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特表2022-506071変更可能な停止角度を有する少なくとも1つの旋回制御部材を備えるゲームコントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】変更可能な停止角度を有する少なくとも1つの旋回制御部材を備えるゲームコントローラ
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/24 20140101AFI20220107BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20220107BHJP
【FI】
A63F13/24
G06F3/0338 411
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523229
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(85)【翻訳文提出日】2021-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2019079016
(87)【国際公開番号】W WO2020084044
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】1859851
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】320010217
【氏名又は名称】ナコン
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ファルク, アラン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデケルクホーブ, アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】デルルー, ヴァランタン
(72)【発明者】
【氏名】アラルト, ヤニック
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AB05
5B087BC02
5B087BC11
5B087BC19
(57)【要約】
組み立てられたシェル(2)と、少なくとも1つの旋回制御部材(3)を備えるゲームコントローラ(1)であって、制御部材は、シェルを貫通し、制御部材(3)は、静止位置から全方向に手動で傾けることができ、そして制御部材は、弾性的に回転して静止位置に戻る。制御部材は、旋回シャフト(300)と、第1ヘッド(32A)および第2ヘッド(32B)とを備え、これらのヘッドは、各々が別々に、ゲームコントローラからシェルを分解することなく、旋回シャフトに着脱可能に組み立てられるために、およびゲームコントローラからシェルを分解することなく、旋回シャフトから分解されるために好適であり、これらのヘッドは、旋回シャフトに組み立てられた第1ヘッドまたは第2ヘッドを備える制御部材が各傾斜方向に対して、手動で停止位置に傾けることが可能であるように適合されており、停止位置では第1ヘッドまたは第2ヘッドは当接しており、制御部材の傾きを、静止位置を基準にした停止角度でブロックすることを可能にし、第1ヘッドで得られる停止角度は、同じ傾斜方向に対して第2ヘッドで得られる停止角度とは異なる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み立てられたシェル(2)と、少なくとも1つの旋回制御部材(3)を備えるゲームコントローラ(1)であって、制御部材(3)は、組み立てられたシェル(2)を貫通し、制御部材(3)は、静止位置から全方向に手動で傾けることができ、そして制御部材(3)は、弾性的に回転して静止位置に戻るゲームコントローラ(1)において、制御部材(3)は、旋回シャフト(300)と、少なくとも第1のヘッド(32A)および第2のヘッド(32B)とを備え、これらのヘッドは、各々が別々に、ゲームコントローラ(1)からシェル(2)を分解することなく、旋回シャフト(300)に着脱可能に組み立てられるために、およびゲームコントローラ(1)からシェル(2)を分解することなく、旋回シャフト(300)から分解されるために好適であり、これらのヘッドは、旋回シャフト(300)に組み立てられた第1のヘッド(32A)または第2のヘッド(32B)を備える制御部材(3)が各傾斜方向に対して、手動で停止位置に傾けることが可能であるように適合されており、前記停止位置では前記第1のヘッドまたは前記第2のヘッドは当接しており、制御部材(3)の傾きを、静止位置を基準にした停止角度(α)でブロックすることを可能にし、第1のヘッドで得られる停止角度(α)の値は、同じ傾斜方向に対して第2のヘッドで得られる停止角度(α)の値とは異なる、ゲームコントローラ。
【請求項2】
制御部材(3)の、その静止位置を基準にした停止角度の値(α)は、制御部材(3)の全ての傾斜方向に対して同一である、請求項1に記載のゲームコントローラ。
【請求項3】
ヘッドまたは各ヘッド(32A,32B,32C)は足(321)を備え、その外面(3210a)は、制御部材(3)が停止位置に傾けられた時に当接することが意図される足(321)の高さ(H)の少なくとも一部分にわたって、円形断面の真っ直ぐな円筒形を形成する、請求項1または2に記載のゲームコントローラ。
【請求項4】
ゲームコントローラは、少なくとも2つの異なる着脱可能なヘッド(32A/32B,32A/32C,32B/32C)、好ましくは、少なくとも3つの異なる着脱可能なヘッド(32A,32B,32C)を備え、各ヘッド(32A,32B,32C)は足(321)を備え、その外面(3210a)は、制御部材(3)が停止位置に傾けられた時に当接することが意図される足(321)の高さ(H)の少なくとも一部分にわたって、円形断面の真っ直ぐな円筒形を形成し、円形断面の複数の外面(3210a)の前記複数の円筒形部分の複数の外径(Dout)は相互に異なる、請求項1または2に記載のゲームコントローラ。
【請求項5】
ゲームコントローラは、内側縁部(40a)を備え、それが制御部材(3)を取り囲み、組み立てられたシェル(2)内の開口部(40b)の境界を定め、その開口部を通して制御部材(3)が配置され、前記内側縁部(40a)は、制御部材(3)が停止位置に傾けられた時に底部回転停止部として作用する、請求項1~4のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【請求項6】
