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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】喫煙代用消耗品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/17 20200101AFI20220107BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20220107BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20220107BHJP
【FI】
A24D3/17
A24F40/40
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523356
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2019079153
(87)【国際公開番号】W WO2020089060
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】1817549.7
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517211274
【氏名又は名称】ネルディア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】ケイト・フェリー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ロス・シェントン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ロード
(72)【発明者】
【氏名】ミド・エルミー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ベッソン
(72)【発明者】
【氏名】キム・クリスチャン・ジェプセン
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045BA02
4B045BC15
4B045BC16
4B162AC08
(57)【要約】
本開示は、エアロゾル形成基質(2)を含むエアロゾル形成物品(1)に関し、物品は、上流フィルタ要素(4)と、物品の軸方向下流端に位置する末端フィルタ要素(5)とをさらに含む。末端フィルタ要素、および任意選択で上流フィルタ要素は、中空フィルタである。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基質を含むエアロゾル形成物品であって、中空フィルタ要素である、前記物品の軸方向下流端に位置する末端フィルタ要素と、上流フィルタ要素、上流エアロゾル冷却要素、および上流スペーサ要素のうちの1つまたは複数とをさらに含む、物品。
【請求項2】
前記末端フィルタ要素における孔の内径が、1~3mmである、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記上流フィルタ要素を含み、前記上流フィルタ要素が中空フィルタ要素である、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記上流フィルタ要素における孔の内径が、前記末端フィルタ要素における孔の内径より大きい、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記末端フィルタ要素を形成するフィルタ材料の密度が、前記上流フィルタ要素を形成するフィルタ材料の密度より大きい、請求項3または4に記載の物品。
【請求項6】
前記上流フィルタ要素および末端フィルタ要素が、軸方向に隔置される、請求項3から5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記エアロゾル冷却要素をさらに含み、前記上流フィルタ要素および末端フィルタ要素が、前記エアロゾル冷却要素によって隔置される、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記スペーサ要素をさらに含み、前記上流フィルタ要素および末端フィルタ要素が、前記スペーサ要素によって隔置される、請求項6に記載の物品。
【請求項9】
