走査システムまで戻る時間の間、ミラーがその高い回転速度に起因して動くからである。図1Bに示されているように、高速走査ミラーのこの僅かな角度の狂いにより、ファイバ先端部のところでの標的信号のミスアライメント(位置合わせ不良)が生じる。典型的な単一モードファイバについて小さなファイバ先端部コア直径、ファイバ先端部コア直径が例えば約10μmのシステムに関し、かかるオフセットは、検出された信号強度の著しい劣化を生じさせる場合がある。図2は、典型的なLIDARシステムに関して光結合効率と走査ミラーの回転速度の関係を示すプロット図である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の例示の具体化例は、コヒーレント検出方式の走査LIDARシステム用の改良型スキャナに関する。本発明の例示の具体化例は、伝統的なLIDARシステムの欠点および先行技術のFM・LIDARシステムの制約を解決するために周波数変調(FM)およびコヒーレント検出を用いる形式のLIDARに基づいている。歴史的には、FM・LIDARシステムは、ビームの戻り経路において著しい損失を来たしており、かくして、極めて嵩張っている場合が多いかかるシステムは、飛行時間(TOF)LIDARシステムと同等の距離を測定するためには高いビーム出力電力を必要とする。また、レンジは、目に安全な出力電力を得るために動作距離によって制限される。
【0006】
本発明の例示の具体化例は、コヒーレント検出方式を用いてレンジと速度の両方を測定するよう構成されており、他のLIDARシステムからのクロストークの影響を受けにくいという追加の利点を有する。例示の具体化例は、ビームの戻り経路中における光損失を最小限に抑え、それによりシステムの測定レンジを増大させる。加うるに、非劣化レーザ源を用いることによって、例示の具体化例は、一体形シリコンフォトニクス、コンパクトさおよび漸変する環境条件における相対的安定性のゆえに所望のプラットホームで用いられる場合が多い技術的に成熟した波長分割多重化(WDM)技術を活用することができる。
【0007】
上述したように、標的信号の戻り時におけるファイバ先端部のところの偏心は、上述したファイバ結合劣化の主因である。本発明の例示の具体化例は、ファイバ先端部を高速走査ミラー上に再イメージングすることによってこの偏心誤差を除去する。例示の具体化例によれば、ファイバ先端部は、走査ミラーの回転中心のところまたはその近くのところに人工的に配置され、この点回りの任意の回転は、偏心ではなく、傾きとして観察される。
【0008】
例示の具体化例のもう1つの利点は、ファイバ先端部を再イメージングする場所としてのミラーを極めて小形に作ることができ、しかも二次元(2D)微少電気機械システム(MEMS)ミラーを使用できるということにある。これにより、第2のYミラーの必要性がなくなり、しかもシステムの全体サイズが減少する。依然として、この構成に続き視準レンズが配置される。
【0009】
かくして、本発明は、以下の例示の実施形態を含むが、これらには限定されない。
【0010】
幾つかの例示の具体化例は、光検出・測距(LIDAR)システムであって、LIDARシステムがレーザビームを発生させ、戻りレーザビームを検出するよう構成された能動光回路と、光走査システムとを含み、光走査システムは、少なくとも、レーザビームをファイバ先端部まで案内するよう構成された光ファイバを含み、レーザビームは、ファイバ先端部から放出され、光走査システムは、レーザビームの向きを操作してシーンを走査し、そしてシーン中の任意の物体に入射した光をファイバ先端部に戻される戻りレーザビームの状態に集めるよう少なくとも1つの軸線に沿って回転可能な走査ミラーをさらに含み、光ファイバは、戻りレーザビームをファイバ先端部から能動光回路に案内するよう構成され、光走査システムはさらに、光ファイバと走査ミラーとの間に配置されていて、光ファイバから放出されたレーザビームを走査ミラーの回転中心のところでまたはその近くのところで走査ミラー上に集束させ、それによりファイバ先端部を回転中心のところまたはその近くのところに再イメージングするよう構成された再イメージングレンズを含み、走査ミラーは、レーザビームを発散レーザビームとして反射するよう構成され、光走査システムはさらに、走査ミラーとシーンとの間に配置されていて、走査ミラーからの発散レーザビームを視準しまたは集束させて視準されまた集束されたレーザビームを生じさせるよう構成された光学系を含み、視準されまたは集束されたレーザビームは、シーンに向かって発射され、LIDARシステムは、戻りレーザビームからの標的のレンジを算定するよう構成された信号プロセッサを含むことを特徴とするLIDARシステムを提供する。