前記内側縁部(40a)によって境界が定められる開口部(40b)は円形である、請求項5に記載のゲームコントローラ。
【請求項7】
ゲームコントローラは、少なくとも、内側縁部(40a)を備える第1の調整要素(40A)および内側縁部(40a)を備える第2の調整要素(40B)を備え、第1および第2の調整要素は(40A;40B)は、それぞれ別々に、ゲームコントローラ(1)のシェル(2)を分解することなく、それらの内側縁部(40a)が制御部材(3)を取り囲むようにゲームコントローラ(1)のシェル(2)に着脱可能に組み立てることができ、そして前記シェル(2)を分解することなく、ゲームコントローラ(1)から取り外すことができ、各調整要素(40A;40B)は、それがシェル(2)に組み立てられる時に、制御部材(3)を各傾斜方向に対して手動で停止位置に傾けることが可能なように適合されており、停止位置では、制御部材(3)は前記調整要素(40A;40B)の内側縁部(40a)に対して当接しており、それにより、制御部材(3)の傾きを、静止位置を基準にした停止角度(α)でブロックすることが可能であり、第1の調整要素(40A)で得られる停止角度(α)の値は、同じ傾斜方向に対して第2の調整要素(40B)で得られる停止角度(α)の値とは異なる、請求項1~6のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【請求項8】
ゲームコントローラは、少なくとも2つの異なる着脱可能な調整要素(40A;40B)、好ましくは少なくとも3つの異なる着脱可能な調整要素を備え、各調整要素の内側縁部(40a)は、円形の開口(40b)の境界を定め、これらの円形の開口(40b)の直径は相互に異なる、請求項1~12のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【請求項9】
制御部材(3)のその静止位置を基準にした停止角度(α)の値は90°未満であり、好ましくは20°~70°である、請求項1~8のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【請求項10】
旋回制御部材(3)の一部分(30)は、組み立てられたシェル(2)の内部に収容され、そこに締結され、ゲームコントローラは、組み立てられたシェル(2)の内部に配置されかつ旋回制御部材(3)の回転を測定するセンサを備える、請求項1~9のいずれかに記載のゲームコントローラ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載のゲームコントローラのアセンブリであって、前記アセンブリは、少なくとも2つの異なる着脱可能なヘッド(32A/32B,32A/32C,32B/32C)、好ましくは、少なくとも3つの異なる着脱可能なヘッド(32A,32B,32C)を備え、着脱可能なヘッドは各々が別個に、ゲームコントローラ(1)の制御部材(3)の一部分を形成することが意図され、制御部材(3)は旋回し、静止位置から全方向に手動で傾けることが可能であり、そのアセンブリでは、着脱可能なヘッド(32A,32B,32C)の各々が足(321)を備え、その外面(3210a)は、円形断面の真っ直ぐな円筒形を、足(321)の高さ(H)の少なくとも一部分にわたって形成し、旋回制御部材(3)の全ての傾斜方向に対して、各ヘッドについて異なる値を有する前記静止位置に対する停止角度(α)が得られるように、円形断面の複数の外面(3210a)の前記複数の円筒形部分の複数の外径(Dout)は相互に異なる、アセンブリ。
【請求項12】
前記アセンブリは、少なくとも2つの異なる着脱可能な調整要素(40A;40B)、好ましくは少なくとも3つの異なる着脱可能な調整要素を備え、着脱可能な調整要素はそれぞれ別々に、ゲームコントローラ(1)のシェル(2)に着脱可能に組み立てられ、そのゲームコントローラ(1)は、少なくとも1つの制御部材(3)を更に備え、制御部材(3)は旋回可能であり、静止位置から全方向に手動で傾けることが可能であり、各調整要素(40A;40B)は内側縁部(40a)を備え、内側縁部(40a)は円形開口部(40b)の境界を定め、内側縁部(40a)は前記調整要素がシェル(2)と共に組み立てられる時に制御部材(3)を取り囲み、旋回制御部材(3)の全ての傾斜方向に対して、各調整要素(40A;40B)に対して異なる値を有する前記静止位置に対する停止角度(α)が得られるように、複数の調整要素(40A;40B)の複数の円形開口部(40b)の複数の直径は相互に異なる、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
請求項1~10のいずれかに記載のゲームコントローラ(1)の旋回制御部材(3)の停止角度(α)を調整する方法であって、前記方法は、ゲームコントローラ(1)のシェル(2)を分解することなく、そして制御部材(3)を、各傾斜方向に対して手動で停止位置に傾けることができるようにし、停止位置において制御部材(3)のヘッド(32A,32B,32C)が当接して、制御部材(3)の傾きをブロックすることが可能なように、制御部材(3)の旋回シャフト(300)にヘッド(32A,32B,32C)のうちの1つを着脱可能に組み立てることを含む、方法。
【請求項14】
請求項7又は8に記載のゲームコントローラ(1)の旋回制御部材(3)の停止角度(α)を調整することを可能にする、請求項13に記載の方法であって、前記方法は、ゲームコントローラ(1)のシェル(2)を分解することなく、制御部材(3)を、各傾斜方向に対して手動で停止位置に傾けることができるようにし、停止位置において制御部材(3)が前記調整要素に対して当接して、制御部材(3)の傾きをブロックすることが可能なように、ゲームコントローラのシェル(2)に調整要素のうちの1つを着脱可能に組み立てることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全方向に傾斜可能な、旋回する「スティック」タイプの、特に「ジョイスティック」または「サムスティック」タイプの、少なくとも1つの旋回制御部材を備えるゲームコントローラの分野に関する。この分野では、本発明は、ゲームコントローラのユーザが、コントローラによって制御されるゲームのタイプにコントローラをより良好に適合させるように、旋回制御部材の応答性を容易に変更することを可能にする改善に関する。
【背景技術】
【0002】
全方向に傾斜可能な、アナログの旋回する「スティック」タイプの、特に「ジョイスティック」または「サムスティック」タイプの、少なくとも1つの旋回制御部材を備えるゲームコントローラを使用してビデオゲームを制御することが今では一般的な方法である。
