(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ナノファイバー構造の効率的な製造
(51)【国際特許分類】
D01D 5/04 20060101AFI20220106BHJP
D04H 1/728 20120101ALI20220106BHJP
【FI】
D01D5/04
D04H1/728
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523066
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(85)【翻訳文提出日】2021-06-23
(86)【国際出願番号】 US2019059027
(87)【国際公開番号】W WO2020092688
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カス,オヌアー・ワイ
(72)【発明者】
【氏名】グエン,サング
(72)【発明者】
【氏名】サタフ,ニティン
(72)【発明者】
【氏名】カディ,マーティン
【テーマコード(参考)】
4L045
4L047
【Fターム(参考)】
4L045AA02
4L045AA08
4L045BA34
4L045CB08
4L045DA45
4L045DC01
4L047AA23
4L047AB08
4L047BA08
4L047CA19
4L047EA22
(57)【要約】
ナノファイバー構造の効率的な製造のための電界紡糸装置及び方法が本願で提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)スピニング電極、(b)該スピニング電極から第1の距離(基材距離)にある基材、及び(c)該スピニング電極から第2の距離(電極間距離)にある集電極を備え、基材は該スピニング電極と該集電極との間に位置し、該電極間距離に対する該基材距離の比が0.88未満である、電界紡糸装置。
【請求項2】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.86~約0.3である、請求項1に記載の電界紡糸装置。
【請求項3】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.75である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項4】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.70である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項5】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.65である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項6】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.60である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項7】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.55である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項8】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.50である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項9】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.45である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項10】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.40である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項11】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.35である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項12】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.30である、請求項2に記載の電界紡糸装置。
【請求項13】
スピニング電極までの基材距離が約180mm~約55mmである、請求項1~12のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項14】
前記電極間距離が、前記電界紡糸装置が0.2kV/mm~0.8kV/mmの電界を維持するようなものである、請求項1~13のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項15】
前記電極間距離が、前記電界紡糸装置が少なくとも約0.3kV/mmの電界を維持するようなものである、請求項1~14のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項16】
前記電極間距離は、前記電界紡糸装置が約0.3kV/mmの電界を維持するようなものである、請求項1~15のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項17】
前記電極間距離が、前記電界紡糸装置が約0.4kV/mmの電界を維持するようなものである、請求項1~16のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項18】
前記電極間距離が、前記電界紡糸装置が少なくとも約0.5kV/mmの電界を維持するようなものである、請求項1~17のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項19】
前記電極間距離が、前記電界紡糸装置が約0.6kV/mm以下の電界を維持するようなものである、請求項1~18のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項20】
前記電極間距離が、前記電界紡糸装置が約0.7kV/mmの電界を維持するようなものである、請求項1~19のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項21】
前記基材が、不織繊維基材、非多孔性フィルム基材、膜、紙又は多孔性基材である、請求項1に記載の電界紡糸装置。
【請求項22】
前記スピニング電極がノズルをさらに含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項23】
前記スピニング電極がノズルを含まない、請求項1~22のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項24】
前記スピニング電極が、回転ローラー又は回転ドラム又はワイヤを含む、請求項23に記載の電界紡糸装置。
【請求項25】
前記集電極が導電性表面を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項26】
前記集電極が、平板、移動板又はベルト、管、ワイヤ、又は回転ドラムである、請求項25に記載の電界紡糸装置。
【請求項27】
前記電界紡糸装置は、0.35m/分の速度で37μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~26のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項28】
前記電界紡糸装置は、0.98m/分の速度で19μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~27のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項29】
前記電界紡糸装置が、少なくとも0.04m/分のライン速度で200nm以下の繊維直径及び少なくとも約1.2gsmの坪量を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~28のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項30】
前記電界紡糸装置は、少なくとも0.20g/(m-分)を超える生産性で、200nm以下の繊維直径を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~29のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項31】
前記電界紡糸装置は、少なくとも0.22g/(m-分)を超える生産性で、200nm以下の繊維直径を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~30のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項32】
前記電界紡糸装置は、少なくとも0.25g/(m-分)を超える生産性で、200nm以下の繊維直径を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~31のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項33】
前記電界紡糸装置は、少なくとも0.29g/(m-分)を超える生産性で、200nm以下の繊維直径を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~32のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項34】
前記電界紡糸装置は、少なくとも0.30g/(m-分)を超える生産性で、200nm以下の繊維直径を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~33のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項35】
前記電界紡糸装置が、36%以下の繊維直径の変動を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~34のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項36】
前記電界紡糸装置が、25%以下の繊維直径の変動を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~35のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項37】
前記電界紡糸装置が、22%以下の繊維直径の変動を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~36のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項38】
前記電界紡糸装置が、20%以下の繊維直径の変動を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項1~37のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項39】
(a)スピニング電極、(b)該スピニング電極から第1の距離(基材距離)にある基材、及び(c)該スピニング電極から第2の距離(電極間距離)にある集電極を備え、該基材距離及び該電極間距離が別々に調節可能であり、かつ該電極間距離に対する該基材距離の比が0.77以下であるように構成することができる、電界紡糸装置。
【請求項40】
前記電極間距離を調整することなく、前記基材距離を調整することができる、請求項39に記載の電界紡糸装置。
【請求項41】
前記基材距離を、ノブ、レバー、又はボタンを用いて調節することができる、請求項39又は40に記載の電界紡糸装置。
【請求項42】
前記基材距離をモーターを用いて調節することができる、請求項39又は40に記載の電界紡糸装置。
【請求項43】
前記基材が、不織繊維基材、非多孔性フィルム基材、又は多孔性基材である、請求項39~42のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項44】
前記スピニング電極がノズルをさらに含む、請求項39~43のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項45】
前記スピニング電極がノズルを含まない、請求項39~43のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
【請求項46】
前記スピニング電極が、回転ローラー又は回転ドラム又はワイヤを含む、請求項39に記載の電界紡糸装置。
【請求項47】
前記集電極が導電性表面を含む、請求項39に記載の電界紡糸装置。
【請求項48】
集電極が、平板、移動板、管、ワイヤ、又は回転ドラムである、請求項47に記載の電界紡糸装置。
【請求項49】
請求項1~48のいずれか一項に記載の電界紡糸装置を用いて不織ナノファイバーマットを製造する方法であって、該電界紡糸装置のスピニング電極から該電界紡糸装置の基材上にポリマー溶液を電界紡糸することを含む方法。
【請求項50】
スピニング電極からスピニング電極と集電極との間に位置する基材上にポリマー溶液を電界紡糸することを含むナノファイバーマットを製造する方法であって、該スピニング電極と該集電極との間の距離(電極間距離)に対する該スピニング電極と該基材との間の距離(基材距離)の比が0.88未満である、方法。
【請求項51】
