(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】発光ダイオード
(51)【国際特許分類】
H01L 33/22 20100101AFI20220107BHJP
【FI】
H01L33/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523199
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 KR2019015090
(87)【国際公開番号】W WO2020096384
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ,チョン フン
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA01
5F241AA03
5F241AA11
5F241CA05
5F241CA13
5F241CA40
5F241CA74
5F241CA88
5F241CA93
5F241CB11
5F241CB16
5F241CB27
5F241CB36
5F241FF01
(57)【要約】
発光ダイオードが提供される。発光ダイオードは、第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを有する基板と、基板の第1の面上に配置された発光構造体と、基板の第2の面上に配置され、基板の第2の面が凹凸面である発光領域の少なくとも一部を露出させ、発光領域と重なる部分を有する第1の遮光層と、を含む。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面を有する基板と、
前記基板の第1の面上に配置され、発光領域を画定する発光構造体と、
前記基板の第2の面上に配置され、前記発光領域の少なくとも一部を露出させる第1の遮光層と、を有し、
前記基板の第2の面は、前記発光領域の少なくとも一部と重なる粗面を有する
ことを特徴とする発光デバイス。
【請求項2】
前記基板の前記粗面を含む部分の厚さが、前記基板の前記粗面が形成されていない部分の厚さよりも小さい、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記基板の前記第2の面は、前記粗面に接続された側壁を含み、
前記第1の遮光層は、前記基板の前記側壁まで延びており、前記粗面を少なくとも部分的に覆い、前記発光構造体の光取り出し面を画定する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記光取り出し面の幅は、前記粗面及び前記発光領域の幅よりも小さい、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記粗面は、凹凸パターンを含み、
前記光取り出し面に形成された前記凹凸パターンの一部の粗さが、前記第1の遮光層で覆われた前記凹凸パターンの一部の粗さと異なる、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記第1の遮光層は、前記基板の前記側壁に沿って実質的に同じ幅を有する、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記基板の前記側壁は所定の傾斜を有し、
前記第1の遮光層は、前記基板の前記第2の面から前記基板の内側に向かって漸次減少する幅を有し、前記基板の前記第2の面から縦方向に延びる側面を有する、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記粗面は、前記発光領域内に配置され、前記発光領域よりも幅が狭い、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記粗面は、前記発光領域を覆い、前記発光領域と同じ又はそれ以上の幅を有する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記基板の前記第1の面上に配置され、前記発光構造体の外側を囲む第2の遮光層をさらに含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記基板の前記第1の面は、前記発光領域に凸部を有し、発光領域を除く領域に凹部を有する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記基板の前記凹部内に配置され、前記発光構造体の外側を囲む第2の遮光層をさらに含む、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記凹部内に配置された前記第2の遮光層の一部と、前記基板の前記粗面の少なくとも一部を覆う前記第1の遮光層の一部とが重なり合っている、請求項12に記載の発光デバイス。
【請求項14】
前記粗面は複数の第1のホールを含み、
前記第1のホールの少なくとも一部は発光領域に配置される、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項15】
前記第1の遮光層は、前記第1のホール内に配置され、前記発光領域の少なくとも一部を覆うように前記基板の前記第2の面に沿って延びており、前記発光構造体の光取り出し面を画定する、請求項14に記載の発光デバイス。
【請求項16】
前記光取り出し面の幅は前記発光領域の幅よりも小さい、請求項15に記載の発光デバイス。
【請求項17】
前記光取り出し面に形成された前記第1のホールに空気が充填されている、請求項15に記載の発光デバイス。
【請求項18】
前記光取り出し面に形成された前記第1のホールは、前記第1の遮光層で充填されている、請求項15に記載の発光デバイス。
【請求項19】
前記基板の前記第1の面上に配置され、前記発光構造体の外側を囲む第2の遮光層をさらに含む、請求項14に記載の発光デバイス。
【請求項20】
前記基板の前記第1の面は、複数の第2のホールを含み、
前記第2の遮光層は、前記第2のホールの少なくとも一部に配置されている、請求項19に記載の発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、広くは、発光デバイスに関し、より具体的には、複数の発光部を含む発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、無機光源として、表示装置、車両灯、一般照明など様々な分野で多用されている。発光ダイオードは、寿命が長く、消費電力が少なく、応答速度が速いために、急速に既存の光源を置き換えつつある。
【0003】
