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特表2022-506031再帰反射体のマッピングのための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】再帰反射体のマッピングのための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/495 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
G01S7/495
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523177
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(85)【翻訳文提出日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 US2019058260
(87)【国際公開番号】W WO2020131217
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/755,289
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/272,258
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ドロズ,ピエール-イヴ
(72)【発明者】
【氏名】オナル,ケイナー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ガッサン,ブレイズ
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA10
5J084AA14
5J084AB20
5J084AC02
5J084AC07
5J084BA04
5J084BA12
5J084BA20
5J084BA36
5J084BA50
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB28
5J084CA03
5J084DA01
5J084DA05
5J084DA08
5J084EA24
5J084FA01
(57)【要約】
1つの例示的な方法は、検出器で受信するために、シーン内のターゲット領域からの光を集束させる光検出測距(LIDAR)デバイスを伴う。この方法はまた、一次光パルスを放出することも伴う。この方法はまた、1つ以上の光学素子を介して、一次光パルスをターゲット領域に向けることも伴う。一次光パルスは、一次光パルスの一次光強度に従ってターゲット領域を照明する。この方法はまた、二次光パルスを放出することも伴う。二次光パルスの少なくとも一部分は、二次光パルスの二次光強度に従ってターゲット領域を照明する。二次光強度は一次光強度よりも小さい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器で受信するために、光検出測距(LIDAR)デバイスによって、シーン内のターゲット領域からの光を集束させることと、
前記シーンに向かって複数の光パルスを送信することと、を含み、前記複数の光パルスを送信することは、
一次光パルスを放出すること、
1つ以上の光学素子を介して、前記一次光パルスを前記ターゲット領域に向けることであって、前記一次光パルスは、前記一次光パルスの一次光強度に従って前記ターゲット領域を照明する、向けること、および
二次光パルスを放出することであって、前記二次光パルスの少なくとも一部分は、前記二次光パルスの二次光強度に従って前記ターゲット領域を照明し、前記二次光強度は前記一次光強度よりも小さい、放出すること、を含む、方法。
【請求項2】
前記検出器が前記集束された光における前記一次光パルスの反射部分の検出を示すことに基づいて、前記シーン内の物体を検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出器が前記集束された光における前記二次光パルスの反射部分の検出を示すことに基づいて、前記物体を再帰反射体として識別することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記物体から反射された前記二次光パルスの反射が前記検出器によって検出されるかどうかの判定に基づいて、前記物体の反射特性を識別することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の光パルスを送信することは、
前記一次光パルスを、第1のビーム発散を有する第1の光ビームとして前記ターゲット領域に向けて送信することと、
前記二次光パルスを、前記第1のビーム発散よりも大きい第2のビーム発散を有する第2の光ビームとして前記シーンに向けて送信することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の光学素子を介して前記一次光パルスをコリメートして、前記第1のビーム発散を有する前記第1の光ビームを提供することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記一次光パルスを放出することは、一次エミッタを使用して前記一次光パルスを放出することを含み、
前記二次光パルスを放出することは、二次エミッタを使用して前記二次光パルスを放出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の光学素子を含む第1の光路に沿って前記一次光パルスを送信することと、
前記1つ以上の光学素子を含まない第2の光路に沿って前記二次光パルスを送信することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の光パルスを送信することは、前記一次光パルスを放出する前に前記二次光パルスを放出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記一次光パルスを放出することは、前記検出器が前記二次光パルスの放出後の閾値期間内に前記二次光パルスの反射を検出しないことに基づく、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の光パルスを送信することは、
所定の相対順序で1つ以上の一次光パルスおよび1つ以上の二次光パルスを含む一連の光パルスを放出することを含み、
各一次光パルスは、少なくとも一次光強度に従って前記ターゲット領域を照明し、
各二次光パルスの少なくとも一部分は、高くても前記二次光強度に従って前記ターゲット領域を照明する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記検出器を介して、前記ターゲット領域からの前記集束された光において1つ以上の検出された光パルスを検出することと、
前記放出された一連の光パルスの少なくとも放出時間および前記1つ以上の検出された光パルスの検出時間に基づいて、物体が前記LIDARデバイスまでの閾値距離内の前記ターゲット領域に存在することを判定することと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも前記所定の相対順序に基づいて、前記LIDARデバイスと前記ターゲット領域内の前記物体との間の距離を推定することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の検出された光パルスが前記1つ以上の二次光パルスの反射部分を含むことに基づいて、前記物体を再帰反射体として識別することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記放出時間および前記検出時間に基づいて、前記1つ以上の検出された光パルスのうちの特定の光パルスが、前記放出された一連の光パルスの反射部分と一致しないことを判定することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記二次光パルスが前記シーン内の複数のターゲット領域を照明し、前記LIDARデバイスが複数の検出器を含み、前記複数の検出器の各検出器が、前記複数のターゲット領域のそれぞれのターゲット領域からの光を捕捉するように配置されており、前記複数の光パルスを送信することは、
前記複数の検出器を介して、前記二次光パルスの放出後に始まる第1の検出期間中に前記複数の検出器によって受信された光の測定値を取得することと、
前記取得された測定値に基づいて、1つ以上の再帰反射体を含む前記複数のターゲット領域のうちの1つ以上のターゲット領域を識別することと、
前記第1の検出期間の後に始まる放出期間中に、前記識別された1つ以上のターゲット領域以外の前記複数のターゲット領域の所与のターゲット領域に向かって複数の一次光パルスを放出することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
光検出測距(LIDAR)デバイスであって、
シーン内のターゲット領域からの前記LIDARデバイスによって集束された光を捕捉するように配置された検出器と、
一次光パルスを放出するように構成された一次エミッタと、
前記一次光パルスを前記ターゲット領域に向けるように配置された1つ以上の光学素子であって、前記一次光パルスは、前記一次光パルスの一次光強度に従って前記ターゲット領域を照明する、1つ以上の光学素子と、
二次光パルスを放出するように構成された二次エミッタであって、前記二次光パルスの少なくとも一部分は、前記二次光パルスの二次光強度に従って前記ターゲット領域を照明し、前記二次光強度は前記一次光強度よりも小さい、二次エミッタと、を備える、光検出測距(LIDAR)デバイス。
【請求項18】
前記一次エミッタおよび前記1つ以上の光学素子は、ハウジングの内側に配設され、前記二次エミッタは、前記ハウジングの外側に配設されている、請求項17に記載のLIDARデバイス。
【請求項19】
光検出測距(LIDAR)デバイスであって、
シーン内のターゲット領域からの光を捕捉するように配置された受信機と、
一連の光パルスを前記ターゲット領域に向けて送信するように構成された送信機であって、前記一連の光パルスは、1つ以上の一次光パルスおよび1つ以上の二次光パルスを含み、前記1つ以上の一次光パルスのそれぞれの光強度は、一次閾値より大きく、前記1つ以上のニ次光パルスのそれぞれの光強度は、二次閾値よりも小さく、前記一次閾値は、前記二次閾値よりも大きい、送信機と、を備える、光検出測距(LIDAR)デバイス。
【請求項20】
前記一次閾値は、前記二次閾値の少なくとも2倍である、請求項19に記載のLIDARデバイス。
【請求項21】
光検出測距(LIDAR)デバイスによって、シーンに向けて複数の光パルスを送信することであって、前記LIDARデバイスは、(i)各一次エミッタが前記シーンのそれぞれの領域を照明する一次光パルスを放出するように構成された、複数の一次エミッタ、(ii)各二次光パルスが前記シーンの複数の領域を照明する二次光パルスを放出するように構成された二次エミッタ、および(iii)各検出器が前記シーンのそれぞれの領域からの光を検出するように構成された複数の検出器を備え、前記複数の光パルスは、複数の一次光パルスおよび二次光パルスを含む、送信することと、
前記複数の検出器のうちの少なくとも1つの検出器が前記二次光パルスの反射部分に対応する光を検出することに基づいて、前記シーン内の再帰反射体を検出することと、
前記シーン内の前記再帰反射体の検出に応答して、前記複数の一次エミッタの少なくとも1つの一次エミッタを制御して、前記再帰反射体の照明を回避することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記二次光パルスは、第1の放出期間中に放出され、前記複数の一次エミッタのうちの少なくとも1つの一次エミッタを制御して、前記再帰反射体の照明を回避することは、
前記少なくとも1つの一次エミッタ以外の一次エミッタを使用して、前記第1の放出期間に続く第2の放出期間中に一次光パルスを放出することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第1の検出期間中に前記少なくとも1つの検出器によって、前記二次光パルスの前記反射部分に対応する前記光を検出することであって、前記第1の検出期間は、前記第1の放出期間の後、かつ前記第2の放出期間の前に発生する、検出することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの検出器が前記シーンの特定の領域からの光を検出するように構成されていることに基づいて、前記再帰反射体が前記シーンの前記特定の領域にあることを判定することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの一次エミッタが前記シーンの前記特定の領域に一次光パルスを放出するように構成されていることに基づいて、前記少なくとも1つの一次エミッタを識別することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
各一次光パルスは一次光強度を有し、各二次光パルスは二次光強度を有し、前記二次光強度は前記一次光強度よりも小さい、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記LIDARデバイスは、複数の送信/受信チャネルを含み、各送信/受信チャネルは、前記複数の一次エミッタのそれぞれの一次エミッタおよび前記複数の検出器のそれぞれの検出器を使用して、前記LIDARデバイスの視野(FOV)のそれぞれの部分をスキャンするように構成されている、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記二次エミッタは、前記LIDARデバイスの前記FOVを包含するビーム幅を有する二次光パルスを放出するように構成されている、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月11日に提出された米国特許出願第16/272,258号、および2018年11月2日に提出された米国仮出願第62/755,289号の優先権を主張し、それらは両方、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
数ある中でもとりわけ、光検出測距(LIDAR)センサ、電波探知測距(RADAR)センサ、および音波探知測距(SONAR)センサなどのアクティブセンサは、周辺環境に向けて信号を放出し、放出された信号の反射を検知することによって、周辺環境をスキャンすることができるセンサである。
【0003】
例えば、LIDARセンサは、環境における反射表面を示す「点群」を組み立てるように、シーン全体をスキャンしながら環境特徴までの距離を判定することができる。点群の個々の点は、例えば、レーザーパルスを送信し、環境における物体から反射された戻りパルスがあればそれを検知し、その後、パルスの送信とその反射パルスの受信との間の時間遅延に従って物体までの距離を測定することによって判定することができる。その結果、例えば、環境における反射特徴の位置を示す点の三次元マップを生成することができる。
【発明の概要】
【0004】
一例では、方法が提供される。この方法は、検出器で受信するために、光検出測距(LIDAR)デバイスによって、シーン内のターゲット領域からの光を集束させることを伴う。この方法はまた、複数の光パルスをシーンに向けて送信することを伴う。複数の光パルスを送信することは、一次光パルスを放出することと、1つ以上の光学素子を介して一次光パルスをターゲット領域に向けることと、を含む。一次光パルスは、一次光パルスの一次光強度に従ってターゲット領域を照明する。複数の光パルスを送信することはまた、二次光パルスを放出することも含む。二次光パルスの少なくとも一部分は、二次光パルスの二次光強度に従ってターゲット領域を照明する。二次光強度は一次光強度よりも小さい。
【0005】
別の例では、光検出測距(LIDAR)デバイスが提供される。LIDARデバイスは、LIDARデバイスによって集束された、シーン内のターゲット領域からの光を捕捉するように配置された検出器を含む。LIDARデバイスはまた、一次光パルスを放出するように構成された一次エミッタも含む。LIDARデバイスはまた、一次光パルスをターゲット領域に向けるように配置された1つ以上の光学素子も含む。一次光パルスは、一次光パルスの一次光強度に従ってターゲット領域を照明する。LIDARデバイスはまた、二次光パルスを放出するように構成された二次エミッタも含む。二次光パルスの少なくとも一部分は、二次光パルスの二次光強度に従ってターゲット領域を照明する。二次光強度は一次光強度よりも小さい。
【0006】
さらに別の例では、光検出測距(LIDAR)デバイスが提供される。LIDARデバイスは、シーン内のターゲット領域からの光を捕捉するように配置された受信機を含む。LIDARデバイスはまた、一連の光パルスをターゲット領域に向けて送信するように構成された送信機を含む。一連の光パルスは、1つ以上の一次光パルスおよび1つ以上の二次光パルスを含む。1つ以上の一次光パルスのそれぞれの光強度は、一次閾値よりも大きい。1つ以上の二次光パルスのそれぞれの光強度は、二次閾値よりも小さい。一次閾値が二次閾値よりも大きい。
【0007】
さらに別の例では、システムが提供される。このシステムは、検出器で受信するために、光検出測距(LIDAR)デバイスによって、シーン内のターゲット領域からの光を集束させるための手段を備える。このシステムはまた、複数の光パルスをシーンに向けて送信するための手段を備える。複数の光パルスを送信することは、一次光パルスを放出することと、1つ以上の光学素子を介して一次光パルスをターゲット領域に向けることと、を含む。一次光パルスは、一次光パルスの一次光強度に従ってターゲット領域を照明する。複数の光パルスを送信することはまた、二次光パルスを放出することを含む。二次光パルスの少なくとも一部分は、二次光パルスの二次光強度に従ってターゲット領域を照明する。二次光強度は一次光強度よりも小さい。
【0008】
別の例では、方法が提供されている。この方法は、光検出測距(LIDAR)デバイスによって、複数の光パルスをシーンに向けて送信することを伴う。複数の光パルスは、複数の一次光パルスおよび二次光パルスを伴う。LIDARデバイスは、(i)各一次エミッタが、シーンのそれぞれの領域を照明する一次光パルスを放出するように構成された、複数の一次エミッタ、(ii)各二次光パルスがシーンの複数の領域を照明する二次光パルスを放出するように構成された二次エミッタ、および(iii)各検出器がシーンのそれぞれの領域からの光を検出するように構成された複数の検出器を備える。この方法は、複数の検出器のうちの少なくとも1つの検出器が二次光パルスの反射部分に対応する光を検出する応答ことに基づいてシーン内の再帰反射体を検出し、シーン内で再帰反射体を検出することにして、複数の一次エミッタのうちの少なくとも1つの一次エミッタを制御して再帰反射体の照明を回避することをさらに伴う。
【0009】