前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が0.9未満である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が0.8未満である、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が0.7未満である、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が0.6未満である、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が0.5未満である、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が0.4未満である、請求項50に記載の方法。
【請求項57】
前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が0.3未満である、請求項50記載の方法。
【請求項58】
前記ナノファイバーが、10kV~500kV、50kV~450kV、100kV~400kV、150kV~350kV、又は200kV~300kVの間の、両電極にわたる全印加電圧で電界紡糸される、請求項49~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
ナノファイバーが0.2kV/mm~0.8kV/mmの電界で電界紡糸される、請求項49~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記電界が約0.3kV/mmである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記電界が約0.4kV/mmである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記電界が約0.49kV/mmである、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記電界が約0.51kV/mmである、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記電界が約0.57kV/mmである、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記電界が約0.7kV/mmである、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記電界が約0.8kV/mmである、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記基材が、不織繊維基材、非多孔性フィルム基材、紙又は多孔性基材である、請求項49~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
電界紡糸がニードル電界紡糸である、請求項49~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
電界紡糸が無ニードル電界紡糸である、請求項49~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記集電極が導電性表面を含む、請求項49~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記集電極が、平板、移動板、管、ワイヤ、又は回転ドラムである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
ナノファイバーマットが、約1μm~約500μmの厚さを有する、請求項49~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
ナノファイバーマットが、約10nm~約1000nmの平均繊維直径を有する、請求項49~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
ナノファイバーマットが、500nm以下の、泡立ち点試験によって決定される最大細孔径を有する、請求項49~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、少なくとも0.20g/(m-分)を超える生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、少なくとも0.22g/(m-分)を超える生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、少なくとも0.25g/(m-分)を超える生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、少なくとも0.29g/(m-分)を超える生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、少なくとも0.30g/(m-分)を超える生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも5%高い生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも10(I0)%高い生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも15%高い生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも20%高い生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも25%高い生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも30%高い生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも40%高い生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも50%高い生産性で製造される、請求項49~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
ナノファイバーマットが36%以下の繊維直径の変動を有する、請求項49~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
ナノファイバーマットが25%以下の繊維直径の変動を有する、請求項49~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
ナノファイバーマットが22%以下の繊維直径の変動を有する、請求項49~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
ナノファイバーマットが20%以下の繊維直径の変動を有する、請求項49~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
ナノファイバーマットが、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうものの5%以内の繊維直径の変動を有する、請求項49~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
ナノファイバーマットが、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうものよりも小さい繊維直径の変動を有する、請求項49~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記ポリマー溶液がポリマー又はポリマーブレンドを含む、請求項49~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記ポリマー又はポリマーブレンドが、ナイロン-6、ナイロン-46、ナイロン-66、ポリウレタン(PU)、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン-co-ビニルアセテート(PEVA)、PEVA/PLA、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、PMMA/テトラヒドロペルフルオロオクチルアクリレート(TAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、コラーゲン-PEO、ポリスチレン(PS)、ポリアニリン(PANI)/PEO、PANI/PS、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリル酸-ポリピレンメタノール(PAA-PM)、ポリアミド(PA)、絹/PEO、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリ塩化ビニル(PVP)、セルロースアセテート(CA)、PAA-PM/PU、ポリビニルアルコール(PVA)/シリカ、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(HEMA)、ポリ(ビニリデンジフルオライド)(PVDF)、PVDF/PMMA、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)(PFDMS)、ナイロン6/モンモリロナイト(Mt)、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリアクリルニトリル(PAN)/TiO2、ポリカプロラクトン(PCL)/金属、ポリビニルピロリドン(porrolidone)、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン-12、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリビニルブチラール(PVB)、PET/PEN、又はそれらのブレンドから選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記ナノファイバーマットが0.03m/分~1m/分のライン速度で生成される、請求項49~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記ライン速度が約0.04m/分である、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.45~約0.55である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記ナノファイバーマットが、約0.7kV/mmの電界で電界紡糸される、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記電界紡糸マットが、約100nm~約200nmの平均繊維直径を有する、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約6gsmの坪量を有する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約7gsmの坪量を有する、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約8gsmの坪量を有する、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
前記ライン速度が約0.1m/分である、請求項96に記載の方法
【請求項105】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.25~約0.35である、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記ナノファイバーマットが、約0.57kV/mmの電界で電界紡糸される、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記電界紡糸マットが、約100nm~約200nmの平均繊維直径を有する、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約1.5gsmの坪量を有する、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約1.75gsmの坪量を有する、請求項107に記載の方法。
【請求項110】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約2.0gsmの坪量を有する、請求項107に記載の方法。
【請求項111】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.45~約0.55である、請求項104に記載の方法。
【請求項112】
前記電界紡糸マットが、約0.7kV/mmの電界で電界紡糸される、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記電界紡糸マットが、約100nm~約200nmの平均繊維直径を有する、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約3.1gsmの坪量を有する、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約3.2gsmの坪量を有する、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約3.3gsmの坪量を有する、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
前記ナノファイバーマットが少なくとも35μmの厚さを有し、少なくとも0.3m/分のライン速度率で生成される、請求項49~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記ナノファイバーマットが少なくとも0.35m/分のライン速度率で生成される、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記ナノファイバーマットが少なくとも15μmの厚さを有し、少なくとも0.8m/分のライン速度率で生成される、請求項49~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記ナノファイバーマットが、少なくとも0.9m/分のライン速度率で生成される、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記ナノファイバーマットが、少なくとも0.95m/分のライン速度率で生成される、請求項119に記載の方法。
