(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】保持装置及び製品監視システム
(51)【国際特許分類】
A61B 90/70 20160101AFI20220106BHJP
A61C 19/00 20060101ALI20220106BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A61B90/70
A61C19/00 J
A61L2/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523082
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2019079342
(87)【国際公開番号】W WO2020089142
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】102018126969.2
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローランド-アロイス ヒューゲル
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー ウーバー
【テーマコード(参考)】
4C052
4C058
【Fターム(参考)】
4C052AA10
4C052LL06
4C058AA12
4C058BB07
4C058DD04
4C058DD05
4C058DD06
4C058DD14
4C058JJ06
(57)【要約】
本発明は、少なくとも一つの滅菌可能な医療製品(2)を、特に洗浄プロセス中に保持し、洗浄プロセスの前及び/又は洗浄プロセスの後に医療製品(2)を保管するための保持装置(1)に関する。保持装置(1)は、信号伝送方式で少なくとも一つのセンサに接続される/接続され得るデータ処理装置(4)を備え、センサは、特に、洗浄プロセス中の温度を決定するための温度センサ(6)及び/又は洗浄プロセス中の洗浄剤の静圧及び/又は動圧を決定するための圧力センサ(8)である。データ処理装置(4)は、センサ信号を洗浄情報に処理し、並びにメモリ装置(20)を含み、及び/又は、メモリ装置(20)にデータ伝送方式で接続され/接続され得る。ここで、メモリ装置(20)は、洗浄情報が記憶される/され得る。洗浄情報は、評価装置(24)によってメモリ装置(20)から取り出される/読み取られることができ、それにより、医療製品(2)の洗浄プロファイルが、洗浄情報に基づいて評価装置(24)によって決定され得る。本発明はさらに、製品監視システム(36)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの滅菌可能な医療製品(2)を、特に、洗浄プロセス中に保持し、前記洗浄プロセスの前及び/又は前記洗浄プロセスの後に前記医療製品(2)を保管するための保持装置(1)であって、
前記保持装置(1)は、信号伝送方式で少なくとも一つのセンサに接続される/接続され得るデータ処理装置(4)を有し、
前記センサは、特に、前記洗浄プロセス中の温度を決定するための温度センサ(6)、及び/又は洗浄剤の静圧及び/又は動圧を決定するための圧力センサ(8)であり、
前記データ処理装置(4)は、センサ信号を洗浄情報に処理し、
前記データ処理装置(4)は、記憶装置(20)であって、前記洗浄情報が記憶される/記憶され得る前記記憶装置(20)を有し、及び/又は、前記洗浄情報が記憶される/記憶され得る前記記憶装置(20)に、データ伝送方式で接続され/接続され得、
前記洗浄情報は、評価装置(24)によって前記記憶装置(20)から取り出される/読み出されることができ、前記医療製品(2)の洗浄プロファイルは、前記洗浄情報に基づいて、前記評価装置(24)によって決定され得ることを特徴とする、
保持装置(1)。
【請求項2】
前記保持装置(1)は、
供給ライン(12)と、
前記供給ライン(12)から分岐し、特にハンドピース(10)を受け入れるための濯ぎレセプタクル(Spulaufnahme)(16)が接続された少なくとも一つの洗浄ライン(14)と、
を有し、
前記洗浄剤は、前記供給ライン(12)と、前記洗浄ライン(14)と、前記濯ぎレセプタクル(16)と、を介して、洗浄対象の前記ハンドピース(10)の部分に供給され得ることを特徴とする請求項1に記載の保持装置(1)。
【請求項3】
温度センサ(6)及び/又は圧力センサ(8)は、前記供給ライン(12)及び/又は前記洗浄ライン(14)及び/又は前記濯ぎレセプタクル(16)に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の保持装置(1)。
【請求項4】
温度センサ(6)は、前記保持装置(1)に一体化されており、温度経過又は温度曲線を検出し、それを前記データ処理装置(4)に転送するように構成されており、
前記データ処理装置(4)は、特に光学信号及び/又は音響信号を介して、ユーザに指示を提供するように構成されている信号発生器を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項5】
前記データ処理装置(4)は、前記温度経過若しくは前記温度曲線を介して前記洗浄プロセス若しくは前記洗浄油プロセスを検出し、及び/又は前記洗浄プロセス若しくは前記洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかに関する結論を出すように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の保持装置(1)。
【請求項6】
前記信号発生器は、
どのくらいの時間前記洗浄プロセス又は前記洗浄油プロセスが実施されるべきかを前記ユーザに示すこと、及び/又は、前記洗浄プロセス又は前記洗浄油プロセスが実施された後、前記洗浄プロセス又は前記洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかを前記ユーザに示すこと、及び/又は、次にどのステップを実施しなければならないのかを前記ユーザに示すことを特徴とする、請求項5に記載の保持装置(1)。
【請求項7】
保持装置(1)であって、
二つの温度センサ、即ち第1温度センサ(6)と第2温度センサとが設けられており、
前記第1温度センサ(6)は、前記保持装置(1)の供給ライン(12)に設けられ、