さらに別の例では、光検出測距(LIDAR)デバイスが提供される。LIDARデバイスは、(i)各一次エミッタが、シーンのそれぞれの領域を照明する一次光パルスを放出するように構成された、複数の一次エミッタ、(ii)各二次光パルスがシーンの複数の領域を照明する二次光パルスを放出するように構成された二次エミッタ、(iii)各検出器がシーンのそれぞれの領域からの光を検出するように構成された複数の検出器、および(iv)コントローラを備える。コントローラは、複数の検出器のうちの少なくとも1つの検出器が二次光パルスの反射部分に対応する光を検出することに基づいてシーン内の再帰反射体を検出し、シーン内の再帰反射体の検出に応答して、前複数の一次エミッタの少なくとも1つの一次エミッタを制御して、再帰反射体の照明を回避するように構成されている。
【0010】
これらの態様ならびに他の態様、利点、および代替物は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。さらに、本概要の項および本文書の他の場所で提供される記載は、限定ではなく例として請求される主題を例解することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な実施形態による、システムの簡素化したブロック図である。
図2A】例示的な実施形態による、第1のLIDARデバイスを示す。
図2B】第1のLIDARデバイスが放出する光の断面図を示す。
図3A】例示的な実施形態による、第2のLIDARデバイスを示す。
図3B】第2のLIDARデバイスが放出する光の断面図を示す。
図4A】例示的な実施形態による、第3のLIDARデバイスを示す。
図4B】第3のLIDARデバイスの部分的な斜視図を示す。
図4C】第3のLIDARデバイスの部分断面図を示す。
図4D】第3のLIDARデバイスの別の部分断面図を示す。
図5】例示的な実施形態による、第4のLIDARデバイスの部分断面図を示す。
図6】例示的な実施形態による、方法のフローチャートである。
図7】例示的な実施形態による、FOVの1回目のスキャンの概念的なタイミング図を示す。
図8】例示的な実施形態による、別の方法のフローチャートである。
図9A】例示的な実施形態による、マルチチャネルアクティブセンサによる一連のスキャンにおける1回目のスキャンの概念的なタイミング図を示す。
図9B】例示的な実施形態による、一連のスキャンにおける2回目のスキャンの概念的なタイミング図を示す。
図10】例示的な実施形態による、一連のスキャンにおける2回目のスキャンの第1の代替実装のための概念的なタイミング図を示す。
図11】例示的な実施形態による、一連のスキャンにおける2回目のスキャンの第2の代替実装の概念的なタイミング図を示す。
図12A】例示的な実施形態による、別のマルチチャネルアクティブセンサによる別の一連のスキャンにおける1回目のスキャンの概念的なタイミング図を示す。
図12B】例示的な実施形態による、他の一連のスキャンにおける2回目のスキャンの概念的なタイミング図を示す。
図13】例示的な実施形態による、さらに別の方法のフローチャートである。
図14】例示的な実施形態による、一連の信号を放出するアクティブセンサによるターゲット領域の1回目のスキャンの概念的なタイミング図を示す。
図15】例示的な実施形態による、一連の信号を放出するアクティブセンサによる2回目のスキャンの概念的なタイミング図を示す。
図16】例示的な実施形態による、一連の信号を放出するアクティブセンサによる3回目のスキャンの概念的なタイミング図を示す。
図17】例示的な実施形態による、さらに別の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、例示的な実装形態について説明する。「例示的」という単語は、本明細書では「例、事例、または例解としての役割を果たす」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書で「例示的」または「例解的」として説明される実装形態または機能は、他の実装形態または機能よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。図において、特に文脈で指示しない限り、同様の記号は典型的に、同様の構成要素を指している。本明細書で説明される実装形態の例は、限定することを意味するものではない。本明細書に概して記載され、図面に例解される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置し、置き換え、組み合わせ、分離し、かつ設計することができることが、容易に理解される。
【0013】
I.概要
例の中で、アクティブセンシングシステム(例えば、LIDARなど)は、複数の信号をシーンに向けて送信し、シーンから戻る送信信号の反射部分を捕捉してもよい。
【0014】
一例では、LIDARデバイスは、シーンに向かって光パルスを放出し、シーンから戻る放出された光パルスの反射を検出することによって、シーンをスキャンしてもよい。例えば、シーン内の反射面は、それに入射する放出された光パルスを反射、吸収、および/または散乱させてもよい。次に、LIDARデバイスは、反射面からLIDARデバイスに戻る反射光パルスの少なくとも一部分を検出してもよい。
【0015】
一部のシナリオでは、反射面は、放出された光パルス(またはその一部分)を、反射面から離れて伝播する発散反射光ビームとして反射してもよい。反射光ビームの発散により、最終的にLIDARデバイスの検出器に到達する反射光ビームの一部分のエネルギー量(例えば、光子の数など)は、LIDARデバイスと反射面との間の距離の増加とともに減少してもよい。
【0016】
いくつかの例では、LIDARデバイスは、光パルスの放出後に始まる検出期間中に、放出された光パルスの反射部分を(検出器を使用して)測定するように構成してもよい。検出期間は、反射光パルス(LIDARデバイスまでの閾値距離内にある典型的な反射面によって反射される)が、検出器による信頼性の高い検出ができるだけの十分な量のエネルギーを有すると予想される所定時間として選択されてもよい。例えば、(検出期間に関連付けられた)閾値距離は、検出された信号をバックグラウンドノイズなどから区別するため、放出された光パルスの反射部分が十分な量のエネルギー(例えば、反射面から発散した後)を有すると予想されるLIDARデバイスのスキャン範囲と一致する場合もある。
【0017】
ただし、再帰反射体(交通標識など)などの一部のタイプの反射面や、例えば、LIDARデバイスの環境に存在する他のタイプの高反射面は、典型的な反射面から反射されると予想されるエネルギー量と比較して、比較的高いエネルギー量を、放出された光パルスからLIDARデバイスに戻して反射してもよい。例えば、再帰反射体は、典型的な反射面よりも入射エネルギーの大部分を反射し、反射エネルギーを典型的な反射面よりも比較的狭い円錐状に戻してもよい。
【0018】
さらに、一部のシナリオでは、再帰反射体(または他の反射率の高い材料)からの反射により、LIDARデータの収集および/または解釈で様々なエラーを引き起こす場合がある。例えば、LIDARデバイスが、シーンに対して一連のスキャンを実施するように構成されているシナリオを考えてみる。1回目のスキャン中に、LIDARデバイスは第1の光パルスを放出し、次に最初の検出期間中に第1の光パルスの反射の情報を得るようにしてもよい。第1の検出期間が終了した後、LIDARデバイスは、第2の光パルスを放出し、続いて第2の検出期間を放出してもよい。このシナリオでは、1回目のスキャンの第1の光パルスが離れた(例えば、LIDARデバイスの予想されるスキャン範囲外に位置する)再帰反射体から反射されてから(LIDARデバイスによって検出されるのに十分なエネルギーを有する反射光パルスとして)(1回目のスキャンの最初の検出期間ではなく)2回目のスキャンの第2の検出期間中にLIDARデバイスに戻ってきた場合には、例示のエラー(例えば、再帰反射体のエイリアスなど)が発生し得る。例えば、反射光パルス(すなわち、第1の光パルスの反射)は、第2の光パルスの反射として誤って識別され得る。
【0019】
再帰反射体に関連付けられた他のタイプのLIDARスキャンエラー(チャネルクロストーク、飽和、ブルーミングなど)も発生する可能性がある。例えば、LIDARデバイスは、FOVに向かって複数の空間的に隣接する光パルスを放出することによって視野(FOV)の隣接部分をスキャンする複数の送信/受信チャネルを含んでいてもよい。この例では、第1のチャネルによってスキャンされたFOVの第1の部分の再帰反射体は、1つ以上の他のチャネルで偽って検出され得る十分な強さの信号を反射する場合がある(例えば、隣接するチャネル間のクロストーク)。例えば、シーンの表現(例えば、LIDARデータ点群など)では、これらのスプリアス検出は、再帰反射体のサイズの明白な増加(例えば、ブルーミング)と一致する場合もある。
【0020】
したがって、本明細書のいくつかの例示的な実装形態は、再帰反射体の検出および/または再帰反射体に関連付けられたLIDARスキャンエラーの管理に関連し得る。
【0021】
第1の例では、LIDARデバイスには、シーン内のターゲット領域を照明するために一次光パルスを放出する一次エミッタが含まれている。LIDARデバイスはまた、シーンに向かって(一次光パルスと比較して)比較的弱い二次光パルスを放出する二次エミッタ(例えば、外部エミッタ、補助エミッタなど)を含む。したがって、二次光パルス(またはその一部分)は、一次光パルスの一次光強度よりも小さい二次光強度に従って、ターゲット領域を照明してもよい。例えば、二次エミッタは、一次光パルス(例えば、より狭い光線)によって照明される部分(例えば、より低い二次光強度に従って)シーンのより大きな部分を照明するために広い光ビームを放出する広視野照明器として構成することができる。LIDARデバイスはまた、一次光パルスによって照明されたターゲット領域からの光(LIDARデバイスによって集束される)を検出するように配置された検出器を含んでいてもよい。
【0022】
この例では、LIDARデバイスは、一次(より強い)光パルスを放出する前に、二次(より弱い)光パルスを放出するように構成されてもよい。例えば、二次光パルスを放出した後、LIDARデバイスは、次に、検出器によってターゲット領域から捕捉された集束された光を監視して(例えば、二次検出期間中に)、検出器が二次光パルスの反射を捕捉したかどうかを判定してもよい。検出器が(二次検出期間中に)二次光パルスの反射を検出する場合、LIDARは、再帰反射体がターゲット領域に存在することを検出するように構成されてもよい。例えば、二次光パルスは、反射が再帰反射体または他の高反射面からのものでない限り、二次光パルスの反射が(検出器で)検出されるのに十分なエネルギーを有さないように、十分に低強度を有していてもよい。
【0023】
代替の例では、LIDARデバイスは、二次光パルスの前に一次光パルスを放出するように構成されてもよい。
【0024】
再帰反射体の検出に応答して、LIDARデバイスは、ターゲット領域の再帰反射体に向けて一次光パルスを放出することを回避または遅延させてもよい。このようにして、二次光パルスを探索信号として使用して、(より強い)一次光パルスを使用して再帰反射体を照明しないようにすることができる。この配置では、再帰反射体からの反射に関連付けられたエラーは、再帰反射体への(高強度)光パルスの放出を回避または遅延させることによって先手を打つことができる。
【0025】
代替的に、第2の例では、LIDARデバイスは、一次エミッタが一次光パルスを放出し、次に一次光パルスの戻り反射を潜在的な再帰反射体エラーとしてフラグ付けすることを可能にするように構成されてもよい(例えば、LIDARデータから後で除去するためになど)。
【0026】
第3の例では、第1の例の変形として、LIDARデバイスは、コード化された一連の光パルスを放出するように(すなわち、二次光パルスの反射を監視せずに)構成することができる。コード化されたシーケンス(例えば、二次-二次-一次など)は、例えば、1つ以上の一次光パルスと1つ以上の二次光パルスとを所定の相対順序の組み合わせで含んでいてもよい。次に、LIDARデバイスは、放出された光パルスのコード化されたシーケンス(例えば、放出時間、順序など)を、集束された光のターゲット領域で(一連の光パルスが放出された後に開始する検出期間中に)(検出器で)検出された1つ以上の光パルスと比較してもよい。次に、比較に基づいて、LIDARデバイスは、検出された光パルスが、LIDARのスキャン範囲外の再帰反射体、LIDARのスキャン範囲内の再帰反射体、および/または他の可能性の中でも、反射体ではないLIDARデバイスのスキャン範囲内の物体に関連付けられているかどうかを判定してもよい。
【0027】
第4の例では、第1の例の変形として、LIDARデバイスは、単一のエミッタを使用して、一次光パルスと二次光パルスとの両方をターゲット領域に向けて放出してもよい。例えば、単一のエミッタによって放出された光は、一次光パルスの放出中に高強度を有し、二次光パルスの放出中に低強度を有するように変調することができる。
【0028】
II.例示的センサシステムおよびデバイス
本明細書で採用され得る例示的なセンサの非網羅的なリストは、数ある中でもとりわけ、LIDARセンサ、IRセンサ、およびマイクロ波カメラを含む。そのために、本明細書のいくつかの例示的なセンサは、信号(例えば、可視光信号、不可視光信号、無線周波数信号、マイクロ波信号、音信号など)を放出し、その後、周辺環境から放出された信号の反射を検出する、アクティブセンサを含み得る。
【0029】
図1は、例示的な実施形態による、システム100の簡略化されたブロック図である。図示のように、システム100は、電源装置102、コントローラ104、回転プラットフォーム110、固定プラットフォーム112、1つ以上のアクチュエータ114、回転リンク116、トランスミッタ120、受信機130、1つ以上の光学素子140、およびハウジング150を含む。いくつかの実施形態において、システム100は、より多くの、より少ない、または異なる構成要素を含んでいてもよい。追加的に、示された構成要素は、任意の数の方法で組み合わされ、または分割され得る。
【0030】
電源装置102は、システム100の様々な構成素子に電力を供給、受信、および/または分配するように構成され得る。そのために、電源装置102は、システム100内に配設され、任意の実現可能な方法でシステム100の様々な構成要素に接続されて、それらの構成要素に電力を供給するための電源(例えば、バッテリーセルなど)を含んでもよいか、または別様にその形態をとってもよい。追加的に、または代替的に、電源装置102は、(例えば、システム100が取り付けられている車両に配置された電源からなど)1つ以上の外部電源から電力を受け、受けた電力をシステム100の様々な構成要素に送信するように構成された電源アダプタを含んでもよいか、または別様にその形態をとってもよい。
【0031】
コントローラ104は、システム100の特定の操作を容易にするように構成された1つ以上の電子構成素子および/またはシステムを含み得る。コントローラ104は、任意の実現可能な方法でシステム100内に配設することができる。一実施形態では、コントローラ104は、少なくとも部分的に、回転リンク116の中央空洞領域内に配設されてもよい。
【0032】
いくつかの例では、コントローラ104は、システム100の様々な構成素子への制御信号の転送および/またはシステム100の様々な構成素子からコントローラ104へのデータの転送に使用される配線を含むか、そうでなければそれに結合され得る。例えば、コントローラ104が受信するデータは、数ある可能性の中でもとりわけ、受信機130による信号の検出を示すセンサデータを含み得る。さらに、コントローラ104によって送信される制御信号は、数ある可能性の中でもとりわけ、送信機120による信号の放出を制御すること、受信機130による信号の検出を制御すること、および/または回転プラットフォーム110を回転させるようにアクチュエータ(複数可)114を制御することなどによって、システム100の様々な構成要素を操作してもよい。
【0033】
示されるように、コントローラ104は、1つ以上のプロセッサ106およびデータストレージ108を含んでいてもよい。いくつかの例では、データストレージ108は、プロセッサ(複数可)106によって実行可能なプログラム命令を格納して、システム100に本明細書に記載の様々な操作を実施させてもよい。そのために、プロセッサ(複数可)106は、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の専用プロセッサを備えていてもよい。コントローラ104が2つ以上のプロセッサを含む限り、そのようなプロセッサは、別々にまたは組み合わせて動作することができる。次に、データストレージ108は、光学的、磁気的、および/または有機的ストレージなどの1つ以上の揮発性および/または1つ以上の不揮発性ストレージの構成要素を備えていてもよく、データストレージ108は、任意で、全体的または部分的にプロセッサ(複数可)と統合されてもよい。
【0034】
場合によっては、コントローラ104は、外部コントローラとシステム100の様々な構成要素との間の制御信号および/またはデータの転送を容易にするのに役立つように、外部コントローラなど(例えば、車両、ロボット、またはシステム100が取り付けられる他の機械装置に配置されたコンピューティングシステム)と通信してもよい。追加的に、または代替的に、いくつかの例において、コントローラ104は、本明細書で記載される1つ以上の動作を実施するように配線された回路網を含み得る。例えば、コントローラ104は、送信機120によるパルスまたは他の信号の放出をトリガーするためのパルスタイミング信号を提供する、1つ以上のパルサー回路を含み得る。追加的に、または代替的に、いくつかの例において、コントローラ104は、1つ以上の専用プロセッサ、サーボ、または他のタイプのコントローラを含み得る。例えば、コントローラ104は、特定の周波数または位相で回転プラットフォームを回転させるアクチュエータ(複数可)114を操作する、比例積分微分(PID)コントローラまたは他の制御ループフィードバック機構を含み得る。他の例も、同様に可能である。
【0035】
回転プラットフォーム110は、軸を中心に回転するように構成され得る。そのために、回転プラットフォーム110を、その上に取り付けられた1つ以上の構成要素を支持するのに好適な任意の固体材料から形成することができる。例えば、送信機120および受信機130は、これらの構成要素の各々が回転プラットフォーム110の回転に基づいて環境に対して移動するように、回転プラットフォーム110上に配置され得る。特に、これらの構成要素は、システム100が様々な方向から情報を取得し得るように、軸を中心に回転させることができる。例えば、回転軸が垂直軸である場合、システム100のポインティング方向は、垂直軸を中心に回転プラットフォーム110を作動させることによって水平に調整することができる。
【0036】
固定プラットフォーム112は、任意の形状または形態をとってもよく、様々な構造、例えば、車両の上部、ロボットプラットフォーム、組み立てライン機械、またはその周辺環境をスキャンするシステム100を採用する、任意の他のシステムなどに結合するように構成されてもよい。また、固定プラットフォームの結合は、任意の実行可能なコネクタ構成(例えば、ボルト、ねじなど)を介して実行され得る。
