(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ミコフェノール酸活性剤を非ヒト哺乳動物に送達するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20220107BHJP
A61K 31/365 20060101ALI20220107BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20220107BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220107BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20220107BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20220107BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220107BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20220107BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20220107BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220107BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220107BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20220107BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220107BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220107BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220107BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220107BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220107BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220107BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220107BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20220107BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K31/365
A61P1/04
A61P1/16
A61P7/06
A61P7/04
A61P13/12
A61P37/06
A61P37/08
A61P17/00
A61P19/02
A61P21/04
A61P3/10
A61P25/00
A61P17/06
A61P29/00 101
A61P9/00
A61P29/00
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/10
A61K9/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021512709
(86)(22)【出願日】2018-09-07
(85)【翻訳文提出日】2021-04-27
(86)【国際出願番号】 US2018050079
(87)【国際公開番号】W WO2020050863
(87)【国際公開日】2020-03-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519329852
【氏名又は名称】オカヴァ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クロツマン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シヴァナンド, パドマジャ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン, ウェイン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】サティヤン, ガヤトリ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076AA29
4C076AA36
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4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZC35
4C086ZC61
(57)【要約】
本開示は、制御放出の手法で、ミコフェノール酸(MPA)活性剤をイヌ対象にもたらすための組成物および方法を提供する。開示される組成物および方法は、即時放出型のMPA含有(例えば、ミコフェノール酸モフェチル)製剤において、薬力学、薬物動態学、安全性、および/または利便上の利点を有する。例えば、本開示の製剤および方法は、製剤の第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後に、リンパ球増殖が投与前の量と比較して低減するように、イヌ対象において、約8時間にわたって平均血漿[MPA]濃度を達成する、MPA活性剤の制御放出プロファイルを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヌ対象におけるリンパ球増殖および/または活性化を抑制するためのMPA活性剤を含む制御放出組成物の使用であって、前記対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mLの平均血漿[ミコフェノール酸(MPA)]を達成するように、MPA活性剤を含む前記制御放出製剤を前記対象に投与することを含み、
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mL、必要に応じて約2500ng/mL、必要に応じて約2000ng/mL、必要に応じて約1500mL、必要に応じて約700ng/mL、必要に応じて約600ng/mL、必要に応じて約500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下する、使用。
【請求項2】
前記対象が、
(i)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約350ng/ml~約2000ng/mL;
(ii)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約500ng/ml~約1700ng/mL;または
(iii)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約650ng/ml~約1500ng/mL
の血漿[MPA]の平均を達成する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記第1の用量の2.5時間後、好ましくは4時間後、より好ましくは8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記対象が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、前記組成物を投与される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記対象が、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を与えられる、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、または第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
(i)第1の用量の投与の4時間後、必要に応じて8時間後での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、
(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を投与した参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージ
より低い、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記単一用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項4から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記投与することが、15日またはそれより長い間、前記単一用量を投与することを含み、前記15日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記単一用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、MPA活性剤を含む即時放出製剤を投与された参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示し、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項4から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記即時放出製剤が、10mg/kgのMPAの1日2回用量で、前記参照イヌ対象に投与され、前記即時放出製剤が、必要に応じてミコフェノール酸モフェチルを含む、請求項7または10に記載の使用。
【請求項12】
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含み、前記ミコフェノール酸ナトリウムが、必要に応じて前記イヌ対象に経口投与される、請求項1から11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
前記制御放出組成物が、各々が
(i)コアであって、(a)前記MPA活性剤が、前記コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含まれる;または、(b)前記MPA活性剤が、前記コア内に配置される、コア;
(ii)(a)前記活性層または(b)前記コアの少なくとも一部上に配置される、制御放出層;
(iii)(a)前記活性層と前記制御放出層との間、または(b)前記コアと前記制御放出層との間に配置される、必要に応じたシールコート層;
(iv)前記制御放出層上に配置される、必要に応じた保護層
を含む、複数の粒子サブユニットを含む充填可能なカプセル剤を含み、
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含み、必要に応じて、約3mg~約2.2gの前記制御放出組成物に存在する、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記イヌが、
(i)異常リンパ球増殖に関連する自己免疫疾患もしくは障害を有するか、もしくは有することが疑われ、前記自己免疫疾患もしくは障害が、必要に応じて、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、もしくはその任意の組合せを含む;
(ii)臓器移植を受けたことがある、現在受けている、もしくは将来受ける;または
(iii)(i)および(ii)の両方である、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
イヌにおけるリンパ球増殖を抑制するための医薬を調製する方法であって、対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間、約250ng/ml~約2000ng/mlの平均血漿[ミコフェノール酸(MPA)]を維持し、
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/ml、必要に応じて約2000ng/ml、必要に応じて約1500ml、必要に応じて約700ng/ml、必要に応じて約600ng/ml、必要に応じて約500ng/mlの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/ml以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、
MPA活性剤を含む前記制御放出製剤を調製することを含む、方法。
【請求項16】
制御放出製剤であって、
(i)約3mg~約2.2gのMPA活性剤;
(ii)約21mg/kgの単一用量で前記MPA活性剤を投与されるイヌ対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、最大で約3000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間、250ng/mL~約2000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成し、
前記単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記単一用量前の15分またはそれ未満での、前記イヌから得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、前記MPA活性剤が、in vivoで前記製剤から放出されるように、前記MPA活性剤の放出を制御するための手段
を含む、製剤。
【請求項17】
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
(i)各々が前記MPA活性剤を含む複数の粒子サブユニットを含有する、多粒子薬物送達システム(MDDS);
(ii)錠剤;
(iii)懸濁剤;
(iv)糖剤;または
(v)その任意の組合せ
を含む、請求項16または17に記載の製剤。
【請求項19】
前記MDDSが、カプセル剤、小袋剤、錠剤、またはその任意の組合せを介する送達用に調製される、請求項18に記載の製剤。
【請求項20】
前記複数の粒子サブユニットの各々が、コアを含み、
(i)前記MPA活性剤が、前記コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含有される;または
(ii)前記MPA活性剤が、前記コア内に含有される、請求項18または19に記載の製剤。
【請求項21】
前記複数の粒子サブユニットの各々が、(i)の前記活性層の少なくとも一部上に配置されるか、または、(ii)の前記コアの少なくとも一部上に配置される、制御放出層をさらに含む、請求項20に記載の製剤。
【請求項22】
前記複数の粒子サブユニットの各々が、(i)の前記活性層と前記制御放出層との間に配置されるか、または、(ii)の前記コアと前記制御放出層との間に配置される、シールコート層をさらに含む、請求項21に記載の製剤。
【請求項23】
前記複数の粒子サブユニットの各々が、前記制御放出層上に配置される保護層をさらに含む、請求項22に記載の製剤。
【請求項24】
約168mgの前記MPA活性剤を含み、MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、請求項16から23のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項25】
約252mgの前記MPA活性剤を含み、MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、請求項16から23のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項26】
請求項18から25のいずれか一項に記載のMDDS、およびイヌ対象に組成物を投与するための説明書を含む、キット。
【請求項27】
食品をさらに含む、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
イヌ対象におけるリンパ球増殖を抑制するための方法であって、前記対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成し、
前記第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、
MPA活性剤を含む前記制御放出製剤を、前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項29】
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間、約350ng/mL~約2000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
対象が、前記第1の用量に続く約8時間、約500ng/mL~約1700ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
対象が、前記第1の用量に続く約8時間、約650ng/mL~約1500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の用量の2.5時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、請求項28から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の用量の4時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、請求項28から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の用量の8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項28から34に記載の方法。
【請求項37】
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約600ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記対象が、摂食状態の場合、制御放出組成物を与えられる、請求項28から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を投与することを含む、請求項28から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記投与することが、2日またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第2日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記投与することが、7日またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記投与することが、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
(i)前記投与の4時間後での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、
(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えた参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージ
より低い、請求項28から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
(i)前記投与の8時間後での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量が、
(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えた参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量
より低い、請求項28から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項42から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記投与することが、15日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記15日にわたって、前記イヌ対象が、消化管の有害事象を示さない、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えられる参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示し、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項42から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記投与することが、15日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記15日にわたって、前記イヌ対象が、前記参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示す、請求項42から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記参照イヌ対象が、10mg/kgのMPAの1日2回用量で、前記即時放出製剤を与えられる、請求項47、48、51、または52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記即時放出製剤が、ミコフェノール酸モフェチルを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記投与が、経口投与を含む、請求項28から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記制御放出製剤が、
(i)各々が前記MPA活性剤を含む複数の粒子サブユニットを含有する、多粒子薬物送達システム(MDDS);
(ii)錠剤;
(iii)懸濁剤;
(iv)糖剤;または
(v)その任意の組合せ
を含む、請求項28から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記制御放出製剤が、各々の直径が約5mmまたはそれ未満である、複数の粒子サブユニットを含む、MDDSを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記MDDSが、カプセル剤、小袋剤、錠剤、またはその任意の組合せを介する、前記対象への送達用に調製される、請求項56または57に記載の方法。
【請求項59】
前記MDDSの前記複数の粒子サブユニットの各々が、コアを含み、
(i)前記MPA活性剤が、前記コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含有される;または
(ii)前記MPA活性剤が、前記コア内に含有される、請求項26から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記複数の粒子サブユニットの各々が、制御放出層をさらに含み、前記制御放出層が、(i)の前記コアの前記MPA活性層上に配置されるか、または、(ii)の前記コアの少なくとも一部上に配置される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記複数の粒子サブユニットの各々が、シールコート層を含み、前記シールコート層が、(i)の前記コアの前記MPA活性層と前記制御放出層との間に配置されるか、または、(ii)の前記コアと前記制御放出層との間に配置される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記複数の粒子サブユニットの各々が、前記制御放出層上に配置される保護層をさらに含む、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の用量が、約3mg/kg~約35mg/kgで前記MPA活性剤を含む、請求項28から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の用量が、約15mg/kg~約30mg/kgで前記MPA活性剤を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の用量が、約3mg~約2200mgの前記MPA活性剤を含む、請求項28から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の用量が、約168mgの前記MPA活性剤を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記第1の用量が、約252mgの前記MPA活性剤を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、請求項28から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記制御放出組成物が、食物を伴って前記対象に投与される、請求項28から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記対象が、
(i)異常リンパ球増殖および/もしくは活性化に関連する自己免疫疾患もしくは障害を有する、もしくは有することが疑われる;
(ii)臓器移植および/もしくは人工インプラントを受けたことがある、現在受けている、もしくは将来受ける;または
(iii)(i)および(ii)の両方である、請求項28から69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記自己免疫疾患または障害が、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、またはその任意の組合せを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
イヌ対象における自己免疫疾患または障害を処置するための方法であって、前記自己免疫疾患または障害が、リンパ球の異常増殖および/または活性化により特徴付けられ、前記方法が、前記対象に、MPA活性剤を含む制御放出組成物を、前記MPA活性剤の約3mg/kg~約35mg/kgの用量で投与することを含み、
前記対象が、単一用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mlの平均血漿[MPA]を達成し、
前記単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記単一用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下するように、
前記対象が、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を与えられる、方法。
【請求項73】