前記スペーサ要素が紙筒である、請求項1から8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記エアロゾル冷却要素が、プラスチック材料の圧着/収集シートを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の喫煙代用物品と、加熱要素を含むデバイスとを含む、システム。
【請求項12】
前記デバイスが、前記加熱要素を収容するための本体を含み、前記加熱要素が、細長い加熱要素を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
請求項11または12に記載のシステムを使用する方法であって、
前記物品を前記デバイスに挿入することと、
前記加熱要素を使用して前記物品を加熱することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記物品を前記デバイスの本体内の空洞に挿入することと、前記物品を挿入するとき、前記加熱要素を前記物品に貫入させることとを含む、請求項13に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙代用システムで使用するための消耗品に関し、それだけには限らないが詳細には、非燃焼加熱式(heat-not-burn:HNB)消耗品に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコの喫煙は、喫煙者を、潜在的に有害な物質にさらすものと一般的にみなされている。タバコが燃えること、および/またはタバコの燃焼によって引き起こされる熱、ならびにタバコの煙それ自体における燃えたタバコの成分を通して、著しい量の潜在的に有害な物質が生成されると一般的に考えられている。
【0003】
シガレットなどの従来の可燃性喫煙物品は、通常、ラッパーによって取り囲まれたタバコの細片を含む円柱状のタバコロッドを含み、通常は、巻かれたタバコロッドと当接関係で軸方向に位置合わせされた円柱状フィルタも含む。フィルタは、通常、プラグラップによって外接された濾過材料を含む。巻かれたタバコロッドおよびフィルタは、フィルタの長さ全体および巻かれたタバコロッドの隣接部分に外接する巻かれた帯状のチップペーパーによって一緒にまとめられる。このタイプの従来のシガレットは、フィルタとは反対の位置にある端部に火をつけて、タバコロッドを燃やすことによって使用される。喫煙者は、シガレットの口側端またはフィルタ端で吸い込むことによって、自身の口から主流煙を受け入れる。
【0004】
タバコなどの有機材料の燃焼は、タールおよび他の潜在的に有害な副産物を生み出すことが知られている。タバコの喫煙を回避するために、さまざまな喫煙代用システム(または「代用喫煙システム」)が提案されている。
【0005】
そのような喫煙代用システムは、喫煙をやめ、ニコチンへの依存を克服することを望む人々に向けたニコチン置換療法の一部を形成することができる。
【0006】
喫煙代用システムは、エアロゾル(「蒸気」とも呼ばれる)を生み出すことによって、ユーザが喫煙の行為をシミュレートするのを可能にする電子システムを含み、エアロゾルは、口を通って肺の中に吸い込まれ(吸入され)、次いで吐き出される。吸入されたエアロゾルは、通常、従来の喫煙に関連付けられた匂いおよび健康リスクのない、または匂いおよび健康リスクがより少ない、ニコチンおよび/または風味付けを有している。
【0007】
一般に、喫煙代用システムは、従来の喫煙および可燃性タバコ製品で体験したものと同様の体験および満足感をユーザに提供しながら、喫煙の習慣的行為の代用を提供することを意図している。いくつかの喫煙代用システムは、喫煙代用物品を使用し、そのような喫煙代用物品は、従来のシガレットに似せて設計されており、一端にマウスピースのついた円柱状の形である。
【0008】
喫煙代用システムの人気および使用は、過去数年間で急速に成長している。もともとはタバコの喫煙をやめたいと望む常習的な喫煙者を支援する補助として市販化されたものの、消費者は、喫煙代用システムを、望ましいライフスタイルの付属品としてますます見るようになっている。
【0009】
いくつかの異なるカテゴリの喫煙代用システムが存在し、その各々が、異なる喫煙代用アプローチを利用する。
【0010】
喫煙代用システムのための1つのアプローチが、いわゆる「非燃焼加熱式」(「HNB」)アプローチであり、このアプローチでは、タバコ(「eリキッド」ではない)は、加熱され、または加温されて蒸気を放出する。タバコは、葉タバコであっても再構成タバコであってもよい。蒸気は、ニコチンおよび/または風味付けを含有することができる。HNBアプローチにおいて、その意図は、タバコが燃やされずに加熱され、すなわちタバコが燃焼を受けないことである。