【0037】
アクチュエータ(複数可)114は、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、および/または圧電アクチュエータ、および/または任意の他のタイプのアクチュエータを含んでいてもよい。一例では、アクチュエータ(複数可)114は、回転プラットフォーム110の回転軸を中心に回転プラットフォーム110を作動させるように構成された第1のアクチュエータを含んでいてもよい。別の例では、アクチュエータ(複数可)114は、システム100の1つ以上の構成要素を異なる回転軸を中心に回転させるように構成された第2のアクチュエータを含んでいてもよい。例えば、第2のアクチュエータは、光学素子(例えば、ミラーなど)を第2の軸(例えば、水平軸など)を中心に回転させて、放出される光パルスの方向(例えば、垂直など)を調整してもよい。さらに別の例では、アクチュエータ(複数可)114は、システム100の1つ以上の構成要素を傾斜させる(または別様に移動させる)ように構成された第3のアクチュエータを含んでいてもよい。例えば、第3のアクチュエータは、他の可能性の中でも、放出された光パルスの光路に沿ってフィルタまたは他のタイプの光学素子140を移動または交換するために使用することができるか、または回転プラットフォームを(例えば、システム100などによってスキャンされた視野(FOV)の範囲を調整するために)傾けるために使用することができる。
【0038】
回転リンク116は、固定プラットフォーム112を回転プラットフォーム110に直接的に、または間接的に結合する。そのために、回転リンク116は、固定プラットフォーム112に対する軸を中心とした回転プラットフォーム110の回転を提供する、任意の形状、形態、および材料をとり得る。例えば、回転リンク116は、アクチュエータ(複数可)114からの作動に基づいて回転するシャフトなどの形態をとり、それにより、アクチュエータ(複数可)114から回転プラットフォーム110に機械力を伝達することができる。一実施形態では、回転リンク116は、システム100の1つ以上の構成素子を配設することができる中央空洞を有することができる。いくつかの例において、回転リンク116はまた、固定プラットフォーム112と回転プラットフォーム110(および/または送信機120および受信機130などのその上の構成要素)との間でデータおよび/または命令を転送するための通信リンクを提供し得る。
【0039】
送信機120は、システム100の環境に向けて信号を送信するように構成されてもよい。示されるように、送信機120は、1つ以上のエミッタ122を含み得る。エミッタ122は、システム100の構成に応じて、様々なタイプのエミッタを含んでいてもよい。
【0040】
システム100がLIDARデバイスとして構成される場合には、第1の例において、送信機120は、波長範囲内の波長を有する1つ以上の光ビームおよび/またはパルスを放出する、1つ以上の光エミッタ122を含んでいてもよい。波長範囲は、例えば、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外部分にあり得る。いくつかの例において、波長範囲は、レーザーによって提供されるような、狭い波長範囲とすることができる。例示的な光エミッタ122の非網羅的なリストは、レーザーダイオード、ダイオードバー、発光ダイオード(LED)、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、発光ポリマー(LEP)、液晶ディスプレイ(LCD)、微小電気機械システム(MEMS)、ファイバーレーザー、ならびに/または選択的に光を送信し、反射し、および/もしくは放出して、複数の放出された光ビームおよび/もしくはパルスを提供するように構成された任意の他のデバイスを含む。
【0041】
システム100がアクティブ赤外線(IR)カメラとして構成される、第2の例において、送信機120は、シーンを照明するためにIR放射を放出するように構成された1つ以上のエミッタ122を含んでいてもよい。そのために、送信機120は、IR放射を提供するように構成された任意のタイプのエミッタ(例えば、光源など)を含み得る。
【0042】
いくつかの実装形態において、システム100(および/または送信機120)は、システム100のFOVを画定する、相対的な空間配置において複数の信号(例えば、光ビーム、IR信号など)を放出するように構成することができる。例えば、各ビーム(または信号)は、FOVの一部に向けて伝搬するように構成され得る。この例において、複数の隣接する(および/または部分的に重なる)ビームは、システム100によって実施されるスキャン動作中にFOVの複数のそれぞれの部分をスキャンするように方向付けてもよい。他の例も、同様に可能である。
【0043】
受信機130は、送信機120によって放出された信号の反射を検知するように構成された1つ以上の検出器132を含み得る。
【0044】
システム100がアクティブIRカメラとして構成される、第1の例において、受信機130は、送信機120によって送信され、かつシーンから受信機130に向けて反射されるIR光の光源波長を検知するように構成された1つ以上の光検出器132(例えば、電荷結合素子(CCD)など)を含んでいてもよい。
【0045】
システム100がLIDARデバイスとして構成される第2の例では、受信機130は、環境からシステム100に戻る送信機120によって放出される光パルスまたはビームの反射を捕捉および検出するように配置された1つ以上の光検出器132を含んでいてもよい。光検出器132の例には、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(APD)、シリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)、シングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD)、マルチピクセルフォトンカウンタ(MPPC)、フォトトランジスタ、カメラ、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合素子が(CCD)、極低温検出器、および/または他の光センサを含んでいてもよい。そのために、受信機130は、送信機120によって放出された光と同じ波長範囲の波長を有する光を検知するように構成されてもよい。このようにして、例えば、システム100は、システム100によって発生された受信光を、環境内の外部光源によって発生された他の光から区別してもよい。
【0046】
いくつかの実装形態では、受信機130は、互いに接続された感知要素のアレイを含む検出器を含んでいてもよい。例えば、システム100がLIDARデバイスとして構成されている場合、複数の光感知要素を並列に接続して、単一の検出要素の検出領域より大きな光検出領域を有する光検出器アレイ(例えば、アレイ内の個々の検出器の感知面の組み合わせなど)を提供することができる。光検出器アレイは、様々な方法で配置することができる。例えば、アレイの個々の検出器は、1つ以上の基板(例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルPCBなど)上に配設し、システム100の光学レンズ(例えば、光学素子(複数可)140)の光路に沿って進行する、入射光を検知するように配置することができる。また、そのような光検出器アレイは、任意の実行可能な方法で整列された任意の実行可能な数の検出器を含んでいてもよい。
【0047】
いくつかの例において、システム100は、システム100(および/または送信機120および受信機130)の回転速度を変更することによって、水平スキャン分解能を選択または調整することができる。追加的に、または代替的に、水平スキャン分解能は、送信機120によって放出される信号のパルス速度を調整することによって修正することができる。第1の例において、送信機120は、毎秒15,650パルスのパルス速度でパルスを放出し、パルスを放出しながら10Hz(すなわち、毎秒10回の完全な360°回転)で回転するように構成され得る。この例において、受信機130は、0.23°の水平角分解能(例えば、連続するパルス間の水平角分離)を有し得る。第2の例において、システム100が毎秒15,650パルスのパルス速度を維持しながら、代わりに20Hzで回転される場合、水平角分解能は、0.46°になり得る。第3の例において、送信機120が10Hzの回転速度を維持しながら毎秒31,300パルスの速度でパルスを放出する場合、水平角分解能は、0.115°になり得る。いくつかの例において、システム100は、システム100の完全な360°回転未満内で特定の範囲の視野をスキャンするように、代替的に構成されてもよい。他の実装形態も、同様に可能である。
【0048】
上記のパルス速度、角分解能、回転数、および視野範囲は、単なる例であり、したがって、これらのスキャン特性の各々は、システム100の様々な用途に従って変わり得ることに留意されたい。
【0049】
光学素子(複数可)140は、送信機120および/または受信機130に任意に含まれるか、または別様に結合され得る。一例では、光学素子(複数可)140は、エミッタ122(複数可)によって放出された光をシーン(またはその中の領域)に向けるように配置することができる。別の例では、光学素子(複数可)140は、シーン(またはその中の領域)から検出器(複数可)132に向かって光を集束させるように配置することができる。そのため、光学素子(複数可)140は、物理的空間を通る光の伝搬を導くように、および/または光の特定の特性を調整するように配置された、フィルタ、アパーチャ、ミラー(複数可)、導波路(複数可)、レンズ(複数可)、または他のタイプの光学構成要素の任意の実行可能な組み合わせを含んでいてもよい。
【0050】
これにより、コントローラ104は、アクチュエータ114を操作して、環境に関する情報を取得するように回転プラットフォーム110を様々な方法で回転させることができる。一例では、回転プラットフォーム110は、いずれかの方向に回転させることができる。別の例では、回転プラットフォーム110は、システム100が環境の360°視野をスキャンするように、完全な回転を実行し得る。さらに、回転プラットフォーム110は、システム100に様々なリフレッシュレートで環境をスキャンさせるように、様々な周波数で回転することができる。一実施形態では、システム100は、10Hzのリフレッシュレート(例えば、システム100の毎秒10回の完全な回転)を有するように構成されてもよい。他のリフレッシュレートも、可能である。
【0051】
代替的に、または追加的に、システム100は、(送信機120によって放出された)放出信号の指向方向を様々な方法で調整するように構成されてもよい。一実装形態では、送信機120の信号エミッタ(例えば、光源、アンテナ、音響トランスデューサなど)は、フェーズドアレイ構成または他のタイプのビームステアリング構成(例えば、ビームパターン内の特定の位置がヌルでもよいなど)に従って操作され得る。
【0052】
システム100がLIDARデバイスとして構成される第1の例において、送信機120おける光源またはエミッタは、光源によって放出された光波の位相を制御するフェーズドアレイ光学系に結合することができる。例えば、コントローラ104は、フェーズドアレイ光学系(例えば、フェーズドアレイビームステアリング)を調整して、(例えば、回転プラットフォーム110が回転していない場合でも)送信機120によって放出される光信号の有効指向方向を変更するように構成することができる。
【0053】
ハウジング150は、任意の形状、形態、および材料をとることができ、システム100の1つ以上の構成素子を収容するように構成することができる。一例において、ハウジング150は、ドーム型のハウジングとすることができる。さらに、いくつかの例において、ハウジング150は、少なくとも部分的に不透明な材料で構成されてもよいか、または含んでもよく、これにより、少なくとも一部の信号がハウジング150の内部空間に入るのをブロックすることが可能であり、したがって、システム100の1つ以上の構成要素への周囲信号の熱およびノイズの影響を緩和するのに役立ち得る。ハウジング150の他の構成も、可能である。
【0054】
いくつかの例において、ハウジング150は、ハウジング150が回転プラットフォーム110の回転に基づいて回転するように構成されるように、回転プラットフォーム110に結合され得る。これらの例において、送信機120、受信機130、および場合によってはシステム100の他の構成要素は、各々、ハウジング150内に配設されてもよい。このようにして、送信機120および受信機130は、ハウジング150内に配設されている間、ハウジング150とともに回転し得る。他の例において、ハウジング150は、ハウジング150が回転プラットフォーム110によって回転される他の構成要素とともに回転しないように、固定プラットフォーム112または他の構造に結合され得る。
【0055】
システム100のこの構成は、例示的な目的でのみ記載されており、限定することを意味するものではないことに留意されたい。上記のように、いくつかの例において、システム100は、示されているものよりも少ない構成要素で代替的に実装することができる。一例では、システム100は、回転プラットフォーム100なしで実装することができる。例えば、送信機120は、送信機120および受信機130を必ずしも回転させることなく、システム100の特定のFOV(例えば、水平および垂直)を画定するように空間的に配置された複数の信号を送信するように構成することができる。他の例も、同様に可能である。
【0056】
図2Aは、例示的な実施形態による第1のLIDARデバイス200を示す。いくつかの例において、LIDAR200は、システム100に類似していてもよい。例えば、示されるように、LIDARデバイス200は、回転プラットフォーム210、固定プラットフォーム212、レンズ240、およびハウジング250を含み、これらは、それぞれ、回転プラットフォーム110、固定プラットフォーム112、光学素子140、およびハウジング150に類似していてもよい。示されるシナリオにおいて、LIDARデバイス200によって放出された光ビーム260は、レンズ240からLIDAR200の視野(または指向)方向に沿ってLIDAR200のFOVに向けて(例えばシーンに向かってなど)伝播してよく、その後、反射光270としてシーンにおける1つ以上の物体から反射されてもよい。
【0057】
いくつかの例において、ハウジング250は、実質的に円筒形の形状を有し、LIDARデバイス200の軸の周りを回転するように構成することができる。一例において、ハウジング250は、およそ10センチメートルの直径を有することができる。他の例も、可能である。いくつかの例において、LIDARデバイス200の回転軸は、実質的に垂直である。例えば、LIDAR200は、ハウジング250を垂直軸の周りで回転させることによって、環境の360度の視野をスキャンするように構成することができる。追加的に、または代替的に、いくつかの例において、LIDARデバイス200は、ハウジング250の回転軸を傾斜させて、LIDARデバイス200の視野を制御するように構成することができる。したがって、いくつかの例において、回転プラットフォーム210は、LIDARデバイス200の回転軸を変更するように1つ以上の方向に傾斜し得る、可動プラットフォームを備え得る。
【0058】
いくつかの例において、レンズ240は、放出された光ビーム260をデバイス200の環境に向けてコリメート(および/または方向付け)し、反射光270をLIDARデバイス200の環境における1つ以上の物体からLIDARデバイス200おける検出器上に集束させる屈折力を有することができる。一例において、レンズ240は、およそ120mmの焦点距離を有する。他の例も、可能である。コリメート用の送信レンズおよび集束用の受信レンズの代わりに、同じレンズ240を使用してこれらの機能の両方を実施することにより、サイズ、コスト、および/または複雑さに関する利点を提供することができる。
【0059】
他の例において、図2Aに示す単一レンズ240構成の代わりに、LIDAR200は、送信レンズ(放出光260を操作するため)および別個の受信レンズ(反射光270を集束させるため)を含むように、代替的に実装することができる。
【0060】
図2Bは、図2Aの放出光260の断面図を示している。示されるように、放出された光260は、LIDAR200によってスキャンされたFOVのそれぞれの部分をカバーするように空間的に配置されたビーム261~266によって例示される複数の光ビームを含んでいてもよい。例えば、図2Bに示すシナリオでは、LIDAR200によって送信されたビーム(例えば、261~266)がページを伝搬してもよい。
【0061】
いくつかの例では、LIDAR200は、図2Bに示す配置などの相対的な空間配置で、複数のビーム261~266などを送信してもよい。例えば、ビーム261は、シーン内の第1のターゲット領域を照明してもよく、ビーム262は、シーン内の第2の(隣接する)ターゲット領域を照明してもよく、以下同様である。そのために、ビーム261は、空間配置において第1の(仰角および方位角)角度位置を有していてもよく、ビーム262は、空間配置において第2の角度位置を有していてもよく、以下同様である。それぞれのビームの角度位置は、レンズ、ミラー、導波路などの任意の組み合わせなどの1つ以上の光学素子(例えば、光学素子108)によって画定してもよい。
【0062】
図示されていないが、いくつかの例では、LIDAR200は、ビーム261~266などによって照明されたシーンのそれぞれのターゲット領域からの反射信号(例えば、光)を検出するように構成された複数の検出器(図示せず)を含んでいてもよい。例えば、図2Aに戻ると、レンズ240は、ハウジング250内の複数の検出器(例えば、システム100の検出器132)によって受信されるように、受信光270に集束させるように構成されてもよい。さらに、第1の検出器は、ビーム261の反射を含む、集束された光の第1の部分を受信するように配置することができ、第2の検出器は、ビーム262の反射を含む、集束された光の第2の部分を受信するように配置することができ、以下同様である。したがって、例えば、LIDAR200は、ターゲット領域からの戻り光をそれぞれの検出器に集束させることによって、それぞれのビームによって照明された各ターゲット領域をスキャンしてもよい。
【0063】
示されていないが、LIDAR200は、図2Bに示す複数のビームを放出する1つ以上のエミッタ(例えば、エミッタ122)を含んでいてもよい。
【0064】
第1の実装形態では、LIDAR200は、すべての透過ビーム261~266などに含まれる光を放出するように構成された単一のエミッタを含んでいてもよい。例えば、LIDAR200は、単一のエミッタによって放出された光を複数の別々のビームに分割するように配置されたビームスプリッタ、ミラー、導波路など、1つ以上の光学素子(例えば、光学素子140)を含んでいてもよい。
【0065】