近年、携帯電話等の各種表示装置のバックライト光源として、発光ダイオードの軽量化、薄型化、小型化が進められており、隣接する発光セル間で混色が発生することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の例示的な実施形態に従って構成されたデバイスは、光効率と光取り出しを向上させることができる。
【0005】
本発明の概念のさらなる特徴は、以下の説明に記載され、その一部は、説明から明らかにされ、又は本発明の概念の実施によって得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態に係る発光デバイスは、第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを有する基板と、基板の第1の面上に配置され、発光領域を画定する発光構造体と、基板の第2の面に配置され、発光領域の少なくとも一部を露出する第1の遮光層と、を備え、基板の第2の面が、発光領域の少なくとも一部と重なる粗面を有する。
【0007】
基板の粗面を含む部分の厚さは、基板の粗面が形成されていない部分の厚さよりも小さくてもよい。
【0008】
基板の第2の面は、粗面に接続された側壁を含んでもよく、第1の遮光層は、基板の側壁まで延びており、粗面を少なくとも部分的に覆い、発光構造体の光取り出し面を画定することができる。
【0009】
光取り出し面は、粗面及び発光領域よりも幅が狭くてもよい。
【0010】
粗面は凹凸パターンを含んでいてもよく、光取り出し面に形成された凹凸パターンの一部の粗さは、第1の遮光層に覆われた凹凸パターンの一部の粗さと異なっていてもよい。
【0011】
第1の遮光層は、基板の側壁に沿って実質的に同じ幅を有していてもよい。
【0012】
基板の側壁は、所定の傾斜を有していてもよく、第1の遮光層は、基板の第2の面から基板の内側に向かって徐々に減少する幅を有し、基板の第2の面から縦方向に延びる側面を有していてもよい。
【0013】
粗面は、発光領域内に配置され、発光領域よりも小さい幅を有していてもよい。
【0014】
粗面は、発光領域を覆い、発光領域と同等以上の幅を有していてもよい。
【0015】
発光デバイスは、基板の第1の面上に配置され、発光構造体の外側を囲む第2の遮光層をさらに含むことができる。
【0016】
基板の第1の面は、発光領域に凸部を有し、発光領域を除く領域に凹部を有していてもよい。
【0017】
発光デバイスは、基板の凹部内に配置され発光構造体の外側を囲む第2の遮光層がさらに含まれてもよい。
【0018】
凹部に配置された第2の遮光層の一部と、基板の粗面の少なくとも一部を覆う第1の遮光層の一部とが重なり合っていてもよい。
【0019】
粗面には、複数の第1のホールが含まれてもよく、第1のホールの少なくとも一部は、発光領域に配置されていてもよい。
【0020】
第1の遮光層は、第1のホールに配置され、発光領域の少なくとも一部を覆うように基板の第2の面に沿って延びており、発光構造体の光取り出し面を画定することができる。
【0021】
光取り出し面は、発光領域よりも幅が狭くてもよい。
【0022】
光取り出し面に形成された第1のホールには、空気が充填されていてもよい。
【0023】
光取り出し面に形成された第1のホールには、第1の遮光層が充填されていてもよい。
【0024】
発光デバイスは、基板の第1の面上に配置され、発光構造体の外側を囲む第2の遮光層がさらに含まれてもよい。
【0025】
基板の第1の面には、複数の第2のホールが含まれてもよく、第2の遮光層は、第2のホールの少なくとも一部に配置されてもよい。
【0026】
他の実施形態の詳細は、詳細な説明及び図面に含まれる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施の形態に係る発光デバイスは、第1及び第2の遮光層によって、隣接する発光構造体から発生した光が混合されることが防止されるため、色再現性を向上させることができる。
【0028】
また、基板は、粗面が形成された領域のみ薄い厚さに形成され、残りの領域では通常の厚さを保持しているため、複数の発光構造体を支持することができ、外部からの衝撃を受けても基板が破損することがない。
【0029】
発光構造体で発生した光を粗面で拡散反射させることにより、光効率を向上させることができる。また、遮光層が粗面の端部を覆うことで、光取り出し面が形成され、発光デバイスのコントラストを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図である。
【
図1B】例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図である。
【
図1C】例示的な実施形態に係る
図1AのA-A’線に沿った断面図である。
【
図1D】例示的な実施形態に係る
図1AのA-A’線に沿った断面図である。
【
図1E】例示的な実施形態に係る
図1AのA-A’線に沿った断面図である。
【
図2A】他の例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図である。
【
図3A】例示的な実施形態に係る発光構造体の平面図である。
【
図3B】
図3AのA-A’線及びB-B’線に沿った断面図である。
【
図4A】例示的な実施形態に係る粗面と第2の遮光層の構造を示す断面図である。
【
図4B】例示的な実施形態に係る粗面と第2の遮光層の構造を示す断面図である。
【
図5A】例示的な実施形態に係る粗面と第2の遮光層の構造を示す断面図である。
【
図5B】例示的な実施形態に係る粗面と第2の遮光層の構造を示す断面図である。
【
図6A】他の例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図である。
【
図7A】さらなる他の例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図である。
【
図7B】例示的な実施形態に係る、
図7AのA-A’線に沿った断面図である。
【
図7C】例示的な実施形態に係る、
図7AのA-A’線に沿った断面図である。
【
図9】例示的な実施形態に係る発光デバイスの製造方法を示す断面図である。
【
図10】例示的な実施形態に係る発光デバイスの製造方法を示す断面図である。
【
図11】例示的な実施形態に係る発光デバイスの製造方法を示す断面図である。
【
図12】例示的な実施形態に係る発光デバイスの製造方法を示す断面図である。
【
図13】例示的な実施形態に係る発光デバイスの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の構成及び効果を十分に理解するために、本開示の実施形態を、添付図面を参照して説明する。しかしながら、本開示は、本明細書に記載される実施形態に限定されず、様々な形態で実施されてもよく、様々な変更が加えられてもよい。
【0032】