【0011】
典型的なHNB喫煙代用システムは、デバイスおよび消耗品を含むことができる。消耗品は、タバコ材料を含むことができる。デバイスおよび消耗品は、物理的にともに結合されるように構成されてよい。使用において、デバイスの加熱要素によってタバコ材料に熱が付与されてよく、タバコ材料を通る空気流が、タバコ材料における湿気を蒸気として放出させる。蒸気はまた、タバコ材料におけるキャリア(このキャリアは、たとえばプロピレングリコールおよび/または野菜グリセリンを含むことができる)、加えて、タバコから放出される揮発性化合物から形成されてもよい。放出された蒸気は、タバコを通して吸い込まれた空気流に同伴されてよい。
【0012】
入口からマウスピース(出口)へと、蒸気が消耗品を通過する(空気流に同伴される)とき、蒸気は、冷え、凝結して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成する。エアロゾルは、通常、揮発性化合物を含有する。
【0013】
HNB喫煙代用システムにおいては、タバコ材料を燃やすこととは対照的に、加熱することにより、喫煙中に通例生み出されるより多くの有害な化合物をより少なくさせる、またはより少量にさせると信じられている。結果として、HNBアプローチは、タバコが燃えること、タバコの燃焼、および熱分解(pyrolytic)劣化を通して生じ得る、匂いおよび/または健康リスクを低減することができる。
【0014】
ユーザ体験を強化し、HNB喫煙代用システムの機能を改善するために、HNB消耗品の改善された設計が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本開示は、上記の課題に鑑みて考案された。
【課題を解決するための手段】
【0016】
最も一般的に、本開示は、その軸方向下流端に中空フィルタを有するエアロゾル形成物品、たとえばHNB消耗品などの喫煙代用物品に関する。
【0017】
第1の態様によれば、エアロゾル形成基質を含むエアロゾル形成物品(たとえば、HNB消耗品などの喫煙代用物品)が提供され、物品は、中空フィルタ要素である、物品の軸方向下流端に位置する末端フィルタ要素と、上流フィルタ要素、上流エアロゾル冷却要素、および上流スペーサ要素のうちの1つまたは複数とをさらに含む。
【0018】
末端フィルタ要素は、揮発性化合物および目に見える蒸気を豊富に含んだままのエアロゾルのユーザの口への送達(中空孔を通る)を可能にする。末端中空フィルタはまた、吸込み抵抗(RTD)を低減させ、ユーザにとってより快適な喫煙体験を提供する。さらに、末端中空フィルタは、孔の中の局所的な空気流速度を増大させることによって蒸気混合効果に寄与する空気流量制限器として作用する。
【0019】
存在する場合、上流フィルタ要素(すなわち、末端フィルタ要素の上流であるが、エアロゾル形成基質の下流に位置する)は、エアロゾル形成基質の加熱中に生成される蒸気/エアロゾルから粒子物質を濾過するように作用する。存在する場合、上流冷却要素は、ユーザの吸入前に蒸気を冷却するように作用し、したがってユーザにとっての快適さを増大させる。存在する場合、スペーサ要素は、エアロゾル形成基質から生成される蒸気を冷却および混合するように作用する。
【0020】
任意選択の特徴について、次に説明する。これらは、単独で、または任意の態様との任意の組合せで、適用可能である。
【0021】
本明細書では、用語「上流」および「下流」は、蒸気/エアロゾルの流れ方向を指すことを意図しており、すなわち物品/消耗品の下流端は、エアロゾルがユーザによる吸入のために物品/消耗品を出る口側端または出口である。物品/消耗品の上流端は、下流端とは反対の位置にある端部である。
【0022】
末端フィルタ要素における孔の内径は、1~3mmとしてよい。たとえば、孔の内径は、実質上約1mmまたは2mmまたは3mmとしてよい。
【0023】
上流フィルタ要素もまた、中空フィルタ要素としてよく、それによりエアロゾル中の揮発性化合物濃度がさらに増大し、吸込み抵抗がさらに低減され、蒸気の混合がさらに増大する。
【0024】
上流フィルタ要素における孔の内径は、末端フィルタ要素における孔の内径より大きくてよい。たとえば、孔の内径は、実質上約2mmまたは3mmまたは4mm、すなわち2~4mmとしてよい。
【0025】
いくつかの例において、上流フィルタ要素の内部口径は約3mmであり、末端フィルタ要素の内径は約2mmである。
【0026】