第2の実装形態では、LIDAR200は、複数のエミッタを含んでいてもよい。例えば、第1のエミッタは、LIDAR200のFOVの第1の部分を照明するための信号を放出してもよく、第2のエミッタは、FOVの第2の部分を照明するための光を放出してもよい。一例では、第1のエミッタは、その放出光を放出ビームの空間配置におけるビーム261の角度位置に方向付ける、光学素子(例えば、導波路(複数可)、アパーチャ(複数可)、レンズ(複数可)など)に結合してもよい。同様に、この例において、第2のエミッタによって放出された信号は、262の角度位置に方向付けられ得、以下同様である。代替的に、別の例では、各エミッタからの光を複数のビームに分割することができる。例えば、第1のエミッタからの信号は、ビーム261、262、263、264を含むビームの行に分割することができる。同様に、例えば、第2のエミッタからの信号は、(ビーム265および266を含む)第2のビームの行を提供するように分割してもよく、以下同様である。
【0066】
追加的に、いくつかの例では、LIDAR200は、シーンの一連のスキャンを取得するように構成されてもよい。例えば、LIDAR200は、1回目のスキャンの第1の放出期間中に示される空間配置で第1の複数の光パルスを送信し、次いで、最初の放出期間の後に始まる最初の検出期間、第1の複数の光パルスの反射について照明シーンを監視することによって、1回目のスキャンを取得することができる。次に、LIDAR200は、2回目のスキャンの第2の放出期間中に(同じ空間配置で)第2の複数のビームを送信することによって2回目のスキャンを取得してもよく、以下同様である。したがって、LIDAR200は、(例えば、各スキャン中にシーン内の複数の(隣接する)ターゲット領域を別々に測定することによって)各スキャン中にセンサデータの複数の送信/受信チャネルを提供しながら、シーンを繰り返しスキャンするように構成することができる。
【0067】
図2Bに示す複数の放出ビームの配置、形状、および/または数は、変化してもよく、記載の便宜上示されるように例解されているにすぎないことに留意されたい。例えば、放出された光260は、図2Bに示すよりも多いまたは少ないビームを含んでいてもよい。別の例として、ビームは、図2Bに示す配置とは異なる空間配置(例えば、円形配置、線形配置、グリッド配置など)で配置することができる。
【0068】
図3Aは、例示的な実施形態による第2のLIDARデバイス300を示す。LIDAR300は、LIDAR200に類似していてもよい。例えば、LIDAR300は、シーンに向かって光360を放出し、シーンからLIDAR300に戻る放出された光の反射部分(すなわち、反射光370)を検出してもよい。例えば、示されるように、LIDAR300は、回転プラットフォーム310、固定プラットフォーム312、レンズ340、およびハウジング350を含み、これらは、それぞれ、回転プラットフォーム210、固定プラットフォーム212、レンズ240、およびハウジング250に類似していてもよい。示されるように、LIDAR300はまた、ハウジング350の外側に配設された二次エミッタ324を含む。エミッタ324は、システム100のエミッタ(複数可)122について説明された光源のいずれかと同様の光源(例えば、LEDなど)を含んでいてもよい。二次エミッタ324は、ハウジング350内の一次エミッタ(複数可)(図示せず)からの光によっても照明されているシーン内の1つ以上のターゲット領域を照明するように構成されてもよい。したがって、例えば、放出された光360は、第1の光路に沿って(例えば、レンズ340を介して)シーンに向かって送信される1つ以上の一次光パルス、ならびに第2の光路に沿って(例えば、エミッタ324を介して)シーンに向かって送信される1つ以上の二次光パルスを含んでいてもよい。
【0069】
図3Bは、放出光360の断面図を示している。図3Bに示す放出光360の断面図は、図2Bに示す放出光260の断面図に類似していてもよい。例えば、光線361、362、363、364、365、366、367の各々は、ページからシーン内の1つ以上の物体に向かって伝播してもよい。
【0070】
ビーム361~366によって例示されるより狭い光ビーム(例えば、図3Bの図におけるより小さな円)は、それぞれ、図2Bに示すビーム261~266などに類似していてもよい。例えば、より狭い光線361~366などは、ハウジング350の内部に配設された一次エミッタ(複数可)(図示せず)によって放出され、レンズ340を透過してシーン内の複数のターゲット領域を照明する光360の一部分と一致してもよい。
【0071】
追加的に、より広い光ビーム367(例えば、図3Bの図におけるより大きな円)は、より狭いビーム261~266などによって照明された同じシーンに向けて外部/二次エミッタ324によって放出される二次光ビームと一致する場合もある。このように、例えば、二次ビーム367の第1の部分は、一次ビーム361によっても照明される第1のターゲット領域を照明してもよく、二次ビーム367の第2の部分は、同じく一次ビーム362によって照明された第2のターゲット領域を照明してもよく、以下同様である。
【0072】
図4Aは、例示的な実施形態による第3のLIDARデバイス400を示す。示されるように、LIDAR400は、システム100の回転プラットフォーム110、固定プラットフォーム112、およびハウジング350にそれぞれ類似する回転プラットフォーム410、固定プラットフォーム412、およびハウジング450を含む。
【0073】
LIDAR200および300と同様に、LIDAR400は、環境に向かって光460を放出し、環境からLIDAR400に戻る放出された光の反射部分(例えば、反射光470)を検出することによって環境をスキャンするように構成されてもよい。さらに、LIDAR400(すなわち、放出光460によって照明される領域)によってスキャンされるFOVを調整するために、回転プラットフォーム410は、回転プラットフォーム410の回転軸を中心にハウジング450(およびそこに含まれる1つ以上の構成要素)を回転させるように構成されてもよい。例えば、プラットフォーム410の回転軸が垂直軸である場合、回転プラットフォーム410は、放出される光460の方向を水平に調整して、LIDAR400のFOVの水平範囲を画定してもよい。
【0074】
示されるように、LIDAR400はまた、放出された光460がハウジング450から透過され、反射光470がハウジング450に入る光学窓448を含む。したがって、ハウジング450は、ハウジング(例えば、送信機、受信機など)内に配設された1つ以上の構成要素が、1つ以上の光学窓(例えば、窓448)を通ってハウジング(例えば、ライト360、ライト370など)内に伝播する光を除いて、環境内の外部光から光学的に絶縁されている光キャビティを画定してもよい。例えば、この構成では、LIDAR400は、LIDAR400によって送信および/または受信される信号との外光(例えば、ノイズなど)からの干渉を低減することができる。
【0075】
そのために、いくつかの実施形態では、光学窓448は、放出された光470の波長および/または1つ以上の他の波長に対して透明な材料を含んでいてもよい。例えば、光学窓448は、とりわけ、ガラス基板(例えば、光学ガラス、ポリメチルメタクリレートなど)またはプラスチック基板(例えば、光学プラスチックまたは射出成形によって形成されたプラスチック)から形成してもよい。追加的に、いくつかの例では、光学窓448は、光学窓448を通る他の波長の透過を低減しながら、放出された光460の波長を選択的に透過するフィルタを含んでいてもよいか、またはフィルタに結合されてもよい。光学窓448は、様々な厚さを有していてもよい。一実施形態では、光学窓448は、1ミリメートル~2ミリメートルの厚さを有していてもよい。ただし、他の厚さもまた可能である。
【0076】
図4Bは、LIDAR400の部分断面図を示す。LIDAR400の構成要素のいくつか(例えばプラットフォーム412、ハウジング450、および光学窓448)は、説明の便宜上、図4Bの図から省かれていることに留意されたい。
【0077】
図4Bに示すように、LIDARデバイス400はまた、システム100のアクチュエータ114に類似し得るアクチュエータ414および418を含む。追加的に、示されるように、LIDAR400は、送信機420および受信機430を含み、これらは、それぞれ、システム100の送信機120および受信機130に類似していてもよい。追加的に、示されるように、LIDAR400は、1つ以上の光学素子(すなわち、送信レンズ440、受信レンズ442、およびミラー444)を含み、これは、システム100の光学素子140に類似していてもよい。
【0078】
アクチュエータ414および418は、ステッピングモータ、電気モータ、燃焼モータ、パンケーキモータ、圧電アクチュエータ、またはシステム100のアクチュエータ114について説明したものなどの他のタイプのアクチュエータを含んでいてもよい。
【0079】
示されるように、アクチュエータ414は、第1の軸415を中心にミラー444を回転させるように構成されてもよく、アクチュエータ418は、第2の軸419を中心に回転プラットフォーム410を回転させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、軸415は、LIDAR400の水平軸と一致していてもよく、軸419は、LIDAR400の垂直軸と一致する場合もある(例えば、軸415および419は、互いに実質的に垂直でもよい)
【0080】
例示的な動作では、LIDAR送信器420は、(送信レンズ440を介して)ミラー444から反射されてLIDAR400から離れて伝播する(例えば、図4Aに示す放出された光460のような)光を放出してもよい。さらに、LIDAR400の環境から受け取った光(図4Aに示す光470を含む)は、ミラー444からLIDAR受信機430に向かって(レンズ442を介して)反射されてもよい。したがって、例えば、LIDAR400の垂直スキャン方向は、ミラー444を(例えば、水平軸415を中心に)回転させることにより制御することができ、LIDAR400の水平スキャン方向は、回転プラットフォーム410を使用して垂直軸(例えば、軸419)を中心にLIDAR400を回転させることにより制御することができる。
【0081】
ミラー444は、送信器420が一連の光パルスをミラーに向けて放出している間に回転させることができる。したがって、ミラーの軸415周りの回転位置に応じて、各光パルスを(例えば、垂直に)導くことができる。これにより、LIDAR400は、ミラー444によって提供されるある範囲の(垂直)導き方向によって画定される垂直FOVを(例えば、軸415周りのミラー444の角度範囲に基づいて)スキャンしてもよい。いくつかの例では、LIDAR400は、ミラー444を1回以上完全に回転させて、送信器420からの放出光を(垂直に)導くように構成されてもよい。他の例では、LIDARデバイス400は、所与の角度範囲内でミラー444を回転させて、放出光を特定の範囲の方向に(垂直に)導くように構成されてもよい。したがって、LIDAR400は、ミラー444の回転を調整することにより、様々な垂直FOVをスキャンし得る。一実施形態では、LIDAR400の垂直FOVは95°(例えば、+21°~-74°のヨー角範囲)である。他の垂直FOVも同様に可能である。
【0082】
引き続きこの例をみると、プラットフォーム410は、その上に支持された構成要素(例えば、ミラー444、モータ414、レンズ430および432、送信機420、および受信機430)の配置を垂直軸(例えば、軸419)を中心に回転させるように構成されてもよい。したがって、LIDAR400は、プラットフォーム410を回転させて、(送信機420からの)放出された光を水平に(例えば、プラットフォーム410の回転軸419を中心に)導いてもよい。追加的に、プラットフォーム410の(軸419周りの)回転範囲を制御して、LIDAR400の水平FOVを画定することができる。一実施形態では、プラットフォーム410は、所定の角度範囲(例えば、270°など)内で回転して、360°未満の水平FOVを提供してもよい。しかしながら、任意の水平FOVをスキャンするために、他の回転量(例えば、360°、8°など)も可能である。
【0083】
図4Cは、LIDARデバイス400の部分断面図を示す。LIDAR400のいくつかの構成要素は、説明の便宜上、図4Cの図から省略されていることに留意されたい。図4Cの断面図では、軸415は、ページに対して垂直でもよい(およびそれを通って延びてもよい)。
【0084】
図4Cに示すように、LIDAR400はまた、光学窓448の反対側に位置決めされた第2の光学窓449を含む。光学窓449は、光学窓448に類似していてもよく、上記の議論に沿って、ハウジング450によって画定される光キャビティ内におよび/または光キャビティから(およびハウジング450の反対側を通って)光を(例えば、選択的に)透過するように構成されてもよい。
【0085】
図4Cに示すように、送信器420は、例えば、エミッタ(複数可)122について説明した光源のいずれかを含み得るエミッタ422を含んでいてもよい。代替の実施形態では、送信器420は、2つ以上の光源を含んでいてもよい。光源422は、1つ以上の光パルス460(例えば、レーザビームなど)を放出するように構成されてもよい。送信レンズ440は、放出された光をエミッタ422からミラー444に向ける(および/またはコリメートする)ように構成されてもよい。例えば、送信レンズ440は、エミッタからの光をコリメートして、LIDAR400から送信される光ビーム460のビーム幅(例えば、点線460aと点線460bとの間のビーム発散角)を画定してもよい。
【0086】
図4Cに示されるように、ミラー444は、3つの反射面444a、444b、444cを有する三角ミラーを含み得る。しかしながら、他の例では、ミラー444は、代替的に、追加のまたはより少ない反射面を含んでもよい。図示の例では、送信レンズ440を透過した放出光は、その後、反射面444aに反射して、矢印460で示される方向にLIDAR400の環境に向かってもよい。この例では、ミラー444が(例えば、軸415を中心に)回転すると、放出光460は、矢印460によって示される方向とは異なる方向を有するように導かれてもよい。例えば、放出光の方向460は、三角ミラー444の回転位置に基づいて調整することができる。
【0087】
追加的に、いくつかの例では、放出された光460は、軸415周りのミラー444の回転位置に応じて、光学窓448または光学窓449を通してハウジング450から導かれてもよい。したがって、いくつかの例では、LIDAR400は、放出された光線460を広範囲の方向(例えば、垂直方向)内に、および/またはハウジング450のいずれかの側(例えば、光学窓448および448が位置する側)から導かれるように構成されてもよい。
【0088】
図4Dは、LIDARデバイス400の別の部分断面図を示す。LIDAR400のいくつかの構成要素は、説明の便宜上、図4Dの図から省かれていることに留意されたい。示されるように、受信機430は、1つ以上の光検出器432を含み、これは、システム100の検出器112(複数可)に類似していてもよい。さらに、示されるように、受信機430は、受信レンズ446と検出器(複数可)432との間にダイアフラム446を含む。
【0089】
ダイアフラム446は、検出器(複数可)432に向けて送信するために、受信レンズ442によって集束された光の一部分を選択するように構成された1つ以上の光学素子(例えば、開口絞り、フィルタなど)を含んでいてもよい。
【0090】
例えば、受信レンズ442は、LIDAR400によってスキャンされたシーンから受信された光(例えば、窓448または窓449に入り、ミラー444によって反射されるシーンからの光)をダイアフラム446に向けて集束させるように構成されてもよい。上記の議論に沿って、検出器(複数可)432は、送信機420によって照明されたターゲット領域からの光を含む集束された光の一部を捕捉するように配置(または整列)されてもよい。これを容易にするために、例えば、ダイアフラム446は、ターゲット領域に関連付けられた集束された光の一部分を、検出器(複数可)432による検出のための発散光(例えば、反射光470を含む)としてアパーチャを介して透過させるように位置決めおよび/または寸法決めされたアパーチャを含んでいてもよい。
【0091】
LIDAR400の様々な構成要素の様々な位置、形状、サイズ、およびLIDAR400によって放出(または受信)される光線は変化する可能性があり、必ずしも一定の縮尺である必要はないが、説明の便宜のために図4A図4Dに示すように図解することに留意されたい。
【0092】
図5は、例示的な実施形態による、第4のLIDARデバイス500の部分断面図を示している。LIDAR500は、LIDAR400に類似していてもよく、図5に示すLIDAR500の断面図は、図4Cに示すLIDAR400の断面図に類似していてもよい。例えば、図5に示す軸515は、図4Cに示す軸415に類似して、ページを通って延びていてもよい(およびページに対して垂直でもよい)。
【0093】
示されるように、LIDAR500は、それぞれ、回転プラットフォーム410、送信機420、エミッタ422、送信レンズ440、ミラー444、光学窓448ならびに449、およびLIDAR400のハウジング450と同様である、回転プラットフォーム510、送信機520、一次エミッタ522、送信レンズ540、ミラー544、光学窓548ならびに549、およびハウジング550をそれぞれ含む。さらに、LIDAR500は、システム100および/またはLIDAR200~400に記載されている構成要素の1つ以上と同様の1つ以上の追加の構成要素(例えば、アクチュエータ、受信機、固定プラットフォームなど)を含んでいてもよいことに留意されたい。
【0094】
示されるように、LIDAR500はまた、二次エミッタ524および526を含み、これらは各々、LIDAR300の二次エミッタ324に類似していてもよい。例えば、示されるように、二次エミッタ524は、(より狭い)一次エミッタ522を使用して放出される一次光ビーム560(例えば、放出ビーム460と類似)によって照明されるシーンの一部分と比較して、(LIDAR500によってスキャンされる)シーンの比較的より大きな部分を照明するために広い光ビーム580を放出するように構成されてもよい。例えば、示されるように、放出されたビーム580aは、(点線560aと点線560bとの間のビーム560のより狭い範囲の発散角と比較して)破線580aと破線580bとの間のより広い範囲の角度内で発散してもよい。さらに、示されるように、二次ビーム580の少なくとも一部分は、一次ビーム560によっても照明されるLIDAR500の環境内のターゲット領域を照明してもよい。
【0095】
したがって、いくつかの例では、二次エミッタ524は、光学窓548(例えば、軸515の周りのミラー544の回転位置)を通して一次ビーム560によって照明され得る(すなわち、様々な回転のために)複数のターゲット領域と重なるシーンの大部分を照明する広視野照明器として構成してもよい。
【0096】
同様に、いくつかの例では、二次エミッタ526はまた、二次光ビーム(図示せず)を放出して、ミラー544が一次ビーム560を光学窓549(光学窓548の代わりに)から導くときに一次ビーム560によっても照明されるシーンの部分を照明してもよい。
【0097】