【0011】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係るLIDARシステムの幾つかの例示の実施形態では、光走査システムの光学系は、走査ミラーからの発散レーザビームを視準し、それによりシーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである。
【0012】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係るLIDARシステムの幾つかの例示の実施形態では、光走査システムの光学系は、走査ミラーからの発散レーザビームを集束させ、それによりシーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである。
【0013】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係るLIDARシステムの幾つかの例示の実施形態では、光走査システムの走査ミラーは、レーザビームの向きを多数の次元で操作してシーンを走査するよう多数の互いに直交する軸線に沿って回転可能である。
【0014】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係るLIDARシステムの幾つかの例示の実施形態では、光走査システムの走査ミラーは、第1の走査ミラーであり、光走査システムは、第2の走査ミラーをさらに含み、第1の走査ミラーおよび第2の走査ミラーは、レーザビームの向きを多数の次元で操作してシーンを走査するよう互いに直交する軸線に沿って回転可能であり、第1の走査ミラーは、シーンを走査するよう第2の走査ミラーよりも高い角速度で回転可能である。
【0015】
幾つかの例示の具体化例は、光走査システムであって、光走査システムは、レーザビームをファイバ先端部まで案内するよう構成された光ファイバを含み、レーザビームは、ファイバ先端部から放出され、光走査システムは、レーザビームの向きを操作してシーンを走査し、そしてシーン中の任意の物体に入射した光をファイバ先端部に戻される戻りレーザビームの状態に集めるよう少なくとも1つの軸線に沿って回転可能な走査ミラーをさらに含み、光ファイバは、戻りレーザビームをファイバ先端部から案内するよう構成され、光走査システムはさらに、光ファイバと走査ミラーとの間に配置されていて、光ファイバから放出されたレーザビームを走査ミラーの回転中心のところでまたはその近くのところで走査ミラー上に集束させ、それによりファイバ先端部を回転中心のところまたはその近くのところに再イメージングするよう構成された再イメージングレンズを含み、走査ミラーは、レーザビームを発散レーザビームとして反射するよう構成され、光走査システムはさらに、走査ミラーとシーンとの間に配置されていて、走査ミラーからの発散レーザビームを視準しまたは集束させて視準されまた集束されたレーザビームを生じさせるよう構成された光学系を含み、視準されまたは集束されたレーザビームは、シーンに向かって発射されることを特徴とする光走査システムを提供する。
【0016】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、走査ミラーからの発散レーザビームを視準し、それによりシーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである。
【0017】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、走査ミラーからの発散レーザビームを集束させ、それによりシーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである。
【0018】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、走査ミラーは、レーザビームの向きを多数の次元で操作してシーンを走査するよう多数の互いに直交する軸線に沿って回転可能である。
【0019】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、走査ミラーからの発散レーザビームを視準し、それによりシーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである。