【0003】
通常、旋回制御部材は中央静止位置を備え、その位置において旋回制御部材は弾性的に回転され、この静止位置を基準にして、2つの直交軸の周りのこの部材の回転を測定する変位センサに結合されている。これら変位センサによって送達されるアナログ測定信号は、ゲームコントローラ内に埋め込まれたソフトウェアによって自動的に処理され、その結果、プレーヤがこの旋回制御部材を手動で作動させると、ビデオゲームと相互作用すること、例えばビデオゲームにおいてキャラクタまたは対象物を移動させること、が可能になる。
【0004】
より具体的には、ビデオゲームを制御するために、コントローラを保持しているプレーヤの右手および左手の親指をそれぞれ使用して互いに独立して作動させることができる、通常はジョイスティックと称され、時には「サムスティック」とも称される、2つの旋回部材を備えるゲームコントローラを使用することが、現在慣例である。
【0005】
このタイプのゲームコントローラは、例えば、以下の文献、すなわち国際公開第2016/200548号、同2016/200615号、同2016/210586号、米国特許第9971420号、同9710072号、同9868058号に記載されている。
【0006】
実際には、そのようなゲームコントローラは、通常、任意の手段によって、例えば、ねじによって、および/または接着によって、および/または溶接によって、一緒に組み立てられた、少なくとも2つのハーフシェルの形で組み立てられたシェルを備える。このシェルは、プレーヤによるコントローラの把持を容易にするように、通常、人間工学的である。
【0007】
コントローラの電子制御手段は、前記組み立てられたシェルの内部に収容される。これら電子制御手段は、特に、
-上述した変位センサ、1つ以上の電子メモリ、
-組み込みソフトウェアを自動的に実行できるプロセッサであって、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGAタイプのプログラマブル電子回路、またはASICタイプの特定の電子回路によって実装できるプロセッサ、
-プロセッサがゲームコンソール等と通信することを可能にするコネクタ、を備える。
【0008】
ジョイスティックタイプの旋回制御部材ごとに、ゲームコントローラのシェルは、旋回制御部材が貫通する開口部を備える。
【0009】
より具体的には、各旋回部材は、シェル内の開口部を貫通する旋回ベース要素であって、その下側端部が、組み立てられたシェルの内部に収容され、変位センサに結合されている、旋回ベース要素と、旋回制御部材を操作するための人間工学的なヘッドであって、例えば、その上面が凹状または凸状の形状で半球状に形成されてもよい、または平坦であってもよいヘッドと、を備える。
【0010】
元々、ヘッドおよび旋回ベース要素は、1つの部品として、または恒久的に一緒に組み立てられたいくつかの部品として作製されたモノリシックユニットを形成するように設計されていた。
【0011】
より最近では、プレーヤが、プレーヤにとって最適な制御部材ヘッドを選ぶことを特に可能にするために、ゲームコントローラの製造業者は、いくつかの容易に交換可能な旋回制御部材ヘッドを有する、「ジョイスティック」タイプのゲームコントローラを提案している。この主題については、上述した文献、すなわち国際公開第2016/200548号、および同2016/200615号を参照することができ、これらは、ゲームコントローラ用の「ジョイスティック」タイプの旋回制御部材のためのソリューションについて記載しており、そのヘッドは旋回ベース要素に着脱可能に取り付けることができ、ヘッドおよび旋回ベース要素を組み立てるための手段は、機械式タイプだけであるか、または少なくとも部分的に磁気タイプであり得る。
【0012】
これまで既知のゲームコントローラでは、「ジョイスティック」タイプの旋回制御部材は、手動で、その静止位置から全方向における極端な位置へと回転して傾けることができる。この極端な位置を本明細書では「停止位置」と称し、この位置では旋回制御部材は当接しており、その傾きがブロックされている。旋回制御部材の傾斜方向のそれぞれに対する停止位置は、旋回制御部材の静止位置を基準にした、旋回制御部材の停止角度を規定することを可能にする。ユーザが旋回制御部材を解放すると、戻しばねタイプの好適な機械式戻り手段によって、旋回制御部材は回転してその静止位置に弾性的に戻る。
【0013】
通常、旋回制御部材の静止位置は中央位置であり、旋回制御部材の停止角度の値は、制御部材の全ての傾斜方向の360°にわたって同じであり、38°程度である。それでもやはり、異なる傾斜方向に対して少なくとも2つの異なる角度値を有する、ゲームコントローラ用の旋回制御部材を提供することが考えられる。
【0014】
ゲームコントローラのタイプに応じて、旋回制御部材の停止位置は異なる方法で得ることができる。
【0015】
第1の既知のタイプのゲームコントローラでは、この停止位置は、下側の回転停止部として、旋回制御部材が貫通した開口部の周辺縁部を使用して、または、この開口部に締結され旋回制御部材を取り囲む取り付けられたリングの内側縁部を使用して得られる。
【0016】
特に国際公開第2016/200548号、および同2016/200615号に記載されている第2の既知のタイプのゲームコントローラでは、停止位置はドーム形の部分によって得られ、この部分は、ゲームコントローラのシェルの内部に収容されている間、旋回制御部材に締結され、上部停止機能により、コントローラのシェルの内部の部分と当接するように適合されている。この上部停止部は、例えば、旋回制御部材が貫通した開口部の近くのシェルの内側部分によって、または、この開口部で締結され旋回制御部材を囲んでいる取り付けられたリングの、シェル内部の部分によって、構成される。
【0017】
特定のビデオゲームについては、そして、例えば格闘ゲームについては、プレーヤができるだけ速く応答できることが望ましく、この目的のために、応答がより速いゲームコントローラを有して、停止位置にある旋回制御部材をできるだけ素早く傾斜方向に移動させることを可能にすることが望ましい。他のタイプのビデオゲームについては、旋回制御部材が停止位置に移動される速度の重要度はより低く、したがって、使用されるゲームコントローラは応答がより遅くてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明の主な目的は、プレーヤが、ゲームコントローラの応答性を容易にかつ迅速に変更すること、特に、その応答性を異なるタイプのビデオゲームに適合させること、を可能にする新規な技術的ソリューションを提案することである。
【0019】