【請求項122】
前記ナノファイバーマットが少なくとも4.5gsmの坪量を有し、少なくとも0.35m/分のライン速度で生成される、請求項49~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記ナノファイバーマットが少なくとも2.4gsmの坪量を有し、少なくとも0.60m/分のライン速度で生成される、請求項49~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記ナノファイバーマットが少なくとも4.0gsmの坪量を有し、少なくとも0.5m/分のライン速度で生成される、請求項49~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記ナノファイバーマットが少なくとも2.3gsmの坪量を有し、少なくとも0.9m/分のライン速度で生成される、請求項49~95のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本願は、2018年11月1日に出願した米国仮特許出願第62/754,183号の優先権の利益を主張しており、該特許出願は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
<背景>
電界紡糸とは、スピニング電極に存在するポリマー溶液に電気力を印加する繊維製造方法である。電界を印加すると、溶液の帯電した糸がスピニング電極から集電極に向かって引っ張られる。このポリマー溶液の糸は飛行中に乾燥し、典型的には集電極に位置する基材上に堆積する繊維を形成する。電界紡糸法に適用される特定のパラメータに応じて、生成された繊維は数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲の直径を有することができる。
【0003】
電界紡糸装置は、基材及び収集器の位置を同時に調整するように設計される。ほとんどの電界紡糸の研究は、対向電極として及び収集基材の両方として作用する接地された収集器を利用している。この設計により、基材距離対電界強度の影響を切り離すことが不可能となり、これらの距離の変化が電界紡糸効率に及ぼす影響を独自に試験する能力が制限される。電極間の間隙は、放電を防止するために安全な距離に維持する必要があるため、特により高い電圧では、より短い基材距離は独立変数として調べられていない。
【発明の概要】
【0004】
生産性が向上した電界紡糸装置及びナノファイバー構造(例えば、ナノファイバーマット)を製造する方法が、本明細書に提供される。
【0005】
特定の態様において、本明細書には、(a)スピニング電極、(b)スピニング電極から第1の距離(基材距離)にある基材、及び(c)スピニング電極から第2の距離(電極間距離)にある集電極を備え、基材がスピニング電極と集電極との間に配置される電界紡糸装置が提供される。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は1未満(例えば、0.77以下)である。
【0006】
特定の態様において、(a)スピニング電極、(b)スピニング電極から第1の距離(基材距離)にある基材、及び(c)スピニング電極から第2の距離(電極間距離)にある集電極を備える電界紡糸装置であって、基材距離及び電極間距離が別々に調節可能であり、かつ電極間距離に対する基材距離の比が1未満(例えば、0.77以下)となるように構成可能であるように、装置が構成される電界紡糸装置が本明細書に提供される。
【0007】
特定の態様において、本明細書に提供される電界紡糸装置を使用するナノファイバー構造(例えば、ナノファイバーマット)を作製する方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、本明細書で提供される装置のスピニング電極からその基材上にポリマー溶液を電界紡糸することを含む。
【0008】
したがって、特定の態様では、スピニング電極からポリマー溶液をスピニング電極と集電極との間に配置される基材上に電界紡糸することを含むナノファイバー構造(例えば、ナノファイバーマット)を作製する方法であって、電極間距離に対する基材距離の比が1未満(例えば、0.77以下)である方法が本明細書に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施例1に記載された電界紡糸実験の間に適用された特定の条件の模式図を示す。
【
図2】
図2は、例示的な電界紡糸方法中の基材距離、電界、坪量及び繊維直径の間の関係を示すグラフである。
【
図3】
図3は、実施例2に記載された電界紡糸実験の特定の期間に適用された特定の条件の模式図を示す。
【
図4】
図4は、実施例3(製造ユニット)に記載された電界紡糸実験中に適用された条件の模式図である。実施8及び9、同様に実施10及び11は同一の実験条件を有する。これらの対はそれぞれ、差別化ライン速度を持っている。
【
図5】
図5は、実施例1~3に記載されているように、実験1~11の間に適用されたパラメータ及び得られた結果を要約した表を示す。「*は生産性を電極数(N=8)で除して正規化される」。太字の行は生産性の高い設定である。
【
図6】
図6は、製品の均一性(unifority)を維持しながら生産性を高める、本明細書に開示された特定の実施形態の能力を示す。パネルaは、電極距離を一定に保ちながら基材距離を減少させることにより達成される、電極当たりの生産性(単位:g/m-分)の増加を示す。パネルbは、電極距離を一定に保ったまま基材距離を減少させても、生成されるナノファイバーマットの計測された繊維平均直径に悪影響を及ぼさないことを示す。パネルbの斜線の入った棒グラフは低い距離比を表す。より高い生産性は、電界の増加及び距離比(d-s/d-ie)の減少の組合せによって高められる。
【
図7】
図7は、生産設備を用いる(a)標準設定及び(b)高い生産性設定で生成された電界紡糸ナノファイバーの代表的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。顕微鏡写真は、両設定で同等の繊維構造が得られたことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<概説>
電界紡糸は、数十ナノメートルからミクロンの範囲の繊維直径を有する不織繊維材料を製造できる技術であり、このサイズ範囲は、電界紡糸でなければ、従来の不織繊維製造技術では制御が困難なサイズ範囲である。製造される繊維の質及び量はいくつかのパラメータに依存する。これらのパラメータには、ポリマーの分子量、分子量分布及び構造、溶液の特性(すなわち、粘度、導電率、及び表面張力)、電位、流速、及び濃度、スピニング電極と基材との間の距離、環境パラメータ(すなわち、チャンバー内の温度、湿度、及び空気速度)、収集器の運動及びサイズ、並びに針ゲージが含まれる。
【0011】
特定の態様では、スピニング電極と集電極との間の距離に対するスピニング電極と基材との間の距離を減少させることによって、ナノファイバーマットの微細構造を損なうことなく、方法の生産性を向上させることができる一方、均一なナノファイバーを製造することができる電界紡糸装置が本明細書で提供される。したがって、本明細書に提供される電界紡糸装置は、(a)スピニング電極、(b)スピニング電極から第1の距離(基材距離)にある接地された基材、及び(c)スピニング電極から第2の距離(電極間距離)にある集電極を含み、電極間距離に対する基材距離の比が1(I)以下(例えば、0.86未満)である。いくつかの実施形態では、前記装置は、(例えば、ダイヤル、レバー及び/又はボタンを使用して)電極間距離とは無関係に基材距離を都合よく調整できるように構成される。特定の態様において、本明細書に提供する装置を用いて、電界紡糸マットなどの電界紡糸構造を作る方法が本明細書に提供される。
【0012】
本明細書に開示された方法及び組成物によって提供される生産性の改善は、工業生産レベルでの示唆を有する。本明細書に提供される方法及び組成物の特定の実施形態は、既存の製造ラインで生産される材料の量を増やすために使用することができ、その際、そのライン上で生産される特定のフィルター構造の製造コストを削減することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される方法及び組成物は、製造コストを上昇させることなく、また製造される材料の量を減らすことなく、既存の製造ライン上でより高い坪量のフィルター構造を作るために使用することができる。
【0013】
<定義>
便宜上(convemence)、ここでは、明細書、実施例、及び添付の特許請求の範囲において採用された特定の用語をまとめる。
【0014】
本明細書中で用いられる単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」及び「その(the)」は、文脈がそうでないことを明確に示す場合を除いて、複数形も含むことを意図している。
【0015】
「約」という用語は、当業者によって決定された特定の値について許容可能な誤差範囲内にあることを意味し、本明細書中で用いられる「約」とは、与えられた値の10%以内の量を指す。換言すれば、これらの値は、その値の前後の0~10%の変動内(X±10%)に述べられた値を含む。
【0016】
「変動」及び「変動係数」という用語は、本明細書で交換可能に使用され、確率分布又は頻度分布の分散の標準化された尺度を指す。それはしばしばパーセントで表され、平均に対する標準偏差の比として定義される。
【0017】
本明細書で用いられる「生産性」という用語は、スピニング電極の単位長さ当たりの単位時間当たりの繊維生産量の尺度である(g/m-分)。特定の実施形態において、生産性は、坪量(g/m2)及びライン速度(m/分)の積として計算され、方法の経済性に直接関係する。
【0018】
本明細書で用いられる「高生産性設定」という用語は、電極間距離に対する基材距離の比が0.88未満(例えば、0.75、0.70、0.65、0.60、0.55、0.50以下)である電界紡糸装置設定を指す。いくつかの実施形態では、高生産性設定は、高い電界(例えば、少なくとも0.7kV/mmの電界)の使用と組み合わせて適用される。
【0019】
「ポリマー」という用語は、天然又は合成の比較的高い分子量の有機化合物を指し、その構造は、反復小単位、モノマー(例えば、ポリエチレン、ゴム、セルロース)によって表され得る。合成ポリマーは通常、モノマーの付加又は縮合重合によって形成される。本発明のナノファイバー基材層中での使用に適したポリマーとしては、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、及びポリアラミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書で用いられる「ナノファイバー」という用語は、約1000nm未満、約800nm未満ですらある、約50~500nmの間ですらある、約100~400nmの間ですらある数平均直径又は断面を有する繊維を指す。本明細書中で用いられる直径という用語は、丸でない形状の最大の断面を含む。
【0021】
「不織」という用語は、多数のランダムに分布した繊維を含むウェブを意味する。この線維は一般に互いに結合することもあり、結合していないこともある。繊維は、ステープル繊維又は連続繊維であることができる。繊維は、単一の材料又は異なる繊維の組み合わせとして、若しくは各々が異なる材料から構成される類似の繊維の組み合わせとして、多数の材料を含むことができる。
【0022】
<電界紡糸装置>
一般に、電界紡糸装置は、高圧直流電源に接続されたスピニング電極、接地された集電極、及び任意にポリマー溶液を分配するための針からなる。スピニング電極と集電極との間の距離(電極間距離)に対するスピニング電極と基材との間の距離(基材距離)の比が1未満である装置が本明細書で提供される。また、スピニング電極と集電極との間の距離(電極間距離)に対するスピニング電極と基材との間の距離(基材距離)の調節可能な比を有する装置が本明細書で提供される。
【0023】
特定の態様において、(a)スピニング電極、(b)スピニング電極から第1の距離(基材距離)にある基材、及び(c)スピニング電極から第2の距離(電極間距離)にある集電極を含み、基材がスピニング電極と集電極の間に位置する電界紡糸装置が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は1未満(例えば、0.86未満)である。
【0024】
いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、又は0.35以下である。特定の実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、0.86以下である。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、少なくとも0.20、少なくとも0.25又は少なくとも0.30である。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、約0.86~約0.3である。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、0.80~0.70の間、0.75~0.65の間、0.70~0.60の間、0.65~0.55の間、0.60~0.50の間、0.55~0.45の間、0.50~0.40の間、0.45~0.35の間、又は0.40~0.30の間である。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、約0.80、約0.75、約0.70、約0.65、約0.60、約0.55、約0.50、約0.45、約0.40、約0.35又は約0.30である。
【0025】