上流および/または末端フィルタ要素は、酢酸セルロースまたはポリプロピレンのトウから構成されてよい。上流および/または末端フィルタ要素は、活性炭から構成されてよい。上流および/または末端フィルタ要素は、紙から構成されてよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、空気流を末端フィルタ要素内の孔に通すために、末端フィルタ要素を形成する材料の密度が増大され、たとえば上流フィルタ要素を形成する材料の密度より大きい。末端中空フィルタは、実質上中実/非多孔質の材料から形成されてよい。
【0028】
フィルタ要素または各フィルタ要素は、プラグラップ、たとえば紙プラグラップによって外接されてよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、上流フィルタ要素および末端フィルタ要素は、軸方向に隔置されてよく、たとえば、上流フィルタ要素および末端フィルタ要素は、冷却要素および/またはスペーサ要素によって隔置されてよい。
【0030】
エアロゾル冷却要素は、エアロゾル形成基質から生成(熱交換による)されたエアロゾルを、ユーザによって吸入される前に冷却するように適合される。エアロゾル冷却要素は、末端フィルタ要素に軸方向に隣接してよい。エアロゾル冷却要素は、上流フィルタ要素に軸方向に隣接してよい。
【0031】
エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)からなる群から選択されたプラスチック材料から形成されてよい。エアロゾル冷却要素は、複数の長手方向チャネルを有する表面積の大きい構造を形成して、エアロゾルの熱交換および冷却を最大化するために、材料の圧着/収集シートから形成されてよい。
【0032】
スペーサ要素は、空間または空洞またはチャンバ、たとえば2つのフィルタ間の空間または空洞を画定する。スペーサは、エアロゾルの冷却および混合の両方を可能にするように作用する。スペーサ要素は、末端フィルタ要素に軸方向に隣接してよい。スペーサ要素は、上流フィルタ要素に軸方向に隣接してよい。
【0033】
スペーサ要素は、管状要素、たとえば紙筒としてよい。
【0034】
スペーサ要素は、5~10mm、たとえば6~9mmまたは6~8mm、たとえば約7mmの外径を有することができる。スペーサ要素は、10~15mm、たとえば12~14mmまたは13~14mm、たとえば約14mmの軸方向の長さを有することができる。
【0035】
物品/消耗品は、エアロゾルを形成することができる少なくとも1つの揮発性化合物を放出するために加熱することが可能なエアロゾル形成基質を含む。エアロゾル形成基質は、物品/消耗品の上流端に位置してよい。
【0036】
エアロゾルを生成するために、エアロゾル形成基質は、少なくとも1つの揮発性化合物を含み、そのような揮発性化合物は、蒸発/エアロゾル化されるように意図され、吸入されるときに、ユーザに、気晴らし効果および/または薬用効果を提供することができる。好適な化学的および/または生理学的に活性な揮発性化合物は、ニコチン、コカイン、カフェイン、アヘン剤およびオピオイド、カチンおよびカチノン、カバラクトン、mysticin、ベータ・カルボリンアルカロイド、サルビノリンAからなる群を、上記の任意の組合せ、機能的等価物、および/または合成の代替物と一緒に含む。
【0037】
エアロゾル形成基質は、植物材料を含むことができる。植物材料は、Amaranthus dubius、 Arctostaphylos uva-ursi (Bearberry)、 Argemone mexicana、 Amica、 Artemisia vulgaris、 Yellow Tees、 Galea zacatechichi、 Canavalia maritima (Baybean)、 Cecropia mexicana (Guamura)、 Cestrum noctumum、 Cynoglossum virginianum (wild comfrey)、 Cytisus scoparius、 Damiana、 Entada rheedii、 Eschscholzia califomica (California Poppy)、 Fittonia albivenis、 Hippobroma longiflora、 Humulus japonica (Japanese Hops)、 Humulus lupulus (Hops)、 Lactuca virosa (Lettuce Opium)、 Laggera alata、 Leonotis leonurus、 Leonurus cardiaca (Motherwort)、 Leonurus sibiricus (Honeyweed)、 Lobelia cardinalis、 Lobelia inflata (Indian-tobacco)、 Lobelia siphilitica、 Nepeta cataria (Catnip)、 Nicotiana species (Tobacco)、 Nymphaea alba (White Lily)、 Nymphaea caerulea (Blue Lily)、 Opium poppy、 Passiflora incamata (Passionflower)、 Pedicularis densiflora (Indian Warrior)、 Pedicularis groenlandica (Elephant´s Head)、 Salvia divinorum、 Salvia dorrii (Tobacco Sage)、 Salvia species (Sage)、 Scutellaria galericulata、 Scutellaria lateriflora、 Scutellaria nana、 Scutellaria species (Skullcap)、 Sida acuta (Wireweed)、 Sida rhombifolia、 Silene capensis、 Syzygium aromaticum (Clove)、 Tagetes lucida (Mexican Tarragon)、 Tarchonanthus camphoratus、 Tumera diffusa (Damiana)、 Verbascum (Mullein)、 Zamia latifolia (Maconha Brava)を含むリストから選択された少なくとも1つの植物材料を、上記の任意の組合せ、機能的等価物、および/または合成の代替物と一緒に含むことができる。
【0038】
好ましくは、植物材料は、タバコである。任意のタイプのタバコが使用されてよい。これは、それだけに限定されるものではないが、鉄管乾燥タバコ、バーレイタバコ、メリーランドタバコ、暗色空気乾燥タバコ、オリエンタルタバコ、暗色火干タバコ、ペリックタバコ、およびルスチカタバコを含む。これはまた、上述したタバコのブレンドを含む。
【0039】
タバコ植物の任意の好適な部分が使用されてよい。これは、葉、茎、根、皮、種、および花を含む。
【0040】
タバコは、葉タバコ、茎タバコ、タバコ粉末、タバコダスト、タバコ派生物、膨化タバコ、均質タバコ、刻みタバコ、押出しタバコ、刻みラグタバコ、および/または再構成タバコ(たとえば、スラリーリーコンまたは紙リーコン)の1つまたは複数を含むことができる。
【0041】
エアロゾル形成基質は、均質(たとえば、紙/スラリーリーコン)タバコの収集シート、またはそのようなシートから形成された収集細片/ストリップを含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成基質を形成するために使用されるシートは、100g/m以上、たとえば120g/m以上など110g/m以上の坪量を有する。
【0043】
シートは、300g/m以下、たとえば250g/m以下、または200g/m以下の坪量を有することができる。
【0044】
シートは、120~190g/mの坪量を有することができる。
【0045】
エアロゾル形成基質は、少なくとも50重量%の植物材料、たとえば少なくとも60重量%の植物材料、たとえば約65重量%の植物材料を含むことができる。エアロゾル形成基質は、80重量%以下の植物材料、たとえば75または70重量%以下の植物材料を含むことができる。
【0046】
エアロゾル形成基質は、湿潤剤、風味剤、充填剤、水性/非水性溶媒、および結合剤から選択された1つまたは複数の添加物を含むことができる。
【0047】
湿潤剤は、蒸気の生成元として提供されており、結果として生じる蒸気は、揮発性の活性化合物を保持する手助けをし、目に見える蒸気を増大させる。好適な湿潤剤は、多価アルコール(たとえば、プロピレングリコール(PG)、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、および野菜グリセリン(VG))およびそのエステル(たとえば、グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテート)を含む。湿潤剤は、エアロゾル形成基質において、1~50重量%の量で存在してよい。
【0048】
エアロゾル形成基質の湿潤剤含有量は、少なくとも2重量%など、少なくとも5重量%など、少なくとも10重量%など、少なくとも20重量%など、少なくとも30重量%など、または少なくとも40重量%など、植物材料の少なくとも1重量%の下限を有することができる。