したがって、本発明のより具体的な目的は、プレーヤが、ゲームコントローラの応答を容易にかつ迅速に速くすること、特に、その応答性を格闘ビデオゲームでの使用により適したものにすること、を可能にする新規な技術的ソリューションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
したがって、本発明の主題は、組み立てられたシェルと、少なくとも1つの旋回制御部材を備える制御手段とを備えるゲームコントローラであって、制御部材は、組み立てられたシェルを貫通し、制御部材は、静止位置から全方向に手動で傾けることができ、そして制御部材は、弾性的に回転して静止位置に戻る。
【0021】
本発明によれば、特徴として、制御部材は、旋回シャフトと、少なくとも第1のヘッドおよび第2のヘッドとを備え、これらのヘッドは、各々が別々に、ゲームコントローラのシェルを分解することなく、旋回シャフトに着脱可能に組み立てられるために、およびゲームコントローラのシェルを分解することなく、旋回シャフトから分解されるために好適であり、これらのヘッドは、旋回シャフトに組み立てられた第1のヘッドまたは第2のヘッドを備える制御部材が各傾斜方向に対して、手動で停止位置に傾けることが可能であるように適合されており、前記停止位置では前記第1のヘッドまたは前記第2のヘッドは当接しており、制御部材の傾きを、静止位置を基準にした停止角度(α)でブロックすることを可能にし、第1のヘッドで得られる停止角度(α)の値は、同じ傾斜方向に対して第2のヘッドで得られる停止角度(α)の値とは異なる。
【0022】
より具体的には、本発明によるゲームコントローラは、以下の追加のおよび任意選択の特徴を、単独で、または互いに組み合わせて備えてもよい:
-制御部材の、その静止位置を基準にした停止角度(α)の値は、制御部材の全ての傾斜方向に対して同一である。
-ヘッドまたは各ヘッドは足を備え、その外面は、制御部材が停止位置に傾けられた時に当接することが意図される足の高さの少なくとも一部分にわたって、円形断面の真っ直ぐな円筒形を形成する。
-ゲームコントローラは、少なくとも2つの異なる着脱可能なヘッド、好ましくは、少なくとも3つの異なる着脱可能なヘッドを備え、各ヘッドは足を備え、その外面は、制御部材が停止位置に傾けられた時に当接することが意図される足の高さの少なくとも一部分にわたって、円形断面の真っ直ぐな円筒形を形成し、円形断面の複数の外面の前記複数の円筒形部分の複数の外径は相互に異なる。
-ゲームコントローラは内側縁部を備え、それが制御部材を取り囲み、組み立てられたシェル内の開口部の境界を定め、その開口部を通して制御部材が配置され、前記内側縁部は、制御部材が停止位置に傾けられた時に、底部回転停止部として作用する。
-前記内側縁部によって境界が定められる開口部は円形である。
-ゲームコントローラは、少なくとも、内側縁部を備える第1の調整要素および内側縁部を備える第2の調整要素を備え、第1および第2の調整要素は、それぞれ別々に、ゲームコントローラのシェルを分解することなく、それらの内側縁部が制御部材を取り囲むようにゲームコントローラのシェルに着脱可能に組み立てることができ、そして前記シェルを分解することなく、ゲームコントローラのシェルから取り外すことができ、各調整要素は、それがシェルに組み立てられる時に、制御部材を各傾斜方向に対して手動で停止位置に傾けることが可能なように適合されており、停止位置では、制御部材は前記調整要素の内側縁部に対して当接しており、それにより、制御部材の傾きを、静止位置を基準にした停止角度(α)でブロックすることが可能であり、第1の調整要素で得られる停止角度(α)の値は、同じ傾斜方向に対して第2の調整要素で得られる停止角度(α)の値とは異なる。
-ゲームコントローラは、少なくとも2つの異なる着脱可能な調整要素、好ましくは少なくとも3つの異なる着脱可能な調整要素を備え、各調整要素の内側縁部は、円形の開口の境界を定め、これらの円形開口の直径は相互に異なる。
-制御部材(3)の、その静止位置を基準にした停止角度(α)の値は90°未満であり、好ましくは20°~70°である。
-旋回制御部材の一部分は、組み立てられたシェルの内部に収容され、そこに固定され、ゲームコントローラは、組み立てられたシェルの内部に配置されかつ旋回制御部材の回転を測定するセンサを備える。
【0023】
本発明の別の主題はまた、少なくとも2つの異なる着脱可能なヘッド、好ましくは、少なくとも3つの異なる着脱可能なヘッドを備えるアセンブリであり、着脱可能なヘッドは各々が別個に、ゲームコントローラの制御部材の一部分を形成することが意図され、制御部材は旋回し、静止位置から全方向に手動で傾けることが可能であり、そのアセンブリでは、着脱可能なヘッドの各々が足を備え、その外面は、円形断面の真っ直ぐな円筒形を、足の高さの少なくとも一部分にわたって形成し、旋回制御部材の全ての傾斜方向に対して、各ヘッドについて異なる値を有する前記静止位置に対する停止角度(α)が得られるように、円形断面の複数の外面の前記複数の円筒形部分の複数の外径は相互に異なる。
【0024】
より具体的に、そして任意選択で、前記アセンブリは、少なくとも2つの異なる着脱可能な調整要素、好ましくは少なくとも3つの異なる着脱可能な調整要素を備えてもよく、これらはそれぞれ別々に、ゲームコントローラのシェルに着脱可能に組み立てられ、そのゲームコントローラは、少なくとも1つの制御部材を更に備え、制御部材は旋回可能であり、静止位置から全方向に手動で傾けることが可能であり、各調整要素は内側縁部を備え、内側縁部は円形開口部の境界を定め、内側縁部は前記調整要素がシェルと共に組み立てられる時に制御部材を取り囲み、旋回制御部材の全ての傾斜方向に対して、各調整要素に対して異なる値を有する前記静止位置に対する停止角度(α)が得られるように、複数の調整要素の複数の円形開口部の複数の直径は相互に異なる。
【0025】
本発明の別の主題は、上述したゲームコントローラの旋回制御部材の停止角度を調整する方法でもある。この方法は、ゲームコントローラのシェルを分解することなく、制御部材を、各傾斜方向に対して手動で停止位置に傾けることができるようにし、停止位置において制御部材のヘッドが調整要素に当接して、制御部材の傾きをブロックすることが可能なように、制御部材の旋回シャフトにヘッドのうちの1つを着脱可能に組み立てることを含む。
【0026】