前記第2温度センサは、前記保持装置(1)上であって前記供給ライン(12)の外側に設けられ、基準測定のために設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項8】
前記データ処理装置(4)は、前記医療製品(2)のデータメモリ(18)に接続され/接続され得、
前記洗浄情報は、前記データメモリ(18)に記憶される/記憶され得ることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項9】
前記保持装置(1)は、少なくとも一つの識別アセンブリ(26、28)を有し、
前記識別アセンブリ(26、28)は、前記データ処理装置(4)と動作可能に接続され/接続され得、
前記保持装置(1)に配置された前記医療製品(2)を識別特徴(30、34)に基づいて識別することができ、
前記データ処理装置(4)によって、前記識別特徴(30、34)を、前記医療製品(2)の製品情報になる前記洗浄情報とリンクさせることができることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項10】
前記医療製品(2)の識別は、無線方式によって少なくとも部分的に実施されること、及び/又は、前記医療製品(2)の識別は、有線方式によって少なくとも部分的に実施されることを特徴とする、請求項9に記載の保持装置(1)。
【請求項11】
前記データ処理装置(4)は、伝送装置(22)を有し、及び/又は、データ伝送方式で伝送装置(22)と動作可能に接続され/接続され得、
前記データ処理装置(4)と前記評価装置(24)との間のデータ伝送接続は、前記伝送装置(22)を介して確立され得、それによって、前記洗浄情報及び/又は製品情報は、前記データ処理装置(4)から前記評価装置(24)に送信されることができることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項12】
前記伝送装置(22)は、前記評価装置(24)へのデータ伝送接続が、無線規格、特に移動無線規格、WLAN規格、及び/又は近距離無線通信規格によって確立され得るように設計されることを特徴とする、請求項11に記載の保持装置(1)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも一つの前記保持装置(1)と、少なくとも一つの評価装置(24)とを備えた、医療製品を監視するための製品監視システム(36)。
【請求項14】
前記評価装置(24)は、外部記憶媒体(34、36)と動作可能に接続され、前記洗浄情報及び/又は前記製品情報は、前記データ処理装置(4)から前記評価装置(24)を介して前記外部記憶媒体(34、36)に伝送されることを特徴とする、請求項13に記載の製品監視システム(36)。
【請求項15】
前記外部記憶媒体は、クラウドストレージ(44)であることを特徴とする、請求項14に記載の製品監視システム(36)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの滅菌可能な医療製品を、特に洗浄プロセス中に保持するための、並びに洗浄プロセス前及び/又は洗浄プロセス後に医療製品を保管するための保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本タイプの保持装置は、とりわけ、外科用器具のモータ及びハンドピースを洗浄並びに保持するために提供され、とりわけ、独国特許出願公開第102010017624号明細書に記載されている。ホルダは、特に滅菌器、濯ぎシステム等の医療用洗浄システムのホルダ内に配置された医療用製品と共に配置される。さらに、ホルダを滅菌容器と一緒に使用し、滅菌容器内に配置することも可能であり、その結果、医療製品の滅菌後に、医療製品の新たな汚染が効果的に防止されることが保証される。
【0003】
また、例えば、再利用可能なインプラントが、上述した外科用器具と同様の方法で再処理されることは、一般的な慣行である。多くのこれらの再処理可能なインプラントにとって、特に、それらがチタンで作られる場合、頻繁な再処理は、医療製品の品質の損失につながる。例えば、チタンスクリュの場合、腐食及びバイオフィルム形成からチタンスクリュを保護する酸化物層の厚さは、強力な洗浄物質を頻繁に使用することよって低減される。再処理可能なインプラントは、多くの場合、セットで提供され、セットの個々の要素が実際に使用されるかどうかにかかわらず、セットは、常に一緒に再処理プロセスを受ける。
【0004】
従来技術から、例えば、本出願人の関連製品によれば、洗浄及び再処理プロセス全体を通して医療製品を保持する上述のタイプのホルダが知られている。このようなホルダは、例えば、独国特許出願公開第102010017624号明細書から知られている。
【0005】
医療製品がその耐用年数の間にどの程度の頻度で再処理されたかを追跡することができるようにするために、例えば、独立したエネルギ供給ユニット又はエネルギ・ハーベスティング・ユニットを医療製品のモータ内に備えた一体型温度センサであって、洗浄プロセス中の温度を記録し、モータのデータメモリに保存する温度センサを提供することが知られている。この目的に適した記憶装置を有するモータは、例えば、独国特許出願公開第102011050192号明細書に記載されている。特に、ここでの欠点は、そのような解決策が医療製品において比較的大きな設置スペースを占め、その重量を増加させることである。特に、これらの欠点は、神経外科手術、最小侵襲性処置などの分野で使用するための医療製品には受け入れられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医療製品の監視において、以下のことが重要であると示されている。
-医療製品自体の体積変化及び/又は重量変化ができる限り回避される。
-個々の医薬品の監視が可能である。
【0007】
更に、以下のことが望ましい。
-記録されたデータを無線で読み出すことができる。
-記録されたデータを評価のために供給することができる。
-世界中でそのデータにアクセスすることができる。
【0008】
先行技術の前述の説明に鑑みて、本発明の目的は、前述の望ましい特性の全体を可能な限り達成することができる、滅菌可能な医療製品のための保持装置を提供することである。