いくつかの実施形態において、基材距離は、約200mm以下、約190mm以下、約180mm以下、約170mm以下、約160mm以下、約150mm以下、約140mm以下、約130mm以下、約120mm以下、約110mm以下、約100mm以下、約90mm以下、約80mm以下、約70mm以下、又は約60mm以下である。いくつかの実施形態において、基材距離は、少なくとも約30mm、少なくとも約35mm、少なくとも約40mm、少なくとも約45mm、少なくとも約50mm、少なくとも約55mm、少なくとも約60mm、少なくとも約65mm、又は少なくとも約70mmである。いくつかの実施形態において、基材距離は、約140mm~約55mmである。特定の実施形態では、基材距離は約200mm、約195mm、約190mm、約185mm、約180mm、約175mm、約170mm、約165mm、約160mm、約155mm、約150mm、約145mm、約140mm、約135mm、約130mm、約125mm、約120mm、約115mm、約110mm、約105mm、約100mm、約95mm、約90mm、約85mm、約80mm、約75mm、約70mm、約65mm、約60mm、又は約55mmである。
【0026】
いくつかの実施形態では、電極間距離は、電界紡糸装置が少なくとも0.2kV/mmの電界を維持するようなものである。いくつかの実施形態では、電極間距離は、装置が少なくとも0.2kV/mm、少なくとも0.3kV/mm、少なくとも0.4kV/mm、少なくとも0.5kV/mm、少なくとも0.6kV/mm、又は少なくとも0.7kV/mmの電界を維持するようなものである。いくつかの実施形態では、電極間距離は、装置が0.8kV/mm以下、0.70kV/mm以下又は0.6kV/mm以下の電界を維持するようなものである。いくつかの実施形態では、電極間距離は、装置が0.2kV/mm~0.8kV/mmの電界を維持するようなものである。いくつかの実施形態では、電極間距離は、電界紡糸装置が約0.2kV/mm、約0.25kV/mm、約0.3kV/mm、約0.35kV/mm、約0.4kV/mm、約0.45kV/mm、約0.5kV/mm、約0.55kV/mm、約0.6kV/mm、約0.65kV/mm、約0.7kV/mm、約0.75kV/mm、又は約0.8kV/mmの電界を維持するようなものである。
【0027】
いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.30m/分の速度で少なくとも30μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.35m/分の速度で少なくとも30μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.30m/分の速度で少なくとも35μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.35m/分の速度で少なくとも35μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、0.35m/分の速度で37μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.80m/分のライン速度で少なくとも15μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.85m/分のライン速度で少なくとも15μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.90m/分の速度で少なくとも15μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.95m/分の速度で少なくとも15μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも1.0m/分の速度で少なくとも15μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.80m/分の速度で少なくとも19μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.85m/分の速度で少なくとも19μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.90m/分の速度で少なくとも19μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.95m/分の速度で少なくとも19μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、0.98m/分の速度で19μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、電界紡糸装置は、少なくとも0.20g/(m-分)を超える、少なくとも0.21g/(m-分)を超える、0.22g/(m-分)を超える、少なくとも0.23g/(m-分)を超える、少なくとも0.24g/(m-分)を超える、少なくとも0.25g/(m-分)を超える、少なくとも0.26g/(m-分)を超える、少なくとも0.27g/(m-分)を超える、少なくとも0.28g/(m-分)を超える、少なくとも0.29g/(m-分)を超える、少なくとも0.30g/(m-分)を超える、少なくとも0.31g/(m-分)を超える、少なくとも0.32g/(m-分)を超える、又は少なくともg/(m-分)を超える生産性でナノファイバーマット(例えば、200nm以下の繊維直径を有するナノファイバーマット)を生成することができる
【0030】
いくつかの実施形態では、電界紡糸装置は、36%以下、29%以下、28%以下、27%以下、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下の繊維直径の変動を有するナノファイバーマットを生成することができる。
【0031】
特定の態様では、(a)スピニング電極、(b)スピニング電極からの第1距離(基材距離)である基材、及び(c)スピニング電極からの第2距離(電極間距離)にある集電極を備え、装置が、基材距離及び電極間距離が別々に調節可能であるように構成され、電極間距離に対する基材距離の比が1.0以下になるように構成可能である電界紡糸装置が本明細書に提供される。
【0032】
いくつかの実施形態において、電極間距離を調整することなく(例えば、ノブ、レバー、モーター又はボタンを使用して)、基材距離を調整することができる。例えば、いくつかの実施形態において、スピニング電極又は集電極の位置を変更することなく、(例えば、ノブ、レバー、モーター又はボタンを使用して)基材の位置を変更することができる。いくつかの実施形態において、スピニング電極又は基材の位置を変更せずに、(例えば、ノブ、レバー、モーター又はボタンを使用して)集電極の位置を変更することができる。いくつかの実施形態において、スピニング電極、基材及び/又は集電極の位置は、(例えば、コンピュータ又は他の電子装置のような電子入力装置によって制御されるモーターを用いて)独立して遠隔で調整することができる。いくつかの実施形態において、装置を分解することなく、(例えば、ノブ、レバー、又はボタンを使用して)、スピニング電極、基材及び/又は集電極の位置を手動で調整することができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、基材距離及び電極間距離は別々に調節可能であり、電極間距離に対する基材距離の比が0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、又は0.35以下であるように構成することができる。特定の実施形態において、基材距離及び電極間距離は別々に調整可能であり、電極間距離に対する基材距離の比が0.77以下であるように構成することができる。いくつかの実施形態において、基材距離及び電極間距離は別々に調整可能であり、電極間距離に対する基材距離の比が少なくとも0.20、少なくとも0.25、又は少なくとも0.30であるように構成することができる。いくつかの実施形態では、基材距離及び電極間距離は別々に調整可能であり、電極間距離に対する基材距離の比が約0.77~約0.3であるように構成することができる。いくつかの実施形態において、基材距離及び電極間距離は別々に調整可能であり、電極間距離に対する基材距離の比が、0.80~0.70の間、0.75~0.65の間、0.70~0.60の間、0.65~0.55の間、0.60~0.50の間、0.55~0.45の間、0.50~0.40の間、0.45~0.35の間、又は0.40~0.30の間であるように構成することができる。いくつかの実施形態において、基材距離及び電極間距離は別々に調整可能であり、電極間距離に対する基材距離の比が約0.80、約0.75、約0.70、約0.65、約0.60、約0.55、約0.50、約0.45、約0.40、約0.35又は約0.30であるように構成することができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、基材距離は、約200mm未満、約190mm未満、約180mm未満、約170mm未満、約160mm未満、約150mm未満、約140mm未満、約130mm未満、約120mm未満、約110mm未満、約100mm未満、約90mm未満、約80mm未満、約70mm未満、又は約60mm未満まで調節することができる。いくつかの実施形態において、基材距離は、少なくとも約30mm、少なくとも約35mm、少なくとも約40mm、少なくとも約45mm、少なくとも約50mm、少なくとも約55mm、少なくとも約60mm、少なくとも約65mm、又は少なくとも約70mmまで調節することができる。いくつかの実施形態において、基材距離は、約140mm~約55mmになるように調整することができる。特定の実施形態において、基材距離は、約200mm、約195mm、約190mm、約185mm、約180mm、約175mm、約170mm、約165mm、約160mm、約155mm、約150mm、約145mm、約140mm、約135mm、約130mm、約125mm、約120mm、約115mm、約110mm、約105mm、約100mm、約95mm、約90mm、約85mm、約80mm、約75mm、約70mm、約65mm、約60mm又は約55mmまで調節することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、電極間距離は、電界紡糸装置が少なくとも0.2kV/mmの電界を維持するように調節することができる。いくつかの実施形態において、電極間距離は、装置が、少なくとも0.2kV/mm、少なくとも0.3kV/mm、少なくとも0.4kV/mm、少なくとも0.5kV/mm、少なくとも0.6kV/mm、又は少なくとも0.7kV/mmの電界を維持するように調節することができる。いくつかの実施形態において、電極間距離は、装置が0.8kV/mm以下、0.70kV/mm以下、又は0.6kV/mm以下の電界を維持するように調節することができる。いくつかの実施形態において、電極間距離は、装置が0.2kV/mm~0.8kV/mmの電界を維持できるように調整することができる。いくつかの実施形態において、電極間距離は、電界紡糸装置が約0.2kV/mm、約0.25kV/mm、約0.3kV/mm、約0.35kV/mm、約0.4kV/mm、約0.45kV/mm、約0.5kV/mm、約0.55kV/mm、約0.6kV/mm、約0.65kV/mm、約0.7kV/mm、約0.75kV/mm、又は約0.8kV/mmの電界を維持するように調節することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される装置の基材は、任意の材料から形成することができる。特定の実施形態において、基材は不織繊維基材である。特定の実施形態において、基材は非多孔性フィルム基材又は紙である。いくつかの実施形態において、基材は多孔性基材である。
【0037】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される装置のスピニング電極は、さらにノズルを含む。いくつかの実施形態において、スピニング電極はノズルを含まない。いくつかの実施形態において、スピニング電極は、回転ローラー又は回転ドラム又はワイヤ(wlfe)を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される装置の集電極は、導電性の表面を含む。いくつかの実施形態において、集電極は、平板、移動板又はベルト、管、ワイヤ又は回転ドラムである。
【0039】
<不織繊維構造体の製造方法>
電界紡糸は、ポリマーの混合物、例えば、ポリマー溶液又はポリマー溶融物からナノファイバーを製造する方法である。この方法は、このようなポリマー溶液又はポリマー溶融物に電位を印加することを含む。電界紡糸ナノファイバーマット又は膜を作製するための電界紡糸方法の特定の詳細(この電界紡糸方法を実施するための適切な装置を含む)は、国際公開WO2005/024101号、WO2006/131081号、及びWO2008/106903号に記載されており、これらの各々はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0040】
電界紡糸方法では、電極とポリマー溶液に高電圧を印加することによってスピニング電極から繊維を発生させ、そこで繊維は帯電されるか、又は集電極に向かって紡がれ、電極間の基材上に多孔性の高い不織マットとして集められる。
【0041】
電界紡糸の2つの方法はキャピラリー電界紡糸及び自由表面電界紡糸である。ニードル電界紡糸は、典型的には、スピニング電極が金属シリンジであり、これはシリンジポンプによりポリマー溶液を分配するように設置される。ニードル電界紡糸構成は、典型的には、カスタムラボスケール又はより小さな商業的に製造された機械で実施される。
【0042】
無ニードル電界紡糸は、単位時間及びスピニング電極の長さ当たりの繊維質量というより大きな生産性と、より広い面積及び不織繊維マット膜の継続的なロールストックを回収する基盤を動かす操作能力を提供する。市販の無ニードル電界紡糸装置には、ELMARCO,s.r.o.(チェコ共和国リベレツ)などがある。ELMARCO電界紡糸機は、スピニング電極にポリマー溶液を分注するという2種で機能する。特定の実施形態では、本明細書に提供されるELMARCO電極紡糸機NS 3S1000Uは、1~3本のワイヤスピニング電極を備えるパイロットスケールユニットであり、1.0m幅の移動又は固定基材上にナノファイバーを堆積させることができる。特定の実施形態において、本明細書に提供されるELMARCO電界紡糸機NS 8Sl 600Uは、1~8本のワイヤスピニング電極を備える生産ユニットであり、幅1.6mの移動又は固定基材上にナノファイバーを堆積させることができる。
【0043】