より具体的に、そして任意選択で、前記方法は、ゲームコントローラのシェルを分解することなく、制御部材を、各傾斜方向に対して手動で停止位置に傾けることができるようにし、停止位置において制御部材が前記調整要素に対して当接して、制御部材の傾きをブロックすることが可能なように、調整要素のうちの1つをゲームコントローラのシェルに着脱可能に組み立てることを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の特徴および効果は、本発明のいくつかの具体的な実施形態の下記の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。この具体的な実施形態は、添付の図面を参照して、本発明の非限定的かつ非網羅的な実施例として説明されている。
図1図1は、本発明によるゲームコントローラの変形実施形態の等角斜視図である。
図2図2は、図1のゲームコントローラの旋回制御部材の実施形態の分解図である。
図3図3は、図2の旋回制御部材が、ゲームコントローラのシェルを通して固定された円筒形インサートの開口部を通して組み立てられ取り付けられた後の等角図であり、ゲームコントローラのシェルは図3では示されておらず、旋回制御部材はその静止位置にあり、インサートは上部にリングを備え、リングは旋回制御部材を取り囲む。
図4図4は、図3のアセンブリの断面図である。
図5図5は、制御部材が停止位置に傾いている図3のアセンブリの等角図である。
図6図6は、図5のアセンブリの断面図である。
図7図7は、ゲームコントローラの旋回制御部材の停止角度の3つの異なる対応する設定を得ることが可能な3つの着脱可能なヘッドのセットを示す。
図8図8は、旋回制御部材がいったん組み立てられ、ゲームコントローラのシェル(図示せず)を通して固定された円筒形インサートの開口部を通して取り付けられた時の、図2の旋回制御部材の等角図である。旋回制御部材は、その静止位置にあり、インサートは上部にリングを備え、リングは旋回制御部材を取り囲み、その内径は図3の内径よりも大きい。
図9図9は、制御部材が停止位置に傾いている図8のアセンブリの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、組み立てられたシェル2と、特に2つの旋回制御部材3、すなわちゲームコントローラ1の左の部分に位置する旋回部材3およびゲームコントローラ1の右の部分に位置する旋回部材3と、を備える制御手段とを備える、ゲームコントローラ1の特定の例を示す。
【0029】
組み立てられたシェル2は、それ自身既知である方法によって、上部ハーフシェル2aを備え、上部ハーフシェル2aは、任意の方法で、例えば、ねじなどによって機械的に、および/または接着によって、および/または溶接によって、下部ハーフシェル2bと組み立てられる。
【0030】
この特定の例では、より具体的には、組み立てられたシェル2は、プレーヤが両手でそれを把持することを容易にするように適合された人間工学的な形状を有する。
【0031】
各旋回部材3は、上部ハーフシェル2aの開口部20、より具体的には円形開口部20を貫通する。
【0032】
より具体的には、この特定の実施形態では、図1および図3を参照して、そして本発明に関して非限定的な形で、上部ハーフシェル2aの各円形開口部20において、ゲームコントローラ1は円筒形の管状インサート4を備え、これは、コントローラ2の上部ハーフシェル2aの開口部20に取り付けられ、上部ハーフシェル2aに締結される。このインサート4の上部にはリング40Aが設けられ、その内側縁部40aが、シェル2の開口部20の直径よりも小さい直径の円形開口部40b(図3)の境界を定めている。この管状インサート4が、ゲームコントローラ1の上部ハーフシェル2aの円形開口部20に取り付けられ、締結される時、この管状インサート4の円形開口部40bは、この開口部20に対して中心に置かれる。
【0033】
別の変形実施形態では、ゲームコントローラは、このような管状インサート4を備えなくてもよく、および/またはリング40Aを備えなくてもよい。リング40Aがない場合、上述した内側縁部40aは、ゲームコントローラの上部ハーフシェル2aの開口部20の内側縁部によって置換される。別の変形実施形態では、リング40Aは上部ハーフシェル2aの一体部分であるか、または、管状インサート4に恒久的にもしくは着脱可能に、または上部ハーフシェル2aの開口部20に直接、固定され得るアドオン部品であり得る。
【0034】
図1の特定の実施形態では、各旋回部材3は、「ジョイスティック」タイプの部材であり、ゲームコントローラを保持しているプレーヤの左手の親指または右手の親指によって容易に操作できるように、シェル2の縁部の近くに配置されている。
【0035】
ゲームコントローラ1の各旋回制御部材3は、ここで図2および図4を参照して説明する、いくつかの要素30、31、32Aのモノリシック集合体によって形成され、更に、リング状円筒形の着脱可能な調整リング5Aが設けられている。
【0036】
旋回制御部材3
各旋回制御部材3の要素30(図2)はベース要素であり、これは、ゲームコントローラのシェル2に取り付けられ、それに対して恒久的に固定されることが意図されている。各旋回制御部材3のこのベース要素30は既知であり、したがって、以下では簡潔に説明される。
【0037】
図2を参照すると、このベース要素30は、ケーシング301に対して旋回するように取り付けられた、中心軸線300aを有する円筒形のシャフト(「スティック」)300を備える。この旋回する円筒形のシャフト300は、ケーシング301に対して、図1および図2に示す中央静止位置から全方向に手動で傾けることができ、そしてこれは弾性的に回転して中央静止位置に戻る。このシャフト300の中央静止位置へと弾性的に回転するための手段は既知であり、したがって詳述しない。ばねタイプであるこれら弾性戻り手段は、ケーシング301の内部に収容される。
【0038】
この旋回シャフト300はまた、通常の方法で、アナログ変位センサ、例えば電位差計タイプのセンサ、に結合され、センサはケーシング301の内部に収容され、互いに垂直な2つの回転基準軸線の周りの、このシャフト300の回転角度を測定することを可能にし、この2つの回転基準軸線は、図2のその静止位置にあるシャフト300の中心軸線300aに垂直な平面を画定する。既知のやり方で、これらのセンサはアナログ測定信号を送出する。この信号は、この軸線300aの静止位置を基準にして、シャフト300の中心軸線300aによって各基準回転軸線の周りに形成される角度の瞬時値を特徴付ける。
【0039】
ベース要素30は、ゲームコントローラ1のシェル2の内部に取り付けられ、それに締結され、その結果、一方では、そのケーシング301は、組み立てられたシェル2の内部に完全に収容され、組み立てられたシェル2に締結されており、他方では、その旋回シャフト300は、上述した管状インサート4のリング40の円形開口部40bに垂直に配置され、その円形開口部40bに対して中心に置かれている。