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含む、請求項72から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記投与することが、2日またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第2日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記投与することが、7日またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項77から79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項77から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記自己免疫疾患または障害が、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、またはその任意の組合せを含む、請求項72から81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
臓器移植および/または人工インプラントを受けたことがある、現在受けている、または将来受けるイヌ対象に、MPA活性剤を含む制御放出組成物を、前記MPA活性剤の約3mg/kg~約35mg/kgの用量で投与することを含む方法であって、
前記対象が、単一用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間、250ng/mL~約2500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成し、
前記単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記単一用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下するように、
前記対象が、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を与えられる、方法。
【請求項84】
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、請求項83に記載の方法。
【請求項88】
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、前記用量を投与することを含む、請求項83から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記投与することが、2日またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第2日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項88または89に記載の方法。
【請求項91】
前記投与することが、7日またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記イヌ対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項88から90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項88から91のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自己免疫疾患は、慢性疾患の異質ファミリーを表す。このような疾患の特徴として、リンパ球の活性化および/または増殖、自己抗体の発生、ならびに、慢性炎症および組織損傷をもたらす免疫系の調節障害が挙げられる。獣医学的状況において、自己免疫疾患は、実行可能な処置の選択肢がほとんどない疾患のカテゴリーを表す。
【背景技術】
【0002】
ミコフェノール酸モフェチルは、ヒト対象および獣医学的対象の両方において、自己免疫疾患および他の状態の処置として認識されている。しかし、ミコフェノール酸モフェチルおよびミコフェノール酸ナトリウムの送達のための現在の方法および組成物は、獣医学的対象において、例えば、粘膜潰瘍に関連する消化管の不耐性、ならびに、胃ならびに小腸および大腸のびらんおよび壊死を含む、著しい副作用を起こし得る。例えば、Arns, W., “Noninfectious Gastrointestinal (GI) Complications of Mycophenolic Acid Therapy: A Consequence of Local GI Toxicity?,” Transplantation Proceedings 39:88-93 (2007)を参照のこと。さらに、現在利用可能な製剤は、in vivoで不均一な薬力学活性を有し、所望の活性を持続するために頻回な投与を必要とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Arns, W., “Noninfectious Gastrointestinal (GI) Complications of Mycophenolic Acid Therapy: A Consequence of Local GI Toxicity?,” Transplantation Proceedings 39:88-93 (2007)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、制御放出の手法で、ミコフェノール酸(MPA)活性剤をイヌ対象にもたらすための組成物および方法を提供する。開示される組成物および方法は、即時放出型のMPA含有(例えば、ミコフェノール酸モフェチル)製剤において、薬力学、薬物動態学、安全性、および/または利便上の利点を有する。例えば、本開示の製剤および方法は、製剤の第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後に、リンパ球増殖が投与前の量と比較して低減するように、イヌ対象において、約8時間にわたって平均血漿[MPA]濃度を達成する、MPA活性剤の制御放出プロファイルを提供する。ある特定の実施形態では、イヌ対象は、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間にわたって、約250ng/ml~約3000ng/mlの平均血漿[MPA]濃度を達成し、第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、第1の用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下する。
【0005】
さらに、本開示による投与では、第2(またはそれより多く)の1日1回用量の24時間後から第8の投与の前に、イヌ由来の全血試料中の増殖するリンパ球の量が、第1日の用量前の15分またはそれ未満でのイヌから得られる全血中の増殖するリンパ球の量より低いような、全身効果が生じる。
【0006】
一部の実施形態では、開示される制御放出の方法および組成物によるリンパ球増殖は、MPA活性剤を含む即時放出製剤を使用して達成する低減と比較して、より大きく、および/またはより長期間、低減する。ある特定の実施形態では、(i)本開示の第1の用量の制御放出製剤の投与の4時間(および/または8時間)後の対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えた参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージより低い。
【0007】
さらに、本開示の製剤のイヌ対象への投与は、驚いたことに、MPA活性剤を含む即時放出製剤と比較して、対象での消化管の有害事象の軽減(すなわち、数、重症度、またはその両方において)をもたらす。これは、制御放出製剤を使用して投与されるMPA活性剤の量が、即時放出型で投与されるものを超える場合でさえ起こる。
【0008】
ある特定の実施形態では、投与することは、10日またはそれより長く(必要に応じて15日またはそれより長く)連続した日数の各々の間、単一用量を投与することを含み、10日(必要に応じて15日またはそれより長く)にわたって、対象は、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象は、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む。
【0009】
したがって、本開示の方法および組成物は、例えば、イヌ対象における自己免疫疾患または障害を処置するのに有用であり、自己免疫疾患または障害は、本明細書に記載される通り、リンパ球の異常増殖および/または活性化により特徴付けられる。本開示の方法および組成物を使用する処置可能な自己免疫疾患および障害として、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症またはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血(apernicious anemia)、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、およびその任意の組合せが挙げられる。
【0010】
また本明細書で提供されるのは、MPA活性剤を含む本開示の制御放出製剤を、臓器移植および/または人工インプラントを受けたことがある、現在受けている、または将来受けるイヌ対象に、投与する方法である。
【0011】
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、MPA活性剤は、ミコフェノール酸ナトリウムを含む。本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、イヌ対象は、本明細書に記載される通り、摂食状態、または絶食状態において制御放出製剤を与えられる。ある特定の実施形態では、制御放出製剤は、経口投与される。
【0012】
MPA活性剤を含む制御放出製剤、および製剤を含むキットもまた提供される。
【0013】
別の態様では、本開示は、イヌ対象におけるリンパ球増殖を抑制する制御放出組成物の使用を提供する。
【0014】
さらなる態様では、方法は、本開示の制御放出製剤を含む医薬を製造するために提供される。
【0015】
本開示のさらなる態様、実施形態、特性、および利点、ならびにある特定の実施形態の構造、および操作は、添付図面を参照しながら以下に詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本開示の制御放出製剤の粒子サブユニットの概略例を示す。
【0017】
【
図2】
図2は、本明細書の実施形態にしたがう制御放出製剤のさらなる粒子サブユニットの実施形態の描写を示す。
【0018】
【
図3】
図3は、本開示にしたがう粒子サブユニットを含む、カプセル剤の形態での、本開示による制御放出製剤の実施形態の描写を示す。
【0019】
【
図4】
図4は、本開示にしたがう粒子サブユニットの2つの実施形態からの、二相媒体(pH1.2で2時間、その後pH6.8でのインキュベート)におけるミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。
【0020】
【
図5】
図5は、本明細書にしたがう制御放出製剤の粒子サブユニットの追加の実施形態からの、ミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。放出は、pH6.8での媒体でのインキュベートの間に測定した。
【0021】
【
図6】
図6は、本開示にしたがう粒子サブユニットのさらに別の実施形態からの、ミコフェノール酸ナトリウムの放出を示し、粒子サブユニットは、酸性媒体(pH1.2)、続いてpH6.8の媒体で2時間のインキュベートを行った。
【0022】
【
図7】
図7は、本開示にしたがう粒子サブユニットの別の実施形態からの、ミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。
【0023】
【
図8】
図8は、酸性媒体(pH1.2)、続いてpH6.8の媒体で2時間のインキュベートを行った、本開示にしたがう粒子サブユニットのさらに別の実施形態からの、ミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。
【0024】
【
図9】
図9は、本開示による粒子サブユニットの一実施形態からの、ミコフェノール酸ナトリウムの放出を示し、粒子サブユニットは、溶媒系コーティングを伴うビーズを含み、酸性媒体(pH1.2)で2時間、続いてpH6.8の媒体で12時間のインキュベートを行った。
【0025】
【
図10】
図10は、絶食させたイヌに対する即時放出型のミコフェノール酸モフェチル溶液(120mgのMMF BID、各用量が含有する;丸)、または、摂食させたイヌに対する本開示の制御放出組成物(252mgのMPAを含有する270mgの「OKV-1001」;四角)のいずれかの投与後の示された時間点で測定された、血清のミコフェノール酸の相対レベル([MPA]=ng/mLのMPA)を示す。
【0026】
【
図11】
図11は、
図10(「群」2および3)で示されるデータの別の視点を提供し、制御放出組成物(「群4」)の投与後の、絶食させたイヌにおけるMPAの平均血清レベル(ng/mL)をさらに提供する。
【0027】
【
図12】
図12は、示されたイヌの処置群において測定された、MPA代謝物であるアシルMPAグルクロニド(glucoronide)(AcMPAG)の平均血清レベル(ng/mL)を示す。
【0028】
【
図13】
図13は、示されたイヌの処置群において測定された、MPA代謝物であるMPAグルクロニド(MPAG)の平均血清レベル(ng/mL)を示す。
【0029】
【
図14】
図14は、本開示の発明者らによる、2処置、2期間の逐次的な適応交差試験の設計を示す概略図を提供する。
【0030】
【
図15】
図15は、
図14に図示した、イヌの「期間1」および「期間2」の処置群由来の経時的な第1日の血清MPA濃度を示す。
【0031】
【
図16】
図16は、
図14に図示した、イヌの「期間1」および「期間2」の処置群由来の経時的な第5日の血清MPA濃度を示す。
【0032】
図17~26は、本開示の制御放出組成物(「OKV-1001」)の薬力学(PD)活性を調査する、15日非盲検試験に関連する。
【
図17】
図17は、15日試験の設計を示す。図示した試験アームでは、オスのビーグル犬には、制御放出組成物を、「ベース用量」(270mg、252mgのMPAを含有;QD)で;1日に1回「低用量」(180mg、168mgのMPAを含有;QD)で;または、1日2回「低用量」(180mg、168mgのMPAを含有;BID)で与えた。各処置群では、n=5匹のイヌ。並行試験(図示せず)では、イヌに、即時放出型のミコフェノール酸モフェチル製剤(120mg;およそ12kgのイヌに対して約10mg/kg)のMMF、BID;n=5)、またはプラセボ(n=1)を与えた。
【0033】
【
図18】
図18は、
図17に示される非盲検試験に対する、データ収集のタイムラインを示す。PDエンドポイントは、第1日、第8日、および第15日で収集した。各エンドポイント収集日では、本明細書の表17に示す通り、合計で4つのサンプリングの時間点を使用した。
【0034】
【
図19】
図19は、15日薬力学試験の間、本開示の制御放出製剤(252mgのMPAを含有、QD)の経口投与の前、または経口投与の2.5時間後、4時間後、もしくは8時間後に、オスのビーグル犬から採取した全血試料において、増殖に関連するマーカーであるKi-67抗原を発現するリンパ球のパーセンテージを示す。Ki-67発現は、試験の第1日、第8日、および第15日に採取した試料のモノクローナル抗体Ki-67を使用して決定した。Y軸上に示されたパーセンテージは、ベースラインを基準にしており(すなわち、ベースラインKi67+細胞(+/-SD)のパーセント)、下方のバーがベースラインと比較した発現の低下を表す。
【0035】
【
図20】
図20は、本開示の制御放出製剤の単一の経口投与の前、または経口投与の2時間後、4時間後、もしくは8時間後に、オスのビーグル犬から採取した全血試料において、Ki-67抗原を発現するリンパ球の全体のパーセンテージを示す。
【0036】
【
図21】
図21は、本開示の制御放出製剤(180mg、168mgのMPAを含有、QD)の経口投与の前、または経口投与の2.5時間後、4時間後、もしくは8時間後に、オスのビーグル犬から採取した全血試料において、Ki-67抗原を発現するリンパ球のパーセンテージを示す。試料は、15日試験の第1日、第8日、および第15日に採取した。示されたパーセンテージは、ベースラインを基準にしている。
【0037】
【
図22】
図22は、即時放出型のミコフェノール酸モフェチル製剤(120mgのMMF;BID)の経口投与の前、または経口投与の0.75時間後、4時間後、もしくは8時間後に、オスのビーグル犬から採取した全血試料において、Ki-67抗原を発現するリンパ球のパーセンテージを示す。試料は、15日試験の第1日、第8日、および第15日に採取した。示されたパーセンテージは、ベースラインを基準にしている。
【0038】
【
図23】
図23は、即時放出型のミコフェノール酸モフェチル製剤(120mgのMMF、BID)、および、本開示の制御放出製剤(270mg、252mgのMPAを含有;QD)の単一用量(第1日)の薬力学の比較を示す。Ki-67発現は、示された時間点で、オスのビーグル犬から採取した全血試料において測定した。示されたパーセンテージは、ベースラインを基準にしている。
【0039】
【
図24】
図24は、15日試験の第8日および第15日で、即時放出型のミコフェノール酸モフェチル製剤(120mgのMMF、BID)、および、本開示の制御放出製剤(270mg、252mgのMPAを含有;QD)の薬力学の比較を示す。Ki-67発現は、示された時間点で、オスのビーグル犬から採取した全血試料において測定した。示されたパーセンテージは、ベースラインを基準にしている。
【0040】
【
図25】
図25は、本開示の15日試験での投与(QD)の8日後に測定した、本開示の制御放出製剤(270mg、252mgのMPAを含有)を投与した、オスのビーグル犬における、8時間の薬物動態学プロファイル(平均血漿MPA濃度)を示す。N=5匹のオスのビーグル犬。
【0041】
【
図26】
図26は、本開示の15日試験での投与の8日後に測定した、本開示の制御放出製剤(180mg、168mgのMPAを含有;BIDまたはQDで投与)を投与した、オスのビーグル犬における、8時間の薬物動態学プロファイル(平均血漿MPA濃度)を示す。処置群当たり、N=5匹のオスのビーグル犬。
【0042】
【
図27】
図27は、15日試験の第8日に、本開示の制御放出製剤(270mg、252mgのMPAを含有;QD)を投与した、オスのビーグル犬における、8時間の薬物動態学プロファイル(平均血漿MPA濃度)を、
図14に示す5日間の反復投与試験の第5日の「群A」および「群C」の処置群からの平均薬物動態学プロファイルと比較する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本開示は、獣医学的対象における、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、ミコフェノール酸活性剤の制御された送達のための方法および組成物を提供する。本明細書に開示される方法および組成物は、他の用途の中で、獣医学的対象において、リンパ球増殖を抑制し(例えば、増殖するリンパ球の数を減らし)、自己免疫疾患、異常リンパ球増殖および/または活性化に関連する血液障害、ならびに、移植またはグラフト手術に関連する免疫拒絶を処置するのに有用である。
【0044】
本明細書で参照される公開特許、特許出願、ウェブサイト、社名、および科学文献は、その各々が具体的、個別に参照により組み込まれると示された場合と同様に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に引用した任意の参考文献と、本明細書の具体的な教示との間のいかなる不一致も、後者の方を選んで解決するものとする。同様に、単語または成句の当該技術分野で理解される定義と、本明細書に具体的に教示されているような単語または成句の定義との間のいかなる不一致も、本明細書の方を選んで解決するものである。
定義
【0045】
本開示を詳細に述べる前に、本明細書で使用されるある特定の用語の定義を提供することは、その理解の助けとなり得る。追加の定義は、本開示を通して述べる。
【0046】
本明細書で使用される技術用語および科学用語は、別段の定義がない限り、本出願が属する技術分野の当業者により通常理解される意味を有する。本明細書では当業者に公知の様々な方法および材料に言及する。
【0047】
本明細書では、いかなる濃度範囲、パーセンテージ範囲、比の範囲、または整数範囲も、別段の指示がない限り、引用した範囲内の任意の整数の値や、適切な場合には、その分数(例えば、整数の10分の1、および100分の1)を含むことは理解すべきである。また、ポリマーサブユニット、サイズ、または厚さのような任意の物理的特性に関連する本明細書で引用されるいかなる数字範囲も、別段の指示がない限り、引用した範囲内の任意の整数を含むことは理解すべきである。本明細書で使用される場合、用語「約」とは、別段の指示がない限り、示される範囲、値、または構造の±20%を意味する。用語「1つ(aおよびan)」とは、本明細書で使用される場合、列挙した成分の「1つまたは複数」を指すことは理解すべきである。二者択一(例えば「または」)の使用は、選択肢の1つ、両方またはその任意の組合せのいずれかを意味することは理解すべきである。本明細書で使用される場合、用語「含む(include)」、「有する(have)」、および「含む(comprise)」は、同義的に使用され、用語およびその変形は、非限定と解釈することが意図される。
【0048】
「必要に応じた(optional)」または「必要に応じて(optionally)」とは、後述する要素、成分、事象、または状況が、起こっても起こらなくてもよく、説明には、要素、成分、事象、または状況が起こる例、およびそれらが起こらない例が含まれることを意味する。
【0049】
用語「から本質的になる(consisting essentially of)」とは、「を含む(comprising)」と等価ではなく、請求項の具体的な材料もしくはステップ、または特許請求する主題の基本的な特徴には大きな影響を及ぼさないものを指す。
【0050】
用語「消化管」、「GI管」、および「GI」は、本明細書で互換的に使用することができ、食物を取込み、食物を消化してエネルギーおよび栄養を抽出し吸収し、ならびに残存する廃棄物を排出する、獣医学的対象における臓器系を指す。GI管は、一般に、2つの下位部分を含むと見なされ、上部GI管(本明細書では「上部GI」ともいう)は、口腔、咽頭、食道、胃、および十二指腸を含み、下部GI管(本明細書では「下部GI」ともいう)は、小腸および大腸、空腸(jejeunum)、回腸、結腸、盲腸、直腸、肛門管、および肛門を含む。
【0051】
用語「MPA活性剤」および「ミコフェノール酸活性剤」は、本明細書で互換的に使用することができ、対象での生理学的または薬力学的効果を発揮する、(例えば、本開示の獣医学的な組成物の)MPAまたはMPA系成分を指す。MPA活性剤は、MPA、およびその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、相同体、水和物、または溶媒和物を含む。ある特定の実施形態では、MPA活性剤は、ミコフェノール酸ナトリウムを含む。ある特定の実施形態では、MPA活性剤は、MMFを含む。
【0052】
本明細書で使用される場合、「生物学的利用率」とは、吸収されるので、生理学的効果を生じることが可能になる薬物の割合を指す。生物学的利用率は、AUCを、例えば、標識薬物および質量分析を使用して血清濃度の経時的なプロットを描画することによる定量化により測定することができる。生物学的利用率は、「絶対的生物学的利用率(bioavailablity)」または「相対的生物学的利用率」の点から測定することができる。
【0053】
絶対的生物学的利用率(Fabs)は、静脈内投与される同じ薬物と比較して、非静脈用剤形(例えば、経口錠剤)で投与される場合の生物学的利用率に関連する。絶対的生物学的利用率は、非i.v.形態およびi.v.形態のAUCを比較し、それぞれの用量に対して補正することにより決定することができる:
Fabs=(AUC非静脈内/AUC静脈内)×(用量静脈内/用量非静脈内)
【0054】
相対的生物学的利用率(Frel)は、薬物の2つの異なる剤形の生物学的利用率を比較する。各剤形に対する相対的なAUCを比較し、相対的な用量を使用して、計算値を正規化する:
Frel=(AUC剤形A/AUC剤形B)×(用量B/用量A)
【0055】
薬力学(「PD」)とは、本明細書で使用される場合、対象における薬物の1つまたは複数の生化学的または生理学的効果を指す。PDは、用量-応答関係または濃度-応答関係の文脈において記載することができ、受容体アゴニスト作用および下流効果を通して作用を刺激もしくは抑制すること、(例えば、シグナル伝達経路、もしくは酵素の触媒活性などの)作用を遮断もしくは拮抗すること、作用を安定化すること、物質を交換、置換、もしくは蓄積すること(例えば、グリコーゲン蓄積)、直接的な有益な化学反応をもたらす、または、直接的な有害な化学反応(例えば、細胞毒性、突然変異生成、もしくは刺激作用)をもたらすことのような機序を通して、望ましい効果、望ましくない効果、または中立的な効果の範囲を包含することができる。MPA組成物および関連する方法についての本明細書に記載のPD値として、例えば、MPA活性剤を投与したイヌ対象での有害効果(例えば、下痢、軟便、嘔吐などのような消化管の有害事象)、自己抗体のレベルまたは活性、サイトカイン放出の速度またはレベル、炎症、および、例えば増殖関連マーカー抗原Ki-67の存在により決定する通り、増殖を含むBまたはTリンパ球数または機能性が挙げられる。リンパ球の増殖を決定するための他のマーカーおよびアッセイは、当該技術分野で公知であり、本明細書で熟慮される。リンパ球増殖の抑制は、全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージの低下により測定し得、ベースラインレベルに対する低下として、未処理のパーセンテージとして、または他に許容された手段により報告することができる。本明細書にさらに詳述する通り、Ki-67発現は、モノクローナル抗体Ki-67(「mAb-Ki-67」)を使用して測定することができる。
【0056】
本明細書で使用される場合、「イヌ」とは、Canidae科の任意のメンバーを指し、イエイヌ(その任意の品種または任意の変異種、ならびに2つまたはそれより多い品種または変異種の任意の組合せ、ならびにそれらの組合せ)、オオカミ、キツネ、ジャッカル、ならびにコヨーテが挙げられる。
【0057】
「自己免疫疾患」および「自己免疫障害」は、本明細書で互換的に使用することができ、対象の免疫系が、対象自体の細胞または組織を抗原性として認識し、対象の細胞または組織に対して炎症反応を生じる状態を指す。
【0058】
一部の実施形態では、自己免疫疾患または障害は、異常リンパ球増殖および/または活性化に関連する。リンパ球の異常増殖として、例えば、増殖増加(例えば、増殖している集団におけるリンパ球の全体のパーセンテージでの増加;単一のリンパ球もしくはリンパ球の集団の増殖の速度の増加;または、正常なベースラインに対する、リンパ球もしくはリンパ球の集団による細胞分裂の1つもしくは複数のサイクルの速度の増加;例えば、細胞分裂促進因子、がん抗原、もしくは感染に関連する抗原ではなく健康な細胞もしくは組織への曝露で誘導される増殖)、ならびに、本来の機能性が低下したリンパ球、および自己反応性のような望ましくない機能性を獲得したリンパ球を含む、異常および/または機能障害のリンパ球をもたらす増殖が挙げられる。リンパ球の異常活性化とは、リンホカインの産生、細胞質の拡張、巨大分子(例えば、抗体)の合成、ならびにメモリーおよびエフェクター細胞種の分化のような、抗原または細胞分裂促進因子への接触に続いて典型的に起こる、リンパ球の機能性における1つまたは複数の異常を指す。