本開示の実施形態において使用されるように、技術用語は、他に定義されない限り、当業者に通常知られている意味として解釈することができる。
【0033】
以下、本発明の発光デバイスについて、種々の実施例を用いて図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1A及び
図1Bは、例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図であり、
図1C、
図1D、及び
図1Eは、例示的な実施形態に係る
図1AのA-A’線に沿った断面図である。
図2Aは、他の例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図であり、
図2Bは、
図2Aの線A-A’に沿った断面図である。
図3Aは、例示的な実施形態に係る発光構造体の断面図であり、
図3Bは、
図3Aの線A-A’及び線B-B’に沿った断面図である。
図4A、
図4B、
図5A、及び
図5Bは、例示的な実施形態に係る粗面及び第2の遮光層の構造を示す断面図である。
【0035】
【0036】
図1Aは、第3の発光部LE3から見たときの発光デバイスの平面図であり、
図1Bは、基板100から見たときの発光デバイスの平面図である。また、
図2Aは、基板100から見たときの発光デバイスの平面図である。
図3A及び
図3Bは、発光構造体の拡大図である。
【0037】
基板100は、その上に窒化ガリウム系の半導体層を成長させることができるものであればよく、サファイア(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ガリウム(Ga2O3)、又はシリコンを含んでいてもよい。また、基板100は、パターン化されたサファイア基板であってもよい。例示的な実施形態によれば、基板100は、可視光を透過する材料を含んでいてもよい。
【0038】
基板100は、第1の面SF1と、第1の面SF1に対向する第2の面SF2とを有していてもよい。複数の発光構造体LEDは、基板100の第1の面SF1上に配置され、互いに間隔を空けて配置されていてもよい。以下、それぞれの発光構造体LEDが配置されている領域を発光領域LEAとし、発光構造体LEDが配置されていない残りの領域を遮光領域LSAとする。
【0039】
図1A、
図1C、
図1E、及び
図2Aを参照すると、例示的な実施形態に係る基板100の第1の面SF1は、実質的に平坦であってもよい。
図1Dを参照すると、他の例示的な実施形態に係る基板100の第1の面SF1は、それぞれの発光領域LEAに凸部CNVを有し、遮光領域LSAに凹部CNCを有してもよい。また、第1の面SF1のそれぞれの凸部CNVの上面は、凹部CNCの上面よりも高い位置に配置されていてもよい。このように、第1の面SF1は、凸部CNVと凹部CNCとの間に段差が形成されていてもよい。
【0040】
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図1E、
図2A、及び
図2Bを参照すると、基板100の第2の面SF2は、それぞれが凹凸パターンCCを有する粗面RGHと、平坦面PLTとを含むことができる。それぞれの粗面RGHは、基板100の第1の面SF1に配置されたそれぞれの発光領域LEAの少なくとも一部と重なっていてもよい。
【0041】
図1B、
図1C、
図1D、
図2A、及び
図2Bを参照すると、それぞれの発光領域LEAは、第1の幅W1を有していてもよく、それぞれの粗面RGHは、第1の幅W1よりも小さい第2の幅W2を有していてもよい。それぞれの発光領域LEAの中心は、それぞれの粗面RGHの中心と同心であってもよい。
図1Eを参照すると、別の例示的な実施形態に係るそれぞれの発光領域LEAは、第1の幅W1を有していてもよく、それぞれの粗面RGHは、第1の幅W1に等しいか、それよりも大きい第2の幅W2を有していてもよい。それぞれの発光領域LEAの中心は、それぞれの粗面RGHの中心と同心であってもよい。
【0042】
このように、基板100の第2の面SF2が粗面RGHを有することにより、発光領域LEAから発生した光が粗面RGHを介して拡散反射され、発光デバイスの光取り出し効率を向上させることができる。
【0043】
図1C、
図1D、
図1E、及び
図2Bに示すように、基板100の第1の面SF1が実質的に平坦であり、第2の面SF2が粗面RGH及び平坦面PLTを有する場合、基板100は、基板100の第2の面SF2の平坦面PLTの部分に第1の厚さTH1を有し、基板100の第2の面SF2の粗面RGHが形成された部分に第1の厚さTH1よりも小さい第2の厚さTH2を有していてもよい。基板100の厚さの差により、基板100の側壁SDWは、粗面RGHの端部によって画定されてもよい。
図1Dに示す他の例示的な実施形態によれば、基板100の第1の面SF1が凸部CNV及び凹部CNCを有し、第2の面SF2が粗面RGH及び平坦面PLTを有する場合、粗面RGHは、凸部CNVに対応し、凸部CNVの少なくとも一部と重なっていてもよい。基板100は、第1の面SF1の凹部CNCと基板100の第2の面SF2の平坦面PLTとの間に第1の厚さTH1を有し、第1の面SF1の凸部CNVと基板100の第2の面SF2の粗面RGHとの間に第1の厚さTH1よりも小さい第2の厚さTH2を有していてもよい。
【0044】
このように、粗面RGHが形成された領域では、基板100の厚さが相対的に薄く形成されているので、基板100を光が透過する距離を短くすることができる。したがって、例示的な実施形態に係る発光構造体LEDは、基板100内で失われる光の量を低減することができる。また、平坦面PLTが形成されている領域では基板100の厚さが比較的厚いため、基板100が発光構造体LEDを支持し、外部衝撃に係る基板100の損傷を防止することができる。
【0045】
例示的な実施形態によれば、粗面RGHの凹凸パターンCCは、同じ形状を有していてもよく、規則的に配置されていてもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されず、いくつかの例示的な実施形態では、粗面RGHの凹凸パターンCCは、異なる形状を有していてもよく、及び/又は不規則に配置されていてもよい。
【0046】
例えば、基板100の第2の面SF2に形成された粗面RGHによって画定される基板100のそれぞれの側壁SDWは傾斜面を有していてもよい。このように、基板100の側壁SDW間に形成される空間は、第2の面SF2からその内部に向かって徐々に狭くなる幅を有していてもよい。他の例として、基板100のそれぞれの側壁SDWは垂直であってもよい。
【0047】
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図1E、