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を有する保持装置によって、又はそのような保持装置を有する製品監視システムによって解決される。本発明の有利な実施形態/さらなる発展形態は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、少なくとも一つの滅菌可能な医療製品を、特に洗浄プロセス中に保持し、洗浄プロセスの前及び/又は洗浄プロセスの後に医療製品を保管するための保持装置に関する。本発明によれば、保持装置は、信号伝送方式で少なくとも一つのセンサに接続される/接続され得るデータ処理装置を有し、センサは、特に、洗浄プロセス中の温度を決定するための温度センサ、及び/又は洗浄プロセス中の洗浄流体の静圧及び/又は動圧を決定するための圧力センサである。データ処理装置は、センサ信号を洗浄情報に処理し、記憶装置であって、洗浄情報が記憶される/記憶され得る記憶装置を有し、及び/又は、洗浄情報を記憶することができる記憶装置にデータ伝送方式で接続される/接続され得ることができる。洗浄情報は、評価装置によって記憶装置から取り出される/読み出されることができ、医療製品の洗浄プロファイルは、洗浄情報に基づいて、評価装置によって決定されることができる。
【0011】
従って、医療製品の体積及び/又は重量を変えることなく、洗浄プロファイルによって医療製品の洗浄プロセスを記録することが可能である。特に、センサデータの経路が洗浄プロファイルの一部であることも提供される。データ処理装置とセンサとの間の信号伝送接続は、例えば、有線接続及び/又は無線接続によって確立することができる。洗浄剤の圧力及び温度を決定することに加えて、例えば、洗浄油の量、pH値、導電率などを一つ又は複数のセンサによって決定することができることも提供される。全ての決定されたデータについて、経路、サイクル、滞留時間、時間経路等を記録することができる。
【0012】
データ処理装置が、例えば、いわゆるSOC(システム・オン・チップ)であり得ることも意図される。ホルダ上で、即ち、洗浄対象領域の内側/領域内、及び/又は滅菌対象領域の内側/領域内で、データ処理装置を使用できるようにするために、データ処理装置が環境の影響から保護されることが提供される。
【0013】
評価装置は、例えば、PC、ラップトップ、タブレット等であってもよい。さらに、評価装置を、さらなるコンピュータシステムの構成要素、例えば医療製品の制御装置として設計することも可能である。
【0014】
本発明の有利な実施形態では、保持装置は、供給ラインと、供給ラインから分岐する少なくとも一つの洗浄ラインとを有し、これに、医療製品、特にハンドピースを受け入れるための濯ぎレセプタクル(Spulaufnahme)が接続されることが提供される。ここで、洗浄剤は、供給ラインと、洗浄ラインと、濯ぎレセプタクルとを介して、洗浄対象部分、特にハンドピースの洗浄対象部分へ供給され得る。本発明の意味におけるハンドピースは、上述の外科用器具のハンドピースを意味する。
【0015】
また、保持装置が複数の洗浄ラインを有することができ、各洗浄ラインが濯ぎレセプタクルに関連付けられ、その結果、洗浄ラインを監視することによって、洗浄プロセスが所定のパラメータに従って実施されたかどうか、及び濯ぎレセプタクル上に配置された医療製品、特にハンドピースが適切に洗浄されたかどうかを判定することが可能であることが有利に提供される。
【0016】
本発明の有利な実施形態は、温度センサ及び/又は圧力センサが、供給ライン及び/又は洗浄ライン及び/又は濯ぎレセプタクルに配置されることを提供する。供給ライン、洗浄ライン及び濯ぎレセプタクルの間の熱力学的及び流体力学的結合により、各洗浄ラインが圧力センサを有し、且つ、供給ラインが温度センサを有する場合、洗浄プロファイルを決定するのに十分である。
【0017】
洗浄プロセス中の、供給ライン内の決定された温度及び洗浄ライン内の圧力は、パラメータを定義し、パラメータによって、各医療製品、特にハンドピースの洗浄プロセスを、適切且つ衛生的な再処理を保証するような形態で実行されたことを決定することができる。
【0018】
保持装置の簡単な構造を達成するために、供給ラインのみが圧力センサ及び温度センサの両方を有することが可能であり、また意図される。これは、主に同様の医療製品、特に同様の汚染度を有するハンドピースが洗浄される場合に特に有利である。
【0019】
温度センサは、保持装置に一体化されており、温度曲線又は温度変化又は(経時的)温度曲線を(連続的に)検出し、それをデータ処理装置に渡すように構成されており、且つデータ処理装置が、特に光学信号及び/又は音響信号を介して、指示又は通知又は情報又は警告をユーザに提供するように構成される信号発生器を駆動するように構成されている場合に特に有利である。したがって、温度変化の量及び持続時間、又は経時的な温度変化を検出する少なくとも一つの温度センサが好ましくは設けられる。
【0020】
データ処理装置は、好ましくは、温度経過若しくは温度変化若しくは(経時的)温度曲線を介して洗浄プロセス若しくは洗浄油プロセスを検出するように、又は(実施された)洗浄プロセス若しくは(実施された)洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかに関する結論を出すように構成されている。
【0021】
例えば、洗浄プロセスは、温度センサによって測定された温度が洗浄プロセスを示す所定の温度を超えたときに検出される。所定の温度は、例えば、50℃~70℃の間の温度とすることができ、特に好ましくは、所定の温度は約60℃である。
【0022】
好ましくは、信号発生器は、どのくらいの時間洗浄プロセス又は洗浄油プロセスが実施されるべきかをユーザに指示する。代替的に又は追加的に、(実施された)洗浄プロセスの後又は(実施された)洗浄油プロセスの後に、信号発生器は、好ましくは、洗浄プロセス又は洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかをユーザに示す。代替的に又は追加的に、信号発生器は、好ましくは、ユーザが次にどのステップを実施しなければならないかをユーザに示す。
【0023】
例えば、洗浄プロセスを検出した後、又は洗浄プロセスを実施した後、データ処理装置は、好ましくは光信号発生器又は音響信号発生器である信号発生器を駆動して、好ましくは光又は音響信号によって、洗浄プロセスが適切に実施されたかどうかをユーザに知らせることができる。
【0024】