【0020】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、走査ミラーからの発散レーザビームを集束させ、それによりシーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである。
【0021】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、走査ミラーは、第1の走査ミラーであり、光走査システムは、第2の走査ミラーをさらに含み、第1の走査ミラーおよび第2の走査ミラーは、レーザビームの向きを多数の次元で操作してシーンを走査するよう互いに直交する軸線に沿って回転可能であり、第1の走査ミラーは、シーンを走査するよう第2の走査ミラーよりも高い角速度で回転可能である。
【0022】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、シーンを走査するために、第1の走査ミラーは、方位角軸線に沿って回転可能であり、第2の走査ミラーは、仰角軸線に沿って回転可能である。
【0023】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、第1の走査ミラーと第2の走査ミラーとの間に配置されている。
【0024】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、第1の走査ミラーからの発散レーザビームを視準し、それにより第2の走査ミラーによって反射されてシーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである。
【0025】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、第1の走査ミラーからの発散レーザビームを集束させ、それにより第2の走査ミラーによって反射されてシーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである。
【0026】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、第2の走査ミラーは、第1の走査ミラーとシーンとの間に配置され、光学系は、第2の走査ミラーとシーンとの間に、それにより第1の走査ミラーとシーンとの間に配置されている。
【0027】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、第2の走査ミラーからの発散レーザビームを視準し、それによりシーンに向かって発射される視準レーザビームを生じさせるよう構成されたコリメータである。
【0028】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、光学系は、第2の走査ミラーからの発散レーザビームを集束させ、それにより反射されてシーンに向かって発射される集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズである。
【0029】
先行する例示の具体化例または先行する例示の具体化例の任意の組み合わせに係る光走査システムの幾つかの例示の実施形態では、レーザビームは、多数のレーザビームであり、光ファイバは、多数のレーザビームをファイバ先端部に案内するよう構成された光ファイバのアレイであり、多数のレーザビームは、ファイバ先端部から放出される。
【0030】
本発明のこれらの特徴、観点、および利点ならびに他の特徴、他の観点、および他の利点は、以下に簡単に説明する添付の図と一緒に以下の詳細な説明を読むと明らかであろう。本発明は、本明細書に記載された2つ、3つ、4つまたは5つ以上の特徴または要素が明示的に組み合わされているかどうかあるいは本明細書において説明する特定の例示の具体化例に違った仕方で記載されているかどうかとは無関係に、かかる特徴または要素の任意の組み合わせを含む。本発明は、本発明の任意の分離可能な特徴または要素が本発明の別段の明示の指定がなければ、その観点および例示の具体化例のうちの任意のものに関し、組み合わせと見なされるべきであるように全体論的に読まれることが意図されている。
【0031】