【0059】
ある特定の実施形態では、本開示による組成物および方法は、1つの(すなわち、1つまたは複数の)自己免疫疾患、例えば、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症またはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、宿主対移植片疾患(HvGD)およびインプラント拒絶の他の形態を含む、獣医学的な移植またはインプラント手術(例えば、組織移植、グラフト、およびデバイスインプラント)に関連する免疫反応、肝炎、ならびに、壊疽性膿皮症を処置するのに有用である。本開示の方法および組成物にしたがって処置可能な血液障害または疾患として、限定されないが、再生不良性貧血、免疫性溶性血性貧血、および免疫性血小板減少症が挙げられる。
【0060】
一部の実施形態では、本開示の方法および組成物は、臓器移植および/または人工インプラント(例えば、人工角膜インプラント、人工インプラント、または関節、靱帯、骨などの置換)を受けたことがある、現在受けている、または将来受けるイヌ対象において、(例えば、リンパ球の増殖および/または活性化を抑制することにより)免疫抑制をもたらすのに有用である。
【0061】
「処置する」、「処置」、および「改善する」とは、本明細書で使用される場合、対象(例えば、異常リンパ球増殖に関連する自己免疫疾患もしくは障害、または外科的グラフトもしくは移植を有するイヌ)の疾患、障害、または状態の防止、可能性の低減、または医療管理を指す。本開示の方法および組成物によるイヌ対象は、必ずしも必要ではないが、獣医または他の獣医学的なケア専門家が評価するか、診断するか、または処置することができる。一般に、本開示の制御放出型の獣医学的組成物を含む用量または処置レジメンは、イヌ対象に、治療的または予防的利点を引き出すのに十分な量で投与される。治療的または予防的/防止的利点として、限定されないが、臨床結果の向上;疾患に関連する症状の軽減または緩和;症状の発生頻度の低減;生活の質の向上;疾患のない状態の延長;疾患の程度の軽減、疾患状態の安定化;疾患の発症、進行の遅延;緩解;生存;長期生存;またはその任意の組合せが挙げられる。
【0062】
MPA活性剤または本開示の制御放出製剤の「治療有効量」または「有効量」とは、統計的に有意な手法での、臨床結果の向上;疾患に関連する症状の軽減または緩和;症状の発生の低減;生活の質の向上;疾患のない状態の延長;疾患の程度の軽減;疾患状態の安定化;疾患進行の遅延;緩解;生存;または、長期生存を含む、治療効果をもたらすのに十分な量を指す。例えば、本開示の組成物および方法によるMPA活性剤の治療有効量は、BまたはTリンパ球の増殖および/もしくは活性化を低減もしくは遅延する、イヌ対象での炎症反応を防止、低減もしくは改善する;自己免疫疾患もしくは障害を処置する;または、細胞、臓器もしくは組織の移植もしくはグラフトの過程で起こる拒絶を防止し、その重症度を低減するか、もしくは開始を遅延するのに十分な量であり得る。単独で投与される個別の活性成分に言及する場合、治療有効量とは、その成分単独の効果を指す。組合せに言及する場合、治療有効量とは、順次、同時期に、または同時に投与されるかどうかに関わらず、治療効果をもたらす活性成分の組み合わせた量を指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「モジュレートすること」とは、直接的または間接的のいずれかの手法を通して、発生を低減、上昇、促進、遅延、もしくは防止すること、または、モジュレートされる発生の強度もしくは効率を増加もしくは低下させることを意味する。
【0064】
用語「制御放出」は、投与に続く即時放出から逸脱させることによって、原薬の放出のタイミングおよび/または速度を変更する生成物を記載するのに使用される。制御放出型の剤形は、時間、経路、および/または位置の薬物放出の特徴が、即時放出型の錠剤もしくは懸濁剤、または他の迅速に溶解もしくは放出する剤形のような即時放出型の剤形によりもたらされない、治療的または利便性の目的を果たすように選択される製剤である。制御放出型の経口薬物製剤として、例えば、延長放出(extended-release)製剤(即時放出型(従来)の剤形として存在する同じ薬物と比較して、投薬頻度の低減を可能にするもの、例えば、持続放出(sustained-release)および長時間作用型の製剤);遅延放出製剤(投与直後である以外の時点で、薬物の同定可能な1つまたは複数の部分を放出するもの、例えば、腸溶性コーティングされたアスピリン、および他のNSAID生成物);標的放出製剤(作用の意図された生理学的部位でまたはその周囲で薬物を放出し、即時放出または延長放出のいずれかの特徴を有し得る);ならびに、経口投与後の唾液で迅速に崩壊する、口腔内崩壊錠剤(ODT)が挙げられる。用語「制御放出」、「調節放出」、「持続放出」、「延長放出」、「長時間作用型」、「標的放出」、および「遅延放出」は、本明細書で互換的に使用することができ、投与に続く即時放出から逸脱させることによって、投与されるMPA活性剤の放出を指す。本明細書で使用される場合、「即時放出」の投与量とは、投与直後に活性成分を放出するか、または放出可能にするように製剤化される任意の剤形を指す。本開示による制御放出製剤は、ある特定の実施形態では、以下の特徴の1つまたは複数を達成するために製剤化または投与され得る:投与に続くある特定の時点で、または特定の時間内でのMPA活性剤の放出;特定の生理学的条件(例えば、pH、温度)下でのMPA活性剤の放出;公知、推定、または予測の消化、循環、または代謝の速度に基づく身体の特定部分内へのMPA活性剤の放出;別の試薬の投与に伴う、投与時の、もしくは投与後のMPA活性剤の放出;所定の量で;所定の時間でのMPA活性剤の放出;特定の放出プロファイルによるMPA活性剤の放出;または、その任意の組合せ。
【0065】
本開示の制御放出製剤のある特定の実施形態は、単一用量でMPA活性剤を投与されるイヌ対象が、本明細書に記載される通り、所望のPK効果および所望のPD効果を達成するように、MPA活性剤が、in vivoで製剤から放出されるように、MPA活性剤の放出を制御するための手段を含む。MPA活性剤のin vivoでの放出を制御するための様々な手段は、公知であり、本明細書でさらに記載され、例えば、セルロースポリマー、アクリレートポリマー、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースポリマー、制御放出用のEUDRAGIT(登録商標)ポリマー、ポリ(ビニルアクリレート)(PVA)ポリマー(例えば、KOLLIDON(登録商標)シリーズ)、ポリ(ビニルアクリレート)(PVA)ポリマー、またはその任意の組合せが挙げられる。MPA活性剤の放出を制御するための手段はまた、(必要に応じて1つまたは複数の他の材料と組み合わせた)本明細書に記載の材料の1つまたは複数を含む層を含み、その層は、所望の制御放出を達成するのに適切な任意の数、種類、および厚さで存在し得る。このような層の例として、制御放出層、保護層、およびシールコート層が挙げられ、本明細書に記載される。
【0066】
用語「薬学的に許容される賦形剤もしくは担体」、または「生理学的に許容される賦形剤もしくは担体」とは、本明細書で使用される場合、ヒトまたは他の非ヒト哺乳動物(例えばイヌ)の対象への投与に好適であり、安全として、もしくは重篤な有害事象をもたらさないと一般に認識される、不活性生体適合性ビヒクルを指し、本明細書でさらに詳細に記載される。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される担体として、対象に投与される食品または液体が挙げられる。例えば、本開示の制御放出製剤は、イヌ対象により消費される食品(「ごちそう食」を含む)または水に散布するか、噴霧するか、あるいは添加するか、または組み合わせることができる。ある特定の実施形態では、本開示のMPA組成物は、ドライドッグフード、ごちそう食、骨などのような食品に保有される(すなわち、含有される、組み合わせる、またはコーティングする)ことができる。このような実施形態を実行するのに有用な給餌レジメンは、本明細書に記載される。
【0067】
本明細書で使用される場合、「統計的に有意」とは、スチューデントt検定を使用して計算し、測定される特定の事象または結果が偶然生じることが統計的に不可能であることを示す場合、0.050またはそれより小さいp値を指す。
MPA、MPA活性剤、およびその薬理学
【0068】
ミコフェノール酸(C
17H
20O
6;「MPA」)は、酵素イノシン5’-一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の非ヌクレオシドの非競合性可逆性阻害剤であり、これは、イノシン5’-一リン酸(IMP)由来のキサンチン一リン酸(XMP)の合成を触媒する。IMP→XMPは、BおよびTリンパ球を含む、核酸合成、増殖、分化細胞に要するグアニンヌクレオチドの新規の合成における律速段階である。IMPDH活性を阻害することにより、MPAは、免疫抑制剤として作用する。例えば、Arns, W., Transplantation Proceedings 39:88-93 (2007)を参照し、その開示および方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。MPAは、式Iで示される、以下の基本構造を有する:
【化1】
【0069】
IMPDHは、2つのイソ酵素、IMPDH1およびIMPDH2を有する。前者は、最も多い細胞種で発現する一方、後者は、活性化リンパ球において優勢である(例えば、Winnicki et al., Pharmacogenomics J. 10(1):70-6 (2009)を参照のこと)。MPAは、IMPDH1より、最大で4~5倍多くIMPDH2を阻害するので、活性化リンパ球で、他の細胞より強力な細胞分裂抑制効果を有する。
【0070】
MPAは、ミコフェノール酸モフェチルエステル(MMF:CellCept(登録商標)として、米国においてヒト使用に承認)、およびNa.MPA(Myfortic(登録商標))として、補助的な免疫抑制剤としてヒトでの使用のために調製されている。
【0071】
ミコフェノール酸療法(すなわち、本明細書で定義されるような、MPAまたはその活性剤の使用を含む、単一用量または多回用量の治療レジメン)に関連する薬物有害反応(ヒト患者の1%以上)として、下痢、悪心、ゆるい便、嘔吐、関節痛、感染、白血球減少、および貧血が挙げられる。ミコフェノール酸ナトリウムもまた、一般に、疲労、頭痛、咳、および/または呼吸の問題に関連する。MMFの静脈内(IV)投与もまた、一般に、血栓静脈炎および血栓症に関連する。MMF使用に関連する有害効果(対象の0.1~1%)として、食道炎、胃炎、下痢、ゆるい便、嘔吐、消化管出血、および/または浸潤性サイトメガロウイルス(CMV)感染が挙げられる。頻度は低いが、肺線維症または様々な腫瘍形成では、例えば、黒色腫、リンパ腫、および他の悪性腫瘍が生じ、MMF関連の腫瘍形成は、種類に応じて、最も一般的な部位である皮膚での腫瘍形成を伴って、20中に1~200中に1の頻度で起こり得る。赤芽球癆(PRCA)の場合も報告されている。
【0072】
本開示による組成物および方法は、薬物動態学(「PK」)および薬力学(「PD」)を含む、薬理学的用語において記載することができる。当該技術分野で理解される通り、薬物動態学は、有機体に投与される薬物の運命、例えば、濃度、代謝、分布、吸収、半減期、または排泄に関連する。PKの非限定的な測定として、Cmax(身体の特定の区画または試験領域での薬物の最大血清濃度)、Tmax(Cmaxが観察される時間)、Cmin(最小濃度またはトラフ濃度)、Tmin(Cminが観察される時間)、T1/2(薬物または代謝物の半減期、すなわち、薬物濃度が初期値の2分の1に減少するのにかかる時間、これは排出の末期での1つまたは複数の点を使用して計算することができる)、排出速度定数「k」(末期の対数領域での1つまたは複数の濃度を使用して計算される傾き)、および、AUC(「曲線下面積」;経時的な血漿での薬物の濃度のプロットにおける定積分)が挙げられる。AUCは、所与の用量または投与レジメンにおいて経時的な全薬物曝露を表し、投与の時点で開始し、血漿濃度が最小となる場合に終了して計算することができるか、または、選択される時点で測定され、それから計算することができる。CmaxおよびCminのようなある特定のPK値が、制御放出製剤の投与に続く、本明細書で特定の時間枠、例えば、特定の時間窓、または、特定数の時間について報告することができることが理解されよう。
【0073】
MPA組成物および関連方法について本明細書に記載されるPK値として、例えば、[MPA](ミコフェノール酸薬物の濃度)、[MPAG]、および[アシル-MPAG]が挙げられる。薬物または代謝物の血清または血漿濃度は、例えば、ng/mL、mg/kg、μg/mL、μg/Lなどのような任意の適切な単位で報告することができる。経時的な濃度は、μg*h/Lまたはng*h/mLのような任意の適切な単位で報告することができる。AUCを使用して、所与の時間間隔(AUCt)にわたる濃度、または特定の時間間隔(AUCinf)で結合していない濃度を報告することができる。
【0074】
MPAのPKの他の測定値として、例えば、薬物:代謝物の比、例として、MPA含有剤(例えば、即時放出製剤または本開示の制御放出製剤)の投与に続いて得ることが可能な薬物:代謝物の比が挙げられる。
【0075】
さらに、本開示の方法および組成物は、一部の実施形態では、所望のMPA薬力学を有する。例えば、一部の実施形態では、開示される本開示の方法および組成物は、例えば、リンパ球増殖を低減する、免疫抑制をもたらす、イヌ対象における炎症反応をモジュレートする、および安全性プロファイルを改善したMPAに基づく療法を提供するために使用することができる。
製剤およびキット
【0076】
ある特定の態様では、制御放出製剤を提供し、製剤は、約3mg~約2.2gのMPA活性剤;ならびに、(ii)約21mg/kgの単一用量でMPA活性剤を投与されるイヌ対象が、単一用量に続く約8時間にわたって、最大で約3000ng/ml(例えば、約1000、1500、2000、2500、または約3000ng/ml)の血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、対象が、単一用量に続く約8時間に、250ng/ml~約2000ng/mlの平均血漿[MPA]を達成し、単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、単一用量前の15分またはそれ未満での、イヌから得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、MPA活性剤が、in vivoで製剤から放出されるように、MPA活性剤の放出を制御するための手段を含む。
【0077】
一部の実施形態では、制御放出製剤に存在するMPA活性剤の総量は、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、81、82、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、105、110、115、120、125、130、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、または2200mgである。
【0078】
一部の実施形態では、MPA活性剤は、ミコフェノール酸ナトリウムを含む。特定の実施形態では、製剤は、約180mgのミコフェノール酸ナトリウムを含む。他の実施形態では、製剤は、約270mgのミコフェノール酸ナトリウムを含む。
【0079】
任意の好適な送達システムは、本開示の製剤を送達するのに使用することができ、例えば、以下の通りである:(i)各々がMPA活性剤を含む複数の粒子サブユニットを含有する、多粒子薬物送達システム(MDDS);(ii)錠剤;(iii)懸濁剤;(iv)糖剤;(v)ミニ錠剤;または、(vi)その任意の組合せ。例えば、
図3に示す通り、カプセル剤300は、カプセル剤300内に分散または混合される複数のサブユニット100、200を含む。
【0080】
用語「多粒子薬物送達システム」とは、本明細書で「MDDS」とも略されるが、送達される薬物を含有または他の形で保有する複数の別々の粒子サブユニット(例えば、顆粒、ビーズ、ミクロ球体、スフェロイド、ペレット、およびミニ錠剤)を含む、多単位薬物の剤形を指す。本開示のMDDSは、所望の放出プロファイルに沿ってin vivoでMPA活性剤を放出する制御放出型の経口組成物であり、例えば、粒子サブユニットを含む、錠剤(ミニ錠剤を含む)、カプセル剤、糖剤、小袋剤、および懸濁剤が挙げられる。「粒子サブユニット」とは、本明細書に記載される場合、MDDSの薬物含有サブユニットを指し、例えば、本明細書でさらに記載される場合、ビーズ、顆粒、ミクロ球体、スフェロイド、ペレットなどの形態を取り得る。
【0081】
ある特定の実施形態では、製剤は、カプセル剤、小袋剤、錠剤、またはその任意の組合せを介する送達用に調製されるMDDSを含む。
【0082】
ある特定の実施形態では、MDDSは、単一種の粒子サブユニットを含む。他の実施形態では、MDDSは、多種の粒子サブユニットを含む。
【0083】
例えば、MDDSは、イヌ対象において所望の薬物放出プロファイルを達成するために、異なる放出特徴を有する粒子サブユニットの混合物を含むことができる。ゆえに、ある特定の実施形態では、異なるサイズ、または保護層の有無(本明細書に記載)、または他の特徴のコアを有する複数の粒子サブユニットは、本開示のMDDSに存在し得る。理論に束縛されることは望まないが、この可撓性は、有利には、イヌ対象の特定のサイズ、活動性、レベル、保留または処置前の応答性、全身的健康、代謝速度または機能、および、他の特定の特徴のような特徴により決定される、特定のイヌ対象(例えば、個々のイヌ)またはイヌ対象の集団もしくは下位集団(例えば、イヌの品種もしくは種)に対して、MDDSを選択または較正することを可能にする。粒子サブユニットとして、例えば、ビーズ、顆粒、ミクロ球体、スフェロイド、ペレット、およびミニ錠剤が挙げられる。
【0084】
ある特定の実施形態では、粒子サブユニット(例えば、
図1、100)は、コアおよびMPA活性剤を含む。さらなる実施形態では、粒子サブユニット100のコア(例えば、
図1、102)は、固体の支持コア、例えば、糖ビーズ、糖球体、ノンパレイルビーズ、微結晶性セルロースビーズ、シリカビーズ、炭酸カルシウムビーズ、酒石酸ビーズ、マンニトールビーズ、ラクトースビーズ、デンプンビーズ、または、MPA活性剤および本明細書に記載の他の層を配置することができる別の薬学的に許容されるコアを含む。一部の実施形態では、コア102は、コア102の少なくとも一部に配置される(例えば、コア102の一部、または全てに配置される)、活性剤の層(例えば、
図1、104)を含む。MPA活性剤は、例えば、噴霧コーティング、押出、懸濁剤の層状化、乾燥粉末の層状化、噴霧造粒、直接的なペレット化、浸漬コーティング、層状化、塗装、堆積の方法などのような、当該技術分野に公知の方法を使用してコア102に配置することができる(例えば、Glatt GmbH、Binzen、Germanyにより概説された方法、www.glatt.comを参照のこと)。
【0085】
代替的な実施形態では、
図2に例示される通り、コア202は、押出コアであり、MPA活性剤を含有する。押出コアは、例えば、米国特許第4,808,413号および米国特許第5,049,394号(各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載される通り調製することができ、結合剤-可塑剤(例えば、非親油性結合剤-可塑剤(例として微結晶性セルロース))、賦形剤(例えば、デンプン系賦形剤)、または結合剤を含み得る。追加の例示的な押出コアは、Missaghi et al., “Investigation of Venlafaxine HCl Release from Extruded and Spheronized Beads Coated with Ethylcellulose Using Organic or Aqueous Coating Systems,” Controlled Release Society Annual Meeting July 2008に記載される通り調製することができ、その開示は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
例えば、ある特定の実施形態では、押出コア202として、約50wt%~約90wt%のMPA活性剤(例えば、ミコフェノール酸ナトリウム)、約10wt%~約30wt%、または約15wt%~20wt%の押出/球状化助剤、例えば、微結晶性セルロースが挙げられる。本明細書で使用される場合、組成物中の物質の量は、複数の粒子サブユニットを含むMDDSの総重量に対するではなく、個々の組成物(例えば、単一の粒子サブユニット)の重量に対する物質の重量を意味する、「重量に対して」、「重量パーセント」、または「wt%」で記載することができる。ある特定の実施形態では、押出コア202は、以下の1つまたは複数をさらに含む:約1wt%~約10wt%、好ましくは約2wt%~約5wt%の結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファ化デンプン、エチルセルロース、もしくはポリビニルピロリドン);放出賦形剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、アクリルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルセルロース(EC)であり、これらはビーズに組み入れられるか、またはコーティングとして塗布することができる;充填剤、例えば、ラクトース、マルトデキストリン、マンニトール、ソルビトール、リン酸二カルシウムなど;ならびに、超崩壊剤(superdisintegrant)、例えば、架橋ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、グリコール酸デンプンナトリウム、またはクロスカルメロースナトリウムなど。
【0087】
押出コア(例えば、押出コア202)を有する実施形態では、MPA活性剤の少なくとも一部は、コア中に分散、溶解、混合するか、あるいはコアに分布することができる。例えば、MPA活性剤は、押出コアを生成するための様々なポリマーおよび他の賦形剤に共溶解し、次いで、押出機に通して、乾燥前に所望のサイズのビーズを形成することができる。本開示の粒子サブユニットによる押出コアを作製するのに好適な方法は、例えば、米国特許第5,049,394号に記載され、その方法は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0088】
本開示の押出コア202がまた、その上に部分的または完全に配置される活性層(すなわち、MPA活性剤)を有することが理解されよう。
【0089】
ある特定の実施形態では、理論に束縛されることは望まないが、粒子サブユニットのコア102、202のサイズは、イヌ対象へのMPA活性剤の十分な送達を確保することが重要であり得る。例えば、ある特定の例では、イヌが、下部GIにおいて、ある特定の寸法より大きな物質を容易に通過しないことが報告されている。したがって、本明細書で開示される実施形態のいずれかでは、粒子サブユニットのコアは、約0.5mm~約10mmの直径を有し得る。例えば、一部の実施形態では、コア(例えば、102、202)の直径は、約0.5mm~約9mm、約1mm~約8mm、約1mm~約7mm、約1mm~約6mm、約1mm~約5mm、約2mm~約5mm、約2mm~約4mm、または、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、もしくは約10mmの直径である。ある特定の実施形態では、コアの直径は、約5mmもしくはそれ未満であるか、または約2mm~約4mmである。例えば、一部のイヌ対象では、約5mm未満のコア直径は、投与したMDDSから遊離または分散すると、粒子サブユニットが、MPA活性剤の送達のために、イヌ対象の胃を通して、特に、イヌの胃を通して上部消化器官と次に下部消化器官へと、容易に移動することが可能になる。一部のイヌ対象に対して、約5mmより大きな直径を有するコアを伴う粒子サブユニットは、望ましくないほど長期間、胃に残る可能性があり、それによりMPA活性剤の標的化する送達に影響を及ぼす。
【0090】
加えて、ある特定のイヌの胃の粉砕強度は、ヒトの胃の粉砕強度より著しく高い(約1.5N(ヒト)対約3.2N(イヌ);(例えば、Kamba et al., Int. J. Pharmaceutics 228(1-2):209-217 (2001)を参照のこと)。ゆえに、特定の実施形態では、約5mm未満の直径を有するコアのような、より小サイズのコアは、粒子サブユニットが胃内部で粉砕されるのを防止することができ、これが、イヌ対象の胃において、MPA活性剤の早期の(したがってより効果が小さく有害の可能性がある)放出を起こし得る。
【0091】
一部の実施形態では、本開示の粒子サブユニット(100、200)は、コア102または202の少なくとも一部に配置される制御放出層108、208を含む。本明細書で使用される場合、「制御放出層」とは、所定の時間もしくは期間にわたって、または、所定の速度で、あるいは、投与に続いてMPA活性剤の即時放出を含まない放出プロファイルに沿って、MPA活性剤の放出をもたらす物質の層を指す。制御放出層を形成するのに好適な物質の非限定例として、様々なポリマー、例えば、セルロースポリマーまたはアクリレートポリマー、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースポリマー、調節放出用のEUDRAGIT(登録商標)ポリマー(例えば、EUDRAGIT RS100およびRL100の1つまたは両方、両方は任意の比であり得る)、およびポリ(ビニルアクリレート)(PVA)ポリマー(例えば、KOLLIDON(登録商標)シリーズ)が挙げられる。
【0092】
ある特定の実施形態では、制御放出層は、約15wt%~約35wt%の組成物を含む。ある特定の実施形態では、制御放出層は、例えば水性エチルセルロースの速度制御ポリマーのような、エチルセルロースを含み得る。制御放出層は、適切な速度制御膜をもたらす任意の方法で適用することができる。例えば、粉末コーティングは、制御放出層に対する堆積ビヒクルとして使用することができる。任意の好適な分散物、例えば、Surelease(Colorcon、Harleysville、PA、USA)、または当該技術分野に公知の他の生成物および物質を使用することができる。
【0093】
任意のポリマーブレンドを使用する、いかなる所望のポリマー比も、公知の技術を使用して、所望の放出プロファイルを有する組成物を生成するために利用することができる。
【0094】
したがって、ある特定の実施形態では、制御放出層108、208は、約5wt%~約50wt%、もしくは約10wt%~約40wt%、もしくは約20wt%~約30wt%、または約5wt%、約10wt%、約15wt%、約20wt%、約21wt%、約22wt%、約23wt%、約24wt%、約25wt%、約26wt%、約27wt%、約28wt%、約29wt%、約30wt%、約31wt%、約32wt%、約33wt%、約34wt%、約35wt%、約36wt%、約37wt%、約38wt%、約39wt%、もしくは約40wt%で、本明細書に記載のポリマーを含む。ある特定の実施形態では、ポリマーは、エチルセルロースポリマーであり得る。さらにさらなる実施形態では、制御放出層108、208は、その浸透性をモジュレートする可溶性成分を含み得る。MPA活性剤の放出は、制御放出層を形成するために利用される1つもしくは複数のポリマー層の厚みを変えることにより(すなわち、ポリマー層の重量を変えることにより)、または、制御放出層の浸透性に影響を及ぼす孔形成剤を添加することにより、さらに調整することができる。