示される例では、二次エミッタ524および526は、ハウジング550によって(および光学窓548~549によって)画定される光キャビティの外側に配設される。例えば、この配置により、二次放出光580に関連付けられたノイズ信号を低減することができる。
【0098】
代替の例では、二次エミッタ524および/または526は、代わりに、ハウジング550の内部に配設することができる。第1の例では、二次エミッタ524(および/または526)は、光ビーム580がミラー544によってシーンに向かって反射されるように(光ビーム560に類似して)、送信レンズ540に隣接して、または近くに代替的に位置決めすることができる。第2の例では、二次エミッタ524(および/または526)は、代替的に、送信機520の内部に位置決めされ、エミッタ522に向かって光ビーム580を放出するように構成してもよい。この例では、放出された光ビーム580の一部分は、エミッタ522でレンズ540に向かって反射し、送信機520から(レンズ540を通って)ミラー544に向かって伝播し、ミラー544でLIDAR500のFOVに向かって反射する。したがって、この例では、光ビーム580(またはその一部分)は、光ビーム560の光路と同様の光路に沿ってLIDAR500によって送信することができる。第3の例では、二次エミッタ524(および/または526)は、ミラー544で光ビーム580を反射することなく、ハウジング550から(例えば、光学窓548および/または549を通して)光ビーム580を放出するように構成することができる。例えば、エミッタ524は、広視野ビーム580を窓548の外に向けるように(すなわち、最初に光ビーム580をミラー544から反射せずに)配置することができる。他の例も、可能である。
【0099】
示される例では、二次エミッタ524および526は、ハウジング550の外面に配設されてもよい。この配置では、例えば、二次エミッタ424および526は、回転プラットフォーム510がハウジング550を回転させるときに(例えば、軸515に垂直な垂直軸周りなど)、ハウジング550とともに回転してもよい。代替の例では、二次エミッタ524~526は、代わりに、二次エミッタ524~526がプラットフォーム510の回転に伴って回転しないように、デバイス500の固定構成要素(図示せず)(例えば、LIDAR400の固定プラットフォーム412と同様)に取り付けることができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、LIDAR500は、2つの二次エミッタ524および526の代わりに、単一の二次エミッタを含んでいてもよい。例えば、単一の広視野エミッタは、ハウジング550の両側(光学窓548および549が位置する場所)から離れて延びる広視野光ビームを送信するように構成することができる。例えば、単一のエミッタは、ハウジング550の下側に(すなわち、エミッタ524および526について図5に示す位置の間に)取り付けることができる。
【0101】
III.例示の方法とタイミング図
LIDAR200~500について説明された配置は、限定することを意図するものではなく、例示のために提供されていることに留意されたい。したがって、本明細書に記載の方法およびプロセスは、LIDARデバイス200~500ならびに他のタイプのLIDARを含む、様々な異なるLIDAR構成で使用することができる。追加的に、本明細書に記載の方法およびプロセスは、LIDARに加えて、またはLIDARの代わりに、システム100の説明にあるアクティブセンシングシステムのいずれかなど、様々な異なるタイプのアクティブセンサとともに使用することができる。
【0102】
図6は、例示的な実施形態による方法600のフローチャートである。方法600は、例えば、システム100および/またはデバイス200~500のうちのいずれかとともに使用され得る方法の実施形態を提示する。方法600は、ブロック602~606のうちの1つ以上によって図示のように、1つ以上の操作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で示されているが、これらのブロックは、いくつかの例では、並行に、かつ/または本明細書で説明された順序とは異なる順序で実施され得る。また、様々なブロックは、より少ないブロックに組み合わされ、追加のブロックに分割され、および/または所望の実装形態に基づいて除去され得る。
【0103】
加えて、本明細書に開示される方法600ならびに他の処理および方法について、フローチャートは、本実施形態の1つの可能な実装形態の機能および動作を示す。この点で、各ブロックは、モジュール、セグメント、製造または動作処理の一部分、または処理の特定の論理機能またはステップを実装するためにプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むプログラムコードの一部分を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含むストレージデバイスのような任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納され得る。コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間にわたって格納するコンピュータ可読媒体などの非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような補助ストレージまたは永続長期ストレージなどの非一時的なコンピュータ可読媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性ストレージシステムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読ストレージ媒体、または有形のストレージデバイスであると考えられ得る。
【0104】
加えて、方法600および本明細書で開示される他の処理および方法について、図6の各ブロックは、処理内の特定の論理機能を実施するために配線される回路を表し得る。
【0105】
ブロック602において、方法600は、複数の信号をシーンに向けて送信することを伴う。例えば、送信機120は、シーン内の1つ以上のターゲット領域に向けて1つ以上のパルス(例えば、光、音、電波など)を放出する(および/または直接、コリメート、集束など)ように構成することができる。
【0106】
いくつかの例では、複数の送信信号(例えば、パルス、ビームなど)は、1つ以上の一次信号および1つ以上の二次信号を含んでいてもよい。各一次信号は、一次閾値よりも大きい信号強度(またはパワー密度)に従って、シーン内のターゲット領域を照明してもよい。各二次信号(またはその一部分)は、二次閾値未満の信号強度(またはパワー密度)に従ってターゲット領域を照明してもよい。様々な一次閾値と二次閾値とが可能である。一実施形態では、一次閾値は、二次閾値の少なくとも2倍である。別の実施形態では、一次閾値は、二次閾値の少なくとも100倍である(すなわち、[一次閾値]>100*[二次閾値])。さらに別の実施形態では、一次閾値は、二次閾値の少なくとも1000倍である(すなわち、[一次閾値]>1000*[二次閾値])。他の一次閾値および/または二次閾値も可能である。
【0107】
一次閾値は、例えば、ターゲット領域に整列された検出器によって検出可能な最小強度、およびターゲット領域から検出器に戻る一次信号の反射部分の予想される強度(例えば、方法600のシステムのスキャン範囲内の典型的な反射面で反射される)に基づくことができる。例えば、図4Dに戻ると、検出器432は、少なくとも最小強度を有する捕捉された光の信頼できる検出に好適な感度特性を有していてもよい。さらに、検出器432の位置での光470の強度は、LIDAR400と、光470をLIDAR400に向かって反射したシーン内の物体との間の距離に依存してもよい。さらに、光470の強度は、窓448、ミラー444、レンズ442、ダイアフラム446、および/または光470の光路に沿った任意の他の光学素子(例えば、フィルタ、外部物体など)によってさらに減衰されてもよい。したがって、一次閾値は、一次信号460(図4Cに示す)が一次信号の反射部分470の予想される信号強度となるように、エネルギーまたは強度を有するように選択することができる(例えば、一次信号がLIDAR400の所定のスキャン範囲内、例えば、200メートルなどの範囲内の典型的な反射面によって反射されると仮定する)。
【0108】
他方、二次閾値は、例えば、各二次信号の反射部分のエネルギーまたは強度が、(典型的な反射面によって、すなわち、再帰反射体によってではなく反射されるとき)検出器432によって検出されるのに十分な量よりも小さくなるように選択することができるが、それでも、反射部分が代わりに再帰反射体(または他のタイプの強力な反射体)によって反射された場合の検出には十分である。したがって、いくつかの例では、二次信号を使用して、再帰反射体のシーンをスキャンすることができる。
【0109】
例えば、方法600のシステムは、(検出された、明るい物体からの一次信号の反射を使用する代わりに)検出された二次信号の反射に基づいて、シーン内の明るい物体(例えば、再帰反射体)の範囲(および/または強度)を推定するように構成されてもよい。この場合、そのような検出された、明るい物体からの一次信号の反射は、LIDARの受信機による測定エラー(例えば、飽和エラー)を引き起こす可能性がある。したがって、システムは、明るい物体からの一次信号の反射に対応する検出信号の代わりに、二次信号の反射に対応する検出信号を使用することによって、明るい物体の範囲(および/または強度)をより正確に推定することができる。
【0110】
いくつかの例では、方法600は、1つ以上の二次閾値に従って二次信号を放出することを伴ってもよい。例えば、方法600のシステムは、第1の二次閾値よりも小さい第1の強度(または電力)を有する第1の二次信号、および第2の(または比較的低い)二次閾値よりも小さい第2の強度(または電力)を有する第2の二次信号を放出するように構成されてもよい。このようにして、例えば、システムは、一次信号の反射に対応する受信信号を、二次信号の反射に対応する受信信号からさらに区別することができる。
【0111】
第1の例では、二次信号を放出することは、方法600のLIDARデバイスのダイナミックレンジ(例えば、ターゲット範囲および/または信号強度を確実に/正確に推定するために戻り信号を使用することができる距離の範囲)に基づいて二次閾値を選択することを伴ってもよい。ダイナミックレンジは、とりわけ、LIDARの受信機の飽和、および/またはLIDARの環境(例えば、バックグラウンドノイズ、日光、温度など)の変化などの様々な理由で、動作中に(少なくとも一時的に)変化する可能性がある。したがって、第1の例では、LIDARは、ダイナミックレンジ外のシーンの部分(複数可)をスキャンするのに好適な二次信号強度を(例えば、一次信号を使用してこれらの部分をスキャンする代わりに、またはそれに加えて)選択することができる。
【0112】
第2の例では、二次信号を放出することは、シーンの前のスキャンにおけるチャネル間クロストークエラーの検出に応答して二次閾値を調整することを伴ってもよい。例えば、図3Bに戻って、LIDAR300が、一次ビーム361を送信する第1のチャネルと一次ビーム362を送信する第2のチャネルとの間のクロストークエラー(例えば、干渉など)を検出するというシナリオを考える。このシナリオでは、FOV360の後続のスキャン中に、LIDAR300は、これらのチャネルに関連付けられたFOV360の部分(複数可)をスキャンするために(例えば、これらの部分に向かって一時ビームを放出する代わりに、またはそれに加えて)、(例えば、ビーム367に類似した)二次ビームを放出することができる。追加的に、LIDAR300は、任意選択的に、2回目のスキャンの二次ビームの強度を調整することができる(例えば、調整された強度とは、第1および/または第2のチャネル(複数可)での二次ビームの戻り反射を確実に検出することができるだけの十分な高さ、および/またはLIDARの受信機が飽和する可能性を回避または低減するのに十分な低さ)。
【0113】
いくつかの例では、同じエミッタを使用して一次信号と二次信号とを送信することができる。例えば、図2Bに戻ると、LIDAR200は、特定のエミッタを使用して一次信号を放射してビーム261に関連付けられたターゲット領域を高強度(または電力)で照明することができるとともに、同じ特定のエミッタを使用して、二次信号(低強度または電力)を放射してビーム261に関連する同じターゲット領域を照明することができる。
【0114】
他の例では、一次エミッタを使用して一次信号を放出することができ、物理的に分離された二次エミッタを使用して二次信号を放出することができる。例えば、図3A図3Bに戻るが、ハウジング350(図3Aに示す)内の一次エミッタを使用して、一次信号361(図3Bに示す)を放出することができ、物理的に分離された二次エミッタ324(図3Aに示す)を使用して二次信号367を放出することができる(図3Bに示す)。この例では、図3Bに示すように、二次信号367の一部分は、一次信号361によって照明されたものと同じターゲット領域を照明してもよい。
【0115】
ブロック604において、方法600は、ターゲット領域と整列された検出器を使用して、シーン内のターゲット領域から信号を受信することを伴う。例えば、図4C図4Dに戻るが、検出器432(図4Dに示す)は、エミッタ422(図4Cに示す)と整列されて、エミッタ422によって照明されるターゲット領域からの光を含むシーンからの光の一部分を捕捉することができる。例えば、ダイアフラム446(図4Dに示す)は、受信レンズ442によって集束された光の一部を検出器432に向けて送信するように位置決めされたアパーチャを含んでいてもよい。例えば、(アパーチャを通る)透過部分は、エミッタ422によって照明されるターゲット領域からの光(例えば、反射光470)を含んでいてもよい。
【0116】
ブロック606において、方法600は、送信された複数の信号の1つ以上の特性に基づいて受信信号をフィルタにかけることを伴う。
【0117】
第1の例では、ブロック606で受信信号をフィルタにかけることは、ターゲット領域内の物体を再帰反射体として識別することを伴ってもよい。例えば、所与の信号は、送信された信号の二次信号の反射部分であるとして識別され得る。したがって、この場合、二次信号を反射した物体は、別のタイプの反射体が検出器によって検出可能な二次信号の十分な部分を反射するとは予想されないため、再帰反射体として識別され得る。
【0118】
第2の例では、ブロック606で受信信号をフィルタにかけることは、方法600のシステムへの所与の距離内の物体による送信信号の反射に関連付けられていない無効な信号または他のエラー信号を識別することを伴ってもよい。所与の距離は、例えば、システムの所定のスキャン範囲(例えば、200メートルなど)でもよい。例えば、システムは、送信されたパルスの放出後に始まる検出期間中に送信されたパルスの反射の情報を得るように構成されてもよい。例えば、LIDARによって150メートルのスキャン範囲を達成するために、検出期間は約1,000ナノ秒(つまり、光がLIDARから150メートル離れてから150メートル戻ってLIDARに戻るおおよその時間)として選択してもよい。
【0119】
1つのシナリオでは、無効な信号は、所定のスキャン範囲外の物体または光源から検出された(例えば、遠方の再帰反射体によって反射されたなど)光パルスと一致する場合もある。例えば、LIDARのスキャン範囲が150メートルである場合、LIDARは、第1の信号をターゲット領域に向けて送信し、次に、1,000ナノ秒の最初の検出期間中に、最初の信号の反射についてターゲット領域を監視し、次に、2番目の信号をターゲット領域に向けて送信し、次に、1,000ナノ秒の2番目の検出期間でターゲット領域を監視してもよい。再帰反射体が200メートル離れている場合、無効な信号は、(第1の検出期間の代わりに)第2の検出期間中に受信された再帰反射体からの第1の信号の反射と一致する場合もある。
【0120】
別のシナリオでは、無効な信号は、所定のスキャン範囲内で別の光源によって送信されるスプリアス信号(例えば、近くのアクティブなセンサからの干渉など)と一致する場合もある。
【0121】
無効な信号の識別を容易にするために、いくつかの実装形態では、ブロック606で受信信号をフィルタにかけることは、複数の送信信号の放出時間および/または強度を受信時間および/または受信信号の強度と比較することを伴ってもよい。例示的なシナリオでは、LIDARデバイスはt=0ナノ秒で二次信号、t=50nsで一次信号を発信し、次にt=1,000ナノ秒およびt=1,100ナノ秒で2つの信号を受信してもよい。この例では、2つの受信時間の間の遅延(1100-1000=100ナノ秒)が2つの放出時刻の間の遅延(50-0=50ナノ秒)と異なることに基づいて、受信信号の一方または両方が潜在的な無効信号として識別されることがある。
【0122】
図7は、例示的な実施形態による、FOVの1回目のスキャン700の概念的なタイミング図を示す。特に、図7は、本明細書の例示的なデバイスまたはシステム(例えば、システム100、デバイス200~300など)の複数のチャネル(CH1、CH2、CH3、CH4としてラベル付けされる)に関連付けられた送信/受信信号のタイミング図を示す。各チャネルは、シーンのそれぞれの部分をスキャンするように構成されてもよい。例えば、図3Bに戻ると、CH1の送信信号761は、t=500ナノ秒(ns)での一次パルスまたはビーム361の放出を示してもよく、CH2の送信信号762は、t=375nsでのビーム362の放出を示してもよく、CH3の送信信号763は、t=250nsでのビーム363の放出を示してもよく、CH4の送信信号764は、t=500nsでのビーム364の放出を示してもよい。
【0123】
いくつかの例では、各チャネルはまた、(例えば、それぞれの一次信号を放出したのと同じそれぞれのエミッタを使用して)一次信号よりも低い強度を有する二次信号を送信してもよい。例えば、示されるように、CH1は、t=250nsで二次信号781を送信してもよく、CH2は、t=125nsで二次信号782を送信してもよく、CH3は、t=0nsで二次信号783を送信してもよく、CH4は、t=250nsで二次信号784を送信してもよい。
【0124】
したがって、上記の考察に沿って、例示的なシステムは、1回目のスキャン700の放出期間内の様々な(例えば、ディザリングされたなどの)時間で信号を放出する、送信/受信チャネルの空間配置を使用してシーンのそれぞれの部分をスキャンしてもよい。例えば、示されるシナリオにおいて、1回目のスキャン700の放出期間(500ns)は、t=0nsの開始時間およびt=500nsの終了時間を有していてもよい。
【0125】
代替的に、他の例では、一次信号761~764の放出時間は、代わりに、互いに実質的に同じでもよい(例えば、信号761~764はすべて、t=500nsなどの同じ放出時間を有し得る)。
【0126】