したがって、この発明の概要の項は、本発明の幾つかの観点の基本的な理解を提供するよう幾つかの例示の実施形態を要約して記載する目的でのみ提供されていることが理解されよう。したがって、理解されるように、上述の例示の具体化例は、例示に過ぎず、本発明の範囲または精神を何ら狭めるものと解されてはならない。他の例示の具体化例、観点、および利点は、例示的に幾つかの説明する例示の実施形態の原理を説明する添付の図と関連して行われる以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0032】
かくして、例示の具体化例を一般論として説明するが、今、必ずしも縮尺通りには描かれていない添付の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】レーザビームの向きを操作してシーンを走査するための典型的な光検出・測距(LIDAL)システムの光走査システムの図であり、ファイバ先端部のところでの戻りレーザビームの偏心状態を示す図である。
図1B】レーザビームの向きを操作してシーンを走査するための典型的な光検出・測距(LIDAL)システムの光走査システムの図であり、ファイバ先端部のところでの戻りレーザビームの偏心状態を示す図である。
図2】典型的なLIDARシステムにおけるファイバ結合効率と回転走査ミラー速度との関係を表すプロット図である。
図3】本発明の例示の具体化例にかかるLIDARシステムを示す図である。
図4】幾つかの例示の実施形態に従って図3のLIDARシステムにおけるファイバ結合効率と回転走査ミラーの速度の関係を表すプロット図である。
図5】種々の例示の具体化例のうちの一つに従って図3のLIDARシステムの光走査システムの一観点を示す図である。
図6】種々の例示の具体化例のうちの一つに従って図3のLIDARシステムの光走査システムの別の観点を示す図である。
図7】種々の例示の具体化例のうちの一つに従って図3のLIDARシステムの光走査システムの別の観点を示す図である。
図8】種々の例示の具体化例のうちの一つに従って図3のLIDARシステムの光走査システムの別の観点を示す図である。
図9】種々の例示の具体化例のうちの一つに従って図3のLIDARシステムの光走査システムの別の観点を示す図である。
図10】種々の例示の具体化例のうちの一つに従って図3のLIDARシステムの光走査システムの別の観点を示す図である。
図11】幾つかの例示の具体化例に従って多数のビームを用いるよう構成された図3のLIDARシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、添付の図面を参照して本発明の幾つかの具体化例を以下において詳細に説明するが、図中、本発明の幾つかの、しかしながら全てではない具体化例が示されている。確かに、本発明の種々の具体化例は、多くの互いに異なる形態で具体化できるが、本明細書に記載した具体化例に限定するものと解されてはならず、これとは異なり、これら例示の具体化例は、本開示が徹底的でありかつ完全であり、しかも本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供されている。例えば、本明細書では、量的な測定値、数値、関係など(例えば、平面状、同一平面状、垂直)を参照する場合がある。別段の指摘がなければ、これらのうちの全てではなくて任意の1つまたは2つ以上は、絶対値であっても良くあるいは起こりうる許容可能なばらつき、例えば工学的許容差などに起因したばらつきを考慮に入れるために近似値であっても良い。同一の参照符号は、本明細書全体にわたって同一の要素を示している。
【0035】
本発明の例示の実施形態は、改良型LIDARシステムに関する。LIDARシステムは、任意の検出環境、例えば輸送システム、製造システム、計測学的システム、医療システム、およびセキュリティシステム(これらには限定されない)において実施可能である。例えば、自動車業界では、かかる装置は、自動ドライバ支援システムまたは自動運転車両のための空間認識を助けることができる。加うるに、LIDARシステムは、別個の慣性運動ユニット(IMU)を必要としないで移動中の車両の速度較正を助けることができる。他の実施例では、LIDARシステムは、欠陥分析、診断、イメージ処理、または他の用途のために使用できるデータを提供することができる。
【0036】
図3は、本発明の例示の具体化例にかかるLIDARシステム300を示している。LIDARシステムは、多数のコンポーネントの各々のうちの1つまたは2つ以上を含む。多数の例示のコンポーネントが図示されるとともに本明細書において説明される。種々の具体化例では、LIDARシステムは、コンポーネントのうちの1つまたは2つ以上を省くことができまたは図示するとともに本明細書において説明するコンポーネントに加えてまたはこれに代えたコンポーネントを含むことができる。図示のように、LIDARシステムは、光信号などを発生させ、増幅し、そして検出するよう構成された能動光回路302を含む。幾つかの実施例では、能動光回路は、互いに異なる波長のレーザ、光増幅器、光検出器を含む。