【0095】
制御放出層は、単一層として適用することができる。具体的な実施形態では、制御放出層は、必要に応じて(球状、環状、円形、または長円形サブユニットの場合)、互いに同心円状に配置される、多層を含む。活性剤が、活性層104としてコア102の少なくとも一部に配置される場合の実施形態では、制御放出層108は、活性層104の少なくとも一部に配置することができる。コア202が、活性剤の少なくとも一部を含む押出コアである場合の実施形態では、制御放出層208は、コア202の少なくとも一部に配置される。
【0096】
本明細書に記載の実施形態のいずれでも、粒子サブユニット100、200は、制御放出層108、208の少なくとも一部に配置される保護層110、210をさらに含み得る。本明細書で使用される場合、「保護層」とは、胃を通して移動する、消化された組成物(例えば、本開示の粒子サブユニット)への分解または溶解からの保護をもたらす物質の層を指す。ある特定の実施形態では、保護層110、210は、製剤が、下部GI管のような、イヌ内部の所望の部位に達するまで、MPA活性剤の少なくとも一部の放出を遅延するように選択または設計される。例えば、L100のようなEudragit Lシリーズ(Evonik、Essen、DE)の1つまたは複数のポリマーを使用して、保護層を形成することができる。ある特定の実施形態では、保護層は、約8wt%~約15wt%の組成物を含む。
【0097】
利用される場合、保護層110、210は、胃酸のpH(例えば、イヌではおおよそpH1.2~pH4.5)で一体性を維持することができる、pH感受性層であり得るが、(イヌでは約4~約8のpHを有する)小腸または大腸に達すると、少なくとも部分的に分解する。ある特定の実施形態では、保護層110、210は、約6.0より大きなpHで溶解する。保護層のpH感度、ならびに粒子サブユニットまたは製剤の全体の強度および放出特徴は、処置されるイヌ対象(例えば、大型のイヌ対小型のイヌ)の生理学的特徴にしたがって変化し得ることは理解されよう。保護層110、210を形成するために好適な物質の例として、腸溶性ポリマー、例えば、EUDRAGIT(登録商標)LまたはEUDRAGIT(登録商標)Sを含むメタクリル酸系ポリマー、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、HPMCフタル酸塩、HPMC酢酸コハク酸塩、アルギン酸ナトリウム、ゼイン、ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)、セラック、メタクリル酸-エチルアクリル酸コポリマー(Kollicoat MAE)、およびその混合物が挙げられる。さらなる実施形態では、制御放出層108、208、および保護層110、210は、MPA活性剤の、pH依存性の放出ではなく、時間放出をもたらすように設計することができ、その結果、所望により、組成物が、そのまま胃を通過し、小腸および/または大腸でMPA活性剤(の少なくとも一部)を放出することが可能になる。
【0098】
さらなる実施形態では、本開示の粒子サブユニットは、シールコート106、206を含み得る。
図1の例示的な実施形態に示す通り、粒子サブユニット100では、シールコート106は、コア102および活性剤層104を制御放出層108から分離する。
図2で表される例示的な実施形態では、粒子サブユニット200は、制御放出層208をコア202から分離するシールコート206を含むが、このコア202は、MPA活性剤の少なくとも一部(すなわち、全てまたは全て未満)を含有する押出コアである。ある特定の実施形態では、シールコート106、206は、制御放出層または活性剤の相互作用および分解を低減または排除するために、部分的にまたは全体的に、MPA活性剤を制御放出層108、208から分離するのに有用であり得る。しかし、非水性コーティング法を使用して、活性剤層104をコア102に適用する実施形態では、分解は、それほど問題ではないので、シールコート106は、厚みを排除または低減することができる。シールコート106、206で使用する例示的な組成物として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)(Opadry AMB、Kollicoat)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、Opadryシリーズなどを含む、様々なセルロースポリマーが挙げられる。
【0099】
本明細書に記載の実施形態のいずれでも、制御放出製剤(および/または、その粒子サブユニット)は、MPA活性剤を胃酸による分解から保護するために、緩衝化剤または緩衝剤をさらに含むことができる。したがって、緩衝剤は、コア102、202に、またはコア102周囲の活性剤層104に添加することができる。押出コア202の場合、緩衝剤は、コア202に添加するか、またはコア202周囲の層206、208、210に添加して、緩衝をもたらし、MPA活性剤の一体性および活性を維持することができる。本明細書に記載の製剤および粒子サブユニットで使用する例示的な緩衝剤として、限定されないが、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、および酢酸緩衝液が挙げられる。
【0100】
本明細書に記載の実施形態のいずれでも、粒子サブユニットは、ある特定のpH条件下で、MPA活性剤の安定性または放出に影響を及ぼす緩衝剤をさらに含む。
【0101】
制御放出製剤の例証的な材料、量、比、および構築は、実施例に記載され、本制御放出製剤の設計および投与は、より一般的に、本開示を考慮して当業者により理解されよう。
【0102】
本開示の制御放出製剤を含み、必要に応じて、製剤をイヌ対象に投与するための説明書をさらに含むキットも、本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、キットは、随伴送達部品(companion delivery piece)をさらに含む。随伴送達部品は、例えば、潅注シリンジ、シリンジ、管、経皮貼付剤、製剤を含有する溶液を生成するための混合フラスコ;または製剤を伴って獣医学的対象に与える食品であり得る。ある特定の実施形態では、食品は、獣医学的対象に推奨される食事量のものである。本明細書に記載される通り、食品は、別の品目として、もしくはコーティング、充填としての経口摂取用の製剤、または製剤との混合物を伴うのに有用であり得る。制御放出製剤(例えば、粉剤またはマイクロビーズ)はまた、水または別の液体と混合することができ、その結果イヌ対象が飲む場合に製剤が摂取される。対象が飲めないか、または飲むことに抵抗を示す場合、潅注シリンジは、製剤を対象に送達するのに有用であり得る。
【0103】
関連する実施形態では、キットは、製剤を含む個別に封止された単位剤形を収容する封止パッケージ、例えば、MDDS、カプセル剤、錠剤などを、使用説明書および必要に応じた随伴送達部品を伴って含む。
リンパ球増殖を抑制する方法
【0104】
制御放出型のMPA製剤は、本明細書に記載の製剤を含むが、リンパ球増殖を抑制し、このような抑制が望ましい可能性がある疾患および状態を処置するのに有用であり得る。さらに、本開示は、最初に、有利な薬力学効果が、制御放出製剤を使用してイヌ対象において達成される、MPAの薬物動態学の「窓」を提供する。
【0105】
ある特定の態様では、イヌ対象におけるリンパ球増殖を抑制するための方法は、対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mL(例えば、約250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、または約3000ng/mL)の平均血漿[MPA]を達成し、第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、第1の用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、対象に、MPA活性剤を含む制御放出製剤を投与することを含む。
【0106】
ある特定の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約250ng/mL~約2500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0107】
ある特定の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約350ng/mL~約2000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。制御放出型のMPA製剤の薬物動態学は、製剤を与えるイヌ対象が、本明細書に記載される通り、摂食状態、または絶食状態であるかどうかに依存し得ることが理解されよう。ある特定の実施形態では、イヌ対象は、摂食状態の場合、第1の用量の制御放出製剤を投与され、対象は、第1の用量に続く約8時間、約500ng/mL~約2500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。他の実施形態では、イヌ対象は、絶食状態の場合、第1の用量の制御放出製剤を投与され、対象は、第1の用量に続く約8時間、約500ng/mL~約3000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0108】
ある特定の実施形態では、絶食状態は、イヌ対象が、投与前の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、24時間、またはそれより多い時間以内に摂食した後、必要に応じて、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、または24時間後までに再び摂食しなかった状態を含み得る。摂食状態は、イヌ対象が投与の直前または投与の前の1時間以内に摂食している状態を含み得る。
【0109】
特定の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約500ng/mL~約1700ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0110】
特定の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約650ng/mL~約1500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0111】
他の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約250ng/mL~約600ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0112】
特定の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0113】
一部の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0114】
ある特定の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0115】
他の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0116】
さらに他の実施形態では、対象は、第1の用量の約1~約8時間後に、約600ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0117】
理論に束縛されることは望まないが、本開示のPKプロファイルは、制御放出製剤を投与されるイヌ対象で望ましいMPAのPDをもたらすと考えられている。一部の実施形態では、第1の用量の2.5時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1の用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する。
【0118】
ある特定の実施形態では、第1の用量の4時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1の用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する。
【0119】
ある特定の実施形態では、第1の用量の8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1の用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する。
【0120】
増殖するリンパ球のパーセンテージでの低下が、第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後に達成することができるか、または、示された時間点の任意の2つもしくは3つ全て(すなわち、第1の用量の2.5時間後および4時間後、2.5時間後および8時間後、4時間後および8時間後、もしくは、2.5時間後、4時間後および8時間後)で達成することができることは理解されよう。
【0121】
本開示により達成される薬力学効果は、有利には、制御放出製剤の1日1回の投与を可能にし、これは、一部の実施形態では、イヌ対象、および飼い主またはケア供給者の両方にとってより容易で、よりストレスがなく、より便利であり得る。1日1回の投与に対して、用量は、一般に、朝または晩のいずれかの時間に投与することができる。
【0122】
制御放出型のMPA製剤の単一の日および複数日の両方の投与は、本開示の方法で熟慮される。複数日の投与に対して、用量は、一般に、各日の同じ時間辺り;例えば、前の投与の約24時間後に投与される。
【0123】
一部の実施形態では、投与することは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、1日あたり単一用量の制御放出組成物を投与することを含む。有利には、および非常に驚くべきことには、複数の(すなわち、2日またはそれより長い)連続した日数の間、本開示の方法による1日1回用量を投与することは、全身効果をもたらす。
【0124】
ある特定の実施形態では、投与することは、2日またはそれより長く(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く)連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第2日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。
【0125】
さらなる実施形態では、投与することは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。
【0126】
一部の実施形態では、投与することは、7日またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、イヌ対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量と比較して、(例えば、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、またはそれより高い%を含み、最大でこれらの%である、任意の量で)低下する。
【0127】
さらなる実施形態では、投与することは、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。
【0128】
実施例に示し、本明細書にさらに記述する通り、本開示の方法はまた、単一用量の制御放出製剤が、IR製剤を1日2回投与する場合を含む、MPA活性剤(例えば、ミコフェノール酸モフェチル)を含む即時放出(IR)製剤において、程度および期間の両方の点で活性を改善する点で有利である。一部の実施形態では、(i)単一用量の投与の4時間後での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えた参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージより低い。さらなる実施形態では、(i)単一用量の投与の8時間後での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量は、(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えた参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量より低い。
【0129】
「参照イヌ対象」は、本明細書で参照される場合、制御放出製剤を投与されるイヌ対象として、類似のまたは同じ年齢、サイズ、性別、品種、および疾患状態の比較イヌである。参照イヌ対象は、1つまたは複数の用量の即時放出製剤において、CellCept(登録商標)(Genentech)のような標準的な医療処置に存在する、1日の総摂取量のMPA活性剤を与えられる(例えば、10mg/kgのBID;およそ10kgのイヌの各用量に対しておよそ7.4mg/kgのMPA用量当量)。一部の実施形態では、参照イヌ対象は、イヌ対象に投与される制御放出製剤に存在する約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、または最大で約100%の量である、1日の総摂取量のMPA活性剤を与えられる。例えば、一部の実施形態では、体重がおよそ12kgのオスの参照ビーグル犬は、即時放出製剤を1日2回投与で与えることができ、各投与は、約88.5mgのMPAを含有し、合計して約177mgのMPAとなる一方、体重がおよそ12kgのオスのビーグル犬は、約168mgのMPAもしくは約252mgのMPA、またはその間の任意の量を含有する本開示の制御放出製剤を1日1回投与で与えることができる。
【0130】
さらに、開示される方法および組成物は、有利には、即時放出製剤で改善された安全性プロファイルを有する。一部の実施形態では、投与することは、10日またはそれより長い間、用量を投与することを含み、10日にわたって、対象は、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象は、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む。さらなる実施形態では、投与することは、15日またはそれより長い間、用量を投与することを含み、15日にわたって、イヌ対象は、消化管の有害事象を示さない。
【0131】
一部の実施形態では、投与することは、10日またはそれより長い間、用量を投与することを含み、10日にわたって、対象は、MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えられる参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示し、消化管の有害事象は、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む。
【0132】
さらなる実施形態では、投与することは、15日またはそれより長い間、用量を投与することを含み、15日にわたって、イヌ対象は、参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示す。
【0133】
本明細書に記載の実施形態のいずれでも、投与することは、経口投与を含むことができる。
【0134】
一部の実施形態では、方法は、例えば、(i)各々がMPA活性剤を含む複数の粒子サブユニットを含有する、多粒子薬物送達システム(MDDS);(ii)錠剤;(iii)懸濁剤;(iv)糖剤;または(v)その任意の組合せのような、本明細書に記載の制御放出製剤のいずれか1つまたは複数の使用を含む。特定の実施形態では、制御放出製剤は、各々が約5mmの直径を有する複数の粒子サブユニットを含むMDDSを含む。
【0135】
ある特定の実施形態では、製剤は、カプセル剤、小袋剤、錠剤、またはその任意の組合せを介する対象への送達用に調製されるMDDSを含む。さらなる実施形態では、MDDSの複数の粒子サブユニットの各々は、コアを含み、(i)MPA活性剤は、コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含有される;または、(ii)MPA活性剤は、コア内に含有される。
【0136】
さらにさらなる実施形態では、複数の粒子サブユニットの各々は、制御放出層をさらに含み、制御放出層は、(i)のコアのMPA活性層上に配置されるか、または、(ii)のコアの少なくとも一部上に配置される。
【0137】
さらに他の実施形態では、複数の粒子サブユニットの各々は、シールコート層を含み、シールコート層は、(i)のコアのMPA活性層と制御放出層との間に配置されるか、または、(ii)のコアと制御放出層との間に配置される。
【0138】
さらなる実施形態では、複数の粒子サブユニットの各々は、制御放出層上に配置される保護層をさらに含む。
【0139】
本明細書で開示される実施形態のいずれかでは、第1の用量は、約3mg/kg~約35mg/kgでMPA活性剤を含む。
【0140】
さらなる実施形態では、第1の用量は、約15mg/kg~約30mg/kgでMPA活性剤を含む。
【0141】
本開示の方法の一部の実施形態では、第1の用量は、約3mg~約2200mgのMPA活性剤を含む。
【0142】
特定の実施形態では、第1の用量は、約168mgのMPA活性剤を含む。一部の実施形態では、第1の用量は、約252mgのMPA活性剤を含む。本開示の実施形態のいずれかでは、MPA活性剤は、ミコフェノール酸ナトリウムを含むことができる。一部の実施形態では、制御放出組成物は、食物を伴って対象に投与され、任意の実施形態では、摂食状態、または絶食状態で投与することができる。
【0143】
ある特定の実施形態では、対象は、(i)異常リンパ球増殖に関連する自己免疫疾患もしくは障害を有する、もしくは有することが疑われる;(ii)臓器移植および/もしくは人工インプラントを受けたことがある、現在受けている、もしくは将来受ける;または、(iii)(i)および(ii)の両方である。
【0144】
一部の実施形態は、イヌ対象は、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、またはその任意の組合せを含む、自己免疫疾患または障害を有するか、または有することが疑われる。
処置方法
【0145】
本明細書でさらに提供されるのは、イヌ対象における自己免疫疾患または障害を処置するための方法であって、自己免疫疾患または障害が、リンパ球の異常増殖により特徴付けられ、対象が、単一用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mL(例えば、約250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、または約3000ng/mL)の平均血漿[MPA]を達成し、単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、単一用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下するように、対象に、MPA活性剤を含む単一用量の制御放出組成物を投与することを含む、方法である。
【0146】
一部の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約250ng/mL~約2500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0147】
一部の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約350ng/mL~約2000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0148】
さらなる実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約500ng/mL~約1700ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0149】
さらにさらなる実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間、約650ng/mL~約1500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する。
【0150】
一部の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0151】
さらなる実施形態では、対象は、単一用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、単一用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0152】
さらなる実施形態では、対象は、単一用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、単一用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0153】
他の実施形態では、対象は、単一用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0154】
さらなる実施形態では、対象は、第1の用量の約1~約8時間後に、約600ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0155】
一部の実施形態では、投与することは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含む。
【0156】
ある特定の実施形態では、投与することは、2日またはそれより長く(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く)連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第2日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。
【0157】
さらなる実施形態では、投与することは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。
【0158】
さらなる実施形態では、投与することは、7日またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。
【0159】
一部の実施形態では、投与することは、10日またはそれより長い間、単一用量を投与することを含み、10日にわたって、対象は、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象は、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む。
【0160】
特定の実施形態では、自己免疫疾患または障害は、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、またはその任意の組合せを含む。
【0161】