示されるように、1回目のスキャン700の検出期間(2000ns)は、放出期間が経過した後に(t=500nsで)開始する。検出期間中(例えば、t=500ns~t=2500ns)、各チャネルは、それぞれの送信信号の戻ってくる反射を聞き得る。例えば、示されているシナリオにおいて、CH1は、t=1500nsで受信信号791を、t=1250nsで受信信号791を検出してもよい。したがって、本明細書の例示的なシステムまたはデバイスは、特定のチャネルによって検出された特定の受信信号を、
d=c×(チャネル検出時間-チャネル放出時間)/2として反射した物体までの距離「d」を判定し得、
式中、cは、光速(および/または音などの他の信号タイプの送信信号602など)である。したがって、このシナリオのCH1の場合(受信信号771aが一次信号761の反射に関連付けられていると仮定)、
【数1】
となる。次に、1回目のスキャン700を実施する例示的なシステムは、システムから150メートルの距離で、CH1によってスキャンされたFOVの部分に物体が存在することを判定してもよい。同様に、システムは、それぞれのチャネル放出時間(例えば、信号762、763、764の)およびそれぞれのチャネル検出時間に基づいて、CH2、CH3、CH4によってスキャンされるターゲット領域のそれぞれの部分に存在する物体までの距離を判定することができる。
【0127】
ただし、一部のシナリオでは、第1のチャネルの一次信号の反射部分が第2のチャネルによって偽って検出される場合がある。例えば、再帰反射体(または他の強力な反射体)が第1のチャネルによってスキャンされるシナリオにおいて、再帰反射体からの反射信号の一部が、第2のチャネルでも検出されるのに十分なエネルギーを有しる場合がある。
【0128】
例えば、送信信号761が、再帰反射体によって反射され、(比較的強い)受信信号771aとしてCH1で検出されるシナリオを検討する。このシナリオにおいて、再帰反射体からの反射信号の一部はまた、(比較的弱い)受信信号771bおよび771cとして、それぞれ、CH2およびCH3で偽って検出されることもある。いくつかの例において、(スプリアス)受信信号771bおよび771cは、CH2およびCH3においてもt=1500nsに到達する、非スプリアス受信信号(図示せず)の検出を妨害(および/または防止)する場合がある。追加的に、スプリアス信号771bおよび771cは、それぞれ、一次信号762および763の真の反射と混同されることがある。例えば、受信信号771cが、CH1の再帰反射体に関連付けられたスプリアス信号であるのか、またはCH3の一次信号763の反射(再帰反射体ではない物体からの)であるのかが不明確なことがある。
【0129】
したがって、いくつかの例では、本明細書のシステムは、二次信号781~784を放出することによって、再帰反射体に関連する無効な信号を識別してもよい。例えば、示されるシナリオでは、二次信号781の反射部分もCH1で検出されたので、受信信号771aに関連する物体は、再帰反射体として識別することができる。本明細書の例示的なシステムは、例えば、送信信号761および781の放出時間の間の遅延(すなわち、500ns-250ns=250ns)と、信号771aおよび791の受信時間の間の遅延(すなわち、1500ns-1250-ns=250ns)とを比較することにより、受信信号791が二次信号781の反射に関連付けられていることを確認してもよい。一方、例えば、システムは、二次信号784の反射がCH4で検出されなかったので、CH4の受信信号774に関連付けられている物体が再帰反射体ではないと判定してもよい。
【0130】
追加的に、または代替的に、例示的なシステムは、信号772および771bの受信時間の間の遅延(1500-1125=375ns)が信号762および782(375-125=250ns)の放出時間の間の遅延とは異なるため、受信信号771bが潜在的に無効な信号であると判定してもよい。
【0131】
しかしながら、2つの遅延の間の不一致は、必ずしも受信信号771bが無効な信号であることを示していないこともあることに留意されたい。例えば、遅延は、CH2によってスキャンされたFOVの領域内の2つの異なる範囲(または距離)に位置する2つの実際のターゲットで反射する送信信号762のために、差が出ることもある。したがって、この場合、2つの受信信号772および771bは、2つのターゲットからの2つの別個の(スプリアスではない)戻り信号と一致することもある。
【0132】
したがって、いくつかの例では、システムは、1つ以上の他の信号検出にさらに基づいて、受信信号771bが無効な信号であるかどうかを判定してもよい。一例では、システムは、1つ以上の信号(複数可)(例えば、信号771a、771cなど)が、信号771bと実質的に同じ時間(例えば、t=1500ns)に他のチャネル(複数可)でも検出されたという判定にさらに基づいて、信号771bが無効な信号であるかどうかを確認してもよい。別の例として、システムは、他の可能性の中でも、飽和エラー(例えば、LIDARから離れた複数の範囲または距離に同じ再帰反射体が存在するように見える)、および/またはブルーミングエラー(例えば、点群の中で再帰反射体が拡大して見える)など、再帰反射体の存在を示す他のスキャンエラーについて、LIDARデバイスを使用して生成された点群表現の隣接する点を分析してもよい。
【0133】
いくつかの例では、CH1によってスキャンされた物体を再帰反射体として識別すると、システムはまた、潜在的な無効な信号として、CH2の受信信号771bおよびCH3の771c(信号771aと同じ受信時間を有する)も識別することができる。
【0134】
図8は、例示的な実施形態による、別の方法800のフローチャートである。方法800は、例えば、システム100、デバイス200~500および/または方法600のうちのいずれかとともに使用され得る方法の実施形態を提示する。方法800は、ブロック802~808のうちの1つ以上によって例解されるように、1つ以上の操作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で例解されているが、これらのブロックは、場合によっては、並行に、および/または本明細書で説明された順序とは異なる順序で実施され得る。また、様々なブロックは、より少ないブロックに組み合わされ、追加のブロックに分割され、および/または所望の実装形態に基づいて除去され得る。
【0135】
ブロック802において、方法800は、検出器による受信のために、シーン内のターゲット領域からの光を集束させることを伴う。例えば、図4Dに示すように、受信レンズ442は、シーンからの光を集束してもよく、ターゲット領域からの光を含む集束された光の一部分は、エミッタ432による受信のために送信してもよい(例えば、ダイアフラム446を介して選択してもよい)。
【0136】
ブロック804において、方法800は、一次光パルスを放出することを伴う。いくつかの例では、一次光パルスは、方法600のブロック602に関連して説明された一次信号(複数可)に類似していてもよい。第1の例では、図2Bに示すように、LIDAR200は、一次光パルス261を放出して、一次光パルス261のビーム幅によって画定されるターゲット領域を照明してもよい。第2の例では、図4Cに示すように、LIDAR400は、一次光パルス460を放出して、矢印460aと矢印460bとの間のシーンのターゲット領域を照明してもよい。例えば、送信機420(図4Cに示す)および受信機430(図4Dに示す)は、集束された光部分470(受信機430の検出器432によって捕捉される)が、放出光460(送信機420のエミッタ422によって放出される)によって照明されたターゲット領域からの光を含むように、特定の相対的な物理的配置で配設することができる。
【0137】
ブロック806において、方法800は、一次光パルスをターゲット領域に向けることを伴う。一次光パルスは、一次光強度に従ってターゲット領域を照明してもよい。例えば図4Cに示すように、LIDAR400は、1つ以上の光学素子(すなわち、送信レンズ440、ミラー444、および光学窓448)を含み、これらが一緒になって、460aと460bとの間のシーンのターゲット領域に向かって(エミッタ422によって放出された)放出光460を向ける。いくつかの例では、ブロック806で一次光パルスを向けることは、方法600のブロック602に記載された一次信号の送信に類似していてもよい。例えば、一次光強度は、ブロック602に記載された一次閾値よりも大きくてもよい。
【0138】
ブロック808において、方法800は、二次光パルスを放出することを伴う。二次光パルスの少なくとも一部分は、二次光強度に従ってターゲット領域を照明してもよい。いくつかの例では、二次光パルスは、方法600のブロック602に記載された二次信号に類似していてもよい。例えば、二次光強度は、ブロック602に記載された二次閾値よりも小さくてもよい。
【0139】
追加的に、または代替的に、いくつかの例では、二次光パルスおよび一次光パルスの1つ以上の変調特性を異なる方法で変化させることができる。第1の例では、方法800のシステムは、二次光パルスのパルス長とは異なって一次光パルスのパルス長を変調してもよい。一実施形態では、二次光パルスは、一次光パルスの2倍のパルス長を有していてもよい。他のパルス長および/または変調特性も可能である。
【0140】
いくつかの例では、方法800は、検出器が、集束された光における一次光パルスの反射部分の検出を示すことに基づいて、シーン内の物体を検出することを伴ってもよい。例えば、図7に戻ると、方法800のシステムは、物体が、CH1の信号771aに関連付けられた一次パルスの反射部分(例えば、信号771a)の検出に基づいて、CH1によってスキャンされたターゲット領域(例えば、図2Bに示すビーム261によって照明されたターゲット領域など)に150メートルの距離に存在することを判定してもよい。
【0141】
いくつかの例では、方法800は、検出器が、集束された光における二次光パルスの反射部分の検出を示すことに基づいて、検出された物体を再帰反射体として識別することを伴ってもよい。引き続き図7の例を見ると、受信信号771aに関連付けられた物体は、(例えば、二次信号781に関連付けられた)二次パルスの反射の検出(例えば、受信信号791)に基づいて再帰反射体として識別されてもよい。
【0142】
より一般的には、いくつかの例では、方法800は、検出器が、物体から反射された二次光パルスの反射が検出するかどうかの判定に基づいて、検出された物体の反射率特性を識別することを伴ってもよい。例えば、反射率特性は、物体が強力な反射体(例えば、ミラー)、再帰反射体、または他のタイプの材料であるかどうかに関係してもよい。引き続き図7の例を見ると、受信信号791および771aの強度(放出された信号781および761の強度と比較して)を分析して、物体の反射特性を判定することができる。
【0143】
いくつかの例では、方法800は、第1のビーム発散を有する第1の光ビームとして一次光パルスをターゲット領域に向けて送信し、最初のビーム発散よりも大きい第2のビーム発散を有する第2の光ビームとしてシーンに向けて二次光パルスを送信することを伴ってもよい。例えば、図5に戻ると、一次光ビーム560の第1のビーム発散(すなわち、矢印560aの間の角度)は、二次ビーム580の第2のビーム発散(すなわち、矢印580aと矢印580bの間の角度)よりも大きくてもよい。したがって、例えば、二次ビーム580は、一次ビーム560によって照明されるターゲット領域と重なるのに十分なビーム幅を有していてもよいが、ターゲット領域を照明する二次ビーム580の部分の強度は、(例えば、一次ビームと比較して、より広い範囲の角度に広がる二次ビームのエネルギーにより)より低くてもよい。
【0144】
これらの例では、方法800は、任意選択的に、一次光パルスをコリメートして、第1のビーム発散を有する第1の光ビームを提供することを伴ってもよい。例えば、引き続き図5の例を見ると、送信レンズ540は、一次光パルス560(エミッタ522によって放出される)を比較的狭い第1の光ビーム(矢印560aと矢印560bとの間に延びる)にコリメートしてもよい。
【0145】
いくつかの例では、ブロック804で一次光パルスを放出することは、一次エミッタを使用して一次光パルスを放出することを含んでいてもよく、ブロック808で二次光パルスを放出することは、二次エミッタを使用して二次光パルスを放出することを含んでいてもよい。例えば、図5に示すように、一次光パルス560は、一次エミッタ522を使用して放出され、二次光パルス580は、二次エミッタ524を使用して放出される。
【0146】
いくつかの例では、方法800は、1つ以上の光学素子を含む第1の光路に沿って一次光パルスを送信し、光学素子を含まない第2の光経路に沿って二次光パルスを送信することを伴う。例えば、図5に示すように、一次光パルス560は、送信レンズ540、ミラー544、および光学窓548を含む第1の光路に沿って放出される一方、二次光パルス580は、第2の光路(送信レンズ540、ミラー544、または光学窓548を含まない)を介して送信される。
【0147】
いくつかの例では、方法800は、一次光パルスを放出する前に二次光パルスを放出することを伴う。例えば、図7に戻ると、送信信号781に関連付けられた二次光パルスは、信号761に関連付けられた一次光パルスの放出(例えば、t=500ns)の前に放出される(例えば、t=250nsで)。
【0148】
これらの例では、方法800は、任意選択的に、検出器が、二次光パルスの放出後の閾値期間内に二次光パルスの反射を検出しないことに基づいて、ブロック804で一次光パルスを放出することを伴ってもよい。
【0149】
例えば、本明細書のシステムまたはデバイスは、二次光パルスを放出し、次に、第1の検出期間(すなわち、閾値期間)の間に複数のターゲット領域からの二次光パルスの反射の情報を得ることができる。この例では、システムまたはデバイスは、次に、再帰反射体の位置を、(第1の検出期間中)に二次光パルスの反射が検出された特定のターゲット領域にマッピングしてもよい。次に、システムまたはデバイスは、マッピングに基づいて、特定のターゲット領域に向けて一次光パルス放出を遅延または回避し、および/または再帰反射体を含む可能性が低い他のターゲット領域に向けて一次パルスを放出してもよい。
【0150】
図9Aは、例示的な実施形態による、マルチチャネルアクティブセンサによる一連のスキャンにおける1回目のスキャン900の概念的なタイミング図を示している。
【0151】
図9Aのシナリオでは、マルチチャネルセンサ(LIDAR200、300など)がシーンの一連のスキャンを実施してもよく、その場合、各スキャンの放出期間は500nsで、その後に検出期間は2000nsが続く。例えば、示されるように、1回目のスキャン900は、t=0nsで始まり、その後にt=500nsとt=2500nsとの間の検出期間が続く第1の放出期間を含んでいてもよい。図9Aにおいて、「SE」とラベル付けされたタイミング図は、二次パルスがセンサの二次エミッタを使用して送信される時間を示し、また、「CH1」、「CH2」、「CH3」、および「CH4」とラベル付けされたタイミング図は各々、、シーン内のそれぞれのターゲット領域から送受信されたそれぞれの信号を示していてもよい。
【0152】
例えば、図3Bに戻ると、「SE」図は、二次パルス367が二次エミッタ324によって放出される時間を表してもよく、「CH1」図は、信号がビーム361によって照明されたターゲット領域から送信/受信される時間を表してもよい。同様に、CH2、CH3、およびCH4は、ビーム362、363、および364によって照明されるターゲット領域にそれぞれ関連付けられたターゲット領域に関連し得る。
【0153】
示されるシナリオでは、1回目のスキャン900の間に、二次エミッタは、第1の放出期間のt=500nsで二次パルス981(例えば、図3Bのパルス367)を放出する。また、CH1-CH4に関連付けられた一次エミッタ(複数可)は、最初の放出期間中に一次信号を送信しない。さらに、このシナリオでは、CH1の検出器は、(受信信号991として示されている)t=1500nsで放出された二次信号981の反射を検出してもよい。したがって、このシナリオでは、LIDAR300(またはLIDAR300からデータを受信するように構成されたシステム100のコントローラ104などのコントローラ)は、CH1に関連付けられたターゲット領域に再帰反射体が(例えば、150メートル離れて)存在し、CH2、CH3、CH4に関連付けられたターゲット領域に再帰反射体が存在しないと判断してもよい。
【0154】
図9Bは、一連のスキャンにおける2回目のスキャン950の概念的なタイミング図を示している。例えば、示されるように、2回目のスキャン950は、1回目のスキャン900の第1の検出期間が終了した後(すなわち、t=2500nsの後)に(t=5000nsで)開始する第2の放出期間と、第2の放出期間に続く第2の検出期間(t=5500nsとt=7500nsとの間)とを有する。
【0155】
図7の説明に記載されているように、一部のシナリオでは、CH1によって照明されたターゲット領域(例えば、CH1が再帰反射体などへの一次信号)により、スプリアス信号(例えば、771bおよび771c)がCH2よびCH3で検出されてもよい。
【0156】
例えば、図9Bのシナリオでは、CH1、CH2、CH3、CH4は、それぞれ、2回目のスキャン950の第2の放出期間(つまり、t=5000nsとt=5500nsとの間)の間に一次信号961、962、963、964を放出してもよい。例として、示されているように、一次信号961、962、963、964は、t=5500nsで放出してもよい。
【0157】
示されているシナリオにおける2回目のスキャン950の第2の検出期間(t=5500nsとt=7500nsとの間)の間に、CH1は、反射に対応する(比較的強い)信号971(t=6500e)を受信し、これは、再帰反射体からのプライマリ信号961の反射と一致し、CH2は信号972を(t=6500nsで)受信し、CH3は、信号973(t=6250ns)および信号974(t=6500ns)を受信し、CH4は信号975(t=7125ns)を受信する。
【0158】
図7の議論に沿って、2回目のスキャンを処理するコンピューティングシステムは、受信信号971が、CH1に関連付けられた環境の領域における再帰反射体の存在に関連付けられている可能性が高く、受信信号973および975は、それぞれ、CH3およびCH4に関連付けられた領域におけるそれぞれの物体(例えば、再帰反射体ではない)の存在に関連付けられていると判断してもよい。さらに、コンピューティングシステムは、受信信号972および974(例えば、信号971、972、および974の実質的に同じ受信時間に基づく)を、CH3およびCH4による潜在的なスプリアス検出(例えば、CH1の再帰反射体によって引き起こされる)として識別してもよい。しかしながら、上記の議論に沿って、受信信号972および/または974はまた、CH2およびCH3によってスキャンされた対応する領域内の物体の存在を示してもよい。
【0159】
したがって、代替的な実装形態では、本明細書の装置またはシステムは、CH1に関連付けられたターゲット領域に再帰反射体が存在する可能性があることを(例えば、図9Aに記載されたマッピングプロセスに基づいて)検出したことに応答して、2回目のスキャン950の間にCH1に関連付けられたターゲット領域を照明することを遅延または回避または弱めるように構成されてもよい。そうすることによって、例えば、例示的なデバイスまたはシステムは、CH1のターゲット領域に再帰反射体が存在するために、他のチャネル(例えば、CH2およびCH3)でスプリアス信号が検出される可能性を低減または排除してもよい。