【0037】
LIDARシステム300は、光信号を能動光回路302の適当な入力/出力ポートに送るとともに走査するための1つまたは2つ以上の導波管を備えた受動光回路304を含む。受動光回路は、1つまたは2つ以上の光コンポーネント、例えばタップ、波長分割マルチプレクサ(WDM)、スプリッタ/コンバイナ、偏光ビームスプリッタ(PBS)、マッハツェンダー干渉計、モジュレータ、光減衰器、サーキュレータ、コリメータなどを含むのが良い。
【0038】
光走査システム306は、1つまたは2つ以上の走査ミラーを含み、かかる1つまたは2つ以上走査ミラーは、光信号の向きを操作して走査パターンを走査するそれぞれの直交軸線に沿ってガルバノメータ(ガルボ)によって回転可能である。光走査システムはまた、シーン内の任意の物体に入射した光を集めてこれを戻りレーザビームにし、この戻りレーザビームは、受動光回路304に戻される。ミラーおよびガルボに加えて、光走査システムは、例えば波長板、レンズ、スペクトルフィルタ、反射防止(AR)膜が施された窓などのようなコンポーネントを含むのが良い。
【0039】
能動光回路302、受動光回路304、および光走査システム306を制御するとともに支援するため、LIDARシステム300は、このシステムのための中央処理装置として機能するよう構成されたLIDARディジタル信号プロセッサ(DSP)308を含む。LIDAR・DSPは、レーザを変調して光信号を生じさせるよう構成されたレーザドライバ310のためのディジタル制御信号を出力するよう構成されている。ディジタル‐アナログ変換器(DAC)312が信号をレーザドライバに提供することができる。
【0040】
LIDAR・DSP308は、光走査システム306のためのディジタル制御信号を出力するよう構成されている。運動制御ソフトウェアサブシステム314が光走査システムのガルボを制御するのが良い。DAC316がLIDAR・DSPからの座標ルーチング情報をガルボによって解釈可能な信号に変換するのが良い。アナログ‐ディジタル変換器(ADC)318は、ガルボの位置に関する情報のLIDAR・DSPによって解釈可能な信号を変換するのが良い。
【0041】
LIDAR・DSP308はさらに、到来ディジタル信号を分析するよう構成されている。幾つかの実施例では、標的レシーバ(受信機)320が標的のレンジに関する情報を伝達する光信号を測定する。他の実施例では、標的レシーバは、うなり周波数の形態をした標的のレンジおよび速度に関する情報を伝達する光信号、すなわち、変調済み光信号を測定する。幾つかの実施例では、LIDAR・DSPは、標的または標的を含むシーンのレンジまたはレンジと速度の多数の測定値を多数の信号または周期的信号から判定しまたは違ったやり方で生じさせ、そしてシーンの多次元(例えば、3D、4D)表示、例えば多次元点クラウドを測定値から生じさせるよう構成されている。ADC322が標的レシーバからの信号をLIDAR・DSPによって解釈可能な信号に変換する。
【0042】
幾つかの用途では、LIDARシステム300は、シーンのイメージを捕捉するよう構成されたカメラ324、およびシステムの地理的な位置(居場所)を提供するよう構成された人工衛星利用型ナビゲーションレシーバ326をさらに含むのが良い。コンピュータビジョンプロセッサ328がイメージおよび地理的な位置(居場所)を受け取り、そしてイメージおよび居場所またはこれらに関連づけられた情報をLIDAR・DSP308に送るよう構成されている。
【0043】
幾つかの実施例に従って動作原理を説明すると、LIDARシステム300は、非劣化レーザ源を用いて2つの次元を横切ってレンズと速度を同時に測定するよう構成されている。この機能は、周囲環境(シーン)のリアルタイムのロングレンジ4D測定値(レンジ、速度、方位角、および仰角)を考慮に入れている。このシステムは、多数の変調済みレーザビームを同一の標的に差し向ける。
【0044】
幾つかの実施例では、走査プロセスは、光ドライバ310およびLIDAR・DSP308で始まる。LIDAR・DSPは、光ドライバに命令を出してレーザを別個独立に変調し、そして、これら変調済み信号は、受動光回路304を通ってコリメータまで伝搬する。コリメータは、光を光走査システム306に方向づけ、この光走査システムは、運動制御ソフトウェアサブシステム314によって定められたあらかじめプログラムされたパターンにわたって環境を走査する。