別の態様では、方法は、例えば、臓器移植および/または人工インプラントに対する免疫応答を抑制または処置するための臓器移植または人工インプラント手術に関連して、MPA活性剤をイヌ対象に提供するために提供される。一部の実施形態では、方法は、臓器移植および/または人工インプラントを受けたことがある、現在受けている、もしくは将来受けるイヌ対象に、MPA活性剤を含む制御放出組成物を、MPA活性剤の約3mg/kg~約35mg/kgの用量で投与することを含み、対象が、単一用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、対象が、単一用量に続く約8時間、250ng/mL~約2500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成し、単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、単一用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下するように、対象は、1日あたり単一用量の制御放出組成物を与えられる。
【0162】
一部の実施形態では、対象は、第1の用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0163】
一部の実施形態では、対象は、単一用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、単一用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0164】
ある特定の実施形態では、対象は、単一用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、単一用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0165】
特定の実施形態では、対象は、単一用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、単一用量の約1~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する。
【0166】
一部の実施形態では、投与することは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、用量を投与することを含む。
【0167】
ある特定の実施形態では、投与することは、7日またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、イヌ対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。
【0168】
さらなる実施形態では、投与することは、10日またはそれより長い間、用量を投与することを含み、10日にわたって、対象は、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象は、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む。
【0169】
一部の実施形態では、投与に続いて、イヌ対象は、自己免疫疾患または障害に関連する症状の重症度で低下を示す。このような症状として、例えば、発疹、高レベルの自己抗体および/または炎症性サイトカインレベル、発熱、疲労、こり、疼痛、水泡、掻痒、分泌物、湿疹、腫脹、脱毛、食欲不振、喘息、ならびに臭気が挙げられる。
使用
【0170】
別の態様では、本開示は、イヌ対象におけるリンパ球増殖および/または活性化を抑制するための制御放出型のMPA製剤の使用を提供する。
【0171】
一部の実施形態では、使用は、対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mL(例えば、約250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、または約3000ng/mL)の平均血漿[ミコフェノール酸(MPA)]を達成するように、MPA活性剤を含む制御放出製剤を対象に投与することを含み、対象が、第1の用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mL、必要に応じて約2500ng/mL、必要に応じて約2000ng/mL、必要に応じて約1500mL、必要に応じて約700ng/mL、必要に応じて約600ng/mL、必要に応じて約500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、第1の用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下する。
【0172】
さらなる実施形態では、対象は、以下の血漿[MPA]の平均を達成する:(i)第1の用量に続く8時間にわたって、約350ng/ml~約2000ng/mL;(ii)第1の用量に続く8時間にわたって、約500ng/ml~約1700ng/mL;または、(iii)第1の用量に続く8時間にわたって、約650ng/ml~約1500ng/mL。
【0173】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにしたがって、第1の用量の2.5時間後、好ましくは4時間後、より好ましくは8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1の用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する。
【0174】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにしたがって、対象は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、組成物を投与される。
【0175】
さらなる実施形態では、対象は、1日あたり単一用量の制御放出組成物を与えられる。
【0176】
さらにさらなる実施形態では、投与することは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間、単一用量を投与することを含み、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、または第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。特定の実施形態では、投与することは、7日またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第7日の用量後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する。
【0177】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにしたがって、(i)第1の用量の投与の4時間後、必要に応じて8時間後での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージは、(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を投与した参照イヌ対象(すなわち、本明細書に記載の参照イヌ対象)から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージより低い。
【0178】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにしたがって、投与することは、10日またはそれより長い間、単一用量を投与することを含み、10日にわたって、対象は、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象は、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む。
【0179】
さらなる実施形態では、投与することは、15日またはそれより長い間、単一用量を投与することを含み、15日にわたって、対象は、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象は、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む。
【0180】
さらなる実施形態では、投与することは、10日またはそれより長い間、単一用量を投与することを含み、10日にわたって、対象は、MPA活性剤を含む即時放出製剤を投与した参照イヌ対象(すなわち、本明細書に記載の参照イヌ対象)と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示し、消化管の有害事象は、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む。
【0181】
さらなる実施形態では、即時放出製剤は、7.4mg/kgのMPAの1日2回用量で、参照イヌ対象に投与されたが、即時放出製剤は、必要に応じてミコフェノール酸モフェチルを含む。
【0182】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにしたがって、MPA活性剤は、ミコフェノール酸ナトリウムを含み、ミコフェノール酸ナトリウムは、必要に応じてイヌ対象に経口投与される。
【0183】
さらなる実施形態では、制御放出組成物は、各々が(i)コア、ここで、(a)MPA活性剤が、コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含まれる;または(b)MPA活性剤が、コア内部に配置される;(ii)(a)活性層または(b)コアの少なくとも一部上に配置される制御放出層;(iii)(a)活性層と制御放出層との間、または(b)コアと制御放出層との間に配置される、必要に応じたシールコート層、(iv)制御放出層上に配置される必要に応じた保護層を含む、複数の粒子サブユニットを含む充填可能なカプセル剤を含み、MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含み、必要に応じて、約3mg~約2.2g(すなわち、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、81、82、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、105、110、115、120、125、130、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、または2200mg)の制御放出組成物に存在する。
【0184】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにしたがって、イヌは、(i)異常リンパ球増殖および/もしくは活性化に関連する自己免疫疾患もしくは障害を有するか、もしくは有することが疑われ、自己免疫疾患もしくは障害が、必要に応じて、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、もしくはその任意の組合せを含む;(ii)臓器移植および/もしくは人工インプラントを受けたことがある、現在受けている、もしくは将来受ける;または、(iii)(i)および(ii)の両方である。
【0185】
一部の実施形態では、投与に続いて、獣医学的対象は、自己免疫疾患または障害に関連する症状の重症度で低下を示すが、症状は、異常リンパ球増殖ではない。このような症状として、例えば、発疹、高レベルの自己抗体および/または炎症性サイトカインレベル、発熱、疲労、こり、疼痛、水泡、掻痒、分泌物、湿疹、腫脹、脱毛、食欲不振、喘息、ならびに臭気が挙げられる。
【0186】
本明細書でさらに提供されるのは、イヌにおけるリンパ球増殖および/または活性化を抑制するための医薬を調製する方法であって、対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間、約250ng/mL~約3000ng/mLの平均血漿[MPA;ミコフェノール酸]を維持し、このような対象が、第1の用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mL、必要に応じて約2500ng/mL、必要に応じて約2000ng/mL、必要に応じて約1500ng/mL、必要に応じて約700ng/mL、必要に応じて約600ng/mL、必要に応じて約500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約1~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、第1の用量前の15分またはそれ未満での、対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、MPA活性剤を含む制御放出製剤を調製することを含む、方法である。
投与(Dosing)および投与(Administration)
【0187】
様々な投与量の本開示の制御放出製剤(および、それらに含有されるMPA活性剤)を、例えば、獣医学的対象の生理学的特徴(例として、サイズ、GIの長さ、消化速度、消化pH、胃の粉砕強度)、獣医学的対象の健康状態(例として、処置の必要性およびどの程度の強さの緊急性)、ならびに、他の因子にしたがって、獣医学的対象に投与することができることは理解されよう。例えば、ある特定の実施形態では、投与レジメンまたはスケジュールは、単一用量の本明細書に記載の制御放出製剤の単一用量を含む。ある特定の実施形態では、投与量レジメンまたはスケジュールは、例えば1日の間にわたって単一用量の多回用量を含む。あるいは、投与量レジメンまたはスケジュールは、複数用量の制御放出製剤の単回または多回用量を含み得る。複数用量を含む実施形態では、用量は、同時に、同時期に、または順次、投与することができる。
【0188】
適切な用量は、適切な薬物用量を決定する場合に典型的に考慮される様々な因子、例えば、投与を受ける対象のサイズ、年齢、種、性別、および全身的健康;疾患状態の種類、重症度、および病期;吸収、in vivo半減期などの薬物の公知のPKパラメーターのいずれか1つまたは複数にしたがって決定される。表1は、2~80キログラムの範囲のサイズのイヌ対象に対する本開示の製剤の投与量の非限定例を提供し;80キログラムより重いか、もしくは2キログラムより軽いか、もしくは示されたサイズの間、および/または非イヌ種の対象に対して、投与量は、これにしたがって調整することができることは理解されよう。
表1.制御放出製剤の例示的な投与量
【表1】
【実施例】
【0189】
(実施例1)
本開示によるある特定のミコフェノール酸の制御放出型の獣医学的組成物の調製および試験
【0190】
活性剤コーティングされたビーズの調製
材料
糖球体(#25/30;COLORCON(登録商標)、Harleysville、PA)
OPADRY(登録商標)Clear、ヒドロキシプロピルメチルセルロース系のコーティング(COLORCON(登録商標)、Harleysville、PA)
精製水
ミコフェノール酸ナトリウム
【0191】
機器
機械式攪拌機
流動床コーター
熱風炉
表2:薬物コーティング溶液の組成
【表2】
【0192】
1.OPADRY(登録商標)Clearを、精製水に分散し、透明溶液を得られるまで撹拌した。
2.ミコフェノール酸ナトリウムを、この溶液に添加し、1時間撹拌した。
3.500gの糖ビーズを、流動床チャンバー内に充填した。
4.床を流動化し、糖ビーズを加温し、表2に記載する通り調製されたコーティング溶液を流動化したビーズに噴霧した。
5.コーティングされたビーズを周期的に乾燥および計量しながら、コーティングを継続した。
6.ビーズがおよそ40重量%に増加するまで、コーティングを継続した。
7.ビーズを、40℃の熱風炉で終夜(15時間)乾燥した。
【0193】
活性剤での押出ビーズの例示的な調製
材料
原薬:ミコフェノール酸ナトリウム:50~90%
押出/球状化助剤:微結晶性セルロース:15~20%
結合剤:ヒドロキシプロピルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはアルファ化デンプン、またはエチルセルロース、またはポリ(ビニルピロリドン)(2~5%)
調節放出賦形剤:HPMC、HPC、アクリルポリマー、HEC、EC - これらは、ビーズに組み入れられるか、またはコーティングとして適用され得る。
他の充填剤:ラクトース、マルトデキストリン、マンニトール、ソルビトール、リン酸二カルシウム/(必要に応じて)
超崩壊剤:架橋PVP、グリコール酸デンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム(必要に応じて%)
【0194】
製造
原薬を、遊星型ミキサーまたは高剪断ミキサーで10分間、微結晶性セルロース、結合剤、および崩壊剤と混合した;
所要量の水をミキサーに添加し、さらに5~10分間、混合を継続した;
得られる湿塊を押出機に通して、押出物を得た(機器の例:Caleva、LCI、Glattなど);
押出物を、次いで、クロスハッチプレート付きスフェロナイザーで球状化して、球状化ビーズを形成した(機器の例:Caleva、LCI、Glattなど);
球状化ビーズを、次いで、所望の含水率(<1%)に達するまで、流動床式乾燥機で乾燥した。
乾燥したビーズを、次いで、スクリーンに通して、微小ビーズ(<500μm)および粗いビーズ(>2500μm)を除去した;
乾燥したビーズを、次いで、流動床コーターに充填し、適切な量の速度制御ポリマーでコーティングした(15~30%の範囲);
さらなる腸溶性コーティング(必要に応じて)を、次いで、コーティングされたビーズに適用した;
次いで、全てのコーティングステップが完了した後、ビーズを乾燥した。
【0195】
シールコーティングされたビーズの調製
材料
薬物コーティングまたは押出されたビーズ(上の節より)
OPADRY(登録商標)Clear
タルク精製水
【0196】
機器
機械式攪拌機
流動床コーター
熱風炉
【0197】
1.OPADRY(登録商標)Clearを、精製水に分散し、撹拌して、透明溶液を得た。
2.タルクを、OPADRY(登録商標)溶液に分散し、撹拌して、滑らかな分散液を得た。
3.約300gの薬物コーティングされたビーズ(上より)を、流動床コーターに充填した。
4.床を流動化し、薬物コーティングされたビーズを加温し、表3に記載する通り調製されたコーティング溶液を流動化したビーズに噴霧した。
5.コーティングされたビーズを周期的に乾燥および計量しながら、コーティングを継続した。
6.ビーズがおよそ8~10重量%に増加するまで、コーティングを継続した。
7.ビーズを、40℃の熱風炉で終夜(15時間)乾燥した。
表3:シールコート溶液の組成
【表3】
【0198】
制御放出層の調製:
SURELEASE(登録商標)コーティング - 選択肢1
材料
シールコーティングされたビーズ(上より)
SURELEASE(登録商標)E-7 19040、水性エチルセルロース速度制御ポリマー(COLORCON(登録商標)、Harleysville、PA)(他のグレードのSURELEASE(登録商標)を、所望により使用することができる)
【0199】
機器
機械式攪拌機
流動床コーター
熱風炉
表4:SURELEASE(登録商標)コーティング溶液の組成
【表4】
【0200】
1.SURELEASE(登録商標)を、精製水に分散し、撹拌して、滑らかな分散液を得た。
2.約300gのシールコーティングされたビーズを、流動床コーターに充填した。
3.床を流動化し、シールコーティングされたビーズを加温し、表4に記載する通り調製されたコーティング溶液を流動化したビーズに噴霧した。
4.コーティングされたビーズを周期的に乾燥および計量しながら、コーティングを継続した。
5.ビーズが所望のコーティング重量に増加するまで、コーティングを継続した。
6.コーティングされたビーズの試料を、所望の重量増加(例えば、15%、22%、30%)で採取した。
7.コーティングの終了時、ビーズを、60℃/75%の相対湿度条件で、炉内で終夜乾燥した。
【0201】
EUDRAGIT(登録商標)コーティング - 選択肢2
材料
シールコーティングされたビーズ(上より)
EUDRAGIT(登録商標)RS(粉末または予め作製した分散液のいずれかとしてのアクリル制御放出ポリマー - RS 30D)
EUDRAGIT(登録商標)RL(粉末または予め作製した分散液のいずれかとしてのアクリル制御放出ポリマー - RL 30D)
タルク
クエン酸トリエチル(TEC)
【0202】
機器
機械式攪拌機
流動床コーター
熱風炉
表5:EUDRAGIT(登録商標)コーティングのための試料組成物
【表5】
*本組成物は、EUDRAGIT(登録商標)RS(90):RL(10)、またはEUDRAGIT(登録商標)RS/RL:90/10とも称す。この比は、任意の組成で変更することができ、RS 100の量が増加すると、ビーズからの放出速度を低減しながら膜浸透性も低下する。
【0203】
1.タルクおよびTECを、精製水に分散し、滑らかな分散液を得られるまで均質化した。
2.ステップ(1)からの分散液を、均一な分散液を得られるまで混合した。
3.分散液を80メッシュ篩で濾過して、任意の粗い粒子を除去した。
4.約300gのシールコーティングされたビーズを、流動床コーターに充填した。
5.床を流動化し、シールコーティングされたビーズを加温し、表4に記載する通り調製されたコーティング溶液を流動化したビーズに噴霧した。
6.所望の重量増加(典型的には15%~30%)が得られるまで、コーティングされたビーズを周期的に乾燥および計量しながら、コーティングを継続した。
7.コーティングされたビーズを、40℃の熱風炉で終夜(15時間)乾燥した。
【0204】
E.R.コーティング - 選択肢3
材料
エチルセルロース10
Klucel EF(HPC)
タルク
セバチン酸ジブチル
DI水
エタノール
【0205】
機器
機械式攪拌機
流動床コーター
熱風炉
噴霧器
表6:30wt%増加のための試料組成
【表6】
【0206】
1.セバチン酸ジブチルを、エタノールおよび脱イオン水の混合物に溶解した。
2.所要量のHPCを、水アルコール性混合物に分散し、撹拌して、溶液を得た。
3.所要量のエチルセルロースを、上記の混合物に分散し、溶液を得るまで撹拌した。
4.タルクを、上記の溶液に分散し、撹拌して、滑らかな分散液を得た。
5.薬物コーティングされたビーズを、流動床コーターに充填した。
6.床を流動化し、ビーズを加温し、ステップ4に記載する通り調製されたコーティング溶液を流動化したビーズに噴霧した。
7.コーティングされたビーズを周期的に乾燥および計量しながら、コーティングを継続した。
8.ビーズが所望のコーティング重量に増加するまで、コーティングを継続した。
9.コーティングされたビーズの試料を、所望の重量増加(例えば、15%、22%、または30%)で採取した。
【0207】
保護層の調製
材料
制御放出層コーティングされたビーズ(上より)
EUDRAGIT(登録商標)L30D 55(腸溶性保護をもたらす他のグレードのEUDRAGIT(登録商標)ポリマー、またはOPADRY(登録商標)ポリマーもまた使用することができる)
クエン酸トリエチル(TEC)
タルク
【0208】
機器
機械式攪拌機
流動床コーター
熱風炉
表7:腸溶性コーティング溶液の組成
【表7】
【0209】
1.タルクおよびTECを、精製水に分散し、滑らかな分散液を得られるまで均質化した。
2.ステップ(1)からの分散液を、EUDRAGIT(登録商標)L30D 55懸濁液に分散し、均一な分散液を得られるまで混合した。
3.分散液を80メッシュ篩で濾過して、あらゆる粗い粒子を除去した。
4.約300gのSURELEASE(登録商標)コーティングされたビーズを、流動床コーターに充填した;あるいは、上からの約300gのEUDRAGIT(登録商標)コーティングされたビーズを使用することができる。
5.床を流動化し、制御放出コーティングされたビーズを加温し、表7に記載する通り調製されたコーティング溶液を流動化したビーズに噴霧する。
6.EUDRAGIT(登録商標)L30D 55の所望の重量増加が得られるまで(典型的には8~15%)、コーティングされたビーズを周期的に乾燥および計量しながら、コーティングを継続した。
7.コーティングされたビーズを、40℃の熱風炉で終夜(15時間)乾燥した。
放出速度の決定
【0210】
放出速度の決定は、制御放出層および必要に応じて保護層でのコーティング後に得られるビーズで実施した。放出速度の決定は、以下の通り、実施した:
溶解装置:USP 1型
溶解媒体の体積および速度:100rpmで900mL
【0211】
公知の量のビーズを、(コーティングされたビーズのアッセイに基づいて)計量し、USP 1型のバスケット装置に置いた。二相溶解プロファイル(二相媒体)に対して、ビーズを、pH1.2の媒体に2時間、曝露した。2時間後、バスケットを、pH6.8で緩衝媒体に移動し、所望により、さらに10時間、12時間、14時間、または24時間、溶解を継続した。アリコートを、周期的間隔で採取し、UV検出法を使用してミコフェノール酸ナトリウムを分析した。代表的実験からのデータは、以下の
図6~9および表8に示す。
【0212】
図4は、上述の通り、二相媒体での制御放出ビーズからのミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。ビーズ構築物は、糖球体/薬物層/HPMCシールコート/エチルセルロース(SURELEASE(登録商標))である。データは、制御放出層のみを有するビーズに対して生成した。保護層は含まなかった。示す通り、22重量%のエチルセルロースの制御放出層でコーティングされたビーズからの放出は、30重量%のエチルセルロース層でコーティングされたビーズのものより高かった。両方の組成物とも、pH1.2(0~2時間)でその一体性を維持したが、pH6.8(>2時間)に移行すると即時放出した。
【0213】
図5は、pH6.8媒体での制御放出ビーズからのミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。ビーズ構築物は、糖球体/薬物層/HPMCシールコート/アクリルポリマー(EUDRAGIT(登録商標)RS 100)である。保護層は含まなかった。
【0214】
図6は、上述の通り、二相媒体での制御放出ビーズからのミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。ビーズ構築物は、糖球体/薬物層/HMPCシールコート/EUDRAGIT(登録商標)RS 100/EUDRAGIT(登録商標)L30D 55である。EUDRAGIT(登録商標)RS 100層は、制御放出特徴をもたらす一方、EUDRAGIT(登録商標)L30D 55は、保護的な腸溶性コーティングをもたらす。示す通り、放出は、pH1.2(0~2時間)でほとんどから全く起こらなかったが、pHが6.8(>2時間)に上昇すると放出した。
【0215】
図7は、pH6.8媒体での制御放出ビーズからのミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。ビーズ構築物は、糖球体/薬物層/EUDRAGIT(登録商標)RS 100:EUDRAGIT(登録商標)RL 100(90:10)である。シールコートおよび保護層は、含まなかった。即時放出は、2~6時間辺りで起こることが示されている。
【0216】
図8は、30wt%のSureleaseポリマーおよび保護的な腸溶性コーティングを含む、粒子サブユニット(コーティングされたビーズ)からのミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。pHは、2時間のインキュベートに続いて、1.2から6.8に変化した。
【0217】
図9は、溶媒系コーティングを含む、粒子サブユニット(コーティングされたビーズ)からのミコフェノール酸ナトリウムの放出を示す。pHは、2時間のインキュベートに続いて、1.2から6.8に変化した。
【0218】
下記の表7は、本開示による2つの例示的な製剤の粒子サブユニットからのMPA活性剤放出データを示す。2セットの延長放出型の腸溶性コーティングのNa.MPAでコーティングされたビーズを、上述の通り調製し(22wt%のSureleaseコーティングおよび30wt%のコーティング)、酸に(2時間、pH1.2)、その後、pHをおよそ6.8まで上昇させる緩衝剤に置いた。
表8.