【0040】
各旋回制御部材3の要素31は保護部分であり、対称性を有し、剛性であり、
-下部にあるドーム形状のカップ310と、
-上部にある円筒形アセンブリ末端部品311とを備え、円筒形アセンブリ末端部品は、下部カップ310に対して中心に置かれ、カップ310の中心対称軸線は、この円筒形アセンブリ末端部品311の中心対称軸線と一致する。
【0041】
より具体的には、円筒形アセンブリ末端部品311は空洞311a(図2および図4)を備え、空洞311aは上部が開いており、好ましくは円筒形である底部壁311bおよび側壁311cによって境界が定められている。底部壁は、突出した中央突起311dを備える(図3)。側壁311cは、好ましくは直径方向に対向するアセンブリスロット311eを備える。
【0042】
図3を参照すると、保護要素31は、その下部に中央円筒形ハウジング312を更に備える。この中央円筒形ハウジング312は、ベース要素30の旋回シャフト300が、このハウジング312内にぴったりと嵌まることを可能にするように寸法設定されている。この円筒形ハウジング312の断面および旋回シャフト300の断面は円形ではなく、旋回シャフト300が、このハウジング312内で、その中心軸線の周りに回転することがブロックされることが可能なように選ばれる。要素31は、単に、要素31をベース要素30の旋回シャフト300に軸方向に嵌めることによって取り付けられる。
【0043】
保護要素31のカップ310は、その最大外径がインサート4のリング40の開口部40bの直径よりも大きくなるように、寸法設定されている。要素31のカップは、ベース要素30のシャフト300の旋回を妨げることなく、インサート4の開口部40bを部分的に閉じることを可能にし、そのことが、特に、異物または要素が、組み立てられたシェル2の内部に偶発的に導入されることを回避することを可能にし、更にゲームコントローラ1の美的外観を改善することを可能にする。
【0044】
要素32Aは、旋回制御部材3のヘッドを構成し、いったん取り付けられると、組み立てられたシェルの外側に配置される(図1)。このヘッド32Aは、プレーヤが、好ましくはプレーヤの2本の親指のうちの1本を使用して、旋回制御部材3を操作するのに適した形状および寸法を有する。
【0045】
より具体的には、このヘッド32Aは着脱可能なので、特にゲームコントローラ1からシェル2を分解する必要なく、ユーザが容易にかつ迅速に取り付けるまたは取り外すことができる。
【0046】
この特定の例では、このヘッド32Aは、単一部品、例えば射出されたプラスチックから構成されている。
【0047】
このヘッド32は、実質的に円盤形の上部320と、高さHを有する円筒形の下部321とを備え、下部321は、前記円盤形の上部320に垂直に向いており、前記円盤形の上部320に対して中心に置かれている。この円筒形の下部321は、ヘッド32Aの足を形成する。
【0048】
別の変形実施形態では、実質的に円盤形の上部320と、円筒形の足321は、任意の手段により恒久的または堅固な形で一緒に組み立てられた2つのサブ要素であることができる。
【0049】
ヘッド32Aの上面320aは、例えば、図4に示すように湾曲し凹形であり得る。別の変形例では、ヘッド32Aの上面320aは、例えば半球状で凸状であってもよく、または平面的であってもよい。
【0050】
ヘッド32の円筒形の足321は、円筒形の外側部分3210と、円筒形の外側部分3210の内部に配置された内側部分3211とを備える。
【0051】
より具体的には、足321の円筒形の外側部分3210は外面3210aを備え、それが、足321の高さHの全体にわたって、円形断面の真っ直ぐな円筒形を形成する。
【0052】
別の変形実施形態では、この外面3210aは、足321の高さHの一部分だけにわたって、円形断面の真っ直ぐな円筒形を形成し得る。
【0053】
足321のこの外側部分3210の内側断面は、円筒形の外側部分3210が要素31のアセンブリ末端部品311上を導かれて軸方向にスライドすることを可能にするのにちょうど十分な最小のクリアランスを伴って、この外側部分3210を、要素31のアセンブリ末端部品311に取り付けることを可能にするように選ばれる。
【0054】
後でより明確になるように、足321の外側部分3210の外径を選ぶことにより、旋回制御部材3の停止角度の調整が可能になる。
【0055】
足321の内側部分3211は、直径方向に対向する脚3211aを備え、脚にはそれぞれ、外部アセンブリ突起3211bが設けられている。各アセンブリ突起3211bは、機械的応力の作用下で圧入されることができ、機械的応力がない時に、図2のその静止位置に弾性的に戻ることができ、静止位置では、アセンブリ突起は脚3211aの外側に向かって突出する。足321の内側部分3211はまた、保護部分31の突起311dの形状に適合された下部スリット3211cを備える。
【0056】
ヘッド32Aを保護要素31(図3)と共に組み立てるために、円筒形空洞311aの底部で突出している突起311dがスリット3211cに入るまで、ヘッド32の円筒形足321の内側部分3211を、保護要素31の円筒形アセンブリ末端部品311の円筒形空洞311a内に軸方向に手で挿入すれば十分であり、それは最終的に、保護要素31に対するヘッド32Aの回転をブロックすることを可能にする。この軸方向への挿入の間、各突起3211bが円筒形アセンブリ末端部品311のアセンブリスロット311eの反対側に配置され、このアセンブリスロット311e(図3の構成)に入るまで、各突起3211bは脚3211aの内部に向かって僅かに凹み、それにより、保護要素31に対するヘッド32Aの軸方向ブロックが可能になる。
【0057】
アセンブリ突起3211bの曲げ弾性は、円筒形アセンブリ末端部品311に対して、ヘッド32Aの円筒形内側部分3211が半径方向にクランプされることを更に可能にする。この半径方向クランプは、保護要素31に対するヘッド32Aの偶発的なずれを防止するのに十分に強い。しかしながら、この軸方向への引張りの効果により、突起3211bがその対応するアセンブリスロット311eから去るのに十分なアセンブリ突起3211bの凹みを脚3211aの内部に向かって生じさせるように、ユーザがヘッド32Aに十分な力を加えて手で軸方向に引くことによって、意図的にヘッド32Aを保護要素31から除去することを可能にするには十分に、この半径方向クランプは弱い。
【0058】
したがって、ヘッド32Aは保護要素31の上でプレーヤによって手で容易にかつ迅速に着脱可能であるか、又はゲームコントローラ1からシェル2を分解する必要なく、プレーヤによって手で容易にかつ迅速に取り外すことが可能である。