【0045】
集められた光信号は、光回路304,302を通って標的レシーバ320に達する。幾つかの実施例では、LIDARシステム300は、1ビーム当たり2つの標的レシーバを含む。標的レシーバは、環境に関するレンジおよび速度情報でエンコードされた光信号を測定する。標的から戻る各ビーム信号は、時間ずれした波形を生じさせる。2つの波形相互間の時間的位相差は、能動光回路302内の光検出器上で測定されるうなり周波数を生じさせる。
【0046】
ADC322を用いて、標的レシーバ320からのアナログ信号をディジタル信号に変換する。次に、ディジタル信号は、LIDAR DSP308に送られる。LIDAR DSP308はまた、運動制御ソフトウェアサブシステム314およびガルボからの位置データならびにコンピュータビジョンプロセッサ328からのイメージデータを受け取る。
【0047】
コンピュータビジョンプロセッサ328は、カメラ324から二次元(2D)イメージを収集し、そしてこのデータをLIDAR DSP308に送る。次に、システムソフトウェアは、多次元表示(例えば、4D点クラウド)イメージデータと重ね合わせて周囲領域内の物体および距離を算定する。システムはまた、人工衛星を利用したナビゲーションに基づくロケーションデータを処理して正確なグローバルロケーションをもたらす。
【0048】
発明の背景および発明の概要の項で説明したように、伝統的なLIDARシステムは、走査ミラーを回転速度と増大させて回転させたときに標的信号の劣化を被る。レーザ信号(周波数スイープ)が標的に達して走査システムに戻るのに要する時間の間、ミラーは、その高い角速度に起因して動き、高速走査ミラーのこの僅かな角度の狂いにより、ファイバ先端部のところで標的信号の位置合わせ不良が生じる。本発明の例示の実施形態は、ファイバ先端部を走査ミラーのうちの1つ、例えば高速走査ミラー上に再イメージングすることによってこの偏心誤差を除去する。例示の具体化例に従って、ファイバ先端部は、走査ミラーの回転中心のところまたはその近くのところに人工的に配置され、この点回りの任意の回転は、偏心ではなく、傾きとして観察される。図4は、本発明の例示の幾つかの具体化例に従って図3のLIDARシステムにおけるファイバ結合効率と回転走査ミラー速度の関係を表すプロット図である。
【0049】
図5は、幾つかの例示の実施形態に従って図3のLIDARシステム300の光走査システム306に対応することができる光走査システム500を示している。図示のように、光ファイバ502は、レーザビームをファイバ先端部504に案内するよう構成され、レーザビームは、このファイバ先端部から放出される。光走査システムは、1対のミラー506,508(後で、第1の走査ミラーおよび第2の走査ミラーと称される)を含み、これらミラーは、走査パターンに従ってレーザビームの向きをシーン510を横切って操作するために互いに直交する軸線に沿って回転する。このシステムは、シーン内の全ての物体によって反射された光をファイバ先端部中に集める。光ファイバは、ファイバ先端部からの戻りレーザビームを光検出器(例えば、能動光回路302内の光検出器)に案内し、この光検出器は、戻り信号を検出するよう構成されている。
【0050】
また、図示のように、光走査システム500は、光ファイバと第1の走査ミラーとの間に位置する再イメージングレンズ512、および第1の走査ミラー506と第2の走査ミラー508との間に位置するコリメータ514をさらに含む。再イメージングレンズは、光ファイバ502から放出されたレーザビームを第1の走査ミラーの回転中心516上にまたはその近くに集束させ、それによりファイバ先端部を回転中心のところまたはその近くのところに再イメージングする。第1の走査ミラーは、レーザビームを視準レンズに向かう発散レーザビームとして反射する。このレンズは、発散レーザビームを視準し、このレーザビームは、次に、第2の走査ミラーによって反射されてシーンに向かう。
【0051】
幾つかの実施例では、図示のように、第1の走査ミラー506は、走査パターンに従ってシーンを走査するよう第2の走査ミラー508よりも高い角速度で回転可能である。また、図示のように、走査パターンに従ってシーンを走査するためには、第1の走査ミラーは、方位角軸線(x軸)に沿って回転可能であるのが良く、第2の走査ミラーは、仰角軸線(y軸)に沿って回転可能であるのが良い。