【0049】
エアロゾル形成基質の湿潤剤含有量は、多くとも40重量%など、多くとも30重量%など、または多くとも20重量%など、植物材料の多くとも50重量%の上限を有することができる。
【0050】
好ましくは、湿潤剤含有量は、1~20重量%など、エアロゾル形成基質の1~40重量%である。
【0051】
好適な結合剤は、当技術分野で知られており、エアロゾル形成基質を形成する構成要素をともに結合するように作用することができる。結合剤は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびメチルセルロースなどのデンプンおよび/またはセルロース結合剤、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、および/またはローカストビーンガムなどのガム、アルギン酸/アルギン酸ナトリウム、寒天、およびペクチンなどの有機酸およびそれらの塩を含むことができる。
【0052】
好ましくは、結合剤含有量は、エアロゾル形成基質の5~10重量%、たとえば約6~8重量%である。
【0053】
好適な充填剤は、当技術分野で知られており、エアロゾル形成基質を増強するように作用することができる。充填剤は、セルロース繊維、リグノセルロース繊維(たとえば、木質繊維)、ジュート繊維、およびこれらの組合せなどの繊維性(非タバコ)充填剤を含むことができる。
【0054】
好ましくは、充填剤含有量は、エアロゾル形成基質の5~10重量%、たとえば約6~9重量%である。
【0055】
エアロゾル形成基質は、水性および/または非水性溶媒を含むことができる。いくつかの実施形態において、エアロゾル形成基質は、5~10重量%、たとえば7~9重量%など6~9重量%の水分を有する。
【0056】
風味剤は、固体または液体の形で提供されてよい。風味剤は、メントール、リコリス、チョコレート、果実風味(たとえば、柑橘類、サクランボなどを含む)、バニラ、香辛料(たとえば、ショウガ、シナモン)、およびタバコ風味を含むことができる。風味剤は、エアロゾル形成基質全体にわたって均一に分散されても、エアロゾル形成基質全体にわたって離れた場所および/またはさまざまな濃度で提供されてもよい。
【0057】
エアロゾル形成基質は、ラップ層、たとえば紙ラップ層によって外接されてよい。ラップ層は、内側の箔層に重なっても、紙/箔の積層体(箔が最も内側)を含んでもよい。
【0058】
エアロゾル形成基質は、物品/消耗品が従来のシガレットに似るように、実質上円柱状の形状で形成されてよい。エアロゾル形成基質は、5~10mm、たとえば6~9mmまたは6~8mm、たとえば約7mmの直径を有することができる。エアロゾル形成基質は、10~15mm、たとえば約12または13mmなど11~14mmの軸方向の長さを有することができる。
【0059】
上流および/または末端フィルタ要素は、実質上円柱状の形状を有することができ、その直径は、エアロゾル形成基質(その関連付けられたラップ層の有無にかかわらない)の直径に実質上一致する。フィルタ要素または各フィルタ要素の軸方向の長さは、20mm未満、たとえば8~15mm、たとえば9~13mm、たとえば10~12mmとしてよい。
【0060】
上流フィルタ要素は、少なくとも部分的(たとえば全体的)に、(紙)ラップ層によって外接されてよい。エアロゾル冷却要素は、少なくとも部分的(たとえば完全)に、(紙)ラップ層によって外接されてよい。スペーサ要素は、少なくとも部分的(たとえば全体的)に、(紙)ラップ層によって外接されてよい。
【0061】
外接するチップ層、たとえばチップペーパー層によって、末端フィルタ要素(物品/消耗品の下流端)を上流要素につなぎ合わせて、(たとえば冷却要素またはスペーサに)物品/消耗品を形成することができる。チップペーパーは、末端フィルタ要素の軸方向の長さより長い軸方向の長さを有することができ、したがってチップペーパーは、末端フィルタ要素と、あらゆる隣接上流要素を取り囲むラップ層とに完全に外接する。(たとえば冷却要素またはスペーサ)
【0062】
第2の態様において、第1の態様によるエアロゾル形成物品と、加熱要素を含むデバイスとを含む喫煙代用システムが提供される。
【0063】
デバイスは、HNBデバイス、すなわちエアロゾル形成基質を燃焼させずに加熱するように適合されたデバイスとしてよい。
【0064】