更に、洗浄プロセスを検知した後、又は洗浄プロセスを実施した後、データ処理装置は、好ましくは光信号発生器又は音響信号発生器である信号発生器を駆動することができるので、ユーザに、洗浄油(洗浄油プロセス)で医療製品を維持する次のステップを実施しなければならないことを知らせる。これは、洗浄消毒器(WD)における洗浄プロセス後の、医療製品の絶対的に必要な洗浄油プロセスが、しばしば、洗浄要員によって忘れられるか、又は知られないため、特に重要である。例えば、光学的警告メッセージ(例えば、赤色LED)及び/又は適切な光学的記号をユーザに表示し、次のステップが洗浄油による医療製品のメンテナンスでなければならないことをユーザに知らせることができる。
【0025】
データ処理装置は、好ましくは、洗浄油プロセスも検出するように構成される。特に、洗浄油プロセスの開始後、プロペラントの膨張冷却により温度センサの温度が急激に(最初の一秒間で約20K又は20℃)降下する。温度センサは常に/連続的に温度経過を記録するため、この短時間での急激な温度降下を検知することもできる。データ処理装置は、好ましくは、洗浄油プロセスが実施されたかどうか(はい/いいえ)、及び洗浄油プロセスが適切な方法で実施されたかどうかを(特に、温度降下の形状/タイプ及びその持続時間を介して)検出する。したがって、信号発生器は、好ましくは、洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかを(視覚的又は音響的信号によって)ユーザに知らせることもできる。さらに、洗浄油プロセスの適切な/必要な時間は、好ましくは、温度降下の形状及びその持続時間を介して決定することができ、(音響信号及び/又は光信号によって、例えばLEDをオフにすることによって)ユーザに伝達することができる。
【0026】
好ましい構成例は、2つの温度センサ、即ち、第1の温度センサ及び第2の温度センサが設けられ、第1の温度センサは、保持装置の供給ラインに設けられ、第2の温度センサは、保持装置上の供給ラインの外側に設けられ、基準測定のために設けられていることを特徴とする。したがって、換言すれば、2つの温度センサが設けられていることが特に好ましい。
【0027】
本発明のアイデアの有利な実施形態では、データ処理装置は、医療製品のデータメモリに接続することができ、洗浄情報は、データメモリに記憶することができる。従って、データ処理装置は、決定された洗浄情報を医療製品のデータメモリに書き込むことが提供される。関連する制御装置に使用前に接続されるモータ及び/又はハンドピースの場合、記憶された洗浄情報は、制御装置によって読み出され及び/又は表示されることができる。このようなデータ伝送は、例えば、有線接続を介して、又は無線によって実行することができる。
【0028】
保持装置のそのような実施形態では、医療製品に関連する洗浄情報を医療製品のデータメモリに直接書き込むことによって、洗浄情報が医療製品のアイデンティティにリンクされる。
【0029】
保持装置の有利な実施形態では、保持装置は、少なくとも一つの識別アセンブリを有し、識別アセンブリは、データ処理装置と動作可能に接続され、それによって保持装置に配置された医療製品を識別特徴に基づいて識別することができる、ことが提供され、データ処理装置によって、識別特徴は、医療製品の製品情報になる洗浄情報とリンクさせることができる。本発明のこのような実施形態は、製品情報に処理された洗浄情報が医療製品とは独立して伝送されることを可能にし、したがって、外部分析、在庫監視、サービス間隔の監視などの状況での使用にも適している。
【0030】
識別アセンブリは、例えば、NFCチップを読み取るためのリーダであり得ることが提供される。ここで識別特徴は、医療製品上に配置されたNFCチップである。本発明の意味における識別特徴は、自動化可能な方法によって物体を識別するのに適した、すべての手段並びにそこに記憶された識別情報を意味する。洗浄情報が識別特徴にリンクされると、洗浄情報は識別特徴の識別情報によって拡張される。識別特徴は、特に、NFCチップ、抵抗器コード、EEPROM(登録商標)、バーコード、機械可読な数字の配列などである。識別アセンブリは、部分的に又は完全にデータ処理装置に統合されることも可能である。
【0031】
識別アセンブリは、無線だけでなく有線によっても、データ処理装置と動作可能に接続することができる。無線接続は、例えば、無線LANのような無線規格によって確立することができることが提供される。
【0032】
本発明の有利な実施形態は、医療製品の識別が無線方式によって少なくとも部分的に実施されることを提供する。本発明の意味における医療製品の識別は、特に、識別アセンブリと識別特徴とのどの組み合わせが医療製品を識別するために使用されるか、ということを意味する。この文脈において、無線方式は、例えば、無線ベースの電子的方式と、光学的方式との両方を含む。無線ベースの電子的方式は、例えば、RFID技術、WLAN、NFC等の使用を含む。光学的方式は、例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、機械可読な数字の配列等の使用を含む。
【0033】
本発明によれば、医療製品の識別は、有線ベースの方式によって少なくとも部分的に実施されることも可能であり、場合によっては提供される。有線ベースの方式では、物理的接続、特にケーブル接続が、識別アセンブリと識別特徴との間に確立されていることが提供される。特に有線ベースの識別に適した識別特徴は、例えば、抵抗器コード、EEPROM(登録商標)等である。
【0034】
医療製品の識別において冗長性を達成するために、異なる識別手段を並列に使用することも可能であり、必要であれば提供される。特に、これは、医療製品を識別する際の誤り率を低減し、信頼性(Ausfallsicherheit erhoht)が向上する。
【0035】
データ処理装置から評価装置への洗浄情報及び/又は製品情報の直接伝送を達成するために、本発明によれば、必要に応じて、データ処理装置が、伝送装置を有し及び/又は伝送装置とデータ伝送方式で動作可能に接続され、データ処理装置と評価装置との間のデータ伝送接続が伝送装置を介して確立され、それによって、洗浄情報及び/又は製品情報がデータ処理装置から評価装置に伝送され得ることが提供される。本発明による保持装置のこのような構成は、洗浄対象の医療製品がそれ自身のデータメモリを有していない場合に特に有利である。このような医療製品は、例えば、圧縮空気ハンドピース、再処理可能なインプラント、工具、器具等である。評価装置は、例えば、PC、タブレット、スマートフォン等であってもよい。この実施形態では、例えば、滅菌容器の内容物が、滅菌容器を開ける必要なく、したがってその滅菌容器のシールを破る必要なく、チェックされ得ることが特に有利である。
【0036】