【0059】
旋回部材および着脱可能調整リングの取り付けおよび組み立て
旋回部材3の取り付けおよびアセンブリは、例えば以下の通りに進めることにより実施される。
【0060】
関連する保護要素31と共に組み立てられた各ベース要素30は、上部ハーフシェル2aまたは下部ハーフシェル2bのうちの1つにおいて所定位置にて締結され、シェル2の内部に収容されることが意図される、ゲームコントローラの電子制御回路に電気的に接続される。
【0061】
この電子制御回路は特に、旋回制御部材3の回転変位センサによって送達される測定信号の自動処理を可能にする。この電子制御回路は、1つ以上の電子メモリと、組み込みソフトウェアを自動的に実行することが可能であって、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGAタイプのプログラマブル電子回路、またはASICタイプの特定電子回路によって実装できるプロセッサと、プロセッサがゲームコンソール等と通信することを可能にする1つ以上のコネクタと、を備えることができる。
【0062】
次に、各開口部20に管状インサート4が設けられている上部ハーフシェル2aは、下部ハーフシェル2b上に配置され、その結果、その中央静止位置にあって保護要素31を支持している、各旋回制御部材30のシャフト300は、管状インサート4の円形開口部40bに対して垂直に向けられ、そしてこの円形開口部40bに対して中心に置かれる。最後に、2つのハーフシェル2a、2bは、例えばねじによって、一緒に組み立てられる。
【0063】
いったん2つのハーフシェル2a、2bが組み立てられて、図3に示すようなゲームコントローラ1のシェル2が形成されたら、管状インサート4の円形開口部40bに対してやはり中心に置かれている、保護要素31の円筒形アセンブリ末端部品311は、好ましくは、インサートの開口部40bを貫通し、組み立てられたシェル2の外側に突出し、その結果、円筒形アセンブリ末端部品は、組み立てられたシェル2の外側に少なくとも部分的に位置し、容易にアクセス可能である。
【0064】
上述した組み立てステップは、工場において実施される。
【0065】
ユーザは、ヘッド32Aを、保護要素31の円筒形アセンブリ末端部品311上に軸方向にかつ着脱可能に固定することにより、ヘッド32Aを保護要素31の上に固定することができる。
【0066】
旋回制御部材3の停止角度
管状インサート4の中心対称軸線が、図3ではAで参照されている。すなわち、この特定の実施形態では、これは、このインサート4の上部リング40Aの内側縁部40aによって組み立てられたシェル2内で境界が定められる円形開口部40bの中心対称軸線である。
【0067】
この図3では、旋回制御部材3はその中央静止位置にあり、その対称軸線3aは、この中央静止位置において、円形開口部40bの中心対称軸線Aと一致する。
【0068】
上述したように、ゲームコントローラ1のユーザは、この制御部材3を、図3の中央静止位置に対して傾けることにより、手動で全方向に回転させることができる。ゲームコントローラ1のユーザがこの制御部材3を解放すると、制御部材3は図3のその中央静止位置に弾性的に戻る。
【0069】
その傾斜方向にかかわらず、制御部材3(図5/回転R)は、例えば、図5に示すような停止位置に到達するまで傾斜されることができる。この停止位置では、足321の円筒形外面3210aが当接しており、したがって、この停止位置では旋回制御部材3を傾けることがブロックされる。したがって、足321の円筒形外面3210aにより、旋回制御部材3を傾ける最大行程を調整することが可能になる。
【0070】
図5の特定の場合では、リング40Aの内側縁部40aは、その外周全体にわたって制御部材3を取り囲んでいる。制御部材3の停止位置では、制御部材3はヘッド32の足321によってリング40Aの内側縁部40aに対して当接し、リング40Aの内側縁部40aは、弱い回転停止機能を果たす。
【0071】
制御部材3の停止位置は、停止角度αによって特徴付けられ(図5)、停止角度αは、制御部材3の所定の傾斜方向に対して、2本の中心対称軸線Aおよび3aによって形成される最大角度に対応する。
【0072】
添付図面の実施形態では、本発明に関して非限定的に、停止角度αの値は、好ましくは、制御部材3の傾斜方向の全てに対して同じである。
【0073】
他の変形実施形態では、停止角度の値αは、制御部材3の少なくとも2つの傾斜方向に対して異なっていてもよく、および/または開口部40bの形状は必ずしも円形ではなく、例えば多角形のタイプまたは楕円形のタイプであってもよく、および/または静止位置は必ずしも中央位置ではなく、および/または足321の円筒形外面3210aの断面は必ずしも円形である必要はなく、例えば多角形のタイプまたは楕円形のタイプであってもよい。
【0074】
典型的には、ゲームコントローラの旋回制御部材3の停止角度の値は、90°未満であり、通常は20°~70°である。
【0075】
第1の変形例:制御部材(3)のヘッド(32A、32Bまたは32C)を選択することによる停止角度の調整
本発明の代替実施形態では、ゲームコントローラ1のユーザは、いくつかの異なる着脱可能なヘッド(旋回制御部材ごとに少なくとも2つの異なるヘッド)、例えば、上述した着脱可能なヘッド32A、および図7で32Bおよび32Cで参照される着脱可能なヘッド、を随意に有する。
【0076】
これらの着脱可能なヘッド32A、32B、および32Cは足321を有し、各ヘッド32A、32B、32Cが同じ保護要素31上に弾性的に着脱可能に嵌まることが可能なように、その内側部分3211は同一であり、その外側部分3210は同じ内側断面、特に同じ内径を有する。着脱可能なヘッド32A、32B、および32Cの足321は、好ましくは同じ高さHを有する。
【0077】
逆に、例えば異なる厚さの円筒形の外側部分3210を使用することにより、着脱可能なヘッド32A、32B、および32Cの足321の円筒形の外面3210aの外径Doutは異なる。
【0078】
制御部材3の停止角度αの値は、着脱可能なヘッド32A、32B、32Cの足321の外径Doutに依存する。この外径が大きいほど停止角度αの値は小さくなり、逆も同様である。
【0079】
図7の特定の例では、ヘッド32Aは、最小の外径Doutを有する。このヘッド32Aは、最大の停止角度の値αを得ることを可能にし、例えば46°の停止角度を可能にする。
【0080】
ヘッド32Cは、最大の外径Doutを有する。このヘッド32Cは、最小の停止角度の値αを得ることを可能にし、例えば30°の停止角度を可能にする。
【0081】