デバイスは、加熱要素を収容するための本体を含むことができる。加熱要素は、細長い、たとえばロッド、管状、またはブレードの加熱要素を含むことができる。加熱要素は、上述した物品/消耗品を受け取るための本体内の空洞内へ突出しても、空洞を取り囲んでもよい。
【0065】
デバイス(たとえば、本体)は、加熱要素に電力を供給するための電源、たとえば(再充電可能な)電池をさらに含むことができる。デバイスは、加熱要素への電力の供給を制御するための制御ユニットをさらに含むことができる。
【0066】
第3の態様において、第2の態様による喫煙代用システムを使用する方法が提供され、この方法は、
物品/消耗品をデバイスに挿入することと、
加熱要素を使用して物品/消耗品を加熱すること
とを含む。
【0067】
いくつかの実施形態において、この方法は、物品/消耗品を本体内の空洞に挿入することと、物品/消耗品を挿入するとき、加熱要素を物品/消耗品に貫入させることとを含む。たとえば、加熱要素は、物品/消耗品内のエアロゾル形成基質に貫入することができる。
【0068】
相互に排他的な場合を除いて、上記の態様のいずれか1つに関連して説明する特徴またはパラメータは、いずれの他の態様にも適用されてよいことが、当業者には認識されよう。さらに、相互に排他的な場合を除いて、本明細書に記載する任意の特徴またはパラメータは、いずれの態様に適用されてもよく、かつ/または本明細書に記載する任意の他の特徴もしくはパラメータと組み合わせてもよい。
【0069】
本発明を理解することができるように、およびそのさらなる態様および特徴を認識することができるように、添付の図面を参照して、本発明の原理を例示する実施形態について、これよりさらに詳細に論じることにする。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】HNB消耗品の第1の実施形態を示す図である。
図2】HNB消耗品の第2の実施形態を示す図である。
図3】HNBシステムを形成するデバイス内の第1の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1に示すように、HNB消耗品1は、消耗品1の上流端にエアロゾル形成基質2を含む。
【0072】
エアロゾル形成基質は、再構成タバコを含み、再構成タバコは、揮発性化合物としてニコチンを含む。
【0073】
エアロゾル形成基質2は、スラリー/紙リーコンタバコのシートから生み出された収集細片の形で提供される65重量%のタバコを含む。タバコは、プロピレングリコール(PG)または野菜グリセリン(VG)などの20重量%の湿潤剤が付着され、7~9重量%の湿気含有量を有する。エアロゾル形成基質は、セルロースパルプ充填剤およびグアーガム結合剤をさらに含む。
【0074】
エアロゾル形成基質2は、消耗品が従来のシガレットに似るように、実質上円柱状の形状で形成される。エアロゾル形成基質2は、約7mmの直径および約12mmの軸方向の長さを有する。
【0075】
エアロゾル形成基質2は、紙ラップ層3によって外接される。
【0076】
消耗品1は、上流フィルタ要素4および下流(末端)フィルタ要素5を含む。2つのフィルタ要素4、5は、紙筒スペーサ6によって隔置される。どちらのフィルタ要素4、5も、酢酸セルロースのトウから形成されており、それぞれの紙プラグ層(図示せず)が巻き付けられている。酢酸セルロースのトウの密度は、末端フィルタ要素5においてより大きい。
【0077】
どちらのフィルタ要素も、実質上円柱状の形状を有する。上流フィルタ4の直径は、エアロゾル形成基質2の直径に一致する。末端フィルタ要素5の直径は、わずかに大きく、エアロゾル形成基質2およびラップ層3の組み合わせた直径に一致する。上流フィルタ要素は、軸方向の長さにおいて末端フィルタ要素よりわずかに短く、末端フィルタ要素に対する12mmと比較して10mmの軸方向の長さである。
【0078】
紙筒スペーサは、2つのフィルタ部分の各々より長く、約14mmの軸方向の長さを有する。
【0079】
各フィルタ要素4、5は、長手方向に延びる中空の孔を有する中空フィルタ要素である。上流フィルタにおける孔の直径は、末端フィルタにおける孔の直径よりわずかに大きく、末端フィルタ要素に対する2mmと比較して3mmの直径を有する。
【0080】
紙筒スペーサ6および上流フィルタ部分4は、ラップ層3によって外接される。
【0081】
外接する紙チップ層7によって、末端フィルタ要素5は上流要素につなぎ合わされて、消耗品を形成する。チップ層7は、末端フィルタ部分を取り囲み、約20mmの軸方向の長さを有し、したがって紙筒スペーサ6の一部分に重なる。
【0082】