さらに代替的に、伝送装置は、無線規格、特に移動無線規格、WLAN規格、及び/又は近距離無線通信規格によって評価装置へのデータ伝送接続を確立することができるように構成されることが提供される。無線規格の使用は、標準化されたプロトコルを使用することができるので、伝送装置によって評価装置をデータ処理装置へ接続することを単純化する。しかしながら、接続を確立するために汎用無線規格を使用することも可能である。
【0037】
本発明はまた、本発明による上述の保持装置の少なくとも一つと、少なくとも一つの評価装置とを有する、医療製品を監視するための製品監視システムに関する。製品監視システムは、一つ又は複数の評価装置と動作可能に接続される複数の保持装置を備えることも可能である。このような製品監視システムは、多数の医療製品が評価装置によるコンタクトなしに監視されることを可能にする。再処理可能なインプラントのような、他の方法ではセットとしてのみ監視することができる医療製品もまた、個別に監視することができることは、従来技術と比較して特に有利である。
【0038】
保持装置と評価装置との間の製品情報は、直接的にも間接的にも伝送することができる。直接接続は、無線又は有線ベースとすることができる。特に、医療製品のデータメモリを介して、間接接続が確立され得ること、即ち、データメモリが最初に保持装置に接続され、製品情報がデータメモリ上に記憶され、次いで、医療製品がデータメモリと共に評価装置に接続され、それにより、製品情報が評価装置によってデータメモリから読み出され得ることが提供される。
【0039】
評価装置による正しい医療製品への製品情報の割り当てを可能にするために、評価装置は、医療製品のデータメモリに記憶された情報特徴又は製品情報を読み出すための手段を有することができる。
【0040】
本発明の有利な実施形態は、評価装置を外部記憶媒体と動作可能に接続することができ、洗浄情報及び/又は製品情報を、データ処理装置から評価装置を介して外部記憶媒体に伝送することができることを提供する。製品監視システムのこのような設計は、洗浄情報が外部システムにエクスポートされ、評価され、及び/又は記憶されることを可能にする。これは、医療製品に関する品質保証及び衛生監視のための対策を容易にする。
【0041】
本発明による製品監視システムの有利な実施形態では、外部記憶媒体がクラウドストレージであることが提供される。洗浄情報をクラウドストレージに記憶することによって、関係するグループ員、特に外科医、滅菌センターの職員、製造業者などが、場所に関係なく医療製品の条件に関する情報を受け取ることが可能になる。さらに、医療製品の製造業者は、中央集中型で、かつ組織的な労力を低減しながら、製品のアップデート、リコール、又は類似のアクションを実施及び/又は計画することができる。
【0042】
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な構成例により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図2】
図1に示された保持装置を概略的に表し、簡略化した断面図を示す。
【
図3】保持装置の一実施形態を概略的に表した側面図を示す。
【
図4】製品監視システムの実施形態の概略図を示す。
【
図5】製品監視システムの実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1~
図3はそれぞれ、洗浄プロセス中に少なくとも一つの滅菌可能な医療製品2を保持し、かつ、洗浄プロセスの前後に医療製品2を保管するための保持装置1の実施形態を示す。医療製品2は、保持装置1内に配置され、それによって、洗浄プロセス中も移送中も位置を変えることができないように保持される。図示された保持装置1は、必要に応じて、図示されていない滅菌容器内に配置され得るように構成されている。
【0045】
この目的のために、保持装置1は、例えば板金フレームといったプラットフォーム状(格子状)フレームであって、支持脚19を備え、フレームには少なくとも一つのパイプライン1bが固定されている、プラットフォーム状フレームからなる。プラットフォーム状フレームは、パイプライン1bに沿って多数の分岐1cがあり、分岐1cはハンドピースのような中空の医療製品2のための接続点/接続ノズルを形成する。これらの接続点の領域において、(板金)フレームは、それぞれの医療製品を安定して取り付けるための凹み/窪み又はクランプジョー(Klemmbacken)をそれぞれ画定する。
【0046】
図示の保持装置1は、データ処理装置4と、温度を検出するための少なくとも一つの温度センサ6と、を備えており、これは、例えば、接続点1cの領域に配置することができる。さらに、
図1及び
図2に示す保持装置1は、洗浄液の静圧を検出する少なくとも一つの圧力センサ8も有しており、これは同様に接続点1cの領域に配置される。
【0047】
図1に示す保持装置1の
図2に示す断面図は、特にハンドピース10の洗浄に適応した保持装置1の内部構造を示している。保持装置1は、供給ライン12と、供給ライン12から分岐した三本の洗浄ライン14とを有し、これらは前述の接続点1cを形成している。ハンドピース10を(流体的に)受け入れ/接続するためのそれぞれの濯ぎレセプタクル(Spulaufnahme)16が、洗浄ライン14の各々に接続/形成される。洗浄剤は、供給ライン12、洗浄ライン14、及び濯ぎレセプタクル16を介してハンドピース10に供給されることができる。洗浄ライン14の各々には圧力センサ8が配置され、供給ライン12には温度センサ6が配置されている。温度センサ6に加えて、図示しない第2の温度センサを供給ライン12の外側の保持装置1に取り付けることができ、これは基準測定を実施する役割を果たす。センサ6、8とデータ処理装置4との間のデータ伝送接続は、
図2には示されていない。
【0048】
データ処理装置4は、信号伝送方式でセンサ6、8に接続され、センサ信号を洗浄情報に処理する。
【0049】
提供された温度センサ6は、温度経過を連続的に検知してデータ処理装置4に送る。例えば、データ処理装置4は、温度が所定の値(約60℃)を超えると、洗浄消毒器内で洗浄プロセスが実施されていることを認識する。データ処理装置4は、さらに、洗浄プロセスが適切な方法で実施されたかどうかを検出し、LEDなどの信号発生器(図示せず)を駆動して洗浄プロセスが適切な方法で実施されたことをユーザに(音響的又は視覚的に)示すことができる。
【0050】