図2A、
図2B、
図3A、及び
図3Bを参照すると、基板100の第2の面SF2が光取り出し面である場合、第1の発光部LE1から出射される光の波長が最も短く、第2の発光部LE2から出射される光の波長が第1の発光部LE1から出射される光の波長よりも長く、第3の発光部LE3から出射される光の波長よりも短く、第3の発光部LE3から出射される光の波長が最も長くてもよい。例えば、第1の発光部LE1が青色に発光し、第2の発光部LE2が緑色に発光し、第3の発光部LE3が赤色に発光してもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態において、第2の発光部LE2は、第1の発光部LE1から発せられる光よりも波長の短い光を発光してもよい。
【0048】
図3A及び
図3Bを参照すると、第1の発光部LE1は、第1のn型半導体層102、第1の活性層104、第1のp型半導体層106、及び第1のオーミック層108を含んでもよく、第2の発光部LE2は、第2のn型半導体層202、第2の活性層204、第2のp型半導体層206、及び第2のオーミック層208を含んでもよく、第3の発光部LE3は、第3のn型半導体層302、第3の活性層304、第3のp型半導体層306、及び第3のオーミック層308を含んでいてもよい。
【0049】
第1のn型半導体層102、第2のn型半導体層202及び第3のn型半導体層302は、Siがドープされた窒化ガリウム系半導体層であってもよい。第1のp型半導体層106、第2のp型半導体層206及び第3のp型半導体層306は、Mgがドープされた窒化ガリウム系半導体層であってもよい。第1の活性層104、第2の活性層204及び第3の活性層304のそれぞれは、多重量子井戸(MQW)を含んでいてもよく、その組成比は、所望のピーク波長の光を放出するように決定されていてもよい。第1のオーミック層108、第2のオーミック層208及び第3のオーミック層308としては、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO2)、酸化亜鉛 (ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウムスズ亜鉛(ITZO)等の透明導電性酸化物(TCO)を用いることができる。
【0050】
第1の発光部LE1は、第2の発光部LE2から離間していてもよい。例えば、第1の発光部LE1の第1のオーミック層108は、第2の発光部LE2の第2のオーミック層208と対向していてもよい。他の例として、第1の発光部LE1の第1のオーミック層108は、第2の発光部LE2の第2のn型半導体層202と対向していてもよい。
【0051】
第2の発光部LE2は、第3の発光部LE3から離間していてもよい。例えば、第2の発光部LE2の第2のオーミック層208は、第3の発光部LE3の第3のオーミック層308と対向していてもよい。他の例として、第2の発光部LE2の第2のオーミック層208は、第3の発光部LE3の第3のn型半導体層302と対向していてもよい。
【0052】
また、発光デバイスは、第1の発光部LE1と第2の発光部LE2との間に配置され、第1の発光部LE1と第2の発光部LE2とを結合する第1の接着部AD1と、第2の発光部LE2と第3の発光部LE3との間に配置され、第2の発光部LE2と第3の発光部LE3とを結合する第2の接着部AD2とをさらに備えてもよい。第1の接着部AD1及び第2の接着部AD2は、可視光を透過する絶縁性を有する材料を含んでいてもよい。第1の接着部AD1及び第2の接着部AD2は、それぞれ、ポリマー、レジスト、又はポリイミドを含むことができる。例えば、第1の接着部AD1及び第2の接着部AD2は、それぞれ、SOG(スピンオンガラス)、BCB(ベンゾシクロブタジエン)、HSQ(ハイドロシルセスキオキサン)、SU-8フォトレジスト、エポキシ、PAE(ポリアリーレンエーテル)、例えばFlareTM、MSSQ(メチルシルセスキオキサン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、フルオロポリマー、ポリイミド、MSSQ(メチルシルセスキオキサン)、PEEK(ポリエーテルヘルケトン)、ATSP(芳香族熱硬化性ポリエステル)、PVDCポリ塩化ビニリデン)、LCP(液晶ポリマー)、又はワックスのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0053】
発光デバイスは、第1の発光部LE1と第2の発光部LE2との間に配置された第1のカラーフィルタCF1と、第2の発光部LE2と第3の発光部LE3との間に配置された第2のカラーフィルタCF2とをさらに含んでいてもよい。第1のカラーフィルタCF1は、第1の発光部LE1の第1のオーミック層108又は第2の発光部LE2の第2のオーミック層208上に配置されていてもよい。第2のカラーフィルタCF2は、第2の発光部LE2の第2のn型半導体層202、第3の発光部LE3の第3のオーミック層308上に配置されていてもよい。第1のカラーフィルタCF1は、第1の発光部LE1から出射された光を反射し、第2の発光部LE2及び第3の発光部LE3から出射された光を通過させて、第1の発光部LE1から出射された光が第2の発光部LE2及び第3の発光部LE3のそれぞれに影響を与えないようにしてもよい。第2のカラーフィルタCF2は、第1の発光部LE1及び第2の発光部LE2から出射された光を反射して第3の発光部LE3から出射された光を通過させ、第1の発光部LE1及び第2の発光部LE2から出射された光が第3の発光部LE3に影響を与えないようにしてもよい。第1のカラーフィルタCF1及び第2のカラーフィルタCF2は、TiO2とSiO2とが交互に積層されたDBR(Distributed Bragg Reflector)を有している。第1のカラーフィルタCF1は、第2のカラーフィルタCF2とは、TiO2及びSiO2が交互する数及び厚さが異なっていてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第1のカラーフィルタCF1及び第2のカラーフィルタCF2のうちの少なくとも1つを選択的に省略することができる。
【0054】
発光デバイスは、第1のオーミック層108と電気的に結合された第1のパッドPD1と、第2のオーミック層208と電気的に接続された第2のパッドPD2と、第3のオーミック層308と電気的に結合された第3のパッドPD3と、第1のn型半導体層102、第2のn型半導体層202、及び第3のn型半導体層302と電気的に共通に接続された共通パッドCFDとをさらに含むことができる。
図3Aを参照すると、基板100は、上面から見て略四角形の構造を有していてもよく、第1のパッドPD1、第2のパッドPD2、第3のパッドPD3及び共通パッドCPDは、基板100のそれぞれの角部に配置されていてもよい。