図2は、消耗品1’の第2の実施形態を示し、消耗品1”は、ラップ層3が紙筒スペーサ6に完全に外接しておらず、したがってラップ層3の端部の下流において、チップ層7と紙筒スペーサ6との間に、環状の間隙9が存在することを除いて、第1の実施形態と同じである。
【0083】
図3は、ロッド状の加熱要素(図示せず)を含むHNBデバイス10に挿入された第1の実施形態を示す。加熱要素は、デバイスの本体12内の空洞11へ突出する。
【0084】
消耗品1は、デバイス10の本体12の空洞11に挿入され、したがって加熱ロッドが、エアロゾル形成基質2に貫入する。エアロゾル形成基質2における再構成タバコの加熱は、加熱要素に電力を供給すること(たとえば、再充電可能な電池(図示せず)による)によって行われる。タバコが加熱されると、タバコおよび湿潤剤内の湿気および揮発性化合物(たとえば、ニコチン)が、蒸気として放出され、末端フィルタ部分5でユーザによる吸入によって生成される空気流内に同伴される。
【0085】
上流フィルタ要素4および紙筒スペーサ6内で蒸気が冷めると、蒸気は凝結し、ユーザによる吸入のための揮発性化合物を含有するエアロゾルを形成する。
【0086】
上記の説明、または以下の特許請求の範囲、または添付の図面に開示する特徴は、その特有の形態において、または開示された機能を実行する手段、もしくは開示された結果を得るための方法もしくはプロセスに関して、適宜表現されており、別個に、またはそのような特徴の任意の組合せで、その多種多様な形態で本発明を実現するために利用されてよい。
【0087】
本発明について、上述した例示的な実施形態とともに説明したが、多くの等価の修正形態および変形形態は、この開示が与えられたとき、当業者には明らかである。したがって、上述した本発明の例示的な実施形態は、限定的ではなく例示的であるとみなされる。本発明の範囲から逸脱することなく、記載する実施形態に対して、さまざまな変化が加えられてもよい。
【0088】
あらゆる疑問を回避するために、本明細書に提供されるあらゆる理論的説明は、読み手の理解を改善する目的で提供されたものである。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望まない。
【0089】
本明細書で使用されるあらゆる項目名は、構成のみを目的としたものであり、記載する主題を限定すると解釈されるべきではない。
【0090】
続く特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、別段コンテキストが要求しない限り、単語「有する(have)」、「含む(comprise)」、および「含む(include)」、ならびに「having」、「comprises」、「comprising」、および「including」などの変化形は、記述された完全体またはステップ、あるいは完全体またはステップの群を含めることを含意するように理解されることになるものの、いかなる他の完全体またはステップ、あるいは完全体またはステップの群も排除するものではない。
【0091】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、別段コンテキストが明白に指示しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の参照を含むことに留意されたい。本明細書では、範囲は、「概ね(about)」1つの特定の値から、および/または「概ね(about)」別の特定の値までとして表されてよい。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、接頭辞「約(about)」の使用によって、値が近似として表現されるとき、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されよう。数値に関連する用語「約(about)」は、任意選択であり、たとえば±10%を意味する。
【0092】
単語「好ましい(preferred)」および「好ましくは(preferably)」は、本明細書において、いくつかの状況下で特定の利益を提供することができる本発明の実施形態を指すために使用される。しかし、他の実施形態もまた、同じまたは異なる状況下で好ましいことがあることを理解されたい。したがって、1つまたは複数の好ましい実施形態への言及は、他の実施形態が有用でないことを意味または含意するものではなく、本開示の範囲または特許請求の範囲から他の実施形態を除外することを意図したものでもない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】