特定の態様において、本明細書に開示されている、電界紡糸装置のスピニング電極から電界紡糸装置の基材上にポリマー溶液を電界紡糸することを含む電界紡糸装置を用いて不織繊維マットを製造する方法も提供される。
【0044】
特定の態様において、ナノファイバー構造(例えば、ナノファイバーマット)を、本明細書に提供される電界紡糸装置を用いて製造する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、本明細書に提供される装置のスピニング電極からその基材上にポリマー溶液を電界紡糸することを含む。
【0045】
したがって、特定の態様において、ナノファイバー構造(例えば、ナノファイバーマット)を製造するための方法であって、スピニング電極からスピニング電極と集電極の間に配置される基材上にポリマー溶液を電界紡糸することを含み、電極間距離に対する基材距離の比が1未満である方法が本明細書に提供される。
【0046】
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.5以下、0.45以下、0.40以下、又は0.35以下である。特定の実施形態では、電極間距離に対する基材距離の比は、0.77以下である。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、少なくとも0.20、少なくとも0.25又は少なくとも0.30である。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、約0.77~約0.3である。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、0.80~0.70の間、0.75~0.65の間、0.70~0.60の間、0.65~0.55の間、0.60~0.50の間、0.55~0.45の間、0.50~0.40の間、0.45~0.35の間、又は0.40~0.30の間である。いくつかの実施形態において、電極間距離に対する基材距離の比は、約0.80、約0.75、約0.70、約0.65、約0.60、約0.55、約0.50、約0.45、約0.40、約0.35又は約0.30である。
【0047】
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態において、基材距離は、約200mm以下、約190mm以下、約180mm以下、約170mm以下、約160mm以下、約150mm以下、約140mm以下、約130mm以下、約120mm以下、約110mm以下、約100mm以下、約90mm以下、約80mm以下、約70mm以下、又は約60mm以下である。いくつかの実施形態において、基材距離は、少なくとも約30mm、少なくとも約35mm、少なくとも約40mm、少なくとも約45mm、少なくとも約50mm、少なくとも約55mm、少なくとも約60mm、少なくとも約65mm、又は少なくとも約70mmである。いくつかの実施形態において、基材距離は、約140mm~約55mmである。特定の実施形態において、基材距離は、約200mm、約195mm、約190mm、約185mm、約180mm、約175mm、約170mm、約165mm、約160mm、約155mm、約150mm、約145mm、約140mm、約135mm、約130mm、約125mm、約120mm、約115mm、約110mm、約105mm、約100mm、約95mm、約90mm、約85mm、約80mm、約75mm、約70mm、約65mm、約60mm、又は約55mmである。
【0048】
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態において、ナノファイバーは、10kV~500kV、50kV~450kV、100kV~400kV、150kV~350kV、又は200kV~300kVの電圧で電界紡糸される。本明細書に提供される方法のいくつかの実施形態において、ナノファイバーは、10kV~20kV、15kV~25kV、20kV~30kV、25kV~35kV、30kV~40kV、35kV~45kV、40kV~50kV、45kV~55kV、50kV~60kV、55kV~65kV、60kV~70kV、65kV~75kV、70kV~80kV、75kV~85kV、80kV~90kV、85kV~95kV、90kV~100kV、95kV~105kV、100kV~110kV、105kV~115kV、110kV~120kV、115kV~125kV、120kV~130kV、125kV~135kV、130kV~140kV、135kV~145kV、140kV~150kV、145kV~155kV、150kV~160kV、155kV~165kV、160kV~170kV、165kV~175kV、170kV~180kV、175kV~185kV、180kV~190kV、185kV~195kV、190kV~200kV、195kV205kV、200kV~210kV、205kV~215kV、210kV~220kV、215kV~225kV、220kV~230kV、225kV~235kV、230kV~240kV、235kV~245kV、240kV~250kV、245kV~255kV、250kV~260kV、255kV~265kV、260kV~270kV、265kV~275kV、270kV~280kV、275kV~285kV、280kV~290kV、285kV~295kV、290kV~300kV、295kV~305kV、300kV~310kV、305kV~315kV、310kV~320kV、315kV~325kV、320kV~330kV、325kV~335kV、330kV~340kV、335kV~345kV、340kV~350kV、345kV~355kV、350kV~360kV、355kV~365kV、360kV~370kV、365kV~375kV、370kV~380kV、375kV~385kV、380kV~390kV、385kV~395kV、390kV~400kV、395kV~405kV、400kV~410kV、405kV~415kV、410kV~420kV、415kV~425kV、420kV~430kV、425kV~435kV、430kV~440kV、435kV~445kV、440kV~450kV、445kV~455kV、450kV~460kV、455kV~465kV、460kV~470kV、465kV~475kV、470kV~480kV、475kV~485kV、480kV~490kV、485kV~495kV、又は490kV~500kVの電圧で電界紡糸される。
【0049】
いくつかの実施形態において、電極間距離は、電界紡糸装置が少なくとも0.2kV/mmの電界を維持するようなものである。いくつかの実施形態において、電極間距離は、装置が少なくとも0.2kV/mm、少なくとも0.3kV/mm、少なくとも0.4kV/mm、少なくとも0.5kV/mm、少なくとも0.6kV/mm、又は少なくとも0.7kV/mmの電界を維持するようなものである。いくつかの実施形態において、電極間距離は、装置が0.8kV/mm以下、0.70kV/mm以下、又は0.6kV/mm以下の電界を維持するようなものである。いくつかの実施形態において、電極間距離は、装置が0.2kV/mm~0.8kV/mmの電界を維持するようなものである。いくつかの実施形態において、電極間距離は、電界が約0.2kV/mm、約0.25kV/mm、約0.3kV/mm、約0.35kV/mm、約0.4kV/mm、約0.45kV/mm、約0.5kV/mm、約0.55kV/mm、約0.6kV/mm、約0.65kV/mm、約0.7kV/mm、約0.75kV/mm、又は約0.8kV/mmを維持するようなものである。
【0050】
いくつかの実施形態において、ポリマー溶液はポリマー又はポリマーブレンドを含む。例えば、いくつかの実施形態において、ポリマー又はポリマーブレンドは、ナイロン-6、ナイロン-46、ナイロン-66、ポリアラミド、ポリウレタン(PU)、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン-co-ビニルアセテート(PEVA)、PEVA/PLA、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、PMMA/テトラヒドロペルフルオロオクチルアクリレート(TAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、コラーゲン-PEO、ポリスチレン(PS)、ポリアニリン(PANI)/PEO、PANI/PS、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリル酸-ポリピレンメタノール(PAA-PM)、ポリアミド(PA)、絹/PEO、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、セルロースアセテート(CA)、PAA-PM/PU、ポリビニルアルコール(PVA)/シリカ、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(HEMA)、ポリ(ビニリデンジフルオライド)(PVDF)、PVDF/PMMA、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)(PFDMS)、ナイロン6/モンモリロナイト(Mt)、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリアクリルニトリル(PAN)/TiO2、ポリカプロラクトン(PCL)/金属、ポリビニルピロリドン(porrolidone)、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン-12、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリビニルブチラール(PVB)、PET/PEN、又はそれらのブレンドから選択される。
【0051】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される装置の基材は、任意の材料から形成することができる。特定の実施形態において、基材は不織繊維である。特定の実施形態において、基材は非多孔性フィルム基材である。いくつかの実施形態において、基材は多孔性基材である。いくつかの実施形態において、基材は紙である。いくつかの実施形態において、基材は接地される。
【0052】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される装置のスピニング電極はさらにノズルを含む。いくつかの実施形態において、スピニング電極はノズルを含まない。いくつかの実施形態において、スピニング電極は、回転ローラー又は回転ドラム又はワイヤ(wlfe)を含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される装置の集電極は、導電性表面を備える。いくつかの実施形態において、集電極は、平板、移動板、管、ワイヤ、回転ドラムである。
【0054】
いくつかの実施形態において、ナノファイバーマットは、0.03m/分~1m/分のライン速度で生成される。いくつかの実施形態では、ライン速度は、少なくとも約0.03m/分、少なくとも約0.04m/分、少なくとも約0.05m/分、少なくとも約0.06m/分、少なくとも約0.07m/分、少なくとも約0.08m/分、少なくとも約0.09m/分、少なくとも約0.10m/分、少なくとも約0.11m/分、少なくとも約0.12m/分、少なくとも約0.13m/分、少なくとも約0.14m/分、少なくとも約0.15m/分、少なくとも約0.16m/分、少なくとも約0.17m/分、少なくとも約0.18m/分、少なくとも約0.19m/分、少なくとも約0.20m/分、少なくとも約0.21m/分、少なくとも約0.22m/分、少なくとも約0.23m/分、少なくとも約0.24m/分、少なくとも約0.25m/分、少なくとも約0.26m/分、少なくとも約0.27m/分、少なくとも約0.28m/分、少なくとも約0.29m/分、少なくとも約0.30m/分、少なくとも約0.31m/分、少なくとも約0.32m/分、少なくとも約0.33m/分、少なくとも約0.34m/分、少なくとも約0.35m/分、少なくとも約0.36m/分、少なくとも約0.37m/分、少なくとも約0.38m/分、少なくとも約0.39m/分、少なくとも約0.40m/分、少なくとも約0.41m/分、少なくとも約0.42m/分、少なくとも約0.43m/分、少なくとも約0.44m/分、少なくとも約0.45m/分、少なくとも約0.46m/分、少なくとも約0.47m/分、少なくとも約0.48m/分、少なくとも約0.49m/分、少なくとも約0.50m/分、少なくとも約0.51m/分、少なくとも約0.52m/分、少なくとも約0.53m/分、少なくとも約0.54m/分、少なくとも約0.55m/分、少なくとも約0.56m/分、少なくとも約0.57m/分、少なくとも約0.58m/分、少なくとも約0.59m/分、少なくとも約0.60m/分、少なくとも約0.61m/分、少なくとも約0.62m/分、少なくとも約0.63m/分、少なくとも約0.64m/分、少なくとも約0.65m/分、少なくとも約0.66m/分、少なくとも約0.67m/分、少なくとも約0.68m/分、少なくとも約0.69m/分、少なくとも約0.70m/分、少なくとも約0.71m/分、少なくとも約0.72m/分、少なくとも約0.73m/分、少なくとも約0.74m/分、少なくとも約0.75m/分、少なくとも約0.76m/分、少なくとも約0.77m/分、少なくとも約0.78m/分、少なくとも約0.79m/分、少なくとも約0.80m/分、少なくとも約0.81m/分、少なくとも約0.82m/分、少なくとも約0.83m/分、少なくとも約0.84m/分、少なくとも約0.85m/分、少なくとも約0.86m/分、少なくとも約0.87m/分、少なくとも約0.88m/分、少なくとも約0.89m/分、少なくとも約0.90m/分、少なくとも約0.91m/分、少なくとも約0.92m/分、少なくとも約0.93m/分、少なくとも約0.94m/分、少なくとも約0.95m/分、少なくとも約0.96m/分、少なくとも約0.97m/分、少なくとも約0.98m/分、少なくとも約0.99m/分又は少なくとも約1.00m/分である。特定の実施形態では、ライン速度は、約0.03m/分、約0.04m/分、約0.05m/分、約0.06m/分、約0.07m/分、約0.08m/分、約0.09m/分、約0.10m/分、約0.11m/分、約0.12m/分、約0.13m/分、約0.14m/分、約0.15m/分、約0.16m/分、約0.17m/分、約0.18m/分、約0.19m/分、約0.20m/分、約0.21m/分、約0.22m/分、約0.23m/分、約0.24m/分、約0.25m/分、約0.26m/分、約0.27m/分、約0.28m/分、約0.29m/分、約0.30m/分、約0.31m/分、約0.32m/分、約0.33m/分、約0.34m/分、約0.35m/分、約0.36m/分、約0.37m/分、約0.38m/分、約0.39m/分、約0.40m/分、約0.41m/分、約0.42m/分、約0.43m/分、約0.44m/分、約0.45m/分、約0.46m/分、約0.47m/分、約0.48m/分、約0.49m/分、約0.50m/分、約0.51m/分、約0.52m/分、約0.53m/分、約0.54m/分、約0.55m/分、約0.56m/分、約0.57m/分、約0.58m/分、約0.59m/分、約0.60m/分、約0.61m/分、約0.62m/分、約0.63m/分、約0.64m/分、約0.65m/分、約0.66m/分、約0.67m/分、約0.68m/分、約0.69m/分、約0.70m/分、約0.71m/分、約0.72m/分、約0.73m/分、約0.74m/分、約0.75m/分、約0.76m/分、約0.77m/分、約0.78m/分、約0.79m/分、約0.80m/分、約0.81m/分、約0.82m/分、約0.83m/分、約0.84m/分、約0.85m/分、約0.86m/分、約0.87m/分、約0.88m/分、約0.89m/分、約0.90m/分、約0.91m/分、約0.92m/分、約0.93m/分、約0.94m/分、約0.95m/分、約0.96m/分、約0.97m/分、約0.98m/分、約0.99m/分、又は約1.00m/分である。