【0055】
第1のn型半導体層102、第2のn型半導体層202、及び第3のn型半導体層302は、共通パッドCPDに接続されているように図示されているが、しかし、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、第1のオーミック層108、第2のオーミック層208、及び第3のオーミック層308が共通パッドCPDに結合されていてもよい。
【0056】
図3A及び
図3Bを参照すると、第3の発光部LE3、第2のカラーフィルタCF2、第2の接着部AD2、第2の発光部LE2、第1の接着部AD1、第1のカラーフィルタCF1を貫通し、第1のオーミック層108と第1のパッドPD1とを電気的に接続する第1のビアパターンVA1と、第3の発光部LE3、第2のカラーフィルタCF2、第2の接着部AD2、第2のn型半導体層202、第2の活性層204及び第2のp型半導体層206を貫通し、第2のオーミック層208と第2のパッドPD2とを電気的に接続する第2のビアパターンVA2と、第3のn型半導体層302、第3の活性層304及び第3のp型半導体層306を貫通し、第3のオーミック層308と第3のパッドPD3とを電気的に接続する第3のビアパターンVA3と、をさらに含んでもよい。また、第3の発光部LE3、第2のカラーフィルタCF2、第2の接着部AD2、第2の発光部LE2、第1の接着部AD1、第1のカラーフィルタCF1、第1のオーミック層108、第1のp型半導体層106、及び第1の活性層104を貫通し、第1のn型半導体層102と共通パッドCPDとを電気的に接続する第4のビアパターンVA4と、第3の発光部LE3、第2のカラーフィルタCF2、第2の接着部AD2を貫通し、第2のn型半導体層202と共通パッドCPDとを電気的に接続する第5のビアパターンVA5と、第3のn型半導体層302の一部を貫通し、第3のn型半導体層302と共通パッドCPDとを電気的に接続する第6のビアパターンVA6と、をさらに含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第6のビアパターンVA6は省略されてもよい。
【0057】
図示された例示的な実施形態に係る発光構造体LEDは、縦方向に積層された第1の発光部LE1、第2の発光部LE2、及び第3の発光部LE3を含み、発光デバイスは、第1の発光部LE1、第2の発光部LE2、及び第3の発光部LE3を貫通するビアパターンVA1、VA2、VA3、VA4、VA5、及びVA6を含むものとして図示されているが、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、別の例示的な実施形態によれば、縦方向に積層された第1の発光部LE1、第2の発光部LE2、及び第3の発光部LE3をエッチングすることにより、発光デバイスは、第1のn型半導体層102、第2のn型半導体層202、第3のn型半導体層302、第1のオーミック層108、第2のオーミック層208、及び第3のオーミック層308を露出させた構造を有していてもよい。さらに別の例示的な実施形態によれば、発光デバイスは、第1の発光部LE1、第2の発光部LE2、及び第3の発光部LE3が同一平面上に水平に配置された構造を有していてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、発光デバイスは、1つの発光部を有していてもよい。
【0058】
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図1E、
図2A、
図2B、
図3A、及び
図3Bを参照すると、発光デバイスは、基板100の第1の面SF1上のそれぞれの発光構造体LEDの外側側壁を囲み、隣接する発光構造体LEDの間を実質的に埋める第1の遮光層LS1をさらに含んでもよい。第1の遮光層LS1は、それぞれの発光構造体LEDから発生した光を遮蔽、吸収、又は反射し得る材料であって、それぞれの発光構造体LEDから発生した光が隣接する発光構造体LEDからの光と混合しないような絶縁性を有する材料を含んでいてもよい。 例えば、第1の遮光層LS1は、フォトレジスト、エポキシ、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、ブラックマトリクスなどの材料を含んでいてもよい。
【0059】
発光デバイスは、基板100の第2の面SF2に設けられた粗面RGHの少なくとも一部を露出させる開口部を有する第2の遮光層LS2をさらに含んでいてもよい。第2の遮光層LS2の開口部から露出するそれぞれの粗面RGHは、光取り出し面LEXであってもよい。第2の遮光層LS2は、Ti、Ni、Al、Ag、Crなどの金属を含んでいてもよいし、フォトレジスト、エポキシ、PDMS、ブラックマトリクスなどの材料を含んでいてもよい。
【0060】
例示的な実施形態に係る光取り出し面LEXは、
図1B及び
図2Aのように上面から見た場合、四角形の構造を有するものとして示されている。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、光取り出し面LEXは、実質的に三角形や円形などの実質的に多角形の形状を有していてもよい。
【0061】
図2A及び
図2Bを再び参照すると、図示された例示的な実施形態に係る第2の遮光層LS2は、基板100の側壁SDW上に形成されず、粗面RGHを露出させながら基板100の第2の面SF2上に配置されていてもよい。より詳細には、第2の遮光層LS2は、粗面RGHを覆っていなくてもよい。
【0062】
図1B、
図1C、
図1D、及び
図1Eを再び参照すると、図示された例示的な実施形態に係る第2の遮光層LS2は、基板100の第2の面SF2から基板100の側壁SDWまで延びて、粗面RGHの端部を覆っていてもよい。第2の遮光層LS2の開口部は、粗面RGHの一部を露出していてもよい。開口部の中心は、粗面RGHの中心と同心であってもよい。第2の遮光層LS2のそれぞれの開口部によって露出されたそれぞれの粗面RGHは、光取り出し面LEXであってもよい。
図4Aを参照すると、例示的な実施形態に係る第2の遮光層LS2は、基板100のそれぞれの側壁SDWにおいて実質的に同じ厚さを有し、基板100のそれぞれの側面に傾斜した側面を有していてもよい。
図4Bを参照すると、他の例示的な実施形態に係る第2の遮光層LS2は、基板100のそれぞれの側壁SDW上で、基板100の第2の面SF2から基板100の内側に向かって徐々に減少する厚さを有し、基板100のそれぞれの側壁SDW上に垂直な側面が形成されるようにしてもよい。
【0063】