さらに、データ処理装置4は、次のステップ(洗浄消毒器における洗浄プロセスの後)において、医療製品が洗浄油で維持されなければならないこと(洗浄油プロセス)を信号発生器がユーザに知らせるように、信号発生器を制御することができる。なぜなら、特に、このステップが洗浄スタッフによってしばしば忘れられるか、又は知られていないからである。
【0051】
洗浄油プロセス開始後、プロペラントの膨張冷却により温度センサ6の温度が急激に(最初の一秒間で約20K/20℃)降下する。この温度降下は、温度センサ6によって検出され、データ処理装置4によって認識される。これにより、データ処理装置4は、洗浄油プロセスが実施されているか否かも検出する。温度降下の形状及び持続時間を介して、データ処理装置4は、さらに、洗浄油プロセスが適切に実施されたか否かを認識し、又はデータ処理装置4は、洗浄油プロセスの適切な時間/所要時間を、信号発生器を介してユーザに知らせることができる。
【0052】
図1に示す保持装置1のデータ処理装置4は、医療製品2(内)のデータメモリ18に接続され、データメモリ18に洗浄情報が記憶される。これに対して、
図3に示す保持装置1は、(外部データメモリ18の代わりに)内部記憶装置20を有する。
【0053】
図3に示す保持装置1のデータ処理装置4は、伝送装置22を有する。伝送装置22は、無線規格によって、(好ましくは)スマートフォンの形態の評価装置24にデータ伝送方式で接続されている。さらに、保持装置1はまた、第1の識別アセンブリ26及び第2の識別アセンブリ28を有し、これらはいずれもデータ処理装置4に接続されている。第1の識別アセンブリ26は、医療製品2の第1の識別特徴30、例えば、エフェクタツールシャフトに適合され、好ましくは、それを無線で識別する。第1の識別アセンブリ26のデータ処理装置4への接続も、無線接続として設計されることが好ましい。第2の識別アセンブリ28は、好ましくは、ワイヤ接続32によってデータ処理装置4に接続される。それは、更に、医療製品2の第2の識別特徴34、例えば、医療製品の接続部分と接触している。医療製品2のアイデンティティは、識別アセンブリ26、28によって、識別特徴30、34に記憶された識別情報に基づいて、決定され得る。識別特徴30、34(プローブ、スキャナ等)の識別情報は、データ処理装置4によって、洗浄情報とリンクされ、医療製品2の製品情報となる。
【0054】
評価装置24とデータ処理装置4との間のデータ伝送接続を介して、現在利用可能な製品情報と、記憶装置20に存在する製品情報との両方が評価装置24に伝送される。
【0055】
図4及び
図5は、それぞれ、(独立した)評価装置24と、データ処理装置4を有する保持装置1とを備える製品監視システム36の概略的に示された実施形態を示す。評価装置24は、例えば、データメモリ18が収容されているモータ駆動の医療製品2を制御するため の制御装置38に組み込まれている。保持装置1はエネルギ貯蔵装置40を有し、エネルギ貯蔵装置40は、そこに配置されたデータ処理装置4に電気エネルギを供給し、よってその自律動作を可能にする。さらに、図示された製品監視システム36の保持装置1は、医療製品2を識別特徴で識別することができるように、第1の識別アセンブリ26を有する。
図4及び
図5に示す実施形態では、評価装置24は、USBスティック42及びクラウドストレージ44に接続されることが好ましい。したがって、製品情報は、保持装置1のデータ処理装置4から(外部の)評価装置24を介して、USBスティック42及びクラウドストレージ44の両方に転送することができる。
【0056】
図4に示す製品監視システム36では、データ処理装置4は追加の伝送装置22を有していない。この場合、データ処理装置4と評価装置24との間の接続は、医療製品2のデータメモリ18によって間接的に行われる。対照的に、
図5に示す製品監視システム36では、データ処理装置4と評価装置24の両方が伝送装置22を有しているので、図示の実施形態では、データ処理装置4と評価装置24との間にも直接接続が確立される。医療製品2は、データメモリ18に記憶されたデータに基づいて識別され、その結果、製品情報は、評価装置24によって、現在接続されている医療製品2に割り当てられることができる。
【符号の説明】
【0057】
1:保持装置
2:医療製品
4:データ処理装置
6:温度センサ
8:圧力センサ
10:ハンドピース
12:供給ライン
14:洗浄ライン
16:濯ぎレセプタクル
18:データメモリ
20:記憶装置
22:伝送装置
24:評価装置
26:第1の識別アセンブリ
28:第2の識別アセンブリ
30:第1の識別特徴
32:ワイヤ接続
34:第2の識別特徴
36:製品監視システム
38:制御装置
40:エネルギ貯蔵装置
42:USBスティック
44:クラウドストレージ
【手続補正書】
【提出日】2021-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象領域内及び滅菌対象領域内で使用するための保持装置であって、少なくとも一つの滅菌可能な医療製品(2)を
、洗浄プロセス中に保持し、前記洗浄プロセスの前及
び前記洗浄プロセスの後に前記医療製品(2)を保管するための保持装置(1)であって、
前記保持装置(1)は、
前記洗浄プロセス中の温度を決定するためのすくなくとも一つの
温度センサ(6)に
信号伝送方式で接続され
るデータ処理装置(4)を有し
、
前記データ処理装置(4)は、センサ信号を洗浄情報に処理し、
前記データ処理装置(4)は、記憶装置(20)であって、前記洗浄情報が記憶される/記憶され得る前記記憶装置(20)を有し、及び/又は、前記洗浄情報が記憶される/記憶され得る前記記憶装置(20)に、データ伝送方式で接続され/接続され得、
前記洗浄情報は、評価装置(24)によって前記記憶装置(20)から取り出される/読み出されることができ、前記医療製品(2)の洗浄プロファイルは、前記洗浄情報に基づいて、前記評価装置(24)によって決定され得
る、
保持装置(1)。
【請求項2】
前記保持装置(1)は、
供給ライン(12)と、
前記供給ライン(12)から分岐し
、ハンドピース(10)を受け入れるための濯ぎレセプタクル(Spulaufnahme)(16)が接続された
複数の洗浄ライン(14)と、
を有し、
前記洗浄剤は、前記供給ライン(12)と、前記洗浄ライン(14)と、前記濯ぎレセプタクル(16)と、を介して、洗浄対象の前記ハンドピース(10)の部分に供給され得ることを特徴とする
、請求項1に記載の保持装置(1)。
【請求項3】
前記温度センサ(6
)は、前記供給ライン(12)及び/又は前記洗浄ライン(14)及び/又は前記濯ぎレセプタクル(16)に配置されていることを特徴とする