【0055】
いくつかの実施形態において、本方法の製品は、ナノファイバーマットである。いくつかの実施形態において、製造されたナノファイバーマットは約1μm~約500μmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ナノファイバーマットは少なくとも5μm、少なくとも10μm、少なくとも15μm、少なくとも20μm、少なくとも25μm、少なくとも30μm、少なくとも35μm、少なくとも40μm、少なくとも45μm、少なくとも50μm、少なくとも55μm、少なくとも60μm、少なくとも65μm、少なくとも70μm、少なくとも75μm、少なくとも80μm、少なくとも85μm、少なくとも90μm、少なくとも95μm、少なくとも100μm、少なくとも105μm、少なくとも110μm、少なくとも115μm、少なくとも120μm、少なくとも125μm、少なくとも130μm、少なくとも135μm、少なくとも140μm、少なくとも145μm、少なくとも150μm、少なくとも155μm、少なくとも160μm、少なくとも165μm、少なくとも170μm、少なくとも175μm、少なくとも180μm、少なくとも185μm、少なくとも190μm、少なくとも195μm、少なくとも200μm、少なくとも205μm、少なくとも210μm、少なくとも215μm、少なくとも220μm、少なくとも225μm、少なくとも230μm、少なくとも235μm、少なくとも240μm、少なくとも245μm、少なくとも250μm、少なくとも255μm、少なくとも260μm、少なくとも265μm、少なくとも270μm、少なくとも275μm、少なくとも280μm、少なくとも285μm、少なくとも290μm、少なくとも295μm、少なくとも300μm、少なくとも305μm、少なくとも310μm、少なくとも315μm、少なくとも320μm、少なくとも325μm、少なくとも330μm、少なくとも335μm、少なくとも340μm、少なくとも345μm、少なくとも350μm、少なくとも355μm、少なくとも360μm、少なくとも365μm、少なくとも370μm、少なくとも375μm、少なくとも380μm、少なくとも385μm、少なくとも390μm、少なくとも395μm、少なくとも400μm、少なくとも405μm、少なくとも410μm、少なくとも415μm、少なくとも420μm、少なくとも425μm、少なくとも430μm、少なくとも435μm、少なくとも440μm、少なくとも445μm、少なくとも450μm、少なくとも455μm、少なくとも460μm、少なくとも465μm、少なくとも470μm、少なくとも475μm、少なくとも480μm、少なくとも485μm、少なくとも490μm、少なくとも495μm、少なくとも500μmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ナノファイバーマットは、約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45mm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、約80μm、約85μm、約90μm、約95μm、約100μm、約105μm、約110μm、約115μm、約120μm、約125μm、約130μm、約135μm、約140μm、約145mm、約150μm、約155μm、約160μm、約165μm、約170μm、約175μm、約180μm、約185μm、約190μm、約195μm、約200μm、約205μm、約210μm、約215μm、約220μm、約225μm、約230μm、約235μm、約240μm、約245mm、約250μm、約255μm、約260μm、約265μm、約270μm、約275μm、約280μm、約285μm、約290μm、約295μm、約300μm、約305μm、約310μm、約315μm、約320μm、約325μm、約330μm、約335μm、約340μm、約345mm、約350μm、約355μm、約360μm、約365μm、約370μm、約375μm、約380μm、約385μm、約390μm、約395μm、約400μm、約405μm、約410μm、約415μm、約420μm、約425μm、約430μm、約435μm、約440μm、約445mm、約450μm、約455μm、約460μm、約465μm、約470μm、約475μm、約480μm、約485μm、約490μm、約495μm、約500μmの厚さを有する。
【0056】
いくつかの実施形態において、製造されたナノファイバー構造(例えば、ナノファイバーマット)は、約10nm~約1000nmの平均繊維直径を有する。繊維直径は16~36%CoVの範囲の広い分布を有する。いくつかの実施形態において、平均ナノファイバー直径は、1000nm以下、950nm以下、900nm以下、850nm以下、800nm以下、750nm以下、700nm以下、650nm以下、600nm以下、550nm以下、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、又は20nm以下である。いくつかの実施形態において、平均ナノファイバー直径は、10nm~20nm、15nm~25nm、20nm~30nm、25nm~35nm、30nm~40nm、35nm~45nm、40nm~50nm、45nm~55nm、50nm~60nm、55nm~65nm、60nm~70nm、65nm~75nm、70nm~80nm、75nm~85nm、80nm~90nm、85nm~95nm、90nm~100nm、95nm~105nm、100nm~110nm、105nm~115nm、110nm~120nm、115nm~125nm、120nm~130nm、125nm~135nm、130nm~140nm、135nm~145nm、140nm~150nm、145nm~155nm、150nm~160nm、155nm~165nm、160nm~170nm、165nm~175nm、170nm~180nm、175nm~185nm、180nm~190nm、185nm~195nm、190nm~200nm、195nm~205nm、200nm~210nm、205nm~215nm、210nm~220nm、215nm~225nm、220nm~230nm、225nm~235nm、230nm~240nm、235nm~245nm、240nm~250nm、245nm~255nm、250nm~260nm、255nm~265nm、260nm~270nm、265nm~275nm、270nm~280nm、275nm~285nm、280nm~290nm、285nm~295nm、290nm~300nm、295nm~305nm、300nm~310nm、305nm~315nm、310nm~320nm、315nm~325nm、320nm~330nm、325nm~335nm、330nm~340nm、335nm~345nm、340nm~350nm、345nm~355nm、350nm~360nm、355nm~365nm、360nm~370nm、365nm~375nm、370nm~380nm、375nm~385nm、380nm~390nm、385nm~395nm、390nm~400nm、395nm~405nm、400nm~410nm、405nm~415nm、410nm~420nm、415nm~425nm、420nm~430nm、425nm~435nm、430nm~440nm、435nm~445nm、440nm~450nm、445nm~455nm、450nm~460nm、455nm~465nm、460nm~470nm、465nm~475nm、470nm~480nm、475nm~485nm、480nm~490nm、485nm~495nm、490nm~500nm、500nm~550nm、525nm~575nm、550nm~600nm、575nm~625nm、600nm~650nm、625nm~675nm、650nm~700nm、675nm~725nm、700nm~750nm、725nm~775nm、750nm~800nm、775nm~825nm、800nm~850nm、825nm~875nm、850nm~900nm、925nm~975nm、又は950nm~1000nmである。
【0057】
いくつかの実施形態では、製造されたナノファイバー構造(例えば、ナノファイバーマット)は、泡立ち点試験(すなわち、2011年に再承認されたASTM指定F316-03「Standard Test Methods for Pore Size Characteristic of Membrane Filters by Bubble Point and Mean Flow Pore Test」に記載されている)によって決定される、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、100nm以下、又は50nm以下の最大細孔径を有する。いくつかの実施形態において、製造されたナノファイバー構造(例えば、ナノファイバーマット)は、泡立ち点試験によって決定される、10nm~20nm、15nm~25nm、20nm~30nm、25nm~35nm、30nm~40nm、35nm~45nm、40nm~50nm、45nm~55nm、50nm~60nm、55nm~65nm、60nm~70nm、65nm~75nm、70nm~80nm、75nm~85nm、80nm~90nm、85nm~95nm、90nm~100nm、95nm~105nm、100nm~110nm、105nm~115nm、110nm~120nm、115nm~125nm、120nm~130nm、125nm~135nm、130nm~140nm、135nm~145nm、140nm~150nm、145nm~155nm、150nm~160nm、155nm~165nm、160nm~170nm、165nm~175nm、170nm~180nm、175nm~185nm、180nm~190nm、185nm~195nm、190nm~200nm、195nm~205nm、200nm~210nm、205nm~215nm、210nm~220nm、215nm~225nm、220nm~230nm、225nm~235nm、230nm~240nm、235nm~245nm、240nm~250nm、245nm~255nm、250nm~260nm、255nm~265nm、260nm~270nm、265nm~275nm、270nm~280nm、275nm~285nm、280nm~290nm、285nm~295nm、290nm~300nm、295nm~305nm、300nm~310nm、305nm~315nm、310nm~320nm、315nm~325nm、320nm~330nm、325nm~335nm、330nm~340nm、335nm~345nm、340nm~350nm、345nm~355nm、350nm~360nm、355nm~365nm、360nm~370nm、365nm~375nm、370nm~380nm、375nm~385nm、380nm~390nm、385nm~395nm、390nm~400nm、395nm~405nm、400nm~410nm、405nm~415nm、410nm~420nm、415nm~425nm、420nm~430nm、425nm~435nm、430nm~440nm、435nm~445nm、440nm~450nm、445nm~455nm、450nm~460nm、455nm~465nm、460nm~470nm、465nm~475nm、470nm~480nm、475nm~485nm、480nm~490nm、485nm~495nm、又は490nm~500nmの最大細孔径を有する。
【0058】
いくつかの実施形態において、製造された電界紡糸構造(例えば、電界紡糸マット)は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の多孔度を有する。いくつかの実施形態において、多孔度は70%~95%、75%~95%、80%~95%、85%~95%、又は90%~95%である。
【0059】
いくつかの実施形態において、製造された電界紡糸構造(例えば、電界紡糸マット)は、少なくとも約1gsmの坪量を有する。あるものでは、電界紡糸構造は、少なくとも約4gsmの坪量を有する。あるものでは、電界紡糸構造は、少なくとも約5gsmの坪量を有する。あるものでは、電界紡糸構造は、少なくとも約6gsmの坪量を有する。あるものでは、電界紡糸構造は、少なくとも約7gsmの坪量を有する。あるものでは、電界紡糸構造は、少なくとも約8gsmの坪量を有する。