図1Dを再び参照すると、基板100の第1の面SSF1の凹部CNC上に配置される第1の遮光層LS1と、粗面RGHによって画定される基板100の側壁SDWを覆う第2の遮光層LS2とは、互いに重なる領域を有していてもよい。第1の遮光層LS1と第2の遮光層LS2とが重なる領域は、隣り合う発光構造体LEDの間で光が混合することを防止することができる。
【0064】
図1Eを参照すると、それぞれの粗面RGHの第2の幅W2は、発光領域LEAの第1の幅W1と同じ又はそれ以上であってもよく、第2の遮光層LS2は、それぞれの粗面RGHを比較的厚く覆い、発光領域LEAの第2の幅W2よりも小さい第3の幅W3で光取り出し面LEXを露出させてもよい。隣接する発光構造体LEDから発生した光は、第2の遮光層LS2で覆われた粗面RGHの凹凸パターンCCで拡散反射されて消滅し、消滅しなかった残りの光は、第2の遮光層LS2で吸収、遮蔽、反射されて、混色を防止することができるようになっている。
【0065】
加えて、それぞれの粗面RGHにおいて、第2の遮光層LS2に覆われている粗面RGHの凹凸パターンCCは、第1の粗さを有し、第2の遮光層LS2のそれぞれの開口部から露出している粗面RGHの凹凸パターンCCは、第1の粗さとは異なる第2の粗さを有していてもよい。例えば、
図5Aを参照すると、第1の粗さは、第2の粗さよりも大きくてもよい。別の例として、
図5Bを参照すると、第1の粗さは、第2の粗さよりも小さくてもよい。
【0066】
このように、発光構造体LEDからの光は、第2の遮光層LS2によって縮小された領域から出射される。これにより、発光デバイスのコントラストを向上させることができ、色再現性を向上させることができる。また、第2の遮光層LS2は、第1の遮光層LS1と共に、隣接する発光構造体LEDから発生する光が混ざり合うことを防止することができ、混色を防止することができる。
【0067】
図6Aは、さらに他の例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図であり、
図6Bは、
図6AのA-A’線に沿った断面図である。
図7Aは、さらに他の例示的な実施形態に係る発光デバイスの平面図であり、
図7B及び
図7Cは、
図7AのA-A’線に沿った断面図である。
図8A及び
図8Bは、
図6Bに示された発光デバイスのB部の拡大図である。
図6A及び
図7Aは、基板から見たときの平面図である。
【0068】
図6A、
図6B、
図7A、
図7B及び
図7Cを参照すると、発光デバイスは、基板100と、基板100の第1の面SF1上に縦方向に積層された第1の発光部LE1、第2の発光部LE2及び第3の発光部LE3をそれぞれ含む発光構造体LEDと、基板100の第1の面SF1上の発光構造体LEDの間に配置された第1の遮光層LS1と、基板100の第1の面SF1に対向する第2の面SF2上に配置された第2の遮光層LS2と、を含むことができる。
【0069】
基板100の第1の面SF1は、発光構造体LEDが配置された発光領域LEAと、発光領域LEAを囲み第1の遮光層LS1が配置された遮光領域LSAとを含んでいてもよい。例えば、それぞれの発光領域LEAは、第1の幅W1を有していてもよい。
【0070】
図6B及び
図7Bに示される例示的な実施形態によれば、基板100の第1の面SF1は実質的に平坦であってもよい。
【0071】
図7Cに図示された他の例示的な実施形態によれば、基板100の第1の面SF1は、複数の第1のホールHL1を含んでいてもよい。この場合、遮光領域LSAに配置された第1のホールHL1は、第1の遮光層LS1で満たされてもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されず、いくつかの例示的な実施形態では、発光領域LEAに配置された第1のホールHL1は、空気で満たされていてもよい。
【0072】
図7Cの第1のホールHL1は、基板100の第1の面SF1全体に形成されているように図示されているが、いくつかの例示的な実施形態では、第1のホールHL1は、基板100の第1の面SF1の発光領域LEAのみに選択的に形成されていてもよく、又は、基板100の第1の面SF1の遮光領域LSAのみに選択的に形成されていてもよい。また、第1のホールHL1は、互いに同じ距離だけ離れて規則的に配置されていてもよく、同じ構造を有していてもよい。 いくつかの例示的な実施形態では、第1のホールHL1は、不規則に配置されていてもよく、及び/又は、異なる構造を有していてもよい。
【0073】
さらに、
図7Cの第1の遮光層LS1が充填された第1のホールHL1のそれぞれは、円錐形の構造を有するように図示されているが、いくつかの例示的な実施形態では、第1のホールHL1のそれぞれは、円筒形の構造を有していてもよい。
【0074】
図6Aから
図7Cを参照すると、基板100の第2の面SF2は、複数の第2のホールHL22を含んでいてもよい。例示的な実施形態によれば、第2のホールHL2のそれぞれは、
図8Aに示すように、実質的に円錐形の構造を有していてもよい。別の例示的な実施形態によれば、第2のホールHL2のそれぞれは、
図8Bに示すように、実質的に円筒形の構造を有していてもよい。
【0075】
例えば、第2のホールHL2は、互いに同じ距離だけ離れて規則的に配置されていてもよく、同じ構造を有していてもよい。しかし、いくつかの例示的な実施形態では、第2のホールHL2は、不規則に配置されていてもよく、及び/又は、異なる構造を有していてもよい。
【0076】
なお、
図6B、
図7B、
図7Cの第2のホールHL2は、基板100の第2の面SF2全体に形成されているように図示されているが、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、第2のホールHL2は、光取り出し面LEXに対応する領域のみに選択的に形成されてもよく、基板100の第1の面SF1の発光領域LEAに対応する領域のみに選択的に形成されてもよく、又は、基板100の第1の面SF1の遮光領域LSAに対応する領域のみに選択的に形成されてもよい。
【0077】
例示的な実施形態によれば、第2の遮光層LS2は、第2のホールHL2内に配置されてもよく、発光領域LEAと少なくとも部分的に重なる開口部を含んでいてもよい。開口部は、基板100の第1の面SF1の発光領域LEA内に配置されてもよく、発光領域LEAの第1の幅W1よりも小さい第3の幅W3を有してもよい。開口部によって露出する基板100の第2の面SF2は、光取り出し面LEXであってもよい。光取り出し面LEXは、発光領域LEAの第1の幅W1よりも小さい第3の幅W3を有していてもよい。
【0078】
図6Bの例示的な実施形態によれば、第2の遮光層LS2の開口部内に配置された第2のホールHL2は外部に露出していてもよい。より詳細には、第2の遮光層LS2の開口部内に配置された第2のホールHL2に空気が充填されていてもよい。
図7B及び