、請求項2に記載の保持装置(1)。
【請求項4】
前記温度センサ(6)
は、温度経過又は温度曲線を検出し、それを前記データ処理装置(4)に転送するように構成され
ていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項5】
前記データ処理装置(4)は、前記温度経過若しくは前記温度曲線を介し
て洗浄油プロセスを検出し
、前記洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかに関する結論を出すように構成されていることを特徴とする
、請求項4に記載の保持装置(1)。
【請求項6】
前記データ処理装置(4)は、前記温度センサ(6)によって検出された前記温度の急激な降下に基づいて、前記洗浄油プロセスが実施されていることを検出するように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の保持装置(1)。
【請求項7】
前記データ処理装置(4)は、ユーザに指示を提供するように構成されている信号発生器を制御するように構成されており、
前記信号発生器は、
どのくらいの時
間前記洗浄油プロセスが実施されるべきかを前記ユーザに示すこと、及び/又は
、前記洗浄油プロセスが実施された後
、前記洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかを前記ユーザに示すこと、及び/又は、次にどのステップを実施しなければならないのかを前記ユーザに示すことを特徴とする、請求項5
又は6に記載の保持装置(1)。
【請求項8】
保持装置(1)であって、
二つの温度センサ、即ち第1温度センサ(6)と第2温度センサとが設けられており、
前記第1温度センサ(6)は、前記保持装置(1)の供給ライン(12)に設けられ、
前記第2温度センサは、前記保持装置(1)上であって前記供給ライン(12)の外側に設けられ、基準測定のために設けられていることを特徴とする、請求項1から
7のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項9】
前記データ処理装置(4)は、前記医療製品(2)のデータメモリ(18)に接続され/接続され得、
前記洗浄情報は、前記データメモリ(18)に記憶される/記憶され得ることを特徴とする請求項1から
8のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項10】
前記保持装置(1)は、少なくとも一つの識別アセンブリ(26、28)を有し、
前記識別アセンブリ(26、28)は、前記データ処理装置(4)と動作可能に接続され/接続され得、
前記保持装置(1)に配置された前記医療製品(2)を識別特徴(30、34)に基づいて識別することができ、
前記データ処理装置(4)によって、前記識別特徴(30、34)を、前記医療製品(2)の製品情報になる前記洗浄情報とリンクさせることができることを特徴とする、請求項1から
9のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項11】
前記医療製品(2)の識別は、無線方式によって少なくとも部分的に実施されること、及び/又は、前記医療製品(2)の識別は、有線方式によって少なくとも部分的に実施されることを特徴とする、請求項
10に記載の保持装置(1)。
【請求項12】
前記データ処理装置(4)は、伝送装置(22)を有し、及び/又は、データ伝送方式で伝送装置(22)と動作可能に接続され/接続され得、
前記データ処理装置(4)と前記評価装置(24)との間のデータ伝送接続は、前記伝送装置(22)を介して確立され得、それによって、前記洗浄情報及び/又は製品情報は、前記データ処理装置(4)から前記評価装置(24)に送信されることができることを特徴とする、請求項1から
11のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項13】
前記伝送装置(22)は、前記評価装置(24)へのデータ伝送接続が、無線規格
、WLAN規格、及び/又は近距離無線通信規格によって確立され得るように設計されることを特徴とする、請求項
12に記載の保持装置(1)。
【請求項14】
前記保持装置(1)は、洗浄剤の静圧及び/又は動圧を決定するための圧力センサ(8)をさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項15】
前記保持装置(1)は、支持脚(19)を備えるプラットフォーム状フレームを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項16】
前記保持装置(1)は、データ処理装置(4)に電気エネルギを供給するエネルギ貯蔵装置(40)を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項17】
請求項1から
16のいずれか一項に記載の少なくとも一つの前記保持装置(1)と、少なくとも一つの評価装置(24)とを備え
る、医療製品を監視するための製品監視システム(36)。
【請求項18】
前記評価装置(24)は、外部記憶媒体(34、36)と動作可能に接続され、前記洗浄情報及び/又は前記製品情報は、前記データ処理装置(4)から前記評価装置(24)を介して前記外部記憶媒体(34、36)に伝送されることを特徴とする、請求項
17に記載の製品監視システム(36)。
【請求項19】
前記外部記憶媒体は、クラウドストレージ(44)であることを特徴とする、請求項
18に記載の製品監視システム(36)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
図4に示す製品監視システム36では、データ処理装置4は追加の伝送装置22を有していない。この場合、データ処理装置4と評価装置24との間の接続は、医療製品2のデータメモリ18によって間接的に行われる。対照的に、
図5に示す製品監視システム36では、データ処理装置4と評価装置24の両方が伝送装置22を有しているので、図示の実施形態では、データ処理装置4と評価装置24との間にも直接接続が確立される。医療製品2は、データメモリ18に記憶されたデータに基づいて識別され、その結果、製品情報は、評価装置24によって、現在接続されている医療製品2に割り当てられることができる。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