ヘッド32bは、ヘッド32Aおよび32Cの外径Doutの間に外径Doutを有し、したがって、中間の停止角度の値αを、例えば38°の停止角度αを得ることを可能にする。
【0082】
停止角度αの値が小さいほど、ゲームコントローラの旋回制御部材3の応答は速くなり、逆もまた同様である。
【0083】
着脱可能なヘッド32A、32B、32Cのおかげで、コントローラのユーザは、ユーザのゲームコントローラ1の旋回制御部材3の応答性を非常に容易にかつ非常に迅速に都合よく調整して、特に、この応答性を、ユーザがプレーすることを望むゲームのタイプに、より適したものにすることができる。ユーザがしなければならないことは、ユーザが旋回制御部材3に対して望む応答性に対応する外径Doutを有するヘッド32A、32B、32Cを選び、組み立てられたシェル2をゲームコントローラ1から分解する必要なく、この着脱可能なヘッドをゲームコントローラ1に適合させること、だけである。
【0084】
したがって、ゲームコントローラのユーザが、例えば格闘ゲームをプレーするために、応答がより速いコントローラを持ちたいと望む場合、ユーザは、ユーザのゲームコントローラ1に、最小の停止角度αを得ることを可能にする着脱可能なヘッド32Cを装着することを選ぶことができる。ゲームコントローラのユーザが、応答がより遅いコントローラを持ちたいと望む場合、ユーザは、ユーザのゲームコントローラ1に、より大きい停止角度の値αを得ることを可能にする着脱可能なヘッド32A又は32Bを装着することを選ぶことができる。
【0085】
この第1の変形例(いくつかの着脱可能なヘッド)はリング40Aを用いて実装することができる。このリングは、着脱可能ではなく、例えばインサート4に恒久的に固定されることにより、または、このインサート4の一体部分として、ゲームコントローラ1のシェル2に恒久的に固定される。
【0086】
第2の変形例:着脱可能リング(40A、40B)を選択することによる停止角度の追加の調整
第2の変形実施形態では、ゲームコントローラ1のユーザは、ヘッド32A、32B、または32Cに加えて、いくつかの異なるリング(旋回制御部材3ごとに少なくとも2つの異なるリング)、例えば、前述した図3図6に示すリング40A、および図8および図9に示すリング40Bなど、を随意に有する。
【0087】
この第2の変形例では、各リング40A、40Bは、シェル2を分解することなく、コントローラのシェル2に、より具体的にはインサート4に、着脱可能に固定すること、より具体的には嵌めることができ、そして、シェル2を分解することなく取り外すこともできる。
【0088】
リング40Aおよび40Bの内部断面は異なり、より具体的には、特に添付図面の特定の例では、リング40Aの内側縁部40aは円形開口部40b(図3および図4)を画定し、(図8および図9の)直径は、リング40Aの内側縁部40aによって境界が定められる円形開口部40bの直径よりも小さい。
【0089】
制御部材3の停止角度αの値は、リング40Aまたは40Bの内側縁部40aによって境界が定められる、この円形開口部40bの内径に依存する。この内径が小さいほど停止角度αの値は小さくなり、逆も同様である。
【0090】
それにより、制御部材(例えば図3図4図8、および図9のヘッド32A)に対して、同じヘッドを、より小さい内径のリング40Aと共に使用することにより、制御部材の各傾斜方向に対して停止角度α(図5および図6)が得られ、その値は、これと同じ傾斜方向に対して、より大きい内径のリング40Bと共に得られる停止角度αの値(図9)よりも小さいことになる。
【0091】
異なる内径の着脱可能なリング40A、40Bを実装するおかげで、コントローラのユーザは、ユーザのゲームコントローラ1の旋回制御部材3の応答性を非常に容易にかつ非常に迅速に都合よく調整して、特に、この応答性を、ユーザがプレーすることを望むゲームのタイプに、より適したものにすることができる。ユーザがしなければならないことは、ユーザが旋回制御部材3に対して望む応答性に対応する内径を有するリング40Aまたは40Bを選び、シェル2をゲームコントローラ1から分解する必要なく、この着脱可能なリング40Aまたは40Bをゲームコントローラ1のシェル2に取り付けること、だけである。
【0092】
より具体的には、例えば、使用されるヘッドごとに3つの異なる対応する停止角度の値を得るように寸法設定されている、3つの異なる着脱可能なリングを実装することが可能である。
【0093】
この場合、停止角度αの値の可能性の数を増加させることは有利である。
【0094】
他の変形実施形態(非網羅的リスト)
本発明は、添付図面の特定の変形実施形態に限定されない。
【0095】
非網羅的な形で、特に本発明は、特定の構造に、および添付の図面に示されるヘッド32A,32B,32Cの特定の寸法に限定されない。
【0096】
ヘッド32A,32B,32Cは、必ずしも、殊更に手の親指によって操作されるように適合されているわけではなく、本発明は、より一般的には、特に制御部材3のヘッド32A,32B,32Cの構造、形状、寸法、および構成材料にかかわらず、手動で操作され得るいかなる旋回制御部材3にも、より一般的に展開される。例えば、制御部材3は、片手の2本の指によって、または手全体によって握ることができる「ジョイスティック」タイプの旋回「スティック」であり得る。
【0097】
ヘッド32A,32B,32Cが着脱可能であるとき、ベース要素30とともにヘッドを組み立てる手段は前述した手段とは異なっていてもよく、着脱可能なヘッドは、例えば、磁石等にねじ留めする、または磁石等によって組み立てることが可能である。
【0098】
添付図面の変形例の保護要素31は任意選択であり、省略され得る。この場合、旋回制御部材3のヘッドは、中間部分31なしで、ベース要素30の旋回シャフト300に直接取り付けられることができる。
【0099】
本発明では、リング40Aまたは40Bは、停止角度αを調整するための要素であり、円形である開口部40bの境界を定める内側縁部を備える。
【0100】
別の変形例では、この開口部40bは円形でなくてもよく、例えば、多角形または楕円形であってもよい。
【0101】
添付図面の変形例のインサート4は任意選択であり、省略され得る。この場合、リング40Aまたは40Bを、場合によっては恒久的にまたは着脱可能に、ゲームコントローラのシェル2の開口部の縁部に直接固定することができる。また、リングが着脱可能でない場合は、このリング40Aまたは40Bを、ゲームコントローラ1のシェル2の一体部分とすることができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】