図7Cに示された別の例示的な実施形態によれば、第2の遮光層LS2は、開口部内に配置された第2のホールHL2の少なくとも一部に充填されていてもよい。
【0079】
このように、第2の遮光層LS2が発光領域LEAの一部を覆うことで、より小さな面積の光取り出し面LEXを画定しているため、発光デバイスのコントラストを向上させることができる。また、光取り出し面LEX内に配置された複数の第2のホールHL2によって光が拡散反射されるので、発光デバイスの光取り出し性を向上させることができる。第1の遮光層LS1及び第2の遮光層LS2によって、隣り合う発光構造体LEDから発生する光が互いに混ざり合うことを防止することができる。第1の遮光層LS1が充填された第1のホールHL1と、光取り出し面LEXを除く領域に配置された第2の遮光層LS2とが、隣接する発光構造体LEDから発生する光を反射、吸収及び/又は遮蔽することができるので、色再現性を向上させつつ、混色を防止することができる。
【0080】
【0081】
以下、例示的な実施形態に係る発光デバイスの製造方法について説明する。図示された例示的な実施形態では、発光デバイスは、
図1A、
図1B、及び
図1Dに示されたものを参照して説明される。
【0082】
図9から
図13は、例示的な実施形態に係る発光デバイスの製造方法を示す断面図である。
【0083】
図9を参照すると、第1の発光部LE1を形成するために、第1の基板100上に、第1のn型半導体層102、第1の活性層104、第1のp型半導体層106、及び第1のオーミック層108を順次形成してもよい。第1のn型半導体層102、第1の活性層104、及び第1のp型半導体層106は、MOCVD(有機金属化学気相成長)、MBE(分子線エピタキシー)、HVPE(ハイドライド気相成長)、及びMOC(有機金属塩化物)などの成長方法を用いて、第1の基板100上に順次形成されてもよい。なお、第1のオーミック層108は、CVD(Chemical Vapor Deposition)プロセス、PVD(Physical Vapor Deposition)プロセスなどを用いて、第1のp型半導体層106上に形成してもよい。
【0084】
第2の基板上に、第2のn型半導体層202、第2の活性層204、第2のp型半導体層206、及び第2のオーミック層208を順次形成することで、第2の発光部LE2を形成してもよい。第2のn型半導体層202、第2の活性層204、第2のp型半導体層206は、MOCVD、MBE、HVPE、MOCなどの成長法を用いて、第2の基板上に順次形成してもよい。また、第2のオーミック層208は、CVDプロセス、PVDプロセスなどにより、第2のp型半導体層206上に形成してもよい。
【0085】
第2の基板を裏返すことで、第2のオーミック層208が第1のオーミック層108と向き合うように配置され、第2の発光部LE2が第1の接着部AD1を介して第1の発光部LE1に接着されてもよい。第1の発光部LE1と第2の発光部LE2とを接着した後、レーザーリフトオフ(LLO)工程又はケミカルリフトオフ(CLO)工程により、第2の基板を除去してもよい。
【0086】
第3の基板(図示せず)上に、第3のn型半導体層302、第3の活性層304、第3のp型半導体層306、及び第3のオーミック層308を順次形成することで、第3の発光部LE3を形成することができる。第3のn型半導体層302、第3の活性層304、及び第3のp型半導体層306は、MOCVD、MBE、HVPE、MOCなどの成長法を用いて、第3の基板上に順次形成されてもよい。また、第3のオーミック層308は、CVDプロセス、PVDプロセスなどにより、第3のp型半導体層306上に形成してもよい。
【0087】
また、第2の発光部LE2の第2のn型半導体層202と第3の発光部LE3の第3のオーミック層308とが対向するように第3の基板を裏返し、第2の接着部AD2を介して第2の発光部LE2と第3の発光部LE3とを接着してもよい。第2の接着部AD2によって第2の発光部LE2と第3の発光部LE3とを接着した後、LLO工程やCLO工程によって第3の基板を除去してもよい。
【0088】
そして、第3の発光部LE3、第2の発光部LE2、及び第1の発光部LE1をエッチングすることにより、第1のオーミック層108を露出する第1のビアホール(図示せず)、第2のオーミック層208を露出する第2のビアホール(図示せず)、第3のオーミック層308を露出する第3のビアホール(図示せず)、第1のn型半導体層102を露出する第4のビアホール(図示せず)、第2のn型半導体層202を露出する第5のビアホール(図示せず)、及び第3のn型半導体層302を露出する第6のビアホール(図示せず)を形成することができる。
【0089】
本実施形態によれば、第1のビアホール、第2のビアホール、第3のビアホール、第4のビアホール、第5のビアホール及び第6のビアホールを形成する際に、第1の発光部LE1、第2の発光部LE2及び第3の発光部LE3をエッチングして基板100を露出させることにより、発光デバイスを個別に分離することができる。
【0090】
パッシベーション層PVTは、第1のビアホール、第2のビアホール、第3のビアホール、第4のビアホール、第5のビアホール、及び第6のビアホールを少なくとも部分的に充填し、第3のn型半導体層302の上面まで延びるように形成されていてもよい。
【0091】
パッシベーション層PVTをエッチングすることにより、第1のn型半導体層102を第4のビアホールの底面に露出させることができ、第2のn型半導体層202を第5のビアホールの底面に露出させることができ、第3のn型半導体層302を第6のビアホールの底面に露出させることができ、第1のオーミック層108を第1のビアホールの底面に露出させることができ、第2のオーミック層208を第2のビアホールの底面に露出させることができ、第3のオーミック層308を第3のビアホールの底面に露出させることができる。
【0092】
第1のビアホール、第2のビアホール、第3のビアホール、第4のビアホール、第5のビアホール、第6のビアホール内にパッシベーション層PVTと共に、それぞれ第1のビアパターンVA1、第2のビアパターンVA2、第3のビアパターンVA3、第4のビアパターンVA4、第5のビアパターンVA5、第6のビアパターンVA6が形成されてもよい。
【0093】
第1のビアパターンVA1を第1のビアホール内に配置して第1のオーミック層108と電気的に接続することができ、第2のビアパターンVA2を第2のビアホール内に配置して第2のオーミック層208と電気的に接続することができ、第3のビアパターンVA3を第3のビアホール内に配置して第3のオーミック層308と電気的に接続することができ、第4のビアパターンVA4を第4のビアホール内に配置して第1のn型半導体層102と電気的に接続することができ、第5のビアパターンVA5を第5のビアホール内に配置して第2のn型半導体層202と電気的接続することができ、第6のビアパターンVA6を第6のビアホール内に配置して第3のn型半導体層302と電気的に接続することができる。