【表8】
【0219】
(実施例2)
ミコフェノール酸の制御放出型のミニ錠剤の調製
材料
ミコフェノール酸ナトリウム20~60%、好適には50%
微結晶性セルロース30~60%、好適には43%
ポリビニルピロリドン(PVP)1~10%、好適には5%
ステアリン酸マグネシウム0.5~5%、好適には2%
【0220】
所要量のミコフェノール酸ナトリウムおよび微結晶性セルロースを、高剪断ミキサーで約5分間、一緒に混合した。
所要量のPVPを、水に溶解して、10%w/wのPVP溶液を形成した。
PVP溶液を、高剪断ミキサーに徐々に添加し、ブレンドを、湿塊が形成されるまで混合した。
湿塊を、流動床式乾燥機に移動し、乾燥した。
乾燥した造粒を、非常に粗い粒子および非常に微小な粒子を除去するように、篩に通した。
篩った造粒を、V型ブレンダーに移動し、ステアリン酸マグネシウムと約3分間混合した。
滑沢した顆粒を、圧縮成形機に2mmの円形標準凹形マルチチップの器具を使用して、ミニ錠剤に圧縮した。
ミニ錠剤を、上述の通り、シールコート、制御放出層、および保護層でコーティングした。
適切な量のミニ錠剤を、カプセル剤に充填して、スラリーとして、小袋剤、糖剤などとしてのいずれかで、獣医学的対象に投与することができる。
(実施例3)
イヌモデルでのMPAのin vivoでの薬物動態学
【0221】
2つの単一用量交差試験を、イヌモデル(オスのビーグル犬)を使用して実施して、腸溶性コーティングされた延長放出型のミコフェノール酸ナトリウム製剤(「EC-ER-Na.MP」)の潜在性を評価した。第1の交差試験では、180mgのEC-Na.MPAの経口投与に続く、MPAおよびその代謝物(MPAGおよびAcMPAG)の薬物動態学を、Na.MPAの結腸内(IC)投与と比較した。第2の交差試験では、270mgのEC-ER-Na.MPA製剤を、摂食状態および絶食状態の両方で投与し、薬物動態学を、絶食状態での10mg/kgのMMFの経口投与と比較した。両試験は、Absorption Systems(San Diego、CA)で実施した。
【0222】
試験1:IC投与前の3日間、イヌ(n=5)に、缶入りの湿潤食物(Pedigree(登録商標)Choice Cuts)からなる軟食を与えた。さもなければ、イヌに、標準的な飼料(LabDiet 5006試験用イヌ飼料)を与えた。各投与事象の前に、イヌは、食物を戻す場合、投与の12時間前から投与の4時間後まで絶食した。動物は、試験中、水は自由に摂取させた。IC投与前、各イヌは、投与のおよそ1時間前に非刺激性の浣腸剤を与えて、結腸から糞便を除去した。PO投与前、各イヌ(n=5)は、投与のおよそ30分前、ペンタガストリン(6μg/kg)の筋肉内投与で前処置した。カプセル剤を、喉の奥に置き、その後10mLの水で流すことにより投与した。
【0223】
各イヌは、投与毎に総用量で180mgのMPAを与えた。IC投与に対して、MPAを、内視鏡を介して溶液として送達し、PO投与に対して、各イヌに、単一のMyfortic(登録商標)の180mgの腸溶性コーティングされたカプセル剤を与えた。投与に続いて、血液試料を、投与の最大24時間後に収集した。MPA、MPAG、およびAcMPAGの血漿濃度を、定量化LC-MS/MS法で決定し、薬物動態パラメーターを、WinNonlin v.6.4ソフトウェアで決定した。
【0224】
MPAのIC投与に続いて、最大血漿濃度(29460±12587ng/mLの平均Cmax)を、投与後の5~30分間に観察した。平均半減期は、5.55±1.77時間であり、用量補正したAUClastに基づく平均曝露量は、1817±925時間*kg*ng/mL/mgだった。MPA投与後のMPAGの平均Cmaxは、4826±1156ng/mLだった。MPAGのtmaxは、投与後の15分から1時間の範囲であり、平均AUClastは、11702±4794時間*ng/mLだった。MPA投与後のAcMPAGの平均Cmaxは、303±87.8ng/mLだった。MPAGのtmaxは、投与後の5から15分間の範囲であり、平均AUClastは、233±160時間*ng/mLだった。
【0225】
MPAのPO投与に続いて、最大血漿濃度(27320±12037ng/mLの平均Cmax)を、投与後の30分~2時間に観察した。2匹のイヌで測定した、平均半減期は、4.49時間であり、用量補正したAUClastに基づく平均曝露量は、2234±799時間*kg*ng/mL/mgだった。MPA投与後のMPAGの平均Cmaxは、14316±5033ng/mLだった。MPAGのtmaxは、投与後の1から2時間の範囲であり、平均AUClastは、28882±8313時間*ng/mLだった。MPA投与後のAcMPAGの平均Cmaxは、426±113ng/mLだった。MPAGのtmaxは、投与後の30分から2時間の範囲であり、平均AUClastは、529±217時間*ng/mLだった。
【0226】
平均値に基づいて、MPAに対する全身的曝露は、ICおよびPO投与後に類似した。ICおよびPO投与後の平均Cmaxは、それぞれ29460および27320ng/mLであり、用量補正した平均AUClast値を、それぞれ1817および2234時間*kg*ng/mL/mgだった。しかし、MPAは、PO投与と比較して、IC投与後に、より迅速に吸収されるように見えた。MPAGは、AcMPAGより高い血漿での濃度で存在した。IC投与後のこれらのグルクロニド代謝物の各々への全身的曝露は、PO投与後のおよそ40%だった。MPAGに対する平均AUClastは、PO投与後は28882時間*ng/mLであり、IC投与後は11702時間*ng/mLだった。AcMPAGに対する平均AUClastは、PO投与後は529時間*ng/mLであり、IC投与後は233時間*ng/mLだった。
【0227】
平均薬物動態パラメーター、および薬物の代謝物に対する比は、表9にまとめる。MPA/MPAG比およびMPA/AcMPAG比は、経口投与と比較して、IC投与後に、ほぼ2倍であると各々観察された。
表9:Na.MPAの経口および結腸内投与後の平均MPA、MPAG、およびAcMPAG薬物動態パラメーター(n=5匹のオスのビーグル犬)
【表9-1】
【表9-2】
C
max:最大血漿濃度;t
max:最大血漿濃度の時間;t
1/2:半減期;MRT
last:平均滞留時間、最終観察時点で計算;AUC
last:曲線下面積、最終観察時点で計算;AUC
∞:曲線下面積、無限大まで外挿した;BLOQ:定量限界未満(1ng/mL);ND:未決定。
【0228】
試験2:この処置交差試験では、摂食状態および絶食状態での270mgのEC-ER-Na.MP(「OKV-1001」)を投与後のMPAおよびその代謝物(MPAGおよびAcMPAG)の薬物動態学は、絶食状態での即時放出型の10mg/kgのMMFを経口投与後のものと比較した(1用量群当たり、n=5;各処置に対する同じ群のイヌ)。
【0229】
絶食状態でのEC-ER-Na.MPおよびMMF投与に対して、イヌに、認定されている試験用飼料(LabDiet製の5006試験用イヌ飼料)を摂食させた後、投与前の最低12時間、絶食した。食物は、投与のおよそ4時間後に提供した。水は、動物に適宜供給した。
【0230】
摂食状態でのEC-ER-Na.MP投与に対して、イヌに、認定されている試験用飼料(LabDiet製の5006試験用イヌ飼料)を摂食させ、最低12時間、絶食した後、投与前に(Alpo Can foodを)摂食させ、その後、食物完了後の30分以内に投与した。各動物に提供され、消費した食物の量を記録した。通常の試験用飼料は、投与のおよそ4時間後に提供した。水は、動物に適宜供給した。
【0231】
MMF投与に対して、MMF経口懸濁液を、CellCept(登録商標)用の説明書にしたがって調製した。残留投与溶液を、室温で保管した。
【0232】
両EC-ER-Na.MP処置に対して、血液を、投与前、その後の、30分、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、6、8、9、12、および24時間(処理して血漿を得た);または、1、2、3、4、6、8、12、および24時間(処理してPBMCを得た)のいずれかで収集した。MMF処置に対して、血液を、投与前、15分、30分、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、9、12、および18時間(処理して血漿を得た);または、投与前、1、2、3、4、6、8、12、および18時間(処理してPBMCを得た)のいずれかで収集した。
【0233】
MPA、MPAG、およびAcMPAGの血漿濃度を、定量化LC-MS/MS法で決定し、薬物動態パラメーターを、WinNonlin v.6.4ソフトウェアで決定した。血漿濃度曲線は、
図10~13に示す。平均薬物動態パラメーター、および薬物の代謝物に対する比は、表10にまとめる。絶食状態下で、MPA/MPAG比は、参照の経口投与と比較して、EC-ER-Na.MPで1.5~2.0倍高かった(表10)。MPA/AcMPAG比もまた、より低い程度だが、より高い傾向だった。
表10:経口MMFおよびEC-ER-Na.MPの投与後のMPAおよび代謝物の平均薬物動態パラメーター
【表10-1】
【表10-2】
C
max:最大血漿濃度;t
max:最大血漿濃度の時間;t
1/2:半減期、末期での2点を使用して計算;MRT
last:平均滞留時間、最終観察時点で計算;AUC
last:曲線下面積、最終観察時点で計算;AUC
?:曲線下面積、無限大まで外挿した、t
1/2値が利用できなかった場合、平均の群の値を使用した;BLOQ:定量限界未満(1ng/mL);ND:未決定。
【0234】
試験3:別の交差試験を実施して、MPAおよびその代謝物(MPAGおよびAcMPAG)の単一用量および定常状態の薬物動態学を決定した。試験設計は、
図14に示す。具体的には、健康なオスのビーグル犬の3群(合計で21匹のイヌに対して、1群当たり、n=7;Marshall BioResources、North Rose、NY、USA)を、2処置、2期間の逐次的な適応交差試験に参加させた。2つの5日間の反復投与試験の期間を、16日間のウォッシュアウト期間で分割した。イヌは、登録の時点で、少なくとも2歳だった。
【0235】
最初の5日間では、3群のイヌ(1群当たり、n=7)を無作為化して、OKV-1001(270mg)プロファイル1 QD(群A)、OKV-1001(270mg)プロファイル2 QD(群B)、またはMMF(10mg/kg)経口懸濁液 BID(群C)のいずれかを与えた。プロファイル1を、プロファイル2に比較して、MPA活性剤のより速い放出用に製剤化した。10mg/kgのB.I.Dで投与された、MMF経口懸濁液(CellCept(登録商標)経口懸濁液、Genentech USA Inc.、South San Francisco、CA)は、参照群として役立った。16日間の洗浄期間は、最初の5日間後に起こり、第1の期間からの結果を試験した。次いで、イヌを、第2の期間で交差して、OKV-1001(365mg)プロファイル1 QD(群A)、またはOKV-1001(365mg)プロファイル2 QD(群B)、またはOKV-1001(270mg)プロファイル1 QD(群C)を与えた。各群および期間でイヌが受けた処置は、表11にまとめる。
表11: 試験3において各群が受けた処置
【表11】
【0236】
2つの試験期間は、同一の給餌およびサンプリングの手順を有した。第1日に、PK試料を、12時間の絶食後に収集した一方、動物に第5日に摂食させた1時間後に、試料を収集した。投与する時点で、あらゆる食べ残しの食物を除去し、各動物に提供され、消費した食物の量を記録した。第2~5日で、動物に、朝の用量の投与の1時間前に、朝、1日1回摂食させた。
【0237】
第1日および第5日に、経静脈を介して収集した連続血液試料を、投与前(0分)、ならびに、MMF投与後の15および30分、次いで1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、9、および12時間に収集した。OKV-1001に対して、投与前(0分)、ならびに、30分、次いで1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、6、8、9、12、および24時間に、試料を収集した。定量化し確認されたGLPの簡便なLC-MS/MS法を使用して、血漿MPA、MPAG、AcMPAG血漿濃度を定量化した。
【0238】
各動物の全身的健康を、試験の過程で、各血液サンプリングの時間点で評価した。血液サンプリングを行わない試験日または血液サンプリングの1つの時間点でのみ、全身的健康を、少なくとも1日2回(午前および午後)評価した。
【0239】
標準的な非コンパートメント薬物動態パラメーター(第1日の用量後のC
max、T
max、t
1/2、AUC
lastおよびAUC
inf;第5日の投与後のC
max、T
maxおよびAUC
tau(tauは、MMFに対して12時間であり、OKV-1001に対して24時間である))を、MPA、MPAGおよびAcMPAGに対して、Phoenix Winnonlinソフトウェア64(ビルド7.0.0.2535)を使用して推定した。第1日(絶食;単一用量)での各処置群のMPA血漿濃度レベルは、
図15に示す。第5日(摂食;定常状態)での各処置群のMPA血漿濃度レベルは、
図16に示す。群C、群A、および群Bでの計算された薬物:代謝物(D:M)の比は、それぞれ、表12、13、および14に示す。試験2からの参照比の値も示す。全ての処置群に対する非コンパートメントPKパラメーターの推定値は、表15に提供する。群B/期間2/第5日からのデータが、7匹のイヌのうち5匹から得られなかったことは留意すべきである。
表12.試験3群Cおよび試験2:平均D:M比の概要
【表12】
表13.試験3群Aおよび試験2:平均D:M比の概要
【表13】
表14.試験3群Bおよび試験2:平均D:M比の概要
【表14】
表15.単一用量および定常状態のMPAおよびMPAGの平均薬物動態パラメーター-群A(n=7)
【表15-1】
【表15-2】
a第1日に対するAUC
inf、および第5日に対するAUC
0-24
bn=6
cn=5
d群B/期間2/第5日は、データを5匹のイヌから入手できなかったので存在しない
(実施例4)
制御放出型のMPA組成物の製造
【0240】
制御放出型のMPA組成物(2つのプロファイル、「プロファイル1」および「プロファイル2」)を、以下の通り製造した。
【0241】
1.所要量のヒプロメロース2910および精製水を、ヒプロメロースが完全に溶解するまで、好適な容器で一緒に混合した。所要量のミコフェノール酸ナトリウムを、ヒプロメロース溶液に添加し、原薬が全て溶解するまで混合した。
【0242】
2.適量の微結晶性セルロース球体を、適切なサイズの流動床コーターのチャンバーに充填した。ビーズを48℃に予め加温した。
【0243】
3.ステップ1で調製した薬物-結合剤溶液を、床を50℃に維持しながら、流動床コーターの微結晶性球体に噴霧した。薬物結合剤溶液を、44%の重量増加を乾燥ビーズで達成するまで、球体に噴霧した。
【0244】
4.薬物充填ビーズを、75毎分立方フィート(cfm)で気流を維持しながら、周囲温度でおよそ10分間、乾燥した。
【0245】
5.サブコーティング溶液を、Opadry Clearおよび精製水を、透明な溶液を形成するまで、好適なミキサーで混合することにより調製した。
【0246】
6.適量の薬物充填ビーズを、適切なサイズの流動床コーターのチャンバーに置いた。ビーズを50℃に予め加温し、サブコーティングの過程の間、50℃を維持した。
【0247】
7.ステップ5で調製したサブコーティング溶液を、7%の重量増加をビーズで達成するまで、流動床コーターで薬物コーティングされたビーズに噴霧した。ビーズを、90cfmで気流を維持しながら、周囲温度でおよそ10分間、乾燥した。
【0248】
8.速度制御膜の溶液を、以下の通り、調製した:所要量のDI水およびエタノールを、均質になるまで好適なミキサーで一緒に混合した。セバチン酸ジブチルを添加し、混合して、均質な懸濁液を形成した。エチルセルロースおよびKlucel EFを添加し、混合して、均質な懸濁液を形成した。所要量のタルクを添加し、均一な懸濁液を形成するまで混合した。
【0249】
9.適量のサブコーティングされたビーズを、適切なサイズの流動床コーターのチャンバーに置いた。ビーズを42℃に予め加温した。
【0250】
10.ステップ8で調製した速度制御膜を、流動床コーターで薬物コーティングされたビーズに噴霧した。膜コーティング溶液を、30%(プロファイル1)または45%(プロファイル2)の重量増加をビーズで達成するまで、球体に噴霧した。コーティングが完了した後、ビーズを、50cfmの場合の気流体積で、周囲温度でおよそ10分間、乾燥した。
【0251】
11.腸溶性コート溶液を、所要量のPlasacryl HTP20を所要量のDI水と混合することにより調製した。Eudragit L30D 55を分散させ、均質な懸濁液を得られるまでこの溶液を混合した。
【0252】
12.適量の膜コーティングされたビーズを、適切なサイズの流動床コーターのチャンバーに置いた。ビーズを29℃に予め加温した。
【0253】
13.ステップ11で調製した腸溶性コーティング溶液を、流動床コーターで薬物コーティングされたビーズに噴霧した。腸溶性コーティング溶液を、プロファイル1およびプロファイル2の両製剤に対して25%の重量増加をビーズで達成するまで、球体に噴霧した。ビーズを、コーティングが完了した後、周囲温度でおよそ10分間、乾燥した。
【0254】
14.乾燥ビーズを、獣医学的サイズ13のゼラチンカプセルに、手動で充填した。カプセルを、180mgまたは270mgのいずれかのミコフェノール酸ナトリウムと同等なビーズで充填した。270mgのミコフェノール酸ナトリウムを含有する最終MDDS生成組成物は、表16に示した。
表16.OKV-1001(270mgのNa.MPA)の最終生成組成物
【表16-1】
【表16-2】
(実施例5)
イヌ対象におけるMPA薬力学の非盲検試験
【0255】
イヌのMPAの薬力学効果を、Absorption Systems(San Diego、CA)で実施した並行15日非盲検試験で調査した。一試験では、オスのビーグル犬に、3つの投与レジメン(270mgのMPA、QD;180mgのMPA、QD;180mgのMPA、BID)の1つの下、本開示の制御放出型のMPA組成物(「OKV-1001」)を投与した。試験の概念は、
図17に概略的に示し、データ収集のタイムラインは、
図18に示す。並行試験では、イヌに、即時放出型のミコフェノール酸モフェチル(「IR-MMF」)カプセル剤(120mgのMPA;n=5匹のイヌ、BID)、またはプラセボ(n=1)を与えた。試験設計のさらなる詳細は、以下に示す。
イヌ
【0256】
両試験では、最小月齢24か月で、初期体重約10~14kgである健康なオスのビーグル犬(Marshall Bioresources、North Rose、NY)を使用した。イヌは、一部屋において、1ケージ毎に1匹で収容した。イヌは、耳の入れ墨で同定した。
給餌および給水のスケジュール
【0257】
試験開始前の少なくとも3日間、動物には、食事スケジュール(朝、1日1回、乾燥した認定されている試験用飼料(LabDiet製の5006試験用イヌ飼料)および缶入りの湿潤ドッグフード(Alpo(商標))の1:1混合物を500g)に順応させて給餌した。給餌スケジュールは、両試験の期間を通して維持した。全ての食物は、第1の1日用量の投与の1時間前に除去した。
【0258】
各動物に提供され、消費した食物の定量的な量を、両試験を通して記録した。水は、試験を通して動物に適宜供給した。OKV-1001を与えたイヌでは、各動物の体重を、第1日および第15日の投与前に測定した。IR-MMFを与えたイヌでは、体重を、第1日、第8日および第15日の投与前に測定した。試験所員は、室内に入る前に、新品で、清潔な個人防御用装備、ならびにフェイスマスクおよびヘアネットを着用した。
薬物投与
【0259】
OKV-1001試験では、動物に、270mgもしくは180mgのMPA QD、または180mgのMPA BIDのいずれかを含む経口カプセル剤を与えた。QD投与は、第1日~第15日に実施した。BID投与は、第1日~第14日、および第15日の最終単一用量に実施した。
【0260】
MMF-IR試験では、BID投与は、第1日~第14日、および第15日の最終単一用量に実施した。
【0261】
各試験のBID投与は、およそ12時間間隔で実行した。
【0262】
両試験では、カプセル剤を喉の奥に置き、10mLの水で流すことにより、全ての日のおよそ同じ時間に薬物を投与した。
全身的健康および便の観察
【0263】
各動物の全身的健康を、両試験の過程で、各時間点で評価した。時間点がない場合、全身的健康の観察は、用量の投与時間に1日2回で実施した。
【0264】
全ての動物の便を観察し、実際の試験期間(第1日~第15日)にわたって記録した。血液サンプリングの日(第1日、第8日、および第15日)に、便の有無を、各々の全身的健康の観察時間点で確認した。排便の時間(投与後)を記録した。観察時間点の間に排便が起こった場合、排便に最も近い推定の時間を記録した。血液サンプリングのない日には、動物の便は、全身的健康の観察時に観察した。
【0265】
各動物の便を、以下のような、改変型WALTHAM(登録商標)糞便スコア付けシステムを使用して階級付けした:
グレード1:硬い、乾燥
グレード2:十分に形成され、拾い上げる場合に跡が残らない。
グレード3:水分が多く、型崩れし始める。拾い上げる場合に跡が残る。
グレード4:形の大部分が崩れる、持続性が低い;粘性。
グレード5:水様性下痢。
動物の安全性
【0266】
いかなる原因でも試験からの動物の除外を記録した。
PKおよびPDの時間点
【0267】
試料を、以下の通り、薬物動態学(「PK」;MPAの平均血漿濃度)、および薬力学(「PD」;全血試料中の増殖マーカーKi-67を発現するリンパ球の量)の分析用に採取した。
表17. 15日試験でのPKおよびPDの時間点
【表17】
試料収集、調製、および保管
【0268】
血液を、経静脈または他のアクセス可能な血管から収集した。PK試料に対して、2mLの全血を、抗凝固剤K2EDTAを含有する、2mLの冷却した(紫のトップの)バキュテナー(針およびシリンジは使用しなかった)に直接、経静脈または他のアクセス可能な血管を介して収集し、遠心分離まで氷上で維持した。血液試料を、SOP毎に、収集の60分以内に処理して血漿にした。試料を、4℃、約3,000×gで5分間、遠心分離して、血漿を得た。血漿を遠心分離の後、収集し、次いで、以下の通り、ギ酸溶液を含有する管に置いた。
【0269】
1.水中の10%のギ酸溶液(1:10の濃縮、例えば88%のギ酸、最終濃度は8.8%)を調製した;
2.300μLの血漿の2つのアリコートを、各試料の上清からピペットで採取し、30μLの水中の10%のギ酸を含有する管に添加し、蓋をし、よく混合した(親分子の化合物安定性を保証した)(血漿を10:1比でギ酸と混合し、酸性pHを得た)。注:2つのアリコートを収集した。
3.血漿試料を、ドライアイス上で急速冷凍し、-60~-80℃で凍結保存した。
【0270】
PD試料に対して、4mLの血液を、抗凝固剤ヘパリンナトリウムを含有する、4mLの冷却した(緑のトップの)バキュテナー(針およびシリンジは使用しなかった)に直接、経静脈または他のアクセス可能な血管を介して、各時間点で収集した。試料を冷蔵し、同日に、アイスパックでMarin Biologic Laboratories, Inc.に搬送した。
試料の処理
【0271】
PK試験に対して、MPAの血漿濃度を、実施例3に記載のLC-MS/MS法を使用して決定した。IR-MMF試験に対して、MPA濃度を、MMFを与えた群に対してのみ分析した。
【0272】