【0160】
図10は、例示的な実施形態による、一連のスキャンにおける2回目のスキャン1050の第1の代替実装の概念的なタイミング図を示している。図10のシナリオでは、例えば、2回目のスキャン950の代わりに、2回目のスキャン1050が(例えば、1回目のスキャン900を実施するセンサによって)実施されてもよい。
【0161】
図10のシナリオ(図9Bで説明されているCH2およびCH3のスプリアス信号検出を防止または削減する)では、CH1は2回目のスキャン1050の2番目の放出期間(つまり、t=5000nsとt=5500nsとの間)で一次信号を放出せず、CH2、CH3、およびCH4は、それぞれのターゲット領域をスキャンするために、第2の放出期間(t=5500ns)の間に、それぞれの一次信号1062、1063、および1064を放出する。
【0162】
引き続き図10のシナリオをみると、CH2、CH3、およびCH4は、次に、2回目のスキャン1050の第2の検出期間(すなわち、t=5500nsとt=7500nsとの間)の間に、それぞれ、受信信号1072、1073、1075を検出してもよい。受信信号1072、1073、1075は、それぞれ、(例えば、図3Bに示すビーム362、363、364によって照明された領域からの)CH2、CH3、CH4によって照明されたそれぞれのターゲット領域内の物体からの送信信号1062、1063、1064に関連付けられたパルスの反射の検出を示していてもよい。次に、コンピューティングシステム(例えば、システム100のコントローラ104)は、物体(再帰反射体ではない)が、CH2、CH3、CH4に関連付けられたターゲット領域に存在し得ると判定してもよい。
【0163】
したがって、いくつかの例では、本明細書のシステムまたはデバイスは、シーン内の再帰反射体の位置をマッピングするために(1つ以上の一次光パルスを放出する前に)二次光パルスを放出し、次いで(その後のシーンのスキャンの間に)再帰反射体のマッピングされた位置に基づいて、再帰反射体の照明を防止または遅延させてもよい。
【0164】
図11は、例示的な実施形態による、一連のスキャンにおける2回目のスキャン1150の第2の代替的な実装の概念的なタイミング図を示している。図11のシナリオでは、例えば、2回目のスキャン950および/または1050の代わりに、2回目のスキャン1150を(例えば、1回目のスキャン900を実施するセンサによって)実施してもよい。
【0165】
図11のシナリオでは(図9Bで説明したCH2およびCH3のスプリアス信号検出を防止または低減するために)、二次エミッタは、2回目のスキャン1150の第2の放出期間(すなわち、t=5000nsとt=5500nsとの間)に別の二次信号を放出し(t=5500nsで)、一方、CH2、CH3、およびCH4は、第2の放出期間(t=5500nsで)にそれぞれ一次信号1062、1063、および1064を放出して、それぞれのターゲット領域をスキャンしている。
【0166】
したがって、このシナリオでは、CH1は、(再帰反射体からの)戻り信号1171を受信してもよく、これは、1回目のスキャン900の戻り信号991と類似しており、CH2、CH3、CH4は、それぞれ、2回目のスキャン1050の信号1072、1073、1075にそれぞれ類似している信号1172、1173、1175を受信してもよい。
【0167】
このようにして、CH1、CH2、CH3、CH4によって収集されたセンサデータは、1つ以上のチャネル(例えば、CH1)が再帰反射体(複数可)の存在に関連付けられていると識別された場合でも、各スキャン中に同期的に取得することができる(例えば、受信信号は、2回目のスキャン1150の同じ放出時間t=5500nsに対してすべてのチャネルについて計算することができるなど)。例えば、二次信号1182は、信号1161の反射部分が、CH1での検出に十分な量のエネルギーを有するが(例えば、信号1171として)、他のチャネル(例えば、CH2およびCH3)でスプリアス検出(複数可)を引き起こすのに十分な量のエネルギーを有さないように、十分な低強度で放出することができる。
【0168】
一実施形態では、一次信号1162、1163、および1164のそれぞれの強度(またはパワー密度)は、二次信号1161の強度(またはパワー密度)よりも少なくとも8倍大きくてもよい。別の実施形態では、それぞれの強度(または一次信号のパワー密度は、二次信号の強度(またはパワー密度)よりも少なくとも100倍大きくてもよい。さらに別の実施形態では、それぞれの強度(または一次信号のパワー密度は、二次信号の強度(またはパワー密度)よりも少なくとも1000倍大きくてもよい。他の信号強度(またはパワー密度)も可能である。
【0169】
したがって、いくつかの例では、本明細書のシステムまたはデバイスは、シーン内の再帰反射体の位置をマッピングするために、(1つ以上の一次光パルスを放出する前に)二次光パルスを放出してもよい。マッピングに基づいて、シーンの次のスキャンの際に、システムまたはデバイスは、再帰反射体を含まないシーンの領域をスキャンするために比較的強い(例えば、一次)光パルスを放出し、再帰反射体を含むシーンの他の領域をスキャンするために比較的弱い(例えば、二次)光パルスを放出してもよい。
【0170】
図12Aは、例示的な実施形態による、別のマルチチャネルアクティブセンサによる別の一連のスキャンにおける1回目のスキャン1200の概念的なタイミング図を示している。例として、1回目のスキャン1200は、二次信号を発するための二次エミッタと、一次信号を発するための物理的に分離された一次エミッタ(複数可)とを使用しないセンサ(例えば、LIDAR200など)を使用して、シーン内の再帰反射体の位置をマッピングするために実施されてもよい。そのために、図12Aに示すCH1、CH2、CH3、CH4は、図9Aに示すCH1、CH2、CH3、CH4に類似していてもよく、1回目のスキャン1200は、図9Aの1回目のスキャン900について記載された第1の放出期間および第2の放出期間と同様に第1の放出機関および第1の検出期間を有していてもよい。
【0171】
図12Aのシナリオでは、CH1、CH2、CH3、CH4は、それぞれ、1回目のスキャン1200の第1の放出期間中に、図9Aの1回目のスキャン900に関連して記載した二次エミッタによる二次信号981の放出と同様に、二次信号1281、1282、1283、1284(t=500nsで)を放出する。そのために、CH1で検出された信号1291は、図9Aに記載された信号991に類似していてもよく、同様に、1回目のスキャン1200中にCH1によってスキャンされたシーンの領域における再帰反射体の存在を示してもよい。
【0172】
図12Bは、例示的な実施形態による、他の一連のスキャンにおける2回目のスキャン1250の概念的なタイミング図である。2回目のスキャン1250は、図11の2回目のスキャン1150に類似していてもよい。
【0173】
例として、本明細書の例示的なシステムは、1回目のスキャン1200を実施して、CH1によってスキャンされたシーンの領域に再帰反射体が存在し得ることを判定してもよい。このシナリオでは、例示的なシステムは、2回目のスキャン1260の間に、CH1を動作させて、二次(比較的弱い)信号1282を再帰反射体に向けて(t=5500nsで)放出することができ、CH2、CH3、CH4を動作させて、プライマリ(比較的強い)信号1262、1263、1264(t=5500ns)を放出して、これらのチャネルに関連付けられたシーンの他の領域をスキャンしてもよい。
【0174】
そのために、検出された信号1271、1272、1273、および1275は、それぞれ、2回目のスキャン1150の検出された信号1171、1172、1173、および1175に類似していてもよい。例えば、2回目のスキャン1250のシステムは、(他のチャネルの強い一次信号1262、1263、1264と比較して)(弱い)二次信号1282を使用して(CH1の)再帰反射体を照明することにより、CH2およびCH3におけるスプリアス検出を防止(または可能性を低減)することができる。
【0175】
図13は、例示的な実施形態による、別の方法1300のフローチャートである。方法1300は、例えば、システム100、デバイス200~500、方法600および/または方法800のうちのいずれかとともに使用され得る方法の実施形態を提示する。方法1300は、ブロック1302~1308のうちの1つ以上によって例解されるように、1つ以上の操作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で例解されているが、これらのブロックは、場合によっては、並行に、および/または本明細書で説明された順序とは異なる順序で実施され得る。また、様々なブロックは、より少ないブロックに組み合わされ、追加のブロックに分割され、および/または所望の実装形態に基づいて除去され得る。
【0176】
ブロック1302において、方法1300は、複数の検出器による受信のために、シーン内の複数のターゲット領域からの光を集束させることを伴う。例えば、図3Aに戻ると、送信レンズ340は、シーンからの光を、ハウジング350内の複数の検出器(図示せず)に向けて集束させてもよい。例えば図3Bに示すように、各検出器は、一次ビーム361~366で例示される、それぞれの放出された一次ビーム(例えば、図3Bの小さな円)によって照明されたそれぞれのターゲット領域からの光を含む集束された光のそれぞれの部分を捕捉するように配置されてもよい。そのために、いくつかの例では、ブロック1302は、方法600のブロック604および方法800のブロック802に類似していてもよい。
【0177】
ブロック1304において、方法1300は、1つ以上の二次光パルスを複数のターゲット領域に向けて送信することを伴う。いくつかの例では、ブロック1304の二次光パルス(複数可)は、方法800のブロック808に記載された二次光パルスおよび/またはブロック602に記載された二次信号に類似していてもよい。
【0178】
第1の例では、ブロック1304で二次光パルス(複数可)を送信することは、方法600のブロック602に記載された二次閾値よりも小さい二次光強度に従って、複数のターゲット領域すべてを照明する二次光パルスを送信することを伴ってもよい(例えば、第2の光強度は、検出器がシーン内の再帰反射体を検出するのには十分に高いが、検出器がシーン内の他のタイプの反射面を検出しないように十分な低さであるなど)。例えば、LIDAR300の例(図3Aに示す)では、ブロック1304での二次光パルスは、ハウジング350の外側に配設された二次エミッタによって放出されてもよく、二次光パルスのそれぞれの部分(例えば、図3Bに示す光パルス367)は、複数のターゲット領域のそれぞれのターゲット領域(例えば、図3Bの円361~366で例示される小円)と重なってもよい。
【0179】
したがって、いくつかの実装形態では、二次光パルス(例えば、図3Bのパルス367)は、複数のターゲット領域(例えば、ビーム361~366に関連付けられたターゲット領域など)を照明し、方法1300のLIDARデバイス(例えば、LIDAR300など)は、複数の検出器(例えば、システム100の検出器132など)を含み、複数の検出器の各検出器は、複数のターゲット領域のそれぞれのターゲット領域からの光を捕捉するように配置される(例えば、第1の検出器は、図3Bのビーム361によって照明される第1のターゲット領域からの光を捕捉するように配置され、第2の検出器は、ビーム362によって照明される第2のターゲット領域からの光を捕捉するように配置され、以下同様である)。追加的に、これらの実装形態では、方法1300は、複数の検出器を介して、二次光パルスの放出後に始まる第1の検出期間中に複数の検出器によって受信された光の測定値を取得することを伴ってもよい。例えば、図9Aに戻ると、CH1、CH2、CH3、およびCH4に関連付けられた4つの検出器は各々、最初の検出期間中(例えば、t=500nsとt=2500nsとの間)にそれぞれのターゲット領域から光の測定値を取得してもよい。
【0180】
第2の例では、ブロック1304で二次光パルスを送信することは、複数の二次光パルス(複数可)を送信することを伴ってもよく、各光パルスは、二次閾値よりも小さい(比較的低い)光強度に従って複数のターゲット領域のそれぞれのターゲット領域を照明する。例えば、図7に戻って、CH1~CH4の各々は、CH1~CH4が送信する一次光パルス(例えば、信号761~764)と比較して低い強度/電力を有する別の二次光パルス(例えば、信号781~784)を送信してもよい。
【0181】
ブロック1306において、方法1300は、1つ以上の送信された二次光パルスに基づいて、複数のターゲット領域のうちの1つ以上のターゲット領域を識別することを伴う。例えば、図9Aに戻ると、CH1によってスキャンされたターゲット領域は、再帰反射体が存在する可能性が高いターゲット領域として識別でき、CH2、CH3、およびCH4によってスキャンされたターゲット領域は、再帰反射体が存在する可能性が低いターゲット領域として識別されてもよい。
【0182】
ブロック1308において、方法1300は、識別された1つ以上のターゲット領域以外の複数のターゲット領域の所与のターゲット領域に向けて、複数の一次光パルスを送信することを伴う。いくつかの例では、ブロック1308で一次光パルスを送信することは、方法800のブロック804に記載された一次光パルスを放出すること、および/または方法600のブロック602に記載された一次信号を送信することに類似していてもよい。例えば、各一次光パルスは、複数の検出器のそれぞれの検出器と整列したそれぞれのターゲット領域に向かって放出されてもよい。
【0183】
例えば、図10に戻ると、CH2、CH3、およびCH4によってスキャンされた所与のターゲット領域は、2回目のスキャン1050中に、送信信号1062、1063、および1064によって起動される一次光パルス(例えば、少なくとも一次光強度などを有する)によって照明されてもよい(例えば、これは、CH1が再帰反射体などを含むターゲット領域に関連付けられていると識別された1回目のスキャン900に続く)。例えば図3Bに戻ると、LIDAR300(例えば、2回目のスキャン1050の間)は、ビーム361に示される方向(例えば、再帰反射体が存在する可能性がある場所)に一次ビームを放出することなく、ビーム362~366などに示される方向に複数の一次ビーム(例えば、小さな円で表される)を送信するように構成されてもよい。
【0184】
いくつかの例では、方法1300は、ブロック1304の1つ以上の二次光パルスを送信した後、ブロック1306の識別された1つ以上のターゲット領域に向けて、1つ以上の追加の二次光パルスを送信することを伴う。
【0185】
一例では、二次光パルスを二次エミッタによって放出して、1つ以上の識別されたすべてのターゲット領域を照明することができる(例えば、図11の信号1182)。別の例では、1つ以上の二次光パルスは、1つ以上の識別されたターゲット領域を照明するように配置されたそれぞれのエミッタによって放出されてもよい(例えば、図12Bの二次光パルス1282)。
【0186】
いくつかの実装形態では、本明細書のデバイスまたはシステムは、ターゲット領域を照明するために、1つ以上の一次信号および1つ以上の二次信号を所定の相対順序で含む一連の信号を放出するように構成されてもよい。これらの実装形態では、一連の信号を放出した後、デバイスまたはシステムは、ターゲット領域から1つ以上の信号を受信し、放出された一連の信号と受信した1つ以上の信号との比較に基づいてターゲット領域に関する情報を判定してもよい。
【0187】
図14は、例示的な実施形態による、一連の信号を放出するアクティブセンサによるターゲット領域の1回目のスキャン1400の概念的なタイミング図を示している。例えば、スキャン1400は、システム100および/またはLIDAR200~500のいずれかによって実施されてもよい。
【0188】
いくつかの例では、本明細書のデバイスまたはシステムは、シーンの一連のスキャンを定期的または断続的に取得するように構成されてもよく、各スキャンは、放出期間とそれに続く検出期間を含む。例えば、示されているシナリオでは、一連のスキャンの各々は、500nsの放出期間と、それに続く2000nsの検出期間とを含んでいてもよい。
【0189】
いくつかの例では、デバイスまたはシステムは、(例えば、シーン内のターゲット領域を照明するために)所定の相対順序で、一連の1つ以上の一次パルスおよび1つ以上の二次パルスを放出してもよい。例えば、示されるシナリオでは、デバイスまたはシステムは、t=0nsで第1の二次パルス1481、t=250nsで第2の二次パルス、およびt=500nsで一次パルス1461を送信してもよい。
【0190】
いくつかの例では、二次パルス1481および1482は、図7に記載された二次パルス781~784および/または図9Aに記載された二次パルス981のいずれかに類似していてもよい。例えば、二次パルス1481および1482は、一次パルス1461の第1の強度よりも小さい二次強度に従って、ターゲット領域を照明してもよい。第1の例では、二次パルス981と同様に、二次パルス1481および1482は、一次パルス1461を放出する一次エミッタとは異なる二次エミッタ(例えば、図3Aに示す二次エミッタ324、図5に示す二次エミッタ524および/または526など)によって放出されてもよい。第2の例では、二次パルス781~784と同様に、二次パルス1481および1482は、一次パルス1461を放出するのと同じエミッタによって(ただし、比較的低い強度で)放出されてもよい。
【0191】
示されているシナリオでは、スキャン1400を実施するデバイスまたはシステムは、送信パルス1481、1482、1461によって照明されたターゲット領域からの光パルス1471(t=1000ns)、1472(t=1250ns)、および1173(t=1500ns)を検出してもよい。
【0192】
このシナリオでは、デバイスまたはシステムは、一連の信号1481、1482、1461によって照明されたターゲット領域に物体が存在し、物体がLIDARデバイスから閾値距離内にあると判断してもよい。例えば、閾値距離は、スキャン1400の検出期間に関連付けられた最大スキャン範囲(例えば、300メートル)でもよい。
【0193】
さらに、デバイスまたはシステムは、放出された光パルスの放出時間および検出された光パルスの検出時間に基づいて、検出された光パルス1471~1473の各々を、放出されたシーケンスの対応する放出された光パルスと結びつけてもよい。例えば、示されているシナリオでは、3つの光パルスが放出され(1481、1482、および1461)、3つの光パルスが検出される(1471、1472、1473)。さらに、パルス1481および1482の放出時間の間の差は250nsであり、放出時間パルス1482と1461との間の差は250nsである。同様に、パルス1471および1472の検出時間の間の差は250nsであり、パルス1472および1473の検出時間の間の差は250nsである。
【0194】