【0060】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、少なくとも35μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.3m/分のライン速度で生成される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、少なくとも35μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.35m/分のライン速度で生成される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、少なくとも15μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.8m/分のライン速度で生成される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、少なくとも15μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.9m/分のライン速度で生成される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、少なくとも15μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.95m/分のライン速度で生成される。
【0061】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、少なくとも4.5gsmの坪量を有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.35m/分のライン速度で生成される。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される方法は、少なくとも2.4gsmの坪量を有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.60m/分のライン速度で生成される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、少なくとも4.0gsmの坪量を有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.5m/分のライン速度で生成される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、少なくとも2.3gsmの坪量を有するナノファイバーマットを生成し、少なくとも0.9m/分のライン速度で生成される。
【0062】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、約0.1m/分のライン速度、約0.25~約0.35の電極間距離に対する基材距離の比、約0.57kV/mmの電界を有し、製造された電界紡糸マットは、約100nm~約200nmの平均線維直径、及び少なくとも約1.5gsm、少なくとも約1.75gsm、又は少なくとも約2.0gsmの坪量を有する。
【0063】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、約0.1m/分のライン速度、約0.45~約0.55の電極間距離に対する基材距離の比、約0.7kV/mmの電界を有し、製造された電界紡糸マットは、約100nm~約200nmの平均線維直径及び少なくとも約3.1gsm、少なくとも約3.2gsm、又は少なくとも約3.3gsmの坪量を有する。
【0064】
いくつかの実施形態において、ナノファイバーマット(例えば、繊維直径200nm以下のナノファイバーマット)は、少なくとも0.20g/(m-分)を超える、少なくとも0.21g/(m-分)を超える、少なくとも0.22g/(m-分)を超える、少なくとも0.23g/(m-分)を超える、少なくとも0.24g/(m-分)を超える、少なくとも0.25g/(m-分)を超える、少なくとも0.26g/(m-分)を超える、少なくとも0.27g/(m-分)を超える、少なくとも0.28g/(m-分)を超える、少なくとも0.29g/(m-分)を超える、少なくとも0.30g/(m-分)を超える、少なくとも0.31g/(m-分)を超える、少なくとも0.32g/(m-分)を超える、又は少なくとも0.33g/(m-分)を超える生産性で生成される。
【0065】
いくつかの実施形態において、ナノファイバーマットは、スピニング電極と集電極との間の距離(電極間距離)に対するスピニング電極と基材との距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%高い生産性で製造される。いくつかの実施形態において、ナノファイバーマットは、スピニング電極と集電極との間の距離(電極間距離)に対するスピニング電極と基材との距離(基材距離)の比が0.88であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%高い生産性で製造される。
【0066】
いくつかの実施形態において、製造されたナノファイバーマットは、30%以下、29%以下、28%以下、27%以下、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下の繊維直径の変動を有する。
【0067】
いくつかの実施形態において、ナノファイバーマットは、スピニング電極と集電極との間の距離(電極間距離)に対するスピニング電極と基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうものの5%以内、10%以内、15%以内、又は20%以内の繊維直径の変動を有する。いくつかの実施形態において、ナノファイバーマットは、スピニング電極と集電極との間の距離(電極間距離)に対するスピニング電極と基材との間の距離(基材距離)の比が0.88であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうものの5%以内、10%以内、15%以内、又は20%以内の繊維直径の変動を有する。
【0068】
<試験方法>
本明細書に報告する場合、坪量はASTM手順D3776/D3776M-09a(2017)「Standard Test Methods for Mass Per Unit Area (Weight) of Fabric」に従って決定し、g/m2で報告する。
【0069】
本明細書に報告する場合、多孔度は、g/m2で表される試料の坪量を、g/cm3で表されるポリマー密度、マイクロメートルで表される試料厚さで割り、100を乗じ、得られた数を100から差し引くことによって計算される。すなわち、多孔度=l00-[坪量/(密度×厚さ)×100]。
【0070】
本明細書に報告する場合、繊維直径は次のように決定される。走査型電子顕微鏡(SEM)画像(例えば、20,000倍、40,000倍、又は60,000倍の倍率で)を、ナノファイバーマット試料の各側で撮影した。少なくとも10個のはっきりと識別可能なナノファイバーの直径を各SEM画像から測定し、記録する。不規則性(すなわち、ナノファイバーの塊、ポリマー滴、ナノファイバーの交差など)は含まれなかった。各試料の両側の平均線維直径を計算し、平均して、各試料について単一の平均線維直径値を得る。
【0071】
本明細書に報告する場合、ナノファイバーマット厚さは、ASTM手順01777-96「Standard Test Method for Thickness of Textile Materials」に従って決定され、ナノメートル(nm)又はマイクロメートル(μm)で報告される。
【0072】
生産性は、坪量(g/m2)及びライン速度(m/分)の積として計算され、方法の経済性に直接関係する。複数のスピニング電極がある実施形態では、生産性は電極ごとに正規化される(すなわち、総生産性を電極数で除す)。
【0073】
本明細書に報告する場合、最大孔径は、2011年に再承認されたASTM指定F316-03「Standard Test Methods for Pore Size Characteristic of Membrane Filters by Bubble Point and Mean Flow Pore Test」に定められている泡立ち点試験によって決定され、ナノメートル(nm)で報告される。
【0074】
本明細書に報告する場合、基材距離は、基材とスピニング電極との間の最短距離である。本明細書に報告する場合、電極間距離は、スピニング電極と集電極との間の最短距離である。そのような距離は、当該技術分野で知られた任意の方法(例えば、測定テープを用いる)を用いて測定することができる。
【実施例】
【0075】
例示
[実施例1]
基材距離の操作方法、及び電界がどのように電界紡糸方法中の紡糸溶液の生産性に影響を及ぼすかをよりよく理解するために研究を行った。基材距離、電圧、電界について1/2実施要因実験を設計した。
図1及び
図5(1~4行)は、4つの実験それぞれのパラメータを示す。
【0076】
Sigma Aldrichから得たナイロン6,6を3部のギ酸と1部の酢酸との混合液に80℃で5時間溶解し、電界紡糸溶液を調製した。
【0077】
長さ50cmのIワイヤスピニング電極を後付けした改良型NS 3SI 000U電界紡糸装置(チェコ共和国リベレツ Elmarco s.r.o.)で試料を作製した。この機器上で、基材が一定速度でスピニング電極上を移動するロールツーロール様式で試料を連続的に製造した。21℃の温度、4℃の露点及び0.1m/分のライン速度で試料を紡糸した。Branopac, GmbHのBPM 85 Paperを基材として用い、その上にナイロン6,6ナノファイバーを採取した。基材距離140mm及び55mmで公称電圧80kV及び100kV、電界0.57kV/mm及び0.70kV/mmで30分間溶液を紡糸した。次いで、電界紡糸ナノファイバーマットを特性評価し、それらの坪量(BW)、厚さ及び繊維直径を決定した。
【0078】
電界0.57kV/mm又は0.70kV/mm、基材距離140mm又は55mmで電界紡糸ミックスを紡糸した。
図2に示すように、基材距離が短く、電界が強いほど生産性が大幅に向上する。最も高い可能な電界及び最も短い基材距離で操作して、最良の生産性向上を実現した。電界のさらなる増加は、電気アーク及びこの方法の中断を引き起こすが、基材距離を短くすることは、繊維の処理能力をさらに向上させる本質的な方法である。
【0079】
試験した実験条件下で製造されたマットの平均線維直径を
図2に提供する。高い電界条件では、繊維の直径が統計的に類似していた。生産性は繊維の直径が同様の場合にのみ比較できるので、このことは、さらに、生産性の高い条件で観察された坪量の増加は、生成された繊維の質量の増加に起因していることを示す。
【0080】
[実施例2]
基材距離及び電界の操作による生産性向上をさらに検討した(
図5、5~7行)。10.6重量3/4のナイロン6,6溶液を1AA:3FA中に調製した。この溶液を1つのパンを用いて電界紡糸し、0.094m/分のライン速度でBranopac BPM85紙に採取した。試料を、坪量及び繊維直径について特性評価した。
図3は、パラメータ(
図5、5~7行)に基づく電界紡糸装置の概略図を示す。
【0081】
電界を増加させると坪量が1.7倍に増加した。基材距離を短くすると、さらに1.5倍の坪量の増加がもたらされた。より高い電界とより短い基材距離で操作することにより、全体としては2.6倍の増加が達成された。(
図5、5~7行)に示すように、観察された坪量の改善は、繊維の直径の相違によるものではなかった。
【0082】
実験7の結果を実験5の結果と比較すると、同じライン速度で2.6倍の高い坪量の試料の製造により生産性の向上が実現できることが実証された。実験3を実験5と比較すると、達成された生産性の向上が、2.5倍の高いライン速度で同様の坪量の試料を生産するために実現できることが実証された。
【0083】
[実施例3]
電界をほぼ同じに保ちながら基材距離を操作することにより、紡糸溶液の生産性がどのように影響されるかをよりよく理解するための研究を行った(
図5、8~11行)。
【0084】
BASF(グレードBl 7E)から得た14%のナイロン6を1部のギ酸と2部の酢酸との混合液に80℃で5時間溶解し、電界紡糸溶液を調製した。改良型NS8S1600U電界紡糸装置(チェコ共和国リベレツ Elmarco s.r.o.)で試料を製造した。この機器上で、基材が一定速度でスピニング電極上を移動するロールツーロール様式で試料を連続的に製造した。22℃の温度、4℃の露点ですべての試料を紡糸した。Berry Global(バージニア州ウェインズボロ)から市販のReemay 6125不織布を基材として用い、その上にナイロン6ナノファイバーを採取した。
図5(8~11行)は、これらの条件の結果をまとめたものである。
【0085】
図4は、上記の装置で繊維を電界紡糸するのに使用される2組の方法の設定の概略を示す。方法の設定の最初の組は、公称電圧100kV、電界0.49kV/mm及び基材距離180mmからなった。試料はライン速度0.35及び0.54m/分で採取した。方法の設定の第2の組は、公称電圧104kV、電界0.5lkV/mm、基材距離155mmからなった。試料は0.35~0.98m/分の範囲のライン速度で採取した。次いで、電界紡糸ナノファイバーマットを特性決定し、それらの坪量(BW)、厚さ及び繊維直径を決定した。
図5(8~11行)に、用いられた方法の設定及び製造された膜の特性をまとめた。
【0086】
実験8で得られた結果と実験10で得られた結果を比較すると、電極間距離に対する基材距離の比を下げることだけで、1.4倍速いライン速度で同じ膜特性(坪量、厚さ及び線維直径)を達成できることが実証された。同様に、実験9と実験11の結果を比較すると(
図5)、電極間距離に対する基材距離の比を下げることで、1.5倍速いライン速度で同じ膜特性(坪量、厚さ及び線維直径)を達成できることが実証された。ライン速度が速いほど生産性が高い。具体的には、基材距離、又は電極間距離に対する基材距離の比を0.9から0.8まで低下させることにより、電界はほぼ同じに保っても、生産性の向上が可能であった
【0087】
実験1~11の結果を
図5に提供された表にまとめた。電極間距離(d-s/d-ie)を減少させる利点をさらに示すために、
図6(a及びb)を用いる。
図6のパネルaは散布図において生産性を示す。