PD試験に対して、Tリンパ球増殖を、下記に記載する通り変更を加えて、先に記載のフローサイトメトリーアッセイを使用して評価した(Bishop KA. Pharmacodynamic assessment of a panel of immunosuppressant drugs in ex-vivo canine T-lymphocyte proliferation. (abstract) 2016 Merial NIH National Veterinary Research Scholars Symposium 2016;Ohio State Universtiy, Columbus, OH, USA;Grobman et al., J. Vet. Pharmacol. Ther. 2017)。
【0273】
・全血試料を、cRPMI(RPMI 1640+L-グルタミン+Pen/strep)で1:4に希釈し、96ウェルプレートに置き、37℃、5%のCO2で72時間、10μg/mLでのコンカナバリンA(ConA)またはcRPMIのいずれかでインキュベートした。
【0274】
・インキュベートに続いて、赤血球を溶解し、白血球をeBioscience(商標)Fixable Viability Dye eFluor450(Thermo Fisher Scientific 65-0863-14)、RatαDog CD5 APC(Bio-Rad MCA1037APC、クローンYKIX322.3)、RatαDog CD45 RPE(Bio-Rad MCA1037APC、クローンYKIX716.13)、およびMouseαHuman/Dog Ki-67 FITC(Thermo Fisher Scientific 11-5698-80、クローンSolA15)で染色した。
【0275】
・補償対照は、表面および細胞内抗体に対してOneComp eBeads(商標)Compensation Beads(Thermo Fisher Scientific 01-1111-41)、ならびに、生存/死亡マーカーに対して細胞を使用した。試料を、100μL/分の確認された速度で、Attune NxTフローサイトメトリー(Thermo Fisher Scientific)で得た。以下のゲート戦略を使用した:散乱(FSC/SSC)>一重項(FSC-A/FSC-H)>生存(L-D/SSC)>T細胞(CD45+/CD5+)>増殖(CD5+/Ki-67+)。生成したFCSファイルを、FlowJo v10.4.2(BD Biosciences)で分析した。
結果
リンパ球増殖(Ki-67発現)
【0276】
リンパ球PDデータを、
図19~24に示す。非常に驚くべきことには、OKV-1001(270mg)を与えたイヌは、実質的に、第1日の用量前レベルと比較して、第8日の投与の前の増殖するリンパ球の量より少なく、OKV-1001製剤が、増殖に対して全身効果を有することが示唆された(
図19)。同様の効果は、第15日で見られた。全ての日に、OKV-1001を与えたイヌは、投与後の全ての時間点で、同様に低レベルのKi-67発現細胞を有し(ベースラインに対して50%~85%の低下)、OKV-1001製剤が、リンパ球増殖を持続的に抑制し、投与に続く8時間の期間にわたって、PDの変動性が小さいことを示した。同様の結果は、
図21に示す通り、OKV-1001(180mg、QD)を与えたイヌで観察された。
【0277】
OKV-1001(270mgおよび180mg(180mgのBID群も、第1日に一回のみの投与を受けた))の第1日の単一用量のPDは、
図20に示す。リンパ球増殖での8時間効果は、
図19に示す第1日のデータと同様である。
【0278】
これらの結果は、
図22に示す通り、IR-MMF群からのPDデータと対照的であった。IR-MMFカプセル剤を与えたイヌでは、Ki-67発現細胞での最初の大幅な低減が、投与の45分後に観察されたが、この低減は、OKV-1001を与えたイヌと同程度まで持続しなかった。第1日で、Ki-67
+細胞は、4時間でベースラインより高く増加し、8時間でベースラインの80%だった。第8日および第15日で、Ki-67
+細胞は、投与前のベースラインから、4時間および8時間で低減したが、4時間および8時間は増加し(第15日より第8日で大きい)、8時間でベースラインの60%以内だった。
【0279】
IR-MMFおよびOKV-1001(270mg、QD)の第1日のPDは、
図23で直接比較する。全体的に、OKV-1001製剤を与えたイヌは、IR-MMFを与えたイヌと比較して、ベースラインに対して、Ki-67
+細胞での持続的な低減がより大きかった。これらの差はまた、
図24で示す通り、第8日および第15日でも見られた。
安全性
【0280】
180mg/kgのMPA BIDを与えた2匹のイヌは、重度のGI副作用により、第8日で除外した。興味深いことに、これらのイヌは、比較的低いCmax MPA値を有した(
図26を参照)。OKV-1001製剤(QD投与)を与えたイヌは、試験の期間にわたって、いかなる重度のGI事象も観察されなかった。これは、IR-MMFを与えたイヌと対照的であり、結果は、以下の表18に示す。
表18.IR-MMFを与えたイヌにおける安全性の観察
【表18】
【0281】
これらの結果は、本開示のMDDSおよび投与法の驚くべき利点を示す。例えば、270mgのOKV-1001(252mgのMPA)中の毎日のMPA負荷は、120mgのMMF(BID)(177mg)のものより42%高いが、OKV-1001は、MMFよりGI副作用が少なかった。
【0282】
要約すると、並行15日薬力学試験からのデータでは、本開示のMDDSが、IR-MMFより全身作用の開始がより早く、投与後の4時間および8時間の期間にわたって、より一定の薬力学効果(リンパ球の増殖の低下)を有し、有利には、IR-MMF(BID)と比較して1日1回投与することができ、イヌが経験した消化管の副作用の数および重症度により決定する通り、IR-MMFより安全であることを示す。
【0283】
本明細書に記載の方法および用途に対する他の好適な改変および調節を、実施形態のいずれかの範囲から逸脱せずになし得ることは、当業者には容易に明らかであろう。さらに、ある特定の実施形態を、本明細書に図示し、説明するが、請求項は、説明され、示される部分の具体的な形態または配置に限定されないことは理解すべきである。本明細書では、例示的な実施形態が開示されており、具体的な用語が用いるが、一般的な説明的意味においてのみ使用され、限定する意図はない。実施形態の改変および変形は、上記の教示を考慮して可能である。したがって、実施形態が、具体的に記述したもの以外で実施し得ることは、理解すべきである。
【0284】
上述の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。限定されないが、米国仮特許出願第62/470,806号、および米国仮特許出願第62/503,270号、ならびに、PCT出願第PCT/US2018/022266号を含む、本明細書で参照される、および/または、出願データシートに列挙される、米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許文献の全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。実施形態の態様は、様々な特許、出願、および出版物の概念を利用するのに必要な場合、改変して、さらにさらなる実施形態を提供することができる。
【0285】
本明細書に記載の全ての出版物、特許、および特許出願は、その各々の個別の出版物、特許、および特許出願が具体的、個別に参照により組み込まれると示された場合と同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヌ対象におけるリンパ球増殖および/または活性化を抑制するためのMPA活性剤を含む制御放出組成物の使用であって、前記対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mLの平均血漿[ミコフェノール酸(MPA)]を達成するように、MPA活性剤を含む前記制御放出製剤を前記対象に投与することを含み、
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mL、必要に応じて約2500ng/mL、必要に応じて約2000ng/mL、必要に応じて約1500
ng/mL、必要に応じて約700ng/mL、必要に応じて約600ng/mL、必要に応じて約500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下する、使用。
【請求項2】
前記対象が、
(i)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約350ng/ml~約2000ng/mL;
(ii)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約500ng/ml~約1700ng/mL;または
(iii)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約650ng/ml~約1500ng/mL
の血漿[MPA]の平均を達成する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記第1の用量の2.5時間後、好ましくは4時間後、より好ましくは8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記対象が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、前記組成物を投与される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記対象が、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を与えられる、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、または第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
(i)第1の用量の投与の4時間後、必要に応じて8時間後での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、
(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を投与した参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージ
より低い、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記単一用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項4から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記単一用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、MPA活性剤を含む即時放出製剤を投与された参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示し、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、請求項4から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記即時放出製剤が、10mg/kgのMPAの1日2回用量で、前記参照イヌ対象に投与され、前記即時放出製剤が、必要に応じてミコフェノール酸モフェチルを含む、請求項7または
9に記載の使用。
【請求項11】
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含み、前記ミコフェノール酸ナトリウムが、必要に応じて前記イヌ対象に経口投与される、請求項1から
10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
前記制御放出組成物が、各々が
(i)コアであって、(a)前記MPA活性剤が、前記コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含まれる;または、(b)前記MPA活性剤が、前記コア内に配置される、コア;
(ii)(a)前記活性層または(b)前記コアの少なくとも一部上に配置される、制御放出層;
(iii)(a)前記活性層と前記制御放出層との間、または(b)前記コアと前記制御放出層との間に配置される、必要に応じたシールコート層;
(iv)前記制御放出層上に配置される、必要に応じた保護層
を含む、複数の粒子サブユニットを含む充填可能なカプセル剤を含み、
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含み、必要に応じて、約3mg~約2.2gの前記制御放出組成物に存在する、請求項
11に記載の使用。
【請求項13】
前記イヌが、
(i)異常リンパ球増殖に関連する自己免疫疾患もしくは障害を有するか、もしくは有することが疑われ、前記自己免疫疾患もしくは障害が、必要に応じて、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、もしくはその任意の組合せを含む;
(ii)臓器移植を受けたことがある、現在受けている、もしくは将来受ける;または
(iii)(i)および(ii)の両方である、請求項1から
12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
制御放出製剤であって、
(i)約3mg~約2.2gのMPA活性剤;
(ii)約21mg/kgの単一用量で前記MPA活性剤を投与されるイヌ対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、最大で約3000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間、250ng/mL~約2000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成し、
前記単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記単一用量前の15分またはそれ未満での、前記イヌから得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、前記MPA活性剤が、in vivoで前記製剤から放出されるように、前記MPA活性剤の放出を制御するための手段
を含む、製剤。
【請求項15】
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、請求項
14に記載の製剤。
【請求項16】
(i)各々が前記MPA活性剤を含む複数の粒子サブユニットを含有する、多粒子薬物送達システム(MDDS);
(ii)錠剤;
(iii)懸濁剤;
(iv)糖剤;または
(v)その任意の組合せ
を含む、請求項
14または
15に記載の製剤。
【請求項17】
前記MDDSが、カプセル剤、小袋剤、錠剤、またはその任意の組合せを介する送達用に調製される、請求項
16に記載の製剤。
【請求項18】
前記複数の粒子サブユニットの各々が、コアを含み、
(i)前記MPA活性剤が、前記コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含有される;または
(ii)前記MPA活性剤が、前記コア内に含有され
、
ここで、前記複数の粒子サブユニットの各々が、
(i)の前記活性層の少なくとも一部上に配置されるか、または、(ii)の前記コアの少なくとも一部上に配置される、制御放出層;
(i)の前記活性層と前記制御放出層との間に配置されるか、または、(ii)の前記コアと前記制御放出層との間に配置される、シールコート層;および
前記制御放出層上に配置される保護層;
をさらに含む、請求項
16または
17に記載の製剤。
【請求項19】
約168mgの前記MPA活性剤
または約252mgの前記MPA活性剤を含み、MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、請求項
14から
18のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項20】
請求項
16から
19のいずれか一項に記載のMDDS、およびイヌ対象に組成物を投与するための説明書を含む、キット。
【請求項21】
食品をさらに含む、請求項
20に記載のキット。
【請求項22】
前記制御放出製剤が、各々の直径が約5mmまたはそれ未満である、複数の粒子サブユニットを含む、MDDSを含む、請求項
14から18のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項23】
前記第1の用量が、約3mg/kg~約35mg/kgで
、または約15mg/kg~約30mg/kgで前記MPA活性剤を含む、請求項
1~13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
前記第1の用量が、約3mg~約2200mgの前記MPA活性剤を含む、請求項
1から13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
前記第1の用量が、約168mgの前記MPA活性剤
または約252mgの前記MPA活性剤を含む、請求項
24に記載の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0285
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0285】
本明細書に記載の全ての出版物、特許、および特許出願は、その各々の個別の出版物、特許、および特許出願が具体的、個別に参照により組み込まれると示された場合と同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
イヌ対象におけるリンパ球増殖および/または活性化を抑制するためのMPA活性剤を含む制御放出組成物の使用であって、前記対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mLの平均血漿[ミコフェノール酸(MPA)]を達成するように、MPA活性剤を含む前記制御放出製剤を前記対象に投与することを含み、
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mL、必要に応じて約2500ng/mL、必要に応じて約2000ng/mL、必要に応じて約1500mL、必要に応じて約700ng/mL、必要に応じて約600ng/mL、必要に応じて約500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下する、使用。
(項目2)
前記対象が、
(i)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約350ng/ml~約2000ng/mL;
(ii)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約500ng/ml~約1700ng/mL;または
(iii)前記第1の用量に続く8時間にわたって、約650ng/ml~約1500ng/mL
の血漿[MPA]の平均を達成する、項目1に記載の使用。
(項目3)
前記第1の用量の2.5時間後、好ましくは4時間後、より好ましくは8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、項目1または2に記載の使用。
(項目4)
前記対象が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、前記組成物を投与される、項目1から3のいずれか一項に記載の使用。
(項目5)
前記対象が、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を与えられる、項目4に記載の使用。
(項目6)
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、または第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目5に記載の使用。
(項目7)
(i)第1の用量の投与の4時間後、必要に応じて8時間後での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、
(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を投与した参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージ
より低い、項目1から6のいずれか一項に記載の使用。
(項目8)
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記単一用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、項目4から7のいずれか一項に記載の使用。
(項目9)
前記投与することが、15日またはそれより長い間、前記単一用量を投与することを含み、前記15日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、項目8に記載の使用。
(項目10)
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記単一用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、MPA活性剤を含む即時放出製剤を投与された参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示し、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、項目4から7のいずれか一項に記載の使用。
(項目11)
前記即時放出製剤が、10mg/kgのMPAの1日2回用量で、前記参照イヌ対象に投与され、前記即時放出製剤が、必要に応じてミコフェノール酸モフェチルを含む、項目7または10に記載の使用。
(項目12)
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含み、前記ミコフェノール酸ナトリウムが、必要に応じて前記イヌ対象に経口投与される、項目1から11のいずれかに記載の使用。
(項目13)
前記制御放出組成物が、各々が
(i)コアであって、(a)前記MPA活性剤が、前記コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含まれる;または、(b)前記MPA活性剤が、前記コア内に配置される、コア;
(ii)(a)前記活性層または(b)前記コアの少なくとも一部上に配置される、制御放出層;
(iii)(a)前記活性層と前記制御放出層との間、または(b)前記コアと前記制御放出層との間に配置される、必要に応じたシールコート層;
(iv)前記制御放出層上に配置される、必要に応じた保護層
を含む、複数の粒子サブユニットを含む充填可能なカプセル剤を含み、
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含み、必要に応じて、約3mg~約2.2gの前記制御放出組成物に存在する、項目12に記載の使用。
(項目14)
前記イヌが、
(i)異常リンパ球増殖に関連する自己免疫疾患もしくは障害を有するか、もしくは有することが疑われ、前記自己免疫疾患もしくは障害が、必要に応じて、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、もしくはその任意の組合せを含む;
(ii)臓器移植を受けたことがある、現在受けている、もしくは将来受ける;または
(iii)(i)および(ii)の両方である、項目1から13のいずれか一項に記載の使用。
(項目15)
イヌにおけるリンパ球増殖を抑制するための医薬を調製する方法であって、対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間、約250ng/ml~約2000ng/mlの平均血漿[ミコフェノール酸(MPA)]を維持し、