少なくとも一つの滅菌可能な医療製品(2)を、特に、洗浄プロセス中に保持し、前記洗浄プロセスの前及び/又は前記洗浄プロセスの後に前記医療製品(2)を保管するための保持装置(1)であって、
前記保持装置(1)は、信号伝送方式で少なくとも一つのセンサに接続される/接続され得るデータ処理装置(4)を有し、
前記センサは、特に、前記洗浄プロセス中の温度を決定するための温度センサ(6)、及び/又は洗浄剤の静圧及び/又は動圧を決定するための圧力センサ(8)であり、
前記データ処理装置(4)は、センサ信号を洗浄情報に処理し、
前記データ処理装置(4)は、記憶装置(20)であって、前記洗浄情報が記憶される/記憶され得る前記記憶装置(20)を有し、及び/又は、前記洗浄情報が記憶される/記憶され得る前記記憶装置(20)に、データ伝送方式で接続され/接続され得、
前記洗浄情報は、評価装置(24)によって前記記憶装置(20)から取り出される/読み出されることができ、前記医療製品(2)の洗浄プロファイルは、前記洗浄情報に基づいて、前記評価装置(24)によって決定され得ることを特徴とする、
保持装置(1)。
(項目2)
前記保持装置(1)は、
供給ライン(12)と、
前記供給ライン(12)から分岐し、特にハンドピース(10)を受け入れるための濯ぎレセプタクル(Spulaufnahme)(16)が接続された少なくとも一つの洗浄ライン(14)と、
を有し、
前記洗浄剤は、前記供給ライン(12)と、前記洗浄ライン(14)と、前記濯ぎレセプタクル(16)と、を介して、洗浄対象の前記ハンドピース(10)の部分に供給され得ることを特徴とする項目1に記載の保持装置(1)。
(項目3)
温度センサ(6)及び/又は圧力センサ(8)は、前記供給ライン(12)及び/又は前記洗浄ライン(14)及び/又は前記濯ぎレセプタクル(16)に配置されていることを特徴とする項目2に記載の保持装置(1)。
(項目4)
温度センサ(6)は、前記保持装置(1)に一体化されており、温度経過又は温度曲線を検出し、それを前記データ処理装置(4)に転送するように構成されており、
前記データ処理装置(4)は、特に光学信号及び/又は音響信号を介して、ユーザに指示を提供するように構成されている信号発生器を制御するように構成されていることを特徴とする項目1から3のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
(項目5)
前記データ処理装置(4)は、前記温度経過若しくは前記温度曲線を介して前記洗浄プロセス若しくは前記洗浄油プロセスを検出し、及び/又は前記洗浄プロセス若しくは前記洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかに関する結論を出すように構成されていることを特徴とする項目4に記載の保持装置(1)。
(項目6)
前記信号発生器は、
どのくらいの時間前記洗浄プロセス又は前記洗浄油プロセスが実施されるべきかを前記ユーザに示すこと、及び/又は、前記洗浄プロセス又は前記洗浄油プロセスが実施された後、前記洗浄プロセス又は前記洗浄油プロセスが適切に実施されたかどうかを前記ユーザに示すこと、及び/又は、次にどのステップを実施しなければならないのかを前記ユーザに示すことを特徴とする、項目5に記載の保持装置(1)。
(項目7)
保持装置(1)であって、
二つの温度センサ、即ち第1温度センサ(6)と第2温度センサとが設けられており、
前記第1温度センサ(6)は、前記保持装置(1)の供給ライン(12)に設けられ、
前記第2温度センサは、前記保持装置(1)上であって前記供給ライン(12)の外側に設けられ、基準測定のために設けられていることを特徴とする、項目1から6のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
(項目8)
前記データ処理装置(4)は、前記医療製品(2)のデータメモリ(18)に接続され/接続され得、
前記洗浄情報は、前記データメモリ(18)に記憶される/記憶され得ることを特徴とする項目1から7のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
(項目9)
前記保持装置(1)は、少なくとも一つの識別アセンブリ(26、28)を有し、
前記識別アセンブリ(26、28)は、前記データ処理装置(4)と動作可能に接続され/接続され得、
前記保持装置(1)に配置された前記医療製品(2)を識別特徴(30、34)に基づいて識別することができ、
前記データ処理装置(4)によって、前記識別特徴(30、34)を、前記医療製品(2)の製品情報になる前記洗浄情報とリンクさせることができることを特徴とする、項目1から8のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
(項目10)
前記医療製品(2)の識別は、無線方式によって少なくとも部分的に実施されること、及び/又は、前記医療製品(2)の識別は、有線方式によって少なくとも部分的に実施されることを特徴とする、項目9に記載の保持装置(1)。
(項目11)
前記データ処理装置(4)は、伝送装置(22)を有し、及び/又は、データ伝送方式で伝送装置(22)と動作可能に接続され/接続され得、
前記データ処理装置(4)と前記評価装置(24)との間のデータ伝送接続は、前記伝送装置(22)を介して確立され得、それによって、前記洗浄情報及び/又は製品情報は、前記データ処理装置(4)から前記評価装置(24)に送信されることができることを特徴とする、項目1から10のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
(項目12)
前記伝送装置(22)は、前記評価装置(24)へのデータ伝送接続が、無線規格、特に移動無線規格、WLAN規格、及び/又は近距離無線通信規格によって確立され得るように設計されることを特徴とする、項目11に記載の保持装置(1)。
(項目13)
項目1から12のいずれか一項に記載の少なくとも一つの前記保持装置(1)と、少なくとも一つの評価装置(24)とを備えた、医療製品を監視するための製品監視システム(36)。
(項目14)
前記評価装置(24)は、外部記憶媒体(34、36)と動作可能に接続され、前記洗浄情報及び/又は前記製品情報は、前記データ処理装置(4)から前記評価装置(24)を介して前記外部記憶媒体(34、36)に伝送されることを特徴とする、項目13に記載の製品監視システム(36)。
(項目15)
前記外部記憶媒体は、クラウドストレージ(44)であることを特徴とする、項目14に記載の製品監視システム(36)。
【国際調査報告】