図6のパネルbは、SEMを用いて測定した繊維直径を示す。生産性の高い設定は、斜線の棒グラフで示してある。基材距離から電界の効果を解析するために実行順序を再整理した。例えば、実験実施[1、2]は0.57kV/mmの電界を有し、[4、3]は0.7kV/mmの電界を有し、[6、7]は0.7kV/mmの電界を有する。製造ユニット実施[8~11]は、わずかに異なり、0.49~0.51kV/mmの範囲の電界を有する。したがって、比較は主として距離比に基づいている。
【0088】
すべての設定の繊維直径は一定で、異なる設定間での生産性の比較を許容する測定精度の範囲内である(
図6、パネル-a)。
図7は、(a)実験9での標準条件及び(b)実験10での高い生産性設定で生成した電界紡糸ナノファイバーの走査電子顕微鏡(SEM)画像を示す。顕微鏡写真は、両設定で同等の繊維構造が得られたことを示している。
【0089】
図6(実験1、2及び4、3)は、電界0.57kV/mmでは1.6倍、電界0.7kV/mmでは1.1倍の生産性の増加が達成されたことを示す。同様に、
図6のパネルb(実験6及び7)は、生産性向上、特に0.7kV/mmの高電界でも1.6倍の増加が観察された、より低い基材速度(0.04m/分)での生産性向上の別の例を示す。
【0090】
多くのシステムでは、0.7kV/mmの電界が実用的には電界の上限である。したがって、距離比を操作することにより繊維製造をさらに増加させることは、この技術の利点である。
【0091】
製造ユニットについて、(実験8~11)は、電界を0.49kV/mmから0.51kV/mmへとわずかに増加させても電極間距離を下げることにより、生産性の1.4倍~1.5倍の増加が認められた2つの例を示す。多くの製造システムについて、0.51kV/mmを超えて操作することは、安全性及び操作上の懸念がある。
【0092】
参照による援用
本明細書で言及されるすべての出版物、特許及び特許出願は、個々の出版物、特許又は特許出願が参照によって援用されるように具体的かつ個別に指示されているかのように、本明細書にその全体が参照により援用される。不一致がある場合には、本明細書のあらゆる定義も含めて、本願が支配する。
【0093】
均等物
当業者は、本明細書に記載された具体的な実施形態に対する多くの均等物を認識し、単に日常の実験を使用して、当該均等物を確かめることができるであろう。このような均等物は添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)スピニング電極、(b)該スピニング電極から第1の距離(基材距離)にある基材、及び(c)該スピニング電極から第2の距離(電極間距離)にある集電極を備え、基材は該スピニング電極と該集電極との間に位置し、該電極間距離に対する該基材距離の比が0.88未満である、電界紡糸装置。
【請求項2】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.86~約0.3である、請求項1に記載の電界紡糸装置。
【請求項3】
スピニング電極までの基材距離が約180mm~約55mmである、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項4】
前記電極間距離が、前記電界紡糸装置が0.2kV/mm~0.8kV/mmの電界を維持するようなものである、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項5】
前記基材が、不織繊維基材、非多孔性フィルム基材、膜、紙又は多孔性基材である、請求項1に記載の電界紡糸装置。
【請求項6】
前記スピニング電極がノズルをさらに含む、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項7】
前記スピニング電極がノズルを含まない、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項8】
前記スピニング電極が、回転ローラー又は回転ドラム又はワイヤを含む、請求項
7に記載の電界紡糸装置。
【請求項9】
前記集電極が導電性表面を含む、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項10】
前記集電極が、平板、移動板又はベルト、管、ワイヤ、又は回転ドラムである、請求項
9に記載の電界紡糸装置。
【請求項11】
前記電界紡糸装置は、0.35m/分の速度で37μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項12】
前記電界紡糸装置は、0.98m/分の速度で19μmの厚さを有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項13】
前記電界紡糸装置が、少なくとも0.04m/分のライン速度で200nm以下の繊維直径及び少なくとも約1.2gsmの坪量を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項14】
前記電界紡糸装置は、少なくとも0.20g/(m-分)を超える生産性で、200nm以下の繊維直径を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項15】
前記電界紡糸装置が、36%以下の繊維直径の変動を有するナノファイバーマットを生成することができる、請求項
1に記載の電界紡糸装置。
【請求項16】
(a)スピニング電極、(b)該スピニング電極から第1の距離(基材距離)にある基材、及び(c)該スピニング電極から第2の距離(電極間距離)にある集電極を備え、該基材距離及び該電極間距離が別々に調節可能であり、かつ該電極間距離に対する該基材距離の比が0.77以下であるように構成することができる、電界紡糸装置。
【請求項17】
前記電極間距離を調整することなく、前記基材距離を調整することができる、請求項
16に記載の電界紡糸装置。
【請求項18】
前記基材距離を、ノブ、レバー、又はボタンを用いて調節することができる、請求項
16に記載の電界紡糸装置。
【請求項19】
前記基材が、不織繊維基材、非多孔性フィルム基材、又は多孔性基材である、請求項
16に記載の電界紡糸装置。
【請求項20】
前記スピニング電極がノズルをさらに含む、請求項
16に記載の電界紡糸装置。
【請求項21】
前記スピニング電極がノズルを含まない、請求項
16に記載の電界紡糸装置。
【請求項22】
前記スピニング電極が、回転ローラー又は回転ドラム又はワイヤを含む、請求項
16に記載の電界紡糸装置。
【請求項23】
前記集電極が導電性表面を含む、請求項
16に記載の電界紡糸装置。
【請求項24】
集電極が、平板、移動板、管、ワイヤ、又は回転ドラムである、請求項
23に記載の電界紡糸装置。
【請求項25】
スピニング電極からスピニング電極と集電極との間に位置する基材上にポリマー溶液を電界紡糸することを含むナノファイバーマットを製造する方法であって、該スピニング電極と該集電極との間の距離(電極間距離)に対する該スピニング電極と該基材との間の距離(基材距離)の比が0.88未満である、方法。
【請求項26】
前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が0.9未満である、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
前記ナノファイバーが、10kV~500kV、50kV~450kV、100kV~400kV、150kV~350kV、又は200kV~300kVの間の、両電極にわたる全印加電圧で電界紡糸される、請求項
25に記載の方法。
【請求項28】
ナノファイバーが0.2kV/mm~0.8kV/mmの電界で電界紡糸される、請求項
25に記載の方法。
【請求項29】
前記基材が、不織繊維基材、非多孔性フィルム基材、紙又は多孔性基材である、請求項
25に記載の方法。
【請求項30】
電界紡糸がニードル電界紡糸である、請求項
25に記載の方法。
【請求項31】
電界紡糸が無ニードル電界紡糸である、請求項
25に記載の方法。
【請求項32】
前記集電極が導電性表面を含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項33】
前記集電極が、平板、移動板、管、ワイヤ、又は回転ドラムである、請求項
32に記載の方法。
【請求項34】
ナノファイバーマットが、約1μm~約500μmの厚さを有する、請求項
25に記載の方法。
【請求項35】
ナノファイバーマットが、約10nm~約1000nmの平均繊維直径を有する、請求項
25に記載の方法。
【請求項36】
ナノファイバーマットが、500nm以下の、泡立ち点試験によって決定される最大細孔径を有する、請求項
25に記載の方法。
【請求項37】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、少なくとも0.20g/(m-分)を超える生産性で製造される、請求項
25に記載の方法。
【請求項38】
ナノファイバーマットが200nm以下の繊維直径を有し、前記スピニング電極と前記集電極との間の距離(電極間距離)に対する前記スピニング電極と前記基材との間の距離(基材距離)の比が1であることを除いて、同一条件下でそうであったであろうよりも少なくとも5%高い生産性で製造される、請求項
25に記載の方法。
【請求項39】
ナノファイバーマットが36%以下の繊維直径の変動を有する、請求項
25に記載の方法。
【請求項40】
前記ポリマー溶液がポリマー又はポリマーブレンドを含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項41】
前記ポリマー又はポリマーブレンドが、ナイロン-6、ナイロン-46、ナイロン-66、ポリウレタン(PU)、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン-co-ビニルアセテート(PEVA)、PEVA/PLA、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、PMMA/テトラヒドロペルフルオロオクチルアクリレート(TAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、コラーゲン-PEO、ポリスチレン(PS)、ポリアニリン(PANI)/PEO、PANI/PS、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリル酸-ポリピレンメタノール(PAA-PM)、ポリアミド(PA)、絹/PEO、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリ塩化ビニル(PVP)、セルロースアセテート(CA)、PAA-PM/PU、ポリビニルアルコール(PVA)/シリカ、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(HEMA)、ポリ(ビニリデンジフルオライド)(PVDF)、PVDF/PMMA、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)(PFDMS)、ナイロン6/モンモリロナイト(Mt)、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリアクリルニトリル(PAN)/TiO2、ポリカプロラクトン(PCL)/金属、ポリビニルピロリドン(porrolidone)、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン-12、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリビニルブチラール(PVB)、PET/PEN、又はそれらのブレンドから選択される、請求項
40に記載の方法。
【請求項42】
前記ナノファイバーマットが0.03m/分~1m/分のライン速度で生成される、請求項
25に記載の方法。
【請求項43】
前記ライン速度が約0.04m/分である、請求項
42に記載の方法。
【請求項44】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.45~約0.55である、請求項
43に記載の方法。
【請求項45】
前記ナノファイバーマットが、約0.7kV/mmの電界で電界紡糸される、請求項
44に記載の方法。
【請求項46】
前記電界紡糸マットが、約100nm~約200nmの平均繊維直径を有する、請求項
45に記載の方法。
【請求項47】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約6gsmの坪量を有する、請求項
46に記載の方法。
【請求項48】
前記ライン速度が約0.1m/分である、請求項
42に記載の方法
【請求項49】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.25~約0.35である、請求項
48に記載の方法。
【請求項50】
前記ナノファイバーマットが、約0.57kV/mmの電界で電界紡糸される、請求項
49に記載の方法。
【請求項51】
前記電界紡糸マットが、約100nm~約200nmの平均繊維直径を有する、請求項
50に記載の方法。
【請求項52】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約1.5gsmの坪量を有する、請求項
51に記載の方法。
【請求項53】
前記電極間距離に対する前記基材距離の比が約0.45~約0.55である、請求項
48に記載の方法。
【請求項54】
前記電界紡糸マットが、約0.7kV/mmの電界で電界紡糸される、請求項
53に記載の方法。
【請求項55】
前記電界紡糸マットが、約100nm~約200nmの平均繊維直径を有する、請求項
54に記載の方法。
【請求項56】
前記電界紡糸マットが、少なくとも約3.1gsmの坪量を有する、請求項
55に記載の方法。
【請求項57】
前記ナノファイバーマットが少なくとも35μmの厚さを有し、少なくとも0.3m/分のライン速度率で生成される、請求項
25に記載の方法。
【請求項58】
前記ナノファイバーマットが少なくとも15μmの厚さを有し、少なくとも0.8m/分のライン速度率で生成される、請求項
25に記載の方法。
【請求項59】
前記ナノファイバーマットが少なくとも4.5gsmの坪量を有し、少なくとも0.35m/分のライン速度で生成される、請求項
25に記載の方法。
【国際調査報告】