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/ml、必要に応じて約2000ng/ml、必要に応じて約1500ml、必要に応じて約700ng/ml、必要に応じて約600ng/ml、必要に応じて約500ng/mlの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/ml以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、
MPA活性剤を含む前記制御放出製剤を調製することを含む、方法。
(項目16)
制御放出製剤であって、
(i)約3mg~約2.2gのMPA活性剤;
(ii)約21mg/kgの単一用量で前記MPA活性剤を投与されるイヌ対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、最大で約3000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間、250ng/mL~約2000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成し、
前記単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記単一用量前の15分またはそれ未満での、前記イヌから得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、前記MPA活性剤が、in vivoで前記製剤から放出されるように、前記MPA活性剤の放出を制御するための手段
を含む、製剤。
(項目17)
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、項目16に記載の製剤。
(項目18)
(i)各々が前記MPA活性剤を含む複数の粒子サブユニットを含有する、多粒子薬物送達システム(MDDS);
(ii)錠剤;
(iii)懸濁剤;
(iv)糖剤;または
(v)その任意の組合せ
を含む、項目16または17に記載の製剤。
(項目19)
前記MDDSが、カプセル剤、小袋剤、錠剤、またはその任意の組合せを介する送達用に調製される、項目18に記載の製剤。
(項目20)
前記複数の粒子サブユニットの各々が、コアを含み、
(i)前記MPA活性剤が、前記コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含有される;または
(ii)前記MPA活性剤が、前記コア内に含有される、項目18または19に記載の製剤。
(項目21)
前記複数の粒子サブユニットの各々が、(i)の前記活性層の少なくとも一部上に配置されるか、または、(ii)の前記コアの少なくとも一部上に配置される、制御放出層をさらに含む、項目20に記載の製剤。
(項目22)
前記複数の粒子サブユニットの各々が、(i)の前記活性層と前記制御放出層との間に配置されるか、または、(ii)の前記コアと前記制御放出層との間に配置される、シールコート層をさらに含む、項目21に記載の製剤。
(項目23)
前記複数の粒子サブユニットの各々が、前記制御放出層上に配置される保護層をさらに含む、項目22に記載の製剤。
(項目24)
約168mgの前記MPA活性剤を含み、MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、項目16から23のいずれか一項に記載の製剤。
(項目25)
約252mgの前記MPA活性剤を含み、MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、項目16から23のいずれか一項に記載の製剤。
(項目26)
項目18から25のいずれか一項に記載のMDDS、およびイヌ対象に組成物を投与するための説明書を含む、キット。
(項目27)
食品をさらに含む、項目26に記載のキット。
(項目28)
イヌ対象におけるリンパ球増殖を抑制するための方法であって、前記対象が、制御放出製剤の第1の用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成し、
前記第1の用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して低下するように、
MPA活性剤を含む前記制御放出製剤を、前記対象に投与することを含む、方法。
(項目29)
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間、約350ng/mL~約2000ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する、項目28に記載の方法。
(項目30)
対象が、前記第1の用量に続く約8時間、約500ng/mL~約1700ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する、項目28または29に記載の方法。
(項目31)
対象が、前記第1の用量に続く約8時間、約650ng/mL~約1500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成する、項目28から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記第1の用量の2.5時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、項目28から31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記第1の用量の4時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージに対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、項目28から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記第1の用量の8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、前記第1の用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下する、項目28から33のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目28から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目28から34に記載の方法。
(項目37)
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目28から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目28から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約600ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目28から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記対象が、前記第1の用量に続く約8時間にわたって、約500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記第1の用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目28から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記対象が、摂食状態の場合、制御放出組成物を与えられる、項目28から40のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を投与することを含む、項目28から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
前記投与することが、2日またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第2日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記投与することが、7日またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目42に記載の方法。
(項目46)
前記投与することが、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目45に記載の方法。
(項目47)
(i)前記投与の4時間後での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、
(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えた参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージ
より低い、項目28から46のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
(i)前記投与の8時間後での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量が、
(ii)MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えた参照イヌ対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量
より低い、項目28から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、項目42から48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記投与することが、15日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記15日にわたって、前記イヌ対象が、消化管の有害事象を示さない、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、MPA活性剤を含む即時放出製剤を与えられる参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示し、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、項目42から50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記投与することが、15日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記15日にわたって、前記イヌ対象が、前記参照イヌ対象と比較して、消化管の有害事象の数の低下、重症度の低下、またはその両方を示す、項目42から51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記参照イヌ対象が、10mg/kgのMPAの1日2回用量で、前記即時放出製剤を与えられる、項目47、48、51、または52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記即時放出製剤が、ミコフェノール酸モフェチルを含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記投与が、経口投与を含む、項目28から54のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
前記制御放出製剤が、
(i)各々が前記MPA活性剤を含む複数の粒子サブユニットを含有する、多粒子薬物送達システム(MDDS);
(ii)錠剤;
(iii)懸濁剤;
(iv)糖剤;または
(v)その任意の組合せ
を含む、項目28から55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記制御放出製剤が、各々の直径が約5mmまたはそれ未満である、複数の粒子サブユニットを含む、MDDSを含む、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記MDDSが、カプセル剤、小袋剤、錠剤、またはその任意の組合せを介する、前記対象への送達用に調製される、項目56または57に記載の方法。
(項目59)
前記MDDSの前記複数の粒子サブユニットの各々が、コアを含み、
(i)前記MPA活性剤が、前記コアの少なくとも一部上に配置される活性層に含有される;または
(ii)前記MPA活性剤が、前記コア内に含有される、項目26から58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記複数の粒子サブユニットの各々が、制御放出層をさらに含み、前記制御放出層が、(i)の前記コアの前記MPA活性層上に配置されるか、または、(ii)の前記コアの少なくとも一部上に配置される、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記複数の粒子サブユニットの各々が、シールコート層を含み、前記シールコート層が、(i)の前記コアの前記MPA活性層と前記制御放出層との間に配置されるか、または、(ii)の前記コアと前記制御放出層との間に配置される、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記複数の粒子サブユニットの各々が、前記制御放出層上に配置される保護層をさらに含む、項目60または61に記載の方法。
(項目63)
前記第1の用量が、約3mg/kg~約35mg/kgで前記MPA活性剤を含む、項目28から62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記第1の用量が、約15mg/kg~約30mg/kgで前記MPA活性剤を含む、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記第1の用量が、約3mg~約2200mgの前記MPA活性剤を含む、項目28から64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記第1の用量が、約168mgの前記MPA活性剤を含む、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記第1の用量が、約252mgの前記MPA活性剤を含む、項目65に記載の方法。
(項目68)
前記MPA活性剤が、ミコフェノール酸ナトリウムを含む、項目28から67のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記制御放出組成物が、食物を伴って前記対象に投与される、項目28から68のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
前記対象が、
(i)異常リンパ球増殖および/もしくは活性化に関連する自己免疫疾患もしくは障害を有する、もしくは有することが疑われる;
(ii)臓器移植および/もしくは人工インプラントを受けたことがある、現在受けている、もしくは将来受ける;または
(iii)(i)および(ii)の両方である、項目28から69のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
前記自己免疫疾患または障害が、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、またはその任意の組合せを含む、項目70に記載の方法。
(項目72)
イヌ対象における自己免疫疾患または障害を処置するための方法であって、前記自己免疫疾患または障害が、リンパ球の異常増殖および/または活性化により特徴付けられ、前記方法が、前記対象に、MPA活性剤を含む制御放出組成物を、前記MPA活性剤の約3mg/kg~約35mg/kgの用量で投与することを含み、
前記対象が、単一用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約250ng/mL~約3000ng/mlの平均血漿[MPA]を達成し、
前記単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記単一用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下するように、
前記対象が、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を与えられる、方法。
(項目73)
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目72に記載の方法。
(項目75)
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目72に記載の方法。
(項目76)
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目72に記載の方法。
(項目77)
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含む、項目72から76のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
前記投与することが、2日またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第2日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目77に記載の方法。
(項目80)
前記投与することが、7日またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目77から79のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、項目77から80のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
前記自己免疫疾患または障害が、アトピー性皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、尋常性天疱瘡、難治性不完全性全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、免疫グロブリンA腎症、小血管脈管炎、強皮症(全身性硬化症もしくはSSc)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、悪性貧血、白斑、自己免疫性溶血性疾患、糸球体腎炎、免疫性血球減少、髄膜脳脊髄炎、表皮下水疱性自己免疫疾患、免疫水疱性疾患、皮膚血管炎、再発性多形性紅斑、結節性紅斑、扁平苔癬、皮膚クローン病、類肉腫症、肝炎、壊疽性膿皮症、またはその任意の組合せを含む、項目72から81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
臓器移植および/または人工インプラントを受けたことがある、現在受けている、または将来受けるイヌ対象に、MPA活性剤を含む制御放出組成物を、前記MPA活性剤の約3mg/kg~約35mg/kgの用量で投与することを含む方法であって、
前記対象が、単一用量に続く約8時間にわたって、約3000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成し、
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間、250ng/mL~約2500ng/mLの平均血漿[MPA]を達成し、
前記単一用量の2.5時間後、4時間後、および8時間後での、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、モノクローナル抗体Ki-67を使用して決定する通り、前記単一用量前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージと比較して、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれより高い%低下するように、
前記対象が、1日あたり単一用量の前記制御放出組成物を与えられる、方法。
(項目84)
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約2500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目83に記載の方法。
(項目85)
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約2000ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約500ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目83に記載の方法。
(項目86)
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約1500ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約600ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目83に記載の方法。
(項目87)
前記対象が、前記単一用量に続く約8時間にわたって、約700ng/mLの血漿[MPA]Cmax、および、前記単一用量の約2.5~約8時間後に、約250ng/mL以上の血漿[MPA]Cminを達成する、項目83に記載の方法。
(項目88)
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長く連続した日数の間、前記用量を投与することを含む、項目83から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目89)
前記投与することが、2日またはそれより長く連続した日数の間、単一用量を投与することを含み、第2日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目88に記載の方法。
(項目90)
前記投与することが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより長い日数の間実施され、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、および第15日の各々の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目88または89に記載の方法。
(項目91)
前記投与することが、7日またはそれより長く連続した日数の間、前記単一用量を投与することを含み、第7日の用量の24時間後から任意のその後の用量の前の、前記イヌ対象由来の全血試料中の増殖するリンパ球のパーセンテージが、第1日の用量の前の15分またはそれ未満での、前記対象から得られる全血試料中の増殖するリンパ球の量に対して、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより高い%低下する、項目88から90のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記投与することが、10日またはそれより長い間、前記用量を投与することを含み、前記10日にわたって、前記対象が、消化管の有害事象を示さず、消化管の有害事象が、嘔吐、下痢、軟便、またはその任意の組合せを含む、項目88から91のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】