【0094】
例示的な実施形態によれば、第1のビアパターンVA1、第2のビアパターンVA2、第3のビアパターンVA3、第4のビアパターンVA4、第5のビアパターンVA5、及び第6のビアパターンVA6のそれぞれの上面は、パッシベーション層PVTの上面と同一平面を有してもよい。
【0095】
第1のビアパターンVA1上に第1のビアパターンVA1と電気的に接続される第1のパッドPD1を形成することができ、第2のビアパターンVA2上に第2のビアパターンVA2と電気的に接続される第2のパッドPD2を形成することができ、第3のビアパターンVA3上に第3のビアパターンVA3と電気的に接続される第3のパッドPD3を形成することができ、第4のビアパターンVA4、第5のビアパターンVA5及び第6のビアパターンVA6と共通に電気的に接続される共通パッドCPDを第4のビアパターンVA4、第5のビアパターンVA5及び第6のビアパターンVA6上に形成することができる。
【0096】
図10を参照すると、第3の発光部LE3、第2の発光部LE2、第1の発光部LE1を順次エッチングすることにより、基板100上に形成された発光構造体LEDを個別化することができる。
【0097】
例示的な実施形態によれば、エッチングプロセス中に、基板100の第1の発光部LE1の下の部分がエッチングされてもよい。このように、基板100の第1の面SF1は、発光構造体LEDに覆われる凸部CNVと、エッチングされない凹部CNCとを含んでいてもよい。しかしながら、いくつかの例示的な実施形態では、基板100の第1の面SF1は、
図1C、
図1E、及び
図2Bに示すように、エッチングプロセス中にエッチングされなくてもよい。
【0098】
例示的な実施形態によれば、発光構造体LEDは、所定の傾斜を有する傾斜した側壁を有することができる。しかしながら、本発明の概念はこれに限定されず、いくつかの例示的な実施形態では、発光構造体LEDは、垂直に形成された側壁を有してもよい。
【0099】
図11を参照すると、第1の遮光層LS1は、発光構造体LEDの間に配置されてもよい。例示的な実施形態によれば、第1の遮光層LS1は、基板100の第1の面SF1の凹部CNCに形成されてもよい。また、第1の遮光層LS1は、エッチング工程で形成された基板100の側壁を覆っていてもよい。このようにして、発光領域LEAが画定されてもよい。それぞれの発光構造体LEDが、第3の発光部LE3から第1の発光部LE1に向かって徐々に増加する幅を有する場合、それぞれの発光領域LEAは、それぞれの発光構造体LEDの最大幅と実質的に同じ第1の幅W1を有していてもよい。
【0100】
例えば、第1の遮光層LS1の上面は、発光構造体LEDの第1のパッドPD1、第2のパッドPD2、第3のパッドPD3及び共通パッドCPDの上面と略同一平面上に配置されていてもよい。
【0101】
また、別の例として、
図9に示す工程において、第1のパッドPD1、第2のパッドPD2、第3のパッドPD3、共通パッドCPDを形成しなくてもよい。具体的には、第1の遮光層LS1を形成した後、第1の遮光層LS1上に延びるように、第1のパッドPD1、第2のパッドPD2、第3のパッドPD3及び共通パッドCPDを形成してもよい。
【0102】
図12を参照すると、基板100の第2の面SF2をエッチングすることにより、凹凸パターンCCを含む粗面RGHを形成することができる。
【0103】
特に、基板100の第2の面SF2にマスクパターンを形成し、このマスクパターンをエッチングマスクとして用いてウェットエッチング及び/又はドライエッチングにより第2の面SF2をエッチングすることにより、凹凸パターンCCを形成してもよい。粗面RGHを形成した後、マスクパターンは除去されてもよい。
【0104】
凹凸パターンCCを含む粗面RGHは、発光領域LEAの少なくとも一部に重なるように形成されていてもよい。例示的な実施形態によれば、粗面RGHは、発光領域LEA内に形成されてもよく、第1の幅W1よりも小さい第2の幅W2を有してもよい。粗面RGHの中心は、発光領域LEAの中心と同心であってもよい。別の例示的な実施形態によれば、それぞれの粗面RGHは、
図1Eに示すように、第1の幅W1以上の第2の幅W2を有することができる。粗面RGHの中心は、発光領域LEAの中心と同心であってもよい。
【0105】
図13を参照すると、基板100の第2の面SF2には、第2の遮光層LS2が形成されていてもよい。薄い厚さを有する第2の遮光層LS2は、基板100の第2の面SF2の粗面RGH及び平坦面PLTに沿って連続的に形成されてもよい。
【0106】
例示的な実施形態によれば、基板100の第1の面SF1の凹部CNCに形成された第1の遮光層LS1と、基板100の第2の面SF2の粗面RGHに形成された第2の遮光層LS2とは、互いに重なっていてもよい。
【0107】
図1Dを再び参照すると、第2の遮光層LS2をエッチングすることによって、基板100の第2の面SF2の一部を露出させる開口部が形成され、第2の幅W2よりも小さい第3の幅W3を有する光取り出し面LEXを画定してもよい。
【0108】
例示的な実施形態によれば、
図12に示すエッチング工程に加えて、第2の遮光層LS2をエッチングしながら、粗面RGHのうち第2の遮光層LS2が除去された部分をさらにエッチングしてもよい。このようにして、
図5A及び
図5Bに示すように、粗面RGHの一部を、第2の遮光層LS2に覆われた粗面RGHの部分とは異なる粗さに二次的にエッチングしてもよい。
図5Aを参照すれば、第2の遮光層LS2に覆われた粗面RGHの部分は第1の粗さを有し、第2の遮光層LS2に露出する粗面RGHの部分は第1の粗さよりも大きい第2の粗さを有する。
図5Bを参照すると、第2の遮光層LS2に覆われた粗面RGHの部分は第1の粗さを有し、第2の遮光層LS2に露出する粗面RGHの部分は第1の粗さよりも小さい第2の粗さを有する。
【0109】
いくつかの例示的な実施形態では、粗面RGHは、第2の遮光層LS2を形成した後に形成されてもよい。第2の遮光層LS2を形成した後に粗面RGHを形成する場合、発光デバイスは、
図2A及び
図2Bに示された構造を有してもよい。
【0110】
本明細書では、特定の例示的な実施形態及び実施態様を説明したが、他の実施形態及び修正は、この説明から明らであろう。したがって、本発明の概念は、そのような実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲のより広い範囲、及び当業者には明らかな様々な明らかな変更及び同等の配置に限定されるものである。
【国際調査報告】