【0052】
幾つかの実施例では、コリメータ514は、より一般的には、高速走査ミラー506とシーン510との間に配置されている。例えば図示のように2つの走査ミラー506,508を含む実施例では、これは、走査ミラー506,508相互間に配置されたコリメータを含むのが良い。他の実施例では、コリメータは、第2の走査ミラー508とシーン510との間に配置されるのが良い。
【0053】
幾つかの実施例では、コリメータ514に代えて、走査ミラーからの発散レーザビームを集束させて集束レーザビームを生じさせるよう構成された集束レンズを用いても良い。この場合、光走査システム500は、より一般的には、発散レーザビームを視準しまたは集束させるよう構成されている光学系を含むのが良い。
【0054】
本明細書において記載した本発明の多くの改造例および他の具体化例は、本発明と関連していて上記説明および関連した図に提供された教示の恩恵に浴する当業者に想到されよう。光走査システムの他の適当な構成例が図6図10に示されている。図5に示された光走査システムでは、コリメータは、走査ミラー相互間にまたは第1の走査ミラーとシーンとの間に配置される。他の例示の具体化例では、コリメータは、依然として第1の走査ミラーとシーンとの間に配置されるが、第2の走査ミラーとシーンとの間に配置されても良い。これは、別の光走査システム600について図6に示されており、この光走査システム600は、幾つかの例示の具体化例によれば図3のLIDARシステム300の光走査システム306に対応するのが良い。
【0055】
図7および図8に示されているように、幾つかの例示の具体化例では、光走査システム700,800は、コリメータ514に代えて集束ミラー714を含み、この集束ミラーは、他の例示の具体化例では、コリメータと同様に配置されるのが良い。種々の例示の具体化例の光走査システムは、この場合、一般に、発散レーザビームを視準しまたは集束させるよう構成された光学系を含むのが良い。
【0056】
他の例示の具体化例では、光走査システムは、図5図8に示された2つの走査ミラーよりも多いまたはこれよりも少ない走査ミラーを含む。これら例示の具体化例のうちの幾つかでは、光走査システムは、シーンを走査するよう多数の次元においてレーザビームの向きを操作するよう多数の直交軸線に沿って回転可能な走査ミラーを含む。これらの実施例は、同様に、走査ミラーとシーンとの間に光学系、例えばコリメータまたは集束レンズを含むのが良い。多次元走査ミラーを含む実施例が図9および図10に示されており、これらの図は、光走査システム900,1000を示している。
【0057】
さらに例示の別の具体化例では、光走査システムは、多数のレーザビームを発生させるとともに検出することができる。これら実施例のうちの幾つかでは、レーザビームは、多数のレーザビームであり、光ファイバは、能動光回路に結合されていて多数のレーザビームをファイバ先端部に案内するよう構成された光ファイバのアレイであり、多数のレーザビームは、ファイバ先端部から放出される。これら実施例では、レーザビーム相互間の角度の開きは、アレイから光学系までの焦点距離およびファイバ間隔の関数であるのが良い。多数のレーザビームに関するアレイ1102およびコリメータ1104の実施例が図11に示されている。
【0058】
したがって、本発明は、開示した特定の具体化例には限定されず、改造例および他の具体化例が添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるようになっていることが理解されるべきである。さらに、上記説明および関連の図は、諸要素および/または諸関数のある特定の例示の組み合わせとの関係で例示の具体化例に関するが、理解されるべきこととして、諸要素および/または諸関数の種々の組み合わせが添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱しないで別の具体化例によって提供できる。この点に関し、例えば、上記において明記した諸要素および/または諸関数の組み合わせとは異なる諸要素および/または諸関数の組み合わせもまた、添付の請求項のうちの幾つかに記載されているものと想定される。特定の用語が本明細書において用いられているが、これら用語は、一般的かつ説明上の意味で用いられており、本発明を限定する目的で用いられているわけではない。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】