したがって、このシナリオでは、本明細書の例示的なデバイスまたはシステムはまた、物体がデバイスまたはシステムからおよそ(
【数2】
)の距離にある再帰反射体であると判定してもよい。例えば、その距離(例えば、150メートル)にある再帰反射体は、例示的なデバイスまたはシステムによる検出に十分な量の電力を反射すると予想され得る(例えば、検出された光パルス1471、1472は、少なくともLIDARなどによって検出可能な閾値強度を有していてもよい)。
【0195】
したがって、いくつかの例では、例えば、二次および一次光パルスのコード化されたシーケンスを放出することによって、本明細書のシステムまたはデバイスは、ターゲット領域内の物体を検出し、物体を再帰反射体として分類することができる。
【0196】
しかしながら、いくつかのシナリオでは、再帰反射体ではない物体からの二次光パルスの反射部分(例えば、検出されたパルス1471、1472)が依然としてLIDARによって検出されることがある。例えば、近くの物体(例えば、LIDARから10~20メートル離れているなど)は、LIDARによる検出のために、二次光パルス1481、1482からの十分な量の電力を反射してもよい。同様に、一部のシナリオでは、遠方の再帰反射体(例えば、300メートル離れた)からの二次光パルスの反射部分は、再帰反射体からの一次光パルスの反射部分が検出可能であっても、検出できない場合がある。したがって、いくつかの例では、本明細書の例示的なデバイスまたはシステムは、検出された光パルスのそれぞれの強度および/または受信時間に少なくとも部分的に基づいて、放出された一次光パルスの検出された反射と放出された二次光パルスの検出された反射とをさらに区別するように構成されてもよい。
【0197】
そのために、いくつかの実装形態では、本明細書の方法は、特定の検出された光パルス(例えば、パルス1471、1472など)が放出された二次光パルスの反射(および/または受信時間に基づく放出された一次光パルス)に対応するかどうかを判定することを任意選択的に伴っもよい。
【0198】
一実装形態では、本明細書の例示的なデバイスまたはシステムは、特定の検出された光パルスの強度(またはパワー密度)を、デバイスまたはシステムまでの1つ以上の距離の範囲(および/またはスキャンの検出期間内のパルス検出時間の1つ以上の範囲)に関連付けられた1つ以上の可変閾値と比較するように構成されてもよい。例えば、特定の検出された光パルスの検出された強度(またはパワー密度)を、特定の検出された光パルスがt=500nsとt=600nsとの間に受信された場合には第1の(比較的高い)閾値、または特定の検出された光パルスがt=600nsとt=700nsとの間に受信された場合には第2の(比較的低い)閾値などと比較することによって判定することができる。代替的に、例えば、システムまたはデバイスは、反射物体とLIDARとの間の距離に応じて変化する可変閾値(例えば、検出された光パルスの受信時間に応じた可変閾値など)を計算し、特定の検出された光パルスの強度を計算された可変閾値と比較するように構成されてもよい。他の実装形態も、同様に可能である。
【0199】
したがって、いくつかの例では、本明細書の方法は、検出された光パルスを、LIDARデバイスによって放出された一次光パルスの反射として(または二次光パルスの反射として)識別すること、1つ以上の検出された光パルスをLIDARデバイスから特定の距離にある物体の存在と関連付けること、および/または物体が再帰反射体であるかどうかを判定することを伴ってもよい。追加的に、これらの例では、識別、関連付け、および/または判定は、他の可能な要因の中で、検出された光パルスの検出時間、放出された光パルスの放出時間、および/または検出された光パルスの測定された強度(またはパワー密度)に基づいていてもよい。
【0200】
図15は、例示的な実施形態による、一連の信号を放出するアクティブセンサによる2回目のスキャン1500の概念的なタイミング図を示している。スキャン1500は、スキャン1400と同様の場合がある。例えば、放出されたパルス/信号1581、1582、および1561のシーケンスは、放出されたパルス/信号1481、1482、および1461のシーケンスに類似していてもよい。さらに、例えば、検出されたパルス1573は、検出されたパルス1473に類似していてもよい。
【0201】
図15のシナリオでは、単一の光パルス1573のみが検出期間中に検出されてもよい。したがって、例えばこのシナリオでは、本明細書の例示的なシステムまたはデバイスは、単一の検出信号1573が、ターゲット領域からの一次放出パルス1561の反射の受信を示し、(放出された二次パルス1581および1582の反射が検出されなかったため)検出された光パルスを反射した物体が再帰反射体ではないと判定してもよい。
【0202】
図16は、例示的な実施形態による、信号のシーケンスを放出するアクティブセンサによる3回目のスキャン1600の概念的なタイミング図を示している。スキャン1600は、スキャン1400に類似していてもよい。例えば、一連の放出されたパルス/信号1681(二次パルス)、1682(二次パルス)、および1661(一次パルス)は、一連の放出されたパルス/信号1481、1482、および1461に類似していてもよい。
【0203】
図16のシナリオでは、一連の光パルス1681、1682、1661の放出後に、2つの光パルス1672および1673が検出される。したがって、例えばこのシナリオでは、本明細書の例示的なシステムまたはデバイスは、検出されたパルス1672および1673の数(および/または検出時間)と比較して、放出されたパルス1681、1682および1661の数(および/または放出時間)の間の少なくとも不一致に基づいて、検出された光パルスの一方または両方が無効な信号であると判断してもよい。
【0204】
ただし、図7の説明の考察に沿って、数および/または放出/受信時間の不一致は、検出された光パルスの1つ以上の無効な信号であることを必ずしも示しているとは限らない。例えば、不一致は、シーン内の複数の物体からの同じ送信信号1661の複数の反射に起因することもある。したがって、いくつかの例では、システムは、再帰反射体の存在に関連付けられたスキャンエラー(例えば、飽和、ブルーミングなど)の1つ以上の他の兆候にさらに基づいて、検出された光パルスの一方または両方が無効な信号であるかどうかを確認するように構成されてもよい。
【0205】
図17は、例示的な実施形態による、別の方法1700のフローチャートである。方法1700は、例えば、システム100、デバイス200~500、および/または方法600、800、1300のいずれかで使用することができる方法の実施形態を提示する。方法1700は、ブロック1702~1706のうちの1つ以上によって例解されるように、1つ以上の操作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で例解されているが、これらのブロックは、場合によっては、並行に、および/または本明細書で説明された順序とは異なる順序で実施され得る。また、様々なブロックは、より少ないブロックに組み合わされ、追加のブロックに分割され、および/または所望の実装形態に基づいて除去され得る。
【0206】
ブロック1702において、方法1700は、検出器による受信のために、シーン内のターゲット領域からの光を集束させることを伴う。例えば、ブロック1702は、方法800のブロック802に類似していてもよい。
【0207】
ブロック1704において、方法1700は、一連の光パルスをシーンに向けて放出することを伴う。一連の光パルスは、所定の順序で1つ以上の一次光パルスおよび1つ以上の二次光パルスを含む。例えば、図14に戻ると、放出された一連の光パルスは、2つの二次光パルス1481、1482、続いて1つの一次光パルス1461を含んでいてもよい。
【0208】
代替の例では、一次および/または二次光パルスの異なる組み合わせおよび/または数が可能である。第1の例では、方法1700のシステムは、一次光パルスを放出した後、1つ以上の二次光パルスを放出してもよい。例えば、図14に戻ると、二次光パルス1481はt=500nsで代替的に放出することができ、一次光パルス1461は、代替的に、t=0ns(および/またはt=250ns)で放出することができる。第2の例では、光パルスのシーケンスは、異なる数の一次パルス(複数可)および/または異なる数の二次パルス(複数可)(例えば、1つの一次パルスおよび3つの二次パルス、2つの一次パルスおよび1つの二次パルスなど)を含んでいてもよい。第3の例では、一次および/または二次光パルス(複数可)は、異なる順序(例えば、一次、二次、二次;二次、一次、二次など)で放出することができる。第4の例では、2つ以上の光パルスの放出間の時間オフセットが変化してもよい。例えば、図14に戻ると、二次光パルス1482は、t=400nsで代替的に放出することができる(つまり、一次パルス1461の放出前は500~400=100ns、二次パルス1481の放出後は400~0=400ns)。他の例も、可能である。
【0209】
いくつかの例では、ブロック1704における一次光パルス(複数可)は、方法800のブロック804に記載された一次光パルスに類似していてもよい。例えば、放出されたシーケンスの各一次光パルスは、少なくとも一次光強度(例えば、方法600のブロック602に記載された一次閾値よりも大きいなど)に従って、ターゲット領域(例えば、図5に示す矢印560aと矢印560bの間の領域)を照明してもよい。さらに、いくつかの例では、放出されたシーケンス内の各二次光パルスの少なくとも一部分(例えば、図5の二次光パルス580の一部)は、一次光強度よりも小さい二次光強度に従って同じターゲット領域を照明してもよい。
【0210】
ブロック1706において、方法1700は、1つ以上の一次光パルスをターゲット領域に向けることを伴う。例えば、ブロック1706は、方法800のブロック806に類似していてもよい。例えば、図5に戻ると、一次パルス(複数可)は、送信レンズ540およびミラー544を介して、矢印560によって示される方向に向けてもよい(例えば、各々、矢印560aと矢印560bとの間に延びるビーム発散を有していてもよい)。
【0211】
いくつかの例では、方法1700は、検出器を介して、ターゲット領域からの集束された光において1つ以上の検出された光パルスを検出することを伴ってもよい。これらの例では、方法1700はまた、任意選択的に、放出された一連の光パルスの放出時間および検出された1つ以上の光パルスの検出時間に少なくとも基づいて、LIDARデバイスまでの閾値距離内のターゲット領域に物体が存在することを判定することを伴ってもよい。
【0212】
例えば、図14に戻ると、方法1700のシステムまたはデバイスは、パルス1481、1482、1461の放出されたシーケンスの放出時間を、検出された光パルス1471、1472、1473の検出時間と比較して、物体が閾値距離(例えば、2000nsの検出期間に関連付けられた300メートルのスキャン範囲など)内にあることを判定してもよい。
【0213】
いくつかの例では、方法1700は、1つ以上の二次光パルスの反射部分を含む1つ以上の検出された光パルスに基づいて、物体を再帰反射体として識別することを伴ってもよい。例えば図14に戻ると、本明細書の例示的なシステムまたはデバイスは、検出されたパルス1471および1472が放出された二次パルス1481および1482の反射を表していると判断してもよく、したがって、放出された一連のパルスによって照明されたターゲット領域の物体が再帰反射体であると判断してもよい。
【0214】
いくつかの例では、方法1700は、少なくとも所定の相対順序に基づいて、方法1700のLIDARデバイスとターゲット領域内の物体との間の距離を推定することを伴ってもよい。例えば、図15に戻ると、検出されたパルス1573は、検出された信号1573の前に他の検出された信号がないため、一次パルス1561の反射として識別してもよい。さらに、放出されたパルス1581、1582、1561の順序に基づいて、一次パルス1561の放出時間と検出されたパルス1573の検出時間との間の差に基づいて物体とLIDARデバイスとの間の距離を計算することができる(例えば、150メートル)。
【0215】
いくつかの例では、方法1700はまた、1つ以上の検出された光パルスの特定の光パルスが、放出された一連の光パルスのうちの少なくとも1つの反射部分と一致しないことを判定することを伴ってもよい。例えば、図16に戻ると、(3つの)放出された信号1681、1682、1661と(2つの)検出された信号1672および1673との間の不一致のために、検出されたパルス1672および/または1673は無効な信号に相当すると判定される場合がある。別の例として、図7に戻って参照すると、本明細書の例示的なデバイスまたはシステムは、放出された一連の信号782、762の放出時間と検出された信号772、771bの検出時間との間の不一致に起因して、検出された信号771b、772の一方または両方(CH2の)が無効な信号であると判定してもよい。
【0216】
いくつかの例では、ブロック1704で放出される一連の光パルスは、第1の一連の光パルスである。これらの例では、方法1700はまた、任意選択的に、第1の一連の光パルスを放出した後(および/または1つ以上の検出された光パルスを検出した後)に第2の一連の光パルスを放出することを伴ってもよい。例えば、第1の一連の光パルスは、1回目のスキャンの第1の放出期間(例えば、t=0nsとt=500nsとの間など)に放出されてもよく、第2の一連の光パルスは、後続の2回目のスキャンの第2の放出期間(例えば、t=5000nsとt=5500nsとの間など)に放出されてもよい。
【0217】
これらの例では、方法1700は、任意選択的に、放出された第1の一連の光パルス間の第1の時間オフセット(複数可)とは異なる、放出された第2の一連の光パルス間の第2の時間オフセット(複数可)に従って第2の一連の光パルスを放出することを伴ってもよい。例えば、図14に戻ると、1回目のスキャン中に、LIDARは図14に示す順序と時間で光パルス1481、1482、および1461を放出してもよい。この例では、1回目のスキャンに続く2回目のスキャン中に、LIDARは、2つの二次パルス(例えば、パルス1481および1482と同様)を放出し、その後に一次パルス(例えば、パルス1461と同様)を放出してもよい。ただし、2回目のスキャン中に、LIDARは、第1の一連の光パルス間で使用される第1の時間オフセットと比較して、第2の一連の光パルス間の第2の時間オフセットを調整してもよい(例えば、第1の一連の光パルスの放出時間:t=0ns、t=250ns、t=500ns;および第2の一連の光パルスの放出時間:t=0ns、t=100ns、t=500nsなど)。このようにして、例えば、2回目のスキャンの第2の検出期間中にLIDARによって検出される、遠方のターゲット(例えば、再帰反射体など)からの第1の一連の光パルスの反射は、第2の検出期間中に検出される第2の一連の光パルスの反射と区別することができる(例えば、第1の時間オフセットと第2の時間オフセットとの間の差に基づいて)。追加的に、または代替的に、例えば、2回目のスキャンの第2の時間オフセットを(1回目スキャンの第1の時間オフセットから)変化させることで、(i)シーン内の個々の標的物体から反射された検出光パルスと、(ii)第1のタイムオフセットに一致する距離だけ偶然に離れた2つ以上の別々のターゲットオブジェクトから反射された検出光パルスとの間の曖昧さを容易になくすことができる。
【0218】
代替的に、または追加的に、いくつかの例では、方法1700は、任意選択的に、第1の一連の光パルスの第1の相対順序とは異なる第2の相対順序に従って第2の一連の光パルスを放出することを伴ってもよい。例えば図14のシナリオを続けると、第1の一連の光パルスは、示された第1の相対的な順序で放出されてもよく(すなわち、二次パルス1481、次に二次パルス1482、次に一次パルス1461)、第2の一連の光パルスは、第2の(異なる)相対順序で放出されてもよい(例えば、二次光パルス、次に一次光パルス、次に二次光パルスなど)。他の例も、可能である。
【0219】
図7図9A図9B図10図11図12A図12B、および図14図16の概念図における放出期間(例えば、500ns)および検出期間(例えば、2000ns)は、単なる例示であることに留意されたい。他の放出期間(例えば、100ns、200nsなど)および/または検出期間(例えば、1000ns、3000ns、5000nsなど)が可能である。
【0220】
追加的に、図7図9A図9B図10図11図12A図12B、および図14図16の概念図は、例のためにのみ、それぞれの(後続の)検出期間から時間的に分離されたそれぞれの放出期間を示していることに留意されたい。代替的に、または追加的に、いくつかの例では、本開示のシステムまたはデバイスは、関連する検出期間と少なくとも部分的に重複する放出期間中に光パルスを放出するように構成されてもよい。例として図16に戻ると、スキャン1600を実施するLIDARは、代わりにt=0nsからt=750nsまでの放出期間を有することができる(検出期間はt=500nsからt=2500ns)。さらに、この例では、LIDARは、t=500nsとt=750nsとの間で1つ以上の光パルスを放出してもよい(すなわち、同時に光パルス1681、1682、および/または1661の反射の情報を得ながら)。代替的に、別の例では、特定のスキャンの全放出期間は、特定のスキャンの検出期間と時間的に重複してもよい(例えば、図16のスキャン1600の放出期間および検出期間の両方は、代替的に、t=0nsで開始し得る)。
【0221】
したがって、いくつかの例では、方法1700は、任意選択的に、検出期間中に(例えば、ブロック1704で放出された一連の光パルスの1つ以上の反射と一致する)1つ以上の検出された光パルスを検出することと、検出期間と少なくとも部分的に重複する放出期間中に、ブロック1704で一連の光パルスを放出することと、を伴う。
【0222】
IV.結論
図に示されている特定の配置は、限定と見なされるべきではない。他の実装形態は、所与の図に示される各要素を多かれ少なかれ含み得ることを理解されたい。さらに、例解される要素のうちのいくつかは、組み合わされ、または省略され得る。なおさらには、例示的な実装形態は、図に例解されていない要素を含み得る。追加的に、様々な態様および実装形態が本明細書において開示されているが、他の態様および実装形態は、当業者には明らかであろう。本明細書において開示される様々な態様および実装形態は、例解を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲により示される。本明細書において提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実装形態が、利用され得、他の変更が、行われ得る。本明細書に概して記載され、図面に例解される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置され、置き換えられ、組み合わされ、分離され、および設計され得ることが、容易に理解される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】